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特表2022-507568バイオ医薬製品の製造のための装備を監視するための方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】バイオ医薬製品の製造のための装備を監視するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20220111BHJP
   G01N 21/27 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G01N21/27 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526632
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(85)【翻訳文提出日】2021-05-14
(86)【国際出願番号】 EP2019081054
(87)【国際公開番号】W WO2020099424
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】201841043018
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】598041463
【氏名又は名称】グローバル・ライフ・サイエンシズ・ソリューションズ・ユーエスエー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ハニシュ・ラカニ
(72)【発明者】
【氏名】ニシュ・ガーグ
(72)【発明者】
【氏名】ヘマラータ・ジェイ
【テーマコード(参考)】
2G059
3C100
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059EE02
2G059FF01
2G059FF02
2G059FF04
2G059HH01
2G059KK03
2G059KK04
2G059MM05
2G059MM09
2G059MM10
3C100AA29
3C100AA42
3C100AA56
3C100BB12
3C100BB34
3C100EE20
(57)【要約】
本開示は、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するためのシステムおよび方法(10)に関する。本方法は、バイオ医薬製品の製造のための装備を含むシーンの少なくとも1つの画像を処理すること(S2、S3、S4)を含む。少なくとも1つの画像を処理することは、少なくとも1つの画像に対して、画像内の第1の対象物を分類するための第1のプロセスを実行すること(S2)であって、前記第1の対象物が、クランプ、ポンプ、弁、および/もしくはセンサのようなデバイス、ならびに/または他の任意のバイオ処理装置である、実行すること(S2)を含む。第1のプロセスは、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類することを含む。少なくとも1つの画像に対して、画像内の接続部を識別および位置特定するための第2のプロセスが実行される(S3)。第2のプロセスは、関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類することであって、前記第2の対象物分類器が、第1の対象物および接続部からなる群から選択される第2の対象物を分類する、前記分類することと、接続部に関連する画素をセグメント化することと、第1の対象物との接続部マッピングを識別することとを含む。本方法は、第2のプロセスから取得された識別された接続部マッピングおよび第1のプロセスによって識別された第1の対象物に関係する情報を含む、集約情報を形成すること(S4)をさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するための方法(10)であって、
前記バイオ医薬製品の前記製造のための装備を含むシーンの少なくとも1つの画像を処理するステップ(S2、S3、S4)を含み、
前記少なくとも1つの画像を処理する前記ステップが、
前記少なくとも1つの画像に対して、前記画像内の第1の対象物を分類するための第1のプロセスを実行するステップ(S2)であって、前記第1の対象物が、クランプ、ポンプ、弁、および/もしくはセンサのようなデバイス、ならびに/またはシングルユースバッグおよび/もしくは他の任意のバイオ処理装置であり、前記第1のプロセスが、前記画像内の前記第1の対象物を識別、位置特定、および分類するステップ(S23、S24)を含む、ステップ(S2)と、
前記少なくとも1つの画像に対して、前記画像内の接続部を識別および位置特定するための第2のプロセスを実行するステップ(S3)であって、前記第2のプロセスが、
関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類するステップ(S33)であって、前記第2の対象物分類器が、前記第1の対象物および前記接続部からなる群から選択される第2の対象物のための分類器である、ステップ(S33)、
前記接続部に関連する画素をセグメント化するステップ(S34)、ならびに
前記第1の対象物との接続部マッピングを識別するステップ(S35)
を含む、ステップ(S3)と、
前記第2のプロセスから取得された前記識別された接続部マッピングおよび前記第1のプロセスによって識別された前記第1の対象物に関係する情報を含む集約情報を形成するステップ(S4)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記接続部が、配管のような少なくとも1つの可撓性接続部、および/または少なくとも1つの非可撓性接続部を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のプロセスにおいて、前記画像内の前記第1の対象物を識別、位置特定、および分類する前記ステップ(S23)が、前記画像に対して深層学習/AI分類器を実行するステップを含み、前記方法が、前記識別された第1の対象物を局所的境界線で囲むステップ(S24)をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの画像に対して、前記画像内の第1の対象物を分類するための前記第1のプロセスを実行する前記ステップ(S2)が、
前記画像の、1つの前記第1の対象物を備える所定の確率を少なくとも有する領域を抽出するステップ(S21)であって、前記分類器を実行する前記ステップ(S23)が、前記抽出された領域に対してのみ、前記抽出された領域の前記第1の対象物を識別、位置特定、および分類するために実行される、ステップ(S21)
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記画像内の対象物を分類するための第1のプロセスを実行する前記ステップ(S2)が、
第1の対象物を識別、位置特定、および分類する前に、前記画像を低解像度にスケーリングし直すステップ(S22)と、
前記第1の対象物の識別および分類後に、前記識別および分類された対象物がさらなる分類を必要とすると判定されたとき、
前記画像の関心のある第1の対象物を、囲まれた境界線に基づいてトリミングするステップ(S25)と、
解像度をアップスケールするステップ(S26)と、
さらなる詳細を抽出するために高解像度画像に対して前記分類器を実行するステップ(S27)と
を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類する前記ステップ(S33)が、前記画像を、前記第2の対象物を画素レベルで識別および位置特定するための深層学習/AI画素分類器を通じて実行するステップを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2のプロセス(S3)が、前記第2のプロセスによって分類された前記第1の対象物が、前記第1のプロセスによって分類されたものに対応するかどうかを判定するステップ(S37)をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のプロセス(S3)が、前記第2のプロセスによって分類された前記第1の対象物が、前記第1のプロセスによって分類されたものに対応するかどうかを判定するステップ(S37)の前に、前記第1の対象物の周りに境界線を形成するステップ(S36)をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のプロセスによって分類された前記第1の対象物のうちの少なくとも1つが、前記第1のプロセスによってなされた分類に対応しないと判定されたとき、
確率に基づいて分類について決定するステップ(S38a)、および/または
ユーザに介入を求めて通知するステップ(S38b)、および/または
前記画像を将来的な自己学習で使用できるように記憶するステップ(S38c)
が実行される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のプロセス(S3)が、前記関連する第2の対象物分類器を用いて前記画像の各画素が分類される前に、前記画像を低解像度にスケーリングし直すステップ(S32)をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
逸脱を検出するために、前記集約情報が正しいワークフロー方式と比較される(S5)、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
集約情報を形成する前記ステップ(S4)が、前記第2のプロセスから取得されたコネクタマッピングと、前記第1のプロセスによって識別された前記第1の対象物とを、同一画像内に統合して、前記製造のための装備の状態を示す表示を取得するステップを含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
シングルユースワークフローの漏れ、中断のような逸脱を追跡するために、前記監視が連続的に実行される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータ実行可能プログラムコード命令が記憶された少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ実行可能プログラムコード命令が、実行されると、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成されたプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項15】
バイオ医薬製品の製造、および/または前記バイオ医薬製品の製造のための配置および/または前記バイオ医薬製品の製造後の解体を監視するためのシステム(100)であって、
バイオ医薬製品を製造する能力を有する製造システムを含むシーンを捕捉するように構成された、少なくとも1つの画像捕捉デバイス(140)と、
前記少なくとも1つの画像捕捉デバイス(140)に接続され、前記製造システムの状態を追跡するために、前記少なくとも1つの画像捕捉デバイスによって捕捉された画像を処理するように構成された、プロセッサ(120)と
を備え、
前記プロセッサ(120)が、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バイオ医薬製品の製造のための装備を監視するための、画像/ビデオフレームベースの方法に関する。
【背景技術】
【0002】
過去十年は、革新的なバイオ医薬品産業によって製造および販売されている製品の性質に著しい変化が見られている。今日の世界的なバイオ医薬品ポートフォリオは、大きな分子の医薬品の大幅な普及、個別化製品または的を絞った製品の数の拡大、および多くの希少疾患の治療法の増加を反映している。これらの開発傾向により、極めて限定的な生産操業を伴うバイオ医薬製品、高度に特異的な製造要件、および遺伝子型特異的製品が可能になっている。変化し続ける製品構成が、本生産のバイオ医薬品製造の効率および有効性を継続的に向上させる必要性をもたらしている。
【0003】
例えば治療用タンパク質、モノクローナル抗体、ワクチンなどの生物学的医薬(バイオロジックスとも呼ばれる)は、生細胞によってまたは生細胞から生成された複合分子である。それらはしばしば、点滴または注射による非経口投与を必要とし、そのため、安全性および有効性を確保するために、高度に特殊化された製造、特殊な貯蔵およびハンドリング、ならびに厳重に制御される高品質の製造および流通ネットワークを必要とする。希少疾患用医薬品、すなわち患者人口が200,000人未満の疾患を対象とする医薬品に関しても、開発が確認されており、過去十年にわたって着実に増大してきている。さらに、製造業者は、有効な治療法がほとんどまたは全くないより複雑な疾患に、ますます焦点を当てている。これらの疾患の新たな治療法は、少生産量製品によって特徴付けられる。
【0004】
バイオ医薬品における別の重要な傾向が、個別化医療、すなわち特定の患者集団に的を絞った製品の出現である。時間の経過とともに、患者レベルの個別化医療が導入されるにつれて、製造および製品供給の複雑さも同様に増大する可能性がある。一般に、個別化医療では、関連のバイオ製造プロセスがより小さな規模で、かつ患者のより近くで行われる必要がある。
【0005】
個別化医療の例としては、CAR T細胞免疫療法手法や再生医療手法などの遺伝子および細胞療法治療がある。
【0006】
バイオ医薬製品は、例えば、療法上または診断上使用するためのものとすることができる。十分な製品品質、ならびに十分に制御された監査可能な生産条件を確保するために、典型的には、cGMP(現行医薬品適性製造基準)およびQMS(品質管理システム)が要求され、適用されている。GMP処理環境は、医薬製品の製造および販売の認可とライセンスを制御する、例えばFDA(食品医薬品局)などの機関によって推奨されるガイドラインに従うように、設計される。
【0007】
医薬品ポートフォリオのこれらの傾向は、商業的に製造および販売されている製品の数および複雑さの増大の一因を担ってきた。加えて、上記の傾向および生物学的療法の急速な市場成長は、製品が市場に到達する前の医薬品開発中の、特に臨床試験材料の生産のための少量生産バッチの数の劇的な増大も示唆している。というのも、医薬品開発プロセスは一般に、成功し最終的に承認された医薬品の数よりもかなり多くの数の医薬品候補が臨床試験を通過する、「開発の漏斗」として特徴付けられるためである。臨床試験中ならびに通常生産中の原薬生産では、製造用システムによってもたらされる高い安全性と大きなスループットが必要となる。しかし、臨床試験用の原薬生産では一般に、厳しいcGMP要件およびQMS要件を依然順守したまま、さまざまな要件および生産プロトコルに適合するために、製造の方法およびシステムのさらに高い自由度が必要となる。あらゆるバイオ医薬製品がコスト圧力を受けているという背景を踏まえて、臨床用製造および医薬品開発中のコスト低減は、承認された医薬品の通常の生産の場合と同様に重要である。したがって、大きなスループットをもたらす、コスト効率が高く安全な生産システムは、頻繁なプロセス変更、プロセスおよび装置の再構成、ならびに他の修正に対応する必要がある。加えて、新たな医療の一部では、より複雑な製造プロセスおよびより先進の装置の必要性が高まっている。連続的でつながりのある処理体制は、従来のバッチ製造方法に追加されるものまたはそれに代わるものになりつつあり、全体的な製品および/またはプロセスの品質、効率、およびスループット、またはコストという観点から、有利となり得る。
【0008】
全体的に、医薬品ポートフォリオのこれらの傾向は、品質を損なわずに自由度を生み出すとともに、コストの低減を促進することのできる作業効率を生み出す、製造の向上が必要とされていることを示している。生産コストを低減し、生産のスループットおよび品質を高め、かつ安全性についての懸念事項を低減するための、最近の技術的な一開発が、シングルユース技術(SUT)を処理に使用する、というものである。シングルユース技術装置では、処理中にプロセス流体および製剤と接触する、例えば流体貯蔵容器、配管、分離装置などの濡れた部分は、特定のプロセスについてのみ設置および使用されてその後処分される消耗品として提供される。SUT消耗品は、典型的には、クリーンルーム環境において生産、構成、および包装され、バイオ製造プロセスにおいて使用する前に(例えばガンマ線照射によって)予め滅菌される。ステンレス鋼配管ならびにステンレス鋼の反応槽および容器の、従来の固定の設備を使用するのとは対照的に、SUTの装置および消耗品を使うと、複数のプロセスにわたって(可動)装置を再配置し、さまざまな消耗品を設置および交換するだけで、プロセスのさまざまなシナリオおよび構成への適合における大きな自由度が得られる。例えば、タンクビン(tank bin)にクリーンなかつ/または滅菌したSUT流体バッグを装着して、流体およびその処理のためのクリーンな密閉されたエンクロージャをもたらすことができる。シングルユース技術(SUT)流体ハンドリング装置を使用する利点は、主として、SUT装置が単一の製剤にのみ使用されているときに生産のバッチ間およびキャンペーン間のクロスコンタミネーションが解消される、というものである。SUT装置は、使用後に処分され、使用後とは、単一の操業後、単一のバッチ後、または複数の操業およびバッチを含む単一のキャンペーン後とすることができる。予め滅菌されたかまたはバイオバーデン制御されたSUT装置を準備すると、初期のクリーニングおよび衛生化(例えば流路を水酸化ナトリウム溶液と接触させることによるもの)、または滅菌を回避することができる。SUTを単一の操業またはバッチに限って使用すると、使用後のクリーニングでさえ省略することができる。これらの特徴によって、SUT装置は、効率、安全性、および利便性の向上をもたらす。
【0009】
今日、SUT装置は、あらゆる種類の装置オペレーションおよび/またはユニットオペレーションの大部分について利用可能であり、とりわけ細胞の培養または発酵用のバイオリアクタ、液体貯蔵用のバッファバッグ、液体の移送オペレーションおよび充填オペレーション用の配管およびポンプ、フィルタ、分離のためのクロマトグラフィーカラムと関連のシステムがそうである。しかし、シングルユース技術への適合は、生産プロセスおよび生産施設における材料、すなわちSUT消耗品のスループットおよびフローが、固定のステンレス鋼設備を用いた従来の製造に比べて大きい、ということも示唆している。
【0010】
さらに、前記材料フローをハンドリングするためにも、処理前にシングルユース消耗品を設置し、処理後にそれを除去するためにも、材料、材料フロー、および処理におけるそれらの使用を文書化するためにも、かなりの数の追加のオペレーションステップおよびオペレータの介入(作業)が必要となる。SUT消耗品に関連する頻繁な変更があるということは、製造プロセスにおける医薬品の操業、バッチ、またはキャンペーンごとに処理ラインの新たな(新規の)設備が使用され、文書化される、ということを示唆している。バイオ医薬品産業は、上述の理由のためSUTを急速に採用しつつあるが、この適合は、以下の課題、
・完全な流体経路の頻繁な設置が必要であること
・多数の材料がオペレータによってハンドリングされ、プランニング、物流、および文書化において管理されること
・シングルユース消耗品の調達ばらつきおよび/または標準化の欠如のため、材料(すなわち消耗品および必需品)が複数のプロセスにわたって変更される場合があること
・人手による介入ステップが多いこと
のうちの少なくともいくつかによっても特徴付けられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の目的は、当技術分野における上記の欠点のうちの1つまたは複数を軽減、緩和、または解消すること、またバイオ医薬品製造の向上をもたらすことを目的とした、解決策を提供することである。
【0012】
前記目的は、本開示によれば、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するための方法によって達成されている。本方法は、バイオ医薬製品の製造のための装備を含むシーンの少なくとも1つの画像を処理することを含み、少なくとも1つの画像を処理することが、少なくとも1つの画像に対して、画像内の第1の対象物を分類するための第1のプロセスを実行することであって、前記第1の対象物が、クランプ、ポンプ、弁、および/もしくはセンサのようなデバイス、ならびに/またはシングルユースバッグおよび/もしくは他の任意のバイオ処理装置であり、前記第1のプロセスが、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類することを含む、前記実行することと、少なくとも1つの画像に対して、画像内の接続部を識別するための第2のプロセスを実行することであって、前記第2のプロセスが、関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類することであって、前記第2の対象物分類器が、第1の対象物および接続部からなる群から選択される第2の対象物のための分類器である、前記分類すること、接続部に関連する画素をセグメント化すること、ならびに第1の対象物との接続部マッピングを識別することを含む、前記実行することとを含む。本方法は、第2のプロセスから取得された識別された接続部マッピングおよび第1のプロセスによって識別された第1の対象物に関係する情報を含む、集約情報を形成することをさらに含む。
【0013】
製造という用語は、本明細書では、広義に解釈されること、またプロセス開発も含むことが意図されている。
【0014】
画像という用語は、ビデオ系列のビデオフレームも含むことが意図されている。
【0015】
バイオ医薬製品という用語は、個別化医療を含めて任意のタイプのバイオ医薬製品を含む。個別化医療の例としては、CAR T細胞免疫療法手法や再生医療手法などの遺伝子および細胞療法治療がある。
【0016】
画像内の対象物を識別および位置特定するための2つの異なるプロセスであって、第1のプロセスが第1の対象物および場合によってはその状態を識別、位置特定、および分類することに焦点が当てられており、第2のプロセスが第1の対象物間の接続部マッピングを識別することに焦点が当てられている、プロセスを使用することにより、品質を損なわずに自由度を生み出すとともに、コストの低減を促進することのできる作業効率を生み出すことが可能になる。
【0017】
この監視方法に伴う別の利点は、それが完全に非侵襲的である、というものである。
【0018】
この監視方法に伴う別の利点は、本監視システムが安価である、というものである。
【0019】
接続部は、可撓性接続部を備えてよい。接続部は、可撓性および/または剛性の流体接続部を備えてよい。可撓性接続部は、配管を備えてよい。
【0020】
本発明のさまざまな実施形態では、第1のプロセスにおいて、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類するステップが、画像に対して深層学習/AI分類器を実行することを含み、方法が、識別された第1の対象物を境界線で囲むステップをさらに含む。
【0021】
本発明のさまざまな実施形態では、関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類するステップが、画像を、第2の対象物を画素レベルで識別および位置特定するための深層学習/AI画素分類器を通じて実行することを含む。
【0022】
その結果、処理はフィールドプログラマブルであり、時間の経過とともに自己改善されてくる。
【0023】
さらに、本方法は、多種類のワークフローに対して高度にスケーラブルである。
【0024】
自由度の高いワークフローセットアップに関して、またエラープルーフ化を可能にすることに関しても、既存のインフラストラクチャで高付加価値が得られる。
【0025】
さらに、同じアルゴリズムを、カスタマイズされた多くの要件に使用することができる。
【0026】
さまざまな実施形態では、逸脱があればそれを検出するために、集約情報は正しいワークフロー方式、または事前に定められたワークフロープロセス方式と比較される。
【0027】
特定の選択されたバイオ医薬製品に関連する事前に定められたワークフロープロセス方式を使用すること、ならびにユーザオペレータの製造システムとの追跡されたやりとりの少なくとも一部と比較すること、および/またはオペレータの製造システムとの追跡されたやりとりの結果の少なくとも一部と比較することにより、品質を損なわずに自由度を生み出すとともに、コストの低減を促進することのできる作業効率を生み出す、製造の向上が可能になる。本明細書における品質は、設置前検証、すなわち設置セットアップの実現に必要な材料を含むいわゆる材料表BOMの検証、設置セットアップの設置、設置手順、設置セットアップおよび設置手順の承認/検証、処理自体、ならびに設置セットアップの解体など、プロセスの複数の部分または全ての部分に適用される。
【0028】
上記の部分はいずれも、上記の事前に定められたワークフロープロセス方式に含まれてよい。検証および文書化が行われ得る。したがって、事前に定められたワークフロープロセス方式は、少なくとも従来のバッチプロトコルのデータを含むが、このワークフロープロセス方式はさらに、他のプロセス、すなわち上記から明らかな拡張されたバッチプロトコルも含むことができる。所定のワークフロープロセス方式は、バッチ記録のデータ、したがって、バッチプロトコル/拡張されたバッチプロトコルの承認および検証に関係するデータも含むことができる。
【0029】
したがって、「バッチ記録」(BR、eBRすなわち電子バッチ記録)、ならびにバッチプロトコルという用語は、「事前に定められたワークフロープロセス方式」に等しい。プロトコルは指示であり、記録は、実行されたプロセスの文書および結果としての、完了したプロトコルである。
【0030】
本実施形態では、本監視方法は、電子プロトコルおよび電子記録をサポート(および/または改良)することができ、それにより、プロセッサが通信し、その自由度、アジリティ、適合性、および学習能力の点で有効になることが可能である。
【0031】
所定の方式によって示された設置セットアップからの逸脱が検出され得る。設置セットアップは、設置前検証(いわゆる材料表の検証)および/または設置セットアップの設置および/または設置セットアップの解体を含むことができる。最終バイオ医薬製品に悪影響を及ぼす設置セットアップからの逸脱は、製造システムが正しく段取りされていないという判定を招く可能性がある。
【0032】
さらに、所定の方式によって示された設置手順からの逸脱が検出され得る。最終バイオ医薬製品に悪影響を及ぼす設置手順からの逸脱は、製造システムが正しく段取りされていないという判定を招く可能性がある。
【0033】
さらに、最終バイオ医薬製品に悪影響を及ぼすことが分かっている設置セットアップおよび/または設置手順からの逸脱、ならびに他の逸脱が、次いで記録され得る。そのように製造された最終バイオ医薬製品の特徴が、記録された逸脱に関連付けて記録され得る。次いで、手順のさまざまな逸脱の影響の詳細な解析結果が取得され得、その解析結果は、所定の方式の設置手順をさらに向上させるために使用され得る。したがって、そのように生産された最終バイオ医薬製品における逸脱は、時間の経過とともに減少することも可能である。
【0034】
本監視システムおよびそれが電子作業指示を用いて機能する方途により、組み立てられた最終システムと同じ機能をもたらす(消耗品などの)さまざまな外部デバイスの使用における、ある一定の自由度をもたらすことも可能になる。本監視システムは、オペレータにこれを、電子バッチプロトコルに従ってガイドすることが可能である。この結果、自由度が材料調達ばらつきに対処することになり、すなわち、本システムは、新たな構成を変更し繰り返し使用する間に、自己学習しつつあり、電子検証における指示および自律性を向上させることが可能である。
【0035】
さまざまな実施形態では、逸脱、例えばシングルユースワークフローの漏れ、中断などがあればそれを追跡するために、監視が連続的に実行される。
【0036】
本発明のさらなる実施形態は、従属請求項において定められる。
【0037】
言うまでもなくシステムおよびコンピュータプログラム製品の実施形態にも当てはまる上述した利点に加えて、本開示は、プロセスのロバスト性の向上、およびバイオ医薬製品の商業生産への規模拡大の加速の可能性という利点ももたらす。さらなる利点としては、自由度の増大および生産リードタイムの短縮がある。
【0038】
本開示はさらに、コンピュータ実行可能プログラムコード命令が記憶された少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ実行可能プログラムコード命令が、実行されると、上で定めた方法を実行するように構成されたプログラムコード命令を含む、コンピュータプログラム製品にも関する。
【0039】
本開示はさらに、バイオ医薬製品の製造、および/または前記バイオ医薬製品の製造の段取り、および/または前記バイオ医薬製品の製造後の解体を監視するためのシステムであって、
バイオ医薬製品を製造する能力を備えた製造システムを含むシーンを捕捉するように構成された、少なくとも1つの画像捕捉デバイス(撮像デバイス)と、
前記少なくとも1つの画像捕捉デバイスに接続されており、製造システムの状態を追跡するために、前記少なくとも1つの画像捕捉デバイスによって捕捉された画像を処理するように構成された、プロセッサと
を備え、
プロセッサが、上で定めた方法を実行するように構成されている、
システムにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するための方法の例を概略的に示すフローチャートである。
図2図1の方法の第1のプロセスの例を概略的に示すフローチャートである。
図3図1の方法の第2のプロセスの例を概略的に示すフローチャートである。
図4】形成された集約情報を示す例の図である。
図5】製造システムを監視するための監視システムの例を示すブロック図である。
図6】製造システムおよび監視システムを備えるシステムの例を示す図である。
図7】製造システムの別の例と、監視システムの例を使用することによりもたらされた集約拡張画像とを示す図である。
図8】ISA95標準に準拠したさまざまなレベルの製造サポート提供を示した方式を示す図である。
図9】高レベルワークフローのオペレーションならびにそれに関連付けられた活動および指示にわたる時間軸の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するための方法10の例を開示している。
【0042】
本方法は、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視する際に使用する、1つまたは複数の画像を取得するステップS1を含む。
【0043】
取得された画像は、所定のタイミングにおいて、または所定の時間間隔で捕捉された画像を含んでよい。取得された画像は、ビデオフレームを含んでよい。
【0044】
取得された画像は、視野内で補足された画像を含んでよい。取得された画像は、熱画像を含んでよい。取得された画像は、3次元画像を含んでよい。
【0045】
バイオ医薬製品の製造という点では、このプロセスは最終バイオ医薬製品にとって、製造システムのタイプ、構成、および設置という観点からの処理セットアップと、作業パラメータという観点からの詳細な処理体制のどちらに関しても、重要である。すなわち、製造の段取りのための設置手順は、最終バイオ医薬製品に影響を及ぼす可能性があり、というのも、誤ったまたは不完全な設置は、流体の漏れ、動作不良、または処理ステップとその結果の変化を生じさせるおそれがあるためである。FDA(食品医薬品局)による承認など、バイオ医薬品の生産のための規制要件および/または法的要件は、例えばオペレータ介入や自動プロセス制御に関して、装置のセットアップ、設置、および使用の厳しい制御および文書化を要求している。バッチプロトコルなどの作業手順、およびバッチ記録などの記録は、規制機関からの承認および監視を含むバイオ医薬品の開発および生産における基本概念である。取得された画像は、とりわけ製造のための設置の装備ならびに製造のための設置を配置するための手順を監視するのに有用である。
【0046】
本方法は、バイオ医薬製品の製造のための装備を含むシーンの取得された画像を処理するステップS2、S3、S4を含む。
【0047】
取得された画像を処理することは、少なくとも1つの画像に対して、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類するための第1のプロセスを実行することS2を含む。第1の対象物は、クランプ、ポンプ、弁、および/もしくはセンサのようなデバイス、ならびに/またはシングルユースバッグおよび/もしくは他の任意のバイオ処理装置である。第1のプロセスは、取得された画像内の第1の対象物を、画像内の内容に基づいて識別および分類する。
【0048】
第1のプロセスは、画像に対して第1の深層学習/AI分類器を実行することを含んでよい。第1の深層学習/AI分類器は、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類するようにトレーニングされた、トレーニング済み分類器とすることができる。トレーニング済み分類器は、一例では、畳み込みニューラルネットワークCNNなどの人工ニューラルネットワークである。
【0049】
取得された画像を処理することは、少なくとも1つの画像に対して、画像内の接続部を識別および位置特定するための第2のプロセスを実行することS3を含む。第2のプロセスには、取得されたそれぞれの画像内の各画素を分類することと、画像内の第2の対象物の一部をなすものとして識別された画素に、第2の対象物分類を関連付けることとが関与する。第2の対象物は、接続部および第1のプロセスによってやはり識別された第1の対象物を含む。したがって、第2のプロセスは、第2の対象物を分類する。それぞれの画素に関連付けられる第2の対象物分類は、第1の対象物および接続部からなる群から選択される。さらに、第2のプロセスは、第1の対象物との接続部マッピングを識別する。
【0050】
接続部のうちの少なくともいくつかが、第1の対象物を相互にかつ/または他の装置に接続する。接続部は、可撓性接続部を備えてよい。接続部は、可撓性および/または剛性の流体接続部を備えてよい。可撓性接続部は、配管を備えてよい。
【0051】
第2のプロセスは、画像に対して、画像内のそれぞれの画素を分類するための第2の深層学習/AI分類器を実行することを含んでよい。第2の分類器は、画像内の第2の対象物を識別、位置特定、および分類するようにトレーニングされた、トレーニング済み分類器とすることができる。トレーニング済み分類器は、一例では、畳み込みニューラルネットワークCNNなどの人工ニューラルネットワークである。
【0052】
本方法は、第2のプロセスから取得された識別された接続部マッピングに関係する情報、および第1のプロセスによって識別された第1の対象物に関係する情報を含む、集約情報を形成するステップS4をさらに含む。集約情報を形成するステップS4は、第2のプロセスから取得された接続部マッピングと、第1のプロセスによって識別された第1の対象物とを、同一画像内に統合して、製造のための装備の状態を示す表示を取得することを含んでよい。
【0053】
形成された集約情報は、一例では、ディスプレイの形態をとる第1の対象物を含む。その場合、形成された集約情報は、その他の場合には監視されない、センサ/装置に関係するデータを含んでよい。したがって、センサ/装置データは、形成された集約情報内に存在するディスプレイ読取値を使用することによって取得されてよい。ディスプレイ読取値は、連続的に取得されてよく、集約情報がそれに応じて更新されてよい。それに加えてまたはその代わりに、ディスプレイ読取値は、例えば製造システム制御用のシステムによって使用されてもよい。
【0054】
本方法は、装備が正しく取り付けられているかどうかを判定するために、集約情報を正しいワークフローと比較するステップS5をさらに含んでよい。
【0055】
詳細には、集約情報を正しいワークフローと比較することは、集約情報を、選択されたバイオ医薬製品に関係する事前に定められたワークフロープロセス方式と比較することを含み、ワークフロープロセス方式によって設定された少なくとも1つの事前設定基準が満たされているかどうかを比較に基づいて判定してよい。次いで、エラーがある場合には、フラグが立てられてよい。
【0056】
所定のワークフロープロセス方式は、第1の対象物との正しい接続部マッピング、ならびにそれぞれの第1の対象物および場合によっては接続部によって正しい取付けのために満たされるべき事前設定基準を定めてよい。
【0057】
特に、装備が正しく取り付けられているかどうかを判定するために、ディスプレイ読取値を含む集約情報が正しいワークフローと比較されてよい。したがって、上で論じたディスプレイ読取値も、ワークフロープロセス方式によって設定された少なくとも1つの事前設定基準が満たされているかどうかを比較に基づいて判定する際に、使用されてよい。
【0058】
本方法は、ワークフロープロセス方式によって設定された少なくとも1つの事前設定基準を満たしていると判定された、第1の対象物との管マッピング、および/またはワークフロープロセス方式によって設定された少なくとも1つの事前設定基準を満たしていると判定された、第1の対象物の取付けについて、プロセスが検証されたとの通知を提供するステップS6をさらに含んでよい。検証は、目視検査、他のセンサからのセンサデータなど、第2の情報源を使用して実行されてよい。
【0059】
形成された集約情報は、検証結果とともに記憶されてよい。プロセスにおいて使用された画像も、プロセス文書の一部として検証結果とともに記憶されてよい。
【0060】
比較の結果の検証ができない画像の場合、それらの画像は、分類器の将来的なトレーニングで使用できるように保存されてよい。
【0061】
本監視方法は、さまざまなバイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するように適合される。本監視方法は、頻繁な段取り替えを必要とし、また装置の再構成および更新を必要とすることのある、少生産量操業を監視するように適合される。
【0062】
さらに、上で述べたように、本方法は、複雑さの増大した製造プロセスを使用した製造を監視するように適合され、かつ/またはより先進の装置が使用され得る。
【0063】
画像内の対象物を識別および位置特定するための2つの異なるプロセスであって、第1のプロセスが第1の対象物および場合によってはその状態を識別、位置特定、および分類することに焦点が当てられており、第2のプロセスが第1の対象物間の接続部マッピングを識別および位置特定することに焦点が当てられている、プロセスを使用することにより、品質を損なわずに自由度を生み出すとともに、コストの低減を促進することのできる作業効率を生み出すことが可能になる。
【0064】
上記から明らかなように、例えばプロセスにおいて人手によるエラーが検出されなかったときに、画像を、将来的に参照および調査できるように、プロセス文書の一部として自動的に統合することも可能である。
【0065】
やはり上記から明らかなように、分類におけるエラーは、さらなる拡張を用いた将来的な向上のためのトレーニングデータ点として使用されてよい。これらのプロセスにより、ユーザが自身の特定の装置に基づいてトレーニングされること、またそれらをワークフローにおいて使用することが、可能になる。
【0066】
図2には、少なくとも1つの画像に対して、画像内の第1の対象物を分類するための第1のプロセスを実行することS2が示されている。第1のプロセスは、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するための方法の一部をなし、図1に関して開示した少なくともいくつかの特徴を有する。
【0067】
第1の対象物は、バイオ医薬製品の製造用のバイオ医薬品製造システムに付属するクランプおよび/もしくはポンプおよび/もしくは弁および/もしくはセンサのようなデバイス、あるいは/またはシングルユースバッグおよび/もしくは他の任意のバイオ処理装置である。
【0068】
第1のプロセスは、第1の対象物を識別、位置特定、および分類する前に、画像を低解像度にスケーリングし直すことS22を含む。スケーリングし直すことは、画像の領域を抽出する前または後に実行されてよい。
【0069】
第1のプロセスは、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類することS23、S24、S27を含む。第1のプロセスでは、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類するステップS23、S27は、画像に対して深層学習/AI分類器を実行することを含んでよい。
【0070】
画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類することS23、S24、S27は、識別された第1の対象物を境界線で囲むステップS24を含んでよい。
【0071】
第1の対象物の識別、位置特定、および分類後に、識別および分類された対象物がさらなる分類を必要とすると判定されることがある。
【0072】
その場合、画像の関心のある第1の対象物が、囲まれた境界線に基づいてトリミングされてよいS25。
【0073】
その場合、本方法は、関心のある第1の対象物の解像度をアップスケールするステップS26と、さらなる詳細を抽出するために高解像度画像に対して分類器を実行するステップS27とを含んでよい。
【0074】
識別および分類された第1の対象物がさらなる分類を必要とするかどうかの判定は、以下のいずれかに基づいて判定されてよい。
・第1の対象物が正しく識別および/または分類されている確率。
・囲まれた画像部分に基づいて第1の対象物の状態を特定することの可能な確率。
・囲まれた画像部分に基づいてワークフロープロセス方式によって設定された事前設定基準が満たされているかどうかを判定することの可能な確率。
【0075】
より多くの詳細を必要とする第1の対象物には、例えばクランプが含まれ、その場合、クランプの状態が必要となることがある。
【0076】
識別および分類された第1の対象物がさらなる分類および後続のアップスケールを必要とするかどうかの判定は、複数のステップにおいて実行されてよい。したがって、複数のレベルのアップスケールが行われてよい。
【0077】
例えば、アップスケールは、ディスプレイの形態をとる第1の対象物が読み取れるレベルまで実行されてよい。これにより、その他の場合には監視されない、センサ/装置に関係するデータを取得することが可能になる。したがって、センサ/装置データは、ディスプレイ読取値を使用することによって取得されてよい。ディスプレイ読取値は、連続的に取得されてよい。
【0078】
識別および分類が正しくない画像の場合、または識別および分類が正しい確率が低い画像の場合、それらの画像は、例えば、自己学習に使用されてよい。自己学習は、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体の監視の継続的な向上に関係し得る。例えば、自己学習には、カメラの視野および/またはカメラ解像度および/またはカメラタイプに関するより多くのデータが供給されてよい。
【0079】
監視システムをよりロバストなものにするために、追加の/2つ以上の画像捕捉用インフラストラクチャ、例えば3Dカメラ、サーマルカメラなどがデプロイされてよい。これらの機能が1つの撮像デバイスに組み込まれてもよく、別個の撮像デバイスが設置されてもよい。
【0080】
識別および分類された第1の対象物がさらなる分類を必要とすると特定された画像の場合、それらの画像は、分類器の将来的なトレーニングで使用できるように保存されてよい。
【0081】
アップスケール後の画像部分についてもなお、識別および分類された第1の対象物がさらなる分類を必要とすると特定された画像の場合、それらの画像は、分類器の将来的なトレーニングで使用できるように、かつ/または画像の取得方法を改善できるように、別途保存されてよい。
【0082】
図3には、少なくとも1つの画像に対して、画像内の第2の対象物を分類するための第2のプロセスを実行することS3が示されている。第2のプロセスは、バイオ医薬製品の製造のための装備および/または製造のための配置および/または製造後の解体を監視するための方法の一部をなし、図1に関して開示した少なくともいくつかの特徴を有する。
【0083】
第2の対象物は、例えば、図2に関して論じた第1のプロセスによって識別された第1の対象物を含む。第2の対象物はさらに、コネクタも含む。
【0084】
第2のプロセスS3は、関連する第2の対象物分類器を用いて画像の各画素が分類される前に、画像を低解像度にスケーリングし直すステップS32を含んでよい。
【0085】
第2のプロセスは、関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類することS33を含む。関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類するステップS33は、画像を、第2の対象物を画素レベルで識別および位置特定するための深層学習/AI画素分類器を通じて実行することを含んでよい。
【0086】
第2のプロセスは、接続部に関連する画素をセグメント化することS34をさらに含んでよい。
【0087】
第2のプロセスS3は、第1の対象物の周りに境界線を形成することS36をさらに含んでよい。
【0088】
第2のプロセスS3は、第2のプロセスによって分類された第1の対象物が、(図2に関して論じた)第1のプロセスによって分類されたものに対応するかどうかを判定することS37をさらに含んでよい。第1および/または第2のプロセスにおいて第1の対象物の周りに境界線S36が形成された場合、第2のプロセスによって分類された第1の対象物が、第1のプロセスによって分類されたものに対応するかどうかを判定することS37は、前記境界線内の画像部分に基づいてなされてよい。
【0089】
第2のプロセスによって分類された第1の対象物のうちの少なくとも1つが、第1のプロセスによってなされた分類に対応しないと判定された場合、以下の、
確率に基づいて分類について決定するステップS38a、ならびに/または
ユーザに介入を求めて通知するステップS38b、ならびに/または
画像を例えばAIを使用した将来的な自己学習および/もしくは例えばAIを使用した分類器のトレーニングで使用できるように記憶するステップS38c
が実行されてよい。
【0090】
図4には、形成された集約情報の例が示されている。形成された集約情報は、第2のプロセスから取得された識別された接続部マッピング5および第1のプロセスによって識別された第1の対象物2に関係する情報を含む。
【0091】
形成された集約情報は、製造システムの第1の拡張画像7に基づいて形成されている。第1の拡張画像7は、図2に関して開示した第1のプロセスに基づいて形成される。第1の拡張画像7は、第1の対象物2および接続部3を含む。第1の画像は、第1の対象物2の周りの境界線1'を用いて拡張される。
【0092】
形成された集約情報はさらに、製造システムの第2の拡張画像8にも基づいて形成されている。第2の拡張画像は、図3に関して開示した第2のプロセスに基づいて形成される。第2の拡張画像は、第2のプロセスから取得された識別された接続部マッピング5、および第2のプロセスにおいて識別および分類された第1の対象物の標識4を含む。第2の拡張画像は必ずしも実捕捉画像を拡張したものとは限らない。第2の拡張画像は、識別された接続部マッピング5と第1の対象物の標識4の任意の表現とすることができる。
【0093】
図4の例では、形成された集約情報は、集約拡張画像6として表現されている。集約拡張画像6において、第1の対象物は、境界線1によってマーク付けされて明らかにされている。これらの境界線は、図2に関して開示した第1のプロセスにおいて形成された境界線1'と一致していてよい。
【0094】
集約拡張画像6では、第2の拡張画像8の標識4と第1の拡張画像7の第1の対象物2とが照合され、接続部マッピング5が、第1の対象物2/境界線1に対して正しく位置付けられている。
【0095】
図示の例では、集約拡張画像6の境界線1は、所定のワークフロープロセス方式に従って正しく取り付けられている第1の対象物2については、実線によって表現されている。所定のワークフロープロセス方式は、第1の対象物との正しい接続部マッピング、ならびにそれぞれの第1の対象物および場合によっては接続部によって正しい取付けのために満たされるべき事前設定基準を定めてよい。図示の例では、境界線1は、所定のワークフロープロセス方式に従って正しく取り付けられていない第1の対象物2については、破線によって表現されている。各境界線はさらに、確率値と関連付けられてよい。例えば、第1の対象物が弁であり、それが所定のワークフロー方式によれば閉鎖されているべきである場合、画像の所定のワークフロープロセス方式との比較に基づいて弁が閉鎖されていると判定されると、その判定が正しい確率値が提供されてよい。この確率値は、集約拡張画像内に示されてよい。確率値は、弁の位置に、または弁の境界線の位置に示されてよい。同様に、弁が所定のワークフロープロセス方式によれば閉鎖されているべきであるにもかかわらず開放していると判定された場合、この判定が正しい確率値が、同様にして提供されてよい。さらに、確率値は、第1の対象物の弁としての分類が正しい確率に関係して提供されてもよい。
【0096】
図5には、バイオ医薬製品の製造、および/または前記バイオ医薬製品の製造の段取り、および/または前記バイオ医薬製品の製造後の解体を監視するための監視システム100を備えるシステム300が示されている。監視システム100は、前記バイオ医薬製品を製造する能力を備えた製造システム200を監視するように構成されてよい。
【0097】
監視システム100は、製造システム200を含むシーンを捕捉するように構成された、少なくとも1つの画像捕捉デバイス140を備える。少なくとも1つの画像捕捉デバイス140は、少なくとも1台のカメラとすることができる。少なくとも1台のカメラは、視野内の画像を記録するように構成されてよい。少なくとも1台のカメラは、サーマルカメラを備えてよい。少なくとも1台のカメラは、3次元カメラを備えてよい。少なくとも1台のカメラは、例えば視野内の画像、IRもしくはNIRを捕捉するように構成された、かつ/または3次元画像を撮影するように構成された、ビデオカメラを備えてよい。
【0098】
監視システム100は、1つまたは複数のプロセッサ120と、メモリ110とをさらに備える。プロセッサ120および/またはメモリは、少なくとも1台のカメラに接続されている。プロセッサは、製造システム200の状態を追跡するために、カメラによって捕捉された画像を処理するように構成される。
【0099】
プロセッサは、バイオ医薬製品の製造のための装備または製造システムを含むシーンの少なくとも1つの画像を処理するように構成される。少なくとも1つの画像を処理することは、少なくとも1つの画像に対して、画像内の第1の対象物を分類するための第1のプロセスを実行することであって、前記第1の対象物が、クランプ、ポンプ、弁、および/もしくはセンサのようなデバイス、ならびに/またはシングルユースバッグおよび/もしくは他の任意のバイオ処理装置であり、前記第1のプロセスが、画像内の第1の対象物を識別、位置特定、および分類することを含む、前記実行することを含む。少なくとも1つの画像を処理することは、少なくとも1つの画像(またはそのコピー)に対して、画像内の接続部を識別および位置特定するための第2のプロセスを実行することを含む。第2のプロセスは、関連する第2の対象物分類器を用いて各画素を分類することであって、前記第2の対象物分類器が、第1の対象物および配管からなる群から選択される第2の対象物のための分類器である、前記分類することと、接続部に関連する画素をセグメント化することと、第1の対象物との接続部マッピングを識別することとを含む。処理することは、第2のプロセスから取得された識別された接続部マッピングおよび第1のプロセスによって識別された第1の対象物に関係する情報を含む、集約情報を形成することをさらに含む。
【0100】
プロセッサは、図1図2、および図3に関する説明の中で例示した処理を実行するように構成されてよい。
【0101】
図6は、製造システム200および監視システム100を備えるシステム300の例を示す。監視システム100は、画像捕捉デバイス140およびプロセッサ120およびメモリ110を備える。本監視システムは、製造システムの、第1の部分と接続部とを有する部分をカバーする、視野を有する。
【0102】
監視システム100は、小型とすることができ、したがって、製造システム200を収容する環境に容易に収まることができる。図示の例では、監視システム100は、1つのユニットとして形成されている。これは例にすぎない。監視システム100の異なる部分が、異なる位置に形成されていてよい。例えば、画像捕捉デバイスがある位置に置かれ、プロセッサとメモリが別の位置に置かれていてよい。その場合、さまざまなデバイスがワイヤレスに、または有線で通信してよい。
【0103】
図7は、より自由度の高い製造システム200を監視するための監視システムの使用例を示す。上方の写真は製造システムを示す。下方の写真は、この監視システムによって形成された集約拡張画像6を示す。
【0104】
図示の例では、第2のプロセスから取得された識別された配管マッピング5および第1のプロセスによって識別された第1の対象物2に関係する情報を含む集約拡張画像6。第1のプロセスによって識別されたそれぞれの第1の対象物2についての情報は、図示の例では、第1の対象物のマークアップを含む。マークアップは、境界線1によって囲まれてよい。マークアップ/境界線1は、それぞれの対象物2のところまたはその付近に位置付けられてよい。マークアップ/境界線は、マークアップ/境界線1がどの第1の対象物に関連付けられているかが明らかであるように、関連する第1の対象物2に対して位置付けられるべきである。図中に示すように、矢印は、マークアップ/境界線から関連する第1の対象物へと、またはその逆に向いていてよい。マークアップは、ポンプ、ワークフロー接続部、ディスプレイ、圧力センサ、温度センサ、クランプなど、第1の対象物の分類を示す、文字による情報を含んでよい。マークアップはさらに、クランプ閉鎖など、分類された第1の対象物に関係する状態を含んでもよい。
【0105】
図示の例では、第1の対象物2が、第1の対象物2を少なくとも部分的に囲むマーク2'によって識別されている。
【0106】
したがって、本監視システムは、非常に自由度が高く、しかもそれほど構造化されていない製造システムの状態の監視をサポートすることができる。
【0107】
これが示すのは、本明細書において定める、場合によっては人工知能を使用した監視を、エラープルーフ化ワークフロー、センサのスケーラビリティ/追加、自由度、プロセス最適化、および/または連続監視を得るためにいかにして使用することができるか、ということである。
【0108】
図8は、ISA95標準に準拠したさまざまなレベルの製造サポート提供を示した方式を示す。レベル0は、物理的生産プロセスを示す。レベル1では、物理的生産プロセスのセンサ、ポンプなどの構成要素が定義される。物理的プロセスはセンサによってセンシングされ、生産プロセスは操作することができる。レベル2は、オートメーションシステムに関係する。レベル2は、工場またはユニットオペレーションレベルとして定義することができる。レベル2では、プロセスの監視および監督制御および自動制御が行われる。レベル1およびレベル2を実装することにより、製造制御が達成される。製造制御には、基本制御、監督制御、プロセスセンシング、およびプロセス操作が関与する。
【0109】
レベル3は、製造実行システムMESレベルである。図示の例では、レベル3において、所望の最終製品を生産するためのバッチ記録が制御される。バッチ記録は、ワークフローおよび/または製法の制御を意図したものである。バッチ記録が維持されてよく、かつ/または生産プロセスが最適化されてよい。本明細書において開示した所定のワークフロープロセス方式を使用することにより、主としてこのレベルにおける製造サポート、すなわちバッチ記録の制御、実行、および文書化が可能になる。本明細書において説明した監視システムを最大限に活用するために、バッチ記録は好ましくは電子的に管理され、ワークフロー指示、ならびにセンサなどによる電子バッチ記録(eBR)への入力およびフィードバックが、電子的に転送される。このレベル3は、製造オペレーション管理レベルと表すことができる。このレベルは、生産のディスパッチングおよび/または詳細な生産のスケジューリングおよび/または信頼性保証をカバーする。
【0110】
しかし、ワークフローの少なくとも一部は、レベル2において定義することができる。これについては、図9に関してより一層論じる。
【0111】
レベル4は、エンタープライズリソースプランニングERPレベルである。レベル4は、経営計画および物流のレベルである。このレベルには、プラント生産スケジューリングおよび経営管理が関与する。
【0112】
図9は、所定のバイオ医薬製品の製造用方式の例を示す。
【0113】
この方式は、図示の例では、所定のバイオ医薬製品の製造用の高レベルワークフロー80を含む。図示の例では、高レベルワークフロー80は、材料移送および/またはBOM検査81から開始する。その後、製造システムの設置のための設置ステップ82が実行される。その後、設置が検証83される。その上、場合によっては人手による介入を伴う自動処理84が実行される。その後、人手による活動をサンプリングするためのサンプリングステップ85が実行される。その後、製造の現場がクリーニング86される。このステップでは、シングルユース製品が処分される。この高レベルワークフロー80からステップが追加および/または除去されてよい。
【0114】
さらに、この方式は、所定のバイオ医薬製品の製造用の指示90、100を含んでよい。指示は、例えば、標準作業手順SOPおよび/または電子バッチ記録eBRを含む。指示は、図7に関して論じた、(ISAすなわち国際計測制御学会による)ISA95標準に準拠したさまざまなレベルの製造サポート提供における、レベル2とレベル3のどちらか、またはそれらの組合せに属してよい。
【0115】
図示の例では、レベル3指示90は、ラインクリアランス指示91を含む。この指示は、特質上、材料移送および/もしくはBOM検査81の初期化に先行し、または材料移送および/もしくはBOM検査81の初期化と見なすことができる。
【0116】
図示の例では、レベル3指示はさらに、消耗品および/または装置および/または流体および/または慣例(etiquette)の移送の指示92を含む。この指示は、特質上、材料移送および/もしくはBOM検査81ならびに/または設置82に属する。
【0117】
図示の例では、レベル3指示はさらに、バッグ設置および/またはバッグ充填の指示93を含む。この指示は、特質上、設置82および/または検証83に属する。
【0118】
図示の例では、レベル3指示はさらに、流体処理前の最終設置の指示94を含む。この指示は、特質上、検証83および/または自動処理84に属する。
【0119】
図示の例では、レベル3指示はさらに、流体サンプルの収集の指示95を含む。この指示は、特質上、自動処理84および/または人手による活動のサンプリング85に属する。
【0120】
図示の例では、レベル3指示はさらに、製品ハンドリングの指示96を含む。この指示は、特質上、人手による活動のサンプリング85に属する。
【0121】
図示の例では、レベル3指示はさらに、消耗品の処分の指示97を含む。消耗品は、SUTタイプ(シングルユース技術)のものとすることができる。この指示は、特質上、クリーニング86に属する。
【0122】
さらに、図示の例では、レベル2指示100が、流体経路設置、例えばクロマトグラフィーシステムのための指示101を含む。この指示は、特質上、材料移送および/もしくはBOM検査81ならびに/または設置82に属し、この指示はまた、例えば、クロマトグラフィーシステムおよびその制御システム、または別のワークフロー管理システムによって定義、実行、文書化、および維持される、標準作業手順(SOP)としてのレベル3 eBRによって、要求または参照され得る。
【0123】
さらに、図示の例では、レベル2指示100は、クロマトグラフィーシステムへのバッグの接続の指示102を含む。この指示は、特質上、設置82および/または検証83に属する。この場合も、この指示、その実行および文書化は、標準作業手順(SOP)としてのレベル3 eBRによって、要求または参照され得る。
【0124】
さらに、図示の例では、レベル2指示100は、プロセスオートメーションおよび/またはデータ記録の実行の指示103を含む。この指示は、特性上、自動処理84に属する。
【0125】
さらに、図示の例では、レベル2指示100は、文書化および/またはデータ管理の指示104を含む。この指示は、人手によるサンプリング活動85および/またはクリーニング活動86を含んでもよく、その一部であってもよい。
【0126】
所定のバイオ医薬製品の製造用のこの方式は、上記から明らかなように、例にすぎない。高レベルワークフロー80および/または指示90、100は、追加または除去されてよい。指示はさらに、レベル2またはレベル3のいずれか適切なほうに属するように選択されてよい。レベル2活動は、別途の電子ワークフローシステムによって管理され得るSOP(標準作業手順)と見なすことができる。このレベル2ワークフロー管理システムは、オペレータに指示し、オペレータをガイドし、かつオペレータの誤りを正すこと、結果を文書化すること、知的センシング、学習能力、およびワークフロー向上能力を提供することという、上述の特徴を提供してよい。レベル2ワークフロー管理システムは、クロマトグラフィーシステムとその制御ソフトウェアなどの機器もしくはシステムによって、または独立したスタンドアロンのシステムとソフトウェアによって、提供されてよい。
【0127】
本明細書において説明した監視システムおよび方法は、図8および図9に関して開示したインフラストラクチャに統合されてよい。本監視システム/方法をそのようなインフラストラクチャに統合することは、非常に簡単である。
【0128】
本明細書において論じた分類器および画素分類器は、特質上、画像に対して実行される数学関数である。
【符号の説明】
【0129】
1 境界線
1' 境界線
2 第1の対象物
2' マーク
3 接続部
4 標識
5 接続部マッピング、配管マッピング
6 集約拡張画像
7 第1の拡張画像
8 第2の拡張画像
10 方法
80 高レベルワークフロー
81 材料移送および/またはBOM検査
82 設置のための設置ステップ、設置
83 検証
84 自動処理
85 サンプリングステップ、人手による活動のサンプリング、人手によるサンプリング活動
86 クリーニング、クリーニング活動
90 レベル3指示
91 ラインクリアランス指示
92 指示
93 指示
94 指示
95 指示
96 指示
97 指示
100 監視システム、レベル2指示
101 指示
102 指示
103 指示
104 指示
110 メモリ
120 プロセッサ
140 画像捕捉デバイス
200 より自由度の高い製造システム
300 システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】