(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】微細加工超音波トランスデューサ装置のためのアンチスティクションキャビティ底面
(51)【国際特許分類】
H04R 1/00 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
H04R1/00 330A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525647
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-02
(86)【国際出願番号】 US2019061403
(87)【国際公開番号】W WO2020102492
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515244151
【氏名又は名称】バタフライ ネットワーク,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ,リンユン
(72)【発明者】
【氏名】ファイフ,キース,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,ジアンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ロスバーグ,ジョナサン,エム.
【テーマコード(参考)】
5D019
【Fターム(参考)】
5D019DD01
5D019FF04
5D019GG02
5D019HH01
(57)【要約】
超音波トランスデューサ装置の形成方法は、トポグラフィ特徴を有する絶縁層を基板の下側トランスデューサ電極上に形成することと、絶縁層の上にコンフォーマルのアンチスティクション層を、コンフォーマルの層も同じくそのトポグラフィ特徴を有するように形成することと、アンチスティクション層の上に形成された支持層内にキャビティを画定することと、支持層にメンブレンを結合することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波トランスデューサの形成方法において、
トポグラフィ特徴を有する絶縁層を基板の下側トランスデューサ電極層の上に形成することと、
前記絶縁層の上にコンフォーマルのアンチスティクション層を、前記コンフォーマルの層もまた前記トポグラフィ特徴を有するように形成することと、
前記アンチスティクション層の上に形成された支持層内にキャビティを画定することと、
メンブレンを前記支持層に結合することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記トポグラフィ特徴を形成することをさらに含み、前記トポグラフィ特徴は、トランスデューサの動作のたわみモードにおける前記コンフォーマルのアンチスティクション層と前記メンブレンとの間の接触領域に対応する、請求項1の方法。
【請求項3】
トポグラフィ特徴を有する前記絶縁層を形成することは、
前記基板上の第一の種類の層と前記第一の種類の層の上の第二の種類の犠牲層を形成することと、
前記第二の種類の犠牲層をリソグラフィによりパターニングし、部分的に除去することと、
前記パターニングされた第二の種類の犠牲層と第一の種類の層の上に第三の種類の層を形成することと、
前記第三の種類の層を前記パターニングされた第二の種類の犠牲層の上面に合わせて平坦化することと、
前記パターニングされた第二の種類の犠牲層の残りの部分を除去することと、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項4】
前記第一の種類の層はSiO
2を含み、
前記第二の種類の犠牲層はSiNを含み、
前記第三の種類の層はSiO
2を含む
請求項3の方法。
【請求項5】
前記コンフォーマルのアンチスティクション層は、原子層堆積法(ALD)により形成される酸化アルミニウム薄膜層を含む、請求項3の方法。
【請求項6】
前記酸化アルミニウム薄膜層は約20~40nmの厚さに形成される、請求項5の方法。
【請求項7】
前記第一の種類の層は約10~30nmの厚さに形成され、
前記第二の種類の犠牲層は約30~70nmの厚さに形成され、
前記第三の種類の層は約400~700nmの厚さに形成される
請求項3の方法。
【請求項8】
前記トポグラフィ特徴を有する絶縁層を形成することは、
前記基板の上に第一の種類の層を形成することと、
前記第一の種類の層をリソグラフィによりパターニングし、部分的に除去して、前記下側電極層を部分的に一時的に露出させて、前記トポグラフィ特徴を画定することと、
前記第一の種類の層の上に第一の種類の層の追加の材料を、前記トポグラフィ特徴を維持するような方法でコンフォーマルに堆積させることと、
をさらに含む、請求項1の方法。
【請求項9】
前記コンフォーマルのアンチスティクション層を形成することは、前記第一の種類の層の追加の材料の上に第二の種類の層をコンフォーマルに堆積させることをさらに含む、請求項8の方法。
【請求項10】
第三の種類の層を前記第二の種類の層の上にコンフォーマルに堆積させることであって、前記第三の種類の層は化学機械研磨(CMP)ストップ層を含む堆積させることと、
第四の種類の層を前記第三の種類の層の上に堆積させることであって、前記第四の種類の層はCMPバッファ層を含む堆積させることと、
前記第四の種類の層を前記第三の種類の層の上面に合わせて平坦化することと、
をさらに含む、請求項9の方法。
【請求項11】
前記支持層内に前記キャビティを画定することは、
前記CMPストップ層の上にメンブレン支持層を堆積させることと、
前記メンブレン支持層、前記CMPストップ層、及び前記CMPバッファ層の全ての残りの部分をリソグラフィによりパターニングし、エッチングして、前記アンチスティクション層を露出させることと、
をさらに含む、請求項10の方法。
【請求項12】
前記第一の種類の層はSiO
2を含み、
前記第二の種類の層は原子層堆積法(ALD)により形成された酸化アルミニウム薄膜層を含み、
前記第三の種類の層はSiNを含み、
前記第四の種類の層はSiO
2を含む
請求項11の方法。
【請求項13】
前記酸化アルミニウム薄膜層は約20~40nmの厚さに形成される、請求項12の方法。
【請求項14】
前記第一の種類の層は約10~30nmの厚さに形成され、
前記第一の種類の層の追加の材料は約10~30nmの厚さに形成され、
前記第三の種類の層は約20~50nmの厚さに形成され、
前記第四の種類の層は約400~700nmの厚さに形成される
請求項13の方法。
【請求項15】
超音波トランスデューサ装置において、
基板の下側トランスデューサ電極層の上に設置されたトポグラフィ特徴を有する絶縁層と、
前記絶縁層の上に、同じく前記トポグラフィ特徴を有するように配置されたコンフォーマルのアンチスティクション層と、
前記アンチスティクション層の上に形成された支持層内に画定されたキャビティと、
前記支持層に結合されたメンブレンと、
を含む超音波トランスデューサ装置。
【請求項16】
前記コンフォーマルのアンチスティクション層は酸化アルミニウム薄膜層を含む、請求項15の超音波トランスデューサ装置。
【請求項17】
前記酸化アルミニウム薄膜層は約20~40nmの厚さに形成される、請求項16の超音波トランスデューサ装置。
【請求項18】
前記トポグラフィ特徴は、トランスデューサ動作のたわみモードにおける前記コンフォーマルのアンチスティクション層と前記メンブレンとの間の接触領域に対応する、請求項15の超音波トランスデューサ装置。
【請求項19】
前記アンチスティクション層と前記支持層との間に配置された化学機械研磨(CMP)ストップ層をさらに含む、請求項15の超音波トランスデューサ装置。
【請求項20】
前記CMPストップ層はSiNを含む、請求項19の超音波トランスデューサ装置。
【請求項21】
前記絶縁層の前記トポグラフィ特徴は、
より低い上昇領域と、
前記より低い上昇領域内に画定された複数のポストであって、前記複数のポストの上面はより低い上昇領域より高い上昇位置に配置される複数のポストを含む
請求項15の超音波トランスデューサ装置。
【請求項22】
前記複数のポストは第一の直径を有する円形であり、前記より低い上昇領域は第二の直径を有する、請求項21の超音波トランスデューサ装置。
【請求項23】
前記より低い上昇領域の面積は、前記メンブレンのうち動作のたわみモード中に前記絶縁層と接触する面積に対応する、請求項22の超音波トランスデューサ装置。
【請求項24】
前記第一の直径は約3マイクロメートル(μm)であり、前記複数のポストは相互に約3μmのピッチで離間される、請求項22の超音波トランスデューサ装置。
【請求項25】
前記第二の直径は約40μmであり、前記キャビティの直径は約200μmである、請求項24の超音波トランスデューサ装置。
【請求項26】
前記第二の直径は約140μmであり、前記キャビティの直径は約200μmである、請求項24の超音波トランスデューサ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2018年11月15日に代理人ドケット番号第B1348.70119US00号として出願された、“ANTI-STICTION BOTTOM CAVITY SURFACE FOR MICROMACHINED ULTRASOUND TRANSDUCER DEVICES”と題する米国特許出願第62/768,048号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0002】
[0002] 本願は、2019年2月25日に代理人ドケット番号第B1348.70135US00号として出願された、“ADAPTIVE CAVITY THICKNESS CONTROL FOR MICROMACHINED ULTRASONIC TRANSDUCER DEVICE”と題する米国特許出願第62/810,358号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張するものであり、同出願の全体を参照によって本明細書に援用する。
【0003】
分野
[0003] 本開示は一般に、微細加工超音波トランスデューサに関し、より具体的には、微細加工超音波トランスデューサキャビティのためのアンチスティクションキャビティ底面及びトランスデューサの製造技術に関する。
【背景技術】
【0004】
背景
[0004] 超音波装置は、人の耳に聞こえるものより高い周波数の音波を利用して画像診断及び/又は治療を行うために使用されてよい。超音波のパルスを組織内に送信すると、音波が組織で反射され、組織の違いによって反射される音の程度が異なる。すると、これらの反射された音波が記録され、超音波画像としてオペレータに表示されるかもしれない。音声信号の強度(振幅)と音波が体内を通過するのにかかった時間は、超音波画像を生成するために使用される情報を提供する。
【0005】
[0005] 超音波イメージング装置の中には、基板上方に浮かせて支持されるフレキシブルメンブレンを含む微細加工超音波トランスデューサを使って製造されてよいものがある。キャビティが基板の一部とメンブレンとの間に位置付けられ、それによって基板、キャビティ、及びメンブレンの組合せが可変コンデンサを形成する。適当な電気信号により作動されると、メンブレンは振動によって超音波信号を生成する。超音波信号の受信に応答して、メンブレンは振動させられ、その結果、出力電気信号を生成する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
概要
[0006] 1つの態様において、超音波トランスデューサ装置の形成方法は、トポグラフィ特徴を有する絶縁層を基板の下側トランスデューサ電極層の上に形成することと、絶縁層の上にコンフォーマルのアンチスティクション層を、コンフォーマルの層も同じくそのトポグラフィ特徴を有するように形成することと、アンチスティクション層の上に形成された支持層内にキャビティを画定することと、メンブレンを支持層に結合することと、を含む。
【0007】
[0007] 幾つかの実施形態において、方法は、トポグラフィ特徴を形成することをさらに含み、トポグラフィ特徴は、トランスデューサの動作のたわみ(collapse)モードにおけるコンフォーマルのアンチスティクション層とメンブレンとの間の接触領域に対応する。幾つかの実施形態において、トポグラフィ特徴を有する絶縁層を形成することは、基板上の第一の種類の層と第一の種類の層の上の第二の種類の犠牲層を形成することと、第二の種類の犠牲層をリソグラフィによりパターニングし、部分的に除去することと、パターニングされた第二の種類の犠牲層と第一の種類の層の上に第三の種類の層を形成することと、第三の種類の層をパターニングされた第二の種類の犠牲層の上面に合わせて平坦化することと、パターニングされた第二の種類の犠牲層の残りの部分を除去することと、をさらに含む。幾つかの実施形態において、第一の種類の層はSiO2を含み、第二の種類の犠牲層はSiNを含み、第三の種類の層はSiO2を含む。幾つかの実施形態において、コンフォーマルのアンチスティクション層は、原子層堆積法(ALD:atomic layer deposition)により形成される酸化アルミニウム薄膜層を含む。幾つかの実施形態において、酸化アルミニウム薄膜層は約20~40nmの厚さに形成される。幾つかの実施形態において、第一の種類の層は約10~30nmの厚さに形成され、第二の種類の犠牲層は約30~70nmの厚さに形成され、第三の種類の層は約400~700nmの厚さに形成される。幾つかの実施形態において、トポグラフィ特徴を有する絶縁層を形成することは、基板上に第一の種類の層を形成することと、第一の種類の層をリソグラフィによりパターニングし、部分的に除去して、下側電極層を部分的に一時的に露出させて、トポグラフィ特徴を画定することと、第一の種類の層の上に第一の種類の層の追加の材料を、トポグラフィ特徴を維持するような方法でコンフォーマルに堆積させることとをさらに含む。幾つかの実施形態において、コンフォーマルのアンチスティクション層の形成は、第一の種類の層の追加の材料の上に第二の種類の層をコンフォーマルに堆積させることをさらに含む。幾つかの実施形態において、方法は、第三の種類の層を第二の種類の層の上にコンフォーマルに堆積させることであって、第三の種類の層は化学機械研磨(CMP:chemical mechanical polishing)ストップ層を含む堆積させることと、第四の種類の層を第三の種類の層の上に堆積させることであって、第四の種類の層はCMPバッファ層を含む堆積させることと、第四の種類の層を第三の種類の層の上面に合わせて平坦化することと、をさらに含む。幾つかの実施形態において、方法は、CMPストップ層の上にメンブレン支持層を堆積させることと、メンブレン支持層、CMPストップ層、及びCMPバッファ層の全ての残りの部分をリソグラフィによりパターニングし、エッチングして、アンチスティクション層を露出させることと、をさらに含む。幾つかの実施形態において、第一の種類の層は、SiO2を含み、第二の種類の層は原子層堆積法(ALD)により形成された酸化アルミニウム薄膜層を含み、第三の種類の層はSiNを含み、第四の種類の層はSiO2を含む。幾つかの実施形態において、酸化アルミニウム薄膜層は約20~40nmの厚さに形成される。幾つかの実施形態において、第一の種類の層は約10~30nmの厚さに形成され、第一の種類の層の追加の材料は約10~30nmの厚さに形成され、第三の種類の層は約20~50nmの厚さに形成され、第四の種類の層は約400~700nmの厚さに形成される。
【0008】
[0008] 他の態様において、超音波トランスデューサ装置は、基板の下側トランスデューサ電極層の上に設置されたトポグラフィ特徴を有する絶縁層と、絶縁層の上に、同じくそのトポグラフィ特徴を有するように配置されたコンフォーマルのアンチスティクション層と、アンチスティクション層の上に形成された支持層内に画定されたキャビティと、支持層に結合されたメンブレンと、を含む。
【0009】
[0009] 幾つかの実施形態において、コンフォーマルのアンチスティクション層は酸化アルミニウム薄膜層を含む。幾つかの実施形態において、酸化アルミニウム薄膜層は約20~40nmの厚さに形成される。幾つかの実施形態において、トポグラフィ特徴は、トランスデューサ動作のたわみモードにおけるコンフォーマルのアンチスティクション層とメンブレンとの間の接触領域に対応する。幾つかの実施形態において、超音波トランスデューサ装置は、アンチスティクション層と支持層との間に配置された化学機械研磨(CMP)ストップ層をさらに含む。幾つかの実施形態において、CMPストップ層はSiNを含む。幾つかの実施形態において、絶縁層のトポグラフィ特徴は、より低い上昇領域と、より低い上昇領域内に画定された複数のポストと、を含み、複数のポストの上面はより低い上昇領域より高い上昇位置に配置される。幾つかの実施形態において、複数のポストは第一の直径を有する円形であり、より低い上昇領域は第二の直径を有する。幾つかの実施形態において、より低い上昇領域の面積は、メンブレンのうち動作のたわみモード中に絶縁層と接触する面積に対応する。幾つかの実施形態において、第一の直径は約3マイクロメートル(μm)であり、複数のポストは相互に約3μmのピッチで離間される。幾つかの実施形態において、第二の直径は約40μmであり、キャビティの直径は約200μmである。幾つかの実施形態において、第二の直径は約140μmであり、キャビティの直径は約200μmである。
【0010】
図面の簡単な説明
[0010] 本願の各種の態様と実施形態を下記のような図面を参照しながら説明する。図面は必ずしも正確な縮尺で描かれていないと理解されたい。複数の図面内に示される項目は、それらが示されている全ての図において同じ参照番号で指示される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】[0011]例示的な微細加工超音波トランスデューサ装置の断面図である。
【
図2】[0012]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する例示的な微細加工超音波トランスデューサの断面図である。
【
図3】[0013]1つの実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面の上面図である。
【
図4】[0014]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面の上面図である。
【
図5】[0015]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面の上面図である。
【
図6】[0016]また別の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面の上面図である。
【
図8】[0018]
図7のアンチスティクションキャビティ底面の、線8-8に沿って切断した断面図である。
【
図9-1】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図9-2】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図9-3】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図9-4】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図9-5】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図9-6】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図9-7】[0019]ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図10】[0020]
図9-1~9-7の例示的なプロセスフローを説明するフロー図である。
【
図11-1】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-2】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-3】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-4】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-5】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-6】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-7】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-8】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図11-9】[0021]他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的なプロセスフローを図解する断面図である。
【
図12】[0022]
図11-1~11-9の例示的なプロセスフローを説明するフロー図である。
【
図13】[0023]
図9-1~9-7及び
図10のプロセスフローを使用するか、又は
図11-1~11-9及び
図12のプロセスフローを使用して形成されてよい例示的な超音波トランスデューサ装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
詳細な説明
[0024] 本明細書で説明する技術は、微細加工超音波トランスデューサキャビティのためのアンチスティクションキャビティ底面に関する。
【0013】
[0025] 超音波イメージング装置での使用に適した1つのタイプのトランスデューサは微細加工超音波トランスデューサ(MUT:micromachined ultrasonic transducer)であり、これは例えばシリコンから製造し、超音波エネルギーを送受信するように構成できる。MUTには、容量型微細加工超音波トランスデューサ(CMUT:capacitive micromachined ultrasonic transducers)及び圧電型微細加工超音波トランスデューサ(PMUT:piezoelectric micromachined ultrasonic transducers)が含まれていてよく、これらはどちらも、例えば製造コストの削減及び製造時間の短縮及び/又は周波数バンド幅の増大等、より従来的なトランスデューサの設計に対する幾つかの利点を提供できる。CMUT装置に関して、基本構造は、剛体下部電極とフレキシブルメンブレン上又はその中にある上部電極を有する平行板コンデンサである。それゆえ、下部及び上部電極間にキャビティが画定される。幾つかの設計(例えば本願の譲受人が製造するもの等)では、CMUTはトランスデューサの動作を制御する集積回路上に直接集積されてよい。CMUTの1つの製造方法は、メンブレン基板を相補型金属酸化膜半導体(CMOS)基板等の集積回路基板に結合することである。これは、十分に低温で実行されてよく、それによって集積回路の装置への損傷を防止できる。
【0014】
[0026] ここでまず
図1を参照すると、CMUT等の例示的な微細加工超音波トランスデューサ装置100の断面図が示されている。トランスデューサ装置100は、概して102で示される基板(例えば、シリコン等の相補型金属酸化膜半導体(CMOS)基板)を含み、それは例えばCMOS回路、配線層、再配線層、絶縁/パシベーション層、及び1つ又は複数の金属電極層103等の1つ又は複数の層を有する。基板102のこのような金属電極層103は、トランスデューサ下部電極として機能してよい。具体的な基板及びトランスデューサ下部電極パターンは本開示の焦点ではないため、1つの例のみが図中に示されている。しかしながら、本実施形態は、例えばドーナツ形電極(例えば、内部の金属が除去されている)、複数のセグメント又はリング電極、及び下部電極以外の目的(例えば、結合中のキャビティゲッタ)に使用される追加の金属パターンを含む(ただし、これらに限定されない)他の幾つかのトランスデューサ電極構造と一緒に実装されてもよいことが理解されるであろう。
【0015】
[0027] 引き続き
図1を参照すると、基板102(下部電極を含む)がその上に形成された、概してスタック104で示される1つ又は複数の絶縁層を有していてよいことが見られるであろう。トランスデューサキャビティ105は、スタック104上に形成された支持層106をリソグラフィによりパターニングし、エッチングすることによって画定される。支持層106は、例えばSiO
2等の絶縁層であってよく、その残りの部分は、フレキシブルトランスデューサメンブレン108(例えば、約1×10
18原子/cm
3~約1×10
19原子/cm
3の濃度で高濃度ドープされたシリコン)が結合される支持面を提供する。
【0016】
[0028] トランスデューサ装置100の動作中、送信モード及び/又は受信モードの何れにおいても、トランスデューサメンブレン108はスタック104の上部(すなわち、キャビティ105の底面)と物理的に接触してよく、これは
図1中、メンブレン108’の破線の位置で示される。この位置は、当技術分野で知られているように、動作のいわゆる「たわみ(collapse)モード」を示してよい。「たわみ(collapse)モード」(「たわんだ(collapsed)モード」という用語とも互換的に使用される)は、トランスデューサの動作のうち、微細加工超音波トランスデューサメンブレンの少なくとも一部分が機械的に固定され、メンブレンの少なくとも一部分は下部電極と上部メンブレンとの間の電圧差の変化に基づいて自由に振動するモードを示す。一方で、微細加工超音波トランスデューサをたわみモードで動作させることによって、トランスデューサにより生成される音響出力(出力圧力)が最適化されるかもしれない。しかしながら、他方で、たわみモードで動作する微細加工超音波トランスデューサの1つの付随現象は、電荷保持(「電荷トラッピング」としても知られる)であるかもしれず、メンブレン及び/又はキャビティ底面が、望ましくないことに、電荷を蓄積するか、又はリーク電流を伝導する。その結果、この電荷保持が今度は、望ましくないことに、装置の動作中にメンブレンのたわみが誘導される印加電圧が変化する。
図1のトランスデューサ100に関するたわみモードの他の考え得る付随現象はスティクションであるかもしれず、これはメンブレン108とキャビティ105の底面との間の接触表面積の量に関係し、2つの表面が、不利な点として、相互に付着する。スティクションは一般に、装置の信頼性の低下につながり、したがって装置がその動作寿命を通じて適正に動作できることを確実にするためには、これに対処すべきである。
【0017】
[0029] そこで、
図2は、ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する例示的な微細加工超音波トランスデューサ装置200の側面図を図解している。説明しやすくするために、異なる図間の同様の要素は同じ参照番号で示されている。
図2の実施形態では、基板102(下部電極を含む)は、その上に形成された1つ又は複数の絶縁層を有していてよく、これらは概してスタック204により示されている。
図1の実施形態とは異なり、スタック204の最も上の層は、たわんだメンブレン108’とスタック204の最上層との間の直接表面接触面積の量を減らすようにトポグラフィ特徴を有することにより特徴付けられる。
【0018】
[0030] スタック204のために使用されてよい種々の考え得るトポグラフィパターンがあるが、幾つかの具体例が
図3~6に示されており、これらの各々は各種の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面の上面図を示している。
図3~6における凡例に示されているように、より濃い、及びより薄いシェードは同じアンチスティクション材料層の異なる高さを表す(これは、シェードは同じ高さにある異なる材料を表していることと異なる)。
図3の実施形態では、トポグラフィ(例えば、隆起)領域302aは一般に、キャビティ中心から概して同心円状の円形パターンに配置された概して長方形の形状を有していてよい。トポグラフィ領域302a(及びスタック204の、キャビティの外周に近いそのほかのより濃いシェード付き領域302b)は、より明るいシェード付き領域304より高い上昇位置に配置される。後でより詳しく説明するように、スタック204の一番上の層は、スタック204の下層内に位置付けられた、それ以前に画定されたトポグラフィの上にコンフォーマルに堆積されたアンチスティクション薄膜層を含んでいてよい。
図4の実施形態では、トポグラフィ領域402aは概して円形及び/又はリング形状であってよく、任意選択により区切られていてよい。再び、
図3の実施形態の場合と同様に、トポグラフィ領域402a(及びスタック204の、キャビティの外周に近いそのほかのより濃いシェード付き領域402b)は、より明るいシェード付き領域404より高い上昇位置にある。
【0019】
[0031] スタック204に使用されてよいトポグラフィパターンのためのまた別の実施形態が
図5に示されている。この実施形態では、トポグラフィ領域502aは概して行と列に配置された円形ポストのアレイによって画定されてよい。キャビティ領域全体と比較してより明るいシェードの付けられたより低い上昇領域504は、スタック204の、より高い上昇位置にある残りの外側領域502bのそれに関して比較的小さい面積を有していてよい。この実施形態は例えば、たわみモード中にトランスデューサのメンブレンの比較的小さい面積だけがキャビティ底面と接触するトランスデューサの動作モードで有利であるかもしれない。それに対して、
図6はスタック201のための代替的な実施形態であり、これは
図5と同様であるが、トポグラフィ領域502a(ポスト)の数がより多い。
図6の実施形態は例えば、たわみモード中にトランスデューサのメンブレンの比較的大きい面積がキャビティ底面と接触するトランスデューサの動作モードで有利であるかもしれない。
【0020】
[0032]
図5の破線の正方形の領域の拡大図が
図7に示されており、
図8はそれに対応する、
図7の線8-8に沿って切断されたスタック204の断面図である。図解のみを目的として、例示的なトポグラフィ構成は、第一の直径d
1が約3マイクロメートル(μm)程度の寸法であり、約3μmのピッチで離間されたトポグラフィ領域502a(ポスト)を有していてよい。それに対応して、より低い上昇領域504の第二の直径d
2は約40μm程度であってよい。再び、
図5の実施形態について、d
2はトランスデューサのキャビティ全体の例示的な直径(例えば、約200μm)と比べて比較的小さくてよい。代替的に、例えば
図6における実施形態では、d
2はトランスデューサのキャビティ全体の直径(例えば、約200μm)と比べて比較的大きくてよい(例えば、約140μm)。これらの寸法は図解のためにのみ提供されていると理解されたく、他の幾何学寸法及び構成も可能であると想定される。
【0021】
[0033] ここで、
図9-1~9-7を概して参照すると、ある実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成する例示的プロセスを図解する一連の断面図が示されている。それに加えて、
図10は、
図9-1~9-7の例示的な加工断面図を説明する、付随するフロー図である。例示的なプロセスフローは、
図2~8の何れかに示されているような装置のほか、すでに説明した図面に具体的に描かれていない他のトポグラフィ構造を形成するために使用されてよいと理解されたい。そのため、理解すべき点として、
図9-1~9-7のプロセスフローに描かれたトポグラフィ特徴は図解を目的としているにすぎず、それ以外にいかなる限定的な意味にも解釈すべきではない。
【0022】
[0034]
図9-1に図示され、
図10のブロック1002に示されているように、第一の種類の層902と第二の種類の犠牲層904がトランスデューサの下側電極層の上に堆積される。より具体的には、第一の種類の層902は基板102の上に堆積され、第二の種類の犠牲層904は第一の種類の層902の上に堆積される。再び、具体的なトランスデューサ下部電極パターンは本開示の焦点ではないため、このような金属電極層103は一般に、図中に表されているように基板102の上側部分に組み込まれると理解すべきである。例示的な実施形態において、第一の種類の層902は、約10~30ナノメートル(nm)の厚さに形成されたSiO
2の薄膜層であってよく、第二の種類の犠牲層904は、約30~70nmの厚さに形成されたSiNの薄膜層であってよい。
図9-2に図示され、
図10のブロック1004に示されるように、第二の種類の犠牲層904は、トランスデューサキャビティの位置に対応する領域においてパターニングされる(例えば、フォトリソグラフィ及びエッチングによる)。
【0023】
[0035] 第二の種類の犠牲層904のパターニングの後、第三の種類の層906が
図9-3において図示され、
図10のブロック1006に示されるように堆積されてよい。第三の種類の層906は、第一の種類の層902(例えば、SiO
2)と同じ種類の材料で、第二の種類の犠牲層904のパターニングと部分的な除去によって作られる領域を再充填するのに十分な厚さ(例えば、400~700nm)に形成されてよい。次に、
図9-4において図示され、
図10のブロック1008に示されるように、第三の種類の層906はパターニングされた第二の種類の犠牲層904の上面のレベルに合わせて、例えば化学機械研磨(CMP)等によって平坦化される。第二の種類の犠牲層904はその後、例えばエッチング等によって選択的に除去され(
図10のブロック1010)、それによって
図9-5に示される構造が得られる。
【0024】
[0036]
図9-6において図示され、
図10のブロック1012に示されるように、絶縁スタック204は、層902及び906のトポグラフィの上に第四の種類の薄膜層1008を、例えば原子層堆積法(ALD)等によってコンフォーマルに堆積させることによって画定される。例示的な実施形態では、層902及び906について同じ種類の材料(例えば、SiO
2)を使用してよいため、層の組合せ902/906はこれ以降の図面では図解しやすいように単層910として描かれる。第四の種類の薄膜層908は、約20~40nmの厚さに形成された酸化アルミニウム等のアンチスティクション材料となるように選択される。層910(例えば、層902及び906)により画定されるトポグラフィの上に酸化アルミニウム薄膜層908をコンフォーマルに堆積させることによって、アンチスティクション材料の比較的均一で連続的な薄膜が生成される(これは例えば、アンチスティクション材料の薄い平坦な層を通じたエッチングと対照的であり、その場合はスタック204のスムーズでない不連続の上層が得られるかもしれない)。これは今度は、その後の結合プロセスにとって、例えばプロセスにより誘導される欠陥が最小限の、優れた結合面を提供することによって有利であるかもしれない。
図9-6内で薄膜層908が形成されると、例えば
図9-7において図示され、
図10のブロック1014で示されるもの等、追加のトランスデューサ加工が当技術分野で知られているように継続されてよい。これには例えば、絶縁(支持)層106内にトランスデューサキャビティを画定することと、フレキシブルメンブレン108を前述のように層106のパターンニングされた支持部分に結合することと、が含まれていてよい。さらに理解すべき点として、この点において、図解された実施形態は1つのキャビティを示しているが、何れの適当な数のキャビティ及び対応する電極構造が形成されてもよい(例えば、何百、何千、何万等)。
【0025】
[0037] 次に、
図11-1~11-9を概して参照すると、他の実施形態によるアンチスティクションキャビティ底面を有する微細加工超音波トランスデューサ装置を形成するための例示的プロセスを図解する一連の断面図が示されている。それに加えて、
図12は、
図11-1~11-9の例示的な加工断面図を説明する、付随するフロー図である。この例示的なプロセスフローは、
図2~8の何れかに示されているような装置のほか、すでに説明した図面に具体的に描かれていない他のトポグラフィ構造を形成するために使用されてよいと理解されたい。そのため、再び理解すべき点として、
図11-1~11-9のプロセスフローに描かれたトポグラフィ特徴は図解を目的としているにすぎず、それ以外にいかなる限定的な意味にも解釈すべきではない。
【0026】
[0038]
図11-1において図示され、
図12のブロック1202に示されているように、第一の種類の層1102が基板102の上に堆積され(例えば、約10~30nmの厚さに形成されたSiO
2の薄膜層)、トランスデューサキャビティの位置に対応する領域においてパターニングされる(例えば、フォトリソグラフィとエッチングによる)。再び、具体的なトランスデューサ下部電極パターンは本開示の焦点ではないため、このような金属電極層103は、概して図中に表される基板102の上側部分に組み込まれると理解すべきである。
図11-2において図示され、
図12のブロック1204に示されるように、第一の種類の材料の追加の層1104(例えば、約10~30nmの厚さに形成されたSiO
2の薄膜層)がパターニングされた層1102と金属電極層103の露出部分の上にコンフォーマルに堆積される。結果として得られる層1106(これ以降の図面では単層として示される)は、所望のキャビティ下層トポグラフィを有し、これは例えば前述の、又は上では明記されていない他のパターンの何れかに対応するものである。
図11-2において図示される中間構造を形成する代替的な方法は、第一の種類の材料の、より厚い層(例えば、約20~60nmの厚さに形成されたSiO
2の薄膜層)を形成し、その後、タイムドエッチ(timed etch)を行う(すなわち、SiO
2材料を金属電極層103まで貫通しないもの)こととすることができる点に留意されたい。しかしながら、
図11-1及び11-2に示されるような後者の方法は、その後形成される層の段差の高さ等、トポグラフィ特徴を制御する、より確実な方法を提供するかもしれない。
【0027】
[0039] 第一の種類の材料のトポグラフィを有する層1106の形成に続き、
図12のブロック1206に示されるように、第二の種類の材料の層1108が
図11-3に示されるように層1106の上にコンフォーマルに堆積され、その後、第三の種類の材料の層1110が
図11-4に示されるように層1108の上にコンフォーマルに堆積される。第二の種類の材料の層1108は、約20~40nmの厚さにALDにより形成された酸化アルミニウム等のアンチスティクション材料であってよい。第三の種類の材料の層1110は、CMPストップ層として機能するように選択され、例えば約20~50nmの初期厚さに形成されたSiN層であってよい。
【0028】
[0040]
図11-5において図示され、
図12のブロック1208で示されるように、第四の種類の層1112(例えば、薄膜SiO
2)が第三の種類の材料/CMPストップ層1110の上にある厚さ(例えば、約400~700nm)にコンフォーマルに堆積され、CMPバッファ層として機能してよい。次に、
図11-6において、また
図12のブロック1210に示されるように、構造は、CMPバッファ層1112が実質的に除去され、CMPストップ層1110で停止するように平坦化され、CMPストップ層1110の厚さはCMP作業の結果として減少するかもしれない。CMPバッファ層1112のある部分は、同じく
図11-6に示されるように、CMPストップ層1110の下側トポグラフィ領域の上に依然として残っていてよい。CMPバッファ層1112とCMPストップ層1110の上述の組合せの利点は、トランスデューサ装置の中に組み込まれたアンチスティクション表面1108を提供しながら、加工作業はCMUT平坦化プロセスと依然として両立することであり、それによってプロセスにより誘導される欠陥が最小限である優れた結合界面が提供される。
【0029】
[0041] 平坦化の後、当技術分野で知られている追加のトランスデューサ加工作業が続けられてよい。
図11-7において図示され、
図12のブロック1212に示されるように、メンブレン支持層106(例えば、SiO
2)が形成される。その後、
図11-8において図示され、
図12のブロック1214に示されるように、メンブレン支持層106はリソグラフィによってパターニングされ、エッチングされて、トランスデューサキャビティ105が画定され、そこでメンブレン支持層106、CMP研磨ストップ層1110、及び残っているCMPバッファ層1112の露出部分が除去されて、トポグラフィを有するアンチスティクション層1108が露出する。すると、フレキシブルメンブレン108は、
図11-9において図示され、
図12のブロック1216に示されるように、メンブレン支持層106の残っている部分に結合されてよい。再び、この点において、図の実施形態では1つのキャビティが示されているが、何れの適当な数のキャビティ及び対応する電極構造が形成されてもよい(例えば、何百、何千、何万等)ことをさらに理解すべきである。
【0030】
[0042]
図13は、本明細書に記載の例示的なプロセスフローの実施形態の何れかを使用して形成される例示的な超音波トランスデューサ装置1300の上面図を示す。図のように、トランスデューサ装置は前述のもののような個別のトランスデューサ100のアレイを含む。
図13に示されるトランスデューサ100の具体的な数はいかなる限定的な意味にも解釈すべきではなく、所望のイメージング用途に適した何れの数を含んでいてもよく、それは例えば何十、何百、何千、何万、又はそれ以上の程度であってよい。
図13はさらに、トランスデューサ100のメンブレン(上側電極)に電気信号を分配してよい金属1302の例示的な位置をさらに示す。
【0031】
[0043] 超音波トランスデューサ100のこの部分の例示的な幾何学構造は概して円形であるが、例えば長方形、六角形、八角形、及びその他の多辺形等、他の構成もまた想定されると理解すべきである。
【0032】
[0044] 前述の実施形態は、様々な方法で実装できる。例えば、実施形態はハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組合せで実装されてよい。ソフトウェアで実装される場合、ソフトウェアコードは何れの適当なプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)又はプロセッサの集合でも実行でき、単独のコンピューティングデバイスの中で提供されるか、又は複数のコンピューティングデバイスの間で分散されるかを問わない。前述の機能を実行する何れのコンポーネント又はコンポーネントの集合も、概して前述の機能を制御する1つ又は複数のコントローラと考えることができると理解すべきである。1つ又は複数のコントローラは各種の方法で、例えば専用ハードウェアで、又は前述の機能を実行するようにマイクロコード若しくはソフトウェアを使ってプログラムされた汎用ハードウェア(例えば、1つ又は複数のプセッサ)で実装できる。
【0033】
[0045] 本発明の各種の態様は、単独でも、組み合わせても、又は上で説明された実施形態の中で具体的に論じられていない様々な配置でも使用されてよく、したがって、その用途において上の説明文に記載され、又は図中に示されているコンポーネントの詳細及び配置に限定されない。例えば、1つ実施形態において説明された態様は、他の実施形態で説明された態様と何れの方法でも組み合わせられてよい。
【0034】
[0046] また、この技術の幾つかの態様は方法として実施されてもよく、その例はすでに挙げた。この方法の一環として実行される行為には、何れの適当な順序が付けられてもよい。したがって、行為が図示されたものとは異なる順序で行われる実施形態が構成されてもよく、これには例示的な実施形態では逐次的な行為として示されていても、幾つかの行為を同時に行うことが含まれてよい。
【0035】
[0047] 特許請求の範囲において特許請求要素を修飾するための「第一の」、「第二の」、「第三の」等の順序を示す用語の使用は、それ自体が1つの特許請求要素のその他に対するいかなる優先性、先行性、若しくは順序、又はある方法の行為が実行される時間的順序を示しているのではなく、特定の名称を有する1つの特許請求要素を同じ名称(順序を示す用語の使用を除く)を有する他の要素から区別して、特許請求要素を区別するための表示として使用されているにすぎない。
【0036】
[0048] また、本明細書で使用される表現法及び用語は説明のみを目的としており、限定的とみなすべきではない。本明細書における「~を含む(including)」、「~を含む(comprising)」、又は「~を有する(having)」、「~を含む(containing)」、「~を含む(involving)」、及びそれらの変化形の使用は、目的語として列挙された項目及びそれらの等価物並びに追加の項目を包含するものである。
【0037】
[0049] 特許請求の範囲及び上記の明細書において、「~を含む(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を運ぶ(carrying)」、「~を有する(having)」、「~を含む(containing)」、「~を含む(involving)」、「~を保持する(holding)」、「~から構成される(composed of)」等の移行句は全てオープンエンド型であり、すなわち、~を含むがそれらに限定れない、を意味すると理解されたい。「~なる(consisting of)」、及び「基本的に~からなる(consisting essentially of)」の移行句のみ、それぞれ限定型又は半限定型移行句であるものとする。
【国際調査報告】