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特表2022-507237深度プロファイルを生成するための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】深度プロファイルを生成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20220111BHJP
   G01N 33/48 20060101ALI20220111BHJP
   G01N 21/65 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G01N21/64 Z
G01N33/48 M
G01N21/65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525709
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-28
(86)【国際出願番号】 US2019061306
(87)【国際公開番号】W WO2020102442
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】62/760,620
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.QRコード
3.ANDROID
(71)【出願人】
【識別番号】518318336
【氏名又は名称】エンスペクトラ・ヘルス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ランダヴァソ・アイブイ,フレッド
(72)【発明者】
【氏名】モントゴメリー,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】アローラ,ピュシュ
【テーマコード(参考)】
2G043
2G045
【Fターム(参考)】
2G043AA03
2G043BA16
2G043EA01
2G043EA03
2G043FA01
2G043FA02
2G043HA07
2G043HA09
2G043JA03
2G043KA07
2G043KA08
2G043KA09
2G043LA03
2G045AA24
2G045AA25
2G045AA26
2G045CB01
2G045CB02
2G045CB09
2G045FA11
2G045FA16
2G045JA07
(57)【要約】
本明細書中では、サンプルの厚さを貫いて撮像する際に光学分解能を向上させることができる方法、デバイス、及び、システムが提供される。被検体の組織の深度プロファイルを生成するための方法は、光源からの励起光ビームを組織の表面に向けて伝送するために光プローブを使用するステップと、光プローブ内の1つ以上の集束ユニットを使用して、走査経路に沿う励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するステップと、組織を励起光ビームと接触させる際に生成される信号の少なくともサブセットを検出するステップと、信号の前記少なくともサブセットを処理するようにプログラムされる1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して組織の深度プロファイルを生成するステップとを含んでもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の組織の深度プロファイルを生成するための方法であって、
(a)光源からの励起光ビームを前記組織の表面に伝送するために光プローブを使用するステップであって、前記励起光ビームのパルスが、前記組織に接触する際に、前記組織の固有の特性を示す信号をもたらし、前記光プローブが、前記励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整する1つ以上の集束ユニットを備える、ステップと、
(b)前記信号の少なくともサブセットを検出するステップと、
(c)前記組織の前記深度プロファイルを生成するために、(b)で検出された前記信号の前記少なくとも前記サブセットを処理するようにプログラムされる1つ以上のコンピュータプロセッサを使用するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記励起光ビームがパルス光ビームである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記励起光ビームが単一の光ビームである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記単一の光ビームがパルス光ビームである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記励起光ビームが複数の光ビームを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
(b)は、前記信号の複数のサブセットを同時に検出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記信号の前記複数のサブセットを処理して複数の深度プロファイルを生成するステップを更に含み、前記複数の深度プロファイルは、前記信号を検出するときのプローブ位置に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の深度プロファイルが同じ走査経路に対応する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記走査経路が傾斜走査経路を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の深度プロファイルのそれぞれに関して少なくとも1つの別個の色を割り当てるステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の深度プロファイルからのデータの少なくともサブセットを組み合わせて複合深度プロファイルを形成するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記複合深度プロファイルから導出される合成画像をディスプレイスクリーン上に表示するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記合成画像が多色画像である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記多色画像の色成分は、時間的及び位置的に同期される信号のサブセットを使用する複数の深度プロファイルに対応する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備え、前記複数のサブセット深度プロファイルは、処理されて生成された信号からの光学データを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数の深度プロファイルが第1の深度プロファイル及び第2の深度プロファイルを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の深度プロファイルは、前記第2の深度プロファイルに具備される信号から生成されるデータとは異なる信号から処理されるデータを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の深度プロファイル及び前記第2の深度プロファイルは、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから独立して選択される1つ以上の処理された信号を備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記複数の深度プロファイルは、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される信号から処理されたデータを備える第3の深度プロファイルを備える、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記深度プロファイルは、前記信号の複数のサブセットから形成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される画像の複数のサブセットから形成される複数の層を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
複数の深度プロファイルを生成するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記複数の深度プロファイルのそれぞれが異なるプローブ位置に対応する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記複数の深度プロファイルは、前記信号を検出する際の異なる走査パターンに対応する、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記異なる走査パターンが同じ時間及びプローブ位置に対応する、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記異なる走査パターンのうちの少なくとも1つの走査パターンが傾斜走査パターンを備える、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記傾斜走査パターンが傾斜面を形成する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記組織が生体内組織を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
(c)は、生体内深度プロファイルを生成するステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記注釈は、単語及びマーキングから成るグループから選択される少なくとも1つの注釈を備える、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記多光子蛍光信号が複数の多光子蛍光信号を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記信号は、第三高調波発生信号、コヒーレント反ストークスラマン散乱信号、誘導ラマン散乱信号、及び、蛍光寿命撮像信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を更に備える、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記信号は、前記組織内の同じ時間及び位置で生成される、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
(a)の前に、前記被検体の前記組織を前記光プローブと接触させるステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
走査経路に沿って前記励起光ビームの前記焦点の前記深度及び前記位置を調整するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記走査経路が傾斜走査経路である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記傾斜走査経路は、前記光プローブの光軸に対して傾けられる方向に沿って位置される傾斜面を形成する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記傾斜面と前記光軸との間の角度は、0度よりも大きく90度未満である、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
(a)-(c)が造影剤を前記被検体に投与することなく行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記励起光ビームが無偏光を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記励起光ビームが偏光を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
検出する前記ステップが周辺光の存在下で行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項48】
(a)は、前記被検体の前記組織を貫通することなく行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサを用いて、前記深度プロファイルを使用して前記組織の特徴を特定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項50】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して前記組織中の疾病を特定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項51】
前記疾病が少なくとも約80%の精度で特定される、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記疾病が少なくとも約90%の精度で特定される、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記疾病が癌である、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
前記組織が前記被検体の皮膚であり、前記癌が皮膚癌である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記深度プロファイルが少なくとも約0.8マイクロメートルの分解能を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
前記励起光ビームのパワーを測定するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
前記励起光ビームの前記パワーをリアルタイムで監視するステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して前記パワーに関して正規化し、それにより、正規化された深度プロファイルを生成するステップを更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記深度プロファイルから少なくとも部分的に生成される前記組織の投影断面画像を表示するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
画像の複数の層の合成を表示するステップを更に含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記複数の層のそれぞれは、複数の深度プロファイルのうちの対応する深度プロファイルによって生成される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
被検体の組織の深度プロファイルを生成するためのシステムであって、
光源からの励起光ビームを前記組織の表面に伝送するように構成される光プローブであって、前記励起光ビームが、前記組織に接触する際に、前記組織の固有の特性を示す信号をもたらし、前記光プローブが、前記励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するように構成される1つ以上の集束ユニットを備える、光プローブと、
前記信号の少なくともサブセットを検出するように構成される1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、前記1つ以上のコンピュータプロセッサが、前記組織の深度プロファイルを生成するために前記1つ以上のセンサによって検出される前記信号の前記少なくとも前記サブセットを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【請求項63】
前記励起光ビームがパルス光ビームである、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記パルス光ビームが単一の光ビームである、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記1つ以上の集束ユニットがz軸スキャナ及び微小電気機械システム(MEMS)ミラーを備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項66】
前記z軸スキャナが1つ以上のレンズを備える、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記1つ以上のレンズのうちの少なくとも1つがアフォーカルレンズである、請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記z軸スキャナがアクチュエータを備える、請求項65に記載のシステム。
【請求項69】
前記アクチュエータがボイスコイルを備える、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって制御される2つ以上のアクチュエータによって別々に作動される、請求項68に記載のシステム。
【請求項71】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーの動きを同期させるようにプログラムされ或いはさもなければ構成される、請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーの前記同期された動きは、傾斜角で1つ以上の焦点の同期された動きを与える、請求項71に記載のシステム。
【請求項73】
前記信号は、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項74】
前記多光子蛍光信号が複数の多光子蛍光信号を備える、請求項73に記載のシステム。
【請求項75】
前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える、請求項73に記載のシステム。
【請求項76】
前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える、請求項75に記載のシステム。
【請求項77】
前記組織が上皮組織であり、前記深度プロファイルは、前記被検体の前記上皮組織における疾病の特定を容易にする、請求項62に記載のシステム。
【請求項78】
前記励起光ビームの前記焦点の前記深度及び前記位置が走査経路に沿って調整される、請求項62に記載のシステム。
【請求項79】
前記走査経路が傾斜走査経路である、請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記傾斜走査経路は、前記光プローブの光軸に対して傾けられる方向に沿って位置される傾斜面である、請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記傾斜面と前記光軸との間の角度が0度~90度である、請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記光源は、約200フェムト秒未満のパルス持続時間を伴う超高速パルスレーザを備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項83】
使用中、前記光プローブが前記組織の前記表面と接触している、請求項62に記載のシステム。
【請求項84】
前記光プローブと前記組織の前記表面との間の変位を検出するセンサを更に備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項85】
前記光プローブは、前記信号の前記サブセットのうちの少なくとも1つを受信するように構成され、前記信号の前記サブセットのうちの前記少なくとも1つが少なくとも1つのRCM信号を備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項86】
前記光プローブは、前記信号の前記サブセットのうちの前記少なくとも1つを光ファイバ要素に送信するように構成される選択的光学素子を備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項87】
前記光プローブは、信号の前記サブセットの前記少なくとも1つを前記光ファイバ要素に集束させて位置合わせするように構成されるアライメント装置を備える、請求項86に記載のシステム。
【請求項88】
前記アライメント装置は、集束レンズと、前記集束レンズと前記光ファイバ要素との間の調整可能な屈折要素とを備える、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記集束レンズ及び前記光ファイバ要素は、前記調整可能な屈折要素に対して所定の位置にある、請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記調整可能な屈折要素が角度的に移動可能である、請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記調整可能な屈折要素が少なくとも1つの調整要素を更に備える、請求項90に記載のシステム。
【請求項92】
可動ミラーを更に備え、前記集束レンズが前記可動ミラーと前記屈折要素との間に位置される、請求項88に記載のシステム。
【請求項93】
ビームスプリッタと前記集束レンズとの間に位置される偏光選択的光学素子を更に備える、請求項88に記載のシステム。
【請求項94】
前記選択的光学素子は、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、ノッチフィルタ、ダイクロイックミラー、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタ、及び、応答平坦化フィルタから成るグループから選択される光学フィルタを備える、請求項86に記載のシステム。
【請求項95】
前記信号の前記少なくとも前記サブセットが偏光を備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項96】
前記光プローブは、前記偏光の偏向を選択する1つ以上の偏光選択的光学素子を備える、請求項95に記載のシステム。
【請求項97】
前記信号の前記少なくとも前記サブセットは、前記偏光の偏向からのRCM信号を備える、請求項96に記載のシステム。
【請求項98】
信号の前記少なくとも前記サブセットが無偏光を備える、請求項85に記載のシステム。
【請求項99】
前記光プローブは、焦点から外れた光を排除するように構成される、請求項85に記載のシステム。
【請求項100】
前記1つ以上のセンサが1つ以上のフォトセンサを備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項101】
前記被検体の前記組織における前記疾病の位置を示す境界の輪郭を描くためのマーキングツールを更に備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項102】
前記システムが携帯型システムである、請求項62に記載のシステム。
【請求項103】
前記携帯型システムが50ポンド以下である、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記光プローブは、ユーザの手と相互作用するように構成されるハウジングを備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項105】
前記ハウジングが前記ハウジング内にセンサを更に備える、請求項104に記載のシステム。
【請求項106】
前記センサは、前記光プローブを空間内に位置させるように構成される、請求項105に記載のシステム。
【請求項107】
前記センサがイメージセンサであり、前記イメージセンサは、1つ以上の特徴を追跡することによって前記光プローブを空間内に位置させるように構成される、請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
前記1つ以上の特徴が前記被検体の前記組織の特徴を備える、請求項107に記載のシステム。
【請求項109】
前記1つ以上の特徴は、前記光プローブが使用される空間の特徴を備える、請求項107に記載のシステム。
【請求項110】
前記イメージセンサがビデオカメラである、請求項107に記載のシステム。
【請求項111】
前記システムは、前記ハウジングに隣接するイメージセンサを更に備える、請求項104に記載のシステム。
【請求項112】
前記イメージセンサが前記光プローブを空間内に位置させる、請求項111に記載のシステム。
【請求項113】
前記1つ以上の特徴が前記被検体の前記組織の特徴を備える、請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
前記1つ以上の特徴は、前記光プローブが使用される空間の特徴を備える、請求項111に記載のシステム。
【請求項115】
前記励起光ビームに光学的に結合される電力センサを更に備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項116】
前記深度プロファイルが少なくとも約0.8マイクロメートルの分解能を有する、請求項62に記載のシステム。
【請求項117】
前記深度プロファイルが生体内深度プロファイルである、請求項62に記載のシステム。
【請求項118】
前記深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルである、請求項62に記載のシステム。
【請求項119】
前記深度プロファイルが複数の深度プロファイルを備える、請求項62に記載のシステム。
【請求項120】
前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、組織の投影断面画像を表示するようにプログラムされる、請求項62に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
この出願は、その全体が参照により本願に組み入れられる2018年11月13日に出願された米国仮特許出願第62/760,620号の利益を主張する。本発明は、米国保健社会福祉省、米国国立衛生研究所及び米国国立癌研究所から与えられたSmall Business Innovation Research(SBIR)助成金番号2R44CA221591-02A1に基づく米国政府の支援によりなされたものである。米国政府は、本発明について一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
非線形顕微鏡法、2光子、3光子、多光子、共焦点、ラマン、コヒーレント反ストークスラマン分光法、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)のような点走査励起を利用する撮像デバイスは、光軸と平行であるが撮像されたサンプルの表面に対して垂直な方向のそれらの分解能が光学的に制限される場合がある。
【0003】
回折は、光を実際の点に集束させることを妨げる場合があるが、点像分布関数(PSF)と呼ばれる光の集中領域を作り出す。三次元では、PSFは、XY平面に対してZ方向(光軸に平行な方向)で細長い楕円体であってもよい。PSFのサイズは、システムが分解できる最小の特徴、例えば、システムの撮像分解能を決定付けることができる。PSFは、XY平面(横方向分解能)内におけるよりもXZ/YZ平面(軸方向分解能)内で数倍長くてもよい。この効果は、サンプルを貫く断面を撮像しようとするときに画質を低下させる場合がある。光学系の開口数(NA)を大きくすることによってPSFサイズを小さくすることができるが、PSFがX方向又はY方向のいずれかよりもZ方向で長い傾向が依然としてあり得る。屈折率が1.5付近の浸漬媒体内で撮像する場合には、軸方向PSF寸法と横方向PSF寸法との比が約5/NAとなり得る。したがって、1.0のNAでは、軸方向PSF寸法が横方向PSF寸法の5倍となり得る。PSFのこの伸張は、1.0未満のNA値に関して増大し得る。例えば、0.7のNAにおいて、横方向分解能は、回折限界光学系における近赤外スペクトルの励起波長に関して約0.7μmとなり得る。そのような系では、軸方向分解能が4μmよりも大きい場合があり、それは横方向平面分解能よりも約6倍悪化し得る。収差、レンズ直径、及び、作動距離などの系の制約は、達成され得る実用的なNAを制限する場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書中では、サンプルの厚さを貫いて撮像する際に光学分解能を向上させることができる方法及び装置が提供される。本明細書中では、疾病診断を改善し得る方法及び装置が更に提供される。
【0005】
一態様において、本開示は、被検体の組織の深度プロファイルを生成するための方法であって、(a)光源からの励起光ビームを組織の表面に伝送するために光プローブを使用するステップであって、励起光ビームのパルスが、組織に接触する際に、組織の固有の特性を示す信号をもたらし、光プローブが、励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整する1つ以上の集束ユニットを備える、ステップと、(b)信号の少なくともサブセットを検出するステップと、(c)組織の深度プロファイルを生成するために、(b)で検出された信号の少なくともサブセットを処理するようにプログラムされる1つ以上のコンピュータプロセッサを使用するステップとを含む方法を提供する。
【0006】
幾つかの実施形態では、励起光ビームがパルス光ビームである。幾つかの実施形態では、励起光ビームが単一の光ビームである。幾つかの実施形態では、単一の光ビームがパルス光ビームである。幾つかの実施形態では、励起光ビームが複数の光ビームを備える。幾つかの実施形態において、方法は、(b)が信号の複数のサブセットを同時に検出するステップを含む、ことを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、信号の複数のサブセットを処理して複数の深度プロファイルを生成するステップを更に含み、複数の深度プロファイルは、信号を検出するときのプローブ位置を示す。幾つかの実施形態では、複数の深度プロファイルが同じ走査経路に対応する。幾つかの実施形態では、走査経路が傾斜走査経路を備える。幾つかの実施形態において、方法は、複数の深度プロファイルのそれぞれに関して少なくとも1つの別個の色を割り当てるステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、複数の深度プロファイルからのデータの少なくともサブセットを組み合わせて複合深度プロファイルを形成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、複合深度プロファイルから導出される合成画像をディスプレイスクリーン上に表示するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、合成画像が多色画像である。幾つかの実施形態において、多色画像の色成分は、時間的及び位置的に同期される信号のサブセットを使用する複数の深度プロファイルに対応する。幾つかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備え、複数のサブセット深度プロファイルは、処理されて生成された信号からの光学データを備える。幾つかの実施形態において、複数の深度プロファイルは、第1の深度プロファイル及び第2の深度プロファイルを備える。
【0007】
幾つかの実施形態において、第1の深度プロファイルは、第2の深度プロファイルに具備される信号から生成されるデータとは異なる信号から処理されるデータを備える。幾つかの実施形態において、第1の深度プロファイル及び第2の深度プロファイルは、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから独立して選択される1つ以上の処理された信号を備える。幾つかの実施形態において、複数の深度プロファイルは、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される信号から処理されたデータを備える第3の深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、信号の複数のサブセットから形成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される画像の複数のサブセットから形成される複数の層を備える。幾つかの実施形態において、方法は、複数の深度プロファイルを生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、複数の深度プロファイルのそれぞれは、異なるプローブ位置に対応する。幾つかの実施形態において、複数の深度プロファイルは、信号を検出する際の異なる走査パターンに対応する。幾つかの実施形態において、異なる走査パターンは、同じ時間及びプローブ位置に対応する。幾つかの実施形態では、異なる走査パターンのうちの少なくとも1つの走査パターンが傾斜走査パターンを備える。幾つかの実施形態では、傾斜走査パターンが傾斜面を形成する。
【0008】
幾つかの態様では、組織が生体内組織を備える。幾つかの実施形態において、(c)は、生体内深度プロファイルを生成するステップを含む。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルである。幾つかの実施形態において、注釈は、単語及びマーキングから成るグループから選択される少なくとも1つの注釈を備える。幾つかの態様において、信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える。幾つかの実施形態では、多光子蛍光信号が複数の多光子蛍光信号を備える。幾つかの態様において、信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える。幾つかの実施形態において、信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える。幾つかの実施形態において、信号は、第三高調波発生信号、コヒーレント反ストークスラマン散乱信号、誘導ラマン散乱信号、及び、蛍光寿命撮像信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を更に備える。
【0009】
幾つかの実施形態において、信号は、組織内の同じ時間及び位置で生成される。幾つかの実施形態において、方法は、(a)の前に、被検体の組織を光プローブと接触させるステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、走査経路に沿って励起光ビームの焦点の深度及び位置を調整するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、走査経路が傾斜走査経路である。幾つかの実施形態において、傾斜走査経路は、光プローブの光軸に対して傾けられる方向に沿って位置される傾斜面を形成する。幾つかの実施形態において、傾斜面と光軸との間の角度は、0度よりも大きく90度未満である。幾つかの実施形態では、(a)-(c)が造影剤を被検体に投与することなく行なわれる。幾つかの実施形態では、励起光ビームが無偏光を備える。幾つかの実施形態では、励起光ビームが偏光を備える。幾つかの実施形態では、検出するステップが周辺光の存在下で行なわれる。幾つかの実施形態において、(a)は、被検体の組織を貫通することなく行なわれる。幾つかの実施形態において、方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサを用いて、深度プロファイルを使用して組織の特徴を特定するステップを更に含む。
【0010】
幾つかの実施形態において、方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して前記組織中の疾病を特定するステップを更に含む。幾つかの実施形態では、疾病が少なくとも約80%の精度で特定される。幾つかの実施形態では、疾病が少なくとも約90%の精度で特定される。幾つかの実施形態では、疾病が癌である。幾つかの実施形態では、組織が被検体の皮膚であり、癌が皮膚癌である。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが少なくとも約0.8マイクロメートルの分解能を有する。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが少なくとも約4マイクロメートルの分解能を有する。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが少なくとも約10マイクロメートルの分解能を有する。幾つかの実施形態において、方法は、励起光ビームのパワーを測定するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、励起光ビームのパワーをリアルタイムで監視するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサを使用してパワーに関して正規化し、それにより、正規化された深度プロファイルを生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、深度プロファイルから少なくとも部分的に生成される組織の投影断面画像を表示するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、画像の複数の層の合成を表示するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、複数の深度プロファイルの対応する深度プロファイルによって生成される。
【0011】
他の態様において、本開示は、被検体の組織の深度プロファイルを生成するためのシステムであって、光源からの励起光ビームを組織の表面に伝送するように構成される光プローブであって、励起光ビームが、組織に接触する際に、組織の固有の特性を示す信号をもたらし、光プローブが、励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するように構成される1つ以上の集束ユニットを備える、光プローブと、信号の少なくともサブセットを検出するように構成される1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、組織の深度プロファイルを生成するために1つ以上のセンサによって検出される信号の少なくともサブセットを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備えるシステムを提供する。
【0012】
幾つかの実施形態では、励起光ビームがパルス光ビームである。幾つかの実施形態では、パルス光ビームが単一の光ビームである。幾つかの実施形態において、1つ以上の集束ユニットは、z軸スキャナ及び微小電気機械システム(MEMS)ミラーを備える。幾つかの実施形態では、z軸スキャナが1つ以上のレンズを備える。幾つかの実施形態では、1つ以上のレンズのうちの少なくとも1つがアフォーカルレンズである。幾つかの実施形態では、z軸スキャナがアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、アクチュエータがボイスコイルを備える。幾つかの実施形態において、z軸スキャナ及びMEMSミラーは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって制御される2つ以上のアクチュエータによって別々に作動される。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、z軸スキャナ及びMEMSミラーの動きを同期させるようにプログラムされ或いはさもなければ構成される。幾つかの実施形態において、z軸スキャナ及びMEMSミラーの同期された動きは、傾斜角で1つ以上の焦点の同期された動きを与える。
【0013】
幾つかの実施形態において、信号は、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える。幾つかの実施形態では、多光子蛍光信号が複数の多光子蛍光信号を備える。幾つかの態様において、信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える。幾つかの実施形態において、信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える。幾つかの実施形態では、組織が上皮組織であり、深度プロファイルは、被検体の上皮組織における疾病の特定を容易にする。幾つかの実施形態において、励起光ビームの焦点の深さ及び位置は、走査経路に沿って調整される。幾つかの実施形態では、走査経路が傾斜走査経路である。幾つかの実施形態において、傾斜走査経路は、光プローブの光軸に対して傾けられる方向に沿って位置される傾斜面である。幾つかの実施形態において、傾斜面と光軸との間の角度は、0度よりも大きく90度未満である。
【0014】
幾つかの実施形態において、光源は、約200フェムト秒未満のパルス持続時間を伴う超高速パルスレーザを備える。幾つかの実施形態では、使用中、光プローブが組織の表面と接触している。幾つかの実施形態において、システムは、光プローブと組織の表面との間の変位を検出するセンサを更に備える。幾つかの実施形態において、光プローブは、信号のサブセットのうちの少なくとも1つを受信するように構成され、信号のサブセットのうちの少なくとも1つが少なくとも1つのRCM信号を備える。幾つかの実施形態において、光プローブは、信号のサブセットのうちの少なくとも1つを光ファイバ要素に送信するように構成される選択的光学素子を備える。幾つかの実施形態において、光プローブは、信号のサブセットの少なくとも1つを光ファイバ要素に集束させて位置合わせするように構成されるアライメント装置を備える。幾つかの実施形態において、アライメント装置は、集束レンズと、集束レンズと光ファイバ要素との間の調整可能な屈折要素とを備える。幾つかの実施形態において、集束レンズ及び光ファイバ要素は、調整可能な屈折要素に対して所定の位置にある。幾つかの実施形態では、調整可能な屈折要素が角度的に移動可能である。幾つかの実施形態では、調整可能な屈折要素が少なくとも1つの調整要素を更に備える。
【0015】
幾つかの実施形態では、システムが可動ミラーを更に備え、集束レンズが可動ミラーと屈折要素との間に位置される。幾つかの実施形態において、システムは、ビームスプリッタと集束レンズとの間に位置される偏光選択的光学素子を更に備える。幾つかの実施形態において、選択的光学素子は、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、ノッチフィルタ、ダイクロイックミラー、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタ、及び、応答平坦化フィルタから成るグループから選択される光学フィルタを備える。幾つかの実施形態では、信号の少なくともサブセットが偏光を備える。幾つかの実施形態において、光プローブは、偏光の偏向を選択する1つ以上の偏光選択的光学素子を備える。幾つかの実施形態において、信号の少なくともサブセットは、偏光の偏向からのRCM信号を備える。幾つかの実施形態では、信号の少なくともサブセットが無偏光を備える。幾つかの実施形態において、光プローブは、焦点から外れた光を排除するように構成される。
【0016】
幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサが1つ以上のフォトセンサを備える。幾つかの実施形態において、システムは、被検体の組織における疾病の位置を示す境界の輪郭を描くためのマーキングツールを更に備える。幾つかの実施形態では、システムが携帯型システムである。幾つかの実施形態では、携帯型システムが50ポンド以下である。幾つかの実施形態において、光プローブは、ユーザの手と相互作用するように構成されるハウジングを備える。幾つかの実施形態では、ハウジングが該ハウジング内にセンサを更に備える。幾つかの実施形態において、センサは、光プローブを空間内に位置させるように構成される。幾つかの実施形態では、センサがイメージセンサであり、イメージセンサは、1つ以上の特徴を追跡することによって光プローブを空間内に位置させるように構成される。幾つかの実施形態では、1つ以上の特徴が被検体の組織の特徴を備える。幾つかの実施形態において、1つ以上の特徴は、光プローブが使用される空間の特徴を備える。幾つかの実施形態では、イメージセンサがビデオカメラである。幾つかの実施形態において、システムは、ハウジングに隣接するイメージセンサを更に備える。幾つかの実施形態では、イメージセンサが光プローブを空間内に位置させる。幾つかの実施形態では、1つ以上の特徴が被検体の組織の特徴を備える。幾つかの実施形態において、1つ以上の特徴は、光プローブが使用される空間の特徴を備える。
【0017】
幾つかの実施形態において、システムは、励起光ビームに光学的に結合される電力センサを更に備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが少なくとも約0.8マイクロメートルの分解能を有する。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが少なくとも約4マイクロメートルの分解能を有する。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが少なくとも約10マイクロメートルの分解能を有する。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが生体内深度プロファイルである。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルである。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが複数の深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、組織の投影断面画像を表示するようにプログラムされる。
【0018】
他の態様において、本開示は、被検体の身体の組織を分析するための方法であって、被検体の身体の組織に光を方向付けるステップと、(a)で組織に方向付けられた光に応じて、被検体の身体の組織から複数の信号を受信するステップであって、複数の信号の少なくともサブセットが組織内からのものである、ステップと、複数の信号に対応するデータを、データを処理して被検体の身体の組織の分類を生成するトレーニングされた機械学習アルゴリズムに入力するステップと、ユーザの電子デバイスのユーザインタフェースで分類を出力するステップとを含む方法を提供する。
【0019】
幾つかの実施形態では、データが少なくとも1つの深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの深度プロファイルが1つ以上の層を備える。幾つかの実施形態では、1つ以上の層が時間的及び位置的に同期される。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された1つ以上の深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、複数の信号が光によってほぼ同時に生成される。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが生体内深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、データが与えられる入力層、1つ以上の内層、及び、出力層を備える。幾つかの実施形態において、入力層は、時間的及び位置的に同期される1つ以上の信号から処理されるデータを使用する複数の深度プロファイルを含む。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが光プローブを使用して生成される。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、信号の複数のサブセットから生成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される画像の複数のサブセットから生成される複数の層を備える。幾つかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備える。
【0020】
幾つかの態様において、分類は、健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される組織の特性に関連する被検体の組織の特徴を特定する。幾つかの態様では、分類が被検体を疾病を有するとして特定する。幾つかの実施形態では、疾病が癌である。幾つかの実施形態では、組織が被検体の皮膚であり、癌が皮膚癌である。幾つかの態様において、複数の信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える。幾つかの実施形態において、複数の信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える。幾つかの実施形態において、複数の信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える。幾つかの実施形態では、多光子蛍光信号が1つ以上の多光子蛍光信号を備える。幾つかの実施形態において、(c)は、トレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用して複数の信号に対応する1つ以上の特徴を特定するステップを含む。幾つかの実施形態では、トレーニングされた機械学習アルゴリズムがニューラルネットワークを備える。幾つかの実施形態において、ニューラルネットワークは、データが与えられる入力層を備える。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワークが1つ以上の内層及び出力層を更に備える。
【0021】
幾つかの実施形態において、入力層は、時間的及び位置的に同期された複数の信号の少なくともサブセットを使用して生成される複数の深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、複数の深度プロファイルのうちの少なくとも1つが光プローブを使用して生成され、光プローブが1つ以上の集束ユニットを備え、1つ以上の集束ユニットがz軸スキャナ及びMEMSミラーを備える。幾つかの実施形態において、複数の深度プロファイルのうちの少なくとも1つは、複数の信号の複数のサブセットからの個々の成分を備える。幾つかの実施形態において、複数の深度プロファイルのうちの少なくとも1つの深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される光学データから生成される複数の層を備える。幾つかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワークが畳み込みニューラルネットワークを備える。幾つかの実施形態において、データは、光信号の照明パワーに関して制御される。幾つかの実施形態において、方法は、被検体の医療データを受信するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、被検体の医療データは、被検体の身体状態、病歴、現在及び過去の職業、年齢、性別、人種、及び、国籍から成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。
【0022】
幾つかの実施形態では、身体状態が被検体のバイタルサインを備える。幾つかの実施形態において、医療データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。幾つかの実施形態では、医療データがクラウドベースのデータベースにアップロードされる。幾つかの実施形態において、データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。幾つかの実施形態では、データがクラウドベースのデータベースにアップロードされる。幾つかの実施形態では、データがローカルデバイス上に保持される。幾つかの実施形態では、データが組織の重なり合う領域からとられる深度プロファイルを備える。
【0023】
他の態様において、本開示は、被検体の身体の組織を分析するためのシステムであって、(i)励起光ビームを被検体の身体の組織へ方向付け、(ii)(i)で組織へ方向付けられた励起光ビームに応じて被検体の身体の組織から複数の信号を受信するように構成される光プローブであって、複数の信号の少なくともサブセットが組織内からのものである、光プローブと、光プローブに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、(i)複数の信号に対応するデータを受信し、(ii)データを処理して被検体の身体の組織の分類を生成するトレーニングされた機械学習アルゴリズムにデータを入力し、及び、(iii)ユーザの電子デバイスのユーザインタフェースで分類を出力するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備えるシステムを提供する。
【0024】
幾つかの実施形態では、励起光ビームがパルス光ビームである。幾つかの実施形態では、パルス光ビームが単一の光ビームである。幾つかの実施形態では、データが少なくとも1つの深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、少なくとも1つの深度プロファイルが1つ以上の層を備える。幾つかの実施形態では、1つ以上の層が時間的及び位置的に同期される。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された1つ以上の深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが生体内深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、データが与えられる入力層、1つ以上の内層、及び、出力層を備える。幾つかの実施形態において、入力層は、時間的及び位置的に同期される1つ以上の信号から処理されるデータを使用する複数の深度プロファイルを含む。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが光プローブを使用して生成される。
【0025】
幾つかの実施形態では、光プローブが1つ以上の集束ユニットを備える。幾つかの実施形態において、1つ以上の集束ユニットは、z軸スキャナ及び微小電気機械システム(MEMS)ミラーを備える。幾つかの実施形態では、z軸スキャナが1つ以上のレンズを備える。幾つかの実施形態では、1つ以上のレンズのうちの少なくとも1つがアフォーカルレンズである。幾つかの実施形態では、z軸スキャナがアクチュエータを備える。幾つかの実施形態では、アクチュエータがボイスコイルを備える。幾つかの実施形態において、z軸スキャナ及びMEMSミラーは、1つ以上のコンピュータプロセッサによって制御される2つ以上のアクチュエータによって別々に作動される。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、z軸スキャナ及びMEMSミラーの動きを同期させるようにプログラムされ或いはさもなければ構成される。幾つかの実施形態において、z軸スキャナ及びMEMSミラーの同期された動きは、傾斜角で焦点の同期された動きを与える。
【0026】
幾つかの実施形態では、光プローブ及び1つ以上のコンピュータプロセッサが同じデバイス内にある。幾つかの実施形態では、デバイスがモバイルデバイスである。幾つかの実施形態では、光プローブがデバイスの一部であり、1つ以上のコンピュータプロセッサがデバイスとは別個である。幾つかの実施形態では、1つ以上のコンピュータプロセッサがコンピュータサーバの一部である。幾つかの実施形態では、1つ以上のコンピュータプロセッサが分散コンピュータインフラの一部である。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、被検体の医療データを受信するようにプログラムされる。幾つかの実施形態において、被検体の医療データは、被検体の身体状態、病歴、現在及び過去の職業、年齢、性別、人種、及び、国籍から成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。幾つかの実施形態では、身体状態が被検体のバイタルサインを備える。幾つかの実施形態において、医療データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。幾つかの実施形態において、データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。
【0027】
他の態様において、本開示は、被検体の組織内の特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するための方法であって、(a)特徴を有するとして以前に又はその後に特定された被検体のトレーニング組織から信号を収集するステップと、(b)信号を処理して、被検体のトレーニング組織の深度プロファイルに対応するデータを生成するステップと、(c)(b)からのデータを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングし、被検体の組織内の特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらすステップであって、組織がトレーニング組織に依存しない、ステップとを含む方法を提供する。
【0028】
幾つかの実施形態では、特徴が疾病である。幾つかの実施形態において、特徴は、組織の健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される組織の特性に対応する特徴である。幾つかの実施形態において、データは、一貫した標識化及び一貫した特性を有するデータを備える。幾つかの実施形態において、一貫した特性は、照度、コントラスト、色、サイズ、及び、品質から成るグループから選択される特性を備える。幾つかの実施形態では、データが照度に関して正規化される。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが組織上の光プローブの異なる位置に対応する。幾つかの実施形態において、(a)は、信号の少なくともサブセットを使用して1つ以上の深度プロファイルを生成するステップを含む。幾つかの実施形態では、信号の少なくともサブセットが時間的及び位置的に同期される。幾つかの実施形態では、データが1つ以上の深度プロファイルに対応する。幾つかの実施形態では、1つ以上の深度プロファイルのうちの少なくとも1つが複数の層を備える。
【0029】
幾つかの実施形態において、複数の層は、同じ時間及び場所で収集される画像の複数のサブセットから生成される。幾つかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える。幾つかの実施形態において、1つ以上の深度プロファイルのそれぞれは、複数のサブセット深度プロファイルを備える。幾つかの実施形態において、方法は、複数のサブセット深度プロファイルのそれぞれを個別に使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングするステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、複数のサブセット深度プロファイルを使用して複合深度プロファイルを生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、複合深度プロファイルを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングするステップを更に含む。幾つかの実施形態において、方法は、トレーニング組織の第1の領域から収集される信号の第1のセットと、トレーニング組織の第2の領域からの信号の第2のセットとを使用して、1つ以上の深度プロファイルを生成するステップを更に含む。幾つかの実施形態において、トレーニング組織の第1の領域は、トレーニング組織の第2の領域とは異なる。幾つかの実施形態では、トレーニング組織の第1の領域が疾病を有する。幾つかの実施形態では、信号が2つ以上の信号を備える。幾つかの実施形態において、2つ以上の信号は、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから選択される。幾つかの実施形態において、2つ以上の信号は、組織の単一領域のほぼ同時の信号である。幾つかの実施形態では、2つ以上の信号が処理されて合成画像を生成するために組み合わされる。
【0030】
他の態様において、本開示は、被検体の組織における特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するためのシステムであって、特徴を有するとして以前に又はその後に特定された被検体のトレーニング組織の深度プロファイルに対応するデータを備えるデータベースであって、深度プロファイルがトレーニング組織から収集される処理信号から生成される、データベースと、データベースに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、(i)データベースからデータを検索し、(ii)データを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングして、被検体の組織内の特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらすように個別に又は集合的にプログラムされ、組織がトレーニング組織に依存しない、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備えるシステムを提供する。
【0031】
幾つかの実施形態では、特徴が疾病である。幾つかの実施形態において、特徴は、健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される組織の特徴に対応する特徴である。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、1つ以上の深度プロファイルの光学データを受信するようにプログラムされる。幾つかの実施形態において、深度プロファイルは、トレーニング組織から収集される信号を使用して生成される。幾つかの実施形態では、信号が時間的及び位置的に同期される。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが複数の層を備える。幾つかの実施形態において、複数の層は、同じ時間及び場所で収集される画像の複数のサブセットから生成される。幾つかの実施形態において、複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える。幾つかの実施形態において、1つ以上のコンピュータプロセッサは、被検体の医療データを受信するようにプログラムされる。幾つかの実施形態において、医療データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える。幾つかの実施形態において、データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、関係データ、又は、それらの任意の組み合わせを備える。
【0032】
幾つかの実施形態では、深度プロファイルが1つ以上の注釈を有する。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが生体内深度プロファイルである。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが組織の1つ以上の重なり合う領域の深度プロファイルである。幾つかの実施形態では、特徴が疾病である。幾つかの実施形態において、特徴は、組織の健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される組織の特性に対応する特徴である。幾つかの実施形態において、データは、一貫した標識化及び一貫した特性を有するデータを備える。幾つかの実施形態において、一貫した特性は、照度、コントラスト、色、サイズ、及び、品質から成るグループから選択される特性を備える。幾つかの実施形態では、データが照度に関して正規化される。幾つかの実施形態では、深度プロファイルが組織上の光プローブの異なる位置に対応する。
【0033】
他の態様において、本開示は、光ビームを位置合わせするための方法であって、(a)(i)レンズと光学的に連通する光ビームであって、前記レンズが屈折要素と光学的に連通する光ビームと、(ii)光ファイバと、(iii)光ファイバと光学的に連通する検出器とを用意するステップであって、屈折要素が、レンズと光ファイバとの間に位置される、ステップと、(b)光路を光ファイバと位置合わせするように屈折要素を調整するステップであって、それにより、光路が光ファイバと位置合わせされる、ステップとを含む方法を提供する。
【0034】
幾つかの実施形態において、屈折要素と相互作用した後のビームレットの点像分布関数が、検出器の分解能が1マイクロメートル未満となることができるようにするのに十分に小さい。幾つかの実施形態において、位置を調整するステップは、屈折要素に回転を適用するステップを含む。幾つかの実施形態では、回転が最大で180°の回転である。幾つかの実施形態では、回転が最大で2次元の回転である。幾つかの実施形態では、回転が一次元の回転である。幾つかの実施形態において、方法は、調整可能なミラーを用意するステップを更に含み、レンズが調整可能なミラーと調整可能な屈折要素との間に固定され、調整可能なミラーを調整することにより、調整可能な屈折要素を使用する前に光路が位置合わせされる。幾つかの実施形態において、光ビームを用意するステップは、被検体の組織との相互作用から生成された光信号を供給するステップを含む。幾つかの態様では、組織が生体内皮膚組織である。
【0035】
他の態様において、本開示は、光ビームを位置合わせするためのシステムであって、光ビームを供給するように構成される光源と、光源と光学的に連通する集束レンズと、レンズと光学的に連通する調整可能な屈折要素と、光ファイバと、光ファイバと光学的に連通する検出器であって、調整可能な屈折要素が、集束レンズと光ファイバとの間に位置されると共に、集束レンズと光ファイバとの間の光路を位置合わせするように移動可能である、検出器とを備えるシステムを提供する。
【0036】
幾つかの実施形態において、集束レンズ及び光ファイバは、調整可能な屈折要素に対して固定される。幾つかの実施形態では、調整可能な屈折要素が角度的に移動可能である。幾つかの実施形態において、システムは、調整可能な屈折要素に結合される調整要素を更に備え、調整要素は、調整可能な屈折要素の位置を調整するように構成される。幾つかの実施形態では、調整要素が調整可能な屈折要素を角度的に移動させる。幾つかの実施形態において、システムは、屈折要素に動作可能に結合されるコントローラを更に備え、コントローラは、光路を光ファイバと位置合わせするように屈折要素の調整を指示するべくプログラムされる。幾つかの実施形態では、調整がユーザの入力を伴うことなく実行される。幾つかの実施形態では、調整がユーザによって行なわれる。幾つかの実施形態において、システムは、光ファイバに向かって光路に沿って光を方向付けるように構成されるビームスプリッタを更に備える。幾つかの実施形態において、システムは、ビームスプリッタと集束レンズとの間に位置される可動ミラーを更に備える。幾つかの実施形態において、システムは、光路上に位置される偏光選択的光学素子を更に備える。幾つかの実施形態において、偏光選択的光学素子は、ビームスプリッタと集束レンズとの間に位置される。幾つかの実施形態では、屈折要素が平坦な窓である。
【0037】
幾つかの実施形態では、屈折要素がガラス屈折要素である。幾つかの実施形態において、屈折要素と相互作用した後の光のビームレットの点像分布関数が、検出器の分解能が1マイクロメートル未満となることができるようにするのに十分に小さい。幾つかの実施形態では、屈折要素が1,000mm未満のフットプリントを有する。幾つかの実施形態において、屈折要素は、最大で約10度の光のビームレットを調整するように構成される。幾つかの実施形態において、屈折要素は、レンズから出る光ビームの光ファイバに対する位置合わせを可能にする特性を有する。幾つかの実施形態では、直径が約20ミクロン未満である。幾つかの実施形態では、直径が約10ミクロン未満である。幾つかの実施形態では、光ファイバが約5ミクロン未満の直径を有する。幾つかの実施形態において、特性は、屈折率、厚さ、及び、動作範囲から成るグループから選択される少なくとも1つの特性である。幾つかの実施形態において、屈折要素によって導入される収差が集束レンズの回折限界の20%未満である。幾つかの実施形態では、収差が回折限界の10%未満である。幾つかの実施形態では、収差が回折限界の5%未満である。幾つかの実施形態では、収差が回折限界の2%未満である。幾つかの実施形態では、収差が回折限界の1%未満である。
【0038】
他の態様において、本開示は、光ビームを位置合わせするための方法であって、(a)(i)ビームスプリッタと光学的に連通する光ビームであって、ビームスプリッタがレンズと光学的に連通し、レンズが屈折要素と光学的に連通する、光ビームと、(ii)光ファイバと、(iii)光ファイバと光学的に連通する検出器であって、屈折要素からの光路が光ファイバに対して位置ずれしている、検出器と、を用意するステップと、(b)光路を光ファイバと位置合わせするように屈折要素を調整するステップと、(c)光ビームをビームレットに分割するビームスプリッタへ光ビームを方向付けるステップであって、ビームレットは、検出器がビームレットを検出するように、ビームレットを光路に沿って光ファイバに方向付ける屈折要素へレンズを通じて方向付けられる、ステップとを含む方法を提供する。
【0039】
他の態様において、本開示は、光ビームを位置合わせするためのシステムであって、光ビームを供給するように構成される光源と、光源と光学的に連通するビームスプリッタと、ビームスプリッタと光学的に連通するレンズと、レンズと光学的に連通する屈折要素と、光ファイバと、光ファイバと光学的に連通する検出器であって、屈折要素からの光路が光ファイバに対して位置ずれしている、検出器とを備え、屈折要素は、光路を光ファイバと位置合わせするように調整可能であり、それにより、光路が光ファイバと位置合わせされると、光ビームは、光ビームをビームレットに分割するビームスプリッタへ光源から方向付けられ、ビームレットは、検出器がビームレットを検出するように、ビームレットを光路に沿って光ファイバに方向付ける屈折要素へレンズを通じて方向付けられる、システムを提供する。
【0040】
本開示の他の態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行時に、先に記載された又は本明細書中の他の場所で説明された方法のいずれかを実施する機械実行可能なコードを含む持続性コンピュータ可読媒体を提供する。
【0041】
本開示の他の態様は、1つ以上のコンピュータプロセッサ及びそれに結合されるコンピュータメモリを備えるシステムを提供する。コンピュータメモリは、1つ以上のコンピュータプロセッサによる実行時に、先の又は本明細書中の他の場所の方法のいずれかを実施する機械実行可能コードを含む。
【0042】
本開示の更なる態様及び利点は、本開示の単なる例示的な実施形態が示されて記載されるにすぎない以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになる。理解されるように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、その幾つかの詳細は、全てが本開示から逸脱することなく、様々な自明な点で変更が可能である。したがって、図面及び説明は、本質的に例示と見なされるべきであり、限定的であると見なされるべきでない。
【0043】
参照による組み入れ
この明細書中で言及される全ての刊行物、特許、及び、特許出願は、あたかもそれぞれの個々の刊行物、特許、又は、特許出願が参照により組み入れられるべく具体的にかつ個別に示唆されたと同じ程度に参照により本願に組み入れられる。参照により組み入れられる刊行物及び特許又は特許出願が明細書中に含まれる開示と矛盾する程度まで、明細書は、任意のそのような矛盾する資料よりも優先する及び/又は優ることを意図している。
【0044】
本発明の新規の特徴が添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明及び添付図面(本明細書中の「図」及び「FIG」も)を参照することによって得られ、添付図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】組織を走査するための集束ユニットを備える光学素子の例を示す。
図2】傾斜走査プロセスに関する傾斜面を使用する例を示す。
図3】傾斜面上に投影された有効点像分布関数の拡大図の一例を示す。
図4】様々な角度(θ)に関する開口数(x軸)に伴って変化する光学分解能(y軸)の一例を示す。
図5A】様々な走査モダリティの例を示す。
図5B】様々な走査モダリティの例を示す。
図5C】様々な走査モダリティの例を示す。
図5D】様々な走査モダリティの例を示す。
図5E】様々な走査モダリティの例を示す。
図5F】様々な走査モダリティの例を示す。
図6】本明細書中で提供される方法を実施するようにプログラムされる又は他の方法で構成されるコンピュータシステムを示す。
図7A】走査された生体内深度プロファイルから形成される画像の例を示す。
図7B】走査された生体内深度プロファイルから形成される画像の例を示す。
図7C】走査された生体内深度プロファイルから形成される画像の例を示す。
図7D】走査された生体内深度プロファイルから形成される画像の例を示す。
図8】光プローブハウジング内にあってもよい光学素子の例を示す。
図9A】屈折アライメント設定システムの一例を示す。
図9B】屈折アライメント設定システムの一例を示す。
図9C】屈折アライメント設定システムの一例を示す。
図10】支持システムに結合されるハウジングの例を示す。
図11A】支持システムの一例を示す。
図11B】支持システムの一例を示す。
図12】支持システムに結合されるハウジングの例の可搬性の一例を示す。
図13】使用中のシステムの一例を示す。
図14A】撮像のための被検体の前処理の一例を示す。
図14B】撮像のための被検体の前処理の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明の様々な実施形態を本明細書中で示して説明してきたが、当業者に明らかなように、そのような実施形態は単なる一例として与えられる。本発明から逸脱することなく、多くの変形、変更、及び、置換は当業者に想起し得る。本明細書中に記載される発明の実施形態の様々な代替案を使用できることが理解されるべきである。
【0047】
本明細書で使用される「被検体」という用語は、一般に、哺乳動物などの動物を指す。被検体は、ヒト又は非ヒト哺乳動物であり得る。被検体は、疾病に罹患しているか又は疾病に罹患している若しくは疾病を有すると疑われ得る。被検体は、疾病に罹患している又は疾病を有することが疑われない場合がある。被検体は症候性であり得る。或いは、被検体は無症候性であり得る。場合によっては、被検体は、疾病の症状を緩和するために又は疾病の被検体を治癒するために処置され得る。被検体は、医師などの医療提供者による治療を受けている患者であり得る。
【0048】
本明細書で使用される「疾病」という用語は、一般に、被検体の一部又は全部に影響を及ぼす異常な状態又は生物学的機能若しくは器官などの生物学的構造の障害を指す。疾病は、感染症などの外部源に由来する因子によって引き起こされ得るか又は自己免疫疾病などの内部機能不全によって引き起こされ得る。疾病は、罹患した被検体に疼痛、機能不全、苦痛、社会的問題及び/又は死亡を引き起こす任意の状態を指すことができる。疾病は、急性状態又は慢性状態であり得る。疾病は、ウイルス、細菌、真菌、原虫、多細胞生物、及びプリオンとしての異常タンパク質を含む病原性微生物の存在に起因し得る感染性疾病を指し得る。疾病は、癌及び遺伝性疾病を含むがこれらに限定されない非感染性疾病を指し得る。場合によっては、疾病を治癒することができる。場合によっては、疾病を治癒することができない。場合によっては、疾病は上皮癌である。上皮癌は、非黒色腫皮膚癌、例えば基底細胞癌(BCC)及び扁平上皮癌(SCC)、並びに黒色腫皮膚癌を含むがこれらに限定されない皮膚癌である。
【0049】
本明細書で使用される「上皮組織」及び「上皮」という用語は、一般に、全身の血管及び器官の空洞及び表面を覆う組織を指す。上皮組織は、一般に3つの形状、すなわち、扁平、円柱、及び、立方体がある上皮細胞を含む。上皮細胞は、扁平細胞、円柱細胞、又は、立方体細胞のいずれかを含む単純な上皮としての単層の細胞、又は、扁平細胞、円柱細胞、及び/又は、立方体細胞のいずれかを含む層状(層状)の深部の2つ以上の細胞の層に配置することができる。
【0050】
本明細書で使用される「癌」という用語は、一般に、正常な増殖制御に対する感受性を失っている可能性がある細胞の増殖によって引き起こされる又は特徴付けられる増殖性障害を指す。同じ組織型の癌は、通常、同じ組織に由来し、それらの生物学的特徴に基づいて異なるサブタイプに分類され得る。癌のカテゴリの非限定的な例は、癌腫(上皮細胞由来)、肉腫(結合組織又は中胚葉由来)、白血病(血液形成組織由来)及びリンパ腫(リンパ組織由来)である。癌は、身体の任意の器官又は組織を含み得る。癌の例としては、黒色腫、白血病、星状細胞腫、神経膠芽腫、網膜芽細胞腫、リンパ腫、神経膠腫、ホジキンリンパ腫及び慢性リンパ性白血病が挙げられる。様々な癌によって影響され得る器官及び組織の例としては、膵臓、乳房、甲状腺、卵巣、子宮、精巣、前立腺、下垂体、副腎、腎臓、胃、食道、直腸、小腸、結腸、肝臓、胆嚢、頭頸部、舌、口、眼及び眼窩、骨、関節、脳、神経系、皮膚、血液、鼻咽頭組織、肺、喉頭、尿路、子宮頸部、膣、外分泌腺及び内分泌腺が挙げられる。場合によっては、癌は多中心性であり得る。場合によっては、癌は未知の原発(CUP)の癌であり得る。
【0051】
本明細書で使用される「病変」という用語は、一般に、疾病及び/又は疾病の疑い、創傷、切開、又は、外科的マージンの(1又は複数の)領域を指す。創傷には、それだけに限らないが、異物が侵入するのに十分な出血及び/又は皮膚外傷をもたらす、擦り傷、擦過傷、切り傷、裂傷、破損、穿刺、切片及び/又は任意の損傷が含まれ得る。切開は、これらに限られるわけではないが、医師、看護師、助妻及び/又は看護師、並びに外科的処置などの処置中の歯科専門家など、医療専門家によって行なわれる切開を含むことができる。
【0052】
本明細書で使用される「光」という用語は、一般に電磁放射線を指す。光は、赤外線(例えば、約700nm~約1mm)から紫外線(例えば、約10nm~約380nm)までの波長範囲であってもよい。光は可視光であってもよい。或いは、光は非可視光であってもよい。光は、電磁スペクトルの可視及び非可視波長の光の波長を含むことができる。
【0053】
本明細書で使用される「周辺光」という用語は、一般に、ポイントオブケア位置(例えば、患者の自宅又はオフィス、診察室、又は、手術室)など、本開示の装置、方法、及びシステムが使用される位置の光など、環境又は被検体を取り囲む光を指す。
【0054】
本明細書で使用される「光軸」という用語は、一般に、カメラレンズ又は顕微鏡などの光学系においてある程度の回転対称性があり得る線を指す。光軸は、レンズ又は球面ミラーの曲率中心を通り、対称軸に平行な線であってもよい。本明細書における光軸は、Z軸とも称され得る。単純なレンズ及びミラーの系の場合、光軸は、各表面の曲率中心を通過し、回転対称軸と一致してもよい。光軸は、軸外光学系の場合のように、系の機械軸と一致してもよい。光ファイバの場合、光軸(ファイバ軸とも呼ばれる)は、ファイバコアの中心に沿っていてもよい。
【0055】
本明細書で使用される「位置」という用語は、一般に、光軸に平行な「深度」とは対照的に、光軸に垂直な平面上の位置を指す。例えば、焦点の位置は、x-y平面内の焦点の位置とすることができる。一方、「深度」位置は、z軸(光軸)に沿った位置とすることができる。焦点の位置は、x-y平面全体にわたって変化させることができる。焦点は、z軸に沿って同時に変化させることもできる。
【0056】
本明細書で使用される「焦点(focal point)」又は「焦点(focal spot)」という用語は、一般に、平行光線が収束する光学素子のレンズ又はミラーの軸上の光の点を指す。焦点(focal point)又は焦点(focal spot)は、撮像される組織サンプル内にあってもよく、そこから戻り信号が生成され、それを処理して深度プロファイルを形成することができる。
【0057】
本明細書で使用される「焦点面」という用語は、一般に、走査経路に沿って向けられた焦点によって形成される平面を指す。焦点面は、Z軸が一般に光軸であるZ方向の移動と共に、焦点がX及び/又はY方向に移動する場所とすることができる。また、走査経路は、光軸に非平行な経路を画定する少なくとも2つの焦点を含む焦点経路と考えることもできる。例えば、焦点経路は、螺旋として成形された複数の焦点を含むことができる。本明細書で使用される焦点経路は、平面であってもなくてもよく、X-Z平面又はY-Z平面に投影されたときの平面であってもよい。焦点面は傾斜面であってもよい。傾斜面は、光学素子(例えば、レンズ又はミラー)の光軸に対してある角度で配向された平面であってもよい。角度は、約0°~約90°であってもよい。傾斜面は、非ゼロのZ軸成分を有する平面であってもよい。
【0058】
本明細書で使用される「深度プロファイル」という用語は、一般に、組織サンプルの走査から生じる生成された信号から導出された情報又は光学データを指す。組織サンプルを走査することは、光軸又はz軸に平行な方向に延在する撮像焦点、及びx-y軸上の様々な位置を伴うことができる。組織サンプルは、例えば、深度プロファイルが真皮、表皮、及び皮下層などの皮膚の層を横切って延びることができる生体内皮膚組織であり得る。組織サンプルの深度プロファイルは、X-Z平面又はY-Z平面に投影されたときに、投影された垂直断面画像に変換することができる垂直平面プロファイルを形成するデータを含むことができる。深度プロファイルから導出された組織サンプルの垂直断面画像は、垂直又はほぼ垂直であり得る。場合によっては、深度プロファイルは変化する垂直焦点座標を提供するが、水平焦点座標は変化してもしなくてもよい。深度プロファイルは、(光軸上の)光学平面に対してある角度を成す少なくとも1つの平面の形態であってもよい。例えば、深度プロファイルは、光学平面に平行であってもよく又は光学平面に対して90度未満かつ0度より大きい角度であってもよい。深度プロファイルは、ある角度で組織に接触している光プローブを使用して生成することができる。例えば、深度プロファイルは、光軸に垂直ではなく、むしろ光プローブが組織に接触している角度と同じ程度だけオフセットされてもよい。深度プロファイルは、サンプルの様々な深度、例えば皮膚組織の様々な深度で情報を提供することができる。深度プロファイルをリアルタイムで提供することができる。深度プロファイルは、組織の平面スライスに対応してもしなくてもよい。深度プロファイルは、傾斜面上の組織のスライスに対応することができる。深度プロファイルは、正確には平面スライスではない組織領域(例えば、スライスは、3次元全ての成分を有することができる)に対応することができる。深度プロファイルは、組織の仮想スライス又は仮想断面とすることができる。深度プロファイルは、生体内組織から走査された光学データであり得る。投影断面画像を形成するために使用されるデータは、一般的な形状又はパターンに沿って分布した複数の焦点から導出されてもよい。複数の分布点は、走査された傾斜面、複数の走査された傾斜面、又は、非平面走査パターン若しくは形状(例えば、渦巻きパターン、波パターン、又は、焦点の他の所定の若しくはランダムな若しくは擬似ランダムなパターンである)の形態とすることができる。深度プロファイルを形成するために使用される焦点の位置は、走査又は関連するデータ処理中に検出又は特定される、組織内の被検体の物体又は領域を追跡するために変更され又は変更可能であってもよい。深度プロファイルは、深度プロファイルの別個の層を形成することができる解剖学的特徴又は特性に対応する1つ以上の別個の戻り信号又は信号から形成することができる。深度プロファイルを形成するために使用される生成された信号は、励起光ビームから生成することができる。深度プロファイルを形成するために使用される生成された信号は、時間的及び位置的に同期させることができる。深度プロファイルは、複数の深度プロファイルを含むことができ、各深度プロファイルは、(1又は複数の)解剖学的特徴又は特性に対応する特定の信号又は信号のサブセットに対応する。深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された信号を使用して生成された複合深度プロファイルを形成することができる。本明細書における深度プロファイルは、光学データが生体内組織について得られる生体内深度プロファイルであり得る。深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された異なる生成信号から生成された光学データの複数の深度プロファイル又は層の合成であり得る。深度プロファイルは、生成された信号の他のサブセットと時間的及び位置的に同期される生成された信号のサブセットから生成された深度プロファイルとすることができる。深度プロファイルは、光学データの1つ以上の層を含むことができ、層のそれぞれは信号の異なるサブセットに対応する。また、深度プロファイル又は深度プロファイル光学データは、深度プロファイル、光プローブ、他のセンサ、又は、特定されて深度プロファイルの時間に対応する情報を処理することによるデータを含むことができる。更に、例えば、医療データ、身体状態、又は、他のデータなどの被検体情報に対応する他のデータも、深度プロファイルの光学データに含めることができる。深度プロファイルは、注釈又はマーキングを有する注釈付き深度プロファイルとすることができる。
【0059】
本明細書で使用される「投影断面画像」という用語は、一般に、像平面を形成するためにXZ又はYZ平面に投影された深度プロファイル情報から構築された画像を指す。この状況では、組織の表面に対する構造の深さに歪みがない場合がある。投影された断面画像は、走査される組織の部分によって画定され得る。投影された断面画像は、皮膚組織の表面に対して垂直方向に延びることができる。投影断面画像を形成するために使用されるデータは、走査された1つ以上の傾斜面、及び/又は非平面走査パターン、形状(例えば、螺旋、波などである)又は焦点の所定の若しくはランダムなパターンから導出することができる。
【0060】
本明細書で使用される「蛍光」という用語は、一般に、1つ以上の波長(例えば、単一波長又は2つの異なる波長)の入射電磁放射線の吸収の結果として放出され得る放射線を指す。場合によっては、蛍光は、外因的に提供されたタグ又はマーカーからの発光から生じ得る。場合によっては、蛍光は、電磁放射線による励起に対する1つ以上の内因性分子の固有の応答として生じ得る。
【0061】
本明細書で使用される「自己蛍光」という用語は、一般に、電磁放射線による励起に起因する1つ以上の内因性分子からの蛍光を指す。
【0062】
本明細書で使用される「多光子励起」という用語は、一般に、蛍光光子の発光をもたらす、2つ以上の光子によるフルオロフォアの励起を指す。場合によっては、放出された光子は、興奮性光子よりも高いエネルギーにある。場合によっては、複数の多光子励起が組織内で生成され得る。複数の多光子励起は、複数の多光子信号を生成することができる。例えば、細胞核は2光子励起を受けることができる。別の例として、細胞壁は3光子励起を受けることができる。複数の信号の少なくともサブセットは異なっていてもよい。異なる信号は、本明細書に記載の方法に使用することができる異なる波長を有することができる。例えば、異なる信号(例えば、2光子又は3光子信号)を使用して、組織の異なる要素を示すことができるマップを形成することができる。場合によっては、マップは機械学習ベースの診断アルゴリズムをトレーニングするために使用される。
【0063】
本明細書で使用される「第二高調波発生」及び「SHG」という用語は、一般に、非線形材料と相互作用する光子が効果的に「結合」されて、初期光子の約2倍のエネルギー、したがって約2倍の周波数及び約半分(1/2)の波長を有する新しい光子を形成する非線形光学プロセスを指す。
【0064】
本明細書で使用される「第三高調波発生」及び「THG」という用語は、一般に、非線形材料と相互作用する光子が効果的に「結合」して、初期光子の約3倍のエネルギー、したがって約3倍の周波数及び約3分の1(1/3)の波長を有する新しい光子を形成する非線形光学プロセスを指す。
【0065】
本明細書で使用される「反射率共焦点顕微鏡法」又は「RCM」という用語は、一般に、サンプル(例えば、組織又はその任意の構成要素)からの反射光を収集及び/又は処理するプロセスを指す。このプロセスは、光ビームがサンプルに向けられ、サンプル内の焦点からの戻り光(「RCM信号」)が収集及び/又は分析され得る非侵襲的プロセスであり得る。プロセスは、生体内又は生体外であり得る。RCM信号は、それらを生成した光ビームの逆方向をトレースすることができる。RCM信号は、偏光又は無偏光であり得る。RCM信号は、ピンホール、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、交差励起光路及び集光光光路、又は、集光された光を焦点から生じるその部分に制限する他の共焦点配置と組み合わせることができる。
【0066】
本明細書で使用される「偏光」という用語は、一般に、1つの平面内で振動する波を有する光を指す。無偏光は、一般に、2つ以上の平面で振動する波を有する光を指すことができる。
【0067】
本明細書で使用される「励起光ビーム」という用語は、一般に、生成された信号を生成するために組織に向けられた集束光ビームを指す。励起光ビームは、単一の光ビームとすることができる。励起光ビームは、パルス状の単一の光ビームとすることができる。光の励起ビームは、複数の光ビームとすることができる。複数の光ビームは、本明細書で説明するように時間的及び位置的に同期させることができる。光の励起ビームは、撮像される組織の焦点に同時に送出されるパルスビーム又は連続ビーム又は1つ以上のパルス及び/又は連続ビームの組み合わせであり得る。励起光ビームは、本明細書に記載のように、所定のタイプの戻り信号又は生成信号に応じて選択することができる。
【0068】
本明細書で使用される「生成された信号」という用語は、一般に、集束光、例えば励起光の方向から生じる組織から組織に戻される信号を指し、反射、吸収、散乱、又は、屈折光を含むがこれらに限定されない。生成された信号には、組織自体から生じる内因性信号又は外因的に提供されたタグ若しくはマーカーからの信号が含まれ得るが、これらに限定されない。生成された信号は、生体内又は生体外組織のいずれかで生じ得る。生成された信号は、信号生成事象に寄与する励起光子の数によって決定されるように、単一光子生成信号又は多光子生成信号のいずれかとして特徴付けることができる。単一光子生成信号は、反射率共焦点顕微鏡法(「RCM」)信号、単一光子蛍光、及び単一光子自己蛍光を含み得るが、これらに限定されない。RCMなどの単一光子生成信号は、連続光源、パルス光源、又は、パルス若しくは連続のいずれかであり得る光源の組み合わせのいずれかから生じ得る。単一光子生成信号が重ね合わされてもよい。単一光子生成信号はデコンボリューションされ得る。多光子生成信号は、少なくとも2、3、4、5、又は、それ以上の光子によって生成され得る。多光子生成信号は、第二高調波発生、2光子自己蛍光、2光子蛍光、第三高調波発生、3光子自己蛍光、3光子蛍光、多光子自己蛍光、多光子蛍光、及びコヒーレント反ストークスラマン分光を含み得るが、これらに限定されない。多光子生成信号は、単一のパルス光源、又は、コヒーレント反ストークスラマン分光法の場合のようなパルス光源の組み合わせのいずれかから生じ得る。多光子生成信号が重ね合わされてもよい。多光子生成信号をデコンボリューションすることができる。他の生成された信号には、光干渉断層法(OCT)、単一又は多光子蛍光/自己蛍光寿命撮像、偏光顕微鏡信号、更なる共焦点顕微鏡信号、及び超音波診断信号が含まれるが、これらに限定されない。単一光子及び多光子生成信号は、直線偏光、円偏光、無偏光、又は、それらの任意の組み合わせのいずれかである前記生成信号の成分を選択的に検出することによって、偏光顕微鏡法と組み合わせることができる。偏光顕微鏡法は、信号を生成するために使用される光の偏光方向又は任意の中間偏光方向に平行又は垂直な偏光方向を有する生成された信号の全て又は一部を遮断することを更に含むことができる。本明細書に記載の生成された信号は、ピンホール、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、交差励起及び収集光路、又は、生成された信号から検出された光を焦点から生じる生成された信号のその部分に制限する他の共焦点配置を利用する共焦点技術と組み合わせることができる。例えば、共焦点ラマン信号を生成するために、ラマン分光装置にピンホールを配置することができる。ラマン分光信号は、サンプル又は組織内に存在する異なる振動状態に少なくとも部分的に基づいて異なる信号を生成することができる。光干渉断層撮影信号は、組織を撮像するために複数の位相を含む光を使用することができる。光コヒーレンストモグラフィは、光超音波検査に似ている場合がある。超音波検査は、サンプル内の特徴(例えば、組織)からの音波の反射に少なくとも部分的に基づいて信号を生成することができる。
【0069】
本明細書で使用される「造影剤」という用語は、一般に、限定はしないが、フルオロフォア、金属ナノ粒子、ナノシェル複合体及び半導体ナノ結晶などの任意の薬剤を指し、光学撮像技術を使用して得られたサンプルの画像のコントラストを高めるためにサンプルに適用することができる。フルオロフォアは、抗体標的化フルオロフォア、ペプチド標的化フルオロフォア、及び代謝活性の蛍光プローブであり得る。金属ナノ粒子は、光を散乱させることができる金及び銀などの金属を含むことができる。ナノシェル複合体は、誘電体コア及び金属シェルを含むナノ粒子を含むことができる。半導体ナノ結晶は、量子ドット、例えばセレン化カドミウム又は硫化カドミウムを含有する量子ドットを含むことができる。他の造影剤も、例えば酢酸を組織に適用することによって、本明細書で使用することができる。
【0070】
本明細書で使用される「リアルタイムで」及び「リアルタイムの」という用語は、一般に、即時の、迅速な、オペレータの介入を必要としない、自動的な、及び/又は、プログラムされたことを指す。リアルタイムは、フェムト秒、ピコ秒、ナノ秒、ミリ秒、秒での測定、並びに、より長い時間間隔での測定を含んでもよく、より短い時間間隔での測定を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
【0071】
本明細書で使用される「組織」という用語は、一般に、任意の組織サンプルを指す。組織は、健康、良性、又は、疾病を含まないサンプルであり得る。組織は、組織生検、組織切除、吸引物(細針吸引物など)、組織洗浄、細胞診検体、体液、又は、それらの任意の組み合わせなど、被検体から除去されたサンプルであり得る。組織はニューロンを含み得る。組織は、脳組織、脊髄組織、又は、それらの組み合わせを含み得る。組織は、血液脳関門を表わす細胞を含み得る。組織は、皮膚組織、乳房組織、膀胱組織、腎臓組織、肝臓組織、結腸組織、甲状腺組織、子宮頸部組織、前立腺組織、肺組織、心臓組織、筋肉組織、膵臓組織、肛門組織、胆管組織、骨組織、子宮組織、卵巣組織、子宮内膜組織、膣組織、外陰組織、胃組織、眼組織、鼻組織、副鼻腔組織、陰茎組織、唾液腺組織、腸組織、胆嚢組織、胃腸組織、膀胱組織、脳組織、脊髄組織、血液サンプル、又は、それらの任意の組み合わせを含み得る。組織は血管であってもよい。
【0072】
本明細書で使用される「開口数」という用語は、一般に、システムが光を受容又は放出することができる角度の範囲を特徴付ける無次元数を指す。開口数は、顕微鏡法において、対物レンズの受光円錐(したがって、その集光能力及び分解能)を表わすために使用され得る。
【0073】
「少なくとも」、「より大きい」、又は、「以上」という用語が一連の2つ以上の数値の最初の数値の前にある場合、「少なくとも」、「より大きい」、又は、「以上」という用語は常に一連の数値の各数値に適用される。例えば、1、2、又は、3以上は、1以上、2以上、又は、3以上と同等である。
【0074】
「超えない」、「未満」、又は、「以下」という用語が一連の2つ以上の数値の最初の数値の前にある場合は常に、「超えない」、「未満」、「以下」は、その一連の数値の各数値に適用される。例えば、3、2、又は、1以下は、3以下、2以下、1以下と同等である。
【0075】
本明細書に開示される方法及びシステムは、サンプルを撮像する光学系の分解能を向上させるために(例えば、生体内生物学的組織)、撮像ビーム焦点を光軸に対して傾斜又は傾斜した方向にサンプルを通して移動させる走査パターンを利用することによって組織のサンプルの深度プロファイルを形成するために使用され得る。スキャナは、組織の深度プロファイルを形成するために、光軸に対して傾斜した1つ以上の線及び/又は1つ以上の平面内で焦点を移動させることができる。深度プロファイルは、組織の想定し得る疾病状態を特定するために使用することができる組織の断面の一般的又はほぼ代表的な投影垂直断面画像を提供することができる。本方法及びシステムは、深度プロファイル画像成分(例えば焦点の走査パターン)から形成された無傷の生体組織の生体内サンプルの投影垂直断面画像を提供することができる。また、本明細書に開示される方法及びシステムは、組織切片として見られるが、異なるX-Y位置を表わすことができる組織断面の画像を生成することができる。
【0076】
幾つかの実施形態によれば、本明細書に開示される方法及びシステムは、1つ以上の傾斜面内の焦点の走査パターンによって形成された1つ以上の傾斜面(又は1つ以上の傾斜焦点面)を利用することができる。集束スポットのX、Y、及びZ位置を同時に制御することができるシステムは、組織内の軌跡を通って焦点を移動させることができる。軌跡は、予め決定されてもよく、修正可能であってもよく、又は、任意であってもよい。垂直Z軸(すなわち、光軸)に対してある角度で走査すると、分解能が大幅に向上する可能性がある。この効果は、例えば、傾斜面と点像分布関数(PSF)との交点がXZ平面又はYZ平面におけるPSF投影よりもはるかに小さいために生じ得る。したがって、傾斜線に沿って、又は傾斜面内で移動した集束ビームの有効PSFは、傾斜角が増加するにつれて小さくなり、90°の角度で横方向PSF分解能に近づくことができる(この時点で、走査方向線又は走査平面は、XY(横方向)平面内にあり得る)。本明細書に記載されるような傾斜走査又は撮像は、任意のタイプの戻り信号と共に使用され得る。戻り信号の非限定的な例は、本明細書の他の箇所に記載されている生成信号を含むことができる。
【0077】
走査軌道の一部が焦点をZ方向に移動しているようにするべく、組織を通る深度プロファイルを光軸に対してある角度(例えば、0°超90°未満)で走査することができる。幾つかの例では、適度な傾斜角は、分解能の実質的な改善をもたらし得る。有効PSFサイズは、Z軸に対する適度な角度についてPSFlateral/sin(θ)として近似することができ、θはz軸と撮像軸との間の角度である。更なる詳細は、図3に見出すことができる。したがって、45°の走査角では、傾斜面の深さ軸に沿った分解能は、横方向の分解能よりも1.414倍大きい。サブミクロン横方向分解能では、走査角に応じて、ほぼミクロン又はサブミクロンの傾斜分解能が達成され得る。このプロセスは、はるかに高い開口数(NA)の光学系で達成可能な断面分解能をもたらすことができる。より控えめなNAで動作することによって、光学素子は、軸外収差に対してロバスト性がより高くなり得ると共に、より大きな視野及び/又はより大きな深度を走査することができる。更に、より控えめなNAで動作することにより、高分解能を維持しながら撮像装置のフットプリントを小さくすることができる。
【0078】
投影された断面画像が構築されると、傾斜走査から生じる生成された信号から導出された深度プロファイル情報は、XZ又はYZ平面に投影されて画像平面を形成することができる。この状況では、組織の表面に対する構造の深さに歪みがない場合がある。この投影された断面画像は、幾つかの代表的な実施形態では、垂直に対して1つ以上の角度で光学的にスライスされた平面に対応するデータを含むことができる。投影された断面画像は、撮像された構造又は組織の深度を依然として表わしながら、大幅に改善された分解能を有することができる。
【0079】
深度プロファイルを生成するための方法
本明細書では、被検体の組織の深度プロファイルを生成する方法が開示される。一態様において、被検体の組織の深度プロファイルを生成するための方法は、光源からの励起光ビームを組織の表面に向けて伝送するために光プローブを使用するステップであって、励起光ビームが、組織との接触時に、組織の固有の特性を示す信号を生成するステップと、光プローブ内の1つ以上の集束ユニットを使用して、走査パターンで励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するステップと、組織を励起光ビームと接触させる際に生成された信号の少なくともサブセットを検出するステップと、信号の少なくともサブセットを処理するようにプログラムされる1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して組織の深度プロファイルを生成するステップとを含んでもよい。走査パターンは、複数の焦点を含むことができる。深度プロファイルを生成するための本明細書に記載の方法は、代替的に、連続的又はパルス化され、焦点に並置される2つ以上の光ビームの組み合わせを利用することができる。
【0080】
深度プロファイルは、1つ以上の傾斜した方向を含む走査パターンで焦点を走査することによって生成することができる。走査は、単一の平面内にあってもなくてもよい。走査は、1つ以上の傾斜面内であってもよい。走査は、螺旋などの複雑な形状であってもよく、所定の、可変の、又は、ランダムな点の配列であってもよい。走査パターン、走査面、傾斜面、及び/又は、焦点面は、処理された生成信号から形成することができる視覚的又は画像的断面とは異なる平面であってもよい。画像断面は、撮像焦点を垂直平面、傾斜面、非平面パターン、形状(例えば、螺旋、波などである)、又は、焦点のランダム若しくは擬似ランダムな組み合わせにわたって移動させることから生じる処理された生成信号から形成することができる。
【0081】
深度プロファイルはリアルタイムで生成することができる。例えば、深度プロファイルは、光プローブが光源から組織の表面に向かって1つ以上の励起光ビームを伝送する間に生成され得る。深度プロファイルは、少なくとも1フレーム/秒(FPS)、2FPS、3FPS、4FPS、5FPS、10FPS、又は、それ以上のフレームレートで生成することができる。場合によっては、深度プロファイルは、最大で10FPS、5FPS、4FPS、3FPS、2FPS以下のフレームレートで生成されてもよい。フレームレートは、撮像装置がフレームと呼ばれる連続画像を表示するレートを指すことができる。深度プロファイルの画像フレームは、組織の断面画像を提供することができる。
【0082】
画像フレーム又は画像の領域は、任意の適切な寸法を有する四辺形であってもよい。画像フレームは、場合によっては等しい辺(例えば、正方形)を有する長方形であってもよく、例えば、組織の200μm×200μmの断面を描写する。画像フレームは、少なくとも約50μm×50μm、100μm×100μm、150μm×150μm、200μm×200μm、250μm×250μm、300μm×300μm、又は、それを超える寸法を有する組織の断面を描写することができる。場合によっては、画像フレームは、約300μm×300μm、250μm×250μm、200μm×200μm、150μm×150μm、100μm×100μm、50μm×50μm以下の寸法を有する組織の断面を描写することができる。画像フレームは、等しい辺を有していなくてもよい。
【0083】
画像フレームは、光軸に対して任意の角度であってもよい。例えば、画像フレームは、光軸に対して約0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、60°、70°、80°、90°、又は、それ以上の角度であってもよい。画像フレームは、光軸に対して約90°、85°、80°、75°、70°、65°、60°、50°、40°、30°、20°、10°、5°以下の角度であってもよい。場合によっては、角度は、上記又は本明細書の他の箇所に記載されている値のいずれか2つの間、例えば0°~50°の間である。
【0084】
画像フレームは、任意の設計、形状、又は、サイズであってもよい。形状又は形態の例としては、数学的形状(例えば、円形、三角形、正方形、長方形、五角形、又は、六角形)、二次元幾何学的形状、多次元幾何学的形状、曲線、多角形、多面体、多面体、最小表面、線織面、配向不可能な表面、四角形、擬似球面、代数的表面、種々の表面、Riemann表面、箱型描画文字、Cuisenaireロッド、幾何学的形状、通し名を有する形状、記号、ユニコード幾何学的形状、他の幾何学的形状、又は、それらの部分的形状若しくは形状の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。画像フレームは、本明細書の他の箇所で説明するように、投影画像断面画像であってもよい。
【0085】
励起光ビームは、超短パルスの光であってもよい。超短パルス光は、超短パルスレーザ(本明細書では「超高速パルスレーザ」とも呼ばれる)から放射することができる。超短パルスの光は、高いピーク強度を有し、様々な材料において非線形相互作用をもたらす可能性がある。超短パルス光は、フェムト秒又はピコ秒程度の半値全幅(FWHM)を有する光を指し得る。幾つかの例において、超短パルス光は、少なくとも約1フェムト秒、10フェムト秒、100フェムト秒、1ピコ秒、100ピコ秒、又は、1000ピコ秒以上のFWHMを有する。幾つかの例において、超短光パルスは、最大で約1000ピコ秒、100ピコ秒、1ピコ秒、100フェムト秒、10フェムト秒、1フェムト秒又はそれ未満のFWHMであり得る。超短パルス光は、パルス持続時間、パルス繰返し率、及び平均出力を含む幾つかのパラメータによって特徴付けることができる。パルス持続時間は、光パワー対時間のFWHMを指すことができる。パルス繰返し率は、パルスの周波数又は1秒当たりのパルス数を指すことができる。
【0086】
プローブは、電力センサに加えて他のセンサを有することもできる。センサからの情報は、深度プロファイルと共に使用又は記録されて、プローブ及び/又は被検体に関する更なる強化された情報を提供することができる。例えば、プローブ内の他のセンサは、プローブ位置センサ、GPSセンサ、温度センサ、カメラ又はビデオセンサ、皮膚鏡、加速度計、接触センサ、及び湿度センサを備えることができる。
【0087】
超短パルスレーザ技術の非限定的な例には、チタン(Ti):サファイアレーザ、モードロックダイオードポンプレーザ、モードロックファイバレーザ、及びモードロック色素レーザが含まれる。Ti:サファイアレーザは、レーザ発振媒体(例えば、レーザ内の光学ゲイン源である活性レーザ媒体)としてチタンイオンがドープされたサファイア(Al)の結晶を用いた波長可変レーザであってもよい。レーザ、例えば、ダイオード励起レーザ、ファイバレーザ、及び色素レーザは、超短パルスを得るために、アクティブモードロック又はパッシブモードロックによってモードロックすることができる。ダイオード励起レーザは、ゲイン媒体がレーザ結晶又はバルクガラス片(例えば、イッテルビウム結晶、イッテルビウムガラス、クロムドープレーザ結晶)を備える固体レーザであってもよい。パルス持続時間は、Ti:サファイアレーザで可能な限り短くすることはできないが、ダイオード励起超高速レーザは、パルス持続時間、パルス繰返し率、及び平均出力に関して広いパラメータ領域をカバーすることができる。エルビウム、イッテルビウム、ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジム、ツリウム、又は、それらの組み合わせなどの希土類元素がドープされたガラス繊維に基づくファイバレーザも使用することができる。場合によっては、レーザ発振媒体として、場合によっては液体溶液として、ローダミン、フルオレセイン、クマリン、スチルベン、ウンベリフェロン、テトラセン、マラカイトグリーンなどの有機色素を含む色素レーザを使用することができる。
【0088】
超短パルス光を供給する光源は、波長調整可能な超短パルスTi:サファイアレーザとすることができる。Ti:サファイアレーザは、モードロック発振器、チャープパルス増幅器、又は、波長可変連続波レーザとすることができる。モードロック発振器は、約数ピコ秒~約10フェムト秒、場合によっては約5フェムト秒の持続時間を有する超短パルスを生成することができる。パルス繰返し周波数は、約70-90メガヘルツ(MHz)とすることができる。「チャープパルス」という用語は、一般に、パルスがレーザ内の構成要素を損傷するのを防止することができる特別な構造を指す。「チャープパルス」レーザでは、エネルギーが全て同じ時点に及び空間内に位置されないように、パルスを時間的に引き伸ばすことができ、増幅器の光学系の損傷を防止する。次いで、パルスを光学的に増幅し、時間的に再圧縮して、短い局所パルスを形成することができる。
【0089】
光の超短パルスは、ゲインスイッチングによって生成することができる。ゲインスイッチングにおいて、レーザゲイン媒体は、例えば別のレーザでポンピングされる。ゲインスイッチングは、ガスレーザ(例えば、横方向励起大気(TEA)二酸化炭素レーザ)を含む様々なタイプのレーザに適用することができる。場合によっては、レーザ共振器設定を変更することなくゲインスイッチングを電子ドライバで制御することができるため、パルス繰返し率を調整することは、モードロックレーザよりもゲインスイッチングレーザでより容易に達成することができる。場合によっては、ゲインスイッチングレーザを光学的にポンピングするためにパルスレーザを使用することができる。例えば、窒素紫外線レーザ又はエキシマレーザは、色素レーザのパルス励起に使用することができる。場合によっては、Qスイッチングを使用して超高速パルス光を生成することができる。
【0090】
組織及び組織内の細胞構造は、波長依存的に励起光ビームと相互作用し、組織の固有の特性に関連する信号を生成することができる。生成された信号は、皮膚組織などの組織の健康、機能、治療、又は、外観に関する被検体の組織の正常状態、異常状態、癌状態、又は、他の特徴を評価するために使用することができる。生成及び収集された信号のサブセットは、第二高調波発生(SHG)信号、第三高調波発生(THG)信号、偏光信号、及び、自己蛍光信号のうちの少なくとも1つを含むことができる。傾斜面撮像技術は、本明細書の他の箇所に記載されているように、生成された任意の信号と共に使用することができる。
【0091】
非線形多光子励起に基づく高次高調波発生顕微鏡法(HHGM)(例えば、第二高調波発生及び第三高調波発生)を使用して、生組織及び固定組織の細胞構造を検査することができる。SHGは、一般に、ほぼ同じ周波数を有する光子が非線形材料と相互作用し、効果的に「結合」して、初期光子の約2倍のエネルギー、したがって約2倍の周波数及び約半分(1/2)の波長を有する新しい光子を生成する非線形光学プロセスを指すことができる。同様に、THGは、一般に、ほぼ同じ周波数を有する光子が非線形材料と相互作用し、効果的に「結合」して、初期光子の約3倍のエネルギー、したがって約3倍の周波数及び約1/3(1/3)の波長を有する新しい光子を生成する非線形光学プロセスを指すことができる。コラーゲン、微小管、及び、筋肉ミオシンなどであるがこれらに限定されない規則正しい内因性分子の第二高調波発生(SHG)及び第三高調波発生(THG)は、外因性標識を使用せずに得ることができ、原線維コラーゲン、ミオシン、微小管、並びに、膜電位及び細胞脱分極などの他の細胞情報を含む分子の詳細でリアルタイムの光学的再構成をもたらす。組織内のタンパク質及び分子、例えばI型コラーゲン及びII型コラーゲン、ミオシン、並びに、微小管の秩序化及び組織化は、光と相互作用すると、組織の癌状態を評価するために使用することができる信号を生成することができる。SHG信号を使用して、癌、線維症、及び、結合組織障害を含む疾病で起こり得るコラーゲン原線維/線維構造の変化などの変化を検出することができる。様々な生物学的構造がSHG信号を生成し得る。場合によっては、生体系の機能の仕方を変えることができる外因性プローブ及び造影剤による分子の標識化を使用しなくてもよい。ある場合には、被検体の上皮組織における疾病を特定するための本明細書の方法は、造影剤を被検体に投与することなく実施され得る。
【0092】
組織内の疾病を判定するために生成及び収集され得る別の種類の信号は、自己蛍光であり得る。自己蛍光は、一般に、タンパク質、小分子、及び/又は、生物学的構造などの特定の生物学的分子によって自然に放射される光を指すことができる。組織及び細胞は、様々な自己蛍光タンパク質及び化合物を含むことができる。明確な波長は、細胞及び組織に天然に存在する内因性分子、タンパク質、水、及び、脂肪などの発色団によって吸収され得る。組織中に見出すことができる自己蛍光フルオロフォアの非限定的な例としては、UV範囲で発光することができるトリプトファン、チロシン、及び、フェニルアラニンなどの芳香族アミノ酸、並びに、レチノール、リボフラビン、ナイアシン由来のNAD(P)Hのニコチンアミド環、並びに、ピリドキシン(ビタミンB6)に基づくエラスチン及び幾つかのコラーゲン中に見出されるピリドラミン架橋を含む、約400nm~650nmの範囲の波長で発光することができるビタミン誘導体を含むポリペプチド及びタンパク質が挙げられる。
【0093】
自己蛍光信号は、複数の自己蛍光信号を含み得る。1つ以上のフィルタを使用して、複数の自己蛍光信号を1つ以上の自己蛍光チャネルに分離することができる。例えば、組織の異なる部分は異なる波長で蛍光を発することができ、波長選択性フィルタを使用して各蛍光波長を異なる検出器に向けることができる。1つ以上のモノクロメータ又は回折格子を使用して、複数の自己蛍光信号を1つ以上のチャネルに分離することができる。組織内の疾病を判定するために生成又は収集することができる別の種類の信号は、反射共焦点顕微鏡法(RCM)信号であり得る。RCMは、光プローブからの光ビームがサンプルに向けられるときに、組織などのサンプルから反射される光を使用することができる。RCM信号は、サンプルに向けられる光のごく一部であり得る。RCM信号は、焦点から外れた光を排除することによって収集することができる。ピンホール、シングルモードファイバ光学系、又は、同様の物理フィルタを使用して、焦点から外れた光を排除してもよく又は排除しなくてもよい。サンプルと光ビームとの相互作用は、RCM信号の偏光を変更してもしなくてもよい。サンプルの異なる成分は、RCM信号の分極を異なる程度に変化させることができる。RCM信号の光路における偏光選択的光学素子の使用は、ユーザがサンプルの所定の成分からRCM信号を選択することを可能にし得る。システムは、異なる解剖学的特徴又は特性に対応するRCM信号を選択、分割、又は、増幅して、更なる組織データを提供することができる。例えば、システムによって検出された偏光の変化に基づいて、システムは、偏光選択的光学素子を使用して、メラニンに関連するRCM信号を選択又は増幅することによって、メラニン沈着物に対応するRCM信号成分を選択又は増幅することができる。コラーゲン、ケラチン、エラスチンを含むがこれらに限定されない他の組織成分は、偏光選択的光学素子を使用して特定することができる。検出され得る生成された信号の非限定的な例は、本明細書の他の箇所に記載されている。
【0094】
超高速パルスレーザは、最大500フェムト秒、450フェムト秒、400フェムト秒、350フェムト秒、300フェムト秒、250フェムト秒、200フェムト秒、150フェムト秒、100フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。場合によっては、パルス持続時間は約150フェムト秒である。場合によっては、超高速パルスレーザは、少なくとも100フェムト秒、150フェムト秒、200フェムト秒、250フェムト秒、300フェムト秒、350フェムト秒、400フェムト秒、450フェムト秒、500フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。超高速パルスレーザのパルス繰返し周波数は、少なくとも10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz、又は、それ以上とすることができる。場合によっては、超高速パルスレーザのパルス繰返し周波数は、最大で100MHz、90MHz、80MHz、70MHz、60MHz、50MHz、40MHz、30MHz、20MHz、10MHz、又は、それ以下とすることができる。場合によっては、パルス繰返し周波数は約80MHzである。
【0095】
収集された信号は、プログラムされたコンピュータプロセッサによって処理されて深度プロファイルを生成することができる。信号は、プログラムされたコンピュータプロセッサに無線で送信することができる。代案として、信号は、有線接続を介してプログラムされたコンピュータプロセッサに送信されてもよい。組織の固有の特性に関する信号又は信号のサブセットは、プログラムされたコンピュータプロセッサの助けを借りて深度プロファイルを生成するために使用することができる。収集された信号及び/又は生成された深度プロファイルは、電子的に記憶することができる。場合によっては、信号及び/又は深度プロファイルは、外科医、医師、看護師、又は、他の医療専門家などのユーザによって削除されるまで記憶される。診断及び/又は治療に使用される場合、深度プロファイルはリアルタイムでユーザに提供され得る。リアルタイムで提供される深度プロファイルは、疾病、例えば皮膚癌の境界を特定するための術前画像として使用することができる。深度プロファイルは、表皮、真皮、及び/又は、皮下組織を含む皮膚組織などの組織の様々な層の視覚化をもたらすことができる。深度プロファイルは、少なくとも角質層、透明帯、顆粒層、有棘層若しくは扁平細胞層、及び/又は、基底細胞層の下で延びることができる。場合によっては、深度プロファイルは、組織の表面よりも少なくとも250μm、300μm、350μm、400μm、450μm、500μm、550μm、600μm、650μm、700μm、750μm又はそれ以上下方に及んでもよい。場合によっては、深度プロファイルは、組織の表面よりも最大で750μm、700μm、650μm、600μm、550μm、500μm、450μm、400μm、350μm、300μm、250μm又はそれ以上下方に及んでもよい。場合によっては、深度プロファイルは、組織の表面よりも約100μm~1mm、約200μm~900μm、約300μm~800μm、約400μm~700μm、又は、約500μm~600μm下方に及ぶ。
【0096】
方法は、1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して深度プロファイルを処理して組織内の疾病を特定することを更に含むことができる。組織における疾病の特定は、1つ以上の特徴を含み得る。1つ以上の特徴は、以下、すなわち、診断精度の可能性、被検体における疾病の存在の可能性、被検体が疾病を発症する可能性、特定の治療の成功の可能性、又は、それらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を示す1つ以上の定量的値を提供し得る。また、1つ以上のコンピュータプロセッサは、疾病を発症するリスク又は可能性を予測し、疾病の診断又は存在を確認し、疾病の進行を監視し、被検体における疾病の治療の有効性を監視するように構成されてもよい。
【0097】
方法は、被検体の組織を光プローブと接触させることを更に含み得る。接触は、直接的又は間接的な接触であってもよい。接触が直接接触である場合、接触を実行することは、介在層なしで光プローブを被検体の組織の隣に配置することを含み得る。接触が間接的な接触である場合、接触を実行することは、1つ以上の介在層を有する被検体の組織の隣に光プローブを配置することを含み得る。1つ以上の介在層は、衣服、医療用ガーゼ、及び、包帯を含むことができるが、これらに限定されない。上皮組織の表面と光プローブとの間の接触が中断されたときに(例えば、光の経路に対して)検出器の前に配置されたシャッタが作動して入射光を遮断することができるように、接触を監視することができる。
【0098】
幾つかの代表的な実施形態によれば、走査パターンは傾斜面に追従することができる。傾斜面は、光プローブの光軸に対して傾斜した方向に沿って配置されてもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合には、傾斜面と光軸との間の角度は、約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。場合によっては、傾斜面と光軸との間の角度は、前述の2つの値のいずれかの間、例えば約5°~50°であってもよい。
【0099】
様々な代表的な実施形態によれば、走査経路又はパターンは、向上、改善、又は、最適化された画像分解能を得るように設計される1つ以上のパターンに従うことができる。走査経路又はパターンは、例えば、1つ以上の垂直面、1つ以上の傾斜面、1つ以上の螺旋焦点経路、1つ以上のジグザグ又は正弦波焦点経路、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。走査経路又はパターンは、傾斜した方向に移動しながら、走査焦点を光学素子の中心付近に維持するように構成されてもよい。走査経路又はパターンは、走査焦点を光軸の中心付近に維持するように構成されてもよい(例えば、焦点軸)。
【0100】
複数の焦点の走査パターンは、アルゴリズムによって選択されてもよい。例えば、(光軸に対して)1つ以上の走査角で移動する焦点を使用して、一連の画像を取得することができる。走査パターンは、垂直走査及び/又は傾斜走査を含むことができる。撮影された画像の品質に応じて、アルゴリズムによって選択された異なる走査角度又はそれらの組み合わせを使用して、1つ以上の更なる画像を撮影することができる。一例として、垂直走査又はより小さい角度の傾斜走査を使用して撮影された画像が低品質である場合、コンピュータアルゴリズムは、走査方向の組み合わせを使用して又はより大きい走査角度を使用して画像を撮影するようにシステムに指示することができる。走査パターンの組み合わせが改善された画質をもたらす場合、撮像セッションはその走査パターンの組み合わせを使用し続けることができる。
【0101】
図2は、傾斜走査プロセスのために傾斜面上の走査パターンを使用する例を示す。回折は、点像分布関数(PSF)と呼ばれる光の集中領域を作り出すことができる。三次元では、PSFは、XY平面に対してZ方向(光軸に平行な方向)で細長い楕円体であってもよい。PSFのサイズは、システムが分解できる最小の特徴、例えば、システムの撮像分解能を決定付けることができる。図2では、通常の走査プロセスに関し、垂直平面XZ206に投影されたPSF202は楕円形であり、平面XY(XY平面は図示せず)に投影されたPSF204は円形である。平面XZ206は、光軸と平行である。傾斜走査プロセスでは、有効PSF208(傾斜面210とPSF202との間の交差部)がXZ平面206に投影されたPSF202よりもはるかに小さくなり得るので、分解能の実質的な利点が生じ得る。傾斜面210と光軸との間の角度θ(傾斜角)は、約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合には、傾斜面210と光軸との間の角度θは、約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。場合によっては、傾斜面210と光軸との間の角度θは、前述の2つの値のいずれかの間、例えば約5°~50°であってもよい。
【0102】
図3は、傾斜面に投影された有効PSFの拡大図の一例を示す。図3では、通常の走査プロセスの場合、XZ平面(XZ平面は図示せず)上の点像分布関数(PSF)302は楕円形であり、XY平面(XY平面は図示せず)上のPSF304は円形である。傾斜走査プロセスの場合、有効PSF306(傾斜面308とPSF302との間の交差部)がXZ平面上に投影されたPSF302よりもはるかに小さくなり得るので、分解能の実質的な利点が生じ得る。傾斜面308と光軸との間の角度θは、約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合には、傾斜面308と光軸との間の角度θは、約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。傾斜走査では、画像分解能は
【数1】
【0103】
とすることができ、これは、有効PSFサイズが、Z軸に対する適度な角度に関してPSFxy/sin(θ)として近似できることを示している。
【0104】
図4は、θ及び開口数に伴って変化する光学分解能の一例を示す。図4において、曲線402は、光軸と平行な平面に関する開口数に対する光学分解能の変化を表わし、曲線404は、光軸と20°の角度を有する傾斜面に関する開口数に対する光学分解能の変化を表わし、曲線406は、光軸と30°の角度を有する傾斜面に関する開口数に対する光学分解能の変化を表わし、曲線408は、光軸と45°の角度を有する傾斜面に関する開口数に対する光学分解能の変化を表わし、曲線410は、光軸と90°の角度を有する傾斜面に関する開口数に対する光学分解能の変化を表わす。図4では、開口数の同じ値に関して、分解能は、θが増加するにつれて減少し、また、同じθに関して、開口数が増加すると分解能が低下する。
【0105】
楕円の任意の断面を利用する組織を通る異なる走査モダリティは、励起楕円体のX、Y、Z位置を独立して制御することによって形成することができる。3次元ボリュームを表わす任意の連続パラメトリック方程式を使用して、構造を走査することができる。図5A図5Fは、走査モダリティの例を示す。
【0106】
図5A図5Eは、角質層501と表皮502と真皮503との間の境界を示す走査されたボリュームの例を示す。図5Aでは、モダリティのコントラストを示すためにXY及びXZが含まれている。図5B図5Fのそれぞれについて、左画像は、走査された平面の側面図を示し、右画像は、3次元ボリューム内の走査プロセスの対応するパターンを示す。更に、図5B図5D及び図5Fの左下画像(図の平面内の左画像の下)は、PSFと走査平面との間の交差を示しており、これは、その平面の最小スポットサイズ及び分解可能な特徴を表わす。例えば、図5BはXY撮像を示し、図5CはXZ撮像を示す。図5Eでは、左側の画像は走査平面の側面図を示し、右側の画像は3次元ボリューム内の走査プロセス又は幾何学的形状のパターンを示す。
【0107】
分解能の利点は、走査パターンがX、Y、及びZ方向の成分を有し、Z軸に対してPSFの傾斜した交差部を形成する場合に生じ得る。多くの異なるパターンが存在してもよく、その一例は、XZ平面に対して一定の角度に沿って移動する単一の傾斜面であってもよい。例えば、図5Dでは、傾斜面は、光軸(又はXZ平面)に対して45°の角度に沿って移動する。分解能は、XY分解能/sin(45°)であってもよい。XZ分解能は、XY分解能の5倍から10倍を測定することができ、これは分解能の大きな改善となり得る。
【0108】
図5Eは、蛇行撮像を示す図である。蛇行撮像は、傾斜したPSFの利点を有することができるが、方向を規則的に変更することにより、走査を中央XZ平面に近づける。光学収差は軸外で増加する可能性があるため、これは、中心線からの最大距離を最小限に抑えながら、傾斜したPSFの利点を得るための技術であり得る。この蛇行における振動の振幅及び速度を変化させることができる。蛇行走査は、走査平面又は画像を形成することができる。図5Fは螺旋画像を示す。螺旋状撮像は、傾斜したPSFの利点を有することができるが、円形プロファイルを前後のラスタパターンよりも速く走査することができるので、より高い走査速度を有する。
【0109】
この方法は、被検体から組織を除去することなく実施され得る。該方法は、造影剤を被検体に投与することなく実施され得る。
【0110】
励起光ビームは、無偏光を含んでもよい。他の実施形態では、励起光ビームが偏光を含んでもよい。励起光ビームの波長は、少なくとも約400ナノメートル(nm)、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm又はそれより長くすることができる。場合によっては、励起光ビームの波長は、最大で約950ナノメートル(nm)、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、600nm、550nm、500nm、450nm、400nm以下とすることができる。光のパルスの波長は、約700nm~900nm、約725nm~875nm、約750nm~850nm、又は、約775nm~825nmであってもよい。
【0111】
複数の波長を使用することもできる。複数の波長の光が使用される場合、波長は、少なくとも約400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm以上を中心とし、少なくとも約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、75nm、100nm、125nm、150nm、175nm、200nm、225nm、250nm、275nm、300nm以上の帯域幅を伴うことができる。例えば、波長は、約50nm(例えば、約((780-(50/2))=755nm)~約((780+(50/2))=805nm))の帯域幅で約780nmを中心とすることができる。場合によっては、波長は、最大で約950ナノメートル(nm)、900nm、850nm、800nm、750nm、700nm、650nm、600nm、550nm、500nm、450nm、400nm又はそれより短いものを中心とし、少なくとも約10nm、20nm、30nm、40nm、50nm、75nm、100nm、125nm、150nm、175nm、200nm、225nm、250nm、275nm、300nm又はそれより長い帯域幅を伴うことができる。
【0112】
信号のサブセットは、第二高調波発生(SHG)信号、第三高調波発生(THG)信号、反射率共焦点顕微鏡(RCM)信号、及び、自己蛍光信号から成るグループから選択される信号の少なくとも1つを含むことができる。SHG、THG、RCM及び自己蛍光は、本明細書の他の箇所に開示されている。信号のサブセットは、本明細書で規定される1つ以上の生成された信号を含むことができる。
【0113】
収集は、周辺光の存在下で行なわれてもよい。周辺光は、外科的処置が行なわれる診察室又は手術領域内で、白熱電球又はランプ、ハロゲンランプ、ガス放電ランプ、蛍光ランプ、発光ダイオード(LED)ランプ、及び、カーボンアークランプを含む様々な種類の電気照明源によってもたらされるような通常の室内照明を指すことができる。
【0114】
傾斜走査、走査経路、又は、走査パターンに沿って励起光ビームの深度及び焦点の位置を同時に調整することにより、深度プロファイルの最大分解能深度を増大させることができる。増大後の最大分解能深度は、元の最大分解能深度の少なくとも約1.1倍、1.2倍、1.5倍、1.6倍、1.8倍、1.9倍、2倍、2.1倍、2.2倍、2.3倍、2.4倍、2.5倍、2.6倍、2.7倍、2.8倍、2.9倍、3倍以上であってもよい。他の実施形態において、増大後の最大分解能深度は、元の最大分解能深度の最大約3倍、2.9倍、2.8倍、2.7倍、2.6倍、2.5倍、2.4倍、2.3倍、2.2倍、2.1倍、2.0倍、1.9倍、1.8倍、1.7倍、1.6倍、1.5倍、1、4倍、又はそれ以下であり得る。この増大は、焦点の深度及び位置が同時に調整され得ない場合に対するものであり得る。
【0115】
組織の固有の特性を示す信号は、光検出器によって検出することができる。光検出器センサの電力及びゲインは、画質を向上させるために変調されてもよい。励起光ビームは、光検出器による感知と同期させることができる。
【0116】
RCM信号は、ビームスプリッタと光学的に連通する一連の光学部品によって検出することができる。ビームスプリッタは、偏光ビームスプリッタ、固定比率ビームスプリッタ、反射ビームスプリッタ、又はダイクロイックビームスプリッタであってもよい。ビームスプリッタは、入射光の約1%、3%、5%、10%、15%、20%、25%、33%、50%、66%、75%、80%、90%、99%以上を透過することができる。ビームスプリッタは、入射光の約99%、90%、80%、75%、66%、50%、33%、25%、20%、15%、10%、5%、3%、1%以下を透過することができる。一連の光学部品は、1つ以上のミラーを備えてもよい。一連の光学部品は、1つ以上のレンズを備えてもよい。1つ以上のレンズは、RCM信号の光を光ファイバ上に集束させることができる。光ファイバは、シングルモード、マルチモード、又は、光ファイバの束であってもよい。RCM信号の集束光は、調整可能なミラー、並進ステージ、又は、屈折アライメント要素を使用してファイバに対して位置合わせされてもよい。屈折アライメント要素は、本明細書の他の箇所に記載されているような屈折アライメント要素であってもよい。
【0117】
方法は、被検体の組織を貫通することなく実施され得る。被検体の組織中の疾病を特定するための本明細書に開示される方法は、疾病の治療中及び/又は治療のために、例えば皮膚癌を治療するためのモース術中に使用することができる。場合によっては、被検体の上皮組織から上皮組織を除去することなく、被検体の上皮組織における疾病、例えば皮膚癌を特定することができる。これは、被検体に対する疼痛及び不快感を有利に防止することができ、疾病の検出及び/又は特定を促進することができる。疾病の位置は、非侵襲的な方法で検出することができ、これにより、ヘルスケア専門家(例えば、外科医、医師、看護師、又は、他の開業医)などのユーザは、手術前に疾病領域の位置及び/又は境界を決定することができる。被検体の上皮組織における疾病の特定は、場合によっては、例えば針によって、被検体の上皮組織を貫通することなく行なうことができる。
【0118】
疾病又は状態は、癌を含み得る。場合によっては、癌は、甲状腺癌、副腎皮質癌、肛門癌、非形成性貧血、胆管癌、膀胱癌、骨癌、骨転移、中枢神経系(CNS)癌、末梢神経系(PNS)癌を、乳癌、キャッスルマン病、子宮頸癌、小児非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、結腸及び直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、ユーイングの腫瘍ファミリー(例えば、ユーイング肉腫)、眼癌、胆嚢癌、胃腸癌、胃腸間質性腫瘍、妊娠栄養芽細胞性疾病、毛細胞白血病、ホジキン病、カポシ肉腫、腎臓癌、喉頭及び下咽頭癌、急性リンパ球性白血病、急性骨髄性白血病、小児白血病、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病、肝臓肺癌腫瘍、非ホジキンリンパ腫、男性乳癌、悪性中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、鼻腔及び傍鼻癌、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、口腔及び口腔咽頭癌、骨肉腫、卵巣癌、膵臓癌、陰茎癌、下垂体腫瘍、前立腺癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫(成人軟組織癌)、黒色腫皮膚癌、非黒色腫皮膚癌、胃癌、精巣癌、胸腺癌、子宮癌(例えば、子宮肉腫)、膣癌、外陰癌、又はウォルデンストロームのマクログロブリン血症を含んでもよい。疾病は上皮癌であってもよい。上皮癌は、皮膚癌であってもよい。
【0119】
方法は、組織の疾病を分類するために1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して深度プロファイルを処理することを更に含むことができる。分類は、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.9%又はそれ以上の精度、選択性、及び/又は、特異性で組織が疾病を有すると特定し得る。分類は、最大で約99.9%、99%、98%、95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、又はそれ以下の精度、選択性、及び/又は、特異性で組織が疾病を有すると特定することができる。1つ以上のコンピュータプロセッサは、1つ以上のコンピュータプログラムを使用して疾病を分類することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、1つ以上の機械学習技術を含むことができる。1つ以上の機械学習技術は、1つ以上のプロセッサ以外のシステムでトレーニングされてもよい。
【0120】
深度プロファイルは、少なくとも約0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、75,100,150,200ミクロン又はそれ以上の分解能を有することができる。深度プロファイルは、最大で約200,150,100、75、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5ミクロン又はそれ未満の分解能を有することができる。例えば、深度プロファイルは、1ミクロンの細胞間空間を分解することが可能であり得る。
【0121】
方法は、励起光ビームのパワーを測定することを更に含んでもよい。パワーメータが、励起光ビームのパワーを測定するために使用されてもよい。パワーメータは、励起光ビームのパワーをリアルタイムで測定してもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、励起光ビームの測定されたパワーの信号を正規化することができる。正規化信号は、平均電力、瞬時電力(例えば、信号と同時に読み取られる電力)、又は、それらの組み合わせに関して正規化されてもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、正規化された深度プロファイルを生成することができる。正規化された深度プロファイルは、異なる時間に生成された深度プロファイルにわたって比較することができる。また、深度プロファイルは、画像が撮影されたときの照明パワーに関する情報を含むことができる。パワーメータが、本明細書では電力センサ又は電力モニタと呼ばれることもある。
【0122】
方法は、複数の信号の同期収集を可能にすることができる。方法は、単一の励起事象によって生成された複数の信号の収集を可能にすることができる。深度プロファイルは、本明細書の他の箇所で説明するように、同じ励起事象から生成される信号を使用して生成することができる。ユーザは、深度プロファイルを生成するためにどの信号を使用するかを決定することができる。
【0123】
方法は、情報の2つ以上の層を生成することができる。2つ以上の情報層は、単一プローブシステムの同じ光パルスから生成されたデータから生成された情報であってもよい。2つ以上の層は、同じ深度プロファイルからのものであってもよい。また、2つ以上の層のそれぞれは、投影断面画像を形成又は表示することができる別個の深度プロファイルを形成することができる。例えば、各別個の層又は各別個の深度プロファイルは、特定の処理された信号又は特定の撮像方法に対応する信号に対応することができる。例えば、メラニンからの2光子蛍光信号を取り込むことによって深度プロファイルを生成することができ、コラーゲンからのSHG信号を使用して別の深度プロファイルを生成することができ、2つの深度プロファイルを2つの情報層として重ね合わせることができる。信号の各グループは、個々の深度プロファイル及び投影断面画像を形成するために別々にフィルタリング、処理、及び、使用することができ、投影断面画像を生成するために使用することができるデータと単一の深度プロファイルへと組み合わせることができ、信号の各グループからのデータを組み合わせることができ、その組み合わせを使用して単一の深度プロファイル又はそれらの任意の組み合わせを生成することができる。組織の1つ以上の特定の特徴に対応する信号の各グループには、1つ以上の特徴の個々の断面画像又は各信号グループからのデータを含む合成断面画像を表示するために使用される色を割り当てることができる。断面画像又は個々の深度プロファイルを重ね合わせて、合成画像又は深度プロファイルを生成することができる。したがって、多色、多層、深度プロファイル又は画像を生成することができる。
【0124】
画像の例
図7A図7Dは、皮膚の深度プロファイルから形成された画像の例を示す。図7Aは、2光子自己蛍光から生じる生成された信号から導出される深度プロファイルから表示された画像を示す。自己蛍光信号は、約780nmの励起信号から生成され、光プローブの先端の収集要素からライトガイドに収集された。自家蛍光信号は、適宜選択した光学フィルタを用いて約415~650nmの範囲で検出された。表皮703は、皮膚の表面において角質層701と共に見ることができる。他の特徴と共に、表皮703と真皮705層との境界にあるエラスチン702並びに表皮703の上皮細胞708(ケラチノサイト)を見ることができる。図7Bは、図7Aの深度プロファイル又は層と時間的及び位置的に同期される深度プロファイル又は層から表示された画像を示す。図7Bの深度プロファイルから表示される画像は、適切に選択された光学フィルタで検出される約390nmの第二高調波発生信号から導出される。第二高調波発生信号は、約780nmの励起信号から生成され、光プローブの先端の収集素子からライトガイドに収集された。真皮層705のコラーゲン704並びに他の特徴を見ることができる。図7Cは、図7A及び図7Bの深度プロファイル又は層と時間的及び位置的に同期される深度プロファイル又は層から表示された画像を示す。図7Cで深度プロファイルから表示される画像は、RCM検出器に反射して戻ってくる反射共焦点信号から導出される。約780nmの反射信号は、その元の経路を通って戻り、検出及び処理のために反射信号を光ファイバに集束させて位置合わせさせたアライメント装置に分割された。メラノサイト707及びコラーゲン706並びに他の特徴を見ることができる。図7A図7B及び図7Cの画像は、励起光パルスから得られ、複数の層を有する単一の複合深度プロファイルから導出することができ、又は、別個の深度プロファイルから単一の層として導出することができる。図7Dは、図7A図7Cの重ね合わせ画像を示す。図7A及び図7Bの特徴から特定することができる境界は、図7Dで特定されたメラノサイトの位置を特定するのに役立つことができる。診断情報は、個々の画像及び/又は図7Dの合成若しくは重ね合わせ画像に含めることができる。例えば、様々な組織層中のメラノサイト又はケラチノサイトの位置及び形状に基づいて幾つかの疑わしい病変を特定できると考えられる。図7A図7Dの深度プロファイルは、本明細書の他の箇所で説明するような機械学習アルゴリズムで使用するためのデータの例であり得る。例えば、3つの層全てを個々の層として機械学習分類器に入力することができ、合成画像を別の入力として使用することもできる。
【0125】
上皮癌を検出するための光学技術
本開示は、上皮疾病及び皮膚病変を診断するために使用され得る光学技術を提供する。光学撮像技術は、核及び細胞の形態を表示することができ、また、組織学のようなサンプル処理を必要とせずに、新たに切除された組織又は生検された組織の広い領域における腫瘍のリアルタイム検出の能力を与えることができる。また、光学的撮像方法は、組織サンプルを切除、切片化及び/又は染色することなく、疑わしい組織の非侵襲的でリアルタイムの視覚化を容易にすることができる。光学的撮像は、診断可能な組織の収率を改善し(例えば、線維症又は壊死を伴う領域を避けることによって)、不要な生検又は内視鏡切除を最小限に抑え(例えば、新生物を炎症性病変と区別することによって)、手術マージンをリアルタイムで評価して陰性マージンを確認することができる(例えば、限定された切除を行なうために)。組織の処理、切片化、及び、染色を待つ必要なく、組織サンプルをリアルタイムで評価する能力は、特にモース手術中などの時間に敏感な状況で、診断所要時間を改善することができる。上皮性疾病及び癌を診断するための光学撮像技術の非限定的な例としては、多光子顕微鏡法、自己蛍光顕微鏡法、偏光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、ラマン分光法、光干渉断層法、及び、超音波検査法が挙げられる。検出可能な組織成分の非限定的な例としては、ケラチン、NADPH、メラニン、エラスチン、フラビン、プロトポルフィリンix、及びコラーゲンが挙げられる。他の検出可能な成分は、組織境界を含むことができる。例えば、角質層、表皮、及び、真皮の間の境界は、図5A図5Fに概略的に示されている。図7A図7Dに示される深度プロファイルからの例示的な画像は、例えば、角質層、表皮、及び真皮の組織境界、メラノサイト、コラーゲン、及び、エラスチンを含むがこれらに限定されない幾つかの検出可能な成分を示す。
【0126】
多光子顕微鏡法(MPM)を使用して、患者の皮膚組織などの生体標本中の固有の分子信号を撮像することができる。MPMにおいて、サンプルは、通常の励起波長よりも長い波長、例えば2倍の長さ又は3倍の長さの光で照射され得る。MPMは、第二高調波発生顕微鏡法(SHG)及び第三高調波発生顕微鏡法(THG)を含むことができる。第三高調波発生を使用して神経組織を撮像することができる。
【0127】
自己蛍光顕微鏡法は、本質的に蛍光性である生体分子(例えばフルオロフォア)を撮像するために使用することができる。自己蛍光性である内因性生体分子の非限定的な例としては、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)、NAD(P)H、フラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)、コラーゲン、レチノール、及びトリプトファン、並びに、トリプトファンのインドールアミン誘導体が挙げられる。腫瘍の進行などに伴うこれらのフルオロフォアの蛍光レベルの変化は、光学的に検出することができる。変化は、変化した細胞代謝経路(NADH、FAD)又は変化した構造組織マトリックス(コラーゲン)に関連し得る。
【0128】
偏光を使用して、生物学的構造を評価し、細胞サイズ及び屈折率などのパラメータを調べることができる。屈折率は、細胞、例えば組織サンプル中の細胞の組成及び組織構造に関する情報を提供することができる。癌は組織の組織構造を著しく変化させる可能性があり、これらの変化は偏光を用いて光学的に検出され得る。
【0129】
また、共焦点顕微鏡法は、上皮組織を検査するために使用され得る。視認性を高めるために、外因性造影剤を投与してもよい。共焦点顕微鏡法は、約0.5~1.0μmの横方向分解能で、生きているヒト皮膚の約2~5μmの薄切片における核及び細胞形態の非侵襲的画像を提供することができる。共焦点顕微鏡法を使用して、表皮などの生体内微小解剖学的構造及びメラノサイトを含む個々の細胞を可視化することができる。
【0130】
また、ラマン分光法は、上皮組織を検査するために使用され得る。ラマン分光法は、脂質、タンパク質及びアミノ酸などの疾病進行バイオマーカーのスペクトルシグネチャを検出するために、非弾性散乱(いわゆる「ラマン」散乱)現象に依存し得る。
【0131】
また、光干渉断層撮影は、上皮組織を検査するために使用され得る。光干渉断層撮影は、レーザ光ビームがビームスプリッタで分割され、光の一部をサンプルに送り、光の一部を基準に送る干渉法に基づくことができる。サンプルからの反射光と基準との組み合わせは、サンプル内の構造の空間寸法及び位置に関する情報を提供する反射率プロファイルを決定するために使用することができる干渉パターンをもたらすことができる。現在市販されている光干渉断層撮影システムは、約10~15μmの横方向分解能を有し、約1mm以上の撮像深度を伴う。この技術は、組織成分(例えば、細胞、結合組織など)の異なる層を反映する3次元(3D)画像ボリュームを迅速に生成することができるが、画像分解能(例えば、組織顕微鏡の×4対物レンズと同様である)は、日常的な組織病理診断には十分ではない場合がある。
【0132】
また、超音波は、上皮組織を検査するために使用され得る。超音波を使用して、深度及び血管系などの上皮癌の関連する特徴を評価することができる。超音波検査は、メラニンなどの色素を検出する際には制限され得るが、組織学的分析を補足し、治療決定を支援するための更なる詳細を提供できる。超音波検査は、原発腫瘍の厚さ及び血流などの特徴の非侵襲的評価に使用されてもよく、また、重要な管理判断の修正に寄与し得る。
【0133】
本明細書に開示される上皮疾病及び皮膚病変を診断するための方法は、多光子顕微鏡法、自己蛍光顕微鏡法、偏光顕微鏡法、共焦点顕微鏡法、ラマン分光法、光干渉断層法、及び、超音波検査法のうちの1つ以上を含み得る。場合によっては、上皮疾病及び/又は皮膚病理を診断する方法は、自己蛍光顕微鏡法及び多光子顕微鏡法を含む。代案として、上皮疾病及び/又は皮膚病変を診断するための方法は、自己蛍光顕微鏡法、多光子顕微鏡法、及び、偏光顕微鏡法を含む。第二高調波発生顕微鏡法及び第三高調波発生顕微鏡法の両方を使用することができる。場合によっては、第二高調波発生顕微鏡法及び第三高調波発生顕微鏡法のうちの1つが使用される。
【0134】
本明細書に開示される上皮疾病及び皮膚病変を診断するための方法は、1つ以上の深度プロファイルを使用して解剖学的特徴及び/又は他の組織特性又は特徴を特定することと、1つ以上の深度プロファイルからの画像を、皮膚病変を特定することができる画像に重ね合わせることとを含み得る。
【0135】
深度プロファイルを生成するための装置
組織の深度プロファイルを生成するための装置が本明細書に開示される。一態様において、被検体の組織の深度プロファイルを生成するための装置は、光源からの励起光ビームを組織の表面に伝送する光プローブであって、励起光ビームが、組織に接触する際に、組織の固有の特性を示す信号をもたらす、光プローブと、走査経路、走査パターンに沿う又は1つ以上の傾斜方向での励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整する光プローブ内の1つ以上の集束ユニットと、組織を励起光ビームと接触させる際に生成される信号の少なくともサブセットを検出するように構成される1つ以上のセンサと、1つ以上のセンサに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、組織の深度プロファイルを生成するために1つ以上のセンサによって検出される信号の少なくともサブセットを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備える。
【0136】
図1は、励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するように構成された集束ユニットの一例を示す図である。図1は、1つ以上の集束光学素子及び走査光学素子、すなわち、組織の深度プロファイルを走査及び形成するために使用することができる光プローブの集束ユニットの例を示す。図8は、ハンドル800内に位置された図1の光プローブの集束及び走査の構成要素又はユニットの例を示す。アフォーカルz軸スキャナ102は、可動レンズ103と、可動レンズ103に結合されたアクチュエータ105(例えば、ボイスコイル)(図8)と、MEMSミラー106とを備えることができる。アフォーカルz軸スキャナ102は、平行にされた光ビームを収束又は発散させ、撮像中に焦点を軸方向に移動させることができる。焦点を軸方向に移動させることにより、深度プロファイルを撮像することができる。MEMSミラー106は、焦点を水平平面又はX-Y平面上で移動させることによって走査を可能にすることができる。幾つかの代表的な実施形態によれば、アフォーカルZスキャナ102及びMEMSミラー106は、それらの動きが同期されて組織内の焦点の同期した動きをもたらすように協調コンピュータ制御によって駆動されるアクチュエータによって別々に作動される。幾つかの代表的な実施形態によれば、可動レンズ103及びMEMSミラー106の両方を移動させることにより、焦点面と光軸との間の角度を変更することができ、平面(例えば、本明細書で規定されるような傾斜面又は焦点面)を通る深度プロファイルの撮像を可能にすることができる。
【0137】
引き続き図1及び図8の両方を参照すると、光プローブは、レーザから光プローブに光を伝送するように構成された光ファイバ101を含むことができる。光ファイバ101は、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、又は、ファイバの束であってもよい。光ファイバ101は、パルスビーム又は連続ビームのいずれかである複数のレーザ又は光源から光プローブに光を伝送するように構成されたファイバの束であってもよい。光ファイバ101は、周波数を所定の励起周波数に変換する(例えば、周波数に1以上の係数を掛けることによって)周波数逓倍器122に結合されてもよい。周波数逓倍器122は、光ファイバ101から随意的な偏光子125又は偏光選択的光学素子に光を伝送してもよい。光は、励起光の一部をパワーモニタ120に向け、戻ってきた反射光の少なくとも一部を光反射率収集モジュール130に向けるビームスプリッタ104を通って送られてもよい。他のセンサが、プローブ及び電力モニタに含まれてもよい。センサ及びモニタは、深度プロファイルを伴うデータとして含められ得ると共に機械学習を更に向上させるために使用できるプローブ又は被検体に関する更なる情報を提供することができる。
【0138】
照明光は、アフォーカルz軸スキャナ102に向けられ、その後、MEMSミラー106を通って導かれてもよい。MEMSミラースキャナは、光の少なくとも一部を1つ以上のリレーレンズ107を通して導くように構成されてもよい。1つ以上のリレーレンズ107は、ダイクロイックミラー108に光を向けるように構成されてもよい。ダイクロイックミラー108は、励起光を対物レンズ110内に導くことができる。対物レンズ110は、被検体の組織と相互作用するように光を導くべく構成されてもよい。対物レンズ110は、被検体の組織と相互作用する光によって生成された1つ以上の信号を収集するように構成されてもよい。生成された信号は、単一光子又は多光子生成信号のいずれかであり得る。1つ以上の信号のサブセットは、ダイクロイックミラー108を介して収集装置109に送信されてもよく、例えば図11Bの検出器ブロック1108の本明細書で説明するような1つ以上の光検出器によって検出されてもよい。1つ以上の信号のサブセットは、例えば、SHG及び/又は2光子自己蛍光及び/又は2光子蛍光信号を含み得る多光子信号を備えてもよい。収集装置109は、光学素子(例えば、レンズ及び/又はミラー)を含むことができる。収集構成は、収集された光をライトガイド111を通して1つ以上のフォトセンサに導くことができる。光ガイドは、液体光ガイド、マルチモードファイバ、又は、ファイバの束であってもよい。
【0139】
組織と相互作用する光によって生成され、対物レンズ110によって収集された1つ以上の信号の別のサブセットは、単一光子信号を含むことができる。信号のサブセットは、1つ以上のRCM信号又は単一光子蛍光/自己蛍光信号であり得る。RCM信号は、それを生成した光として逆経路をトレースすることができる。反射信号は、反射信号又はRCM信号を光ファイバ140上に位置合わせさせて集束させることができるアライメント装置に向かってビームスプリッタ104により反射されてもよい。アライメント装置は、集束レンズ132と、屈折アライメント要素133とを備えてもよく、屈折アライメント要素133は、集束レンズ132と光ファイバ140との間に配置される。アライメント装置は、1つ以上のミラー、レンズなどの1つ以上の更なる光学素子を備えても備えなくてもよい。
【0140】
反射信号は、ビームスプリッタ104によってレンズ132に向かって反射され得る。反射信号は、集束レンズ132に向けられてもよい。集束レンズ132は、信号を光ファイバ140に集束させるように構成されてもよい。屈折アライメント要素133は、集束レンズ132からの集束光ビームを収集のために光ファイバ140との位置合わせ状態へと位置合わせさせるべく構成され得る。幾つかの代表的な実施形態によれば、屈折アライメント要素133は、集束レンズ132と光ファイバ140との間に移動可能に配置され、一方、集束レンズ132及び光ファイバ140はそれらの位置に固定される。屈折要素は、集束レンズ及び光ファイバに対して角度的又は回転的に移動可能であり得る。屈折アライメント要素133は、本明細書の他の箇所に記載されているような屈折要素であってもよい。光ファイバ140は、シングルモードファイバであってもよく、マルチモードファイバであってもよく、或いは、ファイバの束であってもよい。光ファイバ140は、反射信号を検出するための光検出器に結合されてもよい。
【0141】
随意的な偏光子135又は偏光選択的光学素子は、ビームスプリッタと集束レンズとの間に配置されてもよい。偏光子は、反射信号から更なる解剖学的詳細を提供できる。ミラー131を使用して、反射信号をビームスプリッタ104からアライメント装置に導くことができる。ミラー131は、反射信号が集束レンズ132に入る前に反射信号のより大きな位置合わせ調整をもたらすように移動可能及び/又は調整可能であり得る。ミラー131は、屈折アライメント要素133の前方に一焦点距離だけ位置され得る。また、ミラー131は、ビームスプリッタであってもよく、或いは、反射信号を異なる偏光を伴う要素に分割して反射光から更なる組織詳細を与えるように偏光されてもよい。分割されると、分割された反射信号は、処理のために異なるアライメント装置及び別個のチャネルを介して導かれ得る。
【0142】
集束レンズ132は、RCM信号の光を回折限界又はほぼ回折限界のスポットに集束させることができる。屈折アライメント要素133は、RCM信号の光のより微細なアライメントを光ファイバに与えるべく使用されてもよい。屈折アライメント要素は、約20ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、又は、それ未満の直径を有する光ファイバに向けてレンズから出るRCM信号の位置合わせを可能にする屈折率、厚さ、及び/又は、動作範囲(例えば、幾何学的形状を変更する動き)を有することができる。幾つかの代表的な実施形態によれば、屈折アライメント要素によって導入される収差が集光スポットのサイズを集光レンズの回折限界よりも約0%、1%、2%、5%、10%、20%又はそれ以上大きく増大させないように、屈折アライメント要素の特性(屈折率、厚さ、及び、動作範囲を含む)を選択することができる。光ファイバ140は、本明細書の他の箇所で説明するように光検出器に結合されてもよい。光検出器は、組織の画像を生成することができる。屈折アライメント要素は、小さいフォームファクタでRCM信号検出を可能にすることができる。アライメント装置は、手持ち式装置内に収容することができる。
【0143】
信号の少なくともサブセットは、偏光を含むことができる。光プローブは、1つ以上の偏光選択的光学素子(例えば、偏光フィルタ、偏光ビームスプリッタなど)を備えてもよい。1つ以上の偏光選択的光学素子は、検出されるRCM信号が組織の特定の部分からの特定の偏光であるように、RCM信号の特定の偏光を選択することができる。例えば、偏光選択的光学素子を使用して、組織内の異なる特徴を選択的に撮像又は増幅することができる。
【0144】
信号の少なくともサブセットは、無偏光を含むことができる。光プローブは、最大で焦点から外れた光を排除するように構成されてもよい。焦点から外れた光を排除することにより、RCM信号から低ノイズ画像を生成することができる。
【0145】
リレーレンズ、コリメートレンズ、及び、フィールドレンズなどの複数の屈折レンズを使用して、光源からの超高速パルス光を組織内の小さなスポットに集束させることができる。集束光の小さなスポットは、組織に接触すると、第二高調波発生、2光子自己蛍光、第三高調波発生、コヒーレント反ストークスラマン分光法、反射率共焦点顕微鏡信号、又は、他の非線形多光子生成信号などの内因性組織信号を生成することができる。また、プローブは、ミラー及び並進レンズなどの光学素子によって生成された走査パターンを組織内の焦点の動きに伝達して、構造を通して焦点を走査し、組織の1点ずつの画像を生成することができる。プローブは、収差を最小化し、焦点走査の線形マッピングを最適化し、分解能及び視野を最大化するために複数のレンズを備えることができる。
【0146】
光プローブ内の1つ以上の集束ユニットは、可動レンズ、光学素子(例えば、アフォーカルレンズ)に結合されたアクチュエータ、MEMSミラー、リレーレンズ、ダイクロイックミラー、折り返しミラー、ビームスプリッタ、及び/又は、アライメント装置を備えることができるが、これらに限定されない。アライメント要素は、集束レンズ、偏光レンズ、屈折要素、屈折要素用の調整要素、角度調整要素、及び/又は、可動ミラーを備えることができるが、これらに限定されない。組織の固有の特性を示す信号は、例えば、第二高調波発生信号、多光子蛍光信号、反射率共焦点顕微鏡信号、他の発生信号、又は、それらの任意の組み合わせなど、本明細書の他の箇所に記載されるような信号であってもよい。
【0147】
本明細書中の方法と一致する装置は、光プローブ、超短パルスレーザなどの1つ以上の光源、1つ以上の可動又は調整可能なレンズ、1つ以上の光学フィルタ、1つ以上の光検出器、1つ以上のコンピュータプロセッサ、1つ以上のマーキングツール、及び、それらの組み合わせ含む本方法の任意の要素を備えることができるが、これらに限らない。
【0148】
光検出器は、光電子増倍管(PMT)、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード(APD)、電荷結合素子(CCD)検出器、電荷注入素子(CID)検出器、相補型金属酸化膜半導体検出器(CMOS)検出器、多画素光子計数器(MPPC)、シリコン光電子増倍管(SiPM)、光依存抵抗器(LDR)、ハイブリッドPMT/アバランシェフォトダイオードセンサ、及び/又は他の検出器又はセンサを含むことができるが、これらに限定されない。システムは、1つ以上のタイプの1つ以上の光検出器を備えてもよく、各センサは、同じ又は異なる信号を検出するために使用されてもよい。例えば、システムはフォトダイオードとCCD検出器の両方を使用することができ、フォトダイオードはSHG及び多光子蛍光を検出し、CCDは反射率共焦点顕微鏡信号を検出する。光検出器は、少なくとも約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、24又はそれ以上のフレームレート或いは1秒当たりに撮影される画像の数をもたらすように動作することができる。光検出器は、最大で約60、50、40、30、24、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5以下のフレームレートをもたらすように動作することができる。
【0149】
光プローブは、信号を収集する光電子増倍管(PMT)を備えてもよい。PMTは、電気的インターロック及び/又はシャッタを備えてもよい。電気的インターロック及び/又はシャッタは、上皮組織の表面と光プローブとの間の接触が破壊されたときに活性化することによって、光電子増倍管区画室が周辺光に曝されたときにPMTを保護することができる。起動可能なインターロック及び/又はシャッタを使用することにより、周辺光の存在下で信号を収集することができ、それにより、ユーザは患者のベッドサイドで1つ以上のリアルタイムの手術前の深度プロファイルを生成することができる。光プローブは、他の光検出器も備えてもよい。
【0150】
超短パルス光を供給する光源は、波長調整可能な超短パルスTi:サファイアレーザとすることができる。Ti:サファイアレーザは、モードロック発振器、チャープパルス増幅器、又は、波長可変連続波レーザとすることができる。モードロック発振器は、約数ピコ秒~約10フェムト秒、場合によっては約5フェムト秒の持続時間を有する超短パルスを生成することができる。パルス繰返し周波数は、約70-90メガヘルツ(MHz)とすることができる。「チャープパルス」という用語は、一般に、パルスがレーザ内の構成要素を損傷するのを防止することができる特別な構造を指す。「チャープパルス」レーザでは、エネルギーが全て同じ時点に及び空間内に位置されないように、パルスを時間的に引き伸ばすことができ、増幅器の光学系の損傷を防止する。次いで、パルスを光学的に増幅し、時間的に再圧縮して、短い局所パルスを形成することができる。
【0151】
装置の可動レンズ又は可動レンズを平行移動させて、複数の異なる走査パターン又は走査経路を生成することができる。可動レンズは、レンズを平行移動させるアクチュエータに結合されてもよい。アクチュエータは、プログラムされたコンピュータプロセッサによって制御されてもよい。アクチュエータは、機械式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、空気圧式アクチュエータ、圧電式アクチュエータ、電気機械式アクチュエータ、リニアモータ、リニア電気式アクチュエータ、ボイスコイル、又は、それらの組み合わせなどのリニアアクチュエータとすることができる。機械的アクチュエータは、例えば、ねじ機構、車輪及び車軸機構、並びに、カム機構により、回転運動を直線運動に変換することによって動作することができる。油圧アクチュエータは、ピストンと非圧縮性液体とを備える中空シリンダを含むことができる。空気圧アクチュエータは、油圧アクチュエータと同様であってもよいが、液体の代わりに圧縮ガスを含む。圧電アクチュエータは、電圧の印加下で膨張することができる材料を備えることができる。結果として、圧電アクチュエータは、非常に微細な位置決め分解能を達成することができるが、非常に短い動作範囲を有することもできる。場合によっては、圧電材料はヒステリシスを示す可能性があり、これにより、それらの膨張を繰返し可能に制御することが困難になる可能性がある。電気機械式アクチュエータは、機械式アクチュエータと同様であってもよい。しかしながら、機械式アクチュエータの制御ノブ又はハンドルは、電気モータに置き換えられてもよい。
【0152】
調整可能なレンズは、使用中にその焦点距離及び/又は光軸の位置などの光学特性を例えば電子制御によって調整できる光学素子を指すことができる。電気的に調整可能なレンズは、適切な電気光学材料(例えば、その局所的な実効屈折率、すなわち屈折率が、材料の両端に印加される電圧の関数として変化する材料)の薄層を含むことができる。電極又は電極アレイを使用して電圧を印加し、屈折率をその値に局所的に調整することができる。電気光学材料は液晶を含み得る。液晶を含む電気光学材料の複屈折軸及び実効屈折率を変調するために電圧を印加することができる。場合によっては、ポリマーゲルを使用することができる。波長可変レンズは、液晶ディスプレイで使用される画素グリッドと同様に、液晶内の画素のグリッドを画定する電極アレイを備えることができる。個々の画素の屈折率は、位相変調プロファイルを与えるように電気的に制御されてもよい。位相変調プロファイルは、波長可変レンズの電気光学層の領域にわたる局所的に変化する有効屈折率の結果として層を通過する光に加えられる局所的な位相シフトの分布を指すことができる。
【0153】
場合によっては、光プローブと電気的又は電気機械的に連通している電気的又は電気機械的に調整可能なレンズを使用して、複数の異なる走査パターン又は走査経路をもたらすことができる。電気的又は電気機械的に調整可能なレンズの曲率を変調することにより、上皮組織に対して複数の異なる走査パターン又は走査経路をもたらすことができる。調整可能なレンズの曲率は、電流を印加することによって変調されてもよい。また、装置は、電流の印加を制御するためのプログラムされたコンピュータプロセッサを備えてもよい。
【0154】
被検体の上皮組織における疾病を特定するための装置は、光プローブを備えてもよい。光プローブは、光源からの励起光ビームを上皮組織の表面に向けて伝送することができる。励起光ビームは、上皮組織に接触すると、上皮組織の固有の特性に関連する信号を生成することができる。光源は、Ti:サファイアレーザなどの超高速パルスレーザを備えてもよい。超高速パルスレーザは、500フェムト秒、400フェムト秒、300フェムト秒、200フェムト秒、100フェムト秒又はそれ未満のパルス持続時間をもたらすことができる。超短光パルスのパルス繰返し周波数は、少なくとも10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz又はそれ以上であり得る。
【0155】
組織は、上皮組織であってもよい。深度プロファイルは、被検体の上皮組織における疾病の特定を可能にし得る。被検体の組織における疾病は、本明細書の他の箇所に開示されている。
【0156】
走査経路又はパターンは、1つ以上の傾斜方向及び1つ以上の傾斜面上にあってもよい。傾斜面は、光プローブの光軸に対して傾斜した方向に沿って配置されてもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、少なくとも約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合において、傾斜面と光軸との間の角度は、最大で約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。
【0157】
光プローブは、1つ以上の光学フィルタを更に備えてもよく、1つ以上の光学フィルタは、信号のサブセットを収集するように構成されてもよい。本明細書の他の箇所に記載されているように、光学フィルタを使用して、上皮組織の1つ以上の固有の特性に関連する信号の1つ以上の特定のサブセットを収集することができる。光学フィルタは、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、ノッチフィルタ、ダイクロイックフィルタ、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタ、又は、応答平坦化フィルタであってもよい。光学フィルタは、1つ以上の光学フィルタであってもよい。これらの光学フィルタは、自己蛍光波長などの特定の波長の光及び/又は偏光などの他の特定の属性を有する光を選択的に透過することができるコーティングされたガラス又はプラスチック要素となり得る。光学フィルタは、第二高調波発生(SHG)信号、第三高調波発生(THG)信号、偏光信号、反射率共焦点顕微鏡(RCM)信号、及び、自己蛍光信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を収集することができる。信号のサブセットは、第二高調波発生(SHG)信号、第三高調波発生(THG)信号、及び、自己蛍光信号のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0158】
光源は、約200フェムト秒未満のパルス持続時間を伴う超高速パルスレーザを含むことができる。超高速パルスレーザは、最大500フェムト秒、450フェムト秒、400フェムト秒、350フェムト秒、300フェムト秒、250フェムト秒、200フェムト秒、150フェムト秒、100フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。場合によっては、パルス持続時間は約150フェムト秒である。場合によっては、超高速パルスレーザは、少なくとも100フェムト秒、150フェムト秒、200フェムト秒、250フェムト秒、300フェムト秒、350フェムト秒、400フェムト秒、450フェムト秒、500フェムト秒、又は、それより短いパルス持続時間を有する光のパルスを生成することができる。超高速パルスレーザのパルス繰返し周波数は、少なくとも10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、90MHz、100MHz、又は、それ以上とすることができる。場合によっては、超高速パルスレーザのパルス繰返し周波数は、最大で100MHz、90MHz、80MHz、70MHz、60MHz、50MHz、40MHz、30MHz、20MHz、10MHz、又は、それ以下とすることができる。場合によっては、パルス繰返し周波数は約80MHzである。
【0159】
使用中、光プローブは組織の表面と接触していてもよい。接触は、直接的又は間接的な接触であってもよい。接触が直接接触である場合、接触を実行することは、介在層なしで光プローブを被検体の組織の隣に配置することを含み得る。接触が間接的な接触である場合、接触を実行することは、1つ以上の介在層を有する被検体の組織の隣に光プローブを配置することを含み得る。1つ以上の介在層は、衣服、医療用ガーゼ、包帯などを含むことができるが、これらに限定されない。上皮組織の表面と光プローブとの間の接触が中断されたときに(例えば、光の経路に対して)検出器の前に配置されたシャッタが作動して入射光を遮断することができるように、接触を監視することができる。場合によっては、光検出器は、電気的インターロック及び/又はシャッタを備える。電気的インターロック及び/又はシャッタは、上皮組織の表面と光プローブとの間の接触が破壊されたときに活性化することによって、光電子増倍管区画室が周辺光に曝されたときに光検出器を保護することができる。起動可能なインターロック及び/又はシャッタを使用することにより、周辺光の存在下で信号を収集することができ、それにより、ユーザは患者のベッドサイドで1つ以上のリアルタイムの手術前の深度プロファイルを生成することができる。
【0160】
装置は、光プローブと組織の表面との間の変位を検出するセンサを備えてもよい。このセンサは、周辺光が光検出器の検出能力を超える場合、周辺光が光検出器に到達して光検出器を損傷させるのを防ぐために、シャッタを作動させる又は光検出器を一時的に停止させることによって、光検出器、例えば光検出器を周辺光から保護することができる。
【0161】
光プローブは、パワーメータを備えてもよい。パワーメータは、光源に光学的に結合されてもよい。パワーメータは、光源のパワーの変動を補正するために使用されてもよい。パワーメータは、光源のパワーを制御するために使用されてもよい。例えば、一体型パワーメータが、特定の撮像セッションに必要なパワーに応じて光源のパワーを設定することを可能にすることができる。パワーメータは、一定期間にわたって撮像された画像が同様の照明条件を有するように、一定期間にわたって一貫した照明を確保することができる。パワーメータは、照明光のパワーに関する情報を、深度プロファイルと共に記録することができるシステム処理に与えることができる。パワー情報は、本明細書の他の箇所で説明される機械学習に含めることができる。パワーメータは、例えば、フォトダイオードであってもよく、焦電型パワーメータであってもよく、熱式パワーメータであってもよい。パワーメータが複数のパワーメータであってもよい。
【0162】
装置は、被検体の上皮組織内の疾病の位置を示す境界の輪郭を描くためのマーキングツールを更に備えることができる。マーキングツールは、Genetian Violet InkなどのFDA承認の皮膚マーキングインクを備えるペン又は他の筆記具、例えばCHG/イソプロピルアルコール処理などの積極的な皮膚用の調製物と共に使用することができる調製抵抗性インク、防水パーマネントインク、又は、アルコールなどで容易に除去可能なインクとなり得る。ペンは、微細な先端、超微細な先端、又は、広い先端を有することができる。マーキングツールは、滅菌ペンとなり得る。代案として、マーキングツールが非滅菌ペンであってもよい。
【0163】
装置が携帯型装置であってもよい。携帯型装置は、バッテリによって給電されてもよい。携帯型装置は、ホイールを備えてもよい。携帯型装置は、ハウジング内に収容されてもよい。ハウジングは、約0.1ft,0.2ft,0.3ft,0.4ft,0.5ft,1ft以上のフットプリントを有することができる。代案として、ハウジングは、約1ft,0.5ft,0.4ft,0.3ft,0.2ft又は0.1ft以下のフットプリントを有することができる。携帯型装置は、光プローブによって検出できない波長範囲内の光を放射するフィルタリングされた光源を備えることができる。
【0164】
携帯型装置は、最大50ポンド、45ポンド、40ポンド、35ポンド、30ポンド、25ポンド、20ポンド、15ポンド、10ポンド、5ポンド又はそれ未満であってもよい。場合によっては、携帯型装置は、少なくとも5ポンド、10ポンド、15ポンド、20ポンド、25ポンド、30ポンド、35ポンド、40ポンド、45ポンド、50ポンド、55ポンド以上であってもよい。
【0165】
光プローブは、ユーザの手と相互作用するように構成された手持ち式ハウジングを備えることができる。平行移動可能な光プローブは、手持ち式及び携帯型のハウジングを備えてもよい。これにより、外科医、医師、看護師又は他の医療従事者は、患者のベッドサイドで疾病、例えば皮膚組織の癌の位置をリアルタイムで検査することができる。携帯型装置は、約0.1ft,0.2ft,0.3ft,0.4ft,0.5ft又は1ft以上のフットプリントを有することができる。代案として、携帯型装置は、約1ft,0.5ft,0.4ft,0.3ft,0.2ft又は0.1ft以下のフットプリントを有することができる。
【0166】
プローブは、約10ミリメートル(mm)、8mm、6mm、4mm又は2mm未満の先端直径を有することができる。手持ち式デバイスは、使い捨てプローブを容易に接続及び切断できるようにする機構を有してもよい。機構は、プローブと手持ち式デバイスとの間の正確な光学的位置合わせを可能にするための位置合わせ機能を有することができる。手持ち式デバイスは、銃のようなフォームファクタを伴う耳鏡又は皮膚鏡のような形状であってもよい。手持ち式デバイスは、最大で約8ポンド(lbs)、4ポンド、2ポンド、1ポンド、0.5ポンド又は0.25ポンドの重量を有することができる。スクリーンを手持ち式デバイスに組み込んで、ポイントオブケア閲覧を行なうことができる。スクリーンは、着脱可能であり、向きを変えることができる。手持ち式デバイスは、ローリングカート又はブリーフケース型形態を含むことができる携帯型システムに取り付けることができる。携帯型デバイスはスクリーンを備えてもよい。携帯型デバイスは、ラップトップコンピューティングデバイス、タブレットコンピューティングデバイス、外部スクリーン(例えば、モニタを有するデスクトップコンピュータ)に結合されたコンピューティングデバイス又はそれらの組み合わせを備えてもよい。携帯型システムは、レーザ、電子機器、光センサ、及び、電力システムを含むことができる。レーザは、送出に最適な周波数の光を供給することができる。手持ち式デバイスは、光を、送出に有用な周波数(例えば、1,560nm)から組織の撮像に有用な周波数(例えば、780nm)に変換するための第二高調波周波数ダブラーを含むことができる。例えば、送出周波数は、少なくとも約800nm、900nm、1,000nm、1,100nm、1,200nm、1,300nm、1,400nm、1,500nm、1,600nm、1,700nm、1,800nm、1,900nm又はそれ以上であってもよく、また、撮像周波数は、少なくとも約400nm、450nm、500nm、550nm、600nm、650nm、700nm、750nm、800nm、850nm、900nm、950nm又はそれ以上であってもよい。レーザは、バッテリ電力でシステムを動作させるのに十分な低出力であってもよい。システムは、動作中に携帯型ユニットを保持するための充電ドック又はミニスタンドを更に備えることができる。単一の診療所には多くのミニスタンドがあり、部屋間で輸送可能な単一の携帯型システムがある。
【0167】
ハウジングは、イメージセンサを更に備えてもよい。或いは、イメージセンサは、ハウジングの外側に配置されてもよい。いずれの場合も、イメージセンサは、光プローブハウジングを空間内に配置するように構成されてもよい。イメージセンサは、光プローブの周りの1つ以上の特徴を追跡することによって、光プローブハウジングを空間内に配置することができる。イメージセンサはビデオカメラであってもよい。1つ以上の特徴は、組織の特徴(例えば、そばかす、あざなど)であってもよい。1つ以上の特徴は、光プローブが使用される空間の特徴(例えば、家具、壁など)であってもよい。例えば、ハウジングには、光プローブが使用されている部屋の家具の動きを追跡することによってハウジングの位置を追跡するべくコンピュータアルゴリズムを使用する幾つかのカメラを組み込むことができ、また、追跡は、組織の一部分の完全な3D画像を生成するのを助けるべく使用することができる。組織の画像を記録しながらハウジングの位置を同時に追跡することにより、コンピュータは、ハウジングが並進するときに組織内の画像の位置を再構成することができる。このようにして、組織のより大きなモザイク領域を撮像してデジタル的に再構成することができる。そのような領域は、組織内の3Dボリューム又は2Dモザイク或いは任意の表面となり得る。イメージセンサは、近赤外の光を検出するように構成されてもよい。ハウジングは、複数の点を投影して、イメージセンサが追跡に使用するためのマップを生成するように構成されてもよい。
【0168】
ハウジングは、信号の少なくともサブセットを1つ以上の検出器に導くように構成された光学素子を含むことができる。1つ以上の検出器は、1つ以上の光ファイバを介してハウジングに光学的に結合されてもよい。ハウジングは、1つ以上の検出器並びに光源を収容することができ、したがって完全に手持ち式の撮像システムを有する。
【0169】
図10は、サポートシステム1010に結合されたプローブハウジング1020の一例を示す。図11A及び図11Bは、サポートシステム1010の一例の内部を示す。携帯型コンピュータデバイス1101がサポートシステム1010の上端に配置されてもよい。サポートシステムがレーザ1103を備えてもよい。サポートシステム1010は、例えば、バッテリ1104、アフォーカルレンズアクチュエータのためのコントローラ1102、MEMSミラードライバ1105、電源1106、1つ以上のトランスインピーダンスアンプ1107、光検出器ブロック1108、複数の動作電子機器1109、データ取得基板1110、他のセンサ若しくはセンサブロック、又は、それらの任意の組み合わせなどの複数のサポート電子機器を備えることができる。
【0170】
図12は、図10の例の可搬性の一例を示す。図13は、使用中のシステムの一例を示す。サポートシステム1310は、接続ケーブル1320を介してハウジング1330に複数の光パルスを送ることができる。複数の光パルスは、組織1340と相互作用して複数の信号を生成することができる。複数の信号は、接続ケーブル1320に沿って移動してサポートシステム1310に戻ることができる。サポートシステム1310は、ポータブルコンピュータ1350を備えてもよい。ポータブルコンピュータは、信号を処理して、本明細書に記載の深度プロファイル及び収集された信号から形成することができる画像1360を生成及び表示することができる。図14A及び図14Bは、撮像のための被検体の準備の一例を示す。図14Aは、撮像のために被検体の組織を洗浄するためにアルコールスワブがどのように使用され得るかを示す。図14Bは、グリセロールの液滴を被検体の組織に適用する方法を示す。撮像は、脱毛、染色、薬剤、又は、固定化の不存在下で実施され得る。
【0171】
1つ以上のコンピュータプロセッサは、1つ以上のセンサに動作可能に結合されてもよい。1つ以上のセンサは、赤外線センサ、光学センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、無線周波数センサ、磁気センサ、振動センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、傾斜センサ、圧電センサ、圧力センサ、歪みセンサ、フレックスセンサ、筋電センサ、心電センサ、脳波センサ、熱センサ、静電容量式タッチセンサ、又は、抵抗式タッチセンサを備えることができる。
【0172】
被検体の組織の画像を分類する/疾病を特定する方法
本明細書では、被検体からの組織の画像を分類するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成する方法が開示される。組織の画像を分類することは、被検体の組織内の疾病を特定すること、或いは、前記組織の健康、機能、治療、若しくは、外観に関連する被検体の組織の他の特徴を評価若しくは分析することに役立ち得る。一態様において、被検体の組織における疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するための方法は、(a)疾病を有すると以前に又はその後に特定された被検体のトレーニング組織から信号を収集するステップであって、該信号が、第二高調波発生信号、第三高調波発生信号、反射率共焦点顕微鏡法信号、自己蛍光信号、及び、本明細書で規定される他の生成された信号から成るグループから選択されるステップと、(b)信号を処理して、被検体のトレーニング組織の深度プロファイルに対応するデータを生成するステップと、(c)(b)からのデータを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングし、被検体の組織における疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらすステップであって、組織がトレーニング組織に依存しない、ステップを含んでもよい。前記工程(a)における被検体のトレーニング組織から信号を収集するステップは、時間的及び位置的に同期される信号を使用して1つ以上の深度プロファイルを生成するために被検体のトレーニング組織から信号を収集するステップを含んでもよい。そのような深度プロファイルは、例えば、本明細書の他の箇所に記載されているように、光プローブを使用して生成することができる。そのような深度プロファイルは、収集されて処理された生成信号の複数のサブセットから形成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを含むことができる。深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集された画像の複数のサブセットから形成される複数の層を含むことができる。複数の層のそれぞれは、(1又は複数の)他の層の解剖学的構造及び/又は特徴とは異なる解剖学的構造及び/又は特徴を特定するデータを含むことができる。そのような深度プロファイルは、複数のサブセット深度プロファイルを含むことができる。深度プロファイルのサブセットのそれぞれを個別にトレーニングすることができ及び/又はサブセット深度プロファイルの複合深度プロファイルをトレーニングすることができる。層又は深度プロファイルのサブセットを形成する信号のサブセットは、第二高調波発生信号、第三高調波発生信号、自己蛍光信号、RCM信号、他の生成信号、及び/又は、本明細書の他の箇所に記載されているような前述のいずれかのサブセット又は分割セットを含むことができる。光プローブを並進させることによって複数の深度プロファイルを被検体のトレーニング組織において生成することができる。複数の深度プロファイルの一部は、疾病が疑われるトレーニング組織の領域で生成することができ、深度プロファイルの一部は、前記領域の外側で生成することができる。例えば、領域の外側で生成された複数の深度プロファイルの一部を使用して、被検体制御データを収集することができる。前記組織の健康、機能、治療、又は、外観に関する被検体の組織の特徴を特定及び分類するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するための方法は、それぞれの特徴を有すると以前に又はその後に特定された被検体のトレーニング組織から信号を収集することによって同様に進行できる。それぞれの特徴は、組織の疾病及び/又は機能不全を特定するために及び/又は皮膚又は組織の健康、機能若しくは外観を評価するために使用される特徴を含むことができる。
【0173】
信号は、組織の単一領域内でほぼ同時に(例えば、約30秒(s)、20秒、10秒、1秒、0.5秒、0.4秒、0.3秒、0.2秒、0.1秒、0.01秒、0.005秒、0.001秒以下の期間内に生成される信号;同じパルス又はビームの光よって生成される信号など)生成されてもよい(例えば、約1、1E-1、1E-2、1E-3、1E-4、1E-5、1E-6、1E-7、1E-8、1E-9、1E-10、1E-11、1E-12、1E-13立方センチメートル以下で生成される信号)。信号は、同じパルス又はビームの光によって生成されてもよい。信号は、本明細書の他の箇所で説明するように、時間的及び位置的に同期された複数の光ビームによって生成され得る。2つ以上の信号を組み合わせて合成画像を生成することができる。信号又は信号のサブセットは、同じ又は類似の走査パターン又は走査面を使用して組織の単一領域内で生成され得る。複数の信号の各信号は、複数の信号の他の信号から独立していてもよい。ユーザは、信号のどの(1又は複数の)サブセットを使用するかを決定することができる。例えば、RCM信号及びSHG信号の両方が走査で収集される場合、ユーザはRCM信号のみを使用するかどうかを決定することができる。信号のほぼ同時の生成は、信号を、トレーニングされたアルゴリズムと共に使用するのに理想的な信号にすることができる。更に、本明細書で前述したようなハウジング位置のビデオ追跡は、生成された信号と同時に記録することができる。
【0174】
光学データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、関係データ、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。非構造化データは、テキスト、オーディオデータ、画像データ、及び/又は、ビデオを含むことができる。時系列データは、スマートメータ、スマートアプライアンス、スマートデバイス、監視システム、テレメトリデバイス、又は、センサのうちの1つ以上からのデータを含むことができる。関係データは、顧客システム、企業システム、運用システム、ウェブサイト、又は、ウェブアクセス可能アプリケーションプログラムインタフェース(API)のうちの1つ以上からのデータを含むことができる。これは、ファイル又は他のデータフォーマットをソフトウェア又はシステムに入力する任意の方法を介してユーザによって行なわれてもよい。
【0175】
データは、データベースに記憶することができる。データベースは、コンピュータ可読フォーマットで記憶することができる。コンピュータプロセッサは、コンピュータ可読メモリに記憶されたデータにアクセスするように構成されてもよい。コンピュータシステムを使用してデータを分析し、結果を得ることができる。結果は、記憶媒体上に遠隔的又は内部的に記憶され、医薬品専門家などの職員に伝達され得る。コンピュータシステムは、結果を送信するための構成要素と動作可能に結合されてもよい。送信するための構成要素は、有線及び無線構成要素を含むことができる。有線通信構成要素の例としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、同軸ケーブル接続、Cat5若しくはCat6ケーブルなどのイーサネットケーブル、光ファイバケーブル、又は、電話回線を挙げることができる。無線通信構成要素の例としては、Wi-Fi受信機、3G又は4G LTEデータ信号などのモバイルデータ規格にアクセスするための構成要素、又は、Bluetooth受信機を挙げることができる。記憶媒体内のこれらのデータは全て、データウェアハウスを構築するために収集及びアーカイブすることができる。
【0176】
データベースは、外部データベースを含むことができる。外部データベースは、医療データベース、例えば、有害薬物効果データベース、AHFS補足ファイル、アレルゲン選択リストファイル、平均WAC価格設定ファイル、ブランド確率ファイル、カナダ薬物ファイルv2、包括的な価格履歴、管理物質ファイル、薬物アレルギー相互参照ファイル、薬物申請ファイル、薬物投与及び投与データベース、薬物画像データベースv2.0/薬物インプリントデータベースv2.0、薬物不活性日付ファイル、薬物適応データベース、薬物ラボ紛争データベース、薬物療法モニタリングシステム(DTMS)v2.2/DTMS消費者モノグラフ、重複治療データベース、連邦政府価格設定ファイル、ヘルスケア共通手順コーディングシステムコード(HCPCS)データベース、ICD-10マッピングファイル、免疫相互参照ファイル、統合されたAからZの薬物事実モジュール、統合患者教育、マスターパラメータデータベース、Medi-Span Electronic Drugファイル(MED-File)v2、メディケイドリベートファイル、メディケアプランズファイル、Medical Condition Picklistファイル、Medical条件マスターデータベース、投薬注文管理データベース(MOMD)、監視データベースのパラメータ、患者安全プログラムファイル、支払い許容限度-パートB(PAL-B)v2.0、予防措置データベース、RxNorm相互参照ファイル、標準薬剤特定子データベース、置換グループファイル、補足名ファイル、分類の統一システム相互参照ファイル、又は警告ラベルデータベースであってもよいが、これらに限定されない。
【0177】
また、光学データは、光プローブ以外のデータソースを介して取得されてもよい。データソースとしては、機器、スマートメータ、ウェアラブル、監視システム、ビデオ又はカメラシステム、データストア、顧客システム、課金システム、金融システム、クラウドソースデータ、気象データ、ソーシャルネットワーク、又は、任意の他のセンサ、企業システム又はデータストアなどのセンサ又はスマートデバイスを挙げることができる。スマートメータ又はセンサの例としては、顧客の場所に配置されたメータ又はセンサ、或いは、顧客と発電又はソースの場所との間に配置されたメータ又はセンサを挙げることができる。広範囲のソースからのデータを組み込むことにより、システムは複雑で詳細な分析を実行することができる。データソースは、限定することなく、他の医療プラットフォーム用のセンサ又はデータベースを含むことができる。
【0178】
光プローブは、光源からの励起光ビームを基準組織の表面に向けて伝送することができ、この励起光ビームは、組織に接触すると、組織の光学データを生成する。光プローブは、走査経路又は走査パターンに沿って励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するための1つ以上の集束ユニットを備えてもよい。光プローブ内の1つ以上の集束ユニットは、可動レンズ、光学素子(例えば、アフォーカルレンズ)に結合されたボイスコイル、MEMSミラー、リレーレンズ、ダイクロイックミラー、及び、折り返しミラーを含むことができるが、これらに限定されない。
【0179】
走査経路又は走査パターンは、少なくとも1つの傾斜方向の経路又はパターン(「傾斜経路」又は「傾斜パターン」)を含むことができる。少なくとも1つの傾斜経路又は傾斜パターンは、光軸に対して傾斜していてもよい。傾斜経路又は傾斜パターンと光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜経路又は傾斜パターンと光軸との間の角度は、少なくとも約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、又はそれ以上であってもよい。他の場合では、傾斜経路又は傾斜パターンと光軸との間の角度は、最大で約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。
【0180】
走査経路又は走査パターンは、焦点面を形成してもよく、及び/又は、少なくとも1つの傾斜面を形成してもよく又は傾斜面上に位置してもよい。少なくとも1つの傾斜面は、光軸に対して傾けられる方向に沿って配置されてもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、少なくとも約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合において、傾斜面と光軸との間の角度は、最大で約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。
【0181】
疾病は上皮癌であってもよい。
【0182】
方法は、被検体の医療データを受信することを更に含むことができる。被検体の医療データは、データ受信機から取得することができる。データ受信機は、1つ以上のデータソースからデータを検索又は受信するように構成されてもよく、この場合、データを検索することはデータ抽出プロセスを含み、データを受信することは、電子データソースから送信されたデータを受信することを含む。被検体の医療データは、被検体の身体状態、病歴、現在及び過去の職業、年齢、性別、人種、Fitzpatrick皮膚タイプ、皮膚の健康及び外観に関する他の測定基準、並びに、国籍を含み得る。被検体の身体的状態は、1つ以上の医療器具を介して得ることができる。1つ以上の医療器具としては、聴診器、吸引装置、温度計、舌圧子、輸血キット、音叉、人工呼吸器、時計、ストップウォッチ、重量計、ワニ鉗子、ベッドパン、カニューレ、カルジオバータ、除細動器、カテーテル、透析器、心電計、浣腸機器、内視鏡、ガスボンベ、ガーゼスポンジ、皮下注射針、シリンジ、感染制御機器、器具滅菌器、腎臓皿、計量テープ、医療用ハロゲンペンライト、経鼻胃管、ネブライザー、検眼鏡、耳鏡、酸素マスク及びチューブ、ピペット、スポイト、プロスコープ、反射ハンマー、血圧計、分光計、皮膚鏡、及び、カメラを挙げることができるが、これらに限定されない。被検体の身体状態は、被検体のバイタルサインを含み得る。バイタルサインは、患者の基本的な身体機能の測定値であり得る。バイタルサインは、体温、脈拍数、呼吸数及び血圧を含み得る。
【0183】
被検体の医療データ又は光学データは、被検体特定情報を介して記憶装置又はサーバから被検体が自身の情報を検索できるように、外科的な被検体識別情報によって被検体とペアリングされてもよい。被検体識別情報は、患者の写真、名前、住所、社会保障番号、誕生日、電話番号、郵便番号、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。患者識別情報は、視覚的グラフィックコードで暗号化及び符号化することができる。視覚的グラフィックコードは、患者特定情報と一意的に関連付けることができるワンタイムバーコードであってもよい。バーコードは、UPCバーコード、EANバーコード、コード39バーコード、コード128バーコード、ITFバーコード、CodaBarバーコード、GS1 DataBarバーコード、MSI Plesseyバーコード、QRバーコード、Datamatrixコード、PDF417コード、又はAztecバーコードであってもよい。視覚的グラフィックコードは、表示画面に表示されるように構成することができる。バーコードは、機械によって光学的に捕捉されて読み取ることができるQRを含むことができる。バーコードは、バーコードの読み取り及び復号を可能にするために、バーコードのバージョン、フォーマット、位置、位置合わせ、又は、タイミングなどの要素を規定することができる。バーコードは、バイナリ又は英数字情報などの任意のタイプの適切なフォーマットで様々なタイプの情報を符号化することができる。QRコードは、撮像装置によって合理的な距離から走査することができる限り、様々なシンボルサイズを有することができる。QRコードは、任意の画像ファイルフォーマット(例えば、EPS又はSVGベクトルグラフ、PNG、TIF、GIF、又は、JPEGラスタグラフィックス形式)のものとすることができる。
【0184】
光学データに基づいてデータセットを生成するプロセスは、1つ以上のアルゴリズムを使用することを含むことができる。データセットは、組織の1つ以上の固有の特性を表わす選択された光学データであってもよい。データセットは、組織の1つ以上の固有の特性、特徴、又は、構造を示す1つ以上の深度プロファイル、画像、画像又は深度プロファイルの層に対応することができる。データセットは、撮像中に光プローブを並進させることによって収集された被検体組織内の異なる位置に対応する複数の深度プロファイルを含むことができる。1つ以上のアルゴリズムは、光学データを選択し、光学データを転送し、光学データを修正するように構成されてもよい。1つ以上のアルゴリズムは、次元削減アルゴリズムを含むことができる。次元削減アルゴリズムは、主成分回帰及び部分最小二乗法を含み得る。主成分回帰は、変数の大きなセットから特徴の低次元セットを導出するために使用され得る。例えば、組織が癌のリスクがあるかどうか(特徴の低次元セット)は、組織の全ての固有の特性(変数の大きなセット)から導き出すことができる。主成分回帰で使用される主成分は、続いて直交する方向のデータの線形結合を使用して、データの最も大きい分散を捕捉することができる。部分的最小二乗法は、新しい特徴を特定するために応答変数を利用する主成分回帰に対する教師あり代替法であってもよい。
【0185】
光学データは、クラウドベースのデータベース、さもなければネットワークに取り付けられるデータベースなどにアップロードすることができる。データセットは、クラウドベースのデータベースにアップロードすることができる。クラウドベースのデータベースは、機械学習ベースのセンサ信号処理アルゴリズムが実行しているローカル及び/又はリモートコンピュータシステムからアクセス可能であってもよい。クラウドベースのデータベース及び関連するソフトウェアは、電子データをアーカイブする、電子データを共有する、及び、電子データを分析するために使用することができる。局所的に生成された光学データ又はデータセットは、クラウドベースのデータベースにアップロードすることができ、そこからアクセスし、同じサイト又は異なるサイトで他の機械学習ベースの検出システムをトレーニングするために使用することができる。局所的に生成されたセンサデバイス及びシステム試験結果は、クラウドベースのデータベースにアップロードされ、センサデバイス及び検出システム試験性能の継続的な改善のためにリアルタイムでトレーニングデータセットを更新するべく使用され得る。
【0186】
トレーニングされたアルゴリズムは、1つ以上のニューラルネットワークを含むことができる。ニューラルネットワークは、入力データセットと目標データセットとの間の関係を学習することができるある種の計算システムであり得る。ニューラルネットワークは、人間によって使用される「学習」及び「一般化」能力を捕捉することを意図した人間のニューラルシステム(例えば、認知系)のソフトウェア表現であってもよい。ニューラルネットワークは、「ニューロン」又は「ノード」と呼ばれる一連の層を備えことができる。ニューラルネットワークは、データが与えられる入力層、1つ以上の内層、及び/又は、「隠れ」層、及び、出力層を備えることができる。入力層は、時間的及び位置的に同期される信号を使用して複数の深度プロファイルを含むことができる。そのような深度プロファイルは、例えば、本明細書の他の箇所に記載されているように、光プローブを使用して生成することができる。そのような深度プロファイルは、収集されて処理された信号の複数のサブセットから形成された個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを含むことができる。深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集された画像の複数のサブセットから形成される複数の層を含むことができる。複数の層のそれぞれは、(1又は複数の)他の層の解剖学的構造及び/又は特徴とは異なる解剖学的構造及び/又は特徴を特定するデータを含むことができる。そのような深度プロファイルは、複数のサブセット深度プロファイルを含むことができる。
【0187】
ニューロンが、接続の強度を制御するパラメータである重みを有する接続を介して他の層のニューロンに接続され得る。各層のニューロンの数は、解決されるべき問題の複雑さに関連付けられ得る。層で必要とされるニューロンの最小数は問題の複雑さによって決定されてもよく、最大数はニューラルネットワークの一般化能力によって制限されてもよい。入力ニューロンは、与えられているデータを受信し、次いで、トレーニング中に修正される接続の重みを介してそのデータを第1の隠れ層に送信することができる。ノードは、入力の全ての対とそれらの関連する重みとの積を合計することができる。重み付けられた合計は、バイアスでオフセットされてもよい。ノード又はニューロンの出力は、閾値又は活性化関数を使用してゲーティングされ得る。活性化関数は、線形関数又は非線形関数であり得る。活性化関数は、例えば、正規化線形ユニット(ReLU)活性化関数、漏洩ReLu活性化関数、或いは、飽和双曲線正接、恒等、二値ステップ、ロジスティック、arcTan、ソフトサイン、パラメータ正規化線形ユニット、指数線形ユニット、softPlus、曲げ恒等、ソフト指数関数、Sinusoid、Sinc、ガウス、若しくはシグモイド関数、又は、それらの任意の組み合わせなどの他の関数であってもよい。
【0188】
第1の隠れ層は、データを処理し、その結果を重み付き接続の第2のセットを介して次の層に送信することができる。各後続の層は、前の層からの結果をより複雑な関係に「プール」することができる。ニューラルネットワークは、サンプルセット(1つ以上のセンサから収集されたデータ)でそれらをトレーニングし、出力値などの出力を与えるようにトレーニング中(及びトレーニング後)にそれら自体を修正できるようにすることによってプログラムすることができる。トレーニングされたアルゴリズムは、畳み込みニューラルネットワーク、回帰型ニューラルネットワーク、拡張畳み込みニューラルネットワーク、完全結合ニューラルネットワーク、深層生成モデル、生成敵対ネットワーク、深層畳み込み逆グラフィックスネットワーク、エンコーダ-デコーダ畳み込みニューラルネットワーク、残差ニューラルネットワーク、エコー状態ネットワーク、長短期記憶ネットワーク、ゲーテッド回帰ユニット、及び、ボルツマンマシンを含むことができる。トレーニングされたアルゴリズムは、前記ニューラルネットワーク又はボルツマンマシンの要素を完全に又は部分的に組み合わせることができる。
【0189】
重み係数、バイアス値、及び、閾値、又は、ニューラルネットワークの他の計算パラメータは、トレーニングデータの1つ以上のセットを使用してトレーニング段階で「教示」又は「学習」することができる。例えば、パラメータは、ニューラルネットワークが計算する(1又は複数の)出力値がトレーニングデータセットに含まれる例と一致するように、トレーニングデータセットからの入力データ及び勾配降下法又は逆伝播法を使用してトレーニングされてもよい。
【0190】
ニューラルネットワークの入力層で使用されるノードの数は、少なくとも約10、50,100,200,300,400,500,600,700,800,900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、1万、2万、3万、4万、5万、6万、7万、8万、9万、10万以上であってもよい。他の例において、入力層で使用されるノードの数は、最大で約10万、9万、8万、7万、6万、5万、4万、3万、2万、1万、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、又は10以下であってもよい。場合によっては、ニューラルネットワーク(入力層及び出力層を含む)で使用される層の総数は、少なくとも約3、4、5、10、15、20、又はそれ以上であってもよい。他の例では、層の総数は、最大で約20、15、10、5、4、3以下であってもよい。
【0191】
場合によっては、ニューラルネットワークで使用される学習可能又はトレーニング可能なパラメータ、例えば重み係数、バイアス、又は、閾値の総数は、少なくとも約10、50,100,200,300,400,500,600,700,800,900、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、1万、2万、3万、4万、5万、6万、7万、8万、9万、10万以上であってもよい。他の例において、学習可能なパラメータの数は、最大で約10万、9万、8万、7万、6万、5万、4万、3万、2万、1万、9000、8000、7000、6000、5000、4000、3000、2000、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、又は10以下であってもよい。
【0192】
ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークを含むことができる。畳み込みニューラルネットワークは、1つ以上の畳み込み層、拡張層、又は、完全接続層を含むことができる。畳み込み層の数は1~10であってもよく、また、拡張層の数は0~10であってもよい。畳み込み層(入力層及び出力層を含む)の総数は、少なくとも約1、2、3、4、5、10、15、20、又はそれ以上であってもよく、また、拡張層の総数は、少なくとも約1、2、3、4、5、10、15、20、又はそれ以上であってもよい。畳み込み層の総数は、最大で約20、15、10、5、4、3以下であってもよく、拡張層の総数は、最大で約20、15、10、5、4、3以下であってもよい。幾つかの実施形態では、畳み込み層の数が1~10あり、完全接続層の数が0~10である。畳み込み層(入力層及び出力層を含む)の総数は、少なくとも約1、2、3、4、5、10、15、20、又はそれ以上であってもよく、完全接続層の総数は、少なくとも約1、2、3、4、5、10、15、20、又はそれ以上であってもよい。畳み込み層の総数は、最大で約20、15、10、5、4、3以下であってもよく、完全接続層の総数は、最大で約20、15、10、5、4、3以下であってもよい。
【0193】
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、ディープフィードフォワード人工ニューラルネットワークであってもよい。CNNは、視覚画像の分析に適用可能であり得る。CNNは、入力層、出力層、及び、複数の隠れ層を備えることができる。CNNの隠れ層は、畳み込み層、プーリング層、完全接続層、及び、正規化層を含むことができる。層は、幅、高さ、及び、深さの3次元で編成することができる。
【0194】
畳み込み層は、畳み込み演算を入力に適用し、畳み込み演算の結果を次の層に渡すことができる。画像を処理するために、畳み込み演算は、自由パラメータの数を減らすことができ、より少ないパラメータでネットワークをより深くすることを可能にする。畳み込み層では、ニューロンが、前の層の制限されたサブエリアから入力を受信することができる。畳み込み層のパラメータは、学習可能フィルタ(又はカーネル)のセットを含むことができる。学習可能フィルタは、小さな受容野を有し、入力ボリュームの全深度を通って延びることができる。順方向パス中、各フィルタは、入力ボリュームの幅及び高さにわたって畳み込み、フィルタのエントリと入力との間の内積を計算し、そのフィルタの2次元活性化マップを生成することができる。結果として、ネットワークは、入力内の幾つかの空間位置で何らかの特定の種類の特徴を検出したときに起動するフィルタを学習することができる。
【0195】
プール層は、グローバルプール層を含むことができる。グローバルプール層は、1つの層におけるニューロンクラスタの出力を組み合わせて、次の層における単一のニューロンにすることができる。例えば、最大プール層は、前の層におけるニューロンのクラスタのそれぞれからの最大値を使用することができ、また、平均プール層は、前の層のニューロンのクラスタのそれぞれからの平均値を使用することができる。完全接続層は、1つの層内の全てのニューロンを別の層内の全てのニューロンに接続することができる。完全接続層において、各ニューロンは前の層の全ての要素から入力を受けることができる。正規化層は、バッチ正規化層であってもよい。バッチ正規化層は、ニューラルネットワークの性能及び安定性を改善することができる。バッチ正規化層は、平均/単位分散が0である入力を有するニューラルネットワーク内の任意の層をもたらすことができる。バッチ正規化層を使用する利点は、より高速にトレーニングされたネットワーク、より高い学習率、より容易に重みを初期化すること、より実行可能な活性化関数、及び、ディープネットワークを形成するより単純なプロセスを含むことができる。
【0196】
ニューラルネットワークは、回帰型ニューラルネットワークを含むことができる。回帰型ニューラルネットワークは、連続データ入力などのシーケンシャルデータを入力として受けるように構成することができ、また、回帰型ニューラルネットワークソフトウェアモジュールは、時間ステップごとに内部状態を更新することができる。回帰型ニューラルネットワークは、入力のシーケンスを処理するために内部状態(メモリ)を使用することができる。回帰型ニューラルネットワークは、手書き認識又は音声認識、次単語予測、音楽合成、画像捕捉、時系列異常検出、機械翻訳、シーンラベリング、及び、株式市場予測などのタスクに適用可能であり得る。回帰型ニューラルネットワークは、完全回帰型ニューラルネットワーク、独立回帰型ニューラルネットワーク、Elmanネットワーク、Jordanネットワーク、Echo state、ニューラルネットワーク履歴圧縮器、長期短期記憶、ゲーティッドリカレントユニット、複数タイムスケールモデル、ニューラルチューリングマシン、微分可能ニューラルコンピュータ、ニューラルネットワークプッシュダウンオートマタ、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0197】
トレーニングされたアルゴリズムは、例えば、SVM、ランダムフォレスト、クラスタリングアルゴリズム(又はソフトウェアモジュール)、勾配ブースティング、ロジスティック回帰、生成敵対ネットワーク、回帰型ニューラルネットワーク、及び/又は、決定木などの教師あり、部分的に教師あり、又は、教師なしの学習方法を含むことができる。本明細書の幾つかの代表的な実施形態によれば、画像を分類するために、教師あり、部分的に教師あり、又は、教師なしの学習方法の組み合わせを使用することが可能である。教師あり学習アルゴリズムは、入力データと出力データとの間の関係を推論するために、標識付きのペアリングされたトレーニングデータ例のセットの使用に依存するアルゴリズムであり得る。教師あり学習のための標識付きデータセットの例は、本明細書の他の箇所で説明するように生成された注釈付き深度プロファイルであり得る。注釈付き深度プロファイルは、既知の解剖学的特徴を表示する深度プロファイル内のユーザ指示画素領域を含むことができる。既知の解剖学的特徴は、罹患組織若しくは非罹患組織又は組織の要素を有することができる。部分的に監視されたデータセットは、本明細書の他の箇所で説明されるように光プローブを並進させることによって生成された複数の深度プロファイルを含むことができる。複数のプロファイルは、個々のプロファイル内の画素の領域に注釈を付けることなく、疾病若しくは特徴を有する又は疾病若しくは特徴を有しないと以前に又はその後に特定された被検体の組織に属するものとして標識付けされ得る。教師なし学習アルゴリズムは、トレーニングデータセットから推論を引き出してデータを出力するために使用されるアルゴリズムであり得る。教師なし学習アルゴリズムは、プロセスデータ内の隠れパターン又はグループ化を見つけるべく探索的データ分析のために使用することができるクラスタ分析を含むことができる。教師なし学習方法の一例は、主成分分析を含むことができる。主成分分析は、1つ以上の変数の次元を削減することを含むことができる。所定の変数の次元は、少なくとも1、5、10、50,100,200,300,400,500,600,700,800,900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、又はそれ以上であってもよい。所定の変数の次元は、最大で1800、1600、1500、1400、1300、1200、1100、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、10以下であってもよい。
【0198】
トレーニングされたアルゴリズムは、統計的技法によって得ることができる。幾つかの実施形態において、統計的技法は、線形回帰、分類、リサンプリング方法、サブセット選択、収縮、次元削減、非線形モデル、ツリーベースの方法、サポートベクターマシン、教師なし学習、又は、それらの任意の組み合わせを含み得る。
【0199】
線形回帰が、従属変数と独立変数との間の最良の線形関係を適合することによって目的変数を予測する方法であり得る。最良適合は、各点における形状と実際の観測値との間の全ての距離の合計が最小であることを意味し得る。線形回帰は、単純線形回帰及び多重線形回帰を含み得る。単純線形回帰は、従属変数を予測するために単一の独立変数を使用することができる。多重線形回帰は、最良の線形関係を適合することによって従属変数を予測するために2つ以上の独立変数を使用することができる。
【0200】
分類は、正確な予測及び分析を達成するために、データの集合にカテゴリを割り当てるデータマイニング技術であってもよい。分類技術は、ロジスティック回帰及び判別分析を含み得る。従属変数が二分法(バイナリ)である場合、ロジスティック回帰を使用することができる。ロジスティック回帰は、1つの従属バイナリ変数と1つ以上の名目、順序、区間、又は、比レベルの独立変数との間の関係を発見する及び表わすために使用され得る。リサンプリングは、元のデータサンプルから反復サンプルを引き出すことを含む方法であり得る。リサンプリングは、近似確率値を計算するために一般分布表を利用することを含まなくてもよい。リサンプリングは、実際のデータに基づいて固有のサンプリング分布を生成することができる。幾つかの実施形態において、リサンプリングは、固有のサンプリング分布を生成するために、分析的方法ではなく実験的方法を使用することができる。リサンプリング技法は、ブートストラップ及び交差検証を含むことができる。ブートストラップは、元のデータからの置換によるサンプリングによって実行され、「選択されていない」データ点をテストケースとして取得することができる。交差検証は、トレーニングデータを複数の部分に分割することによって実行することができる。
【0201】
サブセット選択は、応答に関連する予測子のサブセットを特定することができる。サブセット選択は、最良サブセット選択、順方向段階的選択、逆方向段階的選択、ハイブリッド方法、又は、それらの任意の組み合わせを含み得る。幾つかの実施形態において、収縮は、全ての予測子を含むモデルに適合するが、推定された係数は、最小二乗推定に対して0に向かって収縮される。この収縮は、分散を低減することができる。収縮は、リッジ回帰及びラッソ回帰を含み得る。次元削減は、n+1係数を推定する問題をm+1係数の単純な問題に低減することができ、ここでn<mである。次元削減は、変数のn個の異なる線形結合又は投影を計算することによって達成され得る。次に、これらのn個の投影を予測子として使用して、最小二乗による線形回帰モデルを適合させる。次元削減は、主成分回帰及び部分最小二乗を含み得る。主成分回帰を使用して、変数の大きなセットから特徴の低次元セットを導出することができる。主成分回帰で使用される主成分は、その後に直交する方向のデータの線形結合を使用して、データの最も大きい分散を取り込むことができる。部分的最小二乗法は、新しい特徴を特定するために応答変数を利用することができるため、主成分回帰に対する教師あり代替法となり得る。
【0202】
非線形回帰は、モデルパラメータの非線形の組み合わせであって1つ以上の独立変数に依存する関数によって観測データがモデル化される回帰分析の形態であり得る。非線形回帰は、ステップ関数、区分関数、スプライン、一般化加法モデル、又は、それらの任意の組み合わせを含み得る。
【0203】
ツリーベースの方法は、回帰問題及び分類問題の両方に関して使用することができる。回帰及び分類の問題は、予測子空間を幾つかの単純な領域に層別化又はセグメント化することを含むことができる。ツリーベースの方法は、バギング、ブースティング、ランダムフォレスト、又は、それらの任意の組み合わせを含み得る。バギングは、元のデータと同じ多段階の濃度/サイズをもたらすべく反復との組み合わせを使用して元のデータセットからトレーニングのための更なるデータを生成することによって予測の分散を減少させることができる。ブースティングは、幾つかの異なるモデルを使用して出力を計算し、次に加重平均手法を使用して結果を平均化することができる。ランダムフォレストアルゴリズムは、トレーニングセットのランダムブートストラップサンプルを引き出すことができる。サポートベクターマシンは分類技術であり得る。サポートベクターマシンは、最大マージンで2つのクラスの点を最も良く分離する超平面を見出すことを含み得る。サポートベクトルマシンは、データを完全に分類するという制約にしたがってマージンが最大化される制約付き最適化問題であり得る。
【0204】
教師なし方法は、標識付き応答を伴わずに入力データを含むデータセットから推論を引き出す方法であり得る。教師なし方法は、クラスタリング、主成分分析、k平均クラスタリング、階層クラスタリング、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。
【0205】
方法は、機械学習アルゴリズムをトレーニングして、少なくとも90%の精度で被検体の組織における疾病を特定するためのコンピュータメモリ内のトレーニングされたアルゴリズムをもたらすことができ、この場合、組織はトレーニング組織に依存しない。方法は、機械学習アルゴリズムをトレーニングして、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の精度で被検体の組織内の疾病を特定するためのコンピュータメモリ内のトレーニングされたアルゴリズムをもたらすことができる。場合によっては、方法は、機械学習アルゴリズムをトレーニングして、最大で90%、80%、70%、60%、50%又はそれ以上の精度で被検体の組織内の疾病を特定するためのコンピュータメモリ内のトレーニングされたアルゴリズムをもたらすことができる。
【0206】
方法は、複数の仮想断面を使用してトレーニングすることができる。仮想断面は、同期した時間及び位置で組織に向けられる励起光ビームを使用して得られた複数の層、画像、及び/又は、深度プロファイルを含むことができる。仮想断面は、生体内サンプルからの深度プロファイルを含み得る。使用することができる仮想断面の例は、図7Dの1つ以上の同期深度プロファイルから導出された画像として示される。
【0207】
アルゴリズムをトレーニングするためのシステム
本明細書には、被検体の組織における疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するためのシステムが開示される。被検体の組織における疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するためのシステムは、以前に疾病を有すると特定された被検体のトレーニング組織の深度プロファイル、関連画像、及び/又は、その層に対応するデータを含むデータベースであって、深度プロファイル、関連画像、及び/又は、その層が、時間的及び位置的に同期又は相関された生成された信号及びデータであり、深度プロファイル、関連画像、及び/又は、その層が、励起光ビームから生成された信号から生成され、及び/又は、深度プロファイル、関連画像、及び/又は、その層が、第二高調波発生信号、第三高調波発生信号、反射率共焦点顕微鏡信号、自家蛍光信号、及び、本明細書に記載の他の生成信号から成るグループから選択される信号から生成される、データベースと、データベースに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、(i)データベースからデータを検索し、(ii)データを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングして、被検体の組織における疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらすように個別に又は集合的にプログラムされ、組織はトレーニング組織に依存しない、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備えてもよい。
【0208】
光学データは、本明細書の他の箇所に記載されている。光学データは、第二高調波発生信号、第三高調波発生信号、反射率共焦点顕微鏡信号、並びに、自己蛍光信号及び/又は本明細書で規定される他の生成信号を含むことができる。装置は、データベースに接続されてもよい。光学データは、データベースに記憶されてもよい。データベースは、集中型データベースであってもよい。データベースは、1つ以上のプロセッサと接続されてもよい。1つ以上のプロセッサは、1つ以上のアルゴリズムを介してデータベースに記憶されたデータを分析することができる。1つ以上のプロセッサによって実行される分析は、光学データを選択すること、光学データに基づいてデータセットを形成すること、1つ以上のデータベースから患者の健康状態を取得すること、及び、取得されたデータに基づいてトレーニングアルゴリズムを生成することを含むことができるが、これらに限定されない。1つ以上のプロセッサは、分析に基づいて1つ以上の命令を与えることができる。
【0209】
1つ以上の命令は、表示スクリーンに表示することができる。表示スクリーンは、着脱可能な表示スクリーンであってもよい。表示スクリーンは、ズーム機能を有してもよい。表示スクリーンは、表示スクリーン上の上皮特徴のマーキングを可能にする編集可能な特徴を含むことができる。表示スクリーンは、分割されてもよく、深度プロファイルから形成された巨視的画像及び多色画像を含む。表示スクリーンは、タブレットコンピュータと同様に、液晶ディスプレイであってもよい。表示スクリーンは、1つ以上のスピーカを伴うことができ、視覚的及び聴覚的命令をユーザに与えるように構成することができる。1つ以上の命令は、被検体が特定の種類の癌を有するかどうかを示すこと、被検体が癌のリスクを有するかどうかに基づいて所定の薬物を摂取する又は所定の治療を受けるように被検体に要求することを含み得る。また、1つ以上の命令は、被検体に健康状態を提供するように要求することを含んでもよい。
【0210】
深度プロファイルは、単一のベース色相に由来する色を表示する単色画像を含むことができる。それに代えて又は加えて、深度プロファイルは、2つ以上の色を表示する多色画像を含むことができる。多色画像では、色成分は、時間的及び位置的に同期される信号又は信号のサブセットを使用して複数の深度プロファイルに対応することができる。そのような深度プロファイルは、例えば、本明細書の他の箇所に記載されているように、光プローブを使用して生成することができる。そのような深度プロファイルは、収集されて処理された生成信号の複数のサブセットから形成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを含むことができる。深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集された画像の複数のサブセットから形成される複数の層を含むことができる。複数の層のそれぞれは、(1又は複数の)他の層の解剖学的構造及び/又は特徴とは異なる解剖学的構造及び/又は特徴を特定するデータを含むことができる。そのような深度プロファイルは、複数のサブセット深度プロファイルを含むことができる。このようにして、複数の色を使用して、細胞、核、細胞質、結合組織、脈管構造、色素、及び、組織層境界などの組織の異なる要素を強調することができる。コントラストをリアルタイムで調整して、構造固有のコントラストを与える及び/又は強化することができる。コントラストは、ユーザ(例えば、外科医、医師、看護師、又は他の医療専門家)によって調整することができ、又は、プログラムされたコンピュータプロセッサがリアルタイムでコントラストを自動的に最適化することができる。多色画像では、各色を使用して、第二高調波発生信号、第三高調波発生信号、偏光から生じる信号、及び、自己蛍光信号などの収集された信号の特定のサブセットを表わすことができる。多色深度プロファイルの色は、外科医及び/又は病理学者が標準的な組織病理学を使用するときに通常見ることができる画像パターンを反映するようにカスタマイズすることができる。病理学者は、深度プロファイルが従来の組織学的サンプル、例えばヘマトキシリン及びエオシンで染色されたサンプルを見ることができる方法と同様に表示されるとき、深度プロファイルの結果をより容易に解釈することができる。
【0211】
光プローブは、光源からの励起光ビームを基準組織の表面に向けて伝送することができ、この励起光ビームは、組織に接触すると、組織の光学データを生成する。光プローブは、走査経路又は走査パターンに沿って或いは異なる深さ及び位置で励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するための1つ以上の集束ユニットを備えてもよい。
【0212】
走査経路又は走査パターンは、少なくとも1つの傾斜方向の経路又はパターン(「傾斜経路」又は「傾斜パターン」)を含むことができる。少なくとも1つの傾斜経路又は傾斜パターンは、光軸に対して傾斜していてもよい。傾斜経路又は傾斜パターンと光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜経路又は傾斜パターンと光軸との間の角度は、少なくとも約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°、又はそれ以上であってもよい。他の場合では、傾斜経路又は傾斜パターンと光軸との間の角度は、最大で約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。
【0213】
走査経路又は走査パターンは、焦点面を形成してもよく及び/又は少なくとも1つの傾斜面上にあってもよい。少なくとも1つの傾斜面は、光軸に対して傾けられる方向に沿って配置されてもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、最大で45°であってもよい。傾斜面と光軸との間の角度は、少なくとも約5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°以上であってもよい。他の場合において、傾斜面と光軸との間の角度は、最大で約85°、80°、75°、70°、65°、60°、55°、50°、45°、35°、30°、25°、20°、15°、10°、5°以下であってもよい。
【0214】
疾病を特定することは、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%又はそれ以上の精度であり得る。疾病を特定することは、最大で約99.9%、99%、95%、90%、80%、70%、60%、50%又はそれ未満の精度であり得る。
【0215】
疾病は上皮癌であってもよい。
【0216】
光学データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データを更に含むことができる。非構造化データは、テキスト、オーディオデータ、画像データ、及び/又は、ビデオを含むことができる。関係データは、顧客システム、企業システム、運用システム、ウェブサイト、又は、ウェブアクセス可能アプリケーションプログラムインタフェース(API)のうちの1つ以上からのデータを含むことができる。これは、ファイル又は他のデータフォーマットをソフトウェア又はシステムに入力する任意の方法を介してユーザによって行なわれてもよい。
【0217】
光学データは、例えば、クラウドベースのデータベース又は他のリモート又はネットワークデータベースにアップロードすることができる。データセットは、例えば、クラウドベースのデータベース又は他のリモート又はネットワークデータベースにアップロードすることができる。クラウドベースのデータベースは、機械学習ベースのセンサ信号処理アルゴリズムが実行しているローカル及び/又はリモートコンピュータシステムからアクセス可能であってもよい。クラウドベースのデータベース及び関連するソフトウェアは、電子データをアーカイブする、電子データを共有する、及び、電子データを分析するために使用することができる。局所的に生成された光学データ又はデータセットは、クラウドベースのデータベースにアップロードすることができ、そこからアクセスし、同じサイト又は異なるサイトで他の機械学習ベースの検出システムをトレーニングするために使用することができる。局所的に生成されたセンサデバイス及びシステム試験結果は、クラウドベースのデータベースにアップロードされ、センサデバイス及び検出システム試験性能の継続的な改善のためにリアルタイムでトレーニングデータセットを更新するべく使用され得る。
【0218】
データは、データベースに記憶されてもよい。データベースは、コンピュータ可読フォーマットで記憶することができる。コンピュータプロセッサは、コンピュータ可読メモリに記憶されたデータにアクセスするように構成されてもよい。コンピュータシステムを使用してデータを分析し、結果を得ることができる。結果は、記憶媒体上に遠隔的又は内部的に記憶され、医薬品専門家などの職員に伝達され得る。コンピュータシステムは、結果を送信するための構成要素と動作可能に結合されてもよい。送信するための構成要素は、有線及び無線構成要素を含むことができる。有線通信構成要素の例としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)接続、同軸ケーブル接続、Cat5若しくはCat6ケーブルなどのイーサネットケーブル、光ファイバケーブル、又は、電話回線を挙げることができる。無線通信構成要素の例としては、Wi-Fi受信機、3G又は4G LTEデータ信号などのモバイルデータ規格にアクセスするための構成要素、又は、Bluetooth受信機を挙げることができる。幾つかの実施形態において、記憶媒体内のこれらのデータは全て、データウェアハウスを構築するために収集及びアーカイブされる。
【0219】
機械学習アルゴリズムのトレーニングは、組織がトレーニング組織に依存しない被検体の組織における疾病を特定するためのコンピュータメモリにおけるトレーニングされたアルゴリズムをもたらし得る。機械学習アルゴリズムのトレーニングは、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上の精度で被検体の組織内の疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらし得る。場合によっては、機械学習アルゴリズムのトレーニングは、最大で90%、80%、70%、60%、50%又はそれ以上の精度で被検体の組織内の疾病を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらし得る。
【0220】
機械学習方法及びシステム
被検体の身体の組織を分析するための方法が本明細書で開示される。一態様において、被検体の身体の組織を分析するための方法は、被検体の身体の組織に光を方向付けるステップと、(b)(a)で組織に方向付けられた光に応じて、被検体の身体の組織から複数の信号を受信するステップであって、複数の信号の少なくともサブセットが組織内からのものである、ステップと、(c)複数の信号に対応するデータを、データを処理して被検体の身体の組織の分類を生成するトレーニングされた機械学習アルゴリズムに入力するステップと、ユーザの電子デバイスのユーザインタフェースで分類を出力するステップとを含んでもよい。
【0221】
分類は、被検体を疾病を有すると特定し得る。疾病は、本明細書の他の箇所に記載されている疾病であり得る。疾病は癌であり得る。被検体の組織は被検体の皮膚であってもよく、癌は皮膚癌であってもよい。癌は良性又は悪性であり得る。分類は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%、99.9%又はそれ以上の精度で組織が疾病を有すると特定することができる。
【0222】
複数の信号は、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号、本明細書に記載の任意の他の生成信号、又は、それらの任意の組み合わせを含むことができる。多光子蛍光信号は、複数の多光子蛍光信号であってもよい。複数の多光子蛍光信号は、複数の波長であってもよい。複数の多光子蛍光信号は、組織の複数の成分によって生成され得る。方法は、トレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用して複数の信号に対応する1つ以上の特徴を特定することを含むことができる。記録されているよりも少ない信号が使用されるように、複数の信号をフィルタリングすることができる。複数の生成された信号は、複数の深度プロファイルを生成するために使用され得る。
【0223】
トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、ニューラルネットワークを含むことができる。ニューラルネットワークは、畳み込みニューラルネットワークであってもよい。データは、光信号の照明パワーのために制御され得る。コントロールは、正規化であり得る。データは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムによって照明パワーについて制御することができる。データは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムが適用される前に照明パワーについて制御されてもよい。畳み込みニューラルネットワークは、色付きデータをニューラルネットワークの入力として使用するように構成されてもよい。
【0224】
方法は、被検体の医療データを受信することを含むことができる。医療データは、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。医療データは、クラウド又はネットワーク接続デバイスにアップロードすることができる。データは、ローカルデバイス上に保持され得る。
【0225】
方法は、トレーニングされた機械学習アルゴリズムを改善するためにデータ増強を使用するように構成されてもよい。例えば、拡張データセットは、高速画像捕捉が組織からの類似しているが同じではない複数の画像を有するデータセットを形成したデータセットとすることができる。
【0226】
方法は、制御された照明パワーを使用して撮影された画像を使用するように構成され得る。照明の制御されたパワーは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムの性能を改善することができる。例えば、制御された照明は、トレーニングされた機械学習アルゴリズムが、画像を撮影するために使用される条件の違いではなく、2つの画像間の違いを組織の違いに起因させることを可能にすることができ、したがって、トレーニングされた機械学習アルゴリズムの精度が向上する。
【0227】
方法は、トレーニングされた機械学習アルゴリズムを改善するために最小限の変動を伴うデータを使用するように構成され得る。例えば、本明細書に記載の光プローブによって生成される画像パラメータにおける少ない変動に起因して、トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムによって使用される全ての画像が同じ標識付け及び着色方式を使用するため、病変が癌性であるかどうか、組織が正常であるか異常であるかどうか、又は、前記組織の健康、機能、治療、若しくは外観に関連する被検体の組織の他の特徴をより正確に判定することができる。方法は、組織と相互作用する励起光ビームから生成されたデータを使用するように構成され得る。励起光ビームは、トレーニングされた機械学習アルゴリズムで使用するための複数の深度プロファイルを生成することができる。励起光ビームは、機械学習アルゴリズムをトレーニングするために複数の深度プロファイルを生成することができる。励起光ビームは、複数の戻り信号のサブセットから深度プロファイルを生成することができる。
【0228】
トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、組織の空間マップを生成するようにトレーニングされてもよい。空間マップは、組織の3次元モデルであってもよい。空間マップは、ユーザ及び/又はトレーニングされた機械学習アルゴリズムによって注釈を付けることができる。
【0229】
本明細書では、被検体の身体の組織を分析するためのシステムが開示される。一態様において、検体の身体の組織を分析するためのシステムは、(i)光を被検体の身体の組織へ方向付け、(ii)(i)で組織へ方向付けられた光に応じて被検体の身体の組織から複数の信号を受信するように構成される光プローブであって、複数の信号の少なくともサブセットが組織内からのものである、光プローブと、光プローブに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、1つ以上のコンピュータプロセッサが、(i)複数の信号に対応するデータを受信し、(ii)データを処理して被検体の身体の組織の分類を生成するトレーニングされた機械学習アルゴリズムにデータを入力し、及び、(iii)ユーザの電子デバイスのユーザインタフェースで分類を出力するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサとを備える。
【0230】
光プローブ及び1つ以上のコンピュータプロセッサは、同じデバイスを備えてもよい。デバイスはモバイルデバイスであってもよい。デバイスは、互いに動作可能に結合され得る複数のデバイスであり得る。例えば、システムは、レーザ及び検出ボックスに光学的に接続された手持ち式光プローブとすることができ、ボックスはコンピュータを含むこともできる。
【0231】
光プローブはデバイスの一部であってもよく、1つ以上のコンピュータプロセッサはデバイスとは別個であってもよい。1つ以上のコンピュータプロセッサは、コンピュータサーバの一部であってもよい。1つ以上のプロセッサは、分散コンピュータインフラの一部であってもよい。例えば、システムは、光プローブからのデータを処理するリモートサーバに無線接続された全ての光学部品を含む手持ち式光プローブとすることができる。
【0232】
システムは、被検体の医療データを受信することを含むことができる。医療データは、本明細書の他の箇所に記載されているようなものであってもよい。医療データは、クラウド又はネットワーク接続デバイスにアップロードすることができる。データは、ローカルデバイス上に保持され得る。
【0233】
コンピュータシステム
本開示は、本開示の方法を実施するようにプログラムされるコンピュータシステムを提供する。図6は、光学データを受信してトレーニングされたアルゴリズムを生成するようにプログラムされる或いはさもなければ構成されるコンピュータシステム601を示す。コンピュータシステム601は、例えば、光学データを受信及び選択し、光学データに基づいてデータセットを生成し、トレーニングされたアルゴリズムを形成することなど、本開示の様々な態様を調整することができる。コンピュータシステム601は、ユーザの電子デバイス又は電子デバイスに対して遠隔に配置されたコンピュータシステムであり得る。電子デバイスは、モバイル電子デバイスであり得る。電子デバイスは、プローブシステムの光源から生成された光学データを受信するように構成されてもよい。光学データは、本明細書に記載の1つ以上のタイプの光学データを含むことができる。例えば、電子デバイスは、第二高調波発生信号、2光子蛍光信号、反射率共焦点顕微鏡信号、又は、他の生成された信号を受信することができ、これらは全て1つの光源によって生成され、1つの手持ち式システムによって収集される。光学データは、2つ以上の情報層を含むことができる。2つ以上の情報層は、単一プローブシステムの同じ光パルスから生成されたデータから生成された情報であってもよい。2つ以上の層は、同じ深度プロファイルからのものであってもよく又はそれぞれが別個の深度プロファイルを形成してもよい。複合深度プロファイルの1つの層を形成する別個の深度プロファイルは、別個にトレーニング可能であってもなくてもよい。例えば、深度プロファイルは、上皮からの2光子蛍光信号、コラーゲンからのSHG信号、及び、メラノサイト及び色素からのRCM信号を取得し、信号を重ね合わせ、多色多層深度プロファイルを生成することによって生成され得る。
【0234】
コンピュータシステム601は、シングルコア又はマルチコアプロセッサ、或いは、並列処理のための複数のプロセッサとなり得る中央処理ユニット(CPU、本明細書では「プロセッサ」及び「コンピュータプロセッサ」でもある)605を含む。また、コンピュータシステム601は、メモリ又は記憶場所610(例えば、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ)、電子ストレージユニット615(例えば、ハードディスク)、1つ以上の他のシステムと通信するための通信インタフェース620(例えば、ネットワークアダプタ)、及び、キャッシュ、他のメモリ、データストレージ、及び/又は、電子ディスプレイアダプタなどの周辺機器625も含む。メモリ610、ストレージユニット615、インタフェース620、及び、周辺機器625は、マザーボードなどの通信バス(実線)を介してCPU605と通信している。ストレージユニット615は、データを記憶するためのデータストレージユニット(又はデータリポジトリ)であり得る。コンピュータシステム601は、通信インタフェース620の助けを借りて、コンピュータネットワーク(「ネットワーク」)630に動作可能に結合することができる。ネットワーク630は、インターネット、インターネット及び/又はエクストラネット、或いは、インターネットと通信しているイントラネット及び/又はエクストラネットであり得る。ネットワーク630は、場合によっては、電気通信及び/又はデータネットワークである。ネットワーク630は、クラウドコンピューティングなどの分散コンピューティングを可能にすることができる1つ以上のコンピュータサーバを含むことができる。ネットワーク630は、場合によっては、コンピュータシステム601の助けを借りて、ピアツーピアネットワークを実装することができ、これにより、コンピュータシステム601に結合されたデバイスがクライアント又はサーバとして動作することが可能になる。
【0235】
CPU605は、プログラム又はソフトウェアで具体化することができる一連の機械可読命令を実行することができる。命令は、メモリ610などの記憶場所に記憶することができる。命令は、CPU605に向けることができ、これは、その後、本開示の方法を実装するようにCPU605をプログラム又は他の方法で構成することができる。CPU605によって実行される操作の例には、フェッチ、デコード、実行、及びライトバックが含まれ得る。
【0236】
CPU605は、集積回路などの回路の一部であり得る。システム601の他の1つ以上の構成要素を回路に含めることができる。場合によっては、回路が特定用途向け集積回路(ASIC)である。
【0237】
ストレージユニット615は、ドライバ、ライブラリ、及び、保存されたプログラムなどのファイルを記憶することができる。ストレージユニット615は、ユーザデータ、例えば、ユーザプリファレンス及びユーザプログラムを記憶することができる。コンピュータシステム601は、場合によっては、イントラネット又はインターネットを介してコンピュータシステム601と通信しているリモートサーバ上に配置されるなど、コンピュータシステム601の外部にある1つ以上の更なるデータストレージユニットを含むことができる。
【0238】
コンピュータシステム601は、ネットワーク630を介して1つ以上のリモートコンピュータシステムと通信することができる。例えば、コンピュータシステム601は、ユーザのリモートコンピュータシステム(例えば、電話)と通信することができる。リモートコンピュータシステムの例としては、パーソナルコンピュータ(ポータブルPCなど)、スレート又はタブレットPC(Apple(登録商標)iPad、Samsung(登録商標)Galaxy Tabなど)、電話、スマートフォン(Apple(登録商標)iPhone、Android対応デバイス、Blackberry(登録商標)など)又は携帯情報端末が挙げられる。ユーザは、ネットワーク630を介してコンピュータシステム601にアクセスすることができる。
【0239】
本明細書に記載の方法は、例えば、メモリ610又は電子ストレージユニット615などの、コンピュータシステム601の電子記憶場所に記憶された機械(例えば、コンピュータプロセッサ)実行可能コードによって実施することができる。機械実行可能コード又は機械可読コードは、ソフトウェアの形で提供できる。使用中、コードはプロセッサ605によって実行することができる。場合によっては、コードは、ストレージユニット615から取り出され、プロセッサ605による即時アクセスのためにメモリ610に記憶され得る。状況によっては、電子ストレージユニット615を排除することができ、機械実行可能命令がメモリ610に記憶される。
【0240】
コードは、事前にコンパイルして、コードを実行するように構成されたプロセッサを備えたマシンで使用するように構成することも、実行時にコンパイルすることもできる。コードが事前にコンパイルされた、又はコンパイル済みの方法で実行できるようにするべくコードを選択したプログラミング言語で提供できる。
【0241】
コンピュータシステム601など、本明細書で提供されるシステム及び方法の態様は、プログラミングで具体化することができる。技術の様々な態様は、典型的には機械(又はプロセッサ)実行可能コード及び/又はあるタイプの機械可読媒体に保持又は組み込まれる関連データの形の「製品」又は「製造品」と考えることができる。機械実行可能コードは、メモリ(例えば、読み取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)又はハードディスクなどの電子記憶ユニットに記憶することができる。「ストレージ」タイプの媒体としては、コンピュータ、プロセッサなどの有形メモリのいずれか又は全て、或いは、ソフトウェアプログラミングのためにいつでも持続性ストレージを提供できる、様々な半導体メモリ、テープドライブ、ディスクドライブなどの関連モジュールを挙げることができる。ソフトウェアの全て又は一部は、インターネット又はその他の様々な通信ネットワークを通じて通信される場合がある。そのような通信は、例えば、あるコンピュータ又はプロセッサから別のコンピュータへの、例えば、管理サーバ又はホストコンピュータからアプリケーションサーバのコンピュータプラットフォームへのソフトウェアのロードを可能にし得る。したがって、ソフトウェア要素を担うことができる別のタイプの媒体としては、有線及び光の地上回線ネットワークを介して及び様々なエアリンクにわたってローカルデバイス間の物理インタフェースの全体で使用されるような、光、電気、及び、電磁波が挙げられる。有線又は無線リンク、光リンクなど、そのような波を伝える物理的要素も、ソフトウェアを搭載した媒体と見なすことができる。本明細書中で使用されるコンピュータ又は機械「読み取り可能媒体」などの用語は、持続性の有形な「記憶」媒体に限定されなければ、実行のためにプロセッサに命令を与えることに関与する任意の媒体を指す。
【0242】
したがって、コンピュータ実行可能コードなどの機械可読媒体は、有形の記憶媒体、搬送波媒体、又は物理的伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性記憶媒体は、例えば、図面に示されるデータベースなどを実装するために使用され得るような、(1又は複数の)任意のコンピュータなどの任意の記憶デバイスなどの、光ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性記憶媒体は、そのようなコンピュータプラットフォームのメインメモリなどの動的メモリを含む。有形の伝送媒体としては、同軸ケーブル、コンピュータシステム内のバスを構成する配線を含めて、銅線及び光ファイバが挙げられる。搬送波伝送媒体は、電気信号又は電磁信号、又は無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるような音響波又は光波の形をとることがある。したがって、コンピュータ可読媒体の一般的な形式としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD又はDVD-ROM、その他の光学媒体、パンチカード紙テープ、穴のパターンがある任意の他の物理的な記憶媒体、RAM、ROM、PROM及びEPROM、FLASH-EPROM、任意の他のメモリチップ又はカートリッジ、データ又は命令を伝送する搬送波、そのような伝送波を伝送するケーブル又はリンク、又は、コンピュータがプログラミングコード及び/又はデータを読み取ることができるようにする任意の他の媒体が挙げられる。これらの形態のコンピュータ可読媒体の多くは、実行のためにプロセッサに1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを担持することに関与し得る。
【0243】
コンピュータシステム601は、例えば光学データ分析の結果をユーザに提供するためのユーザインタフェース(UI)640を備える電子ディスプレイ635を含む又は電子ディスプレイ635と通信することができる。UIの例としては、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)やウェブベースのユーザインタフェースが挙げられるが、これらに限定されない。
【0244】
本開示の方法及びシステムは、1つ以上のアルゴリズムによって実装することができる。アルゴリズムは、中央処理ユニット605による実行時にソフトウェアを介して実装することができる。アルゴリズムは、例えば、データの選択、データ内の特徴の特定、及び/又は、データの分類に使用することができる。
【0245】
屈折アライメント方法及びシステム
本明細書には、光ビームを位置合わせする(例えば、ビームスプリッタと光ファイバとの間で光ビームを位置合わせする)ための方法も提供される。場合によっては、光ビームを位置合わせする方法を使用して、任意の2つの構成要素間で光ビームを位置合わせすることができる。例えば、光の集束ビームは、屈折要素を使用してレンズとピンホールとの間で位置合わせされ得る。他の例では、本明細書に記載の方法及びシステムを使用して、光ビームをサンプルの特定の領域に位置合わせすることができる。
【0246】
一態様において、本開示の方法は、(i)ビームスプリッタと光学的に連通している光ビームを供給することを含むことができる。ビームスプリッタは、レンズと光学的に連通している。レンズは、屈折要素、(ii)光ファイバ、及び、(iii)光ファイバと光学的に連通する検出器と光学的に連通し得る。屈折要素からの光路は、光ファイバに対して位置ずれている場合がある。一態様において、方法は、光路を光ファイバと位置合わせするように屈折要素を調整することを更に含むことができる。一態様において、方法は、光ビームをビームスプリッタに導くことを更に含むことができ、ビームスプリッタは、光ビームをビームレットに分割する。ビームレットは、検出器がビームレットを検出するように、光ファイバへの光路に沿ってビームレットを誘導する屈折要素にレンズを介して誘導されてもよい。
【0247】
屈折要素を使用して光ビームを位置合わせする方法は、光ファイバへの光ビームの位置合わせを著しく迅速かつ容易にすることができる。この方法は、シングルモード光ファイバを約60、45、30、15、5分未満又はそれ未満で高い長期安定性を伴って位置合わせできるようにしてもよい。方法は、屈折要素に対する大きな調整によって小さな位置合わせ調整を実行できるようにしてもよく、それにより、位置合わせ調整を細かく制御することができる。
【0248】
ビームレットは、ビームスプリッタにビームレットを反射する更なる要素に向けられてもよく、ビームスプリッタは、ビームレットをレンズを通して屈折要素に向ける。更なる要素はミラーであってもよい。ミラーは、位置合わせするための強い信号を与えることによって、位置合わせプロセスで使用することができる。ビームレットは、屈折要素によって反射される前に、1つ以上の更なる要素を通ってビームスプリッタから導かれてもよい。更なる要素は、本明細書の他の箇所に記載されている光プローブの要素であってもよい。更なる要素は、ミラースキャナ、フォーカスレンズ対、複数のリレーレンズ、ダイクロイックミラー、対物レンズ、レンズ、又は、それらの任意の組み合わせであってもよい。屈折要素は、レンズに動作可能に結合されてもよい。屈折要素及びレンズは、同じ又は異なるマウント上にあってもよい。
【0249】
屈折要素と相互作用した後のビームレットの点像分布関数は、検出器の分解能を約200,150,100、75、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5ミクロン未満又はそれ未満にすることを可能にするのに十分に小さくてもよい。例えば、屈折要素は、ビームレットに非点収差又はデフォーカスを導入し得るが、非点収差又はデフォーカスは、検出器の全体的な分解能に影響を与えないように十分に小さい(例えば、非点収差又は焦点ぼけは、回折点像分布関数よりも小さくてもよい)。屈折要素は、平坦な窓、湾曲した窓、表面パターニングを有する窓などであってもよい。
【0250】
位置を調整することは、屈折要素の回転を適用することを含むことができる。位置を調整することは、屈折要素の並進を含むことができる。回転は、最大で約180,170,160,150,125,100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1度以下であってもよい。回転は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90,100,125,150,179度又はそれ以上であってもよい。回転又は並進又はその両方は、最大で3次元、2次元、又は、1次元であってもよい。屈折アライメントの調整比率は、不整合の程度を、不整合を補正する屈折要素の偏向で割ったものとして規定することができる。例えば、屈折要素の20度の回転によって補正される位置合わせから0.05度外れた光ビームは、0.05/20=0.0025又は2.5E-3の調整比率を有することができる。調整比率は、少なくとも約1E-5、5E-5、1E-4、5E-4、1E-3、5E-3、1E-2、5E-2、1E-1、1、5、又はそれ以上であってもよい。調整比率は、最大で約5、1、5E-1、1E-1、5E-2、1E-2、5E-3、1E-3、5E-4、1E-4、5E-5、1E-5、又はそれ以下であってもよい。
【0251】
光ビームを位置合わせするためのシステムも本明細書に開示される。一態様において、光ビームを位置合わせするためのシステムは、光ビームを供給するように構成される光源と、光ビームと光学的に連通する集束レンズと、レンズと光学的に連通する可動屈折要素と、光ファイバと、光ファイバと光学的に連通する検出器であって、屈折要素が集束レンズと光ファイバとの間に位置される、検出器と、を備えてもよい。屈折アライメント要素は、光路を光ファイバと位置合わせするように調整可能であってもよく、それにより、光路が光ファイバと位置合わせされると、光ビームは、検出器がビームを検出するように、光ファイバへの光路に沿ってビームを方向付ける屈折要素にレンズを通じて方向付けられてもよい。屈折アライメント要素は、光ファイバ及び/又は光ファイバマウントに対して回転的に又は角度的に移動可能であってもよい。
【0252】
図9A図9B、及び、図9Cは、本明細書の他の箇所に記載されているアライメント装置の一例を示す。レンズ910は、光ビームを光ファイバ940上に集束させるように構成されてもよい。屈折アライメント要素920は、レンズと光ファイバとの間に配置されてもよい。屈折アライメント要素920は、マウント930に動作可能に結合されてもよい。屈折アライメント要素920は、光ビームを光ファイバと位置合わせするように調整されてもよい。例えば、光ビームが高すぎる場合、屈折要素を位置921に調整し、したがって光ビームをファイバ内へ偏向させることができる。別の例では、光ビームが低すぎる場合、位置ずれを補正するために屈折要素を位置922に調整することができる。調整要素950を使用して、光ファイバに対して屈折アライメント要素920を角度的又は回転的に移動させることができる。調整要素950は、ねじ、電動ねじ、圧電アジャスタなどであってもよい。屈折アライメント要素は、屈折調整要素とマウントとの間に配置されたボール要素960と、屈折アライメント要素とマウントとを結合するばね荷重ねじ970とによって屈折要素が安定化されている間に、屈折調整要素を光ファイバマウントに対して角度的に移動させる調整要素を伴って示される。
【0253】
光ビームは、ビームレットをアライメント装置に向ける前にビームスプリッタから分割されたビームレットとなり得る。アライメント装置は、ビームスプリッタと集束レンズ(例えば、図1及び図8に示すように)との間に配置された可動ミラーを更に備えることができる。ミラーは、ビームスプリッタからアライメント装置に分割信号を導くために使用されてもよい。ミラーは、集束レンズに入るビームレットのより大きな位置合わせ調整をもたらすべく移動可能及び/又は調整可能となり得る。ミラーは、例えば、ミラー調整中にビームレットの主光線をレンズの光軸に平行又はほぼ平行のままにするために、屈折アライメント要素の1焦点距離前方に配置することができる。また、ミラーは、ビームスプリッタであってもよく又は反射信号を異なる偏光を有する信号素子に分割するための偏光光学素子であってもよい。分割されると、分割信号は、処理のために異なるアライメント装置及び別個のチャネルを介して導かれ得る。別個の偏光子を使用して、ビームレットを偏光信号に分割することもできる。
【0254】
集束レンズは、ビームレットの光を回折限界又はほぼ回折限界のスポットに集束させることができる。屈折アライメント要素は、光ファイバに対するビームレットの任意の更なる微細な位置ずれを補正するために使用されてもよい。屈折アライメント要素は、約20ミクロン、10ミクロン、5ミクロン、又はそれ未満の直径を有する光ファイバに向けてレンズから出るビームレットの位置合わせを可能にする屈折率、厚さ、及び/又は、動作範囲(例えば、幾何学的形状を変更する動き)を有することができる。幾つかの代表的な実施形態によれば、屈折アライメント要素特性(屈折率、厚さ、及び動作範囲を含む)は、屈折アライメント要素によって導入される収差が光ファイバ上に集束されるビームレットのサイズを集光レンズの回折限界よりも0%、1%、2%、5%、10%、20%又はそれ以上大きく増大させないように選択され得る。アライメント装置は、手持ち式装置内に収容することができる。
【0255】
ビームレットは偏光を含むことができる。光プローブは、1つ以上の偏光選択的光学素子(例えば、偏光フィルタ、偏光ビームスプリッタなど)を備えてもよい。1つ以上の偏光選択的光学素子は、検出されるビームレットが特定の偏光であるように、ビームレットの特定の偏光に対して選択され得る。
【0256】
システムは、屈折要素に動作可能に結合されたコントローラを備えることができる。コントローラは、光路を光ファイバと位置合わせするように屈折要素の調整を指示するべくプログラムされてもよい。調整は、ユーザの入力又は手動で実行することもできる。調整は、屈折要素に動作可能に結合されたアクチュエータによって実行されてもよい。アクチュエータは、本明細書の他の箇所に記載されているようなアクチュエータであってもよい。例えば、圧電モータは、石英の平板を保持する3軸光学マウントに取り付けることができ、圧電モータは、検出器の信号を最大化するようにプログラムされたアライメントアルゴリズムによって制御することができる。調整は、ユーザによって実行されてもよい。例えば、ユーザは、ガラスの平板を保持する3軸光学マウントに取り付けられたマイクロメータを調整し、許容レベルの信号が検出器上で読み出されるまでステージを移動させることができる。
【0257】
屈折要素は、平坦な窓、湾曲した窓、パターン化された表面を有する平坦な窓、パターン化された表面を有する湾曲した窓、フォトニック構造などであってもよい。屈折要素は、ガラス、石英、フッ化カルシウム、ゲルマニウム、バリウム、溶融シリカ、サファイア、シリコン、セレン化亜鉛、フッ化マグネシウム、プラスチックなどで構成することができる。屈折要素は、2より大きい屈折率を有することができる。
【0258】
屈折要素と相互作用した後のビームの点像分布関数は、検出器の分解能が約200,150,100、75、50、40、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5ミクロン未満、又はそれ未満になることを可能にするのに十分に小さくてもよい。屈折要素は、最大で約45、40、35、30、25、20、15、10、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.01度以下でビームを調整するように構成されてもよい。屈折要素は、ビームを少なくとも約0.01、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45度以上調整するように構成されてもよい。屈折要素を調整して調整量を変化させてもよい。例えば、屈折要素は60度の偏向に設定されたが、システムは位置合わせから外れてしまった。この例では、屈折要素を調整して15度の調整をもたらし、システムを位置合わせに戻すことができる。
【0259】
屈折要素は、約100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、4、3、2、1、0.5、0.1平方インチ以下のフットプリントを有することができる。屈折要素及び関連するハウジングは、約100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、4、3、2、1、0.5、0.1平方インチ以下のフットプリントを有することができる。屈折要素は、少なくとも約0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90,100平方インチ以上のフットプリントを有することができる。屈折要素及び関連するハウジングは、少なくとも約0.1、0.5、1、2、3、4、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90,100平方インチ以上のフットプリントを有することができる。
【0260】
本発明の好ましい実施形態について図示して本明細書中で説明してきたが、当業者に明らかなように、そのような実施形態は単なる一例として与えられる。本発明が、明細書中で提供される特定の例によって限定されることは意図されていない。前述の明細書を参照して本発明を説明してきたが、本明細書の実施形態の説明及び例示は、限定的な意味で解釈されることを意図していない。この時点では、本発明から逸脱することなく、数多くの変形、変更、及び、置換が当業者に想起される。更に、本発明の全ての態様は、様々な条件及び変数に依存する、本明細書中に記載された特定の描写、形態、又は、相対的比率に限定されないことが理解されるものとする。本明細書中に記載される本発明の実施形態に対する様々な代替案が、本発明を実施する際に使用されてもよいことが理解されるべきである。したがって、本発明は、そのような代替、修正、変形、又は、同等物も網羅するものとすることが企図される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、それにより、これらの特許請求の範囲内の方法及び構造並びにそれらの均等物が網羅されることが意図される。
【0261】
本開示の更なる態様
1.被検体の組織の深度プロファイルを生成するための方法であって、
(a)光源からの励起光ビームを前記組織の表面に伝送するために光プローブを使用するステップであって、前記励起光ビームのパルスが、前記組織に接触する際に、前記組織の固有の特性を示す信号をもたらし、前記光プローブが、前記励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整する1つ以上の集束ユニットを備える、ステップと、
(b)前記信号の少なくともサブセットを検出するステップと、
(c)前記組織の前記深度プロファイルを生成するために、(b)で検出された前記信号の前記少なくとも前記サブセットを処理するようにプログラムされる1つ以上のコンピュータプロセッサを使用するステップと、
を含む方法。
【0262】
2.前記励起光ビームがパルス光ビームである、態様1に記載の方法。
【0263】
3.前記励起光ビームが単一の光ビームである、態様1に記載の方法。
【0264】
4.前記単一の光ビームがパルス光ビームである、態様3に記載の方法。
【0265】
5.前記励起光ビームが複数の光ビームを備える、態様1に記載の方法。
【0266】
6.(b)は、前記信号の複数のサブセットを同時に検出するステップを含む、態様1に記載の方法。
【0267】
7.前記信号の前記複数のサブセットを処理して複数の深度プロファイルを生成するステップを更に含み、前記複数の深度プロファイルは、前記信号を検出するときのプローブ位置に対応する、態様1に記載の方法。
【0268】
8.前記複数の深度プロファイルが同じ走査経路に対応する、態様7に記載の方法。
【0269】
9.前記走査経路が傾斜走査経路を備える、態様8に記載の方法。
【0270】
10.前記複数の深度プロファイルのそれぞれに関して少なくとも1つの別個の色を割り当てるステップを更に含む、態様7に記載の方法。
【0271】
11.前記複数の深度プロファイルからのデータの少なくともサブセットを組み合わせて複合深度プロファイルを形成するステップを更に含む、態様7に記載の方法。
【0272】
12.前記複合深度プロファイルから導出される合成画像をディスプレイスクリーン上に表示するステップを更に含む、態様7に記載の方法。
【0273】
13.前記合成画像が多色画像である、態様12に記載の方法。
【0274】
14.前記多色画像の色成分は、時間的及び位置的に同期される信号のサブセットを使用する複数の深度プロファイルに対応する、態様13に記載の方法。
【0275】
15.前記複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える、態様13に記載の方法。
【0276】
16.前記深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備え、前記複数のサブセット深度プロファイルは、処理されて生成された信号からの光学データを備える、態様13に記載の方法。
【0277】
17.前記複数の深度プロファイルが第1の深度プロファイル及び第2の深度プロファイルを備える、態様7に記載の方法。
【0278】
18.前記第1の深度プロファイルは、前記第2の深度プロファイルに具備される信号から生成されるデータとは異なる信号から処理されるデータを備える、態様17に記載の方法。
【0279】
19.前記第1の深度プロファイル及び前記第2の深度プロファイルは、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから独立して選択される1つ以上の処理された信号を備える、態様17に記載の方法。
【0280】
20.前記複数の深度プロファイルは、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される信号から処理されたデータを備える第3の深度プロファイルを備える、態様17に記載の方法。
【0281】
21.前記深度プロファイルは、前記信号の複数のサブセットから形成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを備える、態様1に記載の方法。
【0282】
22.前記深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される画像の複数のサブセットから形成される複数の層を備える、態様1に記載の方法。
【0283】
23.複数の深度プロファイルを生成するステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0284】
24.前記複数の深度プロファイルのそれぞれが異なるプローブ位置に対応する、態様23に記載の方法。
【0285】
25.前記複数の深度プロファイルは、前記信号を検出する際の異なる走査パターンに対応する、態様23に記載の方法。
【0286】
26.前記異なる走査パターンが同じ時間及びプローブ位置に対応する、態様25に記載の方法。
【0287】
27.前記異なる走査パターンのうちの少なくとも1つの走査パターンが傾斜走査パターンを備える、態様25に記載の方法。
【0288】
28.前記傾斜走査パターンが傾斜面を形成する、態様27に記載の方法。
【0289】
29.前記組織が生体内組織を備える、態様1に記載の方法。
【0290】
30.(c)は、生体内深度プロファイルを生成するステップを含む、態様29に記載の方法。
【0291】
31.前記深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルである、態様1に記載の方法。
【0292】
32.前記注釈は、単語及びマーキングから成るグループから選択される少なくとも1つの注釈を備える、態様31に記載の方法。
【0293】
33.前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える、態様1に記載の方法。
【0294】
34.前記多光子蛍光信号が複数の多光子蛍光信号を備える、態様33に記載の方法。
【0295】
35.前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える、態様33に記載の方法。
【0296】
36.前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える、態様35に記載の方法。
【0297】
37.前記信号は、第三高調波発生信号、コヒーレント反ストークスラマン散乱信号、誘導ラマン散乱信号、及び、蛍光寿命撮像信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を更に備える、態様33に記載の方法。
【0298】
38.前記信号は、前記組織内の同じ時間及び位置で生成される、態様1に記載の方法。
【0299】
39.(a)の前に、前記被検体の前記組織を前記光プローブと接触させるステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0300】
40.走査経路に沿って前記励起光ビームの前記焦点の前記深度及び前記位置を調整するステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0301】
41.前記走査経路が傾斜走査経路である、態様40に記載の方法。
【0302】
42.前記傾斜走査経路は、前記光プローブの光軸に対して傾けられる方向に沿って位置される傾斜面を形成する、態様41に記載の方法。
【0303】
43.前記傾斜面と前記光軸との間の角度は、0度よりも大きく90度未満である、態様42に記載の方法。
【0304】
44.(a)-(c)が造影剤を前記被検体に投与することなく行なわれる、態様1に記載の方法。
【0305】
45.前記励起光ビームが無偏光を備える、態様1に記載の方法。
【0306】
46.前記励起光ビームが偏光を備える、態様1に記載の方法。
【0307】
47.検出する前記ステップが周辺光の存在下で行なわれる、態様1に記載の方法。
【0308】
48.(a)は、前記被検体の前記組織を貫通することなく行なわれる、態様1に記載の方法。
【0309】
49.前記1つ以上のコンピュータプロセッサを用いて、前記深度プロファイルを使用して前記組織の特徴を特定するステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0310】
50.前記1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して前記組織中の疾病を特定するステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0311】
51.前記疾病が少なくとも約80%の精度で特定される、態様50に記載の方法。
【0312】
52.前記疾病が少なくとも約90%の精度で特定される、態様51に記載の方法。
【0313】
53.前記疾病が癌である、態様50に記載の方法。
【0314】
54.前記組織が前記被検体の皮膚であり、前記癌が皮膚癌である、態様53に記載の方法。
【0315】
55.前記深度プロファイルが少なくとも約0.8マイクロメートルの分解能を有する、態様1に記載の方法。
【0316】
56.前記深度プロファイルが少なくとも約4マイクロメートルの分解能を有する、態様55に記載の方法。
【0317】
57.前記深度プロファイルが少なくとも約10マイクロメートルの分解能を有する、態様56に記載の方法。
【0318】
58.前記励起光ビームのパワーを測定するステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0319】
59.前記励起光ビームの前記パワーをリアルタイムで監視するステップを更に含む、態様58に記載の方法。
【0320】
60.前記1つ以上のコンピュータプロセッサを使用して前記パワーに関して正規化し、それにより、正規化された深度プロファイルを生成するステップを更に含む、態様58に記載の方法。
【0321】
61.前記深度プロファイルから少なくとも部分的に生成される前記組織の投影断面画像を表示するステップを更に含む、態様1に記載の方法。
【0322】
62.画像の複数の層の合成を表示するステップを更に含む、態様61に記載の方法。
【0323】
63.前記複数の層のそれぞれは、複数の深度プロファイルのうちの対応する深度プロファイルによって生成される、態様62に記載の方法。
【0324】
64.被検体の組織の深度プロファイルを生成するためのシステムであって、
光源からの励起光ビームを前記組織の表面に伝送するように構成される光プローブであって、前記励起光ビームが、前記組織に接触する際に、前記組織の固有の特性を示す信号をもたらし、前記光プローブが、前記励起光ビームの焦点の深度及び位置を同時に調整するように構成される1つ以上の集束ユニットを備える、光プローブと、
前記信号の少なくともサブセットを検出するように構成される1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、前記1つ以上のコンピュータプロセッサが、前記組織の深度プロファイルを生成するために前記1つ以上のセンサによって検出される前記信号の前記少なくとも前記サブセットを処理するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【0325】
65.前記励起光ビームがパルス光ビームである、態様64に記載のシステム。
【0326】
66.前記パルス光ビームが単一の光ビームである、態様65に記載のシステム。
【0327】
67.前記1つ以上の集束ユニットは、z軸スキャナ及び微小電気機械システム(MEMS)ミラーを備える、態様64に記載のシステム。
【0328】
68.前記z軸スキャナが1つ以上のレンズを備える、態様67に記載のシステム。
【0329】
69.前記1つ以上のレンズのうちの少なくとも1つがアフォーカルレンズである、態様68に記載のシステム。
【0330】
70.前記z軸スキャナがアクチュエータを備える、態様67に記載のシステム。
【0331】
71.前記アクチュエータがボイスコイルを備える、態様70に記載のシステム。
【0332】
72.前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって制御される2つ以上のアクチュエータによって別々に作動される、態様70に記載のシステム。
【0333】
73.前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーの動きを同期させるようにプログラムされ或いはさもなければ構成される、態様72に記載のシステム。
【0334】
74.前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーの前記同期された動きは、傾斜角で1つ以上の焦点の同期された動きを与える、態様73に記載のシステム。
【0335】
75.前記信号は、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える、態様64に記載のシステム。
【0336】
76.前記多光子蛍光信号が複数の多光子蛍光信号を備える、態様75に記載のシステム。
【0337】
77.前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも2つの信号を備える、態様75に記載のシステム。
【0338】
78.前記信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える、態様77に記載のシステム。
【0339】
79.前記組織が上皮組織であり、前記深度プロファイルは、前記被検体の前記上皮組織における疾病の特定を容易にする、態様64に記載のシステム。
【0340】
80.前記励起光ビームの前記焦点の前記深度及び前記位置が走査経路に沿って調整される、態様64に記載のシステム。
【0341】
81.前記走査経路が傾斜走査経路である、態様80に記載のシステム。
【0342】
82.前記傾斜走査経路は、前記光プローブの光軸に対して傾けられる方向に沿って位置される傾斜面である、態様81に記載のシステム。
【0343】
83.前記傾斜面と前記光軸との間の角度が0度~90度である、態様82に記載のシステム。
【0344】
84.前記光源は、約200フェムト秒未満のパルス持続時間を伴う超高速パルスレーザを備える、態様64に記載のシステム。
【0345】
85.使用中、前記光プローブが前記組織の前記表面と接触している、態様64に記載のシステム。
【0346】
86.前記光プローブと前記組織の前記表面との間の変位を検出するセンサを更に備える、態様64に記載のシステム。
【0347】
87.前記光プローブは、前記信号の前記サブセットのうちの少なくとも1つを受信するように構成され、前記信号の前記サブセットのうちの前記少なくとも1つが少なくとも1つのRCM信号を備える、態様64に記載のシステム。
【0348】
88.前記光プローブは、前記信号の前記サブセットのうちの前記少なくとも1つを光ファイバ要素に送信するように構成される選択的光学素子を備える、態様87に記載のシステム。
【0349】
89.前記光プローブは、信号の前記サブセットの前記少なくとも1つを前記光ファイバ要素に集束させて位置合わせするように構成されるアライメント装置を備える、態様88に記載のシステム。
【0350】
90.前記アライメント装置は、集束レンズと、前記集束レンズと前記光ファイバ要素との間の調整可能な屈折要素とを備える、態様89に記載のシステム。
【0351】
91.前記集束レンズ及び前記光ファイバ要素は、前記調整可能な屈折要素に対して所定の位置にある、態様90に記載のシステム。
【0352】
92.前記調整可能な屈折要素が角度的に移動可能である、態様91に記載のシステム。
【0353】
93.前記調整可能な屈折要素が少なくとも1つの調整要素を更に備える、態様92に記載のシステム。
【0354】
94.可動ミラーを更に備え、集束レンズが可動ミラーと屈折要素との間に位置される、態様90に記載のシステム。
【0355】
95.ビームスプリッタと集束レンズとの間に位置される偏光選択的光学素子を更に備える、態様90に記載のシステム。
【0356】
96.前記選択的光学素子は、ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタ、ノッチフィルタ、ダイクロイックミラー、ロングパスフィルタ、ショートパスフィルタ、バンドパスフィルタ、及び、応答平坦化フィルタから成るグループから選択される光学フィルタを備える、態様88に記載のシステム。
【0357】
97.前記信号の前記少なくとも前記サブセットが偏光を備える、態様87に記載のシステム。
【0358】
98.前記光プローブは、前記偏光の偏向を選択する1つ以上の偏光選択的光学素子を備える、態様97に記載のシステム。
【0359】
99.前記信号の前記少なくとも前記サブセットは、前記偏光の偏向からのRCM信号を備える、態様98に記載のシステム。
【0360】
100.信号の前記少なくとも前記サブセットが無偏光を備える、態様87に記載のシステム。
【0361】
101.前記光プローブは、焦点から外れた光を排除するように構成される、態様87に記載のシステム。
【0362】
102.前記1つ以上のセンサが1つ以上のフォトセンサを備える、態様64に記載のシステム。
【0363】
103.前記被検体の前記組織における前記疾病の位置を示す境界の輪郭を描くためのマーキングツールを更に備える、態様64に記載のシステム。
【0364】
104.前記システムが携帯型システムである、態様64に記載のシステム。
【0365】
105.前記携帯型システムが50ポンド以下である、態様104に記載のシステム。
【0366】
106.前記光プローブは、ユーザの手と相互作用するように構成されるハウジングを備える、態様64に記載のシステム。
【0367】
107.前記ハウジングが該ハウジング内にセンサを更に備える、態様106に記載のシステム。
【0368】
108.前記センサは、前記光プローブを空間内に位置させるように構成される、態様107に記載のシステム。
【0369】
109.前記センサがイメージセンサであり、前記イメージセンサは、1つ以上の特徴を追跡することによって前記光プローブを空間内に位置させるように構成される、態様108に記載のシステム。
【0370】
110.前記1つ以上の特徴が前記被検体の前記組織の特徴を備える、態様109に記載のシステム。
【0371】
111.前記1つ以上の特徴は、前記光プローブが使用される空間の特徴を備える、態様109に記載のシステム。
【0372】
112.前記イメージセンサがビデオカメラである、態様109に記載のシステム。
【0373】
113.前記システムは、前記ハウジングに隣接するイメージセンサを更に備える、態様106に記載のシステム。
【0374】
114.前記イメージセンサが前記光プローブを空間内に位置させる、態様113に記載のシステム。
【0375】
115.前記1つ以上の特徴が前記被検体の前記組織の特徴を備える、態様114に記載のシステム。
【0376】
116.前記1つ以上の特徴は、前記光プローブが使用される空間の特徴を備える、態様113に記載のシステム。
【0377】
117.前記励起光ビームに光学的に結合される電力センサを更に備える、態様64に記載のシステム。
【0378】
118.前記深度プロファイルが少なくとも約0.8マイクロメートルの分解能を有する、態様64に記載のシステム。
【0379】
119.前記深度プロファイルが少なくとも約4マイクロメートルの分解能を有する、態様116に記載のシステム。
【0380】
120.前記深度プロファイルが少なくとも約10マイクロメートルの分解能を有する、態様119に記載のシステム。
【0381】
121.前記深度プロファイルが生体内深度プロファイルである、態様62に記載のシステム。
【0382】
122.前記深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルである、態様64に記載のシステム。
【0383】
123.前記深度プロファイルが複数の深度プロファイルを備える、態様64に記載のシステム。
【0384】
124.前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、組織の投影断面画像を表示するようにプログラムされる、態様64に記載のシステム。
【0385】
125.被検体の身体の組織を分析するための方法であって、
(a)前記被検体の前記身体の前記組織に光を方向付けるステップと、
(b)(a)で前記組織に方向付けられた前記光に応じて、前記被検体の前記身体の前記組織から複数の信号を受信するステップであって、前記複数の信号の少なくともサブセットが前記組織内からのものである、ステップと、
(c)前記複数の信号に対応するデータを、前記データを処理して前記被検体の前記身体の前記組織の分類を生成するトレーニングされた機械学習アルゴリズムに入力するステップと、
(d)ユーザの電子デバイスのユーザインタフェースで前記分類を出力するステップと、
を含む方法。
【0386】
126.前記データが少なくとも1つの深度プロファイルを備える、態様125に記載の方法。
【0387】
127.前記少なくとも1つの深度プロファイルが1つ以上の層を備える、態様126に記載の方法。
【0388】
128.前記1つ以上の層が時間的及び位置的に同期される、態様127に記載の方法。
【0389】
129.前記深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された1つ以上の深度プロファイルを備える、態様126に記載の方法。
【0390】
130.前記複数の信号が前記光によってほぼ同時に生成される、態様126に記載の方法。
【0391】
131.前記深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルを備える、態様126に記載の方法。
【0392】
132.前記深度プロファイルが生体内深度プロファイルを備える、態様126に記載の方法。
【0393】
133.前記トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、前記データが与えられる入力層、1つ以上の内層、及び、出力層を備える、態様126に記載の方法。
【0394】
134.前記入力層は、時間的及び位置的に同期される1つ以上の信号から処理されるデータを使用する複数の前記深度プロファイルを含む、態様133に記載の方法。
【0395】
135.前記深度プロファイルが前記光プローブを使用して生成される、態様134に記載の方法。
【0396】
136.前記深度プロファイルは、複数の前記信号のサブセットから生成される個々の成分、画像、又は、深度プロファイルを備える、態様134に記載の方法。
【0397】
137.前記深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される画像の複数のサブセットから生成される複数の層を備える、態様134に記載の方法。
【0398】
138.複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える、態様134に記載の方法。
【0399】
139.前記深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備える、態様134に記載の方法。
【0400】
140.前記分類は、健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される前記組織の特性に関連する前記被検体の前記組織の特徴を特定する、態様125に記載の方法。
【0401】
141.前記分類は、前記被検体を疾病を有すると特定する、態様125に記載の方法。
【0402】
142.前記疾病が癌である、態様141に記載の方法。
【0403】
143.前記組織が前記被検体の皮膚であり、前記癌が皮膚癌である、態様142に記載の方法。
【0404】
144.前記複数の信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループから選択される少なくとも1つの信号を備える、態様125に記載の方法。
【0405】
145.前記複数の信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号から成るグループより選択される少なくとも2つの信号を備える、態様144に記載の方法。
【0406】
146.前記複数の信号は、SHG信号、多光子蛍光信号、及び、RCM信号を備える、態様145に記載の方法。
【0407】
147.前記多光子蛍光信号が1つ以上の多光子蛍光信号を備える、態様144に記載の方法。
【0408】
148.(c)は、前記トレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用して前記複数の信号に対応する1つ以上の特徴を特定するステップを含む、態様144に記載の方法。
【0409】
149.前記トレーニングされた機械学習アルゴリズムがニューラルネットワークを備える、態様125に記載の方法。
【0410】
150.前記ニューラルネットワークは、データが与えられる入力層を備える、態様149に記載の方法。
【0411】
151.前記ニューラルネットワークが1つ以上の内層と出力層とを更に備える、態様150に記載の方法。
【0412】
152.前記入力層は、時間的及び位置的に同期された前記複数の信号の少なくともサブセットを使用して生成される複数の深度プロファイルを備える、態様150に記載の方法。
【0413】
153.前記複数の深度プロファイルのうちの少なくとも1つが前記光プローブを使用して生成され、前記光プローブが1つ以上の集束ユニットを備え、前記1つ以上の集束ユニットがz軸スキャナ及びMEMSミラーを備える、態様152に記載の方法。
【0414】
154.前記複数の深度プロファイルのうちの少なくとも1つは、前記複数の信号の複数のサブセットからの個々の成分を備える、態様152に記載の方法。
【0415】
155.前記複数の深度プロファイルのうちの少なくとも1つの深度プロファイルは、同じ位置及び時間から収集される光学データから生成される複数の層を備える、態様152に記載の方法。
【0416】
156.前記複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える、態様155に記載の方法。
【0417】
157.前記深度プロファイルが複数のサブセット深度プロファイルを備える、態様152に記載の方法。
【0418】
158.前記ニューラルネットワークが畳み込みニューラルネットワークを備える、態様149に記載の方法。
【0419】
159.前記データが前記光信号の照明パワーに関して制御される、態様125に記載の方法。
【0420】
160.前記被検体の医療データを受信するステップを更に含む、態様125に記載の方法。
【0421】
161.前記被検体の前記医療データは、前記被検体の身体状態、病歴、現在及び過去の職業、年齢、性別、人種、及び、国籍から成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様160に記載の方法。
【0422】
162.前記身体状態が前記被検体のバイタルサインを含む、態様161に記載の方法。
【0423】
163.前記医療データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様161に記載の方法。
【0424】
164.前記医療データがクラウドベースのデータベースにアップロードされる、態様161に記載の方法。
【0425】
165.前記データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様160に記載の方法。
【0426】
166.前記データがクラウドベースのデータベースにアップロードされる、態様160に記載の方法。
【0427】
167.前記データがローカルデバイスに保持される、態様160に記載の方法。
【0428】
168.前記データは、前記組織の重なり合う領域からとられた深度プロファイルを備える、態様125に記載の方法。
【0429】
169.被検体の身体の組織を分析するためのシステムであって、
(i)励起光ビームを前記被検体の前記身体の前記組織へ方向付け、(ii)(i)で組織へ方向付けられた前記励起光ビームに応じて前記被検体の前記身体の前記組織から複数の信号を受信するように構成される光プローブであって、前記複数の信号の少なくともサブセットが前記組織内からのものである、光プローブと、
前記光プローブに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、前記1つ以上のコンピュータプロセッサが、(i)前記複数の信号に対応するデータを受信し、(ii)前記データを処理して前記被検体の前記身体の前記組織の分類を生成するトレーニングされた機械学習アルゴリズムに前記データを入力し、及び、(iii)ユーザの電子デバイスのユーザインタフェースで前記分類を出力するように個別に又は集合的にプログラムされる、1つ以上のコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【0430】
170.前記励起光ビームがパルス光ビームである、態様169に記載のシステム。
【0431】
171.前記パルス光ビームが単一の光ビームである、態様170に記載のシステム。
【0432】
172.前記データが少なくとも1つの深度プロファイルを備える、態様169に記載のシステム。
【0433】
173.前記少なくとも1つの深度プロファイルが1つ以上の層を備える、態様172に記載のシステム。
【0434】
174.前記1つ以上の層が時間的及び位置的に同期される、態様173に記載のシステム。
【0435】
175.前記深度プロファイルは、時間的及び位置的に同期された1つ以上の深度プロファイルを備える、態様172に記載のシステム。
【0436】
176.前記深度プロファイルが注釈付き深度プロファイルを備える、態様172に記載のシステム。
【0437】
177.前記深度プロファイルが生体内深度プロファイルを備える、態様172に記載のシステム。
【0438】
178.前記トレーニングされた機械学習アルゴリズムは、前記データが与えられる入力層、1つ以上の内層、及び、出力層を備える、態様172に記載のシステム。
【0439】
179.前記入力層は、時間的及び位置的に同期される1つ以上の信号から処理されるデータを使用する複数の前記深度プロファイルを含む、態様178に記載のシステム。
【0440】
180.前記深度プロファイルが前記光プローブを使用して生成される、態様179に記載のシステム。
【0441】
181.前記光プローブが1つ以上の集束ユニットを備える、態様169に記載のシステム。
【0442】
182.前記1つ以上の集束ユニットがz軸スキャナ及び微小電気機械システム(MEMS)ミラーを備える、態様181に記載のシステム。
【0443】
183.前記z軸スキャナが1つ以上のレンズを備える、態様182に記載のシステム。
【0444】
184.前記1つ以上のレンズのうちの少なくとも1つがアフォーカルレンズである、態様183に記載のシステム。
【0445】
185.前記z軸スキャナがアクチュエータを備える、態様182に記載のシステム。
【0446】
186.前記アクチュエータがボイスコイルを備える、態様185に記載のシステム。
【0447】
187.前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーは、前記1つ以上のコンピュータプロセッサによって制御される2つ以上のアクチュエータによって別々に作動される、態様185に記載のシステム。
【0448】
188.前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーの動きを同期させるようにプログラムされ或いはさもなければ構成される、態様187に記載のシステム。
【0449】
189.前記z軸スキャナ及び前記MEMSミラーの前記同期された動きは、傾斜角で焦点の同期された動きを与える、態様188に記載のシステム。
【0450】
190.前記光プローブ及び前記1つ以上のコンピュータプロセッサが同じデバイス内にある、態様169に記載のシステム。
【0451】
191.前記デバイスがモバイルデバイスである、態様190に記載のシステム。
【0452】
192.前記光プローブがデバイスの一部であり、前記1つ以上のコンピュータプロセッサが前記デバイスとは別個である、態様169に記載のシステム。
【0453】
193.前記1つ以上のコンピュータプロセッサがコンピュータサーバの一部である、態様192に記載のシステム。
【0454】
194.前記1つ以上のコンピュータプロセッサが分散コンピュータインフラの一部である、態様192に記載のシステム。
【0455】
195.前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、前記被検体の医療データを受信するようにプログラムされる、態様169に記載のシステム。
【0456】
196.前記被検体の前記医療データは、前記被検体の身体状態、病歴、現在及び過去の職業、年齢、性別、人種、及び、国籍から成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様195に記載のシステム。
【0457】
197.前記身体状態が前記被検体のバイタルサインを備える、態様196に記載のシステム。
【0458】
198.前記医療データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様195に記載のシステム。
【0459】
199.前記データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様169に記載のシステム。
【0460】
200.被検体の組織内の特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するための方法であって、
(a)前記特徴を有するとして以前に又はその後に特定された被検体のトレーニング組織から信号を収集するステップと、
(b)前記信号を処理して、前記被検体の前記トレーニング組織の深度プロファイルに対応するデータを生成するステップと、
(c)(b)からの前記データを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングし、前記被検体の前記組織内の前記特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらすステップであって、前記組織が前記トレーニング組織に依存しない、ステップと、
を含む方法。
【0461】
201.前記特徴が疾病である、態様200に記載の方法。
【0462】
202.前記特徴は、前記組織の健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される前記組織の特性に対応する特徴である、態様200に記載の方法。
【0463】
203.前記データは、一貫した標識化及び一貫した特性を有するデータを備える、態様200に記載の方法。
【0464】
204.前記一貫した特性は、照度、コントラスト、色、サイズ、及び、品質から成るグループから選択される特性を備える、態様203に記載の方法。
【0465】
205.前記データが照度に関して正規化される、態様203に記載の方法。
【0466】
206.前記深度プロファイルが前記組織上の光プローブの異なる位置に対応する、態様203に記載の方法。
【0467】
207.(a)は、前記信号の少なくともサブセットを使用して1つ以上の深度プロファイルを生成するステップを含む、態様200に記載の方法。
【0468】
208.前記信号の前記少なくとも前記サブセットが時間的及び位置的に同期される、態様207に記載の方法。
【0469】
209.前記データが前記1つ以上の深度プロファイルに対応する、態様207に記載の方法。
【0470】
210.前記1つ以上の深度プロファイルのうちの少なくとも1つが複数の層を備える、態様207に記載の方法。
【0471】
211.前記複数の層は、同じ時間及び場所で収集される画像の複数のサブセットから生成される、態様210に記載の方法。
【0472】
212.前記複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える、態様210に記載の方法。
【0473】
213.前記1つ以上の深度プロファイルのそれぞれが複数のサブセット深度プロファイルを備える、態様207に記載の方法。
【0474】
214.前記複数のサブセット深度プロファイルのそれぞれを個別に使用して前記機械学習アルゴリズムをトレーニングするステップを更に含む、態様213に記載の方法。
【0475】
215.前記複数のサブセット深度プロファイルを使用して複合深度プロファイルを生成するステップを更に含む、態様213に記載の方法。
【0476】
216.前記複合深度プロファイルを使用して前記機械学習アルゴリズムをトレーニングするステップを更に含む、態様215に記載の方法。
【0477】
217.トレーニング組織の第1の領域から収集される信号の第1のセットと、前記トレーニング組織の第2の領域からの信号の第2のセットとを使用して、前記1つ以上の深度プロファイルを生成するステップを更に含む、態様207に記載の方法。
【0478】
218.前記トレーニング組織の前記第1の領域が前記トレーニング組織の前記第2の領域とは異なる、態様217に記載の方法。
【0479】
219.前記トレーニング組織の前記第1の領域が前記疾病を有する、態様217に記載の方法。
【0480】
220.前記信号が2つ以上の信号を備える、態様200に記載の方法。
【0481】
221.前記2つ以上の信号は、第二高調波発生(SHG)信号、多光子蛍光信号、及び、反射率共焦点顕微鏡法(RCM)信号から成るグループから選択される、態様220に記載の方法。
【0482】
222.前記2つ以上の信号は、前記組織の単一領域のほぼ同時の信号である、態様220に記載の方法。
【0483】
223.前記2つ以上の信号が処理されて合成画像を生成するために組み合わされる、態様220に記載の方法。
【0484】
224.被検体の組織における特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムを生成するためのシステムであって、
前記特徴を有するとして以前に又はその後に特定された被検体のトレーニング組織の深度プロファイルに対応するデータを備えるデータベースであって、前記深度プロファイルが前記トレーニング組織から収集される処理信号から生成される、データベースと、
前記データベースに動作可能に結合される1つ以上のコンピュータプロセッサであって、前記1つ以上のコンピュータプロセッサが、(i)前記データベースから前記データを検索し、(ii)前記データを使用して機械学習アルゴリズムをトレーニングして、前記被検体の前記組織内の前記特徴を特定するためのトレーニングされたアルゴリズムをコンピュータメモリにもたらすように個別に又は集合的にプログラムされ、前記組織が前記トレーニング組織に依存しない、1つ以上のコンピュータプロセッサと、
を備えるシステム。
【0485】
225.前記特徴が疾病である、態様224に記載のシステム。
【0486】
226.前記特徴は、健康、機能、治療、及び、外観から成るグループから選択される前記組織の特徴に対応する、態様224に記載のシステム。
【0487】
227.前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、1つ以上の深度プロファイルの光学データを受信するようにプログラムされる、態様224に記載のシステム。
【0488】
228.前記深度プロファイルは、前記トレーニング組織から収集される信号を使用して生成される、態様224に記載のシステム。
【0489】
229.前記信号が時間的及び位置的に同期される、態様228に記載のシステム。
【0490】
230.前記深度プロファイルが複数の層を備える、態様228に記載のシステム。
【0491】
231.前記複数の層は、同じ時間及び場所で収集される画像の複数のサブセットから生成される、態様230に記載のシステム。
【0492】
232.前記複数の層のそれぞれは、他の層の特徴とは異なる特徴を特定するデータを備える、態様230に記載のシステム。
【0493】
233.前記1つ以上のコンピュータプロセッサは、前記被検体の医療データを受信するようにプログラムされる、態様224に記載のシステム。
【0494】
234.前記医療データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、及び、関係データから成るグループから選択される少なくとも1つの医療データを備える、態様233に記載のシステム。
【0495】
235.前記データは、構造化データ、時系列データ、非構造化データ、関係データ、又は、それらの任意の組み合わせを備える、態様224に記載のシステム。
【0496】
236.光ビームを位置合わせするための方法であって、
(a)(i)レンズと光学的に連通する光ビームであって、前記レンズが屈折要素と光学的に連通する光ビームと、(ii)光ファイバと、(iii)前記光ファイバと光学的に連通する検出器とを用意するステップであって、前記屈折要素が、前記レンズと前記光ファイバとの間に位置される、ステップと、
(b)前記光路を前記光ファイバと位置合わせするように前記屈折要素を調整するステップであって、それにより、前記光路が前記光ファイバと位置合わせされる、ステップと、
を含む方法。
【0497】
237.前記屈折要素と相互作用した後のビームレットの点像分布関数が、前記検出器の分解能が1マイクロメートル未満となることができるようにするのに十分に小さい、態様236に記載の方法。
【0498】
238.前記位置を調整する前記ステップは、前記屈折要素に回転を適用するステップを含む、態様236に記載の方法。
【0499】
239.前記回転が最大で180°の回転である、態様238に記載の方法。
【0500】
240.前記回転が最大で二次元の回転である、態様238に記載の方法。
【0501】
241.前記回転が一次元の回転である、態様240に記載の方法。
【0502】
242.調整可能なミラーを用意するステップを更に含み、前記レンズが前記調整可能なミラーと前記調整可能な屈折要素との間に固定され、前記調整可能なミラーを調整することにより、前記調整可能な屈折要素を使用する前に前記光路が位置合わせされる、態様240に記載の方法。
【0503】
243.前記光ビームを用意する前記ステップは、被検体の組織との相互作用から生成された光信号を供給するステップを含む、態様240に記載の方法。
【0504】
244.前記組織が生体内皮膚組織である、態様243に記載の方法。
【0505】
245.光ビームを位置合わせするためのシステムであって、
光ビームを供給するように構成される光源と、
前記光源と光学的に連通する集束レンズと、
前記レンズと光学的に連通する調整可能な屈折要素と、
光ファイバと、
前記光ファイバと光学的に連通する検出器であって、前記調整可能な屈折要素が、前記集束レンズと前記光ファイバとの間に位置されると共に、前記集束レンズと前記光ファイバとの間の光路を位置合わせするように移動可能である、検出器と、
を備えるシステム。
【0506】
246.前記集束レンズ及び前記光ファイバが前記調整可能な屈折要素に対して固定される、態様245に記載のシステム。
【0507】
247.前記調整可能な屈折要素が斜めに移動可能である、態様245に記載のシステム。
【0508】
248.前記調整可能な屈折要素に結合される調整要素を更に備え、前記調整要素は、前記調整可能な屈折要素の位置を調整するように構成される、態様245に記載のシステム。
【0509】
249.前記調整要素は、前記調整可能な屈折要素を角度的に移動させる、態様248に記載のシステム。
【0510】
250.前記屈折要素に動作可能に結合されるコントローラを更に備え、前記コントローラは、前記光路を前記光ファイバと位置合わせするように前記屈折要素の調整を指示するべくプログラムされる、態様245に記載のシステム。
【0511】
251.前記調整がユーザの入力を伴うことなく行なわれる、態様250に記載のシステム。
【0512】
252.前記調整がユーザによって行なわれる、態様250に記載のシステム。
【0513】
253.前記光ファイバに向かって前記光路に沿って光を方向付けるように構成されるビームスプリッタを更に備える、態様245に記載のシステム。
【0514】
254.前記ビームスプリッタと前記集束レンズとの間に位置される可動ミラーを更に備える、態様253に記載のシステム。
【0515】
255.前記光路上に位置される偏光選択的光学素子を更に備える、態様253に記載のシステム。
【0516】
256.前記偏光選択的光学素子が前記ビームスプリッタと前記集束レンズとの間に位置される、態様255に記載のシステム。
【0517】
257.前記屈折要素が平坦な窓である、態様245に記載のシステム。
【0518】
258.前記屈折要素がガラス屈折要素である、態様245に記載のシステム。
【0519】
259.前記屈折要素と相互作用した後の光のビームレットの点像分布関数が、前記検出器の分解能が1マイクロメートル未満となることができるようにするのに十分に小さい、態様245に記載のシステム。
【0520】
260.前記屈折要素が1,000mm未満のフットプリントを有する、態様245に記載のシステム。
【0521】
261.前記屈折要素が最大で約10度の光のビームレットを調整するように構成される、態様245に記載のシステム。
【0522】
262.前記屈折要素は、前記レンズから出る光ビームの光ファイバに対する位置合わせを可能にする特性を有する、態様245に記載のシステム。
【0523】
263.前記直径が約20ミクロン未満である、態様262に記載のシステム。
【0524】
264.前記直径が約10ミクロン未満である、態様263に記載のシステム。
【0525】
265.前記光ファイバが約5ミクロン未満の直径を有する、態様264に記載のシステム。
【0526】
266.前記特性は、屈折率、厚さ、及び、動作範囲から成るグループから選択される少なくとも1つの特性である、態様262に記載のシステム。
【0527】
267.前記屈折要素によって導入される収差が前記集束レンズの回折限界の20%未満である、態様245に記載のシステム。
【0528】
268.前記収差が前記回折限界の10%未満である、態様267に記載のシステム。
【0529】
269.前記収差が前記回折限界の5%未満である、態様268に記載のシステム。
【0530】
270.前記収差が前記回折限界の2%未満である、態様269に記載のシステム。
【0531】
271.前記収差が前記回折限界の1%未満である、態様270に記載のシステム。
【0532】
272.光ビームを位置合わせするための方法であって、
a.(i)ビームスプリッタと光学的に連通する光ビームであって、前記ビームスプリッタがレンズと光学的に連通し、前記レンズが屈折要素と光学的に連通する、光ビームと、(ii)光ファイバと、(iii)前記光ファイバと光学的に連通する検出器であって、前記屈折要素からの光路が前記光ファイバに対して位置ずれしている、検出器と、を用意するステップと、
b.前記光路を前記光ファイバと位置合わせするように前記屈折要素を調整するステップと、
c.前記光ビームをビームレットに分割する前記ビームスプリッタへ前記光ビームを方向付けるステップであって、前記ビームレットは、前記検出器が前記ビームレットを検出するように、前記ビームレットを前記光路に沿って前記光ファイバに方向付ける前記屈折要素へ前記レンズを通じて方向付けられる、ステップと、
を含む方法。
【0533】
273.光ビームを位置合わせするためのシステムであって、
光ビームを供給するように構成される光源と、
前記光源と光学的に連通するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタと光学的に連通するレンズと、
前記レンズと光学的に連通する屈折要素と、
光ファイバと、
前記光ファイバと光学的に連通する検出器であって、前記屈折要素からの光路が前記光ファイバに対して位置ずれしている、検出器と、
を備え、
前記屈折要素は、前記光路を前記光ファイバと位置合わせするように調整可能であり、それにより、前記光路が前記光ファイバと位置合わせされると、前記光ビームは、前記光ビームをビームレットに分割する前記ビームスプリッタへ前記光源から方向付けられ、前記ビームレットは、前記検出器が前記ビームレットを検出するように、前記ビームレットを前記光路に沿って前記光ファイバに方向付ける前記屈折要素へ前記レンズを通じて方向付けられる、システム。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8
図9A
図9B
図9C
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14A
図14B
【国際調査報告】