(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】クラウドベースの放射線医学コメント挿入および作業空間共有
(51)【国際特許分類】
G16H 30/40 20180101AFI20220111BHJP
【FI】
G16H30/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526652
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-05-14
(86)【国際出願番号】 US2019062230
(87)【国際公開番号】W WO2020106729
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】516215925
【氏名又は名称】アーテリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ラファエル デイビッド ベッカーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アクセリオ-シリーズ
(72)【発明者】
【氏名】マウド ホセ カロライン ベナディ
(72)【発明者】
【氏名】パトリック ロス コーレス
(72)【発明者】
【氏名】シェク ブン ロー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン レイド
(72)【発明者】
【氏名】デレク ジョン シェルガー
(72)【発明者】
【氏名】ケンドール ウー
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
本開示は、例えば、画像内コメント挿入および作業空間共有のようなマルチユーザーコラボレーション機能を組み入れるための医療画像ビューアに関する。例示的な方法は、コメントに関連付けられた画像座標およびコメント情報を含むコメント位置をユーザーデバイスから受信することを含む。コメント情報は、テキスト本文、ユーザーに関係するアイデンティティ情報、およびコメント作成日付を含む。さらに、例示的な方法は、画像座標に基づいて世界座標を決定し、DICOM画像ファイルのヘッダー属性のサブセットとして世界座標およびコメント情報を格納することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
DICOM画像ファイル内にコメントを組み入れる方法であって、
画像ビューワーシステムのプロセッサーによって、ユーザーに関連付けられたユーザーデバイスから前記コメントに関連付けられたコメント位置およびコメント情報を受信するステップであって、
前記コメント位置は、画像座標を含み、
前記コメント情報は、テキスト本文、前記ユーザーに関係するアイデンティティ情報、およびコメント作成日付を含む、
ステップと、
前記画像座標に基づいて世界座標を決定するステップと、
前記ビューワーシステムのストレージメディアに、前記DICOM画像ファイルの1つまたは複数のヘッダー属性のサブセットとして前記世界座標および前記コメント情報を格納するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記ユーザーデバイスから編集要求を受信して、前記コメントの前記テキスト本文を修正するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザーデバイスから、更新された画像座標を含んでいる移動要求を受信して、応じて前記世界座標を修正するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記コメント位置を修正されることから防ぐピン要求を受信するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
別のユーザーの別のユーザーデバイスからの前記コメントに対する返信と、前記コメント位置に関連付けられた、返信のテキスト本文を含んでいる返信と、前記別のユーザーに関係するアイデンティティ情報と、返信の作成日付とを受信するステップ
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コメントおよび前記返信は、前記1つまたは複数のヘッダー属性(複数可)に格納され、対応する作成日付に基づいてスレッドされることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記コメントは、前記DICOM画像ファイルに関連付けられた注釈オブジェクトと画像座標を共有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記DICOM画像ファイルは、複数のDICOM画像を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記1つまたは複数のヘッダー属性のうちの1つは、前記スタディIDの属性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
DICOM画像環境における作業空間へのアクセスを請求する方法であって、
画像ビューワーシステムのプロセッサーによって、ユーザーに関連付けられたユーザーデバイスから医療イメージングスタディに関係するスタディIDおよびユーザーアイデンティティを受信するステップであって、前記ユーザーアイデンティティは、組織ID、名前ID、アプリID、および電子メールアドレスから構成されるグループのうちの1つまたは複数を含む、ステップと、
前記スタディIDおよび前記ユーザーアイデンティティに関連付けられた作業空間識別子を含むセッションのハッシュを生成するステップと、
メモリに前記セッションのハッシュを格納するステップと
備えることを特徴とする方法。
【請求項11】
同じスタディIDに関連付けられた1つまたは複数の他の作業空間識別子を決定するステップと、
各々が、前記スタディIDに関連付けられると決定された個々の作業空間識別子に対して作業空間キーおよび作業空間値を含むキー-値のペアを含む、1つまたは複数の作業空間のロックを生成するステップであって、
前記作業空間キーは、組織ID、名前ID、および前記スタディIDを含み、
前記作業空間値は、前記アプリID、前記電子メールアドレス、前記組織ID、および前記名前IDを含む、
ステップと、
メモリに前記作業空間のロック(複数可)を格納するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つまたは複数の作業空間のロックは、継続のままでいる要求が前記ユーザーデバイスから前記ビューワーシステムによって受信されない予め構成された期間の後に満了するように構成されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記作業空間からのユーザーログアウトイベントと、
前記作業空間からの作業空間退出イベントと
のうちの少なくとも1つを検出するステップと、
前記1つまたは複数の他の作業空間識別子に関連付けられた前記1つまたは複数の作業空間のロックを除去ステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザーデバイスから第1の検出要求を受信して、前記作業空間キーに対して行われる変更を検出するステップと、
別のユーザーデバイスから第2の検出要求を受信するステップと、
前記ユーザーデバイスから第1の請求要求を受信して、前記作業空間キーに前記ユーザーの前記ユーザーアイデンティティを適用するステップと、
前記別のユーザーデバイスから第2の請求要求を受信するステップと、
前記作業空間キーに前記ユーザーの前記ユーザーアイデンティティを書き込み、前記第1の請求要求に応答して確認を送信するステップと、
前記第2の検出要求が前記作業空間キーに対する変更を検出すると、前記第2の請求要求にnull応答を送信するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記生成するステップは、前記作業空間識別子とアプリIDを共有する前記ビューワーシステムの前記メモリに格納された別の作業空間識別子を検出するステップであって、前記別の作業空間識別子は、前に実行している作業空間インスタンスに関連付けられる、ステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記前に実行しているインスタンスを終わらせるステップをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、医療イメージングアプリケーションに関し、より詳細には、例えば、画像内コメント挿入および作業空間共有のようなマルチユーザーコラボレーション機能を組み入れるための医療画像ビューアに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年11月20日に出願された米国特許仮出願第62/770,051号に対する優先権の利益を主張するものであり、その出願全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【0003】
通常、放射線医学画像は、現代の核医学技術、たとえば、PET(陽電子放射断層撮影)、CT(コンピュータ断層撮影)、MRI(核磁気共鳴画像法)、fMRI(機能的MRI)、X線、マンモグラフィー、トモシンセシス、超音波、またはその他のモダリティーを利用したイメージング機器を通じて生成された2次元画像、3次元画像、または再構成された融合された画像から構成される。放射線医学の画像は一般に、患者の医療記録(たとえば、電子医療記録もしくはEMR)、EHR(electronic health record)、またはPACS(Picture Archiving and Communication System)に保存され、これらの画像は、診断、治療、またはその他のヘルスケアを提供する過程において患者または保健専門家によって閲覧され得る。しかしながら、放射線医学の画像に関連する通信は、緊急の状況においては安全でない、効率的でない、および/または制限されることが可能である。ユーザーは、ログインおよびパスワードを共有したり、手書きのメモを使用したり、CDを作成したり、またはその他のユーザーに電話して放射線医学の画像における特定の特徴に関する重要な、時には時間的制約のある情報を伝達したりすることがある。
【0004】
現代のEMRおよびEHRソフトウェアシステムならびにPACSは、プロバイダと患者との間にいくつかの通信機能を提供する。しかしながら、これらのチャネルを通じて共有される放射線医学の画像は、放射線医師の検査の過程において生成された診断情報を欠いている場合がある。診断メタデータが提供されているケースにおいてさえ、医師たちは、豊富な機能のデータ、たとえば、位置、測定値を伝達することが不可能であり、その他の医師たちまたは自分の患者たちと会話を続けることも協力することも不可能である。一例がHorosであり、これは、その他のユーザーとのクラウド共有を提供するが、会話のための機能もコラボレーションのための機能も提供しない。
【0005】
一般に、放射線医学画像は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine;医療におけるデジタル画像と通信)標準に準拠し、これは、デジタル放射線医学イメージングのために使用されるファイル/データフォーマット、データ交換プロトコル、およびネットワークプロトコルアーキテクチャーを設定する。DICOM標準は、HIS(病院情報システム)およびRIS(放射線情報システム)と統合しているPACS(Picture Archiving and Communication System)の出現において顕著な役割を果たしている。
【0006】
企業レベルでのデジタルイメージングの採用が増大するにつれて、合理化された通信だけでなく、コラボレーションに対する需要も増大するであろう。現在のイメージングアプリケーションを使用すると、放射線医学専門家は、必要な機器またはソフトウェアを欠いているその他の保健専門家とイメージングスタディ上で協力して適切な機能固有のフィードバックをタイムリーな様式で提供することが不可能である。デジタル放射線医学イメージングアプリケーションは、洗練されたツールセットおよび閲覧環境を提供するが、それらは、特定の状況におけるコラボレーション、たとえば、デジタル画像およびそれらに対して作成された注釈の包括的なコレクションを含む縦断的スタディを容易にすることはできない。
【0007】
現在のPACSは、永続的な診断情報を共有するために必要とされる精度を提供せず、デジタル画像閲覧環境における協力も行わない。したがって、プラットフォームおよび地理的エリアにわたってアクセス可能な通信およびコラボレーションツールを提供するPACSに対する必要性が存在する。
【0008】
本開示の実施形態は、添付の図面の図において限定ではなく例として示されており、それらの図においては、同様の参照記号は、類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】1つまたは複数の実施形態に係るDICOM画像ファイル内に1つまたは複数のコメントを作成し格納する例示的な方法を示す図である。
【
図2】DICOM画像ファイル上にコメントを配置するための例示的な作業空間を示す図である。
【
図3】配置されたコメントを表示する例示的な作業空間を示す図である。
【
図4】コメントリストを表示する例示的な作業空間を示す図である。
【
図5】注釈の配置をデモンストレーションする例示的な作業空間を示す図である。
【
図6】例示的な医療イメージングビューアシステムのブロック図を示す図である。
【
図7】コメントを編集することをデモンストレーションする作業空間を示す図である。
【
図8】コメントに返信することを例示する作業空間を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
これらの実施形態のその他の特徴は、添付の図面から、および以降の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0011】
デジタル放射線医学イメージング環境のための改善された通信およびコラボレーションを提供するためのさまざまなアプリケーション、方法、およびシステムが、本明細書において開示されている。記述されている実施形態は、DICOM 3.X標準など、1つまたは複数の通信標準に従ってデジタル生物医学画像(以降では「画像」)内にコメントを格納することを容易にすることができる。開示されている実施形態は、将来の標準、すなわち、DICOM標準またはその他の標準すべてに対する更新に適用可能であるということが理解されるであろう。記述されている実施形態は、デジタル生物医学画像閲覧アプリケーション内の作業空間(workspace)をその他のユーザーと共有することを容易にすることもできる。そのような実施形態は、とりわけ、画像データまたはメタデータをエンドユーザがローカルに格納することを必要とせずにDICOM画像データを解釈および表示するように構成されているクラウドベースのソフトウェアアプリケーションを採用することが可能である。
【0012】
図1を参照すると、1つまたは複数のコメントを作成しDICOM画像ファイル内に格納する例示的な方法100が例示される。示されているように、方法100は、ステップ110において開始し、ステップ110にて、ビューアシステムが、ユーザーからコメント位置およびコメント情報を受信する。上記ユーザーは、シンクライアントデバイス(ユーザーデバイス)を通じてビューアシステムにアクセスすることがあり、ユーザーデバイスは、処理およびストレージハードウェアを含み、格納されているインターネットまたはイントラネットアプリケーションを介してアクセス可能なビューアアプリケーションを実行するように構成される。
【0013】
図2を参照すると、コメントを配置するための作業空間200が示されている。1つまたは複数の実施形態においては、ビューアシステムは、ユーザーが作業空間、たとえば、作業空間200を作成、格納、および共有することを可能にし得る。本明細書において使用される際には、「作業空間」とは、1つまたは複数のスタディに関連したDICOM画像ファイルの、ユーザーによって構成されたコレクションと、コラボレーションを可能にするためにビューアアプリケーションによって構成可能な1つまたは複数のユーザインターフェースとを指す。DICOM画像ファイル、コメント、注釈のコレクションはすべて、ユーザーによって構成可能であり得る作業空間の属性であり得る。したがって作業空間は、注釈、コメント、視覚的分析、患者の人口統計情報、または、スタディに関連するその他の任意のツールセットを含み得る。作業空間のそのような任意の構成は、以降で記述されているようにビューアシステムのメモリに格納され得る。
【0014】
一実施形態においては、ユーザーは、ネットワークを通じてビューアシステムから受信されて、示されているようにビューアアプリケーションを通じて表示されているDICOM画像202上の位置を、ユーザーのデータ処理デバイス(ユーザーデバイス)によって実行されるビューアアプリケーションの作業空間200を通じて選択する。位置が選択されると、コメントの短い形態、すなわちアイコン204が、その位置に関連付けられている画像座標に表示される。また、ユーザインターフェースウィンドウ206がポップアップして、ユーザーに対して、テキスト本文208を入力するよう、そしてその後に、コメントを配置するか(「コメント」ボタン210)または配置をキャンセルするか(「キャンセル」ボタン212)を選択するよう促すことが可能である。
【0015】
コメント情報は、テキスト本文、ユーザーアイデンティティ(たとえば、電子メール、名前、苗字)、およびコメント作成のときにビューアアプリケーションによって生成された作成日付(たとえば、タイムスタンプ)を含む。ユーザーアイデンティティは、最初のログイン中に生成され得るユーザーのプロフィール情報から取り出されることが可能である。一実施形態においては、テキスト本文は、英数字を含み得る。さらなる実施形態においては、テキスト本文は、HTMLフォーマット設定要素を含み得る。
【0016】
上述されているようにユーザーがコメントを提示すると、ビューアアプリケーションは、コメント情報をビューアシステムへ送信して、永続的なメモリ、たとえば、不揮発性メモリに格納されるようにする。ユーザーデバイスのメモリに格納されているコメント情報は、その後に除去され得る。したがって、ビューアアプリケーションは、ビューアシステムおよびサードパーティーシステム、たとえば、HIS、RIS、および/またはその他のPACSのコンピューティングパワーおよびストレージプロビジョンに依存することによって、限られたフットプリントをユーザーデバイス上に残すことが可能である。
【0017】
再び
図1を参照すると、さらなるステップ120にて、ビューアシステムは、画像座標(image coordinate)を世界座標(world coordinate)へ変換する。世界座標は、同じ画像が別のビューアアプリケーションインスタンスを通じて閲覧されて、画像上の位置におけるコメントを表示するとき、画像座標へ再び変換されることがある。
【0018】
最後のステップ130は、世界座標およびコメント情報を、例えば、STUDY IDのようなDICOM属性の値フィールド内に格納することを含む。STUDY ID属性は、好ましい実施形態であり得る。なぜなら、STUDY IDは、任意のDICOM画像ファイルの必須要素であり、モダリティー固有の属性としてDICOM標準内に保存される、すなわち、STUDY IDは、機器によって生成され、将来の参照のためにスタディを識別するために、オプションとしてスタディ関連情報を搬送するために使用されるからである。しかしながら、コンテンツ、作成時間、ユーザーアイデンティティ、およびそれらの間における階層関係を含むコメント情報を格納するために、STUDY UIDなど、DICOM画像ファイルのさまざまなヘッダー属性またはその他の要素が、代替として、または追加として採用され得るということが理解されるであろう。
【0019】
加えて、画像プロパティが、世界座標およびコメント情報とともに格納されることも可能である。画像プロパティは、コメント作成時における画像メタデータ、たとえば、多平面再構成(MPR)プロパティを含むことが可能であり、コメント作成前の画像状態のコメント内保存を可能にすることができる。コメントを表示すると、それに関連付けられている画像プロパティが適用されることも可能である。したがって、コメントをクリックすると、コメント作成時における画像ファイルのスナップショットが表示される。このようにしてコンテキストを共有することは、あいまいさを低減すること、および通信を合理化することが可能である。
【0020】
図3を参照すると、配置されたコメント314を示す作業空間300が示されている。コメント314は、対応するユーザーデバイスのビューアアプリケーションを通じてその他のユーザーによって閲覧可能であり得る。コメント314は、ユーザエンティティー、テキスト本文、および作成日付を表示することが可能である。コメントを削除するための削除ボタン316が提供され得る。コメントアイコン304をクリックすると、コメントを最小化すること、すなわち、コメント情報を非表示にしてコメントアイコンのみを示すことが可能である。対応するアイコンをその後にクリックすると、コメントが再び表示される。
【0021】
その他の実施形態においては、コメントウィンドウは、「編集」ボタン315または「返信」ボタン317など、1つまたは複数の選択可能なアクションをさらに含み得る。編集が
図7において示され得る。編集することを選ぶことは、ユーザーがコメント情報、すなわちテキスト本文719を修正することを可能にすることができる。いくつかの実施形態においては、コメント情報は、同じ関連付けられているユーザーアイデンティティ情報を有するユーザーによって編集されることのみが可能である。他の実施形態においては、元の投稿ユーザーは、個々のユーザーにアクセスを提供するか、または関連する作業空間を組織内のその他のユーザーと共有して、コメントに対する編集および/または返信を可能にすることができる。またはユーザーは、別の組織またはその組織のユーザーを、協力するよう招くことが可能である。一実施形態においては、編集は、ユーザーデバイスによって、ビューアシステムからコメント情報を取り出し、そのコメント情報を更新し、更新されたコメント情報をビューアシステムへ送信することを含み得る。編集が完了すると、ユーザーは、「保存ボタン」721を選択して、テキスト本文719をビューアシステムに格納すること(すなわち、前にスタディIDに格納されたコメント情報を置き換えること)が可能である。
【0022】
コメントへの返信が
図8において示され得る。返信するユーザーは、テキスト本文819を入力するように、および「コメント」ボタン823を選択して返信をコメント情報に格納することによってテキスト本文を確認するように促され得る。
【0023】
返信機能は、スレッドを利用して、コメントスレッドの部分の間における親子関係を格納し、世界座標に基づいて専門家の間における会話を可能にすることができる。コメントスレッドは、元のコメントと、それに対して行われた1つまたは複数の返信とを含み得る。コメントスレッドは、日付ごとに整理され得る。
【0024】
いくつかの実施形態においては、ビューアアプリケーションは、画像上の任意の数の位置における複数のコメントアイコンに関連付けられている1つまたは複数のコメントのリストを表示することが可能である。コメントアイコンが選択されると、そのコメントアイコンに関連付けられているコメント情報は、
図3において示されているように、その位置の実質的に近位に生成されたコメントウィンドウにおいて閲覧され得る。
【0025】
図4を参照すると、画像スタック420に関連付けられているコメントリスト418を示す作業空間400が示されている。示されているように、ビューアアプリケーションは、画像スタック420を構成している複数の画像ファイルに関連付けられているコメントリスト418における複数のコメントを表示することが可能である。画像スタックとは、関連したDICOM画像ファイルのコレクション、たとえば、心臓の一連の断面、またはDICOM画像ファイルのマルチモーダル編集物を指すことが可能である。
【0026】
すべてのコメントを最小化すること(すなわち、それらのアイコンへ)、すべてのコメントを非表示にすること(すなわち、アイコンを含む)、すべてのコメントを削除すること、およびコメント情報をサードパーティーのデータベース管理システムへエクスポートすることなど、バッチコメントアクションが画像スタック420全体に適用され得る。
【0027】
コメントリスト418からコメントを選択すると、ビューアアプリケーションを通じてコメント情報が表示され得る(すなわち、正しい画像ファイルが表示されている場合)。選択されたコメントに対応する画像ファイルがまだ表示されていない場合には、ビューアアプリケーションは、その上にコメントを表示する前に、最初に画像スタック420内の適切な画像ファイルを表示することになる。
【0028】
別の実施形態においては、配置されたコメントの位置は、その配置されたコメントに関連付けられている世界座標を直接修正することによって修正され得る。たとえば、移動されたコメントは、新たな位置、すなわち、新たな画像座標に関連付けられ得る。新たな画像座標を以前の位置の画像座標と比較して、ビューアアプリケーションは、コメントの世界座標に対する更新を決定し、それをビューアシステムへ送信して、その中のメモリに格納されるようにすることが可能である。
【0029】
図5を参照すると、作業空間500は、注釈522およびその上に作成されたコメント506の配置を示す。示されているように、コメント506は、画像注釈522、たとえば、測定値に関連付けられ得る。画像注釈は、DICOM画像ファイルに含まれている標準のDICOMタグを使用して完全にエンコードされ得る。または画像注釈は、DICOM画像ファイルの1つまたは複数のプライベートデータ要素においてエンコードされ得る。さらに別の例においては、画像注釈は、DICOM画像に埋め込まれた、または注釈付きDICOM画像ファイルを参照するように構成されている注釈オブジェクトに埋め込まれたグラフィック注釈シーケンスであり得る。注釈オブジェクトは、グラフィック注釈、対応するDICOM画像ファイルへのポインタ、およびDICOM画像における位置を含み得る。位置は、世界座標(これらは、画像がビューアアプリケーションによって表示される前に、画像座標へ変換される)または画像座標を含み得る。一実施形態においては、注釈オブジェクトに関連付けられているコメントの位置は、その注釈オブジェクトの位置と同じであり得る。いずれのケースにおいても、コメントは、測定オブジェクトへのポインタ(DICOM画像ファイルとは別個の場合)またはプライベートデータ要素をさらに含み得る。
【0030】
1つまたは複数の実施形態においては、ビューアシステムは、ユーザーが作業空間を作成、格納、および共有することを可能にすることがある。本明細書において使用される際には、「作業空間」とは、スタディに関連したDICOM画像ファイルのコレクションおよびその1つまたは複数のユーザインターフェースビューを指す。スタディは、複数の作業空間に関連付けられ得る。ユーザインターフェースは、注釈、コメント、視覚的分析、患者の人口統計情報、または、画像分析およびその他の専門家とのコラボレーションの過程において使用され得るその他の任意のツールセットを含むようにユーザーによって構成され得る。作業空間のそのような任意の構成は、ビューアシステムのメモリに格納され得る。
【0031】
一実施形態においては、作業空間は、アイデンティティ情報に関連付けられ得る。アイデンティティ情報は、特定の組織に関連付けられている組織ID、および特定のユーザーに関連付けられている名前IDを含み得る。一実施形態においては、作業空間の許可は、作業空間に対する読み取り/書き込みアクセスを規制するために作業空間の作成者によって設定されること、およびその後に修正され得る。最も単純な使用例においては、組織のポリシーが、イメージングスタディにおけるユーザコラボレーションを容易にするためにユーザーのうちのすべてまたはサブセット、たとえば、割り当てられた放射線科医を事前に承認することが可能である。
【0032】
好ましい実施形態においては、組織IDは、作業空間の必須の属性である。名前IDは、任意選択の属性であることが可能であり、これは、許可されたユーザーが組織のアイデンティティ、すなわち、ユーザー固有ではない作業空間のみを想定することを可能にする。たとえば、組織IDに関連付けられている組織内のいずれのユーザーも、組織IDを有する作業空間にアクセスすることが可能である。しかしながら、同じ組織からの複数のユーザーが組織の作業空間にアクセスする場合には、作業空間の構成を保存するために1人のユーザーのみが選択されるべきである。複数の同時のユーザーが単一の作業空間を編集することは、バージョン履歴において分岐をもたらす場合がある。したがってビューアシステムは、とりわけ、作業空間のロックを適用すること、同時編集およびコメント挿入を解決すること、ならびに監査機能を導入することによって、作業空間共有を容易にする。
【0033】
作業空間のロックは、ビューアシステムによって生成されてビューアシステムのデータベースまたはサードパーティーのデータストア、たとえば、REDIS、MongoDB、Memcachedなどに格納されるキー/値のペアであり得る。作業空間のロックキーは、組織ID、名前ID、およびスタディIDを含み得る。作業空間のロック値は、作業空間のロックを所有するアプリIDに関連付けられているアプリIDと、作業空間のロックを所有するアプリIDを有するユーザーに関連付けられている電子メールアドレスと、作業空間のロックを所有するアプリIDを有するユーザーの組織IDと、作業空間のロックを所有するアプリIDを有するユーザーの名前IDとを内部に有している文字列化されたオブジェクトであり得る。
【0034】
一実施形態においては、作業空間のロック取得方法は、ユーザーデバイスからSTUDY IDおよびユーザーアイデンティティ入力を受信することを含み得る。STUDY IDおよびユーザーアイデンティティ入力に基づいて、ビューアシステムは、現在の作業空間識別子を含むセッションのハッシュを一時的に生成し、ハッシュをメモリに格納することがある。さらなるステップにおいて、ビューアシステムは、受信されたSTUDY IDに関連付けられている1つまたは複数のその他の作業空間識別子を決定することがある。
【0035】
さらなるステップにおいて、ビューアシステムは、受信されたSTUDY IDに関連付けられているそれぞれの作業空間識別子ごとに個別の作業空間のロックを生成する。それぞれの作業空間のロックの対応するキーおよび値のペアを生成するために、ビューアシステムによって、受信されたユーザーアイデンティティ入力が利用されることが可能であり、またはデフォルトのユーザーアイデンティティが依拠されることが可能である。以降で記述されている別個の実施形態においては、複数のユーザーが同じスタディのために作業空間のロックをめぐって争う場合には、ビューアシステムは、ロックの競合を解決しなければならない。
【0036】
最後のステップにおいて、ビューアシステムは、作業空間のロックを生成し、ユーザーが作業空間を利用することを可能にする。作業空間のロックが取得されていない場合(すなわち、作業空間のロックが既に別のユーザーによって取得された場合)には、ユーザーは、作業空間を閲覧することだけは可能であるが、ユーザインターフェースまたはそのレイアウトに影響を与えることは不可能である。これは、所望のスタディIDに関連したいずれの作業空間も別のユーザーによって現在ロックされている(すなわち、使用中である)場合に発生することがある。
【0037】
一実施形態においては、ビューアシステムは、別々のユーザーからの作業空間のロック要求の間における競合を解決することがある。第1のステップにおいて、第1のユーザーデバイスは、作業空間キーに対して行われた変更を検出するためにビューアシステムに第1の検出要求を発行することがある。たとえば、REDIS WATCHコマンドが利用され得る。第2のステップにおいて、第2のユーザーデバイスは、作業空間のロックキーに対して行われた変更を検出するためにビューアシステムに第2の検出要求を発行することがある。さらなるステップにおいて、第1のユーザーは、作業空間のロックを請求するために第1の請求要求を送信する(上述の作業空間のロック取得方法を参照されたい)。別のステップにおいて、第2のユーザーは、作業空間のロックを請求するために第2の請求要求を送信する。別のステップにおいて、第1の検出要求によって変更が検出されなかった場合には、ビューアシステムは、第1の請求要求を処理し、作業空間のロックキーの所有権を第1のユーザーデバイスへ転送する、すなわち、第1のユーザーデバイスに関連付けられているユーザーアイデンティティが、作業空間のロックキーに適用される。さらなるステップにおいて、ビューアシステムは、第1の請求要求を処理した結果として作業空間のロックキーに対して行われた変更を第2の検出要求が検出したことに基づいて、第2の請求要求を拒否する(すなわち、null応答を送信する)。
【0038】
別の態様において、ビューアシステムは、同じユーザーによる複数の同時ビューアアプリケーションインスタンスを防ぐように構成されている。ユーザーは、ビューアアプリケーションのインスタンスがユーザーデバイスによって実行されていることを忘れる場合がある(たとえば、ビューアアプリケーションがブラウザタブにおいてアイドルである場合がある)。好ましい実施形態は、ユーザーによって実行された新たなインスタンスを検出し、前に実行しているどんなインスタンスでも終了するビューアシステムに対してである。そうする際に、ビューアシステムは、ビューアシステムおよびユーザーデバイスのための全体的なバンド幅を低減し、同時変更が作業空間構成を破損するのを防ぐ。
【0039】
これは、作業空間のロック値のアプリID要素を利用することによって達成され得る。アプリIDは、インスタンスが実行されるコンテキストを記述する。ビューアアプリケーションの新たなインスタンスが、同じアプリIDを利用するユーザーデバイスによって委託されるイベントにおいて、ビューアシステムは、その同じインスタンスを検出し、作業空間のロックをその新たなインスタンスに向けて、前のインスタンスを閉じることがある。前のインスタンスのユーザインターフェースは、ロックされた作業空間をもはや表示されないことがあり、オプションとして、稼働しているインスタンスや異なる作業空間へユーザーを導くための、および/または既存のタブを閉じるためのダイアログが表示され得る。
【0040】
一態様において、作業空間のロックは、例えば、30秒のようなしきい値の期間の後に満了する。満了を防止するために、ユーザーデバイスによって利用されるビューアアプリケーションは、接続を継続したままに保つために定期的にビューアシステムにpingを送ることがある。作業空間のロックが満了するイベントにおいて、ビューアシステムは、下に説明されるロック解除方法を進めることがある。
【0041】
一実施形態においては、ビューアシステムは、作業空間のロックが満了すると作業空間のロックを解除することがあり、作業空間のロックは、たとえば、ユーザーがビューアアプリケーションからログアウトすると満了することがあり、または作業空間のロックは、ユーザーが、異なるスタディに関係した作業空間へ切り替えると満了することがある。
【0042】
第1のステップにおいて、ビューアシステムは、現在の作業空間からのユーザーログアウトイベントと、現在の作業空間からの作業空間退出イベントとから構成されるグループの1つまたは複数を検出することがあり、現在の作業空間は、作業空間識別子、STUDY ID、およびユーザーのアイデンティティ情報に関連付けられる。さらなるステップにおいて、ビューアシステムは、STUDY IDを現在の作業空間識別子と共有する1つまたは複数のその他の作業空間識別子を決定することがある。最後のステップにおいて、ビューアシステムは、一致する作業空間識別子に関連付けられているすべての作業空間のロックをメモリから除去することがある。
【0043】
図6を参照すると、例示的な医療イメージングビューアシステム600を示すブロック図が示されている。示されているように、システム600は、ネットワーク604(たとえば、インターネット、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、セルラー、イントラネットなど)を通じてビューアシステム606およびサードパーティーシステム608にアクセスすることが可能である任意の数のユーザーデバイス602A~Nを含む。ビューアシステム606は、とりわけ、上述されているコメント作成および格納方法100を実行することが可能である。あるいは、上述の方法および本明細書において記述されているその他の任意の方法のさまざまなステップは、ユーザーデバイス602A~Nまたはサードパーティーシステム608によって実行され得る。
【0044】
一実施形態においては、ビューアシステム606は、任意の数のプロセッサー632、ランダムアクセスメモリ(RAM)634、および内部または外部メモリ636などのハードウェア628を含む1つまたは複数のサーバー610上に全体的にまたは部分的に実装され得る。サーバー610は、ネットワークインターフェイス630を含むことが可能であり、それによって、それは、ネットワーク604にアクセスしてネットワーク604を通じて情報を送信または受信することが可能である。
【0045】
示されているように、少なくとも1つのデータベース612は、サーバー610によってアクセスされ得る。データベース612は、サーバー610にとって内部のものとして示されているが、ネットワーク604を介して、または別の有線もしくはワイヤレスの接続を介してサーバー610によってアクセスされ得るということが理解されるであろう。サーバー610は、所望のまたは必要とされている情報をデータベース612に格納することが可能であり、その同じデータベース612にアクセスしてそれらの情報を取り出すことが可能である。示されているように、データベース612は、1つまたは複数のデータベーステーブル614~618を含み得る。
【0046】
データベース612は、オブジェクトリレーショナルモデル620またはオブジェクトリレーショナルデータベース管理システムとしても知られているオブジェクトリレーショナルマッピング(ORM)ツールと通信状態にあることが可能である。ORM620は、サーバー610にとって内部のものとして示されているが、ネットワーク604を介して、または物理的な接続を介してサーバー610によってアクセスされ得るということが理解されるであろう。
【0047】
ORM620は、ユニバーサルリソースインジケータ(URI)マッパー622、およびRest APIジェネレータ624のうちの1つまたは複数と通信状態にあることが可能である。最初に、URIマッパー622は、マッピングオブジェクトのコレクションにおいて指定されたマッチングオブジェクトの1つまたは複数のルールに基づいて、システム内のデータの内部プログラム、ビュー、ロジック、またはプレゼンテーションへのポインタへとURIをマップすることが可能である。マッチングオブジェクトは、正規表現であり得る。URIマッパー622は、ウェブサーバー626と通信状態にあることが可能である。
【0048】
Rest APIジェネレータ624は、HTTPおよび/またはHTTPSを使用してサーバー610と通信するユーザーデバイスとの間でデータを送信および/または受信するためにウェブサーバーと通信状態にあることが可能である。Rest APIジェネレータ624は、ユーザーデバイスへの配信のためにデータベース612に格納されたデータを準備することが可能であり、接続されているシステムからデータを受信することが可能であり、および/または1つもしくは複数の接続されているシステムに対する格納もしくは送信のために受信されたデータを準備することが可能である。Rest APIジェネレータ624は、JSON、DICOM、XML、CSVなどを含むがそれらには限定されないフォーマット間において変換を行うことが可能であり得る。Rest APIジェネレータ624は、クライアントデバイスおよび接続されているシステムによるアクセスのためにORM620において観察されたデータ構造に基づいてURIを自動的に生成することが可能であり得る。
【0049】
ウェブサーバー626は、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTPおよび/もしくはHTTPS)または同様のプロトコルを使用して、要求に応じてウェブページをユーザーデバイスへ配信するように適合され得る。これは、HTMLドキュメントと、画像、スタイルシート、およびスクリプトなど、ドキュメントによって含まれることが可能である任意のさらなるコンテンツとの配信を可能にする。
【0050】
ユーザーデバイス602A~Nは、ウェブブラウザまたは同様のクライアントアプリケーションを採用して、ウェブサーバーとの通信に従事することが可能である。たとえば、クライアントアプリケーションは、HTTP/HTTPSを使用して特定のリソースを求める要求を行うことが可能であり、ウェブサーバーは、そのリソースのコンテンツを伴って応答すること、またはそうすることが不可能である場合にはエラーメッセージを伴って応答することが可能である。そのリソースは、データベースに格納されているデータまたはファイルであり得る。ウェブサーバーは、場合によってはHTTP/HTTPSを使用して、ユーザーデバイスからコンテンツを受信することが可能である。
【0051】
特定の実施形態においては、ユーザーデバイス602A~Nは、ネットワーク604を通じてサーバー610(すなわち、そのサーバー上で稼働しているアプリケーション)にアクセスすることが可能である。ユーザーデバイスは、クライアントアプリケーション、またはウェブブラウザもしくはウェブブラウザ類似アプリケーション(たとえば、ビューアアプリケーション)のようなその他のソフトウェアを稼働させることが可能であり得る。一実施形態においては、ユーザーデバイス602A~Nは、たとえば、入力/出力デバイス、ディスプレイ、プロセッサー、メモリ、および/またはオーディオ機器を含み得る。例示的なユーザーデバイスは、汎用コンピュータ、ラップトップ、携帯電話、スマートフォン、携帯情報端末、テレビ、タブレット、ウェアラブルデバイスなどを含むが、それらには限定されない。
【0052】
例示的なビューアアプリケーションは、HTMLデータ、画像、アイコン、および/または実行可能コードを含み得る。実行可能コードは、JavaScript、ECMAscript、coffeescript、python、Ruby、または、クライアントアプリケーション内での実行、もしくはクライアントアプリケーションによって実行可能な形態への変換に適したその他のプログラミング言語で構成され得る。
【0053】
特定の実施形態においては、ユーザーデバイス602A~N、ビューアシステム606、およびサードパーティーシステム608の機能のいずれかがサーバー610に組み入れられ、逆の場合も同じであることがあるということは、当技術分野における標準的な技術者にとって明らかであろう。同様に、ビューアアプリケーションのいずれかの機能がブラウザベースのクライアントへと組み入れられることがあり、上記の態様は、完全に本開示の範囲内にあることを意図されている。
【0054】
一実施形態においては、ビューアシステムと、接続されているデバイスまたはシステムとの間における通信は、変換および/またはシリアル化モジュールの使用を含み得る。シリアル化モジュールは、オブジェクトをメモリ内表現から、HTTPまたは別のトランスポートメカニズムを介した送信に適したシリアル化表現へ変換することが可能である。たとえば、シリアル化モジュールは、クライアントからサーバーへのトランスポートプロトコルを介した通信のためにデータをネイティブのPython、Ruby、またはJavaのメモリ内表現からJSON文字列へと変換することが可能である。
【0055】
本明細書において記述されている主題および機能的オペレーションの実施形態は、デジタル電子回路、有形に具体化されたコンピュータソフトウェアまたはファームウェア、本明細書において開示されている構造およびそれらの構造的な均等物を含むコンピュータハードウェア、ならびにそれらの組合せのうちの1つまたは複数において実装されることが可能である。上記の実施形態は、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置のオペレーションを制御するために有形の非一時的なプログラムキャリア上にエンコードされているコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュール(すなわち、1つまたは複数のコンピュータプログラム)として実装されることが可能である。プログラム命令は、代替として、または追加として、データ処理装置による実行のために適切な受信機装置へ送信するための情報をエンコードするために生成される人工的に生成された伝搬信号(たとえば、マシンによって生成された電気信号、光信号、または電磁信号)上にエンコードされ得る。そしてコンピュータストレージメディアは、マシン可読ストレージデバイス、マシン可読ストレージ基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリデバイス、およびそれらの組合せのうちの1つまたは複数であり得る。
【0056】
本明細書において使用される際には、「データ処理装置」という用語は、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、および/または複数のプロセッサーもしくはコンピュータを含むがそれらには限定されない、データを処理するためのすべての種類の装置、デバイス、およびマシンを含む。例示的な装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)および/または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用の論理回路を含み得る。例示的な装置は、ハードウェアに加えて、コンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード(たとえば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、およびそれらの組合せのうちの1つまたは複数を構成するコード)を含み得る。
【0057】
「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書においては「プログラム」、「ソフトウェア」、「ソフトウェアアプリケーション」、「モジュール」、「ソフトウェアモジュール」、「スクリプト」、または単に「コード」と呼ばれることも可能である。コンピュータプログラムは、コンパイラ型言語またはインタープリタ型言語、宣言型言語または手続き型言語を含むあらゆる形態のプログラミング言語で書かれることが可能であり、それは、スタンドアロンのプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、もしくは、コンピューティング環境における使用に適したその他のユニットとしてなど、あらゆる形態で展開され得る。そのようなソフトウェアは、ファイルシステムにおけるファイルに対応することが可能である。プログラムは、その他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部に格納され得る。たとえば、プログラムは、マークアップ言語ドキュメントにおいて、問題のプログラム専用の単一のファイルにおいて、または複数の連携されたファイル(たとえば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、もしくは、コードの部分を格納するファイル)において格納されている1つまたは複数のスクリプトを含み得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに配置されているか、もしくは複数のサイトにわたって分散されて通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータ上で展開および/または実行され得る。
【0058】
本明細書において記述されているプロセスおよびロジックフローは、入力されたデータ上で演算を行って出力を生成することによって機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラム可能なコンピュータによって実行され得る。プロセスおよびロジックフローは、FPGAおよび/またはASICなどであるがそれらには限定されない専用の論理回路によって実行されることも可能であり、その専用の論理回路として装置が実装されることも可能である。
【0059】
1つまたは複数のコンピュータプログラムの実行に適したコンピュータは、汎用マイクロプロセッサ、専用マイクロプロセッサ、および/またはその他の任意の種類の中央処理装置(CPU)を含むが、それらには限定されない。一般にCPUは、読み取り専用メモリ(ROM)および/またはRAMから命令およびデータを受け取ることになる。コンピュータの不可欠な要素は、命令を行うまたは実行するためのCPU、ならびに命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般にコンピュータはまた、データを格納するための1つもしくは複数のマスストレージデバイス(たとえば、磁気ディスク、光磁気ディスク、および/もしくは光ディスク)を含むことになるか、またはそれらのマスストレージデバイスとの間でデータを受信するために、もしくはデータを転送するために、もしくはその両方を行うために動作可能に結合されることになる。しかしながらコンピュータは、そのようなデバイスを有する必要はない。その上、コンピュータは、モバイル電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオもしくはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機、またはポータブルストレージデバイス(たとえば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)などではあるがそれらには限定されない別のデバイスに埋め込まれることが可能である。
【0060】
コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適したコンピュータ可読メディアは、あらゆる形態の不揮発性メモリ、メディア、およびメモリデバイスを含む。たとえば、コンピュータ可読メディアは、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、および/もしくはフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクもしくは取り外し可能ディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびに/またはCD ROMおよびDVD-ROMディスクのうちの1つまたは複数を含み得る。プロセッサーおよびメモリは、専用の論理回路によって補完されること、または専用の論理回路に組み入れられることが可能である。
【0061】
ユーザーとの対話を提供するために、実施形態は、ユーザーに情報を表示するための任意のタイプのディスプレイデバイスを有するコンピュータ上で実装され得る。例示的なディスプレイデバイスは、プロジェクタ、ブラウン管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)モニタ、および/または有機発光ダイオード(OLED)モニタのうちの1つまたは複数を含むが、それらには限定されない。コンピュータは、ユーザーがコンピュータに入力を提供することができる1つまたは複数の入力デバイスをさらに含み得る。入力デバイスは、キーボード、ポインティングデバイス(たとえば、マウスまたはトラックボール)のうちの1つまたは複数を含み得る。ユーザーからの入力は、音響、音声、または触覚の入力を含む任意の形態で受け取られることが可能である。その上、フィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(たとえば、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバック)を介してユーザーに提供され得る。コンピュータは、ユーザーによって使用されるデバイスへドキュメントを送信すること、およびそのデバイスからドキュメントを受信することによって(たとえば、ウェブブラウザから受信された要求に応答してユーザーのデバイス上のウェブブラウザへウェブページを送信することによって)ユーザーと対話することが可能である。
【0062】
本明細書において記述されている主題の実施形態は、バックエンドコンポーネント(たとえば、データサーバ)、ミドルウェアコンポーネント(たとえば、アプリケーションサーバ)、フロントエンドコンポーネント(たとえば、ユーザーが、本明細書にて説明される主題の実装と対話することができる際に経由するグラフィカルユーザインターフェース(GUI)および/もしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータ)、ならびに/またはそれらの組合せといったコンポーネントのうちの1つまたは複数を含むコンピューティングシステムにおいて実装されることが可能である。システムのコンポーネントは、通信ネットワークなどであるがそれには限定されない任意の形態または媒体のデジタルデータ通信によって相互接続され得る。通信ネットワークの非限定的な例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)およびワイドエリアネットワーク(WAN)、たとえばインターネットを含む。
【0063】
コンピューティングシステムは、クライアントおよび/またはサーバーを含み得る。クライアントおよびサーバーは、互いからリモートにあること、および通信ネットワークを通じて対話することが可能である。クライアントとサーバーとの関係は、それぞれのコンピュータ上で稼働していて互いに対してクライアントとサーバーとの関係を有しているコンピュータプログラムに起因して生じる。
【0064】
上述の詳細な説明、添付の図面、および特許請求の範囲を参照しながら、本明細書においてさまざまな実施形態が記述されている。さまざまな実施形態の完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が記述されている。しかしながら、特定の場合においては、簡潔な論考を提供するために、よく知られているまたは従来の詳細は記述されていない。図は、必ずしも縮尺どおりではなく、特定のコンポーネントの詳細を示すために、いくつかの特徴が誇張または最小化されている場合がある。したがって、本明細書において開示されている具体的な構造面および機能面の詳細は、限定的なものとして解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲に関する基礎として、および実施形態をさまざまに採用することを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0065】
本明細書において記述および特許請求されている実施形態、ならびに図面は、例示的なものであり、実施形態を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書の主題は、具体的な例によって範囲を限定されるべきではない。なぜなら、これらの例は、実施形態のいくつかの側面の例示として意図されているからである。いずれの均等な例も、本明細書の範囲内にあることを意図されている。実際に、本明細書において示され記述されているものに加えて、開示されている実施形態のさまざまな修正が、当業者にとって明らかになるであろうし、そのような修正もまた、添付の特許請求の範囲の範疇内に収まることを意図されている。
【0066】
本明細書は、多くの具体的な実装の詳細を含むが、これらは、いずれの開示の、または特許請求され得るものの範囲上の限定としても解釈されるべきではなく、むしろ特定の発明の特定の実施形態に固有であり得る特徴の説明として解釈されるべきである。別々の実施形態のコンテキストで本明細書において記述されている特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実装されることも可能である。逆に、単一の実施形態のコンテキストで記述されているさまざまな特徴は、複数の実施形態において別々に、または任意の適切な下位組合せにて実装されることも可能である。その上、特徴は、特定の組合せで作用するものとして上述され、かつ最初はそのようなものとして特許請求さえされているかもしれないが、特許請求されている組合せからの1つまたは複数の特徴は、いくつかのケースにおいては、その組合せから切り出されることが可能であり、その特許請求されている組合せは、下位組合せまたは下位組合せの変形形態へ導かれることが可能である。
【0067】
同様に、オペレーションは、特定の順序で図面において示されているが、これは、望ましい結果を達成するためには、そのようなオペレーションが、示されている特定の順序で、もしくは連続した順序で実行されること、またはすべての示されているオペレーションが実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。特定の状況においては、マルチタスクおよび並列処理が有利であることがある。その上、上述されている実施形態におけるさまざまなシステムモジュールおよびコンポーネントの分離は、すべての実施形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記述されているプログラムコンポーネントおよびシステムは一般に、単一のソフトウェア製品においてともに統合されること、または複数のソフトウェア製品へとパッケージ化され得る。
【0068】
本明細書において引用されている特許、特許出願、および公表文献を含むすべての参考文献は、あたかもそれぞれの公表文献または特許または特許出願が、すべての目的のためにその全体が参照によって組み入れられることを具体的かつ個別に示されているかと同じ程度に、すべての目的のためにそれらの全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
【国際調査報告】