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特表2022-506921ゴム製品の加硫中および加硫後に識別目的のRFID操作に耐性可能およびRFID操作性を維持可能なRFIDビード・ラベル・デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】ゴム製品の加硫中および加硫後に識別目的のRFID操作に耐性可能およびRFID操作性を維持可能なRFIDビード・ラベル・デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20220107BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20220107BHJP
   B32B 25/08 20060101ALI20220107BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20220107BHJP
   B32B 27/36 20060101ALI20220107BHJP
   B60C 19/00 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
G06K19/077 232
H01Q1/38
B32B25/08
B32B27/32 D
B32B27/36
B60C19/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525044
(86)(22)【出願日】2019-11-07
(85)【翻訳文提出日】2021-07-06
(86)【国際出願番号】 US2019060280
(87)【国際公開番号】W WO2020097340
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】62/756,799
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521194161
【氏名又は名称】ファインライン テクノロジーズ
【氏名又は名称原語表記】FineLine Technologies
【住所又は居所原語表記】3145 Medlock Bridge Road, Norcross, Georgia 30071 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレン エム. キャシディ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル イー. ボルニャ
(72)【発明者】
【氏名】ジョス ウィジュレンブルーク
【テーマコード(参考)】
3D131
4F100
5J046
【Fターム(参考)】
3D131AA60
3D131BC31
3D131BC51
3D131LA20
3D131LA24
4F100AA20
4F100AA20A
4F100AB01
4F100AB01E
4F100AB10
4F100AB10E
4F100AH06
4F100AH06A
4F100AK41
4F100AK41B
4F100AK41D
4F100AK49
4F100AK49C
4F100AN02
4F100AN02E
4F100AR00A
4F100BA03
4F100BA05
4F100BA07
4F100CB00
4F100CB00E
4F100EJ06
4F100EJ42
4F100GB41
4F100GB901
4F100JG10
4F100JG10E
4F100JH02
4F100JL11
4F100JL11E
4F100JL14
4F100JL14E
5J046AB07
5J046PA09
5J046PA10
(57)【要約】
ポリイミド・フィルムの表面上に配置された集積メモリ回路に接続された耐高温ポリイミド・フィルム上にエッチングされたアルミニウム・アンテナから成る、RFIDインレイ構造に基づいた、硬化前RFID対応ビード・ラベルが開示される。このRFIDインレイは、例えば、複数のポリエステル層と、層同士を互いに結合/接着する複数の耐高温接着剤層と、を備える複数の層を有するラベルの全体構造に更に挿入される、複数の層は、ラベルがタイヤの外部ビード(または側壁)に結合される間に、RFIDインレイを更に保護し絶縁する。本明細書に開示する組成物/デバイスは、加硫プロセスに関連する応力を受ける前および製造プロセス中のこの物品の通常の使用前に、ゴム系物品(例えば、タイヤ)に適用された場合、電子識別に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム製物品の加硫中のRFID操作に耐えるとともにRFID操作性を維持する生のゴム製物品に固着されるように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスであって、
(a)前記デバイスの最外層である保護トップコート層と、
(b)前記デバイスの最内層であり、前記デバイスを未加硫および/または加硫済みゴム製物品に接着するように構成されるゴム接着層と、
(c)耐熱性RFIDデバイスがその上またはその中に配置されるポリイミド層であって、耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層が、前記ゴム製物品の加硫中および加硫後のRFID操作性を維持するように、前記保護トップコート層と前記ゴム接着層との間に配置される、前記ポリイミド層と、
(d)前記トップコート層と前記ゴム接着層との間に配置される複数のポリエステル層であって、前記複数のポリエステル層は、前記ポリイミド層の上方に配置される少なくとも第1のポリエステル層と、前記ポリイミド層の下方に配置される少なくとも第2のポリエステル層と、を有し、前記第1および第2のポリエステル層は、前記ポリイミド層を取り囲んで、前記ゴム製物品の加硫中に耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層を絶縁し、保護し、RFID操作性を維持する、前記複数のポリエステル層と、
(e)前記トップコート層、前記複数のポリエステル層、前記ポリイミド層および前記ゴム接着層の間に配置され、これらの層を互いに結合する複数の接着性層と、
を備える、RFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、前記ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、300MHzから3GHzの間でRFID操作性を維持する、請求項1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、最高220℃の温度に最大12時間晒されている間、RFID操作性を維持する、請求項1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項4】
耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層は、300MHzから3GHzの範囲の高周波信号の送信および/または受信の両方を行うパッシブRFID送信向けに構成され、前記ポリイミド層の上または中に配置される金属アンテナを備える、請求項1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項5】
前記金属アンテナは、少なくとも電子通信、データ・メモリおよび制御ロジック用に構成されるアルミニウム・エッチング・アンテナおよび集積回路またはマイクロチップである、請求項4に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項6】
前記ゴム接着層の上に適用され接着される除去可能なライナを更に備える、請求項1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、RFIDラベルの分野に関し、より詳細には、ゴム製物品の加硫中および加硫後(例えば、硬化前および硬化後)に、特に超高周波数範囲で操作に耐性可能および操作性を維持可能なRFIDビード・ラベルであって、ゴム製物品の製作中および製作後に、その上に配置されたRFIDビード・ラベルを介してゴム製物品を継続して識別することができる、RFIDビード・ラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な合成ゴムおよび天然ゴム系の物品(例えば、タイヤ、ホース、ゴム・マット、空気ばね)は、典型的には、これらの物品の製造プロセス、在庫管理および流通を監視するために、バーコード・ラベルまたはRFIDラベルなどの様々な識別デバイスを具備する。しかしながら、これらの物品、特に合成/天然ゴム系タイヤ、ゴム系床マットおよびホースや空気ばねのような他の多くのゴム製品のラベリングは、特にラベリングがタイヤ製造プロセスの初期に、タイヤの加硫および/または品質試験の前に行われる場合、問題となる可能性がある。
【0003】
タイヤのようなゴム系物品を生産するとき、タイヤの中間製品(例えば、「生」/未硬化および/または未加硫の中間製品)に対して、複数のタイヤ構成要素が互いに融合または成型される1つ以上の加硫プロセスが行われる。これらのプロセスは、基本的に、合成ゴムの場合と天然ゴムの場合とで同じである。これらのプロセスは、非常に物理的および化学的に過酷であり、高温(例えば、少なくとも80℃、130℃、140℃、最大220℃の温度)条件、高圧条件および/または架橋条件が関与する場合が多い。加硫中に、ゴム系組成物は、ゴム・マトリックス内に架橋の広範なネットワークを形成することによって変性され、それによって物品の強度および耐久性を大幅に増加させる。多数の加硫技術が当該分野で知られているが、全てではないにしてもほとんどが、「生」または未加硫のゴム系物品に高圧および高温を適用することを含み、そのことが大きく影響し、物品上に配置される従来の識別ラベル(例えば、RFIDおよびバーコードのみのビード・ラベル)を作動不能にしている。
【0004】
これらのプロセスに鑑みて、加硫プロセスと関連付けられた比較的高い温度および圧力に耐えることができるタイヤ、ホース、マットおよび空気ばねなどの「生」の天然ゴムおよび合成ゴム系物品に適用することができる図1A図1B図2Aおよび図2Bに示されるものなどの接着ラベル(バーコードのみのビード・ラベル)が開発されてきた。例えば、図1A図1B図2Aおよび図2Bに示されるラベルは、図3に更に示されるように、物品(例えば、タイヤ)にタイヤ製造プロセス中に固着することができるバーコードのみのビード・ラベルを利用する。
【0005】
特定の用途では、図1A図1B図2Aおよび図2Bに示されるようなバーコードのみのビード・ラベルで十分であるが、バーコードのみのビード・ラベルは、以下のものを含むタイヤ製造プロセス中の多数の欠点を呈する。
・ゴム製品(例えば、タイヤ)は常に、製造プロセス中のバーコード・リーダによる「見通し内(line-of-sight)」スキャンのために、特定の方向に向けられていなければならず、および/または、特定の角度に移動させなければならない。
・ゴム製品(例えば、タイヤ)を、一度に1つずつスキャンする領域に移動させなければならない。
・追加の機器およびプロセス・ステップを製造プロセスに追加しなければならず、特にAGROタイヤおよび鉱業タイヤなどの大型製品の場合、全体のスループットが影響を受ける。
・タイヤ・メーカーは、生産中に他の情報をラベルに「書き込む」ことができず、または、生産に関連する情報をステーション間で共有することができない。
・鉱業タイヤのような一部の特定の製品に関して、業界は硬化プロセスを使用しており、硬化プロセス内で、金型が加硫中に空気を放出するための複数の通気穴を有する必要があり、加硫中にゴムがバーコード・ラベルの上に浮き、したがってバーコードが読取り不能になる。
【0006】
上述のバーコードのみのビード・ラベルに加えて、特定のRFIDラベルがタイヤ生産中に限定された能力で使用される。しかしながら、現在のRFIDラベルは、タイヤ加硫プロセスと関連付けられる環境ストレス(高温、高圧、架橋、製品の移動(例えば、製品を金型から外すとき)など)を切り抜けることができない。より詳細には、加硫中にタイヤ(またはゴム製物品)を硬化した後、RFIDインレイは作動不能になる(例えば、読取り不能、および/または、使用用途に対する最小許容範囲を超えて読取り能力が大幅に低下する)。結果として、RFIDラベルに関する現在の解決策は、ゴム製物品の硬化後の用途に限定されており、それらは不利なことに、時間の損失、別のラベルをゴム製物品に追加することと関連する経費の増加、および、硬化後に新しく適用されたRFIDラベルを、硬化前の同じ物品と関連する以前の固有の識別子と整合することに関連するエラーの増加をもたらす。
【0007】
特定の例では、ラベルは、合成ゴム製品または天然ゴム製品に対して/それらの中で直接加硫することができない。例えば、特定の例では、ゴム製物品は射出成形によって形成/生産されることがある。射出成形の場合、ラベルは、射出成形中に浮いていってしまう。したがって、RFIDラベルを、生産後(アフターマーケット)のRFIDゴム系物品上に適用することが必要とされる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記に鑑みて、耐熱性であり、過酷な加硫条件に耐えることができ、それによって従来のRFIDラベルの欠点を克服するRFID(ビード)ラベル・デバイスを提供することが必要とされている。特定の態様では、本明細書に開示するRFID(ビード)ラベル・デバイスは更に、見通し内要件を有さず、したがって、複数のタイヤを、読取り領域内で同時に、またゴム製物品の製造を通して継続的に識別することが可能になり、ゴム製物品を識別するのに追加のプロセス・ステップを要さず、特定の態様では、情報を、生産中にラベルに「書き込む」ことができ、または、ステーション間で共有することができる。
【0009】
特定の態様では、ゴム製物品の加硫中にRFID操作に耐えるとともにRFID操作性を維持するように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスが開示される。RFIDビード・ラベル・デバイスは、(a)デバイスの最外層である保護トップコート層と、(b)デバイスの最内層であり、デバイスを未加硫および/または加硫済みゴム製物品に接着するように構成されるゴム接着層と、(c)耐熱性RFID機能を有し、耐熱性RFID機能を有するポリイミド層が、ゴム製物品の加硫中および加硫後のRFID操作性を維持するように、保護トップコート層とゴム接着層との間に配置されるポリイミド層と、(d)トップコート層とゴム接着層との間に配置される複数のポリエステル層であって、前記複数のポリエステル層は、ポリイミド層の上方に配置される少なくとも第1のポリエステル層と、ポリイミド層の下方に配置される少なくとも第2のポリエステル層と、を有し、それによって第1および第2のポリエステル層は、ポリイミド層を取り囲んで、ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、耐熱性RFID機能を有するポリイミド層を絶縁し、保護し、そのRFID操作性を維持する、複数のポリエステル層と、(e)トップコート層、複数のポリエステル層、ポリイミド層およびゴム接着層の間に配置され、これらの層を互いに結合する複数の接着性層と、を備える。更に、RFIDビード・ラベル・デバイスは、柔軟で可撓性を有するため、ゴム製物品の製造中の任意の時点で、ゴム製物品の任意の所望の表面(例えば、タイヤ内面および/またはタイヤ壁)に簡単に適用することができる。
【0010】
特定の態様では、デバイスは、ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、300MHz~3GHzでRFID操作性を維持するので、デバイスは、ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後にRFIDリーダとの通信を維持することができる。
【0011】
特定の態様では、デバイスは、最高220℃の温度に最大12時間晒されている間、RFID操作性を維持する。
【0012】
特定の態様では、耐熱性RFID機能を有するポリイミド層は、300MHz~3GHzの範囲の高周波信号をラベルからRFIDリーダに無線で送信および/または受信し、その上またはその中に配置される金属アンテナ(および/または、アンテナに誘導結合または直接結合されたRFID構成要素/デバイス(例えば、集積回路またはマイクロチップ))を備える。特定の態様では、これらのRFID機能は、好ましくは、パッシブRFID送信に限定される。
【0013】
特定の態様では、金属アンテナは、少なくとも電子通信、データ・メモリおよび制御ロジック用に構成される集積回路またはマイクロチップに接続されるアルミニウム・エッチング・アンテナである。他の特定の態様では、金属アンテナは、銅線、鋼線および/またはステンレス鋼である。
【0014】
特定の態様では、RFIDビード・ラベル・デバイスは更に、ゴム接着層の上に適用され接着される除去可能なライナを備える。
【0015】
従来技術と比較して、本明細書に開示するRFIDビード・ラベル・デバイスは、加硫プロセス中にラベルに掛かる応力(高温および高圧など)に耐え抜き、そのRFID性能を保持して、製造プロセスの残りを通して技術を利用することを可能にする優れた識別ソリューションを実証している。ポリイミド・フィルムの寸法安定性が、インレイ内におけるチップおよびアンテナの構造的一体性を維持するのを更に助け、150℃超および/または200℃超の硬化温度に耐え抜く能力に加えて、RFID性能の低下を回避している。
【0016】
ポリイミド・フィルム系インレイに加えて、本主題は、硬化前のRFID対応ラベルの構造全体を構成する材料の層および順序によって、従来技術とは区別される。本主題は、インレイが加硫プロセス中に他の材料に緊密に結合されたままであることを確実にするために、ポリイミドの上方および下方に含まれる高温接着剤の層と複数のポリエステル層を含む。複数のポリエステル層は、印刷可能な表面を提供することの他に、加硫中にタイヤの金型内にある状態で本主題に適用される高レベルの圧力からインレイを保護し、絶縁し、緩衝するようにも作用し、それによって、開示するデバイスのRFID操作性を維持する。
【0017】
特定の態様では、ラベルの1つ以上の最外層は、後に加硫される未加硫ゴム層であってもよい。この態様では、加硫後に、ラベルの他の層は、加硫されたゴムのいずれか1つの最外層に分離不能に固着され、および/または、ラベルの他の層は、ラベルの互いに対して対向する面に配置されるラベルの2つの離間した最外層の間に挟まれる(またその中に恒久的に固着される)。上述した例のいずれにおいても、ラベルの最外層である1つ以上の未加硫または加硫済みのゴム層を有するラベルは、後で既存のゴム製品上に糊付けおよび/または接着することができる。特定の場合には、ゴムの裏打ちを有するラベルは、部分的にのみ加硫される。この部分的に加硫されたゴムは、ラベルが接着される位置で製品を局所的に加熱することによって(例えば、いわゆるホット・スタンピング・プロセスによって)、既存のゴム製品(例えば、加硫済みのゴム製品)上に適用することができる。このプロセス内では、例えば鋼の2つの加熱板が、既存の製品およびRFIDラベルのゴムの裏打ちを局所的に加熱する。このプロセスでは、加硫は、(ラベルが適用される位置で)局所的に行われる。
【0018】
上記に示唆したように、また、特定の態様では、上述したのと同じプロセスを使用して、記載されたラベルを、ラベルの最外層を形成する2つのゴム層(即ち、それぞれ上層および下層)の間に統合することが必要なことがある。この態様では、ラベルは、最外ゴム層の一方または両方に接着剤コーティングをさらに備えていてもよい。最外層の両方が未加硫ゴムである場合、ラベルは、上述したような加熱プロセス/加硫の間、2つの最外ゴム層の間で加硫(または1/2加硫)される。この態様では、ラベル構造体は、2つのゴム層(例えば、加硫済みのゴム層)の間に完全に統合される。特定の態様では、アフターマーケットでの使用のため、および/または、ゴム製物品(例えば、タイヤ)の硬化後、上述のRFIDラベルを提供することが必要とされている。本発明の実施形態は、上述の特徴および構成の1つ以上または任意の組み合わせを含むことができる。
【0019】
本発明の追加の特徴、態様および利点は、以下の詳細な説明において記載され、部分的には、その説明から当業者には明白となり、または、本明細書に記載されるように本発明を実践することによって認識されるであろう。上述の一般的説明および以下の詳細な説明の両方は、本発明の様々な実施形態を提示し、特許請求されるような本発明の性質および特性を理解するための概要または枠組を提供しようとするものであることが理解されるべきである。添付図面は、本発明の更なる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、その一部を構築する。
【0020】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、添付図面を参照して本発明の以下の詳細な説明を読んだとき、より良好に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】製造中のゴム系物品の取付けおよび識別のために構成された、例示的な従来のバーコードのみのビード・ラベルの上面図である。
図1B】製造中のゴム系物品の取付けおよび識別のために構成された、例示的な従来のバーコードのみのビード・ラベルの下面図である。
図2A】製造中のゴム系物品の取付けおよび識別のために構成された、別の例示的な従来のバーコードのみのビード・ラベルの上面図である。
図2B】製造中のゴム系物品の取付けおよび識別のために構成された、別の例示的な従来のバーコードのみのビード・ラベルの下面図である。
図3】タイヤに固着された例示的なバーコードのみのビード・ラベルを示す図である。
図4A】ゴム製物品の加硫中にRFID操作性に耐えるとともにRFID操作性を維持するように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスに含まれるべきポリイミド・フィルム上のアルミニウム・エッチング・アンテナを示す図である。
図4B】ゴム製物品の加硫中にRFID操作性に耐えるとともにRFID操作性を維持するように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスに含まれるべきポリイミド・フィルム上のアルミニウム・エッチング・アンテナを示す図である。
図5A】ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に操作性に耐えるとともに操作性を維持するように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスの上面図である。
図5B】ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に操作性に耐えるとともに操作性を維持するように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスの下面図である。
図5C図5Aおよび図5Bと比較すると画像が印刷された別のポリエステル層を有する、加硫前、加硫中および加硫後に操作性に耐えるとともに操作性を維持するように構成される別のRFIDビード・ラベル・デバイスの図である。
図5D図5Aおよび図5Bと比較すると画像が印刷された別のポリエステル層を有する、加硫前、加硫中および加硫後に操作性に耐えるとともに操作性を維持するように構成される別のRFIDビード・ラベル・デバイスの図である。
図6】ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に操作性に耐えるとともに操作性を維持するように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスを備える複数の層を概略的に示す図である。
図7A】ゴム(例えば、加硫済みのゴム、部分的に加硫されたゴムまたは未加硫ゴムのいずれか)から形成された最外層を有するRFIDビード・ラベルを概略的に示す図である。
図7B】ゴム(例えば、加硫済みのゴム、部分的に加硫されたゴムまたは未加硫ゴムのいずれか)から形成された最外層上に適用された接着剤を有するRFIDビード・ラベルを概略的に示す図である。
図8A】最外ゴム層(例えば、加硫済みのゴム、部分的に加硫されたゴムまたは未加硫ゴムのいずれか)に接着/固着された図6のRFIDビード・ラベルを概略的に示す図である。
図8B】最外ゴム層(例えば、加硫済みのゴム、部分的に加硫されたゴムまたは未加硫ゴムのいずれか)上に適用された接着剤を有する図8AのRFIDビード・ラベルを概略的に示す図である。
図9A】ラベルがゴムで形成された2つの最外層を有し、その上に複数の追加層およびRFIDデバイス(例えば、集積チップを有するアンテナ)が固着される図7Aおよび図7Bに示されるRFIDビード・ラベルの全体概略図である。
図9B】ラベルが、ゴムで形成された単一の最外層(ラベルの基部を形成する)と、その上に固着されたRFIDデバイス(例えば、集積チップを有するアンテナ)を含む複数の追加層と、を有する、図8Aおよび図8Bに示されるRFIDビード・ラベルの全体概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の例示的な実施形態が示される添付図面を参照して、本発明について更に十分に記載する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される代表的な実施形態に限定されるものと解釈されるべきではない。例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であるように、また本発明の範囲を十分に伝達し、当業者が本発明を作成、使用および実践できるように提供されるものである。様々な図面を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0023】
図4A図6は、本明細書に更に開示するような、RFIDビード・ラベル・デバイス100およびデバイスの個々の構成要素を示し、図6は、より具体的には、本明細書に開示するRFIDビード・ラベル・デバイス100、ならびにデバイスを備える複数の層を概略的に示している。図6に鑑みて、ゴム製物品(不図示)の加硫前、加硫中および加硫後における、所望の周波数でのRFID操作に耐えるとともにRFID操作性を維持するように構成され、それによって、RFIDビード・ラベル・デバイスが、デバイスがゴム製物品に接着/固着された状態で、加硫前、加硫中および加硫後、RFIDリーダ(または(好ましくは、パッシブRFIDを有する)他の所望の電子デバイス)と通信し、RFIDリーダによって読み取ることができる、RFIDビード・ラベル・デバイス100が開示されている。
【0024】
図6に更に示されるように、RFIDビード・ラベル・デバイス100は、(a)無機表面に対する有機樹脂の接着を改善する、デバイスの最外層である保護トップコート層101(例えば、シラン層0.05~2.0重量%(コート重量g/m2)、好ましくはダウ(Dow)のZ-6032シラン)と、(b)(厚さ0.045~0.06mmの範囲、好ましくは厚さ0.0508mmを有する)デバイスの最内層であり、デバイスを未加硫および/または加硫済みのゴム製物品(例えば、「生」もしくは未加硫のタイヤまたは加硫済みのタイヤ)に接着するように構成される、ゴム接着層102と、(c)耐熱性RFID機能104(例えば、アンテナおよび集積チップ(IC))を有する(厚さ0.025~0.06mmの範囲、好ましくは厚さ0.0508mmの厚さを有する)ポリイミド層103であって、保護トップコート層101とゴム接着層102との間に配置され、それによって耐熱性RFID機能104を有するポリイミド層103が、ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後のRFID操作性を維持する、ポリイミド層103と、(d)トップコート層101とゴム接着層102との間に配置され、ポリイミド層103の上方に配置された少なくとも第1のポリエステル層110、210および/または212と下方に配置された少なくとも第2のポリエステル層114を含み、それによって第1および第2のポリエステル層がポリイミド層を取り囲んで、ゴム製物品の加硫中に耐熱性RFID機能104を有するポリイミド層103を絶縁し、保護し、そのRFID操作性を維持する、(厚さ0.07~0.08mmの範囲、好ましくは厚さ0.0762mmを有する上部および/または下部ポリエステル層と、厚さ0.03~0.04mmの範囲、好ましくは厚さ0.0381mmを有する中間ポリエステル層とを含む)複数のポリエステル層110(もしくは210)、112、114と、(e)トップコート層、複数のポリエステル層、ポリイミド層およびゴム接着層の間に配置され、それらを互いに結合し、それによってデバイス100を形成する、(厚さ0.025~0.06mmの範囲、好ましくは厚さ0.0508mmを有する)複数の接着性層120、121と、を含む。特定の態様では、RFIDビード・ラベル・デバイス100は更に、デバイス100が所望の物品に適用されるときに後で除去される、ゴム接着層の上に適用され接着される除去可能なライナ130を含む。更に、RFIDビード・ラベル・デバイスは、十分に柔軟で可撓性を有するため、ゴム製物品の任意の所望の表面(例えば、タイヤ内面および/またはタイヤ壁)に簡単に適用することができる。特定の態様では、デバイス100は、最高220℃の温度に最大12時間晒されている間、RFID操作性を維持する。
【0025】
ポリイミド層103(ポリイミド・フィルム)は、有利には、広い温度範囲にわたってフィルムがその優れた物理的、電気的および機械的性質を維持することを可能にする性質の固有の組み合わせを有し、それによって有利には、デバイスが加硫中にそのRFID機能を維持できることが容易になることが留意されるべきである。ポリイミド層103(ポリイミド・フィルム)は、芳香族二無水物および芳香族ジアミンをポリマー化することによって合成され、優れた耐薬品性を有し、フィルムは知られている変性溶媒を何ら有さない。更に、ポリイミド層103(ポリイミド・フィルム)は、可撓性回路の厳格な要件を満たす優れた誘電性基材であり、特定の態様では、弾力的および/または弾性的に変形可能である。ポリイミド層103はまた、気体放出速度が低いため、優れた絶縁体であり、そのことが更に、加硫プロセス中の本開示のデバイスのRFID機能104を絶縁し保護するのを助ける。特定の態様では、本明細書に開示するポリイミド層103(ポリイミド・フィルム)は、0.0254mm~0.0508mmの範囲の厚さを有する。
【0026】
図4Aおよび図4Bは更に、RFID機能104、204を有する2つの異なるポリイミド層103、203(即ち、異なるアンテナ構成)を示している。より具体的には、ポリイミド層103は、アンテナ(例えば、金属アンテナ)を含み、特定の態様では、集積回路(IC)またはマイクロチップに動作可能に接続され、それによって更に、デバイスのRFID機能が、ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、デバイスがRFIDリーダ(または他の所望の電子デバイス)と通信できるようにしている。図4Aおよび図4Bは、具体的には、デバイスのポリイミド層内にある電子通信、データ・メモリおよび制御ロジック用に構成される、ICまたはマイクロチップとともに異なるアルミニウム・エッチング・アンテナを示している。図4Aおよび図4Bに示される耐熱性RFID機能104、204を有するポリイミド層103は、好ましくは、300MHz~3GHzの範囲(即ち、超高周波(UHF))の高周波信号を、別の電子デバイス(例えば、RFIDリーダもしくは他の所望の電子デバイス)に無線で送信および/または受信し、ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、ゴム製物品に取り付けられたときのデバイス100内での操作性を維持する。特定の態様では、デバイス100のRFID機能は、パッシブUHF(即ち、300MHz~3GHz)で動作するように構成される。
【0027】
RFIDデバイスは、一般に、RF信号を無線で送信および/または受信するためのアンテナと、それに動作可能に接続されたアナログおよび/またはデジタル電子部品とを含むことが留意されるべきである。いわゆるセミパッシブRFIDデバイスは、電池または他の適切な電源も含んでいてもよい。一般に、電子部品は、集積回路(IC)またはマイクロチップまたは他の適切な電子回路を介して実装され、例えば、通信電子部品、データ・メモリ、制御ロジックなどを含んでもよい。特定の態様では、本明細書に開示するデバイス100は更に、所望の場合、アクティブまたはセミパッシブRFID向けに構成されてもよい。
【0028】
一般に、RFIDデバイスは、例えば、低周波数(LF)範囲(即ち、約30kHz~約300kHz)、高周波数(HF)範囲(即ち、約3MHz~約30MHz)、および超高周波数(UHF)範囲(即ち、約300MHz~約3GHz)を含む、様々な周波数範囲の1つで動作する場合が多い。パッシブ・デバイスは、一般に、上述の周波数範囲のいずれか1つで動作する。特に、パッシブ・デバイスの場合、LFシステムは、一般に、約124kHz、125kHzまたは135kHzで動作し、HFシステムは、一般に、約13.56MHzで動作し、UHFシステムは、一般に、860MHz~960MHzのどこかのバンドを使用する。あるいは、一部のパッシブ・デバイス・システムは、2.45GHzおよび他の電波スペクトル範囲も使用する。アクティブRFIDデバイスは、一般的に、約455MHz、2.45GHzまたは5.8GHzで動作する。多くの場合、セミパッシブ・デバイスは、約2.4GHzの周波数を使用する。
【0029】
RFIDデバイスの読取り範囲(即ち、RFIDリーダがRFIDデバイスと通信することができる範囲)は、一般に、多くの因子、例えばデバイスのタイプがパッシブかアクティブかなどによって決定される。一般的に、パッシブLF RFIDデバイス(LFIDまたはLowFIDデバイスとも呼ばれる)は、通常、約12インチ(0.33メートル)以内から読み取ることができ、パッシブHF RFIDデバイス(HFIDまたはHighFIDデバイスとも呼ばれる)は、通常、約3フィート(1メートル)以下から読み取ることができ、パッシブUHF RFIDデバイス(UHFIDデバイスとも呼ばれる)は、一般的に、約10フィート(3.05メートル)以上から読み取ることができる。好ましい態様では、本明細書に開示するRFIDビード・ラベル・デバイス100は、好ましくは、860MHz~960GHzの範囲で動作可能であり、少なくとも8フィート(2.44メートル)離れた、10フィート(3.05メートル)離れた、15フィート(4.57メートル)離れた、および/または最大25フィート(7.62メートル)離れた距離から、RFIDリーダによって読み取ることができる、パッシブUHF RFIDデバイスとして構成される。パッシブRFIDデバイスの読取り範囲に影響を及ぼす1つの重要な因子は、データをデバイスからリーダに送信するのに使用される方法であり、即ち、一般的には誘導結合、直接結合または放射/伝播結合であることができる、デバイスとリーダとの間の結合モードである。パッシブLFIDデバイスおよびパッシブHFIDデバイスは、一般に、デバイスとリーダとの間の誘導結合を使用するが、パッシブUHFIDデバイスは、一般に、デバイスとリーダとの間の放射または伝播結合を使用する。
【0030】
あるいは、(例えば、パッシブUHFIDデバイスによって従来使用されているような)放射または伝播結合の適用例では、リーダおよびデバイスのそれぞれのアンテナの間に電磁場を形成するのではなく、リーダがデバイスを照明する電磁エネルギーを放出する。次いで、デバイスは、アンテナを介してリーダからエネルギーを収集し、デバイスのICまたはマイクロチップは、収集されたエネルギーを使用して、デバイス・アンテナに対する負荷を変化させ、変更された信号、即ち後方散乱を返す。一般に、UHFIDデバイスは、様々な異なる方式でデータを通信することができ、例えば、リーダに返送される反射波の振幅を増加させるか(即ち、振幅偏移変調)、位相がずれた受信波であるように反射波を偏移させるか(即ち、位相偏移変調)、または反射波の周波数を変化させる(即ち、周波数偏移変調)ことができる。いずれの場合も、リーダは、後方散乱信号をピック・アップし、変更された波を、リーダまたは付属のコンピュータによって理解されるデータへと変換する。
【0031】
RFIDデバイスで用いられるアンテナはまた、一般に、例えば、意図される用途、デバイスのタイプ(即ち、パッシブ、セミアクティブなど)、所望の読取り範囲、デバイス・リーダ結合モード、デバイスの動作の周波数など、多数の因子によって影響される。例えば、パッシブLFIDデバイスは通常、リーダと誘導結合されるので、またデバイス・アンテナに誘導される電圧はデバイスの動作周波数に比例するので、パッシブLFIDデバイスは、一般的に、デバイスのICまたはマイクロチップを動作させるのに十分な電圧を生成するために、多くの巻回を有するコイル・アンテナを備える。それに比べて、HFIDパッシブ・デバイスは、多くの場合、通常は数十センチメートル程度の読取り範囲を提供することができる、(例えば、クレジット・カード・サイズの形状因子で5~7の巻回を有する)平面らせんであるアンテナを備えることになる。一般に、HFIDアンテナ・コイルは、例えばリソグラフィなど、ワイヤ巻線よりも相対的に安価な技法を使用して作ることができるので、(例えば、LFIDアンテナ・コイルと比べて)低コストで生産できる。本明細書に開示するものなどのUHFIDパッシブ・デバイスは、通常、リーダ・アンテナと放射および/または伝播結合されるので、結果的に多くの場合、ダイポール状アンテナを採用することができる。特定の態様では、本明細書に開示するRFIDビード・ラベル・デバイスは、排他的にパッシブRFIDで動作する。
【0032】
図5Aおよび図5Bは、合成および天然ゴム製物品の加硫中および加硫後に操作に耐えるとともに操作性を維持するように構成されたRFIDビード・ラベル・デバイスの上面図および下面図を示し、図5Cおよび図5Dは、図5Aおよび図5Bと比較して、画像が印刷された別のポリエステル層を有するゴム製物品の加硫中および加硫後に操作に耐えるとともに操作性を維持するように構成された別のRFIDビード・ラベル・デバイスを示している。より詳細には、また図5A図5D(および図6の更なる図)に更に示されるように、最外ポリエステル層110、210に印刷された画像は、様々な印が印刷されていてもよいことが、更に留意されるべきである。例えば、これらの印は、開示されるデバイス100のRFID機能104によって提供されるものに加えて、ロット・ナンバリング、バーコードまたは別の識別形態を含んでいてもよい。
【0033】
上で論じたように、本明細書に開示するデバイス100は、有利には、RFID機能を維持し、過酷な加硫条件に耐性を持つことによって従来のRFIDラベルの欠点を克服することができる。更に、本明細書に開示されるRFIDビード・ラベル・デバイスは、有利には、見通し内要件を有さず、読取り領域内で複数のタイヤを同時に識別することを可能にし、識別の追加のプロセス・ステップを要さず、特定の態様では、情報は、生産中にラベルに「書き込む」かまたはステーション間で共有することができ、それによって、従来の合成および天然ゴム製物品の製造に関する経費が大幅に低減されると同時に、新しく適用された硬化後のRFIDラベルと硬化前の物品と関連付けられた以前の固有の識別子との整合と関連付けられる場合が多いエラー尤度が低減される。本明細書に開示されるデバイス100は更に、有利には、製造工場を出て、その後サプライ・チェーンに入るときに準備されるような、ゴム製物品の在庫管理流通ができるようにする。
【0034】
特定の態様では、また図7A図9Bに示されるように、本明細書で示されるRFIDビード・ラベル・デバイス200、300、400、500は更に、ゴム(加硫済みゴム、未加硫ゴムおよび/または部分的に加硫されたゴムのうち1つ)から形成された1つ以上の最外層201、301を含んでいてもよい。図7A図9Bに示される番号/特徴101、110、210、120、112、103、121、114、102および130は、上述した同じ番号/特徴のものと実質的に同一である。RFIDビード・ラベル・デバイス200、300、400、500は、加硫中のゴム製物品(例えば、タイヤ)、および/または、アフターマーケット使用および/または硬化後のゴム製物品(例えば、タイヤ)に含まれるように適合される。
【0035】
図9Aは、ラベルがゴムで形成された2つの最外層を有し、複数の追加層およびRFIDデバイス(例えば、集積チップを有するアンテナ)がそれらの間に挟まれた、図7Aおよび図7Bにそれぞれ示されるRFIDビード・ラベル200、300の全体概略図を示している。図9Aに示されるように、また図7Aおよび図7Bに鑑みて更に想到されるように、ゴムで形成された2つの最外層は収束端部210を有し、複数の追加層を有するとともに、それらの間に挟まれたRFIDデバイスを含む。
【0036】
図7Aおよび図7Bに示されるように、本明細書に示されるRFIDビード・ラベル200、300は、図6に示されるものと実質的に同じ層を含むが、いくつかの態様では、これらのデバイスは、図6の少なくともトップコート層101を省略してもよい。特定の態様では、また図7Bに更に示されるように、RFIDビード・ラベル300は、ゴムで形成された少なくとも一方または両方の最外層201にコーティングされた接着性層/コーティング301を含むことによって、図7Aに示されるRFIDビード・ラベル200とは異なる。図7Bに示されるRFIDビード・ラベル300に関して、除去可能なライナ130が、ラベルに除去可能に接着されていてもよく、ラベルの使用を開始するときに除去されてもよい。
【0037】
図7A図7Bおよび図9Aに示され、また上記に示唆したようなラベル200、300に鑑みて、図7A図7Bおよび図9Aに示されるRFIDビード・ラベル200、300の所望の使用に応じて、ゴムで形成された最外層201は、完全に加硫されたゴム、部分的に加硫されたゴム/未加硫ゴムまたは生の未加硫ゴムであってもよいことが留意されるべきである。例えば、図7A図7Bおよび図9Aのラベル200、300が、加硫中にゴム製物品(例えば、生タイヤ)内に含まれ、および/または、それに加硫されるべきである場合、これらのラベル200、300は、未加硫ゴムで形成された最外層201を含んでいてもよく、これらの(未加硫の最外層を有する)ラベル200、300は、生タイヤ内に配置され、および/または、(図7Bに示されるような接着剤301が存在する場合)それに接着され、続いて加硫プロセスを施されて、ラベルが加硫済みタイヤ内に一体的に含まれるようにラベルおよびゴム製物品を加硫してもよい。しかしながら、他の態様では、図7A図7Bおよび図9Aに示されるラベル200、300は、アフターマーケットの目的(即ち、加硫済みタイヤなどの既存のゴム製品への適用)に適合されてもよい。この態様では、また図7A図7Bおよび図9Aに示されるラベル200、300に鑑みて、ゴムで形成された最外層201は、部分的に加硫される。これらのラベル、および、より詳細には部分的に加硫されたゴムである最外層の1つは、ラベルが接着された位置で製品を局所的に加熱することによって(例えば、「ホット・スタンピング」プロセスによって)、既存のゴム製品(例えば、加硫済みゴム製品)上に適用し、続いてそれに固着させることができる。この製品内で、例えば鋼の2つの加熱板が、既存の製品およびRFIDラベルのゴムの裏打ちを局所的に加熱する。このプロセスでは、加硫は、(ラベルが適用される位置で)局所的に行われる。他の態様では、図7A図7Bおよび図9Aに示されるラベル200、300は、ゴム(即ち、加硫済みゴム)で形成された最外層201を含んでいてもよく、更に1つ以上の最外層201の上に接着剤コーティングを含んでいてもよい。この態様では、加硫済みゴムで形成された最外層201を有するラベル200、300は、図7Bに示されるラベル300の接着剤301を、加硫ゴム製物品(例えば、加硫タイヤ)の所望の表面と接触させることによって、加硫済みゴム製物品(例えば、加硫済みタイヤ)の所望の表面に一時的および/または恒久的に接着されてもよい。
【0038】
図9Bは、ラベル400、500が、(ラベルの基部を形成する)ゴムで形成された単一の最外層201と、RFIDデバイス(例えば、集積チップを有するアンテナ)が上に固着された複数の追加層とを有する、図8Aおよび図8Bに示されるRFIDビード・ラベル400、500の全体概略図を示している。
【0039】
図8Aおよび図8Bに示される)ラベル400、500のゴムで形成された単一の最外層201は、加硫済みゴム、部分的に加硫されたゴムまたは未加硫ゴムのうちの1つを含む。特定の態様では、またラベル400、500の所望の使用/目的に応じて、最外層は更に、例えば図8Bに示されるような、上にコーティングされた接着剤を含んでいてもよい。接着剤501が存在する場合、図8Bに示されるRFIDビード・ラベル500に関して、除去可能なライナ130が、ラベルに除去可能に接着されてもよく、ラベルの使用を開始するときに除去されてもよい。
【0040】
図8A図8Bおよび図9Bに示されるラベル400、500に鑑みて、また上記に示唆したように、図8A図8Bおよび図9Bに示されるRFIDビード・ラベル400、500の所望の使用に応じて、ゴムで形成された最外層201は、完全に加硫済みぼゴム、部分的に加硫済み/未加硫ゴム、または、生の未加硫ゴムであってもよいことが留意されるべきである。例えば、図8A図8Bおよび図9Bのラベル400、500が、加硫中にゴム製物品(例えば、生タイヤ)内に含まれ、および/または、それに加硫されるべきである場合、これらのラベル400、500は、未加硫ゴムで形成された最外層201を含んでいてもよく、これらの(未加硫の最外層を有する)ラベル400、500は、生タイヤ内に配置され、および/または、(図8Bに示されるような接着剤501が存在する場合)それに接着され、続いて加硫プロセスを施されて、ラベルが加硫済みタイヤ内に一体的に含まれるようにラベルおよびゴム製物品を加硫してもよい。しかしながら、他の態様では、図8A図8Bおよび図9Bに示されるラベル400、500は、アフターマーケットの目的(即ち、加硫済みタイヤなどの既存のゴム製品への適用)に適合されてもよい。この態様では、また図8A図8Bおよび図9Bに示されるラベル400、500に鑑みて、ゴムで形成された最外層201は部分的に加硫される。これらのラベル、および、より詳細には部分的に加硫されたゴムである最外層の1つは、ラベルが接着された位置で製品を局所的に加熱することによって(例えば、「ホット・スタンピング」プロセスによって)、既存のゴム製品(例えば、加硫済みゴム製品)上に適用し、続いてそれに固着させることができる。この製品内で、例えば鋼の2つの加熱板が、既存の製品およびRFIDラベルのゴムの裏打ちを局所的に加熱する。このプロセスでは、加硫は、(ラベルが適用される位置で)局所的に行われる。他の態様では、図8A図8Bおよび図9Bに示されるラベル400、500は、ゴム(即ち、加硫済みゴム)で形成された最外層201を含んでいてもよく、更に最外層201上に接着剤コーティング501を含んでいてもよい。この態様では、加硫済みゴムで形成された最外層201を有するラベル400、500は、図8Bに示されるラベル500の接着剤501を、加硫済みゴム製物品(例えば、加硫済みタイヤ)の所望の表面と接触させることによって、加硫済みゴム製物品(例えば、加硫済みタイヤ)の所望の表面に一時的および/または恒久的に接着されてもよい。
【0041】
上述の記載は、単なる例として本発明の実施形態を提供するものである。他の実施形態が、同様の機能を実施し、および/または、同様の結果を達成し得ることが想到される。あらゆるかかる均等な実施形態および実施例は、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
【手続補正書】
【提出日】2021-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴム製物品の加硫中のRFID操作に耐えるとともにRFID操作性を維持する生のゴム製物品に固着されるように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスであって、
(a)前記デバイスの最外層である保護トップコート層と、
(b)前記デバイスの最内層であり、前記デバイスを未加硫および/または加硫済みゴム製物品に接着するように構成されるゴム接着層と、
(c)耐熱性RFIDデバイスがその上またはその中に配置されるポリイミド層であって、耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層が、前記ゴム製物品の加硫中および加硫後のRFID操作性を維持するように、前記保護トップコート層と前記ゴム接着層との間に配置される、前記ポリイミド層と、
(d)前記保護トップコート層と前記ゴム接着層との間に配置される複数のポリエステル層であって、前記複数のポリエステル層は、前記ポリイミド層の上方に配置される少なくとも第1のポリエステル層と、前記ポリイミド層の下方に配置される少なくとも第2のポリエステル層と、を有し、前記第1および第2のポリエステル層は、前記ポリイミド層を取り囲んで、前記ゴム製物品の加硫中に耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層を絶縁し、保護し、RFID操作性を維持する、前記複数のポリエステル層と、
(e)前記保護トップコート層、前記複数のポリエステル層、前記ポリイミド層および前記ゴム接着層の間に配置され、これらの層を互いに結合する複数の接着性層と、
を備える、RFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項2】
前記デバイスは、前記ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、300MHzから3GHzの間でRFID操作性を維持する、請求項1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項3】
前記デバイスは、最高220℃の温度に最大12時間晒されている間、RFID操作性を維持する、請求項1又は2に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項4】
耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層は、300MHzから3GHzの範囲の高周波信号の送信および/または受信の両方を行うパッシブRFID送信向けに構成され、前記ポリイミド層の上または中に配置される金属アンテナを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項5】
前記金属アンテナは、少なくとも電子通信、データ・メモリおよび制御ロジック用に構成されるアルミニウム・エッチング・アンテナおよび集積回路またはマイクロチップである、請求項4に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【請求項6】
前記ゴム接着層の上に適用され接着される除去可能なライナを更に備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
上述の記載は、単なる例として本発明の実施形態を提供するものである。他の実施形態が、同様の機能を実施し、および/または、同様の結果を達成し得ることが想到される。あらゆるかかる均等な実施形態および実施例は、本発明の範囲内にあり、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
ゴム製物品の加硫中のRFID操作に耐えるとともにRFID操作性を維持する生のゴム製物品に固着されるように構成されるRFIDビード・ラベル・デバイスであって、
(a)前記デバイスの最外層である保護トップコート層と、
(b)前記デバイスの最内層であり、前記デバイスを未加硫および/または加硫済みゴム製物品に接着するように構成されるゴム接着層と、
(c)耐熱性RFIDデバイスがその上またはその中に配置されるポリイミド層であって、耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層が、前記ゴム製物品の加硫中および加硫後のRFID操作性を維持するように、前記保護トップコート層と前記ゴム接着層との間に配置される、前記ポリイミド層と、
(d)前記トップコート層と前記ゴム接着層との間に配置される複数のポリエステル層であって、前記複数のポリエステル層は、前記ポリイミド層の上方に配置される少なくとも第1のポリエステル層と、前記ポリイミド層の下方に配置される少なくとも第2のポリエステル層と、を有し、前記第1および第2のポリエステル層は、前記ポリイミド層を取り囲んで、前記ゴム製物品の加硫中に耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層を絶縁し、保護し、RFID操作性を維持する、前記複数のポリエステル層と、
(e)前記トップコート層、前記複数のポリエステル層、前記ポリイミド層および前記ゴム接着層の間に配置され、これらの層を互いに結合する複数の接着性層と、
を備える、RFIDビード・ラベル・デバイス。
(項目2)
前記デバイスは、前記ゴム製物品の加硫前、加硫中および加硫後に、300MHzから3GHzの間でRFID操作性を維持する、項目1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
(項目3)
前記デバイスは、最高220℃の温度に最大12時間晒されている間、RFID操作性を維持する、項目1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
(項目4)
耐熱性RFID機能を有する前記ポリイミド層は、300MHzから3GHzの範囲の高周波信号の送信および/または受信の両方を行うパッシブRFID送信向けに構成され、前記ポリイミド層の上または中に配置される金属アンテナを備える、項目1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
(項目5)
前記金属アンテナは、少なくとも電子通信、データ・メモリおよび制御ロジック用に構成されるアルミニウム・エッチング・アンテナおよび集積回路またはマイクロチップである、項目4に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
(項目6)
前記ゴム接着層の上に適用され接着される除去可能なライナを更に備える、項目1に記載のRFIDビード・ラベル・デバイス。
【国際調査報告】