(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】気化器デバイス用のカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20220107BHJP
A24F 40/48 20200101ALI20220107BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20220107BHJP
A61M 15/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/48
A24F40/44
A61M15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523929
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-25
(86)【国際出願番号】 US2019059851
(87)【国際公開番号】W WO2020097067
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315012459
【氏名又は名称】ジュール・ラブズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Juul Labs, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アリエル アトキンス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー エム. フーパイ
(72)【発明者】
【氏名】エステバン レオン ドゥケ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイムズ ロッサー
(72)【発明者】
【氏名】アンドルー ジェイ. ストラットン
(72)【発明者】
【氏名】ノーバート ウェズリー
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC17
4B162AC18
4B162AD02
4B162AD03
4B162AD15
4B162AD16
4B162AD20
4B162AD23
(57)【要約】
気化器デバイス用のカートリッジが提供される。一実施例では、カートリッジは、一次リザーバと、一次リザーバに流体連通している二次リザーバと、二次リザーバに連通している気化チャンバを含むことができ、気化チャンバは第1のウィッキング要素を含んでいる。一次リザーバは、第1の圧力状態のときには、気化可能材料の大部分を貯蔵するように構成されていて、かつ第2の圧力状態のときには、ヘッドスペースの増加に応じて気化可能材料を排出するように構成されている。二次リザーバは、第1の圧力状態では一次リザーバからの気化可能材料の第1の体積を収容するように、かつ第2の圧力状態では、第1の体積を上回る、一次リザーバからの気化可能材料の第2の体積を収容するように構成された吸収性材料から成っている。気化器デバイスも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気化器デバイス用のカートリッジであって、前記カートリッジは、
第1の圧力状態および第2の圧力状態を有する一次リザーバであって、前記第1の圧力状態のときには、その内部にある気化可能材料の大部分を貯蔵するように構成されていて、かつ前記第2の圧力状態のときには、ヘッドスペースの増加に応じて前記気化可能材料を排出するように構成された前記一次リザーバと、
前記一次リザーバに流体連通している二次リザーバであって、前記第1の圧力状態では前記一次リザーバからの前記気化可能材料の第1の体積を収容するように、かつ、前記第2の圧力状態では、前記一次リザーバからの前記気化可能材料の前記第1の体積よりも大きい第2の体積を収容するように構成された、吸収性材料から成る前記二次リザーバと、
前記二次リザーバに連通している気化チャンバであって、加熱要素による気化のために前記二次リザーバから前記気化チャンバ内へと前記気化可能材料を吸引するように構成された第1のウィッキング要素を含む前記気化チャンバと、
を備えている、気化器デバイス用のカートリッジ。
【請求項2】
前記第2の圧力状態は負圧事象と関連している、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
前記第1の圧力状態において前記一次リザーバの内圧は周囲圧力以下である、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項4】
前記第2の圧力状態において前記リザーバの内圧は前記周囲圧力よりも高い、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項5】
前記一次リザーバから前記二次リザーバへと延在する第2のウィッキング要素をさらに備え、前記第2のウィッキング要素は、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと前記気化可能材料を吸引するように構成されている、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項6】
前記気化可能材料の前記第1の体積は、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと第1の流量で流れ、前記気化可能材料の前記第2の体積は、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと前記第1の流量よりも大きい第2の流量で流れる、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項7】
気化器デバイス用のカートリッジであって、前記カートリッジは、
気化可能材料の大部分を保持するように構成された一次リザーバであって、内圧を有する前記一次リザーバと、
吸収性材料から形成された二次リザーバと、
前記一次リザーバと前記二次リザーバとの間に延在する第1のウィッキング要素であって、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと前記気化可能材料を吸引するように構成されている前記第1のウィッキング要素と、
前記二次リザーバと連通している気化チャンバであって、加熱要素による気化のために前記二次リザーバから前記気化チャンバへと前記気化可能材料を吸引するように構成された第2のウィッキング要素を含む前記気化チャンバと、
を備え、
前記吸収性材料は、前記一次リザーバの外側の周囲圧力と前記一次リザーバの内圧との間に生じる差圧に応じて、前記一次リザーバから排出される前記気化可能材料のオーバーフロー体積を収容するように構成されている、気化器デバイス用のカートリッジ。
【請求項8】
前記第2のウィッキング要素は、前記気化可能材料の前記オーバーフロー体積を、前記二次リザーバから前記気化チャンバへと吸引するように構成されている、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項9】
前記差圧は負圧事象と関連している、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項10】
前記一次リザーバの内圧は、前記差圧が生じる前において前記周囲圧力以下である、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項11】
前記差圧が生じるとき、前記周囲圧力は前記一次リザーバの内圧未満である、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項12】
前記第1のウィッキング要素は、前記差圧の減少に応じて、前記気化可能材料の前記オーバーフロー体積の少なくとも一部を前記二次リザーバから引き込んで前記一次リザーバに戻すように構成されている、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記気化チャンバは、前記加熱要素による気化のために前記二次リザーバから前記気化チャンバへと前記気化可能材料を吸引するように構成された第3のウィッキング要素を含んでいる、請求項7記載のカートリッジ。
【請求項14】
気化器デバイスであって、
気化器本体と、
前記気化器本体に選択的に連結され、かつ前記気化器本体から取外し可能なカートリッジと、
を備え、前記カートリッジは、
第1の圧力状態および第2の圧力状態を有する一次リザーバであって、前記第1の圧力状態のときには、内部にある気化可能材料の大部分を貯蔵するように構成され、かつ、前記第2の圧力状態のときには、ヘッドスペースの増加に応じて前記気化可能材料を排出するように構成された前記一次リザーバと、
前記一次リザーバに流体連通している二次リザーバであって、前記第1の圧力状態では前記一次リザーバからの前記気化可能材料の第1の体積を収容するように、かつ、前記第2の圧力状態では、前記一次リザーバからの前記気化可能材料の前記第1の体積よりも大きな第2の体積を収容するように構成された、吸収性材料から成る前記二次リザーバと、
前記二次リザーバと連通している気化チャンバであって、加熱要素による気化のために前記二次リザーバから前記気化チャンバ内へと前記気化可能材料を吸引するように構成された第1のウィッキング要素を含む前記気化チャンバと、
を含む、気化器デバイス。
【請求項15】
前記気化器本体は電源を含む、請求項14記載のデバイス。
【請求項16】
前記第2の圧力状態は負圧事象と関連している、請求項14記載のデバイス。
【請求項17】
前記第1の圧力状態において前記一次リザーバの内圧は周囲圧力以下である、請求項14記載のデバイス。
【請求項18】
前記第2の圧力状態において前記リザーバの内圧は前記周囲圧力よりも高い、請求項14記載のデバイス。
【請求項19】
前記一次リザーバから前記二次リザーバへと延在する第2のウィッキング要素をさらに備え、前記第2のウィッキング要素は、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと前記気化可能材料を吸引するように構成されている、請求項14記載のデバイス。
【請求項20】
前記気化可能材料の前記第1の体積は、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと第1の流量で流れ、前記気化可能材料の前記第2の体積は、前記一次リザーバから前記二次リザーバ内へと、前記第1の流量よりも大きな第2の流量で流れる、請求項14記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、参照によりその開示の全体が本明細書に援用され、許可された範囲で適用される、2018年11月5日に出願された「Cartridges For Vaporizer Devices」と題する米国仮特許出願第62/755,895号の優先権を主張する。
【0002】
技術分野
本明細書に記載される対象は、気化器カートリッジを含む気化器デバイスに関する。
【0003】
背景技術
気化器、電子気化器デバイス、またはe気化器デバイスとも称され得る気化器デバイスは、気化デバイスのユーザによるエアロゾルの吸入による、1つ以上の有効成分を含むエアロゾル(例えば、空気または他の何らかの気体担体の静止しているまたは動いている質量中に懸濁された蒸気相および/または凝縮相の物質)の供給に使用することができる。例えば、電子ニコチン供給システム(ENDS)は、バッテリ電源が供給され、喫煙の体験をシミュレートするために使用することができるが、タバコまたは他の物質の燃焼を伴わない種類の気化器デバイスを含む。気化器デバイスは、薬剤の供給における規定された医療用途と、タバコ、ニコチン、および他の植物ベースの材料の消費との両方において、人気が高まっている。気化器デバイスは、携行可能であり、自給式であり、かつ/または使用に便利であり得る。
【0004】
気化器デバイスの使用において、ユーザは、口語で「蒸気」と称されるエアロゾルを吸入し、このエアロゾルは、液体、溶液、固体、ペースト、ワックス、および/または特定の気化器デバイスとの使用に適合する任意の他の形態であり得る気化可能材料を気化させる(例えば、液体または固体を少なくとも部分的に気相に移行させる)加熱要素によって生成され得る。気化器デバイスと共に使用される気化可能材料は、ユーザによるエアロゾルの吸入のための出口(例えばマウスピース)を含むカートリッジ(例えば、気化可能材料を含む気化器デバイスの分離可能部分)内部に供給され得る。
【0005】
気化器デバイスによって生成された吸入可能なエアロゾルを受け取るために、ユーザは、所定の例では、パフを行うことによって、ボタンを押すことによって、かつ/または何らかの他のアプローチによって、気化器デバイスを活性化させてもよい。本明細書で使用されるパフは、空気体積を気化器デバイス内に引き込ませる形式で行われるユーザによる吸入の意味であり、これにより、気化した気化可能材料と空気体積との組合せによって吸入可能なエアロゾルが生成される。
【0006】
気化器デバイスに気化可能材料から吸入可能なエアロゾルを生成させるアプローチは、気化チャンバ(例えばヒータチャンバ)内で気化可能材料を加熱して、気化可能材料を気相(または蒸気相)に変換させることを含む。気化チャンバとは、気化器デバイス内の領域または容積を意味し得る。気化器デバイス内では、熱源(例えば、伝導性、対流性、および/または放射性の熱源)が、気化可能材料を加熱して空気と気化可能材料との混合物を生成し、気化器デバイスのユーザによる気化可能材料の吸入のための蒸気を形成する。
【0007】
気化器デバイスは、気化器デバイス上の1つ以上のコントローラ、電子回路(例えば、センサ、加熱要素)および/またはこれらに類するものによって制御され得る。また、気化器デバイスは、外部コントローラ(例えば、スマートフォンのようなコンピューティングデバイス)と無線通信し得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、気化可能材料は、ウィッキング要素(例えば、ウィック)を介してリザーバから気化チャンバ内に引き出され得る。気化可能材料を気化チャンバ内に引き出すことは、少なくとも部分的に毛管作用に依存し得る。毛管作用は、ウィッキング要素が気化可能材料をウィッキング要素に沿って気化チャンバの方向に引くときにウィッキング要素によってもたらされる。しかしながら、気化可能材料がリザーバから引き出されるとき、リザーバ内部の圧力が下がり、これにより真空が生成されて毛管作用に抗する作用をする。すると、周囲空気が、リザーバの空のスペースに生成された真空に置き代わる。カートリッジのリザーバを完全に充填することが製造上の課題として残っているため、未使用のカートリッジにもしばしばいくらかの空気(例えば、気泡)が含まれていることに注意されたい。
【0009】
熱、指圧、または任意の形式の負圧事象(例えば、飛行機の客室内の圧力低下)が作用すると、周囲圧力が内圧に対して負になるため、カートリッジのリザーバ内の空気体積または気泡が膨張する原因となる場合がある。不都合なことに、このような圧力変化は、開口部が存在するカートリッジの本体から気化可能材料が漏れ出す結果をもたらす。これらの望ましくない漏れは、典型的に、カートリッジリザーバがマウスピースに接続されている端部や、あるいは、カートリッジの電気ポートが電源に接続するように配置されているキャビティ領域において発生する。
【0010】
気化可能材料の漏れは問題である。なぜならば、このような漏れは、典型的に、気化器デバイスの機能性および清浄性に対して有害であるためである(例えば、漏れた気化可能材料は、電気ポートを詰まらせた漏れリーニングを要する汚染を生じさせたりする)。さらに、漏れが生じているカートリッジに隣接する他の物品や織物への汚染や損傷の可能性があるため、ユーザは、カートリッジから漏れ出す気化可能材料によって否定的な影響を経験する。また、カートリッジまたは気化器デバイスの特定の部分への漏れは、液体の気化可能材料が気化チャンバをバイパスする結果となり、これにより、ユーザが液状の気化可能材料を吸入することによって不快な感覚を経験する原因になるかもしれない。
【0011】
したがって、これらの問題の1つ以上に対処する気化器デバイスおよび/または気化器カートリッジが所望される。
【0012】
概要
本対象の態様は、気化器デバイスおよび気化器デバイス内で使用するためのカートリッジに関する。
【0013】
いくつかのバリエーションでは、以下の特徴の1つ以上が、任意の実施可能な組合せにおいてオプションとして含まれてよい。
【0014】
一実施例では、カートリッジが提供され、このカートリッジは、第1の圧力状態および第2の圧力状態を有する一次リザーバ、一次リザーバに流体連通している二次リザーバ、および二次リザーバに連通している気化チャンバを含んでいる。一次リザーバは、第1の圧力状態のときには、その内部にある気化可能材料の大部分を貯蔵するように構成されていて、かつ第2の圧力状態のときには、ヘッドスペースの増加に応じて気化可能材料を排出するように構成されている。二次リザーバは、吸収性材料から成っている。吸収性材料は、第1の圧力状態では一次リザーバからの気化可能材料の第1の体積を収容するように、かつ第2の圧力状態では、一次リザーバからの気化可能材料の第2の体積を収容するように構成されている。第2の体積は第1の体積よりも大きい。気化チャンバは、加熱要素による気化のために二次リザーバから気化チャンバ内へと気化可能材料を吸引するように構成された第1のウィッキング要素を含んでいる。
【0015】
いくつかの実施例では、第2の圧力状態は負圧事象と関連し得る。
【0016】
いくつかの実施例では、第1の圧力状態において一次リザーバの内圧は周囲圧力以下であり得る。
【0017】
いくつかの実施例では、第2の圧力状態においてリザーバの内圧は周囲圧力よりも高くなり得る。
【0018】
いくつかの実施例では、カートリッジは、一次リザーバから二次リザーバへと延在する第2のウィッキング要素を含むことができる。第2のウィッキング要素は、気化可能材料を、一次リザーバから二次リザーバ内へと吸引するように構成され得る。
【0019】
いくつかの実施例では、気化可能材料の第1の体積は、一次リザーバから二次リザーバ内へと第1の流量で流れることができる。このような実施例では、気化可能材料の第2の体積は、一次リザーバから二次リザーバ内へと、第1の流量よりも大きい第2の流量で流れることができる。
【0020】
別の実施例では、カートリッジが提供され、このカートリッジは、内圧を有する一次リザーバ、吸収性材料から成る二次リザーバ、一次リザーバと二次リザーバとの間に延在する第1のウィッキング要素、および二次リザーバに連通している気化チャンバを含んでいる。一次リザーバは、気化可能材料の大部分を保持するように構成されている。第1のウィッキング要素は、気化可能材料を、一次リザーバから二次リザーバ内へと吸引するように構成されている。気化チャンバは、加熱要素による気化のために二次リザーバから気化チャンバへと気化可能材料を吸引するように構成された第2のウィッキング要素を含んでいる。吸収性材料は、一次リザーバの外側の周囲圧力と一次リザーバの内圧との間に生じる差圧に応じて、一次リザーバから排出される気化可能材料のオーバーフロー体積を収容するように構成されている。
【0021】
いくつかの実施例では、差圧は負圧事象と関連し得る。
【0022】
いくつかの実施例では、一次リザーバの内圧は、差圧が生じる前において周囲圧力以下であり得る。別の実施例では、差圧が生じるとき、周囲圧力は一次リザーバの内圧未満であり得る。
【0023】
いくつかの実施例では、第2のウィッキング要素は、気化可能材料のオーバーフロー体積を、二次リザーバから気化チャンバへと吸引するように構成され得る。別の実施例では、第1のウィッキング要素は、差圧の減少に応じて、気化可能材料のオーバーフロー体積の少なくとも一部を二次リザーバから引き込んで一次リザーバへと戻すように構成され得る。
【0024】
いくつかの実施例では、気化チャンバは、また、加熱要素による気化のために二次リザーバから気化チャンバへと気化可能材料を吸引するように構成され得る第3のウィッキング要素も含むことができる。
【0025】
別の実施例では、気化器デバイスが提供され、気化器デバイスは、気化器本体と、気化器本体に選択的に連結され、気化器本体から取外し可能なカートリッジとを含む。このカートリッジは、第1の圧力状態および第2の圧力状態を有する一次リザーバ、一次リザーバに流体連通している二次リザーバ、および二次リザーバに連通している気化チャンバを含んでいる。一次リザーバは、第1の圧力状態のときには、その内部にある気化可能材料の大部分を貯蔵するように構成されていて、かつ第2の圧力状態のときには、ヘッドスペースの増加に応じて気化可能材料を排出するように構成されている。二次リザーバは、吸収性材料から成っている。吸収性材料は、第1の圧力状態では一次リザーバからの気化可能材料の第1の体積を収容するように、かつ第2の圧力状態では、一次リザーバからの気化可能材料の第2の体積を収容するように構成されている。第2の体積は第1の体積よりも大きい。気化チャンバは、加熱要素による気化のために二次リザーバから気化チャンバ内へと気化可能材料を吸引するように構成された第1のウィッキング要素を含んでいる。
【0026】
気化器本体は様々な構成を有することができる。いくつかの実施例では、気化器本体は電源を含むことができる。
【0027】
いくつかの実施例では、第2の圧力状態は負圧事象と関連し得る。
【0028】
いくつかの実施例では、第1の圧力状態において一次リザーバの内圧は周囲圧力以下であり得る。
【0029】
いくつかの実施例では、第2の圧力状態においてリザーバの内圧は周囲圧力よりも高くなり得る。
【0030】
いくつかの実施例では、カートリッジは、一次リザーバから二次リザーバへと延在する第2のウィッキング要素を含むことができる。第2のウィッキング要素は、気化可能材料を、一次リザーバから二次リザーバ内へと吸引するように構成され得る。
【0031】
いくつかの実施例では、気化可能材料の第1の体積は、一次リザーバから二次リザーバ内へと第1の流量で流れることができる。このような実施例では、気化可能材料の第2の体積は、一次リザーバから二次リザーバ内へと、第1の流量よりも大きな第2の流量で流れることができる。
【0032】
本明細書に記載された主題の1つまたは複数のバリエーションの詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。本明細書に記載された主題の他の特徴および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。本開示に続く特許請求の範囲は、保護される対象の範囲を定義することを意図している。
【0033】
本明細書に組み込まれてその一部分を成している添付の図面は、本明細書で開示される対象の特定の態様を示しており、その説明と併せて、開示される実施形態に関連するいくつかの原理を説明するのに役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1B】気化器デバイス本体から分離された気化器カートリッジを示す、気化器デバイスの実施例の平面図である。
【
図1C】気化器デバイス本体に連結された気化器カートリッジを示す、
図1Bの気化器デバイスの平面図である。
【
図2】気化器カートリッジの別の実施例の概略図である。
【0035】
実施例において、同様の参照符号は、同様の構造、特徴、または要素を示す。
【0036】
詳細な説明
本対象の実施形態は、ユーザによる吸入のための1種以上の材料の気化に関する方法、装置、製造品、およびシステムを含む。例示的な実施形態には、気化器デバイスおよび気化器デバイスを含むシステムが含まれる。以下の説明および特許請求の範囲において使用される「気化器デバイス」なる語は、任意の自給式装置、2つ以上の分離可能な部品(例えばバッテリおよび他のハードウェアを含む気化器本体、ならびに気化可能材料を含むカートリッジ)を含む装置、および/またはこれらに類するものを意味する。本明細書で使用する「気化器システム」は、1つ以上の構成要素、例えば気化器デバイスを含むことができる。本対象の実施形態に一致する気化器デバイスの例には、電子気化器、電子ニコチン供給システム(ENDS)、および/またはこれらに類するものが含まれる。一般に、そのような気化器デバイスは、吸入可能な材料用量を提供するために、気化可能材料を(例えば、対流、伝導、放射、および/またはそれらの一部の組合せによって)加熱する手持ち式デバイスである。
【0037】
気化器デバイスと共に使用される気化可能材料は、カートリッジ(例えばリザーバまたは他の容器に気化可能材料を含む気化器デバイスの一部)内に提供することができ、カートリッジは、空になると補充可能であり得、または、同じもしくは異なる種類の追加的な気化可能材料を含む新しいカートリッジが使用され得るように使い捨て可能であり得る。気化器デバイスは、カートリッジを使用する気化器デバイス、カートリッジなしの気化器デバイス、またはカートリッジの有無にかかわらず使用可能な多用途気化器デバイスであり得る。例えば、気化器デバイスは、気化可能材料を直接加熱チャンバ内に収容するように構成された加熱チャンバ(例えば、材料が加熱要素によって加熱されるオーブンまたは他の領域)および/または気化可能材料を収容するためのリザーバ等を含んでいてよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、気化器デバイスは、液状の気化可能材料(例えば、有効成分および/もしくは不活性成分が溶液中に懸濁または保持されている担体溶液、または気化可能材料自体の液状形態)と共に使用するように構成することができる。液状の気化可能材料は、完全に気化され得るようにし得る。代替的に、吸引に適した材料のすべてが気化した後に、液状の気化可能材料の少なくとも一部が残り得る。
【0039】
図1Aのブロック図を参照すると、気化器デバイス100は、電源112(例えば、充電池であり得るバッテリ)と、気化可能材料102を凝集形態(例えば、液体、溶液、懸濁液、少なくとも部分的に未処理の植物材料の一部等)から気相へと変換させるためのアトマイザ141への熱の供給を制御するためのコントローラ104(例えば、ロジックを実行可能なプロセッサ、回路機構など)とを含むことができる。コントローラ104は、本対象の特定の実施形態に一致する1つ以上のプリント回路基板(PCB)の一部であり得る。
【0040】
気化可能材料102の気相への変換後、気相の気化可能材料102の少なくとも一部は、凝縮して、エアロゾルの部分としての気相と少なくとも部分的に局所的平衡状態にある粒子状物質を形成し得る。エアロゾルは、気化器デバイス100でユーザがパフしたり吸引したりする間に、気化器デバイス100によって提供される吸引可能量の一部または全部を形成し得る。気化器デバイス100によって生成されるエアロゾル中の気相と凝集相との間の相互作用は、エアロゾルの1つ以上の物理パラメータに影響を与えることがある要因、例えば、周囲温度、相対湿度、化学的性質、空気流路(気化器デバイスの内部およびヒトまたは他の動物の気道の内部の両方)における流動条件、および/または気相もしくはエアロゾル相の気化可能材料102と他の空気流との混合などの要因により、複雑かつ動的であり得ることを理解されたい。いくつかの気化器デバイスでは、特に揮発性の気化可能材料の供給のために構成された気化器デバイスでは、吸入可能量は、主に気相で存在し得る(例えば、凝集相粒子の形成は極めて制限される場合がある)。
【0041】
気化器デバイス100内のアトマイザ141は、気化可能材料102を気化するように構成することができる。気化可能材料102は液体であり得る。気化可能材料102の例には、原液の液体、懸濁液、溶液、混合物、および/またはこれらに類似のものが含まれる。アトマイザ141は、気化可能材料102の所定量を、加熱要素(
図1Aには示さず)を含むアトマイザ141の一部に搬送するように構成されたウィッキング要素(例えば、ウィック)を含むことができる。
【0042】
例えば、ウィッキング要素は、気化可能材料102を収容するように構成されたリザーバ140から、気化可能材料102を引き出すように構成することができる。こうして、気化可能材料102が加熱要素から供給される熱によって気化され得る。ウィッキング要素は、オプションとして、空気がリザーバ140に入り込み、除去された気化可能材料102の体積と置き換わることを許容することもできる。本対象のいくつかの実施形態では、加熱要素による気化のために毛管作用が気化可能材料102をウィック内に引き込み得、空気がウィックを通してリザーバ140に戻ってリザーバ140内の圧力を少なくとも部分的に均等化し得る。圧力を均等化するためにリザーバ140に空気を戻すことができる他の方法も、本対象の範囲内である。
【0043】
本明細書で使用する場合、「ウィック」または「ウィッキング要素」という用語は、毛管圧を介して流体運動を引き起こすことのできる任意の材料を含む。
【0044】
加熱要素は、導電性ヒータ、放射性ヒータ、および/または対流性ヒータのうちの1つ以上を含んでいてよい。加熱要素の1つの形式は、抵抗性加熱要素であり、抵抗性加熱要素は、加熱要素の1つ以上の抵抗セグメントに電流が流されたときに、電力を熱の形で散逸させるように構成された材料(例えば、金属または合金、例えばニッケルクロム合金、または非金属抵抗)を含むことができる。本対象のいくつかの実施形態では、アトマイザ141は、抵抗コイルを含む加熱要素、または、ウィッキング要素に巻き付けられる、ウィッキング要素内に配置される、ウィッキング要素のバルク形状に統合される、圧入されてウィッキング要素に熱接触する、あるいはウィッキング要素に熱を伝達するようにその他の形式で配置される他の加熱要素を含むことができ、これにより、気化可能材料102は、ウィッキング要素によってリザーバ140から引き出されて、その後のユーザによる吸入のために気相および/または凝集相(例えば、エアロゾル粒子または液滴)に気化される。他のウィッキング要素、加熱要素、および/またはアトマイザアッセンブリ構造も可能である。
【0045】
加熱要素は、気化器デバイス100のマウスピース130をユーザがパフすること(例えば、吸引、吸入など)に伴って活性化し得る。パフによって、空気が空気入口からアトマイザ141(すなわち、ウィッキング要素および加熱要素)を通る空気流路に沿って流れる。オプションとして、空気は、空気入口から1つ以上の凝縮領域またはチャンバを通って、マウスピース130における空気出口へと流れることができる。空気流路に沿って流れる流入空気は、アトマイザ141を通過または貫流して、ここで気相の気化可能材料102は、空気に混入される。加熱要素は、本明細書で説明するようにオプションとして気化器本体110の一部であり得るコントローラ104を介して活性化し得る。コントローラ104は、電源112から抵抗性加熱要素を含む回路に電流を流通させる。抵抗性加熱要素は、本明細書で説明するようにオプションとして気化器カートリッジ120の一部である。本明細書で述べるように、混入される気相の気化可能材料102は、空気流路の残りを通過するときに凝縮され得、これにより、エアロゾル形態の気化可能材料102の吸入可能な量が、ユーザによる吸入のための空気出口(例えば、マウスピース130)から送出され得る。
【0046】
加熱要素の活性化は、1つ以上のセンサ113によって生成された1つ以上の信号に基づくパフの自動検出によって行うこともできる。これらのセンサ113およびセンサ113によって生成される信号は、周囲圧力に対する空気流路に沿った圧力を検出するために(またはオプションとして、絶対圧力の変化を測定するために)配置される1つ以上の圧力センサ、気化器デバイス100の1つ以上のモーションセンサ(例えば、加速度計)、気化器デバイス100の1つ以上のフローセンサ、気化器デバイス100の容量性のリップセンサ、1つ以上の入力デバイス116(例えば、気化器デバイス100のボタン、またはその他の触覚制御デバイス)を介したユーザと気化器デバイス100との対話の検出、気化器デバイス100と通信するコンピューティングデバイスからの信号の受信、および/または、パフが行われている又は行われそうであることを決定するためのその他のアプローチのうちの1つ以上を含むことができる。
【0047】
本明細書で説明するように、本対象の実施形態と一致する気化器デバイス100は、気化器デバイス100と通信する1つのコンピューティングデバイス(またはオプションとして2つ以上のデバイス)に(例えば、無線でまたは有線接続を介して)接続するように構成され得る。このために、コントローラ104は、通信ハードウェア105を含むことができる。コントローラ104は、メモリ108も含むことができる。通信ハードウェア105は、ファームウェアを含むことができ、かつ/または通信のための1つ以上の暗号化プロトコルを実行するためのソフトウェアによって制御され得る。
【0048】
コンピューティングデバイスは、気化器デバイス100も含む気化器システムの構成要素であり得、気化器デバイス100の通信ハードウェア105との無線通信チャネルを確立することができる通信用の固有のハードウェアを含み得る。例えば、気化器システムの一部として使用されるコンピューティングデバイスは、汎用コンピューティングデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ、その他のポータブルデバイス、例えばスマートウォッチ等)を含み得る。汎用コンピューティングデバイスは、ユーザが気化器デバイス100と対話できるようにするためのユーザインタフェースを生成するソフトウェアを実行する。本対象の他の実施形態では、気化器システムの一部として使用されるそのようなデバイスは、1つ以上の物理的なまたはソフト的な(すなわち、画面または他のディスプレイデバイス上で構成可能であり、タッチパネル、またはマウス、ポインタ、トラックボール、カーソルボタンなどの他の入力デバイスとのユーザの対話を介して選択可能な)インターフェースコントロールを有するリモコンまたはその他の無線もしくは有線デバイスのような、ハードウェアの専用部分であってよい。また、気化器デバイス100は、1つ以上のアウトプット117またはユーザに情報を提供するためのデバイスを含み得る。例えば、アウトプット117は、気化器デバイス100の状態および/または動作モードに基づいてユーザにフィードバックを提供するように構成された1つ以上の発光ダイオード(LED)を含むことができる。
【0049】
コンピューティングデバイスが抵抗性加熱要素の活性化に関連する信号を提供する例において、または気化器デバイス100を様々な制御もしくは他の機能を実行するためのコンピューティングデバイスに結合させる他の例において、コンピューティングデバイスは、1つ以上のコンピュータ命令セットを実行して、ユーザインタフェースおよび基礎となるデータ処理を提供する。一例では、1つ以上のユーザインタフェース要素とユーザとの対話をコンピューティングデバイスが検出することにより、コンピューティングデバイスが気化器デバイス100に信号を送り、加熱要素が活性化して蒸気/エアロゾルの吸入可能な用量を生成するための動作温度に達する。気化器デバイス100の他の機能は、気化器デバイス100と通信するコンピューティングデバイス上のユーザインタフェースとユーザとの対話によって制御され得る。
【0050】
気化器デバイス100の抵抗性加熱要素の温度は複数の要因に依存し得る。この要因には、抵抗性加熱要素に供給される電力量および/または電力が供給されるデューティサイクル、電子気化器デバイス100の他の部分および/または環境への伝導性熱伝達、気化可能材料102の気化に起因するウィッキング要素および/またはアトマイザ141全体の潜熱損失、ならびに空気流(すなわち、ユーザが気化器デバイス100で吸入したときに加熱要素またはアトマイザ141全体にわたって移動する空気)に起因する対流熱損失が含まれる。本明細書で述べる通り、加熱要素を確実に活性化するために、または加熱要素を所望の温度まで加熱するために、本対象のいくつかの実施形態において、気化器デバイス100は、センサ113(例えば、圧力センサ)からの信号を利用して、ユーザが吸入している時間を決定してもよい。センサ113は、空気流路に配置され得るし、かつ/または、気化器デバイス100に入る空気のための入口と、生じた蒸気および/またはエアロゾルをユーザが吸入するための出口と、を含む空気流路に(例えば、通路または他の流路によって)接続され得る。これにより、センサ113は、空気が気化器デバイス100を通って空気入口から空気出口へと流通することに伴う変化(例えば、圧力変化)を検知する。本対象のいくつかの実施形態では、加熱要素は、ユーザのパフに関連して、例えば、パフの自動検出によって、または、空気流路における(圧力変化のような)変化を検出するセンサ113によって、活性化され得る。
【0051】
センサ113は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板アセンブリまたは他の形式の回路基板)上に配置され得るか、または、コントローラ104に連結(すなわち、物理的接続または無線接続を介して電気的または電子的に接続)され得る。測定を正確に行い、気化器デバイス100の耐久性を維持するために、空気流路を気化器デバイス100の他の部分から分離するのに十分な弾性を有するシール127を設けることが有益であり得る。ガスケットであり得るシール127は、少なくとも部分的にセンサ113を取り囲むように構成され得、これにより、気化器デバイス100の内部回路機構へのセンサ113の接続部が空気流路に曝されたセンサ113の部分から分離される。カートリッジに基づく気化器デバイスの例では、シール127は、気化器本体110と気化器カートリッジ120との間の1つ以上の電気接続部の一部を分離することもできる。気化器デバイス100内のシール127のこのような配置は、蒸気相または液相の水、あるいは、気化可能材料102のような他の流体等のような、環境要因との相互作用に起因する、気化器構成要素への潜在的で破壊的な影響を緩和するのに役立ち得、かつ/または、気化器デバイス100内の特定の空気流路からの空気の漏れを低減するのに役立ち得る。気化器デバイス100の回路機構を通過および/または接触する望ましくない空気、液体、またはその他の流体は、圧力読取り値の変化のような様々な望ましくない作用を引き起こし得、かつ/または、気化器デバイス100の一部での湿気、過剰な気化可能材料102等のような望ましくない材料の堆積を招き得る。それらの結果、圧力信号の不良、センサ113または他の構成要素の劣化、および/または気化器デバイス100の寿命低下が生じ得る。また、シール127での漏れは、吸引するには望ましくないであろう材料を包含したり、このような材料から成る気化器デバイス100の部位を通って流通する空気をユーザが吸引する結果をもたらし得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、気化器本体110は、コントローラ104と、電源112(例えば、バッテリ)と、1つ以上のセンサ113と、(例えば電源112を充電するための)充電接点と、シール127と、カートリッジ受け口118とを含む。カートリッジ受け口118は、1つ以上の様々な取付け構造を介して気化器本体110と連結する気化器カートリッジ120を受け入れるように構成される。いくつかの例において、気化器カートリッジ120は、気化可能材料102を収容するためのリザーバ140と、吸入可能な用量をユーザに供給するためのエアロゾル出口を有するマウスピース130とを含む。気化器カートリッジ120は、ウィッキング要素および加熱要素を有するアトマイザ141を含むことができる。あるいは代替的に、ウィッキング要素および加熱要素のうちの一方または両方を気化器本体110の一部とすることができる。アトマイザ141の任意の部分(すなわち、加熱要素および/またはウィッキング要素)が気化器本体110の一部である実施形態では、気化器デバイス100は、気化器カートリッジ120内のリザーバ140から気化可能材料102を気化器本体110に含まれるアトマイザ141の1以上の部位に供給するように構成され得る。
【0053】
電源112が気化器本体110の一部とされ、かつ、加熱要素が気化器カートリッジ120内に配置されて気化器本体110に連結されるように構成される気化器デバイス100の実施例では、気化器デバイス100は、複数の電気接続機能(例えば、回路を完成させるための手段)を含むことができる。これらの電気接続機能は、コントローラ104(例えば、プリント回路基板、マイクロコントローラなど)と、電源112と、加熱要素(例えば、アトマイザ141内の加熱要素)とを含む回路を完成させる。これらの電気接続機能は、気化器カートリッジ120の下面における1つ以上の接点(本明細書ではカートリッジ接点124aおよび124bと称される)と、気化器デバイス100のカートリッジ受け口118の基部付近に配置された少なくとも2つの接点(本明細書では受け口接点125aおよび125bと称される)とを含むことができ、カートリッジ接点124aおよび124bと受け口接点125aおよび125bとは、気化器カートリッジ120がカートリッジ受け口118に挿入されて連結されたときに電気的に接続する。これら電気的な接続によって完成された回路は、電流を加熱要素に供給することを可能とし、さらに、付加的な機能のために利用することができる。この付加的な機能として、例えば、加熱要素の抵抗率の熱係数に基づく加熱要素の温度の決定および/または制御において利用するための加熱要素の抵抗測定等がある。
【0054】
本対象のいくつかの実施形態では、カートリッジ接点124aおよび124bと受け口接点125aおよび125bとは、少なくとも2つの向きのいずれかで電気的に接続するように構成され得る。換言すれば、気化器デバイス100の動作に必要な1つ以上の回路は、カートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を(気化器本体110のカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を挿入する方向の軸線を中心として)第1の回転方向で挿入することにより完成され得、これにより、カートリッジ接点124aは受け口接点125aに電気的に接続され、カートリッジ接点124bは受け口接点125bに電気的に接続される。さらに、気化器デバイス100の動作に必要な1つ以上の回路は、カートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120を第2の回転方向で挿入することにより完成され得、これにより、カートリッジ接点124aは受け口接点125bに電気的に接続され、カートリッジ接点124bは受け口接点125aに電気的に接続される。
【0055】
例えば、気化器カートリッジ120または気化器カートリッジ120のうち少なくとも挿入可能な端部122は、気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118に挿入する方向の軸線を中心として180°回転するとき対称であってよい。このような構成では、気化器デバイス100の回路機構は、気化器カートリッジ120のどちらの対称的な向きが生じるかにかかわらず、同じ動作をサポートすることができる。
【0056】
気化器カートリッジ120を気化器本体110に連結するための取付け構造の一例では、気化器本体110は、カートリッジ受け口118の内面から内方に突出した1つ以上のディテント(例えば、くぼみ、突出部など)、カートリッジ受け口118内に突出する部分を含むように形成された追加材料(例えば、金属、プラスチックなど)、および/またはこれらに類するものを含む。気化器カートリッジ120の1つ以上の外面は、気化器本体110上のカートリッジ受け口118に気化器カートリッジ120が挿入されたときにそのようなディテントまたは突出部に嵌合および/またはその他の形式でスナップ結合し得る対応凹部(
図1Aには示されていない)を含むことができる。気化器カートリッジ120と気化器本体110とが(例えば、気化器本体110のカートリッジ受け口118への気化器カートリッジ120の挿入により)連結される際には、気化器本体110のディテントまたは突出部が気化器カートリッジ120の凹部内に嵌合、かつ/またはその他の形式で保持され得、組み立て時において気化器カートリッジ120の位置を保持する。このようなアセンブリは、カートリッジ接点124a,124bと受け口接点125a,125bとの間の良好な接触を保証する位置に気化器カートリッジ120を保持するのに十分なサポートを提供し得、その一方で、ユーザが気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118から取り外すために気化器カートリッジ120に適度な力を加えて引っ張った際に気化器カートリッジ120が気化器本体110から離脱することを許容する。
【0057】
いくつかの実施形態では、気化器カートリッジ120または気化器カートリッジ120のうち少なくともカートリッジ受け口118への挿入用に構成された挿入可能な端部122は、気化器カートリッジ120をカートリッジ受け口118に挿入する方向の軸線を横切る非円形断面を有することができる。例えば、非円形断面は、近似の長方形、近似の楕円形(すなわち、近似の長円形)、2組の平行なまたはほぼ平行な対向する辺を有しているが長方形ではない(すなわち、平行四辺形のような形状を有する)非長方形、または少なくとも2回対称の他の形状であり得る。この文脈では、近似の形状とは、記述された形状に対する基本的な類似性は明らかであるが、問題となっている形状の側面が完全に直線状である必要はなく、頂点が完全に鋭角である必要がないことを示す。断面形状の縁部もしくは頂点の双方または一方の丸みは、本明細書において言及した任意の非円形の断面として説明される。
【0058】
カートリッジ接点124a,124b及び受け口接点125a,125bは、様々な形態を取ることができる。例えば、一方または両方の接点セットは、導電ピン、タブ、端子、ピンまたは端子のための受容孔またはこれらに類するものを含むことができる。いくつかのタイプの接点は、気化器カートリッジ120上の接点と気化器本体110上の接点との間のより良好な物理的および電気的な接続を容易にするために、ばねまたは他の特徴を含むことができる。電気接点は、オプションとして金メッキすることができ、かつ/または他の材料を含むことができる。
【0059】
図1B~
図1Dは、気化器カートリッジ120を取外し可能に挿入することができるカートリッジ受け口118を有する気化器本体110の実施例を示している。
図1Bおよび
図1Cは、気化器デバイス100の平面図を示していて、それぞれ、気化器本体110内へ挿入するために配置された気化器カートリッジ120、および気化器本体110内に挿入された気化器カートリッジ120を示している。
図1Dは、気化可能材料102の充填レベルが気化器カートリッジ120に沿った窓132(例えば、半透明の材料)から見えるように、全体または一部が半透明材料から形成されている気化器カートリッジ120のリザーバ140を示す。気化器カートリッジ120は、気化器本体110の気化器カートリッジ受け口118によって挿入可能に収容された場合に窓132が見えたままになるように構成され得る。例えば、1つの例示的な構成では、窓132は、気化器カートリッジ120がカートリッジ受け口118に連結された際にマウスピース130の下縁と気化器本体110の上縁との間に位置し得る。
【0060】
図1Eは、気化器デバイス100をユーザがパフする間に形成される空気流路134の一例を示す。空気流路134は、ウィックハウジング内に含まれる気化チャンバ150(
図1F参照)へと空気を方向付けることができ、気化チャンバ150において、空気は、マウスピース130を介してユーザに供給される吸入可能なエアロゾルと混合される。マウスピース130は、気化器カートリッジ120の一部であってもよい。例えば、ユーザが気化器デバイス100でパフを行うと、気化器カートリッジ120の外面(例えば、
図1Dに示された窓132)と気化器本体110上のカートリッジ受け口118の内面との間を空気が流通し得る。その後、空気は、気化器カートリッジ120の挿入可能な端部122内に引き込まれて、加熱要素とウィックとを含むか又は収容する気化チャンバ150を通過して、ユーザに吸引可能なエアロゾルを供給するためのマウスピース130における出口136から流出する。
【0061】
図1Eに示したように、この構成により、空気は、気化器カートリッジ120の挿入可能な端部122の周囲でカートリッジ受け口118内へと流れ落ち、次いで、気化チャンバ150に向かってカートリッジ本体内へと入る際には、気化器カートリッジ120の挿入可能な端部122(例えば、マウスピース130を含む端部の反対側の端部)の周囲を流通して、反対方向に逆流する。このとき、空気流路134は、気化器カートリッジ120の内部を貫通して、例えば(
図1Fに示されたカニューレ128のような)1つ以上の管または内部通路を介して、さらに、マウスピース130に形成された(出口136のような)1つ以上の出口を通って延在する。マウスピース130は、気化器カートリッジ120の分離可能な構成要素であってもよいし、気化器カートリッジ120の他の構成要素と一体形成(例えば、リザーバ140および/またはこれに類するものとの一体構造として形成)されてもよい。
【0062】
図1Fは、本対象の実施形態に一致する気化器カートリッジ120に含まれ得る付加的な特徴を示す。例えば、気化器カートリッジ120は、挿入可能な端部122に配置された(カートリッジ接点124a,124bのような)複数のカートリッジ接点を含むことができる。カートリッジ接点124a,124bは、オプションとしてそれぞれ、抵抗性加熱要素の2つの端部のうちの一方に接続された(導体構造126のような)導体構造を形成する単一の金属片の一部であり得る。導体構造は、オプションとして、加熱チャンバの逆側に形成することができ、気化器カートリッジ120の外壁への熱の伝達を減じるためのヒートシールドおよび/またはヒートシンクとして機能することができる。また、
図1Fには、気化器カートリッジ120内のカニューレ128が示されている。このカニューレは、導体構造126とマウスピース130との間に形成された加熱チャンバ間の空気流路134の一部を画定している。
【0063】
上述したように、内部に気化可能材料が配置されるカートリッジリザーバ内の空気体積、したがってヘッドスペースは、周囲圧力がカートリッジリザーバの内圧に対して相対的に低下するにつれて膨張し得る。様々な事象が、周囲圧力を低下させる原因になり得る。この事象としては、例えば、熱、指圧、任意の形式の負圧事象(例えば、飛行機の客室内の圧力低下)等の作用が挙げられる。この圧力の変化は、リザーバ内のヘッドスペースを増加させる。これは、気化可能材料がカートリッジリザーバの任意の開口から溢れ出たり、カートリッジの周囲や他の部分に漏れたりする原因となる。例えば、このような望ましくない漏れは、典型的に、カートリッジリザーバがマウスピースに接続されている端部や、或いは、カートリッジの電気ポートが電源に接続するように配置されるキャビティ領域で発生する。さらに、このような漏れは、また、吸引には望ましくないであろう材料を含むか、またはこのような材料から成る気化器デバイスの部位を通過してきた空気をユーザが吸引する結果をもたらし得る。これらの問題を改善または克服する、様々な特徴とデバイスを以下に説明する。例えば、気化可能材料が気化器デバイスの他の部分内に、かつ/または気化器デバイス自体から外部環境へと漏れることを防止するための様々な特徴が本明細書に記載されている。本明細書に記載されるように、漏れを回避することによって、付加的な利点も導入しつつ、既存のアプローチと比較した利点および改善が提供されるであろう。
【0064】
本明細書に記載の気化器カートリッジは、リザーバの内圧に対する周囲圧力の(例えば、負圧事象に起因する)低下に応じて、すなわち、リザーバ内のヘッドスペースの増加に応じて、カートリッジリザーバに含まれる液体または半液体の気化可能材料の漏れを実質的に制御するように、実質的に制限するように、または実質的に防止するように、構成されている。気化器カートリッジは、概して、互いに流体連通する一次リザーバと二次リザーバとを含む。一次リザーバは気化可能材料の大部分を貯蔵するように構成され、二次リザーバは圧力に関連した変化に応じて一次リザーバから移動する余剰の気化可能材料を吸収するように構成される。より詳しく後述するように、二次リザーバは吸収性材料から形成されている。吸収性材料は、一次リザーバが第1の圧力状態にあるとき(例えば、一次リザーバの外側の周囲圧力と一次リザーバの内圧とが実質的に等しいとき)、気化可能材料の第1の体積を吸収するように構成され、かつ、一次リザーバが第2の圧力状態にあるとき(例えば、リザーバの外側の周囲圧力が一次リザーバの内圧よりも低いとき)、気化可能材料の第2の体積を吸収するように構成される。したがって、第2の圧力状態では、気化可能材料の余剰分が一次リザーバから二次リザーバへと流れる。この余剰分は、第2の圧力状態の間、二次リザーバによって吸収されて、一時的に二次リザーバ内に貯蔵される。こうして、余剰分の漏れが実質的に防止される。この余剰分の少なくとも一部は、続いて、加熱要素による気化のために二次リザーバから引き出され得る。代替的にまたは付加的に、圧力の変化がおさまるかまたは終了すると、余剰分の一部が一次リザーバに引き戻され得る。こうして、二次リザーバは、気化可能材料の余剰分を気化器カートリッジの外部に漏れ出させたり、二次リザーバ内に永久的に保持したりするのとは対照的に、再利用することを可能にする一時的な緩衝部として機能する。さらに、一次リザーバが第1の圧力状態にあるときは、二次リザーバは、一次リザーバが第2の圧力状態にある場合のように流れを実質的に変えるのではなく、気化可能材料が二次リザーバを通って流れることを許容する。
【0065】
図2は、例示的な気化器カートリッジ200を示している。この気化器カートリッジ200は、
図1A~
図1Dに示した気化器本体110のような気化器本体に選択的に連結され得、かつこの気化器本体から取り外すことができる。さらに特に、気化器カートリッジ200は、吸収性材料から形成された二次リザーバ210を含む。吸収性材料は、圧力を変化させる事象に応じて一次リザーバ202内のヘッドスペース208が増大するにつれて一次リザーバ202から排出される気化可能材料212の余剰分(例えば、オーバーフロー体積)を吸収するように構成される。単純化するために、気化器カートリッジ200のいくつかの構成要素は図示されていない。
【0066】
図示したように、気化器カートリッジ200は、一次リザーバ202と、二次リザーバ210と、一次及び二次リザーバ202,210の間に延在する第1のウィッキング要素214と、気化チャンバ218と、気化チャンバ218と二次リザーバ210との間に延在する第2のウィッキング要素216と、を含む。一次リザーバ202は、内部に配置される気化可能材料212の大部分を含む。ヘッドスペース208(例えば、空気の体積)は、気化可能材料212と一次リザーバ202の上壁204との間である。いくつかの実施例では、周囲空気は、第1のウィッキング要素214および/または
図2に示した通気口206のようなその他の開口を通って一次リザーバ202内に流入、かつ/または、一次リザーバ202から流出してよい。すなわち、一次リザーバ202を周囲空気と連通することができる。
【0067】
一次リザーバ202は様々な形状および構成を有することができるが、
図2に示したような一次リザーバ202は、実質的に長方形の形状を有している。別の実施例では、一次リザーバ202は、可能性のあるその他の任意の形状を含む異なるサイズおよび形状とすることができる。したがって、一次リザーバ内に配置される気化可能材料212の量は、少なくとも部分的に、一次リザーバ202のサイズおよび形状に依存する。さらに、気化可能材料212の量および一次リザーバ202のサイズに応じて、一次リザーバ202内のヘッドスペース208は変化し得る。当業者であれば、気化器カートリッジ200の使用を通して、圧力を変化させる事象に関わらず気化可能材料212が一次リザーバ202から引き出される際、一次リザーバ202のヘッドスペース208が増大することを理解するであろう。
【0068】
図2に示したように、二次リザーバ210は、第1のウィッキング要素214を介して一次リザーバ202に流体連通している。第1のウィッキング要素214は、気化可能材料212が当該第1のウィッキング要素を毛管圧によって流通することを許容する任意の適切な材料であり得る。適切な材料の限定されない例には、1種以上のセラミクス、1種以上の綿、1種以上のポリマ等が含まれる。1つの実施例では、第1のウィッキング要素214は金属を含むことができる。別の実施例では、第1のウィッキング要素214は、多孔質材料の溝付きの固体であり得る。いくつかの実施例では、二次リザーバ210は、2つ以上のウィッキング要素を介して一次リザーバ202に流体連通している。
【0069】
したがって、気化可能材料212は、第1のウィッキング要素214の毛管作用によって一次リザーバ202から二次リザーバ210へと引き込まれ得る。より詳しく後述するように、二次リザーバ210は、一次リザーバ202から引き込まれた気化可能材料212の第1の体積と一次リザーバ202から排出された気化可能材料212の第2の体積との差分を収容して保持するように構成されている。これにより、気化可能材料212の流量が実質的に所定の吸引速度で一定に維持される。こうして、二次リザーバ210は、第2の圧力状態において一次リザーバ202から移動する気化可能材料212のうちの余剰分を保持するための緩衝部として機能する。
【0070】
二次リザーバ210は様々な形状、サイズ、および構成を有することができるが、
図2に示すような二次リザーバ210は、実質的に長方形の形状である。したがって、二次リザーバ210内の気化可能材料の余剰分の量は、少なくとも部分的に、二次リザーバ210の形状およびサイズに依存して、一時的に保持され得る。さらに、二次リザーバ210は、一次リザーバ202に対して様々な位置に配置され得る。それ故に、二次リザーバ210は、
図2に示した位置に限定されない。
【0071】
二次リザーバ210は、吸収性材料から成っている。したがって、二次リザーバ210内に一時的に保持され得る気化可能材料の余剰分の量は、また、気化可能材料212に対する吸収性材料の吸収特性に依存する。吸収性材料は、気化可能材料212が通過して浸透することを許容する毛管作用を発揮し得る任意の適切な材料であり得る。すなわち、吸収性材料は、気化可能材料212を所望のタイミングにおいて(例えば、気化器カートリッジ200に連結されたマウスピース213においてユーザがパフするときに)通過させて気化チャンバ218に流入させ得るのに十分な毛管駆動力を備え、一方で、また、一次リザーバ202内におけるヘッドスペースの望ましくない増加に応じて一次リザーバ202から移動した任意の気化可能材料を一時的に貯蔵できる。限定されない適切な吸収性材料の例には、多孔質材料、繊維性材料、面ファスナ材料等が含まれる。いくつかの実施例では、吸収性材料は周囲空気に対して開かれている。
図2にはマウスピース213が示されているが、当業者であれば、別の実施例においてマウスピース213は省略され得、ユーザは(気化チャンバ218の出口219のような)出口において直接カートリッジでパフし得ることを理解するだろう。単純化するために、気化器カートリッジ200のいくつかの構成要素は図示されていない。
【0072】
図示したように、二次リザーバ210は、第2のウィッキング要素216を介して気化チャンバ218に連通している。したがって、より詳しく後述するように、気化可能材料212は、加熱要素221による気化のために第2のウィッキング要素216を介して(例えば、毛管作用によって)気化チャンバ218内に引き込まれ得る。
【0073】
吸収性材料は様々な構成を有することができるが、吸収性材料は、所与の圧力において一貫した吸収率を有するようにまたは代替的に変化する吸収率を有するように、成され得る。いくつかの実施例では、吸収性材料は空隙を含むことができる。空隙は、吸収性材料全体にわたって、実質的に連続的な開口部のネットワークを形成することができる。いくつかの実施例では、空隙は同じサイズおよび/または形状を有することができる。別の実施例では、空隙のサイズおよび/または形状は異なり得る。空隙のサイズおよび/または形状が異なる場合、吸収性材料は、所与の圧力において異なる吸収率を有し得る。
【0074】
使用時には、一次リザーバ202が第1の圧力状態にあるとき、気化可能材料212の大部分は一次リザーバ内に貯蔵されている。例えば、周囲圧力が一次リザーバ202の内圧と実質的に等しい場合、第1の圧力状態が存在するだろう。この第1の圧力状態では、気化可能材料212の第1の体積が、第1のウィッキング要素214を介して(例えば、毛管作用を介して)一次リザーバ202から二次リザーバ210へと引き込まれる。その後、第1の体積が気化のために二次リザーバ210から気化チャンバ218内へと第2のウィッキング要素216を介して(例えば、毛管作用を介して)引き込まれる。すなわち、この第1の圧力状態において、第1の体積は一次リザーバ202から二次リザーバ210を通って気化チャンバ218内へと流通する。
【0075】
負圧事象が発生している場合には、一次リザーバ202の外側の周囲圧力と、一次リザーバ202の内圧との間に差圧が生じ、これにより強制的に一次リザーバ202は第2の圧力状態となる。例えば、周囲圧力が一次リザーバ202の内圧よりも低い場合に、第2の圧力状態が存在するだろう。別の事象が一次リザーバ202を第2の圧力状態にする原因になり得ることに注意されたい(例えば、一次リザーバ202内の温度に対する周囲温度の変化、または、温度変化および/または水蒸気の吸収などに起因する、一次リザーバ202の変形や気化可能材料の膨張)。第2の圧力状態では、第1の体積よりも大きい気化可能材料212の第2の体積が、第1のウィッキング要素214を介して(例えば、一次リザーバ202内のヘッドスペースの増加に起因して)強制的に二次リザーバ210へと排出される。その後、気化可能材料212の一部は、気化のために二次リザーバ210から第2のウィッキング要素216を介して気化チャンバ218内へと引き込まれるが、気化可能材料212の余剰分(すなわち、第1の体積と第2の体積との間の差分体積)は、二次リザーバ210内に一時的に保持される。気化可能材料212の保持された余剰分は、(例えば、ユーザがマウスピース213で実質的なパフをした場合に)二次リザーバ210から気化チャンバ218内に引き込まれ得るか、または、(例えば、負圧事象が解消されるか終了した場合に)一次リザーバ202内に戻され得る。
【0076】
さらに、
図2に示したように、気化器カートリッジ200は、気化チャンバ218内に配置された加熱要素221を含む。加熱要素221は、二次リザーバ210から第2のウィッキング要素216へ引き出されて気化チャンバ218内へ引き出された気化可能材料の少なくとも一部を気化するように構成されている。加熱要素221は、導電性ヒータ、放射ヒータおよび対流性ヒータのうちの1つ以上であり得、または、これらのうち1つ以上を含み得る。上述したように、加熱要素の1つの形式は、抵抗性コイルのような抵抗性加熱要素である。抵抗性加熱要素は、加熱要素の1つ以上の抵抗セグメントに電流が流されたときに電力を熱の形で散逸させるように構成された材料(例えば、金属または合金、例えばニッケルクロム合金、または非金属抵抗)から構成され得るか、または、少なくともそのような材料を含み得る。
図2に示したように、加熱要素221は抵抗性コイルの形態である。
【0077】
いくつかの実施例では、気化器カートリッジ200は、例えば第1のカートリッジ接点224aや第2のカートリッジ接点224bのような2つ以上のカートリッジ接点を含む。気化器本体110との1つ以上の電気接続を形成するために、2つ以上のカートリッジ接点は、例えば受け口接点125a,125bに連結するように構成され得る。これらの電気接続により完成される回路は、加熱要素221へと電流を供給することを可能にし得る。また、この回路は、付加的な機能を提供し得る。この付加的な機能は、例えば、加熱要素221の抵抗率の熱係数に基づく加熱要素221の温度の決定および/または制御において利用するための加熱要素221の抵抗測定のような機能である。
【0078】
気化チャンバ218は様々な構成を有することができるが、
図2に示したような気化チャンバ218は、2つの対向する側壁218a,218bと、これら2つの側壁の間に延在する底壁218cとによって画定されている。図示したように、空気流通路220が気化チャンバ218を貫通している。空気流通路220は、点線矢印222として図示した空気を、気化チャンバ218を流通する方向に向ける。これにより空気222は、気化した材料と混合して、点線矢印226として図示したエアロゾルを形成する。空気流通路220は、さらに、エアロゾル226を、気化チャンバ218を通ってユーザによる吸入のためのマウスピース213へと流通するように方向付ける。
【0079】
図示したように、空気222は、ユーザがマウスピース213をパフすると、底壁218cを通って気化チャンバ218に流入する。したがって、底壁218cは、空気流が容易に通過して気化チャンバ218内に流入できるように構成されている。底壁218cは様々な構成を有することができるが、
図2に示すような底壁218cは穿孔されている。穿孔は、空気が底壁218cを通過することを許容する任意の適切なサイズであり得る。所定の実施例では、穿孔のサイズによって、気化チャンバ218内に存在する気化可能材料212および/またはエアロゾル226が底壁218cを通過するのを防ぎ得る。したがって、穿孔のサイズによって、気化器カートリッジ200の別の部分および/または
図1A~
図1Dに示した気化器カートリッジ200に連結された気化器本体110のような気化器本体への望ましくない漏れを防ぎ得る。底壁218cは、任意の適切な数の穿孔を含むことができ、したがって、穿孔の数は、
図2に示したものによって限定されない。代替的にまたは付加的に、底壁218cは空気透過性の材料から形成され得る。こうして、底壁218cは、気化チャンバ218の空気入口として機能する。
【0080】
また、底壁218cは、気化チャンバ218内の空気222が底壁218cを通過して気化チャンバ218の外に戻ることを防ぐように構成され得る。すなわち、底壁218cは一方向弁のように構成され得、それ故に空気222が通過して気化チャンバ218に流入することのみを許容し得る。いくつかの実施例では、気化チャンバ218のその他の任意の壁が穿孔かつ/または任意の空気透過性の材料から形成され得、空気が所望のように気化チャンバ218に流入(または気化チャンバから流出)することが許容される。
【0081】
いくつかの実施例において、気化チャンバ218の少なくとも1つの壁は、疎水性の材料から形成され得るか、または、疎水性の材料でコーティングされ得る。これにより、任意の凝縮物が気化チャンバ218内で蓄積することが防止または低減される。したがって、エアロゾル226や空気222に存在するであろう任意の水分は、ユーザがマウスピース213でパフする際に気化チャンバ218を通って気化チャンバ218の外に運ばれ得る。
【0082】
第2のウィッキング要素216は空気流通路220に沿って任意の場所に配置され得るが、
図2に示したような第2のウィッキング要素は、気化チャンバ218の底壁218cの近位に配置されている。第2のウィッキング要素216は、気化可能材料212が毛管圧によって第2のウィッキング要素を通過することを許容する任意の適切な材料であり得る。例えば、第2のウィッキング要素216は、1種以上のセラミック材料、1種以上の綿、又は1種以上のポリマから形成され得る。代替的にまたは付加的に、第2のウィッキング要素216は、外側材料(例えば、セラミック材料)によって取り囲まれた内側材料(例えばグラファイト)のような2種以上の材料の複合体であり得る。1つの実施例では、第2のウィッキング要素216は多孔質材料の溝付きの固体である。
【0083】
いくつかの実施例では、第2のウィッキング要素216は、導電性材料を含む多孔質材料から形成されもよい。例えば、第2のウィッキング要素216のセラミック材料は、抵抗特性を含むようにドープされてもよい。ウィック材料(例えば、セラミック)のこのようなドーピングは、第2のウィッキング要素の加熱速度を増加させて気化可能材料212の気化速度を増加させ得る。
【0084】
いくつかの実施例は、ウィッキング要素の長手に沿って変化する断面を有する第2のウィッキング要素216を含むことができる。例えば、第2のウィッキング要素216の他の部分と比較して小さい断面を含む第2のウィッキング要素216の部分は、例えば、エネルギの流れに対してより大きな抵抗をもたらし、これにより、例えばユーザによる吸引のためのエアロゾルの形成のために、気化可能材料212のより高速な蒸発や気化を可能にする。いくつかの実施形態では、導電性材料の断面寸法および密度のうちの少なくとも一方は、結果(例えば、気化速度、加熱速度等)を変化させるように第2のウィッキング要素の長手に沿って変化し得る。
【0085】
気化器カートリッジの実施例は、少なくとも2つのウィッキング要素の文脈で議論されたが、気化器カートリッジの代替的な実施例では、単一のウィックが使用されてよい。例えば、いくつかの実施例では、気化器カートリッジ200(
図2)のような気化器カートリッジは、第1又は第2のウィッキング要素214,216(
図2)のような単一のウィッキング要素を含み得る。この単一のウィッキング要素は、一次リザーバ202(
図2)のような一次リザーバから、二次リザーバ210(
図2)のような二次リザーバを通って、気化チャンバ218(
図2)のような気化チャンバ内に向かって延びている。
【0086】
用語
本教示を説明および定義する目的で、別段の指示がない限りは、「実質的に」という用語は、本明細書では、任意の定量的比較、値、測定、または他の表現に起因し得る内在的な不確実性の程度を表すために使用されていることに留意されたい。「実質的に」という用語はまた、問題の主題の基本的な機能に変化をもたらすことなく、定量的表現が、記載した基準から変化し得る程度を表現するためにも、本明細書で用いられている。
【0087】
ある特徴または要素が、本明細書において別の特徴または要素の「上」にあるものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素のすぐ上にあるものとすることができるし、あるいは介在する特徴および/または要素が存在してもよい。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素の「すぐ上」にあるものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。また、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「接続されている」、「取り付けられている」、または「連結されている」ものとして言及される場合、その特徴または要素は、他の特徴または要素に直接、接続することができ、取り付けることができ、または連結することができるし、あるいは介在する特徴または要素が存在してもよいことは理解されるであろう。これとは対照的に、ある特徴または要素が、別の特徴または要素に「直接接続されている」、「直接取り付けられている」、または「直接連結されている」ものとして言及される場合、介在する特徴または要素は存在しない。
【0088】
1つの実施例に関して説明または図示されているが、そのように説明または図示された特徴および要素は、他の実施例にも適用可能である。また、別の特徴に「隣接して」配置された構造または特徴に関する言及は、隣接する特徴と重なり合う部分またはその下にある部分を有する場合もあることを、当業者には理解されるであろう。
【0089】
本明細書で使用される用語は、特定の実施例および実施形態のみを説明する目的で使用されており、限定することを意図していない。例えば本明細書で用いられる単数形の不定冠詞および定冠詞は、文脈から明確に別段の指示がない限りは、複数形も同様に含むことを意図している。
【0090】
上記の説明および特許請求の範囲において、「のうちの少なくとも1つ」または「のうちの1つまたは複数」などの語句が、要素または特徴の連言的なリストに続いて現れる場合がある。「および/または」という用語は、2つ以上の要素または特徴のリスト中に現れる場合もある。使用された文脈によって他のやり方で暗黙的もしくは明示的に否定されない限り、そのような語句は、列挙された要素または特徴のいずれかを個別に意味すること、あるいは列挙された要素または特徴のいずれかと他の列挙された要素または特徴のいずれかとの組合せを意味することを意図している。例えば、「AおよびBのうちの少なくとも1つ」、「AおよびBのうちの1つ以上」、ならびに「Aおよび/またはB」との語句は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、またはAおよびBともに」を意味することを意図している。3つ以上の項目を含むリストについても同様の解釈が意図されている。例えば、「A、BおよびCのうちの少なくとも1つ」、「A、BおよびCのうちの1つ以上」、ならびに「A、Bおよび/またはC」との語句は、それぞれ、「Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBともに、AおよびCともに、BおよびCともに、またはAおよびBおよびCともに」を意味することを意図している。これまでの記載および特許請求の範囲における用語「に基づく」の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0091】
「前方」、「後方」、「下方に」、「下側に」、「下部に」、「上方に」、「上部に」およびこれらに類するものなどの空間的に相対的な用語が、図面に示されているような1つの要素または特徴と、他の要素または特徴との関係を説明するための記述を容易にするために、本明細書において使用されてよい。空間的に相対的な用語が、図面に描かれている配向に加え、使用時または動作時におけるデバイスの様々な配向を包含することを意図していることは理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転されたならば、その場合には他の要素または特徴の「下方に」または「真下に」と記載された要素は、他の要素または特徴の「上方に」配向されることになる。したがって、例として挙げた用語「の下方に」は、上方と下方との配向の双方を包含し得るものである。デバイスは(90度回転させられるかまたは他の配向で)別の向きで配向されてよく、本明細書で使用される空間的に相対する記述もそれに応じて解釈され得る。同様に、用語「上方に向かって」、「下方に向かって」、「垂直に」、「水平に」およびこれらに類するものは、具体的に別段の指示がない限りは、本明細書では説明の目的で用いられるにすぎない。
【0092】
本明細書では、様々な特徴/要素(ステップを含む)を説明するために用語「第1の」および「第2の」が用いられる場合があるが、これらの特徴/要素は、文脈が別段の指示をしない限り、これらの用語によって限定されるものではない。これらの用語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別するために使用することができる。したがって、本明細書で提供される教示から逸脱することなく、以下で述べる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と称することができ、同様に、以下で述べる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と称することができる。
【0093】
実施例において使用される場合を含め、特に別段の指定がない限りは、本明細書および特許請求の範囲において使用されているすべての数は、「約」または「ほぼ」といった単語が、たとえこれらの用語が明確に現れていないにしても、前置きされているかのように読むことができる。大きさおよび/または位置を説明する場合、これらの「約」または「ほぼ」という語句は、記載される値および/または位置が、当該値および/または位置の妥当な予測範囲内にあることを示すために使用される場合がある。例えば、数値は、所定値(または値の範囲)の+/-0.1%、所定値(または値の範囲)の+/-1%、所定値(または値の範囲)の+/-2%、所定値(または値の範囲)の+/-5%、所定値(または値の範囲)の+/-10%などの値を含むことができる。本明細書で与えられる任意の数値は、文脈により別段の指定がない限り、その値付近の、またはほぼ同じ値を含むものと理解されたい。例えば値「10」が開示されているならば、その場合には「約10」も開示されている。本明細書で挙げられているいずれの数値範囲も、その中に包含されるすべての部分範囲を含むことを意図している。また、ある値が開示されている場合には、当業者が適切に理解するように、その値「以下」、「その値以上」、およびそれらの値の間の可能な範囲も開示されていることが理解されよう。例えば、値「X」が開示されているならば、「X以下」ならびに「X以上」(例えば、Xは数値)も開示されている。また、本出願全体を通して、データが多くの異なる形式で提供されていること、ならびにこのデータは、終了点および開始点、およびこれらのデータ点の任意の組合せに関する範囲を表すことが理解されよう。例えば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示されているならば、10および15より大きい、10および15以上の、10および15より小さい、10および15以下の、ならびに10および15と等しいことも、10と15との間の範囲と同様に開示されていると見なされることが理解されよう。また、2つの特定のユニット間の各ユニットも開示されているということも理解される。例えば10および15が開示されているならば、その場合には11、12、13および14も開示されている。
【0094】
様々な例示的な実施例を上述したが、本明細書の教示から逸脱することなく、様々な実施例に対して多数の変更のいずれかを行うことができる。例えば、記載された様々な方法ステップが実行される順序は、代替的な実施例では多くの場合、変更されてもよく、他の代替的な実施例では、1つ以上の方法ステップが完全にスキップされてもよい。様々なデバイスおよびシステムの実施例のオプションとしての特徴は、いくつかの実施例には含まれ、他の実施例には含まれなくてもよい。したがって、前述の説明は、主に例示の目的で提供されており、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0095】
本明細書に記載された対象の1つ以上の態様または特徴は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計された特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはこれらの組合せにおいて実現することができる。これらの様々な態様または特徴は、特別または汎用的であり得る少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能な1つ以上のコンピュータプログラムへの実装を含むことができ、当該プログラマブルプロセッサは、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイスおよび少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信および送信するように連結される。プログラマブルシステムまたはコンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは概して互いにリモートの状態にあり、通常、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、個々のコンピュータ上で実行され、クライアント-サーバ関係を相互に有するコンピュータプログラムによって発生する。
【0096】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、アプリケーション、コンポーネント、またはコードとも呼ぶことができるこれらのコンピュータプログラムは、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続き言語、オブジェクト指向プログラミング言語、関数型プログラミング言語、論理プログラミング言語、および/またはアセンブリ/機械語で実施することができる。本明細書で使用されるときに、「機械可読媒体」という用語は、機械可読信号としての機械命令を受け取る機械可読媒体を含め、プログラム可能なプロセッサに機械命令および/またはデータを提供するために使用される、例えば磁気ディスク、光ディスク、メモリ、およびプログラマブルロジックデバイス(PLD)などの任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイスを指す。「機械可読信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに供給するために使用される任意の信号のことを指す。この機械可読媒体は、そのような機械命令を、例えば非一時的なソリッドステートメモリもしくは磁気ハードドライブまたは任意の同等の記憶媒体などのように非一時的に記憶することができる。機械可読媒体は、代替的または付加的に、そのような機械命令を、例えばプロセッサキャッシュかまたは1つ以上の物理プロセッサコアに関連付けられた他のランダムアクセスメモリなどのように一時的に記憶することができる。
【0097】
本明細書に含まれる実施例および図面は、限定としてではなく例示として、本対象を実施することができる特定の実施例を示している。上述のように、本開示の範囲から逸脱することなく構造的および論理的な置き換えおよび変更を行うことができるように、他の実施形態を利用することができ、そこから導き出すことができる。本発明の対象のこうした実施例は、2つ以上が実際に開示されているならば、単に便宜上「発明」という用語によって本明細書では個別にもしくは集約的に言及することができ、この出願の範囲を任意の単一の発明または発明概念に自発的に限定することを意図するものではない。したがって、本明細書では特定の実施形態を図示および説明してきたが、同じ目的を達成するために計算されたあらゆる配置を、図示された特定の実施形態に置き換えることができる。本開示は、様々な実施例の任意のおよびすべての適応形態または変形形態をカバーすることを意図している。上述の実施例と、本明細書に具体的に記載されていない他の実施例との組合せは、上述の説明を精査すれば、当業者には明らかになるであろう。本明細書の記載および特許請求の範囲における用語「に基づく」の使用は、列挙されていない特徴または要素も許容されるように、「に少なくとも部分的に基づく」を意味することを意図している。
【0098】
本明細書に記載した対象は、所望の構成に応じて、システム、装置、方法、および/または物品において具体化することができる。前述の説明に記載した実施形態は、本明細書に記載した対象に一致するすべての実施形態を表しているわけではない。むしろ、前述の説明に記載した実施形態は、記載した対象に関連する側面と一致するいくつかの例にすぎない。本明細書ではいくつかのバリエーションが詳細に説明されたが、他の変更または追加も可能である。特に、本明細書に記載したものに加えてさらなる特徴および/またはバリエーションを提供することができる。例えば、本明細書に記載した実施形態は、開示した特徴の様々な組合せおよび部分的組合せならびに/または本明細書に開示したいくつかのさらなる特徴の組合せおよび部分的組合せに対して参照されてもよい。さらに、添付の図面に示した、かつ/または本明細書に記載したロジックフローは、所望の結果を達成するために、示した特定の順番または順序を必ずしも必要としない。他の実施形態も、以下の特許請求の範囲内にあってよい。
【国際調査報告】