(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】バッテリー交換中のオートレベリングの防止
(51)【国際特許分類】
B60L 53/80 20190101AFI20220107BHJP
【FI】
B60L53/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524073
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(85)【翻訳文提出日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019083592
(87)【国際公開番号】W WO2020115091
(87)【国際公開日】2020-06-11
(32)【優先日】2018-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】399023800
【氏名又は名称】コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ラモイウ・ラドゥ・アンドライ
【テーマコード(参考)】
5H125
【Fターム(参考)】
5H125AA01
5H125AC12
5H125BC26
5H125CC01
(57)【要約】
本発明は、バッテリー交換中のオートレベリングを防止する方法及びそのコンピュータプログラムについて言及する。本発明による、バッテリー交換中のオートレベリングを防止する方法は、バッテリー交換を管理する第1の電子制御ユニット(100)及びサスペンションシステムの第2の電子制御ユニット(200)を備える電気自動車に対してはたらき、それぞれのECU(電子制御ユニット)(100、200)は内部バスシステムによって通信する。この方法は、以下のステップ:(51)第1のECUから第2のECUへ、自動車がバッテリー交換を実施する準備が整っているという情報を送信するステップと、(52)一旦、第2のECUによって前述の情報が受け取られると、サスペンションシステムに対してレベリング禁止フラグをトリガーし、サスペンションシステムを無効にするステップと、(53)一旦、前述の無効化が行われると、バッテリー交換を開始できることを通知するようにフィードバック信号を設定するステップと、(54)バッテリー交換中に、バッテリー交換が進行中であることを通知するように前述のフィードバック信号を設定するステップと、(55)バッテリー交換が完了した際に、バッテリー交換が正常に終了したことを第2のECUに通知し、サスペンションの有効化を可能にするステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリー交換中のオートレベリングを防止する方法であって、前記方法は、バッテリー交換を管理する第1の電子制御ユニット(100)及びサスペンションシステムの第2の電子制御ユニット(200)を備える電気自動車に対してはたらき、前記それぞれのECU(電子制御ユニット)(100、200)は内部バスシステムによって通信し、
それによって、以下のステップ:
(S1)前記第1のECUから前記第2のECUへ、前記自動車がバッテリー交換を実施する準備が整っているという情報を送信するステップと、
(S2)一旦、前記第2のECUによって前記情報が受け取られると、前記サスペンションシステムに対してレベリング禁止フラグをトリガーし、前記サスペンションシステムを無効にするステップと、
(S3)一旦、前記無効化が行われると、バッテリー交換を開始できることを通知するようにフィードバック信号を設定するステップと、
(S4)バッテリー交換中に、バッテリー交換が進行中であることを通知するように前記フィードバック信号を設定するステップと、
(S5)バッテリー交換が完了した際に、前記バッテリー交換が正常に終了したことを前記第2のECUに通知し、サスペンションの有効化を可能にするステップと、を含む方法。
【請求項2】
請求項1~3の何れか一項に記載の故障診断方法において、前記無効化(S2)は、全てのレベリング及び圧力補償を一時的に防止することによって行われることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1~3の何れか一項に記載の故障診断方法において、前記有効化(S5)は、圧力補償をトリガーすることによって行われることを特徴とする、方法。
【請求項4】
前記電子制御ユニット(100、200)によって実行されることになるコンピュータプログラムにおいて、請求項1に記載の方法を実施できるようにコマンドラインを統合することを特徴とする、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気自動車のバッテリー交換中のオートレベリングを防止する方法及び関連するコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の来たる新時代では、ガソリンスタンド又は自動車整備工場において、数分以内に、(自動車の底部の下に配置される)バッテリー全体を新品の完全に充電されたバッテリーと交換するために、自動化システムが使用されるであろうことが知られている。例えば、米国特許第9643574B2号明細書は、エネルギー貯蔵装置の交換及び急速充電のためのそのような装置について記載しており、また、米国特許第2017225662A1号明細書は、電気自動車の消耗したバッテリーパックを充電されたバッテリーパックと交換するための複数のバッテリー交換ステーションを備えた車両バッテリー交換システムについて記載している。
【0003】
たとえ車のメインバッテリーが取り外されたとしても、この車は、利用可能な使用中の蓄え(例えば、小型の12Vバッテリー)を依然として有していることがあり、それにより、この車の全てのシステム及び機能が作動したままになる。それにも関わらず、この新規技術と共に、多くの安全上の問題が発生することがあり、そのうちの1つは、バッテリー交換中の電気エアサスペンションの不適切な作動である。空気バネサスペンションは、複数の場合において、車両を押し上げるか又は下げることによりオートレベリングすることができ、複数の場合の1つは、搭載量の変化の検出である。すなわち、バッテリーを取り外すことにより、かなりの質量が車両から解放されることになる。このシナリオでは、全ての空気バネの圧力が変化し、サスペンションは、車両を下げることにより、この圧力の変化を調節する。しかしながら、古いバッテリーの取り外し又は新しいバッテリーの設置中のいかなる動きも、甚大な損傷を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この理由のために、バッテリー交換中のオートレベリングを防止し、そのような動作の安全性が確認された後でのみオートレベリングを開始できるようにする必要性がある。
【0005】
従って、本発明の主な目的は、バッテリー交換中の動作上の安全性を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、この目的は、独立請求項の主題、即ちバッテリー交換中のオートレベリングを防止する方法、並びに関連するコンピュータプログラムによって、達成される。
【0007】
更なる有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0008】
本発明の第1の態様は、バッテリー交換中のオートレベリングを防止する方法であり、この方法は、バッテリー交換を管理する第1の電子制御ユニット及びサスペンションシステムの第2の電子制御ユニットを備える電気自動車に対してはたらき、それぞれのECU(電子制御ユニット)は内部バスシステムによって通信し、それによって、この方法は、以下のステップを含む、即ち、第1のECUから第2のECUへ、車両がバッテリー交換を実施する準備が整っているという情報を送信するステップと、一旦、第2のECUによって前述の情報が受け取られると、サスペンションシステムに対してレベリング禁止フラグをトリガーし、サスペンションシステムを無効にするステップと、一旦、前述の無効化が行われると、バッテリー交換を開始できることを通知するようにフィードバック信号を設定するステップと、バッテリー交換中に、バッテリー交換が進行中であることを通知するように前述のフィードバック信号を設定するステップと、バッテリー交換が完了した際に、バッテリー交換が正常に終了したことを第2のECUに通知し、サスペンションの有効化を可能にするステップと、を含む。
【0009】
本発明の即座の直接的な利点は、電気自動車に既に設置済のもの以外は、追加の外付けのハードウェア又は物理的部品を必要としないことであり、それに加えて、非常に低コストで実装できることである。更に、本発明の方法に関連して、広範な利点がある、即ち、人間が存在する場合の事故を防止する、自動車の安全性の水準があがる、バッテリー交換の自動化システムも保護する。
【0010】
本発明の第2の態様は、バッテリー交換中のオートレベリングを防止する上述した方法をコードラインとして統合するコンピュータプログラムである。
【0011】
そのようなコンピュータプログラムを使用する利点は、自動化及び実装の自由度にある。
【0012】
本発明の更なる固有の特徴及び利点を、添付の図面による有利な実施形態についての以下の説明から得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで
図1を参照すると、バッテリー交換を管理する第1のECU100は、内部バスシステム(例えば、Flexray又はCAN)によって、自動車がバッテリー交換を実施する準備が整っていることを、サスペンションシステムの第2のECU200に通知する。一旦、この情報が第2のECU200によって受け取られると、第2のECU200は、サスペンションシステム全体に対してレベリング禁止フラグをトリガーし、全てのレベリング及び圧力補償を一時的に防止する。一旦、無効化が行われると、フィードバック信号が設定され、バッテリー交換プロセスを開始することができることを通知する。バッテリーの交換中、フィードバック信号は、バッテリー交換が進行中であることを反映するように、呼応して設定される。バッテリー交換が完了した際、やはり呼応して設定されるフィードバック信号は、バッテリー交換が正常に終了したことを第2のECU200に通知し、電気サスペンションを有効にし、電気サスペンションは、交換されたバッテリーの搭載量と適合するように車両の高さを調節する圧力補償を、直ちにトリガーする。
【0015】
オートレベリングを防止する方法は、前述の情報及びフィードバック信号を送受信することにより通信できるように、且つ、それぞれのシステムを作動させて、本発明の方法に従って、バッテリー交換及び/又はオートレベリングを行うことができるように、前述の電子制御ユニット上で実行されるソフトウェアプログラム中に対応するコードラインを挿入することを意味する。
【0016】
本発明の特定の実施形態について詳細に説明してきたが、本発明が関係する技術分野に精通している者は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明を実施するための、様々な代替の設計及び実施形態を認識するであろう。
【符号の説明】
【0017】
100 バッテリー交換を管理する電子制御ユニット
200 サスペンションシステムの電子制御ユニット
【国際調査報告】