(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】薬剤ペレットのデリバリデバイス
(51)【国際特許分類】
A61J 7/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
A61J7/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523648
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(85)【翻訳文提出日】2021-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2019079999
(87)【国際公開番号】W WO2020089469
(87)【国際公開日】2020-05-07
(32)【優先日】2018-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520207723
【氏名又は名称】オンドシス,エービー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハイマン, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジムグレン, アンデシュ
(72)【発明者】
【氏名】カレミール, マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ペッテション, シモン
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047CC15
4C047NN01
4C047NN20
(57)【要約】
ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置が提供される。前記装置は、ペレット形態の薬剤を貯蔵するように構成されるカートリッジアセンブリを備え、前記カートリッジアセンブリは、前記カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構の作動時に前記薬剤を定量供給するように構成される。前記装置はさらに、前記カートリッジアセンブリ内に配置される前記1つ以上のディスペンス機構を作動させるように構成される制御ユニットと、前記1つ以上のディスペンス機構から定量供給される薬剤を受け取り且つ溜めるように構成される収集領域を含むカバーとを備える。前記カバーは、前記カバーの前記収集領域が囲まれた空洞を形成する第1位置と、ユーザが前記収集領域に収容される薬剤にアクセスできるように前記収集領域が露出される第2位置との間で移動可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置(10)であって、
ペレット形態の薬剤を貯蔵するように構成されるカートリッジアセンブリ(200)であって、前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される1つ以上のディスペンス機構(300)の作動時に前記薬剤を定量供給するように構成されるカートリッジアセンブリ(200)と、
前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される前記1つ以上のディスペンス機構(300)を作動させるように構成される制御ユニット(100)と、
前記1つ以上のディスペンス機構(300)から定量供給される薬剤を受け取り且つ溜めるように構成される収集領域(230)を含むカバー(204)とを備え、
前記カバー(204)は、前記カバー(204)の前記収集領域(230)が囲まれた空洞を形成する第1位置と、ユーザが前記収集領域(230)に収容される薬剤にアクセスできるように前記収集領域(230)が露出される第2位置との間で移動可能である、装置。
【請求項2】
前記装置(10)は、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための手持ち式デバイスを形成し、ペレット形態の前記薬剤は、約150μmと約1200μmとの間の直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記囲まれた空洞は、前記カバー(204)と、前記カートリッジアセンブリ(200)の一部と、前記制御ユニット(100)の一部とによって形成される、請求項1又は2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記装置(10)は、前記カバー(204)が前記カバー(204)の前記第1位置を占めるとき、前記1つ以上のディスペンス機構(300)から前記収集領域(230)内に受け入れられた薬剤が、前記収集領域(230)内に確実に保持されるように構成される、請求項1、2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記1つ以上のディスペンス機構(300)は、ペレット形態の薬剤を溜め、且つ、前記1つ以上のディスペンス機構(300)の作動時に、ペレット形態の1つ以上の薬剤を前記カートリッジアセンブリ(200)内の1つ以上の貯蔵キャビティから前記カバー(204)の前記収集領域(230)に移動させるように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記1つ以上のディスペンス機構(300)は各々、1つ以上の回動可能な要素を含み、前記1つ以上の回動可能な要素の回動は、薬剤に、前記カートリッジアセンブリ(200)内の前記貯蔵キャビティのうちの対応する1つから前記カバー(204)の前記収集領域(230)に移動させる、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記1つ以上の回動可能な要素は、スクリューポンプを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記カバー(204)は、前記カートリッジアセンブリ(200)及び前記制御ユニット(100)に対して且つ前記カバー(204)の前記第1位置と前記カバー(204)の前記第2位置との間でスライド可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記カバー(204)の前記収集領域(230)は、開放した略U字形状のかいば桶の形態をとり、且つ、前記カバー(204)が前記カバー(204)の前記第2位置を占めるときに前記収集領域(230)からペレット形態の前記薬剤を注ぐように構成される1つ以上の注ぎ口リップ(226)を、前記収集領域(230)の上部リムに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記カバー(204)の前記収集領域(230)は、略U字形状のかいば桶の形態をとり、前記カバー(204)は、前記カバー(204)が前記カバー(204)の前記第2位置に移動されたときに前記収集領域(230)を部分的に囲むプレート(212)をさらに含み、前記プレート(212)は、前記カバー(204)が前記カバー(204)の前記第2位置を占めるときに前記収集領域(230)からペレット形態の薬剤を注出するように構成される1つ以上の開口部(227)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の装置を使用する方法であって、
1回分の用量の1つ以上の薬剤を前記収集領域(230)に定量供給するように、前記ディスペンス機構(300)のうちの少なくとも1つを作動させることであって、前記カバー(204)が前記カバー(204)の前記第1位置を占めるときに、前記1つ以上の薬剤は前記収集領域(230)に受け入れられ且つ溜められる、前記ディスペンス機構(300)のうちの少なくとも1つを作動させることと、
次いで、前記収集領域(230)と前記収集領域(230)に収容される前記1回分の用量の1つ以上の薬剤とを露出させるように、前記カバー(204)を前記カバー(204)の前記第1位置から前記カバー(204)の前記第2位置に移動させることとを含む、方法。
【請求項12】
ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置(10)であって、
ペレット形態の薬剤を貯蔵するように構成されるカートリッジアセンブリ(200)であって、前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される1つ以上のディスペンス機構(300)の作動時に前記薬剤を定量供給するように構成されるカートリッジアセンブリ(200)と、
前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される前記1つ以上のディスペンス機構(300)を作動させるように構成される1つ以上のアクチュエータを含む制御ユニット(100)とを備え、
前記1つ以上のディスペンス機構(300)は各々、1つ以上の回動可能な要素(304)を含み、前記1つ以上の回動可能な要素(304)の回動は、薬剤に、前記カートリッジアセンブリ(200)内の貯蔵キャビティのうちの対応する1つから前記カバー(204)の収集領域(230)に移動させ、
前記カートリッジアセンブリ(200)は、第1位置と第2位置との間で移動可能な1つ以上の係止部材(290)を含み、前記係止部材(290)は各々、前記第1位置では対応する前記ディスペンス機構(300)の作動を防止し、前記第2位置では前記ディスペンス機構(300)の作動を可能にするように構成される、装置。
【請求項13】
前記1つ以上の係止部材(290)は、前記係止部材(290)が前記係止部材(290)の係止状態の前記第1位置を占めるときに、前記回動可能な要素(304)のうちの対応する1つの回動を防止するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記カートリッジアセンブリ(200)は、前記制御ユニット(100)とドッキング及びドッキング解除するように構成され、前記装置(10)は、前記カートリッジアセンブリ(200)が前記制御ユニット(100)とドッキングする際、前記係止部材(290)の各々が前記係止部材(290)の係止状態の前記第1位置から前記係止部材(290)の係止解除状態の前記第2位置に移動するように、構成される、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記係止部材(290)は各々、前記制御ユニット(100)の1つ以上の不動部分と接触するように構成される1つ以上のピン(284)を含み、前記ピン(284)と前記不動部分との間の接触は、前記カートリッジアセンブリ(200)が前記制御ユニット(100)とドッキングする際、前記係止部材(290)を前記係止部材(290)の係止状態の前記第1位置から前記係止部材(290)の係止解除状態の前記第2位置に移動させる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記回動可能な要素(304)は、1つ以上の放射状に延在する表面(286)を含み、前記係止部材(290)は、1つ以上の歯部(292)を含み、前記1つ以上の歯部(292)は、前記係止部材(290)が前記係止部材(290)の係止状態の前記第1位置を占めるときに前記放射状に延在する表面(286)と係合し、前記係止部材(290)が前記係止部材(290)の係止解除状態の前記第2位置を占めるときに前記放射状に延在する表面(286)と係合解除するように構成される、請求項13、14又は15に記載の装置。
【請求項17】
前記係止部材(290)は、前記係止部材(290)が前記係止部材(290)の係止状態の前記第1位置を占め且つ前記歯部(292)が前記放射状に延在する表面(286)と係合したときに前記回動可能な要素(304)の回動を防止するように、回動移動に対して制限を受け、前記係止部材(290)が前記係止部材(290)の係止解除状態の前記第2位置を占め且つ前記歯部(292)が前記放射状に延在する表面(286)と係合解除されたときに前記回動可能な要素(304)の回動を可能にする、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記係止部材(290)は、それぞれの1つ以上の弾性部材(294)によって前記係止部材(290)の係止状態の前記第1位置に向かって付勢され、それにより、前記歯部(292)が、前記弾性部材(294)によって、前記放射状に延在する表面(286)と係合するように付勢される、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
前記1つ以上のアクチュエータは各々、前記回動可能な要素(304)のうちの対応する1つを回動させるように構成される電気モータを含む、請求項12~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記カートリッジアセンブリ(200)は、1つ以上の回動可能な接続要素(280)を含み、前記1つ以上の回動可能な接続要素(280)は各々、前記回動可能な要素(304)のうちの対応する1つに接続され、且つ、前記制御ユニット(100)の回動可能な接続要素(180)と協働するように構成され、それにより、前記制御ユニット(100)の前記接続要素(180)の回動が、前記カートリッジアセンブリ(200)の前記ディスペンス機構(300)の前記回動可能な要素(304)を回動させるように、前記カートリッジアセンブリ(200)の前記接続要素(280)の回動を引き起こす、請求項12~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記カートリッジアセンブリ(200)及び前記制御ユニット(100)の前記接続要素(180,280)のうちの一方が雄型接続子を含み、前記カートリッジアセンブリ(200)及び前記制御ユニット(100)の前記接続要素(180,280)のうちの他方が対になる雌型接続子を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記制御ユニット(100)の前記接続要素(180)は、雄型接続子を含み、前記カートリッジアセンブリ(200)の前記接続要素(280)は、対になる雌型接続子を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
ペレット形態の前記薬剤が、約150μmと約1200μmとの間の直径を有する、請求項12~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
請求項12~23のいずれか一項に記載の装置を使用する方法であって、
前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される前記1つ以上のディスペンス機構(300)の作動を可能にするために、前記1つ以上の係止部材(290)を前記係止部材(290)の前記第1位置から前記係止部材(290)の前記第2位置に移動させることを含む、方法。
【請求項25】
ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置(10)であって、
ペレット形態の薬剤を貯蔵するように構成されるカートリッジアセンブリ(200)であって、前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される1つ以上のディスペンス機構(300)の作動時に前記薬剤を定量供給するように構成されるカートリッジアセンブリ(200)と、
前記カートリッジアセンブリ(200)内に配置される前記1つ以上のディスペンス機構(300)を作動させるように構成される1つ以上のアクチュエータを含む制御ユニット(100)とを備え、
前記カートリッジアセンブリ(200)は、前記制御ユニット(100)とドッキングして、前記1つ以上のディスペンス機構(300)を前記制御ユニット(100)内に位置する前記1つ以上のアクチュエータと接続することで、前記1つ以上のディスペンス機構(300)の動作を可能にし且つ前記装置(10)から薬剤を定量供給し、前記制御ユニット(100)とドッキング解除して、前記1つ以上のディスペンス機構(300)を前記制御ユニット(100)内に位置する前記1つ以上のアクチュエータから接続解除することで、前記装置(10)からの薬剤の定量供給を防止するように構成される、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、薬剤ペレットのデリバリデバイス、及び、このようなデリバリデバイスの種々の態様に関し、種々の態様は、例えば、このようなデリバリデバイスからのペレットの定量供給、このようなデリバリデバイスの操作及びメカニズムに関し、さらにはこのようなデリバリデバイスの制御システムの特定の態様にも関連する。
【背景技術】
【0002】
経口剤形(「ОDF」)の投薬剤は、例えばタブレット又はペレットの形態で製造することができる。タブレット又はペレットは、主成分(複数可)が原薬(「API」)である様々な物質を含有し得る。薬剤ペレットは、予め充填されたカプセルとして、又は、充填材の補助によりタブレットに圧縮されて、患者に投与され得る。様々な形態のОDF薬剤の定量供給の仕組みが既知であり、このような定量供給の仕組みは、ブリスターパックタイプのデバイスから投薬ボトルまでの範囲にわたることができる。なお、ブリスターパックタイプのデバイスでは、個々のタブレットは、ポケット内に保持され、ホイルを使用することによってポケット内に保持され得る。様々なより複雑な定量供給の仕組みも既知であり、特に、他の製剤のタイプ、例えば、ペレットの形態の製剤のタイプのための定量供給の仕組みが既知であり、この定量供給の仕組みは、典型的にはユニット当たりの特定の投薬量の10%未満であり得る。ペレット形態の薬剤を投与する利点は、同じディスペンスデバイスを使用して1回分の用量を変えることができることであり得る。別の利点は、現状では飲み込むためにタブレットを砕いている飲み込み困難な患者にとって、ペレットは飲み込みを容易にできることである。今日、タブレットを砕く又は割ることはまた、例えば、処方された薬剤から半分の1回分の用量を得るために、患者によって用いられるが、このプロセスは、推奨されず、デバイスが様々な量のペレットをフレキシブルに定量供給することができれば、回避できるプロセスである。ペレットの投薬量の変更可能な投薬は、タブレット又はカプセルのような投薬量がより大きい形態を使用して達成され得るものよりも、1回分の用量のより正確な調節を可能にする。さらに、放出調節製剤については、ペレットは、タブレットのような投薬量がより大きい形態よりも、食物との相互作用に対してロバストであることが多い。
【0003】
ペレット形態の薬剤が定量供給される仕組みを改善することが所望される。このことは、例えば、小児科医療で抗生物質をより飲み込みやすくする場合、老年医療で慢性疾患薬をより飲み込みやすくする場合、ADHD用の刺激薬又はオピオイド等の鎮痛薬のような特定の規制薬物において定量供給の1回分の用量を超えるような制御を改善する若しくは過剰投与のリスクを制限する場合、又は、疾患の可変性若しくは達成される成果を受けて初期の漸増若しくはフレキシブルな調節を必要とする投薬剤の場合に望まれる。
【0004】
また、ペレット形態の1つ以上の薬剤による1回分の用量を取り扱う場合、ユーザが有するコントロールを改善することも所望され、特に、例えば、完全な1回分の用量をユーザに(例えば、好適なレセプタクル又は食品に)確実であり且つ飲み込みに好適なかたちで送るために、1つ以上の薬剤がディスペンスデバイスから受け取られる際に、所望される。
【0005】
また、ディスペンスデバイスがユーザによる1回分の用量の変更(例えば、過剰投与)を防止できること又はディスペンスデバイス内に含まれる薬剤への望ましくないアクセスを防止できることを確実にしつつ、ディスペンスデバイスのユーザのコントロールを改善することも所望される。例えば、ユーザのアクセスが処方された1回分の用量のみに限定されることを確実にすること等によって、ペレット薬剤ディスペンサの不正改変の防止能力を向上させることが所望される。
【発明の概要】
【0006】
これにより、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置の種々の態様及び実施形態が記載される。この発明の概要に記載される特徴は、本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態のいずれに対しても、好適である限り、組み合わせることができる。理解されるように、本明細書に記載される装置の全ては、同様の原理で動作する。
【0007】
本発明の一態様によれば、カートリッジアセンブリと、制御ユニットと、カバーとを備える、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置が提供される。カートリッジアセンブリは、ペレット形態の薬剤を貯蔵し、カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構の作動時に当該薬剤を定量供給するように構成される。制御ユニットは、カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構を作動させるように構成される。カバーは、1つ以上のディスペンス機構から定量供給される薬剤を受け取り且つ溜めるように構成される収集領域を含み、且つ、カバーの収集領域が囲まれた空洞を形成する第1位置と、ユーザが収集領域に収容される薬剤にアクセスできるように収集領域が露出される第2位置との間で移動可能である。
【0008】
上記の特徴、特に、収集領域を囲んで閉鎖し次いで露出させるように第1位置と第2位置との間で移動可能であるカバーの使用は、ペレット形態の薬剤をより確実且つ安全に定量供給することができる薬剤デリバリ装置を提供する。本明細書に記載されるように、このような薬剤は、経口剤形と呼ばれる場合もあるが、ペレットの形態であってもよく、ペレットは、約150μmと約1200μmとの間(例えば、約300μmと約900μmとの間等)の直径を任意選択的に有し、さらに約500μmと約700μmとの間の直径を任意選択的に有するが、通常は取り扱いが非常に困難であり、上述の装置は、本明細書でさらに詳細に説明されるように、このタイプの薬剤を取り扱い且つ定量供給するための種々の有益な点をもたらす。
【0009】
薬剤は、経口剤形と呼ばれてもよく、単位用量及び/又は固形経口剤形であってもよい。経口剤形は、場合によっては、硬質、固体(又は半固体、例えばゼラチン又はセルロース)の外殻と、ゲル又は液体コア等のより軟質のコアとを含むことができると考えられる。
【0010】
装置は、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための手持ち式デバイスを形成してもよい。このようなデバイスは、ペレットタイプの薬剤を定量供給するために使用される様々なタイプの装置において、特に、ペレットタイプの薬剤を安全且つ確実に定量供給することを当該装置に可能にさせる特徴と組み合わされる場合に、当該装置の発展形となり得る。
【0011】
装置及び/又はデバイスは、手持ち式及び/又は携帯式の装置及び/又はデバイスであってもよい。言い換えれば、デバイスは、片手を使用して保持され且つ移送されてもよく、及び/又は、片手を使用して操作可能であってもよい。
【0012】
例えば、組み立てられた装置及び/又はデバイスは、約250mm以下(例えば、約200mm未満、約150mm未満、又は約100mm未満など)である長さ(その最長寸法に対応する)と、約50mm以下であるが任意選択で約40mm以下(そして、実施形態によっては30mm未満、又はさらに20mm未満)である幅又は高さ(すなわち、その長さの横断方向である)とを有してもよい。
【0013】
その手持ち性を最適化するために、組み立てられた装置及び/又はデバイスは、約150mmと約220mmとの間(例えば、約160mmと約180mmとの間、そして、任意選択で約165mm)の長さと、約35mmと約45mmとの間(任意選択で約40mm)の幅(その長さの横断方向である)と、約22mmと約32mmとの間(任意選択で約28mm)の高さ(その幅の横断方向である)とを有してもよい。
【0014】
組み立てられた装置及び/又はデバイスは、約500g以下、約400g以下、約300g以下、約200g以下、又はさらには約100g以下の重量であってもよい。このことは、組み立てられた装置及び/又はデバイスが片手で運ぶのに十分な軽さであることを確保することができる。
【0015】
カートリッジ(又はカートリッジアセンブリ)は、約90mmと約120mmとの間(任意選択で約105mm)の長さ(その最長寸法に対応する)と、約33mmと約43mmとの間(任意選択で約40mm)の幅(その長さの横断方向である)と、約15mmと約32mmとの間、例えば約23mmと約32mmとの間(任意選択で約28mm)の高さ(その幅の横断方向である)とを有してもよい。
【0016】
囲まれた空洞は、カバーと、カートリッジアセンブリの一部と、制御ユニットの一部とによって形成されてもよい。
【0017】
装置は、カバーがカバーの第1位置を占めるとき、1つ以上のディスペンス機構から収集領域内に受け入れられた薬剤が、収集領域内に確実に保持されるように構成されてもよい。言い換えれば、カバーがその第1位置を占めるとき、収集領域に受け入れられた薬剤は、収集領域から逸出することができない。
【0018】
カバーの第2位置は、カバーが装置の残りの部分から切り離される(例えば、完全に)位置、例えば、カートリッジ、カートリッジアセンブリ及び/又は制御ユニットから切り離される(例えば、完全に)位置であってもよい。これにより、汎用性を増大させることができ、例えば、ユーザは、1回分の用量をこぼす機会を減少させながら、当該用量を口内に直接的に摂取することができる。加えて、切り離されたカバーからペレットを傾動によりあける又は注ぐことは、依然として装置に取り付けられているカバーからペレットを傾動によりあける又は注ぐことよりも容易である。これらの実施形態及び他の実施形態では、カバーは、キャップ、例えば、デタッチャブルキャップと呼ばれることがある。
【0019】
キャップ又はカバーは、装置の残りの部分、例えば、カートリッジ、カートリッジアセンブリ及び/又は制御ユニットにスナップ嵌めによって接続されてもよく、スナップ嵌めは、キャップ又はカバーの切り離し及び再取り付けの簡便な方法をもたらす。或いは、キャップ又はカバーは、装置の残りの部分、例えば、カートリッジ、カートリッジアセンブリ及び/又は制御ユニットに、締まり嵌め、磁気ラッチ係合、クリップ留め具、又はねじ接続によって、接続されてもよい。キャップ又はカバーは、キャップ又はカバーの外面が装置の外面の残りの部分と同一面をなすように、カートリッジ、カートリッジアセンブリ又は制御ユニットに接続されてもよい。
【0020】
キャップ又はカバーは、触知領域又は触知表面を含んでもよい。触知領域又は触知表面は、ユーザによって保持される可能性が最も高いキャップ又はカバーの領域、例えば、装置の残りの部分と接触するように構成されるキャップ又はカバーのリムに隣り合う領域に配置されてもよい。或いは、触知領域又は触知表面は、装置の上面又は下面に対応するキャップ又はカバーの一部を含んでもよい。触知領域又は触知表面は、キャビティ、ディンプル、突起及び畝状部のうちの1つ以上として設けられてもよい。
【0021】
キャップ又はカバーは、湾曲した側面を介して上部リムまで延在する平坦なベース部を有してもよい(例えば、キャップ又はカバーは、カップであってもよく、及び/又は、カップ形状であってもよい)。湾曲した側面は、キャップ又はカバーが、湾曲した側面を接して配置されたときに、ベース部を接して静止しているポジションに自動的に移動し、例えばペレットが収集領域内に収容されているときに自動的に移動するように構成されてもよい。キャップ又はカバーは、キャップ又はカバーがこのように構成されることを確実にするために重みを(例えば、ベース部に)付けられてもよい(ただし、重み付けは必須ではない)。
【0022】
装置は、キャップ又はカバーに対して代わりに又は追加で設けられてもよいファネル体を含んでもよい。ファネル体は、カートリッジアセンブリから定量供給されるペレットを受け取るように、カートリッジアセンブリの出口端部及び/又はディスペンス機構(複数可)に被さって配置されるように構成される入口端部を含んでもよい。ファネル体は、カートリッジアセンブリのディスペンス機構(複数可)から定量供給されるペレットを受け取り且つ当該ペレットを収集領域に指向するように構成される出口端部を含んでもよい。
【0023】
ファネル体がカバーの代わりに設けられる場合、上述の収集領域は、ファネル体の内部容積によって形成されことになり、ファネル体は、ファネル体からレセプタクル(例えば、ユーザの手)にペレットを注出するように構成される出口端部を含んでもよい。
【0024】
ファネル体がキャップ又はカバーに加えて設けられる実施形態では、ファネル体の出口端部は、キャップ又はカバーの収集領域内に少なくとも部分的に配置されてもよい。このようにして、ファネル体は、ペレットをディスペンス機構(複数可)から収集領域内に指向するように構成されてもよい。
【0025】
ファネル体の出口端部は、ペレットが収集領域の特定部分に指向されるように、オフセットされるか、又は他の方法で配置されてもよい。例えば、ファネル体の出口端部は、収集領域の特定部分に隣り合って及び/又は特定部分の上を覆うように配置されてもよい。特定部分は、キャップのコーナー部、キャップの中央領域、又は、1回分の用量のペレットを受け入れるように構成されるより小さいキャビティであってもよい。ファネル体は、ペレットがキャップの底部コーナー部に指向されるように構成されてもよく、底部コーナー部は、装置の下面と同じ側に配置される。例えば、ファネル体の出口端部は、装置の下面に対応するコーナー部に隣り合って及び/又は当該コーナー部の上を覆うように配置されてもよい。
【0026】
ファネル体は、ファネル体の出口端部を横切って延在する1つ以上のスクリーンを含んでもよく、この場合、1つ以上のスクリーンは、カートリッジアセンブリのディスペンス機構(複数可)から定量供給されるペレットを捕捉し、当該ペレットが収集領域内に定量供給される前に当該ペレットを一時的に引き留めるように構成されてもよい。スクリーンは、グリルとして設けられてよく、グリルは複数のバーを含み、複数のバーは、カートリッジアセンブリのディスペンス機構(複数可)から定量供給されるペレットを捕捉し、そのとき、当該ペレットがファネル体から収集領域内にさらに定量供給される前に、当該ペレットを一時的に引き留める(例えば、減速する)ように構成される。
【0027】
1つ以上のスクリーンは、ペレットが定量供給の第1方向にスクリーンを通ってより落下しやすく、非定量供給の第2方向にスクリーンを通ってより落下しにくいように構成されてもよい。例えば、スクリーンがグリルである場合、グリルのバーは、涙滴形状であってもよく、涙滴形状は、例えば、尖ったエッジ部分と反対側に湾曲したエッジ部分を含み、この場合、尖ったエッジ部分が、カートリッジアセンブリのディスペンス機構(複数可)に対面する。
【0028】
キャップ又はカバーは、ペレットを収集領域の特定部分に指向するように構成されるインサート体又はソリッド部分を含んでもよい。インサート体又はソリッド部分は、テーパ付き表面を含んでもよく、テーパ付き表面は、使用中、ペレットがディスペンス機構(複数可)から定量供給されると、ペレットがテーパ付き表面に沿って収集領域の特定部分に向かって流れるように構成される。
【0029】
1つ以上のディスペンス機構は、ペレット形態の薬剤を溜め、且つ、1つ以上のディスペンス機構の作動時に、ペレット形態の1つ以上の薬剤をカートリッジアセンブリ内の1つ以上の貯蔵キャビティからカバーの収集領域に移動させるように構成されてもよい。
【0030】
1つ以上のディスペンス機構は各々、1つ以上の回動可能な要素を含み、1つ以上の回動可能な要素の回動は、薬剤に、カートリッジアセンブリ内の貯蔵キャビティのうちの対応する1つからカバーの収集領域に移動させてもよい。
【0031】
1つ以上の回動可能な要素は、スクリューポンプを含んでもよく、スクリューポンプは、容積式(「PD」)ポンプとして構成されてもよく、容積式ポンプは、1つ又は複数のスクリューを使用して、当該スクリューの軸に沿って、貯蔵キャビティからカバーの収集領域にペレット形態の薬剤を移動させる。
【0032】
カバーは、カートリッジアセンブリ及び制御ユニットに対して且つカバーの第1位置とカバーの第2位置との間でスライド可能であってもよい。このことは、カバーをカバーの第1位置とカバーの第2位置との間で移動させる比較的容易な方法を提供する。他の実施形態では、上述のように、カバーは切り離し可能であってもよい。
【0033】
種々の実施形態では、カバーの収集領域は、開放した略U字形状のかいば桶の形態及び/又はカップの形態をとってもよく、カバーがカバーの第2位置を占めるときに収集領域からペレット形態の薬剤を注ぐように構成される1つ以上の注ぎ口リップを、収集領域の上部リムに含んでもよい。
【0034】
1つ以上の注ぎ口リップは、収集領域からペレットを定量供給するための高度に集束されたかたちを提供するように、上部リムの1つ以上のコーナー部に形成されてもよい。
【0035】
追加で又は代わりに、1つ以上の注ぎ口リップは、上部リムのコーナー部同士の間に形成されてもよく、この場合、コーナー部同士の間のかいば桶又はカップの壁部分は、注ぎ口リップを提供するように、少なくとも部分的に凸状である(例えば、収集領域から離れる方向に膨らむ)。これにより、注ぎ口リップの位置をユーザに迅速に示すことができる。
【0036】
カバーの収集領域は、上述のように、略U字形状のかいば桶の形態をとってもよく、カバーは、カバーがカバーの第2位置に移動されたときに収集領域を部分的に囲むプレートをさらに含んでもよく、この場合、プレートは、カバーがカバーの第2位置を占めるときに収集領域からペレット形態の薬剤を注出するように構成される1つ以上の開口部を含む。
【0037】
本発明の一態様によれば、上述のような装置を使用する方法が提供され、当該方法は、
1回分の用量の1つ以上の薬剤を収集領域に定量供給するように、ディスペンス機構のうちの少なくとも1つを作動させることであって、この場合、カバーがカバーの第1位置を占めるときに、当該1つ以上の薬剤は収集領域に受け入れられ且つ溜められる、ディスペンス機構のうちの少なくとも1つを作動させることと、
次いで、収集領域と収集領域に収容される1回分の用量の1つ以上の薬剤とを露出させるように、カバーをカバーの第1位置からカバーの第2位置に移動させることとを含む。
【0038】
本明細書に記載される態様及び実施形態のいずれにおいても、1つ以上のディスペンス機構は各々、1つ以上の回動可能な要素を含んでもよく、1つ以上の回動可能な要素の回動は、ペレット/薬剤に、カートリッジアセンブリ内の貯蔵キャビティのうちの対応する1つからカバーの収集領域に移動させてもよく、この場合、カートリッジアセンブリは、第1位置と第2位置との間で移動可能な1つ以上の係止部材を含んでもよく、この場合、係止部材は各々、第1位置では対応するディスペンス機構の作動を防止し、第2位置では当該ディスペンス機構の作動を可能にするように構成される。
【0039】
第1位置と第2位置との間で移動可能な単一の係止部材が設けられてもよく、この場合、単一の係止部材は、第1位置では複数のディスペンス機構の作動を阻止し、第2位置では当該ディスペンス機構の作動を可能にするように構成される。このことは、アセンブリを単純化し、及び/又は、必要な部品点数を低減し得る。
【0040】
1つ以上の係止部材は、当該係止部材の第1位置と第2位置との間でスライド可能であってもよい。
【0041】
これらの特徴は、それら自体独立して有益な点を有すると考えられる。それ故、独立クレームが請求され得る本発明の一態様によれば、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置が提供され、当該装置は、
ペレット形態の薬剤を貯蔵するように構成されるカートリッジアセンブリであって、カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構の作動時に当該薬剤を定量供給するように構成されるカートリッジアセンブリと、
カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構を作動させるように構成される1つ以上のアクチュエータを含む制御ユニットとを備え、
1つ以上のディスペンス機構は各々、1つ以上の回動可能な要素を含み、1つ以上の回動可能な要素の回動は、薬剤に、カートリッジアセンブリ内の貯蔵キャビティのうちの対応する1つからカバーの収集領域に移動させ、
カートリッジアセンブリは、第1位置と第2位置との間で移動可能な1つ以上の係止部材を含み、係止部材は各々、第1位置では対応するディスペンス機構の作動を防止し、第2位置では当該ディスペンス機構の作動を可能にするように構成される。
【0042】
上述のような1つ以上の係止部材の使用は、カートリッジ内のディスペンス機構の作動が、係止部材が第1位置を占めるときに防止され得、係止部材が第2位置に移動されたときのみ可能になり得ることを意味する。このことは、ペレット形態の薬剤、例えば、任意選択で約150μmと約1200μmとの間(例えば、約300μmと約900μmとの間)の直径を有する薬剤、さらに任意選択で約500μmと約700μmとの間の直径を有する薬剤を定量供給するための装置の不正改変防止の特性を向上させるために見出された。
【0043】
以下の任意選択的な特徴は、係止部材を含む本発明の態様又は実施形態のいずれとも組み合わされてもよい。
【0044】
1つ以上の係止部材は、係止部材が当該係止部材の係止状態の第1位置を占めるときに、回動可能な要素のうちの対応する1つの回動を防止するように構成されてもよい。このことは、ディスペンス機構の作動を防止する簡便且つ効率的な方法を提供する。
【0045】
カートリッジアセンブリは、制御ユニットとドッキング及びドッキング解除するように構成されてもよく、装置は、カートリッジアセンブリが制御ユニットとドッキングする際、係止部材の各々が当該係止部材の係止状態の第1位置から当該係止部材の係止解除状態の第2位置に移動するように、構成されてもよい。
【0046】
係止部材は各々、制御ユニットの1つ以上の不動部分と接触するように構成される1つ以上のピンを含んでもよく、この場合、ピンと不動部分(複数可)との間の接触は、カートリッジアセンブリが制御ユニットとドッキングする際、係止部材を当該係止部材の係止状態の第1位置から当該係止部材の係止解除状態の第2位置に移動させる。
【0047】
回動可能な要素は、1つ以上の半径方向放射状に延在する表面を含んでもよく、係止部材は、1つ以上の歯部を含んでもよく、1つ以上の歯部は、係止部材が当該係止部材の係止状態の第1位置を占めるときに放射状に延在する表面と係合し、係止部材が当該係止部材の係止解除状態の第2位置を占めるときに放射状に延在する表面と係合解除するように構成される。
【0048】
係止部材は、係止部材が当該係止部材の係止状態の第1位置を占め且つ歯部が放射状に延在する表面と係合したときに回動可能な要素の回動を防止するように、回動移動に対して制限を受け、係止部材が当該係止部材の係止解除状態の第2位置を占め且つ歯部が放射状に延在する表面と係合解除されたときに回動可能な要素の回動を可能にしてもよい。
【0049】
係止部材は、それぞれの1つ以上の弾性部材によって当該係止部材の係止状態の第1位置に向かって付勢され、それにより、歯部が、弾性部材によって、放射状に延在する表面と係合するように付勢されてもよい。
【0050】
1つ以上のアクチュエータは各々、回動可能な要素のうちの対応する1つを回動させるように構成される電気モータを含んでもよい。
【0051】
カートリッジアセンブリは、1つ以上の回動可能な接続要素を含んでもよく、1つ以上の回動可能な接続要素は各々、回動可能な要素のうちの対応する1つに接続され、且つ、制御ユニットの回動可能な接続要素と協働するように構成され、それにより、制御ユニットの接続要素の回動が、カートリッジアセンブリのディスペンス機構の回動可能な要素を回動させるように、カートリッジアセンブリの接続要素の回動を引き起こしてもよい。
【0052】
カートリッジアセンブリ及び制御ユニットの接続要素のうちの一方が雄型接続子を含んでもよく、カートリッジアセンブリ及び制御ユニットの接続要素のうちの他方が対になる雌型接続子を含んでもよい。
【0053】
制御ユニットの接続要素(複数可)は、雄型接続子を含んでもよく、カートリッジアセンブリの接続要素(複数可)は、対になる雌型接続子を含んでもよい。
【0054】
接続子は、星形、十字形、又は正方形の接続子を含んでもよい。
【0055】
雄型接続要素及び雌型接続要素を含む実施形態に代えて、カートリッジアセンブリと制御ユニットとの間にスプライン接続が設けられてもよく、この場合、協働するスプラインが、制御ユニット及びカートリッジアセンブリに設けられ、カートリッジアセンブリと制御ユニットとの係合時に互いに協働する。これらの実施形態では、スプラインの係合は、制御ユニットに関連付けられるスプラインの回動が、カートリッジアセンブリのスプラインの回動を引き起こし、それにより、カートリッジアセンブリのディスペンス機構の回動可能な要素を回動させるようにすることを意味する。
【0056】
これらの実施形態の改良(スプライン接続部を含む)では、上記で言及される放射状に延在する表面は、カートリッジアセンブリに関連付けられるスプラインの半径方向放射状に延在する表面によって形成され得る。このことは、係合の機構及び係止の機構を設けるために必要な部品点数を減らすことができ、それは、カートリッジアセンブリに関連付けられるスプラインが、両方の機構の動作に貢献するためである。
【0057】
本発明の一態様によれば、上述のような装置を使用する方法が提供される。
【0058】
本方法は、カートリッジアセンブリ(例えば、カートリッジアセンブリのカートリッジ)内に、経口剤形をもたらすペレットを貯蔵することを含んでもよく、この場合、ペレットは、以下の治療のための投薬剤又は合剤を含んでもよい。当該治療は、注意欠如・多動性障害(「ADHD」-この場合、投薬剤又は合剤は、アンフェタミン及び/又はメチルフェニデートを含み得る)、一般的な痛み(この場合、投薬剤又は合剤は、フェンタニル、メタドン、メペリジン、トラマドール、モルヒネ、コデイン、テバイン、オキシモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ヒドロモルフォン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン及びメタドンの1つ以上を含み得る)、臓器移植後の免疫抑制(この場合、投薬剤又は合剤は、タクロリムス、シロリムス、エベロリムス、コルチコステロイド、シクロスポリン、ミコフェノール酸及びアザチオプリンのうちの1つ以上を含み得る)、糖尿病(この場合、投薬剤又は合剤は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、メトホルミン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン及びセマグルチドのうちの1つ以上を含み得る)、心不全(この場合、投薬剤又は合剤は、カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール及び利尿剤のうちの1つ以上を含み得る)、パーキンソン病(「PD」-この場合、投薬剤又は合剤は、レボドパ及び/又はカルビドパを含み得る)、てんかん(この場合、投薬剤又は合剤は、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、エトスクシミド及びトピラマートのうちの1つ以上を含み得る)、うつ病(この場合、投薬剤又は合剤は、シタロプラム、ブプロピオン、パロキセチン、ミルナシプラン、フルオキセチン、デュロキセチン、フルボキサミン及びレボキセチンのうちの1つ以上を含み得る)、統合失調症(この場合、投薬剤又は合剤は、アリピプラゾール、アセナピン、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、クロザピン、イロペリドン、ルラシドン及びオランザピンのうちの1つ以上を含み得る)、癌、アニマルヘルスのうちの1つ以上の治療である。
【0059】
本方法は、注意欠如・多動性障害(「ADHD」)、一般的な痛み、臓器移植後の免疫抑制、糖尿病、心不全、パーキンソン病(「PD」)、てんかん、うつ病、統合失調症、癌、及びアニマルヘルスのうちの1つ以上の治療における装置の使用を含んでもよい。カートリッジアセンブリ(例えば、カートリッジアセンブリのカートリッジ)内の経口剤形は、特定の治療に使用される場合、その特定の治療に関して上記で言及された投薬剤又は合剤の1つ以上を含んでもよい。
【0060】
本方法は、カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構の作動を可能にするために、1つ以上の係止部材を当該係止部材の第1位置から当該係止部材の第2位置に移動させることを含んでもよい。
【0061】
上述の態様又は実施形態のいずれにおいても、カートリッジアセンブリは、制御ユニットとドッキングして、1つ以上のディスペンス機構を制御ユニット内に位置する1つ以上のアクチュエータと接続することで、1つ以上のディスペンス機構の動作を可能にし且つ装置から薬剤を定量供給し、制御ユニットとドッキング解除して、1つ以上のディスペンス機構を制御ユニット内に位置する1つ以上のアクチュエータから接続解除することで、装置からの薬剤の定量供給を防止するように構成されてもよい。
【0062】
この特徴は、それ自体独立して有益な点を有すると考えられる。それ故、独立クレームが請求され得る本発明の一態様によれば、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給するための装置が提供され、当該装置は、
ペレット形態の薬剤を貯蔵するように構成されるカートリッジアセンブリであって、カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構の作動時に当該薬剤を定量供給するように構成されるカートリッジアセンブリと、
カートリッジアセンブリ内に配置される1つ以上のディスペンス機構を作動させるように構成される1つ以上のアクチュエータを含む制御ユニットとを備え、
カートリッジアセンブリは、制御ユニットとドッキングして、1つ以上のディスペンス機構を制御ユニット内に位置する1つ以上のアクチュエータと接続することで、1つ以上のディスペンス機構の動作を可能にし且つ装置から薬剤を定量供給し、制御ユニットとドッキング解除して、1つ以上のディスペンス機構を制御ユニット内に位置する1つ以上のアクチュエータから接続解除することで、装置からの薬剤の定量供給を防止するように構成される。
【0063】
さらなる技術的効果は、以下の説明から明らかになるであろう。
【0064】
[定義]
以下で言及される定義は、本明細書で説明されクレーム請求される本発明の特徴に関連し、必要に応じて明細書(例えば、特許請求の範囲)に組み込まれてもよい。
【0065】
ペレット-経口剤形(例えば、医薬品、薬剤、投薬剤等)の単一の顆粒又は微粒子であり、任意選択で約150μmと約1200μm又は約1500μmとの間(例えば、約300μmと約900μmとの間等)の直径を有し、任意選択で約500μmと約700μmとの間の直径を有する。種々の実施形態において、ペレットは、以下の複数の範囲のうちの1つ以上の範囲内の寸法(例えば、最大寸法、幅又は直径)を有してもよく、当該複数の範囲は、150~300μm、150~400μm、200~400μm、200~500μm、300~500μm、400~600μm、300~700μm、500~700μm、200~800μm、600~800μm、700~900μm、700~1200μm、800~1000μm、800~1100μm、900~1100μm、900~1200μm、及び1000~1200μmである。「直径」によって、ペレットがほぼ球形であると仮定されることを意味するが、ペレットは不規則な形状であってもよい。ペレットが球形でないと仮定される場合、直径はペレットの最大幅に相当してもよい。ペレットは表面コーティングを有していてもよく、有していなくてもよい。ペレット型薬剤の一般用語は「微粒子」であり得る。
【0066】
用量-ペレットの1回の測定量であり、例えば、容積で約0.05mlと約0.8mlとの間(例えば、約0.1mlと約0.6mlとの間)の全体量であり、例えば、容積で約0.3mlの全体量である。
【0067】
ディスペンス機構-ユーザのアクションを1回分の用量の定量供給に変換するシステムであり、例えば、電気機械システムである。
【0068】
カートリッジ-ペレットを貯蔵し且つ定量供給するために使用されるユーザによる交換可能なシステムである。
【0069】
ディスペンス開口部-消費のためのペレットの定量供給を可能にするカートリッジの出口端部である。
【0070】
カバー-1回分の用量を収集及び提示し且つカートリッジの貯蔵ペレット及び構成要素を湿気から保護するために、ディスペンス開口部に覆いをかける容器である。いくつかの実施形態では、カバーは、ディスペンス機構の残りの部分から完全に取り外し可能であるキャップの形態をとってもよい。代わりに、カバーは、通常の使用中に、ディスペンス機構に取り付けられたままであるスライドするカバーであってもよい。
【0071】
種々の実施形態が、単なる例として、添付の図面を参照して、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】
図1は、本発明の種々の態様及び実施形態に係る装置又はデバイスの斜視図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に見られるような装置の同様の斜視図を示すが、装置のカートリッジアセンブリを備え、カートリッジアセンブリは、カートリッジ及びカバーを含み、それ故、制御ユニットと結合して一体とされる。
【
図4】
図4は、カバーのない
図3のカートリッジ及び制御ユニットを示す。
【
図4A】
図4Aは、制御ユニットのインターフェースから離れる方向(すなわち、係合解除方向)に移動されたカートリッジを示す。
【
図5】
図5は、カバーが第2位置に移動されたときの装置を示す。
【
図5A】
図5Aは、カバーがいかにして外に移動して、カバーの収集領域を露出させるかを示す。
【
図6】
図6は、カバーがその第2位置に移動されたときに収集領域を部分的に囲むプレートをカバーが備える実施形態を示す。
【
図7】
図7は、カートリッジが制御ユニットに接続されており且つ制御ユニットに対して所定位置に固定及び/又は係止されているポジションにあるカートリッジアセンブリを示す。
【
図7A】
図7Aは、カートリッジの本体と共に移動可能な係止タブを示す。
【
図8】
図8は、組み立てられた状態のアセンブリの断面図を示す。
【
図8A】
図8Aは、係止タブが制御ユニットと係合及び係合解除する仕組みを示すように、
図8の拡大図を示す。
【
図9】
図9は、部分的に分解された状態でのアセンブリの斜視図を示し、カートリッジアセンブリは、制御ユニットに近づくが係合していないように示される。
【
図9A】
図9Aは、制御ユニットとドッキングする前における制御ユニットとのスライド係合状態のカートリッジの拡大図を示す。
【
図10】
図10は、
図9と同様のアセンブリの図を示すが、制御ユニットのインターフェースの特徴部をより詳細に見ることができるように回動して見た状態のアセンブリの図を示す。
【
図10A】
図10Aは、
図9Aと同様のアセンブリの図を示すが、制御ユニットのインターフェースの特徴部をより詳細に見ることができるように回動して見た状態のアセンブリの図を示す。
【
図11A】
図11Aは、カートリッジの係止プレートがより詳細に見える拡大図を示す。
【
図12A】
図12Aは、カバーと共に又はカバーの代わりに使用され得る回動バレルを備えるハウジングを示す。
【
図12B】
図12Bは、カバーと共に又はカバーの代わりに使用され得る回動バレルを備えるハウジングを示す。
【
図12C】
図12Cは、カバーと共に又はカバーの代わりに使用され得る回動バレルを備えるハウジングを示す。
【
図12D】
図12Dは、カバーと共に又はカバーの代わりに使用され得る回動バレルを備えるハウジングを示す。
【
図14】
図14は、
図1に示されるものと同様の装置を示し、同様の要素は同様の参照符号で示されるが、装置は、装置の残りの部分から切り離し可能(例えば、完全に)であるカバー又はキャップを有する。
【
図17】
図17は、
図14の装置において使用するためのキャップの実施形態を示し、ターゲットを定めたかたちでペレットを注ぐことを容易にする多数の特徴部を備える。
【
図18】
図18は、ペレットをキャップの特定部分に指向するように構成される1つ以上のインサート体又はソリッド部分を含むキャップの実施形態を示す。
【
図19】
図19は、ペレットをキャップの特定部分に指向するように構成される1つ以上のインサート体又はソリッド部分を含むキャップの実施形態を示す。
【
図20A】
図20Aは、ソリッド部分又はインサート体を含むキャップのさらなる実施形態を示す。
【
図20B】
図20Bは、ソリッド部分又はインサート体を含むキャップのさらなる実施形態を示す。
【
図22】
図22は、触知領域又は触知表面を含む、
図14の装置と共に使用するためのカバーの実施形態を示す。
【
図28】
図28は、ファネル体からのペレットの放出を制御するためのグリルの形態のスクリーンを有する、
図27A及び
図27Bのファネル体の実施形態を示す。
【
図30】
図30は、
図9~
図11に関して上述した実施形態と同様であるが、カートリッジのディスペンス機構を動作させるためのわずかに異なる機構を有する実施形態を示す。
【
図30A】
図30Aは、
図9~
図11に関して上述した実施形態と同様であるが、カートリッジのディスペンス機構を動作させるためのわずかに異なる機構を有する実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0073】
図1は、本発明の種々の態様及び実施形態に係る装置又はデバイス10の斜視図を示し、ペレット形態の1つ以上の薬剤を定量供給することができる薬剤デリバリデバイスを形成する。装置10は、例えば、既存のブリスターパック薬剤よりも単純且つ便利に反復的な処方薬の定量供給をなすことを目的とし、特定の治療のために(例えば、漸増又はフレキシブルな調節から利益を受けることになる投薬剤のために)所望される場合、投与される1回分の用量の変更を単純な方法で可能にすることになる。装置10はまた、ペレット形態の1つ以上の薬剤による1回分の用量を取り扱う場合にユーザが有するコントロールを改善することと、ディスペンスデバイスがユーザによる当該用量の変更(例えば、過剰投与)を防止できることを確実にしつつユーザのディスペンスデバイスのコントロールを改善することとも目的とする。
【0074】
種々の実施形態では、装置10は、所望の1回分の用量の+/-10%以内である、又は所望の1回分の用量の+/-5%以内でさえあるような規制基準を満たす用量を送り出すことができる。
【0075】
図1は、組み立てられた状態の装置又はデバイス10を示し、装置10は、制御ユニット100とカートリッジアセンブリ200とを備える。カートリッジアセンブリ200は、制御ユニット100と結合して一体になるように構成され、それにより、制御ユニット100がカートリッジアセンブリ200を操作して、好ましくはペレット形態の1回分又は複数回分の薬剤を定量供給することができる。
【0076】
図示の実施形態では、装置10は、概して平坦な上面12と、上面12の反対側の湾曲した下面14とを有する、概して長方形形状である。そのような形状は視覚的にアピールするものであるが、装置10は、この特定の構成に限定されず、本明細書において設定される機能性を達成する限り、他の好適な形状が設けられてもよい。この装置は、第1端部22から反対側の第2端部22に延在する。
【0077】
図1に示す制御ユニット100は、装置10の上面12の全体を含む。制御ユニット100はさらに、入力デバイス又はユーザインターフェース102と、ディスプレイ104とを備えてもよく、これらの両方は、装置10の上面12で第2端部22に配置されてもよいが、種々の実施形態では、制御ユニット100上の他の好適な位置に配置されてもよい。
【0078】
装置10は、手持ち操作可能なユニットとして構成され、それに適切なサイズにされる。例えば、装置10は、ユーザインターフェース102がリモコンデバイスと同様にユーザの親指によって操作されつつ、ユーザの手のひらの中で容易に載るものであってもよい。装置10のサイズは、約200mm以下、約150mm以下、又は約100mm以下の長さ及び/又は幅であってもよく、例えば、装置10は、約50mm~約200mmの間の最大寸法を有してもよく、例えば、約100mm~約200mmの間の最大寸法、又は約100mm~約150mmの間の最大寸法を有してもよい。
【0079】
装置10はまた、ユーザが片手で容易に持ち運び且つ操作することができるように十分に軽量であってもよい。種々の実施形態において、装置10(制御ユニット100及びカートリッジアセンブリ200を含む)は、約200g~約500gの重量を有してもよく、例えば300g~400gの重量を有してもよい。装置10の重量は、400g以下であってもよい。
【0080】
図2は、制御ユニット100を単独で示し、装置10の下面14を形成する制御ユニットの部分を斜視図で見たものである。
【0081】
制御ユニット100は、(組み立てられた場合の)装置10の第1端部20から第2端部22まで延在し、それにより、第1端部20及び第2端部22は制御ユニット100の互いに反対側の端部でもある。
【0082】
制御ユニット100は、第1端部20に向かって位置する第1部分110と、第2端部22に向かって位置する第2部分120とに分けられる。第1部分110は、カートリッジアセンブリ200を受け入れて保持するように構成される一方、第2部分120は、カートリッジアセンブリ200からの1つ以上の薬剤の定量供給を制御するように動作する様々な制御電子機器及びアクチュエータ(複数可)を包含するように構成される。装置10は、バッテリを備えてもよく、バッテリは、第1部分110内に保持されてもよい。このことは、装置10の重量を均等に分配し、保持するのをより快適にし且つ/又は操作をより容易にするのに役立つことができる。
【0083】
制御ユニット100は、第1部分110と第2部分120との間の接合部にインターフェース130を備えてもよく、インターフェース130は、カートリッジアセンブリ200上に位置する種々の機械的な及び電気的な特徴部(以下でより詳細に説明する)とオスメス接続し、協働するように構成される。
【0084】
制御ユニット100の第1部分110及び第2部分120は、制御ユニット100の凡そ等しい半分を占めてもよく、第1部分110と第2部分120との間の接合部は、制御ユニット100の側部方向中心線を横切って延在してもよい。
【0085】
第1部分110は、第1部分110と第2部分120との間の接合部から制御ユニット100の第1端部20まで延びる実質的に平面状の部分112を備える。
【0086】
第1部分110はさらに、制御ユニット100の両側部に少なくとも部分的に沿って延在する2つの対向する壁部114を備える。壁部114は、第1部分110と第2部分120との間の接合部から制御ユニット100の第1端部20に向かって延在してもよいが、第1端部20に到達する前に終端してもよい。壁部114の外面は、装置10の外面を形成してもよい。
図2Aにおいてより詳細に示すように、制御ユニット100の第1部分110はさらに、壁部114の上面に沿って延在し得る2つのレール116(ただし、制御ユニット100上の任意の好適な場所を使用することができる)を備え、これらのレール116は、カートリッジアセンブリ200を制御ユニット100上に案内するように構成される。
【0087】
制御ユニット100の第2部分120は、カートリッジアセンブリ200及びユーザインターフェースを操作/制御するための、種々の電子機器及び他の構成要素を備える。第2部分120の外面は、組み付けられたときに装置10の外面、例えば装置10の下面14を形成してもよい。第2部分120は、制御ユニット100の第2端部22に向かって配置された入力ポート122を備えてもよく、この入力ポート122は、コンピュータなどの好適な入力デバイスを介して電力及び電子制御の入力を受け取ってもよい。
【0088】
図3は、
図2に見られるのと同様の斜視図を示すが、装置10のカートリッジアセンブリ200が制御ユニット100と結合して一体とされている状態を示す。
【0089】
カートリッジアセンブリ200は、カートリッジ202と、カートリッジ202に対してスライド可能なカバー204とを備える。カートリッジ202及びカバー204を含むカートリッジアセンブリ200は、制御ユニット100の第1部分110上にスライドして、制御ユニット100と係合するように構成される。カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100と係合したとき、カートリッジ202は、所定の位置に実質的に固定されてもよく、その一方、カバー204は、カートリッジに対してスライドしてもよい。
【0090】
カートリッジ202及び/又はカバー204は、ベクトラン、液晶ポリマー、ポリブチレンテレフタレート(「PBT」)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(「ABS」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリカーボネート(「PC」)の群から選択される材料から作製されてもよい。種々の実施形態では、カートリッジ202及び/又はカバー204は、ステンレス鋼又はアルミニウムから作製されてもよい。カバー204が透明である実施形態では、カバー204は、ポリカーボネート(「PC」)、ポリプロピレン(「PP」)、スチレン・アクリロニトリル樹脂(「SAN」)、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)等の非晶質及び/又は半結晶性ポリマーから作製されてもよい。
【0091】
図4は、カバー204のないカートリッジ202及び制御ユニット100を示す。カートリッジ202は、1つ以上の薬剤を定量供給するように構成され得、制御ユニット100によって制御され得る。種々の実施形態では、カートリッジ202は、ハウジング240内に保持され且つ制御ユニット100によって作動されるように構成される1つ以上のディスペンス機構300を備える。1つ以上のディスペンス機構300は、1つ以上の回動可能な要素(以下でより詳細に記載される)を含んでもよく、それにより、制御ユニット100内の回動駆動部は、カートリッジ202の1つ以上の回動要素を回動させることができ、その結果、1つ以上の薬剤(例えば、ペレット形態である)は、カートリッジ202内から移動され、各ディスペンス機構300の出口端部302それぞれから定量供給されてもよい。
【0092】
この点に関する種々の好適な機構は、国際(PCT)特許公開のWО2019/115832号(これは、その全体が、本明細書中に参照により援用される)に記載される。例えば、1つ以上のディスペンス機構は、制御ユニット100によって作動(例えば、回動)されるスクリューポンプ306(例えば、
図21Aを参照のこと)を備えてもよく、それにより、スクリューポンプ306は、カートリッジ202内の1つ以上の貯蔵キャビティから、1つ以上の薬剤(例えば、ペレット形態である)を移動させて、カートリッジ202から定量供給するように構成されてもよい。
【0093】
カートリッジ202は、1つ以上の第1ガイドキャビティ242を備え、1つ以上の第1ガイドキャビティ242は、ハウジング240内に形成され、カバー204上の協働レール216(以下で説明する)を受け入れることで、カートリッジアセンブリ200を形成するようにカートリッジ202上にカバー204を案内するのを促進するように構成される。図示の実施形態では、3つの第1ガイドキャビティ244のセットが2セット設けられ、各セットは、(カバー204上のレール216と協働するように)カートリッジ200の両側部に位置する。しかしながら、種々の実施形態によれば、任意の好適な数量の第1ガイドキャビティ242及び協働レール216が設けられてもよい。
【0094】
図4Aは、制御ユニット100のインターフェース130から離れる方向(すなわち、係合解除方向)に移動されたカートリッジ202を示し、ハウジング240の外面に設けられた1つ以上の第2ガイドキャビティ244を示す。1つ以上の第2ガイドキャビティ244は、制御ユニット100上のレール116に沿ってまたがるように乗ることで、カートリッジ202(及びカートリッジアセンブリ200)を制御ユニット100上に案内するように構成される。図示の実施形態では、2つの同一の第2ガイドキャビティ244が、(制御ユニット100上の2つの同一のレール116と協働するように)カートリッジ200の両側部に設けられる。しかしながら、種々の実施形態によれば、任意の好適な数量の第2ガイドキャビティ244及び協働レール116が設けられてもよい。例えば、平面状の部分112に沿って係合方向に延びる単一のガイドレールが設けられてもよく、これにより、カートリッジの側部に位置するキャビティの必要性が回避される。本明細書に記載されるガイドレールは、制御ユニット100上へのカートリッジアセンブリ200の案内をアシストするために、ダブテールの側方断面を含んでもよい。
【0095】
ディスペンス機構300の出口端部302は、カートリッジ202の注出端部(第1端部)250に(又は当該端部250に隣り合って)配置される。カートリッジ202はさらに、その嵌め合い端部(第2端部)252に1つ以上の特徴部を含み(例えば、
図9A参照)、1つ以上の特徴部は、インターフェース130で制御ユニット100の特徴部と嵌り合い且つ協働するように構成される。以下において、この協働についてより詳細に説明する。
【0096】
図4Bは、カバー204を単独で示したものであるが、カバー204は、概してU字形状の断面を有していることが分かるが、それにより、カバー204が制御ユニット100と係合する場合に、カバー204は制御ユニット100の表面と同一面をなすように据わる。
【0097】
カバー204は、概して凹状の表面(内面)210と、概して凸状の表面(外面)214とを含み、外面214は、カバー204が組み付けられた状態で装置10の湾曲した下面14に対応してもよい。内面210は、複数の突起又はレール216を備え、複数の突起又はレール216は、カートリッジ202上へのカバー204の案内を補助するために、カートリッジ202上の1つ以上の第1ガイドキャビティ242(例えば、
図4参照)と協働する(例えば、第1ガイドキャビティ242内に嵌合する)ように構成される。レール216は、カートリッジ202の長手方向軸に対するカバー240のスライド移動を許容し、その一方で、カバー204及びカートリッジ202の他の移動又は脱係合(例えば、カートリッジ202の長手方向軸に対する側方向への移動及び脱係合)を防ぐように構成される。
【0098】
図4及び
図4Bの両方を参照すると、第1ガイドキャビティ242とカバー204上のレール216とは、制限された量でのカートリッジ202に対するカバー204のスライド移動を許容する。すなわち、1つ以上の壁部243が、ガイドキャビティ242同士の間に設けられ、ガイドキャビティ242の長手方向軸上に(例えば、当該長手方向軸と一致して)位置し、壁部243は、カバー204及びカートリッジ200の相対的なスライド移動の際、カバー204上のレール216のうちの対応する1つに対するストッパとして作用する。
【0099】
(カートリッジアセンブリ200を形成するために)カバー204をカートリッジ202上に嵌合させるためには、開始時点では、カバー204は変形を受ける必要があることになり、それにより、レール216が壁部243を越えて移動し、それぞれの対応するガイドキャビティ242内に入ることができる。一旦、レール216がそれぞれの対応するガイドキャビティ242内に配置されると、カバー204が再び塑性変形されない限り、レール216は外部に移動することができない。しかしながら、カバー204は、ガイドキャビティ242及びレール216の長さに応じた制限された量だけカートリッジ202に対してスライドすることができる。
【0100】
ここで
図4Bを参照すると、カバー204は、第1端部220から第2端部222まで延在し、第1端部220は、装置10の第1端部20と実質的に一致するように構成され、第2端部222は、装置10が(
図1に示されるように)組み立てられた状態にあるとき、制御ユニット100の外面14の一部とインターフェース130において接触するように構成される。
【0101】
カートリッジアセンブリ200は、カートリッジ202から定量供給されたペレットが、カバー204の第1端部220に隣り合って位置するカバー204の部分の内側に収集され、それにより、ペレットが失われず且つユーザによって容易にアクセスを受け得るように構成される。カバー204はプレート又はバッフル218を備え、プレート又はバッフル218は、第1端部220から距離X離れて位置し、(カバー204の長手方向軸に対して)側方向に延びる。距離Xは、約10mmと約20mmとの間であってもよく、例えば11mmと14mmとの間であってもよい。
【0102】
図示の実施形態では、カートリッジ202は、2つのディスペンス機構300を備え、ディスペンス機構300の各々は、ペレット形態の薬剤を定量供給するように別々に構成され、且つ、バッフル218の一部の上に載る出口端部302を備える。種々の態様によれば、装置10は、ディスペンス機構(複数可)300から定量供給される1つ以上の薬剤がカバー204の収集領域230内に落下するように構成される。このことは、例えば、ユーザが、1つ以上の薬剤の定量供給及びこれに続く取り扱いを、より極めて容易にコントロールすることができるということを意味する。種々の実施形態では、3つ以上のディスペンス機構300が設けられてもよく、又は単一のディスペンス機構300が設けられてもよい。
【0103】
カバー204のさらなる機能は、ペレットがカートリッジ202のディスペンス機構300から放出される際にペレットを収容することである。例えば、ディスペンス機構300を出る際、ペレットは、大きい量のエネルギーを有し得(例えば、定量供給の方法は、大きい量の運動エネルギーをペレットに入力し得る)、それ故、ペレットは、カバー204が存在しない場合、例えば、対向する面にあたって跳ね返りやすい可能性がある。
【0104】
カバー204の収集領域230は、装置10が組み立てられた状態(例えば、
図1に示されるような状態)にある場合、囲まれた空洞を形成する。このような場合、この状態にある収集領域230内に定量供給されるいかなる薬剤も、装置10によって保持され続け、周辺環境へ逸失できない。
【0105】
カートリッジ202内に含まれる1つ以上の薬剤にアクセスするために、ユーザは、カバー204を、
図1に示されるようなその第1位置から第2位置(
図3を参照のこと)に移動させてもよい。
図5に示されるように、カバー204が第2位置に移動されると、カバー204の第1端部220は、制御ユニット100の第1端部20から離れるように移動し、第1端部220は、カバー204の収集領域230を露出させ、収集領域230の中に収容される薬剤へのアクセスを可能にする。
【0106】
図4Bに戻って参照すると、カバー204は、収集領域230から好適なレセプタクル(例えば、グラス、カップ、又はスプーン)に1つ以上の薬剤を正確に注ぐための手段、特に1つ以上の薬剤がペレット形態である場合の当該手段を備える。この目的のために、カバー204、具体的にはその収集領域230は、1つ以上の注ぎ口リップ226を備え、当該注ぎ口リップ226は、ペレットタイプの薬剤を、例えばレセプタクル内に正確に注出するように構成される。図示の実施形態では、2つの注ぎ口リップ226が設けられており、これらの注ぎ口リップ226はカバー204の丸められたコーナー部によって形成され、カバー204の当該コーナー部はまた、
図1に示される組み立てられた状態の装置10のコーナー部を形成する。これは視覚的にアピールするものであり且つ便利でもある構成であると考えられるが、他のタイプの注ぎ口リップが設けられてもよい。例えば、単一の注ぎ口リップが設けられてもよい。
【0107】
図5Aは、カバー204がいかにして、装置10及び制御ユニット100の上面12の下部から外に移動して、カバー204の収集領域230とカバー204の両側部に位置する注ぎ口リップ226とを露出させるかを示す。
【0108】
(例えば、
図1に示されるような)装置10が組み立てられた状態であり且つカバー204がその第1の位置にあるとき、薬剤が装置10から定量供給され得ないように、収集領域230は、囲まれた空洞である。
図3、
図5及び
図5Aに示されるように、カバー204がその第2位置に移動されると、収集領域230は露出され、それにより、収集領域230の中に保持される1つ以上の薬剤が、アクセス可能になる、及び/又は、装置10から定量供給可能になる。種々の実施形態において、装置10(例えば、その制御ユニット100)は、カバー204がその第1位置及び/又は第2位置にあるかどうかを検出するように構成されるセンサを備えてもよい。
【0109】
図6は、別の実施形態を示し、当該実施形態では、カバー204はプレート212を備え、プレート212は、カバー204がその第2位置に移動されたときに収集領域230を部分的に囲む。プレート212は開口部227を備え、開口部227は、収集領域230内に収容された1つ以上の薬剤が開口部227を通過し且つ例えば好適なレセプタクル内に定量供給されることを可能にするように構成される。開口部227は、ペレット形態の1つの薬剤又は複数の薬剤に適したサイズとされてもよい。例えば、開口部227は、約20mm未満の最大幅(例えば、開口部227の任意の寸法についての最大幅である)、例えば15mmの最大幅を有してもよい。さらに、上記最大幅に追加して又は上記最大幅の代わりに、開口部227は、カートリッジ200内に収容されるペレットの幅(例えば、平均幅)の少なくとも約2倍の最大幅(例えば、開口部227の任意の寸法についての最大幅である)、例えば約300μmと約3mmとの間の最大幅を有してもよい。
【0110】
図示の実施形態では、開口部227は、涙滴形状であり、収集領域230からペレットを容易に導く。しかしながら、他の形状が可能であり、例えば円形、正方形等が可能である。この実施形態は、ユーザが収集トレイ230にアクセスすること、特にカートリッジシリンダの出口端部にアクセスすることを制限するため、不正改変の防止能力の向上を可能にし得る。
【0111】
それ故、上述したように、カバー204を含む装置10の種々の実施形態が説明され、当該カバー204は、投薬動作の間、ペレットを収集し注出するように構成される。一旦、投薬動作が完了すると(例えば、カートリッジ202が1つ以上の薬剤による1回分又は複数回分の用量の定量供給をすると)、ユーザは、収集領域230を露出させるためにカバー204を外方へスライドさせることができる。このことは、1つ以上の薬剤、特にペレット形態の薬剤が、制御されたかたちで、装置10から、例えば、好適なレセプタクル又は適合食品の上に注がれることを可能にする。
【0112】
カバー204が(
図1に示されるように)その第1位置(閉鎖位置又は係合位置)にあるとき、収集領域230へのアクセスが妨げられ、このことは、カートリッジ202の出口端部に対する向上したシールドも提供し、それにより、湿気のアクセス等の望ましくない周辺環境の影響からカートリッジ202を防護する助けにもなる。カバー204は、ユーザによって片手又は両手のいずれかを使用して第2位置(定量供給位置)(例えば、
図5及び5Aを参照)にスライドされて開かれ得る。そして、種々の実施形態では、触覚のフィードバックが、例えば、カバー204と制御ユニット100又はカートリッジ202との上の突起及びキャビティの形態のデテントによってもたらされてもよい。
【0113】
1つ以上の薬剤は、ユーザによる制御ユニット100の操作により、定量供給されてもよく、それにより、ペレット形態の薬剤は、カートリッジ202から収集領域230に定量供給されてもよい。そのとき、ペレットは、この収集領域内で保持され、バッフル218によって少なくとも部分的に逸脱することが防がれる。当該バッフル218は、カートリッジハウジング240及び/又はディスペンス機構300の輪郭に倣うように構成され、カバー204がその第1位置にあるときに収集領域230における囲まれた空洞をもたらすのをアシストするように構成される。
【0114】
上述のように、一実施形態(例えば、
図6を参照)では、カバー204を第2位置(定量供給位置)に移動させると装置10自体と同じ幅の開口が形成されるように、カバー204は設けられる。このことは、カバー204の2つの反対側のコーナー部が注ぎ口リップ226を形成し得る単純な機構をもたらす。なお、注ぎ口リップ226からは、ユーザが例えば左手又は右手のいずれかでペレットを注ぐことができる。
【0115】
別の実施形態では、
図6を参照して上述したように、カバー204は、カバー204の幅にわたって延在する平坦なプレートによって形成されるプレート212を含み、プレート212には、1つ以上の薬剤を単一の集中ポイントから注ぐことができるように、開口部227が設けられる。この実施形態では、収集領域230内に保持される薬剤(例えば、ペレット)を開口部227内に指向するために、1つ以上の内部リブ229が設けられてもよく、それにより、収集領域230内に収容される薬剤の全てが装置10から注がれることを確実にするのを補助することができる。加えて、そして、上述したように、小さな開口部227は、収集領域230へのアクセスを制限することによって、不正改変の防止能力の向上を可能にする。開口部227の寸法は、薬剤(単数又は複数)のサイズ、例えば、カートリッジアセンブリ200内に含まれるペレットのサイズと共に変わってもよい。薬剤(例えば、ペレット)の幅(例えば、平均幅)又は直径と開口部の幅との間の関係は、少なくとも1:1であってもよく、種々の実施形態では、開口部227の幅は、ペレットの幅(例えば、平均幅又は直径)の1倍と1.5倍との間であってもよい。薬剤の方向付けをアシストする内部リブ(複数)229はまた、ペレットの安息角よりも大きくもなければならない。
【0116】
種々の実施形態では、カバー204は、同様の機能を達成する他の特徴によって置き換えられてもよい。
【0117】
例えば、
図12A~
図12Dに示すような種々の実施形態では、カバー204は、回動するバレル404を備えるハウジング400と置き換えることができる。ハウジング400は、カートリッジ202の出口端部から1つ以上の薬剤を受け取るように当該出口端部被さって配置されるように構成された入口端部405を備えてもよい。ペレットは、カバー204の収集領域230に関して上述したのと同様のかたちで、カートリッジ202からハウジング400の収集領域430内に定量供給されることになる。ハウジング400の収集領域430は、ハウジング400、回動バレル404及びカートリッジ202によって境界が定められた、囲まれた空洞を形成し、収集領域430は、装置10の外側から封止されてもよい。バレル404は、薬剤の必要な1回分の用量に対応する容積を有する周面切り込みノッチ部407を備える。ユーザが、周面切り込みノッチ部407内に収容される1つ以上の薬剤による1回分の用量を注出する準備ができたとき、ユーザは、バレル404を回動させることができる。次いで、周面切り込みノッチ部407は、バレル404の回動軸を中心に移動し、ハウジング400の出口端部406内にペレットを傾動によりあける。なお、出口端部406は、収集領域430と反対側のハウジング400の側部に位置する。次いで、ペレットは、ハウジング400から外に、例えば、好適なレセプタクル上に落下する。
【0118】
図12A~
図12Dには現状では示されていないが、当業者であれば、回動バレル404及びそのハウジング400が、上記及び本明細書に記載されるような装置10にどのように組み込まれ得るかを理解できると考えられる。例えば、ハウジング400(
図12A~
図12Dにおいて概略的に示されているに過ぎない)が、任意の好適な手段によってカバー204の代わりにカートリッジ202に取り付けられ得るように、装置10に変更を加えてもよい。種々の実施形態において、ハウジング400及び回動バレル404は、カバー204と組み合わせることができることが想定され、例えば、ユーザがバレル404を回動させ且つペレットをカバー204の収集領域(例えば、収集領域230と同様である)に傾動によりあけることができるように、回動バレル404は、カートリッジ202のディスペンス機構300同士の間に配置することができる。理解されるように、このような実施形態では、装置10(及びカバーの収集領域)の長さは、回動バレル404及びハウジング400を収容するために増加されなければならないことになる。
【0119】
図13A~
図13Cに示すような種々の実施形態では、カバー204はファネル体500で置き換えることができる。ファネル体500は入口端部505を備え、入口端部505は、カートリッジ202の出口端部に被さって配置され、それにより、当該出口端部から1つ以上の薬剤を受け入れるように構成される。それ故、ファネル体500は、カバー204の収集領域230に関して上述したのと同じかたちで、ファネル体500の収集領域530内で1つ以上の薬剤を受け入れるように構成されてもよい。しかしながら、ファネル体500の収集領域530は、囲まれた空洞を形成しなくてもよく、代わりに、ユーザに、ペレット形態の薬剤を、例えば好適なレセプタクル又は食品上等に直接的に定量供給できるようにすることになる。ファネル体500は、カートリッジ202の出口端部に対してはっきり見通せることを防ぐための特徴部(例えば、収集領域530内に位置する1つ以上のバッフル又はプレート507)を含んでもよく、このことは、ファネル体500を含む装置10の不正改変の防止能力を増加させ得る。ファネル体500は、追加で又は代わりに、ファネル体500の出口502に配置される開口を含む可撓性のプレート(図示せず)を備えてもよい。
【0120】
図12A~
図12Dの回動バレル404の実施形態と同様に、
図13A~
図13C中のファネル体500の描写が概略的であることは理解されるであろうし、当業者であれば、ファネル体500が、上記及び本明細書に記載されるような装置10にどのように組み込まれ得るかを理解できるであろう。
【0121】
次に、
図7及び
図7Aを参照すると、カートリッジ202及びカバー204を備えるカートリッジアセンブリ200が、制御ユニット100と共に示される。
【0122】
図7は、カートリッジ202が制御ユニット100に接続されており且つ制御ユニット100に対して所定位置で固定及び/又は係止されているポジションにあるカートリッジアセンブリ200を示す。すなわち、ユーザの入力が、カートリッジ202及びカートリッジアセンブリ200を制御ユニット100から係止解除するために必要とされる。さらに、カートリッジ202が制御ユニット100に対して所定位置に係止されているときにカートリッジアセンブリ200に対してスライド可能であるようにカートリッジアセンブリ200のカバー204を図示するために、カバー204は第2位置(定量供給位置)にある。
【0123】
カートリッジ202を制御ユニット100と共に所定位置に係止するために、制御ユニット100の特徴部と係合(及び係合解除)するように構成される係止タブ260が、カートリッジに設けられている。係止タブ260は、カートリッジハウジング240の外面270上に設けられ、外面270はカバー204の内面110に対向する。
図7Aに示すように、係止タブ260は、カートリッジ202の本体と共に移動可能であり、所定位置でカートリッジ202を係止するために制御ユニット100の下面14の下でスライドするように構成される。
【0124】
カバー204の後部には、1つ以上の触知特徴部(
図7Aにおいて、触知特徴部は平行であり且つ落ち込んだ3つのライン228として示される)が設けられてもよい。なお、当該触知特徴部は、ユーザがカバーをその第1位置と第2位置との間でスライドさせるのをアシストするように構成される。追加で又は代わりに、カバー204は、グリップを増大させるために、カバー204の外面214に付加される又は外面214上にある粗いテクスチャ、摩擦のあるコーティング等を含んでもよい。
【0125】
種々の実施形態では、カバー204は、カートリッジ202を物理的損傷から防護し且つ不正改変の防止能力を増大させるのをアシストもするために、実質的に剛性があり且つ耐久性のある材料から作製されてもよい。追加で又は代わりに、(そして、及び以下で説明されるように)、ユーザがカバー204をその第2位置(定量供給位置)に移動させる前に、収集領域230に溜められた1つ以上の薬剤(例えば、ペレット)をユーザが見ることを可能にするために、カバー204は、半透明及び/又は透明な材料から作製されてもよい。
【0126】
図8は、組み立てられた状態のアセンブリ10の断面図を示し、
図8ではカバー204はその第1位置にある。
図8Aは、係止タブ260が制御ユニット100と係合及び係合解除する仕組みを示すように、
図8の拡大図を示す。
【0127】
制御ユニット100は、外側壁部140を備え、外側壁部140の外面は制御ユニット100の下面14を形成する。インターフェース130の領域において、外側壁部140は、係止タブ260のフランジ部又はリップ部262と嵌り合うように構成されるリセス又はキャビティ142を備える。フランジ部又はリップ部262は、三角形形状を備えてもよい。その結果、カートリッジ202が制御ユニット100と係合するように移動されるとき、フランジ部又はリップ部262は、外側壁部140の端面144と接触するスロープ状の傾斜面265を備え、それにより、傾斜面265は、端面144に沿って乗り上げ、係止タブ260が外側壁部140の端面144を通過するように係止タブ260を強制的に下方へ押し下げてもよい。係止タブ260は弾性を有し、それにより、フランジ部又はリップ部262は、リセス又はキャビティ142に到達すると、リセス又はキャビティ142内に跳ね返って戻ることになる。(
図8Aに示すような)このポジションでは、フランジ部又はリップ部262は係合解除方向に移動できないため、ユーザは、係止タブ260を押すことなくカートリッジ202を制御ユニット100から離すように移動させることができない。
【0128】
係止タブ260は、触知特徴部264(図示される実施形態では、イジェクト記号)を備えてもよく、触知特徴部264は、カートリッジ202及びカートリッジアセンブリ200を制御ユニット100から係合解除することが要求される場合に、係止タブ260を押し下げることをユーザに促すように構成される。押し下げることにより、フランジ部又はリップ部262は、下方へ且つリセス又はキャビティ142から外に移動し、それにより、カートリッジ202及びカートリッジアセンブリ200が、制御ユニット100から離れるようにスライドできる。
【0129】
カバー204はまた、カバー204の外面214上に触知特徴部228(図示される実施形態では、3つの平行なライン又は窪み)も備え、触知特徴部228は、カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100と係合しているとき、係止タブ260に隣り合う。カバー204の外面214上の触知特徴部228は、カバー204の触知特徴部228の部分を使用してカバー204をその第2位置(定量供給位置)にスライドさせることをユーザに促すように構成され、それにより、ユーザは、カバー204の収集領域230内に収容される1つ以上の薬剤にアクセスすることができる。このようにしてカバー204をその第2位置にスライドさせることによって、カートリッジ202の係止タブ260上に位置する触知特徴部264が現れもする。言い換えれば、カートリッジ202を係合解除するために係止タブ260を押し下げることをユーザに促す触知特徴部264は、カバー204からいかなる薬剤も定量供給する前では、カバー204の背後に隠される。このことは、定量供給中にカートリッジ202が偶発的に取り出される機会を減少させる。
【0130】
種々の実施形態では、カバー204がその第1位置にあるとき、すなわち第2位置(定量供給位置)へのカバー204の移動前において、ユーザが収集領域230内に溜められた薬剤(例えば、ペレット)を見ることができるように、カバー204は透明又は半透明の材料で作製されてもよい。これにより、ユーザが意図せずにカバー204を開け、例えば、1回分の用量の一部又は全部を偶発的にこぼしてしまう機会を減少することができる。追加で又は代わりに、カバー204は、装置10の他の部分、例えば、カートリッジ202及び/又は制御ユニット100とは異なるように着色又はマーキングされてもよく、それにより、ユーザは、装置10の他の部分からカバー204の機能を容易に区別及び/又は判別することができる。
【0131】
通常、上述したように、カートリッジアセンブリ200及び制御ユニット100は、制御ユニット100がカートリッジの機構を動作させてカートリッジ202内に収容される薬剤を定量供給することを可能にするように、互いに係合するように構成される。この係合は、カートリッジアセンブリ200を制御ユニット100の第1部分110(
図2参照)内に挿入することによって開始され、それにより、カートリッジ202上のガイドキャビティ244は、制御ユニット100上の協働レール116と係合して、カートリッジアセンブリ200に、制御ユニット100の平面状の部分112に沿い且つインターフェース130に向かってスライドできるようにする。
【0132】
図9は、部分的に分解された状態のアセンブリ10の斜視図を示し、この図では、カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100に近づくが係合していないように示されている。さらに、カバー204はまた、係止タブ260を露出させるために、制御ユニット100から離れる方向に後退するようにスライドされてもいる。
【0133】
図9Aは、制御ユニット100とのドッキング前における制御ユニット100とのスライド係合状態のカートリッジ202の拡大図を示し、且つカートリッジ202の第2端部(嵌め合い端部)250に配置される種々の特徴部を示し、当該特徴部は、制御ユニット100のインターフェース130における協働する特徴部と嵌まり合うように構成される。
【0134】
カートリッジ202は1つ以上の雄型接続要素280を備え、当該雄型接続要素280はそれぞれ、上述のようにカートリッジ202内に配置される対応するディスペンス機構300の一部を形成する。雄型接続要素280は、カートリッジ202の嵌め合い端部250に配置され、嵌め合い端部250の外面に形成される円形状のキャビティ282内に保持される(しかしながら、キャビティ282は円形状である必要はない)。雄型接続要素280が回動されることによって、対応するディスペンス機構300が作動させられてもよく、それにより、雄型接続要素280の回動時に、例えばペレット形態の1つ以上の薬剤がカートリッジ202から定量供給されてもよい。図示の実施形態では、雄型接続要素280は星形の要素として表されているが、任意の好適な回動可能な接続要素が使用されてもよい。
【0135】
カートリッジ202は、1つ以上の可動なピン284をさらに備え、当該ピン284は、対応する係止部材又はプレート290の一部を形成する(
図11及び11A参照)。1つ以上の可動なピン284は、カートリッジ202の嵌め合い端部250に配置され、嵌め合い端部250の外面に形成されるキャビティ286内に保持される。ピン284は、当該ピン284が保持されるキャビティ286内に移動可能であり、その理由は、以下の説明に基づいて明らかになるであろう。図示の実施形態では、合計で4つのピンが設けられているが、本明細書で説明する機能を依然として提供する限り、任意の好適な数量のピンが使用されてもよい。ピン284は、中実の円形状断面を有するように示されているが、ピン284は、カートリッジアセンブリ200の不正改変防止の特性を補助するために、他の断面、例えば、中空円筒形状の断面又は十字形状の断面等を有してもよい。ピンがそのような断面、又は、カートリッジの不正改変防止の特性を補助できる他の不規則な断面を有する場合、ピンを押し下げることがより困難になり得る。
【0136】
図10及び
図10Aは、
図9及び
図9Aと同様であるが、制御ユニット100のインターフェース130の特徴部をより詳細に見ることができるように回動して見た状態のアセンブリ10の図を示し、これらの特徴部は、
図9及び
図9Aに示されるカートリッジ202の嵌め合い端部250上の特徴部と協働するように構成される。
【0137】
図10Aに見られるように、インターフェース130は1つ以上の雌型接続要素180を備え、1つ以上の雌型接続要素180はそれぞれ、カートリッジ202上に位置する対応する雄型接続要素280と嵌まり合うように構成される。雌型接続要素180は、雄型接続要素280を駆動(例えば、回動)するように構成され、それにより、前述したように、それぞれのディスペンス機構300の作動を引き起こすようにする。雌型接続要素180は、制御ユニット100内に配置される1つ以上の作動機構(例えば、1つ以上の電気モータ)によって駆動されてもよい。雌型接続要素180は、カートリッジ202の円形状のキャビティ282内に嵌まり且つ係合する円筒状のカバー182によってそれぞれ囲まれてもよい。円筒状のカバー182と円形状のキャビティ282との間の嵌合は、止り嵌めであってもよく、しかしながら、接続要素180及び280の間の干渉を避けるように、摩擦嵌め及び締まり嵌めでなくてもよい。
【0138】
インターフェース130が雌型接続要素を備えるものとして説明され、且つカートリッジ202が雄型接続要素を備えるものとして説明されるが、種々の実施形態では、インターフェース130が雄型接続要素を備え且つカートリッジ202が雌型接続要素を備えるように交代されてもよい。インターフェース130上の接続要素の機能は、同じのままであってもよいこと、すなわち、カートリッジ上の接続要素を駆動し、次いでカートリッジ202内のディスペンス機構300を駆動するように維持してもよいことが理解されるであろう。対応する雌型接続要素がない状態で雄型接続要素を作動させることが、この逆の場合である、対応する雄型接続要素がない状態で雌型接続要素を作動させることよりも通常困難であるため、図示のようなカートリッジ上での雄型接続要素の使用は、向上した不正改変の防止能力をもたらすことができる。
【0139】
インターフェース130は、1つ以上の不動ピン184をさらに備え、1つ以上の不動ピン184は、カートリッジ202を制御ユニット100と係合させる際にカートリッジ202の可動ピン284に当接するように構成される。1つ以上の不動ピン184は、カートリッジ202が移動されて制御ユニット100と係合するとき、可動ピン284をインターフェース130から離れる方向に押すように構成される。
【0140】
種々の態様によれば、カートリッジ202内のディスペンス機構(複数可)300は、カートリッジ202を制御ユニット100と係合させている時にのみ作動されてもよい。このことを達成するために、可動ピン284は、(上述のような)それぞれの係止プレート290の一部を形成し、係止プレート290は、第1位置(係止位置)でディスペンス機構(複数可)300の作動を防止し、第2位置(係止解除位置)でディスペンス機構300の作動を可能にするように構成される。
【0141】
図11は、装置10を通る断面を示し、
図11Aは、係止プレート290がより詳細に見える拡大図を示す。
【0142】
図11Aを参照すると、カートリッジ202の1つ以上の雄型接続要素280はそれぞれ、それぞれのディスペンス機構300の1つ以上の構成要素(例えば、
図11Aに示されるシャフト304)に接続され、それにより、雄型接続要素280の回動は、薬剤の1回分の用量が装置10から定量供給され得るように、それぞれのディスペンス機構300の作動を引き起こす。
【0143】
係止要素290は、雄型接続要素280の周囲に凡そ同心円状に配置される。係止要素290は、カートリッジ202が制御ユニット100との係合位置に近づいているときに、制御ユニット100のインターフェース130に向かう方向に弾性部材294(例えば、スプリング)によって付勢される。係止プレート290は、接続要素280(及び、任意選択でシャフト304)の長手方向軸Yに沿う方向に移動可能であり、この場合、接続要素280は、前述のように、ディスペンス機構300を作動させるために、長手方向軸Yを中心に回動するように構成される。
【0144】
図11Bは、2つの雄型接続要素280A、280Bと、それぞれの係止プレート290A、290Bとを示し、係止プレート290A、290Bはそれぞれのディスペンス機構のシャフト304A、304Bと絶縁されており、この図では、例示の目的のために、第1係止プレート290Aは、係止解除位置に移動されているように示され、第2係止プレート290Bは、その第1位置(係止位置)に示される。係止プレート290A、290Bが示されている位置以外では、第1係止プレート290Aは、第2係止プレート290Bと同一であり、係止プレート290A、290Bの両方とも、上述の係止プレート290と同じ構造を有する。
【0145】
係止解除位置では、第1係止プレート290Aは、雄型接続要素280Aの1つ以上の半径方向にある延出部286を露出させ、これらの延出部286は、延出部286同士の間に周方向のキャビティ287を画成する。半径方向放射状の延出部286は、それぞれのシャフト304の回転軸に対して半径方向放射状に且つ軸方向に延びる表面を備えてもよい。係止プレート290A、290Bは1つ以上の歯部292を備え、1つ以上の歯部292は、係止位置でキャビティ287の1つにそれぞれ入り、係止解除位置で対応するキャビティ287から外へ出るように構成される。歯部292は、それぞれのシャフト304の回転軸に対して周方向に延在してもよい。
【0146】
係止プレート290A、290Bは両方とも、回動移動に対して制限を受けており、このことは、係止位置において(第2係止プレート290Bによって示されるように)、雄型接続要素280Bは、雄型接続要素280Bの対応するキャビティ287の中で歯部292が係合することによって回動できないことを意味する。対照的に、係止解除位置において(第1係止プレート290Aによって示されるように)、雄型接続要素280Aは、雄型接続要素280Aの対応するキャビティ287から周方向の歯部292が係合解除することによって自由に回動できる。すなわち、係止位置において、係止プレート290の歯部292は、対応するシャフト304の回転軸に関して、放射状の延出部286と同じ周方向平面を占め、対応するシャフト304の回転を防止してもよく、その後、係止プレート290が係止解除位置に移動すると、歯部292が同じ周方向平面から外に移動して、対応するシャフト304の回転を可能にしてもよい。
【0147】
アセンブリ10を動作させるために、ユーザは、カートリッジアセンブリ200のインターフェースが制御ユニット100の協働するインターフェースに接触するまで、カートリッジアセンブリ200を制御ユニット100内にスライドさせてもよく、このスライド中、ユーザは最小限の抵抗を受けることになる。接触の時点で、カートリッジアセンブリ200上のピン284は、制御ユニット100上の協働するピン184に接触し、このことは、係止プレート290を、それらの第1位置(係止位置)からそれらの第2位置(係止解除位置)へ移動させ始める。上述のように、カートリッジアセンブリ200のインターフェースと制御ユニット100とのインターフェースとの間のいかなる相互作用も生じる前では、係止プレート290は、シャフト304の回転とディスペンス機構300の作動とを防止する。一旦、カートリッジアセンブリ200のインターフェースと制御ユニット100とのインターフェースとが接続され、且つカートリッジアセンブリ200が、制御ユニット100と完全にドッキングされると、係止プレート290は、シャフト304の回転及びディスペンス機構300の作動を許容する、それらの第2位置(係止解除位置)に移動する。
【0148】
装置10は、1つ以上の特徴部を備えてもよく、当該1つ以上の特徴部は、カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100と完全にドッキングされたときにカートリッジアセンブリ200を制御ユニット100にラッチ係合し、且つカートリッジアセンブリ200と制御ユニット100との間の相対的な移動を防止するように構成されてもよい。例えば、係止タブ260(
図8A)がカートリッジアセンブリ200上に設けられてもよく、係止タブ260は、制御ユニット100の内側の協働するリセス又はキャビティ142をしっかりとつかむものであってもよい。弾性部材294の力は、カートリッジアセンブリ200を制御ユニット100のインターフェース130から離れる方向に付勢してもよく、それにより、カートリッジアセンブリ200と制御ユニット100との間の相対的移動を最小限に抑えてもよい。これらの特徴部はまた、カートリッジアセンブリ200を所定の位置に確実に保持するのをアシストすることができる。
【0149】
ユーザは、カバー204を引き戻して係止タブ260を露出させる、例えば係止タブ260の上のイジェクトボタンを露出させることによって、カートリッジアセンブリ200を取り出してもよい。そのとき、ユーザは、係止タブ260を押し下げ、係止タブ260を下方に撓ませ、カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100に対してスライドできるようにしてもよい。弾性部材294の使用を伴う実施形態では、弾性部材294は、制御ユニット100に対して押し返し、カートリッジアセンブリ200を制御ユニット100から離れるようにスライドさせるのをアシストしてもよい。
【0150】
制御ユニット100は、例えばプロセッサ及びメモリを含むコンピュータデバイスを備えてもよく、この場合、コンピュータデバイスは、ユーザインターフェース102から命令又は信号を受け取り、命令又は信号を処理して1つ以上のコマンド又は制御信号を出力するように構成されてもよい。例えば、制御信号が、コンピュータデバイスから、制御ユニット100内に収容される1つ以上のモータに送られてもよく、1つ以上のモータは、上述のように、カートリッジアセンブリ200内の1つ以上のディスペンス機構300を作動させるように構成されてもよい。
【0151】
種々の実施形態では、制御ユニット100(例えば、そのコンピュータデバイス)は、カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100に完全にドッキングされていることを検出するように構成されてもよい。制御ユニット100は、カートリッジアセンブリ200が制御ユニット100と完全にドッキングされている場合にのみ、カートリッジアセンブリ200内の1つ以上のディスペンス機構300を作動させるように構成されてもよい。例えば、コンピュータデバイスは、一旦カートリッジアセンブリ200が完全にドッキングされると、制御ユニット100内に収容される1つ以上のモータを動作させるための制御信号を送るだけでもよい。
【0152】
種々の実施形態では、カートリッジアセンブリ200はメモリチップを含んでもよく、当該メモリチップは、ドッキングされたときに、制御ユニット100(例えば、そのコンピュータデバイス)が検出し且つ読み込むことができるメモリチップであってもよい。カートリッジアセンブリ200上のメモリチップは、カートリッジアセンブリ200内に含まれる薬剤の種類及び量等の、カートリッジアセンブリ200に関する情報を含んでもよい。追加で又は代わりに、メモリチップは、その特定のカートリッジアセンブリ200のための固有の識別子を含んでもよい。制御ユニット100は、特定のカートリッジアセンブリ200が制御ユニット100とドッキングされたことを検出してもよく、その時点以降、制御ユニット100が他のカートリッジアセンブリと共に動作しないように、当該特定のカートリッジアセンブリ200とのペアを形成してもよい。このことは、カートリッジアセンブリが制御ユニット同士の間で取り替えられることを防止し、デジタルセキュリティの漏洩防止を効果的に形成することができる。
【0153】
図14は、
図1に示され且つ上述したものと同様の装置10を示し、この図では、同様の要素は同様の参照符号で示されているが、当該実施形態のスライドするカバー200は、装置10の残りの部分から切り離し可能(例えば、完全に)であるカバー又はキャップ600で置き換えられている。
【0154】
装置10は、制御ユニット100を備え、制御ユニット100は、前述の実施形態に関して上述した特徴部のいずれも含んでもよく、例えば、ディスプレイ104と入力デバイス又はユーザインターフェース102とを含んでもよい。装置10は、前述の実施形態と同じかたちで制御ユニット100と嵌まり合うように構成されるカートリッジアセンブリ200をさらに備え、カートリッジアセンブリ200は、上述の様々な作動部及びディスペンス機構300を備える。装置10の外面を形成するスライドするカバー204を有する代わりに、この実施形態では、カートリッジ202自体が制御ユニット100と嵌まり合うように構成され、それにより、
図14に示すように、カートリッジの外面が制御ユニット100の外面と同一面をなすように据わる。
【0155】
図15は、カートリッジ202及びキャップ600が制御ユニット100から分離された装置10の分解図を示す。カートリッジ202を制御ユニット100に接続するために、カートリッジ202は、前述の実施形態に関して上述したのと同様のかたちで、制御ユニット100内にスライドされてもよい。制御ユニット100は、前の実施形態でのようなレール116を備え、カートリッジ202は、レール116上へスライドするレール245を(例えば、ガイドキャビティ244の代わりに)備え、この場合、カートリッジ202は、協働するレール116、245によって所定の位置に保持される。1つ以上のラッチ部246が、カートリッジ上に設けられてもよく、1つ以上のラッチ部246は、一旦カートリッジ202が制御ユニット100と完全に嵌まり合うと、カートリッジ202を所定の位置に保持するように、制御ユニット100上の協働する特徴部(図示せず)上にラッチ係合するように構成されてもよい。
【0156】
キャップ600は、装置10の残り部分、例えば、カートリッジ202及び/又は制御ユニット100から取り外し可能及び/又は切り離し可能である(例えば、
図15に示すように、完全に)。これにより、汎用性を増大させることができ、例えば、ユーザは、1回分の用量をこぼす機会を減少させながら、1回分の用量を自身の口内に直接的に摂取することができる。小さな軽量の(切り離し可能な)キャップは、典型的には、特にペレットをキャップから口内又は食品内に注ぐ場合に、より大きな又はより重いデバイスよりも取り扱いが容易であることが理解されるであろう。
【0157】
キャップ600は、任意の好適なかたち、例えば、締まり嵌め、磁気ラッチ係合、クリップ留め具、又はねじ接続によって、装置10の残りの部分(例えば、カートリッジ202及び/又は制御ユニット100)に接続されるように構成されてもよい。キャップ600は、装置10の残りの部分、例えば、カートリッジ202及び/又は制御ユニット100にスナップ嵌めによって接続されてもよく、スナップ嵌めは、キャップ又はカバーの切り離し及び再取り付けの簡便な方法をもたらす。
【0158】
キャップ600は、ベース部602と、ベース部602から延在する1つ以上の側部604とを備えてもよい。1つ以上の側部604は、カートリッジ202及び/又は制御ユニット100に接続するように構成されてもよく、それにより、キャップ600と装置10の残りの部分(例えば、カートリッジ202及び/又は制御ユニット100)との間に封止(例えば、気密封止)をもたらすようにされてもよい。このようにして、キャップ600は、カートリッジ202(例えば、そのディスペンス機構300)から定量供給されるペレットを保持するように構成されるカップを形成してもよい。
【0159】
装置10は、ファネル体550を備えてもよく、当該ファネル体550は、
図13A~
図13Cに関して上述したファネル体500と類似してもよい。
【0160】
図16は、キャップ600が部分的に切り取られている装置10を示し、且つキャップを取り外す1つの非限定的な方法もまた示すが、この方法は、以下で詳細に説明される。
【0161】
キャップ600は、カートリッジ202にその注出端部250で接続されるように構成され、それにより、注出端部250に覆いをかけ、カートリッジ202の1つ以上のディスペンス機構300から定量供給される薬剤を受け入れ且つ貯留するように構成される収集領域630を生成してもよい。キャップ600は、収集領域630が囲まれた空洞を形成する第1位置と、収集領域630が露出されて、ユーザが収集領域630の中に収容される薬剤にアクセスできるようにする第2位置(すなわち、切り離された位置)との間で移動可能である。
【0162】
種々の実施形態において、そしてカバー200と同様に、種々の実施形態におけるカバー又はキャップ600の少なくとも一部は、透明又は半透明の材料で作製されてもよく、それにより、ユーザは、カバー又はキャップ600の収集領域630に溜められた薬剤(例えば、ペレット)を見るようにしてもよい。例えば、装置10の上面及び/又は下面に対応するキャップ600の少なくとも一部は、透明又は半透明であってもよい。
【0163】
ファネル体550は、カートリッジ202における出口端部及び/又はディスペンス機構(複数可)300に被さって配置されるように構成される入口端部552を備え、それにより、出口端部及び/又はディスペンス機構(複数可)300から定量供給されるペレットを受け入れてもよい。ファネル体550は、収集領域630内で少なくとも部分的に配置される出口端部554をさらに備えてもよい。このようにして、ファネル体550は、ペレットを、カートリッジ202からと収集領域630内へとに指向するように構成されてもよい。
【0164】
ファネル体550は、入口端部552から出口端部554まで先細りのテーパ状になっており、この場合、出口端部554は、ペレットが収集領域630の特定部分に指向されるように、オフセットされるか、又は他の方法で配置されてもよい。例えば、ファネル体550の出口端部554は、収集領域630の特定部分に隣り合って及び/又は特定部分の上を覆うように配置されてもよい。
【0165】
ファネル体550の出口端部554は、収集領域630の表面632に向かうように偏りを与えられてもよく、この表面632は、装置10の下面14に対応するキャップ600の側部に配置されてもよく、及び/又は、装置10の下面14の一部をそれ自体が形成するキャップ600の側部604に対応してもよい。特定部分は、キャップ600のコーナー部、キャップ600の中央領域、又は以下でより詳細に記載されるような任意の他の好適な部分であってもよい。
【0166】
ファネル体550は、ペレットがキャップ600の底部コーナー部(ここで、底面コーナー部は、上述の表面632を備える)に指向されるように構成されてもよく、当該コーナー部は、装置10の下面14と同じ側に配置される。すなわち、ファネル体550の出口端部554は、キャップ600のこのコーナー部又は表面632に隣り合って及び/又はその上を覆うように配置されてもよい。
【0167】
ファネル体550は、キャップ600の方向性のある取り外しを可能にするように構成されてもよく、それにより、ユーザが特定の方向にキャップ600を取り外すように指向されてもよい。例えば、
図16に示すように、ファネル体550は下面556を含んでもよく、下面556は、キャップ600の隣り合う側部604と実質的に平行であり、当該側部604に近接して位置してもよい。ファネル体550は、下面556の反対側にある上面558をさらに含んでもよく、この場合、当該上面558は、キャップ600の隣り合う側部604から離れるように先細りのテーパ状になっている。
【0168】
よって、一方の側部(この場合、装置10の下面14)において、ファネル体550の出口端部554とキャップ600の対応する側部604との間には、比較的小さい間隙G1が存在することになり、他方の反対の側部(この場合、装置10の上面12)において、ファネル体550の出口端部554とキャップ600の対応する側部604との間には、比較的大きい間隙G2が存在することになる。
【0169】
この結果、ユーザは、破線を用いて
図14で示されるような方向にキャップ600を取り外すように指向されることになる。なぜならば、間隙G2が大きいことは、キャップ600をこの方向に回動させることがより容易であることを意味するからである。例えば、ユーザがキャップ600を反対方向に回動させようとすると、キャップ600の側部604は、ファネル体550の下面556と非常に迅速に接触して支障があることを表し、回動をより困難にすることになる。
【0170】
上記の特徴部(複数)は、キャップ600が取り外される際に収集領域630内に定量供給されているペレットが失われる(例えば、こぼれる)機会を低減するために、組み合わせることができる。
図14~
図16の実施形態では、例えば、ファネル体550は、ペレットをキャップ600のコーナー部に指向するように構成され、その一方で、さらに、ユーザが、下方への動きを伴ってキャップ600を取り外すように指向され、当該下方への動きは、キャップ600の上記コーナー部が、プロセス中にペレットの損失を引き起こす可能性がある反転も上方への移動もなされないことを意味する。
【0171】
キャップ600は、キャップ600からのペレットの注ぎ込みを容易にするようにさらに最適化されてもよく、種々の実施形態では、以下で記載されるように、注ぎ込み動作をアシストする特定の特徴部を有してもよい。
【0172】
図17は、ターゲットを定めたかたちでペレットを注ぐことを容易にする多数の特徴部を備えるキャップ600の実施形態を示す。キャップ600は、装置10の下面14に対応する下面604aを含んでもよい。下面604aは、上述の表面632に対して、対応する側部604の反対側に配置されてもよい。種々の実施形態では、下面604aは、下面604aに対応するキャップ600の側部604が凸状であるように、例えば、キャップ600の内部及び/又は収集領域630から離れる方向に膨らむように、湾曲していてもよい。このことは、ユーザが矢印1で示すようにキャップ600からペレットを注ぐことを容易にする、キャップ600の第1注ぎ口リップ606aを提供する。
【0173】
キャップ600は、装置10の上面12に対応するキャップ600の側部604上に位置するコーナー部604bを含んでもよい。これらのコーナー部604bは、キャップ600の分離した(しかし同一である)注ぎ口リップ606bを提供してもよく、これらの注ぎ口リップ606bは、下面604aによって形成される注ぎ口リップ606aに対向してもよい。注ぎ口リップ606bがキャップ600の鋭いコーナー部を含むので、注ぎ口リップ606bは、矢印2によって示されるように、より幅広い注ぎ口リップ606aよりも、よりターゲットを絞ってペレットを注ぐために使用されてもよい。
【0174】
1つ以上の注ぎ口リップが、キャップ600の1つ以上の側部604を巧みに処理することによってキャップ600上に設けられる他の構成が、想定される。当業者には理解されるように、任意の好適な側部604の形状が使用されてもよい。
【0175】
図16及び
図17(及びそれ以降)に示されるようなキャップ600の湾曲した特質は、自律的に直立する機能を備えるのをアシストすることができる。キャップ600は、種々の実施形態では、平坦なベース部602を備え、平坦なベース部602は、キャップ600が平坦なベース部を接触させて配置されたときに静止したままを維持できるように構成される。これに加えて、キャップ600は、ベース部602からキャップ600の上部リム608まで延びる湾曲した側部604aを含んでもよい。平坦なベース部602は、キャップ600がテーブル上に配置されたときにキャップ600を安定させることを可能にし、一方、ベース部602からリム608まで延びるキャップの湾曲した後部側部604aは、ユーザがキャップ600を下方へ置く角度に関わらず(前部において実質的に平坦な側部を接して配置されない限り)、常にキャップがテーブル上に垂直に据わることを確実にするように作用する。ユーザがキャップを取り外す場合、ユーザは、湾曲した後部表面の任意の部分を接してキャップを下方へ置くことができ、キャップは、ペレットをこぼすことなく、自律的に直立することになる。収集領域内のペレットの重量は、この自律的に直立する機能をアシストするために使用されてもよく、及び/又は、ベース部602自体が、この自律的に直立する機能をアシストするために重みを付けられてもよい(ただし、これは必須ではない)。
【0176】
図18及び
図19は、ペレットをキャップ600及び/又は収集領域630の特定部分640に指向するように構成される1つ以上のインサート体又はソリッド部分620を含むキャップ600の実施形態を示す。種々の実施形態では、上述のようなファネル体550が使用されてもよく、この場合、出口端部554は、ペレットが大部分で収集領域630の特定部分640内に指向されるように配置される。例えば、ファネル体550の出口端部554は、収集領域630の特定部分640に隣り合って及び/又は特定部分640の上を覆うように配置されてもよい。ファネル体550の出口端部554は、収集領域630の特定部分640に向かうように偏りを与えられてもよい。
【0177】
ペレットがキャップ600内に落下すると(例えば、キャップ600が直立している場合)、ペレットが溜まるか又は集まるように構成されるキャップ600の領域又は部分に、特定部分640が対応してもよい。インサート体又はソリッド部分620の1つ以上の表面(例えば、テーパ付き表面(複数可)622)は、特定部分640につながっていてもよい。
【0178】
種々の好適な幾何学的形状が、1つ以上のインサート体又はソリッド部分620に関連して使用されてもよく、当該幾何学的形状は、ペレットサイズ及び必要とされる注ぎ込み特性(例えば、異なるユーザのための特性)に依存し得る。1つ以上のインサート体620は、モジュール形態で提供されてもよく、それにより、ユーザ又は製造業者が、すべてのユーザに最も実用的な注ぎ込み技術を提供する複数の異なるインサート体を選択することができる。種々の実施形態では、1つ以上のインサート体又はソリッド部分620の1つ以上の表面の勾配は、特定の要件に合わせて変更又は調節され得る。追加で、又は、特定部分640の位置で、1つ以上の表面(例えば、テーパ付き表面(複数可)622)の曲率、インサート体又はソリッド部分620の高さ若しくは厚さは、変更され得る。
【0179】
種々の実施形態では、1つ以上のインサート体又はソリッド部分620は、特定部分640に向かってペレットを指向する又は導くように構成され得る、輪郭、突起、こぶ、畝状部、キャビティ、エンボス等のうちの1つ以上を含んでもよい。
【0180】
図18の実施形態では、インサート体620は、キャップ600の外周から特定部分640につながるボウルを形成するテーパ付き表面622aを含み、この場合、特定部分640は、キャップ600の底部で円筒状の空洞の形態で提供されてもよい(ただし、特定部分640は、シンプルにボウルの底部によって形成されてもよい)。使用中、ペレットがキャップ600内に定量供給されると、ペレットは、収集領域630内に指向され、次いで、収集領域630では、ペレットは、必要に応じてテーパ付き表面622aに落下し、特定部分640に向かい且つ特定部分640の中に指向されることになる。
【0181】
図19の実施形態でも、インサート体620は、テーパ付き表面622bを含むが、この場合、テーパ付き表面622bは、キャップ600の1つの側部でのキャップ600の外周から導き且つキャップ600の反対の側部(キャップ600の底部でもある)でのキャップ600の特定部分640まで下へ導く、スロープ又は滑り台を形成する。それ故、使用中、ペレットがキャップ600内に定量供給されると、ペレットは、収集領域630内に指向され、次いで、収集領域630では、ペレットは、必要に応じてテーパ付き表面622bに落下し、特定部分640に向かい且つ特定部分640の中に指向されることになる。
【0182】
もちろん、
図18及び
図19に関して説明される実施形態と同様の特定部分内にペレットを指向するように構成され得る、他の多くのインサート体の構成が、想定される。これらの構成は、典型的には、上記実施形態に関して示されるような何らかのテーパ付き表面を含むことになり、当該テーパ付き表面は、キャップ600の外周から特定部分640につながっていてもよい。本明細書に記載されるようなインサート体を使用することは、様々な用量のペレット(例えば、比較的少ない用量のペレット)をより濃縮された領域に収集することを容易にし得る。これにより、ユーザにとってのペレットの視認性の向上が可能であり、その結果、ユーザは、その後、その口又は他の場所により容易にペレットを指向することができる。
【0183】
さらに、キャップ600からペレットを注ぐ間にファンネル効果を生じさせるために、インサート体又はソリッド部分が使用されてもよいことが想定される。例えば、キャップ600のインサート体又はソリッド部分は、収集領域630内に含まれるペレットを1つ以上の注ぎ口リップ、例えば、上述したような注ぎ口リップ606a、606bに指向するように成形され得る。当業者であれば、いかにしてインサート体又はソリッド部分がこのように構成され得るかを想定することができ、例えば、いかにしてインサート体又はソリッド部分が、収集領域から1つ以上の注ぎ口リップに通じるペレットのためのチャネル又は谷部を備えることができるかを想定することができる。
【0184】
図20A及び
図20Bは、テーパ付き表面622cを含むソリッド部分又はインサート体620を備えるキャップ600の実施形態を示し、テーパ付き表面622cは、
図19のテーパ付き表面622bに類似するが、ただし、テーパ付き表面622cが、より急勾配であり、キャップ600の上部リム608の一部(上記で参照された注ぎ口リップ606aに対応してもよい)から延び、且つ、2つのコーナー部604bの間に延びる対向側部604に向かって下り傾斜していることが除かれる。テーパ付き表面622cは、608bで示されるように、対向側部604の高さの凡そ半分のところで対向側部604と出会って接触してもよい。
【0185】
この実施形態では、キャップ600は、インサート体620及びテーパ付き表面622c内に配置されるキャビティ650をさらに備え、それにより、キャビティ650は、テーパ付き表面622cにおいてキャップ600のベース部602に向かう陥没部を形成する。キャビティ650は、キャビティ650のベース部654において収集領域630を形成するように成形され、この場合、テーパ付き表面622bは、ペレットがキャップ600内に定量供給されると、ペレットをキャビティ650内に指向するように構成される。キャビティ650自体は、キャップ600の頂部(例えば、リム608)からキャップ600のベース部602に移動するにつれてサイズを増加させ、且つ、キャビティ650自体がスロープ面652を備え、スロープ面652は、ペレットがキャビティ650に、例えばテーパ付き表面622bから入ると、キャビティ650のベース部654にペレットを指向するように構成される。
【0186】
この実施形態の特徴部(複数)は、
図20Bに示されるように、キャップ600がひっくり返されることができ、それにより、キャビティ650自体が注ぎ口リップとなり、このとき、キャビティ650のスロープ面652が、矢印3によって示されるように方向性のあるかたちでキャップ600から外にペレットを指向する滑り台を形成する。
【0187】
インサート体又はソリッド部分(例えば、
図19に示されるインサート体620)は、キャップ600の前部にペレットを指向する、例えば、装置10の上面12に向かって配置されるか又は上面12を形成するキャップの一部(例えば、側部604)にペレットを指向するように構成されてもよい。これにより、ペレットが一旦定量供給されるとペレットがユーザにより近づくように位置することになるので、1回分の用量が定量供給されているのをユーザが見ることが容易なり得る。
【0188】
図21は、完全に組み立てられたときのキャップ600を含む装置10の側面図を示し、制御ユニット100に接続されたカートリッジアセンブリ200とキャップ600とを示す。なお、キャップ600は、制御ユニット100及びカートリッジアセンブリ200の両方にわたって配置され、それにより、上述したようにキャップ600内に囲まれた空洞の形態で収集領域630を形成する。
【0189】
図21Aは、組み立てられた状態における装置10の下端部の断面を示し、カートリッジアセンブリ200のディスペンス機構300からキャップ600の収集領域630内へペレットを指向するファネル体550を示す。ディスペンス機構300は、上述したようなスクリューポンプ304を備え、スクリューポンプ304は、カートリッジアセンブリ200の内部からカートリッジアセンブリ200の出口302にペレットを移送するように構成される。ファネル体550は、表面632に隣り合って位置する開口部555を有する、上述したような出口端部554を備え、表面632は、装置10の下面14に対応するキャップ600の側部に位置し、及び/又は、装置10の下面14の一部をそれ自体で形成するキャップ600の側部604に対応してもよい。
【0190】
図16に関して上述したような、キャップ600の主たる取り外し方向は、キャップを使用するためのシンプルな機構を提供することができ、当該機構は、
図21及び
図21Aを調べることによって理解することができる。
【0191】
ロール回転枢軸がキャップ600とファネル体550との間に設けられてもよい。例えば、ファネル体550は、湾曲面559を含んでもよく、キャップ600は、キャップ600が取り外されるとき(例えば、上述の主たる取り外し方向に)、湾曲面559の上でロール回転するように構成されてもよい。図示の実施形態では、ファネル体550の上面558は、キャップ600の対向する内面609に隣り合う湾曲部分559を含む。キャップ600が取り外されるとき、キャップ600の内面609は、ファネル体550の湾曲部分559の上で及び/又は湾曲部分559を横切るようにロール回転するように構成され、湾曲部分559は、キャップ600を開位置まで穏やかに回動させるための傾斜台を形成することができる。ロール回転枢軸又は湾曲面を用いることによって、ぎくしゃくした開放動作が生じる機会が少なくなり、このぎくしゃくした開放動作は、ペレットがこぼれて失われることにつながり得る。
【0192】
また、ファネル体550は、キャップ600が装置10の残りの部分に接続されつつあるときにキャップ600が装置10の残りの部分と正確に整列するのを確実にすることによって、キャップ600の交換を補助できることにも留意されたい。
【0193】
図22及び
図22Aは、キャップ600の実施形態を示し、キャップ600は、上述したキャップと類似するが、キャップ600の外面の一部として又はキャップ600の外面上に触知領域660を備える。図示の実施形態では、触知領域660は、キャップ600の側部604の1つにおいて、特に、装置10の上面12の一部を形成する側部604において、テクスチャ加工された表面として設けられ、装置10の上面12の一部を形成する側部604は、2つのコーナー部604bの間に延在する側部604に対応する。
図22Aに示されるように、触知領域660は、複数のキャビティ662から形成されてもよいが、ユーザに触覚の感覚を与える任意の好適なテクスチャが設けられてもよい。例えば、触知領域660は、突起又はディンプルによって与えられてもよい。
【0194】
触知領域660は、例えば、
図16等に関して上記で示され且つ説明されたように、ユーザがキャップ600を手で扱うときに、ユーザのグリップを向上するために使用されてもよい。触知領域660はまた、ユーザに視覚的な合図も与えてもよく、それにより、例えば、前述のようにキャップ600を取り外すために、ユーザが装置10の触知領域660の部分と相互作用すべきであることを表してもよい。最後に、触知領域660を使用することは、装置10が使用中に摩耗及び引き裂きに耐える能力、例えば、装置10が擦れ傷又は引っかき傷を隠す能力を向上させ得る。
【0195】
図示の実施形態に示すように、触知領域660は、装置10の上面12の一部を形成するキャップ600の側部604にのみ適用されてもよい。このことは、例えば、
図16に関して上述したように、キャップ600を取り外すためにはキャップ600のこの領域をユーザが押すべきであることをユーザに示すのに役立つことができる。
【0196】
図23及び
図23Aは、
図22及び
図22Aに示される実施形態のわずかな変形例を示し、当該変形例では、キャップ600は、装置10の上面12の一部を形成する側部604の約半分にのみ触知領域660を備える。より具体的には、触知領域660は、上部リム608に隣り合って位置してもよく、上部リム608から側部604に沿ってほぼ半分だけ延在してもよい。このことは、キャップ600を取り外すためにキャップ600のどこを押すべきかについて、ユーザにより具体的な指示を与えることができる。
【0197】
これらの実施形態は、キャップ600が(又は、装置10の上面12の一部を形成する側部604が少なくとも)透明又は半透明として提供される実施形態と組み合わされてもよく、この場合、キャップ600の上記部分に触知領域660を配置することは、キャップ600の収集領域630内に定量供給される薬剤(例えば、ペレット)をユーザが容易に見ることができることを意味する。このことは、
図23の矢印664によって示される。
【0198】
図24及び
図24Aは、
図22及び
図22Aに示される実施形態のさらなる変形例を示し、当該変形例では、キャップ600は、装置10の下面14の一部を形成するキャップ600の側部604上に触知領域660を備える。装置10の上面12の一部を形成するキャップ600の側部604は、無地であってもよく、例えば、いかなる表面の変化もない状態に保たれてもよい。キャップ600の上記部分に触知領域660を設けることによって、ユーザは、依然として、キャップ600の向上したグリップを得ることができるが、装置10の上面12は、視覚的によりアピールするものである。
【0199】
さらに、キャップ600が(又は、装置10の上面12の一部を形成する側部604が少なくとも)透明又は半透明である実施形態と組み合わされる場合、キャップ600の上記部分に触知領域660を配置することは、キャップ600の収集領域630内に定量供給される薬剤(例えば、ペレット)をユーザが非常に容易に見ることができることを意味する。このことは、
図23の矢印666によって示される。
【0200】
図22A、
図23A、及び
図24Aに示されるテクスチャに対して、代わりに又は追加で、触知表面660は、キャップ600の外面上に畝状部又は縞状部663を含んでもよく、このことは、キャビティ662の形態の触知表面660に関して上述した有用な部分のいずれでもよい。横方向の畝状部663(例えば、キャップ600の上部リム608と平行である)は、
図25に示され、一方、縦方向の畝状部663(例えば、キャップ600の上部リム608と垂直である)は、
図26に示される。横方向の畝状部は、上述のようにユーザがキャップ600を取り外すことをより容易に可能にするので、向上したグリップをもたらし得る。縦方向の畝状部は、(例えば、射出成形によって)製造するのがより容易であり得、且つ、全体として装置10のアスペクト比を考慮すると、より視覚的にアピールするものであり得る。
【0201】
図27A及び
図27Bは、
図21Aに示されるファネル体550上のわずかな変形例を示す。
図27A及び
図27Bのファネル体550は入口端部552を備え、入口端部552は、カートリッジ202の出口端部及び/又はディスペンス機構300に被さって配置され、それにより、出口端部及び/又はディスペンス機構300から定量供給されるペレットを受け入れるように構成される。ファネル体550は、カバー600の収集領域630内に少なくとも部分的に配置され得る、モディファイされた出口端部554’をさらに備える。
図21Aに示されるファネル体550と同様に、この実施形態のファネル体550は、カートリッジ202から収集領域630内にペレットを指向するように構成されてもよい。この実施形態では、出口端部554’は全面的に開放しており、それにより、カートリッジ202から収集領域630内にペレットを指向するための、より大きな開口部555’が与えられる。
【0202】
本明細書に記載されるファネル体550は、カートリッジ202から収集領域630内へのペレットの制御された降下をもたらすためにモディファイされてもよい。例えば、1つ以上のスクリーンが、ファネル体550の出口端部554(又は554’)を横切って延びてもよく、この場合、1つ以上のスクリーンは、カートリッジ202から定量供給されるペレットを捕捉し、当該ペレットが収集領域630内に定量供給される前に当該ペレットを一時的に引き留めるように構成されてもよい。
【0203】
図28は、グリル570の形態のスクリーンを組み込んでいるファネル体550の実施形態を示し、このグリル570は複数のバー572を備え、複数のバー572は、カートリッジ202のディスペンス機構から定量供給されるペレットを捕捉し、そのとき、当該ペレットがファネル体550から収集領域630内にさらに定量供給される前に、当該ペレットを一時的に引き留める。すなわち、ペレットは、カートリッジ202から外に落下し、2つのバー572の間で捕捉され又は引き留められ(例えば、減速され)、その後、これらのバー572を通り過ぎて収集領域630内に移動する。バー572同士の間の距離(例えば、最小距離)は、ペレットの直径よりもわずかに大きくてもよい。
【0204】
バー572は、
図28に示されるように涙滴形状であってもよく、この場合、涙滴の尖ったエッジ部分は、使用時にカートリッジ202のディスペンス機構に対面する。このことは、グリル570がその機能を奏することができるのを補助することができる。なお、当該機能は、グリル570を通る前進方向の伝送(矢印574)のためにディスペンス機構から定量供給されるペレットを捕捉する一方で、ペレットがファネル体550に再び入る(矢印576)のを阻止する機能である。
【0205】
上述したようなスクリーンと、特に
図28に示すようなグリル570とを設けることは、(ファネル体550の内部にユーザがアクセスできることを低減することによって)カートリッジ202のディスペンス機構を不正改変から防護するのに役立つことができる。加えて、特に、全面的に開放されているモディファイされた出口端部554’と組み合わされる場合、ペレットが定量供給されるときにペレットが通り抜けて落下するための大きな領域が提供される一方で、ペレットの定量供給を制御するための機構が提供される。
【0206】
1つ以上のスクリーンは、ペレットが第1方向(定量供給方向)(
図28の矢印574を参照)にスクリーンを通ってより落下しやすく、第2方向(非定量供給方向)(
図28の矢印576を参照)にスクリーンを通ってより落下しにくいように構成されてもよい。
【0207】
1つ以上のスクリーンは、
図29A~
図29Dに示されるように、任意の好適な形態で提供されてもよい。
図29A~
図29Dにおいて、
図29Aは、
図28のファネル体550を分離した状態で且つバー572を概略的に描写して示し、バー572は、出口端部554の一方の側部から他方の側部まで垂直な縦方向に延在してもよい。
【0208】
図29Bは、ファネル体550の出口端部554に被さって配置され且つ複数の開口部580を備えるスクリーンを組み込んでいるファネル体550を示し、この場合、開口部580は、カートリッジ202内に保持され且つディスペンス機構から定量供給されるペレットの直径よりもわずかに大きい直径を有してもよい。
【0209】
図29Cは、ファネル体550の出口端部554に被さって配置され且つグリル570’を備えるスクリーンを組み込んでいるファネル体550を示し、グリル570’は、グリル570’のバー572’が出口端部554を横切って横方向に延在することを除いて、
図29Aのグリルと同様である。
【0210】
図29Dは、シンプルな開口部を組み込んでいるファネル体550を示し、この開口部は、
図21Aに示されるような開口部555と類似してもよく、本ケースでは、開口部555は、湾曲したスリットの形態であってもよく、この場合、側方での幅(すなわち、スリットの長手方向軸に対して横切る方向の幅)は、カートリッジ202内に保持されるペレットの直径よりもわずかに大きい。
【0211】
図30及び
図30Aは、
図9~
図11に関して上述した実施形態と同様の実施形態を示すが、カートリッジ202のディスペンス機構を動作させるためのわずかに異なる機構を有する。すなわち、雄型及び雌型の接続要素180、280の代わりに、カートリッジアセンブリ200と制御ユニット100とは、スプライン接続を介して相互接続する。
【0212】
上述したように、カートリッジアセンブリ200及び制御ユニット100は、互いに係合することで、制御ユニット100がカートリッジの機構に動作させてカートリッジ202内に収容される薬剤を定量供給することを可能にするように、構成される。この係合は、カートリッジ202が例えば上述のような協働レール245、116を使用して制御ユニット100と係合するように、カートリッジアセンブリ200を制御ユニット100の第1部分110(
図2参照)に挿入することによって開始されてもよく、そして、カートリッジアセンブリ202に平面状の部分112に沿って制御ユニット100のインターフェース130に向かってスライドすることを可能にさせてもよい。
【0213】
図30及び
図30Aの実施形態では、制御ユニット100のインターフェース130は駆動要素(複数)(図示せず)を備え、駆動要素(複数)は、カートリッジ202の対応するディスペンス機構300にそれぞれ接続される協働受け要素(複数)712を駆動(例えば回動)するように構成される。
【0214】
図30Aは、受け要素712をより詳細に示し、本ケースでは、駆動要素(図示せず)は、受け要素712上に位置する協働スプライン歯(複数)714に係合するように構成されるスプライン歯(複数)を含んでもよい。このため、駆動要素の回動は、受け要素712の対応する回動を引き起こし、最終的には、対応するディスペンス機構300の作動を引き起こす。このため、駆動要素の回動時に、例えばペレット形態である1つ以上の薬剤が、カートリッジ202から定量供給される。このことは、上述した雄型及び雌型の接続要素180、280の代わりの幾分よりシンプルな代替手段を提供することができる。
【0215】
また、
図30及び
図30Aは、
図8~
図11の実施形態及び係止プレート290に関して上述した係止構成とは別のタイプの係止構成も示す。
【0216】
すなわち、係止部材は、第1リング720と、第2リング722と、1つ以上の接続要素724とで構成されてもよい。第1リング720、第2リング722及び接続要素724を含む係止部材は、例えば、装置10の非回動部分と係合するタブ726を使用して、回動しないように固定される。
【0217】
係止部材は、各受け要素712を取り囲んでもよく、且つ、カートリッジ202が制御ユニット100に係合されていないときに、受け要素712のスプライン歯(複数)714を回動しないように係止するように構成されてもよい。カートリッジ202が制御ユニット100と係合すると、各係止部材の一部は、受け要素712の回動を可能にするように移動し(後述でより詳細に説明される)、対応するディスペンス機構300の作動を可能にするように構成される。
【0218】
【0219】
受け要素712は、上述したようなディスペンス機構300のシャフト304の端部を形成するものとして示される。このため、受け要素712の回動は、シャフト304の回転を引き起こし、続いて、シャフト304に付随するディスペンス機構300の作動を引き起こす。係止部材の第1リング720は、最初は、受け要素712を取り囲み、具体的には、受け要素の半径方向放射状に延在する表面(複数)を取り囲み、この場合、第1リング720は、受け要素712の半径方向放射状に延在する表面(複数)と選択的に係合するように構成される歯部(複数)721を備える。
【0220】
この実施形態では、放射状に延在する表面(複数)は、受け要素712のスプライン歯(複数)714の半径方向放射状に延在する表面(複数)であることが好都合である。このことは、カートリッジ202のディスペンス機構300の回動要素(すなわち、シャフト304)の係止機能を設けるのに必要な部品点数を簡素化するために見出された。
【0221】
係止部材の第2リング722は、第1リング720に接続され、第1リング720は、1つ以上の弾性的接続要素724を介して第2リング722に接続され、1つ以上の弾性的接続要素724は、加圧が矢印3の方向に第1リング720に加えられると、同じ矢印3の方向に変形するように構成される。
【0222】
第1リング720は、シャフト304の外面上にスライド可能に受け入れられ、それにより、第1リング720が、
図23Aに示されるような第1位置と
図23Bに示されるような第2位置との間をスライドできる。
【0223】
第1位置では、第1リング720の歯部(複数)721は、受け要素712のスプライン歯(複数)714と係合し、それにより、シャフト304の回転を防止する。第2位置では、第1リング720は、シャフト304の軸に沿って矢印3の方向に移動しており、それにより、第1リング720の歯部(複数)721は、シャフト304の回転を可能にするように、受け要素712のスプライン歯(複数)714からもはや係合解除している。
【0224】
弾性的接続要素724は、第1リング720のスライド移動を可能にする。スライド移動自体は、第1リング720が制御ユニット100上のインターフェース130の1つ以上の要素132と係合することによって引き起こされてもよい。これらの要素132は、例えば、
図10Aに示されるピン184に類似するピンの形態をとることができる。弾性的接続要素724は、第1リング720を矢印3の方向と反対の方向に付勢してもよく、それにより、第1リング720を制御ユニット100上のインターフェース130の要素132に対抗するように付勢してもよい。
【0225】
図32A及び
図32Bは、
図30~
図31に示される係止部材に対するわずかな変形例を示し、この変形例では、単一の係止部材800が設けられ、係止部材800は、第1位置では複数のディスペンス機構の作動を防止し、異なる第2位置では当該ディスペンス機構の作動を可能にするように構成される。
【0226】
複合的な係止部材800は、
図30に示される2つの受け要素712を同時に係止するためのものである。係止部材800は、係止歯部(複数)821を有する2つのリング820と、単一の弾性要素(例えば、スプリング)824とで構成されてもよい。
【0227】
係止部材800(及び具体的にはそのリング820)は、各受け要素712を取り囲んでもよく、且つ、カートリッジ202が制御ユニット100と係合していないときに、受け要素712のスプライン歯(複数)714を回動しないように係止するように構成されてもよい。カートリッジ202が制御ユニット100と係合すると、係止部材の一部は、受け要素712の回動を可能にするように移動し(後述でより詳細に説明される)、対応するディスペンス機構300の作動を可能にするように構成される。
【0228】
係止部材のリング(複数)820は、最初は、対応する受け要素712を取り囲み、具体的には、受け要素の(例えば、スプライン歯714の)放射状に延在する表面(複数)を取り囲み、この場合、各リング820は、受け要素712の放射状に延在する表面(複数)と選択的に係合するように構成される歯部(複数)821を備える。
【0229】
係止部材800は、係止部材の単一の弾性部材(例えば、スプリング)824を備え、弾性部材824は、両方のリング820に接続され、且つ、第1リング820への加圧の付与時に変形するように構成される。弾性部材824は、係止部材800がその第1位置と第2位置との間を移動する際に、制御ユニット100の一部に対抗して付勢をかけるように構成されてもよい。
【0230】
リング(複数)820は、シャフト(複数)304の外面上にスライド可能に受け入れられ、それにより、これらリング820が、
図30A、
図31A及び
図31Bのリング720と同様に(すなわち、矢印3の方向に)、第1位置と第2位置との間をスライドできる。
【0231】
第1位置では、リング(複数)820の歯部821は、シャフト(複数)304の回転を防止するように、受け要素(複数)712のスプライン歯714と係合する。第2位置では、リング(複数)820は、シャフト(複数)304の軸に沿って(例えば、矢印3の方向に)移動しており、それにより、リング(複数)820の歯部821は、シャフト(複数)304の回転を可能にするように、受け要素(複数)712のスプライン歯714からもはや係合解除している。
【0232】
弾性部材724は、リング(複数)820のスライド移動を可能にする。スライド移動自体は、リング(複数)820が制御ユニット100上のインターフェース130の1つ以上の要素132と係合することによって引き起こされてもよい。これらの要素132は、例えば、
図10Aに示されるピン184に類似するピンの形態をとることができる。弾性部材824は、リング(複数)820を矢印3の方向と反対の方向に付勢してもよく、それにより、リング(複数)820を制御ユニット100上のインターフェース130の要素132に対抗するように付勢してもよい。
【0233】
このため、複合的な係止部材820は、共通の弾性部材を有することが有利である係止リング(複数)820を備える。リング(複数)820は、先の実施形態のリング720と同様に、制御ユニット100へのカートリッジ200のドッキング中に制御ユニット100によって押し戻されてもよい。カートリッジ200を制御ユニット100からドッキング解除するとき、複合的な係止部材820は、跳ね返って戻り且つ再び係止係合し、それにより、ディスペンス機構(複数可)の作動を防止してもよい。
【0234】
前述の係止部材720と同様に、リング(複数)820を含む係止部材800は、例えば、装置10の非回動部分と係合する1つ以上のタブ826を使用して、回動しないように固定される。
【0235】
全体として、本明細書に開示されるデバイスは、重量による正確な1回分の用量の投薬剤を提供することを目的としてもよく、さらに、使用中における投薬量の調節及び/又は投薬剤の漸増を行うためのシンプルな機構を提供することも目的としてもよい。1回分の用量を飲み込むことと飲み込みを行う際の一般的な利便性を提供することとを含む、投薬量の定量供給を容易にするために、様々な機械的特徴が提供される。種々の実施形態は、コンプライアンスを監視することも目的とする。
【0236】
手持ち式の装置10は、医療知識をデジタル機能と組み合わせてもよい。制御ユニット100は、再使用可能であってもよく、処方された投薬剤で予め充填された種々の異なるカートリッジアセンブリ200と組み合わせられてもよい。ADHDの場合、例えば、カートリッジアセンブリ200は、1ヶ月の期間にわたる使用のために、関連する投薬剤で予め充填され得る。カートリッジ202は、1000nm未満のサイズ(各々のサイズ)のペレット又は顆粒(すなわち、経口剤形)で充填され得る。この顆粒は、投薬剤の飲み込みをサポートする流動食又は軟らかい食品と一緒に摂取され得る。制御ユニット100のデジタル化は、正確な用量の設定及び漸増を可能にすることができる。装置は、ADHDと共にでの特定の使用を有するが、本明細書に開示される技術は、多くの他の治療に適用可能であり、特に、小児科用途に、又は、精神科治療、神経内科治療、循環代謝性疾患治療、若しくは口腔癌治療における使用に適用可能である。
【0237】
本明細書中に記載される装置に関連付けられ得る治療の例は、注意欠如・多動性障害(「ADHD」-この場合、装置内で使用される投薬剤は、アンフェタミン及び/又はメチルフェニデートを含み得る)、一般的な痛み(この場合、投薬剤は、フェンタニル、メタドン、メペリジン、トラマドール、モルヒネ、コデビン、テバイン、オキシモルホン、ヒドロコドン、オキシコドン、ヒドロモルフォン、ナルトレキソン、ブプレノルフィン及びメタドンのうちの1つ以上を含み得る)、臓器移植後の免疫抑制(この場合、投薬剤は、タクロリムス、シロリムス、エベロリムス、コルチコステロイド、シクロスポリン、ミコフェノール酸及びアザチオプリンのうちの1つ以上を含み得る)、糖尿病(この場合、投薬剤は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サキサグリプチン、リナグリプチン、メトホルミン、カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン及びセマグルチドのうちの1つ以上を含み得る)、心不全(この場合、投薬剤は、カルベジロール、メトプロロール、ビソプロロール及び利尿剤のうちの1つ以上を含み得る)、パーキンソン病(「PD」-この場合、投薬剤は、レボドパ及び/又はカルビドパを含み得る)、てんかん(この場合、投薬剤は、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ラモトリギン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン、エトスクシミド及びトピラマートのうちの1つ以上を含み得る)、うつ病(この場合、投薬剤は、シタロプラム、ブプロピオン、パロキセチン、ミルナシプラン、フルオキセチン、デュロキセチン、フルボキサミン及びレボキセチンのうちの1つ以上を含み得る)、統合失調症(この場合、投薬剤は、アリピプラゾール、アセナピン、ブレクスピプラゾール、カリプラジン、クロザピン、イロペリドン、ルラシドン及びオランザピンのうちの1つ以上を含み得る)、癌、アニマルヘルスである。例えば、装置10は、前述の治療、例えば前述の治療のいずれか又は全てを目的とする又はこれらに関連付けられる投薬剤(例えば、ペレット形態)と組み合わせられてもよい。
【0238】
本明細書に開示される種々の実施形態は、レセプタクル、流動食、柔らかい食品又はユーザの口の中のいずれかに投薬剤を装置10から定量供給することをユーザに促す方法を改善することを目的とする。例えば、
図16に関連して上述したように、キャップ600は、所定の方向にキャップ600を取り外すことをユーザに促すように構成されてもよい。
【0239】
本明細書に開示される装置10は、特に小児のために、より単純な用量設定及び正確な用量の漸増を提供してもよい。小さなペレット又は顆粒として処方された投薬剤の使用は、正確な用量の調節をサポートすることができ、飲み込みの問題を有する小児科医療に役立つことができる。小児用医薬のための開発は、一般に、この患者の集団に直面する課題のうちの1つ又は2つを解決するために役立つ様々な製法又はデバイスを含んできた。本明細書に開示される手持ち式の装置10を用いて投薬剤をデジタル機能と組み合わせることによって、用量設定、漸増、使用の容易さ、飲み込み性及びコンプライアンスにおいて、改善がもたらされる。この技術は、併用療法を含む、小児科集団用の様々な治療計画に合わせて調整を受けることができる。本明細書に開示される装置10を使用する治療の他の領域は、てんかん及び一般的な痛みの緩和とすることができる。定量供給の技術はまた、感染性疾患のためにも開発されることができ、例えば小児の場合、例えば、装置と共に使用される投薬剤(例えば、ペレット形態である)は、アモキシシリン及び/又はペニシリンを含み得る。
【0240】
制御ユニット100は(本明細書に記載される態様又は実施形態のいずれにおいても)、入力デバイス又はユーザインターフェース102を含んでもよく、入力デバイス又はユーザインターフェース102は、装置10を操作するための、例えば、装置10の中のディスペンス機構300を操作するための1つ以上のボタンを含んでもよい。制御ユニット100は、正規若しくは特定のユーザのみ、又は、正規若しくは特定のタイプのユーザのみがデバイスを取り扱うこと及び/又は操作することができることを保証する手段を組み込んでいてもよい。例えば、制御ユニット100は、ユーザの指紋を検出するように構成される指紋センサ、又は、ピンコード技術を組み込んでいてもよい。
【0241】
制御ユニット100は、装置10の種々の電気的部分及び機械的部分、例えば、ユーザインターフェース102、ディスプレイ104及びディスペンス機構300を動作させるように構成される制御システムを備えてもよい。
【0242】
制御システムは、本明細書に記載される装置10の種々の特徴によって可能になるが、経口薬剤を投与するためのアプローチを改善するように構成されてもよい。本明細書に記載される技術を使用する投薬のデジタル化は、例えば、ボトルで従来のピルを提供することと比較して、いくつもの有益な点を有し得る。予め充填されたカートリッジ202(例えば、ADHDの場合、1ヶ月の処方薬を有する)は、関連情報を制御ユニットとやりとりする集積回路基板トリップを有してもよい。制御ユニット100、及び、特に制御ユニット100の制御システムは、用量を設定すること、最大用量を超える取得を防止すること、漸増を可能にすること、及び、不正改変を確実に通知することを実行してもよい。制御システムは、例えば、定義された期間(例えば、1ヶ月の処方)にわたる投薬剤の投与を記録してもよい。
【0243】
制御システムは、例えば、制御ユニット100のディスプレイ104上で、投薬量のリマインダを提供し、さらに過去に取得された投薬のログも提供するように構成され得る。スマートフォン、スマートウォッチ若しくは他のスマートデバイスなどの外部デバイス、センサ又はウェアラブル機器との無線接続の提供を通じて、さらなるパーソナライズ化が達成され得ることが想定される。無線接続は、Bluetooth(登録商標)又はいかなる他の好適な無線プラットフォームを使用することができる。制御システムは、スマートフォン、スマートウォッチ若しくは他のスマートデバイス上のアプリケーションと組み合わさることができ、又は、このようなデバイスに少なくとも部分的に実装されることができる。
【0244】
制御システムは、ユーザから症状の報告を受け付け、提供されている投薬剤と関連付けて当該報告を記録するように構成されることができる。例えば、ADHDでは、症状は、集中力、多動性、行動、仕事の生産性等を含むことができ、これらは、治療プログラム及び他の成果をサポートすることができる。
【0245】
制御システムは、介護者用のアプリケーションと組み合わされてもよく、又は、当該アプリケーションに少なくとも部分的に実装されてもよい。例えば、制御システムは、そのようなアプリケーションに、例えば、無線で及び/又はインターネットを介して、報告を送るように構成されてもよい。報告は、コンプライアンスデータを含むことができ、例えば、コンプライアンスデータは、ユーザが治療プログラムに則した投薬量を服用していることを含む。報告は、取得された投薬、薬剤の定量供給がなされた時刻、及び上述の症状に関するデータ又は情報を含み得る。
【0246】
例えば、上述の制御ユニット100の制御システムに関連して、本明細書で開示される方法、方法の工程又は機能的特徴は、ソフトウェア、例えば、コンピュータプログラムを少なくとも部分的に使用して実現されてもよい。コンピュータプログラムは、制御ユニット100自体のデータプロセッサに配置されもよい。これ故、さらなる態様から見たとき、本発明は、データ処理手段にインストールされた場合に本明細書に記載される方法、方法の工程又は機能的特徴を実行するように特に適合されたコンピュータソフトウェアと、コンピュータプログラム要素がデータ処理手段上で実行されるときに本明細書に記載される方法、方法の工程又は機能的特徴を実行するためのコンピュータソフトウェアコード部分を含むコンピュータプログラム要素と、コンピュータプログラムがデータ処理システム上で実行されるときに本明細書に記載される方法のすべてのステップ、方法の工程又は機能的特徴を実行するように適合されたコード手段を含むコンピュータプログラムとを、提供することが分かるであろう。データプロセッサは、マイクロプロセッサシステム、プログラマブルFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)等であってもよい。
【0247】
これは、例えば、デバイスを起動するために必要とされる指紋センサ又はディスプレイ上のコードパターン(例えば、Dパッド上での上、上、下、右、上、左)とすることができ、それにより、親及び介護者が特定の指紋を必要とせずにデバイスを使用することができる(指紋センサがないため低コストでもある)。
【0248】
本発明は好適な実施形態を参照して説明されたが、添付の特許請求の範囲に記載の発明の範囲を逸脱することなく形態及び詳細について種々の変更がなされ得ることが当業者に理解されるであろう。
【国際調査報告】