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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】前立腺を治療するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/02 20060101AFI20220107BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20220107BHJP
【FI】
A61B18/02
A61M25/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523490
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 US2019058897
(87)【国際公開番号】W WO2020092593
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/754,400
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/832,705
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/874,446
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】518354781
【氏名又は名称】テラノバ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】バーネット,ダニエル アール
(72)【発明者】
【氏名】シルべストリーニ,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ルー,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ジャアスマ,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160JJ02
4C267AA09
4C267BB27
(57)【要約】
前立腺を治療するための装置および方法が開示されており、一実施形態では、装置は通常、体腔内に配置されるような大きさに形成されたカテーテルと、カテーテルの長手部分に沿って配置され、治療対象の組織に近接する体腔の部分に熱的に接触するための接触領域を形成する少なくとも1つのバルーンと、カテーテルの長手部分を通して形成された少なくとも1つのルーメンを介して少なくとも1つのバルーンと流体連通するリザーバとを備えている。少なくとも1つのバルーンは、接触領域が少なくとも部分的に膨張するまで、少なくとも1つのルーメンを介して導入されたリザーバからの冷媒を受け取るように構成されていてもよく、カテーテルは、接触領域を体腔の一部に対して選択的に並置して、その一部を包囲する体腔の残りの部分と比較してその一部を優先的に冷却するように調整可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に配置されるような大きさに形成されるカテーテルと、
前記カテーテルの長手部分に沿って配置され、治療対象の組織に近接した前記体腔の一部に熱的に接触するための接触領域を形成する少なくとも1つのバルーンと、
前記カテーテルの前記長手部分を通して設けられた少なくとも1つのルーメンを介して、前記少なくとも1つのバルーンと流体連通するリザーバと、
を備え、
前記少なくとも1つのバルーンは、前記接触領域が少なくとも部分的に膨張するまで、前記少なくとも1つのルーメンを介して導入された前記リザーバからの冷媒を受け取るように構成されており、前記カテーテルは、前記接触領域を前記体腔の前記一部に対して選択的に並置して、前記一部を包囲する前記体腔の残りの部分に対して前記一部を優先的に冷却するように調整可能である、凍結療法装置。
【請求項2】
前記冷媒の沸点が-180℃を越える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カテーテルが経尿道的に挿入可能な大きさに形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記冷媒が、前記少なくとも1つのバルーンに導入されたときに、前記体腔に近接した良性前立腺肥大症を治療するのに十分な温度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのバルーンが前記体腔に対して位置決め可能であり、これにより、前記冷媒が前記少なくとも1つのバルーンに導入可能であり、導電性冷却によって前記体腔の前記一部を選択的に冷却するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記カテーテルに沿って配置され、前記体腔の一部を断熱するための断熱要素をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記カテーテルに沿って配置可能な2つ以上の拡張可能なバルーンをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記2つ以上の拡張可能なバルーンが、互いに独立して拡張可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記2つ以上の拡張可能なバルーンは、前記接触領域を前記体腔に対して選択的に押圧するように前記カテーテルに沿って配置可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記冷媒が、前記2つ以上の拡張可能なバルーンのうちの1つに選択的に導入され、前記体腔の前記一部を冷却する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのバルーンの一部を遮蔽するシースをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記体腔に接触するように前記カテーテルに沿って配置された1つまたは複数の温熱領域をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
カテーテルの長手部分に沿って配置された少なくとも1つのバルーンが、治療対象の組織に近接した体腔の一部の近傍に、または該一部に配置されるように、前記体腔内で前記カテーテルを前進させるステップと、
前記少なくとも1つのバルーンに沿って形成された接触領域を、前記体腔の前記一部に接触させるように並置するために、前記カテーテルの一部を調整するステップと、
冷媒を、前記カテーテルの前記長手部分を通して形成された少なくとも1つのルーメンを通って、少なくとも1つのバルーン内に流入させることを開始して、これにより、前記接触領域を少なくとも部分的に拡張して、前記体腔の前記一部に対して熱的に接触させる、冷媒を開始するステップと、
前記治療対象の組織が、前記体腔の前記一部を介して、前記一部を包囲する前記体腔の残りの部分と比較して優先的に冷却されるまで、前記接触領域を介して冷媒を適用するステップと、
を含む、凍結療法を施す方法。
【請求項14】
前記冷媒の沸点が-180℃を越える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記カテーテルを前進させるステップが、経尿道的に前記カテーテルを前進させるステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記冷媒を適用するステップが、良性前立腺肥大症を治療するために前記冷媒を適用するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記冷媒を適用するステップが、前記体腔の前記一部を伝導的に冷却するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
治療を受けていない前記体腔の部分を断熱するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記冷媒を開始するステップが、前記カテーテルに沿って配置された2つ以上のバルーンを膨張させて、前記接触領域を前記体腔の前記一部に対して付勢するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記冷媒を開始するステップが、前記冷媒を前記2つ以上のバルーンに選択的に導入して、前記体腔の前記一部を冷却するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記冷媒を適用する前に、前記少なくとも1つのバルーンに対してシースを配置するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記カテーテルに沿って配置された1つまたは複数の要素を前記体腔に接触させて加温するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前立腺の治療に関するものである。
参照による組み込み
本明細書に記載されているすべての刊行物および特許出願は、そのような個々の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されている場合と同様の範囲で参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、前立腺肥大症などの前立腺疾患を治療する分野に関するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良性前立腺肥大症(BPH)は、前立腺の間質細胞および上皮細胞が肥大することで発症する。この過形成による副作用で、尿道が圧迫されることになる。良性前立腺肥大症(BPH)の一般的な治療法は、外科的治療のゴールドスタンダードである経尿道的前立腺切除術(TURP)である。この方法には短所もある。患者は回復のために2日間の入院をすることが多く、手術には全身麻酔が必要となる。BPHおよび癌などの前立腺疾患の治療には、低侵襲性の治療法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、経尿道的凍結療法(TC)システムおよびその使用方法の実施形態を開示する。TCシステムは、ゴールドスタンダードに比べていくつかの利点がある。凍結療法は外傷性が低いため、外来またはオフィスで施術を行うことができ、患者はその日のうちに帰宅することができる。また、全身麻酔をかけずに施術を行うことも可能である。
【0005】
一実施形態による経尿道的凍結療法システムでは、装置は通常、体腔内に配置されるような大きさに形成されるカテーテルと、カテーテルの長手部分に沿って配置され、治療対象の組織に近接する体腔の一部に熱的に接触するための接触領域を形成する少なくとも1つのバルーンと、カテーテルの長手部分を通して形成された少なくとも1つのルーメンを介して少なくとも1つのバルーンと流体連通するリザーバとを備える。少なくとも1つのバルーンは、接触領域が少なくとも部分的に膨張するまで、少なくとも1つのルーメンを介して導入されたリザーバから冷媒を受け取るように構成されていてもよく、カテーテルは、接触領域を体腔の一部に対して選択的に並置して、その一部を包囲する体腔の残りの部分と比較してその一部を優先的に冷却するように調整可能である。
【0006】
別例による凍結療法を適用する方法では、この方法は通常、カテーテルの長手部分に沿って配置された少なくとも1つのバルーンが、治療対象の組織に近接する体腔の一部の近傍または一部に配置されるように、体腔内でカテーテルを前進させることと、少なくとも1つのバルーンに沿って形成された接触領域を体腔の一部に対して並置させるようにカテーテルの位置を調整することと、冷媒を、カテーテルの長手部分を通して形成された少なくとも1つのルーメンを通して、少なくとも1つのバルーン内に流すことを開始して、これにより接触領域を少なくとも部分的に拡張して体腔の一部に対して熱的に接触させることと、治療対象の組織が体腔の一部を介して、その一部を包囲する体腔の残りの部分と比較して優先的に冷却されるまで、接触領域を介して冷媒を適用することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、一実施形態による経尿道的凍結療法システムを示す図である。
図2図2は、一実施形態による患者に装着された状態のTCシステムを示す図である。
図3図3は凍結効果領域を示す図である。
図4図4は、一実施形態による尿道を保護するための加熱エリアまたは断熱エリアを含むTCシステムを示す図である。
図5図5は、一実施形態によるTCカテーテルの断熱材を使用していない状態を示す図である。
図6図6および図7は、一実施形態による凍結治療部の絶縁性を変化させたTCカテーテルを示す図である。
図7図6および図7は、一実施形態による凍結治療部の絶縁性を変化させたTCカテーテルを示す図である。
図8図8は凍結効果領域を示す図である。
図9図9は、凍結治療部に加熱素子および冷却素子の両者を備えたTCカテーテルを示す図である。
図10図10は、図9の凍結治療部の詳細を示す図である。
図11図11は、ドーナツ形状の凍結効果領域を示す図である。
図12図12は、別例による加熱素子および冷却素子の両者を備えたTCカテーテルを示す図である。
図13図13は、図12に示したTCカテーテルの断面図を示す。
図14図14は、一実施形態による保持部材やバルーンを含むTCカテーテルと、凍結療法バルーンとを示す図である。
図15図15は、図14に示したTCカテーテルを示す断面図である。
図16図16は、図14に示した実施形態によるTCカテーテルを尿道に設置した状態を示す図である。
図17図17は、図14乃至16に示した実施形態を示す可能な断面図である。
図18図18は、図14乃至16に示した実施形態を示す可能な断面図である。
図19図19は、一実施形態による複数のバルーンを放射状に配置したTCカテーテルを示す図である。
図20図20は、一実施形態による2つの放射状バルーンを備えたTCカテーテルを示す断面図である。
図21図21は、一実施形態による半径方向および長手方向に複数のバルーンを備えたTCカテーテルを示す図である。
図22図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図23図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図24図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図25図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図26図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図27図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図28図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図29図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
図30図30は、前立腺を示す解剖図である。
図31図31は、TCシステムの制御部の構成要素の一例を示す図である。
図32図32乃至35は、治療を適用する方向を選択することができるTCシステムの実施形態を示す図である。
図33図32乃至35は、治療を適用する方向を選択することができるTCシステムの実施形態を示す図である。
図34図32乃至35は、治療を適用する方向を選択することができるTCシステムの実施形態を示す図である。
図35図32乃至35は、治療を適用する方向を選択することができるTCシステムの実施形態を示す図である。
図36図36および図37は、制限するシースを組み込んだTCシステムのいくつかの実施形態を示す断面図である。
図37図36および図37は、制限するシースを組み込んだTCシステムのいくつかの実施形態を示す断面図である。
図38図38は、円周方向に2つのバルーンローブを設けることができるシースを備えた一実施形態を示す図である。
図39図39および図40は、1つまたは複数の針を組み込んだTCシステムの実施形態を示す図である。
図40図39および図40は、1つまたは複数の針を組み込んだTCシステムの実施形態を示す図である。
図41図41は、本発明の任意の実施形態と組み合わせて使用することができるデータ処理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一実施形態による経尿道的凍結療法システムを示す図である。凍結療法用カテーテルまたはプローブ102は、シャフト104、保持部材またはバルーン106、および凍結治療部108を含む。カテーテルの遠位端110は示されているが、近位端は示されていない。
【0009】
図2は、一実施形態による患者に装着された状態のTCシステムを示す図である。TCカテーテルは、カテーテルの遠位先端および保持バルーンが膀胱204内に入るまで、尿道202を介して挿入される。保持バルーンは、挿入時には収縮し、膀胱内に入ってから膨らませることで、カテーテルを膀胱内にアンカー固定する。カテーテルは、保持バルーンが膀胱と尿道との接合部にぴったりと収まるように配置することで、カテーテルの凍結治療部を前立腺206内に配置することを支援することができる。保持バルーンと凍結治療部の中心との距離208は、患者によって異なる場合がある。そのため、TCカテーテルは、患者の解剖学的組織に応じて長さ208が異なってもよい。これに代えて、単一のTCカテーテルにおいて、バルーンが固定されている内側シャフトに対して、凍結治療部を含む外側シャフトを摺動させることで、距離208を調整することもできる。TCカテーテルは、前立腺内の凍結治療部を中心に位置させるために使用される。これに代えて、前立腺内の中心ではない特定の位置に凍結治療部を配置してもよい。距離208は、約3mm乃至約250mmであってもよい。これに代えて、距離208は、約20mm乃至約60mmであってもよい。
【0010】
また、TCカテーテルは、フォーリーカテーテルと同様に、カテーテルを通して膀胱から尿を排出するための排尿ルーメンを有していてもよい。TCカテーテルは、フォーリーカテーテルと同じような大きさ、つまり16フレンチ程度の大きさでよい。
【0011】
図3は凍結効果領域302を示す図である。これは、主に前立腺の中にある、凍結療法の影響を受けた組織を表している。この組織の大部分が壊死して縮小することで、前立腺が全体的に縮小し、BPHの症状を緩和することができる。これに代えて、適用される温度によっては、組織が壊死することに代えて、あるいは壊死に加えて、アポトーシスを生じてもよい。アポトーシスは、組織の炎症を抑えることができるため、壊死よりも好ましい場合がある。
【0012】
窒素、酸化窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気、その他の任意の適切な凍結剤などの冷却流体を使用して、凍結療法を行うことができる。冷却剤は、銅などの金属のような物質に供給され、その物質を冷却することで、組織を直接、または流体、液体、気体、空気、および/または組織の中間領域を介して冷却することができる。これに代えて、TCカテーテルのシャフトに設けられた開口部から凍結剤を噴霧、気化、または投与して、組織に直接、または組織の近傍の中間領域に投与してもよい。TCカテーテルは、特定の部分、凍結治療部のみが凍結療法を行うように構成されている。これにより、治療を必要としない組織を保護する。凍結治療部は、治療を行うことを支援するために通常前立腺に沿って配置されている。
【0013】
温度センサは、TCカテーテルの凍結治療部に、その近傍に、またはそこから離れた箇所に設置して、治療部位、治療される組織、近傍の組織、および/または未治療の組織の温度を測定することができる。この温度データは、制御部によって使用され、適切な治療を可能にするために治療温度を制御し、近傍の組織への外傷を最小限に抑えることができる。
【0014】
TCカテーテルの凍結治療部の構成により、凍結効果領域の大きさおよび形状を制御することができる。ここでは、異なる凍結効果領域の形状/大きさを実現するために、いくつかの実施形態が含まれている。
【0015】
図4に示すTCカテーテルシステムの実施形態は、尿道を保護するための加熱領域または断熱領域を含む。この場合の凍結効果領域の形状は、卵型または円筒形状ではなく、よりドーナツ形状であってもよい。加熱または断熱領域406は、尿道と凍結治療部408との間の物理的な空間である。凍結治療部408は、カテーテルシャフトの他の部分よりも直径が小さい(または大きい)場合がある。加熱領域406は、一端が遠位側シールバルーン402に、他端が遠位側シールバルーン404に含まれていてもよい。他のシール法も使用可能である。保持バルーンは、遠位側シールバルーンとして機能する。加熱領域406は、加熱素子、気体(複数可)、液体(複数可)、または固体(複数可)の使用による、電気加熱、伝導加熱、対流加熱、または放射加熱であってもよい。加熱領域406は、バルーンで包囲されていてもよく、その場合には、シールバルーンは必要ない。加熱領域406は、カテーテルシャフトの周囲360度を覆ってもよいし、カテーテルシャフトの半径方向の一部のみを覆ってもよい。加熱領域406は、積極的に加熱しなくても、単に受動的な断熱材として機能してもよい。この断熱材の形状は、臨床用途や解剖学的組織に合わせて、凍結効果領域の大きさおよび形状を制御することを支援する。保持バルーンと冷却および加熱/断熱領域の最遠位端との間の距離410は、様々な患者および疾患の解剖学的組織に合わせてTCカテーテル上で制御することができる。
【0016】
図5は、凍結治療部502に断熱材を使用していないTCカテーテルを示している。図6は、凍結治療部に可変式断熱材602を備えたTCカテーテルを示している。図7は、凍結治療部に可変式断熱材702を備えたTCカテーテルを示している。図5乃至7に示すタイプの断熱材は、凍結治療を凍結治療部の中央部に集中させる。様々な形状や断熱構造が想定されている。凍結治療部の断熱材を変えることで、図8の凍結効果領域802を制御することができる。
【0017】
図9は、凍結治療部に加熱素子および冷却素子の両者を備えたTCカテーテルを示す。図10は、図9の凍結治療部の詳細を示す。加熱素子1002および冷却素子1004は、ここに示すように混在していてもよいし、個別に設けられていてもよい。繰り返すが、このように、凍結治療部の構成によって、凍結効果領域の形状を制御することができる。
【0018】
図11は、図9に示したTCカテーテルによって生じたドーナツ形状の凍結効果領域1102を示している。
【0019】
図12は、別例による凍結治療部1202に加熱素子および冷却素子の両者を備えたTCカテーテルを示している。図13図12の断面を示す。ここでは、低温流体1302が、開口部1303を有するルーメンを流れる。これにより、ルーメン1304に低温ガスが発生する。低温ガスは冷却素子1306を冷却するが、この冷却素子は、銅などの金属のような任意の熱伝導性材料で形成可能である。これに代えて、低温流体1302は、冷却素子1306と直接接触してもよい。温熱素子1308は、尿道を温めて、尿道の損傷を防止することを支援する。凍結効果領域1312は、前立腺1314の保護された領域1310を含む。尿道は、保護領域1310内に入ってもよい。このようにして、尿道を凍結療法から多少保護することができる。
【0020】
図14は、一実施形態による保持部材またはバルーン106を含むTCカテーテルと、凍結療法バルーン1402とを示す図である。カテーテルの遠位端には、尿道などの内腔と流体連通する1つ以上の開口部1404が設けられている。任意の近位側ストッパ1406も示されており、尿道内のカテーテルの位置を維持するため、すなわち、カテーテルが膀胱内に移行するのを防止するために使用することができる。ストッパ1406は、バルーン、摩擦または他のロック機構を備えた摺動要素、または任意の他の適切な機構であってもよい。ストッパ1406と凍結療法バルーン1402または保持バルーン106との間の距離は、男性患者および女性患者の両者を含む、異なる解剖学的組織に対応するように調整可能であってもよい。
【0021】
本実施形態では、凍結療法バルーン1402内を循環する低温ガスなどの低温流体を用いて、標的となる前立腺組織/細胞のアポトーシスまたは壊死を引き起こす。低温ガスの一例として、アルゴンガスが挙げられる。空気などの他のガスを使用してもよい。使用可能な冷却剤/凍結剤を以下の表に挙げる。
【0022】
【表1-1】
【0023】
【表1-2】
いくつかの実施形態では、冷却剤は、冷媒、またはあまり冷たくない温度に冷却し、大気圧で蒸発し、より低い圧力で液化する可能性がある冷却剤、例えば、沸点が-180℃を越える冷却剤である。例えば、一般的に非共沸混合であるR400シリーズ(デュポン(登録商標)社が開発したネーミング)の冷却剤を使用することができる。例えば、R410Aを使用してもよい。
【0024】
凍結療法バルーン1402は、膨らませた状態で、半径が約1.0cm、長さが約4.0cmであってもよい。
【0025】
図15は、図14に示したTCカテーテルの、可能なルーメンの一部を含む断面図である。例えば、排尿ルーメン1502、保持バルーン106の膨張/収縮ルーメン1504、温度ルーメン1508を介して制御部に接続される温度センサまたは熱電対1506などが示されている。温度センサは、凍結療法バルーン1402内の温度を検知するために使用され、凍結療法バルーン内の低温流体/ガスを調節して、凍結療法バルーン、ひいては前立腺組織の温度を所望のものにするために使用される。また、凍結剤流入ルーメン1510および凍結剤流出ルーメン1512も示されており、これらは凍結療法バルーンへの凍結剤の流入およびそれからの流出を制御するために使用される。
【0026】
図16は、図14に示した実施形態によるTCカテーテルを尿道に設置した状態を示す図である。いくつかの実施形態では、凍結療法バルーン1402は、尿道/前立腺に無理な圧力をかけることなく、尿道壁との接触を達成するのに十分なだけ膨張する。いくつかの実施形態では、凍結療法バルーンを介して尿道/前立腺に制御された力が加えられる。凍結療法バルーンは、所望の力および適合性に応じて、適合性のある材料または非適合性のある材料で形成可能である。適切な材料としては、シリコーン、ポリエチレン、その他のポリマなどの材料が挙げられる。
【0027】
図17および図18は、図14乃至16に示した実施形態の可能な断面を示している。ドレナージルーメン1502は、図17に示すように、カテーテルのほぼ中央部に位置していてもよいし、図18に示すように、カテーテルの外側に向かって位置していてもよい。尿ルーメンを凍結剤流入ルーメン1510および凍結剤流出ルーメン1512の外側に配置することにより、凍結剤ルーメンを断熱することが支援され、流体を冷たいままの状態に維持することができるとともに、バルーン領域の外側のカテーテルのシャフトに沿った冷却の影響を最小限にすることができる。
【0028】
図19は、一実施形態による複数のバルーンを放射状に配置したTCカテーテルを示す図である。バルーン1902と1902’とがここに示される。2つ、3つ、またはそれ以上のバルーンがシャフト104の周囲に放射状に配置されてもよい。これらのバルーンは、凍結療法バルーン、緩衝用バルーン、またはその両者として機能する。緩衝用バルーンには、空気や水などを入れて、その部分の凍結療法の効果を抑えるようにしてもよい。例えば、前立腺の1つの領域のみを治療したい場合は、治療領域に最も近い位置に凍結剤を含むバルーンを配置し、前立腺の非治療領域に対する凍結剤の影響を軽減するために、シャフトの反対側に緩衝用バルーンを配置してもよい。凍結剤を充填したバルーンは、前立腺の一部を低温治療にさらすことができる。例えば、凍結療法バルーン(またはその他の任意の凍結療法機構)は、前立腺の半径方向0乃至10%に影響を与えてもよい。これに代えて、凍結療法は、前立腺の半径方向0乃至25%に影響を与えてもよい。これに代えて、凍結療法は、前立腺の半径方向0乃至50%に影響を与えてもよい。これに代えて、凍結療法は、前立腺の半径方向0乃至75%に影響を与えてもよい。バルーンは、凍結療法バルーンや緩衝用バルーンが指定されている場合もあるが、その場合はTCカテーテルを、前立腺の目的の部分に治療が行われるように配置することができる。これに代えて、各バルーンは、凍結療法と緩衝用のいずれかに使用してもよく、その場合、どのバルーンを凍結療法に使用し、どのバルーンを緩衝用に使用するかを制御することで、治療の方向性を制御することができる。また、制御部は、任意のバルーンや領域において、凍結療法および緩衝を交互に行うことができる。制御部はこれらの機能を制御することができる。
【0029】
図20は、一実施形態による2つの放射状バルーンを備えたTCカテーテルを示す断面図である。バルーン1902および1902’は、ルーメン2002および2004によって供給される。また、温度センサ1506も示されている。各バルーンに温度センサが搭載されている場合もあれば、凍結療法バルーンにのみ温度センサが搭載されている場合もある。さらに、また、これに代えて、カテーテルのシャフトに沿って1つ以上の温度センサを配置し、カテーテルの周囲かつ長手部分に沿った様々な箇所の温度を測定することも可能である。
【0030】
凍結剤は、凍結剤流入ルーメン2002を介して導入され、別の凍結剤排出ルーメンを介して排出されてもよいし、凍結剤の流入および排出が同じルーメンを介して行われてもよい。凍結剤が同じルーメンを介してバルーンを出入りする実施形態では、凍結剤を導入し、導入後の事前設定時間、または導入後の事前設定温度で、制御部によって積極的に除去することができる。これに代えて、圧力が凍結剤の出口圧力を超えたときに、凍結剤がルーメンから自然に出るようにしてもよい。この出口は、能動的または受動的なバルブによって制御されてもよい。
【0031】
図21は、一実施形態による半径方向および長手方向に複数のバルーンを備えたTCカテーテルを示す図である。図19に示す実施形態と同様に、制御部は、前立腺の治療領域および非治療領域を制御するために、個別のバルーンへの凍結剤および/または緩衝剤の供給を制御することができる。TCカテーテルの実施形態は、1つ以上の凍結療法バルーンおよび/または緩衝用バルーンまたは治療領域を含んでいてもよい。TCカテーテルの実施形態は、半径方向および/または長手方向に複数のバルーンを含むことができる。
【0032】
図22乃至29は、様々なTCカテーテルの実施形態を示す断面図である。
【0033】
図22は、3つの放射状バルーン1902、1902’、1902”を備えた一実施形態を示している。これらのバルーンには、前立腺組織2202の所望の治療領域に応じて、凍結剤や緩衝剤を充填することができる。カテーテルは、様々なバルーンを含むとともにそれらを所定の位置に保持することを支援するシース2204を含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。バルーンの構成によっては、デッドスペース2206がバルーン間に存在する場合がある。バルーンの全部または一部を、凍結剤または緩衝剤で膨張させることができる。治療中にバルーンが膨らまない状態のままである場合がある。ここでは3つのバルーンを示しているが、半径方向および長手方向の両方に、任意の数のバルーンが設けられてもよい。例えば、図23は、8個の放射状バルーンを備えた一実施形態を示している。いくつかの実施形態は、シャフトからずらして設けられた1つのバルーンのみを含む。バルーンは適合性を備えても非適合性であってもよい。
【0034】
図24は、図22に示したものと同様の一実施形態によるTCカテーテルであって、3つのバルーンを備えたものを示す。しかしながら、本実施形態では、バルーンは膨らませた状態では丸くなく、図22に示した丸いバルーンよりも尿道の半径をより多くカバーするように設計されている。つまり、すべてのバルーンを膨らませたときのカテーテルは、図22に示した実施形態よりもデッドスペースが少なくなり得る。図24のバルーンは、シース2204に封入されていてもよい。本明細書に記載されているすべての実施形態と同様に、各バルーンは、凍結剤または緩衝剤で膨らませてもよいし、凍結剤と緩衝剤とを交互に使用してもよい。バルーンには冷却剤および/または緩衝剤を流すことができる。
【0035】
図25は、別例による3つのバルーンを備えたTCカテーテルを示す図である。本実施形態では、バルーンは、膨らませたときに半円状になるように、シャフトの長手部分に沿ってシャフトに取り付けられている。
【0036】
図26は、別例によるTCカテーテルを示す。本実施形態では、凍結療法バルーン2602は、シャフトと本質的に同心円状にあり、1つまたは複数の外部緩衝用バルーン2604に隣接しているか、またはこれに包囲されている。1つ以上の緩衝用バルーンは、前立腺の特定の領域から、あるいは特定の領域に向けて、凍結療法の方向性を変える役割を果たす。例えば、緩衝用バルーンの1つを膨らませて、凍結療法を逆方向に向けることもできる。あるいは、2つのバルーンを膨らませて、異なる方向に凍結療法を向けることもできる。
【0037】
図27は、図26に示されたものと同様の一実施形態によるTCカテーテルを示す図である。図27は、図26に示すものと比べてデッドスペースが少なくなっている。
【0038】
図28および図29は、外部緩衝用バルーンを1つのみ備えたTCカテーテルの実施形態を示す。これらの実施形態では、緩衝用バルーンを使用して、緩衝用バルーンの反対側の前立腺に向けて凍結療法を行う。これらの実施形態では、カテーテルを配置する前に、前立腺の望ましい治療領域を特定し、治療領域に向けて凍結療法を行うことが有益である。複数の緩衝用バルーンを備える実施形態では、カテーテルを配向しないで挿入し、適切な1つ以上のバルーンに凍結療法を単純に適用するだけで、目的の治療領域を治療することができる。異なる凍結療法バルーンにマークを付け、これにより超音波などの画像診断でそのマークが表示されるようにし、挿入後にそれぞれのバルーンを識別できるようにしてもよい。そして、所望の治療領域/バルーンを制御部に入力して治療を制御することができる。いくつかの実施形態では、重力を利用してカテーテルの配向および/または治療の配向を指示することができる。
【0039】
図30は、前立腺を示す解剖図である。尿道3002と、移行ゾーン3004、前部領域3006、中央ゾーン3008、周辺ゾーン3010を含む前立腺の様々なゾーンと、射精管3012と、精丘の領域3014と、陰茎尿道3016とが図示される。患者に応じて、医師は、1つ以上の特定の部位を治療し、1つ以上の他の部位を保護したいと考える場合がある。一般的に、医師は射精管および精丘の領域を保護したいと考えるであろう。医師は、中心部、周辺部、前部、移行部のいずれか1つまたは複数のゾーンに凍結療法を集中させたいと考えるであろう。そのためには、TCカテーテルの凍結療法および緩衝用バルーンを、凍結療法が1つ以上の治療部位に集中するように配置し、緩衝用バルーンが保護されるべき1つ以上の部位に隣接するようにするとよい。これは、半径方向および長手方向の両方で行うことができる。例えば、医師は、精丘の下部領域および中心領域を避けて、移行部の上部領域をターゲットにしたいと考え得る。TCカテーテルの異なる領域にある異なるバルーンには、凍結剤および緩衝材を注入し、目的の領域に影響を与え、保護することができる。
【0040】
図31は、TCシステムの制御部の構成要素の一例を示す図である。制御部の構成要素の一部または全部は、携帯型またはポータブル型であってもよい。ここに、アルゴンなどの低温ガスの交換可能なキャニスタまたはリザーバ3102、レギュレータ3104、カテーテルに出入りするガス流速を調整する制御弁3106、安全弁3108、および低温ガス/流体の流入および流出を制御することにより、バルーン圧力と同様に内部の低温バルーン温度を経時的に制御および維持するPID制御部などの制御部コンポーネント3110を示す。
【0041】
図32乃至35は、凍結療法を含む治療の方向性を可能にするTCシステムの実施形態を示す。これらの実施形態には、凍結療法バルーン1402の1つ以上の部分を除いたすべての部分を制限するシースまたはケーシング3202が含まれる。例えば、図32は、凍結療法カテーテル/プローブ/システムを示しており、凍結療法バルーン1402が、開口部3204を有するシース3202によって制限されている。シースは、凍結療法バルーンが全方向に膨張/拡張するのを部分的に制限するために、施術前または施術中に凍結療法バルーン部分に装着される。図32は、長手方向に1つの開口部を備えるシースを示し、これによりカテーテルの片側だけで凍結療法バルーンを拡張することができる。凍結剤により凍結療法バルーンが実質的に充填されるのはこの部分のみなので、前立腺の治療もこの部分に限定される。このようにして、前立腺の特定の部位に対して治療のための凍結療法を行うとともに他の部分を保護することができる。シースが凍結療法バルーンを完全に覆っている場合、シースと接触している前立腺の領域は、突出した凍結療法バルーンの部分、すなわちシースの開口部から出ている凍結療法バルーンの部分のすぐ隣にある前立腺の領域ほど多くの冷却にさらされることはない。
【0042】
シースは、解剖学的組織に応じて、施術前にカテーテルに配置されてもよい。前立腺の治療部位および保護すべき部位によって、さまざまな種類のシースを使用することができる。いくつかの実施形態では、施術中にシースを再配置または交換することができる。例えば、いくつかの実施形態では、シースは、カテーテルの長手部分の全部または大部分を延びる長尺状をなすガイド(図示しない)に接続されており、これにより、医師はカテーテルを前立腺の所定の位置に配置したままシースを動かすことができるようになっている。
【0043】
図33は、一実施形態による2つ以上の長尺状をなす開口部を備える方向性シースを備えたTCシステムを示しており、これにより凍結療法バルーンの2つ以上のローブは突出することができる。
【0044】
図34は、一実施形態によるシースに2つ以上の開口部を備えるTCシステムを示しており、その結果、半径方向に2つ以上の開口部があり、長手方向にも2つ以上の開口部がある。図32乃至34に示す実施形態は、カテーテルの円周の一部のみに凍結療法バルーンを制限する開口部を備えるシースを示している。
【0045】
図35は、一実施形態によるシースが凍結療法バルーンを長手方向に制限し、半径方向には制限しないTCシステムを示す。本実施形態のシースは、本質的には、保持具3502と接続されていてもいなくてもよい1つ以上の周方向のバンドであってもよい。保持具3502は、ワイヤや糸などの要素であってもよい。本実施形態では、保持具要素は凍結療法バルーンの円周方向の拡張を実質的に制限しないが、いくつかの実施形態では、保持具が拡張を制限してもよい。
【0046】
図36および図37は、制限するシース3202を組み込んだTCシステムのいくつかの実施形態を示す断面図である。図36および図37は、シースの開口部により、凍結療法バルーンの1つのローブを円周方向に突出させることができる実施形態を示している。例えば、図37は、図32に示した実施形態の断面を表していてもよい。図36は、同様の実施形態を示しているが、開口部が大きくなっているため、バルーンローブの突出量が大きくなり、前立腺治療領域が円周方向に大きくなっている。
【0047】
図38は、円周方向に2つのバルーンローブを設けることができるシースを備えた一実施形態を示す図である。
【0048】
シース3202は、ポリマ、金属、シリコーン、または他の適切な材料から形成されてもよい。
【0049】
シースのいくつかの実施形態は、超音波などの可視化下で見えるマーキングまたは領域を有しているため、医師は、シースが所定の位置にある間、前立腺に対するシースの開口部の位置を識別することができる。これにより、医師は治療を必要とする部分に治療を集中させ、治療を必要としない前立腺の部分を保護することができる。
【0050】
TCシステムのいくつかの実施形態は、比較的適合性を備えた凍結療法バルーンを含むことができる。TCシステムのいくつかの実施形態では、比較的非適合性の凍結療法バルーンを含むことができる。比較的非適合性のバルーンに使用するシースは、比較的適合性を備えたバルーンに使用するシースよりも、バルーンを十分に突出させて前立腺を効果的に治療するために、より大きな開口部が必要となる場合がある。
【0051】
本明細書で開示されているほとんどの実施形態は、前立腺を治療するために設計されたシステムに言及しているが、実施形態の多くは他の用途に使用できることが理解されている。例えば、治療やバルーンを配向する任意の実施形態は、血管や他の器官に温度や圧力などの指示された治療を施すために使用することができる。例えば、図32乃至38に示すようなバルーンを制限するシースを備えた実施形態は、血管形成術やその他のバルーン拡張装置に使用することができ、解剖学的組織の特定の領域に圧力を誘導し、他の領域を保護することができる。これは、分岐した血管やステントの配置など、解剖学的な状況で有用になり得る。その他の用途としては、脳卒中などが考えられる。
【0052】
図39および図40は、1つまたは複数の針3902を組み込んだTCシステムの実施形態を示す。尿道壁を通過して前立腺に入ることにより、前立腺組織に入るために、針が装置によって展開される。凍結療法は、1本または複数本の針を使って前立腺に局所的に行うことができる。このようにして、非常に正確に凍結療法を行うことができる。
【0053】
図40は、図39に示されたものと同様の一実施形態によるTCシステムを示す図である。図40の実施形態は、前立腺組織内に凍結剤を注入して膨らませることができる1つ以上の凍結療法バルーン4002を含む。
【0054】
TCシステムのいくつかの実施形態では、細胞のアポトーシスを引き起こすことで、前立腺を効果的にデバルキングし、細胞の壊死による副作用および炎症を実質的に回避することができる。これは、亜致死温度の凍結剤を局所的に投与することで実現している。凍結剤温度は、0乃至-20℃またはこれに代えて、0乃至-40℃またはこれに代えて、0乃至-50℃またはこれに代えて、-10乃至-20℃またはこれに代えて、-20乃至-40℃またはこれに代えて、-20乃至-50℃であってもよい。細胞に影響を与えるために、経時的に複数の温度を使用してもよい。これらの温度にさらされた脂肪細胞は、アポトーシスを介して細胞死を起こし、その後マクロファージによって排除され、局所的な脂肪組織を低減する。この治療法は、アポトーシス、すなわちプログラムされた細胞死が宿主の免疫反応を誘発しないため、慢性的な炎症のリスクを軽減できるという利点がある。また、亜致死的な凍結療法は、末梢の損傷を抑えることができるため、性機能の維持に不可欠な陰茎の末梢神経の損傷を防ぐことができる。
【0055】
本明細書で開示するTCカテーテル/システムの実施形態では、1回の経尿道的アプローチにより、前立腺の両側部に一様な低温照射が可能である。TCカテーテルは、凍結剤で膨らませた低デュロメータのポリウレタン製医療用バルーンを使用して、尿道内腔を広げ、前立腺に一様な低温熱量を与えることができる。TCシステムは、バルーンの大きさ、バルーンの圧力、低温治療の時間、冷却速度を最適化することで、1回の経尿道的アプローチで体勢を変えることなく前立腺全体に低温治療を行うことができる。
【0056】
前立腺にかかる温度は、時間の経過とともに変化し得る。例えば、TCシステムは、まず前立腺をより冷たい温度にさらして組織を迅速に冷却し、その後、細胞の壊死が制限されるように、僅かに冷たくない温度に切り替えてもよい。例えば、TCシステムは、前立腺を-50℃前後の温度に一定期間さらした後、印加温度を-20℃前後の温度に一定期間調整して、細胞のアポトーシスを引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、前立腺細胞の大部分の目標温度は、約-15℃である。いくつかの実施形態では、前立腺細胞の大部分の温度は、-20℃以下(よりも冷たく)にはならない。
【0057】
いくつかの実施形態では、前立腺細胞を約-10℃乃至約-20℃の温度で30乃至60分の期間維持する。いくつかの実施形態では、前立腺細胞を約-15℃乃至約-20℃の温度で30乃至60分の期間維持する。いくつかの実施形態では、前立腺細胞を約-10℃乃至約-20℃の温度で0乃至30分の期間維持する。いくつかの実施形態では、前立腺細胞を約-15℃乃至約-20℃の温度で0乃至30分の期間維持する。いくつかの実施形態では、前立腺細胞を約-10℃乃至約-20℃の温度で60乃至120分の期間維持する。いくつかの実施形態では、前立腺細胞を約-15℃乃至約-20℃の温度で60乃至120分の期間維持する。
【0058】
TCシステムのいくつかの実施形態では、デバイスの温度をより高い温度とより低い温度との間で1回または時間をかけて繰り返し循環させることができる。
【0059】
TCシステムのいくつかの実施形態では、冷却期間の後に、水などの温かい流体をバルーンまたはカテーテルに注入することで、加温期間を設けてもよい。冷却期間および/または加温期間のタイミングおよび温度を正確に制御することで、組織の冷却への曝露を厳密に制御することができる。冷却期間および/または加温期間の温度および/または時間の制御は、手動で制御してもよいし、自動で制御してもよいし、システム内の温度センサなどのフィードバック機構を介して制御してもよい。
【0060】
本明細書に開示されている実施形態は、排尿ルーメンまたは尿ルーメンを含んでいてもいなくてもよい。
【0061】
凍結療法で制御される変数としては、最低温度(℃)、最低温度保持時間(秒)、冷却速度(℃/秒)、解凍速度(℃/秒)、圧力などが挙げられる。治療は、1回の冷却サイクルでも、複数回の冷却サイクルでもよい。最低温度は、約25℃乃至約-40℃の範囲であり得る。これに代えて、最低温度は、約10℃乃至約-10℃の範囲であり得る。これに代えて、約0℃乃至約-20℃の範囲であり得る。所定のサイクルでの保持時間は、約5秒乃至約60分の範囲であり得る。冷却速度および加熱速度は、約1℃/分乃至約500℃/分の範囲であり得る。
【0062】
冷却剤を使用するいくつかの実施形態では、バルーンが前立腺に近接した尿道内に配置されている間に、冷却剤がバルーン内を循環してもよい。冷却水をバルーンに導入し、一定時間経過後に制御部と連動したポンプなどで吸引することも可能である。この吸引は、制御部が自動的に行ってもよいし、手動で行ってもよい。処置中にバルーンへの冷却剤の導入および除去のサイクルが2回以上になってもよい。これに代えて、バルーンには複数の入口点があり、これにより、冷却剤をボーラスごとに、あるいは継続的または半継続的に循環させることができる。
【0063】
凍結療法は、高周波やマイクロ波によるアブレーション技術に比べて優れている。これらの技術は、電磁放射線によって組織を励起し、その温度を上昇させてアブレーションを行うものである。水のような極性分子は、マイクロ波などの電磁波によって特に励起される。間質組織および上皮組織は、筋肉組織に比べて水分量が少ないため、電磁波で脂肪組織をアブレーションするのはより困難である。凍結アブレーションは、熱衝撃や熱改質によってアポトーシスを引き起こすため、組織内の水分量の影響を受けにくく、脂肪組織にも意味のある制御可能な影響を与えることができる。
【0064】
施術後は間質細胞および上皮細胞がアブレーションされ、緩慢に体外に排出されてサイズが低減し、尿道の障害が低減される。尿流速の増加、夜尿症の頻度、膀胱の空洞化の頻度、排尿後の残尿感などの効果がある。
【0065】
TCカテーテルの加熱素子を加熱し、かつ/またはTCカテーテルの冷却素子を冷却するためのエネルギーは、制御部の一部であるエネルギーアプリケータから供給される。また、制御部には、温度検知素子、温度制御システム、バルーン圧力検知素子などが含まれていてもよい。
【0066】
良性前立腺肥大症を治療するための経尿道的凍結療法システムのいくつかの実施形態は、エネルギーアプリケータに隣接する尿道組織、および尿道組織を包囲するとともにそこから半径方向外側に延びる前立腺組織に冷却温度を適用するためのエネルギーアプリケータと、尿道組織の温度を検知し、検知された温度に基づいてアプリケータによって適用される冷却温度を低下させ、尿道組織の温度を段階的に低下させるための温度制御システムとを含む。温度制御システムは、尿道組織の温度を検知し、温度を示す温度出力信号を生成するために尿道組織の近傍に配置された温度センサと、温度センサに結合された制御部であって、温度出力信号を受信し、前記温度出力信号に応答してプログラムされた温度制御信号を生成する制御部と、制御部に結合された冷却温度源とを備える。冷却温度源は、温度制御信号を受信し、温度制御信号に基づいて、アプリケータが尿道組織を良性前立腺肥大症の治療に必要な設定時間、設定温度に同時に維持するように、アプリケータによって印加されるエネルギーを調整する。
データ処理システムの例
図41は、本発明の任意の実施形態で使用することができるデータ処理システムを示すブロック図である。例えば、システム4100は、制御部/プロセッサの一部として使用されてもよい。図41は、コンピュータシステムの様々な構成要素を図示しているが、これは構成要素を相互接続する特定のアーキテクチャまたは方法を表すことを意図したものではなく、従って、そのような詳細は本発明には関係ない。また、ネットワークコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、モバイルデバイス、タブレット、携帯電話、およびより少ない構成要素を有する、またはおそらくより多くの構成要素を有する他のデータ処理システムもまた、本発明と組み合わせて使用され得ることが理解されるであろう。
【0067】
図41に示すように、データ処理システムの一実施形態であるコンピュータシステム4100は、1つ以上のマイクロプロセッサ4103およびROM4107、揮発性RAM4105、並びに不揮発性メモリ4106に結合されたバスまたはインターコネクト4102を含む。マイクロプロセッサ4103は、キャッシュメモリ4104に結合されている。バス4102は、これらの様々な構成要素を相互に接続するとともに、これらの構成要素4103、4107、4105、4106をディスプレイ制御部およびディスプレイ装置4108、並びにマウス、キーボード、モデム、ネットワークインターフェース、プリンタ、および当該技術分野で周知の他のデバイスである入力/出力(I/O)装置4110に相互に接続する。
【0068】
典型的には、入出力装置4110は、入出力制御部4109を介してシステムに結合される。揮発性RAM4105は、典型的には、メモリ内のデータをリフレッシュまたは維持するために連続的に電力を必要とするダイナミックRAM(DRAM)として実装される。不揮発性メモリ4106は、典型的には、磁気ハードドライブ、磁気光学ドライブ、光学ドライブ、またはDVD-RAMまたは他のタイプのメモリシステムであって、システムから電源が除去された後もデータを維持するものである。通常、不揮発性メモリは、これは必須ではないが、ランダムアクセスメモリにもなる。
【0069】
図41は、不揮発性メモリが、データ処理システムの残りの構成要素に直接結合されたローカルデバイスであることを示しているが、本発明は、システムから遠隔にある不揮発性メモリを利用してもよい;例えば、モデムまたはイーサネットインターフェースのようなネットワークインターフェースを介してデータ処理システムに結合されたネットワーク記憶装置を利用してもよい。バス4102は、当該技術分野で周知のように、様々なブリッジ、制御部、および/またはアダプタを介して互いに接続された1つ以上のバスを含んでもよい。一実施形態では、I/O制御部4109は、USB周辺機器を制御するためのUSB(ユニバーサル・シリアル・バス)アダプタを含む。これに代えて、I/O制御部4109は、FireWire(登録商標)デバイスを制御するためのIEEEE-1394アダプタ(FireWire(登録商標)アダプタとしても周知)、シリアルペリフェラルインタフェース(SPI)、インターインテグレーテッドサーキット(I2C)若しくはユニバーサル非同期レシーバ/トランスミッタ(UART)、または任意の他の適切な技術を含んでもよい。無線通信プロトコルには、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBee、近距離無線、IR(赤外線)、セルラーなどのプロトコルがある。
【0070】
前述の詳細な説明の一部は、コンピュータ・メモリ内のデータ・ビットに対する操作のアルゴリズムおよび記号的表現の観点から提示されている。これらのアルゴリズムの記述および表現は、データ処理技術の当業者が、その仕事の本質を最も効果的に他の当業者に伝えるために使用する方法である。アルゴリズムとは、ここでは、一般的には、望ましい結果につながる自己矛盾のない一連の操作であると考えられている。操作は、物理量の物理的な操作を必要とするものである。
【0071】
しかしながら、これらの用語および類似の用語はすべて適切な物理量と関連づけられるべきであり、これらの量に適用される便利なラベルにすぎないことを念頭に置くべきである。上記の議論から明らかなように特に別段の記載がない限り、本明細書全体を通して、以下の特許請求の範囲に記載されているような用語を利用した議論は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタ、または他のそのような情報記憶装置、送信装置、または表示装置内の物理的量として同様に表される他のデータに操作するとともに変換するコンピュータシステム、または同様の電子計算装置の作用およびプロセスを指すことが理解されるであろう。
【0072】
図示の技術は、1つ以上の電子デバイスに記憶されるとともに実行されるコードおよびデータを使用して実施することができる。このような電子デバイスは、非一過性のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、磁気ディスク;光学ディスク;ランダムアクセスメモリ;読み取り専用メモリ;フラッシュメモリデバイス;相変化メモリ)および一過性のコンピュータ可読伝送媒体(例えば、電気的、光学的、音響的または他の形態の伝搬信号-搬送波、赤外線信号、デジタル信号など)などのコンピュータ可読媒体を使用してコードおよびデータを記憶するとともに(内部的に、かつ/またはネットワークを介して他の電子デバイスと)通信することができる。
【0073】
前述の図に描かれたプロセスまたは方法は、ハードウェア(例えば、回路、専用ロジックなど)、ファームウェア、ソフトウェア(例えば、非一過性のコンピュータ可読媒体上に具現化されたもの)、またはその両者の組み合わせからなる処理ロジックによって実行されてもよい。プロセスまたは方法は、いくつかの連続した操作に関して上記で説明されているが、説明された操作のいくつかは、異なる順序で実行されてもよいことを理解すべきである。さらに、一部の操作は、順次ではなく並列に実行されてもよい。
【0074】
ここに記載されているシステムおよび/または装置および/または方法の実施形態は、副鼻腔、食道、腸、胆嚢などの治療を含む、他の臨床用途にも使用することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9-10】
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
【手続補正書】
【提出日】2021-06-28
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図4に示すTCカテーテルシステムの実施形態は、尿道を保護するための加熱領域または断熱領域を含む。この場合の凍結効果領域の形状は、卵型または円筒形状ではなく、よりドーナツ形状であってもよい。加熱または断熱領域406は、尿道と凍結治療部408との間の物理的な空間である。凍結治療部408は、カテーテルシャフトの他の部分よりも直径が小さい(または大きい)場合がある。加熱領域406は、一端が遠位側シールバルーン402に、他端が近位側シールバルーン404に含まれていてもよい。他のシール法も使用可能である。保持バルーンは、遠位側シールバルーンとして機能する。加熱領域406は、加熱素子、気体(複数可)、液体(複数可)、または固体(複数可)の使用による、電気加熱、伝導加熱、対流加熱、または放射加熱であってもよい。加熱領域406は、バルーンで包囲されていてもよく、その場合には、シールバルーンは必要ない。加熱領域406は、カテーテルシャフトの周囲360度を覆ってもよいし、カテーテルシャフトの半径方向の一部のみを覆ってもよい。加熱領域406は、積極的に加熱しなくても、単に受動的な断熱材として機能してもよい。この断熱材の形状は、臨床用途や解剖学的組織に合わせて、凍結効果領域の大きさおよび形状を制御することを支援する。保持バルーンと冷却および加熱/断熱領域の最遠位端との間の距離410は、様々な患者および疾患の解剖学的組織に合わせてTCカテーテル上で制御することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔内に配置されるような大きさに形成されるカテーテルと、
前記カテーテルの長手部分に沿って配置され、治療対象の組織に近接した前記体腔の一部に熱的に接触するための接触領域を形成する少なくとも1つのバルーンと、
前記カテーテルの前記長手部分を通して設けられた少なくとも1つのルーメンを介して、前記少なくとも1つのバルーンと流体連通するリザーバと、
を備え、
前記少なくとも1つのバルーンは、前記接触領域が少なくとも部分的に膨張するまで、前記少なくとも1つのルーメンを介して導入された前記リザーバからの冷媒を受け取るように構成されており、前記カテーテルは、前記接触領域を前記体腔の前記一部に対して選択的に並置して、前記一部を包囲する前記体腔の残りの部分に対して前記一部を優先的に冷却するように調整可能である、凍結療法装置。
【請求項2】
前記冷媒の沸点が-180℃を越える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カテーテルが経尿道的に挿入可能な大きさに形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記冷媒が、前記少なくとも1つのバルーンに導入されたときに、前記体腔に近接した良性前立腺肥大症を治療するのに十分な温度を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのバルーンが前記体腔に対して位置決め可能であり、これにより、前記冷媒が前記少なくとも1つのバルーンに導入可能であり、導電性冷却によって前記体腔の前記一部を選択的に冷却するようになっている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記カテーテルに沿って配置され、前記体腔の一部を断熱するための断熱要素をさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記カテーテルに沿って配置可能な2つ以上の拡張可能なバルーンをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記2つ以上の拡張可能なバルーンが、互いに独立して拡張可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記2つ以上の拡張可能なバルーンは、前記接触領域を前記体腔に対して選択的に押圧するように前記カテーテルに沿って配置可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記冷媒が、前記2つ以上の拡張可能なバルーンのうちの1つに選択的に導入され、前記体腔の前記一部を冷却する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのバルーンの一部を遮蔽するシースをさらに備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記体腔に接触するように前記カテーテルに沿って配置された1つまたは複数の温熱領域をさらに備えている、請求項1に記載の装置
【国際調査報告】