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特表2022-506757物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法
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  • 特表-物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法 図1A
  • 特表-物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法 図1B
  • 特表-物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法 図2A
  • 特表-物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法 図2B
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  • 特表-物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムの作動方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/00 20060101AFI20220107BHJP
【FI】
B65G1/00 501C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524339
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 IB2019059293
(87)【国際公開番号】W WO2020089805
(87)【国際公開日】2020-05-07
(31)【優先権主張番号】1817706.3
(32)【優先日】2018-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521190509
【氏名又は名称】グレイ・オレンジ・プライベイト・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GREY ORANGE PTE, LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(72)【発明者】
【氏名】クマール,モヒット
(72)【発明者】
【氏名】パンチョリ,ニティン
(72)【発明者】
【氏名】ジャー,アヌジ アール
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022EE02
3F022FF22
3F022JJ13
3F022LL06
3F022MM12
3F022NN02
3F022PP06
3F022QQ11
(57)【要約】
パレット・ピック・プット・システム(102)を用いて物体を移送する方法を開示する。方法には、ボット(126)によって物体搬送ユニット(OCU)(116)を第1の位置に配置するステップが含まれる。ボット(126)は、物体搬送ユニット(OCU)(116)を移動させるように設計され、第1の位置のアドレスを受信する。さらに、物体搬送ユニット(OCU)(116)は、クランプ・ユニット(128)によってクランプされ、物体搬送ユニット(OCU)(116)の移動を制限する。パレット(114)及びパレット(114)の上に配置された物体は、物体を移送するように設計された機械設備(118)を用いて持ち上げられる。さらに、パレット(114)及び機械設備(118)は、アライメント・ユニット(122)によってアライメントされる。さらに、パレット(114)及び物体は、物体搬送ユニット(OCU)(116)に移送される。その後、クランプ・ユニット(128)によって物体搬送ユニット(OCU)(116)が開放されてから、ボット(126)は、積載に際して、物体搬送ユニット(OCU)(116)を第2の位置に搬送するように指示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システム(102)を操作するための方法であって、該方法は、
ボット(126)によって、第1の位置に物体搬送ユニット(OCU)(116)を配置するステップ;
クランプ・ユニット(128)によって物体搬送ユニット(OCU)(116)をクランプし、OCU(116)の移動を制限するステップ;
物体を移送するために設計された機械設備(118)を用いてパレット(114)を持ち上げるステップであって、物体はパレット(114)の上に配置される、ステップ;
アライメント・ユニット(122)によって、パレット(114)及び機械設備(118)の少なくとも一方をアライメントするステップ;
パレット(114)を物体搬送ユニット(OCU)(116)に移送するステップであって、物体はパレット(114)の上に配置される、ステップ;並びに
積載された物体搬送ユニット(OCU)(116)を、ボット(126)が第2の位置に搬送するように、サーバーによって指示するステップ
を含んで成り、
ボット(126)は、物体搬送ユニット(OCU)(116)を移動させ、サーバーから第1の位置のアドレスを受信するように設計され、
アライメント・ユニット(122)は、パレット(114)をアライメントするためのパレット・アライナー(130)と、機械設備(118)をアライメントするための機械設備アライナー(132)とを有して成り、
クランプ・ユニット(128)は、積載に際して、ボット(126)による物体搬送ユニット(OCU)(116)の搬送を可能にするためにOCU(116)を開放し、物体を移送する、方法。
【請求項2】
物体搬送ユニット(OCU)(116)上に物体を積載している間、又は機械設備(118)によって偶発的な衝撃が与えられている間、物体搬送ユニット(OCU)(116)はクランプされ、物体搬送ユニット(OCU)(116)の移動を制限する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
物体搬送ユニット(OCU)(116)の第1の対角線対の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる、少なくとも1対のフォトアイ(302)によって、物体搬送ユニット(OCU)(116)のアライメントが決定される、請求項1又は2のいずれか一方に記載の方法。
【請求項4】
クランプ・ユニット(128)が、物体搬送ユニット(OCU)(116)の第2の対角線対の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる一対の線形アクチュエータを利用する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
クランプ・ユニット(128)が、物体搬送ユニット(OCU)(116)の第2の対角線対の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる一対の電磁石を利用する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
パレット・アライナー(130)が、ガイド・レールの第1の対を有して成り、パレット(114)は、該パレット(114)のアライメントのために、ガイド・レールの第1の対を横切るように移動する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
機械設備アライナー(132)が、ガイド・レールの第2の対を有して成り、機械設備(118)は、該機械設備(118)のアライメントのために、ガイド・レールの第2の対を横切るように移動する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
パレット・アライナー(130)は、実質的に垂直に機械設備アライナー(132)の上方に存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
機械設備の経路における障害物の存在を決定し、障害物が検出されている間、機械設備(118)を停止するための1つ又はそれより多くの安全センサーをさらに有して成る、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
1つ又はそれより多くの安全センサーが、LASER赤外線ベースのセンサー、ライト・カーテン・センサー、及び近接センサーの少なくとも1つを有して成る、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パレット(114)及びパレット(114)の上に配置される物体を追跡するための積載パレット番号(LPN)をオペレータがスキャンするステップをさらに含んで成る、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
音声インジケータ及び視覚インジケータのセットから選択される少なくとも1つのインジケータを用いて、パレット・ピック・プット・システム(102)における異なる段階を示すステップをさらに含んで成る、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システム(102)であって、該システムは、
ボット(126)によって第1の位置に配置される物体搬送ユニット(OCU)(116);
物体搬送ユニット(OCU)(116)の移動を制限するように物体搬送ユニット(OCU)(116)をクランプするためのクランプ・ユニット(126);
物体を移送するために設計された機械設備(118)を用いて持ち上げられるパレット(114);並びに
パレット(114)及び機械設備(118)の少なくとも一方をアライメントするためのアライメント・ユニット(122)
を有して成り、
ボット(126)は、物体搬送ユニット(OCU)(116)を移動させ、サーバーから第1の位置のアドレスを受信するように設計され、
物体は、パレット(114)の上に配置され、
アライメント・ユニットは(122)は、パレット(114)をアライメントするためのパレット・アライナー(130)と機械設備(118)をアライメントするための機械設備アライナー(132)とを有して成り、パレット(114)及び物体は、物体搬送ユニット(OCU)(116)に積載され、ボット(126)は、積載された物体搬送ユニット(OCU)(116)を第2の位置に搬送するようにサーバーによって指示され、クランプ・ユニット(128)は、積載に際して、ボット(126)による物体搬送ユニット(OCU)(116)の搬送を可能にするために物体搬送ユニット(OCU)(116)を開放し、物体を移送する、システム。
【請求項14】
物体搬送ユニット(OCU)(116)の第1の対角線対の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる少なくとも1対のフォトアイ(302)によって、物体搬送ユニット(OCU)(116)のアライメントが決定される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
クランプ・ユニット(128)が、物体搬送ユニット(OCU)(116)の第2の対角線対の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる一対の線形アクチュエータを利用する、請求項13又は14のいずれか一方に記載のシステム。
【請求項16】
クランプ・ユニット(128)が、物体搬送ユニット(OCU)(116)の第2の対角線対の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる一対の電磁石を利用する、請求項13又は14のいずれか一方に記載のシステム。
【請求項17】
パレット・アライナー(130)が、ガイド・レールの第1の対を有して成り、パレット(114)は、該パレット(114)のアライメントのためにガイド・レールの第1の対を横切るように移動する、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
機械設備アライナー(132)が、ガイド・レールの第2の対を有して成り、機械設備(118)は、該機械設備(118)のアライメントのためにガイド・レールの第2の対を横切るように移動する、請求項13~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
パレット・アライナー(130)は、実質的に垂直に機械設備アライナー(132)の上方に存在する、請求項13~18のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にパレット・ピック・プット・システムに関連しており、より具体的には、パレット・ピック・プット・システムを用いる物体の移送のための(移送の)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
背景セクションで論じられている主題は、単に背景セクションにおける記述の結果として、先行技術であると見なされるべきではない。同様に、背景セクションで記述される課題、又は背景セクションの主題に関連する課題は、先行技術において以前に認められていたと見なされるべきではない。背景セクションにおける主題は、単に異なるアプローチを提示しており、また、それ自体が特許請求された技術の実装にも対応し得る。
【0003】
製造業者及び配送センターは、店舗から様々な製品の注文を受ける。通常、所与の注文は、「ピッキング」される。これは、製造業者又は配送センターがパレット運搬のフォークで搬送されるパレットを用いることを意味し、所与の場所への配送のため、かかるパレット上に物体が積載される。このようなパレット搬送には、フォークリフト・トラック、電動パレット・ジャッキ、又は手動パレット・ジャッキが含まれ得る。このようなパレット搬送は作動において完全に手動であるため、このようなシステムが供するスループットは非常に低い。
【0004】
さらに、様々な製品のパレット、並びにサイズ、色、量、及びフレーバーなどの製品のバリエーションのパレットを保存するため、個々の物体の保管及び配送システムが用いられる。このような個々の物体の保管及び配送システムは、効率的及び信頼性の高い方法で、異なるパレットを有する複数の物体の注文に応じるプロセスを機械化する。しかしながら、このような個々の物体の保管及び配送システムは高価であり、設置が困難であって、大きな床面積を要する。さらに、顧客の注文に応じるために必要な手作業の量を低減するため、自動化ソリューションが用いられる。一例では、顧客の注文、在庫、及び注文に応じるための在庫のルーティングを追跡するため、インテリジェント制御システムが用いられる。
【0005】
さらに、物品の移送には、物品の取り扱い及び安定性を確保するための多くのスキルを要する。現在、物品の移送は、手動で実施されるか、又は完全に自動化されている。しかしながら、物品の手動移送には時間がかかり、熟練した経験豊富な従業員を要し、一般的に人為的エラーを招く。一方で、完全に自動化された環境における物品の移送は、高い運用コストにつながる。したがって、効率的で、費用効果が高く、設置が容易で、時間効率が高く、安全であり得る物品移送の改善された方法が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示の一態様では、パレット・ピック・プット・システム(pallet pick put system)を用いて物体(又はオブジェクト、object)を移送する方法を供する。方法は、ボット(bot)によって、物体搬送ユニット(OCU:Object Carrying Unit)を第1の位置に配置することを特徴としている。ボットは、OCUを移動するように設計され、サーバーから第1の位置のアドレス(又は配置、address)を受け取る。さらに、方法には、OCUの移動を制限するクランプ・ユニット(clamping unit)によってOCUをクランプすることが含まれる。パレット及びパレット上に配置された物体は、物体の移送のために設計された機械設備(又は機械装置、mechanical equipment)を用いて持ち上げられる。さらに、方法には、アライメント・ユニット(又は整列ユニット若しくは位置合わせ部、alignment unit)によってパレット及び機械設備の少なくとも一方をアライメントする(又は整列する若しくは位置合わせする、align)ことが含まれる。アライメント・ユニットは、パレット・アライナー(又はパレット整列機、pallet aligner)及び機械設備アライナー(又は機械設備整列機、mechanical equipment aligner)を有して成る。さらに、方法は、パレット及びパレット上に配置された物体をOCUに積載することを特徴としている。方法は、その後、サーバーによって、積載されたOCUを第2の位置に搬送するようにボット(bot)に指示することを特徴としている。クランプ・ユニットがOCUを開放することで、積載に際してボットがOCUを搬送できるようになり、それによって物体は移送される。
【0007】
本開示の一態様では、物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システムを供する。パレット・ピック・プット・システムは、ボットによって物体搬送ユニット(OCU)を第1の位置に配置することを特徴とする。ボットは、OCUを移動させるように設計され、サーバーから第1の位置のアドレスを受け取る。パレット・ピック・プット・システムは、OCUの移動を制限するようにOCUをクランプするためのクランプ・ユニットによって特徴づけられる。さらに、パレット・ピック・プット・システムは、パレット及びパレット上に配置された物体によって特徴付けられる。パレットは、物体の移送のために設計された機械設備のプロング(prong)を用いて持ち上げられる。さらに、パレット・ピック・プット・システムは、パレット及び機械設備の少なくとも一方をアライメントするためのアライメント・ユニットによって特徴付けられる。アライメント・ユニットは、パレット・アライナー及び機械設備アライナーを有して成る。さらに、パレット及びパレット上に配置された物体は、OCUに積載される。ボットは、サーバーによって、積載されたOCUを第2の位置に搬送するように指示される。したがって、クランプ・ユニットがOCUを開放することで、積載に際してボットがOCUを搬送可能となり、それによって物体が移送される。
【0008】
本開示は、パレット・ピック・プット・システムの精度、スループット(又は処理量、throughput)、及び作動速度を改善することを目的としている。一般的に、作業者による機械設備の不適当な取り扱いは、機械設備との衝突に際して、機械設備、及びOCUなどの他の要素の損傷をもたらす。そのような問題を修正するため、本開示は、OCUの上に物体を積載する間、OCUの移動を制限するためのクランプ・ユニットを供する。このような場合、クランプされたOCUに機械設備が誤って当たった際にも、OCUがその位置を離れることはない。さらに、クランプ・ユニットは、ボットによって搬送される間に生じたOCUの位置ずれも修正する。
【0009】
別の場合では、作業者は機械設備を不適当に取り扱う可能性があり、適切な角度で機械設備をOCUに近づける可能性がある。このようなミスアライメント(又はずれ、misalignment)は、パレット及びパレット上に配置された物体の落下につながり得る。これにより、損傷を修正するため、作動コスト及び追加の作動時間が増加し得る。このような問題を修正するため、本開示は、機械設備及びパレットをアライメントするためのアライメント・ユニットを供する。
【0010】
一般的に、機械設備の経路に存在する障害物は、機械設備に損傷をもたらす。そのような問題を修正するため、本開示は、機械設備の経路における障害物の存在を決定するために用いられる1つ又はそれより多くの安全センサーを供する。障害物が検出されると、機械設備の移動は直ちに停止され、いずれの偶発的な損傷も回避し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、システム及び方法の様々な実施形態、並びに本開示の様々な他の態様の実施形態を示している。当業者は、図面に示された要素の境界(例えば、ボックス、ボックスの群、又は他の形状)が境界の一例を表すことを理解するであろう。いくつかの例において、1つの要素は複数の要素として設計され得、又は複数の要素が1つの要素として設計され得る。いくつかの例において、1つの要素の内部構成要素として示される要素は、別の要素の外部構成要素として実装され得、その逆も同様である。さらに、要素は縮尺どおりに図示されていない場合がある。非限定的及び非網羅的な記載は、以下の図面を参照して説明される。図面における構成要素は必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに原理を図示することに焦点が置かれている。
【0012】
図1A図1Aは、手動操作環境10から倉庫(又は貯蔵所、warehouse)20への物体の移送、倉庫20における物体の管理、及びグッズ・トゥ・パーソン(GTP;Goods-To-Person)環境30における物体の管理の図である。
図1B図1Bは、一実施形態による、物品を移送するために倉庫20において作動するパレット・ピック・プット・システム102の斜視図である。
図2A図2Aは、一実施形態による、パレット・ピック・プット・システム102を用いる物体の移送方法を示すフローチャート200の累積的な図である。
図2B図2Bは、一実施形態による、パレット・ピック・プット・システム102を用いる物体の移送方法を示すフローチャート200の累積的な図である。
図3図3は、一実施形態による、クランプ・ユニット128及び一対のフォトアイ(photoeyes)302の位置を示す、パレット・ピック・プット・システム102の斜視図である。
図4図4は、一実施形態による、アライメント・ユニット122を示す、パレット・ピック・プット・システム102の斜視図である。
図5図5は、一実施形態による、パレット・ピック・プット・システム102を用いる物体の移送方法を示すフローチャート500の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示のいくつかの実施形態は、その特徴の全てを示しており、ここで詳細に説明される。「含んで成る(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」及び「含む(including)」の語句並びにそれらの他の形式は、意味が同等であり、これらの語句のいずれか1つに続く1つ又は複数のアイテムは、そのような1つ又は複数のアイテムの網羅的な列挙であることを意味するものではなく、列挙された1つ又は複数のアイテムのみに限定されることを意味するものでもない、ということにおいて、オープン・エンド(open ended)であることが意図されている。
【0014】
また、本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」及び「the」には、文脈において明確に別段規定されない限り、複数形が含まれるということに留意されたい。本開示の実施形態の実施又は試験において、本明細書に記載されたものと類似又は同等のいずれのシステム及び方法も用いられ得るものの、ここでは、好ましいシステム及び方法を記載する。
【0015】
概して、本開示の実施形態は、倉庫における物体の移動を管理するためのパレット・ピック・プット・システムに関する。さらに、本開示の実施形態は、物体搬送ユニット(OCUs)をクランプするためのクランプ・ユニットに関する。さらに、本開示の実施形態は、パレット及び機械設備などのパレット・ピック・プット・システムの要素をアライメントするためのアライメント・ユニットに関する。さらに、本開示の実施形態は、パレット・ピック・プット・システムの作動中の事故を回避するための安全モジュールに関する。
【0016】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して以下により完全に説明される。図面において、同様の数字はいくつかの図面を通して同様の要素を表しており、例示的な実施形態が示されている。しかしながら、特許請求の範囲の実施形態は多くの異なる形態で実施され得、本明細書に記載された実施形態を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に記載された実施例は非限定的な実施例であり、他の可能な実施例の中の例示にすぎない。
【0017】
図1Aは、手動操作環境10から倉庫20への物体の移動、倉庫20における物体の管理、及びグッズ・トゥ・パーソン(GTP)環境30における物体の管理の図である。一実施形態では、完全に手動の環境10から、物体40及び50が倉庫20に移送され得る。2つの物体40及び50は、説明を簡易にするために図示されているものの、実際の状況では無数の物体が処理される。物体40及び50は倉庫20に保管されてよく、必要に応じてGTP環境30に移送されてよい。GTP環境30は完全に自動化された環境であってよく、そこで物体40及び50はそれぞれの行き先(又は目的地、destination)に到達するように仕分けされてよい。ある場合では、図1Aに示されるように、GTP環境30には、コンベア・ベルト(conveyor belt)60、70、80及び90の配列が含まれてよい。コンベア・ベルト60に配置された物体40及び50は、ロボット・アーム100によって、コンベア・ベルト70、80及び90のいずれかに案内されてよい。ある場合において、ロボット・アーム100はサーバーから受信した命令に基づいて作動してよい。さらに、GTP環境30において、ロボット・アーム100は、受信した指令及び各物体に関連付けられた固有のコードの識別に基づいて、物体40及び50を適当な方向に向けてよい。
【0018】
一実施形態において、物体は、パレット・ピック・プット・システム102を用いて倉庫20で管理されてよい。パレット・ピック・プット・システム102は、本質的に半自動であってよい。物体40及び50が倉庫20に移送されると、最初に、物体40はフォークリフト104によって倉庫20内に搬送され得る。フォークリフト104は、ステージング領域(又は中間領域、staging area)108におけるステージング・ラック(又は中間棚、staging rack)106に物体40を配置し得る。一例では、ステージング・ラック106が空いていないか、又は物体40が損傷していることが判明した場合、物体40はエクセプション・ラック(又は例外ラック、exception rack)110に配置され得る。ステージング領域108又はエクセプション・ラック110に物体40を配置することとは別に、フォークリフト104は、一般的に、固定領域、すなわちフォークリフト通路112を横切るように移動し得ることが留意されるべきである。さらに、パレット114は、物体40を搬送するために物体40の下方に配置され得る。ある場合において、パレット114は、持ち上げられている間、物体40を支持し得る。
【0019】
パレット・ピック・プット・システム102は、物体40を搬送するための物体搬送ユニット(OCUs)116をさらに有して成ってよく、物体40は、OCU116に配置されている間、パレット114に置かれてよい。パレット114によって下方から支持される物体40は、機械設備118によって、そのプロング120を用いて搬送されてよい。パレット・ピック・プット・システム102は、パレット114及び物体40がOCU116上に積載されている間、機械設備118、及び機械設備118によって搬送されるパレット114をアライメントするため、アライメント・ユニット122を利用してよい。さらに、機械設備118を操作するオペレータを補助するため、パレット・ピック・プット・システム102に1つ又はそれより多くのミラー124を設置してよい。機械設備118によって物体40がOCU116に配置されると、ボット126は要求された位置にOCU116を搬送し得る。
【0020】
次に、図1Aに示されていないパレット・ピック・プット・システム102のさらなる要素/構成要素を、図1Bを参照して説明する。図1Bでは、物体40(以下、一般的に物体と称する)を移送するためのパレット・ピック・プット・システム102の斜視図が供されている。パレット・ピック・プット・システム102は、OCU116をそれらの位置に保持するためのクランプ・ユニット128をさらに利用してよい。クランプ・ユニット128に関連する動作の詳細は、図3を参照してさらなるセクションにおいて詳細に説明する。アライメント・ユニット122には、パレット・アライナー130及び機械設備アライナー132が含まれてよい。パレット・アライナー130はパレット114を正確にアライメントするために用いられてよく、機械設備アライナー132は機械設備118をアライメントするために用いられてよい。アライメント操作は、図4を参照してさらなるセクションにおいて詳細に説明する。さらに、電気パネル134は、クランプ・ユニット128などの様々な要素の手動操作、又は作動チェックのために、パレット・ピック・プット・システム102に存在してよい。さらに、OCU116の積載、OCU116の移動など、様々な要素の様々な作動状態を示すため、パレット・ピック・プット・システム102の様々な位置にステーション・タワーライト(又は定置塔灯、station towerlight)136を設置してよい。
【0021】
図2A及び図2Bは、物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システム102の操作方法を示すフローチャート200の累積的な図である。当業者は、本明細書で開示される本プロセス及び方法、並びに他のプロセス及び方法について、プロセス及び方法で実施される機能が異なる順序で実行され得ることを理解するであろう。さらに、概説されたステップ及び操作は例示としてのみ供される。ステップ及び操作のいくつかは、任意選択的であるか、より少ないステップ及び操作で組み合わされるか、又は開示された実施形態の本質を損なうことなく、さらなるステップ及び操作に拡張されてよい。
【0022】
一実施形態では、ステップ202において、PPPステーションにOCU116を配置するためのタスクが作成され得る。タスクは、物体の移送を要求し得る。続いて、サーバー(図示せず)がパレット・ピック・プット・システム102の準備状態(又は準備状況、readiness)をチェックし得る。パレット・ピック・プット・システム102の準備状態は、OCU116が空いているかを決定すること、OCU116を搬送する必要のある行き先が空いているかを決定すること、物体を搬送するために辿る経路にいずれの障害物が存在するかを決定すること、サーバーが他のタスクを処理しているかを決定することなど、いくつかの要因の決定に対応し得る。パレット・ピック・プット・システム102の準備状況を決定するため、サーバーは、クランプ・ユニット128に存在する応力など、パレット・ピック・プット・システム102の他のユニットからのフィードバックも受信し得る。
【0023】
一実施形態において、パレット・ピック・プット・システム102の準備状態は、クランプ・ユニット128及び安全モジュールの準備状態の決定に対応し得る。クランプ・ユニット128の場合、サーボ機構(又は追従メカニズム、servo mechanism)は、クランプ・ユニット128に存在する一対の線形アクチュエータ(linear actuator)の動作に関与し得る。サーボ機構は、クランプ操作及び脱クランプ(de-clamping)操作中に利用される、サーボ・モータ(servo motor)、リード・スイッチ(reed switch)、及びサーボ・ドライブ(servo drive)を有して成ってよい。クランプ・ユニット128の準備状態は、一対の線形アクチュエータの位置に基づいて決定され得る。リード・スイッチによって、両方のアクチュエータがホーム位置(又は定位置、home position)に存在することが感知されている間、クランプ・ユニット128は準備完了状態にあると決定され得、そうでなければ「システム障害」コマンドがサーバーに転送され得る。さらに、安全モジュールの準備状態は、安全モジュールのフォトアイを用いて決定され得る。ある場合では、安全モジュールのフォトアイを用いて、オペレータ又は機械設備118の存在がパレット・ピック・プット・システム102の領域で判別される間は、パレット・ピック・プット・システム102は準備未完了の状態であると識別され得る。別の場合において、安全モジュールのフォトアイを用いて、オペレータ又は機械設備118の存在がパレット・ピック・プット・システム102の領域で判別されない間は、パレット・ピック・プット・システム102は準備完了状態であると識別され得る。
【0024】
パレット・ピック・プット・システム102の準備状態に基づいて、ボット126は空のOCU116を搬送し得る。ステップ204において、ボット126はPPPステーション120の第1の位置にOCU116を配置し得る。到達すると、OCU116は、第1の位置の表面に存在するバーコードを用いて第1の位置を確認し得る。ボット126は、サーバーから第1の位置のアドレスを受信し得ることが留意されるべきである。その後、ステーション・タワーライト136は赤く光り、PPPステーション120の第1の位置にOCU116が配置されたことを示し得る。
【0025】
続いて、ステップ206において、パレット・ピック・プット・システム102の正常性(health)が決定され得る。パレット・ピック・プット・システム102の正常性の決定には、機械設備118がPPPステーション120に存在するかを識別すること、並びにサーボ・モータ、プログラマブル・ロジック・コントロール(PLC;Programmable Logic Control)及び他のハードウェア・デバイスが正常であるかを識別することが含まれ得る。
【0026】
一実施形態において、パレット・ピック・プット・システム102の正常性を決定することには、アライメント・ユニット122、クランプ・ユニット128、及び少なくとも一対のフォトアイ302の正常性を決定することが含まれ得る。アライメント・ユニット122は機械的な構造であり、アライメント・ユニット122の正常性は管理者によって手動で検査され、識別された障害はいずれも手動で修正される。クランプ・ユニット128の正常性は、アクチュエータの作動に関与するサーボ・ドライブによって決定される。停電、通信の切断、過負荷、過電圧、及びエンコーダの問題などのエラーが発生すると、サーボ・ドライブは、そのようなエラーに関する詳細をシステム・コントローラに転送し得る。システム・コントローラは、「システム障害」コマンドの型式でそのような詳細をサーバーに転送し得る。電力状態、配置、及び接続など、少なくとも1対のフォトアイの正常性は、コントローラを用いてモニタリングされ得る。配置又はいずれの値においていずれの偏差が認められると、エラー信号がサーバーに転送され得る。
【0027】
ステップ208では、パレット・ピック・プット・システム102で障害が識別されている間、障害についての通知がオペレータに為され得る。ある場合では、ステーション・タワーライト136を介してオペレータに通知され得る。ステーション・タワーライト136は黄色に光り、パレット・ピック・プット・システム102における障害を示し得る。ある場合において、パレット・ピック・プット・システム102の正常性を決定することは、OCU116の位置の決定を参照し得る。
【0028】
OCU116の位置決めは、図3を参照して説明される。図3は、パレット・ピック・プット・システム102の斜視図である。OCU116の位置は、OCU116の第1の対角線対(又は斜め向いの対、diagonal pair)の脚を配置するための位置の後方に位置付けられる、少なくとも一対のフォトアイ302によって決定され得る。対のフォトアイ302は、発光ダイオード(LED)、放射の誘導放出による光増幅(LASER)及び赤外線(IR)センサーなどの適当な光センサーを用いて実行され得る。さらに、他の実施形態では、近接センサー及び超音波センサーなどの他のセンサーも、OCU116の位置を決定するために用いられ得る。対のフォトアイ302は、少なくとも1つの光路が対のフォトアイ302の間に確立されるように配置され得る。OCU116が誤って配置されると、OCU116の少なくとも1つの脚によって光路が破壊され、結果としてOCU116の誤った位置が決定される。同様に、改善された結果を導き出すために複数の光路が確立され得る。
【0029】
ステップ210において、パレット・ピック・プット・システム102の正常性が最適であると決定されることの検証中に、OCU116はクランプ・ユニット128によってクランプされ得る。一実施形態において、図3に示されるように、クランプ・ユニット128には対の線形アクチュエータが含まれ得る。対の線形アクチュエータは、OCU116の第2の対角線対の脚を配置するための位置の後方に配置され得る。対の線形アクチュエータは直線状に延在し得、OCU116の脚をクランプし得る。別の実施形態において、クランプ・ユニット128には、OCU116の第2の対角線対の脚を配置するための位置の後方に配置される一対の電磁石が含まれ得る。対の電磁石を用いると、様々な負荷に合わせてクランプ強度が有益に変更される。クランプ強度は、対の電磁石に供される電力に基づいて、任意に変更される。クランプ・ユニット128は、OCU116の配置公差を減じ得ることが留意されるべきである。さらに、クランプ・ユニット128はサーバーにフィードバックを供し得る。ある場合では、フィードバックは、クランプ・ユニット128に取り付けられたリード・スイッチによって感知されるいずれの負荷にも対応し得る。
【0030】
クランプ・ユニット128は、パレット・ピック・プット・システム102の作動にいくつかの利点を有益に供する。主に、クランプ・ユニット128は、OCU116上に物体を積載している間、OCU102の移動を制限し得る。十分な精度なしに機械設備118を操作するオペレータは、機械設備118によってOCU116に誤って衝突する可能性がある。そのような場合において、機械設備118によってこのような偶発的な衝撃が起こる間、クランプ・ユニット128はOCU116の移動を制限し得る。さらに、クランプ・ユニット128は、一般に各側に10mmの公差を有するボット126によって搬送されている間に発生したOCU116の誤配置も修正し得る。すなわち、クランプ・ユニット128は、プロセス中に発生する、OCU116に関連する全ての位置のエラーを修正し得る。したがって、上述の方法で、クランプ・ユニット128はパレット・ピック・プット・システム102の作動を強化する。
【0031】
一実施形態において、パレット・ピック・プット・システム102は、ステップ212においてOCU116がクランプされているかを決定し得る。ステップ214において、OCU116がクランプされていない間、ステーション・タワーライト136を介して、パレット・ピック・プット・システム102における障害に関してオペレータに通知され得る。ステーション・タワーライト136(図1Aに示される)は黄色に光り、パレット・ピック・プット・システム102における障害を示し得る。別の例では、OCU116のクランプが完了する場合、ステップ216においてセンタリング(又は中心化、centering)及びクランプのコマンドがサーバーに転送され得る。その後、ステーション・タワーライト136は緑色に光り得、PPPステーション120が、さらなるプロセスをオペレータが実行できる状態であることを示す。
【0032】
ステップ218では、OCU116がクランプ・ユニット128によってクランプされている間、機械設備118はPPPステーション120に入ることができる。機械設備118は、オペレータによって操作され得る。機械設備118の経路における障害物の存在を決定するため、1つ又はそれより多くの安全センサーが用いられ得ることが留意されるべきである。1つ又はそれより多くの安全センサーには、限定されないものの、LASER赤外線ベースのセンサー、ライト・カーテン・センサー、及び/又は近接センサーが含まれ得る。機械設備118の移動は、障害物が検出されるとすぐに停止され得る。機械設備118は、機械的ストッパ(図示せず)を用いて停止され得る。さらに、オペレータにも、音声及び/又は視覚的インジケータを介して障害物について通知され得る。したがって、上述の方法で、1つ又はそれより多くの安全センサーが、パレット・ピック・プット・システム102の作動を強化する。ある場合において、ステーション・タワーライト136は赤色に光り得、機械設備118の経路における障害物の存在を示す。
【0033】
機械設備118の経路が開けている(又は障害物がない、clear)間、パレット114は機械設備118によって持ち上げられ得る。その後、ステップ220において、物体はパレット114の上に搬送され得る。ある場合において、機械設備118は、パレット114及びパレット114の上の物体を搬送するためにプロング120を備え得る。代替の実施形態では、制限されないものの、フック及びトレイを含む、プロング120とは異なる搬送手段も用いられ得る。さらに、物体は、立方体、直方体、円柱、及び球体のいずれの形状のコンテナにも存在し得、又は詰められ得る。パレット114は、物体を快適に搬送するように設計され得る。
【0034】
続いて、ステップ222において、オペレータは、パレット114及びパレット114上に配置された物体を追跡するため、装填/ライセンス化パレット番号(LPN;Loaded/Licensed Pallet Number)をスキャンしてよい。LPNは、PPPステーション120内で物体を追跡するために用いられ得ることが留意されるべきである。ある場合において、LPNは、バーコード、クイック・レスポンス(QR;Quick Response)コード、ホログラム・コード、無線周波数識別(RFID;Radio-Frequency Identification)タグなどであってよい。ある場合において、パレット・ピック・プット・システム102におけるパレット114の位置を決定するために、PPPステーション120におけるいくつかの位置にRFIDリーダーを設置してよい。
【0035】
続いて、ステップ224において、オペレータは、パレット114及び物体をOCU116に配置するためのステーション番号(station number)を受信し得る。機械設備118がOCU116付近に接近すると、機械設備118はOCU116の前に存在するアライメント・ユニット122と相互作用し得る。ステップ226において、機械設備118はアライメント・ユニット122と相互作用し、少なくとも1つのパレット114及び機械設備118をアライメントし得る。
【0036】
図4を参照して、アライメント・ユニット122、その構成要素及び操作をさらに説明する。アライメント・ユニット122には、パレット・アライナー130及び機械設備アライナー132が含まれ得る。パレット・アライナー130及び機械設備アライナー132は、上下に垂直に存在し得る。ある場合において、機械設備アライナー132は、パレット・アライナー130の下方、及び地面付近に存在し得る。
【0037】
ある場合において、パレット114は、機械設備118のオペレータによって誤って持ち上げられている間に、ずれを生じ得る。そのような状況の中で、パレット・アライナー130はパレット114をアライメントするために用いられ得る。別の場合において、オペレータは、機械設備118を誤って取り扱う可能性があり、適切な角度でOCU116に向かって機械設備118を持っていく可能性がある。そのような状況の中で、機械設備アライナー132は機械設備118をアライメントするために用いられ得る。
【0038】
一実施形態において、機械設備118は、スライド・ガイド、すなわち機械設備アライナー132のガイド・レールを用いてアライメントされ得る。ある場合において、ガイド・レールは、機械設備118のローラー402と相互作用するのに十分な高さにおいて、地面の上方に取り付けられた1~2メートル長さの金属シートのセットであってよい。さらに、ローラー402を収容するため、及びいくらかの隙間(又はクリアランス、clearance)を供するため、ガイド・レールの間にはギャップが存在し得る。ローラー402は、機械設備118の下方前端に外向きに取り付けられ得、機械設備118がOCU116に接近すると、ガイド・レール上で隙間内を水平方向に移動し得る。
【0039】
一実施形態において、パレット・アライナー130のサイド・ガイドは、パレット114をアライメントするために用いられ得る。サイド・ガイドは、滑らかな表面を有するシート金属セクションのセットに相当し得る。サイド・ガイドは、ローラー402より高い高さで、地面上に設置され得る。サイド・ガイドのシート金属セクションは、シート金属セクションの頂部エッジ間のギャップがシート金属セクションの底部エッジ間のギャップより大きいように、垂直軸から18~22度の範囲の傾斜角で存在し得る。シート金属セクションの頂部エッジ間のギャップは、可能性のある最大のパレットのエラーを含むように設定される大きな隙間を加えたパレット114のサイズに等しくてよい。シート金属セクションの底部エッジ間のギャップは、パレットの配置について許容される交差を含むように設定される小さな隙間を加えたパレット114のサイズに等しくてよい。機械設備118が機械設備アライナー132のガイド・レールを用いてアライメントされ、オペレータが、パレット114がずれていることを認めた後、オペレータは、パレット114を持ち上げているフォークを下げることができる。パレット114は、頂部エッジ及び底部エッジとの間において、サイド・ガイドの表面と接触し得、パレット114がサイド・ガイドの底部エッジに到達した後、パレット114の重量によってアライメントされ得る。
【0040】
アライメント・ユニット122によるパレット114及び機械設備118のアライメントは、いくつかの利点の達成を助力する。主に、パレット114及びパレット114の上に配置された物体の落下によって起こり得るいずれの損傷も、アライメント・ユニット122によるこれらのアライメントによって回避される。さらに、機械設備118は、わずかな角度でも移動し、パレット114及び物体の落下、機械設備118への損傷、並びに機械設備の経路に入る要素、又はOCU116などの機械設備118と相互作用する要素への損傷をもたらす可能性がある。パレット114及び機械設備118のこのようなずれは、作動コストを増加させるだけではなく、損傷を修正するためにさらなる作動時間を必要とする可能性がある。したがって、パレット114及び機械設備118とアライメント・ユニット122との相互作用は、時間及びコストにおけるそのようなオーバーヘッド(又は負荷、overhead)を克服することを助力する。
【0041】
ステップ228において、アライメントに際して、パレット114及び物体はアンロードされ得る(又は降ろされる、unload)、すなわちOCU116に保持され得る。OCU116におけるパレット114及び物体のアンロードに続いて、ステップ230において、クランプ・ユニット128がOCU116を開放し得る。OCU116がクランプ・ユニット128に開放された後、ステーション・タワーライト136はすぐに赤色に光り得ることが留意されるべきである。その後、ステップ232において、ボット126は、OCU116、すなわち積載されたOCUを第2の位置に搬送するように指示され得る。ボット126は、装填されたOCUを搬送するようにサーバーに指示され得、それによって物体を移送する。
【0042】
図5では、パレット・ピック・プット・システム102を用いて物体を移送するための方法を示すフローチャート500の図が供されている。図5は、上述の図面で開示された要素と併せて説明されるフローチャート500を有して成る。
【0043】
図5のフローチャート500は、物体を移送するためのパレット・ピック・プット・システム102を作動するためのアーキテクチャ、機能、及び操作を示す。これに関して、各ブロックは、モジュール、セグメント、又はコードの一部を表し得、指定された論理関数を実行するための1つ又はそれより多くの実行可能な命令を含んで成る。いくつかの代替的な実装形態では、ブロックに記載される機能は図面に記載されている順序以外で起こり得るということも留意されるべきである。例えば、図5に連続して示されている2つのブロックは、実際には、関連する機能に応じて、実質的に同時に実行されるか、又はブロックが逆の順序で実行される場合もあり得る。フローチャートにおけるいずれのプロセスの説明又はブロックは、関連する機能に応じて、実質的に同時又は逆の順序を含み、図示又は説明されるもの以外の順序で機能が実施され得るモジュール又はセグメントを表すものとして理解されるべきである。さらに、フローチャートにおけるプロセスの説明又はブロックは、ステート・マシン(又は状態機械、state machine)などのハードウェア構造によって為される決定を表すものとして理解されるべきである。フローチャート500はステップ502で開始し、ステップ512にまで進む。
【0044】
ステップ502において、物体搬送ユニット(OCU)102は、第1の位置に配置され得る。OCU116は、ボット126によって配置され得る。ボット126は、OCU102を移動させるように設計され、サーバー(図示せず)から第1の位置のアドレスを受信し、第1の位置にOCU116を配置し得る。
【0045】
ステップ504において、OCU116はクランプ・ユニット128によってクランプされ得る。OCU116は、OCU116の移動を制限するためにクランプされ得る。
【0046】
ステップ506において、パレット114は、物体を移送するために持ち上げられ得る。ある場合において、物体はパレット114の上に配置され得る。
【0047】
ステップ508において、少なくとも1つのパレット114は、パレット・アライナー130を用いてアライメントされ得、物体を用いる物体は、機械設備アライナー132を用いてアライメントされ得る。
【0048】
ステップ510において、パレット114及びパレット114の上に配置された物体214は、OCU116に移送され得る。
【0049】
ステップ512において、ボット126は、積載されたOCU116を第2の位置に搬送するように、サーバーによって指示され得る。クランプ・ユニット128は、積載されたOCU116をボット126が搬送できるようにOCU116を開放し、それによって物体が移送されるということが留意されるべきである。
【0050】
本発明は、例示に記載された機能又は作動要素の、記載された作動機能領域への割り当て(又は代入、assignment)に限定されない。作動機能領域は、必要に応じて作動機能の他の組合せに関与し得、必要に応じてさらなる作動機能を有し得る。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
【国際調査報告】