IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キム,ヨン フンの特許一覧

特表2022-506565実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム
<>
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図1
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図2
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図3
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図4
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図5
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図6a
  • 特表-実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム 図6b
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220107BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220107BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220107BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20220107BHJP
   G06Q 40/08 20120101ALI20220107BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G08G1/00 D
G08G1/09 F
B60W50/14
G06Q40/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523984
(86)(22)【出願日】2019-08-22
(85)【翻訳文提出日】2021-06-14
(86)【国際出願番号】 KR2019010712
(87)【国際公開番号】W WO2020101154
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0138387
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521187303
【氏名又は名称】キム,ヨン フン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン フン
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
5L055
【Fターム(参考)】
3D241BA35
3D241BA60
3D241CD12
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DC02Z
3D241DC03Z
3D241DC25Z
3D241DC30Z
5H181AA01
5H181BB05
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF10
5H181LL04
5H181LL08
5L055BB61
(57)【要約】
本発明の車両のイベント発生検知システムは、相対車両の速度及び離隔距離を演算し、事故発生のおそれが潜在する一つ又は二つの車両情報を実時間で画面に表示し外部デバイスに伝送する。よって、実際に事故が発生した場合、事故前後の情報に基づいて事故原因を正確に把握することができる。車両情報は保存部に記憶されるので、追後の再生及び確認が可能である。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のイベント発生検知システムであって、
前記車両のイベント発生検知システムは車両に装着される車両制御部を含み、
前記車両制御部は、車両に装着されたセンサー又は撮像装置と連結されたイベント発生判断部と、車両画像表示装置と連結されたディスプレイ制御部と、保存部とを含み、
前記イベント発生判断部は、前記車両の周囲物体の速度及び距離を測定し、前記速度を基準に演算される相対速度が所定値以上であるとともに前記距離が所定値以下である場合、一番近い距離の前方物体を第1モニタリング対象物体に決定し、一番近い距離の後方物体を第2モニタリング対象物体に決定することによりイベントを発生させ、
前記保存部は第1及び第2モニタリング対象物体の速度及び距離情報を文字及びイメージデータとして保存し、
前記ディスプレイ制御部は、前記画像表示装置に文字及びイメージデータを伝送して第1又は第2モニタリング対象物体の情報を表示する、車両のイベント発生検知システム。
【請求項2】
前記画像表示装置は、ヘッドアップ表示装置、ブラックボックス、ルームミラー、計器盤、ナビゲーション又は車両に取り付けられたTVのいずれか一つである、請求項1に記載の車両のイベント発生検知システム。
【請求項3】
前記画像表示装置は第1及び第2モニタリング対象物体の速度及び距離を表示する、請求項2に記載の車両のイベント発生検知システム。
【請求項4】
前記画像表示装置はウインドシールドガラスに表示されるヘッドアップディスプレイであり、前記ウインドシールドガラスには、現在車両と、前記車両を中心に前方の第1モニタリング対象物体と、後方の第2モニタリング対象物体と、第1モニタリング対象物体の速度及び距離と、第2モニタリング対象物体の速度及び距離とを表示する、請求項3に記載の車両のイベント発生検知システム。
【請求項5】
前記車両のイベント発生検知システムは前記車両制御部と連結されたモバイルデバイスをさらに含み、保存部に保存されたデータはモバイルデバイスに送信し、使用者がアプリケーションを実行させることにより、前記モバイルデバイスの画面に、前記車両を中心に前方の第1モニタリング対象物体と、後方の第2モニタリング対象物体と、第1モニタリング対象物体の速度及び距離と、第2モニタリング対象物体の速度及び距離とを表示する、請求項3に記載の車両のイベント発生検知システム。
【請求項6】
前記車両のイベント発生検知システムは前記車両制御部と連結された中央サーバーをさらに含み、前記中央サーバーは、イベント発生の際、記憶部が伝送したデータをクラウドサーバーに自動で伝送及び保存し、運転者が権限を付与した保険会社又は警察又は公共機関や企業の外部デバイスとさらに連結され、前記外部デバイスを介して記憶されたイベント関連情報を確認することができる、請求項5に記載の車両のイベント発生検知システム。
【請求項7】
前記車両が走行中の場合、走行中の道路の側面道路の四角地域に他の車両が存在する場合に2次イベントがあると判断し、側面ミラーに前記他の車両の速度及び距離情報をさらに表示する、請求項3に記載の車両のイベント発生検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は実時間で相対車両の速度及び距離を分析及び保存するイベント検知システムに関するものである。特に、本発明は周囲車両の速度及び距離に基づいて事故の可能性が高い車両を決定し、これを表示し、関連情報を保存し、モバイルデバイス及び中央サーバーに伝送するように改善された車両のイベント発生検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両事故発生の際、これを検知して車両の位置を知らせるか、事故発生前後の映像データを記録し伝送する多くの装置が公知となっている。ブラックボックスは大きく役立つが、事故前後の車両の速度などのデータを確保することはできず、事故原因の把握に限界がある。
【0003】
出願人は、韓国登録特許第10-1887010号公報(2018年8月3日登録)で、センサー及びブラックボックスを備え、ブラックボックスの映像と、衝撃感知の際、感知時間と感知時間前後の映像である第1データ及び衝撃が発生したという文字情報である第2データとを端末機に伝送する技術を提案した。この特許は、車両衝撃のようなイベント発生の際、イベント発生の時間及び該当映像を車両所有者の端末機に伝送するから、別に映像を探す必要がなくて簡便であり、イベント発生を直ちに認知することができるので迅速な処理が可能であるという利点がある。
【0004】
出願人はこの特許に基づいてさらに検討した結果、事故発生時の状況情報はもちろんのこと、事故の予防がさらに重要であり、事故発生時点の前後を基準に周囲車両の速度及び距離情報を示し保存することが正確な事故原因の把握に役立つことを認識することになった。本発明は前記先特許をより改良したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1887010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、車両の事故発生を事前に防止し、事故発生前後の他の車両の速度及び距離情報を表示し記憶することによって事故原因を容易に認識することができるようにした車両のイベント発生検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、相対車両の速度及び離隔距離を演算し、事故発生の危険性が潜在する一つ又は二つ以上の車両情報を実時間で画面に表示し外部デバイスに伝送し、事故前後の情報に基づいて事故原因を正確に把握することができ、保存部に記憶された車両情報を再生及び確認することができるように構築したイベント発生検知システムを提供する点に特徴がある。
【0008】
具体的に、本発明のイベント発生検知システムは車両に装着される車両制御部を含み、前記車両制御部は、車両に装着されたセンサー又は撮像装置と連結されたイベント発生判断部と、車両画像表示装置と連結されたディスプレイ制御部と、保存部とを含み、前記イベント発生判断部は、前記車両の周囲物体の速度及び距離を測定し、前記速度を基準に演算される相対速度が所定値以上であるとともに前記距離が所定値以下である場合、一番近い距離の前方物体を第1モニタリング対象物体に決定し、一番近い距離の後方物体を第2モニタリング対象物体に決定することによりイベントの記録を開始し、前記保存部は第1及び第2モニタリング対象物体の速度及び距離情報を文字及びイメージデータとして保存し、前記ディスプレイ制御部は、前記画像表示装置に文字及びイメージデータを伝送して第1又は第2モニタリング対象物体の情報を表示する、車両のイベント発生検知システムを提供する。
【0009】
前記画像表示装置は、ヘッドアップ表示装置、ブラックボックス、ルームミラー、計器盤、ナビゲーション又は車両に取り付けられたTVのいずれか一つであることができる。
【0010】
前記画像表示装置は第1及び第2モニタリング対象物体の速度及び距離を表示することができる。
【0011】
前記画像表示装置はウインドシールドガラスに表示されるヘッドアップディスプレイであり、前記ウインドシールドガラスには、現在車両と、前記車両を中心に前方の第1モニタリング対象物体と、後方の第2モニタリング対象物体と、第1モニタリング対象物体の速度及び距離と、第2モニタリング対象物体の速度及び距離とを表示することができる。
【0012】
前記車両のイベント発生検知システムは前記車両制御部と連結されたモバイルデバイスをさらに含み、保存部に保存されたデータはモバイルデバイスに送信し、使用者がアプリケーションを実行させることにより、前記モバイルデバイスの画面に、前記車両を中心に前方の第1モニタリング対象物体と、後方の第2モニタリング対象物体と、第1モニタリング対象物体の速度及び距離と、第2モニタリング対象物体の速度及び距離とを表示することができる。
【0013】
前記車両のイベント発生検知システムは前記車両制御部と連結された中央サーバーをさらに含み、前記中央サーバーは、イベント発生の際、記憶部が伝送したデータをクラウドサーバーに自動で伝送及び保存し、運転者が権限を付与した保険会社、警察又は公共機関や企業の外部デバイスとさらに連結され、前記外部デバイスを介して記憶されたイベント関連情報を確認することができる。
【0014】
前記車両が走行中の場合、走行中の道路の側面道路の四角地域に他の車両が存在する場合に2次イベントがあると判断し、側面ミラーに前記他の車両の速度及び距離情報をさらに表示することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は事故発生の直前から事故発生の直後まで自車両と相対物体の速度を正確に把握及び証明することができるので、事故発生の際に事故現場鑑識の難しさを解消することができ、ブラックボックスが把握し難い数値的な事故発生原因を把握することができる。
【0016】
本発明はスピード違反取り締まり装置が取り付けられていない区間でも違反車両、個人車両などに対してスピード違反取り締まり及び事故予防の活動が可能である。
【0017】
また、本発明は、レンタカー、ソカー(SOCAR)、ウーバー(UBER)、会社タクシー、営業車両、自律走行タクシーなどのレンタル又は商用車両がどのくらいの速度でどのように運行しているかについてのデータを記録及び保存することができ、実時間でモニタリング及び保存された内容を確認することができるので、安全及び事故予防の目的で使うことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施例による車両のイベント発生検知システムの全体構成図である。
図2】本発明の車両制御部のイベント発生判断部の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の画像表示装置の一例を示す図である。
図4】本発明の車両制御部の保存部のデータ構造を示す図である。
図5】本発明のモバイルデバイスの画面の一例を示す図である。
図6a】本発明の他の画像表示装置の一例を示す図である。
図6b】本発明の他の画像表示装置の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のいくつかの実施例を例示的な図面に基づいて詳細に説明する。
【0020】
各図の構成要素に参照符号を付けるにあたり、同じ構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同じ符号を付けるようにしていることに留意しなければならない。また、本実施例の説明において、関連した公知の構成又は機能についての具体的な説明が本実施例の要旨をあいまいにする可能性があると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0021】
以下で記述する本発明の実施例の特徴の一つは、車両間の“距離”及び“相対速度”に基づいてイベント発生有無を判断することにより、事故発生の理由と事故発生の当時はもちろんのこと事故前後の状況も分析することができるという点にある。
【0022】
本発明における“車両”は乗用車、バス、トラックのような4輪型移動装置だけではなく、バイクなどの2輪車も含むものに最大限広義に解釈されなければならない。
【0023】
図1は本発明の一実施例による車両のイベント発生検知システム1の全体構成図である。車両のイベント発生検知システム1は、車両に装着される車両制御部10と、車両制御部10と交信する中央サーバー20及びモバイルデバイス30と、中央サーバー20と交信する外部デバイス50とを含む。中央サーバー20及びモバイルデバイス30は車両から独立した別途の装置である。外部デバイス50は点線で示すように選択的なものであり、本発明の必須構成ではないと言える。
【0024】
車両制御部10は、イベント発生判断部12と、ディスプレイ制御部14と、保存部16とを含む。車両制御部10は独立的なモジュールとして車両に提供される。イベント発生判断部12は車両に装着された各種のセンサー及び撮像装置と連結される。ディスプレイ制御部14は、車両に装着されたヘッドアップ表示装置、ブラックボックス、ルームミラー、計器盤、ナビゲーション又は車両に取り付けられたTVを制御するようにそれぞれの画像装置のドライバーと連結される。保存部16は、好ましくは車両制御部10に割り当てられた専用メモリである。
【0025】
イベント発生判断部12は、現在車両周辺の車両情報を分析し、事故発生の可能性があるか潜在する場合、これを“イベント(event)”と判断する。具体的に、図2に示すように、イベント発生判断部12は、まず現在車両を基準に同じ道路を走行する車両が所定範囲、例えば30メートル内に存在するかを検知する(S10)。認識手段は車両に装着される各種のセンサー及び撮像装置(image pick-up device)であり、例えば速度センサー、ライダー、レーダー、レーザー、光学カメラ、超音波センサー又はGPSなどがあり得る。これらの機器はスマートカー及び自律走行車で周囲の情報を得るために実際に用いられるので、本発明の車両制御部10を具現するのに有利である。
【0026】
イベント発生判断部12は、認識手段が検知する範囲内の物体を対象としてそれぞれの物体の速度及び距離を演算し(S12)、モニタリング対象物体を決定する(S14)。具体的に、イベント発生判断部12は、距離が一番近い前方の車両を第1モニタリング対象に決定する。これに加え、距離が一番近い後方の車両を第2モニタリング対象に決定する。このように決定すれば、事故発生危険度が一番高い前後の車両をモニタリングすることにより、事故発生を事前に防止し、事故発生状況を正確に記録することができる。イベント発生判断部12がモニタリング対象車両を決定することにより“イベント”が発生したと判断する。
【0027】
これとは違い、イベント発生判断部12は、距離が一番近い前方の車両の現在車両との相対速度が所定値以上の場合、これを第1モニタリング対象に決定し、距離が一番近い後方の車両の現在車両との相対速度が所定値以上の場合、これを第2モニタリング対象に決定して“イベント”が発生したと判断することができる。相対速度が所定値以上というのは、自車との速度差が大きくてスピードの出しすぎや急減速又は急制動で衝突や追突のおそれがあることを意味する。相対速度基準をさらに追加して判断すれば、不必要なイベント発生を低減してシステムの負荷を減らすことができる。
【0028】
車両の“前方”と“後方”の情報を取得するために前方のバンパー付近に付着された2チャネルレーダー又は後方の超音波センサーが送受信した直進信号を基準データとして判断するか、そうではなければ、GPS又はアラウンドビューシステムであれば全体イメージのうち前方及び後方のイメージを抽出して活用することができる。車線認識感知システムを装着した場合、このシステムが検知する走行道路内に入る車両を対象とすることができる。ただ、これは例であるだけで、2チャネル以上、又はレーザー、レーダー、ライダー、光学カメラなどを多様に使うことができる。
【0029】
車両事故は多くの理由で発生し、例えば隣接した車線から他の車両が急に割りこむ場合にも、結局前方又は後方の認識手段によって捕捉されるので、車両の“前方”及び“後方”の情報を取得することは有効である。
【0030】
周辺物体又は車両の速度及び距離を判断することは公知の技術なので、詳細な説明は省略する。
【0031】
以上の本発明の実施例によるイベント発生判断部12は、モニタリング対象物体の判断基準として現在車両と同じ道路を占有している他の車両との物理的距離を1次基準とし、さらに相対速度を2次基準としてイベント発生有無を決定するので、事故発生の可能性がある車両を正確に検知することができる。
【0032】
以上の実施例とは違い、イベント発生判断部12がモニタリング対象物体の判断基準として現在車両と同じ道路を占有している他の車両との相対速度を1次基準とし、距離を2次基準としてイベント発生有無を決定するように変更することも可能である。この場合、まず判断基準の手順は変更されるが、モニタリング対象車両は前述した実施例と同一である。
【0033】
イベント発生判断部12が“イベント”が発生したと判断した瞬間から、少なくとも自車情報と前記第1及び第2モニタリング対象となる車両の情報が実時間で保存部16に保存される。車両情報は時間による距離及び速度情報の他に、好ましくは識別可能な車両ナンバープレート情報及び位置情報を含む。
【0034】
ディスプレイ制御部14は、保存部16が伝送する自車及びモニタリング対象車両の情報に基づいて画像データを生成し、これを保存部16に伝送するとともにヘッドアップ表示装置、ブラックボックス、ルームミラー、計器盤、ナビゲーション又は車両に取り付けられたTVに伝送する。これとは違い、保存部16が画像データを生成し保存するとともにディスプレイ制御部14に画像データを送信しても良い。
【0035】
どの場合でも、保存部16は、図4に示すように、モニタリング対象車両の情報をいわゆる“文字(character)”及び“イメージ(image)”データ162、164として保存するようになる。保存部16が着脱可能な装置の場合、PC、タブレットやブラックボックスのような電子機器に挿入すれば、イベント又は事故発生前後の状況を分析することができる。本発明における“イメージ”は静止画像データだけではなく動画像データも含むものに最大限広義に解釈されなければならない。
【0036】
図3はディスプレイ制御部14と連結されたヘッドアップディスプレイとして、車両のウインドシールドガラス140に画像データを表示した例を示す図である。
【0037】
ウインドシールドガラス140には、自分の現在車両144を中心に前方の第1モニタリング対象車両142aと後方の第2モニタリング対象車両146aとがイメージとして表示される。公知のヘッドアップディスプレイと違う点は、現在車両の全てのあるいは相当な範囲の前方車両を全て示すものではないので、システムの負荷を減らすことができ、現在車両に最も近接した車両のみ抽出して表示するので、運転者の注意を喚起して事故発生の可能性を減らすことができるという点である。
【0038】
第1モニタリング対象車両142aの下部には車速情報142b及び距離情報142cが一緒に表示され、第2モニタリング対象車両146aの下部には車速情報146b及び距離情報146cが一緒に表示される。第1及び第2モニタリング対象車両142a、146aの車速情報142b、146bは、衝突や追突事故の発生の際、自車又は他車のスピードの出しすぎのためであるか、そして急減速又は急制動のためであるかを正確に判別することができる基準となる。距離が“0”の場合は何らかの理由で事故が発生した場合である。また、距離が“0”の状態で保存部16に保存される文字及びイメージデータは事故発生後の状況を分析することができる資料となる。当業者に知られているように、衝突感知センサー又はブラックボックスのデータを活用すれば、事故発生有無及び事故前後の情報を全体的に分析することができる。
【0039】
図3はヘッドアップディスプレイを一例として提示したものであり、その他にも次のような多様な用途が提案できる。
【0040】
図3で、前方車両はイメージとして表示する代わりに、通常のヘッドアップディスプレイと同様に、実際のウインドシールドガラスに投影される車両を示し、速度及び距離情報を表示することができる。表示手段としては、例えばモニタリング対象車両をナビゲーション装置の画面に表示することができる。もしくは、図6aのようにルームミラーを介して後方モニタリング対象車両を実際に示しながらその速度及び距離を表示することができる。他には、図6bのように速度計器盤のパネルの左側に第1モニタリング対象車両の速度及び距離情報を赤色で表示し、右側に第2モニタリング対象車両の速度及び距離情報を赤色で表示することができる。この場合、運転者は中央に表示される自車の速度情報とともに前後車両の情報も容易に認識することができる。図6の場合はモニタリング対象車両のイメージ表示はこれを省略することができる。
【0041】
本発明の実施例による車両は、一般運転者が乗っている車両はもちろんのこと、例えば警察の取り締まり車両を含み、スピード違反取り締まり及び事故予防活動が可能である。
【0042】
また、図1を参照すると、モバイルデバイス30は車両制御部10と連結される。具体的に、保存部16に保存された“文字(character)”及び“イメージ(image)”データ162、164は使用者の携帯電話のようなモバイルデバイス30に伝送される。モバイルデバイス30には、保存部16のデータを受信して所定のプログラムを実行するためのアプリケーションが組み込まれている。使用者がアプリケーションを実行させれば、図3のように、モバイルデバイス30の画面に周囲車両の情報が表示される。
【0043】
図5はその一例を示すものであり、モバイルデバイス30の画面300に、現在走行中の道路の境界線310a、310b内に自分の現在車両304を中心に前方の第1モニタリング対象車両302aと後方の第2モニタリング対象車両306aがイメージとして表示される。第1モニタリング対象車両302aの下部には車速情報302bと距離情報302cが一緒に表示され、第2モニタリング対象車両306aの下部には車速情報306bと距離情報306cが一緒に表示される。画面300の下部には、現在時間と過去画面を再生するための操作ボタンが表示される。
【0044】
モバイルデバイス30は運転者だけではなく第3者も使用できるデバイスである。この場合、走行車両がレンタカー、ソカー、ウーバー、会社タクシー、営業車両、自律走行タクシーなどのレンタル又は常用車両の場合、どのくらいの速度でどのように運行していうかについてデータの記録及び保存が可能であり、実時間でモニタリングすることが可能である。
【0045】
また、モバイルデバイス30は、携帯電話、PC、タブレットなどの通信可能な全ての電子機器を含む。
【0046】
一方、以上では車両の装置又はデバイスにイメージデータが表示される場合を説明したが、イメージの表示ができない場合にも、文字データ162を復元して車両の速度、時間及び位置情報が分かる。このような記録復元方式はイメージ撮像装置を備えていない過去の車種に有用であり、この点で本発明の保存部16のデータ並列保存構造(図4参照)は意味を有する。
【0047】
また、図1を参照すると、本発明の車両制御部10は中央サーバー20と連結される。中央サーバー20は、イベント発生の際、ソフトウェアを介してイメージをクラウドサーバーに自動で伝送及び保存し、顧客及び顧客が権限を付与した保険会社又は警察又は公共機関や企業が外部デバイス50を介して接続し、保存されたイベントを確認することができるようにする。保険会社は事故原因が正確に分かり、警察は法規違反有無を確認することができる。外部デバイス50は、携帯電話、PC、タブレットなどの通信可能な全ての電子機器を含む。
【0048】
以上で記述した本発明によれば、事故誘発の危険がある車両を含む物体の情報を、実際事故発生の前後にイメージ及び文字情報として表示して記憶するので、事故発生を早期に防止し、事故発生の理由及び状況を容易に把握することができるという利点がある。
【0049】
本発明を車両に限定して説明したが、本発明のシステムはドローンのような移動物体にも広範囲に適用することができる。
【0050】
また、前方と後方の物体を対象として説明したが、走行中の道路の側面道路、特に死角地域に存在する車両がある場合、イベントがあると判断し、先の実施例と同様な方法で、例えば側面ミラーに車両情報を表示するなどの拡張変更も可能である。
【0051】
モニタリング対象車両は2台の場合を説明したが、前方車両1台のみ表示するか3台以上の複数の車両を検知してイベント発生有無を決定することもできるというのは言うまでもない。
【0052】
以上で記述した本発明の実施例は例示のためのものであり、本発明の権利範囲を制限又は限定するものに解釈されてはいけないであろう。本発明は多様な修正及び変形が可能であり、これらのいずれも本発明の権利範囲に属し、本発明の権利範囲は以下で記述する請求範囲と同一乃至均等な領域にまで及ぶというのは明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6a
図6b
【国際調査報告】