(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】スケーラブルな中性原子に基づく量子計算
(51)【国際特許分類】
G06N 10/00 20220101AFI20220111BHJP
【FI】
G06N10/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525309
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 US2019061029
(87)【国際公開番号】W WO2020102256
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521199650
【氏名又は名称】アトム コンピューティング インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】キング,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ブルーム,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】コトル,クリシュ
(72)【発明者】
【氏名】レスター,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】パーソンズ,マックスウェル
(57)【要約】
【解決手段】
色本開示は、非古典的計算を実行するための方法およびシステムを提供する。該方法およびシステムは、複数の原子をトラップするための複数の空間的に別個の光学トラップサイトと、原子に、第1の原子状態と第2の原子状態の1以上の重ね合わせ状態を採用するよう誘起するために、複数のなかの1以上の原子に電磁エネルギーを加える、1以上の電磁送達ユニットと、1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数のなかの少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせるための、1以上のもつれユニットと、非古典的計算を得るために、重ね合わせ状態の測定を実行するための、1以上の読み出し光学ユニットと、を一般に使用する。
【選択図】
図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非古典的計算を実行するためのシステムであって、前記システムは、
複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成するように構成された、1以上の光学トラップユニットであって、前記複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、前記複数の原子は、60を上回る原子を含む、1以上の光学トラップユニットと、
前記複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加えるように構成された、1以上の電磁送達ユニットであって、これによって、前記1以上の原子に、第1の原子状態および前記第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように、誘起する、1以上の電磁送達ユニットと、
前記重ね合わせ状態の前記1以上の原子の少なくともサブセットを、前記複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせるように構成された、1以上のもつれユニットと、
前記非古典的計算を得るために、前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行するように構成された、1以上の読み出し光学ユニットと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記非古典的計算が量子計算を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記量子計算がゲートモデル量子計算を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記複数の原子の1以上の原子が量子ビットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の原子状態が第1の単一量子ビット状態を含み、前記第2の原子状態が第2の単一量子ビット状態を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の原子状態または前記第2の原子状態が、前記原子の基底原子状態に対してエネルギーを高められる、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の原子状態が第1の超微細電子状態を含み、前記第2の原子状態が前記第1の超微細電子状態とは異なる第2の超微細電子状態を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の原子状態が第1の核スピン状態を含み、前記第2の原子状態が前記第1の核スピン状態とは異なる第2の核スピン状態を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数の原子が、少なくとも100の原子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記複数の原子が、中性原子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記複数の原子が、レアアース原子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記複数の原子が、アルカリ原子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記複数の原子が、アルカリ土類原子を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記アルカリ土類原子が、ストロンチウム原子を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ストロンチウム原子が、ストロンチウム-87原子を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、ストロンチウム-87
3P
1マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、ストロンチウム-87
3P
2マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、多重項のマニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、三重項マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、四極子核の第1の核スピン状態と第2の核スピン状態とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、核スピン9/2の、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態とを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の原子状態と前記第2の原子状態が、ストロンチウム-87の、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態とを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項23】
前記1以上の重ね合わせ状態の前記1以上の原子の前記サブセットと前記別の原子とが、少なくとも1秒のコヒーレンス寿命で量子学的にもつれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項24】
前記複数の原子が、最大で10マイクロケルビン(μK)の温度を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項25】
前記システムを最大10-6パスカル(Pa)の圧力に維持するように構成された、1以上の真空ユニットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項26】
前記複数の光学トラップサイトの各々の光学トラップサイトが、互いの光学トラップサイトから少なくとも200ナノメートル(nm)空間的に離されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項27】
前記複数の光学トラップサイトの各々の光学トラップサイトが、前記複数の原子の単一原子をトラップするように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項28】
前記1以上の光学トラップサイトが、1以上の光ピンセットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項29】
前記1以上の光学トラップサイトが、1以上の光格子の1以上の光格子サイトを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項30】
前記1以上の光格子が、一次元(1D)光格子、二次元(2D)光格子、および3次元(3D)光格子から成る群から選択される1以上の部材を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記1以上の光学トラップユニットが、前記複数の光学トラップサイトを生成するように構成された、1以上の空間光変調器(SLM)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項32】
前記1以上のSLMが、1以上のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または1以上のエルコス(LCoS)デバイスを含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記1以上の光学トラップユニットが、前記複数の原子に対応する1以上のマジック波長に調整された光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項34】
前記1以上の光学トラップユニットが、前記光学トラップサイト内にトラップされた前記複数の原子の空間形状の1以上の画像を得るように構成された、1以上の結像ユニットを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項35】
前記1以上の画像が、蛍光画像、単原子蛍光画像、吸収画像、単原子吸収画像、位相コントラスト画像、単原子位相コントラスト画像から成る群から選択される1以上の部材を含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記1以上の画像に基づいて、前記光トラップサイト内にトラップされた前記複数の原子の前記空間形状を決定するために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の空間形状人工知能(AI)ユニットをさらに含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項37】
前記1以上のAI操作が、1以上の機械学習(ML)操作を含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記1以上のAI操作が、1以上の強化学習(RL)操作を含む、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記1以上の光学トラップユニットが、前記1以上の画像に基づいて前記光学トラップサイトでトラップされた前記複数の原子の変更された空間配置を付与するように構成された、1以上の原子再配置ユニットを含む、請求項34に記載のシステム。
【請求項40】
前記1以上の画像に基づいて、前記光トラップサイト内にトラップされた前記複数の原子の前記変更された空間配置を決定するために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の空間配置人工知能(AI)ユニットをさらに含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記1以上のAI操作が、1以上の機械学習(ML)操作を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記1以上のAI操作が、1以上の強化学習(RL)操作を含む、請求項40に記載のシステム。
【請求項43】
前記1以上の原子再配置ユニットが、前記複数の光学トラップサイトの充填率の増大を得るために、前記空間配列を変更するように構成された、請求項39に記載のシステム。
【請求項44】
前記充填率が、少なくとも70%の値を含む、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記複数の原子の状態を調製するように構成された、1以上の状態調製ユニットをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項46】
前記状態調製ユニットの1以上が、前記複数の原子を冷却するように構成された、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記1以上の状態調製ユニットが、前記複数の光学トラップサイトで前記複数の原子をトラップする前に、前記複数の原子を冷却するように構成された、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記状態調整ユニットの1以上が、前記1以上の原子を、第1の速度または速度の分布から、前記第1の速度または速度の分布より低い、第2の速度に低下させるように構成された、ゼーマン減速器を含む、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記ゼーマン減速器が、1次元(1D)ゼーマン減速器を含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記第2の速度が、最大で10メートル毎秒(m/s)である、請求項48に記載のシステム。
【請求項51】
前記状態調製ユニットの1以上が、前記1以上の原子を第1の温度に冷却するように構成された、第1の磁気光学トラップ(MOT)をさらに含む、請求項48に記載のシステム。
【請求項52】
前記第1のMOTが、三次元(3D)MOTを含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記第1のMOTが、400nmから500nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項51に記載のシステム。
【請求項54】
前記第1の温度が、最大で10ミリケルビン(mK)である、請求項51に記載のシステム。
【請求項55】
前記状態調製ユニットの1以上が、前記1以上の原子を前記第1の温度から、前記第1の温度より低い第2の温度に冷却するように構成された、第2のMOTをさらに含む、請求項54に記載のシステム。
【請求項56】
前記第2のMOTが、400nmから1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記第2の温度が、最大で100マイクロケルビン(μK)である、請求項55に記載のシステム。
【請求項58】
前記状態調製ユニットの1以上が、サイドバンド冷却ユニットをさらに含む、請求項55に記載のシステム。
【請求項59】
前記サイドバンド冷却ユニットが、前記1以上の原子を前記第2の温度から、前記第2の温度より低い第3の温度に冷却するために、サイドバンド冷却を使用するように構成された、請求項58に記載のシステム。
【請求項60】
前記サイドバンド冷却ユニットが、400nmから1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項58に記載のシステム。
【請求項61】
前記第3の温度が、最大で10マイクロケルビン(μK)である、請求項58に記載のシステム。
【請求項62】
前記状態調製ユニットの1以上が、前記複数の原子の1以上の原子を、平衡の原子状態から非平衡の原子状態へ光学的にポンピングするために、光を放射するように構成された、光学ポンピングユニットを含む、請求項45に記載のシステム。
【請求項63】
前記光学ポンピングユニットが、400ナノメートル(nm)から1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含む光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記光が、650nmから700nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含む、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記状態調製ユニットの1以上が、前記1以上の原子を、前記非平衡の原子状態から前記第1の原子状態または前記第2の原子状態に、コヒーレントに駆動するように構成された、コヒーレント駆動ユニットを含む、請求項62に記載のシステム。
【請求項66】
前記コヒーレント駆動ユニットが、非平衡状態と、前記第1の原子状態または前記第2の原子状態との間で、二光子遷移を誘起するように構成された、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記コヒーレント駆動ユニットが、400nmから1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記コヒーレント駆動ユニットが、前記非平衡状態と、前記第1の原子状態または前記第2の原子状態との間で、一光子遷移を誘起するように構成された、請求項65に記載のシステム。
【請求項69】
前記コヒーレント駆動ユニットが、400nmから1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記コヒーレント駆動ユニットが、前記非平衡状態と、前記第1の原子状態または前記第2の原子状態との間に、無線周波数(RF)遷移を誘起するように構成された、請求項65に記載のシステム。
【請求項71】
前記コヒーレント駆動ユニットが、前記RF遷移を誘起するように構成された、電磁放射を放射するように構成された、1以上の電磁放射源を含む、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記1以上の電磁送達ユニットが、前記電磁エネルギーを前記複数の原子の1以上の原子に選択的に加えるように構成された、1以上の空間光変調器(SLM)、音響光学デバイス(AOD)、または音響光学変調器(AOM)を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項73】
前記1以上の電磁送達ユニットが、1以上のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または1以上のエルコス(LCoS)デバイスを含む、請求項72に記載のシステム。
【請求項74】
前記電磁エネルギーを前記1以上の原子に選択的に加えるために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の電磁エネルギー人工知能(AI)ユニットをさらに含む、請求項72に記載のシステム。
【請求項75】
前記1以上のAI操作が、1以上の機械学習(ML)操作を含む、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記1以上のAI操作が、1以上の強化学習(RL)操作を含む、請求項74に記載のシステム。
【請求項77】
前記電磁エネルギーが、光学エネルギーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項78】
前記電磁エネルギーが、マイクロ波エネルギーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項79】
前記電磁エネルギーが、無線周波数(RF)エネルギーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項80】
前記RFエネルギーが、少なくとも30ミリメートル(mm)の1以上の波長を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記RFエネルギーが、最大で10ワット(W)の平均電力を含む、請求項79に記載のシステム。
【請求項82】
前記1以上の電磁送達ユニットが、前記1以上の量子ビットに対して1以上の単一量子ビットゲート操作を実施するように構成される。
請求項4に記載のシステム。
【請求項83】
前記1以上の読み出し光学ユニットが、1以上の光学検出器を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項84】
前記1以上の光学検出器が、1以上のカメラを含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項85】
前記1以上の光学検出器が、1以上の蛍光検出器を含む、請求項83に記載のシステム。
【請求項86】
前記1以上の光学トラップサイトから前記1以上の原子が失われたときに、前記複数の光学トラップサイトの1以上の光学トラップサイトで1以上の原子を置換するために、1以上の置換原子を供給するように構成された、1以上の原子リザーバーをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項87】
前記1以上の置換原子を前記1以上の光学トラップサイトに移動させるように構成された、1以上の原子運動ユニットをさらに含む、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記1以上の原子運動ユニットが、1以上の電気的に調整可能なレンズ、音響光学デフレクタ(AOD)、または空間光変調器(SLM)を含む、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の前記サブセットと前記別の原子とが、磁気双極子相互作用、誘起磁気双極子相互作用、電気双極子相互作用、または誘起電気双極子相互作用を通して、量子学的にもつれている、請求項1に記載のシステム。
【請求項90】
前記1以上のもつれユニットが、前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の前記サブセットを、リュードベリ状態へ、またはリュードベリ状態とより低エネルギーの原子状態との重ね合わせへと、電子的に励起するように構成された、1以上のリュードベリ励起ユニットを含み、これによって、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項91】
前記1以上のリュードベリ励起ユニットが、前記1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子と、前記別の電子との間に、1以上の量子学的もつれを誘起するように構成され、前記別の原子が、前記1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子から、最大で10マイクロメートル(μm)の距離に位置する、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
前記1以上のリュードベリユニットが、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子を、より低エネルギーの原子状態に駆動するように構成され、これによって、1以上の2-量子ビットユニットを形成する、請求項91に記載のシステム。
【請求項93】
前記1以上の電磁送達ユニットが、前記1以上の2-量子ビットユニットに対して1以上の2-量子ビットゲート操作を実施するように構成された、請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
前記1以上のリュードベリ励起ユニットが、1以上の紫外線(UV)波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含む、請求項91に記載のシステム。
【請求項95】
前記光が、300nmから400nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含む、請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
システムが、ネットワーク上でデジタルコンピュータに操作可能に連結されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項97】
ネットワークが、クラウドコンピューティングネットワークを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項98】
非古典的コンピュータであって、前記非古典的コンピュータは、
60を上回る原子を含む複数の量子ビットであって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、前記複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、前記第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして前記第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、複数の量子ビットと、
前記複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加えるように構成された、1以上の電磁送達ユニットであって、これによって、前記1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも前記第1の量子ビット状態と前記第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、1以上の電磁送達ユニットと、
前記重ね合わせ状態の前記複数の量子ビットの少なくともサブセットを、前記複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせるように構成された、1以上のもつれユニットと、
前記1以上の量子ビットの1以上の測定を実行するように構成された、1以上の読み出し光学ユニットであって、これによって、非古典的計算を得る、1以上の読み出し光学ユニットと、
を含む、非古典的コンピュータ。
【請求項99】
非古典的コンピュータであって、
各々の原子が、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされた、60を上回る原子を含む複数の量子ビットを含む、
非古典的コンピュータ。
【請求項100】
非古典的計算を実行するための方法であって、前記方法は、
(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、前記複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、前記複数の原子は、60を上回る原子を含む、工程と、
(b)前記複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、前記1以上の原子に、第1の原子状態および前記第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように、誘起する、工程と、
(c)前記1以上の重ね合わせ状態の前記1以上の原子の少なくともサブセットを、前記複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる、工程と、
(d)前記非古典的計算を得るために、前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の光学測定を実行する工程と、
を含む、方法。
【請求項101】
非古典的計算を実行するための方法であって、前記方法は、
(a)60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程であって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、前記複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、前記第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして前記第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、工程と、
(b)前記複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、前記1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも前記第1の量子ビット状態と前記第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、工程と、
(c)前記重ね合わせ状態の前記複数の量子ビットの少なくともサブセットを、前記複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせる工程と、
(d)前記1以上の量子ビットの1以上の光学測定を実行する工程であって、これによって、前記非古典的計算を得る、工程と、
を含む、方法。
【請求項102】
非古典的計算を実行するための方法であって、前記方法は、(a)各々の原子が、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされた、60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程と、(b)前記非古典的計算を実行するために、前記複数の量子ビットの少なくともサブセットを使用する工程と、を含む、方法。
【請求項103】
非古典的計算を実行するための方法であって、前記方法は、(a)複数の原子を含む複数の光学トラップサイトを提供する工程であって、該複数の原子が、複数の量子ビットである、工程と、(b)複数の原子の1以上を、占有されたトラップサイトから占有されていないトラップサイトへ、移動させる工程であって、これによって、複数の原子の空間配置を変更する、工程と、(c)前記1以上の原子に、第1の原子状態と前記第1の原子状態と異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように、誘起するために、前記複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、ここで、前記1以上の重ね合わせ状態の前記1以上の原子の、ある原子は、前記複数の原子の別の原子と量子学的にもつれている、工程と、(d)前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行する工程と、を含む、方法。
【請求項104】
非古典的計算を実行するための方法であって、前記方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、前記複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、ここで、前記複数の原子は量子ビットであり、ここで、前記複数の原子の、ある原子は、引力によって前記複数の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイトにトラップされる、工程と、(b)前記複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、前記1以上の原子に、第1の原子状態および前記第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように、誘起する、工程と、(c)前記1以上の重ね合わせ状態の前記1以上の原子の少なくともサブセットを、前記複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程と、(d)前記非古典的計算を得るために、前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行する工程と、を含む、方法。
【請求項105】
非古典的計算を実行するための方法であって、前記方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、前記複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、ここで、前記複数の原子は量子ビットである、工程と、(b)前記複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、前記1以上の原子に、第1の原子状態および前記第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように、誘起し、ここで、前記加える工程は、少なくとも2つの光学変調器で、前記電磁エネルギーを変調することを含む、工程と、(c)前記1以上の重ね合わせ状態の前記1以上の原子の少なくともサブセットを、前記複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程と、(d)前記非古典的計算を得るために、前記1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照本出願は、2018年11月13日に出願され、「Scalable neutral atom based quantum computing」と」題された、米国仮特許出願第62/760,781号、および、2019年3月8日に出願され、「Scalable neutral atom based quantum computing」と題された、米国仮特許出願第62/815,985号の利益を主張する、2019年5月7日に出願され、「Scalable neutral atom based quantum computing」と題された、米国特許出願第16/405,877号に、一部継続するものであり、これらの出願は、あらゆる目的のために、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府が支援する研究に関する陳述
本発明は、米国国立科学財団によって与えられた、中小企業技術革新研究プログラム許可第1843926号の下、米国政府の支援を受けてなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
量子コンピュータは典型的に、データに演算を行なうために、重ね合わせと量子もつれなどの量子・機械的な現象を利用する。量子コンピュータはトランジスターに基づくデジタル電子計算機とは異なる場合もある。例えば、デジタルコンピュータは、データを二進数字(ビット)にコードすることを必要とし、その各々は常に、2つの有限の状態(0または1)のうち1つであり、量子計算は、重ね合わせの状態であり得る量子ビット(量子ビット)を使用する。
【発明の概要】
【0004】
非古典的計算を実行するための方法およびシステムの必要性が本明細書において認識される。
【0005】
本開示は、非古典的計算または量子計算を実行するために、(中性原子または非荷電原子などの)原子を利用するための、システムおよび方法を提供する。原子は、大きな配列中に光学的にトラップされてもよい。(原子の超微細状態または核スピン状態などの)原子の量子学的状態は、量子ビット(量子ビット)基礎状態として機能するように構成されてもよい。量子ビット状態は、光学的な、無線周波数による、またはその他の電磁放射との相互作用を通じて操作されてもよく、これによって、非古典的計算または量子計算を実行する。
【0006】
一態様では、本開示は、非古典的計算を実行するためにシステムを提供し、該システムは、複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成するように構成された、1以上の光学トラップユニットであって、複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、複数の原子は、60を上回る原子を含む、1以上の光学トラップユニットと、複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加えるように構成された、1以上の電磁送達ユニットであって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起する、1以上の電磁送達ユニットと、重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせるように構成された、1以上のもつれユニットと、非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行するように構成された、1以上の読み出し光学ユニットと、を含む。非古典的計算は、量子計算を含んでもよい。量子計算は、ゲートモデル量子計算を含んでもよい。複数の原子の1以上の原子は、量子ビットを含んでもよい。第1の原子状態は第1の単一量子ビット状態を含んでもよく、第2の原子状態は第2の単一量子ビット状態を含んでもよい。第1の原子状態または第2の原子状態は、原子の基底原子状態に対してエネルギーを高められてもよい。第1の原子状態は第1の超微細電子状態を含んでもよく、第2の原子状態が第1の超微細電子状態とは異なる第2の超微細電子状態を含んでもよい。第1の原子状態は第1の核スピン状態を含んでもよく、第2の原子状態が第1の核スピン状態とは異なる第2の核スピン状態を含んでもよい。複数の原子は、少なくとも100の原子を含んでもよい。複数の原子は、中性原子を含んでもよい。複数の原子は、レアアース原子を含んでもよい。複数の原子は、アルカリ原子を含んでもよい。複数の原子は、アルカリ土類原子を含んでもよい。アルカリ土類原子は、ストロンチウム原子を含んでもよい。ストロンチウム原子は、ストロンチウム-87原子を含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、ストロンチウム-873P1マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、ストロンチウム-873P2マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、多重項のマニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、三重項マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とを含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、四極子核の第1の核スピン状態と第2の核スピン状態とを含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、核スピン9/2の、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態とを含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、ストロンチウム-87の第1の核スピン状態と第2の核スピン状態とを含んでもよい。1以上の重ね合わせの1以上の原子のサブセットと別の原子とは、少なくとも1秒のコヒーレンス寿命で量子学的にもつれていてもよい。複数の原子は、最大で10マイクロケルビン(μK)の温度を含んでもよい。システムは、システムを最大10-6パスカル(Pa)の圧力に維持するように構成された、1以上の真空ユニットをさらに含んでもよい。複数の光学トラップサイトの各々の光学トラップサイトは、互いの光学トラップサイトから少なくとも200ナノメートル(nm)空間的に離されていてもよい。複数の光学トラップサイトの各々の光学トラップサイトは、複数の原子の単一原子をトラップするように構成されてもよい。1以上の光学トラップサイトは、1以上の光ピンセットを含んでもよい。1以上の光学トラップサイトは、1以上の光格子の1以上の光格子サイトを含んでもよい。1以上の光格子は、一次元(1D)光格子、二次元(2D)光格子、および3次元(3D)光格子から成る群から選択される1以上の部材を含んでもよい。1以上の光学トラップユニットは、複数の光学トラップサイトを生成するように構成された、1以上の空間光変調器(SLM)を含んでもよい。1以上のSLMは、1以上のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または1以上のエルコス(LCoS)デバイスを含んでもよい。1以上の光学トラップユニットは、複数の原子に対応する1以上のマジック波長に調整された光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。1以上の光学トラップユニットは、光学トラップサイト内にトラップされた複数の原子の空間形状の1以上の画像を得るように構成された、1以上の結像ユニットを含んでもよい。1以上の画像は、蛍光画像、単原子蛍光画像、吸収画像、単原子吸収画像、位相コントラスト画像、単原子位相コントラスト画像から成る群から選択される1以上の部材を含んでもよい。システムは、1以上の画像に基づいて、光トラップサイト内にトラップされた複数の原子の空間形状を決定するために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の空間形状人工知能(AI)ユニットをさらに含んでもよい。1以上のAI操作は、1以上の機械学習(ML)操作を含んでもよい。1以上のAI操作は、1以上の強化学習(RL)操作を含んでもよい。1以上の光学トラップユニットは、1以上の画像に基づいて光学トラップサイトでトラップされた複数の原子の変更された空間配置を付与するように構成された、1以上の原子再配置ユニットを含んでもよい。システムは、1以上の画像に基づいて、光トラップサイト内にトラップされた複数の原子の変更された空間配置を決定するために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の空間配置人工知能(AI)ユニットをさらに含んでもよい。1以上のAI操作は、1以上の機械学習(ML)操作を含んでもよい。1以上のAI操作は、1以上の強化学習(RL)操作を含んでもよい。1以上の原子再配置ユニットは、複数の光学トラップサイトの充填率の増大を得るために、空間配列を変更するように構成されてもよい。充填率は、少なくとも70%の値を含んでもよい。システムは、複数の原子の状態を調製するように構成された、1以上の状態調製ユニットをさらに含んでもよい。状態調製ユニットの1以上は、複数の原子を冷却するように構成されてもよい。1以上の状態調製ユニットは、複数の光学トラップサイトで複数の原子をトラップする前に、複数の原子を冷却するように構成されてもよい。調整ユニットの1以上は、1以上の原子を、第1の速度または速度の分布から、第1の速度または速度の分布より低い、第2の速度に低下させるように構成された、ゼーマン減速器を含んでもよい。ゼーマン減速器は、1次元(1D)ゼーマン減速器を含んでもよい。第2の速度は、最大で10メートル毎秒(m/s)であってもよい。状態調製ユニットの1以上は、1以上の原子を第1の温度に冷却するように構成された、第1の磁気光学トラップ(MOT)をさらに含んでもよい。第1のMOTは、三次元(3D)MOTを含んでもよい。第1のMOTは、400nmから500nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。第1の温度は、最大で10ミリケルビン(mK)であってもよい。状態調製ユニットの1以上は、1以上の原子を第1の温度から、第1の温度より低い第2の温度に冷却するように構成された、第2のMOTをさらに含んでもよい。第2のMOTは、400nmから1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。第2の温度は、最大で100マイクロケルビン(mK)であってもよい。状態調製ユニットの1以上は、サイドバンド冷却ユニットをさらに含んでもよい。サイドバンド冷却ユニットは、1以上の原子を第2の温度から、第2の温度より低い第3の温度に冷却するために、サイドバンド冷却を使用するように構成されてもよい。サイドバンド冷却ユニットは、400nmから1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。第3の温度は、最大で10マイクロケルビン(mK)であってもよい。状態調製ユニットの1以上は、複数の原子の1以上の原子を、平衡の原子状態から非平衡の原子状態へ光学的にポンピングするために、光を放射するように構成された、光学ポンピングユニットを含んでもよい。光学ポンピングユニットは、400ナノメートル(nm)から1,000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含む光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。光は、650nmから700nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含んでもよい。状態調製ユニットの1以上は、1以上の原子を、非平衡の原子状態から第1の原子状態または第2の原子状態に、コヒーレントに駆動するように構成された、コヒーレント駆動ユニットを含んでもよい。コヒーレント駆動ユニットは、非平衡状態と、第1の原子状態または第2の原子状態との間で、二光子遷移を誘起するように構成されてもよい。コヒーレント駆動ユニット、400nmから1000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。コヒーレント駆動ユニットは、非平衡状態と、第1の原子状態または第2の原子状態との間で、一光子遷移を誘起するように構成されてもよい。コヒーレント駆動ユニットは、400nmから1000nmまでの範囲内にある、1以上の波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。コヒーレント駆動ユニットは、非平衡状態と、第1の原子状態または第2の原子状態との間に、無線周波(RF)遷移を誘起するように構成されてもよい。コヒーレント駆動ユニットは、RF遷移を誘起するように構成された、電磁放射を放射するように構成された、1以上の電磁放射源を含んでもよい。1以上の電磁送達ユニットは、電磁エネルギーを複数の原子の1以上の原子に選択的に加えるように構成された、1以上の空間光変調器(SLM)、音響光学デバイス(AOD)、または音響光学変調器(AOM)を含んでもよい。1以上の電磁送達ユニットは、1以上のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、または1以上のエルコス(LCoS)デバイスを含んでもよい。システムは、電磁エネルギーを1以上の原子に選択的に加えるために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の電磁エネルギー人工知能(AI)ユニットをさらに含んでもよい。1以上のAI操作は、1以上の機械学習(ML)操作を含んでもよい。1以上のAI操作は、1以上の強化学習(RL)操作を含んでもよい。電磁エネルギーは、光学エネルギーを含んでもよい。電磁エネルギーは、マイクロ波エネルギーを含んでもよい。電磁エネルギーが、無線周波数(RF)エネルギーを含んでもよい。RFエネルギーは、少なくとも30ミリメートル(mm)の1以上の波長を含んでもよい。RFエネルギーは、最大で10ワット(W)の平均電力を含んでもよい。1以上の電磁送達ユニットは、1以上の量子ビットに対して1以上の単一量子ビットゲート操作を実施するように構成されてもよい。1以上の読み出し光学ユニットは、1以上の光学検出器を含んでもよい。1以上の光学検出器は、1以上のカメラを含んでもよい。1以上の光学検出器は、1以上の蛍光検出器を含んでもよい。システムは、1以上の光学トラップサイトから1以上の原子が失われたときに、複数の光学トラップサイトの1以上の光学トラップサイトで1以上の原子を置換するために、1以上の置換原子を供給するように構成された、1以上の原子リザーバーをさらに含んでもよい。システムは、1以上の置換原子を1以上の光学トラップサイトに移動させるように構成された、1以上の原子運動ユニットをさらに含んでもよい。1以上の原子運動ユニットは、1以上の電気的
に調整可能なレンズ、音響光学デフレクタ(AOD)、または空間光変調器(SLM)を含んでもよい。1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子のサブセットと別の原子とは、磁気双極子相互作用、誘起磁気双極子相互作用、電気双極子相互作用、または誘起電気双極子相互作用を通して、量子学的にもつれていてもよい。1以上のもつれユニットは、1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子のサブセットを、リュードベリ状態へ、またはリュードベリ状態とより低エネルギー原子状態との重ね合わせへと、電子的に励起するように構成された、1以上のリュードベリ励起ユニットを含んでもよく、これによって、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子を形成する。1以上のリュードベリ励起ユニットは、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子と、別の電子との間に、1以上の量子学的もつれを誘起するように構成されてもよく、別の原子は、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子から、最大で10マイクロメートル(μm)の距離に位置する。1以上のリュードベリユニットは、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子を、より低エネルギーの原子状態に駆動するように構成されてもよく、これによって、1以上の2-量子ビットユニットを形成する。1以上の電磁送達ユニットは、1以上の量子ビットに対して1以上の2-量子ビットゲート操作を実施するように構成されてもよい。1以上のリュードベリ励起ユニットは、1以上の紫外線(UV)波長を有する光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。光は、300nmから400nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含んでもよい。システムは、ネットワーク上でデジタルコンピュータに操作可能に連結されてもよい。ネットワークは、クラウドネットワークを含んでもよい。
【0007】
別の態様では、本開示は、非古典的コンピュータを提供し、該コンピュータは、60を上回る原子を含む複数の量子ビットであって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、複数の量子ビットと、複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加えるように構成された、1以上の電磁送達ユニットであって、これによって、1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、1以上の電磁送達ユニットと、重ね合わせ状態の複数の量子ビットの少なくともサブセットを、複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせるように構成された、1以上のもつれユニットと、1以上の量子ビットの1以上の測定を実行するように構成された、1以上の読み出し光学ユニットであって、これによって、非古典的計算を得る、1以上の読み出し光学ユニットと、を含む。
【0008】
別の態様では、本開示は、非古典的コンピュータを提供し、該コンピュータは、各々の原子が、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でそれぞれトラップされた、60を上回る原子を含む、複数の量子ビットを含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、複数の原子は、60を上回る原子を含む、工程と、(b)複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起する、工程と、(c)1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程と、(d)非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の光学測定を実行する工程と、を含む。
【0010】
別の態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程であって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、工程と、(b)複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、工程と、(c)重ね合わせ状態の複数の量子ビットの少なくともサブセットを、複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせる工程と、(d)1以上の量子ビットの1以上の光学測定を実行する工程であって、これによって、非古典的計算を得る、工程と、を含む。
【0011】
別の態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でそれぞれトラップされた、60を上回る原子を含む、複数の量子ビットを提供する工程と、(b)非古典的計算を実行するために、複数の量子ビットの少なくともサブセットを使用する工程と、を含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の原子を含む複数の光学トラップサイトを提供する工程であって、該複数の原子が、複数の量子ビットである、工程と、(b)複数の原子の1以上を、占有されたトラップサイトから占有されていないトラップサイトへ、移動させる工程であって、これによって、複数の原子の空間配置を変更する、工程と、(c)1以上の原子が、第1の原子状態と第1の原子状態と異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態になるように誘起するために、複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、ここで、1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子のある原子は、複数の原子の別の原子と量子学的にもつれている、工程と、(d)1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行する工程と、を含む。
【0013】
別の態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、ここで、複数の原子は量子ビットであり、ここで、複数の原子の、ある原子は、引力によって複数の光学トラップサイトのある光学トラップサイトにトラップされる、工程と、(b)複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起する、工程と、(c)1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程と、(d)非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行する工程と、を含む。
【0014】
別の態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、ここで、複数の原子は量子ビットである、工程と、(b)複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起し、ここで、加える工程は、少なくとも2つの光学変調器で、電磁エネルギーを変調することを含む、工程と、(c)1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程と、(d)非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行する工程と、を含む。
【0015】
本開示の別の態様は、1以上のコンピュータプロセッサによる実行に際し、上記または本明細書のどこかに記載の方法のいずれかを実施する、機械実行可能コードを含む非一時的なコンピュータ可読媒体を提供する。
【0016】
本開示の別の態様は、1以上のコンピュータプロセッサ、およびそれに接続されたコンピュータメモリーを含む、システムを提供する。コンピュータメモリーは、1以上のコンピュータプロセッサによる実行に際し、上記または本明細書のどこかに記載の方法のいずれかを実施する、機械実行可能なコードを含む。
【0017】
本開示の追加的な態様および利点は、以下の詳細な説明から、当業者に容易に明らかとなり、ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、そして記載される。実現されるように、本開示は、他のおよび異なる実施形態においても可能であり、その様々な詳細は、すべてが本開示から逸脱することなく様々な明白な点において修正することができる。従って、図面と記載は本来、例示的なものとしてみなされ、限定的なものであるとはみなされない。
【0018】
引用による組み込み
本明細書で言及される全ての公開、特許、及び特許出願は、あたかも個々の公開、特許、又は特許出願が引用によって組み込まれるよう具体的かつ個別に示されるかのように、同じ程度まで引用により本明細書に組み込まれる。参照により組み込まれる公開、特許、または特許出願が本明細書に含まれる開示に矛盾するという程度まで、本明細書は、そのような矛盾のある題材に取って代わるおよび/またはそれに優先することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲で説明される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面(本明細書では「図(”Figure” and ”FIG.”)」とも称する)とを参照することによって得られるであろう。
【
図1】本明細書で提供される方法を実施するようにプログラムまたは構成されるコンピュータ制御システムを示す。
【
図2】非古典的計算を実行するためのシステムの例を示す。
【
図3C】原子で部分的に満たされる光学トラップユニットの例を示す。
【
図3D】原子で完全に満たされる光学トラップユニットの例を示す。
【
図6】非古典的計算を実行するための第1の方法の例に関するフローチャートを示す。
【
図7】非古典的計算を実行するための第2の方法の例に関するフローチャートを示す。
【
図8】非古典的計算を実行するための第3の方法の例に関するフローチャートを示す。
【
図9】ストロンチウム-87の
3P
2状態を含む量子ビットの例を示す。
【
図10A】ストロンチウム-87の
1S
0超微細状態のシュタルクシフトシミュレーション(stark shift simulation)を示す。
【
図10B】ストロンチウム-87の
1S
0超微細状態のシュタルクシフトシミュレーション(stark shift simulation)を示す。
【
図11A】シュタルクシフトによる単一量子ビット制御のシミュレーションを示す。
【
図11B】シュタルクシフトによる単一量子ビット制御のシミュレーションを示す。
【
図12A】SLMによって生成されたトラップ光の例示的配列を示す。
【
図12B】SLMによって生成されたトラップ光の例示的配列を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の様々な実施形態が本明細書中に示され記述される一方、そのような実施形態が一例として提供されているにすぎないことは当業者に明らかであろう。多数の変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0021】
特に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての専門用語は、この発明が属する技術の通常の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。明細書および添付の請求項内で用いられる時、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」および「the(その)」は、文脈が他に明確に指示していない限り、複数の引用文を含む。「or(または)」への任意の言及は、別段の定めがない限り、「and/or(および/または)」を包含することを意図している。
【0022】
「at least(少なくとも)」、「greater than(~を上回る)」「greater than or equal to(~以上)」の用語が、一連の2以上の数値の最初の数値に先行する場合は常に、「少なくとも」、「~を上回る」、または「~以上」という用語は、その一連の数値内の各数値に適用される。例えば、1、2、または3以上は、1を上回るかまたは1と等しい、2を上回るかまたは2と等しい、3を上回るかまたは3と等しい。
【0023】
常に、用語「no more than(最大で)」「less than(~未満)」「less than or equal to(~以下)」、または「at most(最大で)」の用語が、一連の2以上の数値の最初の数値に先行する場合は常に、「最大で」、「~未満」、「~以下」「最大で」という用語は、その一連の数値内の各数値に適用される。例えば、3、2、または1以下は、3未満か3と等しい、2未満か2と等しい、1未満か1と等しい。
【0024】
値が範囲として記載されている場合、そのような開示は、特定の数値または特定の部分範囲が明示されているかどうかにかかわらず、そのような範囲内のすべての可能な部分範囲、ならびにそのような範囲内に入る特定の数値の開示を含むことが理解されるであろう。
【0025】
本明細書で使用される時、同様の文字は同様の要素を指す。
【0026】
本明細書で使用される時、「人工知能」、「人工知能手順」、「人工知能操作」、および「人工知能アルゴリズム」という用語は、通常、ゴールを成功裡に達成する機会を増強するかまたは最大化させるために1以上のアクションを講じる、任意のシステム、またはコンピュータによる手順を指す。「人工知能」という用語は、「生成モデリング」、「機械学習」(ML)、および/または「強化学習」(RL)を含んでもよい。
【0027】
本明細書に使用される時、「機械学習」、「機械学習手順」、「機械学習操作」、および「機械学習アルゴリズム」の用語は、通常、タスクに関するコンピュータの性能を漸次的に改善する、任意のシステム、または分析的および/または統計的手順を指す。機械学習は、機械学習アルゴリズムを含んでもよい。機械学習アルゴリズムは、訓練されたアルゴリズム(trained algorithm)であるかもしれない。機械学習(ML)は、1以上の教師あり(supervised)、半教師あり(semi-supervised)、または教師なし(unsupervised)の機械学習技法を含んでもよい。例えば、MLアルゴリズムは、(例えば、様々なパラメータが重み付け係数またはスケーリング係数として決定される)教師あり学習を通じて訓練される、訓練されたアルゴリズムであってもよい。MLは、回帰分析、正規化、分類、次元縮小、アンサンブル学習、メタ学習、結合規則学習、クラスター分析、異常検出、深層学習、または超深層学習の1以上を含んでもよい。MLは、k平均法(k-means)、k平均法クラスタリング(k-means clustering)、k近傍法(k-nearest neighbor)、学習ベクトル量子化、線形回帰、非線形回帰、最小二乗回帰、部分最小二乗回帰、ロジスティク回帰、ステップワイズ回帰、多変量適応的回帰スプライン(multivariate adaptive regression spline)、リッジ回帰、主成分回帰、最小絶対収縮と選択演算、最小角度回帰、正準相関分析、要因分析、独立成分分析、線形判別分析、多次元尺度構成法、非負値行列因子分解、主成分分析、主座標分析、射影追跡、サモンマッピング (Sammon mapping)、t分布型確率的近傍埋め込み法(t-distributed stochastic neighbor embedding)、アダブースト(AdaBoosting)、ブースト、勾配ブースト(gradient boosting)、ブートストラップ回帰(bootstrap aggregation)、調和平均算出(ensemble averaging)、決定木、条件付き決定木(conditional decision tree)、ブースティング決定木(boosted decision tree)、勾配ブースティング決定木(gradient boosted decision tree)、ランダムフォレスト(random forest)、スタッキング一般化(stacked generalization)、ベイジアンネットワーク(Bayesian network)、ベイジアン信念ネットワーク、ナイーブベイズ(naive Bayes)、ガウシアンナイーブベイズ(Gaussian naive Bayes)、多項ナイーブベイズ(multinomial naive Bayes)、隠れマルコフモデル(hidden Markov model)、階層的隠れマルコフモデル(hierarchical hidden Markov model)、サポートベクターマシン(support vector machine)、エンコーダ、デコーダ、オートエンコーダ、スタッキングオートエンコーダ、パーセプトロン、多層パーセプトロン(multi-layer perceptron)、人工ニューラルネットワーク、フィードフォワードニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、長・短期記憶(long short-term memory)、深層信念ネットワーク(deep belief network)、深層ボルツマンマシン(deep Boltzmann machine)、深層畳み込みニューラルネットワーク(deep convolutional neural network)、深層リカレントニューラルネットワーク(deep recurrent neural network)、または敵対的生成ネットワーク、を含むが、これらに限定されない。
【0028】
本明細書に使用される時、「強化学習」、「強化学習手順」、「強化学習操作」、および「強化学習アルゴリズム」は、一般に、環境との相互作用に対する累積報酬のいくらかの概念を強化または最大化するために、1以上のアクションを講じるシステムまたはコンピュータによる手順を指す。強化学習(RL)手順を実行するエージェントは、環境内で1以上のアクションを講じ、それによってそれ自身と環境をさまざまな新しい状態に置くことから、「即時報酬」と呼ばれる正または負の強化を受け取ることができる。
【0029】
エージェントのゴールは、累積報酬のいくらかの概念を増強または最大化することであってもよい。例えば、エージェントのゴールは、「割引報酬関数(discounted reward function)」または「平均報酬関数(average reward function)」を増強または最大化することかもしれない。「Q関数(Q-function)」は、ある状態から取得可能な最大累積報酬、およびその状態で講じられたアクションを表してもよい。「価値関数」と「一般化報酬エスティメイタ(generalized advantage estimator)」は、最適または最良のアクションの選択が与えられた状態から取得可能な最大累積報酬を表してもよい。RLは、累積報酬についてのそのような概念の任意の1以上を利用してもよい。本明細書に使用される時、任意のそのような関数は、「累積報酬関数」と呼ばれてもよい。したがって、最良または最適な累積報酬関数を計算することは、エージェントにとって最良または最適な方策を見つけることと等価であってもよい。
【0030】
エージェント、およびその環境との相互作用は、1以上のマルコフ決定過程(Markov Decision Processes)(MDP)として定式化されていてもよい。RL手順は、MDPの正確な数学モデルについての知識を前提としなくてもよい。MDPは、エージェントにとって完全に未知、部分的に既知、または完全に既知であり得る。RL手順は、MDPの事前知識に関して「モデルベース」または「モデルフリー」の、2つの範囲の間のスペクトルに存在してもよい。そのため、RL手順は、大規模なMDPを対象としてもよく、その場合、MDPについての未知または確率的性質のために、正確な方法が実行不可能であったり、利用不可能であったりするかもしれない。
【0031】
RL手順は、本明細書に記載される1以上のコンピュータプロセッサを使用して実施されてもよい。デジタル処理装置は、「政策」を訓練、保存、そして後に展開するエージェントを利用して、累積報酬を増強または最大化してもよい。方策は、できるだけ長い期間、または望ましい期間にわたって、求められ(例えば検索され)てもよい。そのような最適化問題は、最適な方策の近似を保存するか、累積報酬関数の近似を保存するか、またはその両方によって解決されてもよい。場合によっては、RL手順は、そのような関数のための近似値の、1以上の表を保存していてもよい。他の場合には、RL手順は、1以上の「関数アプロキシメータ(function approximator)」を利用してもよい。
【0032】
関数アプロキシメータの例は、ニューラルネットワーク(深層ニューラルネットワークなど)や確率的グラフィカルモデル(例えば、ボルツマンマシン(Boltzmann machine)、ヘルムホルツマシン(Helmholtz machine)、およびホップフィールドネットワーク(Hopfield network))を含んでもよい。関数アプロキシメータは、累積報酬関数の近似のパラメータ化を作り出してもよい。パラメータ化に関する関数プロキシメータの最適化は、累積報酬を増強または最大化する方向にパラメータを動かし、それゆえに、(方策勾配方法によってなどで)方策を増強または最適化するか、または関数アプロキシメータを動かして(時間差法によってなどで)ベルマンの最適性基準(Bellman’s optimality criteria)を満たすように構成されてもよい。
【0033】
トレーニング中、エージェントは、環境内でアクションを実行して、環境に関する、かつ生存またはより良い有用性のための方策の適切な、または最良の選択に関する、さらなる情報を取得してもよい。エージェントのアクションは、(例えば、特にトレーニングの初期段階で)ランダムに生成されてもよく、あるいは、(教師あり学習、模倣学習、または本明細書に記載される他の機械学習手順などの)別の機械学習パラダイムによって規定されてもよい。エージェントのアクションは、増強された方策または最適な方策が何であるかについて、エージェントの認識に近いアクションを選択することによって、より良いものになるかもしれない。さまざまなトレーニング戦略は、吟味と活用との間の選択に関して、方策オフ型(off-policy)方法と方策オン型(on-policy)方法の2つの範囲の間に存在してもよい。
【0034】
本明細書で使用される時、「非古典的計算」、「非古典的手順」、「非古典的操作」、「非古典的コンピュータ」という用語は、一般に、古典的コンピューティングのパラダイム外の計算手順を実行するための任意の方法またはシステムを指す。非古典的計算、非古典的手順、非古典的操作、または非古典的コンピュータは、量子計算、量子手順、量子操作、または量子コンピュータを含んでもよい。
【0035】
本明細書で使用される時、「量子計算」、「量子手順」、「量子操作」、および「量子コンピュータ」という用語は、一般に、量子デバイスによって表されるヒルベルト空間(Hilbert space)で、(量子チャネル上の、ユニタリー変換またはCPTP(completely positive trace-preserving)(CPTP)写像などの)量子力学的操作を使用して計算を実行するための、任意の方法またはシステムを指す。このように、量子計算と古典的(またはデジタル)計算は、以下の面で類似していてもよい。つまり、両方の計算が、入力情報に対して実行される一連の命令を含み、その後に出力を提供してもよい。量子計算のさまざまなパラダイムは、量子操作を、量子デバイスの量子ビットのサブセットに同時に影響を与える基本的な量子操作のシーケンスに分解してもよい。量子操作は、例えばそれらの局所性、またはそれらの物理的実装の容易さに基づいて選択されてもよい。その時、量子手順または量子計算は、さまざまな用途において、量子デバイスの異なる量子進化を表すことができる命令のシーケンスから成るかもしれない。例えば、量子化学を計算またはシミュレーションする手順は、(2-準位量子システムなどの)量子ビットと、(アダマール(Hadamard)、制御NOT(controlled-not)(CNOT)、π/8回転などの)ユニバーサル量子ゲートセットを使用することによって、いわゆるJordan-Wigner変換またはBravyi-Kitaev変換を通して、量子状態と対消滅(annihilation)、および電子スピン軌道の生成演算子を表してもよい。
【0036】
量子手順または計算の追加的例は、量子近似最適化アルゴリズム(QAOA)または量子最小確認などの、最適化のための手順が含まれてもよい。QAOAは、単一量子ビットの回転を実行すること、および複数量子ビットのゲートをもつれさせることを含んでもよい。量子断熱計算では、命令は、初期量子システムから最終量子システムへの進化の確率的または非確率的経路で伝えられてもよい。
【0037】
量子に着想を得た手順は、シミュレーションされたアニーリング、パラレルテンパリング(parallel tempering)、マスター方程式ソルバー(master equation solver)、モンテカルロ手順(Monte Carlo procedures)などを含んでもよい。量子古典的またはハイブリッドアルゴリズムまたは手順は、変分量子固有ソルバー(variational quantum eigensolver)(VQE)および変分および断熱ナビゲート量子固有ソルバー(variational and adiabatically navigated quantum eigensolver)(VanQver)などの手順を含んでもよい。
【0038】
量子コンピュータは、1以上の断熱量子コンピュータ、量子ゲートアレイ、一方向量子コンピュータ、トポロジカル量子コンピュータ、量子チューリングマシン(quantum Turing machine)、量子アニーラ(quantum annealer)、アイシングソルバー(Ising solver)、または量子コンピューティングのゲートモデルを含んでもよい。
【0039】
非古典的計算を実行するためのシステム
一態様では、本開示は、非古典的計算を実行するためにシステムを提供する。該システムは、複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成するように構成された、1以上の光学トラップユニットであって、複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、複数の原子は、60を上回る原子を含む、1以上の光学トラップユニットと、複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加えるように構成された、1以上の電磁送達ユニットであって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起する、1以上の電磁送達ユニットと、1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせるように構成された、1以上のもつれユニットと、非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の以上の測定を実行するように構成された、1以上の読み出し光学ユニットと、を含む。
【0040】
図2は、非古典的計算を実行するためのシステム(200)の例を示す。非古典的計算は、量子計算を含んでもよい。量子計算は、ゲートモデル量子計算を含んでもよい。
【0041】
システム(200)は、1以上の光学トラップユニット(210)を含んでもよい。光学トラップユニットは、
図3Aを参照して本明細書に記載される光学トラップユニットなどの、本明細書に記載される任意の光学トラップユニットを含んでもよい。光学トラップユニットは、複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成するように構成されてもよい。例えば、光学トラップユニットは、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、またはそれ以上の光学トラップサイトを生成するように構成されてもよい。光学トラップユニットは、最大で1,000,000、900,000、800,000、700,000、600,000、500,000、400,000、300,000、200,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、またはそれ以下の光学トラップサイトを生成するように構成されてもよい。光学トラップユニットは、前述の値の任意の2つによって定義された範囲内にある、複数の光学トラップサイトをトラップするように構成されてもよい。
【0042】
光学トラップユニットは、複数の原子をトラップするように構成されてもよい。例えば、光学トラップユニットは、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、またはそれ以上の原子をトラップするように構成されてもよい。光学トラップユニットは、最大で約1,000,000、900,000、800,000、700,000、600,000、500,000、400,000、300,000、200,000、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、またはそれ以下の原子をトラップするように構成されてもよい。光学トラップユニットは、前述の値の任意の2つによって定義された範囲内にある、複数の原子をトラップするように構成されてもよい。
【0043】
光学トラップユニットの各光学トラップサイトは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の原子をトラップするように構成されてもよい。各光学トラップサイトは、最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、またはそれ以下の原子をトラップするように構成されてもよい。各光学トラップサイトは、前述の値の任意の2つによって定義された範囲内にある、複数の原子をトラップするように構成されてもよい。各光学トラップサイトは、単一の原子をトラップするように構成されてもよい。
【0044】
(例えば
図4を参照して)本明細書に記載される時、複数の原子の1以上の原子は、量子ビットを含んでもよい。2以上の原子は、量子学的にもつれていてもよい。2以上の原子は、少なくとも約1マイクロ秒(μs)、2μs、3μs、4μs、5μs、6μs、7μs、8μs、9μs、10μs、20μs、30μs、40μs、50μs、60μs、70μs、80μs、90μs、100μs、200μs、300μs、400μs、500μs、600μs、700μs、800μs、900μs、1ミリ秒(ms)、2ms、3ms、4ms、5ms、6ms、7ms、8ms、9ms、10ms、20ms、30ms、40ms、50ms、60ms、70ms、80ms、90ms、100ms、200ms、300ms、400ms、500ms、600ms、700ms、800ms、900ms、1秒(s)、2s、3s、4s、5s、6s、7s、8s、9s、10s、またはそれ以上のコヒーレンス寿命で量子学的にもつれていてもよい。2以上の原子は、最大で約10s、9s、8s、7s、6s、5s、4s、3s、2s、1s、900ms、800ms、700ms、600ms、500ms、400ms、300ms、200ms、100ms、90ms、80ms、70ms、60ms、50ms、40ms、30ms、20ms、10ms、9ms、8ms、7ms、6ms、5ms、4ms、3ms、2ms、1ms、900μs、800μs、700μs、600μs、500μs、400μs、300μs、200μs、100μs、90μs、80μs、70μs、60μs、50μs、40μs、30μs、20μs、10μs、9μs、8μs、7μs、6μs、5μs、4μs、3μs、2μs、1μs、またはそれ以下のコヒーレンス寿命で量子学的にもつれていてもよい。2以上の原子は、既出の値の任意の2つによって定義された範囲内にあるコヒーレンス寿命で量子学的にもつれていてもよい。1以上の原子は、中性原子を含んでもよい。1以上の原子は、非荷電原子を含んでもよい。
【0045】
1以上の原子は、アルカリ原子を含んでもよい。1以上の原子は、リチウム(Li)原子、ナトリウム(Na)原子、カリウム(K)原子、ルビジウム(Rb)原子、またはセシウム(Cs)原子を含んでもよい。1以上の原子は、リチウム-6原子、リチウム-7原子、ナトリウム-23原子、カリウム-39原子、カリウム-40原子、カリウム-41原子、ルビジウム-85原子、ルビジウム-87原子、またはセシウム-133原子を含んでもよい。1以上の原子は、アルカリ土類原子を含んでもよい。1以上の原子は、ベリリウム(Be)原子、マグネシウム(Mg)原子、カルシウム(Ca)原子、ストロンチウム(Sr)原子、またはバリウム(Ba)原子を含んでもよい。1以上の原子は、ベリリウム-9原子、マグネシウム-24原子、マグネシウム-25原子、マグネシウム-26原子、カルシウム-40原子、カルシウム-42原子、カルシウム-43原子、カルシウム-44原子、カルシウム-46原子、カルシウム-48原子、ストロンチウム-84原子、ストロンチウム-86原子、ストロンチウム-87原子、ストロンチウム-88原子、バリウム-130原子、バリウム-132原子、バリウム-134原子、バリウム-135原子、バリウム-136原子、バリウム-137原子、またはバリウム-138原子を含んでもよい。1以上の原子は、レアアース原子を含んでもよい。1以上の原子は、スカンジウム(Sc)原子、イットリウム(Y)原子、ランタン(La)原子、セリウム(Ce)原子、プラセオジム(Pr)原子、ネオジム(Nd)原子、サマリウム(Sm)原子、ユウロピウム(Eu)原子、ガドリニウム(Gd)原子、テルビウム(Tb)原子、ジスプロシウム(Dy)原子、ホルミウム(Ho)原子、エルビウム(Er)原子、ツリウム(Tm)原子、イッテルビウム(Yb)原子、またはルテチウム(Lu)原子を含んでもよい。1以上の原子は、スカンジウム-45原子、イットリウム-89原子、ランタン-139原子、セリウム-136原子、セリウム-138原子、セリウム-140原子、セリウム-142原子、プラセオジム-141原子、ネオジム-142原子、ネオジム-143原子、ネオジム-145原子、ネオジム-146原子、ネオジム-148原子、サマリウム-144原子、サマリウム-149原子、サマリウム-150原子、サマリウム-152原子、サマリウム-154原子、ユウロピウム-151原子、ユウロピウム-153原子、ガドリニウム-154原子、ガドリニウム-155原子、ガドリニウム-156原子、ガドリニウム-157原子、ガドリニウム-158原子、ガドリニウム-160原子、テルビウム-159原子、ジスプロシウム-156原子、ジスプロシウム-158原子、ジスプロシウム-160原子、ジスプロシウム-161原子、ジスプロシウム-162原子、ジスプロシウム-163原子、ジスプロシウム-164原子、エルビウム-162原子、エルビウム-164原子、エルビウム-166原子、エルビウム-167原子、エルビウム-168原子、エルビウム-170原子、ホルミウム-165原子、ツリウム-169原子、イッテルビウム-168原子、イッテルビウム-170原子、イッテルビウム-171原子、イッテルビウム-172原子、イッテルビウム-173原子、イッテルビウム-174原子、イッテルビウム-176原子、ルテチウム-175原子、またはルテチウム-176原子を含んでもよい。
【0046】
複数の原子は、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群から選択された単一元素を含んでもよい。複数の原子は、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群から選択された元素の混合物を含んでもよい。複数の原子は、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群から選択された1以上の元素の天然同位体混合物を含んでもよい。複数の原子は、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、およびBaからなる群から選択された1以上の元素の同位体濃縮混合物を含んでもよい。複数の原子は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択された1以上の元素の天然同位体混合物を含んでもよい。複数の原子は、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびLuからなる群から選択された1以上の元素の同位体濃縮混合物を含んでもよい。原子は、レアアース原子を含んでもよい。例えば、複数の原子は、リチウム-6原子、リチウム-7原子、ナトリウム-23原子、カリウム-39原子、カリウム-40原子、カリウム-41原子、ルビジウム-85原子、ルビジウム-87原子、セシウム-133原子、ベリリウム-9原子、マグネシウム-24原子、マグネシウム-25原子、マグネシウム-26原子、カルシウム-40原子、カルシウム-42原子、カルシウム-43原子、カルシウム-44原子、カルシウム-46原子、カルシウム-48原子、ストロンチウム-84原子、ストロンチウム-86原子、ストロンチウム-87原子、ストロンチウム-88原子、バリウム-130原子、バリウム-132原子、バリウム-134原子、バリウム-135原子、バリウム-136原子、バリウム-137原子、バリウム-138原子、スカンジウム-45原子、イットリウム-89原子、ランタン-139原子、セリウム-136原子、セリウム-138原子、セリウム-140原子、セリウム-142原子、プラセオジム-141原子、ネオジム-142原子、ネオジム-143原子、ネオジム-145原子、ネオジム-146原子、ネオジム-148原子、サマリウム-144原子、サマリウム-149原子、サマリウム-150原子、サマリウム-152原子、サマリウム-154原子、ユウロピウム-151原子、ユウロピウム-153原子、ガドリニウム-154原子、ガドリニウム-155原子、ガドリニウム-156原子、ガドリニウム-157原子、ガドリニウム-158原子、ガドリニウム-160原子、テルビウム-159原子、ジスプロシウム-156原子、ジスプロシウム-158原子、ジスプロシウム-160原子、ジスプロシウム-161原子、ジスプロシウム-162原子、ジスプロシウム-163原子、ジスプロシウム-164原子、エルビウム-162原子、エルビウム-164原子、エルビウム-166原子、エルビウム-167原子、エルビウム-168原子、エルビウム-170原子、ホルミウム-165原子、ツリウム-169原子、イッテルビウム-168原子、イッテルビウム-170原子、イッテルビウム-171原子、イッテルビウム-172原子、イッテルビウム-173原子、イッテルビウム-174原子、イッテルビウム-176原子、ルテチウム-175原子、またはルテチウム-176を含んでもよく、それらの原子は少なくとも約50%、60% 70% 80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、99.91%、99.92%、99.93%、99.94%、99.95%、99.96%、99.97%、99.98%、99.99%、またはそれ以上の同位体存在度に濃縮されている。複数の原子は、リチウム-6原子、リチウム-7原子、ナトリウム-23原子、カリウム-39原子、カリウム-40原子、カリウム-41原子、ルビジウム-85原子、ルビジウム-87原子、セシウム-133原子、ベリリウム-9原子、マグネシウム-24原子、マグネシウム-25原子、マグネシウム-26原子、カルシウム-40原子、カルシウム-42原子、カルシウム-43原子、カルシウム-44原子、カルシウム-46原子、カルシウム-48原子、ストロンチウム-84原子、ストロンチウム-86原子、ストロンチウム-87原子、ストロンチウム-88原子、バリウム-130原子、バリウム-132原子、バリウム-134原子、バリウム-135原子、バリウム-136原子、バリウム-137原子、バリウム-138原子、スカンジウム-45原子、イットリウム-89原子、ランタン-139原子、セリウム-136原子、セリウム-138原子、セリウム-140原子、セリウム-142原子、プラセオジム-141原子、ネオジム-142原子、ネオジム-143原子、ネオジム-145原子、ネオジム-146原子、ネオジム-148原子、サマリウム-144原子、サマリウム-149原子、サマリウム-150原子、サマリウム-152原子、サマリウム-154原子、ユウロピウム-151原子、ユウロピウム-153原子、ガドリニウム-154原子、ガドリニウム-155原子、ガドリニウム-156原子、ガドリニウム-157原子、ガドリニウム-158原子、ガドリニウム-160原子、テルビウム-159原子、ジスプロシウム-156原子、ジスプロシウム-158原子、ジスプロシウム-160原子、ジスプロシウム-161原子、ジスプロシウム-162原子、ジスプロシウム-163原子、ジスプロシウム-164原子、エルビウム-162原子、エルビウム-164原子、エルビウム-166原子、エルビウム-167原子、エルビウム-168原子、エルビウム-170原子、ホルミウム-165原子、ツリウム-169原子、イッテルビウム-168原子、イッテルビウム-170原子、イッテルビウム-171原子、イッテルビウム-172原子、イッテルビウム-173原子、イッテルビウム-174原子、イッテルビウム-176原子、ルテチウム-175原子、またはルテチウム-176原子を含んでもよく、それらの原子は、最大で約99.99%、99.98%、99.97%、99.96%、99.95%、99.94%、99.93%、99.92%、99.91%、99.9%、99.8%、99.7%、99.6%、99.5%、99.4%、99.3%、99.2%、99.1%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、80%、70%、60%、50%、またはそれ以下の同位体存在度に濃縮されている。複数の原子は、リチウム-6原子、リチウム-7原子、ナトリウム-23原子、カリウム-39原子、カリウム-40原子、カリウム-41原子、ルビジウム-85原子、ルビジウム-87原子、セシウム-133原子、ベリリウム-9原子、マグネシウム-24原子、マグネシウム-25原子、マグネシウム-26原子、カルシウム-40原子、カルシウム-42原子、カルシウム-43原子、カルシウム-44原子、カルシウム-46原子、カルシウム-48原子、ストロンチウム-84原子、ストロンチウム-86原子、ストロンチウム-87原子、ストロンチウム-88原子、バリウム-130原子、バリウム-132原子、バリウム-134原子、バリウム-135原子、バリウム-136原子、バリウム-137原子、バリウム-138原子、スカンジウム-45原子、イットリウム-89原子、ランタン-139原子、セリウム-136原子、セリウム-138原子、セリウム-140原子、セリウム-142原子、プラセオジム-141原子、ネオジム-142原子、ネオジム-143原子、ネオジム-145原子、ネオジム-146原子、ネオジム-148原子、サマリウム-144原子、サマリウム-149原子、サマリウム-150原子、サマリウム-152原子、サマリウム-154原子、ユウロピウム-151原子、ユウロピウム-153原子、ガドリニウム-154原子、ガドリニウム-155原子、ガドリニウム-156原子、ガドリニウム-157原子、ガドリニウム-158原子、ガドリニウム-160原子、テルビウム-159原子、ジスプロシウム-156原子、ジスプロシウム-158原子、ジスプロシウム-160原子、ジスプロシウム-161原子、ジスプロシウム-162原子、ジスプロシウム-163原子、ジスプロシウム-164原子、エルビウム-162原子、エルビウム-164原子、エルビウム-166原子、エルビウム-167原子、エルビウム-168原子、エルビウム-170原子、ホルミウム-165原子、ツリウム-169原子、イッテルビウム-168原子、イッテルビウム-170原子、イッテルビウム-171原子、イッテルビウム-172原子、イッテルビウム-173原子、イッテルビウム-174原子、イッテルビウム-176原子、ルテチウム-175原子、またはルテチウム-176原子を含んでもよく、それらの原子は、既出の値の任意の2つによって定義された範囲内にある同位体存在度に濃縮されている。
【0047】
システム(200)は、1以上の電磁送達ユニット(220)を含んでもよい。電磁送達ユニットは、
図4を参照して本明細書に記載される電磁送達ユニットなどの、本明細書に記載される任意の電磁送達ユニットを含んでもよい。電磁送達ユニットは、複数の原子の1以上の原子に、電磁エネルギーを加えるように構成されてもよい。電磁エネルギーを加える工程は、原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起してもよい。
【0048】
第1の原子状態は、第1の単一量子ビット状態を含んでもよい。第2の原子状態は、第2の単一量子ビット状態を含んでもよい。第1の原子状態または第2の原子状態は、原子の基底原子状態に対してエネルギーを高められてもよい。第1の原子状態または第2の原子状態は、原子の基底原子状態に対して同等のエネルギーであってもよい。
【0049】
第1の原子状態は第1の超微細電子状態を含んでもよく、第2の原子状態が第1の超微細電子状態とは異なる第2の超微細電子状態を含んでもよい。例えば、第1の原子状態と第2の原子状態は、三重項マニホールドなどの多重項マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態を含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、3P1または3P2マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とをそれぞれ含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、ストロンチウム-873P1マニホールドまたはストロンチウム-873P2マニホールドなどの、本明細書に記載される任意の原子の3P1または3P2マニホールド上に、第1の超微細状態と第2の超微細状態とをそれぞれ含んでもよい。
【0050】
図9は、ストロンチウム-87の
3P
2状態を含む量子ビットの例を示す。
図9の左パネルは、ストロンチウム-87の
3P
2状態の高エネルギー準位構造を示す。
図9の右パネルは、おおよそ70ガウスの磁場の変化に対して感度(1次)が低い、ストロンチウム-87の
3P
2状態内の潜在的な量子ビット推移を示す。
【0051】
場合によっては、第1の原子状態と第2の原子状態は、第1の電子状態の第1の超微細状態と第2の超微細状態である。光学的励起は、第1の電子状態と第2の電子状態との間で適用されてもよい。光学的励起は、第2の電子状態に、第1の超微細状態および/または第2の超微細状態を励起してもよい。単一量子ビット遷移は、中間状態として第2の電子状態を使用して、第1の電子状態内の2つの超微細状態間でニ光子遷移を含んでもよい。単一量子ビット遷移を駆動するために、各々が単一光子遷移から中間状態へ離調(detune)された、1対の周波数を適用し、二光子遷移を駆動してもよい。場合によっては、第1の超微細状態と第2の超微細状態は、基底電子状態の超微細状態である。基底電子状態は、より低い電子状態への自発放射または誘導放射によって減衰しない場合がある。超微細状態は、核スピン状態を含んでもよい。場合によっては、超微細状態は、ストロンチウム-871S0マニホールドの核スピン状態を含み、そして、量子ビット遷移は、ストロンチウム-871S0の2つの核スピン状態の一方または両方を、3P2マニホールドまたは3P1マニホールドから、あるいは3P2マニホールドまたは3P1内で離調された状態へと、駆動する。場合によっては、単一量子ビット遷移は、3P2マニホールドまたは3P1マニホールドから、あるいは3P2マニホールドまたは3P1マニホールド内で離調された状態を介した、ストロンチウム-871S0の核スピン状態状態間のニ光子ラマン遷移である。場合によっては、核スピン状態は、シュタルクシフトされた核スピン状態である。シュタルクシフトは、光学的に駆動されてもよい。光学的シュタルクシフトは、単一量子ビット遷移、2-量子ビット遷移、シェルビング遷移(shelving transition)、結像遷移(imaging transition)の、いずれか、すべて、またはそれらの組み合わせとオフレゾナンス(off-resonant)に駆動されてもよい。
【0052】
第1の原子状態は第1の核スピン状態を含んでもよく、第2の原子状態が第1の核スピン状態とは異なる第2の核スピン状態を含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、四極子核の第1の核スピン状態と第2の核スピンとをそれぞれ含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、核スピン-1、核スピン-3/2、核スピン-2、核スピン-5/2、核スピン-3、核スピン-7/2、核スピン-4、または核スピン-9/2の、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態をそれぞれ含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態は、ストロンチウム-87の第1のスピン状態と第2のスピン状態などの、本明細書に記載される任意の原子の、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態をそれぞれ含んでもよい。
【0053】
(核スピン-1、核スピン-3/2、核スピン-2、核スピン-5/2、核スピン-3、核スピン-7/2、核スピン-4、または核スピン-9/2などの)1/2を上回るスピンを含む核に関連する、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態については、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態との間の遷移は、核スピンマニホールド上の他のスピン状態間の遷移を伴ってもよい。例えば、均一磁場が存在する場における9/2核スピンについては、核スピンレベルのすべてが等しいエネルギーによっては離されていてもよい。そのため、原子を、例えば、mN=9/2スピン状態からmN=7/2スピン状態へ移すように設計された(ラマン遷移などの)遷移はまた、mN=7/2~mN=5/2、mN=5/2~mN=3/2、mN=3/2~mN=1/2、mN=1/2~mN=-1/2、mN=-1/2~mN=-3/2、mN=-3/2~mN=-5/2、mN=-5/2~mN=-7/2mN、およびmN=-7/2~mN=-9/2に駆動してもよく、ここでmNは核スピン状態である。同様に、原子を、例えば、mN=9/2スピン状態からmN=5/2スピン状態へ移すように設計された(ラマン遷移などの)遷移はまた、mN=7/2~mN=3/2、mN=5/2~mN=1/2、mN=3/2~mN=-1/2、mN=1/2~mN=-3/2、mN=-1/2~mN=-5/2、mN=-3/2~mN=-7/2、およびmN=-5/2~mN=-9/2に駆動してもよい。そのため、そのような遷移は、核スピンマニホールド上の特定のスピン状態間の遷移を誘起するために選択的ではない可能性がある。代わりに、核スピンマニホールド上の特定の第1のスピン状態と第2のスピン状態との間に、選択的遷移を実装することが望ましいかもしれない。このことは、ACシュタルクシフトを提供し、そして隣接する核スピン状態を、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態との間の望ましい遷移間の遷移と共鳴しない状態に押し出す、光源からの光を配することによって遂行されてもよい。例えば、mN=-9/2とmN=-7/2を有する第1の核スピン状態と第2の核スピン状態からの遷移が望ましい場合、光は、mN=-5/2スピン状態へのACシュタルクシフトを提供してもよく、これによってmN=-7/2状態とmN=-5/2状態との間で大幅に遷移を低下させる。同様に、mN=-9/2とmN=-5/2を有する第1の核スピン状態と第2の核スピン状態からの遷移が望ましい場合、光は、mN=-1/2スピン状態へのACシュタルクシフトを提供してもよく、これによってmN=-5/2状態とmN=-1/2状態との間で大幅に遷移を低下させる。これにより、核スピンマニホールドの残りから切り離された核スピンマニホールド内に2準位のサブシステムが効果的に作成され、量子ビットシステムの動態が大幅に単純化され得る。1つのACシュタルクシフトのみが必要となるように、核スピンマニホールドのエッジ近傍の核スピン状態(例えば、核スピン-9/2については、mN=-9/2とmN=-7/2、mN=7/2とmN=9/2、mN=-9/2とmN=-5/2、またはmN=5/2とmN=9/2)を使用すると有利であるかもしれない。代替的に、核スピンマニホールドのエッジから遠い核スピン状態(例えば、mN=-5/2とmN=-3/2、またはmN=-5/2とmN=-1/2)が使用されてもよく、そして、(例えば、mN=-7/2とmN=-1/2、またはmN=-9/2とmN=3/2で)2つのACシュタルクシフトが実施されてもよい。
【0054】
核スピンマニホールドのシュタルクシフトは、隣接する核スピン状態を、第1の核スピン状態および第2の核スピン状態と、第2の電子状態またはそこから離調された状態との間の望ましい遷移と共鳴しないように、シフトさせてもよい。シュタルクシフトは、第1の核スピン状態と第2の核スピン状態から、核スピンマニホールドの他の状態への漏れを減少させてもよい。シュタルクシフトは、10mW未満のビーム電力で数100kHzまで達成可能であるかもしれない。上部状態周波数選択性は、不完全な偏光制御からの散乱を減少させてもよい。3P1マニホールドにおける異なる角運動量状態の分離は、単一および2-量子ビットゲート光からの多ギガヘルツであってもよい。核スピンマニホールドにおける他の状態への漏れは、デコヒーレンス(decoherence)につながるかもしれない。2-量子ビット遷移のためのラビ周波数(例えば、遷移がどれくらい速く駆動され得るか)は、デコヒーレンス率より速くてもよい。2-量子ビット遷移における中間状態からの散乱は、デコヒーレンスのソースであってもよい。中間状態から離調すると、2-量子ビット遷移の忠実度が改善されるかもしれない。
【0055】
電子基底状態の核スピン状態に基づく量子ビットは、量子ビット記憶のために、(ストロンチウム-87の3P0状態などの)長寿命の準安定励起電子状態の利用を可能にする場合がある。原子は、クロストーク(cross-talk)を低減するため、あるいはゲートまたは検出の忠実度を向上させるために、そのような状態に選択的に移されてもよい。そのような記憶またはシェルビング処理は、本明細書に記載されるSLMまたはAODを使用して、原子選択的であってもよい。シェルビング遷移は、ストロンチウム-87の1S0状態とストロンチウム-87の3P0状態または3P2状態との間に、遷移を含んでもよい。
【0056】
クロック遷移(本明細書で「シェルビング遷移」または「ストレージ遷移(storage transition)」でもある)は、量子ビット状態選択的であってもよい。クロック遷移の上部状態は、非常に長い例えば1秒を上回る、自然寿命を有していてもよい。クロック遷移の線幅は、量子ビットエネルギー間隔よりはるかに狭くてもよい。これにより、直接的なスペクトル分解が可能になるかもしれない。集団は、量子ビット状態の1つからクロック状態に移されてもよい。これにより、最初に1量子ビット状態からクロック状態に集団を移して、量子ビットで結像を実行し、その後に集団をクロック状態から基底状態に移して再度結像を行うことで、個々の量子ビット状態を別々に読み取ることが可能になるかもしれない。場合によっては、マジック波長遷移が、クロック遷移を駆動するために使用される。
【0057】
シェルビングのためのクロック光は、原子選択的であっても、原子選択的でなくてもよい。場合によっては、クロック遷移が全体的に適用される(例えば、原子選択的でない)。全体的に適用されるクロック遷移は、光を顕微鏡対物レンズを通過せずに配向したり、光を構造化したりすることを含んでもよい。場合によっては、クロック遷移は原子選択的である。原子選択的であるクロック遷移は、クロストークを最小化することによって、ゲート忠実度を改善することを潜在的に可能にし得る。例えば、原子におけるクロストークを低減するために、原子は、それが光による影響を受けないかもしれないクロック状態にシェルビングされてもよい。これにより、遷移を受ける隣接する量子ビット間のクロストークは低減するかもしれない。原子選択的クロック遷移を実施するために、光は1以上の顕微鏡対物レンズを通過してもよく、および/または、空間光変調器、デジタルマイクロミラーデバイス、交差音響光学デフレクタ(crossed acousto-optic deflector)などの1以上で構造化されてもよい。
【0058】
システム(200)は、1以上の読み出し光学ユニット(230)を含んでもよい。読み出し光学ユニットは、非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の測定を実行するように構成された、読み出し光学ユニットであってもよい。読み出し光学ユニットは、1以上の光学検出器を含んでもよい。検出器は、1以上の光電子増倍管(photomultiplier tube)(PMT)、フォトダイオード、アバランシェダイオード、単一光子アバランシェダイオード、単一光子アバランシェダイオードアレイ、フォトトランジスタ、逆バイアス発光ダイオード(LED)、電荷結合素子(CCD)、または相補性金属酸化膜半導体(CMOS)のカメラを含んでもよい。光学検出器は、1以上の蛍光検出器を含んでもよい。読み出し光学ユニットは、少なくとも約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、またはそれ以上の開口数(NA)を有する1以上の対物レンズなどの、1以上の対物レンズを含んでもよい。対物レンズは、最大で約0.95、0.9、0.85、0.8、0.75、0.7、0.65、0.6、0.55、0.5、0.45、0.4、0.35、0.3、0.25、0.2、0.15、0.1、またはそれ以下のNAを有していてもよい。対物レンズは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあるNAを有していてもよい。
【0059】
1以上の読み出し光学ユニット(230)は、結像遷移と共鳴する光を適用することによって、測定、例えば射影測定、を行なってもよい。結像遷移は、蛍光を生じさせてもよい。結像遷移は、ストロンチウム-87の1S0状態とストロンチウム-87の1P1状態との間に、遷移を含んでもよい。ストロンチウム-87の1P1状態は、蛍光であってもよい。量子ビット遷移のより低い状態は、1S0マニホールドに2つの核スピン状態を含んでもよい。1以上の状態は、結像遷移と共鳴してもよい。測定は、2つの励起を含んでもよい。第1の励起では、2つのより低い状態は、シェルビング状態(例えば、ストロンチウム-87の3P0状態)に励起されてもよい。第2の励起では、結像遷移が励起されてもよい。第1の遷移は、計算中に隣接する原子間のクロストークを低減させてもよい。結像遷移から生成された蛍光は、1以上の読み出し光学ユニット(230)に集められてもよい。
【0060】
結像ユニットは、1以上の原子がトラップから失われたか否かを判定するのに使用されてもよい。結像ユニットは、トラップ内の原子の配置を観察するのに使用されてもよい。
【0061】
システム(200)は、1以上の真空ユニット(240)を含んでもよい。1以上の真空ユニットは、1以上の真空ポンプを含んでもよい。真空ユニットは、1以上の回転ポンプ、回転羽根ポンプ、回転ピストンポンプ、ダイアフラムポンプ、ピストンポンプ、往復ピストンポンプ、スクロール型ポンプ、またはスクリューポンプなどの、1以上の粗引き真空ポンプを含んでもよい。1以上の粗引き真空ポンプは、1以上の湿式(例えばオイルシーリングされた)または乾式の粗引き真空ポンプを含んでもよい。真空ユニットは、1以上のクライオソープションポンプ(cryosorption pump)、拡散ポンプ、ターボ分子ポンプ(turbomolecular pump)、分子ドラッグポンプ(molecular drag pump)、ターボドラッグハイブリッドポンプ(turbo-drag hybrid pump)、低温ポンプ、イオンポンプ、またはゲッタポンプ(getter pump)などの、1以上の高真空ポンプを含んでもよい。
【0062】
真空ユニットは、本明細書に記載される真空ポンプの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、真空ユニットは、粗引き真空ポンピングの第1段を提供するように構成された、1以上の(スクロール型ポンプなどの)粗引きポンプを含んでもよい。粗引き真空ポンプは、低真空圧力条件を達成するために、システム(200)からガスを排出するように構成されてもよい。例えば、粗引きポンプは、最大で103パスカル(Pa)の低真空圧力を達成するために、システム(200)からガスを排出するように構成されてもよい。真空ユニットは、高真空ポンピングまたは超高真空ポンピングの第2段を提供するように構成された、(1以上のイオンポンプ、ゲッタポンプ、またはその両方などの)1以上の高真空ポンプを、さらに含んでもよい。高真空ポンプは、一旦システム(200)が1以上の粗引きポンプによって提供される低真空圧力条件に到達すると、最大で約10-3Paの高真空圧力を、または最大で約10-6Paの超高真空圧力を達成するために、システム(200)からガスを排出するように構成されてもよい。
【0063】
真空ユニットは、最大で約10-6Pa、9x10-7Pa、8x10-7Pa、7x10-7Pa、6x10-7Pa、5x10-7Pa、4x10-7Pa、3x10-7Pa、2x10-7Pa、10-7Pa、9x10-8Pa、810-8Pa、7x10-8Pa、6x10-8Pa、5x10-8Pa、4x10-8Pa、3x10-8Pa、2x10-8Pa、10-8Pa、9x10-9Pa、8x10-9Pa、7x10-9Pa、6x10-9Pa、5x10-9Pa、4x10-9Pa、3x10-9Pa、2x10-9Pa、10-9Pa、9x10-10Pa、8x10-10Pa、7x10-10Pa、6x10-10Pa、5x10-10Pa、4x10-10Pa、3x10-10Pa、2x10-10Pa、10-10Pa、9x10-11Pa、8x10-11Pa、7x10-11Pa、6x10-11Pa、5x10-11Pa、4x10-11Pa、3x10-11Pa、2x10-11Pa、10-11Pa、9x10-12Pa、8x10-12Pa、7x10-12Pa、6x10-12Pa、5x10-12Pa、4x10-12Pa、3x10-12Pa、2x10-12Pa、10-12Pa、またはそれ以下の圧力に、システム(200)を維持するように構成されてもよい。真空ユニットは、少なくとも約10-12Pa、2x10-12Pa、3x10-12Pa、4x10-12Pa、5x10-12Pa、6x10-12Pa、7x10-12Pa、8x10-12Pa、9x10-12Pa、10-11Pa、2x10-11Pa、3x10-11Pa、4x10-11Pa、5x10-11Pa、6x10-11Pa、7x10-11Pa、8x10-11Pa、9x10-11Pa、10-10Pa、2x10-10Pa、3x10-10Pa、4x10-10Pa、5x10-10Pa、6x10-10Pa、7x10-10Pa、8x10-10Pa、9x10-10Pa、10-9Pa、2x10-9Pa、3x10-9Pa、4x10-9Pa、5x10-9Pa、6x10-9Pa、7x10-9Pa、8x10-9Pa、9x10-9Pa、10-8Pa、2x10-8Pa、3x10-8Pa、4x10-8Pa、5x10-8Pa、6x10-8xPa、7x10-8Pa、8x10-8Pa、9x10-8Pa、10-7Pa、2x10-7Pa、3x10-7Pa、4x10-7Pa、5x10-7Pa、6x10-7Pa、7x10-7Pa、8x10-7Pa、9x10-7Pa、10-6Pa、またはそれ以上の圧力に、システム(200)を維持するように構成されてもよい。真空装置は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内の圧力に、システム(200)を維持するように構成されてもよい。
【0064】
システム(200)は、1以上の状態調製ユニット(250)を含んでもよい。状態調製ユニットは、
図5を参照して本明細書に記載される状態調製ユニットなどの、本明細書に記載される任意の状態調製ユニットを含んでもよい。状態調製ユニットは、複数の原子の状態を調製するように構成されてもよい。
【0065】
システム(200)は、1以上の原子リザーバー(260)を含んでもよい。原子リザーバーは、光学トラップサイトからの原子が失われた時に、1以上の光学トラップサイトで1以上の原子を置換するために、1以上の置換原子を供給するように構成されてもよい。
【0066】
システム(200)は、1以上の原子運動ユニット(270)を含んでもよい。原子運動ユニットは、1以上の光学トラップサイトに1以上の置換原子を移動させるように構成されてもよい。例えば、1以上の原子運動ユニットは、1以上の電気的に調整可能なレンズ、音響光学デフレクタ(AOD)、または空間光変調器(SLM)を含んでもよい。
【0067】
システム(200)は、1以上のもつれユニット(280)を含んでもよい。もつれユニットは、複数の原子の少なくとも第1の原子を、複数の原子の少なくとも第2の原子と量子学的にもつれさせるように構成されてもよい。第1の原子と第2の原子は、量子学的もつれ時に、重ね合わせ状態であるかもしれない。代替的に、または組み合わせによって、第1の原子と第2の原子は、量子学的もつれ時に、重ね合わせ状態でないかもしれない。第1の原子と第2の原子は、1以上の磁気双極子相互作用、誘起磁気双極子相互作用、電気双極子相互作用、または誘起電気双極子相互作用を通じて量子学的にもつれているかもしれない。もつれユニットは、本明細書に記載される原子の任意の数を、量子学的にもつれさせるように構成されてもよい。
【0068】
もつれユニットは、1以上のリュードベリ励起ユニットを含んでもよい。リュードベリ励起ユニットは、少なくとも第1の原子を、リュードベリ状態へ、またはリュードベリ状態とより低エネルギーの原子状態との重ね合わせへと、電子的に励起するように構成されてもよく、これによって、1以上のリュードベリ原子またはリュードベリドレス原子を形成する。リュードベリ励起ユニットは、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子と、少なくとも第2の原子の間に、1以上の量子学的もつれを誘起するように構成されてもよい。第2の原子は、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子から、少なくとも約200ナノメートル(nm)、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1マイクロメートル(μm)、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、またはそれ以上の距離に位置してもよい。第2の原子は、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子から、最大で約10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、またはそれ以下の距離に位置してもよい。第2の原子は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子からの距離に位置してもよい。リュードベリ励起ユニットは、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子がより低エネルギーの原子状態に弛緩することを可能にするように、構成されてもよく、これによって、1以上の2-量子ビットユニットを形成する。リュードベリ励起ユニットは、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子により低エネルギーの原子状態に弛緩することを誘起するように、構成されてもよい。リュードベリ励起ユニットは、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子をより低エネルギーの原子状態に駆動するように、構成されてもよい。例えば、リュードベリ励起ユニットは、リュードベリ原子あるいはリュードベリドレス原子をより低エネルギーの原子状態に駆動するために、(RF放射または光学的放射などの)電磁放射を適用するように構成されてもよい。リュードベリ励起ユニットは、複数の原子の任意の数の原子の間に、任意の数の量子学的もつれを誘起するように構成されてもよい。
【0069】
リュードベリ励起ユニットは、1以上の紫外線(UV)波長を有する光を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。UV波長は、リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子を形成する波長に対応するように、選択されてもよい。例えば、光は、少なくとも約200nm、210nm、220nm、230nm、240nm、250nm、260nm、270nm、280nm、290nm、300nm、310nm、320nm、330nm、340nm、350nm、360nm、370nm、380nm、390nm、400nm、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。光は、最大で約400nm、390nm、380nm、370nm、360nm、350nm、340nm、330nm、320nm、310nm、300nm、290nm、280nm、270nm、260nm、250nm、240nm、230nm、220nm、210nm、200nm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。光は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。例えば、光は、300nmから400nmまでの範囲内にある、1以上の波長を含んでもよい。
【0070】
リュードベリ励起ユニットは、量子もつれを生成するために、ニ光子遷移を誘起するように構成されてもよい。リュードベリ励起ユニットは、2つの原子間に量子もつれを生成するために、ニ光子遷移を誘起するように構成されてもよい。リュードベリ励起ユニットは、2つの原子間に量子もつれを選択的に生成するために、ニ光子遷移を選択的に誘起するように構成されてもよい。例えば、リュードベリ励起ユニットは、二光子遷移を選択的に誘起して、2つの原子間に量子もつれを選択的に生成するために、(光学エネルギーなどの)電磁エネルギーを、特定の光学トラップサイトへ配向するように構成されてもよい。2つの原子は、近傍の光学トラップサイトにトラップされてもよい。例えば、2つの原子は、隣接した光学トラップサイトにトラップされてもよい。二光子遷移は、第1の光源と第2の光源からの第1の光と第2の光をそれぞれ使用して、誘起されてもよい。第1の光源と第2の光源は、それぞれ、(本明細書に記載される任意のレーザーなどの)本明細書に記載される任意の光源を含んでもよい。第1の光源は、本明細書に記載される単一量子ビット操作を実行するために使用される光源と同じであってもよく、または類似していてもよい。代替的に、異なる光源は、単一量子ビット操作を実行し、かつ二光子遷移を誘起して量子もつれを生成するために使用されてもよい。第1の光源は、光学スペクトルの可視領域(例えば、400nmから800nm、または650nmから700nmの範囲内)の1以上の波長を含む光を放射してもよい。第2の光源は、光学スペクトルの紫外線領域(例えば、200nmから400nm、または300nmから350nmの範囲内)の1以上の波長を含む光を放射してもよい。第1の光源と第2の光源は、実質的に等しくかつ反対の空間依存振動数シフトを有する光を放出してもよい。
【0071】
リュードベリ原子またはリュードベリドレス原子は、(近傍の光学トラップサイトにトラップされた近傍の原子などの)近傍の原子と十分に強い原子間相互作用を有し得るリュードベリ状態を含んで、2-量子ビット操作の実施を可能にしてもよい。リュードベリ状態は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、またはそれ以上の主量子数を含んでもよい。リュードベリ状態は、最大で約100、90、80、70、60、50、またはそれ以下の主量子数を含んでもよい。リュードベリ状態は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある主量子数を含んでもよい。リュードベリ状態は、ファンデルワールス相互作用を通じて、近傍の原子と相互作用してもよい。ファンデルワールス相互作用は、原子の原子エネルギー準位をシフトさせてもよい。
【0072】
リュードベリ準位への原子の状態選択励起は、2-量子ビット操作の実施を可能にしてもよい。二光子遷移は、(1S0の基底状態などの)基底状態から(nが本明細書に記載される主量子数である、n3S1状態などの)リュードベリ状態へと、原子を励起させるのに使用されてもよい。状態選択性は、レーザー偏光とスペクトル選択性との組み合わせによって遂行されてもよい。二光子遷移は、本明細書に記載されるような、第1のレーザー源と第2のレーザー源を使用して実施されてもよい。第1のレーザー源はパイ偏光(pi-polarized)された光を放射してもよく、パイ偏光された光は、磁場に沿った原子の角運動量の射出を変更しないかもしれない。第2のレーザーは円偏光された光を放射してもよく、円偏光された光は、磁場に沿った原子の角運動量の射出を1単位変更するかもしれない。第1の量子ビット準位と第2の量子ビット準位は、この偏光を使用してリュードベリ準位に励起されてもよい。しかし、リュードベリ準位は、(例えば約数100のMHzなどの)大きな分裂が容易に得られ得るように、基底状態よりも磁場に対して感度が高くてもよい。このスペクトル選択性は、リュードベリ準位への状態選択励起を可能にしてもよい。
【0073】
2-量子ビット操作は、本明細書に記載されるファンデルワールス相互作用によって、準位のエネルギーシフトに依存してもよい。そのようなシフトは、他方の状態によって条件付けられる一方の原子の励起を防止してもよく、または、2原子システムの励起のコヒーレント動力を変更して、2-量子ビット操作を成立させてもよい。場合によっては、「ドレス状態」が、リュードベリ準位への完全励起を必要とすることなく、2-量子ビット操作を成立させるための継続的駆動下で生成されてもよい(例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照によって本明細書に組み込まれている、「<https://arxiv.org/abs/1605.05207>」に記載されている)。
【0074】
クラウドコンピューティング
システム(200)は、(
図1に関して本明細書に記載されるネットワークなどの)本明細書に記載されるネットワーク上の、(
図1に関して本明細書に記載されるデジタルコンピュータなどの)本明細書に記載されるデジタルコンピュータに、操作可能に連結されてもよい。ネットワークは、クラウドコンピューティングネットワークを含んでもよい。
【0075】
光学トラップユニット
図3Aは、光学トラップユニット(210)の例を示す。光学トラップユニットは、本明細書に記載されるような、複数の空間的に個別の光学トラップサイト(211)を生成するように構成されてもよい。例えば、
図3Bに示されるように、光学トラップユニットは、
図3Aに描写されるような、第1の光学トラップサイト(211a)、第2の光学トラップサイト(211b)、第3の光学トラップサイト(211c)、第4の光学トラップサイト(211d)、第5の光学トラップサイト(211e)、第6番目の光学トラップサイト(211f)、第7の光学トラップサイト(211g)、第8の光学トラップサイト(211h)、および第9の光学トラップサイト(211i)を生成するように構成されてもよい。複数の空間的に個別の光学トラップサイトは、
図3Aに描写されるような、第1の原子(212a)、第2の原子(212b)、第3の原子(212c)、および第4番目の原子(212d)などの、複数の原子をトラップするように構成されてもよい。
図3Bに描写されるように、各光学トラップサイトは、単一原子をトラップするように構成されてもよい。
図3Bに描写されるように、光学トラップサイトのいくつかは、空(つまり原子をトラップしていない状態)であってもよい。
【0076】
図3Bに示されるように、複数の光学トラップサイトは、二次元(2D)配列を含んでもよい。2D配列は、
図3Aに描写される光学トラップユニットの光学コンポーネントの光軸に対して垂直であってもよい。代替的に、複数の光学トラップサイトは、一次元の(1D)配列、または三次元(3D)配列を含んでもよい。
【0077】
図3Bでは、4つの原子によって満たされた9つの光学トラップサイトを含むように描写されているが、光学トラップユニット(210)は、本明細書に記載される任意の数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成するように構成されてもよく、および、本明細書に記載される任意の数の原子をトラップするように構成されてもよい。
【0078】
複数の光学トラップサイトの各光学トラップサイトは、少なくとも約200nm、300nm、400nm、500nm、600nm、700nm、800nm、900nm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、またはそれ以上の距離、各々のその他の光学トラップサイトから空間的に離されていてもよい。各光学トラップサイトは、最大で約10μm、9μm、8μm、7μm、6μm、5μm、4μm、3μm、2μm、1μm、900nm、800nm、700nm、600nm、500nm、400nm、300nm、200nm、またはそれ以下の距離、各々のその他の光学トラップサイトから空間的に離されていてもよい。各光学トラップサイトは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある距離、各々のその他の光学トラップサイトから空間的に離されていてもよい。
【0079】
光学トラップサイトは、1以上の光ピンセットを含んでもよい。光ピンセットは、1以上の原子を保持または移動するための、引力または反発力を提供するために、1以上の集束レーザービームを含んでもよい。集束されたレーザービームのビームウエスト(beam waist)は、強い電場勾配を含んでもよい。原子は、レーザービームの中心への電場勾配に沿って引きつけられてもよく、または避けられてもよく、レーザービームの中心は最も強い電場を含んでいるかもしれあない。光学トラップサイトは、1以上の光格子の1以上の光格子サイトを含んでもよい。光学トラップサイトは、1以上の一次元(1D)光格子、二次元(2D)光格子、または三次元(3D)光格子の、1以上の光格子サイトを含んでもよい。例えば、光学トラップサイトは、
図3Bに描写されるように、2D光格子の1以上の光格子サイトを含んでもよい。
【0080】
光格子は、特定の方向に沿った周期的で連続的な強度の最小と最大を有する定常波パターンを生成するために、(対向伝搬レーザー光などの)干渉する対向伝搬光によって生成されてもよい。1D光格子は、干渉する1対の対向伝搬光ビームによって生成されてもよい。2D光格子は、干渉する2対の対向伝搬光ビームによって生成されてもよい。3D光格子は、干渉する3対の対向伝搬光ビームによって生成されてもよい。光ビームは、異なる光源によって、または同じ光源によって生成されてもよい。したがって、光格子は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、またはそれ以上、あるいは、最大で6、5、4、3、2、または1の光源によって生成されてもよい。
【0081】
図3Aの記載に戻り、光学トラップユニットは、本明細書に記載されるような複数の光学トラップサイトを生成するための光を放射するように構成された、1以上の光源を含んでもよい。例えば、
図3Aに描写されるように、光学トラップユニットは、単一の光源(213)を含んでもよい。
図3Aでは単一の光源を含むように描写されているが、光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の光源、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の光源などの、任意の数の光源を含んでもよい。光源は1以上のレーザーを含んでもよい。
【0082】
レーザーは、1以上の連続波レーザーを含んでもよい。レーザーは、1以上のパルスレーザーを含んでもよい。レーザーは、1以上のヘリウムネオン(HeNe)レーザー、アルゴン(Ar)レーザー、クリプトン(Kr)レーザー、キセノン(Xe)イオンレーザー、窒素(N2)レーザー、二酸化炭素(CO2)レーザー、一酸化炭素(CO)レーザー、横方向励起大気圧(TEA)レーザー、またはエキシマレーザーなどの、1以上ガスレーザーを含んでもよい。例えば、レーザーは、1以上のアルゴン二量体(Ar2)エキシマレーザー、クリプトン二量体(Kr2)エキシマレーザー、フッ素二量体(F2)エキシマレーザー、キセノン二量体(Xe2)エキシマレーザー、アルゴンフッ化物(ArF)エキシマレーザー、塩化クリプトン(KrCl)エキシマレーザー、フッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザー、臭化キセノン(XeBr)エキシマレーザー、塩化キセノン(XeCl)エキシマレーザー、またはフッ化キセノン(XeF)エキシマレーザーを含んでもよい。レーザーは、1以上の色素レーザーを含んでもよい。
【0083】
レーザーは、1以上のヘリウムカドミウム(HeCd)金属蒸気レーザー、ヘリウム水銀(HeHg)金属蒸気レーザー、ヘリウムセレン(HeSe)金属蒸気レーザー、ヘリウム銀(HeAg)金属蒸気レーザー、ストロンチウム(Sr)金属蒸気レーザー、ネオン銅(NeCu)金属蒸気レーザー、銅(Cu)金属蒸気レーザー、金(Au)金属蒸気レーザー、マンガン(Mn)金属蒸気レーザー、または塩化マンガン(MnCl2)金属蒸気レーザーなどの、1以上の金属蒸気レーザーを含んでもよい。
【0084】
レーザーは、1以上のルビーレーザー、金属ドープの結晶レーザー、または金属ドープの繊維レーザーなどの、1以上の固体レーザーを含んでもよい。例えば、レーザーは、1以上のネオジムドープ・イットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)レーザー、ネオジム/クロミウムドープ・イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Nd/Cr:YAG)レーザー、エルビウムドープ・イットリウム・アルミニウム・ガーネット(Er:YAG)レーザー、ネオジムドープ・イットリウム・フッ化リチウム(Nd:YLF)レーザー、ネオジムドープ・イットリウム・オルトバナデート(orthovanadate)(ND:YVO4)レーザー、ネオジムドープ・イットリウム・カルシウム・オキソボレート(oxoborate)(Nd:YCOB)レーザー、ネオジム・ガラス(Nd:ガラス)レーザー、チタン・サファイア(Ti:サファイア)レーザー、ツリウムドープ・イットリウム(ytrium)・アルミニウム・ガーネット(Tm:YAG)レーザー、イッテルビウムドープ・イットリウム(ytrrium)・アルミニウム・ガーネット(Yb:YAG)レーザー、イッテルビウムドープ・ガラス(Yt:ガラス)レーザー、ホルミウム・イットリウム(ytrrium)・アルミニウム・ガーネット(Ho:YAG)レーザー、クロミウムドープ・セレン化亜鉛(Cr:ZnSe)レーザー、セリウムドープ・リチウム・ストロンチウム・フッ化アルミニウム(Ce:LiSAF)レーザー、セリウムドープ・リチウム・カルシウム・フッ化アルミニウム(Ce:LiCAF)レーザー、エルビウムドープ・ガラス(Er:ガラス)レーザー、エルビウム・イッテルビウム共添加ガラス(Er/Yt:ガラス)レーザー、ウランドープ・フッ化カルシウム(U:CaF2)レーザー、またはサマリウムドープ・フッ化カルシウム(Sm:CaF2)レーザーを含んでもよい。
【0085】
レーザーは、1以上の半導体レーザーまたはダイオードレーザーを含んでもよく、例えば、1以上の窒化ガリウム(GaN)レーザー、インジウム・窒化ガリウム(InGaN)レーザー、アルミニウム・ガリウム・リン化インジウム(AlGaInP)レーザー、ヒ化アルミニウム・ガリウム(AlGaAs)レーザー、インジウム・ガリウム・ヒ素リン化物(InGaAsP)レーザー、垂直共振器型面発光レーザー(vertical cavity surface emitting laser)(VCSELs)、または量子カスケードレーザー、が挙げられる。
【0086】
レーザーは、連続波レーザー光を放射してもよい。レーザーは、パルスレーザー光を放射してもよい。レーザーは、少なくとも約1フェムト秒(fs)、2fs、3fs、4fs、5fs、6fs、7fs、8fs、9fs、10fs、20fs、30fs、40fs、50fs、60fs、70fs、80fs、90fs、100fs、200fs、300fs、400fs、500fs、600fs、700fs、800fs、900fs、1ピコ秒(ps)、2ps、3ps、4ps、5ps、6ps、7ps、8ps、9ps、10ps、20ps、30ps、40ps、50ps、60ps、70ps、80ps、90ps、100ps、200ps、300ps、400ps、500ps、600ps、700ps、800ps、900ps、1ナノ秒(ns)、2ns、3ns、4ns、5ns、6ns、7ns、8ns、9ns、10ns、20ns、30ns、40ns、50ns、60ns、70ns、80ns、90ns、100ns、200ns、300ns、400ns、500ns、600ns、700ns、800ns、900ns、1,000ns、またはそれ以上のパルス長を有していてもよい。レーザーは、最大で約1,000ns、900ns、800ns、700ns、600ns、500ns、400ns、300ns、200ns、100ns、90ns、80ns、70ns、60ns、50ns、40ns、30ns、20ns、10ns、9ns 8ns、7ns、6ns 5ns、4ns、3ns、2ns、1ns、900ps、800ps、700ps、600ps、500ps、400ps、300ps、200ps、100ps、90ps、80ps、70ps、60ps、50ps、40ps、30ps、20ps、10ps、9ps、8ps、7ps、6ps、5ps、4ps、3ps、2ps、1ps、900fs、800fs、700fs、600fs、500fs、400fs、300fs、200fs、100fs、90fs、80fs、70fs、60fs、50fs、40fs、30fs、20fs、10fs、9fs、8fs、7fs、6fs、5fs、4fs、3fs、2fs、1fs、またはそれ以下のパルス長を有していてもよい。レーザーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあるパルス長を有していてもよい。
【0087】
レーザーは、少なくとも約1ヘルツ(Hz)、2Hz、3Hz、4Hz、5Hz、6Hz、7Hz、8Hz、9Hz、10Hz、20Hz、30Hz、40Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、100Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、1キロヘルツ(kHz)、2kHz、3kHz、4kHz、5kHz、6kHz、7kHz、8kHz、9kHz、10kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、60kHz、70kHz、80kHz、90kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、600kHz、700kHz、800kHz、900kHz、1メガヘルツ(MHz)、2MHz、3MHz、4MHz、5MHz、6MHz、7MHz、8MHz、9MHz、10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz、200MHz、300MHz、400MHz、500MHz、600MHz、700MHz、800MHz、900MHz、1,000MHz、またはそれ以上の繰り返し率を有していてもよい。レーザーは、最大で約1,000MHz、900MHz、800MHz、700MHz、600MHz、500MHz、400MHz、300MHz、200MHz、100MHz、90MHz、80MHz、70MHz、60MHz、50MHz、40MHz、30MHz、20MHz、10MHz、9MHz、8MHz、7MHz、6MHz、5MHz、4MHz、3MHz、2MHz、1MHz、900kHz、800kHz、700kHz、600kHz、500kHz、400kHz、300kHz、200kHz、100kHz、90kHz、80kHz、70kHz、60kHz、50kHz、40kHz、30kHz、20kHz、10kHz、9kHz、8kHz、7kHz、6kHz、5kHz、4kHz、3kHz、2kHz、1kHz、900Hz、800Hz、700Hz、600Hz、500Hz、400Hz、300Hz、200Hz、100Hz、90Hz、80Hz、70Hz、60Hz、50Hz、40Hz、30Hz、20Hz、10Hz、9Hz、8Hz、7Hz、6Hz、5Hz、4Hz、3Hz、2Hz、1Hz、またはそれ以下の繰り返し率を有していてもよい。レーザーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある繰り返し率を有していてもよい。
【0088】
レーザーは、少なくとも約1ナノジュール(nJ)、2nJ、3nJ、4nJ、5nJ、6nJ、7nJ、8nJ、9nJ、10nJ、20nJ、30nJ、40nJ、50nJ、60nJ、70nJ、80nJ、90nJ、100nJ、200nJ、300nJ、400nJ、500nJ、600nJ、700nJ、800nJ、900nJ、1マイクロジュール(μJ)、2μJ、3μJ、4μJ、5μJ、6μJ、7μJ、8μJ、9μJ、10μJ、20μJ、30μJ、40μJ、50μJ、60μJ、70μJ、80μJ、90μJ、100μJ、200μJ、300μJ、400μJ、500μJ、600μJ、700μJ、800μJ、900μJ、少なくとも1ミリジュール(mJ)、2mJ、3mJ、4mJ、5mJ、6mJ、7mJ、8mJ、9mJ、10mJ、20mJ、30mJ、40mJ、50mJ、60mJ、70mJ、80mJ、90mJ、100mJ、200mJ、300mJ、400mJ、500mJ、600mJ、700mJ、800mJ、900mJ、少なくとも1ジュール(J)、またはそれ以上のパルスエネルギーを有する光を放射してもよい。レーザーは、最大で約1J、900mJ、800mJ、700mJ、600mJ、500mJ、400mJ、300mJ、200mJ、100mJ、90mJ、80mJ、70mJ、60mJ、50mJ、40mJ、30mJ、20mJ、10mJ、9mJ、8mJ 7mJ、6mJ、5mJ、4mJ、3mJ、2mJ、1mJ、900μJ、800μJ、700μJ、600μJ、500μJ、400μJ、300μJ、200μJ、100μJ、90μJ、80μJ、70μJ、60μJ、50μJ、40μJ、30μJ、20μJ、10μJ、9μJ、8μJ、7μJ、6μJ、5μJ、4μJ、3μJ、2μJ、1μJ、900nJ、800nJ、700nJ、600nJ、500nJ、400nJ、300nJ、200nJ、100nJ、90nJ、80nJ、70nJ、60nJ、50nJ、40nJ、30nJ、20nJ、10nJ、9nJ、8nJ、7nJ、6nJ、5nJ、4nJ、3nJ、2nJ、1nJ、またはそれ以下のパルスエネルギーを有する光を放射してもよい。レーザーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあるパルスエネルギーを有する光を放射してもよい。
【0089】
レーザーは、少なくとも約1マイクロワット(μW)、2μW、3μW、4μW、5μW、6μW、7μW、8μW、9μW、10μW、20μW、30μW、40μW、50μW、60μW、70μW、80μW、90μW、100μW、200μW、300μW、400μW、500μW、600μW、700μW、800μW、900μW、1ミリワット(mW)、2mW、3mW、4mW、5mW、6mW、7mW、8mW、9mW、10mW、20mW、30mW、40mW、50mW、60mW、70mW、80mW、90mW、100mW、200mW、300mW、400mW、500mW、600mW、700mW、800mW、900mW、1ワット(W)、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1,000W、またはそれ以上の平均電力を有する光を放出してもよい。レーザーは、最大で約1,000W、900W、800W、700W、600W、500W、400W、300W、200W、100W、90W、80W、70W、60W、50W、40W、30W、20W、10W、9W、8W、7W、6W、5W、4W、3W、2W、1W、900mW、800mW、700mW、600mW、500mW、400mW、300mW、200mW、100mW、90mW、80mW、70mW、60mW、50mW、40mW、30mW、20mW、10mW、9mW、8mW、7mW、6mW、5mW、4mW、3mW、2mW、1mW、900μW、800μW、700μW、600μW、500μW、400μW、300μW、200μW、100μW、90μW、80μW、70μW、60μW、50μW、40μW、30μW、20μW、10μW、9μW、8μW、7μW、6μW、5μW、4μW、3μW、2μW、1μW、またはそれ以上の平均電力を有する光を放出してもよい。レーザーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある電力を有する光を放射してもよい。
【0090】
レーザーは、電磁スペクトラムの紫外線(UV)部分、可視部分、または赤外線(IR)部分の1以上の波長を含む光を放射してもよい。レーザーは、少なくとも約200nm、210nm、220nm、230nm、240nm、250nm、260nm、270nm、280nm、290nm、300nm、310nm、320nm、330nm、340nm、350nm、360nm、370nm、380nm、390nm、400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、860nm、870nm、880nm、890nm、900nm、910nm、920nm、930nm、940nm、950nm、960nm、970nm、980nm、990nm、1,000nm、1,010nm、1,020nm、1,030nm、1,040nm、1,050nm、1,060nm、1,070nm、1,080nm、1,090nm、1,100nm、1,110nm、1,120nm、1,130nm、1,140nm、1,150nm、1160nm、1170nm、1180nm、1190nm、1200nm、1210nm、1220nm、1230nm、1240nm、1250nm、1260nm、1270nm、1280nm、1290nm、1300nm、1310nm、1320nm、1330nm、1340nm、1350nm、1360nm、1370nm、1380nm、1390nm、1400nm、またはそれ以上の、1以上の波長を含む光を放射してもよい。レーザーは、最大で約1,400nm、1,390nm、1,380nm、1,370nm、1,360nm、1,350nm、1,340nm、1,330nm、1,320nm、1,310nm、1,300nm、1,290nm、1,280nm、1,270nm、1,260nm、1,250nm、1,240nm、1,230nm、1,220nm、1,210nm、1,200nm、1,190nm、1,180nm、1,170nm、1,160nm、1,150nm、1,140nm、1,130nm、1,120nm、1,110nm、1,100nm、1,090nm、1,080nm、1,070nm、1,060nm、1,050nm、1,040nm、1,030nm、1,020nm、1,010nm、1,000nm、990nm、980nm、970nm、960nm、950nm、940nm、930nm、920nm、910nm、900nm、890nm、880nm、870nm、860nm、850nm、840nm、830nm、820nm、810nm、800nm、790nm、780nm、770nm、760nm、750nm、740nm、730nm、720nm、710nm、700nm、690nm、680nm、670nm、660nm、650nm、640nm、630nm、620nm、610nm、600nm、590nm、580nm、570nm、560nm、550nm、540nm、530nm、520nm、510nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、390nm、380nm、370nm、360nm、350nm、340nm、330nm、320nm、310nm、300nm、290nm、280nm、270nm、260nm、250nm、240nm、230nm、220nm、210nm、または200nmの、1以上の波長を含む光を放射してもよい。レーザーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含む光を放射してもよい。
【0091】
レーザーは、少なくとも約1x10-15nm、2x10-15nm、3x10-15nm、4x10-15nm、5x10-15nm、6x10-15nm、7x10-15nm、8x10-15nm、9x10-15nm、1x10-14nm、2x10-14nm、3x10-14nm、4x10-14nm、5x10-14nm、6x10-14nm、7x10-14nm、8x10-14nm、9x10-14nm、1x10-13nm、2x10-13nm、3x10-13nm、4x10-13nm、5x10-13nm、6x10-13nm、7x10-13nm、8x10-13nm、9x10-13nm、1x10-12nm、2x10-12nm、3x10-12nm、4x10-12nm、5x10-12nm、6x10-12nm、7x10-12nm、8x10-12nm、9x10-12nm、1x10-11nm、2x10-11nm、3x10-11nm、4x10-11nm、5x10-11nm、6x10-11nm、7x10-11nm、8x10-11nm、9x10-11nm、1x10-10nm、2x10-10nm、3x10-10nm、4x10-10nm、5x10-10nm、6x10-10nm、7x10-10nm、8x10-10nm、9x10-10nm、1x10-9nm、2x10-9nm、3x10-9nm、4x10-9nm、5x10-9nm、6x10-9nm、7x10-9nm、8x10-9nm、9x10-9nm、1x10-8nm、2x10-8nm、3x10-8nm、4x10-8nm、5x10-8nm、6x10-8nm、7x10-8nm、8x10-8nm、9x10-8nm、1x10-7nm、2x10-7nm、3x10-7nm、4x10-7nm、5x10-7nm、6x10-7nm、7x10-7nm、8x10-7nm、9x10-7nm、1x10-6nm、2x10-6nm、3x10-6nm、4x10-6nm、5x10-6nm、6x10-6nm、7x10-6nm、8x10-6nm、9x10-6nm、1x10-5nm、2x10-5nm、3x10-5nm、4x10-5nm、5x10-5nm、6x10-5nm、7x10-5nm、8x10-5nm、9x10-5nm、1x10-4nm、2x10-4nm、3x10-4nm、4x10-4nm、5x10-4nm、6x10-4nm、7x10-4nm、8x10-4nm、9x10-4nm、1x10-3nm、またはそれ以上の帯域幅を有する光を放射してもよい。レーザーは、最大で約1x10-3nm、9x10-4nm、8x10-4nm、7x10-4nm、6x10-4nm、5x10-4nm、4x10-4nm、3x10-4nm、2x10-4nm、1x10-4nm、9x10-5nm、8x10-5nm、7x10-5nm、6x10-5nm、5x10-5nm、4x10-5nm、3x10-5nm、2x10-5nm、1x10-5nm、9x10-6nm、8x10-6nm、7x10-6nm、6x10-6nm、5x10-6nm、4x10-6nm、3x10-6nm、2x10-6nm、1x10-6nm、9x10-7nm、8x10-7nm、7x10-7nm、6x10-7nm、5x10-7nm、4x10-7nm、3x10-7nm、2x10-7nm、1x10-7nm、9x10-8nm、8x10-8nm、7x10-8nm、6x10-8nm、5x10-8nm、4x10-8nm、3x10-8nm、2x10-8nm、1x10-8nm、9x10-9nm、8x10-9nm、7x10-9nm、6x10-9nm、5x10-9nm、4x10-9nm、3x10-9nm、2x10-9nm、1x10-9nm、9x10-10nm、8x10-10nm、7x10-10nm、6x10-10nm、5x10-10nm、4x10-10nm、3x10-10nm、2x10-10nm、1x10-10nm、9x10-11nm、8x10-11nm、7x10-11nm、6x10-11nm、5x10-11nm、4x10-11nm、3x10-11nm、2x10-11nm、1x10-11nm、9x10-12nm、8x10-12nm、7x10-12nm、6x10-12nm、5x10-12nm、4x10-12nm、3x10-12nm、2x10-12nm、1x10-12nm、9x10-13nm、8x10-13nm、7x10-13nm、6x10-13nm、5x10-13nm、4x10-13nm、3x10-13nm、2x10-13nm、1x10-13nm、9x10-14nm、8x10-14nm、7x10-14nm、6x10-14nm、5x10-14nm、4x10-14nm、3x10-14nm、2x10-14nm、1x10-14nm、9x10-15nm、8x10-15nm、7x10-15nm、6x10-15nm、5x10-15nm、4x10-15nm、3x10-15nm、2x10-15nm、1x10-15nm、またはそれ以下の帯域幅を有する光を放射してもよい。レーザーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある帯域幅を有する光を放射してもよい。
【0092】
光源は、複数の原子に対応する1以上のマジック波長に調整された光を放射するように構成されてもよい。原子に対応するマジック波長は、第1の原子状態と第2の原子状態に等しい、またはほぼ等しい偏光を生じさせる光の、任意の波長を含んでもよい。第1の原子状態と第2の原子状態との間の遷移のためのマジック波長は、第1の原子状態と第2の原子状態の波長依存分極率を計算することと、交差点を見つけることとによって決定されてもよい。そのようなマジック波長に調整された光は、光源によって放射される光の強度に関係なく、第1の原子状態と第2の原子状態において、等しいまたはほぼ等しい差動光シフトを生じさせてもよい。このことは、第1の原子状態と第2の原子状態を、原子の運動から効果的に分断してもよい。マジック波長は、1以上のスカラーまたはテンソルの光シフトを利用してもよい。スカラーまたはテンソルの光シフトは、第1の原子状態と第2の原子状態内の磁気サブ準位に依存するかもしれない。
【0093】
例えば、III族原子、およびアルカリ土類原子またはアルカリ土類様原子の準安定状態は比較的大きなテンソルシフトを有していてもよく、その角度は印加磁場に対して調整され、スカラーおよびテンソルのシフトが釣り合い、かつ第1の原子状態と第2の原子状態との間にゼロまたはほぼゼロの差動光シフトを与えるような状況を生じさせる。角度θは、放射光の偏光の選択によって調整されてもよい。例えば、放射光が直線的に偏光される場合、合計分極率αは、スカラー成分αscalarとテンソル成分αtensorの合計として記述されてもよい:
α=αscalar+(3cos2θ-1)αtensor
【0094】
θを適切に選ぶことによって、第1の原子状態と第2の原子状態との分極率は、等しく、またはほぼ等しく選ばれてもよく、ゼロまたはほぼゼロの差動光シフトに相当し、そして、原子の運動は分断される場合がある。
【0095】
光源は、複数の光学トラップサイトを生成するように構成された1以上の光学変調器(OM)に、光を配向するように構成されてもよい。例えば、光学トラップユニットは、複数の光学トラップサイトを生成するように構成されたOM(214)を含んでもよい。
図3Aでは1つのOMを含むように描写されているが、光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のOM、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のOMなどの、任意の数のOMを含んでもよい。OMは、1以上のデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)を含んでもよい。OMは、1以上のエルコス(liquid crystal on silicon)(LCoS)デバイスなどの、1以上の液晶デバイスを含んでもよい。OMは、1以上の空間光変調器(SLM)を含んでもよい。OMは、1以上の音響光学デフレクタ(AOD)または音響光学変調器(AOM)を含んでもよい。OMは、1以上の電気光学デフレクタ(EOD)または電気光学変調器(EOM)を含んでもよい。
【0096】
OMは、光学トラップサイトの規則的な配列を生成するために、1以上の光学素子に光学的に連結されていてもよい。例えば、
図3Aに示されるように、OMは、光学素子(219)に光学的に連結されていてもよい。光学素子は、光学トラップサイトの規則的な長方形の格子を形成するために、OMからの光を再配向するように構成されたレンズ、または顕微鏡対物レンズを含んでもよい。
【0097】
例えば、
図3Aに示されるように、OMは、SLM、DMD、またはLCoSデバイスを含んでもよい。SLM、DMD、またはLCoSデバイスは、顕微鏡対物レンズの後方焦点面上に結像されてもよい。このことは、二次元または三次元の光学トラップサイトの任意の構成の生成を可能にしてもよい。
【0098】
代替的にまたは組み合わせにおいて、OMは、第1のAODと第2のAODを含んでもよい。第1のAODと第2のAODのアクティブ領域は、顕微鏡対物レンズの後方焦点面上に結像されてもよい。第1のAODの出力は、第2のAODの入力に光学上連結されてもよい。このようにして、第2のAODは、第1のAODの光学的出力のコピーを作り出してもよい。このことは、二次元または三次元の光学トラップサイトの生成を可能にしてもよい。
【0099】
代替的にまたは組み合わせにおいて、OMは、1以上のマイクロレンズ配列またはホログラフィーの光学素子などの、静的光学素子を含んでもよい。静的光学素子は、顕微鏡対物レンズの後方焦点面上に結像されてもよい。このことは、二次元または三次元の光学トラップサイトの任意の構成の生成を可能にしてもよい。
【0100】
光学トラップユニットは、光学トラップサイト内にトラップされた複数の原子の空間形状の1以上の画像を取得するように構成された、1以上の結像ユニットを含んでもよい。例えば、光学トラップユニットは、結像ユニット(215)を含んでもよい。
図3Aでは単一の結像ユニットを含むように描写されているが、光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の結像ユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の結像ユニットなどの、任意の数の結像ユニットを含んでもよい。結像ユニットは、1以上のレンズ、または対物レンズを含んでもよい。結像ユニットは、1以上のPMT、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光トランジスター、逆バイアスLED、CCD、またはCMOSのカメラを含んでもよい。結像ユニットは、1以上の蛍光検出器を含んでもよい。画像は、1以上の蛍光画像、単原子蛍光画像、吸収画像、単原子吸収画像、位相コントラスト画像、単原子位相コントラスト画像を含んでもよい。
【0101】
光学トラップユニットは、結像ユニットによって得られた画像に基づいて、光学トラップサイト内にトラップされた複数の原子の空間形状を決定するために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の空間形状人工知能(AI)ユニットを含んでもよい。例えば、光学トラップユニットは、空間形状AIユニット(216)を含んでもよい。
図3Aでは単一の空間形状AIユニットを含むように描写されているが、光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の空間形状AIユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の空間形状AIユニットなどの、任意の数の空間形状AIユニットを含んでもよい。AI操作は、本明細書を記載された任意の機械学習(ML)操作、または強化学習(RL)操作を含んでもよい。
【0102】
光学トラップユニットは、結像ユニットによって得られた1以上の画像に基づいて、光学トラップサイトでトラップされた複数の原子の変更された空間配置を付与するように構成された、1以上の原子再配置ユニットを含んでもよい。例えば、光学トラップユニットは、原子再配置ユニット(217)を含んでもよい。
図3Aでは単一の原子再配置ユニットを含むように描写されているが、光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の原子再配置ユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の原子再配置ユニットなどの、任意の数の原子再配置ユニットを含んでもよい。
【0103】
光学トラップユニットは、結像ユニットによって得られた画像に基づいて、光学トラップサイト内にトラップされた複数の原子の変更された空間配置を決定するために、1以上のAI操作を実行するようにされた1以上の空間配置人工知能(AI)ユニットを含んでもよい。例えば、光学トラップユニットは、空間配置AIユニット(218)を含んでもよい。
図3Aでは単一の空間配置AIユニットを含むように描写されているが、光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の空間配置AIユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の空間配置AIユニットなどの、任意の数の空間配置AIユニットを含んでもよい。AI操作は、本明細書を記載された任意の機械学習(ML)操作、または強化学習(RL)操作を含んでもよい。
【0104】
場合によっては、空間形状AIユニットと空間配置AIユニットは、統合AIユニットに統合されてもよい。光学トラップユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の統合AIユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の統合AIユニットなどの、任意の数の統合AIユニットを含んでもよい。
【0105】
原子再配置ユニットは、複数の光学トラップサイトの充填率の増大を得るために、空間配置を変更するように構成されてもよい。充填率は、光学トラップユニットまたは光学トラップユニットの領域において利用可能な光学トラップサイトの総数に対する、1以上の原子によって占有された光学トラップサイトの数の割合として、定義されてもよい。例えば、光学トラップサイト内の原子の初期ロード(loading)は、原子が100%未満、90%未満、70%未満、60%未満、50%未満、またはそれ以下の利用可能な光学トラップサイトをそれぞれ占有するように、100%未満、90%未満、80%未満、70%未満、60%未満、50%未満、またはそれ以下の充填率を生じさせてもよい。原子を、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、または100%の充填率を達成するように再配置することが望ましい場合もある。結像ユニットによって得られた画像化情報を分析することによって、原子再配置ユニットは、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、99.91%、99.92%、99.93%、99.94%、99.95%、99.96%、99.97%、99.98%、99.99%、またはそれ以上の充填率に到達してもよい。原子再配置ユニットは、最大で約99.99%、99.98%、99.97%、99.96%、99.95%、99.94%、99.93%、99.92%、99.91%、99.9%、99.8%、99.7%、99.6%、99.5%、99.4%、99.3%、99.2%、99.1%、99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、80%、70%、60%、50%、またはそれ以下の充填率に到達してもよい。原子再配置ユニットは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある充填率に到達してもよい。
【0106】
例として、
図3Cは、原子で部分的に満たされる光学トラップユニットの一例を示す。
図3Cに描写されるように、光学トラップサイト内の原子の当初ロードは、(4の原子が9の利用可能な光学トラップサイトを満たす)44.4%の充填率に上昇してもよい。原子を(
図3Cに示されていない)光学トラップユニットの異なる領域から占有されていない光学トラップサイトに移動させることによって、または、原子を本明細書に記載される原子リザーバーから移動させることによって、
図3Dに示されるように、はるかに高い充填率が得られるかもしれない。
【0107】
図3Dは、原子で完全に満たされる光学トラップユニットの例を示す。
図3Dに描写されるように、第5の原子(212e)、第6の原子(212f)、第7の原子(212g)、第8の原子(212h)、および第9の原子(212i)は、占有されていない光学トラップサイトを満たすために移動されてもよい。第5、第6、第7、第8、および第9の原子が、(
図3Cに示されない)光学トラップユニットの異なる領域から移動されてもよく、または本明細書に記載される原子リザーバーから原子を移動させることによってでもよい。したがって、充填率は、光学トラップサイト内の原子の再配置後に、実質的に改善されるかもしれない。例えば、(
図3Dに示されるように、9の利用可能な光学トラップサイトを満たす9の原子など)100%までの充填率に到達してもよい。
【0108】
電磁送達ユニット
図4は、電磁送達ユニット(220)の例を示す。電磁送達ユニットは、本明細書に記載されるように、複数の原子の1以上の原子に、電磁エネルギーを加えるように構成されてもよい。電磁送達ユニットは、本明細書に記載される任意の光源などの、1以上の光源を含んでもよい。
【0109】
電磁エネルギーは、光学エネルギーを含んでもよい。光学エネルギーは、本明細書に記載される、任意の繰り返し率、パルスエネルギー、平均電力、波長、または帯域幅を含んでもよい。電磁送達ユニットは、1以上のマグネトロン、クライストロン、進行波管、ジャイロトロン、電界効果トランジスター(field-effect transistor)(FET)、トンネルダイオード、ガンダイオード(Gunn diode)、衝突電離アバランシェ移動時間(impact ionization avalanche transit-time)(IMPATT)ダイオード、またはメーザー(maser)などの、1以上のマイクロ波エネルギー源、または無線周波数(RF)エネルギー源を含んでもよい。電磁エネルギーは、マイクロ波エネルギー、またはRFエネルギーを含んでもよい。RFエネルギーは、少なくとも約1ミリメートル(mm)、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm、70mm、80mm、90mm、100mm、200mm、300mm、400mm、500mm、600mm、700mm、800mm、900mm、1メートル(m)、2m、3m、4m、5m、6m、7m、8m、9m、10m、20m、30m、40m、50m、60m、70m、80m、90m、100m、200m、300m、400m、500m、600m、700m、800m、900m、1キロメートル(km)、2km、3km、4km、5km、6km、7km、8km、9km、10km、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。RFエネルギーは、最大で約10km、9km、8km、7km、6km、5km、4km、3km、2km、1km、900m、800m、700m、600m、500m、400m、300m、200m、100m、90m、80m、70m、60m、50m、40m、30m、20m、10m、9m、8m、7m、6m、5m、4m、3m、2m、1m、900mm、800mm、700mm、600mm、500mm、400mm、300mm、200mm、100mm、90mm、80mm、70mm、60mm、50mm、40mm、30mm、20mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。RFエネルギーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。
【0110】
RFエネルギーは、少なくとも約1マイクロワット(μW)、2μW、3μW、4μW、5μW、6μW、7μW、8μW、9μW、10μW、20μW、30μW、40μW、50μW、60μW、70μW、80μW、90μW、100μW、200μW、300μW、400μW、500μW、600μW、700μW、800μW、900μW、1ミリワット(mW)、2mW、3mW、4mW、5mW、6mW、7mW、8mW、9mW、10mW、20mW、30mW、40mW、50mW、60mW、70mW、80mW、90mW、100mW、200mW、300mW、400mW、500mW、600mW、700mW、800mW、900mW、1ワット(W)、2W、3W、4W、5W、6W、7W、8W、9W、10W、20W、30W、40W、50W、60W、70W、80W、90W、100W、200W、300W、400W、500W、600W、700W、800W、900W、1,000W、またはそれ以上の平均電力を含んでもよい。RFエネルギーは、最大で約1,000W、900W、800W、700W、600W、500W、400W、300W、200W、100W、90W、80W、70W、60W、50W、40W、30W、20W、10W、9W、8W、7W、6W、5W、4W、3W、2W、1W、900mW、800mW、700mW、600mW、500mW、400mW、300mW、200mW、100mW、90mW、80mW、70mW、60mW、50mW、40mW、30mW、20mW、10mW、9mW、8mW、7mW、6mW、5mW、4mW、3mW、2mW、1mW、900μW、800μW、700μW、600μW、500μW、400μW、300μW、200μW、100μW、90μW、80μW、70μW、60μW、50μW、40μW、30μW、20μW、10μW、9μW、8μW、7μW、6μW、5μW、4μW、3μW、2μW、1μW、またはそれ以下の平均電力を含んでもよい。RFエネルギーは、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある平均電力を含んでもよい。
【0111】
電磁送達ユニットは、本明細書に記載される任意の光源などの1以上の光源を含んでもよい。例えば、電磁送達ユニットは、光源(221)を含んでもよい。
図4では単一の光源を含むように描写されているが、電磁送達ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の光源、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の光源などの、任意の数の光源を含んでもよい。
【0112】
光源は、複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを選択的に加えるように構成された1以上のOMに、光を配向するように形成されてもよい。例えば、電磁送達ユニットは、OM(222)を含んでもよい。
図4では単一のOMを含むように描写されているが、電磁送達ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のOM、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のOMなどの、任意の数のOMを含んでもよい。OMは、1以上のSLM、AOD、またはAOMを含んでもよい。OMは、1以上のDMDを含んでもよい。OMは、1以上のLCoSデバイスなどの、1以上の液晶デバイスを含んでもよい。
【0113】
電磁送達ユニットは、電磁エネルギーを原子に選択的に加えるために、1以上のAI操作を実行するように構成された、1以上の電磁エネルギー人工知能(AI)ユニットを含んでもよい。例えば、電磁送達ユニットは、AIユニット(223)を含んでもよい。
図4では単一のAIユニットを含むように描写されているが、電磁送達ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のAIユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のAIユニットなどの、任意の数のAIユニットを含んでもよい。AI操作は、本明細書を記載された任意の機械学習(ML)操作、または強化学習(RL)操作を含んでもよい。
【0114】
電磁送達ユニットは、本明細書に記載される量子ビット上に、(1以上の単一量子ビットゲート操作などの)1以上の単一量子ビット操作を適用するように構成されてもよい。電磁送達ユニットは、本明細書に記載される2-量子ビットユニット上に、(1以上の2-量子ビットゲート操作などの)1以上の2-量子ビット操作を適用するように構成されてもよい。各々の単一量子ビット操作または2-量子ビット操作は、少なくとも約10ナノ秒(ns)、20ns、30ns、40ns、50ns、60ns、70ns、80ns、90ns、100ns、200ns、300ns、400ns、500ns、600ns、700ns、800ns、900ns、1マイクロ秒(μs)、2μs、3μs、4μs、5μs、6μs、7μs、8μs、9μs、10μs、20μs、30μs、40μs、50μs、60μs、70μs、80μs、90μs、100μs、またはそれ以上の持続時間を含んでもよい。各々の単一量子ビット操作または2-量子ビット操作は、最大で約100μs、90μs、80μs、70μs、60μs、50μs、40μs、30μs、20μs、10μs、9μs、8μs、7μs、6μs、5μs、4μs、3μs、2μs、1μs、900ns、800ns、700ns、600ns、500ns、400ns、300ns、200ns、100ns、90ns、80ns、70ns、60ns、50ns、40ns、30ns、20ns、10ns、または以下の持続時間を含んでもよい。各々の単一量子ビット操作または2-量子ビット操作は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある持続時間を含んでもよい。単一量子ビット操作または2-量子ビット操作は、少なくとも1キロヘルツ(kHz)、2kHz 3kHz、4kHz、5kHz、6kHz、7kHz、8kHz、9kHz、10kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、60kHz、70kHz、80kHz、90kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、600kHz、700kHz、800kHz、900kHz、1,000kHz、またはそれ以上の繰り返し周波数で適用されてもよい。単一量子ビット操作または2-量子ビット操作は、最大で約1,000kHz、900kHz、800kHz、700kHz、600kHz、500kHz、400kHz、300kHz、200kHz、100kHz、90kHz、80kHz 70kHz、60kHz、50kHz、40kHz、30kHz、20kHz、10kHz、9kHz、8kHz、7kHz、6kHz、5kHz、4kHz、3kHz、2kHz、1kHz、またはそれ以下の繰り返し周波数で適用されてもよい。単一量子ビット操作または2-量子ビット操作は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある繰り返し周波数で適用されてもよい。
【0115】
電磁送達ユニットは、本明細書に記載される第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間に1以上のラマン遷移を誘起することによって、1以上の単一量子ビット操作を適用するように構成されてもよい。ラマン遷移は、本明細書に記載される3P0または3P1ラインから、離調されてもよい。例えば、ラマン遷移は、少なくとも約1kHz、2kHz、3kHz、4kHz、5kHz、6kHz、7kHz、8kHz、9kHz、10kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、60kHz、70kHz、80kHz、90kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、600kHz、700kHz、800kHz、900kHz、1MHz、2MHz、3MHz、4MHz、5MHz、6MHz、7MHz、8MHz、9MHz、10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz、200MHz、300MHz、400MHz、500MHz、600MHz、700MHz、800MHz、900MHz、1GHz、またはそれ以上、離調されてもよい。ラマン遷移は、最大で約1GHz、900MHz、800MHz、700MHz、600MHz、500MHz、400MHz、300MHz、200MHz、100MHz、90MHz、80MHz、70MHz、60MHz、50MHz、40MHz、30MHz、20MHz、10MHz、9MHz、8MHz、7MHz、6MHz、5MHz、4MHz、3MHz、2MHz、1MHz、900kHz、800kHz、700kHz、600kHz、500kHz、400kHz、300kHz、200kHz、100kHz、90kHz、80kHz、70kHz、60kHz、50kHz、40kHz 30kHz 20kHz 10kHz 9kHz、8kHz、7kHz、6kHz、5kHz、4kHz、3kHz、2kHz、1kHz、またはそれ以下、離調されてもよい。ラマン遷移は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある値によって離調されてもよい。
【0116】
ラマン遷移は、1以上の空間光変調器(SLM)または音響光学デフレクタ(AOD)を使用して、個々に選択された原子上に誘起され、適用された無線周波数(RF)信号に基づいて、光ビームへの偏向角度および/または周波数シフトを付与してもよい。SLMあるいはAODは、顕微鏡対物レンズの後方焦点面上にSLMアクティブ領域またはAODアクティブ領域を結像する、光学調整システムと結合していてもよい。顕微鏡対物レンズは、SLMまたはAODの位置の光学場上で空間フーリエ変換を実行してもよい。そのようにして、(RF周波数に比例し得る)角度は位置に変換されてもよい。例えば、AODに無線周波数のコム(comb)を適用することは、対物レンズの焦点面のスポットの線形配列を生成してもよく、この時、各スポットは、(光学調整システムの点拡がり関数(point spread function)などの)光学調整システムの特性によって決定された有限範囲を有する。
【0117】
ラマン遷移を単一のSLMまたはAODで単一原子に実行するために、1対の周波数が、SLMまたはAODに同時に適用されてもよい。1対の周波数の2つの周波数は、第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間の分裂エネルギーと一致するか、あるいはほぼ一致する周波数差を有していてもよい。例えば、周波数差は、最大で約1MHz、900kHz、800kHz、700kHz、600kHz、500kHz、400kHz、300kHz、200kHz、100kHz、90kHz、80kHz、70kHz、60kHz、50kHz、40kHz、30kHz、20kHz、10kHz、9kHz、8kHz、7kHz、6kHz、5kHz、4kHz、3kHz、2kHz、1kHz、900Hz、800Hz、700Hz、600Hz、500Hz、400Hz、300Hz、200Hz、100Hz、90Hz、80Hz、70Hz、60Hz、50Hz、40Hz、30Hz、20Hz、10Hz、9Hz、8Hz、7Hz、6Hz、5Hz、4Hz、3Hz、2Hz、1Hz、またはそれ以下、分裂エネルギーと異なってもよい。例えば、周波数差は、最大約1Hz、2Hz、3Hz、4Hz、5Hz、6Hz、7Hz、8Hz、9Hz、10Hz、20Hz、30Hz、40Hz、50Hz、60Hz、70Hz、80Hz、90Hz、100Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、900Hz、1kHz、2kHz、3kHz、4kHz、5kHz、6kHz、7kHz、8kHz、9kHz、10kHz、20kHz、30kHz、40kHz、50kHz、60kHz、70kHz、80kHz、90kHz、100kHz、200kHz、300kHz、400kHz、500kHz、600kHz、700kHz、800kHz、900kHz、1MHz、またはそれ以上、分裂エネルギーと異なってもよい。周波数差は、約0Hz、分裂エネルギーと異なっていてもよい。周波数差は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある値、分裂エネルギーと異なっていてもよい。光学システムは、周波数差に対応する位置間隔が解消されないように、および、光が2つの周波数の両方で単一原子と相互作用するように、構成されてもよい。
【0118】
統合光学トラップユニットおよび電磁送達ユニット
本明細書に記載される光学トラップユニットと電磁送達ユニットは、単一の光学システムに統合されてもよい。顕微鏡対物レンズは、本明細書に記載される電磁送達ユニットによって生成された電磁放射を送達するために、かつ、本明細書に記載される光学トラップユニットによって生成された原子をトラップするための光を送達するために、使用されてもよい。代替的にまたは組み合わせにおいて、異なる対物レンズは、電磁送達ユニットによって生成された電磁放射を伝えて、かつ光学トラップユニットによって生成された原子のトラップから光を伝えるために用いられてもよい。
【0119】
単一のSLMまたはAODは、原子の線形配列上の、(本明細書に記載される、任意の単一量子ビット操作または2-量子ビット操作などの)量子ビット操作の実施を可能にしてもよい。代替的にまたは組み合わせにおいて、2つの別々のSLMまたはAODは、それぞれが直交偏光を有する光を処理するように構成されてもよい。直交偏光を有する光は、顕微鏡対物レンズの前で重なっていてもよい。そのようなスキームでは、本明細書に記載される二光子遷移内で使用される各光子は、別々のSLMまたはAODによって対物レンズに通されてもよく、これにより、偏光制御を高めることができるかもしれない。量子ビット操作は、光を第1のSLMまたはAODから、第1のSLMまたはAODに対して、光学リレーを介して実質的に垂直に配向付けられている第2のSLMまたはAODに届けることによって、原子の二次元配置上で実行されてもよい。代替的にまたは組み合わせにおいて、量子ビット操作は、SLMまたはAODの一次元配列を使用することによって、原子の二次元配置上で実行されてもよい。
【0120】
量子ビットゲート忠実度の安定性は、(本明細書に記載される光学トラップユニットまたは電磁送達ユニットに関連した光源などの)本明細書に記載される様々な光源からの光の重なりを維持することによって改善されてもよい。そのような重なりは、様々な光源によって放射される光の方向を測定する光学サブシステムによって維持されてもよく、光放射の方向のクローズドループ制御を可能にする。光学サブシステムは、顕微鏡対物レンズの前に位置するピックオフミラー(pickoff mirror)を含んでもよい。ピックオフミラーは、少量の光をレンズに配向するように構成されてもよく、そのレンズがコリメートされたビームを収束し、かつ角度偏差を位置偏差に変換してもよい。側方効果ポジションセンサー(lateral-effect position sensor)または4分割フォトダイオード(quadrant photodiode)などの位置感知光学検出器は、位置偏差を電子信号に変換してもよく、偏差に関する情報は、アクティブミラー(active mirror)などの補正光学機器に供給されてもよい。
【0121】
量子ビットゲート操作の安定性は、(本明細書に記載される光学トラップユニットまたは電磁送達ユニットに関連した光源などの)本明細書に記載される様々な光源からの光の強度を制御することによって改善されてもよい。そのような強度制御は、様々な光源によって放射される光の強度を測定する光学サブシステムによって維持されてもよく、強度のクローズドループ制御を可能にする。各光源は、強度サーボ制御などの、強度アクチュエータに連結されてもよい。アクチュエータは、音響光学変調器(AOM)または電気光学変調器(EOM)を含んでもよい。強度は、本明細書に記載されるフォトダイオードまたは任意の他の光学検出器などの、光学検出器を使用して測定されてもよい。強度に関する情報は、強度を安定させるためにフィードバックループに統合されてもよい。
【0122】
状態調製ユニット
図5は、状態調製ユニット(250)の例を示す。状態調製ユニットは、本明細書に記載されるように、複数の原子の状態を調製するように構成されてもよい。状態調製ユニットは、光学トラップユニットに連結されてもよく、そして、状態調製ユニットによって調製された原子を、光学トラップユニットに配向してもよい。状態調製ユニットは、複数の原子を冷却するように構成されてもよい。状態調製ユニットは、複数の光学トラップサイトで複数の原子をトラップする前に、複数の原子を冷却するように構成されてもよい。
【0123】
状態調製ユニットは、1以上のゼーマン減速器を含んでもよい。例えば、状態調製ユニットは、ゼーマン減速器(251)を含んでもよい。
図5では単一のゼーマン減速器を含むように描写されているが、状態調製ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のゼーマン減速器、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のゼーマン減速器などの、任意の数のゼーマン減速器を含んでもよい。ゼーマン減速器は、複数の原子の1以上の原子を、第1の速度または速度の分布(例えば、原子源からの放出速度、室温、液体窒素温度、または任意の他の温度など)から、第1の速度または速度の分布より低い第2の速度に低下させるように構成されてもよい。
【0124】
第1の速度または速度の分布は、少なくとも約50ケルビン(K)、60K、70K、80K、90K、100K、200K、300K、400K、500K、600K、700K、800K、900K、1,000K、またはそれ以上の温度と関係していてもよい。第1の速度または速度の分布は、最大で約1,000K、900K、800K、700K、600K、500K、400K、300K、200K、100K、90K、80K、70K、60K、50K、またはそれ以下の温度と関係していてもよい。第1の速度または速度の分布は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある温度と関係していてもよい。第2の速度は、毎秒少なくとも約1メートル(m/s)、2m/s、3m/s、4m/s、5m/s、6m/s、7m/s、8m/s、9m/s、10m/s、またはそれ以上であってもよい。第2の速度は、最大で約10m/s、9m/s、8m/s、7m/s、6m/s、5m/s、4m/s、3m/s、2m/s、1m/s、またはそれ以下であってもよい。第2の速度は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあってもよい。ゼーマン減速器は、1Dゼーマン減速器を含んでもよい。
【0125】
状態調製ユニットは、第1の磁気光学トラップ(MOT)(252)を含んでもよい。第1のMOTは、原子を第1の温度に冷却するように構成されてもよい。第1の温度は、最大で約10ミリケルビン(mK)、9mK、8mK、7mK、6mK、5mK、4mK、3mK、2mK、1mK、0.9mK、0.8mK、0.7mK、0.6mK、0.5mK、0.4mK、0.3mK、0.2mK、0.1mK、またはそれ以下であってもよい。第1の温度は、少なくとも約0.1mK、0.2mK、0.3mK、0.4mK、0.5mK、0.6mK、0.7mK、0.8mK、0.9mK、1mK、2mK、3mK、4mK、5mK、6mK、7mK、8mK、9mK、10mK、またはそれ以上であってもよい。第1の温度は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあってもよい。第1のMOTは、1D MOT、2D MOT、または3D MOTを含んでもよい。
【0126】
第1のMOTは、光を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。光は、少なくとも約400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、860nm、870nm、880nm、890nm、900nm、910nm、920nm、930nm、940nm、950nm、960nm、970nm、980nm、990nm、1,000nm、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。光は、最大で約1,000nm、990nm、980nm、970nm、960nm、950nm、940nm、930nm、920nm、910nm、900nm、890nm、880nm、870nm、860nm、850nm、840nm、830nm、820nm、810nm、800nm、790nm、780nm、770nm、760nm、750nm、740nm、730nm、720nm、710nm、700nm、690nm、680nm、670nm、660nm、650nm、640nm、630nm、620nm、610nm、600nm、590nm、580nm、570nm、560nm、550nm、540nm、530nm、520nm、510nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。光は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。例えば、光は、400nm~1,000nm、500nm~1,000nm、600nm~1,000nm、650nm~1,000nm、400nm~900nm、400nm~800nm、400nm~700nm、400nm~600nm、400nm~500nm、500nm~700nm、または650nm~700nmの範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。
【0127】
状態調製ユニットは、第2のMOT(253)を含んでもよい。第2のMOTは、原子を、第1の温度から、第1の温度より低い第2の温度に冷却するように構成されてもよい。第2の温度は、最大で約100マイクロケルビン(μK)、90μK、80μK、70μK、60μK、50μK、40μK、30μK、20μK、10μK、9μK、8μK、7μK、6μK、5μK、4μK、3μK、2μK、1μK、900ナノケルビン(nK)、800nK、700nK、600nK、500nK、400nK、300nK、200nK、100nK、またはそれ以下であってもよい。第2の温度は、少なくとも約100nK、200nK、300nK、400nK、500nK、600nK、700nK、800nK、900nK、1μK、2μK、3μK、4μK、5μK、6μK、7μK、8μK、9μK、10μK、20μK、30μK、40μK、50μK、60μK、70μK、80μK、90μK、100μK、またはそれ以上であってもよい。第2の温度は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあってもよい。第2のMOTは、1D MOT、2D MOT、または3D MOTを含んでもよい。
【0128】
第2のMOTは、光を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。光は、少なくとも約400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、860nm、870nm、880nm、890nm、900nm、910nm、920nm、930nm、940nm、950nm、960nm、970nm、980nm、990nm、1,000nm、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。光は、最大で約1,000nm、990nm、980nm、970nm、960nm、950nm、940nm、930nm、920nm、910nm、900nm、890nm、880nm、870nm、860nm、850nm、840nm、830nm、820nm、810nm、800nm、790nm、780nm、770nm、760nm、750nm、740nm、730nm、720nm、710nm、700nm、690nm、680nm、670nm、660nm、650nm、640nm、630nm、620nm、610nm、600nm、590nm、580nm、570nm、560nm、550nm、540nm、530nm、520nm、510nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。光は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。例えば、光は、400nm~1,000nm、500nm~1,000nm、600nm~1,000nm、650nm~1,000nm、400nm~900nm、400nm~800nm、400nm~700nm、400nm~600nm、400nm~500nm、500nm~700nm、または650nm~700nmの範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。
【0129】
図5では2つのMOTを含むように描写されているが、状態調製ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のMOT、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のMOTなどの、任意の数のMOTを含んでもよい。
【0130】
状態調製ユニットは、(例えば、各々があらゆる目的のためにその全体が本明細書に参照によって組み込まれている、「<https://arxiv.org/abs/1810.06626>」に記載されているサイドバンド冷却ユニット、または、「<https://arxiv.org/abs/1811.06014>」に記載されているシーシュポス冷却ユニットなどの)1以上のサイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニットを含んでもよい。例えば、状態調製ユニットは、サイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニット(254)を含んでもよい。
図5では単一のサイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニットを含むように描写されているが、状態調製ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のサイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のサイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニットなどの、任意の数のサイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニットを含んでもよい。サイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニットは、原子を第2の温度から、第2の温度より低い第3の温度に冷却するために、サイドバンド冷却を使用するように構成されてもよい。第3の温度は、最大で約10μK、9μK、8μK、7μK、6μK、5μK、4μK、3μK、2μK、1μK、900nK、800nK、700nK、600nK、500nK、400nK、300nK、200nK、100nK、90nK、80nK、70nK、60nK、50nK、40nK、30nK、20nK、10nK、またはそれ以下であってもよい。第3の温度は、最大で10nK、20nK、30nK、40nK、50nK、60nK、70nK、80nK、90nK、100nK、200nK、300nK、400nK、500nK、600nK、700nK、800nK、900nK、1μK、2μK、3μK、4μK、5μK、6μK、7μK、8μK、9μK、10μK、またはそれ以上であってもよい。第3の温度は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にあってもよい。
【0131】
サイドバンド冷却ユニットまたはシーシュポス冷却ユニットは、光を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。光は、少なくとも約400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、860nm、870nm、880nm、890nm、900nm、910nm、920nm、930nm、940nm、950nm、960nm、970nm、980nm、990nm、1,000nm、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。光は、最大で約1,000nm、990nm、980nm、970nm、960nm、950nm、940nm、930nm、920nm、910nm、900nm、890nm、880nm、870nm、860nm、850nm、840nm、830nm、820nm、810nm、800nm、790nm、780nm、770nm、760nm、750nm、740nm、730nm、720nm、710nm、700nm、690nm、680nm、670nm、660nm、650nm、640nm、630nm、620nm、610nm、600nm、590nm、580nm、570nm、560nm、550nm、540nm、530nm、520nm、510nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。光は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。例えば、光は、400nm~1,000nm、500nm~1,000nm、600nm~1,000nm、650nm~1,000nm、400nm~900nm、400nm~800nm、400nm~700nm、400nm~600nm、400nm~500nm、500nm~700nm、または650nm~700nmの範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。
【0132】
状態調製ユニットは、1以上の光学ポンピングユニットを含んでもよい。例えば、状態調製ユニットは、光学ポンピングユニット(255)を含んでもよい。
図5では単一の光学ポンピングユニットを含むように描写されているが、状態調製ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上の光学ポンピングユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1の光学ポンピングユニットなどの、任意の数の光学ポンピングユニットを含んでもよい。光学ポンピングユニットは、光を放出して、原子を原子状態の平衡分布から非平衡原子状態に、光学的にポンピングするように構成されてもよい。例えば、光学ポンピングユニットは、光を放出して、原子を原子状態の平衡分布から単一の純原子状態に、光学的にポンピングするように構成されてもよい。光学ポンピングユニットは、光を放出して、原子を基底原子状態、または任意の他の原子状態に、光学的にポンピングするように構成されてもよい。光学ポンピングユニットは、原子を任意の2つの原子状態間で光学的にポンピングするように構成されてもよい。光学ポンピングユニットは、光を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。光は、少なくとも約400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、860nm、870nm、880nm、890nm、900nm、910nm、920nm、930nm、940nm、950nm、960nm、970nm、980nm、990nm、1,000nm、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。光は、最大で約1,000nm、990nm、980nm、970nm、960nm、950nm、940nm、930nm、920nm、910nm、900nm、890nm、880nm、870nm、860nm、850nm、840nm、830nm、820nm、810nm、800nm、790nm、780nm、770nm、760nm、750nm、740nm、730nm、720nm、710nm、700nm、690nm、680nm、670nm、660nm、650nm、640nm、630nm、620nm、610nm、600nm、590nm、580nm、570nm、560nm、550nm、540nm、530nm、520nm、510nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。光は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。例えば、光は、400nm~1,000nm、500nm~1,000nm、600nm~1,000nm、650nm~1,000nm、400nm~900nm、400nm~800nm、400nm~700nm、400nm~600nm、400nm~500nm、500nm~700nm、または650nm~700nmの範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。
【0133】
状態調製ユニットは、1以上のコヒーレント駆動ユニットを含んでもよい。例えば、状態調製ユニットは、コヒーレント駆動ユニット(256)を含んでもよい。
図5では単一のコヒーレント駆動ユニットを含むように描写されているが、状態調製ユニットは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれ以上のコヒーレント駆動ユニット、あるいは最大で約10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1のコヒーレント駆動ユニットなどの、任意の数のコヒーレント駆動ユニットを含んでもよい。コヒーレント駆動ユニットは、原子を非平衡状態から、本明細書に記載される第1の原子状態または第2の原子状態に、コヒーレントに駆動するように構成されてもよい。したがって、原子は、(例えば、特定の波長を放出する光源の利用可能性に基づいて、または他の要因に基づいて)アクセスするのに便利な原子状態に光学的にポンピングさた後に、量子計算を実行するのに有用な、本明細書に記載される原子状態にコヒーレントに駆動されてもよい。コヒーレント駆動ユニットは、非平衡状態と、第1の原子状態または第2の原子状態との間で、一光子遷移を誘起するように構成されてもよい。コヒーレント駆動ユニットは、非平衡状態と、第1の原子状態または第2の原子状態との間で、二光子遷移を誘起するように構成されてもよい。二光子遷移は、(本明細書に記載される2つのレーザーなどの)本明細書に記載される2つの光源からの光を使用して、誘起されてもよい。
【0134】
コヒーレント駆動ユニットは、光を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。光は、少なくとも約400nm、410nm、420nm、430nm、440nm、450nm、460nm、470nm、480nm、490nm、500nm、510nm、520nm、530nm、540nm、550nm、560nm、570nm、580nm、590nm、600nm、610nm、620nm、630nm、640nm、650nm、660nm、670nm、680nm、690nm、700nm、710nm、720nm、730nm、740nm、750nm、760nm、770nm、780nm、790nm、800nm、810nm、820nm、830nm、840nm、850nm、860nm、870nm、880nm、890nm、900nm、910nm、920nm、930nm、940nm、950nm、960nm、970nm、980nm、990nm、1,000nm、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。光は、最大で約1,000nm、990nm、980nm、970nm、960nm、950nm、940nm、930nm、920nm、910nm、900nm、890nm、880nm、870nm、860nm、850nm、840nm、830nm、820nm、810nm、800nm、790nm、780nm、770nm、760nm、750nm、740nm、730nm、720nm、710nm、700nm、690nm、680nm、670nm、660nm、650nm、640nm、630nm、620nm、610nm、600nm、590nm、580nm、570nm、560nm、550nm、540nm、530nm、520nm、510nm、500nm、490nm、480nm、470nm、460nm、450nm、440nm、430nm、420nm、410nm、400nm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。光は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。例えば、光は、400nm~1,000nm、500nm~1,000nm、600nm~1,000nm、650nm~1,000nm、400nm~900nm、400nm~800nm、400nm~700nm、400nm~600nm、400nm~500nm、500nm~700nm、または650nm~700nmの範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。
【0135】
コヒーレント駆動ユニットは、非平衡状態と、第1の原子状態または第2の原子状態との間で、RF遷移を誘起するように構成されてもよい。コヒーレント駆動ユニットは、RF遷移を誘起するように構成された、電磁放射を放射するように構成された、1以上の電磁放射源を含んでもよい。コヒーレント駆動ユニットは、RF放射を放射するように構成された、(本明細書に記載される任意のRFソースなどの)1以上のRFソースを含んでもよい。RF放射は、少なくとも約10センチメートル(cm)、20cm、30cm、40cm、50cm、60cm、70cm、80cm、90cm、1メートル(m)、2m、3m、4m、5m、6m、7m、8m、9m、10m、またはそれ以上の1以上の波長を含んでもよい。RF放射は、最大で約10m、9m、8m、7m、6m、5m、4m、3m、2m、1m、90cm、80cm、70cm、60cm、50cm、40cm、30cm、20cm、10cm、またはそれ以下の1以上の波長を含んでもよい。RF放射は、前述の値のうちの任意の2つによって定義された範囲内にある1以上の波長を含んでもよい。代替的にまたは組み合わせにおいて、コヒーレント駆動ユニットは、RF遷移に対応する二光子遷移を誘起するように構成された、(本明細書に記載される任意の光源などの)1以上の光源を含んでもよい。
【0136】
コントローラ
光学トラップユニット、電磁送達ユニット、もつれユニット、読み出し光学ユニット、真空ユニット、撮像ユニット、空間形状AIユニット、空間配置AIユニット、原子再配置ユニット、状態調製ユニット、サイドバンド冷却ユニット、光学ポンピングユニット、コヒーレント駆動ユニット、電磁エネルギーAIユニット、原子リザーバー、原子運動ユニット、またはリュードベリ励起ユニットは、1以上の光学トラップユニット、電磁送達ユニット、もつれユニット、読み出し光学ユニット、真空ユニット、撮像ユニット、空間形状AIユニット、空間配置AIユニット、原子再配置ユニット、状態調製ユニット、サイドバンド冷却ユニット、光学ポンピングユニット、コヒーレント駆動ユニット、電磁エネルギーAIユニット、原子リザーバー、原子運動ユニット、またはリュードベリ励起ユニットに(例えば1以上の電子接続によって)接続される、(1以上の電子回路またはコントローラなどの)1以上の回路またはコントローラを含んでもよい。該回路またはコントローラは、1以上の光学トラップユニット、電磁送達ユニット、もつれユニット、読み出し光学ユニット、真空ユニット、撮像ユニット、空間形状AIユニット、空間配置AIユニット、原子再配置ユニット、状態調製ユニット、サイドバンド冷却ユニット、光学ポンピングユニット、コヒーレント駆動ユニット、電磁エネルギーAIユニット、原子リザーバー、原子運動ユニット、またはリュードベリ励起ユニットを制御するように構成されてもよい。
【0137】
非古典的コンピュータ
一態様では、本開示は、非古典的コンピュータを提供し、該コンピュータは、60を上回る原子を含む複数の量子ビットであって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、複数の量子ビットと、複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加えるように構成された、1以上の電磁送達ユニットであって、これによって、1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、1以上の電磁送達ユニットと、重ね合わせ状態の複数の量子ビットの少なくともサブセットを、複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせるように構成された、1以上のもつれユニットと、1以上の量子ビットの1以上の測定を実行するように構成された、1以上の読み出し光学ユニットであって、これによって、非古典的計算を得る、1以上の読み出し光学ユニットと、を含む。
【0138】
一態様では、本開示は、非古典的コンピュータを提供し、該コンピュータは、各々の原子が、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされた、60を上回る原子を含む複数の量子ビットを含む。
【0139】
非古典的計算を実行するための方法
一態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程であって、複数の光学トラップサイトは、複数の原子をトラップするように構成され、複数の原子は、60を上回る原子を含む、工程と、(b)複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起する、工程と、(c)1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程と、(d)非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の光学測定を実行する工程と、を含む。
【0140】
図6は、非古典的計算を実行するための第1の方法(600)の例に関するフローチャートを示す。
【0141】
第1の操作(610)で、方法(600)は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトを生成する工程を含んでもよい。複数の光学トラップユニットは、複数の原子をトラップするように構成されてもよい。複数の原子は、60を上回る原子を含んでもよい。光学トラップサイトは、本明細書に記載される任意の光学トラップサイトも含んでもよい。原子は、本明細書に記載される任意の原子を含んでもよい。
【0142】
第2の操作(620)では、方法(600)は、複数の原子の1以上の原子に電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の原子に、第1の原子状態および第1の原子状態とは異なる少なくとも第2の原子状態の、1以上の重ね合わせ状態を採用するように誘起する、工程、を含んでもよい。電磁エネルギーは、本明細書に記載される任意の電磁エネルギーを含んでもよい。第1の原子状態は、本明細書に記載される任意の第1の原子状態を含んでもよい。第2の原子状態は、本明細書に記載される任意の第2の原子状態を含んでもよい。
【0143】
第2の操作(630)で、方法(600)は、1以上の重ね合わせ状態の1以上の原子の少なくともサブセットを、複数の原子の少なくとも別の原子と、量子学的にもつれさせる工程を含んでもよい。原子は、(例えば、
図2に関して本明細書に記載されるような)本明細書に記載される任意の方法で、量子学的にもつれていてもよい。
【0144】
第4の操作(640)では、方法(600)は、非古典的計算を得るために、1以上の重ね合わせ状態の1以上の光学的測定を実行する工程を含んでもよい。該光学的測定は、本明細書に記載される任意の光学的測定を含んでもよい。
【0145】
一態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程であって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、工程と、(b)複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、工程と、(c)重ね合わせ状態の複数の量子ビットの少なくともサブセットを、複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせる工程と、(d)1以上の量子ビットの1以上の光学測定を実行する工程であって、これによって、非古典的計算を得る、工程と、を含む。
【0146】
図7は、非古典的計算を実行するための第2の方法(700)の例に関するフローチャートを示す。
【0147】
第1の操作(710)では、方法(700)は、60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程であって、各々の原子は、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされ、ここで、複数の量子ビットは、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態を含み、ここで、第1の量子ビット状態が第1の原子状態を含み、そして第2の量子ビット状態が第2の原子状態を含む、工程、を含んでもよい。光学トラップサイトは、本明細書に記載される任意の光学トラップサイトを含んでもよい。量子ビットは、本明細書に記載される任意の量子ビットを含んでもよい。原子は、本明細書に記載される任意の原子を含んでもよい。第1の量子ビット状態は、本明細書に記載される任意の第1の量子ビット状態を含んでもよい。第2の量子ビット状態は、本明細書に記載される任意の第2の量子ビット状態を含んでもよい。第1の原子状態は、本明細書に記載される任意の第1の原子状態を含んでもよい。第2の原子状態は、本明細書に記載される任意の第2の原子状態を含んでもよい。
【0148】
第2の操作(720)では、方法(700)は、複数の量子ビットの1以上の量子ビットに電磁エネルギーを加える工程であって、これによって、1以上の量子ビットに非古典的操作を付与し、該非古典的操作が、少なくとも第1の量子ビット状態と第2の量子ビット状態との間で、重ね合わせを含む、工程、を含んでもよい。電磁エネルギーは、本明細書に記載される任意の電磁エネルギーを含んでもよい。
【0149】
第3の操作(730)では、方法(700)は、重ね合わせ状態の複数の量子ビットの少なくともサブセットを、複数の量子ビットの少なくとも別の量子ビットと、量子学的にもつれさせる工程を含んでもよい。量子ビットは、(例えば、
図2に関して本明細書に記載されるような)本明細書に記載される任意の方法で、量子学的にもつれていてもよい。
【0150】
第4の操作(740)では、方法(700)は、1以上の量子ビットの1以上の光学的測定を実行する工程であって、これによって、非古典的計算を得る、工程、を含んでもよい。該光学的測定は、本明細書に記載される任意の光学的測定を含んでもよい。
【0151】
一態様では、本開示は、非古典的計算を実行するための方法を提供し、該方法は、(a)各々の原子が、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされた、60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程と、(b)非古典的計算を実行するために、複数の量子ビットの少なくともサブセットを使用する工程と、を含む。
【0152】
図8は、非古典的計算を実行するための第3の方法(800)の例に関するフローチャートを示す。
【0153】
第1の操作(810)では、方法(800)は、各々の原子が、複数の空間的に個別の光学トラップサイトの、ある光学トラップサイト内でトラップされた、60を上回る原子を含む複数の量子ビットを提供する工程、を含んでもよい。量子ビットは、本明細書に記載される任意の量子ビットを含んでもよい。原子は、本明細書に記載される任意の原子を含んでもよい。光学トラップサイトは、本明細書に記載される任意の光学トラップサイトを含んでもよい。
【0154】
第2の操作(820)では、方法(800)は、非古典的計算を実行するために、複数の量子ビットの少なくともサブセットを使用する工程、を含む。
【0155】
コンピュータシステム
図1は、(本明細書に記載される、非古典的計算を実行するためのシステムまたは方法などの)本明細書に記載される任意の方法またはシステムを操作するようにプログラムされるか、そうでなければ構成される、コンピュータシステム(101)を示す。コンピュータシステム(101)は、本開示の様々な態様を調節することができる。コンピュータシステム(101)は、ユーザーの電子デバイス、または電子デバイスに対して遠隔に位置するコンピュータシステムであり得る。電子デバイスはモバイル電子デバイスでもよい。
【0156】
コンピュータシステム(101)は、中央処理装置(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」とも称される)(105)を含み、これは、シングルコア又はマルチコアのプロセッサ、あるいは並行処理のための複数のプロセッサであり得る。コンピュータシステム(101)は、メモリまたは記憶場所(110)(例えば、ランダムアクセスメモリ、読み取り専用メモリ、フラッシュメモリ)、電子記憶装置(115)(例えば、ハードディスク)、1以上の他のシステムと通信するための通信インターフェース(120)(例えば、ネットワークアダプタ)、および周辺機器(125)、例えば、キャッシュ、他のメモリ、データ記憶装置、および/または電子ディスプレイアダプタも含む。メモリ(110)、記憶装置(115)、インターフェース(120)、および周辺機器(125)は、マザーボードなどの通信バス(実線)を通じて、CPU(105)と通信する。記憶装置(115)は、データを保存するためのデータ記憶装置(またはデータレポジトリ)であり得る。コンピュータシステム(101)は、通信インターフェース(120)の助けによってコンピュータネットワーク(「ネットワーク」)(130)に操作可能に連結され得る。ネットワーク(130)は、インターネットおよび/またはエクストラネット、インターネットと通信状態にあるイントラネットおよび/またはエクストラネットであり得る。場合によってはネットワーク(130)は、電気通信および/またはデータのネットワークである。ネットワーク(130)は、1以上のコンピュータサーバーを含むことができ、これはクラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にし得る。ネットワーク(130)は、場合によってはコンピュータシステム(101)の助けにより、ピアツーピア・ネットワークを実装することができ、これは、コンピュータシステム(101)に連結されたデバイスが、クライアントまたはサーバーとして動くことを可能にし得る。
【0157】
CPU(105)は、プログラム又はソフトウェアに統合され得る一連の機械可読命令を実行することができる。この命令は、メモリ(110)などのメモリ位置に保存され得る。この命令は、CPU(105)に向けることができ、これは後に、本開示の方法を実施するようにCPU(105)をプログラムする、または構成することができる。CPU(105)によって実行される操作の例は、フェッチ、デコード、実行、およびライトバックを含み得る。
【0158】
CPU(105)は、集積回路などの回路の一部であり得る。システム(101)の1以上の他のコンポーネントを回路に含めることができる。場合によっては、回路は特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0159】
記憶装置(115)は、ドライバ、ライブラリ、及びセーブされたプログラムなどのファイルを記憶することができる。記憶装置(115)は、ユーザーデータ、例えばユーザーの嗜好性およびユーザーのプログラムを保存することができる。コンピュータシステム(101)は、場合によっては、イントラネットまたはインターネットを通じてコンピュータシステム(101)と通信状態にあるリモートサーバー上に位置付けられるなどした、コンピュータシステム(101)の外側にある1以上の追加のデータ記憶装置を含み得る。
【0160】
コンピュータシステム(101)は、ネットワーク(130)を通じて1以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム(101)は、ユーザーのリモートコンピュータシステムと通信することができる。リモートコンピュータシステムの例は、パーソナルコンピュータ(例えば、持ち運び可能なPC)、スレートまたはタブレットPC(例えば、Apple(登録商標)iPad(登録商標)、Samsung(登録商標)Galaxy Tab)、電話、スマートフォン(例えば、Apple(登録商標)iPhone(登録商標)、Android-enabledデバイス、Blackberry(登録商標))、または個人向けの情報端末を含む。ユーザーは、ネットワーク(130)を介してコンピュータシステム(101)にアクセスすることができる。
【0161】
本明細書に記載されるような方法は、例えばメモリ(110)又は電子記憶装置(115)の上など、コンピュータシステム(101)の電子記憶装置の位置に記憶された機械(例えばコンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コードまたは機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供することができる。使用中、コードはプロセッサ(105)によって実行され得る。場合によっては、コードは、記憶装置(115)から検索され、かつプロセッサ(105)による即時のアクセスのためにメモリ(110)に保存することができる。いくつかの状況では、電子記憶装置(115)は除外することができ、機械実行可能命令がメモリ(110)に保存される。
【0162】
コードは、コードを実行するのに適したプロセッサを有する機械との使用のために予めコンパイルされ、かつ構成されることが可能であり、あるいは、実行時間中にコンパイルされることが可能である。コードは、あらかじめコンパイルされたまたはアズコンパイルされた(as-compiled)様式でコードが実行を可能にするために選択され得るプログラミング言語で供給され得る。
【0163】
コンピュータシステム(101)などの、本明細書で提供されるシステムと方法の態様は、プログラミングの際に統合され得る。この技術の様々な態様は、典型的に一種の機械可読媒体上で運ばれるまたはそれに埋め込まれる機械(またはプロセッサ)実行可能コードおよび/または関連データの形で、「製品」または「製造用品」として考慮され得る。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)またはハードディスクなどの電子記憶装置に記憶することができる。「記憶」型の媒体は、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの、コンピュータやプロセッサの有形メモリ、あるいはその関連するモジュールのいずれかまたは全てを含むことができ、これらは、ソフトウェアのプログラミングのためにいかなる時も非一時的な記憶を提供し得る。ソフトウェアの全てまたは一部は、インターネットまたは様々な他の電気通信ネットワークを通じて時々通信される。そのような通信は、例えば、1つのコンピュータまたはプロセッサから別のものへの、例えば、管理サーバーまたはホストコンピュータからアプリケーションサーバーのコンピュータプラットフォームへの、ソフトウェアのローディングを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を持ち得る別のタイプの媒体は、有線および光地上通信線ネットワークを通じた、および様々なエアリンク(air-links)上での、ローカルデバイス間の物理インターフェースにわたって使用されるものなどの、光波、電波、および電磁波を含む。有線または無線リンク、光リンクなどの、そのような波を運ぶ物理要素はまた、ソフトウェアを持つ媒体として考慮され得る。本明細書で使用されるように、非一時的で有形の「記憶」媒体に制限されない限り、コンピュータまたは機械「可読媒体」などの用語は、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与する任意の媒体を指す。
【0164】
従って、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形記憶媒体、搬送波媒体、または物理送信媒体を含むがこれらに限定されない、多くの形態をとってもよい。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得るものなど、コンピュータなどにおける記憶デバイスのいずれかといった、光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどのダイナミックメモリを含む。有形送信媒体は、コンピュータシステム内のバスを含むワイヤを含む、銅線および光ファイバーの同軸ケーブルを含む。搬送波送信媒体は、無線周波数(RF)および赤外線(IR)データ通信中に生成されたものなどの、電気信号または電磁気信号、あるいは音波または光波の形態をとり得る。それゆえ、コンピュータ可読媒体の共通の形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、またはDVD-ROM、他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROM、およびEPROM、FLASH-EPROM、他のメモリチップまたはカートリッジ、データまたは命令を運ぶ搬送波、そのような搬送波を伝達するケーブルまたはリンク、あるいはコンピュータがプログラミングのコードおよび/またはデータを読み取り得る他の媒体を含む。コンピュータ可読媒体のこれらの形態の多くは、実行のためにプロセッサに1以上の命令の1以上のシーケンスを運ぶことに関与し得る。
【0165】
コンピュータシステム(101)は、ユーザーインターフェース(UI)(140)を含む電子ディスプレイ(135)を含むか、またはそれと通信し得る。UIの例は、限定されないが、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)およびウェブベースのユーザーインターフェースを含む。
【0166】
本開示の方法とシステムは、1以上のアルゴリズムによって実施することができる。アルゴリズムは、中央処理装置(105)による実行時にソフトウェアによって実施され得る。アルゴリズムは、例えば、本明細書に記載される非古典的計算を実行するための方法を実施することができる。
【実施例】
【0167】
次の実施例では、ストロンチウム-87(I=9/2)の10の核スピン準位をモデル化し、2準位システム(つまり量子ビット)を実証した。量子ビット遷移のスペクトル分離を達成するために、望ましくない遷移を量子ビット周波数からシフトさせる、シュタルクシフトスキーム(Stark-shift scheme)を利用した。分離スキームは、達成可能なラビ周波数について効果的な分離を改善する可能性があり、シフトまたは残留散乱を介した実際の量子ビット状態への影響を低減したり、完全な偏光制御を必要としなかったり、合理的な量の光パワーでアクセスできたりする。1S0-3P1の共鳴の特性を特徴づけた。
【0168】
図10Aでは、トイモデル(toy model)を利用して、3つの関連する核スピン状態のシフトを実証した。量子ビット部分空間を作り出すmF=9/2準位とmF=7/2準位、および漏れmF=5/2準位。ここで、700ガウスの磁場の一連の原子に向けられた、単一で、円偏光の、広範囲におよぶacシュタルクビームの挙動を、シミュレーションした。加えて、意図された円偏光で、100:1の偏光純度が想定された。
1S
0-
3P
1共鳴からのACシュタルクビームについての各離調において、各々の核スピン準位で、シフトが発生した。さらなる明確化のために、量子ビット周波数(mF=9/2とmF=7/2のドレスエネルギーとの間の差)、および、漏れ遷移周波数(mF=7/2とmF=5/2のドレス状態との間の差)をプロットした。
【0169】
図10Bは、シュタルクシフトが量子ビット周波数に最小限の影響を与えながら、漏れ遷移を大幅に移動させたことを、示す。このことは、高磁場における準位分裂に対する、
3P
1共鳴の狭い線幅によって可能になるかもしれない。周波数は符号付きの量としてプロットされているが、量子化軸と光の送達に関連する微妙な点により、この周波数の絶対値は適切なものとなり、そのため、シュタルクシフトが、漏れ状態を量子ビット周波数のごく近傍に移動させるという特徴が現れる。各離調において、周波数の混雑を想定して達成可能な最大使用可能ラビ周波数を定義することができる。この二光子ラビ周波数でパイパルス時間(pi-pulse time)を推測することができ、そしてACシュタルクビームのオフレゾナント(off-resonant)な相互作用によって発生する、散乱イベントの数を見ることができる(
図10A)。
【0170】
ここでは、ラマン散乱とレイリー散乱とを区別しておらず、そのため、ゲートごとのACシュタルク誘起の散乱エラーのワーストケースシナリオ(worst-case scenario)であると想定される。単一量子ビットゲートを実行するために、光をコヒーレントに制御し、
3P
1共鳴から離調された2つのビームを使用して、二光子遷移を作動させた。
3P
1マニホールド状態のいずれかからの残留散乱は、遷移の7kHzの線幅により、本質的に低いかもしれない。ACシュタルクシフトビームの効果を含め、
3P
1超微細磁気サブ準位の広がりを利用して、F=11/2マニホールドから離調されたACシュタルクビームと、F=7/2マニホールドから離調された多光子1Q光との間のエネルギースケールを分離することができる。2つの基底状態といくつかの励起状態を含む単純なトイモデルは、パワーのスケーリング(scaling of powers)、スポットサイズ(spot size)、および達成可能なラビ率(Rabi rate)についての洞察を得るのに十分であった。しかし、すべての磁気サブ準位を含む無数の準位(
1S
0(F=9/2)、
3P
1(F=7/2、9/2、11/2))が含まれるため、全ての関連準位を含むフルスケールでのシミュレーションを実行する必要があるかもしれない。完全な実行を検証するために、複数の光場を有するすべての40の準位を利用して数値モデルを構築し、望ましい偏光と望ましくない偏光の両方を表した。単純な方形パルスを利用して、他の核スピン状態への遷移が、ACシュタルクビームで抑えられることが、確認できる(
図11Aと
図11B)。
【0171】
図12Aと
図12Bは、正方形配列や任意配列などで、SLMによって生成されたトラップ光の配列を示す。空間光変調器(SLM)からの813nmの光(
1S
0→
3P
0遷移のマジック波長)を反射することによって、ホログラムを生成した。SLMのアクティブエリアは、一辺がおよそ9ミクロンの正方形ピクセルの1920x1152配列であった。各ピクセルは、入射光に位相シフトを付与する大量の液晶を含む。この位相シフトは、ピクセルに印加される電圧で制御することができ、そしてこの方法で、任意の、ピクセルで構成された位相マスクを生成し、SLMの表面に入射する構造化されていない光のいずれにも適用することができる。SLMは、大きなコリメートされたビームが入射し、かつ位相シフトされ、SLMから反射された光が後に顕微鏡対物レンズを通って配向されるように、位置付けられる。この構成は、SLMの平面をレンズの下(原子雲が形成される場所)の平面に、フーリエ共役(Fourier conjugacy)によって接続した。SLMの複素数値の面内電場は、顕微鏡の対物レンズの下、ガラスセルの体積物中の、平面における類似の電場のフーリエ変換である。原子は、電場の強度に比例するトラップ電位を経験し、したがって、横方向の閉じ込めを経験した。縦方向の閉じ込めは、焦点を通り抜ける構造化した光に由来し、その位置はまた、SLMによって部分的に決定される(したがって、制御可能である)。
【0172】
2000個のトラップ(trap)をそれぞれ500マイクロケルビンの深さで生成し、これは、結像やその他などのために、光子を散乱させることから付与される反跳エネルギーの1000倍をはるかに超えるものである。このことは、デバイスが、追加的冷却無しに、原子が加熱によって失われることなく数百回も測定できるというレジーム(regime)に十分にあるべきであることを意味する。振動基底状態に冷却されると、原子のポジションは20nm以内であることがわかっており、これにより、原子のポジションと、単一量子ビットおよび2-量子ビットのゲートを駆動するために使用されるレーザービームのサイズ、またはリュードベリ相互作用の長さスケールとの間に、スケールの大幅な分離を可能にする。ゲート操作を駆動するレーザービームは、約ミクロンの空間範囲を持ち、したがって、強度は準位10-5で変化し、したがって、0.9999の忠実度が容易に達成可能であることが期待される。このように、ゲート忠実度は、原子の位置に対してそれほど感度は高くない。
【0173】
本発明の好ましい実施形態が本明細書で示され、記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されているに過ぎないということは当業者にとって明白である。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、また、この特許請求の範囲とその均等物の範囲内の方法および構造体が、それによって包含されるものであるということが意図されている。
【国際調査報告】