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特表2022-507090制御回路とバルク弾性波フィルタの集積方法及び集積構造
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  • 特表-制御回路とバルク弾性波フィルタの集積方法及び集積構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】制御回路とバルク弾性波フィルタの集積方法及び集積構造
(51)【国際特許分類】
   H03H 3/007 20060101AFI20220111BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20220111BHJP
   H03H 9/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H03H3/007 B
H03H9/17 F
H03H9/02 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525276
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2019117795
(87)【国際公開番号】W WO2020134668
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811601419.7
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519437928
【氏名又は名称】中芯集成電路(寧波)有限公司上海分公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO SEMICONDUCTOR INTERNATIONAL CORPORATION(SHANGHAI BRANCH)
【住所又は居所原語表記】Room 309, Area C, F3, Building 1,No.95, Lane 85, Cailun Road, China(Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 暁珊
【テーマコード(参考)】
5J108
【Fターム(参考)】
5J108BB08
5J108EE03
5J108EE04
5J108GG05
5J108MM02
(57)【要約】
制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法及び集積構造である。該集積方法は、制御回路が形成される基板を提供するステップと、基板上に第1キャビティを形成するステップと、表面に入力電極、出力電極が設けられる、第2キャビティを含むBAW共振構造を提供するステップと、BAW共振構造の表面を基板に向け、BAW共振構造を基板にボンディングさせ且つ第1キャビティを封止するステップと、制御回路を入力電極、出力電極に電気的に接続させるステップと、を含む。本発明は、基板上に制御回路とBAWフィルタに必要とするキャビティを形成し、さらに既存のBAW共振構造をキャビティに取り付け、制御回路のBAWフィルタへの制御を実現することにより、従来のBAWフィルタが個別デバイスとしてPCBに集積されることによる電気的な接続プロセスが複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題を回避でき、集積度が高く、プロセスコストを低減させることができることである。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法であって、
制御回路が形成される基板を提供するステップと、
前記基板上に第1キャビティを形成するステップと、
表面に入力電極、出力電極が設けられ、第2キャビティを含むBAW共振構造を提供するステップと、
前記BAW共振構造の前記表面を前記基板に向け、前記BAW共振構造を前記基板にボンディングさせ且つ前記第1キャビティを封止するステップと、
前記制御回路を前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させるステップと、を含む、ことを特徴とする制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法。
【請求項2】
前記基板は、ベースと、前記ベース上に形成される第1誘電層とを含み、
前記基板上に前記第1キャビティを形成するステップは、
前記第1誘電層内に前記第1キャビティを形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積方法。
【請求項3】
前記ベースは、SOIベース、シリコンベース、ケイ素ゲルマニウムベース、ゲルマニウム化シリコンベース、ガリウムヒ素ベースのうちのいずれか一つを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の集積方法。
【請求項4】
前記制御回路は、デバイス構造と、前記デバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含み、
前記第1相互接続構造層は、前記第1誘電層に位置し、前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項2に記載の集積方法。
【請求項5】
前記デバイス構造は、MOSデバイスを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の集積方法。
【請求項6】
前記制御回路を前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させるステップは、
前記BAW共振構造をボンディングした後に、前記第1相互接続構造層を前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させるステップを含み、又は、
前記BAW共振構造をボンディングする前に、前記第1相互接続構造層上に第1再配線層及び第1溶接パッドを形成するステップと、
前記BAW共振構造をボンディングした後に、前記第1溶接パッドを前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させ、前記入力電極、前記出力電極を前記第1溶接パッド、前記第1再配線層によって前記制御回路に電気的に接続させるステップと、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の集積方法。
【請求項7】
前記BAW共振構造の前記表面を前記基板に向け、前記BAW共振構造を前記基板にボンディングさせ且つ前記第1キャビティを封止するステップは、
前記基板の表面における前記第1キャビティの外周に接着構造を形成するステップと、
前記接着構造によって前記BAW共振構造を前記基板に接着させるステップと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積方法。
【請求項8】
前記接着構造は、ドライフィルムを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の集積方法。
【請求項9】
露光現像によって前記ドライフィルム内に前記第1キャビティを形成する、ことを特徴とする請求項8に記載の集積方法。
【請求項10】
パターン化の接着層をシルクスクリーンすることによって、前記接着構造を形成する、ことを特徴とする請求項7に記載の集積方法。
【請求項11】
前記基板の背面に第2再配線層を形成し、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続させることをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積方法。
【請求項12】
前記第2再配線層は、I/O溶接パッドを含む、ことを特徴とする請求項11に記載の集積方法。
【請求項13】
前記ボンディングした後に、
前記基板と前記BAW共振構造を覆うパッケージング層を形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積方法。
【請求項14】
前記パッケージング層上に、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続させる第3再配線層を形成するステップをさらに含む、ことを特徴とする請求項13に記載の集積方法。
【請求項15】
前記入力電極と前記出力電極は、いずれも溶接パッドを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積方法。
【請求項16】
制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積構造であって、
制御回路及び第1キャビティが形成される基板と、
表面に入力電極、出力電極が設けられ、第2キャビティを含み、その表面が前記基板に向かって前記基板にボンディングされ且つ前記第1キャビティを封止するBAW共振構造と、を含み、
前記制御回路が前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続される、ことを特徴とする制御回路とバルク弾性波(SAW)フィルタの集積構造。
【請求項17】
前記基板は、ベースと、前記ベース上に形成される第1誘電層とを含み、前記第1キャビティが前記第1誘電層内に形成され、
又は、前記基板と前記BAW共振構造が接着構造によってボンディングされ、前記第1キャビティが前記接着構造内に形成される、ことを特徴とする請求項16に記載の集積構造。
【請求項18】
前記接着構造は、ドライフィルムである、ことを特徴とする請求項17に記載の集積構造。
【請求項19】
前記ベースは、SOIベース、シリコンベース、ケイ素ゲルマニウムベース、ゲルマニウム化シリコンベース、ガリウムヒ素ベースのうちのいずれか一つを含む、ことを特徴とする請求項17に記載の集積構造。
【請求項20】
前記制御回路は、デバイス構造と、前記デバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含み、
前記第1相互接続構造層は、前記第1誘電層に位置し、前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項17に記載の集積構造。
【請求項21】
前記デバイス構造は、MOSデバイスを含む、ことを特徴とする請求項20に記載の集積構造。
【請求項22】
前記基板上に第1再配線層と第1溶接パッドが形成され、
前記第1溶接パッドが前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続されることにより、前記入力電極、前記出力電極を前記第1溶接パッド、前記第1再配線層によって前記制御回路に電気的に接続させる、ことを特徴とする請求項20に記載の集積構造。
【請求項23】
前記基板の背面に形成され、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続される第2再配線層をさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の集積構造。
【請求項24】
前記第2再配線層は、I/O溶接パッドを含む、ことを特徴とする請求項23に記載の集積構造。
【請求項25】
前記基板と前記BAW共振構造を覆うパッケージング層をさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の集積構造。
【請求項26】
前記パッケージング層上に形成され、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に接続される第3再配線層をさらに含む、ことを特徴とする請求項25に記載の集積構造。
【請求項27】
前記入力電極と出力電極は、いずれも溶接パッドを含む、ことを特徴とする請求項16に記載の集積構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波フィルタの技術分野に関し、特に制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法及び集積構造に関する。
【背景技術】
【0002】
BAWフィルタは、バルク弾性波理論に基づき、音響学共振を利用して電気的フィルタリングを実現するデバイスであり、電極間の圧電層(AlN、ZnOなど)の垂直方向での共振によってフィルタリングを行う。キャビティ型BAWフィルタは、現在最も応用に成功しているBAWフィルタであり、その本体構造は、上部電極、圧電層及び下部電極で構成されるサンドイッチ構造であり、上部電極と下部電極の両側にいずれもキャビティが設けられ、音波信号が上部電極の最上端と下部電極の底端に進むとき、音響インピーダンスの大きな差により、音波の全反射を引き起こす。このようなBAWフィルタは、音響リークが小さく、デバイスの高いQ値を実現することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パッケージングを行うとき、一般的には、単一のBAWフィルタを個別デバイスにパッケージングし、さらにプリント回路板(PCB)上に集積する。使用上のニーズのため、往々にして一つのPCB板上に複数のBAWを集積する必要がある。このように単独してパッケージングしてからシステム集積を行う方式は、SIP接線が複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題をもたらし、且つ個別のスイッチ、選択、制御デバイスを導入してBAWフィルタに対して制御を行う必要があり、プロセスの複雑度と製造コストを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の目的は、制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法及び相応の集積構造を提供し、従来のBAWフィルタのパッケージングと集積プロセスにおいて、SIP接線が複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題を克服することである。
【0005】
一方、本発明によれば、
制御回路が形成される基板を提供するステップと、
前記基板上に第1キャビティを形成するステップと、
表面に入力電極、出力電極が設けられ、第2キャビティを含むBAW共振構造を提供するステップと、
前記BAW共振構造の前記表面を前記基板に向け、前記BAW共振構造を前記基板にボンディングさせ且つ前記第1キャビティを封止するステップと、
前記制御回路を前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させるステップと、を含む制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法が提供される。
【0006】
選択的に、前記基板は、ベースと、前記ベース上に形成される第1誘電層とを含み、
前記基板上に前記第1キャビティを形成するステップは、
前記第1誘電層内に前記第1キャビティを形成するステップを含む。
【0007】
選択的に、前記ベースは、SOIベース、シリコンベース、ケイ素ゲルマニウムベース、ゲルマニウム化シリコンベース、ガリウムヒ素ベースのうちのいずれか一つを含む。
【0008】
選択的に、前記制御回路は、デバイス構造と、前記デバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含み、前記第1相互接続構造層は、前記第1誘電層に位置し、前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続される。
【0009】
選択的に、前記デバイス構造は、MOSデバイスを含む。
【0010】
選択的に、前記制御回路を前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させるステップは、
前記BAW共振構造をボンディングした後に、前記第1相互接続構造層を前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させるステップを含み、又は、
前記BAW共振構造をボンディングする前に、前記第1相互接続構造層上に第1再配線層及び第1溶接パッドを形成するステップと、
前記BAW共振構造をボンディングした後に、前記第1溶接パッドを前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続させ、前記入力電極、前記出力電極を前記第1溶接パッド、前記第1再配線層によって前記制御回路に電気的に接続させるステップと、を含む。
【0011】
選択的に、前記BAW共振構造の前記表面を前記基板に向け、前記BAW共振構造を前記基板にボンディングさせ且つ前記第1キャビティを封止するステップは、
前記基板の表面における前記第1キャビティの外周に接着構造を形成するステップと、
前記接着構造によって前記BAW共振構造を前記基板に接着させるステップと、を含む。
【0012】
選択的に、前記接着構造は、ドライフィルムを含む。
【0013】
選択的に、露光現像によって前記ドライフィルム内に前記第1キャビティを形成する。
【0014】
選択的に、パターン化の接着層をシルクスクリーンすることによって、前記接着構造を形成する。
【0015】
選択的に、前記基板の背面に、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続させる第2再配線層を形成するステップをさらに含む。
【0016】
選択的に、前記第2再配線層は、I/O溶接パッドを含む。
【0017】
選択的に、前記ボンディングした後に、
前記基板と前記BAW共振構造を覆うパッケージング層を形成するステップをさらに含む。
【0018】
選択的に、前記パッケージング層上に、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続させる第3再配線層を形成するステップをさらに含む。
【0019】
選択的に、前記入力電極と前記出力電極は、いずれも溶接パッドを含む。
【0020】
他方、本発明によれば、
制御回路及び第1キャビティが形成される基板と、
表面に入力電極、出力電極が設けられ、第2キャビティを含み、その表面が前記基板に向かって前記基板にボンディングされ且つ前記第1キャビティを封止するBAW共振構造と、を含み、
前記制御回路が前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続される制御回路とバルク弾性波(SAW)フィルタの集積構造が提供される。
【0021】
選択的に、前記基板は、ベースと、前記ベース上に形成される第1誘電層とを含み、前記第1キャビティが前記第1誘電層内に形成され、
又は、前記基板と前記BAW共振構造が接着構造によってボンディングされ、前記第1キャビティが前記接着構造内に形成される。
【0022】
選択的に、前記接着構造は、ドライフィルムである。
【0023】
選択的に、前記ベースは、SOIベース、シリコンベース、ケイ素ゲルマニウムベース、ゲルマニウム化シリコンベース、ガリウムヒ素ベースのうちのいずれか一つを含む。
【0024】
選択的に、前記制御回路は、デバイス構造と、前記デバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含み、前記第1相互接続構造層は、前記第1誘電層に位置し、前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続される。
【0025】
選択的に、前記デバイス構造は、MOSデバイスを含む。
【0026】
選択的に、前記基板上に第1再配線層と第1溶接パッドが形成され、前記第1溶接パッドが前記入力電極、前記出力電極に電気的に接続されることにより、前記入力電極、前記出力電極を前記第1溶接パッド、前記第1再配線層によって前記制御回路に電気的に接続させる。
【0027】
選択的に、前記集積構造は、前記基板の背面に形成され、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続される第2再配線層をさらに含む。
【0028】
選択的に、前記第2再配線層は、I/O溶接パッドを含む。
【0029】
選択的に、前記集積構造は、前記基板と前記BAW共振構造を覆うパッケージング層をさらに含む。
【0030】
選択的に、前記集積構造は、前記パッケージング層上に形成され、前記入力電極、前記出力電極、前記制御回路に電気的に接続される第3再配線層をさらに含む。
【0031】
選択的に、前記入力電極と前記出力電極は、いずれも溶接パッドを含む。
【0032】
本発明の有益な効果は、基板上に制御回路とBAWフィルタに必要とするキャビティを形成し、さらに既存のBAW共振構造をキャビティに取り付け、制御回路のBAWフィルタへの制御を実現することにより、従来のBAWフィルタが個別デバイスとしてPCBに集積されることによる電気的な接続プロセスが複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題を回避でき、集積度が高く、プロセスコストを低減させることができることである。
【0033】
本発明は、他の特性と利点を有し、これらの特性と利点は、明細書に組み込まれる添付図面と後の発明を実施するための形態の中に明らかであり、又は明細書に組み込まれる添付図面と後の発明を実施するための形態の中に詳細に説明され、これらの添付図面と発明を実施するための形態は、共同で本発明の特定の原理を解釈するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
添付図面を結び付けて、本発明の例示的な実施例をより詳細に説明することによって、本発明の上記及び他の目的、特徴、並びに利点は、より明らかになり、そのうち、本発明の例示的な実施例では、一般的に同じ参照番号が同じ部品を表す。
図1】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図2】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図3】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図4】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図5】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図6】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図7】本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表す。
図8】本発明の第2実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法のBAW共振構造の電気的な接続を形成する各プロセスをそれぞれ表す。
図9】本発明の第2実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法のBAW共振構造の電気的な接続を形成する各プロセスをそれぞれ表す。
図10】本発明の第2実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法のBAW共振構造の電気的な接続を形成する各プロセスをそれぞれ表す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下で添付図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。添付図面では、本発明の好ましい実施例を説明したが、理解すべきことは、様々な形式で本発明を実現することができるが、本明細書に記載された実施例によって限定されるべきではない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本発明をより完全にし、且つ本発明の範囲を当業者に完全に伝達できることにすることである。
【0036】
従来のBAWフィルタのパッケージング集積において、接線が複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題を解決するために、本発明の実施例は、制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法及び集積構造を提供する。
【0037】
本発明の実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法は、
制御回路が形成される基板を提供するステップと、基板上に第1キャビティを形成するステップと、表面に入力電極、出力電極が設けられる、第2キャビティを含むBAW共振構造を提供するステップと、BAW共振構造の表面を前記基板に向け、BAW共振構造を前記基板にボンディングさせ且つ第1キャビティを封止するステップと、制御回路を入力電極、出力電極に電気的に接続させるステップと、を含む。
【0038】
本発明の実施例によるパッケージング方法は、基板上に制御回路とBAWフィルタに必要とする第1キャビティを形成し、さらに既存のBAW共振構造を第1キャビティに取り付け、制御回路のBAWフィルタへの制御を実現することにより、従来のBAWフィルタが個別デバイスとしてPCBに集積されることによる電気的な接続プロセスが複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題を回避でき、集積度が高く、プロセスコストを低減させることができる。
【0039】
本発明の上記目の、特徴及び利点をより明らかに分かりやすくするために、以下では、添付図面を結び付けて本発明の具体実施例を詳細に説明する。本発明の実施例を詳述するとき、説明を容易にするために、例示図は、一般的な比率に従って局所的に増幅することなく、且つ前記例示図は、例示に過ぎず、それは、ここで本発明の保護範囲を制限すべきではない。なお、実際の製作中に長さ、広さ及び深さの三次元空間の大きさを含むべきである。
【0040】
図1図7は、本発明の第1実施例による制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積方法の各プロセスをそれぞれ表し、該集積方法は、以下のステップを含む:
【0041】
S1:図1図4に示すように、制御回路が形成される基板を提供する。
【0042】
図1図2に示すように、本実施例において、基板は、ベースと、ベース上に形成される第1誘電層401を含む。選択的に、ベースは、SOIベース、シリコンベース、ケイ素ゲルマニウムベース、ゲルマニウム化シリコンベース、ガリウムヒ素ベースのうちの一つを含む。当業者は、基板上に形成される制御回路に基づいてベースのタイプを選択してもよい。本実施例において、ベースは、SOIベースである。
【0043】
SOI(Silicon-on-Insulator)は、即ちシリコンオンインシュレータであり、その構造は、絶縁シリコンベースにトップ層単結晶シリコン層を加える二層構造であってもよいし、絶縁層を中間層(埋込み層と呼ばれる)とするサンドイッチ構造であってもよい。デバイスを製作するとき、トップ層の薄シリコン層のみをデバイス製作層として、ソース、ドレイン、チャネル領域などの構造を形成し、シリコンベースは、支持のみの役割を果たす。サンドイッチ構造における埋込み層は、デバイス製作層とシリコンベースを電気的に隔離することにより、シリコンベースのデバイス性能への影響を減少する。SOIは、デバイス性能上に寄生容量を減少し、消費電力を低下させ、ラッチ効果を解消するなどという利点を有する。現在でSOIベースを取得する典型的なプロセスは、スマートカット(Smart-cutTM)プロセスである。本実施例は、SOIベースを選択することによりSOIの上記利点を利用する。
【0044】
依然として図1に示すように、本実施例において、SOIベースは、シリコンベース101と、シリコンベース101上に位置する絶縁層102と、絶縁層102上に位置するシリコントップ層103とを含み、又はSOIベースは、絶縁層にトップ層シリコンを加える二層構造であってもよい。
【0045】
依然として図2に示すように、第1誘電層401は、低K誘電材料層であり、例えばシリコン酸化層である。化学気相堆積(CVP)によって第1誘電層401を形成してもよく、第1誘電層401は、BAWフィルタ動作に必要とする第1キャビティ402を形成するために用いられる。
【0046】
本実施例において、制御回路は、デバイス構造及びデバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含み、第1相互接続構造層が第1誘電層401に位置する。デバイス構造は、MOSデバイスを含み、例えばMOSスイッチであり、MOSスイッチは、nMOS又はpMOSスイッチであってもよい。依然として図1に示すように、MOSスイッチは、ソース201、ドレイン202及びゲート203を含み、シリコントップ層103の表面のゲート誘電層204又はゲート誘電領域をさらに含み、ソース、ドレイン及びゲートを隔離する。浅ドープソースドレイン(Low Dose Drain、LDDと略称される)プロセスとソースドレイン注入(Source/Drain Implantation、S/D IMPと略称される)によってトップ層シリコン内にソース201とドレイン202を形成する。
【0047】
図3に示すように、選択的に、第1相互接続構造層は、デバイス構造に順に電気的に接続される第1導電ポスト404と第1回線層405を含む。本実施例において、まず第1誘電層401を貫通する第1ビアホール及び第1誘電層の表面に設けられる第1トレンチを形成し、次に第1ビアホールと第1トレンチ内に電気的に接続される材料を充填し、第1導電ポスト404と第1回線層405を形成する。
【0048】
エッチングによって第1誘電層401を貫通する第1ビアホール及び第1誘電層401の表面に設けられる第1トレンチを形成してもよく、第1トレンチは、局所的に相互に接続される金属の経路を定義し、次に堆積(例えばスパッタリング)によって第1ビアホールと第1トレンチ内に電気的に接続される材料を充填し、電気的に接続される材料は好ましくは、銅、タングステン、チタンなどである。本実施例において、シリコントップ層103上にゲート誘電層204が形成されるため、第1ビアホールはさらに、ゲート誘電層204を貫通している。
【0049】
図4に示すように、選択的に、第1相互接続構造層が入力電極、出力電極に直接的に電気的に接続されることに適しない、基板上に第1再配線層406及び第1溶接パッド407が形成され、第1再配線層406が制御回路の第1回線層405に電気的に接続される。堆積によって第1再配線層406を形成し、且つ同様に、エッチング、堆積によって第1溶接パッド407を形成してもよい。
【0050】
S2:図5に示すように、基板上に第1キャビティを形成する。
【0051】
図5に示すように、本実施例において、エッチングによって第1誘電層401上に内へ凹む第1キャビティ402を形成する。
【0052】
依然として図5に示すように、選択的に、基板の表面に接着構造408を形成し、後続のBAW共振構造と基板とのボンディングを実現するために用いられる。接着構造408は、ドライフィルム又は他のタイプのチップ接続フィルムであってもよい。選択的に、基板上に第1キャビティを形成する前に、加熱加圧の条件下で、基板の表面に一層のドライフィルムを接着し、次にドライフィルムに対して図形化を行い、さらにドライフィルムに対して露光現像を行って第1誘電層401をエッチングすることによって、基板上に内へ凹む第1キャビティ402を形成し、保留されるドライフィルム部分は、接着構造408を形成する。選択的に、パターン化の接着層をシルクスクリーンすることによって、接着構造408を形成する。接着層の材料は、一般的にはエボキシ樹脂を採用する。シルクスクリーンの方法によって、基板の表面にパターン化の接着層を直接形成することができ、パターン化を実現するためにフォトマスク、露光と現像などのステップを必要としない。選択的に、基板上に第1再配線層406が形成されるとき、基板上に第1キャビティを形成する前に、加熱加圧の条件下で、第1再配線層406の表面に一層のドライフィルムを接着し、次にドライフィルムに対して図形化を行い、さらにドライフィルム、第1誘電層401をエッチングすることによって、基板上に内へ凹む第1キャビティ402を形成し、保留されるドライフィルム部分は、接着構造408を形成する。
【0053】
選択的に、第1キャビティ402の深さが比較的に小さいとき、接着構造408内に第1キャビティ402を形成してもよい。
【0054】
S3:図5に示すように、表面に入力電極、出力電極が設けられる、第2キャビティを含むBAW共振構造を提供するステップである。
【0055】
図5に示すように、BAW共振構造は、第1支持基材301と、第2支持基材302と、第1支持基材301と第2支持基材302との間に設けられる第1電極303と第2電極304と、第1電極303と第2電極304との間に設けられる圧電層305とを含み、第1支持基材301の外側面に入力電極と入力電極(図示せず)が設けられ、入力電極と入力電極は、それぞれ第1電極303と第2電極304に電気的に接続される。なお、BAWフィルタの正常な動作を保証するために、第2支持基材302の外側面にシリコンチップ306が設けられ、シリコンチップ306上に第2キャビティ307が設けられる。集積した後に、第2キャビティ307は、当技術分野で一般的に言及される下部キャビティとして使用され、第1キャビティ402は、当技術分野で一般的に言及される上部キャビティとして使用される。
【0056】
第1電極303と第2電極304の材料は、Mo、Al等であってもよく、その厚さは、一般的には100nm~200nmである。圧電層305の材料は、一般的にはPZT(チタン酸ジルコン酸鉛圧電セラミックス)、ZnO又はAlNであり、その厚さは、一般的には1~2μmである。第1支持基材301と第2支持基材302は、一般的にはSi3N4、AlN材料を採用し、その機械的強度が高く、化学的性能が安定的で、音速が比較的に高く、中心周波数への影響が小さい。第1支持基材301と第2支持基材302の厚さは、一般的には100nm~200nmである。
【0057】
S4:図5に示すように、BAW共振構造の表面を基板に向け、BAW共振構造を基板にボンディングさせ且つ第1キャビティを封止する。
【0058】
選択的に、基板の表面、第1キャビティ402の周囲に環状の接着構造408が形成され、接着構造408によってBAW共振構造の第1支持基材301を基板に接着させることにより、BAW共振構造を基板にボンディングさせ且つ第1キャビティ402を封止する。
【0059】
S5:制御回路を入力電極、出力電極に電気的に接続させる。
【0060】
ステップS1では言及されたように、制御回路は、デバイス構造及びデバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含んでもよく、第1相互接続構造層が第1誘電層401に位置する。それに応じて、制御回路を入力電極、出力電極に電気的に接続させた即ちBAW共振構造をボンディングした後に、第1相互接続構造層を入力電極、出力電極に電気的に接続させる。
【0061】
依然として図5に示すように、選択的に、基板上に第1再配線層406及び第1溶接パッド407が形成されてもよく、それに応じて、制御回路を入力電極、出力電極に電気的に接続させることは、
BAW共振構造をボンディングする前に、第1相互接続構造層上に第1再配線層406及び第1溶接パッド407を形成するステップと、
BAW共振構造をボンディングした後に、第1溶接パッド407を入力電極、出力電極に電気的に接続させ、入力電極、出力電極を第1溶接パッド407、第1再配線層406によって制御回路に電気的に接続させるステップと、を含む。
【0062】
以上のステップS1~S5によって制御回路とBAWフィルタの集積を実現した。本実施例において、該集積方法は、以下のステップS6-S8をさらに含んでもよい:
【0063】
S6:図6に示すように、基板とBAW共振構造を覆うパッケージング層403を形成する。モールディング(molding)方法によってパッケージング層403を形成してもよく、モールディングに採用される材料は、エボキシ樹脂であってもよい。
【0064】
S7:図7に示すように、シリコンベース101を除去し、集積構造を薄型化する。本実施例において、化学機械研磨(CMP)によってシリコンベース101を除去してもよい。
【0065】
S8:依然として図7に示すように、パッケージング層403上に第3再配線層409を形成し、入力電極、出力電極、制御回路に電気的に接続させる。
【0066】
具体的には、パッケージング層403を貫通する第2ビアホールを形成し、第2ビアホール内に電気的に接続される材料を填充し、第2導電ポスト410を形成し、次にパッケージング層403上に第3再配線層409を形成し、第3再配線層409が第2導電ポスト410に電気的に接続される。第3再配線層409は、I/O溶接パッド411をさらに含む。同様に、エッチングによって第2ビアホールを形成し、堆積(例えばスパッタリング)によって第2ビアホール内に電気的に接続される材料(例えば銅)を充填し、第2導電ポスト410を形成してもよい。I/O溶接パッド411は、外部電源に接続されてもよい。
【0067】
本実施例によって取得される集積構造は、図7に示すとおりである。
【0068】
本発明の第2実施例による制御回路とBAWフィルタの集積方法は、前述ステップS1~S7も含み、それと第1実施例との差別は、ステップS8である。図8図10に示すように、本発明の第2実施例による集積方法は、ステップS7の後に以下のステップを実行することを含む:
【0069】
基板の背面に第2再配線層502を形成し、入力電極、出力電極、制御回路に電気的に接続させる。
【0070】
具体的には、図8図9に示すように、図8に示された、パッケージング層403が形成され且つシリコンベース101が除去された集積構造内に、絶縁層102、シリコントップ層103と第1誘電層401を貫通する第3ビアホールを形成し、第3ビアホール内に電気的に接続される材料を填充し、第3導電ポスト501を形成し、第3導電ポスト501が第1相互接続構造層405に電気的に接続され、絶縁層の表面に第2回線層502を形成し、第3導電ポスト501に電気的に接続させる。
【0071】
絶縁層102の表面に第2回線層502、第3導電ポスト501に順に電気的に接続される第2再配線層503を形成し、第2再配線層503は、I/O溶接パッド411をさらに含む。
【0072】
本発明の実施例は、制御回路とバルク弾性波(BAW)フィルタの集積構造をさらに提供し、基板であって、基板に制御回路が形成され、基板上に第1キャビティが形成される基板と、BAW共振構造であって、BAW共振構造の表面に入力電極、出力電極が設けられ、BAW共振構造は、第2キャビティを含み、BAW共振構造の表面が基板に向いて基板にボンディングされ且つ第1キャビティを封止するSAW共振片と、を含み、制御回路が入力電極、出力電極に電気的に接続される。
【0073】
本発明の実施例による集積構造は、基板に形成される制御回路によってBAWフィルタへの制御を実現することにより、従来のBAWフィルタが個別デバイスとしてPCBに集積されることによる電気的な接続プロセスが複雑で、挿入損耗が大きいなどという問題を回避でき、集積度が高く、プロセスコストを低減させることができる。
【0074】
図7に示すように、本発明の第1実施例による制御回路とBAWフィルタの集積構造は、
基板であって、基板に制御回路が形成され、基板上に第1キャビティ402が形成される基板と、
BAW共振構造であって、BAW共振構造の表面に入力電極と出力電極302が設けられ、BAW共振構造は、第2キャビティ307を含み、BAW共振構造の表面が基板に向いて基板にボンディングされ且つ第1キャビティ402を封止するSAW共振構造と、を含み、
制御回路が入力電極と出力電極に電気的に接続される。
【0075】
本実施例において、基板は、ベースと、ベース上に形成される第1誘電層401とを含み、そのうち、ベースは、SOIベースであり、SOIベースは、絶縁層102と、絶縁層102上に位置するシリコントップ層103とを含む。
【0076】
制御回路は、デバイス構造及びデバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含む。デバイス構造は、MOSスイッチを含み、MOSスイッチは、SOIベースに形成されるシリコントップ層103内のソース201とドレイン202、及びシリコントップ層103上に形成されるゲート誘電層204とゲート203を含む。
【0077】
第1相互接続構造層は、第1誘電層401に位置し、入力電極と出力電極302に電気的に接続され、具体的には、第1相互接続構造層は、デバイス構造に順に電気的に接続される第1導電ポスト404と第1回線層405を含む。第1キャビティ402が第1誘電層401内に形成される。
【0078】
BAW共振構造は、第1支持基材301と、第2支持基材302と、第1支持基材301と第2支持基材302との間に設けられる第1電極303と第2電極304と、第1電極303と第2電極304との間に設けられる圧電層305とを含み、第1支持基材301の外側面に入力電極と入力電極(図示せず)が設けられ、入力電極と入力電極は、それぞれ第1電極303と第2電極304に電気的に接続される。なお、BAWフィルタの正常な動作を保証するために、第2支持基材302の外側面にシリコンチップ306が設けられ、シリコンチップ306上に第2キャビティ307が設けられる。選択的に、入力電極と出力電極は、いずれも溶接パッドを含む。
【0079】
本実施例において、集積構造は、基板上に形成される第1再配線層406及び第1溶接パッド407をさらに含み、第1溶接パッド407が入力電極、出力電極に電気的に接続され、入力電極、出力電極を第1溶接パッド407、第1再配線層406によって制御回路に電気的に接続させる。
【0080】
基板とBAW共振構造は、環状の接着構造408によってボンディングされ、接着構造408が第1再配線層406上、第1キャビティ402の周囲に設けられ、選択的に、接着構造408は、ドライフィルム又はシルクスクリーンによって形成される接着層、又は他のチップ接続フィルムである。
【0081】
本実施例において、集積構造は、基板とBAW共振構造を覆うパッケージング層403をさらに含む。
【0082】
本実施例において、集積構造は、入力電極、出力電極、制御回路に電気的に接続される第3再配線層409をさらに含む。具体的には、第3再配線層409がパッケージング層403を貫通する第2導電ポスト410に電気的に接続され、第3再配線層409は、I/O溶接パッド411をさらに含む。
【0083】
図10に示すように、本発明の第2実施例による制御回路とBAWフィルタの集積構造は、
基板であって、基板に制御回路が形成され、基板上に第1キャビティ402が形成される基板と、
BAW共振構造であって、BAW共振構造の表面に入力電極と出力電極302が設けられ、BAW共振構造は、第2キャビティ307を含み、BAW共振構造の表面が基板に向いて基板にボンディングされ且つ第1キャビティ402を封止するSAW共振構造と、を含み、
制御回路が入力電極と出力電極に電気的に接続される。
【0084】
本実施例において、基板は、ベースと、ベース上に形成される第1誘電層401とを含み、そのうち、ベースは、SOIベースであり、SOIベースは、絶縁層102と、絶縁層102上に位置するシリコントップ層103とを含む。
【0085】
制御回路は、デバイス構造及びデバイス構造に電気的に接続される第1相互接続構造層を含む。デバイス構造は、MOSスイッチを含み、MOSスイッチは、SOIベースに形成されるシリコントップ層103内のソース201とドレイン202、及びシリコントップ層103上に形成されるゲート誘電層204とゲート203を含む。
【0086】
第1相互接続構造層は、第1誘電層401に位置し、入力電極と出力電極302に電気的に接続され、具体的には、第1相互接続構造層は、デバイス構造に順に電気的に接続される第1導電ポスト404と第1回線層405を含む。第1キャビティ402が第1誘電層401内に形成される。
【0087】
BAW共振構造は、第1支持基材301と、第2支持基材302と、第1支持基材301と第2支持基材302との間に設けられる第1電極303と第2電極304と、第1電極303と第2電極304との間に設けられる圧電層305とを含み、第1支持基材301の外側面に入力電極と入力電極(図示せず)が設けられ、入力電極と入力電極は、それぞれ第1電極303と第2電極304に電気的に接続される。なお、BAWフィルタの正常な動作を保証するために、第2支持基材302の外側面にシリコンチップ306が設けられ、シリコンチップ306上に第2キャビティ307が設けられる。選択的に、入力電極と出力電極は、いずれも溶接パッドを含む。
【0088】
本実施例において、集積構造は、基板上に形成される第1再配線層406及び第1溶接パッド407をさらに含み、第1溶接パッド407が入力電極、出力電極に電気的に接続され、入力電極、出力電極を第1溶接パッド407、第1再配線層406によって制御回路に電気的に接続させる。
【0089】
基板とBAW共振構造は、環状の接着構造408によってボンディングされ、接着構造408が第1再配線層406上、第1キャビティ402の周囲に設けられ、選択的に、接着構造408は、ドライフィルム又はシルクスクリーンによって形成される接着層、又は他のチップ接続フィルムである。
【0090】
本実施例において、集積構造は、基板とBAW共振構造を覆うパッケージング層403をさらに含む。
【0091】
本実施例において、集積構造は、基板の背面に形成される、入力電極、出力電極、制御回路に電気的に接続される第2再配線層503をさらに含む。具体的には、第2再配線層503が絶縁層102の表面に設けられ、基板を貫通する第3導電ポスト501及び絶縁層の表面に設けられる第2回線層502に電気的に接続され、第3導電ポスト501が第1相互接続構造層405に電気的に接続され、第2再配線層503は、I/O溶接パッド411をさらに含む。
【0092】
以上では、本発明の各実施例について記述したが、上記説明は例示的なものであり、網羅的なものではなく、且つ開示された実施例に限定されるものではない。説明された各実施例の範囲及び精神を逸脱することなく、当業者にとって、多くの修正及び変更は自明である。
【符号の説明】
【0093】
101-シリコンベース、102-絶縁層、103-シリコントップ層、201-ソース、202-ドレイン、203-ゲート、204-ゲート誘電層、301-第1支持基材、302-第2支持基材、303-第1電極、304-第2電極、305-圧電層、306-シリコンチップ、307-第2キャビティ、401-第1誘電層、402-第1キャビティ、403-パッケージング層、404-第1導電ポスト、405-第1回線層、406-第1再配線層、407-第1溶接パッド、408-接着構造、409-第3再配線層、410-第2導電ポスト、411-I/O溶接パッド、501-第3導電ポスト、502-第2回線層、503-第2再配線層。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】