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特表2022-506993カスタマイズ可能な機械予想を有する拡張可能なソフトウェアツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】カスタマイズ可能な機械予想を有する拡張可能なソフトウェアツール
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20220111BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20220111BHJP
   G06N 20/00 20190101ALI20220111BHJP
【FI】
G06Q10/04
G06Q30/02 310
G06N20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020544903
(86)(22)【出願日】2019-10-14
(85)【翻訳文提出日】2020-08-26
(86)【国際出願番号】 US2019056069
(87)【国際公開番号】W WO2020112261
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】16/201,290
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】502303739
【氏名又は名称】オラクル・インターナショナル・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ポペスク,カタリン
(72)【発明者】
【氏名】エトキンド,ウェンディ・エル
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049BB02
(57)【要約】
拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのシステムおよび方法が提供される。訓練された機械学習モデルの特徴を含む仕様を受信し得て、訓練された機械学習モデルのためのインターフェイスを生成し得る。インターフェイスを使用して、訓練された機械学習モデルをロードし得て、ロードされた機械学習モデルは、入力としてデータを受信して出力として予想データを生成するように構成されたバイナリファイルを含む。多次元データモデルに従って格納される観測データを使用して予想を生成し得て、観測データの一部は、ロードされた機械学習モデルに入力されて、第1のデータ予想を生成し、観測データの一部は、一般的な予測モデルによって使用されて、第2のデータ予想を生成する。第1および第2のデータ予想を、多次元データモデルの交点を表示するように構成されたユーザインターフェイスに表示し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うための方法であって、
訓練された機械学習モデルの特徴を少なくとも備える仕様を受信するステップと、
前記受信された仕様に基づいて、前記訓練された機械学習モデルのためのインターフェイスを生成するステップと、
前記生成されたインターフェイスを使用して、前記訓練された機械学習モデルをロードするステップとを備え、前記訓練された機械学習モデルは、入力としてデータを受信して出力として予想データを生成するように構成されたバイナリファイルを備え、前記方法はさらに、
多次元データモデルに従って格納される観測データを使用して予想を生成するステップを備え、前記観測データの一部は、ロードされた前記訓練された機械学習モデルに入力されて、第1のデータ予想を生成し、前記観測データの一部は、一般的な予測モデルによって使用されて、第2のデータ予想を生成し、前記方法はさらに、
前記第1のデータ予想および前記第2のデータ予想を、前記多次元データモデルの交点を表示するように構成されたユーザインターフェイスに表示するステップを備える、方法。
【請求項2】
前記第1のデータ予想および第2のデータ予想は、前記多次元データモデル内の交点を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生成されたインターフェイスは、前記受信された仕様に従って前記訓練された機械学習モデルをロードするように構成されたアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を備える、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ロードされた前記訓練された機械学習モデルを前記受信された仕様に照らして検証するステップをさらに備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
拡張可能なデータモデリングシステムのための機械学習フレームワークを定義するステップをさらに備え、前記訓練された機械学習モデルは、前記定義された機械学習フレームワークに基づいて構築される、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記観測データは、小売データを備え、前記第1のデータ予想および第2のデータ予想は、将来のある時点における1つ以上の小売アイテムの需要予測を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のデータ予想および第2のデータ予想に基づいてある量の前記1つ以上の小売アイテムを小売場所に出荷させるステップをさらに備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記一般的な予測モデルは、線形回帰モデルを備え、ロードされた前記訓練された機械学習モデルは、訓練されたニューラルネットワークまたは訓練されたサポートベクターマシンを備える、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記訓練された機械学習モデルは、前記多次元データモデルに従って格納される前記観測データ、および、前記観測データに含まれない、前記多次元データモデルに従って格納される機密データを使用して訓練される、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
命令が格納された非一時的なコンピュータ読取可能媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行わせ、前記命令は、実行されると、前記プロセッサに、
訓練された機械学習モデルの特徴を少なくとも備える仕様を受信させ、
前記受信された仕様に基づいて、前記訓練された機械学習モデルのためのインターフェイスを生成させ、
前記生成されたインターフェイスを使用して、前記訓練された機械学習モデルをロードさせ、前記訓練された機械学習モデルは、入力としてデータを受信して出力として予想データを生成するように構成されたバイナリファイルを備え、前記命令はさらに、実行されると、前記プロセッサに、
多次元データモデルに従って格納される観測データを使用して予想を生成させ、前記観測データの一部は、ロードされた前記訓練された機械学習モデルに入力されて、第1のデータ予想を生成し、前記観測データの一部は、一般的な予測モデルによって使用されて、第2のデータ予想を生成し、前記命令はさらに、実行されると、前記プロセッサに、
前記第1のデータ予想および前記第2のデータ予想を、前記多次元データモデルの交点を表示するように構成されたユーザインターフェイスに表示させる、非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項11】
前記第1のデータ予想および第2のデータ予想は、前記多次元データモデル内の交点を備える、請求項10に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項12】
前記生成されたインターフェイスは、前記受信された仕様に従って前記訓練された機械学習モデルをロードするように構成されたアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を備える、請求項11に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項13】
ロードされた前記訓練された機械学習モデルを前記受信された仕様に照らして検証することをさらに備える、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項14】
前記観測データは、小売データを備え、前記第1のデータ予想および第2のデータ予想は、将来のある時点における1つ以上の小売アイテムの需要予測を備える、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項15】
前記第1のデータ予想および第2のデータ予想に基づいてある量の前記1つ以上の小売アイテムを小売場所に出荷させることをさらに備える、請求項14に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項16】
前記訓練された機械学習モデルは、前記多次元データモデルに従って格納される前記観測データ、および、前記観測データに含まれない、前記多次元データモデルに従って格納される機密データを使用して訓練される、請求項12に記載の非一時的なコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのシステムであって、
プロセッサと、
前記プロセッサによって実行するための命令を格納するメモリとを備え、前記命令は、
訓練された機械学習モデルの特徴を少なくとも備える仕様を受信するように前記プロセッサを構成し、
前記受信された仕様に基づいて、前記訓練された機械学習モデルのためのインターフェイスを生成するように前記プロセッサを構成し、
前記生成されたインターフェイスを使用して、前記訓練された機械学習モデルをロードするように前記プロセッサを構成し、前記訓練された機械学習モデルは、入力としてデータを受信して出力として予想データを生成するように構成されたバイナリファイルを備え、前記命令はさらに、
多次元データモデルに従って格納される観測データを使用して予想を生成するように前記プロセッサを構成し、前記観測データの一部は、ロードされた前記訓練された機械学習モデルに入力されて、第1のデータ予想を生成し、前記観測データの一部は、一般的な予測モデルによって使用されて、第2のデータ予想を生成し、前記命令はさらに、
前記第1のデータ予想および前記第2のデータ予想を、前記多次元データモデルの交点を表示するように構成されたユーザインターフェイスに表示するように前記プロセッサを構成する、システム。
【請求項18】
前記第1のデータ予想および第2のデータ予想は、前記多次元データモデル内の交点を備える、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記生成されたインターフェイスは、前記受信された仕様に従って前記訓練された機械学習モデルをロードするように構成されたアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記訓練された機械学習モデルは、前記多次元データモデルに従って格納される前記観測データ、および、前記観測データに含まれない、前記多次元データモデルに従って格納される機密データを使用して訓練される、請求項19に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示の実施形態は、一般に、カスタマイズ可能な機械予想を有する拡張可能なソフトウェアツールに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
エンティティおよび/またはシナリオのためのデータプランニング、分析および処理は、明白な利益を組織にもたらしてきた。たとえば、プランニングおよび予測を向上させることにより、供給および/またはロジスティクスの効率を向上させることができ、その結果、リソースをよりよく使用することができるようになる。このようなデータプランニング、分析および処理を実現することは、特にエンティティが多数の異なる部門およびサブ部門を含み、それらの間に多数の従属性がある場合には、難易度が高いであろう。このような状況は、所望のプランニングおよび予測結果を実現するために、高度なデータ格納およびモデリング、検索、分析および表示技術を必要とする。また、プランニング、予測および/またはデータ予想は、さまざまな異なるアルゴリズムまたは予想モデルを使用することによって実現可能であり、ソフトウェアシステム全体にさらなる複雑性が追加されることになる。このような高度なソフトウェアシステム内でさまざまな予想モデルを効率的かつ効果的に実行するシステムは、ロバストなプランニングおよび予測ソリューションを維持しながら柔軟性を向上させることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
概要
本開示の実施形態は、一般に、従来技術を実質的に上回る、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのシステムおよび方法に向けられる。
【0004】
訓練された機械学習モデルの特徴を少なくとも含む仕様を受信してもよい。上記受信された仕様に基づいて、上記訓練された機械学習モデルのためのインターフェイスを生成してもよい。上記生成されたインターフェイスを使用して、上記訓練された機械学習モデルをロードしてもよく、上記訓練された機械学習モデルは、入力としてデータを受信して出力として予想データを生成するように構成されたバイナリファイルを含む。多次元データモデルに従って格納される観測データを使用して予想を生成してもよく、上記観測データの一部は、ロードされた上記訓練された機械学習モデルに入力されて、第1のデータ予想を生成し、上記観測データの一部は、一般的な予測モデルによって使用されて、第2のデータ予想を生成する。上記第1のデータ予想および上記第2のデータ予想を、上記多次元データモデルの交点を表示するように構成されたユーザインターフェイスに表示してもよい。
【0005】
実施形態の特徴および利点は、以下の説明に記載されており、または説明から明らかであり、または本開示を実施することによって分かるであろう。
【0006】
さらなる実施形態、詳細、利点および変形例は、添付の図面を併せ読むことにより以下の好ましい実施形態の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態に係る、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのシステムを示す図である。
図2】例示的な実施形態に係る、システムに動作可能に結合されたコンピューティングデバイスのブロック図である。
図3A】例示的な実施形態に係る、多次元データモデルの階層次元を示す図である。
図3B】例示的な実施形態に係る、多次元データモデルの階層次元を示す図である。
図4】例示的な実施形態に係る、拡張可能なソフトウェアツールを使用したカスタマイズ可能な機械予想をグラフィカルユーザインターフェイスに表示するためのユーザインターフェイスを示す図である。
図5】例示的な実施形態に係る、多次元データの交点についてのカスタマイズ可能な機械予想をグラフィカルユーザインターフェイスに表示するためのユーザインターフェイスを示す図である。
図6】例示的な実施形態に係る、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのフロー図である。
図7】例示的な実施形態に係る、機械予想を行うために拡張可能なソフトウェアツールとともに使用されるカスタマイズ可能な機械学習モジュールを訓練およびアップロードするためのフロー図である。
図8】例示的な実施形態に係る、本明細書に開示されている改良されたプランニングおよび供給アクションを含む統合された供給業者、在庫およびロジスティクスシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
詳細な説明
実施形態では、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行う。いくつかの実施形態では、カスタマイズ可能な機械予想を行うために、訓練された機械学習モデルなどの予想モデルをソフトウェアツールにアップロードすることができる。たとえば、ソフトウェアツールは、線形回帰などの組み込み予想モデルを使用してデータ予想または予測を行うことができる。実施形態では、カスタマイズ可能なデータ予想を行うために使用することができるカスタマイズ可能な訓練されたモデルをロードするためのインターフェイスを提供し、このカスタマイズ可能な訓練されたモデルは、ニューラルネットワークモデル、サポートベクターマシンモデル、専門的な回帰モデル(たとえば、デミング回帰、リッジ回帰、ラッソ回帰など)、ランダム予測モデルなどである。
【0009】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアツール(たとえば、プランニングソフトウェアおよび/または在庫システムソフトウェア)は、多次元データモデルに従って格納されたデータに対してデータ分析を行うことができる。たとえば、多次元データモデルは、(たとえば、階層状に編成された)データの多数の次元を含み得て、データ要素は、当該多数の次元のうちの複数の次元の交点を表すことができる。格納されたデータ、たとえばある期間にわたる観測に基づいて生成されて格納されたデータに基づいて、将来のデータについて機械予想を行うことができる。ある例では、格納されたデータは、ある期間にわたる所与の製品の売上高データであってもよく、機械予想は、将来のある期間にわたる当該製品の需要予測であってもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、機械予想は、線形回帰などのソフトウェアツールを有する組み込みモデルを使用して、または外部クライアントなどの外部ソースからのロードされた予想モデルを使用して、実現可能である。たとえば、ロードされた予想モデルは、さまざまなタイプのモデル(たとえば、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、専門的な回帰など)を含み得て、外部ソースが利用できる任意のデータを使用して訓練されることができる。いくつかの実施形態では、外部ソースは、ソフトウェアツールが利用できない、予想モデルの訓練に使用できる機密データへのアクセスを有してもよい。
【0011】
たとえば、外部ソースは、製品を販売する小売エンティティであってもよく、小売エンティティは、製品、売上高、または他者が利用できないようにされる他の機密情報についての機密データを格納してもよい。この例では、ソフトウェアツールは、この機密データへのアクセスを有していないため、ソフトウェアツールに組み込まれたいかなる予想モデルもこの機密データを使用して訓練されることはできない。一方、実施形態は、(他のデータに加えて)この機密データを使用して訓練されてソフトウェアツールにロードされ得る予想モデルを提供する。これらの実施形態では、ソフトウェアツールは、機密データをその他のエンティティにさらすことなく、機密データからの機械学習された見識または傾向に基づいてデータ予想を行う機能を得るであろう。
【0012】
いくつかの実施形態では、機械予想に従って出荷を行うことができる。たとえば、機械予想は、いくつかの実施形態では1つ以上の製品の需要予測であってもよく、これらの予測に基づいて、倉庫と店舗との間で出荷を行うことができる。データ予想が、機密データを用いて訓練された予想モデルによって行われる場合、予想は、現実世界のシナリオをより正確に反映し得るため、リソース利用を向上させるように供給出荷を行うことができる。
【0013】
実施形態は、従来のアプローチに対するいくつかの改良点を提供する。たとえば、従来は、小売業者は、組織内の組み込みシステムまたは(たとえば、ソフトウェアベンダからの)既製品としての市販のソリューションを使用して、需要予測などのデータ予想を生成する。前者の場合、小売業者は、高度なシステムを開発するための専門的なリソースまたはロバストなソフトウェアツールを開発するための技術的専門性を有していなくてもよい。後者の場合、特に高度なアルゴリズムおよび/またはモデルが問題になる場合には、市販のソリューションは、各小売業者の固有の状況に合わせるには一般的すぎるであろう。
【0014】
ソフトウェアベンダの中には、カスタマイズの程度を考慮に入れるものもあるが、これは、通常、特にツール内で使用できるアルゴリズム/モデリングに関して範囲が限定される。たとえば、カスタマイズは、ソフトウェアツールのユーザビリティおよび/またはワークフロー機能においてより一般的である。たとえソフトウェアベンダが分析的なカスタマイズを認めたとしても、ベンダがカスタマイズを実行するためには、小売業者はアルゴリズム/機密データを共有しなければならないであろう。多くの状況では、小売業者は、専有のアルゴリズムおよび機密データの機密性を要求するため、この情報をソフトウェアベンダと共有したがらない。したがって、従来のアプローチは、機密性も維持するカスタマイズ可能なソリューションを提供するには不十分である。
【0015】
実施形態では、高度なソフトウェアツールのソフトウェアフレームワークにロードされ得る予想モデル(たとえば、以前に訓練された機械学習モデル)のためのインターフェイスを提供することによって、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行う。たとえば、実施形態では、さまざまなデータ予想を表示することができ、これらの予想の第1の部分は、組み込み予想モデルを使用して予測を生成し、これらの予想の第2の部分は、カスタマイズされたロードされたモデルを使用して予測を生成する。いくつかの実施形態では、ソフトウェアツールは、多次元データモデル内の格納されたデータのさまざまな断面に基づいて予想を生成する。これらの実施形態は、高度なソフトウェアツールの複雑なデータ格納、分析および処理と並行して、アップロードされた予想モデルに基づいて高いレベルのカスタマイズを実現する。
【0016】
実施形態の利点は、予測の生成に使用できる高度なアルゴリズム/モデルの無制限のカスタマイズを含む。また、ソフトウェアベンダにとっては、特定のエンティティのためのニッチな使用事例で過剰なリソースを使用することなく、大半のまたは通常の使用事例(たとえば、60%、70%、80%、90%など)をカバーするアルゴリズム/モデルをソフトウェアツール内で実現することができる。さらに、機密性を必要とするエンティティは、カスタマイズを組み入れたときにいかなるアルゴリズムまたは機密情報もさらさないようにすることができる。最後に、エンティティは、生成されたモデルのための生成されたカスタムインターフェイスにより、連続的にまたは一定の期間に、カスタマイズされたモデルを効率的に更新することができる。
【0017】
ここで、本開示の実施形態を詳細に参照する。本開示の例は、添付の図面に示されている。以下の詳細な説明において、本開示を完璧に理解できるようにするために多数の具体的な詳細が記載されている。しかし、これらの具体的な詳細がなくても本開示を実施できるということは当業者に明らかであろう。他の場合には、実施形態の局面を不必要に曖昧にしないように、周知の方法、手順、構成要素および回路については詳細に記載しなかった。可能な限り、同様の参照番号は同様の要素に使用される。
【0018】
図1は、例示的な実施形態に係る、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのシステムを示す図である。システム100は、ユーザインターフェイス102と、アプリケーション104と、アプリケーションデータストレージ106と、生データストレージ108と、クラウドサーバ110と、ソフトウェアサービス120と、外部クライアント122とを含む。いくつかの実施形態では、ユーザインターフェイス102は、1つ以上のアプリケーション(たとえば、クラウドアプリケーション)および/またはソフトウェアサービスと対話するための複数のユーザインターフェイスを含み得る。
【0019】
たとえば、アプリケーション104は、クラウドアプリケーション、ローカルに格納されたアプリケーション、ウェブアプリケーション、アプレットなどを含み得る。たとえば、アプリケーション102は、オラクル(登録商標)小売需要予測(「RDF」)、オラクル(登録商標)小売予想アプリケーションサーバ(「RPAS」)および他の好適なフレームワーク/サービスのコンポーネントを含み得る(ユーザインターフェイス102は、オラクル(登録商標)RDF、オラクル(登録商標)RPASなどのためのユーザインターフェイスを含み得る)。たとえば、アプリケーション104は、エンティティ(たとえば、小売エンティティ)に対してプランニングおよび予測ソフトウェアサービスを提供することができる。いくつかの実施形態では、アプリケーション104に特有のデータは、アプリケーションデータストレージ106に格納されることができ、生データは、生データストレージ108に格納されることができる。たとえば、アプリケーションデータストレージ106は、編成スキーム(たとえば、オラクル(登録商標)データベースなどのデータベースであってもよい)を含み得て、生データストレージ108は、非構造化(または、それほど構造化されていない)データを格納し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、アプリケーション104、アプリケーションデータストレージ106および/または生データストレージ108は、クラウドサーバ110に基づいてクラウドアーキテクチャにおいて実現可能である。いくつかの実施形態では、アプリケーション104、アプリケーションデータストレージ106、生データストレージ108およびクラウドサーバ110は、ソフトウェアサービス120(たとえば、ソフトウェア・アズ・ア・サービス、プラットフォーム・アズ・ア・サービス、アーキテクチャ・アズ・ア・サービスなど)の一部であってもよい。
【0021】
実施形態では、機能を向上させるために、ソフトウェアサービスにロードされ得るカスタマイズ可能な予想モデルを提供する。いくつかの実施形態では、外部クライアント122は、ソフトウェアサービス120の外部にあってもよく(たとえば、切り離されていてもよく)、外部クライアント122は、カスタマイズ可能な予想モデルをソフトウェアサービス120にロードすることができる。たとえば、アプリケーション104および/またはアプリケーションデータストレージ106は、カスタマイズ可能な予想モデルをロードされ得る。機能112,114,116および118は、カスタマイズ可能な予想モデルを設計、訓練およびロードするために実行され、結果として生じる予想と対話することができる。
【0022】
たとえば、112において、予想モデルを設計および開発することができる。予想モデルの設計は、任意の好適な機械学習モデルコンポーネント(たとえば、ニューラルネットワーク、サポートベクターステートマシン、専門的な回帰モデル(デミング回帰、リッジ回帰またはラッソ回帰など)、ランダム予測モデルなど)を含み得る。114において、たとえば訓練データ(たとえば、機密または非機密データ)を使用して予想モデルを訓練することができる。いくつかの実施形態では、112および114は、予想モデルを調整できて、予想モデルを規定する仕様を生成できるように、組み合わせられてもよく、並べ替えられてもよく、および/または、反復されてもよい。
【0023】
116において、訓練されたモデルをたとえばソフトウェアサービス120にアップロードすることができる。一旦アップロードされると、アプリケーション104は、アップロードされた予想モデルを使用して、カスタマイズされたデータ予想または予測を行うことができ、データ予想は、たとえばユーザインターフェイス102を使用して表示することができる。118において、外部クライアント122によって、ロードされた予想モデルの結果と対話することができる。
【0024】
図2は、実施形態に係るコンピュータサーバ/システム200のブロック図である。システム200の全てまたは一部は、図1に示される要素のいずれかを実現するために使用されてもよい。図2に示されるように、システム200は、プロセッサ222およびメモリ214などのシステム200のさまざまなコンポーネント間で情報をやりとりするように構成されたバスデバイス212および/または他の通信機構を含んでもよい。また、通信デバイス220は、ネットワーク(図示せず)を介してプロセッサ222から別のデバイスに送られるデータを符号化し、ネットワークを介して別のシステムからプロセッサ222に受信されるデータを復号することによって、プロセッサ222と他のデバイスとの間の接続を可能にしてもよい。
【0025】
たとえば、通信デバイス220は、無線ネットワーク通信を提供するように構成されたネットワークインターフェイスカードを含んでもよい。赤外線、無線、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fiおよび/またはセルラー通信を含むさまざまな無線通信技術を使用してもよい。代替的に、通信デバイス220は、イーサネット(登録商標)接続などの有線ネットワーク接続を提供するように構成されてもよい。
【0026】
プロセッサ222は、システム200の計算および制御機能を実行するための1つ以上の汎用または特定目的プロセッサを含んでもよい。プロセッサ222は、マイクロプロセシングデバイスなどの単一の集積回路を含んでもよく、または協働してプロセッサ222の機能を実現する複数の集積回路デバイスおよび/または回路基板を含んでもよい。また、プロセッサ222は、メモリ214内に格納されたオペレーティングシステム215、予想モジュール216および他のアプリケーション218などのコンピュータプログラムを実行してもよい。
【0027】
システム200は、プロセッサ222によって実行するための情報および命令を格納するためのメモリ214を含んでもよい。メモリ214は、データを検索、表示、変更および格納するためのさまざまなコンポーネントを含んでもよい。たとえば、メモリ214は、プロセッサ222によって実行されたときに機能を提供するソフトウェアモジュールを格納してもよい。これらのモジュールは、システム200に対してオペレーティングシステム機能を提供するオペレーティングシステム215を含んでもよい。これらのモジュールは、オペレーティングシステム215、企業プランニングおよび予測機能を実行するように構成された予想モジュール216、および他のアプリケーションモジュール218を含み得る。オペレーティングシステム215は、システム200に対してオペレーティングシステム機能を提供する。いくつかの例では、予想モジュール216は、インメモリ構成として実現されてもよい。いくつかの実現例では、システム200は、予想モジュール216の機能を実行するときに、本明細書に開示されている機能を実行する従来にない専門的なコンピュータシステムを実現する。
【0028】
非一時的なメモリ214は、プロセッサ222によってアクセスされ得るさまざまなコンピュータ読取可能媒体を含んでもよい。たとえば、メモリ214は、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、ダイナミックRAM(「DRAM」)、スタティックRAM(「SRAM」)、リードオンリメモリ(「ROM」)、フラッシュメモリ、キャッシュメモリおよび/またはその他のタイプの非一時的なコンピュータ読取可能媒体の任意の組み合わせを含んでもよい。さらに、プロセッサ222は、バス212を介して、液晶ディスプレイ(「LCD」)などのディスプレイ224に結合されている。ユーザがシステム200と接続することを可能にするために、キーボード226およびコンピュータマウスなどのカーソル制御装置228が通信デバイス212にさらに結合されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、システム200は、より大きなシステムの一部であってもよい。したがって、システム200は、追加機能を含むための1つ以上の追加機能モジュール218を含み得る。他のアプリケーションモジュール218は、たとえばオラクル(登録商標)クラウドインフラストラクチャ、オラクル(登録商標)クラウドプラットフォーム、オラクル(登録商標)クラウドアプリケーションのさまざまなモジュールを含んでもよい。予想モジュール216、他のアプリケーションモジュール218、およびシステム200のその他の好適なコンポーネントは、オラクル(登録商標)小売需要予測(「RDF」)、オラクル(登録商標)小売予想アプリケーションサーバ(「RPAS」)および他の好適なフレームワーク/サービスのさまざまなモジュールを含み得る。
【0030】
データベース217は、バス212に結合されて、モジュール216および218のための集中格納を提供し、たとえば予想モジュール216または他のデータソースから受信されたデータを格納する。データベース217は、論理的に関連した記録またはファイルの統合された集合体の状態でデータを格納することができる。データベース217は、オペレーショナルデータベース、分析データベース、データウェアハウス、分散データベース、エンドユーザデータベース、外部データベース、ナビゲーショナルデータベース、インメモリデータベース、ドキュメント指向データベース、リアルタイムデータベース、リレーショナルデータベース、オブジェクト指向データベース、非リレーショナルデータベース、NoSQLデータベース、ハドゥープ(登録商標)分散ファイルシステム(「HFDS」)、または当該技術分野において公知のその他のデータベースであってもよい。
【0031】
単一のシステムとして示されているが、システム200の機能は、分散システムとして実現されてもよい。たとえば、メモリ214およびプロセッサ222は、集合的にシステム200を表す複数の異なるコンピュータにわたって分散されてもよい。一実施形態では、システム200は、デバイス(たとえば、スマートフォン、タブレット、コンピュータなど)の一部であってもよい。ある実施形態では、システム200は、デバイスから切り離されていてもよく、開示されている機能をデバイスにリモートで提供してもよい。さらに、システム200の1つ以上のコンポーネントは、含まれていなくてもよい。たとえば、ユーザまたは消費者デバイスとしての機能では、システム200は、スマートフォンまたは他の無線デバイスであってもよく、このスマートフォンまたは他の無線デバイスは、プロセッサとメモリとディスプレイとを含むが、図2に示される他のコンポーネントのうちの1つ以上を含んでおらず、アンテナ、送受信機またはその他の好適な無線デバイスコンポーネントなどの図2に不図示の追加のコンポーネントを含む。さらに、システム200は、本明細書に開示されている機能を実行するように実現される場合、需要予測を提供するように特別に適合された特定目的コンピュータである。
【0032】
再び図1を参照して、いくつかの実施形態では、アプリケーション104は、企業プランニングおよび予測機能を提供することができる。たとえば、エンティティ(たとえば、小売エンティティ)のための1つ以上のプランおよび/または予測を生成するためのロバストで柔軟で効率的なフレームワークを提供するように多次元データモデルを実現することができる。多次元データモデルは、立方体によって表すことができ、この立方体の各辺は、データのさまざまな次元(たとえば、メジャー、製品、プラン、期間、チャネルなど)を表す。例示的なメジャー次元は、収入、利益、経費、在庫、売上高などの、企業または小売エンティティのメジャーメンバを含み得て、各々は、子メジャーメンバ(たとえば、子メンバ)をさらに含み得る。例示的なプラン次元は、作業プラン、以前のプラン、現在のプラン、将来のプランなどの、企業または小売エンティティのためのさまざまなプランを表すプランメンバを含み得る。例示的なチャネル次元は、インストア、ダイレクトトゥーコンシューマ、第三者などの顧客取引の一部を行うためのチャネルを表すメンバを含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態は、階層型の多次元データモデルを含み、次元のメンバは、子メンバをさらに有する。たとえば、製品次元の製品メンバは、製品ライン内のさまざまな製品を特徴付ける製品ラインなどの子メンバを含み得る。この例では、製品ラインメンバは、親メンバであると考えることができ、製品ライン内のさまざまな製品メンバは、親メンバの子メンバであると考えることができる。いくつかの実施形態では、メンバ階層は、3つ(たとえば、祖父母、親、子)、4つまたはそれ以上などのいくつかのレベルを含み得る。図3Aは、例示的な実施形態に係る、多次元データモデルの階層次元を示す図である。次元302は、区分、グループ、部門、クラス、サブクラス、スタイルおよびストックキーピングユニット(「SKU」)数の階層レベルを有する例示的な製品次元を示す。
【0034】
いくつかの実施形態では、データの断面は、企業または小売プランニングおよび予測データの生成および/または表示の一部として検索されることができる。たとえば、データのさまざまな組み合わせまたは交点の表示を含む多次元データの断面についての選択が受信され得る。データの例示的な断面は、所与のプラン(たとえば、プラン次元の特定のメンバ)、製品(たとえば、製品次元の特定のメンバ)およびメジャー(たとえば、メジャー次元の特定のメンバ)の組み合わせを含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、交点は、データの次元/メンバの特定の組み合わせを表す。たとえば、特定の製品ライン内の特定のセータの在庫データは、(たとえば、製品次元の特定の製品ラインメンバ下で)メジャー次元の在庫メンバと特定のセータメンバとの交点によって表すことができる。本明細書にさらに記載されているワークブックおよび/またはワークシートは、データの特定の交点を表すデータ要素を表示することができる。いくつかの実施形態では、データの断面は、この断面に関係する特定の次元/メンバによって規定されるデータの複数の交点を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、プランニングおよび予測ソフトウェアのユーザは、ワークブック/ワークシートを使用して複数のプランニングおよび予測タスクを実現することができる。ある例では、ワークブックは、(たとえば、企業または小売データを格納するデータベースからの)ユーザ定義のデータサブセット、または選択された次元(たとえば、次元および/または特定の次元メンバ)を含むデータの1つ以上の断面であってもよい。ワークブックは、ユーザが容易に見て操作することができるドメイン内の記録のデータのローカルコピーと見なされることができる。その多次元フレームワークを使用して、売上高予測の生成および商品資金プランの構築などの特的の機能を実行することができる。データを表示するために、ワークブックは、多次元ワークシートならびにグラフィカルチャートおよび関連の報告書を含み得る。たとえば、これらのワークブックは、予想データまたは予測データを含む企業または小売データのプランニング、閲覧および分析に使用されるビューおよびグラフィカルチャートを含み得る。
【0037】
実施形態は、以下の要素を有する例示的な構造を含み得る。以下の要素とは、製品レベルおよびメンバ(メンズセーター部門についての部門、クラスおよびサブクラスなど)、期間レベルおよびメンバ(2019年春シーズンについての半年、月および週など)、組織内の複数のチャネルをそれらの集約レベルで反映し得るチャネルレベルおよびメンバ(合計インストア区分、カタログまたはeコマース(たとえば、ダイレクトトゥーコンシューマ)など)、プランバージョン(作業プラン、元のプラン、現在のプランおよび昨年など)、メジャーおよび対応するビジネスルール(売上高、受領、在庫など)である。いくつかの実施形態では、ワークブックは、バッチプロセスを介して自動的に構築される場合もあれば、ソフトウェアウィザードを使用して手動で構築される場合もある。ワークブックフレームワークおよびその特定の属性が規定されて構築されると、構造をワークブックテンプレートとして保存することができ、これにより、新たなデータセットを標準フォーマットで必要に応じてインポート、操作および表示することができる。ワークブック内のデータは、詳細なレベルまたは集約レベルで見ることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、ワークシートは、ワークブックに含まれるデータのビューをユーザに提供する拡張可能な多次元ダイナミックスプレッドシートであってもよい。オラクル(登録商標)RPASおよび/またはRDFは、業界標準ビジネスプロセスをサポートする組み込みワークシートを含み得る。回転機能、ピボット機能およびフォーマット機能により、ユーザは、ワークシート内に個々のビューを作成することができる。データは、非常に高いレベルの詳細さで見ることができ、またはデータ値は、迅速に集約されて概要レベルで見ることができる。ユーザは、さまざまなフォーマットで、たとえば回転させる、データロールアップを変更する、メジャーを表示したり隠したりする、ドリルアップまたはドリルダウンすることなどによって、ワークシートに情報を表示することができる。図4および図5に示されるユーザインターフェイスは、例示的なワークブックの一部であるワークシート、グラフまたはチャートであってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、ユーザは、各次元/メンバ階層(製品、場所、暦)の多くのレベルでデータを編集してもよい。データが集約レベル(その下に1つ以上の下位レベルを有するレベル)で変更される場合には、この変更は、階層内の下位レベルに分散させることができ、このプロセスは拡散として知られている。データがその上に上位レベル(親)を有するレベルで変更される場合には、このデータ変更は、それらの上位レベルに反映させることができ、このプロセスは集約として知られている。メジャーには、デフォルトの集約および拡散挙動を割り当てることができる。メジャーの集約方法は、月または部門など、データが階層の集約レベルでどのように計算されるかを決定することができる。メジャーの拡散方法は、ユーザが集約レベルでデータを入力したときにデータが階層の下位レベルにどのように拡散されるかを決定することができる。
【0040】
図3Bは、例示的な実施形態に係る、多次元データモデルの階層次元を示す図である。階層304は、製品クラス、スタイル、色およびSKUの階層レベルを有する例示的な製品次元を示す。ある例では、階層304の売上高データがプランニングワークシートの形式で表示される場合、量は、階層内の最下位レベル(スタイル/色/サイズまたはSKUレベル)において見ることができる。それらは、階層内のいずれかの上位レベルにおいても見ることができる。
【0041】
この階層内には所与の期間にわたって販売される各SKUアイテムが厳密に5個あるシナリオを考えてみたい。SKUレベルのアイテムがスタイル/色レベルに集約されると、15枚の白クルーネックシャツ(Sが5枚+Mが5枚+Lが5枚)が販売されたとして表示されるであろう。さらなる集約は、合計30枚のクルーネックシャツ(白クルーネックが15枚+グレークルーネックが15枚)が販売されたことを示すであろう。このパラダイムが製品クラスレベルに拡張されると、集約は、60枚のシャツ(30枚のクルーネック+30枚のポケットT)が販売されたことを示すであろう。データは、多くの考えられる階層経路に沿って集約されることができる。たとえば、SKUは、スタイル、製品ライン、製品クラス、および最終的に製品区分にロールアップすることができる。また、これらの同一のSKUは、異なる階層経路に沿って、製品を提供するベンダまたは委託販売されるレベル製品にロールアップすることもできる。これらの異なる集約経路はいずれも、さまざまな実施形態において定義することができる。
【0042】
拡散(集約の逆)により、ユーザはより詳細なレベルでデータを見ることができる。拡散では、上位レベルの次元における合計が下位レベルの次元に割り当てられ、これは、合計に対する下位レベルの関係に基づく。いくつかの例では、階層内の最下位レベルにおけるデータは、意味のある予測を作成するには疎過ぎるが、この同一のデータは、下位レベルにおける各位置が上位レベルに向かう寄与率を求める際には有用であろう。たとえば、集約レベルのクラス/店舗予測は、所与の期間にわたって店舗♯001において50枚のシャツが販売されると予想することができる。下位SKU/店舗レベルにおける予測は、赤色のシャツが需要の40%を占め、青色のシャツが30%を占め、白色のシャツが20%を占め、黒色のシャツが10%を占めると判断することができる。これらのパーセンテージを使用して、合計50枚のシャツを色の下位レベルまで拡散させることができる。別の例では、集約レベルのクラス/店舗予測は、所与の期間にわたって店舗♯001において50枚のシャツが販売されると予想することができる。同様に、下位SKU/店舗レベルにおける予測は、赤色のシャツが需要の40%を占め、青色のシャツが30%を占め、白色のシャツが20%を占め、黒色のシャツが10%を占めると判断することができる。同様に、これらのパーセンテージを使用して、合計50枚のシャツを色の下位レベルまで拡散させることができる。いくつかの例では、階層内の下位レベルで予測が実行されて、上位レベルからの予測データを拡散させるときに使用されるパーセンテージを求める。下位レベルにおける予測データは、全体に対するパーセンテージについての信頼できる情報を生成するのに十分であり得るが、場合によっては、集約レベルで生成されるときには予測数はよりロバストである。
【0043】
実施形態では、プランニングソフトウェア機能および多次元データモデルを活用して予測を実現することができる。たとえば、オラクルRDFは、モデリング技術を使用して予測を生成する統計的な予測ソリューションである。本明細書に記載されているように、予測情報は、しばしば、階層(たとえば、製品階層)内の最下位レベルにおけるアイテムに有用である。これらのアイテムの履歴売上高データが疎および/またはノイズの混ざったものである場合に問題が生じ得るため、これらのアイテムの販売パターンは、特定するのが困難であろう。このような場合、本明細書に記載されているように、予測が上位レベルで生成された後に、結果として生じたデータが下位レベルに割り当てられる(拡散される)ことができる。
【0044】
多次元データモデルでは、予測データは、データの特定の交点(たとえば、データの複数の次元の断面)について予測され得る。データ予測の例示的なパラメータは、以下の通りであろう:
・交点:予測レベルを規定する階層次元
・ソースデータ:ソースデータは、予測の生成のための入力データとして使用されるメジャーである。
【0045】
・周期性:周期性は、予測レベル交点内に規定される、暦次元内の周期の数である。たとえば、交点が週/アイテム/店舗において規定される場合、周期性の値は52であろう(なぜなら、1年に52週あるからである)。
【0046】
・予測方法:予測レベルのために規定され得る予測生成方法(または、モデル)
・プランデータ:予測方法によって使用され得るアイテムの販売パターンの予想される形状および規模の詳細
・季節プロファイル:生成またはロードされ得て、また予測方法によって使用され得るアイテムの販売パターンの予想される季節性。このパラメータにおける値は、メジャー名である。季節プロファイルメジャーの交点は、予測レベルの交点と同一であり得る。
【0047】
・拡散プロファイル:ソースレベル予測を最終的な予測レベルまで拡散させるために使用される。
【0048】
いくつかの実施形態では、予測方法は、1つ以上の予想モデルを実行することができる。例示的な組み込み予測方法は、平均法、移動平均法、断続的方法、傾向法、加法的季節調整法、乗法的季節調整法などを含み得る。いくつかの実施形態では、組み込み予測方法は、線形回帰またはリッジ回帰などの1つ以上の組み込み予想モデルを実行することができる。これらのための例示的なモデルまたは需要モデルは、Y≒β+β+β2X+...+βを含み、ここで、「Y」は予測(たとえば、需要予測)を表し、βは、たとえば価格割引、ブランド、プロモーション、サイズ、色、パックサイズ、供給業者などの、需要に影響を及ぼすさまざまな需要変数/特徴(X,X,...X)のための係数推定値を表す。
【0049】
いくつかの実施形態では、組み込み予測方法のこのリストは、拡張可能であり得て、外部ソース(たとえば、外部クライアント)は、ロードされた予想モデル(たとえば、訓練された機械学習モデル)に基づいて1つ以上のさらなる予測方法を追加することができる。たとえば、再び図1を参照して、外部クライアント122は、予想モデルをソフトウェアサービス120(プランニングおよび予測ソフトウェアツールを含み得る)にアップロードすることができるコンピュータなどのネットワークデバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、外部クライアント122は、ソフトウェアサービス120をプランニングおよび予測に使用する小売エンティティであってもよい。しかし、外部クライアント122は、サービスのプランニングおよび予測ツールとともに使用されるソフトウェアサービス120の外部で訓練された外部予想モデルを有することができる。この予想モデルは、サービスによって生成されるインターフェイスを使用してソフトウェアサービス120にロードされることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、予想モデルの生成、ローディングおよびインタラクションは、図1の112,114,116および118の機能をたどることができる。たとえば、112において、予想モデルを設計および開発することができる。予想モデルの設計は、任意の好適な機械学習モデルコンポーネント(たとえば、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、専門的な回帰モデル(デミング回帰、リッジ回帰またはラッソ回帰など)、ランダム予測モデルなど)を含み得る。たとえば、ニューラルネットワークは、(訓練目的で)所与のコスト関数とともに実現され得る。ニューラルネットワークは、任意の数の隠れ層(たとえば、0個、1個、2個、3個またはそれ以上)を含み得て、フィードフォワードニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、モジュラーニューラルネットワーク、およびその他の好適なタイプを含み得る。いくつかの実施形態では、ニューラルネットワークは、たとえば実現される隠れ層の数に基づいて、ディープラーニング用に構成され得る。いくつかの例では、ベイジアンネットワークまたは他のタイプの教師あり学習モデルが同様に実現されてもよい。
【0051】
他の例では、サポートベクターマシンなどの教師なし学習モデルが、場合によっては1つ以上のカーネル(たとえば、ガウスカーネル、線形カーネルなど)とともに実現されてもよい。いくつかの実施形態では、設計された予想モデルは、積層された複数の予想モデルであってもよく、たとえば第1のモデルの出力は、第2のモデルの入力に送り込まれる。いくつかの実現例は、予想モデルのいくつかの層を含み得る。いくつかの実施形態では、予想モデルの特徴も決定することができる。たとえば、特徴エンジニアリングを使用して、1つ以上の予想モデルによって実現される特徴セットを生成することができる。
【0052】
114において、たとえば訓練データ(たとえば、機密および非機密データ)を使用して予想モデルを訓練することができる。たとえば、外部クライアント122は、一部のデータを機密にしておく(たとえば、クラウドベースのまたはソフトウェア・アズ・ア・サービス(「SaaS」実現例では無関係の第三者ベンダであり得るソフトウェアサービス120とこのデータを共有することを望まない))エンティティ(たとえば、小売エンティティ)であってもよい。いくつかの実施形態では、この機密データは、あるタイプの売上高データ、計画された製品選択、利幅データ(収入-コスト)、クレジットカードデータなどを含み得る。他のタイプの売上高データ、過去の製品選択、間接費(たとえば、コスト)のタイプなどの他のデータは、機密でなくてもよい。非機密データは、ソフトウェアサービス120および他のエンティティと共有可能である。
【0053】
いくつかの実施形態では、機密データおよび非機密データの両方のデータを用いて予想モデルを訓練することができる。たとえば、予想モデルがソフトウェアサービス120によって訓練されないので、機密データは、訓練目的でも利用可能である。訓練は、データセットを反復して、コスト関数が最適化されるまで(または、生成された予想が検証データセットからの許容誤差の範囲内になるまで)予想モデルの重みを調節することを含み得る。他のタイプの予想モデル訓練も実行されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、図1に不図示のデータストレージに機密データを格納することができる。たとえば、外部クライアント122(たとえば、外部小売エンティティ)は、アクセス制限を有する機密データを格納するセキュアデータストアを含み得る。言い換えれば、機密データは、アクセス制限のためにアプリケーション104によってアクセスできない、セキュアデータストアに格納されたデータであると考えることもできる。
【0055】
いくつかの実施形態では、訓練中に予想モデルの設計を調整することができる。たとえば、調整は、ニューラルネットワークにおけるいくつかの隠れ層を調節すること、サポートベクターマシンを実現するために使用されるカーネル計算を調節することなどを含み得る。この調整は、予想モデルによって使用される特徴を調節/選択することも含み得る。実施形態は、訓練されたときに所望の性能を実現する(たとえば、所望のレベルの精度で予想を行う)予想モデルの構成に到達するために、訓練を行いながらさまざまな調整構成(たとえば、さまざまなバージョンの予想モデルおよび特徴)を実現することを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、112および114は、予想モデルを調整できて、予想モデルを規定する仕様を生成できるように、組み合わせられてもよく、並べ替えられてもよく、および/または、反復されてもよい。たとえば、予想モデルの構成が選択されてモデルが訓練されると、モデルの仕様を生成することができる。この仕様は、予想モデルによって使用される特徴(たとえば、予想モデルのための入力)、生成された予想モデルのサイズ(たとえば、バイナリファイルのサイズ)、予想モデルのためのフレームワーク(たとえば、PyTorch、TensorFlowなど)、予想モデルのための関数または演算子、および予想モデルのための他の好適なパラメータを規定することができる。いくつかの実施形態では、モデル(たとえば、生成されたバイナリファイル)は、予想を計算する演算子Aおよび予想誤差を計算する演算子Bなどの複数の演算子または関数を含み得る。演算子名を使用して、どの演算子が予想を行うかを指定することができる。さらに、検証を伴う実施形態では、指定された演算子は、たとえばその存在ならびにその入力および出力を確認することによって検証されることができる。
【0057】
いくつかの実施形態では、仕様が生成されると、仕様はソフトウェアサービス120に送られることができる。仕様に規定された予想モデルのためのパラメータに基づいて、ソフトウェアサービス120は、予想モデルのためのカスタムインターフェイス(たとえば、アプリケーションプログラミングインターフェイス(「API」))を生成することができる。カスタムインターフェイスを使用して予想モデルをソフトウェアサービス120にロードすることができ、それにより、予想モデルをプランニングおよび予測ソフトウェアツールとともに使用して、ツールで利用可能な予測方法を拡張することができる。
【0058】
いくつかの実施形態では、カスタムインターフェイスは、RDFにおける特別な表現であり、その入力は、バイナリファイル(たとえば、予想モデル)への経路、特徴のメジャー名などのパラメータであり得る。たとえば、特徴は、多次元データモデルにロードされるデータ(たとえば、データの交点)を含み得る。APIまたはRDFにおける特別な表現の一例は、以下の通りである。
【0059】
【数1】
【0060】
116において、訓練されたモデルをたとえばソフトウェアサービス120にアップロードすることができる。いくつかの実施形態では、訓練されたモデルは、モデルのために生成されたカスタムインターフェイスを使用してアップロードされる。実施形態は、訓練されたモデルがプランニングおよび予測ソフトウェアツールおよび規定された仕様に適合していることを検証するための検証機能も含む。たとえば、検証機能は、モデルがロード可能であることを検証すること(アップロードされたバイナリファイルが、予測時に使用するためにソフトウェアツールによってロード可能であることを検証することなど)、いくつかの特徴(たとえば、仕様におよび/またはカスタムAPIによって規定される)が、ロードされたモデルに一致することを検証すること、および計算演算子(たとえば、APIおよび/または仕様に規定される)が、ロードされたモデルに一致することを検証すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0061】
ロードされて検証されると、アプリケーション104は、アップロードされた予想モデルを使用して、カスタマイズされたデータ予想または予測を行うことができ、データ予想は、たとえばユーザインターフェイス102を使用して表示することができる。118において、外部クライアント122によって、ロードされた予想モデルの結果と対話することができる。たとえば、データ予想は、ロードされた予想モデルおよび格納された多次元データを使用して行うことができる。ロードされた予想モデルは、多次元データ(たとえば、予想モデルの仕様に規定される)から入力を受信して、将来のある期間についての予測データを生成することができる。いくつかの実施形態では、予測データは、ワークブックまたは1つ以上の多次元ワークシートに表示することができる。したがって、ユーザ(たとえば、外部クライアント122に関連付けられたユーザ)は、本明細書に開示されているように、ワークブック/多次元ワークシートの動的な機能を使用して予測データと対話することができる。
【0062】
図4は、例示的な実施形態に係る、拡張可能なソフトウェアツールを使用したカスタマイズ可能な機械予想をグラフィカルユーザインターフェイスに表示するためのユーザインターフェイスを示す図である。ユーザインターフェイス402は、ロードされた予想モデルを使用して予測され得る多次元データの交点のチャートを表示する。たとえば、予測は、製品(または、製品ライン)、シナリオ(たとえば、特定のプラン)、メジャー(たとえば、予測された収入)および期間(たとえば、将来のある期間)の交点についての予想データであり得る。予測は、ロードされた予想モデル(仕様に規定される)に入力される観測データ(または、同様の期間にわたる売上高予想などの他の予想データ)に基づいて予想されることができ、このモデルは、その以前の訓練(たとえば、構成されたリンクおよび重み)を活用して予測のための予想データを生成することができる。示されているように、このチャートは、ある間隔に従って(たとえば、週に1回、隔週、月に1回、四半期に1回など)予測データをグラフ化することができる。
【0063】
図5は、例示的な実施形態に係る、多次元データの交点についてのカスタマイズ可能な機械予想をグラフィカルユーザインターフェイスに表示するためのユーザインターフェイスを示す図である。ユーザインターフェイス502は、ロードされた予想モデルを使用して予測可能な多次元データの複数の交点を含む多次元ワークシートを表示する。図4と同様に、各交点は、製品(または、製品ライン)、シナリオ(たとえば、特定のプラン)、メジャー(たとえば、予測された収入)および期間(たとえば、将来のある期間)の交点についての予想データであり得る。
【0064】
示されている実施形態では、多次元ワークシートは、複数のメジャーおよびプランを含む交点を示す。たとえば、交点504,506および508は、メジャー次元以外は多次元データの同一の断面(たとえば、場所、製品、期間およびプラン)を含んでもよく、交点504は、売上高メジャーを含み、交点506は、純売上高メジャーを含み、交点508は、値下げメジャーを含む。同様に、交点504および510は、プラン次元以外は多次元データの同一の断面(たとえば、場所、製品、期間、メジャー)を含んでもよく、交点504は、「Wp」プランを含み、交点510は、「Cp」プランを含む。
【0065】
ユーザインターフェイス502の交点を参照して、ロードされた予想モデル(仕様に規定される)に入力される観測データ(または、同様の期間にわたる売上高予想などの他の予想データ)に基づいて、予測の一部を予想することができ、このモデルは、その以前の訓練(たとえば、構成されたリンクおよび重み)を活用して予測のための予想データを生成することができる。また、組み込み予想モデルに入力される観測データ(または、同様の期間にわたる売上高予想などの他の予想データ)に基づいて、予測の一部を予想して、予想データを生成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、ワークシートに表示される予測の一部は、カスタマイズ可能なロードされた予想モデルを使用して予想されることができ、ワークシートに表示される予測の一部は、組み込み予想モデルを使用して予想されることができる。
【0066】
たとえば、ロードされた予想モデルを使用して、プランシナリオのうちの1つ以上、メジャーの一部などについてのデータを予測することができ、組み込み予想モデルは、他のプランまたはメジャーに使用することができる。他の実施形態では、ロードされた予想モデルを使用していくつかの製品または製品ラインを予測することができ、組み込み予想モデルを使用して他の製品または製品ラインを予測することができる。たとえば、訓練されたベイジアンネットワークは、他の予想モデルが確かめることができない疎な訓練データからの見識を提供することができる。その結果、多次元データのいくつかの交点は、カスタマイズされた予想モデル(たとえば、プランニングおよび予測ツールの組み込み予想モデル以外の予想モデル)を用いて、改良された結果を達成することができる。たとえば、いくつかの製品(製品次元階層の細粒端部におけるものなど)は、予想に利用できる疎なデータのみを有し得て、これらの製品との交点の予測は、疎なデータのために特別に構成された予想モデルから恩恵を受けることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、集約挙動は、組み込み予想モデルを使用して予想される何らかのデータ、および、ロードされた予想モデルを使用して予想される他のデータも含み得る。たとえば、製品ラインの予想在庫などの親の値は、製品ラインの下の複数の製品の予想在庫などの複数の子の値について予想される値の合計に基づいて計算することができる。例示的な例では、製品ラインの下の第1の製品は、組み込み予想モデルのうちの1つを使用して製品需要を予想してもよく、製品ラインの下の第2の製品は、ロードされた予想モデルを使用して製品需要を予想してもよい。次いで、集約を使用して、第1および第2の製品の予想需要の合計であり得る製品ラインの予想製品需要を求めることができる。したがって、データの交点の予想値は、組み込み予想モデルを使用して予想される成分と、ロードされた予想モデルを使用して予想される成分とを含み得る。
【0068】
さまざまな状況が、どの予想モデルをどの製品に使用するかに影響を及ぼし得る。上記の例では、第2の製品は、新たな製品提供物であってもよく、その結果、組み込み予想モデルは、正確な予測を提供するのに十分でないかもしれない。たとえば、外部クライアント(たとえば、小売エンティティ)は、第2の製品の需要予測の精度を向上させることができるデータを機密にしておいてもよい。したがって、機密データを用いて以前に訓練されたロードされた予想モデルは、より正確な予想およびリソース効率の向上をもたらすことができる。他の状況も同様に、このような機能から恩恵を受けることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、以前にロードされた予想モデルは、外部クライアント122によって継続的に(または、定期的に)更新されることができる。このような場合、更新された仕様は、ソフトウェアサービス120に送られることができ、カスタムAPIは、仕様に対する変更(たとえば、特徴変更、バイナリファイル変更など)に基づいて更新されることができる。次いで、調節された予想モデル(たとえば、更新されたバイナリファイル)を、更新されたAPIを使用してアップロードすることができ、その後の検証を行うことができ、その後、更新された予想モデルは、プランニングおよび予測ソフトウェアツールが利用できるようにされることができる。
【0070】
図6は、例示的な実施形態に係る、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行うためのフロー図である。一実施形態では、図6および以下の図7の機能は、メモリまたは他のコンピュータ読取可能なもしくは有形の媒体に格納されてプロセッサによって実行されるソフトウェアによって実現される。他の実施形態では、各機能は、ハードウェアによって(たとえば、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、プログラマブルゲートアレイ(「PGA」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)などを使用することにより)実行されてもよく、またはハードウェアとソフトウェアとの任意の組み合わせによって実行されてもよい。実施形態では、図6および図7の機能は、図2のシステム200の1つ以上の要素によって実行可能である。
【0071】
602において、訓練された機械学習モデルの特徴を少なくとも備える仕様を受信することができる。たとえば、機械学習モデルを開発して訓練することができ、仕様は、訓練された機械学習モデルによって使用される特徴(たとえば、予想モデルのための入力)、生成された予想モデルのサイズ(たとえば、バイナリファイルのサイズ)、予想モデルのためのフレームワーク(たとえば、PyTorch、TensorFlowなど)、予想モデルのための演算子、および予想モデルのための他の好適なパラメータを規定することができる。
【0072】
604において、受信された仕様に基づいて、訓練された機械学習モデルのためのインターフェイスを生成することができる。たとえば、仕様に規定される機械学習モデルのためのパラメータに基づいて、機械学習モデルのためにカスタムインターフェイス(たとえば、アプリケーションプログラミングインターフェイス(「API」))を生成することができる。
【0073】
606において、生成されたインターフェイスを使用して、訓練された機械学習モデルをロードすることができる。いくつかの実施形態では、訓練された機械学習モデルは、入力としてデータを受信して出力として予想データを出力するように構成されたバイナリファイルであってもよい。図7は、ロード可能な訓練された機械学習モデルについてのさらなる開示を提供する。いくつかの実施形態では、生成されたカスタムインターフェイスを使用して機械学習モデルをロードすることができ、それにより、機械学習モデルを使用して予測およびデータ予想を生成することができる。
【0074】
608において、ロードされた訓練された機械学習モデルを、受信された仕様に照らして検証することができる。たとえば、検証機能は、モデルがロード可能であることを検証すること(アップロードされたバイナリファイルが、予測時に使用するためにソフトウェアツールによってロード可能であることを検証することなど)、いくつかの特徴(たとえば、仕様におよび/またはカスタムAPIによって規定される)が、ロードされたモデルに一致することを検証すること、および計算演算子(たとえば、APIおよび/または仕様に規定される)が、ロードされたモデルに一致することを検証すること、のうちの1つ以上を含み得る。
【0075】
610において、多次元データモデルに従って格納される観測データを使用して予想を生成することができる。たとえば、本明細書に開示されているように、多次元データ(たとえば、企業または小売データ)は、データベースに格納され得る。いくつかの実施形態では、多次元データは、階層型であってもよく、製品、メジャー、期間および/またはプラン次元に複数のメンバを含み、これらの次元のうちの1つ以上は、階層メンバを含む。さまざまな実施形態では、他の次元および/またはメンバ(たとえば、階層メンバ)が実現されてもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、観測データの一部は、ロードされた訓練された機械学習モデルに入力されて第1のデータ予想を生成することができ、観測データの一部は、一般的な予測モデルによって使用されて第2のデータ予想を生成することができる。たとえば、一般的な予測モデルは、プランニングおよび予測データツールのための組み込み予測方法を含み得て、訓練された機械学習モデルは、これらの組み込み予測方法の拡張機能であってもよい。たとえば、一般的な予測モデルは、線形回帰モデルであってもよく、ロードされた訓練された機械学習モデルは、訓練されたニューラルネットワークまたは訓練されたサポートベクターマシンを備え得る。
【0077】
612において、多次元データモデルの交点を表示するように構成されたユーザインターフェイスに第1のデータ予想および第2のデータ予想を表示することができる。たとえば、ユーザインターフェイスは、本明細書に記載される1つ以上のチャートおよびグラフ、多次元ワークブック/ワークシート、またはこれらの組み合わせを含み得る。
【0078】
図7は、例示的な実施形態に係る、機械予想を行うために拡張可能なソフトウェアツールとともに使用されるカスタマイズ可能な機械学習モジュールを訓練およびアップロードするためのフロー図である。たとえば、図6の機能は、図7の機能とともに実行されてもよい。
【0079】
702において、フレームワークを使用して機械学習モデルを調整および訓練することができる。たとえば、機械学習モデルの設計は、任意の好適な機械学習モデルコンポーネント(たとえば、ニューラルネットワーク、サポートベクターステートマシン、専門的な回帰モデル(デミング回帰、リッジ回帰またはラッソ回帰など)、ランダム予測モデルなど)を含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、訓練は、データセットを反復して、コスト関数が最適化されるまで(または、生成された予想が検証データセットからの許容誤差の範囲内になるまで)機械学習モデルの重みを調節することを含み得る。他のタイプの機械学習モデル訓練も実行されてもよい。いくつかの実施形態では、機密データおよび非機密データの両方のデータを用いて機械学習モデルを訓練することができる。たとえば、予想モデルが第三者ソフトウェアサービスによって訓練されないので、機密データは訓練目的で利用することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、訓練中に機械学習モデルの設計を調整することができる。たとえば、調整は、ニューラルネットワークにおけるいくつかの隠れ層を調節すること、サポートベクターマシンを実現するために使用されるカーネル計算を調節することなどを含み得る。この調整は、機械学習モデルによって使用される特徴を調節/選択することも含み得る。実施形態は、訓練されたときに所望の性能を実現する(たとえば、所望のレベルの精度で予想を行う)機械学習モデルの構成に到達するために、訓練を行いながらさまざまな調整構成(たとえば、さまざまなバージョンの予想モデルおよび特徴)を実現することを含む。
【0082】
704において、訓練された機械学習モデルの仕様を規定することができる。たとえば、機械学習モデルの構成が選択されてモデルが訓練されると、モデルの仕様を生成することができる。この仕様は、予想モデルによって使用される特徴(たとえば、予想モデルのための入力)、生成された予想モデルのサイズ(たとえば、バイナリファイルのサイズ)、予想モデルのためのフレームワーク(たとえば、PyTorch、TensorFlowなど)、予想モデルのための演算子、および予想モデルのための他の好適なパラメータを規定することができる。
【0083】
706において、インターフェイスを使用して、訓練された機械学習モデルをアップロードすることができる。たとえば、ソフトウェアサービスは、本明細書に開示されているように、生成された仕様に基づいて機械学習モデルのためのカスタムインターフェイスを生成することができる。カスタムインターフェイスを使用して、訓練された機械学習モデルをロードすることができる。
【0084】
708において、部分的にアップロードされた機械学習モデルに基づいて、多次元データの交点の予想を受信することができる。たとえば、データ予想は、ロードされた機械学習モデルおよび格納された多次元データを使用して行うことができる。ロードされた機械学習モデルは、多次元データ(たとえば、モデルの仕様に規定される)から入力を受信して、将来のある期間についての予測データを生成することができる。いくつかの実施形態では、予測データは、ワークブックまたは1つ以上の多次元ワークシートに表示することができる。したがって、ユーザは、本明細書に開示されているように、ワークブック/多次元ワークシートの動的な機能を使用して予測データと対話することができる。
【0085】
実施形態は、カスタムアルゴリズム/モデルを使用して需要予測の予測精度を向上させるための機構を企業(たとえば、小売業者)に提供することによって、予測ソリューションの従来のアプローチを改良することができる。多くの場合、需要予測は、サプライチェーンの牽引役であり、もしそれが不正確であれば、割り当て、プランニングおよび補充が上手く行われず、その結果、リソース使用が非効率になる。一般に、予測が高い場合、アイテムは売れ残ることになり、割引して販売しなければならないか、または損失が増えることになるかのいずれかである。予測が低い場合、需要が満たされず、小売業者はロストセールスおよび顧客満足の低下に悩むことになる。どちらの場合にもリソース使用が非効率になる。実施形態は、確実な需要予測を実現するための技術を提供することにより、企業全体にわたってサプライチェーンにおけるリソース利用の効率を向上させる。
【0086】
図8は、例示的な実施形態に係る、本明細書に開示されているストック管理を含む統合された供給業者、在庫およびロジスティクスシステムを示す。図8に示されるように、システム800は、企業ビジネスシステム870を含み得て、企業ビジネスシステム870は、倉庫880を使用して企業場所801~804の製品のストックを管理し、製品を倉庫880から消費者に直接出荷するためのコードを実行する。企業ビジネスシステム870は、クラウドネットワーク850または他のタイプの通信ネットワークを介して、1つ以上の在庫システム820と通信する。いくつかの実施形態では、企業ビジネスシステム870のプランニングおよび予測ソフトウェアは、さまざまな製品に対して予測在庫レベルを提供する予測を生成することができる。在庫システム820および倉庫880は、これらの予測在庫レベルに基づいて、企業場所801~804への/からの出荷を実行することができる。いくつかの実施形態では、カスタマイズされ訓練された予想モデルを使用することにより、これらの予測在庫レベルを向上させることができるため、より効率的な出荷プロセスを生成する。
【0087】
在庫システム820は、在庫を保管し、輸送ロジスティクスを提供して、アイテムを企業場所801~804および消費者場所(たとえば、消費者の家)にトラック810~813または他の輸送機構を使用して配達する。一実施形態では、在庫システム820は、プランニングおよび予測ソフトウェアによって生成される季節プランなどの企業ビジネスシステム810からの入力を使用して、在庫レベルならびに企業場所801~804への製品の配達の量およびタイミングを決定するエンタープライズ・リソース・プランニング(「ERP」)専門コンピュータシステムまたは専門的な在庫管理システムを実現する。
【0088】
倉庫880は、在庫システム820に基づいて1つ以上の製品を企業場所801~804に供給し、製品を消費者場所(たとえば、消費者の家)に出荷するフルフィルメント倉庫であってもよい。一実施形態では、倉庫880は、プランニングおよび予測ソフトウェアによって生成される季節プランなどの企業ビジネスシステム810からの入力を使用して、在庫システム820および/または企業場所801~804への製品出荷の量およびタイミングを決定するERP専門コンピュータシステムまたは専門的な供給業者システムを実現する。いくつかの実施形態では、たとえば企業場所が過剰供給されておらず、十分な製品多様性を有していることを保証するために、たとえば企業場所801~804への返品に基づいて、倉庫880は、企業場所からの出荷を受け取ってもよい。
【0089】
実施形態では、拡張可能なソフトウェアツールを使用してカスタマイズ可能な機械予想を行う。いくつかの実施形態では、カスタマイズ可能な機械予想を行うために、訓練された機械学習モデルなどの予想モデルをソフトウェアツールにアップロードすることができる。たとえば、ソフトウェアツールは、線形回帰などの組み込み予想モデルを使用してデータ予想または予測を行うことができる。実施形態では、カスタマイズ可能なデータ予想を行うために使用することができるカスタマイズ可能な訓練されたモデルをロードするためのインターフェイスを提供し、このカスタマイズ可能な訓練されたモデルは、ニューラルネットワークモデル、サポートベクターステートマシンモデル、専門的な回帰モデル(たとえば、デミング回帰、リッジ回帰、ラッソ回帰など)、ランダム予測モデルなどである。
【0090】
いくつかの実施形態では、ソフトウェアツール(たとえば、プランニングソフトウェアおよび/または在庫システムソフトウェア)は、多次元データモデルに従って格納されたデータに対してデータ分析を行うことができる。たとえば、多次元データモデルは、(たとえば、階層状に編成された)データの多数の次元を含み得て、データ要素は、当該多数の次元のうちの複数の次元の交点を表すことができる。格納されたデータ、たとえばある期間にわたる観測に基づいて生成されて格納されたデータに基づいて、将来のデータについて機械予想を行うことができる。ある例では、格納されたデータは、ある期間にわたる所与の製品の売上高データであってもよく、機械予想は、将来のある期間にわたる当該製品の需要予測であってもよい。
【0091】
いくつかの実施形態では、機械予想は、線形回帰などのソフトウェアツールを有する組み込みモデルを使用して、または外部クライアントなどの外部ソースからのロードされた予想モデルを使用して、実現可能である。たとえば、ロードされた予想モデルは、さまざまなタイプのモデル(たとえば、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシン、専門的な回帰など)を含み得て、外部ソースが利用できる任意のデータを使用して訓練されることができる。いくつかの実施形態では、外部ソースは、ソフトウェアツールが利用できない、予想モデルの訓練に使用できる機密データへのアクセスを有してもよい。
【0092】
たとえば、外部ソースは、製品を販売する小売エンティティであってもよく、小売エンティティは、製品、売上高、または他者が利用できないようにされる他の機密情報についての機密データを格納してもよい。この例では、ソフトウェアツールは、この機密データへのアクセスを有していないため、ソフトウェアツールに組み込まれたいかなる予想モデルもこの機密データを使用して訓練されることはできない。一方、実施形態は、(他のデータに加えて)この機密データを使用して訓練されてソフトウェアツールにロードされ得る予想モデルを提供する。これらの実施形態では、ソフトウェアツールは、機密データをその他のエンティティにさらすことなく、機密データからの機械学習された見識または傾向に基づいてデータ予想を行う機能を得るであろう。
【0093】
いくつかの実施形態では、機械予想に従って出荷を行うことができる。たとえば、機械予想は、いくつかの実施形態では1つ以上の製品の需要予測であってもよく、これらの予測に基づいて、倉庫と店舗との間で出荷を行うことができる。データ予想が、機密データを用いて訓練された予想モデルによって行われる場合、予想は、現実世界のシナリオをより正確に反映し得るため、リソース利用を向上させるように供給出荷を行うことができる。
【0094】
本明細書全体を通して記載されている本開示の特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な態様で組み合わせられてもよい。たとえば、本明細書全体にわたる「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の一実施形態」、「特定の複数の実施形態」または他の同様の表現の使用は、実施形態に関連付けて記載される特定の特徴、構造または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ得るという事実を指している。したがって、本明細書全体にわたって見られる「一実施形態」、「いくつかの実施形態」、「特定の一実施形態」、「特定の複数の実施形態」という言い回しまたは他の同様の表現は、必ずしも全てが同一の実施形態群を指すわけではなく、記載されている特徴、構造または特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な態様で組み合わせられてもよい。
【0095】
上記の実施形態は、異なる順序のステップで実施されてもよく、および/または、開示されている構成とは異なる構成の要素で実施されてもよい、ということを当業者は容易に理解するであろう。したがって、本開示は概説された実施形態を考慮に入れるが、本開示の精神および範囲から逸脱することなく特定の変形例、変更例および代替的構造が明らかである、ということは当業者に明らかであろう。したがって、本開示の境界を決定するために、添付の特許請求の範囲を参照すべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】