(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】動物飼料添加剤の調製におけるアスパラギン酸誘導体の用途
(51)【国際特許分類】
A23K 20/142 20160101AFI20220107BHJP
C07C 237/12 20060101ALI20220107BHJP
C07C 275/12 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
A23K20/142
C07C237/12
C07C275/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524335
(86)(22)【出願日】2018-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 CN2018113906
(87)【国際公開番号】W WO2020093187
(87)【国際公開日】2020-05-14
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521190358
【氏名又は名称】彭険峰
【氏名又は名称原語表記】PENG,Xianfeng
【住所又は居所原語表記】Room 103,Building 93,Cuishanlantianyuan,South China Country Garden,North of Panyu Avenue,Panyu District Guangzhou,Guandong 511449 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】彭険峰
(72)【発明者】
【氏名】黄華成
【テーマコード(参考)】
2B150
4H006
【Fターム(参考)】
2B150AA01
2B150AA06
2B150AA07
2B150AB01
2B150AB02
2B150DA46
2B150DA75
4H006AA01
4H006AB10
4H006BS10
4H006BV22
(57)【要約】
本発明は、動物飼料添加剤の調製における式(I)で表される構造を有するアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩の用途を開示し、養殖動物の生産能力に良好な改善効果がある。
【化1】
ただし、YおよびXはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択され、R
1はR
1aC(=O)またはHであり、R
2はR
2aC(=O)であり、前記R
1aおよびR
2aはそれぞれ独立して(A)(B)N-(CH
2)
0-5
-から選択され、前記AおよびBはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物飼料添加剤の調製における以下の一般式で表される構造を有するアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、またはその飼料に許容される塩の用途。
【化1】
(ただし、R
1はR
1aC(=O)-または-Hであり、R
2はR
2aC(=O)-であり、前記R
1aおよびR
2aはそれぞれ独立して(A)(B)N-(CH
2)
0-5
-から選択され、前記AおよびBはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択され、YおよびXはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択される。)
【請求項2】
前記アスパラギン酸誘導体のR
1は-Hである、ことを特徴とする請求項1に記載の用途。
【請求項3】
前記アスパラギン酸誘導体のAおよびBは同時に-Hである、ことを特徴とする請求項1に記載の用途。
【請求項4】
前記アスパラギン酸誘導体のYおよびXは-Hである、ことを特徴とする請求項1に記載の用途。
【請求項5】
前記アスパラギン酸誘導体のYおよびXはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択され、同時に-Hではない、ことを特徴とする請求項1に記載の用途。
【請求項6】
前記アスパラギン酸誘導体のYおよびXはそれぞれ独立してC
1-C
4アルキルまたは-Hから選択され、同時に-Hではない、ことを特徴とする請求項5に記載の用途。
【請求項7】
前記アスパラギン酸誘導体の飼料に許容される塩は金属イオン塩である、ことを特徴とする請求項1に記載の用途。
【請求項8】
前記金属イオン塩は、ナトリウムイオン塩、亜鉛イオン塩、銅イオン塩、鉄イオン塩またはカルシウムイオン塩である、ことを特徴とする請求項7に記載の用途。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、またはその飼料に許容される塩中の少なくとも1つと飼料用補助材料を含む、ことを特徴とする飼料用組成物。
【請求項10】
前記組成物は、追加される動物飼料添加剤をさらに含み、前記追加される動物飼料添加剤は栄養飼料添加剤、非栄養飼料添加剤または薬剤飼料添加剤から選択される、ことを特徴とする請求項9に記載の飼料用組成物。
【請求項11】
動物飼料原料をさらに含む、ことを特徴とする請求項9または10に記載の飼料用組成物。
【請求項12】
動物飼料添加剤の調製における請求項9~11のいずれか1項に記載の飼料用組成物の用途。
【請求項13】
動物飼料の調製における請求項9~11のいずれか1項に記載の飼料用組成物の用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物飼料の添加剤の分野に属し、具体的には、動物飼料添加剤の調製におけるアスパラギン酸誘導体の用途、およびアスパラギン酸誘導体を含む飼料用組成物並びに動物飼料添加剤および動物飼料の調製におけるその用途に関する。
【背景技術】
【0002】
N-カルバモイルアスパラギン酸は動物の体内の内因性生成物であり、体外で酸にさらされたとき不安定になりヒダントイン化して環状ウレイド物質を形成することができ、化学微細化学物質の分野でオロト酸の中間体調製に用いられている。N-カルバモイルアスパラギン酸は、化粧品の成分の1つであり、美白効果と栄養補給効果があり、ジペプチド系薬剤の調製における吸収担体でジペプチド系薬剤の吸収を促進することができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、N-カルバモイルアスパラギン酸およびその誘導体(以下、両方をアスパラギン酸誘導体と呼ぶ)、またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物および飼料に許容される塩の動物飼料添加剤の調製における用途を提供し、また、本発明は、前記アスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物および飼料に許容される塩を含む飼料用組成物、動物飼料添加剤および動物飼料の調製における該組成物の用途を提供する。
【0004】
一方、本発明は、式(I)で表される構造を有するアスパラギン酸誘導体を提供する。
【化1】
【0005】
いくつかの技術的解決策では、R1はR1aC(=O)-または-Hであり、R2はR2aC(=O)-であり、前記R1aおよびR2aそれぞれ独立して(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AおよびBはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択され、YおよびXはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択される。
【0006】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体のR1は-Hである。
【0007】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体のAおよびBは同時に-Hである。
【0008】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体のYおよびXは-Hである。
【0009】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体のYおよびXはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択され、同時に-Hではない。
【0010】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体のYおよびXはそれぞれ独立してC1-C4アルキルまたは-Hから選択され、同時に-Hではない。
【0011】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体の飼料に許容される塩は金属イオン塩である。
【0012】
いくつかの技術的解決策では、アスパラギン酸誘導体の飼料に許容される塩は、ナトリウムイオン塩、亜鉛イオン塩、銅イオン塩、鉄イオン塩またはカルシウムイオン塩であることが好ましい。
【0013】
他方、本発明は、本発明のアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩の動物飼料添加剤または動物飼料の調製における用途を提供する。
【0014】
他方、本発明は、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩中の少なくとも1つ、および少なくとも1つ飼料用補助材料を含む飼料用組成物を提供する。
【0015】
前記飼料用補助材料は、飼料用の担体、希釈剤、賦形剤、溶媒またはそれらの組み合わせから選択される。
【0016】
いくつかの技術的解決策では、前記飼料用組成物はさらに動物飼料原料を含む。
【0017】
いくつかの技術的解決策では、前記飼料用組成物はさらに追加の動物飼料添加剤を含む。
【0018】
いくつかの技術的解決策では、前記飼料用組成物はさらに動物飼料原料および追加の動物飼料添加剤を含む。
【0019】
いくつかの技術的解決策では、前記追加の動物飼料添加剤は、栄養飼料添加剤および/または一般飼料添加剤および/または薬剤飼料添加剤から選択される。
【0020】
他方、本発明は、前記飼料用組成物の動物飼料添加剤の調製における用途を提供する。
【0021】
他方、本発明は、前記飼料用組成物の動物飼料の調製における用途を提供する。
【0022】
他方、本発明は、さらに養殖動物の生産能力を改善する方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
【0024】
動物の養殖実験の結果から分かるように、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩は、動物飼料添加剤として応用され、動物の生産能力を改善する効果が向上する。
【0025】
本発明のいずれか一側面の任意の実施形態は、それらの間に矛盾がない限り、他の実施形態と組み合わせることができる。また、本発明のいずれか一側面の任意の実施形態では、それらの間に矛盾がない限り、任意の技術的特徴を他の実施形態中の技術的特徴に適用することができる。
【0026】
前記の内容は、本発明のある側面を概説するだけであり、これらの側面に限定されない。上記の関連内容およびその他の側面の内容については、以下でさらに詳細に説明する。
【0027】
本発明をさらに詳細に説明する。
【0028】
ここで、本発明のある実施形態を詳細に説明するが、その例は、付随する構造式および化学式によって示される。本発明は、すべての代替案、修正、および同等の技術的解決策を網羅し、これらはすべて、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれることを意図している。なお、本発明の特定の技術的特徴は明確に見ることができ、複数の独立した実施形態で別々に説明されるが、単一の実施形態で組み合わせ形態で提供することも、任意の適切なサブ組み合わせ形態で提供することもできる。
【0029】
化合物。
本発明に係る化合物は式(I)で表される構造を有するアスパラギン酸誘導体であり、
【化1】
ただし、YおよびXはアスパラギン酸のカルボキシル上の活性水素が置換された酸素原子(Oと略記)上の置換基であり、R
1およびR
2は窒素原子(Nと略記)上の置換基である。YおよびXはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択され、R
1はR
1aC(=O)-または-Hであり、R
2はR
2aC(=O)-であり、前記R
1aおよびR
2aはそれぞれ独立して(A)(B)N-(CH
2)
0-5
-であり、前記AおよびBはそれぞれ独立してC
1-C
20アルキルまたは-Hから選択される。
【0030】
一般的に、「置換」とは、所与の構造で置換できる水素原子の1つまたは複数が特定の置換基で置換されることを意味し、置換基は、基の各置換可能位置に置換基を有し得、所与の構造式の1以上の位置で特定の基の1つまたは複数の置換基で置換され得ると、置換基を各位置で同じまたは異なるもので置換することができる。
【0031】
本発明では、「C1-C20アルキル」とは、1~20個の炭素原子を含有する飽和アルキルを意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、……、直鎖または分枝鎖の20個の炭素原子を含有するアルキルを挙げ、「(CH2)0-5」は、0~5個のメチレン基を含むことを意味し、「(A)(B)N」は、水素原子が置換基Aおよび置換基Bで置換されたアミノを意味する。
【0032】
任意選択で、R1はR1aC(=O)-であり、R2はR2aC(=O)-であり、前記R1aおよびR2aはそれぞれ独立して(A)(B)N-(CH2)0-5
-から選択され、前記AおよびBはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択される。
【0033】
任意選択で、R1は-Hであり、R2はR2aC(=O)-であり、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AおよびBはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択される。
【0034】
任意選択で、前記(A)(B)N-(CH2)0-5
-のAおよびBは同時に-Hである場合、(A)(B)N-(CH2)0-5
-はNH2(CH2)0-5
-である。
【0035】
任意選択で、前記(A)(B)N-(CH2)0-5
-のAおよびBはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択されるが、同時に-Hではない。
【0036】
さらに、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AおよびBはすべてC1-C20アルキルである。
【0037】
またさらに、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AおよびBはすべてC1-C4アルキルである。
【0038】
具体的には、前記R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AおよびBはすべて直鎖C1-C4アルキルである。
【0039】
いくつかの実施例では、R2aは(CH3)2N-、(N,N'-ジメチル)N-(CH2)-、(N,N'-ジメチル)N-(CH2)2-、(N,N'-ジメチル)N-(CH2)3-、(N,N'-ジメチル)N-(CH2)4-または(N,N'-ジメチル)N-(CH2)5-である。
【0040】
他の実施例では、R2aはN,N'-ジ-n-ブチルアミノ、(N,N'-ジ-n-ブチル)N-(CH2)-、(N,N'-ジ-n-ブチル)N-(CH2)2-、(N,N'-ジ-n-ブチル)N-(CH2)3-、(N,N'-ジ-n-ブチル)N-(CH2)4-または(N,N'-ジ-n-ブチル)N-(CH2)5-である。
【0041】
具体的には、前記R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AおよびBはすべて分枝鎖C1-C4アルキルである。
【0042】
いくつかの実施例では、R2aはN,N'-ジイソプロピルアミノ、(N,N'-ジイソプロピル)N-(CH2)-、(N,N'-ジイソプロピル)N-(CH2)2-、(N,N'-ジイソプロピル)N-(CH2)3-、(N,N'-ジイソプロピル)N-(CH2)4-または(N,N'-ジイソプロピル)N-(CH2)5-である。
【0043】
他の実施例では、R2aはN,N'-ジイソブチルアミノ、(N,N'-ジイソブチル)N-(CH2)-、(N,N'-ジイソブチル)N-(CH2)2-、(N,N'-ジイソブチル)N-(CH2)3-、(N,N'-ジイソブチル)N-(CH2)4-またはN,N'-ジイソブチル)N-(CH2)5-である。
【0044】
さらに、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AはC1-C20アルキルである場合、Bは同時にHである。
【0045】
またさらに、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記AはC1-C4アルキルである場合、Bは同時にHである。
【0046】
具体的には、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記Aは直鎖C1-C4アルキルである場合、Bは同時にHである。
【0047】
いくつかの実施例では、R2aはN-メチルアミノ、(N'-1H-N-メチル)N-(CH2)-、(N'-1H-N-メチル)N-(CH2)2-、(N'-1H-N-メチル)N-(CH2)3-、(N'-1H-N-メチル)N-(CH2)4-または(N'-1H-N-メチル)N-(CH2)5-である。
【0048】
他の実施例では、R2aはN-n-ブチルアミノ、(N'-1H-N-n-ブチル)N-(CH2)-、(N'-1H-N-n-ブチル)N-(CH2)2-、(N'-1H-N-n-ブチル)N-(CH2)3-、(N'-1H-N-n-ブチル)N-(CH2)4-または(N'-1H-N-n-ブチル)N-(CH2)5-である。
【0049】
具体的には、R2aは(A)(B)N-(CH2)0-5
-であり、前記Aは分枝鎖C1-C4アルキルである場合、Bは同時にHである。
【0050】
いくつかの実施例では、R2aはN-イソプロピルアミノ、(N'-1H-N-イソプロピル)N-(CH2)-、(N'-1H-N-イソプロピル)N-(CH2)2-、(N'-1H-N-イソプロピル)N-(CH2)3-、(N'-1H-N-イソプロピル)N-(CH2)4-または(N'-1H-N-イソプロピル)N-(CH2)5-である。
【0051】
他の実施例では、R2aはN-イソブチルアミノ、(N'-1H-N-イソブチル)N-(CH2)-、(N'-1H-N-イソブチル)N-(CH2)2-、(N'-1H-N-イソブチル)N-(CH2)3-、(N'-1H-N-イソブチル)N-(CH2)4-または(N'-1H-N-イソブチル)N-(CH2)5-である。
【0052】
任意選択で、YおよびXは同時に-Hである。
【0053】
任意選択で、YおよびXはそれぞれ独立してC1-C20アルキルまたは-Hから選択され、同時に-Hではない。
【0054】
具体的には、YおよびXは同時にC1-C20アルキルであるか、またはそれぞれC1-C20アルキルおよび-Hの1つである。
【0055】
任意選択で、前記C1-C20アルキルは直鎖アルキルである。
【0056】
いくつかの実施例では、前記直鎖アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル、n-ウンデシル、n-ドデシル、n-トリデシル、n-テトラデシル、n-ペンタデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシルである。
【0057】
任意選択で、前記C1-C20アルキルは分枝鎖アルキルである。
【0058】
いくつかの実施例では、前記分枝鎖アルキルはイソプロピルまたはt-ブチルである。
【0059】
任意選択で、前記C1-C20アルキルはシクロアルキルである。
【0060】
いくつかの実施例では、前記シクロアルキルはシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。
【0061】
いくつかの実施形態では、前記式(I)で表される構造を有するアスパラギン酸誘導体は飼料に許容される塩である。
【0062】
さらに、前記飼料に許容される塩は金属イオン塩であり、前記金属イオン塩は、電荷保存則に従って、金属イオンと酸供与体アスパラギン酸誘導体との結合によって形成された物質であり、金属イオン結合とアスパラギン酸誘導体の錯化または金属イオンの電気的性質を介したキレート結合とアスパラギン酸誘導体によって形成されたキレート化合物である。
【0063】
任意選択で、前記金属イオンは1価の金属イオン、2価の金属イオンまたは3価の金属イオンである。
【0064】
具体的には、前記1価の金属イオンには、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンが含まれるが、これらに限定されなく、前記2価の金属イオンには、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、銅イオン、第1鉄イオン、マンガンイオンが含まれるが、これらに限定されなく、前記3価の金属イオンには、鉄イオン、ニッケルイオン、クロムイオン、アルミニウムイオンが含まれるが、これらに限定されない。
【0065】
いくつかの実施例では、前記金属イオンは亜鉛イオンである。
【0066】
他の実施例では、前記金属イオンは銅イオンである。
【0067】
他の実施例では、前記金属イオンはナトリウムイオンである。
【0068】
他の実施例では、前記金属イオンはカルシウムイオンである。
【0069】
他の実施例では、前記金属イオンは鉄イオンである。
【0070】
化合物の調製と精製。
本発明に係る式(I)で表されるアスパラギン酸誘導体の調製方法は、アスパラギン酸(Asp)を出発原料として使用する場合、関与する主な化学反応は、主にアミノのアシル化、カルボキシルのエステル化およびカルボキシルエステルの加水分解を含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、式(I)のYおよびXはC
1-C
20アルキルまたはHであるが同時にHではなく、式(I)で表されるアスパラギン酸誘導体の調製方法は、カルボキシルのエステル化およびアミノのアシル化の2反応を含み、式(II)に示される。
【化2】
【0072】
明確にするために、式(II)のXおよびR1は置換基のみを表し、原料X-OHおよびR1-OHで表される物質は単一の物質でない場合、XまたはR1は置換基の集合として理解する必要があり、式(II)および以下の各式のR1-OHはH2N-(CH2)0-5(C=O)OHである場合、それに含まれるアミノがt-ブトキシカルボニル保護基(Boc-)によって保護され、反応が完了した後トリフルオロアセテート(F3CCOOH)またはその他の脱置換条件下でBoc保護基が除去され、なお、SOCl2は塩化チオニルであり、rt.は常温を示し、EtN(Pr-i)2はジイソプロピルエチルアミンを示し、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドを示し、HBTUはO-ベンゾトリアゾール-テトラメチル尿素ヘキサフルオロホスフェート(カップリング剤)を示す。
【0073】
いくつかの実施形態では、YおよびXは同時に-Hであり、アスパラギン酸誘導体の合成方法は、アスパラギン酸ジ-t-ブチル(t-Bu-Asp)を原料として、式(III)に示される。
【化3】
【0074】
明確にするために、式(III)のR1は置換基のみを表し、原料R1-OHで表される物質単一の物質でない場合、ターゲット生成物(TM)上のR1は置換基の集合として理解する必要があり、t-Buはカルボキシルの保護基としてのt-ブチルを示し、DCMはジクロロメタンを示し、NaOHは水酸化ナトリウムを示し、F3CCOOHはトリフルオロアセテートを示す。
【0075】
さらに、YおよびXは同時に-Hであるか、またはそれぞれC1-C20アルキルおよび-Hの1つである場合のアスパラギン酸誘導体は、アルカリ性条件下で金属塩化物または金属臭化物と反応してアスパラギン酸誘導体の金属イオン塩、例えば亜鉛塩、銅塩、カルシウム塩、鉄塩またはナトリウム塩などの本発明に係る金属イオン塩を生成する。
【0076】
いくつかの実施形態では、前記アスパラギン酸ジ-t-ブチルはキラル化合物であり、本発明のアスパラギン酸ジ-t-ブチルは、左旋性L-(-)-アスパラギン酸ジ-t-ブチル(構造が式(IV)に示される)、右旋性D-(+)-アスパラギン酸ジ-t-ブチル(構造が式(V)に示される)またはラセミ体-DL-(±)-アスパラギン酸ジ-t-ブチルから選択され、関与するアルコールおよびカルボン酸誘導体と反応してキラル中心を有するアスパラギン酸誘導体の立体異性体またはラセミ体を得る。
【化4】
【0077】
いくつかの実施形態では、前記アスパラギン酸ジ-t-ブチルのキラル立体異性体およびアスパラギン酸誘導体の立体異性体は、適切な条件下で、t-Bu-アスパラギン酸またはアスパラギン酸誘導体の三次元立体配座の互変のような三次元立体配座の変換が発生し、例えばt-Bu-アスパラギン酸の三次元立体配座の互変プロセスが式(VI)に示される:
【化5】
【0078】
関与する反応物質とアスパラギン酸ジ-t-ブチルなどが反応して、剛直な構造を持つ対応するアスパラギン酸誘導体を生成する場合、反応基質は、反応中に異なる幾何異性体生成物を生成する可能性がある。
【0079】
上記の立体異性体、幾何異性体、互変異性体もまた、本発明の実施範囲内に含まれる。
【0080】
本発明に係る「立体異性体」は、同じ化学構造であるが空間内の原子または基の異なる配置を有する化合物を指し、エナンチオマー、ジアステレオマー、立体配座異性体、幾何異性体、アトロプ異性体などを含む。「エナンチオマー」は、重ね合わせることができないが、互いの鏡像である化合物の2つの異性体を指す。「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル中心を持ち、分子が互いに鏡像ではなく、融点、沸点、スペクトル特性、反応性などの異なる物理的特性を持つ立体異性体を指す。ジアステレオマー混合物は、電気泳動やクロマトグラフィーなどの高解像度分析操作によって分離でき、「互変異性体」は、低エネルギー障壁を介して相互に変換できる、エネルギーの異なる構造異性体を指す。
【0081】
いくつかの実施形態では、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体の調製プロセスは、反応生成物の分離、精製または再結晶プロセスも含む。反応生成物は、溶媒除去法により反応系から粗生成物として得ることができる。化学的純度が高く、不純物含有量が少ない固形物を得るために、粗生成物をアルコール溶媒、アルコール-水混合溶媒、または生成物の再結晶化に使用できる他の有機溶媒を介して適切な温度、光および機械的振動下で溶解、結晶化、または沈殿または再結晶および分離することによって特定の結晶状態を持つアスパラギン酸誘導体が得られる。前記特定の結晶状態を有するアスパラギン酸誘導体は、アスパラギン酸誘導体結晶またはアスパラギン酸誘導体の溶媒和物である。アスパラギン酸誘導体の溶媒和物は、アスパラギン酸誘導体の水和物またはアスパラギン酸誘導体のエタノラートから選択することができる。
【0082】
本発明に係る「溶媒和物」は、発明の化合物と溶媒分子との間の接触中、外部条件および内部条件で非共有分子間力によって化学的に同等または非化学的に同等の溶媒分子が結合されて形成された共晶会合物である。溶媒和物を形成する溶媒には、水、アセトン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル、酢酸、イソプロパノールなどの溶媒が含まれるが、これらに限定されない。「水和物」は、水である溶媒分子によって形成された会合物または結晶、つまり非共有分子間力を介して化学的に同等または非化学的に同等の水が結合された化合物を指す。
【0083】
本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体の調製は、より高い化学的純度、より低い不純物の固形物を得るために、また塩析法によって処理することができる。前記塩析法は、酸塩基中和法、酸塩基配位法または酸塩基キレート法の原理を使用して、アスパラギン酸誘導体および対応する有機塩基、無機塩基、有機酸または無機酸性塩との沈殿プロセスによって、飼料に許容される塩を得ることである。
【0084】
飼料に許容される塩は、本発明のアスパラギン酸誘導体と、動物に対して無毒である有機塩基、無機塩基、有機酸または無機酸によって形成された塩である。前記「飼料に許容される」とは、物質または組成物が化学的または毒物学的に適切でなければならず、飼料または食用養殖動物の組成に関連していることを意味している。
【0085】
いくつかの実施形態では、アスパラギン酸誘導体は、ジエステルまたは混合エステル(つまり、YおよびXは同時に同じまたは異なるC1-C20アルキル)であり、後処理の塩析沈殿プロセスは、無機酸または有機酸とで酸-塩基配位塩および/または酸-塩基キレート塩を生成し、前記有機酸には、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、2-ヒドロキシプロピオン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸、ガラクチトール酸、クエン酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、p-トルエンギ酸、ケイ皮酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されなく、前記無機酸には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0086】
いくつかの実施形態では、アスパラギン酸誘導体は是モノエステル(つまりYおよびXはそれぞれC1-C20アルキルおよび-Hの1つ)であり、後処理の塩析沈殿プロセスは有機酸または無機酸と酸-塩基配位塩および/または酸-塩基キレート塩を生成し、または有機塩基または無機塩基とで酸性塩を生成する。前記有機酸には、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、リンゴ酸、2-ヒドロキシプロピオン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸、ガラクチトール酸、クエン酸、酒石酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、p-トルエンギ酸、ケイ皮酸、p-トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されなく、前記無機酸には、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。前記有機塩基には、アンモニアまたはトリエチルアミンが含まれるが、これらに限定されない。前記無機塩基には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、または水酸化カルシウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0087】
アスパラギン酸誘導体の安定性研究。
【0088】
本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩は、60℃の条件下で化合物の安定性が測定され、実験期間が10日であり、化合物の含有量は、実験期間中、時間の経過とともに大幅に変化することがない。
【0089】
本発明はアスパラギン酸誘導体の用途に関する。
【0090】
本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩は動物飼料添加剤の調製に応用される。
【0091】
本発明に係る「動物」は、無機物質を有機物質に合成することができず、摂食、消化、吸収、呼吸、循環、排泄、感覚、運動および繁殖などの生命活動を行う人間または養殖動物を指す。「養殖動物」には、家禽、家畜、水産養殖動物、および猫や犬などのペットを含む、合法的に養殖する他の動物が含まれる。「家畜」という用語は、例えば豚、ウシ、馬、ヤギ、ヒツジ、シカおよび多くの有用なげっ歯類動物のいずれか1つである。「家禽」という用語は例えば鶏、アヒル、ガチョウ、ウズラ、ハトなどである。「水産養殖動物」という用語は魚、エビ、カメ、スッポンなどである。
【0092】
本発明に係る「飼料添加剤」は、飼料の加工、製造、使用の過程で添加される少量または微量の物質を指し、栄養飼料添加物と一般飼料添加物(非栄養飼料添加物とも呼ばれる)に分けられる。栄養飼料添加剤とは、飼料栄養素のバランスを取り、飼料利用を改善し、ビタミン、微量元素、アミノ酸、小さなペプチド、非タンパク質窒素など、動物に直接栄養効果を及ぼすために複合飼料に添加される少量または微量物質を指す。一般飼料添加剤は非栄養添加物とも呼ばれ、飼料の利用を改善し、飼料の品質と品質を確保するために飼料に添加されるいくつかの非栄養物質を指し、成長促進剤や昆虫忌避剤など、動物の健康や代謝に有益ですヘルスケア添加物、飼料添加物、飼料添加物、飼料貯蔵剤、中国の漢方薬添加物を含む。
【0093】
本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を応用して、各成長階段の動物の生産能力を改善するための非栄養添加剤を調製し、前記動物は各成長階段の家畜、家禽、水産養殖動物またはペットから選択される。
【0094】
さらに、前記家畜には、豚、ウシ、ヒツジ、馬、ウサギ、ミンクまたはロバが含まれるが、これらに限定されなく、前記家禽には、鶏、七面鳥、アヒル、ガチョウ、ウズラまたはハトが含まれるが、これらに限定されなく、前記水産養殖動物には、魚、エビ、カメ、カニ、スッポン、ウシガエル、タウナギまたはドジョウが含まれるが、これらに限定されなく、前記ペットにはさまざまな亜種の犬または猫が含まれるが、これらに限定されない。
【0095】
一実施例では、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を応用して、離乳豚用飼料添加剤を調製し、飼料摂取量に影響を与えずに離乳豚の1日の平均体重増加を向上し飼料変換率を改善することができる。
【0096】
別の実施例では、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を応用して、産卵鶏用飼料添加剤を調製し、産卵鶏の産卵率を効果的に改善し、卵重量を増やし、産卵鶏の飼料対卵の比率を減らすことができる。
【0097】
別の実施例では、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を応用して調製した飼料添加剤は、ブロイラーの生産能力を著しく改善することができる。
【0098】
また別の実施例では、本発明によって提供されるアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を応用して、魚の生産能力を改善する飼料添加剤を調製する。
【0099】
一実施例では、前記アスパラギン酸誘導体は亜鉛塩であり、動物用の高用量無機亜鉛の代替物として動物用の飼料添加剤を調製する。
【0100】
別の実施例では、前記アスパラギン酸誘導体は銅塩であり、動物用の高用量無機銅の代替物として動物用の飼料添加剤を調製する。
【0101】
本発明に係る飼料用組成物。
アスパラギン酸誘導体またはそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩の少なくとも1つおよび飼料用補助材料を含む飼料用組成物を提供し、前記飼料用補助材料は飼料用の担体、希釈剤、補助剤、溶媒またはそれらの組み合わせである。
【0102】
本発明に係る飼料は動物が消費するために工業的に加工および製造された製品を指す。
【0103】
本発明に係る「組成物」は、有効成分として1つまたは複数の化合物を含む化合物の群を指す。
【0104】
本発明の「含む」は、本発明で明示的言及される内容を含むが、他の態様を排除しない、オープンな表現である。
【0105】
本発明に係る「担体」は、有効成分を運ぶことができ、その分散性を改善し、良好な化学的安定性および吸着性を有する供給可能な物質を指し、それは有機担体および無機担体である。前記有機担体は粗繊維を多く含む材料であり、コーンフラワー、コーンコブパウダー、小麦ふすま、籾殻粉、脱脂米ぬか、米ぬか、とうもろこし茎粉、ピーナッツ殻粉などが含まれるが、これらに限定されない。前記無機担体は主にカルシウム塩と酸化ケイ素に分けられる鉱物であり、微量元素プレミックスの製造に使用され、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、バーミキュライト、ゼオライト、セピオストーンなどを含むがこれらに限定されない。
【0106】
本発明に係る「希釈剤」は添加剤原料を材料中に均一に分配し、高濃度添加剤原料を低濃度プレミックスまたはプレミックスに希釈し、微量成分を互いに分離し、活性成分間の相互反応を減らして、活性成分の安定性を高めるが関連物質の物理的および化学的特性に影響を与えない物質を指し、有機希釈剤と無機希釈剤を含む。有機希釈剤には、コーンフラワー、脱芽コーンフラワー、デキストロース(グルコース)、スクロース、ふすま入りセモリナ粉、揚げ大豆粉、小麦のミッドリング、コーングルテンミールなどが含まれるが、これらに限定されなく、無機希釈剤には、石灰岩、リン酸二水素カルシウム、シェルパウダー、カオリン(白い粘土)、食卓塩および硫酸ナトリウムが含まれるが、これらに限定されない。
【0107】
前記補助剤は物質の固有粘度を誘発する湿潤剤、物質を結合する接着剤、物質のシート全体を多くの微粒子に分解し、粒子のサイズを縮小する崩壊剤、粒子間摩擦力を低減するための保持助剤または材料の付着を防止するための粘着防止剤であり、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油、ラウリル硫酸マグネシウム、デンプン、デンプンスラリー、水、無機塩、デキストリン、粉末糖などが含まれるが、これらに限定されない。
【0108】
本発明に係る「溶媒」は固体を溶解または分散させるのに必要な溶媒を指し、水、エタノール、グリセリンなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0109】
いくつかの実施形態では、前記飼料用組成物は、追加の動物飼料添加剤および/または動物飼料原料をさらに含む。
【0110】
前記動物飼料添加剤は栄養飼料添加剤、一般飼料添加剤または薬剤飼料添加剤である。
【0111】
前記栄養飼料添加剤は、飼料栄養素のバランスを取り、飼料の利用を改善し、動物に直接栄養効果を及ぼすために複合飼料に添加される少量または微量の物質を指し、アミノ酸、アミノ酸塩とその類似体、ビタミン、およびレチノイドビタミン、ミネラル要素およびその複合体(キレート)、微生物酵素製剤または非タンパク質窒素である。
【0112】
前記一般飼料添加剤は非栄養添加剤とも呼ばれ、飼料の利用を改善し、飼料の品質と品質を確保し動物の健康や代謝に有益で飼料に添加されるいくつかの非栄養物質を指し、成長促進剤、ヘルスケア剤、香料および誘引剤、飼料添加物、飼料添加物、プロバイオティクス、プレバイオティクス、飼料貯蔵剤および中国の漢方薬添加物を含む。
【0113】
さらに具体的には、前記非栄養添加剤は成長促進剤であり、酪酸、酪酸カルシウム、酪酸ナトリウム、タンニン酸、p-チモー、p-チモーエステル、p-チモー塩、2-ヒドロキシ安息香酸、β-酸、β-酸エステル、β-酸塩、ヘキサヒドロβ-酸、ヘキサヒドロβ-酸エステル、ヘキサヒドロβ-酸塩、安息香酸または安息香酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛が含まれるが、これらに限定されない。
【0114】
一実施例では、前記非栄養添加剤は酪酸カルシウムである。
【0115】
別の実施例では、前記非栄養添加剤はタンニン酸である。
【0116】
具体的には、前記薬剤飼料添加剤には、動物の病気を予防し、動物の成長を促進する効果があり、担体または希釈剤を組み込むために長期間飼料に添加することができる動物用医薬品プレミックス物質が含まれるが、これらに限定されない。
【0117】
より具体的には、前記薬剤飼料添加剤は飼料用抗生物質であり、前記飼料用抗生物質には、ポリミキシン、サリノマイシン、アビラマイシン、バシトラシン、バージニアマイシン、ノシヘプチド、フラボマイシン、エンラマイシン、キトリマイシン、オラキンドックス、オキシテトラサイクリンまたはクロルテトラサイクリンが含まれるが、これらに限定されない。
【0118】
いくつかの実施例では、アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む組成物は、栄養飼料添加剤、一般飼料添加剤および薬剤飼料添加剤中の1つまたは複数をさらに含む。
【0119】
いくつかの実施例では、前記動物飼料原料は、穀物およびそれらの加工製品、油糧種子およびそれらの加工製品、合法作物およびそれらの加工製品、塊茎、塊茎およびそれらの加工製品、他の種子および果実製品、ならびにその加工製品、飼料、粗飼料とその加工製品、その他の植物、藻類とその加工製品、乳製品とその副産物、陸生動物製品とその副産物、魚、その他の水生生物とその副産物、鉱物、微生物発酵製品とその副産物、その他の飼料材料およびその他の飼料材料である。
【0120】
飼料用組成物の用途。
本発明は、上記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物の用途に関する。
【0121】
いくつかの実施例では、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物は、動物飼料添加剤の調製に応用される。
【0122】
前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して調製した動物飼料添加剤は、家畜飼料添加剤、家禽飼料添加剤、水産養殖動物飼料添加剤またはペット飼料添加剤である。
【0123】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して家畜飼料添加剤を調製し、前記家畜には各成長階段の豚、ウシ、ヒツジ、馬、ウサギ、ミンクなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0124】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して家禽飼料添加剤を調製し、前記家禽には各成長階段の鶏、アヒル、ガチョウ、ハトなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0125】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して水産養殖動物飼料添加剤を調製し、前記水産養殖動物には各成長階段の魚、エビ、カニ、スッポン、タウナギなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0126】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用してペット飼料添加剤を調製し、前記ペットには人工的に飼育された犬または猫が含まれるが、これらに限定されない。
【0127】
いくつかの実施例では、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む組成物を応用して調製した動物飼料添加剤はプレミックス、複合プレミックス、水性剤または顆粒剤である。
【0128】
いくつかの実施例では、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物は動物飼料の調製に応用される。
【0129】
前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して調製した動物飼料は、家畜飼料、家禽飼料、水産養殖動物飼料またはペット飼料である。
【0130】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して家畜飼料を調製し、前記家畜には、各成長階段の豚、ウシ、ヒツジ、馬、ウサギ、ミンクなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0131】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して家禽飼料を調製し、前記家禽には各成長階段の鶏、アヒル、ガチョウ、ハトなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0132】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して水産養殖動物飼料を調製し、前記水産養殖動物には各成長階段の魚、エビ、カニ、スッポン、タウナギなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0133】
具体的には、前記アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用してペット飼料を調製し、前記ペットには人工的に飼育された犬または猫が含まれるが、これらに限定されない。
【0134】
いくつかの実施形態では、アスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を応用して調製した飼料は単一飼料、濃縮飼料、複合飼料、複合プレミックスまたは濃縮補助飼料である。
【0135】
具体的には、前記複合飼料は完全な複合飼料である。
【0136】
養殖動物の生産能力を改善する方法。
いくつかの給餌実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料添加剤または飼料と飼料を動物に給餌して、動物の生産能力を効果的に改善することができる。
【0137】
いくつかの実施例では、前記飼料添加剤または飼料はプレミックス、複合プレミックス、顆粒剤または水性剤であり、動物飼料と均一に混合されて動物に給餌される。
【0138】
前記動物は家畜、家禽、水産養殖動物またはペットである。
【0139】
具体的には、前記家畜には各成長階段の豚、ウシ、ヒツジ、馬、ウサギ、ミンクなどが含まれるが、これらに限定されなく、前記家禽には各成長階段の鶏、アヒル、ガチョウ、ハトなどが含まれるが、これらに限定されなく、前記水産養殖動物には各成長階段の魚、エビ、カニ、スッポン、タウナギなどが含まれるが、これらに限定されなく、前記ペットには人工的に飼育された犬または猫が含まれるが、これらに限定されない。
【0140】
いくつかの実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料添加剤または飼料と飼料を離乳豚に給餌し、離乳豚の飼料摂取量および1日の平均体重増加を顕著に向上し、飼料変換率を効果的に改善することができる。
【0141】
具体的な実施例では、養殖者は飼料とともに離乳豚に給餌する飼料添加剤または飼料に含まれるアスパラギン酸誘導体はN-カルバモイル-アスパラギン酸亜鉛塩であり、離乳豚の飼料摂取量および1日の平均体重増加を顕著に向上し、効果的に飼料変換率を高め、前記飼料添加剤による離乳豚の生産能力の改善は、高用量無機亜鉛のレベルに達する。
【0142】
別の具体的な実施例では、養殖者は、飼料とともに離乳豚に給餌する飼料添加剤または飼料に含まれるアスパラギン酸誘導体はN-カルバモイル-アスパラギン酸銅塩であり、離乳豚の1日の平均体重増加を顕著に向上し、効果的に飼料変換率を高め、前記飼料添加剤による離乳豚生産能力の改善は、高用量無機銅のレベルに達する。
【0143】
一実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料添加剤または飼料と飼料をブロイラーに給餌し、効果的に体重増加を向上し、顕著にブロイラーの飼料対肉の比率を減らし、飼料の変換率を高める。
【0144】
一実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料添加剤または飼料と飼料を産卵鶏に給餌し、顕著に産卵率を向上し、卵重量を増やし飼料対卵の比率を減らす。
【0145】
一実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料添加剤または飼料と飼料を魚に給餌する。
【0146】
一実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料添加剤または飼料と飼料を子犬に給餌する。
【0147】
別の給餌実施例では、養殖者はアスパラギン酸誘導体およびそのラセミ体、立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物または飼料に許容される塩を含む飼料用組成物を動物に給餌し、顕著に動物の生産能力を改善する。
【0148】
選択可能で、前記飼料用組成物は飼料添加剤プレミックス、飼料添加剤複合プレミックス、顆粒剤または水性剤であり、飼料とともに動物に給餌する。
【0149】
一実施例では、前記飼料用組成物は飼料添加剤プレミックスである。
【0150】
一実施例では、前記飼料用組成物は飼料添加剤複合プレミックスである。
【0151】
選択可能で、前記飼料用組成物は濃縮飼料、複合飼料、複合プレミックスまたは濃縮補助飼料であり、動物飼料として動物に直接給餌する。
【0152】
一実施例では、前記飼料用組成物は完全な複合飼料である。
【0153】
ここで、本発明のある実施形態を詳細に説明するが、その例は、付随する構造式および化学式によって示される。本発明は、すべての代替案、修正、および同等の技術的解決策を網羅し、これらはすべて、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に含まれることを意図している。なお、本発明の特定の技術的特徴は明確に見ることができ、複数の独立した実施形態で別々に説明されるが、単一の実施形態で組み合わせ形態で提供することも、任意の適切なサブ組み合わせ形態で提供することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0154】
本発明の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本発明の化合物、組成物、および用途を、例を通して以下にさらに詳細に説明する。本明細書に記載の特定の実施例は、本発明を説明するためにのみ使用され、本発明を限定するために使用されないことを理解されたい。
【0155】
実施例1:化合物の調製
実施例1.1 N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸の調製
【化6】
室温で13gDL-アスパラギン酸、8gシアン酸カリウムを100mL1mol/L水酸化カリウム溶液に溶解し、室温で16時間攪拌して反応させ、濃塩酸でPHを2に調整し、1.0時間攪拌を続け、固体を沈殿させ、濾過し、固体を水で叩き、10.5g白色固体を得、収率68%であった。
【0156】
1HNMR(500MHz,DMSO-d6)δ:12.48(s,2H),6.28(d,1H),5.72(s,2H5),4.35-4.38(m,1H),2.56-2.67(m,2H).
【0157】
実施例2 N-グリシル-DL-アスパラギン酸の調製
【化7】
N-Boc-グリシン1.1g、tert-ブチルDL-アスパラギン酸1.6gおよびHBTU2.6gを15ml乾燥DMFに溶解し、窒素の保護下でジイソプロピルエチルアミンを添加し常温下で一晩反応させる。反応後、反応液に100ml酢酸エチルを加え、30mlの1N10炭酸水素ナトリウム溶液および30mlの1N塩酸水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、回転蒸発により有機溶媒を除去して得られた粗生成物を、シリカゲルカラム(ジクロロメタン/メタノール(v:v)=96:5)で精製してN-(N-Boc-グリシル)-アスパラギン酸ジ-t-ブチル1.5gを得、収率が60%であった。
【0158】
上記の手順で得られたN-(N-Boc-グリシル)-アスパラギン酸ジ-t-ブチルを100ml乾燥ジクロロメタンに溶解し、8mlトリフルオロアセテートを加え、常温下で24時間攪拌して反応させ、水(50ml×3回)で洗浄し、減圧濃縮して溶媒を除去し、得られた粗生成物を酢酸エチルで再結晶してN-グリシル-DL-アスパラギン酸0.6g、収率が72.7%であった。
【0159】
実施例3:化合物の熱安定性研究実験
アスパラギン酸誘導体原料およびその質量分率2%のプレミックス(以下2%プレミックスと略記)はそれぞれ60℃安定性実験条件下でその主成分の含有量の経時変化を調べた。
【0160】
実験機器:薬剤安定性インキュベーター、Waters高速液体クロマトグラフィー(HPLC)など。
【0161】
試験サンプル:N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸(化合物1)、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸ジエチルエステル(化合物2)、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸ナトリウム塩(化合物3)、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸カルシウム塩(化合物4)、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸亜鉛塩(化合物5)、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸銅塩(化合物6)、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸鉄塩(化合物7)、N-グリシル-DL-アスパラギン酸(化合物8)、N-(4-アミノブチリル)-DL-アスパラギン酸(化合物9)、N-(10-アミノデカノイル)-DL-アスパラギン酸(化合物10)、N-(14-アミノミリストイル)-DL-アスパラギン酸(化合物11)。
【0162】
実験試薬:メタノール(クロマトグラフィーグレード)、リン酸(分析グレード)。
【0163】
実験手順:
標準液の調製:50mg試験サンプルの原料を正確に量り、50mL水を加え、超音波で溶解して作業用ストック溶液を調製する。適切な量の作業用ストック溶液を取り、水でそれぞれ濃度125ppm、250ppm、500ppm、1000ppmの作業用溶液に希釈し、HPLCを測定する。サンプル濃度とHPLCピーク面積応答値が線形であるかどうかを確認し、検量線を作成する。
【0164】
試験サンプル溶液の調製:適切な量の試験サンプル原料および試験サンプル質量分率2%のプレミックス(以下2%プレミックスと略記)に適切な量の水を加え超音波で溶解し1000ppm溶液を得、0.22μmフィルターメンブレンで濾過した後、HPLC分析を行う。
【0165】
HPLC検出条件:クロマトグラフィーカラム:watersC18カラム(250mm×4.6mm、5μm)、移動相:0.05%リン酸:メタノール=95:5(V:V)(原料)、0.05%リン酸:メタノール(グラジエント溶出)、メタノール:5%→40%(0-15min)曲線6、40%→5%(15-16min)曲線1、5%(16-23min)曲線1、(プレミックス、飼料)、検出波長:210nm、カラム温度:25℃、サンプルサイズ:20μL、流量:1ml/min。
【0166】
実験方法:試験サンプル原料およびその2%プレミックスを培養皿に入れ、≦5mmの薄層に広げ、60℃で放置させ、5日目、10日目にHPLC検出用サンプルを採取し、各サンプルは3回並列採取した。
【0167】
実験結果:実験結果を「平均値」で表し、表1に示される。実験結果から分かるように、0-10日の実験期間で、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸鉄塩の含有量が10日目に94.98%に低下したことを除いて、各試験サンプルの原料およびその2%プレミックスの含有量は60℃の高熱条件下で大きく変化せず、優れた安定性を示す。
【表1】
【0168】
実施例4:養殖実験
実施例4.1 アスパラギン酸の誘導体およびその塩の離乳子豚の生産能力に対する影響
28±2日齢の「Duroc×landrace×yorkshire」三品種交雑種離乳子豚の95リットルから、同様の体重の360頭の豚を試験豚として選択し、ランダムに12の組に分け、各組には3つの複製があり、各複製の雄豚と雌豚は全体の半分、合計10頭がある。子豚は7日齢で餌を引き付け始め、28日齢の離乳豚舎には、セメントの床、棒鋼の柵、良好な換気、適切な温度とする。実験前に、豚舎と調理器具を滅菌する。実験期間中、実験豚は、同じ給餌および管理条件下で、同じ給餌および飲用で、別々の囲いに収容され、豚舎は1日1回清掃され、地面は3日に1回洗浄され、清潔で衛生的な状態を維持し、飼料は1日3回でした。各実験組は対照組と実験組に分かれる。I組は対照組であり、子豚には基本飼料が与えられ、実験組II~VII組には子豚に与えられた飼料は基礎飼料にそれぞれ50ppmのアスパラギン酸誘導体が添加された飼料であり、表2に示され、VIII~VII組には子豚に与えられた飼料は基礎飼料にそれぞれ1000ppmのアスパラギン酸誘導体金属イオン塩が添加された飼料であり、表2に示される。飼養プロセス全体を通じて、各実験組は他の酸化防止成分と成長促進剤が追加されていなかった。実験期間は40日であった。
【0169】
実験開始後の0日および40日の朝7時から9時まで実験豚の体重を測定した。実験期間中、子豚の飼料摂取と健康状況を毎日観察し、残りの飼料を量り、飼料消費量を記録し、毎日平均飼料摂取量(ADFI、g/d*頭)、1日の平均体重増加(ADG、g/d*頭)および飼料対肉の比率(FCR)を計算した。以下の式によって計算した:
毎日平均飼料摂取量=(飼料総量-残り量)/(実験日数×重複豚の数)、
1日の平均体重増加=(実験終期平均体重-実験初期平均体重)/実験日数、
飼料対肉の比率=毎日平均飼料摂取量/1日の平均体重増加。
【0170】
実験データはSPSS18ソフトウェアによって統計的に分析され、まずデータを一元配置分散分析(ANOVA)し、処理間の差が顕著である場合、Duncan's法により複数の比較を行った結果、顕著水準が0.05であった。実験結果は「平均値±標準誤差」として表示され、実験結果は表2に示される。
【0171】
離乳子豚の飼養実験結果から分かるように、各実験組と対照組と比較すると、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸ジエチルエステル、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸ナトリウム塩和N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸亜鉛塩を除き、他の試験サンプルでは離乳豚の飼料摂取量に明らかな影響がなく、1日の平均体重増加について、N-カルバモイル-DL-アスパラギン酸、N-グリシル-DL-アスパラギン酸、N-(4-アミノブチリル)-DL-アスパラギン酸により実験豚はそれぞれ7.0%、5.2%、8.1%増加したが、対照組と比較して効果が顕著ではなかった、他の各実験組では実験豚の1日の平均体重増加は対照組と比較して顕著な改善効果が見られ、飼料変換率について、各実験組は4.8%~7.8%減少し、対照組と比較して顕著な改善効果が見られなかった。
【表2】
【0172】
実施例4.2 アスパラギン酸誘導体の産卵鶏の生産能力に対する影響
実験では、単一因子ランダム設計を採用し、147日齢および同様の体重の420羽の北京白産鶏を選択し、それらを7つの処理組にランダムに分割し、各組に3回重複し、雄と雌が各半分で、各重複に20羽の北京白産鶏がある。実験前に、鶏舎と調理器具を滅菌する。実験期間中、同じ鶏舎で同じ飼養管理条件下でケージで飼養する。基礎飼料は主にトウモロコシ-大豆粕であり、飼養プロセス全体に、他の酸化防止成分や成長促進剤が添加されていなかった。各実験組はそれぞれ対照組、実験I~VII組である。実験Iは対照組で、基礎飼料のみを給餌し、実験II~VII組は基礎飼料にそれぞれ500ppmの異なるアスパラギン酸誘導体が添加され、詳細は表3に示される。10日間事前給餌し、実験期が158日であり、実験鶏が自由に飲んだり飼料を食べたり、1日2回給餌する。
【0173】
パラメータ統計:実験期間中、重複を単位で毎日の産卵数、産卵量および飼料摂取量を記録し、実験期間の産卵鶏の産卵率(EPR)、毎日平均飼料摂取量(ADFI、g/d)、卵重量(EW、g)および飼料対卵の比率(FER)を計算した。以下の式によって計算され:
産卵率(%)=毎日平均総卵数/鶏の数×100、
卵重量(g)=毎日平均総卵重量/毎日平均総卵数、
飼料対卵の比率=毎日平均飼料摂取量/卵重量。
【0174】
実験データをSPSS18ソフトウェアによって統計的に分析し、まずデータを一元配置分散分析(ANOVA)し、処理間の差が顕著であると、Duncan's法によって複数の比較を行った結果、顕著水準が0.05であった。実験結果が「平均値±標準誤差」として表示され、実験結果は表4に示される。
【0175】
結果から分かるように、試験サンプルは実験鶏の産卵率および飼料対卵の比率に対する影響は、対照組と比較すると改善効果が顕著ではなかったが異なる程度の改善効果が生ず、産卵率が2.7%-4.4%増加し、飼料対卵の比率が5.9%-7.6%減らし、試験サンプルは実験鶏の飼料摂取量に影響を与えなかったがN-グリシル-DL-アスパラギン酸を除き他の組の卵重量がすべて顕著に増加した。
【表3】
【表4】
【0176】
実施例4.3 アスパラギン酸誘導体のブロイラーの生産能力に対する影響
実験は単一因子ランダム設計を採用し、1日齢で同様の体重の平均体重が50gの黄色い羽のブロイラー420羽を選択し、7つの処理組にランダムに分割し、各組に3回重複し、雄と雌が各半分で、各重複に20羽の黄色い羽のブロイラーがある。実験前に鶏舎と調理器具を滅菌する。実験期間中、同じ鶏舎で同じ飼養管理条件下でケージで飼養する。基礎飼料は主にトウモロコシ-大豆粕であり、飼養プロセス全体に、他の酸化防止成分や成長促進剤が添加されていなかった。各実験組はそれぞれ対照組、実験I~VII組である。実験Iは対照組で、基礎飼料のみを給餌し、実験II~VII組は基礎飼料にそれぞれ300ppmの異なるアスパラギン酸誘導体が添加され、詳細は表5に示される。実験期間は20日であり、実験鶏が自由に飲んだり飼料を食べたり、1日2回給餌する。各重複を単位で、21日目体重を量り(12時間給餌せず、水のみを与える)、実験鶏の飼料消費量を統計し、各組の実験鶏の毎日平均飼料摂取量(ADFI、g/d*羽)、1日の平均体重増加(ADG、g/d*羽)および飼料対肉の比率(FCR)を計算した。以下の式によって計算され:
飼料対肉の比率(FCR)=毎日平均飼料摂取量/1日の平均体重増加。
【0177】
実験データをSPSS18ソフトウェアによって統計的に分析し、まずデータを一元配置分散分析(ANOVA)し、処理間の差が顕著であると、Duncan's法によって複数の比較を行った結果、顕著水準が0.05であった。実験結果が「平均値±標準誤差」で表示され、実験結果が表5に示される。
【0178】
結果から分かるように、アスパラギン酸誘導体の試験サンプルでは、各実験組は飼料摂取量に対する影響が、対照組と比較して異なる程度の増加効果があり、各実験組は対照組と比較して、各実験組の実験鶏の1日の平均体重増加がすべて増加し、その内にN-カルバモイル-DL-アスパラギン酸およびN-カルバモイル-DL-アスパラギン酸ジエチルエステルの効果が最も顕著であり、飼料収益について、各実験組は対照組と比較して飼料対肉の比率が約3.1%~7.0%減らし、実験組の一部は顕著な改善効果が示される。全体として、1日の平均体重増加や飼料収益の点で実験に使用されるアスパラギン酸誘導体はブロイラーの生産能力に対して優れた改善効果をもたらした。
【表5】
【0179】
実施例4.4 魚飼料中のアスパラギン酸誘導体の用途
1)実験材料
実験用魚:使用する実験魚は同じサイズの健康で活気のあるソウギョ種で、正式な繁殖実験に使用する前に、大きなケージ(4×2×1.5m3)で4週間飼育し、実験システムはフローティングケージ(仕様1.1×1.1×1.1m3)で、各小さなケージには1つの空気ポンプが設けられ、毎日24時間通気する。小さなケージと一時飼養ケージはすべて実験場所の3500m2の池に設置され、池の深さが約1.5mであり、池の水は底部まで完全に曝気された水である。1日間飢えた560匹のソウギョをランダムに7つの組に分け、各組に4回重複し、各重複に20匹の魚、があり、各重複を単位で体重を量り28個のケージに入れ、それぞれ異なる試験サンプルを同じ含有量で含有する実験飼料を与えた。
【0180】
実験飼料:実験用飼料は表6のレシピに従って自己調製し、異なる実験組には表7に従ってそれぞれ異なる試験サンプルを同じ含有量で与えた。使用する飼料原料を極細粉砕した後江蘇MUYANG押出機ユニットに通して粒子径3mm浮遊押出飼料を製造し、離型温度が130℃で、油噴霧設備により3%大豆油を噴霧し、後で使用するために涼しい場所で密封・保管する。
【表6】
【表7】
【0181】
(2)実験方法
実験管理:実験は人工制限給餌を採用し、給餌量は週に1回調整され、各組の給餌レベル(初期体重)は全く一致で、1日2回給餌し(7:30と15:00)、総給餌量は580g/重複実験組であった。実験期間は8週間であった。実験期間中、水質を定期的に監視し、養殖プロセス全体の水温は26.88±3.08℃で、DO>55.0mgOL-1、pH7.8、アンモニア態窒素<0.50mgNL-1、亜硝酸態窒素<0.05mgNL-1であった。
【0182】
パラメータ統計:実験中、1日間各ケージの魚に給餌を停止して全体的に体重を量り、その体重増加率(WG,%)および飼料係数(FCR)を計算した。以下の式によって計算され:
体重増加率(WG、%)=100×(平均終期重量-平均初期重量)/平均初期重量、
飼料係数(FCR)=摂食量/魚の体重増加。
【0183】
(3)実験結果
表8で表される実験結果から分かるように、アスパラギン酸誘導体を水産飼料に用途する場合ソウギョの生産能力に改善効果をもたらし、体重増加率の増加と飼料の変換率に反映される。各実験組の体重増加率は改善され、その内に、N-グリシル-DL-アスパラギン酸とN-カルバモイル-DL-アスパラギン酸ジエチルエステルを与えた実験組の体重増加率は、対照組と比較して顕著な増加効果がある。各実験組は飼料変換について、対照組と比較して飼料係数が顕著に減少し、飼料の利用率が向上した。
【表8】
【0184】
以上の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示すだけであり、本発明は他の方法によっても実施され得る。同様に、本発明の実施例は例として説明されるが、本発明の特許範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明の範囲内で同じ発明の概念内で行われた修正、または特許請求の範囲に追加された同等の内容であってもよい。
【国際調査報告】