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特表2022-506698圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法
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  • 特表-圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法 図1
  • 特表-圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法 図2
  • 特表-圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法 図3A
  • 特表-圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法 図3B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 11/06 20060101AFI20220107BHJP
   B60T 8/36 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
F15B11/06 C
B60T8/36
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524245
(86)(22)【出願日】2019-10-17
(85)【翻訳文提出日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 EP2019078301
(87)【国際公開番号】W WO2020094362
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】102018127822.5
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597007363
【氏名又は名称】クノル-ブレムゼ ジステーメ フューア ヌッツファールツォイゲ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Knorr-Bremse Systeme fuer Nutzfahrzeuge GmbH
【住所又は居所原語表記】Moosacher Strasse 80, D-80809 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】レーネ ヨンクマン
(72)【発明者】
【氏名】アレキサンダー クルムレイ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ケーニヒ
【テーマコード(参考)】
3D246
3H089
【Fターム(参考)】
3D246AA13
3D246BA03
3D246DA01
3D246GA11
3D246GB01
3D246LA32A
3H089AA02
3H089BB30
3H089DB02
3H089DB43
3H089DB73
3H089GG03
3H089HH05
3H089JJ14
(57)【要約】
出口ポート(P2)における圧力を制御するための弁アセンブリであって、入口ポート(P1)と、圧力シンク(S)と、第1の制御接続部(112)を備えた第1の弁(110)と、第2の制御接続部(122)を備えた第2の弁(120)とを備え、第1の弁(110)と第2の弁(120)とが入口ポート(P1)と圧力シンク(S)との間に直列に配置されており、第1の弁(110)と第2の弁(120)との間で出口ポート(P2)が分岐している。弁アセンブリは、第1の制御接続部(112)を制御可能に入口ポート(P1)に接続するか、または脱気する第1の制御弁(115)と、第1の制御接続部(122)を制御可能に出口ポート(P2)に接続するか、または脱気する第2の制御弁(125)とを含んでいる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出口ポート(P2)における圧力を制御するための弁アセンブリであって、入口ポート(P1)と、圧力シンク(S)と、第1の制御接続部(122)を備えた第1の弁(110)と、第2の制御接続部(122)を備えた第2の弁(120)とを備え、前記第1の弁(110)と前記第2の弁(120)とが、前記入口ポート(P1)と前記圧力シンク(S)との間に直列に配置されており、前記第1の弁(110)と前記第2の弁(120)との間で前記出口ポート(P2)が分岐している、弁アセンブリにおいて、
前記第1の制御接続部(112)を制御可能に前記入口ポート(P1)に接続するか、または脱気する第1の制御弁(115)と、
-前記第1の制御接続部(122)を制御可能に前記出口ポート(P2)に接続するか、または脱気する第2の制御弁(125)と、
が設けられていることを特徴とする、弁アセンブリ。
【請求項2】
前記第1の制御弁(115)が、電磁弁であって、該電磁弁が無通電状態において前記第1の制御接続部(112)を脱気し、
前記第2の制御弁(125)が、電磁弁であって、該電磁弁が無通電状態において前記第2の制御接続部(122)を前記出口ポート(P2)に接続する、
請求項1記載の弁アセンブリ。
【請求項3】
前記第1の弁(110)が、第1のダイヤフラム(113)を含み、該第1のダイヤフラム(113)が、前記第1の弁(110)の操作時に、前記入口ポート(P1)と前記出口ポート(P2)との間の接続部を開閉し、かつ/または
前記第2の弁(120)が、第2のダイヤフラム(123)を含み、該第2のダイヤフラム(123)が、前記第2の弁(120)の操作時に、前記出口ポート(P2)と前記圧力シンク(S)との間の接続部を開閉する、
請求項1または2記載の弁アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のダイヤフラム(113)には、前記入口ポート(P1)に圧力が加えられていない場合に前記第1の弁(110)を閉鎖するように、予荷重が加えられている、かつ/または
前記第2のダイヤフラム(123)には、前記出口ポート(P2)に圧力が加えられていない場合に前記第2の弁(120)を閉鎖するように、予荷重が加えられている、
請求項3記載の弁アセンブリ。
【請求項5】
前記入口ポート(P1)を介した流入を制限する絞り(105)が設けられている、請求項1から4までのいずれか1項記載の弁アセンブリ。
【請求項6】
車両ブレーキのためのアンチロックブレーキシステムであって、
出口ポート(P2)における圧力を制御するための、請求項1から5までのいずれか1項記載の弁アセンブリが設けられ、前記出口ポート(P2)が、前記車両のブレーキのブレーキシリンダに接続可能であることを特徴とする、アンチロックブレーキシステム。
【請求項7】
ABS介入が、第2の弁(120)による前記出口ポート(P2)の脱気、ひいては前記ブレーキの短時間の解除を引き起こす、請求項6記載のアンチロックブレーキシステム(ABS)。
【請求項8】
請求項1から5までのいずれか1項記載の弁アセンブリ、または
請求項6または7記載のアンチロックブレーキシステム
が設けられていることを特徴とする、商用車。
【請求項9】
請求項1から5までのいずれか1項記載の弁装置により、出口ポート(P2)における圧力を制御するための方法であって、
入口ポート(P1)を介して第1の弁(110)により出口ポート(P2)に圧力を供給するステップと、
前記出口ポート(P2)における圧力を保持するために、前記第1の弁(110)を閉鎖するステップと、
前記出口ポート(P2)における圧力を降下させるために、第2の弁(120)により前記出口ポート(P2)を圧力シンク(S)に接続するステップと、
前記出口ポート(P2)における圧力で前記第2の弁(120)を制御することにより前記圧力シンク(S)への前記出口ポート(P2)の接続を遮断するステップと、
を含む、圧力を制御するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出口ポートにおける圧力を制御するための弁アセンブリおよび方法に関し、特に弁アセンブリの寿命を延長するための最適化された空気ガイドを有する弁アセンブリに関する。
【0002】
商用車用のニューマチック式ブレーキ装置のアンチロックブレーキシステム(ABS)では、ABSの介入時に空気圧が短時間の間部分的に強く減じられ、このようにして車輪のブロックを解除するか、もしくはブレーキを短時間の間解除することができる。この圧力降下は、たとえば排気弁により実施され、排気弁内のダイヤフラムには、現在の構造形態では、この短時間の圧力降下によって著しい負荷が加えられ、このことは同時に、弁アセンブリの寿命を制限する。
【0003】
図3Aおよび図3Bは、例示的に、ABS圧力制御に使用される、このような従来の弁アセンブリを示しており、ここで図3Aは回路図を、図3Bは、弁アセンブリの例示的な実施構成を示している。
【0004】
図3Aに示した弁アセンブリでは、入口ポートP1と圧力シンクSとの間に、第1の弁10および第2の弁20が直列に配置されている。第1の弁は、制御入口12を含んでおり、この制御入口12は、第1の制御弁15に接続されている。第1の制御弁15は、第1の弁10の制御接続部12を圧力シンクSに接続するか、または入口ポートP1に接続する。第2の弁20は、同様に制御入口22を含んでいる。この制御入口22は、第2の制御弁25を介して制御される。第2の制御弁25は、第2の弁20の制御接続部22を圧力シンクSに接続するか、または同様に入口ポートP1に接続する。示された弁アセンブリでは、入口ポートP1と、第2の制御弁25との間に、制御圧力管路40が形成されているので、入口ポートP1からの圧力が制御圧力として制御入口22に提供される。
【0005】
図3Bは、図3Aに示した回路構成の考え得る具体的な実施構成を示している。全ての圧力シンクSは、本構成では、脱気ポートP3に接続されている。この脱気ポートP3は、例示的に外周囲に接続されている。第1の弁10は、第1のダイヤフラム13を含んでおり、第2の弁20は、第2のダイヤフラム23を含んでいる。第1のダイヤフラム13は、入口ポートP1と出口ポートP2との間の接続部を開放および/または閉鎖するが、この場合、制御接続部12における圧力に応じて開放および/または閉鎖が行われる。制御接続部12に給気されていると、第1の弁10は閉鎖し、制御接続部12が脱気されていると、第1の弁10は開放する。第2のダイヤフラム23は、出口ポートP2と圧力シンクSとの間の接続部を開放および/または閉鎖するが、この場合、制御接続部22の圧力に応じて開放および/または閉鎖が行われる。制御接続部22に給気されていると、第2の弁20は閉鎖し、制御接続部22が脱気されていると、第2の弁20は開放する。図3Aに概略的に示したように、制御圧力管路40は、入口ポートP1と第2の制御弁25との間の通路として形成されている。
【0006】
第1の制御弁15には、無通電状態において、この第1の制御弁15が第1の弁10の制御接続部12を脱気するように、予荷重が加えられている。したがって、第1の弁10は、入口ポートP1に正圧が加えられている場合に、自動的に開放する。第2の制御弁25には、無通電状態において、この第2の制御弁25が入口ポートP1における圧縮空気を、制御圧力管路40を介して第2の弁20の制御接続部22に伝達するように、予荷重が加えられている。したがって、第2のダイヤフラム23の背面には、第2の制御弁25の非作動時に、継続的に入口ポートP1からの圧力が加えられている。
【0007】
示された(標準)位置では、入口ポートP1の圧力が、開放した第1の弁10を介して出口ポートP2に伝達される。しかし、今、ABS介入が実施されることが望ましく、この介入により第2の出口ポートP2における圧力を短時間の間降下することが望ましい場合、この圧力降下は、第2の弁20の開放を介して生じる。これにより、出口ポートP2が、圧力シンクS(P3)に接続される。このことは、第2の制御弁25への給電を介して行うことができ、このことは、制御接続部22の脱気を引き起こす。第2の制御弁25を使用しながら制御接続部22に新たに給気することは、制御接続部22における圧力を入口ポートP1からの圧力にまで高め、ひいては第2の弁20を閉鎖する。ABSの作動時に、入口ポートP1における圧力は、出口ポートP2における圧力よりも著しく高いことが多いので、このことは、入口ポートP1の圧力と出口ポートP2の圧力とを互いに対して隔てる第2のダイヤフラム23への著しい負荷につながる。これにより、弁アセンブリ全体の寿命が著しく短縮される。個別のダイヤフラムの交換は経済的に通常は有意義ではない。
【0008】
したがって、出口ポートにおける迅速かつ効果的な圧力制御を可能にするにもかかわらず、使用される弁の長寿命を確保する弁アセンブリに対する需要が生じる。このことは、特に自律走行にとって重要である。なぜならば、弁アセンブリにおいて使用される構成要素が継続的に高い負荷にさらされており、弁制御装置の著しく高められた寿命が所望されているからである。
【0009】
上述の問題のうちの少なくとも一部は、請求項1に記載の弁アセンブリおよび請求項9に記載の圧力を制御するための方法により解決される。従属請求項は、独立請求項に記載の対象の有利な実施形態を定義している。
【0010】
実施例は、出口ポートにおける圧力を制御するための弁アセンブリに関する。弁アセンブリは、入口ポートと、圧力シンクと、第1の制御接続部を備えた第1の弁と、第2の制御接続部を備えた第1の弁とを備え、第1の弁と第2の弁とは、入口ポートと圧力シンクとの間に直列に配置されており、第1の弁と第2の弁との間で出口ポートが分岐している。弁アセンブリは、さらに、第1の制御接続部を入口ポートに制御可能に接続するか、または脱気する第1の制御弁と、第1の制御接続部を出口ポートに制御可能に接続するか、または脱気する第2の制御弁とを含んでいる。
【0011】
任意には、第1の制御弁は、電磁弁である。電磁弁は、無通電状態において、第1の制御接続部を脱気する。第2の制御弁も電磁弁であってよく、無通電状態においてこの電磁弁は、第2の制御接続部を出口ポートに接続する。
【0012】
任意には、第1の弁は、第1のダイヤフラムを含んでいる。この第1のダイヤフラムは、第1の弁の操作時に、入口ポートと出口ポートとの間の接続部を開閉する。同様に、第2の弁は、第2のダイヤフラムを含んでいてよく、この第2のダイヤフラムは、第2の弁の操作時に、出口ポートと圧力シンクとの間の接続部を開閉する。
【0013】
任意には、第1のダイヤフラムには、入口ポートに圧力が加えられていない場合に、第1の弁を閉鎖するように、(たとえば、ばねによって)予荷重が加えられている。任意には、第2のダイヤフラムには、出口ポートに圧力が加えられていない場合に、第2の弁を閉鎖するように、(たとえば、別のばねによって)予荷重が加えられている。
【0014】
任意には、弁アセンブリは、入口ポートを介した(たとえば空気の)流入を制限するために、絞りを含んでいる。
【0015】
実施例は、特に商用車用の車両ブレーキのためのアンチロックブレーキシステムであって、出口ポートにおける圧力を制御するための、上記で定義された弁アセンブリを有しており、出口ポートが、(車両のブレーキの)ブレーキシリンダに接続可能である、アンチロックブレーキシステムにも関する。
【0016】
任意には、ABS介入は、第2の弁による出口ポートの脱気、ひいてはブレーキの短時間の解除を引き起こすことができる。
【0017】
実施例は、上記で定義されたような弁アセンブリまたは上記で定義されたようなアンチロックブレーキシステムを備えた商用車にも関する。
【0018】
実施例は、上記で定義されたような弁装置により出口ポートにおける圧力を制御するための方法にも関する。この方法は、
-入口ポートを介して第1の弁により出口ポートに圧力を供給するステップと、
-出口ポートにおける圧力を保持するために、第1の弁を閉鎖するステップと、
-出口ポートにおける圧力を(たとえば短時間、急激に)降下させるために、第2の弁により出口ポートを圧力シンクに接続するステップと、
-出口ポートにおける圧力で第2の弁を制御することにより圧力シンクへの出口ポートの接続を遮断するステップと
を含んでいる。
【0019】
両方のダイヤフラムの制御が直列式に制御されていない圧力により行われる、圧力を制御するための従来の弁アセンブリ(図3Aおよび図3Bを参照)とは異なり、実施例では変更された空気供給により、第2のダイヤフラム(排出ダイヤフラム)への負荷を第1のダイヤフラム(保持ダイヤフラム)のレベルへと下げることができる。これにより、モジュール全体の著しく長い寿命が達成される。したがって基本的には、出口ダイヤフラムには入口ダイヤフラムよりも著しく強い負荷はもはや加えられていない。出口ダイヤフラムにおける亀裂は、制御圧力の圧力降下により阻止することができるか、または極めて遅い時点になってからはじめて生じる。
【0020】
本発明の実施例は、種々異なる実施例の以下の詳細な説明および添付の図面に基づいてより良好に理解される。これらの実施例は、本開示を特別な実施形態に制限するものとして理解するべきではなく、単に説明および理解のために役立つものであると理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による実施例による、圧力を制御するための弁アセンブリの回路図である。
図2図1に示した弁アセンブリの可能な実施構成である。
図3A】従来の弁アセンブリの回路図である。
図3B】従来の弁アセンブリの実施構成である。
【0022】
図1は、本発明の1つの実施例による、圧力を制御するための弁アセンブリのための回路図を示している。図3Aに示した従来の弁アセンブリにおけるものと同様に、入口ポートP1と圧力シンクSとの間には、第1の弁110(たとえは保持弁)および第2の弁120(たとえば排出弁)が直列に配置されている。圧力シンクSは、周囲への1つ以上の開口を有しているか、またはより小さな圧力を有する1つ以上の領域を含んでいてよい。第1の弁110は、制御入口112を含んでいる。この制御入口112は、第1の制御弁115に接続されている。第1の制御弁115は、第1の弁110の制御接続部112を、圧力シンクSに接続するか、または入口ポートP1に接続する。第2の弁120は、同様に制御入口122を含んでいる。この制御入口122は、第2の制御弁125を介して制御される。第2の制御弁125は、第2の弁120の制御接続部122を圧力シンクSに接続するか、または出口ポートP2に接続する。破線は、弁の操作時の、第1の弁110および/または第2の弁120の可能なガイドを示唆している。
【0023】
図3Aに示した従来の弁アセンブリとは異なり、実施例では、出口ポートP2を第2の制御弁125に接続する制御圧力管路140が存在しているので、制御入口122における制御圧力は、出口ポートP2から提供され、入口ポートP1からは提供されない。
【0024】
第1の制御弁115および/または第2の制御弁125は、たとえば、予荷重が加えられた電磁弁であり、電磁弁は、無通電状態において優先位置を有している。したがって、第1の制御弁115は、無通電状態では、第1の弁110の制御接続部112を圧力シンクSに接続し、通電状態(作動状態)では、入口ポートP1に接続する。第2の制御弁25は、無通電状態では、第2の弁120の制御接続部122を出口ポートP2に接続し、作動状態では圧力シンクSに接続する。
【0025】
これにより、(たとえばブレーキが作動された場合に、)入口ポートP1における圧力が、第1の弁100により、出口ポートP2へと伝達される。この接続は、制御弁115による第1の弁100の切替えにより意図的に遮断するか、もしくは保持することができる。さらに、出口ポートP2における圧力は、第2の制御弁125により、第2の弁120の制御接続部122へと伝達される。第2の制御弁125が操作されない限り、出口ポートP2と圧力シンクSとの間の接続は遮断されたままであり、ブレーキ圧は保持される。
【0026】
例示的なABSが作動させられた場合、出口ポートP2における圧力が、少なくとも一時的に、著しく降下させられることが望ましい。このことは、第2の制御弁125の作動により達成される(第2の制御弁125が通電される)ので、第2の弁120の制御接続部122は脱気される。このことは、第2の弁120による圧力シンクSへの接続部の開放による出口ポートP2の脱気を引き起こす。
【0027】
図2は、図1に示す回路構成の考え得る具体的な実施構成を示している。この実施構成は同様に図3Aに示した実施構成に類似している。図2でも、全ての圧力シンクSは、脱気ポートP3に接続されている。脱気ポートP3は、同様に外周囲に接続されていてよい。従来の実施構成におけるように、第1の弁110は、第1のダイヤフラム113を含んでおり、第2の弁120は、第2のダイヤフラム123を含んでいる。さらに、示された実施構成は、任意の絞り105を含んでおり、これにより、弁アセンブリを通る通流量を所望の値に制限することができる。
【0028】
第1のダイヤフラム113は、入口ポートP1と出口ポートP2との間の接続部を開放および/または閉鎖するが、この場合、第1の弁110の制御接続部112の圧力に応じて開放および/または閉鎖が行われる。第1の弁110の制御接続部112に給気されていると、第1の弁110は閉鎖し、制御接続部112が脱気されていると、第1の弁110が開放する。
【0029】
第2のダイヤフラム123は、出口ポートP2と圧力シンクSとの間の接続部を開放および/または閉鎖するが、この場合、第2の弁120の制御接続部122の圧力に応じて開放および/または閉鎖が行われる。制御接続部122に給気されていると、第2の弁120は閉鎖し、制御接続部122が脱気されていると、第2の弁120は、圧力シンクSへの接続部を開放する。
【0030】
別の全ての構成要素は、図3Aおよび図3Bに示した従来の弁アセンブリにおけるものと同様の形式で構成されていてよい。
【0031】
しかし、図3Aに示した従来の実施構成とは異なり、出口ポートP2と第2の制御弁125との間には制御圧力管路140が形成されており、出口ポートP2における圧力が、制御圧力として、第2の弁20への給気のために使用され、従来のアセンブリにおけるように入口ポートP1からの圧力は使用されない。
【0032】
第1の制御弁115には、例示的に、ばねによって、この第1の制御弁15が無通電状態において第1の弁110の制御接続部112を脱気するように、予荷重が加えられている。したがって、第1の弁110は、入口ポートP1に正圧が加えられている場合に、自動的に開放する。第2の制御弁125には、同様に、ばねによって、この第2の制御弁125が無通電状態において圧縮空気を、制御圧力管路140を介して第2の弁120の制御接続部122に伝達されるように、予荷重が加えられている。したがって、第2のダイヤフラム123の背面には、継続的に出口ポートP2からの圧力が加えられている。
【0033】
例示的なアンチロックブレーキシステムの介入が行われることが望ましい場合(出口ポートP2における圧力がたとえば短時間だけ、または急激に降下させられることが望ましい場合)、このことは、第2の弁120の開放を介して生じる。これにより、出口ポートP2が、圧力シンクS(P3)に接続される。このためには、第2の制御弁125に、短時間だけ通電され、このことは、制御接続部122の脱気を引き起こすので、第2のダイヤフラム122は圧力シンクSへの開口を開放する。
【0034】
第2の制御弁125の無通電切替えによる制御接続部122への新たな給気は、制御接続部122における圧力を、出口ポートP2からの圧力へと高める。したがって、第2のダイヤフラム123の両側には、同一の圧力が加えられている。しかし、第2のダイヤフラム123には、(たとえばばねを介して)予荷重が加えられているので、第2のダイヤフラム123は、この場合、圧力シンクSへの開口を閉鎖する。第2のダイヤフラム123は、上側に位置する流れ通路への開口を閉鎖する。この流れ通路は、漏斗形の構造を介して脱気ポートP3の圧力シンクSに接続されている(接続部は図平面外に位置しているので、図2には単に概略的にしか図示されていない)。
【0035】
なお、圧力および通路ガイドは、任意に選択されていてよく、本発明は、特定の圧力状態および通路ガイドに制限されるものではない。
【0036】
しかし実施例の利点は、存在する圧力とは無関係に、第2のダイヤフラム123の両側に(ほぼ)同一の圧力が加えられている、すなわち出口ポートP2からの圧力が加えられていることにある。これにより、第2のダイヤフラム123への負荷が著しく減じられ、寿命が延長される。材料において著しく小さな負荷もしくは著しく小さな応力が生じ、これにより構成部材における損傷は少なくなる。
【0037】
明細書、特許請求の範囲および図面に開示された本発明の特徴は、単独でも任意の組み合わせでも本発明を実施するために重要であり得る。
【符号の説明】
【0038】
10,110 第1の弁
12,112 第1の弁の制御接続部
13,113 第1のダイヤフラム
15,115 第1の制御弁
20,120 第2の弁
22,122 第2の弁の制御接続部
23,123 第2のダイヤフラム
25,125 第2の制御弁
40,140 制御圧力管路
P1 入口ポート
P2 出口ポート
S,P3 圧力シンク/脱気ポート
図1
図2
図3A
図3B
【国際調査報告】