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特表2022-507355複数のランダムで新規な物体をピックアップし、仕分け、配置するためのロボットシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】複数のランダムで新規な物体をピックアップし、仕分け、配置するためのロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/04 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
B25J15/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021526200
(86)(22)【出願日】2019-07-15
(85)【翻訳文提出日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 US2019041894
(87)【国際公開番号】W WO2020018468
(87)【国際公開日】2020-01-23
(31)【優先権主張番号】62/698,679
(32)【優先日】2018-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/778,221
(32)【優先日】2018-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/827,708
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521023724
【氏名又は名称】エックスワイゼット ロボティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ヤップ,ジェイソン チュア
(72)【発明者】
【氏名】ユー,クアン‐ティン
(72)【発明者】
【氏名】ローズ,アイダン エリック
(72)【発明者】
【氏名】シュウ,ジアジ
(72)【発明者】
【氏名】ドンロン,エリオット
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS03
3C707BS10
3C707CY40
3C707KT01
3C707LW08
3C707LW11
3C707MS30
3C707MT04
3C707NS02
3C707NS19
(57)【要約】
本開示は概してピックアンドプレイスロボットシステムに関する。取り外し可能なツールをモーションデバイスに結合するための例示的なシステムは、モーションデバイスの遠位端に取り付けられた第1の磁気リングを含み、モーションデバイスおよび第1の磁気リングは第1の中空チャンバを形成し、システムはさらに、取り外し可能なツールの近位端に取り付けられた第2の磁気リングを含み、第2の磁気リングおよび取り外し可能なツールは、第2の磁気リングの中心および取り外し可能なツールから延びる第2の中空チャンバを形成し、第1の磁気リングと第2の磁気リングは、整列された態様で磁場を介して自動的に結合するように構成され、第1の磁気リングと第2の磁気リングの結合は、第1の中空チャンバと第2の中空チャンバを接合して、パススルー機構を可能にする
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なツールをモーションデバイスに結合するためのシステムであって、
前記モーションデバイスの遠位端に取り付けられた第1の磁気リングを含み、
前記モーションデバイスおよび前記第1の磁気リングは、前記モーションデバイスの長さを通って、および前記第1の磁気リングの中心を通って延びる第1の中空チャンバを形成し、前記システムはさらに、
前記取り外し可能なツールの近位端に取り付けられた第2の磁気リングを含み、
前記第2の磁気リングおよび前記取り外し可能なツールは、前記第2の磁気リングの中心および前記取り外し可能なツールから延びる第2の中空チャンバを形成し、
前記第1の磁気リングと前記第2の磁気リングは、整列された態様で磁場を介して自動的に結合するように構成され、
前記第1の磁気リングと前記第2の磁気リングの前記結合は、前記第1の中空チャンバと前記第2の中空チャンバを接合して、パススルー機構を可能にする、システム。
【請求項2】
前記パススルー機構が真空パススルーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パススルー機構が電子的パススルーである、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記パススルー機構が機械的パススルーである、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記取り外し可能なツールが、ツールラック上の少なくとも1つのスロットと接合するように構成された溝を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスロットが、前記溝との接合を促すために、終端部よりも始端部により広い開口部を有する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記ツールラックが鉄である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、前記モーションデバイスの遠位端にツールチェンジャーベースをさらに含み、前記ツールチェンジャーベースは前記第1の中空チャンバの一部を形成する、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の磁気リングの断面および前記第2の磁気リングの断面が同一である、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記リングが楕円形である、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記リングが円形である、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記リングが多角形である、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記取り外し可能なツールが遠位端に吸盤を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記取り外し可能なツールが、遠位端に電気式または空気圧式に作動されるグリッパを有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
取り外し可能なツールをモーションデバイスから切り離すための方法であって、
前記取り外し可能なツールが前記モーションデバイスの遠位端に結合されている間に、前記モーションデバイスをツールラックのスロットに向かって第1の方向に沿って移動させることであって、
前記モーションデバイスは第1の磁気リングを含み、前記取り外し可能なツールは第2の磁気リングを含み、
前記第1の磁気リングおよび前記第2の磁気リングは、整列した態様で磁場を介して自動的に結合するように構成されている、移動させることと、
前記モーションデバイスに、前記取り外し可能なツールの溝を前記ツールラックの前記スロットと整列させることと、
前記取り外し可能なツールを前記モーションデバイスの遠位端から切り離すように前記モーションデバイスを第2の方向に沿って前記ツールラックから遠ざけるように動かすことであって、
前記ツールラックの前記スロットは前記取り外し可能なツールを保持するように構成されている、動かすことと
を含む方法。
【請求項16】
前記取り外し可能なツールが第1の取り外し可能なツールであり、前記方法が、
前記ツールラックの第2のスロットに保持された第2の取り外し可能なツールの近くに前記モーションデバイスを位置付けて、前記モーションデバイスの遠位端を前記第2の取り外し可能なツールの近位端と結合することと、
前記モーションデバイスを使用して、前記取り外し可能なツールを前記第1の方向に沿って前記ツールラックの第2のスロットから移動することと
をさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法が、前記取り外し可能なツールの位置をコンピュータのメモリに記憶することをさらに含む、請求項15または16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、
前記取り外し可能なツールの遠位端に物体をグリップさせることと、
前記モーションデバイスに前記物体を移動させることと、
前記取り外し可能なツールの遠位端に前記物体を解放させることと
をさらに含む、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の方向が水平軸に沿っている、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の方向が垂直軸に沿っている、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
変形可能なバッグを真空グリップするための装置であって、
一次チャンバであって、
近位端が空気流源に接続され、前記空気流源が作動されると、前記一次チャンバの遠位端を介して前記変形可能なバッグの一部を受け入れるように構成される、一次チャンバと、
前記一次チャンバを取り囲む二次チャンバであって、
空気の通過を許容する複数の接続部を介して前記一次チャンバに接続され、前記空気流源が作動されると、前記一次チャンバの側壁は、前記変形可能なバッグの内側と前記二次チャンバとの間の圧力差を介して前記変形可能なバッグの前記一部をグリップする、二次チャンバと
を含む装置。
【請求項22】
前記一次および二次チャンバが入れ子状である、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記複数の接続部のサブセットが、前記一次チャンバの前記側壁上に放射状に配置される、請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
前記空気流源が真空源である、請求項21~23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記装置の近位端が、整列した態様でモーションデバイスの第2の磁気リングと自動的に結合するように構成された第1の磁気リングを含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記装置の遠位端が、硬い表面をグリップするように構成された吸盤を含む、請求項21~25のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
第1の中空シリンダをさらに含み、前記第1の後続シリンダが前記一次チャンバを形成する、請求項21~26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
第2の中空シリンダをさらに含み、前記第1の中空シリンダが前記第2の中空シリンダの内側に配置され、前記第1の中空シリンダと前記第2の中空シリンダとの間の空間が前記二次チャンバを形成する、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記複数の接続部が、前記第1の後続シリンダの側壁上の複数の穴を介して形成される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の中空シリンダが、プラスチック、金属、またはそれらの組み合わせで作られる、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記第2の中空シリンダが、プラスチック、金属、またはそれらの組み合わせで作られる、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記空気流源の作動が、真空パススルーの作動を含む、請求項21~31のいずれか一項に記載の装置。
【請求項33】
1つまたは複数のプロセッサ、
メモリ、および
1つまたは複数のプログラムをさらに含み、前記1つまたは複数のプログラムは前記メモリに格納され、前記1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成され、前記1つまたは複数のプログラムは、
前記変形可能なバッグ上のある領域を特定し、
前記一次チャンバと前記変形可能なバッグ上の前記領域との間の距離を特定し、
前記距離に基づいて、前記空気流源を作動するかどうかを決定する
ための命令を含む、請求項21~32に記載の装置。
【請求項34】
前記1つまたは複数のプログラムが、前記空気流源を停止するための命令をさらに含む、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
物体を配向するためのシステムであって、
前記物体上のラベルを検出するように構成されたスキャナ、
上部コンベヤベルト、
前記上部コンベヤベルトの端部に配置されたフリップコンベヤベルトを含み、
前記上部コンベヤベルトは前記物体を前記フリップコンベヤベルトに向かって輸送するように構成され、
前記フリップコンベヤベルトは、第1の向きまたは位置において、前記物体が前記上部コンベヤベルトと接触している間に、回転させ、前記物体に摩擦力を及ぼし、前記物体を配向し直すように構成され、
前記フリップコンベヤベルトは、第2の向きまたは位置において、前記物体が前記上部コンベヤベルトの端部から離れていくことを許容するように構成され、
前記フリップコンベヤベルトは、前記スキャナの出力に基づいて、前記第1の向きまたは位置から前記第2の向きまたは位置に移動するように構成される、システム。
【請求項36】
前記上部コンベヤベルトの前記端部が第1の端部であり、前記システムは、前記上部コンベヤベルトの第2の端部に湾曲したシュートをさらに含み、前記上部コンベヤベルトは、前記物体を前記湾曲したシュートに向かって輸送するように構成され、前記湾曲したシュートは、前記物体を180度回転させるように構成されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記システムが、前記物体が前記湾曲したシュートによって回転された後に前記物体を受け取るように構成された下部コンベヤベルトをさらに含む、請求項35または36に記載のシステム。
【請求項38】
前記フリップコンベヤベルトが、前記第1の向きにおいて前記上部コンベヤベルトに対して角度が付けられている、請求項35~37のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項39】
前記上部コンベヤベルトが滑り止め加工されている、請求項35~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
前記フリップコンベヤベルトが、前記第1の向きにおいて、前記パッケージの一部を上方に引き上げて、前記上部コンベヤベルトから離すように構成される、請求項35~39のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項41】
前記フリップコンベヤベルトが、前記第1の向きから前記第2の向きにスイングするように構成される、請求項35~40のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項42】
前記物体の1つまたは複数の表面をスキャンするように構成されたスキャナをさらに含む、請求項35~41のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項43】
前記物体が変形可能なバッグである、請求項35~42のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項44】
前記物体が箱である、請求項35~43のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項45】
物体を配向するための方法であって、
上部コンベヤベルトに、前記上部コンベヤベルトの端部に位置するフリップコンベヤベルトに向かって前記物体を移動させることと、
スキャナからの出力に基づいて、前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるかどうかを決定することと、
前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないという決定に従って、前記フリップコンベヤベルトが第1の向きまたは位置にある間、前記フリップコンベヤベルトと前記上部コンベヤベルトを同時に動かして前記物体を再配向させることと、
前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるという決定に従って、前記物体が前記上部コンベヤベルトの端部から離されるように、前記フリップコンベヤベルトを第2の向きまたは位置に移動させることと
を含む方法。
【請求項46】
前記上部コンベヤベルトの前記端部が第1の端部であり、前記方法はさらに、
前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないという決定に従って、光学センサからの出力に基づいて、前記物体の高さを決定することと、
前記高さが特定の閾値を下回っているという決定に従って、前記上部コンベヤベルトに前記物体を第2の端部に向かって移動させることと、
前記高さが特定の閾値を超えているという決定に従って、前記上部コンベヤベルトに前記物体を前記第2の端部に向かって移動させることをやめることと
を含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記上部コンベヤベルトが滑り止め加工されている、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記フリップコンベヤベルトが、前記パッケージの一部を上方に引き上げて、前記上部コンベヤベルトから離すように構成される、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるかどうかを決定することが、下流のソータの構成に基づく、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるかどうかを決定することが、
前記スキャナを使用して前記物体の表面をスキャンして画像データを取得することと、
前記画像データに基づいて、前記画像データが前記物体に関連する情報を含むかどうかを決定することと
を含む、請求項45~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記画像データが前記物体に関連する情報を含むという決定に従って、前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあることを決定することと、
前記画像データが前記物体に関連する情報を含まないという決定に従って、前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないことを決定することと
をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記物体に関連する情報がバーコードを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないという決定に従って、前記物体の高さが閾値を超えるかどうかを決定することと、
前記物体の高さが前記閾値を超えているという決定に従って、前記フリップコンベヤベルトが第1の向きまたは位置にある間に、前記フリップコンベヤベルトと前記上部コンベヤベルトを同時に作動して前記物体を再配向させることと、
前記物体の高さが閾値をしないという決定に従って、前記物体を湾曲したシュートに輸送するために前記上部コンベヤベルトの動きを逆転させることと
をさらに含む、請求項45~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
物体を配向するための方法であって、
上部コンベヤベルトに、前記上部コンベヤベルトの端部に位置するフリップコンベヤベルトに向かって前記物体を移動させることと、
スキャナからの出力に基づいて、前記パッケージ上のコードが読み取られたかどうかを決定することと、
前記パッケージ上の前記コードが読み取られたという決定に従って、前記フリップコンベヤベルトが第1の向きまたは位置にある間、前記フリップコンベヤベルトと前記上部コンベヤベルトを同時に作動させて、前記物体を再配向することと、
前記パッケージ上の前記コードが読み取られていないとの決定に従って、前記物体が前記上部コンベヤベルトの前記端部から離されるように前記フリップコンベヤベルトを第2の向きまたは位置に移動させることと
を含む方法。
【請求項55】
順応性機構であって、
その遠位面が第1の複数の磁気構成要素を含むモーションデバイスと、
エンドエフェクタと、を含み、前記エンドエフェクタは、
前記第1の複数の磁気構成要素と同じ構成で前記エンドエフェクタの近位面に配置された第2の複数の磁気構成要素と、
ロッドと、
エンドエフェクタの前記近位面の穴を通って延びる細長い部材と、を含み、
前記細長い部材の近位端は、前記モーションデバイスの前記遠位面に固定され、
前記細長い部材は、前記細長い部材の遠位端が前記エンドエフェクタの前記近位面の前記穴を通過するのを防ぐように構成されたエンドストッパ片を含む、
順応性機構。
【請求項56】
前記順応性機構が、
前記エンドエフェクタの前記近位面が前記第1の複数の磁気構成要素および前記第2の複数の磁気構成要素を介して前記モーションデバイスの前記遠位面に取り付けられている間、前記ロッドに横方向の力を受けたことに応答して、前記第1の複数の磁気構成要素の1つまたは複数を前記第2の複数の磁気構成要素の1つまたは複数から切り離し、
前記横方向の力を受けなくなったことに応答して、前記エンドエフェクタの前記近位面を前記第1の複数の磁気構成要素および前記第2の複数の磁気構成要素を介して前記モーションデバイスの前記遠位面に自動的に取り付ける
ように構成される、請求項55に記載の順応性機構。
【請求項57】
前記モーションデバイスの前記遠位面および前記エンドエフェクタの前記近位面のうちの一方が1つまたは複数のピンを含み、
前記モーションデバイスの前記遠位面および前記エンドエフェクタの前記近位面のうちの他方が、前記1つまたは複数のピンを受け入れるための1つまたは複数の開口部を備える、
請求項55または56に記載の順応性機構。
【請求項58】
前記1つまたは複数のピンがそれぞれ、テーパ状の上部を含む、請求項57に記載の順応性機構。
【請求項59】
前記モーションデバイスが、ロボットアームの少なくとも一部を含む、請求項55~58のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項60】
前記第2の複数の磁気構成要素が、前記エンドエフェクタの前記近位面上で円周方向に離間している、請求項55~59のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項61】
前記第2の複数の磁気構成要素が、ねじ機構を介して前記エンドエフェクタの前記近位面に固定されている、請求項55~60のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項62】
前記細長い部材がねじを含む、請求項55~61のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項63】
前記細長い部材の近位端が、ねじ機構を介して前記モーションデバイスの前記遠位面に固定されている、請求項55~62のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項64】
前記エンドストッパ片がボルトを含む、請求項55~63のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項65】
前記ロッドの近位端が、前記モーションデバイス内の可撓性チューブに取り付け可能である、請求項55~64のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項66】
前記細長い部材が第1の細長い部材であり、前記順応性機構は第2の細長い部材をさらに含む、請求項55~65のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項67】
前記エンドエフェクタの前記近位面の一部と前記モーションデバイスの前記遠位面の一部との間の分離を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む、請求項55~66のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項68】
モーションデバイスに取り付け可能なエンドエフェクタであって、
前記エンドエフェクタの近位面に配置された複数の磁気構成要素と、
ロッドと、
前記エンドエフェクタの前記近位面の穴を通って延びる細長い部材と、を含み、
前記細長い部材の近位端は、前記モーションデバイスの遠位面に取り付け可能であり、
前記細長い部材は、前記細長い部材の遠位端が前記エンドエフェクタの前記近位面の穴を通過するのを防ぐように構成されたエンドストッパ片を含む、エンドエフェクタ。
【請求項69】
前記複数の磁気構成要素が第2の複数の磁気構成要素であり、
前記第2の複数の磁気構成要素が、前記モーションデバイスの前記遠位面に配置された第1の複数の磁気構成要素と同じ構成で配置され、
前記エンドエフェクタは、
前記エンドエフェクタの前記近位面が前記第1の複数の磁気構成要素および前記第2の複数の磁気構成要素を介して前記モーションデバイスの遠位面に取り付けられている間、前記ロッドに横方向の力を受けたことに応答して、前記第1の複数の磁気構成要素の1つまたは複数を前記第2の複数の磁気構成要素の1つまたは複数から切り離し、
前記横方向の力を受けなくなったことに応答して、前記第1の複数の磁気構成要素および前記第2の複数の磁気構成要素を介して前記エンドエフェクタの前記近位面を前記モーションデバイスの前記遠位面に自動的に取り付ける
ように構成される、請求項68に記載のエンドエフェクタ。
【請求項70】
前記エンドエフェクタの前記近位面上に1つまたは複数のピンをさらに含む、請求項68または69に記載のエンドエフェクタ。
【請求項71】
前記1つまたは複数のピンがそれぞれ、テーパ状の上部を含む、請求項70に記載のエンドエフェクタ。
【請求項72】
前記複数の磁気構成要素が、前記エンドエフェクタの前記近位面上で円周方向に離間している、請求項68~71のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項73】
前記複数の磁気構成要素が、ねじ機構を介して前記エンドエフェクタの前記近位面に固定されている、請求項68~72のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項74】
前記細長い部材がねじを含む、請求項68~73のいずれか一項に記載のエンドエフェクタ。
【請求項75】
順応性機構であって、
モーションデバイスと、
前記モーションデバイスに結合されたエンドエフェクタであって、シース構造を含み、
前記シース構造はスロットを含み、
前記シース構造は、前記エンドエフェクタが前記モーションデバイスに結合されているときに、前記モーションデバイスに対して静止したままであるように構成される、エンドエフェクタと、
一部が前記シース構造によって囲まれているロッドと、
前記ロッドに固定された突出片であって、前記シースの前記スロット内に配置されている突出片と、を含み、
前記順応性機構は、
前記ロッドの遠位端が物体と接触していないとき、前記モーションデバイスの動きに応答して前記ロッドの前記遠位端を移動させ、
前記ロッドの前記遠位端が物体と接触し、前記モーションデバイスが前記物体に向かって移動するとき、前記シース構造を前記ロッドの長手方向に沿って移動させることにより、前記ロッドの前記遠位端を静止させたままにする
ように構成される順応性機構。
【請求項76】
前記シース構造が、前記エンドエフェクタの前記遠位端と前記物体との間の抵抗力が事前定義された閾値を超えると、前記ロッドに沿って動き始めるように構成される、請求項75に記載の順応性機構。
【請求項77】
前記シースの前記スロットは、前記シース構造が前記ロッドの長手方向に沿って移動するときに、前記突出片に沿ってスライドするように構成される、請求項75または76に記載の順応性機構。
【請求項78】
前記突出片が丸い形状である、請求項75~77のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項79】
前記突出片が多角形である、請求項75~78のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項80】
前記突出片が、前記ロッドを包むリングに取り付けられている、請求項75~79のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項81】
前記エンドエフェクタが、前記シース構造を囲むケーシングを含む、請求項75~80のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項82】
前記エンドエフェクタが、前記ロッド上に第1のエンドストッパおよび第2のエンドストッパを備え、ここで前記ケーシングは前記第1のエンドストッパと前記第2のエンドストッパの間にある、請求項81に記載の順応性機構。
【請求項83】
前記モーションデバイスが、ロボットアームの少なくとも一部を含む、請求項75~82のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項84】
前記エンドエフェクタが、前記ロボットアームの指骨に結合されている、請求項83に記載の順応性機構。
【請求項85】
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタ上の1つまたは複数の磁気構成要素を介して前記モーションデバイスに結合される、請求項84に記載の順応性機構。
【請求項86】
前記エンドエフェクタの前記遠位端がグリッパを含む、請求項75~85のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項87】
前記グリッパが吸盤を含む、請求項86に記載の順応性機構。
【請求項88】
前記ロッドが、真空パススルーに対応するように構成される、請求項87に記載の順応性機構。
【請求項89】
前記ロッドに沿った前記シース構造の動きを検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む、請求項75~88のいずれか一項に記載の順応性機構。
【請求項90】
グリップ装置であって、
シース構造であって、
前記シース構造はスロットを含み、
前記シース構造は、前記グリップ装置がモーションデバイスに取り付けられているときに前記モーションデバイスに対して静止したままであるように構成される、シース構造と、
一部が前記シース構造によって囲まれているロッドと、
前記ロッドに取り付けられた突出片であって、前記突出片は前記シースの前記スロット内に配置されている突出片と、を含み、
前記グリップ装置は、
前記ロッドの前記遠位端が物体と接触していないとき、前記ロッドの前記遠位端を前記モーションデバイスの動きに応答して移動させ、
前記ロッドの前記遠位端が物体と接触し、前記モーションデバイスが前記物体に向かって移動するとき、前記シース構造を前記ロッドの長手方向に沿って移動させることにより、前記ロッドの前記遠位端を静止したままにする
ように構成される、グリップ装置。
【請求項91】
前記シースの前記スロットが、前記シース構造が前記ロッドの長手方向に沿って移動するときに、前記突出片に沿ってスライドするように構成される、請求項90に記載のグリップ装置。
【請求項92】
前記シース構造を囲むケーシングをさらに含む、請求項90または91に記載のグリップ装置。
【請求項93】
前記ロッド上に第1のエンドストッパおよび第2のエンドストッパをさらに備え、ここで前記ケーシングは前記第1のエンドストッパと前記第2のエンドストッパの間にある、請求項92に記載のグリップ装置。
【請求項94】
前記モーションデバイスが、ロボットアームの少なくとも一部を含む、請求項90~93のいずれか一項に記載のグリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年7月16日に提出された米国仮特許出願第62/698,679、号、2018年12月11日に提出された米国仮特許出願第62/778,221号、および2019年4月1日に提出された米国仮特許出願第62/827,708号の利益を主張する。それらの全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
これは一般に、人工知能、コンピュータビジョン、および/または機械システムを使用して、入力コンテナ(または他のレセプタクル)から複数の対応するレセプタクル宛先に物体を仕分けして配置するピックアンドプレイスロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの企業は、数多くの物体の仕分けを必要とする在庫、流通、または出荷システムを保有する。例えば、流通およびフルフィルメントセンターでは、物体を棚から収集(例えばバッチピッキング)し、出荷用の正しい箱にまとめて配置(例えば仕分け)する必要がある。別の例として、小包仕分けセンター(例えば出荷業者の)では、小包のグループを細かい目的地ごとに仕分けする必要がある。企業はそのような仕事をするために人間の労働者を雇ってきた。そのような仕事を実行するロボットシステムの使用を調査してきた企業もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ピックアンドプレイスロボットシステムが開示される。全体的な仕分けステーションは、積み込み用運搬ケース(tote)から物体を仕分けし、それらを受け入れコンテナまたは位置のセットに配置する。運搬ケースからピックアップして別の運搬ケースに配置する場合、方法はスペースを節約し、より多くの物体を詰めるための最適な配置を決定する。エンドエフェクタの順応性は、ピックアップ時間を最小限に抑え、物体への損傷のリスクを最小限に抑えるように設計されている。システムは、フィンガグリッパまたは吸引グリッパのどちらを使用するのが特定の物体に対してより効果的であるか、吸引の場合はどの吸引ノズルサイズが適切か、および高真空または高流量の吸引システムを使用するかどうかを決定する。システムは、バーコードを遮らないように物体をピックアップする位置を識別する。システムは、スキャンステーションでバーコードを見ることができる可能性を効果的に高めるように、物体を移動する最適な方法を特定する。システムは、不要な衝突のないことや安定した動きを確保しながら、動作の各段階間で物体を輸送するための最小時間を決定する。
【0005】
本開示に記載されるいくつかの実施形態は、人工知能、コンピュータビジョン、および/または機械システムを使用して、積み込み用コンテナから物体を仕分けおよび配置する1つまたは複数のデバイス、およびデバイスが任意選択的に実行する上記に関連する1つまたは複数の動作に向けられる。実施形態の完全な記載は、図面および「発明を実施するための形態」に提供されており、上記の「発明の概要」は本開示の範囲を如何様にも限定しないことが理解される。
【0006】
例示的なピックアンドプレイスロボットシステムは以下のものを含む。物体をグリップするように構成されたエンドエフェクタを有するロボットアーム;ロボットアームに隣接し、ロボットアームの動作範囲内にある仕分けスタンドであって、その仕分けステーションが複数の物体を含むコンテナの支持体を含む仕分けスタンド;コンテナおよび複数の物体の画像データをキャプチャするように構成された1つまたは複数の画像センサを有するビジョンシステム;ロボットアームに隣接し、ロボットアームの動作範囲内にあるレセプタクルスタンドであって、複数の物体のうちの1つまたは複数の物体を受け入れるための複数のコンテナを保持するように構成された支持体を含むレセプタクルスタンド;ロボットアームおよびビジョンシステムと通信し、メモリおよびプロセッサを有する制御システムであって、メモリは、ビジョンシステムからのキャプチャされた画像データに基づいて、エンドエフェクタが物体をグリップするためのコンテナ内の複数の物体上の位置を識別し、エンドエフェクタをその位置に位置付けるためにロボットアームを動かし、その位置で物体をグリップし、物体を仕分けスタンドのコンテナからレセプタクルスタンドのコンテナに移動するための、プロセッサによって実行可能な命令を有するコンピュータプログラムを含む、制御システム。
【0007】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、物体をグリップした後、物体の識別を試み、物体の識別に応じて、物体の識別に基づいて物体を配置するための複数のコンテナ内のコンテナを決定するための命令をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、コンピュータプログラムは、物体の識別に失敗したことに応じて、人間の入力に基づいて、グリップポイントおよび物体を配置するための複数のコンテナ内のコンテナを決定するための命令をさらに含む。
【0009】
いくつかの実施形態では、複数のコンテナは、地面に対するレセプタクルスタンドの非垂直角度に基づいて、地面に対して角度が付けられている。
【0010】
いくつかの実施形態では、システムは、ロボットアームによってグリップされた物体を識別するためのスキャンシステムをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、スキャンシステムは、バーコードスキャナを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、スキャンシステムは、1つまたは複数のミラーを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、位置の識別はさらに、複数のテスト物体の潜在的なグリップ位置に関する情報を有するデータベースに基づいており、複数の物体のうちの少なくとも1つの物体は複数のテスト物体内にない。
【0014】
いくつかの実施形態では、ビジョンシステムは、仕分けスタンドによって支持されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、グリッパは吸引グリッパである。
【0016】
運搬ケースからレセプタクルまでのロボットシステムによる第1の物体の計画された配置および計画された向きを決定するための例示的なコンピュータ実装方法は、ロボットアーム、エンドエフェクタ、画像センサおよびプロセッサを含むロボットシステムにおいて:画像センサを使用して第1の物体の画像データをキャプチャすること;および、画像データを使用して、レセプタクルおよびその内容物の特性を最大化するレセプタクルに対する第1の物体の計画された配置および計画された向きを決定することを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、レセプタクルは別の運搬ケースである。
【0018】
いくつかの実施形態では、レセプタクルおよびその内容物の特性は、所与の計画された配置および所与の計画された向きに従って第1の物体がレセプタクルに配置された後、より多くの物体のための利用可能なスペースを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、レセプタクルおよびその内容物の特性は、所与の計画された配置および所与の計画された向きに従ってレセプタクルに収まることができる物体の数である。
【0020】
いくつかの実施形態では、方法は、レセプタクルに対する第1の物体の計画された配置および計画された向きを決定することをさらに含み、画像センサを使用して第1の物体とは異なる第2の物体の画像データをキャプチャすることをさらに含み、レセプタクルとその内容物の特性は、第1の所与の計画された配置と第1の所与の計画された向きに従ってレセプタクルに配置される第1の物体と、第2の所与の計画された配置と第2の所与の計画された向きに従ってレセプタクルに配置される第2の物体の両方に基づく。
【0021】
いくつかの実施形態では、レセプタクルは棚である。
【0022】
いくつかの実施形態では、レセプタクルおよびその内容物の特性は、物体が所与の計画された配置および所与の計画された向きに従って配置されるときに、物体がレセプタクルまたはその現在の内容物と衝突するかどうかである。
【0023】
ピックアンドプレイスロボットシステムの例示的なエンドエフェクタは、第1のグリッパの第1の端部で物体をグリップするように構成された第1のグリッパを含み、ここで、第1のグリッパは、第1のグリッパの第2の端部でエンドエフェクタに接続し、第1の端部は、第1の端部への力の閾値レベルを超える第1の力の適用に応答して、第2の端部に向かって移動するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のグリッパは、管を有する吸引グリッパであり、第1のグリッパの第1の端部にある管の開放端は、物体に吸引力を提供することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、第1の力と反対の方向に第1のグリッパを案内するように構成されたトラックをさらに含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、力の閾値レベルは、エンドエフェクタの一部の重量に基づく。
【0027】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、第1のグリッパをエンドエフェクタに接続し、力の閾値レベルを調整するように構成されたばねをさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、第1のグリッパとは異なる第2のグリッパをさらに含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、第1の端部は、物体に接触するように構成された可撓性部材を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、可撓性部材は可撓性ノズルである。
【0031】
いくつかの実施形態では、閾値力は動的に調整可能である。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のグリッパは、力の閾値レベルが第1の端部にもはや存在しないときに、第1の端部を第2の端部から遠ざけるように構成される。
【0033】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタはロボットアームに接続可能である。
【0034】
ピックアンドプレイスシステムで仕分けられる物体を保持するための例示的なコンテナは、ピックアンドプレイスシステムによって仕分けられる複数の物体を保持するための開口部を有するレセプタクルと、コンテナの上部に下向きの力を加えることでレセプタクルが下向きに動くことを可能にするように構成されたコンテナの底側の順応性機構とを備える。
【0035】
ピックアンドプレイスシステムで仕分けられる物体を含むコンテナを保持するための例示的な仕分けスタンドは、コンテナを受け入れるためのベースと、ベースに接続され、コンテナの上部に下向きの力を加えることでコンテナが下向きに動くことを可能にするように構成された順応性機構とを含む。
【0036】
例示的な方法は、エンドエフェクタを有するロボットシステムであって、エンドエフェクタが物体をグリップするように構成され、エンドエフェクタの第1の構成が、エンドエフェクタが物体をグリップする方法の第1の特性のセットを定義し、エンドエフェクタの第2の構成が、エンドエフェクタが物体をグリップする方法の第2の特性のセットを定義する、エンドエフェクタを有するロボットシステムにおいて:物体および少なくとも1つの他の物体を含むシーンの複数の確率マップを決定することであって、各確率マップはそれぞれ、複数のモーション基本形の中の異なるモーション基本形に対応し、ここで、各モーション基本形は、物体をグリップするためにエンドエフェクタを第1の構成または第2の構成で使用することに関連付けられ、複数の確率マップのそれぞれは、物体をグループ化するために、物体上の望ましくない領域をマークしている、複数の確率マップを決定すること;および、複数の確率マップに基づいて物体をグリップする際に使用するモーション基本形を複数のモーション基本形の中から選択すること;および、選択されたモーション基本形に関連付けられた第1の構成または第2の構成に従ってエンドエフェクタを構成することを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、以下を含む。エンドエフェクタの第2の構成を使用する第1のモーション基本形、エンドエフェクタの第2の構成を使用する第1のモーション基本形とは異なる第2のモーション基本形、エンドエフェクタの第1の構成を使用する第3のモーション基本形、エンドエフェクタの第1の構成を使用する第3のモーション基本形とは異なる第4のモーション基本形。
【0038】
いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、以下を含む。エンドエフェクタの第2の構成を使用するグリップダウンモーション基本形、エンドエフェクタの第2の構成を使用するフラッシュグリップモーション基本形、エンドエフェクタの第1の構成を使用する吸引ダウンモーション基本形、エンドエフェクタの第1の構成を使用する吸引サイドモーション基本形、エフェクタの第1のエンド構成またはエンドエフェクタの第2の構成のいずれかを使用するプッシュモーション基本形、エンドエフェクタの第1の構成またはエンドエフェクタの第2の構成のいずれかを使用する転倒モーション基本形、エンドエフェクタの第1の構成またはエンドエフェクタの第2の構成のいずれかを使用する引っ張り基本形。
【0039】
いくつかの実施形態では、物体を含むシーンの複数の確率マップを決定することは、少なくとも別の物体に関する情報を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、物体を含むシーンの確率マップを以前に決定していない。
【0041】
いくつかの実施形態では、複数の確率マップは、ピクセル単位の確率マップである。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数の確率マップは、ピクセル単位のバイナリ確率マップである。
【0043】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの第1の構成に関連付けられるモーション基本形に対応するシーンの確率マップを決定することは、機械学習アルゴリズムを使用して、シーンの画像のピクセルに対応する提案された吸引ポイント、提案された吸引ポイントの局所的な表面形状、および提案された吸引ポイントで物体をピックアップする確率を決定すること;および、シーンのピクセル単位のバイナリ確率マップを出力することを含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの第1の構成は、エンドエフェクタに取り付けられる第1のアタッチメントを確定し、シーンの複数の確率マップを決定することは、さらに、第1のアタッチメントと結合されたエンドエフェクタに関連付けられたモーション基本形に対応するシーンの第1の確率マップを決定することを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、第1の吸引発生器と、第1の吸引発生器とは異なる第2の吸引発生器とをさらに備え、複数の確率マップに基づいて物体をピックアップする際に使用するモーション基本形を複数のモーション基本形の中から選択することはさらに:エンドエフェクタの第1の構成の使用に関連付けられた選択されたモーション基本形に従って、第1の吸引発生器または第2の吸引発生器を使用して吸引を発生させるかどうかを決定することを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、第1の吸引発生器に関連する第1の特性を測定する第1のセンサと、第2の吸引発生器に関連する第1の特性とは異なる第2の特性を測定する第2のセンサとをさらに含み、方法は、第1の吸引発生器を使用して吸引を発生させる決定に従って、第1のセンサで測定された第1の特性に基づいて第1の吸引グリップを決定すること;および、第2の吸引発生器を使用して吸引を発生させる決定に従って、第2のセンサで測定された第2の特性に基づいて第2の吸引グリップを決定することをさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの第2の構成に関連付けられたモーション基本形に対応するシーンの確率マップを決定することは、さらに、シーンの3次元表現に対応する提案された3次元グリップ位置と、第2の構成に従って構成されたエンドエフェクタの第1の指と第2の指の間の中間点と、第1の指と第2の指の向きに対応する角度と、提案されたグリップ位置での第1の指と第2の指の間の幅と、提案された3次元位置で物体をピックアップする確率とを決定すること;および、シーンのピクセル単位のバイナリ確率マップを出力することを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、この方法は、物体を含むレセプタクルの側面に対する提案された3次元グリップ位置と少なくとも1つの他の物体との間の距離を決定すること;および、複数の確率マップ、提案されたグリップ位置での第1の指と第2の指との間の幅、および物体を含むレセプタクルの側面に対する提案された3次元グリップ位置と少なくとも1つの他の物体と間の距離に基づいて、第3のモーション基本形または第4のモーション基本形のどちらを使用するかを決定することをさらに含む。
【0049】
ロボットシステムが複数の物体内の物体を取得するために、シーンがピックアップされる複数の物体を含む、シーン内の位置を決定するための例示的なコンピュータ実装方法は、以下を含む:ロボットアーム、エンドエフェクタ、画像センサ、データベース、およびプロセッサを含むロボットシステムにおいて:画像センサを使用してシーンの画像データをキャプチャすること;シーンの画像データに基づいて、物体上の複数の領域内の領域にそれぞれ対応する複数の確率を含む確率マップを作成することであって、ここで複数の確率は、複数の領域の対応する領域がバーコード部分である確率;およびデータベースに格納されているデータに基づいている、作成すること;および、閾値確率を超える複数の確率内の確率に対応する物体上の領域を選択することによって物体上の位置を決定すること。
【0050】
いくつかの実施形態では、方法は、ある領域で物体と接触するエンドエフェクタが物体上のバーコードを閉塞させるという決定に従って、ゼロの確率がその領域に割り当てられることをさらに含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、閾値確率を超える複数の確率内の確率に対応する物体上の領域を選択することによって、物体上の複数の位置を決定することであって、ここで位置間の距離は閾値距離を超えている、決定すること;および、それらのうちの少なくとも1つが物体の取得に成功するか、またはすべて失敗するまで、物体上の複数の場所のそれぞれで物体の取得を試みることをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、方法は、閾値可能性を超えるバーコード領域であるという対応する可能性を有する領域がないという決定に従って、またはいずれの確率もトラブルシューティング閾値を超えない場合、トラブルシューティングモードに入ることをさらに含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、トラブルシューティングモードは以下を含む:物体を取得すること;物体を回転する、押す、倒す、または引くこと;および物体をシーンに戻すこと。
【0054】
いくつかの実施形態では、トラブルシューティングモードは以下を含む:その位置での物体の取得を試みること;その位置で物体を取得できないことに従って、その場所の閾値半径内の領域に対応する確率をゼロに設定すること。
【0055】
ロボットシステムを使用して物体上のバーコードをスキャンするための例示的なコンピュータ実装方法は、以下を含む:ロボットアーム、デバイスグリッパ、および画像センサを含むロボットシステムにおいて:グリッパを使用して物体をグリップすること;物体上のバーコードの位置を推定すること;物体の計画された動きを決定すること、ここで計画された動きは平行移動および回転を含み;そして、計画された動きは、物体上のバーコードの推定位置に対する画像センサの位置に基づいている:計画された動きに従って物体を動かすこと;画像センサを使用して物体の画像データをキャプチャすること;画像データを使用して物体上のバーコードを識別すること;および物体上のバーコードをスキャンすること。
【0056】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、それぞれが異なる角度および向きで整列された複数のバーコードスキャナをさらに含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、物体およびその周囲の画像が1つまたは複数のミラーの反射を含むように構成された1つまたは複数のミラーをさらに含み、反射は、画像センサから直接見えない物体の表面を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、ミラーは、物体およびミラー内の物体の反射を含む単一の画像ショット内にバーコードが見える確率を最適化するように配置される。
【0059】
いくつかの実施形態では、計画された動きは、制約が課された計画された動きを完了する時間を最小にするように設定される。
【0060】
いくつかの実施形態では、制約は、物体がロボットアームから落下する確率が閾値を下回ることである。
【0061】
いくつかの実施形態では、方法は、スキャン後に有効なバーコードが検出されないこと、またはダブルピックアップの場合の冗長バーコード検出に従って、中止および再ピックアップ、またはトラブルシューティングモードに入ることをさらに含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、トラブルシューティングモードは、物体を回転または平行移動すること;物体をシーンに戻すこと;および物体をグリップすることを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、トラブルシューティングモードは、支援のためにユーザに警告することを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、物体に光を当てるように構成された外部照明をさらに含み、コンピュータ実装方法は、物体上のバーコードの視認性を改善するために外部照明をインテリジェントに制御することをさらに含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、制約が課された計画された動きを完了するための時間を最小化することは、機械学習アルゴリズムによって設定される。
【0066】
いくつかの実施形態では、システムは、複数のコンテナのうちの1つまたは複数の内容物の正確さを確認するためのチェックシステムをさらに含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、チェックシステムは、それぞれが複数のコンテナ内のコンテナに対応し、ロボットシステムによって追跡されるように対応するコンテナ内の物体の数のカウントを示す複数のディスプレイを備える。
【0068】
いくつかの実施形態では、チェックシステムは、それぞれが複数のコンテナ内のコンテナに対応する複数のバーコードであって、各バーコードは、ロボットシステムによって追跡されるように対応するコンテナの内容に関する情報に対応するバーコードと、コンテナに対応するバーコードをスキャンするユーザに従って、ロボットシステムによって追跡されるようにコンテナの内容物に関する情報を表示するように構成されたスクリーンとを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、支持体は、地面に対して複数のコンテナに角度を付けるように構成される。
【0070】
いくつかの実施形態では、支持体は、複数の物体のうちの物体を複数のコンテナのうちのコンテナに導くための複数のシュートを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、上から落下した物体をコンテナに導き直すように構成された仕分けスタンドの上の漏斗を含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、システムはさらに、コンテナを入力位置から仕分け位置に輸送するように構成されたコンテナコンベヤを備える。
【0073】
いくつかの実施形態では、コンテナコンベヤは、仕分けのためにロボットアームに隣接して入力コンテナを配置する位置調整コンベヤを含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、コンテナコンベヤは、入力コンテナに荷積みするための入力コンベヤを含む。
【0075】
いくつかの実施形態では、コンテナコンベヤは、仕分けられたコンテナを運び去るための出力コンベヤを含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、複数のシュートは、複数の容器に向かう角度である。
【0077】
いくつかの実施形態では、複数のシュートは、物体がシュートに関連付けられたコンテナに配置された時を判定するための複数の光学検出器を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、レセプタクルスタンドは、仕分けスタンドに取り外し可能に結合されている。
【0079】
いくつかの実施形態では、レセプタクルスタンドは車輪を含む。
【0080】
いくつかの実施形態では、第1のグリッパは、仕分けられる物体に接触する剛性構造を有する吸引グリッパである。
【0081】
いくつかの実施形態では、第1のグリッパは、仕分けられる物体に関連付けられたビニールバッグをグリップするように構成された吸引グリッパである。
【0082】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、磁気コネクタを介してロボットアームの指骨(phalange)に取り付けられている。
【0083】
いくつかの実施形態では、磁気コネクタは、エンドエフェクタに加えられる閾値レベルの力に応答して切り離すように構成される。
【0084】
いくつかの実施形態では、磁気コネクタは、指骨への電気的接続を提供する。
【0085】
いくつかの実施形態では、磁気コネクタは、指骨への吸引接続を提供する。
【0086】
取り外し可能なツールをモーションデバイスに結合するための例示的なシステムは、モーションデバイスの遠位端に取り付けられた第1の磁気リングを含み、モーションデバイスおよび第1の磁気リングは、モーションデバイスの長さを通って、および第1の磁気リングの中心を通って延びる第1の中空チャンバを形成し、システムはさらに、取り外し可能なツールの近位端に取り付けられた第2の磁気リングを含み、第2の磁気リングおよび取り外し可能なツールは、第2の磁気リングの中心および取り外し可能なツールから延びる第2の中空チャンバを形成し、第1の磁気リングと第2の磁気リングは、整列された態様で磁場を介して自動的に結合するように構成され、第1の磁気リングと第2の磁気リングの結合は、第1の中空チャンバと第2の中空チャンバを接合して、パススルー機構を可能にする。
【0087】
いくつかの実施形態では、パススルー機構は真空パススルーである。
【0088】
いくつかの実施形態では、パススルー機構は電子的パススルーである。
【0089】
いくつかの実施形態では、パススルー機構は機械的パススルーである。
【0090】
いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールは、ツールラック上の少なくとも1つのスロットと接合するように構成された溝を含む。
【0091】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのスロットは、溝との接合を促すために、終端部よりも始端部により広い開口部を有する。
【0092】
いくつかの実施形態では、ツールラックは鉄である。
【0093】
いくつかの実施形態では、システムは、モーションデバイスの遠位端にツールチェンジャーベースをさらに含み、ツールチェンジャーベースは第1の中空チャンバの一部を形成する。
【0094】
いくつかの実施形態では、第1の磁気リングの断面および第2の磁気リングの断面は同一である。
【0095】
いくつかの実施形態では、リングは楕円形である。
【0096】
いくつかの実施形態では、リングは円形である。
【0097】
いくつかの実施形態では、リングは多角形である。
【0098】
いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールは、遠位端に吸盤を有する。
【0099】
いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールは、遠位端に電気式または空気圧式に作動するグリッパを有する。
【0100】
取り外し可能なツールをモーションデバイスから切り離すための方法は、取り外し可能なツールがモーションデバイスの遠位端に結合されている間に、モーションデバイスをツールラックのスロットに向かって第1の方向に沿って移動させることであって、モーションデバイスは第1の磁気リングを含み、取り外し可能なツールは第2の磁気リングを含み、第1の磁気リングおよび第2の磁気リングは、整列した態様で磁場を介して自動的に結合するように構成されている、移動させることと;モーションデバイスに、取り外し可能なツールの溝をツールラックのスロットと整列させることと;取り外し可能なツールをモーションデバイスの遠位端から切り離すようにモーションデバイスを第2の方向に沿ってツールラックから遠ざけるように動かすことであって、ツールラックのスロットは取り外し可能なツールを保持するように構成されている、動かすこととを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールは第1の取り外し可能なツールであり、この方法は、ツールラックの第2のスロットに保持された第2の取り外し可能なツールの近くにモーションデバイスを位置付けて、モーションデバイスの遠位端を第2の取り外し可能なツールの近位端と結合することと;モーションデバイスを使用して、取り外し可能なツールを第1の方向に沿ってツールラックの第2のスロットから移動することとをさらに含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、方法は、取り外し可能なツールの位置をコンピュータのメモリに記憶することをさらに含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、方法は、取り外し可能なツールの遠位端に物体をグリップさせることと;モーションデバイスに物体を移動させることと;取り外し可能なツールの遠位端に物体を解放させることとをさらに含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、第1の方向は水平軸に沿っている。
【0105】
いくつかの実施形態では、第2の方向は垂直軸に沿っている。
【0106】
変形可能なバッグを真空グリップするための例示的な装置は、一次チャンバであって、近位端が空気流源に接続され、空気流源が作動されると、一次チャンバの遠位端を介して変形可能なバッグの一部を受け入れるように構成される、一次チャンバと;一次チャンバを取り囲む二次チャンバであって、空気の通過を許容する複数の接続部を介して一次チャンバに接続され、空気流源が作動されると、一次チャンバの側壁は、変形可能なバッグの内側と二次チャンバとの間の圧力差を介して変形可能なバッグの一部をグリップする、二次チャンバとを含む。
【0107】
いくつかの実施形態では、一次および二次チャンバは入れ子状になっている。
【0108】
いくつかの実施形態では、複数の接続部のサブセットは、一次チャンバの側壁上に放射状に配置される。
【0109】
いくつかの実施形態では、空気流源は真空源である。
【0110】
いくつかの実施形態では、装置の近位端は、整列した態様でモーションデバイスの第2の磁気リングと自動的に結合するように構成された第1の磁気リングを含む。
【0111】
いくつかの実施形態では、装置の遠位端は、硬い表面をグリップするように構成された吸盤を含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、装置は第1の中空シリンダをさらに含み、第1の後続シリンダは一次チャンバを形成する。
【0113】
いくつかの実施形態では、装置は第2の中空シリンダをさらに含み、第1の中空シリンダは第2の中空シリンダの内側に配置され、第1の中空シリンダと第2の中空シリンダとの間の空間が二次チャンバを形成する。
【0114】
いくつかの実施形態では、複数の接続部は、第1の後続シリンダの側壁上の複数の穴を介して形成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、第1の中空シリンダは、プラスチック、金属、またはそれらの組み合わせで作られる。
【0116】
いくつかの実施形態では、第2の中空シリンダは、プラスチック、金属、またはそれらの組み合わせで作られる。
【0117】
いくつかの実施形態では、空気流源の作動は、真空パススルーの作動を含む。
【0118】
いくつかの実施形態では、装置は、1つまたは複数のプロセッサ;メモリ;および1つまたは複数のプログラムをさらに含み、1つまたは複数のプログラムはメモリに格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成され、1つまたは複数のプログラムは、変形可能なバッグ上のある領域を特定し;一次チャンバと変形可能なバッグ上の領域との間の距離を特定し、距離に基づいて、空気流源を作動するかどうかを決定するための命令を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプログラムは、空気流源を停止するための命令をさらに含む。
【0120】
物体を配向するための例示的なシステムは、物体上のラベルを検出するように構成されたスキャナ;上部コンベヤベルト;上部コンベヤベルトの端部に配置されたフリップコンベヤベルト(flipping conveyor belt)を含み、上部コンベヤベルトは物体をフリップコンベヤベルトに向かって輸送するように構成され、フリップコンベヤベルトは、第1の向きにおいて、物体が上部コンベヤベルトと接触している間に、回転し、物体に摩擦力を及ぼし、物体を配向し直すように構成され、フリップコンベヤベルトは、第2の向きにおいて、物体が上部コンベヤベルトの端部から落下することを許容するように構成され、フリップコンベヤベルトは、スキャナの出力に基づいて、第1の向きから第2の向きに移動するように構成される。
【0121】
いくつかの実施形態では、上部コンベヤベルトの端部は第1の端部であり、システムは、上部コンベヤベルトの第2の端部に湾曲したシュートをさらに含み、上部コンベヤベルトは、物体を湾曲したシュートに向かって輸送するように構成され、湾曲したシュートは、物体を180度回転させるように構成されている。
【0122】
いくつかの実施形態では、システムは、物体が湾曲したシュートによって回転された後に物体を受け取るように構成された下部コンベヤベルトをさらに含む。
【0123】
いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルトは、第1の向きで上部コンベヤベルトに対して角度が付けられている。
【0124】
いくつかの実施形態では、上部コンベヤベルトは滑り止め加工されている。
【0125】
いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルトは、第1の向きにおいて、パッケージの一部を上方に引き上げて、上部コンベヤベルトから離すように構成される。
【0126】
いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルトは、第1の向きから第2の向きにスイングするように構成される。
【0127】
いくつかの実施形態では、システムは、物体の1つまたは複数の表面をスキャンするように構成されたスキャナをさらに含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、物体は変形可能なバッグである。
【0129】
いくつかの実施形態では、物体は箱である。
【0130】
物体を配向するための例示的な方法であって、方法は、上部コンベヤベルトに、上部コンベヤベルトの端部に位置するフリップコンベヤベルトに向かって物体を移動させること;スキャナからの出力に基づいて、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるかどうかを決定すること;物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないという決定に従って、フリップコンベヤベルトが第1の向きにある間、フリップコンベヤベルトと上部コンベヤベルトを同時に動かして物体を再配向させること;物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるという決定に従って、物体が上部コンベヤベルトの端部から落下するように、フリップコンベヤベルトを第2の向きに移動させることを含む。
【0131】
いくつかの実施形態では、上部コンベヤベルトの端部は第1の端部であり、この方法はさらに、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないという決定に従って、光学センサからの出力に基づいて、物体の高さを決定すること;高さが特定の閾値を下回っているという決定に従って、上部コンベヤベルトに物体を第2の端部に向かって移動させること;高さが特定の閾値を超えているという決定に従って、上部コンベヤベルトに物体を第2の端部に向かって移動させることをやめることを含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、上部コンベヤベルトは滑り止め加工されている。
【0133】
いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルトは、パッケージの一部を上方に引き上げて、上部コンベヤベルトから離すように構成される。
【0134】
いくつかの実施形態では、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるかどうかを決定することは、下流のソータの構成に基づく。
【0135】
いくつかの実施形態では、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあるかどうかを決定することは、スキャナを使用して物体の表面をスキャンして画像データを取得すること;画像データに基づいて、画像データが物体に関連する情報を含むかどうかを決定することを含む。
【0136】
いくつかの実施形態では、方法は、画像データが物体に関連する情報を含むという決定に従って、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにあると決定すること;および、画像データが物体に関連する情報を含まないという決定に従って、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないことを決定することを含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、物体に関連する情報は、バーコードを含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、方法は、物体が1つまたは複数の事前定義された向きの1つにないという決定に従って、物体の高さが閾値を超えるかどうかを決定すること;物体の高さが閾値を超えているという決定に従って、フリップコンベヤベルトが第1の向きにある間に、フリップコンベヤベルトと上部コンベヤベルトを同時に作動させて物体を再配向すること;物体の高さが閾値をしないという決定に従って、物体を湾曲したシュートに輸送するために上部コンベヤベルトの動きを逆転させることを含む。
【0139】
物体を配向するための例示的な方法は、上部コンベヤベルトに、上部コンベヤベルトの端部に位置するフリップコンベヤベルトに向かって物体を移動させること;スキャナからの出力に基づいて、パッケージ上のコードが読み取られたかどうかを決定すること;パッケージ上のコードが読み取られたという決定に従って、フリップコンベヤベルトが第1の向きにある間、フリップコンベヤベルトと上部コンベヤベルトを同時に作動させて、物体を再配向すること;パッケージ上のコードが読み取られていないとの決定に従って、物体が上部コンベヤベルトの端部から落下するようにフリップコンベヤベルトを第2の向きに移動させることを含む。
【0140】
例示的な順応性機構であって、その遠位面が第1の複数の磁気構成要素を含むモーションデバイスと;エンドエフェクタとを含み、エンドエフェクタは、第1の複数の磁気構成要素と同じ構成でエンドエフェクタの近位面に配置された第2の複数の磁気構成要素、ロッド、およびエンドエフェクタの近位面の穴を通って延びる細長い部材を含み、細長い部材の近位端は、モーションデバイスの遠位面に固定され、細長い部材は、細長い部材の遠位端がエンドエフェクタの近位面の穴を通過するのを防ぐように構成されたエンドストッパ片を含む、例示的な順応性機構。
【0141】
いくつかの実施形態では、順応性機構は、エンドエフェクタの近位面が第1の複数の磁気構成要素および第2の複数の磁気構成要素を介してモーションデバイスの遠位面に取り付けられている間、ロッドに横方向の力を受けたことに応答して、第1の複数の磁気構成要素の1つまたは複数を第2の複数の磁気構成要素の1つまたは複数から切り離し、横方向の力を受けなくなったことに応答して、エンドエフェクタの近位面を第1の複数の磁気構成要素および第2の複数の磁気構成要素を介してモーションデバイスの遠位面に自動的に取り付けるように構成される。
【0142】
いくつかの実施形態では、モーションデバイスの遠位面およびエンドエフェクタの近位面のうちの一方は1つまたは複数のピンを含み、モーションデバイスの遠位面およびエンドエフェクタの近位面のうちの他方は、1つまたは複数のピンを受け入れるための1つまたは複数の開口部を備える。
【0143】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のピンはそれぞれ、テーパ状の上部を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、モーションデバイスは、ロボットアームの少なくとも一部を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、第2の複数の磁気構成要素は、エンドエフェクタの近位面上で円周方向に離間している。
【0146】
いくつかの実施形態では、第2の複数の磁気構成要素は、ねじ機構を介してエンドエフェクタの近位面に固定されている。
【0147】
いくつかの実施形態では、細長い部材はねじを含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、細長い部材の近位端は、ねじ機構を介してモーションデバイスの遠位面に固定されている。
【0149】
いくつかの実施形態では、エンドストッパ片はボルトを含む。
【0150】
いくつかの実施形態では、ロッドの近位端は、モーションデバイス内の可撓性チューブに取り付け可能である。
【0151】
いくつかの実施形態では、細長い部材は第1の細長い部材であり、順応性機構は第2の細長い部材をさらに含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、機構は、エンドエフェクタの近位面の一部とモーションデバイスの遠位面の一部との間の分離を検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む。
【0153】
モーションデバイスに取り付け可能な例示的なエンドエフェクタは、エンドエフェクタの近位面に配置された複数の磁気構成要素、ロッド、およびエンドエフェクタの近位面の穴を通って延びる細長い部材を含み、ここで、細長い部材の近位端は、モーションデバイスの遠位面に取り付け可能であり、細長い部材は、細長い部材の遠位端がエンドエフェクタの近位面の穴を通過するのを防ぐように構成されたエンドストッパ片を含む。
【0154】
いくつかの実施形態では、複数の磁気構成要素は第2の複数の磁気構成要素であり、第2の複数の磁気構成要素は、モーションデバイスの遠位面に配置された第1の複数の磁気構成要素と同じ構成で配置され、エンドエフェクタは、エンドエフェクタの近位面が第1の複数の磁気構成要素および第2の複数の磁気構成要素を介してモーションデバイスの遠位面に取り付けられている間、ロッドに横方向の力を受けたことに応答して、第1の複数の磁気構成要素の1つまたは複数を第2の複数の磁気構成要素の1つまたは複数から切り離し、横方向の力を受けなくなったことに応答して、第1の複数の磁気構成要素および第2の複数の磁気構成要素を介してエンドエフェクタの近位面をモーションデバイスの遠位面に自動的に取り付けるように構成される。
【0155】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタの近位面上に1つまたは複数のピンをさらに含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のピンはそれぞれ、テーパ状の上部を含む。
【0157】
いくつかの実施形態では、複数の磁気構成要素は、エンドエフェクタの近位面上で円周方向に離間している。
【0158】
いくつかの実施形態では、複数の磁気構成要素は、ねじ機構を介してエンドエフェクタの近位面に固定されている。
【0159】
いくつかの実施形態では、細長い部材はねじを含む。
【0160】
いくつかの実施形態では、エンドストッパ片はボルトを含む。
【0161】
例示的な順応性機構は、モーションデバイス;モーションデバイスに結合されたエンドエフェクタであって、エンドエフェクタはシース構造を含み、シース構造はスロットを含み、シース構造は、エンドエフェクタがモーションデバイスに結合されているときに、モーションデバイスに対して静止したままであるように構成される、エンドエフェクタ;一部がシース構造によって囲まれているロッド;ロッドに固定された突出片であって、シースのスロット内に配置されている突出片;を含み、順応性機構は、ロッドの遠位端が物体と接触していないとき、モーションデバイスの動きに応答してロッドの遠位端を移動させ、ロッドの遠位端が物体と接触し、モーションデバイスが物体に向かって移動するとき、シース構造をロッドの長手方向に沿って移動させることにより、ロッドの遠位端を静止させたままにするように構成される。
【0162】
いくつかの実施形態では、シース構造は、エンドエフェクタの遠位端と物体との間の抵抗力が事前定義された閾値を超えると、ロッドに沿って動き始めるように構成される。
【0163】
いくつかの実施形態では、シースのスロットは、シース構造がロッドの長手方向に沿って移動するときに、突出片に沿ってスライドするように構成される。
【0164】
いくつかの実施形態では、突出片は丸い形状である。
【0165】
いくつかの実施形態では、突出片は多角形である。
【0166】
いくつかの実施形態では、突出片は、ロッドを包むリングに取り付けられている。
【0167】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、シース構造を囲むケーシングを含む。
【0168】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、ロッド上に第1のエンドストッパおよび第2のエンドストッパを備え、ここでケーシングは第1のエンドストッパと第2のエンドストッパの間にある。
【0169】
いくつかの実施形態では、モーションデバイスは、ロボットアームの少なくとも一部を含む。
【0170】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、ロボットアームの指骨に結合されている。
【0171】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ上の1つまたは複数の磁気構成要素を介してモーションデバイスに結合される。
【0172】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの遠位端は、グリッパを含む。
【0173】
いくつかの実施形態では、グリッパは吸盤を含む。
【0174】
いくつかの実施形態では、ロッドは、真空パススルーに対応するように構成される。
【0175】
いくつかの実施形態では、機構は、ロッドに沿ったシース構造の動きを検出するための1つまたは複数のセンサをさらに含む。
【0176】
いくつかの実施形態では、例示的なグリップ装置は、シース構造であって、シース構造はスロットを含み、シース構造は、グリップ装置がモーションデバイスに取り付けられているときにモーションデバイスに対して静止したままであるように構成される、シース構造;一部がシース構造によって囲まれているロッド;ロッドに取り付けられた突出片であって、シースのスロット内に配置されている突出片;を含み、ここで、グリップ装置は、ロッドの遠位端が物体と接触していないとき、ロッドの遠位端をモーションデバイスの動きに応答して移動させ、ロッドの遠位端が物体と接触し、モーションデバイスが物体に向かって移動するとき、シース構造をロッドの長手方向に沿って移動させることにより、ロッドの遠位端を静止したままにするように構成される。
【0177】
いくつかの実施形態では、シースのスロットは、シース構造がロッドの長手方向に沿って移動するときに、突出片に沿ってスライドするように構成される。
【0178】
いくつかの実施形態では、グリップ装置は、シース構造を囲むケーシングをさらに含む。
【0179】
いくつかの実施形態では、グリップ装置は、ロッド上に第1のエンドストッパおよび第2のエンドストッパをさらに備え、ここでケーシングは第1のエンドストッパと第2のエンドストッパの間にある。
【0180】
いくつかの実施形態では、モーションデバイスは、ロボットアームの少なくとも一部を含む。
【0181】
いくつかの実施形態では、グリップ装置の遠位端はグリッパを含む。
【0182】
本特許または出願ファイルには、カラーで作成された少なくとも1つの図面が含まれている。この特許または特許出願公開のカラー図面付きのコピーは、要求と必要な料金の支払いに応じて、オフィスから提供される。
【0183】
記載された様々な実施形態をよりよく理解するために、以下の「発明を実施するための形態」を以下の図面と併せて参照する必要がある。図面中、同様の参照番号は、図全体を通して、対応する部分を指している。
【図面の簡単な説明】
【0184】
図1】いくつかの実施形態による例示的なピックアンドプレイスシステムを示している。
図2A】いくつかの実施形態による、物体を仕分けるピックアンドプレイスシステムを示している。
図2B】いくつかの実施形態による、物体を仕分けるピックアンドプレイスシステムを示す。
図2C】いくつかの実施形態による、物体を仕分けるピックアンドプレイスシステムを示す。
図3】いくつかの実施形態による、物体を仕分けるピックアンドプレイスシステムを示している。
図4A】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4B】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4C】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4D】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4E】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4F】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4G】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4H】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4I】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4J】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図4K】いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。
図5A】いくつかの実施形態による物体を配置する例示的な方法を示す流れ図である。
図5B】いくつかの実施形態による物体を配置する例示的な方法を示す流れ図である。
図5C】いくつかの実施形態による物体を配置する例示的な方法を示す流れ図である。
図6A】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図6B】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図6C】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図6D】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図6E】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図6F】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図6G】いくつかの実施形態による例示的な順応性エンドエフェクタを示す。
図7】いくつかの実施形態による、グリッパと様々な吸引ノズルとの間で、ならびに高真空吸引システムと高流量吸引システムとの間でエンドエフェクタを切り替えるための例示的なシステムを示す。
図8】いくつかの実施形態による、グリッパと様々な吸引ノズルとの間で、ならびに高真空吸引システムと高流量吸引システムとの間でエンドエフェクタを切り替えるための例示的なシステムを示す。
図9】いくつかの実施形態による、グリッパと様々な吸引ノズルとの間で、ならびに高真空吸引システムと高流量吸引システムとの間でエンドエフェクタを切り替えるための例示的なシステムを示す。
図10A】いくつかの実施形態による、バーコード上でのピックアップを回避するためにバーコードを検出するための例示的なシステムを示す。
図10B】いくつかの実施形態による、バーコード上でのピックアップを回避するためにバーコードを検出するための例示的なシステムを示す。
図10C】いくつかの実施形態による、バーコード上でのピックアップを回避するためにバーコードを検出するための例示的なシステムを示す。
図11A】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンに基づくピックアップの例示的な方法を示す流れ図である。
図11B】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンに基づくピックアップの例示的な方法を示す流れ図である。
図11C】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンに基づくピックアップの例示的な方法を示す流れ図である。
図12】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンのための例示的なシステムを示す。
図13A】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンの例示的な方法を示す流れ図である。
図13B】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンの例示的な方法を示す流れ図である。
図13C】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンの例示的な方法を示す流れ図である。
図13D】いくつかの実施形態によるバーコードスキャンの例示的な方法を示す流れ図である。
図14A】いくつかの実施形態による例示的なピックアンドプレイスシステムを示している。
図14B】いくつかの実施形態による例示的なピックアンドプレイスシステムを示す。
図15】いくつかの実施形態による例示的なプットウォールを示す。
図16】いくつかの実施形態による、コンベヤに結合された例示的な可動式プットウォールを示す。
図17】いくつかの実施形態による、コンベヤから切り離された例示的な可動式プットウォールを示す。
図18】ユーザがピックアンドプレイスシステムと対話するための例示的なユーザインターフェースを示す。
図19A】エンドエフェクタの例示的な磁気結合を示す。
図19B】エンドエフェクタの例示的な磁気結合を示す。
図19C】エンドエフェクタの例示的な磁気結合および磁気結合の断面図を示す。
図19D】エンドエフェクタの例示的な磁気結合を示す。
図19E】いくつかの実施形態による取り外し可能なツールの例示的な磁気結合を示す。
図19F】いくつかの実施形態による取り外し可能なツールの例示的な磁気結合を示す。
図19G】いくつかの実施形態による取り外し可能なツールの例示的な磁気結合を示す。
図19H】いくつかの実施形態による取り外し可能なツールの例示的なツールラックを示す。
図19I】いくつかの実施形態による取り外し可能なツールの例示的なツールラックを示す。
図19J】いくつかの実施形態による取り外し可能なツールの例示的なツールラックを示す。
図20】例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図21A】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図21B】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図21C】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図21D】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図21E】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図22A】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図22B】いくつかの実施形態による例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。
図23】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図24A】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図24B】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図24C】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図24D】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図24E】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図24F】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図25A】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図25B】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図25C】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
図25D】いくつかの実施形態による例示的なパッケージ配向システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0185】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な記載は、様々な構成の記載として意図されており、本明細書に記載の概念を実践できる唯一の構成を表すことを意図するものではない。詳細な記載には、様々な概念を完全に理解するための特定の詳細が含まれている。しかしながら、これらの概念がこれらの特定の詳細なしで実践され得ることは当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を曖昧にすることを避けるために、周知の構造および構成要素はブロック図の形態で示される。
【0186】
ここで、複数のランダムで新規な物体をピッキング、仕分け、および配置するためのシステムおよび方法の例が、様々な電子的および機械的デバイスならびに方法を参照して提示される。これらのデバイスおよび方法は以下の詳細な記載で説明され、様々なブロック、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズム等(総称して「要素」と呼ばれる)によって添付の図面に示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用して実装することができる。このような要素がハードウェアとして実装されるかソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられる設計上の制約に依存する。
【0187】
例として、要素、または要素の任意の部分、または様々な電子システムの要素の任意の組み合わせは、1つまたは複数のプロセッサを使用して実装することができる。プロセッサの例には、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィックス処理装置(GPU)、中央処理装置(CPU)、アプリケーションプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、システムオンチップ(SoC)、ベースバンドプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体を通して記載される様々な機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアが含まれる。処理システム内の1つまたは複数のプロセッサがソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアコンポーネント、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、プロシージャ、関数等を意味するように広く解釈され、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと呼ばれるかどうかにかかわらない。
【0188】
したがって、1つまたは複数の例では、ピッキング、仕分け、および配置のためのシステムについて記載された機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。ソフトウェアに実装されている場合、関数は、コンピュータ可読媒体に1つまたは複数の命令またはコードとして記憶またはエンコードすることができる。コンピュータ可読媒体は、それに記憶されたコンピュータ実行可能命令またはデータ構造を保有するまたは有するための一時的または非一時的コンピュータ記憶媒体を含むことができる。一時的および非一時的記憶媒体の両方は、処理システムの一部としてコンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、他の磁気記憶デバイス、前述のタイプのコンピュータ可読媒体の組み合わせ、またはコンピュータがアクセス可能な命令またはデータ構造の形でコンピュータ実行可能コードを記憶するために使用できる他の任意の媒体を含むことができる。さらに、情報がネットワークまたは別の通信接続(有線、無線、またはそれらの組み合わせのいずれか)を介してコンピュータに転送または提供される場合、コンピュータまたは処理システムは、特定の媒体に応じて、接続を一時的または非一時的なコンピュータ可読媒体として適切に決定する。したがって、そのような接続はいずれも、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。上記の組み合わせも同じくコンピュータ可読媒体の範囲に含まれる。非一時的なコンピュータ可読媒体は信号自体およびエアインターフェイスを除外する。
【0189】
図1は、ロボットアーム102、仕分けスタンド150、およびレセプタクルスタンド180を含む、本技術のいくつかの実施形態による例示的なピックアンドプレイスシステム100を示す。場合によっては、仕分けスタンド150および/またはレセプタクルスタンド180は、それぞれ、図14~17に関して記載したものと同様である運搬コンベヤおよび/またはプットウォールで置き換えられる、またはそれを含む。
【0190】
図1において、ロボットアーム102は、仕分けスタンド150内の運搬ケース152から物体をグリップし、グリップした物体を識別し、グリップした物体をレセプタクルスタンド180(例えば、ビン182)内の位置に置く。ピックアンドプレイスシステム100はまた、プロセッサ、メモリ、通信インターフェース、および他の構成要素を含む制御システム(図示せず)を含む。ピックアンドプレイスシステム100は、システムが以前にグリップしたことも、配置したこともなく、見たことすらない新規の物体を含む多種多様な物体をピックアップして配置するように構成される。
【0191】
ロボットアーム102は、支持面(例えば、床または他の何らかの支持構造)に取り付けるための基部104を含む。フレーム106は、基部104に回転可能に接続されている。下部アーム108は、フレーム110に回転可能に接続されている。上部アーム112は、下部アーム108に回転可能に接続されている。エンドエフェクタ114(図2A)は、上部アーム112に回転可能に接続されている。エンドエフェクタ114は1つまたは複数のグリッパを含む。図1の場合、グリッパ116は吸引グリッパである。グリップフィンガまたは他のタイプの吸引グリッパ(例えば、図6A、19A、および20)などの他のグリッパを使用することもできる。場合によっては、エンドエフェクタ114は、順応型(図6Aおよび図19A~Dを参照)および/または多目的型である。制御システムは、ロボットアーム102の様々な構成要素を移動させる(例えば、回転させる、伸ばす、引っ込める)ための命令および/またはコマンド信号を提供する。
【0192】
仕分けスタンド150は、互いにボルトで固定された金属支持部材のシステムである支持構造154を含む。ロボットアーム102の反対側の支持構造154の側は、運搬ケース(例えば、運搬ケース152)または他のレセプタクルを仕分けスタンド150に挿入することを可能にする開口部を含む。仕分け150は、任意選択的に、レセプタクルを支持するための基部156を含む。仕分けスタンド150はまた、それぞれが1つまたは複数の画像センサ(例えば、可視光および/または赤外線センサ)を有する4つのカメラ158を備えたビジョンシステムを含む。ビジョンシステムは、任意の数のカメラを有することができ、他の場所に配置するか、他の構造によって支持することができる。場合によっては、カメラ158は、可視光データ(例えば、RGBデータ)および/または深度情報(例えば、画像内の物体がカメラからどれだけ離れているか)を含む画像データをキャプチャする。キャプチャされた画像データは、処理のために制御システムに送信される。
【0193】
レセプタクルスタンド180は、ピックアンドプレイスシステム100によって仕分けられた物体を保持するビン182または他のレセプタクル用の支持構造184を含む。支持構造184は、物体がビン182から落下する可能性を低減するために任意選択的に角度が付けられる(例えば、非垂直である)。さらに、角度は、ロボットアーム102がグリップした物体をビンの1つの中に配置する前にグリップした物体を水平に保持する必要がないように選択することができる。レセプタクルスタンド180は仕分けスタンド150に隣接して配置されるが、両方のスタンドはロボットアーム102の作業範囲内にあるように配置され、人間がピックアンドプレイスシステム100の構成要素間で作業できるように(例えば、識別できない物体、またはビンから落ちる物体を人間が取り扱うことができるように)十分な間隔がとられる。
【0194】
図2A~3は、本技術のいくつかの実施形態に従って動作するピックアンドプレイスシステム100を示す。図2Aは、2つのビン152Aおよび152Bを有するピックアンドプレイスシステム100を示している。ビン152Aは、仕分けられる物体170を含む。制御システムは、ビジョンシステムを使用して、仕分けをする物体、または以下でさらに記載するように、適切なつかみスポットである可能性が高い場所を決定する。図2Bは、制御システムが、物体170A上の場所がグリップ試行の次の場所であると決定した後のピックアンドプレイスシステム100を示している。制御システムは、エンドエフェクタ114が物体170A上のその場所に接触するようにロボットアーム102を動かす。図2Cは、制御システムがロボットアーム102にグリップした物体170Aを持ち上げ、物体をビン152Bに向かって移動するように指示した後のピックアンドプレイスシステム100を示す。次に、制御システムは、物体を識別し(例えば、バーコードをスキャンするか、画像認識を使用するか、物体の他の特性を分析することによって)、物体を配置する場所を決定することができる。図3は、物体170Aをビン182Aに配置するピックアンドプレイスシステム100を示している。例えば、制御システムは、任意選択的に、物体識別に基づいて、物体をビン182Aに配置すべきであると決定する。支持構造184は角度を付けられているので、ロボットアーム102は、物体170Aを完全に水平に保持する必要がないことに留意されたい。保持角度は、グリップ力と配置動作の制約のバランスをとるように最適化される。ロボットシステムが積み込み運搬ケースから物体を仕分けし、それらを受容箱のセットに配置する全体的な仕分けステーション。バーコードが読み取れないなど、ロボットシステムが物体を認識できない場合、ロボットシステムは人間のアシスタントに通知し、アシスタントは仕事を完了することができる。受容箱は、物体の移動にかかる時間を最小限に抑え、物体が落下しないことを保証し、人間のアシスタントが物体に到達できるような位置に配置される。
【0195】
一例では、システムが物体をスキャンできない場合、システムは物体をスロープに落とし、物体はロボットが物体をピックアップしている最初の運搬ケースに戻る。任意選択的に、仕分けスタンドの指定された領域(例えば、一番下の棚)には、そこに配置された物体を運搬ケースに循環して戻すことを可能にするスロープがある。別の試行を可能にするための循環メカニズムが存在する。いくつかの実施形態では、システムは、失敗が繰り返される場合、人間のステーションに転送するか、または人間の入力または介入を要求する。
【0196】
いくつかの実施形態では、ピックアンドプレイスシステムは、いくつかの物体がレセプタクルに配置された後、レセプタクルの内容物の正確さを確認するためのチェックシステムを含む。例えば、各レセプタクルは、ロボットシステムによって追跡されるように、対応するレセプタクル内の物体の数のカウントを示すディスプレイ(例えば、LCD画面、LEDデジタルカウンタ)を含み得る。他の実施形態では、各レセプタクルは、ロボットシステムによって追跡されるように、対応するレセプタクルの内容物に関する情報に対応するバーコードを含み得る。ユーザ(例えば梱包担当者)がバーコードをスキャンすると、ロボットシステムによって追跡されるように、対応するレセプタクルの内容物に関する情報が画面に表示される。次にユーザは、表示された情報を、レセプタクル内に見えているものと照合することができる。
【0197】
図4A~4Kは、いくつかの実施形態による物体の例示的な配置を示している。運搬ケースから物体をピックアップし、それを別の運搬ケースに配置する場合、インテリジェントな知覚とソフトウェアアルゴリズムが、スペースを節約し、第2の運搬ケースに収まることができる物体の数を最大化する最適な配置を決定する。運搬ケースからピックアップして棚に置く場合、ロボットシステムが物体の向きを変えて、衝突することなく棚ユニット内に配置するように、ソフトウェアが手元の物体の形状と姿勢を決定する。このようなシステムは、スペースを節約し、それぞれが顧客の注文を表す十分な大きさの棚ユニットを確保する。
【0198】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム、取得デバイス(例えば、エンドエフェクタ)、画像センサ、およびプロセッサを含むロボットシステムは、運搬ケースからレセプタクルまでの第1の物体の計画された配置および計画された向きを決定する。ロボットシステムはまた、上記のシステム100であり得る。図4Aは、ある運搬ケースから別の運搬ケースに物体を移動させるロボットアームを示している。計画された配置は、レセプタクル内の第1の物体の目標静止位置であり、計画された向きは、レセプタクル内の第1の物体の目標静止向きである。まずロボットシステムは画像センサを使用して第1の物体の画像データをキャプチャする。画像データは、複数の角度から撮影された第1の物体の複数の画像を含み得る。画像データを組み合わせて、シーンの3次元マップを形成することができる。第2に、ロボットシステムは、レセプタクルおよびその内容物の特性が最大化されるように、画像データを使用して、レセプタクルに対する物体の計画された配置および計画された向きを決定する。
【0199】
いくつかの実施形態では、レセプタクルは、図4Aに示されるように、別の運搬ケースである。そのような実施形態では、ロボットシステムは、他の運搬ケースのスペースを節約することを目的とし得る。例えば、ロボットシステムは、物体を運搬ケースの壁や運搬ケース内にすでにある他の物体と同じ高さに配置し得る。ロボットシステムは、運搬ケースまたは他のコンテナ(またはボックス、ゲイロード、運搬ケース、ビン等)がより多くの物体を保持できるように、スペース使用率を最大化するために物体を密に詰めることを目的とし得る。これはスペースの節約と異なるという状況が生まれる可能性がある。ロボットシステムは、任意選択的に、「ナップサック問題」を解決するために使用される技術を使用して、他の運搬ケースのスペースの使用を最適化し得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、一度に1つの物体を計画して配置するのではなく、任意の物体を配置する前にいくつかの物体について計画する。ロボットシステムは、いくつかの物体を画像化し、物体を配置する前にそれらの最適な配置と向きを決定する。システムは、動的プログラミングまたは他の技術を使用して計画を立てることができる。そのような実施形態では、レセプタクル内の物体の結果として得られる配置は、一度に1つの物体を画像化および計画することと比較して、より多くのスペースを節約し、および/またはレセプタクルにより多くの物体を詰める可能性がある。
【0201】
いくつかの実施形態では、レセプタクルは、図4Bおよび4Cに示されるように棚である。これは別の運搬ケースであるレセプタクルと比較して異なる制約をもたらす可能性がある。例えば、物体が落下するリスクなしに棚に物体を積み重ねることはより困難である。そのような実施形態では、システムは衝突回避を行使し得、ここでレセプタクルおよびその内容物の特性は、物体が(衝突が発生しないようにすることを目的としている)所与の計画された配置および所与の計画された向きに従って配置されるときに、物体がレセプタクルまたはその現在の内容物と衝突するかどうかである。衝突により、例えば、ピックアップした物体のスタックが落下する可能性がある。いくつかの実施形態では、システムは、物体の物理的寸法を考慮に入れる。他の実施形態では、システムは、その重量、重心、および柔軟性など、物体の他の属性を考慮に入れる。いくつかの特定の計画された移動経路が同じ計画された配置および計画された向きをもたらすが途中で衝突する可能性がある場合、システムはまた、衝突を回避するロボットアームの特定の計画された移動を決定し得る。いくつかの実施形態では、経路は、総ピックアップ時間を最小化するように計画される。棚は、棚に集められた物体の安定性を高めるように任意選択的に構成することができる。例えば、図4Cに示すように、棚は後壁に対して後ろに傾いている。
【0202】
図4D~4Kは、運搬ケース152Aからの物体170Aの例示的なピックアップ、および棚、ビン182Aへの第1の物体170Aの配置のスナップショットを示す。図4Dでは、運搬ケース152Aは、ピックアップされて、ロボットシステム100から離れて傾斜している棚、ビン182A上に配置されるいくつかの物体170を含む。ロボットシステムが画像センサを使用して第1の物体170Aの画像データをキャプチャするとき、エンドエフェクタ114を有するロボットアーム102は、運搬ケース152Aの上に浮かんでいる。図4Eでは、ロボットアーム102は運搬ケース152Aの中へ下降して、吸引を使用して第1の物体170Aを取得する。図4Fにおいて、ロボットアーム102は、第1の物体170Aをピックアップし、それをスキャンされるようにバーコードスキャナに向かって移動させる。移動には、平行移動、回転、または両方の組み合わせが含まれる。図4Gでは、ロボットアーム102は、そのバーコードを識別するために、第1の物体170Aの画像をキャプチャする。図4Hでは、ロボットアーム102は、第1の物体170Aを回転および/または平行移動し、システムがバーコードを識別して読み取るときに、その複数の画像をキャプチャし続ける。バーコードは、第1の物体170Aに対して取られるべきアクションを示す。この場合、第1の物体170Aは、棚、ビン182Aの最上部右端の収納スペースに配置される。図4Iでは、システムは、ビン182Aに対する第1の物体170Aの計画された配置および計画された向きを決定し、ロボットアーム102は、その計画された配置および計画された移動に従って、第1の物体170Aをビン182Aに向かって移動し始める。図4Jにおいて、ロボットアーム102は、ビン182Aに到達し、第1の物体170Aをその中に解放する。図4Kでは、ロボットアーム102は運搬ケース152Aに戻り、運搬ケースから第2の物体をピックアップして配置し始める準備ができている。
【0203】
図5A~5Cは、いくつかの実施形態による物体を配置する方法500を示す流れ図である。方法500は、任意選択的に、図1および図4A~4Kを参照して上に記載したようにロボットシステムで実行される。方法500のいくつかの操作は任意選択的に組み合わされ、および/またはいくつかの操作の順序は任意選択的に変更される。
【0204】
図6Aは、エンドエフェクタ114(図1を参照)の例を示している。エンドエフェクタの順応性は、ロボットシステムが高速で動作しているときに(例えば、エンドエフェクタは、物体をつかもうとすると、より高速で物体に接触し得る)、(例えば、キャプチャされた画像データなどのセンサデータおよび処理アルゴリズムからの不完全な認識による)物体への損傷のリスクを最小限に抑えるように設計されている。この機能に加えて、または代わりに、運搬ケースは、エンドエフェクタと運搬ケース内の物体との間で同じ相対運動をもたらす順応性レセプタクルに取り付けられる。損傷を回避することに加えて、ここでの順応性は、物体との安定したしっかりした接触を保証し、不完全な画像データとビジョンアルゴリズムによる物体の正確な位置の不確実性にもかかわらず、良好なシールまたはグリップ(グリッパの場合)を保証する。
【0205】
図6Aのこの例では、エンドエフェクタ114は、吸引グリッパ602を含む。このグリッパは、ピックアップおよび配置のために物体をグリップするべく端部606で吸引を生成するために管604を使用する。エンドエフェクタ114はまた、物体をグリップしようとするときにエンドエフェクタ114が物体に加えることができる力の量においてより大きな許容範囲を可能にする順応性機構を含む。閾値を超える圧力が物体に加えられると、順応性メカニズムが反動し、物体への損傷を防ぐ。例えば、物体とエンドエフェクタの端部との間の接触力が、エンドエフェクタの可動部分にかかる重力よりも大きい場合、エンドエフェクタの可動部分は反動する。力の閾値量は、以下に記載するように、構成要素(例えば、ばね、弾性構成要素、アクチュエータ)をエンドエフェクタに追加することによって調整することができる。
【0206】
図6Aの例では、順応性機構は、トラック608および任意選択的にばね610を含む。グリッパ602が物体に接触すると、管604はトラック608に沿って上にスライドする。ばね610は、順応性機構が作動する前に加えられる力の量の調整を可能にする。図6Aに示されるように、ばね610は、順応性機構を作動させるのに必要な力を増加させるか、あるいは、力が除去された後にエンドエフェクタの可動部分を戻すための追加の力を提供する。しかしながら、ばね接続を変更することにより、順応性機構を作動するために必要な力を減らすこともできる。さらに、反動の量は、ロボットアームの移動許容誤差とビジョンシステムに関連するエラーに基づいて調整することができる。他のいくつかの例では、仕分けされる物体のためのコンテナ(例えば運搬ケース)はまた、仕分けスタンド150上で、またはコンテナの一体部分として、順応性部材(例えば、ばね、発泡体、油圧部品)によって支持され得る。この順応性機構はエンドエフェクタ114上の順応性機構に代わることができる、またはそれに追加することができる。任意選択的に、グリッパ602は、端部606に可撓性吸引ノズルを含むことができる(図1Bを参照)。場合によっては、エンドエフェクタ114は、100mm以上の順応性を可能にする。
【0207】
図6B~Gは、エンドエフェクタ620の別の例を示しており、ロボットシステムが高速で動作している間、物体(例えば、ピックアップされるパッケージ)への損傷のリスクを最小限に抑え、物体との安定したしっかりとした接触を保証するように設計された順応性機構を備えている。
【0208】
図6Bおよび6Cを参照すると、エンドエフェクタ620は、ロッド624およびケーシング626を含む。エンドエフェクタ620は、物体をグリップおよびピックアップするためにロッド624の遠位端に取り付けられた任意のタイプのグリッパ(図示せず)をさらに含むことができる。エンドエフェクタ620は、モーションデバイス630(例えば、ロボットアームまたはロボットアーム指骨)に取り付けることができ、その結果、モーションデバイスの動きは、図19A~19Dでさらに考察されるように、エンドエフェクタ620の動きを引き起こす。図6Bに描かれた例では、ロボットアーム630は下向きに移動し、したがって、エンドエフェクタ620のロッド624の遠位端がパッケージ622と接触するまで、エンドエフェクタ620を下向きに移動させる。
【0209】
ロッド624の遠位端がすでにパッケージ622と接触しているときにロボットアーム630が下向きに移動し続ける場合、順応性機構を作動させて、ロッドの遠位端がそれ以上移動するのを防ぎ、パッケージ622への損傷を最小限に抑えることができる。図6Cを参照すると、ロボットアーム630は下向きに移動し続け、ロボットアームに取り付けられたエンドエフェクタのケーシング626を距離Dだけ下向きに移動させる。しかしながら、順応性機構は、ロッド624の遠位端がそれ以上移動しないように作動されている。図6Bおよび6Cに示されるように、ロッド624の遠位端は、パッケージ6Cに食い込んだり、パッケージ622を押しのけたりするのではなく、静止したままである。したがって、順応性機構は、ロボットアーム630が高い運動速度で動作する(例えば、下向きに移動する)場合でも、パッケージ622への損傷を最小限に抑える。
【0210】
図6Dおよび6Eは、順応性機構の例示的な動作を示している。図6Dを参照すると、エンドエフェクタは、ロッド622の一部またはある長さを囲むシース構造628を備える。シース構造は、スロット630を含む。さらに、ロッド624は、ロッドに取り付けられた突出片636を備え、突出片636は、シース628のスロット630内に配置されている。
【0211】
シース構造636は、ロボットアーム630(図6B)に接続され、ロボットアームと共に移動する。換言すると、シース構造636は、ロボットアームに対して静止したままである。図6Dでは、ロボットアームは、図6Bに示されるものと同様に、エンドエフェクタの遠位端が物体622と接触するように移動した状態である。
【0212】
ロボットアームがパッケージ622に向かってさらに移動し、エンドエフェクタの遠位端がすでにパッケージ622と接触している場合、エンドエフェクタがパッケージ622を損傷しないように、順応性機構が作動する。図6Eを参照すると、ロボットアームはパッケージ622に向かって下向きに移動し、シース構造628をロッド624に沿って下向きに移動させる。シース構造628がロッドの下に移動すると、シースのスロット630は突出片636に沿ってスライドする。ロッド624の遠位端は、図6Cに示されているものと同様に、パッケージ6Cに食い込んだり、パッケージ622を押しのけたりするのではなく、静止したままである。
【0213】
したがって、エンドエフェクタ620の遠位端が、パッケージを掴もうとしてより高速でパッケージ622に接触するとき、エンドエフェクタは、パッケージに食い込んだり、大きな力でパッケージを押したりせず、かくしてパッケージへの損傷を最小化する。順応性機構はまた、物体622との安定したしっかりした接触を確実にし、良好なシールまたはグリップを保証する。
【0214】
いくつかの実施形態では、シース構造は、エンドエフェクタの遠位端と物体との間の抵抗力が所定の閾値を超えると、ロッドに沿って移動し始めるように構成される。いくつかの実施形態では、所定の閾値は0である。
【0215】
いくつかの実施形態では、突出片は丸い形状である。いくつかの実施形態では、突出片は多角形である。いくつかの実施形態では、突出片636は、ロッド624を包むリングに取り付けられている。図6Fおよび6Gに示されるように、突出片636は、ロッド624を包むリング634に取り付けられている。図6Fの点線の矢印が示すように、シース構造628はケーシング626内に封入される。
【0216】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、エンドエフェクタ上の1つまたは複数の磁気構成要素を介してモーションデバイスに結合される。図6Fに示されるように、エンドエフェクタは、ロボットアームと結合するための磁石640a、640b、および640cを備える。磁気結合機構については、以下でさらに詳述する。
【0217】
図6Dおよび6Eを参照すると、いくつかの実施形態では、エンドエフェクタは、ロッド上に第1のエンドストッパ638aおよび第2のエンドストッパ638bを備える。2つのエンドストッパがロッドに取り付けられる。さらに、シース構造を取り囲むケーシング626は、第1のエンドストッパと第2のエンドストッパとの間に配置される。したがって、エンドエフェクタがモーションデバイス(例えば、ロボットアーム)に結合されていない場合、エンドストッパは、シース構造およびケーシングがロッド624から滑り落ちるのを防ぐ。エンドエフェクタがロボットアームに(例えば、磁石640a~cを介して)結合されている場合、エンドピース629は、(図6Dに示されるように)第1のエンドストッパ638に対して同一平面になり得る。順応性機構が作動すると、ケーシング626は、ケーシングの遠位端が第2のエンドストッパ638bに到達するまで、または突出片636がスロット630の端部に到達するまで、ロッドに沿って移動することができる。
【0218】
いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの遠位端は、グリッパを含む。いくつかの実施形態では、グリッパは吸盤を含み、ロッド624の中空の中心は、真空パススルーが遠位端で吸引を生成して、ピックアップおよび配置のために物体をグリップすることを可能にするように構成される。いくつかの実施形態では、エンドエフェクタの遠位端は、研磨ツール、溶接ガン、またはそれらの組み合わせなどの他のタイプのツールを含む。
【0219】
いくつかの実施形態では、システムは、順応性機構が作動されたかどうか、およびどの程度の引っ込みが生じたかを検出するための1つまたは複数のセンサを備える。1つまたは複数のセンサは、ホール効果センサまたはインダクタンスセンサを含むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサはシース構造に取り付けられて、シース構造と突出片との間の相対的な動きを検出する。順応性機構が作動したという決定、および/または引っ込みの程度に従って、システムは、衝突を防ぐためにロボットアームの移動を停止することができる。
【0220】
いくつかの実施形態では、物体が(例えば、吸盤を介して)ピックアップされ、空中に持ち上げられると、ロッド624は、エンドピース629がエンドストッパ638aと接触するまで、重力により下向きにスライドすることができ、したがって、図6Dに示される延長された長さに戻る。
【0221】
図7~9は、いくつかの実施形態による、フィンガグリッパおよび様々な吸引ノズルなどの異なるタイプのグリッパ間で、ならびに高真空および高流量吸引システム間でエンドエフェクタの構成を切り替えるための例示的なシステムを示す。上記のシステム100などのロボットシステムは、特定の場所においてフィンガグリッパによるグリップと吸引グリッパによるグリップのどちらがより効果的であるか、および吸引による場合、どの吸引ノズルサイズが適切であるかを決定する。ロボットシステムには、高真空吸引システムと高流量吸引システムの両方が含まれている。システムは、目下の仕事の場合に2つのシステムのどちらを使用するかを決定し、それに応じて2つのシステムを切り替える。
【0222】
エンドエフェクタは、エンドエフェクタが物体をグリップするまたはつかむ方法の特性を変更することによって構成を切り替えることができる。例えば、エンドエフェクタの1つの構成ではフィンガグリッパが使用され、別の構成ではエンドエフェクタに吸引グリッパが使用される。この例では、両方のグリッパがエンドエフェクタに結合されているが、一度に1つだけが使用できるように構成されている。または、エンドエフェクタにグリッパの1つだけが存在し、2つの異なるグリッパが必要に応じて自動的に切り替えられる。別の例では、エンドエフェクタの2つの構成は両方とも吸引グリッパを使用するが、吸引グリッパはそれぞれ違った風に構成されている。例えば、ある構成では吸引に高レベルの真空を使用し、別の構成では高流量の吸引を使用する。これらの異なる構成は、2つの異なる吸引源(例えば、真空源と高流量発生器)を使用して実装でき、バルブまたは他の技術を使用して切り替えることができる。
【0223】
ロボットシステムの実施形態は、複数の異なるエンドエフェクタ構成の確率マップを決定する。確率マップは、1つまたは複数(通常は複数)の物体を含むシーン内の様々な場所での問題のないつかみの変化を表す。次に、システムは、成功確率が最も高い構成、サイクルタイムが最も速い構成、最も安価な構成、物体に損傷を与える可能性が最も低い構成、他の同様の要因など、要因の任意の組み合わせに基づいて構成を選択する。
【0224】
図7は、本開示の様々な実施形態によるロボットシステムを示している。ロボットシステム800(部分的に示される)は、2本の指、第1の指806および第2の指808を有するエンドエフェクタ802を含み、ロボットシステム800は、グリッパエンドエフェクタ802のグリッパ指806および808を使用して物体809をグリップすることによって物体をピックアップするように構成される。ロボットシステム800はまた、吸引ノズル805および1つまたは複数の吸引発生器(図示せず)を有する吸引グリッパエンドエフェクタ804を含み、ロボットシステム800は、吸引ノズル805を有する吸引グリッパを使用して物体をピックアップするように構成される。いくつかの実施形態では、吸引ノズル805は、様々なサイズおよび形状を有することができる。
【0225】
図8は、本開示の様々な実施形態によるロボットシステムの例示的なモーション基本形を示している。グリップダウンモーション基本形812は、任意選択的に、2つの平行な指806および808を有するグリッパエンドエフェクタ802を使用して物体810を垂直にグリップする。グリップダウンモーション基本形812は、より小さく不規則な表面を備える物体(例えば、小さなツール、変形可能な物体)をピックアップするために使用することができる、または吸引シールを防止する半多孔質材料(例えば布)で作ることができる。フラッシュグリップモーション基本形814は、任意選択的に、グリップダウンモーション基本形812に類似しているが、グリップエンドエフェクタ802の第1の指806に取り付けられた可撓性スパチュラ807を使用して、物体(例えば810)と、物体810を含むレセプタクル819の側面との間で指806をスライドさせる追加の動きを伴う。吸引ダウンモーション基本形816は、任意選択的に、吸引エンドエフェクタ804を物体810上に実質的に垂直に配置し、吸引力を生成することによって、物体810を垂直にピックアップする。吸引ダウンモーション基本形816は、大きくて平らな吸引可能な表面を有する物体(例えば、ボックス、本、包まれた物体)または大量の散乱物の中(例えば、シーン内の多数の他の物体の中)にある物体をピックアップするのに効果的である。吸引サイドモーション基本形818は、任意選択的に、実質的に垂直以外の角度で傾斜した吸引エンドエフェクタで接近することによって、実質的に垂直ではない角度から物体をピックアップする。吸引ダウンモーション基本形は、上からの吸引可能な表面を持たないかもしれない物体を含むレセプタクルの側面にもたれる薄くて平らな物体をピックアップするのに効果的である。
【0226】
図9は、本開示の様々な実施形態による、吸引グリッパエンドエフェクタ(例えば、804)に関連するモーション基本形を使用して物体をピックアップすることをロボットシステム100が決定する例示的なプロセスを示す。ロボットシステム100のピックアップシーン822のシミュレーション821、すなわち、表現(例えば、画像などの視覚的表現)が示されている。ロボットシステムが動作する物理的環境のシーン822は、任意選択的に、複数の物体(例えば、雑然としたシーン)を含む。ロボットシステム(例えば、100)は、任意選択的に、機械学習アルゴリズム824を使用して、シーン822の複数のピクセル単位の確率密度マップ826を決定し、ここで各確率密度マップは、吸引エンドエフェクタ(例えば、吸引ダウン基本形816または吸引サイド基本形818)に関連付けられたモーション基本形に(いくつかの実施形態では1対1で)対応する。確率密度マップ826は任意選択的にグレースケール画像として描かれ、ここで、例えば、成功の確率が0%の領域827aは黒でラベル付けされ、成功の確率が100%の領域827bは白でラベル付けされ、成功の確率が0%~100%の領域827cはその確率に対応するグレーのシェードである。これらの複数のピクセル単位の確率マップは、各ピクセルを仕分ける複数のマップに変換される。シーン822に対応し、複数の確率密度マップ826から生成されたマップ828は、ピックアップを試みる候補位置として分類される領域829a(例えば、青として表される)、および最初に試みるのに最良な場所として分類されるそれらの領域のサブセット829b(例えば、マゼンタとして表される)を示す。いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、次に、吸引モーション基本形(例えば、吸引ダウン基本形816)および提案された吸引ポイント場所を選択して、選択されたモーション基本形を実行する。他の実施形態では、ロボットシステム100は、吸引モーション基本形を実行する前に、1つまたは複数の物体上で押圧、転倒、および引っ張り基本形のうちの1つまたは複数を実行してシーンを再構成し、これにより、1つまたは複数のより良いつかみポイントがロボットアームにアクセス可能になる。
【0227】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、本開示の様々な実施形態による、グリップエンドエフェクタ(例えば、802)に関連するモーション基本形を使用して物体をピックアップすることを決定するように構成される。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、様々な角度で垂直軸の周りで表現を回転させることによってシーン822の表現を処理し、グリッパの向きごとにシーンのピクセル単位の確率マップを決定する。ロボットシステム100は、任意選択的に、シーンの3D表現における3D空間の垂直列を3Dグリップ位置として決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、機械学習アルゴリズムを使用して、シーン822の複数のピクセル単位の確率マップを任意選択的に決定する。次に、いくつかの実施形態では、ロボットシステム100は、グリップモーション基本形(例えば、グリップダウン基本形812)および提案されたグリップポイントの場所を選択し、モーション基本形を実行する。
【0228】
本開示の様々な実施形態では、ロボットシステムは、物体をピックアップするために吸引またはグリップを使用することができる。様々な実施形態において、ロボットシステムは、他のパラメータの中でもとりわけ、物体をピックアップするために吸引またはグリップを使用するかどうか、どのモーション基本形を使用するかをさらに決定することができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、任意選択的に1つまたは複数のアームを有する。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、1つまたは複数の軸(すなわち、自由度)で動作することができる。いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、任意選択的に6軸で動作する(すなわち、6軸ロボットシステム)。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、ピックアンドプレイスロボットシステム800)は、任意選択的に、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)および第2のエンドエフェクタ(例えば、802)を有する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、物体を操作(例えば、ピックアップ、移動、回転、または配置)するように構成された1つまたは複数のエンドエフェクタを含む。いくつかの実施形態では、仕事を実行するとき(例えば、特定のサイズ、形状、または組成などを有する物体をピックアップするとき)、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、複数のエンドエフェクタの中からエンドエフェクタを選択する。
【0229】
いくつかの実施形態では、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)は吸引を使用して物体をピックアップするように任意選択的に構成され、第2のエンドエフェクタ(例えば、802)はグリップを使用して物体をピックアップするように構成される(すなわち、各エンドエフェクタは吸引(例えば、吸引エンドエフェクタ)またはグリップ(例えば、グリップエンドエフェクタ)のいずれかを使用して物体をピックアップするように構成される)。いくつかの実施形態では、吸引エンドエフェクタは、任意選択的に、物体の表面を押して、エンドエフェクタを介して吸引力を生成することによって物体をピックアップする。いくつかの実施形態では、グリップエンドエフェクタは、複数(例えば、2つ)のグリッパを使用して、物体をグリップする。
【0230】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、物体および少なくとも1つの他の物体を含むシーンの複数の確率マップを決定する。いくつかの実施形態では、シーン(例えば、822)は、ピックアップされる物体と、少なくとも別の物体とを含む(例えば、シーンが乱雑である)。いくつかの実施形態では、物体および別の物体は、異なるタイプであり得る。いくつかの実施形態では、各確率マップは、複数のモーション基本形の中の異なるモーション基本形にそれぞれ対応する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、100または800)は、1つまたは複数のモーション基本形(例えば、ロボットシステムがとることができる事前定義されたモーション)を有する。いくつかの実施形態では、各モーション基本形は、対応する確率マップ(例えば、826または836)に関連付けられる。いくつかの実施形態では、各モーション基本形およびその対応する確率マップは、任意選択的に1対1の対応を有する。
【0231】
いくつかの実施形態では、各モーション基本形は、物体をピックアップするために第1のエンドエフェクタ(例えば、804)または第2のエンドエフェクタ(例えば、802)を使用することに関連付けられる。換言すると、ロボットシステムの各モーション基本形は、物体をピックアップするために吸引エンドエフェクタ(例えば、816または818などの吸引モーション基本形)またはグリップエンドエフェクタ(例えば、812または814などのグリップモーション基本形)のどちらかを使用することに関連付けられる。
【0232】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、複数の確率マップに基づいて、物体(例えば、810)をピックアップする際に使用する複数のモーション基本形の中からモーション基本形を任意選択的に選択する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、対応する確率マップが物体(例えば、810)を問題なくピックアップする可能性が最も高いことを示すモーション基本形を選択する。
【0233】
いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、第2のエンドエフェクタ(例えば、802)を使用する第1のモーション基本形(例えば、812)を含む。いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、第2のエンドエフェクタを使用する第1のモーション基本形(例えば、812)とは異なる第2のモーション基本形(例えば、814)を含む。いくつかの実施形態では、第1のモーション基本形(例えば、812)および第1のモーション基本形(例えば、812)とは異なる第2のモーション基本形(例えば、814)は、任意選択的に、吸引エンドエフェクタを使用して物体をピックアップすることに関連付けられる。いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)を使用する第3のモーション基本形(例えば、816)と、第1のエンドエフェクタを使用する第3のモーション基本形とは異なる第4のモーション基本形(例えば、818)とを含む。いくつかの実施形態では、第3のモーション基本形および第3のモーション基本形とは異なる第4のモーション基本形は、任意選択的に、グリップエンドエフェクタを使用して物体をピックアップすることに関連付けられる。
【0234】
いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、2つの平行なグリッパ指(例えば、806および808)を有するグリップエンドエフェクタ(例えば、802)を使用して物体を垂直にグリップする第2のエンドエフェクタ(例えば、802)を使用するグリップダウンモーション基本形を含む。いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、第2のエンドエフェクタ(例えば、802)を使用するフラッシュグリップモーション基本形(例えば、814)を含む。いくつかの実施形態では、フラッシュグリップモーション基本形(例えば、814)は、グリップダウンモーション基本形に類似しているが、物体(例えば、810)と物体を含むレセプタクル(例えば、809)の側面との間で1つのグリッパをスライドするためにグリップエンドエフェクタに取り付けられた可撓性スパチュラ(例えば、807)を使用する追加のモーションを伴う。いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)を使用する吸引ダウンモーション基本形(例えば、816)を含む。いくつかの実施形態では、吸引ダウンモーション基本形は、任意選択的に、吸引エンドエフェクタを物体(例えば、810)上に実質的に垂直に配置し、吸引を発生させることによって、物体(例えば、810)を垂直にピックアップする。いくつかの実施形態では、複数のモーション基本形は、任意選択的に、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)を使用する吸引サイドモーション基本形(例えば、818)を含む。いくつかの実施形態では、物体(例えば、810)をピックアップするために吸引エンドエフェクタを使用することに関連付けられる第4のモーション基本形は、任意選択的に、吸引サイドモーション基本形である。いくつかの実施形態では、吸引サイドモーション基本形は、実質的に垂直以外の角度で傾斜した吸引エンドエフェクタで接近することによって、実質的に垂直ではない角度から物体(例えば、810)を任意選択的にピックアップする。
【0235】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、物体(例えば、810)および少なくとも別の物体を含むシーンの複数の確率マップ(例えば、826および836)をさらに決定する。
【0236】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、物体(例えば、810)を含むシーンの確率マップを以前に決定していない。換言すると、シーン内のピックアップされる物体(例えば、810)と他の物体は、任意選択的に新規であり、ロボットシステム(例えば、800)は、ロボットシステム(例えば、800)が確率マップを決定したシーンに以前に現れなかった物体について一切の事前トレーニングなしに物体(例えば、810)をピックアップすることができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、複数の確率マップは、任意選択的にピクセル単位の確率マップである。換言すると、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、シーンのデジタル画像の各ピクセルに確率値を割り当てる。いくつかの実施形態では、複数の確率マップは、ピクセル単位のバイナリ確率マップ(すなわち、正または負)である。
【0238】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)に関連付けられたモーション基本形に対応するシーン(例えば、836)の確率マップを任意選択的に決定するが、それはシーンの画像のピクセルに対応する(すなわち、各ピクセルが基本形を実行する異なる位置に対応する)提案された吸引ポイント(例えば、吸引エンドエフェクタが物体を問題なくピックアップして持ち上げるために物体の表面と接触するべきである3次元位置)、提案された吸引ポイントの局所的な幾何学的量(例えば、投影された3Dポイント群から計算される)、および機械学習アルゴリズム(例えば、826)を使用して、提案された吸引ポイントで物体(例えば、810)をピックアップする確率(例えば、0と1の間、ここで1に近い値がより好ましい吸引ポイントを示す)を決定することによって決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、シーンのピクセル単位のバイナリ確率マップを出力する。いくつかの実施形態では、シーンのピクセル単位のバイナリ確率マップは、任意選択的に、提案された吸引ポイント、提案された吸引ポイントの局所的な幾何学的量、および提案された吸引ポイントで物体(例えば、810)をピックアップする確率の決定に基づく。
【0239】
いくつかの実施形態では、第1のエンドエフェクタ(例えば、804)は、任意選択的に、第1のアタッチメント(例えば、吸引ノズル807)と結合するように構成される。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、様々なサイズ、形状等を有する複数の利用可能な吸引ノズルの中から吸引ノズルを任意選択的に選択し、吸引ノズルを吸引エンドエフェクタと任意選択的に結合する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、吸引エンドエフェクタと結合された吸引ノズルの各構成に対応するシーンの確率マップを決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、第1のアタッチメント(例えば、吸引ノズル807)と結合された第1のエンドエフェクタ(例えば、804)に関連付けられるモーション基本形に対応するシーンの第1の確率マップを決定することによって、シーンの複数の確率マップを決定する。
【0240】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、吸引を発生させるように構成された第1の吸引発生器(例えば、真空ポンプ)と、第1の吸引発生器とは異なる第2の吸引発生器とを含む。いくつかの実施形態では、第1の吸引発生器および第2の吸引発生器は、異なるタイプのものである(例えば、真空ポンプおよび高流量送風機または排気装置)。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、複数の確率マップに基づいて、物体(例えば、810)をピックアップする際に使用するために複数のモーション基本形の中からモーション基本形を選択し、選択されたモーション基本形(例えば、816または818)が第1のエンドエフェクタ(例えば、804)を使用することに関連付けられていることに従って、第1の吸引発生器(例えば、真空ポンプ)または第2の吸引発生器(例えば、高流量送風機または排気装置)を使用して吸引を発生させるかどうかを決定する。換言すると、ロボットシステム(例えば、800)が、物体(例えば、810)をピックアップするために吸引エンドエフェクタを使用することに関連付けられるモーション基本形(例えば、吸引ダウンモーション基本形816または吸引サイドモーション基本形818)を選択するいくつかの実施形態において、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、吸引力を生み出すためにどのタイプの吸引発生器を使用すべきかを決定する。いくつかの実施形態では、異なるタイプの吸引発生器は異なる吸引力特性を有するので(例えば、高流量吸引発生器は、布などの多孔質表面を有する物体をピックアップするために真空ポンプ吸引発生器よりも任意選択的により効果的である)、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、真空ポンプ吸引発生器または高流量吸引発生器と結合された吸引エンドエフェクタの各構成に対応するシーンの確率マップを決定する。
【0241】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、第1の吸引発生器に関連する第1の特性を測定する第1のセンサと、第2の吸引発生器に関連する第1の特性とは異なる第2の特性を測定する第2のセンサとを含む。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)が物体をピックアップするために吸引モーション基本形(例えば、吸引ダウン基本形または吸引サイド基本形)を使用する場合、およびロボットシステム(例えば、800)が、任意選択的に、高レベルの真空ポンプ吸引発生器と高流量排気吸引発生器の両方を含む場合、吸引エンドエフェクタが物体に接触しているときの吸引を測定するために、様々なタイプのセンサが任意選択的に使用される。いくつかの実施形態では、第1の吸引発生器を使用して吸引を発生させる決定に従って、ロボットシステム(例えば、800)は、第1のセンサで測定された第1の特性に基づいて、第1のエンドエフェクタの吸引グリップを任意選択的に決定し、第2の吸引発生器を使用して吸引を発生させる決定に従って、ロボットシステム(例えば、800)は、第2のセンサで測定された第2の特性に基づいて第1のエンドエフェクタの吸引グリップを任意選択的に決定する。例えば、真空ポンプ吸引発生器が吸引を発生させるために使用されるいくつかの実施形態では、真空圧力センサが任意選択的に空気圧を測定するために使用され、空気圧は、吸引エンドエフェクタが物体(例えば、810)に対して有する吸引グリップのレベルを示す(例えば、より低い空気圧はより安全な吸引グリップを示し、逆もまた同様である)。いくつかの実施形態では、高流量吸引発生器が吸引を発生させるために使用される場合、質量空気流センサが任意選択的に空気流量を測定するために使用され、空気流量は、物体(例えば、810)に対して吸引エンドエフェクタが有する吸引グリップのレベルを示す(例えば、より低い空気流量はより安全な吸引グリップを示し、逆もまた同様である)。
【0242】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、シーンの3次元表現に対応する提案された3次元(3D)グリップ位置を決定することによって、第2のエンドエフェクタ(例えば、802)に関連付けられるモーション基本形に対応するシーンの確率マップを任意選択的に決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、シーン内の3D空間の垂直列を3Dグリップ位置として決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、第2のエンドエフェクタの第1のグリッパと第2のグリッパとの間の中間点を決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、第1のグリッパおよび第2のグリッパの向きに対応する角度(例えば、重力の方向に沿った垂直軸の周りのグリッパの向きを定義する角度)を決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、シーンの視覚的表現を処理して、垂直軸の周りの複数の異なるグリッパの向きを説明し、グリッパの向きごとにシーンのピクセル単位の確率マップを決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、(例えば、シーンの3D視覚的表現に基づいて)提案されたグリップ位置での第1のグリッパと第2のグリッパとの間の幅を任意選択的に決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、提案された3次元位置で物体(例えば、810)をピックアップする確率を決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、シーンのピクセル単位のバイナリ確率マップを出力する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、提案されたグリップポイント、提案された吸引ポイントの局所表面形状、および提案された吸引ポイントで物体(例えば、810)をピックアップする確率の決定に基づいて、シーンのピクセル単位のバイナリ確率マップを出力する。
【0243】
いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、物体(例えば、810)および少なくとも1つの他の物体を含むレセプタクルの側面に対する提案された3次元グリップ位置の間の距離を決定する。すなわち、ロボットシステム(例えば、800)は、任意選択的に、レセプタクルの側面からの提案された各グリップポイントの距離を決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、複数の確率マップ、提案されたグリップ位置における第1のグリッパと第2のグリッパとの間の幅、および物体(例えば、810)および少なくとも1つの他の物体を含むレセプタクルの側面に対する提案された3次元グリップ位置の間の距離に基づいて、第3のモーション基本形(例えば、812)または第4のモーション基本形(例えば、814)のどちらを使用するかを任意選択的に決定する。いくつかの実施形態では、ロボットシステム(例えば、800)は、確率マップ、および物体(例えば、810)および他の物体を含有するレセプタクルの側面に対する提案された3次元グリップ位置間の距離に基づいて、グリップダウンモーション基本形またはグリップサイドモーション基本形のどちらを使用するかを任意選択的に決定する。
【0244】
図10A~10Cは、いくつかの実施形態による、バーコード上でのピックアップを回避するためにバーコードを検出するための例示的なシステムを示す。ロボットシステムは画像を取得し、エンドエフェクタとして吸引またはグリッパのどちらかによるピックアップのための位置を特定する。位置は、画像のピクセル全体の成功確率マップに基づいて選択され、確率マップは機械学習アルゴリズムから作成される。
【0245】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、ロボットアーム、取得デバイス(例えば、エンドエフェクタ)、画像センサ、データベース、およびプロセッサを含む。ロボットシステムは、ピックアップされる複数の物体を含むシーンにおいてロボットシステムが複数の物体の中のある物体を取得するために、シーン内の位置を決定する。ここでそのシーンはピックアップされる複数の物体を含んでいる。どの物体が最初にピックアップされるかについての特定の指示はないかもしれない。このようなシステムは、ユーザが様々なシーンで物体をピックアップするのに適した位置を示したデータセットでトレーニングされている可能性がある。このデータセットはデータベースに格納される。
【0246】
最初に、システムは、イメージセンサを使用してシーンの画像データをキャプチャする。画像センサは、画像を撮影することに加えて、画像認識および他の人工知能技術のための深度情報を生成する深度感知デバイスであり得る。第2に、システムは、シーンの画像データに基づいて、それぞれが物体上の複数の領域のある領域に対応する複数の確率を含む確率マップを作成し、複数の確率は、複数の領域のうちの対応する領域がバーコード部分である可能性と、データベースに格納されているデータに基づいている。確率マップの解像度は画像データと同程度に高い可能性がある。他の実施形態では、確率マップの解像度は、ロボットアームおよび取得デバイス(例えば、エンドエフェクタ)の解像度と同等である。いくつかの実施形態では、確率は、データベースに格納されたデータセットでトレーニングされた機械学習アルゴリズムを使用して決定される。
【0247】
次に、システムは、閾値確率を超える複数の確率内のある確率に対応する物体上の領域を選択することによって物体上の位置を決定する。閾値確率は、その位置で物体をピックアップしようとする試みが成功する許容可能な可能性を示す。閾値確率は、例えば、90%、95%、または99%であり得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、閾値確率を設定し得る。他の実施形態では、閾値確率は、物体を問題なくピックアップするための最大許容時間など、システム上の他の制約によって決定される。他の実施形態では、閾値確率は、ピックアッププロセス中に動的に調整される。
【0248】
いくつかの実施形態では、ある領域で物体と接触する取得デバイスが物体上のバーコードを塞ぐという決定に従って、ゼロの確率がその領域に割り当てられる。この意味で、バーコード内の1つまたは複数のバーが完全に覆われている場合、バーコードは「塞がれる」。各バーの少なくとも一部が読み取り可能である場合、より多くのバーのうちの1つの部分的な被覆が許容されることに注意されたい。そのような実施形態では、バーコードを読み取ることができない確率は最小限に抑えられる。例えば、図10Bは、取得デバイス接触領域1022によって部分的に覆われているバーコード1020を示している。しかしながら、すべてのバーは覆われていない部分を有するので、例えば、図10Aにスキャナ1012とともに示されているコグネックスデバイス1010によってその最上列を横切ってスキャンされたとき、バーコード全体は依然として読み取り可能である。対照的に、図10Cは、塞がれたバーコード1024を示している。いくつかのバーは取得デバイス接触領域1026の影響を受けないが、取得デバイス接触領域1026によって完全に覆われているいくつかのバーがあるため、どの方向にスキャンしてもバーコードは解釈することができない。
【0249】
いくつかの実施形態では、システムは、それらのうちの少なくとも1つが成功するまで、複数の異なる取得を迅速に連続して試みることによって、速いピックアップのために密な確率を活用する。システムは、閾値確率を超える複数の確率内の確率に対応する物体上の領域を選択することによって物体上の複数の位置を決定し、位置間の距離は閾値距離を超える。
【0250】
いくつかの実施形態では、システムは、物体上でバーコードを見つけることができない場合、または確率のいずれも閾値を超えていない場合、トラブルシューティングモードに入る。例えば、周囲の照明や他の物体からの影がバーコードの検出を困難にしている場合、システムはバーコードを見つけることができない場合がある。バーコードが欠落している可能性さえある。いくつかの実施形態では、トラブルシューティングモードのシステムは、物体をピックアップし、それを回転させ、それをシーンに戻すことによって、バーコードを見つける別の試みを行う。次に、システムはシーンの画像データをキャプチャし、確率マップを作成するプロセスを繰り返す。他の実施形態では、トラブルシューティングモードのシステムは、失敗した試行の繰り返しを回避する。例えば、物体のピックアップに失敗した後、システムは、試行された位置の閾値半径内の領域に対応する確率をゼロに設定する。上で考察したように、互いに近い位置は、相関性の高い成功確率を有する傾向がある。したがって、失敗した位置からさらに離れた別の領域に移動すると、問題のないピックアップ位置につながる可能性が高くなる。
【0251】
図11A~11Cは、いくつかの実施形態による、バーコードスキャンに基づくピックアップの方法1100を示す流れ図である。方法1100は、図1および図10A~10Cを参照して上で記載したように、ロボットシステムで任意選択的に実行される。方法1100のいくつかの工程は任意選択的に組み合わされ、および/またはいくつかの工程の順序は任意選択的に変更される。
【0252】
図12はいくつかの実施形態によるバーコードスキャンのための例示的なシステムを示す。ロボットシステムは、スキャンステーションにバーコードが表示される可能性を高めるために物体を移動する最適な方法を特定する。システムが物体を回転させ、画像化し、バーコードをスキャンするのにかかる合計時間は最小限に抑えられる。
【0253】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム、グリッパ、およびイメージセンサを含むロボットシステムが、物体上のバーコードをスキャンする。まず、システムはグリッパを使用して物体をグリップする。これは、例えば、物体を取得する位置およびグリッパを使用するかどうかを決定する方法を含む、前述の手段によって達成することができる。次に、システムは物体上のバーコードの位置を推定する。この推定には、例えば、システムがシーンに対して持っている以前の画像が含まれ得る。あるいは、システムは、物体がグリップされたときに画像またはビデオをキャプチャし、その画像またはビデオからバーコードの位置を推定し得る。これらの初期画像およびビデオは、バーコードの位置を推定することのみを目的としており、バーコードを読み取ることを目的としていないため、システムは、エネルギー、処理能力、および/または時間を節約するために、この仕事に低解像度の画像センサを使用し得る。例えば、低解像度のカメラは、真上の眺めからシーンの画像をキャプチャし得る。物体の上面でバーコードが検出されない場合、システムはバーコードが物体の他の面の1つにあると推定し得る。いくつかの実施形態では、システムは、バーコードが存在する可能性がある物体上の位置に確率を割り当てる。
【0254】
次にシステムは物体の計画された動きを決定する。計画された動きは平行移動および回転を含む。計画された動きは、物体上のバーコードの推定位置に対する画像センサの位置に基づく。例えば、バーコードが物体の底部にあると推定され、画像センサが側面にある場合、計画された動きは、物体を底部から側面に90度回転させる。
【0255】
次に、システムは、計画された動きに従って物体を動かす。計画された動きにより、バーコードは計画された動きの前よりも画像センサの視界に入る可能性が高くなる。次に、システムは画像センサを使用して物体の画像データをキャプチャする。次に、システムは画像データを使用して物体上のバーコードを識別する。これには、例えば、画像認識技術を画像データに適用することが含まれ得る。最後に、物体上で識別されたバーコードがスキャンされる。いくつかの実施形態では、画像センサとバーコードスキャナは同じデバイスである。
【0256】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、それぞれが異なる角度および向きに整列された複数のバーコードスキャナをさらに含む。このような配置により、システムはバーコードのほとんどまたはすべての可能な場所を集合的にキャプチャすることができる。システムは、時間を節約するために、すべてのスキャナを同時に実行するように構成することができる。複数のスキャナがバーコードを読み取る場合、複数の読み取り値はエラーチェックとして機能し得る。例えば、2つのスキャナがバーコードの読み取り値に関して一致したが、第3のスキャナが一致しなかった場合、システムは最初の2つのスキャナによって一致した読み取り値を使用し、第3のスキャナからの読み取り値を無視し得る。代替の実施形態では、バーコードの読み取り値が、読み取り値を登録したすべてのスキャナ間で一致しない場合、システムは、バーコードを再スキャンし得るか、または不一致を解決するために人間の支援を求め得る。いくつかの実施形態では、システムは、複数の異なるバーコードが取り付けられている物体を検出するように構成される。このような状況では、システムは人間の支援を求め得る。
【0257】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、ミラーを使用して、画像センサがバーコードをキャプチャできる確率を高める。そのようなシステムは、物体およびその周囲の画像が1つまたは複数のミラーの反射を含むように構成された1つまたは複数のミラーをさらに含み、反射は、画像センサから直接見えない物体の表面を含む。したがって、バーコードの推定位置が正しくない場合、ミラーによって画像センサに反射された表面の1つにバーコードが表示される可能性が高まる。そのようなシステムの1つが図12に示されており、そこでは2つのミラー1212および1214が、画像センサ1010(コグネックススキャナなどのバーコードスキャナ)が単一の画像キャプチャで物体の複数の側面をキャプチャできるようにある角度で物体1210の後ろで構成されている。いくつかの実施形態では、ミラーは、バーコードのほとんどまたはすべての可能な位置が結果として得られる画像に現れるように構成される。そのような実施形態では、ミラーは、物体およびミラー内の物体の反射を含む単一の画像キャプチャでバーコードが見える確率を最適化するように配置される。そうでない場合、最初の画像ショットで最初の画像内にバーコードが見つからない場合、システムは物体を移動させて第2の画像をキャプチャする可能性がある。
【0258】
いくつかの実施形態では、計画された動きは、制約が課された計画された動きを完了する時間を最小にするように設定される。例えば、計画された動きがゼロ以外の回転とゼロ以外の平行移動の両方を含む場合、両方の動きの角度を同時に実行するのが効率的である。しかしながら、そのような実行によって物体が第2の物体に接触する場合、別の実行が続き、例えば物体は第2の物体の周りを移動する。場合によっては、モーション速度および/または知覚アルゴリズムは、繊細な物体の取り扱いのために(すなわち、システムのより保守的な動作を提供するために)調整される。いくつかの実施形態では、制約は、物体がロボットアームから落下する確率が閾値を下回ることである。システムはそれに応じて、繊細な物体の取り扱いのためにモーション速度と知覚アルゴリズムを調整する。いくつかの実施形態では、制約が課された計画された動きを完了するための時間の最小化は、機械学習アルゴリズムによって決定される。
【0259】
いくつかの実施形態では、システムは、スキャン後に有効なバーコードを検出しない場合、トラブルシューティングモードに入る。いくつかの実施形態ではトラブルシューティングモードは再試行を伴う:システムは、物体を回転させ、物体をシーンに戻し(おそらく、最初にピックアップされる前の元の向きとは異なる向きで)、物体を再びグリップする。追加的または代替的に、システムは、転倒、引っ張り、および/または押し込みなどの非グリップ動作を実行して、ビン内の物体を再配置して、つかみが成功する可能性を高め得る。バーコードが最初にアクセスできない向きにあった可能性があり、2回目のバーコードスキャンが成功する可能性がある。しかしながら、いくつかの実施形態では、閾値数の失敗した試行の後、システムは、支援のためにユーザに警告することを含む第2のトラブルシューティングモードに入り得る。
【0260】
いくつかの実施形態では、ロボットシステムは、物体上のバーコードの視認性を改善するためにインテリジェントに制御される外部照明を有する。例えば、ロボットシステムが薄暗い場所にある場合、または近くの障害物がバーコードスキャン領域に影を落とす場合、ロボットシステムは外部照明の強度を高め得る。逆に、バーコードが置かれている物体の表面がある程度反射している場合、ロボットシステムは外部照明の強度を低下させ得る。いくつかの実施形態では、外部照明はそれぞれ、物体の異なる表面に焦点を合わせるように異なる角度で構成され、独立して制御される。いくつかの実施形態では、複数の光センサがバーコードスキャン領域の周りの光の強度を検出し、情報をロボットシステムに供給して、外部照明をインテリジェントに制御する。
【0261】
図13A~13Dは、いくつかの実施形態によるバーコードスキャンの方法1300を示す流れ図である。方法1300は、図1および図12を参照して上に記載したように、ロボットシステムで任意選択的に実行される。方法1300のいくつかの工程は任意選択的に組み合わされ、および/またはいくつかの工程の順序は任意選択的に変更される。
【0262】
図14A~Bは、ピックアンドプレイスシステム1400を示している。図14Aに示されるように、システム1400は、ロボットアーム1402(例えば、図1に関して上に記載したロボットアーム102と同じまたは同様である、または別のモーションデバイスである);運搬ケースコンベヤ1404(例えば、レセプタクル(例えば、運搬ケース)をロボットアーム1402に隣接する仕分け位置まで輸送する);およびプットウォール1406(例えば、ロボットアームおよび制御システム(図示せず)によってレセプタクルから仕分けされるアイテムを受け入れるビンを含む)を含む。ユーザ1408は、ユーザインターフェース(図示せず)を介してピックアンドプレイスシステム1400を監視し、操作し、および/または別の方法でそれと相互作用するか、またはロボットアーム、運搬ケース、プットウォール、および/または仕分けされる、能動的に仕分けされる、または仕分けされたアイテムと手動で相互作用し得る。図14Bは、バーコードスキャナ1420および1422(例えば、バーコードスキャナ1012(図10A)と同様または同じ)およびビジョンシステム(例えば、図1に関して記載されたビジョンシステムと同様または同じ)の一部である3Dカメラ1424(例えば、カメラ158と同様または同じ)を示す。
【0263】
再び図14Aを参照すると、運搬ケースコンベヤ1404は、入力運搬ケース1412などの運搬ケースをロボットアーム1402の前の位置まで導く入力コンベヤ1410を含む。位置調整コンベヤ1414は、運搬ケースをロボットアーム1402および/またはプットウォール1406に対して整列させる。場合によっては、位置調整コンベヤ1414は、ロボットアーム1402によって意図的または不注意に落下したアイテムを再び導くのを助ける任意選択の漏斗1416の下に運搬ケースを整列させる。出力コンベヤ1418は、運搬ケースを、例えばその内容物が仕分けられた後、ロボットアーム1402から離れる方に導いて、別の運搬ケースが位置付けられ、その内容物が仕分けされるようにする。入力コンベヤ1410、位置調整コンベヤ1414、および/または出力コンベヤ1418。各コンベヤは、運搬ケースを移動および/または配置する任意の数の構成要素を実装することができる。1つの場合において、コンベヤは、重力または外部源(例えば、ユーザ1408または運搬ケースを押すロボット)に応答して運搬ケースが動くことを可能にするパッシブローラを実装される。別の場合において、コンベヤは、コンベヤに沿って運搬ケースを移動および/または配置する従動ローラまたは他の能動部品を実装される。コンベヤはまた、ベルト、ベアリング、シュート、トラック、および/または、これらおよび/または他の構成要素の任意の組み合わせを含むことができる。
【0264】
場合によっては、運搬ケースコンベヤ1404はモジュール式であり、入力、位置調整、および/または出力コンベヤなどの運搬ケースコンベヤ1404の1つまたは複数の構成要素は、一緒に配置される(場合によっては、一緒にまたはシステム内の他の構成要素と結合される)モジュールである。任意選択的に、運搬ケースコンベヤ1404は、(図14Aの矢印に従って)運搬ケースをロボットアーム1402の前の作業エリアに自動的に供給する。以前の設計では、それは人によって行われた。自動化されたシステムには、タンパ、ポップアップケート(pop-up cates)、フォトセンサ、および運搬ケースの正確な位置調整を可能にするように調整可能なコンベヤローラを含めることができる。
【0265】
運搬ケースは、入力コンベヤ1410または位置調整コンベヤ1414に移されるバッチピック(ウェーブピック)オーダからのアイテムを含む運搬ケースを運ぶ別のコンベヤを含む、様々な手段によってシステムに供給される。人間のオペレータも運搬ケースを入力コンベヤ1410または位置調整コンベヤ1414に(例えばカートで)運ぶことによってシステムに運搬ケースを提供することができる。自律地上車両を使用して、同様の方法(例えば、運搬ケースを入力コンベヤ1410または位置調整コンベヤ1414にロードする方法)で運搬ケースを供給することもできる。
【0266】
図15は、ピックアップされたアイテムを移動棚1502に導くシュート1500を含むプットウォール1406の側面図を示す。プットウォール1406は、任意選択的に、アイテムが移動棚1502に首尾よく導かれるときを検出する光学センサ1504(例えば、フォトダイオード、画像センサ、または光学センサ)を含む。センサは、ビンの入口、または穴の真ん中、または棚とシュートの間に配置することができる。
【0267】
図16は、プットウォール1406に接続された位置調整コンベヤ1414を示している。図16では、プットウォール1406は、すべてのピックアップされたアイテムが移動棚1502に配置された後、人間または自律ロボットがプットウォール1406を別の場所(梱包ステーションなど)に移動させることを可能にする車輪1600を含む。あるいは、移動棚1502が取り外し可能なビンまたは他のコンテナを含む場合、人間のオペレータまたは自律ロボットは、ビンまたは他のコンテナを梱包ステーションなどの別の場所に持っていくように別のコンベヤまたは乗り物に移動させることができる。移動棚のビンは、底部に減衰発泡体、緩衝器、または特定のビンに落とされたピックアップされたアイテムの衝撃を軽減するその他の構成要素を有し得る。
【0268】
図16はまた、障害回復のための漏斗1416を含む。誤配置されたアイテムを運搬ケースに方向付け直して、失敗したプットウォール1406配置アクションを回復する。漏斗1416は、マシンビジョンカメラを塞ぐことを回避し、落下したアイテムが位置調整コンベヤ1414に着陸するのを防ぐように設計されている。場合によっては、漏斗1416は、アイテムを運搬ケースに戻すのを容易にするために、柔らかいおよび/または滑りやすい材料で裏打ちされる。場合によっては、漏斗1416は、ロボットアーム1402の隣または隣接する側面よりも、パットウォール1406の隣に、アイテムを捕捉するためのより大きな領域を提供する非対称の傾斜した側面を有する。
【0269】
図17は、シュート1500が取り外し可能であり、位置調整コンベヤ1414がプットウォール1406の残りの部分(例えば、移動棚1502)から分離されているプットウォール1406の変形例を示している。移動棚1502は、取り外して、包装ステーションに転がして、空の移動棚と交換することができる。例えば、移動棚1502は、ロック機構(例えば、ラッチ、留め具、または磁石)を介して梱包ステーションからロック解除することができる。場合によっては、ロボットアーム1402(図14A~B)がピックアップタスクを終了した後、人間のオペレータ(例えば、ユーザ1408)が棚を別の梱包ステーションに移動させる。あるいは、自動化された機械が棚を別の場所に移動させる(例えば、棚を床から持ち上げて運び去ることによって)。
【0270】
運搬ケース内の物体が分離および/または分散されるように(例えば、より平坦な配置)、振動装置を運搬ケースに取り付けまたは結合してそれを振動させることができる。場合によっては、これにより、吸盤エンドエフェクタが物体をグリップする難しさが軽減される。
【0271】
例示的なピックアンドプレイスシステム1440は、システムの上流(例えば、コンベヤ、人間、または移動ロボット)から来る仕分けを必要とする物体(仕分けセンター内のバッチピックアップされる倉庫SKUまたは小包)の運搬ケース(または他のコンテナ)を仕分ける。運搬ケースが到着すると、システムはそれを許可するか、一時的に格納する。システムは、ピックアッププロセス(例えば、上記のピックアッププロセスと同様の)を実行する。
【0272】
ターゲットのピックアップ位置を特定した後、システムは関連する物体をピックアップして空中に持ち上げ、その間、バーコードスキャンおよび姿勢推定中に物体を移動させる。バーコードスキャンの失敗、ダブルピックアップの検出、不適切な姿勢、またはその他のエラーの場合、システムは物体を運搬ケース(または人間または機械が後で物体を取り扱うことを許可する別のコンテナ)に戻し、別の物体を次にシュートに入れるためにピックアップできるようにする。物体を運搬ケースに戻すとき、システムは好ましい姿勢を計算して、後のピックアップを複雑にする背の高いスタックを作らないように配置する。
【0273】
ピックアップおよび(例えばバーコードスキャンによる)物体の識別が成功すると、システムは、物体を対応する宛先シュートビン開口部に入れる。例えば、宛先は、ピックアップされたアイテムに関連付けられたアイテムがすでに存在するか、将来存在するかに基づいて決定される、または、ピックアップされた物体が属する順序を割り当てられたビンのシュートに基づいて宛先は選択される。物体の配置を支援するために、システムは任意選択的にカメラを使用して、ピックアップした物体の姿勢、向き、またはその他の特性を推定し、物体を宛先のシュートの開口部に首尾よく配置するようにする(例えば、物体がシュート開口部に収まることを保証する、および/または物体がシュート開口部と衝突する可能性を低減する)。さらに、場合によっては、シュートは任意選択の光学センサを有し、物体が正しいシュートビンの開口部に落下したことを確認する。物体は、シュートに対して整列された移動棚のビンに落下する。
【0274】
仕分けが終了した後、人間は移動棚を梱包ステーションに運び得る、または棚のビンのビンから物を直接取り出し得る。移動ロボットが棚を運び出すこともある。人間-マシンインターフェース(例えば、図18を参照)は、繰り返される故障の場合にロボットのピックアップをガイドするための遠隔操作インターフェースを有する。
【0275】
図18は、人間のオペレータがピックアンドプレイスシステム1400を容易に制御するためのユーザインターフェース1800を示している。場合によっては、インターフェース1800の焦点は、例えば、コマンドボタン(例えば、物理的または仮想)1801~1803を用いて、システムの開始、リセットおよび障害回復を容易にすることである。ユーザインターフェース1800はまた、任意選択的に、システム動作のリアルタイムビデオ1804および/または人間のオペレーションへのシステムメッセージ1805を提供する。また、システムが人間の介入または二重チェックを必要とするエラーを検出した場合、システムはオペレータにアラート情報を表示する。ユーザインターフェースには、繰り返し失敗した場合にピックアップをサポートする遠隔操作機能も含まれる。場合によっては、インターフェースは、物体を自動的にピックアップするロボットが繰り返し失敗した場合に、オペレータが物体のピックアップをガイドすることを可能にする。
【0276】
図19A~Dは、ロボットアームエンドエフェクタのための順応性磁気結合を示している。図19Aでは、エンドエフェクタ1902(場合によっては、図1のエンドエフェクタ114または上記の他のエンドエフェクタと同じまたは類似する)は、ロッド1907および吸引グリッパ1904を含む。エンドエフェクタ1902は、順応性磁気結合機構を介してロボットアーム102のロボットアーム指骨1906の遠位表面1900に取り付け可能である。
【0277】
順応性磁気結合機構は、ロボットアーム102、エンドエフェクタ1902、および/またはグリッパ1904に過度の力が加えられたときに、高価値および高中断時間の構成要素を損傷することなく分離することを可能にする。典型的な過負荷シナリオは、磁気結合をロボットアーム102の指骨1906に近接させておく追加の保持システムによって自動的にリセット可能である。順応性磁気結合機構により、エンドエフェクタ1902を数分以内にすばやく交換することもできる。
【0278】
図19Dは、磁気結合を提供する磁石1908の構成例を示している。図19Dを参照すると、エンドエフェクタ1902は、エンドエフェクタ1902の近位面に配置された複数の(例えば、3つの)磁気構成要素1908を備える。磁気構成要素は、近位面に接着またはねじ留めすることができる。図示の例では、3つの磁気構成要素1908は、円周方向に等間隔に配置されている(すなわち、60度離れている)。さらに、ロボットアーム指骨1906の遠位面1900は、同じ構成で配置された磁気構成要素(図示せず)の別のセットを含む。したがって、エンドエフェクタ上の磁気構成要素1908は、ロボットアーム指骨1906の遠位面1900に配置された磁気構成要素を引き付けるように構成され、したがってエンドエフェクタとロボットアームを結合する。
【0279】
図19Bは、結合状態にある順応性磁気結合機構を示している。図19Bでは、エンドエフェクタ1902の近位面は、エンドエフェクタ上の磁気構成要素1908および表面1900(図示せず)に配置された対応する磁気構成要素のセットを介してロボットアームの遠位面1900に取り付けられる。
【0280】
図19Cは、磁石1908およびピン1910が示す、分離状態にある機構を示している。特定の閾値を超える力(例えば、横方向の力)がシステムのいずれかの部分(例えば、エンドエフェクタ1902)に加えられると、システムは、エンドエフェクタおよびロボットアームが他方から完全に離れることなく一時的に分離することを可能にし、その結果、それらは後で自動的に相互に再び接続することができる。図19Cを参照すると、エンドエフェクタ1902は、エンドエフェクタの近位面の穴を通って延びる細長い部材1903をさらに備える。図示の例では、細長い部材はねじである。細長い部材の近位端は、例えば、ねじ込み機構を介して、モーションデバイスの遠位面1900に取り付けることができる。例えば、細長い部材1902は、エンドエフェクタが最初にロボットアームに取り付けられたときに、ロボットアームの表面1900のねじ穴にねじ込まれることができる。
【0281】
細長い部材は、細長い部材1903の遠位端がエンドエフェクタの近位面の穴を通過するのを防ぐように構成されたエンドストッパ片1905を備える。図示の例では、エンドストッパ片1905はボルトであるが、エンドエフェクタの近位面の穴を通過できないいずれのエンドストッパ片も使用できることを理解されたい。
【0282】
図19Cに示されるように、特定の閾値を超える力がシステムに加えられると、磁気構成要素1908の1つまたは複数を、ロボットアームの表面1900上の磁気構成要素の1つまたは複数から分離させることができる。しかしながら、細長い部材1903は、表面1900に取り付けられたままであり、エンドストッパ片1905は、エンドエフェクタがロボットアームから完全に外れるのを防ぐ。
【0283】
分離を引き起こす力がもはや存在しない場合、磁気構成要素1908により、エンドエフェクタの近位面がモーションデバイスの遠位面に自動的に取り付けられ、かくして接続が自動的にリセットされ、ロボットアームとエンドエフェクタの間の以前の整列を維持する。
【0284】
いくつかの実施形態では、ロボットアームの遠位面およびエンドエフェクタの近位面のうちの一方は、1つまたは複数のピンを含む。ロボットアームの遠位面およびエンドエフェクタの近位面の他方は、1つまたは複数のピンを受け入れるための1つまたは複数の開口部を備える。図19Cおよび19Dに示されるように、エンドエフェクタの近位面は、3つのピン1910を含む。ロボットアームの表面1900は、ピンを収容するための同じ構成で配置された3つの開口部または穴(図示せず)を含む。ピンの上部は先細になっているため、開口部により簡単に嵌まる。ピンにより、より正確で安全なリセットが可能になる。
【0285】
いくつかの実施形態では、ロッド1907(図19D)の近位端は、ロボットアーム内の可撓性管に取り付けられる。したがって、一時的な分離(図19C)の間、ロボットアーム内の管は、ロッド1907とロボットアーム内の管との間の接続が安全なままであるように延長または伸長することができる。
【0286】
いくつかの実施形態では、順応性磁気結合機構は、正確で安全な自動リセットを確実にするために実質的に同様の方法で動作する複数の細長い部材1903を含む。
【0287】
いくつかの実施形態では、システムは、分離の発生(例えば、ロボットアーム指骨とエンドエフェクタの間の分離)、および分離の程度を検出するための1つまたは複数のセンサを備える。ホール効果センサまたはインダクタンスセンサなど、任意のタイプのセンサを使用することができる。いくつかの実施形態では、センサは、モーションデバイス(例えば、指節)、エンドエフェクタ、またはその両方に配置され、モーションデバイス上の構成要素とエンドエフェクタ上の構成要素との間の分離または距離の増大を検出するように構成される。例えば、センサからの信号に基づいて、システムは、モーションデバイス上の磁気構成要素がエンドエフェクタ上の対応する磁気構成要素から一時的に分離されていると判断することができる。分離が発生したという判断に従って、システムはロボットアームを動かして(例えば、引っ込めて)、それ以上の分離を防ぐ。いくつかの実施形態では、システムは、分離の程度(例えば、1つの磁気構成要素が分離された、2つの磁気構成要素が分離された、すべての磁気構成要素が分離された、1つまたは複数のピンが分離された、エンドエフェクタの近位面からエンドストッパ片までの距離)を決定することができ、それに応じて出力を提供する。例えば、システムはロボットアームを動かして、それ以上の分離を防ぐことができる。別の例として、システムはロボットアームを遠ざけて、自動リセットを可能にすることができる。別の例として、システムは、人間のオペレータが環境を検査し、それに応じて調整を行う(例えば、パッケージに対して、ロボットシステムに対して)ことができるようにアラートを発行することができる。
【0288】
図19E~Gは、いくつかの実施形態による、ロボットアームエンドエフェクタのための例示的な磁気結合機構を示す。図19Eでは、ロボットアームツール1920は、ロッド1922およびツールベース1924を備える。ツールベース1924は、ロッド1922の遠位端に取り付けられる。磁気結合機構は、吸引グリッパなどの取り外し可能なツール1926をロボットアームツールのツールチェンジャーベース1922に結合するために使用される。ロボットアームツール1920と取り外し可能なツール1926との間の磁気結合は、ロボットアームツール1920および/または取り外し可能なツール1926に2つを引き離すのに十分な力が加えられると分離を許容する。いくつかの実施形態では、本明細書でさらに詳述するように、切り離しはツールラックを介して達成される。さらに、磁気結合機構は、任意の結合目的のために、例えば、任意のモーションデバイスおよび任意の取り外し可能なエンドエフェクタを結合するために使用することができる。
【0289】
図19Fは、いくつかの実施形態による、例示的なツールチェンジャーベース1924を示す。ツールチェンジャーベース1924は、遠位端に埋め込まれた磁石1930を備える。埋め込まれた磁石は、例えば、接着剤またはウレタン樹脂を介して、ツールチェンジャーベース1924の残りの部分に取り付けることができる。図示の例では、埋め込まれた磁石1930の断面はリング形状である。埋め込まれた磁石の断面は、円形、楕円形、または多角形(例えば、長方形、正方形)などの任意の形状であり得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ツールチェンジャーは、コンパクトで、直径35mmの円筒形であり、深いコンテナの奥に入り込んで、壁および角の近くのアイテムをグリップするのを促進する。ツールチェンジャーはまた、所望の向きでの取り外し可能なツールの結合を促す形状を含む任意の形状であり得る。上で考察したように、ツールチェンジャーベース1924は、ロッドの遠位端に取り付けられる。いくつかの実施形態では、ロッドは中空の中心を有し、中空の空間が形成され、ロッドおよびツールチェンジャーベース1924を通って長手方向に延びる。
【0290】
図19Gは、いくつかの実施形態による、例示的な取り外し可能なツール1926を示している。取り外し可能なツール1926は、取り外し可能なツールの近位端に埋め込まれた磁石1932を備える。埋め込まれた磁石1932は、例えば、接着剤またはウレタン樹脂を介して、取り外し可能なツールの残りの部分に取り付けることができる。図示の例では、埋め込まれた磁石1932の断面はリング形状であり、埋め込まれた磁石1930の断面と同一または実質的に同一である。
【0291】
埋め込まれた磁石1930および埋め込まれた磁石1932は、埋め込まれた磁石1930の遠位端および埋め込まれた磁石1932の近位端が互いに引き付け合うように配置される。いくつかの実施形態では、埋め込まれた磁石は、事前定義された閾値を超える引張力を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、埋め込まれた磁石は、30ポンド力(lbf)以上の力で互いにくっつき合い、高速のツール交換およびアイテムのピックアップを効果的に促進することができる。
【0292】
動作中、ツールチェンジャーベース1924および取り外し可能なツール1926が互いに近接して配置されると、埋め込まれた磁石1930および埋め込まれた磁石1932は、磁力を介して一緒に結合される。いくつかの実施形態では、埋め込まれた磁石1930および埋め込まれた磁石1932は、ロッド1922を通して形成された中空空間が取り外し可能なツール内に長手方向に延在し続けるように整列するように構成される。したがって、取り外し可能なツール1926は、整列した状態でロボットアームツール1920の遠位端にしっかりと結合される。
【0293】
自動整列は、例えば、埋め込まれた磁石の断面が同一または実質的に同一の形状を有し、任意選択的に同一または実質的に同一の寸法を有することを確認することによって達成することができる。磁石には引き付ける磁場があり、これらの磁場は同じような強さとサイズのときに自然に互いに整列するので、埋め込まれた磁石のそのような構成により、磁石は自動的に整列して中心を合わせる。例えば、埋め込まれた磁石1930および1932の断面はそれぞれ円形の穴を含み、埋め込まれた磁石1930および1932は、円形の穴が同心であるおよび/または一致するように自動的に整列することができる。
【0294】
ロボットアームツール1920および取り外し可能なツール1926は、物体をグリップするためのグリップ機構を備えることができる。図19Gに描かれた例では、取り外し可能なツール1926は、遠位端に真空カップ1934を備える。いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールは、取り外し可能なツールの長さにわたって長手方向に延びる長手方向の中空中心を含む。したがって、取り外し可能なツール1926がロボットアームツール1920の遠位端に結合されると、単一の中空空間が、ロボットアームツール1920(ロッド1922およびツールチェンジャーベース1924を含む)および取り外し可能なツール1926を通って長手方向に形成され、延びる。中空スペースは真空チャンバとして機能することができる。動作中、取り外し可能なツール1926、具体的には真空カップ1934が物体の表面の所望の位置に配置されると、ロボットシステムは、真空カップが物体に結合されてグリップを達成するように真空パススルーを起動する。
【0295】
ロボットアームツール1920および取り外し可能なツール1926は、異なるサイズ、重量、および表面積の物体を操作するように構成された様々なグリップ機構を支持することができる。例えば、異なる取り外し可能なツールは、異なるサイズの吸盤を含むことができ、より大きな吸盤はより重いおよび/またはより大きな物体を操作するように構成されている。さらに、ロボットアームツールと取り外し可能なツールは、サイクルタイムへの影響を最小限に抑えながら、陽圧空気圧および電気接続のパススルーに対応することができる。ツールチェンジャーは、アクティブに作動するグリッパを支持するように適合させることもでき、グリッパは様々なタイプのパススルー(例えば空気圧式、電気式)を介して制御(例えば開閉)することができる。
【0296】
図19Gに示されるように、取り外し可能なツール1926は、溝セクション1928を備える。溝セクション1928は、以下で考察するように、取り外し可能なツール1926をz方向に保持することができるツールラックと接合するように構成される。
【0297】
図19H~Jは、いくつかの実施形態による、1つまたは複数の取り外し可能なツールを収容するためのツールラックを示す。図19Hでは、ツールラック1940は、それが静止したままであるように、いくつかの(例えば、3つの)ボルトを介してベースに固定されている。ツールラックは、1つまたは複数のスロット1942および1944を備える。図示の例では、ツールラック1940は、2つのスロットを有する。各スロットには、取り外し可能なツールを受け入れるための広い開口部と、受け入れた取り外し可能なツールをz方向に保持するためのノッチを有する。
【0298】
図19Iに示されるように、ツールラック1940は、2つのスロットを介して2つの取り外し可能なツールを支持する。図示の例では、2つの取り外し可能なツールは、同一のツールチェンジャーベースを含むが、異なるサイズの吸盤を含み、より大きな吸盤は、より重い/より大きな物体を操作するように構成されている。吸盤が描かれているが、他の取り外し可能なツールを同様の方法でツールラックによって保持できることが企図される。例えば、機械的に開閉するアクティブに作動するグリッパを備えた取り外し可能なツールも、ツールラックで受けることができる。
【0299】
図19Jは、スロットの幅広い開口部を介して、スロットのノッチに受け入れられる取り外し可能なツールを示している。ノッチは、取り外し可能なツールがz方向に保持されるように、取り外し可能なツールの溝セクションと接合する。さらに、取り外し可能なツールの埋め込まれた磁石とラックの材料(例えば、鉄製ラック)との間に磁力が生成され、その結果、取り外し可能なツールはしっかりと取り付けられる。
【0300】
ツールラック1940は、ロボットアームツールと取り外し可能な部材との間の結合を促すことができる。動作中、ロボットアームが移動して、ツールチェンジャーベースをツールラック上に取り付けられた取り外し可能なツールの近く(例えば、上)に配置する。ツールチェンジャーベースは、取り外し可能なツールと接触するようにz方向に下げられる。上記の磁気結合機構によれば、ツールチェンジャーベースおよび取り外し可能なツールの近位端は、整列して中心を合わせて一緒に結合される。結合が達成された後、ロボットアームは、取り外し可能なツールをノッチから(例えば、x-y平面上の動きを介して)移動させ、ツールラックから離す。いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールの溝セクションがノッチと接合しないようにロボットアームが取り外し可能なツールをノッチから移動させた後、続いてロボットアームは取り外し可能なツールをz方向に上方に引っ張ってツールラックから離す。
【0301】
ツールラック1940は、ロボットアームツールと、ロボットアームツールに結合された取り外し可能なツールとの間の分離をさらに促すことができる。動作中、取り外し可能なツールに結合されたロボットアームは、取り外し可能なツールの溝セクションが最終的にノッチと接合するように、取り外し可能なツールを利用可能なノッチの幅広い開口部に向かって移動させる(例えば、x-y平面上の動きを介して)。したがって、取り外し可能なツールは、z方向にノッチを介してツールラックによって保持される。さらに、取り外し可能なツールの埋め込まれた磁石とツールラックとの間に引き付け力が生成され、保持をさらに確保する。続いて、ロボットアームが上方に(例えば、z方向に沿って)引っ張れ、したがってロボットアームツールと、ツールラックによって取り付けられたままである取り外し可能なツールとが分離される。
【0302】
ツールラックは、任意の方向または角度で固定することができ、ロボットアームの運動経路は、上記の結合および切り離しを達成するようにそれに応じてプログラムすることができる。例えば、ツールラックは直立した向きで固定することができ、ここでスロットの幅広い開口部は上を向いている。したがって、ロボットアームは、取り外し可能なツールの溝セクションがスロットと接合するように下向きに(例えば、z方向に沿って)移動し、取り外し可能なツールをロボットアームから切り離すために(例えば、x-y平面上の動きを介して)引くことができる。ロボットアームの運動経路は、ツールラックの向きに基づいて湾曲および/または角度を付けることができることを理解されたい。
【0303】
いくつかの実施形態では、ロボットアームツールが第1の取り外し可能なツールと結合されている間、システムは、第2の取り外し可能なツールが必要かどうかを決定する。いくつかの実施形態では、決定は、グリップされる物体の特性(例えば、表面、形状、サイズ、重量)、第2の取り外し可能なツールの特性(例えば、サイズ、グリップ機構のタイプ、ツールラック上の位置)、第1の取り外し可能なツールの特性、またはそれらの任意の組み合わせに基づく。システムは、物体のグリップを試みる前に決定を下すことができ、またはシステムが物体のグリップを試みて(例えば、物体の表面、形状、サイズ、または重量に起因して)失敗した後に決定を下すことができる。
【0304】
第2の取り外し可能ツールが必要であるという決定に従って、ロボットアームツールは、例えば、第1の取り外し可能ツールをツールラック上の利用可能なスロットに取り付け、第1の取り外し可能なツールをツールチェンジャーベースから切り離すためにツールラックから引き離すことによって、第1の取り外し可能ツールから切り離す。いくつかの実施形態では、システムは、第1の取り外し可能なツールと、第1の取り外し可能なツールを保持するスロットの位置との間の関連付けを記憶する。さらに、ロボットアームツールは、その後、例えば、ツールラックから第2の取り外し可能なツールをピックアップすることによって、ツールチェンジャーベースを第2の取り外し可能なツールと結合する。
【0305】
いくつかの実施形態では、取り外し可能なツールがツールラックに保持される場合、システムは、取り外し可能なツールの対応する位置(例えば、ツールラックの対応するスロット)を記憶する。いくつかの実施形態では、位置は、取り外し可能なツールに事前に割り当てられている。さらに、ロボットアームの1つまたは複数の事前にプログラムされた運動経路は、取り外し可能なツールおよび/またはツールラック上の位置に関連して記憶することができる。動作中、ターゲット物体の特性(例えば、サイズ、高さ、または形状)に基づいて、システムは、適切な取り外し可能なツール(例えば、適切なサイズの吸盤)を決定し、対応する位置を検索し得る。次に、システムは、事前にプログラムされた動き(例えば、逆U字形経路)を実行して、取り外し可能なツールをロボットアームに取り付け、ツール交換を実施し得る。
【0306】
上記の磁気結合機構は、サイクル時間への影響を最小限に抑えながら、様々なサイズ、重量、および表面の物体を操作するための柔軟な操作ソリューションを提供する。いくつかの実施形態では、この機構は、現在利用可能な方法の5秒超と比較して、0.5~1秒(例えば、0.5秒、0.6秒、0.7秒、0.8秒、0.9秒、1秒)以内の迅速かつ安全なツール交換を可能にする。
【0307】
有利なことに、上記の磁気結合機構およびツールラックは、手動介入なしに、単一のアイテムのピックアップサイクル以上の速度でツールを安全に交換することができる。そのため、ツールの変更によって引き起こされる潜在的なボトルネックが軽減または排除される。例えば、様々なサイズのパッケージを扱う倉庫では、ピックアップや仕分けの際にロボットアームがパッケージを適切にグリップすることができるように、頻繁なツール交換が必要になる場合がある。毎回5秒超かかる頻繁なツール交換は、ピックアップおよび仕分けプロセスのスループットを不当に制約する可能性がある。しかしながら、ツール交換にかかる時間がサイクル時間以下の場合、様々なアイテムのピックアップと仕分けをより簡単に合理化し、より効率的に実行することができる。
【0308】
磁気結合機構とツールラックのさらなる利点は、手動介入が不要なことである。ツールチェンジャーベースが取り外し可能なツールに近接すると、磁気結合機構は自己整列する。磁気結合機構の自己整列の性質は、本明細書に記載の自動化システムと比較して、労力と時間の両方がかかる手動介入の必要性を排除する。人間の作業員は、取り外し可能なツールを変更するのにより時間がかかり、その間、パッケージは移動も仕分けもされない。
【0309】
磁気結合機構のさらなる利点は、グリップを達成するため、および/または接触を維持するために機械的結合方法を必要としないことである。機械的結合方法は、可動部品や電気配線などの追加の複雑さを必要とし、磁気結合機構と比較してコストが増加する。さらに、機械システムは可動部品を介して追加の障害点を導入する。また機械的結合方法は、取り外し可能なツールをツールチェンジャーベースに適切に結合する(または切り離す)ために追加の時間を必要とする。具体的には、取り外し可能なツールとツールチェンジャーベースとの間に追加の接触を確立する必要があり(例えばラッチ、電気配線、クランプ)、ロボットアームの追加の動きまたは操作が必要であり、複雑な作動機構が必要になる可能性がある。機械的結合方法は不要であるが、追加の安全性が必要な場合は、磁気結合機構に加えて機械的結合方法を使用できることが企図される。例えば、一部のパッケージは、磁気結合機構が可能な引張力よりも重い場合があり、機械的結合機構は追加で配備される場合がある。別の例では、磁気結合機構は、追加の機械的結合機構の自己整列を促すことができる。
【0310】
磁気結合機構のさらなる利点は、ロボットアームツールと取り外し可能なツールがコンパクトなフォームファクタを備えていることである。例えば、ツールチェンジャーベースの直径は35ミリメートルとすることができる。ロボットアームツールは深いコンテナから小さな物体をピックアップすることができるため、コンパクトなフォームファクタが望ましい。コンパクトなフォームファクタは、壁や角の近くでアイテムをグリップするときにさらに有益である。倉庫は多種多様なパッケージサイズを取り扱うため、ロボットアームツールを柔軟に操作してピックアップと仕分けを容易にする機能が望まれる。
【0311】
図20は、ルーズポリバッグ2004のようなアイテムをピックアップし、保持し、操作する能力を高めるように設計されたルーズバッグカップグリッパ2002を備えたエンドエフェクタ2000を示す。ルーズバッグカップグリッパ2002は、バッグ2004をカップに吸引する。増加した表面積は、大量の空気の流れなしで安全な保持を提供する。図6Aに関して上に記載した吸引ノズルグリッパと比較して、ルーズバッグカップグリッパ2002は、任意選択的に、より剛性が高く、より深く、および/またはより幅広い。
【0312】
図21A~Eは、いくつかの実施形態による、ロボットアームエンドエフェクタ用の例示的なルーズバッグカップグリッパを示す。図21Cでは、ルーズバッグカップグリッパ2002は、近位端2102および遠位端2104を備える。近位端2102は、上記の実施形態と同様に、磁気アタッチメントを介してエンドエフェクタに取り付けることができる。近位端2102はまた、他の手段を介して、例えば機械的手段(例えば、ラッチ)またはねじ接続(例えば、ねじ回し式)を介して、エンドエフェクタに取り付けることができる。
【0313】
図21Bは、ルーズバッグカップグリッパ2002の断面図を示す。ルーズバッグカップグリッパ2002は、一次チャンバ2106および二次チャンバ2108を備える。いくつかの実施形態では、二次チャンバ2108は、一次チャンバ2106の外部にあり、一次チャンバ2108を取り囲む。図示の例では、一次チャンバ2106および二次チャンバ2108は両方とも円筒形であり、一次チャンバ2106は二次チャンバ2108よりも小さい直径を有する。二次チャンバ2108は、任意選択的に一次チャンバ2106を取り囲み、一次チャンバ2106と同心である。この構成は、例えば、第1の中空シリンダを第2の中空シリンダの内側に配置することにより達成可能であり、かくして、一次チャンバ(すなわち、第1の中空シリンダ)および二次チャンバ(すなわち、第1の中空シリンダと第2の中空シリンダとの間の空間)を形成する。
【0314】
いくつかの実施形態では、二次チャンバ2108は、空気が一次チャンバ2106と二次チャンバ2108との間を流れることができるように1つまたは複数の接続部2110(例えば、穴)を介して一次チャンバ2106に接続される。図示の例では、二次チャンバ2108は、4つのレベルで一次チャンバ2106に接続し、各レベルに5つの接続部2110を有する。しかしながら、任意の接続構成を使用できることに注意されたい。一実施形態では、接続部2110は、幅4ミリメートル、長さ20ミリメートルである。
【0315】
いくつかの実施形態では、一次チャンバ2106は、近位端2102の開口部および遠位端2104の開口部を含む。図示の例では、近位端2102の開口部の断面、遠位端2104の開口部の断面、および一次チャンバ2106の断面は、すべてリング形状である。近位端2102の開口部、遠位端2104の開口部、および一次チャンバ2106の断面は、楕円形または多角形(例えば、長方形、正方形)などの任意の形状であり得ることが理解されるべきである。近位端2102の開口部、遠位端2104の開口部、および一次チャンバ2106の断面は、任意選択的に同じ形状にすることができる。あるいは、断面の1つまたは複数は、他の断面とは異なる形状であり得る。一実施形態では、遠位端2104の開口部は、一度に1つのバッグ2004のみがグリップされるように十分に小さい。いくつかの実施形態では、ルーズバッグカップグリッパ2002は、50ミリメートルの外径および110ミリメートルの長さを有する。ルーズバッグカップグリッパ2002の寸法は、様々な厚さや様々な重量のバッグで機能するように拡大縮小することもできる。
【0316】
図示の実施形態は、近位端2102の開口部が一次チャンバ2106の直径よりも小さい直径を有することを示す。図示の実施形態はまた、遠位端2104の開口部が湾曲した漏斗として成形されることを示す。遠位端2104の開口部は、他の形状、例えば円錐として成形されてもよい。
【0317】
図21Bに示すように、ルーズバッグカップグリッパ2002の近位端2102の開口部は、ロボットアームの遠位端と整列して、ロッド2006およびルーズバッグカップグリッパ2002、具体的には一次チャンバ2106および二次チャンバ2108を通って長手方向に形成されて延びる単一の中空空間を形成するように構成することができる。中空空間は、真空チャンバとして機能することができる。動作中、ルーズカップグリッパ2002がルーズバッグ2004の近くの望ましい位置に配置されると、ロボットシステムは、ルーズバッグカップグリッパ2002がルーズバッグ2004をグリップするように真空パススルーを作動させる。
【0318】
図22A~Bは、動作中のルーズバッグカップグリッパ2002を示している。図22Aでは、真空流が、ルーズバッグカップグリッパ2002の一次チャンバ2106を通して(例えば、空気流源を介して)生成され、バッグ2004は、遠位端2104の開口部を通って一次チャンバ2106に内に上方に引き込まれる。バッグ2004は上方に引き上げられて一次チャンバ2106に埋め込まれ、バッグ2004は真空流を妨害および阻止する。いくつかの実施形態では、一次チャンバ2106は、その形状がバッグ2004が一次チャンバ2106に完全に真空引きされるのを防ぐのに十分な長さである。したがって、1つまたは複数の接続部2110は、バッグ2004によってブロックされないままであり、それによって、一次チャンバ2106と二次チャンバ2108との間の気流接続を維持する。阻止された真空流は、バッグ2004の内側と中空チャンバ2106、2108との間に圧力差を生じさせ、それにより、バッグ2004を垂直方向および横方向にグリップする。
【0319】
一実施形態では、グリッパ2002は、デルリンまたはPTFEなどの滑りやすいプラスチックから作られるが、他の材料を使用することができる。別の実施形態では、グリッパ2002は、滑りやすいキャストウレタン樹脂から作られる。一次チャンバ2106の真空力は、軸方向に10ポンド力であり得、二次チャンバ2108の真空力は、横方向に16ポンド力であり得る。
【0320】
図示の例では、ルーズバッグ2004はプラスチックから構成されており、変形可能である。変形能力により、バッグ2004の一部を一次チャンバ2106に引き込むことができる。バッグ2004の一部が一次チャンバ2106に引き込まれると、バッグ2004の内部(すなわち、大気圧)と一次/二次チャンバの圧力との間の圧力差により、バッグは一次チャンバの側壁に付着する。ロボットアームツールがそれ自体を所望のドロップオフ位置に再配置すると、真空流をオフにすることができ、バッグ2004はバッグの自重の遠位端2104を通って出ることが可能になる。プラスチックバッグが描かれているが、ルーズバッグカップグリッパ2002を使用して、紙または布のような他の変形可能な材料をグリップすることができると考えられる。
【0321】
いくつかの実施形態では、システムは、図10A~Cに記載された実施形態に従って、ラベル(例えば、バーコード)を含む可能性が高いバッグ2004上の領域を識別する。システムは、バッグ2004がグリッパ2002によってグリップされたときにラベルが隠されないように、ラベルを含む可能性が高い領域から十分な距離を置いてグリッパ2002を配置することができる。
【0322】
横方向の吸引力を加えることは、バッグ2004を重力および横荷重力の両方からの引き抜きに対して耐性にするという利点を有する。ルーズバッグカップグリッパ2002は、高加速中または高負荷シナリオ中にポリバッグをしっかりと保持することができる。本実施形態はさらに、横荷重引き抜きを防止するために、アレイ内に複数の真空カップを使用する必要性を低減するという利点を有する。複数の真空カップアレイは、かさばり、複雑で、コストがかかるが、それでも、グリップされたポリバッグの横荷重取り外しを完全に軽減することはできない。本実施形態はさらに、開閉可能な機械式グリッパのような並列作動方法を採用する必要性を低減するという利点を有する。並列作動方法は同じく、作動システムの複雑さとコストを増加させる。図示の実施形態は、追加のアクチュエータおよび/または追加の作動方法を使用する必要性を低減するが、それにもかかわらず、追加のグリップ安全性が望まれる場合、追加のアクチュエータおよび/または作動方法を使用することができる。本実施形態はさらに、容易に入手可能なポリバッグのどの部分も確実にグリップできるという利点を有する。特定の吸引領域を備えた特殊なバッグは必要ないため、ロボットアームシステムの複雑さと使用するバッグのコストが削減される。
【0323】
代替の実施形態では、ルーズバッグカップグリッパ2002は、遠位端2104に配置された吸盤を含むように修正することができる。吸盤は、任意選択的に、ルーズバッグカップグリッパ2002よりも剛性が低く、それにより、吸盤が硬い表面をより良好にグリップすることを可能にする。吸盤は、ロボットアームツール1920およびルーズバッグカップグリッパ2002を含む真空パススルーを継続するように、ルーズバッグカップグリッパ2002に結合される。この実施形態では、同じロボットアームエンドエフェクタアタッチメントを使用して、ポリバッグと、箱のような硬い表面を持つアイテムの両方をグリップすることができる。
【0324】
動作中、修正されたルーズバッグカップグリッパ2002は、ターゲットアイテムに近接する望ましい位置に配置される。次に、ロボットシステムは、修正されたルーズバッグカップグリッパ2002がターゲットアイテムに垂直吸引力を加えるように、真空パススルーを作動させる。ターゲットアイテムがポリバッグである場合、ターゲットアイテムは、図22A~Bに記載された実施形態に従って、少なくとも部分的に一次チャンバ2106に引き込まれ、また二次チャンバ2108によって横方向に保持される。ターゲットアイテムが硬い場合、ターゲットアイテムは吸盤に吸引され、それによりグリップを達成する。
【0325】
システムは、運搬ケース内の物体の特性(例えば、寸法、重量、表面材料)に基づいて、動作中にエンドエフェクタのタイプを自動的に切り替えることができる(例えば、グリッパ1904とグリッパ2002との間の切り替え)。ロボットの近くの固定具に配置される複数のタイプのエンドエフェクタ(例えば、複数のタイプのカップ)がある。ロボットがエンドエフェクタを切り替える必要がある場合、ロボットは、現在係合しているエンドエフェクタが固定具に残されるように特定の動作を実行し、固定具上の別のカップと係合する。場合によっては、エンドエフェクタは磁力または真空力で取り付けられる。
【0326】
図23は、いくつかの実施形態による、ラベル2304がスキャナ2306によって検出可能であるようにパッケージ2302を配向するためのパッケージ配向システム2300を示す。ラベル2304を検出することには、パッケージの向きが後のステップでのラベル読み取りに適していることを確認するという利点がある。例えば、スキャナ2306が上部コンベヤベルト2308の真上に配置されている場合、スキャナ2306は、パッケージ2302がそのラベル2304を上に向けて配向されている場合にのみ、ラベル2304を検出することが好ましい。多くの既存の倉庫には、上向きのラベルを読み取るために構築された既存のインフラストラクチャがあるため、ラベルを上向きにしてパッケージを配向することは有利である。移動中およびピックアップ中にパッケージは他の向きに配向されることが多いため、ラベルが望ましい方向(たとえば上向き)を向くようにパッケージを再配向するために、コンパクトで迅速かつ費用効果の高いシステムを作り出すことが望ましい。
【0327】
パッケージ配向システム2300は、スキャナ2306、上部コンベヤベルト2308、フリップコンベヤベルト2310、および下部コンベヤベルト2312を備える。いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルト2310は、上部コンベヤベルト2308の近位端に配置される。好ましい実施形態では、フリップコンベヤベルト2310は、それが第1の向き(例えば、直立の向き)にあるとき、上部コンベヤベルト2308上を移動するパッケージ2302が、フリップコンベヤベルト2310にぶつかり、それを越えて移動し続けることができないようにさらに配置される。以下で詳述するように、フリップコンベヤベルト2310は、制御されたタンブリング操作を介して物体の再配向を促進する角度付きコンベヤである。フリップコンベヤベルトの最初の向きは、物体を再配向する際の成功率を最適化するように調整される。いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルトの第1の向きは、90度(すなわち、上部コンベヤベルトに垂直)または実質的に90度(例えば、80度~100度)である。
【0328】
下部コンベヤベルト2312は、好ましくは、上部コンベヤベルト2308およびフリップコンベヤベルト2310の下に配置される。いくつかの実施形態では、C字形シュート2314が上部コンベヤベルト2308の遠位端に配置される。
【0329】
スキャナ2306は、好ましくは、パッケージ2302がフリップコンベヤベルト2310を越えて移動し続けることができない地点またはその近くに配置される。一実施形態では、スキャナ2306は、上部コンベヤベルト2308の真上に配置され、上部コンベヤベルト2308を下に指している。しかしながら、スキャナ2306は、上部コンベヤベルト2308に対して他の位置に配置できることも理解されたい。スキャナ2306は、パッケージ2302上のラベル2304を認識するように構成することができる。ラベル2304は、パッケージに関する情報を格納する任意の方法を含むことができる。例えば、ラベル2304は、1D/2Dバーコード、基準マーカー、QRコード、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。ラベル2304は、機械可読型または人間可読型であり得る。一実施形態では、スキャナ2306は、ラベルの検出を継続的に試みる。
【0330】
図24A~Dは、動作中のパッケージ配向システム2300を示している。パッケージ2302は、パッケージを輸送する任意の方法によって上部コンベヤベルト2308上に配置される。例えば、パッケージ2302は、ロボット、人間、または別のコンベヤベルトによってベルト2308上に配置することができる。いくつかの実施形態では、上部コンベヤベルト2308は、パッケージ2302が上部コンベヤベルト2308に配置されたときにすでに作動している。あるいは、上部コンベヤベルト2308は、パッケージ2302がベルト2308に配置されたときに作動し始めることができる。図24Aに示されるように、パッケージ2302は、ラベル2304がスキャナ2306によって認識されないように第1の向きに配置され、したがって、上部コンベヤベルト2308は、ベルト2308に沿って、フリップコンベヤベルト2310に向かってパッケージ2302を移動しながら、作動し続ける。
【0331】
パッケージがその2つの側面にバーコードを有する状態でコンベヤベルト2308上に配置される場合、パッケージを回転することはバーコードをスキャナ2306に見えるようにはしない。したがって、いくつかの実施形態では、パッケージ2302をコンベヤ2308上に配置する前に、システムはバーコードがパッケージの2つの側面にないことを確認する。いくつかの実施形態では、パッケージは、ロボットアームを使用してピックアップされ、第2のスキャナがパッケージをスキャンしている間、連続的に(例えば、z軸に沿って)回転される。第2のスキャナでキャプチャされた画像に基づいて、システムは、バーコードを有する表面が、2つの側面ではなく、パッケージがコンベヤベルトに配置されるときに回転され得る4つの側のうちの1つであるように、パッケージが回転されたかどうかを判断する。表面が回転され得る4つの側のうちの1つであるという決定に従って、ロボットアームは、パッケージをコンベヤベルト2308上に配置する。バーコードが付いている表面が4つの側のうちの1つではないとの決定に従って、ロボットアームは、z軸を中心にパッケージを回転させ続ける(例えば、グリッパを回転させることによって)。
【0332】
図24Bにおいて、パッケージ2302は、上部コンベヤベルト2308に沿って移動し、フリップコンベヤベルト2310と接触する。フリップコンベヤベルト2310は好ましくはパッケージ2302を上部コンベヤベルト2308から離れるように引き上げ、パッケージ2302が第2の向きに転がるような方向で作動する。フリップコンベヤベルト2310は連続的に作動することができる。あるいは、フリップコンベヤベルト2310は、スキャナ2306がパッケージ2302を検出するが、ラベル2304を検出しないときに作動を開始することができる。ラベル2304が第2の向きにおいてスキャナ2306によって依然認識できない場合、ベルト2308および2310は作動を継続し、パッケージ2302は様々な向きに転がり続ける。
【0333】
いくつかの実施形態では、上部コンベヤベルト2308およびフリップコンベヤベルト2310の一方または両方は滑り止めを付けられて、パッケージ2302をグリップするのを助け、パッケージ2302を第2の向きに(例えば、90、180、270度)転がす、回動する、または回転するのを容易にする。一実施形態では、上部コンベヤベルト2308は、パッケージ2302が第2の向きに転がる前にスキャナ2306がラベル2304を検出する時間を有するように、低摩擦の滑り止め付きコンベヤベルトを使用する。別の実施形態では、フリップコンベヤベルト2310は、パッケージ2302を転がすのを容易にするために高摩擦のコンベヤベルトを使用する。滑り止め付きコンベヤベルト、高摩擦ベルト、および低摩擦ベルトの任意の組み合わせを使用できることが企図される。
【0334】
図24Cにおいて、システムは、パッケージ2302が、下流のソータによって処理される準備ができているような向きに転がったと判断する。例えば、下流のソータが、上向きの物体のバーコードラベルを必要とする単一のバーコードリーダを有する場合、システムは、スキャナ2306がパッケージの上面のバーコードを認識するときに、パッケージが適切な向きにあると判断する。別の例として、下流のソータが5面のスキャントンネルを有する場合、システムは、(例えば、底面をスキャンするスキャナの出力に基づいて)バーコードがパッケージの底面にない場合、パッケージが適切な向きにあると判断し得る。パッケージが適切な向きにあるとシステムが判断すると、上部コンベヤベルト2308およびフリップコンベヤベルト2310は、パッケージ2302が転がるのを停止するように、動作を停止する。
【0335】
図24Dでは、フリップコンベヤベルト2310は、パッケージ2302が上部コンベヤベルト2308に沿って連続するべく障害物のない経路を有するように移動する。好ましい実施形態では、フリップコンベヤベルト2310は、第2の向きに移動し(例えば開きながら)、パッケージ2302が通過するために、フリップコンベヤベルト2310と上部コンベヤベルト2308との間に十分なスペースを作り出す。フリップコンベヤベルト2310は、他の方法でも同様に移動できることを理解されたい。例えば、フリップコンベヤベルト2310は、図24Eに示されるように、パッケージ2302が通過するために、フリップコンベヤベルト2310と上部コンベヤベルト2308との間に十分なスペースを作り出すために上方にスライドすることができる。
【0336】
いくつかの実施形態では、第2のパッケージがコンベヤベルト2308上に配置されると、スキャナ2306によってキャプチャされた画像データに基づくコンベヤベルト2308上の第2のパッケージを回転する必要があるという決定に応答して、フリップコンベヤベルト2310は、第1の向き(例えば、図24Aに示されるような直立の向き)または位置(図24Fに示されるように低い位置)に移動する。いくつかの実施形態では、フリップコンベヤベルト2310は、第1のパッケージが通過した後、第1の向き(例えば、図24Aに示されるような直立の向き)または位置(図24Fに示されるような低い位置)に移動する。
【0337】
いくつかの実施形態では、スキャナ2306は、パッケージが回転されている間、パッケージをスキャンし続ける。スキャナ2306は、1つまたは複数の画像をキャプチャし、1つまたは複数の画像に基づいて、バーコードが正常に検出され読み取られたかどうかを判断する。バーコードが正常に読み取られたという判断に従って、システムは、例えば、フリップコンベヤベルトを移動することによって(例えば、上方に回転または移動することによって)、パッケージが移動することを許す。バーコードが正常に読み取られなかったとの判断に従って、システムはパッケージを転がし続ける。したがって、下流のスキャナは必要ない。
【0338】
図25A~Bは、平らなパッケージ2502を取り扱うパッケージ配向システム2300を示す。好ましい実施形態では、パッケージ配向システム2300は、C字形シュート2314を含む。C字形シュート2314は、好ましくは、上部コンベヤベルト2380の遠位端に配置され、上部コンベヤベルト2308に沿って移動するパッケージを受け入れるように構成される。C字形シュート2314は、好ましくは、ベルト2308の遠位端を離れる平らなパッケージ2502が反転されるように、上部コンベヤベルト2380の遠位端を包み込む。平らなパッケージ2502は、2次元に沿って実質的により大きな測定値を有し得、そして3次元に沿って比較的小さな測定値を有し得る。平らなパッケージ2502は、例えば、封筒またはポリバッグであり得る。平らなパッケージ2502はまた、ラベル2504を貼付するための、より短い3次元に沿った十分なスペースがないこととして特徴付けることができる。したがって、ラベル2504は、好ましくは、平らなパッケージ2502のたった2つの側面のうちの1つにあるであろう。
【0339】
動作中、平らなパッケージ2502は、パッケージを輸送する任意の方法によって上部コンベヤベルト2308上に配置される。例えば、平らなパッケージ2502は、ロボット、人間、または別のコンベヤベルトによってベルト2308上に配置することができる。平らなパッケージ2502は、好ましくは、最初に上部コンベヤベルト2308上を近位端およびフリップコンベヤベルト2310に向かって進む。平らなパッケージ2502がベルト2308の近位端に到着したときにスキャナ2306がラベル2504を検出できない場合、パッケージ配向システム2300は、平らなパッケージ2502の高さを判定する。あるいは、平らなパッケージ2502の高さは、ピックアップまたはシンギュレーションプロセスの別の段階で判定され得る。一実施形態では、高さはRGB-Dカメラを使用して判定されるが、高さを決定するための他の方法を使用することができる。別の実施形態では、高さは、フォトアイなどの光学センサを使用して決定される。パッケージが通常のパッケージであると判定された場合、パッケージは、図24A~Dに示されるいくつかの実施形態に従って取り扱われる。パッケージが平らなパッケージ2502であると判定された場合、上部コンベヤベルト2308は方向を逆にし、平らなパッケージ2308をベルト2308の遠位端に、そしてC字形シュート2314に向けて送る。好ましくは、平らなパッケージ2308は、ベルト2308の遠位端を越えて進み、C字形シュート2314に落下する。C字形シュート2314は、平らなパッケージ2502がC字形シュート2314から下部コンベヤベルト2312上に滑り落ちるときに平らなパッケージ2502を反転させる。ここで平らなパッケージ2502上のラベル2504は好ましくは見えるようになり、上向きになる。
【0340】
いくつかの実施形態では、パッケージがフリップコンベヤベルト2310を通過すると、コンベヤベルト2309がパッケージを受け取る。図25Cおよび図25Dを参照すると、システムは、パッケージがコンベヤベルト2308またはコンベヤベルト2312のどちらから来ているかを決定する。決定に基づいて、システムは、パッケージを受け取ることができるようにコンベヤベルト2309の位置および/または向きを変更する。いくつかの実施形態では、システムが、パッケージが平らなパッケージであり、C字形シュート2314(図25A)を使用して反転させる必要があるかどうかを決定するときに、決定を行うことができる。
【0341】
パッケージ配向システム2300の1つの利点は、システムが最小量の感知および作動で動作するので、システムが低コストであることである。このシステムのさらなる利点は、自動化により迅速であることである。このシステムのさらなる利点は、コンパクトであることである。倉庫スペースは貴重であり得る。したがって、在庫の取り扱いに必要なスペースを最小限に抑えることが望ましい。このシステムのさらなる利点は、ラベルが上向きである必要があり、利用可能な床面積が限られている既存の倉庫インフラストラクチャに適応することである。
【0342】
開示されたプロセス/フローチャートにおけるブロックの特定の順序または階層は、例示的なアプローチの実例であることが理解される。設計の好みに基づいて、プロセス/フローチャート内のブロックの特定の順序または階層は再構成できることが理解される。さらに、一部のブロックは組み合わせる、または省略することができる。付随する方法は、サンプル順序で様々なブロックの要素を提示することを主張し、提示される特定の順序または階層に限定されることを意味するものではない。
【0343】
前述の記載は、当業者が本明細書に記載の様々な例を実施できるようにするために提供されている。これらの例に対する様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は他の例に適用することができる。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される例に限定されることを意図するものではなく、特許請求の範囲の文言と一致する全範囲を与えられるべきであり、単数形での要素への言及は、特に明記されていない限り「唯一の」ではなく、「1つまたは複数」を意味することを意図する。「例示的」という語は、本明細書では、「例、実例、または例示として役立つ」ことを意味するために使用される。本明細書で「例示的」として記載されているあらゆる例は、必ずしも他の例よりも好ましいとも有利であるとも解釈されるべきではない。特に明記されていない限り、「いくつか」という用語は1つまたは複数を指す。「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの1つまたは複数」、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、BおよびCの1つまたは複数」および「A、B、Cまたはそれらの任意の組み合わせ」は、A、B、および/またはCの任意の組み合わせを含み、Aの倍数、Bの倍数、またはCの倍数を含むことができる。具体的には、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの1つまたは複数」、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つまたは複数」および「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであり得、ここでいずれのそのような組み合わせもA、B、またはCの1つまたは複数のメンバーを含むことができる。本開示全体を通して記載されている、当業者に知られている、または後に知られるようになる様々な例の要素に対するすべての構造的および機能的等価物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、特許請求の範囲に含まれることが意図されている。さらに、本明細書に開示されるものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図するものではない。「モジュール」、「機構」、「要素」、「デバイス」等の語は、「手段」という語の代わりにはならない。したがって、クレーム要素は、要素が「~のための手段」という句を使用して明示的に記載されていない限り、米国特許法第112項(f)に基づいて解釈されるべきではない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B-6C】
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図19G
図19H
図19I
図19J
図20
図21A
図21B
図21C
図21D
図21E
図22A
図22B
図23
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図25A
図25B
図25C
図25D
【手続補正書】
【提出日】2021-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なエンドエフェクタをモーションデバイスに結合するためのシステムであって、
前記モーションデバイスの遠位端に取り付けられた第1の磁気リングを含み、
前記モーションデバイスおよび前記第1の磁気リングは、前記モーションデバイスの第1の長さを通って、および前記第1の磁気リングの中心を通って延びる第1の中空チャンバを形成し、前記システムはさらに、
前記取り外し可能なエンドエフェクタの近位端に取り付けられた第2の磁気リングを含み、
前記第2の磁気リングおよび前記取り外し可能なエンドエフェクタは、前記第2の磁気リングの中心か延び、前記取り外し可能なエンドエフェクタの第2の長さを通って延びる第2の中空チャンバを形成し、
前記第1の磁気リングと前記第2の磁気リングは、磁気的に結合されたとき、事前定義された閾値を超える引張力を生成し、パススルー機構を可能にするために前記第1の中空チャンバと前記第2の中空チャンバを位置合わせするように構成され、
前記取り外し可能エンドエフェクタは、ツールラック上の少なくとも1つのスロットのノッチによって保持されるように構成された溝を備えるシステム。
【請求項2】
前記パススルー機構が真空パススルーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パススルー機構が電子的パススルーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記パススルー機構が機械的パススルーである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記溝が前記ツールラック上の前記少なくとも1つのスロットの前記ノッチによって保持されるときに、前記取り外し可能なツールの前記第2の磁気リングと前記ツールラックとの間に磁力が生成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つのスロットが、前記溝との接合を促すために、終端部よりも始端部により広い開口部を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ツールラックが鉄である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムが、前記モーションデバイスの遠位端にツールチェンジャーベースをさらに含み、前記ツールチェンジャーベースは前記第1の中空チャンバの一部を形成する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の磁気リングの断面および前記第2の磁気リングの断面が同一である、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記リングが楕円形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記リングが円形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記リングが多角形である、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記取り外し可能なエンドエフェクタが遠位端に吸盤を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記取り外し可能なエンドエフェクタが、遠位端に電気式または空気圧式に作動されるグリッパを有する、請求項1に記載のシステム。
【国際調査報告】