(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】接合アセンブリ及び接合アセンブリで使用するための固定装置
(51)【国際特許分類】
F16B 7/04 20060101AFI20220107BHJP
F16B 7/22 20060101ALI20220107BHJP
F16G 11/10 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
F16B7/04 301D
F16B7/22
F16G11/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523736
(86)(22)【出願日】2019-10-22
(85)【翻訳文提出日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 IB2019058998
(87)【国際公開番号】W WO2020095133
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598107622
【氏名又は名称】グリップル・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GRIPPLE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ギムザ、リー
【テーマコード(参考)】
3J039
【Fターム(参考)】
3J039AA03
3J039BB01
3J039CA02
3J039DA01
3J039DA03
3J039DA04
3J039JA17
3J039JA20
(57)【要約】
接合アセンブリ及び接合アセンブリで使用するための固定装置(
図1)。接合アセンブリ(10)で使用するための固定装置(12)が開示される。固定装置(12)は、長尺物(100)を固定装置(12)に固定するためのクランプ機構(30)を備える。接続構成(20)は、更なる固定装置(14)上の接続構成と協働可能であり、それによって、固定装置(12)を更なる固定装置(14)に接続する。接合アセンブリ(10)は、2つの固定装置(12,14)を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接合アセンブリで使用するための固定装置であって、長尺物を前記固定装置に固定するためのクランプ機構と、更なる固定装置上の更なる接続構成と協働可能であり、それによって前記固定装置を更なる固定装置に接続する接続構成とを備える固定装置。
【請求項2】
前記固定装置は、近位端と遠位端とを備え、前記接続構成は、前記固定装置の前記近位端において本体に取り付けられ、前記クランプ機構は、前記遠位端に設けられる、請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記固定装置は、ボアを画定する本体を備え、前記クランプ機構は、前記ボア内に配置される、請求項1又は2に記載の固定装置。
【請求項4】
前記本体は閉鎖端を有し、前記ボアは、前記本体の前記閉鎖端で閉じているブラインドボアであり、前記固定装置の前記接続構成は、前記本体の前記閉鎖端において前記本体に取り付けられている、請求項3に記載の固定装置。
【請求項5】
前記ボアは、本体によって画定された開口部を有し、前記開口部は、前記閉鎖端とは反対側の前記ボアの端部で画定され、前記ボアは、前記閉鎖端から前記開口部に向かって内方に先細になる内面を有する、請求項4に記載の固定装置。
【請求項6】
前記本体は中心軸を有し、前記ボアは前記中心軸に沿って延在する、請求項3、4、又は5に記載の固定装置。
【請求項7】
前記接続構成は、更なる固定装置の保持部材と協働し、それによって前記固定装置を互いに接続するように構成された保持部材を備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項8】
前記保持部材は主係合面を含み、前記保持部材の前記主係合面は、前記固定装置を互いに接続するために、更なる固定装置の前記保持部材の前記主係合面と係合することができる、請求項7に記載の固定装置。
【請求項9】
前記接続構成は、前記保持部材と前記本体との間に延在する連結部を含み、前記保持部材は、前記連結部によって前記本体から離間される、請求項8に記載の固定装置。
【請求項10】
前記連結部は、前記主係合面から前記本体まで延在する連結面を有し、前記本体は中心軸を有し、前記連結面は、前記本体の前記中心軸に対して軸方向に延在する、請求項9に記載の固定装置。
【請求項11】
前記保持部材は、前記本体の前記中心軸に対して軸方向に前記主係合面から延在する補助係合面を含み、前記固定装置の前記補助係合面は、前記固定装置が互いに接続されたときに更なる固定装置の前記連結面に係合するように構成される、請求項10に記載の固定装置。
【請求項12】
前記保持部材は、アパチャを画定し、突出部を含み、前記突出部は、前記本体に向かって前記主係合面から突出し、前記アパチャは、前記主係合面から延在し、各固定装置の前記保持部材の前記突出部は、前記固定装置が互いに接続されたときに、更なる固定装置の前記保持部材によって画定された前記アパチャと協働する、請求項8乃至11のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項13】
前記保持部材は、前記固定装置が互いに接続されたときに前記固定装置の前記本体と更なる固定装置の保持部材との間に間隙を設けるのに十分な距離だけ前記本体から離間される、請求項7乃至12のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項14】
前記固定装置が互いに接続されたときに前記固定装置を更なる固定装置にロックするロッククリップを備える、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項15】
前記ロッククリップは、前記固定装置の前記本体と更なる固定装置の前記接続構成との間の前記間隙に受容される、請求項14に記載の固定装置。
【請求項16】
前記本体の前記閉鎖端は、第1の凹部を画定し、前記保持部材は、前記本体から離れて面する近位端面を有し、前記近位端面は、第2の凹部を画定する、請求項14又は15に記載の固定装置。
【請求項17】
前記固定装置の前記第1の凹部は、前記固定装置が互いに接続されたときに、更なる固定装置の前記第2の凹部のそれぞれ1つに面し、前記固定装置の前記本体によって画定される前記第1の凹部は、更なる固定装置の前記保持部材によって画定される前記第2の凹部に対向して配置され、前記固定装置の前記保持部材によって画定される前記第2の凹部は、更なる固定装置の前記本体によって画定される前記第1の凹部に対向して配置される、請求項16に記載の固定装置。
【請求項18】
前記ロッククリップは、前記固定装置が互いに接続されたときに前記固定装置の前記接続構成の周りに係合するためのカバー部を備える、請求項14乃至17のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項19】
前記ロッククリップは、前記固定装置の前記本体と更なる固定装置の前記保持部材との間に画定された間隙に及び前記固定装置の前記保持部材と更なる固定装置の前記本体との間の間隙に挿入される挿入部材を更に含む、請求項14乃至18のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項20】
各挿入部材は、前記固定装置の前記本体と更なる固定装置の前記保持部材とによって及び前記固定装置の前記保持部材と更なる固定装置の前記本体とによって画定される前記凹部によって受容される突起部を含む、請求項19に記載の固定装置。
【請求項21】
前記クランプ機構は、クランプ状態と解放状態との間を移動可能なクランプ部材を備え、前記クランプ機構は、前記クランプ部材を前記クランプ状態に付勢するための付勢部材を更に含む、請求項1乃至20のいずれか一項に記載の固定装置。
【請求項22】
前記クランプ部材は、長尺物を受容することができる溝を画定し、前記クランプ部材は、第1の端部と第2の端部とを有し、前記付勢部材は、前記第1の端部に係合し、前記クランプ部材は、前記第1の端部から前記第2の端部に向かって内方に先細になる外面を有する、請求項21に記載の固定装置。
【請求項23】
各固定装置の前記クランプ機構は、互いに対向する位置に配置された2つの前記クランプ部材を備え、前記クランプ部材は、クランプ状態と解放状態との間を移動可能である、請求項21又は22に記載の固定装置。
【請求項24】
前記付勢部材は、前記クランプ部材と前記閉鎖端との間に配置され、前記付勢部材は、前記クランプ部材の両方を前記クランプ状態に付勢する、請求項23に記載の固定装置。
【請求項25】
請求項1乃至24のいずれか一項に記載の固定装置のうちの2つを備える接合アセンブリであって、各固定装置は、それぞれのクランプ機構とそれぞれの接続構成とを備え、前記接続構成は、前記固定装置を互いに接続するために互いに協働可能である、接合アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接合アセンブリに関する。より詳細には、しかし排他的ではなく、本発明は、長尺物を接合するための接合アセンブリに関する。本発明はまた、接合アセンブリで使用するための固定装置に関する。本発明の実施形態は、ワイヤ、ケーブル、ワイヤロープなどを接合するための接合アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
ブドウ園では、ブドウのつるは、柱の間に張られた複数のワイヤを備える格子に沿って成長する。ブドウの収穫中、ブドウの房をつるから切り取るためにカッターが使用される。カッターでワイヤを不注意に切断することがある。その結果、切断されたワイヤの端部を互いに接合しなければならない。これは、切断される前にワイヤが張力下にあった場合、困難であり得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様に従って、2つの固定装置を備える接合アセンブリが提供され、各固定装置は、それぞれのクランプ機構及びそれぞれの接続構成を備え、接続構成は、固定装置を互いに接続するために互いに協働可能である。
【0004】
本発明の別の態様によれば、上で説明した接合アセンブリで使用するための固定装置が提供され、上記固定装置は、クランプ機構と、更なる固定装置上の更なる接続構成と協働可能であり、それによって固定装置を更なる固定装置に接続する接続構成とを備える。
【0005】
各固定装置は、本体を備え得る。本体は、ボアを画定し得る。クランプ機構は、ボア内に配置され得る。
【0006】
ボアは、閉鎖端を有するブラインドボアであり得る。本体は、ボアの閉鎖端を設けるために一端が閉じられていてもよい。
【0007】
各固定装置の接続構成は、本体に取り付けられ得る。また、各固定装置の接続構成は、本体の閉鎖端に取り付けられ得る。
【0008】
各固定装置は、近位端と遠位端とを備え得る。接続構成は、固定装置の近位端において本体に取り付けられ得る。
【0009】
各固定装置の接続構成は、他方の固定装置の保持部材と協働するように構成された保持部材を備え得る。
【0010】
保持部材は、他方の固定装置の保持部材を保持するように構成され得る。保持部材は、フック形成部を備え得る。
【0011】
保持部材は、主係合面を含み得、それは、凹角面であり得る。主係合面は、本体に面し得る。
【0012】
固定装置の各々の主係合面は、固定装置が互いに接続されたときに互いに係合し得る。
【0013】
各固定装置の接続構成は、保持部材と本体との間に延在する連結部を含み得る。
【0014】
保持部材は、連結部によって本体から離間され得る。保持部材と本体との間に空間が画定され得る。
【0015】
連結部は、主係合面から延在する連結面を有し得る。連結面は、本体まで延在し得る。
【0016】
本体は、中心軸を有し得る。連結面は、本体の中心軸に対して軸方向に延在し得る。一実施形態では、連結面は、本体の中心軸に平行であり得る。
【0017】
保持部材は、補助係合面を含み得る。補助係合面は、他方の固定装置の連結面と係合し得る。補助係合面は、主係合面から延在し得る。
【0018】
補助係合面は、本体の中心軸に対して軸方向に延在し得る。補助係合面は、連結面に平行であり得る。
【0019】
保持部材は、アパチャを画定し得、突出部を含み得る。突出部は、主係合面から突出し得る。
【0020】
突出部は、本体に向かって突出し得る。アパチャは、主係合面から延在し得る。アパチャは、貫通口であり得る。
【0021】
各固定装置の保持部材の突出部は、望ましくは、固定装置が互いに接続されたときに、他方の固定装置の保持部材によって画定されたアパチャと協働する。
【0022】
中心軸は、アパチャと突出部との間に延在し得る。アパチャ及び突出部は、中心軸の両側に配置され得る。
【0023】
各固定装置の保持部材によって画定されるアパチャは、他方の固定装置の保持部材の突出部を受容するように配置され得る。
【0024】
各固定装置の接続構成は、接続構成によって固定装置が互いに接続されたときに、本体と他方の固定装置の接続構成との間に間隙を設ける距離だけ本体から離間され得る。
【0025】
接合アセンブリは、固定装置が互いに接続されたときに固定装置を互いにロックするロッククリップを備え得る。
【0026】
ロッククリップは、各固定装置の本体と他方の固定装置の接続構成との間の間隙に受容され得る。本体は、第1の凹部を画定し得る。第1の凹部は、本体の閉鎖端において画定され得る。保持部材は、第2の凹部を画定し得る。
【0027】
保持部材は、補助面から延在し得る近位端面を有し得る。第2の凹部は、近位端面によって画定され得る。近位端面は、本体から離れて面し得る。第2の凹部は、本体から離れて面し得る。
【0028】
第1の凹部及び第2の凹部の各々は、円筒セグメントであり得る。各円筒セグメントは、小円筒セグメントであり得る。各固定装置の第1の凹部は、固定装置が互いに接続されたときに他方の固定装置の第2の凹部に面し得る。
【0029】
固定装置が互いに接続されたとき、各固定装置の本体によって画定される第1の凹部は、他方の固定装置の保持部材によって画定される第2の凹部に対向して配置され得る。
【0030】
ロッククリップは、固定装置が互いに接続されたときに固定装置の接続構成の周りに係合するためのカバー部を備え得る。カバー部は、シュラウド形成部を備え得る。
【0031】
ロッククリップは、各固定装置の本体と他方の固定装置の保持部材との間に画定された間隙に挿入される挿入部材を更に含み得る。挿入部材は、カバー部から延在し得る。
【0032】
各挿入部材は、各固定装置の本体と他方の固定装置の保持部材とによって画定される凹部によって受容される突起部を含み得る。各突起部は、実質的に円筒形であり得る。
【0033】
各固定装置のクランプ機構は、本体内に配置され得る。
【0034】
クランプ機構は、クランプ状態と解放状態との間を移動可能なクランプ部材を備え得る。クランプ機構は、クランプ部材をクランプ状態に付勢するための付勢部材を更に含み得る。
【0035】
本体は、ボアを画定し得る。クランプ機構は、ボア内に配置され得る。ボアは、閉鎖端を有するブラインドボアであり得る。本体は、ボアの閉鎖端を設けるために一端が閉じられていてもよい。
【0036】
付勢部材は、ばねを備え得、それは圧縮ばねであり得る。付勢部材は、クランプ部材と閉鎖端との間のボア内に配置され得る。
【0037】
クランプ部材は、長尺物を受容することができる溝を画定し得る。クランプ部材は、第1の端部と第2の端部とを有し得る。付勢部材は、第1の端部に係合し得る。
【0038】
クランプ部材は、外面を有し得る。外面は、第1の端部から第2の端部に向かって内方に先細になり得る。
【0039】
ボアは、本体によって画定された開口部を有し得る。開口部は、閉鎖端とは反対側のボアの端部で画定され得る。開口部は、固定装置の遠位端で画定され得る。
【0040】
ボアは、閉鎖端から開口部に向かって内方に先細になる内面を有し得る。クランプ部材は、開口部を通って延在し得る。
【0041】
本体は、中心軸を有し得る。ボアは、中心軸に沿って延在し得る。中心軸は、接続構成を通って延在し得る。
【0042】
各固定装置のクランプ機構は、互いに対向する位置に配置された2つのクランプ部材を備え得る。
【0043】
クランプ部材は、クランプ状態と解放状態との間を移動可能であり得る。
【0044】
付勢部材は、クランプ部材と閉鎖端との間に配置され得る。付勢部材は、両方のクランプ部材をクランプ状態に付勢し得る。
【0045】
両方のクランプ部材は、開口部を通って延在し得る。クランプ部材は、中心軸を挟んで互いに対向して配置され得る。
【0046】
接合アセンブリは、長尺物を互いに接合し得る。長尺物は、ワイヤ、ケーブル、ワイヤロープなどの形であり得る。
【0047】
各固定装置のクランプ機構は、それぞれの長尺物をクランプし得る。クランプ部材が付勢されて、ボアの先細の内面によって長尺物とクランプ係合し得る。
【0048】
本発明の実施形態は、添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】2つの固定装置を備える接合アセンブリの斜視図である。
【
図3】互いに接続される準備ができた位置にある固定装置を示す斜視図である。
【
図4】互いに接続される途中である固定装置の側面図である。
【
図5】互いに接続され、それによって接合アセンブリを形成する固定装置の側面図である。
【
図7】各固定装置で使用するためのクランプ部材を示す。
【
図8】固定装置がロッククリップによって互いにロックされようとしている状態にある接合アセンブリを示す。
【
図9】固定装置がロッククリップによって互いにロックされている状態にある接合アセンブリを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図面は、長尺物100(
図2において破線で示す)を互いに接合するための接合アセンブリ10を示す。長尺物100は、ワイヤ、ケーブル、ワイヤロープなどの形であり得る。
【0051】
接合アセンブリ10は、ワイヤ状の長尺物100が支持体間に張られて格子を形成し、つる植物などの作物がそのワイヤに沿って成長する農業の場面での使用に特に適している。
【0052】
収穫中、ワイヤのうちの1つ又は複数が不注意に切断されることがある。そういったときには、接合アセンブリ10を使用して、切断された端部を接合してワイヤを修復することができる。
【0053】
接合アセンブリ10は、2つの同一の固定装置12及び14を備える。
【0054】
固定装置12,14の各々は、近位端16と遠位端18とを有する。各固定装置12,14は、固定装置12を固定装置14に接続するための接続構成20を備える。接続構成20は、それぞれの固定装置12,14の近位端16に設けられる。
【0055】
固定装置12,14の各々は、中心軸Xを有する本体22を更に含む。ブラインドボア24は、本体22によって画定され、ボア24は、それぞれの固定装置12,14の遠位端18において本体22内に開口部26を有する。
【0056】
ボア24は、開口部26の反対側に閉鎖端28を有し、中心軸Xに沿って延在する。長尺物100をクランプし、それによって長尺物100を固定装置12,14に固定するために、クランプ機構30がブラインドボア24内に設けられる(
図2参照)。
【0057】
第1の凹部32は、本体22の閉鎖端28において画定される。第1の凹部32は、小円筒セグメントの形状である。第1の凹部32は、本体22の閉鎖端28を横切って延在する。
【0058】
各固定装置12,14の接続構成20は、本体22の閉鎖端28に取り付けられており、そこから中心軸Xに沿って延在する。
【0059】
接続構成20は、保持部材34と、保持部材34を本体22に取り付ける連結部36とを備える。保持部材34は、フック形成部の形である。
【0060】
保持部材34は、連結部36によって本体22から離間され、それによって、保持部材34と本体22との間に空間38を画定する(
図6参照)。
【0061】
保持部材34は、本体22の閉鎖端28に面する凹角主係合面40を有する(
図6参照)。固定装置12,14の各々の保持部材34の主係合面40は、固定装置12,14が互いに接続されたときに互いに係合する。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0062】
連結部36は、主係合面40から本体22の閉鎖端28まで延在する連結面42を有する(
図6参照)。連結面42は、中心軸Xに平行に延在する。
【0063】
保持部材34は、主係合面40から延在する補助係合面44を更に含む。補助係合面44は、中心軸X及び連結面42に平行に延在する。
【0064】
近位端面46は、補助係合面44に対して横方向に、補助係合面44から延在する。示される実施形態では、近位端面46は、補助係合面44に対して実質的に垂直に延在する。
【0065】
近位端面46は、本体22の閉鎖端28に平行に延在し、第2の凹部48を画定する。第2の凹部48は、小円筒セグメントの形状である。第2の凹部48は、近位端面46を横切って延在する。
【0066】
保持部材34は、主係合面40から保持部材34を通って延在するアパチャ50を画定する。保持部材34は、主係合面40から延在する突出部52を更に含む。
【0067】
突出部52は、アパチャ50と連結部36との間に配置されている。アパチャ50及び突出部52の目的は、以下に説明するように、固定装置12,14が長尺物100にクランプされ、互いに接続されたときに、横方向の移動を防止することである。
【0068】
クランプ機構30は、ボア24内に配置された一対の対向するクランプ部材54を備える。クランプ部材54のうちの1つが
図7に示されている。ばね56状の付勢部材が、クランプ部材54とボア24の閉鎖端28との間に配置される。
【0069】
各クランプ部材54は、第1の端部58と第2の端部60とを有する(
図7参照)。クランプ部材54は、第1の端部58がボア24の閉鎖端28に最も近い状態でボア24内に配置される。第2の端部60は、本体22の開口部26を通ってボア24の外に延在し得る。
【0070】
各クランプ部材54は、クランプされる長尺物100を受容するための長手方向に延在する溝55を有する。
【0071】
各クランプ部材54は、使用時にボア24の内面64と係合する先細の外面62を有する。外面62は、第1の端部58から第2の端部60に向かって内方に先細になる。
【0072】
各固定装置12,14のボア24の内面64は、閉鎖端28から開口部26に向かって内方に先細になる。ばね56は、両方のクランプ部材54の第1の端部58に係合し、クランプ部材54を開口部26に向かって付勢する。
【0073】
その結果、長尺物100がクランプ部材54間においてボア24に受容されると、クランプ部材54は、付勢されて長尺物100と係合し、それによって、クランプ部材54によって画定される溝55に長尺物100を受容する。
【0074】
その後、
図2の矢印Aで示すように、使用者が長尺物100を開口部26に向かって引っ張ると、長尺物100は、各固定装置12,14のクランプ部材54をそれぞれの長尺物100と同じ方向に引っ張る。
【0075】
ボア24の先細の内面64は、クランプ部材54を互いに向かって付勢して、それぞれの長尺物100と堅くクランプ係合させる。
【0076】
長尺物100がこのようにクランプされると、クランプ部材54は、本体22の開口部26からボア24の外に延在し得る。クランプ部材54は、
図2の矢印Aと反対方向に押すことによって解放され得る。
【0077】
長尺物100の直径が十分に大きいか、又は長尺物の張力があまり高くない状況では、クランプ部材54は、開口部26からボア24の外に延在しない可能性もある。
【0078】
長尺物100が固定装置12,14の各々のクランプ機構30によってクランプされると、固定装置12,14は互いに接続され得る。固定装置12,14のうちの一方は、固定装置のうちの他方に対して中心軸Xを中心として180度回転した向きに配置される。
【0079】
図3を参照すると、固定装置12,14は、反対方向を向いて互いに隣接して配置され、その結果、第1の固定装置12の保持部材34は、本体22と第2の固定装置14の保持部材34との間に画定された空間38と整列される。この位置では、第2の固定装置14の保持部材34が、本体22と第1の固定装置12の保持部材34との間に画定された空間38と整列される。
【0080】
次いで、
図3の矢印C及びDで示すように、固定装置12,14が互いに向かって移動され得る。これにより、固定装置12,14は、第1の固定装置12の保持部材34は、保持部材34と第2の固定装置14の本体22との間に画定された空間38に受容される、
図4に示される位置に移動する。この位置では、第2の固定装置14の保持部材34が、保持部材34と第1の固定装置12の本体22との間に画定された空間38に受容される。
【0081】
次いで、固定装置12,14は、
図4の矢印E及びFで示すように、互いに対して移動され、その結果、主係合面40は、
図5に示されるように、互いに係合する。これは、
図1及び
図2に示す固定装置12,14の位置である。
【0082】
この位置では、第1の固定装置12の保持部材34の突出部52が、第2の固定装置14の保持部材34によって画定されたアパチャ50に受容される。
【0083】
これに対応して、第2の固定装置14の保持部材34の突出部52は、第1の固定装置12の保持部材34によって画定されたアパチャ50に受容される。
図2を参照されたい。
【0084】
固定装置12,14は、突出部52がアパチャ50に係合することによって、互いに対する横方向の移動が防止される。それによって、固定装置12,14は、長尺物100の張力によって互いに接続されたままとなる。
【0085】
固定装置12,14が互いに接続されたとき、第1の固定装置12の第1の凹部32は、他方の第2の固定装置14の第2の凹部48に面し、かつ、整列されるように配置される。
【0086】
これに対応して、第2の固定装置14の第1の凹部32は、固定装置14の第2の凹部48に面し、かつ、整列される。
【0087】
固定装置12,14がこのように互いに接続されると、第1の固定装置12の近位端16と第2の固定装置14の本体22の閉鎖端28との間に間隙66が画定される。
【0088】
第2の固定装置14の近位端16と第1の固定装置12の本体22の閉鎖端28との間にも間隙66が画定される。
【0089】
接合アセンブリ10は、固定装置12,14が互いに接続されたときに固定装置12,14を互いにロックするロッククリップ68を更に含む。
【0090】
ロッククリップ68は、固定装置12,14が互いに接続されたときに固定装置12,14の接続構成20の周りに係合するための部分的に円筒形のシュラウド形成部70を備える。
【0091】
ロッククリップ68は、各固定装置の本体22と他方の固定装置の保持部材34との間に画定された間隙66に挿入される2つの挿入部材72を更に含む。挿入部材72は、シュラウド形成部70の中心を通って延在する。
【0092】
各挿入部材72は、ウェブ部74と、円筒部76の形であるそれぞれの突起部とを含む。各円筒部76は、ウェブ部74に取り付けられている。各ウェブ部74は、間隙66のそれぞれ1つに受容される。円筒部76は、整列された第1の凹部32及び第2の凹部48によって受容される。
【0093】
本明細書で説明した実施形態では、本体22の形状は、長尺物100の切断された端部がクランプされている固定装置12,14を使用者が把持できるような形状である。
【0094】
使用者は、長尺物100の張力に抗して固定装置12,14を一緒に引っ張り、固定装置12,14を互いに接続し、それによって長尺物100を修理することができる。
【0095】
従って、接合アセンブリ10であって、その実施形態が、不注意に切断された長尺物100の端部を接合するのに適している接合アセンブリ10が説明されている。接合アセンブリ10により、長尺物100が張力下にあったとしても、長尺物100を修復することができる。
【0096】
第1の固定装置12及び第2の固定装置14を互いにロックするためにクリップ68が設けられている。接合アセンブリ10は、薄型であり、それによって、収穫機に巻き込まれないことを確実にするのに役立つという利点を有する。
【0097】
固定装置12,14は、ワイヤよりもわずかに幅広であり、それによって、使用者は、両方の固定装置12,14を把持してそれらを一緒に引っ張ることができる。
【0098】
接合アセンブリ10は、使用されるワイヤの長さなどの追加の材料の使用を必要としないという更なる利点を有する。
【0099】
2つの固定装置12,14は同一であり、その結果、一種類の構成要素のみを製造すればよく、それによってコストが最小限に抑えられる。
【0100】
本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。
【国際調査報告】