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▶ ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】水バリア外部外装パネル
(51)【国際特許分類】
   E04C 2/26 20060101AFI20220107BHJP
   B32B 13/14 20060101ALI20220107BHJP
   E04B 1/64 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
E04C2/26 Z
B32B13/14
E04B1/64 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524048
(86)(22)【出願日】2019-10-31
(85)【翻訳文提出日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019059065
(87)【国際公開番号】W WO2020092709
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】62/753,970
(32)【優先日】2018-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/585,799
(32)【優先日】2019-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596172325
【氏名又は名称】ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(72)【発明者】
【氏名】ドネラン、ジェフェリー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】シェイク、マイケル ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ラオ、アジット エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウレット、ジェームズ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ポン、ヤンフェイ
【テーマコード(参考)】
2E001
2E162
4F100
【Fターム(参考)】
2E001DB01
2E001FA04
2E001GA12
2E001GA22
2E001GA24
2E001GA29
2E001GA42
2E001HA01
2E001HA03
2E001HA31
2E001HA33
2E001HB01
2E001HB04
2E162CA16
2E162CA31
2E162CA33
2E162CB21
2E162CB24
4F100AA07A
4F100AB01C
4F100AB01E
4F100AB10C
4F100AC00B
4F100AE01A
4F100AE06A
4F100AG00B
4F100AK01B
4F100AK01C
4F100AK01E
4F100AK04C
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB00D
4F100DG06B
4F100DG11A
4F100GB07
4F100JD02C
4F100JD05C
(57)【要約】
水の浸透および空気漏れを防止する外部外装セメント質パネルが、提供される。高効率の一体化された空気/水バリアシートを有する外部外装セメント質パネルを製造するための方法もまた、提供される。外部外装セメント質パネルを用いる外部外装システムが、提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築物外部外装パネルであって、
セメント質パネルであって、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、前記石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして前記石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、前記石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、前記石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、前記セメントパネルセメント質コアが、乾燥ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、前記反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、セメント質パネルと、
前記セメント質パネルを覆い、前記セメント質パネルに取り付けられている、空気/水バリアシートであって、前記空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、前記空気/水バリアシートが、前記空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、空気/水バリアシートと、
前記セメント質パネルと前記空気/水バリア層との間の接着剤層と、を備え、
前記接着剤層が、前記空気/水バリアシートの側面の表面全体を、前記空気/水バリアシートに面する前記石膏パネルの側面上の前記石膏パネル繊維質マットに取り付けるか、または
前記接着剤層が、前記空気/水バリアシートの側面の表面全体を、前記空気/水バリアシートに面する前記セメントパネルの側面に取り付けるか、または
前記空気/水バリアシート繊維質マット層が前記セメントコア層内に埋め込まれているとき、前記接着剤層が、前記空気/水バリア層の側面の表面全体を前記空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各それぞれの前記空気/水バリアシートが、単一のそれぞれの前記セメント質パネルのみに個別に取り付けられており、各それぞれの前記空気/水バリアシートが、前記それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
前記空気/水バリアシートが、0.15以下の範囲のパーマ率を有し、前記空気/水バリアシートが、前記接着剤の層によって前記繊維質マット面セメント質パネルの前記少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート、コーティングされた金属シート、ポリマーシート、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかを含み、前記金属シートおよび前記コーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチの厚さを有し、前記パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による、建築物外部外装パネル。
【請求項2】
前記石膏パネルを含み、前記セメント質コアが、少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、請求項1に記載の外装パネル。
【請求項3】
前記セメントパネルが、前記セメントコアの中に、または前記セメントコアの前記表面の上に埋め込まれたスクリムの層を含む、前記セメントパネルを含む、請求項1に記載の外装パネル。
【請求項4】
前記セメント質コアが、乾燥(無水)ベースで、
50~95重量%の反応性粉末と、
内部に軽量充填剤として均一に分布された1~20重量%のコーティングされた疎水性膨張パーライト粒子であって、前記コーティングされた疎水性パーライト粒子が、約1~500ミクロンの範囲の直径、体積サイズ分布ベースで測定される際、20~150ミクロンの中位径、および約0.50g/cc未満の有効粒子密度を有する、疎水性膨張パーライト粒子と、
0~25重量%の中空セラミックミクロスフェアと、
3~16重量%の均一に分布した耐アルカリ性ガラス繊維と、を含む、セメント質組成物の水性混合物を硬化することから生じ、
前記反応性粉末が、
25~75重量%の硫酸カルシウム半水和物と、
ポルトランドセメントを含む10~75重量%の水硬性セメントと、
0~3.5重量%の石灰と、
5~30重量%の活性ポゾランと、を含み、
前記パネルセメント質コアが、50~100ポンド毎立方フィートの密度を有する、請求項1に記載の外装パネル。
【請求項5】
前記金属シートが、アルミニウム箔であり、前記コーティングされた金属シートが、コーティングされたアルミニウム箔、高密度ポリエチレンシート、または前記金属化ポリマーシートである、請求項1に記載の外装パネル。
【請求項6】
請求項1に記載の石膏パネルまたはセメントパネルから外部外装パネルを作製する方法であって、
セメント質パネルを提供することであって、前記セメント質パネルが、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、前記石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして前記石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、前記石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、前記石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、前記セメントパネルセメント質コアが、乾燥ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、前記反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、提供することと、
前記セメント質パネルを覆い、前記セメント質パネルに取り付けられている空気/水バリアシートを提供することであって、前記空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、前記空気/水バリアシートが、前記空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供することと、
前記セメント質パネルと前記空気/水バリア層との間に接着剤層を位置付けることと、を含み、
前記接着剤層が、前記空気/水バリアシートの側面の表面全体を、前記空気/水バリアシートに面する前記石膏パネルの側面上の前記石膏パネル繊維マットに取り付けるか、または
前記接着剤層が、前記空気/水バリアシートの側面の表面全体を、前記空気/水バリアシートに面する前記セメントパネルの側面に取り付けるか、または
前記空気/水バリアシート繊維マット層が前記セメントコア層内に埋め込まれているとき、前記接着剤層が、前記空気/水バリア層の側面の表面全体を前記空気/水バリアシート繊維マット層に取り付け、
各それぞれの前記空気/水バリアシートが、単一のそれぞれの前記セメント質パネルのみに個別に取り付けられており、各それぞれの前記空気/水バリアシートが、前記それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
前記空気/水バリアシートが、0.15以下の範囲のパーマ率を有し、前記空気/水バリアシートが、前記接着剤の層によって前記繊維質マット面セメント質パネルの前記少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート、コーティングされた金属シート、ポリマーシート、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかを含み、前記金属シートおよび前記コーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチの厚さを有し、前記パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による、方法。
【請求項7】
前記セメントパネルを有する、請求項3に記載の外部外装パネルを作製する方法であって、前記セメントパネルセメント質コアが、乾燥ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、前記反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含み、前記方法が、
空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層の外層を含む、空気/水バリアシートを提供することであって、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、前記空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供することと、
前記繊維質マットが移動面から離れて上向きの状態で、前記空気/水バリアシートを前記製造ラインの前記移動面上に供給することと、
前記移動面から離れて上向きの前記空気/水バリアシート繊維質マットを覆うために前記スクリムを任意選択的に供給することと、
次いで、前記空気/水バリアシートおよび任意選択的に前記スクリムが前記移動面上を移動している間に、前記水性混合物を、前記空気/水バリアシート繊維質マットおよび任意選択的に前記スクリム上に堆積させることであって、前記水性混合物が、前記繊維質マットに浸透し、前記任意選択的なスクリムが存在する場合、前記任意選択的なスクリムを埋め込む、堆積させることと、
次いで、前記水性混合物を硬化させて、パネル前駆体を形成し、前記パネル前駆体を所望の長さに切断して、前記セメントパネルコアを有する前記外部外装パネルを形成することであって、各それぞれの前記空気/水バリアシートが、単一のそれぞれの前記セメント質パネルのみに個別に取り付けられており、各それぞれの前記空気/水バリアシートが、前記それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆する、形成することと、を含み、
接着剤層が、前記セメント質パネルと前記空気/水バリア層との間に位置付けられており、
前記空気/水バリアシート繊維質マット層が前記セメントコア層内に埋め込まれているとき、前記接着剤層が、前記空気/水バリア層の側面の表面全体を前記空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各外部外装パネルが、単一のそれぞれの前記セメント質パネルのみに取り付けられた1つの前記空気/水バリアシートを有し、各それぞれの前記空気/水バリアシートが、前記それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
前記空気/水バリアシートが、0.15以下の範囲のパーマ率を有し、前記空気/水バリアシートが、前記接着剤の層によって前記繊維マット面セメント質パネルの前記少なくとも1つの繊維マット面表面に接着された、金属シート、コーティングされた金属シート、ポリマーシート、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかを含み、前記金属シートおよび前記コーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチの厚さを有し、前記パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による、方法。
【請求項8】
前記ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートが、接着剤を、前記空気/水バリアシートの側面に直接適用すること、および前記空気/水バリアシートの前記接着剤支持側面を、繊維質マットに直接接触させて、前記繊維質マットラミネート空気/水バリアシートを形成することによって、前記製造ライン上で作製される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記空気/水バリアシートが、予め作製され、前記空気/水バリアシート繊維質マット層が前記セメントコア層内に埋め込まれるとき、前記接着剤層が、前記空気/水バリア層の側面の表面全体を前記空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付けるか、または
前記空気/水バリアシートが、前記接着剤層を前記空気/水バリア層の側面に直接適用すること、および前記空気/水バリア層の前記接着剤支持側面を前記空気/水バリアシート繊維質マットに直接接触させることにより、前記製造ライン上で作製される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
建築物の外部外装システムであって、請求項1に記載の複数の前記外部外装パネルが取り付けられている骨組みを含み、前記空気/水バリアが、前記骨組みから離れて外部に面し、前記外部外装パネルが、前記建築物の外部にある、外部外装システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気/水バリアシートを有する建築物外部外装セメント質パネル、ならびにパネルを製造および設置するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気拡散遅延剤は、建築物の囲いへの、および建築物の囲いからの空気、水、および他の要素の意図しない通過を止めるための建築物外面バリアシステムの一部として提供される空気/水バリアである。蒸気拡散遅延剤は、地下室、天井、クロールスペース、床、土間の基礎、および壁における湿気を制御することに役立ち得る。
【0003】
ほとんどの建築物の気候において、蒸気バリア、またはより正確には、蒸気拡散遅延剤は、商業用または住宅用の建築物に対する湿気制御戦略の一部であり得る。蒸気バリアまたは蒸気拡散遅延剤は、水蒸気が材料内を通って移動することができる速度を低減させる材料である。「蒸気バリア」という古い用語が今でも使用されているが、「蒸気拡散遅延剤」がより正確である。水蒸気の拡散を遅延させるための材料の能力は、「パーマ」または透過性として知られる単位で測定され、パーマ率として報告される。パーマ率は、材料の水蒸気透過性の標準的な評価基準である。数値が大きいほど、(気体状態における)水蒸気がより容易に材料を通って拡散する可能性がある。
【0004】
国際住宅法(IRC)は、3つのクラスの水蒸気遅延剤について記載する。0.1パーマ以下のパーマ率は、クラスI不透過性蒸気遅延剤と見なされる(また、蒸気バリアとも見なされる)。0.1パーマ超1.0パーマ以下のパーマ率は、クラスII半透過性蒸気遅延剤と見なされる。1.0パーマ超10パーマ以下のパーマ率は、クラスIII透過性蒸気遅延剤である。10超のパーマ率は、透過性が高く、蒸気遅延剤とは見なされない。
【0005】
具体的には、透過性は、2018 IBCおよびIRC、Chapter 2 Definitionに従って測定され、これは以下のように述べる:
【0006】
蒸気遅延剤クラス。材料またはアセンブリを通過する水分の量を制限するための材料もしくはアセンブリの能力の評価基準。本明細書の目的のために、蒸気遅延剤クラスは、次のように、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法を使用して定義されるものとする:
クラスI:0.1パーマ以下。
クラスII:0.1<パーマ<1.0パーマ。
クラスIII:1.0<パーマ<10パーマ。
【0007】
本明細書の目的のために、パーマの単位は、国際住宅法がASTM E96(2016)のprocedure Aの乾燥剤法を使用して測定される際に定義する通りである。
【0008】
クラスI、II、およびIIIに関する材料のいくつかの実施例が以下に説明される。
【0009】
クラスI蒸気遅延剤(0.1パーマ以下):
・ガラス
・板金
・ポリエチレンシート
・ゴム膜
【0010】
クラスII蒸気遅延剤(0.1パーマ超1.0パーマ以下):
・表面処理されていない発泡ポリスチレンまたは押出ポリスチレン
・30ポンドのアスファルトコーティングされた紙
・合板
・瀝青コーティングされたクラフト紙
【0011】
クラスIII蒸気遅延剤(1.0パーマ超10パーマ以下):
・繊維ガラス断熱材(表面なし)
・セルロース断熱材
・板材木
・コンクリートブロック
・レンガ
・15ポンドのアスファルトコーティングされた紙
・ハウスラップ
【0012】
石膏板およびセメント板などのセメント質板は、様々な用途に有用であり、その一部は、ある程度の耐水性を必要とする。従来の紙表面セメント質物品は、高水分条件下または屋外にさらされたときに常に十分に機能するとは限らない。それゆえ、かかる用途のために、紙の代わりにガラスまたはポリマー系繊維質マットと面するセメント質物品を使用することが望ましい場合が多い。コア材料自体の耐水性を改善する添加剤をセメント質コアに使用することも有利である。
【0013】
石膏板およびセメント板などのセメント質パネルの製造プロセスは、典型的に、セメント質スラリーを第1の面材料の上に堆積させること、および同じまたは異なるタイプの第2の面材料で湿潤スラリーを被覆することを含み、その結果、セメント質スラリーが、2つの面材料の間に挟持される。その後、過剰の水が、乾燥によりスラリーから除去される。セメント質スラリーは、最終乾燥の前に硬化して、固形物品を生成することが可能である。
【0014】
しかしながら、繊維質マット面材料の透過性は、水蒸気がセメント質コアまでマットに面材料に浸透することを可能にする。この問題を軽減するために、疎水性樹脂の外部コーティングが、適用されることがある。しかしながら、コーティングの組成および厚さによって、このような複合材料の透水性は、透過性(10パーマ~1.0パーマの範囲のパーマ率)または半不透過性(1.0パーマ~0.1パーマの範囲のパーマ率)である。
【0015】
Axsomの米国特許出願公開第2004/0103610号は、石膏壁板パネルなどの壁板パネル(12)に接着剤(16)によって取り付けられたアルミニウムシート(14)を有するような、多目的複合壁板パネルを開示する。このような複合パネルは、単一の壁外装手順において壁構造を補強、仕上げ、耐火、および断熱する目的で、容易に取り扱い、建築物の骨組みに迅速に取り付けることができる(要約を参照)。
【0016】
Shakeらの米国特許出願公開第2014/0272404号は、一体化された空気/水バリア膜を有する外部外装パネルを開示する。パネルは、セメント質コア、カバーシート、任意選択的なカバーシート、および空気/水バリア膜を含む。セメント質コアは、外部用途向けの任意のコアを含むことができる。セメント質コアは、石膏コアを含むことができる。カバーシートは、ガラス繊維で形成することができる。空気/水バリア膜は、液体ポリマー配合物から形成される。
【0017】
Willsonらの米国特許第9,163,397号は、箔で裏打ちされた石膏含有壁板を開示する(要約)。その内部壁板または外装板は、石膏から作製され、少なくとも1つの低エミッタンス表面を有する。低エミッタンス表面は、石膏含有板に金属箔をラミネートすることができる。低エミッタンス表面として使用される金属箔またはシートは、ラミネーションの前後に穿孔され、そのため、金属箔またはシート表面を有する石膏含有板は、1パーマ超、好ましくは5パーマ超の水蒸気透過性を有する。
【0018】
Clausenらの米国特許出願公開第2002/0083671号(US’671)およびClausenらのその一部継続米国特許出願公開第2003/0194584号、US’671、段落[0005]は、各々、石膏コア、非生分解性ガラス繊維マット、接着剤層、装飾ビニル層を含む壁板パネルを開示する。それらは、耐水性の表面としてビニールシートを記載する。しかしながら、US’584はまた、装飾的なプラスチックシートが、水蒸気透過性であることを開示している。
【0019】
Agrawalの米国特許出願公開第2007/0149083号は、板、セメント質コア、フェーサ、面材料、およびラミネート層を開示する。面材料の例は、紙材料および不織繊維ガラスマットを含む。ラミネート層は、面材料、例えば、ポリエチレンまたはセルロース材料と比較して、セメント質スラリーに対する透過性の程度が低減された材料から形成される。ラミネート材料は、接着剤接合または熱溶接などのラミネーションプロセスによって面材料に取り付けられる。
【0020】
Laiらの米国特許出願公開第2017/0284093号は、繊維質マット面の一方または両方が繊維マット/ポリマーシートラミネートである建築板を開示する。建築板は、低い吸水率および高いレベルの表面仕上げを有する。板の繊維マット/ポリマーシートラミネートは、以下の成分:繊維マット、接着剤層、接着促進剤、ポリマーシート、およびコーティングを有する。コーティングは、ポリマーシートとさらに追加された塗料または接合化合物との間の接着力を増加させる。
【0021】
Tonyanらの米国特許第8,061,108号は、構造セメントパネル(SCPパネル)で作製された基礎の防水を支援することを開示しており、SCPパネル間の継ぎ目、例えば、SCPパネル4、70、77は、典型的に、液体を適用された瀝青タイプの水バリアまたは接着された防水ポリマーシートで封止される。概して、基礎システムの防水は、シート膜または液膜のいずれかを使用して実現され得る。シート膜は、典型的に、防水ポリエチレンフィルムにラミネートされたゴム入りアスファルトで構成された、約60ミル以上、例えば、60~100ミルの厚膜である。典型的なシート材料は、自己接着性のゴム入りアスファルト膜である。この典型的に60ミル厚の膜は、防水ポリエチレンフィルムにラミネートされたゴム入りアスファルトで構成される。アスファルト側は、粘着性があり、使用中に除去される剥離紙で被覆される。
【0022】
新しい耐水性セメント質物品、ならびにかかる物品を調製する方法に対する要望が依然として存在する。
【発明の概要】
【0023】
0.15以下のパーマ率、好ましくは、水不透過性(好ましくは0.1パーマ以下)のセメント質パネルが必要とされる。パーマ率が0.15以下を有し、好ましくは水不透過性である空気/水バリア層を有するように予め製作されたセメント質パネルもまた必要とされる。本明細書では、予め製作という用語は、パネルが建築現場に配送される前に製造施設でバリア層を有するように作製されることを意味する。
【0024】
一態様では、本開示は、水の浸透および空気漏れを防止する、外部外装パネルとして好適な建築物セメント質パネルに関する。具体的には、本発明は、
セメント質パネルであって、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、セメント質パネルと、
空気/水バリアシートと、
セメント質パネルと、セメント質パネルの側面の表面全体および空気/水バリアシートの側面の表面全体に接触する空気/水バリアシートとの間の接着剤層であって、
接着剤が石膏パネルと空気/水バリアシートとの間にある場合、繊維質マットカバーシートは、セメント質コアと空気/水バリアシートとの間にあり、接着剤に接触する、接着剤層と、を含む、建築物外部外装パネルを提供し、
各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられ、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による。
【0025】
石膏パネルのセメント質コアは、硬化石膏、すなわち硫酸カルシウム二水和物を含む。これは、少なくとも1つの硫酸カルシウム材料を含む石膏スラリーを硬化させることから生じる。
【0026】
セメントパネルのセメント質コアは、少なくとも1つの水硬性セメントを含む。好ましくは、セメントパネルのセメント質コアは、ポルトランドセメント、または水硬性セメントと少なくとも1つの硫酸カルシウム材料との混合物を含む。
【0027】
概して、本発明において有用なセメント質パネルは、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウムを含む、セメント質コアを含む繊維質マット面石膏パネルである。
【0028】
概して、本発明において有用なセメント質パネルは、乾燥(無水)ベースで50~100重量%(好ましくは80~100重量%)の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されたセメント質コアを含むセメントパネルであり、反応性粉末は、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む。任意選択的に、セメントパネルは、コアの中に、またはコアの表面の上に埋め込まれたスクリムの層、および/またはコア全体に均一に分布されたガラス繊維を有する。セメントパネルセメント質コアの反応性粉末は、典型的に、少なくとも25重量%の水硬性セメント、より典型的には30重量%超、さらに典型的には少なくとも40重量%、および最も典型的には少なくとも60重量%の水硬性セメントである。
【0029】
具体的には、空気/水バリアシートは、アルミニウム箔または金属、典型的にはアルミニウムのラミネート箔の層、およびポリマーを含む。このようなラミネートは、典型的に、(a)ポリマーの層に取り付けられたアルミニウム箔の層、または(b)スパッタリングによってアルミニウムで金属化されたポリマーシートである。ポリマーシートまたは金属およびポリマーのラミネート箔のためのポリマーの層は、典型的に、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリスチレン、スチレン/アクリルコポリマー、ゴム、およびそれらの組み合わせである。ポリマーシートまたは金属およびポリマーのラミネート箔のためのポリマーの層は、典型的に、炭酸カルシウムを含まない。
【0030】
好ましくは、少なくとも1つの繊維質マットは、ガラス繊維を含む。
【0031】
好ましくは、繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面上の接着剤は、アクリル接着剤である。
【0032】
本発明の外部外装パネルの接着剤および空気/水バリアは、繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面全体を覆う。
【0033】
本発明の外部外装パネルは、紙を含まない。本発明の外部外装パネルは、セルロースを含まない。接着剤は、典型的に、炭酸カルシウムを含まない。ポリマーシートは、典型的に、炭酸カルシウムを含まない。
【0034】
所望される場合、抗菌剤/抗真菌剤が、石膏パネルまたはセメントパネルのためのセメント質コア、カバーシート、および/またはポリマー製の場合は空気/水バリアシートに追加される。好適な抗菌剤は、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾール、銀ゼオライト、酸化亜鉛、および亜鉛ピリチオンを含む。
【0035】
追加の耐水性が所望される場合、本発明は、水中に約4重量%~約8重量%のシロキサンを含む水性シロキサン分散液をセメント質混合物と組み合わせて、石膏パネルまたはセメントパネルのためのセメント質スラリーの堆積前にセメント質スラリーを提供する。
【0036】
別の態様では、本発明は、本開示において記載された本発明の外部外装パネルを調製する方法を提供する。
【0037】
石膏パネルまたはセメントパネルから外部外装パネルを作製する第1の方法は、
セメント質パネルを提供することであって、セメント質パネルが、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、提供することと、
セメント質パネルを覆い、セメント質パネルに取り付けられる空気/水バリアシートを提供することであって、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、空気/水バリアシート繊維質マットが存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供することと、
セメント質パネルと空気/水バリア層との間に接着剤層を位置付けることと、を含み、
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面する石膏パネルの側面上の石膏パネル繊維マットに取り付けるか、または
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面するセメントパネルの側面に取り付けるか、または
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられ、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ定格を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ定格が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による。
【0038】
石膏パネルのセメント質コアは、硬化石膏、すなわち硫酸カルシウム二水和物を含む。これは、少なくとも1つの硫酸カルシウム材料を含む石膏スラリーを硬化させることから生じる。
【0039】
セメントパネルのセメント質コアは、少なくとも1つの水硬性セメントを含む。好ましくは、セメントパネルのセメント質コアは、ポルトランドセメント、または水硬性セメントと少なくとも1つの硫酸カルシウム材料との混合物を含む。
【0040】
このため、空気/水バリアシートを適用する前に、セメント質パネルは、パネル製造ライン上でサイズ決定するために切断される。空気/水バリアシートを適用した後、セメント質パネルは、建築現場への輸送に好適なものとなる。
【0041】
接着剤の層によるセメント質パネルまたは空気/水バリアシートのうちの少なくとも1つの表面全体の少なくとも1つのコーティングは、セメント質パネルと空気/水バリアシートとの間に位置付けられることに好適な少なくとも1つの接着剤を提供するための、スプレーコーティング、ロールコーティングまたはフラッドコーティングによるものであり得る。
【0042】
このため、第1の方法では、接着剤の層が、セメント質パネルの側面に適用されて、接着剤層を有するラミネートを形成し得、次いで、空気/水バリアシートが適用されて、接着剤層と接触する。第1の方法における代替案では、接着剤の層が空気/水バリアシートに適用されて、接着剤層を有するラミネートを形成し得、次いで、ラミネートがセメント質パネルに適用されて、接着剤層をセメント質パネルの側面と接触させる。
【0043】
現場では、バリアシートが壁に適用される場合、最初に壁が設置され、次いで単一のシートが壁の複数のパネルを被覆するように、バリアシートが壁の複数のパネルにわたって適用される。対照的に、本発明は、パネルが組立ラインで切断された後、単一のそれぞれのシートを単一のそれぞれのセメント質パネルに取り付ける。これにより、独自の空気/水バリアシートを有する予め製作された外部外装パネルが提供される。この予め製作された外部外装パネルは、現場での使用がより容易である。例えば、本発明は、典型的に、接着促進プライマーなしで空気/水バリアシートを適用する。対照的に、プライマーは、典型的に、現場で使用される。また、この予め製作された外部外装パネルは、現場よりも製造施設でより正確に作製することができる。別の利点は、本発明が、感圧接着剤ではない接着剤を使用し得ることである。このため、例えば、本発明は、硬化または架橋する接着剤、または熱を用いて結合する接着剤、例えば、ホットメルト接着剤を使用することができる。
【0044】
硬化した水硬性セメントを含む、セメントパネルセメント質コアを有する外部外装パネルを作製するための第2の方法では、セメント質セメントの製造中に、空気/水バリア層が適用される。任意選択的に、スクリムの層がセメントコアの中に、またはセメントコアの表面の上に埋め込まれ、および/またはガラス繊維が、セメントコア内に均一に分布される。
【0045】
セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネルを有する外部外装パネルを作製する第2の方法は、
空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層の外層を含む、空気/水バリアシートを提供することであって、空気/水バリアシート繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供することと、
繊維質マットが移動面から離れて上向きの状態で、空気/水バリアシートを製造ラインの移動面上に供給することと、
任意選択的に、移動面から離れて上向きの空気/水バリアシート繊維質マットを覆うためにスクリムを供給することと、
次いで、空気/水バリアシートおよび任意選択的にスクリムが移動面上を移動している間に、水性混合物を、空気/水バリアシート繊維質マットおよび任意選択的にスクリム上に堆積させることであって、水性混合物が、繊維質マットに浸透し、任意選択的なスクリムが存在する場合、任意選択的なスクリムを埋め込む、堆積させることと、
次いで、水性混合物を硬化(硬くする)させて、パネル前駆体を形成し、パネル前駆体を所望の長さに切断して、セメントパネルコアを有する外部外装パネルを形成することであって、各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられており、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆する、形成することと、を含み、
接着剤層が、セメント質パネルと空気/水バリア層との間に位置付けられ、
空気/水バリアシート繊維マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維マット層に取り付け、
各外部外装パネルが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに取り付けられた1つの空気/水バリアシートを有し、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ定格を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ定格が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による。
【0046】
別の態様では、本開示は、水の浸透および空気漏れを防止する本発明の少なくとも1つの外部外装パネルが取り付けられた骨組みを含む外部外装システムに関する。具体的には、本発明は、本開示に記載される本発明の外部外装パネルを提供し、空気/水バリアは、骨組みとは離れて面する。本発明の外部外装パネルは、不透過性の水/空気バリアおよび放射熱バリアを提供するために、建築物の外部、典型的には外壁に使用され得る。骨組みは、木、金属、または任意の他の建築物用骨組み材料である。外部外装パネルは、ねじ、釘、接着剤、または他の建築物用締結具によって骨組みに取り付けられる。好ましくは、外部外装パネルは、ねじまたは釘によって作製された穿孔を除いて、穿孔を有しない。
【0047】
この明細書の目的のため、「板」および「パネル」という用語は代替可能である。
【0048】
本発明のこれらおよび他の利点、ならびに追加の発明の特徴は、本明細書で提供される本発明の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】空気/水バリアシートが繊維質マット面石膏板の表面に接着された、繊維質マット面石膏板を備える本発明の外部外装パネルの第1の実施例の斜視図を示す。
図2】空気/水バリアシートが繊維質マット面石膏板の表面に接着された、繊維質マット面石膏板を備える本発明の外部外装パネルの第1の実施例の側面の断面図を示す。
図3】空気/水バリアシートがセメント板の表面に接着された、セメント板を備える本発明の外部外装パネルの一実施例の側面断面図を示す。
図3A】セメントコア内に埋め込まれた繊維質マットに取り付けられることによって、空気/水バリアシートがセメント板の表面に接着された、セメント板を備える本発明の外部外装パネルの一実施例の側面断面図を示す。
図3B】第1の接着剤層により繊維質マットに取り付けられることによって、空気/水バリアシートがセメント板の表面に接着された、セメント板を備える本発明の外部外装パネルの一実施例の側面断面図を示し、繊維質マットは、第2の接着剤層によってセメントコアに取り付けられる。
図3C】第1の接着剤層により繊維質マットに取り付けられることによって、空気/水バリアシートが石膏板の表面に接着された、石膏板を備える本発明の外部外装パネルの一実施例の側面断面図を示し、繊維質マットは、第2の接着剤層によって石膏コアに取り付けられる。
図4】本発明の外壁システムに好適な金属スタッド壁の一方の側面に取り付けられた本発明の外部外装パネルの斜視図を示し、外部外装パネルは、空気/水バリアシートがセメント質板の表面に接着された、セメント質板を含む。
図5】一実施例で試験が行われたパネルの写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
本発明は、表面上にラミネート箔、ポリマーシート、または両方の組み合わせを有する繊維質マット石膏外部外装製品またはセメント板である。本製品は、建築物の外部で使用されて、不透過性の水/空気バリア、および場合によっては放射熱バリアもまた提供し得る。
【0051】
本発明の製品は、繊維質マット面、不燃性、耐湿性および耐カビ性の板上にある低透過性材料で作製された水/空気バリアシートを含む石膏板である。
【0052】
本発明は、その表面に空気/水バリアシートが接着された建築物セメント質パネルまたは板(例えば、石膏板、セメント板など)を含むことにより、水の浸透および空気漏れを防止する外部外装パネルを提供する。この外部外装パネルは、現場で別個の耐空気性バリアおよび耐水性バリアを個別に設置する必要性を排除する、設置が容易な単一パネルを提供することができる。本開示はまた、空気/水バリアシートを有するこれらの外部外装パネルを作製する方法を提供する。
【0053】
具体的には、本発明は、水の浸透および空気漏れを防止する、外部外装パネルとして好適な建築物セメント質パネルを提供する。具体的には、本発明は、外部外装パネルを提供し、部外装パネルは、
セメント質パネルであって、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、セメント質パネルと、
セメント質パネルを覆い、セメント質パネルに取り付けられている、空気/水バリアシートであって、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、空気/水バリアシート繊維質マットが存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、空気/水バリアシートと、
セメント質パネルと空気/水バリア層との間の接着剤層と、を備え、
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面する石膏パネルの側面上の石膏パネル繊維質マットに取り付けるか、または
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面するセメントパネルの側面に取り付けるか、または
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれるとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられ、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)の手順Aの乾燥剤法による。
【0054】
例えば、本発明は、二次プロセスとして接着剤を備える繊維質マットを有しないセメントパネルに、(不織繊維質マット層および防水層を有する)防水膜を取り付けることができる。または、セメントは、製造中(現場プロセス)に防水膜の不織マットに埋め込むことができる。しかしながら、本発明で使用される空気/水バリアシートは、板が繊維質マット層を有する場合でも、繊維質マット層を有することができる。このため、本発明はまた、接着剤を使用して、防水膜の不織マットを、繊維質マットを有する石膏パネルに取り付けることができる。
【0055】
図1は、本発明の外部外装パネル2の斜視図を示す。外部外装パネル2は、その前面に石膏コア4、および繊維質マット面5、その背面に繊維質マット面6を有する繊維質マット面石膏板3を用いる。低透過性材料の空気/水バリアシート10は、接着剤8の層によって、石膏板3の前面上の繊維質マット面5に接着される。所望される場合、繊維質マット面石膏板の他方の面上の繊維質マット面6は、第2の接着剤の層およびそれに接着された低透過性材料の第2の空気/水バリアシートを有することができる(図示せず)。
【0056】
図2は、低透過性材料の空気/水バリアシート10が接着された、繊維質マット面石膏板3を用いる、図1の本発明の外部外装パネル2の断面図を示す。繊維質マット面石膏板3は、石膏コア4、および石膏コア4の各面上の繊維質マット面5、6を含む。接着剤の層8は、空気/水バリアシート10を、石膏板3の前面上の繊維質マット面5に接着する。
【0057】
図3は、低透過性材料の空気/水バリアシート10が接着されたセメント板13を用いる、本発明の外部外装パネル12の断面図を示す。セメント板13は、セメントコア14を含む。接着剤の層8は、空気/水バリアシート10をセメント板13の前面に接着する。
【0058】
図3Aは、セメントコア24内に埋め込まれた繊維質マット25に取り付けられることによって、空気/水バリア層21がセメント板23の表面に接着された、セメント板22を備える本発明の外部外装パネルの一実施例の側面断面図を示す。これを作製する1つの方法は、本明細書によって説明される本発明の第2の方法によるものであり、これは、バリア層および不織繊維層を有するように予め作製された空気/水バリアシートを使用し、バリア層は、接着剤層による不織繊維層に取り付けられる。
【0059】
図3Bは、第1の接着剤層8により繊維質マット25に取り付けられることによって、空気/水バリア層21がセメントコア24の表面に接着された、セメント板を備える、本発明の外部外装パネル29の一実施例の側面断面図を示し、繊維質マット25は、第2の接着剤層27によってセメントコア24に取り付けられる。これを作製する1つの方法は、本明細書によって説明される本発明の第1の方法によるものであり、これは、バリア層および不織繊維層を有するように予め作製された空気/水バリアシートを使用し、バリア層は、第1の接着剤層によって不織繊維層に取り付けられ、不織繊維層は、第2の接着剤層によってセメントコアに取り付けられる。石膏コアは、図3Bのセメントコアの代替と成り得る。
【0060】
図3Cは、第1の接着剤層8により繊維質マット25に取り付けられることによって、空気/水バリア層21が石膏コア34の表面に接着された、石膏板を備える、本発明の外部外装パネル39の一実施例の側面断面図を示し、繊維質マット25は、第2の接着剤層27によって石膏コア34に取り付けられる。これを作製する1つの方法は、本明細書によって説明される本発明の第1の方法によるものであり、これは、バリア層および不織布繊維層を有するように予め作製された空気/水バリアシートを使用し、バリア層は、第1の接着剤層によって不織布繊維層に取り付けられ、不織布繊維層は、第2の接着剤層によってセメントコアに取り付けられる。第2の繊維質マット面36もまた提供される。
【0061】
本発明の繊維質マット面石膏板は、繊維質マット面石膏板の面において紙を含まない。好ましくは、本発明の石膏板は、全体として、紙を含まず、ならびにセルロースを含まず、具体的にはセルロース繊維を含まない。
【0062】
繊維質マットカバーシート
繊維質マットを含むカバーシートは、本発明の繊維質マット面石膏板の面に位置付けられる。繊維質マットは、任意の好適なタイプのポリマー繊維、鉱物繊維、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0063】
繊維の選択は、部分的には、セメント質外部外装パネルが使用される用途のタイプに依存するであろう。例えば、外部外装パネルが耐熱性または耐火性を必要とする用途に使用されるとき、適切な耐熱性または耐火性繊維が、繊維質マットにおいて使用されるべきである。
【0064】
鉱物繊維は、主に岩石、粘土、スラグ、またはガラスから作製された繊維質の無機物質である。これらの繊維は、繊維ガラス(グラスウールおよびガラスフィラメント)、鉱物ウール(ロックウールおよびスラグウール)、および耐火セラミックファイバー(RCF)の3つの一般的な群に分類される。
【0065】
繊維質マットにおける使用に好適な繊維材料の例は、限定されるものではないが、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリアラミド繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET))、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリビニルアセテート(PVAc)、およびそれらの組み合わせを含む。好ましくは、繊維は、コーティングされた、または未コーティングのガラス繊維(コーティングされた、または未コーティングの繊維ガラスとしても既知である)からなる。
【0066】
第1の繊維質マットは、織布または不織であり得るが、不織マットが好ましい。不織マットは、典型的に、少量の結合剤が均一に分散している。結合剤は、マット業界で一般的に使用されている任意の結合剤であり得る。好適な結合剤には、限定されないが、尿素ホルムアルデヒド、メラミンホルムアルデヒド、ステアリン酸メラミンホルムアルデヒド、ポリエステル、アクリル、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルまたはアクリル、スチレンアクリル系ポリマーなどで変性またはブレンドされた尿素ホルムアルデヒドまたはメラミンホルムアルデヒド、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な繊維質マットは、セメント質外部外装パネルの面材料として使用される市販のマットを含む。
【0067】
さらに、マットの繊維は、疎水性または親水性であり得、およびコーティングされ、またはコーティングされない場合がある。
【0068】
本明細書の目的のために、「予めコーティングされた不織ガラス繊維マット」という用語は、典型的には、約40ポンド/MSF~約165ポンド/MSF、より好ましくは約50ポンド/MSF~約100ポンド/MSF、最も好ましくは約61ポンド/MSF~約75ポンド/MSFの結合剤コーティングを有するマットであり、コーティングは、コーティングされたガラスマットの一方の側面からコーティングされたガラスマットの厚さの一部の深さまで、ガラスマット基材に均一に浸透する。このため、未コーティングのマットが有する最大でも少量の実質的に均一に分布したポリマー結合剤に加えて、予めコーティングされたマットは、マットの厚さを通して最大で部分的に浸透させるために一方の側面に適用されたポリマー結合剤および無機充填剤の追加の結合剤コーティングを有する。このため、予めコーティングされた不織ガラス繊維マットは、一方の面が結合剤コーティングでコーティングされ、他方の面がコーティングされておらず、未加工のガラス繊維側が露出している。「予めコーティングされた」という用語が、本明細書において用いられるが、これは不織ガラス繊維質マットが、板のコアとなるセメント質スラリーと接触する前に、結合剤コーティングでコーティングされることである。
【0069】
予めコーティングされたマットを用いるとき、疎水性仕上げ組成物層もまた用いられる場合、疎水性仕上げ組成物層は、未加工のガラス繊維側ではなく、コーティングされた繊維質マットのコーティングされた表面に接着される。セメント質ベースコアは、未加工のガラス繊維側に接着される。
【0070】
予めコーティングされたマットは、未コーティングのマットとは異なる。例えば、アクリルの予めコーティングされたガラスマットは、アクリル結合剤を使用する「未コーティングの」ガラスマットとは異なる。
【0071】
本明細書の目的のために、未コーティングのガラス繊維質マットは、典型的に、15~40ポンド/MSFの総重量を有するガラス繊維マットであり、例えば、マット全体の19~27重量%はポリマー結合剤であるが、無機充填剤はないなど、最大でも少量のポリマー結合剤を実質的に均一に分布させる。未コーティングのガラスマットの厚さは、典型的に、20~40ミルである。
【0072】
また、予めコーティングされたマットは、未コーティングのマットよりも重い。不織ガラスマット基材の重量に加えて、予めコーティングされたマットは、40~165ポンド/MSF(ポンド毎1000平方フィート)の結合剤コーティングが、不織ガラスマット基材の一方の側面にコーティングされる。結合剤コーティングを適用する前の不織ガラスマット基材の重量は、10~50ポンド/MSFである。このため、予めコーティングされたガラスマットを作製するための結合剤コーティング適用後、予めコーティングされたガラスマットの重量は、50~215ポンド/MSFである。好ましくは、コーティング前の不織ガラスマット基材は、約12~約50ポンド/MSF、より好ましくは約14.5~26.5ポンド/MSFの重量である。好ましくは50~100ポンド/MSF、より好ましくは61~75ポンド/MSFの結合剤コーティングが、不織ガラスマット基材の一方の側面上にコーティングされる。平均して、単位面積当たりのコーティングされたガラスマットの重量は、コーティング前のガラスマット基材の重量の約6倍以下である。コーティングはまた、好ましくは、コーティングされたガラスマットに引張強度を付与し、これは平均して、コーティングなしのガラスマット基材の引張強度よりも少なくとも1.33倍大きい。
【0073】
結合剤コーティングは、結合剤ポリマーおよび無機充填剤を含む。結合剤コーティングは、マットの一方の側面にわたって実質的に均一に分布される。このため、結合剤コーティングは、ガラスマット基材に部分的にのみ浸透する。他方の側面は、無機充填剤を含まず、最大でも少量の結合剤ポリマーでコーティングされた未加工のガラス繊維が露出する。結合剤コーティングは、コーティングされたガラスマットの所望のわずかな厚さまでガラスマット基材に均一に浸透する。ガラスマット基材への結合剤コーティングの浸透は、コーティングされたガラスマットの厚さの10%からコーティングされたガラスマットの厚さの75%までの深さに延在する。
【0074】
本発明の好ましい態様によれば、第1の繊維質マットは、セメント質コア内に実質的に埋め込まれない。好ましくは、マットの厚さの約50%未満が、セメント質コア内に埋め込まれ、より好ましくは、マットの厚さの約30%未満、約15%未満、約10%未満、またはさらには約2%未満(例えば、約1%未満)が、セメント質コア内に埋め込まれる。いかなる特定の理論にも束縛されるものではないが、第1の繊維質マットの疎水性仕上げは、少なくともある程度、第1の繊維質マットが製造中にセメント質コア内に埋め込まれるのを防止し得ると考えられる。本発明の関連する好ましい態様では、セメント質コアは、少なくとも部分的に、疎水性仕上げに接着する。
【0075】
第1の繊維質マットは、2つの対面する表面:外向きの表面およびセメント質コアに面する表面を有することが理解されよう。本発明によれば、セメント質コアに面する第1の繊維質マットの外向きの表面は、空気/水バリアシートが取り付けられる接着剤を含む。内向きの表面は、空気/水バリアシートを含む必要はない。しかしながら、所望される場合、繊維質マットの内向きの表面はまた、本明細書に記載されるような空気/水バリアシートを含むことができる。繊維質マットの内向きの表面は、別様に当該技術分野で既知である任意の方法で処理することができ、または未処理のままにすることができる。
【0076】
繊維質マット面セメント質パネルは、任意選択的に、ポリマーまたは鉱物繊維を含む第2の繊維質マットを含むことができ、セメント質コアは、第1の繊維質マットと第2の繊維質マットとの間に配設される。第2の繊維質マットは、第1の繊維質マットと同じであっても、または異なっていてもよい。第2の繊維質マットは、好ましくは、セメント質コアに対する材料および配向の両方において第1の繊維質マットと同じであるか、または第1の繊維質マットと十分に類似した膨張および収縮特性を有し、その結果、繊維質マット面セメント質パネルの反りが低減または削減される。第2の繊維質マットが第1の繊維質マットと同じであるとき、第1および第2の繊維質マットは、例えば、セメント質のコアを包み込むように単体の繊維質マットを折り畳むことによって、単一の連続した材料片によって提供され得ることを理解されたい。
【0077】
セメント質コア
セメント質コアは、任意の好適な添加剤と共に、水硬性セメントまたは硫酸カルシウムを含有する、またはそれらに由来する任意の材料、物質、または組成物を含むことができる。水硬性セメントもまた、好適なセメントである。ASTMは、「水硬性セメント」を、水との化学的相互作用によって硬化し、硬くなり、また、水中でそうなり得るセメントである、と定義している。建設および建築業界で使用される水硬性セメントにはいくつかのタイプがある。水硬性セメントの例は、ポートランドセメント、ブラスト炉スラグセメントおよび超硫酸化セメントなどのスラグセメント、カルシウムスルホアルミネートセメント、高アルミナセメント、膨張性セメント、白色セメント、ならびに急速硬化および硬化セメントを含む。硫酸カルシウム半水和物は、水との化学的相互作用によって硬化し、硬くなるが、本発明の文脈において、水硬性セメントの広範な定義に含まれない。前述の水硬性セメントの全てを使用して、本発明のパネルを作製することができる。
【0078】
セメント質コアに使用することができる材料の非限定的な例は、水硬性セメント、硫酸カルシウム、またはそれらの混合物を含む。好適な水硬性セメントは、ポルトランドセメント、ソレルセメント、スラグセメント、フライアッシュセメント、カルシウムアルミナセメントのうちのいずれか1つ以上を含む。最も評判が良く、広く使用されている密接に関連する水硬性セメントの群は、ポルトランドセメントとして知られる。ASTMは、「ポルトランドセメント」を、水硬性ケイ酸カルシウムを主成分とするクリンカーを粉砕することによって製造される水硬性セメントとして定義し、通常、地下添加物として1つ以上の形態の硫酸カルシウムを含有する。ポルトランドセメントを製造するために、石灰石、アルガリシャス岩、および粘土の均質混合物が、クリンカーを生成するために窯内で点火され、次いで、さらに処理される。その結果、ポルトランドセメントの次の4つの主要な相が生成される:ケイ酸三カルシウム(3CaO.SiO、またCSとも呼ばれる)、ケイ酸二カルシウム(2CaO.SiO、CSと呼ばれる)、アルミン酸三カルシウム(3CaO.AlまたはCA)、およびアルミノフェライト四カルシウム(4CaO.Al.FeまたはCAF)。ポルトランドセメント中に少量存在する他の化合物は、硫酸カルシウムおよびアルカリ硫酸塩の他の複塩、酸化カルシウム、ならびに酸化マグネシウムを含む。ポルトランドセメントの様々な認識されたクラスのうち、タイプIIIポルトランドセメント(ASTM分類)が、典型的に、本発明のセメントパネルを製造するために使用される。ブラスト炉スラグセメントおよび超硫酸化セメントなどのスラグセメント、カルシウムスルホアルミネートセメント、高アルミナセメント、膨張性セメント、白色セメント、規制硬化セメントおよびVHEセメントなどの急速硬化かつ硬性セメント、ならびに他のポートランドセメントタイプを含む他の公認クラスの水硬性セメントもまた、本発明のセメントパネルを作製するために成功裏に使用することができる。スラグセメントおよびカルシウムスルホアルミネートセメントは、アルカリ度が低く、また本発明のセメントパネルを作製することに好適である。
【0079】
好適な硫酸カルシウム材料は、水溶性硫酸カルシウム無水物、硫酸カルシウムアルファ半水和物、硫酸カルシウムベータ半水和物、天然、合成、または化学的に変性された硫酸カルシウム半水和物、硫酸カルシウム二水和物(「石膏」、「硬化石膏」または「水和石膏」)、およびそれらの混合物のいずれか1つ以上を含む。
【0080】
本明細書で使用される際、「セメント」または「セメント材料」という用語は、上記で参照されたセメントの形態のいずれかを指す。本明細書で使用される際、「硫酸カルシウム」または「硫酸カルシウム材料」という用語は、上記で参照された硫酸カルシウムの形態のいずれかを指す。
【0081】
好ましくは、セメント質コアは、硫酸カルシウム材料、ポルトランドセメント、またはそれらの混合物を含む。
【0082】
典型的には、石膏パネルである本発明において有用な繊維質マット面セメント質パネルは、75重量%より大きい硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウムを含む、セメント質コアを含む。
【0083】
典型的には、セメントパネルであるセメントパネルセメント質コアは、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性スラリーから作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含み、任意選択的にセメントパネルは、硬化セメント質コアの中に、またはその表面の上に埋め込まれたスクリムの層を有する。より典型的には、本発明において有用なセメント質パネルは、少なくとも25重量%のセメント、典型的には少なくとも40重量%のセメント、より典型的には少なくとも60重量%のセメントを含むセメント質コアを含むセメントパネルである。
【0084】
典型的には、硫酸カルシウム二水和物および水硬性セメントを含むセメント質コアを有する本発明において有用な繊維質マット面セメント質パネルは、反応性粉末として、乾燥(無水)ベースで25~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物、10~75重量%のポルトランドセメントを含む水硬性セメント、好ましくは35~75重量%(典型的には、45~65または55~65重量%)の硫酸カルシウムアルファ半水和物、20~55重量%(典型的には、25~40重量%)のポルトランドセメントなどの水硬性セメントを含む水性混合物から作製される。
【0085】
構造セメント質パネルとしても知られる、強化され、軽量で、寸法安定性の構造セメントパネル(SCP)は、本発明のためのパネルとして好適であり、硫酸カルシウムアルファ半水和物、水硬性セメント、活性ポゾラン、および石灰の水性混合物の硬化から生じる連続相のコアを用いる。連続相は、典型的に、0.6/1~0.7/1の水と反応性粉末との重量比を有する水性混合物、またはこれらの組み合わせから形成されている、耐アルカリ性ガラス繊維によって強化される。所望される場合、水性混合物組成物は、0.4/1~0.7/1の水対反応性粉末の重量比を有してもよい。
【0086】
構造セメントパネルに関する好ましい配合物は、反応性粉末として、乾燥基準で、35~75重量%(典型的には、45~65または55~65重量%)の硫酸カルシウムアルファ半水化物、20~55重量%(典型的には、25~40重量%)のポルトランドセメントなどの水硬性セメント、0.2~3.5重量%の石灰、および5~25重量%(典型的には、10~15重量%)の活性ポゾランを含む。パネルの連続相は、耐アルカリ性のガラス繊維で均一に強化される。複合繊維スラリー混合物には上記の組成物が好ましいが、これらの成分の相対的な量は、上記の一部の除去または他の追加を含む、最終製品の意図される使用に適するように変更され得る。複合スラリーのための配合物の一例は、全乾燥成分に基づいて、42~68重量%の反応性粉末、および5~15重量%の耐アルカリ性ガラス繊維を含む。
【0087】
Dubeyらの米国特許第8,038,790号は、本発明に関するパネルを作製するために使用される複合スラリーのための好ましい配合物の別の例を提供し、これは、乾燥(無水)基準で、50~95重量%の反応性粉末と、軽量充填材として内部に均一に分布される1~20重量%のコーティングされた疎水性膨張パーライト粒子であって、コーティングされた疎水性パーライト粒子が、約1~500ミクロン(マイクロメートル)の範囲の直径、体積サイズ分布基準で測定される際、20~150ミクロン(マイクロメートル)の中位径、約0.50g/cc未満の有効粒子密度(比重)を有する、コーティングされた疎水性パーライト粒子と、0~25重量%の中空セラミック微小球体と、強化用に均一に分布している3~16重量の耐アルカリ性ガラス繊維と、を含む、セメント質組成物の水性混合物を含み、反応性粉末は、25~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物と、10~75重量%のポルトランドセメントを含む水硬性セメントと、0~3.5重量%の石灰と、5~30重量%の活性ポゾランと、を含み、パネルは、50~100ポンド/立方フィートの密度を有する。
【0088】
複合繊維スラリー混合物には上記の組成物が好ましいが、これらの成分の相対的な量は、上記の一部の除去または他の追加を含み、最終製品の意図される使用に適するように変更され得る。
【0089】
セメント質コアのための添加剤は、石膏板またはセメント板など、繊維質マット面セメント質パネルを製造するために一般的に使用される任意の添加剤であり得る。かかる添加剤は、限定されるものではないが、鉱物ウール、連続ガラス繊維またはチョップドガラス繊維(繊維ガラスとも称される)、パーライト、粘土、バーミキュライト、炭酸カルシウム、ポリエステル、および紙繊維などの構造添加剤、ならびに発泡剤、充填材、促進剤、糖、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホウ酸塩などの増強剤、遅延剤、結合剤(例えば、デンプンおよびラテックス)、着色剤、殺菌剤、殺生物剤などを含む。これらおよび他の添加剤のいくつか使用例は、例えば、米国特許第6,342,284号、同第6,632,550号、同第6,800,131号、同第5,643,510号、同第5,714,001号、および同第6,774,146号、ならびに米国特許出願公開第2004/0231916A1号、同第2002/0045074A1号、および同第2005/0019618A1号に記載される。
【0090】
有利には、セメント質コアはまた、シリコーン系材料(例えば、シラン、シロキサン、またはシリコーン樹脂マトリックス)などの疎水性剤を、コア材料の耐水性を改善するのに好適な量で含む。セメント質コアが、酸化マグネシウム(例えば、重焼した酸化マグネシウム)、フライアッシュ(例えば、クラスCフライアッシュ)、またはそれらの混合物などのシロキサン触媒を含むことも好ましい。シロキサンおよびシロキサン触媒は、任意の好適な量で、本発明の耐水性繊維質マット面セメント質パネルを調製する方法に関して、本明細書に記載されている、または、例えば、米国特許出願公開第2006/0035112A1号または同第2007/0022913A1号に記載されている、任意の好適な方法によって追加することができる。望ましくは、セメント質コアはまた、リン酸塩(例えば、米国特許第6,342,284号、同第6,632,550号、および同第6,800,131号、ならびに米国特許出願公開第2002/0045074A1号、同第2005/0019618A1号、および同第2007/0022913A1に記載されるポリリン酸塩)、ならびに/または予めブレンドされた不安定な石鹸および安定した石鹸(例えば、米国特許第5,683,635号および同第5,643,510号に記載されている)などの強度改善添加剤を含む。セメント質コアは、紙またはガラス繊維を含むことができるが、好ましくは、紙および/またはガラス繊維を実質的に含まない(例えば、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、またはさらには、約0.05重量%未満の紙および/もしくはガラス繊維を含む、またはそのような繊維を含まない)。
【0091】
セメント質板は、本発明の外部外装パネルに好適な任意のタイプまたは形状のいずれかであり得る。そのようなセメント質板の非限定的な例は、石膏パネル、セメントパネル、ならびに任意のサイズおよび形状の構造セメントパネルを含む。
【0092】
接着剤
低透過性材料で作製された空気/水バリアシートの適用は、接着剤を使用して繊維性マット面セメント質パネルに低透過性材料シートをラミネートすることによって実現することができる。
【0093】
接着剤の例は、限定されるものではないが、ケイ酸ナトリウム接着剤、アクリル接着剤、アクリレート接着剤、ラテックス接着剤、熱可塑性接着剤、およびそれらの組み合わせを含む。典型的な接着剤は、エチレン酢酸ビニル(EVA)またはポリビニルブチラール(PVB)である。典型的に、接着剤には炭酸カルシウムは含まれない。
【0094】
好ましくは、接着剤および低透過性材料シートは、2mm未満(例えば、0.05mm~2mm)、より好ましくは1mm未満、さらにより好ましくは0.5mm未満、例えば、0.2mmの合計厚さを有する。
【0095】
例えば、本発明は、好ましくは、硬化または架橋する接着剤、もしくは結合するために熱を必要とする接着剤、例えば、ホットメルト接着剤を使用する。
【0096】
好適な化学硬化性接着剤は、液体(または熱可塑性)から固体に変換するために化学反応を必要とする反応性材料である。一度硬化すると、これらの接着剤は、概して、温度、湿度、および多くの化学物質に耐える高強度で、可撓性から剛性の接着線を提供する。好適な非反応性接着剤は、乾燥タイプの接着剤、感圧接着剤、接触接着剤、およびホットメルト接着剤、例えば、ポリエチレンホットメルト接着剤である。しかしながら、本発明の利点は、感圧接着剤ではない接着剤を使用し得ることである。このため、例えば、本発明は、硬化または架橋する接着剤、もしくは熱を用いて結合する接着剤、例えば、ホットメルト接着剤を使用することができる。
【0097】
空気/水バリアシート
本開示における「シート」という用語は、基材に固体層として適用される別個の層を指すことを意図する。このため、適用された層の相変化はなく、例えば、液体から固体への相変化はない。これは、例えば、後に固化して基材上に層を形成する液体または蒸気として、基材に適用されるコーティングもしくは膜とは異なる。「シート」という用語は、フィルム、箔などを含む。
【0098】
このため、本明細書で使用される際、空気/水バリアシートは、フィルム、箔などとして適用される低透過性材料の別個の層を含む、一般的な用語である。低透過性材料シートは、一体型のスプレー式膜ではない、別個のシートである。このため、空気/水バリアシートは、流体が適用された膜ではない。接着剤の層によって、繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着される。空気/水バリアシートは、単層シートまたは多層シートとして低透過性材料シートを含む。
【0099】
低透過性材料シートの例は、限定されるものではないが、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートなどのポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、およびそれらの組み合わせを含む。低透過性材料シートは、好ましくは、二軸延伸ポリエチレンである。ポリエチレンポリマーを延伸させることは、その蒸気パーマ率を改善する。アルミニウム箔は、非常に薄いゲージであっても、完全な状態(ピンホールまたは欠陥がない)の場合、原則的に完全な水蒸気およびガスのバリアを提供する。0.001インチ以上の厚さでは、アルミニウム箔は、ピンホールがないと見なされる。アルミニウム箔によって提供されるバリアは、箔の厚さが0.001インチを上回って増加する際、大幅に改善されることはない。しかしながら、強度または引き裂き抵抗などの他の物理的特性は、改善し得る。
【0100】
空気/水バリアシートは、パーマ率を提供するバリアシートのバリア部分である、空気/水バリア層を含む。空気/水バリアシートは、任意選択的に、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を有する。空気/水バリアシート繊維質マットは、存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットは、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットは、セルロースを含まない。典型的に、繊維は、ポリマー、例えば、ポリプロピレン繊維である。
【0101】
ポリマーシートは、原則的にポリマー、典型的には少なくとも90重量%のポリマー、より典型的には95~100重量%のポリマーの層であり得、または2つ以上のかかるポリマー層のラミネートであり得る。または、ポリマーシートは、1つ以上のかるポリマー層、および不織繊維、例えば、ポリプロピレン不織繊維の1つ以上の外部層のラミネートであり得る。例えば、防水膜は、接着剤層によってポリマー層に保持された不織繊維質ポリマーマット層を有し得る。
【0102】
高密度ポリエチレン(HDPE)の密度は、930~970kg/mの範囲である。HDPEの密度は、低密度ポリエチレン(LDPE)の密度よりわずかに高いが、HDPEは、分岐がほとんどなく、LDPEよりも強い分子間力および引張強度を与える。強度の違いは、密度の違いを上回り、HDPEにより高い比強度を与える。また、より硬く、より不透明で、やや高い温度(120C/248°Fで短時間)に耐えることができる。高密度ポリエチレンは、ポリプロピレンとは異なり、通常必要なオートクレーブ条件に耐えることができない。分岐の欠如は、触媒(例えば、チーグラーナッタ触媒)および反応条件の適切な選択によって保証される。
【0103】
空気/水バリアシートの低透過性材料は、前述のいずれか1つ、または前述のいずれかを含む多層シートであり得る。
【0104】
空気/水バリアシートは、典型的に、炭酸カルシウムを含まない。空気/水バリアシートは、典型的に、30重量%未満のビニルを有し、より典型的には、ビニルを含まない。
【0105】
バリア製品の重要な特性は、バリアの透過性である。この値は、典型的に、(1グレインの水が、1時間当たり、1平方フィート当たり、水銀柱インチ当たりに蒸発する)パーマで報告される。概してバリア製品について言えば、耐湿性バリアには以下の範囲で4つのカテゴリがある。0.1パーマ以下のパーマ率は、クラスI不透過性遅延剤と見なされる(また、蒸気バリアとも見なされる)。0.1パーマより大きく1.0パーマ以下のパーマ率は、クラスII半透過性蒸気遅延剤と見なされる。1.0パーマ超10パーマ以下のパーマ率は、クラスIII透過性蒸気遅延剤と見なされる。10超のパーマ率は、透過性が高く、蒸気遅延剤とは見なされない。
【0106】
空気/水バリアシートは、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートは、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートは、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有する。
【0107】
空気/水バリアシートは、パネルの水蒸気透過率を調整および/または変更するために、建築物の外部セメント質外部外装パネルに多用途性を提供する。一定のパネル厚さを維持しながら、耐空気性および耐湿性のセメント質外部外装パネルの水蒸気透過率を調整する機能は、建築物外面の設計性能および/または意図された性能に応じて、特に有益である。
【0108】
例えば、アメリカ合衆国エネルギー省は、7つの気候ゾーンについて説明する。7つのゾーンの各々は、暖房度日(HDD)および冷房度日(CDD)の範囲に基づく。これらの測定基準は、国の様々な地域における建築物のための暖房条件および冷房条件がどの程度厳しいかを分類するために使用される。例えば、気候ゾーン1(南フロリダ)は、CDD>9000を有し、建築物の空間調整は、完全に冷房によって影響される。逆に、気候ゾーン6に位置付けられる中西部上部のような区域では、建築物のエネルギー使用は、暖房負荷によって影響され、HDDは、7200よりも大きく9000未満である。湿気および湿度条件もまた、設計プロセス中で考慮されなければならない。湿度の考慮は、住宅内のエネルギーシステムの最適化に大きな影響を及ぼし、多くの場合、エネルギー性能および湿気制御の両方の観点から、どの材料またはシステムが最適に機能するかを規定する。例えば、暑く、乾燥した気候では、気化冷却システムが、住宅の空間冷却を提供することができ、典型的に、従来の蒸気圧縮式A/Cシステムよりも少ないエネルギーを使用する。一方、高温多湿の南東部のような区域では、建築物の外壁の深刻な湿気およびカビの問題を防止するために、外壁アセンブリの透湿性に特別な注意を払わなければならない。したがって、空気および防湿のセメント質外部外装パネルに関連して、異なる水蒸気透過率に関する必要性が重要である。
【0109】
水蒸気透過率は、空気/水バリアシートに関する適切な低透過性材料を選択して、所望の水蒸気透過率を有することによって、変性され得る。
【0110】
金属含有空気/水バリアシート
空気/水バリアシートは、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかを含む。
【0111】
金属シートは、構造強度のためではなく、空気/水不透過性のために提供される。典型的には、金属シートは、0.0002~0.005インチ、好ましくは0.00025~0.002インチ、より好ましくは0.00025~0.001インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有するアルミニウム箔である。任意選択的に、この金属シート、例えば、アルミニウム箔は、1平方インチ当たり20,000ポンド未満、好ましくは1平方インチ当たり10,000ポンド未満の引張強度を有する。
【0112】
その脆弱性のために、アルミニウム箔は、繊維メッシュまたは追加のポリマー層で支持されてもよい。追加のポリマー層は、典型的に、0.0001~0.020インチ、より好ましくは0.001~0.010インチの厚さを有する。おそらく、追加のポリマー層は、水性アクリルコーティングまたはエポキシタイプコーティングで作製される。任意選択的に、アルミニウム箔は、ロールコーティング、スプレー、グラビア、スクリーン印刷、フラッドコーティング、ナイフなどのコーティング技術によってコーティングされたポリマーで予めコーティングされる。
【0113】
代替的に、ポリマー層が最初に作製されて、次いで、アルミニウムでスパッタコーティングされる。このスパッタリングは、金属化または真空蒸着と称される。真空蒸着は、固体表面上に原子ごとまたは分子ごとに材料の層を蒸着するために使用される一連のプロセスである。これらのプロセスは、大気圧よりはるかに低い圧力(つまり、真空)で動作する。堆積された層は、1原子の厚さから最大ミリメートルの範囲であり、自立構造を形成することができる。異なる材料の複数の層が、例えば、光学コーティングを形成するために使用され得る。プロセスは、蒸気源に基づいて限定することができ、物理蒸着は、液体源または固体源を使用し、化学蒸着は、化学蒸着を使用する。溶融成形されるポリマーコーティングされたアルミニウム箔とは対照的に、アルミニウムでコーティングされたポリマースパッタは、層ごとに製造される。これにより、ポリマーでコーティングされたアルミニウム箔とはわずかに異なる原子微細構造を有するアルミニウムでコーティングされたポリマースパッタが生じ得る。
【0114】
追加の低透過性材料シートの組み合わせは、追加の機能のために、コーティングされたアルミニウム箔、ラミネートされたアルミニウム箔、またはアルミニウム/金属化ポリマーシートを含み得る。かかる機能は、材料の適合性、シーラントの接着、外部カバーの接着、耐久性、またはねじガスケットを含むことができる。
【0115】
箔でコーティングされた繊維質マット外部外装板の追加の利点は、箔側を外部に向けて使用すると、放射熱を反射することによって効果的な熱放射バリアとして機能し得ることである。これにより、夏の熱利得を低減し、それゆえ建築物を冷却するためのコストを低減することができる。
【0116】
ポリマー空気/水バリアシート
いくつかの実施形態では、一体化された空気/水バリア膜を有する外部外装パネルは、顔料を含む膜を含む。黒色、茶色、青色、緑色、赤色、黄色、オレンジ色、または白色の顔料を提供する化学化合物を含む様々な顔料が使用され得る。所望される場合、空気/水バリアシートのポリマーは、限定されるものではないが、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、30%アクアアンモニア、および2-アミノ-2-メチル-1-プロパノールのうちの少なくとも1つなどの好適なpH調整剤を含む。これらのpH調整剤は、0.1重量%~5重量%の量で使用することができる。
【0117】
A.繊維質マット面セメント質パネルを作製する方法
A.1.石膏板の作製
繊維質マット面セメント質パネルは、限定されるものではないが、本明細書に記載の本発明の方法を含む、任意の好適な方法によって調製することができる。本発明による繊維質マット面セメント質パネルを調製する方法は、典型的に、(a)ポリマーまたは鉱物繊維を含む第1の繊維質マット上にセメント質スラリーを堆積させることと、(b)セメント質スラリーを硬化させ、それによって繊維質マット面セメント質パネルを提供することと、を含む。
【0118】
本発明に好適な繊維質マット面セメント質石膏パネルを調製する典型的な方法は、当該技術分野で既知である繊維質マット面セメント質板を作製するために使用される既存の石膏板製造ラインで実施することができる。簡潔には、本プロセスは、典型的に、繊維質マット材料をコンベヤ上、またはコンベヤ上に置く成形テーブル上に排出することを含み、次いで、ミキサの排出導管の下に位置決めされる(例えば、当該技術分野で既知であるゲートキャニスタブーツ配置、または米国特許第6,494,609号および同第6,874,930号に記載されている配置)。セメント質スラリーの成分は、排出導管を備えるミキサに供給され、そこで攪拌されて、セメント質スラリーを形成する。泡は、(例えば、米国特許第5,683,635号および同第6,494,609号に記載されるようなゲートにおいて)排出導管内に追加することができる。
【0119】
セメント質石膏スラリーは、既知の方法に従って、繊維質マット面材料上に、および繊維質マット面セメント質パネルを調製するための既存の製造ライン上に堆積され得る。例えば、セメント質スラリーが繊維質マット面材料上に排出されるとき、スラリーは、必要に応じて、繊維質マット面材料上に広げられ、任意選択的に、繊維質マットまたは他のタイプの透過性面材料(しかしながら、紙ではないことが好ましい)であり得る第2の面材料で被覆される。それによって提供される湿潤セメント質アセンブリは、物品が所望の厚さにサイズ決定される形成ステーションに、および所望の長さに切断されて、セメント質板を提供する1つ以上のナイフ区分に運ばれる。繊維質マット面セメント質パネルを硬化させ、任意選択的に、乾燥プロセスを使用して(例えば、空気乾燥または繊維質マット面セメント質パネルを、窯を通して移送することによって)過剰な水を除去する。上記の工程の各々、ならびにそのような工程を実施するためのプロセスおよび装置は、当該技術分野で既知である。また、石膏およびセメント板などのセメント質板の製造では、一次スラリーの堆積前に比較的高密度のスラリー層を面材料上に堆積させ、堆積したスラリーから大きな空隙または空気ポケットを排除するために振動を使用することも一般的である。また、当技術分野で既知のハードエッジが時々使用される。これらの工程または要素(高密度のスラリー層、振動、および/またはハードエッジ)は、任意選択的に、本発明と組み合わせて使用することができる。
【0120】
セメント質石膏スラリーは、好ましくは、第1の繊維質マットに実質的に浸透せず、それにより、第1の繊維質マットがセメント質スラリーに実質的な程度まで埋め込まれることを防止する。好ましくは、セメント質スラリーは、マットの厚さの30~60%、より好ましくはマットの厚さの40~60%に浸透する。本発明の関連する好ましい態様によれば、セメント質スラリーは、好ましくは、空気/水バリアシートをパネルに接着する接着剤層に少なくとも部分的に接着する。
【0121】
任意選択的に、上記のように、繊維質マット面セメント質石膏パネルを調製する方法は、セメント質スラリーを硬化させる前に、セメント質スラリーを第2の繊維質マットと接触させることをさらに含み得、セメント質スラリーは、第1の繊維質マットと第2の繊維質マットとの間に配設される。第1および第2の繊維質マットの他の全ての態様は、本発明の繊維質マット面セメント質パネルに関して説明した通りである。
【0122】
本明細書に記載の繊維質マット面セメント質石膏パネルを調製する方法の態様は、本発明の繊維質マット面セメント質パネルに適用される。本明細書に具体的に記載されていない繊維質マット面セメント質石膏パネルを調製する方法の態様は、従来の繊維質マット面セメント質石膏パネルの製造で既知であり、かつ使用される技術によって供給することができる。
【0123】
繊維質マット面セメント質石膏パネルにさらなる耐水性を提供することが所望される場合、繊維質マット面セメント質パネルを作製する方法は、(a)水中に約4重量%~約8重量%のシロキサンを含む水性シロキサン分散液を調製することと、(b)シロキサン分散液をセメント質混合物と組み合わせて、表面または他のタイプの基材上に堆積されるセメント質スラリーを提供し、続いて硬化させ、それによって繊維質マット面セメント質パネルを提供することと、をさらに含んでもよい。
【0124】
セメント質混合物に耐水性を与えるのに好適な任意のシロキサンを使用することができる。シロキサンは、環状水素変性シロキサン、または好ましくは、線状水素変性シロキサンであり得る。シロキサンは、望ましくは、液体(例えば、シロキサン油)である。典型的には、本発明の実施に有用な線状水素変性シロキサンは、一般式:--Si(H)(R)--O--の繰り返し単位を有するものを含み、式中、Rは、飽和または不飽和一価炭化水素基である。好ましい実施形態では、Rは、アルキル基を表し、最も好ましくは、Rは、メチル基である。好ましいシロキサンは、高度に架橋されたシリコーン樹脂を形成することが可能である。重合中、末端基は、縮合により除去され、シロキサン基は、互いに結合して、シリコーン樹脂を形成する。鎖の架橋もまた生じる。得られたシリコーン樹脂は、石膏マトリックスが形成される際に耐水性を付与する。好適なかかるシロキサンは市販されており、特許文献に記載されている。
【0125】
シロキサン分散液は、水中に約4重量%~約8重量%、好ましくは水中に約4重量%~約5重量%のシロキサンを含む分散液を提供するのに十分な量のシロキサンおよび水をミキサに導入することと、混合物を処理して、分散液を生成することと、によって、好ましくは調整される。より好ましくは、分散液は、水中に4重量%よりも大きい、および/または8重量%未満のシロキサンを含む。例示として、分散液は、水中に約4.1重量%、4.2重量%、4.3重量%、4.4重量%、または4.5重量%~約5重量%、6重量%、または7重量%のシロキサンを含むことができる。好ましくは、分散液は、水中のシロキサンの液滴を含み、液滴は、約50ミクロン以下、好ましくは約30ミクロン以下、さらには約20ミクロン以下(例えば、約10ミクロン以下)の平均粒子サイズを有する。より好ましくは、液滴の約75%以上、80%以上、85%以上、さらには90%以上、またはさらには95%以上が、約50ミクロン以下、好ましくは約30ミクロン以下、または約20ミクロン以下(例えば、約10ミクロン以下)の粒子サイズを有するような粒子サイズ分布を有する。分散液中のシロキサン液滴の粒子サイズおよび粒子サイズ分布は、動的光散乱分析によるなどの、所定の技術を使用して判定することができる。
【0126】
所望される場合、分散液は安定化され、その結果、分散液を他のセメント質コアの成分と組み合わせるのに十分な期間の間、シロキサン液滴が水中に分散したままになる(すなわち、シロキサン相が水相から実質的に分離しない)。例えば、本発明の好ましい態様によれば、分散液は安定性を有するはずであり、そのため、混合直後に採取され、静止された分散液の試料は、1分以内(例えば、2分以内)に試料の表面上に視認可能な液滴の凝集を呈しないであろう。
【0127】
高剪断または超高剪断ミキサは、典型的に、シロキサンを水中に分散させるために使用される。高剪断または超高剪断ミキサは、水分散液中でシロキサンを生成することができる任意のミキサであり得、その中のシロキサン液滴は、上記の粒子サイズまたは粒子サイズ分布特性を有する。高剪断ミキサの好適なタイプは、ピンタイプ、ブレードタイプ、ロータステータ、およびディスクタイプのミキサなどの機械的剪断ミキサ、ならびに液圧剪断ミキサを含む。好ましいミキサは、約9,000~約15,000フィート毎分(FPM)(または約40~約80メートル毎秒(mps)、例えば約10,000~12,000FPM(または約50~約60mps)の先端速度を生成することができるものである。
【0128】
シロキサンおよび水は、分散ミキサ、好ましくは高剪断ミキサに、別々にまたは共に、同時にまたは任意の順序で連続して導入することができる。分散液をバッチ混合によって調製するとき、好ましくはシロキサンの前に水を追加する。しかしながら、バッチ混合は、概して、連続生成方法に対して好都合または経済的ではない。このため、インライン分散ミキサが、好ましくは、連続的に分散液を生成するために使用され、その場合、シロキサンおよび水は、適切な比率で連続的かつ同時にインライン分散ミキサに供給され得る。水性シロキサン分散液は、好ましくは、乳化剤または分散剤を含まない。
【0129】
水性シロキサン分散液は、セメント質混合物と組み合わされて、セメント質スラリーを提供する。当業者は、セメント質混合物が固体成分および液体成分を含むことを理解するであろう。例示として、水中に上記量のシロキサンを含むシロキサン分散液は、セメント質混合物の固体成分および/または液体成分を含むミキサ(例えば、板ミキサ)に直接導入することができる。しかしながら、好ましくは、シロキサン分散液は、最初にセメント質混合物の液体成分(例えば、水)と組み合わされ、その後、セメント質混合物の固体成分と組み合わされる(例えば、シロキサン分散液を測定水または他の水に追加し、その後、板ミキサに送達することによって)。シロキサン分散液は、約0~20重量%、好ましくは3~7重量%の最終的なセメント質生成物中のシロキサン含有量を提供するのに十分な量でセメント質混合物に好ましくは追加される。
【0130】
セメント質スラリーは、任意選択的に、フライアッシュ、特にクラスCフライアッシュ、酸化マグネシウム、特に死焼酸化マグネシウム、または、最も好ましくはそれらの組み合わせなどのシロキサン触媒を含む。フライアッシュは、乾燥セメント質成分の重量(例えば、漆喰の乾燥重量)に基づいて、約0.1%~約5%の量で好ましくは使用される。酸化マグネシウムは、乾燥セメント質成分の重量(例えば、漆喰の乾燥重量)に基づいて、約0.1%~約0.5%の量で好ましくは使用される。フライアッシュの酸化マグネシウムに対する比は、望ましくは約2:1~約3:1である。
【0131】
水性シロキサンエマルジョンを調製し、エマルジョンをセメント質スラリーと組み合わせる他の態様は、米国特許出願公開第2007/0022913A1号に記載される通りである。
【0132】
A.2.セメント板の作製
面から面まで均質なセメント質組成物のセメント質コアを有し、セメント質コアの上面または下面の少なくとも一方の側面の下にある素地表面および強化繊維のメッシュと実質的に均一な厚さを有するセメント板は、1つのセメント質組成物を移動するキャリアシート上に分配することと、キャリアシートの移動と反対の方向に円筒形ローラを回転させることによって表面を平滑にすることによって連続的に作製される。強化繊維の網状組織は、セメント質組成物の重量によって、下にあるキャリアシートの表面に押圧される。シートと網状組織との間の垂直方向の隙間が作成され、その結果、セメント質組成物は、網状組織の空隙に浸透し、下にあるシート上に広がって、繊維を埋め込むことができる。所望される場合、上部の補強網状組織を、逆回転ローラの下に供給することにより、補強網状組織は表面の下に沈められる。典型的に、強化繊維のメッシュは、セメント板の上部、下部、および縦方向の側面縁部の下にある。典型的なセメント板作製プロセスは、Galerの米国特許第4,450,022号、Porterらの米国特許第4,488,917号、Galerの米国特許第4,504,335号、およびEnsmingerらの米国特許第4,916,004号によって開示される。
【0133】
A.3.構造セメントパネル(構造セメント質パネルとしても既知)の作製
構造セメントパネルとして既知のタイプのセメント板を作製するための方法および装置は、以下の公開された米国特許出願によって開示されており、これらは全て、参照によりその全体が組み込まれる。
【0134】
Dubeyらの米国特許出願公開第2018/0036911A1号、発明の名称「CONTINUOUS MIXER AND METHOD OF MIXING REINFORCED FIBERS WITH CEMENTITOUS MATERIALS」、
Dubeyらの米国特許出願公開第2018/0036909A1号、発明の名称「HEADBOX AND FORMING STATION FOR FIBER REINFORCED CEMENTITOUS PANEL PRODUCTION」、
Dubeyらの米国特許出願公開第2018/0036693A1号、発明の名称「METHOD FOR PRODUCING FIBER REINFORCED CEMENTITIOUS SLURRY USING A MULTI-STAGE CONTINUOUS MIXER」、
Dubeyらの米国特許出願公開第2018/0036912A1号、発明の名称「CONTINUOUS METHODS OF MAKING FIBER REINFORCED CONCRETE PANELS」、
Dubeyらの米国特許出願公開第2018/0036912A1号、発明の名称「CONTINUOUS METHODS OF MAKING FIBER REINFORCED CONCRETE PANELS」。
【0135】
特に、Dubeyらの米国特許出願公開第2018/0036912A1号は、水およびセメント質粉末を混合してスラリーを形成することと、シングルパス水平連続ミキサでスラリーと強化繊維を混合して、繊維スラリー混合物を形成することであって、ミキサは、強化繊維入口ポートを有する細長い混合チャンバであって、繊維入口ポートの上流は水およびセメント質粉末を1つのストリームとして共に導入する1つの入口ポート、または水および乾燥セメント質粉末を別々のストリームとしてチャンバに導入するための少なくとも2つの入口ポートである、混合チャンバと、チャンバ内の回転水平シャフトと、繊維とスラリーを混合し、繊維スラリー混合物を混合物出口に移動させるチャンバの部品を含む、形成することと、繊維スラリー混合物をミキサの出口から排出することと、移動面上で繊維スラリー混合物を形成し、かつ硬化することと、繊維強化コンクリートパネルに硬化した混合物を切断し、移動面からパネルを除去することと、を含む、連続的な方法を開示する。
【0136】
B.外部外装パネルを構築するための空気/水バリアシートの適用
B.1.セメント質パネル製造の下流への適用
石膏パネルまたはセメントパネルが作製された後、石膏パネルまたはセメントパネルから外部外装パネルを作製する第1の方法。これは、以下の工程:
セメント質パネルを提供する工程であって、セメント質パネルが、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、提供する工程と、
セメント質パネルに重ね合わさり、セメント質パネルに取り付けられる空気/水バリアシートを提供する工程であって、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、空気/水バリアシート繊維質マットが存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供する工程と、
セメント質パネルと空気/水バリア層との間に接着剤層を位置付ける工程と、を含み、
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面する石膏パネルの側面上の石膏パネル繊維マットに取り付けるか、または
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面するセメントパネルの側面に取り付けるか、または
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられ、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による。
【0137】
このため、空気/水バリアシートを適用する前に、繊維質マット面セメント質パネルは、パネル製造ライン上でサイズ決定するために切断される。このため、空気/水バリアシートを適用した後、繊維質マット面セメント質パネルは、建築現場への輸送に好適なものとなる。
【0138】
接着剤の層によるセメント質パネルまたは空気/水バリアシートのうちの少なくとも1つの表面全体の少なくとも1つのコーティングは、セメント質パネルと空気/水バリアシートとの間に位置付けられることに好適な少なくとも1つの接着剤を提供するための、スプレーコーティング、ロールコーティングまたはフラッドコーティングによるものであり得る。
【0139】
このため、第1の方法では、接着剤の層は、硬化したセメント質コアを有する繊維質マット面セメント質パネル上の繊維質マットに適用されて、接着剤層を有するラミネートを形成し得、次いで空気/水バリアシートが適用されて、繊維質マット面セメント質パネルの側面上の繊維質マット上の接着剤層と接触する。
【0140】
好ましくは、接着剤は、第1の繊維質マット上に堆積されている間は未硬化(架橋されていない)であり、空気/水バリアシートを繊維質マット面セメント質パネル上の接着剤層に適用している間は硬化せず、次いで、空気/水バリアシートの繊維質マット面セメント質パネルの接着剤層への適用後に硬化させる。
【0141】
石膏パネルおよびセメントパネルから外部外装パネルを作製するための第1の方法では、接着剤の層は、空気/水バリアシートに適用されて、接着剤層を有するラミネートを形成することができる。次いで、ラミネートは、硬化したセメント質コアを有するセメント質パネルに適用されて、接着剤層を繊維質マット面セメントパネルの側面上の繊維質マットと接触し、接着剤が石膏パネルの側面に適用される場合、接着剤は、少なくとも1つの繊維質マットカバーシートに適用される。これは、未硬化の接着剤の層を空気/水バリアシートの一方の側面に適用すること、および次いで接着剤がまだ硬化されていない間に接着剤でコーティングされた空気/水バリアシートをセメント質パネルの表面に適用することを含む、ラミネーションプロセスを含む。接着剤でコーティングされた空気/水バリアシートは、次いで、セメント質パネルに対して押し付けられて、空気/水バリアシート内のいかなるしわも平滑にし、接着剤層がセメント質パネルの表面に十分に結合されることを確実とする。次いで、ラミネートされたセメント質パネルは、室温に保持されて、接着剤を硬化させる。セメント質パネルおよび空気/水バリアシートは、両方とも、硬化期間中の収縮のリスクを低減するために、ラミネーションプロセス中は室温に保持される。硬化期間は、使用する接着剤によるが、ほとんどの水性エチレンビニル接着剤の場合、硬化期間は、数分である。
【0142】
このため、接着剤は、典型的に、未硬化の接着剤の層を空気/水バリアシートの一方の側面に適用している間、未硬化(架橋されていない)であり、接着剤でコーティングされた空気/水バリアシートを繊維質マット面セメント質パネルの表面に適用している間、硬化せず、次いで、空気/水バリアシートの繊維質マット面セメント質パネルの接着剤層への適用後に硬化させる。
【0143】
ラミネーションプロセスは、典型的に、ラミネート機で実行される。ラミネート機は、市場で容易に入手可能である。これらのラミネート機は、典型的に、空気/水バリアシートの連続ロールの一方の側面に接着剤を適用し、次いで、一連のローラを介してコーティングされた空気/水バリアシートを壁パネルに押圧する。
【0144】
第1の方法の代替案では、接着剤の層は、セメント質パネルの側面に適用され、接着剤が石膏パネルの側面に適用される場合、接着剤は、少なくとも1つの繊維質マットカバーシートに適用される。
【0145】
B.2.セメントパネルコアを有するセメント質パネルの製造中に空気/水バリアを適用する
硬化した水硬性セメントおよび任意選択的にセメントコアの中に、またはセメントコアの表面の上に埋め込まれたスクリムの層を含む、セメントパネルコアを有する外部外装パネルを作製するための第2の方法では、空気/水バリア層が、セメントパネルの製造中に適用される。この方法は、接着剤層によって第1の繊維質マットにラミネートされた空気/水バリアを用いる。次いで、セメント質スラリーが、外部外装パネルのための製造ライン内のラミネートされた第1の繊維質マット上に堆積される。この方法は、埋め込まれたスクリムを有するセメントパネル、または埋め込まれた強化繊維を有するセメントパネル、例えば、構造セメントパネルに対して好ましくは用いられる。
【0146】
例えば、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性スラリーから作製され、反応性粉末は、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含み、任意選択的に、セメントパネルは、硬化セメント質コアの中に、または硬化セメント質コアの表面の上に埋め込まれたスクリムの層を有する、セメントパネルセメント質コアを有する外部外装パネルを作製するこの方法は、以下の工程:
空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層の外層を含む、空気/水バリアシートを提供する工程であって、空気/水バリアシート繊維質マット(典型的に、不織)が、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供する工程と、
繊維質マットが移動面から離れて上向きの状態で、空気/水バリアシートを製造ラインの移動面上に供給する工程と、
任意選択的に、移動面から離れて上向きの空気/水バリアシート繊維質マットを覆うためにスクリムを供給する工程と、
次いで、空気/水バリアシートおよび任意選択的なスクリムが移動面上を移動している間に、水性混合物を、空気/水バリアシート繊維質マットおよび任意選択的にスクリム上に堆積させる工程であって、水性混合物が、繊維質マットに浸透し、任意選択的なスクリムが存在する場合、任意選択的なスクリムを埋め込む、堆積させる工程と、
次いで、水性混合物を硬化(硬くする)させて、パネル前駆体を形成し、パネル前駆体を所望の長さに切断して、セメントパネルコアを有する外装パネルを形成する工程であって、各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられており、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆する、形成する工程と、を含み、
接着剤層が、セメント質パネルと空気/水バリア層との間に位置付けられ、
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各外部外装パネルが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに取り付けられた1つの空気/水バリアシートを有し、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による。
【0147】
ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートが板の一方の側面にのみ使用されている場合、その結果、各板は、板の一方の側面上に複合空気/水バリア不織繊維質マットシートのそれぞれの単一のシートを有することになる。
【0148】
典型的には、提供された空気/水バリアシートは、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層の外層を含む。板製造ラインに供給する前に、予め作製されたラミネート繊維質マット空気/水バリアシートが、作製される。このため、例えば、異なる製造施設で作製され、板を製造するための施設に出荷され得、または板が製造される同じ施設において、別個の製造ラインで作製されることもできる。
【0149】
例えば、パネルの一方の側面上にラミネート繊維質マット空気/水バリアシートを有するセメントパネルを作製するために、予め作製されたラミネート繊維質マット空気/水バリアシートを使用する場合、下部の複合空気/水バリア不織繊維質マットシートが、形成プレートとして使用され、パネル製造ラインに供給される。典型的に、繊維質マットは、不織である。その後、スクリムが、パネル製造ライン任意選択的に供給されて、下部ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートを覆う。次いで、セメントスラリーが、下部ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートおよび任意選択的なスクリム上に堆積されて、スクリムを埋め込み、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織繊維層に浸透する。その後、任意選択的な第2の(上部)スクリムが、製造ラインに供給される。次いで、任意選択的な第2の(上部)スクリムが、セメントスラリーに圧入されて、任意選択的な第2の(上部)スクリムをセメントスラリーに埋め込む。このため、セメントスラリーは、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織布に浸透し、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織布と結合することができる。セメント板が形成された後、パネルは、窯に入り、通常の硬化期間が続く。その結果、各板は、板の一方の側面上に、複合空気/水バリア不織繊維質マットシート自体のそれぞれの単一のシートを有することになる。
【0150】
パネルの両側にラミネート繊維質マット空気/水バリアシートを有するセメントパネルを作製するために、予め作製されたラミネート繊維質マット空気/水バリアシートを使用する方法において、下部ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートは、形成プレートとして使用され、パネル製造ラインに供給される。その後、第1のスクリムが、パネル製造ラインに任意選択的に供給されて、下部複合空気/水バリア不織繊維質マットシートを覆う。次いで、セメントスラリーが、下部ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートおよび任意選択的な第1のスクリム上に堆積されて、スクリムを埋め込み、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織繊維層に浸透する。上部ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートは、任意選択的な第2の(上部)スクリムの後にラインに供給される。次いで、上部ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートおよび任意選択的な第2の(上部)スクリムは、セメントスラリーに圧入されて、スクリムを埋め込み、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織繊維層に浸透する。このため、セメントスラリーは、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織布に浸透し、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートの不織布と結合することができる。セメント板が形成された後、パネルは、窯に入り、通常の硬化期間が続く。その結果、各板の2つの対向する側面の各々が、ラミネート繊維質マット空気/水バリアシート自体のそれぞれの単一シートを有することになる。
【0151】
システム
別の態様では、本開示は、水の浸透および空気漏れを防止する本発明の少なくとも1つの外部外装パネルが取り付けられた骨組みを含むシステムに関する。具体的には、本発明は、(a)セメント質コアを含む繊維質マット面セメント質パネル、およびポリマーまたは鉱物繊維を含む少なくとも1つの繊維質マットと、(b)接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含む、空気/水バリアシートを含む外部外装パネルを提供し、空気/水バリアは、骨組みとは離れて外面に面する。ラミネート箔は、アルミニウム箔の層、ポリマーの層に取り付けられたアルミニウム箔の層、またはその上にアルミニウムの層がスパッタされたポリマーの層のいずれかを含む。ポリマーの層は、典型的に、ポリアクリレート、ポリウレタン、シリコーンエマルジョン、ポリスチレン、スチレン/アクリルコポリマー、およびそれらの組み合わせである。ポリマーの層は、典型的に、炭酸カルシウムを含まない。本製品は、建築物の外部で使用されて、不透過性の水/空気バリアおよび放射熱バリアを提供し得る。
【0152】
本明細書に記載の一体化パネルのいずれも、外向き材料として一体化された空気/水バリア膜で、締結具(例えば、ねじ、釘)を介して、1つ以上の壁スタッドまたは天井野縁に接着される一体化パネルを含むシステムの一部であり得る。2つの隣接するパネルは、好適な接合テープと接合化合物を使用して継ぎ目で接合される。所望される場合、追加のフラッシング層が、さらなる空気および水バリアとして追加され得る。外装材料(例えば、羽目板、鉄片、石)が、一体化されたパネルの外向きの表面にさらに接着される。システム全体は、パネルを通して構造物の内部への空気および水の浸透を防止するように設計される。
【0153】
図4は、本外壁システムで用いられ得る典型的な外部外装システム20の斜視図である。図4は、本発明の外壁システムに好適な金属スタッド壁の一方の側面に取り付けられた本発明の外部外装パネル2を示し、外部外装パネルは、セメント質パネル(例えば、図2または図3のパネル)の表面に接着された空気/水バリアシートを備えた、石膏パネルまたはセメントパネルから選択される、セメント質パネルを含む。図4は、複数の金属スタッド24、上部トラック26、下部トラック28を含む、金属スタッド壁「骨格」22を示す。外部外装パネル2は、壁を閉鎖し、壁の外面または表面を形成するために、あらゆる既知の方法で金属スタッド24の片側または両側に固定され得る。典型的な金属スタッド壁「骨格」は、参照により本明細書に組み込まれる、Collinsらの米国特許第6,694,695号に従って製造され得、これは、本発明の外壁システムを実現するための外部外装パネルとの組み合わせに好適である。この金属フレームシステムは、他の金属フレームが使用される場合もあるので、単に例示として提供されている。または、木枠が用いられてもよい。
【0154】
システムでは、外部外装パネルは、典型的に、1つ以上のねじ、釘、または接着剤によって骨組みに取り付けられる。また、システムでは、外部外装パネルは、典型的に、ねじまたは釘によって作製された穿孔を除いて、穿孔を有さない。
【0155】
本明細書に引用される全ての参考文献は、各参考文献が参照により組み込まれることが個々にかつ具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【0156】
本発明を記載する文脈において(特に、下記の請求項の文脈において)、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」という用語、ならびに同様の指示語の使用は、本明細書で別途記載のない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含するように解釈されるものである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、および「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、オープンエンドな用語(すなわち、「限定されるものではないが、含む(including,but not limited to)」を意味する)として解釈されるものである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、その範囲内にある各個別の値を個々に参照する簡単な方法として役立つことを単に意図し、各個別の値は、あたかも本明細書に個々に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で別途記載のない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で実施され得る。本明細書に提供される、いずれのおよび全ての例および例示的な用語(例えば、「など」)の使用は、本発明の理解をより容易にすることを単に意図し、請求項に別途記載されない限り、本発明の範囲に制限を課さない。本明細書における用語は、特許請求の範囲に記載されていない要素を本発明の実施にとって不可欠であるとして示すものと解釈されるべきではない。
【0157】
別様に特定されない限り、全てのパーセンテージ、比、および平均分子量は、重量ベースである。
【0158】
実施例1
以下の実施例は、本発明による繊維質マット面セメント質物品を例解する。パネルを、次のように試験ように準備する。
【0159】
使用した石膏パネルベース板は、厚さ1/4インチ、幅12インチx長さ24インチのコーティングされたガラスマット板で、95重量%より大きい漆喰(硫酸カルシウム半水和物)を有する水性石膏スラリー混合物を、乾燥(無水)ベースで硬化させることから作製される。
【0160】
バリアシートは、20#Natural Kraft/000285 Foil Duplexラミネート箔フェーサである。このバリアシートは、3つの層、すなわち、厚さ約0.000285インチのアルミニウム箔の層、クラフト紙の層、および箔と紙の層を互いに取り付けるための、箔と紙の層との間の接着剤層の3つの層を有する。これは、本発明が非紙層、例えば、クラフト紙の層ではなく、ポリマー層を使用する際の概念実証の例である。
【0161】
合成エラストマ系の接着剤を使用して、箔フェーサを石膏パネルにラミネートする。接着剤を、箔フェーサ(紙の裏面)および石膏コーティングされたマット面にスプレーで適用し、粘着させ、2つの部品を接合し、ワイド接合ナイフを使用して、複合パネルを平滑にする。次に、複合体を、110°Fの実験室オーブンで2時間乾燥させる。図5は、上記のように調製され、本実施例のために試験された複合パネルの写真を示す。
【0162】
本明細書の目的のために、パーマの単位は、ASTM E96(2016)のProcedure Aによる乾燥剤法を使用する、乾燥剤法を使用して測定されたものとして国際住宅法(International Residential Code)によって定義される。我々が実行した実施例は、同様にこの手順による。
【0163】
実施例では、水蒸気透過性測定は、ASTM E96(2016)、Standard Test Methods for Water Vapor Transmission of Materialsにより行う。乾燥カップ測定を実行する。分析された試料を、面積33.18cm2に切断する。それらを、金属製カップの開口部にワックスで密封する。カップは、(カップ内にほぼ0%のRHを提供するために)400°F(204℃)で焼成されたシリカゲル乾燥剤を含有する。試料と乾燥剤との間の空間を、約0.25インチに維持する。カップを、自動計量システムを備える環境チャンバに配置する。環境チャンバの内部を、73.4°F(23℃)および50%の相対湿度に維持する。各カップを、7日間にわたって定期的に計量する。カップ/試料アセンブリの質量対時間のプロットを、測定データを使用して行う。ASTM E96(2016)に記載されているように、プロットの選択した部分を、一次方程式に適合させ、勾配をカップの開口部と内外の相対湿度(RH)の差と使用して、試料の透過性を計算する。勾配を取得するために、少なくとも6つのデータポイントを使用する。
【0164】
この試験から得られた3つの試料は、試験された構造全体に対して0.13パーマの平均パーマ率を有する。
【0165】
実施例2-セメント板
本実施例は、ANSI A118.10に準拠した延伸高密度ポリエチレン(HDPE)、クロスラミネートコア防水バリアシートを含む、複合空気/水バリア不織繊維質マットシートを用いる(表1)。厚さが12milと薄いシートは、<0.1パーマ率の不透過性水/空気バリアを有するために、ASTM E96(2016) Procedure E(100°Fおよび相対湿度90%)により試験を行うとき、0.023パーマと非常に低いパーマ率を有する。
【0166】
表1で参照されたASTM E96(2016) Procedure Eは、100°F、90%RHにおける乾燥剤法である。ASTM E96(2016) Procedure Eは、本明細書内の他の箇所で引用される、73.4°F、50%相対湿度(RH)での乾燥剤法である、ASTM E96(2016) Procedure Aとは異なる。表1で参照される防水性試験は、水/空気バリアについて、AATCC127において説明される耐水性試験と非常に類似する。
【表1】
【0167】
試験が行われた複合空気/水バリア不織繊維質マットシートは、7層複合体(ラミネート/接着剤層を含む)である。合計7層に対して、ポリエチレン(PE)樹脂接着剤層で各側部にラミネートされた不織ポリプロピレン(PP)層を有する。延伸単一プライは、引き裂き抵抗および靭性を提供するために、機械方向から約90°および約45°で、延伸方向を交差させてラミネートされる。表2は、7層の複合構造を示す。
【0168】
【表2】
【0169】
公称半インチの厚さの板を、水性セメントスラリーを作製し、それを複合空気/水バリア不織繊維質マットシートを適用して、水性セメントスラリーを型内の不織ポリプロピレンの外部層と接触させることによって作製する。セメントスラリーを、不織ポリプロピレンの外部層に浸透させ、スクリムを埋め込む。スクリムおよび空気/水バリアを、セメント板の両方の側部に適用する。このため、スクリムの層および複合空気/水バリア不織繊維質マットシートの層もまた、水性スラリーの両側に適用する。セメントスラリーを、この複合空気/水バリア不織繊維質マットシートの不織ポリプロピレンの外部層に浸透させ、スクリムを埋め込み、かつ良好な結合を形成する。セメント板を形成した後、それを窯内で乾燥させる。表3は、この実施例で作製されたセメント板のための水性セメントスラリーの配合物を示す。
【0170】
【表3】
【0171】
実際には、セメント板を作るために、空気/水バリアを、一方の側面または両方の側面に適用することができる。両方の側面で使用する場合、下部の膜は、成形プレートとして使用され、スクリムの前にラインに供給される。上部の膜は、上部のスクリムの後にラインに供給される。セメントスラリーは、スクリムを埋め込み、膜の不織布に浸透して、不織布をセメント板と結合する。セメント板を形成した後、板は、乾燥のために窯に入れ、硬化および切断が続く。この製品構成は、既存のセメント板ラインのわずかな調整のみを必要とする。
【0172】
実施例3
本実施例の製品構成は、表3の水性セメントスラリーと、フィルムの一方の側部または両方の側部上で、不織ポリプロピレン(PP)布に取り付けられた高弾性率延伸ポリスチレンフィルム(OPS)で作製されたバリア層を含む複合空気/水バリア不織繊維質マットシートを使用する。OPSフィルムは、優れた引張強度、弾性率、引裂強度、および低い水蒸気透過性を有する。不織布は、セメントコアおよび板の表面上の任意の仕上げ材料への結合を促進する。しかし、異なる複合空気/水バリア不織繊維質マットシートを使用するために、このセメント板を、実施例2と同じ方法で、公称半インチの厚さの板になるように作製する。このため、セメント板を、表3の水性セメントスラリーをスクリム層および高弾性OPSフィルムで作られたバリア層に適用して、スクリムを埋め込み、セメントスラリーを不織ポリプロピレンの外部層と接触させることによって作製し、セメントスラリーを不織ポリプロピレンの外部層に浸透させ、スクリムを埋め込む。セメントスラリーがスクリムを通って膜の不織布に浸透し、良好な結合を形成する。実施例2のように、スクリムおよび空気/水バリアを、セメント板の両方の側面に適用する。セメント板を形成した後、それを窯内で乾燥させる。
【0173】
表4は、高弾性率延伸ポリスチレンフィルム(OPS)で作製されたバリア層の典型的な特性を列挙する。
【0174】
【表4】
【0175】
発明の条項
下記の条項は、本発明の様々な態様を説明する。
【0176】
条項1.建築物外部外装パネルであって、
セメント質パネルであって、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、セメント質パネルと、
セメント質パネルを覆い、セメント質パネルに取り付けられている、空気/水バリアシートであって、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、空気/水バリアシート繊維質マットが存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、空気/水バリアシートと、
セメント質パネルと空気/水バリア層との間の接着剤層と、を備え、
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面する石膏パネルの側面上の石膏パネル繊維マットに取り付けるか、または
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面するセメントパネルの側面に取り付けるか、または
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられ、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による。
【0177】
条項2.石膏パネルを含み、セメント質コアが、少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、条項1に記載の外装パネル。
【0178】
条項3.セメントパネルを含み、セメント質コアが、30重量%超、典型的には少なくとも40重量%、より典型的には少なくとも60重量%の水硬性セメントを含む、条項1に記載の外装パネル。
【0179】
条項4.セメントパネルが、セメントコアの中に、またはセメントコアの表面の上に埋め込まれたスクリムの層を含む、セメントパネルを含む、条項1に記載の外装パネル。
【0180】
条項5.セメント質コアが、乾燥(無水)ベースで、
50~95重量%の反応性粉末と、
内部に軽量充填剤として均一に分布された1~20重量%のコーティングされた疎水性膨張パーライト粒子であって、コーティングされた疎水性パーライト粒子が、約1~500ミクロン(マイクロメートル)の範囲の直径、体積サイズ分布ベースで測定される際、20~150ミクロン(マイクロメートル)の中位径、および約0.50g/cc未満の有効粒子密度(比重)を有する、疎水性膨張パーライト粒子と、
0~25重量%の中空セラミックミクロスフェアと、
3~16重量%の均一に分布した耐アルカリ性ガラス繊維と、を含む、セメント質組成物の水性混合物を硬化することから生じ、
反応性粉末が、
25~75重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物と、
ポルトランドセメントを含む10~75重量%の水硬性セメントと、
0~3.5重量%の石灰と、
5~30重量%の活性ポゾランと、を含み、
パネルセメント質コアが、50~100ポンド毎立方フィートの密度を有する、条項1に記載の外装パネル。
【0181】
条項6.セメント質コアが、反応性粉末を含む水性混合物を硬化することから生じ、反応性粉末が、
35~75重量%、好ましくは45~65重量%、より好ましくは55~65重量%の硫酸カルシウムアルファ半水和物と、
20~55重量%、好ましくは25~40重量%のポルトランドセメントなどの水硬性セメントと、
0.2~3.5重量%の石灰と、
5~25重量%、好ましくは10~15重量%の活性ポゾランと、を含み、
セメント質コアの連続相が、耐アルカリ性ガラス繊維で均一に強化されている、条項1に記載の外装パネル。
【0182】
条項7.金属シートが、アルミニウム箔であり、コーティングされた金属シートが、コーティングされたアルミニウム箔である、条項1に記載の外装パネル。
【0183】
条項8.ポリマーシートが、高密度ポリエチレンシート、または金属化ポリマーシートである、条項1に記載の外装パネル。
【0184】
条項9.空気/水バリアシートが、ポリマーシートを含み、ポリマーシートのポリマーが、ポリエチレン、ゴム、ポリアクリレート、ポリウレタン、ポリスチレン、スチレンアクリルコポリマー、またはそれらの組み合わせを含む、条項1に記載の外装パネル。
【0185】
条項10.ポリマー層が、0.001~0.020インチの範囲の厚さを有する、条項1に記載の外装パネル。
【0186】
条項11.条項1~10のいずれかに記載の石膏パネルまたはセメントパネルから外部外装パネルを作製する方法であって、
セメント質パネルを提供することであって、セメント質パネルが、
石膏パネルであって、石膏パネルコア層であって、石膏パネルコア層が、75重量%超の硫酸カルシウム二水和物、典型的には少なくとも85重量%の硫酸カルシウム二水和物、より典型的には少なくとも95重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、石膏パネルコア層と、カバーシートとして石膏パネルコア層に取り付けられた石膏パネル繊維質マットであって、石膏パネル繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、石膏パネル繊維質マットが、紙繊維を含まず、石膏パネル繊維質マットが、セルロースを含まない、石膏パネル繊維質マットと、を含む、石膏パネル、または
セメントパネルコア層を含むセメントパネルであって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含む、セメントパネル、から選択される、セメント質コアを含む、提供することと、
セメント質パネルを覆い、セメント質パネルに取り付けられる空気/水バリアシートを提供することであって、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層を含み、空気/水バリアシートが、空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層を任意選択的に有し、空気/水バリアシート繊維質マットが存在する場合、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供することと、
セメント質パネルと空気/水バリア層との間に接着剤層を位置付けることと、を含み、
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面する石膏パネルの側面上の石膏パネル繊維マットに取り付けるか、または
接着剤層が、空気/水バリアシートの側面の表面全体を、空気/水バリアシートに面するセメントパネルの側面に取り付けるか、または
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられ、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による、方法。
【0187】
条項12.接着剤層が、セメント質パネルと空気/水バリアシート層との間に接着剤層を位置付けるために、スプレーコーティング、ロールコーティング、またはフラッドコーティングによって、セメント質パネルまたは空気/水バリアシートの少なくとも1つの少なくとも1つの表面全体に適用される、条項11に記載の方法。
【0188】
条項13.接着剤の層が、硬化したセメント質コアを有する繊維質マット面セメント質パネル上の繊維質マットに適用されて、接着剤層を有するラミネートを形成し、次いで空気/水バリアシートが適用されて、繊維質マット面セメント質パネルの側面上の繊維質マット上の接着剤層と接触する、条項11に記載の方法。
【0189】
条項14.接着剤層が、空気/水バリアシートに適用されて、接着剤層を有するラミネートを形成し得、次いで、ラミネートが、硬化セメント質コアを有するセメント質パネルに適用されて、接着剤層をセメント質パネルの側面上の繊維質マットと接触させる、条項11に記載の方法。
【0190】
条項15.セメントパネルを有する、条項3~10のいずれかに記載の外部外装パネルを作製する方法であって、セメントパネルセメント質コアが、乾燥(無水)ベースで50~100重量%の反応性粉末を含有する水性混合物から作製されており、反応性粉末が、少なくとも10重量パーセントの硬化水硬性セメント、および最大75重量%の硫酸カルシウム二水和物を含み、
空気/水バリア層に取り付けられた空気/水バリアシート繊維質マット層の外層を含む、空気/水バリアシートを提供することであって、空気/水バリアシート繊維質マットが、ポリマー繊維、ガラス繊維、鉱物繊維、またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含み、空気/水バリアシート繊維質マットが、紙繊維を含まず、空気/水バリアシート繊維質マットが、セルロースを含まない、提供することと、
繊維質マットが移動面から離れて上向きの状態で、空気/水バリアシートを製造ラインの移動面上に供給することと、
任意選択的に、移動面から離れて上向きの空気/水バリアシート繊維質マットを覆うためにスクリムを供給することと、
次いで、空気/水バリアシートおよび任意選択的にスクリムが移動面上を移動している間に、水性混合物を、空気/水バリアシート繊維質マットおよび任意選択的にスクリム上に堆積させることであって、水性混合物が、繊維質マットに浸透し、任意選択的なスクリムが存在する場合、任意選択的なスクリムを埋め込む、堆積させることと、
次いで、水性混合物を硬化(硬くする)させて、パネル前駆体を形成し、パネル前駆体を所望の長さに切断して、セメントパネルコアを有する外部外装パネルを形成することであって、各それぞれの空気/水バリアシートが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに個別に取り付けられており、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆する、形成することと、を含み、
接着剤層が、セメント質パネルと空気/水バリア層との間に位置付けられ、
空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれているとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付け、
各外部外装パネルが、単一のそれぞれのセメント質パネルのみに取り付けられた1つの空気/水バリアシートを有し、各それぞれの空気/水バリアシートが、それぞれのセメント質パネルの側面を完全に被覆し、
空気/水バリアシートが、0.15以下、好ましくは0.1以下の範囲のパーマ率を有し、空気/水バリアシートが、接着剤の層によって繊維質マット面セメント質パネルの少なくとも1つの繊維質マット面表面に接着された、金属シート(例えば、アルミニウム箔)、コーティングされた金属シート(例えば、コーティングされたアルミニウム箔)、ポリマーシート(例えば、高密度ポリエチレンシートのようなポリエチレンシート)、金属化ポリマーシート、またはそれらの組み合わせのいずれかを含み、金属シートおよびコーティングされた金属シートの金属シートが、0.0002~0.005インチ、典型的には0.0002~0.003インチの厚さを有し、パーマ率が、ASTM E96(2016)のProcedure Aの乾燥剤法による、方法。
【0191】
条項16.スクリムが、繊維質マットを覆うように供給される、条項15に記載の方法。
【0192】
条項17.ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートが、予め作製される、条項15に記載の方法。
【0193】
条項18.ラミネート繊維質マット空気/水バリアシートが、接着剤を、空気/水バリアシートの側面に直接適用すること、および空気/水バリアシートの接着剤支持側面を、繊維質マットに直接接触させて、繊維質マットラミネート空気/水バリアシートを形成することによって、製造ライン上で作製される、条項15に記載の方法。
【0194】
条項19.
空気/水バリアシートが、予め作製されており、空気/水バリアシート繊維質マット層がセメントコア層内に埋め込まれるとき、接着剤層が、空気/水バリア層の側面の表面全体を空気/水バリアシート繊維質マット層に取り付けるか、または
空気/水バリアシートが、接着剤層を空気/水バリア層の側面に直接適用すること、および空気/水バリア層の接着剤支持側面を空気/水バリアシート繊維質マットに直接接触させることにより、製造ライン上で作製される、条項15に記載の方法。
【0195】
条項20.接着剤の層が、セメント質パネルと空気/水バリアシートとの間に接着剤層を位置付けるために、スプレーコーティング、ロールコーティング、またはフラッドコーティングによって、空気/水バリアシートの少なくとも1つの表面全体に適用される、条項11または18に記載の方法。
【0196】
条項21.建築物の外部外装システムであって、請求項1~10のいずれかに記載の複数の外部外装パネルが取り付けられている骨組みを含み、空気/水バリアが、骨組みから離れて外部に面し、外部外装パネルが、建築物の外部にある、外部外装システム。
【0197】
条項22.外部外装パネルが、任意の1つ以上のねじ、釘、または接着剤によって骨組みに取り付けられている、条項21に記載のシステム。
【0198】
条項23.外部外装パネルが、ねじまたは釘によって作製された穿孔を除いて、穿孔を有しない、条項22に記載のシステム。
図1
図2
図3
図3A
図3B
図3C
図4
図5
【国際調査報告】