(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】重量分散外骨格
(51)【国際特許分類】
A61H 3/00 20060101AFI20220111BHJP
A41D 13/12 20060101ALI20220111BHJP
A41D 13/06 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61H3/00 B
A41D13/12 154
A41D13/06 105
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526448
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 IB2019001242
(87)【国際公開番号】W WO2020099930
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521206257
【氏名又は名称】ステムラッド リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】ウォーターマン,ギデオン
(72)【発明者】
【氏名】フライシャー,タマル
(72)【発明者】
【氏名】カルミ,エヤル
(72)【発明者】
【氏名】ツィルツァー,イダン
(72)【発明者】
【氏名】ティコチンスカイ,ヨアブ
(72)【発明者】
【氏名】リラック,ニール
(72)【発明者】
【氏名】シーガル,アミット
【テーマコード(参考)】
3B011
4C046
【Fターム(参考)】
3B011AA05
3B011AB08
3B011AC17
4C046AA07
4C046AA08
4C046AA09
4C046AA25
4C046AA42
4C046AA49
4C046BB01
4C046BB07
4C046CC01
4C046DD02
4C046DD12
4C046DD22
4C046DD25
4C046DD36
4C046DD37
4C046DD38
4C046DD39
4C046DD41
4C046DD45
4C046EE03
4C046EE07
(57)【要約】
ユーザの膝に近接した位置で、保護衣服および/または顔面シールドの重量の少なくとも一部を支えたり分散を制御したりすることができる重量分散外骨格を提供する。外骨格は、複数の脚構造を含んでいてもよく、各脚構造は、保護衣服であるところの負荷を支えるように構成される膝関節または膝ヒンジと、脚構造との迅速な係合やその取り外しを制御するように構成される磁気迅速着脱機構を含む足部材とを含む。保護衣服および/または顔面シールドの重量は、着用による負担をユーザが全くまたはほとんど感じないように、床に伝達される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者への負荷を支える膝レールシステムであって、
膝レールと、
ふくらはぎ梁に接続されている取り付け点と、
大腿梁に取り付けられ、前記膝レール上に配置されて前記取り付け点とは反対側の端部で前記膝レールとスライド可能に係合する膝関節とを備える、膝レールシステム。
【請求項2】
前記膝レールシステムは、前記着用者の膝に近接して位置する、請求項1に記載の膝レールシステム。
【請求項3】
前記着用者が移動せずに直立している場合、前記膝関節が前記ふくらはぎ梁の後側で前記膝レール上に位置して前記負荷から加えられた力を支えるように、前記大腿梁と前記ふくらはぎ梁との位置合わせが行われる、請求項1に記載の膝レールシステム。
【請求項4】
前記着用者が移動中に脚を持ち上げると、前記膝関節が、前記膝レール上を前記大腿梁の前側の位置にスライドする、請求項1に記載の膝レールシステム。
【請求項5】
前記膝レールは、前記着用者のy軸に対して10度~80度の角度に配置される、請求項1に記載の膝レールシステム。
【請求項6】
前記膝関節が曲がらないよう制限するように構成されるストッパーをさらに備える、請求項1に記載の膝レールシステム。
【請求項7】
着用者への負荷を支える膝レバーシステムであって、
大腿梁に取り付けられている横移動ヒンジと、
前記横移動ヒンジに取り付けられ、少なくとも2つの平行ロッドを含むレバー、膝ヒンジ抵抗要素、および一方の端部が前記大腿梁に接続され他方の端部が膝ヒンジばねに接続されている膝引っ張りワイヤを含む膝ヒンジとを備え、
前記膝ヒンジは、ふくらはぎ梁と流体連結している、膝レバーシステム。
【請求項8】
前記着用者の膝に近接して位置する、請求項7に記載の膝レバーシステム。
【請求項9】
前記着用者が移動せずに直立している場合、前記大腿梁は、少なくとも部分的に前記ふくらはぎ梁よりも後ろに位置し、前記レバーのロッドは、前記膝ヒンジ上で斜めに位置し、前記膝ヒンジ抵抗要素は、前記レバーを引いて前記着用者の膝を曲げ位置へと移動させる力を生成するのを助ける、請求項7に記載の膝レバーシステム。
【請求項10】
前記レバーは、前記着用者が移動中に脚を持ち上げると、前記着用者が膝を曲げることができ、前記膝ヒンジが負荷あり位置から負荷なし位置へと移行することができる閾角度へと移動するように構成される、請求項7に記載の膝レバーシステム。
【請求項11】
前記着用者が移動中に脚を持ち上げると、前記横移動ヒンジは、180度から230度までの最大50度、前記着用者から離れる方向に移動する、請求項7に記載の膝レバーシステム。
【請求項12】
負荷と、
前記負荷と係合するように構成され、複数の脚構造を備える外骨格とを備え、
各脚構造は、
前記負荷の着用者の骨盤に近接した車軸関節と、
前記着用者の膝に近接した膝機構と、
前記着用者の足または靴に取り付けられるように構成される足部材とを備え、
前記外骨格は、前記負荷から力が加えられると、前記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、前記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に前記膝機構によって支えられて床に伝達される、重量分散外骨格システム。
【請求項13】
各脚構造は、
一方の端部が前記車軸関節に取り付けられている大腿梁と、
前記車軸関節とは反対側の前記大腿梁の端部に取り付けられている膝関節と、
すね機構と、
ふくらはぎ梁とをさらに備え、
前記膝機構は、膝レール機構を備え、当該膝レール機構は、
膝レールと、
取り付け点とを備え、
当該すね機構は、前記着用者のすねに近接しており、
前記膝関節は、前記膝レール上に配置されて前記取り付け点とは反対側の端部で前記膝レールとスライド可能に係合し、
当該ふくらはぎ梁は、一方の端部が前記取り付け点で前記膝レール機構に接続され、他方の端部が前記足部材と流体連結している、請求項12に記載の重量分散外骨格システム。
【請求項14】
保護衣服の着用者が移動せずに直立している場合、前記膝関節が前記ふくらはぎ梁の後側で前記膝レール上に位置して前記負荷から加えられた力を支えるように、前記大腿梁と前記ふくらはぎ梁との位置合わせが行われる、請求項13に記載の重量分散外骨格システム。
【請求項15】
前記着用者が移動中に脚を持ち上げると、前記大腿梁と前記ふくらはぎ梁との位置合わせがaに移動して、前記膝関節が、前記膝レール上を前記大腿梁の前側の位置にスライドする、請求項13に記載の重量分散外骨格システム。
【請求項16】
前記膝レールは、前記着用者のy軸に対して10度~80度の角度に配置される、請求項13に記載の重量分散外骨格システム。
【請求項17】
前記膝レール機構は、前記膝関節が曲がらないよう制限するように構成されるストッパーをさらに備える、請求項13に記載の重量分散外骨格システム。
【請求項18】
各脚構造は、
一方の端部が前記車軸関節に取り付けられている大腿梁と、
前記車軸関節とは反対側の前記大腿梁の端部に取り付けられている横移動ヒンジと、
すね機構と、
ふくらはぎ梁とをさらに備え、
前記膝機構は膝レバー機構を備え、当該膝レバー機構は、前記横移動ヒンジに取り付けられている膝ヒンジを備え、当該膝ヒンジは、
少なくとも2つの平行ロッドを備えるレバーと、
膝ヒンジ抵抗要素と、
一方の端部が前記大腿梁に接続され、他方の端部が膝ヒンジばねに接続されている膝引っ張りワイヤとを備え、
当該すね機構は、前記着用者のすねに近接しており、
当該ふくらはぎ梁は、一方の端部が前記膝ヒンジと流体連結し、他方の端部が前記足部材と流体連結している、請求項12に記載の重量分散外骨格システム。
【請求項19】
保護衣服の着用者が移動せずに直立している場合、前記大腿梁は、少なくとも部分的に前記ふくらはぎ梁よりも後ろに位置し、前記レバーのロッドは、前記膝ヒンジ上で斜めに位置し、前記膝ヒンジ抵抗要素は、前記レバーを引いて前記着用者の膝を曲げ位置へと移動させる力を生成するのを助ける、請求項18に記載の重量分散外骨格システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2018年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/767,664号および2019年10月18日に出願された米国仮特許出願第62/916,955号に基づく優先権を主張するものであり、その開示全体が、参照により本明細書に援用される。
【0002】
(本発明の分野)
本発明は、概して外骨格システムに関し、より詳細には、着用者への負荷の重量を取り除くことによって、着用者に無重力感を生成することができる重量分散外骨格に関する。
【背景技術】
【0003】
背中、腰、膝の疲労はよく見受けられる労働災害であり、生産性を低下させ、多額の医療費を必要とする場合がある。背中、腰、膝の疲労は、頻繁に曲げたり持ち上げたりする必要のある職業に関連していることが多く、それぞれが背骨にかなりの負担となる可能性がある。大きな負荷が怪我のリスクを高める一方、体幹の重量のみを支えながら背骨の屈曲状態を保持し続けると、腰の伸筋が疲労するため、背中の痛みにつながる可能性がある。同様に、頭頸部の不自然な姿勢が長引くと、不快感を引き起こす可能性がある。
【0004】
さまざまな治療手順の間、医師は背骨の屈曲状態を保持し続ける必要がしばしばある。手術室での医師のパフォーマンスは、姿勢による疲労および不快感によって悪影響を受ける可能性があり、これらは処置中に頻繁に必要とされる姿勢保持によってさらに悪化する。例えば、一般外科医は、手術時間のうちの65%で頭頸部の静止姿勢をとることがあり、14%は屈曲(前屈)姿勢で過ごすことがある。低侵襲(腹腔鏡、内視鏡等)の外科的処置を行う医師も、長期間の静止姿勢をとる。
【0005】
腰痛の発生率が平均よりも高いと考えられている手術医のサブグループの1つは、インターベンションに関わる医師である。これらには、例えば、リアルタイムX線撮影を用いて手術を行う神経外科医、放射線科医、心臓病専門医が含まれる。手術室の放射線レベルでは、手順の全期間にわたってシールド衣服(「リード」と称することがある)を着用する必要がある。一部のリードの重量は5~15kgであり、体幹にこれらの衣服が追加されると、首、肩、背中の痛みのリスクが高まる可能性がある。ある研究によると、シールド衣服を定期的に着用した医師(この場合、1日あたり最大8.5時間のリードを着用した心臓専門医)は、首や背中の痛みによる欠勤の発生率が最も高く(21.3%)、シールド衣服を着用する必要がなかった他の医師よりも多くの治療を必要とした。同じ研究では、インターベンションに関わる医師の間で頸椎と腰椎の椎間板ヘルニアの発症率が高いことも示された。インターベンション心臓専門医の約20%が椎間板変性症の症状を発症し、約5%がこの状態を治療するために外科的介入を必要とし、回復には通常22日以上を要することになる。さらに、腰部の筋肉の活動は腰椎椎間板圧と直接相関することが知られているため、シールド衣服を着用した場合等、高い椎間板圧に長時間さらされると、不快感や椎間板の永続的な構造的損傷につながりかねない。
【0006】
医師は、シールド衣服や手術ガウンの下に着用する体幹装具の使用等、不快感を軽減しようとするために様々な創造的な方法を採用することがよくある。現在入手可能な軟性ベルトや半硬性コルセット等の体幹装具は、腹腔内圧を上げたり着用者に対して運動感覚のリマインダとして機能したりして、過度に曲がらないようにすることにより、背骨から負荷をある程度取り除くことができる。これらの装具製品は、多くの場合、シールド衣服からの負荷を体の後方で支えるように設計されている。しかし、そのような市販の背中ベルトを用いたとしても、補償請求および報告された腰痛の多さによって示されるように、怪我の可能性の減少には繋がらないことが示されている。訓練を受けた装具士によって製造されたオーダーメイドの装具は、一般的な大量生産、非オーダーメイド、または市販のモデルよりも生体力学的に効果的であることが示されているが、いくつかの欠点がある。個別の製造やフィッテイングが必要となるため、通常用いるには法外に高額となり、これらの装具が生み出す運動性能の制限は職場で不利になる可能性があり、いくつかの装具では背中の姿勢の筋肉活動が増加し、筋肉の疲労を実際に促進することがある。
【0007】
保護衣服の重量を分散させることを目的とした多くの製品が開発されてきた。移動式足場はそのような選択の1つであり、保護衣服を着用者の上方に吊るすものである。足場は、着用者の骨盤の周りの2つのハンドルで動かさなければならない。別のシステムでは、保護衣服および顔面シールド装置が、天井に固定されたオーバーヘッドアームによって着用者の上方に吊るされている。しかし、これらのシステムは、治療室で邪魔になったり、特定の範囲や種類の動きまたは移動ができなかったり、過度の費用がかかったりするというシステムの負担が、意図された利益を上回るため、市場で大部分が成功しなかったことが分かっている。
【0008】
保護衣服は、核エネルギー漏れや化学物質の流出等の非医療状況における化学物質や放射線からの保護にも用いられることがある。より可動性が高く目立たないようにシールド衣服を支えることができれば、これらの状況における人々の貢献を容易とする助けとなり得る。
【発明の概要】
【0009】
上記の必要性に対処可能な本発明の様々な例示的な装置を開示する。本システムは、概して、負荷取り付け機構、複数の脚構造、および足部材を含んでいてもよい外骨格であり得る。外骨格は、保護衣服等であるところの負荷に接続され、当該負荷の重量を、外骨格を介して床に分散させることができる。
【0010】
一例において、重量分散外骨格システムは、負荷と、上記負荷と係合するように構成され、複数の脚構造を有する外骨格とを含んでいてもよく、各脚構造は、骨盤関節と、上記負荷の着用者の足に取り付けられるように構成される足部材とを含む。外骨格は、上記負荷から力が加えられると、上記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供することができ、上記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に足部材を介して床に伝達される。
【0011】
別の例において、重量分散外骨格システムは、表面を有する負荷と、上記負荷の上記表面と係合するように構成され、複数の脚構造を有する外骨格とを含む。外骨格は、負荷の外表面および内表面のうちの少なくとも1つと係合するように構成されていてもよい。各脚構造は、骨盤関節と、上記負荷の着用者の足に取り付けられるように構成される足部材とを含んでいてもよい。外骨格は、上記負荷から力が加えられると、上記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供することができる。上記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に足部材を介して床に伝達される。
【0012】
別の例において、重量分散外骨格は、複数の上部身体取り付け要素と、複数の脚構造とを有する。各脚構造は、保護衣服の着用者の骨盤領域の近傍において保護衣服の外表面に脚構造を取り付けるように構成される骨盤関節と、保護衣服の着用者の足に取り付けられるように構成される足部材とを含む。少なくとも1つの上部身体取り付け要素は、上記保護衣服から力が加えられると、保護衣服の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記保護衣服から加えられた力は、少なくとも部分的に足部材を介して床に伝達される。
【0013】
さらに別の例において、重量分散外骨格システムは、負荷と、上記負荷と係合するように構成される外骨格とを含んでいてもよい。外骨格は、複数の脚構造を含んでいてもよく、各脚構造は、上記負荷の着用者の骨盤に近接した車軸関節と、上記着用者の膝に近接した膝レール機構、上記着用者のすねに近接したすね機構と、上記着用者の足に取り付けられるように構成される足部材とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、上記外骨格は、上記負荷から力が加えられると、上記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に上記膝レール機構によって支えられる。
【0014】
さらなる例において、重量分散外骨格システムは、負荷と、上記負荷と係合するように構成される外骨格とを含んでいてもよい。外骨格は、複数の脚構造を含んでいてもよく、各脚構造は、上記負荷の着用者の骨盤に近接した車軸関節と、上記着用者の膝に近接した膝レバー機構と、上記着用者のすねに近接したすね機構と、上記着用者の足に取り付けられるように構成される足部材とを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、上記外骨格は、上記負荷から力が加えられると、上記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に上記膝レバー機構によって支えられる。
【0015】
本発明の上記およびさらなる態様は、添付の図面と併せて以下の説明を参照してさらに説明される。なお、各図面において同じ符号は同様の構成要素や特徴を示す。図面は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。これらの図は、限定としてではなく例示としてのみ、本発明のデバイスの1つ以上の実施を示している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1A】
図1Aは、負荷であるところの保護衣服と本発明の外骨格との例示的な相互作用の構成を示す。
【
図1B】
図1Bは、負荷であるところの保護衣服と本発明の外骨格との例示的な相互作用の構成を示す。
【
図1C】
図1Cは、負荷であるところの保護衣服と本発明の外骨格との例示的な相互作用の構成を示す。
【
図1D】
図1Dは、負荷であるところの保護衣服と本発明の外骨格との例示的な相互作用の構成を示す。
【
図2】
図2は、本発明の例示的な脚構造の構成を示す。
【
図3】
図3は、本発明の別の例示的な脚構造の構成を示す。
【
図4】
図4は、本発明のさらなる例示的な脚構造の構成を示す。
【
図5A】
図5Aは、本発明の例示的な脚構造の曲げ構成を示す。
【
図5B】
図5Bは、本発明の例示的な脚構造の曲げ構成を示す。
【
図5C】
図5Cは、本発明の例示的な脚構造の曲げ構成を示す。
【
図6A】
図6Aは、本発明の例示的な顔面シールドの構成を示す。
【
図6B】
図6Bは、本発明の例示的な顔面シールドの構成を示す。
【
図7】
図7は、本発明の別の例示的な顔面シールドの構成を示す。
【
図8A】
図8Aは、本発明のさらなる例示的な顔面シールドの構成を示す。
【
図8B】
図8Bは、本発明のさらなる例示的な顔面シールドの構成を示す。
【
図8C】
図8Cは、本発明のさらなる例示的な顔面シールドの構成を示す。
【
図9】
図9は、本発明の例示的な足関節機構の構成を示す。
【
図10】
図10は、本発明の例示的な骨盤関節機構の構成を示す。
【
図11】
図11は、本発明の例示的なラダー式調整機構の構成を示す。
【
図12A】
図12Aは、負荷であるところの保護衣服および顔面シールドと本発明の外骨格との別の例示的な相互作用の構成を示す。
【
図12B】
図12Bは、負荷であるところの保護衣服および顔面シールドと本発明の外骨格との別の例示的な相互作用の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の具体的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、同一の参照符号は、同一または機能的に類似の構成要素を示す。
【0018】
本明細書に記載の重量分散外骨格は、例えば、保護衣服の着用者の体から当該衣服の重量を取り除くのを助けることができる。好ましくは、重量分散外骨格は、保護衣服の全重量を取り除いて、背中、腰、および膝の怪我および疲労のリスクを和らげるのを助けることができる。保護衣服の重量は、外骨格によって完全に支えられて床に伝達され得る。外骨格が着用者の体に取り付けられ、それでも十分な可動性を与えることは有利である。重量分散外骨格の実施形態は、着用者が、通常通りに適宜回転し(例えば、方向転換し)、歩き、かがみ、1つ以上の身体平面において腰の位置で体幹を屈曲(例えば、前後に)することを可能にし得る。好ましい実施形態において、重量分散外骨格は、着用者各自の人体測定に合わせてカスタマイズされる。このカスタマイズは、拡張が容易なコンピュータ支援設計(CAD)モデルと複雑な部品の3次元(3D)印刷を用いることで容易となる。別の実施形態において、各外骨格は、同様の体型の複数の実際の着用者に適合するように調整することができ、その結果、顧客(例えば、病院)は、必ずしも実際の着用者各自の外骨格を購入する必要がない。以下の詳細な説明は、本質的に単なる例示であり、本発明または本発明の用途および使用を限定することを意図するものではない。
【0019】
図1Aは、保護衣服等であるところの負荷を示し、
図1Bは、保護衣服の着用者が着用した状態の重量分散外骨格を示す。図示の外骨格は受動装具であるが、いくつかの実施形態において、1つ以上の能動装具要素を含んでいてもよい。本実施形態の重量分散外骨格(20)は、着用者の体の周りに吊り下げられている。このようなコンパクトな設計は、頭上の耐負荷アームまたは足場の設置を必要とするアーム搭載シールド等の従来技術の設計でしばしば必要とされる手術室への費用のかかる変更を回避するのに役立つ。さらに、外骨格(20)は、ほとんどすべての従来技術の装置が少なくともある程度行っていたように手術室のスペースを追加で犠牲にすることなく、重量を所望通りに取り除くことができる可能性を有する。特に、体の後方で負荷を支える装具製品とは異なり、負荷であるところの保護衣服の重量は、着用者の体の前方で外骨格(20)によって支えることができる。以下で詳細に説明するように、重量分散外骨格10は、複数の設定間で移行することができ、各設定は、異なる身体位置(例えば、歩いたり、曲げたり、傾斜したり、座ったりする際の位置)で保護衣服の着用者に無重力感を与えることができる。さらに、外骨格が1つ以上の加えられた力の全部または一部を取り除くことができる限りにおいて、各設定は少なくとも部分的に移行可能であってもよいことが理解されよう。したがって、外骨格は複数の姿勢において負荷を取り除くことが可能である。例えば、外骨格は立っている間、膝をより自然に曲げることを可能にする。外骨格はまた、移動中に、膝をより自然に曲げることを可能にする。
【0020】
図1Bに示されるように、一例としての外骨格システムは、負荷(10)と係合するように構成される外骨格(20)を有することができる。負荷(10)は、保護衣服、ギア、ヘルメット、ゴーグル、あるいは着用者の体を怪我や感染から保護するように設計されたその他の衣服または機器を含むがこれらに限定されない個人用保護具であってもよい。負荷(10)で対応できる危険には、物理的、電気的、熱、化学物質、生物学的危害、および浮遊粒子状物質を含み得る。負荷(10)は、仕事に関連する労働安全衛生の目的、およびスポーツやその他のレクリエーション活動のために着用することができる。保護衣服は、従来のカテゴリーの衣類に適用できる。保護具は、パッド、ガード、シールド、マスク、その他等の物品に適用できる。
【0021】
負荷(10)は、表面を含んでいてもよい。以下に説明するように、外骨格は、負荷の表面と係合するように構成される。外骨格は、負荷の外表面および内表面のうちの少なくとも1つと係合するように構成されていてもよい。外骨格(20)は、複数の脚構造(24)をさらに含んでいてもよい。各脚構造は、車軸関節26とも呼ばれる骨盤関節(26)を含んでいてもよい。各脚構造は、足部材(28)をさらに含んでいてもよく、足部材(28)は、負荷(10)の着用者の足に取り付けられるように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、足部材(28)は靴ホルスターであってもよい。外骨格(20)は、負荷(10)から力が加えられると、負荷(10)の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供する。脚構造は、負荷であるところの保護衣服から力(例えば、重量)が加えられると、吊り下げ力を支えるのを助けることができ、それによって、着用者から力の一部を取り除くことができる。吊り下げ力は、外骨格の構成要素の外表面に対して(例えば、着用者から離れる方向に)少なくとも部分的に垂直であり得、例えば、着用者の上方に保護衣服を保持したり着用者の体の周りまたはその近傍で保護衣服を単に受動的に保持したりする従来技術の装置と区別できる。好ましい実施形態において、
図1Bに示されるように、外骨格の上部は、着用者の背中または後ろに位置するように設計され、負荷であるところの保護衣服は、外骨格との吊り下げ係合および脚構造を介した床への重量分散によって支えられる。本開示によれば、負荷(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に足部材(28)を介して床に伝達される。場合によっては、負荷であるところの保護衣服の重量が、外骨格(20)を下って着用者の体の前側の床に分散される。
【0022】
一例において、外骨格(20)は負荷取り付け機構をさらに有していてもよい。いくつかの実施形態において、負荷取り付け機構は、複数の上部身体取り付け要素(22、32)等を含むことができる。しかしながら、場合によっては、他の固定装置を用いて、保護衣服を外骨格の一部に取り付けるか、または取り付けるのを助けることができる。外骨格(20)は、複数の脚構造(24)をさらに含んでいてもよい。別の例において、骨盤関節(26)を含む各脚構造は、保護衣服(10)の着用者の骨盤領域の近傍において保護衣服(10)の外表面に脚構造(24)を取り付けるように構成されていてもよい。一例において、骨盤関節(26)を含む各脚構造は、保護衣服(10)の着用者の骨盤領域の近傍において保護衣服(10)の内表面に脚構造(24)を取り付けるように構成されていてもよい。例示的な実施形態において、複数の上部身体取り付け要素(22、32)は、右肩取り付け要素(22)および左肩取り付け要素(32)を含んでいてもよい。外骨格(20)は、右肩取り付け要素(22)および左肩取り付け要素(32)を骨盤関節(26)に接続することができる後端部材(64)をさらに含んでいてもよい。後端部材(64)は、左肩取り付け要素(32)を一方の脚構造の骨盤関節(26)に取り付ける左梁(66)と、右肩取り付け要素(22)を他方の脚構造の骨盤関節(26)に取り付ける右梁(68)とをさらに含んでいてもよい。後端部材(64)は、左梁(66)と右梁(68)との間に延びる中央梁(70)をさらに含んでいてもよい。
【0023】
図1Aに示すように、負荷(10)は、保護衣服であってもよい。保護衣服(10)は、オーダーメイドであってもよく、ワンピースタイプ(例えば、スモックのような衣服)であっても複数ピースのタイプ(例えば、着用者の首から腰までのベスト部分と着用者の腰から膝または膝よりも下までのスカート)であってもよい。別の実施形態において、保護衣服は、外骨格の一部であるか、または外骨格と一体化するように構成されていてもよい。さらに、分離できるベスト、甲状腺シールドを強化する首カラー、様々なスリーブの長さ、または質量分布がカスタマイズされている(例えば、胴への重量および保護衣服の重量を取り除くことで屈曲時の筋肉の緊張をさらに軽減するために背中に向かって質量を増やす)等の他の保護衣服の特徴を備えていてもよい。さらに、より小さな、より大きな、または異なる形状の保護衣服を用いることができる。いくつかの実施形態において、保護衣服は、電離放射線保護衣服、X線保護衣服、ガンマ保護衣服、または弾道保護衣服であってもよく、当該衣服は、ツール、それらの組み合わせ等を運ぶように構成することができる。さらに、別の実施形態において、負荷は、補助衣類であってもよい。例えば、負荷は、ツールベルトであってもよい。
【0024】
負荷であるところの保護衣服(10)は、複数の上部身体受け入れ要素(12)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、複数の上部身体受け入れ要素(12)は、負荷であるところの保護衣服(10)の内表面または外表面等の表面に取り付けられていてもよい。さらなる実施形態において、複数の上部身体受け入れ要素(12)は、保護衣服(10)の上面に取り付けられていてもよい。
図1Dに示すように、上部身体受け入れ要素のうちの少なくとも1つは、保護衣服(10)の内側領域に取り付けられている浮動式弧部(11)を含む。適切な浮動式弧部は、硬性または半硬性であってもよい。ブリッジ部品(13)は、浮動式弧部(11)の上で保護衣服(10)の外側領域に取り付けられていてもよい。さらに、上部身体取り付け要素(22、32)を受け入れる開口を備えて形成される受け入れ部品(15)が、球関節(17)を介してブリッジ部品に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、第1の球関節(17)は、迅速着脱機構を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、球関節(17)は、組み合わせ式のツーピース構造またはワンピース構造であってもよい。
【0025】
図11に示すように、別の実施形態において、上部身体受け入れ要素(12)は、第1のラダー式調整機構(19)を含んでいてもよい。第1のラダー式調整機構(19)は、上部身体取り付け要素(22、32)の取り付け点を調整可能にする一連のバーを含んでいてもよい。第1のラダー式調整機構(19)は、上部身体取り付け要素(22、32)をバーの1つにしっかりと係合させるように構成されるクリップ要素(21)をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1のラダー式調整機構(19)は、保護衣服(10)の外側領域に縫い付けられるか、または他の方法で同等に取り付けられる。本機構は、ブリッジ部品(13)の代わりに取り付け機構として用いることができる。同様に、クリップ要素(21)は、球関節(17)および受け入れ部品(15)の代わりに、上部身体取り付け要素(22、32)をしっかりと係合させるために用いることができる。さらに、ブリッジ部品(13)または第1のラダー式調整機構(19)の代わりに、任意の適切な機構を用いて、上部身体取り付け要素(22、32)を保護衣服または負荷(10)に固定することができる。
【0026】
負荷(10)は、骨盤取り付けベルト(14)をさらに含んでいてもよい。骨盤取り付けベルト(14)は、多くの目的に使用できる。まず、当該ベルトは、外骨格システムを、負荷の着用者上で安定させるように構成されていてもよい。ベルト(14)は、外骨格と保護衣服との間の取り付け点での外骨格の移動による、負荷であるところの保護衣服への機械的ストレス、引っ張り、および/または損傷を防止することができる。さらに、ベルト(14)は、外骨格の骨盤関節を正しい骨盤領域に固定して、人間工学に基づいた動きを可能にすることができる。骨盤取り付けベルト(14)は、着用者が歩くときに垂直軸に不快な移動を生じさせないように、外骨格から衣類を解放することもできる。骨盤取り付けベルト(14)は、パッドを含んでいてもよく、着用者の腰に部分的に取り付けられてもよく、着用者の腰にまったく取り付けられなくてもよいことが理解されよう。ベルト(14)は、負荷であるところの保護衣服(10)の内表面、あるいは負荷であるところの保護衣服(10)の外表面または内表面に配置することもできる。一般に、ベルト(14)は、負荷であるところの保護衣服(10)の骨盤面の近傍に配置されるが、着用者の他の領域の近傍に配置されてもよい。
【0027】
図1Cに示すように、負荷(10)の一例は、複数の骨盤レール(16)を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、骨盤レール(16)のうちの少なくとも1つは、負荷であるところの保護衣服(10)の外表面または内表面に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、骨盤レール(16)のうちの少なくとも1つは、負荷であるところの保護衣服(10)の外側の骨盤面に配置されてもよい。別の実施形態において、骨盤レール(16)のうちの少なくとも1つは、骨盤取り付けベルト(14)に配置されてもよい。別の例において、骨盤レール(16)によって受け入れることができるロック可能な骨盤関節機構(18)が含まれる。ロック可能な骨盤関節機構(18)は、骨盤レール(16)にスライド可能に受け入れられる。いくつかの実施形態において、ロック可能な骨盤関節機構(18)は、着用者のサイズ調整を可能にするように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、ロック可能な骨盤関節機構(18)は、骨盤レール(16)を垂直に、またはレールに沿って水平に移動して、着用者のサイズ調整を可能にすることができる。
【0028】
図11に示すように、別の実施形態において、負荷(10)の一例は、複数の第2のラダー式調整機構(23)を含んでいてもよい。第2のラダー式調整機構(23)は、ロック可能な骨盤関節機構(18)の取り付け点を調整可能にする一連のバーを含んでいてもよい。第2のラダー式調整機構(23)は、ロック可能な骨盤関節機構(18)をバーの1つにしっかりと係合させるように構成されるクリップ要素(25)をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、第1のラダー式調整機構(19)は、骨盤レール(16)の代わりに、骨盤関節(26)の近傍で保護衣服(10)に縫い付けられるか、または他の方法で同等に取り付けられる。同様に、骨盤レール(16)または第2のラダー式調整機構(23)の代わりに、任意の適切な調整機構を用いることができる。
【0029】
図2に示すように、各脚構造は、大腿梁(30)をさらに含んでいてもよい。大腿梁(30)は、一方の端部が骨盤関節(26)に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、膝関節(34)は、骨盤関節(26)とは反対側の大腿梁(30)の端部に取り付けられていてもよい。抵抗要素(36)は、大腿梁(30)の後方に配置され、下端(38)を有していてもよい。有閾レール(40)は、膝関節(34)の下方に配置され、一方の端部が膝関節に取り付けられていてもよい。押しレール(44)は、有閾レール(40)の下方に配置されていてもよい。折りたたみヒンジ(46)は、前方取り付け点(48)、中央取り付け点(50)、および後方取り付け点(52)を有していてもよい。いくつかの実施形態において、前方取り付け点(48)は、押しレール(44)に接続されていてもよい。後方取り付け点(52)は、抵抗要素(36)に接続されていてもよい。折りたたみ抵抗ばね(54)は、後方取り付け点(52)の近傍において折りたたみヒンジ(46)上に配置されていてもよい。いくつかの実施形態において、ふくらはぎレール(56)は、押しレール(44)の後方に実質的に平行に配置することができる。ふくらはぎレール(56)は、一方の端部が膝関節(34)で大腿梁(30)に接続され、他方の端部が靴ホルスター(28)に接続されていてもよい。抵抗要素スライダー(58)は、ふくらはぎレール(56)上に配置されていてもよい。抵抗要素スライダー(58)は、中央取り付け点(50)で折りたたみヒンジ(46)に接続され、さらに抵抗要素(36)の下端に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、有閾レール(40)は、ふくらはぎレール(56)と押しレール(44)との間で下向きに延びるように湾曲していてもよい。
【0030】
図3は、外骨格とともに用いられる別の脚構造を示す。本例において、各脚構造は、大腿梁(90)をさらに含んでいてもよい。大腿梁(90)は、一方の端部が骨盤関節(26)に取り付けられていてもよい。膝関節(91)は、骨盤関節(26)とは反対側の大腿梁(90)の端部に取り付けられていてもよい。抵抗要素(92)は、大腿梁(90)の後方に配置されていてもよい。いくつかの実施形態において、押しレール(94)は、抵抗要素(92)の下方かつふくらはぎレール(97)に平行に配置されていてもよい。抵抗スライダー要素(93)は、押しレール(94)およびふくらはぎレール(97)にスライド可能に受け入れられてもよい。
図3に示すように、押しレール(94)は、歩行センサー(96)を含んでいてもよく、歩行センサー(96)は、靴ホルスター(95)に隣接して配置される。いくつかの実施形態において、歩行センサー(60)および(96)は、機械センサーであってもよい。
【0031】
図4は、外骨格とともに用いられるさらに別の脚構造を示す。本例において、各脚構造は、膝関節(101)、ふくらはぎレール(102)、モーター(100)、バッテリホルダー(103)、靴ホルスター(104)、および靴ホルスター(104)の内部に配置される歩行センサー(105)を含んでいてもよい。歩行センサー(105)は、モーター(100)に接続され、モーター(100)は膝関節をロックおよびロック解除する。いくつかの実施形態において、センサーは、圧力センサー、光学センサー、マイクロスイッチ、それらの組み合わせ等の電子センサーである。
【0032】
抵抗要素(36)は、使用時、負荷であるところの保護衣服(10)の着用者が立っている場合、膝関節(34)の屈曲に抵抗するように構成されていてもよい。これによって、膝関節(34)が曲がって着用者に重量が移動することなく、大腿梁(90)およびふくらはぎレール(97)を介して負荷(10)を支えることができ、制限された動きが可能になる。本質的に、保護衣服の重量は、外骨格を介して床に分散され、抵抗要素は、膝が曲がらないようにする。抵抗要素は、ピストン、ばね、それらの組み合わせ等であってもよい。
図5Aに示すように、靴ホルスター(28)は、歩行センサー(60)を含んでいてもよい。保護衣服(10)の着用者が脚を上げて歩行を開始または継続すると、靴ホルスターは、足とともに上昇する。負荷であるところの保護衣服の重量が歩行センサーにかかると、歩行センサーは、靴ホルスター(28)の内部から下向きに靴ホルスター(28)の外部へとスライドする。押しレール(44)は、歩行センサー(60)が下向きに靴ホルスター(28)の外部へとスライドすると、折りたたみヒンジ(46)に向かって押し上げられ、折りたたみヒンジ(46)を有閾レール(40)の閾点(62)に位置させるように構成される。抵抗要素スライダーは、ふくらはぎレールを下方向に移動することによって反応する。これにより、抵抗要素が膝関節への保持を解除し、着用者の膝が曲がらないようにすることができる。折りたたみヒンジ(46)は、
図5Bに示すように、着用者が歩行中に脚を曲げると、閾点(62)を超えて移動して折りたたまれるように構成されている。抵抗要素スライダーは、ふくらはぎレールを下方向にさらに移動することによって反応し、ピストンを押すことなく着用者の膝をさらに曲げることができる。歩行センサー(60)は、
図5Cに示すように、着用者が脚を曲げて着座を開始または継続すると、床によって適宜ロックされるように構成される。歩行センサー(60)がロックされると、押しレール(44)と折りたたみヒンジ(46)とが係合しない。抵抗要素(36)は、保護衣服(10)から力が加えられると、収縮して、負荷であるところの保護衣服(10)の重量の少なくともいくらかを打ち消す支持力を提供する。
【0033】
外骨格システムは、着用者の顔と頭の保護具を支える役割を兼ねてもよい。
図6Aおよび
図6Bに示すように、固定式顔面シールド(72)は、後端部材(64)に取り付けられている。顔面シールドは、良好な視界を確保したまま、頭をシールド内で動かせるようにする。いくつかの実施形態において、固定式顔面シールド(72)は、少なくとも1つの固定式バランスロッド(74)、少なくとも1つの肩取り付け要素(22、32)、またはそれらの組み合わせによって後端部材(64)に取り付けられている。別の実施形態において、固定式顔面シールド(72)は、複数の固定式バランスロッドによって後端部材(64)に取り付けられている。
【0034】
図7に示すように、バイザー型顔面シールド(76)は、少なくとも1つの抵抗バランスロッド(78)、少なくとも1つの肩取り付け要素(22、32)、またはそれらの組み合わせによって後端部材(64)に取り付けられていてもよい。バイザー型顔面シールドは、シールドの重量が着用者ではなく外骨格にかかり、着用者(例えば、着用者の顔および頭)が自由に動ける状態で、重量が床に分散されるように外骨格の後端部材に取り付けられている。着用者の動きにより、バランスロッドは、着用者の動きに沿って平行に移動するように導かれる。いくつかの実施形態において、抵抗バランスロッド(78)は、引っ張りばね、圧縮ばね、動きに敏感な制御具、それらの組み合わせ等のうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。別の例において、バイザー型顔面シールド(76)が、複数の抵抗バランスロッド(78)によって後端部材(64)に取り付けられている。いくつかの実施形態において、第2のバランスロッド(78)は、着用者が顔および頭を自由に動かせるようにした状態で、バイザー型顔面シールド(76)の重量を、外骨格(20)を介して床に分散させるように構成されていてもよい。
【0035】
図8A~
図8Cに示すように、半固定顔面シールド(80)は、外骨格(20)に配置される。顔面シールド(80)は、シールド(80)を部分的に持ち上げて、着用者の顔を露出させつつも着用者の頭は覆ったままにできるようなツーピース構造であってもよい。同様に、シールド(80)を部分的に持ち上げて、着用者の頭を露出させつつも着用者の顔は覆ったままにできてもよい。半固定顔面シールド(80)は、右肩取り付け要素(22)に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、半固定顔面シールド(80)は、右回転関節(82)によって右肩取り付け要素(22)に配置されてもよい。半固定顔面シールド(80)は、左肩取り付け要素(32)に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、半固定顔面シールド(80)は、左回転関節(84)によって左肩取り付け要素(32)に配置されてもよい。使用時、半固定顔面シールド(80)は、着用者が顔および頭を自由に動かせるようにした状態で、半固定顔面シールド(80)の重量を、外骨格(20)を介して床に分散させるように配置されてもよい。
【0036】
図9に示すように、靴ホルスター(28)は、第1の修正球関節(86)によってふくらはぎレール(56)に取り付けられている。
図10に示す例において、骨盤関節(26)は、第2の修正球関節(88)によってロック可能な骨盤関節機構(18)に取り付けられている。いくつかの実施形態において、第1の修正球関節(86)は、迅速着脱機構を含む。迅速着脱機構は、脚構造の一部(例えば、着用者の足首の近傍)と係合する第1の位置と脚構造との係合を解除する第2の位置との間で第1の修正球関節(86)を移動させることができる。いくつかの実施形態において、第2の修正球関節(88)は、迅速着脱機構を同様に含む。本例において、迅速着脱機構は、脚構造の一部(例えば、着用者の腰の近傍)と係合する第1の位置と脚構造との係合を解除する第2の位置との間で第2の修正球関節(88)を移動させることができる。
【0037】
別の実施形態において、
図12Bに示されるように、負荷であるところの保護衣服は、外骨格との吊り下げ係合および脚構造を介した床への重量分散によって支えられ、着用者の膝に近接した位置で支えられる。本開示によれば、負荷(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に膝レール機構(27)によって支えられる。場合によっては、負荷(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に膝レバー機構(41)によって支えられる。
【0038】
図12Aを参照して、負荷(10)は、着用者のすねに近接したすね機構(35)をさらに含んでいてもよい。すね機構(35)は、多くの目的に使用できる。例えば、外骨格システムを、負荷の着用者上で安定させるように構成されていてもよい。すね機構(35)は、
図17に示すように、少なくとも部分的に着用者のすねを囲むすねカフ部材(43)と、すねカフ部材(43)を着用者のすね上に保持するように構成されるすねストラップ(45)とを含んでいてもよい。すね機構(35)は、垂直歯部品(47)、水平歯部品(49)、着脱フック(51)、および垂直歯部品(47)に接続されている迅速着脱ケーブル(53)をさらに含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、水平歯部品(49)と垂直歯部品(47)とは、係合するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、着脱フック(51)は、水平歯部品(49)と垂直歯部品(47)との係合を保持することにより、すねストラップ(45)およびすねカフ部材(43)を着用者のすね上に固定するように構成されていてもよい。いくつかの実施形態において、迅速着脱ケーブル(53)は、垂直歯部品(47)を引くことにより、水平歯部品(49)を移動させてすねストラップ(45)との係合を解除して、すねカフ部材(43)を着用者のすねから取り外すように構成されていてもよい。すね機構(35)も、着用者の膝に近接した外骨格の移動による、負荷であるところの保護衣服への機械的ストレス、引っ張り、および/または損傷を防止することができる。すね機構(35)は、パッドを含んでいてもよく、着用者のすねに部分的に取り付けられてもよいことが理解されよう。
【0039】
別の実施形態において、
図13A~
図13Cに示すように、膝関節(34)は、膝レール(29)および取り付け点(31)を含む膝レール機構(27)と係合することができる。いくつかの実施形態において、膝関節(34)は、膝レール機構(27)の膝レール(29)上に配置される。いくつかの実施形態において、膝関節は、取り付け点とは反対側の端部で膝レール(29)とスライド可能に係合する。膝関節(34)は、膝レール(29)の周りを回転して、移動中に着用者の膝を横方向に動かすことを可能にする。膝レール機構(27)は、取り付け点(31)でふくらはぎ梁(57)に取り付けることができる。いくつかの実施形態において、ふくらはぎ梁(57)は、大腿梁(30)の実質的に平行かつ前方に配置されてもよい。したがって、ふくらはぎ梁(57)は、一方の端部が膝関節(34)および/または膝レール機構(27)で大腿梁(30)と流体連結していてもよい。ふくらはぎ梁(57)は、他方の端部が、足部材(28)に接続されているか、流体連結していてもよい。本例において、大腿梁(30)とふくらはぎ梁(57)とがずれているため、負荷(10)のかなりの部分が、床に伝達されるときに膝レール機構(27)によって支えられる。
【0040】
膝レール(29)は、使用時、
図13Bに示すように、負荷であるところの保護衣服(10)の着用者が直立している場合、膝関節(34)の屈曲に抵抗するように構成されていてもよい。膝関節(34)がふくらはぎ梁(57)の後側で膝レール(29)上に位置して負荷(10)から加えられた力を支えるように、大腿梁(30)とふくらはぎ梁(57)との位置合わせが行われてもよい。これによって、膝関節(34)が曲がって着用者に重量が移動することなく、大腿梁(30)およびふくらはぎ梁(57)を介して負荷(10)を支えることができる。静止位置では、膝レール機構(27)の点「B」は、大腿梁(30)が膝レール(29)と係合する場所である。本質的に、保護衣服の重量は、外骨格を介して分散され、少なくとも部分的に膝レール機構(27)によって支えられ、抵抗要素は、膝が曲がらないようにする。直立している場合、着用者は、移動することができず、または動きが制限されることになる。
【0041】
図13Cに示すように、着用者が移動中に脚を持ち上げると、大腿梁(30)とふくらはぎ梁(57)との位置合わせが、点「B」から点「A」へと移動して、膝関節(34)が、膝レール(29)上をふくらはぎ梁(57)の前側の位置にスライドする。これにより、着用者は、反対側の足(およびその外骨格)が少なくとも部分的に負荷(10)を支えている状態で、片方の足を持ち上げて曲げることができる。いくつかの実施形態において、膝レール(29)は、着用者のy軸に対して10度~80度の角度に配置されてもよい。好ましい実施形態において、膝レール(29)は、着用者のy軸に対して45度の角度に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、膝レール機構(27)は、膝関節(34)が曲がらないようにさらに制限するように構成されるストッパー(33)をさらに含んでいてもよい。
【0042】
図14Aは、外骨格とともに用いられる別の脚構造を示す。本実施形態においても、各脚構造は、大腿梁(30)を含む。大腿梁(30)は、一方の端部が車軸関節(26)に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、横移動ヒンジ(37)は、車軸関節(26)とは反対側の大腿梁(30)の端部と流体連結しているか、かつ/または当該大腿梁に取り付けられていてもよい。横移動ヒンジ(37)は、脚構造が横方向または水平方向に動くことができるようにする。ヒンジ(37)は、さらに膝レバー機構(41)と流体連結しているか、または当該膝レバー機構取り付けられていてもよい。膝レバー機構(41)は、横移動ヒンジ(37)と流体連結しているか、かつ/または当該横移動ヒンジに取り付けられている膝ヒンジ(55)をさらに含んでいてもよい。膝レバー機構(41)は、レバー(39)をさらに含んでいてもよい。レバー(39)は、二重または平行レバーであり、少なくとも2つの平行ロッド(71)を含むことを意味する。レバー(39)は、保護衣服(10)の重量を制御するために移動または旋回することができる。
図14Bに示すように、膝レバー機構(41)は、膝ヒンジ抵抗要素(73)をさらに含んでいてもよい。抵抗要素は、ピストン、ばね、それらの組み合わせ等であってもよい。膝レバー機構(41)は、膝引っ張りワイヤ(75)をさらに含んでいてもよい。当該膝引っ張りワイヤは、一方の端部が大腿梁(30)と流体連結および/または接続され、他方の端部が膝ヒンジ抵抗要素(73)と流体連結および/または接続されていてもよい。膝レバー機構(41)は、ふくらはぎ梁(57)と流体連結しているか、かつ/または当該ふくらはぎ梁に取り付けられていてもよい。いくつかの実施形態において、ふくらはぎ梁(57)は、大腿梁(30)の実質的に平行かつ前方に配置されてもよい。したがって、ふくらはぎ梁(57)は、一方の端部が膝レバー機構(41)で大腿梁(30)と流体連結していてもよい。ふくらはぎ梁(57)は、他方の端部が、足部材(28)に接続されているか、流体連結していてもよい。
【0043】
使用時、
図14Cに示すように、保護衣服(10)の着用者が移動せずに直立している場合、大腿梁(30)は、少なくとも部分的にふくらはぎ梁(57)よりも後ろに位置することができ、レバー(39)のロッド(71)は、膝ヒンジ(55)上で斜めに位置することができ、膝ヒンジ抵抗要素(73)は、レバー(39)を引いて着用者の膝を曲げ位置へと移動させる力を生成するのを助ける。さらに、レバー(39)は、着用者が移動中に脚を持ち上げると(
図14D)、着用者が膝を曲げることができ、膝ヒンジ(55)が負荷あり位置から負荷なし位置へと移行することができる閾角度へと移動するように構成される。本質的に、保護衣服の重量は、外骨格を介して分散され、少なくとも部分的に膝レバー機構(41)によって支えられる。着用者が移動中に脚を持ち上げると、横移動ヒンジは、180度から230度までの最大50度、着用者から離れる方向に移動できる。
【0044】
図14Eおよび
図14Fは、着用者の移動中および起立して静止している状態の正面図および側面図を示す。着用者の膝は、着用者が移動しているときも静止しているときも横に動く自然な傾向がある。
図14Eは、着用者の重心(CG)を示しており、着用者が歩くと、自然に一方の脚が重心(CG)に向かって移動し、一方の脚から他方の脚に体重が移動する際にユーザがバランスを維持できるようにする。横移動ヒンジ(37)はその動きを補償するが、前の例では、膝関節34は、特に点「B」から「A」に移動して再び戻るのに従って、膝レール29の周りを回転することができた。
図14Eにおいて、右脚は、移動中に重心が移動するため、負荷がかかっていない脚である。外骨格の膝は位置Aにある。左脚は、移動中に重心が移動するため、負荷がかかっている脚である。外骨格の膝は位置Bにある。
【0045】
図14Fは、着用者が起立して静止している状態の正面断面図を示す。ここで、横移動ヒンジ(37)は、着用者が立っているときでも横方向に動くことができるようにするため、ある程度の「屈曲」を提供する。ほとんどの着用者は、立っているときに体重を両足の間で移動させ、肩幅の外側から肩幅と平行に足を動かし、かかとに触れるほど足を動かすことさえある。横移動ヒンジ(37)は、負荷(10)を支えたままでその動きを可能にする。これはすべて、着用者が外骨格のいくつかの重要なポイント(かかと、すね、腰、肩)に「ロック」されていることを念頭に置いており、重量は肩から床に移動する必要があるが、着用者は、依然として最大かつ邪魔にならない動きの範囲と自由を必要としている。
【0046】
外骨格を用いる着用者のいずれの場合でも、細かい動きから大きな動きまでが重要である。以下に、神経外科医および緊急対応者の2つの例を示す。神経外科医の例では、装着者は、患者の鼠径部の大腿動脈から心臓を通り、脳の微細な血管系に至るまで、小さなデバイスを追跡する神経血管手術を行うことができる。患者の中を移動するデバイスを追跡するには、X線透視検査(連続X線)が必要であり、処置を完了するには非常に細かい動きが必要であり、これらの間、保護衣服10を常に着用している。一方、例えば、原子力発電所での事故に対応する緊急対応者は、装置や部品を移動させる手助けをするために大きな動きをする必要があり、他の器具や装置を運搬することもある。同じ対応者が、コンピュータや電気システムを操作したり、被ばくした人に医療支援を提供したりするために、細かい動きが必要になる場合もある。これらの例の外骨格システムは、できるだけ多くの負荷(10)を支えながら、静的および移動状態のすべての偶発的な事態に備える必要がある。
【0047】
外骨格システムは、着用者の顔と頭の保護具を支える役割を兼ねてもよい。一実施形態において、
図15Aおよび
図15Bに示すように、顔面シールド(80)は、少なくとも1つの肩取り付けレール(117、119)によって後端部材(64)に取り付けられていてもよい。別の実施形態において、顔面シールド(80)は、複数の固定式バランスロッドによって後端部材(64)に取り付けられている。顔面シールド(80)は、右肩取り付け要素(図示せず)に配置されてもよい。使用時、顔面シールド(80)は、顔面シールド(80)の重量が首および背中から外骨格(20)を介して主として床に分散され、着用者が顔および頭を自由に動かせるようにした状態で少なくとも部分的にユーザの膝に近接した位置で支えられるように配置されてもよい。
【0048】
一例において、顔面シールド(80)は、左調整ヒンジ(87)を係合させることによって左肩取り付けレール(117)に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、顔面シールド(80)は、左調整ヒンジ受け入れ部材(125)を含んでいてもよい。左調整ヒンジ(87)は、左調整ヒンジ受け入れ部材(125)に取り付けられ、任意の適切な手段(例えば、ねじ、ピン、リベット)によって固定されてもよい。
図15Bに示すように、左調整ヒンジ(87)は、左クリップ(83)および左調整ヒンジばね負荷部材(121)を含んでいてもよい。左調整ヒンジ(87)は、左クリップ接続部材(85)および左調整ヒンジばね接続部材(123)を含む左肩取り付け要素(32)に接続できてもよい。係合するために、左調整ヒンジばね負荷部材(121)は、左調整ヒンジばね接続部材(123)に接続され、左クリップ(83)は、左クリップ接続部材(85)に接続される。左肩取り付け要素(32)は、任意の適切な手段(例えば、そこに配置された開口、トラック、摩擦ばめ)によって左肩取り付けレール(117)に配置されてもよい。
【0049】
図15Cに示すように、左クリップ(83)は、左クリップ接続部材(85)との押し込み式ロックを形成するようにさらに構成されていてもよく、いくつかの実施形態において、押し操作が行われると左クリップ接続部材(85)から取り外されるように構成されていてもよい。同様に、顔面シールド(80)は、右調整ヒンジ(81)を係合させることによって右肩取り付けレール(119)に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、顔面シールド(80)は、右調整ヒンジ受け入れ部材を含んでいてもよい。右調整ヒンジ(81)は、右調整ヒンジ受け入れ部材に取り付けられ、任意の適切な手段(例えば、ねじ、ピン、リベット)によって固定されてもよい。右調整ヒンジ(81)は、右クリップおよび右調整ヒンジばね負荷部材を含んでいてもよい。右調整ヒンジ(81)は、右クリップ接続部材および右調整ヒンジばね接続部材を含んでいてもよい右肩取り付け要素(図示せず)に接続できてもよい。係合するために、右調整ヒンジばね負荷部材は、右調整ヒンジばね接続部材に接続され、右クリップは、右クリップ接続部材に接続される。右肩取り付け要素(図示せず)は、任意の適切な手段(例えば、そこに配置された開口、トラック、摩擦ばめ)によって右肩取り付けレール(119)に配置されてもよい。右クリップは、右クリップ接続部材との押し込み式ロックを形成するようにさらに構成されていてもよく、いくつかの実施形態において、押し操作が行われると右クリップ接続部材から取り外されるように構成されていてもよい。
【0050】
図15Cは、顔面シールド(80)を左肩取り付けレール(117)から取り外す取り外し手順をさらに示す。なお、着用者の右側においても、同様または同一の手順を行うことができる。
図15Cにおける左側の図は、左調整ヒンジ受け入れ部材(125)および左肩取り付け要素(32)の両方に固定された左調整ヒンジ(87)を示す。左調整ヒンジ(87)は、左調整ヒンジ受け入れ部材(125)と旋回可能かつスライド可能に係合できる。一例において、左調整ヒンジ(87)および左調整ヒンジ受け入れ部材(125)は、固定的に取り付けられるが、別の例においては、取り外し可能に取り付けられる。係合すると、左クリップ(83)が左クリップ接続部材(85)にロックされ、左調整ヒンジばね接続部材(123)が左調整ヒンジ受け入れ部材(125)と係合する。本例において、左調整ヒンジ受け入れ部材(125)は、固定リップであり、左調整ヒンジばね接続部材(123)は、リップを係止する「フック」形状である。左クリップ(83)は、左クリップ接続部材(85)にある同様のリップを係止する。
【0051】
図15Cにおける中央の図は、取り外し手順の最初の部分を示す。左クリップ(83)に力(F)が加えられ、本例においては、左クリップ(83)は旋回して左クリップ接続部材(85)との係合を解除するか、当該左クリップが「ロック解除」位置に移動したと言える。ここで、左クリップ(83)にはばねの力がかかっており、力(F)が取り除かれると「ロック」位置に戻ることができる。左クリップ(83)が左クリップ接続部材(85)との係合を解除すると、左調整ヒンジ(87)は、上向きに傾けられ/回転され/旋回され/角度づけ(A)られて、左調整ヒンジ受け入れ部材(125)と左調整ヒンジばね接続部材(123)との係合を解除できる。左クリップ(83)および左調整ヒンジ受け入れ部材(125)と左肩取り付け要素(32)上の対応する接続部材との係合を解除すると、
図15Cの右図に示すように、顔面シールド(80)および左調整ヒンジ(87)を(L)の方向に持ち上げることができる。別の例では、左クリップ(83)を固定することができ、左調整ヒンジばね負荷部材(121)にはばねの力がかかっていて水平に移動することができる。ここで、左調整ヒンジ(87)を前方に引いて、左調整ヒンジばね負荷部材(121)が左クリップ(83)を解放するまで移動させ、左調整ヒンジ(87)は上記の例のように回転して持ち上げられる。
【0052】
いくつかの実施形態において、
図15Dに示すように、右肩取り付け要素(図示せず)は、右調整ヒンジ(81)に取り付けられるように構成され、左肩取り付け要素(32)は、手術ガウンを間に配置した状態で左調整ヒンジ(87)に取り付けられるように構成される。なお、使用の一例において、外骨格および保護衣服(10)が、着用者の無菌衣類の下に配置されることがある。しかしながら、顔面シールド(80)は、通常、最後に(ガウンの後に)着用され、ガウンの外側で着用される。いくつかの実施形態において、右調整ヒンジ(81)は、右肩取り付け要素(図示せず)への押し込み式ロックを形成するように構成され、左調整ヒンジ(87)は、手術ガウンを破くことなく左肩取り付け要素(32)への押し込み式ロックを形成するように構成される。さらに、顔面シールド(80)は、無菌ガウンを破くことなく複数回着脱されてもよい。ガウンが裂けた場合、手術が進むのにつれてさらに裂けが大きくなるが、顔面シールド(80)が透視しにくくなった場合、着用者はさらに適応性を増すことができるため、これは重要な特徴である。
【0053】
いくつかのさらなる実施形態においてシールド(80)は、左調整レール(98)と右調整レールとを含んでいてもよい。レールは、シールド(80)が右調整ヒンジ(81)および左調整ヒンジ(87)の周りをどのように旋回するかを制御する。各レールは、シールド(80)を、着用者の顔の前方、着用者の顔の後方、またはそれらの組み合わせに位置させるように構成されていてもよい。
【0054】
一実施形態において、
図16Aに示すように、靴ホルスター(28)は、磁気球関節システム(89)を含み、当該磁気球関節システムによってふくらはぎ梁(57)に取り付けられていてもよい。
図16Bは、球(106)と迅速着脱機構(108)とを含む、分解された状態のシステム(89)を示す。いくつかの実施形態において、迅速着脱機構(108)は、磁石(99)を含んでいてもよい。球(106)は、迅速着脱機構(108)に引き寄せられて磁石(99)に吸着するように構成される。例示的な実施形態において、迅速着脱ケーブル(53)は、着用者が掴むことができるほど高い位置まで延び、着用者がケーブルを引っ張って球(106)を迅速着脱機構(108)から吸着解除できるように構成されていてもよい。迅速着脱機構(108)は、球関節を受け入れ、当該球関節と接続されて係合するように構成される球関節ケース(110)をさらに含んでいてもよい。機構(108)は、磁石(99)および磁石引き具(114)を含む磁石ケース(112)をさらに含む。ロックスライダー(107)も、機構(108)の一部であり、ロックスライダー抵抗要素(109)と、ロックピンプレート抵抗要素(113)を含むロックピンプレート(111)と、上側プレート(115)とを含む。
図16Cおよび
図16Dに示すように、球(106)は、磁石(99)に引き寄せられると、球関節ケース(110)に入り、接続されて係合し、ロックピンプレート(111)を磁石ケース(112)に向けて押し、ロックスライダー(107)をロック位置から取り外すように構成される。磁石(99)および球(106)は逆に用いてもよく、すなわち、球(106)が磁気を帯びており磁石(99)が磁性材料であってもよい。磁気引力を利用することにより、システム(89)は、係合のために一般的に自己整合することができ、着用者の「スーツアップ」時間を容易にする。
【0055】
ロックスライダー(107)は、
図16Eに示すように、球(106)と球関節ケース(110)とが接続されて係合すると、下向き方向に移動して、球(106)を迅速着脱機構(108)にロックするように構成される。システムは、迅速着脱ケーブル(53)をさらに含み、球(106)の迅速着脱機構(108)からの取り外しを作動させるようにさらに構成されていてもよい。
図16Fに示すように、磁石引き具は、係合を解除するために、ロックスライダー(107)および磁石(99)を上向き方向に引き上げ位置まで引いて、磁気引力を無効にし、球(106)を迅速着脱機構(108)から取り外すように構成されていてもよい。ロックピンプレート(111)は、球(106)が迅速着脱機構(108)に係合していない場合、ロックスライダー(107)を引き上げ位置でロックするように構成される。
【0056】
以下に、本開示の非限定的な例を挙げる。
【0057】
1. 負荷(10)と、上記負荷(10)と係合するように構成され、複数の脚構造(24)を有する外骨格(20)とを備え、各脚構造は、骨盤関節(26)と、上記負荷(10)の着用者の足に取り付けられるように構成される足部材(28)とを備え、上記外骨格は、上記負荷(10)から力が加えられると、上記負荷(10)の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記負荷(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に上記足部材(28)を介して床に伝達される、重量分散外骨格システム。
【0058】
2. 表面を有する負荷(10)と、上記負荷(10)の上記表面と係合するように構成され、複数の脚構造(24)を有する外骨格(20)とを備え、各脚構造は、骨盤関節(26)と、上記負荷(10)の着用者の足に取り付けられるように構成される足部材(28)とを備え、上記外骨格は、上記負荷(10)から力が加えられると、上記負荷(10)の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記負荷(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に上記足部材(28)を介して床に伝達される、重量分散外骨格システム。
【0059】
3. 上記表面は、上記負荷の内表面および外表面のうちの少なくとも1つを含む、第2項に記載の重量分散外骨格システム。
【0060】
4. 上記負荷が、個人用保護具を備え、当該個人用保護具は、保護衣服、ギア、ヘルメット、およびゴーグルのうちの1つ以上を含む、第1項に記載の重量分散外骨格システム。
【0061】
5. 上記負荷は、上記負荷(10)の上面に取り付けられている複数の上部身体受け入れ要素(12)を含む、第1項に記載の重量分散外骨格システム。
【0062】
6. 上記負荷は、上記負荷(10)の内側の骨盤面に配置されている骨盤取り付けベルト(14)を含む、第1項に記載の重量分散外骨格システム。
【0063】
7. 上記負荷は、上記負荷(10)の外側の骨盤面に配置されるか上記骨盤取り付けベルトに配置される複数の骨盤レール(16)を含み、骨盤レール(16)は、骨盤レール(16)にスライド可能に受け入れられるロック可能な骨盤関節機構(18)を備える、第6項に記載の重量分散外骨格システム。
【0064】
8. 上記骨盤取り付けベルト(14)は、上記外骨格システムを、上記負荷の着用者上で安定させるように構成されていてもよい、第6項に記載の重量分散外骨格システム。
【0065】
9. 上記ロック可能な骨盤関節機構(18)は、着用者のサイズ調整を可能にするように構成される、第7項に記載の重量分散外骨格システム。
【0066】
10. 上記保護衣服(10)は、電離放射線保護衣服、X線保護衣服、ガンマ保護衣服、または弾道保護衣服であってもよい、第4項に記載の重量分散外骨格システム。
【0067】
11. 上記上部身体受け入れ要素(12)のそれぞれは、上記保護衣服(10)の内側の肩領域に取り付けられている浮動式弧部(11)と、上記浮動式弧部(11)の上で上記保護衣服(10)の外側の肩領域に取り付けられているブリッジ部品(13)と、上部身体取り付け要素(22、32)を受け入れる開口を備えて形成され、球関節(17)を介して上記ブリッジ部品(13)に取り付けられている受け入れ部品(15)とを備える、第5項に記載の重量分散外骨格システム。
【0068】
12. 上記浮動式弧部(11)は、硬性または半硬性である、第11項に記載の重量分散外骨格システム。
【0069】
13. 上記保護衣服は、複数の上部身体取り付け要素(22、32)、右肩取り付け要素(22)、および左肩取り付け要素(32)を備える、第4項に記載の重量分散外骨格システム。
【0070】
14. 上記外骨格によって打ち消される上記負荷の大部分は、上記着用者の前側にある、第1項に記載の重量分散外骨格システム。
【0071】
15. 上記複数の上部身体受け入れ要素(12)のうちの少なくとも1つは、クリップ要素(21、25)のうちの少なくとも1つに取り外し可能に係合するように構成されるラダー式調整機構(19、23)を備えていてもよい、第5項に記載の重量分散外骨格システム。
【0072】
16. 上記複数の骨盤レール(16)のうちの少なくとも1つは、クリップ要素(21、25)のうちの少なくとも1つに取り外し可能に係合するように構成されるラダー式調整機構(19、23)を備えていてもよい、第7項に記載の重量分散外骨格システム。
【0073】
17. 各脚構造は、一方の端部が上記骨盤関節(26)に取り付けられている大腿梁(30)と、上記骨盤関節(26)とは反対側の上記大腿梁(30)の端部に取り付けられている膝関節(34)と、上記大腿梁(30)の後方に配置され、下端(38)を有する抵抗要素(36)と、上記膝関節(34)の下方に配置され、一方の端部が上記膝関節に取り付けられている有閾レール(40)と、上記有閾レール(40)の下方に配置されている押しレール(44)と、前方取り付け点(48)、中央取り付け点(50)、および後方取り付け点(52)を有し、上記前方取り付け点(48)が上記押しレール(44)に接続され、上記後方取り付け点(52)が上記抵抗要素(36)に接続されている折りたたみヒンジ(46)と、上記後方取り付け点(52)の近傍において上記折りたたみヒンジ(46)上に配置されている折りたたみ抵抗ばね(54)と、上記押しレール(44)の後方に実質的に平行に配置され、一方の端部が上記膝関節(34)で上記大腿梁(30)に接続され、他方の端部が上記靴ホルスター(28)に接続されているふくらはぎレール(56)と、上記ふくらはぎレール(56)上に配置され、上記中央取り付け点(50)で上記折りたたみヒンジ(46)に接続され、さらに上記抵抗要素(36)の下端に取り付けられている抵抗要素スライダー(58)とをさらに備え、上記有閾レール(40)は、上記ふくらはぎレール(56)と上記押しレール(44)との間で下向きに延びるように湾曲している、第1項に記載の重量分散外骨格システム。
【0074】
18. 保護衣服(10)の着用者が立っている場合、上記抵抗要素(36)は、上記膝関節(34)が曲がらないように構成される、第17項に記載の重量分散外骨格システム。
【0075】
19. 上記靴ホルスター(28)は、保護衣服(10)の着用者が脚を上げると、上記靴ホルスター(28)の内部から下向きに上記靴ホルスター(28)の外部へとスライドするように構成される歩行センサー(60)を備える、第18項に記載の重量分散外骨格システム。
【0076】
20. 上記押しレール(44)は、上記歩行センサー(60)が下向きに上記靴ホルスター(28)の外部へとスライドすると、上記折りたたみヒンジ(46)に向かって押し上げられ、上記折りたたみヒンジ(46)を上記有閾レール(40)の閾点(62)に位置させるように構成される、第19項に記載の重量分散外骨格システム。
【0077】
21. 上記折りたたみヒンジ(46)は、着用者が歩行中に脚を曲げると、上記閾点(62)を超えて移動して折りたたまれ、着用者が膝を曲げられるようにするように構成される、第20項に記載の重量分散外骨格システム。
【0078】
22. 上記歩行センサー(60)は、着用者が座った状態で脚を曲げると、ロックされて上記押しレール(44)と上記折りたたみヒンジ(46)とが係合しないように構成され、上記抵抗要素(36)は、上記保護衣服(10)から力が加えられると、収縮して、上記保護衣服(10)の重量の少なくともいくらかを打ち消す支持力を提供するように構成され、上記保護衣服(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に上記靴ホルスター(28)を介して床に伝達される、第21項に記載の重量分散外骨格システム。
【0079】
23. 上記右肩取り付け要素(22)および上記左肩取り付け要素(32)を上記骨盤関節(26)に接続する後端部材(64)をさらに含む、第22項に記載の重量分散外骨格システム。
【0080】
24. 上記後端部材(64)は、上記左肩取り付け要素(32)を一方の脚構造の上記骨盤関節(26)に取り付ける左梁(66)と、上記右肩取り付け要素(22)を他方の脚構造の上記骨盤関節(26)に取り付ける右梁(68)と、上記左梁(66)と上記右梁(68)との間に延びる中央梁(70)とを含む、第23項に記載の重量分散外骨格システム。
【0081】
25. 固定式顔面シールド(72)は、少なくとも1つの第1のバランスロッド(74)、少なくとも肩取り付け要素、またはそれらの組み合わせによって上記後端部材(64)に取り付けられている、第24項に記載の重量分散外骨格システム。
【0082】
26. バイザー型顔面シールド(76)は、第2のバランスロッド(78)によって上記後端部材(64)に取り付けられ、当該第2のバランスロッドは、引っ張りばね、圧縮ばね、または動きに敏感な制御具のうちの少なくとも1つを備え、上記第2のバランスロッド(78)は、着用者が顔および頭を自由に動かせるようにした状態で、上記バイザー型顔面シールド(76)の重量を、上記外骨格(20)を介して床に分散するように構成される、第24項に記載の重量分散外骨格システム。
【0083】
27. 半固定顔面シールド(80)は、着用者が顔および頭を自由に動かせるようにした状態で、上記半固定顔面シールド(80)の重量を、上記外骨格(20)を介して床に分散させるように、右回転関節(82)によって上記右肩取り付け要素(22)にかつ左回転関節(84)によって上記左肩取り付け要素(32)に旋回可能に配置される、第24項に記載の重量分散外骨格システム。
【0084】
28. 上記靴ホルスター(28)は、第1の修正球関節(86)によって上記ふくらはぎレール(56)に取り付けられている、第24項に記載の重量分散外骨格システム。
【0085】
29. 上記骨盤関節(26)は、第2の修正球関節(88)によって上記ロック可能な骨盤関節機構(18)に取り付けられている、第24項に記載の重量分散外骨格システム。
【0086】
30. 上記第1の修正球関節(86)は、迅速着脱機構を備える、第28項に記載の重量分散外骨格。
【0087】
31. 上記第2の修正球関節(88)は、迅速着脱機構を備える、第30項に記載の重量分散外骨格。
【0088】
32. 負荷取り付け機構(22、32)と、複数の脚構造(24)とを備え、各脚構造は、保護衣服(10)の着用者の骨盤領域の近傍において負荷(10)の外表面に脚構造(24)を取り付けるように構成される骨盤関節(26)と、保護衣服(10)の着用者の足に取り付けられるように構成される足部材(28)とを備え、上記負荷取り付け機構(22、32)は、上記保護衣服(10)から力が加えられると、上記保護衣服(10)の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記保護衣服(10)から加えられた力は、少なくとも部分的に上記足部材(28)を介して床に伝達される重量分散外骨格。
【0089】
33. 負荷と、上記負荷と係合するように構成され、複数の脚構造を有する外骨格とを備え、各脚構造は、上記負荷の着用者の骨盤に近接した車軸関節と、上記着用者の膝に近接した膝機構と、上記着用者の足または靴に取り付けられるように構成される足部材とを備え、外骨格は、上記負荷から力が加えられると、上記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に上記膝レール機構によって支えられて床に伝達される、重量分散外骨格システム。
【0090】
34. 各脚構造は、一方の端部が上記車軸関節に取り付けられている大腿梁と、上記車軸関節とは反対側の上記大腿梁の端部に取り付けられている膝関節と、すね機構と、ふくらはぎ梁とをさらに備え、上記膝機構は膝レールおよび取り付け点を含み、当該すね機構は、上記着用者のすねに近接しており、上記膝関節は、上記膝レール上に配置されて上記取り付け点とは反対側の端部で上記膝レールとスライド可能に係合し、当該ふくらはぎ梁は、一方の端部が上記取り付け点で上記膝レール機構に接続され、他方の端部が上記足部材と流体連結している、第28項に記載の重量分散外骨格システム。
【0091】
35. 保護衣服の着用者が移動せずに直立している場合、上記膝関節が上記ふくらはぎ梁の後側で上記膝レール上に位置して上記負荷から加えられた力を支えるように、上記大腿梁と上記ふくらはぎ梁との位置合わせが行われる、第34項に記載の重量分散外骨格システム。
【0092】
36. 上記着用者が移動中に脚を持ち上げると、上記大腿梁と上記ふくらはぎ梁との位置合わせがaに移動して、上記膝関節が、上記膝レール上を上記大腿梁の前側の位置にスライドする、第34項に記載の重量分散外骨格システム。
【0093】
37. 上記膝レールは、上記着用者のy軸に対して10度~80度の角度に配置される、第34項に記載の重量分散外骨格システム。
【0094】
38. 上記膝レール機構は、上記膝関節が曲がらないよう制限するように構成されるストッパーをさらに備える、第34項に記載の重量分散外骨格システム。
【0095】
39. 負荷と、上記負荷と係合するように構成され、複数の脚構造を有する外骨格とを備え、各脚構造は、上記負荷の着用者の骨盤に近接した車軸関節と、上記着用者の膝に近接した膝レバー機構と、上記着用者の足または靴に取り付けられるように構成される足部材とを備え、上記外骨格は、上記負荷から力が加えられると、上記負荷の重量の少なくともいくらかを打ち消す吊り下げ力を提供し、上記負荷から加えられた力は、少なくとも部分的に上記膝レバー機構によって支えられる、重量分散外骨格システム。
【0096】
40. 各脚構造は、一方の端部が上記車軸関節に取り付けられている大腿梁と、上記車軸関節とは反対側の上記大腿梁の端部に取り付けられている横移動ヒンジと、上記横移動ヒンジに取り付けられ、少なくとも2つの平行ロッドを備えるレバー、膝ヒンジ抵抗要素、および一方の端部が上記大腿梁に接続され他方の端部が膝ヒンジばねに接続されている膝引っ張りワイヤを含む膝ヒンジと、上記着用者のすねに近接したすね機構と、一方の端部が上記膝ヒンジと流体連結し、他方の端部が上記足部材と流体連結しているふくらはぎ梁とをさらに含む、第39項に記載の重量分散外骨格システム。
【0097】
41. 保護衣服の着用者が移動せずに直立している場合、上記大腿梁は、少なくとも部分的に上記ふくらはぎ梁よりも後ろに位置し、上記レバーのロッドは、上記膝ヒンジ上で斜めに位置し、上記膝ヒンジ抵抗要素は、上記レバーを引いて上記着用者の膝を曲げ位置へと移動力を生成するのを助ける、第40項に記載の重量分散外骨格システム。
【0098】
42. 上記レバーは、上記着用者が移動中に脚を持ち上げると、上記着用者が膝を曲げることができ、上記膝ヒンジが負荷あり位置から負荷なし位置へと移行することができる閾角度へと移動するように構成される、第40項に記載の重量分散外骨格システム。
【0099】
43. 上記着用者が移動中に脚を持ち上げると、上記横移動ヒンジは、180度から230度までの最大50度、上記着用者から離れる方向に移動する、第40項に記載の重量分散外骨格。
【0100】
44. 上記すね機構は、少なくとも部分的に上記着用者のすねを囲むすねカフ部材を含み、上記すねカフ部材を上記着用者のすね上に保持するように構成されるすねストラップと、垂直歯部品と、水平歯部品と、着脱フックと、上記垂直歯部品に接続されている迅速着脱ケーブルとを含み、水平歯部品と上記垂直歯部品とは、係合するように構成され、上記着脱フックは、水平歯部品と上記垂直歯部品との係合を保持することにより、上記すねストラップおよび上記すねカフ部材を上記着用者のすね上に固定するように構成され、上記迅速着脱ケーブルは、上記垂直歯部品を引くことにより、上記水平歯部品を移動させて上記すねストラップとの係合を解除して、上記すねカフ部材を上記着用者のすねから取り外すように構成される、第40項に記載の重量分散外骨格システム。
【0101】
45. 上記保護衣服は、電離放射線保護衣服、X線保護衣服、ガンマ保護衣服、または弾道保護衣服であってもよい、第44項に記載の重量分散外骨格システム。
【0102】
46. 上記外骨格によって打ち消される上記負荷の大部分は、上記着用者の前側にある、第33項に記載の重量分散外骨格システム。
【0103】
47. 上記右肩取り付け要素および上記左肩取り付け要素を上記車軸関節に接続する後端部材をさらに含む、第33項に記載の重量分散外骨格システム。
【0104】
48. 上記後端部材は、上記左肩取り付け要素を一方の脚構造の上記車軸関節に取り付ける左梁と、上記右肩取り付け要素(図示せず)を他方の脚構造の上記車軸関節に取り付ける右梁と、上記左梁と上記右梁との間に延びる中央梁とを含む、第47項に記載の重量分散外骨格システム
【0105】
49. 右調整ヒンジによって上記右肩取り付け要素に旋回可能に配置され、左調整ヒンジによって左肩取り付け要素に旋回可能に配置される顔面シールドをさらに備え、各調整ヒンジは、上記シールドの傾斜角を調整するように構成される、第48項に記載の重量分散外骨格システム。
【0106】
50. 上記右肩取り付け要素は、上記右調整ヒンジに取り付けられるように構成され、上記左肩取り付け要素は、手術ガウンを間に配置した状態で上記左調整ヒンジに取り付けられるように構成される、第49項に記載の重量分散外骨格システム。
【0107】
51. 上記右調整ヒンジは、上記右肩取り付け要素(図示せず)への押し込み式ロックを形成するように構成され、上記左調整ヒンジは、上記手術ガウンを破くことなく上記左肩取り付け要素への押し込み式ロックを形成するように構成される、第50項に記載の重量分散外骨格システム。
【0108】
52. 上記右調整ヒンジは、上記右肩取り付け要素(図示せず)への押し込み式ロックを形成するように構成され、上記左調整ヒンジは、上記手術ガウンを破くことなく上記左肩取り付け要素への押し込み式ロックを形成するように構成される、第51項に記載の重量分散外骨格システム。
【0109】
53. 左調整レールと右調整レールとをさらに備え、各レールは、上記シールドを、上記着用者の顔の前方または上記着用者の顔の後方に位置させるように構成される、第49項に記載の重量分散外骨格システム。
【0110】
54. 上記靴ホルスターは、磁気球関節システムによって上記ふくらはぎ梁に取り付けられ、当該磁気球関節システムは、磁気球関節と、磁石を含む迅速着脱機構とを備え、上記磁気球関節は、引き寄せられて上記迅速着脱機構に入り、上記磁石に吸着するように構成される、第33項に記載の重量分散外骨格システム。
【0111】
55. 上記迅速着脱機構は、球関節ケース、上記磁石および磁石引き具を含む磁石と、ロックスライダー抵抗要素を含むロックスライダーと、ロックピンプレート抵抗要素を含むロックピンプレートと、上側プレートとを含み、上記磁気球関節は、上記球関節ケースに入り、上記ロックピンプレートを上記磁石ケースに向けて押し、上記ロックスライダーをロック位置から取り外し、上記磁石に吸着するように構成される、第54項に記載の重量分散外骨格。
【0112】
56. 上記ロックスライダーは、下向き方向に移動して、上記球関節を上記迅速着脱機構にロックするように構成される、第55項に記載の重量分散外骨格。
【0113】
57. 上記磁石引き具は、上記ロックスライダーおよび上記磁石を上向き方向に引き上げ位置まで引いて、上記球関節を上記迅速着脱機構から取り外すように構成される、第56項に記載の重量分散外骨格。
【0114】
58. 上記ロックピンプレートは、上記球関節が上記迅速着脱機構と係合していない場合、上記ロックスライダーを上記引き上げ位置でロックするように構成される、第57項に記載の重量分散外骨格。
【0115】
59. 着用者への負荷を支える膝レールシステムであって、膝レールと、ふくらはぎ梁に接続されている取り付け点と、大腿梁に取り付けられている膝関節とを備え、当該膝関節は、上記膝レール上に配置されて上記取り付け点とは反対側の端部で上記膝レールとスライド可能に係合する、膝レールシステム。
【0116】
60. 上記膝レールシステムは、上記着用者の膝に近接して位置する、第59項に記載の膝レールシステム。
【0117】
61. 上記着用者が移動せずに直立している場合、上記膝関節が上記ふくらはぎ梁の後側で上記膝レール上に位置して上記負荷から加えられた力を支えるように、上記大腿梁と上記ふくらはぎ梁との位置合わせが行われる、第59項に記載の膝レールシステム。
【0118】
62. 上記着用者が移動中に脚を持ち上げると、上記膝関節が、上記膝レール上を上記大腿梁の前側の位置にスライドする、第59項に記載の膝レールシステム。
【0119】
63. 上記膝レールは、上記着用者のy軸に対して10度~80度の角度に配置される、第59項に記載の膝レールシステム。
【0120】
64. 上記膝関節が曲がらないよう制限するように構成されるストッパーをさらに備える、第59項に記載の膝レールシステム。
【0121】
65. 着用者への負荷を支える膝レバーシステムであって、大腿梁に取り付けられている横移動ヒンジと、上記横移動ヒンジに取り付けられ、少なくとも2つの平行ロッドを備えるレバー、膝ヒンジ抵抗要素、および一方の端部が上記大腿梁に接続され他方の端部が膝ヒンジばねに接続されている膝引っ張りワイヤを含む膝ヒンジとを含み、上記膝ヒンジは、ふくらはぎ梁と流体連結している、膝レバーシステム。
【0122】
66. 上記着用者の膝に近接して位置する、第65項に記載の膝レバーシステム。
【0123】
67. 上記着用者が移動せずに直立している場合、上記大腿梁は、少なくとも部分的に上記ふくらはぎ梁よりも後ろに位置し、上記レバーのロッドは、上記膝ヒンジ上で斜めに位置し、上記膝ヒンジ抵抗要素は、上記レバーを引いて上記着用者の膝を曲げ位置へと移動させる力を生成するのを助ける、第65項に記載の膝レバーシステム。
【0124】
68. 上記レバーは、上記着用者が移動中に脚を持ち上げると、上記着用者が膝を曲げることができ、上記膝ヒンジが負荷あり位置から負荷なし位置へと移行することができる閾角度へと移動するように構成される、第65項に記載の膝レバーシステム。
【0125】
69. 上記着用者が移動中に脚を持ち上げると、上記横移動ヒンジは、180度から230度までの最大50度、上記着用者から離れる方向に移動する、第65項に記載の膝レバーシステム。
【0126】
本明細書に含まれる説明は、本発明の実施形態の例であり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載されているように、本発明は、外骨格システムの多くの変更および修正を意図しており、例えば、各要素または部材に多数の材料のいずれかを利用した負荷および外骨格の様々な位置決め、追加の要素または部材の組み込みを含む。これらの変更は、本発明が関係する当業者には明らかであり、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【国際調査報告】