(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(54)【発明の名称】対向ピストン型エンジン
(51)【国際特許分類】
F02B 75/26 20060101AFI20220107BHJP
F01B 7/04 20060101ALI20220107BHJP
【FI】
F02B75/26
F01B7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525165
(86)(22)【出願日】2019-10-11
(85)【翻訳文提出日】2021-07-05
(86)【国際出願番号】 US2019055884
(87)【国際公開番号】W WO2020096733
(87)【国際公開日】2020-05-14
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521197036
【氏名又は名称】エイチティーエス リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヒルゲルト カルロス マルセロ トデスキーニ
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー グスタボ ルートヴィヒ
(57)【要約】
対向ピストン型エンジンは、駆動軸を有し、少なくとも1つの燃焼シリンダーは、駆動軸上に取り付けられた対向する曲線形状のカムの間に位置決めされ、燃焼シリンダーの中心軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たる。ピストン組立体は、シリンダーの各端部に配置され、一方のピストン組立体は、一方のカムに係合し、他方のピストン組立体は、他方のカムに係合する。各ピストン組立体は、ピストン組立体をシリンダー内で往復運動させるために曲線形状のカムに沿って移動することができるカムフォロアを含む。燃焼シリンダーは、シリンダーが取り付けられるエンジンブロック内に形成された環状吸気流路と流体連通する吸気ポートと、エンジンブロック内に形成された環状排気流路と流体連通する排気ポートとを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関であって、
第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と、
前記駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカム直径及び第1の頻度を備える第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する、前記第1のカムと、
前記第1のカムから離間して前記駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、前記第2の曲線形状は、前記第1の曲線形状と同じ頻度を有する、前記第2のカムと、
中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、前記燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有すると共に、前記第1及び第2の端部の間で前記シリンダー内に形成された吸気ポートと、前記吸気ポートと前記第2の端部との間で前記シリンダー内に形成された排気ポートとを有し、前記中心シリンダー軸は、前記駆動軸軸線と平行であるが、前記駆動軸軸線から離間し、燃焼室は、前記2つのシリンダー端部の間で前記シリンダー内に形成される、前記第1の燃焼シリンダーと、
前記第1の燃焼シリンダーの前記第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び前記第1の燃焼シリンダーの前記第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、前記第1のピストン組立体は、前記第1のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、前記第2のピストン組立体は、前記第2のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、前記ピストン組立体が対応するカムから離れて前記燃焼室内で実質的に伸長する上死点位置と、前記ピストン組立体が前記上死点位置から離れて前記燃焼室内で実質的に後退する下死点位置との間で移動可能である、前記第1のピストン組立体及び前記第2のピストン組立体と、
前記駆動軸及び前記第1の燃焼シリンダーが支持されるエンジンブロックであって、前記エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、前記環状本体部分は、環状溝が形成される外面によって特徴づけられ、前記エンジンブロックは、当該エンジンブロックを貫通して軸方向に延び、前記環状溝と交差するシリンダーボアをさらに含み、前記シリンダーボアは、内部に取り付けられた前記燃焼シリンダーを有し、前記環状溝は、前記燃焼シリンダーのポートと流体連通する、前記エンジンブロックと、
前記2つのポートの間で前記燃焼シリンダーに沿って配置され、前記燃焼室と連通する少なくとも1つの燃料噴射器と、
を有する、内燃機関。
【請求項2】
前記燃焼シリンダーは、複数の燃焼シリンダーをさらに有し、各燃焼シリンダーは、中心シリンダー軸に沿って定められ、第1の端部及び第2の端部を有すると共に、前記第1及び第2の端部の間で前記シリンダー内に形成された吸気ポートと、前記吸気ポートと前記第2の端部との間で前記シリンダー内に形成された排気ポートとを有し、各燃焼シリンダーの中心シリンダー軸は、前記駆動軸軸線と平行であるが、前記駆動軸軸線から離間し、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間で各燃焼シリンダー内に形成され、前記燃焼シリンダーは、各燃焼シリンダーの前記第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び各燃焼シリンダーの前記第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、各燃焼シリンダーの前記第1のピストン組立体は、前記第1のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各燃焼シリンダーの前記第2のピストン組立体は、前記第2のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、前記ピストン組立体が対応するカムから離れて前記燃焼室内で完全に伸長する上死点位置と、前記ピストン組立体が前記上死点位置から離れて前記燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で、それぞれの燃焼シリンダー内で移動可能である、前記第1のピストン組立体及び前記第2のピストン組立体をさらに有する、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項3】
前記エンジンブロックの前記環状本体部分の外面に形成され、互いに離間した2つの環状溝と、前記エンジンブロックを貫通して軸方向に延び、前記環状溝の両方と交差する複数のシリンダーボアとをさらに有し、前記シリンダーボアは、前記駆動軸の周りに対称に間隔を置いて配置され、各シリンダーボアは、内部に取り付けられた燃焼シリンダーを有し、各燃焼シリンダーは、一方の環状溝と流体連通する吸気ポート及び他方の環状溝と流体連通する排気ポートを有し、各燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部とピストン組立体とをさらに有し、前記ピストン組立体は、シリンダーの前記ピストン組立体のピストンヘッドが前記シリンダー内で互いに対向するように各シリンダー端部に配置される、請求項2に記載の内燃機関。
【請求項4】
前記燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに有し、前記排気ポートは、前記燃料噴射器と前記第2の端部との間で前記シリンダー壁内に形成された複数の排気スロットを有し、各排気スロットは、前記中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、前記吸気ポートは、前記燃料噴射器と前記第1の端部との間で前記シリンダー壁内に形成された複数の吸気スロットを有し、各排気スロットは、前記中心シリンダー軸に対して全体的に傾いたスロット軸に沿って延びる、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項5】
各燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに含み、前記排気ポートは、前記燃料噴射器と前記第2の端部との間で前記シリンダー壁内に形成された複数の排気スロットを有し、各排気スロットは、前記中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、前記吸気ポートは、前記燃料噴射器と前記第1の端部との間で前記シリンダー壁内に形成された複数の吸気スロットを有し、各排気スロットは、前記中心シリンダー軸に対して全体的に傾いたスロット軸に沿って延びる、請求項3に記載の内燃機関。
【請求項6】
前記排気スロットは、前記シリンダーの周辺部の一部の周りにのみ延びる、請求項5に記載の内燃機関。
【請求項7】
前記第1の環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2以上の燃焼シリンダーの前記吸気ポートを流体接続する環状吸気マニホールドと、前記第2の環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2以上の燃焼シリンダーの前記排気ポートを流体接続する環状排気マニホールドと、をさらに有する、請求項3に記載の内燃機関。
【請求項8】
前記環状吸気マニホールドは、実質的に前記駆動軸の周りに延び、複数の燃焼シリンダーの前記吸気ポートを流体接続する環状燃焼空気流路を前記駆動軸の周りに形成し、前記環状排気マニホールドは、実質的に前記駆動軸の周りに延び、複数の燃焼シリンダーの前記排気ポートを流体接続する環状排気流路を前記駆動軸の周りに形成する、請求項7に記載の内燃機関。
【請求項9】
燃料噴射器ポートに隣接して前記環状本体部分の前記外面に形成された点火プラグポートをさらに有し、前記点火プラグポートは、前記燃焼シリンダーに向かって延びる、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項10】
各ピストン組立体は、ピストンアームを有し、前記ピストンアームは、ピストンアーム直径の第1の環状本体を有し、前記第1の環状本体は、第2の環状本体から離間し、前記第2の環状本体は、同様のピストンアーム直径を備え、小径のネックによって相互に連結され、各ピストン組立体は、前記第2の環状本体に取り付けられ、カムに係合するカムフォロアを有し、前記第1の環状本体は、内部に形成された頂部を備えるピストンを有し、前記頂部は、外方を向く頂部表面に形成された凹みを有する、請求項2に記載の内燃機関。
【請求項11】
前記ピストンの前記凹みは、凹み深さを有し、前記ピストンの主軸の周りにおいて円錐形であり、前記ピストンは、環状本体の周辺部に形成され、内向きに延びて前記凹みと交わる切り欠きをさらに有し、前記切り欠きは、環状本体の前記周辺部の周りに約90度未満で延び、前記燃料噴射器の一部は、前記ピストン組立体が実質的に伸長した位置にある場合に前記切り欠きの中に延びる、請求項10に記載のピストンアーム。
【請求項12】
各カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を備える細長い本体を有し、前記細長い本体は、各端部で略円筒形であり、前記端部は、アームによって相互に連結され、前記細長い本体は、第1の端部の近くで前記本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロットと、前記第2の端部の近くで前記本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットとを有し、各カムフォロア組立体は、前記第1のスロット内で前記本体に取り付けられた第1のローラーと、前記第2のスロット内で前記本体に取り付けられた第2のローラーとを有し、前記カムフォロアは、前記第1及び第2のローラーの間で前記カムの前記曲線形状の肩部に係合する、請求項10に記載のピストンアーム。
【請求項13】
前記第1のカムの前記円周方向の肩部の前記第1の曲線形状は、第1のセグメント化された多項式形状であり、前記第1のカムの前記肩部は、前記多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山とこの2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、前記山は、前記ローブの最大振幅を有し、前記ローブの上り肩部分に沿った前記第1の谷から前記山までの前記波長の距離は、前記ローブの下り肩部分に沿った前記山から前記第2の谷までの前記波長の距離よりも大きく、
前記第2のカムの前記円周方向の肩部の前記第2の曲線形状は、前記第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を備える第2のセグメント化された多項式形状であり、前記第2のカムの前記肩部は、前記第2の多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山とこの2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、前記山は、前記ローブの最大振幅を有し、前記ローブの上り肩部分に沿った前記第1の谷から前記山までの前記波長の距離は、前記ローブの下り肩部分に沿った前記山から前記第2の谷までの前記波長の距離よりも大きく、
前記第2のカムのローブの数は、前記第1のカムのローブの前記数と一致し、
前記カムは、前記第1のカムのローブの前記山が前記第2のカムのローブの前記山と実質的に整列するように互いに対向するが、前記第1のセグメント化された多項式形状の肩部のどの部分も、前記第2のセグメント化された多項式形状の肩部の一部と平行ではなく、
前記第2のセグメント化された多項式形状は、絶えず変化する勾配を有する、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項14】
前記第1のカムの前記円周方向の肩部の前記第1の曲線形状は、第1のセグメント化された多項式形状であり、前記第1のカムの前記肩部は、前記多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、前記ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山によって特徴づけられ、前記ローブは、前記第1の谷と前記山との間の上り肩部分及び前記山と前記第2の谷との間の下り肩部分を有し、前記上り肩部分の平均勾配は、前記下り肩部分の平均勾配よりも大きく、
前記第2のカムの前記円周方向の肩部の前記第2の曲線形状は、第2のセグメント化された多項式形状であり、前記第2のセグメント化された多項式形状は、前記第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、前記第2のカムの前記肩部は、前記第2の多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、前記ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山によって特徴づけられ、前記ローブは、前記第1の谷と前記山との間の上り肩部分及び前記山と前記第2の谷との間の下り肩部分を有し、前記上り肩部分の平均勾配は、前記下り肩部分の平均勾配よりも大きく、
前記第2のカムのローブの数は、前記第1のカムのローブの数と一致し、
前記第1のセグメント化された多項式形状の肩部及び前記第2のセグメント化された多項式形状の肩部は、互いに絶えず発散又は収束するように、互いに対向する、請求項1に記載の内燃機関。
【請求項15】
内燃機関であって、
第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と、
前記駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、前記第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度を備える第1の曲線形状の円周方向の肩部を有し、前記第1のカムの前記円周方向の肩部の前記第1の曲線形状は、第1のセグメント化された多項式形状であり、前記第1のカムの前記肩部は、前記多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山とこの2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、前記山は、前記ローブの最大振幅を有し、前記ローブは、上り部分及び下り部分を有する、前記第1のカムと、
前記第1のカムから離間して前記駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、前記第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、前記第2の曲線形状は、前記第1の曲線形状と同じ頻度を有し、前記第2のカムの前記円周方向の肩部の前記第2の曲線形状は、第2のセグメント化された多項式形状であり、前記第2のセグメント化された多項式形状は、前記第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、前記第2のカムの前記肩部は、前記第2の多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山とこの2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、前記山は、前記ローブの最大振幅を有し、前記ローブは、上り部分及び下り部分を有し、前記第2のカムのローブの数は、前記第1のカムのローブの数と一致し、前記カムは、前記第1のカムのローブの前記山が前記第2のカムのローブの前記山と実質的に整列するように互いに対向する、前記第2のカムと、
複数の燃焼シリンダーであって、各燃焼シリンダーは、中心シリンダー軸に沿って定められ、第1の端部及び第2の端部を有すると共に、前記第1及び第2の端部の間で前記シリンダー内に形成された吸気ポートと、前記吸気ポートと前記第2の端部との間で前記シリンダー内に形成された排気ポートとを有し、各燃焼シリンダーの前記中心シリンダー軸は、前記駆動軸軸線と平行であるが、前記駆動軸軸線から離間し、燃焼室は、前記2つのシリンダー端部の間で各燃焼シリンダー内に形成される、前記複数の燃焼シリンダーと、
各燃焼シリンダーの前記第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び各燃焼シリンダーの前記第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、各燃焼シリンダーの前記第1のピストン組立体は、前記第1のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各燃焼シリンダーの前記第2のピストン組立体は、前記第2のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、前記ピストン組立体が対応するカムから離れて前記燃焼室内で実質的に伸長する上死点位置と前記ピストン組立体が前記上死点位置から離れて前記燃焼室内で実質的に後退する下死点位置との間で、それぞれの燃焼シリンダー内で移動可能である、前記第1のピストン組立体及び前記第2のピストン組立体と、
前記2つのポートの間で各燃焼シリンダーに沿って配置され、燃焼室と連通する少なくとも1つの燃料噴射器と、
前記駆動軸及び燃焼シリンダーが支持されるエンジンブロックであって、前記エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、前記環状本体部分は、環状溝が形成される外面によって特徴づけられ、前記エンジンブロックは、当該エンジンブロックを貫通して軸方向に延び、前記環状溝と交差する複数のシリンダーボアをさらに含み、前記シリンダーボアの各々は、内部に取り付けられた燃焼シリンダーを有し、前記環状溝は、各燃焼シリンダーのポートと流体連通する、前記エンジンブロックと、
前記環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2以上の燃焼シリンダーの前記ポートを流体接続する環状マニホールドであって、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、複数の燃焼シリンダーの前記ポートを流体接続する環状流路を前記駆動軸の周りに形成する、前記環状排気マニホールドと、
を有する内燃機関。
【請求項16】
前記エンジンブロックは、互いに離間した第1の環状溝及び第2の環状溝を含み、前記エンジンブロックを貫通して軸方向に延びる前記複数のシリンダーボアは、前記環状溝の両方と交差し、各燃焼シリンダーの前記吸気ポートは、前記第1の環状溝と流体連通し、各燃焼シリンダーの前記排気ポートは、前記第2の環状溝と流体連通する、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項17】
前記第1及び第2の端部の間で前記シリンダーに形成された前記吸気ポートは、前記第1の端部に最も近い外側ポート縁及び前記第2の端部に最も近い内側ポート縁を有し、前記吸気ポートと前記第2の端部との間で前記シリンダーに形成された前記排気ポートは、前記第2の端部に最も近い外側ポート縁及び前記第1の端部に最も近い内側ポート縁を有し、前記吸気ポートの前記外側ポート縁と前記排気ポートの前記外側ポート縁との間でほぼ等距離に定められた前記燃焼シリンダーの上死点を有し、前記排気ポートの前記内側ポート縁は、前記吸気ポートの前記内側ポート縁よりも上死点に近い、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項18】
前記燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに有し、前記排気ポートは、前記燃料噴射器と前記第2の端部との間で前記シリンダー壁に形成された複数の排気スロットを有し、各排気スロットは、前記中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、前記吸気ポートは、前記燃料噴射器と前記第1の端部との間で前記シリンダー壁に形成された複数の吸気スロットを有し、各吸気スロットは、前記中心シリンダー軸に対して全体的に傾いたスロット軸に沿って延びる、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項19】
前記環状マニホールドは、前記第1の環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2以上の燃焼シリンダーの前記吸気ポートを流体接続する環状吸気マニホールドであり、前記第2の環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる環状排気マニホールドをさらに有し、前記環状排気マニホールドは、2以上の燃焼シリンダーの前記排気ポートを流体接続し、前記環状吸気マニホールドは、前記駆動軸の周りに延び、複数の燃焼シリンダーの前記吸気ポートを流体接続する環状燃焼空気流路を前記駆動軸の周りに形成し、前記環状排気マニホールドは、前記駆動軸の周りに延び、複数の燃焼シリンダーの前記排気ポートを流体接続する環状排気流路を前記駆動軸の周りに形成する、請求項16に記載の内燃機関。
【請求項20】
前記ピストン組立体は、ピストンアームを有し、前記ピストンアームは、ピストンアーム直径の第1の環状本体を有し、前記第1の環状本体は、第2の環状本体から離間し、前記第2の環状本体は、同様のピストンアーム直径を有し、小径のネックによって相互に連結され、前記ピストン組立体は、前記第2の環状本体に取り付けられたカムフォロアを有し、前記第1の環状本体は、前記ピストンによって形成された頂部を含むピストンを有し、前記頂部は、外方を向く頂部表面に形成された凹みを有する、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項21】
前記ピストンの前記凹みは、凹み深さを有し、前記ピストンの主軸の周りにおいて円錐形であり、前記ピストンは、前記第1の環状本体の周辺部に形成され、内向きに延びて前記凹みと交わる切り欠きをさらに有し、前記切り欠きは、前記第1の環状本体の前記周辺部の周りに約90度未満で延び、前記燃料噴射器の一部は、前記ピストン組立体が実質的に伸長した位置にある場合に前記切り欠きの中に延びる、請求項20に記載の内燃機関。
【請求項22】
各カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を備える細長い本体を有し、前記細長い本体は、各端部で略円筒形であり、前記端部は、アームによって相互に連結され、前記細長い本体は、第1の端部の近くで前記本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロットと、前記第2の端部の近くで前記本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットとを有し、各カムフォロア組立体は、前記第1のスロット内で前記本体に取り付けられた第1のローラーと、前記第2のスロット内で前記本体に取り付けられた第2のローラーとを有し、前記カムフォロア組立体は、前記第1及び第2のローラー間でカムの曲線形状の肩部に係合する、請求項20に記載の内燃機関。
【請求項23】
山から前記第2の谷に向かって延びる前記第1の曲線形状の肩部のセグメントは、直線であり、前記直線のセグメントは、ゼロよりも大きく20度よりも小さい勾配を有する、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項24】
各ローブは、山に対して対称であり、前記第1及び第2のカムの対向するローブの各々は、前記ローブの山のそれぞれから延びる前記曲線形状の直線セグメントを有し、前記対向するローブの前記直線セグメントは、同じ勾配変化を有する、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項25】
前記第1のカムの前記曲線形状の肩部の前記下り部分は、前記第2のカムの前記曲線形状の肩部の対向する前記下り部分と同じ形状を有し、前記第1のカムの前記曲線形状の肩部の前記上り部分は、前記第2のカムの前記セグメント化された多項式形状の肩部の前記上り部分と異なる形状を有する、請求項15に記載の内燃機関。
【請求項26】
内燃機関であって、
第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と、
前記駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカム直径及び第1の頻度を備える第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する、前記第1のカムと、
前記第1のカムから離間して前記駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、前記第2の曲線形状は、前記第1の曲線形状と同じ頻度を有する、前記第2のカムと、
複数の燃焼シリンダーであって、各燃焼シリンダーは、中心シリンダー軸に沿って定められ、第1の端部と第2の端部との間に延びるシリンダー壁と、この2つの端部の間でほぼ同じ距離で前記シリンダー壁に形成された燃料噴射器ポートと、前記燃料噴射器と前記第1の端部との間で前記シリンダー壁に形成された複数の吸気スロットと、を有し、各吸気スロットは、前記中心シリンダー軸に対して全体的に傾いたスロット軸に沿って延び、前記燃料噴射器と前記第2の端部との間で前記シリンダー壁に形成された複数の排気スロットを有し、各排気スロットは、前記吸気ポートと前記第2の端部との間で前記シリンダー内に形成された前記中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、各燃焼シリンダーの前記中心シリンダー軸は、前記駆動軸軸線と平行であるが、前記駆動軸軸線から離間し、燃焼室は、前記2つのシリンダー端部の間で各燃焼シリンダー内に形成される、前記複数の燃焼シリンダーと、
各燃焼シリンダーの前記第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び各燃焼シリンダーの前記第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、各燃焼シリンダーの前記第1のピストン組立体は、前記第1のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各燃焼シリンダーの前記第2のピストン組立体は、前記第2のカムの前記曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、前記ピストン組立体が対応するカムから離れて前記燃焼室内で完全に伸長する上死点位置と前記ピストン組立体が前記上死点位置から離れて前記燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で、それぞれの燃焼シリンダー内で移動可能であり、各ピストン組立体は、ピストンアームを有し、前記ピストンアームは、ピストンアーム直径の第1の環状本体を有し、前記第1の環状本体は、第2の環状本体から離間し、前記第2の環状本体は、実質的に同じピストンアーム直径を有し、小径のネックによって相互に連結され、各ピストン組立体は、前記第2の環状本体に取り付けられ、カムに係合するカムフォロアを有し、前記第1の環状本体は、成形された頂部が内部に形成されたピストンを有し、各カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を有し、前記細長い本体は、各端部で略円筒形であり、前記端部は、アームによって相互に連結され、前記細長い本体は、第1の端部の近くで前記本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び前記第2の端部の近くで前記本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、前記第1のスロット内で前記本体に取り付けられた第1のローラーと、前記第2のスロット内で前記本体に取り付けられた第2のローラーとを有し、各カムフォロアは、前記第1及び第2のローラーの間で前記カムの前記曲線形状の肩部に係合する、前記第1のピストン組立体及び前記第2のピストン組立体と、
各燃焼シリンダーの前記燃料噴射器ポートの近くに配置され、その燃焼室と連通する少なくとも1つの燃料噴射器と、
前記駆動軸及び燃焼シリンダーが支持されるエンジンブロックであって、前記エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、前記環状本体部分は、互いに離間した第1の環状溝及び第2の環状溝が形成される外面によって特徴づけられ、前記エンジンブロックは、前記エンジンブロックを貫通して軸方向に延び、前記環状溝の両方と交差する複数のシリンダーボアをさらに含み、前記シリンダーボアは、前記駆動軸の周りに対称に間隔を置いて配置され、各シリンダーボアは、内部に取り付けられた燃焼シリンダーを有し、各燃焼シリンダーは、前記第1の環状溝と流体連通する吸気スロット及び前記第2の環状溝と流体連通する排気スロットを有し、各燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部とピストン組立体とを有し、前記ピストン組立体は、シリンダーの前記ピストン組立体のピストンヘッドが前記シリンダー内で互いに対向するように、各シリンダー端部内に配置される、前記エンジンブロックと、
前記第1の環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2以上の燃焼シリンダーの前記吸気スロットを流体接続する環状吸気マニホールド、及び、前記第2の環状溝に隣接して位置決めされ、前記駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる環状排気マニホールドであって、前記環状排気マニホールドは、2以上の燃焼シリンダーの前記排気スロットを流体接続し、前記環状吸気マニホールドは、前記駆動軸の周りに延び、複数の燃焼シリンダーの前記吸気スロットを流体接続する環状燃焼空気流路を前記駆動軸の周りに形成し、前記環状排気マニホールドは、前記駆動軸の周りに延び、複数の燃焼シリンダーの前記排気スロットを流体接続する環状排気流路を前記駆動軸の周りに形成する、前記環状吸気マニホールド及び前記環状排気マニホールドと、
を有する内燃機関。
【請求項27】
前記成形された頂部は、外方を向く頂部面内に形成された凹みを含み、前記ピストンの前記凹みは、凹み深さを有し、前記ピストンの主軸の周りにおいて円錐形であり、前記ピストンは、前記第1の環状本体の周辺部に形成され、内方に延びて前記凹みと交わる切り欠きをさらに有し、前記切り欠きは、前記第1の環状本体の前記周辺部の約90度未満の周りに延び、前記燃料噴射器の一部は、前記ピストン組立体が前記上死点位置まで伸長した場合に前記切り欠き内に延びる、請求項26に記載の内燃機関。
【請求項28】
前記第1のカムの前記円周方向の肩部の前記第1の曲線形状は、第1のセグメント化された多項式形状であり、前記第1のカムの前記肩部は、前記多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山とこの2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、前記山は、前記ローブの最大振幅を有し、前記ローブの上り肩部分に沿った前記第1の谷から前記山までの前記波長の距離は、前記ローブの下り肩部分に沿った前記山から前記第2の谷までの前記波長の距離よりも大きく、
前記第2のカムの前記円周方向の肩部の前記第2の曲線形状は、絶えず勾配が変化する第2のセグメント化された多項式形状であり、前記第2のセグメント化された多項式形状は、前記第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、前記第2のカムの前記肩部は、前記第2の多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山とこの2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、前記山は、前記ローブの最大振幅を有し、前記ローブの上り肩部分に沿った前記第1の谷から前記山までの前記波長の距離は、前記ローブの下り肩部分に沿った前記山から前記第2の谷までの前記波長の距離よりも大きく、
前記第2のカムのローブの数は、前記第1のカムのローブの数と一致し、
前記カムは、前記第1のカムのローブの前記山が前記第2のカムのローブの前記山と実質的に整列するように互いに対向するが、第1のセグメント化された多項式形状の肩部のどの部分も、第2のセグメント化された多項式形状の肩部の一部と平行ではない、請求項26に記載の内燃機関。
【請求項29】
前記第1のカムの前記円周方向の肩部の前記第1の曲線形状は、第1のセグメント化された多項式形状であり、前記第1のカムの前記肩部は、前記多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山によって特徴づけられ、前記ローブは、前記第1の谷と前記山との間の上り肩部分及び前記山と前記第2の谷との間の下り肩部分を有し、前記上り肩部分の平均勾配は、前記下り肩部分の平均勾配よりも大きく、
前記第2のカムの前記円周方向の肩部の前記第2の曲線形状は、第2のセグメント化された多項式形状であり、前記第2のセグメント化された多項式形状は、前記第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、前記第2のカムの前記肩部は、前記第2の多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置する山によって特徴づけられ、前記ローブは、前記第1の谷と前記山との間の上り肩部分及び前記山と前記第2の谷との間の下り肩部分を有し、前記上り肩部分の平均勾配は、前記下り肩部分の平均勾配よりも大きく、
前記第2のカムのローブの数は、前記第1のカムのローブの数と一致し、前記第1のセグメント化された多項式形状の肩部及び前記第2のセグメント化された多項式形状の肩部は、互いに絶えず発散又は収束するように、互いに対向する、請求項26に記載の内燃機関。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年11月7日出願の米国特許仮出願第62/756,846号、及び、2019年2月18日出願の米国特許仮出願第62/807,084号の優先権を主張するものであり、これらの利益が主張され、その開示内容全体は、引用によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、内燃バレルエンジンに関し、詳細には、対向ピストン型エンジンに関する。より詳細には、本開示は、対向ピストン型エンジンのカム面の形状及びその相対的な向き、ピストン設計、及びピストンロッド組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
バレルタイプエンジンとも呼ばれるアキシャルピストンエンジンは、1又は2以上のシリンダーを有するクランクレス往復内燃機関であり、1又は2以上のシリンダーの各々は、シリンダーの長手軸に沿って反対方向に往復運動するように配置された2つの対向ピストンを収容する。クランクレス機関は、ピストン運動のためのクランク軸に依存せず、その代わりに燃焼室ガスからの力の相互作用及びリバウンドデバイス(例えば、密閉シリンダー内のピストン)を利用する。主軸は、各シリンダーの長手軸に平行に、かつ、長手軸から離間して配置される。主軸及びピストンは、ピストンの往復運動が主軸に回転運動を与えるように回転斜板を介して相互に連結される。回転斜板は、軸方向運動をピストンに与えるために各ピストンアームが係合する略正弦曲線のカム面又は軌道を有する。軌道の形状は、ピストンヘッドの相対位置を制御するために利用することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示及びその利点のより完全な理解のために、添付図面及び詳細な説明を考慮した以下の簡単な説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明によって構築されたエンジン組立体の縦断面及び破断図であり、対の二重ハーモニック(harmonic)カムを利用するアキシャルシリンダー、対向ピストンレイアウトを示す。
【
図5a】ハーモニックバレルカムが取り付けられた駆動軸の立面図である。
【
図5b】実質的に正弦波の形状を有するカム肩部プロフィールである。
【
図5c】セグメント化された多項式の形状を有するカム肩部プロフィールである。
【
図6】ハーモニックバレルカムに係合するピストン組立体の立面図である。
【
図7a】駆動軸の周りに配置された6シリンダー組立体の斜視図である。
【
図7b】駆動軸の周りに配置された6シリンダー組立体の軸方向切取図である。
【
図8】
図7aの6シリンダーエンジンのエンジンブロックの斜視図である。
【
図9】環状吸気及び排気マニホールドを示すエンジンの斜視図である。
【
図10】本開示の組み立てられたエンジンの斜視図である。
【
図11a】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11b】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11c】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11d】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11e】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11f】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11g】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11h】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11i】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11j】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図11k】エンジンストロークを通してのピストン対のピストンの移動を示す。
【
図12】燃焼室内に延びる燃料噴射ノズルを有するシリンダー組立体の断面図である。
【
図13】ピストン対が直列に軸方向に位置合わせされたバレルエンジンの切取側面図である。
【
図14a】ピストン対が並列に配備されたバレルエンジンの1つの実施形態の切取側面図である。
【
図14b】ピストン対が並列に配備されたバレルエンジンの別の実施形態の切取側面図である。
【
図15】駆動軸上でのカムの相対位置を変更する半径方向調整機構を有するバレルエンジンの切取側面図である。
【
図16】駆動軸上でのカムの相対位置を変更する半径方向調整機構の別の実施形態の軸方向切取図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、本発明の2ストロークエンジン組立体10の簡略化された縦断面及び切取図を示し、一方、
図2は、エンジン組立体10の斜視図を示す。駆動軸12は、駆動軸軸線14に沿って延び、組立体10の中心を軸方向に貫通する。駆動軸12は、固定された軸方向の位置に1対の軸受16a、16bによって支えられる。ハーモニック(harmonic)バレルカム18a、18bは、互いに相隔たる関係で駆動軸12に沿って位置決めされる。2つ以上のピストン対20が、駆動軸12から半径方向外側に位置決めされ、各ピストン対20は、第1のピストン組立体22a及び第2のピストン組立体22bを有し、ピストン組立体22a、22bは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体24内で互いと軸方向に整列する。例示する実施形態において、2つのピストン対20a、20bが例示され、各ピストン対20は、第1及び第2のピストン組立体22a、22bを有する。シリンダー軸25は、駆動軸12の駆動軸軸線14から離間するがこれに対して略平行である。各ピストン組立体22は、一般的に、ピストン30が取り付けられたピストンアーム28に取り付けられたカムフォロア組立体26を含む。ピストン対20の対向ピストン30a、30bは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。各カムフォロア組立体26は、対応するカム18に跨り、関連のピストンアーム28を介してピストン30に作用する。シリンダー組立体24内の対向ピストン30a、30bは、一般的に、その間に燃焼室32を画定し。燃焼室32には、燃料噴射器34によって燃料を噴射することができる。燃焼室32内の燃料が燃焼すると、対向ピストン30a、30bは、駆動されてシリンダー軸25に沿って互いから離れる。
【0007】
エンジン組立体10は、駆動軸軸線14の周りに対称に間隔を置いて配置された少なくとも2つのピストン対20を含む。例示する実施形態において、各々が燃焼シリンダー組立体24に係合する第1のピストン対20a及び第2のピストン対20bが示される。他の実施形態において、各々が対応する燃焼シリンダー組立体24を有する3又は4以上のピストン対20を、駆動軸軸線14の周りに対称に間隔を置いて配置することができる。
【0008】
以下でさらに詳細に説明するように、対向ピストン30は、燃焼の結果として等しくかつ反対の方向に変位される。それぞれのカムフォロア組立体20は、同様に線形に変位し、これによって、カムフォロア組立体20が係合したカム18は、強制的に、駆動軸軸線14周りに軸方向に回転させられる。カム18は、駆動軸12上に固定して取り付けられているので、駆動軸12は、カム18によってある角度で回転される。したがって、カムフォロア組立体20が係合するカム18の形状は、各ピストン組立体22のストロークを決定する。
【0009】
空気は、燃焼シリンダー組立体24内に形成された吸気ポート38を介して燃焼室32に供給され、一方、排気は、燃焼シリンダー組立体24内に形成された排気ポート36を介して燃焼室32から排出される。吸気マニホールド40は、吸気ポート38と流体連通し、一方、排気マニホールド42は、排気ポート36と流体連通する。1又は2以上の実施形態において、マニホールド40、42の一方又は両方は、環状とすることができ、エンジン組立体10の外周部の周りに少なくとも部分的に延びる。一部の実施形態において、マニホールド40、42は、形状が環状であり、エンジン組立体10の外周部の周りに完全に延びる。
【0010】
1又は2以上の実施形態において、第1のフランジ44は、駆動軸12の第1の端部46に取り付けられ、第2のフランジ48は、駆動軸12の第2の端部50に取り付けられる。図示するように、フライホイール52は、第1のフランジ44上に取り付けられる。
【0011】
ピストン組立体22及び燃焼シリンダー組立体24は、エンジンブロック53内に取り付けられる。サンプケーシング54は、駆動軸12の第1の端部46に隣接してエンジンブロック53に取り付けられ、サンプケーシング56は、駆動軸12の第2の端部50に隣接してエンジンブロック53に取り付けられる。
【0012】
図3は、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体24をさらに詳細に示す。具体的には、燃焼シリンダー組立体24は、第1の端部62と第2の端部64との間に延びて一般的にシリンダー壁66で形成された燃焼シリンダー60で形成される。一部の実施形態において、第1の燃焼ポート68は、第1及び第2の端部62、64のほぼ中間点でシリンダー壁66内に設けることができる。第1の燃焼ポート68は、燃料噴射ポート、点火プラグポート、又は、他のポートとすることができる。1又は2以上の実施形態において、第2の燃焼ポート70は、同様に、第1の燃焼ポート68に隣接して設けることができる。第2のポート70は、追加の燃料噴射ポート、又は、代替的に、点火プラグポートとすることができ、一部の実施形態において、可燃性燃料の圧縮は、燃料に点火するのに十分であり、一方、他の実施形態において、スパークは、燃料に点火するために必要でることが認識される。さらに他の実施形態において、追加の燃焼ポートをポート68に隣接して設けることができ、各燃料噴射ポートは、異なるタイプの燃料に利用することができ、エンジンの一般的な構成要素を特定の燃料タイプに適応させる必要がなく様々な燃料タイプを利用することができることは、エンジン組立体10の利点である。例えば、エンジン組立体10が動作することができる燃料としては、ディーゼル、エタノール、ガソリン、灯油などの液体燃料、及び、SymGas、水素、及び天然ガスなどの及び気体燃料が挙げられる。
【0013】
排気ポート36は、燃料噴射ポート68とシリンダー60の第2の端部64との間の壁66内に形成され、吸気ポート38は、注入口68とシリンダー60の第1の端部62との間の壁66内に形成される。1又は2以上の実施形態において、吸気ポート38は、第1の端部62に最も近い外側ポート縁61及び第2の端部64に最も近い内側ポート縁63を有する。同様に、排気ポート36は、第2の端部64に最も近い外側ポート縁65及び第1の端部62に最も近い内側ポート縁67を有する。燃焼シリンダー60の上死点(IDC)は、吸気ポート38の外縁61と排気ポート36の外縁65との間でほぼ等距離に定められる。1又は2以上の実施形態において、排気ポート36の内側ポート縁67は、吸気ポート38の内側ポート縁63よりも上死点に近く、排気ポート36の外側ポート縁65は、IDCから吸気ポート38の外側ポート縁61とほぼ同じ距離であり、従って、排気ポート36の方が、吸気ポート38より軸26に沿って長いことが認識される。さらに、燃焼シリンダー60の下死点(ODC)は、それぞれの吸気ポート38及び排気ポート36の外縁61、65でのODCからほぼ等距離に定められる。1又は2以上の実施形態において、ポート38は、複数のスロットである。1又は2以上の実施形態において、ポート36は、複数のスロットである。1又は2以上の実施形態において、ポート36の各々は、シリンダー軸25と略平行である長手軸に沿って形成された複数のスロットである。1又は2以上の実施形態において、ポート38の各々は、シリンダー軸25に対して概して鋭角である長手軸に沿って形成された複数のスロットである。ポート38は、シリンダー60に入る流入空気内にスワールを促進するように、シリンダー軸25に対して角度を成して形成された複数のスロットとすることができ、その結果、燃料との混合及び燃焼が強化される。1又は2以上の実施形態において、複数のスロットは、シリンダー軸25と30~45°の角度を有するようにシリンダー壁66内に形成される。
【0014】
1又は2以上の実施形態において、一方又は両方の組のポート36、38は、壁66の外周部の一部の周りにのみ延びる。例えば、ポート36及び/又は38は、壁66の外周部の約180°の周りにのみ延びることができ、又は、ポート36及び/又は38は、壁66の外周部の約90°の周りにのみ延びることができる。吸気ポート38に関して、吸気ポート38は、以下で説明するように、ピストンヘッド切り欠き(
図4参照)に隣接しないシリンダー壁66の一部の周りにのみに設けられる。排気ポート36に関して、排気ポート36は、以下で説明するように、ピストンヘッド切り欠き(
図4参照)に隣接しないシリンダー壁66の一部の周りにのみに設けられる。さらに、エンジンブロック53及びエンジン組立体10の他の構成要素への排熱伝達を最小限に抑えるために、排気ポート36は、シリンダー壁66のその部分の周りにのみ設けられる。この配置は単独で、しかし、特に
図8及び
図9に関して説明する排気配置と組み合わさって、エンジンの他の構成要素への排熱伝達を最小限に抑えることを認識されたい。従って、動作中、エンジン全体は、従来技術エンジンよりもはるかに低温のままである。さらに、このように熱伝達を制御することによって、特定のエンジン要素は、従来技術のエンジンに関連した高温に耐えるように選択される必要がない材料で製造することができる。例えば、特定のエンジン要素は、プラスチック、セラミック、ガラス、複合物、又はより軽い金属で製造することができ、その結果、本開示のエンジンの総重量が低減される。
【0015】
図4Aを参照すると、ピストン組立体22の分解側面図が示される。ピストン組立体22は、一般的に、ピストン30が取り付けられたピストンアーム28に取り付けられたカムフォロア組立体26を含み、全ては、一般的に、軸71に沿って位置合わせされる。本明細書で使用される場合、「高温」ピストン組立体22は、排気ポート36に隣接するピストン組立体22とすることができ、「低温」ピストン組立体22は、シリンダー組立体24の吸気ポート38に隣接するピストン組立体22とすることができる。
【0016】
カムフォロア組立体26は、第1の端部74及び第2の端部76を有する細長い本体72を含む。本体72は、端部74の各々で略円筒形状とすることができ、端部74、76は、アーム78によって相互に連結することができる。一部の実施形態において、円筒形の端部74は、円筒形の端部76よりも大径とすることができる。軸方向に延びるスロット80は、第1の端部74に隣接して本体72内に形成される。追加の軸方向に延びるスロット82は、スロット80に相隔たる関係で本体72内に形成される。スロット80、82は、互いに略平行である平面に沿って延びるように形成される。本体72内の開口部84は、スロット80、82の間に形成される。第1のローラー86は、第1のスロット80内に取り付けられ、第2のローラー88は、第2のスロット82内に取り付けられる。好ましくは、各ローラーは、他のローラーの回転軸と略平行な回転軸を有し、これらの回転軸は、スロット80、82が形成される平面に略垂直である。1つの実施形態において、ローラー86は、主として、荷重をピストン30から隣接カム18に伝達するために利用されるので、ローラー86は、ローラー88より大径である。調整可能スペーサーパッド90は、ローラー86、88と開口部84との間でアーム78上に取り付けることができる。スペーサーパッド90は、カムフォロア組立体26をカム18と位置合わせするために、軸71に対して半径方向に開口部84の方に又はそれから離れて移動するように調整可能である。内部の潤滑通路92は、アーム78内に形成されて延在する。潤滑通路92は、ローラー86の軸受87に注油するようにローラー86に隣接するポート94の開口部、ローラー88の軸受89に注油するようにローラー88に隣接するポート96の開口部、及びアーム78の外面100に沿って配置されたポート98と流体連通する。本体72の円筒形の第2の端部76は、内部に形成されたボア102を有することができ、ボア102に開口する1又は2以上の窓104を有することができる。
【0017】
ピストンアーム28は、本体72の第1の端部74でカムフォロア組立体26に取り付けられる。ピストンアーム28は、同じ直径の第2の環状本体112から相隔たり、小径のネック114によって相互に連結された第1の環状本体110で形成することができる。ネック114は、中実とすること又は内部に形成されたボアを有することができるが、相隔たる本体110、112の間に環状路116を形成するように小さな直径とことができる。少なくとも1つの、好ましくは2又は3以上の環状溝118は、シールリング(図示せず)を収容するために第1の環状本体110の周りに形成される。同様に、少なくとも1つの、好ましくは2又は3以上の環状溝120は、シールリング(図示せず)を収容するために第1の環状本体112の周りに形成される。ピストンアーム28は、ネック114に沿って互いに相隔たる2つの環状本体110、112を利用して、多くの場合、ブローバイ効果と呼ばれる、サンプケーシング54及び56への燃焼ガス、未燃焼燃料、及び粒子状物質の移動を最小限に抑える。
【0018】
図4B及び引き続いて
図4Aを参照すると、ピストン30は、一般的に、ピストンアーム28に取り付けられた第1の端部124を有する環状本体122で形成される。頂部(crown)126は、環状体122の第2の端部128に形成される。凹み(indention)130は、頂部126内に形成することができ、深さH1を有することができる。凹み130は、一部の実施形態において円錐形とすることができる。同様に、一部の実施形態において、切り欠き123は、環状本体122の周辺部に形成され、内向きに延びて凹み130と交差する。一部の実施形態において、切り欠き123は、好ましくは、頂部126内に形成された凹み130の深さH1よりも浅い深さH2を有する。同様に、一部の実施形態において、切り欠き123は、環状本体122の周辺部の周りで約90°θを超えない程度に延び、一方、他の実施形態において、切り欠き123は、環状本体122の周辺部の周りで約60°θを超えない程度に延び、一方、他の実施形態において、切り欠き123は、環状本体122の周辺部の周りで5~30°θの間で延びる。
【0019】
図5aを参照すると、ハーモニックバレルカム18a、18bは、さらに詳細には駆動軸12上に取り付けられている。上述したように、駆動軸12は、駆動軸第1の端部46と駆動軸第2の端部50との間で駆動軸軸線14に沿って延びる。バレルカム18a、18bは、互いに相隔たった関係で駆動軸12に沿って取り付けられる。各カム18は、ハブ軸の周りに形成されたカムハブ136を含み、カムハブ136は、ハブ軸と同軸であるように駆動軸12上に取り付けられる。各カム18は、カムハブ136の周辺部の周りに延びる円周方向のカム肩部138をさらに含む。カム肩部138は、全体的に曲線形状であり、特定の頻度を特徴とすることができ、頻度は、肩部138の360度の周縁部周りの山及び谷の出現回数を一般的に指すことができ、山及び隣接する谷は、一緒になってローブ(lobe、突出部)を形成する。
【0020】
1又は2以上の実施形態において、各カム18a、18bの各カム肩部138の山の振幅は同じであり、谷の深さ及び山の高さは、実質的に等しく、一方、他の実施形態において、谷の深さは、山の高さと異なることができる。
【0021】
図5aの実施形態において、カムハブ136の周りに延びる各曲線形状のカム肩部138は、2つの山、すなわち第1の山140a及び第2の山140bと、その間に形成された第1の谷141a及び第2の谷141bなどの対応する数の谷141と共に示されている。従って、例示する肩部138は、カムハブ136の360度の周縁部の周りに2つの完全なサイクルを生成し、従って二重のハーモニックを表す。他の実施形態において、肩部138は、異なる数の山140及び谷141を有することができる。換言すると、肩部138を形成する曲線形状の頻度は、所望の数の山140及び谷141を示すように選択することができる。
【0022】
肩部138は、さらに、内向きに向かう軌道又は表面142及び外向きに向かう軌道又は表面144、及び外周面145を有することを特徴としている。各カム18a、18bは、駆動軸位置決め標基準146と位置合わせされるように駆動軸12上に取り付けることができる。特に、各カム18は、それぞれ、カム18a、18bの第1のカムインデックス150a及び第2のカムインデックス150bなどのカムインデックス150を含むことができる。
【0023】
1又は2以上の実施形態において、カム18a、18bは、一般的に、駆動軸12上に取り付けられ、インデックス150a、150bは、一般的に、駆動軸12上の特定の基準点146に対して互いに整列するようになっている。インデックス150a、150bが互いに整列すると、対向するカム18a、18bは、互いに鏡映になり、2つのカム18a、18bのそれぞれの山140は、互いに整列し、これは、それぞれの山及び谷が基準点146に対して駆動軸12の周りに同じ角位置で出現することを意味する。従って、各カム18a、18bの山140は、互いに対向し、各カム18a、18bの谷141は互いに対向する。不確かさを回避するために、本明細書での互いに「鏡映する」カム18との言及は、単に、それぞれの谷又は山が、駆動軸12の周りに同じ角位置で出現することを意味するが、必ずしも、肩部138a、138bの曲線形状が同じであることを意味するものではない。
【0024】
最後に、各山140の頂部は燃焼シリンダー組立体24(
図3参照)の上死点(IDC)と一致し、一方、各谷141の底部は、燃焼シリンダー組立体24の下死点(ODC)と一致する。換言すると、カムフォロア26(
図4A参照)がローブの山140で肩部138に係合する場合、カムフォロア26によって駆動されたピストン30(
図4A参照)は、燃焼シリンダー60(
図3参照)のIDCにある。同様に、カムフォロア26(
図4A参照)が谷141で肩部138に係合する場合、カムフォロア26によって駆動されたピストン30(
図4A参照)は、燃焼シリンダー60(
図3参照)のODCにある。
【0025】
図5b及び
図5cは、カム肩部138a、138bの曲線形状の様々な実施形態をより良く示すためのカム肩部138a、138bのカム輪郭である。
図5bに例示するような1又は2以上の実施形態において、曲線形状は、正弦波形状とすることができ、山は、連続した谷の間で等距離に出現し、一方、
図5cに例示するような他の実施形態において、曲線形状は、セグメント化された多項式形状(segmented polynomial shape)とすることができ、山は、2つの連続する谷の間に出現して非対称あるか又は一方の谷の近くに移動される。いずれの場合も、カム肩部138aは、吸気カム18aに関連づけることができ、カム肩部138bは、排気カム18bに関連づけることができる。各肩部138は、カムフォロア(
図4A参照)が移動するガイド又は軌道を形成する。従って、肩部138の形状は、上述の燃焼シリンダー60などの燃焼シリンダー内の対応するピストンの移動を支配する。従って、肩部形状は、
図5a、
図5bの外形によって表われるように、エンジン10の一部の実施形態の動作の重要な部分である。
【0026】
カム肩部138a、138bは、
図5b及び
図5cに示されており、カム肩部138a、138bは、実質的に互いに鏡映するように半径方向に位置決めされる場合に駆動軸12上で互いに対向することを認識されたい。従って、各山140は互いに対向し、各谷141は互いに対向し、対向する特徴部は、駆動軸インデックス146(
図5参照)に対して駆動軸12上でほぼ同じ半径方向の位置を有する。一般的に、各カム18は、谷141によって結び付けられた山140で形成された少なくとも1つのローブ151を有する。例示する実施形態において、各カム18は、第1のローブ及び第2のローブで示される。各山140は、最大山振幅PAを有する。各ローブ151は、山140を横切る連続する谷141の間の距離として定められる全波長距離Wを有する。各谷は、最大谷深さTDを有する。カム肩部138の周縁部に沿って時計回りに(又は、
図5b及び
図5cに示すように左から右に)移動すると、各ローブ151は、上り側又は肩部分153及び下り側又は肩部分155を有する。
【0027】
加えて、カム18a、18bによって駆動された対向ピストンが継続して動くのを保証するために、カム18aの曲線形状の肩部のいかなる部分も、カム18bの曲線形状の肩部のいかなる部分とも平行ではない。従って、対向する曲線形状の肩部138a、138bは正弦波形状か又はセグメント化された多項式形状かを問わず絶えず互いから発散又は収束する。換言すると、肩部138a、138bの部分は、対向ピストンが配置される燃焼室内での対向ピストンの移動の運動量の損失につながり、結果的に軸トルクが失われという理由から、平行ではない。
【0028】
特に
図5bを参照すると、カム18aは、正弦波形状のカム肩部138aを有するように示される。従って、第1のローブ151a1は、第1の谷141a1と第2の谷141a2との間のほぼ等距離に位置する。特に、最大山振幅PAa1は、ローブ151a1の全波長距離Wの約1/2に出現する。従って、第1のローブ151a1は、対称形状であり、第1の谷141a1からローブ151a1の山又は頂点143a1までの上り肩部分153a1の波長距離Wasによって示され、波長距離Wasは、ローブ151a1の山又は頂点143a1から第2の谷141a2までの下り肩部分155a1の波長距離Wdsに等しい。第1の谷141a1は、第2の谷141a2の谷深さTDa1と実質的に同じである谷深さTDa1を有する。同様に、第2のローブ151a2は、第1のローブ151a1と実質的に同じ形状である。この点に関して、ローブ151a1は、下り肩部分155a1と実質的に同じ形状である上り肩部分153a1を有する。従って、谷141a1と山140a1との間の上り肩部分153a1の平均勾配Sa1の絶対値は、肩部138aに沿って時計回りに移動する山140a1と谷141a2との間の下り肩部分155a1の平均勾配Sa2の絶対値とほぼ同じである。
【0029】
カム18aの場合と同様に、カム18bは、対称の正弦波形状のカム肩部138bを有するように示される。従って、第1のローブ151b1は、第1の谷141b1と第2の谷141b2との間のほぼ等距離に位置する。特に、最大山振幅PAb1は、ローブ151b1の全波長距離Wの約1/2に出現する。第1の谷141b1は、第2の谷141b2の谷深さTDb1と実質的に同じである谷深さTDb1を有する。同様に、第2のローブ151b2は、第1のローブ151b1と実質的に同じ形状である。この点に関して、ローブ151b1は、下り肩部分155b1と実質的に同じ形状である上り肩部分153b1を有する。従って、谷141b1と山140b1との間の上り肩部分153b1の平均勾配Sb1の絶対値は、肩部138bに沿って時計回りに移動する山140b1と谷141b2との間の下り肩部分155b1の平均勾配Sb2の絶対値とほぼ同じである。
【0030】
いずれの場合も、カム18a、18bは、互いに鏡映するために駆動軸12(
図5a参照)上に角度的に取り付けられ、それぞれのカムのローブ151は、互いに対向し、対応する山140は、概して整列し、カム18aのローブ151aの数は、カム18bのローブ151bの数と一致するようになっている。この点に関して、対向する山140及び対向する谷141が概してインデックス146に対して駆動軸12の周りの同じ角度位置で出現するように、対向する特徴部は、互いに角度的に整列することができる。
【0031】
一部の実施形態において、相隔たるカム18a、18bの対向する肩部138a、138bは、一般的に実質的に同じ正弦波形状を有するように配置されるが、肩部138の円周面145の幅及び/又は内向きに向かう軌道142の形状を含む、特定の肩部の形状の複数の部分の調整は、所定の目的で、対向する第1及び第2のピストン組立体22a、22bのそれぞれの相対的移動を調整するために利用することができる。従って、一部の実施形態において、1つのカム18aの谷141a1は、軸14及びカムハブ136の軸に垂直な平面に横たわる平坦部分147を含むように、さもなければ、カム18bの対応する対向する谷141b1よりも深いように形作ることができ、これは谷141b1の全体を通して略曲線形状に示されている、換言すると、谷141b1の谷深さTDb1は、対応する谷141a1の対向する谷深さTDa1よりも大きい。同様に、カム18aの山140a1は、丸い形状の頂点143に有することができ、一方、カム18bの対向する山140b1の形状は、対応する頂点143に軸14及びカムハブ136の軸に垂直な平面に横たわる平坦部分149を有することができる。例示する実施形態において、対応するカム18a、18bの各平坦部分147、149は軸14及びカムハブ136の軸に垂直な平面に横たわるので、平坦部分147、149は、平行な平面にあることを認識されたい。
【0032】
特に
図5cを参照すると、カム18aは、セグメント化された多項式形状のカム肩部138aを有するように示される。従って、第1のローブ151a1は、非対称形状であり、最大山振幅PAa1は、第1の谷141a1とは対照的に、第2の谷141a2の近くに出現し、第1の谷141a1からローブ151a1の頂点143までの波長距離Wasは、ローブ151a1の頂点143a1から第2の谷141a2までの波長距離Wdsよりも大きいように示される。換言すると、ローブ151a1の第1の谷141a1から上り肩部分153a1の山143a1までの波長距離Wasは、ローブ151a1の山143a1から下り肩部分155a1の第2の谷141a2までの波長距離Wdsよりも大きい。これらの実施形態において、第1の谷141a1は、第2の谷141a2の谷深さTDa2と実質的に同じである谷深さTDa1を有し、谷深さTDa1は、ローブ151a1及び151a2の最大山振幅PAa1及びPAa2とそれぞれ実質的に同じである。同様に、第2のローブ151a2は、第1のローブ151a1と実質的に同じ形状である。しかしながら、ローブ151a1及び151a2が非対称なので、ローブ151a1は、下り肩部分155a1の大きな勾配の形状よりも小さな勾配の形状の上り肩部分153a1を有する。従って、谷141a1と山140a1との間の上り肩部分153a1の平均勾配Sa1の絶対値は、肩部138aに沿って時計回りに移動する山140a1と谷141a2との間の下り肩部分155a1の平均勾配Sa2の絶対値を下回る。下り肩部分155a1のより急な勾配の形状(又は、より大きな勾配)によって、エンジン10の吸気行程と比較すると排気行程中に対応するピストンのより速い移動がもたらされることを認識されたい。
【0033】
図5cにおいて、カム18bは、セグメント化された多項式形状のカム肩部138bを有するように示される。第1のローブ151b1は、非対称形状であり、最大山振幅PAb1は、第1の谷141b1とは対照的に、第2の谷141b2の近くに出現し、ローブ151b1の第1の谷141b1から頂点143b1までの波長距離Wasは、ローブ151b1の頂点143b1から第2の谷141b2までの波長距離Wdsよりも大きいように示される。これらの実施形態において、第1の谷141b1は、第2の谷141b2の谷深さTDb2と実質的に同じである谷深さTDb1を有し、谷深さTDb1は、ローブ151b1及び151b2の最大山振幅PAb1及びPAb2とそれぞれ実質的に同じである。同様に、第2のローブ151b2は、第1のローブ151b1と実質的に同じ形状である。しかしながら、ローブ151b1及び151b2が非対称なので、ローブ151b1は、下り肩部分155b1の大きな勾配の形状よりも小さな勾配の形状の上り肩部分153b1を有する。従って、谷141b1と山140b1との間の上り肩部分153b1の平均勾配Sb1の絶対値は、肩部138bに沿って時計回りに移動する山140b1と谷141b2との間の下り肩部分155b1の平均勾配Sb2の絶対値を下回る。
【0034】
いずれの場合も、カム18a、18bは、互いに鏡映するためにインデックス146に対して駆動軸12(
図5a参照)上に角度的に取り付けられ、それぞれのカムのローブ151は、互いに対向し、対応する山140は、概して整列し、カム18aのローブ151aの数は、カム18bのローブ151bの数と一致するようになっている。この点に関して、対向する山140及び対向する谷141が概してインデックス146に対して駆動軸12の周りの同じ角位置で出現するように、対向する特徴部は、互いに角度的に整列することができる。
【0035】
1又は2以上の実施形態において、セグメント化された多項式形状のカム肩部138の各下り肩部分155は、各ローブ頂点143から延びる第2の谷141に向かう実質的に直線の部分157をさらに含む。部分157は直線又は平坦とすることができるが、部分157は、軸14又はカムハブ136の軸に垂直ではないことを認識されたい(従って、ピストンは、エンジン10の動作中に関連するカムフォロアが線形部分157を横切って動く際に移動し続ける)。換言すると、直線部分157はゼロよりも大きい勾配を有する。好適な実施形態において、直線部分157は、ゼロよりも大きく約20°よりも小さい勾配を有する。従って、カム18aのローブ151a1の下り肩部分155a1は、頂点143a1から延びる直線部分157a1を含む。同様に、対向するカム18bは、頂点143b1から延びる直線部分157b1を有するローブ151b1の下り肩部分155b1を有する。他のローブ151a2、151b2は、同様に説明するような直線部分157を含む。1又は2以上の実施形態において、対向する直線部分157は、同じ勾配を有する。1又は2以上の実施形態において、セグメント化された多項式形状のカム肩部138の少なくとも一方の又は両方の上り肩部分153は、同様に、頂点143に向かって延びる各ローブ谷141から延びる直線部分157と類似の実質的に直線の部分(図示せず)を含むことができる。この場合も、当該部分は直線又は平坦とすることができるが、当該部分は、軸14又はカムハブ136の軸に垂直ではなく、従って、ピストンは、関連するカムフォロアが当該線形部分を横切って動く際に移動し続け、当該部分の勾配はゼロよりも大きいことを認識されたい。
【0036】
図5cに例示する相隔たるカム18a、18bの肩部138a、138bは、一般的に、対向する下り肩部分155a1、155a1に沿って少なくとも実質的に同じセグメント化された多項式形状を有するように配置される。しかしながら、セグメント化された多項式肩部の形状は、吸気及び排気ポートの開放及び閉鎖、特に、ポートを開放又は閉鎖するためにピストンがどれくらい高速で燃焼シリンダー内で移動するかを調節するので、カム18a、18bの対向する上り肩部分153は、異なる場合がある。従って、1又は2以上の実施形態において、カム18aの上り肩部分153a1に沿った任意の所定の地点での勾配Sa1は、カム18bの上り肩部分153b1に沿った任意の特定の地点での勾配Sb1と異なる場合がある。例えば、谷141b1に隣接する上り肩部分153b1の初期形状は、谷141a1に隣接する上り肩部分153a1の初期形状よりも急勾配とすることができ、IDCに戻る排気ピストンのより速い移動につながり、その結果、上り肩部分153a1によって調節された吸気ピストン移動に関連した吸気ポートと比較すると、排気ポートのより早い閉鎖につながる。いずれの場合も、対向する肩部138a、138bの全体的なセグメント化された多項式形状に関して、谷141a1の谷深さTDa1は、対応する谷141b1の対向する谷深さTDb1と実質的に同じであることを認識されたい。同様に、カム18aの山140a1は、対向する山140b1の山振幅PAb1と実質的に同じ山振幅PAa1を有する。
【0037】
直線部分157の長さLは、特定のタイプの燃料と一致するように選択することができる。対向する肩部138a、138bは、それぞれのセグメント化された多項式形状の平行部分がなくても絶えず発散又は収束するが、小さな勾配の対向する直線部分157によって、燃焼シリンダー内の別々の対向するカムのより遅い移動がもたらされ、その結果、ピストンを一定期間にわたって燃焼シリンダー内で停止させることなく、実質的に一定の燃焼室容積が可能になることを認識されたい。1又は2以上の実施形態において、対向する直線部分157は、同じ長さLを有する。しかしながら、この実施形態において、カム18aの各ローブ151aの山の140aは、カム18bの各ローブ151bの対応する山140bと実質的に整合されるが、セグメント化された多項式形状の肩部138aのいかなる部分も、セグメント化された多項式形状の肩部138bのいかなる部分とも平行ではないことを認識されたい。
【0038】
同様に、駆動軸インデックス基準146に対する、さらに互いに対するカム18a、18bの角度的位置合わせは、特定の目的を達成するように調整することができる。カム18aは、カム18bに関連したピストン30に対するカム18aに関連したピストン30の移動を調整するために、駆動軸インデックス基準146(及びカム18b)に対して所望の角度数で角度回転させることができる。一部の実施形態において、カム18bなどの1つのカム18は、カム18aなどの他のカム18に対して約5~11度だけ回転させることができる。
【0039】
いずれの場合も、1又は2以上の実施形態において、カム肩部138a、138bは、エンジン10が、吸気ピストン及び対向する排気ピストン、カム肩部とのカムフォロアの係合の地点に対する燃焼及び膨張ストロークの異なる段階での吸気ポート及び排気ポートの以下の構成を有するように駆動軸上に形作られて位置決めされる。
(1)カム肩部138の頂点143において、対向する吸気ピストン及び排気ピストンは、燃焼シリンダー内で上死点(IDC)にあり、排気ポート及び吸気ポートは閉鎖される。
(2)下り肩部分155の直線部分157に沿って、吸気ポート及び排気ポートは閉鎖されたままであり、吸気ピストン及び排気ピストンは、燃焼シリンダー内で後退してゆっくり互いから(及びIDCから)離れ、浅く傾斜した直線部分157は、燃焼中にピストンの移動を停止することなく、燃焼シリンダー内の略一定の容積を維持することを可能にする。
(3)さらに下り肩部分155に沿って、急勾配の勾配に起因して、対向した吸気及び排気ピストンは、互いからより素早く後退し、排気ピストンの後退は、排ガスの掃気を可能にするために排気ポートを開口し、一方、吸気ポートは、閉鎖されたままである(排気ポート36の内縁67は、吸気ポート38の内縁63よりもIDCに近いため(
図3参照))。
(4)さらに下り肩部分155に沿って、第2の谷141の底部に近づくと、対向した吸気ピストン及び排気ピストンが互いから後退し続けると、吸気ポートは、吸気ピストンの移動によって開放される。
(5)第2の谷の基部で、吸気及び排気ピストンは、燃焼シリンダー内で下死点(ODC)に到達し、吸気ポート及び排気ポートの両方が開放される。
(6)1又は2以上の実施形態において、排気ピストンは、最初、吸気ピストンよりも素早くODCからIDCに移動し(その理由は、排気ピストンを駆動するカム肩部138bの上り肩部分153b1が、谷141b1の近くでは、吸気ピストンに関連した谷141a1に隣接するカム肩部138aの対応する上り肩部分153a1よりも急勾配であるからである)、その結果、排気ピストンに隣接する排気ポートは、吸気ピストンに隣接する吸気ポートよりも早く閉鎖する(吸気ピストンを駆動する谷141a1に隣接する上り部分153a1の方が浅いので、吸気ピストンに隣接する吸気ポートの方がゆっくり閉鎖するため)。
(7)それぞれのカムフォロアがカム肩部138のそれぞれの上り部分153に沿って移動し続けると、(互いに向かう及びIDCに向かうそれぞれの移動において排気ピストンに遅れた)吸気ピストンは、排気ピストンの追い付き、その結果、ピストンは、同時にそれぞれのカム肩部138の頂点143に到達し、排気ピストンが完全に閉鎖した間に少なくとも部分的に開放されたままであった吸気ピストンは、同様に吸気ピストンによって閉鎖される。
【0040】
図6は、カム18aと係合されたピストン組立体22を示す。具体的には、カムフォロア組立体26の本体72は、カム18aに係合し、カム18aの肩部138は、カムフォロア組立体26の開口部84内に延び、第1のローラー86は、カム18aの内向きに向かう軌道142に係合することができ、第2のローラー88は、カム18aの外向きに向かう軌道144に係合することができる。調整可能スペーサー90は、肩部138の外面145に当接する。スペーサー90は、それぞれ、軌道142、144上のローラー86、88の位置及び位置合わせを相応して調整するように半径方向に調整することができる。ピストン組立体22は、距離Dだけ駆動軸軸線14から相隔たる軸71に沿って往復運動するようにされる。軸71に沿ったピストン組立体22の軸方向移動は、カム18a及び18bによる軸14周りの駆動軸12の回転運動に変換される。例示する実施形態において、肩部138の形状は略正弦曲線であり、カム18aの山の140aは、丸い形状の頂点143で有し、一方、カム18bの山の140aの対応する表面は、その頂点143で(上述したような)直線又は平坦部分149を有することを認識されたい。他の実施形態において、肩部138は、セグメント化された多項式形状を有することができ、この場合、対向する山140は、両方のカム18の頂点143で丸い形状であり、対向する谷141は、同様に、底部で同様に丸い形状である。
【0041】
図7a及び
図7bは、駆動軸12の周りに対称に配置されたシリンダー組立体24を示す。シリンダー組立体24はエンジンブロック53によって支持される(
図1参照)が、説明を容易にするために、エンジンブロック53は、
図7a及び
図7bには示されていない。1つの実施形態において、6つのシリンダー組立体24a、24b、24c、24d、24e及び24fが利用されるが、より少ない又は多いシリンダー組立体24を必要に応じて組み込むことができる。いずれの場合も、シリンダー組立体24a~24fは、カム18a、18b間で駆動軸12の周りに配置される。ピストン対20は、説明を容易にするために単にシリンダー組立体24aと係合されるように示されるが、各シリンダー組立体24は、ピストン対20を含むことを理解されたい。いずれの場合も、ピストン組立体22a、22bは、シリンダー組立体24内で互いに軸方向に位置合わせされる。カム18a、18bは、カム18a、18bが互いに概して鏡映するよう位置合わせされるように駆動軸12上に取り付けられる。燃焼シリンダー60内の各ピストン組立体22は、(各ピストンが
図3に示すようにそれぞれのポート外縁61、65に隣接してある)ODCと燃焼が発生するIDCに隣接する位置との間を移動する。シリンダー組立体24aのシリンダー60内の燃焼によって、第1のピストン組立体22a及び第2のピストン組立体22bが駆動され、ODCに向かってシリンダー組立体24aの軸71に沿って互いから離れる。シリンダー60は、各ピストン組立体22a、22bを軸71に沿った軸方向の往復運動に拘束する。この軸71に沿ったピストン組立体22a、22bの軸方向移動は、それぞれのカムフォロア組立体22a、22bのローラー86、88がそれぞれのカム18a、18bの軌道142、144に沿って移動するときにカム18a及び18bによって軸14周りの駆動軸12の回転運動に変換される。
【0042】
カム18a、18bは、上述のように、互いにほぼ鏡映するが、肩部143が正弦波形状を有する一部の実施形態において、カム18aの谷141aは、カム18bの対応する対向する谷141b(谷141b1全体を通じて概して曲線形状で示される)に対して平坦部分147(軸14に垂直な平面内にある部分)を含むように形作ることができ、これに起因して、ピストン30aは、シリンダー60内でピストン30bに対して異なる瞬間的な変位を有する。特に、図示するように、カムフォロア22aがカム18aの軌道142の平坦部分147に到達すると、カムフォロア22bがカム18bの軌道142に沿って移動する際にピストン30bが並進し続ける場合でも、ピストン30aは、下死点(「ODC」)で瞬間的に後退したままになる。例示する実施形態において、これによって、排気ポート36が排気ポート36へのピストン30bの近接によって閉鎖される間に吸気ポート38は開放したままにすることができることを認識されたい。同様の現象が、カムフォロア22a、22bがそれぞれのカム18a、18bの頂点143に到達した際に発生する。説明するように、カム18bの頂点143bは、平坦部分149(軸14に垂直な平面内にある部分)をカム18aの対応する対向する頂点143a(頂点143a全体を通じて概して曲線形状で示される)に対して含み、これに起因して、ピストン30bは、シリンダー60内でピストン30aに対して異なる瞬間的な変位を有する。特に、カムフォロア22bがカム18bの軌道142の平坦部分149に到達すると、カムフォロア22aがカム18aの軌道142に沿って移動する際にピストン30aが並進し続ける場合でも、ピストン30bは、上死点(「IDC」)で瞬間的に完全に伸長したままになる。他の実施形態において、各ピストン30が常に燃焼シリンダー60内で移動することを保証するが望ましい場合があり、この場合、肩部143の形状は、軸14に垂直な平面内にある部分を含まないことを認識されたい。従って、対向するカム18a、18bに肩部138の形状を利用することによって、ピストン30a、30bの相対的な並進移動は、ポート36、38の開放又は閉鎖のタイミングを制御するなどの、所望の目標を達成するように調整することができる。換言すると、カム18a、18bは、ピストンがそれぞれのポートを横切って並進する際に各開放及び閉鎖動作の所望のタイミングをもたらすために、肩部138の曲線形状を利用いてポート36、38の開放及び閉鎖のタイミングを制御する。
【0043】
ピストン30a、30bの相対的な軸方向移動を調整するために肩部138の形状を使用することに対して付加的に又は代替的に、カム18aは、カム18bに対して駆動軸12上で半径方向に変位させることができ、その結果、上述の同じ目的が達成されることを認識されたい。カム18は、ピストン30の一方を対向するピストン30に僅かに進んで又は遅れてシリンダー60内で変位させるために、互いに対して小さな角度変位を伴って駆動軸12上に位置することができる。この非対称のピストン位相調整特性は、特に、異なる燃料タイプがエンジン10内の利用される際に望ましい場合に、掃気作用を強化するために使用することができる。
【0044】
特に
図7bを参照すると、追加のシリンダー組立体24は、カム肩部143の直径を単に増大させることによって駆動軸12の周りに対称に配備できることを認識できるはずである。一部の実施形態において、高トルクが必要とされる場合、カム肩部143は、対応する大きな複数のシリンダー組立体24に伴って大きいとすることができるが、各シリンダー組立体は、非常に短いストロークを有する。
【0045】
図8は、
図7aのシリンダー組立体24a~24f及び駆動軸12をエンジンブロック53との関係で示す。従って、図示するように、エンジンブロック53は、カム18aとカム18bとの間で駆動軸12の周りに位置決めされる。エンジンブロック53は、全体的に第1の端部162と第2の端部164との間に延び、その間に環状本体部分160を含み、環状本体部分160は、外面166によって特徴づけられる。本体160内には、互いから相隔たる第1の環状溝168及び第2の環状溝170が形成される。環状溝168、170は、外面166の内部に形成することができるが、例示する実施形態において、環状溝168、170は、外面166から内向きに延びる。同様に、例示する実施形態は、円筒形本体160の周縁部の全周に延びる環状溝168、170を示すが、他の実施形態において、一方又は両方の環状溝168、170は、円筒形本体160の周縁部の周りに部分的にのみ延びることができる。中央駆動軸ボア172は、端部162、164の間に延びる。同様に、対称に配置された2又は3以上のシリンダーボア174は、端部162、164の間に延び、中央駆動軸ボア172の外側で半径方向に離間される。例示する実施形態において、エンジンブロック53は、駆動軸ボア172の周りに対称に相隔たる6つのシリンダーボア174を有し、そのシリンダーボア174a、174b、174c、及び174fが見える。各シリンダーボア174内には、シリンダー組立体24が配置され、従って、シリンダー組立体24a、24b、24c、及び24fが示される。従って、ブロック53は、シリンダー組立体24を支持する。各シリンダー組立体24は、ブロック53内に位置し、吸気ポート38は、第1の環状溝168と流体連通し、排気ポート36は、第2の環状溝170と流体連通する。このように配置されると、シリンダー組立体24の各第1のポート68及び各第2のポート70は、エンジンブロック53の外面166内に設けられた第1のポート180及び第2のポート182と一致する。対向するカムフォロア組立体26a、26bは、それぞれのカム18a、18bに係合し、軸71に沿ってエンジンブロック53のシリンダーボア174a内に支持されたシリンダー組立体24aの中に延びるように示される。
【0046】
特にエンジンブロック53に関する、しかし他のエンジン構成要素にも関する本開示のエンジンの1つの利点は、シリンダー燃焼室からピストン、ローラー、カム及び最終的に駆動軸までの回路内に全ての応力、圧縮、圧力、モーメント及び力を閉じ込めた状態に保ちながら、エンジンストロークを通して力/反作用の閉回路を維持することである。幾何形状が必然的に不平衡で正しく整列されていないクランク軸システム上で常に発生するような、動作中に作用する横方向又は不平衡力は存在しない。力の閉回路は、各動力行程中に加えられた力のシーケンスを指す。これによって、重量のある補強エンジンブロック、ハウジング、軸受、駆動軸、及び他の構成要素が不要となる。このシーケンスは、燃焼で始まり、次に、燃焼ガスの膨張が反対方向の動力行程を生成し、各ピストン上に整列した圧縮力が加わり、カムに係合するカムフォロア組立体に伝達され、カムを介して、ピストンからの往復運動直動はカム上で回転運動になり、その後、駆動軸における反対の整列した圧縮力として戻る。換言すると、ピストンを通過する膨張力は、駆動軸に整列した圧縮力として常に整列される。これはまた、動作中のエンジン振動の存在を有意に低減する。これとは対照的に、従来の駆動軸上には、動作中に非対称力が加わり、このことは、より重量があり、より強度がある材料を使用してエンジンブロック、駆動軸、及び軸受によって抑制する必要がある様々なたわみ及び反作用をもたらす。このような補強されたエンジン構成要素を不要にすることによって、本開示のエンジンのエンジンブロック、駆動軸、及び他の構成要素は、不平衡力に耐えることとは対照的に、エンジン要素を支持するためにのみに利用する必要がある他の材料で形成することができる。このような材料としては、プラスチック、セラミック、ガラス、複合物、又はより軽量の金属を挙げることができる。
【0047】
図9は、
図8のシリンダー組立体24a~24f、駆動軸12、カムフォロア組立体26a、26b、カム18a、18b、及びエンジンブロック53を示すが、環状流マニホールドが組み込まれている。特に、第1の環状マニホールド184は、第1の環状流路168上でその周りに組み込まれて示されている。第1の環状マニホールド184は、空気をシリンダー組立体24の第1の環状溝168及び吸気ポート38に供給する吸気マニホールドとすることができる。さらに、第2の環状溝170上でその周りに組み込まれた第2の環状マニホールド186が示されている。第2の環状マニホールド186は、第2の環状溝170と流体連通する排気ポート36を介して排気をシリンダー組立体24から排出する排気マニホールドとすることができる。
【0048】
マニホールド184は、全体的にポート192が形成されるトロイダル形壁190に形成される。同様に、マニホールド186は、全体的にポート196が形成されるトロイダル形壁194で形成される。
【0049】
また、
図9には、第1の端部46とカム18aとの間で駆動軸12の周りに配備された第1の案内キャップ198と、第2の端部50とカム18bとの間で駆動軸12の周りに配備された第2の案内キャップ200とが示されている。各案内キャップ198、200は、全体的に、駆動軸12が貫通する中央ボア202と、中央ボア202の外側で半径方向に相隔たる2又は3以上の対称に位置決めされたボア204を含み、各ボア204は、ブロック53によって支持された隣接シリンダー組立体24と一致し、これと軸方向に位置合わせされる。例示する実施形態において、各案内キャップ198、200は、中央ボア202の周りに対称に相隔たる6つのボア204、すなわち、204a、204b、204c、204d、204e、及び204fを有する。各ボア204は、カムフォロア組立体26がそれぞれのシリンダー組立体24を出入りして往復運動する際にカムフォロア組立体26の支持をもたらすために、カムフォロア組立体26を受け取るように配置される。特に、図示するように、ボア204は、カムフォロア組立体26を形成する本体72の小径の円筒形端部76に対応する大きさであり、小径の円筒形端部76は、ピストン30がシリンダー組立体24内で往復運動するときにボア204内で摺動することができる。加えて、一方又は両方の案内キャップ198、200は、潤滑油及び冷却油をカムフォロア組立体26のポート98に噴射するために利用することができる。特に、案内キャップは、油ポンプ(図示せず)から来る油をカムフォロア組立体26の軸受87、89に移送するために使用することができる。各案内キャップ198、200は、油をカムフォロア組立体26のポート98に移送する孔203を接続するための1又は2以上のポート203を含むことができる。
【0050】
図10は、エンジン組立体10の斜視図を示す。例示する実施形態において、エンジンブロック53は、環状吸気マニホールド184及び環状排気マニホールド186とともに示されている。
【0051】
燃料噴射器組立体208は、エンジンブロック53のポート180、182のうちの一方に取り付けられており、一方、点火プラグ210は、エンジンブロック53のポート180、182の他方に取り付けられている。エンジンブロック53は、エンジン組立体10の一端で、第1のエンジンブロック支持体212によって支持されて部分的に収容され、エンジンブロック53は、エンジン組立体10の反対端で、第2のエンジンブロック支持体214によって支持されて部分的に収容される。この点に関して、サンプケーシング54は、油をカム18a及び関連のカムフォロア組立体26に供給するために、第1のエンジンブロック支持体212と協働して、駆動軸12の第1の端部46の周りでエンジンブロック53を取り囲んで油潤滑及び冷却室を形成し、一方、サンプケーシング56は、油をカム18b及び関連のカムフォロア組立体26に供給するために、第2のエンジンブロック支持体214と協働して、駆動軸12の第2の端部50の周りでエンジンブロック53を取り囲んで油潤滑及び冷却室を形成する。油ポート218は、エンジンブロック支持体212、214又はサンプケーシング54、56の各々に設けることができる。
【0052】
第1のフランジ44は、駆動軸12に取り付けられ、フライホイール52は、第1のフランジ44上に取り付けられる。
【0053】
電動スターター219は、駆動軸12の回転を開始するために設けることができる(図示せず)。
【0054】
一部の実施形態において、給気装置220は、空気を壁190のポート192を介して第1の環状マニホールド184内に導入するために使用することができる。給気装置220は、特定の形式に限定されないが、一部の実施形態において、各エンジンサイクルにおいての連続的な新たな給気を行うために正の空気圧を維持するターボ過給機又は送風機とすることができる。
【0055】
他の実施形態において、給気装置220は取り除くことができ、(給気装置220又は高温ピストン組立体22の後退移動とは対照的に)カデナシー効果としても知られるパルスジェット効果を利用して燃焼空気をシリンダー組立体24に引き込むことができる。より具体的には、排気ポート36の開放及び閉鎖の期間が1/300秒未満である場合、シリンダー組立体24から大気への排気ガス交換の速度は、極めて迅速である。この迅速な開放及び閉鎖は、吸気ポート38が開放される直前に、ピストンボアに対する特定の排気ポート面積の比率によって強化され、シリンダー組立体24の排気ポート36のパルスジェット効果を生成することになる。この効果は、排気ポートカムのタイミングと併せて上述のカム18の位相調整を使用して、排気ポートの開放/閉鎖を移動する際に高温ピストンを高速化して、排気ポートの閉鎖直後に低温ピストンを吸気ポートが開放された状態に保持することで、本開示のエンジンによって機械的に達成することができる。これは、カム位相調整を制御するために曲線形状のカム肩部を使用することによって達成することができる。
【0056】
図11a~
図11kを参照して、エンジン組立体10の動作を、4気筒組立体24のシステムを参照して説明する。その中のシリンダー組立体24aは、シリンダー組立体24b及び24dに関して、主たる焦点になる。全体的には、各々が曲線形状の肩部138を有するカム18a及び18bが取り付けられる駆動軸12が示されている。例示する実施形態において、カム18a、18bの各々は、2つの山140及び2つの谷141によって形成された2つのローブ151を有し、これらは、他方のカムに対する一方のカム18の半径方向のオフセットなしで半径方向に整列するように駆動軸上に配置される。カムフォロア組立体26aは、カム18aに係合し、カムフォロア組立体26bは、カム12bに係合し、それぞれのカムフォロア組立体26a、26bのローラー86は、各カム18a、18bの肩部38の内向きに向かう軌道142に係合するようになっている。カムフォロア組立体26aは、シリンダー組立体24aのシリンダー60内のピストンアーム28a及びピストン30aを往復運動させ、一方、カムフォロア組立体26bは、シリンダー60内のピストンアーム28b及びピストン30bを往復運動させる。第1の案内キャップ198は、カムフォロア組立体26aを支持し、一方、第2の案内キャップ200は、カムフォロア組立体26bを支持する。シリンダー60内のピストン30aの移動をシリンダー60内に形成された吸気ポート38に関して説明する。シリンダー60内のピストン30bの移動をシリンダー60内に形成された排気ポート36に関して説明する。シリンダー60内の対向するピストン30a、30bの間の領域は、燃焼室32を形成する。シリンダー組立体24aのピストン30に関する上死点(IDC)及び下死点(ODC)が示されている。
【0057】
図11aは、IDCでのピストン30a、30bを示し、各ピストン30a、30bは、シリンダー60内の最も内側の軸方向の位置にある。この位置で、各カムフォロア26a、26bは、山140でそれぞれのカム12a、12bに係合する。この位置で、吸気ポート38は、「閉鎖」構成であり、それによって、ピストンヘッド30aは、シリンダー組立体24aのIDCと吸気ポート38との間に位置決めされ、その結果、燃焼室32への燃焼空気の流れが阻止される。同様に、排気ポート36は、「閉鎖」構成であり、ピストンヘッド30bは、シリンダー組立体24aのIDCと排気ポート36との間に位置決めされ、その結果、燃焼室32と排気ポート36との流体連通が阻止される。この位置において、駆動軸12は、基準角ゼロ度にあると示されている。吸気ポート38及び排気ポート36(ボックスによって強調表示される)は、閉鎖され、ピストン30は、ポート38、36との間でシリンダー60の中心にある。
【0058】
図11bにおいて、燃焼は、燃焼室32内に発生し、膨張行程が始まり、軸力がピストン30a30bの各々に加わる(矢印によって示すように)。膨張行程の時点で、吸気ポート38及び排気ポート36(ボックスによって強調表示される)は依然として閉鎖され、ピストン30は、ポート38、36の間でシリンダー60の中心との間にある。
【0059】
図11cにおいて、シリンダー60内の燃焼ガスの膨張で、ピストン30a、30bは、軸方向に移動を開始して互いから離れる(矢印によって示すように)。結果として、このことは、各カムフォロア組立体26a、26bがそれぞれのカム18a、18bの肩部軌道の下り部分に沿って移動を開始するようにさせる。その際、カムフォロア組立体26の軸方向運動は、駆動軸12の回転運動に変換される。膨張行程のこの時点で、両方のポート36、38は、それぞれのポートへのピストンヘッド30a、30bの近接に基づいて閉鎖されたままである。ピストン30a、30bは移動を開始しているが、膨張行程のこの時点では、吸気ポート38及び排気ポート36は、それぞれポート38、36へのピストン30a、30bの近接に基づいて依然として閉鎖されたままである。上述したように、それぞれのピストンの移動の速度は、下り部分の勾配を調整することによって調整することができる。
【0060】
図11dにおいて、膨張行程が続くと、ピストン30bは、カム18bに向かって十分な距離だけ並進し、排気ポート36が開放し始め、排気は、ポート36を通って放出される(ポート36は全開ではない)。排気ポート36は、吸気ポート38の内側ポート縁63(
図3参照)よりもIDCに近い内側ポート縁67(
図3参照)を有するので、吸気ポート38は、ピストンヘッド30aに対するポート38の位置に基づいて閉鎖されたままである。理解できるように、カムフォロア組立体26bのローラー86は、カム18bの谷141に向かってカム肩部138の下り部分に沿って移動を開始している。
【0061】
図11eにおいて、ピストン30bは、カム18bに向かって十分な距離だけ並進し、排気ポート36は全開であり、排気は、排気ポート36を通って放出される。さらに、ピストン30aは、カム18aに向かって十分な距離だけ並進し、吸気ポート38が開放し始め、空気は、ポート38を通って燃焼室32に流入することができる(ポート38が全開ではない)。ポート38が複数の傾斜スロットを備える一部の実施形態において、傾斜スロットの特性及びスロット自体の長さより、空気は、燃焼室32に入る際に旋回し始め、これにより、空気と燃料噴射器(図示せず)から噴射された燃料との混合が強化される。上述したように、一部の実施形態において、排気ポート36は、エンジン組立体10の内部への熱伝達を最小限に抑えるように、シリンダー60の外周部の一部の周りにのみ延びる複数のスロットで構成される。例えば、このようなスロットは、外周部の別のシリンダー60に隣接しないか又はこれに向かい合っていない部分の周りにのみ延びることができる。
【0062】
図11fにおいて、各ピストン30a、30bは、カムフォロア組立体26a、26bがそれぞれのカム18a、18bの谷141の底部に到達することに基づいて、それぞれのポート38、36の外側ポート縁61、65に隣接するODCに到達する。ピストン30a、30bがODCにある場合、排気ポート36及び吸気ポート38は全開であり、排気は、燃焼室32を出ることができ、燃焼空気は、燃焼室32に入ることができる。例示する実施形態は、実質的に正弦波形状の肩部138a、138bを有するカム18a、18bを示し、従って、上述したように、エンジン組立体10の吸気側で、カム18aの谷141の一部147は、平坦化されている(対向するカム18bの丸い形状の谷141と比較すると)ことを認識されたい。
【0063】
図11gにおいて、ピストン30bは移動を開始し、一方、ピストン30aは、カム18aの谷141の平坦化された部分147(対向するカム18bの丸い形状の谷141と比較すると)に起因して静止したままである。ピストン30aが一時的にODCに留まる間に、ピストン30bの移動は、排気ポート36を閉鎖し始める。ピストン30aがODCにある場合に吸気ポート38は開放状態にあるので、ピストン30aとピストン30bとのタイミングの遅れによって、さらなる燃焼空気が燃焼室32に入ることができる。
【0064】
図11hにおいて、両方のカムフォロア組立体26a、26bが、谷141から山140に向かってそれぞれのカム軌道142の上り肩部分に沿って移動を開始することが示されており、従って、圧縮行程が始まる。例示するように、各ピストン30a、30bは、それぞれのポート38、36から依然として相隔たっており、ポートがこの行程のこの時点では依然として開放した状態にある。
【0065】
図11iにおいて、カムフォロア組立体26bは、カムフォロア組立体26aがカム18aの軌道142に沿って進行したよりもさらにカム18bの軌道142に沿って進行している。従って、排気ポート36は、隣接するピストン30bによって閉鎖される。しかしながら、軌道142に沿ったピストン30aは、それぞれの軌道上のピストン30bに遅れるので、排気ポート36の閉鎖後、吸気ポート38は一定期間にわたって開放されたままであり、従って、さらなる燃焼空気が燃焼室32に入ることができる。上述したように、吸気ポート38は、ポート38を通過する燃焼空気の旋回を促進する複数の傾斜スロットを備えることができる。
【0066】
図11jにおいて、両方のポート36、38は、それぞれのピストン30a、30bによって「閉鎖」構成であると示されており、チャンバ32とポート36、38との間の流体連通が阻止される。加えて、カムフォロア組立体26bは、カム18bの軌道142の山140の頂点143に到達しており、排気ピストン30bは、IDCに到達する。この時点では、吸気ピストン30aは依然として排気ピストン30bに遅れているので、吸気ピストン30aは移動を続け(矢印によって示すように)、チャンバ32内に噴射された燃焼空気及び燃料は、圧縮される。エンジン組立体10の排気側で、カム18bの頂点143の部分149は、平坦化されており(対向するカム18aの頂点143と比較すると)、ピストン30aがIDCに向かって移動し続ける間であってもピストン30bはIDCに一時的に留まるようになっていることに留意されたい。ピストン30bのこの遅れによって、ピストン30aは、ピストン30bに「追い付く」ことができるので、次の行程の開始時にそれぞれの軌道142に沿ったピストンの移動が再度同期され、互いに鏡映される(ピストン30aが次の谷141の底部に到達するまで)。
【0067】
図11kにおいて、両方のピストン30a、30bは、IDCに到達し、それぞれのカム18a、18bに沿って互いに再度同期される。IDCでは、燃焼室32内の燃焼空気及び燃料は、点火のために完全に圧縮される。この時点で、膨張行程から進んで、圧縮行程を経由して膨張行程に戻ると、駆動軸12は、
図11aで説明した元の基準点から180度だけ回転している。
【0068】
図12を参照すると、ピストン30が上述したようにIDCに及んだシリンダー組立体24の断面図が示されている。特に、シリンダー組立体24は、燃料噴射器34が取り付けられている燃料噴射開口68を有するシリンダー60を含む。燃料噴射器34のノズル35は、シリンダー60の壁66から燃焼室32まで延びる。ピストン30は、ノズル35との関連で示されている。ピストン30は、凹み130が形成される頂部126を有する。ピストン30は、燃料噴射ノズル35が頂部126の周辺部に形成された切り欠き123に隣接するようにシリンダー60内で位置合わせされる。切り欠き123は、ピストン30がIDCにある場合に、ピストン30が燃料噴射ノズル35と接触するのを防止する。特定の実施形態において、燃料が燃焼室32に噴射される前に、燃焼室32内の熱を利用して燃料をノズル35内で予熱することができるので、燃料噴射ノズル35が燃焼室32内に延びることが望ましいことが分かっている。燃料噴射ノズル35内の燃料を予熱することによって、予熱された燃料が燃焼室32に噴射されると燃焼室32内の燃料の燃焼が強化される。
【0069】
図13を参照すると、エンジン組立10の代替的な実施形態が示されており、ピストン対200a、200bなどの2又は3以上のピストン対200は、シリンダー軸25に沿って直列に軸方向に位置合わせされ、一緒になってピストン列202aなどのピストン列202を形成する。具体的には、
図13において、駆動軸12は、駆動軸軸線14に沿って延び、組立体10の中心を軸方向に貫通する。駆動軸12は、固定された軸方向位置に1対の軸受16a、16bによって支持される。上述のバレルカム18などの少なくとも3つのハーモニックバレルカム218a、218b、218cは、互いに相隔たる関係で駆動軸12に沿って配置される。各ピストン対200は、第1のピストン組立体222a及び第2のピストン組立体222bで構成され、このピストン組立体222a、222bは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体224a内で互いに軸方向に位置合わせされる。シリンダー軸25は、駆動軸12の駆動軸軸線14から相隔たるがこの軸線に対して略平行である。ピストン組立体222aは、ピストン230aが取り付けられるピストンアーム228aに取り付けられたカムフォロア組立体226aを含む。同様に、ピストン組立体222bは、ピストン230bが取り付けられるピストンアーム228bに取り付けられたカムフォロア組立体226bを含む。ピストン対200aの対向するピストン230a、230bは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。各カムフォロア組立体226a、226bは、それぞれのカム218a、218bに跨り、それぞれのピストン230a、230bに作用する。シリンダー組立体224a内の対向するピストン230a、230bの間には、一般的に、燃料を燃料噴射器234aによって噴射することができる燃焼室232aが形成される。
【0070】
同様に、ピストン列202aのピストン対200bは、第1のピストン組立体222c及び第2のピストン組立体222dを含み、ピストン組立体222c、222dは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体224b内で互いに軸方向に位置合わせされる。ピストン組立体222cは、ピストン230cが取り付けられるピストンアーム228cを含む。ピストン組立体222dは、ピストン230dが取り付けられるピストンアーム228dに取り付けられたカムフォロア組立体226dを含む。ピストン対200bの対向するピストン230c、230dは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。シリンダー組立体224b内の対向するピストン230c、230dの間には、一般的に、燃料を燃料噴射器234bによって噴射することができる燃焼室232bが形成される。
【0071】
従って、燃焼シリンダー組立体224aは、シリンダー軸25に沿って直列であるように燃焼シリンダー組立体224bと軸方向に位置合わせされる。
【0072】
ピストン組立体222cは、ピストンアーム228cをピストン組立体222bのカムフォロア組立体226bに相互に連結するカムフォロアブリッジ227をさらに含む。各カムフォロア組立体226a、226b、226dは、それぞれのカム218a、218b、218cに跨り、それぞれのカム218a、218b、218cに対して移動可能であり、ピストン230a、230b及び230dの軸方向移動は、駆動軸12を回転させるように、それぞれのカム218a、218b、218dの半径方向の回転に変換することができる。さらに、カムフォロアブリッジ227は、ピストン組立体222b及び222cを相互に連結するので、ピストン230cの軸方向移動は、同様に、カム218bの半径方向の回転を駆動するために利用される。この点に関して、カムフォロア組立体226bの両方のローラー286、289は、荷重をカム218bに伝達するために使用されるので、カムフォロア組立体226bの第2のローラー289は、他のカムフォロアの第2のローラー287よりも大径とすることができる。従って、ローラー286は、荷重を伝達するためにローラー287よりも大径とすることができる。加えて、カム218bは、内向きに向かう軌道142及び外向きに向かう軌道144を有することができ、これらは、対応するカム218a及び218cの内向きに向かう軌道と同じに形作られる。
【0073】
エンジン組立体10は、ピストン列202a及び202bなど駆動軸軸線14の周りに対称に相隔たる少なくとも2つのピストン列202を含む。1又は2以上の実施形態において、エンジン組立体10は、少なくとも3つの対称に相隔たるピストン列202を含み、一方、他の実施形態において、エンジン組立体10は、少なくとも4つの対称に相隔たるピストン列202を含む。
【0074】
さらに、3つの対応するカム18を有する2つの直列に位置合わせされた燃焼室組立体224が説明されるが、本開示は、この点に関して制限されない。従って、他の実施形態において、3又は4以上の燃焼室組立体224を、シリンダー軸25に沿って直列に軸方向に位置合わせすることができ、カム18は、各隣接燃焼室組立体224の間に配置され、並びに、カム18は、燃焼室組立体224の列の反対端に配置される。
【0075】
図14aを参照すると、エンジン組立体10(
図1)の代替的な実施形態は、エンジン400として示され、ピストン対402a、402bなどの2又は3以上のピストン対402は、駆動軸12と平行であるが、駆動軸12の周りに異なる直径で位置決めされ、従って、駆動軸12上に取り付けられた異なる直径の2又は3以上のカム対を利用する。図示するように、駆動軸12は、駆動軸軸線14に沿って延びる。上述のバレルカム18などの少なくとも4つのハーモニックバレルカム418a、418b、418c、及び418dは、互いに相隔たる関係で駆動軸端部412及び413の間で駆動軸12に沿って取り付けられる。バレルカム418a、418bは、第1の組のカムを形成し、バレルカム418c、418dは、第2の組のバレルカムを形成する。各組のカム18は、概して上述したように互いに対向する。しかしながら、第1のカム組のカム18a、18bは、第1のカム組直径D1(R1*2で定義)を有し、一方、第2のカム組のカム18c、18dは、第1のカム組直径D1よりも大きい第2のカム組直径D2(R2*2で定義)を有する。
【0076】
一部の実施形態において、ピストン対402a、402bは、全体的に互いに隣接するが、駆動軸12から半径方向に延びる同一平面内で互いに相隔たるように、駆動軸12の周りで同じ角度位置を有することができ、一方、他の実施形態において、ピストン対402a、402bは、駆動軸12の周りで異なる角度位置を有することができる。
【0077】
より具体的には、ピストン対402aは、第1のピストン組立体422a及び第2のピストン組立体422bで構成され、ピストン組立体422a、422bは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体424a内で互いに軸方向に位置合わせされる。燃焼シリンダー組立体424aは、第1の端部462aと第2の端部464aとの間に延びる燃焼シリンダー460aで形成される。シリンダー軸25aは、駆動軸12の駆動軸軸線14から相隔たるがこの軸線と略平行である。ピストン組立体422aは、ピストン430aが取り付けられるピストンアーム428aに取り付けられたカムフォロア組立体426aを含む。同様に、ピストン組立体422bは、ピストン430bが取り付けられるピストンアーム428bに取り付けられたカムフォロア組立体426bを含む。ピストン対402aの対向するピストン430a、430bは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。各カムフォロア組立体426a、426bは、第1のローラー486及び第2のローラー487を含み、ローラー486、487によって係合されるようにそれぞれのカム418a、418bに跨り、それぞれのピストン430a、430bに作用する。シリンダー組立体424aの対向するピストン430a、430bの間には、一般的に、燃料を噴射することができる燃焼室432aが形成される。
【0078】
ピストン対402bは、第1のピストン組立体422c及び第2のピストン組立体422dで構成され、ピストン組立体422c、422dは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体424b内で互いに軸方向に位置合わせされる。燃焼シリンダー組立体424bは、第1の端部462cと第2の端部464dとの間に延びる燃焼シリンダー460bで形成される。シリンダー軸25bは、ピストン対402aのシリンダー軸25aから半径方向外側に相隔たるがこのシリンダー軸と略平行である。ピストン組立体422cは、ピストン430cが取り付けられるピストンアーム428cに取り付けられたカムフォロア組立体426cを含む。同様に、ピストン組立体422dは、ピストン430dが取り付けられるピストンアーム428dに取り付けられたカムフォロア組立体426dを含む。ピストン対402bの対向するピストン430c、430dは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。各カムフォロア組立体426c、426dは、それぞれのカム418c、418dに跨り、それぞれのピストン430c、430dに作用する。シリンダー組立体424b内の対向するピストン430c、430dの間には、燃料を噴射することができる燃焼室432bが形成される。
【0079】
各カムフォロア組立体226a、226b、226c、及び226dは、それぞれのカム218a、218b、218c、218dに跨り、それぞれのカム218a、218b、218c、218dに対して移動可能であり、ピストン230a、230b、230c、及び230dの軸方向移動は、駆動軸12を回転させるように、それぞれのカム218a、218b、218c、218dの半径方向の回転に変換することができる。
【0080】
1又は2以上の実施形態において、各カム18は、カムハブ436の円筒形周辺部の周りに延びる円周方向の肩部438をさらに含む。肩部438は、概して曲線形状であり、特定の頻度を特徴とすることができ、頻度は、円周方向の肩部438の360度の周縁部の周りの山及び谷の出現回数を一般的に指すことができる。一部の実施形態において、第1のカム418a及び第2のカム418bの肩部438の曲線形状は、第1の頻度であり、第3のカム418c及び第4のカム418dの肩部438の曲線形状は、第2の頻度であり、第2の頻度は、一部の実施形態において、第1の頻度と異なることができる。一部の実施形態において、ピストン対402a、402bが一致して並進することが望ましい場合がある。この場合、第2の頻度は、第1の頻度よりも小さい。他の実施形態において、ピストン対402bがピストン対402よりも迅速に並進することが望ましい場合があり、この場合、第2の頻度は、第1の頻度以上とすることができる。
【0081】
同様に、1又は2以上の実施形態において、各カム18a、18b、18c、18dの曲線形状の肩部438の振幅は、同じであり、谷の深さ及び山の高さは、実質的に等しく、一方、他の実施形態において、谷の深さは、山の高さと異なることができる。一部の実施形態において、第3及び第4のカム18c、18dの振幅は、それぞれのピストン対402a、402bのタイミングを調整するために、それぞれ第1及び第2のカム18a、18bの振幅よりも小さい。第1のカム組のカム18a、18bは、カム18c、18dの直径D2と異なる直径D1を有するので、それぞれのカム18の肩部438は、異なる直径にある。従って、ピストン対402a、402bは、一般的に、互いに隣接するが、駆動軸12から半径方向に延びる同一平面内で互いから離間されるように、駆動軸12の周りで同じ角度位置を有することができる。
【0082】
2組のカム対のみが例示されているが、任意数の組のカム対を利用することができ、各組は、異なる直径を有し、それによって、駆動軸12の周りのピストン対402の密度を高めることができる。駆動軸12の周りのピストン対の数が大きいほど、エンジン10によって生成することができるトルクが大きいことを認識されたい。従って、上記の配置によって、駆動軸12の周りに1つの直径のみで配置されたピストン対を有するバレルエンジンよりも大きなエンジン出力が可能である。
図14bを参照すると、エンジン組立体エンジン400の代替的な実施形態が示され、ピストン対402a、402bなどの2又は3以上のピストン対402は、駆動軸12の周りに平行に位置合わせされる。
図14bの実施形態において、異なる直径のカム対を利用するのではなく、単一のカム対418a、418bを利用するが、相互連結リンク417は、隣接ピストン組立体が一致して往復運動するように隣接するピストン組立体422を連結する。具体的には、駆動軸12は、駆動軸軸線14に沿って延びる。上述のバレルカム18など2つのハーモニックバレルカム418a、418bは、駆動軸12に沿って互いに相隔たる関係で駆動軸端部412及び413の間に取り付けられる。カム18a、18bは、概して上述したように互いに対向する。
【0083】
ピストン対402aは、第1のピストン組立体422a及び第2のピストン組立体422bで構成され、ピストン組立体422a、422bは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体424a内で互いに軸方向に位置合わせされる。燃焼シリンダー組立体424aは、第1の端部462aと第2の端部464aとの間に延びる燃焼シリンダー460aで形成される。シリンダー軸25aは、駆動軸12の駆動軸軸線14から相隔たるがこの軸線と略平行である。ピストン組立体422aは、ピストン430aが取り付けられるピストンアーム428aに取り付けられたカムフォロア組立体426aを含む。同様に、ピストン組立体422bは、ピストン430bが取り付けられるピストンアーム428bに取り付けられたカムフォロア組立体426bを含む。ピストン対402aの対向するピストン430a、430bは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。各カムフォロア組立体426a、426bは、それぞれのカム418a、418bに跨り、それぞれのピストン430a、430bに作用する。シリンダー組立体424a内の対向するピストン430a、430bの間には、一般的に、燃料を噴射することができる燃焼室432aを形成される。
【0084】
ピストン対402bは、第1のピストン組立体422c及び第2のピストン組立体422dで構成され、ピストン組立体422c、422dは、シリンダー軸25に沿って配置された燃焼シリンダー組立体424b内で互いに軸方向に位置合わせされる。燃焼シリンダー組立体424bは、第1の端部462cと第2の端部464dとの間に延びる燃焼シリンダー460bで形成される。シリンダー軸25bは、ピストン対402aのシリンダー軸25aから半径方向に相隔たるがこのシリンダー軸と略平行である。ピストン組立体422cは、ピストン430cが取り付けられるピストンアーム428cを含む。同様に、対向するピストン組立体422dは、ピストン430dが取り付けられるピストンアーム428dを含む。ピストン対402bの対向するピストン430c、430dは、シリンダー軸25に沿って反対方向に往復運動するようになっている。シリンダー組立体424b内の対向するピストン430c、430dの間には、一般的に、燃料を噴射することができる燃焼室432bが形成される。
【0085】
リンク417aは、隣接するピストン組立体422a、422cの間に延びる。同様に、リンク417bは、隣接するピストン組立体422b、422dの間に延びる。リンク417は、組立体が一致して往復運動することができるようにそれぞれの隣接するピストン組立体422を相互に連結する。さらに、リンク417は、外側ピストン組立体422によって加えられ生成された軸力を内側ピストン組立体に、従って、それぞれのカム18に伝達する。リンク417は、例えば、アーム、プレート、ロッド、本体、又は同様の構造体などのこのような相互連結のための何らかの適切な構造体とすることができる。さらに、リンク417は、ピストン組立体422の何らかの往復運動部分の間に延びることができる。例示する実施形態において、リンク417は、ピストンアーム428とカムフォロア組立体226との間に延びるが、他の実施形態において、リンク417は、ピストン組立体422の他の往復運動構成要素を相互に連結することができる。従って、図示するように、リンク417aは、カムフォロア組立体226aとピストンアーム428cを相互連結し、リンク417bは、カムフォロア組立体226bとピストンアーム428dを相互連結する。
【0086】
各カムフォロア組立体226a、226bは、それぞれのカム218a、218bに跨り、それぞれのカム218a、218bに対して移動可能であり、ピストン230a、230b、230c、及び230dの軸方向移動は、駆動軸12を回転させるように、それぞれのカム218a、218bの半径方向の回転に変換することができる。
【0087】
他の実施形態において、カムフォロア組立体226は、2つのピストンアーム428に接続され、2つの隣接するピストン組立体422を相互に連結するリンク417として機能する。このような実施形態において、カム18は、2つのシリンダー軸25a、25bの間にある半径を有することができ、カムフォロア組立体226は、隣接するピストンアーム428の間に半径方向に位置決めすることができる。
【0088】
図13は、直列のピストン対402及び燃焼シリンダー組立体424を示し、
図14a及び
図14bは、並列のピストン対402及び燃焼シリンダー組立体424を示すが、エンジン組立体の他の実施形態において、ピストン対402及び燃焼シリンダー組立体424は、本発明のエンジン組立体内に並列及び直列の両方になるように取り付けることができることを認識されたい。従って、エンジン組立体の一部の実施形態において、2又は3以上の燃焼シリンダー組立体424は、軸25aなどの第1の軸に沿って直列に位置合わせすることができ、この第1の軸は、駆動軸軸線14と平行でありかつこれと相隔たり、2つの直列に位置合わせされた燃焼シリンダー組立体424の各々は、一般的に、第1の軸25aに沿って位置合わせされるピストン対402を有する。同様に、2又は3以上の燃焼シリンダー組立体424は、軸25bなどの第2の軸に沿って直列に位置合わせすることができ、この第2の軸は、駆動軸軸線14及び第1の軸25aと平行でありかつこれらの軸から相隔たり、第2の軸25bに沿って2つの直列に位置合わせされた燃焼シリンダー組立体424の各々は、一般的に、第2の軸25bに沿って位置合わせされるピストン対402を有する。例えば、上記のエンジンの実施形態は、第1の中心円筒形軸に沿って直列に又は連続して配置された第1及び第2の燃焼シリンダーと、第2の中心円筒形軸に沿って直列に又は連続して配置された第3及び第4の燃焼シリンダーとを含むことができ、第1及び第2の中心円筒形軸は、互いに平行であるが、第2の中心円筒形軸は、第1の中心円筒形軸から外方に半径方向に離間する。このような配置において、エンジンは、4つの燃焼シリンダーの端部に取り付けられた第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第8のピストン組立体を有することができることを認識されたい。
【0089】
図15を参照すると、エンジン組立体300が示されており、相隔たるカム318a及び318bなどの1又は2以上のカム318は、半径方向調整機構304を利用して駆動軸312に対して半径方向に調整可能である。具体的には、
図15において、エンジン組立体300の簡略化された縦断面及び切取図が示されており、駆動軸312は、駆動軸軸線314に沿って延び、組立体300の中心を軸方向に貫通する。駆動軸312は、固定された軸方向位置で1対の軸受316a、316bによって支持される。ハーモニックバレルカム318a、318bは、互いに相隔たる関係で駆動軸312に沿って位置決めされる。ピストン対302aは、第1のピストン組立体322a及び第2のピストン組立体322bを備え、ピストン組立体322a、322bは、シリンダー軸325に沿って配置された燃焼シリンダー組立体324a内で互いに軸方向に位置合わせされる。シリンダー軸325は、駆動軸312の駆動軸軸線314から相隔たるがこの軸線と略平行である。各ピストン組立体322は、全体的に、ピストン330が取り付けられるピストンアーム328に取り付けられたカムフォロア組立体326を含む。ピストン対302aの対向するピストン330は、シリンダー軸325に沿って反対方向に往復運動するようになっている。各カムフォロア組立体326は、それぞれのカム318に跨り、ピストンアーム328を介してピストン330に作用する。シリンダー組立体324内の対向するピストン330の間には、一般的に、燃料を燃料噴射器334によって噴射することができる燃焼室332が形成される。燃焼室332内で燃料が燃焼すると、ピストン330は、全て他の実施形態に関して全体的に上述したように、シリンダー軸325に沿って互いに離れるように駆動される。例示する実施形態において、エンジン組立体300は、ピストン対302aに対して対称に位置決めされた第2のピストン対302bをさらに含む。
【0090】
駆動軸312は、第1の端部346及び第2の端部348をさらに特徴とする。駆動軸312の少なくとも1つの端部には、第1の端部346に示されるような、第1の軸方向に延びる油圧通路350及び第2の軸方向に延びる油圧通路352が形成される。例示する実施形態において、第2の端部348は、同様に、第1の軸方向に延びる油圧通路354及び第2の軸方向に延びる油圧通路356を有する。第1の油圧通路350と流体連通する第1の半径方向の通路358は、駆動軸312内に形成され、出口360で終端する。同様に、第2の油圧通路352と流体連通する第2の半径方向の通路362は、駆動軸312内に形成され、出口364で終端する。
【0091】
第1のカラー366及び第2のカラー368は、駆動軸312に沿って形成され、各々、駆動軸312から半径方向に外向きに延びる。1つの実施形態において、カラー366、368は、駆動軸312に沿って互いに相隔たる。カラー366、368は、駆動軸312の一部として一体形成すること又は別個に形成することができる。
【0092】
カム318は、出口360、364及びカラー366、368に隣接して駆動軸312上に取り付けられる。特に、カム318は、その間に第1の圧力室370を形成するように、第1のカラー366に対して取り付けられた第1の端部337を有するハブ336を含み、出口360は、第1の圧力室370と流体連通する。同様に、ハブ336は、その間に第2の圧力室372を形成するように、第2のカラー368に対して取り付けられた第2の端部339を有し、出口364は、第2の圧力室370と流体連通する。
【0093】
半径方向調整機構304は、加圧流体(図示せず)を第1の圧力室370又は第2の圧力室372の一方又は他方に選択的に供給するために、油圧通路350及び油圧通路352の各々と流体連通する油圧流体源313aを含むことができる。この点に関して、半径方向調整機構304は、流体源313から圧力室370、372への流体の送出を制御する制御装置309をさらに含むことができる。この点に関して、制御装置309は、カム318の回転速度(センサー311a)又は燃料噴射器334によって噴射される燃料タイプ(センサー311b)又はシリンダー組立体324に存在する燃焼ガスの状態(センサー311c)などのエンジン300の状態に関するデータを1又は2以上のセンサー311から受け取り、特定の目的のために駆動軸312に対するカム318の位置を最適化するために、流体源313からの流体の送出を制御することができる。例えば、カム318は、ガソリンなどの第1のタイプの燃料がエンジン300内で利用される場合に駆動軸312に対して第1の半径方向の配向にあることができ、カム318は、ディーゼルなどの第2のタイプの燃料がエンジン300内で利用される場合に駆動軸312に対して(第1の半径方向の配向と異なる)第2の半径方向の配向にあることができることが分かっている。当業者であれば、第1の圧力室370に加圧流体を加えることで、駆動軸312に対して第1の方向のカム318の半径方向の回転がもたらされ、第2の圧力室372への加圧流体(図示せず)を加えることで、駆動軸312に対して第2の方向のカム318の半径方向の回転がもたらされることを認識できるはずである。さらに、チャンバ370、372の各々の中の加圧流体の相対圧力は、上述したように、駆動軸12上のカム318の半径方向の配向を調整するように調整することができる。カム318の相対位置の変更はエンジン300の動作時にリアルタイムで動的に行うことができるの、上記のことは特に望ましいことを認識されたい。これらの変更は、1又は2以上のセンサー315によるエンジン300の様々な動作パラメーター及び/又は状態をリアルタイムで監視することに基づくことができる。従って、一部の実施形態において、センサー315からの測定結果に基づいて、油圧流体源313は、ピストン対302からの所望の出力を達成するために、カム318を駆動軸312に対して第1の方向又は第2の方向に回転させるように作動することができる。もしくは、システムは、各チャンバ内の相対的な流体圧力を同じ圧力に維持することによって静的とすることができる。
【0094】
図16及び
図17を参照すると、カム318は、半径方向調整機構304の別の実施形態とともに示されている。具体的には、この実施形態において、駆動軸312は、各々が駆動軸312から半径方向に外向きに延びる第1の突起380及び第2の突起382を含む。1つの実施形態において、突起380、382は、駆動軸312の周りで互いに対向する。突起380、382は、図示するように、駆動軸312の一部として一体形成すること又は別個に形成することができる。
【0095】
駆動軸312は、好ましくは異なる軸方向の長さの、第1の軸方向に延びる油圧通路350及び第2の軸方向に延びる油圧通路352をさらに含む。
【0096】
第1の組の半径方向の通路384a、384bは第1の軸方向に延びる油圧通路350と流体連通し、半径方向の通路384a、384bの各々は、それぞれ、突起380、382内に形成され、ポート様突起出口385a、385bで終端する。同様に、好ましくは、第1の組の半径方向の通路384a、384bから軸方向に相隔たる、第2の組の半径方向の通路386a、386b(点線で図示)は、第2の軸方向に延びる油圧通路352と流体連通する。半径方向の通路386a、386bの各々は、それぞれ、突起380、382内に形成され、ポート様突起出口387a、387bで終端する。
【0097】
カム318は、出口385、387及び突起380、382に隣接して駆動軸312上に取り付けられる。特に、カム318は、ハブ壁389を有するハブ388を含み、曲線形状の肩部390は、ハブ壁389の外周部から半径方向に外向きに延びる。一部の実施形態において、例示するように、肩部390は、対応する数の谷と共に2つの山を有するように形作ることができ、結果的に、カム輪郭は、2つの完全なサイクル/回転を描き、従って、二重ハーモニックであり、一方、他の実施形態において、肩部390は、必要に応じて他の数の山及び谷を有することができる。
【0098】
ハブ壁389の内周に沿って、第1及び第2の相隔たるスロット392a、392bが形成され、各スロット392a、392bは、それぞれ、突起380、382を収容するように配置される。1又は2以上の実施形態において、スロット392a、392bは、互いに対向することができる。第1のスロット392aは、第1の肩部391a及び第2の肩部393aによって特徴づけられ、一方、第2のスロット392bは、第3の肩部391b及び第4の肩部393bによって特徴づけられる。特に、突起380は、第1の圧力室394aを突起380と第1のスロット肩部391aとの間で形成するために第1のスロット392a内に延び、出口385aは、第1の圧力室394aと流体連通する。同様に、突起382は、第3の圧力室394bを突起382と第3のスロット肩部391bとの間で形成するために第2のスロット392b内に延び、出口385bは、第3の圧力室394bと流体連通する。
【0099】
1又は2以上の実施形態において、例示する実施形態において、第2の圧力室395aは、突起380と第2のスロット肩部393aとの間に形成され、出口387aは、第2の圧力室395aと流体連通する。同様に、第4の圧力室395bは、突起382と第4のスロット肩部393bとの間に形成され、出口387bは、第4の圧力室395bと流体連通する。
【0100】
一部の実施形態において、圧力室394b及び395b、並びに通路384b及び386b及びポート385b及び387bは、取り除くことができ、圧力室394aだけが、カム318を駆動軸312に対して第1の方向に回転させる第1の圧力室として利用され、圧力室395aだけが、カム318を駆動軸312に対して第2の方向に回転させる第2の圧力室として利用されることを認識されたい。
【0101】
さらに、半径方向調整機構304を採用するエンジン300などのエンジンの動作中に、加圧流体は、駆動軸312に対するカム318の半径方向の位置を所望通りに動的に調整して、カム318を駆動軸312周りに第1の時計回りの方向又は第2の反時計回りの方向に回転させるために、チャンバ394a又はチャンバ395aに選択的に供給することができる。
【0102】
本明細書で説明するエンジンの実施形態の各々において、より多くの仕事を、中央燃焼室内の反対の対向するピストン配置によって成されるより長い変位での長さの動力行程と組み合わされた短い吸気行程でもって全ての燃料の増分によって成すことができることを認識されたい。さらに、エンジンは、上述の平衡のとれたパルス動作シーケンスと組み合わされた必然的に平衡がとれたバレルアーキテクチャーに起因して、発生する振動が非常に少ない。可変圧縮比及び位相調整は、駆動軸に対するバレルカムの自動又は手動調整を用いて得ることができる。さらに、エンジン動作中の力の閉回路により、エンジンを囲むための非堅牢の軽量のケーシングが可能である。これはまた、ケーシング部品、ブロック、及び他の構成要素のプラスチック、鋳造及び鍛造アルミニウムなどの広範囲にわたる材料の使用を可能にする。力の閉回路は、ピストンヘッドからピストンネック、ピストンロッド、カムローラー、カム、最終的には駆動軸に流れる、動力行程中にピストンヘッドに加わる動力行程膨張圧によって引き起こされた力及び応力で構成され、クランク軸及びエンジンヘッドが装着された従来のエンジンに見られるようなエンジンブロック、軸受、及び他の部品上へのモーメント及び曲げ力の適用を最小限に抑えるようになっている。
【0103】
シリンダーには、2ストロークサイクルの単流吸気及び掃気プロセスを作動させるために吸気ポート及び排気ポートが設けられる。位相調整制御は、対向するピストンの移動時間、吸気ポート及び排気ポートの開放及び閉鎖によって行われ、ピストン移動速度を加速又は減速することができるカム設計、及び波長数によって調節される。
【0104】
従って、内燃機関が説明される。内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、含むことができる。
【0105】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度を有する第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と;第1の端部及び第2の端部を有する第2の燃焼シリンダーであって、第2の燃焼シリンダーは、第1の燃焼シリンダーと軸方向に整列するように中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーと;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体と:第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体と、を含むことができる。
【0106】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、第1の燃焼シリンダーと軸方向に整列するように中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーであって、第2の燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1の端部と第2の端部との間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部の間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たる第2の燃焼シリンダーと、を含むことができ、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められ、ピストン組立体は、シリンダーのピストン組立体のピストンヘッドがシリンダー内で互いに対向するように各第2の燃焼シリンダー内に配置される。
【0107】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができ、燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに備え、排気ポートは、燃料噴射器と第2の端部との間でシリンダー壁内に形成された複数の排気スロットを備え、各排気スロットは、中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、吸気ポートは、燃料噴射器と第1の端部との間でシリンダー壁内に形成された複数の吸気スロットを含み、各吸気スロットは、中心シリンダー軸に対して略斜めのスロット軸に沿って延びる。
【0108】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と;2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する、駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの環状流マニホールドと、を含むことができる。
【0109】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と;駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2又は3以上の燃焼シリンダーの吸気ポートを流体接続する環状吸気マニホールドと;環状吸気マニホールドから軸方向に相隔たる、駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる環状排気マニホールドであって、環状排気マニホールドは、2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する、環状排気マニホールドとを含むことができる。
【0110】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と;駆動軸及び燃焼シリンダーが支持されるエンジンブロックであって、エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、環状本体部分は、互いに相隔たる第1の環状溝及び第2の環状溝が形成される外面によって特徴づけられ、第1の環状溝は、燃焼シリンダーの吸気ポートと流体連通し、第2の環状溝は、燃焼シリンダーの排気ポートと流体連通する、エンジンブロックと、を含むことができる。
【0111】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、第1のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第1のカム肩部は、肩部によって形成された少なくとも2つの山及び少なくとも2つの谷を有し、各谷は、実質的に平坦な部分を基部に含み、各山は、頂点で丸い形状であり、第2のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第2のカム肩部は、肩部によって形成され第1のカムの頂上及び谷に数に対応する、少なくとも2つの頂上及び少なくとも2つの谷を有し、第2のカムの各谷は、基部で丸い形状であり、各山は、実質的に平坦な部分を頂点に含む。
【0112】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、第1のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第1のカム肩部は、第1の山振幅を有する少なくとも2つの山と第1の谷振幅を有する少なくとも2つの谷とを有し、第1の谷振幅は、第1のピーク振幅よりも小さく、第2のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第2のカム肩部は、第2の山振幅を有する少なくとも2つの山と第2の谷振幅を有する少なくとも2つの谷とを有し、第2の谷振幅は、第2のピーク振幅よりも大きい。
【0113】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、ピストン組立体は、所定のピストンアーム直径の第1の環状本体と、第1の環状本体から相隔たる同じピストンアーム直径の第2の環状本体とを有するピストンアームを備え、第1の環状本体及び第2の環状本体は、小径のネックによって相互に連結され、ピストンは、第1の環状本体に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられる。
【0114】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、各端部は、2つの端部の間でアームの長さの一部に沿って延びる潤滑通路が形成されるアームによって相互に連結され、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けら、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられ、潤滑通路は、2つのローラーの間でアーム内に延びる。
【0115】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と;駆動軸の第1の端部に隣接して位置決めされた第1の案内キャップ及び駆動軸の第2の端部に隣接して位置決めされた第2の案内キャップであって、各案内キャップは、カムと駆動軸端部との間でカムの外方で駆動軸端の周りに同軸状に取り付けられ、案内キャップは、駆動軸が延びる中央ボア及び中央ボアの外方で半径方向に相隔たる2又は3以上の対称に位置決めされたフォロアボアを備え、各フォロアボアは、カムフォロア組立体の円筒形の第2の端部を摺動自在に受け入れる、第1の案内キャップ及び第2の案内キャップと、を含むことができる。
【0116】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができ、ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられ、ピストンは、ピストンアームに取り付けられた第1の端部及び第2の端部を有する環状本体で形成され、頂部は、環状本体の第2の端部に形成され、頂部は、外向きに向かう頂部表面に形成された凹みを有する。
【0117】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と;第1の端部及び第2の端部を有し、第1の燃焼シリンダー中心軸と平行であるが第1の燃焼シリンダー中心軸から半径方向に外方に相隔たる第2の中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーと;第1のカムと第1の駆動軸端部との間で駆動軸上に取り付けられた第3のカムであって、第3のカムは、第3のカム直径及び第3の頻度を有する第3の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第3のカム直径は、第1のカム直径よりも大きい、第3のカムと;第2のカムと駆動軸の第2の端部との間で駆動軸上に取り付けられた第4のカムであって、第4のカムは、第4の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第4の曲線形状は、第3の曲線形状と同じ頻度を有する、第4のカムと、を含むことができる。
【0118】
さらに他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;第1の端部及び第2の端部を有する第2の燃焼シリンダーであって、第2の燃焼シリンダーは、第1の燃焼シリンダーと軸方向に整列するように中心シリンダー軸に沿って定められる、第2の燃焼シリンダーと;第2の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体と;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体と;第1の端部及び第2の端部を有し、第1の燃焼シリンダー中心軸と平行であるが、第1の燃焼シリンダー中心軸から半径方向に外方に相隔たる第2の中心シリンダー軸に沿って定められた第3の燃焼シリンダーと;第3の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第5のピストン組立体と;第3の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第6のピストン組立体と;第1の端部及び第2の端部を有する第4の燃焼シリンダーであって、第4の燃焼シリンダーは、第3の燃焼シリンダーと軸方向に整列するように第2の中心シリンダー軸に沿って定められる、第4の燃焼シリンダーと;第4の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第7のピストン組立体と、第4の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第8のピストン組立体と;各燃焼シリンダーの中心に隣接してそれぞれの上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができる。
【0119】
さらに他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間で第1の燃焼シリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;第1の端部及び第2の端部を有し、第1の燃焼シリンダー中心軸と平行であるが第1の燃焼シリンダー中心軸から半径方向に外方に相隔たる第2の中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーであって、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間で第2のシリンダー内に定められる、第2の燃焼シリンダーと、第2の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体と;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体と;各燃焼シリンダーの中心に隣接してそれぞれの上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができる。
【0120】
さらに他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間で第1の燃焼シリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;第1の端部及び第2の端部を有し、第1の燃焼シリンダー中心軸と平行であるが第1の燃焼シリンダー中心軸から半径方向に外方に相隔たる第2の中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーであって、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間で第2のシリンダー内に定められる、第2の燃焼シリンダーと、第2の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体と;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体と;各燃焼シリンダーの中心に隣接してそれぞれの上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができる。
【0121】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸であって、第1の油圧通路は、駆動軸端部から第1の出口に延び、第2の油圧通路は、駆動軸端部から第1の出口から相隔たる第2の出口に延びる、駆動軸と;ピストン軸に沿って往復運動するように配置された第1のピストンであって、第1のピストン軸は、駆動軸軸線と平行であるが駆動軸軸線から相隔たる、第1のピストンと;第1の出口に隣接して駆動軸に沿って形成された第1のカラー及び第2の出口に隣接して駆動軸に沿って形成された第2のカラーであって、各カラーは、駆動軸から半径方向に外方に延びる、第1のカラー及び第2のカラーと;第1及び第2のカラーに隣接して駆動軸上に回転可能に取り付けられた第1のカムと、を含み、第1のカムは、第1の圧力室をハブの第1の端部と第1のカラーとの間で形成するように第1のカラーに隣接して取り付けられた第1の端部を有する第1のハブを有し、第1の出口は、第1の圧力室と流体連通し、ハブは、第2の圧力室をハブの第2の端部と第2のカラーとの間で形成するように第2のカラーに隣接して取り付けられた第2の端部を有し、第2の出口は、第2の圧力室と流体連通し、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第1のカム直径及び第1の多項式形状の軌道を有する。
【0122】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸であって、第1の油圧通路は、駆動軸端部から延び、第2の油圧通路は、駆動軸端部から延び、第1の組の半径方向の通路は、第1の油圧通路と流体連通し、第2の組の半径方向の通路は、第2の油圧通路と流体連通する駆動軸と;ピストン軸に沿って往復運動するように配置された第1のピストンであって、第1のピストン軸は、駆動軸軸線と平行であるが駆動軸軸線から相隔たる第1のピストンと;駆動軸上に回転可能に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のハブを有し、円周方向のカム肩部は、第1のハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第1のカム直径及び第1の多項式形状の軌道を有する第1のカムと;第1のカムハブに隣接して駆動軸に沿って形成された第1の半径方向に延びる突起及び第1のカムハブに隣接して駆動軸に沿って形成された第2の半径方向に延びる突起であって、第1の組の半径方向の通路の半径方向の通路は、第1の突起に形成された第1のポート様突起出口で終端し、第2の組の半径方向の通路の半径方向の通路は、第1の突起に形成された第2のポート様突起出口で終端し、第1の組の半径方向の通路の半径方向の通路は、第2の突起内に形成された第3のポート様突起出口で終端し、第2の組の半径方向の通路の半径方向の通路は、第2の突起内に形成された第4のポート様突起出口で終端する、第1の半径方向に延びる突起及び第2の半径方向に延びる突起と;第1の突起と第1のカムハブとの間に形成された第1の圧力室及び第1の突起と第1のカムハブとの間に形成された第2の圧力室であって、第1の突起の第1のポート様突起出口は、第1の圧力室と流体連通し、第1の突起の第3のポート様突起出口は、第2の圧力室と流体連通する、第1の圧力室及び第2の圧力室と、第2の突起と第1のカムハブとの間に形成された第3の圧力室と;第2の突起と第1のカムハブとの間に形成された第4の圧力室と、を含み、第2の突起の第2のポート様突起出口は、第2の圧力室と流体連通し、第2の突起の第4のポート様突起出口は、第4の圧力室と流体連通する、第4の圧力室と、を含む。
【0123】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;ピストン軸に沿って往復運動するように配置されたピストンであって、ピストン軸は、駆動軸軸線と平行であるが駆動軸軸線から相隔たる、第1のピストンと;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1の1のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第1のカム直径及び第1のセグメント化された多項式形状を有し、肩部は、多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山と2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、山は、ローブの最大振幅を有し、ローブの上り肩部分に沿った第1の谷から山までの波長距離は、ローブの下り肩部分に沿った山から第2の谷までの波長距離よりも大きい、第1のカムと;駆動軸上に取り付けられ、第1のカムから相隔たる第2のカムであって、第2のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、絶えず変化する勾配の第2のセグメント化された多項式形状を有し、第2のセグメント化された多項式形状は、第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、肩部は、第2の多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山と2つの谷の間のローブ波長とによって特徴づけられ、山は、ローブの最大振幅を有し、ローブの上り肩部分に沿った第1の谷から山までの波長距離は、ローブの下り肩部分に沿った山から第2の谷までの波長距離よりも大きい、第2のカムと、を含み、第2のカムのローブの数は、第1のカムのローブの数と一致し、カムは、第1のカムのローブの山が第2のカムのローブの山と実質的に整列するように互いに対向するが、第1のセグメント化された多項式形状の肩部のどの部分も第2のセグメント化された多項式形状の肩部の一部と平行ではない。
【0124】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と、ピストン軸に沿って往復運動するように配置されたピストンであって、ピストン軸は、駆動軸軸線と平行であるが駆動軸軸線から相隔たる、第1のピストンと;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第1のカム直径及び第1のセグメント化された多項式形状を有し、肩部は、多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山によって特徴づけられ、ローブは、第1の谷と山との間の上り肩部分及び山と第2の谷との間の下り肩部分を有し、上り肩部分の平均勾配は、下り肩部分の平均勾配よりも大きい、第1のカムと;駆動軸上に取り付けられ、第1のカムから相隔たる第2のカムであって、第2のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は第2のセグメント化された多項式形状を有し、第2のセグメント化された多項式形状は、第1のセグメント化された多項式形状と実質的に同じ頻度を有し、肩部は、第2の多項式形状によって形成された少なくとも2つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山によって特徴づけられ、ローブは、第1の谷と山との間の上り肩部分及び山と第2の谷との間の下り肩部分を有し、上り肩部分の平均勾配は、下り肩部分の平均勾配よりも大きい、第2のカムと、を含み、第2のカムのローブの数は、第1のカムのローブの数と一致し、第1のセグメント化された多項式形状の肩部及び第2のセグメント化された多項式形状の肩部は、互いに絶えず発散又は収束するように互いに対向する。
【0125】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;ピストン軸に沿って往復運動するように配置されたピストンであって、ピストン軸は、駆動軸軸線と平行であるが駆動軸軸線から相隔たる、ピストンと:駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第1のカム直径及び第1のセグメント化された多項式形状を有し、肩部は、多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山と2つの谷の間のローブ波長によって特徴づけられ、山は、ローブの最大振幅を有し、ローブの上り肩部分に沿った第1の谷から山までの波長距離は、ローブの下り肩部分に沿った山から第2の谷までの波長距離よりも大きい、第1のカムと;駆動軸上に取り付けられ、第1のカムから相隔たる第2のカムであって、第2のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は第2のセグメント化された多項式形状を有し、第2のセグメント化された多項式形状は、第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、肩部は、第2の多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山及び2つの谷間のローブ波長によって特徴づけられ、山は、ローブの最大振幅を有し、ローブの上り肩部分に沿った第1の谷から山までの波長距離は、ローブの下り肩部分に沿った山から第2の谷までの波長距離よりも大きい第2のカムと、を含み、第2のカムのローブの数は、第1のカムのローブの数と一致し、カムは、第1のカムのローブの山が第2のカムのローブの山と実質的に整列するように互いに対向するが、第1のセグメント化された多項式形状の肩部のどの部分も、第2のセグメント化された多項式形状の肩部の一部と平行ではない。
【0126】
他の実施形態において、内燃機関は、第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と、ピストン軸に沿って往復運動するように配置されたピストンであって、ピストン軸は、駆動軸軸線と平行であるが駆動軸軸線から相隔たる、第1のピストンと;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第1のカム直径及び第1のセグメント化された多項式形状を有し、肩部は、多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山によって特徴づけられ、ローブは、第1の谷と山との間の上り肩部分及び山と第2の谷との間の下り肩部分を有し、上り肩部分の平均勾配は、下り肩部分の平均勾配よりも大きい、第1のカムと;駆動軸上に取り付けられ、第1のカムから相隔たる第2のカムであって、第2のカムは、駆動軸に取り付けられたカムハブを備え、円周方向のカム肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は第2のセグメント化された多項式形状を有し、第2のセグメント化された多項式形状は、第1のセグメント化された多項式形状と同じ頻度を有し、肩部は、第2の多項式形状によって形成された少なくとも1つのローブを有し、各ローブは、第1の谷と第2の谷との間に位置決めされた山によって特徴づけられ、ローブは、第1の谷と山との間の上り肩部分及び山と第2の谷との間の下り肩部分を有し、上り肩部分の平均勾配は、下り肩部分の平均勾配よりも大きい、第2のカムと、を含み、第2のカムのローブの数は、第1のカムのローブの数と一致し、第1のセグメント化された多項式形状の肩部及び第2のセグメント化された多項式形状の肩部は、互いに絶えず発散又は収束するように互いに対向する。
【0127】
以下の要素は、上記のエンジン実施形態の何らかに関する何らかの他の要素と単独で又は一緒に組み合わせることができる。
-駆動軸の周りに対称に相隔たる少なくとも4つのシリンダー;
-第1の燃焼シリンダーと軸方向に整列するように中心シリンダー軸に沿って定められ、第1の端部及び第2の端部を有する第2の燃焼シリンダー;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体;
-第3のピストン組立体は第2のカムの曲線形状の肩部に係合する。
-駆動軸上に取り付けられ、第2のカムから相隔たる第3のカム;第3のカムは、第3の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第4のピストン組立体は、第3のカムの曲線形状の肩部に係合する。
-中心シリンダー軸に沿って軸方向に位置合わせされた2又は3以上の燃焼シリンダー;各燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、ピストン組立体は、シリンダー内でピストン組立体のピストンヘッドが互いに対向するように各シリンダー端部内に配置される。
-駆動軸上に同軸状に取り付けられ、互いから相隔たる3又は4以上のカム;各カムは、曲線形状の円筒形肩部を有し、2つの連続した燃焼シリンダーの間に位置決めされた各カムは、連続した燃焼シリンダーの各々から延びるピストン組立体が係合する。
-第1、第2、及び第3のピストン組立体;各ピストンは、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、ピストンアームの第2の端部に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けられ、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられる。
【0128】
-第1のピストン組立体の第1のローラーは、第1のピストン組立体の第2のローラーよりも大きい直径を有し、第2のピストン組立体の第1のローラーは、第2のピストン組立体の第2のローラーよりも大きい直径を有し、第3のピストン組立体の第1のローラーは、第3のピストン組立体の第2のローラーと同じ直径である。
-第1のローラーは、第2のローラーよりも大きい直径を有する。
-燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに備え、排気ポートは、燃料噴射器と第2の端部との間でシリンダー壁内に形成された複数の排気スロットを備え、各排気スロットは、中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、吸気ポートは、燃料噴射器と第1の端部との間でシリンダー壁内に形成された複数の吸気スロットを備え、各吸気スロットは、中心シリンダー軸と略斜めのスロット軸に沿って延びる。
-排気スロットは、シリンダーの周辺部の一部の周りにのみ延びる。
-排気スロットは、シリンダーの周辺部の180度未満の周りに延びる。
-排気スロットは、シリンダーの周辺部の90度未満の周りに延びる。
-吸気スロットは、シリンダーの周辺部の一部の周りにのみ延びる。
-吸気スロットは、シリンダーの周辺部の180度未満の周りに延びる。
-吸気スロットは、シリンダーの周辺部の90度未満の周りに延びる。
-駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの環状流マニホールド;環状排気マニホールドは、2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する。
-環状流マニホールドは、2又は3以上の燃焼シリンダーの吸気ポートを流体接続する環状吸気マニホールドである。
-環状流マニホールドは、2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する環状排気マニホールドである。
-環状流マニホールドは、駆動軸の周りに完全に延び、全ての燃焼シリンダーの吸気又は排気ポートを流体接続する環状流路を駆動軸の周りに形成する。
-駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2又は3以上の燃焼シリンダーの吸気ポートを流体接続する環状吸気マニホールド;環状吸気マニホールドから軸方向に相隔たり、駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する環状排気マニホールド;
-環状流吸気マニホールドは、駆動軸の周りに完全に延び、全ての燃焼シリンダーの吸気ポートを流体接続する環状燃焼空気流路を駆動軸の周りに形成し、環状流排気マニホールドは、駆動軸の周りに完全に延び、全ての燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する環状排気流路を駆動軸の周りに形成する。
-駆動軸及び燃焼シリンダーが支持されるエンジンブロック;エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、環状本体部分は、互いに相隔たる第1の環状溝及び第2の環状溝が形成される外面によって特徴づけられ、第1の環状溝は、燃焼シリンダーの吸気ポートと流体連通し、第2の環状溝は、燃焼シリンダーの排気ポートと流体連通する。
【0129】
-環状溝は、外面から駆動軸に向かって内向きに延びる。
-少なくとも1つの環状溝は、環状本体部分の周縁部全体の周りに延びる。
-少なくとも1つの環状溝は、環状本体部分の周縁部の一部の周りにのみ延びる。
-第1及び第2の環状溝は、環状本体部分の周りで互いに相隔たる。
-エンジンブロックは、エンジンブロックを貫通して軸方向に延び、環状溝の両方と交差するシリンダーボアを備え、燃焼シリンダーは、吸気ポートが第1の環状溝と整列し、排気ポートが第2の環状溝と整列するようにシリンダーボア内に取り付けられる。
-エンジンブロックを貫通して軸方向に延び、環状溝の両方と交差する少なくとも3つのシリンダーボア;シリンダーボアは、駆動軸の周りで対称に間隔を置いて配置され、各シリンダーボアは、内部に取り付けられた燃焼シリンダーを有し、各燃焼シリンダーは、第1の環状溝と流体連通する吸気ポート及び第2の環状溝と流体連通する排気ポートを有し、各燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部をさらに有し、ピストン組立体は、シリンダーのピストン組立体のピストンヘッドがシリンダー内で互いに対向するように各シリンダー端部に配置される。
-環状本体部分の中心に隣接して環状本体部分の外面に形成され、燃焼シリンダーに向かって延びる燃料噴射器ポート;燃料噴射器は、燃料噴射器ポートに取り付けられる。
-燃料噴射器ポートに隣接して環状本体部分の外面に形成された点火プラグポート;点火プラグポートは、燃焼シリンダーに向かって延びる。
-第1のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第1のカム肩部は、肩部によって形成された少なくとも2つの山及び少なくとも2つの谷を有し、各谷は、実質的に平坦な部分を基部に含み、各山は、頂点で丸い形状であり、第2のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第2のカム肩部は、肩部によって形成され、第1のカムの頂上及び谷に数が対応する、少なくとも2つの頂上及び少なくとも2つの谷を有し、第2のカムの各谷は、基部で丸い形状であり、各山は、実質的に平坦な部分を頂点に含む。
-第1のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第1のカム肩部は、第1の山振幅を有する少なくとも2つの山及び第1の谷振幅を有する少なくとも2つの谷を有し、第1の谷振幅は、第1のピーク振幅未満であり、第2のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第2のカム肩部は、第2の山振幅を有する少なくとも2つの山及び第2の谷振幅を有する少なくとも2つの谷を有し、第2の谷振幅は、第2のピーク振幅よりも大きい。
-第2のカムは、第2のカム直径を有し、第2のカム直径は、第1のカム直径と同じである。
-第1のピーク振幅は、第2の谷振幅と実質的に同等であり、第1の谷振幅は、第2のピーク振幅と実質的に同等である。
-第1及び第2のカムは、同数の山及び谷を有する。
-第1のカムの曲線形状は、第2のカムの曲線形状の曲線頻度と同じ曲線頻度を有する。
-各カムの曲線形状の肩部の振幅は、同じである。
-各カムの肩部は、少なくとも4つの頂上及び少なくとも4つの谷を有する。
-各曲線形状のカム肩部は、内向きに向かう軌道及び外向きに向かう軌道を備える。
-各カムは、カムインデックスを含み、各カムは、駆動軸上に取り付けられ、駆動軸インデックスで半径方向に位置決めされ、第1のカム及び第2のカムは、同じ曲線形状を有し、一方のカムは、他方のカムに対して駆動軸上で0~15度の角度で角度変位される。
-第1及び第2のカムの間の角度変位、5~11度である。
【0130】
-ピストン組立体は、所定のピストンアーム直径の第1の環状本体と、第1の環状本体と相隔たり、同じピストンアーム直径の第2の環状本体と、これらを相互に連結する小径のネックとを有するピストンアームを備え、ピストンは、第1の環状本体に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられる。
-ネックは、中実の断面領域を有する。
-第1及び第2の環状本体の間でネックの周りに形成される環状路;
-各環状本体は、環状本体の周りに形成された環状溝を含み、封止要素は、環状溝内に配置される。
-ピストン組立体の各々は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられる。
-第1及び第3のピストン組立体に連結された第1のカムフォロア;第2及び第4のピストン組立体に連結された第2のカムフォロア;各カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、端部はアームによって相互に連結され、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けられ、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられ、第3及び第4のピストン組立体の各々は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、第1のカムフォロアは、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のカムフォロアは、第2のカムの曲線形状の肩部に係合する。
-ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、ピストンアームの第2の端部に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、端部は、2つの端部の間にアームの長さの一部に沿って延びる潤滑通路が内部に形成されるアームによって相互に連結され、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けられ、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられ、潤滑通路は、2つのローラーの間でアーム内に延びる。
-カムフォロア組立体の第1の円筒形の端部は、第1の直径を有し、カムフォロア組立体の第2の円筒形の端部は、第1の直径よりも小さい第2の直径を有する。
-ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、ピストンアームの第2の端部に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、端部は、アームによって相互に連結され、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けられ、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられる。
【0131】
-第1のローラーに隣接して潤滑通路と流体連通する、アーム内に形成されたポート;第2のローラーに隣接して潤滑通路と流体連通する、アーム内に形成されたポート;潤滑通路と流体連通する、細長いカムフォロア本体内に形成された追加ポート;
-第1のローラー軸受及び第2のローラー軸受;第1のポートは、第1のローラー軸受と流体連通し、第2のポートは、第2のローラー軸受と流体連通する。
-細長い本体は外面を有し、追加ポートは、細長い本体の外面に形成される。
-カムフォロア本体の円筒形の第2の端部は、内部に形成されたボアを有する。
-カムフォロア本体の円筒形の第2の端部は、内部に形成されたボアを有し、半径方向に延びる窓は、第2の端部に形成され、ボアと交差する。
-カムフォロア組立体は、第1及び第2のローラーの間でアーム上に取り付けら、第1及び第2のスロットの間でアームの内方に延びる半径方向に調整可能なスペーサーパッドをさらに備える。
-第1のローラーは、第2のローラーよりも大きい直径を有する。
-第1及び第2のスロットは、平面に沿って形成され、各ローラーは、他のローラーの回転軸と略平行である回転軸を有し、この軸は、スロットが形成される平面に略垂直である。
-ピストン組立体のカムフォロアは、カムの曲線形状の肩部に係合する。
-各曲線形状のカム肩部は、燃焼シリンダーに面する内向きに向かう軌道及び燃焼室から離れて面する外向きに向かう軌道を備え、第1のローラーは、内向きに向かう軌道に当接し、第2のローラーは外向きに向かう軌道に当接する。
-調整可能スペーサーパッドは、曲線形状の肩部の外縁に当接する。
-大径の第1のローラーは、内向きに向かう軌道に当接し、小径の第2のローラーは、外向きに向かう軌道に当接する。
-カムと駆動軸端部との間でカムの外方に駆動軸端の周りに同軸状に取り付けられた案内キャップ;案内キャップは、駆動軸が延びる中央ボア及び中央ボアの外方に半径方向に相隔たる2又は3以上の対称に配置されたフォロアボアを備え、各フォロアボアは、カムフォロア組立体の円筒形の第2の端部を摺動自在に受け入れる。
-駆動軸が支持されるエンジンブロック;エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、環状本体は、駆動軸と略同軸であり、環状本体部分は、外面によって特徴づけられ、駆動軸から半径方向に相隔たるが駆動軸と平行である少なくとも1つのシリンダーボアは、エンジンブロック内に形成され、案内キャップのフォロアボアと同軸である。
【0132】
-案内キャップは、少なくとも6つの対称に相隔たるフォロアボアを備え、各々は、カムフォロア組立体の円筒形の第2の端部を摺動自在に受け入れる。
-フォロアボアは、エンジンブロックのボアよりも小さい直径を有する。
-案内キャップは、カムフォロア組立体の細長い本体の外面に沿ってポートと整列するように配置されたボア内に形成されたポートを備える。
-駆動軸の第1の端部に隣接して位置決めされた第1の案内キャップ;駆動軸の第21の端部に隣接して位置決めされた第2の案内キャップ;
-ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、ピストンアームの第2の端部に取り付けられ、ピストンは、ピストンアームに取り付けられた第1の端部及び第2の端部を有する環状本体で形成され、頂部は、環状本体の第2の端部に形成され、頂部は、外向きに向かう頂部表面に形成された凹みを有する。
-凹みは、凹み深さを有する。
-凹みは、ピストンの主軸の周りで円錐形である。
-環状本体の周辺部に形成され、内向きに延びて凹みと交わる切り欠き;
-切り欠きは、凹み深さよりも浅い切り欠き深さを有する。
-切り欠きは、環状本体の周辺部の周りに約90度未満で延びる。
-切り欠きは、環状本体の周辺部の周りに約60度未満で延びる。
-切り欠きは、環状本体の周辺部の周りに5~30度で延びる。
-燃料噴射器の一部は、ピストン組立体が上死点位置に伸長した場合に切り欠きの中に延びる。
-ノッチの一部は、ピストン組立体が上死点位置に伸長した場合に燃料噴射器の一部の周りに延びる。
-第1及び第3のピストン組立体を相互に連結する第1のリンク;第2及び第4のピストン組立体を相互に連結する第2のリンク;
【0133】
-第1及び第2のピストン組立体の各々は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、ピストンアームの第2の端部に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、端部は、アームによって相互に連結され、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けられ、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられ、第3及び第4のピストン組立体の各々は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられる。
-第1及び第3のピストン組立体を相互に連結する第1のリンク;第2及び第4のピストン組立体を相互に連結する第2のリンク;
-第1のリンクは、第1のピストン組立体のカムフォロア組立体を第3のピストン組立体のピストンアームと相互に連結し、第2のリンクは、第2のピストン組立体のカムフォロア組立体を第4のピストン組立体のピストンアームと相互に連結する。
-第1のリンクは、第1のピストン組立体のピストンアームを第3のピストン組立体のピストンアームと相互に連結し、第2のリンクは、第2のピストン組立体のピストンアームを第4のピストン組立体のピストンアームと相互に連結する。
-第1のピストン組立体のカムフォロア組立体は、第1のカムに係合し、第2のピストン組立体のカムフォロア組立体は、第2のカムに係合する。
-第1の端部及び第2の端部を有し、第1の燃焼シリンダーの中心軸と平行であるが第1の燃焼シリンダーの中心軸から半径方向に外方に相隔たる第2の中心シリンダー軸に沿って定められる、第2の燃焼シリンダー;第1のカムと第1の駆動軸端部との間で駆動軸上に取り付けられた第3のカムであって、第3のカムは、第3のカム直径及び第3の頻度を有する第3の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第3のカム直径は、第1のカム直径よりも大きい、第3のカム;第2のカムと駆動軸の第2の端部との間で駆動軸上に取り付けられた第4のカムであって、第4のカムは、第4の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第4の曲線形状は、第3の曲線形状と同じ頻度を有する、第4のカム;
-第2の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体;第3のピストン組立体は、第3のカムの曲線形状の肩部に係合し、第4のピストン組立体は、第4のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置と、ピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である。
-第4のカムは、第4のカム直径を有し、第4のカム直径は、第3のカム直径と同じである。
【0134】
-第3のカムの頻度は、第1のカムの頻度よりも小さい。
-第1のカムの曲線形状の第1のカム肩部は、第1の山振幅を有する少なくとも2つの山及び第1の谷振幅を有する少なくとも2つの谷を有し、曲線形状の第3のカム肩部は、第2の山振幅を有する少なくとも2つの山及び第2の谷振幅を有する少なくとも2つの谷を有し、第3のカム肩部の振幅は、第1のカム肩部の振幅よりも小さい。
-第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、ピストンアームの第2の端部に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは第1のスロット内で本体に取り付けられ、第2のローラーは第2のスロット内で本体に取り付けられる。
-第2のカムは、第2のカム直径を有し、第2のカム直径は、第1のカム直径と同じである。
-曲線形状は、正弦波形状である。
-曲線形状は、セグメント化された多項式形状である。
-各カムは、第1のカムのローブの山が第2のカムのローブの山と整列して実質的に鏡映するように、実質的に同相である。
【0135】
-各カムは、第1のカムの各ローブの山が第2のカムの各ローブの山と整列して実質的に鏡映するように、実質的に同相である。
-下り肩部分の平均勾配は、45度よりも大きい。
-各ローブは、山に関して対称である。
-山から第2の谷に向かって延びる肩部形状のセグメントは、直線である。
-ローブの山から延びる肩部形状の直線セグメントは、ゼロよりも大きく20度よりも小さい勾配を有する。
-隣接するローブの各々は、ローブの山から延びる肩部形状の直線セグメントを有し、直線セグメントは、同じ勾配変化を有する。
-第1のカムのローブの下り肩部分の勾配は、第2のカムの隣接するローブの下り肩部分の勾配と同じである。
-第1のカムのセグメント化された多項式形状の肩部は、第2のカムのセグメント化された多項式形状の肩部と同じ形状を有する。
-第1のカムのセグメント化された多項式形状の肩部の下り部分は、第2のカムのセグメント化された多項式形状の軌道の下り部分と同じ形状を有する。
-第1のカムのセグメント化された多項式形状の肩部の上り部分は、第2のカムのセグメント化された多項式形状の軌道の上り部分と同じ形状を有する。
-第1のカムのセグメント化された多項式形状の肩部の上り部分は、第2のカムのセグメント化された多項式形状の軌道の上り部分と異なる形状を有する。
-ピストン軸に沿って定められた燃焼シリンダー;燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、第1の端部に最も近い外側ポート縁及び第2の端部に最も近い内側ポート縁を有し、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、第2の端部に最も近い外側ポート縁及び第1の端部に最も近い内側ポート縁を有し、燃焼シリンダーの上死点は、吸気ポートの外縁と排気ポートの外縁との間でほぼ同じ距離に定められる。
-排気ポートの内側ポート縁は、吸気ポートの内側ポート縁よりも上死点に近い。
【0136】
-第1のピストンは、燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部内に往復運動自在に配置され、第1のセグメント化された多項式形状の肩部に沿って第1のカムに係合し、対向する第2のピストンは、燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部内に往復運動自在に配置され、第2のセグメント化された多項式形状の肩部に沿って第2のカムに係合する。
-第1のピストン及び第2のピストンは、第1のピストンが第1のカムローブの山で第1のカムに係合する場合に燃焼シリンダーの上死点に隣接し、第1のピストンは、吸気ポートを通る流れを阻止し、第2のピストンは、排気ポートを通る流れを阻止する。
-第1のピストンが第1のセグメント化された多項式形状の肩部に沿って谷で第1のカムに係合する場合、第1のピストンは、吸気ポートの外縁に隣接し、第2のピストンは、排気ポートの外縁に隣接する。
-第1のピストンが第1のカムのローブの下り肩部分に沿って第1のカムに係合する場合、第1のピストンは、吸気ポートを通る流れを阻止し、第1のピストンがローブの下り肩部分に沿って第1のカムに係合する場合、第2のピストンは、排気ポートの内側ポート縁から相隔たる。
-第2のピストンが第2のカムのローブの上り肩部分に沿って第2のカムに係合する場合、第2のピストンは、排気ポートを通る流れを阻止し、第1のピストンは、第2のピストンがローブの上り肩部分に沿って第2のカムに係合した際に吸気ポートの内側ポート縁から離間される。
-2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる燃焼室;燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに備え、排気ポートは、燃料噴射器と第2の端部との間でシリンダー壁に形成された複数の排気スロットを備え、各排気スロットは、中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、吸気ポートは、燃料噴射器と第1の端部との間でシリンダー壁に形成された複数の吸気スロットを備え、各吸気スロットは、中心シリンダー軸と略斜めのスロット軸に沿って延びる。
-燃焼シリンダーの上死点でシリンダー壁に形成された燃料噴射ポート;
-複数の排気スロットと複数の吸気スロットとの間でシリンダー壁に形成された点火プラグポート;
【0137】
-第1及び第2のセグメント化された多項式形状の肩部は対称形状であって、それぞれのローブの山から下り肩部分に沿った所定の地点まで延び、肩部に沿って非対称形状であって、それぞれの第2の谷からローブの山に延びる。
-各カムは、単一のローブを有し、第1の谷及び第2の谷は同じである。
-駆動軸が支持されるエンジンブロック;エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、環状本体は、駆動軸と略同軸であり、環状本体部分は、外面によって特徴づけられ、駆動軸から半径方向に相隔たるがこれと平行の少なくとも1つのシリンダーボアは、エンジンブロック内に形成される。
-エンジンブロックは、第1の環状溝及び互いに相隔たる第2の環状溝を備え、第1の環状溝は、燃焼シリンダーの吸気ポートと流体連通し、第2の環状溝は、燃焼シリンダーの排気ポートと流体連通する。
【0138】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度を有する第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、さらに第1の端部及び第2の端部を有する第2の燃焼シリンダーであって、第2の燃焼シリンダーは、第1の燃焼シリンダーと軸方向に整列するように中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーと;第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された第3のピストン組立体と:第2の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第4のピストン組立体と、を備える。
【0139】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、さらに中心シリンダー軸に沿って軸方向に位置合わせされた2又は3以上の燃焼シリンダーを備え、各燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、ピストン組立体は、シリンダーのピストン組立体のピストンヘッドがシリンダー内で互いに対向するように各シリンダー端部に配置される。
【0140】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができ、燃焼シリンダーは、シリンダー壁をさらに備え、排気ポートは、燃料噴射器と第2の端部との間でシリンダー壁内に形成された複数の排気スロットを備え、各排気スロットは、中心シリンダー軸と略平行なスロット軸に沿って延び、吸気ポートは、燃料噴射器と第1の端部との間でシリンダー壁内に形成された複数の吸気スロットを含み、各吸気スロットは、中心シリンダー軸に対して略斜めのスロット軸に沿って延びる。
【0141】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、さらに2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する、駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの環状流マニホールドを備える。
【0142】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、さらに駆動軸の周りに少なくとも部分的に延び、2又は3以上の燃焼シリンダーの吸気ポートを流体接続する環状吸気マニホールドと;環状吸気マニホールドから軸方向に相隔たる、駆動軸の周りに少なくとも部分的に延びる環状排気マニホールドであって、環状排気マニホールドは、2又は3以上の燃焼シリンダーの排気ポートを流体接続する、環状排気マニホールドとを備える。
【0143】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、さらに駆動軸及び燃焼シリンダーが支持されるエンジンブロックであって、エンジンブロックは、第1の端部と第2の端部との間に延び、その間に環状本体部分を含み、環状本体部分は、互いに相隔たる第1の環状溝及び第2の環状溝が形成される外面によって特徴づけられ、第1の環状溝は、燃焼シリンダーの吸気ポートと流体連通し、第2の環状溝は、燃焼シリンダーの排気ポートと流体連通する、エンジンブロックと、を備える。
【0144】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、第1のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第1のカム肩部は、肩部によって形成された少なくとも2つの山及び少なくとも2つの谷を有し、各谷は、実質的に平坦な部分を基部に含み、各山は、頂点で丸い形状であり、第2のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第2のカム肩部は、肩部によって形成され第1のカムの頂上及び谷に数に対応する、少なくとも2つの頂上及び少なくとも2つの谷を有し、第2のカムの各谷は、基部で丸い形状であり、各山は、実質的に平坦な部分を頂点に含む。
【0145】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、第1のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第1のカム肩部は、第1の山振幅を有する少なくとも2つの山と第1の谷振幅を有する少なくとも2つの谷とを有し、第1の谷振幅は、第1のピーク振幅よりも小さく、第2のカムは、駆動軸上に取り付けられたハブを備え、円周方向の肩部は、ハブの周辺部の周りに延び、曲線形状の第2のカム肩部は、第2の山振幅を有する少なくとも2つの山と第2の谷振幅を有する少なくとも2つの谷とを有し、第2の谷振幅は、第2のピーク振幅よりも大きい。
【0146】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、ピストン組立体は、所定のピストンアーム直径の第1の環状本体と、第1の環状本体から相隔たる同じピストンアーム直径の第2の環状本体とを有するピストンアームを備え、第1の環状本体及び第2の環状本体は、小径のネックによって相互に連結され、ピストンは、第1の環状本体に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられる。
【0147】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを含むことができ、ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられ、カムフォロア組立体は、第1の端部及び第2の端部を有する細長い本体を含み、細長い本体は、各端部で略円筒形であり、各端部は、2つの端部の間でアームの長さの一部に沿って延びる潤滑通路が形成されるアームによって相互に連結され、細長い本体は、第1の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第1のスロット及び第2の端部の近くで本体内に形成された軸方向に延びる第2のスロットを有し、第1のローラーは、第1のスロット内で本体に取り付けら、第2のローラーは、第2のスロット内で本体に取り付けられ、潤滑通路は、2つのローラーの間でアーム内に延びる。
【0148】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、駆動軸の第1の端部に隣接して位置決めされた第1の案内キャップ及び駆動軸の第2の端部に隣接して位置決めされた第2の案内キャップを備える。
【0149】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器と、を含むことができ、ピストン組立体は、第1の端部及び第2の端部を有するピストンアームを備え、ピストンは、ピストンアームの第1の端部に取り付けられ、カムフォロアは、第2の環状本体に取り付けられ、ピストンは、ピストンアームに取り付けられた第1の端部及び第2の端部を有する環状本体で形成され、頂部は、環状本体の第2の端部に形成され、頂部は、外向きに向かう頂部表面に形成された凹みを有する。
【0150】
-第1の端部及び第2の端部を有し、駆動軸軸線に沿って配置された駆動軸と;駆動軸上に取り付けられた第1のカムであって、第1のカムは、第1のカム直径及び第1の頻度の第1の曲線形状の円周方向の肩部を有する第1のカムと;第1のカムから相隔たる、駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第2のカムは、第2の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第2の曲線形状は、第1の曲線形状と同じ頻度を有する第2のカムと;中心シリンダー軸に沿って定められた第1の燃焼シリンダーであって、燃焼シリンダーは、第1の端部及び第2の端部を有し、吸気ポートは、第1及び第2の端部の間でシリンダー内に形成され、排気ポートは、吸気ポートと第2の端部との間でシリンダー内に形成され、中心シリンダー軸は、駆動軸軸線と平行であるが、駆動軸軸線から相隔たり、燃焼室は、2つのシリンダー端部の間でシリンダー内に定められる第1の燃焼シリンダーと;第1の燃焼シリンダーの第1のシリンダー端部に配置された第1のピストン組立体及び第1の燃焼シリンダーの第2のシリンダー端部に配置された対向する第2のピストン組立体であって、第1のピストン組立体は、第1のカムの曲線形状の肩部に係合し、第2のピストン組立体は、第2のカムの曲線形状の肩部に係合し、各ピストン組立体は、ピストン組立体が対応するカムから離れて燃焼室内で完全に伸長する上死点位置とピストン組立体が上死点位置から離れて燃焼室内で完全に後退する下死点位置との間で移動可能である、第1のピストン組立体及び第2のピストン組立体と;燃焼シリンダーの中心に隣接して上記燃焼室と連通して配置された少なくとも1つの燃料噴射器とを備え、さらに第1の端部及び第2の端部を有し、第1の燃焼シリンダー中心軸と平行であるが第1の燃焼シリンダー中心軸から半径方向に外方に相隔たる第2の中心シリンダー軸に沿って定められる第2の燃焼シリンダーと;第1のカムと第1の駆動軸端部との間で駆動軸上に取り付けられた第3のカムであって、第3のカムは、第3のカム直径及び第3の頻度を有する第3の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第3のカム直径は、第1のカム直径よりも大きい、第3のカムと;第2のカムと駆動軸の第2の端部との間で駆動軸上に取り付けられた第4のカムであって、第4のカムは、第4の曲線形状の円周方向の肩部を有し、第4の曲線形状は、第3の曲線形状と同じ頻度を有する、第4のカムとを備える。
【0151】
-駆動軸に沿って第3の出口まで延びる第3の油圧通路及び駆動軸に沿って第3の出口から相隔たる第4の出口まで延びる第4の油圧通路と;ピストン軸と同軸であり第1のピストンが往復運動する燃焼室と;第1のピストンの反対側にピストン室内で往復運動するように配置された第2のピストンと;各々駆動軸から半径方向に外方に延びる、第3の出口に隣接して駆動軸に沿って形成された第3のカラー及び第4の出口に隣接して駆動軸に沿って形成された第4のカラーと;第2及び第3のカラーに隣接して駆動軸上に回転可能に取り付けられた第2のカムと、を備え、第2のカムは第2のハブを有し、第2のハブは、第3の圧力室を第2ハブの第1の端部と第3のカラーとの間で形成するように第3のカラーに隣接して取り付けられた第1の端部を有し、第3の出口は第3の圧力室と流体連通し、第2のハブは、第4の圧力室を第2ハブの第2の端部と第4のカラーとの間で形成するように第4のカラーに隣接して取り付けられた第2の端部を有し、第4の出口は、第4の圧力室と流体連通し、円周方向のカム肩部は、第2のハブの周辺部の周りに延び、カム肩部は、第2のカム直径及び第2の多項式形状の軌道を有する。
【0152】
-駆動軸に沿って延びる第3の油圧通路及び駆動軸に沿って延びる第4の油圧通路であって、第3の組の半径方向の通路は、第3の油圧通路と流体連通し、第4の組の半径方向の通路は、第4の油圧通路と流体連通する、第3の油圧通路及び第4の油圧通路と;ピストン軸と同軸であって、第1のピストンが往復運動する燃焼室と;第1のピストンの反対側にピストン室内で往復運動するように配置された第2のピストンと;第1のカムから相隔たる駆動軸上に取り付けられた第2のカムであって、第1のカムは、第2のハブを有し、円周方向のカム肩部は、第2のハブの周辺部の周りに延び、第2のカム肩部は、第2のカム直径及び第2の多項式形状の軌道を有する、第2のカムと;第2のカムハブに隣接する駆動軸に沿って形成された第3の半径方向に延びる突起及び第2のカムハブに隣接する駆動軸に沿って形成された第4の半径方向に延びる突起であって、第1の組の半径方向通路のうちの半径方向通路は、第3の突起内に形成された第1のポート様突起出口で終端し、第2の組みの半径方向通路のうちの半径方向通路は、第3の突起内に形成された第2のポート様突起出口で終端し、第3の組の半径方向の通路のうちの半径方向通路は、第4の突起内に形成された第3のポート様突起出口で終端し、第4の組の半径方向通路のうちの半径方向通路は、第4の突起内に形成された第4のポート様突起出口で終端する、第3の半径方向に延びる突起及び第4の半径方向に延びる突起と;第3の突起と第2のカムハブとの間に形成された第1の圧力室及び第4の突起と第2のカムハブとの間に形成された第2の圧力室であって、第3の突起内の第1のポート様突起出口は、第1の圧力室と流体連通し、第3の突起内の第3のポート様突起出口は、第2の圧力室と流体連通する、第1の圧力室及び第2の圧力室と;第3の突起と第2のカムハブとの間に形成された第3の圧力室と;第4の突起と第2のカムハブとの間に形成された第4の圧力室であって、第4の突起の第2のポート様突起出口は、第3の圧力室と流体連通し、第4の突起内の第4のポート様突起出口は、第4の圧力室と流体連通する、第4の圧力室とを備える。
【0153】
-第1のハブは、ハブ壁の内周部に沿って形成された相隔たる第1及び第2のスロットを有するハブ壁を備え、第1の突起は、第1のスロット内へ延び、第2の突起は、第2のスロット内へ延びる。
【0154】
-第1のスロットは、第1の肩部及び第2の肩部を有し、第1の圧力室は、第1の肩部と第1の突起との間に形成され、第2の圧力室は、第2の肩部と第1の突起との間に形成され、第2のスロットは、第3の肩部及び第4の肩部を有し、第3の圧力室は、第3の肩部と第2の突起との間に形成され、第4の圧力室は、第4の肩部と第2の突起との間に形成される。
【0155】
-第1のカムは、駆動軸に対して第1の半径方向位置と第2の半径方向位置との間で回転可能であり、第1の圧力室は、第1のカムが第1の半径方向位置にある場合に第2の圧力室の容積よりも大きい容積を有し、第2の圧力室は、第1のカムが第2の半径方向位置にある場合の第1の圧力室の容積よりも大きい容積を有する。
-一方の圧力室又は他方の圧力室に加圧流体を選択的に供給する、油圧通路の各々と流体連通する油圧油源;
-制御機構及びセンサー;センサーは、エンジンの状態を測定するように配置され、第1のカムを駆動軸に対して半径方向に回転させるために、測定された状態に基づいて流体源を調整するように配置された制御機構に接続される。
-各突起は、駆動軸の一部として一体形成される。
【0156】
従って、内燃機関を運転する方法が説明される。一部の実施形態において、本方法は、第1の燃料をエンジンの燃焼室に噴射し、第1の燃料を利用して、駆動軸上に取り付けられた相隔たるカムを駆動するように、軸方向に整列したピストンを互いに離れるように付勢するステップと、駆動軸上のカムのうちの少なくとも1つを、駆動軸回転に対して第1の半径方向位置から第2の半径方向位置に回転させるステップと、第2の燃料をエンジンの燃焼室に噴射し、第2の燃料を利用して、駆動軸上に取り付けられた相隔たるカムを駆動するように、軸方向に整列したピストンを互いに離れるように付勢するステップと、を含む。別の実施形態において、本方法は、燃料をエンジンの燃焼室内で燃焼させ、軸方向に整列したピストンと平行に駆動軸上に取り付けられた相隔たるカムを駆動するように、軸方向に整列したピストンを互いに離れるように付勢するステップと、エンジンの動作中にエンジンの状態を測定するステップと、エンジンの動作中に、駆動軸上のカムのうちの少なくとも1つを第1の半径方向位置から第2の半径方向位置に回転させるステップとを含み、第2の半径方向位置は、エンジンの測定された状態に基づいて選択される。一部の実施形態において、本方法は、第1のカムフォロアを第1のカムに沿って第1のピストンが燃焼シリンダー内で上死点にある第1のカム上の第1の位置から、第1のピストンがシリンダーの吸気ポートを通る流れを阻止する第1のカム上の第2の位置に移動させ、同時に、第2のピストンがシリンダーの排気ポートを開放するように、第2のカムフォロアを第2のカムに沿って第2のピストンが燃焼シリンダー内で上死点にある第2のカム上の第1の位置から、第2のカム上の第2の位置に移動させるステップであって、それぞれのピストンは、それぞれのカムフォロアが第1の位置から第2の位置に移動する際に互いに軸方向に離れる、ステップと、引き続き、第1のピストンが上死点から離れて移動して吸気ポートを開放し続けるように、第1のカムフォロアを第1のカムに沿って第1のカム上の第2の位置から第3の位置に移動させ、同時に、第2のピストンが、排気ポートが開放した状態で、第1の位置から離れて第2のピストンの下死点に移動するように、第2のカムフォロアを第2の位置から第3の位置まで第2のカムに沿って移動させるステップと、引き続き、第1のカムフォロアを第1のカムに沿って第3の位置から吸気ポートが開放した状態である第4の位置に移動させ、同時に、第2のピストンがシリンダーの排気ポートを閉鎖するように、第2のカムフォロアを第2のカムに沿って第3の位置から第4の位置に移動させるステップであって、それぞれのピストンは、それぞれのカムフォロアが第3の位置から第4の位置に移動する際に互いに向かって軸方向に移動する、ステップと、引き続き、第1のピストンが第2のピストン及び上死点に向かって軸方向に移動するように、第1のカムフォロアを第1のカムに沿って第4の位置から第5の位置に移動させ、これによって、第1のピストンの移動がシリンダーの吸気ポートを閉鎖し、同時に、第2のピストンが第1のピストン及び上死点に向かって軸方向に移動するように、第2のカムフォロアを第2のカムに沿って第4の位置から第5の位置に移動させるステップと、引き続き、第1のピストンが第2のピストン及び上死点に向かって軸方向に移動するように、第1のカムフォロアを第1のカムに沿って第5の位置から第1の位置に移動させ、同時に、第2のピストンが第1のピストン及び上死点に向かって軸方向に移動するように、第2のカムフォロアを第2のカムに沿ってカムの第5の位置から第1の位置に移動させるステップと、を含む。
【0157】
以下のステップは、上記のエンジン実施形態の何らかに関する何らかの他のステップと単独で又は一緒に組み合わせることができる。
-燃焼室に噴射された燃料タイプに基づいて、駆動軸上の少なくとも1つのカムの駆動軸に対する半径方向位置を変更するステップ。
-回転させるステップは、駆動軸上のカムの相対的な半径方向の位置に変更するため、にエンジンの動作中に流体をカムに隣接する流体チャンバに噴射するステップを含む。
-流体は、駆動軸内に形成された流路を介して噴射される。
-第1の方向における駆動軸に対するカムの半径方向の位置を変更するために、エンジンの動作中に油圧油を第1の流体チャンバに噴射するステップ;エンジンの動作中に、測定されたさらなる状態に基づいて、エンジンのさらなる状態を測定するステップ;第1の方向とは反対の第2の方向における駆動軸に対するカムの半径方向の位置を変更するために、エンジンの動作中に油圧油を第2の流体チャンバに噴射するステップ;
-それぞれのカムに沿ったカムフォロアの第4の位置から第5の位置への移動は、慣性過給効果を燃焼室内で引き起こす。
-それぞれのカムに沿ったカムフォロアの第2の位置から第3の位置への移動は、掃気を引き起こす。
-それぞれのカムに沿ったカムフォロアの第3の位置から第4の位置への移動は、単流掃気を引き起こす。
-それぞれのカムに沿ったカムフォロアの第2の位置から第3の位置への移動は、燃焼シリンダー内の燃焼ガスのカデナシー効果を引き起こす。
-第1及び第2のピストンは、それぞれのカムに沿ってカムフォロアが第1の位置から第2の位置に移動する場合は同相であり、第1及び第2のピストンは、カムフォロアがそれぞれのカムに沿って第2の位置から、第3、第4、及び第5の位置を経て第1の位置に戻る場合は異相である。
-ピストンが異相の場合、第2のピストンは第1のピストンより進んでいる。
-ピストンは、内燃機関の動作中に燃焼シリンダー内で常に移動する。
-ピストンは、カムフォロアが第1の位置から第3の位置に移動する場合は所定の発散速度を有し、カムフォロアが第4の位置から第1の位置に戻る場合は所定の収束速度を有し、それぞれのカム上での第1の位置から第2の位置へのカムフォロアの移動初期のピストンの発散速度は同一であり、第1の発散速度で生じ、その後、それぞれのカム上の第1の位置から第2の位置へカムフォロアの移動が継続する場合、ピストンの連続した発散は同一であり、第1の発散速度よりも大きな第2の発散速度で生じる。
【0158】
様々な実施形態が詳細に示されるが、本開示は提示された実施形態に限定されない。当業者であれば、上記の実施形態の変更及び適応を想定できる。このような変更及び適応は、本開示の精神及び範囲内にある。
【符号の説明】
【0159】
10 エンジン組立体
12 駆動軸
14 駆動軸軸線
18 カム
22 ピストン組立体
25 シリンダー軸
26 カムフォロア
36 排気ポート
38 吸気ポート
53 エンジンブロック
60 燃焼シリンダー
184 環状吸気マニホールド
186 環状排気マニホールド
【国際調査報告】