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特表2022-506734患者情報を計算するためのシステムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】患者情報を計算するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/346 20210101AFI20220107BHJP
   A61N 1/362 20060101ALI20220107BHJP
   A61N 1/39 20060101ALI20220107BHJP
   A61N 1/04 20060101ALI20220107BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20220107BHJP
   A61B 5/256 20210101ALI20220107BHJP
【FI】
A61B5/346
A61N1/362
A61N1/39
A61N1/04
A61B5/33 110
A61B5/33 120
A61B5/256 210
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524304
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 US2019060433
(87)【国際公開番号】W WO2020097438
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/757,961
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513228661
【氏名又は名称】アクタス メディカル インク
【氏名又は名称原語表記】Acutus Medical,Inc.
【住所又は居所原語表記】2210 Faraday Ave,Suite 100 Carlsbad CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャルフ グンター
(72)【発明者】
【氏名】シャルフ クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】レン-ユ チョウ デリック
(72)【発明者】
【氏名】アーネスト ビーティー グレイドン
(72)【発明者】
【氏名】フラハティ アール マクスウェル
(72)【発明者】
【氏名】フラハティ ジェイ クリストファ
【テーマコード(参考)】
4C053
4C127
【Fターム(参考)】
4C053BB23
4C053BB35
4C053BB36
4C053JJ01
4C053JJ13
4C053JJ23
4C053KK02
4C127AA02
4C127DD04
4C127LL13
(57)【要約】
本明細書で提供されるのは、患者情報を計算するためのシステム及び方法である。方法は、伝達行列を決定すること、記録位置の第1のセットに配置された記録電極の第1のセットを介して電位を記録し、記録された信号の第1のセットを作成すること、及び伝達行列を記録された信号の第1のセットに適用することにより、標的位置のセットに対する患者情報を計算することを含む。伝達行列は、記録位置の第1のセットと標的位置のセットとの間の組織の電気的特性の特徴付けである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の情報を計算する方法であって、
伝達行列を決定すること、
記録位置の第1のセットに配置された記録電極の第1のセットを介して電位を記録し、記録された信号の第1のセットを作成すること、及び、
前記伝達行列を記録された信号の前記第1のセットに適用することにより、標的位置のセットに対する患者情報を計算することを含む、
方法。
【請求項2】
記録電極の前記第1のセットは1つ以上の電極を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
記録電極の前記第1のセットは2つ以上の電極を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
記録電極の前記第1のセットは体表面電極、体内電極、経皮電極、皮下電極、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の電極を含む、請求項1~3のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項5】
記録電極の前記第1のセットは前記患者の皮膚上に配置された少なくとも1つの電極、心腔の心内膜表面上に配置された少なくとも1つの電極、及び/又は前記心腔の前記心内膜壁からオフセットされた心腔内の少なくとも1つの電極を含む、請求項1~4のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項6】
電極の前記第1のセットは前記患者の前記皮膚上に配置されるように構成された電極のセットを含み、白金イリジウム、金、ポリマコーティングなどのポリマ、炭素、銅、銀-塩化銀、導電性ゲル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1~5のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項7】
電極の前記第1のセットは前記患者の体内に配置されるように構成された電極のセットを含み、白金イリジウム、金、ポリマコーティングなどのポリマ、炭素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、請求項1~6のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項8】
記録電極の前記第1のセットは、位置特定信号を放出及び/又は受信するように構成された1つ以上の電極、ECG信号を生成するように構成された、少なくとも9つ又は少なくとも12個の電極を含むECGアレイなどの複数の電極、高密度ECGi信号を生成するように構成された複数の電極、心臓ペーシングエネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、除細動エネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、治療エネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含む、請求項1~7のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ、2つ、又はそれ以上の電極は、患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
記録電極の前記第1のセットは、前記患者衣服上及び/又は前記患者衣服内に配置される、請求項1~10のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項12】
前記患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
記録電極の前記第1のセットは、前記患者に対して垂直配置、水平配置、対角配置、及び/又は螺旋配置で配置される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
電極の前記第1のセットは、定義されたパターンで前記患者衣服上及び/又は前記患者衣服内に配置され、前記パターンは座標系を定義する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
電極の前記第1のセットは、
不整脈モニタリング、患者内に配置されたデバイスの位置特定、及び/又は患者の心臓の電気的情報、例えば電圧情報、双極子密度情報、及び/又は表面電荷情報のマップを供給するように構成される、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
記録位置の前記第1のセットは、前記患者の前記皮膚上の1つ以上の位置を含む、請求項1~15のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項17】
記録位置の前記第1のセットは、胸部、背中、胴体、肩部、腹部、頭蓋骨、顔面、腕、脚、股間、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
標的位置の前記セットは、患者内の1つ以上の位置を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記患者内の前記1つ以上の位置は、前記患者の心臓に近接する位置を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記患者内の前記1つ以上の位置は、心外膜表面、心臓組織内、心内膜表面、心腔内、心膜腔、心膜、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の位置を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
記録位置の前記第1のセットは前記患者内の1つ以上の位置を含む、請求項1~20のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項22】
記録位置の前記第1のセットは、心腔内、心内膜表面上、心外膜表面上、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の体内位置を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
記録位置の前記第1のセットは、食道、心外膜、心膜、前記心臓を取り囲む間質液及び/又はその他の組織構造、前記皮膚下の間質液及び/又はその他の組織構造、皮下組織、脊椎組織、脳組織、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の体内位置を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
記録位置の前記第1のセットは、患者の心臓内及び/又はそうでなければ前記患者の心臓に近接する1つ以上の位置を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
記録位置の前記第1のセットは、心外膜表面、心臓組織内、心内膜表面、心腔内、心膜腔、心膜、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の位置を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
記録位置の前記第1のセットは、前記患者の前記皮膚上の位置及び前記患者内の位置を含む、請求項1~25のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項27】
前記システムは、前記患者の前記皮膚上の電極と前記患者内の記録電極との間でソースとシンクを多重化するように構成される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記計算された患者情報は、電気的情報、電圧情報、表面電荷情報、組織電荷情報、双極子密度情報、組織密度情報、電気的記録フロー情報、インピーダンス情報、位相情報、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される情報を含む、請求項1~27のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項29】
前記計算された患者情報は組織密度情報を含む、請求項1~28のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項30】
前記組織密度情報は、経時的な組織密度の変化に関連する情報を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記経時的な組織密度の前記変化は、組織の切除によって引き起こされる変化を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記伝達行列は、記録位置の前記第1のセットと標的位置の前記セットとの間の組織の電気的特性の特徴付けを含む、請求項1~31のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項33】
前記伝達行列を決定することは、
駆動信号のセットを駆動位置のセットに配置された駆動電極のセットを介して放出すること、及び、
前記放出された駆動信号を記録位置の第2のセットに配置された記録電極の第2のセットを介して記録して、記録された信号の第2のセットを作成することを含み、
前記伝達行列は、記録された信号の前記第2のセットを駆動信号の前記放出されたセットと比較することによって決定される、
請求項1~32のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項34】
駆動電極の前記セットは1つ以上の電極を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
駆動電極の前記セットは2つ以上の電極を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記2つ以上の電極は互いに少なくとも2mm離して配置される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
駆動電極の前記セットは患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置される、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
駆動位置の前記セットは患者内の位置を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
駆動位置の前記セットは、心腔内、心内膜表面、心外膜表面、心膜腔、食道、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
駆動位置の前記セットは心臓内の位置を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項42】
記録位置の前記第2のセットは患者の皮膚上の位置を含む、請求項39に記載の方法。
【請求項43】
駆動位置の前記セットは患者の皮膚上の位置を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
駆動位置の前記セットは、胸部、背中、胴体、肩部、腹部、胸郭、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚位置を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
記録位置の前記第2のセットは患者内の位置を含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
記録位置の前記第2のセットは、心腔内、心内膜表面上、心外膜表面上、心膜、食道、心臓を取り囲む間質液及び/又はその他の組織構造、皮膚下の間質液及び/又はその他の組織構造、皮下組織、脊椎組織、脳組織、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記駆動信号は、
第1の駆動電極からの第1の周波数での第1の駆動信号、及び、
第2の駆動電極からの第2の周波数での第2の駆動信号を含み、
前記第1の周波数と前記第2の周波数は異なる、
請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号は同時に送達される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記駆動信号は、
第1の駆動電極からの第1の周波数での第1の駆動信号、及び、
第2の駆動電極からの第2の周波数での第2の駆動信号を含み、
前記第1の駆動信号と前記第2の駆動信号は順次送達される、
請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の周波数と前記第2の周波数は同じ周波数である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記伝達行列は、記録された信号の前記第2のセットの大きさ及び/又は位相を使用して決定される、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記伝達行列は、記録された信号の前記第2のセットの前記大きさ及び/又は位相と、駆動信号の前記セットの前記大きさ及び/又は位相との比較に基づく数値スケール因子を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記伝達行列は、記録された信号の前記第2のセットの前記大きさと位相を使用して決定される、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
駆動信号の前記セットの前記放出及び前記放出された駆動信号の前記記録は、患者の少なくとも1つの生理的周期にわたって起こる、請求項33に記載の方法。
【請求項55】
前記生理的周期は、心臓周期、呼吸周期、圧力周期、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される周期を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記伝達行列は前記患者の呼吸を補正する、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
前記伝達行列は前記患者の心臓の動きを補正する、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
前記伝達行列は、前記生理的周期と一致して変化する1つ以上の構成要素/因子を含む時間依存の伝達行列を含む、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
計算された患者情報の前記計算には、前記時間依存の伝達行列を前記生理的周期に合わせることを含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記伝達行列は、時間経過において比例的に適応可能である、請求項33に記載の方法。
【請求項61】
前記伝達行列の決定は、計算される及び/又は選択される標準化された伝達行列からの情報を組み込むことを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項62】
前記伝達行列の前記決定は、標準化された伝達行列を計算及び/又は選択することを含む、請求項1~61のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項63】
前記標準化された伝達行列は、患者パラメータに基づいて選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記患者パラメータは、性別、体重、身長、体又は体の部分のサイズ、ボディマス指数(BMI)、胸腔周囲、食道の位置、心房のサイズ、心房容積の充満、心房圧、脂肪対水分の比率、空気対水分対脂肪の比率、骨の位置、服用している薬剤、薬剤のレベル、電解質レベル、pH、pO、pCO、水分重量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるパラメータを含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記伝達行列は経時的に変更される、請求項1~64のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項66】
前記伝達行列は、少なくとも1つの変化する患者パラメータに基づいて変更される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記少なくとも1つの変化する患者パラメータは、少なくとも2つの変化する患者パラメータを含み、前記伝達行列は、前記少なくとも2つの変化する患者パラメータに基づいて変更される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記変化する患者パラメータは、少なくとも1つの周期的に変化する患者パラメータを含み、前記伝達行列は、前記少なくとも1つの周期的に変化する患者パラメータに基づいて変更される、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記伝達行列は、患者の呼吸を補正するように変更される、請求項66に記載の方法。
【請求項70】
前記伝達行列は、患者の心臓の動きを補正するように変更される、請求項66に記載の方法。
【請求項71】
前記少なくとも1つの変化する患者パラメータをモニタリングすることを更に含む、請求項66に記載の方法。
【請求項72】
前記モニタリングは、前記少なくとも1つの変化する患者パラメータの継続的なモニタリングを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記伝達行列は継続的に変更される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記モニタリングは、前記少なくとも1つの変化する患者パラメータの断続的なモニタリングを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記伝達行列は断続的に変更される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記伝達行列を記録された信号の前記第1のセットに適用することは、前記伝達行列の線形幾何学的関数を記録された信号の前記第1のセットに適用することを含む、請求項1~75のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項77】
患者の生理的データを収集することを更に含む、請求項1~76のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項78】
前記患者の生理的データは、生理的周期データ、心臓データ、呼吸データ、患者の薬剤データ、皮膚インピーダンスデータ、発汗データ、胸腔及び/又は腹腔の寸法データ、水分重量データ、ヘマトクリットレベルのデータ、壁厚データ、心臓壁厚データ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるデータを含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記患者の生理的データは、少なくとも1つのセンサによって収集される、請求項77に記載の方法。
【請求項80】
前記患者の生理的データは、少なくとも2つのセンサによって収集される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記少なくとも1つのセンサは、磁気センサ、水分センサ、発汗センサ、皮膚インピーダンスセンサ、グルコースセンサ、pHセンサ、pOセンサ、pCOセンサ、SpOセンサ、心拍数センサ、圧力センサ、血圧センサ、脊椎センサ、脳電極、脳センサ、フローセンサ、血流センサ、動きセンサ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のセンサを含む、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記少なくとも1つのセンサは、患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置される、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
経時的な生理的データへの変化を識別することと、前記識別された変化に基づいて前記伝達行列を変更することを更に含む、請求項77に記載の方法。
【請求項85】
アルファ位置で前記患者の電圧を記録すること、及び、
ベータ位置で電気的情報を決定することであって、前記ベータ位置は前記アルファ位置とは異なる位置であることを更に含む、
請求項1~84のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項86】
前記決定された電気的情報は、逆解の出力に基づき、前記伝達行列は前記決定された電気的情報の品質を改善するために適用される、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記伝達行列は、空間異方性及び/又は時間異方性を考慮する、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
デバイス位置特定手順を実行してデバイス位置情報を決定することを更に含む、請求項1~87のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項89】
前記伝達行列は、前記決定されたデバイス位置情報の品質を改善するために適用される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
位置特定データのリアルタイム更新を実行することを更に含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記伝達行列を適用することは、前記伝達行列のレシオメトリック関数を記録された信号の前記第1のセットに適用することを含む、請求項1~90のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項92】
前記レシオメトリック関数は恒等関数を含み、患者情報は前記伝達行列のみを使用して計算される、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記レシオメトリック関数は、前記伝達行列を線形にスケーリングするように構成される、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記レシオメトリック関数は、前記伝達行列を非線形にスケーリングするように構成される、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記伝達行列を記録された信号の前記第1のセットに適用することは、前記伝達行列の非線形幾何学的関数を記録された信号の前記第1のセットに適用することを含む、請求項1~94のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【請求項96】
前記伝達行列を適用することによって前記患者情報を計算することは、逆解の使用を含まない、請求項1~95のうちの少なくとも一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「Systems and Methods for Calculating Patient Information」と題して2018年11月9日に出願された米国仮特許出願第62/757,961号の優先権を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Ablation System with Force Control」と題して2019年3月22日に出願された米国出願第16/335,893号に関連する可能性があり、米国出願第16/335,893号は「Ablation System with Force Control」と題して2017年10月11日に出願され、国際公開第2018/071490号パンフレットとして公開された特許協力条約出願第PCT/US2017/056064号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2018/071490号パンフレットは「Ablation System with Force Control」と題して2016年10月11日に出願された米国仮出願第62/406,748号、及び「Ablation System with Force Control」と題して2017年5月20日に出願された米国仮出願第62/504,139号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Cardiac Information Dynamic Display System and Method」と題して2018年10月31日に出願された米国出願第16/097,955号に関連する可能性があり、米国出願第16/097,955号は「Cardiac Information Dynamic Display System and Method」と題して2017年3月3日に出願され、国際公開第2017/192769号パンフレットとして公開された特許協力条約出願第PCT/US2017/030915号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2017/192769号パンフレットは「Cardiac Information Dynamic Display System and Method」と題して2016年3月3日に出願された米国仮出願第62/331,351号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Catheter,System and Methods of Medical Uses of Same,Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題して2018年6月19日に出願された米国出願第16/012,051号に関連する可能性があり、米国出願第16/012,051号は「Catheter,System and Methods of Medical Uses of Same,Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題して2015年2月20日に出願された米国特許第10,004,459号の継続出願であり、米国特許第10,004,459号は「Catheter,System and Methods of Medical Uses of Same,Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題して2013年8月30日に出願され、国際公開第2014/036439号パンフレットとして公開された特許協力条約出願第PCT/US2013/057579号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2014/036439号パンフレットは「System and Method for Diagnosing and Treating Heart Tissue」と題して2012年8月31日に出願された米国特許仮出願第61/695,535号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board(PCB)Electrical Pathways」と題して2019年1月8日に出願された米国特許出願第16/242,810号に関連する可能性があり、米国特許出願第16/242,810号は「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board(PCB)Electrical Pathways」と題して2015年7月23日に出願された米国特許出願第14/762,944号の継続出願であり、米国特許出願第14/762,944号は「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board(PCB)Electrical Pathways」と題して2014年2月7日に出願され、国際公開第2014/124231号パンフレットとして公開された特許協力条約出願第PCT/US2014/015261号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2014/124231号パンフレットは「Expandable Catheter Assembly with Flexible Printed Circuit Board(PCB)Electrical Pathways」と題して2013年2月8日に出願された米国特許仮出願第61/762,363号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2019年8月6日に出願された米国特許出願第16/533,028号に関連する可能性があり、米国特許出願第16/533,028号は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2018年6月21日に出願された米国特許出願第16/014,370号の継続出願であり、米国特許出願第16/014,370号は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2017年2月17日に出願された米国特許出願第15/435,763号の継続出願であり、米国特許出願第15/435,763号は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2015年9月25日に出願された米国特許第9,610,024号の継続出願であり、米国特許第9,610,024号は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2014年11月19日に出願された米国特許第9,167,982号の継続出願であり、米国特許第9,167,982号は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2014年12月23日に発行された米国特許第8,918,158号(以下’158号特許)の継続出願であり、’158号特許は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2014年4月15日に発行された米国特許第8,700,119号(以下’119号特許)の継続出願であり、’119号特許は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2013年4月9日に発行された米国特許第8,417,313号(以下’313号特許)の継続出願であり、’313号特許は「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して2007年8月3日に出願され、国際公開第2008/014629号パンフレットとして公開されたPCT出願第CH2007/000380号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2008/014629号パンフレットは2006年8月3日に出願されたスイス特許出願第1251/06号の優先権を主張しており、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2019年9月12日に出願された米国特許出願第16/568,768号に関連する可能性があり、米国特許出願第16/568,768号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2018年1月29日に出願された米国特許出願第15/882,097号の継続出願であり、米国特許出願第15/882,097号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2016年12月25日に出願された米国特許第9,913,589号の継続出願であり、米国特許第9,913,589号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2015年10月19日に出願された米国特許第9,504,395号の継続出願であり、米国特許第9,504,395号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2013年7月19日に出願された米国特許第9,192,318号の継続出願であり、米国特許第9,192,318号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2013年8月20日に発行され、米国特許第2010/0298690号(以降、’690公報)として公開された米国特許第8,512,255号の継続出願であり、690公報は「A Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2009年1月16日に出願され、国際公開第2009/090547号パンフレットとして公開された特許協力条約出願第PCT/IB2009/000071号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、国際公開第2009/090547号パンフレットは2008年1月17日に出願されたスイス国特許出願第00068/08号の優先権を主張しており、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2019年4月19日に出願された米国特許出願第16/389,006号に関連する可能性があり、米国特許出願第16/389,006号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2018年3月20日に出願された米国出願第15/926,187号の継続出願であり、米国出願第15/926,187号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2017年8月8日に出願された米国特許第9,968,268号の継続出願であり、米国特許第9,968,268号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して2013年9月6日に出願された米国特許第9,757,044号の継続出願であり、米国特許第9,757,044号は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して、国際公開第2012/122517号パンフレット(以下’517号公報)として公開された特許協力条約出願PCT/US2012/028593号の米国特許法371条の国内段階出願であり、’517号公報は米国特許仮出願第61/451,357号の優先権を主張したものであり、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0009】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Set of Transducer-Electrode Pairs for a Catheter」と題して2019年2月28日に出願された米国意匠特許出願第29/681,827号に関連する可能性があり、米国意匠特許出願第29/681,827号は「Set of Transducer-Electrode Pairs for a Catheter」と題して2017年2月6日に出願された米国意匠特許出願第29/593,043号の分割出願であり、米国意匠特許出願第29/593,043号は「Transducer-Electrode Pair for a Catheter」と題して2013年12月2日に出願された米国意匠特許第D782,686号の分割出願であり、米国意匠特許第D782,686号は「Catheter System and Methods of Medical Uses of Same,Including Diagnostic and Treatment Uses for the Heart」と題して2013年8月30日に出願された特許協力条約出願第PCT/US2013/057579号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願第PCT/US2013/057579号は「System and Method for Diagnosing and Treating Heart Tissue」と題して2012年8月31日に出願された米国特許仮出願第61/695,535号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Gas-Elimination Patient Access Device」と題して2018年8月24日に出願された米国特許出願第16/111,538号に関連する可能性があり、米国特許出願第16/111,538号は「Gas-Elimination Patient Access Device」と題して2016年7月14日に出願された米国特許第10,071,227号の継続出願であり、米国特許第10,071,227号は「Gas-Elimination Patient Access Device」と題して2015年1月14日に出願された特許協力条約出願PCT/US2015/11312号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2015/11312号は「Gas-Elimination Patient Access Device」と題して2014年1月17日に出願された米国特許仮出願第61/928,704号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Cardiac Analysis User Interface System and Method」と題して2016年9月23日に出願された米国特許出願第15/128,563号に関連する可能性があり、米国特許出願第15/128,563号は「Cardiac Analysis User Interface System and Method」と題して2015年3月24日に出願された特許協力条約出願PCT/US2015/22187号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2015/22187号は「Cardiac Analysis User Interface System and Method」と題して2014年3月28日に出願された米国特許仮出願第61/970,027号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0012】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題して2016年3月2日に出願された米国特許出願第14/916,056号に関連する可能性があり、米国特許出願第14/916,056号は「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題して2014年9月10日に出願された特許協力条約出願PCT/US2014/54942号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2014/54942号は「Devices and Methods for Determination of Electrical Dipole Densities on a Cardiac Surface」と題して2013年9月13日に出願された米国特許仮出願第61/877,617号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題して2017年10月26日に出願された米国特許出願第15/569,457号に関連する可能性があり、米国特許出願第15/569,457号は「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題して2016年5月13日に出願された特許協力条約出願PCT/US2016/032420号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2016/032420号は「Localization System and Method Useful in the Acquisition and Analysis of Cardiac Information」と題して2015年5月13日に出願された米国特許仮出願第62/161,213号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0014】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Cardiac Virtualization Test Tank and Testing System and Method」と題して2017年10月25日に出願された米国特許出願第15/569,231号に関連する可能性があり、米国特許出願第15/569,231号は2016年5月11日に出願された特許協力条約出願PCT/US2016/031823号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2016/031823号は「Cardiac Virtualization Test Tank and Testing System and Method」と題して2015年5月12日に出願された米国特許仮出願第62/160,501号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0015】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Cardiac Virtualization Test Tank and Testing System and Method」と題して2017年10月25日に出願された米国特許出願第15/569,185号に関連する可能性があり、米国特許出願第15/569,185号は2016年5月12日に出願された特許協力条約出願PCT/US2016/032017号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2016/032017号は「Ultrasound Sequencing System and Method」と題して2015年5月12日に出願された米国特許仮出願第62/160,529号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0016】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Cardiac Mapping System with Efficiency Algorithm」と題して2018年10月31日に出願された米国特許出願第16/097,959号に関連する可能性があり、米国特許出願第16/097,959号は「Cardiac Mapping System with Efficiency Algorithm」と題して2017年3月3日に出願された特許協力条約出願PCT/US2017/030922号の米国特許法第371条に基づく国内段階出願であり、特許協力条約出願PCT/US2017/030922号は「Cardiac Mapping System with Efficiency Algorithm」と題して2016年10月26日に出願された米国特許仮出願第62/413,104号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0017】
本出願は、その優先権を主張していないが、「System for Identifying Cardiac Conduction Patterns」と題して2019年1月22日に出願された特許協力条約出願PCT/US2019/014498号に関連する可能性があり、特許協力条約出願PCT/US2019/014498号は「System for Recognizing Cardiac Conduction Patterns」と題して2018年1月21日に出願された米国特許仮出願第62/619,897号、及び「System for Identifying Cardiac Conduction Patterns」と題して2018年5月8日に出願された米国特許仮出願第62/668,647号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0018】
本出願は、その優先権を主張していないが、「Cardiac Information Processing System」と題して2019年5月7日に出願された特許協力条約出願PCT/US2019/031131号に関連する可能性があり、特許協力条約出願PCT/US2019/031131号は「Cardiac Information Processing System」と題して2018年5月8日に出願された米国特許仮出願第62/668,659号、及び「Cardiac Information Processing System」と題して2019年2月28日に出願された米国特許仮出願第62/811,735号の優先権を主張し、これらは各々が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
本出願は、その優先権を主張していないが、「System for Creating a Composite Map」と題して2019年4月18日に出願された米国特許仮出願第62/835,538号に関連する可能性が有り、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
本出願は、その優先権を主張していないが、「System for Creating a Composite Map」と題して2019年10月23日に出願された米国特許仮出願第62/925,030号に関連する可能性が有り、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0021】
本発明は、一般に、医療診断及び治療システム、特に、生理的データを第1の位置から記録して、患者情報を異なる位置で提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0022】
臨床医が診断及び/又は治療処置などの医療処置を実行するために使用するシステムは、通常、1つ以上の患者パラメータ、例えば組織の電気的及び/又は機械的特性と、医療処置の実行に有用なその他の患者情報の評価を必要とする。組織が治療される(例えば、切除される)処置は、未治療の組織(例えば、治療前)、部分的に治療された組織(例えば、治療中)、及び/又は治療された組織(例えば、治療後)の評価を含むことが多い。治療現場で評価を行うことは、限られた空間と別の理由により困難であることが多い。利用可能な評価の正確性と特異性は制限され、安全性の欠如及び/又は治療の有効性の欠如につながる可能性がある。
【0023】
組織とその他の患者情報を安全で、効果的で、信頼性があり、単純化された方法で提供するシステムが必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明の概念の一態様によると、患者の情報を計算する方法は、伝達行列(トランスファーマトリックス:transfer matrix)を決定すること、記録位置の第1のセットに配置された記録電極の第1のセットを介して電位を記録し、記録された信号の第1のセットを作成すること、及び伝達行列を記録された信号の第1のセットに適用することにより、標的位置のセットに対する患者情報を計算することを含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、記録電極の第1のセットは1つ以上の電極を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、記録電極の第1のセットは2つ以上の電極を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、記録電極の第1のセットは、体表面電極、体内電極、経皮電極、皮下電極、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の電極を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、記録電極の第1のセットは、患者の皮膚上に配置された少なくとも1つの電極、心腔の心内膜表面上に配置された少なくとも1つの電極、及び/又は心腔の心内膜壁からオフセットされた心腔内の少なくとも1つの電極を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、電極の第1のセットは、患者の皮膚上に配置されるように構成された電極のセットを含み、白金イリジウム、金、ポリマコーティングなどのポリマ、炭素、銅、銀-塩化銀、導電性ゲル、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、電極の第1のセットは、患者の体内に配置されるように構成された電極のセットを含み、白金イリジウム、金、ポリマコーティングなどのポリマ、炭素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、記録電極の第1のセットは、位置特定信号を放出及び/又は受信するように構成された1つ以上の電極、ECG信号を生成するように構成された、少なくとも9つ又は少なくとも12個の電極のECGアレイなどの複数の電極、高密度ECGi信号を生成するように構成された複数の電極、心臓ペーシングエネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、除細動エネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、治療エネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含む。1つ、2つ、又はそれ以上の電極は、患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置され得る。患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、記録電極の第1のセットは、患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置される。患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含み得る。記録電極の第1のセットは、患者に対して垂直配置、水平配置、対角配置、及び/又は螺旋配置で配置され得る。電極の第1のセットは、定義されたパターンで患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置され得て、パターンは座標系を定義し得る。電極の第1のセットは、不整脈モニタリング、患者内に配置されたデバイスの位置特定、及び/又は患者の心臓の電気的情報、例えば電圧情報、双極子密度情報、及び/又は表面電荷情報のマップを供給するように構成され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、記録位置の第1のセットは、患者の皮膚上の1つ以上の位置を含む。記録位置の第1のセットは、胸部、背中、胴体、肩部、腹部、頭蓋骨、顔面、腕、脚、股間、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置を含み得る。標的位置のセットは、患者内の1つ以上の位置を更に含むことができる。患者内の1つ以上の位置は、患者の心臓に近接する位置を含み得る。患者内の1つ以上の位置は、心外膜表面、心臓組織内、心内膜表面、心腔内、心膜腔、心膜、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の位置を含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、記録位置の第1のセットは、患者内の1つ以上の位置を含む。記録位置の第1のセットは、心腔内、心内膜表面上、心外膜表面上、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の体内位置を含み得る。記録位置の第1のセットは、食道、心外膜、心膜、心臓を取り囲む間質液及び/又はその他の組織構造、皮膚下の間質液及び/又はその他の組織構造、皮下組織、脊椎組織、脳組織、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の体内位置を含むことができる。記録位置の第1のセットは、患者の心臓内及び/又はそうでなければ患者の心臓に近接する1つ以上の位置を含み得る。記録位置の第1のセットは、心外膜表面、心臓組織内、心内膜表面、心腔内、心膜腔、心膜、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の位置を含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、記録位置の第1のセットは、患者の皮膚上の位置及び患者内の位置を含む。システムは、患者の皮膚上の電極と患者内の記録電極との間でソース(sourcing)とシンク(sinking)を多重化するように構成され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、計算された患者情報は、電気的情報、電圧情報、表面電荷情報、組織電荷情報、双極子密度情報、組織密度情報、電気的記録フロー情報、インピーダンス情報、位相情報、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される情報を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、計算された患者情報は、組織密度情報を含む。組織密度情報は、経時的な組織密度の変化に関連する情報を含み得る。経時的な組織密度の変化は、組織の切除によって引き起こされる変化を含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、伝達行列は、記録位置の第1のセットと標的位置のセットとの間の組織の電気的特性の特徴付けを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、伝達行列を決定することは、駆動信号のセットを駆動位置のセットに配置された駆動電極のセットを介して放出することと、放出された駆動信号を記録位置の第2のセットに配置された記録電極の第2のセットを介して記録して、記録された信号の第2のセットを作成することを含む。伝達行列は、記録された信号の第2のセットを駆動信号の放出されたセットと比較することによって決定され得る。駆動電極のセットは、1つ以上の電極を含み得る。駆動電極のセットは、2つ以上の電極を含み得る。2つ以上の電極は、互いに少なくとも2mm離して配置することができる。駆動電極のセットは、患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置され得る。患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含み得る。駆動位置のセットは、患者内の位置を含むことができる。駆動位置のセットは、心腔内、心内膜表面、心外膜表面、心膜腔、食道、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置を含み得る。駆動位置のセットは、心臓内の位置を含むことができる。記録位置の第2のセットは、患者の皮膚上の位置を含み得る。駆動位置のセットは、患者の皮膚上の位置を含み得る。駆動位置のセットは、胸部、背中、胴体、肩部、腹部、胸郭、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される皮膚位置を含むことができる。記録位置の第2のセットは、患者内の位置を含むことができる。記録位置の第2のセットは、心腔内、心内膜表面上、心外膜表面上、心膜、食道、心臓を取り囲む間質液及び/又はその他の組織構造、皮膚下の間質液及び/又はその他の組織構造、皮下組織、脊椎組織、脳組織、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される位置を含むことができる。駆動信号は、第1の駆動電極からの第1の周波数での第1の駆動信号と、第2の駆動電極からの第2の周波数での第2の駆動信号を含み得る。第1の周波数と第2の周波数は異なる場合がある。第1の駆動信号と第2の駆動信号は同時に送達され得る。駆動信号は、第1の駆動電極からの第1の周波数での第1の駆動信号と、第2の駆動電極からの第2の周波数での第2の駆動信号を含み得る。第1の駆動信号と第2の駆動信号は、順次送達され得る。第1の周波数と第2の周波数は同じ周波数であり得る。伝達行列は、記録された信号の第2のセットの大きさ及び/又は位相を使用して決定することができる。伝達行列は、記録された信号の第2のセットの大きさ及び/又は位相と、駆動信号のセットの大きさ及び/又は位相との比較に基づく数値スケール因子を含むことができる。伝達行列は、記録された信号の第2のセットの大きさと位相を使用して決定され得る。駆動信号のセットの放出及び放出された駆動信号の記録は、患者の少なくとも1つの生理的周期にわたって起こり得る。生理的周期は、心臓周期、呼吸周期、圧力周期、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される周期を含み得る。伝達行列は、患者の呼吸を補正できる。伝達行列は、患者の心臓の動きを補正できる。伝達行列は、生理的周期と一致して変化する1つ以上の構成要素/因子を含む時間依存の伝達行列を含み得る。計算された患者情報の計算は、時間依存の伝達行列を生理的周期に合わせることを含み得る。伝達行列は、時間経過において比例的に適応可能になり得る。伝達行列の決定は、計算される及び/又は選択される標準化された伝達行列からの情報を組み込むことを更に含み得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、伝達行列の決定は、標準化された伝達行列を計算及び/又は選択することを含む。標準化された伝達行列は、患者パラメータに基づいて選択され得る。患者パラメータは、性別、体重、身長、体又は体の部分のサイズ、ボディマス指数(BMI)、胸腔周囲、食道の位置、心房のサイズ、心房容積の充満(フィリング:filling)、心房圧、脂肪対水分の比率、空気対水分対脂肪の比率、骨の位置、服用している薬剤、薬剤のレベル、電解質レベル、pH、pO、pCO、水分重量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるパラメータを含み得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、伝達行列は経時的に変更される。伝達行列は、少なくとも1つの変化する患者パラメータに基づいて変更され得る。少なくとも1つの変化する患者パラメータは、少なくとも2つの変化する患者パラメータを含み得て、伝達行列は、少なくとも2つの変化する患者パラメータに基づいて変更され得る。変化する患者パラメータは、少なくとも1つの周期的に変化する患者パラメータを含むことができ、伝達行列は、少なくとも1つの周期的に変化する患者パラメータに基づいて変更され得る。伝達行列は、患者の呼吸を補正するように変更され得る。伝達行列は、患者の心臓の動きを補正するように変更され得る。方法は、少なくとも1つの変化する患者パラメータをモニタリングすることを更に含み得る。モニタリングは、少なくとも1つの変化する患者パラメータの継続的なモニタリングを含み得る。伝達行列は継続的に変更され得る。モニタリングは、少なくとも1つの変化する患者パラメータの断続的なモニタリングを含み得る。伝達行列は断続的に変更され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、伝達行列を記録された信号の第1のセットに適用することは、伝達行列の線形幾何学的関数を記録された信号の第1のセットに適用することを含む。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、患者の生理的データを収集することを更に含む。患者の生理的データは、生理的周期データ、心臓データ、呼吸データ、患者の薬剤データ、皮膚インピーダンスデータ、発汗データ、胸腔及び/又は腹腔の寸法データ、水分重量データ、ヘマトクリットレベルのデータ、壁厚データ、心臓壁厚データ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるデータを含み得る。患者の生理的データは、少なくとも1つのセンサによって収集され得る。患者の生理的データは、少なくとも2つのセンサによって収集され得る。少なくとも1つのセンサは、磁気センサ、水分センサ、発汗センサ、皮膚インピーダンスセンサ、グルコースセンサ、pHセンサ、pOセンサ、pCOセンサ、SpOセンサ、心拍数センサ、圧力センサ、血圧センサ、脊椎センサ、脳電極、脳センサ、フローセンサ、血流センサ、動きセンサ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のセンサを含み得る。少なくとも1つのセンサは、患者衣服上及び/又は患者衣服内に配置され得る。患者衣服は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含み得る。方法は、経時的な生理的データへの変化を識別することを更に含むことができ、識別された変化に基づいて伝達行列を変更し得る。
【0044】
いくつかの実施形態では、方法は、アルファ位置で患者の電圧を記録することと、ベータ位置で電気的情報を決定することを更に含む。ベータ位置は、アルファ位置とは異なる位置であり得る。決定された電気的情報は、逆解の出力に基づくことができ、伝達行列を適用して、決定された電気的情報の品質を向上し得る。伝達行列は、空間異方性及び/又は時間異方性を考慮し得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法は、デバイス位置特定手順を実行してデバイス位置情報を決定することを更に含む。伝達行列を適用して、決定されたデバイス位置情報の品質を向上し得る。方法は、位置特定データのリアルタイム更新を実行することを更に含み得る。
【0046】
本明細書に記載の技術は、その属性及び付随する利点とともに、代表的な実施形態が例として説明されている添付の図面と併せて行う以下の詳細な説明を考慮して最もよく評価され理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】本発明の概念と一致して、患者の1つ以上のパラメータに関する情報を計算するためのシステムの概略図を示す。
図1A】本発明の概念と一致して、患者の心臓の1つ以上のパラメータに関する情報を計算するためのシステムの概略図を示す。
図2】本発明の概念と一致して、伝達行列を使用して記録された信号に基づいて患者情報を計算するための方法のフローチャートを示す。
図3】本発明の概念と一致して、伝達行列を決定し、伝達行列を使用して記録された信号に基づいて患者情報を計算するための方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本技術の本実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。同様の参照番号を使用して、同様の構成要素を参照し得る。しかしながら、説明は、本開示を特定の実施形態に限定することを意図するものではなく、本明細書に記載の実施形態の様々な変更、同等物、及び/又は代替物を含むものと解釈されるべきである。
【0049】
用語「備えている(comprising)」(及び「備える(comprise)」と「備える(comprises)」など「備えている」の任意の形態)、「有している(having)」(及び「有する(have)」と「有する(has)」など「有している」の任意の形態)、「含んでいる(including)」(及び「含む(includes)」と「含む(include)」など「含んでいる」の任意の形態)、又は「含有している(containing)」(及び「含有する(contains)」と「含有する(contain)」など「含有している」の任意の形態)は、本明細書で使用する場合、記載される特徴、完全体、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素が存在することを明示するものであり、1つ以上のその他の特徴、完全体、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在、又は追加を排除するものではないことが理解されるであろう。
【0050】
用語第1、第2、第3などが本明細書で使用されて、様々な限定、要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションが説明されるが、これらの限定、要素、構成要素、領域、層及び/又はセクションはそれらの用語によって限定されるべきではないことを更に理解されたい。これらの用語は、1つの限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションを別の限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションから区別するためのみに使用される。したがって、以下で説明する第1の限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションは第2の限定、要素、構成要素、領域、層、又はセクションと用語付けされる場合があり、本発明の範囲から逸脱はしない。
【0051】
ある要素が別の要素の「上に」あるか、これに「取り付けられ」、「接続され」、又は「結合され」るものとして言及される場合には、別の要素の直接上、又は上の方にあるか、これに接続又は結合されることができ、又は1つ以上の介在要素が存在し得る。対照的に、要素が別の要素の「直接上に」あるか、「直接的に取り付けられ」「直接的に接続され」又は「直接的に結合」されるものとして言及される時には、介在要素は存在しない。要素の間の関係を説明するのに使用される別の単語は、同じように解釈されるべきである(「間に」と「の間に直接」、「隣接して」と「直接隣接して」など)。
【0052】
第1の要素が第2の要素の「内(in)」、「上(on)」及び/又は「内側(within)」であると言及される場合、第1の要素は、第2の要素の内部空間の内側、第2の要素の一部分の内側(例えば、第2の要素の壁の内側)に配置され得て、第2の要素の外面及び/又は内面に配置され得て、これらの1つ以上の組み合わせに配置され得ることを更に理解されるであろう。
【0053】
本明細書で使用される場合、「近接(proximate)」という用語は、第1の構成要素又は位置の第2の構成要素又は位置への近接を説明するために使用されるとき、第2の構成要素又は位置に近い1つ以上の位置と、第2の構成要素又は位置内、上、及び/又は内側の位置を含むと解釈されるべきである。例えば、解剖学的部位(例えば、標的組織位置)に近接して配置された構成要素は、解剖学的部位の近くに配置された構成要素、及び解剖学的部位内、上、及び/又は内側に配置された構成要素を含む。
【0054】
「真下(beneath)」、「下方(below)」、「より下(lower)」、「上方(above)」、「より上(upper)」などの空間に関係のある用語は、要素及び/又は特徴の、例えば、図面に図解されているような、別の要素(複数可)及び/又は特徴(複数可)に対する関係を説明するために使用される場合がある。空間に関係のある用語が、図面に示した向きに加えて、使用中及び/又は動作中のデバイスの異なった向きを網羅することを意図していることが更に理解される。例えば、図面中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下方」及び/又は「真下」と説明された要素は、それ故に別の要素又は特徴の「上方」に配向されることになり得る。デバイスは、そうではなく配向される(例えば、90°又は他の向きに回転される)場合があり、本明細書で使用される空間に関係のある記述が、それに応じて解釈される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「減少する(reduce)」、「減少している(reducing)」、「減少(reduction)」などの用語は、ゼロへの減少を含む、量の削減を含むことになる。発生の可能性を減少することは、発生の防止を含むものとする。同様に、「防止する(prevent)」、「防止している(preventing)」、及び「防止(prevention)」という用語は、それぞれ、「減少する」、「減少している」、及び「減少」行為を含むものとする。
【0056】
本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、他方の有無にかかわらず、2つの特定の特徴又は構成要素のそれぞれの特定の開示として解釈されるべきである。例えば、「A及び/又はB」は、(i)A、(ii)B、及び(iii)AとBのそれぞれの特定の開示として、それぞれが本明細書に個別に記載されているかのように解釈される。
【0057】
本明細書で使用される「1つ以上」という用語は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又はそれ以上、任意の数までを意味し得る。
【0058】
「及びそれらの組み合わせ」及び「及びこれらの組み合わせ」という用語は、それぞれ、単独で又は集合的に含まれるべき項目の列挙の後に本明細書で使用され得る。例えば、A、B、C、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される構成要素、プロセス、及び/又は別の項目は、1つ、2つ、3つ以上の項目A、1つ、2つ、3つ以上の項目B、及び/又は1つ、2つ、3つ以上の項目Cを含む1つ以上の構成要素のセットを含むものとする。
【0059】
本明細書では、特に明記しない限り、「及び」は「又は」を意味することができ、「又は」は「及び」を意味し得る。例えば、特徴がA、B、又はCを有すると記述される場合、その特徴にはA、B、及びC、又はA、B、及びCの任意の組み合わせを有し得る。同様に、特徴がA、B、及びCを有すると記述される場合、その特徴はA、B、又はCの1つ又は2つのみを有し得る。
【0060】
本開示で使用される「構成された(又は設定された)」という表現は、例えば、「に適した」、「能力を有する」、「設計された」、「適応された」、「作られた」及び「可能な」という表現と状況に応じて交換可能に使用され得る。「構成された(又は設定された)」という表現は、ハードウェアにおいて「特別に設計された」という意味のみではない。代替的に、場合によっては、「構成されたデバイス」という表現は、デバイスが別のデバイス又は構成要素と一緒に動作「できる」ことを意味してもよい。
【0061】
本明細書で使用される場合、「閾値」という用語は、所望の状態又は望ましくない状態に相関する値の最大レベル、最小レベル、及び/又は範囲を指す。いくつかの実施形態では、システムパラメータは、最小閾値より上、最大閾値より下、値の閾値範囲内及び/又は値の閾値範囲外に維持され、所望の効果(例えば、有効な治療)を引き起こし、及び/又は望ましくない事象(例えば、デバイス及び/又は臨床的有害事象)を防止又は他の方法で減少(以下、「防止」)する。いくつかの実施形態では、システムパラメータは、第1の閾値より上(例えば、組織に所望の治療効果を引き起こすために第1の温度閾値より上)及び第2の閾値より下(例えば、望ましくない組織損傷を防止するために第2の温度閾値より下)に維持される。いくつかの実施形態では、閾値は、患者の変動性、システムの変動性、許容誤差などを考慮するためなど、安全裕度を含むように決定される。本明細書で使用される場合、「閾値を超える」は、最大閾値を超える、最小閾値を下回る、閾値の範囲内及び/又は閾値の範囲外にあるパラメータに関する。
【0062】
非円形の形状を説明するために本明細書で使用される「直径」という用語は、説明されている形状に近似する仮想の円の直径と見なされるべきである。例えば、構成要素の断面などの断面を説明する場合、「直径」という用語は、説明されている構成要素の断面と同じ断面積を有する仮想の円の直径を表すと解釈されるものとする。
【0063】
本明細書で使用される構成要素の「長軸」及び「短軸」という用語は、それぞれ、構成要素を完全に取り囲むことができる最小容積の仮想円筒形の長さ及び直径である。
【0064】
本明細書で使用される場合、「機能的要素」という用語は、機能を実行するように構築及び配置された1つ以上の要素を含むと解釈されるべきである。機能的要素は、センサ及び/又はトランスデューサを含み得る。いくつかの実施形態では、機能的要素は、エネルギーを送達する、及び/又は組織を治療するように構成される(例えば、治療要素として構成される機能的要素)。代替的又は追加的に、機能的要素(例えば、センサを含む機能的要素)は、1つ以上のパラメータ、例えば患者の生理的パラメータ、患者の解剖学的パラメータ(例えば、組織形状パラメータ)、患者の環境パラメータ、及び/又はシステムパラメータを記録するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサ又は別の機能的要素は、診断機能を実行するように(例えば、診断を実行するために使用されるデータを収集するように)構成される。いくつかの実施形態では、機能的要素は、治療機能を実行するように(例えば、治療エネルギー及び/又は治療薬を送達するように)構成される。いくつかの実施形態では、機能的要素は、機能を実行するように構築及び配置された1つ以上の要素を含み、機能は、エネルギーを送達する、エネルギーを抽出する(例えば、構成要素を冷却するため)、薬物又は他の薬剤を送達する、システム構成要素又は患者組織を操作する、患者の生理的パラメータ又はシステムパラメータなどのパラメータを記録又はその他の方法で感知する、及びこれらの1つ以上の組み合わせからなる群から選択される。「機能的アセンブリ」は、診断及び/又は治療機能などの機能を実行するように構築及び配置されたアセンブリを含み得る。機能的アセンブリは、拡張可能なアセンブリを含み得る。機能的アセンブリは、1つ以上の機能的要素を含み得る。
【0065】
本明細書で使用される「トランスデューサ」という用語は、エネルギー又は任意の入力を受け取り、出力を生成する任意の構成要素又は構成要素の組み合わせを含むと解釈されるべきである。例えば、トランスデューサは、電極を含み得て、電極は電気エネルギーを受け取り、電気エネルギーを組織に分配する(例えば、電極のサイズに基づく)。いくつかの構成では、トランスデューサは、電気信号を任意の出力に変換し、例えば、光(例えば、発光ダイオード又は電球を含むトランスデューサ)、音(例えば、超音波エネルギーを送達するように構成された圧電結晶を含むトランスデューサ)、圧力、熱エネルギー、極低温エネルギー、化学エネルギー、機械エネルギー(例えば、モータ又はソレノイドを含むトランスデューサ)、磁気エネルギー、及び/又は異なる電気信号(例えば、Bluetooth(登録商標)又は別の無線通信要素)に変換する。代替的又は追加的に、トランスデューサは、物理量(例えば、物理量の変動)を電気信号に変換し得る。トランスデューサは、組織にエネルギー及び/又は薬剤を送達する任意の構成要素を含むことができ、例えばトランスデューサは、組織へ電気エネルギー(例えば、1つ以上の電極を含むトランスデューサ)、組織へ光エネルギー(例えば、レーザ、発光ダイオード、及び/又はレンズ若しくはプリズムなどの光学部品を含むトランスデューサ)、組織へ機械エネルギー(例えば、組織操作要素を含むトランスデューサ)、組織へ音響エネルギー(例えば、ピエゾ結晶を含むトランスデューサ)、化学エネルギー、電磁エネルギー、磁気エネルギー、及びこれらの1つ以上の組み合わせのうちの1つ以上を送達するように構成される。
【0066】
本明細書で使用される場合、「マッピング手順」という用語は、器官組織(例えば、脳又は心臓組織)などの患者の組織に関連する電気的活動情報を生成する、患者に対して実行される臨床処置を含むものとする。
【0067】
本明細書で使用される場合、用語「位置特定手順」は、座標系を確立し、電子信号などの1つ以上の信号を使用して、その系内の1つ以上の物体又は物体の部分(本明細書では「物体」)の位置を決定するプロセスを含む。いくつかの実施形態では、位置特定プロセスが、1つ以上の源(例えば、電極)から生成された1つ以上の信号であって、空間及び/又は時間の関数として変化する1つ以上の信号と、生成された信号を記録位置から測定するセンサ(例えば、電極)とを組み込む。センサの記録位置は、位置特定がなされている物体上とすることができ、又は位置特定がなされている物体とは別の位置とすることができる。測定された信号の分析及び/又は測定された信号に対する計算を使用して、生成された信号の1つ以上の源に対するセンサ及び/又は物体の位置関係を決定することができる。位置特定の方法は、2つ以上の生成された信号を組み込むことができ、センサと信号源との間の位置関係の数又は正確さを増大させる。センサ及び物体は、単一の構成要素とすることができ、及び/又はそれらは同じ位置に配置された複数の構成要素とすることができる。いくつかの実施形態では、時間及び/又は空間の関数としての信号変化は、信号と測定環境との相互作用を含む。別の実施形態では、位置特定プロセスは、物体、センサ又は測定環境の固有又は既存の特徴を、例えば、物体又はセンサ上に置かれた加速度計からの信号を測定し、加速度計の信号からの情報を分析に組み込むことによって測定する。
【0068】
本明細書で使用される場合、「切除処置」という用語は、望ましくない電気的活動、例えば、心臓の不整脈(例えば、心房細動)又は脳の望ましくない状態(例えば、発作又は振戦)に関連する活動に寄与すると特定された患者組織に対して行われる切除治療処置を含むものとする。
【0069】
明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明される本発明の特定の特徴もまた、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴もまた、別個に又は任意の適切なサブコンビネーションで提供され得る。例えば、請求項のいずれかに記載されるすべての特徴(独立しているか依存しているかにかかわらず)は、任意の所与の方法で組み合わせられ得ることが理解されよう。
【0070】
本発明の図面及び説明の少なくともいくつかは、本発明の明確な理解に関連する要素に焦点を合わせるように簡略化されているが、明確にするために、当業者がまた本発明の一部分を含み得ることを理解するであろう別の要素を排除していることを理解されたい。しかしながら、そのような要素は当技術分野で周知であり、それらは必ずしも本発明のより良い理解を容易にするわけではないため、そのような要素の説明は本明細書では提供されない。
【0071】
本明細書で提供されるのは、患者情報を計算するためのシステム及び方法である。患者の生理的データは、1つ以上の記録位置で記録され、伝達行列を使用して、記録位置から離れ得る1つ以上の標的位置で患者情報を決定する。電気的情報は、患者の皮膚上及び/又は患者内に配置された電極によって記録され得て、電気的及び/又は別の患者情報は、患者の器官(例えば、心臓又は脳)を含む標的位置などの標的位置で計算され得る。本発明の概念のシステムは、伝達行列を決定するために使用される構成要素、例えば記録位置と標的位置との間の組織特性を特徴付ける電極又は別のセンサを含み得て、特徴付けは患者情報が計算される患者、及び/又は1つ以上の哺乳動物対象に対して実行される。
【0072】
ここで図1を参照すると、本発明の概念と一致して、患者の1つ以上のパラメータに関する情報を計算するためのシステムの概略図が示される。システム10は、記録アセンブリ300を含み、これは、1つ以上のセンサのセット、すなわち記録電極311から情報を受信するように構成され、記録電極311はそれぞれが、患者P1で示されるような患者の1つ以上の関連する記録位置312に配置される。システム10は、処理ユニット250を含むコンソール200を更に含み得て、処理ユニット250は記録アセンブリ300を介して、記録電極311によって生成された信号を受信し、関連する記録された信号313を(例えば、電子メモリ252に)格納する。処理ユニット250は、アルゴリズム255及び伝達行列290を含む。処理ユニット250は、アルゴリズム255が伝達行列290を適用して、記録された信号313を計算された患者情報95に変換するように構成され得て、情報95は、1つ以上の患者位置90(例えば、1つ以上の皮膚位置及び/又は患者の1つ以上の内部位置)での患者の生理的パラメータ情報を表す。
【0073】
伝達行列290は、(すべての適用可能な)組織、容積Vの数学的特徴付けであり、患者情報95を1つ以上の患者位置90で、1つ以上の記録位置312で行われた記録に基づいて決定するのに適用可能である。記録位置312及び単一の患者位置90は、介在する容積(例えば、組織及び/又はガスで満たされた空間の容積)、すなわち容積VI1を画定し、ここで、容積VI1は、記録位置312及び患者位置90によって集合的に表される点のセット(例えば、凸包)内の空間によって画定される。いくつかの実施形態では、1つ以上の患者位置90は、記録位置312のみによって画定される組織領域又は容積(本明細書では「領域」又は「容積」)内にあることに留意する。単一の患者位置90で計算された患者情報95は、容積VI1内の組織及び/又は別の物質に大きく依存する。この計算された患者情報95はまた、主要寄与容積VI1の外側であるが近接する容積である容積VP1に依存(ただし、低い依存)している。総寄与容積である容積VT1は、容積VP1と組み合わされた主要寄与容積VI1によって画定される。容積Vは、1つ以上の容積VT1(例えば、各患者位置90の容積VT1)を含み得て、その結果、各容積VT1は、容積Vのサブセットである。
【0074】
容積Vは、様々な形態の組織(例えば、皮膚、皮下組織、血管壁組織、血液、心臓、及び/又は他の器官組織、骨、及び/又は骨髄)、間質腔、及び/又は開放空間(例えば、患者の肺の内側の空間)を含み得る。伝達行列290は、組織の変動及び/又は容積V内のある場所から別の場所への他の変動を考慮するように構成され得る。容積Vは、時間変化する容積、例えば、心周期(例えば、心臓の拡張及び収縮と後続する周囲組織の動きによる)及び/又は呼吸周期(例えば、肺の拡張及び収縮と後続する周囲組織の動きによる)の間に変化する容積を含み得る。伝達行列290は、容積Vの時間変化する容積を考慮するように構成され得る。容積Vは、1つ以上の組織パラメータを有する組織を含み得て、経時的に変化する組織パラメータ情報80が示され、例えば、経時的に変化するインピーダンス(例えば、呼吸によるインピーダンス変化)、pH、温度、pO、及び/又はpCOである。伝達行列290は、容積V内のこれらの組織パラメータの経時的変動を考慮するように構成することができる。いくつかの実施形態では、伝達行列290は、表面電極の蒸散(例えば、電流からの分極)及び/又は電極の酸化(例えば、血液反応物から)などの電極変化を補正する。いくつかの実施形態では、処理ユニット250は、1つ以上の組織パラメータ情報80を(例えば、アルゴリズム255による処理のために)格納する。
【0075】
いくつかの実施形態では、収縮期中の心臓の動きは、内部電極(例えば、1つ以上の内部電極)と表面電極(例えば、1つ以上の表面電極)との間のインピーダンスの変化を測定することによって決定され得る。この測定されたインピーダンス変化は、心臓の位置、形状、及び/又は別の特性の実際の変化を表すことができ、これを用いて、左心室の容積を経時的に監視するなどの臨床処置中に心臓機能(例えば、組織収縮性、駆出率)を監視し得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、伝達行列290は、以下に説明するような伝達行列290の作成手順中など、患者P1から記録された情報(例えば、電気的活動)から決定される。代替的又は追加的に、伝達行列290は、異なる患者、すなわち患者P2(例えば、患者P1と同様の生理的属性を有する異なる哺乳動物対象)から記録された情報(例えば、電気的活動)から、これもまた以下に説明するように決定され得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、容積Vは、記録位置312によって表される点のセットの凸包、及び1つ以上の駆動位置(例えば、以下に説明する駆動位置412)内の空間によって画定される介在容積VI2を含み得て、1つ以上の駆動位置から駆動信号(例えば、駆動信号413、これも以下に説明される)が放出され、その間、伝達行列290は決定される。伝達行列290は、以下に記載されるように決定され得る。いくつかの実施形態では、記録位置312の凸包は、各駆動位置412を包含し、容積VI2は、記録位置312の凸包のみによって画定される。伝達行列290は、主に、容積VI2内の組織特徴に依存する。容積Vは、容積VI1の外側であるがそれに近接する容積VP2を更に含むことができる。伝達行列290はまた、容積VP2内の組織特徴に依存する(ただし、依存性は低い)。いくつかの実施形態では、体積VXP1は、第1の患者P1について上記のように定義することができ、第2の患者P2の体積VXP2は、体積VXP1に近似し得る(例えば、VXP1のサイズ、形状、及び生理的特徴に近似する)。
【0078】
いくつかの実施形態では、容積Vは、記録位置312によって表される点のセットの任意の分布と、駆動信号413が放出される1つ以上の駆動位置412との間の空間によって画定される介在容積VI2を含み得て、その間、伝達行列290は決定される。伝達行列290は、本明細書に記載されるように決定され得る。いくつかの実施形態では、記録位置312の任意の分布は、各駆動位置412を包含し、容積VI2は、記録位置312の分布のみによって画定される。伝達行列290は、主に、容積VI2内の組織特徴に依存する。容積Vは、容積VI1の外側であるが容積VI1に近接する容積VP2を更に含むことができる。伝達行列290はまた、容積VP2内の組織特徴に依存する(ただし、依存性は低い)。いくつかの実施形態では、体積VXP1は、第1の患者P1について(例えば、上記のように)定義することができ、第2の患者P2の体積VXP2は、体積VXP1に近似し得る(例えば、VXP1のサイズ、形状、及び生理的特徴に近似する)。
【0079】
いくつかの実施形態では、コンソール200又はシステム10の別の構成要素は、電気エネルギーを送達するように(例えば、駆動信号を送達するように)構成された電子アセンブリを含み、信号発生器400が示される。これらの実施形態では、システム10は、1つ以上のエネルギー送達トランスデューサ、すなわち駆動電極411のセットを更に含み、駆動信号413を1つ以上の駆動位置412で患者の組織に送達する。駆動位置412は、例えば駆動位置412が示される、患者位置の外部(例えば、患者の皮膚上)の1つ以上の位置、及び/又は例えば駆動位置412が示される、患者内(例えば、患者の皮膚の下)の1つ以上の位置を含み得る。駆動電極411によって放出される駆動信号413を使用して、伝達行列290(例えば、以下に説明するように)を決定及び/又は調整(本明細書では「決定」又は「計算」)し、位置特定手順(例えば、以下に説明するように)を実行し、位置特定座標系(例えば、フィールド内に配置された1つ以上のデバイスを位置特定するために使用されるインピーダンスフィールド)を較正し、及び/又は別の機能を実行し得る。駆動信号(例えば、駆動信号413)は、連続波、インパルス、パターン化されたシーケンス、振幅変調信号、周波数変調信号、チャープ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される信号を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上の駆動信号(例えば、駆動信号413)は、適用可能な組織の電気的特性又は別の特徴に基づいて実装される。
【0080】
いくつかの実施形態では、システム10は、1つ以上の患者挿入可能デバイスを含み、デバイス100などが示される。デバイス100は、カテーテル又は別の患者挿入可能デバイスを含むことができ、例えば(図1に示されるように)駆動電極411を含むデバイスである。
【0081】
いくつかの実施形態では、システム10は、1つ以上の患者に取り付け可能な衣服又は別の患者に取り付け可能な構成要素を含み、衣服50が示され、これは、患者P1に対して1つ以上の位置にシステム10の1つ以上のセンサを配置するために使用することができ、例えば患者に対して記録電極311を配置する。記録電極311は、衣服50上及び/又は衣服50内に配置され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、システム10は、2つ以上のモダリティ(例えば、駆動信号及び/又は受信された信号モダリティ)を使用して情報を生成、受信、及び/又は処理するように構成され、例えば、電位及び超音波、電位及びインピーダンス(例えば、誘電特性などの複合体インピーダンス)及び/又はモダリティの別の組み合わせ(例えば駆動信号及び/又は受信された信号形式の組み合わせ)である。次に、本発明の概念の1つ以上の伝達行列を生成し、続いて使用して(例えば、組み合わせて使用される2つ以上の伝達行列)、採用された各モダリティのサブセットを介して測定された(例えば、低感度測定と高感度測定された)、局所的、領域的、及び/又は全体的な違い(例えば、時間的及び/又は空間的違い)を区別することができる。例えば、呼吸パターン及び/又は呼吸量の空間的又は時間的変化は、インピーダンス及び超音波モダリティの両方に敏感であり得るが、心臓電位モダリティにはそれほど敏感ではなく、一方、組織伝導性の空間的及び/又は時間的変化はインピーダンスを介して高感度に測定され得るが、超音波を使用した測定は感度が低くなる。
【0083】
システム10は、患者の皮膚上及び/又は皮膚の下に配置される1つ以上のセンサ(例えば、本明細書で定義されるように電気的活動を記録するように構成された電極)を含み得る。システム10は、患者の皮膚上及び/又は皮膚の下に配置される1つ以上のエネルギー送達要素(例えば、本明細書で定義されるような電気信号を送達するように構成された電極)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、システム10は、ベスト又は他の衣服、すなわち衣服50を含み、これは、1つ以上のセンサ、トランスデューサ、及び/又は患者の解剖学的構造に対して別の機能的要素を配置する。例えば、衣服50に配置された機能的要素を使用して、患者に対して1つ以上の診断及び/又は1つ以上の治療処置を実行し得る。いくつかの実施形態では、衣服50は、診断情報を生成するために使用される患者の生理的データを記録するように構成された1つ以上のセンサを含み、診断情報は、ECG及び別の心臓の電気的情報、血圧測定、血流測定、呼吸測定、心音測定、pO測定、pCO測定、駆出率測定、器官機能測定、脳活動測定、発作活動測定、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、システム10は、患者の皮膚の下(例えば、心臓、脳、及び/又は他の器官に近接する)に配置された1つ以上のセンサを更に含み、皮膚接触センサ及び内部センサからのデータが(例えば、アルゴリズム255によって)処理され、診断出力を生成する。いくつかの実施形態では、システム10は、アイントーベンの三角形が座標系として使用される場合など、患者の解剖学的位置を識別するための座標系を作成する。いくつかの実施形態では、システム10は、1つ以上の表面電極の位置に基づいて(例えば、1つ以上の表面電極を含む衣服50の位置に基づいて)座標系を作成する。
【0084】
いくつかの実施形態では、座標系は、1つ以上の内部電極の位置に基づく(例えば、心臓内に配置された1つ以上の駆動電極に基づく座標系)。これらの実施形態では、座標系は、座標基準又は原点として使用される駆動電極に対して構成され得る。代替的又は追加的に、座標系は、座標基準(例えば、原点)として使用される1つ以上の表面電極に対して構成され得る。代替的又は追加的に、座標系は、座標基準(例えば、原点)として使用される解剖学的位置(例えば、構造又は境界)に対して構成され得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者の皮膚上の1つ以上のセンサ(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)と、患者の心臓に配置された1つ以上のセンサ(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)を含む。これらの実施形態では、患者の心臓に配置されたセンサ(例えば、電極)は、心腔の心内膜表面上の少なくとも1つのセンサ(例えば、左心房の心内膜表面上の接触電極)、及び心内膜壁からオフセットされた心腔に配置された少なくとも1つのセンサ(例えば、すべての心内膜表面からオフセットされた流れる血液内の左心房又は別の心腔の非接触電極)を含み得る。患者情報95は、少なくとも1つの皮膚表面センサ、少なくとも1つの心内膜表面接触センサ、及び/又は少なくとも1つの非接触センサのうちの1つ以上から受信した信号(データ)に基づいて決定され得る。
【0086】
システム10の電極及び/又は別のセンサは、様々な形状、表面積、及び構成材料を含み得る。いくつかの実施形態では、電気的活動を記録し、及び/又は電気エネルギーを送達するために使用される1つ以上の皮膚接触電極(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)は、白金-イリジウム、金、炭素、ポリマ(例えばポリマコーティング)、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の材料を含む。いくつかの実施形態では、電気的活動を記録し、及び/又は電気エネルギーを送達するために患者の皮膚の下に配置される1つ以上の電極(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)は、白金-イリジウム、金、炭素、ポリマ(例えばポリマコーティング)、銅、銀-塩化銀、導電性ゲル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の材料を含む。
【0087】
いくつかの実施形態では、システム10の電極及び/又は別のセンサは、患者の皮膚上に患者に対して垂直配置、水平配置、対角線配置、及び/又は螺旋配置で配置される(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)。例えば、これらのセンサは、衣服50を介して(例えば、衣服50への安全な取り付けを介して、及び/又はセンサを受け入れる衣服50のポケットを介して)これら及び/又は別の幾何学的配置に配置され得て、また、そのような配置にある。
【0088】
コンソール200は、1つ以上の個別の構成要素を含むことができ、例えば、コンソール200が1つ以上のハウジングを含む場合、それは処理ユニット250、ユーザインタフェース260、記録アセンブリ300、及び/又は信号発生器400の構成要素を集合的に取り囲む。コンソール200は、複数の個別の構成要素(例えば、それぞれが個別のハウジングを含む)を含み得て、有線及び/又は無線接続を介してそれらの構成要素間で情報、信号、及び/又は電力を転送する。コンソール200は、ある部屋から別の部屋に輸送される(例えば、病院の保管室と臨床処置室との間で輸送される)ように構成されたアセンブリを含み得る。
【0089】
処理ユニット250は、記録アセンブリ300によって記録された情報などの情報を受信、格納、分析、及び/又は他の方法で処理する1つ以上の構成要素を含み得る。処理ユニット250は、情報を生成及び/又は供給する1つ以上の構成要素を含み得て、例えば情報は信号発生器400に供給され、信号発生器400によって使用されて駆動信号(例えば、駆動電極411のための駆動信号413)を生成する。処理ユニット250は、1つ以上の中央処理ユニットを含み得て、例えばCPU251が示される。処理ユニット250は、1つ以上の電子メモリモジュールを含み得て、例えばメモリ252が示される。
【0090】
CPU251は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を含み得て、それはシステム10の1つ以上の電極又は別のセンサから受信した信号を分析して、本明細書で説明するように、患者情報(例えば、患者の電気的情報、患者の動きなど)を計算できる。
【0091】
コンソール200は、ユーザインタフェース260として示されるユーザインタフェースを含み得て、これはシステム10のユーザ、例えば本明細書に記載の患者P1及び/又はP2の臨床医に情報を受信及び/又は情報を提供することができる。ユーザインタフェース260は、1つ以上のユーザ入力構成要素を含み得て、例えば、入力構成要素は、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、触覚コントローラ、マイクロフォン、スイッチ、キーパッド、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。ユーザインタフェース260は、1つ以上のユーザ出力構成要素を含み得て、例えば、出力構成要素は、ディスプレイ(例えば、ビデオモニタ)、スピーカ、触覚トランスデューサ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0092】
伝達行列290は、記録位置の第1のセット(例えば、記録位置312の第1のセット)と標的位置のセット(例えば、標的位置90のセット)との間の組織(例えば、骨、脂肪、皮膚、肺、血液、及び/又は結合組織)の電気的特性の特徴付けを含み得る。
【0093】
システム10の伝達行列290を使用して、1つ以上の患者位置90(例えば、1つ以上の患者の皮膚位置90及び/又は患者内部の1つ以上の位置、内部位置90)での患者情報を、1つ以上の記録位置312(例えば、1つ以上の患者の皮膚位置312及び/又は患者の内部の1つ以上の位置、内部位置312)で記録された情報に基づき計算し得る。
【0094】
伝達行列290は、第1の位置(例えば、第1の位置のセット)での一連の測定値が、第2の位置(例えば、第2の位置のセット)での特徴に関連付け得る行列を表し、特徴は、伝達行列を第1の位置での一連の測定値に適用することによって決定される。伝達行列290は、駆動信号を送達することによって(例えば、第2の位置に近接する領域などから)、かつ第1の位置で記録を実行することによって生成され得る。いくつかの記録は、1つ以上の類似又は非類似の解剖学的位置で伝達行列290を作成するために実行され得る。
【0095】
伝達行列290は、2つの別個のドメインで行われた測定値間の数学的対応を表す。例えば、2つの別個のドメインは、患者の体の内部の第1のドメイン及び患者の体の外部の第2のドメイン、患者の体の特定領域にある第1のドメイン及び患者の体の別の領域にある第2のドメイン、患者の体内の器官の内部の第1のドメイン及び患者の体内の器官の外部の第2のドメイン、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。伝達行列290は、第1のドメインで行われた測定値と、対応する第2のドメインの特徴(例えば、組織特徴及び/又は電気的状態)との間の関係を数学的に記述する。そのような伝達行列290はまた、第2のドメインで行われた測定値と第1のドメインの特徴との間の関係を説明し得る。伝達行列290の適用は、2つのドメイン間の特徴の違い(上記の生理的及び環境によって課される静的及び動的の両方)を計算的に考慮するために使用され得て、両方のドメインからの測定値を組み合わせて使用することを可能にする。
【0096】
いくつかの実施形態では、既知の電気信号(電位又は電流)は、第1の駆動電極(例えば、内部電極)から放出され、1つ以上(例えば、すべて)の記録電極(例えば、表面電極)によって記録される。続いて、既知の信号は、第2の駆動電極(例えば、内部電極)から放出され、1つ以上(例えば、すべて)の記録電極(例えば、表面電極)によって記録される。いくつかの実施形態では、その後、既知の信号は、例えばすべての駆動電極が使用されるまで、第3、第4などの駆動電極から放出される。この実装は、各記録電極(例えば、各表面電極)のすべての駆動電極(例えば、すべての内部電極)から駆動信号(電圧又は電流)のセットを供給する。これらの実施形態では、固有の心臓信号(例えば、心房電位図)は、同じ記録電極(例えば、体表面電極)で記録され得る。
【0097】
記録された第2の信号に対する駆動信号の関係(例えば、比率)は、伝達行列290の基礎として機能し、本明細書に記載されるように、計算された患者情報95を決定するために使用され得る。伝達行列290は、継続的に更新され得て(例えば、計算された患者情報95を生成するために行われた測定の間)、例えば、体液の状態、電解質濃度、皮膚抵抗、及び/又は電極位置(例えば、記録電極位置)における変化を考慮する。
【0098】
いくつかの実施形態では、システム10は、以下の図3を参照して説明されるように、伝達行列290を作成するように構成される。例えば、システム10は、電気エネルギーを送達する(例えば、駆動信号を送達する)ように構成された1つ以上の電極又は別のトランスデューサを含み得て、例えば駆動電極411が示される。駆動電極411は、様々な駆動位置412に配置され得て、そこから駆動信号413が放出される。システム10は、記録電極321のセットを含み得て、それは複数の記録位置322に配置され得て、記録された信号323のセットを作成することができる。図1では、記録位置322は、上記の記録位置312と同じである(例えば、記録電極311及び321が同じ電極のセットである場合、又は少なくとも一方が他方のサブセットである場合、例えば、患者P1及びP2が同じ患者である場合、例えば、電極311が伝達行列290を決定するためと、計算された患者情報95を決定するための両方に使用される場合)。別の実施形態では、記録位置322と記録位置312は、異なる位置を含み(例えば、すべての位置が異なるか、又は少なくとも一方が異なる)、例えば、位置322が異なる哺乳動物対象上の位置を含む場合(例えば、一般的な伝達行列290を作成するために使用される)、又は位置322が同じ患者上の異なる位置を含む場合である。
【0099】
伝達行列290は、記録された信号323のセットを、駆動位置412から放出された駆動信号413のセットと比較することによって(例えば、アルゴリズム255によって)決定され得る。いくつかの実施形態では、駆動位置412は、患者内の位置を含み、記録位置322は、患者の表面(皮膚)上の位置を含む。代替的又は追加的に、駆動位置412は、患者の表面上の位置を含み得て、及び/又は記録位置322は、患者内の位置を含む。いくつかの実施形態では、駆動位置412及び/又は記録位置322のうちの少なくとも1つは、表面上及び患者内の両方の位置を含む。いくつかの実施形態では、駆動位置412及び/又は記録位置322のうちの少なくとも1つは、患者の表面上の位置に限定される(すなわち、患者の表面上の位置を含むようにのみ限定される)。いくつかの実施形態では、駆動位置412及び/又は記録位置322のうちの少なくとも1つは、患者内の位置に限定される(すなわち、患者内の位置を含むようにのみ限定される)。
【0100】
駆動信号413を使用して伝達行列290を決定する場合、駆動電極411は、少なくとも1つの電極(複数可)、少なくとも2つの電極、及び/又は少なくとも48個の電極を含み得て、記録電極321は、少なくとも4つの電極、少なくとも10個の電極、及び/又は少なくとも200個の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、駆動電極411は駆動位置412に、互いに少なくとも1mm離れて、例えば少なくとも2mm離れて、及び/又は少なくとも4mm離れて、及び/又は少なくとも10mm離れて配置され得て、記録電極321は記録位置322に、互いに少なくとも2mm離れて、例えば、少なくとも3mm離れて、少なくとも10mm離れて、及び/又は少なくとも20mm離れて配置され得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、駆動位置412は、患者内の1つ以上の位置を含み、例えば心腔内、心腔の心内膜表面上、心臓の心外膜表面上、心臓の血管(例えば、静脈又は動脈)内、心膜腔内、食道内、脳内及び/又は脳の近く、脳の血管(静脈又は動脈など)内、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される駆動位置である。これらの実施形態では、1つ以上の駆動電極411(例えば、デバイス100の遠位拡張可能バスケット又は別の遠位部分上)を含み得て、例えば、デバイス100の遠位部分が患者の心臓の中に挿入されて、駆動電極411を心腔の心内膜表面上及び/又は心腔内に配置させる場合である。これらの実施形態では、記録位置322の関連するセットは、患者内、患者の皮膚上、又はその両方の位置を含み得る。記録電極321は、胸部、背中、胴体、肩部、腹部、胸郭、頭部、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の記録位置322に配置され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、少なくとも6つの記録電極を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、記録電極321は表面電極321を含み、3次元すべて(例えば、前後、頭尾、及び右から左)において心臓を取り囲む領域を覆うように配置される。いくつかの実施形態では、表面電極321は、信号又は別のエネルギーを送達して、位置特定、電気的除細動などを実行するように構成される(例えば、それらの追加機能を実行するために使用される別個の電極との位置の衝突を回避するため)。
【0103】
代替的又は追加的に、伝達行列290を決定するために使用される駆動信号413は、患者の皮膚上にある1つ以上の駆動位置412から送達され得て、例えば1つ以上の駆動位置は、胸部、背中、胴体、肩部、腹部、胸郭、頭部、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。これらの実施形態では、記録位置322の関連するセットは、患者内、患者の皮膚上、又はその両方の位置を含むことができる。記録電極321は、1つ以上の記録位置322に配置され得て、1つ以上の記録位置322は心腔内、心腔の心内膜表面、心臓の心外膜表面、心臓の血管(例えば、静脈又は動脈)内、心膜腔内、食道内、脳内及び/又は脳の近く、脳の血管(静脈又は動脈など)内、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0104】
いくつかの実施形態では、少なくとも4つの表面電極を使用して、3次元容積を覆う(例えば、3次元容積に駆動信号を適切に供給し、及び/又は3次元容積から信号を記録する)。例えば、表面電極のセットは、体を横切る四面体を形成するように配置された4つの表面電極、4つが四面体を形成し、5つ目が四面体面のいずれかと平面外の関電極(ディファレンシエイティングエレクトロード:differentiating electrode)として機能する5つの表面電極、3つの直交又はほぼ直交するデカルト軸を形成する6つの表面電極、及び3つの表面電極が体の片側に三角形を形成し、別の3つの表面電極が体の反対側に逆三角形を形成する(例えば、胸部と背中)6つの表面電極を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、伝達行列290は、第1の周波数を含む駆動信号413aを送達する1つ以上の駆動電極411a、及び異なる第2の周波数を含む駆動信号413bを送達する1つ以上の駆動電極411bによって決定される。これらの実施形態では、駆動信号413a及び413b(例えば、記録電極321によって対応して同時に受信される)は、同時に送達され得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、伝達行列290は、第1の周波数を含む駆動信号413aを送達する1つ以上の駆動電極411a、及び類似又は異なる第2の周波数を含む駆動信号413bを送達する1つ以上の駆動電極411bによって決定される。これらの実施形態では、駆動信号413a及び413bは、連続して送達され(例えば、また、記録電極321によって対応して連続的に受信され)得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、伝達行列290は、記録された信号323(例えば、記録位置322に配置された記録電極321によって記録される)のセットの大きさ及び/又は位相を評価することによって決定される。例えば、伝達行列290は、記録された信号323のセットの大きさ及び/又は位相と、駆動信号413(例えば、駆動位置412に配置された駆動電極411によって送達される)のセットの大きさ及び/又は位相との比較にそれぞれ基づく数値スケール因子を含み得る。いくつかの実施形態では、比較は、信号の各セットの大きさと位相の両方に基づく。
【0108】
いくつかの実施形態では、駆動信号413の放出及び記録された信号323の関連付けられた記録は、患者の少なくとも1つの生理的周期にわたって起こり、結果として生じる伝達行列290は、時間依存性(例えば、周期時間依存性)伝達行列を含む。関連付けられた生理的周期は、心周期(例えば、収縮期及び拡張期を含む周期)、呼吸周期、圧力変動周期(例えば、周期的に変化する血圧)、及び/又は患者の別の繰り返される生理的周期を含み得る。記録は、複数の周期、例えば少なくとも2周期、少なくとも3周期、又は少なくとも5周期にわたって行われ得る。伝達行列290は、経時的に比例的に適応可能な1つ以上のパラメータを含み得る。伝達行列290は、生理的周期内の変化に関連するような情報を含むことができ、例えば、伝達行列290が、電極311によって記録された信号と比較的一致して変化する1つ以上の構成要素を含む時間依存の伝達行列を含む場合、同様の生理的周期にわたって電極311によって行われたこれらの記録を相関させる(例えば、患者情報95を計算し、生理的周期内の変動を補正するときに実行される補正)ためである。いくつかの実施形態では、アルゴリズム255は、心周期(例えば、心臓の動きを補正するため)、呼吸周期(例えば、肺の動き及び/又は別の患者の呼吸パラメータを補正するため)、又はその両方を補正するように構成され得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズム255は、時間依存の伝達行列290を患者の生理的周期と合わせることによって、患者情報90を計算する。伝達行列290のパラメータは、機能的及び/又は生物学的プロセス、例えば周期的及び/又は空間的に変化するプロセス(例えば、血流又は別の周期的に変化する心血管プロセス)に従って変化し得る。いくつかの実施形態では、伝達行列290の1つ以上のパラメータは、時間的、線形的、及び/又は指数関数的に変化し得る。これらのパラメータは、拡大及び/又はドリフトしている値を含み得る。時間内及び/又は空間にわたる変動は、純粋に周期的である必要はない。これらの非周期的変動はまた、モデル化され得て、例えば学習アルゴリズムを介して作成され、変動を補正するようにトレーニングされたモデルである。変動はまた、以前の変動データ(例えば、患者P1又は患者P2などの異なる哺乳動物で記録されたデータ)、例えば比較モデルとして構成及び使用されたデータから外挿することによって補正され得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、呼吸周期中に記録された信号(例えば、10~15呼吸/分の頻度で)は平均化され、及び/又は心周期中に記録された信号(例えば、血液の動き及び/又は心臓と心臓壁と電極の収縮期の動きによる変化)は平均化され(例えば、心拍数に対応する頻度で)、伝達行列290が作成される(例えば、平均化は、より安定な伝達行列290、例えば1つ以上の呼吸及び/又は心周期にわたって改善された安定性を有する伝達行列290を生じる)。
【0110】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者(例えば、患者P1及び/又は患者P2)の1つ以上の生理的及び/又は解剖学的パラメータ、例えば、心臓の回転(例えば、患者の右側又は左側へ向かって)、心臓に対する胸郭の周囲、胸郭の心臓の位置(例えば、低体重の患者は横隔膜の位置が比較的高く、肺気腫であり、COPDの患者は横隔膜の位置が比較的低い)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるパラメータを考慮する。これらのパラメータは、患者の幾何学的特性を分析することによって決定され得て、例えば胸囲(例として、表面電極間の距離に基づいて計算されてもよく、ここで距離はインピーダンスベースの測定値を使用して決定され得る)、体を囲む表面電極間の数と角度、及び/又は表面電極に対する心臓の回転及び/又は位置である。例えば、表面電極(例えば、ECG記録を供給するために使用される電極)の標準化された位置を参照として使用することができ、表面電極から測定される診断生体電気信号は、患者の生理的及び/又は解剖学的状態の評価に使用されてもよい。一例として、標準的な12誘導ECGでは、リードV1又はV2における特定の信号特徴の存在は、心臓位置の右方向のバイアスを示し得る。代替的に、V4-5の信号特徴は、心臓位置の左方向のバイアスを示し得て、更に別の信号特徴は、より高い又はより低い心臓位置を表し得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、システム10は、伝達行列290を少なくとも1回、例えば、一人の患者に対する単一の処置中に少なくとも1回変更する。例えば、システム10は、伝達行列290を、閉ループ方式などにおいて、経時的に断続的及び/又は比較的継続的に(本明細書では「継続的に」)変更し得る。システム10によって実行される変更は、経時的に変化する少なくとも1つの患者パラメータに基づくことができる。いくつかの実施形態では、システム10によって実行される変更は、経時的に変化する少なくとも2つ、又は少なくとも3つの患者パラメータに基づくことができる。システム10によって実行される変更は、経時的に周期的に変化する1つ以上の患者パラメータ、例えば患者の呼吸周期及び/又は心周期に関連して変化するパラメータに基づき得る。患者パラメータは、線形的及び/又は指数関数的に変化し得る。これらの実施形態では、システム10は、電極311、321、及び/又は411などの1つ以上のセンサ、及び/又は以下に説明する、伝達行列290を調整するために使用される変化する患者パラメータに関連する信号を生成するように構成された機能的要素99を含むことができる。モニタリングは、継続的に(例えば、伝達行列290が継続的に変更される場合)、及び/又は断続的に(例えば、伝達行列290が断続的に変更される場合)実行され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、患者P1で使用される伝達行列290(例えば、記録された信号313に基づいて患者情報95を決定するため)は、以前に計算された(例えば、患者P2などの少なくとも1つの別の哺乳動物対象からの)及び/又はそうでなければ標準化された伝達行列、すなわち標準化された伝達行列290’から組み込まれた情報を含むか、又は少なくとも含める。本明細書で使用される場合、伝達行列290は、標準化された伝達行列290’(例えば、1つ以上の別個の哺乳動物、すなわち患者P2に基づく伝達行列)を含み得る。伝達行列290は、患者(複数可)P2からのデータのみに基づく伝達行列、患者P1からのデータのみに基づく伝達行列、又は患者(複数可)P2からのデータ及び患者P1からのデータに基づく伝達行列を含み得る。いくつかの実施形態では、標準化された伝達行列290’(又はその一部分)は、それが使用される患者の特徴(患者P1の特徴)に基づいて選択され得る。例えば、複数の異なる標準化された伝達行列290’は、1つ以上の特定の患者特徴(例えば、1つ以上の同様の患者パラメータレベル)を有する1つ以上の哺乳動物対象(例えば、患者P2)にそれぞれ基づいて決定され得る。いくつかの実施形態では、単一の標準化された伝達行列290’は、様々な患者特徴に対応でき、例えばこの標準化された伝達行列290’が1つ以上の特定の患者特徴に基づいてカスタマイズされる場合である。標準化された伝達行列290’は、伝達行列290として使用するために、標準化された伝達行列290’を作成するのに使用される対象に類似する患者P1のパラメータレベルに基づいて、選択及び/又はカスタマイズされ得る。いくつかの実施形態では、選択及び/又はカスタマイズに使用される適用可能な患者パラメータは、性別、体重、身長、体又は体の部分のサイズ、ボディマス指数(BMI)、胸腔周囲(例えば、CTスキャナ又はMRIなどの画像化デバイスを含む機能的要素99によって決定される)、食道の位置、心房のサイズ、心房容積の充満、心房圧、脂肪対水分の比率、空気対水分対脂肪の比率、骨の位置(例えば、MRIによって決定される)、服用している薬剤、薬剤のレベル、電解質レベル、pH、pO、pCO、水分重量、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるパラメータを含む。
【0113】
いくつかの実施形態では、伝達行列290は、標準化された伝達行列290’(例えば、患者P1とは異なる、1つ以上の哺乳動物、つまり患者P2に基づく伝達行列)を含み、標準化された伝達行列290’を作成するために使用される患者P2上の記録電極の位置と、計算された患者情報95を生成するために使用される患者P1上の記録電極の位置の違いは、システム10によって考慮される。
【0114】
いくつかの実施形態では、標準化された伝達行列290’は、複数の(すなわち、2人以上の)患者P2からのデータセットの収集物の分析によって導出され得る。いくつかの実施形態では、データセットは、個々の患者P2からの測定された情報を含み、例えば位置情報(例えば、解剖学的構造及び/又はセンサと別の物体の位置)、組織情報(例えば、組織特性、特徴、及び/又は定性的クラス)、生理的プロセスに関する情報(例えば、呼吸及び/又は心臓の動き、それは一定期間にわたる、センサからの記録、及び/又はこれらの記録から計算されたデータを含んでもよい)、環境情報(例えば、背景の電気ノイズ又は機器の相互接続)及び/又は心臓情報(例えば、電気活性化時間、伝導パターン、表面電荷、双極子密度、心臓電位電位図(電圧として測定される)など)である。いくつかの実施形態では、データセットは、個々の患者P2内の測定値から計算された伝達行列290と、個々の患者P2ごとの画像データ(例えば、CT及び/又はMRIデータ)を含む。メモリ252を使用して、複数の患者P2からのデータセットの収集物を格納し得る。複数の患者からのデータセットの収集物は、患者P2の多様な集団を包含し得て、患者P2は患者データセットに含めることもできる様々な特徴(例えば、性別、サイズ、肺気腫などの疾患の存在、年齢、心臓の位置)を有する。
【0115】
複数の患者P2からのデータセットの収集物の分析を実行して、データセット要素(例えば測定された情報、測定された伝達行列290、様々な患者特徴、及び/又は収集物全体の画像データ)間のパターン、相関、対応、及び/又は別の同様の関係を識別できる。データセットの収集物のこの分析は、計算的及び/又はアルゴリズムプロセス、例えば機械学習法における、「トレーニング」又は「学習」ステップであり得る。分析により、患者P2の集団全体のデータセット要素間の複雑な関係を説明する1つ以上の定量的エンティティ(例えば、方程式又は計算的「モデル」のセット)が生成される。いくつかの実施形態では、分析は計算的方法を使用して実行され得て、例えば分類、協調フィルタリング、回帰、クラスタリング、及び/又は次元削減などである。定量的エンティティは、第2のステップにおいて適用され得て、そこでは患者P1からの1つ以上のデータセット要素が入力として供給され、次にそれを用いて標準化された伝達行列290’を計算、選択、カスタマイズ、最適化、更新、及び/又は予測し、患者P1のために使用する。いくつかの実施形態では、患者P1からのデータセット要素は、定量的エンティティを計算するために使用されるデータセット要素のサブセットのみであり、それにより、患者P1の取得又は測定ステップを削減又は排除する。
【0116】
いくつかの実施形態では、患者P1について計算、選択、カスタマイズ、最適化、更新、及び/又は予測された標準化された伝達行列290’は、潜在的な脆弱性又は測定の制限(環境干渉又は人為的ミスなど)のために、独立してP1で直接測定された伝達行列と比較して精度が向上し、又はアーチファクトが減少される。いくつかの実施形態では、患者P1からのデータセット要素は、単一の標準化された伝達行列290’を生成するために単一回供給され得て、及び/又は連続して(例えば、間隔を置いて、又は継続的に)複数回供給され得て、例えば、時変関係の動的更新を供給するために連続して適用される複数の標準化された伝達行列290’を生成する。いくつかの実施形態では、定量的エンティティを生成するために使用されるデータセット要素は、時変情報を含み得て、患者P1からのデータセット要素は、複数の標準化された伝達行列290’を生成するために、一回又は限定された回数を適用することのみ必要とし、P1からの情報が供給されるよりも頻繁に動的更新を供給するように生成され、それにより、標準化された伝達行列290’を更新する際により大きな時間分解能を供給する。これらの実施形態では、システム10は、標準化された伝達行列290’を使用して計算された患者情報95を生成することができる(例えば、伝達行列290は、標準化された伝達行列290’のみを含む)。いくつかの実施形態では、患者画像(例えば、MRI又はCTスキャン)は使用されず(例えば、不要)、それは例えば、適切な標準化された伝達行列290’が患者P1の特徴(例えば、サイズ、体重、胸囲、及び/又は心臓の回転及び/又は位置などの特徴)に基づいて選択及び/又はカスタマイズされ得る場合である。
【0117】
いくつかの実施形態では、システム10は、動的フィードバック及び/又は機械学習を利用して伝達行列290を決定し、及び/又は伝達行列290を使用して、記録された信号313に基づいて計算された患者情報95を決定する。いくつかの実施形態では、1人以上の患者P2からのデータセットの収集物(例えば、標準化された伝達行列290’を作成するため)は、治療情報を含み得る。例えば、標準化された伝達行列290’は、持続時間(例えば、エネルギー送達の持続時間)、強度(例えば、エネルギー送達の強度)、振幅(例えば、エネルギー送達の振幅)、温度(例えば、エネルギーを受け取る組織の温度)、電力(例えば、エネルギー送達の電力)、インピーダンス(例えば、組織のインピーダンス)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ、2つ、又はそれ以上の治療パラメータに基づき得る。各パラメータは、絶対形式、相対形式、及び/又は微分形式で分析され得る。標準化された伝達行列290’は、適用された治療に関連する組織パラメータ(例えば、システム10によって格納された組織パラメータ情報80)に基づくことができ、例えば、サイズ、深さ、厚さ、密度、組成、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される1つ、2つ、又はそれ以上の組織パラメータ(例えば、切除エネルギー及び/又は別の治療を受ける組織のパラメータ)などである。標準化された伝達行列290’は、組織の局所的及び/又は領域的電気的特性に対する治療(例えば、切除治療)の有効性に基づき得る。標準化された伝達行列290’は、治療の急性(すなわち、短期)有効性及び/又は慢性(例えば、長期)有効性に基づき得る。適用可能な短期及び/又は長期の治療有効性パラメータには、限定するものではないが、伝導の排除と、組織内の電気信号の伝導、速度、振幅、及び/又は方向の変化と、測定された電気信号の振幅、周波数、及び/又は速度の変化と、心周期の速度、パターン、及び/又は頻度の変化と、心調律の変換と、断続的調律のデューティサイクル及び/又は持続時間の変化と、望ましい心調律の維持と、代替調律への変換(例えば、所望する、又は所望しない調律)、及び/又は結果として生じる調律のデューティ因子(例えば、所望する、又は所望しない調律)が挙げられる。標準化された伝達行列290’は、組織の局所的、領域的、及び/又は全体的な機械的及び/又は機能的特性の変化に関連する短期及び/又は長期の治療有効性パラメータに基づくことができ、例えば、パラメータは心拍出量と機能の変化又は維持、及び/又は組織の硬さ、収縮性、変位、及び/又は歪みの変化に関する。上記のように、1人以上の患者P2からのデータセットの収集物の分析は、システム10によって(例えば、アルゴリズム255によって)実行され得て、その結果を用いて、計算された患者情報95を供給し、患者P1の治療(例えば、治療エネルギー送達及び/又は薬物療法戦略)を計算、選択、カスタマイズ、予測、更新及び/又は強化する。いくつかの実施形態では、伝達行列290は、患者P1から記録されたデータの縮小されたセット(完全なデータセットのサブセット)に基づき、これは、1人以上の患者P2から記録されたデータ(例えば、フルセット)と組み合わせて使用される。これらの実施形態では、治療の強化は、患者P1からの残りのデータセットの取得又は別の測定なしで達成され得て、それにより、コスト、時間、及び/又は手順の複雑さを低減する。例えば、治療処置中に作成された1つ以上の病変の評価は、含まれる患者P2のデータに基づいて排除されるか、又は少なくとも減少され得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、システム10は、上記で説明したような機械学習を利用する。システム10は、1つ以上の内部電極のそれぞれから順次放出される信号を記録するように構成された1つ以上(例えば、すべて)の表面電極から連続測定値を取得し、経時的な変化(例えば、信号変化に相関する生理的変化)を追跡するように構成され得る。システム10は、呼吸及び/又は心周期を評価し得て、補正(例えば、減算及び/又はキャンセル)を実行して、これらの変動の望ましくない影響を低減し得る(例えば、上記のように)。システム10は、内部電極と表面電極との間のインピーダンスの変化を評価することによって、心周期全体にわたる心臓の動きを決定し得る。この心臓の動きの決定は、心臓の機械的、動的、及び/又は別の機能的特徴、例えば収縮性、容積、経時的な容積変化、駆出率、壁運動、壁変位、歪み、及び/又は圧力を計算するのに使用され得て、また臨床処置中に心臓機能を監視する(例えば、手順の安全性を評価する)ために使用され得る。いくつかの実施形態では、心室の機能は、胸部インピーダンスを測定することによって(例えば、内部電極によって供給及び/又は記録される信号と組み合わせて)測定され得る。心房機能と心室機能は、時間窓によって分離され得て、例えば、心室機能がQRS群の後の200ms~500msに評価される場合、収縮期が発生する場合である。いくつかの実施形態では、胸郭の形状(例えば、直径、円周、容積など)は、2つ以上の表面電極によって行われた測定値、及び呼吸に関連する形状の変化(例えば、呼吸運動及び/又は呼吸頻度に関する変化)に基づいて決定される。いくつかの実施形態では、表面電極(例えば、12誘導ECG、皮膚上に配置された電極311、321、及び/又は411)に関する心臓の位置と、呼吸及び心臓収縮の間の心臓の回転、位置、及び/又は変位(例えば、上下)である。収縮期の心臓の動きは、様々な心臓調律(洞調律、粗動、及び/又は細動など)で決定され得る。システム10は、解剖学的情報(例えば、CT、MRI、超音波、及び/又は別の画像化デバイスからの)を伝達行列290(例えば、空気/脂肪/水の比率に関する情報、骨と脊柱及び/又は肋骨の位置、胸郭の直径の寸法、及び/又は、心臓の角度及び/又は回転)に、別の情報(例えば、ECG情報、及び/又は体表面電極の信号軸)と共に統合し得る。システム10は、伝達行列290を作成するように構成され得て、また伝達行列290を更新する(例えば、適合又は他の方法で変更する)ように構成することもできる(例えば、伝達行列290を継続的に又は少なくとも繰り返し更新する)。システム10は、位置特定手順を実行するように構成され得て、例えば、位置特定座標系に対する1つ以上の電極(例えば、内部駆動及び/又は内部記録電極)の位置を決定する。
【0119】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者の皮膚上に配置された1つ以上の電極(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99のうちの1つ以上)から、患者内に配置された1つ以上の電極(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99のうちの1つ以上)、例えばデバイス100の遠位部分に統合された1つ以上の電極へ、エネルギーのベクトルパルスを送達するように構成される。これらの実施形態では、1つ以上の皮膚電極は、ベクトルパルスの送達後すぐに記録を開始することができ(及び/又は別個の皮膚電極が記録できる)、例えば記録に基づいて組織の特徴を決定し、例えばベクトルパルスに対する組織の応答に基づいて、電気伝導特性及び/又は物理的特性(例えば、瘢痕、線維症、線維配向など)を決定する。組織の電気活性化は、心臓内カテーテルの周りの組織の領域で即座に検出され得る。この方法は、電気ベクトルを使用して、ハウジング(埋め込み可能な金属ハウジングなど)からリードまで組織を活性化するCRTデバイスに類似する。大きさ及び位相の情報もまた取得され得て、インパルスがベクトルの方向において組織の領域を活性化したかどうかを決定する。この決定は、心臓内電極に対する表面電極のサブセットに対して実行され得て、ベクトルの方向の組織が生存可能であるかどうかを決定する。このベクトルは、心臓内カテーテル電極に対する表面電極の様々なサブグループを使用してベクトルを作成することにより、患者の体の周りを回転及び/又は変調され、組織の生存率の3Dマップを作成する。代替的又は追加的に、システム10は、表面電極間にエネルギーのベクトルパルスを送達するように構成され得る。
【0120】
記録アセンブリ300は、コンソール200に統合され得て、及び/又は、コンソール200に動作可能に取り付けられた第2の独立したコンソールを含み得る。
【0121】
記録アセンブリ300は、記録電極311などの、システム10の1つ以上の電極又は別のセンサの信号を記録するように構成され得る。記録アセンブリ300は、システム10の1つ以上の別の電極からの信号を記録でき、例えば駆動電極としても構成される電極、例えば患者の皮膚上の1つ以上の駆動電極を含む駆動電極411、及び/又は患者内に配置される1つ以上の電極を含む駆動電極411(例えば、患者挿入されたデバイス100に含まれる場合)からの信号を記録できる。記録アセンブリ300は、図1に示されるように、有線又は無線接続(実線で示される記録電極311及び321への接続、及び実線に接続される破線で示される駆動電極411への接続)を介して1つ以上の電極に接続され得る。
【0122】
記録アセンブリ300は、記録アセンブリ300との望ましくない電気ショック又は別の望ましくない相互作用から患者(例えば、患者P1又はP2を示す)を隔離するように構成された回路、すなわち患者隔離回路301を含み得る。記録アセンブリ300は、記録されたアナログ信号をデジタル信号(例えば、記録アセンブリ300から処理ユニット250によって受信されたデジタル信号)に変換するように構成され得る、1つ以上のアナログ-デジタル変換器、すなわちA2D302を含み得る。記録アセンブリ300は、1つ以上の信号フィルタを含み得て、示されたフィルタ303は、望ましくないノイズ又は別の望ましくない信号をフィルタリングするように構成され得る。記録アセンブリ300は、当業者に周知である別の信号記録及び/又は別の信号処理回路、例えば衣服50から無線信号を受信するように構成される無線受信機、システム10の無線送信電極、及び/又は別の無線送信機を含み得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、記録アセンブリ300は、複数のセンサへの接続を多重化する(例えば、多重化回路を含む)ように構成され、その結果、1つ以上のセンサの第1のセット(例えば、電気的活動を記録するように構成される電極)は第1の期間に記録され、その後、1つ以上のセンサの第2のセット(例えば、電気的活動を記録するように構成される電極)は続く第2の期間に記録される。いくつかの実施形態では、センサの3つ以上のセットが多重化される。
【0124】
記録アセンブリ300は、上記のように、患者の呼吸周期及び/又は生理的周期の変化に関連する動的インピーダンス及び/又は動的電圧測定を実行するように構成され得る。
【0125】
記録アセンブリ300は、複数の電極から集合的に(例えば、多重化又は他のスキームを介して)記録して、「マクロ電極」を形成し、例えば複数の電極及び/又は複数の記録チャネルの電気的及び/又は幾何学的利点を利用するように構成され得る。いくつかの利点の例には、(複数の電極からの)より大きな有効電極表面積及び(複数の並列記録チャネルを介した)より低い入力インピーダンスが含まれる。
【0126】
記録電極311は、患者の皮膚上に配置された1つ以上の電極、すなわち示された電極311、及び/又は患者内に配置された1つ以上の電極、すなわち示された311を含み得る。記録電極311は、2つ以上の電極、例えば、少なくとも2つ、少なくとも4つ、少なくとも6つ、又は少なくとも10個の電極を含み得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、少なくとも3つの電極(例えば、ECG記録に使用される標準的な6肢誘導に含まれる3つの電極)を含む。いくつかの実施形態では、記録電極311は、少なくとも9つの電極(例えば、標準的な12誘導ECGに含まれる9つの電極)を含む。いくつかの実施形態では、記録電極311は、1000個以下の電極(例えば、衣服50に含まれる最大1000個の表面電極、衣服50内に配置された少なくとも50個の電極、少なくとも100個の電極、及び/又は少なくとも250個の電極など)を含む。いくつかの実施形態では、記録電極311は、患者の表面上に比較的均一なパターン(例えば、衣服50によって供給される均一なパターン)で配置される。記録電極311の数は、使用される座標系の使用によって決定され得て、例えば使用される座標系の各軸に少なくとも2つの電極311(例えば、少なくとも2つの表面電極)が使用される場合である。
【0128】
記録電極311は、患者の皮膚上、例えば胸部、背中、胴体、肩部、腹部、頭蓋骨、顔面、腕、脚、股間、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置312に配置された1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含み得る。これらの実施形態では、標的位置90は、患者内の1つ以上の位置を含み得て、例えば患者の器官上及び/又は器官内の1つ以上の位置である。例えば、記録位置312は、胸部、背中、胴体、肩部、及び/又は腹部からなる群から選択される1つ以上の位置を含むことができ、標的位置90は、心臓の心外膜表面、心臓組織内(心内膜下)、心腔の心内膜表面、心腔内、心膜腔、心膜、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される心臓の位置など、1つ以上の心臓の位置を含み得る。いくつかの実施形態では、記録電極311は、以下の位置のそれぞれに配置された少なくとも1つの電極を含み、心腔内、皮膚上、及び食道内である。いくつかの実施形態では、記録電極311は、1つの内部位置及び少なくとも1つの非心臓内位置(例えば、皮膚表面上の位置、心外膜表面上の位置、及び/又は心膜表面上の位置)を含む。いくつかの実施形態では、記録電極311は、少なくとも9つ又は少なくとも12個の記録電極311(例えば、12誘導EKGデバイスとして更に構成された9つ又は12個の電極)を含む。
【0129】
記録電極311は、衣服50を介して位置312で患者の皮膚上に配置される1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含み得る。衣服50は、記録電極311を互いに対して、及び/又は患者の解剖学的構造に対して様々な位置に配置するように構成され得る。
【0130】
記録電極311は、患者内、例えば患者の器官上及び/又は器官内の記録位置312に配置された1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、記録位置312は、心腔内の位置、心臓の心内膜表面上の位置、心臓の心外膜表面上の位置、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される心臓の位置を含む。いくつかの実施形態では、記録位置312は、食道、心外膜(例えば、経胸腔的又は剣状突起下アプローチを介してアクセスされる)、心膜(例えば、剣状突起下アプローチを介して)、心臓に近接するが心臓の外部、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の位置を含む。いくつかの実施形態では、記録位置312は、間質液を含む位置(例えば、心臓を取り囲む組織及び/又は皮下組織位置)を含む。いくつかの実施形態では、記録位置312は、脊椎内及び/又は少なくとも脊椎に近接する位置、及び/又は脳内及び/又は少なくとも脳に近接する位置を含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、患者の皮膚上に配置された少なくとも1つの記録電極と、患者内に配置された少なくとも1つの記録電極とを含む。これらの実施形態では、外部に配置された記録電極311(例えば、皮膚上)及び内部に配置された記録電極311(例えば、患者内)を多重化して、ソース(例えば、記録電極としての機能を供給する)及び/又はシンク(例えば、駆動電極としての機能を供給する)を供給し得る。電極(例えば、記録電極311)の多重化を実行して、単一のソース及び/又は単一のシンクとして機能する電極の群を形成し得る。
【0132】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、体表面電極、体内電極(例えば、体内、患者の皮膚の下に配置された電極)、経皮電極、皮下電極、心外膜電極、心膜電極、脊椎電極、脳電極、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の電極を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、位置特定信号を放出及び/又は受信するように構成された1つ以上の電極、12誘導ECGデバイスの少なくとも9つの電極など、ECG信号を生成するように構成された複数の電極、高密度ECGi信号を生成するように構成された複数の電極、心臓ペーシングエネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、除細動エネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、治療エネルギーを送達するように構成された1つ以上の電極、及びこれらの組み合わせ(例えば、標準的なECGパッチ電極、ペーシング構成要素、及び/又は除細動構成要素の必要性を回避するため)からなる群から選択される、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の電極を含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、位置特定信号、例えば患者内に配置された1つ以上のデバイス(例えば、本明細書に記載のデバイス100)の位置を識別するために使用される位置特定信号を放出及び/又は受信するように構成される。例えば、信号発生器400は、記録電極311によって受信される駆動電極411に位置特定信号を供給できる。追加的又は代替的に、信号発生器400は、記録電極311に電気的に取り付けられ得て(例えば、破線で表されるコンジットを介して)、また信号発生器400は、記録電極311に位置特定信号を供給できる(例えば、それは駆動電極411、電極321、及び/又はシステム10の別の電極によって受信される)。
【0135】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、座標系によって定義されたパターンなどの定義されたパターン(例えば、標準化されたパターン)で(患者に対して)配置される。例えば、1つ以上の記録電極311は衣服50に配置され得て、衣服50は患者に対して配置され、記録電極311を患者に対して特定のパターンで配置する(例えば、座標系は、衣服50を介して標準化され得る)。
【0136】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、患者のECG信号を記録するように更に構成された1つ以上の電極を含み、例えば、記録電極311が、12誘導ECGデバイスの少なくとも9つの電極、及び/又は高密度ECGi信号を生成するように構成された複数の電極を含む場合である。記録電極311は、患者の不整脈モニタリングを供給するように構成され得る。これらの実施形態では、記録電極311は、衣服50によって患者の解剖学的構造に対して特異的に配置され得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、記録電極311は、ペーシングエネルギー及び/又は除細動エネルギー、例えば信号発生器400によって供給されるペーシングエネルギー及び/又は除細動エネルギーを患者に送達するように更に構成される。これらの実施形態では、記録電極311は、衣服50によって患者の解剖学的構造に対して特異的に配置され得る。
【0138】
記録電極321は、患者の皮膚上に配置された1つ以上の電極、すなわち示された電極321、及び/又は患者内に配置された1つ以上の電極、すなわち示された電極321を含み得る。記録電極321は、2つ以上の電極、例えば少なくとも2つ、少なくとも4つ、又は少なくとも10個の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、記録電極321は、システム10によって使用される座標系に存在する軸の数の少なくとも2倍を含み、及び/又は記録電極321は、座標系に存在する軸の数よりも少なくとも1つ多い数の電極(例えば、3軸座標系の場合、4つの電極)を含む。いくつかの実施形態では、記録電極321は、少なくとも9つの電極(例えば、標準的な12誘導ECGデバイスとして更に構成された少なくとも9つの電極)を含む。いくつかの実施形態では、記録電極321は、少なくとも3つの電極(例えば、標準的な6肢誘導ECGとして更に構成された3つの電極)を含む。
【0139】
記録電極321は、患者の皮膚上に配置された1つ、2つ、又はそれ以上の電極を、例えば胸部、背中、胴体、肩部、腹部、頭蓋骨、顔面、腕、脚、股間、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される位置322などに含み得る。いくつかの実施形態では、記録電極321は、以下の位置のそれぞれに配置された少なくとも1つの電極を含み、位置は、患者の四肢(例えば、患者の脚又は腕)、及び患者の胴体(例えば、患者の胴体を横切る少なくとも2つ、4つ、又は6つの電極)である。
【0140】
記録電極321は、衣服50を介して位置322で患者の皮膚上に配置された1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含み得る。衣服50は、記録電極321を互いに対して、及び/又は患者の解剖学的構造に対して様々な位置に配置するように構成され得る。
【0141】
記録電極321は、患者内、例えば患者の器官上及び/又は器官内の記録位置322に配置された1つ、2つ、又はそれ以上の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、記録位置322は、心腔内の位置、心臓の心内膜表面上の位置、心臓の心外膜表面上の位置、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される心臓の位置を含む。いくつかの実施形態では、記録位置322は、食道、心外膜(例えば、経胸腔的又は剣状突起下アプローチを介してアクセスされる)、心膜(例えば、剣状突起下アプローチを介して)、心臓に近接するが、心臓の外部、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の位置を含む。いくつかの実施形態では、記録位置322は、間質液を含む位置(例えば、心臓を取り囲む組織及び/又は皮下組織位置)を含む。いくつかの実施形態では、記録位置322は、脊椎内及び/又は少なくとも脊椎に近接する位置、及び/又は、脳内及び/又は少なくとも脳に近接する位置を含む。
【0142】
いくつかの実施形態では、記録電極321は、患者の皮膚上に配置された少なくとも1つの記録電極と、患者内に配置された少なくとも1つの記録電極とを含む。これらの実施形態では、外部に配置された記録電極321(例えば、皮膚上)及び内部に配置された記録電極321(例えば、患者内)を多重化して、ソース(例えば、記録電極としての機能を供給する)及び/又はシンク(例えば、駆動電極としての機能を供給する)を供給し得る。電極(例えば、記録電極321)の多重化を実行して、単一のソース及び/又は単一のシンクとして機能する電極の群を形成し得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、記録電極321は、体表面電極、体内電極、経皮電極、皮下電極、心外膜電極、心膜電極、脊椎電極、脳電極、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の電極を含む。
【0144】
信号発生器400は、記録電極321に電気的に取り付けられ得て(例えば、破線で表されるコンジットを介して)、また信号発生器400は、駆動信号(例えば、駆動信号413)又は別の電気エネルギーを記録電極321に供給し得る(例えば、駆動電極411、電極311、及び/又はシステム10の別の電極によって受信される)。
【0145】
いくつかの実施形態では、記録電極321は、定義されたパターン(例えば、標準化されたパターン)、例えば座標系によって定義されたパターンで(患者に対して)配置される。例えば、1つ以上の記録電極321は衣服50に配置され得て、衣服50は患者に対して配置され、記録電極321を患者に対して特定のパターンで配置する(例えば、座標系は、衣服50を介して標準化され得る)。
【0146】
信号発生器400は、コンソール200に統合され得て、及び/又はコンソール200に動作可能に取り付けられた第2の独立したコンソールを含み得る。
【0147】
信号発生器400は、システム10の1つ以上の電極又は別のトランスデューサ、例えば駆動電極411に供給される信号を生成するように構成される。
【0148】
信号発生器400は、信号発生器400との望ましくない電気ショック又は別の望ましくない相互作用から患者(例えば、患者P1又はP2を示す)を隔離するように構成された回路、すなわち患者隔離回路401を含み得る。信号発生器400は、1つ以上のデジタル-アナログ変換器、すなわち示されたD2A 402を含むことができ、それはデジタル信号(例えば、処理ユニット250から受信されたデジタル情報)をアナログ信号に変換するように構成され得る。信号発生器400は、1つ以上の信号フィルタを含み得て、示されたフィルタ403は、望ましくないノイズ又は別の望ましくない信号をフィルタリングするように構成され得る。信号発生器400は、当業者に周知である別の信号発生器及び/又は別の信号処理回路を含み得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、信号発生器400は、位置特定信号、例えば駆動電極411、記録電極311(例えば、衣服50に配置された記録電極311)、及び/又はシステム10の別の電極に供給される位置特定信号を供給するように構成される。
【0150】
いくつかの実施形態では、信号発生器400は、患者の心臓のペース取り及び/又は除細動するためのエネルギー、例えば記録電極311(例えば、衣服50に配置された記録電極311)、駆動電極411、機能的要素99、及び/又はシステム10の別の電極に供給されるペーシング及び/又は除細動エネルギーを供給するように構成される。
【0151】
いくつかの実施形態では、信号発生器400は、複数のトランスデューサへの接続を多重化する(例えば、多重化回路を含む)ように構成され、その結果、1つ以上のトランスデューサの第1のセット(例えば、電気信号及び/又は別の電気エネルギーを送達するように構成された電極)が第1の期間にエネルギーを供給され、その後、1つ以上のトランスデューサの第2のセット(例えば、電気信号及び/又は別の電気エネルギーを送達するように構成された電極)は、続く第2の期間にエネルギーを供給される。いくつかの実施形態では、トランスデューサの3つ以上のセットが多重化される。駆動電極は、上記のように、相互接続されてマクロ電極を形成するように(例えば、多重化又は別のスキームを介して)構成され得る。駆動電極のグループ化は、パターン化されて幾何学的及び/又は電気的利点を供給でき、例えば、体のソースフィールド(sourced field)の成形、ソースフィールドの線形性の最大化、ソースフィールドのフィールド曲率の最大化、及び/又は電極グループに「穴」を作成又は削除することによるエッジ効果の最大化又は最小化である。
【0152】
いくつかの実施形態では、信号発生器400は、患者内に配置された電極の第1のセット(例えば、電極411)から送信し、一方、記録アセンブリ300は、患者の皮膚上に配置された電極の第2のセット(例えば、電極311)からの信号を同時に記録し、その後、信号発生器400は、患者の皮膚上に配置された電極の第2のセット(例えば、電極311)から送信し、同時に、患者内の電極の第1のセット(例えば、電極411)からの信号を記録する。この交互のソースとシンクは、複数の周期にわたって継続され得る。いくつかの実施形態では、アルゴリズム255は、周期の各部分のタイミングを決定するように、及び/又は信号を送達して信号を記録する電極を決定するように構成される。システム10の電極のソースとシンクのバリエーションを実現するための多重化の組み合わせにより、体を通るソースとシンク信号経路(例えば、フィールド)の幾何学的配向及び形状を確立、成形、及び/又は変調する際の柔軟性が可能となる。体を通る信号経路の幾何学的配向と形状を時間の関数として変化させて、時空間的に変化するシーケンス又はパターンを生成することができる。
【0153】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの駆動電極411は、患者の皮膚上に配置され(例えば、衣服50を介して)、衣服50によって定位置に維持される可能性がある(例えば、衣服50は、1つ以上の駆動電極411を含む)。これらの実施形態では、駆動電極411は、伝達行列290(本明細書に記載)を決定するために使用される駆動信号413を送達し、位置特定信号を送達し、心臓ペーシングエネルギーを送達し、除細動エネルギーを送達し、治療エネルギーを送達し(例えば、発作、頭痛、又は別の神経学的状態を抑制し、及び/又は別の方法で患者の有害な状態を治療するためにエネルギーを送達する)、及び/又は別の機能を実行するように構成され得る。
【0154】
デバイス100は、患者への(例えば、患者の血管系への、及び/又はそうでなければ患者の皮膚下への)挿入のために構成された1つ以上のデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、デバイス100は、患者P1の心腔の中に挿入するように構成された遠位部分を含む。デバイス100は、駆動信号を供給するように構成された電極のセット、すなわち駆動電極411を含み得る。
【0155】
デバイス100は、マッピング及び/又は切除デバイス、例えばシステム10によって供給される位置特定信号(例えば、記録電極311によって送達される位置特定信号)を介して位置特定される切除デバイスを含み得る。
【0156】
衣服50は、記録電極311の1つ以上を患者の解剖学的構造に対する位置(例えば、特定の解剖学的位置にある患者の皮膚上)に配置する1つ以上の異なる形態を含み得る。衣服50は、ベスト、シャツ、ストラップ、ベルト、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される衣服を含み得る。
【0157】
衣服50は、無線送信機(例えば、無線送信機として構成された機能的要素99)を含み得て、例えば衣服50の1つ以上の電極及び/又は別のセンサによって行われた記録を記録アセンブリ300の受信要素に無線送信するように構成された無線送信機である。
【0158】
いくつかの実施形態では、システム10は、衣服50の1つ以上の電極(例えば、1つ以上の電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)を利用して、患者の胴体のインピーダンストモグラフィを実行する。
【0159】
いくつかの実施形態では、衣服50は、単にテンプレートとして構成され、例えば、衣服50がセンサ配置用の位置をマークするために患者に配置される場合、及び/又はセンサが患者の皮膚上に配置されるための開口部を含む(例えば、その後、衣服50が除去される)場合である。
【0160】
計算された患者情報95は、心臓又は脳などの患者の器官の電気的活動のマップを含み得る。マップされた電気的活動には、電圧情報、双極子密度情報、及び/又は表面電荷情報が含まれる。心臓用途では、計算された患者情報95に関連付けられた標的位置90は、心内膜表面上の位置、心臓組織内の位置、及び/又は心外膜表面上の位置を含み得る。脳用途では、計算された患者情報95に関連付けられた標的位置90は、脳の表面上及び/又は脳内(例えば、大脳皮質内及び/又は深部脳内)の位置を含み得る。
【0161】
計算された患者情報95は、電気的情報(例えば、電圧情報、表面電荷情報、組織電荷情報、及び/又は双極子密度情報)、組織、構造的又は機械的情報(例えば、密度、及び/又は密度などの機械的特性における変化の領域の密度、サイズ、及び/又は形状などの機械的特性の違い)、組織組成情報(例えば、損傷した組織、炎症を起こした組織、及び/又は変性タンパク質、コラーゲン、線維症、脂肪、及び/又は神経などの変性組織)、電気的記録のフロー情報、インピーダンス情報、位相情報(例えば、位相マッピング用)、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される情報タイプを含み得る。例えば、計算された患者情報95は、組織密度情報を含み得て、それは組織切除処置(例えば、不整脈を治療するためのRF又は別の心臓組織切除処置)において変更され、例えば実行された切除の質を評価する。いくつかの実施形態では、計算された患者情報95は、電気的情報(表面電荷情報など)と組織の機械的及び/又は組成的特性(変性タンパク質の密度又は存在あるいは切除病変又は別の治療された組織の構造形成の別の指標)の組み合わせを含み得て、その結果、送達された治療の有効性は完全又は不完全として分類され得る。例えば、システム10によって収集された電気的情報は、病変の構造形成(例えば、切除エネルギーの送達によって作成された病変)が不完全なままである間、電気伝導の喪失を示し得て、これは、一時的にのみ有効である病変(例えば、望ましくない伝導が将来再発する可能性がある)を示し得る。収集された電気的情報は、治療領域を介した継続的な伝導を示すことができ、機械的及び/又は組成情報は、完全に経壁(切除)病変ではなく浮腫の形成を示唆し得て、これは治療戦略に変更を生じさせる。収集された電気的情報は、領域を介した電気伝導の除去を示すことができ、構造的及び/又は組成情報は、完全に経壁(切除)病変の形成を示し得て、これは病変が長期間有効であり続ける可能性を高めることができ、送達された治療への信頼を高める。
【0162】
上記のように、計算された患者情報95は、組織組成情報を含み得る。組織組成は、光学的測定(例えば、分光学的又は蛍光透視的)を介してシステム10によって局所的に評価され得る。システム10は、組織からの蛍光、反射率、及び/又は吸収を(例えば、光ファイバ又はCCDカメラ対応カテーテルを使用して)決定するように構成され得る。システム10は、アルゴリズム255を介して、組織が光を蛍光、反射、及び/又は吸収する程度を評価し得る。特定の2つ以上の波長の光に対するこれらの応答は、異なる生体材料組成が特定の方法で光を蛍光、反射、及び/又は吸収するため、更なる特異性を追加し得る。いくつかの実施形態では、システム10は、NADHの透視サインを監視することによって病変を分析する。NADHは、すべての無傷の細胞内に存在し、特定の波長の光(UVなど)で照射されると蛍光を発する補酵素である。一旦、細胞が損傷を受けると(例えば、RF切除によって)、NADHは細胞のミトコンドリアから放出され、及び/又はその酸化型に変換され、その蛍光は著しく低下する。いくつかの治療法の下では、細胞損傷は、臨床処置(例えば、心房細動などの不整脈を治療するように構成された切除処置)の望ましい結果である。しかしながら、一部の条件下での治療に対する組織及び/又は別の体の反応は変化する場合がある。例えば、心臓組織にRF切除を送達しようとしている間、体の炎症反応は影響を受けた領域に細胞外液を蓄積し(浮腫)、それによって細胞を更なる損傷から保護する。この浮腫は、更なるRFエネルギーの効率的な送達を妨げ、したがって、その後の切除エネルギーの送達の有効性を低下させる場合がある。浮腫が形成されると、細胞は無傷のままとなり、NADHの透視サインは変化しないため、システム10によって実行されるこの透視測定は、送達された切除エネルギーに対する組織の望ましい反応に非常に特異的である(例えば、細胞損傷が病変形成と相関する場合)。この分析は、組織密度の評価(エネルギー送達位置でも)と組み合わせて実行され、細胞損傷対健康組織の評価を更に改善し得る。いくつかの実施形態では、システム10は、1人以上の患者P2に基づいて標準化された伝達行列290’を、患者P2に対して実行される切除処置(例えば、心臓切除処置)に関連する治療情報を記録することによって作成する。治療情報は、電気的情報、解剖学的情報(例えば、画像化デバイスによって記録されたもの)、組織インピーダンス情報を含み得る。この情報は、組織組成の測定値と組み合わせることができ、その後、システム10(例えば、機械学習アルゴリズムを使用する)は、組織組成の特徴を高感度かつ特異的に識別でき、これは、患者P1に対して実行される手順に相関され得て、患者P1で直接的に組成の実際の測定を行う必要がない。
【0163】
いくつかの実施形態では、計算された患者情報95は、双極子密度及び/又は表面電荷情報を含み、それは、「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して、2019年8月6日に出願された出願人の同時係属中の米国特許出願第16/533,028号、及び/又は、「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して、2019年9月12日に出願された出願人の同時係属中の米国特許出願第16/568,768号に記載されるようなデバイス及び方法を使用して(例えば、アルゴリズム255によって)決定され、特許出願の各内容は、すべての目的のために参照により本明細書に完全に含まれる。
【0164】
いくつかの実施形態では、計算された患者情報95は、投薬情報、電解質情報、pH情報、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される情報タイプを含む。
【0165】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者の別の生理的データ(例えば、記録電極311、321及び/又は駆動電極411によって記録されたもの以外のデータ)を収集するように構成される。これらの実施形態では、システム10は、1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のセンサ又は別のデータ取得構成要素を含む機能的要素99を含み得る。いくつかの実施形態では、機能的要素99は、患者内に配置された1つ以上のセンサ又は別の機能的要素、すなわち示される機能的要素99、及び/又は患者の皮膚上に配置された1つ以上のセンサ又は別の機能的要素、すなわち示される機能的要素99を含み得る。機能的要素99は、(図1に示されるように)衣服50上及び/又は衣服50内に配置された1つ以上の機能的要素を含み得る。機能的要素99は、デバイス100上及び/又はデバイス100内に(例えば、バスケット上又は示されるようにデバイス100の別の遠位部分上に)配置された1つ以上の機能的要素を含み得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、機能的要素99は、生理的周期データ、心臓データ、呼吸データ、患者の薬剤データ、皮膚インピーダンスデータ、発汗データ、胸腔及び/又は腹腔の寸法データ(例えば、手動及び/又は画像化デバイス、例えばCT又はMRIよって測定されたもの)、水分重量データ、ヘマトクリットレベルのデータ、壁厚データ(例えば、心臓壁厚データ)、及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択されるデータを収集するように構成された1つ以上の構成要素を含む。例えば、機能的要素99は、手動測定デバイス(例えば、巻尺又は定規)及び/又は画像化デバイス(例えば、CT又はMRI)を含み得て、それを用いてシステム10によって使用される胸腔測定情報を収集し、伝達行列290及び/又は計算された患者情報95を決定する。いくつかの実施形態では、機能的要素99は、磁気センサ、水分センサ、発汗センサ、皮膚インピーダンスセンサ、グルコースセンサ、pHセンサ、pOセンサ、pCOセンサ、SpOセンサ、心拍数センサ、圧力センサ、血圧センサ、脊椎センサ、脳電極、脳センサ、フローセンサ、血流センサ、動きセンサ、及びこれらの組み合わせ、からなる群から選択される1つ、2つ、3つ、又はそれ以上のセンサを含む。これらの様々な実施形態では、アルゴリズム255は、この追加の患者情報を、患者情報95を計算し、伝達行列290を決定及び/又は変更し(例えば、伝達行列290を継続及び/又は断続方法で変更し)、システム10パラメータを決定及び/又は変更するための分析などにおいて含むように構成され、及び/又は別の機能を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、伝達行列290を用いて、本明細書に記載されるように心機能(例えば、経時的な血液量の変化)を、心臓切除又は別の心臓処置中などに測定する。
【0167】
いくつかの実施形態では、機能的要素99は、電気信号及び/又は電気エネルギーを患者に送達するように構成された1つ以上の電極又は別のトランスデューサを含む。例えば、機能的要素99は、1つ以上の電極を含み得て、それは伝達行列290を決定するために使用される駆動信号(例えば、駆動信号413と同様の)を送達し(本明細書で説明されるように)、位置特定信号を送信し、心臓ペーシングエネルギーを送信し、除細動エネルギー送信し、及び/又は別の機能を実行するように構成される。
【0168】
いくつかの実施形態では、機能的要素99は、空間追跡(例えば、呼吸追跡及び/又は別の患者の動きの追跡)のためにシステム10によって使用される1つ以上の磁石を含む。これらの実施形態では、衣服50は、1つ以上磁石を含み得て、例えば、1つ以上の磁石を患者に対して1つ以上の所定の位置に配置する。
【0169】
いくつかの実施形態では、機能的要素99は、距離を測定するために使用される1つ以上の超音波要素(例えば、センサ及び/又はトランスデューサ)を含み、例えば、患者組織の2D又は3D画像、及び/又は患者上に及び/又は患者内に配置されるシステム10のデバイスの2D又は3D画像を作成する。これらの実施形態では、衣服50は、1つ以上の超音波要素を含み得て、例えば、1つ以上の超音波要素を患者に対して1つ以上の所定の位置に配置する。
【0170】
いくつかの実施形態では、機能的要素99は、心音を録音するためのマイクロフォン、例えば、患者衣服50に組み込まれるマイクロフォンを含み、患者に対して特定の位置にマイクロフォンを配置する。
【0171】
いくつかの実施形態では、機能的要素99は、加速度計を含み、例えば、患者の一部分の動きを追跡するように構成された加速度計(例えば、衣服50に一体である場合)、及び/又はシステム10の別の構成要素に含まれる加速度計(例えば、患者の組織の動き及び/又はデバイス100の動きを追跡するためにデバイス100に含まれる)である。
【0172】
いくつかの実施形態では、1つ以上の既知の位置(例えば、心臓壁からオフセットされた心腔内の血液中)で患者内(例えば、患者の心臓内)に配置されたシステム10の1つ以上の駆動電極は、既知の大きさの駆動信号(例えば、1つ以上の駆動信号)を放出する。システム10は、1つ以上の位置(例えば、1つ以上の任意の位置)で患者の皮膚表面上に配置された1つ以上の記録電極を含み、駆動信号への応答を測定する。これらの記録された信号と駆動信号との比率は、システム10によって使用されて、伝達行列290を生成し得る。これらの比率は、様々な患者の特徴(例えば、肥満、心臓のサイズ、肺と器官とその他の組織の伝導、皮膚の抵抗、心臓の向き、呼吸の変化、横隔膜の位置など)に依存する。続いて、電気的活動(例えば、心臓の電気的活動)は、内部電極及び表面電極(例えば、以前に又は他の方法で使用されたものと同じ)の両方を用いて同時に測定される。伝達行列290を使用して、システム10は、表面電極によって測定された電気的活動を変換して、心臓壁上の電位の第1のマップを生成する(例えば、伝達行列290自体によってスケーリングされたレシオメトリック比として)。
【0173】
いくつかの実施形態では、システム10は、心臓壁上の電位のマップを逆解の使用を回避しながら生成し、例えば、心臓壁上の点「i」における電圧Vが、例えばすぐ下の式(1)を使用することによって、体表面の電圧値Wとの線形関係によって決定される場合(例えば、アルゴリズム255を介して)である。
【数1】
駆動信号は「k」表面電極(SE)に適用され、応答Vは「i」心臓壁電極(HW)で測定される。式(1)の合計では、次の項のみがある。
【数2】
したがって、Wは測定され、Vは、Mik自体と乗算することによって式(1)から得られる。これらの実施形態では、システム10は、駆動信号kを供給する最小数の表面電極(例えば、駆動電極として構成された電極312及び/又は322)、例えば、少なくとも3つ、少なくとも6つ、少なくとも9つ、又は少なくとも12個の表面電極を含み得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、システム10によって伝達行列290を記録された信号313の第1のセットへ適用することは、伝達行列290のレシオメトリック関数を記録された信号313の第1のセットに適用することを含む。レシオメトリック関数は「恒等関数」を含み得て、それは記録された値の結果のセット(例えば、計算された患者情報95)が(例えば、伝達行列290自体によってのみ)決定されるためである。レシオメトリック関数はまた、伝達行列290を「線形比例関数」として線形にスケーリングするように構成され得る。代替的又は追加的に、レシオメトリック関数は、伝達行列290を非線形にスケーリングするように(例えば、「非線形比例関数」として)構成され得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、システム10により伝達行列290を記録された信号313の第1のセットへ適用することは、伝達行列290の非線形幾何学的関数を記録された信号313の第1のセットに適用することを含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、システム10は、(例えば、逆解を使用して)内部電極によって測定された電気的活動を変換して、心臓壁上の電位の第2のマップを生成する。システム10は、第1のマップ及び第2のマップに基づいて、心臓壁上の電位の第3のマップを生成するように構成され得て、ここで第3のマップは、第1又は第2のマップ単独よりも正確である。代替的に、内部電極の使用は回避され、システム10は、表面電極のみを使用して心臓壁電位データのマップを生成するように構成される。例えば、伝達行列290は、患者P2、及び例えば患者P2が患者P1と同様の心臓サイズ又は別の同様の特徴を有する場合は、別の患者P1について計算された心臓電気的活動を使用して決定され得る。患者P2とP1との間の類似性の程度を評価することができ、差異(例えば、体重、サイズ、心臓の寸法などの差異)を考慮するために補正係数が使用される。
【0177】
いくつかの実施形態では、システム10は、第1のアルファ位置で電圧情報を記録し、第2の異なるベータ位置で電気的活動情報を決定する。例えば、記録電極311(例えば、患者の皮膚上に配置される)は、電圧を記録でき、システム10は、標的位置90での電気的活動情報を含む計算された患者情報95を生成でき、標的位置90は患者内の位置、例えば心臓又は脳などの患者器官上及び/又は患者器官内の位置を含んでいる。いくつかの実施形態では、電気的活動情報は、電圧情報、表面電荷情報、及び/又は双極子密度情報を含み、例えば、「Method and Device for Determining and Presenting Surface Charge and Dipole Densities on Cardiac Walls」と題して、2019年8月6日に出願された出願人の同時係属中の米国特許出願第16/533,028号、及び/又は「Device and Method for the Geometric Determination of Electrical Dipole Densities on the Cardiac Wall」と題して、2019年9月12日に出願された出願人の同時係属中の米国特許出願第16/568,768号に記載され、各内容は、すべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。これらの実施形態では、逆解を使用して計算された患者情報95を決定することができ、例えば、逆解は伝達行列290と組み合わせて使用されて、計算された患者情報95の精度を改善する。システム10は、伝達行列290を使用して、空間的及び/又は時間的異方性を補正し得る。
【0178】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者の心臓の内側からの電気的活動を記録するように構成された1つ以上の電極(例えば、1つ以上の電極411及び/又は電極ベースの機能的要素99)を含むデバイス100、患者の表面の電気的活動を記録するように構成された、患者の皮膚上に配置される(例えば、衣服50を介して)1つ以上の電極、及び心臓の電気的情報(例えば、電圧情報、双極子密度情報、及び/又は表面電荷情報)を計算するように構成されたアルゴリズム255を含む。これらの実施形態では、アルゴリズム255は、逆解を計算して、患者の心臓の内側及び患者の表面から記録された電気的活動を使用して電気的情報を決定し得る。いくつかの実施形態では、逆解は、双極子の通常の、厳密に接線方向の、及び/又は厳密にスカラーの密度-大きさに制約される(限定される)。これらの実施形態では、追加の記録されたデータ(表面データ)を使用して、逆解を「二重制約」するか、又は逆解の精度を改善するための裏付け又は修正データセットを供給し得る。代替的又は追加的に、追加の記録データ(表面データ)は逆解を十分に制約し、その結果、逆解は、方向的に制約のないベクトル双極子(つまり、正規双極子と接線双極子の線形結合)を可能にし得る。いくつかの実施形態では、追加の記録データ(表面記録データ)を使用して、心臓表面の位置(例えば、厚さのない三次元シェル上)にアルゴリズム255を適用することにより、心臓の電気的情報を計算し得る。いくつかの実施形態では、追加の記録データ(表面記録データ)を使用して、組織内及び/又は組織全体、例えば、1つ以上の心腔の経壁の厚さを介して又は全体に、及び/又は心内膜と心外膜との間の心筋組織、心房中隔、心室中隔などの構造的解剖学的構造を表す組織の厚さの変化を含む三次元構造内に、アルゴリズム255を適用する心臓の電気的情報を計算し得る。いくつかの実施形態では、追加の記録されたデータ(表面データ)をアルゴリズム255によって使用して、1つ以上の心臓位置、例えば肺静脈、左心耳、及び/又は僧帽弁に近接する位置などの1つ以上の左心房位置での逆解の精度を改善し得る。いくつかの実施形態では、内部及び表面で記録されたデータを同時に記録し、アルゴリズム255によって使用して、V波(QRST)除去などの電気的情報の心室成分のモデリングを改善し得る。
【0179】
上記のように、システム10は、位置特定手順、例えばデバイス100及び/又は患者に挿入された別のデバイスの1つ以上の部分の位置を決定する手順を実行するように構成され得る。これらの実施形態では、システム10は、伝達行列290を利用して位置情報の精度を改善するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、患者処置(例えば、患者マッピング及び/又は切除処置)全体を通して、リアルタイム又は少なくともほぼリアルタイム(本明細書では「リアルタイム」)で精度を改善するように構成され得る。いくつかの実施形態では、システム10は、皮膚に配置された電極(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99)と、内部電極及び外部電極による継続的な送信及び記録によって決定される電気的情報を使用して、位置特定データのリアルタイム更新を実行するように構成される。
【0180】
いくつかの実施形態では、システム10は、複数の目的のために構成された電極の分布を含み、例えば、患者の解剖学的構造に対して特定の位置で、患者の皮膚上及び/又は患者の皮膚に近接して(本明細書では「患者の皮膚上」)衣服50を介して配置された複数の電極である。いくつかの実施形態では、複数の電極を使用して、患者の心臓に関連する電気的情報、例えば、本明細書で説明するような心臓表面の電圧マップ、双極子密度マップ、及び/又は表面電荷マップを決定する。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極(例えば、電極311、321、及び/又は電極ベースの機能的要素99)は、電気信号及び/又は電気エネルギーを送達するように構成され、例えば、位置特定手順を実行し、心臓ペーシングエネルギーを送達し、心臓除細動エネルギーを送達し、及び/又は治療エネルギーを送達する。いくつかの実施形態では、1つ以上の電極は、電気接地(1つ以上の信号のための戻り経路、例えば、切除エネルギーの送達のための戻り経路)及び/又は基準信号(例えば、基準電圧)を供給するように構成される。
【0181】
いくつかの実施形態では、システム10は、患者の皮膚上に配置して(例えば、衣服50を介して)、第1の機能を実行する1つ以上の電極の第1のセット、及び患者の皮膚上に配置して(例えば、衣服50を介して)、第2の異なる機能を実行する1つ以上の電極の異なるセットを含む。例えば、電極の1つのセットは、心臓ペーシング及び/又は細動を実行するように構成されたサイズ及び/又は材料のセットを含み得て、一方、電極の異なるセットは、電気信号を記録するように構成されたサイズ及び/又は材料のセットを含む。
【0182】
いくつかの実施形態では、システム10は、多重化される(例えば、スイッチングネットワークを介して)複数の電極のセットを含み、その結果、1つ以上の電極の第1のサブセットは第1の機能に使用され、1つ以上の電極の1つ以上の異なる追加のサブセットは異なる機能に使用される。例えば、1つのサブセットを使用して信号を記録し、心臓表面の電圧、表面電荷、及び/又は双極子密度マップを作成でき、1つのサブセットを使用してECG(例えば、ECGi及び12誘導ECGに使用されるサブセット)を作成でき、1つのサブセットを使用して患者の心臓のペースを調整でき、1つのサブセットを使用して患者の心臓の除細動を行い、1つのサブセットを電気接地として使用し、及び/又は1つのサブセットを基準信号として使用し得る。いくつかの実施形態では、特定の機能のための電極のサブセットは、システム10のオペレータによって変更され得て、例えば、記録及び/又はエネルギー送達を改善するための手順中に行われる変更である。
【0183】
いくつかの実施形態では、システム10の1つ以上の機能(例えば、位置特定、除細動、及び/又は上記の別の機能)は、患者処置中に最適化又は少なくとも改善(本明細書では「最適化」)され得て、例えば患者固有及び/又は環境固有の状態に合わせて調整する。これらの実施形態では、システム10は、1つ以上の電極セット、例えばそれぞれが機能(例えば、診断機能及び/又は治療機能)を実行する1つ以上の電極セットに相互接続(例えば「グループ化」)される複数の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、特定の電極のセット(例えば、特定の機能のためのセット)は、システム10によって事前に定義され、及び/又は自動的に調整される。代替的又は追加的に、特定の電極のセットは、システム10のユーザ(例えば、患者の臨床医)によって選択及び/又は調整され得る。異なるセットは、異なる機能を実行するように構成され得る。追加的又は代替的に、異なるセットは同じ機能を実行するように構成され得て、例えば電極の第1のセットを用いて機能を実行し、その後、第2のセットを用いて同じ機能を実行し、例えばその機能の性能を最適化する。いくつかの実施形態では、電極の複数のセットの組み合わせは、単一の機能を実行するように構成され、例えば「位置特定パッチ」として構成された1つ以上の電極の複数のセットである。
【0184】
例えば、システム10は、1つ以上の電極のセットが位置特定パッチとして構成されるように構成され得て、これらのパッチは、電極を取り外して再度付ける必要なしに動的に調整可能である。これらの電極のセットは、設定及び/又は調整され得て(例えば、特定の解剖学的位置にある電極は選択又は調整される)、例えば調整において直交軸が変更され、及び/又は追加の軸が含まれる。例えば、心臓処置では、電極のセットの1~2対の横方向シフトが右胸心(心臓はより右向きである)を考慮して実行され得る。
【0185】
別の例では、システム10は、1つ以上の電極のセットが心臓ペーシング及び/又は除細動電極として構成されるように構成され得て、これらの電極のセットは、電極を取り外して再度付ける必要なしに、ペーシング及び/又は除細動を最適化するように動的に調整可能である。いくつかの実施形態では、ペーシング及び/又は除細動電極の配置は、医師の好みに基づいて選択される。いくつかの実施形態では、異なる機能(複数可)にも使用される1つ以上のペーシング及び/又は除細動電極は、別の機能回路から分離され、その後にペーシング及び/又は除細動エネルギーを送達する。例えば、ペーシング及び/又は除細動の送達後、システム10は、電極(及び/又は別の電極)の1つ以上をマッピングモードに迅速に切り替えるように構成され得て、例えばペーシング及び/又は除細動の直後に心臓の電気的情報を記録し、ペーシング回復、除細動回復、及び/又は不整脈発症(心房細動発症など)のマップの作成を可能にする。代替的又は追加的に、システム10は、患者の非心臓器官、例えば患者の脳に電気エネルギーを送達するように構成され得て、例えば、てんかん、片頭痛、鬱病などの神経学的状態を治療する。
【0186】
別の例では、システム10は、1つ以上の電極のセットがエネルギーを特定のパターンで送達するように、例えば位置(例えば、心臓、脳、及び/又は患者の別の器官)へのエネルギー送達を最適化するように選択できるように構成され得る。例えば、エネルギー送達電極の1つ以上のセットは、切り替え及び/又は調整され得て、患者を正常に電気的除細動し、及び/又は発作を予防若しくは少なくとも軽減する。いくつかの実施形態では、電極のパターンは、必要なエネルギー送達を減らすように選択される。いくつかの実施形態では、電極の螺旋パターンが含まれ得る。いくつかの実施形態では、電極のパターンは、マッピングされた電気的活動(例えば、心臓又は脳)及び/又は生理的基質(例えば、心臓又は脳)に基づいて調律(調整)され得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、システム10は、心臓組織内の経壁伝導(例えば、心内膜から心外膜へ、及びその逆)を決定するように構成され、例えば、アルゴリズム255が患者の皮膚上に配置されたセンサによって(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99など、衣服50を介して)記録されたデータ、ならびに、患者内のセンサによって(例えば、電極311、321、411、及び/又は電極ベースの機能的要素99など、デバイス100を介して)記録されたデータを分析する場合である。アルゴリズム255は、1つ以上の境界条件、例えば心内膜、心外膜、及び/又は心膜電圧(例えば、システム10によって直接的に測定され、及び/又は間接的に決定される)を使用して決定を行うことができる。上記のように、アルゴリズム255は、追加の記録されたデータ(例えば、表面データ)を利用して、数学的変換(例えば、逆解)を「二重制約」し、及び/又はアルゴリズム255の出力の精度を改善するための裏付け又は修正データセットを供給し得る。
【0188】
ここで図1Aを参照すると、本発明の概念と一致して、患者の心臓の1つ以上のパラメータに関連する情報を計算するためのシステムの概略図が示される。図1Aのシステム10は、上記で説明した図1のシステム10と同様の構造及び配置であり得て、同様の構成要素を含み得る。図1Aの実施形態では、システム10は、患者の心臓に関連する患者情報95、例えば患者の左心房内の1つ以上の標的位置90に関連する情報を計算するように配置されて構成される。患者情報95は、伝達行列290を使用して決定され得て、1つ以上の皮膚ベースの記録位置312に配置された1つ以上の記録電極311によって記録された信号313に基づくことができる。記録された信号313は、記録アセンブリ300によって記録され得る(例えば、かつ、処理ユニット250のメモリ252に格納され得る)。記録電極311は、患者衣服50に含めることができ、及び/又は患者衣服50は、単にテンプレートとして使用され得て、電極311を患者の皮膚上の特定の解剖学的位置に配置する。
【0189】
いくつかの実施形態では、システム10は、例えば、システム10が、1つ以上の駆動位置412に配置されて駆動信号413(例えば、信号発生器400によって供給される駆動信号413)を送達するように構成される1つ以上の駆動電極411を含む場合に、伝達行列290を決定するように構成される。これらの実施形態では、記録電極321のセットが含まれ、位置322に配置されて信号323を記録する。図1Aに示される実施形態では、駆動電極411は、患者内の駆動位置412に配置され(例えば、駆動電極411は、身体挿入デバイス100の拡張可能なケージ又は別の遠位部分に、患者の心腔内の位置などで含まれる)、記録電極321は、患者の皮膚上の位置322に配置される。いくつかの実施形態では、記録位置322は、図1Aに示されるように、記録位置322と同じ又は少なくとも類似する(例えば、記録電極321は、記録電極311と同じ又は少なくとも類似する)。代替的に、記録電極321は、異なる電極を含み、及び/又は記録位置322は、それぞれ、記録電極311及び記録位置312とは異なる位置を含む。アルゴリズム255は、駆動信号413と比較された記録された信号323の分析に基づいて、伝達行列290を生成し得る。
【0190】
ここで図2を参照すると、本発明の概念と一致して、標的位置で患者情報を決定する方法のフローチャートが示される。図2の方法2000は、1つ以上の記録位置で電気的活動を記録し、記録に伝達行列を適用して、1つ以上の標的位置で患者情報を決定する方法を供給する。方法2000は、図1を参照して上記で説明された、システム10及びその様々な構成要素を使用して説明される。
【0191】
ステップ2100では、伝達行列290が決定される。伝達行列290は、一人の患者(例えば、図1を参照して上記で説明した患者P1)及び/又は複数の患者(例えば、患者P1、P2及び/又は別の哺乳動物患者)から記録された情報に基づいて決定され得る。伝達行列290は、図1を参照して上記で説明したように、1つ以上の記録位置322から1つ以上の記録電極321のセットを介して駆動信号413を生成することによって決定され得る。いくつかの実施形態では、伝達行列290は、図3を参照して以下に説明するように決定される。
【0192】
ステップ2200では、電位が記録される。例えば、図1を参照して上述したように、記録電極の第1のセット、すなわち記録電極311は、記録位置の第1のセット、すなわち記録位置312で電位を記録して、記録された信号のセット、すなわち記録された信号313を生成し、コンソール200に格納される。
【0193】
ステップ2300では、患者情報が計算される。例えば、患者情報95は、標的位置のセット、例えば患者上及び/又は患者内の1つ以上の位置を含む標的位置90について計算され得る。患者情報95は、図1を参照して上述したように、伝達行列290を記録された信号313に適用することによって計算され得る。
【0194】
ここで図3を参照すると、伝達行列を決定し、続いて伝達行列を使用して標的位置で患者情報を決定する方法のフローチャートが、本発明の概念と一致して示される。図3の方法3000は、伝達行列を決定する方法を供給する。この方法は更に、1つ以上の記録位置で電気的活動を記録すること、及び記録に伝達行列を適用して、1つ以上の標的位置で患者情報を決定することを供給する。方法3000は、図1を参照して上述した、システム10及びその様々な構成要素を使用して説明される。
【0195】
ステップ3050では、駆動信号は、例えば1つ以上の駆動電極411のセットを介して1つ以上の駆動位置412から組織に放出されるか、さもなければ送達される。駆動信号413は、図1を参照して上記で説明したように、例えば1つ以上の記録電極321のセットを介して1つ以上の記録位置322から記録され、コンソール200に格納され得る記録信号323のセットを作成する。
【0196】
ステップ3100では、伝達行列290は、ステップ3050で記録された、記録された信号323に基づいて決定される。
【0197】
ステップ3200では、電位が記録される。例えば、図1及び/又は図2を参照して上記で説明したように、記録電極の第1のセット、すなわち記録電極311は、記録位置の第1のセット、すなわち記録位置312で電位を記録して、記録された信号のセット、すなわちコンソール200に格納され得る記録信号313を作成する。
【0198】
ステップ3300では、患者情報が計算される。例えば、患者情報95は、標的位置のセット、例えば患者上及び/又は患者内の1つ以上の位置を含む標的位置90ついて計算され得る。患者情報95は、図1及び/又は図2を参照して上記で説明したように、伝達行列290を記録された信号313に適用することによって計算され得る。
【0199】
上述の実施形態は、単なる例示に過ぎないものと理解する必要があり、更に別の実施形態も考えられる。本明細書において任意の1つの実施形態に関連して述べた任意の特徴は、単独で使用されてもよく、記載される別の特徴と組み合わせて使用されてもよく、任意の別の実施形態又は任意の別の実施形態の任意の組合せの1つ以上の特徴と組み合わせて使用されてもよい。更に、上述していない等価物及び変更物も、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の範囲を逸脱することなく利用することができる。
図1
図1A
図2
図3
【国際調査報告】