(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】位相エンコーディングLIDARにおける内部反射減算のためのレーザー位相追跡方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
G01S 17/34 20200101AFI20220111BHJP
【FI】
G01S17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525204
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-05-24
(86)【国際出願番号】 US2019061022
(87)【国際公開番号】W WO2020102253
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519174791
【氏名又は名称】ブラックモア センサーズ アンド アナリティクス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】特許業務法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】クラウチ,ステファン シー.
(72)【発明者】
【氏名】カドレック,エミル
(72)【発明者】
【氏名】ループアバターラム,クリシュナ モハン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AA07
5J084AA10
5J084AC02
5J084AD01
5J084AD04
5J084BA03
5J084BA31
5J084BA40
5J084BA48
5J084BA51
5J084BB01
5J084BB14
5J084BB19
5J084BB28
5J084BB31
5J084CA07
5J084CA08
5J084CA09
5J084CA48
5J084CA68
5J084DA08
5J084EA14
5J084EA22
(57)【要約】
自律走行車(Autonomous Vehicle)における光検出のためのシステムおよび方法は、レーザーからの光信号を変調し、変調された光信号を生成するステップと、オブジェクトに向けて変調された光信号を送信するステップと、を含む。システムおよび方法は、変調された光信号を送信するステップに応答してリターンされた光信号を受信するステップと、リターンされた光信号をレーザーからの光信号に関連する基準光信号とミックスし、ミックスされた光信号を生成するステップと、ミックスされた光信号を検出して電気信号を生成するステップと、を含む。電気信号および変調された光信号に基づいて1つ以上の光学部品からのリターンされた光信号の内部反射のパラメータが決定され、これは、車両を作動させるのに使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を提供するレーザーと、
前記レーザーからの前記光信号を変調し、変調された光信号を生成する変調器と、
前記レーザーからの前記光信号に関連する基準光信号を生成し、前記変調された光信号をオブジェクトに向けて送信し、前記オブジェクトに向けた前記変調された光信号を送信することに応答してリターンされた光信号を受信する光カプラと、
前記リターンされた光信号を前記基準光信号とミックスし、ミックスされた光信号を生成する光ミキサー-前記基準光信号は、前記レーザーからの前記光信号に連関する-と、
前記ミックスされた光信号を検出して電気信号を生成する光検出器と、
前記電気信号および前記変調された光信号に基づいて1つ以上の光学部品からの前記リターンされた光信号の内部反射のパラメータを決定し、前記内部反射の前記パラメータに基づいて車両を作動させるプロセッサと、を含むシステム。
【請求項2】
前記パラメータは、位相、振幅、周波数または各周波数(Angular Frequency)のうち、少なくとも1つから選択され、前記変調器は、前記リターンされた光信号を前記基準光信号とミックスする前に前記基準光信号を変調し、前記光信号は、前記光信号の位相シーケンスに基づいて変調される請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光カプラは、第1複数の測定値のそれぞれについて前記変調された光信号を前記オブジェクトに向けて送信し、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記リターンされた光信号を受信する請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光ミキサーは、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記ミックスされた光信号を生成し、前記光検出器は、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記電気信号を生成する請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記パラメータは、前記第1複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射の位相を含む請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記変調された光信号と前記第1複数の測定値のそれぞれについて予想される距離インデックスだけ円形でシフトされた前記電気信号の点乗積(Dot Product)に基づいて前記内部反射の前記パラメータを決定する請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記電気信号の前記第1複数の測定値のうち、1つ以上の測定値を含む第2複数の測定値の平均を決定し-前記平均は、前記第2複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射の前記位相に少なくとも部分的に基づいて決定される-、
(I)前記第2複数の測定値の前記平均および(ii)前記第1複数の測定値のうち、少なくとも1つについての前記電気信号に少なくとも部分的に基づいて補正されたリターン信号を決定することによって、前記パラメータを決定する請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記補正されたリターン信号に基づいて前記車両を作動させる請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
レーザーからの光信号を変調し、変調された光信号を生成するステップと、
オブジェクトに向けて前記変調された光信号を送信するステップと、
前記変調された光信号を送信するステップに応答してリターンされた光信号を受信するステップと、
前記リターンされた光信号を基準光信号とミックスし、ミックスされた光信号を生成するステップ-前記基準光信号は、前記レーザーからの前記光信号に連関する-と、
前記ミックスされた光信号を検出して電気信号を生成するステップと、
前記電気信号および前記変調された光信号に基づいて1つ以上の光学部品からの前記リターンされた光信号の内部反射のパラメータを決定するステップと、
前記内部反射の前記パラメータに基づいて車両を作動させるステップと、を含む方法。
【請求項10】
前記リターンされた光信号を前記基準光信号とミックスする前に前記基準光信号を変調するステップをさらに含み、
前記パラメータは、位相、振幅、周波数または各周波数(Angular Frequency)を含み、そして、
前記レーザーからの前記光信号を変調し、前記変調された光信号を生成するステップは、前記光信号の位相シーケンスに基づいて前記光信号を変調するステップを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記オブジェクトに向けて前記変調された光信号を送信するステップは、第1複数の測定値のそれぞれについて前記変調された光信号を送信するステップを含み、前記リターンされた光信号を受信するステップは、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記リターンされた光信号を受信するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ミックスされた光信号は、前記第1複数の測定値のそれぞれについて生成され、前記電気信号は、前記第1複数の測定値のそれぞれについて生成される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パラメータは、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記内部反射の位相を含む請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記内部反射の前記パラメータを決定するステップは、
前記変調された光信号と前記第1複数の測定値のそれぞれについて予想される距離インデックスだけ円形でシフトされた前記電気信号の点乗積(Dot Product)に基づいて前記内部反射の前記パラメータを決定するステップと、
前記電気信号の前記第1複数の測定値のうち、1つ以上の測定値を含む第2複数の測定値の平均を決定するステップ-前記平均は、前記第2複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射の前記位相に少なくとも部分的に基づいて決定される-と、
(I)前記第2複数の測定値の前記平均および(ii)前記第1複数の測定値のうち、少なくとも1つについての前記電気信号に少なくとも部分的に基づいて補正されたリターン信号を決定するステップと、をさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記補正されたリターン信号に基づいて前記車両を作動させるステップをさらに含む請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2018年11月13日出願された米国臨時特許出願番号第62/760、437号についての優先権およびその利益を主張する。また、本出願は、2018年 12月 21日出願された米国臨時特許出願番号第62/783、749号についての優先権およびその利益を主張する。米国臨時特許出願番号第62/760、437号および米国臨時特許出願番号第62/783、749号の全体開示内容は、その全体が本明細書に参照として統合される。
【背景技術】
【0002】
光検出および距離測定のための、多くの場合、ニーモニック(Mnemonic)のLIDAR(ライダー)と呼ばれ、時には、レーザーRADAR(Radio-Wave Detection and Ranging)とも呼ばれるレーザーを用いる距離の光学的検出は、高度測定からイメージング(Imaging)、衝突回避に至るまで様々な応用について使用される。LIDARは、RADARのような従来のマイクロ波距離測定システム(Microwave Ranging System)よりも小さいビームサイズでより微細なスケール範囲(Scale Range)の距離解像度を提供する。距離の光学的検出は、オブジェクトについての光パルスの往復移動時間(Round Trip Travel Time)に基づく直接距離測定と、送信されたチャープ(Chirped)光信号とオブジェクトから散乱してリターンされた信号との間の周波数差に基づくチャープ検出(Chirped Detection)と、自然信号から区別可能な単一周波数位相変化のシーケンスに基づく位相エンコーディング検出(Phase-Encoded Detection)を含むいくつかの他の技術で達成され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示内容の様態は、一般的に光学分野における光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LIDAR)についてのものであり、より詳細には、自律走行車(Autonomous Vehicle)の動作時にドップラー補償(Doppler Compensation)および内部反射減算(Internal Reflection Subtraction)のためのシステムおよび方法に関する。
【0004】
開示された1つの実施例は、内部反射減算のためのシステムに関するものである。一部の実施例において、システムは、光信号を提供するレーザーソースを含む。一部の実施例において、システムは、レーザーからの光信号を変調し、変調された光信号を生成する変調器を含む。一部の実施例において、システムは、レーザーからの光信号に関連する基準光信号(Reference Optical Signal)を生成し、変調された光信号をオブジェクトに向けて送信し、オブジェクトに向けた変調された光信号を送信したことに応答するリターンされた光信号を受信する光カプラを含む。一部の実施例において、システムは、リターンされた光信号を基準光信号とミックスし、ミックスされた光信号を生成する光ミキサーを含み、基準光信号は、レーザーからの光信号に連関する。一部の実施例において、システムは、ミックスされた光信号を検出して電気信号を生成する光検出器を含む。一部の実施例において、システムは、電気信号および変調された光信号に基づいて1つ以上の光学部品(Optical Component)からのリターンされた光信号の内部反射のパラメータを決定し、内部反射のパラメータに基づいて車両を作動させるプロセッサを含む。
【0005】
他の様態において、本開示内容は、内部反射減算のための方法に関するものである。方法は、レーザーからの光信号を変調し、変調された光信号を生成するステップを含む。一部の実施例において、方法は、オブジェクトに向けて変調された光信号を送信するステップを含む。一部の実施例において、方法は、変調された光信号を送信するステップに応答してリターンされた光信号を受信するステップを含む。一部の実施例において、方法は、リターンされた光信号をレーザーからの光信号に関連する基準光信号とミックスし、ミックスされた光信号を生成するステップを含む。一部の実施例において、方法は、ミックスされた光信号を検出して電気信号を生成するステップを含む。一部の実施例において、方法は、電気信号および変調された光信号に基づいて1つ以上の光学部品からのリターンされた光信号の内部反射のパラメータを決定するステップを含む。一部の実施例において、方法は、内部反射のパラメータに基づいて車両を作動させるステップを含む。
【0006】
他の様態において、本開示内容は、ドップラー補償のためのシステムに関するものである。一部の実施例において、システムは、搬送波周波数(Carrier Frequency)で光信号を提供するレーザーソースを含む。一部の実施例において、システムは、位相変調器を含む。一部の実施例において、システムは、光ミキサーを含む。一部の実施例において、システムは、第1光検出器を含む。一部の実施例において、システムは、広帯域位相エンコーディング光信号(Optical Broadband Phase-Encoded Optical Signal)を含む光出力信号を生成するように位相変調器を制御するプロセッサを含む。一部の実施例において、プロセッサは、リターンされた光信号を受信し、リターンされた光信号を基準光信号とミックスしたことの結果として、第1光検出器からミックスされた光信号の実数部(Real Part)を受信する。一部の実施例において、出力光信号または基準光信号は、搬送波周波数から知られている符号を有する(Signed)非ゼロ周波数だけオフセットされたパイロット周波数(Pilot Frequency)を有するパイロットトーン(Pilot Tone)を含む。一部の実施例において、プロセッサは、ミックスされた光信号の実数部を含むデジタル信号のフーリエ変換に少なくとも部分的に基づいてリターンされた光信号のピーク周波数を決定する。一部の実施例において、プロセッサは、ピーク周波数およびパイロット周波数に基づいてリターンされた光信号の符号を有するドップラー周波数シフト(Doppler Frequency Shift)を判断する。一部の実施例において、プロセッサは、符号を有するドップラー周波数シフトに基づいて装置を作動させる。
【0007】
他の様態において、本開示内容は、ドップラー補償のための方法に関するものである。一部の実施例において、方法は、広帯域RF位相エンコーディング信号を用いるレーザーからの搬送波周波数での光信号の位相変調によって光出力信号を生成するステップを含む。一部の実施例において、出力光信号は、光広帯域位相エンコーディング光信号を含む。一部の実施例において、方法は、出力光信号を送信するステップを含む。一部の実施例において、方法は、出力光信号を送信するステップに応答してリターンされた光信号を受信するステップを含む。一部の実施例において、方法は、リターンされた光信号を基準光信号とミックスすることによって、ミックスされた光信号を出力するステップを含み、出力光信号または基準光信号は、搬送波周波数から知られている符号を有する非ゼロの周波数だけオフセットされたパイロット周波数を有するパイロットトーンを含む。一部の実施例において、方法は、第1光検出器でミックスされた光信号の実数部を検出するステップを含む。一部の実施例において、方法は、プロセッサ上で、ミックスされた光信号の実数部を含むデジタル信号のフーリエ変換に少なくとも部分的に基づいてリターンされた光信号のピーク周波数を決定するステップを含む。一部の実施例において、方法は、プロセッサ上で、ピーク周波数およびパイロット周波数に基づいてリターンされた光信号の符号を有するドップラー周波数シフトを判断するステップを含む。一部の実施例において、方法は、符号を有するドップラー周波数シフトに基づいて装置を作動させるステップを含む。
【0008】
また他の様態、特徴および利点は、本発明を行うために考慮される最上のモードを含む多数の特定の実施例および実装例を単純に例示することによって、以下の詳細な説明から容易に明らかになる。また、他の実施例は、他の異なる特徴および利点を有し得、これらの多くの詳細内容は、すべて本発明の思想および範囲を逸脱しなく、様々な明白な側面で修正され得る。例えば、ドップラー補償および/または内部反射減算のために本明細書で議論された任意のコンポーネントは、それぞれのコンポーネントの動作および/または機能を行う単一の実施例として組み合せられる。本明細書に議論されるようなドップラー補償および/または内部反射減算の任意の方法のための任意の動作は、単一の実施例として組み合せられる。したがって、図面および説明は、本質的に制限的であるものではなく、例示的であるものとみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付された図面で実施例は、制限的な方式ではなく、例示的な方式で説明され、類似の参照番号の場合は、類似の要素を指す。
【0010】
【
図1a】一実施例によって距離測定のための例示的な送信された光位相エンコーディング信号を示す概略的なグラフであり、
【
図1b】一実施例によって
図1aの距離測定のために一連の2進数(Binary Digit)としての
図1aの例示的な送信された光信号をリターンされた光信号とともに示す概略的なグラフであり、
【
図1c】一実施例によって2つのリターンされた信号との基準信号の例示的な交差相関を示す概略的なグラフであり、
【
図2】一実施例によって高解像度LIDARシステムの例示的なコンポーネントを示すブロック図であり、
【
図3】一実施例でよって同相/直交位相(In-Phase/Quadrature、I/Q)処理を用いるドップラー補償位相エンコーディングLIDARシステム(Doppler Compensated Phase-Encoded LIDAR System)の例示的なコンポーネントを示すブロック図であり、
【
図4a】一実施例によって出力光信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフであり、
【
図4b】一実施例によってIQ処理が行われるときのドップラーシフトされた光リターン信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフであり、
【
図4c】一実施例によってIQ処理が行われないときのドップラーシフトされた光リターン信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフであり、
【
図5a】一実施例によって非-搬送波パイロットトーン(Non-Carrier Pilot Tone)を用いる例示的なドップラー補償LIDARシステムを示すブロック図であり、
【
図5b】一実施例によって非-搬送波パイロットトーンを用いる例示的なドップラー補償LIDARシステムを示すブロック図であり、
【
図6a】一実施例によってSSB出力光信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフであり、
【
図6b】一実施例によってIQ処理が行われるときのドップラーシフトされたSSB光リターン信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフであり、
【
図6c】一実施例によってIQ処理が行われないときのドップラーシフトされたSSB光リターン信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフであり、
【
図7】一実施例によって符号を有するドップラー補償SSB位相エンコーディングLIDARシステムを用いるための例示的な動作を示すフローチャートであり、
【
図8】一実施例によって非-搬送波パイロットトーンを有する例示的な送信された光信号を示すグラフであり、
【
図9a】一実施例によって内部反射を判断して補償するように、位相エンコーディングLIDARシステムを作動させるための例示的な方法を示すフローチャートであり、
【
図9b】一実施例によって内部反射を判断して補償するように、位相エンコーディングLIDARシステムを作動させるための例示的な方法を示すフローチャートであり、
【
図10a】一実施例によって内部反射からリターンを除去するための補正前後の例示的な距離信号を示すグラフであり、
【
図10b】一実施例によって内部反射からリターンを除去するための補正前後の例示的な距離信号を示すグラフであり、
【
図10c】一実施例によって内部反射からリターンを除去するための補正前後の例示的な距離信号を示すグラフであり、
【
図10d】一実施例によって内部反射からリターンを除去するための補正前後の例示的な距離信号を示すグラフであり、
【
図10e】一実施例によって内部反射からリターンを除去するための補正前後の例示的な距離信号を示すグラフであり、
【
図11】一実施例によって減算の前の内部反射を位相追跡するための例示的な方法を示すフローチャートであり、
【
図12】他の実施例によって減算の前の内部反射を位相追跡するための例示的な方法を示すフローチャートであり、
【
図13】一実施例によって例示的な内部反射減算を示すグラフであり、
【
図14】本発明の一実施例を実装できるコンピュータシステムを示すブロック図であり、
【
図15】本発明の一実施例を実装できるチップセットを例示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
収容可能な距離精度および検出感度を達成するため、直接長距離LIDAR(Direct Long Range LIDAR)システムは、低いパルス反復率(Pulse Repetition Rate)および非常に高いパルスピークパワーを有する短いパルスレーザーを使用する。高いパルスパワーは、光学部品の急激な性能低下につながり得る。チャープおよび位相エンコーディングLIDAR(Chirped and Phase-Encoded LIDAR)システムは、相対的に低いピーク光パワーを有する長い光パルスを使用する。この構成において、距離精度は、パルス持続時間ではなく、チャープ帯域幅または長さと、位相コードの帯域幅に応じて増加し、したがって、優れた距離精度が相変らず獲得され得る。
【0012】
光搬送波(Optical Carrier)上に変調された位相エンコーディングされたマイクロ波信号を使用したLIDAR検出も使用されてきた。ここで、帯域幅(B)は、それぞれの位相を搬送するパルスの持続時間(τ)の逆数に比例し(B=1/τ)、任意の位相エンコーディングされた信号は、多数のこれらのパルスで構成される。この技術は、リターン信号内の特定周波数の一連の位相(または位相変化)を送信された信号内の一連の位相(または位相変化)と相関させることに依存する。相関関係でピークに関連する時間遅延は、媒質内の光の速度による距離に係る。距離解像度は、パルス幅(τ)に比例する。この技術の長所は、必要なコンポーネントの数がより少ないことと、位相エンコーディングされたマイクロ波および光通信のために開発された大量生産されたハードウェア部品の使用を含む。
【0013】
移動するターゲットについての単一ショット(Shot)距離およびドップラー情報を提供するために様々なコヒーレント(Coherent)距離測定技術が試演された。コード化された波形およびチャープ波形設計の両方で、正確な距離測定を可能にするために移動するターゲットのドップラー効果が理解されるべきであり、どのような方式でも補償されるべきである。コード化された場合に、「画びょう(Thumb-Tack)」曖昧さ機能によってドップラー補償は、交差相関の以前に重要である。この動作がなければ、距離測定は、観察しにくいか、または不可能であろう。このような困難を克服する技術が立証された。発明者の先行研究において、位相エンコーディングLIDARについてのドップラーシフト検出および検出されたドップラーシフトに基づく距離補正のための技術が「Method and System for Doppler Detection and Doppler Correction of Optical Phase-Encoded Range Detection」というタイトルのCrouchなどによるWIPO(World Intellectual Property Organization)特許協力条約(PCT)国際公報WO2018/144853(以下、「Crouch I」という)と、「Method and System for Time Separated Quadrature Detection of Doppler Effects in Optical Range Measurements」というタイトルのCrouchなどによるPCT国際出願番号PCT/US2018/041388(以下、「Crouch II」という)として公開および刊行されており、これらのそれぞれの全体の内容は、まるで本明細書で完全に説明されるように、本明細書に参照として統合される。
【0014】
しかし、符号を有するドップラー検出(Signed Doppler Detection)についての前述した接近方式を実装する位相エンコーディングLIDARシステムは、多くの場合、ドップラー検出の曖昧さを一貫して解決するのに困難を経る。このために、光学距離測定でドップラー効果を補償するように位相エンコーディングLIDARシステムの性能を改善する方式で検出の曖昧さを解決するべきである長年の必要性がある。
【0015】
さらに、位相エンコーディングLIDARシステム(または任意のLIDARシステム)に関連する内部光学部品からの反射(本明細書で「内部反射(Internal Reflections)」または「内部光学反射(Internal Optical Reflections)」ともいう)は、多くの場合、位相エンコーディングLIDARシステムの測定精度をさらに低下させる。例えば、サーキュレーター光学機器の強い逆反射は、ショットノイズの上に(不要なサイドローブ(Side Lobe)構造を介して)ノイズフロア(Noise Floor)を増加させて測定の動的距離を制限し、小さなターゲットリターンを曖昧にし得る。従来の位相エンコーディングLIDARシステムは、サーキュレーター減算(Circulator Subtraction)と呼ばれる技術を使用して定常信号(Stationary Signal)(内部逆反射)を推定してこれをデジタル方式で除去し、これは弱い非定常(Non-Stationary)ターゲット信号を観察する非常に効果的な方法であることが立証された。
【0016】
しかし、円形(Circular)減算は、いくつかの(>25)測定について周波数が安定的な(>π/10位相ドリフト)レーザーを必要とし、ここで1つの測定は、1つの送信された光信号(パルスまたはチャープまたは位相シーケンス)と(ある場合)ここに応答して受信された1つの受信された光信号(パルスまたはチャープまたは位相シーケンス)に対応する。このような要求事項は、多くのLIDAR応用(例えば、自律走行車)に負担がかかり過ぎ、および/またはコストがかかるため、光学距離測定を行う位相エンコーディングLIDARシステムの性能を改善するために、内部反射を緩和(例えば、除去、減算)するための代替技術および/または装備構成を提供する長年の必要性がある。
【0017】
したがって、本開示内容は、1つ以上の内部光学部品からリターンされた信号の任意の内部光学反射の否定的効果およびドップラーシフトを補償するためのシステムおよび方法に関するものである。すなわち、本開示内容は、ドップラーシフトが交差相関計算を補正することができるように出力光信号または基準光信号(Reference Optical Signal)に非-搬送波パイロットトーン(Non-Carrier Pilot Tone)を追加するシステム(例えば、位相エンコーディングLIDARシステム)および方法を提供し、これにより、距離を決定するためのシステムの能力を改善する。システムは、光学部品からのリターンされた信号の内部反射を減算(除去)することによって、距離を決定するための自分の能力をさらに改善させ得る。
【0018】
以下の説明では、説明の目的として、本明細書の完全な理解を提供するために様々な具体的な詳細内容が説明される。しかし、このような具体的な詳細内容がなくても、本発明は、実施できることが当該業界における通常の技術者にとって明らかであろう。他の場合において、本発明を不必要に曖昧にすることを避けるためによく知られた構造とデバイスは、ブロック図の形態として示されている。
1.位相エンコーディング(Phase-Encoded)検出概要
【0019】
図1aは、一実施例によって距離の測定のための例示的な送信された光位相エンコーディング信号を示す概略的なグラフ110である。水平軸112は、時間を0(Zero)の開始時間から任意単位(Arbitrary Unit)で表す。左側垂直軸114aは、送信された信号の間のパワーを任意単位で表し、そして、右側垂直軸114bは、送信された信号の位相を任意単位として表す。位相エンコーディングLIDARの技術を最も簡単に例示するため、2進位相エンコーディング(Binary Phase Encoding)が説明される。トレース(Trace)115は、左側垂直軸114aについてのパワーを示し、送信された信号の間は、一定であり、送信された信号を超えると、0に落ちる。点線トレース116は、連続波信号についての信号の位相を示す。
【0020】
分かるように、トレースは、送信された信号の一部についての搬送波(Carrier)と同相(In Phase)であり(位相=0)、次に、短い時間間隔の間にシンボルΔφだけ変動し(位相=Δφ)、省略符号117で表示されるように、送信された信号について繰り返しに2つの位相値の間で前後にスイッチングする。一定の位相の最も短い間隔は、パルス持続時間(τ)と呼ばれるエンコーディングのパラメータであり、通常、帯域で最も低い周波数の多数の周期の持続時間である。逆(1/τ)は、ボーレート(Baud Rate)であり、それぞれのボーは、シンボルを示す。送信信号の時間中のこれらの一定の位相パルスの数(N)は、シンボルの数(N)であり、エンコーディングの長さを示す。2進(Binary)エンコーディングの場合、2つの位相値が存在し、最も短い間隔の位相が1つの値について0とみなされ得、他の1つの値は、1とみなされ得、したがって、シンボルは、1ビット(Bit)であり、ボーレートは、ビットレート(Bit Rate)とも呼ばれる。多重(Multiple)位相エンコーディングの場合、多数の位相値が存在する。例えば、Δφ*{0、1、2および3}のような4つの位相値は、Δφ=π/2(90度)に対して{0、π/2、πおよび3π/2}とそれぞれ同じであり、したがって、4つの位相値は、それぞれ0、1、2、3を示し得る。この例において、それぞれのシンボルは、同じ量の情報を2ビットで表し、ビットレートは、ボーレートの2倍である。
【0021】
PSK(Phase-Shift Keying、位相シフトキーイング)は、
図1aに示されるように、基準信号(搬送波)の位相を変更(変調)させることによって、データを伝達するデジタル変調方式を意味する。変調は、正確な時間にサイン入力とコサイン入力を変化させることによって刻印する。無線周波数(Radio Frequency、RF)において、PSKは、無線近距離通信網(LAN)、無線周波数認識(RFID)およびブルートゥース(登録商標)通信のために手広く使用される。代替的に、一定の基準波(Reference Wave)に対して動作する代わりに、送信は、それ自体に対して動作できる。単一の送信波形の位相変化は、シンボルとみなされ得る。このシステムにおいて、復調器は(基準波についての)、位相その自体ではなく、受信信号の位相変化を決定する。前記方式が連続する位相の間の差に依存するため、これは、差動位相シフトキーイング(Differential Phase-Shift Keying、DPSK)と呼ばれる。復調器が受信信号の正確な位相を決定するために基準信号のコピーを有する必要がないため、DPSKは、普通のPSKよりもかなり簡単に実装できる(したがって、これは、非コヒーレント(Non-Coherent)、すなわち、非同期方式である)。
【0022】
光距離測定応用について、搬送波周波数(Carrier Frequency)は、光周波数fcであり、RFf0は、光搬送波(Optical Carrier)に変調される。シンボルの数(N)と持続時間(τ)は、要求される距離精度と解像度を達成するために選択される。シンボルのパターンは、ノイズとコード化された信号の他のソースから区別できるように選択される。したがって、送信された信号とリターンされた信号との間の強い相関関係は、反射するか、または後方散乱した(Backscattered)信号の強い表示である。送信された信号は、1つ以上のシンボルブロックで構成され、それぞれのブロックは、ノイズが存在する場合でも、反射するか、または後方散乱したリターンとの強い相関関係を提供するほど十分に長い。次の議論において、送信された信号は、ブロック当たりN個シンボルのM個のブロックで構成され得、MとNは、負ではない整数であると仮定される。
【0023】
図1bは、一実施例によって、距離の測定のために一連の2進数(Binary Digit)としての例示的な送信された信号をリターンされた光信号とともに示す概略的なグラフ120である。水平軸122は、0での開始時間後の時間を任意単位として表す。垂直軸124aは、0についての周波数(f
c+f
0)での光送信信号の振幅を任意単位として表す。垂直軸124bは、0についての周波数(f
c+f
0)での光リターン信号の振幅を任意単位で表し、トレースを分離するために軸124aからオフセットされる。トレース125は、00011010から開始して省略符号で表示されるように、連続するコードを生成するために
図1aに示すような位相変化を有するM*N2進シンボルの送信信号を示す。トレース126は、動いていないオブジェクトから散乱した理想的な(ノイズがない)リターン信号を示す(したがって、リターンは、ドップラーシフトされない)。振幅は、減少されるが、コード00011010は、認識可能である。トレース127は、動いているオブジェクトから散乱し、したがって、ドップラーシフトされた理想的な(ノイズがない)リターン信号を示す。リターンは、適切な光周波数(f
c+f
0)にいなく、予想した周波数帯域内でよく検出されず、したがって、振幅が大きく減少する。
【0024】
リターンの観察された周波数(f’)は、数式1によって与えられるドップラー効果によるリターンの正確な周波数(f=f
c+f
0)と異なる。
【数1】
ここで、cは、媒質内の光の速度であり、v
0は、観察者の速度であり、v
Sは、ソースを受信機に連結するベクトルに沿ったソースの速度である。観察者とソースが2つの間のベクトル上で同じ方向に同じ速度で動いている場合、2つの周波数は、同じであることに注目するべきである。2つの周波数の間の差(Δf=f’-f)は、距離測定について問題点を引き起こすドップラーシフト(Δf
D)であり、数式2によって与えられる。
【数2】
誤差の大きさは、信号の周波数fに応じて増加することに注目するべきである。また、静止したLIDARシステム(v
0=0)の場合、毎秒10メートル(v
S=10)で移動するオブジェクトと約500THzの周波数を有する可視光線について、ドップラーシフトの大きさは、約16メガヘルツ(MHz、1MHz=10
6ヘルツ(Hz)、1Hz=毎秒1サイクル)であることに注目するべきである。以下に説明される様々な実施例において、距離計算のためにデータを処理するためにドップラーシフトの誤差が検出されて使用される。
【0025】
図1cは、一実施例によって送信された信号の2つのリターンされた信号との例示的な交差相関を示す概略的グラフ130である。位相コード化された距離測定(Phase Coded Ranging)で、位相コード化されたリターンの到達は、送信された信号または他の基準信号をリターンされた信号と交差相関(Cross-Correlation)させることによって、リターン信号内で検出され、RF信号のためのコードをヘテロダイン(Heterodyne)検出を用いる光検出器(Optical Detector)からの電気信号と交差相関させ、RF帯域に戻すようにダウンミキシング(Down-Mixing)することによって、実質的に実装する。水平軸132は、リターンされた信号との交差相関計算を行う前にコード化された信号に適用されるラグタイム(Lag Time)を任意単位として表す。垂直軸134は、交差相関演算の振幅を示す。任意の1つのラグ(Lag)のための交差相関は、2つのトレースをコンボリューション処理(Convolving)することによって、すなわち、2つのトレース内の対応する値を乗じ、トレース内のすべての点(Point)に対して加算した後、それぞれのタイムラグ(Time Lag)に対して繰り返すことによって計算される。代替的に、交差相関は、2つのトレースそれぞれのフーリエ変換を乗じた後に、逆フーリエ変換(Inverse Fourier Tranform)を行うことによって達成され得る。高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform、FFT)のための効率的なハードウェアとソフトウェアの具現は、順方向フーリエ変換と逆方向フーリエ変換の両方のために手広く用いられ得る。
【0026】
交差相関の計算は、リターンの振幅と位相が光検出器から検出された後に、アナログまたはデジタル電気信号を用いて行われ得ることに注目するべきである。光検出器における信号を容易にデジタル化できるRF周波数距離に移動させるために、光リターン信号は、検出器に衝突する前に基準信号と光学的にミックスされる。位相エンコーディングされた送信光信号のコピーは、基準信号として使用できるが、レーザーによって出力される連続波搬送波周波数光信号(Continuous Wave Carrier Frequency Optical Signal)を基準信号として使用し、検出器によって出力される電気信号の振幅と位相の両方をキャプチャすることも可能であり、多くの場合好ましい。
【0027】
トレース136は、動いていないオブジェクトから反射される(したがって、リターンがドップラーシフトされない)理想的な(ノイズがない)リターン信号との交差相関を示す。ピークは、送信信号の開始後に時間Δtで発生する。これは、リターン信号が時間Δtで開始する送信位相コードバージョンを含むことを示す。反射する(または後方散乱する)オブジェクトについての距離Rは、数式3によって与えられるように、媒質内の光の速度(C)に基づく往復移動時間遅延(Two Way Travel Time Delay)から計算される。
【数3】
【0028】
点線トレース137は、動いているオブジェクトから散乱した(したがって、リターンがドップラーシフトされた)理想的な(ノイズがない)リターン信号との交差相関を示す。リターン信号は、適切な周波数ビン(Frequency Bin)内の位相エンコーディングを含まず、相関関係は、すべてのタイムラグ(Time Lag)について保持され、ピークは、容易に検出されず、ノイズがある場合は、多くの場合に検出可能ではない。したがって、Δtは、容易に決定されず、距離Rは、容易に生成されない。
2.光検出ハードウェア概要
【0029】
位相エンコーディング検出接近方式を実装する方法を説明するために、いくつかの一般的かつ具体的なハードウェア接近方式が説明される。
図2は、一実施例によってドップラー補償されたLIDARシステムの例示的なコンポーネントを示すブロック図である。LIDARシステム200は、レーザーソース212、スプリッタ216、変調器282a、基準経路220、スキャニング光学機器218、処理システム250、獲得システム240および検出器アレイ230を含む。レーザーソース212は、持続時間(D)を有する位相コード化されるか、またはチャープされた光信号203を生成するために、スプリッタ216以前または以後に、変調器282aから位相または周波数変調された搬送波201を放出する。スプリッタ216は、変調された(または、示されるように、変調されない)光信号を分離する。ビーム201のエネルギーの大部分を有し得る、本明細書で送信信号(Transmitted Signal)または出力光信号(Output Optical Signal)とも呼ばれるターゲットビーム205が生成される。また、少ない量ではあるが、オブジェクト(図示せず)から散乱したリターンビーム291とよくミックスされるのに十分な量のエネルギーを有し得る変調されるか、または変調されていない基準ビーム207aが生成される。例示された実施例において、基準ビーム207aは、変調器282bで個別に変調される。しかし、一部の実施例において、変調器282bは、省略される。基準ビーム207aは、基準経路220を通過し、基準ビーム207bとして1つ以上の検出器に指向される。一部の実施例において、基準経路220は、基準ビーム207bがLIDAR外部のオブジェクトから散乱した光とともに検出器アレイ230に到逹するのに十分な知られている遅延を導入する。一部の実施例において、基準ビーム207bは、局部発振器(Local Oscillator、LO)信号と呼ばれ、別個の発振器から基準ビーム207bが局部的に生成されたより古い接近方式を示す。
【0030】
様々な実施例において、柔軟性が低い接近方式からより柔軟な接近方式まで網羅し、基準は、1)経路の長さがよくマッチングされるように検出器アレイで送信ビームの一部を反射させるために場面(Scene)内にミラーを配置すること、2)経路の長さを近くマッチングさせ、特定の距離について観察されたり、予測された位相または周波数差を補償するための経路の長さの調節を用いたり、利用せず、
図2で提案されたように、検出器アレイ近所の光学機器を用いて基準ビームをブロードキャスト(Broadcast)するためにファイバー遅延(Fiber Delay)を用いること、3)経路の長さの不一致(Mismatch)を補償するための別個の変調を生成するために周波数シフティング(Frequency Shifting)デバイス(音響光学変調器、Acousto-Optic Modulator)または局部発振器の波形変調の時間遅延を用いること、またはいくつかの組み合せによって散乱するか、または反射したフィールド(視野)を持って到着することになる。一部の実施例において、オブジェクトは、十分に近く、送信持続時間は、十分に長いため、リターンが遅延なしに基準信号と十分に重畳する。
【0031】
送信信号は、多くの場合、いくつかのスキャニング光学機器(Scanning Optic)218を介して関心領域を照明するために送信される。検出器アレイは、ペアをなすか、またはペアをなさない単一の検出器またはオブジェクトからのリターンされたビーム291におおよそ垂直な平面に配列されたペアをなすか、またはペアをなさない検出器の1次元(1D)または2次元(2D)アレイである。基準ビーム207bおよびリターンビーム291は、適切に検出される光特性信号を生成するために0またはその以上の光ミキサーで結合される。干渉パターンの周波数、位相または振幅またはいくつかの組み合せは、獲得システム240によってそれぞれの検出器に対して信号持続時間(D)の間に、複数回記録される。信号持続時間当たり処理される時間的(Temporal)サンプルの数は、ダウン-レンジ規模(Down-Range Extent)に影響を及ぼす。数は、多くの場合、信号当たりシンボルの数、信号反復率(Signal Repetition Rate) および可用カメラフレーム率(Available Camera Frame Rate)に基づいて選択される実質的な考慮事項である。フレーム率は、サンプリング帯域幅であり、「デジタイザー(Digitizer)周波数」と呼ばれる。距離規模(Range Extent)の唯一の根本的な限界は、レーザーのコヒーレンス(Coherence)長さおよび(明確な距離測定のために)これが繰り返す前のチャープまたは固有位相コードの長さである。これは、リターンされたヘテロダイン(Heterodyne)信号またはビット(Bit)のデジタルレコードが以前の送信履歴から送信ビットの任意の部分と比較されたり、交差相関できるため、可能になる。
【0032】
獲得されたデータは、
図14を参照して後述されるコンピュータシステムまたは
図10を参照して後述されるチップセットのような処理システム250に利用可能になる。処理システム250は、ドップラー補償モジュール270aと位相追跡内部反射減算モジュール270b(内部反射減算モジュール270bとして
図2に示される)を含む。ドップラー補償モジュール270aは、ドップラーシフトの符号と大きさを決定し、本明細書で説明された任意の他の補正(Correction)とともに、これに基づく補正された距離を決定する。内部反射減算モジュール270bは、補正された距離測定値(例えば、ドップラー補償モジュール270aから生成された信号)を提供するために知られている任意の他の補正とともに、処理システム250によって使用される位相追跡された内部反射補正を決定する。また、一部の実施例において、データ処理は、リターン信号の周波数がオブジェクトの動きのために、シフトされるドップラーシフトの推定を提供する。また、一部の実施例において、処理システム250は、スキャニング光学機器218を駆動するためにスキャニング信号を提供し、
図2に示されるように、変調器282a、282bを駆動する1つ以上の電気信号を伝送するための変調信号モジュール272を含む。
【0033】
任意の既知の装置またはシステムがレーザーソース212、変調器282a、282b、ビームスプリッタ216、基準経路220、光ミキサー284、検出器アレイ230、スキャニング光学機器218または獲得システム240を実装するために使用できる。瞳孔面(Pupil Plane)を通過する焦点またはターゲット上の焦点または投光照明(Flood)についての光カップリング(Optical Coupling)は、示されていない。本明細書に使用されたように、光カプラ(Optical Coupler)は、他のものの中でも、真空、空気、ガラス、クリスタル、ミラー、レンズ、光サーキュレーター(Optical Circulator)、ビームスプリッタ、位相板(Phase Plate)、偏光子(Polarizer)、光ファイバー(Optical Fiber)、光ミキサーのような他のコンポーネントを単独または一部の組み合わせのように、1つのコンポーネントから他のコンポーネントに光を指向させるためにスペース座標内で光の伝搬(Propagation)に影響を及ぼす任意のコンポーネントである。
3.位相エンコーディング光検出
【0034】
一部の実施例において、電気光学変調器(Electro-Optic Modulator)は、変調を提供する。システムは、様々な実施例について以下により詳細に説明するように、要求されるダウン-レンジ解像度に適した長さ(M*N)とシンボル持続時間(τ)の位相コードをD=M*N*τの全体持続時間について生成するように構成される。例えば、3Dイメージングアプリケーションにおけるパルスの総数(M*N)は、約500ないし約4、000の範囲内にある。処理がデジタルドメイン内で行われるため、M*Nを2の累乗として、例えば、512ないし4096の間隔で選択することが有利である。平均化が行われていないときにMは1である。もし、ランダムノイズ寄与分があれば、Mが約10であることが有利である。結果的に、Nは、M=1について512ないし4096の範囲内にあり、M=10について約50ないし約400の範囲内にある。500Mbpsないし1Gbpsボーレート(Baud Rate)の場合、このコードの持続時間は、約50ナノ秒と8マイクロ秒の間である。距離ウィンドウ(Range Window)がこのような条件下で数キロメートルまで延長されるように作ることができ、ドップラー解像度も(送信された信号の持続時間に依存して)かなり高くなる可能性があることが注目されるべきである。たとえ、プロセス、装備およびデータ構造が例示の目的に特定配列内の必須のブロックとして
図2と、
図3および
図5に描写されているが、他の実施例において、1つ以上のプロセスまたはデータ構造またはその一部が同じであったり、異なるホスト上に、1つ以上のデータベース内に異なる方式に配置されたり、省略されたり、1つ以上の異なるプロセスまたはデータ構造が同じであったり、異なるホスト上に含まれる。例えば、スプリッタ216と基準経路220は、0個以上の光カプラを含む。
4.内部反射減算機能を有するドップラー補償されたLIDAR
【0035】
図3は、以前の接近方式を用いる位相エンコーディングLIDARシステムの例示的なコンポーネントを示すブロック図である。オブジェクト390がLIDARシステム300の動作を例示するために示されているが、オブジェクト390は、LIDARシステム300の一部ではない。システムは、レーザー310および位相変調器320、ビームスプリッタ312、サーキュレーターおよび合成器(Combiner)のような光ミキサー360、サーキュレーター323のような送信/受信機光学機器を含むスキャニング光学機器322および光検出器(Photodetector)330(「光検出器(Optical Detector)330」ともいう)を含む。ビームスプリッタ312の出力は、局部発振器基準信号314(「LO314」ともいう)で使用され、光ミキサー360に入力される。リターン光信号324は、スキャニング光学機器322内のサーキュレーター323によって出力され、光ミキサー360に送信される。その結果は、処理システム350に入力される電気信号332を出力する光検出器330に指向されるミックスされた光信号である。処理システム350は、位相変調器320を駆動するのに使用されるデジタルコードを生成するためのデジタルコードモジュール372を含む。また、処理システム350は、デジタルコードおよび/または電気信号332に基づいて符号を有するドップラーシフトを誘導するのに使用されるドップラー補償モジュール370aを含む。また、処理システム350は、デジタルコードおよび/または電気信号332に基づいて交差相関および範囲を決定するための位相追跡内部反射減算モジュール370bを含む。
【0036】
以前の接近方式において、ドップラーシフトの符号を決定する方法は、信号の数学的表現の実数および虚数成分を個別的に処理するものであった。 以下により詳細に説明される実施例において、単側波帯(Sideband)位相変調の利用は、個別処理についての必要性を除去する。しかし、このようなシステムがまた使用されることができる。
【0037】
電気工学における位相変調(数学関数(exp(iωt))の実数部と虚数部との間の角度変調に対応する)を有する正弦曲線は、1/4サイクル(π/2ラジアン)だけ位相がオフセットされた2つの振幅-変調された正弦曲線に分解されたり、このような正弦曲線から合成され得る。すべての3つの関数は、同じ周波数を有する。振幅変調された正弦曲線は、0の位相で同相分(I)およびπ/2の位相で直交位相成分(Q)として知られている。
【0038】
レーザーは、搬送波周波数f
cの光信号を生成する。変調されたレーザー光信号(L)は、数式4によって数学的に表示される。
【数4】
ここで、I
0は、レーザーによって出力される強度(Intensity)であり、exp()は、exp(x)=e
xになるようにする指数関数であり、iは、-1の平方根の特性を有する虚数であり、tは、時間であり、ωc=2πf
cは、光搬送波周波数f
cに対応する各周波数(Angular Frequency)である。
【0039】
数学的にこの表現は、実数部=I
ORcos(ωt)と虚数部=I
OIsin(ωt)を有し 、ここで、I
ORは、強度の実数部(同相)であり、I
OIは、虚数部である。振動の位相は、実数部と虚数部との間の角度によって与えられる。したがって、L=I
ORcos(ωt)+iI
OIsin(ωt)であり、I
Oは、実数部と虚数部の平方和の根すなわち、I
O
2 =I
OR
2+I
OI
2である。スプリッタ312は、数式5によって与えられた基準信号(局部発振器と呼ばれる)LOとして使用するために信号の強度の小さな部分を指向させる。
【数5】
ここで、Aは、スプリッタ312の強度効果を示す定数である。したがって、一般的に電気信号を出力する光検出器から検出される電場(E
LO)は、数式5bとして記載され得る。
基準信号LOが変調されないレーザー信号であるとき、全体信号は、同相であり、虚数成分は、0である。したがって、次のようになる。
【0040】
この実施例において、処理システム内の変調信号モジュールは、B(t)として表現される光搬送波上の位相変化として付与されるシンボルのデジタルコードを示す電気信号を送信し、ここで B(t)は、tの関数として0とπ/2との間でスイッチングされる。変調器282aの役割をする位相変調器320は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)からデジタルラインを取り出し、これを増幅させ、EO位相変調器を駆動することによって、光搬送波に位相変化を付与する。それでは、送信された光信号Tは、数式6aによって与えられる。
【数6】
ここで、Cは、部分Aの分割によるI
Oでの減少と位相変調器320または送信された経路の他の部品によって付与された任意の増幅または追加減少を説明する定数であり、Rは、位相変調後の残留搬送波の振幅であり、Sは、位相コード化された信号についての振幅である。ここで、ω=2πf
0は、ドップラーシフトを検出するのに有用なスペクトルでの任意のパイロットトーン(Pilot Tone)の周波数f
0に対応する各周波数である。二重側波帯変調を用いる以前の接近方式において、このピークは、搬送波周波数f
cにある(f
o=f
c)。これは、二重側波帯位相変調器の0次および1次側波帯である。そして、引数ωtの位相は、常に搬送波および信号の位相コード部分の両方について関連している。
【0041】
現在の技術を用いる様々な実施例において、ドップラー検出のために有用なこのパイロットピークは、搬送波周波数にいない。すなわち、f0≠fcである。しかし、代わりに、非-搬送波(Non-Carrier)パイロットトーンfPにある(例えば、f0=fP、およびωp=2πfP)。パイロットピークは、搬送波周波数から知られている符号を有するオフセットされた単一トーンである。そして、知られているパイロット周波数fPを有する非-搬送波(Non-Carrier、NC)パイロットトーンと呼ばれる。それでは、数式6aは、数式6bに置き換えられる。
ここで、Pは、非-搬送波パイロット信号であり、ωcは、一部の実施例で相変らず搬送波周波数にあるが、単側波帯位相変調器を用いる他の実施例においては、他の周波数にあるコードの中心での周波数である。一部の実施例において、以下により詳細に説明するように、NCパイロットトーンは、送信される出力光信号の代わりに基準光信号に追加される。
【0042】
リターンされた信号は、光ミキサーに指向され、ここで、リターン光信号は、数式5aないし数式5cによって与えられた基準光信号LOとミックスされる。送信されたビームによって傍受されたk番目のオブジェクトからのリターンされた信号Rは、搬送波パイロットトーンf
0=f
Cについて数式7aによって与えられる。
【数7】
ここで、A
kは、オブジェクト390への、そして、それからの電波(Propagation)に起因する強度の損失とk番目のオブジェクトでの散乱を説明する定数であり、△t
kは、LIDARシステムとk番目のオブジェクトとの間の往復移動時間であり、ω
Dk=2π△f
Dは、k番目のオブジェクトのドップラー周波数シフト(本明細書で便宜上、ドップラーシフトと呼ばれる)の各周波数である。すべてのターゲットにわたって合算されたリターン信号の電場(E
R)は、数式7bによって与えられる。
【0043】
非-搬送波パイロットトーンおよび単側波帯コードについて、リターンは、数式7cとして表現され、電場は、数式7dとして表現される。
【0044】
光ミキサー360で同時信号(Coincident Signals)(例えば、LO314およびリターン光信号324)は、ミックスされている2つの光信号の周波数、位相および振幅での差に関連するビート(beat)周波数および光ミキサー360の機能に依存する出力を有するミックスされた光信号362を生成する。本明細書で使用されたように、ダウンミキシング(Down-Mixing)は、光ヘテロダイン検出を意味し、これは非線形光プロセスを用いるヘテロダイン検出の具現である。本明細書において、「ダウンミキシング」と呼ばれる光ヘテロダイン検出で、いくつかの光周波数での関心光信号が隣接(Close-by)周波数に設定された基準「局部発振器」LOと非線形的にミックスされる。要求される結果は、元の光周波数信号の情報(振幅、位相および周波数変調)を搬送するが、便利には、RF帯域における本明細書において、ビート周波数と呼ばれるより容易に処理されたより低い周波数で発振している差周波数(Difference Frequency)である。一部の実施例において、前記ビート周波数は、RFアナログデジタル変換器(Analog to Digital Converter、ADC)によって容易にデジタル化できる電気アナログ信号のような電気信号332として光検出器から出力されることができるRF帯域内にある。電気信号332は、処理システム350に入力され、デジタルコードモジュール372からのデジタルコードとともに、交差相関と距離を決定し、一部の実施例において、オブジェクトの符号を有するドップラーシフトおよび結果的な速度と方向を決定するためにドップラー補償モジュール370aによって使用される。一部の実施例において、電気信号332は、処理システム350が交差相関と距離を決定するように処理システム350に入力され、デジタルコードモジュール372からのデジタルコードとともに位相追跡内部反射減算モジュール370bによって使用される。
【0045】
一部の実施例において、原信号(Raw Signal)は、ドップラーピークを見つけるために処理され、その周波数ωDは、相関計算を補正し、正確な距離を決定するために使用される。しかし、このような実施例において、I/O検出の欠乏は、正および負のドップラーシフトの両方でドップラーシフト周波数での実数値の時間ドメイン信号をもたらすであろう。この信号の分析は、ドップラーシフトの符号を明らかにできないだろう。他の実施例において、光ミキサーおよび処理が同相および直交位相成分を決定し、ωDを先に予測するためにこのような分離を使用した後、△tを推論するために交差相関計算を補正するためにωDを使用するように構成されると、有用であることが分かるようになった。また、ωDの値は、オブジェクトの速度を示すために使用される。次に、△tの値は、前述した数式3を用いてオブジェクトまでの距離を決定し、提供するために使用される。全体の内容が、まるで本明細書で完全に説明されるように、本明細書に参照として統合される2018年8月9日WO2018/144853号として刊行された国際特許出願PCT/US2018/016632で説明されたのように、光ミキサーによるI信号とQ信号の分離は、ドップラーシフトの符号を明らかに決定できるようにする。
4.1 ドップラー補償されたLIDAR-ドップラーシフトされたリターン信号のスペクトル
【0046】
図4aは、送信された信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフ140aである。そして、
図4bは、ドップラーシフトされた複素リターン信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフ440aである。水平軸442は、光搬送波f
cからオフセットされたRF周波数を任意単位として表す。垂直軸444は、スペクトル密度とも呼ばれる特定の狭い周波数ビン(Bin)の振幅を0に対して任意単位として表す。通常の位相変調器は、RF位相変調信号を搬送波周波数f
cの両側に追加する。これは、二重側波帯変調(Dual Sideband Modulation)と呼ばれる。トレース445は、通常の位相エンコーディング実装のように、f
cに対応するRFf
0=0を有する送信された信号を示す(周波数0を有する電場は、直流(Direct Current、DC)ともいう)。変調が光搬送波周波数f
cを下げても、その周波数でのスペクトル密度で残留スパイク(Spike)が相変らず存在する。そのスパイクは、次に説明されるように、電力スペクトルを支配し、ドップラーシフトを感知するのに使用される。その残留搬送波スパイクは、ドップラーシフト検出を案内するため、本開示から搬送波「パイロット(Pilot)」と呼ばれる。
【0047】
図4bにおいて、トレース446は、LIDARシステムを向けて移動しているオブジェクトから後方散乱し、これにより、より高い周波数でドップラーシフト(ブルーシフトという)された理想的な(ノイズがない)複素リターン信号を示す。リターンは、適切なRFf
0=0(DC)でピークを有しない。しかし、代わりにシフトされた周波数f
sにΔf
Dほどブルーシフトされる。時間ドメイン信号がIQ技術を用いてサンプリングされるとき、ドップラーシフトの符号(DCに相対的な正または負)は、結果的なパワースペクトルで明らかである。
【0048】
Crouch Iで説明された他の実施例において、光ミキサーおよび処理が同相(I)および直交位相(Q)成分を決定するように構成されると、有利であることが判明した。1つ以上のコンポーネント(例えば、
図3における光ミキサー360)によるIQ検出は、ドップラーシフトの符号を解決するために活用され得る。
【0049】
Crouch Iに説明された例示的なハードウェア実施例において、90度の光ハイブリッド光ミキサー(90 Degree Optical Hybrid Optical Mixer)は、デジタル化される2つのチャネルに光学的にダウンミキシングされた(Down-Mixed)信号のI/Q検出を許容する。このシステムは、非常に柔軟な「ソフトウェアに定義された(Software Defined)」測定アーキテクチャが発生し得るようにする。Crouch Iで説明された他のハードウェア実施例は、3×3のマルチモード干渉(Multimode Interference、MMI)構造の使用を含む。このような装置は、フリースペース90度ハイブリッド(Free-Space 90-Degree Hybrids)よりもコンパクトである。これらは、それぞれの出力ポートで120度の位相シフトを生成する。次に、それぞれのポートは、複素信号のソフトウェアベースの再構成の前に独立的に検出され、デジタル化される。この接近方式は、測定をサポートするために少なくとも2つの検出器と2つのアナログ-デジタル変換器(Analog to Digital Converter、ADC)を必要とする。これは光学ハイブリッド、検出器、電気ルーティングおよびデジタイザーがすべてスペースを占める高度に統合された設計でスケーリング(Scaling)についての容易ではない課題を提示する。
【0050】
Crouch IIに説明された他の実施例において、同相(I)および直交位相(Q)成分が別の時間で感知されると、利点が獲得される。基準信号は、リターンされた光信号の実数部に係る電気信号を光検出器330で測定するために1つの時間間隔の間に送信された信号と同相となるように作られることができ、基準信号は、リターンされた光信号の複素部分に係る電気信号を光検出器330で測定するために他の重畳しない時間間隔の間に送信された信号と直交するように作られることができる。次に、複素信号が2つの測定された電気信号からドップラー補償モジュール370aでデジタル方式で生成され得る。そして、デジタル方式で構成された複素信号は、適切に符号を有するドップラーシフトを決定するのに使用されることができる。
【0051】
この実施例において、I/Q分離が符号を有するωDを推定するのに先に使用され、符号を有するωDは、Δtを誘導するために交差相関計算を補正するのに使用される。推定は、処理間隔の持続時間によって設定されたシステムの周波数解像度内にあるべきである。k番目のリターンによる電場についてドップラーシフトされ、(ダウンミキシング後の)時間遅延されたコード項は、数式7eによって与えられる。
ドップラー推定ωDk’を用いる補正は、時間ドメインでのベクトル掛け算(または周波数ドメインでのCIRCSHIFT方法)によって行われる。ベクトル掛け算は、数式7fに表示される。
数式7fにおいて、残留位相項が残っているが、引数の発振するドップラー成分は、除去される(補償される)ことを知ることができる。
【0052】
また、ωDの符号を有する値は、少なくともオブジェクトをLIDARシステム300に連結するベクトルでオブジェクトの速度と方向を提供するのに使用される。次に、Δtの値は、前述した数式3を用いてオブジェクトまでの距離を決定して提供するのに使用される。光ミキサーによるIおよびQ信号分離は、ドップラーシフトの符号を明確に決定できるようにする。IおよびQ成分が個別に決定されるこのようなドップラー補償実施例のうちの一部で、送信された信号およびリターンされた信号のスペクトルを取り、それぞれでピークを検索した上で、対応するピークの周波数を減算することによってΔfDを見つける代わりに、RF帯域でダウンミキシングされたリターンされた信号の同相および直交位相成分の交差スペクトルを取ることがより効率的である。
【0053】
実際に、リターンの同相および直交位相(I/Q)成分をすべて表す複素数リターンは、多くの場合、測定されず、実数値リターンのスペクトルは、+Δf
Dおよび-Δf
Dの両方でピークを有し、したがって、ドップラーシフトの方向およびターゲットの移動方向は、単一リターンから識別可能ではない。
図4cは、一実施例によってIQ処理が行われないときの例示的なリターン信号スペクトルを示す概路図である。ミックスされた光信号の実数部のみがサンプリングされる場合(非-IQ検出:Non-IQ Detection)、結果的なパワースペクトルは、この2つのトレースの合計のように見えるであろう。搬送波パイロットは、スペクトルの両側に見える。ドップラーシフトされた搬送波パイロットトーンが明らかであり、距離測定のための相関動作の前に補正されることができるが、ピークがスペクトルの両側に現われ、DCに対して対称(RFf
0=RFf
c=0)であるため、符号は、復元可能ではないことがある。
【0054】
以上のすべての場合において、方法は、二重側波帯波形を誘導するために電気光学位相変調器を用いる。これらの変調器を利用すると、変調の深さは、搬送波周波数で一定のエネルギーを保持するように選択される。残留搬送波は、送信された波形で「パイロット」トーンの役割をする。このCW「パイロット」がドップラーシフトされるとき、その結果は、ターゲットからドップラーシフトを推定するのに使用できるビートノート(Beat Note)である。このパイロットトーンに基づくドップラーの推定は、基準コードとの交差相関の以前にコード信号の効率的なドップラー補正を可能にする(2ステップ、ドップラーの次の距離推定プロセス)。基本位相変調器以上の電気光学変調アーキテクチャは、光ファイバー通信で一般的である。
【0055】
一般的なアーキテクチャ(ShimotsuまたはLaoyssa参照文献を参照)は、SSBSC(Single-Sideband Suppressed Carrier:搬送波抑制単側波帯)位相変調の実現を可能にする。開示される新しい実施例において、NCパイロットトーンは、搬送波周波数から遠く移動され(RFfo≠0)、fcにマッピングされない。一部の実施例において、これは非-搬送波パイロットや位相エンコーディング信号、またはこの両方を生成するために単側波帯変調を使用して行われる。そして、非-搬送波パイロットトーンが導入される。すなわち、一部の実施例において、送信された(光出力)信号は、広帯域RF位相エンコーディング信号を使用するレーザーからの搬送波周波数での光信号の単側波帯(SSB)変調によって生成され、出力光信号は、搬送波周波数の単一側での光広帯域位相エンコーディング光信号(Optical Broadband Phase-Encoded Optical Signal)および光広帯域内の周波数でのパイロットトーンを含む。
【0056】
適切な波形設計を用いると、これらのSSBSC位相変調器は、搬送波周波数以外の周波数でパイロットトーンを生成するのに使用でき、これは、 前述したドップラーシフト推定の非基底帯域(Non-Baseband)中心の動作を可能にする。非-搬送波パイロットトーンは、以下でエンジニアリングされたパイロットトーンまたは単にNCパイロットトーンと称する。さらに、NCパイロットトーンが搬送波の片側にのみ存在するため(単側波帯)、ドップラーシフトは、IQ分離がなくても符号曖昧さのなしに信号スペクトルに現われるであろう。したがって、ドップラーシフトの符号(近付くターゲット対後退するターゲット)が正確に解決されるであろう。NCパイロットトーンが送信された光信号の代わりに基準光信号に導入される場合にも、類似の結果が発生する。復元された符号を有するドップラーシフトに基づくドップラー補正は、以前の方法で説明したものと同じである。
【0057】
様々な実施例において、様々な異なるコンポーネントが、オブジェクト390との相互作用のためにスキャニング光学機器322を介して送信される出力光信号、または、光ミキサー360でリターンされた信号324とミックスするための基準光信号のうち、1つに非-搬送波パイロットトーンを導入するために使用される。
4.2 NCパイロットトーンおよび内部反射減算を用いるドップラー補償されたLIDAR
【0058】
図5aは、一実施例による非-搬送波パイロットトーンを使用する例示的なドップラー補償されたLIDARシステムを示すブロック図である。オブジェクト390が例示の目的のために示されているが、オブジェクト390は、LIDARシステム500aの一部ではない。スキャニング光学機器322、サーキュレーター323、光ミキサー360、光検出器330、デジタルコードモジュール372およびオブジェクト390は、
図3について前述の通りである。しかし、ここで、レーザー310およびビームスプリッタ312は、位相変調のための光ベース信号OB511aおよび基準信号REF514aを生成するために1つ以上のレーザーおよび他の光カプラを有する光ソース510aに置き換えられる。光ソース510aは、光ベース信号511aを生成するのに使用されるレーザーの搬送波周波数と異なるパイロットトーンを生成するように構成された非-搬送波パイロットトーン生成器588a(
図5aで「NCパイロットトーン生成器588a」と表示される)を含む。この構成は、以前レーザー310についての異なる駆動機能または自体駆動機能を有する別のレーザーとして達成され得る。二重側波帯位相変調器380は、0個以上の単側波帯(SSB)または搬送波抑制単側波帯(SSBSC)位相変調器またはいくつかの組み合せを含む1つ以上の位相変調器580aに置き換えられる。
【0059】
処理システム350は、単側波帯(SSB)位相処理モジュール574aを備えるドップラー補償モジュール570aを含む処理システム550aに置き換えられる。また、処理システム550aは、電気信号532aに基づいて交差相関および距離を決定するための位相追跡内部反射減算モジュール572aを含む。NCパイロットトーン生成器588aは、駆動機能を提供するSSB位相処理モジュール574aによって制御される。また、SSB位相処理モジュール574aは、電気信号532aに基づいて符号を有するドップラーシフトを決定する。電気信号532aは、REF514aとリターン信号524aが光ミキサー360で同時に発生する場合、光ミキサー360によって出力されたミックスされた光信号562aによって打撃されるときに、検出器330によって出力される。リターン信号524aは、スキャニング光学機器322を介して位相変調器580aからの光出力信号を送信することに応答して受信される。
【0060】
この実施例のうちの一部において、光ソース510aは、搬送波周波数光信号のみを生成するために駆動される第1レーザーを使用する。光ソース510aは、NCパイロットトーン生成器588aとして非-搬送波パイロットトーンを生成するためにSSB位相処理モジュール574aによって駆動される別の第2レーザーを使用する。この実施例のうちの一部において、光ソース510aは、搬送波周波数光信号を分割して光ベースOB511aの成分として位相変調器580aに、そして、光学基準信号REF514aの成分として光ミキサー360に指向させるスプリッタを含む。この実施例のうちの一部において、NCパイロットトーン生成器588aからのNCパイロットトーン光信号は、結合器光カプラを使用して光ベース信号OB511aまたは光基準信号REF514bに追加されるが、両方には、追加されない。一部の実施例において、REF514aは、搬送波周波数光信号なしにNCパイロットトーンのみを含み、光ベース信号OB511aは、搬送波周波数光信号のみを含む。
【0061】
一部の実施例において、光ソースは、搬送波周波数光信号を生成する単一レーザーおよび大部分のエネルギーをOB511aとして位相変調器580aに指向させるスプリッタを含む。また、光ソース510aは、スプリッタから放出された低エネルギービームの光周波数を後にREF514aとして光ミキサー360に出力されるNCパイロットトーンにシフトさせるための音響光学変調器(Acousto-Optic Modulator、AOM)を含む。この実施例において、AOMは、光周波数をAOMで望むパイロット周波数にシフトさせるのに十分な音響周波数を生成するように音源を駆動することによって、SSB位相処理モジュール574aによって制御される。
【0062】
位相コードは、位相変調器580aを用いて光ベース信号OB511aの上で位相変調される。SSB位相処理モジュール574aは、電気信号532a、NCパイロットトーンの知られているパイロット周波数および光ベース信号OB511aに追加された結果として、パイロットトーンがREF514aにあるか、それとも電気信号532aにあるかどうかに基づいて符号を有するドップラーシフトを決定する。ドップラー検出モジュールにおける既存のコードは、距離を補正し、距離および適切に符号を有する相対速度を提供するためにSSB位相処理モジュール574aから符号を有するドップラーシフトを使用する。
【0063】
図5bは、他の実施例による非-搬送波パイロットトーンを使用する例示的なドップラー補償されたLIDARシステムを示すブロック図である。この実施例において、位相変調器は、NCパイロットトーンを生成するように構成され、したがって、NCパイロットトーン生成器588bを含む。レーザーソース510aのNCパイロットトーン生成器588aは、光ソース510bから省略される。オブジェクト390が例示の目的として示されているが、オブジェクト390は、LIDARシステム500bの一部ではない。スキャニング光学機器322、サーキュレーター323、光ミキサー360、光検出器330、デジタルコードモジュール372およびオブジェクト390は、
図3について前述の通りである。ここで、光ソース510aは、位相変調のための光ベース信号OB511bおよび基準信号REF514bを生成するために1つ以上のレーザーおよび他の光カプラを有する光ソース510bに置き換えられる。
【0064】
位相変調器580aは、搬送波周波数と異なるパイロットトーンを生成するように構成されたNCパイロットトーン生成器588bを含む位相変調器580bに置き換えられる。NCパイロットトーン生成器588bは、1つ以上の単側波帯(SSB)または搬送波抑制単側波帯(SSBSC)位相変調器またはその他の光学部品、またはいくつかの組み合せを含む。一部の実施例において、単一SSBSC位相変調器は、位相コードとパイロットトーンの両方を付与する。
【0065】
一部の実施例において、位相変調器580bは、スプリッタ、結合器、位相コード信号を付与する二重側波帯位相変調器およびNCパイロットトーン生成器588bとしてのSSB位相変調器を含む。スプリッタは、光ベース信号OB511aをほぼ同じ強度の2つのビームに分割し、1つのビームを二重側波帯位相変調器に送信し、他の1つをNCパイロットトーン生成器588bとしてのSSB位相変調器に送信する。2つの変調器からの出力は、光合成器で合成され、スキャニング光学装置322を介して送信される出力光信号を生成する。
【0066】
一部の実施例において、位相変調器は、位相コードを付与するための単一DSBまたはSSBまたはSSBSC位相変調器と、搬送波周波数を有する光ベース信号の光周波数をNCパイロットトーンにシフトさせるためのNCパイロットトーン生成器588bとしての音響光学変調器(AOM)を含む。この実施例において、AOMは、光周波数をAOMで望むパイロット周波数に移動させるのに十分な音響周波数を生成するように音源を駆動することによって、SSB位相処理モジュール574bによって制御される。
【0067】
処理システム350は、単側波帯位相処理モジュール574bを備えるドップラー補償モジュール570bを含む処理システム550bに置き換えられる。また、処理システム550bは、電気信号532aに基づいて交差相関および距離を決定するための位相追跡内部反射減算モジュール572bを含む。NCパイロットトーン生成器588bは、SSB位相処理モジュール574bによって制御され、当該のモジュールは、パイロットトーンを生成する位相コードおよび位相エンコーディングLIDAR信号を提供する。また、SSB位相処理モジュールは、電気信号532bに基づいて符号を有するドップラーシフトを決定する。電気信号532bは、REF514bとリターン信号524bがミキサーで同時に発生する場合に光学ミキサー360によって出力されたミックスされた光信号562bによって打撃されるときに、検出器330によって出力される。リターン信号524bは、スキャニング光学機器322を介して位相変調器580bからの光出力信号を送信することに応答して受信される。
4.3 ドップラー補償されたLIDAR:ドップラーシフトされたSSBリターン信号のスペクトル
【0068】
図6aは、一実施例によってSSB出力光信号の例示的なスペクトル645を示す概略的なグラフ640aである。搬送波抑制単側波帯の場合における送信されたスペクトル645は、全的に搬送波周波数f
c(RF=0、DC)の一側にあり、RFf
0≠0でピークを有する。また、スペクトルは、コードピーク(f
P=f
0)とともに位置する非-搬送波パイロットトーンf
Pにおけるスペクトル密度でスパイクを示す。しかし、非-搬送波パイロットトーンは、他の実施例でピークにある必要はない。この非-搬送波パイロットトーンは、ドップラーシフトの検出を案内するだけでなく、以下により詳細に説明するように、ドップラーシフト符号の明確な決定を提供する。
【0069】
図6bは、一実施例によってIQ処理が行われるときのドップラーシフトされたSSB光リターン信号の例示的なスペクトルを示す概略的なグラフ640bである。これは、搬送波抑制単側波帯の場合におけるトレース646としてオブジェクトからの逆反射されてドップラーシフトされたスペクトルを示す。ドップラーシフトおよび符号は、シフトされた非-搬送波パイロットトーン646a(f
PSに指定される)で測定された支配的なスペクトルピークとパイロット周波数f
Pとの間の差(下記の数式9参照)として容易に決定される。符号を有するドップラーシフトのこのような新しい計算は、前述したSSB位相処理モジュール574a、57bで使用される。これらの符号を有するドップラーシフトは、以前の接近方式のように、オブジェクトの相対速度および距離計算を補正するために使用される。
【0070】
図6cは、一実施例によってIQ処理が行われないときのドップラーシフトされたSSBリターン信号スペクトルの例示的なスペクトルを示す概略的なグラフ640cである。結果的なスペクトル647は、実際応答646および搬送波周波数周辺のその反射である。変調を駆動するときと光ミキサーでダウンミキシング後の両方でRF信号に変換するとき、搬送波周波数は、0周波数でRF信号のDC成分に対応することに注目するべきである。非-搬送波パイロットトーン周波数647aが対称軸を外れているため、これはリターンスペクトルの両方の半分で明らかである。非IQサンプリングの場合に、結果的な両側にわたるパワースペクトル647は、それぞれ搬送波周波数の上と下にある上位および下位シフトされたパイロットトーンf
PSU、f
PSLに表示された2つのパイロットトーンピーク647a、647bを有する。この2つのピークは、数式8aまたは数式8bによって与えられるように、符号を有するドップラーシフトΔf
Dの復元を可能にする。
【数8】
4.4 SSB位相エンコーディングLIDARを用いるドップラー補償のための方法
【0071】
図7は、一実施例によって距離に対する符号を有するドップラーシフト効果を決定し、補償するために単側波帯位相エンコーディングLIDARシステムを使用する例示的な方法を示すフローチャートである。動作が
図7で例示の目的のために特定の手順で統合ステップとして示されているが、他の実施例において、1つ以上の動作またはその一部は、異なる手順で行われるか、時間的に直列または並列に重畳するか、省略されるか、1つ以上の追加動作が追加されるか、または方法がいくつかの組み合せ方式に変更される。一部の実施例において、方法700の一部またはすべての動作は、
図2におけるLIDARシステム200、
図3におけるLIDARシステム300、
図5aにおけるLIDARシステム500aおよび/または
図5bにおけるLIDARシステム500bのような1つ以上のLIDARシステムによって行われ得る。例えば、一部の実施例において、動作703および710ないし733は、
図3における処理システム350および/または
図5aと
図5bにおける処理システム550によって行われ得る。
【0072】
動作701において、例えば、LIDARシステムのようなトランシーバ(Transceiver)は、少なくとも部分的に、位相コードシーケンスの入力に基づいて位相エンコーディング光信号を送信するように構成される。また、レーザーからの変調されない入力光信号または位相エンコーディング送信信号の一部(例えば、1%ないし10%)は、基準光経路に指向される。位相エンコーディング光信号または基準信号は、NCパイロットトーンを含むが、2つの信号がすべてこれを含まない。例えば、LIDARは、
図5aまたは
図5bに示されるように、またはいくつかの組み合せで構成される。また、トランシーバは、送信された信号によって照明される外部オブジェクトからの後方散乱した光信号を受信するように構成される。一部の実施例において、動作701は、次の動作のうち、1つ以上の機能をさらに提供するためにハードウェア内の他の光学部品を構成することを含む。送信された信号がビームである必要はないことに注目するべきである。発散信号は、単一距離プロファイル内で多数の互いに異なる距離とドップラー値を確実に捕捉するであろう。ただし、照明されたスポット内で交差距離解像度(Cross Range Resolution)は提供しない。しかし、オブジェクトを識別するのに有用な交差距離解像度を提供するためにポイント別のスキャニングとともに提供される固有希薄性(Inherent Sparsity)を提供する狭いビームを使用することが有利である。
【0073】
動作703において、N個シンボルのアルファベットでそれぞれ選択されたN個シンボルのM個のブロックを示すM*N個シンボルのシーケンスで構成されたコードが距離測定での使用のために生成され、M個ブロックのうち、一連のN個シンボルの重複はない。また、一部の実施例において、このような位相エンコーディングを用いるRF信号のフーリエ変換は、Crouch Iに説明されたように、ドップラーシフトを決定するのに使用するために動作703の間に決定される。
【0074】
動作705において、数式4に表現されるようなレーザー出力の第1部分は、数式6に表現されるような非-搬送波パイロットトーンを有する送信された単側波帯位相エンコーディング信号を生成するために、SSBSC位相変調器のような単側波帯位相変調器を用いてデジタルコードモジュール372から受信されたコードを使用して変調され、オブジェクトまたはオブジェクトの一部が存在または不在し得る場面内の一スポットに指向される。また、動作705において、レーザー出力の第2部分は、基準経路に沿って局部発振器信号ともいう数式5aまたは数式5cに表現されるような基準信号として指向される。
【0075】
動作707において、数式7aまたは数式7bに示したような任意の移動時間遅延ΔtおよびドップラーシフトωDを有する後方散乱したリターン信号Rは、数式5aまたは数式5cに示したような基準信号LOとミックスされ、1つ以上のミックスされた光信号362を出力する。I/Q処理を行う一部の実施例において、ミックスされた信号は、同相および直交位相成分についての情報を与える。
【0076】
動作708において、ミックスされた光信号は、光信号を1つ以上の対応する電気信号に変換するために1つ以上の光検出器に指向されて1つ以上の光検出器で検出される。
【0077】
一部の実施例において、平均化および内部反射減算は、サーキュレーター323のようなリターン信号経路に沿う内部光学部品で生成された送信された光信号の虚偽コピー(Spurious Copies)を除去するようにいくつかの他のリターン信号S(t)に対して行われる。このような虚偽コピーは、外部オブジェクトからの実際リターンとの相関関係を減少させ、これにより、ほとんど感知できない実際リターンを隠す。平均化がP個の異なる照明スポットに対して、そして単一オブジェクトがすべてのこのような照明スポットには含まれないようにリターンに対して行われたら、平均は、内部光学部品によって生成されたコードの虚偽コピーによって支配される。それでは、コードの虚偽コピーがリターンされた信号から除去され、補正された複素電気信号S(t)で実際リターンのみを残すことができる。Pは、同じオブジェクトがすべてのスポットで照明されないことを保障するのに十分に大きな数である。P=100ほど小さい値は、グラフィック処理ユニット(Graphical Processing Unit、GPU)実装について計算的に有利な一方、P=1、000ほど多くの値は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)の実装について好まれて好適である。例示的な実施例において、Pは、約100である。他の実施例において、応用に応じて、Pは、約10ないし約5、000の範囲にあり得る。
【0078】
動作708の一部の実施例において、P個のリターンが受信されるかどうかが判断される。受信されていない場合、制御は、他のスポットを照明するために動作705に戻る。受信されている場合、平均信号が計算され(一部の実施例においては、位相加重値を付与する)、内部反射の効果を除去するために平均がリターン信号から減算する。
【0079】
動作710で、符号を有するドップラーシフトが決定されてリターン信号を補正するのに使用される。別のI/Q感知および処理が使用されない場合、2つのピークの周波数f
PSL、f
PSUが基準信号およびリターンされた信号のミックスに基づいて電気信号で得られる。そして、符号を有するドップラーシフトが数式8a、数式8bまたは数式8cを使用して決定される。別のI/Q感知および処理が使用される場合、単一の支配ピークの周波数f
PSがリターンされたスペクトルで得られる。そして、符号を有するドップラーシフトが数式9を使用して決定される。
【数9】
次に、符号を有するドップラーシフトがリターンされた信号の時間ドメインまたはスペクトルを補正するために使用される。推定は、処理間隔の持続時間によって設定されたシステムの周波数解像度内にあるべきである。電場およびk番目のリターンに対するドップラーシフトされた時間遅延コード項(ダウンミキシングの後)が数式10aによって与えられる。
【数10】
ドップラー推定を用いる補正は、時間ドメインにおけるベクトル掛け算(または周波数ドメインにおけるCIRCSHIFT方法)によって行われる。このベクトル掛け算は、数式10bに表示される。
数式10bでは、残留位相項が残っていることを見られるが、引数の振動ドップラー成分は、除去される(補償される)。
【0080】
動作711において、補正されたリターン信号は、距離または相対速度、またはこの両方を検出するために使用される。単一リターンに対して多数の符号を有するドップラーシフトを有する一部の実施例において、動作711は、特定のリターンが1つの送信された信号の持続時間にわたって特定の平均速度で移動しているオブジェクトまたはオブジェクトの一部に基づくと仮定し、それぞれの遅延時間を符号を有するドップラーシフトのうちの1つに関連付けることを含む。与えられた符号を有するドップラー補正に対して、その符号を有するドップラー補正に関連する距離ピークのみが交差相関に存在するであろう。したがって、多くの事例において与えられた距離と符号を有するドップラーを誤ってペアをなすことは不可能である。
【0081】
動作731において、他のスポットが照明されるかどうかが判断される。その場合、制御は、動作703に戻る。そうでない場合、制御は、動作733に進行する。
【0082】
動作733において、装置が補正された距離または速度、またはこの両方に基づいて作動する。一部の実施例において、これは送信された光信号によって照明された複数のスポットで任意のオブジェクトのドップラー補正された位置を示すイメージをディスプレイ装置に提供することを含む。一部の実施例において、これは送信された光信号によって照明された複数のスポットで補正された位置のポイントクラウド(Point Cloud)に基づいて少なくとも1つのオブジェクトを識別するデータを装置に通信することを含む。一部の実施例において、これはオブジェクトとの衝突を回避するために車両を移動させることを含み、ここで車両とオブジェクトとの間の近くなる速度(Closing Speed)は、送信された光信号によって照明された複数のスポットでドップラー効果の大きさに基づいて決定される。一部の実施例において、これは、送信された光信号によって照明された複数のスポットで補正された位置のポイントクラウドに基づいて衝突コース上の車両を識別するか、またはオブジェクトを識別することを含む。
4.5 2進位相コード
【0083】
この接近方式を追求するとき、2進位相コードについて興味深い場合が注目された。パルスレート(Pulse Rate)のナイキスト周波数(Nyquist Frequency)は、fNに表示されることに注目するべきである。ナイキスト周波数の半分(fN/2)におけるトーンは、周波数シフトされたコードB(t)、パイロットトーン2πfPおよびφPのすべてを完全に示すために単に4つの位相状態(-π/2、0、π/2、π)のみを必要とする。これらの位相のうちの2つ(例えば、0およびπ)は、2進位相エンコーディングB(t)として用いられ、他の2つ(例えば、-π/2およびπ/2)は、2進コードで使用される位相のうちのいずれかと異なる位相φPでの単一側のパイロットトーン2πfPを構成する。これは使用可能なデジタル-アナログ波形ソースに比べて利点を有し(例えば、高価な高ビット深度DAC(High Bit Depth DAC)に比べてFPGAトランシーバの使用を可能にする)、(4つの位相がこのような低ビット深度(Low Bit Depth)を有するため)波形を緩和するのに必要なRAM要求事項を制限し、RFドライバーの電力活用を制限する(例えば、電力を大量に消費する線形増幅器の代わりに電力効率の高い制限増幅器が使用できるようにすることができる)。
【0084】
ボーレート(Baud Rate)(1/τ)がBAUDに表示された場合、ナイキスト周波数は、BAUD/2になる。ナイキスト周波数の半分は、BAUD/4であり、対応する各周波数(Angular Frequency)は、ω
HN=2πBAUD/4である。数式6bに関して、パイロットトーンの振幅Pと位相コード成分の振幅Sも同じである必要がある。デジタル方式で、単側波帯位相変調器を駆動するためのRF波形Dは、次の動作を通じて行われる。数式11aによって与えられたコード波形から開始する。
【数11】
数式11bに与えられたように、半分ナイキスト周波数(ω
HN)でのトーンを乗じてDCを上向き移動させる。
数式11cに与えられたように、半分ナイキスト周波数でのトーンを加えて最終駆動RF信号を提供する。
この波形Dは、SSB位相変調器を駆動するのに使用される。
【0085】
図8は、一実施例によって非-搬送波パイロットトーンを有する例示的な送信された光信号を示すグラフである。トレース845は、例示的な周波数シフトされた拡散スペクトル2進位相コードおよびパイロットトーンを示している。この波形は、ここに説明されたように、4つの位相状態でだけ表現される興味深い属性を有する。したがって、波形を駆動するために電子および電力資源を制限する有用な方法を提供する。
4.6 内部反射減算のための方法
【0086】
図9aは、一実施例によって距離についての内部反射効果を決定し、補償するために位相エンコーディングLIDARシステムを使用する例示的な方法を示すフローチャートである。動作が
図9aおよび続くフローチャートである
図11および
図12に例示の目的のために特定の手順で統合ステップとして示されているが、他の実施例では、1つ以上の動作またはその一部は、異なる手順で行われるか、直列または並列に時間的に重畳して行われるか、省略され得、または1つ以上の追加動作が追加されるか、または方法がいくつかの組み合せ方式に変更される。一部の実施例において、方法900aのいくつかまたはすべての動作は、
図2におけるLIDARシステム200、
図3におけるLIDARシステム300、
図5aにおけるLIDARシステム500aおよび/または
図5bにおけるLIDARシステム500bのような1つ以上のLIDARシステムによって行われ得る。例えば、一部の実施例において、動作903aおよび910aないし933aは、
図3における処理システム350および/または
図5aと図 5bにおける処理システム550によって行われ得る。
【0087】
動作901aにおいて、例えば、LIDARシステムのようなトランシーバは、位相コードシーケンスの入力に基づいて位相エンコーディング光信号を送信するように構成される。また、レーザーからの変調されない入力光信号または位相エンコーディング送信信号の一部(例えば、1%ないし10%)は、基準光経路に指向される。また、トランシーバは、送信された信号によって照明される任意の外部オブジェクトからの後方散乱した光信号を受信するように構成される。一部の実施例において、動作901aは、次の動作のうちの1つ以上の機能をさらに提供するためにハードウェア内の他の光学部品を構成することを含む。送信された信号がビームである必要はないことに注目するべきである。発散信号が単一距離プロファイル内で多数の互いに異なる距離とドップラー値を確実に捕捉するであろう。ただし、照明されたスポット内で交差距離解像度は、提供しない。しかし、オブジェクトを識別するのに有用な交差距離解像度を提供するためにポイント別のスキャニングとともに提供される固有希薄性を提供する狭いビームを使用することが有利である。
【0088】
動作903aにおいて、N個シンボルのアルファベットでそれぞれ選択されたN個シンボルのM個のブロックを示すM*N個シンボルのシーケンスで構成されたコードが距離測定での使用のために生成され、M個ブロックのうち、一連のN個シンボルの重複はない。また、一部の実施例において、このような位相エンコーディングを有するRF信号のフーリエ変換は、WO2018/144853に説明されたように、ドップラーシフトを決定するのに使用するために動作903aの間に決定される。
【0089】
動作905aにおいて、数式4に表現されるようなレーザー出力の第1部分は、数式6aに表現されるような送信された位相エンコーディング信号を生成するためにデジタルコードモジュール372から受信されたコードを使用して位相エンコーディングされ、オブジェクトまたはオブジェクトの一部が存在または不在し得る場面の一スポットに指向される。また、動作905aにおいて、レーザー出力の第2部分は、基準経路に沿って局部発振器LO信号ともいう数式5aまたは数式5bに表現されるような基準信号として指向される。
【0090】
動作907aにおいて、数式7aに示したような任意の移動時間遅延ΔtおよびドップラーシフトωDを有する後方散乱したリターン信号Rは、1つ以上のミックスされた光信号362を出力するように、数式5aまたは数式5bに示したような基準信号LOとミックスされる。ドップラーシフト検出および補正を行う一部の実施例において、ミックスされた信号は、同相および直交位相成分についての情報を与える。
【0091】
動作908aにおいて、ミックスされた光信号は、光信号を1つ以上の対応する電気信号に変換するために1つ以上の光検出器に向け、1つ以上の光検出器で検出される。例えば、WO2018/144853に説明されたように、ドップラー補正を行う一部の実施例において、2つの電気信号が検出器によって生成される。1つのチャネル(Ch1)上の1つの電気信号は、ダウンミキシングされた同相分(I)を示す。そして、他のチャネル(CH2)上の他の1つの電気信号は、ダウンミキシングされた直交位相成分(Q)を示す。複素ダウンミキシング信号Sは、2つの電気信号に基づいて計算される。いずれの場合においても、1つ以上の電気信号が動作908aで生成される。
【0092】
一部の実施例において、平均化および内部反射減算は、スキャニング光学機器322のようなリターン信号経路に沿う内部光学部品で生成された位相エンコーディング信号の虚偽コピーを除去するためにいくつかの他のリターン信号S(t)に対して行われる。これらの虚偽コピーは、外部オブジェクトからの実際リターンとの相関関係を減少させ、これにより、ほとんど感知できない実際リターンを隠す。平均化がP個の異なる照明スポットに対して、そして単一オブジェクトがすべてのこれらの照明スポットには含まれないようにリターンに対して実行されると、平均は、内部光学部品によって生成されたコードの虚偽コピーによって支配される。それでは、コードの虚偽コピーがリターンされた信号から除去され、補正された複素電気信号S(t)で実際リターンのみを残すことができる。Pは、同じオブジェクトがすべての地点で照明されないことを保障するのに十分に大きい数である。P=100ほど小さい値は、グラフィック処理ユニット(Graphical Processing Unit、GPU)実装について計算的に有利な一方、P=1、000ほど多くの値は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)実装について好まれて好適である。例示的な実施例において、Pは、約100である。他の実施例において、アプリケーションによってPは、約10ないし約5、000の範囲にあり得る。
図11は、一実施例によって、内部光学機器からリターンを除去するための多重スポット平均化の例を例示するブロック図である。動作909aおよび910aは、この補正を行う。
【0093】
動作909aにおいて、P個のリターンが受信されたかどうかが判断される。受信されていない場合、制御は、他のスポットを照明するために動作905aに戻る。受信されている場合、制御は、動作910aに進行する。動作910aステップにおいて、平均信号S
S(t)が数式12aによって計算され、ここで、持続時間(D)のそれぞれの受信された信号は、S
P(t)に表示される。
【数12】
この平均信号は、数式6bによって与えられるように、後続動作で受信された信号S(t)として使用するために補正された信号S
PC(t)を生成するようにそれぞれの受信信号S
P(t)を補正するのに使用される。
一部の実施例において、内部光学機器は、制御された条件下で一度較正(Calibrated)され、システムの多数の後続配布のために格納されるS
S(t)に対する固定値を生成する。したがって、動作910aは、数式12bを適用することのみを含む。一部の実施例において、内部光学機器によって生成されたコードの虚偽コピーは、十分に小さいか、または関連する距離が外部オブジェクトまでの距離と十分に異なるため、その動作909aおよび910aは、省略され得る。したがって、一部の実施例において、動作909aおよび910aは、省略され、制御は、動作910aでの数式12bではない動作908aからのS(t)を使用して動作908aから動作911aに直接進行する。
【0094】
動作911aにおいて、補正されたリターン信号は、距離またはドップラーシフトまたはこの両方を検出するために使用される。
【0095】
ステップ933aにおいて、装置は、補正された距離または速度、またはこの両方に基づいて作動する。一部の実施例において、これは送信された光信号によって照明された複数のスポットで任意のオブジェクトのドップラー補正された位置を示すイメージをディスプレイ装置に提供することを含む。一部の実施例において、これは送信された光信号によって照明された複数のスポットで補正された位置のポイントクラウド(Point Cloud)に基づいて少なくとも1つのオブジェクトを識別するデータを装置に通信することを含む。一部の実施例において、これはオブジェクトとの衝突を回避するために車両を移動させることを含み、ここで車両とオブジェクトとの間の近くなる速度(Closing Speed)は、送信された光信号によって照明された複数のスポットでドップラー効果の大きさに基づいて決定される。一部の実施例において、これは送信された光信号によって照明された複数のスポットで補正された位置のポイントクラウドに基づいて衝突コース上の車両を識別するか、またはオブジェクトを識別することを含む。
【0096】
距離プロファイルは、多くの場合、異なるラグタイム(Lag Time)に関連する多数の距離ビン(Range Bins)それぞれの最大相関で構成される。距離ビンは、距離(ラグタイム)に応じて増加する距離ビンインデックスによって区別される。インデックスに関連する距離(Distance、Range)は、インデックス番号に距離ビンの大きさを乗じた値である。距離ビンの大きさは、ラグタイム増分に媒質内の光の速度を乗じた値によって与えられる。以下に示す例では、特に明示しない限り、距離ビンの大きさは、1メートルである。
【0097】
WO2018/144853に説明されたように、システムにおける光学表面からの逆反射が距離プロファイルで一連の非常に大きなリターン(交差相関関係)に寄与することが実験で判明した。これらの大きなリターンは、距離プロファイル(位相コードとの交差相関のパワー対距離ビンに対応する時間間隔)で実際の目標からより小さなリターンを曖昧にできる大きなサイドローブ(Side Lobe)構造を誘発する。この問題を解決するために、前述したコヒーレント(Coherent)処理方式は、サーキュレーター光学装置に係る信号部分の推定値を減算するように考案された。補正を用いてSS(t)は、コードブロックの部分集合からの複素ベクトルをコヒーレントに減算することによって適用される。その結果、サーキュレーター距離リターンおよび関連するサイドローブの強度が非常に効果的に減少する。
【0098】
図9bは、一実施例によって距離に対する内部反射効果を決定し、補償するために位相エンコーディングLIDARシステムを使用する例示的な方法を例示するフローチャートである。動作が
図9bおよび続くフローチャートである
図11および
図12で例示の目的のために特定の手順で統合ステップとして示されているが、他の実施例では、1つ以上の動作またはその一部は、異なる手順で行われるか、時間的に直列または並列に重畳するか、省略されるか、1つ以上の追加動作が追加されるか、または方法がいくつかの組み合せ方式に変更される。一部の実施例において、方法900bの一部またはすべての動作は、
図2におけるLIDARシステム200、
図3におけるLIDARシステム300、
図5aにおけるLIDARシステム500aおよび/または
図5bにおけるLIDARシステム500bのような1つ以上のLIDARシステムによって行われ得る。
【0099】
方法900bは、変調された光信号を生成するようにレーザーからの光信号を変調する動作902bを含む。方法は、変調された光信号をオブジェクトに向けて送信する動作904bを含む。方法は、変調された光信号を送信することに応答してリターンされた光信号を受信する動作906bを含む。方法は、リターンされた光信号をレーザーからの光信号に関連する基準光信号とミックスし、ミックスされた光信号を生成する動作908bを含む。方法は、ミックスされた光信号を検出して電気信号を生成する動作910bを含む。方法は、電気信号および変調された光信号に基づいて1つ以上の光学部品からのリターンされた光信号の内部反射のパラメータを決定する動作912bを含む。方法は、内部反射のパラメータに基づいて車両を作動させる動作914bを含む。
【0100】
図10aないし
図10eは、一実施例によって内部光学機器からのリターンを除去するための補正前後の例示的な距離信号を示すグラフである。
図10aにおいて、水平軸は、0から4、000m以上までメートル単位の距離ビンを示す。垂直軸は、デシベル(dB、基準y
0に対するlog(y/y
0))単位の交差相関パワーを示す。トレースは、P個スポットの平均を減算する前の相関ピークを示す。大きなピークは、約100mで示され、より小さなピークは、約2、000mで示す。
図10bにおいて、軸は、同じであるが、トレースは、P=32スポットの平均を減算することによる補正後の相関ピークを示す。内部光学部品(ここでは、スキャニング光学機器322の代わりに使用されるサーキュレーター)による約100mでの虚偽ピークは、大きく減少され、実際の外部オブジェクトによる約2、000mでのピークは、やや強化される。これは内部光学部品からのリターン近くで区域Aの領域を拡張する
図10cと、外部オブジェクトからの実際リターン近くで区域Bの領域を拡張する
図10dでより明確に示されている。
図10cは、60~90mの間の多数の虚偽反射を示す実線トレースを示し、これは補正された距離プロファイルを示す点線トレースでほとんど完全に除去される。明確に、光逆反射は、多くの場合、多数の反射で構成される。例えば、サーキュレーターは、補正されない
図10cにおける別個のピークとして明らかに示されるいくつかの逆反射の表面を有する。
図10dは、約1、850mで実際ピークを示す実線トレースを示し、これは補正された距離プロファイルを示す点線トレースで約10%向上する。
【0101】
例えば、99.99%反射防止コーティングされた光学機器と1mWの光学パワーを有するモノスタティック(Monostatic)検出システムで、100nWのパワーが検出器に逆反射されるであろう。コヒーレントシステムについて、これは通常の目標リターンよりもはるかに多い相当な量のパワーである。使用されるシステムおよびコードによって逆反射された距離測定の固有の側波帯のため、これはノイズフロア(Noise Floor)での増加を誘発し得る。
図10eは、0の距離ビンインデックスから4、000の距離ビンインデックスまで広範囲な距離ビンに沿って内部反射の交差相関についての寄与度を示す。ここに提示された実験データにおいて、黒色トレースは、強いリターンのサイドローブ構造によって上昇したノイズフロアの一例である。灰色は、サーキュレーター減算後のノイズフロアであり、本質的にショットノイズ(Shot Noise)が制限される。具体的には、抑制の前に、暗いトレースによって与えられるように、約150のインデックスでのピーク外に、インデックス4、000まですべての距離ビンで-5dBと+10dBとの間の交差相関についての着実な寄与がある。抑制の後に、灰色トレースによって与えられるように、約150のインデックスでのピークは、よく減少する。そして、インデックス4、000までのすべての距離ビンで-5dB未満の相互相関についての寄与が減少される。
4.7 位相が安定していないレーザーを用いて内部反射を減算するための方法
【0102】
一般的に、前述した内部反射減算技術は、いくつかの(>25)測定にわたって周波数安定(<π/10位相ドリフト)のレーザーを必要とする。多くの実施例に適合するが、一部の実施例において、このような小さな位相ドリフトは、使用できない。例えば、一部の実施例において、
図3におけるレーザー310は、光周波数ディザリング(Optical Frequency Dither)を導入するドライバーを有するフィードバックルーフを使用して安定化された常用コヒーレント光ファイバー通信レーザー(例えば、マイクロ統合調整可能レーザーアセンブリ(Micro Integrated Tunable Laser Assembly、「uITLA」)である。レーザーディザリングは、多くの場合、数百ヘルツ(Hertz)の周波数で数百メガヘルツ(Megahertz)を超える。一部の実施例で使用される20ないし30回の測定または様々な他の実施例で使用される10ないし5、000回の測定の通常のサーキュレーター平均化持続時間の間に位相が2πよりさらにドリフトできるため、これは、前述の議論された内部反射平均減算技術に関連した容易でない課題を誘発し得る。
【0103】
様々な実施例において、内部反射平均減算方法が内部反射平均化の期間中に、レーザー位相変化を考慮するために修正される。コヒーレントLIDARシステムの位相感度がこの問題を解決するために活用され得る。逆反射信号の光位相を追跡することによって、信号が同相になるように平均化する前に、信号に位相補正(例えば、単一複素数を乗ずることによって)が適用されることができる。
【0104】
図11は、一実施例によって減算の前に内部反射を位相追跡するための例示的な方法を例示するフローチャートである。この方法1100は、計算集約的であるが、簡単かつ効果的である。この「ロングハンド(Long Hand)」方法で、逆反射された信号ピークの位相は、基準コードとの交差相関後に推定される(交差相関で複素数値の距離ピークの位相)。逆反射されたピークは、キャリブレーション動作で一度に決定されることができる距離プロファイル(例えば、固定された距離遅延)での一貫した位置で発生する。一般的に、ピークは、通常、最初の100個程度の距離ビンである非常に短い距離ビン内にある。また、これは多くの場合、逆反射減算がない正常なスキャナ動作下で最も高く、最も一貫したピークである。次に、このピークの位相は、平均化の前に時間ドメイン信号から除去される。平均化の後に、特定ショットの逆反射された信号位相は、元の時間ドメイン信号ベクトルから信号が減算する前に再導入される。この方法は、展開される位相(Evolving Phase)を推定するための計算集約的な方法である。
【0105】
動作901aないし905aは、前述の通り、トランシーバを構成し(動作901a)、位相コードブロックを備え(動作903a)、送信された光信号で次のスポットを照明する(動作905a)。動作1107では、リターン信号が受信され、そして、一部の実施例において、追加処理のために非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体に格納される。一部の実施例において、リターンは、リターン信号の同相(I)成分および直交位相(Q)成分の個別測定に基づく複素数値の時系列である。
【0106】
ステップ1111では、逆反射信号の光位相が決定される。動作1111は、位相エンコーディング信号B(t)と、E
kp(t)に表示された平均化されるP個スポットのp番目のスポットからの数式7bのリターンされた信号E
kの交差相関(a(t)およびb(t)に表示された2つの時系列についてCC{a(t)、b(t)}に表示される)を含む。その結果は、数式13aによって与えられるように、距離ビンインデックスiに対応するタイムラグの関数としてスポットpについての距離プロファイル複素数振幅RP
pである。
【数13】
このプロファイルにおける逆反射ピークは、インデックスibrにおり、0からIRmaxに表示される内部反射に関連する最大のインデックスまで、内部反射のインデックス範囲に限定された複素数プロファイルRPの最大絶対値のインデックスによって与えられ、例えば、
図10aに示されたデータでIRmax=100である。インデックスibrは、数式13bによって与えられる。
前述のように、これは、一度のキャリブレーション動作であり得る。φI
pに表示されたp番目のスポットについてのこのピークに関連する位相は、数式13cによって与えられる複素数である。
ここで、Angle{x}は、4四分面逆タンジェント(Four Quadrant Inverse Tangent)、基本的には、複素数xの実数部と虚数部の間の[-π、π]のラップ角度を計算する関数である。前述のように、一部の実施例において、短い距離で単一の逆反射されたピークではない多数の逆反射がある。これらは、すべて非常に類似の距離(したがって、非常に類似の時間遅延)にあるため、最も顕著なピークでの位相変化が小さな周波数ディザリングについて他のものとともに追跡される。基本的に、これらのピークのすべてについての時間遅延が非常に類似しているため、互いに異なるピークでの位相ドリフト(レーザー周波数と時間遅延の積と同じ)は、非常に小さい。これは、(
図10eのように)1つのピークを推定して追跡することが全体のサーキュレーターの複素数の良好な減少につながる理由を説明するのに役立つことができる。
【0107】
動作1113において、リターン信号は、数式14aによって与えられるように、動作1111で決定された位相によって時間領域で補正される。
【数14】
この動作1113は、本質的に逆反射された信号ベクトルの位相を0に作ってコヒーレント平均化が同相に進行できるようにする。コードの時間的ラグは、影響を受けず、位相だけが変更されることに注目するべきである。以前の接近方式では、方法900aで説明された平均化前の位相補正なしに、Sp(t)=E
kp(t)であることに注目するべきである。一部の実施例において、位相補正された信号Sp(t)と位相補正は、後で検索するためにコンピュータ読み取り可能な媒体に格納される。この実施例のうちの一部において、受信された信号E
kp(t)の代わりに位相補正された信号Sp(t)および位相補正φI
pが格納される。
【0108】
動作1115において、合算された信号の数nと位相補正された信号の複素数の和は、複素数の時系列としてメモリまたは特殊なレジスタまたはいくつかの他のコンピュータ読み取り可能な媒体に累積して格納される。その合計は、数式14bによって与えられる。
ここで、n≦Pは、今まで累積した位相補正信号の数である。一部の実施例において、動作1115は、また、数式14cによって与えられるように、n個の信号が結合された後に、平均信号を計算するために合計を信号の数で割る。
他の実施例において、すべてのP個の信号について数式14bの合計が累積するまで割り算が行われない。
【0109】
動作1117において、平均化期間に到逹したかどうか、例えば、n=Pであるかどうかが判断される。すべてのP個の信号が平均化された後(n=P)および数式14cの平均は、数式12aによって与えられた時間ドメイン内部反射減算信号Ss(t)を提供する。この等価(Equivalence)は、数式14dに表現される。
一部の実施例において、平均化は、より最近のショットにより多くの加重値を付与するために時間に基づく指数的減少で行われ得る。P個の信号が累積していない場合、制御は、動作905aに戻って次のスポットを照明する。そうでない場合、制御は、動作1131に進行する。
【0110】
動作1131において、内部反射について補正される次の時間ドメイン信号が受信される。一部の実施例において、この信号は、前記で位相補正されて平均化された平均化アンサンブル(Averaging Ensemble)でのP個の信号のうちの1つである。他の実施例において、この信号は、平均化アンサンブルでの信号前後に受信された他の信号である。平均化アンサンブルでリターンされた信号と内部反射について補正されるリターンされた信号は、第1複数のリターンされた信号を構成する。平均化アンサンブルは、第1複数の信号の部分集合である。内部反射について補正されるリターンされた信号が平均化アンサンブルの中にある場合、第1複数および部分集合は、同じである。
【0111】
動作1133において、平均化期間の間に格納された位相補正信号Sp(t)にやはり平均化期間の間に格納された対応する位相補正φIpが乗じられ、数式14aの逆関数で表す元の受信された信号Ekp(t)を復元する。これは、照明されたk個のオブジェクトによる実際位相ラグを復元する。Ekp(t)が動作1107で格納された場合、動作1133は、省略され得る。
【0112】
動作1135において、位相補正された内部反射減算信号Ss(t)は、後続処理でリターンされた信号S(t)として使用される内部反射補正された信号S
PC(t)を生成するために時間ドメインで(P個の信号の平均化アンサンブルに使用されるE
kp(t)に属するか、それとも平均化アンサンブルの外の他のE
k(t)であるかにかかわらず)受信された信号E
k(t)から減算する。この補正は、ここでS
S(t)が位相補正された平均であるため、数式12bに比べて改善された数式9に表現される。
【数15】
【0113】
動作1137において、補正されたリターン信号S(t)は、後続処理で使用され、例えば、距離または任意のドップラーシフト、またはこれらから誘導された任意の数量を決定するか、または他のものの中でも、オブジェクトの識別、マッピングまたはナビゲーション、またはいくつかの組み合せのような多くのこのような測定を伴う一部の応用に寄与する。
【0114】
動作1139において、内部反射を補正するために平均化アンサンブルに他のリターンされた信号があるかどうかが判断される。他のリターンされた信号がある場合、制御は、動作1131に戻る。他のリターンされた信号がない場合、制御は、動作1141に進行する。一部の実施例において、内部反射について補正されるリターンされた信号は、平均化アンサンブルの外にあり、動作1139は、省略され、制御は、動作1137から動作1141に直接進行する。
【0115】
動作1141では、より多くの測定が行われているかどうかが判断される。より多くの測定が行われている場合、制御は、次のスポットを照明するために動作905aに戻る。より多くの測定が行われていない場合、プロセスは終了する。
【0116】
I/Q検出を活用しないシステムにおいて、逆反射された信号は、レーザーがディザリングすることによって位相振動ではない振幅振動を示している。レーザーがディザリングすることによって振幅展開(Amplitude Evolution)(AIp)を追跡するための戦略が用いられ、この振幅展開は、平均化の前に各リターンについて補正される。基本的な戦略は、いくつかのショットについて観察された最大の逆反射されたピーク値を追跡するものである。次に、そのショットでの逆反射されたピークを保持された最大値に比較することによって、「位相」が各ショットごとに計算される。後続動作は、平均化の前に与えられたショットの振幅が(位相化(Phased)の代わりに)正規化されるI-Q接近方式に非常に類似して従う。次に、ショットが平均化される。(減算する)逆反射された信号推定値は、この平均に与えられたショットの振幅を乗じた値である。補正は、数式10aで与えられるように適用される。
【数16】
次に、推定された信号は、数式16bによって与えられるように、デジタル除去の前に特定のショットについて振幅スケーリングされる。
【0117】
図12は、他の実施例によって減算の前に内部反射を位相追跡するための例示的な方法を例示するフローチャートである。位相は、逆反射された信号の予想距離インデックスだけ円形でシフトされた受信された信号と送信されたコードの内積を計算することによって、効率的に測定され得る。内積は、全体交差相関と同じ振幅および位相結果を計算するが、関心距離ビンでのみ計算する。この方法1200は、多くの計算を節約する。この位相計算から、受信された信号は、時間図面で位相補正される。次に、補正された時間ドメイン信号は、他の位相補正された時間測定で平均化される。この平均化された時間信号は、前記のように将来の時間測定から減算する逆反射された信号として使用される。
【0118】
動作901aないし905aは、前述の通り、トランシーバを構成し(動作901a)、位相コードブロックを準備し(動作903a)、送信された光信号で次のスポットを照明する(動作905a)。動作1107では、リターン信号が受信され、一部の実施例において、追加処理のために非一時的コンピュータ読み取り可能な媒体に格納される。
【0119】
図11の方法1100のように、方法1200では、逆反射された信号の光位相が決定される。しかし、方法1100とは異り、位相エンコーディング信号B(t)およびリターンされた信号E
kp(t)の完全な交差相関は、多数のタイムラグおよび関連する距離インデックスについて計算されない。代わりに、単一の関連する時間距離インデックスを使用して単一タイムラグについて内積が計算される。
【0120】
したがって、動作1211では、予想範囲(そして、関連するタイムラグおよび距離インデックス)が逆反射されたピークについて決定される。例えば、実験データまたは単一の以前交差相関に基づいて内部反射のピークが特定の距離およびこれの対応する距離インデックス、すなわちibrで発生するものと知られている。この例において、動作1211は、単にストレージ(Storage)からibrの値を検索することまたはこのデータを受信する任意の他の方法のみを含む。この値をプログラムコードで定数として検索すること、ローカルまたは遠隔コンピュータ読み取り可能な媒体上のデータフィールドから検索すること、クエリーメッセージに応答したり、要請しない状態(Unsolicited)でデータベースまたはフラットファイル内で検索することを含む任意の方法がこの値を受信するか、または検索するために使用できる。
【0121】
動作1213において、リターンされた信号は、数式17aによって与えられたように、シフトされたリターンEshift
kp(t)を提供するために予想距離インデックスだけ円形でシフトされる。
【数17】
ここで、CIRCSHIFT{x、m}は、整数mだけの時系列xの円形シフト関数を示す。円形シフトでは、値の集合の一端から離れてシフトされた任意の時系列要素が値の集合の他の一端に追加される。これは、プロセッサで行うのに非常に効率的な動作である。
【0122】
動作1215では、数式17bに表現されるように、インデックスibrにおける距離プロファイルエントリーを提供するためにシフトされたリターンと位相コードとの間の内積が計算される。
【0123】
動作1215では、このエントリーの位相が計算される。φIpに表示されたp番目のスポットについてのこの距離インデックスに関連する位相は、前述の通り、数式13cによって与えられた複素数である。
【0124】
動作1217では、前述した数式14aによって与えられたように、動作1215で決定された位相によってリターン信号が時間ドメインで補正され、数式14bおよび14cについて前述の通り、P個のリターンされた信号について合計または平均が累積される。一部の実施例において、位相補正された信号Sp(t)と位相補正は、後で検索するためにコンピュータ読み取り可能な媒体に格納される。この実施例のうちの一部において、受信された信号Ekp(t)の代わりに位相補正信号Sp(t)および位相補正φIpが格納される。また、動作1217では、位相補正された信号および合算されたn個の信号の複素数の和は、メモリまたは特殊レジスタまたはいくつかの他のコンピュータ読み取り可能な媒体に累積して格納される。合計は、前述した数式14aまたは数式14bによって与えられる。一部の実施例において、動作1217は、また、数式14cによって与えられたように、n個の信号が結合された後の平均信号を計算するために合計を信号の数で割る。他の実施例において、すべてのP個の信号について数式14bの合計が累積するまで割り算が行われない。
【0125】
動作1119では、平均化期間に到逹したかどうか、例えばn=Pであるかどうかが判断される。すべてのP個の信号が平均化された後(n=P)、数式14cの平均は、数式12aによって与えられた時間ドメイン内部反射減算信号Ss(t)を提供する。この等価は、数式14dに表現される。P個の信号が累積していない場合、制御は、動作905aに戻って次のスポットを照明する。そうでない場合、制御は、動作1131に進行する。動作1131ないし1141は、
図11における方法1100について前述の通りである。
【0126】
図13は、一実施例によって例示的な内部反射減算を示すグラフである。水平軸は、距離インデックスi(図面で「測定インデックス」という)を示す。垂直軸は、方法700で計算されたSs(t)の減算後の交差相関での減少の基準である抑制(Suppression)をdB単位として表す。それぞれのインデックスiでの抑制は、数式18に与えられる。
【数18】
この方法は、
図13に示されるように、ディザリングレーザーを用いる実験データに非常に効果的である。抑制は、常に>20dBであり、日常的には>30dBである。この動作の目標は、多くの場合、約15dBないし20dBのノイズフロアである。
【0127】
一部の実施例において、コードは、前述した動作のうち、1つ以上(例えば、内積トリックを用いる位相推定および追跡)を行う前にセクション(すなわち、256個のサンプルチャンク(Chunk))に細分化される。SNRが許容されると、位相展開(そして、これによるレーザーの周波数)は、より速い時間の割合でデジタル方式で追跡され得る。これは、位相追跡サーキュレーター減算を少し向上させ得る。
5.コンピュータハードウェア概要
【0128】
図14は、本発明の一実施例を実装できるコンピュータシステム1400を示すブロック図である。コンピュータシステム1400は、コンピュータシステム1400の他の内部および外部コンポーネントの間に情報を伝達するためのバス1410のような通信メカニズムを含む。情報は、典型的には電圧である測定可能な現状の物理的信号として表されるが、他の実施例では、磁気相互作用、電磁相互作用、圧力相互作用、化学相互作用、分子原子相互作用および量子相互作用のような現象を含む。例えば、N極およびS極磁場、または0の電圧および非ゼロの電圧は、2進数(ビット)の2つの状態(0、1)を示す。他の現象は、より高いベースの数を示し得る。測定前に複数の同時量子状態の重畳は、量子ビット(クビット)を示す。1つ以上の数字シーケンスは、数字または文字についてのコードを示すのに使用されるデジタルデータを構成する。一部の実施例において、アナログデータと呼ばれる情報は、特定の範囲内の測定可能な値の近接連続体(Near Continuum)に表示される。コンピュータシステム1400またはその一部は、本明細書に説明された1つ以上の方法のうち、1つ以上のステップを行うための手段を構成する。
【0129】
2進数シーケンスは、数字または文字についてのコードを示すのに使用されるデジタルデータを構成する。バス1410は、情報がバス1410に連結された装置の間に迅速に送信されるように、多くの並列情報コンダクタ(Parallel Conductors of Information)を含み得る。情報を処理するための1つ以上のプロセッサ1402がバス1410と結合される。プロセッサ1402は、情報についての一連の動作を行う。一連の動作は、バス1410から情報を取得することおよびバス1410上に情報を配置することを含む。また、一連の動作は、通常、2つ以上の情報単位の比較、情報単位の位置移動、加算または乗算のような2つ以上の情報単位の結合を含む。プロセッサ1402によって行われる動作シーケンスは、コンピュータ命令語を構成する。
【0130】
また、コンピュータシステム1400は、バス1410に結合されたメモリ1404を含む。ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)または他の動的格納装置のようなメモリ1404は、コンピュータ命令語を含む情報を格納する。動的メモリは、その中に格納された情報がコンピュータシステム1400によって変更されるようにする。RAMは、メモリアドレスと呼ばれる位置に格納された情報単位が隣接するアドレスの情報と独立して格納され、検索されるようにする。また、メモリ1404は、コンピュータ命令語の実行中に一時的な値を格納するためにプロセッサ1402によって使用される。また、コンピュータシステム1400は、読み取り専用メモリ(Read Only Memory、ROM)1406またはコンピュータシステム1400によって変更されない命令語を含む靜的情報を格納するためにバス1410に結合された他の靜的格納装置を含む。また、コンピュータシステム1400がオフになったり、それとも電力が損失されるときにも、持続する命令語を含む情報を格納するための磁気ディスクまたは光ディスクのような不揮発性(永久)格納装置1408がバス1410に結合され得る。
【0131】
命令語を含む情報は、人間のユーザーによって操作される文字と数字のキー(Alphanumeric Key)を含むキーボードのような外部入力装置1412またはセンサからプロセッサによって使用するためにバス1410に提供される。センサは、その周辺の状態を検出し、このような検出をコンピュータシステム1400で情報を表すために使用される信号と互換可能な信号に変換する。主に人間と相互作用するために使用されるバス1410に結合された他の外部装置は、イメージを提供するためのCRT(Cathode Ray Tube)または液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)のようなディスプレイ装置1414を含み、ディスプレイ1414に提供される小さなカーソルイメージの位置を制御し、ディスプレイ1414上に提供されるグラフィック要素に関連する命令を発行するためのマウスまたはトラックボールまたはカーソル方向キーのようなポインティング装置1416を含む。
【0132】
図示された実施例において、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)1420のような特殊目的のハードウェアがバス1410に結合される。特殊目的のハードウェアは、特別な目的のためにプロセッサ1402によって迅速に実行されない動作を十分に迅速に実行するように構成される。ASICの例は、ディスプレイ1414のためのイメージを生成するためのグラフィックス加速器カード、ネットワークを介して送信されたメッセージを暗号化および復号化するための暗号化ボード(Cryptographic Board)、音声認識およびハードウェア内でより効率的に実装されている一部の複雑な一連の動作を繰り返しに行うロボットアーム(Arm)および医療スキャニング装備のような特別な外部装置とのインターフェースを含む。
【0133】
また、コンピュータシステム1400は、バス1410に連結された通信インターフェース1470の1つ以上の例を含む。通信インターフェース1470は、プリンター、スキャナおよび外部ディスクのような独自のプロセッサで動作する様々な外部装置についての双方向通信カップリングを提供する。一般的に、カップリングは、独自のプロセッサを有する様々な外部装置が接続されるローカルネットワーク1480に接続されるネットワークリンク1478を用いて行われる。例えば、通信インターフェース1470は、パーソナルコンピュータ上の並列ポートまたは直列ポートまたはUSB(Universal Serial Bus)ポートであり得る。一部の実施例において、通信インターフェース1470は、ISDN(Integrated Services Digital Network)カードまたはDSL(Digital Subscriber Line)カードまたは対応するタイプの電話回線への情報通信連結を提供する電話モデムである。一部の実施例において、通信インターフェース1470は、バス1410上の信号を同軸ケーブルを介する通信連結のための信号または光ファイバーケーブルを介する通信連結のための光信号に変換するケーブルモデムである。他の例として、通信インターフェース1470は、イーサネット(Ethernet)のような互換可能な近距離通信網(Local Area Network、LAN)へのデータ通信連結を提供するLANカードであり得る。また、無線リンクを実装できる。電波(Radio Wave)、光波(Optical Wave)および赤外線波(Infrared Wave)を含む音波および電磁波のような搬送波は、ワイヤまたはケーブルなしでスペースを通過する。信号は、振幅、周波数、位相、偏光または搬送波の他の物理的特性の人工的な変化を含む。無線リンクについて、通信インターフェース1470は、デジタルデータのような情報ストリームを運搬する赤外線および光信号を含む電気、音響または電磁信号を送受信する。
【0134】
本明細書において、コンピュータ読み取り可能な媒体という用語は、実行のための命令語を含む情報をプロセッサ1402に提供するのに参与する任意の媒体を指すのに使用される。このような媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体および送信媒体を含むが、これに限定されない様々な形態を取り得る。不揮発性媒体は、例えば、格納装置1408のような、光または磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、例えば、動的メモリ1404を含む。送信媒体は、例えば、同軸ケーブル、銅線、光ファイバーケーブルおよび電波、光波および赤外線波を含む音波および電磁波のような、有線またはケーブルなしでスペースを通過する波を含む。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な格納媒体という用語は、送信媒体を除外し、プロセッサ1402に情報を提供するのに参与する任意の媒体を指すために使用される。
【0135】
コンピュータ読み取り可能な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブル(Flexible)ディスク、ハードディスク、磁気テープ、または任意の他の磁気媒体、コンパクトディスクROM(CD-ROM)、デジタルビデオディスク(DVD)または他の光媒体、パンチカード、ペーパーテープ、またはホールパターンを有する任意の他の物理的媒体、RAM、プログラム可能なROM(PROM)、消去可能なPROM(EPROM)、FLASH(登録商標)-EPROM、または他のメモリチップまたはカートリッジ、搬送波、またはコンピュータ読み取ることができる任意の他の媒体を含む。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な非一時的な(Non-Transitory)格納媒体という用語は、搬送波および他の信号を除外し、プロセッサ1402に情報を提供するのに参与する任意の媒体を指すために使用される。
【0136】
1つ以上の有形(Tangible)の媒体内にエンコードされたロジッグは、コンピュータ読み取り可能な格納媒体上のプロセッサ命令語およびASIC1420のような特殊目的のハードウェアのうち、いずれかまたは両方を含む。
【0137】
ネットワークリンク1478は、通常、情報を使用するか、または処理する他の装置への1つ以上のネットワークを介する情報通信を提供する。例えば、ネットワークリンク1478は、ローカルネットワーク1480を介してホストコンピュータ1482またはインターネットサービス提供者(Internet Service Provider、ISP)によって運営される装備1484に接続を提供し得る。ISP装備1484は、現在に一般的にインターネット1490と呼ばれるネットワークの公開的かつ全世界的なパケット交換通信ネットワークを介してデータ通信サービスを提供する。インターネットに接続されたサーバー1492と呼ばれるコンピュータは、インターネットを介して受信された情報に応答してサービスを提供する。例えば、サーバー1492は、ディスプレイ1414でプレゼンテーション(Presentation)するためのビデオデータを表す情報を提供する。
【0138】
本発明は、本明細書に説明された技術を実施するためのコンピュータシステム1400の使用に関するものである。本発明の一実施例によると、この技術は、メモリ1404に含まれた1つ以上の命令語の1つ以上のシーケンスを行うプロセッサ1402に応答してコンピュータシステム1400によって行われる。ソフトウェアおよびプログラムコードとも呼ばれるこれらの命令語は、格納装置1408のような他のコンピュータ読み取り可能な媒体からメモリ1404に読み込まれることができる。メモリ1404に含まれた命令語のシーケンスの実行は、プロセッサ1402にとって本明細書に説明された方法のステップを行うようにする。他の実施例において、ASIC1420のようなハードウェアが本発明を具現するためにソフトウェアの代わりに、またはソフトウェアとともに使用できる。したがって、本発明の実施例は、ハードウェアとソフトウェアの任意の特定の組み合わせに制限されない。
【0139】
ネットワークリンク1478および通信インターフェース1470を介する他のネットワークを介して送信された信号は、コンピュータシステム1400に、そして、それから情報を運搬する。コンピュータシステム1400は、他のものの中でも、ネットワーク1480、1490を介して、ネットワークリンク1478および通信インターフェース1470を介して、プログラムコードを含む情報を送受信し得る。インターネット1490を用いる一例において、サーバー1492は、インターネット1490、ISP装備1484、ローカルネットワーク1480および通信インターフェース1470を介して、コンピュータ1400から送信されたメッセージによって要請された特定アプリケーションのためのプログラムコードを送信する。受信されたコードは、受信されるときにプロセッサ1402によって行われるか、後で行うために格納装置1408または他の不揮発性格納装置に格納されか、またはその両方であり得る。このような方式において、コンピュータシステム1400は、搬送波上の信号の形態でアプリケーションプログラムコードを得られる。
【0140】
様々な形態のコンピュータ読み取り可能な媒体は、実行のためにプロセッサ1402に命令語またはデータ、またはこの両方の1つ以上のシーケンスを運搬するのに関連し得る。例えば、命令語およびデータは、初期にホスト1482のような遠隔コンピュータの磁気ディスク上に運搬され得る。遠隔コンピュータは、命令語およびデータをその動的メモリにローディングし、モデムを使用して電話回線を介して命令語およびデータを送信する。コンピュータシステム1400にローカルなモデムは、電話回線上で命令語およびデータを受信し、赤外線送信機を使用して命令語およびデータをネットワークリンク1478の役割をする赤外線搬送波上の信号に変換する。通信インターフェース1470の役割をする赤外線検出器は、赤外線信号内に運搬された命令語およびデータを受信し、命令語およびデータを表す情報をバス1410上に位置させる。バス1410は、情報をメモリ1404に運搬し、プロセッサ1402は、命令語とともに送信されたデータの一部を用いてメモリ1404から命令語を検索して実行する。メモリ1404で受信された命令語およびデータは、プロセッサ1402による実行前または後に格納装置1408に選択的に格納され得る。
【0141】
図15は、本発明の一実施例を実装できるチップセット1500を示す。チップセット1500は、本明細書に説明された方法の1つ以上の動作を行うようにプログラミングされ、例えば、1つ以上の物理的パッケージ(例えば、チップ)に含まれた
図14に関連して説明されたプロセッサおよびメモリコンポーネントを含む。例として、物理的パッケージは、物理的強度、サイズの保存および/または電気的相互作用の制限のような1つ以上の特性を提供するために構造的アセンブリ(例えば、ベースボード)上の1つ以上の材料、コンポーネントおよび/またはワイヤの配列を含む。所定の実施例において、チップセットは、単一チップで具現できることが考慮される。チップセット1500またはその一部は、本明細書に説明された方法の1つ以上の動作を行うための手段を構成する。
【0142】
1つの実施例において、チップセット1500は、チップセット1500のコンポーネントの間で情報を伝達するためのバス1501のような通信メカニズムを含む。プロセッサ1503は、命令語を実行し、例えば、メモリ1505に格納された情報を処理するためにバス1501に連結される。プロセッサ1503は、それぞれのコアが独立して行うように構成された1つ以上のプロセッシングコアを含み得る。マルチコアプロセッサは、単一の物理的パッケージ内で多重処理を可能にする。マルチコアプロセッサの例は、2つ、4つ、8つまたはその以上のプロセッサコアを含む。代替的または追加的に、プロセッサ1503は、命令語、パイプライニング(Pipelining)およびマルチスレッディング(Multithreading)の独立した実行を可能にするためにバス1501を介して直列で構成された1つ以上のマイクロプロセッサを含み得る。また、プロセッサ1503は、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)1507または1つ以上のASIC1509のような所定の処理機能および作業を行うための1つ以上の特殊コンポーネントを伴い得る。DSP1507は、通常、プロセッサ1503と独立して実世界の信号(例えば、サウンド)をリアルタイムで処理するように構成される。同様に、ASIC1509は、汎用プロセッサによって容易に実行されない特殊機能を行うように構成され得る。本明細書に説明された発明的機能を実行することを支援するための他の特殊コンポーネントは、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)(図示せず)、1つ以上のコントローラー(図示せず)または1つ以上の他の特殊目的のコンピュータチップを含む。
【0143】
プロセッサ1503および付随するコンポーネントは、バス1501を介してメモリ1505に連結される。メモリ1505は、実行されるときに本明細書に説明された方法の1つ以上の動作を行うように、実行可能な命令語を格納するための動的メモリ(例えば、RAM、磁気ディスク、書き込み可能な光ディスクなど)および靜的メモリ(例えば、ROM、CD-ROMなど)の両方を含む。メモリ1505は、本明細書に説明された方法のうち、1つ以上のステップの実行に関連したり、その実行によって生成されたデータを格納する。
6.変更、拡張および修正
【0144】
前述の明細書において、本発明は、具体的な実施例を参照して説明された。しかし、本発明のより広い思想および範囲から逸脱することなく、様々な変形および変化が行われ得ることが明らかである。したがって、明細書および図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味とみなされるべきである。本明細書および請求項の全体にわたって、文脈上他に要求しない限り、「含み」および「含んでいる」のような「含む」という単語およびその変形は、任意の他の項目、要素または動作、または項目、要素または動作のグループを排除しない言及した項目、要素または動作、または項目、要素または動作のグループの包含を意味するものと理解できるであろう。また、不定冠詞は、冠詞によって修飾される1つ以上の項目、要素または動作を表すものと意図される。
【0145】
広い範囲を示す数値範囲とパラメータは、たとえ近似値であっても、具体的な非限定的な例で説明される数値は、できるだけ精緻に報告される。しかし、任意の数値は、本明細書の作成時点でこれらのそれぞれの実験測定で発見された標準偏差から必然的に発生する特定誤差を内在的に含む。さらに、文脈上明らかに異なっていなければ、本明細書に提示された数値は、最下位の数字によって与えられた含蓄的な精度を有する。したがって、値1.1は、1.05から1.15までの値を暗示する。「約(About)」という用語は、与えられた値を中心により広い範囲を示すのに使用され、文脈上明らかに異なっていなければ、「約1.1」が1.0から1.2まで暗示するように、最下位の数字周辺のより広い範囲を暗示する。もし、最下位の数字が不明であれば、「約」という用語は、2倍を意味する。例えば、「約X」は、範囲が0.5Xないし2Xである値を暗示し、例えば、約100は、範囲が50ないし200である値を暗示する。されに、本明細書に開示されたすべての範囲は、その中に含まれる任意の下位範囲およびすべての下位範囲を含むものと理解されるべきである。例えば、正のパラメータについての「10未満」の範囲は、0(Zero)の最小値と10の最大値との間の(そして、0の最小値と10の最大値を含む)任意の下位範囲およびすべての下位範囲、すなわち、0以上の最大値と10以下の最大値を有する任意の下位範囲およびすべての下位範囲、例えば、1ないし4を含む。
【0146】
本発明の一部の実施例は、本明細書で光信号上に変調された無線周波数信号での2進、π/2(90度)位相エンコーディングの脈絡で説明される。しかし、実施例は、この脈絡に制限されない。例えば、一部の実施例において、異なる位相差(例えば、30、60または180度)を用いる他の位相エンコーディングまたは3つ以上の異なる位相を用いるエンコーディングが使用される。他の実施例において、他の距離測定変調フォーマットは、時間で分離した同相および直交位相局部発振器信号を基準信号として使用する。このような変調フォーマットは、「オンオフキーイング(On Off Keying)」、「周波数シフトキーイング(Frequency Shift Keying)」および「ノイズ(Noise)」波形を含むが、これに限定されない。実施例は、単一の光ビームおよび単一の検出器や検出器のペアへのリターンの脈絡で説明され、他の実施例では、線形ステッピングまたは回転する光学部品のような任意の知られているスキャニング手段を使用したり、送信機アレイまたは検出器アレイまたは検出器のペアを用いてスキャンされることができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-07-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光信号を提供するレーザーと、
前記レーザーからの前記複数の光信号を変調して複数の変調された光信号を生成する変調器と、
前記レーザーからの前記複数の光信号のうち、各光信号とそれぞれ関連する複数の基準光信号を生成し、前記複数の変調された光信号をフリースペースに送信し、前記フリースペースに前記複数の変調された光信号を送信することに応答して複数のリターンされた光信号を受信する光カプラと、
前記複数のリターンされた光信号のそれぞれを、前記複数の基準光信号のそれぞれの基準光信号とミックスし、複数のミックスされた光信号のうち、それぞれのミックスされた光信号を生成する光ミキサーと、
前記複数のミックスされた光信号のそれぞれのミックスされた光信号を検出して、複数の電気信号のうちそれぞれの電気信号を生成する光検出器と、
プロセッサと、
を含み、
前記プロセッサは、
前記複数の電気信号のうち、第1電気信号のパラメータを調整することによって、第1信号を決定し、
前記複数の電気信号のうち、第2電気信号のパラメータを調整することによって、第2信号を決定し、
前記第1信号および前記第2信号に基づいて、1つ以上の光成分の内部反射を示す内部反射信号を決定し、
前記内部反射信号を用いて、前記複数の電気信号のうち第3電気信号を調整することによって、第3信号を決定し、そして、
前記第3信号に基づいて車両を作動させる、
システム。
【請求項2】
前記第1電気信号の前記パラメータおよび前記第2電気信号の前記パラメータは、位相、振幅、周波数または角周波数(Angular Frequency)のうち、少なくとも1つからそれぞれ選択され、
前記変調器は、前記リターンされた光信号のそれぞれを、前記複数の基準光信号のそれぞれの基準光信号とミックスする前に前記複数の基準光信号を変調し、
前記複数の光信号は、それぞれの光信号の位相シーケンスに基づいて変調される、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記光カプラは、第1複数の測定値のそれぞれについて前記複数の変調された光信号をフリースペースに送信し、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記リターンされた光信号のそれぞれを受信する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記光ミキサーは、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記複数のミックスされた光信号を生成し、
前記光検出器は、前記第1複数の測定値のそれぞれについて、前記複数の電気信号のそれぞれの電気信号を生成する、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1電気信号の前記パラメータおよび前記第2電気信号の前記パラメータは、前記第1複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射信号の位相をそれぞれ含む、
請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、点乗積(Dot Product)の測定に基づいて前記内部反射信号のパラメータを決定する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記電気信号の前記第1複数の測定値のうち、1つ以上の測定値を含む第2複数の測定値の平均を決定し、
前記平均は,前記第2複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射の前記位相に少なくとも部分的に基づいて決定し、
(i)前記第2複数の測定値の前記平均および(ii)前記第1複数の測定値のうち、少なくとも1つについての前記電気信号に少なくとも部分的に基づいて補正されたリターン信号を決定することによって、前記内部反射信号のパラメータを決定する、
請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記補正されたリターン信号に基づいて前記車両を作動させる、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
レーザーからの複数の光信号を変調して複数の変調された光信号を生成するステップと、
フリースペースに前記複数の変調された光信号を送信するステップと、
前記複数の変調された光信号を送信するステップに応答して複数のリターンされた光信号を受信するステップと、
前記リターンされた光信号のそれぞれを、複数の基準光信号のそれぞれの基準光信号とミックスし、複数のミックスされた光信号のうち、それぞれのミックスされた光信号を生成するステップと、
前記複数のミックスされた光信号のそれぞれのミックスされた光信号を検出して、複数の電気信号を生成するステップと、
前記複数の電気信号のうち、第1電気信号のパラメータを調整することによって、第1信号を決定するステップと、
前記複数の電気信号のうち、第2電気信号のパラメータを調整することによって、第2信号を決定するステップと、
前記第1信号および前記第2信号に基づいて、1つ以上の光成分の内部反射を示す内部反射信号を決定するステップと、
前記内部反射信号を用いて、前記複数の電気信号のうち第3電気信号を調整することによって、第3信号を決定するステップと、
前記第3信号に基づいて車両を作動させるステップと、
を含む方法。
【請求項10】
前記リターンされた光信号のそれぞれを、前記複数の基準光信号のそれぞれの基準光信号とミックスする前に前記複数の基準光信号を変調するステップ
をさらに含み、
前記第1電気信号の前記パラメータおよび前記第2電気信号の前記パラメータは、位相、振幅、周波数または角周波数(Angular Frequency)のうち、少なくとも1つからそれぞれ選択され、そして、
前記複数の光信号は、それぞれの光信号の位相シーケンスに基づいて変調される、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
オブジェクトに向けて前記変調された光信号を送信するステップは、第1複数の測定値のそれぞれについて前記複数の変調された光信号を送信するステップを含み、
前記複数のリターンされた光信号を受信するステップは、前記第1複数の測定値のそれぞれについて前記リターンされた光信号のそれぞれを受信するステップを含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のミックスされた光信号は、前記第1複数の測定値のそれぞれについて生成され、
前記複数の電気信号のそれぞれの電気信号は、前記第1複数の測定値のそれぞれについて生成される、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1電気信号の前記パラメータおよび前記第2電気信号の前記パラメータは、前記第1複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射信号の位相をそれぞれ含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記内部反射信号のパラメータを決定するステップは、
点乗積(Dot Product)の測定に基づいて前記内部反射の前記パラメータを決定するステップと、
前記電気信号の前記第1複数の測定値のうち、1つ以上の測定値を含む第2複数の測定値の平均を決定するステップと、
前記平均は、前記第2複数の測定値のそれぞれについての前記内部反射の前記位相に少なくとも部分的に基づいて決定し、
(i)前記第2複数の測定値の前記平均および(ii)前記第1複数の測定値のうち、少なくとも1つについての前記電気信号に少なくとも部分的に基づいて補正されたリターン信号を決定するステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記車両を作動させるステップは、前記補正されたリターン信号に基づいて前記車両を作動させるステップを含む、
請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】