(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】車両のためのMIC切替装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H04R 3/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
H04R3/00 320
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523589
(86)(22)【出願日】2018-11-09
(85)【翻訳文提出日】2021-05-07
(86)【国際出願番号】 CN2018114776
(87)【国際公開番号】W WO2020087563
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】201811277346.0
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521161897
【氏名又は名称】北京軒轅聯科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】XYLink Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】8 Floor,Building 3,Huakong Mansion,Yard 1, Shangdi East Road,Haidian District,Beijing, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李雨軒
【テーマコード(参考)】
5D220
【Fターム(参考)】
5D220BA02
5D220BB03
5D220DD01
5D220DD03
(57)【要約】
イヤホンMICと車載機器MICとの間で自動的に切り替え可能な、車両のためのMIC切替装置及び方法である。該切り替え装置は、無線イヤホンMIC(14)と、コネクタ(12)と、車載機器MIC(24)と、データセレクター(13)と、コントローラ(11)と、を備え、前記コントローラ(11)は、接続信号を受信した場合、前記データセレクター(13)を、前記車載機器MIC(24)からの音声信号を受信するように制御し、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクター(13)を、前記無線イヤホンMIC(14)からの音声信号を受信するように制御するように構成される。上記特徴は、車載機器MICにより音声を収集することから、無線イヤホンMICにより音声を収集することへ自動的に切り替えることを実現させる。これにより、ユーザ体験を向上させ、該方法を適用した車両の市場競争力を向上させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のためのMIC切替装置であって、
音声を受信するように構成される無線イヤホンMICと、
無線イヤホンと車載機器が接続された場合に、接続信号を生成するように構成されるコネクタと、
音声を受信するように構成され、前記コネクタと接続可能である車載機器MICと、
無線イヤホンMIC及び前記コネクタにそれぞれ接続され、無線イヤホンMIC又は前記車載機器MICからの音声信号を選択的に受信するように構成されるデータセレクターと、
前記コネクタ及びデータセレクターにそれぞれ接続され、前記接続信号を受信した場合、前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御し、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するように構成されるコントローラと、を備える、車両のためのMIC切替装置。
【請求項2】
前記コネクタは、少なくとも1つのPINニードルを含み、且つ前記少なくとも1つのPINニードルが前記車載機器に接続される場合、前記コネクタは、前記接続信号を生成することを特徴とする
請求項1に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項3】
前記無線イヤホンと車載機器との距離を検出し、前記距離が距離閾値未満である場合、前記コネクタに近接信号を送信し、前記コネクタに前記接続信号を生成させるように構成される距離センサを更に備えることを特徴とする
請求項1に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項4】
前記無線イヤホンが装着されているかどうかを検出し、前記無線イヤホンが装着されている場合、前記コントローラに装着信号を送信するように構成される光学センサを更に備え、
前記コントローラは更に、前記装着信号を受信したが、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するように構成されることを特徴とする
請求項1に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項5】
前記無線イヤホンMICが受信した音声に対してニアフィールド騒音低減を行うように構成されるニアフィールド騒音低減モジュールと、
前記車載機器MICが受信した音声に対してファーフィールド騒音低減を行うように構成されるファーフィールド騒音低減モジュールと、を更に備えることを特徴とする
請求項1に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項6】
前記無線イヤホンは、ブルートゥースイヤホンを含み、且つ前記無線イヤホンMIC、コネクタ、データセレクター及びコントローラは、前記ブルートゥースイヤホンに設けられることを特徴とする
請求項1に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項7】
前記車載機器は、前記ブルートゥースイヤホンとブルートゥースで通信接続するように構成されるブルートゥースモジュールを備えることを特徴とする
請求項6に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項8】
前記車載機器は、車両センターコンソール、車両センターダッシュボード、車両ハンドル、車両走行コンピュータ及び/又は車両ドライブレコーダを含むことを特徴とする
請求項1に記載の車両のためのMIC切替装置。
【請求項9】
車両のためのMIC切替方法であって、前記方法は、無線イヤホン及び/又は車載機器に適用可能であり、前記無線イヤホンは、音声を受信するように構成される無線イヤホンMICと、前記無線イヤホンと車載機器が接続された時に、接続信号を生成するように構成されるコネクタと、無線イヤホンMIC及びコネクタにそれぞれ接続されるデータセレクターと、を備え、前記車載機器は、音声を受信するように構成される車載機器MICを備え、前記方法は、
前記接続に応答することと、
前記接続信号を受信した場合、前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御することと、
前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御することと、を含む、車両のためのMIC切替方法。
【請求項10】
前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御する場合、前記無線イヤホンが装着されておらず、かつ前記接続信号が受信されていないことを検出した場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御することを特徴とする
請求項9に記載の車両のためのMIC切替方法。
【請求項11】
前記接続信号に応答する前に、該方法は、前記無線イヤホンと車載機器との距離を検出し、前記距離が距離閾値未満である場合、前記コネクタに近接信号を送信し、前記コネクタに前記接続信号を生成させることを更に含むことを特徴とする
請求項9に記載の車両のためのMIC切替方法。
【請求項12】
前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御する場合、前記車載機器MICが受信した音声に対してファーフィールド騒音低減を行うことを更に含み、
前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御する場合、前記無線イヤホンMICが受信した音声に対してニアフィールド騒音低減を行うことを更に含むことを特徴とする
請求項9に記載の車両のためのMIC切替方法。
【請求項13】
車載機器であって、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時、請求項9から12のうちいずれか一項に記載の車両のためのMIC切替方法を実現させる、車載機器。
【請求項14】
車両であって、筐体と、筐体内の運転室と、を備え、前記運転室内に、請求項13に記載の車載機器が設けられる、車両。
【請求項15】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体に、請求項9に記載の車両のためのMIC切替方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両分野に関し、具体的には、車両のためのMIC切替装置及びMIC切替方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車のインターネットが盛んになっていることにつれて、エアコンの設定、ナビゲーションの設定などのような、車両内の大部分の機能はいずれも、音声により制御されることが可能である。それと同時に、車載機器、ブルートゥースイヤホン及び携帯電話端末が互いに接続される環境において、ブルートゥースイヤホンを装着する場合、従来技術は、車載MICにより音声を収集することから、イヤホンMICにより音声を収集することへ切り替えることを実現できない。
【0003】
大型トラックのような一部の特殊の車両において、幾つかの要因により、車両の遮音効果が低い。これにより、これらの車両において、音声制御を発する場合、車内の騒音が大きいため、車載MICによるファーフィールド騒音低減効果が高くなく、音声命令を正確に認識できず、更に音声制御が無効になることを招く。
【0004】
本願の背景技術の欄に開示されている情報は、本願の一般的な背景技術に対する理解を深めるためのものだけであり、該情報が当業者に周知の従来技術を成すことを、認めるもの、または如何なる形態で示唆するものとして捉えるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の主な目的は、イヤホンMICと車載機器MICとの間で自動的に切り替え可能なMIC切替装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願は、車両のためのMIC切替装置に関する。前記装置は、音声を受信するように構成される無線イヤホンMICと、無線イヤホンと車載機器が接続された場合に、接続信号を生成するように構成されるコネクタと、音声を受信するように構成され、前記コネクタと接続可能である車載機器MICと、無線イヤホンMIC及び前記コネクタにそれぞれ接続され、無線イヤホンMIC又は前記車載機器MICからの音声信号を選択的に受信するように構成されるデータセレクターと、前記コネクタ及びデータセレクターにそれぞれ接続され、前記接続信号を受信した場合、前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御し、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するように構成されるコントローラと、を備える。
【0007】
更に、前記コネクタは、少なくとも1つのPINニードルを含み、且つ前記少なくとも1つのPINニードルが前記車載機器に接続される場合、前記コネクタは、前記接続信号を生成する。
【0008】
更に、前記MIC切替装置は、前記無線イヤホンと車載機器との距離を検出し、前記距離が距離閾値未満である場合、前記コネクタに近接信号を送信し、前記コネクタに前記接続信号を生成させるように構成される距離センサを更に備えてもよい。
【0009】
更に、前記MIC切替装置は、前記無線イヤホンが装着されているかどうかを検出し、前記無線イヤホンが装着されている場合、前記コントローラに装着信号を送信するように構成される光学センサを更に備えてもよい。
【0010】
前記コントローラは更に、前記装着信号を受信したが、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するように構成される。
【0011】
更に、前記MIC切替装置は、前記無線イヤホンMICが受信した音声に対してニアフィールド騒音低減を行うように構成されるニアフィールド騒音低減モジュールと、前記車載機器MICが受信した音声に対してファーフィールド騒音低減を行うように構成されるファーフィールド騒音低減モジュールと、を更に備えてもよい。
【0012】
更に、前記無線イヤホンは、ブルートゥースイヤホンを含んでもよく、且つ前記無線イヤホンMIC、コネクタ、データセレクター及びコントローラは、前記ブルートゥースイヤホンに設けられる。
【0013】
更に、前記車載機器は、前記ブルートゥースイヤホンとブルートゥースで通信接続するように構成されるブルートゥースモジュールを備えてもよい。
【0014】
更に、前記車載機器は、車両センターコンソール、車両センターダッシュボード、車両ハンドル、車両走行コンピュータ及び/又は車両ドライブレコーダを含んでもよい。
【0015】
本願は更に、車両のためのMIC切替方法に関する。前記方法は、無線イヤホン及び/又は車載機器に適用可能であり、前記無線イヤホンは、音声を受信するように構成される無線イヤホンMICと、前記無線イヤホンと車載機器が接続された時に、接続信号を生成するように構成されるコネクタと、無線イヤホンMIC及びコネクタにそれぞれ接続されるデータセレクターと、を備え、前記車載機器は、音声を受信するように構成される車載機器MICを備え、前記方法は、前記接続に応答することと、前記接続信号を受信した場合、前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御することと、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御することと、を含む。
【0016】
更に、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御する場合、前記無線イヤホンが装着されておらず、かつ前記接続信号が受信されていないことを検出した場合、該方法は、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御することができる。
【発明の効果】
【0017】
本願の有益な効果は以下のとおりである。本願は、車載機器と無線イヤホンが互いに接続される環境において、無線イヤホンが持上げられて装着され、且つ無線イヤホンと車載機器が互いに接続した場合、車載MICにより音声を収集することから、イヤホンMICにより音声を収集することへ自動的に切り替えることを実現させる。これにより、ユーザ体験を向上させ、本願の装置又は方法を取り付けたか又は適用した車両の市場競争力を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本願の第1実施形態による車両のためのMIC切替装置を示すブロック図である。
【
図2】本願の第2実施形態による車両のためのMIC切替装置を示すブロック図である。
【
図3】本願によるデータセレクターの回路原理を示す図である。
【
図4】本願の実施例による車両のためのMIC切替方法を示すフローチャートである。
【0019】
本願の一部を構成する図面は、本願のさらなる理解を提供するためのものであり、本願の他の特徴、目的及び利点をより明らかにする。本願の模式的な実施例、図面及びその説明は、本願を解釈するためのものであり、本願を不当に限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
当業者に本願の技術的解決手段をより良好に理解させるために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。勿論、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本願の一部の実施例だけである。当業者が本願の実施例に基づいて、創造的な活動を行うことなく取得される全てのその他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0021】
なお、用語「取付」、「設置」、「設けられる」、「接続」、「ように構成される」は、広義に理解されるべきである。例えば、固定接続、取り外し可能な接続又は一体型構造であってもよい。機械的接続又は電気的接続であってもよい。直接接続又は中間媒体を介した間接的な接続であってもよい。また、2つの装置、素子又は構成部間の内部連通であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて、本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0022】
矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせることができることに留意されたい。以下、図面及び実施例を参照しながら、本願を詳しく説明する。ここで、
図1は、本願の第1実施形態による車両のためのMIC切替装置を示すブロック図である。
図2は、本願の第2実施形態による車両のためのMIC切替装置を示すブロック図である。
図3は、本願によるデータセレクターの回路原理を示す図である。
図4は、本願による車両のためのMIC切替方法を示すフローチャートである。
【0023】
図1に示すように、本願の車両のためのMIC切替装置は、無線イヤホン1に設けられるコントローラ11と、コネクタ12と、データセレクター(MUX)13と、無線イヤホンマイクロホン(MIC)14と、車載機器2に設けられる車載機器MIC24と、を備える。
【0024】
前記無線イヤホンMIC14は、無線イヤホン1の内部に設けられ、ユーザの音声を受信し、該音声を音声信号に変換する。
【0025】
前記コネクタ12は、無線イヤホン1の内部に設けられ、且つそれぞれ前記データセレクター13及びコントローラ12に電気的に接続され、また、車載機器2に電気的に接続されることが可能である。前記コネクタ12は、前記無線イヤホン1と車載機器2が接続されているかどうかを検出する。また、前記無線イヤホン1と車載機器2が接続された場合、前記コネクタ12は、接続信号を生成し、該接続信号を前記コントローラ11に送信する。
【0026】
具体的には、本願は、2つの方式で上記解決手段を実現する。
【0027】
第1解決手段において、前記コネクタは、少なくとも1つのPINニードル(図示されず)を含んでもよい。前記少なくとも1つのPINニードルが前記車載機器における接点が接触した場合、前記無線イヤホン1と車載機器2が接続されたことを表す。前記コネクタは、前記接続信号(例えば、電圧信号)を生成し、該信号をコントローラ11に送信する。このような解決手段は、コネクタに備えられるPINニードルにより、接続されているかどうかを判定し、検出結果が確実であり、且つ構造が簡略化した。
【0028】
第2解決手段において、前記無線イヤホン1又は車載機器2に、距離センサ(図示されず)が設けられる。該距離センサは、無線イヤホン1と車載機器2との距離を検出するように構成される。前記距離が所定の距離閾値以下である場合、例えば、該距離閾値は、0である場合、前記無線イヤホン1と車載機器2が接続されたことを表す。前記距離センサは、前記コネクタに近接信号(例えば、電圧信号)を送信する。前記コネクタは、該近接信号を受信した後に、前記接続信号を生成する。該解決手段により、コネクタのPINニードルを占用する必要がない。また、信号が確実であり、干渉を受けにくい。本願のMIC切替装置の確実性を向上させる。
【0029】
前記車載機器MICは、車載機器2の内部に設けられ、ユーザの音声を受信し、該音声を音声信号に変換するように構成される。なお、前記車載機器2と無線イヤホン1が接続された場合、該車載機器MICは、前記コネクタに電気的に接続される。これにより、該車載機器MICにより、ユーザの音声を受信し、データセレクター13を経由して、車載機器又は他の機器に入力して、処理及び利用を行う。
【0030】
前記データセレクター13はそれぞれ無線イヤホンMIC及び前記コネクタに接続され、無線イヤホンMIC又は前記車載機器MICからの音声信号を選択的に受信し、1つの音声信号のみを出力するように構成される。
【0031】
具体的には、
図1及び
図3に示すように、前記データセレクター13は、2入力1出力のデータセレクターであってもよく、つまり、2対1データセレクターであってもよい。該データセレクターの第1入力端MIC_A_N及びMIC_B_Nは、無線イヤホンMIC14に接続され、無線イヤホンMIC14からの音声信号を受信する。該データセレクターの第2入力端MIC_A_P及びMIC_B_Pは、コネクタ12に接続される。これにより、無線イヤホン1と車載機器2が接続された場合、前記コネクタ12を経由して、車載機器MIC 24からの音声信号を受信することができる。前記データセレクターの制御端A_B_ENは、前記コントローラ11に接続され、コントローラ11のコントローラ信号を受信し、第1入力端又は第2入力端をデータ出力端MIC_N及びMIC_Pに選択的に接続する。
【0032】
引き続き
図1を参照すると、前記コントローラ11は、無線イヤホン1の内部に設けられ、前記コネクタ12及びデータセレクター13に接続される。
【0033】
該コントローラ11は、前記接続信号を受信した場合、前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御するように構成される。つまり、車載機器2と無線イヤホン1との接続を実現した場合、コネクタ12は、コントローラ11に接続信号(例えば、電圧信号)を送信する。前記コントローラ11は、該接続信号を受信した後、データセレクター13に制御信号(例えば、高レベル又は低レベル)を送信し、前記データセレクターの第2入力端とコネクタ12を接続させる。コネクタ12が車載機器2における車載機器MIC24に接続されているため、前記データセレクターが前記車載機器MICの音声信号を受信し、無線イヤホンMICが音声信号を受信しないようにする。
【0034】
該コントローラ11は更に、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するように構成される。つまり、車載機器2と無線イヤホン1が接続されていない場合、前記コントローラ11は、接続信号が受信されていない場合、データセレクター13に制御信号(例えば、低レベル又は高レベル)を送信し、前記データセレクターの第1入力端を無線イヤホンMIC14と接続させる。従って、前記データセレクターは、無線イヤホンMIC14からの音声信号を受信し、車載機器MICは、音声信号を受信しない。
【0035】
図2に示すように、本願の第2実施形態によれば、前記無線イヤホン1が装着されているかどうかを正確に検出するために、前記無線イヤホン1は、光学センサ15を更に含む。前記無線イヤホンが人体に近接する場合、例えば、耳に極めて近い場合、イヤホンが装着されていることを表す装着信号(例えば、電圧信号)をコントローラに送信することができる。これにより、前記無線イヤホンが装着されているかどうかを検出することができる。光学センサを用いる場合、多くの利点を有する。例えば、非接触及び非破壊型測定を実現させ、干渉が殆どなく、伝送速度が速く、遠隔測定及び遠隔制御を実現できるなどの利点を有する。
【0036】
本願の第2実施形態によれば、前記コントローラは更に、前記装着信号を受信したが、前記接続信号が受信されていない場合、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するように構成される。つまり、車載機器2が無線イヤホン1に接続されておらず、且つイヤホンが装着されている場合のみ、前記コントローラ11は、データセレクター13に制御信号(例えば、低レベル又は高レベル)を送信する。これにより、前記データセレクターの第1入力端を無線イヤホンMIC14と接続させる。従って、前記データセレクターは、無線イヤホンMIC14からの音声信号を受信し、車載機器MICは、音声信号を受信しない。
【0037】
更に、
図1及び
図2に示すように、前記無線イヤホン1は、前記無線イヤホンMICが受信した音声に対してニアフィールド騒音低減を行うように構成されるニアフィールド騒音低減モジュール16を更に備える。これにより、無線イヤホンのMICは、音声信号をより正確に収集することができる。
【0038】
なお、前記車載機器2は、前記車載機器MICが受信した音声に対してファーフィールド騒音低減を行うように構成されるファーフィールド騒音低減モジュール26を更に備える。これにより、車載機器MICは、音声コンテンツをより正確に収集することができる。
【0039】
上述したニアフィールド騒音低減モジュールによるニアフィールド騒音低減及びファーフィールド降噪モジュールによるファーフィールド騒音低減は、いずれも、関連技術における既存の騒音低減方式であり、本願は、ここで、詳細な説明を省略する。
【0040】
更に、前記無線イヤホン1は、ブルートゥースイヤホンであってもよく、前記車載機器2は、車載コントローラ(例えば、ECU又はMCU)と通信接続することができ、且つ、車載コントローラと情報交換を行うことができる。前記車載機器2は、車両センターコンソール、車両センターダッシュボード、車両ハンドル、車両走行コンピュータ、車両ドライブレコーダ及び/又は車載外部機器を含むが、これらに限定されない。なお、前記車載にコントローラが備えられ、上記Android、IOS又はWindows等のオペレーティングシステムを実行することができる。なお、前記車載機器2は、ブルートゥースモジュール21を備える。該ブルートゥースモジュール21は、前記ブルートゥースイヤホンと通信接続され(図面における点線に示すように)、無線接続の方式で、前記ブルートゥースイヤホンとのデータ送信又はデータ受信を行うように構成される。
【0041】
なお、
図4に示すように、本願は更に、車両のためのMIC切替方法に関する。前記方法は、上述した無線イヤホン及び/又は車載機器に適用可能であり、前記方法は、下記ステップS1からステップS3を含む。
【0042】
ステップS1において、本願が接続信号に応答する。該接続信号は、前記無線イヤホンと車載機器が接続された場合にデータセレクターにより生成されたものである。
【0043】
前記接続信号を受信した場合、本願は、前記データセレクターを、前記車載機器MICからの音声信号を受信するように制御するステップS2を実行する。
【0044】
前記接続信号が受信されていない場合、本願は、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するステップS3を実行する。
【0045】
更に、上記ステップS3を実行する前に、前記無線イヤホンが装着されておらず、且つ前記接続信号が受信されていない場合のみ、本願は、前記データセレクターを、前記無線イヤホンMICからの音声信号を受信するように制御するステップS3を実行する。
【0046】
勿論、上記本発明の各モジュール又は各ステップは、汎用コンピューティング装置により実現可能である。これらは、単一のコンピューティング装置に集積されてもよく、又は、複数のコンピューティング装置からなるネットワークに分布してもよい。任意選択的に、これらは、コンピューティング装置による実行可能なプログラムコードにより実現可能である。これにより、これらを記憶装置に記憶してコンピューティング装置により実行してもよい。又は、各集積回路モジュールをそれぞれ作成してもよい。又は、これらのうちの複数のモジュール又はステップを、単一の集積回路を作製することで実現してもよい。従って、本発明は、如何なる特定のハードウェアとソフトウェアの組み合わせに限定されない。
【0047】
なお、本願は更に、コンピュータ機器に関する。該機器は、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶されてプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムと、を備え、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを実行する時、上述した車両のためのMIC切替方法を実現することができる。なお、本願は更に、コンピュータ可読記憶媒体に関する。前記コンピュータ可読記憶媒体に、上述した車両のためのMIC切替方法を実行するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0048】
本願に係るコンピュータソフトウェアプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。前記コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムコードを携帯できる如何なるエンティティ装置、仮想装置、USBメモリ、ポータブルハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、コンピュータメモリ、読出し専用メモリ(Read-Only Memory:ROM)、ランダムアクセスコンピュータメモリ(Random Access Memory:RAM)、電気搬送波信号、電気信号及び他のソフトウェア配信媒体などを含んでもよい。
上記は、本願の好適な実施例だけであり、本願を限定するためのものではない。当業者は、本願に対して種々の変更及び変動を行うことができる。本願の精神及び原則内で行われる如何なる修正、均等物による置き換え、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本願は、車載機器と無線イヤホンが互いに接続される環境において、無線イヤホンが持上げられて装着され、且つ無線イヤホンと車載機器が互いに接続した場合、車載MICにより音声を収集することから、イヤホンMICにより音声を収集することへ自動的に切り替えることを実現させる。これにより、ユーザ体験を向上させ、本願の装置又は方法を取り付けたか又は適用した車両の市場競争力を向上させる。
【国際調査報告】