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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】車両フロアの水流管理
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/20 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B62D25/20 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523924
(86)(22)【出願日】2019-11-06
(85)【翻訳文提出日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019060015
(87)【国際公開番号】W WO2020097168
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/756,289
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519336643
【氏名又は名称】アウリア・ソリューションズ・ユーケー・アイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル・ベック
(72)【発明者】
【氏名】タイラー・ヒース
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203BB06
3D203CB26
(57)【要約】
水流を方向付けるように構成されている車両フロアは、車両乗員に面する表面を含む、車両内の前後左右に延在するフロア部分を含む。該フロア部分表面は、1つまたは複数の隆起リブ部と、前記隆起リブ部の中間の1つまたは複数のウェブ領域とを含み、該1つまたは複数のウェブ領域は、水を1つまたは複数の所望の場所へ方向付けるように構成されている、下方傾斜フロア表面をもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水流を方向付けるように構成されている車両フロアであって、
前記車両フロアは、車両乗員に面する表面を含む、車両内の前後左右に延在しているフロア部分を含み、
前記フロア部分表面は、1つまたは複数の隆起リブ部、および前記隆起リブ部の中間の1つまたは複数のウェブ領域を含み、
前記1つまたは複数のウェブ領域は、水を1つまたは複数の所望の場所へ方向付けるように構成されている、前記表面内の下方傾斜フロア部分をもたらす、
車両フロア。
【請求項2】
前記車両内の前後左右に延在している前記フロア部分表面は、前記車両内の前後に最大10°の下方傾斜表面をもたらす、請求項1に記載の車両フロア。
【請求項3】
前記車両内の前後左右に延在している前記フロア部分表面は、前記車両内の前後に0.5°から10°までの下方傾斜表面をもたらす、請求項1に記載の車両フロア。
【請求項4】
前記車両内の前後左右に延在している前記フロア部分表面は、前記車両内の前後に2°から4°までの下方傾斜表面をもたらす、請求項1に記載の車両フロア。
【請求項5】
前記車両内の前後左右に延在している前記フロア部分表面は、前記車両内の前後に1°から2°までの下方傾斜表面をもたらす、請求項1に記載の車両フロア。
【請求項6】
前記1つまたは複数の所望の場所は1つまたは複数の排水孔を含む、請求項1に記載の車両フロア。
【請求項7】
前記1つまたは複数のウェブ領域は、0.5°から20°までの範囲内の角度で下方傾斜フロア部分表面をもたらす、請求項1に記載の車両フロア。
【請求項8】
水流を方向付けるように構成されている車両フロアであって、
車両乗員に面する表面を含む、車両内の前後左右に延在しているフロア部分であって、前記車両乗員に面する前記表面は、前記車両内の前後に伸びている、最大10°の下方傾斜、および前記車両内の左右に伸びている、最大10°の前記下方傾斜をもたらす、フロア部分と、
前記車両フロア表面内の1つまたは複数のL形突出部であって、前記L形突出部は、交差し、75°から115°までの角度を画定する2つの直線状部分で構成されている、1つまたは複数のL形突出部と、
前記複数のL形突出部間の1つまたは複数のウェブ領域であって、前記ウェブ領域は、0.5°から20.0°までの範囲内の角度で下方傾斜表面をもたらす、1つまたは複数のウェブ領域と
を含み、
前記下方傾斜フロア表面は前記車両内の前後にかつ前記車両内の左右に伸びており、
前記1つまたは複数のL形突出部、前記複数のL形突出部間の前記1つまたは複数のウェブ領域は、水流を1つまたは複数の所望場所へ方向付けるように構成されている、
車両フロア。
【請求項9】
前記車両乗員に面する前記表面は、前記車両内の前後に伸びている0.5°から10°までの前記下方傾斜と、前記車両内の左右に伸びている0.5°から10°までの前記下方傾斜とをもたらす、請求項8に記載の車両フロア。
【請求項10】
前記車両乗員に面する前記表面は、前記車両内の前後に伸びている2°から4°までの前記下方傾斜と、前記車両内の左右に伸びている2°から4°までの前記下方傾斜とをもたらす、請求項8に記載の車両フロア。
【請求項11】
前記車両乗員に面する前記表面は、前記車両内の前後に伸びている1°から2°までの前記下方傾斜と、前記車両内の左右に伸びている1°から2°までの前記下方傾斜とをもたらす、請求項8に記載の車両フロア。
【請求項12】
前記1つまたは複数の所望の場所は1つまたは複数の排水孔を含む、請求項8に記載の車両フロア。
【請求項13】
前記1つまたは複数のウェブ領域は、0.5°から10°までの前記範囲内の角度で前記下方傾斜表面をもたらす、請求項8に記載の車両フロア。
【請求項14】
前記1つまたは複数のL形突出部は、1.0mmから30mmまでの範囲内で、前記車両フロアの前記表面から突出している、請求項8に記載の車両フロア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、その全体が参照により本明細書に援用されている、「Vehicle Floor Water Flow Management」という題名の、2018年11月6日に出願された米国仮特許出願第62/756,289号に対する優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は、水および屑を含み、それが外に廃棄され得る、車両内の1つまたは複数の所望の場所へそれらを一定の経路で送る車両フロア設計に関する。
【背景技術】
【0003】
車両は、通常、車両の室内および詳細にはフロアが濡れ、泥、砂、塵、および冬には雪泥を含むがそれらに限定されない屑を収集する条件下で運転される。次いで運転者または乗客の靴を再び汚す可能性があるそのような屑は、車両フロア上に蓄積し、滑り易い状況を作りだし、車室内に望ましくない染みをもたらす。
【0004】
上記に応答して、チャネルを形成するリブおよび隆起した踏み面に依存する様々なフロアトレイ設計が提案されてきた。水、泥および雪泥が、次いで、チャネル内に蓄積する可能性がある一方、それらは、最終的に、溢れて車両の床を汚し、乗員の靴を汚す可能性がある。さらに、フロアトレイ設計の使用では、最終的に、顧客がマットまたはトレイを除去して、蓄積された水/屑を廃棄する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、水および屑の動きを首尾よく収容でき、制御し、かつまたそのような屑が車室内に蓄積しないように、それの車外への都合の良い除去と併せて、水/屑を1つまたは複数の特定の場所へ方向付けることを可能にする、車両フロア設計が依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの一般的な実施形態では、本発明は、車両乗員に面する表面を含む、前記車両内の前後左右に延在しているフロア部分を含む、水流を方向付けるように構成されている車両フロアを提供する。該フロア部分表面は、1つまたは複数の隆起リブ部と、該隆起リブ部の中間の1つまたは複数のウェブ領域とを含み、該1つまたは複数のウェブ領域は、水を1つまたは複数の所望の場所へ方向付けるように構成されている表面に下方傾斜フロア部分をもたらす。
【0007】
別の一般的な実施形態では、本発明は、車両乗員に面する表面を含む、車両内の前後左右に延在しているフロア部分を含む、水流を方向付けるように構成されている車両フロアを提供し、車両乗員に面する該表面は、車両内の前後に伸びる最大10°の下方傾斜と、車両内の左右に伸びる最大10°の下方傾斜とをもたらす。1つまたは複数のL形突出部は車両フロア面に存在し、該L形突出部は、交差しかつ75°から115°までの角度を画定する2つの直線状部分で構成されている。1つまたは複数のウェブ領域は複数のL形突出部間に存在し、該ウェブ領域は、0.5°から20.0°までの範囲内の角度で下方傾斜面をもたらす。該下方傾斜フロア表面は、車両内の前後にかつ前記車両内の左右に伸びており、1つまたは複数のL形突出部、および該複数のL形突出部間の1つまたは複数のウェブ領域は、水流を1つまたは複数の所望の場所へ方向付けるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の1つの好適な実施形態を示す図である。
図2】別の車両フロアを示す図である。
図3】車両フロアを示す図である。
図4図3のA-Aにおける断面を示す図である。
図5】隆起部および傾斜部を含む車両フロアを示す図である。
図6】別の好適な実施形態を示す図である。
図7】L形突出部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、水および屑を、外への廃棄のためにフロア内の1つまたは複数の特定の場所へ一定の経路で送る車両フロア設計に関する。本発明の1つの好適な実施形態を示す図1に注目する。図示の通り、車両フロア10の部分が、複数の隆起部12と、前記隆起部12の中間の複数の傾斜ウェブ部14とを含むものである。隆起部はリブ(フロアの表面に亘る比較的より厚い材料の延長部)の形であってもよく、3mmから50mmまでの範囲内の16Aにおける厚さ、3mmから50mmまでの範囲内の16Bにおける厚さを有し得ることが好ましい。本明細書における厚さが、フロアの表面からのリブの高さに準拠する。また、リブは、3mmから250mmまでの範囲内の全般的に16Cで示されている幅を有していてもよく、傾斜部14は、5mmから200mmまでの範囲内の全般的に18で示されている幅を有し得る。また、そのような様々な寸法をフロア構造に与えて水および屑の廃棄を最適化し得るように、リブの幅は傾斜の幅と異なる可能性がある。さらに、フロアは、水が集まると考えられる傾斜部のその部分に配設されていることが好ましい1つまたは複数の排水孔または排水開口部20を有し、その排水孔は塞がれることが好ましく、車両の乗員がそれを選択的に開いて、車両室の外への水/屑混合物の除去を実現してもよい。さらに、車両フロア10は、全般的に22で示されているように、1つの傾斜部内の水/屑が1つまたは複数の所望の場所に集まる可能性があるので、リブ部内に開口部を含み得ることが考えられる。
【0010】
図2は、別の車両フロアを示し、図1と比較して、リブ部12および傾斜部14が異なる幅を有するように示されている。上記の通り、リブ部または傾斜部のどちらかの幅を選択的に変える能力により、所定の車両構造および車両所有者による予想される使用パターンに応じて、異なる量の水/屑を選択的に集めることができるフロアを実現することが可能になる。
【0011】
次に、車両フロアを示す図3、およびその図が図4に示されている部分A-Aに注目する。ここで図示の通り、リブの最上部を基準にして測定される傾斜は、好ましくは、車両内の前後に伸びる車両フロアの長さの100mm毎に0.5mmから20.0mmまでにそれが収まるようになっている。したがって、全般的に24で示されている矢印は、0.5mmから20.0mmまでの値を有する可能性があり、それにより、水/屑を所望の場所へ一定の経路で送るために次いで依拠される傾斜を画定している。
【0012】
ここで、前述の隆起部および傾斜部を含む車両フロアの部分10を示す図5に注目する。図示されている通り、水流が最初に車両内で概ね左右に進むと考えられ、次に傾斜部を出ると、車両フロア自体は1つまたは複数の傾斜部を含み、水流を、確認される1つまたは複数の排水孔に向かって車両内の概ね後部にさらに方向付けることができることを、傾斜部は実現する。
【0013】
次に、本明細書における別の好適な実施形態を示す図6に注目する。図示の通り、ここで、車両フロアの部分10が複数のL形リブ突出部26として記載され得るものを含み得る。「L」形突出部のうちの1つの拡大図が図7に示されており、そのような突出部が2つの略直線状の部分28および30により画定されており、各々が、12.5mmから250mmまでの範囲内の長さと、1.0mmから30mmまでの範囲内の厚さ(すなわちフロアの表面から突出する寸法)とを有することが好ましい。また、これら2つの略直線状の部分28および30は、75°から115°までの、より好ましくは85°から105°までの角度32を画定していることが好ましい。同様に、床は、水流を車両内で前後に所望の方向に方向付けるために、任意の幾何学的形状の(例えば、真っ直ぐなまたは湾曲した)、複数の追加突出部を含み得る。記述の通り、水流は、排水孔またはさらには複数の排水孔に向かって方向付けられることが好ましい。したがって、12.5mmから550mmまでの範囲内の長さと好ましくは1.0mmから30mmまでの範囲内の厚さ(すなわちフロアの表面から突出する寸法)とを有することが好ましい比較的真っ直ぐなリブ突出部34を利用できることが好ましい。排水孔36も図示されている。前段で示唆した通り、複数の排水孔を利用することができる。
【0014】
さらに、車両フロア10自体の部分は、車両内の前後に伸びている場合、矢印38により示されている通り、残留水を排水孔36などの所望の場所へ方向付けることを補助する、最大10°の傾斜面を画定する、車両乗員に面する傾斜面をもたらすように構成されている。したがって、本開示の幅広い文脈では、車両フロアは、車両内の前後に伸びている場合、0°から10°までの、より好ましくは0.5°から10°までの、さらにより好ましくは2°から4°までの、またはさらには1°から2°までの傾斜面をもたらし得る。
【0015】
さらに、車両フロア自体は、水を排水孔36へ方向付けることをやはり補助する、やはり最大10°の矢印40および42により示されているように、左右の傾斜を含み得る。したがって、本開示の幅広い文脈では、車両フロアは、車両内の左右に伸びている場合、0°から10°までの、より好ましくは0.5°から10°までの、さらにより好ましくは2°から4°までの、またはさらには1°から2°までの傾斜をもたらし得る。さらに、図6に示されている排水孔36は車両フロア10の部分の水平軸に関して中心位置に配置されていないが、当然のことながら、排水孔はそのような水平軸に沿ったどこかに配置されて、残留水流を捕捉し得る。
【0016】
さらに、当然のことながら、車両フロア部分10の境界42は、いかなる残留水も車両内にさらに逆流しないようにする境界部分をもたらし得る。したがって、そのような境界部分は、隆起部またはさらには上方に角度の付いた壁部分を含み、そのような水流を制限し得る。
【0017】
ここで、両方向矢印44、46、48および50により確認される、複数の「L」形リブ突出部26間のウェブ領域に注目する。これらのウェブ領域は、矢印の全体的方向に、車両乗員に面する追加傾斜車両フロア表面をもたらすように構成されており、そのようなウェブ領域は、0.5°から20°までの、または0.5°から10°までの範囲内の角度で下方傾斜フロアをもたらし得る。理解されるであろうように、したがって、複数の「L」形リブ突出部26間のウェブ領域は、排水孔36に向かう、フロア部分10上の任意の残留水または蓄積水の流動のための別の方向付けられた経路をもたらし得る。
【0018】
当然のことながら、上記の車両フロア部分は、運転者側位置、右前シート乗客位置、および2つの後部シート乗客位置を含む、普通自動車内の4つの一般的な位置に設けられ得る。
【0019】
最後に、隆起部および傾斜部を含む、車両フロアの部分は、フロアと一体的に形成されてもよく、好ましくは熱可塑性エラストマー、熱可塑性オレフィン、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン)、および(熱可塑性のまたは熱硬化性の)ポリウレタンタイプの材料で構成されてもよいことが留意されるべきである。
【0020】
したがって、理解されるであろうように、本発明は、水/屑を、それが次いで都合良く車内から排出され得る車両内の所望の場所へ選択的に一定の経路で送る、複数のリブおよび傾斜壁部分を含む車両フロアに幅広く関する。したがって、該フロアは、車両乗員が開くことができる1つまたは複数の塞がれる開口部を含み得る。また、該開口部は、水/屑が除去のための特定の場所に到達することを可能にする、リブ部分に選択的に配置された開口部の使用により、車両フロア上の様々な位置に選択的に配置され得る。
【符号の説明】
【0021】
10 車両フロア、車両フロアの部分、車両フロア部分
12 隆起部、リブ部
14 傾斜ウェブ部、傾斜部
16A、16B (リブの)厚さ
16C (リブの)幅
18 (傾斜ウェブ部14の)幅
20 排水孔、排水開口部
22 (リブ内の)開口部
24、38、40、42 矢印
26 L形リブ突出部
28、30 略直線状の部分
32 角度
34 比較的真っ直ぐなリブ突出部
36 排水孔
42 (車両フロア部分10の)境界
44、46、48、50 両方向矢印、(L形リブ突出部26間の)ウェブ領域
A-A 部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】