(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20220107BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H04R1/10 104Z
H04R3/00 320
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021524377
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-05-11
(86)【国際出願番号】 KR2019015463
(87)【国際公開番号】W WO2020101357
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】10-2018-0139686
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039340
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0145034
(32)【優先日】2019-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】517183030
【氏名又は名称】オルフェオ サウンドワークス コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】キム ウンドン
【テーマコード(参考)】
5D005
5D220
【Fターム(参考)】
5D005BB01
5D220BA01
5D220BA30
(57)【要約】
キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが開示される。本発明によるキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、発話者の音声を集音して音声信号を生成するマイクロホンと、音声信号に対応したキーワード(ここで、キーワードは、特定端末の特定プログラムを実行させるテキスト)を生成し、キーワードに対応した駆動信号を生成する制御部と、駆動信号に対応して駆動が行われる無線通信モジュールと、を含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発話者音声を集音して音声信号を生成するマイクロホン;
前記音声信号に対応したキーワード(ここで、キーワードは、特定端末の特定プログラムを実行させるテキスト)を生成し、前記キーワードに対応した駆動信号を生成する制御部;及び
前記駆動信号に対応して駆動が行われる無線通信モジュール;を含むことを特徴とするキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット
【請求項2】
前記無線通信モジュールは、
前記駆動信号に対応して通信処理部を駆動させ、あらかじめ設定された条件で前記通信処理部を待機状態に切り替える切替信号を生成するコントローラ;及び
入出力される信号に対する通信処理が行われる通信処理部;を含み、
前記制御部は、前記キーワードを判断するキーワード判断部の機能を行うことを特徴とする請求項1に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【請求項3】
前記制御部、コントローラおよび通信処理部は、一つのチップ(Chip)で製造されることを特徴とする請求項2に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【請求項4】
前記マイクロホンおよび制御部は、一つのチップ(Chip)で製造されることを特徴とする請求項1に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【請求項5】
前記マイクロホンは、インイヤーマイクロホン(In-ear microphone)であり、
前記インイヤーマイクロホンは、バックホール(Back Hole)が形成されたスピーカードライバーユニットが内設された空間と分離して内設され、
前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、通孔が形成されたケースに内設され、
前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、隔離体により前記通孔から隔離して内設され、
前記通孔と前記バックホールとを連通させる微細ホールが前記隔離体に形成され、
前記微細ホールと前記バックホールとの間に共鳴空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【請求項6】
前記微細ホールが形成された前記隔離体は、前記スピーカードライバーユニットの前記バックホールを含む後尾をカバーする共鳴ケースであることを特徴とする請求項5に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【請求項7】
前記隔離体は、前記ケースの内壁であることを特徴とする請求項5に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【請求項8】
前記隔離体は、PCB(Printed Circuit Board)であることを特徴とする請求項5に記載のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノイズブロッキングヘッドセットに関するものであり、より詳しくは無線通信待機状態における無線通信モジュールの駆動を停止させて電力の無駄遣いを最小化し、且つ外部騒音の遮蔽により音声認識率が向上した特定キーワードを用いて無線通信モジュールを駆動させるキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットを提供することにある。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信技術の発展に伴い、様々な無線通信サービスが提供されている。すなわち、移動通信技術だけでなく近距離無線通信技術の発展に伴い、無線装備や端末が単なるメッセージの伝送からマルチメディアサービスの提供に至るまで、多様な無線通信サービスを提供できる基盤が整いつつある。
【0003】
特に、周辺機器との無線通信により、巨大なネットワークにつながる近距離無線通信技術の発展に関する研究が活発に行われている。近距離無線通信としては、無線ラン(Wireless LAN)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、赤外線通信(IrDA)、ジグビー(ZigBee)、UWB(UWB)などがある。この中で電力消費が比較的少ないブルートゥースを多く用いており、大容量伝送及び消費電力の最小化のための技術が研究され続けている。
【0004】
これを受け、最近、ブルートゥースモジュールを搭載したイヤーセットなどが多く発売されている。当該イヤーセットは音響出力、通話、接続端末制御等の様々な機能を行うことができる。
【0005】
ところで、無線通信サービスが行われるためには、無線通信モジュールは常にオン(On)状態を維持させなければならない。これに対し、待機状態で電力消費が行われる欠点がある。例えば、ブルートゥースモジュールの場合においても待機状態で7~10mAの電力が消費され続ける。
【0006】
結局、無線通信モジュールが装着されたイヤーセットは、長時間の利用に限界があるため、電力の無駄遣いを最小化する方案が必要であるだろう。特に、待機状態で電力消費が行われる問題を解決する必要がある。
【0007】
一方、イヤーセットが音響出力、通話、接続端末制御等の様々な機能を行うためには、音声認識率を向上させる必要がある。つまり、外部の騒音がひどい場所でも音声認識率を向上させる方案が必要である。
【0008】
よって、ここでイヤーセットの構造および問題点について簡単に説明する。
【0009】
通常、イヤーセットは、インイヤーイヤホン(In-ear earphone)であって、耳介及び外耳道に挿入した状態で音響を聴取する音響機器である。
【0010】
ところが、イヤーセットが外耳道に挿入されることにより、イヤーセットの内方(人体圧力)と外方(大気圧)との気圧差が生じることになる。すなわち、イヤーセットに形成されたイヤーチップが外耳道の内壁に密着することによってイヤーセットの内方と外方との気圧差が発生することになるのである。この気圧差はスピーカードライバーユニットの振動板に影響を及ぼすことになるが、具体的に振動板がイヤーセットの外方に偏る現象が発生する。このような現象により音響出力が難しくなるだけでなく、音が歪む問題がある。
【0011】
そこで、このような振動板の偏りを防止するため、スピーカードライバーユニットの後尾にはバックホール(Back Hole)が形成されている。スピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールは、ケースに形成された通孔と連通され、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つ機能を果たすことになる。これによって、振動板は定位置で振動が行われることになる。ここで、スピーカードライバーユニットは、ダイナミックドライバーユニット(Dynamic driver unit)とバランスドアーマチュアドライバーユニット(Balanced armature driver unit)に大別できる。
【0012】
一方、振動板の動作時に互いに異なる圧力差が発生するよう人為的に調節できるが、その方法の一つとしてメッシュ(Mesh)密度が互いに異なるダンパなどでバックホールをカバーすることである。このような方法を用いてスピーカードライバーユニットをチューニングしたりする。
【0013】
ところで、スピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールは、外部騒音が入力される経路として作用する問題点がある。そうしてスピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールを閉鎖させることになると、前記振動板の偏り現象が発生し、航空機内部あるいは高い山岳地帯などでは使用できなくなる。また、スピーカードライバーユニットのバックホールが閉鎖されると、振動板の振動が抑制され、音が歪む問題がある。
【0014】
そこで、スピーカードライバーユニットの後尾に形成されたバックホールを通じて外部騒音が流入することは遮蔽しつつ、スピーカー音響及び発話者音声の品質を向上させる方案が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、消費電力を最小化するために、無線通信待機状態では無線通信モジュールの駆動を停止させ、特定キーワードに対応して無線通信モジュールの駆動が行えるようにするキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットを提供することにある。
【0016】
また、本発明の他の目的は、特定キーワードに対する音声認識率を向上させるために、外部騒音を遮蔽して音声認識率を向上させるキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記のような目的を達成するための本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、発話者音声を集音して音声信号を生成するマイクロホン;前記音声信号に対応したキーワード(ここで、キーワードは特定端末の特定プログラムを実行させるテキスト)を生成し、前記キーワードに対応した駆動信号を生成する制御部;及び前記駆動信号に対応して駆動が行われる無線通信モジュール;を含む。この際、前記マイクロホン及び制御部は一つのチップ(Chip)で製造できる。
【0018】
前記無線通信モジュールは、前記駆動信号に対応して通信処理部を駆動させ、あらかじめ設定された条件で無線通信モジュールを待機状態に切り替える切替信号を生成するコントローラ;及び入出力される信号に対する通信処理が行われる通信処理部;を含み、前記制御部は、前記キーワードを判断するキーワード判断部の機能を行うことができる。このとき、前記制御部、コントローラ及び通信処理部は、一つのチップ(Chip)で製造することができる。
【0019】
前記マイクロホンは、インイヤーマイクロホン(In-ear microphone)であって、前記インイヤーマイクロホンは、バックホール(Back Hole)が形成されたスピーカードライバーユニットが内設された空間と分離して内設され、前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、通孔が形成されたケースに内設され、前記スピーカードライバーユニット及びインイヤーマイクロホンは、隔離体により前記通孔から隔離して内設され、前記通孔と前記バックホールとを連通させる微細ホールが前記隔離体に形成され、前記微細ホールと前記バックホールとの間に共鳴空間が形成される。
【0020】
その際、前記微細ホールが形成された前記隔離体は、前記スピーカードライバーユニットの前記バックホールを含む後尾をカバーする共鳴ケースであり得る。
【0021】
また、前記隔離体は前記ケースの内壁またはPCB(Printed Circuit Board)でもあり得る。
【発明の効果】
【0022】
上述のように、本発明によるキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットによれば、無線通信待機状態において無線通信モジュールの駆動を停止させ、且つ特定キーワードに対応して無線通信モジュールを駆動させることにより、電力の無駄遣いを最小限に抑えることができる。
【0023】
また、本発明によると、外部騒音を遮蔽するだけでなく、これによりスピーカー音響や発話者音声の品質を向上させることで、特定キーワードに対する音声認識率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの制御回路ブロック図である。
【
図2】本発明の他の実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの制御回路ブロック図である。
【
図3】本発明に適用される一実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【
図4】本発明に適用される他の実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【
図5】本発明に適用されるまた他の実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【
図6】本発明に適用されるまた他の実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【
図7】本発明の一実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットがスマートフォンと連動される過程を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の他の実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットがスマートフォンと連動される過程を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが、特定装置と連動する過程を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、発話者音声を集音して音声信号を生成するマイクロホン;前記音声信号に対応したキーワード(ここで、キーワードは特定端末の特定プログラムを実行させるテキスト)を生成し、前記キーワードに対応した駆動信号を生成する制御部;及び前記駆動信号に対応して駆動が行われる無線通信モジュール;を含む。
【0026】
以下では、本発明の好ましい実施例及び添付する図面を参照し、本発明を詳細に説明するが、図面における同一の参照符号は同一構成要素を示すことを前提として説明することとする。
【0027】
発明の詳細な説明または特許請求の範囲において、いずれかの構成要素が異なる構成要素を「含む」とするとき、これは、特に反対の記載がない限り当該構成要素のみによるものに限定されて解釈されることはなく、他の構成要素をさらに含むことができるものと理解されなければならない。
【0028】
また、発明の詳細な説明または特許請求の範囲において、「~手段」、「~部」、「~モジュール」、「~ブロック」と命名された構成要素は、少なくとも一つ以上の機能や動作を処理する単位を意味し、これらそれぞれはソフトウェアまたはハードウェア、またはこれらの結合によって具現化することができる。
【0029】
本発明において利用可能な近距離無線通信技術としては、無線ラン(Wireless LAN)、ブルートゥース(Bluetooth)、赤外線通信(IrDA)、ジグビー(ZigBee)、UWB(UWB)等があるが、ブルートゥースを用いる場合について説明することとする。もちろん、ブルートゥース以外の近距離無線通信技術が本発明に適用できる。
【0030】
そして、本発明の動作説明において、イヤーセットとスマートフォンとの間の動作について説明することとする。もちろん、スマートフォン以外の無線接続が可能な端末と相互接続及び通信が可能である。
【0031】
図1は、本発明の一実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの制御回路ブロック図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の一キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット100は、発話者音声を集音して音声信号を生成するマイクロホン101と、音声信号に対応したキーワードを生成し、キーワードに対応した駆動信号を生成する制御部102と、駆動信号に対応して駆動が行われる無線通信モジュール103と、を含む。
【0033】
ここで、キーワードは、特定端末の特定プログラムを実行させるテキストであり得る。つまり、キーワードは「シリ」、「ビックスビー」、「オーケーグーグル」のようにスマートフォン200などにインストールされたアプリケーションの名称であり、また特定端末を駆動させる名称であり得る。そこで、キーワードは、プログラムごとにあらかじめ設定されるか、ユーザによって任意に設定されることがある。このように、キーワードは、登録された多数の端末の中から特定端末を駆動させるものであり、または一つの端末にインストールされた特定プログラムを実行させるものであり得る。
【0034】
一方、制御部102は、音声信号に対応したキーワードが一致しているか否かを判断する機能を行うだけでなく、無線通信モジュール103の電源を制御する機能を行う。
【0035】
本実施例においては、マイクロホン101を用いた音声信号により駆動が行われる場合について説明しているが、スマートイヤーセット100に形成されたボタン、センサ等の様々なインターフェース手段を用いて無線通信モジュール103の駆動の可否を制御できる。
【0036】
一方、点線で示すように、マイクロホン101と制御部102とは、一つのチップ(Chip)で構成され得る。すなわち、前記のように無線通信モジュール103に供給される電源が制御部102によって制御されることができる。
【0037】
本実施例において、無線通信モジュール103ではブルートゥースモジュールを用いることができる。マイクロホン101と制御部102とが一つのチップ(Chip)で構成される場合、ブルートゥースモジュールのみを交替することができ、また他の近距離無線通信モジュールへの交替も可能である。
【0038】
一方、制御部102は、マイクロホン101または外部信号(切替信号)に対応して、待機状態への切替制御を行う。すなわち、制御部102は、あらかじめ設定された条件で無線通信待機状態に切り替える切替信号を生成できる。そこで、無線通信モジュール103は、切替信号に対応して駆動が停止される。
【0039】
一方、未図示であるが、キーワードが保存された保存部が制御部102と接続され、制御部102の要請に応じて生成されたキーワードと保存されたキーワードとの比較が行われる。
【0040】
このように構成された本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット100においては、スマートイヤーセット100とスマートフォン200とのペアリングがなされた後、無線通信モジュール103があらかじめ設定された条件で待機状態に切り替わると、無線通信モジュール103に供給する電源を遮断する。すなわち、マイクロホン101と制御部102のみを駆動させ、無線通信モジュール103は駆動を停止させ、最小電力で駆動が行われるようにする。一方、待機状態で音声信号が生成されると、音声信号に対応したキーワードを生成し、あらかじめ設定されたキーワードに存在するかを判断する。キーワードが存在する場合には、無線通信モジュール103を駆動させ、そのキーワードに対応してスマートフォン200との通信接続制御を行う。
【0041】
一方、無線通信モジュール103が待機状態に切り替わる条件としては、音声が設定時間の間に生成されない場合、スマートイヤーセット100およびスマートフォン200におけるユーザ操作等により行うことができる。
【0042】
図2は、本発明の他の実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの制御回路ブロック図である。
【0043】
一方、
図2の説明において、重複説明を避けるために
図1との相違点のみ説明することとする。
【0044】
図2を参照すると、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット100は、発話者音声を集音して音声信号を生成するマイクロホン111と、音声信号に対応したキーワードを生成し、キーワードがあらかじめ設定されたキーワードである場合に、駆動信号を生成するキーワード判断部112と、駆動信号に対応して通信処理部114を駆動させて通信処理部114の駆動を制御し、あらかじめ設定された条件で通信処理部114を待機状態に切り替える切替信号を生成するコントローラ113と、入出力される信号に対する通信処理が行われる通信処理部114と、を含む。
【0045】
図1のスマートイヤーセット100に対して、
図1の制御部102はキーワード判断及び電源制御が行われるのに対し、本実施例においてはキーワード判断部112が
図1の制御部102の一部の機能のみを行う。すなわち、キーワード判断部112においては、キーワードの一致可否を判断し、コントローラ113においては、電源を供給または遮断する機能を行う。
【0046】
これに、コントローラ113においては、マイクロホン111または外部信号(切替信号)に対応して、待機状態への切替制御を行うことができる。すなわち、コントローラ113は、あらかじめ設定された条件で無線通信待機状態に切り替える切替信号を生成できる。これに対し、コントローラ113と通信処理部114とは、切替信号に対応して駆動が停止され得る。
【0047】
一方、点線で示すように、キーワード判断部112、コントローラ113及び通信処理部114は、一つのチップ(Chip)で構成され得る。すなわち、マイクロホン111及びキーワード判断部112のみを常時駆動させ、音声信号またはイベント信号等が発生する前までは、コントローラ113及び通信処理部114は待機状態を維持する。すなわち、通信処理部114に供給される電源がコントローラ113によって制御され得る。
【0048】
キーワード判断部112、コントローラ113及び通信処理部114が一つのチップ(Chip)で構成される場合、一つのチップとマイクロホン111でスマートイヤーセット100が構成されることで、部品の交替が容易であるだけでなく、他の無線通信モジュールへの交替も容易である。
【0049】
本実施例において、通信処理部114としてはブルートゥースモジュールを用いることができる。
【0050】
このように構成された本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット100においては、スマートイヤーセット100とスマートフォン200とのペアリングがなされた後、無線通信モジュールがあらかじめ設定された条件で待機状態に切り替わると、コントローラ113は、通信処理部114に供給する電源を遮断した後、コントローラ113自身も自ら駆動を停止させる。この際、キーワード判断部112は、オン(On)状態を維持し続ける。すなわち、マイクロホン111とキーワード判断部112のみを駆動させ、コントローラ113及び通信処理部114は駆動を停止させて、最小の電力で駆動が行われるようにする。一方、待機状態で音声信号が生成されると、キーワード判断部112においては、音声信号がキーワードに一致するかを判断し、あらかじめ設定されたキーワードと一致すれば、コントローラ113を駆動させ、コントローラ113による連続制御により通信処理部114が連続駆動し、スマートフォン200と通信を行う。
【0051】
一方、コントローラ113及び通信処理部114が待機状態に切り替わる条件としては、音声が設定時間の間に生成されない場合、スマートイヤーセット100及びスマートフォン200のユーザ操作等により行われることができる。
【0052】
一方、このようなスマートイヤーセット100を用いてスマートフォン200との間で無線通信が行われる場合には、スマートイヤーセット100におけるキーワードの生成が重要な要素となる。つまり、外部騒音が存在する状態で発話者の音声認識率を向上させる必要があり、これに外部騒音を取り除く技術が必要である。以下、スマートイヤーセット100の構造および機能について説明する。
【0053】
まず、本発明の説明に用いられるホール(Hole)の種類について説明する。
【0054】
バックホール(BH):スピーカードライバーユニットの後尾に形成された孔
【0055】
微細ホール(H):直径が100μm以下、または好ましくは40μm以下の孔
【0056】
通孔(O):直径が100μmを超過する孔
【0057】
以下では、本発明に適用されるキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが具現された一例を特定した実施例により説明することとする。
【0058】
一方、本発明の実施例に対する説明順番は、次のようである。
【0059】
まず、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットにスピーカードライバーユニットとインイヤーマイクロホン(In-ear microphone)を内設した場合について説明する(
図3ないし
図5)。続いて、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットにスピーカードライバーユニット、インイヤーマイクロホン及びアウトイヤーマイクロホン(Out-ear microphone)を内設した場合について説明することとする(
図6)。
【0060】
一方、本発明において提示する技術は、スピーカードライバーユニットとアウトイヤーマイクロホンとを内設させた場合や、スピーカードライバーユニットのみを内設させた場合にも適用され得る。
【0061】
図3は、本発明に適用される一実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【0062】
図3を参照すると、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、通孔(O)が形成されたケース1と、ケース1の内部に形成され、外耳道から伝達される音声を集音するインイヤーマイクロホン2と、ケース1の内部に形成され、外耳道に音響を出力するスピーカードライバーユニット3と、を含む。
【0063】
これに、本発明においては、バックホール(BH)が形成されたスピーカードライバーユニット3の後尾に共鳴ケース4をさらに形成している。
【0064】
そして、共鳴ケース4には、外部騒音が遮蔽される大きさの微細ホール(H)が形成されている。
【0065】
一方、レーザーを用いてスピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)の位置に微細ホール(H)を形成させ、外部騒音が流入するのを防ぐことができるが、加工費用が上昇するという欠点が発生する。
【0066】
そこで、本発明においては、外部騒音を遮蔽できるホールの最小直径を共鳴ケース4に形成させる。具体的には、直径が100μm以下または40μm以下の微細ホール(H)を形成する方が好ましい。望ましくは、40μm以下の微細ホール(H)を形成する方が好ましい。
【0067】
一方、スピーカードライバーユニット3は、ダイナミックドライバーユニット(Dynamic driver unit)とバランスドアーマチュアドライバーユニット(Balanced armature driver unit)とを選択的に用いることができる。スピーカードライバーユニット3としてダイナミックドライバーユニットが適用される場合に、共鳴ケース4はバックホール(BH)が形成された背面形状と類似または同一の形状でカバーされ得る。共鳴ケース4は、通常、円筒形状を有する。同様に、スピーカードライバーユニット3としてバランスドアーマチュアドライバーユニットが適用される場合に、共鳴ケース4はバックホール(BH)が形成された背面形状と類似または同一の形状でカバーされ得る。そして、スピーカードライバーユニット3の背面と共鳴ケース4との接触面が密閉される。
【0068】
本実施例においては、インイヤーマイクロホン2とスピーカードライバーユニット3とが1個ずつ構成する場合について説明しているが、複数で構成すこともできる。
【0069】
一方、本実施例においては、内壁11、12及び共鳴ケース4を用いて設置空間(SP1、SP2)を分離することを例示しているが、ケース、ケースに分離可能あるいは一体に結合された内壁、PCB(Printed Circuit Board)などを用いて設置空間(SP1、SP2)を分離することができる。すなわち、設置空間(SP1、SP2)をケース、内壁、PCBなどを含む隔離体を用いて分離させることができる。そこで、ケース、内壁、PCB等で共鳴空間(RS)を形成する場合には、微細ホール(H)がケース、内壁、PCB等に形成され得る。
【0070】
ここで、隔離体として内壁を用いる場合には、微細ホール(H)が形成された内壁からスピーカードライバーユニット3方向に延在される円筒または多角形筒形状に共鳴空間(RS)を形成させることができる。つまり、ダイナミックドライバーユニットの場合には、通常円筒形状に共鳴空間(RS)を形成することができ、バランスドアマチュアドライバーユニットの場合には、通常四角柱形状に共鳴空間(RS)を形成することができる。もちろん、前記のように、スピーカードライバーユニット3の背面形状と類似または同一の形状を有する方が好ましい。そして、スピーカードライバーユニット3の背面と共鳴ケース4との接触面が密閉される。
【0071】
なお、隔離体としてPCBを用いる場合には、通常、PCBが平板なので、ケース1の所定位置を切開した断面を密閉する方式で実装され得る。すなわち、所定の位置でケース1を切開した際に開口した領域をPCBが完全に密閉する構造を有する。そして、PCBは、一面が設置空間(SP1)に向かっており、他面が設置空間(SP2)に向かうが、設置空間(SP2)を分離する内壁11がPCBの他面に接触して密閉される。これに対し、内壁11を基準にスピーカードライバーユニットとインイヤーマイクロホンが分離設置され得る。
【0072】
このように様々な方法が適用され得るイヤーセットに形成された微細ホール(H)は、スピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)とケース1に形成された通孔(O)を連通させることになる。
【0073】
設置空間(SP1、SP2)を分離する技術について、より具体的に説明する。
【0074】
ケース1の内部には、隔離体によって外部空間(SP1)と内部空間(SP2)に分離されている。本実施例においては、隔離体が内壁11、12及び共鳴ケース4から構成されることを例示している。もちろん、共鳴ケース4だけで隔離体を構成することもできる。
【0075】
内部空間(SP2)は、第1の内壁11によって分離され、第1の内壁11に分離された一側空間にはインイヤーマイクロホン2が内設され、他側空間にはスピーカードライバーユニット3が内設される。
【0076】
スピーカードライバーユニット3及び共鳴ケース4は、第1の内壁11と第2の内壁12に挟まれ、外部空間(SP1)とスピーカー音響通路(SH)を空間的に分離させることになる。インイヤーマイクロホン2は、マイクロホン集音通路(VH)中に設置できる。すなわち、インイヤーマイクロホン2が装着された一側空間は、マイクロホン集音通路(VH)を形成することになり、スピーカードライバーユニット3が装着された他側空間は、スピーカー音響通路(SH)と共鳴空間(RS)を形成することになる。このように、一側空間は、マイクロホン集音通路(VH)として用いられるが、ノズル部位では第1の内壁11とケース1とを用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11と別途の声ガイド内壁(未図示)などを用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成することができる。これにより声の入力の直進性を向上させることができる。一方、他側空間は、スピーカー音響通路(SH)として用いられるが、ノズル部位では、第1の内壁11とケース1とを用いてスピーカー音響通路(SH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11、第2の内壁12及びケース1を選択的に用いて、スピーカー音響通路(SH)を形成し、または共鳴空間(RS)を形成することができる。これにスピーカー再生音の直進性を向上させ、且つ低音再生を円滑に遂行することができる。
【0077】
一方、隔離体に形成される微細ホール(H)の直径は、隔離体の厚さに応じて設定される方が好ましい。一例として、微細ホール(H)の直径と隔離体の厚さとの比は1:100~1,000の範囲内で設定でき、1:1,000以上に設定する方が好ましい。例えば、隔離体の厚さが1mm(1,000μm)の場合に、微細ホール(H)の直径は、1~10μmの範囲内で設定できる。
【0078】
このように構成された本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、ケース、内壁、PCBなどを含む隔離体に形成される微細ホール(H)を用いて外部騒音を遮蔽するとともに、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つことができる。また、微細ホール(H)とスピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)を含む背面部との間に共鳴空間(RS)を形成することで、音響を豊かに強化することができる。
【0079】
それだけでなく、バックホール(BH)と通孔(O)との間に相対的に小さい直径を有する微細ホール(H)を形成することにより、低域通過フィルタ(Low PaSS Filter)の機能を行うようになる。これにより信号処理されたデータをネットワークを介して伝送する際、データ量を減らすために帯域幅を高音域/低音域を除去することになるが、微細ホール(H)を通過した信号は、低音域(100Hz以下)に該当し、データ量に影響を及ぼさなくなる。
【0080】
図4は、本発明に適用される他の実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【0081】
一方、
図4の説明において、重複説明を避けるために
図3との相違点のみ説明することとする。
【0082】
図4を参照すると、本実施例においては、共鳴ケース4に通孔(O)を形成させており、当該通孔(O)をメッシュ(Mesh)5でカバーしている。
【0083】
つまり、外部騒音を遮蔽できるホールの最小直径(40μm)に対して、10倍以上大きな直径で通孔(O)を形成し、通孔(O)の直径に反比例する密度を有するメッシュ5でカバーすることもできる。その際、メッシュ5の密度は、チューニングを考慮して決定され、当該密度の±20%の範囲内でセッティングされる方が好ましい。これは、通孔(O)とメッシュ5とを組み合わせて外部騒音を遮蔽するため、相互補完により効果良く外部騒音を遮蔽できるだけでなく、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つことができる。
【0084】
このように、外部騒音を遮蔽できるホールの直径が40μm前後で可能であることを考慮すると、概ね10倍以上大きい0.4~0.6mmの孔(微細ホール(H))を開けた後、不足している騒音遮蔽能力を補いつつ音響チューニングのため300~600メッシュ以上高密度のメッシュ5で通孔(O)をカバーすれば、外部騒音が外耳道及びインイヤーマイクロホン2へ流入することを防止できる。すなわち、所望するインイヤーマイクロホン2の技術具現が可能になるのである。
【0085】
一方、本実施例においては、メッシュ5を用いて通孔(O)をカバーする場合について説明しているが、微細ホールが形成されたパッド(未図示)を用いて通孔(O)をカバーすることもできる。また、チューニング等の目的で
図3において形成させた微細ホール(H)にメッシュ5をカバーすることもできる。
【0086】
図3及び
図4のように、本発明のスピーカードライバーユニット3の後尾に外部騒音を遮蔽する共鳴ケース4を形成することにより、外部騒音が流入することは遮蔽して音響品質を向上させることができ、インイヤーマイクロホン2に騒音が入力されることが防止できる。すなわち、スピーカードライバーユニット3の後尾に形成されたバックホール(BH)を通じて外部騒音が流入し、ユーザの外耳道に伝達されたり、外部騒音がスピーカー音響通路(SH)とマイクロホン集音通路(VH)に沿ってインイヤーマイクロホン2に入力される問題を解決できる。また、スピーカードライバーユニット3の振動板の裏方の共鳴空間(RS)がさらに形成されるだけでなく、共鳴空間(RS)がケース1の通孔(O)に連通することで、バックボリューム(Back Volume)を向上させ、同一気圧を維持させることができる。これにより、スピーカードライバーユニット3の低音が強化されることで、音響品質を向上させることができる。
【0087】
具体的に、本発明においては、外部騒音を遮蔽できる100μm、望ましくは、40μm前後の微細ホール(H)を共鳴ケース4に直接形成することができる。また、100μm超の直径を有する通孔(O)を共鳴ケース4に形成させ、当該通孔(O)の直径に反比例する密度を有するメッシュ5でカバーできる。そして、外部騒音を遮蔽できる100μm、望ましくは、40μm前後の微細ホール(H)を共鳴ケース4に形成させ、チューニングのために当該微細ホール(H)をメッシュ5でカバーできる。
【0088】
これにより、微細ホール(H)が形成された共鳴ケース4を用いて、イヤーセットの内方と外方との気圧を等しく保つとともに、ケース1に形成された通孔(O)を介して流入する外部騒音を遮蔽する。
【0089】
また、共鳴ケース4により共鳴空間(RS)が拡張されバックボリュームが向上することで低音を強化し音響品質を向上させることができ、スピーカードライバーユニット3の動作によりバックホール(BH)及び微細ホール(H)(通孔(O)とメッシュ5、微細ホール(H)とメッシュ5)を介して音響が逆出力される場合においても共鳴ケース4の微細ホール(H)(通孔(O)とメッシュ5、微細ホール(H)とメッシュ5)を介するので100Hz以下の低音域のみ出力され、ケース1の通孔(O)から漏れる音響も遮蔽できる。
【0090】
一方、
図3ないし
図6において提示したキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、ケース1の内部に共鳴ケース4を形成することにより、共鳴ケース4を設けるための空間を必要とする。
【0091】
そこで、隔離体を形成できるケース、内壁、PCB等に微細ホールを直接形成させる方案について説明する。
【0092】
図5は、本発明に適用されるまた他の実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【0093】
一方、
図5の説明において、重複説明を避けるために
図3及び
図4との相違点のみ説明することとする。
【0094】
図5を参照すると、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、ケース1と、ケース1の内部に形成された空間を外部空間(SP1)と内部空間(SP2)に分離させ、微細ホール(H)を形成させた隔離体6と、内部空間(SP2)を隔離させる第1の内壁11と、第1の内壁11によって分離された一側空間に内設されたインイヤーマイクロホン2と、第1の内壁11によって分離された他側空間に内設されたスピーカードライバーユニット3と、スピーカードライバーユニット3の設置空間を形成させる第2の内壁12と、スピーカードライバーユニット3のバックホール(BH)を含む背面部に連通する共鳴空間(RS)を形成し、共鳴空間(RS)が微細ホール(H)と連通する位置に形成される第3の内壁13と、を含む。
【0095】
ここで、隔離体6としては、ケース、内壁、PCB等を用いることができ、本実施例においては、PCB6を用いる場合について説明することとする。すなわち、PCB6に微細ホール(H)を形成している。
【0096】
一方、一側空間は、マイクロホン集音通路(VH)として用いられるが、ノズル部位では、第1の内壁11とケース1を用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11と別の声ガイド内壁(未図示)などを用いてマイクロホン集音通路(VH)を形成することができる。これにより声の入力の直進性を向上させることができる。一方、他側空間は、スピーカー音響通路(SH)として用いられるが、ノズル部位では、第1の内壁11とケース1を用いてスピーカー音響通路(SH)を形成し、ボディの中央部位では、第1の内壁11、第2の内壁12、第3の内壁13及びケース1を選択的に用いてスピーカー音響通路(SH)を形成し、または共鳴空間(RS)を形成することができる。これにより、スピーカー再生音の直進性を向上させることができ、低音再生を円滑に行うことができる。そして、第1の内壁11及び第3の内壁13を用いてPCB6を安着させることができる。
【0097】
一方、微細ホール(H)の位置に通孔(H)が形成される場合があり、すなわち微細ホール(H)の直径が10μm範囲を超えた通孔(H)が形成される場合には、微細ホール(H)が形成されたパッド(未図示)を用いて通孔(H)をカバーすることもできる。なお、通孔(H)をパッド(未図示)でカバーする場合について説明しているが、微細ホール(H)が形成されたパッド(未図示)をスピーカードライバーユニット3のバックホールに直接装着することもできる。
【0098】
一方、パッド(未図示)は、外部空間(SP1)または内部空間(SP2)側で装着することができ、PCB6に直接実装することもできる。
【0099】
パッド(未図示)に形成された微細ホール(H)の直径の大きさに対応し、多様なチューニングが可能である。また、パッド(未図示)をメッシュ(Mesh)状で製作する場合は、メッシュ密度により様々なチューニングも可能である。
【0100】
一方、スピーカー音響通路(SH)上にスピーカードライバーユニット3を設置することができ、より具体的には、ノズルにスピーカードライバーユニット3を設置することができる。これにより、スピーカードライバーユニット3の前面部にスピーカー音響通路(SH)が短く形成され、スピーカードライバーユニット3の背面部により大きな共鳴空間(RS)が形成され得る。
【0101】
図6は、本発明に適用されるまた他の実施例であって、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの概念図である。
【0102】
一方、
図6の説明において、重複説明を避けるために
図3ないし
図5との相違点のみ説明することとする。
【0103】
図6を参照すると、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、
図3ないし
図5と比較してケース1内部に形成され、イヤーセットの外部から伝達される音響(音声と外部騒音)を集音するアウトイヤーマイクロホン7をさらに形成している。
【0104】
アウトイヤーマイクロホン7が外部空間(SP1)に内設できる。これに対し、ケース1には、気圧維持及び集音のための通孔(O)が形成できる。
【0105】
すなわち、本実施例において示すキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットのケース1には、通孔(O)が形成されるものの、ケース1に形成された通孔(O)を通じて流入する音声及び外部騒音は、アウトイヤーマイクロホン7に入力され、これにアウトイヤーマイクロホン7では発話者の音声が生成されるか否かを確認し、またはアウトイヤーマイクロホン7に入力される発話者の音声を参考にしてインイヤーマイクロホン2に入力される音声を元の音声に復元するのに参考信号として用いることができる。一方、発話者の音声が混合された外部騒音が設定値、例えば40db以上の場合には、アウトイヤーマイクロホン7の駆動を停止させ、インイヤーマイクロホン2のみを駆動させて元の音声に復元する方が好ましい。この場合には、あらかじめ保存されたユーザ音声サンプルを用いて原音復元を進行することができる。
【0106】
一方、
図3ないし
図6に示すキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、共鳴ケース4に微細ホール(H)を形成したり、通孔(O)とメッシュ5を形成させる場合について説明しているが、共鳴ケース4に微細ホール(H)とメッシュ5を形成することができる。すなわち、二重騒音遮蔽とともにスピーカードライバーユニット3のチューニングのため共鳴ケース4に微細ホール(H)とメッシュ5を形成することができる。すなわち、共鳴空間(RS)が形成されることによりスピーカードライバーユニット3の振動板が偏る問題を緩和させることができるので、ケース1に形成された通孔(O)を微細ホール(H)に代替することもできる。これにより、ケース1に形成された微細ホール(H)によって1次騒音遮蔽が行われ、共鳴ケース4に形成された微細ホール(H)、通孔(O)とメッシュ5の組合せ、微細ホール(H)とメッシュ5の選択的組合せによって2次騒音遮蔽が行われる効果が得られる。
【0107】
以下、本発明のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットの動作過程について説明することとする。
【0108】
まず、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットがスマートフォンにペアリングされた状態と仮定し、ペアリングには有無線通信方式を用いることができ、望ましくは、Wi-Fi、Bluetooth、NFCなどの近距離無線通信方式が用いられる。本実施例においては、Bluetoothでペアリングされた状態でキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが動作する過程について説明することとする。
【0109】
一方、本実施例においては、スマートフォンとペアリングされた状態でキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットとスマートフォンとの間の送受信過程について説明するが、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット自体にスマートフォンの機能を含めることができるため、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット自体が全ての過程を処理することも可能である。
【0110】
なお、本実施例においては、インイヤーマイクロホン2とスピーカードライバーユニット3が内設され、スピーカードライバーユニット3に共鳴ケース4が適用されたキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセット(通話用ブルートゥースイヤーセット)を用いる場合について説明することとする。
【0111】
最後に、本実施例においては、ペアリングが行われた後、待機状態であると仮定する。
【0112】
図7は、本発明の一実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットがスマートフォンと連動される過程を示すフローチャートである。
【0113】
図7は、
図1のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが駆動される過程に対するものである。
【0114】
図7を参照すると、最初に駆動が行われた後、待機状態を維持すると(S1)、マイクロホン101と制御部102のみを駆動させ、音声信号が生成されるか否かを判断する(S2)。すなわち、マイクロホン101と制御部102のみを駆動させて、最小電力で駆動が行われるようにする。
【0115】
その際、音声信号が生成されると、音声信号に対応したキーワードを生成し、当該キーワードがあらかじめ設定されているか判断する(S3)。ここで、外部騒音が存在する場合に、口から伝達された発話者の音声及び外部騒音がケース1の通孔(O)を介して流入するが、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5により遮蔽されるので、ユースタキー管を介して外耳道に伝達された発話者の音声のみインイヤーマイクロホン2に流入して信号処理されるので、外部騒音が含まれていない発話者の原音を容易に復元することができる。すなわち、音声認識率が向上し、正確なキーワードの生成が可能である。
【0116】
当該キーワードがあらかじめ設定されていないと判断されると(S4)、再入力を要求し(S5)、当該キーワードがあらかじめ設定されていると判断されると(S4)、無線通信モジュール103を駆動させる(S6)。
【0117】
続いて、当該キーワードに対応した無線通信の接続処理が行われるようになる(S7)。一方、本実施例においては、スマートフォンとの無線通信が行われることを例示しているが、当該キーワードが特定端末及びプログラムである場合には、当該特定端末及びプログラムに接続及び実行が行われる無線通信接続処理が行われる。
【0118】
そこで、無線通信接続処理により相互通信が可能になり得る(S8)。
【0119】
一方、イヤーセットまたはスマートフォンから切替信号が生成されると(S9)、制御部102では無線通信モジュール103への電源供給を中止させる(S10)。この時、切替信号は音声生成の有無、スマートフォン操作の有無、イベント経過時間などによって生成され得る。
【0120】
図8は、本発明の他の実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットがスマートフォンと連動される過程を示すフローチャートである。
【0121】
図8は、
図2のキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが駆動される過程に対するものである。
【0122】
図8を参照すると、最初に駆動が行われた後、待機状態を維持すると(S11)、マイクロホン111とキーワード判断部112のみを駆動させ、音声信号が生成されるか否かを判断する(S12)。すなわち、マイクロホン111とキーワード判断部112のみを駆動させ、最小電力で駆動が行われるようにする。
【0123】
その際、音声信号が生成されると、キーワード判断部112は、音声信号に対応したキーワードを生成し、当該キーワードがあらかじめ設定されているかを判断する(S13)。ここで、外部騒音が存在する場合、口から伝達された発話者の音声及び外部騒音は、ケース1の通孔(O)を介して流入するが、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5により遮蔽されるので、ユースタキー管を介して外耳道に伝達された発話者の音声のみがインイヤーマイクロホン2に流入して信号処理されるので、外部騒音が含まれていない発話者の原音を容易に復元することができる。すなわち、音声認識率が向上し、正確なキーワードの生成が可能である。
【0124】
当該キーワードがあらかじめ設定されていないと判断されると(S14)、再入力を要求し(S15)、当該キーワードがあらかじめ設定されていると判断されると(S14)、コントローラ113を駆動させ、コントローラ113による連続制御によって通信処理部114を連続駆動させる(S16)。
【0125】
続いて、当該キーワードに対応した無線通信接続処理が行われるようになる(S17)。一方、本実施例においては、スマートフォンとの無線通信が行われることを例示しているが、当該キーワードが特定端末及びプログラムである場合には、当該特定端末及びプログラムに接続及び実行が行われる無線通信接続処理が行われる。
【0126】
そこで、無線通信接続処理により相互通信が可能になり得る(S18)。
【0127】
一方、イヤーセットまたはスマートフォンから切替信号が生成されると(S19)、切替信号はコントローラ113に伝送される。そこで、コントローラ113は通信処理部114への電源供給を停止し、自らも待機状態に切り替える(S20)。この時、切替信号は、音声生成の有無、スマートフォン操作の有無、イベント経過時間などによって生成され得る。
【0128】
図9は、本発明の一実施例に係るキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットが、特定装置と連動する過程を示すフローチャートである。
【0129】
図9を参照すると、無線通信状態が維持されている状態で(S21)、発話者の音声が生成されたか判断し(S22)、発話者の音声が生成されると、発話者の音声に対応する命令信号を生成する(S22)。
【0130】
この際、口から伝達された発話者の音声及び外部騒音は、ケース1の通孔(O)を介して流入するが、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5により遮蔽されるので、ユースタキー管を介して外耳道に伝達された発話者の音声のみがインイヤーマイクロホン2に流入して信号処理されるので、外部騒音が含まれていない発話者の原音を容易に復元することができる。よって、正確な命令信号の生成が可能になる。
【0131】
続いて、キーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットは、命令信号をペアリングされた装置に伝送する(S23)。
【0132】
よって、当該装置において命令信号に対応した制御が行われるようになる(S24)。
【0133】
一方、当該装置の駆動により音響信号が生成される場合(S25)、当該音響信号はキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットに伝送され(S26)、続いて、当該音響信号は、スピーカードライバーユニット3を介して出力される(S27)。この際、外部騒音が発生し、ケース1の通孔(O)を介して外部騒音が流入しても、共鳴ケース4の微細ホール(H)、または共鳴ケース4の通孔(O)とメッシュ5によって遮蔽されるので、外部騒音が含まれていないスピーカー音響を出力することができる。
【0134】
一方、スピーカードライバーユニット3を介して音響が出力される途中に発話者の音声が生成される場合、発話者の音声はインイヤーマイクロホン2を通じて収音され、発話者の音声に対応する命令信号が生成されると、発話者の命令信号は当該装置に伝送され、命令信号に対応した制御が行われることになる。
【0135】
一方、
図9は、インイヤーマイクロホン2とスピーカードライバーユニット3とが内設されたキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットを用いる場合について説明しているが、アウトイヤーマイクロホン7を含むキーワードウェイクアップ機能を有するスマートイヤーセットを用いる場合、スピーカードライバーユニット3を介して音響が出力される途中に発話者の音声が生成されると、アウトイヤーマイクロホン7を用いて発話者が発話するか否かを判断し、現在のスピーカードライバーユニット3を介して出力される音響を減らす制御があり得る。これは、インイヤーマイクロホン2を通じて発話者の音声を正確に収音するためである。一方、発話者の音声が混合された外部騒音が設定値、例えば40db以上の場合にはアウトイヤーマイクロホン7の駆動を停止させ、インイヤーマイクロホン2のみを駆動させて元の音声に復元することもできる。その際、あらかじめ保存されたユーザ音声サンプルを用いて原音復元を進める方が好ましい。
【0136】
以上、いくつかの実施例から本発明の技術的思想を調べてみた。
【0137】
本発明の属する技術分野において、通常の知識を有する者が本発明の記載事項から前記調べた実施例を多様に変形または変更できることが自明である。また、たとえ明示的に図示、または説明されていないとしても、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明の記載事項から本発明による技術的思想を含む多様な形態の変形が可能であることは自明であり、これは依然として本発明の権利範囲に属する。添付図面を参照して説明した前記の実施例は、本発明を説明することを目的として記述されたものであり、本発明の権利範囲はこれらの実施例に限らない。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、騒音が激しいところで有用に利用できる。
【符号の説明】
【0139】
1:ケース
2:インイヤーマイクロホン
3:スピーカードライバーユニット
4:共鳴ケース
5:メッシュ
6:隔離体
7:アウトイヤーマイクロホン
100:スマートイヤーセット
101、111:マイクロホン
102:制御部
103:無線通信モジュール
112:キーワード判断部
113:コントローラ
114:通信処理部
200:スマートフォン
【国際調査報告】