(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】電子機器を含む体液収集デバイスならびに関連するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/15 20060101AFI20220111BHJP
A61B 5/1172 20160101ALI20220111BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20220111BHJP
【FI】
A61B5/15
A61B5/1172
A61B5/1171 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526253
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-15
(86)【国際出願番号】 US2019061087
(87)【国際公開番号】W WO2020102281
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518219169
【氏名又は名称】タッソ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】カサヴァント ベン
(72)【発明者】
【氏名】ベルティエ アーウィン
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038TA01
4C038VA07
4C038VB04
4C038VB13
4C038VC05
(57)【要約】
電子機器を含む体液採取デバイス、ならびに関連するシステムおよび方法が開示されている。いくつかの実施態様では、デバイスは、体液採取機構を収容するハウジングと、ハウジングに対して移動可能なアクチュエータと、1つ以上の電子構成要素と、を含む。電子構成要素(複数可)は、デバイスが作動され、デバイスの回路が閉じられると、非起動状態から起動状態へ移行するように構成することができる。起動状態へ移行すると、電子構成要素(複数可)は、無線で情報を外部受信機へ送信および/または外部受信機から情報を受信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されたデバイスは、1つ以上の通信デバイスを含む相互接続されたシステムの一部を備えることができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者から体液を収集するためのデバイスであって、
内腔を画定し、前記患者の皮膚に対して位置付けられるように構成された底面を有する、ハウジングと、
少なくとも部分的に前記内腔内に位置付けられた皮膚穿刺機構と、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に位置付けられた電子機器サブシステムであって、スイッチを含む、電子機器サブシステムと、
前記スイッチおよび前記皮膚穿刺機構に動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータが、前記内腔を通って第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、前記アクチュエータの前記第1の位置から前記第2の位置への移動が、
前記皮膚穿刺機構を(a)前記内腔を通って、かつ(b)前記ハウジングの前記底面を越えて移動させ、患者の皮膚を穿刺させ、それによって、体液を前記患者から前記ハウジングの前記内腔内へ引き込み、
前記スイッチを開位置から閉位置へ移動させ、それによって、前記電子機器サブシステムを起動させるように構成されている、アクチュエータと、を備える、デバイス。
【請求項2】
前記電子機器サブシステムが、前記電子機器サブシステムの起動後に経過した時間を記録するように構成されたタイマを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記電子機器サブシステムが、前記患者のアイデンティティを記録するように構成されたセンサを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記センサが、前記患者の指紋を記録するように構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記センサが、前記ユーザの眼の画像またはパターンを記録するように構成されている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項6】
前記電子機器サブシステムが、前記体液の特性を測定するように構成されたセンサを含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
少なくとも部分的に前記ハウジング内に位置付けられ、前記体液を受容するように構成されたマイクロ流体チャネルをさらに備え、前記センサが少なくとも部分的に前記マイクロ流体チャネル内に位置付けられている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
少なくとも部分的に前記ハウジング内に位置付けられ、前記体液を受容するように構成されたマイクロ流体チャネルと、
前記マイクロ流体チャネルと前記センサとの間に延在するサンプルボードと、をさらに備え、前記サンプルボードが、前記体液の一部分を前記マイクロ流体チャネルから前記センサへ引き込むように構成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記電子機器サブシステムが、(a)1つ以上のプロセッサと、(b)前記1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記電子機器サブシステムに前記スイッチの前記開位置から前記閉位置への動作に関連付けられ時間を測定させる命令を格納するコンピュータ可読媒体と、を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項10】
前記電子機器サブシステムが、前記デバイスに関連付けられた情報を外部受信機へ無線で送信するように構成された通信構成要素を含む、請求項1に記載のデバイス。
【請求項11】
前記電子機器サブシステムが、前記体液の特性を測定するように構成されたセンサを含み、前記デバイスに関連付けられた前記情報が、前記体液の前記測定された特性に関連付けられた情報を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記第2の位置が、前記第1の位置よりも前記ハウジングの前記底面に近い、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記ハウジングが前記患者の手の中で保持されるようにサイズ決定されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
患者から体液を収集するためのデバイスであって、
ハウジングと、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に位置付けられた皮膚穿刺機構と、
前記皮膚穿刺機構に動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記ハウジングに対して第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、前記第1の位置から前記第2の位置への前記アクチュエータの移動が、前記皮膚穿刺機構を少なくとも部分的に前記ハウジングの外へ移動させて、前記患者の前記皮膚を穿刺させ、それによって体液を前記患者から前記ハウジングの前記内腔内へ引き込むように構成されている、アクチュエータと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に位置付けられた電子機器サブシステムであって、
前記体液の特性を測定するように構成されたセンサ、および
前記測定された特性に関連付けられた情報を外部受信機に無線で送信するように構成された通信構成要素を含む、電子機器サブシステムと、を備える、デバイス。
【請求項15】
前記アクチェータが前記第1の位置から前記第2の位置へ移動された後に所定の時間で、前記センサが、前記体液の前記特性を測定するように構成されている、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記特性が、前記体液内の化学化合物の量である、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記電子機器サブシステムが、前記アクチェータが、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動された後に経過した時間を測定するように構成されたタイマを含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項18】
前記電子機器サブシステムが、(a)プロセッサと、(b)プロセッサによって実行されるとき、前記電子機器サブシステムに、
前記タイマから前記経過時間を受信すること、
前記経過時間に基づいて前記所定時間を判断すること、および
前記所定時間において前記体液の前記特性を測定するように前記センサを制御することを含む動作を実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体と、をさらに含む、請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
患者から体液を収集するためのデバイスであって、
ハウジングと、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に位置付けられた皮膚穿刺機構と、
前記皮膚穿刺機構に動作可能に結合されたアクチュエータであって、前記アクチュエータは、前記ハウジングに対して第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、前記第1の位置から前記第2の位置への前記アクチュエータの移動が、前記皮膚穿刺機構を少なくとも部分的に前記ハウジングの外へ移動させ、前記患者の前記皮膚を穿刺させ、それによって体液を前記患者から前記ハウジングの前記内腔内へ引き込むように構成されている、アクチュエータと、
コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されるとき、前記コンピューティングシステムに、
前記体液の特性を測定すること、
外部コンピューティングデバイスとの接続を確立すること、および
前記測定された特性に関連付けられた情報を前記外部コンピューティングデバイスへ通信すること、を含む動作を実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体と、を備える、デバイス。
【請求項20】
前記プロセッサに動作可能に結合されたスイッチをさらに備え、前記第1の位置から前記第2の位置への前記アクチュエータの移動が、前記スイッチを閉じ、それによって、前記プロセッサを起動し、前記プロセッサに前記メモリ内に収容された前記コンピュータ実行可能命令を実行させる、請求項19に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月13日に出願された「BODILY FLUID COLLECTION DEVICES INCLUDING ELECTRONICS,AND ASSOCIATED SYSTEMS AND METHODS」と題する米国特許出願第62/760,810号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本技術は、収集された体液の特性を判定するための電子機器、収集デバイス、患者、および/または体液収集の他の態様を含む、体液収集デバイスに関する。例えば、本技術の様々な実施形態は、採取した体液の特性を判定し、1つ以上の外部受信者と無線通信するように構成された手持ち式体液収集デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
患者または被験者から体液(例えば、血液)を採取して分析するための従来方法は、冗長で時間がかかることがあり、多くの場合、個人が診療所に行き、その後、体液分析の結果を受け取るのを待つ必要がある。例えば、臨床試験では、サンプルを取得するプロセスで、多くの場合、患者が診療所に行き、アイデンティティを照合してからサンプルを採取する必要がある。いくつかの臨床試験では、患者はさらに物質(例えば、化学化合物またはプラセボ)を摂取し、物質が患者の器官に入ることができるように、所定の時間が経過するまでサンプルを採取するのを待つ必要がある。
【0004】
これらの困難を克服するために、自宅持ち帰り用の操作が簡単な手持ち式デバイスを使用して、患者が自身の体液を採取するための多くの医療デバイスが開発されている。これらのデバイスは、体液サンプルの取得に効果的であり得るが、これらはまた、例えば、品質管理および保管連鎖に関するさらなる問題も生み出す。その結果、患者からの体液採取に関するプロセスのための改善された技術およびシステムの必要性が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本技術の多くの態様は、以下の図面を参照して、よりよく理解することができる。図面内の構成要素は、必ずしも縮尺通りではない。代わりに、本技術の原理を明確に例示することに、重点が置かれている。参照を容易にするため、本開示全体を通して、同一の参照番号が、同一、または少なくともほぼ同様もしくは類似の構成要素もしくは特徴を識別するために使用され得る。
【0006】
【
図1A】本技術の実施形態に従って構成された体液収集デバイスの斜視図である。
【
図1C】
図1Aの体液収集デバイスからの収集リザーバの取り外しを示す斜視図である。
【
図2A】非作動位置にあり、本技術の実施形態に従って構成された体液収集デバイスを示す部分的な概略断面図である。
【
図2B】少なくとも部分的に作動位置にある
図2Aの体液収集デバイスの部分的な概略断面図である。
【
図3】本技術の実施形態による、
図2Aに示す体液収集デバイスを操作するための方法のブロック図である。
【
図4A】流体チャネルおよびセンサ(複数可)を含み、本技術の実施形態に従って構成された
図2Aに示す体液収集デバイスの一部を示す部分的な概略斜視図である。
【
図4B】使用中の
図4Aに示されたデバイスの部分的な概略斜視図である。
【
図5】本技術の実施形態による、体液を採取し、採取した体液の随伴特性を測定するための方法のブロック図である。
【
図6】本技術の実施形態による、化学化合物を投与した後に採取された体液の随伴特性を測定するための方法のブロック図である。
【
図7A】本技術の実施形態に従って構成された収集リザーバおよび装着されていないキャップを含む収集デバイスの部分的な概略断面図である。
【
図7B】キャップが収集リザーバに装着されている
図7Aの収集デバイスの部分的な概略断面図である。
【
図7C】
図7Aのキャップ750の部分的な概略上面図である。
【
図7D】本技術の実施形態に従って構成された収集リザーバおよび装着されていないキャップを含む収集デバイスの別の実施形態の部分的な概略断面図である。
【
図7E】キャップが収集リザーバに装着されている
図7Dの収集デバイスの部分的な概略断面図である。
【
図8】本技術の実施形態に従って構成された医療デバイスを含む代表的な相互接続コンピューティングシステムの概略図である。
【
図9】本技術の実施形態に従って構成された通信モジュールの部分的な概略斜視図である。
【
図10】本技術の実施形態による、
図2Aの体液収集デバイスと通信するために使用される通信デバイスを含むシステムの代表的なスクリーンショットの概略図である。
【
図11】本技術の実施形態による、採取された体液の随伴特性を判定するための方法のブロック図である。
【
図12】本技術の実施形態による、アイデンティティ照合ステップを含む、採取された体液の随伴特性を判定するための方法のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
I.概要
本開示の態様は、概して、患者から体液を採取および/または収集し、体液、患者、収集デバイス、および/または体液を収集する他の態様の特性を判定するためのデバイス、システム、および方法を対象とする。例えば、本技術のいくつかの実施形態は、体液採取機構を収容するハウジングと、ハウジングに対して移動可能なアクチュエータと、1つ以上の電子構成要素と、を有する、体液収集デバイスを対象とする。電子構成要素(複数可)は、デバイスを作動させることによって、または、より具体的には、アクチュエータを少なくとも部分的に作動位置に移動させ、それによって可動スイッチにデバイスの回路を閉じさせることによって作動させることができる。電子構成要素(複数可)は、温度、経過時間、地理的位置、患者識別、デバイスの配向(例えば、デバイスが向いている方向)、および/または化学化合物を測定するための1つ以上のセンサまたは測定用構成要素を含むことができる。デバイスは、バッテリ、命令を有するコンピュータ可読媒体、および命令を実行するように構成されたプロセッサをさらに含むことができる。電子構成要素(複数可)およびプロセッサは、回路が閉じているときに動作可能にバッテリに結合することができる。
【0008】
本技術の実施形態はまた、患者から体液を収集し、体液の特性を判定するための収集デバイス(例えば、リザーバ)に関する。体液収集デバイスは、例えば、ユーザデバイス(例えば、モバイルデバイス)、外部サーバ、および/または通信モジュールを含むコンピューティングシステムの一部であり得る。ユーザデバイス、外部サーバ、および通信モジュールの各々は、体液収集デバイスと情報交換することができる。例えば、ユーザデバイス、外部サーバ、および通信モジュールの各々は、体液収集デバイスまたはそこから採取された体液の随伴情報を受信するように構成することができる。
【0009】
本技術の一態様では、体液収集デバイスは、1つ以上の電子構成要素を含むことができ、これはデバイスが回収された体液サンプルの特性を判定して格納することを可能にしている。例えば、体液収集デバイスは、採取された体液、患者、環境、体液収集デバイス、および/または、本技術および関連するプロセスの他の態様の特性を測定、診断、監視、記録、照合、分析、評価、通信などを行うことができる。いくつかの実施形態では、例えば、デバイスは、デバイスまたは体液サンプルの温度、および体液サンプルが患者から採取されたときの時刻を判定および格納することができる。そうすることで、本技術の実施形態は、少なくともサンプルの特性が、サンプルが採取された時刻から継続的に監視され得ることから、サンプルの品質管理も確実にすると同時に、体液サンプルを採取するための改善された方法を提供することができる。さらに、体液収集デバイスの電子構成要素(複数可)は、デバイスがコンピューティングシステムの一部を形成することを可能にすることができ、コンピューティングシステムは、格納された体液サンプルの特性に対応する情報を、ユーザデバイス、データベース、またはサーバなどの外部受信機に送信することができる。例えば、通信モジュールは、体液サンプルを輸送するために使用することができ、同時に、例えば、通信モジュール内の温度を追跡するためにも使用することができる。前述に加えて、またはその代わりに、ユーザデバイスおよび/または通信モジュールは、患者または体液収集デバイスのアイデンティティを照合し、サンプル保管連鎖の電子記録を提供するために使用することができる。例えば、通信モジュールは、容器の地理的位置、および容器の開閉時刻(つまり、サンプルに不正変更が加えられている可能性を考慮するとき)を追跡するように構成することができる。このように、本技術の実施形態は、サンプルが患者から採取された時刻からサンプルが検査室または最終目的地に到達する時刻までの間に、サンプルの改善された保管連鎖の管理責任を確立するためのシステムおよび関連する方法を提供することができる。
【0010】
本技術の具体的な詳細が、
図1A~
図12を参照して本明細書で説明されている。個別の診断のために患者から体液サンプルを採取するためのデバイス、システム、および方法に関して、多くの実施形態を以下に説明するが、本明細書に開示されているものに加えて、他の用途および他の実施形態が本技術の範囲内にあることに留意されたい。例えば、本技術のデバイスおよびコンピューティングシステムは、バイオテクノロジーまたは製薬産業における臨床試験だけでなく、体液サンプルの患者のアイデンティティを照合することが重要である他の産業(例えば、生命保険)にも使用され得る。加えて、本技術のいくつかの実施形態は、本明細書に図示されるか、または記載されるものとは異なる構成、構成要素、および/または手順を有することができる。さらに、当業者は、本技術のいくつかの実施形態が、本明細書に図示されるか、または記載されているものに加えて、構成、構成要素、および/または手順を有することができ、またこれらおよび他の実施形態が、本技術から逸脱することなく、本明細書に図示されてか、または記載されている構成、構成要素、および/または手順のうちのいくつかを用いない場合があることを理解するであろう。
【0011】
本明細書に提供される見出しは、単に便宜上のものであり、開示される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0012】
II.体液収集デバイス
図1Aは、本技術の実施形態に従って構成された体液収集デバイス100の斜視図である。デバイス100は、容易に掴めるサイズを有する手持ち式であり得、患者の片方または両方の手で操作され得る。そのような手持ち式デバイスは、患者が別の個人からの支援を受けずに体液サンプル(例えば、血液サンプル)を有利に収集することを可能にする。本技術の手持ち式デバイスは、医療現場の以外(例えば、自宅または野外診療所)で、医療従事者(例えば、医師または看護師)の助けを必要とせず、一般人によって操作され得る。
【0013】
図1Aに示されるように、デバイス100は、ハウジング102、およびハウジングに対して移動可能なアクチュエータ104を含む。アクチュエータ104(例えば、蓋またはボタン)は、患者から体液の採取を行う。ハウジング102は、患者から採取された体液を受容するための収集リザーバ106(例えば、チューブまたはカートリッジ)に取り外し可能に結合されている。リザーバ106は、体液用の取り外し可能で標準化された容器として機能することができ、これは取り外して、臨床および実験用の機器に挿入することができ、または、例えば、診断および/もしくはバイオマーカー検出のためのワークフローに挿入することができる。
【0014】
図1Bは、使用中のデバイス100の斜視図である。体液サンプルを収集するために、ハウジング102の底面が患者の皮膚103に押し付けられると、アクチュエータ104が皮膚103から離れて位置付けられる。アクチュエータ104を押すことで、皮膚穿刺機構(例えば、ランセット、ブレード、または針)がデバイス100内から展開されて、皮膚103を穿刺する。その後の皮膚からのアクチュエータ104の格納は、デバイス100内に真空を形成することができ、これが皮膚103に対して直接的または間接的に作用する。真空は、結果として生じる切開からハウジング102内に体液を引き入れ、そこで次いで体液がリザーバ106へと向けられる。
【0015】
図1Cは、デバイス100からのリザーバ106の取り外しを示す斜視図である。アクチュエータ104を押して皮膚103を穿刺した後、体液が患者から採取され、体液を収集部位からリザーバ106に向ける1つ以上のチャネル110を有するマイクロ流体ネットワークへと引き込まれる。リザーバ106内に所望の量の体液があるとき、デバイス100は皮膚103から抜き取ることができ、例えば、リザーバ106をデバイス100の結合部分108から切り離すことによって、リザーバ106をハウジング102から取り外すことができる。
【0016】
図2Aは、非作動位置にあるデバイス100の部分的な概略断面図であり、
図2Bは、本技術の実施形態による部分的に作動位置にあるデバイス100の部分的な概略断面図である。初めに
図2Aを参照すると、デバイス100は、ハウジング102、アクチュエータ104、少なくとも部分的または完全にハウジング102内に位置する皮膚穿刺アセンブリ107、およびハウジング102を通って延在する開口部109を含む。いくつかの実施形態では、開口部109は、ハウジング102の底面111に形成されているためデバイス100が患者の体に適用されるとき、開口部109は皮膚にある。アクチュエータ104は、展開方向112aおよび格納方向112bに沿って、非作動位置(
図2Aに示される)と作動位置(
図2Bに示される)との間でハウジング102に対して移動可能である。展開方向112aは、
図2Aの配向において、例えば、開口部109に向かう、下向きであり得、格納方向112bは、
図2Aの配向において、例えば、開口部109から離れる、上向きであり得る。このように、展開方向112aは、概して、皮膚に向いており、一方、格納方向112bは概して、皮膚から離れている。
【0017】
皮膚穿刺アセンブリ107は、少なくとも1つの皮膚穿刺機構116(例えば、ランセット、ブレード、または針)、および皮膚穿刺機構116に結合された付勢部材118(例えば、ばね)を含む。付勢部材118は、展開方向112aに沿って開口部109に向かって皮膚穿刺機構116を駆動するように構成されている。皮膚穿刺機構116は、体液が採取され得る切開を形成するために患者の皮膚を穿刺するように構成され得る。皮膚穿刺機構のサイズは、必要に応じて変更することができる。例えば、比較的大きな皮膚穿刺機構は、より大量の体液の採取を可能にするより大きな切開部を形成するために有利であり得る。比較的小さい皮膚穿刺機構は、痛みを軽減し、かつ高穿通速度を達成するために有利であり得る。任意選択的に、皮膚穿刺アセンブリ107は、複数の皮膚穿刺機構、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の皮膚穿刺機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイス100は、対応する数の開口部109を含むことができ、各皮膚穿刺機構が、それぞれの開口部を通過して、患者の皮膚を穿刺するようになっている。しかしながら、いくつかの実施形態では、2つ以上の皮膚穿刺機構116が、開口部109を通過することができる。例えば、すべての皮膚穿刺機構116が、単一の開口部109を通過することができる。
【0018】
続けて
図2Aを参照すると、デバイス100は、皮膚穿刺機構116の展開を作動させるための作動機構を含む。例えば、アクチュエータ104は、例えば、プラットフォーム120およびプランジャ122を介して、展開方向112aに沿って皮膚穿刺機構116を展開するために、皮膚穿刺アセンブリ107に機械的に結合され得る。図示した実施形態では、プラットフォーム120は、少なくとも部分的にアクチュエータ104内に位置しており、プランジャ122は、少なくとも部分的にプラットフォーム120内に位置しており、皮膚穿刺アセンブリ107は、プランジャ122に結合されている。任意選択的に、作動機構はまた、皮膚穿刺機構116が展開された後に、格納方向112bに沿って皮膚穿刺機構116の格納を作動させることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、デバイス100は、体液の収集を促すための真空機構をさらに含む。例えば、デバイス100は、密封部材124(例えば、可撓性の膜)を含むことができ、これは曲げることができ、および/または弾性であり、内腔126を形成するために開口部109の上にある。装置100は、内腔126に流体的に接続されて内腔126の内外への空気の流れを制御する少なくとも1つの弁128を含むことができる。密封部材124は、例えば、プランジャ122を介して皮膚穿刺アセンブリ107に機械的に結合することができ、皮膚穿刺アセンブリ107の展開方向112aに沿った移動が内腔126の容積を減少させ、皮膚穿刺アセンブリ107の格納方向112bに沿った移動が内腔126の容積を増加させるようになっている。弁128は、逆止弁とすることができ、これは、例えば、内腔容積が減少するときに、空気を、内腔126内から排出することができるが、例えば、内腔容積が増加するときに、空気が内腔126内に入るのを防止する。このことが、内腔126内に低圧領域(例えば、真空)を形成し、患者の皮膚に対して直接的または間接的に作用する。作動機構、真空機構、および他の機構を含む、デバイス100の追加的な機構および実装は、2019年9月13日に出願された「Bodily Fluid Collection Devices and Related Methods」と題する米国仮出願第16/571,028号を参照してさらに詳細に説明されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0020】
次に、
図2Aと
図2Bを共に参照すると、デバイス100は、回路部品139(例えば、導電性トレース)、1つ以上のスイッチ137(本明細書では「スイッチ137」と称される)、および1つ以上の電子構成要素136を有する電子機器サブシステム135を含むことができる。
図2Cに示されるように、電子機器サブシステム135は、命令を格納する(例えば、有する、収容するなど)非一時的なコンピュータ可読媒体140、命令を実行するように構成されたプロセッサ141、および1つ以上のバッテリ142(「バッテリ142」と称される)をさらに含むことができる。コンピュータ可読媒体140は、情報(例えば、体液について)を格納するための、および/またはデータベースを実行するための不揮発性メモリおよび/または揮発性メモリを含むことができる。電子構成要素(複数可)136は、1つ以上のタイマ143(例えば、時計)、センサ(複数可)144、識別構成要素(複数可)145、インジケータ(複数可)146(例えば、光インジケータ、可聴インジケータなど)および通信構成要素147(例えば、送信機、受信機、および関連する通信回路部品)を含むことができる。通信構成要素147は、例えば、802.11、Bluetooth、近距離無線通信(NFC)および/または他の同様の通信手段のような、1つ以上の専有または標準化された無線規格を介して、無線メッセージ(W)を送信および/または受信するために使用され得る。いくつかの実施形態では、通信構成要素147は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、および/またはそのようなネットワークの組み合わせなどのネットワークを介して、1つ以上のリモートコンピューティングデバイス(例えば、リモートサーバ)と通信することができる。ネットワークは、インターネットまたは他の何らかのパブリックネットワークもしくはプライベートネットワークであり得る。
【0021】
概して、本技術(例えば、コンピュータ可読媒体140および/または電子構成要素136)は、特殊目的用ハードウェア(例えば、回路部品)として、ソフトウェアおよび/またはファームウェアで適切にプログラムされたプログラム可能回路として、または、特殊目的用回路とプログラム可能回路の組み合わせとして具現化され得る。したがって、本技術の実施形態は、命令をその上に格納している機械可読媒体を含むことができ、これは、コンピュータ、マイクロプロセッサ、プロセッサ、および/またはマイクロコントローラ(もしくは他の電子デバイス)にプロセスを実行させるために使用され得る。具体的には、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体140は、1つ以上のプロセッサ141によって実行されるとき、電子機器サブシステム135に本明細書で詳細に説明されている活動、動作、方法などのいずれかを実行させる命令を格納することができる。機械可読媒体は、限定するものではないが、光ディスク、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、磁気光学ディスク、ROM、ランダムアクセスメモリ(RAM)、消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気カードもしくは光カード、フラッシュメモリ、または、電子命令の格納に好適な他のタイプの媒体/機械可読媒体を含み得る。
【0022】
本技術は、分散コンピューティング環境でも実践でき、そこでは、LAN、WAN、またはインターネットなどの通信ネットワークを介してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクまたはモジュールが実行される。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールまたはサブルーチンが、ローカルメモリストレージデバイスとリモートメモリストレージデバイスの両方に配置され得る。上述の技術の態様は、コンピュータ可読媒体に格納または分配されてもよく、または、代替的に本技術の態様は、インターネットを介して、もしくは他のネットワーク(無線ネットワークを含む)を介して電子的に分配されてもよい。関連技術分野の当業者は、技術の一部が、サーバーコンピュータ上に存在し得、一方で、対応する部分が、クライアント/ユーザコンピュータ上に存在し得ることを認識するであろう。本技術の態様に固有なデータ構造およびデータの送信も、本技術の範囲内に包含され得る。
【0023】
再度、
図2Aおよび
図2Bを参照すると、電子構成要素(複数可)136は、アクチュエータ104内またはその上にある。他の実施形態では、電子構成要素(複数可)136は、ハウジング102内のような、デバイス100上の他の場所に位置付けられてもよい。前述に加えて、またはその代わりに、電子構成要素(複数可)136は、回路部品139および/またはスイッチ137とは分離して位置付けられてもよい。
【0024】
バッテリ142は、リチウム(例えば、リチウムイオンまたはリチウムポリマー)、ニッケル、アルカリ、それらの組み合わせ、または手持ち式医療デバイス用のバッテリで一般的に使用される他の材料を含むことができる。バッテリ142は、電子構成要素(複数可)136に動作可能に結合して、そこに電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、デバイス100上のすべての電子構成要素136に電力を供給するために単一のバッテリが使用され得、一方で、他の実施形態では、個別の電子構成要素(複数可)136に電力供給するために個別のバッテリが使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、デバイス100は、通信構成要素147に動作可能に結合された第1のバッテリ、および他の電子機器に動作可能に結合された1つ以上の第2のバッテリを含むことができる。そのような実施形態では、第1のバッテリは、デバイス100が無線信号(E)情報を常に(例えば、デバイス100の作動前でさえ)送信および/または受信することを可能にし得るが、一方で第2のバッテリは、デバイスが作動された後にのみ起動され、それにより、デバイス100が作動されて、体液サンプルが患者から採取されるまで、第2のバッテリのバッテリ寿命を節約する。以下でさらに詳細に説明するように、そのような実施形態の1つの利点は、例えば、センサ(複数可)を介して、体液を監視できる時間を延長することである。
【0025】
スイッチ137は、金属または別の導電性材料(例えば、銅、アルミニウム、それらの合金、グラファイト、熱伝導性ポリマーなど)を含むことができる。スイッチ137は、圧力を介して作動させることができ、図示した実施形態に示されるように、第1の位置138aから第2の位置138bに移動させることができる。より具体的には、アクチュエータ104が押され、展開方向112aにプラットフォーム120に向けて移動されると、プラットフォーム120は、スイッチ137を第1の位置138aから第2の位置138bに強制移動させる。第1の位置138aでは、スイッチ137に関連付けられた回路が開いており、第2の位置138bでは、回路は閉じている。回路は、スイッチ137、回路部品139、バッテリ142、および電子構成要素(複数可)136の少なくとも一部を含むことができる。いくつかの実施形態では、アクチュエータが解放されたときにスイッチ137は第1の位置138aに戻されず、それによって回路を閉位置に維持する。したがって、回路を閉じると、電子構成要素(複数可)136が起動し、非起動状態から起動状態に移行することができる。そのような移行は、デバイス100が作動された後、および/または体液が患者から採取された後にのみ起こり得る。デバイス100が作動された後にのみ特定の電子構成要素(複数可)136を起動することにより、電子構成要素(複数可)136を起動状態に維持することと比較してバッテリ寿命は延長される。いくつかの実施形態では、例えば、電子構成要素(複数可)136は、測定された特性の情報を(例えば、10分間、30分間、1時間、2時間、5時間など)所定の間隔で送信および/または記録している間に、バッテリを介して、少なくとも12時間、24時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、またはそれ以上、通電され得る。
【0026】
起動されると、センサ(複数可)144などの電子構成要素(複数可)136は、コンピュータ可読媒体140を介して体液の特性を測定および/または格納することができる。前述に加えて、またはその代わりに、電子構成要素(複数可)136はまた、特性に関連付けられた情報を外部デバイスまたは受信機(例えば、データベース、モバイルデバイス、サーバなど)に無線で送信および/または受信することができる。
【0027】
センサ(複数可)144は、デバイス100または体液の特性を測定するための分析器または他の構成要素を含むことができる。例えば、センサ(複数可)144は、(例えば、体液のまたはデバイス内の)温度、時間(例えば、時刻または経過時間)、湿度、地理的位置、(例えば、デバイス動作またはデバイス診断を検出するための)加速度計データ、デバイス配向、(例えば、リザーバ内の)収集された体液の量、内圧(例えば、作動後の真空の量)、(例えば、アクチュエータの)加圧量、(例えば、光センサを介した)心拍数、(例えば、赤外線(IR)センサを介した)血圧、および/または患者識別情報(例えば、指紋分析)を測定するように構成することができる。前述に加えて、またはその代わりに、センサ(複数可)は、代謝物、生物製剤、バイオマーカー、タンパク質、血小板、抗体、RNA(例えば、短ヘアピンRNA)、疎水性分子、親水性分子、ビタミン、ダイエットマーカー、および/または化学化合物(例えば、粘膜または内臓の内層を通過する経口摂取可能な化学化合物)を含む体液の特性を測定するように構成することができる。例えば、患者のコレステロールレベルが関心対象となるいくつかの実施形態では、センサ(複数可)は、コレステロール、高密度リポタンパク質、低密度リポタンパク質、および/またはトリグリセリドを測定するように構成することができる。
【0028】
図2Dは、デバイス100の上面図である。図示した実施形態に示されるように、デバイス100は、患者を識別するためのセンサ148(例えば、指紋センサ)、特定のデバイスを識別するための識別構成要素(複数可)147の1つ、およびインジケータ146の1つを含むことができる。患者識別センサ148、デバイス識別構成要素145、およびインジケータ146は、
図2Dに示されるように、アクチュエータ104などのデバイス100の外面に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、識別センサ148、識別構成要素145、およびインジケータ146は、ハウジング102などのデバイス100上の他の場所に位置付けられ得る。患者識別センサ148、識別構成要素145、およびインジケータ146は、前述のバッテリ、プロセッサ、およびコンピュータ可読媒体のうちの1つ以上に動作可能に結合され得る。
【0029】
患者識別センサ148は、デバイス100が作動され、体液が採取される前または後の患者のアイデンティティを判定または記録するために使用され得る。(例えば、
図10および
図12を参照して)以下でより詳細に説明するように、患者識別センサ148は、デバイス100および/または体液サンプルを特定の患者にリンクすることができる。このことは、体液サンプルが後のサンプル処理で誤って別の患者に割り当てられないようにすることを確実にするのに役立ち得る。一例として、患者は、デバイス100が患者識別情報を取得できるようにするために、患者識別センサ148を介して指紋を走査することができる。患者識別情報は、次いで、コンピュータ可読媒体140に格納され、外部受信機に送信され得、そこで患者識別情報が照合され得る。いくつかの実施形態では、デバイス100は、患者識別情報が照合されたという指標を受信するように構成され得る。
【0030】
識別構成要素145は、自動識別およびデータキャプチャのために構成されたチップまたはタグを含むことができる。例えば、識別構成要素145は、無線周波数識別(RFID)または光学認識を可能にするための集積回路または構成要素を含むことができる。識別構成要素145は、デバイス100のシリアル番号など、特定のデバイス100を識別し、例えば、外部データベースの情報に基づいて、デバイス100および/またはそこから採取された体液サンプルを特定の患者にリンクするために使用することができる。
図10および
図12を参照して以下でより詳細に説明されるように、識別構成要素200は、デバイス100の識別情報を取得するために、ユーザデバイス(例えば、患者のモバイルデバイス)、臨床医のデバイス、または通信モジュールなどの外部通信デバイスによって走査または読み取られ得る。いくつかの実施形態では、次に識別情報が、特定のデバイスを患者にリンクするために使用され得る。前述に加えて、またはその代わりに、特定のデバイスと患者との間に確立されたリンクに関連付けられた情報が、デバイス100のコンピュータ可読媒体に送信され、格納され得る。
【0031】
インジケータ146は、可視インジケータ(例えば、発光ダイオード)および/または可聴インジケータ(例えば、スピーカー)を含むことができる。インジケータ146は、デバイス100のコンピュータ可読媒体140に動作可能に結合することができ、デバイス100の特定の活動に基づいて異なる出力を発生するようにプログラムすることができる。出力は、異なる色の表示、所定の回数の点滅、またはそれらの組み合わせを含むことができる。出力を生成し得る装置の特定の活動には、例えば、体液サンプルの正常な採取、外部デバイスとの確立された接続、デバイスまたは患者のアイデンティティ照合、低バッテリなどが含まれ得る。特定の実施形態では、インジケータ146は、(a)体液の正常な採取のための緑色出力、(b)外部デバイスとの確立された接続のための点滅する緑色出力(例えば、2回の点滅)、(c)アイデンティティ照合のための点滅する緑色の出力(例えば、3回の点滅)、および(d)低バッテリ残量のための赤色ライトを表示できる。
【0032】
図3は、本技術の実施形態に従って
図2Aに示されたデバイス100を操作するための方法300のブロック図である。図示した実施形態に示されるように、方法300は、ハウジング、ハウジングに対して移動可能なアクチュエータ、および1つ以上の電子構成要素(複数可)(プロセス部分302)を有する手持ち式体液収集デバイスを提供することを含む。ハウジングは、体液を患者から採取させるように構成された1つ以上の体液採取機構を含むことができる。方法300は、アクチュエータを非作動位置から作動位置に移動させることによってデバイスを作動させることと(プロセス部分304)、およびデバイスを作動させた後に、デバイスの回路を閉じることによって、電子構成要素(複数可)を起動状態に起動させることと(プロセス部分306)をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、デバイスを作動させることで、スイッチを第1の位置から第2の位置に移動させ、それによって回路を閉じ、電子機器を非起動状態から起動状態に移行させることができる。いくつかの実施形態では、スイッチは磁気構成要素を含むことができ、したがって、スイッチを第1の位置から第2の位置に移動させることは、磁気的にスイッチを第1の位置から第2の位置に移動させることを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、電子構成要素(複数可)を起動することは、デバイスのバッテリを、プロセッサ、タイマもしくはタイミングシステム、センサ、識別構成要素、インジケータ、および/または通信機能(例えば、送信機、受信機など)を提供する他の構成要素のうちの1つ以上に動作可能に結合することを含み得る。バッテリをこれらの電子構成要素(複数可)に動作可能に結合することで、それらを非起動状態から起動状態に起動できる。一例として、タイマまたはタイミングシステムは、電子構成要素(複数可)を起動してから経過した時間を監視するように構成することができ、回路を閉じることで、プロセッサにデバイスのコンピュータ可読媒体の命令を実行させて、デバイスにデバイスが作動してから経過した時間を測定させることができる。別の例として、通信構成要素は、デバイスが、デバイスまたは採取された体液の随伴情報を無線で送信および/または受信することを可能にし得、回路を閉じることにより、プロセッサに命令を実行させて、デバイスに情報を外部受信機へ無線で送信させることができる。
【0034】
図4Aは、
図2Aに示されたデバイス100の一部を示す部分的な概略斜視図であり、本技術の実施形態による、流体チャネルおよびセンサ(複数可)を含んでいる。前述のように、体液は、患者から1つ以上のチャネルを有するデバイス100のマイクロ流体ネットワークに採取することができる。チャネル(複数可)は、体液を収集部位からリザーバ106に向けるための1つ以上のマイクロ流体チャネル400(「チャネル400」と称される)を含むことができる。図示した実施形態に示されるように、チャネル400は、ベース表面402、ベース表面402に概ね垂直であり、ベース表面402から延在する一対の側壁404a、404b、およびチャネル400の全長に沿ってベース表面上に延在する開放端部分406を含むことができる。チャネル400の様々な態様は、(a)2013年7月23日に出願の「Methods,Systems,and Devices Relating to Open Microfluidic Channels」と題された米国出願第13/949,108号、および(b)2015年8月3日に出願の「Devices,Systems and Methods for Gravity-Enhanced Microfluidic Collection,Handling and Transferring of Fluids」と題された米国出願第14/816,994号にさらに詳細に記載されており、これらのそれぞれが、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0035】
図示した実施形態にも示されるように、デバイス100は、前述のセンサ144のうちの少なくとも1つ、およびチャネル400とセンサ144との間に少なくとも部分的に延在するサンプルボード410を含むことができる。サンプルボード410は、導電性トレース、および/またはポリマーもしくはプラスチック(例えば、pyralux(登録商標)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドなど)を含むように構成されたプリント回路基板(PCB)または同様の材料を備え得る。いくつかの実施形態では、サンプルボード410は、マイクロ流体チャネルまたは繊維状基板を含むことができる。さらに、サンプルボード410は、センサ144に接続された第1の部分411a、および第1の部分411aに取り付けられ、かつチャネル400に沿って採取されて流れる体液に直接接触するように構成された(例えば、位置付けられた)第2の部分411bを含むことができる。第1の部分411aは、長さ(L)を有することができ、概ね平坦であるか、またはセンサ144と第2の部分411bとの間にわずかな傾斜(例えば、高さ調整)を含み得る。いくつかの実施形態では、長さ(L)および/または高さの調整は、体液の検出に使用される化学反応もしくはセンサ(複数可)、および/またはセンサ144によって測定される体液の特定の特性(複数可)(例えば、特定の分析物)に応じて変更され得る。例えば、より長い長さおよび/またはより高い高さの調整が、特定の化学化合物がセンサ(複数可)144に到達するのを特異的に濾過および/または防止するために使用され得る。
【0036】
図4Bは、
図4Aに示された使用中のデバイスの部分的な概略斜視図である。図示した実施形態に示されるように、体液420は、収集部位からチャネル400のベース面402を越えてリザーバ106に向かう方向(F)に流れる。体液420がチャネル400内を流れると、体液の一部は、サンプルボード410の第2の部分411bに接触し、第1の部分411aに沿って、センサ144に向かう方向(S)に引き込まれる。センサ144に達する体液420は、特定の特性について分析され得る。いくつかの実施形態では、分析された特性(複数可)は、前述のように、デバイス100のコンピュータ可読媒体に格納され得、外部受信機に送信され得る。
【0037】
図5は、本技術の実施形態による、体液を採取し、採取された体液の随伴特性を測定するための方法500のブロック図である。図示した実施形態に示されるように、方法500は、概して前述の方法300に類似している。例えば、方法500は、ハウジング、アクチュエータ、および電子機器を有する手持ち式体液収集デバイスを提供することと(プロセス部分502)、アクチュエータを作動位置に移動することによって患者上でデバイスを作動することと(プロセス部分504)、およびデバイスの回路を閉じることによって電子機器を起動状態に起動することと(プロセス部分506)を含む。方法500は、患者から体液を採取すること(プロセス部分508)、および採取された体液の特性の測定すること(プロセス部分510)をさらに含むことができる。採取された体液の特性の測定は、デバイス自体の1つ以上のセンサによって実行される。前述のように、体液の測定された特性は、代謝物、生物製剤、バイオマーカー、タンパク質、血小板、および/または化学化合物を含むことができる。
【0038】
図2A~
図5に記載された本技術の実施形態の少なくとも1つの利点は、体液を採取し、体液、デバイス、患者、および/または環境に関連付けられた情報を測定、記録、送信、および/または受信する単一のデバイスの能力である。そうすることで、体液は採取された直後に測定され、それによって、サンプルが測定前に汚染される可能性を制限している。いくつかの実施形態では、これらの初期測定値は、ベースライン測定値として機能し、同一サンプルの実験室で実行される後続の測定の値と比較することができる。本技術の実施形態のさらに別の利点は、採取された直後にサンプルを測定することにより、患者は、わずかな短い時間(例えば、10分未満)の後にサンプルについてのフィードバックを受け取ることができることである。さらに、本技術の実施形態は、患者からの体液の採取および分析に関連する、多くの場合冗長である従来プロセスを簡素化する。
【0039】
図6は、本技術の実施形態による、化学化合物を患者に投与した後に採取した体液の随伴特性を測定するための方法600のブロック図である。方法600は、ハウジング、アクチュエータ、および電子機器を有する手持ち式体液収集デバイスを提供すること(プロセス部分602)、および化学化合物を患者に投与すること(プロセス部分604)を含む。方法600は、化学化合物を投与した後に、アクチュエータを作動位置に移動させることによって患者上でデバイスを作動させることをさらに含む(プロセス部分606)。いくつかの実施形態では、デバイスを作動させることは、化学化合物が投与されてから所定時間が経過した後に実行することができる。この所定時間は、化学化合物が患者の血流に入ると予想される速度に基づいて決定され得る。方法600は、デバイスの回路を閉じることによって電子機器を起動状態に起動させること(プロセス部分608)、患者から体液を採取すること(プロセス部分610)、および採取された体液の特性を測定すること(プロセス部分612)をさらに含むことができる。採取された体液の特性を測定することは、体液中の化学化合物の量を測定することを含み得る。いくつかの実施形態では、測定された化学化合物の量が、次いで、体液中にあるはずであると予想される化学化合物の量と比較され得る。例えば、患者が服用した薬の測定量が、試験からの薬剤の標準クリアランス率と比較され得る。測定された薬剤の量が異常(例えば、予想範囲よりも上または下)である場合、患者の標準クリアランス率に一致するように服用する薬剤の処方量を増減するような追加活動が実行され得る。
【0040】
前述のように、デバイス100を介して採取された体液は、収集リザーバ106(
図1A~
図1C)に向けられる。
図7Aは、本技術の実施形態による、前述の収集リザーバ106および取り付けられていないキャップ750を含む収集デバイス700の部分的な概略断面図であり、
図7Bは、キャップ750が取り付けられたリザーバ106を含む収集デバイス700の部分的な概略断面図である。最初に
図7Aを参照すると、リザーバ106は、体液705(例えば、血液)を保持するように構成されており、側壁722、側壁722に取り付けられたプラットフォーム724、およびプラットフォーム724によって画定された開口端部分736を含むことができる。開口端部分736は、キャップ750の一部を受容するようにサイズ決定され得る。キャップ750は、摩擦、シール機構、または体液がリザーバ106から流出することを防止するように構成された他の取り付け手段を介してリザーバ106に取り付けられ得る。
【0041】
キャップ750は、
図2A~
図2Dを参照して前述した、電子構成要素(複数可)136、回路部品139、およびスイッチ137を含む電子機器サブシステム135を含むことができる。したがって、キャップ750は、命令を有するコンピュータ可読媒体140、命令を実行するように構成されたプロセッサ141、およびバッテリ142を含むことができる。さらに、電子構成要素(複数可)136は、前述したように、タイマ143、センサ144、識別構成要素145、インジケータ146、および通信構成要素147のうちの1つ以上を含むことができる。
【0042】
図7Aおよび
図7Bを共に参照すると、スイッチ137は、圧力を介して作動され、図示した実施形態に示されるように、第1の位置738aから第2の位置738bへ移動され得る。より具体的には、キャップ750がプラットフォーム724に向かってリザーバ106に押し付けられると、プラットフォーム724は、スイッチ137を第1の位置738aから第2の位置738bへと強制移動される。第1の位置738aでは、スイッチ137に関連付けられた回路は開いており、第2の位置738bでは、回路は閉じている。回路は、スイッチ137、回路部品139、および電子構成要素(複数可)136の少なくとも一部を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、電子構成要素(複数可)136の少なくとも一部は、非起動状態で存在し、スイッチ137が第2の位置738bに移動された後にのみ(すなわち、リザーバ106がキャップ150に取り付けられると)起動状態に移行し得る。起動されると、センサなどの電子構成要素(複数可)136は、コンピュータ可読媒体を介して体液の特性を測定および/または格納を開始し、測定および/または格納された特性を外部受信機(例えば、データベース、モバイルデバイス、サーバなど)に無線で送信することができる。収集デバイス700が作動された後にのみ特定の電子構成要素(複数可)136をそれらの起動状態に移行させることにより、電子構成要素(複数可)136が常に起動状態にあった場合と比較して、バッテリ寿命は延長される。前述のように、電子構成要素(複数可)136は、少なくとも12時間、24時間、48時間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、またはそれ以上にわたってバッテリを介して通電され得、同時に、測定された、および/または格納された特性の情報を所定の間隔(例えば、10分、30分、1時間、2時間、5時間など)で送信および/または記録する。
【0043】
図7Cは、
図7Aのキャップ750の部分的な概略上面図である。図示した実施形態に示されるように、収集デバイス700は、
図2Dを参照して前述したような、患者を識別するためのセンサ148(例えば、指紋センサ)、特定のデバイスを識別するための識別構成要素145、およびインジケータ146を含むことができる。患者識別センサ148、デバイス識別構成要素145、およびインジケータ146の各々は、
図2Cに示されるように、キャップ150上などの収集デバイス300の外面に位置付けられ得る。いくつかの実施形態では、識別センサ148、識別構成要素145、およびインジケータ146は、リザーバ106などの収集デバイス700上の他の場所に位置付けられ得る。識別センサ148、識別構成要素145、およびインジケータ146は、収集デバイス700のバッテリ、プロセッサ、およびコンピュータ可読媒体に動作可能に結合され得る。
【0044】
図7Dは、収集リザーバ706および取り付けられていないキャップ770を含む収集デバイス760の部分的な概略断面図であり、
図7Eは、
図7Dの収集デバイス760の部分的な概略断面図であり、キャップ770が収集リザーバ706に取り付けられている。収集デバイス760は、概して
図7A~
図7Cを参照して説明した収集デバイス700に類似しているが、収集デバイス760が可動スイッチ137を含まないという点が異なっている。
図7Dおよび
図7Eを共に参照すると、収集デバイス760は、キャップ770上の第1の導電性機構756a、およびリザーバ706上の第2の導電性機構756bを含んでいる。第1の導電性機構756aおよび第2の導電性機構756bは、キャップ770がリザーバ706に取り付けられたときに互いに接触するように構成され(例えば、位置付けられ)ており、それによって、第1の導電性機構756a、第2の導電性機構756b、回路部品139、および電子構成要素(複数可)136の少なくとも一部を含む回路を閉じる。回路を閉じることにより、キャップ770またはリザーバ706上のバッテリを、収集デバイス760の1つ以上の電子構成要素136に動作可能に結合することができ、それによって、
図7A~
図7Cを参照して前述したように、電子構成要素(複数可)136を起動する。
【0045】
いくつかの実施形態では、収集デバイス760は、回路が以後開かれたかどうかを検出し、それに関連付けられた情報を格納するように構成され得る。例えば、収集デバイス760のコンピュータ可読媒体は、電子構成要素(複数可)が、いつ、どの程度の期間起動されたかに関連付けられた情報を格納するように構成され得る。そのため、ユーザは、格納された情報を確認し、回路がいつ、どの程度の期間開いていたかを判断することができる。開いた回路は、リザーバ706から取り外されているキャップ770に対応することができ、これはサンプルの不正変更および/または汚染の指標を提供し得る。したがって、医療従事者または研究者は、サンプルが使用可能であるかどうかを判断するためにそのような情報を使用することができる。さらに、医療従事者または研究者は、開いた回路か、または閉じた回路に関する情報を使用して、サンプルがいつどこで開かれたか(例えば、収集デバイスの地理的位置センサを使用して)を特定することにより、いずれかの可能性のある保管連鎖の問題を特定するのに役立てることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、収集デバイス700、760は、収集デバイス700、760が起動されると、体液収集デバイス100との接続を自動的に確立するように構成することができる。別の言い方をすれば、キャップ750、770がそれぞれのリザーバ106、706に取り付けられ、電子機器136が起動すると、収集デバイス700、760と、収集デバイス700、706に現在収容されている体液サンプルを採取するために使用されたデバイス100との間のリンクが自動的に確立され得る。リンクが確立されると、デバイス100は、デバイス100のメモリに格納された体液サンプルのいずれかの特性を送信するように構成され得る。さらに、リンクが確立されると、収集デバイス700、760は、デバイス100のメモリに格納された体液サンプルの特性を受信するように構成され得る。そうすることで、収集デバイス700、760に格納された受信した特性は、デバイス100が損傷した場合に、デバイス100に格納された特性のバックアップとして効果的に機能することができる。
【0047】
図7A~
図7Eに記載された本技術のいくつかの実施形態の少なくとも1つの利点は、サンプルの特性(複数可)を監視および格納することもできるコンパクトな収集デバイスに体液サンプルを格納する能力である。そうすることで、本技術のいくつかの実施形態は、体液サンプルの品質管理に関して、患者、医療従事者、および研究者に追加のデータを提供することができる。さらに、収集デバイス700、760の電子構成要素(複数可)は、サンプルの不正変更および/または汚染を追跡するために使用することができるので、本技術のいくつかの実施形態は、体液サンプリングプロセスでの保管連鎖の問題を軽減するために使用することができる。
【0048】
III.体液収集デバイス(複数可)を含む相互接続システム
図8は、医療デバイスを含み、本技術の実施形態に従って構成された、代表的な相互接続されたコンピューティングシステム800(「システム800」と称される)の概略図である。図示した実施形態に示されるように、システム800は、医療デバイス810、ユーザデバイス820、通信モジュール830、サーバ840、およびネットワーク850(例えば、クラウドネットワーク)を含むことができる。医療デバイス810、ユーザデバイス820、通信モジュール830、およびサーバ840は、互いに直接的に通信可能に結合され得、および/または、例えば、ネットワーク850を介して、互いに間接的に通信可能に結合され得る。以下でより詳細に説明するように、システム800は、医療デバイス810、患者、および/または患者から採取した体液の随伴情報が、様々なプラットフォームに通信されることを可能にしている。システム800は、体液サンプリングのプロセスに関連する品質管理、診断および分析、ならびに患者の満足度およびアドヒアランスを改善することができる。
【0049】
医療デバイス810は、
図2A~
図2Dならびに
図4Aおよび
図4Bを参照して前述したデバイス100、および/または
図7A~
図7Eを参照して説明した収集デバイス700、760を含むことができる。したがって、医療デバイス810は、電子機器136、命令を有するコンピュータ可読媒体140、命令を実行するように構成されたプロセッサ141、および、例えば、デバイス810の作動後に、電子機器136およびプロセッサ141に動作可能に結合されるバッテリ142を備えることができる。
【0050】
ユーザデバイス820は、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはタブレット)、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、または外部受信機とのインターフェース、プロセッサ、および通信機能を有する他の同様のデバイスのような通信デバイスを含むことができる。ユーザデバイス820は、ユーザインターフェース822(例えば、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)またはディスプレイ)、医療デバイス810と通信するための医療デバイスインターフェース824、命令を有するコンピュータ可読媒体826、およびコンピュータ可読媒体826の命令を実行するためのプロセッサ828を含むことができる。医療デバイスインターフェース824は、
図10を参照してさらに詳細が説明されるように、モバイルアプリケーションを含むことができる。
【0051】
通信モジュール830は、医療デバイス810を輸送するように構成されたボックスまたはパッケージを含むことができる。以下で(例えば、
図9を参照して)より詳細に説明するように、通信モジュール830は、ユーザインターフェース832、プロセッサ834、コンピュータ可読媒体836、および1つ以上の電子構成要素(複数可)839を含むことができる。いくつかの実施形態では、通信モジュール830は、医療デバイス810用の中間デバイスとして機能することができ、追加の処理能力および医療デバイス810よりもより優れた通信機能を有している。いくつかの実施形態では、例えば、通信モジュール830は、医療デバイス810上に格納された任意の情報を受信し、その情報を、(例えば、ネットワーク850を介して直接的または間接的に)ユーザデバイス820、および/または(例えば、ネットワーク850を介して直接的または間接的に)サーバ840などの外部受信機に送信することができる。前述に加えて、またはその代わりに、通信モジュール830は、それ自体が、通信モジュール830に搭載された電子構成要素(複数可)839を介して追加情報を測定することができる。例えば、
図9を参照して以下でより詳細に説明されるように、測定された追加的情報は、パッケージ内部のリアルタイム温度、デバイスが作動された時間に関連付けられたタイムスタンプ、および地理的位置を含み得る。この測定された追加情報は、必要に応じて、通信モジュール830のコンピュータ可読媒体836に格納することができ、および/またはサーバ840、ネットワーク850、もしくは他の外部受信機に送信することができる。
【0052】
サーバ840は、プロセッサ842、ネットワークインターフェース844、およびコンピュータ可読媒体846を含むことができる。サーバ840は、ネットワークインターフェース844を使用して、例えば、ユーザデバイス820を介して患者と通信することができる。サーバ840は、サーバによって受信されたデータの一部が、他の受信機に格納または再分配される前に匿名化され得るという点で、「医療保険の相互運用性および説明責任法(HIPAA)」に準拠したサーバであり得る。コンピュータ可読媒体836は、データベース838を格納および実行するための不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含むことができる。データベース838は、個別の医療デバイス810によって記録された患者のデータおよび情報を受信、格納、および整理することができる。したがって、サーバ840は、個別の医療機器810によって記録された患者のデータおよび情報のためのリポジトリとして構成することができる。この患者のデータおよび情報は、患者の特性および/または症状、ならびに個別の医療デバイス810または体液サンプルから受信した測定した特性を含むことができる。サーバ840は、個別の患者データを蓄積することができ、それを医療従事者または研究者が利用可能にすることができる。例えば、個別の医療デバイス810が、臨床試験のために体液サンプルを採取するために使用されるとき、サーバ840は、個別の医療機器810から受信した患者データを蓄積して、医療従事者または研究者がデータを特徴付け、そこから結論を引き出すことを可能にし得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、組織は、データベース838に格納された情報を制御し、選択的に共有することができる。例えば、病院は、サーバ840を操作することができ、病院と提携しているか、または病院で働く医師にのみデータベース838へのアクセスを提供することができる。したがって、サーバ840は、病院のサービスに対して支払いをする患者のための調節プログラムを収集、格納、分類、および/または編成するために使用され得る。病院または他の組織は、病院と提携していない他の医師または組織への有料サービスとしてデータベース840へのアクセスを選択的に提供することができる。さらに、いくつかの実施形態では、いくつかの組織は、患者データ(例えば、匿名化された患者データ)の蓄積されたリポジトリを複数のグループまたは組織に提供する有料サービスを提供するためにサーバ840を制御することができる。例えば、組織は、病院、医療グループ、または個別の医師などの加入者が、加入契約の一部として蓄積されたリポジトリへのアクセスに対して料金を支払うことを可能にしてもよい。
【0054】
有利に、システム800の実施形態は、個別の医療デバイス810をコンピューティングシステムに接続し、それによって、通信デバイス間のデータの転送を単純化する。さらに、コンピューティングシステム800は、患者が医療従事者と対話するためのより多くの機会をもたらすことができ、その逆もまた同様であり、このことは、いくつかの設定において、薬物遵守などの患者のアドヒアランスを向上させることが示されている。別の言い方をすれば、本技術の実施形態は、患者、医療従事者、研究者、臨床試験に関連する要員、または他の関心対象の第三者が、それぞれ患者がレジメンを順守しているかどうかについて指標を受信することができることから、特定のプログラムまたはレジメンに関する患者のアドヒアランスおよび/または患者の遵守を改善することができる。例えば、遵守プログラムが、患者が特定の時間に体液サンプルを採取することを要求する場合、システム800は、患者が体液サンプルを採取したか、および/もしくはいつ採取するか、それによって、遵守プログラムに準拠しているか、または、体液サンプルを採取しないか、それによって、遵守プログラムに準拠していないかを、各当事者に自動的に通知するように構成することができる。いくつかの実施形態では、システム800は、(a)次の活動(例えば、体液サンプルの採取)をとる必要があるときのリマインダ、および/または(b)遵守プログラムに従っているか、または従っていないときのアラートを自動的に送信および/または自動的に受信するように構成され得る。例えば、患者は、体液サンプルを採取する必要があるときにリマインダを受信することができ、サンプルを採取した後に、システム800から(例えば、サーバ840から)サンプル採取が成功したという指標を受信することができる。成功したサンプルは、例えば、測定された体液に関する1つ以上の特性に対応し得る。患者のプログラムへの準拠状況に関するリマインダおよび指標を発することにより、患者が特定の遵守プログラムの要件を遵守する可能性はより高くなり得る。
【0055】
図9は、
図8に記載の通信モジュール830の部分的な概略斜視図であり、本技術の実施形態に従って構成されている。通信モジュール830は、医療機器810を保持するように構成されたボックスまたはパッケージ905、および任意選択的に、医療デバイス810の採取された体液を所望の温度以下に維持するのを補助する断熱性を有する材料906を含むことができる。通信モジュール830は、
図8を参照して説明したユーザインターフェース832、プロセッサ834、コンピュータ可読媒体836、バッテリ838、および電子構成要素(複数可)をさらに含むことができる。プロセッサ834、コンピュータ可読媒体836、およびバッテリ838はそれぞれ、前述のように、プロセッサ141、コンピュータ可読媒体140、およびバッテリ142と概して同一であり得る。さらに、電子機器839は、前述のように、電子機器136(
図2A~
図2Dおよび
図7A~
図7E)と概して類似したものであり得る。例えば、電子機器839は、通信機能(例えば、送信機、受信機など)を提供するために、1つ以上のタイマ、センサ(複数可)、識別構成要素(複数可)、インジケータ(複数可)、および構成要素(複数可)を含むことができる。無線メッセージ(W)を、例えば、802.11、Bluetooth、NFC、および/または他の同様の通信手段のような、1つ以上の専有の、または標準化された無線規格を介して送信および/または受信するために通信構成要素が使用され得る。センサ(複数可)は、通信モジュール830の特性を測定するための構成要素を含むことができ、それらは、温度、時間(例えば、事象からの経過時間)、湿度、医療デバイス810の配向(例えば、通信モジュールに対する)、通信モジュール830が開いているか閉じているか、および/または地理的位置などである。
【0056】
通信モジュール830内に格納された医療デバイス810は、通信モジュール830に電気的にリンクされ得る。いくつかの実施形態では、例えば、医療デバイス810は、識別構成要素(例えば、識別構成要素(複数可)145)を含むことができ、これはリンク(例えば、無線接続)を確立するために通信モジュール830によって読み取られるかまたは走査され得る。リンクが確立されると、医療デバイス810によってすでに測定され、そのコンピュータ可読媒体(例えば、
図2Cのコンピュータ可読媒体140)に格納された情報は、通信モジュール830のコンピュータ可読媒体836へ転送され得る。そうすることで、通信モジュール830は、コンピュータ可読媒体140が損傷するか、もはやアクセスできなくなった場合に備えて、すでに測定された情報のバックアップを効果的に作成する。
【0057】
いくつかの実施形態では、通信モジュール830のコンピュータ可読媒体836の命令は、実行されるとき、いずれかの状況または格納されたデータをサーバ840(
図8)または外部データベースに自動的にアップロードすることができる。例えば、コンピュータ可読媒体836の命令は、実行されるとき、重大な事象が発生(例えば、医療デバイス810とのリンクの確立、医療デバイス810の作動、または医療デバイス810上の電子構成要素の起動)したとき、および/または所定の時間間隔(例えば、10分ごと)で、通信モジュール830からサーバ840または外部データベースに無線メッセージを送信させることができる。
【0058】
通信モジュール830をユーザデバイス820(
図8)にリンクするために、同様のプロセスが実行され得る。いくつかの実施形態では、例えば、通信モジュール830の識別構成要素は、リンク(例えば、無線接続)を確立するために、ユーザデバイスによって読み取られるかまたは走査され得る。リンクが確立されると、通信モジュール830上の情報は、ユーザデバイス820に転送され、および/またはユーザデバイス820によってアクセスされ得る。
【0059】
ユーザインターフェース832は、患者とインターフェースするように構成されたディスプレイまたはGUIを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ834は、患者に有益な命令を表示するために、コンピュータ可読媒体836の命令を実行するように構成されている。この有益な命令は、ビデオおよび/またはオーディオガイドを含むことができ、例えば、医療デバイス810(例えば、
図2A~
図2Dのデバイス100)を介して体液サンプルを採取するためのもの、医療デバイス810(例えば、
図7A~
図7Eの収集デバイス700、760の1つ)を適切に密封するためのもの、通信モジュール830を医療デバイス810および/もしくはユーザデバイス820(
図8)にリンクするためのもの、ならびに/または医療デバイス810を通信モジュール830に格納するためのものである。
【0060】
いくつかの実施形態では、通信モジュール830はまた、医療機器810を患者の自宅または所持から医療デバイス製造業者または他の会社へ、および/または、そこから輸送するための輸送容器としても使用することができる。そのような実施形態では、通信モジュール830は、医療デバイス810または通信モジュール830の内部に関連する前述の特性(例えば、温度、時間、湿度、配向、通信モジュール830の開閉、地理的位置など)を測定して、測定された特性をユーザデバイス820および/またはサーバ840に送信することができる。
【0061】
有利なことに、通信モジュール830は、そこに格納された体液サンプルが、例えば、医療デバイス810の電子構成要素(複数可)または通信モジュール830を介して、継続的に監視および追跡されることを可能にし得る。体液サンプルの、例えば、温度および/または採取されてから経過した時間についての継続的な監視は、サンプルの品質管理を確実にし、体液サンプルを収集するための従来プロセスに現在存在する臨床エラーを低減することができる。さらに、体液サンプルが実験室(または他の最終目的地)に持ち込まれたときから通信モジュール830を追跡することは、サンプルが存在する間、サンプルの保管連鎖の記録を提供し、追加的な品質管理の手段をさらに確実にする。
【0062】
図10は、システム1000の代表的なスクリーンショットの概略図であり、本技術の実施形態による、
図2Aの体液収集デバイスと通信するために使用される通信デバイスを含んでいる。スクリーンショットは、前述の通信モジュール830またはユーザデバイス820などの通信デバイスのものであり得る。したがって、スクリーンショットは、ユーザデバイス820(
図8)の医療デバイスインターフェース824または通信モジュール830(
図8および
図9)のユーザインターフェース832に示されるスクリーンショットに対応し得る。
図10に示されるスクリーンショットは、概して、臨床試験で使用される体液サンプルを採取するための方法に対応している。しかしながら、本方法に類似するステップは、他の用途で使用することができ、そこでは、(例えば、生命保険の目的で体液サンプルを提供するために)患者照合が望まれ、または必要とされている。
【0063】
図示した実施形態に示されるように、システム1000は、ユーザからの識別情報を要求する「ログイン」画面1005を含む。識別情報は、患者のアイデンティティおよび/または患者が参加している臨床試験を照合するのに役立ち得、他の必要な入力の中でも、臨床試験ID入力1006、被験者ID入力1007、および患者の生年月日入力1008を含むことができる。ログイン情報を入力した後、システムは、例えば、データベースに情報を照合し、それがまだ行われていない場合は、患者を適切な検査または試験にリンクすることができる。患者の情報を照合した後、システムは、「サンプル収集プロセスの開始」画面1010を提示することができ、これは、特定の試験に関する一般的な情報を提示することができる。さらに、画面1010は、患者がすでに採取した以前の収集サンプルを示す「収集ログ」画面1011へのリンクを含み得る。いくつかの実施形態では、患者は、個別の以前の収集サンプルをクリックすることができ、サンプルに関する追加情報(例えば、サンプルの分析)が提供され得る。
【0064】
「サンプル収集プロセスの開始」ボタン1012をクリックした後、患者は、「準備」画面1015に導かれ、この画面は、患者の皮膚を洗浄し、デバイスを上腕に置くための命令を提供する。任意選択的に、患者は、「ステップごとのビデオガイド」を要求し、サンプルを採取する準備として皮膚を洗浄するための複数の教則ビデオを備えた別の画面1016へ導かれ得る。ここでシステム1000は、デバイスの1つ以上のセンサ(例えば、センサ(複数可)144)を使用して、それに関連する問題を識別し、フラグを立てることができる。例えば、デバイスの配向が正しくない場合、システム1000は、先に進む前に配向を調整するように患者に通知することができる。患者が準備を完了した後、患者は「次へ」ボタン1017をクリックして自身のアイデンティティを照合することができる。
【0065】
「アイデンティティの照合」画面1020は、指紋情報、写真、またはライブビデオなどの識別情報を提供するように患者に求める。ここで、患者は、デバイス上の指紋センサ(例えば、
図2Dの患者識別センサ148)を使用して自身の指紋を走査するように求められ得る。デバイスのコンピュータ可読媒体は、指紋情報をデバイスから送信させて照合させることができ、その時点で、照合の指標が通信デバイスに送信され、患者は次のステップへ導かれる。いくつかの実施形態では、通信デバイスは、顔認証を介して患者を照合するために、例えば、ユーザデバイスのカメラにアクセスすることを要求することができる。前述に加えて、またはその代わりに、臨床試験または検査では、患者と体液サンプルの採取のために使用されるデバイスを同時にカメラのフレームに表示して照合されることが必要になり得る。そうすることで、システム1000は、患者が、実際にサンプルを採取する個人であることを照合することができる。ここで、医療デバイスの識別構成要素(例えば、識別構成要素145)は、特定のデバイスを識別するためにカメラによって走査または読み取られ得、患者の顔の特徴を、自身のアイデンティティを照合するために使用することができる。任意選択的に、患者は「ステップごとのビデオガイド」を要求することができ、アイデンティティ照合のための複数の教則ビデオを備えた別個の画面1021へと導かれ得る。患者のアイデンティティが照合されると、システム1000は、後続の「サンプルを採取する」画面1025を患者に自動的に提示することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、医療デバイスが作動され得る前に、患者のアイデンティティを照合する必要がある。そのような実施形態では、医療デバイスは、最初はロック状態にあってもよく、患者のアイデンティティが照合された後にのみロック解除状態に移行してもよい。例えば、そのような実施形態では、医療デバイスは、ロッキングバーまたは他の機構を含むことができ、これは医療デバイスのアクチュエータが患者の皮膚に向かって動かされるのを防止する。患者のアイデンティティが照合されると、無線メッセージが医療デバイスに送信され得、医療デバイスがロックバーまたは機構を解除し、医療デバイスをロック状態からロック解除状態に移行できるようにし得る。
【0067】
前述に加えて、またはその代わりに、医療デバイス上の特定の電子機器は、患者のアイデンティティが照合された後に起動され得る。例えば、前述のメカニズムの1つ以上を介して患者のアイデンティティが照合された後、配向を判断するために使用される電子機器が、デバイスがその後に所定の閾値を超えて動かされているかどうかを判断するために使用され(例えば、起動され)得る。そのような動きは、例えば、医療デバイスが患者以外の個人に動かされたことを示し得る。そのような実施形態では、患者は、体液サンプルを採取する前に、患者のアイデンティティを再照合する必要があること通知され得る。
【0068】
「サンプル収集」画面1025は、医療デバイスを作動させることによってサンプルを収集するように患者に要求する。任意選択的に、患者は、「ステップごとのビデオガイド」を要求することができ、サンプルを採取するための複数の教則ビデオを備えた別個の画面1026に導かれ得る。いくつかの実施形態では、システム1000は、体液が医療デバイスまたはリザーバに採取されたときを自動的に(例えば、センサ(複数可)144を介して)検出するように構成され得る。ユーザデバイス820(
図8)の医療デバイスインターフェース824を含むそれらの実施形態では、本システムは、次に、患者を後続の「パッケージ返却」画面1030に導くことができる。通信モジュール830のユーザインターフェース832を含むそれらの実施形態では、本システムは、患者を「終了」画面1035に導くことができる。
【0069】
「パッケージ返却」画面1030は、採取されたサンプルを返却ボックスに入れ、返却ボックスをユーザデバイス820(
図8)にペアリングするように患者に要求する。ここで、システム1000は、医療デバイスからリザーバ(例えば、リザーバ106、706)を引き出し、そこにキャップ(例えば、キャップ750、770)を固定することによって、収集デバイス(例えば、収集デバイス700、760)を起動させるように患者に要求できる。任意選択的に、患者は、「ステップごとのビデオガイド」を要求することができ、サンプルを適切にパッケージ化し、返却ボックスをユーザデバイスにペアリングするための複数の教則ビデオを備える別個の画面1031に導かれ得る。返却パッケージがユーザデバイスとペアリングされると、システムは患者を「終了」画面1035に導くことができる。
【0070】
有利には、
図10に記載されている本技術のいくつかの実施形態は、体液サンプルが適切に採取されることを確実にするのに役立つ。さらに、システム800は、サンプルを採取する前に患者のアイデンティティを照合するための複数の機構を提供することにより、サンプルの信頼性が維持されることを保証している。
【0071】
図11は、本技術の実施形態による、採取された体液の随伴特性を判定するための方法1100のブロック図である。いくつかの実施形態では、方法1100のステップは、前述のユーザデバイス820、通信モジュール830、またはサーバ840によって実行され得る。図示した実施形態に示されるように、方法1100は、患者から体液を採取または収集するように構成された手持ち式医療デバイスとの接続を確立することを含む(プロセス部分1102)。いくつかの実施形態では、医療デバイスとの接続を確立することは、第1の無線メッセージを医療デバイスに送信すること、および第1のメッセージに応答して医療デバイスから第2の無線メッセージを受信することを含み得る。医療デバイスは、
図2Aのデバイス100または
図7Bおよび
図7Eの収集デバイス700、760をそれぞれ含むことができる。
【0072】
方法1100は、医療デバイスから、医療デバイスの電子機器が起動されたという指標を受信することをさらに含むことができる(プロセス部分1104)。いくつかの実施形態では、医療デバイスの電子機器が起動されたという指標を受信することは、医療デバイスの関連付けられた回路の閉鎖に基づくことができる。
【0073】
方法1100は、採取された体液の1つ以上の特性に関連付けられた情報を受信することをさらに含むことができる(プロセス部分1106)。いくつかの実施形態では、特性(複数可)に関連付けられた情報を受信することは、医療デバイスの1つ以上のセンサに関連付けられた情報を受信することを含むことができる。例えば、センサ(複数可)に関連付けられた情報は、体液の化学化合物、体液の温度、および/または電子機器の起動に関連付けられた時間を含むことができる。化学化合物に関連付けられた情報は、代謝物、生物製剤、バイオマーカー、および/またはタンパク質に関する情報を含むことができる。
【0074】
図12は、採取された体液に関連する1つ以上の特性を判定するための方法1200のブロック図であり、この方法1200は、本技術の実施形態によるアイデンティティ照合ステップを含む。図示した実施形態に示されるように、方法1200は、患者から体液を採取するように構成された手持ち式医療デバイスとの接続を確立することを含む(プロセス部分1202)。前述のように、医療デバイスとの接続を確立することは、第1の無線メッセージを医療デバイスに送信すること、および第1のメッセージに応答して医療デバイスから第2の無線メッセージを受信することを含み得る。
【0075】
方法1200は、患者のアイデンティティまたは医療デバイスの識別に関連付けられた情報を受信することをさらに含むことができる(プロセス部分1204)。患者のアイデンティティに関連付けられた情報は、患者から受信した指紋データおよび/または顔認識データを含むことができる。いくつかの実施形態では、指紋データは、医療デバイスの指紋センサを介して取得することができ、顔認識データは、医療デバイスとの接続が確立されている通信デバイスから取得することができる。例えば、顔認識データは、携帯電話のカメラを介して取得され得る。医療デバイスの識別に関連付けられた情報は、医療デバイスの識別構成要素に関連付けられたデータを含むことができる。いくつかの実施形態では、識別構成要素は、医療デバイスの外面に位置付けることができ、医療デバイスの識別に関連付けられた情報を受信することは、医療デバイス上の識別構成要素に関連付けられた情報を受信することを含み得る。
【0076】
方法1200は、識別情報が患者または医療デバイスに関連付けられていることを照合することをさらに含むことができる(プロセス部分1206)。患者の識別情報を照合することは、データベースを参照して、患者によって提供された識別情報がデータベースにすでに格納されている患者情報と一致するか、および/または接続された医療デバイスに関連付けられているかどうかを判定することを含み得る。いくつかの実施形態では、識別情報を照合した後に、方法1200が、識別情報が照合されたという指標を医療デバイスに送信することをさらに含み得る。識別情報が照合されたという指標は、いくつかの実施形態では、医療デバイスが作動されることを可能にし得る。したがって、そのような実施形態では、医療デバイスは、指標が医療デバイスによって受信されるまで(例えば、ロック機構によって)作動されるのを防ぐことができる。
【0077】
方法1200は、医療デバイスが作動されたという指標を医療デバイスから受信することをさらに含み得る(プロセス部分1208)。いくつかの実施形態では、医療デバイスが作動されたという指標を受信することは、デバイスの作動に関連する回路の閉鎖に基づいて、医療デバイスの1つ以上の電子機器が起動状態に起動されたという指標を受信することを含み得る。医療デバイスが作動されたという指標は、体液が患者から採取されたという指標に対応し得る。
【0078】
方法1200は、採取された体液の1つ以上の特性に関連付けられた情報を受信することをさらに含むことができる(プロセス部分1210)。いくつかの実施形態では、特性(複数可)に関連付けられた情報を受信することは、医療デバイスの1つ以上のセンサに関連付けられた情報を受信することを含むことができる。例えば、センサ(複数可)に関連付けられた情報は、体液の化合物、体液の温度、および/または医療デバイスの作動に関連付けられた時間を含むことができる。化合物に関連付けられた情報は、代謝物、生物製剤、バイオマーカー、および/またはタンパク質を含むことができる。
【0079】
IV.追加実施例
以下の実施例は、本技術のいくつかの実施形態を実施例示する。
1.電子機器が組み込まれた手持ち式体液収集デバイスであって、
1つ以上の体液採取機構を収容するハウジングと、
ハウジングに対して非作動位置から作動位置へ移動可能なアクチュエータであって、体液採取機構(複数可)を移動させて、体液を患者から採取するように構成されたアクチュエータと、
アクチュエータに隣接し、第1の位置から第2の位置へ移動可能なスイッチと、
1つ以上の電子構成要素であって、スイッチが第2の位置にあるときに、起動状態にある電子構成要素(複数可)と、を備える、デバイス。
2.スイッチが第1の位置にあるとき、電子構成要素(複数可)が非起動状態にあり、アクチュエータの非作動位置から作動位置への移動が、スイッチを第1の位置から第2の位置へ移動させる、実施例1に記載のデバイス。
3.電子構成要素(複数可)が、温度センサ、湿度センサ、地理的位置センサ、加速度計、または患者のアイデンティティを判定するためのセンサのうち少なくとも1つを含む1つ以上のセンサを備える、実施例1または実施例2に記載のデバイス。
4.スイッチがアクチュエータに取り付けられており、磁石を備える、実施例1~3のいずれか1つに記載のデバイス。
5.スイッチがアクチュエータに取り付けられており、導電性機構を含み、第2の位置では、導電性機構が回路を閉じ、それによって、電子構成要素(複数可)を起動状態に起動する、実施例1~4のいずれか1つに記載のデバイス。
6.電子構成要素(複数可)が、スイッチが第2の位置へ移動してから経過した時間を追跡するように構成されたタイマを含む、実施例1~5のいずれか1つに記載のデバイス。
7.命令を有するコンピュータ可読媒体と、
スイッチが第2の位置にあるときに、電子構成要素(複数可)に動作可能に結合されたバッテリと、
スイッチが第2の位置にあるときに、バッテリに結合されたプロセッサと、をさらに備え、プロセッサが、デバイスに(a)スイッチの第2の位置への移動に関連付けられた時間、および/または(b)デバイスに関連付けられた温度のうち1つを測定させる命令を実行するように構成されている、実施例1~6のいずれか1つに記載のデバイス。
8.命令が実行されると、さらにデバイスに外部受信機へデータを無線で発信させる、および/または外部受信機からデータを受信させる、実施例7に記載のデバイス。
9.電子機器が通信構成要素を含み、スイッチが第2の位置にあるときに、デバイスが、通信構成要素を介して、デバイスに関連付けられた情報を無線で送信するように構成されている、請求項7または実施例8に記載のデバイス。
10.電子機器が、患者から採取された体液の1つ以上の特性を測定するために位置付けられたセンサを含む、請求項7に記載のデバイス。
11.患者から採取された体液が、オープンマイクロ流体チャネルを備える経路に沿って採取されており、体液の特性(複数可)を直接測定するために、センサの一部分が少なくとも部分的にマイクロ流体チャネル内に位置付けられている、実施例10に記載のデバイス。
12.体液が血液を含み、特性(複数可)が代謝物、生物製剤、バイオマーカー、血漿、または血小板数のうち少なくとも1つを含む、実施例10または実施例11に記載のデバイス。
13.バッテリが、電子構成要素(複数可)を少なくとも48時間にわたって起動状態に維持するようにサイズ決定されている、実施例7~12のいずれか1つに記載のデバイス。
14.体液収集ツールと共に使用するための収集デバイスであって、
開口端部分を有し、体液を保持するように構成された容器と、
容器に取り付けられ、第1の位置から第2の位置へ可動であるスイッチを含むキャップと、
1つ以上の電子構成要素であって、スイッチが第2の位置にあるときに、起動状態にある電子構成要素(複数可)と、を備える、デバイス。
15.電子構成要素(複数可)がキャップ上に位置付けられており、
スイッチが第1の位置にあるときに電子構成要素(複数可)が非起動状態にあり、
スイッチが、第2の位置でデバイスの回路を閉じる導電性機構を含み、それによって、電子構成要素(複数可)を起動状態に起動する、実施例14に記載のデバイス。
16.電子構成要素(複数可)が、スイッチが第2の位置に移動されてから経過した時間量を追跡するように構成されたタイマを含む、実施例14または実施例15に記載のデバイス。
17.バッテリと、
命令を有するコンピュータ可読媒体と、
スイッチが第2の位置にあるときにバッテリに結合されたプロセッサと、をさらに備え、プロセッサが、デバイスにスイッチの第2の位置への移動に関連する時間を測定させる命令を実行するように構成されている、実施例14~16のいずれか1つに記載のデバイス。
18.電子構成要素(複数可)が送信器および受信機を含み、スイッチが第2の位置にあるときに、デバイスが、送信機を介して、無線で情報を外部受信機へ送信し、受信機を介して、情報を外部受信機から受信するように構成されている、実施例17に記載のデバイス。
19.容器内の体液の液位を直接検出するために位置付けられた端部分を有するセンサをさらに備える、実施例14~18のいずれか1つに記載のデバイス。
20.開口端部分および開口端部分にある第1の導電性機構を有する細長い容器と、
容器に取り付け可能なキャップであって、キャップが容器に取り付けられたときに、第1の導電性機構に接触するように位置付けられた第2の導電性機構を有する、キャップと
1つ以上の電子構成要素であって、第1の導電性機構が第2の導電性機構に接触するときに、起動状態に移行する電子構成要素(複数可)と、を備える、収集デバイス。
21.手持ち式体液収集デバイスに関連付けられた特性を判定する方法であって、
(a)1つ以上の体液採取機構を収容するハウジング、(b)前記ハウジングに対して移動可能なアクチュエータ、および(c)1つ以上の電子構成要素を有する手持ち式体液収集デバイスを提供することと、
アクチュエータをハウジングに対して非作動位置から作動位置へ移動することによってデバイスを作動することと、
デバイスを作動した後に、デバイスの回路を閉じることによって、電子構成要素(複数可)を起動状態に起動することと、を含む、方法。
22.デバイスがスイッチを含み、デバイスを作動してスイッチを第1の位置から第2の位置へ移動させ、それによって、回路が閉じるようにする、実施例21に記載の方法。
23.スイッチが第2の位置へ磁気的に移動される、実施例22に記載の方法。
24.電子構成要素(複数可)を起動することが、起動されてから経過した時間を測定するように構成されたタイマを起動することを含み、測定された経過時間をデバイスのメモリに格納することをさらに含む、実施例21~23のいずれか1つに記載の方法。
25.デバイスが、バッテリ、命令を有するコンピュータ可読媒体、およびプロセッサを含み、回路を閉じることが、バッテリをプロセッサおよび電子構成要素(複数可)に結合することを含み、方法は、命令を実行して、
デバイスを作動することに関連する時間をデバイスに測定させることと、
測定した時間を含むメッセージを外部受信機に送信することと、をさらに含む、実施例21~24のいずれか1つに記載の方法。
26.電子構成要素(複数可)を起動した後に、デバイスに関連付けられた情報を外部サーバまたはモバイルデバイスのうち少なくとも1つに無線で送信することをさらに含む、実施例21~25のいずれか1つに記載の方法。
27.電子構成要素(複数可)を起動することが、温度センサ、湿度センサ、地理センサ、または患者のアイデンティティを判定するように構成されたセンサのうち少なくとも1つを起動することを含む、実施例21~26のいずれか1つに記載の方法。
28.デバイスを作動させた後に、体液採取機構(複数可)を介して患者から体液を採取することと、
採取した体液の1つ以上の特性を測定することと、をさらに含む、実施例21~27のいずれか1つに記載の方法。
29.体液を採取することが、オープンマイクロ流体チャネルを含むデバイスの経路に沿って体液を採取することを含み、特性(複数可)を測定することが、チャネルに位置付けられた1つ以上のセンサを介して実行されている、実施例28に記載の方法。
30.デバイスを作動させる前に患者に化学化合物を投与することをさらに含み、特性(複数可)を測定することが、採取された体液内の化学化合物の量を測定することを含む、実施例28または実施例29に記載の方法。
31.患者に化学化合物を投与した後、化学化合物の量を測定することが、所定の時間量で実行される、実施例30に記載の方法。
32.患者の特性を判定するためのシステムであって、
プロセッサ、およびプロセッサによって実行される命令を有するコンピュータ可読媒体を含む通信デバイスと、
通信デバイスと通信するように構成された手持ち式医療デバイスであって、
ハウジング、
少なくとも部分的に前記ハウジング内にある体液採取機構、および
ハウジングに対して移動可能なアクチュエータであって、体液採取機構に患者から体液を採取させるように構成されているアクチュエータを備える医療デバイスと、を備え、
命令が、プロセッサによって実行されると、通信デバイスに医療デバイスとの接続を確立させるように構成されている、システム。
33.通信デバイスが、医療デバイス、または医療デバイスの一部分を保持するように構成された通信モジュールである、実施例32に記載のシステム。
34.命令が、実行されると、通信デバイスに、医療デバイスまたは体液の温度に関連付けられた情報を格納させるようにさらに構成されている、実施例32または実施例33に記載のシステム。
35.命令が、実行されると、通信デバイスに、医療デバイスから医療デバイスに格納された情報を受信させるようにさらに構成されている、実施例32~34のいずれか1つに記載のシステム。
36.命令が、実行されると、通信デバイスに、格納された情報を外部デバイスまたはサーバへ少なくとも48時間にわたって所定の間隔で、無線で送信させるようにさらに構成されている、実施例32~35のいずれか1つに記載のシステム。
37.医療デバイスが、命令を有するコンピュータ可読媒体を含み、命令が実行されると、デバイスに
採取された体液の1つ以上の特性(複数可)を測定させ、
測定された特性(複数可)に関連付けられた情報を通信デバイスに送信させる、ように構成されている、実施例32~36のいずれか1つに記載のシステム。
38.患者の特性を識別するように構成されたセンサをさらに備え、命令が、実行されると、デバイスに、センサを介して感知された識別特性を使用して患者のアイデンティティを照合させるようにさらに構成されている、実施例32~37のいずれか1つに記載のシステム。
39.非一時的なコンピュータ可読媒体が、命令を含み、命令が、プロセッサによって実行されると、患者の体液の随伴特性を判定するための方法を実施し、
患者から体液を採取するように構成された手持ち式医療デバイスとの接続を確立することと、
医療デバイスが作動されたという指標を医療デバイスから受信することと、
採取された体液の1つ以上の特性に関連付けられた情報を受信することと、を含む、方法。
40.医療デバイスとの接続を確立することが、
第1の無線メッセージを医療デバイスに送信することと、
第1の無線メッセージに応答して、医療デバイスから第2の無線メッセージを受信することと、を含む、実施例39に記載の方法。
41.体液が採取されたという指標を受信する前に、医療デバイスから医療デバイスの配向に関連付けられた情報を受信することをさらに含む、実施例39または40に記載の方法。
42.医療デバイスから患者のアイデンティティまたは医療デバイスの識別に関連付けられた情報を受信することをさらに含む、実施例39~41のいずれか1つに記載の方法。
43.患者の識別情報が、接続された医療デバイスに関連付けられているかどうかを判断するためにデータベースを参照することと、
アイデンティティ情報が照合されたことを示すメッセージを医療デバイスへ送信することと、をさらに含む、実施例42に記載の方法。
44.アイデンティティ情報を受信することが、体液が採取された指標を受信する前に、アイデンティティ情報を受信することを含み、
アイデンティティ情報を受信した後に、医療デバイスが作動されることを可能にする情報を含む無線メッセージを医療デバイスへ送信することをさらに含む、実施例42または43に記載の方法。
45.体液またはデバイスの温度、デバイスの作動に対応するタイムスタンプ、または地理的位置のうち少なくとも1つに関連付けられた情報を医療デバイスから受信することをさらに含む、実施例39~44に記載の方法。
46.特性(複数可)に関連付けられた前記情報が、体液の温度、デバイスの作動に関連付けられた時間、もしくは医療デバイスを介して採取された体液、または採取された体液の化学化合物に関連付けられた情報を含む、実施例39~~45のいずれか1つに記載の方法。
47.患者から体液サンプルを取得する方法であって、
1つ以上の体液採取機構を収容しているハウジングと、
非作動位置から作動位置へハウジングに対して移動可能なアクチュエータであって、体液採取機構(複数可)を移動して患者の皮膚を穿刺させるように構成されているアクチュエータと、を備える手持ち式医療デバイスを介して患者から体液を採取することと、
採取された体液をハウジングに取り外し可能に取り付けられたリザーバへ向けることと、
採取された体液をリザーバへ向けた後に、ハウジングからリザーバを結合解除することと、
1つ以上の電子構成要素を有するキャップをリザーバに取り付けることと、を含む、方法。
48.キャップをリザーバに取り付けることが、キャップの電子構成要素(複数可)の少なくとも一部分を、スイッチを第1の位置から第2の位置に移動することによって起動することを含み、スイッチを第2の位置に移動することが、電子構成要素(複数可)をリザーバまたはキャップ上のバッテリに動作可能に結合する、実施例47に記載の方法。
49.キャップが第1の導電性機構を含み、リザーバが第2の導電性機構を含み、キャップをリザーバに取り付けることが、第1の導電性機構を第2の導電性機構に接触させることによって、キャップの電子構成要素(複数可)の少なくとも一部分を起動することを含む、実施例47または実施例48に記載の方法。
50.電子構成要素(複数可)がセンサを含み、方法が、センサを介して採取された体液の温度を判定することをさらに含む、実施例47~49に記載の方法。
51.患者から体液を収集するためのデバイスであって、
内腔を画定し、患者の皮膚に対して位置付けられるように構成された底面を有するハウジングと、
少なくとも部分的に内腔内に位置付けられた皮膚穿刺機構と、
少なくとも部分的にハウジング内に位置付けられた電子機器サブシステムであって、スイッチを含む前記電子機器サブシステムと、
スイッチおよび皮膚穿刺機構に動作可能に結合されたアクチュエータであって、アクチュエータは、内腔を通って第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、アクチュエータの第1の位置から第2の位置への移動が、
皮膚穿刺機構を(a)内腔を通って(b)ハウジングの底面を越えて移動させ、それによって、体液を患者からハウジングの内腔内へ引き込み、
スイッチを開位置から閉位置へ移動させ、それによって、前記電子機器サブシステムを起動させるように構成されているアクチュエータと、を備える、デバイス。
52.電子機器サブシステムが、電子機器サブシステムが起動した後に経過した時間を記録するように構成されたタイマを含む、実施例51に記載のデバイス。
53.電子機器サブシステムが、患者のアイデンティティを記録するように構成されたセンサを含む、実施例51または実施例53に記載のデバイス。
54.センサが、患者の指紋を記録するように構成されている、実施例53に記載のデバイス。
55.センサが、ユーザの眼の画像またはパターンを記録するように構成されている、実施例53に記載のデバイス。
56.電子機器サブシステムが、体液の特性を測定するように構成されたセンサを含む、実施例51~55に記載のデバイス。
57.少なくとも部分的にハウジング内に位置付けられ、体液を受け入れるように構成されたマイクロ流体チャネルをさらに備え、センサが少なくとも部分的にマイクロ流体チャネル内に位置付けられている、実施例56に記載のデバイス。
58.少なくとも部分的にハウジング内に位置付けられ、体液を受容するように構成されたマイクロ流体チャネルと、
マイクロ流体チャネルとセンサとの間に延在するサンプルボードであって、体液の一部をマイクロ流体チャネルからセンサへ引き込むように構成されたサンプルボードと、をさらに備える、実施例56に記載のデバイス。
59.電子機器サブシステムが、(a)1つ以上のプロセッサと、(b)1つ以上のプロセッサによって実行されると、電子機器サブシステムにスイッチの開位置から閉位置への移動に関連付けられた時間を測定させる命令を格納するコンピュータ可読媒体と、を含む、実施例51~58のいずれか1つに記載のデバイス。
60.電子機器サブシステムが、デバイスに関連付けられた情報を外部受信機へ無線で送信するように構成された通信構成要素を含む、実施例51~59のいずれか1つに記載のデバイス。
61.電子機器サブシステムが、体液の特性を測定するように構成されたセンサを含み、デバイスに関連付けられた情報が、体液の測定された特性に関連付けられた情報を含む、実施例10に記載のデバイス。
62.第2の位置が第1の位置よりもハウジングの底面に近い、実施例51~61のいずれか1つに記載のデバイス。
63.ハウジングが患者の手の中に保持されるようにサイズ決定されている、実施例51~62のいずれか1つに記載のデバイス。
64.患者から体液を収集するためのデバイスであって、
ハウジングと、
少なくとも部分的に前記ハウジング内に位置付けられた皮膚穿刺機構と、
皮膚穿刺機構に動作可能に結合されたアクチュエータであって、アクチュエータがハウジングに対して第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、第1の位置から第2の位置へのアクチュエータの移動が、皮膚穿刺機構を少なくとも部分的にハウジングの外へ移動させ、患者の皮膚を穿刺し、それによって患者からハウジングの内腔内へ体液を引き込むように構成されている、アクチュエータと、
ハウジング内に少なくとも部分的に位置付けられた電子機器サブシステムであって、
体液の特性を測定するように構成されたセンサ、および
測定された特性に関連付けられた情報を外部受信機に無線で送信するように構成された通信構成要素を含む電子機器サブシステムと、を備える、デバイス。
65.アクチェータが第1の位置から第2の位置へ移動された後に所定の時間で、センサが、体液の特性を測定するように構成されている、実施例64に記載のデバイス。
66.特性が、体液内の化学化合物の量である、実施例65に記載のデバイス。
67.電子機器サブシステムが、アクチュエータが第1の位置から第2の位置へ移動した後に経過した時間を測定するように構成されたタイマを含む、実施例64~66のいずれか1つに記載のデバイス。
68.電子機器サブシステムが、(a)プロセッサと、(b)プロセッサによって実行されるとき、電子機器サブシステムに、
タイマから経過時間を受信することと、
経過時間に基づいて所定時間を判定することと、
体液の特性を所定時間に測定するようにセンサを制御することと、を含む動作を実行させる命令を格納するコンピュータ可読媒体と、をさらに含む、実施例67に記載のデバイス。
69.患者から体液を収集するためのデバイスであって、
ハウジングと、
少なくとも部分的にハウジング内に位置付けられた皮膚穿刺機構と、
皮膚穿刺機構に動作可能に結合されたアクチュエータであって、アクチュエータが、ハウジングに対して第1の位置から第2の位置へ移動可能であり、第1の位置から第2の位置へのアクチュエータの移動が、皮膚穿刺機構を少なくとも部分的にハウジングの外へ移動させ、患者の皮膚を穿刺し、それによって患者からハウジングの内腔内へ体液を引き込むように構成されている、アクチュエータと、
コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、コンピューティングシステムに、
体液の特性を測定することと、
外部コンピューティングデバイスとの接続を確立することと、
測定された特性に関連付けられた情報を外部コンピューティングデバイスに通信することと、を含む動作を実行せる命令を格納するコンピュータ可読媒体と、を備える、デバイス。
70.プロセッサに動作可能に結合されたスイッチをさらに備え、アクチュエータの第1の位置から第2の位置への移動が、スイッチを閉じ、それによって、プロセッサを起動し、プロセッサにメモリ内に収容されたコンピュータ実行可能命令を実行させる、実施例69に記載のデバイス。
【0080】
V.結論
本開示は、網羅的であること、または、本明細書に開示された正確な形式に本技術を限定することを意図するものではない。特定の実施形態が、例示的な目的のために本明細書に開示されているが、当業者が認識するように、様々な等価な修正が、本技術から逸脱することなく可能である。場合によっては、本技術の実施形態の説明を不必要に曖昧にすることを避けるために、周知の構造および機能を示さず、かつ/または詳述していない。方法の各ステップは、本明細書において特定の順序で提示されている場合があるが、代替的な実施形態では、それらのステップは、別の好適な順序を有することができる。同様に、特定の実施形態の文脈で開示された本技術の特定の態様は、他の実施形態では、組み合わせられ、または削除することができる。さらに、特定の実施形態に関連する利点は、それらの実施形態の文脈で開示されている場合があるが、他の実施形態もまた、そのような利点を提示する場合もあり、すべての実施形態が、本技術の範囲内に該当させるために、本明細書に開示されたそのような利点または他の利点を、必ずしも提示する必要はない。したがって、本開示および関連する技術は、本明細書において明示的に示されていないか、かつ/または記載されていない他の実施形態を包含することができる。
【0081】
本開示全体を通じて、単数形の用語である「a」、「an」、および「the」は、文脈で特に明示的に示していない限り、複数形の指示対象を含む。同様に、単語「または(or)」が、2つ以上の項目の一覧に関して、他の項目から排他的な単一の項目のみを指すように明示的に限定されない限り、そのような一覧での「または(or)」の使用は、(a)一覧内の任意の単一の項目、(b)一覧内のすべての項目、または(c)一覧内の項目の任意の組み合わせ、を含むものとして解釈されるべきである。さらに、「備える(comprising)」などの用語(例えば、「含む(including)」または「有する(having)」)は、本開示全体を通じて、少なくともその列挙された特徴(複数可)を含むことを意味するために使用され、そのため、いずれかのより多い数の同じ特徴(複数可)、および/または特徴の1つ以上の追加タイプが排除されない。本明細書では、「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、および「水平」などの方向性の用語を使用して、様々な要素間の関係を表現および明確化する場合がある。そのような用語は、絶対的な配向を表すものではないことを理解されたい。本明細書における「1つの実施形態」、「一実施形態」、または同様の表現への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、動作、または特性が、本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。したがって、本明細書におけるそのような語句または表現の出現は、必ずしも、すべてがその同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、様々な特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な方法で組み合わせることができる。
【国際調査報告】