(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】発話者の音声復元機能を有するイヤーセット
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20220107BHJP
H04R 1/02 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04R1/10 101A
H04R1/02 101E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524376
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 KR2019015462
(87)【国際公開番号】W WO2020101356
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139686
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039340
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145033
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517183030
【氏名又は名称】オルフェオ サウンドワークス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンドン
【テーマコード(参考)】
5D005
5D017
【Fターム(参考)】
5D005BA10
5D005BA13
5D017AD11
5D017AD24
(57)【要約】
発話者の音声復元機能を有するイヤーセットが開示される。本発明による発話者の音声復元機能を有するイヤーセットは、通孔が形成されたケースと、ケースに内設され、バックホール(Back Hole)が形成された少なくとも一つのスピーカードライバーユニットと、スピーカードライバーユニットが内設された空間と分離して内設されるインイヤーマイクロホン(In-ear microphone)とを含み、スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、隔離体によって通孔から隔離して内設され、通孔とバックホールとを連通させる微細ホールが隔離体に形成され、微細ホールとバックホールとの間に共鳴空間が形成されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通孔が形成されたケース;
前記ケースに内設され、バックホール(Back Hole)が形成された少なくとも一つのスピーカードライバーユニット;及び
前記スピーカードライバーユニットが内設された空間と分離して内設されるインイヤーマイクロホン(In-ear microphone);を含み、
前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、隔離体により前記通孔から隔離して内設され、
前記通孔と前記バックホールとを連通させる微細ホールが、前記隔離体に形成され、前記微細ホールと前記バックホールとの間に共鳴空間が形成されることを特徴とする発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項2】
前記微細ホールが形成された前記隔離体は、前記スピーカードライバーユニットの前記バックホールを含む後尾をカバーする共鳴ケースであることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項3】
前記隔離体は、前記ケースの内壁であることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項4】
前記隔離体は、PCB(Printed Circuit Board)であることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項5】
前記微細ホールは、その直径が100μm以下、または40μm以下に形成されることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項6】
前記微細ホールは、その直径が100μm以上で形成されることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項7】
前記微細ホールには、メッシュがカバーされることを特徴とする請求項6に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項8】
前記メッシュの密度は、前記通孔の直径に反比例することを特徴とする請求項7に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項9】
前記スピーカードライバーユニットのチューニングの際、前記メッシュの密度は、±20%範囲内でセッティングされることを特徴とする請求項8に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項10】
前記通孔を介して流入した音声及び外部騒音を収音するアウトイヤーマイクロホン(Out-ear microphone)が前記微細ホールと前記通孔との間に形成されることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項11】
前記微細ホールの直径は、前記隔離体の厚さに応じて設定されることを特徴とする請求項1に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【請求項12】
前記微細ホールの直径と前記隔離体の厚さとの比は、1:1,000以上に設定されることを特徴とする請求項11に記載の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズブロッキングヘッドセットに関するものであって、より詳しくは外部騒音を遮蔽し、スピーカー音響及び発話者音声の品質を向上させる発話者の音声復元機能を有するイヤーセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
イヤーセットは、通常、インイヤーイヤホン(In-ear earphone)であって、耳介及び外耳道に挿入した状態で音響を聴取する音響機器である。
【0003】
一方、イヤーセットが外耳道に挿入されることにより、イヤーセットの内方(人体圧力)と外方(大気圧)との気圧差が生じることになる。すなわち、イヤーセットに形成されたイヤーチップが外耳道の内壁に密着することによってイヤーセットの内方と外方との気圧差が発生することになるのである。
【0004】
ところが、この気圧差はスピーカードライバーユニットの振動板に影響を及ぼすことになるが、具体的に振動板がイヤーセットの外方に偏る現象が発生する。このような現象により音響出力が難しくなるだけでなく、音が歪む問題がある。
【0005】
そこで、このような振動板の偏りを防止するため、スピーカードライバーユニットの後尾にはバックホール(Back Hole)が形成されている。スピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールは、ケースに形成された通孔と連通され、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つ機能を果たすことになる。これによって、振動板は定位置で振動が行われることになる。ここで、スピーカードライバーユニットは、ダイナミックドライバーユニット(Dynamic driver unit)とバランスドアーマチュアドライバーユニット(Balanced armature driver unit)に大別できる。
【0006】
一方、振動板の動作時に互いに異なる圧力差が発生するよう人為的に調節できるが、その方法の一つとしてメッシュ(Mesh)密度が互いに異なるダンパなどでバックホールをカバーすることである。このような方法を用いてスピーカードライバーユニットをチューニングしたりする。
【0007】
ところで、スピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールは、外部騒音が入力される経路として作用する問題点がある。そうしてスピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールを閉鎖させることになると、前記振動板の偏り現象が発生し、航空機内部あるいは高い山岳地帯などでは使用できなくなる。また、スピーカードライバーユニットのバックホールが閉鎖されると、振動板の振動が抑制され、音が歪む問題がある。
【0008】
そこで、スピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールを通じて外部騒音が流入することは遮蔽しつつ、スピーカー音響及び発話者音声の品質を向上させる方案が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ケースに形成された通孔とスピーカードライバーユニットに形成されたバックホールとを連通させる微細ホールを設置空間を分離する隔離体に形成させ、微細ホールとバックホールとの間に共鳴空間を形成することにより、外部騒音を遮蔽するだけでなく、これによりスピーカー音響や発話者音声の品質を向上させることができる発話者の音声復元機能を有するイヤーセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するための本発明の発話者の音声復元機能を有するイヤーセットは、通孔が形成されたケース;前記ケースに内設され、バックホール(Back Hole)が形成された少なくとも一つのスピーカードライバーユニット;及び前記スピーカードライバーユニットが内設された空間と分離して内設されるインイヤーマイクロホン;とを含み、
前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、隔離体により前記通孔から隔離して内設され、前記通孔と前記バックホールとを連通させる微細ホールが前記隔離体に形成され、前記微細ホールと前記バックホールとの間に共鳴空間が形成される。
【0011】
その際、前記微細ホールが形成された前記隔離体は、前記スピーカードライバーユニットの前記バックホールを含む後尾をカバーする共鳴ケースであり得る。また、前記隔離体は、前記ケースの内壁またはPCB(Printed Circuit Board)であり得る。
【0012】
一方、前記微細ホールは、その直径が100μm以下または40μm以下に形成される方が好ましい。
【0013】
また、前記微細ホールは、その直径が100μm以上で形成される場合があり、前記微細ホールにはメッシュがカバーされ得る。前記メッシュの密度は、前記通孔の直径に反比例し、前記スピーカードライバーユニットのチューニングの際、前記メッシュの密度は±20%の範囲内でセッティングされる方が好ましい。
【0014】
これに、前記通孔を介して流入した音声及び外部騒音を収音するアウトイヤーマイクロホン(Out-ear microphone)が前記微細ホールと前記通孔との間に形成され得る。
【0015】
一方、前記微細ホールの直径は、前記隔離体の厚さに応じて設定される方が好ましく、前記微細ホールの直径と前記隔離体の厚さとの比は1:1,000以上に設定される方がより好ましい。
【発明の効果】
【0016】
上述のように、本発明による発話者の音声復元機能を有するイヤーセットによると、スピーカードライバーユニットのバックホールに流入される外部騒音を基本的に遮ることにより、外部騒音のないスピーカー音響のみを外耳道に伝達できるだけでなく、外部騒音のない発話者音声のみをマイクロホン(インイヤーマイクロホン)に伝達できるため、スピーカー音響及び発話者音声の品質を向上させることができる。
【0017】
また、スピーカードライバーユニットの共鳴空間を形成するとともに、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つことができるので、低音再生がスムーズになるにつれて音の歪みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【
図2】本発明の他の実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【
図3】本発明のまた他の実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【
図4】本発明のまた他の実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【
図5】本発明の一実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットがスマートフォンと連動する過程を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットが特定装置と連動する過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の発話者の音声復元機能を有するイヤーセットは、通孔が形成されたケース;前記ケースに内設され、バックホール(Back Hole)が形成された少なくとも一つのスピーカードライバーユニット;及び前記スピーカードライバーユニットが内設された空間と分離して内設されるインイヤーマイクロホン(In-ear microphone);を含み、
前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、隔離体により前記通孔から隔離して内設され、前記通孔と前記バックホールとを連通させる微細ホールが前記隔離体に形成され、前記微細ホールと前記バックホールとの間に共鳴空間が形成される。
【0020】
以下では、本発明の好ましい実施例及び添付する図面を参照し、本発明を詳細に説明するが、図面における同一参照符号は同一構成要素を示すことを前提として説明することとする。
【0021】
発明の詳細な説明または特許請求の範囲において、いずれかの構成要素が異なる構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り当該構成要素のみによるものに限定されて解釈されることはなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと理解されなければならない。
【0022】
また、発明の詳細な説明または特許請求の範囲において、「~手段」、「~部」、「~モジュール」、「~ブロック」と命名された構成要素は、少なくとも一つ以上の機能や動作を処理する単位を意味し、これらそれぞれはソフトウェアまたはハードウェア、またはこれらの結合によって具現化することができる。
【0023】
以下、本発明の説明に用いられるホール(Hole)の種類について説明する。
【0024】
バックホール(BH):スピーカードライバーユニットの後尾に形成された孔
【0025】
微細ホール(H):直径が100μm以下、または好ましくは40μm以下の孔
【0026】
通孔(O):直径が100μmを超過する孔
【0027】
以下では、本発明の発話者の音声復元機能を有するイヤーセット(以下、「騒音遮蔽イヤーセット」という。)が具現された一例を特定した実施例により説明することとする。
【0028】
一方、本発明の実施例に対する説明順番は、次のようである。
【0029】
まず、本発明の騒音遮蔽イヤーセットにスピーカードライバーユニットとインイヤーマイクロホン(In-ear microphone)を内設した場合について説明する(
図1ないし
図3)。続いて、本発明の騒音遮蔽イヤーセットにスピーカードライバーユニット、インイヤーマイクロホン及びアウトイヤーマイクロホン(Out-ear microphone)を内設した場合について説明する(
図4)。
【0030】
一方、本発明において提示する技術は、スピーカードライバーユニットとアウトイヤーマイクロホンとを内設した場合や、スピーカードライバーユニットのみを内設した場合にも適用され得る。
【0031】
図1は、本発明の一実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の騒音遮蔽イヤーセットは、通孔(O)が形成されたケース1と、ケース1の内部に形成され、外耳道から伝達される音声を集音するインイヤーマイクロホン2と、ケース1の内部に形成され、外耳道に音響を出力するスピーカードライバーユニット3と、を含む。
【0033】
これに、本発明においては、バックホール(BH)が形成されたスピーカードライバーユニット3の後尾に共鳴ケース4をさらに形成している。
【0034】
そして、共鳴ケース4には、外部騒音が遮蔽される大きさの微細ホール(H)が形成されている。
【0035】
一方、レーザーを用いてスピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)の位置に微細ホール(H)を形成させ、外部騒音が流入されるのを防ぐことができるが、加工費用が上昇するという欠点が発生する。
【0036】
そこで、本発明においては、外部騒音を遮蔽できるホールの最小直径を共鳴ケース4に形成させる。具体的には、直径が100μm以下または40μm以下の微細ホール(H)を形成する方が好ましい。望ましくは40μm以下の微細ホール(H)を形成する方が好ましい。
【0037】
一方、スピーカードライバーユニット3は、ダイナミックドライバーユニット(Dynamic driver unit)とバランスドアーマチュアドライバーユニット(Balanced armature driver unit)とを選択的に用いることができる。スピーカードライバーユニット3としてダイナミックドライバーユニットが適用される場合に、共鳴ケース4はバックホール(BH)が形成された背面形状と類似または同一の形状でカバーされ得、通常、円筒形状を有する。同様に、スピーカードライバーユニット3としてバランスドアーマチュアドライバーユニットが適用される場合に、共鳴ケース4はバックホール(BH)が形成された背面形状と類似または同一の形状でカバーされ得る。そして、スピーカードライバーユニット3の背面と共鳴ケース4との接触面が密閉される。
【0038】
本実施例においては、インイヤーマイクロホン2とスピーカードライバーユニット3とが1個ずつ構成する場合について説明しているが、複数で構成することもできる。
【0039】
一方、本実施例においては、内壁11、12及び共鳴ケース4を用いて設置空間(SP1、SP2)を分離することを例示しているが、ケース、ケースに分離可能あるいは一体に結合された内壁、PCB(Printed Circuit Board)などを用いて設置空間(SP1、SP2)を分離することができる。すなわち、設置空間(SP1、SP2)をケース、内壁、PCBなどを含む隔離体を用いて分離させることができる。そこで、ケース、内壁、PCB等で共鳴空間(RS)を形成する場合には、微細ホール(H)がケース、内壁、PCB等に形成され得る。
【0040】
ここで、隔離体として内壁を用いる場合には、微細ホール(H)が形成された内壁からスピーカードライバーユニット3方向に延在される円筒または多角形筒形状に共鳴空間(RS)を形成させることができる。つまり、ダイナミックドライバーユニットの場合には、通常、円筒形状に共鳴空間(RS)を形成することができ、バランスドアマチュアドライバーユニットの場合には、通常、四角柱形状に共鳴空間(RS)を形成することができる。もちろん、前記のように、スピーカードライバーユニット3の背面形状と類似または同一の形状を有する方が好ましい。そして、スピーカードライバーユニット3の背面と共鳴ケース4との接触面が密閉される。
【0041】
なお、隔離体としてPCBを用いる場合には、通常、PCBが平板であるので、ケース1の所定位置を切開した断面を密閉する方式で実装され得る。すなわち、所定の位置でケース1を切開した際に開口した領域をPCBが完全に密閉する構造を有する。そして、PCBは、一面が設置空間(SP1)に向かっており、他面が設置空間(SP2)に向かうが、設置空間(SP2)を分離する内壁11がPCBの他面に接触して密閉される。これに対し、内壁11を基準にスピーカードライバーユニットとインイヤーマイクロホンが分離設置され得る。
【0042】
このように様々な方法が適用され得るイヤーセットに形成された微細ホール(H)は、スピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)とケース1に形成された通孔(O)とを連通させることになる。
【0043】
設置空間(SP1、SP2)を分離する技術について、より具体的に説明する。
【0044】
ケース1の内部には、隔離体によって外部空間(SP1)と内部空間(SP2)に分離されている。本実施例においては、隔離体が内壁11、12及び共鳴ケース4から構成されることを例示している。もちろん、共鳴ケース4だけで隔離体を構成することもできる。
【0045】
内部空間(SP2)は、第1の内壁11によって分離され、第1の内壁11に分離された一側空間にはインイヤーマイクロホン2が内設され、他側空間にはスピーカードライバーユニット3が内設される。
【0046】
スピーカードライバーユニット3及び共鳴ケース4は、第1の内壁11と第2の内壁12に挟まれ、外部空間(SP1)とスピーカー音響通路(SH)を空間的に分離させることになる。インイヤーマイクロホン2は、マイクロホン集音通路(VH)中に設置できる。すなわち、インイヤーマイクロホン2が装着された一側空間は、マイクロホン集音通路(VH)を形成することになり、スピーカードライバーユニット3が装着された他側空間は、スピーカー音響通路(SH)と共鳴空間(RS)を形成することになる。このように、一側空間は、マイクロホン集音通路(VH)として用いられるが、ノズル部位では第1の内壁11とケース1とを用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11と別途の声ガイド内壁(未図示)などを用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成することができる。これにより声の入力の直進性を向上させることができる。一方、他側空間は、スピーカー音響通路(SH)として用いられるが、ノズル部位では、第1の内壁11とケース1とを用いてスピーカー音響通路(SH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11、第2の内壁12及びケース1を選択的に用いて、スピーカー音響通路(SH)を形成し、または共鳴空間(RS)を形成することができる。これにスピーカー再生音の直進性を向上させ、且つ低音再生を円滑に遂行することができる。
【0047】
一方、隔離体に形成される微細ホール(H)の直径は、隔離体の厚さに応じて設定する方が好ましい。一例として、微細ホール(H)の直径と隔離体の厚さとの比は1:100~1,000の範囲内で設定でき、1:1,000以上に設定する方が好ましい。例えば、隔離体の厚さが1mm(1,000μm)の場合に、微細ホール(H)の直径は、1~10μmの範囲内で設定できる。
【0048】
このように構成された本発明の騒音遮蔽イヤーセットは、ケース、内壁、PCBなどを含む隔離体に形成される微細ホール(H)を用いて外部騒音を遮蔽するとともに、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つことができる。また、微細ホール(H)とスピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)を含む背面部との間に共鳴空間(RS)を形成することで、音響を豊かに強化することができる。
【0049】
それだけでなく、バックホール(BH)と通孔(O)との間に相対的に小さい直径を有する微細ホール(H)を形成することにより、低域通過フィルタ(Low Pass Filter)の機能を行うようになる。これにより、信号処理されたデータをネットワークを介して伝送する際、データ量を減らすために帯域幅を高音域/低音域を除去することになるが、微細ホール(H)を通過した信号は、低音域(100Hz以下)に該当し、データ量に影響を及ぼさなくなる。
【0050】
図2は、本発明の他の実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【0051】
一方、
図2の説明において、重複説明を避けるために
図1との相違点のみ説明することとする。
【0052】
図2を参照すると、本実施例においては、共鳴ケース4に通孔(O)を形成させており、当該通孔(O)をメッシュ(Mesh)5でカバーしている。
【0053】
つまり、外部騒音を遮蔽できるホールの最小直径(40μm)に対して、10倍以上大きな直径で通孔(O)を形成し、通孔(O)の直径に反比例する密度を有するメッシュ5でカバーすることもできる。その際、メッシュ5の密度は、チューニングを考慮して決定され、当該密度の±20%の範囲内でセッティングされる方が好ましい。これは、通孔(O)とメッシュ5とを組み合わせて外部騒音を遮蔽するため、相互補完により効果良く外部騒音を遮蔽できるだけでなく、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つことができる。
【0054】
このように、外部騒音を遮蔽できるホールの直径が40μm前後で可能であることを考慮すると、概ね10倍以上大きい0.4~0.6mmの孔(微細ホール(H))を開けた後、不足している騒音遮蔽能力を補いつつ音響チューニングのため300~600メッシュ以上高密度のメッシュ5で通孔(O)をカバーすれば、外部騒音が外耳道及びインイヤーマイクロホン2へ流入することを防止できる。すなわち、所望するインイヤーマイクロホン2の技術具現が可能になるのである。
【0055】
一方、本実施例においては、メッシュ5を用いて通孔(O)をカバーする場合について説明しているが、微細ホールが形成されたパッド(未図示)を用いて通孔(O)をカバーすることもできる。また、チューニング等の目的で
図1において形成させた微細ホール(H)にメッシュ5をカバーすることもできる。
【0056】
図1及び
図2のように、本発明のスピーカードライバーユニット3の後尾に外部騒音を遮蔽する共鳴ケース4を形成することにより、外部騒音が流入することは遮蔽して音響品質を向上させることができ、インイヤーマイクロホン2に騒音が入力されることが防止できる。すなわち、スピーカードライバーユニット3の後尾に形成されたバックホール(BH)を通じて外部騒音が流入し、ユーザの外耳道に伝達されたり、外部騒音がスピーカー音響通路(SH)とマイクロホン集音通路(VH)に沿ってインイヤーマイクロホン2に入力される問題を解決できる。また、スピーカードライバーユニット3の振動板の裏方の共鳴空間(RS)がさらに形成されるだけでなく、共鳴空間(RS)がケース1の通孔(O)に連通することで、バックボリューム(Back Volume)を向上させ、同一気圧を維持させることができる。これにより、スピーカードライバーユニット3の低音が強化されることで、音響品質を向上させることができる。
【0057】
具体的に、本発明においては、外部騒音を遮蔽できる100μm、望ましくは、40μm前後の微細ホール(H)を共鳴ケース4に直接形成することができる。また、100μm超の直径を有する通孔(O)を共鳴ケース4に形成させ、当該通孔(O)の直径に反比例する密度を有するメッシュ5でカバーできる。そして、外部騒音を遮蔽できる100μm、望ましくは、40μm前後の微細ホール(H)を共鳴ケース4に形成させ、チューニングのために当該微細ホール(H)をメッシュ5でカバーできる。
【0058】
これにより、微細ホール(H)が形成された共鳴ケース4を用いて、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つとともに、ケース1に形成された通孔(O)を介して流入する外部騒音を遮蔽する。
【0059】
また、共鳴ケース4により共鳴空間(RS)が拡張されバックボリュームが向上することで低音を強化し音響品質を向上させることができ、スピーカードライバーユニット3の動作によりバックホール(BH)及び微細ホール(H)(通孔(O)とメッシュ5、微細ホール(H)とメッシュ5)を介して音響が逆出力される場合においても共鳴ケース4の微細ホール(H)(通孔(O)とメッシュ5、微細ホール(H)とメッシュ5)を介するので100Hz以下の低音域のみ出力され、ケース1の通孔(O)から漏れる音響も遮蔽できる。
【0060】
一方、
図1ないし
図8において提示した騒音遮蔽イヤーセットは、ケース1の内部に共鳴ケース4を形成することにより、共鳴ケース4を設けるための空間を必要とする。
【0061】
そこで、隔離体を形成できるケース、内壁、PCB等に微細ホールを直接形成させる方案について説明する。
【0062】
図3は、本発明のまた他の実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【0063】
一方、
図3の説明において、重複説明を避けるために
図1及び
図2との相違点のみ説明することとする。
【0064】
図3を参照すると、本発明の騒音遮蔽イヤーセットは、ケース1と、ケース1の内部に形成された空間を外部空間(SP1)と内部空間(SP2)に分離させ、微細ホール(H)を形成した隔離体6と、内部空間(SP2)を隔離させる第1の内壁11と、第1の内壁11によって分離された一側空間に内設されたインイヤーマイクロホン2と、第1の内壁11によって分離された他側空間に内設されたスピーカードライバーユニット3と、スピーカードライバーユニット3の設置空間を形成させる第2の内壁12と、スピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)を含む背面部に連通する共鳴空間(RS)を形成し、共鳴空間(RS)が微細ホール(H)と連通する位置に形成される第3の内壁13と、を含む。
【0065】
ここで、隔離体6としては、ケース、内壁、PCB等を用いることができ、本実施例においては、PCB6を用いる場合について説明することとする。すなわち、PCB6に微細ホール(H)を形成している。
【0066】
一方、一側空間は、マイクロホン集音通路(VH)として用いられるが、ノズル部位では、第1の内壁11とケース1を用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11と別の声ガイド内壁(未図示)などを用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成することができる。これにより、声の入力の直進性を向上させることができる。一方、他側空間は、スピーカー音響通路(SH)として用いられるが、ノズル部位では、第1の内壁11とケース1を用いてスピーカー音響通路(SH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11、第2の内壁12、第3の内壁13及びケース1を選択的に用いてスピーカー音響通路(SH)を形成し、または共鳴空間(RS)を形成することができる。これにより、スピーカー再生音の直進性を向上させることができ、低音再生を円滑に行うことができる。そして、第1の内壁11及び第3の内壁13を用いてPCB6を安着させることができる。
【0067】
一方、微細ホール(H)の位置に通孔(H)が形成される場合があり、すなわち微細ホール(H)の直径が10μm範囲を超えた通孔(H)が形成される場合には、微細ホール(H)が形成されたパッド(未図示)を用いて通孔(H)をカバーすることもできる。なお、通孔(H)をパッド(未図示)でカバーする場合について説明しているが、微細ホール(H)が形成されたパッド(未図示)をスピーカードライバーユニット3のバックホールに直接装着することもできる。
【0068】
一方、パッド(未図示)は、外部空間(SP1)または内部空間(SP2)側で装着することができ、PCB6に直接実装することもできる。
【0069】
パッド(未図示)に形成された微細ホール(H)の直径の大きさに対応し、多様なチューニングが可能である。また、パッド(未図示)をメッシュ(Mesh)状で製作する場合は、メッシュ密度により様々なチューニングも可能である。
【0070】
一方、スピーカー音響通路(SH)上にスピーカードライバーユニット3を設置することができ、より具体的には、ノズルにスピーカードライバーユニット3を設置することができる。これにより、スピーカードライバーユニット3の前面部にスピーカー音響通路(SH)が短く形成され、スピーカードライバーユニット3の背面部により大きな共鳴空間(RS)が形成され得る。
【0071】
図4は、本発明のまた他の実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットの概念図である。
【0072】
一方、
図4の説明において、重複説明を避けるために、
図1ないし
図3との相違点のみ説明することとする。
【0073】
図4を参照すると、本発明の騒音遮蔽イヤーセットは、
図1ないし
図3と比較してケース1の内部に形成され、騒音遮蔽イヤーセットの外部から伝達される音響(音声と外部騒音)を集音するアウトイヤーマイクロホン7をさらに形成している。
【0074】
アウトイヤーマイクロホン7が外部空間(SP1)に内設できる。これに対し、ケース1には、気圧維持及び集音のための通孔(O)が形成できる。
【0075】
すなわち、本実施例において示す騒音遮蔽イヤーセットのケース1には、通孔(O)が形成されるものの、ケース1に形成された通孔(O)を通じて流入される音声及び外部騒音は、アウトイヤーマイクロホン7に入力され、これにアウトイヤーマイクロホン7では発話者の音声が生成されるか否かを確認し、またはアウトイヤーマイクロホン7に入力される発話者の音声を参考にしてインイヤーマイクロホン2に入力される音声を元の音声に復元するのに参考信号として用いることができる。一方、発話者の音声が混合された外部騒音が設定値、例えば40db以上の場合には、アウトイヤーマイクロホン7の駆動を停止させ、インイヤーマイクロホン2のみを駆動させて元の音声に復元する方が好ましい。この場合には、あらかじめ保存されたユーザ音声サンプルを用いて原音復元を進行することができる。
【0076】
一方、
図1ないし
図4において提示された騒音遮蔽イヤーセットは、共鳴ケース4に微細ホール(H)を形成したり、通孔(O)とメッシュ5を形成する場合について説明しているが、共鳴ケース4に微細ホール(H)とメッシュ5を形成することができる。すなわち、二重騒音遮蔽とともにスピーカードライバーユニット3のチューニングのため共鳴ケース4に微細ホール(H)とメッシュ5を形成することができる。すなわち、共鳴空間(RS)が形成されることによりスピーカードライバーユニット3の振動板が偏る問題を緩和させることができるので、ケース1に形成された通孔(O)を微細ホール(H)に代替することもできる。これにより、ケース1に形成された微細ホール(H)によって1次騒音遮蔽が行われ、共鳴ケース4に形成された微細ホール(H)、通孔(O)とメッシュ5の組合せ、微細ホール(H)とメッシュ5の選択的組合せによって2次騒音遮蔽が行われる効果が得られる。
【0077】
以下、本発明の騒音遮蔽イヤーセットの動作過程について説明することとする。
【0078】
まず、騒音遮蔽イヤーセットがスマートフォンにペアリングされた状態と仮定し、ペアリングには有無線通信方式を用いることができ、望ましくは、Wi-Fi、Bluetooth、NFCなどの近距離無線通信方式が用いられる。本実施例においては、Bluetoothでペアリングされた状態で騒音遮蔽イヤーセットが動作する過程について説明することとする。
【0079】
一方、本実施例においては、スマートフォンとペアリングされた状態で騒音遮蔽イヤーセットとスマートフォンとの間の送受信過程について説明するが、騒音遮蔽イヤーセット自体にスマートフォンの機能を含めることができるため、騒音遮蔽イヤーセット自体が全ての過程を処理することも可能である。
【0080】
なお、本実施例においては、スマートフォンから実行される音響信号を伝送受け、通話状態に切り替えて発話者の音声信号を伝送する過程についてのみ説明することとする。
【0081】
なお、本実施例においては、インイヤーマイクロホン2とスピーカードライバーユニット3が内設され、スピーカードライバーユニット3に共鳴ケース4が適用された騒音遮蔽イヤーセット(通話用ブルートゥース(登録商標)イヤーセット)を用いる場合について説明することとする。
【0082】
図5は、本発明の一実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットがスマートフォンと連動する過程を示すフローチャートである。
【0083】
図5を参照すると、スマートフォンで実行されるファイルに音響が含まれていると、スマートフォンから当該音響信号を騒音遮蔽イヤーセットに伝送する(S11)。
【0084】
これにより、騒音遮蔽イヤーセットから当該音響信号を処理し、スピーカードライバーユニット3を介して出力する(S12)。この際、外部騒音が発生し、ケース1の通孔(O)を介して外部騒音が流入しても、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5によって遮蔽されるので、外部騒音が含まれていないスピーカー音響を出力することができる。
【0085】
スピーカードライバーユニット3を介して音響が出力される途中に通話要請があった場合(S13)、ユーザ操作に対応して通話状態に切り替わると、スマートフォンから伝送される相手の音声信号を処理してスピーカードライバーユニット3を介して出力する(S14)。この場合においても、S12のように外部騒音が流入しても外部騒音が含まれていないスピーカー音響を出力できる。
【0086】
一方、発話者が音声を生成すると、ユースタキー管を通じて外耳道に伝達された発話者の音声がインイヤーマイクロホン2を通じて収音され、発話者の音声信号はスマートフォンに伝送され、相手の通話者に伝送される(S15)。
【0087】
この際、口から伝達された発話者の音声及び外部騒音がケース1の通孔(O)を介して流入するが、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5により遮蔽されるので、ユースタキー管を通じて外耳道に伝達された発話者の音声のみインイヤーマイクロホン2に流入して信号処理されるので、外部騒音が含まれていない発話者の原音を容易に復元することができる。
【0088】
一方、通話が終了すると、中断していたファイルを待機状態に維持し、または中断していたファイルを実行できる。
【0089】
図6は、本発明の一実施例に係る騒音遮蔽イヤーセットが特定装置と連動する過程を示すフローチャートである。
【0090】
図6を参照すると、最初に制御しようとする装置と騒音遮蔽イヤーセットとのペアリングを進める(S21)。
【0091】
ペアリングが行われると、発話者の音声が生成されたか判断し(S22)、発話者の音声が生成されると、発話者の音声に対応する命令信号を生成する(S22)。
【0092】
この際、口から伝達された発話者の音声及び外部騒音は、ケース1の通孔(O)を介して流入するが、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5により遮蔽されるので、ユースタキー管を通じて外耳道に伝達された発話者の音声のみがインイヤーマイクロホン2に流入して信号処理されるので、外部騒音が含まれていない発話者の原音を容易に復元することができる。よって、正確な命令信号の生成が可能になる。
【0093】
続いて、騒音遮蔽イヤーセットから命令信号をペアリングされた装置に伝送する(S23)。
【0094】
これにより、当該装置において命令信号に対応した制御が行われるようになる(S24)。
【0095】
一方、当該装置の駆動によって音響信号が生成される場合(S25)、当該音響信号は騒音遮蔽イヤーセットに伝送され(S26)、続いて当該音響信号は、スピーカードライバーユニット3を介して出力される(S27)。この際、外部騒音が発生し、ケース1の通孔(O)を介して外部騒音が流入しても、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5によって遮蔽されるので、外部騒音が含まれていないスピーカー音響を出力することができる。
【0096】
一方、スピーカードライバーユニット3を介して音響が出力される途中に発話者の音声が生成される場合、発話者の音声はインイヤーマイクロホン2を通じて収音され、発話者の音声に対応する命令信号が生成されると、発話者の命令信号は当該装置に伝送され、命令信号に対応した制御が行われることになる。
【0097】
一方、
図5及び
図6は、インイヤーマイクロホン2とスピーカードライバーユニット3とが内設された騒音遮蔽イヤーセットを用いる場合について説明しているが、アウトイヤーマイクロホン7を含む騒音遮蔽イヤーセットを用いる場合、スピーカードライバーユニット3を介して音響が出力される途中に発話者の音声が生成されると、アウトイヤーマイクロホン7を用いて発話者が発話するか否かを判断し、現在のスピーカードライバーユニット3を介して出力される音響を減らす制御があり得る。これは、インイヤーマイクロホン2を通じて発話者の音声を正確に収音するためである。一方、発話者の音声が混合された外部騒音が設定値、例えば40db以上の場合にはアウトイヤーマイクロホン7の駆動を停止させ、インイヤーマイクロホン2のみを駆動させて元の音声に復元することもできる。その際、あらかじめ保存されたユーザ音声サンプルを用いて原音復元を進める方が好ましい。
【0098】
以上、いくつかの実施例から本発明の技術的思想を調べてみた。
【0099】
本発明の属する技術分野において、通常の知識を有する者が本発明の記載事項から前記調べた実施例を多様に変形または変更できることが自明である。また、たとえ明示的に図示、または説明されていないとしても、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の記載事項から本発明による技術的思想を含む多様な形態の変形が可能であることは自明であり、これは依然として本発明の権利範囲に属する。添付図面を参照して説明した前記の実施例は、本発明を説明することを目的として記述されたものであり、本発明の権利範囲はこれらの実施例に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は、騒音が激しいところで有用に利用できる。
【符号の説明】
【0101】
1:ケース
2:インイヤーマイクロホン
3:スピーカードライバーユニット
4:共鳴ケース
5:メッシュ
6:隔離体
7:アウトイヤーマイクロホン
11:第1の内壁
12:第2の内壁
13:第3の内壁
【国際調査報告】