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特表2022-506219ジストロフィンエクソンスキッピングのための二重特異性アンチセンスオリゴヌクレオチド
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  • 特表-ジストロフィンエクソンスキッピングのための二重特異性アンチセンスオリゴヌクレオチド 図1
  • 特表-ジストロフィンエクソンスキッピングのための二重特異性アンチセンスオリゴヌクレオチド 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ジストロフィンエクソンスキッピングのための二重特異性アンチセンスオリゴヌクレオチド
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/113 20100101AFI20220107BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20220107BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220107BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
C12N15/113 Z ZNA
A61P21/04
A61P43/00 111
A61K31/7088
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523431
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2019079714
(87)【国際公開番号】W WO2020089325
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】18204170.7
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】510114594
【氏名又は名称】バイオマリン テクノロジーズ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファン ドイテコム, ジュディス クリスティーナ セオドラ
(72)【発明者】
【氏名】ダトソン, ニコール アン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA28
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA43
4C086MA52
4C086MA55
4C086MA56
4C086MA58
4C086MA59
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA94
4C086ZC02
(57)【要約】
本発明は、神経筋障害、具体的には、DMDを、治療する、緩和する、予防する、及び/または、遅延させる上で好適な臨床的応用を高める改善された特性を有するスプライススイッチング化合物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結部分で互いに連結している第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を含む化合物であって、
前記第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)が、配列番号3の少なくとも一部に対して、相補的であり、または結合し、または標的化し、またはハイブリダイズし、または重複し、
前記第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、配列番号4の少なくとも一部に対して、相補的であり、または結合し、または標的化し、またはハイブリダイズし、または重複し、
配列番号3及び4は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51の内部に位置している、前記化合物。
【請求項2】
前記連結部分が、前記第1のAONの3’末端モノマーを、前記第2のAONの5’末端モノマーと連結する、または、前記第1のAONの5’末端モノマーを、前記第2のAONの3’末端モノマーと連結する、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記連結部分が、ポリエチレングリコール(PEG)リンカー、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)リンカーである、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
前記連結部分が、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)リンカーである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
前記第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号5の少なくとも8個のヌクレオチドの連続ストレッチに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列で表され、
前記第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号6の少なくとも5個のヌクレオチドの連続ストレッチに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列で表される、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
前記第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、
i)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、または、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、または、配列番号14、15、16、もしくは、17、または、配列番号14もしくは15、または、配列番号14、または、
ii)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、または、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、または、配列番号14、15、16、もしくは、17、または、配列番号14、もしくは、15、または、配列番号14のフラグメント、または、
iii)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、または、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、または、配列番号14、15、16、もしくは、17、または、配列番号14、もしくは、15、または配列番号14に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、または、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、または、配列番号14、15、16、もしくは、17、または、配列番号14、もしくは、15、または、配列番号14から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または
v)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、または、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、または、配列番号14、15、16、もしくは17、または、配列番号14、もしくは、15、または、配列番号14に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは、99%、または、少なくとも95%、または、少なくとも97%の同一性を有するヌクレオチド配列、
のいずれか1つを含む、または、そのいずれか1つからなるヌクレオチド配列で表され、及び/または、
前記第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、
i)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、または、配列番号198、199、200、もしくは、201、または、配列番号198、もしくは、199、または、配列番号198、または
ii)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、または、配列番号198、199、200、もしくは、201、または、配列番号198、もしくは、199、または、配列番号198のフラグメント、または
iii)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、または、配列番号198、199、200、もしくは、201、または、配列番号198、もしくは、199、または、配列番号198に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、または、配列番号198、199、200、もしくは、201、または、配列番号198、もしくは、199、または、配列番号198から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または、
v)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、または、配列番号198、199、200、もしくは、201、または、配列番号198、もしくは、199、または、配列番号198に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは、99%、または、少なくとも95%、または、少なくとも97%の同一性を有するヌクレオチド配列、
のいずれか1つを含む、または、そのいずれか1つからなるヌクレオチド配列で表される、請求項1~5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
前記第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれの長さが、8~37個のヌクレオチドである、請求項1~6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項8】
前記第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれの長さが、16~22個のヌクレオチドである、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
前記第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれの長さが、18~22個のヌクレオチドである、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
前記第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、
i)少なくとも1つの2’-置換モノマー、及び、任意のホスホロチオエート主鎖結合、及び/または
ii)5-メチルシトシン、及び/または5-メチルウラシル塩基、及び/または
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー、
を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項11】
前記第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-置換モノマーだけを含む、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
すべてのシトシン塩基が、5-メチルシトシン塩基である、及び/または、すべてのウラシル塩基が、前記第1及び/または第2のAONの5-メチルウラシル塩基である、請求項10または11に記載の化合物。
【請求項13】
前記第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾、架橋核酸スキャフォールド修飾、または、ロック核酸(LNA)スキャフォールド修飾を含む、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマーを含む、または、それらからなる、請求項10~12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項14】
前記第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、架橋核酸スキャフォールド修飾を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマーを含む、または、それからなる、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
前記第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、ロック核酸(LNA)スキャフォールド修飾を含む1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマーを含む、または、それからなる、請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
前記第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、
(i)5’-末端のモノマーでの単一BNAスキャフォールド修飾、
(ii)3’-末端のモノマーでの単一BNAスキャフォールド修飾、
(iii)2つのBNAスキャフォールド修飾であって、一方が、5’-末端のモノマーにあり、かつ、他方が、3’-末端のモノマーにある、前記修飾、
(iv)2つのBNAスキャフォールド修飾であって、2つのモノマーのそれぞれの一方が、5’-末端に最も近接している、前記修飾、
(v)2つのBNAスキャフォールド修飾であって、2つのモノマーのそれぞれの一方が、3’-末端に最も近接している、前記修飾、及び
(vi)4つのBNAスキャフォールド修飾であって、2つのモノマーのそれぞれの一方が、5’-末端に最も近接しており、かつ、2つのモノマーのそれぞれの一方が、3’-末端に最も近接している、前記修飾
からなる群から選択されるBNA修飾を含むか、または、それからなり、
任意に、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるBNAスキャフォールド修飾が存在する、請求項13に記載の化合物。
【請求項17】
前記第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、
i)配列番号15911~15922、もしくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、もしくは、15924、もしくは、15989、もしくは、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、もしくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、もしくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、もしくは、15947、もしくは、16012、もしくは、16013(配列番号18に由来する)、または、
ii)配列番号15911~15922、もしくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、もしくは、15924、もしくは、15989、もしくは、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、もしくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、もしくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、もしくは、15947、もしくは、16012、もしくは、16013(配列番号18に由来する)のいずれか1つのフラグメント、または、
iii)配列番号15911~15922、もしくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、もしくは、15924、もしくは、15989、もしくは、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、もしくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、もしくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、もしくは、15947、もしくは、16012、もしくは、16013(配列番号18に由来する)に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号15911~15922、もしくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、もしくは、15924、もしくは、15989、もしくは、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、もしくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、もしくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、もしくは、15947、もしくは、16012、もしくは、16013(配列番号18に由来する)から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または、
v)配列番号15911~15922、もしくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、もしくは、15924、もしくは、15989、もしくは、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、もしくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、もしくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、もしくは、15947、もしくは、16012、もしくは、16013(配列番号18に由来する)に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは、99%の同一性を有するヌクレオチド配列、
のいずれか1つを含む、または、そのいずれか1つからなるヌクレオチド配列で表され、及び/または、
前記第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、
i)配列番号15948~15962、もしくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、もしくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、もしくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、もしくは、16042(配列番号201に由来する)、または、
ii)配列番号15948~15962、もしくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、もしくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、もしくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、もしくは、16042(配列番号201に由来する)のいずれか1つのフラグメント、または、
iii)配列番号15948~15962、もしくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、もしくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、もしくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、もしくは、16042(配列番号201に由来する)に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号15948~15962、もしくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、もしくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、もしくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、もしくは、16042(配列番号201に由来する)から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または、
v)配列番号15948~15962、もしくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、もしくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、もしくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、もしくは、16042(配列番号201に由来する)に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは、99%の同一性を有するヌクレオチド配列、
のいずれか1つを含む、または、そのいずれか1つからなるヌクレオチド配列で表される、請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物を含む組成物。
【請求項19】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を、治療、予防、及び/または遅延させるため、または、ジストロフィンプレ-mRNAのエクソン51のスキッピングを誘導するための医薬として使用するための請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
ジストロフィンプレmRNAのエクソン51のスキッピングを誘導するための医薬として使用するための請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または、請求項18に記載の組成物。
【請求項21】
デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)を、予防、治療、及び/または遅延させる方法であって、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または、請求項18に記載の組成物を、対象に対して投与することを含む、前記方法。
【請求項22】
ジストロフィンプレmRAのエクソン51をスキッピングする方法であって、請求項1~17のいずれか1項に記載の化合物、または、請求項18に記載の組成物を、対象に対して投与することを含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝性障害、より詳細には、神経筋障害の治療のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド、より詳細には、スプライススイッチングオリゴヌクレオチドの分野に関する。本発明は、特に、本明細書でさらに定義するような臨床応用性を高める、改善された特徴を有するオリゴヌクレオチドをベースとした化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、がん、炎症状態、心血管疾患、ならびに、神経変性、及び、神経筋障害などの数多くの疾患、及び、状態に関して(前)臨床開発中のものである。その作用機序は、核、または、細胞質での標的RNAのRNaseH媒介性分解、核でのスプライス調節(エクソンインクルージョン、または、スキッピング)、または、細胞質でのリボソームサブユニット結合の立体障害に起因する翻訳阻害などの様々な標的を目的としている。スプライス調節、または、スプライススイッチングオリゴヌクレオチド(SSO)は、ヒトβ-グロビンプレmRNAでの異常なスプライシングの修正に関して初めて報告がされており(Dominski and Kole,1993)、現在のところ、限定をするものではないが、嚢胞性線維症(CFTR遺伝子、Friedman et al.,1999)、乳癌(BRCA1遺伝子、Uchikawa et al.,2007)、前立腺癌(FOLH1遺伝子、Williams et al.,2006)、炎症性疾患(IL-5Rアルファ、及び、MyD88遺伝子、Karras et al.,2001、Vickers et al.,2006)、眼白子症1型(OA1遺伝子、Vetrini et al.,2006)、運動失調毛細血管拡張症(ATM遺伝子、Du et al.,2007)、母斑性基底細胞癌症候群(PTCH1遺伝子、Uchikawa et al.,2007)、メチルマロン酸血症(MUT遺伝子、Rincon et al.,2007)、早期分娩(COX-2遺伝子、Tyson-Capper et al.,2006)、アテローム性動脈硬化症(APOB遺伝子、Khoo et al.,2007)、プロピオン酸血症(PCCA、PCCB遺伝子、Rincon et al.,2007)、白血病(c-myc、及び、WT1遺伝子、Renshaw et al.,2004,Giles et al.,1999)、ジストロフィー型表皮水疱症(COL7A1遺伝子、Goto et al.,2006)、家族性高コレステロール血症(APOB遺伝子、Disterer et al.,2013)、レーザー誘導性脈絡膜新生血管、及び、角膜移植後拒絶反応(KDR遺伝子、Uehara et al.,2013)、肥大型心筋症(MYBPC3遺伝子、Gedicke-Hornung et al.,2013)、アッシャー症候群(USH1C遺伝子、Lentz et al.,2013)、福山型先天性筋ジストロフィー(FKTN遺伝子、Taniguchi-Ikeda et al.,2011)、レーザー誘導性脈絡膜新生血管(FLT1遺伝子、Owen et al.,2012)、がん(STAT3、及び、bcl-X遺伝子、Zammarchi et al.,2011,Mercatante et al.,2002)、及び、ハッチンソン・ギルフォードプロジェリア(LMNA遺伝子、Osorio et al.,2011)、三好型筋疾患(DYSF遺伝子、Wein et al.,2010)、脊髄小脳失調症1型(ATXN1遺伝子、Gao et al.,2008)、アルツハイマー病/FTDP-17タウオパチー(MAPT遺伝子、Peacey et al.,2012)、筋緊張性ジストロフィー(CLC1遺伝子、Wheeler et al.,2007)、及び、ハンチントン舞踏病(Evers et al.,2014)などの様々な遺伝性障害に関する研究が進められている。しかしながら、スプライススイッチングAONは、神経筋障害デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の治療において利用が最も進んでいる。
【0003】
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)、及び、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、最も一般的な小児型の筋ジストロフィーである。DMDは、重度の致死性神経筋障害であり、12歳前に車椅子による補助が必要となり、大抵の場合、13歳前に患者は呼吸器不全、または、心不全のために死亡する。これは、機能的ジストロフィンの欠如をもたらす2.24MbのDMD遺伝子での1つ以上のエクソンのリーディングフレームシフト欠失(約67%)、もしくは、重複(約7%)、または、点突然変異(約25%)が原因である。BMDも、DMD遺伝子での突然変異が原因であるが、オープンリーディングフレームが維持され、半機能的ジストロフィンタンパク質を生成しており、一般的には、かなり穏やかな表現型と、長い寿命をもたらす。過去10年間、DMDの有望な治療法として、転写物での破壊されたリーディングフレームを回復させるためのスプライシングの特異的修飾が考案されてきた(van Ommen et al.,2008;Yokota et al.,2007;van Deutekom et al.,2007;Goemans et al.,2011;Voit et al.,2014;Cirak et al.,2011)。突然変異に隣接する、または、それを含有するエクソンと結合して、そのスプライシングシグナルに干渉する高度配列特異的スプライススイッチングアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)の使用は、DMDプレmRNAのプロセシングの際に、そのエクソンのスキッピングを誘導することができる。末端切断型転写物が生じるものの、オープンリーディングフレームは修復されており、BMD患者で認められるものと類似したタンパク質が産生される。AON誘導性エクソンスキッピングは、DMD患者に、突然変異特異的であり、したがって、個別化した治療的手法を提供する。エクソン45~55周辺の突然変異クラスターの大部分と同様に、ある特定のエクソンのスキッピングが、様々な突然変異を有する多数の患者にとって治療的となり得る。エクソン51のスキッピングは、エクソン45~50、48~50、50、または、52の欠失を有するものなど、患者の最大の小集団(約13%)に対して適用する。適用するAONは、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、及び、RNaseHに抵抗するように、ならびに、RNA結合、及び、二本鎖安定性を促すように化学的に修飾する。DMDのための修正エクソンスキッピングを誘導するために、2’-O-メチルホスホロチオエートRNA(2OMePS;Voit et al.,2014)、ホスホロジアミデートモルホリノ(PMO;Cirak et al.,2011)、トリシクロDNA(tcDNA;Goyenvalle et al.,2015)、及び、ペプチド核酸(PNA;Gao et al.,2015)などの様々なAON化学構造が、目下のところ、調査されている。AONは、一般的には、健康な筋肉線維には十分に取り込まれないが、活性化サテライト細胞、及び、損傷を受け、透過性の高い線維膜を特徴とするDMD、及び、その結果として生じる病理におけるジストロフィン欠乏は、実際のところ、良好な取り込みを促す。ジストロフィン欠乏性mdxマウスモデルでの研究では、2’-O-メチルホスホロチオエートRNAオリゴヌクレオチドは、実際のところ、野生型マウスの場合と比較して、様々な筋肉群において、最大で10倍高い取り込みを実証した(Heemskerk et al.,2010)。DMD患者において、2’-O-メチルホスホロチオエートRNAと、ホスホロジアミデートモルホリノAONの両方を使用した臨床研究の結果では、筋肉生検におけるAONの存在を確認しているが、治療後の新規ジストロフィンのレベルは、依然として制限されており、治療係数と、臨床応用性を高める、改善された特徴を有するオリゴヌクレオチドの分野での開発が続けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スプライススイッチングAONなどを全身投与したAONの臨床有効性は、投与経路、生体安定性、体内分布、組織内分布、標的細胞による取り込み、及び、所望の細胞内位置(核)への経路などの複数の因子に応じて変化する。本発明の一部では、本発明の2つのAONを連結して、DMDなどの遺伝的障害の可能性ある治療のための改善された特徴を示す化合物をもたらすことができる、ことを示している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
化合物
第1の態様では、本発明は、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなる、好ましくは、薬剤としての使用のため、より好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する、予防する、及び/または、遅延させるため、さらにより好ましくは、本明細書で後述するように、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51のスキッピングを誘発するための化合物を提供しており、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)が、配列番号3の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、かつ、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)が、配列番号4の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、配列番号3及び4は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51の内部に位置している。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。好ましくは、ジストロフィンプレmRNAの当該エクソン51は、ヒト由来であり、配列番号2のヌクレオチド配列で表される。
【0006】
本発明との関連で、当該配列番号3は、第1のESE、及び/または、ERS配列を表しており、当該配列番号4は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51内の第2のESE、及び/または、ERS配列を表している。本出願全体を通じて、特に断りが無い限り、当該第1のESE及び/またはERS、及び、当該第2のESE及び/またはERSは、別個のものであり、好ましくは、当該第1のESE及び/またはERS、及び、当該第2のESE及び/またはERSは、別個の配列番号で表される。
【0007】
本発明との関連で、「別個の」ESE及び/またはERS配列は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51内の異なる領域に位置する、すなわち、当該ESE及び/またはERS配列は、当該エクソン内で互いに一部だけが重複している、互いに隣接している(ESE及び/またはERS配列の両方を分離するヌクレオチドが無い)、または、少なくとも1つのヌクレオチド、好ましくは、5つのヌクレオチドが、当該エクソン内のESE及び/またはERS配列の両方を分離している。用語「一部が重複する」とは、本明細書では、1つ以上のヌクレオチドの重複を含むものと定義しており、好ましくは、当該重複は、10個、9つ、8つ、7つ、6つ、5つ、4つ、3つ、2つ、または、1つ超のヌクレオチド、より好ましくは、5つ超のヌクレオチドを含まない。したがって、用語「一部が重複する」とは、本明細書では、当該第1及び第2のESE及び/またはERSの最短配列の長さの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または、99%、好ましくは、当該重複は、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または、1%、より好ましくは、20%未満、さらにより好ましくは10%未満の長さと定義することもできる。あるいは、「別個の」ESE及び/またはERS配列は、100%同一ではないヌクレオチド配列で表される。好ましくは、第1のESE及び/またはERS、及び、第2のESE及び/またはERSは、それらのヌクレオチド配列が完全に重複しない場合に別個である。より好ましくは、第1のESE及び/またはERS、及び、第2のESE及び/またはERSは、それらの対応するヌクレオチド配列が、重複しない、または、一部だけが重複する場合に別個である。用語「一部が重複する」とは、本明細書では、1つ以上のヌクレオチドの重複を含むものと定義しており、好ましくは、当該重複は、10個、9つ、8つ、7つ、6つ、5つ、4つ、3つ、2つ、または、1つ超のヌクレオチド、より好ましくは、5つ超のヌクレオチドを含まない。したがって、用語「一部が重複する」とは、本明細書では、当該第1及び第2のESE及び/またはERSの最短配列の長さの5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または、99%、好ましくは、当該重複は、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、または、1%、より好ましくは、20%未満、さらにより好ましくは、10%未満の長さと定義することもできる。
【0008】
本発明との関連で、好ましい実施形態では、本発明の化合物に存在するオリゴヌクレオチドは、「別個の」(アンチセンス)オリゴヌクレオチドであり、好ましくは、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、または、0個未満のヌクレオチドと重複するヌクレオチド配列で表される。好ましくは、本発明の化合物の第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。あるいは、当該「別個の」(アンチセンス)オリゴヌクレオチドの間で重複する配列の長さは、好ましくは、最短の(アンチセンス)オリゴヌクレオチドの長さの60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%未満、または、0%である。このことに関連して、当該「別個の」(アンチセンス)オリゴヌクレオチドは、好ましくは、重複していないヌクレオチド配列で表される。
【0009】
好ましくは、「別個の」(アンチセンス)オリゴヌクレオチドは、重複していない配列に結合する、標的化する、ハイブリダイズする、または、相補的である、または、重複するオリゴヌクレオチドである。より好ましくは、「別個の」(アンチセンス)オリゴヌクレオチドは、当該ジストロフィンプレmRNAの同じエクソン内の別個のESE及び/またはERSに結合する、標的化する、ハイブリダイズする、または、相補的である、または、重複するオリゴヌクレオチドである。ESE及びERS配列は、構成的及び代替エクソンの特異的かつ効率的なスプライシングを調節するために同定されており、したがって、スプライシング要素/モチーフである。
【0010】
本出願を通して、単語「オリゴヌクレオチド」を使用する場合、特に断りが無い限り、本明細書で定義するように、それは「アンチセンスオリゴヌクレオチド」によって置換し得るものであり、その逆もまた同様である。さらに、単語「オリゴヌクレオチド」または「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、特に断りが無い限り、本出願全体を通して、「第1及び/または第2のオリゴヌクレオチド」または「第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド」に置換し得る。
【0011】
そのようなオリゴヌクレオチドが相補的である場合、それが逆相補的でもあり得ることを理解されたい。本出願において、用語「相補的」は、文脈から当業者に自明であれば、順方向相補的配列、及び、逆方向相補的配列の両方を含む。したがって、「オリゴヌクレオチドが標的配列に相補的である」場合、それは、特に断りが無い限り、オリゴヌクレオチドの配列が、標的配列の逆相補体であるので、当該オリゴヌクレオチドが、当該標的配列に対して逆相補的であることを意味する。「アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的配列に相補的である」場合、それは、特に断りが無い限り、アンチセンスオリゴヌクレオチドの配列が標的配列の逆であるので、当該アンチセンスオリゴヌクレオチドが、当該標的配列に対して相補的であることを意味する。
【0012】
本発明との関連で、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、「連結部分で互いに連結する」とは、当該アンチセンスオリゴヌクレオチドが、(「連結部分」の標題の節で説明したように)連結部分を介して一緒に連結することを意味しておりており、したがって、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドと、連結部分とを含むコンジュゲート(または、化合物)を形成する。本発明との関連で、「化合物」は、このことに関連して同一の意味を有するので、本明細書全体を通して「共役」と互換可能である。したがって、本発明による化合物は、好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの混合物またはセットとは異なり、両方のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、別個の分子として存在しており、すなわち、連結部分で互いに連結されていない。
【0013】
実施形態では、本発明は、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなる、好ましくは、薬剤としての使用のため、より好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する、予防する、及び/または、遅延させるためのコンジュケートまたは化合物を提供しており、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)が、配列番号3の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、かつ、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)が、配列番号4の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、配列番号3及び4は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51の内部に位置している。好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、本明細書で先に定義したように、別個のものである。
【0014】
本発明との関連で、化合物の当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、配列番号3の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複する、すなわち、好ましくは、薬剤としての使用のため、より好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する、予防する、及び/または、遅延させるために、配列番号3に対応する第1のESE及び/またはERS配列(複数可)とは別個であり、かつ、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51内に位置している1つ以上のさらなるESE及び/またはERS配列(複数可)の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複する。
【0015】
本発明との関連で、化合物の当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、配列番号4の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複する、すなわち、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、薬剤としての使用のため、より好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する、予防する、及び/または、遅延させるために、配列番号4に対応する第2のESE及び/またはERSとは別個であり、かつ、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51内に位置している1つ以上のさらなるESE及び/またはERS配列(複数可)の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複する。
【0016】
ジストロフィンエクソン
本出願全体を通じて、特に断りが無い限り、当該第1のESE及び/またはERS及び当該第2のESE及び/またはERSは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51内に位置しており、当該第1のESE及び/またはERSを、配列番号3で表しており、かつ、当該第2のESE及び/またはERSを、配列番号4で表している。したがって、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものである。
【0017】
好ましくは、ジストロフィンプレmRNAの当該エクソン51は、ヒト由来であり、以下のヌクレオチド配列で表される:
5’-CUCCUACUCAGACUGUUACUCUGGUGACACAACCUGUGGUUACUAAGGAAACUGCCAUCUCCAAACUAGAAAUGCCAUCUUCCUUGAUGUUGGAGGUACCUGCUCUGGCAGAUUUCAACCGGGCUUGGACAGAACUUACCGACUGGCUUUCUCUGCUUGAUCAAGUUAUAAAAUCACAGAGGGUGAUGGUGGGUGACCUUGAGGAUAUCAACGAGAUGAUCAUCAAGCAGAAG-3’(配列番号2)。
【0018】
化合物の第1及び第2アンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明の実施形態では、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれは、ジストロフィンエクソン51の別個のエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)配列、及び/または、エクソン認識配列(ERS)配列に対して相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、または、重複するものであり、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号3に対して相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複し、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4に対して相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、または、ハイブリダイズする、または、重複する。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個であり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。本出願を通して、特に断りが無い限り、化合物が、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、または、それからなることも本発明では企図しており、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列が、互いに、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または、99%同一であり、当該第1及び第2のオリゴヌクレオチドは、同じエクソン内の2つ以上の異なるESEの少なくとも一部に対して相補的である、もしくは、結合する、または、標的化する、または、ハイブリダイズする、または、重複する。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、同一のヌクレオチド配列で表されることはない。
【0019】
ESE配列は、スプライセオソームが、真正なスプライス部位を認識することを容易ならしめる(Cartegni et al.,2002;及び、Cartegni et al.,2003)。スプライシング因子のサブグループ、別名、SRタンパク質は、これらのESEに対して結合し、U1やU2AFなどのその他のスプライシング因子を、(大まかに定義した)スプライス部位に動員することができる。最も豊富な4つのSRタンパク質(SF2/ASF、SC35、SRp40、及び、SRp55)の結合部位が詳細に分析されており、これらの結果は、これらのSRタンパク質の潜在的な結合部位を予測している、Webでの供給源であるESE-ファインダーに組み込まれている(Cartegni et al.,2002;及び、Cartegni et al.,2003)。ESE配列を識別するための代替ソフトウェアパッケージは、RESCUE-ESEである(Fairbrother et al.,2002;及び、Fairbrother et al.,2004)。
【0020】
当業者であれば、ESE配列及びERS配列が、異なる要素、すなわち、エクソン内の異なる配列のことを指し得るが、一部の事例では、ESE配列及びERS配列が、同一の配列を指し得る、ことを理解している。
【0021】
本出願全体を通じて、特に断りが無い限り、用語「ESE」、「ERS」、及び、「ESE及び/またはERS」は、本出願全体を通じて、互換可能に使用し得る。
【0022】
好ましくは、当該「ESE及び/またはERS」配列は、ESEファインダー(Cartegni et al.,2002;及び、Cartegni et al.,2003)、及び/または、RESCUE-ESE(Fairbroter et al.,2002;及び、Fairbroter et al.,2004)で予測されている。本明細書で定義したように、ESEとは、その機能性が、好ましくは、当該ESEの少なくとも一部に対して結合する、標的化する、ハイブリダイズする、または、重複する第1または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用して実験的に確認または検証するスプライシングモチーフである。同じ定義が、ERSにも当てはまる。また、当該ESE及び/またはERSの機能性は、第1または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、当該ESE及び/またはERSの少なくとも一部に対して結合する、標的化する、ハイブリダイズする、または、重複する本発明の化合物を使用して検証することができる。
【0023】
好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、それぞれ、長さが、8~37個のヌクレオチド、より好ましくは10~33個のヌクレオチド、さらにより好ましくは、16~22個のヌクレオチド、最も好ましくは、18~22個のヌクレオチドである。しかしながら、当該第1及び第2のオリゴヌクレオチドの長さは、少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、または、37個のヌクレオチドである。本発明との関連で、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドの長さは、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの長さと同じもの、または、異なるものとし得る。したがって、好ましい実施形態では、第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号3の少なくとも一部に対して相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複しており、第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号4の少なくとも一部に対して相補的である、もしくは、結合する、もしくは、ハイブリダイズする、または、重複しており、配列番号3の少なくとも一部の長さは、4、5、6、7、8、9、10、または、11個のヌクレオチド、好ましくは、少なくとも8個のヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも10個のヌクレオチドであり、配列番号4の少なくとも一部の長さは、4、5、または、6個のヌクレオチド、好ましくは、少なくとも5個のヌクレオチドである、本発明の化合物を提供する。より好ましい実施形態では、配列番号3の少なくとも一部は、配列番号3の全配列に対応しており、及び/または、配列番号4の少なくとも一部は、配列番号4の全配列に対応している。好ましくは、本発明の当該化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個であり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。
【0024】
好ましくは、第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号3の少なくとも一部に対して相補的である、結合する、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複することができる配列を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される、及び、第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号4の少なくとも一部に対して相補的である、結合する、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複することができる配列を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される、本発明の化合物を提供する。好ましくは、化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、先に定義したように、別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。当該結合、もしくは、標的化、ハイブリダイズ部分は、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの長さの少なくとも50%、または、少なくとも60%、もしくは、少なくとも70%、もしくは、少なくとも80%、もしくは、少なくとも90%、もしくは、少なくとも95%、もしくは、98%、及び、最大で100%である。本発明の化合物の第1及び第2のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチド配列によって表すことができ、当該ヌクレオチド配列は、本明細書で定義した通り、配列番号3または4の少なくとも一部に対して結合する、標的化する、ハイブリダイズする、もしくは、相補的である、もしくは、重複する配列と、さらなる隣接配列を含む。幾つかのタイプの隣接配列を使用し得る。好ましくは、隣接配列は、当該オリゴヌクレオチドに対するタンパク質の結合を修飾するために、または、当該オリゴヌクレオチドの熱力学的特性を修飾するために、より好ましくは、標的RNA結合親和性を修飾するために使用する。別の好ましい実施形態では、さらなる隣接配列は、当該エクソンに存在しないジストロフィンプレmRNAの配列に対して相補的である。そのような隣接配列は、好ましくは、当該エクソンの分岐点、及び/または、スプライス部位アクセプター、または、ドナーコンセンサス配列を含む、または、それらからなる配列に対して結合、または、標的化することができる。好ましい実施形態では、そのような隣接配列は、当該エクソンに隣接するジストロフィンプレmRNAのイントロンの配列を含む、または、それらからなる配列に対して結合する、または、同配列を標的化することができる。
【0025】
(逆)相補性の用語は、本明細書では、生理学的条件下で別の核酸のストレッチにハイブリダイズすることができる核酸のストレッチを指すために使用している。一般的に、アンチセンス鎖は、一致するセンス鎖に対して相補的であると言われている。このことに関連して、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、その標的に対して相補的である。ハイブリダイゼーション条件は、本明細書で後記して定義する。したがって、相補性の領域のすべての塩基が、反対側の鎖の塩基と対になることができる、ことは絶対に必要でない。例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドの設計に際して、例えば、相補鎖の塩基と塩基対を形成しない残基を組み込む場合がある。細胞内の状況下で、ヌクレオチドのストレッチが、相補的部分にハイブリダイズすることができる場合、不一致はある程度許容し得る。
【0026】
好ましい実施形態では、化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの相補的部分(開いた構造、すなわち、ジストロフィンプレmRNAエクソンの領域にハイブリダイズしていないジストロフィンプレmRNAエクソンの領域、または、閉じた構造、すなわち、ジストロフィンプレmRNAエクソンの領域にハイブリダイズするジストロフィンプレmRNAエクソンの領域のいずれか)は、少なくとも3つ、より好ましくは、少なくとも4つの連続したヌクレオチドを含む。相補的領域は、組み合わせた時に、それらが、プレmRNAのエクソンに特異的であるように設計することが好ましい。このような特異性は、システム内のその他の(プレ)mRNAの実際の配列に依存するので、様々な長さの相補領域で作成し得る。1つ以上のその他のプレmRNAが、オリゴヌクレオチドにハイブリダイズできるようになるリスクは、当該オリゴヌクレオチドが大きくなるにつれて減少する。相補性の領域にミスマッチを含むが、プレmRNAの標的領域(複数可)にハイブリダイズする能力を保持するアンチセンスオリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)を本発明で使用することができる、ことは明らかである。しかしながら、好ましくは、少なくとも相補的部分は、これらが、一般的には、1つ以上の相補的領域に、そのようなミスマッチを有するオリゴヌクレオチドよりも良好な効率と高い特異性を示すので、そのようなミスマッチを含まない。高いハイブリダイゼーション強度(すなわち、反対側の鎖との相互作用の数の増加)は、システムのスプライシング機構に干渉するプロセスの効率を高める上で有利であると考えられている。
【0027】
好ましくは、本明細書で先に開示した通り、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなる本発明の化合物は、本明細書で定義するジストロフィンプレmRNAのエクソン51のスキッピングを誘導する。単一エクソンスキッピングの誘導に適した化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの実施形態では、所与のジストロフィンエクソンが標的とする領域との相補性は、90~100%である。一般的に、これにより、20個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドで1つ、または、2つのミスマッチ(複数可)、または、40個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドで、1~4個のミスマッチが可能になる。したがって、10~50個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドに、1つ、2つ、3つ、4つ、5つのミスマッチが出現し得る。好ましくは、0個、1つ、または、2つのミスマッチが、10~50個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドに存在する。10~33個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドでは、0個、1つ、2つ、または、3つのミスマッチが存在しり、好ましくは、0個、1つ、または、2つのミスマッチが存在し得る。16~22個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドでは、0個、1つ、2つのミスマッチが存在し、好ましくは、0個、または、1つのミスマッチが存在し得る。
【0028】
構造(すなわち、開いた構造と、閉じた構造)は、エクソンが存在するプレmRNAの関連で最も分析が進んでいる。このような構造は、実際のRNAで分析し得る。しかしながら、現在のところ、構造モデリングプログラムを使用して、RNA分子の二次構造を(最低のエネルギーコストで)非常に首尾良く予測することができる。適切なプログラムの例として、限定をするものではないが、RNA構造バージョン4.5、または、RNA mfoldバージョン3.5(Zuker et al.,2003)がある。当業者であれば、ヌクレオチド配列が与えられれば、適切な再現性で、エクソンを有する構造を予測することができる。このようなモデリングプログラムに、上記したエクソン配列と隣接するイントロン配列の両方を提供すると、最良の予測が得られる。一般的には、プレmRNA全体の構造をモデル化する必要はない。
【0029】
オリゴヌクレオチド(すなわち、化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチド)が関係する開放構造及び閉鎖構造は、好ましくは、互いに隣接している。このようにして、開放構造に対してオリゴヌクレオチドをアニーリングすると、閉鎖構造の開放を誘発し、その後、この閉鎖構造で、アニーリングが進行するものと考えられる。この作用によって、以前に閉じられていた構造は、異なるコンホメーションを担うことになる。しかしながら、潜在的(潜伏性)スプライスアクセプター、及び/または、ドナー配列が、標的エクソン内に存在する場合、異なる(ネオ)エクソン、すなわち、異なる5’末端、異なる3’末端、または、その両方を有するエクソンを定義する、新規のエクソンインクルージョンシグナルを生成する。標的エクソン(エクソン51)を、mRNAから除外するので、このタイプの活性は、本発明の範囲内である。標的エクソンの一部を含む新規のエクソンがmRNAに存在しても、標的エクソン自体が除外される、という事実は変わらない。ネオエクソンの包含は、たまにしか発生しない副作用として認めることができる。エクソンスキッピングを使用して、突然変異の結果として表れた攪乱したジストロフィンのオープンリーディングフレーム(の一部)を復元する場合、2つの可能性がある。一方では、ネオエクソンが、リーディングフレームの回復において機能的であるのに対して、他方の事例では、リーディングフレームは回復しないということである。エクソンスキッピングによって、ジストロフィンリーディングフレームを回復するためのオリゴヌクレオチドを含む化合物を選択する場合は、もちろん、ネオエクソンの有無に関係なく、これらの条件下で、ジストロフィンオープンリーディングフレームを回復するエクソンスキッピングを実際にもたらす、そのようなオリゴヌクレオチドを含む化合物だけを選択することは自明である。
【0030】
実施形態では、第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号5の少なくとも4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10個、または、11個のヌクレオチド、好ましくは、少なくとも8個のヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも10個のヌクレオチド、最も好ましくは、すべてのヌクレオチドの連続ストレッチと、少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列で表されており、及び、第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号6の少なくとも4つ、5つ、または、6つのヌクレオチド、好ましくは、少なくとも5つのヌクレオチド、より好ましくは、すべてのヌクレオチドの連続ストレッチと、少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列で表されている、本発明の化合物を提供する。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、本明細書で先に定義したように、別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。当該配列番号5及び6は、それぞれ、配列番号3及び4の逆相補配列を表している。当該連続ストレッチは、領域全体での同一性パーセンテージが、少なくとも95%、好ましくは、少なくとも96%、97%、98%、99%、または、100%、より好ましくは、少なくとも97%である限りは、1つ、2つ、3つ、4つ、または、それ以上のギャップで中断し得る。
【0031】
好ましい実施形態では、本発明は、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなる化合物を提供しており、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号14~197のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表されるものであり、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号198~398のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのそれぞれは、本明細書で後述する化学物質のいずれか、または、それらの組み合わせを有し得る。
【0032】
したがって、本発明の化合物の当該第1のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号14~197、すなわち、配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197のいずれか1つを含む、または、それからなるヌクレオチド配列、または、配列番号14~197、すなわち、配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197のいずれか1つのフラグメントを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される。より好ましくは、本発明の化合物の当該第1のオリゴヌクレオチドは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、さらにより好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは配列番号14または15、最も好ましくは配列番号14を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される、または、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、さらにより好ましくは配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは配列番号14または15、最も好ましくは配列番号14のフラグメントを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される。本発明の化合物の当該第2のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、配列番号198~398、すなわち、配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398のいずれか1つを含む、または、それからなるヌクレオチド配列、または、配列番号198~398、すなわち、配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398のいずれか1つのフラグメントを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される。より好ましくは、本発明の化合物の当該第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号198、199、200、もしくは、201、さらにより好ましくは、配列番号198または199、最も好ましくは配列番号198を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列、または、配列番号198、199、200、もしくは、201、さらにより好ましくは、配列番号198または199、最も好ましくは配列番号198のフラグメントを含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのそれぞれは、本明細書で後述する化学物質のいずれか、または、それらの組み合わせを有し得る。
【0033】
本出願を通して、特に断りが無い限り、「配列番号のフラグメント」は、好ましくは、当該配列番号での少なくとも8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または、20個の連続するヌクレオチド、より好ましくは、少なくとも10個の連続するヌクレオチドを含む、または、それからなるヌクレオチド配列を意味する。したがって、「配列番号のフラグメント」は、好ましくは、当該配列番号を含む、または、それからなるヌクレオチド配列を意味しておりており、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または、1個未満、好ましくは10個未満、さらにより好ましくは5個未満の連続するヌクレオチドが欠失している。あるいは、「配列番号のフラグメント」は、好ましくは、当該配列番号からの連続ヌクレオチドの量を含む、または、それからなるヌクレオチド配列のことのことを意味しておりており、連続ヌクレオチドの量は、当該配列番号の長さの少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または、99%である。したがって、「配列番号のフラグメント」は、好ましくは、当該配列番号を含む、または、それからなるヌクレオチド配列のことを意味しており、連続するヌクレオチドの量は欠失しており、当該量は、当該配列番号の長さの少なくとも50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、または、1%未満、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満である。
【0034】
好ましくは、当該配列番号のフラグメントは、ジストロフィンプレmRNAエクソン51スキッピング活性を有する。
【0035】
別の好ましい実施形態では、本発明は、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなる化合物を提供しており、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号14~197、好ましくは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは、配列番号14または15、最も好ましくは配列番号14のいずれか1つに対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または、99%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される、及び/または、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号198~398、好ましくは、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198または199、さらにより好ましくは配列番号198のいずれか1つに対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または、99%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも97%の同一性を有するヌクレオチド配列を含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。好ましくは、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、ジストロフィンプレmRNAエクソン51スキッピング活性を有する。
【0036】
化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのそれぞれは、本明細書で後述する化学物質のいずれか、または、それらの組み合わせを有し得る。
【0037】
実施形態では、したがって、本発明は、好ましくは、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなる、エクソン51をスキップするための化合物を提供しており、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドは:
i)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、好ましくは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは、配列番号14もしくは15、最も好ましくは、配列番号14、または、
ii)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、好ましくは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは、配列番号14、もしくは、15、最も好ましくは、配列番号14のフラグメント、または、
iii)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56 、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、好ましくは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは、配列番号14、もしくは、15、最も好ましくは配列番号14に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、好ましくは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは、配列番号14、もしくは、15、最も好ましくは、配列番号14から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または
v)配列番号14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、もしくは、197、好ましくは、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは17、さらにより好ましくは、配列番号14、もしくは、15、最も好ましくは、配列番号14に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは、99%、または、少なくとも95%、または、少なくとも97%の同一性を有するヌクレオチド配列、のいずれか1つを含む、または、同配列からなるヌクレオチド配列で表される、
及び/または、前記第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが:
i)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、好ましくは、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198、もしくは、199、さらにより好ましくは、配列番号198、または
ii)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、好ましくは、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198、もしくは、199、最も好ましくは、配列番号198のフラグメント、または
iii)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、好ましくは、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198、もしくは、199、さらにより好ましくは、配列番号198に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、好ましくは、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198、もしくは、199、さらにより好ましくは、配列番号198から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または、
v)配列番号198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、もしくは、398、好ましくは、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198、もしくは、199、さらにより好ましくは、配列番号198に対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは、99%、または、少なくとも95%、または、少なくとも97%の同一性を有するヌクレオチド配列、のいずれか1つを含む、または、同配列からなるヌクレオチド配列で表される。
【0038】
好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。
【0039】
当該「1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるヌクレオチド」は、所与の配列番号の5’及び/または、3’側に存在し得る。
【0040】
当該「1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つの欠失ヌクレオチド」は、所与の配列番号の5’及び/または、3’側で欠失しているヌクレオチドとし得る。
【0041】
化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのそれぞれは、本明細書で後述する化学物質のいずれか、または、それらの組み合わせを有し得る。また、このことに関連して、本明細書で先に定義したように、20個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドで1つ、または、2つのミスマッチ(複数可)、または、40個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドで、1~4個のミスマッチが可能になる。したがって、10~33個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドに、0個、1つ、2つ、または、3つのミスマッチが存在し、好ましくは、本明細書で先に定義したように、好ましくは、0個、1つ、または、2つのミスマッチが存在する。16~22個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドでは、0個、1つ、2つのミスマッチが存在し、好ましくは、0個、または、1つのミスマッチが存在し得る。
【0042】
実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンのプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものである。本発明との関連で、本発明の化合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの位置は互換可能である。
【0043】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンのプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものであり、及び、配列番号14、15、16、17、もしくは、18、より好ましくは、配列番号14、15、16、もしくは、17、さらにより好ましくは、配列番号14、もしくは、15、最も好ましくは配列番号14を含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド、及び、配列番号198、199、200、もしくは、201、より好ましくは、配列番号198、もしくは、199、さらにより好ましくは、配列番号198を含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含み、または、それらからなり、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、連結部分で互いに(「連結部分」の標題の節で説明したように)連結しており、好ましくは、当該連結部分は、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)である。
【0044】
当該配列番号14は、配列GGUAAGUUCUGUCCAAGCで表される、当該配列番号15は、配列GUAAGUUCUGUCCAAGCCで表される、当該配列番号16は、配列AGUCGGUAAGUUCUGUCCで表される、当該配列番号17は、配列CUGUCCAAGCCCGGUUGAで表される、当該配列番号18は、配列UAAGUUCUGUCCAAGで表される、当該配列番号198は、配列UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUで表される、当該配列番号199は、配列UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGで表される、当該配列番号200は、配列UCAAGGAAGAUGGCAUで表される、及び、当該配列番号201は、配列GAAGAUGGCAUUUCUで表される。
【0045】
本発明との関連で、本発明の化合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの位置は互換可能である。したがって、本発明の好ましい化合物は:
i)配列番号16175(GGUAAGUUCUGUCCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16176(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGGUAAGUUCUGUCCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
ii)配列番号16177(GGUAAGUUCUGUCCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16178(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGGUAAGUUCUGUCCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
iii)配列番号16179(GGUAAGUUCUGUCCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16180(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGGUAAGUUCUGUCCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
iv)配列番号16181(GGUAAGUUCUGUCCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16182(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGGUAAGUUCUGUCCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
v)配列番号16183(GUAAGUUCUGUCCAAGCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16184(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGUAAGUUCUGUCCAAGCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
vi)配列番号16185(GUAAGUUCUGUCCAAGCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16186(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGUAAGUUCUGUCCAAGCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
vii)配列番号16187(GUAAGUUCUGUCCAAGCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16188(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGUAAGUUCUGUCCAAGCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
viii)配列番号16189(GUAAGUUCUGUCCAAGCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16190(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGUAAGUUCUGUCCAAGCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
ix)配列番号16191(AGUCGGUAAGUUCUGUCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16192(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnAGUCGGUAAGUUCUGUCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
x)配列番号16193(AGUCGGUAAGUUCUGUCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16194(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnAGUCGGUAAGUUCUGUCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
xi)配列番号16195(AGUCGGUAAGUUCUGUCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16196(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnAGUCGGUAAGUUCUGUCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
xii)配列番号16197(AGUCGGUAAGUUCUGUCCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16198(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnAGUCGGUAAGUUCUGUCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xiii)配列番号16199(CUGUCCAAGCCCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16200(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnCUGUCCAAGCCCGGUUGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xiv)配列番号16201(CUGUCCAAGCCCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16202(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnCUGUCCAAGCCCGGUUGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
xv)配列番号16203(CUGUCCAAGCCCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16204(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnCUGUCCAAGCCCGGUUGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
xvi)配列番号16205(CUGUCCAAGCCCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16206(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnCUGUCCAAGCCCGGUUGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xvii)配列番号16207(UAAGUUCUGUCCAAGnUCAAGGAAGAUGGCAU)、または、配列番号16208(UCAAGGAAGAUGGCAUnUAAGUUCUGUCCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xviii)配列番号16209(UAAGUUCUGUCCAAGnUCAAGGAAGAUGGCAU)、または、配列番号16210(UCAAGGAAGAUGGCAUnUAAGUUCUGUCCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
xix)配列番号16211(UAAGUUCUGUCCAAGnGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16212(GAAGAUGGCAUUUCUnUAAGUUCUGUCCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または
xx)配列番号16213(UAAGUUCUGUCCAAGnGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16214(GAAGAUGGCAUUUCUnUAAGUUCUGUCCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、配列番号で表すことができる。
【0046】
本発明のより好ましい化合物は、配列番号16175、16176、16179、16180、16183、16184、16187、16188、16191、16192、16195、16196、16199、16200、16203、及び、16204(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16177、16178、16181、16182、16185、16186、16189、16190、16193、16194、16197、16198、16201、16202、16205、及び、16206(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0047】
本発明のさらにより好ましい化合物は、16191、16192、16195、16196、16199、16200、16203、及び、16204(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16193、16194、16197、16198、16201、16202、16205、及び、16206(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0048】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16175、16176、16179、16180、16183、16184、16187、及び、16188(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16177、16178、16181、16182、16185、16186、16189、及び、16190(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0049】
本発明の最も好ましい化合物は、配列番号16175または16176(TEGリンカー)、または、配列番号16177または16178(HEGリンカー)で表される。
【0050】
本発明の化合物の好ましい第1及び/または第2のAONは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、ジストロフィンプレmRNAスプライシング調節を誘導するものであり、好ましくは、当該プレmRNAスプライシング調節は、タンパク質の産生、または、組成を変化させ、好ましくは、エクソンスキッピング、または、エクソンインクルージョンを含み、当該プレmRNAスプライシング調節は、最も好ましくは、エクソンスキッピングを含む。このプレmRNAスプライシング調節は、好ましくは、本明細書で後記して定義するような治療用途の関係で使用する。プレmRNAのスプライシングは、イントロンの分岐点と、隣接するイントロンのスプライス部位とが関与する2つの連続したエステル交換反応を介して発生する。
【0051】
プレmRNAスプライシング調節の目的は、タンパク質、大抵の場合、RNAがコードするタンパク質の産生を変化させることである。この産生は、当該産生レベルの増減を通じて変更することができる。この産生は、例えば、プレmRNAスプライシングを調節して1つ以上のエクソンを含む、または、除外する場合、及び、異なるアミノ酸配列を有するタンパク質において、実際に産生するタンパク質の組成を変えて変更することもできる。好ましくは、異なるアミノ酸配列を有するそのようなタンパク質は、疾患または状態の結果として産生するタンパク質よりも、より多くの機能を有する、より優れた機能を有する、または、少なくとも1つの変化した特性を有する。
【0052】
DMDの事例では、プレmRNAスプライシング調節を適用して、ジストロフィンプレmRNAの1つ以上の特定のエクソンをスキップし、転写産物のオープンリーディングフレームを復元し、短いが(優れた)機能的ジストロフィンタンパク質の発現を誘導して、疾患の進行の妨げを可能ならしめることを究極の目標としている。したがって、好ましい実施形態では、本発明の化合物を提供しており、当該化合物は、プレmRNAスプライシング調節を誘導し、当該プレmRNAスプライシング調節は、デュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)に関連するタンパク質の産生を変化させる。
【0053】
好ましい実施形態では、本発明の化合物を、細胞、器官、組織、及び/または、個体において、ジストロフィンプレmRNAのエクソンスキッピングを誘導するために使用する。より好ましい実施形態では、本発明の化合物を、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51をスキップするために使用する。エクソンスキッピングは、スキップしたエクソンを含まない成熟したジストロフィンmRNAをもたらし、したがって、より短いタンパク質産物を発現させることができる。エクソン51のスキッピングを、好ましくは、本発明の化合物で誘導しており、第1のAONは、第1のエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)に結合する、当該第1のESEのヌクレオチド配列は、配列番号3で表される、及び、第2のAONは、第2のエクソンスプライシングエンハンサー(ESE)に結合するものであり、当該第2のESEのヌクレオチド配列は、配列番号4で表される。
【0054】
好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。
【0055】
本出願全体を通じて、特に断りが無い限り、用語「結合する」とは、「相補的である」、「標的化する」、「ハイブリダイズする」、「重複する」、及び/または、「標的」に置換することができる。
【0056】
本明細書で定義したように、DMDプレmRNAは、好ましくは、ジストロフィンタンパク質をコードするDMD遺伝子のプレmRNAのことを意味する。変異したDMDプレmRNAは、罹患していないヒトの野生型DMDプレmRNAと比較して、変異のあるDMD患者のプレmRNAに対応しており、レベルの低下、または、機能的ジストロフィン(DMD)の欠如を招く。DMDプレmRNAは、ジストロフィンプレmRNAとも称する。DMD遺伝子は、ジストロフィン遺伝子とも称する。ジストロフィンとDMDは、本出願全体を通じて互換可能に使用し得る。
【0057】
患者とは、好ましくは、本明細書で後記して定義するように、DMDを有する患者、または、その遺伝的背景のためにDMDを発生しやすい患者のことを意味する。DMD患者の場合には、使用するオリゴヌクレオチドは、好ましくは、当該患者のDMD遺伝子に存在する1つの突然変異を修正して、BMDタンパク質のように見えるタンパク質を作り出す:当該タンパク質は、好ましくは、本明細書で後記して定義するように、機能的、または、半機能的ジストロフィンである。
【0058】
本明細書で定義するように、機能的ジストロフィンは、好ましくは、配列番号1で同定するアミノ酸配列を有するタンパク質に対応する野生型ジストロフィンである。本明細書で定義するように、半機能的ジストロフィンは、好ましくは、そのN末端部分に作用する結合ドメイン(N末端の最初の240個のアミノ酸)、システインリッチドメイン(アミノ酸3361~3685まで)、及び、C末端ドメイン(C末端の最後の325個のアミノ酸)を有しており、これらのドメインのそれぞれが、当業者に公知のように、野生型ジストロフィンに存在するタンパク質に対応するBMD様ジストロフィンである。本明細書で示すアミノ酸は、配列番号1で表される野生型ジストロフィンのアミノ酸に対応する。換言すれば、機能的、または、半機能的ジストロフィンは、少なくともある程度までの野生型ジストロフィンの活性を示すジストロフィンである。「少なくともある程度まで」とは、好ましくは、野生型機能的ジストロフィンの対応する活性の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または、100%のことを意味する。これに関連して、機能的ジストロフィンの活性は、好ましくは、アクチン、及び、ジストロフィン関連糖タンパク質複合体(DGC、または、DAPC)との結合である(Ehmsen J et al.,2002)。
【0059】
ジストロフィンのアクチンと、DGCまたはDAPC複合体との結合は、当業者に公知のように、治療前及び/または治療後に、ジストロフィーであると疑われる筋肉から得たコントロール(非DMD)生検で認められた、総タンパク質抽出物を使用する免疫共沈降、または、複合体の様々なメンバーと反応する様々な抗体を使用する断面の免疫蛍光解析のいずれかで、可視化することができる。
【0060】
デュシェンヌ型筋ジストロフィーを患っている個人または患者は、一般的には、完全タンパク質の合成を妨げるジストロフィンをコードする遺伝子(DMD遺伝子、または、ジストロフィン遺伝子)に変異を有する、すなわち、中途終止コドンは、C末端の合成を妨げる。ベッカー型筋ジストロフィーでは、ジストロフィン遺伝子も、野生型と比較して変異を含むが、一般的には、変異が、中途終止コドンをもたらすことはなく、一般的に、C末端を合成する。結果として、野生型タンパク質と、種類において少なくとも同一の活性であるが、必ずしも同量ではない活性を有する機能的、または、半機能的ジストロフィンタンパク質を合成する。BMD患者のゲノムは、一般的に、N末端部分(N末端の最初の240個のアミノ酸)、システインリッチドメイン(アミノ酸3361~3685まで)、及び、C末端ドメイン(C末端の最後の325個のアミノ酸)を含むが、大抵の事例では、その中央の桿状ドメインが、野生型ジストロフィンのものよりも短いジストロフィンタンパク質をコードする(Monaco et al.,1988)。DMDの治療のためのアンチセンスオリゴヌクレオチド誘導性エクソンスキッピングは、一般的に、好ましくは、中央の桿状ドメイン形状ドメインでのエクソンをスキッピングして、オープンリーディングフレームを修正し、C末端を含むジストロフィンタンパク質の残部の合成を可能にすることで、プレmRNAでの中途終止を克服するように仕向けるが、それにもかかわらず、タンパク質は、より小さな桿状ドメインが故にやや小さい。好ましい実施形態では、DMDを有する、本明細書で定義した化合物で治療する個体は、少なくともある程度までは、野生型ジストロフィンの活性を示すジストロフィンを提供する。より好ましくは、当該個体が、デュシェンヌ型患者である、または、デュシェンヌ型患者であると疑われる場合には、機能的、または、半機能的ジストロフィンは、BMDを有する個体のジストロフィンである:一般的に、当該ジストロフィンは、アクチンと、DGCまたはDAPCの両方と相互作用できるが、その中央の桿状ドメインは、野生型ジストロフィンのものよりも短くなり得る(Monaco et al.,1988)。野生型ジストロフィンの中央の桿状ドメインは、24スペクトリン様リピートを含む。例えば、本明細書で提供するジストロフィンの中央の桿状ドメインは、5~23、10~22、または、12~18個のスペクトリン様リピートを含み得る、ならびに、アクチンと、DGCに対して結合することができる。
【0061】
本発明の化合物を使用して、個体でのデュシェンヌ型筋ジストロフィーの1つ以上の症状(複数可)の軽減を、次のアッセイ:歩行ができなくなるまでの時間の長期化、筋肉強度の改善、重量物を持ち上げる能力の改善、床から立ち上がるために要する時間の改善、9メートル歩行時間の改善、4段を登るのに要する時間の改善、下肢機能グレードの改善、肺機能の改善、心臓機能の改善、生活の質の改善のいずれかで評価し得る。これらのアッセイのそれぞれは、当業者に公知である。例として、Manzur et al.,(2008)の文献は、これらのアッセイのそれぞれの詳細を説明している。これらのアッセイのそれぞれについて、アッセイで測定するパラメーターの検出可能な改善または延長の有無が認められれば、それは、好ましくは、本発明の化合物の使用が、個人において、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの1つ以上の症状を軽減している、ことを意味する。検出可能な改善または延長とは、Hodgetts et al.,(2006)に記載されているように、統計的に有意な改善または延長である。あるいは、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの1つ以上の症状(複数可)の軽減は、筋肉線維機能の改善、完全性、及び/または、生存を測定することで評価し得る。好ましい方法では、DMD患者の1つ以上の症状(複数可)を軽減する、及び/または、DMD患者由来の1つ以上の筋肉細胞の1つ以上の特徴(複数可)を改善する。このような症状または特徴は、細胞レベル、組織レベルで評価し得る、または、患者自身で評価し得る。
【0062】
患者由来の筋肉細胞の1つ以上の特徴の軽減を、患者由来の筋原細胞または筋肉細胞に関する次のアッセイ:筋肉細胞によるカルシウム取り込みの減少、コラーゲン合成の減少、形態学の変化、脂質生合成の変化、酸化ストレスの減少、及び/または、筋肉線維機能の改善、完全性、及び/または、生存のいずれかで評価し得る。これらのパラメーターは、一般的に、筋肉生検の断面の免疫蛍光及び/または組織化学的解析を使用して評価する。
【0063】
筋肉線維機能の改善、完全性、及び/または、生存は、次のアッセイ:血中クレアチンキナーゼの検出可能な減少、ジストロフィーであると疑われる筋肉の生検断面での筋肉線維の壊死の検出可能な減少、及び/または、ジストロフィーであると疑われる筋肉の生検断面での筋肉線維の直径の均一性の検出可能な増大の少なくとも1つを使用して評価し得る。これらのアッセイのそれぞれは、当業者に公知である。
【0064】
クレアチンキナーゼは、Hodgetts et al.,(2006)に記載されているように、血液で検出できる。クレアチンキナーゼの検出可能な減少は、治療前の同じDMD患者でのクレアチンキナーゼの濃度と比較して、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または、それ以上の減少を意味し得る。
【0065】
筋肉線維の壊死の検出可能な減少は、好ましくは、筋肉生検において、より好ましくは、生検断面を使用して、Hodgetts et al.(2006)に記載されたようにして評価する。壊死の検出可能な減少は、生検断面を使用して、壊死を同定している領域の5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または、それ以上の減少とし得る。減少は、治療前の同じDMD患者で評価する壊死と比較して測定する。
【0066】
筋肉線維の直径の均一性の検出可能な増大は、好ましくは、筋肉生検断面において、より好ましくは、Hodgetts et al.(2006)に記載されたように評価する。増大は、治療前の同じDMD患者での筋肉線維の直径の均一性と比較して測定する。
【0067】
好ましくは、本発明の化合物は、当該個体に、機能的、または、半機能的ジストロフィンタンパク質を提供し、少なくとも幾分かは、当該個体における異常なジストロフィンタンパク質の産生を減少させることができる。
【0068】
本発明との関連で、機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質を個体に提供することは、本明細書で先に定義したように、機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質の産生の増加を意味する。機能的または半機能的ジストロフィンmRNA、または、機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質の産生の増加は、好ましくは、機能的または半機能的mRNA、または、機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質の初期量と比較して、RT-デジタルドロップレットPCR(mRNA)(Verheul et al.,2016)、または、免疫蛍光(Beekman et al.,2014)、ウエスタンブロット、または、キャピラリーウエスタンイムノアッセイ(Wes;Beekman et al.,2018)分析(タンパク質)による検出が可能である、少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、120%、140%、160%、180%、200%、または、それ以上の増加を意味する。本発明との関連で、当該初期量とは、本発明の化合物を使用して、細胞、器官、組織、及び/または、個体でのジストロフィンプレmRNAにおいて、エクソンスキッピングの誘導を開始する際の機能的または半機能的mRNA、または、機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質の量である。
【0069】
異常なジストロフィンmRNA、または、異常なジストロフィンタンパク質の生成を減少させることは、好ましくは、異常なジストロフィンmRNA、または、異常なジストロフィンタンパク質の初期量の90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または、それ以下が、RT-PCR(mRNA)、または、免疫蛍光、または、ウエスタンブロット解析(タンパク質)によってなおも検出が可能である、ことを意味する。本発明との関連で、当該初期量とは、本発明の化合物を使用して、細胞、器官、組織、及び/または、個体でのジストロフィンプレmRNAにおいて、エクソンスキッピングの誘導を開始する際の異常なジストロフィンmRNA、または、異常なジストロフィンタンパク質の量である。また、異常なジストロフィンmRNA、または、タンパク質は、本明細書では、(本明細書で先に定義したような野生型機能的ジストロフィンタンパク質と比較して)あまり機能的ではない、または、非機能的ジストロフィンmRNAもしくはタンパク質と称している。非機能的ジストロフィンタンパク質は、好ましくは、アクチン、及び/または、DGCタンパク質複合体のメンバーと結合できないジストロフィンタンパク質である。非機能的ジストロフィンタンパク質、または、ジストロフィンmRNAは、一般的に、タンパク質の無傷のC末端を有するジストロフィンタンパク質を持たない、または、コードしない。機能的または半機能的ジストロフィンmRNA、または、タンパク質の検出は、異常なジストロフィンmRNA、または、タンパク質について行ったようにして行い得る。
【0070】
一旦、DMD患者に、機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質を提供すると、DMDの原因の少なくとも一部が取り除かれる。したがって、次いで、DMDの症状が、少なくとも部分的に軽減すること、または、症状が悪化する速度が低下すること、それにより、より遅い減退を招くものと予測される。スキッピング頻度の増大は、DMD個体の筋肉細胞において産生する機能的または半機能的ジストロフィンタンパク質のレベルも引き上げる。
【0071】
本発明が関連する範囲内で、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドの機能的等価物を含み得る。オリゴヌクレオチドの機能的等価物とは、好ましくは、1つ以上のヌクレオチドが置換されており、かつ、当該機能的等価物の活性が、少なくともある程度まで保持されている、本明細書で定義するオリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)のことを意味する。好ましくは、オリゴヌクレオチドの機能的等価物を含む当該オリゴヌクレオチドの活性は、機能的または半機能的ジストロフィンを提供する。したがって、好ましくは、オリゴヌクレオチドの機能的等価物を含む当該オリゴヌクレオチドの当該活性は、機能的または半機能的ジストロフィンの量を定量して評価する。好ましくは、本明細書では、機能的または半機能的ジストロフィンを、アクチン、及び、DGC(または、DAPC)タンパク質複合体のメンバーと結合することができるジストロフィンであると定義する。オリゴヌクレオチドの当該機能的等価物の当該活性の評価は、好ましくは、RT-デジタルドロップレットPCR、及び、配列決定(RNAレベル;特異的エクソンスキッピング(DMD)検出用)、または、免疫蛍光、ウエスタンブロット、または、キャピラリーウエスタンイムノアッセイ(Wes)分析(タンパク質レベル:タンパク質修復検出用)で行う。当該活性は、好ましくは、機能的等価物が由来する当該オリゴヌクレオチドの対応する活性の少なくとも50%、または、少なくとも60%、または、少なくとも70%、または、少なくとも80%、または、少なくとも90%、または、少なくとも95%、または、それ以上を表している場合には、少なくともある程度まで保持される。本出願を通じて、単語「オリゴヌクレオチド」を使用する場合、本明細書で定義したように、その「機能的等価物」で置換し得る。
【発明を実施するための形態】
【0072】
化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドの化学修飾
本発明との関連で、化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、本段落(「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドの化学修飾」)に記載したあらゆる化学修飾、または、それらのあらゆる組み合わせを含み、または、それらからなるものであり、本段落(「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチド」)に記載した未修飾の対応物と少なくとも同等の良好なエクソンスキッピング活性を有しており、好ましくは、当該エクソンスキッピング活性は、未修飾の対応物での活性よりも大きい、ことを理解されたい。したがって、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、本段落(「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドの化学修飾」)に記載したあらゆる化学修飾、または、それらのあらゆる組み合わせを含み、または、それらからなるものであり、当該化学修飾、または、それらの組み合わせを持たない当該化合物と少なくとも同等の良好なエクソンスキッピング活性を有している。好ましくは、当該エクソンスキッピング活性は、当該化学修飾を、または、それらの組み合わせを持たない当該化合物での活性よりも大きい。
【0073】
本発明の実施形態では、化合物の当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、2’-置換モノマー、好ましくは、2’-置換RNAモノマーを含む。本出願で記載しているオリゴヌクレオチドに関しては、モノマーの特徴が定義されておらず、文脈から自明でない場合には、RNAモノマーでの対応する特徴から推定する。
【0074】
好ましい実施形態では、化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、一本鎖である。しかしながら、当業者であれば、一本鎖オリゴヌクレオチドが、内部二本鎖構造を形成し得る、ことを理解する。しかしながら、このオリゴヌクレオチドを、本発明との関連で、なおも、一本鎖オリゴヌクレオチドと称している。一本鎖オリゴヌクレオチドには、二本鎖siRNAオリゴヌクレオチドと比較して、幾つかの利点がある:(i)その合成が、2つの相補的なsiRNA鎖よりも簡単であると考えられる;(ii)細胞への取り込みを促し、(生理学的)安定性を高め、潜在している一般的な副作用を減らすことが可能であるので、広範囲の化学修飾ができる;(iii)siRNAは、非特異的効果(オフターゲット遺伝子など)、及び、過剰薬効(例えば、治療スケジュールまたは用量で有効性及び選択性を制御できる可能性が低くなる効果)を招く可能性が高い、及び、(iv)siRNAは、核ではあまり作用せず、イントロンに向けて移動することができない。
【0075】
本発明の化合物の好ましい第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、長さが、38個未満のヌクレオチドである。当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの長さを、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、または、37個のヌクレオチドとし得る。また、そのようなオリゴヌクレオチドは、8~37個のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドとして同定し得る。より好ましくは、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの長さは、10~33個のヌクレオチドである。さらにより好ましくは、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの長さは、16、17、18、19、20、21、または、22個のヌクレオチドである。最も好ましくは、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの長さは、18、19、20、21、または、22個のヌクレオチドであり、18~22個のヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドとして同定し得る。
【0076】
したがって、この態様では、本発明は、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが:
i)少なくとも1つの2’-置換モノマー、及び、任意のホスホロチオエート主鎖結合、及び/または、
ii)5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシル塩基、及び/または、
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー、を含む化合物を提供する。
【0077】
本発明の化合物は、好ましくは、両方ともスプライススイッチングの形態であるエクソンスキッピングまたはエクソンインクルージョンなどのスプライス調節を介して疾患または状態を治療するための医薬として使用するためのものである。好ましくは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51を、スキップする。より好ましくは、ヒトジストロフィンプレmRNAのエクソン51を、スキップする。この関連で好ましい疾患は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)である。
【0078】
好ましくは、当該モノマーは、RNAモノマーである、または、RNAモノマーに由来する。したがって、好ましい化合物では、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは:
i)少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、RNAモノマー、または、2’-O-置換RNAモノマー、及び、任意のホスホロチオエート主鎖結合、及び/または、
ii)5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシル塩基、及び/または、
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー、を含む。
【0079】
上記((i))に含まれるものは、少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、2’-置換RNAモノマーを含み、かつ、ホスホロチオエート主鎖結合を含まないオリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)である。そのようなオリゴヌクレオチドは、ホスホジエステル結合だけを含む主鎖を有することができる。同様に含まれるものは、少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは、2’-置換RNAモノマー、及び、1つ以上のホスホロチオエート主鎖結合を含むオリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)である。また、2’-置換RNAモノマー以外のモノマーを含まず、ホスホロチオエート主鎖結合である主鎖結合だけを含むオリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)も含む。同様に含まれるものは、2’-置換RNAモノマー以外のモノマーを含まず、ホスホジエステル主鎖結合である主鎖結合だけを含むオリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)である。
【0080】
したがって、より好ましい化合物では、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは:
i)ホスホロチオエート主鎖結合、及び/または、ホスホジエステル結合で結合した、2’-置換モノマーだけ、好ましくは、RNAモノマー、または、2’-O-置換RNAモノマーだけ、及び/または、
ii)5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシル塩基、及び/または、
iii)二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾を含む少なくとも1つのモノマー、を含む。
【0081】
当業者に公知のように、RNAオリゴヌクレオチドなどのオリゴヌクレオチドは、一般的に、反復モノマーからなる。このようなモノマーは、大抵の場合は、ヌクレオチド、または、ヌクレオチド類似体である。RNAにおいて最も一般的に天然に存在しているヌクレオチドは、アデノシン一リン酸、シチジン一リン酸、グアノシン一リン酸、チミジン一リン酸、及び、ウリジン一リン酸である。これらは、ペントース糖リボース、リン酸エステルを介して連結した5’連結リン酸基、及び、1’連結塩基からなる。糖は、塩基とリン酸を接続し、したがって、ヌクレオチドのスキャフォールドと称することが多い。したがって、ペントース糖での修飾は、スキャフォールド修飾と称することが多い。重度修飾に関しては、当初のペントース糖の全体を、塩基とリン酸を同様に接続する別の部分で置換し得る。したがって、ペントース糖は、スキャフォールドであることが多いが、スキャフォールドが、必ずしもペントース糖ではないことを理解されたい。
【0082】
塩基は、核酸塩基とも称されており、一般的には、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、もしくは、ウラシル、または、それらの誘導体である。シトシン、チミン、及び、ウラシルは、ピリミジン塩基であり、一般的に、その3’-窒素を介して、スキャフォールドに連結する。アデニン、及び、グアニンは、プリン塩基であり、一般的に、その9’-窒素を介して、スキャフォールドに連結する。
【0083】
ヌクレオチドは、一般的に、その5’-リン酸部分が、隣接するヌクレオチドモノマーの3’-ヒドロキシル部分へ縮合して、隣接するヌクレオチドに接続する。同様に、その3’-ヒドロキシル部分は、一般的に、隣接するヌクレオチドモノマーの5’-リン酸に接続する。これは、リン酸ジエステル結合を形成する。ホスホジエステル、及び、スキャフォールドは、交互コポリマーを形成する。塩基は、このコポリマー、すなわち、スキャフォールド部分にグラフトする。この特徴が故に、オリゴヌクレオチドの連結したモノマーが形成する交互コポリマーは、オリゴヌクレオチドの主鎖と称することが多い。リン酸ジエステル結合は、隣接するモノマーを一緒に接続するので、それらを、主鎖結合と称することが多い。リン酸基が、代わりにホスホロチオエートなどの類似部分であるように修飾する場合には、このような部分を、依然として、モノマーの主鎖結合と称する、ことを理解されたい。このものを、主鎖結合修飾と称する。したがって、一般用語では、オリゴヌクレオチドの主鎖は、交互のスキャフォールド、及び、主鎖結合からなる。
【0084】
好ましくは、本発明の化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、2’-置換ホスホロチオエートモノマー、好ましくは、2’-置換ホスホロチオエートRNAモノマー、2’-置換ホスフェートRNAモノマー、または、2’-置換混合ホスフェート/ホスホロチオエートRNAモノマーを含む、または、これらからなる。このようなオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート、もしくは、ホスフェート主鎖結合、または、それらの混合物を介して接続された、または、それらによって連結された、2’-置換RNAモノマーを含む、または、2’-置換ホスホロチオエートRNA、2’-置換ホスフェートRNA、または、それらの混合物からなる。より好ましくは、このようなオリゴヌクレオチドは、2’-置換ホスホロチオエートRNAモノマー、2’-置換ホスフェートRNAモノマー、または、それらの混合物からなる。好ましくは、2’-置換RNAは、2’-F、2’-O-メチル、または、2’-O-(2-メトキシエチル)である。2’-O-(2-メトキシエチル)部分は、2’-MOEと称することが多い。より好ましくは、2’-置換RNAモノマーは、2’-O-メチルRNAモノマーである。このような化学構造は、当業者に公知である。この態様の好ましい実施形態では、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの当該2’-置換モノマーは、2’-置換RNAモノマー、2’-Fモノマー、2’-アミノモノマー、2’-O-置換モノマー、2’-O-メチルモノマー、または、2’-O-(2-メトキシエチル)モノマー、好ましくは、2’-O-メチルモノマーである、本発明の化合物を提供する。好ましくは、当該2’-置換モノマーは、2’-O-メチルRNAモノマーなどの2’-置換RNAモノマーである。
【0085】
本出願を通じて、2’-O-メチルモノマー、または、2’-O-メチルRNAモノマー、及び、ホスホロチオエート、ホスフェート、または、混合ホスフェート/ホスホロチオエート主鎖結合を含むオリゴヌクレオチドは、それぞれ、2’-O-メチルホスホロチオエートRNA、2’-O-メチルホスフェートRNA、または、2’-O-メチルホスフェート/ホスホロチオエートRNAを含むオリゴヌクレオチドで置換し得る。本出願を通じて、ホスホロチオエート、ホスフェート、または、混合ホスフェート/ホスホロチオエート主鎖結合で連結された、または、それらを介して接続された2’-O-メチルRNAモノマーからなるオリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルホスホロチオエートRNA、2’-O-メチルホスフェートRNA、または、2’-O-メチルホスフェート/ホスホロチオエートRNAからなるオリゴヌクレオチドで置換し得る。
【0086】
さらに、本発明の化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは、標的鎖に対する結合親和性を増大する、当該オリゴヌクレオチドと、その標的とから得る二本鎖の融解温度を増大する、及び/または、免疫刺激効果を減少する、及び/または、生体安定性を高める、及び/または、体内分布、及び/または、組織内分布、及び/または、細胞取り込み、及び、輸送を改善する塩基修飾を含む。より好ましい実施形態では、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、5-メチルピリミジンを含む。5-メチルピリミジンは、5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシル、及び/または、チミンから選択し、チミンは、5-メチルウラシルと同一である。「チミン」及び「5-メチルウラシル」は、本明細書では互換し得る。表現「オリゴヌクレオチドは、5-メチルピリミジンを含む」とは、当該オリゴヌクレオチドのシトシン核酸塩基の少なくとも1つが、ピリミジン環の5位にある水素を、メチル基、すなわち、5-置換シトシンで置換する、及び/または、当該オリゴヌクレオチドのウラシル核酸塩基の少なくとも1つが、ピリミジン環の5位にあるプロトンを、メチル基(すなわち、5-メチルウラシル)で置換して修飾する、ことを意味する。本発明との関連で、表現「ピリミジン環の5位のメチル基による水素の置換」は、表現「ピリミジンの5-メチルピリミジンによる置換」に置換し得るものであり、ピリミジンは、ウラシルだけ、シトシンだけ、または、その両方のことを指す。当該オリゴヌクレオチドが、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または、それ以上のシトシン及び/またはウラシルを含む場合、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または、それ以上のシトシン及び/またはウラシルを、それぞれ、このように修飾する。したがって、言うまでもなく、本発明は、それらの配列に、それぞれ、少なくとも1つのシトシンまたはウラシルを含むオリゴヌクレオチドに対してのみ適用することができる。
【0087】
好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、5-メチルシトシン塩基、または、5-メチルウラシル塩基のいずれかの少なくとも1つを含む。本発明の好ましい実施形態では、すべてのシトシン塩基が、5-メチルシトシン塩基である、及び/または、すべてのウラシル塩基が、5-メチルウラシル塩基である、当該化合物の当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。このことは、5-メチルシトシンを含むが、非置換シトシン、または、ウラシルを含まないオリゴヌクレオチド、5-メチルウラシルを含むが、非置換シトシン、または、ウラシルを含まないオリゴヌクレオチド、及び、5-メチルシトシン及び5-メチルウラシルの両方を含むが、非置換シトシン、または、ウラシルを含まないオリゴヌクレオチドに関する。5-メチルシトシンを含むが、非置換シトシンを含まず、さらに、非置換ウラシルを含むオリゴヌクレオチド、または、5-メチルウラシルを含むが、非置換ウラシルを含まず、さらに、非置換シトシンを含むオリゴヌクレオチドにも関する。本発明のより好ましい実施形態では、すべてのシトシン塩基が、5-メチルシトシンである、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
【0088】
本発明の化合物の当該第1のオリゴヌクレオチドが、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197のいずれか1つで表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される場合、好ましくは、少なくとも1つの5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシルは、当該第1のオリゴヌクレオチドからなり、より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルである。したがって、本発明の化合物の当該第1のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197のいずれか1つで表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それらからなり:
- すべてのシトシン塩基は、配列番号399~581のいずれか1つで表される5-メチルシトシンである、または、
- すべてのウラシル塩基は、配列番号774~957のいずれか1つで表される5-メチルウラシルである、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号1156~1338のいずれか1つで表される。
【0089】
本発明の化合物の当該第2のオリゴヌクレオチドが、本明細書で先に定義したように、配列番号198~398のいずれか1つで表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される場合、好ましくは、少なくとも1つの5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシルは、当該第2のオリゴヌクレオチドからなり、より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルである。したがって、本発明の化合物の当該第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、本明細書で先に定義したように、配列番号198~398のいずれか1つで表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それらからなり:
- すべてのシトシン塩基は、配列番号582~773のいずれか1つで表される5-メチルシトシンである、または、
- すべてのウラシル塩基は、配列番号958~1155のいずれか1つで表される5-メチルウラシルである、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号1339~1528のいずれか1つで表される。
【0090】
より好ましい実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンのプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものであり、配列番号399、400、401、402、または、403、より好ましくは、配列番号399、400、401、または、402、さらにより好ましくは、配列番号399または400、最も好ましくは、配列番号399を含む、または、これらからなるヌクレオチド配列で表される第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド、及び、配列番号582、583、584、または、585、より好ましくは、配列番号582または583、さらにより好ましくは、配列番号582を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなるものであり、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、(「連結部分」の標題の節で説明したように)連結部分で互いに連結しており、好ましくは、当該連結部分は、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)である。
【0091】
当該配列番号399は、配列GGUAAGUUCUGUCAAGCで表される、当該配列番号400は、配列GUAAGUUCUGUCAAGCで表される、当該配列番号401は、配列AGUCGGEAAGEnjC1JGUCにより、当該配列番号402は、配列CUGUCAAGCGGUUGAで表される、当該配列番号403は、配列UAAGUUCUGUCAAGで表される、当該配列番号582は、配列UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUで表される、当該配列番号583は、配列UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGで表される、当該配列番号584は、配列UCAAGGAAGAUGGCAUで表される、当該配列番号585は、配列GAAGAUGGCAUUUCUで表される、Cは、5-メチルシトシンである。
【0092】
本出願を通じて、特に断りの無い限り、Cは、5-メチルシトシン塩基を意味する。
【0093】
本発明との関連で、本発明の化合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの位置は互換可能である。したがって、本発明の好ましい化合物は:
i)配列番号16215(GGUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16216(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
ii)配列番号16217(GGUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16218(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
iii)配列番号16219(GGUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16220(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
iv)配列番号16221(GGUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16222(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または
v)配列番号16223(GUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16224(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
vi)配列番号16225(GUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16226(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
vii)配列番号16227(GUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16228(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
viii)配列番号16229(GUAAGUUCUGUCAAGCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16230(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnGUAAGUUCUGUCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
ix)配列番号16231(AGUCGGUAAGUUCUGUCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16232(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnAGUCGGUAAGUUCUGUC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
x)配列番号16233(AGUCGGUAAGUUCUGUCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16234(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnAGUCGGUAAGUUCUGUC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xi)配列番号16235(AGUCGGUAAGUUCUGUCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16236(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnAGUCGGUAAGUUCUGUC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xii)配列番号16237(AGUCGGUAAGUUCUGUCnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16238(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnAGUCGGUAAGUUCUGUC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xiii)配列番号16239(CUGUCAAGCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16240(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnCUGUCAAGCGGUUGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xiv)配列番号16241(CUGUCAAGCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16242(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUnCUGUCAAGCGGUUGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xv)配列番号16243(CUGUCAAGCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16244(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnCUGUCAAGCGGUUGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xvi)配列番号16245(CUGUCAAGCGGUUGAnUCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAG)、または、配列番号16246(UCAAGGAAGAUGGCAUUUCUAGnCUGUCAAGCGGUUGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xvii)配列番号16247(UAAGUUCUGUCAAGnUCAAGGAAGAUGGCAU)、または、配列番号16248(UCAAGGAAGAUGGCAUnUAAGUUCUGUCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xviii)配列番号16249(UAAGUUCUGUCAAGnUCAAGGAAGAUGGCAU)、または、配列番号16250(UCAAGGAAGAUGGCAUnUAAGUUCUGUCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xix)配列番号16251(UAAGUUCUGUCAAGnGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16252(GAAGAUGGCAUUUCUnUAAGUUCUGUCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xx)配列番号16253(UAAGUUCUGUCAAGnGAAGAUGGCAUUUCU)、または、配列番号16254(GAAGAUGGCAUUUCUnUAAGUUCUGUCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、
は、5-メチルシトシンである、で表すことができる。
【0094】
本発明のより好ましい化合物は、配列番号16215、16216、16219、16220、16223、16224、16227、16228、16231、16232、16235、16236、16239、16240、16243、及び、16244(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16217、16218、16221、16222、16225、16226、16229、16230、16233、16234、16237、16238、16241、16242、16245、及び、16246(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0095】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16231、16232、16235、16236、16239、16240、16243、及び、16244(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16233、16234、16237、16238、16241、16242、16245、及び、16246(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0096】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16215、16216、16219、16220、16223、16224、16227、及び、16228(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16217、16218、16221、16222、16225、16226、16229、及び、16230(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0097】
本発明の最も好ましい化合物は、配列番号16215または16216(TEGリンカー)、または、配列番号16217または16218(HEGリンカー)で表される。
【0098】
したがって、好ましい別の実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンのプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものであり、配列番号774、775、776、777、または、778、より好ましくは、配列番号774、775、776、または、777、さらにより好ましくは、配列番号774または775、最も好ましくは、配列番号774を含む、または、これらからなるヌクレオチド配列で表される第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド、及び、配列番号958、959、960、または、961、より好ましくは、配列番号958または959、さらにより好ましくは、配列番号958を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなるものであり、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、(「連結部分」の標題の節で説明したように)連結部分で互いに連結しており、好ましくは、当該連結部分は、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)である。
【0099】
当該配列番号774は、配列GGTAAGTTCTGTCCAAGCで表される、当該配列番号775は、配列GTAAGTTCTGTCCAAGCCで表される、当該配列番号776は、配列AGTCGGTAAGTTCTGTCCで表される、当該配列番号777は、配列CTGTCCAAGCCCGGTTGAで表される、当該配列番号778は配列TAAGTTCTGTCCAAGで表される、当該配列番号958は、配列TCAAGGAAGATGGCATTTCTで表される、当該配列番号959は、配列TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGで表される、当該配列番号960は、配列TCAAGGAAGATGGCAT、及び、当該配列番号961は、配列GAAGATGGCATTTCTで表される、Tは、5-メチルウラシルである。
【0100】
本出願を通じて、特に断りの無い限り、TとUは、両方ともに、チミン、または、5-メチルウラシル塩基を意味する。チミンと、5-メチルウラシル塩基が同一であることは、当業者に自明の事項である。
【0101】
本発明との関連で、本発明の化合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの位置は互換可能である。したがって、本発明の好ましい化合物は:
i)配列番号16255(GGTAAGTTCTGTCCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16256(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGGTAAGTTCTGTCCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
ii)配列番号16257(GGTAAGTTCTGTCCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16258(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGGTAAGTTCTGTCCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
iii)配列番号16259(GGTAAGTTCTGTCCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16260(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGGTAAGTTCTGTCCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
iv)配列番号16261(GGTAAGTTCTGTCCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16262(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGGTAAGTTCTGTCCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
v)配列番号16263(GTAAGTTCTGTCCAAGCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16264(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGTAAGTTCTGTCCAAGCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
vi)配列番号16265(GTAAGTTCTGTCCAAGCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16266(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGTAAGTTCTGTCCAAGCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
vii)配列番号16267(GTAAGTTCTGTCCAAGCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16268(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGTAAGTTCTGTCCAAGCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
viii)配列番号16269(GTAAGTTCTGTCCAAGCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16270(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGTAAGTTCTGTCCAAGCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
ix)配列番号16271(AGTCGGTAAGTTCTGTCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16272(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnAGTCGGTAAGTTCTGTCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
x)配列番号16273(AGTCGGTAAGTTCTGTCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16274(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnAGTCGGTAAGTTCTGTCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xi)配列番号16275(AGTCGGTAAGTTCTGTCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16276(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnAGTCGGTAAGTTCTGTCC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xii)配列番号16277(AGTCGGTAAGTTCTGTCCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16278(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnAGTCGGTAAGTTCTGTCC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xiii)配列番号16279(CTGTCCAAGCCCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16280(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnCTGTCCAAGCCCGGTTGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xiv)配列番号16281(CTGTCCAAGCCCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16282(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnCTGTCCAAGCCCGGTTGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xv)配列番号16283(CTGTCCAAGCCCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16284(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnCTGTCCAAGCCCGGTTGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xvi)配列番号16285(CTGTCCAAGCCCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16286(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnCTGTCCAAGCCCGGTTGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xvii)配列番号16287(TAAGTTCTGTCCAAGnTCAAGGAAGATGGCAT)、または、配列番号16288(TCAAGGAAGATGGCATnTAAGTTCTGTCCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xviii)配列番号16289(TAAGTTCTGTCCAAGnTCAAGGAAGATGGCAT)、または、配列番号16290(TCAAGGAAGATGGCATnTAAGTTCTGTCCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xix)配列番号16291(TAAGTTCTGTCCAAGnGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16292(GAAGATGGCATTTCTnTAAGTTCTGTCCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xx)配列番号16293(TAAGTTCTGTCCAAGnGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16294(GAAGATGGCATTTCTnTAAGTTCTGTCCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、
Tは、5-メチルウラシルである、で表すことができる。
【0102】
本発明のより好ましい化合物は、配列番号16255、16256、16259、16260、16263、16264、16267、16268、16271、16272、16275、16276、16279、16280、16283、及び、16284(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16257、16258、16261、16262、16265、16266、16269、16270、16273、16274、16277、16278、16281、16282、16285、及び、16285(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0103】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16271、16272、16275、16276、16279、16280、16283、及び、16284(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16273、16274、16277、16278、16281、16282、16285、及び、16285(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0104】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16255、16256、16259、16260、16263、16264、16267、及び、16268(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16257、16258、16261、16262、16265、16266、16269、及び、16270(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0105】
本発明の最も好ましい化合物は、配列番号16255または16256(TEGリンカー)、または、配列番号16257または16258(HEGリンカー)で表される。
【0106】
したがって、好ましい別の実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンのプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものであり、配列番号1156、1157、1158、1159、または、1160、より好ましくは、配列番号1156、1157、1158、または、1159、さらにより好ましくは、配列番号1156または1157、最も好ましくは、配列番号1156を含む、または、これらからなるヌクレオチド配列で表される第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド、及び、配列番号1339、1340、1341、または、1342、より好ましくは、配列番号1339または1340、さらにより好ましくは、配列番号1339を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなるものであり、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、(「連結部分」の標題の節で説明したように)連結部分で互いに連結しており、好ましくは、当該連結部分は、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)である。
【0107】
当該配列番号1156は、配列GGTAAGTTCTGTCAAGCで表される、当該配列番号1157は、配列GTAAGTTCTGTCAAGCで表される、当該配列番号1158は、配列AGTCGGTAAGTTCTGTCで表される、当該配列番号1159は、配列CTGTCAAGCGGTTGAで表される、当該配列番号1160は、配列TAAGTTCTGTCAAGで表される、当該配列番号1339は、配列TCAAGGAAGATGGCATTTCTで表される、当該配列番号1340は、配列TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGで表される、当該配列番号1341は配列TCAAGGAAGATGGCATで表される、当該配列番号1342は、配列GAAGATGGCATTTCTで表される、Cは、5-メチルシトシンであり、Tは、5-メチルウラシルである。
【0108】
本発明との関連で、本発明の化合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの位置は互換可能である。したがって、本発明の好ましい化合物は:
i)配列番号16295(GGTAAGTTC*TGTC*C*AAGC*nTC*AAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16296(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
ii)配列番号16297(GGTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16298(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
iii)配列番号16299(GGTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16300(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
iv)配列番号16301(GGTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16302(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
v)配列番号16303(GTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16304(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
vi)配列番号16305(GTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16306(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
vii)配列番号16307(GTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16308(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
viii)配列番号16309(GTAAGTTCTGTCAAGCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16310(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnGTAAGTTCTGTCAAGC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
ix)配列番号16311(AGTCGGTAAGTTCTGTCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16312(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnAGTCGGTAAGTTCTGTC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
x)配列番号16313(AGTCGGTAAGTTCTGTCnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16314(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnAGTCGGTAAGTTCTGTC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xi)配列番号16315(AGTCGGTAAGTTCTGTCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16316(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnAGTCGGTAAGTTCTGTC)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xii)配列番号16317(AGTCGGTAAGTTCTGTCnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16318(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnAGTCGGTAAGTTCTGTC)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xiii)配列番号16319(CTGTCAAGCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16320(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnCTGTCAAGCGGTTGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xiv)配列番号16321(CTGTCAAGCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16322(TCAAGGAAGATGGCATTTCTnCTGTCAAGCGGTTGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xv)配列番号16323(CTGTCAAGCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16324(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnCTGTCAAGCGGTTGA)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xvi)配列番号16325(CTGTCAAGCGGTTGAnTCAAGGAAGATGGCATTTCTAG)、または、配列番号16326(TCAAGGAAGATGGCATTTCTAGnCTGTCAAGCGGTTGA)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xvii)配列番号16327(TAAGTTCTGTCAAGnTCAAGGAAGATGGCAT)、または、配列番号16328(TCAAGGAAGATGGCATnTAAGTTCTGTCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xviii)配列番号16329(TAAGTTCTGTCAAGnTCAAGGAAGATGGCAT)、または、配列番号16330(TCAAGGAAGATGGCATnTAAGTTCTGTCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、または、
xix)配列番号16331(TAAGTTCTGTCAAGnGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16332(GAAGATGGCATTTCTnTAAGTTCTGTCAAG)、nで表した連結部分は、TEGリンカーである、または、
xx)配列番号16333(TAAGTTCTGTCAAGnGAAGATGGCATTTCT)、または、配列番号16334(GAAGATGGCATTTCTnTAAGTTCTGTCAAG)、nで表した連結部分は、HEGリンカーである、
は、5-メチルシトシンであり、Tは、5-メチルウラシルである、で表すことができる。
【0109】
本発明のより好ましい化合物は、配列番号16295、16296、16299、16300、16303、16304、16307、16308、16311、16312、16315、16316、16319、16320、16323、及び、16324(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16297、16298、16301、16302、16305、16306、16309、16310、16313、16314、16317、16318、16321、16322、16325、及び、16326(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0110】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16311、16312、16315、16316、16319、16320、16323、及び、16324(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16313、16314、16317、16318、16321、16322、16325、及び、16326(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0111】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16295、16296、16299、16300、16303、16304、16307、及び、16308(TEGリンカー)のいずれか1つ、または、配列番号16297、16298、16301、16302、16305、16306、16309、16310(HEGリンカー)のいずれか1つで表される。
【0112】
本発明の最も好ましい化合物は、配列番号16295または16296(TEGリンカー)、または、配列番号16297または16298(HEGリンカー)で表される。
【0113】
実施形態では、本発明の当該化合物は、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなり、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的鎖に対する結合親和性を増大する、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドと、その標的とから得る二本鎖の融解温度を増大する、及び/または、免疫刺激効果を減少する、及び/または、生体安定性を高める、及び/または、体内分布、及び/または、組織内分布、及び/または、細胞取り込み、及び、輸送を改善するスキャフォールド修飾を含む。二環式核酸(BNA)モノマーをもたらすスキャフォールド修飾が、本発明に含まれる。二環式スキャフォールドは、一般的に、スキャフォールドをコンホメーション的に制限し、上記した効果の改善をもたらすように化学的に変更されているペントース由来のスキャフォールドである。二環式スキャフォールドの例として、ペントース環などの第1の環が、さらなる環状部分を有するスピランを形成し、その結果、両環が1個の原子だけを共有するスキャフォールド、ペントース環などの第1の環が、さらなる環状部分と融合し、その結果、両環が2個の隣接する原子を共有するスキャフォールド、及び、ペントース環などの第1の環が、2個の非隣接原子で第1の環状部分に連結されている部分を介して架橋した化合物を形成するスキャフォールドがある。このような非隣接原子を、橋頭原子と称する。架橋化合物は、複数の環を含み、その各々は、少なくとも3個の原子にわたって重複する。2個の原子だけにわたって重複する2つの環を有する化合物は、融合化合物である。一部の架橋化合物では、2個の橋頭原子の間の最小の連結を、架橋(bridging)部分、または、架橋(bridge)部分と称する。その他の架橋化合物では、1つの環が、ヌクレオチドのペントース環などの特徴的な環である場合には、その特徴的な環に対して構成的ではない部分を、架橋部分と称する。架橋二環式化合物の命名は、状況に応じて定める。
【化1】
【0114】
二環式化合物は、さらなる環を含むことができる。二環式化合物は、少なくとも二環式であり、2つの環は、スピラン、融合系、または、架橋系、または、それらの組合せを構成する。本発明は、2つの独立環が、スピラン、融合化合物、または、架橋化合物を形成しないように非環状リンカーを介して連結しているスキャフォールド修飾を含まない。好ましい二環式化合物は、融合化合物、または、架橋化合物である。より好ましい実施形態では、二環式核酸モノマー(BNA)は、架橋核酸モノマーである。本明細書に記載したように、「架橋」、または、「二環式」核酸モノマーの両方は、非BNAヌクレオチド含有コントロールオリゴヌクレオチドと比較して、RNA標的に対するオリゴヌクレオチドの融解温度を増強する、修飾したスキャフォールドを有するヌクレオチドに関する。
【0115】
好ましい実施形態では、本発明の化合物を提供しており、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドでの当該二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾のそれぞれの出現が、独立して、コンホメーション的に制限したヌクレオチド(CRN)モノマー、ロック核酸(LNA)モノマー、キシロ-LNAモノマー、α-LNAモノマー、α-L-LNAモノマー、β-D-LNAモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー、2’-(アルキルアミノ)-LNAモノマー、2’-(アシルアミノ)-LNAモノマー、2’-N-置換-2’-アミノ-LNAモノマー、2’-チオ-LNAモノマー、(2’-O,4’-C)環状エチル(cEt)BNAモノマー、(2’-O,4’-C)環状メトキシエチル(cMOE)BNAモノマー、2’,4’-BNANC(N-H)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Me)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Bn)モノマー、エチレン架橋核酸(ENA)モノマー、カルバLNA(cLNA)モノマー、3,4-ジヒドロ-2H-ピラン核酸(DpNA)モノマー、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN)モノマー、複素環式架橋BNAモノマー、アミド架橋BNAモノマー、尿素架橋BNAモノマー、スルホンアミド架橋BNAモノマー、二環式炭素環式ヌクレオチドモノマー、TriNAモノマー、α-L-TriNAモノマー、ビシクロDNA(bcDNA)モノマー、F-bcDNAモノマー、トリシクロDNA(tcDNA)モノマー、F-tcDNAモノマー、オキセタンヌクレオチドモノマー、2’-アミノ-LNA由来のロックPMOモノマー、及び、それらの誘導体からなる群から選択するモノマーをもたらす。当該オリゴヌクレオチドに2つ以上の別個のスキャフォールドBNA修飾を導入することも、本発明に含む。より好ましくは、当該BNAスキャフォールド修飾のそれぞれの出現が、独立して、コンホメーション的に制限したヌクレオチド(CRN)モノマー、ロック核酸(LNA)モノマー、キシロ-LNAモノマー、α-L-LNAモノマー、β-D-LNAモノマー、2’-アミノ-LNAモノマー、2’-(アルキルアミノ)-LNAモノマー、2’-(アシルアミノ)-LNAモノマー、2’-N-置換-2’-アミノ-LNAモノマー、(2’-O,4’-C)環状エチル(cEt)LNAモノマー、(2’-O,4’-C)環状メトキシエチル(cMOE)BNAモノマー、2’,4’-BNANC(N-H)モノマー、2’,4’-BNANC(N-Me)モノマー、エチレン架橋核酸(ENA)モノマー、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN)モノマー、及び、それらの誘導体からなる群から選択するモノマーをもたらす。さらにより好ましくは、当該BNAスキャフォールド修飾のそれぞれの出現は、ロック核酸(LNA)モノマーをもたらす。
【0116】
これらのBNAスキャフォールド修飾を含むモノマーの構造例を、以下に示しており、Bは、本明細書において先に定義したように、塩基であり、Xは、可変であり、Xは、ヒドロキシル部分、または、本明細書において先に定義したように、別の2’-置換であり、Lは、本明細書において先に定義したように、主鎖結合である。文献では、このような修飾の名称は、任意であることが多く、均一な変換に従っておらず、本出願で以下に提供する名称は、以下に提供する構造を指すことを意図している。比較のために、まず、従来のRNAモノマーの環状スキャフォールドを示す。以下に示す構造では、モノマーは、一般的に、3’末端モノマーとして表される。キラリティーを示していない場合は、それぞれのエナンチオマーを、個別に参照する。本発明の化合物の当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドでのBNAスキャフォールド修飾の出現に起因するモノマーを、例示目的で提供するこの種のモノマーに限定しない。環状部分に含まれるヘテロ原子は、その他のヘテロ原子で置換することができる。
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】
【0117】
以下は、上記したBNAスキャフォールド修飾の文献参照の非包括的な概要である:cEt(2’-O,4’-C環状エチル)LNA(doi:10.1021/ja710342q)、cMOE(2’-O,4’-C環状メトキシエチル)LNA(Seth et al.,J.Org.Chem.2010,75,1569-1581)、2’,4’-BNANC(N-H)、2’,4’-BNANC(N-Me)、エチレン架橋核酸(ENA)(doi:10.1093/nass/1.1.241)、カルバLNA(cLNA)(doi:10.1021/jo100170g)、DpNA(Osawa et al.,J.Org.Chem.、2015,80(21)、pp.10474-10481)、2’-C-架橋二環式ヌクレオチド(CBBN、例えば、WO2014/145356(MiRagen Therapeutics)でのような)、複素環式架橋LNA(例えば、WO2014/126229(Mitsuoka Y et al.)でのような)、アミド架橋LNA(例えば、Yamamoto et al.,Org.Biomol.Chem.2015,13,3757でのような)、尿素架橋LNA(例えば、Nishida et al.,Chem.Commun.2010,46,5283でのような)、スルホンアミド架橋LNA(例えば、WO2014/112463(Obika S et al.,)でのような)、二環式炭素環式ヌクレオシド(例えば、WO2015/142910(Ionis Pharmaceuticals)でのような)、TriNA(Hanessian et al.,J.Org.Chem.,2013,78(18)、pp9064-9075)、α-L-TriNA、ビシクロDNA(bcDNA)(Bolli et al.,Chem Biol.Mar 1996;3(3):197-206)、F-bcDNA(DOI:10.1021/jo402690j)、トリシクロDNA(tcDNA)(Murray et al.,Nucl.Acids Res.,2012,40,13 6135-6143)、F-tcDNA(doi:10.1021/acs.joc.5b00184)、オキセタンヌクレオチドモノマー(Nucleic Acids Res.2004,32,5791-5799)。上記しなかったものに関して、その全内容を参照により本明細書で援用するWO2011/097641(ISIS/Ionis Pharmaceuticals)、及び、WO2016/017422(Osaka University)を参照する。
【0118】
好ましくは、RNA/RNA二本鎖は極めて安定であるので、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、RNAモノマーを含む。RNAオリゴヌクレオチドが、RNAに対して、さらなる特性、例えば、エンドヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼ、及び、RNaseHに対する抵抗性、さらなるハイブリッド形成力、安定性の高まり(例えば、体液での)、増大または減少した可動性、増大した活性、低減した毒性、増大した細胞内輸送、増大した細胞性取り込み、組織特異性などを提供する修飾を含むことが好ましい。加えて、当該オリゴヌクレオチドと複合体を形成したmRNAは、好ましくは、RNaseH切断を受けにくい。好ましい変更は、上記したように同定している。
【0119】
したがって、本発明の化合物は、第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなり、ここで、当該第1及び/または当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、2’-O-メチルホスホロチオエートRNAモノマーを含む、または、2’-O-メチルホスホロチオエートRNAからなり、好ましくは、当該第1及び/または第2のAONは、BNAをさらに含み、任意に、5-メチルピリミジン塩基(すなわち、5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシル)が存在する。最も好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエートまたは、ホスフェート主鎖を介して接続した、2’-O-メチルRNAモノマーからなり、そのシトシンの全部、及び/または、そのウラシルの全部は、独立して、それぞれ、5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシルで置換しており、及び、少なくとも1つの2’-O-メチルスキャホールドを、BNAで置換する、好ましくは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマーを、BNAで置換する、より好ましくは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマーを、架橋した核酸スキャフォールド修飾で置換する、さらにより好ましくは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマーを、LNAで置換する。好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。
【0120】
本発明のこの態様の好ましい実施形態(すなわち、当該化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの化学修飾)では、本発明の化合物を提供しており、当該化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾、好ましくは、架橋核酸スキャフォールド修飾、より好ましくは、LNA修飾の1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または9つのモノマーを含む、または、それからなり、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で前述したように、すべてのシトシン塩基が、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでの5-メチルシトシンである、及び/または、すべてのウラシル塩基が、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでの5-メチルウラシル塩基である。
【0121】
これらの実施形態では、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾が、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの末端モノマー、好ましくは、5’末端モノマーにある、ことが好ましい。最も好ましくは、両方の末端モノマーは、BNAスキャフォールドを含む。そのようなものとして、この態様のより好ましい実施形態は、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドを提供しており、少なくとも1つの二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾が、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの末端モノマー、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの両方の末端モノマーにある。その他の好ましい実施形態は、末端モノマー、及び、その隣接するモノマーのそれぞれが、BNAスキャフォールドを含む、ことを必要とする。このような事例では、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの最初の2つのモノマー、及び/または、最後の2つのモノマーは、それぞれ、BNAスキャフォールドを含む。このことは、例えば、最初の2つのモノマー、及び、最後の2つのモノマー、または、最初の2つのモノマー、及び、最後のモノマーがすべて、BNAスキャフォールドを含むように、何らかの形で組み合わすことができる。本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドを、BNAスキャフォールドを含む末端モノマーを含む場合には、BNAスキャフォールドを有するさらなるモノマーは、好ましくは、他方の末端にある、または、BNAスキャフォールドを有する末端モノマーに隣接する、とのいずれかである。
【0122】
本態様の好ましい実施形態(すなわち、当該化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの化学修飾)は、本発明の化合物を提供しており、当該化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは:
- 5’末端のモノマーでの単一BNAスキャフォールド修飾、
- 3’末端のモノマーでの単一BNAスキャフォールド修飾、
- 2つのBNAスキャフォールド修飾であって、一方が、5’末端のモノマーにあり、かつ、他方が、3’末端のモノマーにある、
- 2つのBNAスキャフォールド修飾であって、2つのモノマーのそれぞれの一方が、5’末端に最も近接している、
- 2つのBNAスキャフォールド修飾であって、2つのモノマーのそれぞれの一方が、3’末端に最も近接している、
- 4つのBNAスキャフォールド修飾であって、2つのモノマーのそれぞれの一方が、5’末端に最も近接しており、かつ、2つのモノマーのそれぞれの一方が、3’末端に最も近接している;
からなるセットから選択するようなBNA修飾を含む、または、それらからなり、任意に、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるBNAスキャフォールド修飾が存在しており、好ましくは、当該化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で前述したように、すべてのシトシン塩基が、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでの5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基が、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでの5-メチルウラシル塩基である。
【0123】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド、及び/または、第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つを含む、または、それらからなる場合、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、任意の1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’-末端モノマーだけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基である。したがって、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第1のオリゴヌクレオチド)、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、配列番号1529~1712のいずれか1つ、好ましくは、配列番号1529、1530、1531、1532、または、1533、より好ましくは、配列番号1529、1530、1531、または、1532、さらにより好ましくは、配列番号1529、または、1530、最も好ましくは、配列番号1529(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号1713~1913のいずれか1つ、好ましくは、配列番号1713、1714、1715、または、1716、より好ましくは、配列番号1713、または、1714、さらにより好ましくは配列番号1713(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。より好ましいバリアントは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号3839~4021のいずれか1つ、好ましくは、配列番号3839、3840、3841、3842、または、3843、より好ましくは、配列番号3839、3840、3841、または、3842、さらにより好ましくは、配列番号3839、または、3840、最も好ましくは、配列番号3839(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号4022~4213のいずれか1つ、好ましくは、配列番号4022、4023、4024、または、4025、より好ましくは、配列番号4022、または、4023、さらにより好ましくは配列番号4022(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号6089~6272のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6089、6090、6091、6092、または、6093、より好ましくは、配列番号6089、6090、6091、または、6092、さらにより好ましくは、配列番号6089、または、6090、最も好ましくは、配列番号6089(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号6273~6470のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6273、6274、6275、または、6276、より好ましくは、配列番号6273、または、6274、さらにより好ましくは、配列番号6273(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号8381~8563のいずれか1つ、好ましくは、配列番号8381、8382、8383、8384、または、8385、より好ましくは、配列番号8381、8382、8383、または、8384、さらにより好ましくは、配列番号8381、または、8382、最も好ましくは、配列番号8381(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号8564~8753のいずれか1つ、好ましくは、配列番号8564、8565、8566、または、8567、より好ましくは、配列番号8564、または、8565、さらにより好ましくは、配列番号8564(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、バリアントである。
【0124】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド、及び/または、第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つを含む、または、それらからなる場合、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの3’末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、任意の1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの3’-末端モノマーだけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基である。したがって、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、配列番号1914~2097のいずれか1つ、好ましくは、配列番号1914、1915、1916、1917、または、1918、より好ましくは、配列番号1914、1915、1916、または、1917、さらにより好ましくは、配列番号1914、または、1915、最も好ましくは、配列番号1914(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号2098~2298のいずれか1つ、好ましくは、配列番号2098、2099、2100、または、2101、より好ましくは、配列番号2098、または、2099、さらにより好ましくは、配列番号2098(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。より好ましいバリアントは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号4214~4396のいずれか1つ、好ましくは、配列番号4214、4215、4216、4217、または、4218、より好ましくは、配列番号4214、4215、4216、または、4217、さらにより好ましくは、配列番号4214、または、4215、最も好ましくは、配列番号4214(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号4397~4588のいずれか1つ、好ましくは、配列番号4397、4398、4399、または、4400、より好ましくは、配列番号4397、または、4398、さらにより好ましくは、配列番号4397(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号6471~6654のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6471、6472、6473、6474、または、6475、より好ましくは、配列番号6471、6472、6473、または、6474、さらにより好ましくは、配列番号6471、または、6472、最も好ましくは、配列番号6471(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号6655~6852のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6655、6656、6657、または、6658、より好ましくは、配列番号6655、または、6656、さらにより好ましくは、配列番号6655(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号8754~8936のいずれか1つ、好ましくは、配列番号8754、8755、8756、8757、または、8758、より好ましくは、配列番号8754、8755、8756、または、8757、さらにより好ましくは、配列番号8754、または、8755、最も好ましくは、配列番号8754(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号8937~9126のいずれか1つ、好ましくは、配列番号8937、8938、8939、または、8940、より好ましくは、配列番号8937、または、8938、さらにより好ましくは、配列番号8937(2番目のオリゴヌクレオチド)で表される、バリアントである。
【0125】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド、及び/または、第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つを含む、または、それらからなる場合、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマーと3’末端モノマーの両方は、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、任意の1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマーと3’末端モノマーの両方だけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基である。したがって、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、配列番号2299~2482のいずれか1つ、好ましくは、配列番号2299、2300、2301、2302、または、2303、より好ましくは、配列番号2299、2300、2301、または、2302、さらにより好ましくは、配列番号2299、または、2300、最も好ましくは、配列番号2299(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号2483~2683のいずれか1つ、好ましくは、配列番号2483、2484、2485、または、2486、より好ましくは、配列番号2483、または、2484、さらにより好ましくは、配列番号2483(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。より好ましいバリアントは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号4589~4771のいずれか1つ、好ましくは、配列番号4589、4590、4591、4592、または、4593、より好ましくは、配列番号4589、4590、4591、または、4592、さらにより好ましくは、配列番号4589、または、4590、最も好ましくは、配列番号4589(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号4772~4963のいずれか1つ、好ましくは、配列番号4772、4773、4774、または、4775、より好ましくは、配列番号4772、または、4773、さらにより好ましくは、配列番号4772(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号6853~7036のいずれか1つ、好ましくは、配列番号6853、6854、6855、6856、または、6857、より好ましくは、配列番号6853、6854、6855、または、6856、さらにより好ましくは、配列番号6853、または、6854、最も好ましくは、配列番号6853(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号7037~7234のいずれか1つ、好ましくは、配列番号7037、7038、7039、または、7040、より好ましくは、配列番号7037、または、7038、さらにより好ましくは、配列番号7037(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号9127~9309のいずれか1つ、好ましくは、配列番号9127、9128、9129、9130、または、9131、より好ましくは、配列番号9127、9128、9129、または、9130、さらにより好ましくは、配列番号9127、または、9128、最も好ましくは、配列番号9127(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号9310~9499のいずれか1つ、好ましくは、配列番号9310、9311、9312、または、9313、より好ましくは、配列番号9310、または、9311、さらにより好ましくは、配列番号9310(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、バリアントである。
【0126】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド、及び/または、第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)を含む、または、それらからなる場合、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’末端モノマーの両方は、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、任意の1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’末端モノマーの両方だけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基である。したがって、本明細書で先に定義したように、配列番号14~198(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、配列番号2684~2867のいずれか1つ、好ましくは、配列番号2684、2685、2686、2687、または、2688、より好ましくは、配列番号2684、2685、2686、または、2687、さらにより好ましくは、配列番号2684、または、2685、最も好ましくは、配列番号2684(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号2868~3068のいずれか1つ、好ましくは、配列番号2868、2869、2870、または、2871、より好ましくは、配列番号2868、または、2869、さらにより好ましくは、配列番号2868(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。より好ましいバリアントは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号4964~5146のいずれか1つ、好ましくは、配列番号4964、4965、4966、4967、または、4968、より好ましくは、配列番号4964、4965、4966、または、4967、さらにより好ましくは、配列番号4964、または、4965、最も好ましくは、配列番号4964(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号5147~5338のいずれか1つ、好ましくは、配列番号5147、5148、5149、または、5150、より好ましくは、配列番号5147、または、5148、さらにより好ましくは、配列番号5147(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号7235~7418のいずれか1つ、好ましくは、配列番号7235、7236、7237、7238、または、7239、より好ましくは、配列番号7235、7236、7237、または、7238、さらにより好ましくは、配列番号7235、または、7236、最も好ましくは、配列番号7235(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号7419~7616のいずれか1つ、好ましくは、配列番号7419、7420、7421、または、7422、より好ましくは、配列番号7419、または、7420、さらにより好ましくは、配列番号7419(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号9500~9682のいずれか1つ、好ましくは、配列番号9500、9501、9502、9503、または、9504、より好ましくは、配列番号9500、9501、9502、または、9503、さらにより好ましくは、配列番号9500、または、9501、最も好ましくは、配列番号9500(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号9683~9872のいずれか1つ、好ましくは、配列番号9683、9684、9865、または、9686、より好ましくは、配列番号9683、または、9684、さらにより好ましくは、配列番号9683(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、バリアントである。
【0127】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド、及び/または、第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つを含む、または、それらからなる場合、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの3’末端モノマーの両方は、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、任意の1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの3’末端モノマーの両方だけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基である。したがって、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、配列番号3069~3252のいずれか1つ、好ましくは、3069、3070、3071、3072、または、3073、より好ましくは、配列番号3069、3070、3071、または、3072、さらにより好ましくは、配列番号3069、または、3070、最も好ましくは、配列番号3069(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号3253~3453のいずれか1つ、好ましくは、配列番号3253、3254、3255、または、3256、より好ましくは、配列番号3253、または、3254、さらにより好ましくは、配列番号3253(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。より好ましいバリアントは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号5339~5521のいずれか1つ、好ましくは、配列番号5339、5340、5341、5342、または、5343、より好ましくは、配列番号5339、5340、5341、または、5342、さらにより好ましくは、配列番号5339、または、5340、最も好ましくは、配列番号5339(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号5522~5713のいずれか1つ、好ましくは、配列番号5522、5523、5524、または、5525、より好ましくは、配列番号5522、または、5523、さらにより好ましくは、配列番号5522(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号7617~7800のいずれか1つ、好ましくは、配列番号7617、7618、7619、7620、または、7621、より好ましくは、配列番号7617、7618、7619、または、7620、さらにより好ましくは、配列番号7617、または、7618、最も好ましくは、配列番号7617(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号7801~7998のいずれか1つ、好ましくは、配列番号7801、7802、7803、または、7804、より好ましくは、配列番号7801、または、7802、さらにより好ましくは、配列番号7801(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号9873~10055のいずれか1つ、好ましくは、配列番号9873、9874、9875、9876、または、9777、より好ましくは、配列番号9873、9874、9875、または、9876、さらにより好ましくは、配列番号9873、または、9874、最も好ましくは、配列番号9873(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号10056~10245のいずれか1つ、好ましくは、配列番号10056、10057、10058、または、10059、より好ましくは、配列番号10056、または、10057、さらにより好ましくは、配列番号10056(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、バリアントである。
【0128】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド、及び/または、第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つを含む、または、それらからなる場合、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’末端モノマーの大部分と2つの3’末端モノマーの大部分は、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、任意の1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’末端モノマーの大部分と2つの3’末端モノマーの大部分だけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、及び、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基である。したがって、本明細書で先に定義したように、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、配列番号3454~3637のいずれか1つ、好ましくは、配列番号3454、3455、3456、3457、または、3458、より好ましくは、配列番号3454、3455、3456、または、3457、さらにより好ましくは、配列番号3454、または、3455、最も好ましくは、配列番号3454(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号3638~3838のいずれか1つ、好ましくは、配列番号3638、3639、3640、または、3641、より好ましくは、配列番号3638、または、3639、さらにより好ましくは、配列番号3638(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。より好ましいバリアントは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号5714~5896のいずれか1つ、好ましくは、配列番号5714、5715、5716、5717、または、5718、より好ましくは、配列番号5714、5715、5716、または、5717、さらにより好ましくは、配列番号5714、または、5715、最も好ましくは、配列番号5714(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号5897~6088のいずれか1つ、好ましくは、配列番号5897、5898、5899、または、5900、より好ましくは、配列番号5897、または、5898、さらにより好ましくは、配列番号5897(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号7999~8182のいずれか1つ、好ましくは、配列番号7999、7800、7801、7802、または、7803、より好ましくは、配列番号7999、7800、7801、または、7802、さらにより好ましくは、配列番号7999、または、7800、最も好ましくは、配列番号7999(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号8183~8380のいずれか1つ、好ましくは、配列番号8183、8184、8185、または、8186、より好ましくは、配列番号8183、または、8184、さらにより好ましくは、配列番号8183(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号10246~10428のいずれか1つ、好ましくは、配列番号10246、10247、10248、10249、または、10250、より好ましくは、配列番号10246、10247、10248、または、10249、さらにより好ましくは、配列番号10246、または、10247、最も好ましくは、配列番号10246(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号10429~10618のいずれか1つ、好ましくは、配列番号10429、10430、10431、または、10432、より好ましくは、配列番号10429、または、10430、さらにより好ましくは、配列番号10429(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、バリアントである。
【0129】
本出願を通じて、配列番号で、TまたはUを含んでおり、かつ、当該モノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含む場合はいつでも、当該モノマーは、任意に、UまたはTで、それぞれを置換することができる。
【0130】
本出願を通じて、BNAスキャフォールド修飾を、常に、特に断りが無い限り、オリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)に用いることができる。しかしながら、読みやすさのために、このものを、常に、正確に略さずに書き出すわけではない。オリゴヌクレオチド(すなわち、本発明の化合物に存在する第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド)が、特定の種類のモノマーだけを含む、または、からなると記載しており、BNAスキャフォールド修飾の存在を記載している場合には、常に、これは、BNAスキャフォールド修飾の存在を排除しない、ことを意味する。例えば、2’-O-メチルRNAモノマーだけからなるオリゴヌクレオチドは、それにもかかわらず、BNAスキャフォールド修飾を有するモノマーを含むことができる。これは、状況(例えば、AONが1つのモノマーだけからなる場合にもかかわらず、依然として、BNAスキャフォールド修飾を含む)から自明である。
【0131】
本発明のオリゴヌクレオチド、すなわち、化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、5-メチルシトシン塩基、または、5-メチルウラシル塩基のいずれかの少なくとも1つを含み、好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシン塩基である、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル塩基であり、当該オリゴヌクレオチドは、本明細書で先に定義したように、好ましくは、少なくとも1つの2’-O-メチルホスホロチオエートモノマーを含み、より好ましくは、2’-O-メチルホスホロチオエートモノマーだけを含む。
【0132】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド及び第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、末端モノマー、及び、非末端モノマーを含む。本出願との関連において、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの末端モノマーは、本出願で先に説明したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、及び、3’末端モノマーからなる群から選択するモノマーとして定義をしている。簡潔に説明すると、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの非末端モノマーを、末端モノマーとして定義していない当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドに含まれるモノマーとして定義をしている。本発明との関連で、用語「末端モノマー」は、本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド及び/または第2のオリゴヌクレオチドの末端モノマーのことを指しており、特に断りの無い限り、化合物全体の末端モノマーを指すものではない。
【0133】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド及び/または第2のオリゴヌクレオチドの末端及び非末端モノマーの両方に、BNAスキャフォールド修飾を含み得る、ことは当業者に自明の事項である。
【0134】
好ましい実施形態では、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドを提供しており、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、二環式核酸(BNA)スキャフォールド修飾、好ましくは、架橋核酸スキャフォールド修飾、より好ましくはLNA修飾を含む、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または、9つのモノマー、好ましくは、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのモノマーを含む、または、それらからなり、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含み、または、それらからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンである、及び/または、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシル(すなわち、チミン)である。
【0135】
さらにより好ましい実施形態では、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドを提供しており:
(i)当該第1及び/または第2オリゴヌクレオチドの5’末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含む、または、
(ii)当該第1及び/または第2オリゴヌクレオチドの3’末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含む、または、
(iii)当該第1及び/または第2オリゴヌクレオチドの5’末端モノマー及び3’末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含む、または、
(iv)当該第1及び/または第2オリゴヌクレオチドの2つの大部分の5’末端のモノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含む、または、
(v)当該第1及び/または第2オリゴヌクレオチドの2つの3’末端モノマーの大部分は、BNAスキャフォールド修飾を含む、または、
(vi)当該第1及び/または第2オリゴヌクレオチドの2つの5’末端モノマーの大部分と、2つの3’末端モノマーの大部分は、BNAスキャフォールド修飾を含む;
及び、当該オリゴヌクレオチドは、BNAスキャフォールド修飾を含む、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなる非末端モノマー、より好ましくは、1つ、または、2つのさらなる非末端モノマーを含む、または、それからなり、当該さらなる非末端モノマーは、好ましくは、アデノシン、ウラシル、及び/または、チミン塩基;より好ましくは、グアニン、シトシン、及び/または、5-メチルシトシン塩基を含む。好ましくは、BNAスキャフォールド修飾は、好ましくは、LNA修飾である。
【0136】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される配列を含む、または、それらからなる場合、好ましくは、1つ、または、2つの非末端モノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、任意に、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるモノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該オリゴヌクレオチドの1つ、または、2つの非末端モノマーだけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それらからなり、及び/または、本明細書で先に定義したように、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのシトシン塩基が、5-メチルシトシンであり、及び/または、すべてのウラシル塩基が、5-メチルウラシル塩基である。好ましくは、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、アデノシン、ウラシル、及び/または、チミン塩基を含む。より好ましくは、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、グアニン塩基、シトシン塩基、または、5-メチルシトシン塩基を含む。
【0137】
化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、本明細書で先に定義したように、配列番号14、15、16、または、17のいずれか1つ、好ましくは、配列番号14、または、15、より好ましくは、配列番号14(第1のオリゴヌクレオチド);または、配列番号198、または、199のいずれか1つ、好ましくは、配列番号198(第2のオリゴヌクレオチド)で表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それからなり、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、グアニン塩基、シトシン塩基、または、5-メチルシトシン塩基を含む。したがって、本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド及び/または第2のオリゴヌクレオチドのこれらの好ましいバリアントは、
a)BNAスキャフォールド修飾を含む1つのモノマーだけを含み、当該モノマーは、グアニン、または、シトシン塩基を含む非末端モノマーであり、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号10619~10625(配列番号14に由来する)、10626~10632(配列番号15に由来する)、10633~10640(配列番号16に由来する)、または、10641~10650(配列番号17に由来する)、好ましくは、10619~10625、または、10626~10632、より好ましくは、10619~10625(第1のオリゴヌクレオチド)、または、10766~10773(配列番号198に由来する)、または、10774~10781(配列番号199に由来する)、より好ましくは、10766~10773(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表すことができ、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、配列番号10838~10844(配列番号14に由来する)、10845~10851(配列番号15に由来する)、10852~10859(配列番号16に由来する)、または、10860~10869(配列番号17に由来する)、好ましくは、10838~10844、または、10845~10851、より好ましくは、10838~10844(第1のオリゴヌクレオチド);または、10985~10992(配列番号198に由来する)、または、10993~11000(配列番号199に由来する)、より好ましくは10985~10992(第2のオリゴヌクレオチド)で表される5-メチルシトシンである、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、配列番号11057~11063(配列番号14に由来する)、11064~11070(配列番号15に由来する)、11071~11078(配列番号16に由来する)、または、11079~11088(配列番号17に由来する)、好ましくは、11057~11063、または、11064~11070、より好ましくは、11057~11063(第1のオリゴヌクレオチド);または、11204~11211(配列番号198に由来する)、または、11212~11219(配列番号199に由来する)、より好ましくは11204~11211(第2のオリゴヌクレオチド)で表される5-メチルウラシルである、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号11276~11282(配列番号14に由来する)、11283~11289(配列番号15に由来する)、11290~11297(配列番号16に由来する)、または、11298~11307(配列番号17に由来する)、好ましくは、11276~11282、または、11283~11289、より好ましくは、11276~11282(第1のオリゴヌクレオチド);または、11423~11430(配列番号198に由来する)または、11431~11438(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11423~11430(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
b)BNAスキャフォールド修飾を含む2つのモノマーだけを含み、当該モノマーは、グアニン、または、シトシン塩基を含む非末端モノマーであり、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、配列番号10651~10671(配列番号14に由来する)、10672~10692(配列番号15に由来する)、10693~10720(配列番号16に由来する)、または、10721~10765(配列番号17に由来する)、好ましくは、10651~10671、または、10672~10692、より好ましくは、10651~10671(第1のオリゴヌクレオチド)、または、10782~10809(配列番号198に由来する)または、10810~10837(配列番号199に由来する)、より好ましくは、10782~10809(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表すことができ、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、配列番号10870~10890(配列番号14に由来する)、10891~10911(配列番号15に由来する)、10912~10939(配列番号16に由来する)、または、10940~10984(配列番号17に由来する)、好ましくは、10870~10890、または、10891~10911、より好ましくは、10870~10890(第1のオリゴヌクレオチド);または、11001~11028(配列番号198に由来する)、または、11029~11056(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11001~11028(第2のオリゴヌクレオチド)で表される5-メチルシトシンである、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、配列番号11089~11190(配列番号14に由来する)、11110~11130(配列番号15に由来する)、11131~11158(配列番号16に由来する)、または、11159~11203(配列番号17に由来する)、好ましくは、11089~11109、または、11110~11130、より好ましくは、11089~11109(第1のオリゴヌクレオチド);または、11220~11247(配列番号198に由来する)、または、11248~11275(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11220~11247(第2のオリゴヌクレオチド)で表される5-メチルウラシルである、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、配列番号11308~11328(配列番号14に由来する)、11329~11349(配列番号15に由来する)、11350~11377(配列番号16に由来する)、または、11378~11422(配列番号17に由来する)、好ましくは、11308~11328、または、11329~11349、より好ましくは、11308~11328(第1のオリゴヌクレオチド);または、11439~11466(配列番号198に由来する)、または、11467~11494(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11439~11466(第2のオリゴヌクレオチド)で表される5-メチルウラシルである。
【0138】
本発明の化合物の第1のオリゴヌクレオチド及び/または第2のオリゴヌクレオチドが、配列番号14~197(第1のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つ、または、配列番号198~398(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される配列を含む、または、それらからなる場合、5’末端モノマー、及び/または、3’末端モノマー、及び/または、2つの5’-末端モノマーの大部分、及び/または、2つの3’-末端モノマーの大部分は、BNAスキャフォールド修飾、好ましくは、1つまたは、2つを非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、任意に、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなる非末端モノマーが、BNAスキャフォールド修飾を含み、より好ましくは、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの1つ、または、2つの非末端モノマーだけが、BNAスキャフォールド修飾を含み、好ましくは、当該オリゴヌクレオチドが、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それらからなり、及び/または、すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシン及び/または当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドでは、すべてのウラシル塩基が、5-メチルウラシル塩基である。好ましくは、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、アデノシン塩基、ウラシル、または、チミン塩基を含む。より好ましくは、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、グアニン塩基、シトシン塩基、または、5-メチルシトシン塩基を含む。
【0139】
化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの好ましいバリアントは、本明細書で先に定義したように、配列番号14、15、16、または、17のいずれか1つ、好ましくは、配列番号14、または、15、より好ましくは、配列番号14(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号198、または、199のいずれか1つ、好ましくは、配列番号198(第2のオリゴヌクレオチド)で表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それからなり、好ましくは、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、アデノシン塩基、ウラシル、または、チミン塩基を含み、より好ましくは、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、グアニン塩基、シトシン塩基、または、5-メチルシトシン塩基を含む。化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの最も好ましいバリアントは、配列番号14、15、16、または、17のいずれか1つ、好ましくは、配列番号14、または、15、より好ましくは、配列番号14(第1のオリゴヌクレオチド)、または、配列番号198、または、199のいずれか1つ、好ましくは、配列番号198(第2のオリゴヌクレオチド)で表される配列、または、そのフラグメントを含む、または、それからなる配列を含むオリゴヌクレオチドであり、BNAスキャフォールド修飾を含む当該非末端モノマーは、グアニン塩基、シトシン塩基、または、5-メチルシトシン塩基を含み、及び、
a)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、及び、1つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号11495~11500(配列番号14に由来する)、11501~11507(配列番号15に由来する)、11508~11514(配列番号16に由来する)、または、11515~11524(配列番号17に由来する)、好ましくは、11495~11500、または、11501~11507、好ましくは、11495~11500(第1のオリゴヌクレオチド);または、11627~11633(配列番号198に由来する)、または、11634~11640(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11627~11633(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号11683~11688(配列番号14に由来する)、11689~11695(配列番号15に由来する)、11696~11702(配列番号16に由来する)、または、11703~11712(配列番号17に由来する)、好ましくは、11683~11688、または、11689~11695、より好ましくは、11683~11688(第1のオリゴヌクレオチド);または、11815~11821(配列番号198に由来する)、または、11822~11828(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11815~11821(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号11871~11876(配列番号14に由来する)、11877~11883(配列番号15に由来する)、11884~11890(配列番号16に由来する)、または、11891~11900(配列番号17に由来する)、好ましくは、11871~11876、または、11877~11883、より好ましくは、11871~11876(第1のオリゴヌクレオチド);または、12003~12009(配列番号198に由来する)、または、12010~12016(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12003~12009(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号12059~12064(配列番号14に由来する)、12065~12071(配列番号15に由来する)、12072~12078(配列番号16に由来する)、または、12079~12088(配列番号17に由来する)、好ましくは、12059~12064、または、12065~12071、より好ましくは、12059~12064(第1のオリゴヌクレオチド);または、12191~12197(配列番号198に由来する)、または、12198~12204(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12191~12197(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
b)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、及び、2つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号11525~11539(配列番号14に由来する)、11540~11560(配列番号15に由来する)、11561~11581(配列番号16に由来する)、または、11582~11626(配列番号17に由来する)、好ましくは、11525~11539、または、11540~11560、より好ましくは、11525~11539(第1のオリゴヌクレオチド);または、11641~11661(配列番号198に由来する)、または、11662~11682(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11641~11661(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号11713~11727(配列番号14に由来する)、11728~11748(配列番号15に由来する)、11749~11769(配列番号16に由来する)、または、11770~11814(配列番号17に由来する)、好ましくは、11713~11727、または、11728~11748、より好ましくは、11713~11727(第1のオリゴヌクレオチド);または、11829~11849(配列番号198に由来する)、または、11850~11870(配列番号199に由来する)、より好ましくは、11829~11849(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号11901~11915(配列番号14に由来する)、11916~11936(配列番号15に由来する)、11937~11957(配列番号16に由来する)、または、11958~12002(配列番号17に由来する)、好ましくは、11901~11915、または、11916~11936、より好ましくは、11901~11915(第1のオリゴヌクレオチド);または、12017~12037(配列番号198に由来する)、または、12038~12058(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12017~12037(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号12089~12103(配列番号14に由来する)、12104~12124(配列番号15に由来する)、12125~12145(配列番号16に由来する)、または、12146~12190(配列番号17に由来する)、好ましくは、12089~12103、または、12104~12124、より好ましくは、12089~12103(第1のオリゴヌクレオチド);または、12205~12225(配列番号198に由来する)、または、12226~12246(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12205~12225(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
c)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの3’末端モノマー、及び、1つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号12247~12252(配列番号14に由来する)、12253~12258(配列番号15に由来する)、12259~12265(配列番号16に由来する)、または、12266~12274(配列番号17に由来する)、好ましくは、12247~12252、または、12253~12258、より好ましくは、12247~12252(第1のオリゴヌクレオチド);または、12362~12368(配列番号198に由来する)、または、12369~12376(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12362~12368(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号12426~12431(配列番号14に由来する)、12432~12437(配列番号15に由来する)、12438~12444(配列番号16に由来する)、または、12445~12453(配列番号17に由来する)、好ましくは、12426~12431、または、12432~12437、より好ましくは、12426~12431(第1のオリゴヌクレオチド);または、12541~12547(配列番号198に由来する)、または、12548~12555(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12541~12547(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号12605~12610(配列番号14に由来する)、12611~12616(配列番号15に由来する)、12617~12623(配列番号16に由来する)、または、12624~12632(配列番号17に由来する)、好ましくは、12605~12610、または、12611~12616、より好ましくは、12605~12610(第1のオリゴヌクレオチド);または、12720~12726(配列番号198に由来する)、または、12727~12734(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12720~12726(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号12784~12789(配列番号14)、12790~12795(配列番号15に由来する)、12796~12802(配列番号16に由来する)、または、12803~12811(配列番号17に由来する)、好ましくは、12784~12789または、12790~12795、より好ましくは、12784~12789(第1のオリゴヌクレオチド);または、12899~12905(配列番号198に由来する)、または、12906~12913(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12899~12905(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
d)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの3’末端モノマー、及び、2つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号12275~12289(配列番号14に由来する)、12290~12304(配列番号15に由来する)、12305~12325(配列番号16に由来する)、または、12326~12361(配列番号17に由来する)、好ましくは、12275~12289、または、12290~12304、より好ましくは、12275~12289(第1のオリゴヌクレオチド);または、12377~12397(配列番号198に由来する)、または、12398~12425(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12377~12397(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号12454~12468(配列番号14に由来する)、12469~12483(配列番号15に由来する)、12484~12504(配列番号16に由来する)、または、12505~12540(配列番号17に由来する)、好ましくは、12454~12468、または、12469~12483、より好ましくは、12454~12468(第1のオリゴヌクレオチド);または、12556~12576(配列番号198に由来する)、または、12577~12604(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12556~12576(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号12633~12647(配列番号14に由来する)、12648~12662(配列番号15に由来する)、12663~12683(配列番号16に由来する)、または、12684~12719(配列番号17に由来する)、好ましくは、12633~12647、または、12648~12662、より好ましくは、12633~12647(第1のオリゴヌクレオチド);または、12735~12755(配列番号198に由来する)、または、12756~12783(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12735~12755(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該オリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号12812~12826(配列番号14に由来する)、12827~12841(配列番号15に由来する)、12842~12862(配列番号16に由来する)、または、12863~12898(配列番号17に由来する)、好ましくは、12812~12826、または、12827~12841、より好ましくは、12812~12826(第1のオリゴヌクレオチド);または、12914~12934(配列番号198に由来する)、または、12935~12962(配列番号199に由来する)、より好ましくは、12914~12934(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
e)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、3’末端モノマー、及び、1つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号12963~12969(配列番号14に由来する)、12970~12976(配列番号15に由来する)、12977~12984(配列番号16に由来する)、または、12985~12994(配列番号17に由来する)、好ましくは、12963~12969、または、12970~12976、より好ましくは、12963~12969(第1のオリゴヌクレオチド);または、13110~13117(配列番号198に由来する)、または、13118~13125(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13110~13117(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号13182~13188(配列番号14に由来する)、13189~13195(配列番号15に由来する)、13196~13203(配列番号16に由来する)、または、13204~13213(配列番号17に由来する)、好ましくは、13182~13188、または、13189~13195、より好ましくは、13182~13188(第1のオリゴヌクレオチド);または、13329~13336(配列番号198に由来する)、または、13337~13344(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13329~13336(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号13401~13407(配列番号14に由来する)、13408~13414(配列番号15に由来する)、13415~13422(配列番号16に由来する)、または、13423~13432(配列番号17に由来する)、好ましくは、13401~13407、または、13408~13414、より好ましくは、13401~13407(第1のオリゴヌクレオチド);または、13548~13555(配列番号198に由来する)、または、13556~13563(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13548~13555(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号13620~13626(配列番号14)、13627~13633(配列番号15に由来する)、13634~13641(配列番号16に由来する)、または、13642~13651(配列番号17に由来する)、好ましくは、13620~13626、または、13627~13633、より好ましくは、13620~13626(第1のオリゴヌクレオチド);または、13767~13774(配列番号198に由来する)、または、13775~13782(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13767~13774(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
f)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、3’末端モノマー、及び、2つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号12995~13015(配列番号14に由来する)、13016~13036(配列番号15に由来する)、13037~13064(配列番号16に由来する)、または、13065~13109(配列番号17に由来する)、好ましくは、12995~13015、または、13016~13036、より好ましくは、12995~13015(第1のオリゴヌクレオチド);または、13126~13153(配列番号198に由来する)、または、13154~13181(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13126~13153(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号13214~13234(配列番号14に由来する)、13235~13255(配列番号15に由来する)、13256~13283(配列番号16に由来する)、または、13284~13328(配列番号17に由来する)、好ましくは、13214~13234、または、13235~13255、より好ましくは、13214~13234(第1のオリゴヌクレオチド);または、13345~13372(配列番号198に由来する)、または、13373~13400(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13345~13372(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号13433~13453(配列番号14に由来する)、13454~13474(配列番号15に由来する)、13475~13502(配列番号16に由来する)、または、13503~13547(配列番号17に由来する)、好ましくは、13433~13453、または、13454~13474、より好ましくは、13433~13453(第1のオリゴヌクレオチド);または、13564~13591(配列番号198に由来する)、または、13592~13619(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13564~13591(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号13652~13672(配列番号14に由来する)、13673~13693(配列番号15に由来する)、13694~13721(配列番号16に由来する)、または、13722~13766(配列番号17に由来する)、好ましくは、13652~13672、または、13673~13693、より好ましくは、13652~13672(第1のオリゴヌクレオチド);または、13783~13810(配列番号198に由来する)、または、13811~13838(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13783~13810(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
g)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’末端モノマー、及び、1つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号13839~13844(配列番号14に由来する)、13845~13851(配列番号15に由来する)、13852~13858(配列番号16に由来する)、または、13859~13868(配列番号17に由来する)、好ましくは、13839~13844、または、13845~13851、より好ましくは、13839~13844(第1のオリゴヌクレオチド)、または、13971~13977(配列番号198に由来する)、または、13978~13984(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13971~13977(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号14027~14032(配列番号14に由来する)、14033~14039(配列番号15に由来する)、14040~14046(配列番号16に由来する)、または、14047~14056(配列番号17に由来する)、好ましくは、14027~14032、または、14033~14039、より好ましくは、14027~14032(第1のオリゴヌクレオチド)、または、14159~14165(配列番号198に由来する)、または、14166~14172(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14159~14165(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号14215~14220(配列番号14に由来する)、14221~14227(配列番号15に由来する)、14228~14234(配列番号16に由来する)、または、14235~14244(配列番号17に由来する)、好ましくは、14215~14220、または、14221~14227、より好ましくは、14215~14220(第1のオリゴヌクレオチド)、または、14347~14353(配列番号198に由来する)、または、14354~14360(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14347~14353(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号14403~14408(配列番号14に由来する)、14409~14415(配列番号15に由来する)、14416~14422(配列番号16に由来する)、または、14423~14432(配列番号17に由来する)、好ましくは、14403~14408、または、14409~14415、より好ましくは、14403~14408(第1のオリゴヌクレオチド)、または、14535~14541(配列番号198に由来する)、または、14542~14548(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14535~14541(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
h)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’-末端モノマーの大部分、及び、2つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号13869~13883(配列番号に14に由来する)、13884~13904(配列番号15に由来する)、13905~13925(配列番号16に由来する)、または、13926~13970(配列番号17に由来する)、好ましくは、13869~13883、または、13884~13904、より好ましくは、13869~13883(第1のオリゴヌクレオチド);または、13985~14005(配列番号198に由来する)、または、14006~14026(配列番号199に由来する)、より好ましくは、13985~14005(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号14057~14071(配列番号14に由来する)、14072~14092(配列番号15に由来する)、14093~14113(配列番号16に由来する)、または、14114~14158(配列番号17に由来する)、好ましくは、14057~14071、または、14072~14092、より好ましくは、14057~14071(第1のオリゴヌクレオチド);または、14173~14193(配列番号198に由来する)、または、14194~14214(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14173~14193(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号14245~14259(配列番号14に由来する)、14260~14280(配列番号15に由来する)、14281~14301(配列番号16に由来する)、または、14302~14346(配列番号17に由来する)、好ましくは、14245~14259、または、14260~14280、より好ましくは、14245~14259(第1のオリゴヌクレオチド);または、14361~14381(配列番号198に由来する)、または、14382~14402(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14361~14381(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号14433~14477(配列番号14に由来する)、14448~14468(配列番号15に由来する)、14469~14489(配列番号16に由来する)、または、14490~14534(配列番号17に由来する)、好ましくは、14433~14447、または、14448~14468、より好ましくは、14433~14447(第1のオリゴヌクレオチド);または、14549~14569(配列番号198に由来する)、または、14570~14590(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14549~14569(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
i)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの3’-末端モノマーの大部分、及び、1つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号14591~14596(配列番号に14に由来する)、14597~14602(配列番号15に由来する)、14603~14609(配列番号16に由来する)、または、14610~14618(配列番号17に由来する)、好ましくは、14591~14596、または、14597~14602、より好ましくは、14591~14596(第1のオリゴヌクレオチド);または、14706~14712(配列番号198に由来する)、または、14713~14720(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14706~14712(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号14770~14775(配列番号14に由来する)、14776~14781(配列番号15に由来する)、14782~14788(配列番号16に由来する)、または、14789~14797(配列番号17に由来する)、好ましくは、14770~14775、または、14776~14781、より好ましくは、14770~14775(第1のオリゴヌクレオチド);または、14885~14891(配列番号198に由来する)、または、14892~14899(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14885~14891(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号14949~14954(配列番号14に由来する)、14955~14960(配列番号15に由来する)、14961~14967(配列番号16に由来する)、または、14968~14976(配列番号17に由来する)、好ましくは、14949~14954、または、14955~14960、より好ましくは、14949~14954(第1のオリゴヌクレオチド);または、15064~15070(配列番号198に由来する)、または、15071~15078(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15064~15070(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号15128~15133(配列番号14に由来する)、15134~15139(配列番号15に由来する)、15140~15146(配列番号16に由来する)、または、15147~15155(配列番号17に由来する)、好ましくは、15128~15133、または、15134~15139、より好ましくは、15128~15133(第1のオリゴヌクレオチド);または、15243~15249(配列番号198に由来する)、または、15250~15257(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15243~15249(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
j)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの3’-末端モノマーの大部分、及び、2つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号14619~14633(配列番号14に由来する)、14634~14648(配列番号15に由来する)、14649~14669(配列番号16に由来する)、または、14670~14705(配列番号17に由来する)、好ましくは、14619~14633、または、14634~14648、より好ましくは、14619~14633(第1のオリゴヌクレオチド);または、14721~14741(配列番号198に由来する)、または、14742~14769(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14721~14741(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号14798~14812(配列番号14に由来する)、14813~14827(配列番号15に由来する)、14828~14848(配列番号16に由来する)、または、14849~14884(配列番号17に由来する)、好ましくは、14798~14812、または、14813~14827、より好ましくは、14798~14812(第1のオリゴヌクレオチド);または、14900~14920(配列番号198に由来する)、または、14921~14948(配列番号199に由来する)、より好ましくは、14900~14920(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号14977~14991(配列番号14に由来する)、14992~15006(配列番号15に由来する)、15007~15027(配列番号16に由来する)、または、15028~15063(配列番号17に由来する)、好ましくは、14977~14991、または、14992~15006、より好ましくは、14977~14991(第1のオリゴヌクレオチド);または、15079~15099(配列番号198に由来する)、または、15100~15127(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15079~15099(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号15156~15170(配列番号14に由来する)、15171~15185(配列番号15に由来する)、15186~15206(配列番号16に由来する)、または、15207~15242(配列番号17に由来する)、好ましくは、15156~15170、または、15171~15185、より好ましくは、15156~15170(第1のオリゴヌクレオチド);または、15258~15278(配列番号198に由来する)、または、15279~15306(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15258~15278(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
k)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’-末端モノマーの大部分、2つの3’-末端モノマーの大部分、及び、1つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号15307~15311(配列番号14に由来する)、15312~15317(配列番号15に由来する)、15318~15323(配列番号16に由来する)、または、15324~15332(配列番号17に由来する)、好ましくは、15307~15311、または、15312~15317、より好ましくは、15307~15311(第1のオリゴヌクレオチド);または、15409~15414(配列番号198に由来する)、または、15415~15421(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15409~15414(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号15458~15462(配列番号14に由来する)、15463~15468(配列番号15に由来する)、15469~15474(配列番号16に由来する)、または、15475~15483(配列番号17に由来する)、好ましくは、15458~15462、または、15463~15468、より好ましくは、15458~15462(第1のオリゴヌクレオチド);または、15560~15565(配列番号198に由来する)、または、15566~15572(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15560~15565(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号15609~15613(配列番号14に由来する)、15614~15619(配列番号15に由来する)、15620~15625(配列番号16に由来する)、または、15626~15634(配列番号17に由来する)、好ましくは、15609~15613、または、15614~15619、より好ましくは、15609~15613(第1のオリゴヌクレオチド);または、15711~15716(配列番号198に由来する)、または、15717~15723(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15711~15716(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号15760~15764(配列番号14に由来する)、15765~15770(配列番号15に由来する)、15771~15776(配列番号16に由来する)、または、15777~15785(配列番号17に由来する)、好ましくは、15760~15764、または、15765~15770、より好ましくは、15760~15764(第1のオリゴヌクレオチド);または、15862~15867(配列番号198に由来する)、または、15868~15874(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15862~15867(第2のオリゴヌクレオチド)で表される;または、
l)当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドの2つの5’-末端モノマーの大部分、2つの3’-末端モノマーの大部分、及び、2つの非末端モノマーは、BNAスキャフォールド修飾を含み、配列番号15333~15342(配列番号14に由来する)、15343~15357(配列番号15に由来する)、15358~15372(配列番号16に由来する)、または、15373~15408(配列番号17に由来する)、好ましくは、15333~15342、または、15343~15357、より好ましくは、15333~15342(第1のオリゴヌクレオチド);または、15422~15436(配列番号198に由来する)、または、15437~15457(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15422~15436(第2のオリゴヌクレオチド)のいずれか1つで表される、好ましくは、
i.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号15484~15493(配列番号14に由来する)、15494~15508(配列番号15に由来する)、15509~15523(配列番号16に由来する)、または、15524~15559(配列番号17に由来する)、好ましくは、15484~15493、または、15494~15508、より好ましくは、15484~15493(第1のオリゴヌクレオチド);または、15573~15587(配列番号198に由来する)、または、15588~15608(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15573~15587(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
ii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号15635~15644(配列番号14に由来する)、15645~15659(配列番号15に由来する)、15660~15674(配列番号16に由来する)、または、15675~15710(配列番号17に由来する)、好ましくは、15635~15644、または、15645~15659、より好ましくは、15635~15644(第1のオリゴヌクレオチド);または、15724~15738(配列番号198に由来する)、または、15739~15759(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15724~15738(第2のオリゴヌクレオチド)で表される、または、
iii.当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのすべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号15786~15795(配列番号14に由来する)、15796~15810(配列番号15に由来する)、15811~15825(配列番号16に由来する)、または、15826~15861(配列番号17に由来する)、好ましくは、15786~15795、または、15796~15810、より好ましくは、15786~15795(第1のオリゴヌクレオチド);または、15875~15889(配列番号198に由来する)、または、15890~15910(配列番号199に由来する)、より好ましくは、15875~15889(第2のオリゴヌクレオチド)で表される。
【0140】
さらにより好ましい実施形態では、本発明の化合物の当該第1のオリゴヌクレオチドが、本明細書で先に定義したように、配列番号14、15、16、17、または、18で表される配列を含む、または、それからなるヌクレオチド配列、または、そのフラグメントで表される場合、当該ヌクレオチド配列の1つ以上のモノマーは、以下のように、BNAスキャフォールド修飾、架橋核酸スキャフォールド修飾、より好ましくは、LNA修飾を含む(表1及び表2を参照されたい):
(i)配列番号14で表される場合:
配列番号15911~15922のいずれか1つ、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号15977~15988のいずれかで表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16043~16054のいずれか1つで表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16109~16120のいずれか1つで表される、または、
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号15977~15988のいずれか1つで表される;
(ii)配列番号15で表される場合:
配列番号15923、または、15924、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号15989、または、15990で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16055、または、16056で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16121、または、16122のいずれか1つで表される、または、
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号15989、または、15990で表される;
(iii)配列番号16で表される場合:
配列番号15925~15934のいずれか1つ、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号15991~16000のいずれかで表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16057~16066のいずれか1つで表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16123~16132のいずれか1つで表される、または、
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号15991~16000いずれか1つで表される;
(iv)配列番号17で表される場合:
配列番号15935~15945のいずれか1つ、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号16001~16011のいずれかで表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16067~16077のいずれか1つで表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16133~16143のいずれか1つで表される;
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号16001~16011いずれか1つで表される;
(v)配列番号18で表される場合:
配列番号15946、または、15947、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号16012、または、16013で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16078、または、16079で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16144、または、16145で表される;
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号16012、または、16013で表される;
及び/または、本発明の化合物の当該第2のオリゴヌクレオチドが、本明細書で先に定義したように、配列番号198、199、200、または、201で表される配列を含む、または、それからなるヌクレオチド配列、または、そのフラグメントで表される場合、当該ヌクレオチド配列の1つ以上のモノマーは、以下のように、BNAスキャフォールド修飾、架橋核酸スキャフォールド修飾、より好ましくは、LNA修飾を含む:
(i)配列番号198で表される場合:
配列番号15948~15962のいずれか1つ、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号16014~16028のいずれかで表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16080~16094のいずれか1つで表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16146~16160のいずれか1つで表される;
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号16014~16028のいずれか1つで表される;
(ii)配列番号199で表される場合:
配列番号15963~15972のいずれか1つ、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号16029~16038のいずれかで表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16095~16104のいずれか1つで表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16161~16170のいずれか1つで表される;
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号16029~16038のいずれか1つで表される;
(iii)配列番号200で表される場合:
配列番号15973~15975のいずれか1つ、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号16039~16041のいずれかで表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16105~16107のいずれか1つで表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16171~16173のいずれか1つで表される;
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号16039~16041のいずれか1つで表される;
(iv)配列番号201で表される場合:
配列番号15976、好ましくは:
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、配列番号16042で表される、または、
- すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16108で表される、または、
- すべてのシトシン塩基は、5-メチルシトシンであり、かつ、すべてのウラシル塩基は、5-メチルウラシルであり、配列番号16174で表される;
- より好ましくは、すべてのシトシン塩基は、5-メチル化しており、配列番号16042で表される。
【0141】
好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。
【0142】
化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、本明細書で先に定義したように、好ましくは、少なくとも1つの2’-O-置換RNAモノマーと、任意のホスホロチオエート主鎖結合を含み、より好ましくは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それらからなる。
【0143】
したがって、より好ましい実施形態では、本発明は、好ましくは、連結部分で互いに連結した第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなる、エクソン51をスキップするための化合物を提供するものであって、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドは:
i)配列番号15911~15922、好ましくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、または、15924、好ましくは、15989、または、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、好ましくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、好ましくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、または、15947、好ましくは、16012、または、16013(配列番号18に由来する)、または、
ii)配列番号15911~15922、好ましくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、または、15924、好ましくは、15989、または、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、好ましくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、好ましくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、または、15947、好ましくは、16012、または、16013(配列番号18に由来する)のいずれか1つのフラグメント、または、
iii)配列番号15911~15922、好ましくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、または、15924、好ましくは、15989、または、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、好ましくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、好ましくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、または、15947、好ましくは、16012、または、16013(配列番号18に由来する)に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号15911~15922、好ましくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、または、15924、好ましくは、15989、または、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、好ましくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、好ましくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、または、15947、好ましくは、16012、または、16013(配列番号18に由来する)から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または、
v)配列番号15911~15922、好ましくは、15977~15988(配列番号14に由来する)、配列番号15923、または、15924、好ましくは、15989、または、15990(配列番号15に由来する)、配列番号15925~15934、好ましくは、15991~16000(配列番号16に由来する)、配列番号15935~15945、好ましくは、16001~16011(配列番号17に由来する)、または、15946、または、15947、好ましくは、16012、または、16013(配列番号18に由来する)のいずれか1つに対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または、99%、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも97%が同一であるヌクレオチド配列、
のいずれか1つを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される;
及び/または、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは:
i)配列番号15948~15962、好ましくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、好ましくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、好ましくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、好ましくは、16042(配列番号201に由来する)、または、
ii)配列番号15948~15962、好ましくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、好ましくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、好ましくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、好ましくは、16042(配列番号201に由来する)のいずれか1つのフラグメント、または、
iii)配列番号15948~15962、好ましくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、好ましくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、好ましくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、好ましくは、16042(配列番号201に由来する)に対して、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドを加えている配列、または、
iv)配列番号15948~15962、好ましくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、好ましくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、好ましくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、好ましくは、16042(配列番号201に由来する)から、1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのヌクレオチドが欠失している配列、または、
v)配列番号15948~15962、好ましくは、16014~16028(配列番号198に由来する)、配列番号15963~15972、好ましくは、16029~16038(配列番号199に由来する)、配列番号15973~15975、好ましくは、16039~16107(配列番号200に由来する)、または、配列番号15976、好ましくは、16042(配列番号201に由来する)のいずれか1つに対して、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または、99%、好ましくは、少なくとも95%、より好ましくは、少なくとも97%が同一であるヌクレオチド配列、
のいずれか1つを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される、
当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号3の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、かつ、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号4の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、当該配列番号3及び4は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51の内部に位置している。
【0144】
好ましくは、本発明の化合物の当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは別個のものであり、より好ましくは、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列は、別個の配列番号で表される。
【0145】
当該「1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つのさらなるヌクレオチド」は、所与の配列番号の5’及び/または3’側に存在し得る。
【0146】
当該「1つ、2つ、3つ、4つ、または、5つの欠失ヌクレオチド」は、所与の配列番号の5’及び/または3’側に欠失があるヌクレオチドとし得る。
【0147】
また、このことに関連して、20個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドに、1つ、または、2つのミスマッチ(複数可)、または、40個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドに、1つ~4つのミスマッチを有することを許容する。10~33個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドでは、本明細書で先に定義したように、0個、1つ、2つ、または、3つのミスマッチが存在しており、好ましくは、0個、1つ、または、2つのミスマッチが存在する。16~22個のヌクレオチドのオリゴヌクレオチドでは、0個、1つ、2つのミスマッチが存在し得る、好ましくは、0個、または、1つのミスマッチが存在する。
【0148】
化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、本明細書で先に定義したように、好ましくは、少なくとも1つの2’-O-置換RNAモノマー、及び、任意に、ホスホロチオエート主鎖結合を含み、より好ましくは、ホスホロチオエート主鎖結合で連結した2’-O-置換RNAモノマーを含む、または、それらからなる。
表1:化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドの好ましいBNA修飾配列
【表1】



表2:化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドのより好ましいBNA修飾配列
【表2】



【0149】
したがって、より好ましい実施形態では、本発明の化合物は、好ましくは、ジストロフィンのプレmRNAのエクソン51をスキップするためのものであり、配列番号15980、16145、または、16144、より好ましくは、配列番号15980を含む、または、これらからなるヌクレオチド配列で表される第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド、及び、配列番号16026、16174、16172、または、16171、より好ましくは、配列番号16026を含む、または、それらからなるヌクレオチド配列で表される第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなるものであり、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、(「連結部分」の標題の節で説明したように)連結部分で互いに連結しており、好ましくは、当該連結部分は、トリエチレングリコール(TEG)、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)である。
【0150】
当該配列番号15980は、配列
【数1】

で表される。当該配列番号16145は、配列
【数2】

で表される。当該配列番号16144は、配列
【数3】

で表される。当該配列番号16026は、配列
【数4】

で表される。当該配列番号16174は、配列
【数5】

で表される。当該配列番号16172は、配列
【数6】

で表される。当該配列番号16171は、配列
【数7】

で表される。C*は、5-メチルシトシンであり、Tは、5-メチルウラシルである。
【0151】
本発明との関連で、本発明の化合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの位置は、互換可能である。したがって、本発明の好ましい化合物は:
i)配列番号16335
【数8】

または、配列番号16336
【数9】

(nで表した連結部分は、TEGリンカーである)、または、
ii)配列番号16337
【数10】

または、配列番号16338
【数11】

(nで表した連結部分は、HEGリンカーである)、または、
iii)配列番号16339
【数12】

または、配列番号16340
【数13】

(nで表した連結部分は、TEGリンカーである)、または、
iv)配列番号16341
【数14】

または、配列番号16342
【数15】

(nで表した連結部分は、HEGリンカーである)、または、
v)配列番号16343
【数16】

または、配列番号16344
【数17】

(nで表した連結部分は、TEGリンカーである)、または、
vi)配列番号16345
【数18】

または、配列番号16346
【数19】

(nで表した連結部分は、HEGリンカーである)、または、
vii)配列番号16347
【数20】

または、配列番号16348
【数21】

(nで表した連結部分は、TEGリンカーである)、または、
viii)配列番号16349
【数22】

または、配列番号16350
【数23】

(nで表した連結部分は、HEGリンカーである)、で表すことができる。
【0152】
本発明のさらにより好ましい化合物は、配列番号16335、または、16336(TEGリンカー)、または、配列番号16337、または、16338(HEGリンカー)で表される。
【0153】
好ましい実施形態では、本発明の化合物は、当該化合物において連結した当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの対応する混合物と比較して、改善したパラメーターを有する化合物(化合物において、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、連結部分で互いに連結されているが、当該混合物では、当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、互いに連結されていない)であり、好ましくは、混合物での当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの濃度は、本発明の化合物と同じである。その他の好ましい実施形態では、本発明の化合物は、Drisapersen(配列番号7、すなわち、UCAAGGAAGAUGGCAUUUCU、それぞれのRNAモノマーは、2-O-メチル化しており、主鎖全体が、ホスホロチオエートである)、及び/または、Eteplirsen(配列番号8、すなわち、CTCCAACATCAAGGAAGATGGCATTTCTAG、それぞれのモノマーは、ホスホロジアミデートモルフォリノオリゴマーを形成するように修飾されている)と比較して、改善したパラメーターを有する化合物である。
【0154】
このことに関連して、パラメーターとして:結合親和性、及び/または、動力学、エクソンスキッピング活性、生体安定性、(組織内)分布、細胞取り込み、及び/または、輸送、及び/または、免疫原性を含み得る。好ましくは、当該改善したパラメーターは、エクソンスキッピング活性の増加である。
【0155】
エクソンスキッピング活性は、好ましくは、標的化するエクソンに隣接するDMD遺伝子特異的プライマーを使用して、逆転写酵素定量、または、デジタルドロップレットポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR、または、RT-ddPCR)(Spitali et al.,2013,Verheul et al.,2016)によって、化合物/混合物で処理した筋肉細胞培養物、または、筋肉組織から単離した全RNAを解析して測定する。転写産物全体に対する、標的化するエクソンをスキップする転写物を表す短い転写物断片の割合を評価する(オリゴヌクレオチドで誘導したエクソンスキッピングのパーセンテージとして算出する)。より短いフラグメントも配列決定して、スキップする標的化したエクソンスの正確性と特異性を決定し得る。
【0156】
特定の実施形態では、RNA調節活性を、核酸、または、タンパク質の量の増減とし得る。特定の実施形態では、このような活性を、核酸、または、タンパク質のスプライスバリアントの割合の変化とし得る。アンチセンス活性の検出及び/または測定は、直接的、または、間接的とし得る。特定の実施形態では、アンチセンス活性は、細胞、または、動物の表現型の変化を観察して評価する。
【0157】
本明細書で使用している「調節」は、調節前の機能または活性と比較した場合の、機能または活性の量または質の撹乱を指すこともある。例えば、調節は、本明細書で先に定義したように、ジストロフィンmRNAまたはタンパク質の変化、増大(刺激または誘導)、または、減少(阻害または低減)のいずれかを含む。さらなる例として、発現の調節は、プレmRNAプロセシングのスプライス部位選択を撹乱し、撹乱しなかった条件と比較して、存在する特定のスプライスバリアントの量の変化を招く、ことを含む。
【0158】
体内分布、及び、生体安定性は、好ましくは、少なくとも部分的に、Straarup et al.,2010に適応させて、検証済のサンドイッチハイブリダイゼーションアッセイで決定する。ある実施形態では、血漿、または、均質化した組織試料を、AON分析物の一部に対して相補的な特異的捕捉オリゴヌクレオチドプローブと共にインキュベーションする。分離した後に、DIG標識オリゴヌクレオチドを、AON分析物のその他の部分にハイブリダイズさせ、抗DIG抗体を連結したペルオキシダーゼを使用して、定量的検出を続ける。血漿オリゴヌクレオチド濃度(μg/mL)を、経時的にモニターして、ピーク濃度(Cmax)、ピーク濃度に至るまでの時間(Tmax)、曲線下面積(AUC)、及び、半減期を評価する。研究終了時の組織試料濃度(μg/組織g)を測定して、組織分布を評価する。非コンパートメント薬物動態解析は、Phoenixソフトウェアパッケージ(WinNonlinモジュール、バージョン6.4、Pharsight,Mountainview,CA)を使用して実施する。
【0159】
したがって、本発明の化合物とは(本発明の化合物において両方のAONを連結する)連結部分が無いことだけが相違している、すなわち、当該混合物の第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、同じ配列を有しており、かつ、本発明の化合物の第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドと同じ方法で修飾している、当該化合物で連結した当該第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドの対応する混合物と比較して、好ましい本発明の化合物は、許容可能な、もしくは、減少した免疫原性、及び/または、より良好な体内分布、及び/または、許容可能な、もしくは、改善したRNA結合動態学、及び/または、熱力学的特性などの改善されたパラメーターを有する。これらのパラメーターの各々は、当業者に公知のアッセイ、または、好ましくは、本明細書で開示したアッセイを使用して評価することができる。
【0160】
化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドのさらなる化学修飾
本発明との関連で、本段落(「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドのさらなる化学修飾」)に記載したあらゆる化学修飾、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、または、それらからなるオリゴヌクレオチドは、前出の「化合物の第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド」、及び/または、「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドの化学修飾」の段落に記載した、これらの修飾(複数可)が無くとも、その対応物と少なくとも同等の良好なエクソンスキッピング活性を有しており、好ましくは、当該エクソンスキッピング活性は、これらの修飾(複数可)が無くとも、当該対応物の活性よりも大きい、ことを理解されたい。したがって、本段落(「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドのさらなる化学修飾」)に記載した、当該第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドが、あらゆる化学修飾、または、それらのあらゆる組み合わせを含む、または、それらからなる本発明の化合物は、当該化学修飾、または、それらの組み合わせが無くとも、少なくとも当該化合物と同等の良好なエクソンスキッピング活性を有する。好ましくは、当該エクソンスキッピング活性は、当該化学修飾、または、それらの組み合わせが無くとも、当該化合物の活性よりも大きい。
【0161】
以下に、本発明の化合物の第1及び/または第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドのその他の化学構造、及び、修飾を定義する。これらのさらなる化学構造、及び、修飾は、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドについてすでに定義した化学構造、すなわち、任意のホスホロチオエート主鎖結合を有しており、5-メチルシトシン、及び/または、5-メチルウラシルを有する、または、有していない、2’-O-メチルモノマー、及び/または、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾の存在を含む、または、それらからなる化学構造と組み合わせて存在し得る。
【0162】
上記した修飾に加えて、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、以下に記載したような異なるタイプの核酸モノマー、または、ヌクレオチドなどのさらなる修飾を含み得る。異なるタイプの核酸モノマーを使用して、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドを生成し得る。当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、RNAをベースとしたオリゴヌクレオチドと比較して、少なくとも1つの主鎖、及び/または、スキャフォールド修飾、及び/または、少なくとも1つの塩基修飾を有し得る。
【0163】
塩基修飾として、天然プリン、及び、ピリミジン塩基(例えば、アデニン、ウラシル、グアニン、シトシン、及び、チミン)の修飾形、例えば、ヒポキサンチン、プソイドウラシル、プソイドシトシン、1-メチルプソイドウラシル、オロト酸、アグマチジン、ライシジン、2-チオピリミジン(例えば、2-チオウラシル、2-チオチミン)、G-クランプ、及び、その誘導体、5-置換ピリミジン(例えば、5-ハロウラシル、5-ハロメチルウラシル、5-トリフルオロメチルウラシル、5-プロピニルウラシル、5-プロピニルシトシン、5-アミノメチルウラシル、5-ヒドロキシメチルウラシル、5-アミノメチルシトシン、5-ヒドロキシメチルシトシン、スーパーT、または、例えば、Kumar et al. J.Org.Chem.2014,79,5047;Leszczynska et al. Org.Biol.Chem.2014,12,1052に記載したようなもの)、ピラゾロ[1,5-a]-1,3,5-トリアジンC-ヌクレオシド(例えば、Lefoix et al. J.Org.Chem.2014,79,3221に記載されたようなもの)、7-デアザグアニン、7-デアザアデニン、7-アザ-2,6-ジアミノプリン、8-アザ-7-デアザグアニン、8-アザ-7-デアザアデニン、8-アザ-7-デアザ-2,6-ジアミノプリン、スーパーG、スーパーA、ホウ素化シトシン(例えば、Niziol et al. Bioorg.Med.Chem.2014,22,3906)、プソイドイソシチジン、C(Pyc)(例えば、Yamada et al. Org.Biomol.Chem.2014,12,2255に記載されたようなもの)、及び、N4-エチルシトシン、または、それらの誘導体;N-シクロペンチルグアニン(cPent-G)、N-シクロペンチル-2-アミノプリン(cPent-AP)、及び、N-プロピル-2-アミノプリン(Pr-AP)、炭水化物修飾したウラシル(例えば、Kaura et al.Org.Lett.2014,16,3308)、アミノ酸修飾したウラシル(例えば、Guenther et al.Chem.Commun.2014,50,9007);または、それらの誘導体;及び、2,6-ジフルオロトルエン、または、塩基脱落部位などの非存在塩基のような縮重塩基、または、ユニバーサル塩基(例えば、1-デオキシリボース、1,2-ジデオキシリボース、1-デオキシ-2-O-メチルリボース、または、環酸素を窒素で置換している(アザリボース)ピロリジン誘導体)を含むことができる。スーパーA、スーパーG、及び、スーパーTの誘導体の例は、その全内容を参照により本明細書で援用する米国特許第6,683,173号(Epoch Biosciences)で認めることができる。cPent-G、cPent-AP、及び、Pr-APは、siRNAに組み込んだ場合に免疫刺激効果を抑えることを示している(Peacock H.et al.J.Am.Chem.Soc.2011,133,9200)。修飾した塩基の例は、例えば、WO2014/093924(ModeRNA)に記載されている。
【0164】
本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、または、37の塩基修飾を含み得る。また、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドに2つ以上の別個の塩基修飾を導入することも、本発明は含む。
【0165】
すでに記載したBNAスキャフォールド修飾に加えて、スキャフォールド修飾は、2’-O-アルキル、または、2’-O-(置換)アルキルなどの2’-O-修飾RNA、例えば、2’-O-メチル、2’-O-(2-シアノエチル)、2’-O-(2-メトキシ)エチル(2’-MOE)、2’-O-(2-チオメチル)エチル、2’-O-ブチリル、2’-O-プロパルギル、2’-O-アセタールエステル(例えば、Biscans et al.Bioorg.Med.Chem. 2015,23,、5360など)、2’-O-アリル、2’-O-(2S-メトキシプロピル)、2’-O-(N-(アミノエチル)カルバモイル)メチル)(2’-AECM)、2’-O-(2-カルボキシエチル)、及び、カルバモイル誘導体(Yamada et al.Org.Biomol.Chem. 2014,12,6457)、2’-O-(2-アミノ)プロピル、2’-O-(2-(ジメチルアミノ)プロピル)、2’-O-(2-アミノ)エチル、2’-O-(2-(ジメチルアミノ)エチル);2’-デオキシ(DNA)、2’-O-(ハロアルコキシ)メチル(Arai K.et al.Bioorg.Med.Chem. 2011,21,6285)例えば、2’-O-(2-クロロエトキシ)メチル(MCEM)、2’-O-(2,2-ジクロロエトキシ)メチル(DCEM);2’-O-アルコキシカルボニル、例えば、2’-O-[2-(メトキシカルボニル)エチル](MOCE)、2’-O-[2-(N-メチルカルバモイル)エチル](MCE)、2’-O-[2-(N,N-ジメチルカルバモイル)エチル](DCME)、2’-O-[2-(メチルチオ)エチル](2’-MTE)、2’-(ω-O-セリノール);2’-ハロ、例えば、2’-F、FANA(2’-Fアラビノシル核酸)、2’,4’-ジフルオロ-2’-デオキシ;カルバ糖、及び、アザ糖修飾;3’-O-置換、例えば、3’-O-メチル、3’-O-ブチリル、3’-O-プロパルギル;4’-置換、例えば、4’-アミノメチル-2’-O-メチル、または、4’-アミノメチル-2’-フルオロ;5’-置換、例えば、5’-メチル、または、CNA(Ostergaard et al.,ACS Chem.Biol. 2014,22,6227);及び、それらの誘導体などのリボシル部分の修飾形を含むことができる。
【0166】
本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾に加えて、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35または、36のスキャフォールド修飾を含み得る、または、それらからなり得る。また、当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドに2つ以上の別個の塩基修飾を導入することも、本発明は含む。
【0167】
その他の修飾として、アンロック核酸(UNA);シクロヘキセニル核酸(CeNA)、F-CeNA、シクロヘキサニル核酸(CNA)、リボ-シクロヘキサニル核酸(r-CNA)、アルトリトール核酸(ANA)、ヘキシトール核酸(HNA)、フッ素化HNA(F-HNA)、ピラノシル-RNA(p-RNA)、3’-デオキシピラノシル-DNA(p-DNA);及び、それらの誘導体がある。フラノース、及び、非フラノース糖環を有するフッ素化核酸類似体の例も含んでおり、例えば、Ostergaard et al.J.Org.Chem. 2014,79,8877に記載されている。
【0168】
本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのBNAスキャフォールド修飾に加えて、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、または、37のスキャフォールド修飾を含み得る、または、それらからなり得る。好ましい実施形態では、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、十分に2’-O-メチル修飾しており、1、2、3、4、5、6、7、8、または、9のBNAスキャフォールド修飾を含む。
【0169】
本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、主鎖結合修飾を含むことができる。主鎖結合修飾は、限定をするものではないが、RNAに存在するホスホジエステル修飾形、例えば、ホスホロチオエート(PS)、キラル純粋なホスホロチオエート、ホスホロジチオエート(PS2)、ホスホノアセテート(PACE)、ホスホノアセトアミド(PACA)、チオホスホノアセテート(チオPACE)、チオホスホノアセトアミド、ホスホロチオエートプロドラッグ、H-ホスホネート、メチルホスホネート、メチルホスホノチオエート、メチルホスフェート、メチルホスホロチオエート、エチルホスフェート、エチルホスホロチオエート、ボラノホスフェート、ボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスフェート、メチルボラノホスホロチオエート、メチルボラノホスホネート、メチルボラノホスホノチオエート、ホスフェート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、及び、それらの誘導体とすることができる。別の修飾として、ホスホルアミダイト、ホスホルアミダート、N3’→P5’ホスホルアミダート、ホスホルジアミデート、ホスホロチオジアミデート、スルファメート、ジメチレンスルホキシド、アミド、スルホネート、シロキサン、スルフィド、スルホン、ホルムアセチル、チオホルムアセチル、メチレンホルムアセチル、アルケニル、メチレンヒドラジノ、スルホンアミド、アミド、トリアゾール、オキサリル、カルバメート、メチレンイミノ(MMI)、及び、チオアセトアミド核酸(TANA);及び、それらの誘導体がある。キラル純粋なホスホロチオエート連結の例が、例えば、WO2014/010250(WaVe Life Sciences)に記載されている。様々な塩、混合塩、及び、遊離塩形態、ならびに、3’→3’及び2’→5’連結も含む。
【0170】
本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、その長さに応じて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、または、37の主鎖結合修飾を含み得る、または、それらからなり得る。また、当該ヌクレオチドに2つ以上の別個の主鎖修飾を導入することも、本発明は含む。
【0171】
好ましい実施形態では、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスホロチオエート修飾を含む。より好ましい実施形態では、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、十分にホスホロチオエート修飾している。別の好ましい実施形態では、本発明の化合物の当該第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1つのホスフェートを含む。
【0172】
本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドのその他の化学修飾は、水素原子のいずれかの1つ以上を、重水素またはトリチウムで置換することを含み、その例は、例えば、WO2014/022566(Ased)、または、WO2015/011694(Celgene)に認めることができる。
【0173】
核酸模倣技術の出現と共に、必ずしも核酸自体と同じ量ではないが、種類において核酸自体と類似する、好ましくは、同一のハイブリダイゼーション特徴を有する分子を作り出すことが可能になった。このような機能的等価物も、当然のことながら、本発明での使用に適している。
【0174】
当業者であれば、それぞれのスキャフォールド、塩基、及び/または、主鎖が、同一の方法で修飾し得ない、ことを理解する。幾つかの別個の修飾スキャフォールド、塩基、及び/または、主鎖を、1つの単一のオリゴヌクレオチドに組み合わせ得る。
【0175】
連結部分
本発明の実施形態では、当該連結部分を、(アンチセンス)オリゴヌクレオチドを互いに連結することができる、あらゆるタイプの部分とすることができる。連結部分を、親水性、疎水性、または、両親媒性にすることができる。本発明との関連で、「連結部分で互いに連結した」第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドとは、当該第1及び当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、化合物において連結部分で連結して、本明細書で定義した、単一の化合物であって、当該第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド、連結部分、及び、当該第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それらからなる当該化合物を形成する、ことを意味する。用語「連結部分」は、本出願を通じて、「スペーサー」または「リンカー」と交換可能である。
【0176】
アンチセンスオリゴヌクレオチドと連結部分との間の連結を、共有結合とし得る。当該結合は、好ましくは、1~50個のヌクレオチド、より好ましくは、4~40個のヌクレオチドを含む、または、それからなるヌクレオチド結合を介して達成し得る。
【0177】
好ましい実施形態では、当該連結部分、または、スペーサーは、エチレングリコールモノマー、エチレングリコールオリゴマー、または、エチレングリコールポリマー(別名、ポリエチレングリコール、PEG)を含む、または、それらからなる。好ましくは、当該連結部分は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または、20個のエチレングリコールモノマーを含む、または、それらからなる。より好ましくは、当該連結部分は、1~20、3~15、3~12、3~10、3~6、6~20、6~15、6~12、または、6~10個のエチレングリコールモノマーを含む、または、それらからなる。さらにより好ましくは、当該連結部分は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または、12個のエチレングリコールモノマー、または、エチレングリコール鎖を含む、または、それらからなる。
【0178】
別の好ましい実施形態では、当該連結部分、または、スペーサーは、以下のリスト:N-マレイミドプロピルオキシスクシンイミドエステル(BMPS)、スクシンイミジル4-マレイミドブチレート(GMBS)、DMSS(Sugo et al.J.Rel.2016,237,1)、スクシンイミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、4-スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-(2-ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸塩(SMCC)、スルホ-SMCC、スクシンイミジル4-ホルミルベンズアミド(S-4FB)、スルホ-S-4FB、S-HyNic、ω-アミノアルカノール(6-アミノヘキサノール、5-アミノペンタノール、12-アミノドデカノールなど)、ω-メルカプトアルカノール(6-メルカプトヘキサノールなど)、ω-ヒドロキシアルカノール(1,6-ヘキサンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオールなど)、アミノ酸(β-Ala、Gly、Pro、Hyp、Lys、Cys)など、ジペプチド(Sugo et al.,J.Control.Rel.2016,237,1に記載されている、Val-Cit、または、Val-Citなど)、トリペプチド、テトラペプチド、ペンタペプチド、ヘキサペプチド、ヘプタペプチド、オクタペプチド、ノナペプチド、デカペプチド、または、オリゴペプチド、ピペラジン、ピペリジン、p-アミノベンゾイル、p-アミノベンジルカルバメート、p-アミノベンジルカルボキシレート、脱塩基ヌクレオチド(1,2-ジデオキシリボシル、1-デオキシ-2-O-メチルリボシル、1-デオキシアザリボシル)、及び、それらの誘導体のいずれか1つを含む、または、それらからなるが、これらに限定されない。リンカーの例は、例えば、Leriche et al.Bioorg.Med.Chem.2012,20,571,Saneyoshi et al.J.Org.Chem.2017,82,1796,US9,732,340、及び、US9,790,494(Translate Bio MA,Inc.)にも記載されている。
【0179】
より好ましい実施形態では、当該連結部分は、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール(TEG)、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、または、ヘキサエチレングリコール(HEG)である。より好ましくは、当該連結部分は、TEG、または、HEGである。
【0180】
当業者であれば、1つ以上の連結部分を、本発明の化合物に組み込むことができる、ことを理解する。例えば、化合物の第1及び第2のアンチセンスオリゴヌクレオチドを、単一のヘキサエチレングリコール部分の組み込み、または、2つの連続するトリエチレングリコール部分の組み込みによって、互いに、連結することができる。しかしながら、1つ以上の連結部分を含む、または、それからなる連結部分は、本発明との関連で、なおも「連結部分」と称する。
【0181】
本発明の範囲内には、修飾したペグ化の使用であって、当該(ポリ)エチレングリコールを、化学的に修飾しており、及び/または、そこに結合した部分も含む。このようにして、当該連結部分は、当該技術分野で公知のさらなる特性を獲得する。例えば、当該連結部分は、切断可能である、または、蛍光性のものになる。修飾したPEG化の例として、切断可能なPEG化があるが、これに限定されることはなく、結合は、分解可能な(切断可能な)結合である。例として、例えば、pH、光、温度、還元または酸化環境、求核試薬、合成試薬、酵素、プロテアーゼ、カテプシン、クリックして放出する反応、または、(その他の)外部刺激に応答する結合がある。
【0182】
リンカーは、上記した単一の化学部分として、または、最終的に2つのオリゴヌクレオチドを一緒に連結する、同じ、または、異なるリンカーの組み合わせの複数事例として存在することができる、ことを理解されたい。
【0183】
本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドに対するリンカーの結合は、例えば、アミド、カルボキサミド、エステル、エーテル、チオエーテル、チオエステル、チオール/マレイミド、ジスルフィド、ホスホジエステル、ホスフェート、ホスホトリエステル、チオホスホジエステル、チオホスホトリエステル、ジチオホスホジエステル、ホスホロジアミデート、ホスホン酸メチル、ホスホリルグアニジン、ホスホロチオエート、(R)-ホスホロチオエート、(S)-ホスホロチオエート、スルホン、スルホンアミド、スルホキシド、スルホジオキシド、カルバメート、炭酸塩、尿素、グアニジン、アミジン、ヒドロキサメート、ヒドロキシルアミン、イミン、キサンテート、アジド/アルキン、オキシム、チアゾリジン、アゾ、ヒドラジド、ヒドラゾンを介して達成し得る。
【0184】
(アンチセンス)オリゴヌクレオチドを含む核酸のPEG化、すなわち、(化学的に活性化した)エチレングリコール鎖の付着は、当業者に周知のものである。PEG化は、核酸の5’末端モノマー、及び/または、3’末端モノマーの-OH基で行うことができる。これは、直接的に行うことができる、または、スペーサー(例えば、アミノアルキルリンカー)を介して、例えば、当業者に公知のクリックケミストリーで行うことができる。
【0185】
組成物
第2の態様では、「化合物」の標題の前出の節で説明した化合物を含む組成物を提供する。
【0186】
本発明の実施形態では、当該組成物は、少なくとも1つの賦形剤を含み、及び/または、当該化合物は、当該組成物及び/または当該化合物が、組織及び/または細胞に対する、及び/または、組織及び/または細胞に向けた標的化及び/または送達の増強をさらに補助し得る、少なくとも1つのコンジュケートしたリガンドを含む。本明細書で記載した組成物は、本明細書では、本発明の組成物と称する。本発明の組成物は、1つ以上の本発明の化合物を含むことができる。本発明に関連して、賦形剤を、別個の分子とすることができるが、コンジュゲートした部分とすることもできる。前者の事例では、賦形剤は、デンプンなどの充填剤とすることができる。後者の事例では、賦形剤は、例えば、本発明の化合物の第1及び/または第2のオリゴヌクレオチドに連結している標的化リガンドとすることができる。
【0187】
好ましい実施形態では、当該組成物は、薬剤として使用するためのものである。当該組成物は、したがって、医薬組成物である。医薬組成物は、普通、医薬として許容可能な担体、希釈剤、及び/または、賦形剤を含む。好ましい実施形態では、本発明の組成物は、本明細書で定義する化合物を含み、任意に、医薬として許容可能な製剤、増量剤、防腐剤、可溶化剤、担体、希釈剤、賦形剤、塩、アジュバント、及び/または、溶媒をさらに含む。このような医薬として許容可能な担体、増量剤、防腐剤、可溶化剤、希釈剤、塩、アジュバント、溶媒、及び/または、賦形剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20 th Edition Baltimore,MD:Lippincott Williams & Wilkins,2000に記載されている。本発明に記載した化合物は、少なくとも1つのイオン化できる基を有し得る。イオン化できる基は、塩基または酸とし得る、電荷を有するもの、または、中性のものとし得る。イオン化できる基は、反対の電荷(複数可)を保持する適切な対イオンとのイオン対として存在し得る。カチオン性対イオンの例として、ナトリウム、カリウム、セシウム、Tris、リチウム、カルシウム、マグネシウム、トリアルキルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、及び、テトラアルキルアンモニウムがある。アニオン性対イオンの例として、クロリド、ブロミド、ヨーダイド、ラクテート、メシレート、ベシレート、トリフレート、アセテート、トリフルオロアセテート、ジクロロアセテート、タートレート、ラクテート、及び、シトレートがある。対イオンの例は、[その全内容を参照により本明細書で援用する[例えば、Kumar,2008]に記載されている。
【0188】
医薬組成物は、当該化合物の安定性、溶解度、吸収、バイオアベイラビリティ、活性、薬物動態、薬動力学、細胞性取り込み、及び、細胞内輸送の増強における助剤、特に、複合体、ナノ粒子、微粒子、ナノチューブ、ナノゲル、ハイドロゲル、ポロクサマー、または、プルロニック、ポリマーソーム、コロイド、マイクロバブル、ベシクル、ミセル、リポプレックス、及び/または、リポソームを形成可能な賦形剤を含み得る。ナノ粒子の例として、ポリマーナノ粒子、(混合)金属ナノ粒子、炭素ナノ粒子、金ナノ粒子、磁性ナノ粒子、シリカナノ粒子、脂質ナノ粒子、糖粒子、タンパク質ナノ粒子、及び、ペプチドナノ粒子がある。ナノ粒子とオリゴヌクレオチドの組合せの例として、例えば、Barnaby et al. Cancer Treat. Res. 2015,166,23での球状核酸(SNA)がある。
【0189】
好ましい組成物は、組織及び/また細胞に対する、及び/または、組織及び/または細胞に向けた、当該組成物及び/または当該化合物の標的化及び/または送達の増強をさらに補助し得る少なくとも1つの賦形剤を含む。好ましい組織または細胞は、筋肉組織または筋肉細胞である。
【0190】
これらの賦形剤の多くが、当該技術分野で公知であり(例えば、Bruno,2011を参照されたい)、第1の種類の賦形剤としてカテゴリー化し得る。第1の種類の賦形剤の例として、ポリマー(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミン(PPI)、デキストラン誘導体、ブチルシアノアクリレート(PBCA)、ヘキシルシアノアクリレート(PHCA)、ポリ(乳酸-グリコール酸共重合体)(PLGA)、ポリアミン(例えば、スペルミン、スペルミジン、プトレシン、カダベリン)、キトサン、ポリ(アミドアミン)(PAMAM)、ポリ(エステルアミン)、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)シクロデキストリン、ヒアルロン酸、コロミン酸、及び、それらの誘導体)、デンドリマー(例えば、ポリ(アミドアミン))、脂質{例えば、1,2-ジオレオイル-3-ジメチルアンモニウムプロパン(DODAP)、ジオレオイルジメチル塩化アンモニウム(DODAC)、ホスファチジルコリン誘導体[例えば、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(DSPC)]、リソ-ホスファチジルコリン誘導体[例えば、1-ステアロイル-2-リソ-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(S-LysoPC)]、スフィンゴミエリン、2-{3-[ビス-(3-アミノ-プロピル)-アミノ]-プロピルアミノ}-N-ジテトラセディルカルバモイルメチルアセトアミド(RPR209120)、ホスホグリセロール誘導体[例えば、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホグリセロール、ナトリウム塩(DPPG-Na)、ホスファチジン酸誘導体[1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスファチジン酸、ナトリウム塩(DSPA)、ホスファチジルエタノールアミン誘導体[例えば、ジオレオイル-L-R-ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DSPE)、2-ジフィタノイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン(DPhyPE),]、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム(DOTMA)、1,3-ジ-オレオイルオキシ-2-(6-カルボキシ-スペルミル)-プロピルアミド(DOSPER)、(1,2-ジミリスチオルキシプロピル-3-ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(DMRIE)、(N1-コレステリルオキシカルボニル-3,7-ジアザノナン-1,9-ジアミン(CDAN)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、1-パルミトイル-2-オレオイル-sn-グリセロール-3-ホスホコリン(POPC)、(b-L-アルギニル-2,3-L-ジアミノプロピオン酸-N-パルミチル-N-オレリル-アミドトリヒドロクロリド(AtuFECT01)、N,N-ジメチル-3-アミノプロパン誘導体[例えば、1,2-ジステアロイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DSDMA)、1,2-ジオレイルオキシ-N,N-ジメチル-3-アミノプロパン(DoDMA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)、ホスファチジルセリン誘導体[1,2-ジオレイル-sn-グリセロ-3-ホスホ-L-セリン、ナトリウム塩(DOPS)]、タンパク質(例えば、アルブミン、ゼラチン、アテロコラーゲン)、及び、ペプチド(例えば、プロタミン、PepFects、NickFects、ポリアルギニン、ポリリジン、CADY、MPG)がある。別個の化合物として使用する場合には、以下に示した炭水化物や炭水化物クラスターも、第1の種類の賦形剤としての使用に適している。
【0191】
別の好ましい組成物は、第2の種類の賦形剤としてカテゴリー化する少なくとも1つの賦形剤を含み得る。第2の種類の賦形剤として、本明細書に記載したコンジュゲート基を含む、または、含有することで、例えば、筋肉組織、または、筋肉細胞のような組織及び/または細胞に対する、及び/または、組織及び/または細胞に向けた、本発明の組成物及び/または化合物の標的化及び/または送達を増強し得る。コンジュゲート基は、1つ以上の異なる、または、同一のリガンドを示し得る。コンジュゲート基リガンドの例として、例えば、ペプチド、炭水化物、または、炭水化物の混合物(Han et al.,Nature Communications,2016,doi:10.1038/ncomms10981;Cao et al.,Mol. Ther. Nucleic Acids,2016,doi:10.1038/mtna.2016.46)、タンパク質、小分子、抗体、ポリマー、薬物がある。炭水化物コンジュゲート基リガンドの例として、グルコース、マンノース、ガラクトース、マルトース、フルクトース、N-アセチルガラクトサミン(GalNac)、グルコサミン、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、グルコース-6リン酸、マンノース-6リン酸、及び、マルトトリオースがある。炭水化物は、複数で、例えば、炭水化物を、組成物の成分と連結する樹状リンカー、または、分岐リンカー部分で末端基として存在し得る。また、炭水化物を、GalNAcクラスター部分などの炭水化物クラスター部分に含めることができる。炭水化物クラスター部分は、標的化部分、及び、任意に、コンジュゲートリンカーを含むことができる。一部の実施形態では、炭水化物クラスター部分は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または、それ以上の個数のGalNAc基を含む。本明細書で使用する「炭水化物クラスター」とは、スキャフォールド、または、リンカー基に結合された1つ以上の炭水化物残基を有する化合物のことを意味する(例えば、Maier et al.,「Synthesis of Antisense Oligonucleotides Conjugated to a Multivalent Carbohydrate Cluster for Cellular Targeting」Bioconjugate Chem.,2003,(14):18-29;Rensen et al.,「Design and Synthesis of Novel N-Acetylgalactosamine-Terminated Glycolipids for Targeting of Lipoproteins to the Hepatic Asiaglycoprotein Receptor」J. Med. Chem.2004,(47):5798-5808を参照されたい)。これに関連して、「修飾した炭水化物」とは、天然に存在する炭水化物に対して1つ以上の化学修飾を施したあらゆる炭水化物のことを意味する。本明細書で使用する「炭水化物誘導体」とは、出発材料、または、中間体として炭水化物を使用して合成し得るあらゆる化合物のことを意味する。本明細書で使用する「炭水化物」とは、天然に存在する炭水化物、修飾した炭水化物、または、炭水化物誘導体のことを意味する。両方の種類の賦形剤を、本明細書で記載した1つの単一組成物に一緒に組み合わせ得る。
【0192】
当業者であれば、本発明での使用のための化合物を製剤及び送達するために、上記した、または、その他の代替の賦形剤及び送達系の1つ以上を、選択し、組み合わせ、及び/または、適応させ得る。
【0193】
本発明のそのような医薬組成物は、動物、好ましくは、哺乳動物に対して、設定した時間で、有効濃度で投与し得る。より好ましい哺乳動物は、ヒトである。本発明の使用のために、本明細書で定義する化合物または組成物は、本明細書で同定する疾患または状態に罹患している、または、それを発症するリスクがある個体のインビボでの細胞、組織、及び/または、臓器に対する直接投与に適し得るものであり、また、インビボ、エクスビボ、または、インビトロで直接的に投与し得る。投与は、局所、全身及び/または非経口経路、例えば、静脈内、皮下、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、眼内、鼻腔内、泌尿生殖器、皮内、経皮、腸内、硝子体内、空洞内、大脳内、くも膜下腔内、硬膜外、または、経口経路を介し得る。
【0194】
好ましくは、本発明のそのような医薬組成物は、経口送達のためのエマルジョン、懸濁液、丸剤、錠剤、カプセル剤、または、ソフトゲルの形態で、または、気道、及び、肺への送達のために、エアゾール、または、乾燥散剤の形態でカプセル化し得る。
【0195】
本発明の別の実施形態では、当該化合物は、当該疾患の治療のために使用することがすでに公知である別の化合物と一緒に使用し得る。そのような化合物を使用して、炎症を低減し得る、好ましくは、筋肉組織の炎症を軽減し得る、及び/または、筋肉組織線維の機能、完全性、及び/または、生存を改善するための補助化合物を使用して、心機能を改善、増大、または、回復させ得る。
【0196】
例として、限定をするものではないが、ステロイド、好ましくは、(グルコ)コルチコステロイド、ステロイド様作用物質(好ましくは、バモロロン(VBP15))、エピカテキン、ACE阻害剤(好ましくは、ペリンドプリル)、及び、HDAC阻害剤(好ましくは、ギビノスタット)、アンジオテンシンII1型受容体ブロッカー(好ましくは、ロサルタン)、アンジオテンシンペプチド(1-7)(好ましくは、TXA127)、腫瘍壊死因子-アルファ(TNFα)阻害剤、TGFβ阻害剤(好ましくは、デコリン)、NF-kB阻害剤(好ましくは、エダサロネクセント(CAT-1004))、ヒト組換えビグリカン、mIGF-1の供給源、ミオスタチン阻害剤(好ましくは、PF-06252616、または、RG6206)、マンノース-6-リン酸、抗酸化剤(好ましくは、イデベノン)、イオンチャネル阻害剤、ダントロレン、プロテアーゼ阻害剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤(好ましくは、シルデナフィル、または、タダラフィルなどのPDE5阻害剤)、抗炎症剤、及び/または、抗線維化剤(好ましくは、HT-100)、ユートロフィンモジュレーター(好ましくは、エズトロミド)、メトホルミン、クレアチン一水和物(CrM)、ヘパリン、顆粒球コロニー刺激結合因子(GCSF)(好ましくは、フィルグラスチム)、結合組織成長因子(CTGF/CCN2)阻害剤(好ましくは、FG-3019)、カルシウムモジュレーター(好ましくは、AT-300)、アンドロゲン受容体モジュレーター(好ましくは、DT-200)、L-シトルリン、及び/または、L-アルギニンがある。このような併用使用は、逐次使用とし得る:それぞれの成分は、おそらくは、別個の組成物として、別個の方法で投与する。あるいは、それぞれの化合物を、単一組成物で一緒に使用し得る。
【0197】
本発明の組成物での化合物は、例えば、本発明の組成物の有効成分の連続投与を可能ならしめるために、別個に提供することもできる。そのような場合、本発明の組成物は、上記したように、コンジュゲートしたリガンドを有する、または、有さない本発明の化合物を少なくとも含む化合物と、少なくとも1つの賦形剤との組み合わせである。
【0198】
方法
第3の態様では、個体において、当該個体の細胞(好ましくは、筋肉細胞)、組織(好ましくは、筋肉組織)、または、臓器での、前出の節で定義したような状態または疾患を、予防する、治療する、治癒させる、改善する、及び/または、遅延させるための方法を提供する。これらの方法は、本発明の(「化合物」の標題の節で説明したような)化合物、または、(「組成物」の標題の節で説明したような)組成物を、それを必要とする当該個体または対象に投与する、ことを含む。
【0199】
本明細書で定義する化合物または組成物が、本明細書で定義する疾患に罹患している、または、炎症性傷害を発症するリスクがある個体のインビボでの細胞(好ましくは、筋肉細胞)、組織(好ましくは、筋肉組織)、及び/または、臓器に対する投与に適し得るものであり、また、インビボ、エクスビボ、または、インビトロで投与し得る。必要とする個体または対象は、好ましくは、哺乳動物であり、より好ましくは、ヒトである。あるいは、対象は、ヒトではない。投与は、局所、全身及び/または非経口経路、例えば、静脈内、皮下、鼻腔内、眼内、腹腔内、くも膜下腔内、筋肉内、空洞内、泌尿生殖器、皮内、経皮、腸内、硝子体内、大脳内、くも膜下腔内、硬膜外、または、経口経路を介して行い得る。
【0200】
別の実施形態では、本発明の方法では、化合物または組成物の濃度は、0.01nM~1μMの範囲である。より好ましくは、使用する濃度は、0.05~500nM、または、0.1~500nM、または、0.02~500nM、または、0.05~500nMであり、さらにより好ましくは、1~200nMである。
【0201】
本発明の化合物または組成物の用量範囲は、好ましくは、厳格なプロトコル必要条件が存在する臨床治験での上昇用量研究(インビボ使用)に基づいて設計する。本明細書で定義する化合物は、0.01~200mg/kg、または、0.05~100mg/kg、または、0.1~50mg/kg、または、0.1~20mg/kg、好ましくは、0.5~10mg/kgの範囲の用量で使用し得る。
【0202】
上記した化合物または組成物の濃度または用量の範囲は、インビトロまたはエクスビボでの使用に好ましい濃度または用量である。当業者であれば、使用する化合物の同一性、治療するべき標的細胞、遺伝子標的、及び、その発現レベル、使用する培地、及び、トランスフェクション、及び、インキュベーション条件に応じて、使用する化合物の濃度または用量は、さらに変化し得ること、さらに省略することが必要となり得る、ことを理解する。
【0203】
本発明のこの態様の実施形態では、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を予防する、治療する、及び/または、遅延させるための方法であって、対象に対して、本発明の化合物、または、本発明の組成物を投与する、ことを含む方法を提供する。
【0204】
本発明の別の実施形態では、診断の方法であって、本発明の化合物に放射性標識または蛍光標識を持たせて、当該方法を提供する。
【0205】
使用
第4の態様では、薬剤、もしくは、治療法の一部での使用、または、好ましくは、当該化合物または組成物が、細胞内でそれらの活性を発揮する応用での使用のための(「化合物」の標題の節で説明したような)化合物、または、(「組成物」の標題の節で説明したような)組成物を提供する。
【0206】
好ましい実施形態では、本発明の化合物または組成物は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を予防する、遅延する、治癒する、改善させる、及び/または、治療するための薬剤または療法の一部での使用のためのものである。
【0207】
第5の態様では、医薬の製造での(「化合物」の標題の節で説明したような)化合物、または、(「組成物」の標題の節で説明したような)組成物の使用を提供する。好ましくは、医薬の製造での化合物または組成物の当該使用は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を、予防する、遅延させる、治癒する、改善させる、及び/または、治療するためのものである。
【0208】
第3のアンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明の別の態様は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、すなわち、「第3のアンチセンスオリゴヌクレオチド」に関する。当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、連結部分で互いに連結した2つのアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、または、それからなる本発明の化合物ではなく、第1のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)は、少なくとも配列番号3の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、かつ、第2のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)が、配列番号4の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複するものであり、配列番号3及び4は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51内に位置している。当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、本明細書で定義したように、好ましくは、薬剤としての使用のために、より好ましくは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を治療する、予防する、及び/または、遅延させるために、より好ましくは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51の少なくとも一部のスキッピングを誘導するために、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51の少なくとも一部に対して、相補的である、もしくは、結合する、もしくは、標的化する、もしくは、ハイブリダイズする、もしくは、重複する。好ましくは、ジストロフィンプレmRNAの当該エクソン51は、ヒト由来であり、かつ、配列番号2のヌクレオチド配列で表される。
【0209】
本発明のこの態様の好ましい実施形態では、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、配列番号16351または16352を含む、または、それからなるヌクレオチド配列、または、配列番号16351または16352のフラグメントを含む、または、それからなるヌクレオチド配列で表される。当該配列番号16351は、配列
【数24】

で表される。当該配列番号16352は、配列
【数25】

で表される。Cは、5-メチルシトシン、Tは、5-メチルウラシルである。
【数26】


【数27】

は、LNA修飾塩基である。好ましくは、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれぞれのモノマーは、RNAモノマーである。また、好ましくは、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、一本鎖である。さらに、好ましくは、少なくとも1つの2’-置換モノマー、好ましくは2’-O-メチル化モノマーの存在、及び/または、少なくとも1つのホスホロチオエート主鎖結合の存在も好ましい。より好ましくは、すべての主鎖結合は、ホスホロチオエート主鎖結合である。
【0210】
本発明のこの態様の別の好ましい実施形態では、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドの5’末端モノマー、及び/または、3’末端モノマーに連結部分(本明細書の「連結部分」の標題の節で先に説明し、かつ、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドに準用するもの)を含む、または、それらからなる。
【0211】
本発明の化合物(上記を参照)に関連して説明した以下の態様を、当該第3のアンチセンスオリゴヌクレオチドにも準用する:
-「化合物の第1及び/または第2アンチセンスオリゴヌクレオチドのさらなる化学修飾」;
-「組成物」;及び、
-「使用」。
【0212】
定義
本明細書、及び、その特許請求の範囲において、動詞「含む」と、その活用は、限定をするものではない意味で、その単語に続く項目を含むが、具体的に記載していない事項を排除しない、ことを意味するように使用する。加えて、動詞「からなる」は、本明細書で定義するようなオリゴヌクレオチドまたは組成物が、具体的に特定したもの以外のさらなる成分(複数可)を含み得るものであり、さらなる成分(複数可)は、本発明の独特の特徴を変更しない、ことを意味する「本質的にからなる」と置換し得る。加えて、不定冠詞「1つの(a)」、または、「1つの(an)」と要素との関連は、1つの要素、及び、1つだけの要素を必要とする旨の明確な断りが無い限り、2つ以上の要素が存在する可能性を排除しない。不定冠詞「1つの(a)」、または、「1つの(an)」は、したがって、一般的には、「少なくとも1つの」を意味する。
【0213】
本明細書で示したそれぞれの実施形態は、特に断りのない限り、一緒に組み合わせ得る。本明細書で引用するすべての特許及び文献参考は、その全内容を参照により本明細書で援用する。
【0214】
本出願を通じて、単語「結合する」、「標的化する」、「ハイブリダイズする」は、本明細書で同定したプレmRNAの一部に対して相補的である、好ましくは、逆相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチドに関連して使用する場合は、互換可能に使用する。本発明に関連して、「ハイブリダイズ」は、特に断りのない限り、細胞、好ましくは、筋肉細胞において生理学的条件下で使用する。
【0215】
構造式または化学名が、キラル中心を有するものと当業者が理解する場合には、キラリティーは示さないが、それぞれのキラル中心について、ラセミ混合物、純粋なRエナンチオマー、及び、純粋なSエナンチオマーいずれかの3つすべてに対して個々に参照をする。
【0216】
本発明に関連して物質のパラメーターを論じる場合はいつも、特に断りのない限り、生理学的条件下でパラメーターを、決定し、測定し、または、示すものと想定している。生理学的条件は、当業者に公知であり、水性溶媒系、大気圧、6と8の間のpH値、室温~約37℃(約20℃~約40℃)の範囲の温度、及び、緩衝塩、または、その他の成分の好適な濃度を含む。電荷は、平衡と関連することが多い、ということを理解されたい。電荷を保持する、または、保有すると言われている部分とは、そのような電荷を保有しない、または、保持しないものよりもより多くのそのような電荷を保有する、または、保持する状態において認められる部分である。そのようなものを、当業者は理解するであろうが、本開示において電荷を有することを示す原子は、特定の条件下では、電荷を有さないことがあり、中性部分は、特定の条件下で電荷を有することがある。
【0217】
一般的に、置換は、水素であり得る部分を、別の部分で置換する。有機分子の炭素骨格を考えてみると、RNAモノマーは、その2’-位に、ヒドロキシル部分を有するので、本質的に、2’-置換する。したがって、DNAモノマーは、2’-置換されず、RNAモノマーを、2’-置換したDNAモノマーとして見ることができる。次に、RNAモノマーを、2’-置換する場合には、この置換は、2’-OH、または、2’-Hのいずれかを置換したものである。RNAモノマーが、2’-O-置換する場合、この置換は、2’-OH部分のHを置換する。例として、2’-O-メチルRNAは、2’-置換モノマー(-OMeは、-Hを置換する)、及び、2’-置換RNAモノマー(-OMeは、-OH置換する)、及び、2’-O-置換RNAモノマー(-Meは、-Hを置換する)である一方で、2’-F RNAは、2’-置換RNAモノマー(-Fは、-OH、または、Hを置換する)であり、2’-O-置換RNAモノマー(もはや2’-Oは存在しない、または、置換されていない)ではなく、これらに限定されるものではない。F置換2’-OHが、2’-F-2’-デオキシRNAであり、2’-F DNAでもある2’-F RNA。
【0218】
本発明に関連して、評価するべきパラメーターの減少または増大は、そのパラメーターに対応する値の少なくとも5%の変化を意味する。より好ましくは、値の減少または増大は、少なくとも10%の変化を意味する、さらにより好ましくは、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%、または、100%の変化を意味する。この後者の場合には、もはやパラメーターと関連する検出可能な値がない場合であると言える。
【0219】
本明細書に記載した薬剤としての物質の使用も、薬剤の製造における当該物質の使用として解釈することができる。同様に、物質を、治療のために使用する、または、薬剤として使用する時はいつも、治療のための薬剤の製造のためにも使用することができる。
【0220】
単語「約」、または、「およそ」とは、数値(例えば、約10)に関連して使用する場合には、好ましくは、値は、(10という)所与の値よりも0.1%多い値、または、少ない値とし得る、ことを意味する。
【0221】
本発明の化合物または組成物は、好ましくは、本発明の方法または使用において使用するためのものである。
【0222】
当業者であれば、本出願を通じて、用語「BNA」、「BNAスキャフォールド」、「BNAヌクレオチド」、「BNAヌクレオシド」、「BNA修飾」、または、「BNAスキャフォールド修飾」は、必要に応じて、コンホメーション的に制限したスキャフォールド修飾、ロックスキャフォールド修飾、ロックヌクレオチド、ロックヌクレオシド、ロックモノマー、または、Tm増強性スキャフォールド修飾、または、高親和性修飾などで置換し得る、ことを理解する。
【0223】
「配列同一性」とは、本明細書では、配列を比較して決定する、2つ以上の核酸(ポリヌクレオチド、核酸、または、ヌクレオチド、または、オリゴヌクレオチド)配列の間の関係として定義する。好ましい実施形態では、配列同一性は、2つの所与の配列番号の全長、または、その一部に基づいて計算する。その一部は、好ましくは、両方の配列番号の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、または、100%を意味する。当該技術分野において、「同一性」は、事例によっては、そのような配列のストリングの間の一致によって決定する、核酸配列の間の配列関連性の程度のことも意味する。
【0224】
同一性を決定するための好ましい方法は、試験した配列の間での最大の一致を与えるように設計する。同一性と類似性を決定する方法は、公的に利用可能なコンピュータプログラムで体系化されている。2つの配列間の同一性及び類似性を決定するための好ましいコンピュータプログラム方法として、例えば、GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al., Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BestFit、BLASTN、及び、FASTA(Altschul,S.F.et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)がある。BEASTXプログラムは、NCBI、及び、その他の提供元から公開されている(BLAST Manual,Altschul,S.,et al.,NCBI NLM NIH Bethesda,MD 20894;Altschul,S.,et al.,J.Mol.Biol.215:403-410(1990)。また、周知のSmith Watermanアルゴリズムを使用して、同一性を決定し得る。
【0225】
核酸比較のための好ましいパラメーターは、次のものを含む:アルゴリズム:Needleman and Wunsch、J.Mol.Biol.48:443-453(1970);比較マトリックス:マッチ=+l0、ミスマット=0;ギャップペナルティ:50;ギャップ長ペナルティ:3。Madison,WIに所在するGenetics Computer Groupのギャッププログラムとして入手可能である。上記したものは、核酸比較のためのデフォルトパラメータである。
【0226】
核酸分子のハイブリダイゼーション条件は、低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または、高ストリンジェンシー(サザンブロッティング手順)を有し得る。低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または、高ストリンジェンシー条件とは、5×SSPE、0.3%SDS、200pg/mlの剪断及び変性サーモン精子DNA、及び、低ストリンジェンシー、中ストリンジェンシー、または、高ストリンジェンシーのそれぞれについて、25%、または、35%、または、50%ホルムアミドで、42℃でのプレハイブリダイゼーション、及び、ハイブリダイゼーションのことを意味する。続いて、ハイブリダイゼーション反応を、2×SSC、0.2%SDSを使用して、55℃、または、65℃、または、75℃のいずれかで、それぞれを、30分間、3回、洗浄する。
【0227】
以下の実施例は、専ら例示を目的として提供したものであり、本発明の範囲を限定することは、決して意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0228】
図1】RT-ddPCR分析は、エクソン48~50の欠失を有するDMD患者での筋肉細胞のエクソン51スキッピング効率に関する、異なる配列ストレッチを標的とする、AONの組み合わせの相乗効果を示しており、そこでは、TEG=トリエチレングリコール、または、HEG=ヘキサエチレングリコールリンカーでそれらを連結している。個々のAONは、400nMまたは800nMで試験した:AONの混合物は、400nMの個々のAONから構成した:そして、連結したAONを、800nMで試験した。平均エクソン51スキッピング率を、6つのプレートウェルのRNA試料に基づいて決定しており、エラーバーは、標準偏差を示す。NT=未処理の細胞。
図2】RT-ddPCR分析は、del52hDMD/mdxマウスの大腿四頭筋でのエクソン51スキッピング効率に関して、配列番号15980及び16026を使用し、異なるESE配列ストレッチを標的化して、AONの組み合わせの相乗効果を示しており、そこでは、それらのAONを、HEG=ヘキサエチレングリコールリンカー(配列番号16338で表した化合物)で連結している。配列番号15980及び16026を、4.05μg/mlで含むAONの混合物のスキッピング効率は、8.1μmol/kgのいずれか一方だけのAONのスキッピング効率よりも高い。AONがHEG(配列番号16338で表した化合物)で物理的に結合した分子は、さらに効率的であった:2.7μmo1/kgで、8.1μmol/kgの混合物の効率と同様であった。平均エクソン51スキッピング率は、10匹のマウス由来のRNA試料に基づいて決定しており、エラーバーは、標準偏差を示す。VEH=ビヒクル。
【0229】
【数28】

【数29】

【数30】

【数31】

【数32】

【数33】
【実施例
【0230】
実施例1(インビトロ)
材料と方法
化合物
すべてのアンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)(表3、図1)は、2’-O-メチルモノマー、及び、少なくとも1つのLNA(配列番号16353、16026、及び、15980)を有するホスホロチオエート主鎖を有しており、配列番号16336、16335、16338、及び、16337で表わされる本発明の化合物の第1のAON、及び、第2のAONにも同じ構造を付与した。AONを、標準ホスホルアミダイトプロトコールによって、OP-10シンセサイザー(GE/AKTA Oligopilot)、または、MerMade 12シンセサイザー(BioAutomation)のいずれかを使用して、5μmol規模で合成した。配列番号16336、16335、16338、及び、16337の化合物でのTEG及びHEGリンカーを、対応するホスホロアミダイトビルディングブロック、及び、標準的な合成プロトコルを使用して導入した。2段階シークエンスでAONを切断し、脱保護し(DEAと、それに続く濃NHOH処理)、陰イオン交換クロマトグラフィーで精製し、サイズ排除クロマトグラフィーで脱塩し、そして、凍結乾燥した。質量分析で、すべてのAONの同一性を確認し、純度(UPLC―UVで決定した)は、すべてのAONについて許容可能(>80%)であることが認められた。
【表3】
【0231】
ジムノチック取り込み、及び、cDNA合成
エクソン48~50の欠失を有するDMD患者に由来する不死化筋芽細胞を、12ウェルプレートで、コンフルエントになるまで培養した。筋管の形成を誘導するために、増殖培地を、非GLP標準操作手順に従って、400nM、または、800nMのAON(N=6)を補充した低血清分化培地と、6日目に交換した。次いで、全RNAを単離し、1000ngのRNAを、ランダムヘキサマープライマーを使用するcDNA合成への投入のために使用した。
【0232】
デジタルドロップレット(dd)PCR分析
エクソン51を有する転写産物、及び、有さないジストロフィン転写産物を検出するための特異的Taqman副溝結合剤(MGB)アッセイを設計して(表4)、そして、Applied Biosystemsから購入した。デジタルドロップレットPCR解析を、製造業者の使用説明書(BioRad)に従って、60℃のアニーリング/伸長温度を使用して、20μlの反応容量で、1μlのcDNA(スキップしていない転写物について)、または、4μlのcDNA(スキップした転写物について)で実施した。データを、エクソンスキップパーセンテージ[Nスキップした/(Nスキップした+Nスキップしていない)100]として示した。
【表4】

結果
エクソン51での別個の(配列番号16353及び15980;または、配列番号16026及び15980で表わされる)配列ストレッチを標的とするAONの混合物を使用したところ、個々の(配列番号16353、16026、または、15980で表される)AONのそれぞれのエクソン51スキッピングレベルよりも(最大で24%)高いスキッピングレベルが認められた:配列番号16026(800nMで)について、最大で5.7%高かった(図1)。エクソン51の同じ配列ストレッチを標的とする(配列番号16353及び16026で表わされる)AONの混合物は、エクソン51のスキッピング効率(3.2%)を引き上げなかった。エクソン51の別個の配列ストレッチを標的とする(配列番号16026及び15980で表わされる)AONを使用し、かつ、トリエチレングリコール、または、ヘキサエチレングリコールリンカーで互いを連結してみたところ、驚くべきことに、さらに高いエクソン51スキッピングレベルが認められた(配列番号16335で、最大で81.6%)(図1)。この例では、配列番号15980のAONが、配列番号16026のAONの5’末端に連結している化合物(配列番号16335及び16337で表した化合物)で、最も効率的であった。
【0233】
実施例2(インビボ)
材料と方法
マウス実験
このマウス実験は、実験動物の飼育と使用のためのNational Institute of Health(NIH)のガイドラインに従って行った。Del52hDMD/indxマウス(Leiden University Medical Cemter,Veltrop et al., 2018;PLoS ONE13(2):e0l93289)を、ベースラインの体重と、オスとメスの分布を考慮して、無作為にグループ(n=10)分けした。配列番号16026または15980(2.7または8.1μmol/kgで)で表わされた単一のアンチセンスオリゴヌクレオチド、それらの混合物(それぞれ、4.05μmol/kg)、または、配列番号16338(2.7μmol/kg)で表された連結したAON化合物を用いて、マウスに対して、5~6週齢で開始して、合計で12週間、毎週1回、尾静脈から静脈内注射を行った。最後のAON注射の10日後に、動物を屠殺し、そして、(組織から血液を除去するために、PBSを使用して経心腔的灌流した後に)組織試料を採取した。大腿四頭筋組織試料を急速凍結し、そして、-80℃で保存した。
【0234】
RNA単離とcDNA合成
大腿四頭筋組織試料を、Lysing Matrix D Tubes(MP Biomedicals)を使用して、MagNa Lyserで粉砕して、1ml Nucleozol(Macherey Nagel)で均質化した。製造業者の指示に基づいて、均質化物から全RNAを抽出した。cDNA合成のために、1000ngの全RNAを試験に供した。ランダムヘキサマープライマーと、GoScript逆転写酵素を使用して、50℃で、40分間、インキュベーションして、20m1の反応でcDNAを生成させた。
【0235】
デジタルドロップレットPCR分析
エクソン51を有する、及び、有さないジストロフィン転写産物を検出するための特異的Taqman副溝結合剤(MGB)アッセイを(Primer Express 3.0.1 ソフトウェア;Applied Biosystemsを使用して)設計し、そして、Applied Biosystemsから購入した。デジタルドロップレットPCR解析を、製造業者の使用説明書(BioRad)に従って、60℃のアニーリング/伸長温度を使用して、20μlの反応容量で、2μlのcDNA、または、4μlのcDNAで実施した。データを、エクソンスキップパーセンテージ[Nスキップした/(Nスキップした+Nスキップしていない)100]として示した。
【0236】
結果
エクソン51スキッピング効率に関する、異なるESE配列ストレッチを標的とする配列番号15980のAONと配列番号16026のAONとの組み合わせによる相乗効果を、del52hDMD/mdxマウスでのインビボ研究で実証する。これらのマウスは、ジストロフィンが欠損しており、その欠損は、マウスDMD遺伝子のエクソン23のmdx変異と、第5染色体のヒトDMD遺伝子のエクソン52の欠失に基づいたものである(Veltrop et al.20l8)。HEG=ヘキサエチレングリコールリンカーなどのリンカーで連結させた(配列番号16338で表わされる化合物)AONでの効果はさらに大きい(図2)。配列番号15980のAONと、配列番号16026のAONを、それぞれ4.05μmol/kgで含む混合物のスキッピング効率は、一方だけを、8.1μmol/kgで含む単一のAONでのスキッピング効率よりも高い。これらのAONを、HEGで物理的に結合させた(配列番号16338で表わされる化合物)分子はさらに効率的である:8.1μmol/kgの混合物と同様に、2.7μmol/kgである。
【0237】
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図1
図2
【配列表】
2022506219000001.app
【国際調査報告】