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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ポンプアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/18 20060101AFI20220111BHJP
   F04D 29/22 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
F04D29/18 A
F04D29/22 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525312
(86)(22)【出願日】2019-11-08
(85)【翻訳文提出日】2021-06-29
(86)【国際出願番号】 AU2019051237
(87)【国際公開番号】W WO2020093109
(87)【国際公開日】2020-05-14
(31)【優先権主張番号】2018904256
(32)【優先日】2018-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521200200
【氏名又は名称】ジップ インダストリーズ (オーストラリア) ピーティーワイ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZIP INDUSTRIES (AUST) PTY LTD
【住所又は居所原語表記】67 Allingham Street, Condell Park, New South Wales 2200 Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100139044
【弁理士】
【氏名又は名称】笹野 拓馬
(72)【発明者】
【氏名】マシュー アニッシュ チェリアン
(72)【発明者】
【氏名】ノーブル ゲアリー
(72)【発明者】
【氏名】モウルト ケヴィン
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AA22
3H130AB22
3H130AB47
3H130AC01
3H130BA01C
3H130CB01
3H130CB15
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DD03Z
3H130EB00C
3H130EB05A
3H130EB05C
3H130EC16D
3H130EC17C
(57)【要約】
飲料水分注システムにおける分注器に沸騰水をポンプ圧送するためのポンプアセンブリ(10)であって、ポンプアセンブリ(10)は、沸騰水用の入口(22)と、入口(22)と流体連通するように配置された出口(24)と、を有するポンプハウジング(20)と、入口(22)から出口(24)に水を駆動するために中心軸(23)の周りを回転するためにポンプハウジング(20)に配設された羽根車(30)であって、入口(22)は中心軸(23)に配置されている、羽根車(30)と、ポンプハウジング(20)への入口(22)に配置され、羽根車(40)と共に中心軸(23)の周りを回転して、入口(22)における水を羽根車(30)に向けて誘導し、入口圧力を上昇させるように、羽根車(40)に動作可能に接続された、インデューサ(40)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
沸騰水を飲料水分注システムにおける分注器にポンプ圧送するためのポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、
前記沸騰水用の入口と、前記入口と流体連通するように配置された出口と、を有するポンプハウジングと、
前記水を前記入口から前記出口に駆動するために中心軸の周りを回転するために前記ポンプハウジング内に配設された羽根車であって、前記入口は、前記中心軸上に配置されている、羽根車と、
前記ポンプハウジングへの前記入口に配置され、前記羽根車と共に前記中心軸の周りを回転して、前記入口における前記水を前記羽根車に向けて誘導し、前記入口の圧力を上昇させるように前記羽根車に動作可能に接続された、インデューサと、を備える、ポンプアセンブリ。
【請求項2】
前記羽根車および前記インデューサは、セラミックからなる共通のシャフトに装着されている、請求項1に記載のポンプアセンブリ。
【請求項3】
前記インデューサは、前記中心軸に沿って前記羽根車から前記入口に向かって延在する略細長い軸棒と、前記軸棒の外周上でらせん状またはねじ状に延在する少なくとも1つのブレードまたはフライトと、を備える、請求項1または2に記載のポンプアセンブリ。
【請求項4】
前記インデューサステムの上流端は、前記入口を通る層流を促進するように、先細のまたは丸みを帯びたキャップまたはノーズで終端する、請求項1~3のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項5】
前記入口は、その内径の少なくとも5倍、および好ましくはその内径の少なくとも6倍の実質的に直線の長さを有する導管であり、前記入口導管の前記内径は、好ましくは約5mm~15mmの範囲であり、より好ましくは約10mmである、請求項1~4のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項6】
前記羽根車は、前記シャフトに装着するための中央ハブと、前記水を前記入口から前記出口まで遠心力で駆動するための複数の半径方向に延在するベーンと、を有し、前記ベーンの各々の半径方向に最も内側の縁は、前記羽根車の前記中央ハブの半径方向外側に、または前記羽根車の前記中央ハブから離れるように、離間されている、請求項1~5のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項7】
前記ベーンの各々は、前記ベーンの各々の前記半径方向に最も内側の縁から半径方向に最も外側の縁まで前記半径方向に減少する、または先細になる、軸方向の高さまたは深さを有する、請求項6に記載のポンプアセンブリ。
【請求項8】
前記羽根車は、耐熱性ポリマーからなり、約20mm~40mmの範囲、好ましくは約30mmの直径を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項9】
前記インデューサおよび前記羽根車の回転を駆動するために前記ポンプハウジングに取り付けられた電気モータ、特にブラシレス誘導モータをさらに備える、請求項1~8のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項10】
前記シャフトは、前記電気モータの回転子と共に回転するために、前記回転子に強固に固定されている、請求項9に記載のポンプアセンブリ。
【請求項11】
前記中心軸上で前記シャフトを支持するためのベアリング装置をさらに備える、請求項9または請求項10に記載のポンプアセンブリ。
【請求項12】
前記羽根車は、約6000~8000回転/分(rpm)の範囲、好ましくは約7000~7500rpmの範囲の無負荷条件下速度で回転するように設計されている、請求項1~11のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項13】
前記ポンプアセンブリは、約98℃の温度の水をポンプ圧送するように構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載のポンプアセンブリ。
【請求項14】
96℃を超える温度の水をベント式飲料水分注システムにおける分注器にポンプ圧送するためのポンプアセンブリであって、前記ポンプアセンブリは、
水入口と、前記入口と流体連通している出口と、を有するポンプハウジングと、
前記水を前記入口から前記出口まで駆動するために、約6000~8000回転/分(rpm)の範囲の無負荷条件下速度で中心軸の周りを回転するために前記ポンプハウジング内に配設された羽根車であって、前記入口は、前記中心軸に配置された、羽根車と、
前記ポンプハウジングへの前記入口に配置され、前記羽根車と共に前記中心軸の周りを回転して、前記入口における前記水を前記羽根車に向けて誘導し、前記入口の圧力を上昇させるように、前記羽根車に動作可能に接続された、インデューサであって、前記インデューサは、前記羽根車から離れて前記入口内に軸方向に延在する細長い軸棒と、前記軸棒の外周にらせん状またはねじ状に延在する一対のブレードまたはフライトと、を備える、インデューサと、を備え、
前記羽根車および前記インデューサは、共通のセラミックシャフトに装着されている、ポンプアセンブリ。
【請求項15】
沸騰している飲料水を分注するための分注システムであって、前記システムは、請求項1~14のいずれか1項に記載のポンプアセンブリを備える、システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料分注システム用、特に、沸騰した飲料水を分注するための分注システム用のポンプアセンブリに関する。
【0002】
したがって、本発明は、飲料水分注システムにおける使用のために特に設計されており、この例示的な文脈で本明細書において本発明を説明するのが好都合であろう。しかしながら、本発明はこの特定の用途に限定されないことが理解されよう。
【背景技術】
【0003】
遠心ポンプなどのポンプは、液体の移動または搬送のための周知の機械装置である。遠心ポンプでは、回転する羽根車は、通常は羽根車の回転軸上、または羽根車の回転軸の近くに配置されたポンプの入口を通して液体を引き込み、液体を半径方向外向きにポンプの渦室または筐体内へ加速させ、そこで液体は出口を通して出ることによって、羽根車の回転運動エネルギーが流体力学的エネルギーに変換される。
【0004】
しかしながら、液体の沸点に近い温度の液体のポンプ圧送は、ポンプの入口側または吸引側で液体がさらされる減圧により、ポンプ内で液体が相変化を受けるという問題を伴い得る。ポンプ内の気相にポンプ圧送される液体の相変化はキャビテーションを引き起こし、その結果、ポンプの効率および有能性を低下させ、また羽根車に損傷を与え得る。したがって、キャビテーションの影響が顕著になると、ポンプの性能に影響を及ぼし得、結果として、体積スループットの低下、一貫性のない流量、および潜在的な損傷を引き起こし得る。
【0005】
したがって、本発明の目的は、水分注システムにおいて沸騰している飲料水をポンプ圧送するための新規の、または改良されたポンプアセンブリを提供することである。
【発明の概要】
【0006】
一態様によれば、本発明は、飲料水分注システムにおける分注器に沸騰水をポンプ圧送するためのポンプアセンブリを提供する。ポンプアセンブリは、沸騰水のための入口と、入口と流体連通するように配置された出口と、を有する、ポンプハウジングを含む。ポンプアセンブリはまた、水を入口から出口に駆動するために中心軸の周りを回転するためにポンプハウジング内に配設された羽根車を含む。この点で、入口は、中心軸上に配置されている。ポンプアセンブリは、ポンプハウジングへの入口に配置され、かつ中心軸の周りを羽根車と共に回転して、入口にある水を羽根車に向けて誘導するように羽根車に動作可能に接続されたインデューサをさらに含む。インデューサは、入口圧力を上昇させるように作用し、このようにして、水が羽根車によってポンプ圧送されるときに相変化が発生する可能性を低減し、それによって、ポンプの動作中のキャビテーションの発生を低減または回避する。
【0007】
好ましい実施形態では、羽根車およびインデューサは、共通のシャフトに装着されている。シャフトは、好ましくは、研磨された人工セラミックで構成される。
【0008】
好ましい実施形態では、インデューサは、中心軸に沿って羽根車から入口に向かって延在する略細長い軸棒と、軸棒の外周にらせん状またはねじ状に延在する少なくとも1つのブレードまたはフライトと、を備える。インデューサは、細長い軸棒の外周にらせん状またはねじ状に延在する複数のブレードまたはフライトを含んでもよく、例えば、インデューサは、細長い軸棒の外周の周りに延在する一対のらせん状のブレードまたはフライトを含んでもよい。インデューサの少なくとも1つのブレードまたはフライトのらせん形状またはねじ形状は、入口において水を羽根車に向かって、および羽根車内に駆動するように作用する。インデューサ軸棒の上流端は、通常、入口を通る層流を促進するように、テーパー状の、または丸みを帯びたキャップまたはノーズで終端する。
【0009】
好ましい実施形態では、入口は、導管の内径の少なくとも5倍、より好ましくは導管の内径の少なくとも6倍、および任意選択的に、さらに長い、実質的に直線の長さを有する導管を備える。この入口導管の長さは、水を直線で十分な長さにわたり移動させることによって、入口を通り、入口に沿って層流を促進するように作用する。入口導管の内径は、好ましくは約5mm~15mmの範囲であり、より好ましくは約10mmである。
【0010】
好ましい実施形態では、羽根車は、シャフトに装着するための中央ハブと、水を入口から出口まで遠心力で駆動するための複数の半径方向に延在するベーンと、を備える。各ベーンの半径方向に最も内側の縁は、好ましくは、羽根車の中央ハブの半径方向外側に、または中央ハブから離れるように、離間されている。この構成は、驚くほど良好なポンプ圧送性能を発揮することが見出されている。好ましくは、ベーンの各々は、ベーンの半径方向の最も内側の縁から半径方向の最も外側の縁まで半径方向にベーンの長さまたは範囲に沿って減少するまたは先細になる、軸方向における高さまたは深さを有する。この構成は、驚くべきことに、増加した流量および改善された性能を促進することも見出されている。
【0011】
好ましい実施形態では、羽根車は、熱安定性のための耐熱性ポリマーから構成される。羽根車は、好ましくは約20mm~40mm、より好ましくは約30mmの範囲の直径を有する。
【0012】
好ましい実施形態では、ポンプアセンブリは、インデューサおよび羽根車の回転を駆動するためにポンプハウジングに取り付けられた電気モータを含む。これに関して、電気モータは、好ましくは、ブラシレス誘導モータとして提供される。ポンプアセンブリのシャフトは、電気モータの回転子と共に回転するために、好ましくは、電気モータの回転子に強固に固定されている。
【0013】
好ましい実施形態では、ポンプアセンブリは、中心軸上で回転するためにシャフトを支持するためのベアリング装置を含む。
【0014】
好ましい実施形態では、羽根車は、分注器からの好適な流量を維持するために、約6000~8000回転/分(rpm)の範囲、好ましくは約7000~7500rpmの範囲の速度で回転するように設計される。
【0015】
したがって、特に好ましい実施形態では、本発明は、96℃を超える温度の水をベント式飲料水分注システムの分注器にポンプ圧送するためのポンプアセンブリを提供する。ポンプアセンブリは、水入口と、入口と流体連通する出口と、を有する、ポンプハウジングを含む。ポンプアセンブリはまた、水を入口から出口に駆動するために、約6000~8000回転/分(rpm)の範囲の無負荷条件下速度で中心軸の周りを回転するためにポンプハウジング内に配設された羽根車を含む。この点で、入口は、中心軸上に配置されている。ポンプアセンブリは、ポンプハウジングへの入口に配置され、かつ羽根車と共に中心軸の周りを回転して、入口の水を羽根車に向けて誘導し、入口圧力を上昇させるように羽根車に動作可能に接続された、インデューサをさらに含む。このように、インデューサは、羽根車から入口に向かって軸方向に延在する細長い軸棒と、軸棒の外周にらせん状またはねじ状に延在する一対のブレードまたはフライトと、を備える。羽根車およびインデューサは、共通のセラミックシャフトに装着される。
【0016】
さらに別の態様によれば、本発明は、沸騰飲料水を分注するための分注システムを提供し、このシステムは、上記の本発明の態様または実施形態のいずれかのポンプアセンブリを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明のより完全な理解のために、本発明の例示的な実施形態が、添付の図面を参照して以下の説明でより詳細に説明され、図面において同様の参照符号は同様の部分を指す。
【0018】
図1】好ましい実施形態によるポンプアセンブリの斜視図である。
図2】ポンプアセンブリの入口導管にシリコーンエルボが篏合された状態で示された、図1のポンプアセンブリの写真である。
図3】ポンプアセンブリのポンプハウジングで、ポンプアセンブリの羽根車およびインデューサが明確に示された状態の、図1のポンプアセンブリの概略正面図である。
図4】羽根車およびインデューサの斜視図である。
図5】共通シャフトに装着されて示された羽根車およびインデューサの正面図である。
図6図5の線D-Dに沿ったインデューサ、羽根車、およびシャフトの断面図である。
図7図1のポンプアセンブリを長手方向に見た断面図である。
図8】シリコーンエルボが入口に嵌合された状態で示された、図1のポンプアセンブリの斜視図である。
図9】別の実施形態による、シャフトに装着された羽根車およびインデューサの正面図である。
図10図9の羽根車、インデューサ、およびシャフトの側面図である。
図11図9の線E-Eに沿った、インデューサの断面詳細図である。
図12図10の線F-Fに沿った、インデューサの断面詳細図である。
図13図9の羽根車、インデューサ、およびシャフトの分解部品図である。
【0019】
添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成している。図面は、本発明の特定の実施形態を例解し、説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つ。本発明の他の実施形態および本発明の付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を参照してより良好に理解されるにつれて、容易に理解されるであろう。
【0020】
商業的に実現可能な実施形態において有用または必要であり得る一般的および/または十分に理解された要素は、実施形態のより抽象的な図を容易にするために必ずしも描写されていないことが理解されるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに対して縮尺通りに例解されていない。方法の一実施形態における特定の作用および/またはステップは、特定の発生順序で説明され得る、または描写され得るが、当業者であれば、順番に関するそのような特異性が実際には必要とされないことを理解することも理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この説明において使用される際、「沸騰水」は、一般に、水の沸点または水の沸点に近い水を指すことが理解されよう。好ましい実施形態では、水は、約96℃~99℃の範囲の温度にある。
【0022】
図面を参照すると、本発明の好ましい実施形態によるポンプアセンブリ10が例解されている。ポンプアセンブリ10は、飲料水分注システム内の分注器(図示せず)に沸騰水をポンプ圧送するためのベント式飲料水分注システム(図示せず)と共に使用するのに好適である。好ましくは、ポンプアセンブリ10は、約98℃の温度の水をポンプ圧送するように構成される。
【0023】
特に図1を参照すると、ポンプアセンブリ10は、沸騰水用の入口導管22と、入口導管22と流体連通するように配置された出口導管24と、を有する、ポンプハウジング20を含む。入口導管22および出口導管24の両方は、それぞれの長手方向に延在する中心軸23、25を有する。ポンプハウジング20は、沸騰水の動作ポンプ圧送中の熱安定性のための耐熱性ポリマーからなる。
【0024】
図2を参照すると、シリコーンエルボ26の形状のシリコーンチューブは、入口導管22が沸騰水を貯蔵するように構成されたタンク(図示せず)と流体連通して配置されるように、入口導管22上に嵌合するように構成される。シリコーンエルボ26の嵌合された直線部分は、入口導管22と共に、入口導管22の内径の少なくとも5倍、好ましくは入口導管22の内径の6倍の実質的に直線の長さLを画定して、入口導管22を通る層流を促進する。好ましい実施形態では、入口導管22は、好ましくは約5mm~15mmの範囲、より好ましくは約10mmの内径を有する。入口導管22は、好ましくは、約10~15mmの範囲、より好ましくは約13mmの外径を有する。図1に最良に描かれるように、入口導管22の開放端を取り囲む末端部分は、好ましくは約4mmの軸方向幅および約14mmの外径を有する縁28を形成し、その上にシリコーンエルボ26の直線部分が強固に嵌合される。
【0025】
再び図1を参照すると、ポンプハウジング20の出口導管24は、その中心軸25が、入口導管22の中心軸23に実質的に垂直であり、かつそれとオフセットするように配置されている。出口導管24は、好ましくは約5mm~10mmの範囲、より好ましくは約6mmの内径を有する。シリコーンチューブ(図示せず)は、出口導管24が飲料水分注システム内の分注器と流体連通して配置されるように、出口導管24上に嵌合するように構成される。好ましい実施形態では、出口導管24は、約15~25mmの範囲、より好ましくは約18mmの直線長さ、および約5~15mmの範囲、より好ましくは約9mmの外径を有する。出口導管24の開放端を取り囲む末端部分は、好ましくは約5mmの軸方向幅および約10mmの外径を有する縁29を形成し、その上にシリコーンチューブが強固に嵌合される。
【0026】
特に図3を参照すると、ポンプアセンブリ10は、中心軸、すなわち、入口導管22の中心軸23の周りを回転するためにポンプハウジング20内に配設され、かつ入口導管22から出口導管24に水を駆動するための羽根車30を含む。羽根車30が配設されているポンプハウジング20の部分は、好ましくは、約15~45mmの範囲、より好ましくは約31mmの外径を有する円筒形チャンバ32を画定する。これに関して、入口導管22および出口導管24は、好ましくは、円筒形チャンバ32を画定するポンプハウジング20の部分と一体的に形成される。
【0027】
特に図4を参照すると、羽根車30は、セラミックからなるシャフト36(図5に示されている)に装着するための中央ハブ34を有する。羽根車30は、水を入口導管22から出口導管24に遠心力で駆動するための複数の半径方向に延在するベーン38を含む。ベーン38の各々の半径方向に最も内側の縁は、羽根車30の中央ハブ34の半径方向外側に、または中央ハブ34から離れるように、離間され、好ましくは中央ハブ34から約4mm離間される。ベーン38の各々は、ベーン38の半径方向の最も内側の縁から最も外側の縁まで半径方向に減少するまたは先細になる軸方向の高さまたは深さを有し、すなわち、高さは約12mmから6mmに減少する。ベーン38の各々は、接線方向の回転方向から離れるように後方に湾曲している。ポンプハウジング20と同様に、羽根車30は、耐熱性ポリマーで構成され、約20mm~40mmの範囲、好ましくは約30mmの直径を有する。
【0028】
特に図3図5を参照すると、ポンプアセンブリ10は、ポンプハウジング20への入口導管22に配置され、かつ羽根車30の上流のセラミックシャフト36に装着されたインデューサ40をさらに含む。インデューサ40は、入口導管22の中心軸23に沿って、羽根車30から離れて入口導管22内に延在する、略細長い軸棒を備える。好ましい実施形態では、細長い軸棒の長手方向の長さは、約10mm~20mmの範囲、好ましくは約15mmである。細長い軸棒の下流部分は、羽根車30の中央ハブ34から延在する部分で堅固に固定され、その結果、インデューサ40は、入口導管22の中心軸23の周りを羽根車30と共に回転して、入口導管22における水を羽根車30に向けて誘導し、入口圧力を上昇させる。細長い軸棒は、インデューサステムの外周上にらせん状またはねじ状に延在する少なくとも1つのブレードまたはフライト42、好ましくは2つのブレードまたはフライトを有する。インデューサステムの上流端は、入口導管22を通る層流を促進するように、先細のまたは丸みを帯びたキャップまたはノーズ44で終端する。図11および図12に示すように、別の実施形態によるノーズ44’は、ノーズ44’をシャフト36に装着することを可能にするためのクリップアダプタ部分45を含む。
【0029】
図7を参照すると、ポンプアセンブリ10は、モータハウジング52およびポンプハウジング20の両方上のそれぞれの整列されたねじ穴に螺合可能に係合可能なねじ54(図2に示される)を介してポンプハウジング20に取り付けられたハウジング52を有する電動ブラシレス誘導モータ50をさらに含む。モータ50は、羽根車30およびインデューサ40の回転を駆動する。このようにして、セラミックシャフト36上で羽根車30およびインデューサ40が回転するセラミックシャフト36は、モータ50の回転子53と共に回転するために、クリップリテーナまたは他の固定手段を用いて回転子53に強固に保持される。セラミックシャフト36の回転を容易にするために、ポンプアセンブリ10は、入口導管22の中心軸23上でセラミックシャフト36を支持するためにセラミックシャフト36の端部が挿入されるベアリング55を含む。これに関して、羽根車30(およびインデューサ40)は、約6000~8000回転/分(rpm)の範囲、好ましくは約7000~7500rpmの範囲、より好ましくは7300rpm±5%の速度で(無負荷条件下で)回転するように設計されている。
【0030】
好ましい実施形態によれば、モータハウジング52は、約43mmの軸方向長さおよび約37mmの外径を有する。この配置により、ポンプアセンブリ10の総重量は、約150g~250gの範囲にある。
【0031】
本発明の特定の実施形態が本明細書に例解および説明されているが、当業者には、様々な代替および/または同等の実装が存在することが理解されるであろう。1つ以上の例示的な実施形態は単なる例であり、決して範囲、適用可能性、または構成を制限することを意図するものではないことを理解されたい。むしろ、前述の概要および詳細な説明は、少なくとも1つの例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供し、添付の請求項およびそれらの法的同等物に記載されている範囲から逸脱せずに、例示的な実施形態に記載された要素の機能および配置に様々な変更がなされてもよいことを理解されたい。一般に、本出願は、本明細書で論じられる特定の実施形態の任意の適応または変形を対象に含めることが意図されている。
【0032】
本文献では、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「含有する」、「含有している」、「有する」、「有している」という用語、およびそれらの任意の変形は、本明細書に記載のプロセス、方法、デバイス、装置またはシステムが、列挙されたそれらの特徴または部品または要素またはステップに限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有ではない、他の要素、特徴、部品、もしくはステップを含み得るように、包括的(すなわち非排他的)な意味で理解されることが意図されていることも理解されよう。また、本明細書で使用される用語「a」および「an」は、特に明記しない限り、1つ以上を意味するものとして理解されることが意図されている。さらに、「第1」、「第2」などの用語は、単に標識として使用され、それらの対象に数的要件を課すこと、またはそれらの対象の重要性の特定の順位付けを確立することは意図されない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】