(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】バダフライバルブ
(51)【国際特許分類】
F16K 1/226 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
F16K1/226 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525762
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2019117923
(87)【国際公開番号】W WO2020098681
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】201811353347.9
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516190770
【氏名又は名称】上海箱箱智能科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HOREN CORTP Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】28th Floor, Building A, NO.1520 Gumei Road, Caohejing High-Tech Park, Xuhui District, Shanghai, 200233, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】房 政偉
【テーマコード(参考)】
3H052
【Fターム(参考)】
3H052AA02
3H052BA02
3H052CA23
(57)【要約】
バダフライバルブ(100)は、弁体(101)と、内側バルブシート(104)と、バルブコア(103)と、バルブロッド(102)と、少なくとも1つの位置決めリング(106,107)とを備える。弁体(101)は、入口端(114)と、出口端(113)と、入口端(114)及び出口端(113)を連通する軸方向通路とを有する。弁体(101)には、入口端(114)と出口端(113)との間に径方向に沿うバルブロッド取付孔(1016,1017)が設けられている。弁体(101)の内部には、バルブロッド取付孔(1016,1017)に対応する位置にバルブシート取付部が設けられている。バルブシート取付部には内側バルブシート(104)が固定し取り付けられ、内側バルブシート(104)は筒状部材であり、その側壁にバルブロッド取付孔(1016,1017)に対応する径方向貫通孔(1043,1044)が設けられている。バルブコア(103)は板状部材であり、内側バルブシート(104)内に取り付けられ、板状部材の内部に径方向に沿う貫通孔(1032)が設けられている。バルブロッド(102)は、バルブロッド取付孔(1016,1017)、内側バルブシート(104)の貫通孔(1043,1044)及びバルブコア(103)の貫通孔(1032)を順次通し、位置決めリング(106,107)は、弁体(101)の内部に、内側バルブシート(104)の軸方向側面に取り付けられ、内側バルブシート(104)と密封接続を形成する。このバタフライバルブ(100)のシール性が良い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口端と、出口端と、前記入口端と前記出口端とを連通する軸方向通路とを有し、前記入口端と前記出口端との間に径方向に沿うバルブロッド取付孔が設けられ、内部に前記バルブロッド取付孔に対応する位置にバルブシート取付部が設けられている弁体、
前記バルブシート取付部に固定し取り付けられ、筒状部材であって且つ側壁に前記バルブロッド取付孔に対応する径方向貫通孔が設けられた内側バルブシートと、
板状部材であって前記内側バルブシート内に取り付けられ、前記板状部材の内部に径方向に沿う貫通孔が設けられているバルブコアと、
前記バルブロッド取付孔、前記内側バルブシートの貫通孔、及び前記バルブコアの貫通孔を順に通すバルブロッドと、
前記弁体の内部に前記内側バルブシートの軸方向側面に取り付けられ、前記内側バルブシートと密封接続を形成する少なくとも1つの位置決めリングとを備えることを特徴とするバダフライバルブ。
【請求項2】
前記内側バルブシートと前記弁体との間に密封接続が形成されることを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項3】
前記位置決めリングは、前記弁体と前記内側バルブシートとが前記位置決めリングの作用で密封接続が形成されるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項4】
前記位置決めリングは、前記内側バルブシートにスクイーズ作用を生じさせるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項5】
前記弁体内にシール面が設けられ、前記内側バルブシートに前記弁体のシール面に協力するシールリブが設けられ、前記内側バルブシートにシール面が設けられ、前記位置決めリングに前記内側バルブシートのシール面に協力するシールリブが設けられたことを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項6】
前記位置決めリングの外周面に吊り台が設けられ、前記弁体の内部に前記吊り台に協力するバックバックルが設けられることを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項7】
前記バタフライバルブには、前記内側バルブシートの前側及び後側にそれぞれ密封接続される2つの位置決めリングが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項8】
前記弁体は円筒状であり、且つ前部セグメント、中部セグメント及び後部セグメントを有し、前記中間部セグメントの内部通路の内径が前記前部セグメント及び前記後部セグメントの内部通路の内径よりも小さく、前記中部セグメントの内部通路と前記前部セグメントの内部通路及び前記後部セグメントの内部通路との間に、それぞれ肩部からなるシール面を有することを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項9】
前記弁体内にはシール面が設けられ、前記内側バルブシートの軸方向両側のいずれにも、前記位置決めリングが設けられ、前記内側バルブシートは円筒状であり、且つ後側端と前側端とを有し、前記後側端と前記前側端とのいずれにも、径方向外方に突出するフランジが設けられ、各前記フランジの一側の環状面と前記弁体のシール面とは、密封接触を形成し、前記フランジの他側と前記位置決めリングのシール面とは、密封接触を形成することを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【請求項10】
前記フランジにおける前記弁体と密封接触を形成する側の環状面にシールリブが設けられ、前記位置決めリングの前記フランジに対向するシール面にシールリブが設けられることを特徴とする請求項9に記載のバダフライバルブ。
【請求項11】
前記バルブロッドの内部にバルブロッドの軸方向に延びる金属ピンが挿入されることを特徴とする請求項1に記載のバダフライバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本出願は2018年11月14日に提出された、出願番号201811353347.9、発明名称が「バダフライバルブ」である中国特許出願の優先権を主張しており、上記出願の全文は引用により本文に含まれる。
【0002】
本発明は、バルブに関し、具体的にはバタフライバルブに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のバタフライバルブの開放方式は、バルブコアの中間回転軸を回転させ、バルブコアの両側を回転させて開放するものであり、シール性は通常劣る。特に、バタフライバルブが主にプラスチックで製作される場合には、高温殺菌した後、シール性がより悪くなる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、シール性の良好なバタフライバルブを提供することにある。
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明は、バタフライバルブを提供する。前記バタフライバルブは、
入口端と、出口端と、前記入口端と前記出口端とを連通する軸方向通路とを有し、前記入口端と前記出口端との間に径方向に沿うバルブロッド取付孔が設けられ、内部には前記バルブロッド取付孔に対応する位置にバルブシート取付部が設けられている弁体と、
前記バルブシート取付部に固定し取り付けられ、筒状部材であって、且つ側壁に前記バルブロッド取付孔に対応する径方向貫通孔が設けられた内側バルブシートと、
板状部材であって、前記内側バルブシート内に取り付けられ、前記板状部材の内部に径方向に沿う貫通孔が設けられているバルブコアと、
前記バルブロッド取付孔、前記内側バルブシートの貫通孔、及び前記バルブコアの貫通孔を順に通すバルブロッドと、
前記弁体の内部に前記内側バルブシートの軸方向側面に取り付けられ、前記内側バルブシートと密封接続が形成される少なくとも1つの位置決めリングと、を備える。
【0006】
一実施例において、前記位置決めリングは、前記弁体と前記内側バルブシートとが前記位置決めリングの作用で密封接続が形成されるように配置されている。
【0007】
一実施例において、前記位置決めリングは、前記内側バルブシートにスクイーズ作用を生じさせるように配置されている。
【0008】
一実施例において、前記内側バルブシートと前記弁体との間に密封接続が形成される。
【0009】
一実施例において、前記弁体内にシール面が設けられ、前記内側バルブシートに前記弁体のシール面に協力するシールリブが設けられ、前記内側バルブシートにシール面が設けられ、前記位置決めリングに前記内側バルブシートのシール面に協力するシールリブが設けられている。
【0010】
一実施例において、前記位置決めリングの外周面に吊り台が設けられ、前記弁体の内部に前記吊り台に協力するバックバックルが設けられる。
【0011】
一実施例において、前記バタフライバルブには、前記内側バルブシートの前側及び後側にそれぞれ密封接続された2つの位置決めリングが設けられている。
【0012】
一実施例において、前記弁体は円筒状であり、且つ前部セグメント、中部セグメント及び後部セグメントを有し、前記中間部セグメントの内部通路の内径が前記前部セグメント及び前記後部セグメントの内部通路の内径よりも小さく、前記中部セグメントの内部通路と前記前部セグメントの内部通路及び前記後部セグメントの内部通路との間に、それぞれ肩部からなるシール面を有する。
【0013】
一実施例において、前記弁体内にはシール面が設けられ、前記内側バルブシートの軸方向両側のいずれにも前記位置決めリングが設けられ、前記内側バルブシートは円筒状であり、且つ後側端と前側端とを有し、前記後側端と前記前側端とのいずれにも、径方向外方に突出するフランジが設けられ、各前記フランジの一側の環状面と前記弁体のシール面とは、密封接触を形成し、前記フランジの他側と前記位置決めリングのシール面とは、密封接触を形成する。
【0014】
一実施例において、前記フランジにおける前記弁体と密封接触を形成する側の環状面にシールリブが設けられ、前記位置決めリングの前記フランジに対向するシール面にシールリブが設けられる。
【0015】
一実施例において、前記バルブロッドの内部にバルブロッドの軸方向に延びる金属ピンが挿入されている。
【0016】
一実施例において、前記バルブは、前記位置決めリングに当接して取り付けられた外側バルブシートをさらに備えている。
【0017】
一実施例において、前記弁体、前記内側バルブシート、前記バルブコア及び前記位置決めリングはいずれもプラスチックからなる。
【0018】
本発明の有益な効果は、トランスミッションの部品が少なく、製造工程が良く、構造が簡単で、空間利用率が高いため、バルブを最小限にすることができることである。開放トルクが小さく、密封性能が良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るバタフライバルブの分解概略図である。
【
図2】本発明に係るバタフライバルブの軸方向断面図である。
【
図3(a)】本発明に係るバタフライバルブの前側位置決めリングの斜視図である。
【
図3(b)】本発明に係るバタフライバルブの後側位置決めリングの斜視図である。
【
図4(a)】本発明に係るバタフライバルブの弁体を前側から見た斜視図である。
【
図4(b)】本発明に係るバタフライバルブの弁体を後側から見た斜視図である。
【
図5(a)】本発明に係るバタフライバルブの位置決めロッド及びハンドルの斜視図である。
【
図5(b)】位置決めロッド内の金属ピンの斜視図である。
【
図5(c)】位置決めロッド内の位置決めロッドの縦断面図である。
【
図6(a)】本発明に係るバタフライバルブのバルブコアの斜視図である。
【
図6(b)】本発明に係るバタフライバルブのバルブコアの軸方向断面図である。
【
図7(a)】本発明に係るバタフライバルブのバルブシートを後側から見た斜視図である。
【
図7(b)】本発明に係るバタフライバルブのバルブシートの軸方向断面図である。
【
図8(a)】本発明に係るバタフライバルブの弁体、前側位置決めリング、後側位置決めリング、及び内側バルブシートの分解斜視図である。
【
図8(b)】本発明に係るバタフライバルブの弁体、前側位置決めリング、後側位置決めリング、及び内側バルブシートの軸方向断面図である。
【
図9(a)】本発明に係るバタフライバルブの弁体、前側位置決めリング、後側位置決めリング、及び外側バルブシートの組立斜視図である。
【
図9(b)】本発明に係るバタフライバルブの弁体、前側位置決めリング、後側位置決めリング、及び外側バルブシートの組立軸方向断面図である。
【
図10】本発明に係るバタフライバルブが開いている状態で前側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の目的、特徴および利点をよりよく理解するために、図面を参照して本発明の好適な実施例について詳細に説明する。図面に示される実施例は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の技術方案の本質的な精神を説明することを理解するべきである。
【0021】
以下の説明では、開示されたさ各実施例を説明する目的から、開示された各実施例を完全に理解するために、何らかの具体的な詳細を記載する。但し、当業者は実施例がこれらの具体的な詳細のうちの1つまたは複数なしに実施されてもよいことを認識するべきである。他の場合では、実施例の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、本出願に関連する周知のデバイス、構造、および技術は詳細に示されないか、または記載されない可能性がある。
【0022】
文脈で特に必要とされない限り、明細書および請求の範囲を通して、「備える」という言葉とそのバリエーション、例えば「含む」や「有する」などの用語は、オープンで包括的な意味と理解するべきであり、すなわち、「含むが、これらに限定されない」と解釈されるべきである。
【0023】
明細書全体にわたる「一つ実施例」または「一実施形態」への言及は、実施例に説明される特定の特点、構造、または特徴が少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。そのため、明細書全体の各箇所での「一つの実施例では」または「一実施形態では」の表現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指しているわけではない。また、特定の特点、構造、または特徴が1つまたは複数の実施例で任意の方法で組み合わせることができる。
【0024】
本明細書および添付の請求の範囲で使用されるように、単数形「一」および「前記」は、文脈がそうでないことを明確に記載しない限り、複数の指示対象も含む。「または」という用語は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、「および/或いは」を含む意味で一般的に使用されることである。
【0025】
以下の記載では、本発明の構成及び動作形態を明確に示すために、多くの方向性の語を用いて説明するが、「前」、「後」は,それぞれ
図1および
図2の左方向、右方向を指し、「外」、「内」、「外を向く」、「内を向く」、「上」、「下」などの語は、限定的な語ではなく、便宜上の語として理解されるべきである。
【0026】
まず、図面を参照しながら、本発明に係るバタフライバルブ100について具体的に説明する。このバタフライバルブ100は、容器の出口に一般的に使用され、一般的にプラスチック材料で作られる。以下、
図1および
図2に示すバタフライバルブ100は、
図1に示すように、弁体101、バルブロッド102、バルブコア103、内側バルブシート104、外側バルブシート105、前側位置決めリング106、後側位置決めリング107、およびハンドル108を備える。
図2を参照すると、弁体101内に内側バルブシート104が取り付けられ、内側バルブシート104内にバルブコア103が取り付けられ、内側バルブシート104の前側および後側にそれぞれ前側位置決めリング106および後側位置決めリング107が位置している。前側位置決めリング106のみ、又は後側位置決めリング107のみが、本発明の範囲から逸脱することなく設けられてもよいことが理解されるべきである。ここで、位置決めリング106と位置決めリング107は、弁体101とは独立した部品である。交換が容易であるため、或いはより適切な材料を採用して製造する。弁体101内に位置決めリング106(位置決めリング106があれば)の前側に外側バルブシート105が設けられる。弁体101の前側にバルブカバー111が設けられる。弁体101の後側にはフランジ110が取り付けられている。フランジシールリング109は、弁体101とフランジ110との間に配置される。バルブカバー111の前側には、盗難防止ロック112が取り付けられてもいい。
【0027】
具体的には、
図8(a)および
図8(b)を参照すると、弁体101は、ほぼ円筒状の一体構造を呈し、出口端113および入口端114と、出口端113および入口端114を連通する軸方向通路とを有する。弁体101は、互いに連続して接続された前部セグメント1011、中部セグメント1012および後部セグメント1013を含む。前部セグメント1011、中部セグメント1012及び後部セグメント1013は、いずれも略円筒状であり、対応する内部通路を有しており、共通して弁体101の内部通路を形成している。中部セグメント1012は、内側バルブシート104を収容するためのバルブシート取付部を形成する。
【0028】
図示された実施形態では、中部セグメント1012の内部通路の内径は、前部セグメント1011の内部通路の内径よりも小さく、且つ後部セグメント1013の内部通路の内径よりも小さい。中部セグメント1012の内部通路と前部セグメント1011の内部通路及び後部セグメント1013の内部通路との間には、それぞれ肩部からなるシール面1014a及び1014bが形成されている。シール面1014a及び1014bは、それぞれ前側及び後側を向いたトーラス面である。
【0029】
また、前部セグメント1011及び後部セグメント1013の内部通路の内面にバックバックル1015が設けられることにより、前部セグメント1011の内部通路に前側から前側位置決めリング106を装着したとき及び/又は後部セグメント1013の内部通路に後側から後側位置決めリング107を装着したときに、前側位置決めリング106及び/又は後側位置決めリング107が内部通路から外れるのを防止する。バックバックル1015は、例えば、前部セグメント1011内に方向が後方に向いている周方向突条及び後部セグメント1013内に方向が前方に向いている周方向突条の態様を呈す。示された実施例では、前部セグメント1011および後部セグメント1013内には、それぞれ、周方向に間隔を置いて配置された4つのバックバックル1015が設けられている。もちろん、前側位置決めリング106および後側位置決めリング107が弁体101から抜かれるときに抵抗が加えられる限り、他の数、形態および配置が採用されてもよい。
【0030】
前部セグメント1011及び後部セグメント1013の外周面には、バルブカバー111及びフランジ110と整合するための連結構造がそれぞれ設けられている。図示された実施例では、前記接続構造は雄ねじであるが、例えば噛合突起や噛合溝などの他の既知の接続構造でもよいことが理解されるべきである。
【0031】
図1、
図4(a)~
図4(b)、および
図8(a)~
図8(b)を参照すると、中部セグメント1012の周方向壁には、バルブロッド102が挿入するための径方向貫通孔1016が設けられている。これに対応して、径方向貫通孔1016と直径に対向する位置には、径方向壁内に位置するシンク孔1017が設けられており、このシンク孔1017にバルブロッド102が挿入されたときに、このシンク孔1017はバルブロッド1017の末端部を収容するためのものである。
【0032】
図7(a)~
図7(b)を参照すると、内側バルブシート104は略円筒状であり、且つ2つの軸方向端、すなわち後側端と前側端とを有している。内側バルブシート104の周方向壁には、バルブロッド102が挿通するための、直径に対向する2つの貫通孔1043、1044が設けられている。内側バルブシート104の後側端及び前側端には、それぞれ径方向外方に突出するフランジ1041、1042が設けられている。フランジ1041の前方(図に下向き)を向いた環状面1041aは弁体101のシール面1014bと密封接触を形成するためのものであり、後方(図に上向き)を向いた環状面1041bは、後側位置決めリング107のシール面1071(以下参照)と密封接触を形成するためのものである。フランジ1042の後方(図に上向き)を向いた環状面1042aは、弁体101のシール面1014aと密封接触を形成するためのものであり、前方(図に下向き)を向いた環状面1042bは、前側位置決めリング106のシール面1061と密封接触を形成するためのものである。互いに密封接触を形成する各対の面、環状面1041a及びシール面1014b、環状面1041b及びシール面1071、環状面1042a及びシール面1014a、環状面1042b及びシール面1061のうちの少なくとも一方の面にシールリブ115が設けられてもよい。図示の実施例では、環状面1041aおよび環状面1042a、ならびにシール面1061およびシール面1071にシールリブ115が設けられている。シールリブ115と対応する環状面またはシール面との間の受圧接触は、良好なシールを形成することができる。
【0033】
また、内側バルブシート104の内周面1045には、さらに周方向シールリブ1046が設けられている。貫通孔1042、1043の円の中心は、周方向シールリブ1046が位置する円上に位置している。この周方向シールリブ1046は、
図7(a)に示すように、内側バルブシート104の内周面1045において2つの貫通孔1042、1043の全外周を囲んで延在している。周方向シールリブ1046とバルブコア103のバルブコアシール面1031a(後述)との受圧当接により良好なシール効果が得られる。
【0034】
好ましくは、内側バルブシート104の弁体101への取り付けを容易にするために、内側バルブシート104のフランジ1041及び1042を一方(図ではフランジ1042)の外径が小さくなるように設定し、外径の小さい方のフランジを先に弁体101のバルブシート取り付け部に通させることによって、内側バルブシート104を取り付けてもよい。
【0035】
好ましくは、バルブコア103の組付けを容易にするために、周方向シールリブ1046の前側及び後側に位置する内側バルブシート104の内周面を、両端に向かって内径がわずかに拡大するテーパ状にしてもよい。
【0036】
図6(a)、6(b)を参照すると、バルブコア103は略円板状であり、円板の外周には略円筒状のバルブ縁1031が設けられており、このバルブ縁1031の外周面がバルブコアシール面1031aとして機能する。また、バルブロッド取付孔1032として、バルブコア103内に径方向に直径を通す貫通孔が設けられる。バルブコア103を軽量化するためには、バルブコア103の円板部を相対的に薄くし、バルブロッド取付孔1032が設けられている部分を相対的に厚くすることで、相対的に大きい内部サイズのバルブロッド取付孔1032を形成することができる。好ましくは、このバルブロッド取付孔1032の内周面にバルブコアバンプ1034が取り付けられる。図示された実施例では、互いに対向する一対のバルブコアバンプ1034が設けられているが、必要に応じて他の適切な位置に適切な数のバルブコアバンプ1034を設けることができることが理解されるべきである。
【0037】
図示のこの実施例では、このバルブコアシール面1031aは、内周面1045におけるシールリブ1046により、内側バルブシート104の内周面1045と密封接触を形成することができる。ただし、シールリブは、バルブコアシール面1031aに設けられ、内周面1045ではなく、バルブロッド取付孔1032の外周を囲むように設けられていてもよいことを理解すべきである。
【0038】
バルブロッド取付孔1032は、バルブロッド102を収容するためのものである。
図5(a)にバルブロッド102の斜視図を示す。バルブロッド102は、バルブロッド本体1021を備える。このバルブロッド本体1021の断面形状は、バルブロッド取付孔1032の断面形状と相補的である。ただし、この断面形状は、バルブロッド102がバルブロッド取付孔1032内で回動できないように非円形であることによって、バルブロッド102の回動によりバルブコア103を回動させることができることを理解すべきである。図示の実施例では、バルブロッド本体1021の断面は略矩形である。且つ、バルブロッド本体1021の外周面には、バルブロッド制限凹所1022が設けられている。ここで、制限凹所1022とバルブコアバンプ1034の形状は略相補的であり、制限凹所1022の位置及び数はバルブコアバンプ1034の位置及び数に対応している。バルブロッド102とバルブコア103との協力組立は、バルブロッド制限凹所1022とバルブコアバンプ1034とによって行われ、組立後に容易に脱落しない。バルブロッド本体1021には、
図5(b)及び
図5(c)に示すように、さらに軸方向の中空の通路が設けられており、この軸方向の中空の通路内には、金属ピン1023が取り付けられている。バルブロッド102に金属ピン1023を組み込んでいるので、高温蒸気消毒の場合は、高温によるバルブコア103の変形に耐えることができる。バタフライバルブ100のシール性能を高温高圧に耐え、使用の要求を満たすようにする。
【0039】
バルブロッド102の頭部には、ピン孔が設けられた2つの突起部であるハンドル受け構造1023が設けられている。ハンドル108は、2つの突起部の間に取り付けできるカム部1081を有する。このカム部1081の両側には、ハンドル受け構造1023のピン孔に挿入可能なピンが設けられ、ハンドル108はこのピンの周りに回動可能である。且つ、ハンドル108をバルブロッド102の縦方向周線回りに回動させることにより、バルブロッド102を駆動してバルブコア103を回動させてバタフライバルブ100を開閉させることができる。
【0040】
図3(a)および3(b)を参照すると、それぞれ前側位置決めリング106および後側位置決めリング107の斜視図が示されている。前側位置決めリング106の後側端面をシール面1061とし、前側位置決めリング1071の前側端面をシール面1071とする。シール面1061,1071には環状シールリブ115が設けられ、環状シールリブ115は内側バルブシート104の環状面1042bおよび環状面1041bと密封接触をそれぞれ形成するためのものである。しかしながら、環状シールリブ115は、シール面1061および1071上ではなく、環状面1042bおよび環状面1041b上に形成されてもよいことが理解されるべきである。シールリブ115と対向するシール面又は環状面との受圧接触により良好なシール効果を形成することができる。
【0041】
好ましくは、
図3(a)、3(b)に示すように、前側位置決めリング106及び後側位置決めリング107の外周面にそれぞれ吊り台1062及び1072が設けられる。弁体101、前側位置決めリング106、後側位置決めリング107、及び内側バルブシート104の軸方向断面図が示されている
図8(b)も参照されたい。ここでは、吊り台1062、1072が示されている。吊り台1062,1072は、それぞれ前方及び後方に突出する周方向リングの形態になり、バックバックル1015と協働して前側位置決めリング106と後側位置決めリング107が弁体101から抜け出るのを防止する。
【0042】
また、弁体101の前側には、
図1に示すようにバルブカバー111が設けられている。バルブカバー111は、円形のカバープレート1111と、カバープレート1111の外周から後側に延在する周方向のカバー縁1112とを有する。この周方向のカバー縁1112の内側には、弁体101の前側の外周面におけるねじ山の整合連結構造と協力するように、例えばねじの連結構造が設けられており、バルブカバー111を弁体101に締結することができる。
【0043】
さらに好ましくは、バルブカバー111の前側に盗難防止ロック112を設けてもよい。この場合、バルブカバー111の前側に盗難防止ロック112を収容するための凹部を設けてもよい。盗難防止ロック112は、本体部分1121と、本体部分1121の直径に対向する箇所から後側に延在するバックルアーム1122とを有し、このバックルアーム1122の末端に、径方向の内方に延在するフック部1123が設けられた。これに対応して、バルブカバー111の周方向のカバー縁1112の直径に対向する箇所には、2つのバックルアーム1122を収容するための2つの切欠き1113が設けられている。弁体101の前側外周における対応する位置には、2つのバックルアーム1122のフック部1123をそれぞれ収容する2つの凹状キャビティが設けられていてもよい。盗難防止ロック112の存在により、盗難防止ロック112を取り外すことなくバルブカバー111を弁体101から取り外すことができない。
【0044】
好ましくは、前側位置決めリング106とバルブカバー111との間に外側バルブシート105を設ける。この外側バルブシート105は、前側位置決めリング106の前端面とバルブカバー111との間に位置し、これらの間にシールを形成する。示された実施例では、
図2及び
図8(b)を参照し、外弁座105は略環状であり、且つその内周面には、前位置決めリング106の前側端面に当接して外周前縁の周りに位置決め可能な段部が設けられている。この外側バルブシート105は、好ましくは弾性材料で形成されており、弁体101にバルブカバー111が締結されたときに受圧状態となる。
【0045】
弁体101の後側にはフランジ110が設けられている。フランジ110は、略円筒状であり、フランジ110の外周面から径方向外方に延びるフランジ1101を有する。フランジ110の内周面には、弁体101の後側外周面における接続構造に整合するための例えばねじ山の接続構造を設けることによって、締め付け接続を形成する。フランジ110と弁体101の後端面との間には、フランジシールリング109が設けられている。フランジ110の内周面には、
図2に示すように、このフランジシールリング109を収容する環状溝1102が設けられている。このフランジ110は、使用時にバルク容器に溶接等方式により固定し接続されることが多い。このフランジシールリング109は、弾性材料からなり、フランジ110と弁体101とが互いに締結されたときに、受圧状態となる。
【0046】
上述した実施例では、弁体101のシール面1014a,1014bと内側バルブシート104の環状面1042a,1041aとの間、内側バルブシート104の内周面1045におけるシールリブ1046とバルブコア103のバルブコアシール面1031aとの間、および内側バルブシート104の環状面1041bおよび/または1042bと後側位置決めリング107のシール面1071および/または前側位置決めリング106のシール面1061との間で、シールリブと対応する面との間でシールが形成され、このシール効果は良好であり、高温高圧下でもリークが発生しないことを確保することができる。また、バルブロッド102とバルブロッド取付孔1032との間にシール構造を新たに設けることなく、バタフライバルブ100の外部に対するシールを確保することができる。
【0047】
以上、本発明のより良い実施例について詳細に説明したが、必要に応じて、様々な特許、出願、および出版物の態様、特徴、および概念を使用して追加の実施形態を提供するために、実施例の態様を修正することができることが理解されるべきである。
【0048】
上記の詳細な説明を考慮して、これらおよび他の変更を実施例に加えることができる。一般的に、請求の範囲では、使用される用語は説明および請求の範囲に開示された特定の実施例に限定されると考えられるべきではなく、これらの請求の範囲が享受するすべての同等範囲とともにすべての可能な実施例を含むと理解されるべきである。
【国際調査報告】