(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】マルチチャンバ、マルチアトマイザー気化デバイス用の装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20220111BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20220111BHJP
A24F 40/48 20200101ALI20220111BHJP
A61M 15/06 20060101ALI20220111BHJP
A61M 11/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A24F40/30
A24F40/50
A24F40/48
A61M15/06 Z
A61M11/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526338
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-07-12
(86)【国際出願番号】 CA2019051632
(87)【国際公開番号】W WO2020097737
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521072685
【氏名又は名称】ヘクソ・オペレーションズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ウッズ
(72)【発明者】
【氏名】マックス・アルサヤール
(72)【発明者】
【氏名】ガイ・デグレイス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB14
4B162AC06
4B162AC17
4B162AC27
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4B162AC41
4B162AD03
4B162AD16
4B162AD22
4B162AD27
(57)【要約】
気化デバイスは、チャネルと、チャネルと流体連通する複数のチャンバと、を含む。チャンバは、第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバと、第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバと、を含む。第1の気化用物質は、活性成分又は物質を含み、第2の気化用物質は、活性成分又は物質の解毒剤を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャネルと、
前記チャネルと流体連通する複数のチャンバであって、前記複数のチャンバは、
第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバであって、前記第1の気化用物質は活性物質を含む、第1のチャンバと、
第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバであって、前記第2の気化用物質は前記活性物質の解毒剤を含む、第2のチャンバと、
を含む、複数のチャンバと、
を含む、装置。
【請求項2】
前記第1の気化用物質は、乾燥物質、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2の気化用物質は、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記活性物質はカンナビノイドを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記解毒剤はカンナビジオールを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバのうちの少なくとも1つは、前記装置の相補的な係合構造体と係合する係合構造体を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のチャンバ及び前記チャネルと流体連通する、前記第1の気化用物質を気化させるための第1のアトマイザーと、
前記第2のチャンバ及び前記チャネルと流体連通する、前記第2の気化用物質を気化させるための第2のアトマイザーと、
を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1のアトマイザーは前記第1のチャンバ内にある、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第2のアトマイザーは前記第2のチャンバ内にある、請求項7又は8に記載の装置。
【請求項10】
前記チャネルは複数のチャネルを含み、前記第1のアトマイザーは、前記複数のチャネルのうちの第1のチャネルと流体連通し、前記第2のアトマイザーは、前記複数のチャネルのうちの第2のチャネルと流体連通する、請求項7~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のチャネルは第1のマウスピースを含み、前記第2のチャネルは第2のマウスピースを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルは、前記複数のチャネルのうちの第3のチャネルと流体連通し、前記第3のチャネルはマウスピースを含む、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のチャンバからの前記第1の気化用物質の移動を制御するための第1の気化用物質用レギュレータと、
前記第2のチャンバからの前記第2の気化用物質の移動を制御するための第2の気化用物質用レギュレータと、
を更に含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の気化用物質用レギュレータ及び前記第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、芯を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1の気化用物質用レギュレータ及び前記第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、弁を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の気化用物質用レギュレータ及び前記第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、ポンプを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の気化用物質用レギュレータ及び前記第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、機械送り機構を含む、請求項13に記載の装置。
【請求項18】
前記機械送り機構はスクリューコンベヤを含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記第1の気化用物質用レギュレータ及び前記第2の気化用物質用レギュレータは、前記装置の用量制御を行う、請求項13~18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記チャネル内で、前記第1の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第1の蒸気レギュレータと、
前記チャネル内で、前記第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第2の蒸気レギュレータと、
を更に含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の蒸気レギュレータ及び前記第2の蒸気レギュレータのうちの少なくとも1つは、弁を含む、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記第1の蒸気レギュレータ及び前記第2の蒸気レギュレータのうちの少なくとも1つは、ポンプを含む、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記第1の蒸気レギュレータ及び前記第2の蒸気レギュレータは、前記装置の用量制御を行う、請求項20~22のいずれか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記第1のアトマイザーへの電力を制御するための第1の電力コントローラと、
前記第2のアトマイザーへの電力を制御するための第2の電力コントローラと、
を更に含む、請求項7~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項25】
前記第1の電力コントローラ及び前記第2の電力コントローラのうちの少なくとも1つは、電気スイッチを含む、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記第1のチャンバは、前記第1の気化用物質のインジケータを含み、第1のアトマイザーへの電力は、前記インジケータに基づいて制御される、請求項7~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
前記第2のチャンバは、前記第2の気化用物質の第2のインジケータを含み、第2のアトマイザーへの電力は、前記第2のインジケータに基づいて制御される、請求項26又は7~19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを更に含む、請求項1~27のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
前記入力デバイスはボタンを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記入力デバイスはスイッチを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記入力デバイスはスライダを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記入力デバイスはダイヤルを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
前記入力デバイスは回転可能な構造体を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項34】
前記入力デバイスは圧力センサを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項35】
前記入力デバイスは加速度計を含む、請求項28に記載の装置。
【請求項36】
前記入力デバイスはひずみゲージを含む、請求項28に記載の装置。
【請求項37】
前記入力デバイスは、前記第2のチャンバと固有に関連付けられている、請求項28~36のいずれか一項に記載の装置。
【請求項38】
チャネルを用意することと、
各気化用物質を貯蔵するための複数のチャンバを用意することであって、前記複数のチャンバは、
第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバであって、前記第1の気化用物質は活性物質を含む、第1のチャンバと、
第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバであって、前記第2の気化用物質は前記活性物質の解毒剤を含む、第2のチャンバと、
を含む、複数のチャンバを用意することと、
を含む、方法。
【請求項39】
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバを前記チャネルと流体連通して配置することを更に含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の気化用物質は、乾燥物質、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含む、請求項38又は39に記載の方法。
【請求項41】
前記第2の気化用物質は、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含む、請求項38~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記活性物質はカンナビノイドを含む、請求項38~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記解毒剤はカンナビジオールを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記複数のチャンバを用意することは、
気化デバイスの相補的な係合構造体と係合する係合構造体を有する、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバのうちの少なくとも1つを用意することを含む、請求項38~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバのうちの前記少なくとも1つを、前記係合構造体を前記
気化デバイスの前記相補的な係合構造体と係合させて配置することを更に含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の気化用物質を気化させるための第1のアトマイザーを用意することと、
前記第2の気化用物質を気化させるための第2のアトマイザーを用意することと、
を更に含む、請求項38~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1のアトマイザーを前記第1のチャンバ及び前記チャネルと流体連通して配置することと、
前記第2のアトマイザーを前記第2のチャンバ及び前記チャネルと流体連通して配置することと、
を更に含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記第1のアトマイザーを用意することは、前記第1のチャンバ内に前記第1のアトマイザーを用意することを含む、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
前記第2のアトマイザーを用意することは、前記第2のチャンバ内に前記第2のアトマイザーを用意することを含む、請求項46~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記チャネルを用意することは、複数のチャネルを用意することを含み、前記複数のチャネルは、前記第1のアトマイザーとの流体連通用の第1のチャネルと、前記第2のアトマイザーとの流体連通用の第2のチャネルとを含む、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
複数のチャネルを用意することは、前記第1のチャネルを含む第1のマウスピースを用意することと、前記第2のチャネルを含む第2のマウスピースを用意することと、を含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
複数のチャネルを用意することは、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルとの流体連通用の第3のチャネルを含むマウスピースを用意することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記第1のチャンバからの前記第1の気化用物質の移動を制御するための第1の気化用物質用レギュレータを用意することと、
前記第2のチャンバからの前記第2の気化用物質の移動を制御するための第2の気化用物質用レギュレータを用意することと、
を更に含む、請求項38~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の気化用物質用レギュレータを前記第1のチャンバと流体連通して配置することと、
前記第1の気化用物質用レギュレータを前記第1のチャンバと流体連通して配置することと、
を更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の気化用物質用レギュレータ及び前記第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、芯と、弁と、ポンプと、機械送り機構と、を含む、請求項53又は54に記載の方法。
【請求項56】
前記チャネル内で、前記第1の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第1の蒸気レギュレータを用意することと、
前記チャネル内で、前記第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第2の蒸気レギュレータを用意することと、
を更に含む、請求項38~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記第1の蒸気レギュレータを前記チャネルと流体連通して配置することと、
前記第2の蒸気レギュレータを前記チャネルと流体連通して配置することと、
を更に含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記第1の蒸気レギュレータ及び前記第2の蒸気レギュレータのうちの少なくとも1つは、弁又はポンプを含む、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
前記第1のアトマイザーへの電力を制御するための第1の電力コントローラを用意することと、
前記第2のアトマイザーへの電力を制御するための第2の電力コントローラを用意することと、
を更に含む、請求項46~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記第1の電力コントローラを前記第1のアトマイザーに結合することと、
前記第2の電力コントローラを前記第2のアトマイザーに結合することと、
を更に含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを用意することを更に含む、請求項38~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
請求項1~37のいずれか一項に記載の装置の使用方法であって、
前記活性物質を含む蒸気を生成するために前記第1の気化用物質の気化を開始することと、
前記チャネルを介して、前記活性物質を含む前記蒸気を吸入することと、
前記解毒剤を含む蒸気を生成するために前記第2の気化用物質の気化を開始することと、
前記チャネルを介して、前記解毒剤を含む前記蒸気を吸入することと、
を含む、方法。
【請求項63】
活性物質を含む蒸気を生成するために、前記活性物質を含む第1の気化用物質の気化を開始することと、
前記活性物質を含む前記蒸気を吸入することと、
解毒剤を含む蒸気を生成するために、前記活性物質の前記解毒剤を含む第2の気化用物質の気化を開始することと、
前記解毒剤を含む前記蒸気を吸入することと、
を含む、方法。
【請求項64】
前記第2の気化用物質の気化を開始することは、前記解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを操作することを含む、請求項63に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「APPARATUS AND METHODS FOR MULTI-CHAMBER,MULTI-ATOMIZER VAPORIZATION DEVICES」という名称の、2018年11月16日に出願された米国仮特許出願第62/768,309号明細書に関連し、その優先権を主張するものであり、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、全般的に、気化デバイスに関し、特に、複数のアトマイザーを有するマルチチャンバ気化デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
気化デバイスは、物質を気化させて吸入するために使用される。これらの物質は、本明細書では気化用物質と呼ばれ、例えば、カンナビス製品、タバコ製品、ハーブ及び/又は風味剤を含み得る。一部の場合では、抽出されて濃縮物を生成するカンナビス、タバコ又は他の植物若しくは材料中の活性物質が気化用物質として使用される。これらの物質としては、カンナビスのカンナビノイド及びタバコのニコチンが挙げられ得る。他の場合では、合成物質が人工的に製造される。テルペンは、一般的な風味剤気化用物質であり、天然のエッセンシャルオイルから又は人工的に生成され得る。
【0004】
気化用物質は、例えば、カンナビス、タバコ及びハーブの場合はバラバラの葉の形態、又は例えば、液体、ワックス若しくはゲルなどの濃縮物若しくは派生生成物の形態であり得る。気化用物質は、風味又はそれ以外の効果を意図したものであるかどうかを問わず、最終気化用物質の粘度を調整するために、プロピレングリコール、グリセリン、中鎖トリグリセリド(MCT)オイル及び/又は水などの他の化合物と混合され得る。
【0005】
気化デバイス内で、気化用物質は、1種以上の構成原料又は物質の気化点まで加熱される。これにより、エアロゾルとも呼ばれる場合がある蒸気を生成する。その後、蒸気は、気化デバイス内に設けられた空気チャネルを通して、及び多くの場合、気化デバイスの一部である若しくは気化デバイスに取り付けられたホース又はパイプを通して、使用者により吸入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の気化デバイスは、気化用物質を貯蔵するための単一のチャンバを含む。しかしながら、気化用物質を貯蔵するための複数のチャンバを有する気化デバイスが望ましい場合がある。例えば、複数のチャンバは、気化前に混合するための異なる気化用物質を含み得る。異なるチャンバ内の気化用物質は、個々に分与及び気化させることができ、必ずしも混合される必要はない。例えば、1つの気化用物質は、別の気化用物質の解毒剤を含むことができ、解毒剤は、使用者がもう一方の気化用物質の効果を低減したい時に気化させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、装置は、チャネルと、チャネルと流体連通する複数のチャンバと、を含む。チャンバは、第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバと、第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバと、を含む。第1の気化用物質は活性物質を含み、第2の気化用物質は活性物質の解毒剤を含む。
【0008】
第1の気化用物質は、乾燥物質、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含むことができ、同様に、第2の気化用物質は、乾燥物質、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0009】
一実施形態では、活性物質は、カンナビノイドである又はカンナビノイドを含む。
【0010】
解毒剤は、例えばカンナビジオールであり得る又は例えばカンナビジオールを含み得る。
【0011】
チャンバのうちの少なくとも1つは、装置の相補的な係合構造体と係合する係合構造体を含み得る。
【0012】
このような装置は、第1のチャンバ及びチャネルと流体連通する、第1の気化用物質を気化させるための第1のアトマイザーと、第2のチャンバ及びチャネルと流体連通する、第2の気化用物質を気化させるための第2のアトマイザーと、を含み得る。
【0013】
第1のアトマイザーは第1のチャンバ内にあり得る、及び/又は同様に、第2のアトマイザーは第2のチャンバ内にあり得る。
【0014】
チャネルは複数のチャネルを含むことができ、第1のアトマイザーは、複数のチャネルのうちの第1のチャネルと流体連通し、第2のアトマイザーは、複数のチャネルのうちの第2のチャネルと流体連通する。
【0015】
第1のチャネルは第1のマウスピースを含むことができ、第2のチャネルは第2のマウスピースを含むことができる。
【0016】
別の実施形態では、第1のチャネル及び第2のチャネルは、複数のチャネルのうちの第3のチャネルと流体連通し、第3のチャネルはマウスピースを含む。
【0017】
装置は、第1のチャンバからの第1の気化用物質の移動を制御するための第1の気化用物質用レギュレータと、第2のチャンバからの第2の気化用物質の移動を制御するための第2の気化用物質用レギュレータと、を含み得る。実施形態では、第1の気化用物質用レギュレータ及び第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、芯、弁、ポンプ、及び/又は機械送り機構を含む。機械送り機構の一例は、スクリューコンベヤである。
【0018】
第1の気化用物質用レギュレータ及び第2の気化用物質用レギュレータは、装置の用量制御を行い得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、装置は、チャネル内で、第1の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第1の蒸気レギュレータと、チャネル内で、第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第2の蒸気レギュレータと、を含む。
【0020】
第1の蒸気レギュレータ及び第2の蒸気レギュレータのうちの少なくとも1つは、弁若しくはポンプであり得る又は弁若しくはポンプを含み得る。
【0021】
第1の蒸気レギュレータ及び第2の蒸気レギュレータは、装置の用量制御を行い得る。
【0022】
装置は、第1のアトマイザーへの電力を制御するための第1の電力コントローラと、第2のアトマイザーへの電力を制御するための第2の電力コントローラと、を含み得る。第1の電力コントローラ及び第2の電力コントローラのうちの少なくとも1つは、電気スイッチであり得る又は電気スイッチを含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1のチャンバは、第1の気化用物質のインジケータを含み、第1のアトマイザーへの電力は、インジケータに基づいて制御される。第2のチャンバは、また、又は代わりとして、第2の気化用物質の第2のインジケータを含むことができ、第2のアトマイザーへの電力は、第2のインジケータに基づいて制御される。
【0024】
本明細書に開示される装置は、解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを含み得る。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、第2のチャンバと固有に関連付けられている。入力デバイスの例としては、ボタン、スイッチ、スライダ、ダイヤル、回転可能な構造体、圧力センサ、加速度計、及びひずみゲージが挙げられる。
【0025】
方法も考えられる。例えば、本開示の別の態様によれば、方法は、チャネルを用意することと、各気化用物質を貯蔵するための複数のチャンバを用意することと、を含む。チャンバは、第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバと、第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバと、を含む。第1の気化用物質は活性物質を含み、第2の気化用物質は活性物質の解毒剤を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のチャンバ及び第2のチャンバをチャネルと流体連通して配置することを含む。
【0027】
第1の気化用物質は、乾燥物質、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含み得る。第2の気化用物質は、また、又は代わりとして、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、活性物質は、カンナビノイドである又はカンナビノイドを含む。
【0029】
解毒剤は、カンナビジオールであり得る又はカンナビジオールを含み得る。
【0030】
チャンバを用意することは、装置の相補的な係合構造体と係合する係合構造体を有する、第1のチャンバ及び第2のチャンバのうちの少なくとも1つを用意することを含み得る。
【0031】
方法は、したがって、第1のチャンバ及び第2のチャンバのうちの少なくとも1つを、係合構造体を装置の相補的な係合構造体と係合させて配置することを更に含み得る。
【0032】
他の構成要素が、また、又は代わりとして、提供され得る。例えば、方法は、第1の気化用物質を気化させるための第1のアトマイザーを用意することと、第2の気化用物質を気化させるための第2のアトマイザーを用意することと、を含み得る。
【0033】
アトマイザーは、例えば、第1のアトマイザーを第1のチャンバ及びチャネルと流体連通して配置することと、第2のアトマイザーを第2のチャンバ及びチャネルと流体連通して配置することと、によって取り付けられ得る。
【0034】
第1のアトマイザーを用意することは、第1のチャンバ内に第1のアトマイザーを用意することを含み得る。同様に、方法は、また、又は代わりとして、第2のチャンバ内に第2のアトマイザーを用意することを含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、チャネルを用意することは、第1のアトマイザーとの流体連通用の第1のチャネルと、第2のアトマイザーとの流体連通用の第2のチャネルと、を含む複数のチャネルを用意することを含む。
【0036】
複数のチャネルを用意することは、第1のチャネルを含む第1のマウスピースを用意することと、第2のチャネルを含む第2のマウスピースを用意することと、を含み得る。別の実施形態では、複数のチャネルを用意することは、第1のチャネル及び第2のチャネルとの流体連通用の第3のチャネルを含むマウスピースを用意することを含む。
【0037】
方法は、第1のチャンバからの第1の気化用物質の移動を制御するための第1の気化用物質用レギュレータを用意することと、第2のチャンバからの第2の気化用物質の移動を制御するための第2の気化用物質用レギュレータを用意することと、を含み得る。レギュレータの取り付けは、第1の気化用物質用レギュレータを第1のチャンバと流体連通して配置することと、第1の気化用物質用レギュレータを第1のチャンバと流体連通して配置することと、を含み得る。
【0038】
第1の気化用物質用レギュレータ及び第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、芯、弁、ポンプ、及び機械送り機構を含み得る。
【0039】
蒸気レギュレータが、また、又は代わりとして、提供され得る。例えば、方法は、チャネル内で、第1の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第1の蒸気レギュレータを用意することと、チャネル内で、第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第2の蒸気レギュレータを用意することと、を含み得る。
【0040】
方法は、また、第1の蒸気レギュレータをチャネルと流体連通して配置することと、第2の蒸気レギュレータをチャネルと流体連通して配置することと、を含み得る。
【0041】
第1の蒸気レギュレータ及び第2の蒸気レギュレータのうちの少なくとも1つは、弁若しくはポンプであり得る又は弁若しくはポンプを含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、方法は、第1のアトマイザーへの電力を制御するための第1の電力コントローラを用意することと、第2のアトマイザーへの電力を制御するための第2の電力コントローラを用意することと、を含む。方法は、また、第1の電力コントローラを第1のアトマイザーに結合することと、第2の電力コントローラを第2のアトマイザーに結合することと、を含み得る。
【0043】
方法は、また、解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを用意することを含み得る。
【0044】
本開示の別の態様は、本明細書に開示される装置の使用方法に関する。このような方法は、活性物質を含む蒸気を生成するために第1の気化用物質の気化を開始することと、チャネルを介して、活性物質を含む蒸気を吸入することと、解毒剤を含む蒸気を生成するために第2の気化用物質の気化を開始することと、チャネルを介して、解毒剤を含む蒸気を吸入することと、を含み得る。
【0045】
本開示の更なる態様によれば、方法は、活性物質を含む蒸気を生成するために、活性物質を含む第1の気化用物質の気化を開始することと、活性物質を含む蒸気を吸入することと、解毒剤を含む蒸気を生成するために、活性物質の解毒剤を含む第2の気化用物質の気化を開始することと、解毒剤を含む蒸気を吸入することと、を含む。
【0046】
一実施形態では、第2の気化用物質の気化を開始することは、解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを操作することを含む。
【0047】
本開示の実施形態の他の態様及び特徴は、以下の説明の検討により、当業者には明らかになるであろう。
【0048】
本開示をより完全に理解するために、ここで、添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図3】例示的なマルチチャンバ気化デバイスの部分分解等角図である。
【
図4】
図3の線A--Aに沿った、
図3の例示的なマルチチャンバ気化デバイスの断面図である。
【
図5】気化前に複数の気化用物質の混合を可能にする例示的な気化デバイスのブロック図である。
【
図6A】一実施形態による例示的な撹拌要素のブロック図である。
【
図6B】別の実施形態による例示的な撹拌要素のブロック図である。
【
図7A】一実施形態による受動混合チャネルの断面図である。
【
図7B】別の実施形態による受動混合チャネルの断面図である。
【
図7C】更に別の実施形態による受動混合チャネルの断面図である。
【
図7D】更なる実施形態による受動混合チャネルの断面図である。
【
図8】一実施形態によるマルチチャンバカートリッジの等角図である。
【
図9】
図8のマルチチャンバカートリッジの部分分解等角図である。
【
図10】
図8のマルチチャンバカートリッジの平面図である。
【
図11】
図8のマルチチャンバカートリッジの頂面図である。
【
図12】
図11の線B--Bに沿った、
図8の例示的なマルチチャンバカートリッジの断面図である。
【
図13】
図11の線B--Bの一部に沿った、
図8のマルチチャンバカートリッジの係合構造体の一例の部分分解断面図である。
【
図14】複数の気化用物質から生成される蒸気の混合を可能にする例示的なマルチチャンバ、マルチアトマイザー気化デバイスのブロック図である。
【
図15】一実施形態によるマルチチャンバ、マルチアトマイザーカートリッジの平面図である。
【
図20】一実施形態による方法を示す流れ図である。
【
図21】別の実施形態による方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下、例示の目的で、特定の例示的実施形態について図と共により詳細に説明する。しかしながら、本開示は、多種多様な特定の状況のいずれにおいても具現化することができる多くの適用可能な概念を提供すると理解すべきである。記載する特定の実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定するものではない。例えば、実施形態は、図面に示されるものに比べて、追加された、異なる、又は少ない特徴を含み得る。また、図は、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。
【0051】
本開示は、一部には、1種以上のカンナビノイド又はニコチンなどの活性成分又は物質を含む気化用物質の気化デバイスに関する。しかしながら、本明細書に記載される気化デバイスは、また、又は代わりとして、活性成分又は物質を有しない気化用物質に対して使用され得る。本明細書で使用する場合、「カンナビノイド」という用語は、一般に、カンナビノイド受容体に作用する任意の化合物を含むものと理解される。カンナビノイドとしては、エンドカンナビノイド(ヒト及び動物によって自然に生成される)、植物性カンナビノイド(カンナビス及びそれ以外の植物中にある)及び合成カンナビノイド(人工的に製造される)が挙げられ得る。
【0052】
植物性カンナビノイドの例としては、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロール(CBG)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビゲロバリン(CBGV)、カンナビクロメン(CBC)、カンナビクロメバリン(CBCV)、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C4(CBD-C4)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビジオールコール(CBD-C1)、デルタ-9-テトラヒドロカナビノール(Δ9-THC)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸A(THCA-A)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオノール酸B(THCA-B)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール酸-C4(THCA-C4)、デルタ-9-テトラヒドロカナビノール-C4、デルタ-9-テトラヒドロカンナビバリン(THCV)、デルタ-9-テトラヒドロカンナビオールコール(THC-C1)、デルタ-7-シス-イソテトラヒドロカンナビバリン、デルタ-8-テトラヒドロカナビノール(Δ8-THC)、カンナビシクロール(CBL)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビエルソイン(CBE)、カンナビノール(CBN)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビノール-C4(CBN-C4)、カンナビバリン(CBV)、カンナビノール-C2(CBN-C2)、カンナビオールコール(CBN-C1)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビノジバリン(CBVD)、カンナビノトリオール(CBT)、10-エトキシ-9ヒドロキシ-デルタ-6a-テトラヒドロカナビノール、8,9-ジヒドロキシ-デルタ-6a-テトラヒドロカナビノール、カンナビトリオールバリン(CBTV)、エトキシ-カンナビトリオールバリン(CBTVE)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、カンナビフラン(CBF)、カンナビクロマノン(CBCN)、カンナビシトラン(CBT)、10-オキソ-デルタ-6a-テトラヒドロカンナビオノール(OTHC)、デルタ-9-シス-テトラヒドロカナビノール(シス-THC)、3,4,5,6-テトラヒドロ-7-ヒドロキシ-アルファ-アルファ-2-トリメチル-9-n-プロピル-2、6-メタノ-2H-1-ベンゾオキソシン-5-メタノール(OH-イソ-HHCV)、カンナビリプソール(CBR)、トリヒドロキシ-デルタ-9-テトラヒドロカナビノール(トリOH-THC)、カンナビノールプロピル変異体(CBNV)及びこれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
合成カンナビノイドの例としては、ナフトイルインドール、ナフチルメチルインドール、ナフトイルピロール、ナフチルメチルインデン、フェニルアセチルインドール、シクロヘキシルフェノール、テトラメチルシクロプロピルインドール、アダマントイルインドール、インダゾールカルボキサミド及びキノリニルエステルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0054】
カンナビノイドは、酸形態又は非酸形態であり得、非酸形態は、酸形態を脱炭酸することによって生成され得るため、脱炭酸形態とも呼ばれる。本開示に関連して、特定のカンナビノイドに言及する場合、カンナビノイドは、その酸形態若しくは非酸形態である、又は酸形態及び非酸形態の両方の混合物であり得る。
【0055】
気化用物質は、純粋若しくは単離した形態のカンナビノイド又はカンナビノイドを含む原料物質を含み得る。カンナビノイドを含む原料物質の例としては、カンナビス又は麻植物材料(例えば、花、種子、トリコーム及びキーフ)、粉砕したカンナビス又は麻植物材料、カンナビス又は麻植物材料から得られる抽出物(例えば、樹脂、ワックス及び濃縮物)及び蒸留して得た抽出物又はキーフが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、純粋若しくは単離したカンナビノイド及び/又はカンナビノイドを含む原料物質は、水、脂質、炭化水素(例えば、ブタン)、エタノール、アセトン、イソプロパノール又はこれらの混合物と混合され得る。
【0056】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、テトラヒドロカナビノール(THC)である。THCは、その脱炭酸した状態でのみ精神活性である。そのカルボン酸形態(THCA)は、精神活性ではない。デルタ-9-テトラヒドロカナビノール(Δ9-THC)及びデルタ-8-テトラヒドロカナビノール(Δ8-THC)は、脳内のCB1カンナビノイド受容体に結合することにより、カンナビスに関連する効果を発生させる。
【0057】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)である。「カンナビジオール」又は「CBD」という用語は、一般に、以下の化合物の1種以上を指すものと理解され、特定の他の1種又は複数の立体異性体が明記されない限り、化合物「Δ2-カンナビジオール」を含む。これらの化合物は、(1)Δ5-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチル-5-シクロヘキセン-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール);(2)Δ4-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチル-4-シクロヘキセン-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール);(3)Δ3-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール);(4)Δ3,7-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチレンシクロヘキス-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール);(5)Δ2-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール);(6)Δ1-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール);及び(7)Δ6-カンナビジオール(2-(6-イソプロペニル-3-メチル-6-シクロヘキセン-1-イル)-5-ペンチル-1,3-ベンゼンジオール)である。
【0058】
いくつかの実施形態では、カンナビノイドは、テトラヒドロカナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)との混合物である。気化用物質中のTHCのCBDに対するw/w比は、約1:1000、約1:900、約1:800、約1:700、約1:600、約1:500、約1:400、約1:300、約1:250、約1:200、約1:150、約1:100、約1:90、約1:80、約1:70、約1:60、約1:50、約1:45、約1:40、約1:35、約1:30、約1:29、約1:28、約1:27、約1:26、約1:25、約1:24、約1:23、約1:22、約1:21、約1:20、約1:19、約1:18、約1:17、約1:16、約1:15、約1:14、約1:13、約1:12、約1:11、約1:10、約1:9、約1:8、約1:7、約1:6、約1:5、約1:4.5、約1:4、約1:3.5、約1:3、約1:2.9、約1:2.8、約1:2.7、約1:2.6、約1:2.5、約1:2.4、約1:2.3、約1:2.2、約1:2.1、約1:2、約1:1.9、約1:1.8、約1:1.7、約1:1.6、約1:1.5、約1:1.4、約1:1.3、約1:1.2、約1:1.1、約1:1、約1.1:1、約1.2:1、約1.3:1、約1.4:1、約1.5:1、約1.6:1、約1.7:1、約1.8:1、約1.9:1、約2:1、約2.1:1、約2.2:1、約2.3:1、約2.4:1、約2.5:1、約2.6:1、約2.7:1、約2.8:1、約2.9:1、約3:1、約3.5:1、約4:1、約4.5:1、約5:1、約6:1、約7:1、約8:1、約9:1、約10:1、約11:1、約12:1、約13:1、約14:1、約15:1、約16:1、約17:1、約18:1、約19:1、約20:1、約21:1、約22:1、約23:1、約24:1、約25:1、約26:1、約27:1、約28:1、約29:1、約30:1、約35:1、約40:1、約45:1、約50:1、約60:1、約70:1、約80:1、約90:1、約100:1、約150:1、約200:1、約250:1、約300:1、約400:1、約500:1、約600:1、約700:1、約800:1、約900:1又は約1000:1であり得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、気化用物質は、11-ヒドロキシ-Δ9-テトラヒドロカナビノール(11-OH-THC)を含むカンナビノイド代謝産物を含み得る。
【0060】
これらのカンナビノイドの詳細は、単なる例示を目的とする。他の実施形態も考えられる。
【0061】
図1は、例示的な気化デバイス100の平面図である。
図1は、気化デバイス100を側面から見たものである。気化デバイス100は、例えば、気化器、気化器ペン、ベイプペン又は電子若しくは「e」シガレットとも呼ばれ得る。気化器100は、キャップ102と、チャンバ104と、基部106と、バッテリー室108と、を含む。
【0062】
キャップ102は、蓋又はカバーの一例であり、先端部112と側壁114及び側壁115とを含む。いくつかの実施形態では、側壁114及び側壁115は、同一の円筒状側壁の側部又は一部であり得る。キャップ102は、チャンバ104の内部空間の端部を封止することに加えて、マウスピースも提供し得る。使用者は、マウスピースを介して気化デバイス100から蒸気を吸い込むことができる。マウスピースは、示されるように、使用者の快適性のために、テーパ状であり得る又は別の形状にされ得る。本開示は、任意の特定の形状のキャップ102に限定されるものではない。
【0063】
キャップ102は、例えば、金属材料、プラスチック、エラストマー及びセラミックスを含む1つ以上の材料から作製され得る。しかしながら、他の材料が、また、又は代わりとして、使用され得る。
【0064】
他の実施形態では、マウスピースは、キャップから分離され得る。例えば、キャップは、ホース又はパイプによってマウスピースに接続され得る。ホース又はパイプは、キャップからマウスピースへの蒸気の流れを収容し得る。ホース又はパイプは、また、可撓性であり得、使用者が、マウスピースをキャップから独立して方向付けることを可能にする。
【0065】
チャンバ104は、気化前の気化用物質を貯蔵するための容器の一例である。本明細書では、実施形態は、濃縮油などの気化用液体に主に関連して記載されるが、一般に、チャンバは、例えば、ワックス及びゲルを含む他の形態の気化用物質を貯蔵することができる。水性担体を有する気化用物質も考えられる。気化デバイスは、例えば、乳化したカンナビノイドを含む水性担体を気化させることが可能であり得る。いくつかの実施形態では、チャンバは、乾燥気化用物質を収容し得る。チャンバ104は、コンテナ、ハウジング又はタンクとも呼ばれ得る。
【0066】
チャンバ104は、外壁118及び外壁120を含む。チャンバ104の外壁118及び外壁120は、使用者がチャンバ内の気化用物質の量を目視で決定できるようにするために、強化ガラス又はプラスチックなどの1つ以上の透明若しくは半透明材料から作製され得る。その代わりに、外壁118及び外壁120は、例えば、紫外線による劣化から気化用物質を保護するために、金属合金、プラスチック又はセラミックスなどの1つ以上の不透明材料から作製され得る。チャンバ104の外壁118及び外壁120は、使用者がチャンバ内の気化用液体の量を決定することを補助するためのマークを含み得る。チャンバ104は、いくつかの異なる高さのうちのいずれかであり得る。
図1には複数の外壁118及び外壁120が示されているが、チャンバ104は、おそらくは多くの場合、単一の外壁を有する円筒状である。
【0067】
チャンバ104はキャップ102に係合し、係合部又は接続部116を介してキャップに結合され得る。ガスケット又は他の封止部材が、チャンバ内の気化用物質を封止するために、チャンバ104とキャップ102との間に設けられ得る。
【0068】
いくつかのチャンバは、「再閉鎖不能」又は「使い捨て」であり、初期充填後に開けることはできない。このようなチャンバは、一旦閉じられると永久的に封止される。その他は、キャップ102とチャンバ104との間の係合部116を解除可能な再閉鎖可能チャンバである。例えば、キャップ102は、チャンバ104に解除可能に係合して、チャンバ104内の気化用物質を封止するカバーであり得る。解除可能な係合部は、例えば、ねじ付き係合部若しくは他の種類の接続部又はチャンバ104とキャップ102との間の当接部を含み得、必ずしもチャンバとキャップとの間の実際の接続部ではない。このような解除可能な係合部により、キャップ102をチャンバ104から係脱する又は取り外すことが可能になるため、チャンバは、例えば、清掃すること、空にすること及び/又は気化用物質を充填することができる。その後、キャップ102は、チャンバ内の気化用物質を封止するためにチャンバ104と再係合し得る。
【0069】
図1は、また、チャンバ104内のステム110を示す。ステム110は、中空管又はチャネルであり、蒸気は、そこを通って、キャップ102内に及びキャップ102を介して吸い込まれ得る。ステム110は、中心カラム、中心柱、煙突、ホース又はパイプとも呼ばれる場合がある。ステム110は、外壁122及び外壁124を含むが、多くの実施形態では、ステムは、単一外壁を有する円筒状であるものと思われる。ステンレス鋼、他の金属合金、プラスチック及びセラミックスなどの材料が、ステム110などのステムに対して使用され得る。ステム110は、係合部又は接続部126を介してキャップ102に結合する。係合部又は接続部116と同様に、係合部又は接続部126は、ステム110とキャップ102との間の解除可能な係合部を含む解除可能な係合部又は接続部であり得る。いくつかの実施形態では、係合部126は、解除可能な接続部の形態である又は解除可能な接続部を含む。
【0070】
図1では別々に符号が付されているが、いくつかの実施形態では、係合部116と係合部126は、動作的に関連している。例えば、キャップ102をステム110上にねじ止めすると、キャップはチャンバ104とも係合し得る、又は同様に、キャップをチャンバ上にねじ止めすると、キャップはステムとも係合し得る。
【0071】
アトマイザー130は、チャンバ104内のステム110の基部に設けられている。アトマイザー130は、加熱要素、コア又はセラミックコアとも呼ばれる場合がある。アトマイザー130は、いくつかの実施形態では、実際には単一の円筒又は円錐台壁であり得る側壁131及び側壁133と、1つ以上の吸上穴又は取入穴(そのうちの1つは、参照番号134に示される)と、を含む。アトマイザー130の側壁は、例えば、ステンレス鋼などの金属合金から作製され得る。アトマイザー130の側壁131及び側壁133は、ステム110と同じ材料から又は異なる材料から作製され得る。
【0072】
アトマイザー130は、係合部132を介してステム110と係合し、且つ結合し得ると共に、係合部136を介して基部106と係合し、且つ結合し得る。係合部132及び係合部136は解除可能であり得るが、ステム110、アトマイザー130及び基部106は、互いに永久的に取り付けられ得る。アトマイザー側壁131及び側壁133は、一体的な単一物理構成要素として、ステム110でも形成され得る。
【0073】
一般に、アトマイザー130は、チャンバ104内の気化用物質を蒸気に変換し、これを、使用者がステム110及びキャップ102を通して気化デバイス100から吸い込む。気化用液体は、例えば、吸上穴134及び芯を通してアトマイザー130に吸い込まれ得る。アトマイザー130は、気化用液体の蒸気への変換を行うために、セラミック芯の周りの抵抗コイルなどの加熱要素を含み得る。セラミックアトマイザーは、コイル式ワイヤで巻かれることに加えて又はその代わりに、セラミック内のコイル式ワイヤなどの、コンクリート内の鉄筋に類似する内蔵加熱要素を有し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、アトマイザー130とチャンバ104との組み合わせは、カトマイザーと呼ばれる。
【0075】
基部106はアトマイザー130に電力を供給し、アトマイザー基部とも呼ばれる場合がある。基部106は、側壁138及び側壁139を含み、これらは、円筒状側壁などの単一側壁であり得る。基部106は、係合部128を介してチャンバ104に係合し、且つまた、結合され得る。係合部128は、固定された接続部であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、係合部128は、解除可能な係合部であり、基部106は、チャンバ104に解除可能に係合し、チャンバ104内の気化用物質を封止するカバーの形態であると考えられ得る。このような実施形態では、係合部128は、例えば、ねじ付き係合部、ねじ付き接続部、又はチャンバ104と基部106との間の当接部を含み得る。ガスケット又は他の封止部材が、チャンバ内の気化用物質を封止するために、チャンバ104と基部106との間に設けられ得る。このような解除可能な係合部により、チャンバ104からの基部106の取り外し又は係脱が可能になり、チャンバの内部へのアクセスを可能にするため、チャンバは、例えば、空にすること、清掃すること及び/又は気化用物質を充填することができる。その後、基部106は、チャンバ内の気化用物質を封止するためにチャンバ104と再係合し得る。
【0076】
基部106は、概して、アトマイザー130に電力を供給するための回路を含む。例えば、基部106は、バッテリー室108内の対応する電気接点に接続する電気接点を含み得る。基部106は、アトマイザー130内の対応する電気接点に接続する電気接点を更に含み得る。基部106は、バッテリー室108からの電力/電圧/電流出力を低減、調整又は他の手法で制御し得る。しかしながら、この機能は、また、又は代わりとして、バッテリー室108自体により提供され得る。基部106は、例えば、接点及び/又は回路などの他の基部構成要素を保持する又はそうでなければ支持するために、金属材料、プラスチック、エラストマー及びセラミックスを含む1つ以上の材料から作製され得る。しかしながら、他の材料が、また、又は代わりとして、使用され得る。
【0077】
キャップ102、チャンバ104、ステム110、アトマイザー130及び基部106の組み合わせは、多くの場合、カートリッジ又は「カート」と呼ばれる。
【0078】
バッテリー室108は、バッテリーハウジングとも呼ばれ得る。バッテリー室108は、側壁140及び側壁141と、底部142と、ボタン144と、を含む。側壁140及び側壁141は、他の側壁に関して上述したように、円筒状側壁などの単一壁であり得る。バッテリー室108は、係合部146を介して基部106に係合し、且つまた、結合し得る。係合部146は、バッテリー室108の内部へのアクセスを提供するための、ねじ付き接続部又は磁気接続部などの解除可能な係合部であり得る。バッテリー室108は、単回使用バッテリー又はリチウムイオン電池などの充電式バッテリーを含み得る。解除可能な係合部146により、例えば、単回使用バッテリーの交換及び/又は充電のための充電式バッテリーの取り外しが可能になる。いくつかの実施形態では、充電式バッテリーは、気化デバイス100から取り外すことなく、バッテリー室108内の内部充電器によって充電され得る。充電ポート(図示せず)が、例えば、底部142又は側壁140、141に設けられ得る。バッテリー室108は、基部106と同じ材料から又は1つ以上の異なる材料から作製され得る。
【0079】
ボタン144は、ユーザ入力デバイスの一例であり、様々な手法のいずれかにおいて実装され得る。例としては、押しボタンなどの物理的若しくは機械的なボタン又はスイッチが挙げられる。静電容量式タッチセンサなどのタッチ感知要素が、また、又は代わりとして、使用され得る。ユーザ入力デバイスは、物理的又は機械的要素の動きを必ずしも要する必要はない。
【0080】
図1には閉鎖された又は面一の係合として示されているが、基部106とバッテリー室108との間の係合部146は、必ずしも完全に閉鎖されている必要はない。係合部146における基部106の外壁とバッテリー室108の外壁との間の間隙は、例えば、ステム110の内部と流体連通する基部の1つ以上の空気穴又は孔への空気取入路を提供し得る。空気取入路は、また、又は代わりとして、他の手法で、例えば、側壁138、139内の、基部106内の別の場所の及び/又はバッテリー室108内の1つ以上の孔によって提供され得る。使用者がマウスピース上で吸い込むと、空気が空気取入路を通してステム110に引かれ、アトマイザー130によって形成された蒸気と混合され得る。
【0081】
バッテリー室108は、気化デバイス100に給電し、少なくともアトマイザー130を含む気化デバイスの被給電構成要素が動作することを可能にする。他の被給電構成要素としては、例えば、1つ以上の発光ダイオード(LED)、スピーカ及び/又は他の、デバイス電源ステータス(オン/オフ)のインジケータ、デバイス使用ステータス(使用者が蒸気を吸い込んでいる時に関する)のインジケータ等が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ及び/又は他の可聴インジケータは、異なる状態のインジケータの形態として、長い、短い又は間欠的な「ビープ」音を生成し得る。触覚フィードバックが、また、又は代わりとして、ステータス又は状態インジケータを提供するために使用され得る。異なる振動及び/又はパルスは、例えば、オン/オフ、現在気化中、電源接続済み等などの、気化デバイスにおける異なるステータス又はアクションを示し得る。触覚フィードバックは、携帯電話などのデバイス内にあるような小型電動機、他の電気及び/若しくは機械的手段、又は更には、1つ以上の制御式電子磁石などの磁気手段を使用して提供され得る。
【0082】
上述したように、いくつかの実施形態では、キャップ102、チャンバ104、ステム110、アトマイザー130、基部106及び/又はバッテリー室108は、円筒形状である、又はそうでなければ、
図1で別々に符号が付されている側壁が単一側壁により形成され得るような形状にされている。これらの実施形態では、側壁114及び側壁115は、同じ側壁の側面である。外壁118及び外壁120、側壁131及び側壁133、外壁122及び外壁124、側壁138及び側壁139、側壁140及び側壁141、並びに他の図面に示される及び/若しくは本明細書に記載される他の壁について同様のことが当てはまる。しかしながら、一般に、円筒形状ではないキャップ、チャンバ、ステム、アトマイザー、基部及び/又はバッテリー室も考えられる。例えば、これら構成要素は、矩形、三角形又はその他の形状であり得る。
【0083】
図2は、気化デバイス100の等角図である。
図2では、キャップ102、チャンバ104、ステム110、アトマイザー130、基部106及びバッテリー室108は、円筒形状として示されている。しかしながら、上述したように、これは、他の気化デバイスには必ずしも当てはまらない。
図2は、また、キャップ102の先端部112を通る穴150を示す。穴150は、キャップ102内のチャネルを介してステム110に結合され得る。穴150は、使用者がキャップ102を通して蒸気を吸い込むことを可能にする。いくつかの実施形態では、気化用物質を気化させるために使用者がボタン144を操作する。他の気化デバイスは、使用者が穴150を介して吸入した時に自動的に起動され、バッテリー室108から気化デバイスの被給電構成要素に電力を供給し得る。このような実施形態では、気化デバイスを使用するためにボタン144が操作される必要はなく、必ずしも設けられる必要さえもない。
【0084】
図3は、例示的なマルチチャンバ気化デバイスの部分分解等角図であり、
図4は、
図3の線A--Aに沿った例示的なマルチチャンバ気化デバイスの断面図である。気化デバイス300は、本体302と取り外し可能なカバー304とを有する複数部品体を有する。本体302及びカバー304は、例えば、金属、プラスチック、エラストマー及びセラミックスのうちの1つ以上を含む同じ材料又は異なる材料から作製され得る。しかしながら、他の材料が、また、又は代わりとして、使用され得る。
【0085】
本体302及びカバー304は、気化用物質チャンバ312とチャネル310とを受け入れるための区画を含む。本体302内の区画は、
図4に参照番号311、313で示され、カバー304もまた、そのような区画を含む。カバー304は、示される例では、参照番号306でマウスピース308へとテーパし、マウスピースは、チャネル310と流体連通する。本体302は、示されるようなチャネル310及びチャンバ312などの構成要素並びに1つ以上のバッテリー、電気接点及び/又は回路などの他の構成要素を少なくとも部分的に保持し得る又はそうでなければ支持し得る。同様に、カバー304は、チャネル310及びチャンバ312などの構成要素並びにマウスピース308を少なくとも部分的に保持し得る又はそうでなければ支持し得る。
【0086】
チャネル310などの様々なチャネルは、気化デバイスなどの気化装置又は少なくともその一部を通って流体が流れることを可能にする。このような流体としては、例えば、アトマイザーの取入側における空気又はアトマイザーが動作して気化用物質を気化させている時のアトマイザーの上流における空気と蒸気との混合物が挙げられ得る。流体フローチャネルは、空気チャネルとも呼ばれる場合があるが、本明細書では主にチャネルとして参照される。
【0087】
マウスピース308は、カバー304の残りの部分と同じ材料から作製することができ、カバーと一体化させることさえもできる。示される実施形態では、マウスピース308は、係合部又は接続部309においてカバー304の残りの部分と係合している。この係合部又は接続部309は固定され得る。これは、示されるように、マウスピース308が円筒状の実施形態においては好ましい可能性がある。他の実施形態では、使用者がマウスピース308を本体302及び/又はカバー304の残りの部分に対して任意の好ましい向きに位置付けることができるように、回転可能な又はそうでなければ可動の係合部又は接続部309が好ましい可能性がある。
【0088】
ステンレス鋼、他の金属合金、プラスチック及びセラミックスなどの材料が、チャネル310に対して使用され得る。
【0089】
チャンバ312は、少なくとも部品的に、強化ガラス、プラスチック、金属合金及び/又はセラミックスなどの1つ以上の材料から作製され得る。チャンバ312は、例として
図1及び
図2に示されるチャンバ104に実質的に類似し得ると共に、異なる材料から作製された他の部品に結合され得る。いくつかの実施形態では、チャンバ312は、基部、アトマイザー、ステム及びキャップをそれぞれが含むカートリッジである。
【0090】
カバー304は、本体302から取り外し可能又は解放可能である。
図3に示される例では、カバー304上のタブ314は、その内部表面上に、気化デバイス300が組み立てられた又は閉じられた時に本体302の溝又はスロット316と係合するための突起物を備え得る。これは、本体302とカバー304との間の解除可能な係合部の一例である。カバー304は、チャンバ312を取り付ける若しくは取り外すために及び/又はデバイス300を清掃するために、例えば、タブ314上の突起物をスロット又は溝316から解放するのに十分な力でカバー304を本体302から引き離すことにより取り外され得る。示される実施形態におけるカバー304の取り外しは、また、又は代わりとして、タブ314をこじ開けてスロット又は溝316から外し、タブ突起物を解放して、カバーを取り外すことを可能にすることを含み得る。
【0091】
本体302は、デバイス300が組み立てられた時にタブの外部表面が本体の外部表面と面一になるように、タブ314を収容するための構造体318を含み得る。いくつかの実施形態では、構造体318は、カバー304を取り外す際に、使用者がタブをこじ開けてスロット又は溝316から外すために指の爪又はツールを挿入するための隙間を設けるために、タブ314よりも大きくされ得る。
【0092】
動作時、本体302内の1つ以上のバッテリーが1つ以上のアトマイザーに電力を供給し、複数のチャンバ312から1つ以上の気化用物質を個々に及び/又は1つ以上の気化用物質の混合物を気化させる。様々な構成又は実装形態のいずれも可能であり、本明細書には例が開示されている。
【0093】
しかしながら、例示的なデバイス300は単なる説明のためであることは理解すべきである。他の実施形態も考えられる。例えば、チャネル310は、別個の構成要素である必要はなく、本体302及び/又はカバー304と一体化若しくは統合され得る。各チャンバ312は、
図1及び
図2に示すようなステムを含み得、したがって、カバー304は、チャネル310なしで各ステムをマウスピース308に流体的に結合するためにマニホールドを含み得る。チャネル310及び/又はチャンバ312は、本体302内に完全に収容され得る。この場合、カバー304は、各チャンバの一部を受け入れるための区画を含む必要はない。区画は、
図4に参照番号311、313で示されるボアとしてのみならず、様々な手法のいずれかにおいて実装され得る。タブ314及びスロット又は溝316などの複数の係合構造体が設けられ得る。磁気接続部などの、本体とカバーとの間の他の種類の接続部又は係合部も可能である。例えば、中心チャネルの周囲にチャンバを収容するための区画又は構造体を備える中心チャネルを有するために、異なる形状又はレイアウトが実装され得る。例えば、六角形の断面形状を有するマルチチャンバ気化デバイスは、中心空気チャネル又は混合チャネルの周囲に6つのカートリッジ又はチャンバを収容し得る。円筒状気化デバイスのねじ付き係合部などの、本体とカバーとの間の他の種類の解除可能な係合部については、少なくとも特定の形状が好適であり得る。
【0094】
マルチチャンバ気化デバイスで複数の気化用物質を利用可能なことにより、1つより多い気化用物質を吸入のために気化させることができる。例えば、本明細書に開示されるように、複数の気化用物質を混合して気化用物質混合物を形成することができ、その後、この混合物はアトマイザーによって気化される。
図5は、気化前に複数の気化用物質の混合を可能にする例示的な気化デバイスのブロック図である。
【0095】
例示的なデバイス500は、各気化用物質を貯蔵するための複数のチャンバ510、512、514、516、518を含む。気化用物質の例及び気化用物質チャンバがどのように実装され得るかの例は、本明細書の別の場所で開示される。気化用物質は、様々な効果のいずれかを有し得る。例えば、ある気化用物質は、精神活性効果を有する1種以上の活性成分を含み得る一方で、テルペンなどの風味剤を含み得るものもある。ある気化用物質は、別の気化用物質中の活性成分又は物質の解毒剤を含み得る。
【0096】
デバイス500内の弁520、522、524、526、528は、各チャンバからミキサー536への気化用物質の移動を制御するために、チャネル511、513、515、517、519を介して対応するチャンバ510、512、514、516、518と流体連通するレギュレータの例である。示される実施形態では、ミキサー536は、チャネル521、523、525、527、529を介して弁520、522、524、526、528と流体連通する。他の形態のレギュレータとしては、例えば、芯、ポンプ、及びスクリューコンベヤなどの機械送り機構が挙げられる。気化デバイスは、異なる種類のレギュレータを含み得る。全ての種類のレギュレータが必ずしも別々に制御されるわけではない。芯は、例えば、気化のためにチャンバからアトマイザーに気化用物質を吸い込むが、芯自体は制御されない。
【0097】
マルチチャンバデバイスのレギュレータの種類を問わず、レギュレータは、用量制御の測定を行うのに有用であり得る。異なる気化用物質は、異なるレベルの活性成分を有し得、気化用物質の混合物中の活性成分の総用量は、レギュレータを制御することにより制御され得る。
【0098】
デバイス500内の弁520、522、524、526、528の一部又は全部が、例えば、1つ以上のユーザ入力デバイス534によって制御され得る。ユーザ入力デバイス534は、スイッチ、スライダ、ダイヤル及び/又は使用者が各チャンバ510、512、514、516、518からの気化用物質の流れを制御することを可能にする他の種類の入力デバイスを含み得る。他の入力デバイス例は、例えば、
図1及び
図2のボタン144を参照して、本明細書の別の場所に開示されている。
【0099】
ユーザ入力デバイス534は、1つのチャンバ510、512、514、516、518に専用のものである必要は必ずしもない。単一のユーザ入力デバイス534が、複数のチャンバ510、512、514、516、518からの気化用物質の流れを制御するために使用され得る。全てのチャンバからの流れが、例えば、1つのユーザ入力デバイス534によってオン又はオフにされ得る。ユーザ入力デバイス534は、使用者が、いくつかの異なる混合比をスクロールし、又はそうでなければ、そのうちの1つを選択し、選択した混合比に従って、複数のチャンバ510、512、514、516、518からの気化用物質の流れを制御することを可能にし得る。概して、1つ以上のユーザ入力デバイス534は、使用者が、気化用物質の各チャンバ510、512、514、516、518からミキサー536への気化用物質の流れを制御することを可能にする。
【0100】
気化用物質フローレギュレータのこのような制御は、ユーザ入力デバイス534がコントローラ530に入力を提供し、コントローラがレギュレータ(例示的なデバイス500では弁520、522、524、526、528)を制御するという意味で、
図5に示すように、間接的であり得る。コントローラ530は、例えば、ハードウェア、ファームウェア、ソリッドデータメモリデバイス又はムーバブル記憶媒体及び/若しくはリムーバブル記憶媒体でさえも使用するメモリデバイスなどの1つ以上の非一時的メモリデバイス(図示せず)に格納されたソフトウェアを実行する1つ以上の構成要素を使用して実装され得る。マイクロプロセッサ、特定用途用集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)及びプログラマブルロジックデバイス(PLD)は、ソフトウェアを実行するために使用され得る処理デバイスの例である。
【0101】
図示される実施形態においては、バッテリー532がコントローラ530に電力を供給し、その後、コントローラ530が、例示的なデバイス500の他の構成要素への電力を制御し得る。このタイプの実装形態では、弁520、522、524、526、528は、弁への電力の制御によって制御され得る。例えば、各弁520、522、524、526、528は、電力が供給されていない時には通常閉鎖され得、給電されると開放され得る。他の実施形態では、給電と制御とは別々に実施される。いずれの場合においても、少なくとも、電気的に制御可能な弁520、522、524、526、528と共に、コントローラに基づいた実施が用いられ得る。他の制御メカニズムも可能である。
【0102】
別の実施形態では、弁520、522、524、526、528は、1つ以上のユーザ入力デバイス534によって直接制御され得る。ユーザ入力デバイス534は、例えば、1つ以上の弁構成要素を物理的に動かしてミキサー536への気化用物質の流れを増加又は減少させるために、弁520、522、524、526、528に機械的に又は他の手法で結合され得る。
【0103】
ミキサー536は、チャネル521、523、525、527、529を介して気化用物質を受け入れ、気化用物質を混合して気化用物質混合物を形成するために結合されている。いくつかの実施形態では、ミキサー536は、気化用物質を能動的に混合するための駆動式又は「能動式」ミキサーである。
【0104】
例えば、ミキサー536は、混合される気化用物質を受け入れるための混合チャネルを含み得る。混合される気化用物質は、混合チャネルに流入し、混合チャネルを流れる際に混合され得る及び/又は混合中に混合チャネル内に一時的に保持され得る。後者の例では、混合チャネル自体が、チャンバ又はリザーバであると考えられ得る。例示的なデバイス500においては、チャンバのいずれかからの気化用物質をミキサー536による混合のために利用できるように、マニホールドが、チャネル511/521、513/523、515/525、517/527、519/529並びに弁520、522、524、526、528を介してチャンバ510、512、514、516、518を混合チャネルに結合し得る。全ての気化用物質を必ずしも混合する必要はない。例えば、利用可能な気化用物質のサブセットのみが混合される可能性がある。いくつかの実施形態では、気化デバイスは、また、気化用物質混合物の気化とは別に気化させるための固有のアトマイザーを有する1つ以上のカートリッジを含み得る。
【0105】
混合チャネル内に配置された、又はそうでなければ、例えば、混合チャネル内を流れる気化用物質に接触し、混合するように配置された撹拌要素は、気化用物質の混合を向上させるのに有用であり得る。チャンバ510、512、514、516、518内の気化用物質は、液体、花若しくは粉末などの乾燥物質、ワックス及び/又はゲルなどの異なる種類の気化用物質を含み得る。異なる気化用物質の混合は、同じ種類のものであるか1種以上の液体と1種以上のワックスとなどの異なる種類のものであるかを問わず、駆動式撹拌要素を用いた能動的混合によって向上させることができる。例えば、ある気化用物質は、他よりも高い粘度を有する可能性があり、気化前の混合に関して特に課題を呈する可能性がある。
【0106】
ミキサー536は、例えば、電気的に駆動される撹拌要素、磁気的に駆動される磁気撹拌要素及び/又は音響的に駆動される音響撹拌要素を含み得る。
【0107】
図6Aは、一実施形態による例示的な撹拌要素のブロック図である。
図6Aでは、撹拌要素602は、混合チャネル600内に配置されている。両端で開放している流通混合チャネル600が例として示されているが、混合チャネルは、混合中及び/又は混合後であるが気化前に気化用物質を一時的に貯蔵するためのリザーバ又は他の保持構造体を含み得る。
【0108】
撹拌要素602は、電動機606のロータシャフト604に結合されている1つ以上の、示される例では2つのベーンを含む。電動機606は、気化デバイスの1つ以上のバッテリーから電力を供給され得る。いくつかの実施形態では、使用者は、スイッチ又は他の入力デバイスを操作して、例えば、1つ以上のポンプにより気化用物質を混合チャネル600内に放出し又は能動的に移動させ、電動機606をオンにして気化用物質を混合することができる。その代わりに、気化用物質の放出及び/又は混合は、使用者がマウスピース上で吸い込む、電源ボタンを操作する又は吸入用の蒸気を発生させるために他の手法で気化デバイスを起動すると開始され得る。
【0109】
図6Aに示されるようなデュアルベーン構造は、単なる例示を意図するものである。他の実施形態は、2つを超えるベーンを有する撹拌要素、異なる形状若しくは形態の撹拌要素及び/又は複数の撹拌要素を含み得る。
【0110】
図6Bは、別の実施形態による例示的な撹拌要素のブロック図である。
図6Aの実施形態は、撹拌要素602が電動機606によって直接駆動される直接駆動実施形態である。
図6Bでは、撹拌要素612は混合チャネル610内に配置されているが、
図6Aに示すように駆動要素が撹拌要素と直接物理的に接触している直接駆動構成によってではなく、間接的に、特に、磁気的に又は音響的に駆動される。
【0111】
撹拌要素612は、バー、中実の若しくは孔あきディスク又は別の形状を有する要素であり得、磁気的に又は音響的に駆動され、混合チャネル610内で回転する、振動する、往復運動する又は別の手法で動く。
【0112】
音響混合は、また、又は代わりとして、混合又は撹拌要素を使用することなく実施され得る。例えば、音響発生器は、混合チャネル610の側壁に結合することができ、側壁を振動させる又は混合チャネル内の気化用物質を別の手法でかきまぜる。
【0113】
超音波混合又は音波処理などの他の種類の能動的混合が、また、又は代わりとして、気化用物質を混合するために使用され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、ミキサー536は能動ミキサーである。能動ミキサーの例は、
図6A及び
図6Bに示されており、能動的混合及び能動ミキサーの他の例も本明細書に開示される。能動ミキサーは、気化用物質を混合することに加えて、気化デバイスが使用中であり、気化用物質を能動的に混合していることを示す触覚フィードバックという形態も提供し得る。気化デバイスを把持している使用者は、能動ミキサーが動作している時に知覚することができる。
【0115】
他の実施形態は、また、又は代わりとして、気化用物質の「受動的」混合を含み得る。受動的混合においては、ミキサー536は、積極的に又は能動的に駆動されないが、気化用物質の流れに乱流を導入し、又は別の手法で気化用物質を混合し、気化用物質混合物を形成する複数の混合要素を含む。
【0116】
図7Aは、受動混合チャネル700の断面図である。混合チャネル700は、1つ以上の気化用物質を受け入れる。
図7A及び/又は他の実施形態では、気化用物質は、混合チャネル700に押し出され得る、重力供給され得る又は別の手法で供給され得る。例えば、吸入による吸引は、混合チャネルへの若しくは混合チャネルを通る、又はそうでなければ、能動若しくは受動混合要素までの及び/又は能動若しくは受動混合要素を越える、気化用物質及び/又は気化用物質混合物の流れに寄与し得る。
【0117】
図7Aでは、気化用物質が混合されるとき、複数の気化用物質が混合チャネル700に供給される。しかしながら、気化用物質の混合を可能にする気化デバイスは、単一の気化用物質の気化を必ずしも排除する必要はないことを理解すべきである。したがって、混合チャネルは、1つ又は1つより多い気化用物質を受け入れ得る。
【0118】
混合チャネル700は、形態ウェル702(in the form wells 702)の複数の混合要素を含む。矩形又は円筒形状であり得るウェル702は、例えば、混合チャネル700の側壁内に形成された離散的構造体である。ウェル702は、混合チャネル700の側壁の一部分のみを占める。ウェル702は、混合チャネル700内に一定の形状及び間隔で示されているが、他の実施形態では、ウェルは、混合チャネル内に異なるサイズで及び/又は間隔で配置され得る(ランダムさえも可)。更に、混合チャネル内のウェルの形状及びサイズは変化し得る。例えば、ウェル702の側壁は、テーパ又は傾斜し得る。1つ以上のウェルは、また、又は代わりとして、例えば、円筒状の混合チャネルの場合、混合チャネルの内部表面に、環状溝又はウェルとして延び得る。
【0119】
ウェル702は、混合を補助するために、混合チャネル700内における気化用物質の横方向の輸送を向上させることができる。ウェル702は、また、又は代わりとして、混合を補助するために、乱流を生成し得る。この意味において、ウェル702は、混合チャネル700に供給された気化用物質を受動的に混合する。
【0120】
図7Bは、1つ以上の気化用物質を受け入れる受動混合チャネル710の断面図である。気化用物質は、混合チャネル710に押し出され得る、重力供給され得る、吸引によって供給され得る又は別の手法で供給され得る。混合チャネル710は、混合要素として実装された複数の隆起部712を含む。隆起部712は、例えば、混合チャネル710の側壁の環状突起物であり得る。隆起部712と隆起部712との間の間隙は、溝714と考えられ得る。隆起部712及び/又は溝714は、矩形及び/又は三角形を含む様々な断面形状のいずれかをとり得る。隆起部712及び溝714は、一定のサイズで示されているが、他の実施形態では、混合チャネル710の間隔及び形状、隆起部並びに/又は溝のサイズ、間隔及び/若しくは形状は、変化し得る。
【0121】
ウェル702と同様に、隆起部712及び溝714は、混合チャネル710内の気化用物質の横方向の輸送及び/又は乱流を増加させることによって混合を補助し得る。
【0122】
隆起部712及び溝714は、円筒状の混合チャネルの場合、これらが混合チャネル710に沿って軸方向に直線的に延びるという点で、線形混合要素の例である。螺旋形混合要素も考えられる。
図7Cは、螺旋隆起部722と、螺旋隆起部の巻きの間の空間にある螺旋溝724と、を含む受動混合チャネル720の断面図である。示される例では、螺旋隆起部722は、混合チャネル720内に連続的な渦巻を形成している。螺旋隆起部は、必ずしも連続的である必要はなく、複数の離散した隆起部セグメントを含み得る。同様に、螺旋溝724は、示される例では連続的であるが、必ずしも連続的である必要はない。螺旋隆起部722及び/又は螺旋溝724は、混合チャネル720内の気化用物質が混合チャネル内を流れる間に気化用物質を回転させる及び/又は側方に移動させることができ、混合を補助する。
【0123】
図7Dは、1つ以上の気化用物質を受け入れる別の例示的な受動混合チャネル730の断面図である。気化用物質は、混合チャネル730に押し出され得る、重力供給され得る、吸引によって供給され得る又は別の手法で供給され得る。混合チャネル730は、複数のチャネル732、734、742及び744を含む。混合チャネル730は、また、混合要素736、738、746及び748を含む。混合チャネル730によって受け入れられた気化用物質の流れは、混合要素736によって複数(この例では2つ)の流れに分割される。これら複数の流れは、チャネル732及びチャネル734内を流れる。その後、混合要素738は、チャネル732及びチャネル734の端部にて複数の流れを1つの流れに結合し、1つの流れは、チャネル740へと、及びチャネル740内を、流れる。この分割及び結合のプロセスは、混合要素746及び混合要素748並びにチャネル742、744及び750を使用して、混合チャネル730内でもう一度繰り返される。この意味において、混合要素736及び混合要素746又はチャネル732/734及びチャネル742/744は、混合要素738及び混合要素748又はチャネル740及びチャネル750の形態の結合部に結合された分割部であると考えられ得る。混合要素736、738、746及び748を使用した分割及び結合のプロセスは、気化用物質の混合を補助し得る。気化用物質を更に混合するために、追加的な分割部及び/又は結合部も混合チャネル730内に実装され得る。単一の分割/結合階層又は構造での混合も可能である。
【0124】
概して、1つ以上の混合チャネル内にウェル、隆起部、溝、分割部及び結合部の任意の組み合わせを実装することができる。場合によっては更に混合を補助するために、例えば、混合チャネル730のチャネル732、734、740、742及び/又は744にウェルが追加され得る。
【0125】
ミキサー536は、能動的、受動的、又はそれらの両方であるかどうかを問わず、気化用物質間の混合を向上させ、気化用物質混合物の均質性を増加させることを目的とする。混合物の均質性は、例えば、混合物の気化温度及び/又は混合物を気化させることにより発生する蒸気の内容物に影響を及ぼす可能性があり、したがって、複数の気化用物質を気化させる場合の重要なパラメータとなり得る。
【0126】
図5を再度参照すると、例示的な気化デバイス500は、また、チャネル537を介してミキサー536と流体連通する、ミキサーによって形成された気化用物質混合物を気化させるためのアトマイザー538を含む。アトマイザー538への電力を制御するための電力コントローラが、参照番号530にて、他の制御機能も提供するコントローラ及び/又は別個の電力コントローラで実装され得る。電力コントローラは、例えば、電源ボタン若しくはスイッチ534の操作又は使用者のマウスピース542を介したデバイス500での吸入に基づいて、オンオフ電力制御を提供し得る。いくつかの実施形態では、アトマイザーが様々な気化温度を提供することを可能にするために、様々な電圧及び/又は電流がアトマイザー538に供給され得る。気化温度制御の一形態であると考えられ得るこのタイプの電力制御は、1つ以上のユーザ入力デバイス534を介して及び/又はデバイス500に現在取り付けられているカートリッジ510、512、514、516、518の種類の検知に基づいて提供され得る。概して、アトマイザー538に供給される電圧、電流及び/又は電力は、気化させる気化用物質に基づいて調整され得る。アトマイザー538に供給される電圧、電流及び/又は電力は、また、又は代わりとして、例えば、1つ以上のユーザ入力デバイス534を使用して選択され得る又はそうでなければ制御され得る、アトマイザーによって生成される蒸気の所望の流量又は量に基づいて調整され得る。
【0127】
アトマイザー538と流体連通するチャネルが参照番号539で示されており、使用者がアトマイザーから蒸気を吸入することができるように、マウスピース542がこのチャネルと流体連通する。いくつかの実施形態では、弁540は、マウスピース542への蒸気の流れを調整する又はそうでなければ制御するために、制御可能である。コントローラ530は、例えば、用量制御の形態を提供するために、弁540を調整し得る。
【0128】
図5は、例示的な気化デバイスのブロック図であり、
図6A~
図7Dは、ミキサーの例を示す。一実施形態において、
図5に示されるタイプの気化デバイスに複数のチャンバを実装するために使用され得る例示的なマルチチャンバカートリッジが、
図8~
図12に示される。
【0129】
図8は、マルチチャンバカートリッジの等角図であり、
図9は、
図8のマルチチャンバカートリッジの部分分解等角図であり、
図10は、
図8のマルチチャンバカートリッジの平面図であり、
図11は、
図8のマルチチャンバカートリッジの頂面図であり、
図12は、
図11の線B--Bに沿った、
図8の例示的なマルチチャンバカートリッジの断面図である。以下の説明で参照する様々な特徴は、これら図面の1つ以上に示される。
【0130】
例示的なマルチチャンバカートリッジ800は、2つのチャンバ802、804を含む。同じサイズの2つのチャンバが、例として示される。2つを超えるチャンバが存在し得る。チャンバは、同じサイズのものであり得る、又は1つ以上のチャンバは、1つ以上の他のチャンバと異なるサイズを有し得る。チャンバ802、804は、基部806上に配置されており、摩擦嵌合及び/又は何らかの他の種類の解除可能な係合によって所定の位置に保持され得る。ステム812の上端部にあるねじ山上にねじ止めされるキャップ(図示せず)は、例えば、チャンバ802、804を封止し得ると共に、また、基部806上のそれらを所定の位置に保持し得る。キャップとチャンバ802、804との間の他の係合は可能であり、キャップ/チャンバの係合の更なる例は、本明細書の別の場所に提供される。
【0131】
各チャンバ802、804が作成され得る材料の例は、本明細書の別の場所に提供される。チャンバ802、804は、再閉鎖不能チャンバ、再閉鎖可能チャンバ、又は再閉鎖不能チャンバ及び再閉鎖可能チャンバの両方を含み得る。より一般には、マルチチャンバカートリッジ又はマルチチャンバ気化デバイスは、1つ以上の再閉鎖不能チャンバ及び/又は1つ以上の再閉鎖可能チャンバを含み得る。
【0132】
ステム812及びアトマイザー814は、例えば、
図1及び
図2を参照して本明細書の別の場所に記載されるように実装され得る。
図8では、混合チャネル816も設けられており、アトマイザー側壁を
図1及び
図2に示される実施形態に比べて延ばし、混合チャネル816のアトマイザー端部から離れたアトマイザー側壁の遠位端に取入穴又は通路818、819を設けることによって実装され得る。これはおそらく、
図12に最も良く示されており、
図12では、混合チャネル816の頂部に向けたアトマイザー1210の内部位置が示される。例えば、混合チャネルの形状、混合チャネルの様々な寸法のいずれか、混合要素若しくは混合チャネルからのアトマイザーの距離及び/又は気化用物質取入口からの混合要素若しくは混合チャネルの距離などのパラメータは、異なる種類の気化用物質に関して異なり得る。好ましい取水口とミキサーとの距離及び/又はミキサーとアトマイザーとの距離は、低粘度の気化用物質よりも高粘度のオイル又はワックスの方が短くなり得る。ミキサーとアトマイザーとの距離には、また、又は代わりとして、得られる気化用物質混合物の予想粘度が考慮に入れられ得る。より一般には、物理的パラメータのみならず、又はその代わりとして、混合要素の種類及び/又は速度などの他のパラメータを含む様々なパラメータのいずれも、混合される気化用物質の特性及び/若しくは得られる気化用物質混合物の予想特性に基づいて決定され得る又は選択され得る。
【0133】
また、
図12に示されるように、混合は、混合チャネル816内の通路1212内で行われ得る。通路1212の部分1214は、混合のために気化用物質を受け入れるために、穿孔され得る又はそうでなければ取入穴を含み得る。他の実施形態では、混合チャネル816内に別個の内部通路1212はない。能動的及び/又は受動的混合が、混合チャネル816内で行われ得る、又はそうでなければ、混合チャネルを伴って若しくは伴わずに実施され得る。本明細書の別の場所に開示される例示的なミキサーのいずれも、マルチチャンバカートリッジ内での気化用物質の混合を実施するために使用され得る。
【0134】
アトマイザー814は、対応する係合部を介してステム812及び混合チャネル816と係合し、且つ結合し得ると共に、同様に、混合チャネル816は、別の係合部を介して基部806と係合及び結合し得る。これら係合部の一部又は全部は、解除可能であり得るが、ステム812、アトマイザー814、混合チャネル816及び基部806は、互いに永久的に取り付けられ得る。アトマイザー814の側壁及び混合チャネル816の側壁は、更には、一体的な単一物理構成要素として、ステム812で形成され得る。
【0135】
アトマイザー814は、チャンバ802、804内の気化用物質の混合物を蒸気に変換し、これを使用者がステム812を通して吸い込む。気化用物質は、取入穴818、819及びチャンバ802、804内の対応する取入穴918、919を通して、アトマイザー814に吸い込まれ得る又は他の手法で提供され得る。混合チャネル816及び/又はアトマイザー814への気化用物質のうちの1つ以上の流れを調整するために、1つ以上のレギュレータも設けられ得る。
【0136】
基部806は、アトマイザー814に電力を供給し、能動ミキサーなどの他の構成要素にも電力を供給し得る。基部806は、本明細書の別の場所に記載されるように、例えば、基部106(
図1及び
図2)と同様の手法で実装され得る。基部806は、係合部を介してチャンバ802、804に係合し、且つまた、結合され得る。係合部は、固定された接続部又は解除可能な係合部であり得る。いくつかの実施形態では、基部806は、チャンバ802、804に解除可能に係合して、チャンバ802、804の1つ又は両方を封止するカバーの形態であり得る。
図12に示すように、チャンバ802、804は、対応する底壁を有するが、他の実施形態では、基部806は、1つ以上のチャンバの基端部を封止する。
【0137】
各チャンバ802、804の底壁は、基部806上の相補的な係合構造体820、822と係合する係合構造体916、917を含む。示される例では、基部806は、各チャンバ位置に係合構造体820、822を含み、したがって、基部係合構造体を収容するための相補的な係合構造体916、917を有するチャンバ802、804のみを基部806と共に使用することができる。他の実施形態では、チャンバ及び基部上のチャンバ位置の全てではなくいくつかのみが係合構造体を含む。係合構造体の他の形状、サイズ、タイプ及び場所も考えられる。1つ以上の係合構造体が、また、又は代わりとして、例えば、混合チャネル816、アトマイザー814、ステム812及び/又はキャップ(図示せず)のうちの1つ以上に提供され得る。
【0138】
係合構造体は、例えば、カートリッジ又は気化デバイスを特定モデル又はタイプのチャンバに限定するために有用であり得る。係合構造体は、また、又は代わりとして、例えば、チャンバ取入穴918、919が混合チャネル取入穴818、819と位置合わせされた状態でチャンバが組み立てられることを確実にするための組立補助部として有用であり得る。
【0139】
複数のチャンバは、1つ以上の仕切壁によって分離され得る又は仕切られ得る。
図8を参照すると、ステム812、アトマイザー814及び混合チャネル816と併せて、チャンバ802とチャンバ804との間の中央仕切りが、仕切壁セクション808、810によって部分的に設けられ得る。ガスケット又は他の封止部材が、各仕切壁セクション808、810と、ステム812、アトマイザー814、混合チャネル816、示される例では円筒状のチャンバ外壁、及びチャンバの底壁又は基部806の頂面のいずれかと、の間に設けられ得る。
【0140】
いくつかの実施形態では、参照番号808、810などの仕切壁セクションは、単一のカートリッジチャンバの内部空間の、複数のチャンバへの適応可能な分割を行うために、移動可能でさえもあり得る。隣接するチャンバ間の封止を仕切壁の任意の位置において行うために、1つ以上の封止部材が、仕切壁セクションに取り付けられ得る又は他の手法で仕切壁セクションによって支持され得る。溝、チャネル及び/又は他の構造体が、仕切壁を特定位置に配置するための案内部として、円筒状のチャンバ外壁並びに/又はステム812、アトマイザー814、混合チャネル816及びチャンバの底壁若しくは基部806の頂面のうちの1つ以上に設けられ得る。
【0141】
チャンバは、また、又は代わりとして、おそらくは
図9及び
図12に最も明確に示されるように、「自己内蔵型」であり得る。自己内蔵型チャンバは、1つ以上の外側壁、示される例では、特に、湾曲した外側壁と1つ以上の内側仕切壁とを含み得る。
図9及び
図12では、仕切壁は、壁セクション902/904、906/908を有し、そのそれぞれは、チャンバ802とチャンバ804とが気化デバイス又はカートリッジ内で互いに組み立てられると、別の仕切壁セクションに当接する。仕切壁は、また、それぞれ、ステム812、アトマイザー814及び混合チャネル816を収容するためのセクション910/911、912/913、914/915を有する。自己内蔵型チャンバによって、チャンバが気化デバイス又はカートリッジ内で組み立てられる前に、取入穴918、919を漏れに対して封止するための封止部材が設けられ得る。混合チャネル816は、例えば、各取入穴818、819の周囲に又はそうでなければ各取入穴818、819の領域内に、チャンバがカートリッジ内に取り付けられたときにチャンバ取入穴シールを破壊する又は他の手法で開放するための構造体を含み得る。混合のためにチャンバからの気化用物質の流れを制御するレギュレータが、また、又は代わりとして、チャンバからの組み立て前の漏れを低減又は回避するために使用され得る。チャンバ取入穴シールが、チャンバと混合チャネル816との間の係合部からの気化用物質の漏れに対するシールを提供するために、チャンバ取入穴の周囲を越えて延び得る。この目的のために、例えば、別個のガスケット又は他の封止部材が混合チャンバ816又はチャンバ802、804上に提供され得る。
【0142】
図8~
図12は、1つの例示的実施形態を示す。他の実施形態は考えられる。例えば、チャンバの構造又は製造を簡略化するために、基部から各チャンバの頂部まで均一な形状を有するカートリッジが好適であり得る。
図8~
図12に示すように、混合チャンバ816とステム812との間のサイズ変化は、完全に回避され得る又はカバー若しくはマウスピース(図示せず)内に場所を移され得る。その代わりに、サイズ変化は、円錐台内壁を用いて行われ得る。これにより、仕切壁セグメント又は部分間の急な変化を少なくとも回避することができる。また、チャンバが、他の構成要素に必ずしもしっかりと密着している必要はないことは理解すべきである。限られた物理的空間を効率的に利用するために構成要素間のしっかりとした密着が好ましい場合があるが、他の実施形態では、例えば、複数の円筒状チャンバを同じ基部に組み付けることができる。
【0143】
図8~
図12に、チャンバ802とチャンバ804との間に配置された中央混合チャネル816が示される。他の実施形態では、混合は、また、又は代わりとして、基部内の混合チャネル又はリザーバ内で実施され得る。例えば、基部は、1つ以上の投入チャネルを有し得る。1つ以上の投入チャネルは、単一のアトマイザーと流体連通する基部の混合チャネルに気化用物質を供給するために複数のチャンバと流体連通する。アトマイザーは、また、基部内に位置することができ、ステムと流体連通し得る。
【0144】
様々なタイプの係合構造体のいずれも気化デバイス上又は気化デバイス内に設けることができる。
図13は、
図11の線B--Bの一部に沿った、
図8のマルチチャンバカートリッジの係合構造体の一例の部分分解断面図である。
図13に示される実施形態では、係合構造体820は、切欠部1302及び切欠部1304を含み、相補的な係合構造体916は、突起物1300を含む。突起物1300、切欠部1304に係合するための突起物(図示せず)、これら突起物の両方を含む、又は突起物を含まないチャンバが、例示的な係合構造体820において使用され得る。
【0145】
図13に示される例と類似する又は異なる係合構造体は、特定のタイプのチャンバにより専用化されたものであり得る。気化デバイスなどの装置上の1つ以上の係合構造体により、チャンバ、カートリッジ及び/又は他の構成要素が、特定のタイプのみに機械的に限定され得る。係合構造体は、1つ以上の相補的特徴を有する特定のタイプの協働構成要素とのみ嵌合するサイズ、形状及び/又は位置を有する1つ以上の突起物及び/又は1つ以上の溝などの1つ以上の特徴を含み得る。別の係合構造体例は、特定のカートリッジタイプのみが所期のデバイスだけに適合するような特定のねじ切り及びピン構成である。六角形などの特定形状の1つ以上のピンは、カートリッジ/デバイスの特異性を提供するための係合構造体の更なる例である。このタイプの物理的又は機械的な特異性を使用して、例えば、気化デバイスを、特定のタイプのチャンバ又はカートリッジのみとの使用に限定することができ、気化デバイスによる気化のために利用可能な特定の気化用物質に対する制御手段(a measure of control)を提供することができる。特定のチャンバ又はカートリッジは、例えば、これらのチャンバ又はカートリッジのために特別に適合されたレギュレータ、電源ターミナル及び/又は他の特徴を有し得る特定の位置に限定され得る。
【0146】
係合構造体は、チャンバ及び/若しくは他の構成要素の正確な配置若しくは位置合わせを制御すること又はチャンバ及び/若しくは他の構成要素を特定タイプに限定することなどの物理的機能のみを有している必要はない。異なるチャンバ上の係合構造体は、例えば、取り付けられたチャンバの種類を気化デバイスが検知することを可能にするために、異なるサイズ及び/又はパターンの導電性ピンを有し得る。
図13を再度参照すると、例えば、取り付けられたチャンバ若しくはカートリッジ及び/又は取り付けられたチャンバ若しくはカートリッジの種類の検知を行うために、突起物1300は、導電性ピンを含み得、切欠部1302及び切欠部1304は、接点を含み得る。他の実施形態も考えられ、切欠部1302及び切欠部1304は、突起物1300の存在を検知するための圧力センサ又は別の種類のセンサを含み得る。
【0147】
図13の例では、切欠部1302と位置合わせされた突起物1300の存在及び切欠部1304と位置合わせされた突起物の欠如により、取り付けられたチャンバに関する情報を提供することができる。この情報は、チャンバに貯蔵されている気化用物質の種類を含み得、この情報は、マルチチャンバカートリッジの基部内又はマルチチャンバデバイス内の別の場所にあるコントローラによって、例えば、アトマイザーに供給される電圧、電流及び/又は電力を制御するために使用され得る。マルチチャンバカートリッジ又はデバイス内の1つ以上のレギュレータが、また、又は代わりとして、チャンバに貯蔵されている気化用物質の種類に基づいて制御され得る。
【0148】
マルチチャンバカートリッジ又はデバイスとの適合性のある各異なるタイプのチャンバは、固有の係合構造体を有し得る。
図13の2つの切欠部1302及び切欠部1304は、突起物のないチャンバ、2つの突起物を有するチャンバ、示されるように突起物1300を1つのみ有するチャンバ、及び切欠部1304に対応する突起物を1つのみ有するチャンバを含む、最大4つの異なるタイプのチャンバを検知することができる。しかしながら、様々な数のチャンバタイプの検知を可能にするために、より多数又はより少数の切欠部を有する係合構造体が使用され得る。
【0149】
図13に示される突起物及び切欠部は、単なる例として提供される。突起物及び/若しくは溝を含む可能性のある又は含まない可能性のある、他の配置、サイズ及び形状の係合構造体も考えられる。主にチャンバに関して上述したが、係合構造体は、また、又は代わりとして、カートリッジ及び/又は他の構成要素と共に使用され得る。係合構造体は、また、装置若しくは構成要素上又は装置若しくは構成要素内の特定の場所にある局所的な構造体に一切限定されない。異なるタイプのチャンバ又はカートリッジは、例えば、相補的形状を有する、
図4に参照番号313で示されるものなどの区画のみに嵌合する異なる形状を有し得る。
【0150】
上述のいくつかの実施形態は、気化前の気化用物質の混合に関連する。異なる気化用物質から生成される蒸気は、また、又は代わりとして、気化後に混合され得る。
【0151】
図14は、複数の気化用物質から生成される蒸気の混合を可能にする例示的なマルチチャンバ、マルチアトマイザー気化デバイス1400のブロック図である。例示的なデバイス1400は、各気化用物質を貯蔵するための複数のチャンバ1410、1412、1414、1416、1418を含む。チャンバ1410、1412、1414、1416、1418は、複数のチャネル1411、1413、1415、1417、1419を介して、対応する弁1420、1422、1424、1426、1428と流体連通する。これらチャンバ、弁及びチャネルは、例えば、
図5に関して上述したチャンバ510、512、514、516、518、チャネル511、513、515、517、519及び弁520、522、524、526、528と類似し得る。これら構成要素の実装例もまた、本明細書の別の場所に開示されている。
【0152】
弁1420、1422、1424、1426、1428は、対応するチャンバからの気化用物質の移動を制御するためのレギュレータの例である。他の形態のレギュレータとしては、例えば、芯、ポンプ、及びスクリューコンベヤなどの機械送り機構が挙げられる。本明細書の別の場所に示されるように、気化デバイスは、異なるタイプのレギュレータを含み得、全てのタイプのレギュレータが必ずしも制御されるわけではない。
【0153】
デバイス1400内の弁1420、1422、1424、1426、1428の一部又は全部が、例えば、コントローラ1430に結合された1つ以上のユーザ入力デバイス1434によって制御され得る。ユーザ入力デバイス1434は、スイッチ、スライダ、ダイヤル及び/又は使用者が各チャンバ1410、1412、1414、1416、1418からの気化用物質の流れを制御することを可能にする他の種類の入力デバイスを含み得る。他の入力デバイス例は、例えば、
図1及び
図2のボタン144を参照して、本明細書の別の場所に開示されている。
【0154】
単一のユーザ入力デバイス1434が、複数のチャンバ1410、1412、1414、1416、1418からの気化用物質の流れを制御するために使用され得る。全てのチャンバからの流れが、例えば、1つのユーザ制御デバイス1434によってオン又はオフにされ得る。ユーザ入力デバイス1434は、使用者が複数のチャンバ1410、1412、1414、1416、1418からの気化用物質の流れのいくつかの異なる用量若しくは流量をスクロールし、又はそうでなければ、そのうちの1つを選択し、所望の蒸気の組み合わせ又は1つのみの気化用物質からの蒸気を得ることを可能にし得る。概して、いくつかの実施形態では、1つ以上のユーザ入力デバイス1434は、使用者が、チャンバ1410、1412、1414、1416、1418からの気化用物質の流れを制御することを可能にする。
【0155】
図5を参照して上述したように、例えば、気化用物質フローレギュレータの制御は、コントローラ1430に入力を提供するユーザ入力デバイス1434による間接的なものであり得る。コントローラ1430がどのように実装され得るかの例は、本明細書の別の場所に、例えば、上記の
図5の説明で提供される。
【0156】
図14に示される実施形態では、バッテリー1432がコントローラ1430に電力を供給し、その後、コントローラ1430が、例示的なデバイス1400の他の構成要素への電力を制御し得る。このタイプの実装形態では、弁1420、1422、1424、1426、1428は、例えば、弁への電力の制御によって制御され得る。他の実施形態では、給電と制御とは別々に実施される。他の制御メカニズムも可能である。
【0157】
別の実施形態では、弁1420、1422、1424、1426、1428のうちの1つ以上は、1つ以上のユーザ入力デバイス1434によって直接制御され得る。ユーザ入力デバイス1434は、例えば、1つ以上の弁構成要素を物理的に動かしてチャンバ1410、1412、1414、1416、1418からの気化用物質の流れを増加又は減少させるために、弁1420、1422、1424、1426、1428に機械的に又は他の手法で結合され得る。例えば、使用者が前に吸入した活性成分又は物質の効果を低減させる解毒剤のみを使用者が分与することを可能にする「非常ボタン」型の安全機能を提供するために、特定のユーザ入力デバイス1434は、解毒剤を貯蔵する特定のチャンバ1410、1412、1414、1416、1418に専用であり得る又は固有に割り当てられ得る。
【0158】
弁1420、1422、1424、1426、1428は、複数のチャネル1421、1423、1425、1427、1429を介して、対応するアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448と流体連通する。
図14は、チャネル1411、1413、1415、1417、1419及びチャネル1421、1423、1425、1427、1429を介して流体連通するチャンバ1410、1412、1414、1416、1418、弁1420、1422、1424、1426、1428、及びアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448を示すが、これは単なる例であることは理解すべきである。チャネル1411、1413、1415、1417、1419、チャネル1421、1423、1425、1427、1429及び/又は本明細書に開示される考えられる他のチャネルは、流体路であり、必ずしも別個の物理的構成要素である必要はない。弁及びアトマイザーは、例えば、カートリッジ内、チャンバの出力部(底部)に設けられ得る。これにより、チャンバからそのアトマイザーまでの気化用物質の流れの距離を短縮することによって、カートリッジ毎の気化用物質の流れ及び/又は流れ制御を向上させることができる。距離の短縮により、異なるチャンバとそれらのアトマイザーとの間の著しく異なる流れ時間などの潜在的な粘度の課題を回避又は低減することもできる。
【0159】
アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448は、対応するチャンバ1410、1412、1414、1416、1418からの気化用物質を気化させるために設けられている。アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448への電力を制御するための電力コントローラが、参照番号1430にて、他の制御機能も提供するコントローラ及び/又は別個の電力コントローラで実装され得る。電力コントローラは、例えば、電源ボタン若しくはスイッチ1434の操作又は使用者のマウスピース1460を介したデバイス1400での吸入に基づいて、オンオフ電力制御を提供し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、各アトマイザーが様々な気化温度を提供することを可能にするために、様々な電圧及び/又は電流が異なるアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448に供給され得る。このタイプの電力制御は、気化温度制御の形態であると考えることができ、1つ以上のユーザ入力デバイス1434を介して及び/又はデバイス1400に現在取り付けられているカートリッジ1410、1412、1414、1416、1418の種類の検知に基づいて提供され得る。概して、アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448のうちのいずれか1つ以上に供給される電圧、電流及び/又は電力は、各アトマイザー内の気化させる気化用物質に基づいて調整され得る。アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448のうちのいずれか1つ以上に供給される電圧、電流及び/又は電力は、また、又は代わりとして、例えば、1つ以上のユーザ入力デバイス1434を使用して選択され得る又はそうでなければ制御され得る、そのアトマイザーによって生成される蒸気の所望の流量又は量に基づいて調整され得る。
【0161】
アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448のうちのいずれか1つ以上からの蒸気の流れは、対応するチャネル1441、1443、1445、1447、1449を介してアトマイザーと流体連通する弁1450、1452、1454、1456、1458を制御することにより制御され得る。弁1450、1452、1454、1456、1458は、マウスピース1460への蒸気の流れを調整する又はそうでなければ制御するために制御可能であり、用量制御の形態を提供し得る、ガス又は蒸気レギュレータの例である。ガスレギュレータの他の例としては、ファンなどのポンプが挙げられる。弁1450、1452、1454、1456、1458は、コントローラ1430を使用して制御され得る。例えば、本明細書の別の場所に開示される、弁1420、1422、1424、1426、1428に対する制御オプションが、また、又は代わりとして、弁1450、1452、1454、1456、1458のいずれかを制御するために実装され得る。
【0162】
マウスピース1460は、複数のチャネル1451、1453、1455、1457、1459を介して弁1450、1452、1454、1456、1458と流体連通する。マウスピース1460は、アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448のうちの1つ以上によって生成された蒸気を使用者が吸入することを可能にする。マウスピース1460は、チャネル1451、1453、1455、1457、1459と流体連通する混合チャネルと1つ以上の出力穴とを含み得る。混合チャネルは、出力穴を介した吸入のために、チャネル1451、1453、1455、1457、1459の一部又は全部からの蒸気の混合を向上させることができる。混合チャネルの例は、本明細書の別の場所に提供される。本明細書の別の場所に開示されるものなどの様々なタイプのミキサーのいずれかを使用した能動的及び/又は受動的混合を用いて、複数のアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448によって生成される蒸気を混合することができる。能動ミキサーは、例えば、気化デバイスが使用中であり、蒸気を能動的に混合していることを示す触覚フィードバックという形態も提供し得る。受動的混合は、高粘度の気化用物質の混合に比べると蒸気の混合により有効であり得るが、能動的混合は、また、又は代わりとして、蒸気の混合のために提供され得る。蒸気は、使用者によるマウスピース1460での吸入により混合チャネル内に及び/又は能動的若しくは受動的混合若しくは撹拌要素を越えて吸い込まれ得る。蒸気の流れは、また、又は代わりとして、触覚フィードバックも提供することができる、ファンなどの少なくとも特定のタイプの蒸気レギュレータによって支援され得る。能動ミキサーの撹拌要素は、また、又は代わりとして、蒸気の流れを駆動する若しくは蒸気の流れに少なくとも寄与するような形状にされ得る、又はそうでなければ、そのように構成され得る。例えば、撹拌要素602の1つ以上のベーン(
図6A)又は回転式の孔あきディスク612(
図6B)の孔の側壁は、蒸気の流れを増加するような形状にされ得る及び/又はそのように方向付けられ得る。
【0163】
マウスピース1460は、使用者が各出力穴から同時に吸入することができるように、チャネル1451、1453、1455、1457、1459のそれぞれに対して対応する出力穴を含み得る。この例では、異なるアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448からの蒸気の混合は、デバイス1400の外部で行われる。他の実施形態では、チャネル1451、1453、1455、1457、1459の一部又は全部は、対応するマウスピースと流体連通し得る。
【0164】
弁1450、1452、1454、1456、1458は、全てよりも少ないアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448からの気化を補助する実装形態において特に有用であり得る。通常、空気取入部(図示せず)がアトマイザーに提供される。例示的なデバイス1400では、各アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448は、独自の空気取入部を有し得る又は他のアトマイザーと共通の空気取入部を共有し得る。あらゆる空気流制御又は蒸気流制御を伴わずにマウスピース1460で吸入すると、蒸気を生成するために現在使用中の任意のアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448を通してだけでなく、停止中のアトマイザーを通しても空気が吸い込まれ、それにより、追加的な空気で蒸気の流れが希釈される。アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448のうちの1つ以上の空気取入部側に設けられた弁1450、1452、1454、1456、1458及び/又は1つ以上のガスレギュレータは、そのような希釈を回避又は限定するのに有用であり得る。このような弁/レギュレータは、関連のアトマイザー1440、1442、1444、1446、1448が使用中の場合にのみ開放するように制御され得る。例えば、コントローラ1430は、関連のアトマイザーが動作中のときにのみ空気流路が開放するように、各アトマイザー1440、1442、1444、1446、1448及び対応する関連の(常時閉)弁/レギュレータに電力を供給し得る。
【0165】
いくつかの実施形態によれば、1つのチャンバ(一例として参照番号1410)は、活性成分又は物質を含む気化用物質を貯蔵し得、別のチャンバ(一例として参照番号1412)は、活性成分又は物質の解毒剤を含む気化用物質を貯蔵し得る。これら気化用物質のいずれか又は両方は、乾燥物質、液体、ゲル及び/又はワックスを含み得る。活性成分又は物質は、THCなどのカンナビノイドを含み得る。解毒剤は、また、CBDなどのカンナビノイドを含み得る。
【0166】
CBDは、THCの形態の活性成分又は物質の解毒剤の一例である。他の解毒剤及び活性成分又は物質も可能である。概して、本明細書で参照される解毒剤は、活性成分又は物質の1つ以上の効果を低減し得る、拮抗させ得る又はそうでなければ相殺し得る物質を含むように意図される。解毒剤は、また、又は代わりとして、例えば、CB1受容体及び/又はCB2受容体などのカンナビノイド受容体を阻害し得る物質を含み得る。
【0167】
上記例では、チャンバ1412に貯蔵された解毒剤は、使用者が、チャンバ1410に貯蔵された気化用物質の効果を低減する又は打ち消すことを可能にする。例えば、使用者は、あまりにも多すぎる活性成分若しくは物質を吸入したと感じている可能性がある及び/又はそうでなければその効果を不快に感じている可能性がある。解毒剤は、デバイス1400によって、様々な手法のいずれかにおいて投与され得る。例えば、ユーザ入力デバイス1434は、解毒剤を制御可能に投与するための、ボタン、スイッチ又はダイヤルなどの入力デバイスを含み得る。解毒剤を制御可能に投与することは、生成された蒸気を使用者が吸入することができるように、アトマイザー1442内の解毒剤を含有する気化用物質を気化させることを含み得る。同じ入力デバイス1434及び/又は1つ以上の他の入力デバイスは、チャンバ1410及び/又は他のチャンバ1414、1416、1418に貯蔵された気化用物質の活性成分又は物質の吸入を停止する、低減する又はそうでなければ制限することによって用量制御を提供し得る。
【0168】
1つ以上のユーザ入力デバイス1434は、アトマイザー1440からの蒸気の流れを低減するように制御可能であり得、それにより、活性成分若しくは物質を含有する蒸気の流れを低減する及び/又はアトマイザー1442からの蒸気の流れを増加し、それにより、解毒剤を含有する蒸気の流れを増加する。これは、例えば、アトマイザー1440への電力を低減する若しくはオフにすること及び/又はアトマイザー1442への電力を増加する若しくはオンにすることによって実施され得る。1つ以上のユーザ入力デバイス1434は、また、又は代わりとして、アトマイザー1440への活性成分若しくは物質を含む気化用物質の移動を低減若しくは停止するように弁1420を調整し得る及び/又はアトマイザー1442への解毒剤を含む気化用物質の移動を増加するように弁1422を調整し得る。更に、1つ以上のユーザ入力デバイス1434は、アトマイザー1440からマウスピース1460への活性成分若しくは物質を含む蒸気の流れを低減するように弁1450を調整し得る及び/又はアトマイザー1442からマウスピースへの解毒剤を含む蒸気の流れを増加するように弁1452を調整し得る。
【0169】
図14は、例示的な気化デバイスのブロック図である。一実施形態において、
図14に示されるタイプの気化デバイスに複数のチャンバを実装するために使用され得る例示的なマルチチャンバ、マルチアトマイザーカートリッジが、
図15~
図19に示される。
【0170】
図15は、マルチチャンバカートリッジ1500の平面図であり、
図16は、マルチチャンバカートリッジ1500の等角図であり、
図17は、マルチチャンバカートリッジ1500のキャップ1700の等角図であり、
図18は、キャップ1700の底面図であり、
図19は、
図18の線C--Cに沿ったキャップ1700の断面図である。以下の説明で参照する様々な特徴は、これら図面の1つ以上に示される。
【0171】
マルチチャンバカートリッジ1500は、2つのチャンバ1502、1504を含む。同じサイズの2つのチャンバが、例として示される。2つを超えるチャンバが存在し得る。チャンバは、同じサイズのものであり得る、又は1つ以上のチャンバは、1つ以上の他のチャンバと異なるサイズを有し得る。チャンバ1502、1504は、基部1506上に配置されており、摩擦嵌合及び/又は何らかの他の種類の解除可能な若しくは固定された係合によって所定の位置に保持され得る。仕切壁1508が、チャンバに貯蔵された各気化用物質を隔てるために、チャンバ1502とチャンバ1504との間に設けられている。チャンバ1502、1504は、また、各々の外壁1503、1505を有する。
【0172】
各チャンバ1502、1504が作成され得る材料の例は、本明細書の別の場所に提供される。チャンバ1502、1504は、再閉鎖不能チャンバ、再閉鎖可能チャンバ、又は再閉鎖不能チャンバ及び再閉鎖可能チャンバの両方を含み得る。より一般には、マルチチャンバカートリッジ又はマルチチャンバ気化デバイスは、1つ以上の再閉鎖不能チャンバ及び/又は1つ以上の再閉鎖可能チャンバを含み得る。
【0173】
その一例が
図17~
図19に示されるキャップは、チャンバ1502、1504及びステム1516、1526に係合することができ、チャンバ1502、1504を封止すると共に、また、それらを基部1506上の所定の位置に保持する。キャップ1700は、チャネル1702を含み、使用者は、チャネル1702を通して蒸気を吸入することができる。
【0174】
キャップ1700は、スナップ、クリップ又は他の種類の解除可能な若しくは固定された係合部を介してマルチチャンバカートリッジ1500の頂部(基部1506の反対側)上に保持され得る。或いは、キャップ1700とマルチチャンバカートリッジ1500との間の接続部は、解除不能であり得る。ガスケット又は他の封止部材が、マルチチャンバカートリッジ1500内の気化用物質を封止するために、外壁1503、1505の頂部とキャップ1700の底部との間に設けられ得る。ガスケット又は他の封止部材が、また、又は代わりとして、それらの対応するチャンバ内の気化用物質を封止するために、仕切り1508とキャップ1700の底部との間に及び/又はステム1516とステム1526との間に設けられ得る。
【0175】
ステム1516、1526は、それぞれ、チャンバ1502、1504内に設けられている。ステム1516、1526は、例えば、
図1及び
図2を参照して本明細書の別の場所に記載されるように実装され得る。キャップ1700がマルチチャンバカートリッジ1500に係合している又は結合されているとき、ステム1516、1526は、キャップ内の対応するチャネル1704、1706と係合している。
図18及び
図19では、チャネル1704、1706の断面は、円筒状であるように示されているが、その代わりに、チャネル1704、1706は、キャップ1700の底部の近傍に円錐台断面を有し得る。この円錐台断面は、使用者がステム1516、1526をチャネル1704、1706と位置合わせすることをより容易にし得ると共に、ステムとチャネルとの間に摩擦嵌合も提供し得る。或いは又は更に、ステム1516、1526の遠位端は、位置合わせを補助するために及びチャネル1704、1706との摩擦嵌合を生成するために、面取りされ得る。ガスケット又は他の封止部材が、ステム1516、1526とチャネル1704、1706との間に設けられ得る。
【0176】
ステム1516は、示される例では、弁1514と係合し、流体連通する。弁1514は、また、アトマイザー1510と係合し、流体連通する。アトマイザー1510は、基部1506と係合する。これら係合部の一部又は全部は、解除可能であり得るが、ステム1516、弁1514、アトマイザー1510及び基部1506は、互いに永久的に取り付けられ得る。弁1514及びアトマイザー1510を閉じ込める側壁は、一体的な単一物理構成要素として、ステム1516で形成され得る。ステム1526、弁1524及びアトマイザー1520は、類似の構造を有する。ステム1516、1526、アトマイザー1510、1520及び弁1514、1524は、本明細書の別の場所に記載されるように実装され得る。
【0177】
基部1506は、アトマイザー1510、1520に電力を供給する。基部1506は、本明細書の別の場所に記載されるような基部106(
図1及び
図2)と同様の手法で実装され得る。基部1506は、係合部を介してチャンバ1502、1504に係合し、且つまた、結合され得る。係合部は、固定された接続部又は解除可能な係合部であり得る。いくつかの実施形態では、基部1506は、チャンバ1502、1504に解除可能に係合して、チャンバの1つ又は両方を封止するカバーの形態であり得る。チャンバ1502、1504は、対応する底壁を有し得るが、他の実施形態では、基部1506は、1つ以上のチャンバの基端部を封止する。
【0178】
アトマイザー1510、1520は、チャンバ1502、1504からの気化用物質を、それぞれ、蒸気に変換する。アトマイザー1510、1520は、例えば、
図1及び
図2を参照して本明細書の別の場所に記載されるように実装され得る。アトマイザー1510、1520は、例示的なカートリッジ1500の対応するチャンバ1502、1504内にあるが、他の実施形態では、1つ以上のアトマイザーは、チャンバの外部にあってもこれと流体連通し得る。
【0179】
気化用物質は、取入穴1512、1522を通して各アトマイザー1510、1520に吸い込まれ得る又は他の手法で提供され得る。アトマイザー1510、1520への気化用物質のうちの1つ以上の流れを調整するために、1つ以上のレギュレータも設けられ得る。例えば、チャンバ1502、1504からアトマイザー1510、1520への気化用物質の流れを制御するために、弁が実装され得る。このような弁は、
図14に関して上述した弁1420、1422、1424、1426、1428に類似し得る。
【0180】
弁1514、1524は、アトマイザー1510、1520からステム1516、1526への蒸気の流れを制御するように調整可能である。弁1514、1524は、
図14に関して上述した弁1450、1452、1454、1456、1458に類似し得る。
【0181】
アトマイザー1510、1520内で生成された蒸気は、ステム1516、1526を通ってチャネル1704、1706へと流れ、キャップ1700のチャネル1702内で組み合わされる。或いは、キャップ1700は、チャネル1702を含まない可能性があり、その代わりに、使用者は、キャップ内に延びる2つの別個のチャネルから直接又は対応する第1及び第2のマウスピースを介して吸入することができる。
【0182】
図示されないが、チャンバ1502、1504の底壁は、基部1506上の相補的な係合構造体と係合する係合構造体を含み得る。例示的な係合構造体は、本明細書の別の場所に記載されており、マルチチャンバ、マルチアトマイザーカートリッジ又は気化デバイス内に実装され得る。
【0183】
係合構造体により、カートリッジ又は気化デバイスが特定モデル又はタイプのチャンバに限定され得る。これは、解毒剤チャンバを設ける実施形態で特に有用であり得る。例えば、特定の係合構造体は、基部上又は気化デバイス内の特定の位置若しくは場所を、解毒剤を貯蔵する特定のチャンバ又はカートリッジに限定し得る。したがって、その位置又は場所は、解毒剤に専用のものとされ得ると共に、非常ボタンなどの特定のユーザ入力デバイスと固有に関連付けられ得る。非常ボタンは、解毒剤を分与するために、解毒剤チャンバ位置並びに/又はそのチャンバ位置に対する気化用物質用レギュレータ、アトマイザー及び/若しくは蒸気レギュレータなどの構成要素に物理的に結合され得る、有線で接続され得る又は他の手法で結合され得る若しくは関連付けられ得る。このような非常ボタンは、また、又は代わりとして、他の気化用物質及び/又はそのような物質から生成された蒸気の一部若しくは全部の供給を低減し得る又は停止し得る。非常ボタンは、例として、参照番号1550に示される。
【0184】
各チャンバ1502、1504は、その内容物のインジケータを含み得、基部1506は、このようなインジケータを検知することが可能であり得る。本明細書の別の場所に記載されるようなピンは、このようなインジケータの一例である。アトマイザー1510、1520に供給される電圧、電流及び/若しくは電力レベル(例えば、デューティサイクルを含む)、気化用物質取入量及び/又は1つ若しくは移動(one or move)弁1514、1524を通過する流量などの動作パラメータは、インジケータに基づいて制御され得る。他の形態のインジケータ及び検知は、他の実施形態で提供され得る。
【0185】
上述したように、マルチチャンバカートリッジの少なくとも1つのチャンバは、活性成分又は物質の解毒剤を含む気化用物質を貯蔵し得る。マルチチャンバカートリッジ1500のいくつかの実装形態では、チャンバ1502は、活性成分又は物質を含む気化用物質を貯蔵することができ、チャンバ1504は、解毒剤を含む気化用物質を貯蔵し得る。チャンバ1502、1504上のインジケータは、各チャンバに貯蔵されている気化用物質の種類を決定するために基部1506によって使用され得る。
【0186】
マルチチャンバカートリッジ1500の使用者が活性成分又は物質の効果を低減したい又は打ち消したい場合、使用者は、入力デバイスを使用して、解毒剤蒸気を制御可能に投与することができる及び/又は活性成分若しくは物質を含有する蒸気の流れを停止することができる。この入力デバイスは、例えば、参照番号1550に示されるように基部1506上に又は気化デバイス上の別の場所に設けられ得る。活性成分又は物質をチャンバ1502内に、解毒剤をチャンバ1504内に含む気化用物質の例では、入力デバイスは、活性物質を含有する蒸気の流れを低減するためにアトマイザー1510からの蒸気の流れを低減するように及び/又は解毒剤を含有する蒸気の流れを増加するためにアトマイザー1520からの蒸気の流れを増加するように制御可能であり得る。これは、例えば、アトマイザー1510への電力の流れを低減すること及び/又はアトマイザー1520への電力の流れを増加することによって実施され得る。入力デバイスは、また、又は代わりとして、アトマイザー1510への活性物質を含む気化用物質の移動を低減するように弁1512を調整し得る及び/又はアトマイザー1520への解毒剤を含む気化用物質の移動を増加するように弁1522を調整し得る。入力デバイスは、更に又は代わりとして、アトマイザー1510からステム1516への活性物質を含む蒸気の流れを低減するように弁1514を調整し得る及び/又はアトマイザー1520からステム1526への解毒剤を含む蒸気の流れを増加するように弁1524を調整し得る。
【0187】
図15~
図19は、1つの例示的実施形態を示す。他の実施形態は考えられる。例えば、チャンバは、他の構成要素に必ずしもしっかりと密着している必要はない。限られた物理的空間を最も効率的に利用するために構成要素間のしっかりとした密着が好ましい場合があるが、他の実施形態では、例えば、複数の円筒状チャンバを同じ基部に組み付けることができる。別の実施形態では、それぞれが独自の基部及びアトマイザーを有する複数のカートリッジが、バッテリー室内のバッテリー及び/又は他の構成要素への複数のポート若しくはコネクタを有する気化デバイスに取り付けられ得る。
【0188】
仕切壁1508は、示されるように単一壁であり得る、又は例えば、
図8を参照して上述したように、複数のセクションで設けられ得る。可動仕切壁若しくは可動仕切壁セクション、仕切壁若しくは仕切壁セクションに取り付けられた若しくはそうでなければ仕切壁若しくは仕切壁セクションによって支持された1つ以上の封止部材及び/又は仕切壁を特定位置に配置するための案内部としての溝若しくはチャネルなどの構造体などの、本明細書に開示される様々な他の特徴のいずれも、また、又は代わりとして、提供され得る。
【0189】
参照番号1502、1504などのチャンバは、仕切壁又は仕切壁セクションを共有する必要はなく、その代わりに、本明細書の別の場所にも開示されるように、自己内蔵型であり得る。
【0190】
上述の実施形態は、主として、カートリッジ又は気化デバイスなどのマルチチャンバ装置に関する。方法を含む他の実施形態も考えられる。
【0191】
図20は、例えば、一実施形態による方法2000を示す流れ図である。例示的な方法2000は、気化用物質を貯蔵するためのチャンバを用意する操作2002と、気化用物質を混合するためのミキサーを用意する操作2004と、気化用物質及び/又は気化用物質混合物を霧化するための1つ以上のアトマイザーを用意する操作2006と、を含む。これら操作2002、2004及び2006は、例示の目的で別々に示されているが、あらゆる実施形態において、別々の操作である必要はない。例えば、気化デバイスは、ミキサー及びアトマイザーを含み得、また、気化用物質チャンバとも販売され得る。複数のチャンバ又はその構成要素と共に使用可能な気化デバイスは、場合によっては、例えば、別個に購入され得るチャンバとは別に提供することができ、したがって、チャンバを用意する操作は、少なくともいくつかの実施形態においては、任意である。
【0192】
チャンバ、ミキサー及び/又はアトマイザーは、参照番号2002、2004、2006においてこれら構成要素を実際に製造することにより用意され得る。これら構成要素及び/又は他の構成要素のいずれも、代わりとして、構成要素を1つ以上の供給元から購入すること又は他の手法で取得することによって用意され得る。
【0193】
少なくともいくつかの構成要素又はその部品は、異なる手法で用意され得る。例えば、チャンバ、基部、カバー及びアトマイザーなどの異なるカートリッジ部品は、1つ以上の部品を製造し、1つ以上の他の部品を購入することによって、又は異なる部品を異なる供給元から購入することによって用意され得る。
【0194】
参照番号2004において用意されるミキサーは、気化用物質を受け入れて能動的に混合し、気化用物質混合物を形成するための能動ミキサー、又は気化用物質を受け入れて複数の混合要素で気化用物質を混合し、気化用物質混合物を形成する受動ミキサーを含み得る。これらのミキサーのタイプのいずれも、気化用物質を受け入れるための混合チャネルを含み得る。
【0195】
能動ミキサーは、本明細書の別の場所に例として開示されるような、電動機によって駆動される撹拌要素、磁気撹拌要素及び音響撹拌要素のうちのいずれか1つ以上などの撹拌要素であり得る又は電動機によって駆動される撹拌要素、磁気撹拌要素及び音響撹拌要素のうちのいずれか1つ以上などの撹拌要素を含み得る。本明細書に開示される受動ミキサーの例としては、混合要素が挙げられ、混合要素としては、受け入れた気化用物質の流れを複数の流れに分割するための分割部、分割部に結合されている、流れを結合するための結合部、ウェル、隆起部、溝、線形要素及び螺旋要素が挙げられる。
【0196】
いくつかの実施形態では、参照番号2004で用意されるミキサーなどの構成要素及び参照番号2006で用意されるアトマイザー及び可能であれば参照番号2002で用意されるチャンバは、予め組み立て済みの気化デバイスの形態で用意される。他の実施形態では、構成要素は、必ずしも組み立てられない。したがって、
図20は、構成要素を組み立てる操作2008も示す。これには、例えば、アトマイザー及び/又はミキサーを気化デバイス又はカートリッジ内に取り付けることなどによって、アトマイザーをミキサーと流体連通して配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、チャンバは、また、又は代わりとして、参照番号2008において、チャンバを気化デバイス若しくはカートリッジ内に取り付けること又はそうでなければチャンバをミキサーと流体連通して配置することによって組み立てられ得る。
【0197】
例示的な方法2000は、一実施形態の例示である。示される操作を実施するための様々な手法、いくつかの実施形態で実施され得る追加的な操作、又はいくつかの実施形態で省略され得る操作の例は、例えば、記載及び図面から推測され得る又は明らかであり得る。更なる変形形態は、明らかであり得る又は明らかになり得る。
【0198】
例えば、他の構成要素が用意され得る及び/又は組み立てられ得る。そのような他の構成要素を伴う操作の例としては、アトマイザーと流体連通するためのチャネルを用意すること、チャネルと流体連通するためのマウスピースを用意すること、及び気化用物質を用意することが挙げられる。方法は、また、又は代わりとして、ミキサーへの気化用物質の移動を制御するためのレギュレータを用意すること、及び可能であればまた、レギュレータをミキサーと流体連通して配置することを含み得る。アトマイザーへの電力を制御するための電力コントローラが、また、又は代わりとして、用意され、アトマイザーに結合され得る。
【0199】
参照番号2010に示されるように、チャンバなどの1つ以上の構成要素は、補充され得る又は交換され得る。
【0200】
全ての実施形態が、
図20に示される操作の全てを必ずしも含むわけではない。例えば、全ての実施形態が気化用物質の混合を用いるわけではない。方法は、チャネルを用意することと、参照番号2002において、各気化用物質を貯蔵するための複数のチャンバを用意することであって、チャンバは、活性成分又は物質を含む第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバと、活性成分又は物質の解毒剤を含む第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバと、を含む、複数のチャンバを用意することと、を含み得る。これら構成要素が予め組み立て済みでない場合、参照番号2008における組み立ては、第1のチャンバ及び第2のチャンバをチャネルと流体連通して配置することを含み得る。
【0201】
参照番号2002においてチャンバを用意することは、装置の相補的な係合構造体と係合する係合構造体を有する、第1のチャンバ及び第2のチャンバのうちの少なくとも1つを用意することを含み得、この場合、参照番号2008における組み立ては、第1のチャンバ及び第2のチャンバのうちの少なくとも1つを、係合構造体を装置の相補的な係合構造体と係合させて配置することを含み得る。
【0202】
参照番号2006において、第1の気化用物質を気化させるための第1のアトマイザー及び/又は第2の気化用物質を気化させるための第2のアトマイザーが用意され得る。アトマイザーは、参照番号2008において、例えば、第1のアトマイザーを第1のチャンバ及びチャネルと流体連通して配置すること並びに/又は第2のチャンバ及び第2のアトマイザーをチャネルと流体連通して配置することによって取り付けられ得る。
【0203】
参照番号2006において、第1のアトマイザーを用意することは、第1のチャンバ内に第1のアトマイザーを用意することを含み得る。同様に、方法は、また、又は代わりとして、参照番号2006において、第2のチャンバ内に第2のアトマイザーを用意することを含み得る。このような実施形態では、参照番号2002と参照番号2006は、例えば、1つ以上のカートリッジを用意することによって、一緒に実施され得る。
【0204】
いくつかの実施形態では、チャネルを用意することは、第1のアトマイザーとの流体連通用の第1のチャネルと、第2のアトマイザーとの流体連通用の第2のチャネルと、を含む複数のチャネルを用意することを含む。複数のチャネルを用意することは、第1のチャネルを含む第1のマウスピースを用意すること及び/又は第2のチャネルを含む第2のマウスピースを用意することを含み得る。別の実施形態では、複数のチャネルを用意することは、第1のチャネル及び第2のチャネルとの流体連通用の第3のチャネルを含むマウスピースを用意することを含む。
【0205】
方法は、第1のチャンバからの第1の気化用物質の移動を制御するための第1の気化用物質用レギュレータを用意すること及び/又は第2のチャンバからの第2の気化用物質の移動を制御するための第2の気化用物質用レギュレータを用意することを含み得る。参照番号2008におけるレギュレータの取り付けは、第1の気化用物質用レギュレータを第1のチャンバと流体連通して配置すること及び/又は第2の気化用物質用レギュレータを第2のチャンバと流体連通して配置することを含み得る。第1の気化用物質用レギュレータ及び第2の気化用物質用レギュレータのうちの少なくとも1つは、芯、弁、ポンプ、及び機械送り機構を含み得る。
【0206】
蒸気レギュレータが、また、又は代わりとして、提供され得る。例えば、方法は、チャネル内で、第1の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第1の蒸気レギュレータを用意すること及び/又はチャネル内で、第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための第2の蒸気レギュレータを用意することを含み得る。したがって、参照番号2008における組み立ては、第1の蒸気レギュレータをチャネルと流体連通して配置すること及び/又は第2の蒸気レギュレータをチャネルと流体連通して配置することを含み得る。第1の蒸気レギュレータ及び第2の蒸気レギュレータのうちの少なくとも1つは、弁若しくはポンプであり得る又は弁若しくはポンプを含み得る。
【0207】
用意され、組み立てられ得る又は取り付けられ得る別の構成要素は、電力コントローラである。いくつかの実施形態では、方法は、第1のアトマイザーへの電力を制御するための第1の電力コントローラを用意すること及び/又は第2のアトマイザーへの電力を制御するための第2の電力コントローラを用意することを含む。方法は、また、第1の電力コントローラを第1のアトマイザーに結合すること及び/又は第2の電力コントローラを第2のアトマイザーに結合することを含み得る。
【0208】
方法は、解毒剤を制御可能に投与するための入力デバイスを用意することを含み得る。
【0209】
本明細書に開示される他の特徴は、方法実施形態にも適用され得る。例えば、第1の気化用物質及び/又は第2の気化用物質は、液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つであり得る又は液体、ゲル、及びワックスのうちの少なくとも1つを含み得る。いくつかの実施形態では、活性物質は、カンナビノイドである又はカンナビノイドを含む。解毒剤は、カンナビジオールであり得る又はカンナビジオールを含み得る。
【0210】
カートリッジ又は気化デバイスなどのマルチチャンバ装置の製造又はそうでなければ生産に関連する方法の他の変更形態は、明らかであり得る又は明らかになり得る。
【0211】
使用者方法(user methods)も考えられる。
図21は、別の実施形態による方法を示す流れ図である。
【0212】
例示的な方法2100は、1つ以上のチャンバを取り付ける又は交換する任意の操作2102を含む。使用者は、気化用物質混合物を気化させる度にチャンバを必ずしも取り付ける又は交換する必要はない。例示的な方法2100はまた、例えば、ミキサーへの1つ以上の気化用物質の供給を開始する操作2104及び1つ以上のアトマイザーを起動する操作2106を含む。これら操作は、制御ボタン若しくはスイッチなどの1つ以上の入力デバイスを操作すること又は更にはマウスピースで単に吸入することを含み得る。参照番号2104及び参照番号2106の操作は、
図21には、単なる例示的な目的のために別々に示されており、必ずしも別々の操作である必要はない。
【0213】
同様に、蒸気を吸入することは、別個に参照番号1508に示されるが、いくつかの実施形態では、マウスピースで吸入することが、気化用物質の流れ、混合及び気化を開始する。
【0214】
図21の破線矢印は、気化用物質又は混合物の複数用量を気化させることができること、及び1つ以上のチャンバを取り付ける又は交換することによって利用可能な気化用物質を変更することができることを示す。
【0215】
例示的な方法2000などの例示的な方法2100は、例示であり、非限定的な例である。示される操作を実施するための様々な手法、いくつかの実施形態で実施され得る追加的な操作、又はいくつかの実施形態で省略され得る操作は、記載及び図面から推測され得る若しくは明らかであり得る又は他の手法で明らかであり得る若しくは明らかになり得る。
【0216】
例えば、活性成分又は物質を含む蒸気を生成するための第1の気化用物質の気化は、参照番号2104、2106における1つ以上のアクションによって、例えば、電源ボタンを操作すること及び/又は気化デバイスのマウスピースで吸入することにより開始され得る。活性成分又は物質を含む蒸気は、参照番号2108において吸入され得、その後、参照番号2104、2106において、同じ又は異なる手法で、例えば、非常ボタン又は他の入力デバイスを操作することにより、活性成分又は物質の解毒剤を含む第2の気化用物質の気化が開始され得る。これにより、解毒剤を含む蒸気を生成し、その後、参照番号2108において、蒸気は吸入され得る。
【0217】
本明細書の図面及び記載は、単に説明を目的としており、本発明は、図面に明示的に示され、本明細書に記載される特定の例示的な実施形態に決して限定されるものではないことを理解すべきである。
【0218】
記載してきたことは、本開示の実施形態の原理の応用を例示したものに過ぎない。当業者であれば、他の構成及び方法を実施することができる。
【0219】
本明細書に開示されている特徴は、装置、方法及び/又は他の実施形態に関連するかどうかを問わず、必ずしも互いに組み合わせて実装する必要はない。一般に、特徴は、個々に又は様々な組み合わせのいずれかで実装され得る。
【0220】
一例として、使用者が吸入した活性成分又は物質の効果を低減させるための解毒剤を使用者が分与する又は投与することを可能にする、本明細書では非常ボタン機能とも呼ばれるユーザ入力デバイス安全機能について考えられたい。このような機能は、それ自体で重大且つ重要であり得、本明細書に開示される他の機能の少なくともいくつかに必ずしも依存することはない又は本明細書に開示される他の機能の少なくともいくつかと共に必ずしも実装されることはない。装置実施形態においては、例えば、ユーザ入力デバイスに基づく解毒剤投与の基本実装は、チャネルと、チャネルと流体連通する複数のチャンバと、入力デバイス、とを含み得る。チャンバは、活性成分又は物質を含む第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバと、活性成分又は物質の解毒剤を含む第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバと、を含む。入力デバイスは、解毒剤を制御可能に分与する又は投与するために使用者によって動作可能である。
【0221】
使用者の安全は、例えば、活性成分の過剰消費の長期にわたる影響の回避及び/又は活性成分の消費からの回復時間の低減を支援するために最も重要であり得る。使用の容易さ及び信頼性は、入力デバイスに基づく解毒剤送達に関して重要な要素であり得る。使用者が活性成分を過剰消費した場合、使用者の精神及び/又は運動技能が障害される可能性があり、したがって、解毒剤を効果的に投与するための使用が容易な入力デバイスが特に好適であり得る。
【0222】
入力デバイスのいくつかの例及びそのようなデバイスをどのように使用して解毒剤を投与することができるかについては、本明細書の別の場所に記載されている。例えば、入力デバイスは、ボタン、スイッチ又はダイヤルの形態であり得る。ボタンは、
図1~
図2の参照番号144及び
図15~
図16の参照番号1550に示されている。これらボタンに関して上述した例及び/又は本明細書に記載されている入力デバイスの他の例は、解毒剤を投与するための入力デバイスを実装するために使用され得る。ボタン144は、例として上記したような気化デバイスの動作を制御するために使用され得るが、いくつかの実施形態では、デバイスの動作は自動であり、使用者のマウスピースでの吸入に応答し、ボタン144は、使用者が容易に動作可能な解毒剤又は非常ボタンである。
【0223】
入力デバイスが複数の目的又は機能を有することは可能である。ボタン144を再度一例として考えると、ボタンは、気化デバイスをオン又はオフにするために、押してその状態が維持され得、解毒剤を投与するために「クリック」(押すがその状態を維持しない)され得る。しかしながら、異なる操作方法のどちらを解毒剤の投与に適用しなければならないかを使用者が思い出す必要がないように、解毒剤の投与を制御するためだけに使用される専用の入力デバイスが好ましい場合がある。
【0224】
ボタン、スイッチ及びダイヤルは、実装され得る入力デバイスの唯一の形態ではない。他の例としては、様々なタイプのボタンを含み得るがこれに限定されない圧力センサ、様々なタイプのダイヤルを含み得るがこれに限定されない回転可能な構造体、並びに気化デバイス又はその部品の動き若しくは操作を特定の手法で検知するための加速度計及びひずみゲージなどの要素が挙げられる。使用者の入力を受け取ることが可能な任意の入力デバイスが解毒剤の投与を制御するための入力デバイスとして使用され得る。
【0225】
入力デバイスは、例えば、第1のチャンバ、第2のチャンバ、第1のチャンバ及び/若しくは第2のチャンバに結合されている基部、バッテリーハウジング、又は第1のチャンバ及び/若しくは第1のチャンバに結合されているマウスピースによって支持され得る。ダイヤル又は回転可能なリングなどの回転可能な構造体が、気化デバイスのバッテリーハウジング上に、バッテリーハウジングとカートリッジ基部との間に、基部上に、基部と基部が結合されるチャンバとの間に、チャンバ上に、チャンバとマウスピースとの間に、又はマウスピース上に位置し得る。
【0226】
バッテリーハウジングの例は、
図1~
図2に参照番号144で示され、基部の例は、
図15~
図16に参照番号1550で示されている。
図15~
図16では、入力デバイス1550は、2つのチャンバ1502、1504に結合されている基部1506によって支持されているが、他の実施形態では、別個の基部が解毒剤チャンバに結合されてもよく、入力デバイスは、解毒剤チャンバ基部によって支持される。
【0227】
別の実施形態は、特定の閾値を超える圧力が検出されたら解毒剤を分与することができる及び/又は活性気化用物質の供給を調整することができる圧力センサを含む。圧力センサは、例えば、マウスピース内に埋め込まれ得又はそうでなければマウスピースによって支持され得、センサ閾値は、使用者がマウスピースを噛むと検知するように設定され得る。これは、使用者にとって使用が容易であるだけでなく、また、気化デバイスの通常動作中に使用者によって意図せずに起動されそうにない入力デバイスの一例である。
【0228】
圧力センサは、チャンバ又は基部の圧迫により解毒剤投与を起動させるように、チャンバのうちの1つの外壁、基部若しくは気化デバイスの別の部分内に埋め込まれ得る又はそうでなければチャンバのうちの1つの外壁、基部若しくは気化デバイスの別の部分によって支持され得る。
【0229】
気化デバイス上又は気化デバイス内の加速度計は、気化デバイスの表面を叩く形態のユーザ入力を検知し、解毒剤投与を起動させることができる。
【0230】
ユーザ入力デバイスは、使用者によるデバイスの曲げ、引き又は押しを、解毒剤を投与するためのユーザ入力として検知するための1つ以上のひずみゲージを含み得る。
【0231】
使用の容易さの別の潜在的態様は、解毒剤を投与するための入力デバイス及び/又は動作モードの識別に関する。非常ボタン又は他の入力デバイスは、解毒剤又は緊急機能を示すために、例えば、入力デバイス自体及び/又は気化デバイス上の「SOS」若しくは十字アイコンなどの1つ以上の特殊なマーク又は印で識別され得る。解毒剤を投与するための非常ボタン又は他の入力デバイスは、特殊な色で照明され得る又は別の手法で示され得る。例えば、入力デバイス及び/又は気化デバイス上の1つ以上のマーク若しくは印は、また、又は代わりとして、解毒剤又は緊急操作指示を提供し得る。
【0232】
解毒剤がいかにして制御可能に投与され得るかの例も、少なくとも上記されており、それら例のいずれも、解毒剤のユーザ入力デバイスに基づく投与において実施され得る。
【0233】
入力デバイスの操作は、様々な効果のいずれかを有し得る。例えば、一実施形態では、入力の操作は、解毒剤を制御可能に投与するために、解毒剤を含む気化用物質の気化による蒸気の流れを増加するように制御すること及び気化用物質のアトマイザーへの電力を増加するように制御することのうちの1つを可能にする。別の気化用物質又は別の気化用物質の気化による蒸気の流れを低減することなどの他の例も本明細書に提供されている。
【0234】
入力デバイスに基づく解毒剤投与の信頼性に関しては、解毒剤チャンバと固有に関連付けられた入力デバイスが好ましい場合がある。固有の関連付けにより、入力デバイスが意図せずに使用され、解毒剤以外のものを送達する可能性を低下させることができる。例えば、入力デバイスは、解毒剤を含む気化用物質が貯蔵されるチャンバ、第2のチャンバと流体連通する、チャンバからの気化用物質の流れを制御するための気化用物質用レギュレータ、チャンバと関連付けられた、気化用物質を気化させるためのアトマイザー、気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための蒸気レギュレータ、電源及びコントローラなどの気化デバイスの様々な部品のいずれか1つ以上に物理的に結合され得る、有線で接続され得る及び/又は他の手法で結合され得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、入力デバイスと解毒剤との間の固有の関連付けを提供する又は維持するために係合構造体が使用される。本明細書に記載されるように、係合構造体は、カートリッジ又は気化デバイスを特定モデル又はタイプのチャンバに限定し得る。例えば、特定の係合構造体は、基部上又は気化デバイス内の特定の位置若しくは場所を、解毒剤を含む気化用物質を貯蔵する特定のチャンバ又はカートリッジに限定することができ、入力デバイスが、その位置、場所及び/若しくはチャンバに固有に結合され得る又はそうでなければ固有に関連付けられ得る。したがって、解毒剤の位置、場所及び/又はチャンバは、解毒剤に特有且つ専用であり得、特定の入力デバイスと固有に関連付けられ得る。
【0236】
一般に、解毒剤と1つの入力デバイスとの間の1対1の特異性が好ましい場合がある。これは、例えば、解毒剤が投与されるべき緊急時に又は他の状況で使用者が思い出す必要がある動作指示又はモードの数を最小限にするのに有用であり得る。他の実施形態では、例えば、解毒剤を投与するための複数のオプションを使用者に与えるために、異なるタイプの入力デバイスを含むいくつかの入力デバイスが提供される。したがって、解毒剤を制御可能に投与するための1つ以上の入力デバイスが提供され得る。
【0237】
方法実施形態は、また、又は代わりとして、必ずしも全てではなく一部の開示された特徴が実装されるそのような変更形態の対象となり得る。例えば、方法は、チャネルを用意することと、チャネルと流体連通する複数のチャンバを用意することと、入力デバイスを用意することと、を含み得る。一実施形態では、チャンバは、第1の気化用物質を貯蔵するための第1のチャンバと、第2の気化用物質を貯蔵するための第2のチャンバであって、第2の気化用物質は、第1の気化用物質の活性成分又は物質の解毒剤を含む、第2のチャンバと、を含み、入力デバイスは、解毒剤を制御可能に投与するために提供される。
【0238】
本明細書に開示される様々な他の特徴のいずれもそのような方法と共に実施してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、入力デバイスは、第2のチャンバと固有に関連付けられている。第2のチャンバは、第1のチャンバと適合しない、装置の相補的な係合構造体と係合するための係合構造体を含み得る。係合構造体のこのような構成は、入力デバイスと解毒剤チャンバとの間の固有の関連付けの提供又は維持を補助し得る。
【0239】
入力デバイスは、また、又は代わりとして、第2のチャンバ、第2のチャンバと流体連通する、第2のチャンバからの第2の気化用物質の流れを制御するための気化用物質用レギュレータ、第2のチャンバと関連付けられた、第2の気化用物質を気化させるためのアトマイザー、第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを制御するための蒸気レギュレータ、電源及びコントローラのうちの1つに結合され得る。いくつかの実施形態では、入力デバイスは、第1のチャンバ、第2のチャンバ、第1のチャンバに結合されている基部、第2のチャンバに結合されている基部、第1のチャンバに結合されているマウスピース又は第1のチャンバに結合されているマウスピースによって支持される。
【0240】
そのような入力デバイスの例としては、少なくとも、ボタン、スイッチ、スライダ、ダイヤル、回転可能な構造体、圧力センサ、加速度計及びひずみゲージが挙げられ、他の種類の入力デバイスが、また、又は代わりとして、提供され得る。入力デバイスの操作は、解毒剤を制御可能に投与するために、第2の気化用物質の気化による蒸気の流れを増加するように制御すること及び第2の気化用物質のアトマイザーへの電力を増加するように制御することのような機能を可能にし得る。他の特徴が、また、又は代わりとして、入力デバイスの操作によって提供され得る又は可能とされ得、更なる例は、本明細書の別の場所に提供される。
【0241】
本発明を、その特定の特徴及び実施形態を参照して説明してきたが、本発明から逸脱することなく、それらに様々な修正及び組み合わせを施すことができる。したがって、本明細書及び図面は、単に、添付の特許請求の範囲で定義される本発明のいくつかの実施形態の説明であるとみなされ、本発明の範囲内にある一切の修正形態、変形形態、組み合わせ又は均等物を包含するものと考えられる。したがって、本発明及び潜在的な利点を詳細に説明してきたが、本明細書においては、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明から逸脱することなく、様々な変更、置換及び改変を行うことができる。更に、本出願の範囲は、明細書に記載されている任意のプロセス、機械、製造法、物質の組成、手段、方法及び工程の特定の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば本発明の開示から直ちに認識されるように、既存の、或いは将来開発されるであろう、本明細書中に述べた対応する実施形態と実質上同等の機能を行うか、或いは実質上同等の結果を実現するプロセス、機械、製造法、物質の組成、手段、方法、又は工程は、本発明に基づいて利用することが可能である。したがって、添付の特許請求の範囲はその範囲内にこうしたプロセス、機械、製造法、物質の組成、手段、方法又は工程を包含するものである。
【国際調査報告】