(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】導入スタイレット
(51)【国際特許分類】
A61M 16/04 20060101AFI20220107BHJP
A61M 25/01 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A61M16/04 Z
A61M25/01 510
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524030
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(85)【翻訳文提出日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 US2019059321
(87)【国際公開番号】W WO2020096878
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517307577
【氏名又は名称】グレン・ピー・ガードナー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100137039
【氏名又は名称】田上 靖子
(72)【発明者】
【氏名】グレン・ピー・ガードナー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA32
4C267BB04
4C267BB08
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB40
4C267CC21
4C267HH08
(57)【要約】
導入スタイレットが気管内チューブ(ETT)の中に挿入されるように構成され、遠位端および近位端を有する細長いロッドと、ETTを基準とした導入スタイレットの長手方向および横方向の両方の動きを防止するためにETTに係合されるように構成される、ロッド上に形成される位置決め構造部とを有する。ロッドの遠位端の一部分がETTの外側に長手方向に延在し、先端側端部を画定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気管内チューブ(ETT)の中に挿入されるように構成される導入スタイレットであって、
遠位端および近位端を有する細長いロッドと、
前記ETTに対する前記導入スタイレットの長手方向および横方向の両方の動きを防止するために前記ETTに係合されるように構成される、前記細長いロッド上に形成される位置決め構造部と
を備え、
前記細長いロッドの前記遠位端の一部分が前記ETTの外側に長手方向に延在し、先端側端部を画定する、導入スタイレット。
【請求項2】
前記ETTの内部表面と前記位置決め構造部との間において前記位置決め構造部に隣接して空気流れ経路が画定され、これにより、前記空気流れ経路が、前記ETTを通る空気流れが維持されることを保証する、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項3】
前記近位端から前記遠位端まで前記細長いロッドを通って長手方向に形成される、円周方向に囲まれた少なくとも1つの内部空気流れ通路をさらに有する、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項4】
前記位置決め構造部がブリッジ部である、請求項2に記載の導入スタイレット。
【請求項5】
前記ブリッジ部が、半球形のブリッジ部、および前記ETTの前記内部表面に係合されるように構成される長手方向に延在する細長いブリッジ部、のうちの一方である、請求項4に記載の導入スタイレット。
【請求項6】
長手方向に延在する孔の中にある展性の細長いロッドをさらに有する、請求項5に記載の導入スタイレット。
【請求項7】
前記細長いロッドの前記先端側端部に少なくとも1つの湾曲部が形成されている、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項8】
前記細長いロッドの前記先端側端部が、緩いS形状を画定する2つの湾曲部を有するように形成される、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項9】
前記位置決め構造部が複数のブリッジ部である、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項10】
前記位置決め構造部が、前記細長いロッドの前記先端側端部の突出部分として構成される閉塞構造部であり、前記突出部分の軸から横方向で測定した場合の前記突出部分の最も幅広のポイントが、前記ETTの内部表面から横方向に外側に延在せず、前記ETTの前記内部表面に当接するように構成される、請求項2に記載の導入スタイレット。
【請求項11】
前記位置決め構造部が、テーパ状の先端側表面と、平坦な後端側表面と、前記先端側表面と前記後端側表面との間に形成される弓形縁部とを有する、前記細長いロッドの一部分の周りで円周方向に延在する、張り出している閉塞構造部であり、前記弓形縁部がETT係合表面を画定し、前記閉塞構造部が、前記ETTのべベル部の平坦な先端側表面と前記閉塞構造部との間に存在する隙間を塞ぐように構成される、請求項2に記載の導入スタイレット。
【請求項12】
マーフィーアイプラグをさらに有する、請求項11に記載の導入スタイレット。
【請求項13】
前記細長いロッドの前記遠位端に、少なくとも1つの湾曲部が形成されている、請求項12に記載の導入スタイレット。
【請求項14】
前記細長いロッドの前記遠位端が緩いS形状を画定する2つの湾曲部を有するように形成される、請求項12に記載の導入スタイレット。
【請求項15】
前記細長いロッドの前記近位端を15mmETTコネクタに解除可能に取り付けるように構成される、キャップを画定する取り付け部材をさらに有する、請求項13に記載の導入スタイレット。
【請求項16】
前記キャップが前記ETTの前記15mmETTコネクタに装着される酸素源キャップであり、前記酸素源キャップが、
略円筒形の外部表面を画定する円周方向に延在する壁、第1の端部、および第2の開放端部を有する本体と、
前記円周方向に延在する壁の径方向外側に延在し、前記酸素源キャップの前記第2の開放端部に流体連通され、酸素の供給源に接続されるように構成される円筒形の空気入口と
を有し、
前記導入スタイレットの前記細長いロッドが、接続された前記酸素源キャップおよび前記ETTの前記15mmETTコネクタを通って延在し、前記酸素源キャップが気密接続部により前記導入スタイレットに接続される、請求項15に記載の導入スタイレット。
【請求項17】
前記酸素源キャップの本体の第2の端部に取り付けられた、取り付け部材を画定する弾性装着脚部をさらに有し、前記脚部の遠位端が前記15mmETTコネクタのフランジに係合されるように構成され、それにより前記酸素源キャップが前記15mmETTコネクタに解除可能に取り付けられる、請求項16に記載の導入スタイレット。
【請求項18】
前記細長いロッドの前記近位端に設けられるハンドルと、
前記導入スタイレット上の1つまたは複数の場所に設けられる関節ジョイントと、
前記関節ジョイントを制御するための機構と、
前記ハンドルおよび前記関節ジョイントを制御するための前記機構に接続されるか、または、前記関節ジョイントを制御するための前記機構に無線接続される制御レバーであって、前記関節ジョイントの動きを制御するように構成される、制御レバーと
をさらに有する、請求項15に記載の導入スタイレット。
【請求項19】
前記細長いロッドの前記近位端を15mmETTコネクタに解除可能に取り付けるように構成される、キャップを画定する取り付け部材をさらに有する、請求項12に記載の導入スタイレット。
【請求項20】
前記キャップが前記ETTの前記15mmETTコネクタに装着される酸素源キャップであり、前記酸素源キャップが、
略円筒形の外部表面を画定する円周方向に延在する壁、第1の端部、および第2の開放端部を有する本体と、
前記円周方向に延在する壁の径方向外側に延在し、前記酸素源キャップの前記第2の開放端部に流体連通され、酸素の供給源に接続されるように構成される円筒形の空気入口と
を有し、
前記導入スタイレットの前記細長いロッドが、接続された前記酸素源キャップおよび前記ETTの前記15mmETTコネクタを通って延在し、前記酸素源キャップが気密接続部により前記導入スタイレットに接続される、請求項19に記載の導入スタイレット。
【請求項21】
前記細長いロッドの前記近位端に設けられるハンドルと、
前記導入スタイレット上の1つまたは複数の場所に設けられる関節ジョイントと、
前記関節ジョイントを制御するための機構と、
前記ハンドルおよび前記関節ジョイントを制御するための前記機構に接続されるか、または、前記関節ジョイントを制御するための前記機構に無線接続される制御レバーであって、前記関節ジョイントの動きを制御するように構成される、制御レバーと
をさらに有する、請求項19に記載の導入スタイレット。
【請求項22】
前記閉塞構造部が拡張可能であるか、または、長手方向および径方向外側に延在する複数の圧縮可能なリブから形成される、請求項11に記載の導入スタイレット。
【請求項23】
前記閉塞構造部が拡張可能であるか、または、長手方向および径方向外側に延在する複数の圧縮可能なリブから形成される、請求項18に記載の導入スタイレット。
【請求項24】
前記近位端から前記遠位端まで前記細長いロッドを通って長手方向に形成される、円周方向に囲まれた少なくとも1つの内部空気流れ通路をさらに有する、請求項14に記載の導入スタイレット。
【請求項25】
前記導入スタイレットの遠位側の先端部に装着されるビデオ画像化装置をさらに有し、
前記ビデオ画像化装置がビデオモニタに動作可能に接続される、請求項15に記載の導入スタイレット。
【請求項26】
前記導入スタイレットの遠位側の先端部に装着されるビデオ画像化装置をさらに有し、
前記ビデオ画像化装置がビデオモニタに動作可能に接続される、請求項19に記載の導入スタイレット。
【請求項27】
前記細長いロッドの前記近位端が、前記細長いロッドを近位側の接続部材に接続するように構成されるねじ部を有する、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項28】
声門上型の挿入デバイス、およびブレードを有するETT挿入デバイスの光学組立体、のうちの一方と共に使用されるように構成される、請求項1に記載の導入スタイレット。
【請求項29】
気管内チューブ(ETT)の中に挿入されるように構成される導入スタイレットであって、
遠位端および近位端を有する細長いロッドと、
前記導入スタイレットが挿入されたETTの遠位側の先端部の近位側で、前記細長いロッドからその遠位端のところで径方向外側に延在するブリッジ部と、
長手方向に延在する孔の中にある、展性の細長いロッドと、
テーパ状の先端側表面、平坦な後端側表面、および前記先端側表面と前記後端側表面との間に形成されてETT係合表面を画定する弓形縁部を有する、前記細長いロッドの一部分の周りで円周方向に延在する閉塞構造部であって、前記ETTのべベル部の平坦な先端側表面と前記閉塞構造部との間に存在する隙間を塞ぐように、および前記ETTの遠位端の内部表面の一部分と前記閉塞構造部との間に存在する隙間を塞ぐように、構成される、閉塞構造部と、
マーフィーアイプラグと、
前記ETTの15mmETTコネクタに装着される酸素源キャップであって、
略円筒形の外部表面を画定する円周方向に延在する壁、第1の端部、および第2の開放端部を有する本体、
前記円周方向に延在する壁の径方向外側に延在し、前記酸素源キャップの前記第2の開放端部に流体連通され、酸素の供給源に接続されるように構成される円筒形の空気入口、
前記酸素源キャップを前記15mmETTコネクタに解除可能に取り付けるための手段、ならびに、
前記細長いロッドの前記近位端を前記15mmコネクタに解除可能に取り付けるように構成される取り付け部材
を有する、酸素源キャップと
を備え、
前記導入スタイレットの前記細長いロッドが、接続された前記酸素源キャップおよび前記ETTの前記15mmETTコネクタを通って延在し、前記酸素源キャップが気密接続部により前記導入スタイレットに接続され、
位置決め構造部の外側に長手方向に延在する前記細長いロッドの前記遠位端の一部分が先端側端部を画定し、
前記ブリッジ部が、前記ETTに対する前記導入スタイレットの長手方向および横方向の両方の動きを防止するために前記ETTの内部表面に係合されるように構成され、
前記細長いロッドの前記先端側端部が緩いS形状を画定する2つの湾曲部を有するように形成される、導入スタイレット。
【請求項30】
前記細長いロッドの前記近位端に設けられたハンドルと、
前記導入スタイレット上の1つまたは複数の場所に設けられた関節ジョイントと、
前記関節ジョイントを制御するための機構と、
前記ハンドルおよび前記関節ジョイントを制御するための前記機構に接続されるか、または、前記関節ジョイントを制御するための前記機構に無線接続される制御レバーであって、前記関節ジョイントの動きを制御するように構成される、制御レバーと、
前記導入スタイレットの遠位側の先端部に装着されるビデオ画像化装置と
をさらに有し、
前記ビデオ画像化装置がビデオモニタに動作可能に接続される、請求項29に記載の導入スタイレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般に患者の中に気管内チューブなどの挿管デバイスを導入するためのデバイスに関する。詳細には、本発明は、その上で運ばれる気管内チューブ(ETT:endotracheal tube)を有するように構成される挿管組立体ロッドとしても知られる改善された導入スタイレットに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]従来の気管内挿管は、(1)組織の後退および分離、(2)声帯の識別および視覚化、ならびに、(3)気管内チューブの配置、送達、および通過、を含めた3ステップ手技である。
【0003】
[0003]既知の気管内挿管デバイスは、ビデオ喉頭鏡、ならびに可撓性を有する光ファイバおよびビデオスコープなどを用いて、最初の2つのステップに良好に対処している。残念ながら、良好な視覚化にもかかわらず、第3のステップが依然として課題である。例えば、操作者が、ETTを声帯に到達させたり、ETTを声帯の近くに配置したり、またはETTを声帯に十分にアプローチさせたりすることができない可能性がある。ETTは、喉頭を通るようにETTを通過させように試みる間において、破裂軟骨、声帯、および輪状軟骨または前側の気管輪(anterior tracheal ring)などの、喉頭構造上で動かなくなる可能性もある。ブジーおよび剛体のスタイレットなどの従来のツールはETTを声帯のところに配置することまたは動かなくならないような形で喉頭を通るようにETTを滑らかに通過させるのを保証することの問題を完全には解決しない。
【0004】
[0004]直接喉頭鏡、間接的なビデオ喉頭鏡、または可撓性を有するビデオスコープなどの、現在入手可能な器具を用いて適切に組織を後退させて声帯を視覚化するにもかかわらず、気管内チューブの送達、配置、および通過がしばしば困難となる。高いスティフネスを有する剛体の、また可能性として外傷性の、スタイレットは、視覚化された声帯の方向において気管内チューブの先端部をより制御および案内するために、高い頻度で、気管内チューブの中で成形されて気管内チューブの中に配置される。しかし、剛体のスタイレットが手動で成形されると、使用者はその特定の曲率および形状を用いて仕事を行わなければならない。曲率および形状が満足できるものでない場合、使用者は、喉頭鏡検査を中断して、すべての装置を取り出して、スタイレットを手動で再成形して、手技を最初から開始しなければならない。
【0005】
[0005]可撓性を有するビデオスコープ、可撓性を有する光ファイバの気管支鏡、および剛体の直接のまたは間接的な喉頭鏡では、気管内チューブの先端部を声帯のところに配置するかまたは可撓性を有するスコープを気管の中に置くが声帯の間においておよび気管の中までにおいて喉頭を通るように気管内チューブの先端部を通過させることが妨げられるような形で声帯の視覚化が達成され得る、ということがしばしば当てはまる。気管内チューブの先端部の先端側縁部が、しばしば、破裂軟骨、輪状軟骨、または気管の前壁などの、喉頭構造に衝突し、気管内チューブを気管の中まで滑らかに通過させるのを妨げる。
【0006】
[0006]ETTイントロデューサ、ブジー、およびチューブ交換器が、気管内チューブを気管の中まで送達するためのガイドとして機能する。これらのガイドは、通常、これらのガイドが案内するETTと比較して、直径が有意に小さく、有意に長い。ブジーはその遠位端で、ある程度の角度を有する。そうではない場合、これらのガイドが半剛体のシリンダまたはロッドである。直接喉頭鏡検査または間接的なビデオ喉頭鏡検査の後で、視覚的な案内制御の形で、喉頭蓋下では見えない形で、または時には前側の気管輪に沿うところでは先端部の摩擦の触覚の補助を受ける形で、イントロデューサまたはブジーが通過させられる。
【0007】
[0007]イントロデューサ、チューブ交換器、またはブジーが成功裏に気管の中まで良好に配置されると、喉頭鏡検査が繰り返されるかまたは継続され、ETTがガイドの上で強制的に進まされるかまたは縫うように進まされて気管に入れられる。これらの追加のステップは時間を要する可能性があり、挿管を遅らせる可能性がある。強制的に進ませるステップ中、ETTの先端部が、破裂軟骨、輪状軟骨、または前側の気管輪と衝突することが原因で、操作者が通過させる際に難局に直面する可能性がある。ETTの通過のこのような障害は、主として、ガイドの外壁とETTの内壁との間の隙間が存在すること、さらにはETTが好ましくない角度で気管に入れられることが原因である。直径のこのような差およびそれにより生じる隙間が、通過中のETTの先端側縁部を破裂軟骨または声帯などの喉頭の構造上で動かなくさせる可能性がある。ETTの元々の曲率により入射角度が好ましくない角度となり、輪状軟骨および前側の気管輪の上を通過することが妨げられる。この場合、これにより、ETTが気管の中まで滑らかに通過するようになるまで、操作者が1回またはそれ以上の回数でETTを約90度回転させることが必要となる。喉頭の構造に外傷を与えるかまたは傷つける可能性があるような過度の力は回避しなければならない。
【0008】
[0008]従来のETTスタイレットは、声帯または気管に向かうその方向を制御するのを補助するためにETTを成形するのを補助するような、半剛体のロッド、展性(換言すれば、可鍛性)のロッド、または高いスティフネスを有する剛体のロッドである。その先端側の先端部は使用時にETTの遠位側に延在しない。その理由は、そのサイズ、形状、および剛性により、容易に、声帯、気管、または他の喉頭構造に外傷を与えるかまたはそれらを傷つける可能性があるからである。ETTの中に適切に配置されていても、声帯を通して気管の中まで通過させる前にスタイレットを正確に取り出さなければならない。その理由は、挿入されたスタイレットの高い剛性により外傷を与える可能性があるからである。この取り出しステップは完璧なタイミングを必要とし、しばしば熟練したスタッフを追加するのを必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009]したがって、ETTを患者の中に挿入するための、その上で運ばれるETTを有するように構成される改善された導入スタイレットを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
[0010]本発明は、患者の中に気管内チューブ(ETT)を導入するための導入スタイレットのための改善された構造に関連する。改善された導入スタイレットがその上で運ばれるETTを有するように構成される。
【0011】
[0011]第1の実施形態で、導入スタイレットが気管内チューブ(ETT)の中に挿入されるように構成され、遠位端および近位端を有する細長いロッドと、ETTを基準とした導入スタイレットの長手方向および横方向の両方の動きを防止するためにETTに係合されるように構成される、ロッド上に形成される位置決め構造部とを有する。ロッドの遠位端の一部分がETTの外側に長手方向に延在し、先端側端部を画定する。
【0012】
[0012]第2の実施形態で、導入スタイレットがETTの中に挿入されるように構成され、遠位端および近位端を有する細長いロッドを有する。ブリッジ部が、導入スタイレットを中に挿入したETTの遠位側の先端部の近位側で、ロッドからその遠位端のところで径方向外側に延在する。導入スタイレットが、長手方向に延在する孔の中にある、展性の細長いロッドと、テーパ状の先端側表面、平坦な後端側表面、および先端側表面と後端側表面との間に形成されてETT係合表面を画定する弓形縁部を有する、ロッドの一部分の周りで円周方向に延在する閉塞構造部とをさらに有する。閉塞構造部が、ETTのべベル部の平坦な先端側表面と閉塞構造部との間に通常であれば存在する隙間を排除するように、およびETTの遠位端の内部表面の一部分と閉塞構造部との間に通常であれば存在する隙間を排除するように、構成される。導入スタイレットが、マーフィーアイプラグ(Murphy eye plug)と、ETTの15mmETTコネクタに設置される酸素源キャップ(oxygen source cap)とをさらに有する。酸素源キャップが、略円筒形の外部表面を画定する円周方向に延在する壁、第1の端部、および第2の開放端部を有する本体と、酸素源キャップを15mmETTコネクタに解除可能に取り付けるための手段とを有する。円筒形の空気入口が、円周方向に延在する壁から径方向外側に延在し、空気入口が酸素源キャップの第2の開放端部に流体連通され、酸素の供給源に接続されるように構成される。位置決め構造部の外側に長手方向に延在するロッドの遠位端の一部分が、緩いS形状を画定する2つの湾曲部を有するように形成される先端側端部を画定する。ブリッジ部が、ETTを基準とした導入スタイレットの長手方向および横方向の両方の動きを防止するためにETTの内部表面に係合されるように構成される。
【0013】
[0013]添付図面に照らして読まれる好適な実施形態の以下の詳細な説明から、当業者には本発明の種々の態様が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】[0014]本発明による導入スタイレットの第1の実施形態を示す斜視図である。
【
図2】[0015]
図1に示される導入スタイレットを示す右側面図である。
【
図3】[0016]
図1および2に示される導入スタイレットを示す底面図である。
【
図4】[0017]
図1から3に示される導入スタイレットを示す近位側端面図である。
【
図5】[0018]
図1から4に示される導入スタイレットを示す遠位側端面図である。
【
図6】[0019]
図3の線6-6に沿う断面図である。
【
図7】[0020]
図1から6に示される導入スタイレットを示す左側面図である。
【
図8】[0021]
図1から7に示される導入スタイレットと共に使用される導入スタイレットのコアを示す平面図である。
【
図9】[0022]
図3に示される導入スタイレットの遠位端を示す拡大図である。
【
図10】[0023]
図1から9に示される導入スタイレットの第2の実施形態の遠位端を示す拡大図である。
【
図11】[0024]
図1から9に示される導入スタイレットの第3の実施形態の遠位端を示す拡大図である。
【
図12】[0025]
図9に示される導入スタイレットの遠位端を示す拡大上面図である。
【
図13】[0026]リブを示している、
図1から9に示される導入スタイレットの第4の実施形態を示す斜視図である。
【
図14】[0027]
図13の線14-14に沿う拡大断面図である。
【
図15】[0028]ETTコネクタおよびETTコネクタに設置された酸素源キャップと共に示される、
図2に示される導入スタイレットを示す右側面図である。
【
図16】[0029]
図16は、その一部分が
図9に示されている、従来のETTを示す斜視図である。
【
図17】[0031]導入スタイレットの第1の実施形態に設置されて示されている、
図15に示されるETTコネクタおよび酸素源キャップを示す拡大斜視図である。
【
図18】[0032]既知の気管内チューブ挿入デバイスの実施形態を示す斜視図である。
【
図19】[0033]シースとして構成される導入スタイレットの第5の実施形態を示す断面図である。
【
図20】[0034]導入スタイレットを長手方向に通る形で形成される空気流れ通路を示している、導入スタイレットの第6の実施形態を示す断面図である。
【
図21】[0035]導入スタイレットの外部表面に形成される長手方向溝を示している、
図1から9に示される導入スタイレットを示す断面図である。
【
図22】[0036]リブから形成される閉塞構造部を示している、
図5に示される導入スタイレットの代替の実施形態を示す断面図である。
【
図23】[0037]張り出している構造部を示している、導入スタイレットの代替の実施形態の遠位端を示す拡大図である。
【
図24】[0038]細長いブリッジ部を示している、導入スタイレットの代替の実施形態の遠位端を示す拡大上面図である。
【
図25】[0039]空気入口の代替の実施形態を示している、
図15および17に示されるETTコネクタおよび酸素源キャップを示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0040]次に、本発明の特定の実施形態を時折参照して本発明を説明する。しかし、本発明は多様な形態で具体化され得、本明細書に記載される実施形態のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を徹底的で完全なものとするように、および当業者に本発明の範囲を完全に伝えるように、提供されるものである。
【0016】
[0041]次に図面を参照すると、導入スタイレットの第1の実施形態が
図1から7で10のところに示される。導入スタイレット10が、ロッド12として構成される細長い本体を有する。ロッド12が実質的に円筒形であり、第1の端部つまり遠位端12Aおよび第2の端部つまり近位端12Bを有する。別法として、ロッド12が、限定しないが、略楕円形、略六角形、および略長方形を含めた、任意の他の所望の断面形状を有してもよい。示されるロッド12の遠位端12Aが、
図1、2、6、7、および12に最も良好に示される、緩いS形状を有する。導入スタイレット10のロッド12の遠位端12Aが、示される緩いS形状以外の形状を有することができることが理解されよう。例えば、遠位端12Aが実質的に直線であってよく、1つの湾曲部(換言すれば、曲がり部)を有してもよいか、または示される2つの湾曲部より多い湾曲部を有してもよい。湾曲部が任意の径方向に形成され得る。
【0017】
[0042]示される導入スタイレット10の遠位端12Aの遠位側の先端部が半球形状などの丸みを有するものである。したがって、有利には、この丸みを有するまたは半球形状の遠位端12Aが、患者の中に挿入されるときに非穿孔性(non-piercing)となるように構成される非外傷性の非鋭利な先端部を画定する。遠位端12Aが、テーパ状、円錐形などの、他の形状を有してもよく、またはボール形状の先端部を有してもよいことが理解されよう。これらの先端部の形状が、患者の中に導入スタイレット10を挿入するときの触覚を改善することにより使用者を補助することができる。所望される場合、1つまたは複数の触覚部材が、遠位端12Aの湾曲部のうちの1つまたは複数の湾曲部の上にまたはその近くに形成され得る。このような触覚部材の1つの実施例が
図12の19のところに示される。例示の触覚部材19の形状が半球形である。しかし、触覚部材19が、患者の中に導入スタイレット10を導入するときに使用者の触覚を改善するように構成される任意の他の所望の形状を有してもよいことが理解されよう。
【0018】
[0043]示される実施形態では、導入スタイレット10が、
図16に示される従来のETT42などの、従来の気管内チューブ(ETT)の中に挿入される前の状態で示されている。したがって、導入スタイレット10がその上に装着されるETT42を有するように構成される。
図9に最も良好に示されるように、ETT42の遠位端42Aの外側に長手方向に、すなわち遠位側に延在する、ロッド12の遠位端12Aの一部分がロッド12の先端側端部を画定する。
【0019】
[0044]
図16および16Aに示されるように、従来のETT42が、第1の端部つまり遠位端42A、第2の端部つまり近位端42B、および透明チューブとして構成されるETT本体44を有する。バルーンカフ46がETT42の遠位端42Aのところに形成され、従来の15mmETTコネクタ32が近位端42BのところでETT本体44に取り外し可能に取り付けられる。従来のETTが、その近位端42Bに取り外し可能に取り付けられる従来の15mmETTコネクタ32を有することが理解されよう。従来のマーフィーアイ52がバルーンカフ46と遠位端42Aとの間に形成される。空気膨張チューブ48が、バルーンカフ46に取り付けられる遠位端と、シリンジ(図示せず)などの空気の供給源に取り付けられるように構成される、その近位端におけるコネクタ50とを有する。遠位端42Aが、実質的に平坦な表面、すなわち
図16Aにおいて45のところで最も良好に示される単一平面内にある表面を有するべベル部(換言すれば、傾斜部)として構成され、その結果、遠位端42Aが鋭利なつまり槍の様な形状を有する。ETT42が任意の従来の小児用または成人用のETTであってよく、したがって約0.5mmから約1.5mmの範囲内にある壁厚を有することができることが理解されよう。
【0020】
[0045]有利には、示される導入スタイレット10が、第1のつまり張り出している(換言すれば、突出している)閉塞構造部14を有する。例示の張り出している閉塞構造部14がロッド12の周りを円周方向に約180度で延在し、テーパ状の先端側表面16および実質的に平坦な後端側表面15を有する。先端側表面16が、その遠位端からその近位端まで、長手方向において、および径方向外側において、テーパ状であり、それにより動かなくなるのを防止し、ETT42の中に導入スタイレット10を挿入するのを容易にする。弓形縁部が先端側表面16と後端側表面15との間に画定され、ETT係合表面14Aを画定する。
【0021】
[0046]
図9に最も良好に示されるように、張り出している閉塞構造部14が、ETT42のべベル45の表面の先端側部分と張り出している閉塞構造部14の後端側表面15との間に存在し得る隙間を塞ぐかまたは閉じるように構成される。張り出している閉塞構造部14が、示されている張り出している閉塞構造部14以外の形で構成されてもよいことが理解されよう。例えば、張り出している閉塞構造部14をETT42の遠位端42Aの内部に配置するときなどにおいて、張り出している閉塞構造部14が導入スタイレット10の長手方向軸216から径方向外側に延在して、ETT係合表面14Aなどの張り出している閉塞構造部14の一部分とETT42の内部表面43Bとの間に存在し得る隙間を塞ぐかまたは閉じるように構成されるように、張り出している閉塞構造部14が任意の所望の形状およびサイズを有することができる。
【0022】
[0047]
図11に示されるように、張り出している閉塞構造部14の先端側表面16がロッド120の外部表面から約45度の角度Aのところに形成される。別法として、張り出している閉塞構造部14の先端側表面16が約15度から約60度の範囲内にある角度Aのところに形成され得る。加えて、張り出している閉塞構造部14の先端側表面16が約5度から約85度の範囲内にある角度Aのところに形成され得る。
【0023】
[0048]所望される場合、張り出している閉塞構造部14が他の形状を有してもよく、中空となるように、拡張可能となるように、または圧縮可能となるように、構成され得る。例えば、張り出している閉塞構造部14が、導入スタイレット10の中空の拡張可能部分として構成され得る。別法として、張り出している閉塞構造部14が、圧縮可能または半圧縮可能となるように設計される任意のゲル状の材料または他の実質的に軟質材料である材料で形成され得る。
【0024】
[0049]加えて、閉塞構造部がリブを有することができる。例えば、
図22が、遠位端132Aおよびリブ134から形成される閉塞構造部132を有する導入スタイレット130の代替の実施形態を示す。したがって、閉塞構造部132が圧縮可能である。
図13および14に示されるリブ28と同様に、複数のリブ134が、長手方向に、および導入スタイレット130の細長い本体から径方向外側に、延在する。
図22に示されるように、リブ134が弓形の断面形状を有する。別法として、リブ134が、略直線などの、非弓形の断面形状を有することができる。
【0025】
[0050]張り出している閉塞構造部14の代わりに、導入スタイレットが、
図23に示される導入スタイレット210内で示されるような、第2の閉塞構造部214を有するように形成され得ることが理解されよう。第2の閉塞構造部214が丸みを有する突出部分として構成され、その最も幅広のポイント、すなわち導入スタイレット210の軸216から最も大きい距離にわたって横方向に延在する部分が、横方向においてETT42の内部表面43Bから外側には延在せず、つまり内部表面43Bから外側に長手方向に延在する線Lを越えて延在しない。好適には、第2の閉塞構造部214がETT42の内部表面43Bに係合されるかまたは当接する。別法として、所望される場合、第2の閉塞構造部214がETT42の外部表面43を越えて径方向外側に延在することができる。導入スタイレット210が、後で説明されるように、マーフィーアイプラグ18および1つまたは複数のブリッジ部20をさらに有することができる。
【0026】
[0051]有利には、張り出している閉塞構造部14および第2の閉塞構造部214の両方がETT42と協働してETT42の遠位端42Aを閉鎖するかまたはETT42の遠位端42Aを非鋭利にし、それにより、患者の中への挿入中に導入スタイレット10、210の上に装着されたETT42の遠位端42Aのところに丸みを有するかまたは他の形で非鋭利である構造部が提供され、遠位端42Aの鋭利な形状または槍の様な形状の潜在的な悪影響を低減する。したがって、張り出している閉塞構造部14および第2の閉塞構造部214によって提供される、ETT42の遠位端42Aのところにある丸みを有する構造部または他の非鋭利な構造部が、遠位端12Aの丸みを有する形状または半球形状と組み合わされて、ETT42のための非外傷性の非鋭利な先端部および非外傷性の非鋭利な先端側端部を画定し、これらの非外傷性の非鋭利な先端部および非外傷性の非鋭利な先端側端部が、破裂軟骨、声帯、声門裂、および輪状軟骨または前側の気管輪から離れるように逸れるようになり、それにより、導入スタイレット10を気管の中へ前進させるときに捕捉されるかまたは動かなくなる場合の導入スタイレット10の遠位端12Aおよび/または遠位端42Aの槍の様な形状により外傷または穿孔が形成される可能性が最小になる。
【0027】
[0052]マーフィーアイプラグ18が張り出している閉塞構造部14の近位側に形成される。マーフィーアイプラグ18が細長く、従来のETT42のマーフィーアイ52の中に配置されるように構成される。マーフィーアイ52の中に配置されるとき、マーフィーアイプラグ18が導入スタイレット10の長手方向の動きを有意に最小にするようにまたは防止するように構成される。マーフィーアイプラグ18が示されるもの以外の形で形成されてもよく、その遠位端からその近位端まで連続していなくてもよいことが理解されよう。例えば、マーフィーアイプラグ18がその遠位端からその近位端までにおいて分割または細分化されてよく、その結果、マーフィーアイプラグ18が2つ以上のセグメントを備えるようになる。
【0028】
[0053]示されるマーフィーアイプラグ18が、その遠位端からその近位端までにおいて、長手方向におよび径方向内側にテーパ状であり、それにより患者の中にETT42を挿入した後でETT42から導入スタイレット10を取り出すことが容易になる。しかしながら、マーフィーアイプラグ18がテーパ状である必要がないことが理解されよう。例えば、マーフィーアイプラグ18が回転させられてマーフィーアイ52の中以外の場所のところにおいてETT42の中に配置される場合、テーパ状のマーフィーアイプラグは必要ない可能性がある。
【0029】
[0054]示される実施形態では、マーフィーアイプラグ18がETT42の従来のマーフィーアイ52の長さより少なくともわずかに小さい全長を有する。先端側縁部(
図9から11で見て最も右側の縁部)が任意の所望の高さを有することができる。示される先端側縁部が約2.372mmの高さを有する。別法として、マーフィーアイプラグ18が、約4.0mmまでの、従来の小児用または成人用のETTのおおよその壁の厚さの範囲内の高さを有することができる。
【0030】
[0055]本明細書で示されて説明される導入スタイレットの実施形態では、1つのマーフィーアイプラグ18が導入スタイレットの遠位端のところに形成されて示される(操作者によって挿入されるときの右側:
図15に示される導入スタイレット10の右側面図も参照されたい)。1つのマーフィーアイプラグ18が導入スタイレット10の左側に形成され得、すなわち
図1から13および15に示されるマーフィーアイプラグ18から約180度のところに形成され得る、ことが理解されよう。別法として、本明細書に示されて説明される導入スタイレットのうちの任意の導入スタイレットがその上に形成される2つ以上のマーフィーアイプラグ18を有することができる。例えば、導入スタイレットが2つのマーフィーアイ52を有する従来のパーカー気管内チューブと共に使用される場合、導入スタイレットを基準として径方向および長手方向においてETTを位置決めするために2つのマーフィーアイプラグ18が有利である可能性がある。
【0031】
[0056]示される実施形態では、1つまたは複数の半球形のブリッジ部(換言すれば、支持部)20がロッド12から径方向外側に延在し、張り出している閉塞構造部14の横方向の動き、すなわちETT42の遠位端42Aの内部表面から離れるような張り出している閉塞構造部14の動きを有意に最小にするかまたは防止するためにETT42の内部表面に係合されるように構成される。ブリッジ部20が
図9の矢印A1によって示される空気流れ経路をさらに画定し、それにより、1つまたは複数のブリッジ部20の周りで、および張り出している閉塞構造部14の反対側のブリッジ部20とロッド12との間において、空気流れが維持されることが保証される。示される実施形態では、3つのブリッジ部20が、マーフィーアイプラグ18の中心から約90度、180度、および270度のところで放射状に配置されて示されている。
【0032】
[0057]別法として、ブリッジ部20が、ロッド12から径方向外側に延在して、張り出している閉塞構造部14の横方向の動きを有意に最小にするかまたは防止するために導入スタイレット10上でのETT42の位置を支持して、固定して、安定させるためにETT42の内部表面に係合されるように構成される任意の構造または構造の組合せとして形成され得る。また、ブリッジ部20が、
図24に示される導入スタイレット218の実施形態に示されるブリッジ部220などの、ロッド12から径方向外側に延在しかつロッド12に沿って長手方向に延在する任意の細長い構造として形成されてもよい。ブリッジ部220が任意の所望の長さを有するように形成され得、導入スタイレット10の長さに沿う任意の所望の場所のところに形成されてよい。また、リブ28が、後で説明するように、ブリッジ部として機能してもよい。
【0033】
[0058]さらに
図9に示されるように、13で示されるように、導入スタイレット10がその遠位側の先端部の中にビデオ画像化装置を有するように形成され得る。別法として、ビデオ画像化装置13が、
図9の13’で示されるように、張り出している閉塞構造部14から導入スタイレット10の遠位端12Aにおいて、導入スタイレット10の先端側端部の任意の所望の場所に配置され得る。ビデオ画像化装置13が、相補型金属酸化膜シリコン(CMOS:Complementary Metal Oxide Silicon)カメラ、電荷結合素子(CCD:Charge-Coupled Device)、光ファイバカメラ、および任意の他の直接的なまたは間接的な画像化装置などの、任意の所望のビデオ画像化装置であってよい。したがって、CCDなどの画像化装置のための電線(図示せず)が導入スタイレット10の中で長手方向に延在してよい。ビデオ画像化装置13が、ビデオモニタ240などのモニタに動作可能に接続され、例えば有線接続または無線接続される。
【0034】
[0059]導入スタイレット10のロッド12が、近位端12Bから遠位端12Aまでにおいて導入スタイレット10の周りで空気が流れるのを可能にするように構成される任意のサイズ、形状、構造部、またはサイズ、形状、および構造部の組合せを有することができる、ことが理解されよう。例えば、ロッド12が、
図21に示されるように、その外部表面に形成される1つまたは複数の長手方向溝106を有することができる。
【0035】
[0060]張り出している閉塞構造部14、マーフィーアイプラグ18、および複数の半球形のブリッジ部20、の各々が、後で説明するように、その上に設置されるETT42のための位置決め構造部として機能することができることがさらに理解されよう。
【0036】
[0061]例えば、位置決め構造部として機能する場合、張り出している閉塞構造部14、マーフィーアイプラグ18、および複数の半球形のブリッジ部20が、個別にまたは組合せで、ETT42を基準とした導入スタイレット10の長手方向および横方向の両方の動きを有意に最小にするかまたは防止するためにETTの内部表面に係合されるように構成および配置される。加えて、張り出している閉塞構造部14、マーフィーアイプラグ18、および複数の半球形のブリッジ部20が位置決め構造部として機能する場合、空気流れ経路A1が、ETT42の内部表面と、それぞれの張り出している閉塞構造部14、マーフィーアイプラグ18、および複数の半球形のブリッジ部20との間において、張り出している閉塞構造部14、マーフィーアイプラグ18、および複数の半球形のブリッジ部20に隣接するように画定される。したがって、空気流れ経路A1が、ETT42を通る空気流れが維持されるのを保証する。
【0037】
[0062]後で説明されるハンドル55などのハンドルが、導入スタイレット10をコンピュータネットワーキングに加えるのを可能にするWi-Fiまたはローカルエリアワイヤレステクノロジを用いるプロセッサまたは制御装置(図示せず)を有することができる。プロセッサまたは制御装置(図示せず)が、専門医が、インターネットまたは任意の無線通信手段を介して、ビデオ画像化装置13によって撮られる任意のビデオイメージを、取り付けられているかまたは遠くに位置するスクリーン上で見るのを可能にするBluetooth機能を有してもよい。所望される場合、プロセッサまたは制御装置(図示せず)が導入スタイレット10のロッド12の任意の所望の場所に位置してよい。
【0038】
[0063]その遠位端12Aを含めた導入スタイレット10が、シリコン、ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC:polyvinylchloride)、ポリウレタン、および他のポリマーなどの、任意の、可撓性材料、半可撓性材料、展性材料、または圧縮可能材料から形成され得る。したがって、遠位端12Aが、患者の気道の中に挿入されるときに有利である可撓性を有するように構成される。しかし、例えば閉塞構造部14の近位側のロッド12の部分またはロッド12の先端側端部などの、ロッド12の本体が、比較的高い剛性および展性を有することが望ましい可能性もある。したがって、
図6に示されるように、導入スタイレット10が、中に形成される長手方向に延在する孔22を有することができる。
図8に示される細長いアルミニウムロッド24が所望の剛性を提供するために孔22の中に設置され得る。したがって、孔22およびアルミニウムロッド24が、遠位端12Aの遠位側の先端部まで延在することを含めて、ロッド12の先端側端部の中まで延在することができる。別法として、例えば導入スタイレット10の近位端12Bなどの、導入スタイレット10の任意の所望の部分が、テレスコープ式のセクション(図示せず)を有するように形成されるなどして、展開可能であってもよい。
【0039】
[0064]示される実施形態では、導入スタイレット10が約46cmの全長を有する。別法として、導入スタイレット10が任意の他の所望の長さを有してもよい。
[0065]示される実施形態では、導入スタイレット10が約5.5mmの外径を有する。別法として、導入スタイレット10が、従来の小児用または成人用のETTと共に使用されるために、約1.0mmから約8.0mmの範囲内あるような、任意の所望の外径を有することができる。
【0040】
[0066]示される実施形態では、導入スタイレット10の孔22が約39.5cmの全長および約2.38mmの孔径を有する。別法として、孔22が、任意の他の所望の長さ、および限定しないが1.6mmなどといったように任意の他の所望の孔径を有することができる。
【0041】
[0067]示される実施形態では、アルミニウムロッド24が、約39.5cmの全長、および約2.381mmの外径を有する。別法として、アルミニウムロッド24が、任意の他の所望の長さ、および任意の他の所望の外径を有することができる。ロッド24をアルミニウムから形成されるものとして説明してきた。しかし、ロッド24が、任意の他の、非展性材料、剛体材料、半剛体材料、可撓性材料、半可撓性材料、または展性材料から形成されてもよいことが理解されよう。本明細書で使用される展性は、形状記憶を有する、破損したり亀裂を発生させることなく曲げられ得るかあるいは他の形で成形および再成形され得る金属または他の材料として定義され、ここでは、展性材料が曲げられたときの形状は、再び曲げられたりまたは成形されたりするまで維持される。例えば、ETT42の後方への動き、すなわちロッド12の近位端12Bの方に向かうETT42の動きを防止するために、およびひいては導入スタイレット10上でのETT42の近位側の長手方向位置を支持するために、ロッド12の近位端12Bが使用者によって曲げられ得る。
【0042】
[0068]示される実施形態では、ブリッジ部20が約1.0mmの半径を有し、ロッド12から径方向外側に約1.0mm延在する。別法として、ブリッジ部20が任意の所望の半径を有してもよい。好適には、ETT42の横方向の動き、すなわちロッド12の長手方向軸に対して概して垂直方向の動きを有意に最小にするかまたは防止するためにブリッド20をETT42の内部表面に係合または当接させるかまたはETT42の内部表面の非常に近くに配置することになるような距離で、ブリッジ部20がロッド12から外側に延在することができる。
【0043】
[0069]有利には、遠位端12Aの可撓性および湾曲形状(すなわち、示される実施形態の遠位端12の緩いS形状)および遠位端12Aの丸みを有する形状または半球形の形状が組み合わされて、送達方向を改善し、それにより導入スタイレット10の遠位端12を制御し、その結果、導入スタイレット10の遠位端12が、破裂軟骨、声帯、声門裂、および輪状軟骨または前側の気管輪から離れるように逸れることができるようになり、それにより、導入スタイレット10を気管の中へ前進させるときに導入スタイレット10が捕捉されたりまたは動かなくなったりする場合に導入スタイレット10の遠位端12Aにより外傷または穿孔が形成され得る可能性が最小となる。
【0044】
[0070]導入スタイレット10の遠位端12Aが、任意の径方向に動くように構成されるように関節式であってよく、したがって、ジョイント(換言すれば、接合部)Jが
図12に示されるように関節ジョイントとして構成され得る。
図12に示される導入スタイレット10の実施形態では、関節ジョイントJが好適には張り出している閉塞構造部14に隣接してその遠位側に位置し、したがって、12A’および12A”などで示されるような複数の交互の位置、すなわち関節接合による複数の位置の間で遠位の12Aを動かすために使用者が導入スタイレット10の遠位端12Aをより正確に制御することが可能となる。別法として、関節ジョイントJのうちの1つまたは複数の関節ジョイントJが導入スタイレット10上の任意の他の場所に位置してもよい。
【0045】
[0071] 関節ジョイントJを制御するためのおよびひいては遠位端12Aを動かすための機構が、
図18に示されて後で説明されるような制御デバイス268などの、任意の所望の機構によって制御され得る。別法として、
図15に示されるように、制御レバー57がハンドル55に動作可能に取り付けられてもよい。所望される場合、制御レバー57などの制御デバイスが、導入スタイレット10上の、ハンドル55上の、あるいは導入スタイレット10もしくはハンドル55に取り付けられるかまたは導入スタイレット10もしくはハンドル55と共に使用される無線リモートコントローラなどの任意の他のデバイス上の、任意の他の所望の場所のところに位置してよい。
【0046】
[0072]制御レバー57が、遠位端12Aと15mmETTコネクタ32との中間のポイントまで、すなわち
図15には明瞭に示されないETT42の近位端まで、遠位端12Aに向かって(
図15で見て右側に)延在するように伸長してもよく、そのように構成され得る、ことが理解されよう。このように伸長した制御レバー57が、患者の中に導入スタイレット10およびETT42を挿入するときに使用者がより容易にかつより直接的に制御レバー57にアクセスするのを可能にする。加えて、伸長した制御レバー57が
図15に示される制御レバー57の取り付け可能および脱着可能である延長部分として構成され得、それにより使用者が制御レバー57の所望の長さを選択することが可能となる。
【0047】
[0073]
図10が導入スタイレット110の第2の実施形態の遠位端の拡大図である。導入スタイレット110は、マーフィーアイプラグ18の長さのほぼ中間ポイントのところにブリッジ部20が形成されることを除いて、導入スタイレット10と実質的に同じである。
【0048】
[0074]
図11が導入スタイレット120の第3の実施形態の遠位端の拡大図である。導入スタイレット120は、遠位端120Aの先端側端部がDのところに示されるように約20mmの増大した先端側の長さを有することを除いて、導入スタイレット110と実質的に同じである。増大した先端側の長さDを有する遠位端120Aの部分が実質的に直線である。別法として、増大した長さDが、約0.0mmから約30.0mmの間などの、任意の所望の長さであってもよい。加えて、例えば可撓性を有する気管支鏡として構成される場合、長さDが約100mmであってよい。
【0049】
[0075]
図13および14に示されるように、導入スタイレットの第4の実施形態が26のところに示される。例示の導入スタイレット26が、長手方向におよび細長い本体30から径方向外側に延在する複数のリブ28を有する。
図14に示されるように、リブ28が弓形の断面形状を有する。別法として、リブ28が、略直線などの、非弓形の断面形状を有することができる。上で説明したように、非弓形の断面形状を有するこのようなリブ28もブリッジ部として機能する。
【0050】
[0076]リブ28が本体30の任意の所望の長さにわたって延在するように形成され得、本体30の遠位端30Aおよび近位端30Bの方に向かってテーパ状であってよい。加えて、リブ28が、本体30の円周の一部分のみに形成されてもよい。例えば、リブ28が、本体30の円周の約半分のみつまり約180度のみに形成されてよい。別法として、リブ28が、本体30の円周の約10度から約270度の間などといったように、本体30の円周の任意の所望の部分に形成されてよい。
【0051】
[0077]導入スタイレット26は他の点では導入スタイレット10と同様であってよく、張り出している閉塞構造部14、マーフィーアイプラグ18、および複数の半球形のブリッジ部20を有することができる。
図13および14には示されないが、導入スタイレット26が、孔22の中に設置され得る細長いアルミニウムロッド24を有するように構成される、中に形成される長手方向に延在する孔22をさらに有することができる。
【0052】
[0078]
図15が、従来の15mmETTコネクタ32およびそれに設置された酸素源キャップ54、および近位端12Bのところにあるハンドル55と共に示される導入スタイレット10の右側面図である。ETT42が明瞭には示されていない。
【0053】
[0079]示される15mmETTコネクタ32が、フランジ34の第1の実施形態を有する従来のETTコネクタである。第1の略円筒形の部分36がフランジ34から外側に延在し、酸素または空気の供給源に取り付けられるように構成される。第2の略円筒形の部分38が第1の略円筒形の部分36の反対側でフランジ34から外側に延在し、ETT42に取り付けられるように構成され、その結果、15mmETTコネクタ32が、上で詳細に説明したように、ETT42の取り外し可能に取り付けられる構成要素である。空気通路40が15mmETTコネクタ32を長手方向に貫通するように形成される。
【0054】
[0080]酸素源キャップ54が、略円筒形の外部表面を画定する円周方向に延在する壁58、第1の開放端部56A(
図15で見て左側の端部)、および第2の開放端部56B(
図15で見て右側の端部)を有する本体56を有する。長手方向に延在する通路(図示せず)が本体56を通るように形成される。
【0055】
[0081]示される酸素源キャップ54が、酸素源キャップ54を15mmETTコネクタ32に取り付けるための手段を有する。示される実施形態では、酸素源キャップ54を15mmETTコネクタ32に取り付けるための手段が、細長いスタイレット位置決め部材60および弾性的に設置される脚部74を有する取り付け部材である。取り付け部材が、ロッド12の近位端12Bを15mmETTコネクタ32に解除可能に取り付けるように構成される。加えて、本体56の第2の端部56Bが、気密の圧力嵌合接続部を用いて本体56の長手方向に延在する通路(図示せず)の中に円筒形部分36を挿入する形で、円筒形部分36に設置される。
【0056】
[0082]別法として、本体56の第2の端部56Bが、気密の圧力嵌合接続部を用いて円筒形部分36の開放端部の中に設置されるように構成される小径部分(図示せず)を有することができる。有利には、本体56の第2の端部56Bと円筒形部分36との間の気密の圧力嵌合接続部がまた、使用者がETT42の15mmETTコネクタ32を基準として長手方向においておよび径方向において導入スタイレット10を位置決めするのを可能にする。
【0057】
[0083]細長いスタイレット位置決め部材60が第1の端部56Aから長手方向に外側に延在する。位置決め部材60が、そこを貫通するように形成されるスタイレット開口部64と、その表面(
図17で見て下向きの表面)から内側に延在するリップ63とを有する端壁62を有する。
【0058】
[0084]本体の第2の端部56Bが15mmETTコネクタ32の通路40の中に設置されるように構成されるかまたは円筒形部分36の外部表面の周りに設置されるように構成される場合のいずれでも、本体56を通るように形成される長手方向に延在する通路(図示せず)の内径の少なくとも一部分がロッド12の外径よりわずかに小さくてよい。したがって、ロッド12が、本体56を通るように形成される長手方向に延在する通路(図示せず)を通って延在するとき、ロッド12と本体56との間に気密接続が画定され得る。
【0059】
[0085]略円筒形の空気入口70が円周方向に延在する壁58から径方向外側に延在し、酸素源キャップ54の第2の開放端部56Bに流体連通される。空気入口70が、
図15の72のところに概略的に示される、例えば、直通の酸素源などの、任意の所望の酸素の供給源に接続され得る。好適には、空気入口70が15mmの外径を有し、したがって従来の15mmETTコネクタ32の15mmの接続部を再現している。
図25に示されるように、空気入口70’が、6mmの外径を有する長手方向に延在する小径部分71を有することができ、それにより、小径部分71を介して従来の6mmの管類をやはり空気入口70’に接続するのを可能にする。別法として、空気入口70が、従来の6mmの管類のクリスマスツリーコネクタ(図示せず)または従来のニップルアダプタ(図示せず)などの、任意の他の所望の形状またはサイズを有してもよい。所望される場合、空気入口70が、
図15に示される組立体を声門上気道(SGA)(図示せず)または喉頭マスク気道(図示せず)などの別のデバイスと共に使用する場合に空気流れを逆行させるのを防止するための気密キャップ(図示せず)を装備することができる。
【0060】
[0086]所望される場合、酸素源キャップ54が空気入口70を有さない位置決めキャップ(図示せず)として形成されてもよく、この場合はこのような位置決めキャップ(図示せず)を近位側の長手方向位置決めキャップとして使用することが可能となる。さらに、空気入口70を有さないように形成される位置決めキャップ(図示せず)が、細長いスタイレット位置決め部材60、弾性的に設置される脚部74、ロッド12と本体56との間に画定される気密接続部、および本体56の第2の端部56Bと15mmETTコネクタ32の円筒形部分36との間の気密の圧力嵌合接続部、などの、導入スタイレット10を15mmETTコネクタ32に接続するための本明細書で説明される構造部のうちの任意の所望の数の構造部を有するように形成されてもよい。有利には、空気入口70を有さない位置決めキャップとして形成される場合、本体56の第2の端部56Bが気密の圧力嵌合接続部を用いて円筒形部分36の開放端部の中に設置される小径部分(図示せず)を有するような実施形態が、本体56とロッド12との間の気密接続を改善するようにさらに機能する。
【0061】
[0087]加えて、導入スタイレット10が、導入スタイレット10をSGA(図示せず)に接続するコネクタ(図示せず)または他のデバイスを有することができる。コネクタ(図示せず)が、支持ブラケット、クランプ、およびレールなどとして構成され得る。コネクタ(図示せず)が、使用者が導入スタイレット10とSGA(図示せず)との間の相対的な距離を変化させるのを可能にするために、剛体であってもよいか、固定されていてもよいか、テレスコープ式であってもよいか、ヒンジ式であってもよいか、または折畳み可能であってもよい。
【0062】
[0088]使用時、酸素源キャップ54が15mmETTコネクタ32に接触するように付勢され得、その結果、15mmETTコネクタ32の第2の略円筒形の部分36が酸素源キャップ54の第2の開放端部56Bの中に挿入されて圧入構成として取り付けられる。この場合、酸素の供給源72からの酸素が酸素源キャップ54を通ってETT42の中まで流れることができる。ロッド12が、本体56を貫通するように形成される長手方向に延在する通路(図示せず)を通って延在し、ロッド12と本体56との間に気密接続を画定する。
【0063】
[0089]弾性的に設置される脚部74が酸素源キャップ54の第2の端部56Bに取り付けられ、取り付け部材を画定する。脚部74の遠位端74Aが第2の実施形態のフランジ34’に係合されるように構成され、それにより酸素源キャップ54を15mmETTコネクタ32に取り付ける。
【0064】
[0090]スタイレット位置決め部材60が、その上に形成されるスタイレット係合部材78を有する長手方向に延在するロッキングアーム76を有する。動作中、酸素源キャップ54が導入スタイレット10を基準とした所望の位置に配置される。次いで、スタイレット係合部材78が導入スタイレット10のロッド12に接触するように付勢され、ロッキングアーム76の近位端が端壁62のリップ63にスナップ嵌合接続されるように内側に付勢され、それにより酸素源キャップ54を導入スタイレット10に一時的に取り付ける。酸素源キャップ54が、限定しないが、ポリラクチド(PLA:polylactide)、ポリ塩化ビニル(PVC)、およびポリウレタンなどの、任意の適切なポリマーから形成され得る。
【0065】
[0091]別法として、酸素源キャップ54を15mmETTコネクタ32に取り付けるための手段が、好適には15mmETTコネクタ32を介して、導入スタイレット10のロッド12上の複数の位置のところにETT42を配置するための収縮圧機構(図示せず)を有することができる。
【0066】
[0092]次に
図19を参照すると、導入スタイレットの第5の実施形態が90のところに示されている。導入スタイレットがシース90として構成される。シース90が導入スタイレット10に類似し、ロッド92として構成される細長い本体を有する。ロッド92が略円筒形であり、第1の閉端部つまり遠位端92Aと、第2の開放端部つまり近位端92Bとを有する。シース90の遠位端92Aが導入スタイレット10の遠位端12Aと実質的に同じであってよく、丸みを有するまたは半球形の遠位側の先端部を有する緩いS形状を有することができる。遠位端92Aが、
図1から3に最も良好に示されるように、および上で詳細に説明したように、半球形ブリッジ部20(
図19に示される)、ならびに張り出している閉塞構造部14およびマーフィーアイプラグ18、のうちの1つまたは複数をさらに有することができる。遠位端92Aが、ブリッジ部20、張り出している閉塞構造部14、およびマーフィーアイプラグ18、の任意の組合せを有するように形成され得る。ブリッジ部20、張り出している閉塞構造部14、およびマーフィーアイプラグ18のすべてが必要というわけではないこと、ならびに遠位端92Aがこれらの構造部のうちの任意の1つまたは複数の構造部を有するように形成され得ることが理解されよう。張り出している閉塞構造部14および214、ならびにマーフィーアイプラグ18が、使用者が導入スタイレット10を位置決めするのを補助するための有色の印または他の印を有することができることがさらに理解されよう。
【0067】
[0093]導入スタイレット10と同様に、遠位端92Aを含めたシース90が、シリコン、ゴム、および他のポリマーなどの、任意の可撓性材料または半可撓性材料から形成され得る。
【0068】
[0094]長手方向に延在する孔94がシース90に形成され得、その中に挿入される可撓性を有する気管支鏡(図示せず)などの、従来のスコープまたはチューブ交換器を有するように構成される直径を有する。シース90が閉じた遠位端92Aを有するように示されているが、遠位端92Aが開いていてもよく、例えばその遠位端のところで画像化装置を有する従来のスコープを受け入れることなどを目的として、従来の可撓性を有する気管支鏡の形状に対応する可撓性を有する直線状の遠位側の先端部を有することができる、ことが理解されよう。
【0069】
[0095]導入スタイレット10のロッド12の遠位端12Aと同様に、シース90の遠位端92Aが示される緩いS形状以外の形状を有することができることが理解されよう。例えば、遠位端92Aが略直線であってよいか、あるいは示される2つではない、1つまたは複数の湾曲部を有することができる。湾曲部が任意の径方向に形成され得る。
【0070】
[0096]次に
図20を参照すると、導入スタイレットの第6の実施形態が100のところに示される。導入スタイレット100が導入スタイレット10と実質的に同じであり、ロッド102として構成される細長い本体を有する。ロッド102が略円筒形であり、第1の端部つまり遠位端102Aおよび第2の端部つまり近位端102Bを有し、孔22を有することができる。導入スタイレット100の遠位端102Aが導入スタイレット10の遠位端12Aと実質的に同じであってよく、丸みを有するまたは半球形の遠位側の先端部を有する緩いS形状を有することができる。遠位端102Aがやはり、
図1から3に最も良好に示されるように、および上で詳細に説明したように、半球形のブリッジ部20(
図19に示される)、および張り出している閉塞構造部14、ならびにマーフィーアイプラグ18、のうちの1つまたは複数を有することができる。導入スタイレット10と同様に、遠位端102Aを含めた導入スタイレット100が、シリコン、ゴム、および従来の可撓性の気管支鏡を形成するのに使用される任意のポリマーなどの他のポリマーなどの、任意の可撓性材料または半可撓性材料から形成され得る。
【0071】
[0097]加えて、導入スタイレット100が、円周方向に完全に囲まれた1つまたは複数の内部空気流れ通路を有し、そのうちの1つが104のところに概略的に示され、これらの内部空気流れ通路が近位端102Bから遠位端102Aまで長手方向に貫通する形で形成される。空気流れ通路104が、導入スタイレット100が挿入されている間、患者に空気流れを提供する。加えて、1つまたは複数の通路104が吸込チューブとして構成され得、したがって真空ポート(図示せず)に接続され得る。さらに、1つまたは複数の通路104が、その開示の全体が本明細書に組み込まれている、Gardnerの米国特許第7,563,227号で説明されるように、気管内チューブ挿入デバイスの中でのガイドワイヤの挿入および使用のための通路として構成され得る。空気流れ通路104が約3.0mmなどといったような任意の所望の直径を有することができる。別法として、空気流れ通路104が、約1.0mmから約4.0mmの範囲内といったように、任意の所望の直径を有してもよい。
【0072】
[0098]ここで図面を参照すると、既知の気管内チューブ挿入デバイスの実施形態が
図18の230で概略的に示されている。米国特許第9,949,629号の
図2が本明細書では
図18で再現されている。示される喉頭鏡230は、その開示の全体が本明細書に組み込まれている、Gardnerの米国特許第9,949,629号で説明されている。
【0073】
[0099]本明細書で説明される導入スタイレットの実施形態のすべてが、ロッド272の代わりに、気管内チューブ挿入デバイス230と共に使用されてもよいことが理解されよう。示される気管内チューブ挿入デバイスが、使用者が、気道を開けること、患者の気道を見ること、気道の中でETT42(
図16にも示される)を正確に配置すること、および患者の気道のビデオイメージを送信すること、を同時に行うのを可能にするように構成される。したがって、本明細書で説明される導入スタイレットの実施形態は、ブレード235、光学チャネル部材237、光学組立体236、あるいは
図18に示される喉頭鏡230または同様の喉頭鏡の、光学ハウジング250および可撓性部材などの光学組立体236の任意の構成要素に接続されるように構成され得る。
【0074】
[0100]示される気管内チューブ挿入デバイス230が、ブレード組立体234、光学組立体236、および案内されるイントロデューサ挿管組立体238に取り付けられるハンドル232を有する。ハンドル232が、気管内チューブ挿入デバイス230の使用者の手によって把持されるように構成される。
【0075】
[0101]ビデオモニタ240が光学組立体236の近位端に取り付けられ、光学組立体236の中にあるビデオ画像化装置(図示せず)に動作可能に接続される。示される実施形態では、ビデオモニタ240が可撓性部材(図示せず)に設置される。ビデオモニタ240がまた、患者から一定の距離のところでの遠隔目視のために光学組立体236に解除可能に取り付けられ得る。さらに、1つまたは複数の追加のビデオモニタ240(図示せず)が気管内チューブ挿入デバイス230から離れたところに配置され得、有線接続または無線接続により気管内チューブ挿入デバイス230に接続され得る。別法として、ビデオモニタ240が、ハンドル232に解除可能に取り付けられることを含めて、ハンドル232に取り付けられてもよい。示される実施形態では、ビデオモニタが略長方形形状を有する。別法として、ビデオモニタ240が任意の所望の形状およびサイズを有することができる。
【0076】
[0102]ハンドル232が、気管内チューブ挿入デバイス230をコンピュータネットワーキングに加えるのを可能にするWi-Fiまたはローカルエリアワイヤレステクノロジを用いるプロセッサまたは制御装置233をさらに有することができる。プロセッサまたは制御装置233が、専門医が光学組立体236によって撮られる任意のビデオイメージをインターネットを介して見るのを可能にするBluetooth機能を有してもよい。所望される場合、制御装置233がビデオモニタ240の一部として提供されてもよく、または改善された気管内チューブ挿入デバイス230内の任意の他の所望の場所に提供されてもよい。別法として、ハンドル232の代わりに、米国特許第7,563,227号で説明されるハンドルおよび目視部材が提供されてもよい。米国特許第7,563,227号の開示の全体が本明細書に組み込まれている。
【0077】
[0103]ブレード組立体234が、チャネル部材237に取り付けられる細長いブレード235として構成される挿入部材を有する。細長いブレード235が、第1の端部つまり遠位端235aと、ハンドル232に取り付けられる第2の端部つまり近位端(図示せず)とを有する。
【0078】
[0104]チャネル部材237が第1の端部つまり遠位端および第2の端部つまり近位端を有し、長手方向に延在するチャネルを画定し、ブレード本体235の第1の側つまり下側に取り付けられる。チャネル部材237が断面で見て略C形であり、チャネル部材237の中のチャネルへのアクセスを可能にする細長いスロット237bを画定する。別法として、チャネル部材237が、略楕円、および略長方形などの、任意の所望の断面形状を有することができる。
【0079】
[0105]所望される場合、気管内チューブ保持タブが気管内チューブ挿入デバイス230のブレード組立体234の上に設けられ得る。例えば、
図18に示されるように、2つの気管内チューブ保持タブ239aがチャネル部材237から外側かつ上方に延在し(
図18で見る)、1つの気管内チューブ保持タブ239bがハンドル232から外側かつ下側に延在する(
図18で見る)。気管内チューブ保持タブ239aおよび239bが略弓形形状を有し、気管内チューブ保持タブ239aと気管内チューブ保持タブ239bとの間にETT42を一時的に配置して保持するのを可能にするように構成される。別法として、気管チューブ保持タブ239aおよび239bが、ETT42を保持するのに適する任意の他の所望の形状を有してもよい。ブレード235およびチャネル部材237と同様に、気管内チューブ保持タブ239aおよび239bが、ステンレス鋼およびポリ塩化ビニル(PVC)などの、任意の所望の剛体材料または半剛体材料から形成され得る。任意の所望の数の気管内チューブ保持タブ239aおよび239bが提供され得ることが理解されよう。さらに、気管内チューブ保持タブ239aおよび239bが、ブレード組立体234および/またはハンドル232上の任意の所望の場所のところに設けられ得る。
【0080】
[0106]
図18に示されるように、光学組立体236がチャネル部材237のチャネルの中に配置される。光学組立体236が光学ハウジング250および可撓性部材(図示せず)を有する。
【0081】
[0107]可撓性部材(図示せず)の遠位端の一部分を動かすための機構が、回転可能ノブ268aを有する制御デバイス268によって制御され得る。取り付け部材270が制御デバイス268の設置支柱(図示せず)に取り付けられ得る。取り付け部材270が、気管内チューブ挿入デバイス230を基準として、またより具体的には可撓性部材(図示せず)を基準として、案内されるイントロデューサ挿管組立体238および後で説明されるそれに取り付けられるETT42を保持するように構成される任意のデバイスであってよい。
【0082】
[0108]案内されるイントロデューサ挿管組立体238が、イントロデューサまたはブジーを画定するロッド272として構成される挿管組立体本体を有する。ロッド272が略円筒形であり、第1の端部つまり遠位端272aおよび第2の端部つまり近位端272bを有する細長い本体を有する。
【0083】
[0109]ロッド272の近位端272bが、ロッド272を第1のつまり近位側の接続部材282に接続するように構成されるねじ部273を有する。第1の接続部材282が、そこから外側に延在する複数のアーム286を有する基部284を有する。アーム286が内側に延在するフランジまたはロック部材288を有する。略円筒形の本体290がやはりアーム286の間で基部284から外側に延在する。長手方向に延在するねじ切りされたチャネル(図示せず)が少なくとも基部284を貫通するように形成される。第1の接続部材282がロッド272のねじ部273に取り付けられるように構成される。このねじ式の接続により、使用者がロッド272を基準として第1の接続部材282の長手方向位置を調整することが可能となる。また、このねじ式の接続により、使用者がロッド272の上に設置されることになるETT42の長さを基準としてロッド272を短くするかまたは伸長することが可能となる。
【0084】
[0110]示されるロッド272が、ETT42を気道の中まで案内するようにおよび24部材(図示せず)に解除可能に取り付けられるように構成される案内システムを有する。示される実施形態では、案内システムがガイドレール275である。示されるガイドレール275が、その遠位端のところに略球形の先端部276を有する。本明細書で説明されて示される導入スタイレットの実施形態のうちの任意の実施形態が、米国特許第9,949,629号で説明される案内システムのうちの任意の案内システムを有することができることが理解されよう。
【0085】
[0111]本明細書で説明される導入スタイレットのすべての実施形態が、
図20に示されるような声門上部分332を有するETT挿入デバイス330、および米国特許第9,949,629号で開示される声門上カフ706を有するETT挿入デバイス700などの、声門上タイプの挿入デバイスと共に使用されてもよいことがさらに理解されよう。例えば、本明細書で説明される導入スタイレットの実施形態は、
図20に示されるハウジング部分320と同様のハウジングと共に、または
図41に示されるチャネル部材720と同様のチャネル部材と共に、使用され得る。
【0086】
[0112]本発明の原理および動作形態をその好適な実施形態において説明して示してきた。しかし、本発明が、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、具体的に説明された示された形以外の形でも実施され得ることを理解されたい。
【国際調査報告】