(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】人体関節安定化ガーメント
(51)【国際特許分類】
A61F 5/02 20060101AFI20220107BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20220107BHJP
A61F 13/00 20060101ALI20220107BHJP
A61F 13/06 20060101ALI20220107BHJP
A61F 13/10 20060101ALI20220107BHJP
A41D 13/05 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61F5/02 N
A41D13/06 105
A61F13/00 355P
A61F13/00 355D
A61F13/06 B
A61F13/10
A41D13/05 187
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523477
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-04-23
(86)【国際出願番号】 CA2019051584
(87)【国際公開番号】W WO2020093160
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521178644
【氏名又は名称】ストコ デザイン インク
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】エヴァウェイン ザッカリ
(72)【発明者】
【氏名】レイリー ケビン
(72)【発明者】
【氏名】モルガン スコット
(72)【発明者】
【氏名】ラッツキー ニック
【テーマコード(参考)】
3B011
4C098
【Fターム(参考)】
3B011AA05
3B011AA12
3B011AA13
3B011AB18
3B011AC00
3B011AC17
4C098AA01
4C098BB11
4C098BC03
4C098BC10
4C098BC16
4C098BD15
(57)【要約】
本発明は、少なくとも部分的に、関節、例えば足の膝を包むように構成されたガーメント(1200, 1200’, 1300, 1400, 1500, 1600, 1700, 1800)である。ガーメントは、ユーザーの胴体部分、例えばウエストにフィットするように配置されるベルト(1210, 1310, 1410, 1540, 1640, 1710, 1810)、複数の非伸張性織物部分(1221, 1223, 1225, 1321, 1323, 1325, 1521, 1525, 1622, 1624, 1626, 1724, 1726, 1732, 1822)及び、足に沿ったガーメント織物のマトリックス上、又はマトリックス内で、対応する所定の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される引張部材(1220, 1320, 1520, 1620)を有する。軌跡は、第1の引張部材を、膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、膝の内側に圧力を与えるように配置されている。引張部材は、足の下腿三頭筋により固定され、ベルトにテンショナーを介して固定されている。第2の引張部材は、ガーメントの足内に導入され、膝の外側に圧力を加える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に、人間のユーザーの第1の手足の第1の関節を包むように構成されたブレースガーメント(1200, 1200’, 1300, 1400, 1500, 1600, 1700, 1800)であって、該ガーメントは、ユーザーの胴体部分にフィットするように配置されるベルト(1210, 1310, 1410, 1540, 1640, 1710, 1810)、複数の非伸張性織物部分(1221, 1223, 1225, 1321, 1323, 1325, 1521, 1525, 1622, 1624, 1626, 1724, 1726, 1732, 1822)及び、前記第1の手足に沿ったガーメント織物のマトリックス上、又はマトリックス内で、対応する所定の第1の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第1の引張部材(1220, 1320, 1520, 1620)を有し、前記所定の軌跡は、前記第1の引張部材を、前記第1の関節の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記第1の引張部材により、前記第1の関節の第1の側及び第2の側の一つに圧力を与えるように配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項2】
少なくとも、人間のユーザーの第1の足の第1の膝の一部を包むように構成されたブレースガーメントであって、前記ガーメントは、前記ユーザーのウエスト周りにフィットするように配置されたベルト、複数の非伸張性織物部分及び、前記第1の足に沿ったガーメント織物のマトリックス上又はマトリックス内で、対応する第1の所定の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第1の引張部材を有し、前記第1の所定の軌跡は、前記第1の引張部材を、前記第1の膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記第1の引張部材により、前記第1の膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項3】
請求項1又は2記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材は、基端部及び末端部を有し、前記第1の引張部材の前記基端部は、前記ベルトに固定され、前記第1の引張部材の前記末端部は、ユーザーの第1の足の下腿三頭筋に固定される形で配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材の前記末端部は、ユーザーの第1の足の周りを1回以上周回伸延した前記引張部材の輪を介して、該ユーザーの下腿三頭筋により固定される形で配置され、前記輪は、前記ユーザーの第1の足の下腿三頭筋の下で、該ユーザーの前記第1の足を取り巻く形で配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項5】
請求項1乃至4のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材の前記末端部は、ユーザーの前記第1の足の内側及び外側の内の一つに、ユーザーの第1の足の下腿三頭筋の周囲に伸延する形で配置された前記引張部材の輪を介して前記ユーザーの前記第1の足の下腿三頭筋によって固定される形で配置され、ここで複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記ユーザーの第1の膝の内側及び外側の一方に圧力を加えるように配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項6】
請求項1乃至5のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材の基端部は、テンショナー(1240、1340、1540、1640及び1740)を介して前記ベルトに固定されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項7】
請求項1乃至6のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記テンショナーは、前記第1の引張部材の張力を調整可能に構成配置されている調整可能なテンショナーである、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項8】
請求項1乃至7のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材は、前記複数の非伸張性織物部分及び伸張性ファスナー(1227、1229、1231、1233、1327、1329、1331、1333)を有する、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項9】
請求項1乃至8のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材は、前記ガーメント織物のマトリックス内又はマトリックス上の、及び複数の非伸張性織物部分のマトリックス上又はマトリックス内の、一つ以上の中空ガイド(1628、1728、1828)内及び該中空ガイドに沿って伸延する非伸張性ケーブル(1630、1730、1830)を有する、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項10】
請求項1乃至9のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記ケーブルは、前記膝の内側及び外側の一つに圧力を加えるように配置された複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つの上、又は内で、それ自身が交差している、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項11】
請求項1乃至10のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、該ブレースガーメントは、更に、人間のユーザーの第1の足の第1の膝が曲げられた際に、前記第1の引張部材の張力を維持するための張力調整装置(1734)を有する、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項12】
請求項1乃至11のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記張力調整装置は、第1の膝に接近したユーザーのウエストと第1の膝の間に配置された非伸張性織物部分に取り付けられたプーリーを有する、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項13】
請求項1乃至12のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、該ガーメントは更に、前記ユーザーの第1の足に沿って、ガーメント織物のマトリックス上、又はマトリックス内で、対応する第2の所定の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第2の引張部材を有し、前記第2の所定の軌跡は、第2の引張部材を、第2の膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記第2の引張部材により、前記第2の膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項14】
請求項1乃至13のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、第2の引張部材は、基端部及び末端部を有し、前記第2の引張部材の前記基端部は、前記ベルトに固定され、前記第2の引張部材の前記末端部は、ユーザーの第1の足の下腿三頭筋によって固定される形で配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項15】
請求項1乃至14のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、第1及び第2の両引張部材の末端部は、第1の足の下腿三頭筋の下で、該第1の足を取り巻く、関節非伸張性織物部分で終わっている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項16】
請求項1乃至15のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、該ブレースガーメントは、更に、前記ユーザーの対応する第2の足の第2の膝の少なくとも一部を包むためのものであり、該ガーメントは、前記ユーザーの第2の足に沿ったガーメント織物のマトリックス上又はマトリックス内で、対応する第3の所定の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第3の引張部材を有し、前記第3の所定の軌跡は、前記第3の引張部材を、前記第2の膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記第3の引張部材により、前記第2の膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項17】
請求項1乃至16のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、該ブレースガーメントは、第2の複数の非伸張性織物部分を持った第2のガーメントを有し、第2の引張部材が、ガーメント織物のマトリックス内、又はマトリックス上で、対応する所定の第2の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置されており、前記第2の所定の軌跡は、前記第2の引張部材を、関節又は膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、第2の複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記第2の引張部材により、前記関節又は膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項18】
請求項1乃至17のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材は、ベルトに連結されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項19】
請求項1乃至18のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第1の引張部材は、ベルトに調整可能なテンショナーを介して連結されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【請求項20】
請求項1乃至19のうち、いずれか一項記載のブレースガーメントであって、前記第2の引張部材が、ベルトに調整可能なテンショナーを介して連結されている、ことを特徴とするブレースガーメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、IPCのA61で例示される医療分野に関し、特に、ウォーキング促進装置等の、人体の関節安定化装置及びこれに関連する方法に関する。1観点においては、本発明は、人間の膝を安定化させる装置及び、該膝の損傷靱帯を治療するように構成し、準備した装置の作用に関する。
【背景技術】
【0002】
整形外科用ブレースは、関節や、関節周りをつなぐ手足に継続的な損傷を受けたときに、人体の手足の関節を安定化させるために使用する。このように、膝、足首、肘及び手首を安定化させるためにブレースを使用する。ブレースをあてがうことで、手足や関節の機能を実行させながら、損傷した手足や関節の負担を減らし、更なるダメージのリスクを最小限に抑えることが出来る。
【0003】
膝のブレース製品の幾つかは、膝前十字靱帯(ACL)、後十字靱帯(PCL)、内側側副靱帯(MCL)等の膝の靱帯を特別にプロテクトするように開発されてきた。これらの靱帯は、特に熱心なスポーツ活動に関与している個人が膝を無理に使った時しばしば損傷を受ける。外側側副靱帯(LCL)も時々くじく。これら靱帯をプロテクトするブレース製品は、テクノロジーや機能や効力に関して大いに異なっている。
【0004】
いくつかの製品は、関節の接合を保った状態で機械的に包み込むことに焦点を当てている。こうした製品は、やや重いヒンジ機構を有し、全体的に嵩高であって、特に美的ではない。全く反対に、ガーメント(補正着)の形を取ったいくつかの製品があり、膝を安定化して上記した靱帯を保護する際に、膝の近傍に圧縮力を作用させる、異なるテクノロジーを用いた、ガーメント(補正着)の異なる形態である。いくつかのガーメント(補正着)は、十分な圧縮力を作用させることが出来ない欠点がある。他のものは全体的には十分な圧縮力を作用させるが、鍵となる解剖学的な領域に直接、該圧縮力が作用しない。
【0005】
従って、傷ついた人体の関節を安定化するために、正確に直接十分な力を作用させることの出来る、ガーメントの必要性があるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ガーメントの第1の実施例は、人間の膝を安定化するガーメントであり、少なくとも部分的に、人間のユーザーの第1の足の第1の膝を包むように構成されたガーメントである。ガーメントは、ユーザーのウエストにフィットするように配置されるベルト、複数の非伸張性織物部分及び、第1の足に沿ったガーメント織物のマトリックス上、又はマトリックス内で、対応する所定の第1の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第1の引張部材を有し、第1の所定の軌跡は、前記第1の引張部材を、前記第1の膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、前記第1の引張部材により、前記第1の膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されている。前記第1の引張部材は、基端部及び末端部を有し、前記第1の引張部材の基端部は、ベルトに固定され、第1の引張部材の末端部は、ユーザーの第1の足の下腿三頭筋によって固定される形で配置されている。
【0007】
第1の引張部材の末端部は、ユーザーの第1の足の周りを1回以上周回伸延した引張部材の輪を介して、該ユーザーの下腿三頭筋により固定される形で配置されてよく、輪は、ユーザーの第1の足の下腿三頭筋の下で、該ユーザーの第1の足を取り巻く形で配置されている。他の実施例では、第1の引張部材の末端部は、ユーザーの第1の足の内側及び外側の内の一つの上に、ユーザーの第1の足の下腿三頭筋の周囲に伸延する形で配置された引張部材の輪を介してユーザーの第1の足の下腿三頭筋に固定される形で配置され、ここで複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、ユーザーの第1の膝の内側及び外側の一方に圧力を加えるように配置されていてもよい。引張部材の基端部は、テンショナーを介してベルトに固定されていてもよい。テンショナーは、第1の引張部材の張力を調整可能に構成配置されている調整可能なテンショナーであってよい。
【0008】
第1の引張部材は、複数の非伸張性織物部分及び伸張性ファスナーを有してもよい。他の実施例では、第1の引張部材は、ガーメント織物のマトリックス内又はマトリックス上の、及び複数の非伸張性織物部分のマトリックス上又はマトリックス内の、一つ以上の中空ガイド内及び該中空ガイドに沿って伸延する非伸張性ケーブルを有してもよい。ケーブルは、膝の内側及び外側の一つに圧力を加えるように配置された複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つの上、又は内で、それ自身が交差していてもよい。
【0009】
ガーメントは、更に、人間のユーザーの第1の足の第1の膝が曲げられた際に、第1の引張部材の張力を維持するための張力調整装置を有してもよい。張力調整装置は、第1の膝に接近したユーザーのウエストと第1の膝の間に配置された非伸張性織物部分に取り付けられたプーリーを有してもよい。
【0010】
ガーメントは更に、ユーザーの第1の足に沿って、ガーメント織物のマトリックス上、又はマトリックス内で、対応する第2の所定の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第2の引張部材を有し、第2の所定の軌跡は、第2の引張部材を、第2の膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、第2の引張部材により、第2の膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されていてもよい。第2の引張部材は、基端部及び末端部を有し、第2の引張部材の基端部は、ベルトに固定され、第2の引張部材の末端部は、ユーザーの第2の足の下腿三頭筋によって固定される形で配置されていてもよい。他の実施例では、第1及び第2の両引張部材の末端部は、第1の足の下腿三頭筋の下で、第1の足を取り巻く、関節非伸張性織物部分で終わっていてもよい。
【0011】
ブレースガーメントは、更に、ユーザーの対応する第2の足の第2の膝の少なくとも一部を包むためのものであり、該ガーメントは、ユーザーの第2の足に沿ったガーメント織物のマトリックス上又はマトリックス内で、対応する第3の所定の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第3の引張部材を有し、第3の所定の軌跡は、第3の引張部材を、第2の膝の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、第3の引張部材により、第2の膝の内側及び外側の一つに圧力を与えるように配置されていてもよい。
【0012】
一般的な意味で、ブレースガーメントの実施例では、少なくとも人間のユーザーの第1の手足の第1の関節を部分的に包むためのものであり、ガーメントは、ユーザーの胴体部分にフィットするように配置されるベルト、複数の非伸張性織物部分及び、第1の手足に沿ったガーメント織物のマトリックス上、又はマトリックス内で、対応する所定の第1の曲がった三次元的な空間軌跡に沿って長手方向に配置される第1の引張部材を有し、第1の所定の軌跡は、第1の引張部材を、第1の関節の少なくとも一つの自然靱帯に空間的に関連付けており、複数の非伸張性織物部分の少なくとも一つは、第1の引張部材により、第1の関節の第1の側及び第2の側の一つに圧力を与えるように配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
次に示す発明の実施例や添付した図面を参照することにより、本発明の上記した特徴やその他の特徴、目的、及びそれらを達成する方法が明らかになり、発明自体をより良く理解することが出来る。
【0014】
【
図1】人間の左膝の一般的構造を示す図である。膝頭及びその癒着箇所は、明確性のために削除してある。
【0015】
【
図2A】人間の膝保護用、内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の第1実施例を示す図である。
【
図2B】人間の膝保護用、内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の第1実施例を示す図である。
【0016】
【
図3A】異なる下部非伸張性織物を用いた、人間の膝保護用、内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の異なる実施例を示す図である。
【
図3B】異なる下部非伸張性織物を用いた、人間の膝保護用、内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の異なる実施例を示す図である。
【0017】
【
図4A】人間の膝保護用、外側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【
図4B】人間の膝保護用、外側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【0018】
【
図5A】人間の膝保護用、外側及び内側の側副靱帯結合ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【
図5B】人間の膝保護用、外側及び内側の側副靱帯結合ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【0019】
【
図6A】各足の上下の非伸張性織物が単一の織物に結合されている、人間の膝保護用、外側及び内側の側副靱帯結合ブレースガーメント(補正着)の別の実施例を示す異なる図である。
【
図6B】各足の上下の非伸張性織物が単一の織物に結合されている、人間の膝保護用、外側及び内側の側副靱帯結合ブレースガーメント(補正着)の別の実施例を示す異なる図である。
【0020】
【
図7A】膝の内側に圧力を作用させるためにゲーブルを用いた、人間の膝保護用、内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【
図7B】膝の内側に圧力を作用させるためにゲーブルを用いた、人間の膝保護用、内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【0021】
【
図8A】膝の外側に圧力を作用させるためにゲーブルを用いた、人間の膝保護用、外側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【
図8B】膝の外側に圧力を作用させるためにゲーブルを用いた、人間の膝保護用、外側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【0022】
【
図9A】膝の外側及び内側に圧力を作用させるためにゲーブルを用いた、人間の膝保護用、外側及び内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【
図9B】膝の外側及び内側に圧力を作用させるためにゲーブルを用いた、人間の膝保護用、外側及び内側の側副靱帯ブレースガーメント(補正着)の実施例を示す異なる図である。
【0023】
【0024】
【
図11】ケーブルガイドを織物上で交差させるためのケーブルガイドを配置するために設けられた、靱帯ブレースガーメントの織物部分の図である。
【0025】
【0026】
図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。図面は、本発明の実施例を示しているが、図面は必ずしも一定の比率に基づいて作成されているわけではなく、本発明をより詳しく例示し説明するためにある特徴は誇張されていることもある。フローチャート及びスクリーンショットは、本質的に表示しており、本発明の実際の実施例は図面には示されていない特徴やステップを更に含んでいてもよい。ここで説明した例示は、ある1つの形態における本発明の実施例を説明しており、この例示がいかなる場合でも本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に開示した実施例は、網羅的ではなく、これに続く詳細な説明に開示した正確な形態に本発明を限定するものではない。むしろ、実施例は、他の当業者がこれら教示を利用することができるように選び、記載してある。
【0028】
本発明は、人体の接合関節用のブレース配置を有するガーメント(補正着)に関する。ある実施例では、関節の少なくとも一つの本来の靱帯に力を作用させるように配置された非伸張性材料の引張セグメントを持ったブレースを有している。他の実施例では、非伸張性材料のセグメント内の導管内に配置された引張部材が必要な力を提供する。ガーメント(補正着)及びブレースを説明するために、最初に
図1に示す人間の膝を考えてみる。
【0029】
図1は、前部から見た人間の左膝の内部膝部100を示しているが、膝蓋骨又は膝頭及びその多様な癒着箇所は、この特定の関節の内部構造を明確にするために削除してある。図に示す足の主要な骨は、大腿骨110、脛骨120及び腓骨130である。これらの骨が接合している間に接触する部分には、接合軟骨140が設けられており、脛骨120上の2つの軟骨部分は、内側半月板144及び側方半月板146である。骨は、該骨を一緒に保持する戦略的に配置された靱帯によって互いに対して安定している。これら骨には、大腿骨110と脛骨120の相互に作用する面を共に結合する後十字靱帯(PCL)150と膝前十字靱帯(ACL)160、大腿骨110の先端内側及び外側に対して、それぞれ脛骨120及び腓骨130と結合する内側側副靱帯(MCL)170と外側側副靱帯(LCL)180がある。人間の右膝は、中央面に関して、実質的に左膝と対象である。
【0030】
内側側副靱帯ブレースガーメント(補正着)1200の第1実施例に戻るが、それは
図2A、
図2Bに示すように、ブレースガーメントと呼ばれるものでもある。それは、
図1の膝関節が,ベルト1210、ガーメント1200のベースマトリックス(織り目)材料を形成する伸張性材料1212、テンショナー1240a及び1240b、及び実質的に非伸張性の材料1221a、1221b、1225a及び1225bからなる織物から、構成されたガーメント1200により対応されている。
【0031】
本出願で、語句「実質的に非伸張性の材料」とは、少なくとも第1の方向において実質的な非伸張性を有する、二次元的に伸延する材料について使用している。該材料は、該第1の方向に垂直な方向においては、伸張性に関する制限は無くても、あってもよい。こうした材料の限定されない例としては、限定されるものではないが、所謂、2方向ストレッチ織物(2-way-stretch fabrics)を含むものである。該2方向ストレッチ織物は、スパンデックス、ナイロン、ダイニーマ(登録商標)、ケブラー(登録商標)、ポリエステル、インジオ(登録商標)、オレフィン繊維、リヨセル及び/又は綿を含む繊維の混合物を、求められる次元において伸張が許容される形で、織り、編み又は編み込んだものである。「2方向」ストレッチとは、ここでは、一次元の二つの対向する方向に伸張することであり、他方、第1の方向に直角などのような方向においても実質的に非伸張性を残していることである。他の「実質的に非伸張性の材料」は、例えば、限定されるものではないが、第2の繊維内に埋め込まれた又はサンドイッチ構造で埋め込まれた、二次元のメッシュ内のダイニーマ(登録商標)繊維を含むものであり、どのような方向においても実質的な伸張性を示さない。非伸張性は、ガーメント200の繊維のマトリクス材料の非伸張性と比較した場合に、「実質的」なものと見なされるものである。ガーメント繊維は、「実質的に非伸張性材料」と比較した場合、伸張性が有り、拡張性がある。ここで、「非伸張性織物」という言葉は、実質的に非伸張性材料から作られた織物を言う。
【0032】
破線で示す長方形は、
図1の左足の領域を示す。非伸張性材料の織物は、ベルト1210にそれぞれが接続された、左足用の引張部材1220a及び右足用の引張部材1220bならなる、二つの独立した引張部材の部分を有する。図面の煩雑さを避けるために、各引張部材は図面の下端部分にのみ番号が付されている。引張部材1220aは、三つの非伸張性材料の織物からなり、それらは左大腿部に配置される上部非伸張性織物1221a、左膝の内側に配置される内側非伸張性織物1223a、左下肢に配置される下部非伸張性織物1225aであり、それらは、引張部材1220aを、関節100の少なくとも一つの靱帯に空間的に関連つける、三次元空間軌跡を一般的に規定している。引張部材1220aは、更に、非伸張性織物1221aを非伸張性織物1223aに繋げる伸張性ファスナー1227a及び1229aを有している。引張部材1220aは、更に、非伸張性織物1223aを非伸張性織物1225aに繋げる伸張性ファスナー1231a及び1233aを有している。引張部材1220bも同様であり、
図2Aでは全ては見えないが、
図2Bで見える、四つの対応するファスナー1227a、1229a、1231b及び1233bばかりか、対応する非伸張性織物1221b、1223b及び1225bを有している。
【0033】
引張部材1220aは、ベルト1210に、引張部材1220aの張力を調整することができるように構成配置された、調整可能なテンショナー1240a(
図2Aでは見えないが、
図2Bで見える)により接続されてよい。引張部材1220bも同様に、ベルト1210に、引張部材1220bの張力を調整することができるように構成配置された、調整可能なテンショナー1240bにより接続されてよい。
【0034】
内側側副靱帯(MCL)170に適切な力を適用するために、引張部材1220aは、非伸張性織物1223aを介して関節100の内側に力を作用させるように配置されている。左膝の内側の力は、全体的に左膝の外側に向けて作用する。これが、左膝の内側側副靱帯の問題によって内側に変位した左膝関節を安定化する。同様に、引張部材1220bは、非伸張性織物1223bを介して右膝関節の内側に力を作用させるように配置されている。右膝の内側の力は、全体的に右膝の外側に向けて作用する。これが、右膝の内側側副靱帯の問題によって内側に変位した右膝関節を安定化する。多様な伸縮性ファスナーを、公知の方法で多様に使用することが出来、例えば、限定するものではないが、ラチェット、カムバックル、締め紐(laces)、バックル付きストラップ、ベルクロ(登録商標)ファスナーなどである。
【0035】
図2A及び
図2Bは、それぞれ独立した引張部材1220a及び1220bで安定化された左右の膝を示す。ある実施例では、二つの足の一つだけに引張部材が設けられてもよい。反対に、二つの張力部材を設け、各足又は膝の一つの、病気に冒された又は不安定な膝にのみ張力が適用されるように構成してもよい。当業者であれば、単一の張力部材だけがあって、それを、例えば、左足に適用している場合、ガーメントをひっくり返すことで、該張力部材を右足に適切に適用して、左膝に変わって右膝の安定化システムとして提供することも出来ることがわかる。
【0036】
図2A及び
図2Bでは、下部非伸張性織物1225a及び1225bが、下腿三頭筋下の足の周囲に巻かれている状態が示されている。ガーメント1200′の別の実施例では、
図3A及び
図3Bで示すように、下部非伸張性織物1225a′及び1225b′が足の周囲を巻くこと無く、単に下腿三頭筋下の足の周囲を部分的に周回しており、効果的に下腿三頭筋を支えている。図面の煩雑さを避けるために、左足の引張部材には1220a′、右足の引張部材には、1220b′というように、各引張部材は図面のその下端部にのみ符号を付している。
【0037】
図4A及び
図4Bで示す、外側側副靱帯ブレースガーメント(補正着)1300の第1実施例に戻ると、
図1の膝関節は、ベルト1310,ガーメント1300の基本的なマトリックス材料を形成する伸張性織物1312、非伸張性材料からなる織物及びテンショナー1340a(
図4Bに見える)を有するガーメント1300があてがわれている。破線で示す長方形100は、
図1の左足の部分を示す。二つの独立した引張部材の非伸張性材料が形成する部分の織物は、左足用は引張部材1320aであり、右足用は引張部材1320bであり、それぞれはベルト1310に接続されている。引張部材1320aは、非伸張性材料からなる三つの織物からなり、それらは左大腿に配置され、その周囲を回っている上部非伸張性織物1321a、左膝の側部に配置された側部非伸張性織物1323a及下部左足に配置された下部非伸張性織物1325aでる。引張部材1320aは、更に、非伸張性織物1321aを非伸張性織物1323aに取り付ける、伸張性ファスナー1327a、1329aを有している。引張部材1320aは、更に、非伸張性織物1323aを非伸張性織物1325aに取り付ける、伸張性ファスナー1331a及び1333aを有している。同様に引張部材1320bも、対応する四つのファスナー1327b、1329b、1331b、1333b及び、対応する非伸張性織物1321b、1323b及び1325bを有し、それらは
図4Bでは一部が隠れているが、
図4Aでは見えている。図面の煩雑さを避けるために、左足の引張部材には1320a、右足の引張部材には、1320bというように、各引張部材は図面のその下端部にのみ符号を付している。
【0038】
引張部材1320aはベルト1310に、引張部材1320aの張力を調整するように構成配置された調整可能なテンショナー1340aにより接続されている(
図4Aでは見えないが、
図4Bで見える)。引張部材1320bも同様にベルト1310に、同様に引張部材1320bの張力を調整するように構成配置された調整可能なテンショナー1340bにより接続されている。
【0039】
外側側副靱帯(LCL)に適切な力を作用させるために、引張部材1320aは非伸張性織物1323aを介して関節100の外側面に力を作用させるように配置されており、左膝の外側面の力は、全体的に左膝の内側面に向けて作用する。これが、左膝の側副靱帯の問題による左膝関節の外側面変位に対して安定させる。対応して、引張部材1320bは非伸張性織物1323bを介して右膝関節の外側面に力を作用させるように配置されており、右膝の側面の力は、全体的に右膝の内側面に向けて作用する。これが、右膝の側副靱帯の問題による右膝関節の外側面変位に対して安定させる。多様な伸縮性ファスナーを、公知の方法で多様に使用することが出来、例えば、限定するものではないが、ラチェット、カムバックル、締め紐(laces)、バックル付きストラップ、ベルクロ(登録商標)ファスナーなどである。
【0040】
図4A及び
図4Bでは、下部非伸張性織物1325a及び1325bが、下腿三頭筋下の足の周囲に巻かれている状態が示されている。
図2A及び
図2Bの内側側副靱帯用ブレースガーメントを参照して説明したように、下部非伸張性織物は、単に下腿三頭筋下で一回、足の周囲を部分的に巻く形で伸延しており、
図3の内側側副靱帯ブレースシステムについては、下腿三頭筋を効果的に支えている。
【0041】
図4A及び
図4Bに示すように、非伸張性織物1323a及び1323bの一つの上部リムは、それぞれファスナー1327a及び1327bを介して、それぞれ織物1321a及び1321bに直接接続されている。実施例では、織物1323a及び1323bの特定のリムは、太股に沿って垂直に伸びている。別の実施例では、後で
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bで使用されるが、織物1321a、1321bは、対応する足の最初に前部、次いで内側、そして後部の周りに伸延し、織物1323a及び1323bにそれぞれファスナー1327a、1327bを介して接続する延長部を有してもよい。この特定の配置は、以下の
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bを介してよりよく理解される。
【0042】
また、更なる実施例では、ガーメントは、一つの足につき、それぞれ特定の膝の外側及び内側に作用する外側及び内側非伸張性織物の二つの引張部材を有している。
図5A及び
図5Bは、この実施例である。
図3A及び
図3Bの内側側副靱帯ブレースガーメントの番号付け及び
図4A及び
図4B外側側副靱帯ブレースガーメントの番号付けを踏襲しているが、以下の例外がある。ベルトは1410であり、ガーメントの伸張性材料又は織物は、1412である。外側側副靱帯ブレースガーメントの下部非伸張性織物は1325a′が左足用に番号付けされ、1325b′が右足用に番号付けされている。これは外側側副靱帯ブレースガーメントが、
図3A及び
図3Bの内側側副靱帯ブレースガーメントの下部非伸張性織物と同種のものを使用しているからである。右及び左足用の内側側副靱帯ブレースを支持する引張部材は、そのほぼ下端でそれぞれ1320a′及び1320b′が付されている。
図5A及び
図5Bで見られるように、テンショナー1240a及び1240bは身体のより前側に移動しており、外側側副靱帯ブレースガーメント配置の上部非伸張性織物1321a、1321b及びそれぞれ対応するテンショナー1340a、1340bのスペースを提供している。この実施例は、
図4A及び
図4Bの外側側副靱帯ブレース及び
図3A及び
図3Bの内側側副靱帯ブレースの単一ガーメントへの直接的な組み合わせであり、外側側副靱帯ブレースが、
図3A及び
図3Bの内側側副靱帯ブレースの下部非伸張性織物と同種のものを用いている点が異なる。
【0043】
図5A及び
図5Bによると、二つのブレースの上部非伸張性織物は各足について、足毎の一つの上部非伸張性織物に纏めてもよい。同様に、二つのブレースの下部非伸張性織物は、各足について、足毎の一つの下部非伸張性織物に纏めてもよい。その結果、
図6A及び
図6Bに示すようなガーメント1500となる。この実施例では、単一の左足用下部非伸張性織物1525a及び単一の右足用下部非伸張性織物1525bは、内側及び外側非伸張性織物の両方に接続されている。同様に、左足用単一の上部非伸張性織物1521a及び右足用単一の上部非伸張性織物1521bは、内側及び外側非伸張性織物の両方に接続されている。ガーメントベルト1510は、テンショナー1540a、1540bを有している。ガーメントの7基礎的マトリックスを形成する材料には、番号1512が付されている。この実施例では、ガーメントの一つの足は、四つの非伸張性織物を有しており、それらは、内側及び外側非伸張性織物に接続するための四つの伸張性ファスナーを有する太股用の非伸張性織物、膝の内側の非伸張性織物、膝の外側の非伸張性織物、下腿三頭筋の先端部下の単一の下部非伸張性織物である。この実施では、下部非伸張性織物は、四つの伸張性ファスナーを有しており、二つは内側の非伸張性織物に接続するものであり、二つは内側の非伸張性織物に接続するものである。この実施例では、それぞれの足は、右足用の1520aと左足用の1520bの、単一の引張部材を有している。
【0044】
図7A及び
図7Bで示す他の実施例では、
図1の膝関節は、内側側副靱帯ブレースガーメント1600が装着されており、ブレースガーメント1600は、ベルト1610、左足用テンショナー1640a、右足用テンショナー1640b、及び非伸張性材料織物上又は中の中空ガイド内で移動するように配置されたゲーブル形状の左及び右足用の引張部材を有する。ケーブルは、実質的に非伸張性材料から作られており、限定する物ではないが、例えば、PTFE,ステンレススチール、ナイロン(登録商標)、ケブラー(登録商標)、一つ以上の超高分子量ポリエチレンベースの繊維及びダイヤモンド織の繊維である。ダイヤモンド織の繊維は、限定する物ではないが、例えば、綿、ポリエステル、ポリプロピレン及びテクノーラ(登録商標)であってよい。破線の四角形100は、
図1の左足の領域を示している。この実施例では、引張ケーブルは、非伸張性材料の織物が胴体、太股又は下肢のいずれかに対するアンカーとして作用する一方で、膝関節に必要な力を生成するための手段であり、また、ケーブル内の張力によって生成された力を膝関節に伝えている。この機能を達成するために、ケーブルは実質的に非伸張性である。
【0045】
図7A及び
図7Bでは、非伸張性ケーブル1630aは、その両端が下部非伸張性織物1626aの二つの端部に接続されている。その他の点では、ケーブル1630aは、中空ガイド1628aの内側を走っている。左足の内側に圧力を与える非伸張性織物1624aは、その水平方向両側に中空ガイド1628aが装着されている。ケーブル1630a内の張力が増加すると、左膝の内側の圧力が比例して増加する。一つの実施例では、中空ガイド1628aはゲーブル1630aをベルト1610内でウエスト周囲を巡らせている。上部非伸張性材料織物1622aは、ガイド1628aの位置を保証している。テンショナー1640aは、ゲーブル1630aのライン内に配置され、ケーブル1630aの張力を調整している。
図7A及び
図7Bの実施例では、テンショナー1640aは右の尻上に設けられている。
【0046】
内側側副靱帯(MCL)に安定した力を作用させることに繋げて、非伸張性織物1624aは関節100の内側に力を作用させるように配置され、該力は、左膝の外側に向けて全体的に作用する。これが左膝の内側側副靱帯の問題による内側の変位に対して左膝を安定化する。同様に、非伸張性織物1624bは右関節の内側に力を作用させるように配置され、該力は、右膝の外側に向けて全体的に作用する。これが右膝の内側側副靱帯の問題による内側の変位に対して右膝を安定化する。このために、ケーブル1630bは、その両端が下部非伸張性織物1626bの二つの端部に接続されている。中空ガイド1628bはゲーブル1630bをベルト1610内でウエスト周囲を巡らせている。上部非伸張性材料織物1622bは、ガイド1628bの位置を保証している。テンショナー1640bは、ゲーブル1630bのライン内に配置され、ケーブル1630bの張力を調整している。
図7A及び
図7Bの実施例では、テンショナー1640bは左の尻上に設けられている。
【0047】
図8A及び
図8Bで、
図1の膝関節は、外側側副靱帯ブレースガーメント1700が装着されており、ブレースガーメント1700は、ベルト1710、左足用テンショナー1740a、右足用テンショナー1740b、及び非伸張性材料織物上又は中の中空ガイド内で移動するように配置されたゲーブル形状の左及び右足用の引張部材を有する。破線の四角形100は、
図1の左足の領域を示している。引張ケーブルは、非伸張性材料の織物が胴体、太股又は下肢のいずれかに対するアンカーとして作用する一方で、膝関節に必要な力を生成するための機構であり、また、ケーブル内の張力によって生成された力を膝関節に伝えている。この機能を達成するために、ケーブルは実質的に非伸張性である。
【0048】
図8A及び
図8Bにおいて、ケーブル1730aは、その二つの端部が下部非伸張性織物1726aの二つの端部に取り付けられている。さもなければ、ケーブル1730aは、中空ガイド1728aの内部を走っている。左足の外側に圧力を加える、非伸張性織物1724aは、その水平方向両端で中空ガイド1728aに接続している。ケーブル1730aの張力が増加すると、左膝の外側の圧力が比例して増加する。実施例では、中空ガイド1728aはケーブル1730aをベルト1710内でウエスト周囲に巡らせている。上部非伸張性織物1722aは、ガイド1728aの位置を保証している。テンショナー1740aは、ケーブル1730aのライン上に配置され、ケーブル1730aの張力を調整している。
図8A及び
図8Bの実施例では、テンショナー1740aは、右の尻上に設けられている。
【0049】
外側側副靱帯(LCL)に安定した力を作用させることに繋げて、非伸張性織物1724aは関節100の外側に力を作用させるように配置され、該力は、左膝の内側に向けて全体的に作用する。これが左膝の外側側副靱帯の問題による外側の変位に対して左膝を安定化する。同様に、非伸張性織物1724bは右関節の外側に力を作用させるように配置され、該力は、右膝の内側に向けて全体的に作用する。これが右膝の外側側副靱帯の問題による外側の変位に対して右膝を安定化する。このために、ケーブル1730bは、その両端が下部非伸張性織物1726bの二つの端部に接続されている。中空ガイド1728bはゲーブル1730bをベルト1710内でウエスト周囲を巡らせている。上部非伸張性材料織物1722bは、ガイド1728bの位置を保証している。テンショナー1740bは、ゲーブル1730bのライン内に配置され、ケーブル1730bの張力を調整している。
図8A及び
図8Bの実施例では、テンショナー1740bは左の尻上に設けられている。
【0050】
更なる実施例では、ガーメント1800は、与えられた足について、特定の膝の外側及び内側にそれぞれ作用する外側及び内側非伸張性織物を持った、二つの引張部材を有している。
図9A及び
図9Bはこの実施例を示している。図面の番号は、
図7A及び
図7Bの内側側副靱帯用ブレースガーメントの番号と同様であり、
図8A及び
図8Bの外側側副靱帯用ブレースガーメントの番号と同様であるが、以下の例外がある。ベルトは1810であり、ガーメントの伸張性材料又は織物は1812,上部非伸張性織物は右足及び左足それぞれ、1822a及び1822bである。
図9A及び
図9Bから分かるように、テンショナー1640a、1640b及び1740a及び1740bは、これらの装置を4個配置するために、以前の図面に比してその位置が僅かにずれて再配置されている。この実施例は、
図8A及び
図8Bの外側側副靱帯ブレースと
図7A及び
図7Bの内側側副靱帯が、単一のガーメントに直接組み合わされる効果を有するが、以前の図面での上部非伸張性織物は、単一の織物に組み合わされている。各足の二つの下部非伸張性織物は、
図6A及び
図6Bで示したものと同じ配置で組み合わせてよい。
【0051】
図10A、
図10B及び
図10Cは、
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bのケーブル1630a、1630b、1730a、1730bと共にそれぞれ使用されるガイド1628a、1628b、1728a及び1728bの異なる実施例である。例えば、
図7Aの素子を使用して、
図10Aは、ガーメント1600のマトリックス繊維1612と内側側面織物1624a間で、ステッチ1616によって生成される継ぎ手部分の縫い目を示す。縫い目は、チューブ1628aの形で縫い目に沿って伸延するガイド1628aを有する。ケーブル1630aは、チューブ1628aを貫通して長手方向に伸延している。チューブ1628aの材料は、ケーブル1630aに対する摩擦係数が低いものが選択される。より一般的な場合には、それぞれが長手方向に伸延するチューブ1628aを持った、複数の継ぎ手であってよい。各チューブ1628aは、それに沿って長手方向に伸延するケーブル1630aのストランドを有する。
図10Aでは、チューブ1628aは断面が円形であるが、他の実施例では、チューブ1628aをガーメントが対象となる人間工学的要求と互換性を持たせつつ、ケーブル1630aのストランドが実質的に自由に動くことが出来る適切な断面を持っていてよい。一つの適切な断面は、ケーブル1630aのストランドを収容するに十分な湾曲を持った、半円形又は円のより小さな一部であり、更に、一面を平らにして、ガーメント1600のマトリックス繊維1612と容易に一体化しうるように構成してもよい。チューブ1628aは、とても低い摩擦で、非伸張性チューブが使用される形で、順に並べられてよい。チューブ1628aの材料は、限定する物ではないが、テフロン(登録商標)及びシリカである。関連する実施例では、ケーブル1630aのストランドは、ステッチされた縫い目又は継ぎ手内で、低摩擦材料の二つの細長片間に単に挟まれている。同じ配置を、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bのケーブル及びガイドに適用することができる。
【0052】
図10Bは、ガーメント1600の内側側副靱帯用織物1624aの非伸張性材料内に、
図7Aのケーブル1630aを導入する方法を示す他の実施例である。図は、織物1624aの繊維の編みの斜視図である。図は、内側側副靱帯用織物1624aのマトリックス材料内に、織物1624aの端に近接した形で、ケーブル1630aの三つのストランドのそれぞれが一つずつ、両側の四つの列1660のステッチ又は編みにより収容されている。ケーブル1630aの三つのストランド、1630a、1630a′、1630a″は、ステッチング1660により保持される低摩擦材料の二つの長手方向の細長片1670で挟まれている。この図面では、織物1624aの材料は、二枚のシートである。これは明瞭に模式的に見せるために示されているが、材料は、実際は織物である。ステッチングの繊維は、ケーブル1630aが低摩擦材料に対して全方向にスライド可能なように、低摩擦材料であってよい。この実施例では、ガイド1628aは低摩擦材料片1670及び低摩擦材料ステッチング1660で形成されている。同じ配列は、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bのゲーブル及びガイドに適用することができる。
【0053】
図10Cは、ガイド1628aがガーメント1600の表面に、半円形チューブ1628aを並べた形で装着されており、ケーブル1630aは該チューブ1628aを通って配置されている。ある実施例では、チューブの底部は閉塞されていたり、低摩擦材料で覆われていたりしてもよい。同じ配列は、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bのゲーブル及びガイドに適用することができる。
【0054】
図7A、
図7B、
図8A、
図8B、
図9A及び
図9Bは全て、織物1624a、1624b、1724a及び1724bの外周に沿って配置されているガイド1628a、1628b、1728a及び1728bを示す。他の実施例では、
図11に示すように、ガイド1828は、外側側副靱帯又は内側側副靱帯用織物それ自体の上に自身が交差するように配置され、対応するケーブル1830を、織物の対向する角間を斜めにガイドするようにしてもよい。これは、外側後ろコーナーの安定性がより増し、過度の内側及び外側の回転を規制し、
図1の膝前十時靱帯(ACL)160を保護することができる。
図11では、
図10Aのガイド配置が使用される。ケーブル1830を、その上で交差させる他のガイド配置も使用可能である。
【0055】
図12は、
図8Bの外側側副靱帯ブレースガーメントに、プーリー1734を持った非伸張性織物部分1732を更に加えたものであり、プーリー1734は、ユーザーの膝に近接したウエストと膝の間に配置された非伸張性織物部分1732に添付されている。左足が曲がった時の、ケーブル1730aの適切な張力の維持を保証するために、ガイド1728aがプーリー1734上を通っており、それが張力調整装置として作用する。プーリー1734は、足が曲げられた際のケーブル1730aの張力を維持する張力調整装置の一つの実施例である。例えば、限定するものではないが、
図10A,
図10B及び
図10Cのガイド設計にも、他の張力調整装置もまた、使用することができる。張力調整装置は、ここに開示された他の引張部材における張力の調整に同様に用いることが出来る。
【0056】
ここで述べた実施例は、人間の膝を対象としたものであるが、ここで述べた装置は、最小限の変更を適用して人間の生体の他の関節、例えば、肘、肩及び足首などに適用することが出来る。
【0057】
本発明を例示的なデザインを持ったものとして述べたが、本発明はこの開示の精神及び範囲内で更に変形することが出来る。本出願は、従って一般的な原則を用いて本発明を多様に変更したり、使用したり、また応用したりすることを意図し本発明の範囲内とするものである。更に、本出願は、本開示から出発して、この発明に関連する技術の既知又は習慣的なプラクティス内でもたらされるものを含むものである。
【国際調査報告】