(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】磁性粒子および方法
(51)【国際特許分類】
H01F 1/00 20060101AFI20220111BHJP
B82B 1/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H01F1/00 145
B82B1/00 ZNM
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525640
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(85)【翻訳文提出日】2021-06-21
(86)【国際出願番号】 GB2019053188
(87)【国際公開番号】W WO2020099846
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501484851
【氏名又は名称】ケンブリッジ・エンタープライズ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CAMBRIDGE ENTERPRISE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】イエルーン ヴァーヘイエン
(72)【発明者】
【氏名】タルン ヴェマルカル
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル カウバーン
【テーマコード(参考)】
5E040
【Fターム(参考)】
5E040CA20
5E040NN06
(57)【要約】
磁性粒子30、70は、粒子の上面と粒子の反対側の底面との間に層状構造6、56を有する。この構造の層には、1つ以上の非磁性層および1つ以上の磁化層が含まれる。1つ以上の磁化層の横方向寸法の1つ以上の磁化層の総厚に対する比は、500より大きい。複数のそのような磁性粒子30、70は、バイオアッセイなどのアッセイを実施するための使用のために、機能化され得、機能化に対応する読み取り可能なコード16、66でマークされ得る。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粒子であって、前記粒子の上面と前記粒子の反対側の底面との間に層構造を備え、前記層は1つ以上の磁化層を含み、
前記1つ以上の磁化層の横方向寸法の前記磁化層の厚さまたは複数の磁化層の総厚に対する比は、500より大きい、
磁性粒子。
【請求項2】
前記層は、非磁性層を含む、請求項1に記載の磁性粒子。
【請求項3】
前記1つ以上の磁化層の前記横方向寸法の、前記磁化層の厚さまたは複数の層の総厚に対する比は、1000より大きく、好ましくは2000より大きい、請求項1または2に記載の磁性粒子。
【請求項4】
前記磁化層または複数の磁化層は、磁化または平均磁化Msを有する磁性材料の体積Vを備え、前記層または複数の層の断面はアスペクト比ARを有し、AR/Ms
2(A/mで測定されたMs)は、8
*10
-10(A/m)
-2より大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項5】
前記磁化層または複数の磁化層は、磁化または平均磁化Msを有する磁性材料の体積Vを備え、前記層または複数の層の断面はアスペクト比ARを有し、AR/Ms(A/mで測定されたMs)は、0.001(A/m)より大きい、請求項1から4のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項6】
前記粒子の前記上面および底面は、5nm~200μmの粒子厚さによって分離されており、および/または前記粒子の最小横方向寸法は1μmより大きく、好ましくは5μmまたは10μmよりも大きい、請求項1から5のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項7】
前記粒子の前記最小横方向寸法の前記粒子の厚さに対する比は、10より大きい、請求項1から6のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項8】
前記粒子の最大横方向寸法は、1000μm未満、好ましくは500μmまたは200μm未満である、請求項1から7のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項9】
前記粒子の前記最小横方向寸法は、前記粒子の前記最大横方向寸法の少なくとも10%、好ましくは前記最大横方向寸法の少なくとも30%または50%または70%である、請求項8に記載の磁性粒子。
【請求項10】
前記粒子の横方向周縁は、凸状側面または直線状側面を備える形状であり、好ましくは凸状側面および/または凹角を有しない形状である、請求項1から9のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項11】
前記磁性層または前記複数の磁性層の少なくとも1つの前記横方向寸法は、前記粒子の前記横方向寸法と同じである、請求項1から10のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項12】
前記非磁性層は、非磁性金属、非金属、半金属および化合物、Al、Ta、Pt、Pd、Ru、Au、Cu、W、MgO、Cr、Ti、Si、Ir、SiO2、SiO、Sn、Ag、SiN、Ge、ポリマー、プラスチック、これらの材料の合金、およびそれらの複合体または混合物から選択される材料を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項13】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、磁性金属、磁性合金、磁性化合物、および超常磁性ナノ粒子複合体から選択される材料、例えばFe、Co、Ni、CoFe、CoFeB、FePt、CoNi、NiFe、Fe
2O
3、を備える、請求項1から12のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項14】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、面外磁化層である、請求項1から13のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項15】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、面内磁化層である、請求項1から14のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項16】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、非磁性材料の前記層と非磁性材料の第2の層との間に配置されている、請求項1から15のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項17】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、前記粒子の上面から前記粒子の厚さの25%よりも大きく離れており、前記粒子の前記底面から前記粒子の厚さの25%より大きく離れている、請求項16に記載の磁性粒子。
【請求項18】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、0.1nmよりも大きい厚さを有し、好ましくは0.5nmよりも大きい厚さを有する、請求項1から17のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項19】
前記磁化層の厚さまたは前記複数の磁化層の総厚は、前記粒子の厚さの25%未満、好ましくは15%または10%未満である、請求項1から18のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項20】
前記磁化層または各前記複数の磁化層は、薄膜多層である、請求項1から19のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項21】
前記粒子の前記上面または底面全体にわたって平均化された正味磁場(浮遊磁場)は、2500A/m未満、好ましくは800A/mまたは400A/m未満である、請求項1から20のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項22】
リソグラフィによって製造された、請求項1から21のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項23】
前記粒子は、前記粒子の前記上面または底面の一方または両方で、またはそこから、読み取り可能である、バーコードまたは2Dコードから選択される読み取り可能なコードなどの、読み取り可能な情報を保持する、請求項1から22のいずれか一項に記載の磁性粒子。
【請求項24】
前記粒子の表面は、機能化され、読み取り可能な情報がその粒子の前記機能に対応する、請求項23に記載の磁性粒子。
【請求項25】
前記粒子の上面または底面が機能化されており、機能化されているのと同じ表面でまたは同じ表面から前記情報を読み取ることが可能であり、
および/またはここで各粒子の表面が機能化されており、各粒子がその粒子の機能に対応する読み取り可能な情報を保持する、請求項24に記載の磁性粒子。
【請求項26】
リソグラフィプロセスにより、請求項1から25のいずれか一項に記載の磁性粒子を製造する方法。
【請求項27】
請求項24または25に記載の粒子を液体アッセイサンプルに提供するステップと、前記粒子の前記機能を前記アッセイサンプルと相互作用させるステップと、磁場を印加して前記粒子を読み取り位置へ操作するステップと、前記読み取り可能な情報および前記粒子の前記機能と前記アッセイサンプルとの前記相互作用を読み取ることによりアッセイ結果を取得するステップと、を含む、アッセイを実行する方法。
【請求項28】
請求項24または25に記載の複数の粒子をアッセイサンプルに提供するステップと、前記粒子の機能を前記アッセイサンプルと相互作用させるステップと、磁場を印加して前記粒子を読み取り位置へ操作するステップと、2つ以上の粒子の前記読み取り可能な情報およびそれらの粒子の対応する機能と前記アッセイサンプルとの前記相互作用を読み取ることにより、アッセイ結果を取得するステップと、を含む、マルチチャネルアッセイを実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性粒子ならびに磁性粒子の製造方法および使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
印加された磁場を使用して個々の磁性粒子に機械的な力を加える技術は、さまざまなバイオテクノロジーの用途で活用されている。
【0003】
磁性ナノ粒子およびマイクロ粒子の重要な商業的用途の1つは、現在、生体分子を分離および識別するためのバイオアッセイである。超常磁性酸化鉄ナノ粒子(SPIONs)は、外部磁場源に向かって移動する特性を提供するため、従来、この商業範囲の用途に使用されている。これにより、粒子は、アッセイ情報を読み取るための所望の位置に向けて外部磁場を印加することによって操作されることが可能である。これらの粒子は、コロイド化学法によって作られたナノ粒子(直径5~20nm)である。粒子が約20nmを超えて大きくなると、粒子が強磁性になり、不都合なことにある粒子の浮遊磁場が他の粒子に及ぼす影響によって粒子の磁気凝集が起こり、これによりバイオアッセイでの使用が妨げられる、という事実によってこれらの粒子のサイズは制限される。
【0004】
磁性粒子を開発する技術者は、用途ごとに粒子の磁気特性を最適化する必要がある。従来、バイオアッセイの用途を含むこれらのさまざまな用途のすべてにとって、磁性ナノ粒子の非常に望ましい特性は、粒子の凝集を避けるための正味ゼロ磁化残留状態であると認められている。
【0005】
正味ゼロ磁化残留状態とは、磁場が存在しない場合において、磁性粒子が正味の磁気モーメントおよび外部浮遊磁場を有しないことを意味する。使用中、磁性粒子は通常、液体または流体媒体に懸濁され、その媒体内を自由に移動する。非ゼロ残留モーメントを有する粒子の場合、粒子の浮遊磁場が相互作用し得、粒子の凝集または集合が起こり得る。バイオテクノロジーの用途において磁性粒子を使用する目的は、外部磁場を印加することにより、液体または流体媒体に浮遊する粒子を操作可能にするかまたはその動きを誘導可能にすることであるため、これは望ましくない。磁性粒子が凝集すると、これは達成され得ない。
【0006】
さらに、当技術分野では、環境からの小さな磁場が磁性粒子において磁気モーメントを誘発することによって凝集を引き起こし得ないようにするために、正味の磁化残留状態がゼロの粒子は、小さな磁場での低い磁化率をも有すべきであることを確実なものにすることが理解されたい。
【0007】
さらに、感受性の高い粒子を使用する場合、印加電場を印加して粒子を所望の方法で誘導または移動させた後、電場の印加中に凝集した粒子は、印加磁場が除去されると凝集したままになる。これは、バイオテクノロジー用途の磁性粒子においても避けるべきであることは当業者には理解されている。
【0008】
したがって、凝集しない磁性ナノ粒子を作成する技術における従来の研究は、ゼロの正味残留磁化状態を、好ましくは低い磁化率を、有するシステムに完全に焦点を合わせてきた。これには、超常磁性ナノ粒子、磁気渦マイクロおよびナノ粒子、および反強磁性結合を利用して粒子内の隣接する磁性層間に反対の磁化構成を作成するマイクロおよびナノ粒子などのさまざまなシステムが含まれる。
【0009】
重要なバイオテクノロジーの用途は、生体サンプルのマルチプレックスイムノアッセイを実行することである。生物学的サンプル中のタンパク質の正確な定量化は、研究および臨床診断用途の両方にとって非常に重要である。マルチプレックスイムノアッセイは、所定のサンプル中の複数の異なるタンパク質を同時に定量化する。この方法でサンプルのタンパク質フィンガープリントを分析すると、研究が加速し、診断の改善が可能になる可能性がある。この市場受容に応えて、Luminex(RTM)、Firefly(RTM)、Fireplex(RTM)などのマルチプレックスアッセイシステムが開発された。これらのシステムは、各粒子が1つの特定の分析物に適した捕捉抗体でコーティングされている個々の粒子セットを使用する。次に、分析物に固有の粒子の複数のセットを組み合わせて、蛍光標識でマークされた検出抗体を使用して、複数のターゲットを同時に検出および定量することができる。Luminex(RTM)システムは、ポリスチレンまたは常磁性ミクロスフェア、またはビーズに基づいており、ビーズのセットを別のセットから区別できるように、強度の異なる赤色および赤外線フルオロフォアで内部染色されている。Firefly(RTM)およびFireplex(RTM)システムもフルオロフォアを使用して、ある粒子セットを別の粒子セットから区別することを可能にするが、この場合、粒子は各端に異なるフルオロフォアを適用することによってコード化された棒の形になっている。フルオロフォアの測定は、1つのロッドを別のロッドから区別することを目的としている。
【0010】
ただし、実際には、これらのシステムは、アッセイ結果におけるマルチプレックスのチャネル間で確実に区別する能力が限られているため、限られたマルチプレックス(識別できる異なるタンパク質の数が限られている)に苦しんでいる。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、磁性粒子、アッセイを実行するための複数の磁性粒子、およびここで参照されるべき添付の独立請求項に定義されるように、磁性粒子を使用してアッセイを実行する方法を提供する。本発明の好ましいまたは有利な特徴は、従属請求項に記載されている。
【0012】
したがって、第1の態様では、本発明は、粒子の上面と粒子の反対側の底面との間の層状構造を備える磁性粒子を提供し得、層は1つ以上の磁化層を含む。1つ以上の磁化層の横方向寸法の、磁化層または複数の磁化層の厚さまたは総厚または有効厚さに対する比は、500より大きい。言い換えれば、磁化層の断面のアスペクト比は、500より大きくあり得る。好ましい実施形態では、比率はより高くてもよく、例えば、800より大きいか、または1000または1500または2000より大きい。
【0013】
粒子は、非磁性層をさらに備え得、これは、磁性層に機械的支持を有利に提供し得、その機械的特性および密度などの粒子の物理的特性を決定し得る。
【0014】
粒子は、1つの磁化層を備え得、2つ以上のそのような層を備え得る。それが2つ以上の磁化層を備える場合、層は互いに隣接し得るか、互いに接触し得るか、間に非磁性材料を挟んで互いに離間し得る。2つ以上の磁化層を有する粒子中の残留磁層の総厚または合計厚さは、それらの間の非磁性層を含まない、それらの磁性層の厚さの合計であり得る。いくつかの実施形態では、層状構造は、多くの磁化層および/または非磁性材料の多くの層を含み得る。
【0015】
磁化または磁性層は、例えば、強磁性材料、元素または合金、または超常磁性ナノ粒子の複合体などの任意の適切な磁性材料または複数の材料を備え得る。
【0016】
粒子は、好ましくは実質的に平坦な形状であり、互いに上部に積み重ねられた磁性および/または非磁性材料の1つ以上の実質的に平坦な層を備える。層は、好ましくは互いに実質的に同じ形状およびサイズであり、それぞれが粒子自体と同じ横方向形状およびサイズを有する。しかしながら、粒子の形状および構造は、以下でさらに説明するように、これとは異なり得る。
【0017】
粒子は、ゼロ残留磁気または非ゼロ残留磁気を有し得る。しかし、発明者らは、粒子が非ゼロ残留磁気を有していても、本発明を具体化する粒子の形状および構造は、粒子の表面で予想外に低い浮遊磁場を示し、それにより、流体または液体媒体に懸濁されている複数の粒子が、有利なことに、凝集しないまたは集合しない可能性があることを発見した。驚くべきことに、発明者らは、粒子が完全に磁気残留性であるかどうかにかかわらず、これが当てはまることを見出した。
【0018】
本発明の好ましい実施形態において、外部磁場が印加されるとき、粒子は、外部磁場が粒子に所望の力を加えるのに十分な磁気モーメントを有する。所望の力は、粒子の用途に依存し得る(粒子が流体媒体中に懸濁されたバイオアッセイなど)。実際の実装では、印加される外部磁場は、通常、2Tまたは1Tまたは0.5T未満であり、通常、0.05Tまたは0.1Tまたは0.25Tより大きくなり得る。
【0019】
例えば、生物または化学アッセイにおいて、流体媒体内で粒子を操作するために外部磁場を使用することが望ましい場合がある。磁気モーメントは、粒子自体の磁化に起因し得、また外部磁場によって粒子内に誘導され得る。ただし、粒子が十分な磁性材料を含有し、必要な力を発生させることが重要である。
【0020】
粒子に印加される外部磁場によって生成される磁気モーメントは、粒子内の磁性材料の総体積Vにその材料の磁化Msを掛けた値に依存し得る。したがって、本発明を具体化する粒子のV.Msの値は、好ましくは、10-18J/Tまたは5×10-18J/Tまたは10-17J/Tなどの、所定の値より大きい。
【0021】
発明者らは、粒子内の磁性材料の物理的分布が粒子の近くの浮遊磁場を決定し得、したがって粒子が互いに相互作用し、および/または凝集する傾向を決定し得ることを発見した。本発明者は、高アスペクト比ARを有する断面を有する1つ以上の層(好ましくは平行層)の形態で磁性材料を分布させることにより、有利に低い浮遊磁場を発生させ得ることを見出した。この好ましい粒子形状は、有利なことに、浮遊磁場が低く、凝集する傾向がほとんどないまたはない粒子を提供し得る。
【0022】
この粒子形状をより定量的に評価するために、発明者らは、好ましい粒子において、磁性層または複数の磁性層のパラメータAR/Ms2(無次元比であるARおよびA/m(1000A/mは1emu/cm3に相当)で測定した、磁性層内または複数の磁性層内の磁性材料の磁化であるMsを有する)は、8x10-10m-2/A-2、または1.2x10-9m-2/A-2または8x10-9m-2/A-2より大きい。
【0023】
あるいは、またはさらに、本発明者らは、パラメータAR/Msが好ましくは1x10-3m-1/A-1または3x10-3m-1/A-1または5x10-3m-1/A-1よりも大きいことを決定した。
【0024】
これらの限界は、層の上方または下方における層の厚さの10倍で約2500A/m(30Oe)未満の浮遊磁場に対応する。粒子の用途と環境に応じて、このレベルの浮遊磁場は凝集を有利に防止し得る。
【0025】
粒子構造のARの値を評価するとき、ARは、構造の断面の横方向寸法を構造の厚さで割ったものであり得る。磁性材料の層の場合、横方向寸法は層の最小横方向寸法であり得、層の形状がより複雑な場合は、層の平均横方向寸法を考慮することが好ましい場合があり得る。層の厚さが一定の場合、その厚さをARの計算に使用し得る。層の厚さが異なる場合は、平均的な厚さが使用され得る。
【0026】
たとえば、磁性材料が粒子の横方向寸法全体に広がる場合、特に粒子の厚さが磁化層または複数の磁化層の厚さと十分に類似している場合、磁化層または複数の磁化層の厚さの10倍未満または5倍未満、など、例えば粒子自体の同等の横方向および厚さの寸法を使用してARを計算することが適切な場合があり得る。AR/Msを評価するこのアプローチでは、Msの値は、粒子のAR値を使用するだけでなく、粒子内の磁化された材料のMsに粒子内の非磁化および磁化材料の体積比を乗じた薄化Ms値を計算することによって変更され得る。
【0027】
粒子は、例えば非磁性材料の層によって離間した磁化層のスタックの形態で、複数の磁化層を備え得る。このような場合、磁化層が、最も薄い層の厚さまたは平均層厚さの5倍、10倍、または20倍未満など、十分に短い距離だけ互いに離間している場合、ARは磁化層の総厚またはスタック内の最も外側の磁化層の間の距離(介在する非磁性層の厚さを含む)のいずれかを使用して評価され得る。
【0028】
粒子が、粒子の厚さの十分な割合にわたる複数の層を備える場合、ARは粒子の厚さを使用して評価され得る。
【0029】
粒子が複数の層を備える場合、ARを計算するための厚さを評価するための代替アプローチは、磁化された材料の薄化厚さを計算することであり得る。例えば、総厚Tmの磁化材料の2つ以上の平行層が総厚Tnmの非磁性材料の層によって分離されている場合、磁化材料の薄化厚さはTm/(Tm+Tnm)になる。
【0030】
測定により粒子全体のARおよびMs(AR/Ms2またはAR/Msの計算のため)を評価することも可能であり得る。構造が不明だが寸法が既知である所定数の粒子の磁気モーメントを測定する場合(例えば、振動試料型磁力計を使用するとき)、総粒子体積と粒子あたりの総モーメントを使用して実効Msを求め得る。粒子または金属層の横方向の寸法および厚さは、ARを評価するために、例えば顕微鏡検査および/または電子顕微鏡検査技法を使用して直接測定され得る。
【0031】
本発明を具現化する粒子は、好ましくは、形状が平面であり、それらの長さおよび幅の両方がそれらの厚さよりも大きい。有利なことに、粒子の長さおよび幅、または互いに垂直に測定された粒子の2つの横方向寸法は、互いに類似しているか、または互いに約10%、30%、50%、または70%未満の差を有する。粒子は、通常、円形、楕円形、もしくは多角形のディスク、または正方形もしくは長方形の周囲を有するほぼ平坦な直方体であり得る。
【0032】
粒子内の磁性材料は、粒子内の層または複数の層の形態で、粒子の横方向寸法全体にわたって実質的に延在することが好ましい。磁性層または複数の磁性層のアスペクト比は、粒子の横方向寸法と同じかそれよりも小さい可能性がある、層または複数の層の最小横方向寸法または平均横方向寸法を参照して評価され得る。磁化層が1つ存在する場合、アスペクト比ARは、磁性層の最小または平均横方向寸法をその厚さ(または厚さが変化する場合は平均厚さ)で割ったものであり得る。複数の磁化層が存在する場合、アスペクト比ARは、横方向寸法を、または異なる層が異なる横方向寸法を有する場合は平均的な横方向寸法を、層の総厚で割った値として評価され得る。
【0033】
好ましい実施形態において、粒子の上面および底面は、5nm、または10nmまたは50nmまたは100nmから、100μmまたは50μmまたは5μmまたは1μmまたは500nmの間の、粒子厚さによって分離され得る。粒子の最小横方向寸法は、1μmより大きく、好ましくは5μmまたは10μmより大きく、最大横方向寸法は500μmまたは200μmまたは100μmまたは50μm未満であり得る。粒子の厚さに対する粒子の最小横方向寸法の比は、10または20または50より大きく、および/または2000または1000または500未満であり得る。したがって、そのような好ましい実施形態では、粒子はかなり平坦で高アスペクト比の形状を有することができるが、他の実施形態は、より低いアスペクト比の粒子形状、さらには球形または立方体形状の粒子を想定している。そのようなより低いアスペクト比の粒子は、上記および本明細書で議論されるように、より高いアスペクト比を有する1つ以上の磁化層を備え得る。
【0034】
複数の磁化層を備える実施形態では、それらの層は、互いに実質的に平行であることが好ましい。複数の磁化層を備える実施形態では、それらの層は、好ましくは互いに類似の形状および/または面積を有し、好都合には互いに重なり得、場合によっては互いに完全に重なり合い得る。
【0035】
粒子の対向する上面および底面は平坦であることが有利であるが、必要に応じて、凝集を避けるために十分に小さな浮遊磁場を有する粒子の所望の特性に影響を与えることなく、片面または両面が湾曲していてもよく、平坦でなくてもよい。したがって、粒子自体は平坦でも湾曲していてもよい。しかし、いずれの場合も、対向する上面および底面は、バーコードまたは2Dコードの形式の読み取り可能なコードなどの読み取り可能な情報などの機能を上面および/または底面に適用して個々の粒子または粒子のグループ(粒子のグループ内の粒子が同様にマークされている場合)は、情報を読み取ることによって識別され得ることが可能になるように、十分に大きな面積を好都合に有し得る。そのような情報は、上面および/または底面に適用され得、または上面および/または底面の下に適用され得、たとえば、表面層または複数の表面層は、表面層または複数の表面層を介してコードまたは情報を読み取ることが可能であるように十分に透明である。さらに、上面または底面は、有利には、本明細書に記載の生物工学的または化学的用途のための生物機能性または化学機能性などの、他の機能性を粒子に適用するための適切な基板を形成し得る。
【0036】
したがって、好ましい実施形態では、粒子の形状は、高アスペクト比の直方体またはディスクなどの、薄い(厚さが薄い)横方向に拡張された形状の形態であり得る。(アスペクト比とは、最小横方向寸法または平均横方向寸法の厚さに対する比率を指す。)あるいは、磁性粒子は円筒形であると説明され得、粒子の厚さは円筒の軸方向であり、円筒の周縁形状は、典型的には凸状のまたは直線状のエッジを有するように、有利には凹角のないように、選択されることが好ましい。好ましい周縁形状は、長方形、正方形、または円形である。
【0037】
上述のように、高アスペクト比または円筒形であるが、粒子は好ましくは上面および底面が平坦であるが、本発明の実施形態は、非凝集磁性粒子を提供するという目的を達成しながら、湾曲または非平坦粒子、または湾曲したまたは非平坦上方面および下方面を有する粒子を含み得ると考えられる。
【0038】
好ましくは、磁性粒子の最小および最大の横方向寸法の差は、90%未満または70%未満である。好ましい実施形態では、粒子の最小横方向寸法は5μmより大きく、好ましくは10μmより大きく、および/または粒子の最大横方向寸法は500μm未満、好ましくは200μm、100μmまたは75μm未満である。これらの寸法は、粒子が使用される用途、および粒子の望ましい機械的強度などの要件に応じて、当業者が選択し得る。
【0039】
磁性粒子の層構造は、磁化層および非磁性層を有利に備える。非磁性層は、粒子に機械的強度を提供し得、磁化層のための適切な基板を提供し得る。したがって、非磁性層は、Al、Ta、Pt、Pd、Ru、Au、Cu、W、MgO、Cr、Ti、Si、Ir、SiO2、SiO、Sn、Ag、ポリマー、プラスチック、これらの材料の合金、およびこれらの材料を含む複合体または混合物から選択される材料を有利に備え得る。
【0040】
粒子は、同様にこのグループから選択され得る非磁性材料の2つ以上の層を備え得る。
【0041】
磁化または強磁性層は、任意の適切な材料から形成され得、好ましい実施形態では、例えば、Fe、Co、Ni、CoFe、CoFeB、FePt、CoNi、およびNiFeなどの金属または金属合金から選択される材料を備え得る。
【0042】
磁化層は、例えば、磁性材料と貴金属(Pt/CoFeBなど)の交互層の磁性多層スタックを備え得、そのペアは垂直磁気異方性を提供することが知られている。
【0043】
磁化層は好ましくは面外磁化層であるが、面内磁化層などの異なる磁化層でもあり得る。
【0044】
外部磁場に対する迅速な応答を達成するために、磁性粒子については高い飽和磁気モーメントが望ましい。磁性材料は、これを達成するために選択される。
【0045】
磁性粒子の層構造は、非磁性材料の複数の層を備え得、および/または磁化材料の複数の層を含有し得る。好ましい実施形態では、粒子は、非磁性材料の2つの層の間に位置する磁化層を備え得る。
【0046】
粒子は、磁場が印加されていない場合に残留磁気がゼロになるように組み合わせて配置された2つ以上の磁化層を備え得る。そのような粒子は、外部磁場の印加が粒子に磁気モーメントを誘導するような磁化率を有し得る。したがって、例えば流体媒体を介して粒子を移動または操作するために、外部磁場を印加し得る。しかしながら、有利なことに、粒子の感受性が高いか低いかは問題にならない場合があり得る。本発明を具体化する粒子の形状は、粒子の周囲の浮遊磁場が、磁気モーメントが誘発されるときでも粒子の凝集を引き起こすには有利に低すぎる可能性があるようになっているからである。
【0047】
有利なことに、このような粒子では、磁化層は粒子の上面から、粒子の厚さの25%を超えて離間しており、粒子の底面からは、粒子の厚さの25%を超えて離間し得る。この構造は、有利なことに、粒子の対向する上面および底面における浮遊磁場をさらに低減し得る。
【0048】
好ましくは、磁化層は、0.1nm、または0.4、1.0、または1.5nmより大きい厚さまたは平均厚さを有し得る。好ましくは、磁化層の厚さは、粒子の合計厚さの25%未満、特に好ましくは15%または10%未満であり得る。粒子の機械的強度が所望の用途に十分である場合、粒子は磁化層のみを備え得る。
【0049】
磁化層は、例えば、薄膜多層であり得る。
【0050】
粒子の上面または底面の短い距離でまたは距離内で、側面全体にわたって平均化された正味磁場(浮遊磁場)は、好ましくは2500A/m(300e)未満、特に好ましくは800A/m(10Oe)未満または400A/m(5Oe)であり得る。この場は、表面で、または表面から10nm、50nmまたは100nmなどの短い距離で、例えば原子間力顕微鏡を使用して測定され得る。発明者の実験は、これらの外部磁場または浮遊磁場が、磁性粒子の凝集を避けるのに十分小さいことを示している。
【0051】
本発明を具体化する磁性粒子は、リソグラフィプロセスによって便利に製造または製作され得る。
【0052】
本発明の第2の態様は、上記の寸法を有する磁性粒子を有利に提供し得るが、好ましくは、粒子の上面および粒子の反対側の底面が、5nm~200μmの粒子厚さによって分離されており、粒子の最小横方向寸法が1μmより大きく、最小横方向寸法の厚さに対する比が10より大きく、ここで粒子は、その厚さ全体にわたる層状構造、1つ以上の残留磁気を含む層または磁化された層、および非磁性材料の1つ以上の層を備える。そのような粒子は、リソグラフィプロセスによって都合よく製造され得、本明細書に記載される本発明の第1の態様の1つ以上の特徴を備え得る。
【0053】
本発明のさらなる態様において、粒子の上面または底面は、読み取り可能なコードなどの読み取り可能な情報を保持し得る。これは、たとえばバーコードまたは2Dコードであり得る。これにより、たとえばカメラおよび適切なソフトウェアを使用して情報を読み取ることによって、粒子をリモートで識別することが可能であり得る。
【0054】
好ましい実施形態では、粒子の磁気特性により、適切な外部磁場を印加して、流体媒体を介して粒子を操作または移動または駆動させて、コードまたは情報を読み取るための所定の位置まで移動させることが可能である。たとえば、コードまたは情報が保持される大きな上面または底面を備えた高アスペクト比形状の粒子は、基板または他の支持面と接触して、コードまたは情報の読み取りに便利なように誘導され得る。
【0055】
本発明のさらなる態様において、粒子の上面および/または底面は、機能化、例えば生体機能化または化学的機能化され得る。これは、読み取り可能な情報を粒子に適用することと組み合わせることが有利であり得る。例えば、粒子の上面または底面は、読み取り可能なコードを保持し得、同じまたは反対の表面を機能化し得る。さらに、好ましい実施形態では、各粒子がその粒子の機能化に対応する読み取り可能な情報を保持する複数の粒子を提供し得る。
【0056】
このような粒子は、粒子を液体または流体のアッセイサンプルに提供し、粒子の機能性をアッセイサンプル、例えば生体分子またはアッセイサンプルのその他の成分と相互作用させることにより、バイオアッセイなどのアッセイの実施を可能にし得る。磁場を印加して粒子を読み取り位置へと操作し、読み取り可能なコードを読み取り、粒子の機能とアッセイサンプルとの相互作用を測定することによって、アッセイ結果を得ることができる。
【0057】
マルチチャネルアッセイは、各粒子がその粒子の異なる機能に対応する読み取り可能な情報を保持する複数の粒子を提供することによって実行され得る。複数の粒子は粒子のグループを含有し得、各グループの粒子は同様の読み取り可能な情報を運び、同様に保持されている。複数の粒子は、液体または流体の分析試料と接触し得、粒子の機能が分析試料と相互作用することを可能にする。粒子を読み取り位置へ操作するために磁場が印加され、2つ以上の粒子の読み取り可能な情報を読み取り、各粒子の対応する機能とアッセイサンプルとのそれぞれの相互作用を測定することによって、アッセイ結果が得られる。
【0058】
このように読み取り可能な情報を使用した粒子の識別は、粒子を互いに正確に区別できるマルチプレックスプラットフォームを有利に提供し得る。たとえば、バーコードまたは2Dコードを使用すると、異なる粒子の識別について既存のマルチプレックスアッセイプラットフォームよりもはるかに強固なプロセスが提供され得、プレックスチャネル間のクロストークが最小限に抑えられる。さらに、このように読み取り可能な情報を使用することにより、現在可能なよりもはるかに多くのマルチプレックスチャネルの使用が可能になり得る。たとえば、バーコードまたは2Dコードは、1000プレックス、または10,000プレックス、または必要に応じてそれ以上を可能にし得る。
【0059】
したがって、好ましい実施形態では、本発明は、バイオテクノロジー用途で使用するための、有利には強磁性マイクロディスク(マイクロ粒子、ナノ粒子、マイクロキャリアなど)の形態のリソグラフィによって画定され、垂直(または面外)に磁化された粒子に関する。例えば、これらの粒子は、フォトリソグラフィおよび磁化された薄膜多層の物理的蒸着によって製造された、強磁性マイクロ粒子またはマイクロディスク(各横方向寸法においてまたは2つの直交する横方向寸法において、1~500μm、または1~200μm、または好ましくは5~100μm、および10nm~200μm、または好ましくは20nmおよび10μmの厚さ)であり得る。例えば、粒子は円形または正方形であり得、直径または一辺の長さが40μm、厚さが100nmであり得る。または、直径または一辺の長さが100μm、厚さが1μmであり得る。結果として生じる高平面アスペクト比、超薄型ディスク、またはマイクロディスク(診断ツール用の生体機能性抗体などの機能化を保持する能力があるため、磁気キャリア(MC)と呼ばれ得る)は、高い磁気モーメントを有する強磁性である。MCは、リソグラフィで画定され得る。MCは、各磁性層のアスペクト比(通常は全磁性層の厚さ1nmまたは5nmおよび横方向のサイズが数十μm)およびMCの平面に垂直な磁化方向が、各粒子からの浮遊磁場が無視できる程度になるため、流体中に懸濁するときに凝集しない。
【0060】
好ましい形態では、MCは、マイクロディスクの表面法線に平行な磁化方向、ならびに保磁力反転、および高い磁気異方性を特徴とし得る。これらの特性はすべて、外部磁場の影響下での磁気応答に対する高度な制御、したがって流体中の機械的挙動に対する高度な制御を可能にし得る。
【0061】
粒子またはMCの製造に使用されることが好ましい物理蒸着プロセスは、MCを形成する磁性薄膜の堆積においてサブnm制御を可能にし、したがって、MCの磁気特性のエンジニアリングにおいて極めて高い精度を提供する。これは、有利なことに、それらをさまざまな用途に合わせて調整可能にし得る。さらに、バーコード(または他の読み取り可能な情報)をMCの表面にリソグラフィで追加し得、目的の分子による最適な機能化のために表面の材料を選択し得る。
【図面の簡単な説明】
【0062】
(本発明の特定の実施形態および最良の形態)
本発明の特定の実施形態を、添付の図面を参照して、例として説明する。
【
図1】本発明の第1および第2の実施形態による磁性粒子の製造のための、プロセスAおよびプロセスBの2つのプロセスにおけるステップを示す図である。
【
図2】実施形態の粒子で使用される磁性薄膜Au(100.0)/Ta(2)/Pt(4)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(5.0)の磁気応答の極磁気光学カー効果(MOKE)測定の図である。
【
図3a】読み取り可能なコードがカメラまたはバーコードリーダーなどの外部検出器に常に位置合わせされ得ることを保証するために、印加された磁場によって、実施形態による読み取り可能なコードおよび粒子内の磁気状態がどのようにリンクされるかを描写しており、および検出器によって画像化された粒子の読み取り可能なコードの画像を示す図である。
【
図3b】読み取り可能なコードがカメラまたはバーコードリーダーなどの外部検出器に常に位置合わせされ得ることを保証するために、印加された磁場によって、実施形態による読み取り可能なコードおよび粒子内の磁気状態がどのようにリンクされるかを描写しており、および検出器によって画像化された粒子の読み取り可能なコードの画像を示す図である。
【
図4】実施形態に従って製造された粒子の表面からの距離の関数としての浮遊磁場の強さを示す図である。
【
図5a】バイオアッセイに適した本発明のさらなる実施形態による機能化粒子を示し、合理化されたマルチプレックスアッセイを実施するための本発明のさらなる実施形態による粒子の使用を示す図である。
【
図5b】バイオアッセイに適した本発明のさらなる実施形態による機能化粒子を示し、合理化されたマルチプレックスアッセイを実施するための本発明のさらなる実施形態による粒子の使用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
本発明の特定の実施形態は、垂直に磁化された極薄CoFeB/Pt層から作られた高磁気モーメントマイクロ粒子の製造を含む。これらの粒子の形状の高いアスペクト比により、各粒子からの浮遊磁場が非常に低くなり、磁性ナノ粒子は粒子間相互作用を示さない(したがって、凝集しない)。外部磁場が印加されると、粒子は磁気飽和に移行し、強制的で急激な変化が起こり、完全に残留する。個々のバーコードは、シンプルで強固なリソグラフィプロセスを使用して粒子に追加され、光学的に読み取られ得る。以下に説明するように、磁性粒子を使用した強固なマルチプレックスアッセイ、例えばサイトカインアッセイは、アッセイ用途におけるそれらの可能性を強調していることが実証されている。
【0064】
この実施形態では、リソグラフィで製造された磁性粒子は、高い磁気モーメント、粒子間相互作用なし、機能化のための大きな表面積、および強固な粒子固有のバーコードを有利に達成し得る。これらの粒子は、機能化と読み取り可能な情報との両方を保持する能力を考慮して、磁気キャリア(MC)と呼ばれ得る。粒子の大きな表面積は、従来のアッセイ粒子よりも機能化のためのより大きな領域を有利に提供し得る。
【0065】
リソグラフィで画定された磁性ナノ粒子は、先行技術、例えば以下で既知である。
T. Vemulkar, R. Mansell, D. C. M. C. Petit, R. P. Cowburn,およびM. S. Lesniak, “Highly tunable perpendicularly magnetized synthetic antiferromagnets for biotechnology applications,” Appl. Phys. Lett., 2015、H. Joistenら, “Self-polarization phenomenon and control of dispersion of synthetic antiferromagnetic nanoparticles for biological applications,” Appl. Phys. Lett., vol. 97, no. 25, p. 253112, 2010、S. Leulmiら, “Comparison of dispersion and actuation properties of vortex and synthetic antiferromagnetic particles for biotechnological applications,” Appl. Phys. Lett., vol. 103, no. 13, p. 132412, 2013。しかし、これらのリソグラフィで画定される粒子や一般的な磁性ナノ粒子とはまったく対照的に、ここで使用されるMCは、粒子の凝集を防ぐために正味ゼロ残留磁化状態のエンジニアリングを必要としない。ここで使用されるMCは、必要に応じて正味ゼロ残留磁気(および外部磁場での磁気モーメントの発生に対する感受性)を有していてもよいが、当業者の従来の期待にもかかわらず、それらは凝集を避けるために正味ゼロ残留磁気を必要としない。粒子の浮遊磁場は、外部磁場の非存在下での残留磁化がゼロであるかどうかに関係なく、粒子内の磁化材料の形状および/または粒子の形状による凝集を回避するのに十分に低い。
【0066】
この実施形態におけるMCは、非常に高いアスペクト比の直方体であり、平面の長さおよび幅が40ミクロンであり、厚さが約150ナノメートルである。
【0067】
磁性粒子またはMCを製造するための本発明の2つの実施形態による2つのリソグラフィプロセス(AおよびB)が
図1に示されている。
【0068】
プロセスAは、
図1.A1~
図1.A11に示されている。
図1.A1では、Alの50nmの犠牲層2は、Si基板4上にマグネトロンスパッタリングによって成長させられる。次に、マグネトロンスパッタリングによっても、粒子薄膜スタックのベース6がこの犠牲層の上に成長する。
【0069】
このベースは、Au(100.0)/Ta(2)/Pt(4)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(5.0)の11層(厚さはnm)で構成されている。
【0070】
図1.A2では、フォトレジスト8がMCベース6上にスピンコーティングされている。次に、フォトレジストは、
図1.A3のように粒子バーコード(または読み取り可能コード)を画定するフォトマスク10を使用して、リソグラフィパターン形成中に露光される。この標準的なフォトリソグラフィプロセスは、
図1.A4に示すフォトレジストに複数の穴12を作成し、ここで、15nmのTaなどのバーコードコントラスト材料14が、
図1A5に示すように、マグネトロンスパッタリングを使用して粒子ベースの上に堆積される。穴の形状およびパターンによってバーコード16を画定する。
【0071】
次に、フォトレジストをアセトンなどの溶媒で除去し、
図1.A6に示すように、フォトレジストの新しい層18を粒子ベース6およびバーコード16の上にスピンコーティングする。これは、粒子の形状を画定するためにマスク20を使用して第2のリソグラフィパターニングプロセスで露光される。
図1.A7に示すこのステップでは、粒子形状を画定する複数の穴22が、バーコードが穴の中心に位置合わせされるように位置合わせされる。
【0072】
図1.A9では、粒子(MC)キャップ24およびイオンビームミリングハードマスク26は、それぞれ30~40nmのAuおよび200nmのAlからなるマグネトロンスパッタリングによって追加される。金の厚さは、生体適合性のために粒子(上面および底面の両方)をAuで完全にコーティングし、生体機能化のための表面を提供するように選択される。ただし、Auの厚さは十分に薄いため、Au層を通してバーコードを読み取ることが可能である。
【0073】
図1.A9では、フォトレジスト18がアセトンなどの溶媒で除去され、サンプル全体がイオンビームミリング28、標準のサブトラクティブパターニングプロセスに供される。イオンビームミリングハードマスクで保護されていないすべての薄膜は、ミリングで除去される。したがって、ミリングは、画定された粒子形状内にない粒子薄膜スタックのベースを形成するすべての薄膜を除去する。犠牲層に到達すると、ミリングプロセスが停止する。残存Alハードマスク26は、3~5%水酸化テトラメチルアンモニウム溶液または同等のAl溶液エッチング液に10~30分間浸漬して溶解することにより除去され得る。
【0074】
このように、フォトリソグラフィのパターニングが粒子の平面形状を決定し、物理気相堆積プロセスが粒子の厚さおよび組成を決定する。
【0075】
この段階で、バーコードを有する粒子30、MCは完全に画定され、犠牲層の上にある。次に、粒子の磁性薄膜に対する保磁場よりも大きな磁場32を印加して、
図1.A10に示すように、すべての粒子が、粒子の上面および底面に対して垂直な「アップ」状態で、面外に磁化されることを保証する。あるいは、粒子はすべて「ダウン」状態で磁化され得る。これにより、粒子の磁化が垂直方向の粒子の物理構造にリンクされ、
図3に示すような再堆積や溶液中の分析などの下流ステップでバーコードを整列させることが可能となる。
【0076】
最後に、
図1.A11に示すように、粒子の下のAlの犠牲層を適切な溶媒に溶解して、粒子30を基板から持ち上げ、流体媒体の溶液に解放する。
【0077】
プロセスBは、
図1.B1から
図1.B11に示されている。
図1.B1では、フォトレジスト層50がSi基板4上にスピンコーティングされている。次に、
図1.B2においてフォトマスク52を使用して露光し、フォトレジスト54の複数のアイランドまたはピラーを作成し、
図1.B3においてその上に一連の材料56の層がマグネトロンスパッタリングを使用して堆積され、層状の磁性粒子の薄膜構造ベース58を形成する。アイランドまたはピラーの形状は、粒子の形状を画定する。したがって、
図1.B3は、粒子の第1の層の堆積後の構造を示している。これらは、下から順に、Au(100.0)/Ta(2)/Pt(4)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/ CoFeB(0.6)/Pt(5.0)の薄膜層で構成されている(厚さはnmである)。
【0078】
次に、リソグラフィで画定されたバーコードが粒子に追加される。
図1.B4に示すように、フォトレジストの第2の層60が適用され、各粒子について所望のバーコードでパターン化されたフォトマスク62を使用して、
図1.B5に示されるように露光される。
図1.B6~7では、フォトレジストが現像され、フラッド露光64されて、下流の現像液で除去されることが可能である。各フォトレジストアイランドまたはピラー54の最下層は、アイランドの上部に粒子が存在することにより、この露光ステップから遮蔽される。
【0079】
15nmのTaなどのバーコードコントラスト材料66が、
図1.B8の粒子の上に成長する。次に、フォトレジストの最上層は、
図1.B9において現像液を使用して完全に除去され、30~40nmのAuからなる粒子キャップ68が堆積される。レジストの最下層は完全な形で残存する。金の厚さは、生体適合性のためにAuでMC(上面と底面の両方)を完全にコーティングし、生体機能化のための表面を提供するように選択される。ただし、Auの厚さは十分に薄いため、Au層を通してバーコードを読み取ることが可能である。
【0080】
このように、フォトリソグラフィのパターニングが粒子の平面形状を決定し、物理気相堆積プロセスが粒子の厚さと組成を決定する。
【0081】
この段階で、バーコード付きの粒子、MC、70は完全に画定され、フォトレジストのアイランドの上にある。次に、粒子の磁性薄膜に対する保磁場よりも大きな磁場72を印加して、
図1.B10に示すように、すべての粒子が面外で「アップ」の状態で、粒子の上面と底面に垂直に面外に磁化されることを保証する。あるいは、粒子はすべて「ダウン」状態で磁化され得る。これにより、粒子の磁化が垂直方向の粒子の物理構造にリンクされ、
図3に示すように再堆積や溶液中の分析などの下流ステップでバーコードを整列させることが可能になる。
【0082】
したがって、プロセスAおよびBでこの実施形態に記載されているMCの薄膜構造は、Au(100.0)/Ta(2)/Pt(4)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(5.0)(厚さはnm単位)のベースとして画定される。15nmのTaバーコードがこの層の上にあり、30~40nmのAuで覆われている。上面のAuがより薄いため、Auを通してバーコードを画像化することが可能であり、したがって、ここで説明する実施形態では、バーコードは粒子の上面からのみ視認可能である。したがって、この時点で粒子の磁化を粒子の物理構造に関連付けることは、溶液中で粒子のバーコード面の制御および配向を可能にするために必要である。
【0083】
最後に、
図1.B11に示すように、粒子の下のフォトレジスト74を適切な溶媒に溶解して、粒子70を基板から持ち上げ、それらを流体媒体の溶液に解放する。
【0084】
図2は、実施形態の粒子で使用される磁性薄膜Au(100.0)/Ta(2)/Pt(4)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(1.2)/CoFeB(0.6)/Pt(5.0)の磁気応答の極磁気光学カー効果(MOKE)測定である。薄膜の磁化は明らかに平面から外れており、飽和への急激で強制的な磁気変化がおこる。H
Cは、保磁場、または薄膜を磁気的に飽和磁気状態に切り替えるために必要な磁場を示す。
【0085】
図3aは、バーコード(または他の2Dコード)および粒子30、70の磁気状態がどのようにリンクされ、コードが常に外部検出器に位置合わせされることを保証するかを示している。まず、前述のように、粒子が溶液中に持ち上げられる前に、H
Cを超える磁場を使用して、粒子の磁化を「アップ」状態に設定する。粒子が溶解すると、強い磁場パルスにさらされない場合、粒子はこの磁化状態を保持する。印加された磁場がH
C未満であると、粒子は単に、回転して、磁気モーメントMを外部から印加された磁場に揃える結果となる。10~1000Oeの電界強度と0~50Hzの周波数は、通常、粒子の動きを制御するために使用され得る。バーコードは各粒子の上面に作成され、30~40nmのAuでコーティングされているため、光学的に画像化され得るそれらを通して、磁気モーメントMを外部磁場と整列させることは、印加された磁場(H)の方向に粒子のバーコード面を独自に整列させることに対応する。したがって、
図3に示すように、粒子は印加磁場によって平面基板などの基板上に誘導され得、バーコードリーダーおよび蛍光検出器またはカメラなどの関連する検出器によって読み取られ得る。
【0086】
図3bは、平面基板上の粒子の画像と、バーコードなどの読み取り可能なコードを表示している。
【0087】
図4は、実施形態の粒子30、70の表面からの距離の関数としての浮遊磁場の強さを示している。粒子の高アスペクト比ジオメトリのために、浮遊磁場が低いことがわかる。これは、有利なことに、粒子が凝集する傾向を減少させる。
【0088】
本発明の一実施形態による粒子は、以下のようにマルチプレックスアッセイを実施するために使用され得る。プロセスのステップを、
図5aおよび
図5bに示す。各粒子100は、例えば上述のようにリソグラフィで製造され、バーコード102(好ましくはクイックレスポンス(QR)コードまたは2Dデータマトリクスコード)でパターン化されている。所定のバーコード、または他の読み取り可能なコードは、マルチチャネルバイオアッセイで識別される特定のタンパク質などの所望のアッセイターゲットに割り当てられる。次に、特定のタンパク質に対応するコードを保持する各粒子は、
図5aに示すように、そのそれぞれのタンパク質に特異的な捕捉抗体104で機能化される。これは、従来の生化学プロトコルを使用して実行され得る。粒子の金の表面は、この機能化に適している。
【0089】
この実施形態および他の実施形態において、粒子の他の機能化が必要な場合、粒子の上面および底面の一方または両方に金以外の材料を使用し得る。例えば、SiO2を用いてもよい。
【0090】
分析物の検出は、従来のサンドイッチイムノアッセイで行われる。捕捉抗体が標的タンパク質106を捕捉するとき、捕捉抗体に相補的な蛍光標識検出抗体108への磁性粒子の曝露は、タンパク質に結合して標識する。当業者が理解するように、検出抗体におけるフルオロフォア110の蛍光は、タンパク質が捕捉され、したがってアッセイで試験されるサンプル中に存在したことを示すために使用され得る。
【0091】
したがって、複数の磁性粒子のセット(またはグループ)と、固有のコードを保持し対応する捕獲抗体で機能化された各粒子のセットとを備え、任意の所望の用途のために、便利な多重分析物捕捉プラットフォームを準備し得る。標的タンパク質の所望の範囲については、それらの標的タンパク質に対応する粒子の複数のセットを、マルチチャネルアッセイを使用して診断が行われる患者サンプルなどのアッセイサンプル中で混合し得る。
【0092】
図5bに示される好ましい実施形態によるアッセイでは、分析対象試薬は、流体媒体122中に保持される機能化磁性粒子の所望のセット120からなる。典型的な例では、分析対象試薬は、各標的タンパク質106の捕捉抗体で機能化された約100~1000のコード化磁性粒子(MC)のセットまたはグループを含み得る。分析対象試薬は分析対象のサンプルと混合され、存在する任意の標的タンパク質と反応が可能である。次に、磁性粒子は、磁気分離124によってサンプルおよび流体媒体から除去される。これには、外部磁場126を使用して粒子を共に引き付け(たとえば、サンプルを保持する容器の底にそれらが集まる128ように)、サンプルを除去または静かに移すことが含まれる。次に、粒子は流体媒体130に再懸濁され、対応する蛍光標識検出抗体108にさらされる。次に、外部磁場の印加により、粒子が駆動または操作され、読み取りのために表面132上に配置される。表面は、例えばスライドガラスでもあり得る。とりわけ、各粒子は面外で磁化されており、粒子の上面に向かう方向または上面から離れる固有の方向に磁化されているため、粒子はすべて互いに読み取りのために表面上の同じ平面内にあるように、および、たとえば、各粒子の上面が読み取り面から離れた方向を向くように、それらがすべて同じ方向に向けられるように、操作され得る。
【0093】
代替の実施形態では、粒子は、磁場が粒子の上面または底面に平行な面内で磁化され得る。粒子は、読み取りのために外部磁場によって表面に誘導され得るが、各粒子の上面または底面を表面から離れた方向に向けてすべての粒子を整列させることはできない。この明らかな問題は、2つの方法のいずれかで解決され得る。粒子は、粒子の上面と底面との両方に読み取り可能な情報を備えて製造され得るため、情報はどちらの側からでも読み取られ得る。あるいは、粒子は、例えば粒子層を十分に透明にして上面と底面との両方から情報を読み取られ得るようにすることにより、読み取り可能な情報を粒子のいずれかの面から読み取られ得るように製造され得る。
【0094】
粒子が読み取りのために表面132上に配置されると、適切なカメラおよび制御ソフトウェアを使用して粒子の2つの画像が撮影され得る。第1の画像134は、各粒子のコードまたは情報を示す明視野像である。これにより、画像内のどの粒子が各標的タンパク質の捕捉抗体を保持しているか、または言い換えると各粒子が属するマルチチャネルアッセイのチャネルを明確に識別する。第2画像136は粒子の蛍光画像である。粒子が蛍光を発する場合、その粒子上の検出抗体が対応するタンパク質を捕捉しており、蛍光強度がサンプル中のタンパク質の濃度を示し得る。粒子が蛍光を発しない場合、その粒子は対応するタンパク質を捕捉していないため、サンプル中には存在しない。したがって、2つの画像を重ね合わせることで、各粒子に蛍光強度の値を割り当てることにより、サンプル中に存在したタンパク質を識別し得る。対応する分析ソフトウェアは、サンプル中に存在するタンパク質と、それらのタンパク質の濃度を示す。
【0095】
粒子のバーコードによって可能になるマルチチャネル分析の重要な特徴は、プレックスチャネルの潜在的な数が非常に多く、最大でバーコードによってコード化できる限りのチャネル数になり得、さらに1000チャネル以上になり得ることである。同時に、個々のチャネル内の粒子を明確に識別し得るため、チャネル間のクロストークがほとんどまたはまったく達成できなくなり得る。比較すると、従来のビーズベースのバイオアッセイは、クロストークに対する耐性がはるかに低い蛍光ベースのチャネル識別システムを使用している。例えば、ある先行技術のシステムは、バーコード化ビーズにフルオロフォアの比率を使用し、分析物検出のためのポジティブシグナリングとしてフルオロフォア標識抗体を使用する。これにより、チャネル識別の信頼性に課題が生じ、プレックス番号が大幅に制限される。
【国際調査報告】