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特表2022-506923軸対称のワイヤ内部電極を有する真空紫外エキシマランプ
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  • 特表-軸対称のワイヤ内部電極を有する真空紫外エキシマランプ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】軸対称のワイヤ内部電極を有する真空紫外エキシマランプ
(51)【国際特許分類】
   H01J 65/00 20060101AFI20220107BHJP
   H01J 61/067 20060101ALI20220107BHJP
   H01J 61/35 20060101ALI20220107BHJP
   H01J 61/40 20060101ALI20220107BHJP
   C01B 13/10 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
H01J65/00 D
H01J61/067 N
H01J61/35 F
H01J61/40
C01B13/10 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525048
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2019080271
(87)【国際公開番号】W WO2020094659
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】18204301.8
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521194149
【氏名又は名称】エクシレム ヨーロッパ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】サルヴェーモゼー, マンフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ブリュッゲマン, ニコル
(72)【発明者】
【氏名】フィーツェク, ライナー
(72)【発明者】
【氏名】フィーケンス, ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】カニゴウスキー, ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ウォジェハウスキー, アンドレ
【テーマコード(参考)】
4G042
5C015
5C043
【Fターム(参考)】
4G042CA03
4G042CC05
5C015HH02
5C043CC16
5C043EB01
(57)【要約】
本発明は、エキシマ形成ガス(5)を保持するための誘電体管(3)、前記誘電体管(3)内に配置された第一電極(2)、及び前記誘電体管(3)の外側に配置された第二電極(4)を含む誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプにおいて、前記第一電極(2)が、誘電体管(3)の中心軸に沿って配置されたワイヤ電極であり、中心軸に関して軸対称であり、かつ誘電体管(3)の各端に物理的に接続されていることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エキシマ形成ガス(5)を保持するための細長い誘電体管(3)、前記誘電体管(3)内に配置された第一電極(2)、及び前記誘電体管(3)の外側に配置された第二電極(4)を含む誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプにおいて、前記第一電極(2)が、誘電体管(3)の中心軸に沿って配置されたワイヤ電極であり、中心軸に関して軸対称であり、かつ誘電体管(3)の各端に物理的に接続されていることを特徴とする誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項2】
ランプがAC誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ又はパルスDC誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプであることを特徴とする請求項1に記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項3】
DCが好ましくは<10μsのパルス幅及び/又は>1μsであるが<100sのパルス距離を有することを特徴とする請求項2に記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項4】
前記ワイヤ電極(2)が0.02mm~0.4mmの外径を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項5】
第一電極が以下の式に従った厚さを有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ:
(R/ro)/ln(R/ro)>8
但し、2Rは誘導体管の内径であり、2roは第一電極の外径である。
【請求項6】
第一電極が以下の式に従った厚さを有することを特徴とする請求項5に記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ:
(R/ro)/ln(R/ro)>10
【請求項7】
誘電体管が、円筒形状を持つ細長い壁を有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項8】
ガス充填圧力が300mbar~50barの範囲であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項9】
ガス充填圧力が約340mbarであり、誘電体管(3)が約16mmの外径を有することを特徴とする請求項8に記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項10】
前記ガス(5)が本質的にXeからなることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項11】
前記ガス(5)が不純物を約10ppm未満しか含有しないことを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項12】
前記誘電体管(3)が石英ガラスから作られることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項13】
前記細ワイヤ(2)が細ワイヤ(2)の少なくとも一つの側に配置された少なくとも一つのばね(6)で引っ張られ、中心に置かれていることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項14】
前記誘電体管(3)がその内側又は外側で発光化合物によるUV蛍光被覆(13)を有することを特徴とする請求項1~13のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項15】
前記UV-C蛍光被覆(13)が燐化合物を有することを特徴とする請求項14に記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ(1)を有する光化学オゾン発生器。
【請求項17】
請求項1~15のいずれかに記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ(1)、及び電力を第一電極(2)及び第二電極(4)に供給するための電力供給源を有するエキシマランプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提文に記載の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ、及びかかる誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプを含む光化学オゾン発生器並びにエキシマランプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
エキシマランプは、高エネルギー紫外(VUV)放射線を発生するために使用される。エキシマ発光は、エキシマ形成ガスを充填された放電室における無声放電によって発生される。放電室は、紫外(UV)光に対して透明な材料から形成された壁を有する。第一電極は、室内に配置される。第二電極は、室の外側に配置される。電極間で発生される電界によって放電が起こり、エキシマ分子を発生する。これらの励起した分子が基底状態に戻るとき、高エネルギー紫外光が放出される。
【0003】
既知のエキシマランプは、低いウォールプラグ効率及び短い寿命を有する。さらに、もし特定の電力密度を越えるとアークが起こりうる。
【発明の概要】
【0004】
従って、本発明の目的は、長い寿命を持つ効率的なVUVエキシマランプを提供することである。
【0005】
この問題は、請求項1に記載の特徴を有する誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプによって解決される。光化学オゾン発生システムは、かかるエキシマランプを使用して実現される。
【0006】
以下において、真空紫外(VUV)放射線は、190nm以下のUVスペクトルを記載するために使用され、紫外C(UV-C)は、一般に短波長(100~280nm)放射線に関係し、それは主に、微生物の核酸を破壊し、微生物のDNAを崩壊させ、微生物の生命細胞機能を果たすことができなくすることによって微生物を不活化し、殺菌するために使用される。
【0007】
本発明によれば、エキシマ形成ガスを保持するための細長い誘電体管、前記誘電体管内に配置された第一電極、及び前記誘電体管の外側に配置された第二電極を含む誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプであって、前記第一電極が、誘電体管の中心軸に沿って配置されたワイヤ電極であり、中心軸に関して軸対称(組み立て及び製造関連の誤差は許容される)であり、かつ誘電体管の各端に物理的に接続されているVUVエキシマランプが提供される。前記細長いワイヤは、略直線状(組み立て及び製造関連の誤差は許容される)であり、長尺形状の直線軸を規定する。ランプの効率は、かかるワイヤ電極で大きく改良されることを見出した。ワイヤは剛いロッドと対照的に可撓性の金属ストランドであることが好ましい。
【0008】
好ましくは、ランプは、AC誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ又はパルスDC誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプである。DCは、好ましくは<10μsのパルス幅及び/又は>1μsであるが<100sのパルス距離を有する。誘電体管は、好ましくは、円筒形状を持つ細長い壁を有し、それは、ランプ本体の軸方向に沿って直線的に延びる。
【0009】
前記の細長いワイヤは、0.02mm~0.4mmの外径を有することがより好ましい。好ましくは、内部電極は、以下の式に従った厚さを有する:
(R/ro)/ln(R/ro)>8
但し、2Rはガラス管の内径であり、2roは内部電極の外径である。
より好ましくは、内部電極は、以下の式に従った厚さを有する:
(R/ro)/ln(R/ro)>10
ガス内の電子増加の指数関数的挙動のため、従来技術と比べた厚さの違いがわずかであっても、出力の違いはかなりのものとなる。
【0010】
有利な実施形態では、ガス充填圧力は、300mbar~50barの範囲である。一つの実施形態では、ガス充填圧力は、約16mmの外径を持つ誘電体管に対して約340mbarである。
【0011】
好ましくは、前記ガスは、本質的にXeからなる。
【0012】
高い効率を達成するために、前記ガスは、不純物を約10ppm未満しか含有しないようにするべきである。
【0013】
好ましくは、前記誘電体管は、石英ガラスから作られ、それは、VUV放射線に対して透明である。
【0014】
好ましい実施形態では、前記細長いワイヤは細長いワイヤの一つの側に配置されたばねで引っ張られ、中心に置かれている。これは、ロッドのまわりの全長にわたってらせん巻きされた内部電極と比較してランプの長さにわたる暗部を避け、かつ高温での電極の緊張を確実にすることを可能にする。後者は、共軸対称を保つことを可能にする。内部電極は、誘電体管の各端に物理的に接続されることが好ましい。
【0015】
さらに、前述の誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプを有する光化学オゾン発生器が提供される。
【0016】
別の用途のため、誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプの前記誘電体管は、その内側又は外側で発光化合物(好ましくは燐化合物)によるUV-C蛍光被覆を有することができる。前記被覆は、UV-C放射線の発生を可能にする。外側の被覆は、それが安定性に劣る化合物の使用及び容易な被覆を可能にするので有益である。もし被覆が内側にあるなら、VUV放射線に対して透明な高価なガラスは要求されず、それはコストを低減する。
【0017】
最後に、誘電体バリヤ放電VUVエキシマランプ、及び電力を第一電極及び第二電極に供給するための電力供給源を有するエキシマランプシステムが提供される。
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、図面を参照して記載されるだろう。全ての図において、同じ参照符号は、同じ構成要素又は機能的に同じ構成要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、誘電体管の内側に配置されたVUVエキシマランプの内部電極の従来の概略図、及び本発明による内部電極の設計を示す。
図2図2は、本発明による内部電極の概略図を示す。
図3図3は、従来の内部電極と本発明の内部電極の間の効率比較を示すグラフである。
図4図4は、キセノンガス圧力に依存するバリヤー放電におけるキセノンの発光スペクトルを示す。
図5図5は、誘電体管の内側に燐光体被覆を有するエキシマランプの原理配置を示す。
図6図6は、誘電体管の外側に燐光体被覆を有するエキシマランプの原理配置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、誘電体3によって形成された放電室内のVUVエキシマランプ1の従来の内部電極2を右に示す。内部電極2は、高電圧電極である。本発明によれば、内部電極2は、高融点を有する材料(例えばタングステン又はモリブデン)から作られた細ワイヤ(図1の左を参照)である。内部電極2の外径は、0.5mmに等しいか又はそれより小さい。細ワイヤ2は、それが直線で配置されるように両端をクランプされ、引っ張られる。好ましくは、細ワイヤは、両側をタイトにクリンプされる。誘電体バリヤーとともにかかる電極2を使用することによって、放電は、均一化されることができ、それは、有意な効率の改良に寄与する。さらに、細ワイヤ電極2は、従来の幅広い電極よりずっと低い割合にVUV放射線を遮蔽し、吸収し、それは、効率の改良に導く。これは、発生したVUV放射線を示す矢印によって示される。好ましくは、前記の細ワイヤは、略直線であり、細長形状の直線軸を規定する。換言すれば、誘電体管は、円筒形状を持つ細長い壁を有し、それは、ランプ本体の軸方向に沿って直線状に延びる。ワイヤは、円形断面を持つ。前記の細長いワイヤは、0.02mm~0.4mmの外径を有することが好ましい。好ましくは、内部電極は、以下の式に従った厚さを有する:
(R/ro)/ln(R/ro)>10
但し、2Rは誘導体管3の内径であり、2roは内部電極2の外径である。
【0021】
図2は、誘電体管3、第一電極(内部電極)2、及び第二電極(外部電極)4を含むエキシマランプ1の側面図を示す。第一及び第二電極2及び4は、駆動回路(図示せず)に接続される。誘電体管3は、誘電体(例えば石英ガラス)から作られ、それは、UV放射線に対して透明である。高電圧電極と誘電体の間の誘電体管内の空間は、高純度キセノンガス5を充填される。水含有量は、性能的な理由のため10ppmより低いことが必要である。
【0022】
高電圧電極細ワイヤ2は、エキシマランプの一方の端部分及び細ワイヤの一端に取り付けられたばね6によって引っ張られ、中心に位置される。ばね6は、インコネルのようなオーステナイト系ニッケル-クロムベースの超合金から作られることが好ましい。セラミックもまた、適用可能である。ばね6は、ランプ充填時のバッキングプロセスのために500℃までの温度に耐えなければならない。
【0023】
誘電体3は、第二電極4(接地電極)によって包囲される。この接地電極4は、様々な方法で形成されることができる。第二電極4は、導電性材料から作られる。例えば、第二電極4を形成するため、金属(例えばアルミニウム、銅)から作られた導電性ワイヤ又はテープを使用してもよい。第二電極4は、誘電体管3の外部表面と接触している。第二電極4は、直線状の電極40,41を含む。直線状の電極40,41は、実質的に互いに平行に配置され、それらは、誘電体管の長手方向軸に沿って延びる。別の実施形態では、電極4は、誘電体管3の外部表面の上にらせん形で形成されることができる。この構成は、放電が誘電体管3の円周方向に均一に発生されることを可能にし、それは、より均一な明るさ分布を有する発光を得ることを可能にする。さらに、接地電極4は、メッシュ又は水によって形成され、それは、容器が接地された電極として最小の導電性で作用しうる。
【0024】
図3は、従来技術のエキシマランプ1(図1の右)のランプ効率7と本発明による内部電極2を有するエキシマランプ1(図1の左)の間のランプ効率8の比較を示す。驚くべきことに、本発明によるエキシマランプの効率は、ほとんど直線状にゆっくりとしか低下しないのに対して、従来技術のエキシマランプは、電力入力が増加すると急速に効率を失う。
【0025】
ランプの寿命は、ガス充填圧力を増加することによって改良されることができる。図4は、キセノンガス圧力に依存して本発明による内部電極でのバリヤー放電におけるキセノンの発光スペクトルを示す。測定された圧力49mbar、69mbar、100mbar及び680mbarは、線9,10,11,12でそれぞれダイヤグラムに表わされる。147nmにおける共振線路は、低圧力(49mbar)9で優位を占める。圧力を高めると、希望の172nmの出力が強くなり、短波長成分が減少する。160nm以下では、石英スリーブの衝撃が見られる。172nmのVUV放射線の効率並びにランプ寿命は、より高いキセノン圧力で改良する。
【0026】
特に、16nmの外径及び50cmの長さを有する石英管が試験された。このランプ構成に対して、ガス充填の圧力は、pXE=300mbar付近、好ましくは280mbar~370mbar、より好ましくは300mbar~350mbarであるべきである。この構成のための最良の結果は、pXE=340mbarで達成された。他の石英管直径に対しては、他の圧力が最適である。
【0027】
放出されたVUV光は、172nmの波長を有し、それは、オゾンの生成のために理想的である。無声放電を有する従来のオゾン発生プロセスと比較すると、酸素分子は、電子の代わりに光子によって分割される。結果として、窒素酸化物は、全く生成されず、最も純粋な酸素供給ガス中の清浄なオゾンが生成されることができる。さらに、極めて高いオゾン濃度が達成されることができる。さらに、かかる光化学オゾン発生器に使用される供給ガス圧力に上限がないことが有利である。
【0028】
VUVエキシマランプの別の用途は、UV-C放射線の発生である。この場合において、誘電体は、UV-C蛍光材料、例えばYP04:Biのような燐化合物の層で被覆されなければならない。これらの化合物は、172nm放射線を吸収し、UV-C範囲の光を再放出する(ストークスシフト)。放出された放射線の波長は、燐層の組成に依存する。それは、用途に適応されることができる。
【0029】
図5に示されるように、UV-C蛍光被覆13は、誘電体管3の内部表面の上に形成されることができる。駆動回路によって第一及び第二電極2及び4を横切る電圧の付与により、グロー放電が誘電体管3の内側に起こり、それは、放出媒体キセノン5を励起する。励起された放出媒体5が基底状態に移行するとき、放出媒体は、紫外光を放出する。紫外光は、燐光体層13の燐光体を励起し、励起された燐光体は、UV-C範囲の光を放出する。
【0030】
第二電極4は、互いに略平行に配置された複数の線状又はらせん状に巻かれた電極を含み、それらは、小さな区域のみが放電によって影響されるようにワイヤ又はストリップとして形成されることができる。Al又はMgOの保護層は、放電プラズマから被覆13を保護するためにUV-C蛍光被覆13の内側に配置されることができる。上述のようにキセノン圧力を最適化することはまた、燐光体被覆13の長期の耐久性に導く。
【0031】
図6は、誘電体3と第二電極4の間で誘電体管3の外部表面の上に配置されたUV-C蛍光被覆13を有する別の実施形態を示す。かかる外部被覆の利点は、燐光体層13がプラズマと全く接触せず、放電によって破壊されることができないことである。しかしながら、VUV放射線に対して耐えることができ、UV放射線を燐光体に送ることができる特別な誘電体スリーブ3が、必要である。例えば合成石英(Suprasil 310)が適用可能である。駆動回路によって第一及び第二電極2及び4を横切る電圧の付与により、グロー放電が誘電体管3の内側に起こり、それは、放出媒体キセノン5を励起する。励起された放出媒体5が基底状態に移行するとき、放出媒体は、紫外光を放出する。紫外光は、燐光体層13の燐光体を励起し、励起された燐光体は、UV-C範囲の光を放出する。
【0032】
燐光体被覆により効率的な水銀不含UV-Cランプが達成されることができ、それは、ウォームアップ時間を持たず、完全に暗くでき(効率損失なしで0~100%)、広い範囲の操作温度に耐える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】