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特表2022-507605大気酸素の非存在下で生物材料を調製するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】大気酸素の非存在下で生物材料を調製するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A23F 5/00 20060101AFI20220111BHJP
   A23F 5/04 20060101ALI20220111BHJP
   A23F 5/08 20060101ALI20220111BHJP
   A23F 5/10 20060101ALI20220111BHJP
   A23F 5/14 20060101ALI20220111BHJP
   A23F 5/02 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A23F5/00
A23F5/04
A23F5/08
A23F5/10
A23F5/14
A23F5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526721
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 US2019062074
(87)【国際公開番号】W WO2020102819
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】62/779,100
(32)【優先日】2018-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/881,690
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/768,604
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521208181
【氏名又は名称】ザ ホール コーヒー カンパニー エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】THE WHOLE COFFEE COMPANY,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】チェッリ、ジョヴァーナ ボナート
(72)【発明者】
【氏名】デ ミランダ、ルイス フェルナンド リベイロ
【テーマコード(参考)】
4B027
【Fターム(参考)】
4B027FB21
4B027FC05
4B027FE04
4B027FK04
4B027FK06
4B027FQ01
4B027FQ02
4B027FQ04
4B027FR03
4B027FR04
4B027FR05
4B027FR06
4B027FR20
(57)【要約】
本開示の複数の側面は概して、大気酸素の非存在下で生物材料を処理するためのシステムおよび方法ならびにそのようなプロセスで得られる製品に関する。このような処理技術は、焙煎および粉砕された生物材料製品が処理中に酸素にさらされない場合、焙煎および粉砕された生物材料製品の日持ちを劇的に向上する可能性がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コーヒー豆を洗浄および乾燥する工程と、
前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎室で焙煎して焙煎コーヒー豆を製造する工程であって、前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆は、酸素の非存在下で摂氏約100~230度の温度と約1~10バールの圧力で約2~60分間焙煎される、工程と、
前記焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で2段階振動流動床冷却器により冷却および移動する工程であって、前記焙煎コーヒー豆の冷却は、熱分解反応をクエンチするために前記焙煎コーヒー豆に溶液をスプレーすることを含む、工程と、
前記焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で摂氏約-190~10度の温度でおよそ75~100ミクロンの粒径にまで極低温で乾式粉砕する工程と、
粉砕された前記焙煎コーヒー豆から酸素の非存在下で超臨界流体抽出(SCFE)システムにより流体を抽出してコーヒー製品を製造する工程であって、
超臨界液体二酸化炭素を透過カラムに導入するように各抽出カラムが構成されている2以上の抽出カラムと、
粉砕された前記焙煎コーヒー豆に前記超臨界液体二酸化炭素を導入して、それによって、粉砕された前記焙煎コーヒー豆からの前記流体の分離および抽出を引き起こすように構成されている各透過カラムと
を前記SCFEシステムが備える、工程と、
酸素の非存在下で摂氏約10度未満の温度で前記コーヒー製品を湿式粉砕して、約40.0ミクロン未満の粒子を含むコーヒー粉末を製造する工程と、
酸素の非存在下で摂氏約10~80度の温度と約1~5バールの圧力で前記コーヒー粉末を1以上の油および/または脂肪と混合して、前記1以上の油および/または脂肪中にマイクロカプセル化されたコーヒー粉末粒子を含んだコーヒー画分を製造する工程と
を含む、コーヒー画分を製造するプロセス。
【請求項2】
前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆は、不活性ガスの存在下で焙煎される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記焙煎室は、前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎するための熱媒体で囲まれている、請求項2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記熱媒体が過熱水蒸気を含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記熱媒体が不活性ガスを含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項6】
前記プロセスは、コーティングスプレー器で前記コーヒー画分をコーティングする工程をさらに含む、請求項3に記載のプロセス。
【請求項7】
前記コーティングスプレー器は、コーティング振動流動床に作動可能に接続されている、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
前記溶液が水を含む、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記溶液が約1~60%の砂糖を含む、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記不活性ガスが窒素である、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
生コーヒー豆を洗浄および乾燥する工程と、
前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎室で焙煎して焙煎コーヒー豆を製造する工程であって、前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆は、不活性ガスの存在下および酸素の非存在下で摂氏約100~230度の温度と約1~10バールの圧力で約2~60分間焙煎される、工程と、
前記焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で2段階振動流動床冷却器により冷却および移動する工程であって、前記焙煎コーヒー豆の冷却は、前記焙煎コーヒー豆に溶液をスプレーすることを含む、工程と、
前記焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で摂氏約-190~10度の温度でおよそ75~100ミクロンの粒径にまで極低温で乾式粉砕する工程と、
粉砕された前記焙煎コーヒー豆から酸素の非存在下で超臨界流体抽出(SCFE)システムにより流体を抽出してコーヒー製品を製造する工程であって、
超臨界液体二酸化炭素を透過カラムに導入するように各抽出カラムが構成されている2以上の抽出カラムと、
粉砕された焙煎コーヒー豆に前記超臨界液体二酸化炭素を導入して、それによって、粉砕された前記焙煎コーヒー豆からの前記流体の分離および抽出を引き起こすように構成されている各透過カラムと
を前記SCFEシステムが備える、工程と、
酸素の非存在下で摂氏約10度未満の温度で前記コーヒー製品を湿式粉砕して、40.0ミクロン未満の粒子を含むコーヒー粉末を製造する工程と、
酸素の非存在下で摂氏約10~80度の温度と約1~5バールの圧力で前記コーヒー粉末を1以上の油および/または脂肪と混合して、前記1以上の油および/または脂肪中にマイクロカプセル化された前記コーヒー粉末を含んだコーヒー画分を製造する工程と
を含む、コーヒー画分を製造するプロセス。
【請求項12】
前記焙煎室は、前記洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎するための熱媒体で囲まれている、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
前記熱媒体が過熱水蒸気を含む、請求項12に記載のプロセス。
【請求項14】
前記熱媒体が不活性ガスを含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項15】
前記プロセスは、コーティングスプレー器で前記コーヒー画分をコーティングする工程をさらに含む、請求項13に記載のプロセス。
【請求項16】
前記コーティングスプレー器は、コーティング振動流動床に作動可能に接続されている、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記溶液が水を含む、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記溶液が約1~60%の砂糖を含む、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記プロセスは、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で前記コーヒー粉末を凝集させる工程をさらに含む、請求項18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記プロセスは、前記不活性ガス条件下および酸素の非存在下で前記コーヒー粉末をコーティングする工程をさらに含む、請求項19に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
大気酸素の非存在下で生物材料を処理するためのシステムおよび方法ならびにそのような工程で得られる製品に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、生物材料は大気条件下で処理されるが、予熱空気の成分としての大気の酸素成分(およそ21~23%)は、焙煎工程を促進する伝導熱として、生物材料との間で自由に相互作用することが可能である。一般に、空気中に存在する酸素は、オフフレーバーを除去するのに必要であるか、あるいは熱分解プロセスに悪影響をもたらさないと想定されている。しかしながら、処理によっては酸化プロセスは不可逆的、自己複製的、自己加速的であり、そのような酸化は特定の製品の香味、香りおよび賞味期限を低下させる場合がある。
【0003】
特定の実施形態において、焙煎して挽いたコーヒー豆などの生物材料を調製するとき、酸化プロセスは、単位操作(すなわち焙煎とそれに続く粉砕)のごく初期に、また収穫と貯蔵の間および/または貯蔵と焙煎の間の経過時間に応じて、生豆レベルにおいても早くも開始される可能性がある。処理された生物材料(特にコーヒー豆)の賞味期限は一般に、理想的な保存条件下(たとえば冷凍し、真空密閉した条件下)であっても1年を超えず、通常の条件下で通常は数日から数週間の範囲であることを当業者は理解するであろう。
【0004】
さらに、従来の粉砕技術は、コーヒー豆の露出面積を増やすことによって酸化プロセスをさらに悪化させる可能性がある。主としてPUFA油(含まれている天然のコーヒー油など)は、複雑な酸化プロセスにおいて、1)酸素およびフリーラジカルの存在、2)酸化促進剤の存在、3)抗酸化剤の非存在(量または濃度)、4)プロセスの高温条件、5)反応活性化の高エネルギーおよび、原子間結合強度に打ち勝つポテンシャルを提供する、プロセスによって供給される高熱による、6)水分の存在(2%超の場合)(特定の成分におけるその加水分解の影響による)、7)鉄、銅、マグネシウム、ニッケルなどの触媒の存在、を含むいくつかの要因による、水素引き抜き、共役ジエンの形成およびそれに続く酸素取り込みによる脂質過酸化反応を受ける。
【0005】
従来の焙煎および粉砕技術によって起こりうる結果には、一連の酸化反応のサイクルを繰り返すことによって自己複製され、それによって酸化の開始プロセスを加速させるペルオキシルラジカルの形成が含まれる。一度酸化が成立すれば、抗酸化薬の非存在下で、この酸化プロセスを不可逆的、自己複製的かつ自己加速的にする可能性のある酸化反応の伝播と停止によって、この一連の事象が進行する。
【0006】
さらに、粉砕は、生物材料の全(露出)表面積を増やすことによって、この酸化プロセスを加速させることができる。たとえば、生物材料をおよそ20ミクロンの平均粒径に粉砕するとき、製品1グラムは、約190.3平方メートル(たとえば約2,050.0平方フィート)の全(露出)表面積と同等である。粒子数に関連する表面の増加は、粉砕する製品においておよそ1,920粒子/gから1.003億粒子/gまでであってよく、該当する表面積は増加する。
【0007】
そのため、大気の完全な非存在下(たとえば酸素の非存在下)で、コーヒー豆、茶葉、大麻および他の生物材料ならびに/またはそれらの副産物を含む派生製品を焙煎するためのシステムまたは方法に関する、長い間手探り状態だった未解決の必要性が存在する。
【発明の概要】
【0008】
本開示の複数の側面は概して、大気酸素の非存在下で生物材料を処理するためのシステムおよび方法ならびにそのような工程で得られる製品に関する。そのような工程は、コーヒー、ココア、チョコレート派生物、食用ナッツおよび関連する飲用ハーブ製品を含むがこれらに限定されない焙煎および/または粉砕された生物材料製品の日持ちおよび官能特性を向上する可能性がある。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって処理された生物材料は概して、開封済みまたは未開封の容器中で、あるいは様々な許容される貯蔵条件下で、1年を超える賞味期限を示した。
【0009】
様々な実施形態において、本明細書に開示されたシステムおよび方法は、不活性ガス環境下で、閉ループまたは半閉ループで、あるいは大気酸素のない他の環境で生物材料を調製、焙煎および粉砕する新技術で生物材料の処理中に酸化を防止する。本開示の様々な側面によれば、本明細書に記載のシステムおよび方法は、真空中で、通常の大気圧下で、または加圧状態で処理することを含むがこれに限定されない、酸素の非存在下で操作してもよい。
【0010】
いくつかの実施形態において、本開示は、液体、ペーストおよび/または粉末の形に生物材料を変換することによって、焙煎した生物材料を保存するためのシステムおよび方法を改善することを目的とする。特に、本システムおよび方法は、コーヒー豆、カカオ豆およびそのチョコレート派生物、食用ナッツ(ブラジルナッツ、アーモンド、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミア、クルミ、ピーナッツなどを含む)、茶、マテ茶および関連する飲用ハーブ、生物材料副産物を、特にそれらの焙煎した形で保存することを目的とする。
【0011】
いくつかの実施形態において、本システムおよび方法は、液体、ペースト、粉末ならびに他の脂肪ベースおよび/または水ベースの可溶性型/分散型などの様々な形で生物材料組成物を製造してもよい。特定の実施形態において、最終的な粉砕されたコーヒー粒子(または本明細書で述べる任意の他の粉砕された生物材料)のおよその平均サイズは、約0.1~40.0ミクロン、約40.0ミクロン未満、約30.0ミクロン未満または約0.1ミクロン未満であってもよい。
【0012】
特定の実施形態において、本明細書で述べたシステムおよび方法は、最終製品の湿潤性、水溶性、および/または全体的な分散性(ならびに他の物理的特性、化学的特性および/またはレオロジー特性)を向上させる。本開示の様々な側面によれば、生物材料の分散および安定化の向上は、凝集、マイクロカプセル化、コーティングおよび、添加物(たとえば分散剤、乳化剤、増粘剤、安定剤、抗酸化剤など)による生物材料のコーティング剤の硬化ならびにそれらの組み合わせによって達成してもよい。
【0013】
特定の実施形態において、システムは、1)少なくとも1つの実施形態において、熱媒体として機能する不活性ガスを使用してもよい、酸素の非存在下で操作するように設計された特別な焙煎機、2)クエンチング機能と「トレファクト(torrefacto)」機能とを備え、酸素の非存在下で操作をするための、改善された2段階流動床冷却器および、3)コーヒー豆、カカオ豆、食用ナッツ、茶および同様な飲用ハーブならびにそれらの派生物(副産物を含む)を約40.0ミクロン未満の粒径に超微粉砕するための、そして、生物材料の不溶性粒子の分散性を改善するための湿式粉砕の方法としての極低温ボールミル、などのカスタマイズされた装置を含んでもよい。
【0014】
特定の実施形態において、本システムおよび方法の操作条件は、熱媒体として(たとえば過熱蒸気(SHS)の形で、または工程内で加熱された窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、二酸化炭素または任意の他の適切な不活性ガスなどの市販の不活性ガスのいずれかで)不活性ガスを使用する。不活性ガスは外殻価電子の全セット(たとえば8個の価電子)を含んでおり、それによって他の原子および/または分子(たとえば価電子の全セットを有していない酸素)との反応(たとえば共有結合の形成)を起こしにくいため、不活性ガスの原子構造によって、開示されたシステムおよび方法のための安定な環境を提供してもよい。特に、酸素原子は、6つの価電子を含んでおり、それによって一般に他の原子および/または分子と反応して、価電子のその外殻セットを満たす(同時に、他の原子または分子の外殻価電子セットを満たす)。当業者は、これらのタイプの反応を、共有結合反応および酸化還元反応と理解するであろう。特定の実施形態において、生成された超微粉末の直接マイクロカプセル化、または、代わりに、最終製品の粉末バージョンが、最終製品の粒子が酸化に対して完全に保護されることを確実にすると同時に、上記の特性および特徴の多くを満たすことを独自に可能にする、超微粒子の事前凝集および、それに続く形成された顆粒のコーティングなどの、補完的かつ/または追加の/オプションの処理技術が、開示されたシステムおよび方法に含まれてもよい。
【0015】
特定の実施形態において、大気環境ではなく、不活性ガス環境において得られた生物材料調製品を包装することによって、調製品の賞味期限をさらに延ばしてもよい。
本開示の様々な側面によれば、本明細書で述べたシステムおよび方法は、これらの生物材料で製造した食品や飲料の消費の品質と安全性を改善し、賞味期限の延長、調製品の利便性の向上、歩留まり向上の改善、化学防腐剤または冷蔵を使用しない長期保存および利用を提供するなどの利点を提供する。
【0016】
様々な実施形態において、本明細書に開示されたシステムおよび方法は、揮発性および不揮発性成分の一部、全部または大部分を維持しつつ、香り成分を損なうことなく生物材料を処理することを可能にする。たとえば、焙煎したコーヒー豆、カカオ豆、食用ナッツ、茶および同様な飲用ハーブは、揮発性および不揮発性の香り成分を示す。焙煎したコーヒー豆の場合は、豆内容物のおよそ14%がコーヒーの精油であり、工程の完了する直前に最終的にコーヒーマスベースの製品に戻す準備ができるまで、極低温条件下での事前抽出、貯蔵および保存によって処理することができる。特定の実施形態において、本明細書で述べたシステムは、生物材料からの精油(コーヒー豆からのコーヒー油など)の選択的抽出のための工程である超臨界流体抽出(SCFE)を含む。本開示の様々な側面によれば、抽出した流体は、より酸化されやすい多価不飽和脂肪酸(PUFA)を含んでいる可能性があり、したがって、PUFAを取り除くことによって、焙煎および粉砕工程中に生物材料が酸化されるリスクが減少し、生物材料の賞味期限が延びる可能性がある。様々な実施形態において、PUFAは、必要に応じて、脱脂生物材料(たとえばコーヒー油を取り除いたコーヒー)および精油(たとえばコーヒー油)の両方を酸化から保護した後、焙煎および粉砕した生物材料に戻してもよい。
【0017】
本開示の複数の側面は、焙煎および粉砕中に生物材料の揮発性および不揮発性化学物質ならびに呈味成分を効率よく維持し、液体、ペーストおよび/または固形で提供される改善された感覚的な特徴を有する食品および/または飲料をもたらす製品を提供することを目的とする。
【0018】
第1の側面によれば、コーヒー画分を製造するプロセスが開示され、生コーヒー豆を洗浄および乾燥する工程と、洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎室で焙煎して焙煎コーヒー豆を製造する工程であって、洗浄および乾燥した生コーヒー豆は、酸素の非存在下で摂氏約100~230度の温度と約1~10バールの圧力で約2~60分間焙煎される、工程と、焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で2段階振動流動床冷却器により冷却および移動する工程であって、焙煎コーヒー豆の冷却は、熱分解反応をクエンチするために焙煎コーヒー豆に溶液をスプレーすることを含む、工程と、焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で摂氏約-190~10度の温度でおよそ75~100ミクロンの粒径にまで極低温で乾式粉砕する工程と、粉砕された焙煎コーヒー豆から酸素の非存在下で超臨界流体抽出(SCFE)システムにより流体を抽出してコーヒー製品を製造する工程であって、超臨界液体二酸化炭素を透過カラムに導入するように各抽出カラムが構成されている2以上の抽出カラムと、粉砕された焙煎コーヒー豆に超臨界液体二酸化炭素を導入して、それによって、粉砕された焙煎コーヒー豆からの流体の分離および抽出を引き起こすように構成されている各透過カラムとをSCFEシステムが備える、工程と、酸素の非存在下で摂氏約10度未満の温度でコーヒー製品を湿式粉砕して、約40.0ミクロン未満の粒子を含むコーヒー粉末を製造する工程と、酸素の非存在下で摂氏約10~80度の温度と約1~5バールの圧力でコーヒー粉末を1以上の油および/または脂肪と混合して、1以上の油および/または脂肪中にマイクロカプセル化されたコーヒー粉末粒子を含んだコーヒー画分を製造する工程とを含む。
【0019】
第2の側面によれば、洗浄および乾燥した生コーヒー豆が不活性ガスの存在下で焙煎される第1の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第3の側面によれば、洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎するための熱媒体で焙煎室が囲まれている第2の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第4の側面によれば、熱媒体が過熱水蒸気を含む第3の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第5の側面によれば、熱媒体が不活性ガスを含む第3の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第6の側面によれば、コーティングスプレー器でコーヒー画分をコーティングする工程をさらに含む第3の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第7の側面によれば、コーティングスプレー器がコーティング振動流動床に作動可能に接続されている第6の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第8の側面によれば、溶液が水を含む第7の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第9の側面によれば、溶液が約1~60%の砂糖を含む第8の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第10の側面によれば、不活性ガスが窒素である第9の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。
【0020】
第11の側面によれば、コーヒー画分を製造するプロセスが開示され、生コーヒー豆を洗浄および乾燥する工程と、洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎室で焙煎して焙煎コーヒー豆を製造する工程であって、洗浄および乾燥した生コーヒー豆は、不活性ガスの存在下および酸素の非存在下で摂氏約100~230度の温度と約1~10バールの圧力で約2~60分間焙煎される、工程と、焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で2段階振動流動床冷却器により冷却および移動する工程であって、焙煎コーヒー豆の冷却は、焙煎コーヒー豆に溶液をスプレーすることを含む、工程と、焙煎コーヒー豆を酸素の非存在下で摂氏約-190~10度の温度でおよそ75~100ミクロンの粒径にまで極低温で乾式粉砕する工程と、粉砕された焙煎コーヒー豆から酸素の非存在下で超臨界流体抽出(SCFE)システムにより流体を抽出してコーヒー製品を製造する工程であって、超臨界液体二酸化炭素を透過カラムに導入するように各抽出カラムが構成されている2以上の抽出カラムと、粉砕された焙煎コーヒー豆に超臨界液体二酸化炭素を導入して、それによって、粉砕された焙煎コーヒー豆からの流体の分離および抽出を引き起こすように構成されている各透過カラムとをSCFEシステムが備える、工程と、酸素の非存在下で摂氏約10度未満の温度でコーヒー製品を湿式粉砕して、40.0ミクロン未満の粒子を含むコーヒー粉末を製造する工程と、酸素の非存在下で摂氏約10~80度の温度と約1~5バールの圧力でコーヒー粉末を1以上の油および/または脂肪と混合して、1以上の油および/または脂肪中にマイクロカプセル化されたコーヒー粉末を含んだコーヒー画分を製造する工程とを含む。
【0021】
第12の側面によれば、洗浄および乾燥した生コーヒー豆を焙煎するための熱媒体で焙煎室が囲まれている第11の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第13の側面によれば、熱媒体が過熱水蒸気を含む第12の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第14の側面によれば、熱媒体が不活性ガスを含む第13の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第15の側面によれば、コーティングスプレー器でコーヒー画分をコーティングする工程をさらに含む第13の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第16の側面によれば、コーティングスプレー器がコーティング振動流動床に作動可能に接続されている第15の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第17の側面によれば、溶液が水を含む第16の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第18の側面によれば、溶液が約1~60%の砂糖を含む第17の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第19の側面によれば、不活性ガス条件下および酸素の非存在下でコーヒー粉末を凝集させる工程をさらに含む第18の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。第20の側面によれば、不活性ガス条件下および酸素の非存在下でコーヒー粉末をコーティングする工程をさらに含む第19の側面または任意の他の側面のプロセスが本明細書に開示される。
【0022】
特許請求された発明のこれらおよび他の側面、特徴および利点は、下記の図面と組み合わせた下記の詳細に書かれた好ましい実施形態および側面の説明から明らかになるであろう。しかしながら、本開示の新しい概念の精神および範囲から逸脱しない範囲で、それに対する変形および修飾を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
添付図面は、本開示の1以上の実施形態および/または側面を示しており、書面による説明とともに、本開示の原理の説明に役立つ。可能な限り、図面全体で同じ参照番号を使用して、実施形態の同一または類似の要素を参照する。
図1A】本開示の一実施形態による、生物材料マスの製造プロセスを説明するフローチャートである。
図1B】本開示の一実施形態による、生物材料マスの製造プロセスを説明するフローチャートである。
図1C】本開示の一実施形態による、生物材料マスの製造プロセスを説明するフローチャートである。
図2A】本開示の一実施形態による、洗浄および選別プロセスを説明するフローチャートである。
図2B】本開示の一実施形態による、洗浄および選別プロセスを説明するフローチャートである。
図2C】本開示の一実施形態による、洗浄および選別プロセスを説明するフローチャートである。
図3A】本開示の一実施形態による、焙煎および製造プロセスを説明するフローチャートである。
図3B】本開示の一実施形態による、焙煎および製造プロセスを説明するフローチャートである。
図4】本開示の一実施形態による、例示的な焙煎システムである。
図5】本開示の一実施形態による、例示的な冷却システムである。
図6】本開示の一実施形態による、例示的なコンチェ、蒸留および凝縮(CDC)システムである。
図7】本開示の一実施形態による、例示的な乾燥、凝集およびコーティング(DAC)システムである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、本開示の原理の理解を促進する目的で、図面に示された実施形態への参照がなされ、当該形態を説明するために特定の言語が使われる。しかしながら、それらによって本開示の範囲を限定するものではないこと、また本開示が関連する当業者が通常想起するような、説明または図示された実施形態の変更およびさらなる修正、ならびにそこに示された開示の原理のさらなる応用が考えられることは理解されるであろう。範囲のすべての限定は、特許請求の範囲によって、そこに記述されているように決定される。
【0025】
用語が大文字で書かれているかどうかは、用語の意味を決定または限定するものとみなされない。本文書においては、大文字の用語は、使用の文脈が、その大文字の用語にとってより限定的な意味を意図していることを具体的に示している場合を除き、大文字でない用語と同じ意味を有する。しかしながら、本文書の残りの部分における大文字またはその不存在は、その文脈が明らかにこのような限定を意図している場合を除き、必ずしも限定するものではない。
【0026】
本明細書において、「加熱」は、熱を発生し、物質に伝えるための、たとえば電気ヒーター、放射ヒーター、熱交換器および他の機構などの1つまたは複数の加熱要素によって行うことができる。
【0027】
本明細書において、「冷却」は、物質を冷却する(たとえば物質から熱を除去する)ための、たとえば冷蔵ガスシステム、極低温ガスシステム、熱交換器および他の機構などの1つまたは複数の冷却要素によって行うことができる。
【0028】
本明細書において、「加圧」は、物質またはその物質を含む構造体を加圧するための、たとえば不活性ガス圧縮機、加熱および/または容量ベースの加圧室および他の機構などの1つまたは複数の加圧要素によって行うことができる。
【0029】
概要
本開示の複数の側面は概して、大気酸素の非存在下で生物材料を処理するためのシステムおよび方法ならびにそのようなプロセスで得られる製品に関する。そのようなプロセスは、コーヒー、ココア、チョコレート派生物、食用ナッツおよび関連する飲用ハーブ製品を含むがこれらに限定されない焙煎および/または粉砕された生物材料製品の日持ちおよび官能特性を向上する可能性がある。特定の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法によって処理された生物材料は概して、開封済みまたは未開封の容器中で、あるいは様々な許容される貯蔵条件下で、1年を超える賞味期限を示した。
【0030】
様々な実施形態において、本明細書で企図される製品(たとえば本明細書で述べるプロセスで製造された製品)は、0.6未満の水分活性を含む。いくつかの実施形態において、生物材料の最終製品(たとえばスプレッド、バー、チャンク、シンなど)およびマスは、生物材料マス(たとえばコーヒーマスまたはコーヒー画分)の(たとえば粉末コーヒーの)粒径および量に少なくとも部分的に依存した粘度を有してもよい。
【0031】
様々な実施形態において、焙煎したコーヒー豆(または他の生物材料)の香味の効果的な保護およびより長い賞味期限を確実にするために、食用形態のコーヒーの調製は、限定するものではないが、1)熱媒または冷媒として不活性ガスを用いる焙煎および冷却、2)「トレファクト」(酸素の非存在下)、3)極低温または冷蔵不活性ガス前後冷却(酸素の非存在下)、4)金属検出(および除去)(不活性ガス条件下)、5)約75~500ミクロンまたは300~400ミクロンの粒径への極低温または冷蔵不活性ガス乾式予備粉砕(酸素の非存在下)、6)超臨界流体抽出(SCFE)によるコーヒー油の全抽出または部分抽出および極低温条件下でのその油の回収、7)脱脂コーヒー微粒子(たとえばマスの形で)の、特殊脂肪および/または油(たとえばギー、バターオイル、ヤシ(または画分)、パーム核(または画分)、ココナッツ油(または画分)および/または天然および/または脱臭カカオバター)によるコーティング、8)マスに特定のフレーバープロファイルを生じさせるための特別なコンチング(酸素の非存在下)、9)粒径を40ミクロン未満に減少させるための、微粉砕のための第2(湿式)極低温粉砕(酸素の非存在下)、10)分別・ココナッツ(たとえば中鎖トリグリセリド、MCT)、他の核果油、ならびに果物油、ナッツ油、および/または穀物油などの精製油、脱色油および脱臭油(RBD)ならびに/または低温圧搾油製品による抽出を用いる、特殊油および/または脂肪とのコーヒーマスのブレンドおよび/または均質化、11)さらなる処理のためのコーヒーマスの貯蔵、を含んでもよい。
【0032】
一実施形態(酸素の非存在下)による、例示的な、限定するものではないプロセスは次のとおりである。第1に、本明細書に記載されるように、本システムは、乾式洗浄および湿式洗浄および乾燥によって生物材料を前処理してもよい。第2に、本システムは、摂氏約100~230度の温度、真空下または約0.01~10バールの圧力で、焙煎室内で不活性ガス雰囲気条件下で約2分~60分間生物材料を(オプションで機械振動で)焙煎してもよい。第3に、本システムは、不活性ガス雰囲気条件下で操作するように構成され、焙煎した熱い生物材料を最低限1分間摂氏65~75度の温度に維持し、次いで、生物材料を冷却または極低温不活性ガスの加圧吹き出しにさらすとともに、焙煎した生物材料の温度を、最低限約5分間摂氏約15~30度に下げ、2段階流動床冷却器(FBC)室中で生物材料を処理してもよい。次に、このFBCは、焙煎した生物材料の熱分解をクエンチするために、1以上のスプレー器で冷水を送達してもよく、かつ/または、様々な砂糖および/または甘味料溶液(10~60%w/w)を送達してもよい(たとえば「トレファクト」工程が所望される場合)。第5に、本システムは、焙煎および冷却した生物材料を(金属検出の終了後)摂氏10~-190度の温度範囲で約75~500ミクロンのサイズに粉砕してもよい。第6に、本システムは、工業用リボン(またはシグマ型)ミキサー(任意の不活性ガス源を用いて、粉砕した生物材料に脂肪/油を取り込むとともに、プロセスから酸素を完全に排除するために、閉ループまたは半閉ループで操作するように適合したもの)を利用することにより、焙煎および粉砕した生物材料の重量の(0.5~10%)の天然のカカオバターまたは他の適切な(食用)植物性食品油もしくは脂肪と、焙煎および粉砕した生物材料とを混合してもよい。第7に、本システムは、液体形の(すなわち超臨界状態の)二酸化炭素を、摂氏約30~90度の温度で透過カラム(フィルターカラム)に導入する2~3段階抽出カラムで超臨界流体抽出(SCFE)によって脂肪/油の全部または一部を抽出してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、液体二酸化炭素は、粉砕したコーヒー豆(または他の生物材料)の油および脂肪の少なくとも一部を抽出するために、約150~450バールの圧力で導入してもよい。いくつかの実施形態において、抽出操作は、生物材料の脂肪/油の残留物が七パーセント(7%)以下に達したら、中断してもよい。少なくとも1つの実施形態において、SCFE装置に2流体コレクターが備えられている場合、この装置は、材料中に存在する添加されたまたは天然の脂肪から天然精油を分離してもよい。特定の実施形態によれば、脂肪および油(天然精油)は、オプションとして、(粉末の)マイクロカプセル化段階の流動床段階においてスプレーして戻してもよく、またコーティング段階および硬化段階において、凝集した顆粒にスプレーして戻してもよい。さらなる実施形態において、天然の抽出したカカオバターまたは他の植物性脂肪は、SCFE段階において、純粋形で回収してもよく、混合段階において、新たな生物材料製品バッチを調製するために、再利用してもよい。
【0034】
様々な実施形態によれば、焙煎および粉砕し、二酸化炭素で脱脂した生物材料は、最初に液体窒素または液体不活性ガスでその材料を覆った後、極低温条件下での40ミクロン未満の粒径へのバッチ処理粉砕に続いて、一実施形態において、約0.5~1.0ミクロンという狭い分布範囲と平均粒径に、極低温垂直ボールミルで超微粉砕してもよい。
【0035】
一実施形態において、粉砕および焙煎した生物材料は、他の食品原料および/または添加物と混合(不活性ガス条件下)して、液体、ペーストまたは固体の製品または形状をもたらしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、粉砕および焙煎した生物材料は、酸素の非存在下で(たとえば不活性ガスを用いて)、閉ループまたは半閉ループで操作するように適合した工業用リボンミキサー(またはシグマ型ミキサー)で他の物質と混合される。
【0036】
特定の実施形態において、焙煎した生物材料は、特定の処理条件下、たとえば固相バッチ式反応器(またはコンチェ)でコンチングする。理解されるように、コンチング工程(酸素の非存在下)は、たとえば(熱を発生する)反応剤、摩擦、剪断および衝撃ならびに処理タイミングによるメイラード反応、ストレッカー分解および/またはシッフ化合物形成によって引き起こされる二次的な香味に関連する反応を生じさせるために使用してもよい。いくつかの実施形態において、本プロセスは、極低温型香り凝縮機を用いて、コンチング工程中に生物材料から逃げる揮発物を回収することを含んでもよい。例示的な機械は、以下の条件、1)酸素の非存在下での作業、2)摂氏約10~80度の温度、3)約1~20バールの圧力、4)約1~8時間の処理サイクルまたは処理時間、5)約25~100rpmのシャフト回転速度、に適合した、チョコレートの製造に用いられる押出機および/または最新の工業的コンチェなどのいくつかのタイプの固相反応器を含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、例示的なコンチェ機は、極低温条件下で、香味揮発物の回収のための極低温型香り凝縮器と組み合わせて用い、最初の製品マスの最小約1~5%の過熱水蒸気を用いる、凝縮性不活性ストリッピングガスを注入するための追加装置に作動可能に接続されてもよい。
【0038】
例示的な実施形態
とりわけ、本開示は、酸素の非存在下で生物材料を処理する様々な実施形態に関する。さらに、本開示は、特定の処理ステップを実施する機械およびシステムの様々な新しい実施形態について説明する。本明細書における説明から理解されるように、いくつかの実施形態において、生物材料は、閉ループであり、不活性ガス(または可能であれば真空)を含む機械およびシステム(このような機械/システムは外気から密閉されている)で、酸素の非存在下で製造してもよい。少なくとも1つの実施形態において、生物材料は、無酸素環境の完全密封した機械およびシステムで、酸素の非存在下で製造してもよい(たとえば機械/システムは無酸素の部屋、施設、施設の床、容器、または他の貯蔵装置に収容される)。一実施形態によれば、生物材料は、もともとは有酸素状態で作動させていた機械またはシステムを、その機械またはシステム中の酸素をポンプで排出するか、そうでなければ不活性ガスで交換して、酸素から密閉するように改変した機械またはシステムで製造する。
【0039】
ここで、開示されたシステムおよび方法の基本的工程と構成要素の例と説明のための図面について、例示的な製造プロセス1000を説明するフローチャートを示す図1A図1Cを参照されたい。当業者には理解されるように、図1A図1Cで説明したステップおよび工程(ならびに、本明細書で説明し、記載したすべての他のフローチャートおよびシーケンス図のステップおよび工程)は、同時にそして連続的に操作してもよいが、一般に非同期で独立しており、必ずしも示した順序で行われない。
【0040】
ステップ10において、プロセス1000は、商用グレードの生コーヒー豆を受け取り貯蔵することを含む。様々な実施形態において、生コーヒー豆、食用ナッツ、カカオ豆または他の生物材料を、バルクまたは袋詰めの商用(輸出)植物検疫条件で受け取ってもよい。特定の実施形態において、生コーヒー豆は、分類や選別のために、重量と残留水分を検査してもよい。
【0041】
1以上の実施形態において、茶および/または同様な飲用ハーブに関して、本明細書に記載の乾式および湿式洗浄工程のいずれも、乾燥した葉および/または芽の物理的な状態に合わせるように適合させてもよく、コーヒー(茶)マス、コーヒー(茶)画分、および/または非コーヒー(非茶)画分の製造プロセスの前に、固体不純物の完全な洗浄と除去を確実にするために、専用の商用機器を使用してもよい。少なくとも1つの実施形態において、生物材料は、本明細書に記載のステップおよび工程に従い、各生物材料の特徴に基づいて選択したパラメータを用いて製造することができる。
【0042】
プロセス1000は、ステップ20において、生コーヒー豆に乾式の後洗浄工程を行うことを含む。一実施形態によれば、プロセス1000のステップ20は、本明細書に記載のプロセス2000のステップ2001~2070を行うことを含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、乾式の後洗浄工程は、1)粗い不純物、2)塵、3)砂、4)籾殻、5)軽い(たとえば低密度の)コーヒー豆、5)重い不純物:6)石および小石、7)金属汚染物質、8)不良豆、9)他の不純物、を含むがこれらに限定されない、生コーヒー豆からの要素を除去することを含む。様々な実施形態において、乾式の後洗浄工程は、一般に、手動、自動、またはそれらの組み合わせで生コーヒー豆の袋を開き、空にし、生コーヒー豆に一連の単位操作を行って、不純物を除去し、生コーヒー豆をきれいにすることを含む。
【0043】
1以上の実施形態において、生コーヒー豆は、1)粗い不純物を除去するための、2ふるい選別機および分類器(スカルパレータまたはダートホイールとも呼ばれる)、2)塵、砂、軽い豆および籾殻を除去するための吸引チャネル、3)重い不純物、石および/または小石を除去するための選別機および石除去機、4)他の不純物を除去するためのマルチ篩振動選別機、5)金属汚染物質を分離するための磁選機、6)部分回収のための、不良豆を分離するためのクラスター、カッター、スニッパーおよびスニッピングされてない豆のリムーバー、を含むがこれらに限定されない単位操作を経由させて処理してもよい。少なくとも1つの実施形態において、生コーヒー豆に上記単位操作を経由させることによって、乾式で後洗浄されたコーヒー豆は、平均して欠陥の減少が10倍になる可能性がある。
【0044】
ステップ30において、プロセス1000は、乾式で後洗浄されたコーヒー豆に湿式の後洗浄工程を行うことを含む。一実施形態によれば、プロセス1000のステップ30は、本明細書に記載のプロセス2000のステップ2072~2093を行うことを含むことができる。様々な実施形態において、湿式の後洗浄工程は、限定するものではないが、乾式で後洗浄されたコーヒー豆に単位操作の第2シーケンスを経由させることを含んでもよい。当業者には理解されるように、コーヒー豆などの生物材料を洗浄するための従来の方法は、乾式洗浄(たとえばふるい分け、ガス吹き付けなど)に依存している。一実施形態によれば、湿式の後洗浄工程は、通常は乾式洗浄法によって無視される不純物を除去することによって、乾式で後洗浄されたコーヒー豆の清潔度を改善し、それによって、乾式で後洗浄されたコーヒー豆の全体(たとえばコーヒー豆の全体)がコーヒー液製品に含まれることを可能にしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、湿式の後洗浄のための単位操作のシーケンスは、限定するものではないが、1)連続向流(冷)水洗浄機(豆による過剰の水分吸収を防止するため)(一次洗浄中に初めに横型遠心分離機によって粗粒子を廃棄してもよく、そこで使用する飲料水は、一次水処理に送り、続いて二次水処理に送り、続いて本プロセスに戻してもよい)、および2)ワイヤーメッシュ(振動)脱水機(さらなる水回収を行って、連続的に一次水処理に戻してもよい)、を含んでもよい。様々な実施形態において、ワイヤーメッシュは、(たとえば乾式で後洗浄されたコーヒー豆に加えて)様々なタイプの生物材料を収容するために適合(たとえばメッシュ/スクリーンサイズを変更)させてもよい。少なくとも1つの実施形態において、乾式で後洗浄されたコーヒー豆に単位操作の第2シーケンスを経由させることによって、湿式で後洗浄されたコーヒー豆が得られる。
【0045】
ステップ45において、プロセス1000は、湿式で後洗浄されたコーヒー豆に後洗浄乾燥工程を行うことを含む。一実施形態によれば、最初の平均残留水分が25~40%である湿式で後洗浄されたコーヒー豆は、後洗浄乾燥工程が残留水分百分率を約7~8.5%に減少させることを示してもよい。少なくとも1つの実施形態において、後洗浄乾燥工程は、2段階振動ステンレス鋼メッシュ型流動床室を含む豆乾燥機に、湿式で後洗浄されたコーヒー豆を移送することを含んでもよい。様々な実施形態において、第1段階において、湿式で後洗浄されたコーヒー豆は、室内の振動床であって、第1段階を通じて振動するように構成されている振動床が受け取ってもよい。1以上の実施形態において、湿式で後洗浄されたコーヒー豆を乾燥するために、HEPA式の前濾過された滅菌過熱水蒸気(SHS)を、一定の比較的低圧で、制御された容量と温度で、第1室に向って上方へ連続的に注入してもよい。一実施形態によれば、湿った状態の後冷却されたコーヒー豆から、第1段階によって、乾燥した加熱コーヒー豆を得ることができる。1以上の実施形態において、振動床とSHS衝突の組み合わせは、流動床を形成する乾燥した加熱コーヒー豆をもたらす流動床効果を引き起こすことができる。1以上の実施形態において、(本明細書に記載のすべての流動床によって実証された)流動床効果は、不活性ガスとコーヒー豆(もしくはその派生物または他の生物材料)との間の接触の増加を可能にし、それによって、(たとえば本明細書に記載の加熱および冷却に関連する工程およびステップでの)熱伝達を改善する。少なくとも1つの実施形態において、この室の上部において、湿気のある空気を強制的に取り出し、サイクロン構成を経由させて、乾燥した加熱コーヒー豆から固体微粒子を回収してもよい。
【0046】
様々な実施形態において、第2段階において、冷たいHEPA式の前濾過した不活性ガスを、流動床の上方へ連続的に注入してもよい(たとえば、この室の上部から湿気のある空気を強制的に取り出して、続いてサイクロン構成を通過させて固体微粒子を回収する)。少なくとも1つの実施形態において、このシステムは、湿気のある不活性ガスを凝縮器および吸水フィルターに通過させ、次いで不活性ガスを再コンディショニングしてループに戻す閉ループで操作してもよい。1以上の実施形態において、不活性ガスの一部はこのシステムを出てもよいが、一定レベルの循環不活性ガスを維持するための二次(自動)注入ガスバルブがあってもよい。一実施形態によれば、乾燥した加熱コーヒー豆から、第2段階によって洗浄コーヒー豆を得ることができる。様々な実施形態において、洗浄コーヒー豆は、平均残留水分が7~8.5%であることを示してもよく、また(たとえば洗浄豆の清潔度を維持するために)金属サイロに入れて移動および貯蔵してもよい。
【0047】
ステップ50において、プロセス1000は、洗浄コーヒー豆に分類および選択工程を行うことを含む。様々な実施形態において、洗浄コーヒー豆は、豆のサイズ、豆の密度および/または豆の色を含むがこれらに限定されない要因に基づいて選別し、分類することができる。少なくとも1つの実施形態において、分類および選択工程の目的は、均質な焙煎レベル(たとえば洗浄コーヒー豆のおおよそ同様な豆のサイズに基づいて)を確実にすることであってもよい。一実施形態によれば、分類および選択工程は、サイズと形状を適合させたコーヒー豆を提供することによって、最終焙煎製品の全体的な質を改善し、それによって(たとえば異なるサイズと形状の豆の焙煎が、一貫性のない、不規則な焙煎となるのに対して)均一で整合性がある焙煎を確実にしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、分類および選択工程は、選別した嵩の洗浄コーヒー豆を得るための単位操作の第3シーケンスに洗浄コーヒー豆を経由させることを含んでもよい。1以上の実施形態において、単位操作の第3シーケンスは、1)洗浄コーヒー豆を、サイズによって、小、中、大の豆の種類に分類するための豆のサイズ選別機、2)その後の部分的な回収のための、洗浄コーヒー豆から軽い、穴のあいた豆を除去するための豆の密度選別機(たとえば比重選別機)、3)洗浄コーヒー豆の色の均一性を確実にするための光学色選別機、4)洗浄コーヒー豆を皮むきし、研磨するための皮むき研磨機(たとえば洗浄コーヒー豆のよりよい豆の体裁を提供するため)、5)必要に応じて、洗浄コーヒー豆の同じサイズの豆と、他の洗浄豆(いくつかの実施形態において、香味付けコーヒー豆)の同じサイズの豆とブレンドするためのブレンダー、を含むがこれに限定されない。少なくとも1つの実施形態において、単位操作の第3シーケンスは、サイズ、色および密度に基づいて、洗浄コーヒー豆を、選別した嵩の洗浄コーヒー豆に選別する。一例において、単位操作の第3シーケンスは、小型、中型、大型の嵩の洗浄コーヒー豆を与え、各嵩も実質的に同様な色である。同様な例において、小型の嵩の洗浄コーヒー豆は、平均の豆のサイズが約5.5mm未満の寸法であることを示してもよく、中型の嵩の洗浄コーヒー豆は、平均の豆のサイズが約6.5mm未満の(かつ、たとえば約5.5mm超の)寸法であることを示してもよく、大型の嵩の洗浄コーヒー豆は、平均の豆のサイズが約8.0mm未満の(かつ、たとえば約6.5mm超の)寸法であることを示してもよい。
【0048】
ステップ60において、プロセス1000は、選別した嵩の洗浄コーヒー豆を貯蔵することを含む。様々な実施形態において、選別した嵩の洗浄コーヒー豆は、別個のサイロに貯蔵してもよく(たとえばそこに貯蔵するコーヒー豆のサイズによって規定する区別)、それによって、別々に処理してもよい。たとえばステップ60において、小型の嵩の洗浄コーヒー豆は、小さな豆サイロに貯蔵してもよく、中型の嵩の洗浄コーヒー豆は、中程度の豆サイロに貯蔵してもよく、大型の嵩の洗浄コーヒー豆は、大きな豆サイロに貯蔵してもよい。少なくとも1つの実施形態において、異なるサイズの洗浄コーヒー豆は、本明細書に記載の1以上の粉砕工程中または粉砕工程後に組み換えてもよい。
【0049】
ステップ70において、プロセス1000は、異なるサイズの選別した嵩の洗浄コーヒー豆を、ブレンドした嵩の洗浄コーヒー豆にブレンドすることを含む。たとえば小型、中型および大型の嵩の洗浄コーヒー豆は、(たとえばさらなる処理の前に)ブレンドした嵩にブレンドすることができる。
【0050】
ステップ80において、プロセス1000は、サイズ別に選別した(または、いくつかの実施形態において、サイズを組み合わせた/ブレンドした)嵩の洗浄コーヒー豆を焙煎して焙煎したコーヒー豆を得ることを含む。1以上の実施形態において、焙煎したコーヒー豆を得るために、各嵩の洗浄コーヒー豆は、約1~10バールに加圧し、約2~60分の所定時間、摂氏約100~230度に加熱することができる。様々な実施形態において、焙煎は、(たとえば本明細書に記載のコーヒー豆の任意の粉砕の前に)コーヒー豆全体に行ってもよい。一実施形態によれば、焙煎は、焙煎システム4000内で行ってもよい(図4)。1以上の実施形態において、焙煎は、不活性ガス雰囲気下、閉ループまたは半閉ループシステムで、加圧下、真空下または常圧で、酸素の非存在下で行ってもよい。
【0051】
少なくとも1つの実施形態において、不活性ガスは窒素(N)または他の適切な不活性ガスであってもよい。様々な実施形態において、回転筒および/または洗浄コーヒー豆を含む流動床を収納する密閉室内の温度を上げるために熱媒体を使用してもよい。1以上の実施形態において、コーヒー焙煎は、バッチ方式または連続方式で行うことができる(たとえば処理する洗浄コーヒー豆の容量に基づいて)。
【0052】
少なくとも1つの実施形態において、焙煎室は、初めに不活性ガスを充填し、圧力を制御するリリーフ弁を用いて所定の安全な圧力に維持してもよい。様々な実施形態において、焙煎室内の焙煎圧力は、約1~10バールに保ってもよく、回転筒および/または流動床室内の焙煎温度は、酸素の非存在下、摂氏約100~230度に保ってもよい。1以上の実施形態において、焙煎は、所定の焙煎時間以上に延ばしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、焙煎時間は約2~60分であってもよく、所望の焙煎プロファイルのタイプによって異なっていてもよい。様々な実施形態において、焙煎レベルは、低、中または高レベルであることが可能である。たとえば強い焙煎プロファイルは、より長い焙煎時間、より高い焙煎温度およびより高い焙煎圧力を含んでもよく、弱い焙煎プロファイルは、より短い焙煎時間ならびにより低い焙煎温度および圧力を含んでもよい。
【0053】
本開示の様々な側面によれば、本明細書で述べたシステムは、大気酸素の非存在下で生物材料の焙煎を行うことができる。様々な実施形態において、焙煎装置は、バッチ方式と連続方式の両方で機能するように製造してもよい。少なくとも1つの実施形態において、焙煎は、0.1kg~20,000kg/バッチまたは実行の様々な容量で行ってもよい。様々な実施形態において、焙煎装置は、密閉し、任意の適切な不活性ガスを使用する場合に操作するように製作してもよく、閉ループまたは半閉ループ構成で(たとえば環境への不活性ガスの損失を最小限にするように)構築してもよい。
【0054】
少なくとも1つの実施形態において、焙煎は、真空下(0.1バール)で、かつ/または大気条件(1kg/平方cm)で、かつ/または中~高圧まで(10kg/平方cmまで)で行ってもよい。1以上の実施形態において、熱媒体は、洗浄コーヒー豆を加熱および焙煎するために使用してもよい。様々な実施形態において、熱媒体は、限定するものではないが、過熱水蒸気(SHS)および/または、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどの任意の他の適切な予熱不活性ガスを含むことができる。一実施形態によれば、熱媒体は、洗浄コーヒー豆(または他の生物材料)と直接または間接的に接触することができる。少なくとも1つの実施形態において、熱媒体は、電源、電磁源、燃焼ベースの源を含むがこれらに限定されない任意のタイプの加熱源によって加熱することができる。1以上の実施形態において、加熱源は、焙煎装置の内部または外部のいずれかに設置することができる。
【0055】
様々な実施形態において、焙煎によって、洗浄コーヒー豆を焙煎したコーヒー豆に変換することができる。1以上の実施形態において、コーヒー豆の殻は、洗浄コーヒー豆の焙煎中またはその焙煎後に、焙煎装置から自動または手動で回収してもよい。一実施形態によれば、回収したコーヒー豆の殻は、1以上のペレット化技術および/または機構によってペレットに変換することができ、また燃焼ボイラー装置に挿入することができる。あるいは、コーヒー豆の殻は、付加価値製品の製造のためにさらに処理することができる。
【0056】
コーヒー焙煎の精度、正確性および所要時間は、コーヒーの香味に大きく影響し、焙煎レベルと焙煎所要時間における少しの逸脱は、焙煎したコーヒーに望ましくないオフフレーバーをもたらす場合がある。コーヒー焙煎への以前のアプローチは、オンフレーム(on-flame)焙煎装置と、最大9分の焙煎時間とを利用する。オンフレーム焙煎装置は、焙煎工程の精度と正確性を低下させ、それによって、焙煎したコーヒーに望ましくないオフフレーバーをもたらす、不適切な焙煎レベルおよび/または焙煎時間(たとえば9分未満の焙煎につながる)をもたらす。少なくとも1つの実施形態において、プロセス1000の焙煎は、より制御された均一な加熱を可能にし、それによって、焙煎の精度と正確性を改善し、焙煎したコーヒーの改善された香味を提供するオフフレーム(off-flame)焙煎装置を用いて行われる。1以上の実施形態において、焙煎は約9.0分を超える所定の焙煎時間の間行われてもよい。様々な実施形態において、所定の焙煎時間は、約9.5~13.0分、約9.0~9.5分、約9.5~10.0分、約10.0~10.5分、約10.5~11.0分、約11.0~11.5分、約11.5~12.0分、約12.0~12.5分、約12.5~13.0分または約13.0~13.5分にすることができる。少なくとも1つの実施形態において、オフフレーム焙煎装置と、精度よく正確に制御された焙煎時間との組み合わせは、以前のアプローチによって製造された焙煎したコーヒーと比較して、改善された香味(たとえばオフフレーバーが少ない)を有する焙煎したコーヒー(または他の生物材料)を提供する。
【0057】
ステップ95において、プロセス1000は、焙煎したコーヒー豆から籾殻を分離することを含む。少なくとも1つの実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、1以上の籾殻選別機に移動および/または供給することができる。様々な実施形態において、1以上の籾殻選別機は、焙煎したコーヒー豆から籾殻を連続的に吸引してもよい。1以上の実施形態において、籾殻吸引は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で操作するサイクロン分離器によって行うことができる。一実施形態によれば、1以上の籾殻選別機は、焙煎したコーヒー豆から籾殻を連続的に分離するとともに、焙煎装置に(たとえば焙煎室に)清浄な不活性ガスを戻すことができる。
【0058】
ステップ105において、プロセス1000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、焙煎した(かつ籾殻を分離した)コーヒー豆に「トレファクト」工程を行うことを含む。少なくとも1つの実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、所定の約1~20分間、摂氏約1~90度に加熱した1~60%砂糖溶液をスプレーすることができる。1以上の実施形態において、砂糖溶液は、焙煎したコーヒー豆のそれぞれの周りにコーティングを形成し、それによって酸化への抵抗性を改善し、かつ/またはそれにカラメル様の香味を提供する。
【0059】
様々な実施形態において、トレファクト工程は、焙煎したコーヒー豆を移動させるための、スプレー機構を備えた2段階振動流動床冷却器を利用してもよい。1以上の実施形態において、使用できる閉ループの不活性ガス2段階流動床冷却器は、ウィッテ社(Witte)(07882ニュージャージー州ワシントン31S、507Rt)によって製造されたFood and Pharma Lineの標準モデルに基づいてもよい。
【0060】
少なくとも1つの実施形態において、トレファクト工程はスプレー装置を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、ステップ105は、ステップ110(たとえば本明細書に記載の予冷工程)と同時に行ってもよい。様々な実施形態において、トレファクト工程は、焙煎したコーヒー豆に溶液を制御可能にスプレーし、それによってその溶液で、焙煎したコーヒー豆を実質的にカプセル化することを含んでもよい。1以上の実施形態において、溶液は、スプレー機構の1以上のノズルを通じてスプレーすることができる。様々な実施形態において、溶液は、溶液の約1~60重量%の砂糖を含んでもよく、溶液は、約1~20分のトレファクト時間の間、摂氏約1~90度の温度でスプレーしてもよい。1以上の実施形態において、溶液は、焙煎したコーヒー豆にカラメル様の関連した味を付与する。様々な実施形態において、カプセル化の結果として、溶液は、焙煎したコーヒー豆を酸化プロセスから保護する。
【0061】
少なくとも1つの実施形態において、ステップ105のトレファクト工程は、冷却システム5000(図5)で行われてもよい。様々な実施形態において、第1段階において、溶液は、不活性ガス条件下で操作する2段階閉ループまたは半閉ループ流動床冷却器内に組み込まれた噴霧装置を通して焙煎したコーヒー豆にスプレーしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、噴霧装置は、溶液に、様々な量の水、砂糖および/または甘味料を組み込むことを可能にしてもよい。1以上の実施形態において、トレファクト工程は、焙煎工程から出るとき、焙煎したコーヒー豆をクエンチすることができる。一実施形態によれば、第2段階において、トレファクト工程は、出てくる焙煎したコーヒー豆において生じる熱分解反応をクエンチする。一例において、トレファクト工程は、焙煎したコーヒー豆からの熱を除去する凝縮潜熱によって熱分解反応をクエンチする。いくつかの実施形態において、噴霧装置は、焙煎したコーヒー豆の表面に様々な量の甘味料を組み込んでもよく、これによって、処理時に、焙煎したコーヒー豆に様々な味と特別な香味を付与してもよい。
【0062】
「トレファクト」工程を実施しない実施形態において、スプレー効果は、焙煎したコーヒー豆の熱分解反応をクエンチするために使用することができる。たとえば噴霧装置は、(たとえば本明細書に記載の溶液の代わりに)水をスプレーするように構成させることができる。様々な実施形態において、クエンチング目的で、システムは、(たとえば単一流体または2流体スプレーのために構成された)スプレーノズルを通して細かく広がった冷水および/または温水を送達してもよい。一実施形態によれば、水は、摂氏約1~90度の温度であってもよく、また約1~20分の間スプレーしてもよい。
【0063】
ステップ110において、プロセス1000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で焙煎したコーヒー豆を予冷することを含む。様々な実施形態において、焙煎したコーヒー豆の予冷は、焙煎したコーヒー豆の冷蔵不活性ガス(たとえば酸素の完全非存在で)との直接の接触によって実施してもよい。1以上の実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、第1段階において、摂氏約50~100度または摂氏約65~70度の予冷温度に冷却してもよい。少なくとも1つの実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、少なくとも1分間冷却して、焙煎したコーヒー豆の熱分解プロセスを中断および/またはクエンチしてもよい。
【0064】
ステップ120において、プロセス1000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、焙煎したコーヒー豆を後冷却することを含む。様々な実施形態において、後冷却は、周囲温度で不活性ガスと焙煎したコーヒー豆とを接触させて、焙煎したコーヒー豆の温度を周囲温度に下げることを含む第2段階(たとえば酸素の完全非存在で)を含む。1以上の実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、無期限に後冷却してもよい(たとえば焙煎したコーヒー豆が本明細書に記載のさらなる工程に進むまで)。
【0065】
様々な実施形態において、ステップ110の予冷と、ステップ120の後冷却は、いずれも、焙煎したコーヒー豆を同時に移動および冷却する2段階振動流動床冷却器で行ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、閉ループの不活性ガスにカスタマイズされた2段階流動床冷却器は、ウィッテ社(Witte)(米国07882ニュージャージー州ワシントン31S、507Rt)によって製造されたFood and Pharma Lineの標準冷却器モデルと部分的に類似していてもよい。少なくとも1つの実施形態において、予冷は、流動床冷却器の第1段階で行ってもよく、後冷却は、その第2段階で行ってもよい。1以上の実施形態において、ステップ105のトレファクト工程は、流動床冷却器の第1段階(および/または予冷もしくは本明細書に記載の工程)の前、後または同時に行ってもよい。
【0066】
ステップ130において、プロセス1000は、真空下および酸素の非存在下で焙煎したコーヒー豆を脱気することを含む。様々な実施形態において、脱気は、限定するものではないが、脱気の完了を確実にするために、所定の脱気時間(たとえば約1日)の間、周囲温度および制御された圧力に焙煎したコーヒー豆を保つことを含んでもよい。1以上の実施形態において、本処理技術は、(たとえば処理時間を最適化するために)脱気段階下で焙煎したコーヒー豆を貯蔵する中間サイロを含んでもよい。
【0067】
様々な実施形態において、すべての予冷、後冷却および脱気は、不活性ガス環境下、冷却した不活性ガスの加圧吹き出しと機械振動スクリーンを合わせて受けた、焙煎したコーヒー豆(たとえば酸素の非存在下)を移動させることによって行ってもよい。
【0068】
本開示の様々な側面によれば、焙煎したコーヒー豆は、約5~30分間の脱気時間の間(または実質的な脱気が行われるのを可能にする他の適切な時間)、予冷温度に保ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、ステップ120の後冷却段階の間、焙煎したコーヒー豆の温度は、流動床の第2段階で、摂氏約20~30度(たとえば周囲温度)の後冷却温度に下げてもよい。様々な実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、無期限に後冷却温度のままであってもよい(たとえば焙煎したコーヒー豆は、不活性雰囲気が維持されるため、安定であってもよい)。少なくとも1つの実施形態において、脱気は、焙煎したコーヒー豆を1以上の保持タンクに移動し、さらなる脱気を行うことを含むことができる。1以上の実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、所定の脱気時間(たとえば約2日間まで)の間1以上の保持タンクに入れたままでもよく、また脱気が完了するまで、補償された不活性ガスの部分的な真空下に維持してもよい。
【0069】
ステップ140において、プロセス1000は、焙煎したコーヒー豆から金属を検出して分離することを含む。様々な実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、焙煎したコーヒー豆から金属粒子を検出して除去するために金属検出装置にかけてもよい。少なくとも1つの実施形態において、金属検出装置は、焙煎したコーヒー豆から金属粒子を検出して選択的に除去するために磁性体素子(たとえば電磁石など)を利用することができる。1以上の実施形態において、焙煎したコーヒー豆から金属汚染物質を検出して除去することによって、本明細書に記載の粉砕工程およびステップの間使用する粉砕機などの他のシステム要素への損傷を防止してもよい。
【0070】
ステップ150において、プロセス1000は、焙煎したコーヒー豆を約75~500ミクロンのサイズに乾式粉砕して、乾式粉砕したコーヒー粒子を調製することを含む。様々な実施形態において、乾式粉砕は、極低温の不活性ガス条件下および酸素の非存在下で行うことができる。様々な実施形態において、乾式粉砕は、市販の極低温または冷蔵不活性ガス型乾式粉砕機を含むがこれらに限定されない適切な装置を用いて行ってもよい。
【0071】
1以上の実施形態において、適切な装置は、パルマン社(Pallmann)(ドイツ、ツヴァイブリュッケン、D-66482、ヴォルフシュトラーセ51)およびホソカワアルピネ社(Hosokawa Alpine)(ドイツ、D-86199、ペーター・ドーフラー・シュトラーセ13-25)(後者はモデル MPとして販売)などの会社によって製造されたピン粉砕機またはターボ粉砕機および他の適切な衝撃粉砕モデルと類似していてもよい。
【0072】
様々な実施形態において、焙煎したコーヒー豆は、第1の所定の粒径に乾式粉砕することができる。少なくとも1つの実施形態において、第1の所定の粒径は、約75~500ミクロンであってもよい。様々な実施形態において、第1の所定の粒径は、約75~100ミクロン、約100~150ミクロン、約150~200ミクロン、約200~250ミクロン、約250~300ミクロン、約300~350ミクロン、約350~400ミクロン、約400~450ミクロン、約450~500ミクロン、または約500~550ミクロンであってもよい。1以上の実施形態において、プロセス1000の次のステップにおいて、狭い粒径分布によって、詰まり(たとえばフィルターの目詰まりなど)を防止してもよい。
【0073】
様々な環境において、乾式粉砕は、乾式粉砕の効率を改善する適切な脆性を確実にするために、摂氏10度~摂氏-190度の温度範囲で行ってもよい。
ステップ155において、プロセス1000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、乾式粉砕したコーヒー粒子と、コーヒー粒子の約0.5~15.0重量%の量の1以上の特殊脂肪および/または油とを前混合することを含む。様々な実施形態において、前混合は、閉ループまたは半閉ループのリボンまたはシグマ型のブレンダーまたはミキサー、または他の適切なブレンダーまたはミキサーで行うことができる。1以上の実施形態において、リボンまたはシグマ型のブレンダーは、乾式粉砕したコーヒー粒子に1以上の特殊脂肪および/または油(および他の物質)をスプレーするためのスプレー機構を含むことができる。当業者には理解されるように、複数のミキサーおよび/またはブレンダーを前混合に使用することができる。
【0074】
1以上の実施形態において、1以上の特殊脂肪および/または油は、限定するものではないが、1)天然および/または脱臭カカオバターなどの植物由来の脂肪および油、2)中鎖トリグリセリド(MCT)油および/または他のココナッツ(分別)および核果油(分別または非分別)、3)果物、ナッツ、種子からの脂肪、4)穀物ベースの油および/または脂肪抽出物、5)バターオイルおよび/またはギーなどの動物由来の脂肪および/または油、6)他の適切な油および/または脂肪、を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、1以上の特殊脂肪および/または油は、乾式粉砕したコーヒー粒子の約0.5~15重量%パーセントを加えた所定の合計量で乾式粉砕したコーヒー粒子と予備混合してもよい。少なくとも1つの実施形態において、加える合計量は、乾式粉砕したコーヒー粒子に天然に存在する脂肪および/または油の量および一般的な安定性(またはそれに由来する製品の脂肪および/または油の所望の量)に基づいて決定してもよい。
【0075】
様々な実施形態において、前混合のパラメータ(たとえば所定の合計量、加える量、前混合速度、前混合所要時間など)は、粉砕したコーヒー粒子の重量に基づいてもよい。1以上の実施形態において、前混合によって特殊脂肪および/または油を乾式粉砕したコーヒー粒子に組み込んでもよく、また前混合の間に、脂肪酸は、乾式粉砕したコーヒー粒子を結晶化、硬化及びカプセル化することができ、それによってその酸化をさらに予防することができる。
【0076】
ステップ160において、プロセスは、乾式粉砕したコーヒー粒子に超臨界流体抽出(SCFE)工程(不活性ガス条件下および酸素の非存在下)を行って、そこから脂肪および油を抽出して回収することを含む。様々な実施形態において、SCFE工程は、乾式粉砕したコーヒー粒子から脂肪および油を部分的または完全に抽出することができる。1以上の実施形態において、SCFE工程は、脂肪/油の部分的および/または完全抽出を行うためにSCFE装置を利用することができる。一実施形態によれば、SCFE装置は、ティッセンクルップ社(Thyssenkrupp GmbH)(ドイツ、ハーゲン、D-58093、ブッシュミューレン・シュトラーセ20)によって、UHDEブランド(ドイツモデル番号3x3100)として製造されたユニットと類似していてもよい。様々な実施形態において、SCFE装置は、SCFE工程の間、酸素の非存在を確実にするための抽出セルおよび/または充填放出システムを含むことができる。
【0077】
少なくとも1つの実施形態において、SCFE装置は、2以上の抽出カラム(たとえば充填投入シリンダー)および、2以上の抽出カラムに接続された1以上の透過(フィルター)カラムを含んでもよい。1以上の実施形態において、乾式粉砕したコーヒー粒子は、2以上の抽出カラムに充填し、摂氏約30~90度の所定のSCFE温度に保ってもよい。一実施形態によれば、SCFE温度は摂氏約40度であってもよい。
【0078】
様々な実施形態において、超臨界二酸化炭素は、約150~450バールの所定のSCFE圧力で1以上の透過カラムに導入してもよい。一実施形態によれば、SCFE圧力は、約250~350psigであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、超臨界二酸化炭素は、2以上の抽出カラムを透過し、乾式粉砕したコーヒー粒子を溶解する。様々な実施形態において、溶解したコーヒー粒子は、脂肪および油の沈殿をもたらす適切な温度および圧力に加圧および加熱し、それによって溶解したコーヒー粒子からの抽出を可能にする1以上のフラクションコレクターによって受け取られる。したがって、1以上の実施形態において、超臨界液体二酸化炭素の導入は、乾式粉砕したコーヒー粒子からの油および脂肪の抽出をもたらす。少なくとも1つの実施形態において、SCFE工程は、乾式粉砕したコーヒー粒子が所定のSCFE閾値以下の残留油百分率に達したとき完了してもよい。一実施形態によれば、所定のSCFE閾値は約1~7%であってもよい。
【0079】
様々な実施形態において、コーヒー油は、抽出した脂肪および油から分離することができる。少なくとも1つの実施形態において、コーヒー油、抽出した脂肪および他の抽出した油は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で個別に貯蔵することができる。1以上の実施形態において、分離は、たとえば1以上の分離機構および1以上の流体コレクターでSCFE装置によって達成してもよい。少なくとも1つの実施形態において、2以上の流体コレクターは、抽出した脂肪および油(天然および添加された脂肪および油を含む)からコーヒー油を分離して、コーヒー油および抽出した脂肪および油を個別に(たとえば凍結状態で)貯蔵することができる。
【0080】
少なくとも1つの実施形態において、SCFE装置は、内圧、差圧および臨界圧(制御圧力)下で操作して、その異なる特性に基づいて油と脂肪を分離する2以上の分離機構を含むことができる。1以上の実施形態において、分離は、2以上の抽出カラムの内部の圧力の変化により、油からの超臨界液体二酸化炭素の分離を可能にする内圧、差圧および臨界圧によって完了してもよい。
【0081】
様々な実施形態において、回収した脂肪および油(たとえばコーヒーの精油および天然または添加された脂肪および油)は、極低温条件下で貯蔵してもよく、次いで、マイクロカプセル化/コーティング工程中の流動床段階(たとえば湿式粉砕したコーヒー粒子のコーティング)で、または混合、均質化、ブレンドおよび/または可塑化工程中、凝集したコーヒー粒子にスプレーして戻してもよい。1以上の実施形態において、以前に添加した脂肪もしくは油または存在する他の天然植物性脂肪および油もSCFE内に純粋形で回収してもよく、また新製品バッチを調製するために再利用してもよい。
【0082】
本開示の様々な側面によれば、焙煎して極低温条件下で保存されていた、予備粉砕した生物材料の脂肪および油(たとえば天然精油)は、超微粉末のマイクロカプセル化中に流動床乾燥段階で製品粒子に、またはコーティング段階中に凝集した顆粒に、スプレーして戻してもよい。少なくとも1つの実施形態において、プロセスの開始時に天然精油を抽出し、さらにまた焙煎後にその油を元に戻すことによって、焙煎または加熱中に破壊または分解させずに、天然精油によって提供される味と香味を維持することが可能になる。いくつかの実施形態において、適切なとき(たとえば流動床コーティング中)、豆(または他の生物材料)のマスの合計約14%の精油を、豆(または生物材料のマス)に戻してもよい。いくつかの実施形態において、少ない油しか抽出されない場合は、量は14%未満であってもよい。他の実施形態において、百分率は、使用する豆または生物材料の種類に基づいてもよい。例として、カカオ豆を使用する場合、カカオバターとして合計約50%の脂肪の精油を豆に戻してもよい。
【0083】
いくつかの実施形態において、抽出したカカオバターまたは他の植物性脂肪および油もまた添加してもよい。様々な実施形態において、これらのバターおよび/または脂肪および/または油は、システム圧力の適切な変化を通じて、SCFE段階中にほぼ純粋形で回収してもよい。特定の実施形態において、分離された脂肪は、リボンブレンダー内で再利用してもよいが、油は、流動床コーティング中、プロセスの終了時にそれを添加して戻すことができるまで、工程ステップから保護してもよい。
【0084】
ステップ170において、プロセス1000は、SCFE装置からのSCFE処理コーヒー粒子(たとえば充填投入シリンダーの内部にあるコーヒー粒子)を除去し、SCFE処理コーヒー粒子を貯蔵することを含む。1以上の実施形態において、コーヒー粒子の除去は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で操作するように構成されているかき取り装置を利用して行ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、除去に続いて、SCFE処理コーヒー粒子は、中間貯蔵タンクに投入し、貯蔵してもよい。
【0085】
ステップ175-Bにおいて、プロセス1000は、抽出したコーヒー油を回収することを含む。1以上の実施形態において、抽出したコーヒー油は、1以上の分離機構によってSCFE装置から回収することができる。少なくとも1つの実施形態において、抽出したコーヒー油は、SCFE装置から、それに接続した1以上の捕集フィルターに回収してもよい。様々な実施形態において、SCFE工程で抽出したコーヒー油は、高度に精製されていてもよい。
【0086】
ステップ180-Bにおいて、プロセス1000は、1以上の捕集フィルター(またはコーヒー油が回収されている他の容器)から回収したコーヒー油を除去し、極低温および不活性ガス条件下で1以上のコーヒー油タンク(たとえばステンレス鋼垂直タンク)にコーヒー油を貯蔵することを含む。1以上の実施形態において、コーヒー油は、プロセス1000(および本明細書で述べた他の工程)の他のステップでコーヒー油が使用されるまで、1以上のコーヒー油タンクに残しておいてもよい。
【0087】
ステップ210-Bにおいて、図1Bでは、抽出したコーヒー油は、周囲温度で抽出した脂肪の物理状態とは異なるコーヒー油の物理状態に基づいて抽出した脂肪とは別に受け取って貯蔵してもよい。1以上の実施形態において、貯蔵中、コーヒー油は、不活性ガス雰囲気下、1以上の油タンク(たとえばステンレス鋼タンク)に入れたまま、各油タンクで構成されているキサゲ面ミキサーでゆっくり混合しながら貯蔵温度に保ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、追加特殊油(たとえば追加コーヒー油または他の油)は、1以上の追加の油タンクに受け取って貯蔵してもよく(不活性ガス条件下および貯蔵温度で)、追加特殊油は、その中に構成されたキサゲ面ミキサーでゆっくり混合してもよい。
【0088】
ステップ220-Bにおいて、プロセス1000は、所定の温度条件下で特殊油(たとえばコーヒー油または他の油)を貯蔵することを含む。少なくとも1つの実施形態において、貯蔵は、コーヒー油および/または追加の油を1以上の油貯蔵タンクにポンプで送り、プロセス1000の他のステップで利用するまで、適当な温度条件で(たとえばいくつかの実施形態において、加熱条件で)1以上の油貯蔵タンクにコーヒー油および/または追加の油を貯蔵することを含むことができる。様々な実施形態において、1以上の油貯蔵タンクはそれぞれ、貯蔵するコーヒー油および/または追加の油を連続的にかきまぜる低速キサゲ面型スターラを含む。1以上の実施形態において、1以上の貯蔵タンクは、貯蔵するコーヒー油および/または追加の油を、プロセス1000の他のステップでの利用に適した物理状態に保つように、不活性ガス条件下で、貯蔵する油に応じた油貯蔵温度に維持してもよい。1以上の実施形態において、油は、自動のプリセットフロー制御を備えた容積式ポンプを用いて投入してもよく、またさらなる処理に向けてもよい。
【0089】
ステップ210-Aにおいて、プロセス1000は、SCFE工程で抽出した脂肪および/または油を貯蔵することを含む。様々な実施形態において、抽出した脂肪/油は、不活性ガス条件下で1以上の脂肪タンク(たとえばステンレス鋼タンク)に貯蔵してもよい。少なくとも1つの実施形態において、抽出した脂肪/油は、SCFE装置から1以上の脂肪タンクにポンプで送ってもよい。1以上の実施形態において、追加の脂肪/油も、ステップ210-Aで貯蔵してもよい。たとえば追加の脂肪/油は、1以上の追加の脂肪タンクにポンプで送り、不活性ガス条件下でその中に貯蔵してもよい。
【0090】
ステップ220-Aにおいて、プロセス1000は、脂肪を融解点を超えて加熱することによって、抽出および貯蔵している脂肪を融解することを含む。様々な実施形態において、抽出した脂肪は、間接熱媒体を脂肪に接触させるサーペンタイン(serpentine)融解機構で融解してもよい。少なくとも1つの実施形態において、熱媒体は、水であってもよく、また熱媒体は、脂肪の融解点を超えた融解温度に加熱してもよい。1以上の実施形態において、抽出した脂肪は、制御された融解状態を連続的に維持して、過熱および、その化学構造への最終的な損傷を防止してもよい。様々な実施形態において、抽出した脂肪は、プロセス1000の他のステップで、抽出した脂肪を利用するまで、融解状態で維持してもよい。
【0091】
少なくとも1つの実施形態において、1以上の追加の脂肪タンクに貯蔵する追加の脂肪も、(たとえばステップ220Aにおいて)融解して、プロセス1000の他のステップで利用されるまで融解状態に維持してもよい。
【0092】
ステップ230-Aにおいて、プロセスは、融解脂肪を、脂肪の融解点を超える加熱条件下で貯蔵し、いくつかの実施形態において、それを連続的に撹拌することを含む。少なくとも1つの実施形態において、貯蔵は、1以上の融解脂肪貯蔵タンクに融解脂肪(融解し、抽出した脂肪および追加の脂肪を含む)をポンプで送り、プロセス1000の他のステップで利用されるまで、1以上の融解脂肪貯蔵タンクに融解脂肪を貯蔵することを含むことができる。様々な実施形態において、1以上の融解脂肪貯蔵タンクのそれぞれは、貯蔵脂肪を連続的にかきまぜる低速キサゲ面型スターラを含む。1以上の実施形態において、1以上の融解脂肪貯蔵タンクは、貯蔵脂肪を、プロセス1000の他のステップでの利用に適した物理状態に保つために、脂肪の融解点を超える融解貯蔵温度で、不活性ガス条件下で維持してもよい。1以上の実施形態において、貯蔵脂肪は、本明細書に記載の湿式粉砕したコーヒー粒子または他の中間製品に投入してもよい。
【0093】
図1Aに戻って、ステップ180-Aにおいて、プロセス1000は、極低温および不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、SCFE処理コーヒー粒子を約0.1~40.0ミクロンまたは約35.0~40.0ミクロン(または40.0ミクロン未満)の所定の粒径に湿式粉砕することを含む。様々な実施形態において、湿式粉砕は、SCFE処理コーヒー粒子を超微粉砕装置の超微粉砕段階にかけることを含むことができる。様々な実施形態において、SCFE処理コーヒー粒子の湿式粉砕は、半製品を構成する焙煎して挽いたコーヒーの均質ペースト(たとえばコーヒー画分またはコーヒー液とも呼ばれる)を調製してもよい。少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕は、SCFE処理した粗いコーヒー粒子を湿式粉砕した(たとえば半製品を形成する)細かいコーヒー粒子に変換することができる。
【0094】
少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕した粒子の粒径は、約30ミクロン未満または約40ミクロン未満であってもよい。1以上の実施形態において、粒径は、約0.1~40.0ミクロンであってもよい。一実施形態によれば、粒径は、約0.1~2.0ミクロン、約2.0~4.0ミクロン、約4.0~8.0ミクロン、約8.0~10.0ミクロン、約10.0~12.0ミクロン、約12.0~14.0ミクロン、約14.0~16.0ミクロン、約16.0~18.0ミクロン、約18.0~20.0ミクロン、約20.0~22.0ミクロン、約22.0~24.0ミクロン、約24.0~26.0ミクロン、約26.0~28.0ミクロン、約28.0~30.0ミクロン、約30.0~32.0ミクロン、約32.0~34.0ミクロン、約34.0~36.0ミクロン、約36.0~38.0ミクロン、約38.0~40.0ミクロン、約40.0~42.0ミクロン、約42.0~44.0ミクロンまたは約44.0~46.0ミクロンであってもよい。様々な実施形態において、粒径は、約0.1ミクロン未満であってもよい。
【0095】
少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕は、極低温超微粉砕装置を使用して達成してもよい。様々な実施形態において、湿式粉砕は、極低温超微粉砕装置(たとえばホソカワアルピネ社(ドイツ、装置モデルMP)によって製造された装置と同様のもの)または他の適切な湿式ミルまたは、極低温条件下で操作する垂直ボールミル(たとえばモデルS-30 Attritorシリーズとして製造されたユニオン・プロセス・マシーンズ社(Union Process Machines)(米国オハイオ州アクロン)製の装置と同様のもの)を使用して実施してもよい。1以上の実施形態において、SCFE処理コーヒー粒子におけるガラス質の(砕けやすい)挙動を確実にするために、湿式粉砕の間に湿式ミル処理温度を摂氏約-190度まで冷やして維持し、SCFE処理コーヒー粒子を、湿式粉砕の前に摂氏約-80度の前湿式粉砕温度に冷却するために、極低温不活性ガス(液体窒素など)を使用してもよい。少なくとも一実施形態(たとえば強く焙煎したコーヒーに関するものなど)において、湿式粉砕は、湿式粉砕工程の間に湿式ミル処理温度および前湿式粉砕温度を、SCFE処理コーヒー粒子が過熱させられるのを防止し、SCFE処理コーヒー粒子におけるガラス質の(砕けやすい)挙動を確実にするために、摂氏10度未満に維持することができるように冷蔵不活性ガスを使用することによって非極低温条件下で行ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、強い焙煎プロファイルで焙煎したSCFE処理コーヒーは、非極低温条件下で湿式粉砕してもよい。
【0096】
1以上の実施形態において、湿式粉砕によって製造した湿式粉砕したコーヒー粒子は、取り扱い中の発塵を防止するために、専用のHEPA濾過装置を使用して取り扱ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕したコーヒー粒子は、急速な香りの低下を防止するために、不活性ガス条件下に保ってもよい。1以上の実施形態において、湿式粉砕の極低温条件によって、湿式粉砕したコーヒー粒子がコロイドの電気的特性を示すことを可能にしてもよい。したがって、様々な実施形態によれば、湿式粉砕したコーヒー粒子は、表面が電気的に荷電したコロイド粒子として挙動してもよい。少なくとも1つの実施形態において、帯電挙動は、湿式粉砕したコーヒー粒子の周りの層堆積を改善するため、電気的性質によって、プロセス1000のコーティングおよび硬化工程などの他のステップで実施される工程の効率を改善する可能性がある。様々な実施形態において、湿式粉砕の間、コーヒー粒子の微粉化を行うことができる。コーヒー粒子は、マトリックス型カプセル化で、脂肪相(またはマトリックス)全体に分散させることができる。
【0097】
1以上の実施形態において、湿式粉砕したコーヒー粒子は、その粒子が所望の粒径を達成することを確実にするために、追加の湿式粉砕にかけてもよい。少なくとも1つの実施形態において、追加の湿式粉砕は、閉ループまたは半閉ループジェットミル、極低温または冷蔵不活性ガスミル、あるいは任意の乾式または湿式粉砕型装置を使用して実施してもよい。様々な実施形態において、追加の湿式粉砕に使用する装置は、フルイッド・エナジー社(Fluid Energy)(米国18969ペンシルベニア州テルフォード・ベツレヘムパイク4300)によって製造され、モデルJet-o-Mizerとして市販されている装置と類似していてもよい。装置は、極低温下または冷蔵不活性ガス下で閉ループまたは半閉ループ条件で操作するのに適していてもよい。一実施形態によれば、追加の湿式粉砕は、SCFE処理コーヒー粒子が高速粒子間衝突を受けて、湿式粉砕したコーヒー粒子がコロイド特性を示すように実施してもよい。
【0098】
図1Bでは、ステップ310において、プロセス1000は、湿式粉砕したコーヒー粒子(または他の予備精製非コーヒーの粒子)に押出および/またはコンチングを行うことによって、湿式粉砕したコーヒー粒子に香味形成反応を誘発することを含む。少なくとも1つの実施形態において、約1~6時間または約10分の処理サイクル中、湿式粉砕したコーヒー粒子は、撹拌機構で約25~150rpmでかきまぜながら、約1~5バールに加圧し、摂氏約10~80度に加熱することができる。様々な実施形態において、加圧、加熱および撹拌は、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子における香味形成反応および色形成反応をコンチングし、誘発する。
【0099】
一実施形態によれば、押出および/またはコンチング工程は、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子において、1以上の香味生成および色生成反応の完了を誘発および促進する。少なくとも1つの実施形態において、押出および/またはコンチング工程は、それに添加する原料の均質化を改善する(たとえばプロセス1000の他のステップにおいて)。1以上の実施形態において、香味生成および色生成反応は、限定するものではないが、メイラード反応またはストレッカー分解および/またはシッフ塩基を含む非酵素的褐色化を含む。本明細書に記載されるように、メイラード反応は、一般に、非酵素的褐色化効果によって、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子に香味および色化合物を生成して提供するアミノ酸と還元糖との間の化学反応のことをいう。本明細書に記載されるように、ストレッカー分解は、一般に、アミノ酸(α-アミノ酸など)を、中間体を経由して、メイラード反応中に香りの生成における中間体として機能するアルデヒド(側鎖としてα-アミノ酸を含む)または2-アミノカルボニル化合物、あるいは他の化学物質に変換する化学反応のことをいう。本明細書に記載されるように、シッフ塩基(またはイミン)は、一般に、メイラード反応の開始および伝播に関与する、メイラード反応中の中間生成物のことをいう。
【0100】
1以上の実施形態において、コンチング工程は、二軸スクリュー押出機などの押出機で行うことができる。少なくとも1つの実施形態において、押出機は、低または高真空圧(たとえば約-720トールの圧力)、中圧(たとえば約1~2バールまたは約14.6psigの圧力)および高圧(たとえば約3,500psigの圧力)を含む様々な圧力下で操作するように構成できる。
【0101】
1以上の実施形態において、コンチング工程の開始時に、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子は、約12.5%の残留水分含量を示してもよい。少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕したコーヒー粒子は、その残留水分含量を約12.5%未満に減少させるために、乾燥または別の方法で処理してもよい。様々な実施形態において、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子は、押出機に充填してもよく、押出機は、約14.6psigまで減圧してもよい(不活性ガス条件下および酸素の非存在下で)。1以上の実施形態において、減圧により、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子は膨張する。少なくとも1つの実施形態において、膨張に続いて、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子は、コンチングシステムに充填することができる。
【0102】
様々な実施形態において、押出機の2以上のスクリューは、膨張した湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子を連続的にかきまぜることができる。一実施形態によれば、2以上のスクリューは、限定するものではないが、コンチング工程から製造される湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子のコンチングされた特定の形状または一貫性を提供するためのスレッドスクリュー、ルートスクリュー、クレステッドクルー、ピッチスクリュー、面取りスクリュー、および/または専用のダイを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、押出機は、極低温条件下および/または摂氏約10~70度の温度で操作するように(たとえばジャケットなどで)構成することができる。1以上の実施形態において、2以上のスクリューは、膨張した湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子を約1~6時間までの処理時間、摂氏約10~70度の処理温度でかきまぜて(たとえばコンチングして)、それによってメイラード反応の完了を誘発し、促進してもよい。様々な実施形態において、2以上のスクリューで行われる撹拌は、膨張した湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子をコンチングし、それによって、本明細書に記載されるように、プロセス1000の他のステップで回収し、貯蔵し、使用した揮発物および他の物質の放出を引き起こす。
【0103】
いくつかの実施形態において、コンチング工程は、本明細書に記載のコンチング工程条件のために構成されたコンチェシステム(たとえばビューラー社(Buehler AG)(スイス・ウツヴィル)が提供するコンチェシステムと同様のもの)を含むがこれに限定されないコンチング装置によって湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子を処理することを含むことができる。1以上の実施形態において、コンチング工程は、押出器ベースの工程のみ、またはコンチェシステムベースの工程のみを含むことができ、また、押出器ベースの工程の排出物にコンチェシステムベースの工程が行われる、両方の工程を含んでもよい。
【0104】
少なくとも1つの実施形態において、コンチェシステムは、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で操作するように構成することができる。1以上の実施形態において、コンチェシステムは、1)摂氏約10~80度または摂氏約10~70度の別個の処理温度プロファイル、2)約1~5バールまたは約1~2バールの作動圧、3)約1~6時間または約10分の処理サイクル、4)シャフトの逆回転機能を含む約25~150rpmまたは約50rpmのシャフト撹拌回転、5)本明細書に記載のコンチング工程を通じて、回転および逆回転するように構成されている撹拌パドル、6)約2~7時間の処理時間、7)湿式粉砕したコーヒー粒子から放出される香味揮発物の極低温型香り回収を可能にする凝縮性不活性ストリッピングガス(すなわち、湿式粉砕したコーヒー粒子の最低でも1~5重量%の過熱不活性蒸気)の注入、を含むがこれらに限定されない条件に湿式粉砕したコーヒー粒子をかけてもよい。1以上の実施形態において、コンチング装置は、6000(図6)で述べられているコンチェ、蒸留および凝縮システムを含んでもよい。
【0105】
1以上の実施形態において、コンチェシステムは、1以上の固相反応器および/または撹拌機構(たとえば制御可能な回転スクリュー)を含む工業的コンチェ中の湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子を処理し、コンチングする。様々な実施形態において、コンチェシステムは、本明細書に記載のパラメータおよび条件によって湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子をコンチングし、それによってメイラード反応の完了を誘発および促進し、揮発物、香りおよび他の物質の放出を引き起こす。
【0106】
少なくとも1つの実施形態において、コンチェシステムまたは押出機は、1以上の分留塔を含む回収システムに接続される。様々な実施形態において、各分留塔は1以上の段を含む。1以上の実施形態において、このような段は、オフフレーバーに関連する揮発物および他の物質を回収および除去し、それによって、コンチングし、湿式粉砕したまたは予備精製された粒子からオフフレーバーを除去する蒸気ストリッピングオフシステムを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、1以上の蒸留塔の基部は、揮発物および他の物質の回収システムへの通過を可能にする、コンチェシステムまたは押出機の出口に接続されていてもよい。1以上の実施形態において、回収システムは、いくつかのトレイ(たとえば3~5個のトレイ)を含む。少なくとも1つの実施形態において、各トレイは、揮発物、香りおよび他の物質の分別凝縮(不活性ガス下、真空下および/または冷蔵/極低温条件下)のために設計されたトレイ出口および/または分離出口に接続することができる。特定の実施形態において、トレイ出口および/または分離出口は、香りの分別および回収のためのトレイに向けられてもよい。1以上の実施形態において、回収システムは、米国ミズーリ州セントルイス・メラメックボトムロード4141にある製造業者、エピック・プロセッシング・システムズ社(EPIC Processing Systems)の機械と類似していてもよい。
【0107】
いくつかの実施形態において、コンチェシステムまたは押出機は、コンチングした湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子によって放出される揮発物、香り、および他の物質(たとえば凝縮性ガスの形で)の抽出および回収を容易にするための機構を含んでもよい。1以上の実施形態において、機構は、回収システムの1以上の分留塔にコンチェシステムまたは押出機から不活性ガスを注入する。少なくとも1つの実施形態において、注入される不活性ガスは、コンチングした湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子によって放出される揮発物、香りおよび他の物質を含む。1以上の実施形態において、所定量の過熱水蒸気(SHS)を1以上の分留塔を通して注入し、それによって、凝縮性ガスの形で、注入される不活性ガスから揮発物、香りおよび他の物質をストリッピングすることができる。1以上の実施形態において、所定量のSHSは、湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子の約1~5重量%であってもよい。1以上の実施形態において、SHS(揮発物、香りおよび他の物質を含む)は、揮発物、香りおよび他の物質を凝縮し、回収するための1以上の極低温型凝縮器に、1以上の分留塔から移送することができる。
【0108】
少なくとも1つの実施形態において、コンチェシステムまたは押出機に連結された回収システムは、コンチングした湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子からの揮発物、香り、および/または他の物質の回収のためのスタンドアロン分別蒸留塔(またはそのセット)として使用してもよい。様々な実施形態において、回収システムは、化学物質、香料および化粧品の処理に使用される装置を含むことができる。一実施形態において、装置は、米国ニューヨーク州バッファローのバフロバク社(Bufflovak LLC)から入手できる装置と同様にすることができる。様々な実施形態において、装置は、揮発物の極低温回収および、コンチング工程の乾燥プロセス中のガスストリッピングを通して逃げるいくつかの揮発物の生成物再添加に利用してもよい。
【0109】
1以上の実施形態において、フラッシングは、その圧力を減少させ、液体流中よりも蒸気中でより高い濃度であってもよい揮発性化合物を含む部分的な(たとえばフラッシュされた)蒸気の形成をもたらすために、(たとえば回収した不活性ガスから凝縮した)飽和液体流を部分的に蒸発させることを含む。少なくとも1つの実施形態において、フラッシングは、流れの圧力(たとえば蒸気圧)を減少させる絞り装置(たとえば絞り弁)を通して液体流を移送することによって行うことができる。
【0110】
ステップ275において、プロセス1000は、本明細書に記載のコンチング工程から回収した不活性ガス中に存在する揮発物、香りおよび他の物質をフラッシングすることを含む。1以上の実施形態において、フラッシングは、コンチング工程および/または押出工程の間に放出される揮発物、香りおよび他の物質の回収のために実施してもよい。様々な実施形態において、コンチェシステムおよび/または押出機は、コンチェシステムおよび/または押出機のベントラインに接続されたフラッシング装置を含む。1以上の実施形態において、装置は、限定するものではないが、極低温条件下でフラッシュされた揮発物、香りおよび他の物質からの芳香物の回収のためのフラッシング機構および1以上の分留蒸留塔を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、装置は、化学物質、香料および化粧品加工業で使用されている装置であって、ニューヨーク州バッファローのバフロバク社(Bufflovak LLC)などの会社によって市販されている機械と同様のものであってもよい。
【0111】
ステップ285において、プロセス1000は、本明細書に記載のコンチング工程の間に放出された湿式粉砕コーヒーまたは予備精製非コーヒーの粒子からの揮発物、香りおよび他の物質を分別および/または蒸留することを含む。様々な実施形態において、揮発物の蒸留および/または分別は、特別なコンチェのベントラインに接続されてもよい装置を含んでもよい。1以上の実施形態において、装置は、限定するものではないが、極低温条件下での芳香物の回収のための分別蒸留塔を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、装置は、化学物質、香料および化粧品加工業で使用されている装置であって、ニューヨーク州バッファローのバフロバク社(Bufflovak LLC)などの会社によって市販されている機械と同様のものであってもよい。
【0112】
ステップ295において、プロセス1000は、回収した香り、溜出物および他の物質を、個別にかつ極低温条件下で貯蔵することを含む。様々な実施形態において、回収した溜出物は、本明細書に記載の再添加工程の間に、さらなる利用のために極低温タンクに貯蔵してもよい。1以上の実施形態において、溜出物は、揮発物の極低温回収および、本明細書に記載のコンチング工程の1以上の乾燥段階の間にガスストリッピングを通して逃げる可能性のあるいくつかの揮発物の生成物再添加に利用してもよい。
【0113】
図1に戻って、ステップ190-Aにおいて、プロセス1000は、マイクロカプセル化コーヒー粒子を調製するために、湿式粉砕コーヒーを追加の油および脂肪および/または他の原料でカプセル化することを含む。様々な実施形態において、本明細書で使用および記載されるように、「カプセル化」および「マイクロカプセル化」は、通常は、1以上の粒子を1以上の物質(たとえば溶液、脂肪、油、他の食品原料など)にカプセル化することを指し、「コーティング」は、複数の凝集した粒子または単一粒子のコーティングを指すことができる。1以上の実施形態において、カプセル化、マイクロカプセル化およびコーティング(およびその派生語)は、本明細書では同義で使用することができる。
【0114】
1以上の実施形態において、他の原料および/または添加物は、限定するものではないが、カプセル化されたコーヒー粒子の潜在的最終製品および用途を多様化するために、砂糖、乳製品原料および他の物質を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、脂肪および油は、限定するものではないが、1)天然もしくは脱臭カカオバターまたは他の適切な油もしくは脂肪、2)中鎖トリグリセリド(MCT)ココナッツ(分別)または他の核果脂肪および/もしくは核果油、3)果物由来の油および/または脂肪抽出物、3)ナッツ由来の油および/または脂肪抽出物、4)種子油および/または脂肪抽出物、5)穀物油および/または脂肪抽出物、6)バターオイルおよび/またはギーなどの動物由来の油および/または脂肪、7)ステップ230-Aで貯蔵および融解した脂肪および/または油などの融解および貯蔵した脂肪および/または油、を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、油および/または脂肪は、精製形、漂白形および脱臭(RBD)形であってもよく、またコールドプレスまたはホットプレスされていてもよい。
【0115】
様々な実施形態において、湿式粉砕したコーヒー粒子は、油および脂肪および/または他の原料の所定量と混合またはブレンドすることができる。少なくとも1つの実施形態において、所定量は、湿式粉砕したコーヒー粒子の約0.5~15重量%であってもよい。1以上の実施形態において、混合またはブレンドは、閉ループまたは半閉ループで操作し、真空調節不活性ガス雰囲気を使用するように構成されているリボンまたはシグマ型のブレンダーまたはミキサー(または他の適切な型のブレンダーまたはミキサー)を含む混合装置を使用して行うことができる。少なくとも1つの実施形態において、混合装置は、大気酸素(または任意の酸素)が、混合またはブレンドの間に湿式粉砕したコーヒー粒子と接触しないように構成することができる。一実施形態によれば、混合および/またはブレンドは、毎分回転数(rpm)約20~150、約100rpmまたは約10~100rpmの速度で、処理実行あたり約5kgまで、約50kgまで、または約15,000kgまでの容量で行うことができる(ただしより大きな容量も考えられる)。1以上の実施形態において、混合装置は、混合装置内で(たとえば20~150rpmまたは10~100rpmの速度で)制御可能に回転させる回転二重らせんで混合またはブレンドを行うことができる。少なくとも1つの実施形態において、融解し貯蔵した脂肪を使用するとき、融解し貯蔵した脂肪は、1以上の脂肪貯蔵タンクから、自動のプリセットフロー制御を備えた容積式ポンプを用いてポンプでブレンダーまたはミキサーに(またはその内部スプレー機構に)移送することができる。
【0116】
様々な実施形態において、脂肪および油および/または他の原料は、ステップ155において、本明細書に記載されるように添加する(たとえば所定量で混合またはブレンドする)ことができる。少なくとも1つの実施形態において、脂肪および油の第1の部分は、ステップ160において、乾式粉砕したコーヒー粒子からコーヒー油で抽出することができ、脂肪および油の第2の部分は、乾式粉砕したコーヒー粒子中に留まらせたままにすることができる(たとえば、本明細書に記載の湿式粉砕工程中に除去してもよいし、除去しなくてもよい)。
【0117】
少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕したコーヒー粒子は、密封した内室中に収納することができる。1以上の実施形態において、混合装置は、内室に配置された1以上の超微細2流体噴霧器型ノズルを含む内部スプレー機構を含むことができる。様々な実施形態において、内部スプレー機構は、油および/または脂肪および/または他の原料のリザーバに接続することができる。少なくとも1つの実施形態において、1以上の超微細2流体ノズルは、脂肪および/または油および/または他の原料を混合装置の内部および湿式粉砕したコーヒー粒子に自動的かつ制御可能に、スプレー、噴霧または流し込むことができる。
【0118】
少なくとも1つの実施形態において、スプレーシステムは、脂肪および/または油および/または他の原料を内室に制御可能にスプレーし、それによって湿式粉砕したコーヒー粒子をカプセル化して、カプセル化したコーヒー粒子を調製することができる。1以上の実施形態において、スプレーシステムは、重量比で、湿式粉砕したコーヒー粒子の約0.5~15%または約200%までの量の脂肪および/または油および/または他の原料をスプレーすることができる。少なくとも1つの実施形態において、スプレーシステムは、微細分散した液滴(たとえば100ミクロンまでの平均液滴サイズ)で脂肪および/または油および/または他の原料をスプレーしてもよい。
【0119】
少なくとも1つの実施形態において、スプレーシステムは、所定の所要時間(たとえば1~100分)の1以上の実行サイクルでスプレーを行うことができる。1以上の実施形態において、所定数の1以上の実行サイクルを、処理実行として行ってもよい。1以上の実施形態において、処理実行の前、中、後で、混合装置の内室の壁は、湿式粉砕した(またはコーティングした)コーヒー粒子を、脂肪および/または油の融解点(たとえば脂肪および/または油によっては摂氏約90度)に等しい加熱温度に加熱してもよく、かつ/または、湿式粉砕した(またはコーティングした)コーヒー粒子を、脂肪および/または油の融解点未満の冷却温度(または摂氏約10度)に冷却してもよい。少なくとも1つの実施形態において、壁は、加熱および冷却をもたらす加熱要素および冷却要素を含むかまたはそれらと接続してもよい。様々な実施形態において、単一の処理実行の間、湿式粉砕した(コーティングした)コーヒー粒子は、所定の加熱時間の間、その加熱温度に維持することができ、所定の冷却時間の間、その冷却温度に維持することができる。
【0120】
ステップ195において、プロセス1000は、コーティングしたコーヒー粒子(または湿式粉砕したコーヒー粒子)を食品原料および/または添加物とともに凝集および/またはマイクロカプセル化してコーヒー画分を調製することを含む。1以上の実施形態において、凝集および/またはマイクロカプセル化は、酸化からコーヒー画分を保護し、コーヒー画分(たとえば分散液)の調製の間、分散性と安定性を高める。一実施形態によれば、コーティングしたコーヒー粒子は、凝集のみを行ってもよい。一実施形態によれば、コーティングしたコーヒー粒子は、マイクロカプセル化のみを行ってもよい。
【0121】
少なくとも1つの実施形態において、凝集とマイクロカプセル化は、同じ装置内で行うことができる。様々な実施形態において、装置は、限定するものではないが、閉ループまたは半閉ループの流動床乾燥機(FBD)を含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、装置は、乾燥、凝集およびコーティングシステム7000(図7)を含んでもよい。1以上の実施形態において、FBDは、コーティングしたコーヒー粒子を制御可能に乾燥および冷却するように構成することができる。
【0122】
少なくとも1つの実施形態において、凝集は、限定するものではないが、1)コーティングしたコーヒー粒子を、水または水溶液の制御された分散液で、(たとえば低温または高温であってもよい温度で)事前に湿潤させ、2)コーティングしたコーヒー粒子をFBDに充填し、3)コーティングしたコーヒー粒子を繰り返し湿潤させて乾燥することにより、コーティングしたコーヒー粒子を凝集したコーヒーマスに凝集させ、4)凝集したコーヒーマスを乾燥する、ことを含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、凝集したコーヒーマスは、所定の乾燥時間の間、FBD内に凝集したコーヒーマスを放置することによって乾燥することができる(たとえばそれによって凝集したコーヒーマスを乾燥することを可能にする)。1以上の実施形態において、凝集したコーヒーマスの乾燥は、FBD内に乾燥した低い相対湿度条件を提供することによって、残留物の脱水を行うことを含むことができる。少なくとも1つの実施形態において、残留物の脱水は、コーヒーマスがFBD内部に(かつ、いくつかの実施形態において、それ自体に)付着することを防止することができる。1以上の実施形態において、凝集およびマイクロカプセル化の間、FBDは、酸素の非存在下および加熱した(または冷蔵した)不活性ガス条件下で操作するように構成することができる。様々な実施形態において、凝集は、バッチ式でまたは連続的に行うことができる。
【0123】
いくつかの実施形態において、マイクロカプセル化は、凝集したコーヒーマスのコーヒー粒子を(さらに)マイクロカプセル化する適切な食品原料および/または添加物を、凝集したコーヒーマス(またはコーティングしたコーヒー粒子)に直接スプレーすることを含むことができる。1以上の実施形態において、マイクロカプセル化のための適切な食品原料および/または添加物は、限定するものではないが、ココナッツ油およびその画分、パーム核油およびその画分ならびに他の材料を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、適切な食品原料および/または添加物は、それらの精製形、漂白形および脱臭形で含まれてもよく、また1以上の他の形で含まれてもよい。1以上の実施形態において、マイクロカプセル化は、凝集したコーヒーマス(またはコーティングしたコーヒー粒子)に、改善された分散性および安定性を付与することができる。
【0124】
いくつかの実施形態において、プロセスは、FBD(たとえば冷蔵不活性ガス下および除湿環境条件下で操作するように構成されているFBD)内で実施してもよい。様々な実施形態において、FBDは、バッチ式でまたは連続的にマイクロカプセル化を実施するように構成することができる。少なくとも1つの実施形態において、FBDは、凝集したコーヒーマス(またはその派生物)を凍結乾燥することができる凍結乾燥要素を含むことができる。
【0125】
様々な実施形態において、スプレー機構は、FBDの内部に配置された1以上の超微細2流体噴霧器型ノズルを含む。少なくとも1つの実施形態において、1以上の超微細2流体ノズルは、食品原料および/または添加物を、凝集したコーヒーマスに自動的かつ制御可能に、スプレー、噴霧または流し込むことができる。1以上の実施形態において、スプレー機構は、重量比で、凝集したコーヒーマスの約0.5~15%または約200%までの量の食品原料および/または添加物をスプレーすることができる。少なくとも1つの実施形態において、スプレーシステムは、微細分散性液滴として(たとえば100ミクロンまでの平均液滴サイズで)原料および/または添加物をスプレーしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、原料および/または添加物は、マイクロカプセル化溶液および/または分散液に(たとえば1以上の2流体ノズルによるスプレーシステムを通して)霧状にすることができる。
【0126】
少なくとも1つの実施形態において、スプレー機構は、制御可能かつ連続的に(またはバッチ式で)マイクロカプセル化溶液を凝集したコーヒーマス(またはコーティングしたコーヒー粒子)にスプレーして、コーヒー粒子をそのコーヒーマスの中にマイクロカプセル化するためのそれに対するフィルムコーティングを塗布する。少なくとも1つの実施形態において、マイクロカプセル化溶液は、凝集したコーヒーマスの約0.5~15重量%の量でスプレーすることができる。様々な実施形態において、量は、コーティング保護の所望のレベルを、凝集したコーヒーマスから調製されたコーヒー画分に適応させるように選択してもよい。1以上の実施形態において、量は、コーヒー画分由来の製品において、望ましい物理的および/または化学的特性を提供するように選択してもよい。一例において、望ましい物理的および/または化学的特性は、製品が、特定の温度の(たとえば熱いかまたは冷たい)液体または食品に分散されるときの所定の溶解性または分散特性を含む。
【0127】
少なくとも1つの実施形態において、追加の油および/または脂肪は、マイクロカプセル化の間、スプレーシステムにポンプで送り、凝集したコーヒーマスにスプレーすることができる。1以上の実施形態において、追加の油および/または脂肪は、限定するものではないが、1)本明細書に記載の焙煎工程の間に抽出した貯蔵脂肪およびコーヒー油、2)本明細書に記載の他の貯蔵した特殊脂肪および/または油を含むことができる。様々な実施形態において、追加の油および/または脂肪は、凝集したコーヒーマスの約1~30重量%の量でスプレーすることができる。
【0128】
少なくとも1つの実施形態において、凝集およびマイクロカプセル化に続いて、コーヒー画分のコーヒー粒子は、それぞれ、所定の量のコーティングを含んでもよい。1以上の実施形態において、所定の量は、コーヒー粒子の5重量%までであってもよい。
【0129】
少なくとも1つの実施形態において、凝集およびマイクロカプセル化に続いて、コーヒー画分は冷却することができる。1以上の実施形態において、コーヒー画分は、2段階振動流動床冷却器(FBC)を用いて制御可能に冷却することができる。一実施形態によれば、FBCは、本明細書に記載のFBDに含めることができる。様々な実施形態において、FBDは、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、閉ループまたは半閉ループで操作するように構成してもよい。少なくとも1つの実施形態において、FBCは、ウィッテ社(Witte)(米国07882ニュージャージー州ワシントン31S、507Rt)によって製造されたFood and Pharma Lineの標準モデルと類似していてもよい。
【0130】
様々な実施形態において、コーヒー画分は、約1分間の第1冷却時間の間、摂氏約50~100度または摂氏約65~75度の第1冷却温度に冷却することができる。1以上の実施形態において、第1冷却時間に続いて、コーヒー画分は、摂氏約18~25度(たとえば周囲温度)の第2冷却温度に冷却することができる。少なくとも1つの実施形態において、FBCは、(コーヒー画分が置かれる)振動スクリーンがFBCを通してコーヒー画分を移動させる間、コーヒー画分に冷却した不活性ガスの加圧吹き出しを適用することによって冷却を達成してもよい。いくつかの実施形態において、冷却したコーヒー画分は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、(たとえば一次包装用にサイロにコーヒー画分を充填するのを容易にするために)トートビンボックスおよびシステムに充填してもよい。
【0131】
ステップ200において、プロセス1000は、コーヒー画分(いくつかの実施形態において、たとえば以前の工程で使用した油に基づいて硬化されてもよい、コーティング内にマイクロカプセル化されたその粒子)を貯蔵することを含む。様々な実施形態において、コーヒー画分は、様々な百分率のコーヒー粒子を有するマスであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、コーヒー画分は、本明細書に記載のプロセス1000の他のステップにおいて使用するまで、パッケージ状態に維持してもよい。
【0132】
いくつかの実施形態において、コーヒー画分は、(限定するものではないが)アルミニウム-プラスチック複合材、BOPP、紙、プラスチック、ガラス、金属またはそれらの組み合わせを含む広範囲の梱包オプションを用いて包装してもよい。様々な実施形態において、コーヒー画分は、選択された賞味期限(たとえば少なくとも1年)を提供し、維持するために、不活性ガス状態、真空補償状態または真空状態で梱包してもよい。少なくとも1つの実施形態において、上記の包装の目的は、鮮度が落ちることまたは他の有害な活動(たとえば本明細書に記載のコーティングおよび他の工程の間に生じる可能性のあるコーティングの欠陥によって生じるもの)からコーヒー画分を保護することであってもよい。
【0133】
図1Bでは、ステップ210-Cにおいて、プロセス1000は、非コーヒー原料を受け取り貯蔵することを含む。1以上の実施形態において、非コーヒー原料は、限定するものではないが、1)砂糖および他の炭水化物、2)還元糖対応物、3)乳製品派生物、4)野菜派生物、5)他の非コーヒー原料、を含んでもよい。様々な実施形態において、非コーヒー原料は、容器に受け取り、それを空にしてもよく、また、プロセス1000の他のステップの間で利用するまで貯蔵してもよい。少なくとも1つの実施形態において、非コーヒー原料は、極低温または冷蔵条件下で貯蔵してもよい。
【0134】
ステップ240において、プロセス1000は、予備精製糖および/または他の非コーヒー原料を含む。様々な実施形態において、糖および/または他の非コーヒー原料は、貯蔵から回収して、約180ミクロンに予備粉砕してもよい。
【0135】
少なくとも1つの実施形態において、予備粉砕(または予備精製)は、所定のメッシュサイズのスクリーン(たとえば5.5mm、6.5mmおよび8.0mm)を備えた乾式または湿式衝撃型ミルを含む粉砕装置で行うことができる。一実施形態によれば、砂糖は、粉砕装置に充填し、約180ミクロンの平均粒径に予備粉砕する。1以上の実施形態において、予備粉砕によって、砂糖粒子の安定な結晶構造を不安定なアモルファス構造に変換してもよい。様々な実施形態において、不安定なアモルファス構造は、砂糖粒子の表面レベルで、改善および/または向上した熱化学反応性を提供し、それによって、砂糖と組み合わせて使用されて非コーヒー画分を形成する、他の非コーヒー原料に存在するアミノ酸のアミノ基およびタンパク質との反応性を高める。少なくとも1つの実施形態において、粒子の構造の変換によって、本明細書に記載のコンチングまたは押出工程の間に起こるメイラード反応の速度および/または強度を改善してもよい。
【0136】
様々な実施形態において、約50重量%までの(たとえば結晶構造の)砂糖を、ある量の還元糖対応物に置換して、本明細書に記載されるように予備精製された糖ブレンドを形成する。少なくとも1つの実施形態において、還元糖対応物の量は、置換する砂糖のマスと同等の甘さレベルを提供するために選択してもよい。1以上の実施形態において、糖ブレンドは、たとえばコンチング工程の固相反応器中で起きるメイラード反応の強度と速度を改善する。1以上の実施形態において、乳製品派生物および野菜派生物などの非コーヒー原料は、予備粉砕してもよい。少なくとも1つの実施形態において、特定の非コーヒー原料は、それらが香味形成反応および色形成反応に直接関与しないか、またはプロセスを行うのに適切な粒径で存在する場合があるため、予備粉砕ステップを受ける必要がない場合がある。
【0137】
ステップ250において、プロセス1000は、予備精製された砂糖と他の非コーヒー原料とを予備混合して、非コーヒープレミックスを調製することを含む。少なくとも1つの実施形態において、予備精製された砂糖と他の非コーヒー原料は、他の非コーヒー原料の融解点(いくつかの実施形態において、摂氏約45~90度にすることができる)に加熱しながら、約1時間までの所定時間の間、約20~150rpmで組み合わせて混合することができる。
【0138】
1以上の実施形態において、予備精製された砂糖および他の非コーヒー原料は、計量し、プレミキサーに充填してもよい。1以上の実施形態において、プレミキサーは、真空下または不活性ガス条件下および酸素の非存在下で操作するように構成されているシグマまたはリボン型のブレンダーまたはミキサーであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、プレミキサーは、二重らせん混合要素を含む。様々な実施形態において、プレミキサーは、予備精製された砂糖と他の非コーヒー原料を、他の非コーヒー原料の融解点に(または、いくつかの実施形態において、摂氏約45~90度に)加熱(たとえば加熱要素で)しながら、予備精製された砂糖と他の非コーヒー原料を、約1時間まで約20~150rpmで予備混合する。少なくとも1つの実施形態において、予備混合は、約15,000kgまでの個々の容量を用いてバッチで行うことができる(ただし、より大きな容量も考えられる)。
【0139】
少なくとも1つの実施形態において、予備混合の間に形成されるプレミックスの例示的調合は、限定するものではないが、1)約20~60%の天然またはRBDの脂肪および/または油(またはカカオバター代替物もしくは同等物)、2)約0~60%の予備精製された砂糖、3)約0.1~60.0%の甘味料、4)約0~10%の乳製品派生物、5)約1~60%のタンパク質および/または炭水化物、6)約0~20%のココアおよび/または他のチョコレート原料、7)約1~30%の充填剤原料、8)約1~60%の他の脂肪および/または油、9)約1~30%の他の炭水化物および/または繊維、10)約5%までの添加物および/または他の微量原料、11)約10%までの栄養源、ビタミン、ミネラル、動物および/または植物化学物質、および/または他の生物活性原料、12)約5%までの生体不活性成分、を含む。
【0140】
ステップ260において、プロセス1000は、非コーヒープレミックスの二重押出と、そこから香りを回収して、非コーヒーマスを調製することを含む。少なくとも1つの実施形態において、非コーヒーマスを形成するために使用するプロセスパラメータは、高スループットで均質な製造調合を可能にする。少なくとも1つの実施形態において、非コーヒープレミックスは、約1~5バールに加圧し、1つ以上の非コーヒープレミックス要素の融解点(またはいくつかの実施形態において摂氏約1~90度)に加熱し、約10分または約5~6時間かきまぜ、それによって1以上の香味形成反応の完了を誘発および促進して非コーヒーマスを形成することができる。
【0141】
少なくとも1つの実施形態において、本明細書に記載されるように非コーヒープレミックスを処理することによって、香味形成反応は、1)非コーヒープレミックスは、約1.5%未満の残留水分を示すことができ、これは香味形成反応および色形成反応に好都合であること、2)非コーヒープレミックスを高い加工剪断、衝撃および摩擦(撹拌による)にかけ、高温にさらすことは、香味形成反応および色形成反応を促進すること、3)特定の非コーヒープレミックスの比較的低い脂肪含有量は、固相反応を増強させる、非コーヒープレミックスの固体粒子の効率の良い反応性表面を提供し、それによって香味形成反応および色形成反応を強化すること、を含むが、これらに限定されない理由のために誘発および改善することができる。
【0142】
少なくとも1つの実施形態において、非コーヒーマスを形成するために、非コーヒープレミックスは、押出機への供給および/または流れを制御する供給口を備えたオーガーフィーダで二重押出機に供給する供給ホッパーに充填することができる。1以上の実施形態において、二重押出機およびそれに接続した構成要素は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で操作するように構成することができる。少なくとも1つの実施形態において、二重押出機は、非コーヒープレミックスを加熱および撹拌することによって開始される効率の良い固相反応によって香味形成反応および色形成反応を誘発するように設計してもよい。
【0143】
様々な実施形態において、二重押出機は、限定するものではないが、1)6つの重いスチール支柱を二重押出機に取り付けることが可能な、重い床板を含む構造物(たとえばメインツインバレル用に4つ、および二重押出機の他の要素用に2つ)、2)周波数インバータを備えたスクリュードライバーモータ、3)減速ギアボックス、4)供給ホッパー、5)A)1以上のモータを制御するためのスイッチ、B)バンドヒータの制御装置、C)サーモスタット、サーミスタ、および/または熱電対制御スイッチ、D)冷却システムのための極低温ガス膨張弁および/または配管計装図(PID)、E)ツインバレル温度計、を含むが、これらに限定されない、いくつかの重要な制御装置を備えた中央パネル、6)加熱および冷却要素の制御装置、7)噛み合い型二軸スクリューおよび、冷却および加熱の両方(たとえばバレルの内部に沿って配置された二軸スクリューの各セクションに対する)のための効率の良いシステム、を含むが、これらに限定されないツインバレル、8)ツインバレル、供給ホッパーおよび装甲回転スクリューチェンジャーの主反応部のための圧力計、9)回転の入力および出力、10)非コーヒープレミックスおよび他の原料の正確な添加のための計量ポンプ、11)供給速度の入力および出力、12)スクリュートルクの制御装置、13)ダイ温度制御装置を含むパイプ(または他の)ダイ、14)ダイ温度、回転ナイフ切断システム、15)他の安全制御装置、を含むことができる。
【0144】
少なくとも1つの実施形態において、システムは、ツインバレルの温度を摂氏約1~90度(またはおよそプレミックス要素の融解点)に正確に制御することができる。1以上の実施形態において、ツインバレルは約1~5バールに加圧することができる。
【0145】
様々な実施形態において、ツインバレルは、限定するものではないが、1)噛み合って非コーヒープレミックスをかきまぜる二軸スクリュー、2)バレルカバー用の取り外し可能なライナー、3)ツインバレルの主要な移行処理部にある圧力計とセンサ、4)バレル内に原料を直接添加することができる挿入部(たとえばそれぞれ、様々な/特別な反応剤の最終添加用および、熱に敏感な添加物用)、5)バレルカバーで密封できるツインバレルへの開口部、を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、二軸スクリューは、1)スクリュールート、2)チャネル幅、3)フライト、4)軸方向フライト幅、5)1以上のねじれ角、6)可変ピッチなどのピッチ、7)スクリュー隙間、8)バレルの長さ、9)バレルの直径、を含むが、これらに限定されない1以上の側面の変更を含むことができる。1以上の実施形態において、二軸スクリューによって、より正確および/または制御可能な固相反応速度、時間および/または温度を提供してもよい。
【0146】
1以上の実施形態において、天然真空ベース脱気ポートシステムが、二軸スクリューバレルの端に含まれてもよい。様々な実施形態において、脱気ポートシステムは、急速な脱気および揮発のために構成してもよい。少なくとも1つの実施形態において、脱気ポートシステムは、非コーヒーマスが、排気ガスと混合してもよい不活性ガスの流れとともに閉ループ室内に出ることができ、またオフフレーバー排出および揮発物(極低温)回収のために分留塔に直接連結されてもよいブレーカープレートへの組み込みであってもよい。少なくとも1つの実施形態において、ブレーカープレートは、限定するものではないが、押出ヘッド、パイプダイ、スクリーンパックおよび回転ナイフ切断システムを含むことができる。
【0147】
様々な実施形態において、二重押出機は、二次真空サイジングシステムを含むことができる。1以上の実施形態において、二次真空サイジングシステムは、二重押出機の出口に連結してもよい。少なくとも1つの実施形態において、二次真空サイジングシステムは、真空下で固相および香味形成反応が行われることを可能にし、また反応が、冷却した冷媒ガスの循環によって冷却されることを可能にする。少なくとも1つの実施形態において、二次真空サイジングシステムによって、終了処理反応および香り回収の制御をさらに促進してもよい。少なくとも1つの実施形態において、二重押出機は、固相および香味形成反応の間、非コーヒープレミックスから放出される揮発物、香りおよび他の物質の分別蒸留および極低温回収を可能にする(本明細書に記載の)回収システムを含むことができる。1以上の実施形態において、揮発物、香りおよび他の物質は、プロセス1000の他のステップにおけるさらなる利用のために、ステップ275においてフラッシュし、ステップ285において極低温で蒸留し、ステップ295において回収および貯蔵することができる。
【0148】
少なくとも1つの実施形態において、非コーヒーマス(およびその粒子)は、ステップ310で実施される本明細書に記載の1以上の工程によってコンチングすることができる。
【0149】
ステップ320において、プロセス1000は、極低温および不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、非コーヒーマスを、約30ミクロン未満、約0.1~40ミクロンまたは40ミクロン未満の所定の粒径に湿式粉砕することを含む。少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕の出力は非コーヒー画分である。1以上の実施形態において、湿式粉砕は、酸素の非存在下での極低温不活性ガス操作のために構成された垂直ボールミルなどのボールミルで行うことができる。少なくとも1つの実施形態において、ボールミルは、第1セットの粉砕ボールおよび第2セットの粉砕ボールを使用する。少なくとも1つの実施形態において、第1セットの粉砕ボールは、約0.5mmの直径を含むことができ、第2セットの粉砕ボールは、約0.7mmの直径を含むことができる。一実施形態によれば、非コーヒーマスは、ボールミル(または他の適切な粉砕システム)に充填することができる。
【0150】
ステップ320において、プロセス1000は、非コーヒーマスを、極低温および不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、約30ミクロン未満、約0.1~40ミクロンまたは40ミクロン未満の所定の粒径に湿式粉砕することを含む。少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕の出力は非コーヒー画分である。1以上の実施形態において、湿式粉砕は、酸素の非存在下での極低温および不活性ガス操作のために構成された垂直ボールミルなどのボールミルで行うことができる。少なくとも1つの実施形態において、ボールミルは、第1セットの粉砕ボールおよび第2セットの粉砕ボールを使用する。少なくとも1つの実施形態において、第1セットの粉砕ボールは、約0.5mmの直径を含むことができ、第2セットの粉砕ボールは、約0.7mmの直径を含むことができる。一実施形態によれば、非コーヒーマスは、ボールミル(または他の適切な粉砕システム)に充填することができる。
【0151】
様々な実施形態において、非コーヒーマスは、極低温不活性ガスとの直接接触によって摂氏約-80度(またはより低い温度)に冷却することができる。少なくとも1つの実施形態において、冷却は、非コーヒーマスをコンチングする場合にのみ行ってもよい(たとえばステップ310または他で)。1以上の実施形態において、極低温不活性ガスは、非コーヒーマスをボールミルに供給するスクリューコンベア内に構成されたスプレー機構でスプレーすることができる。1以上の実施形態において、粉砕は、非コーヒーマスが摂氏約-80度(またはより低い温度)に達し、ガラス質(砕けやすい)状態になったとき開始することができる。少なくとも1つの実施形態において、湿式粉砕は、約20分の所定の粉砕時間の間、約250rpmで行ってもよい。一実施形態によれば、出力された非コーヒー画分は、約30ミクロンの平均粒径を示す。
【0152】
ステップ330-Aにおいて、プロセス1000は、非コーヒー画分およびそこから抽出した脂肪を貯蔵することを含む(たとえば本明細書に記載のコンチング工程および他の工程の間)。1以上の実施形態において、非コーヒー画分は、非コーヒー画分を連続的にかきまぜる低速キサゲ面型スターラをそれぞれが含む1以上のタンクにポンプで送られる。少なくとも1つの実施形態において、1以上のタンクは、不活性ガス雰囲気下、使用する脂肪および/または油の融解点以上の温度に非コーヒー画分を維持する。1以上の実施形態において、非コーヒー画分は、次いで、自動のプリセットフロー制御装置を備えた容積式ポンプを使用して投入してもよく、また本明細書に記載のさらなる工程に供されてもよい。
【0153】
ステップ190Bにおいて、プロセス1000は、抽出および貯蔵したコーヒー油を、本明細書に記載の(およびステップ330において実施される)ブレンド、均質化および可塑化工程に添加することを含む。少なくとも1つの実施形態において、抽出および貯蔵したコーヒー油は、本明細書に記載のコーヒー画分および非コーヒー画分をブレンド、均一化および可塑化するために使用する装置にポンプで移送することができる。一実施形態によれば、抽出したコーヒー油は、コーヒー画分および非コーヒー画分にスプレーすることができる。
【0154】
ステップ340において、プロセス1000は、添加物を調製し、コーヒーおよび/または非コーヒー画分に添加することを含む。少なくとも1つの実施形態において、添加物は、本明細書に記載のブレンド、均質化および可塑化工程(たとえばステップ330-Bにおいて実施される)の間にコーヒー画分および非コーヒー画分に添加してもよい。たとえば、添加物はコーヒー画分および/または非コーヒー画分を含む本明細書に記載のミキサーまたはブレンダーに添加することができる。1以上の実施形態において、限定するものではないが、添加物は、1)塩、2)レシチン、3)ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)、4)乳化剤、5)抗酸化剤、6)安定剤、7)様々な他の食品グレード添加物、を含んでもよい。
【0155】
ステップ300において、プロセス1000は、コーヒー画分および/または非コーヒー画分に、(たとえば、ステップ275、285および295において行われる揮発性物質のフラッシング、蒸留および香り凝縮工程から得られた)濃縮した香りを添加することを含む。少なくとも1つの実施形態において、濃縮した香りは、本明細書に記載の(たとえばステップ330において実施される)ブレンド、均質化および可塑化工程の間にコーヒー画分および非コーヒー画分に添加することができる。たとえば、添加物は、コーヒー画分および/または非コーヒー画分を含む本明細書に記載のミキサーまたはブレンダーにスプレーすることができる。
【0156】
ステップ330において、プロセス1000は、コーヒー画分および非コーヒー画分をブレンドし、均一化し、可塑化して複合コーヒーマスにすることを含む。1以上の実施形態において、ブレンド、均一化および可塑化は、限定するものではないが、1)所定量のコーヒー画分と非コーヒー画分とを組み合わせて複合混合物にし、2)複合混合物を摂氏約1~70度に冷却または加熱し、3)複合混合物を約20~150rpmまたは約10~100rpmでブレンドし、4)複合混合物に添加物および/または溶液(たとえば香り、コーヒー油、添加物など)を、コーヒー画分(またはいくつかの実施形態において複合混合物)の約200重量%の量で約1~100分または約5~60分の所定の時間の間スプレーする、ことを含むことができる。
【0157】
様々な実施形態において、後ブレンドおよび/または均質化は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、かつ/または真空調節空気下(不活性ガスの有無にかかわらず)で操作するように構成されているリボンまたはシグマ型ブレンダー(またはミキサー)などの1以上のブレンダーなどで行ってもよい。1以上の実施形態において、1以上のブレンダーは、ブレンド機構として二重らせんを用いて約20~150rpmまたは約10~100rpmの速度でコーヒー画分および非コーヒー画分を受け取りブレンドしてもよい。少なくとも1つの実施形態において、ミキサー、ブレンダーおよび/またはホモジナイザーは、約15,000kgまでの容量で操作することができる(ただし、より大きな処理容量が考えられる)。
【0158】
様々な実施形態において、ミキサー、ブレンダー、および/またはホモジナイザーは、ブレンド、均一化、および/または可塑化の間、本明細書に記載の添加物および溶液をコーヒー画分および非コーヒー画分にスプレーするための組み込みスプレーシステム装置を含んでもよい。1以上の実施形態において、スプレーシステム装置は、(たとえば、コーヒー画分および非コーヒー画分を含む密封された処理室内に配置された)様々な数の特別な2流体圧力噴霧器型ノズルを組み込んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、スプレーシステムは、ステップ190-B、300および340に記載した添加物および/または溶液中にコーヒー画分(または複合コーヒーマス)の約200重量%までを送達する。少なくとも1つの実施形態において、ノズルは、1~100分または約5~60分の実行サイクルで操作してもよい。
【0159】
様々な実施形態において、ノズルは、溶液、添加物、および/または液体系の制御可能な微細分散性液滴(約100ミクロンまでの平均液滴サイズ)をコーヒー画分および非コーヒー画分に送達してもよい。1以上の実施形態において、1以上のブレンダーは、ブレンド、均一化および可塑化工程の所要時間の間(たとえば、約1~100分または約5~60分)、1以上のその要素の融解点(または摂氏約90度)にコーヒー画分および非コーヒー画分を加熱し、また1以上のその要素の融解点(または摂氏約10度)未満にコーヒー画分および非コーヒー画分を冷却する内壁を含む。
【0160】
1以上の実施形態において、他の補完的かつ微量な原料が複合コーヒーマスに添加されてもよい(たとえば、他の原料および添加物の混合に続いて)。少なくとも1つの実施形態において、他の補完的な微量原料は、限定するものではないが、芳香剤、香味剤、添加物および、特に着色剤を含む他の適切な原料を含む。
【0161】
1以上の実施形態において、1以上のブレンダーは、1以上のブレンダーの容易な消毒を可能にする衛生設計の特徴を含む。いくつかの実施形態において、1以上のブレンダーは、不活性ガスが閉じ込められたトートに、サイロに、かつ/または梱包ラインの供給サイロに直接、複合コーヒー製品を排出することを容易にするために、プラットフォームに組み込んでもよい。
【0162】
様々な実施形態において、複合コーヒーマスは、様々な程度のコーヒーの香味および味を付与した食用製品であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、複合コーヒーマス(たとえば可塑化段階における)は、処理パラメータに応じて固定することが可能な様々な粘度を有する均質な固体様形態を呈してもよい。1以上の実施形態において、複合コーヒーマスは、計画された最終用途に従って適切な脂肪/油系の組み合わせと混合される。様々な実施形態において、複合コーヒーマスは、コーヒーバー、コーヒー粉末、コーヒースプレッド、コーヒーチャンク/モルセル/チップの調合、また、冷蔵またはフローズンデザート、砂糖および/またはコーヒーの焼き菓子、朝食用シリアル、パワーバーなどにおける様々な用途などの食品や飲料用途に幅広い用途を有する。
【0163】
1以上の実施形態において、1以上のブレンダーは、コーヒー画分と非コーヒー画分とのブレンドの間、乱流の生成を容易にする補助パドルおよびステータ装置を備えた二重ヘリコイド回転軸を含んでもよい。様々な実施形態において、処理温度は、摂氏で約1~70度、約1~90度程度または約1度~脂肪の融解点(脂肪系および計画された最終用途に応じて)にすることができ、これは、1以上のブレンダーの加熱および/または冷却したジャケット壁によって確実にされる。1以上の実施形態において、混合装置は、約20~150rpmまたは約10~100rpmの様々な回転速度を有してもよい。
【0164】
ステップ350において、プロセス1000は、複合コーヒーマスを貯蔵することを含む。様々な実施形態において、複合コーヒーマスは、品質の仕様に従って貯蔵してもよい。少なくとも1つの実施形態において、複合コーヒーマスは、直立したステンレス鋼ジャケット付き滅菌タンクに貯蔵される。1以上の実施形態において、タンクは、水加熱式(たとえば摂氏約45度までの温度に)であってもよく、複合コーヒーマスを約25~100rpmの速度でかきまぜる低速混合機構を含んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、複合コーヒーマスは、本明細書に記載の他の工程およびステップに容積式ポンプによってタンクから移動させてもよい。
【0165】
ステップ355において、プロセス1000は、複合コーヒーマスを濾過して汚染物質を除去し、高品質の最終製品を確実にすることを含む。1以上の実施形態において、濾過は、流速を改善し、外部の汚染物質の蓄積を除去し、作動音およびメンテナンス時間を低減することによって、生産性と品質を高める。少なくとも1つの実施形態において、濾過は、非不活性雰囲気条件および/または酸素への複合コーヒーマスの暴露を回避することによって複合コーヒーマスの純度を確実にする。
【0166】
様々な実施形態において、濾過システムは、濾過を行うために用いられるが、濾過システムは、米国のラッセルフィネックス社(Russell-Finex Co.)製の濾過システムと類似していてもよい。1以上の実施形態において、濾過システムは、1)150psigまでの高い破裂強度を提供するとともに、部分的な目詰まりによる操作の短時間の中断なく、約15,000センチポアズまでの圧力で、高粘度を示す半固体の液体の定常流を送達する容積式ポンプ、2)高品質の運転条件を提供し、一貫して高い流速を確実にし、維持し、複合コーヒーマスの最高品質の濾過を提供する密閉型連続滅菌濾過システム、3)液体流に平行に、スクリーンの上下に移動するディスクを用いてフィルタースクリーンから、回収する破片を機械的にかき取るセルフクリーニング設定、4)回収する破片を、プロセスにおける製造を停止することなく、約0.7秒以下の時間で自動的にパージする回収室(たとえばフィルターシステムの下部)、を含むがこれに限定されない。
【0167】
1以上の実施形態において、セルフクリーニング設定によって、1)製造を中断しない連続作業、2)より静かな密閉系による改善されたプラント作業条件、3)より少ない可動部品による、事実上メンテナンスフリーの操作および、少ない頻度の部品交換、4)常に低い圧力差での操作、5)比較的少ない初期投資、を含むが、これらに限定されないさらなる利点を提供してもよい。
【0168】
ステップ360において、プロセス1000は、本明細書に記載の条件下での貯蔵のために、濾過した複合コーヒーマスを(本明細書に記載の他の貯蔵タンクと類似した)1以上のタンクに(たとえばポンプまたは他の移送機構で)移送することを含む。様々な実施形態において、複合コーヒーマスは、包装作業および/または大量製品化などのさらなる工程に利用するまでタンクに貯蔵することができる。
【0169】
ステップ370において、プロセス1000は、1以上の予備結晶化貯蔵タンクに複合コーヒーマスを(たとえばポンプまたは他の移送機構で)移送することを含む。
ステップ380において、プロセス1000は、複合コーヒーマスをテンパリングすることを含む。いくつかの実施形態において、ステップ380を含むかどうかは、使用する脂肪に基づくことができる。1以上の実施形態において、テンパリングは、不安定な結晶を破壊し、安定な結晶生成に好ましい条件を確立するために、複合コーヒーマスを加熱(または冷却)することを含む。少なくとも1つの実施形態において、テンパリングは、核形成技術によって行うことができる。
【0170】
ステップ390-Aにおいて、プロセス1000は、1以上の型に複合コーヒーマスを投入することを含む。
ステップ390-Bにおいて、プロセス1000は、1以上のコンベアに複合コーヒーマスを投入することを含む。
【0171】
ステップ400-Aにおいて、プロセス1000は、1以上の予備結晶化型内で複合コーヒーマスを結晶化させることを含む。少なくとも1つの実施形態において、1以上の予備結晶化型は、(たとえば、複合コーヒーマスの収縮によって型からその回収を可能にする)型内で、複合コーヒーマスの結晶化を誘発する(たとえば、1以上のコンベアからその回収も可能にする)ように構成されている1以上の結晶化トンネルを通して移動させることができる。
【0172】
ステップ400-Bにおいて、プロセス1000は、1以上のコンベア上に投入された複合コーヒーマスを結晶化することを含む。少なくとも1つの実施形態において、1以上のコンベアは、複合コーヒーマスの結晶化を誘発するように構成されている1以上の結晶化トンネルを通して投入された複合コーヒーマスを移動させる。少なくとも1つの実施形態において、結晶化された、投入された複合コーヒーマスは、複合コーヒーチャンク、モルセル、チップなどに使用することができる。
【0173】
ステップ410-Aにおいて、プロセス1000は、1以上の予備結晶化型から結晶化した複合コーヒーマスを離型することを含む。
ステップ410-Bにおいて、プロセス1000は、結晶化され、投入された複合コーヒーマスを切断することを含む。少なくとも1つの実施形態において、1以上のコンベアは、投入された複合コーヒーマスをストリップ、チャンクまたは他の所定の形状(たとえば、正方形、円、長方形など)に切断する1以上の切断システム(たとえば、剪断機、ナイフ、ウェッジまたは他の切断要素)を通して、投入された複合コーヒーマスを移動してもよい。いくつかの実施形態において複合コーヒーマスは、粉末、チャンク、モルセル、または他の原料形に砕くかまたは微粉化することができる。
【0174】
ステップ390-Cにおいて、プロセス1000は、1以上の型内に投入されなかった過剰の複合コーヒーマスを回収し、本明細書に記載の1以上の予備結晶化タンク(たとえばステップ370で使用したタンク)に過剰の複合コーヒーマスを戻す前に脱結晶化することを含む。1以上の実施形態において、脱結晶化は、テンパリングした複合コーヒーマスにおける安定な結晶の存在を減少させ、それによって複合コーヒーマスの粘度を低下させ、テンパリングした複合コーヒーマスの投入および/またはポンピングを容易にする。一実施形態によれば、(貯蔵してただちに投入しないテンパリングしたマスの一部の)テンパリングおよび脱結晶化は、新たな結晶の生成に適応させる鋳型結晶(たとえば結晶化した脂肪)を提供する(たとえば他のおよび/またはそれに続く結晶化関連工程の間)。
【0175】
ステップ420において、プロセス1000は、複合コーヒーマスの金属検出を行うことを含む。実施形態において、複合コーヒーマスは、コーヒー複合マスにおいて金属を検出したときに警報を出す1以上の金属検出器を通過させることができる。少なくとも1つの実施形態において、1以上の金属検出器の活性化もたらす複合コーヒーマスの部分は、さらなる処理から除外してもよい。
【0176】
ステップ430において、プロセス1000は、複合コーヒーマスを、たとえば、ジャー、ボトルおよび他の一次包装構造物などの一次包装に包装することを含む。
ステップ440において、プロセス1000は、一次パッケージされた複合コーヒーマスを、たとえばボックス、カートンおよび他の二次包装構造物などの二次包装に包装することを含む。
【0177】
ステップ450において、プロセス1000は、二次包装された複合コーヒーマスにX線検査を行うことを含む。少なくとも1つの実施形態において、X線検査は、二次および一次包装における異物および/または他の望ましくない要素を検出する。様々な実施形態において、X線検査で、異物および/または他の望ましくない要素を含むことが決定した任意の二次および/または一次包装は、さらなる処理から除外するか、かつ/またはさらなる検査のために回収することができる。
【0178】
ステップ460において、プロセス1000は、輸送のために、1以上のパレットに二次包装複合コーヒーマスをパレット積みすることを含む。
ステップ470において、プロセス1000は、約48時間までの所定のステージング時間の間、パレット積みした複合コーヒーマスをステージングすることを含む。
【0179】
ステップ480において、プロセス1000は、ステージングし、パレット積みした複合コーヒーマスを1以上の所定の場所に出荷することを含む。
1以上の実施形態において、代替プロセス1000を行うことができ、(複合)コーヒーマスベースの食用スティック、バトンなどを生成することができる。一実施形態において、代替プロセス1000は、限定するものではないが、1)本明細書に記載のステップを行って、複合コーヒーマスおよび/またはコーヒー画分を得、2)ステップ390-Bにおいて、コーヒーマス(またはコーヒー画分)のある量を1以上のコンベアに投入し、3)複合コーヒーマスを破損することなく切断することができるようにコーヒーマスを部分的に結晶化するために、投入した複合コーヒーマスを予備結晶化トンネルを通して送り(1以上の実施形態において、本明細書に記載のチャンク、モルセルなどを調製するために、予備結晶化を使用してもよい)、4)ステップ410-Bにおいて、部分的に結晶化させた、投入した複合コーヒーマスを切断して1以上のバトンまたはスティックにし(複合コーヒーマスを破損することなく)、5)ステップ400-Aにおいて、複合コーヒーマスの結晶化を完了するために、切断した複合コーヒーマスを結晶化トンネルを通して送り、6)複合コーヒーマスの後処理および/または包装を完了するために、ステップ390-C~470の1つ以上を行うこと、を含むことができる。
【0180】
少なくとも1つの実施形態において、第2代替プロセス1000を行うことができ、バルクコーヒーマスを生成することができる。1以上の実施形態において、第2代替プロセス1000は、ステップ360の実行に続いて中止することができ、その中に貯蔵した複合コーヒーマス(たとえばペースト状、液体形または固形)は、大量製品化および/または配送(たとえば本明細書に記載の1以上の包装工程によって)のために包装することができる。
【0181】
様々な実施形態において、プロセス1000は、本明細書に記載の1以上のステップを省略することができる。少なくとも1つの実施形態において、プロセス1000は、を含むことができる。
【0182】
図2Aおよび図2Bを参照して、様々な本開示の実施形態による前処理プロセス2000を示すフローチャートが示される。ステップ2002において、プロセス2000は、トラック(または他の適切な輸送車両もしくは輸送船)に(たとえば袋入りの)生コーヒー豆を受け取ることを含む。
【0183】
ステップ2004において、プロセス2000は、生コーヒー豆の重量を決定することを含む。少なくとも1つの実施形態において、重量の決定は、生コーヒー豆を搭載した各トラック(または他の車両もしくは船)を計量し、トラックの既知の重量を減算して、搭載した生コーヒー豆の重量を決定することを含むことができる。1以上の実施形態において、重量は、処理速度、処理量、複合コーヒーマス(または本明細書に記載の他の物質)の調製の間に使用する添加物、原料および他の材料の量を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の他の工程のパラメータを記録および/または決定する際に使用することができる。
【0184】
ステップ2006において、プロセス2000は、生コーヒー豆を荷下ろしすることを含む。少なくとも1つの実施形態において、生コーヒー豆は、トラック(または他の車両もしくは船)から荷下ろしした袋に最初に梱包することができる。
【0185】
ステップ2008において、プロセス2000は、本明細書に記載の他の工程に利用するまで、生コーヒーの袋を貯蔵することを含む。
ステップ2010において、プロセス2000は、生コーヒーの袋を自動的に開いて、1以上の中間容器に(または取り入れフィーダに直接)入れて空にすることを含む。
【0186】
ステップ2012において、プロセス2000は、1以上の選別機に生コーヒー豆を供給するように構成されている1以上の取入れフィーダに生コーヒー豆を充填することを含む。
【0187】
ステップ2014において、プロセス2000は、生コーヒー豆から粗い不純物を除去することを含む。少なくとも1つの実施形態において、粗い不純物の除去は、生コーヒーから粗い不純物を除去する1以上の選別機(2ふるい選別機-分類器など)を通して生コーヒーを処理することを含むことができる。
【0188】
ステップ2016において、プロセス2000は、インライン転送機/フィーダを使用してコーヒー豆を吸引チャネルに移動することを含む。インライン転送機/フィーダは、本明細書に記載の他のフィーダのいずれにも対応することができる。
【0189】
ステップ2018において、プロセス2000は、生コーヒー豆から軽い豆、籾殻および塵を除去することを含む。少なくとも1つの実施形態において、除去は、限定するものではないが、軽い豆、籾殻および塵を吸い出し、除去する1以上の吸引チャネルを通して生コーヒー豆を処理することを含むことができる。一実施形態によれば、除去された軽い豆は、他のコーヒー製造プロセスまたは工程での利用のために、分離し、回収し、貯蔵してもよい。様々な実施形態において、1以上の吸引チャネルは、プロセス1000からの捕集、回収、および/または除去のために、軽い豆、籾殻および塵を排出サイクロンおよび/またはバッグフィルターに出力することができる。
【0190】
ステップ2022において、プロセス2000は、吸引処理コーヒー豆を他のインライン転送機/フィーダに送ることを含むことができる。
ステップ2024において、プロセス2000は、コーヒー豆を分離し、石を除去することを含むことができる。
【0191】
ステップ2026において、プロセス2000は、石を除去して分離されたコーヒー豆を他のインライン転送機/フィーダに送ることを含むことができる。
ステップ2028において、プロセス2000は、インライン転送機/フィーダからコーヒーをマルチふるい振動選別機に送ることができる。マルチふるい振動選別機は、複数のサイズ画分を選別することができる。材料(たとえばコーヒー豆)は、マルチふるい振動選別機を横切って移動させて、その材料を異なるサイズに選別することができる。他の不純物は、選別し、その材料から除去することができる。
【0192】
ステップ2030において、プロセス2000は、コーヒー豆から塵および砂を除去するために、サイクロンまたはバッグフィルターの使用を含むことができる。軽い豆および籾殻は、ステップ2032におけるさらなる処理のために移動させることができる。軽い豆と軸は、部分的な軽い豆と、ステップ2034で廃棄される粗い不純物とに分離することができる。軽い豆は、ステップ2038におけるさらなる処理のために、部分的に回収することができる。ステップ2040において、プロセス2000は、コーヒー豆から石および小石などの重い不純物を除去することを含むことができる。石および小石は、ステップ2024においてコーヒーから分離することができる。
【0193】
ステップ2042において、ステップ2028からのマルチふるい振動選別機のコーヒー出力は、インライン転送機/フィーダに送ることができ、ステップ2043において金属選別機に送ることができる。金属選別機は磁気ドラムに対応することができ、そこでコーヒー豆は磁気ドラム内を転がる。コーヒー豆中の任意の磁性不純物は、処理中、前方に移動せず、磁気ドラムにはり付く。金属を含まないコーヒー豆は、ステップ2044において他のインライン転送機/フィーダに移動する。ステップ2046において、プロセス2000は、豆をクラスタリング、切断およびスニッピングすることを含む。スニッピングされてない豆は除去することができ、豆は、ステップ2048において部分的に回収することができる。
【0194】
ステップ2050において、プロセス2000は、インライン転送機/フィーダでコーヒーを連続洗浄機に移動することを含むことができる。コーヒーは、ステップ2052において連続洗浄機で洗浄することができる。ステップ2054において、ステンレス鋼ワイヤーメッシュスクリーンを使用してコーヒーを脱水することができる。ステップ2056において、豆は、豆乾燥機で乾燥することができる。乾燥後、ステップ2057において豆を冷却し、貯蔵することができる。ステップ2052において豆を洗浄するために使用した水は、最初にステップ2066で処理し、次にステップ2070で処理することができる。残留水は、ステップ2068において排出することができる。ステップ2070で処理された水は、ステップ2064において冷却し、ステップ2058で使用するために貯蔵することができる。水は、ステップ2062からの補充水を含むこともできる。
【0195】
ステップ2072において、ステップ2057において貯蔵したコーヒー豆を異なるサイズに選別することができる。一実施形態において、コーヒーは、3つの異なるサイズに選別される。ステップ2073および2075において、異なるサイズのコーヒー豆は、インライン転送機/フィーダを使用して移動させることができる。豆は、ステップ2074において、密度ベースの豆選別機に移動させることができる。密度ベースの豆選別機は、コーヒーから、不良密度を有する豆(またはその他の物体)を除去することができる。いくつかの実施形態において、豆は、ステップ2076における中間貯蔵室に移動させて、必要に応じてステップ2073におけるインライン転送機/フィーダにフィードバックすることができる。ステップ2078において、軽い豆は部分的に回収することができる。ステップ2079において、所定の範囲内の密度を有する異なるサイズの豆は、すべて、光学選別のために、密度豆選別機から移動させることができる。
【0196】
ステップ2080において、光学選別機は、カラーベースの選別を行って、コーヒー豆(または、カカオ豆などの他の所望の材料)に対応する色および色勾配の所定の閾値セット内にない物体をコーヒーから除去することができる。ステップ2082において、適切な色を有さない豆(または他の物体)は、さらなる検査のために不合格とされるか、かつ/または代替使用のためにマークされる。いくつかの実施形態において、ステップ2081におけるインライン転送機/フィーダは、コーヒー豆を移動させて、ステップ2084において、皮むき研磨機を通して処理する。ステップ2085におけるこれらの実施形態において、インライン転送機/フィーダは、ステップ2086におけるインライン計量機にコーヒー豆を移動させることができる。
【0197】
ステップ2086において、コーヒーは、ステップ2085からのインライン転送機/フィーダのいずれかで計量される。計量したコーヒー豆は、ステップ2088における中間貯蔵サイロに貯蔵することができる。さらなる処理が所望される場合、コーヒー豆は、ステップ2089において、インライン転送機/フィーダで、中間貯蔵サイロから豆ブレンドシステムに移動させることができる。ステップ2090において、プロセス2000は、豆をブレンドすることを含むことができる。ブレンドした豆は、ステップ2091において、インライン転送機/フィーダで移動させることができる。ブレンドした豆は、ステップ2092において、貯蔵サイロに移動させることができる。ステップ2093において、インライン転送機/フィーダは、コーヒー豆を移動させて、さらなる処理をすることができる。
【0198】
図3Aおよび図3Bを参照して、様々な本開示の実施形態によるプロセス3000を示すフローチャートが示される。ステップ3002において、プロセスは、不活性ガス環境の冷蔵流動床冷却器にコーヒーマスを移動させることを含む。一実施形態によれば、コーヒーマスは、プロセス3000を通してコーヒーマスの移動および処理の容易さを改善するための所定の包装温度に冷却することができる。ステップ3004において、振動スクリーナーおよび転送機は、コーヒーマスをふるいわけし、移動させることができる。ステップ3006およびステップ3008において、大きすぎる粒子は、トートビンローダーに移動させることができ、ステップ3014およびステップ3016において、標準サイズの粒子は、トートビンローダーに移動させることができる。トートビンローダー3010および3016は、トートビン3012および3018にコーヒーマスを移動させることができる。いくつかの実施形態において、コーヒーマスは、粒径の如何にかかわらずトートビンに貯蔵される。ステップ3020において、コーヒーマスは、トートビンからトート転送機/フィーダシステムに供給することができる。
【0199】
ステップ3022において、コーヒーマスは、プラスチックジャー梱包システムを使用して、プラスチックジャーに入れることができる。ステップ3024において、プラスチックジャー、蓋、およびラベルをインフィードし、包装にラベルを付けることができる。ステップ3026において、包装製品の転送機/フィーダシステムは、包装製品を移動させることができる。ステップ3028において、包装のためにカートンを供給することができる。ステップ3030において、充填のために、カートンを組み立て、供給することができる。ステップ3032において、コーヒーマスを含むプラスチックジャーをカートンに充填することができる。ステップ3034において、自動パレタイザーは、カートンをパレット積みすることができ、パレットは、ステップ3040において供給される。いくつかの実施形態において、パレットは、手動で供給または充填することができる。ステップ3036において、パレットが移動される。ステップ3038において、パレットは倉庫に貯蔵される。ステップ3042において、パレットは、輸送のためにトラックに積み込まれ、ステップ3044において、製品は配送される。
【0200】
図4を参照して、本開示の一実施形態による例示的な焙煎システム4000が示される。少なくとも1つの実施形態において、焙煎システム4000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下ですべての操作を行うように構成されている。したがって、様々な実施形態において、コーヒー豆は、焙煎システム4000を通して処理し、大気酸素にさらすことなく焙煎したコーヒー豆に変換してもよい。
【0201】
少なくとも1つの実施形態において、焙煎システム4000は、排出サイクロン4002に接続された豆充填機構4001を含む。様々な実施形態において、豆充填機構4001は、洗浄コーヒー豆を受け取り、洗浄コーヒー豆を排出サイクロン4002に投入する。少なくとも1つの実施形態において、排出サイクロン4002は、中間貯蔵庫4003に洗浄コーヒー豆を供給する。様々な実施形態において、中間貯蔵庫4003は、スクリュー供給システム4004に接続される。1以上の実施形態において、中間貯蔵庫4003は、洗浄コーヒー豆のスクリュー供給システム4004への制御流れを可能にする。1以上の実施形態において、スクリュー供給機構4004は、連続的かつ制御可能に回転して、洗浄コーヒー豆を豆焙煎機4005に引き込む。
【0202】
少なくとも1つの実施形態において、豆焙煎機4005は、1)電動機4007で回転する回転式焙煎ドラム4006(電動機4007は、回転を制御するための電子制御装置を含む)、2)熱を生成し、熱を回転式焙煎ドラム4006に送るように構成されている電気熱源4008、3)冷却システム5000(図5)に回転式焙煎ドラム4006から焙煎コーヒー豆を排出するための排出装置4009、を含むがこれに限定されない。
【0203】
1以上の実施形態において、排出装置4009は、冷却システム5000(または本明細書に記載の他のシステムまたは工程)によって受け取られる焙煎したコーヒー豆の排出4010を提供する。
【0204】
少なくとも1つの実施形態において、焙煎システム4000は、真空下(たとえば約0.1バール)、および/または大気条件(1kg/cm)、および/または中~高圧(たとえば約10kg/平方cmまで)で操作する。少なくとも1つの実施形態において、焙煎システム4000は熱媒体を使用する。1以上の実施形態において、熱媒体は、限定するものではないが、過熱水蒸気(SHS)および/または、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴンなどの任意の他の適切な予熱不活性ガスを含んでもよい。様々な実施形態において、熱媒体は、焙煎システム4000に提供される生物材料(コーヒー豆など)と直接または間接的に接触することができる。少なくとも1つの実施形態において、熱媒体は、電源、非電離電磁放射線源、燃焼ベースの源を含むがこれらに限定されない任意のタイプの加熱源によって加熱することができる。様々な実施形態において、加熱源は、焙煎システム4000の外部に設置することもでき、また内部に配置してもよい。一実施形態によれば、非電離電磁放射線源は、可視光、電波などを含むがこれらに限定されない非電離放射線を生成させることができる。様々な実施形態において、非電離電磁放射線源は、コーヒー豆を焙煎するための以前のアプローチと比較して、より効率的かつ均一な焙煎が達成されるため、より有利であり得る。少なくとも1つの実施形態において、非電離電磁放射線源によって、焙煎の間、生物材料(たとえばコーヒー豆)を酸素にさらすリスクを減少させてもよい。
【0205】
様々な実施形態において、焙煎システム4000は、システム4000を通して不活性ガスを送達する不活性ガス配送パイプライン4011を含む。たとえば、配送パイプライン4011は、豆焙煎機4005に不活性ガスを提供し、それによって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、洗浄コーヒー豆の焙煎を可能にすることができる。少なくとも1つの実施形態において、配送パイプライン4011は、豆焙煎機4005の入口に不活性ガスを送達し、豆焙煎機4005の出口から不活性ガスを受け取る(たとえばそこでの不活性ガスの移動に続いて)。
【0206】
少なくとも1つの実施形態において、配送パイプライン4011は、1)不活性ガスから、規格外品および他の物質を濾過するHEPAフィルター4016、2)不活性ガスを加速させ、配送パイプライン4011を通した不活性ガスの流れの正しい方向性を維持する換気扇4017、3)不活性ガスから塵および/または籾殻を排出するサイクロン4018、4)不活性ガスから塵および/または籾殻を排出するバッグフィルター4019、5)不活性ガスから追加の規格外品および物質を除去する第2HEPAフィルター4020、6)不活性ガスを冷却する熱交換器4012、7)不活性ガスを、焙煎システム4000ならびに本明細書に記載の他のシステムおよび工程に供給する不活性ガス一次タンク4022、8)不活性ガスから、(たとえば、焙煎の間、洗浄コーヒー豆から放出された)揮発物、香りおよび他の物質を、液体形(たとえば、揮発物、香りおよび他の物質を含む水)に凝縮する水分凝縮器4015、9)不活性ガスから(凝縮した揮発物、香りおよび他の物質を含む)液体形を回収および分離し、本明細書に記載の回収および抽出工程に液体形を出力する)一体化凝縮器4014、10)配送パイプライン4011を通して不活性ガスを加速させる1以上の不活性ガスファン4013、11)配送パイプライン4011が不活性ガスを豆焙煎機4005の入口に送達する前に不活性ガスを加熱する第2熱交換器4021、を含むがこれらに限定されない1以上の要素を通して豆焙煎機4005の出口から不活性ガスを送る。
【0207】
図5を参照して、本開示の一実施形態による例示的な冷却システム5000が示される。少なくとも1つの実施形態において、冷却システム5000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下ですべての操作を行うように構成されている。したがって、様々な実施形態によれば、焙煎したコーヒー豆は、大気酸素にさらすことなく冷却システム5000を通して処理してもよい。
【0208】
少なくとも1つの実施形態において、冷却システム5000は、排出サイクロン5002に接続された豆充填機構5001を含む。様々な実施形態において、豆充填機構5001は、焙煎したコーヒー豆を受け取り、排出サイクロン5002に充填する。少なくとも1つの実施形態において、排出サイクロン5002は、焙煎したコーヒー豆を中間貯蔵部5003に供給する。様々な実施形態において、荷中間貯蔵部5003はスクリュー供給システム5004に接続される。1以上の実施形態において、中間貯蔵部5003は、焙煎したコーヒー豆のスクリュー供給システム5004への制御流れを可能にする。1以上の実施形態において、スクリュー供給機構5004は、連続的かつ制御可能に回転して、焙煎したコーヒー豆を2段階不活性ガス冷却器5005に引き込む。少なくとも1つの実施形態において、不活性ガス冷却器5005は、本明細書に記載のトレファクトおよびクエンチング工程を行うように構成されているトレファクトおよびクエンチングシステムを含む。
【0209】
1以上の実施形態において、不活性ガス冷却器5005は、本明細書に記載の1以上の冷却工程によって、焙煎したコーヒー豆を冷却するように構成されている冷却要素を含む。1以上の実施形態において、不活性ガス冷却器5005は、内室を通して、かつ/または焙煎したコーヒー豆を含む流動床を通して、冷却した不活性ガスを吹き付けることができる。1以上の実施形態において、不活性ガス冷却器5005は、第1段階において、焙煎したコーヒー豆を冷却することができる。少なくとも1つの実施形態において、トレファクトおよびクエンチングシステムは、第2段階において、焙煎したコーヒー豆にトレファクトおよび/またはクエンチング工程を適用する。
【0210】
少なくとも1つの実施形態において、第1段階において、トレファクトおよびクエンチングシステムは、トレファクト溶液(たとえば砂糖溶液)のみを受け取ってスプレーしてもよく、また不活性ガス冷却器5005は、予冷、冷却、および/または後冷却工程を中止してもよい。1以上の実施形態において、第2段階において、不活性ガス冷却器5005は、予冷、冷却、および/または後冷却工程を行って、焙煎したコーヒー豆を冷却およびクエンチすることができる。
【0211】
様々な実施形態において、第1段階および第2段階は、順次、同時にまたは逆に行ってもよい。
1以上の実施形態において、不活性ガス冷却器5000のトレファクトおよびクエンチングシステムは、密閉コーティングボイラー5008から(本明細書に記載の)砂糖溶液を受け取るスプレー機構を含む。1以上の実施形態において、密閉コーティングボイラー5008は1以上のタンク5007から砂糖溶液および/または水を受け取り、砂糖溶液を摂氏約90度に加熱する。様々な実施形態において、容積式投入ポンプ5009は、スプレー機構の1以上のスプレーノズルに密閉コーティングボイラー5008から砂糖溶液をポンプで送る。少なくとも1つの実施形態において、1以上のスプレーノズルは、本明細書に記載のトレファクトおよびクエンチング工程によって焙煎したコーヒー豆に砂糖溶液をスプレーする。1以上の実施形態において、容積式投入ポンプ5009は、冷却または加熱した水を、焙煎したコーヒー豆に水をスプレーする1以上のスプレーノズルにポンプで送り、それによってその熱分解反応をクエンチするように構成することができる。
【0212】
1以上の実施形態において、冷却システム5000は、そこでの予冷、後冷却、トレファクト、および/またはクエンチング工程の完了後に、不活性ガス冷却器5005から焙煎豆4024を排出する排出スクリュー5006を含む。少なくとも1つの実施形態において、排出スクリュー5006は、本明細書に記載の1以上の予備、乾式、および/または湿式粉砕工程に焙煎豆4024を排出することができる。
【0213】
様々な実施形態において、冷却システム5000は、冷却システム5000を通して不活性ガスを送達する不活性ガス配送パイプライン5010を含む。たとえば、配送パイプライン5010は、不活性ガス冷却器5005に不活性ガスを提供することができ、それによって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、焙煎したコーヒー豆の予冷、冷却、トレファクト適用および/またはクエンチングを可能にする。少なくとも1つの実施形態において、配送パイプライン5010は、不活性ガス冷却器5005の入口に不活性ガスを送達し、不活性ガス冷却器5005の出口から不活性ガスを受け取る(たとえばそこでの不活性ガスの移動に続いて)。
【0214】
少なくとも1つの実施形態において、配送パイプライン5010は、1)不活性ガスから、規格外品および他の物質を濾過するHEPAフィルター5011、2)不活性ガスを加速させ、配送パイプライン5010を通した不活性ガスの流れの正しい方向性を維持する不活性ガス換気扇5012、3)不活性ガスから塵および/または籾殻を排出するサイクロン分離器5013、4)不活性ガスから塵および/または籾殻を排出するバッグフィルター5014、5)不活性ガスから追加の規格外品および物質を除去する第2HEPAフィルター5015、6)配送パイプライン5010を通して不活性ガスを加速させ、その流れの正しい方向性を維持する不活性ガスファン5016、7)不活性ガスを冷却する熱交換器5017、8)不活性ガスを、冷却システム5000ならびに本明細書に記載の他のシステムおよび工程に供給する一次不活性ガスタンク5018、9)不活性ガスから、(たとえば、焙煎の間、洗浄コーヒー豆から放出された)揮発物、香りおよび他の物質を、液体形(たとえば、揮発物、香りおよび他の物質を含む水)に凝縮する凝縮器5019、10)不活性ガスから凝縮した揮発物、香りおよび他の物質を含む液体を回収および分離し、本明細書に記載の回収および抽出工程に液体部分を出力する一体化凝縮器およびフィルター5020、11)配送パイプライン5010を通して不活性ガスを加速させる1以上の不活性ガスファン5021、12)配送パイプライン5010が不活性ガスを不活性ガス冷却器5005の入口に送達する前に不活性ガスを加熱する第2熱交換器5022、を含むがこれらに限定されない1以上の要素を通して不活性ガス冷却器5005の出口から不活性ガスを送る。
【0215】
特定の実施形態において、冷却システム5000は、システムの制御された抑制を行い、(不活性ガス冷却器5000の流動床のスクリーンを通したガスフラックスの吹き付けとの同期で)流動床冷却効果の強化された制御を提供する、閉ループまたは半閉ループのガス排気装置(または換気装置)を含む。特定の実施形態において、ガス排気装置は、最終後焙煎水分レベルおよびより効率的な冷却のより精密で正確な制御を提供することができ、それによって冷却時間の短縮を提供することができる。
【0216】
少なくとも1つの実施形態において、冷却システム5000は、不活性ガス冷却器5005からサイクロン分離器および凝縮器への不活性ガスの流出と、不活性ガス冷却器5005への新たな不活性ガスの流入とを同期させる閉ループシステムを含む。1以上の実施形態において、新たな不活性ガスは、焙煎したコーヒー豆から不活性ガスに熱およびマス(蒸発潜熱を含む水など)を送る。1以上の実施形態において、新たな不活性ガスは、配送パイプライン5010で凝縮器5019に流し、極低温条件下で除湿することができる(たとえば、かつ、そこからの塵、籾殻および他のマスの回収および/または排出のために)。少なくとも1つの実施形態において、冷却システム5000は、除湿された新たな不活性ガスの一部を再注入し、不活性ガスの喪失を補正して、バランスのとれた熱およびマスの移送を維持してもよい。
【0217】
図6を参照して、本開示の一実施形態によるコンチェ、蒸留および凝縮(CDC)システム6000が示される。少なくとも1つの実施形態において、CDCシステム6000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下ですべての操作を行うように構成されている。したがって、様々な実施形態によれば、(たとえば、乾式粉砕し、SCFE処理し、焙煎したコーヒー豆から得られた)湿式粉砕コーヒーは、大気酸素にさらすことなくCDCシステム6000を通して処理してもよい。
【0218】
少なくとも1つの実施形態において、CDCシステム6000は、排出サイクロン6002に接続された豆充填機構6001を含む。様々な実施形態において、豆充填機構6001は、湿式粉砕コーヒーを受け取り、排出サイクロン6002に充填する。少なくとも1つの実施形態において、排出サイクロン6002は、荷中間貯蔵部6003に湿式粉砕コーヒーを供給する。様々な実施形態において、荷中間貯蔵部6003は、スクリュー供給システム6004に接続される。1以上の実施形態において、荷中間貯蔵部6003は、湿式粉砕コーヒーのスクリュー供給システム6004への制御流れを可能にする。1以上の実施形態において、スクリュー供給機構6004は、連続的かつ制御可能に回転して、湿式粉砕コーヒーを固相反応器6005に引き込む。
【0219】
1以上の実施形態において、固相反応器6005は、本明細書に記載のパラメータおよび条件によって湿式粉砕コーヒーをコンチングすることができる。1以上の実施形態において、コンチェ6006は、固相反応器6005に取り付けることができる。様々な実施形態において、コンチェ6006は、(本明細書に記載されるように)湿式粉砕コーヒーをコンチングすることができる。少なくとも1つの実施形態において、固相反応器6005およびコンチェ6006のいずれも湿式粉砕コーヒーをコンチングすることができる。1以上の代替実施形態において、コンチェ6006のみが湿式粉砕コーヒーをコンチングする。少なくとも1つの代替実施形態において、固相反応器6005のみが湿式粉砕コーヒーをコンチングする。一実施形態によれば、固相反応器6005は、本明細書に記載のコンチング工程の第1の部分を行うことができ、コンチェ6006は、コンチング工程の第2の部分を行うことができる。したがって、少なくとも1つの実施形態において、固相反応器6005およびコンチェ6006は、湿式粉砕コーヒーをコンチングするための内部段を備えた単一ユニットであってもよい。
【0220】
1以上の実施形態において、本明細書に記載されるように、コンチング工程は、CDCシステム6000(および/または他のシステム)を通してポンプで送られる不活性ガスへの揮発物、香りおよび他の物質の放出を引き起こすことができる。少なくとも1つの実施形態において、香り分留塔6009は、コンチェ6006(または固相反応器6005)に取り付けることができ、またコンチング工程から不活性ガスを受け取ることができる。様々な実施形態において、香り分留塔6009は、それらの沸点に基づいて不活性ガスから様々な香り揮発物を分離する。
【0221】
少なくとも1つの実施形態において、不活性ガス配送パイプライン6025は、固相反応器6005および/またはコンチェ6006との間で、1)香り分留塔6009、2)不活性ガスを凝縮する(たとえば、かつ/または不活性ガスから揮発物、香りおよび/または他の物質を凝縮する)凝縮器6010、3)不活性ガスの有機相から不活性ガスの水相を分離する相分離機6011、4)不活性ガスの水相または有機相を受け取る極低温香りコレクター6012(たとえば、本明細書に記載の回収工程用)、5)配送パイプライン6025を通して不活性ガスを加速させ、不活性ガスの逆流を防止する真空ポンプ6013、6)不活性ガスから固相(たとえば生物材料(コーヒー粒子など)を含む)を分離し、CDCシステム6000から固相を排出する固相分離機6014、7)不活性ガスから細かい材料を濾過する後濾過ユニット6015、8)不活性ガスから、規格外品および物質を除去するHEPAフィルター6016、9)配送パイプライン6025を通して不活性ガスを加速させ、その流れの正しい方向性を維持する換気扇6017、10)不活性ガスを加熱する不活性ガスヒーター6018、11)不活性ガスを、CDCシステム6000ならびに本明細書に記載の他のシステムおよび工程に供給する不活性ガス一次タンク6019、12)不活性ガスから、(たとえば、コンチングの間に湿式粉砕コーヒーから放出された)揮発物、香りおよび他の物質を、液体形(たとえば、揮発物、香りおよび他の物質を含む水)に凝縮する凝縮器6020、13)不活性ガスから凝縮した揮発物、香りおよび他の物質を含む液体を回収および分離し、本明細書に記載の回収および抽出工程に液体部分を出力する極低温凝縮ユニット6022、14)配送パイプライン6025を通して不活性ガスを加速させる1以上の不活性ガスポンプ6022、15)配送パイプライン5010が不活性ガスを固相反応器6005および/またはコンチェ6006の入口に送達する前に不活性ガスを加熱する熱交換器6022、を含むがこれらに限定されないCDCシステム6000の要素を通して不活性ガスを移動させる。
【0222】
図7を参照して、本開示の一実施形態による乾燥、凝集およびコーティング(DAC)システム7000が示される。様々な実施形態において、DACシステム7000は、本明細書に記載の1以上の乾燥、凝集、コーティングおよびマイクロカプセル化工程を行うために使用することができる。少なくとも1つの実施形態において、DACシステム7000は、不活性ガス条件下および酸素の非存在下ですべての操作を行うように構成されている。したがって、様々な実施形態によれば、(たとえば、乾式粉砕し、SCFE処理した焙煎豆4024などから得られた)湿式粉砕コーヒーは、大気酸素にさらすことなくDACシステム7000を通して処理してもよい。
【0223】
少なくとも1つの実施形態において、DACシステム7000は、排出サイクロン7002に接続された豆充填機構7001を含む。様々な実施形態において、豆充填機構7001は、湿式粉砕コーヒーを受け取り、排出サイクロン7002に充填する。少なくとも1つの実施形態において、排出サイクロン7002は、湿式粉砕コーヒーを荷中間貯蔵部7003に供給する。様々な実施形態において、荷中間貯蔵部7003は、スクリュー供給システム7004に接続される。1以上の実施形態において、荷中間貯蔵部7003は、湿式粉砕コーヒーの、スクリュー供給システム7004への制御流れを可能にする。1以上の実施形態において、スクリュー供給機構7004は、連続的かつ制御可能に回転して、湿式粉砕コーヒーを流動床乾燥機(FBD)ユニット7005に引き込む。
【0224】
一実施形態によれば、FBDユニット7005は、1以上の段階(たとえば4段階)を含む。様々な実施形態において、FBDユニット7005は、不活性ガス条件下および/または酸素の非存在下で連続的に操作するように構成することができる。様々な実施形態において、FBDユニット7005は、本明細書に記載されるように乾燥、凝集およびコーティング工程を行う。一例において、FBDユニット7005は、本明細書に記載のコーヒー製造プロセス1000のステップ195(および/または他のステップ)に含まれる乾燥、凝集およびコーティング工程を行う。
【0225】
1以上の実施形態において、DACシステム7000は、密閉コーティングボイラー7008から(本明細書に記載の)凝集およびコーティング溶液を受け取るスプレー機構を含む。1以上の実施形態において、密閉コーティングボイラー7008は、1以上のタンク7007から凝集およびコーティング溶液および/または水を受け取り、凝集およびコーティング溶液を、摂氏約90度にし得る1以上の脂肪の融解点に加熱する。様々な実施形態において、容積式投入ポンプ7009は、密閉コーティングボイラー7008から凝集およびコーティング溶液をスプレー機構の1以上のスプレーノズルにポンプで送る。少なくとも1つの実施形態において、本明細書に記載の凝集およびコーティング工程によって、1以上のスプレーノズルは、凝集およびコーティング溶液を湿式粉砕コーヒーにスプレーする。
【0226】
1以上の実施形態において、DACシステム7000は、その中での乾燥、凝集および/または冷却工程完了後に、FBDユニット7005から湿式粉砕コーヒーを排出する排出スクリュー7006を含む。少なくとも1つの実施形態において、排出スクリュー7006は、本明細書に記載の1以上のコンチング、ブレンド、均質化、可塑化、濾過、添加、結晶化および/または包装工程に湿式粉砕コーヒーを排出することができる。
【0227】
様々な実施形態において、DACシステム7000は、冷却システム7000を通して不活性ガスを送達する不活性ガス配送パイプライン7010を含む。たとえば、配送パイプライン7010は、不活性ガスをFBDユニット7005に提供することができ、それによって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で湿式粉砕コーヒーの乾燥、凝集および/またはコーティングを可能にする。少なくとも1つの実施形態において、配送パイプライン7010は、不活性ガスをFBDユニット7005の入口に送達し、FBDユニット7005の出口から不活性ガスを受け取る(たとえばそこでの不活性ガスの移動に続いて)。
【0228】
少なくとも1つの実施形態において、配送パイプライン7010は、1)不活性ガスから、規格外品および他の物質を濾過するHEPAフィルター7011、2)不活性ガスを加速させ、配送パイプライン7010を通した不活性ガスの流れの正しい方向性を維持する不活性ガス換気扇7012、3)不活性ガスから塵および/または籾殻を排出するサイクロン分離器7013、4)不活性ガスから塵および/または籾殻を排出するフィルターバッグタンク7014、5)不活性ガスから追加の規格外品および物質を除去する第2HEPAフィルター7015、6)配送パイプライン7010を通して不活性ガスを加速させ、その流れの正しい方向性を維持する不活性ガスファン7016、7)不活性ガスを冷却する熱交換器7017、8)不活性ガスを、DACシステム7000ならびに本明細書に記載の他のシステムおよび工程に供給する一次不活性ガスタンク7018、9)不活性ガスから、(たとえば、乾燥、凝集および/またはコーティングの間、湿式粉砕コーヒーから放出された)揮発物、香りおよび他の物質を、液体形(たとえば、揮発物、香りおよび他の物質を含む水)に凝縮する凝縮器7019、10)不活性ガスから凝縮した揮発物、香りおよび他の物質を含む液体を回収および分離し、本明細書に記載の回収および抽出工程に液体部分を出力する一体化凝縮器およびフィルター7020、11)配送パイプライン7010を通して不活性ガスを加速させる1以上の不活性ガスファン7021、12)配送パイプライン7010が不活性ガスを不活性FBDユニット7005の入口に送達する前に不活性ガスを加熱する第2熱交換器7022、13)不活性ガスから揮発物、香りおよび他の物質を凝縮する後凝縮器7023、14)配送パイプライン7010が不活性ガスをFBDユニット7005の入口に送達する前に不活性ガスを加熱する二次熱交換器7024、15)FBDユニット7005に送達する前に不活性ガスから微粒子、塵および他の汚染物質を除去する第3HEPAフィルター7025、を含むが、これらに限定されない1以上の要素を通してFBD7005の出口から不活性ガスを送る。
【0229】
例示的調合
1以上の実施形態において、本明細書において、コーヒーマス(またはコーヒー画分ベース)製品の例示的調合が提供される。少なくとも1つの実施形態において、本明細書で使用される「コーヒー液」は、一般にコーヒーマス(またはコーヒー画分)原料を指すことができ、したがって、コーヒー液と、本明細書に記載のコーヒーマス(またはコーヒー画分)とは同義で使用することができる。したがって、様々な実施形態によればコーヒー液、コーヒーマスおよびコーヒー画分は、本明細書に記載されるように、コーヒー原料および他の原料から調製される液体、固体またはそれらの混成物(たとえばペースト)を指すことができる。
【0230】
様々な実施形態において、本明細書に記載の調合(およびそこに含まれるコーヒー液原料)は、不活性条件下および酸素の非存在下で製造することができ、また酸素の存在下で(本明細書に記載のように)製造してもよい(たとえば、すべての他の工程を、本明細書に記載のように周囲雰囲気条件下で行ってもよい)。
【0231】
少なくとも1つの実施形態において、チャンク、モルセル、バトン、スティックおよび/または他の製品を製造するために、本明細書に記載のプロセスは、チャンク、モルセル、バトン、スティックおよび/または他の製品の早期の融解を避けるために、低温で行うことができる。
【0232】
一実施形態によれば、乳製品原料は、たとえば、植物性乳製品代替品などの同等の非乳製品代替原料を含むことができる。1以上の実施形態において、本明細書に記載の調合は、(たとえば、他の原料に加えて、またはその代わりに)茶、香味剤、香辛料および他の生物材料などの他の生物材料を含むことができる。
【0233】
【表1】
【0234】
表1は、コーヒーベースの製品、特に脂肪ベースのガナッシュの例示的調合を含む。一実施形態において、脂肪ベースのガナッシュの例示的調合は、おおよそ、砂糖45.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料16.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス10.0重量%、植物油15.5重量%、植物脂肪14.5重量%、を含む。
【0235】
特定の実施形態によれば、脂肪ベースのガナッシュの例示的な調合は、おおよそ、砂糖45.0~48.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料12.0~19.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス6.0~12.0重量%、植物油14.0~17.0重量%、植物脂肪15.0~18.0重量%、を含む。
【0236】
【表2】
【0237】
表2は、コーヒーベースの製品、特にチャンクの第1調合の例示的調合を含む。一実施形態において、チャンクの例示的な第1調合は、おおよそ、砂糖33.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料20.5重量%、カカオバター35.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス6.5重量%、植物脂肪4.0重量%、植物油4.0重量%、を含む。
【0238】
特定の実施形態によれば、チャンクの例示的な第1調合は、おおよそ、精製糖31.0~34.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料13.5~21.5重量%、カカオバター33.0~36.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス5.0~8.0重量%、植物脂肪3.0~5.0重量%、植物油3.0~5.0重量%、を含む。
【0239】
【表3】
【0240】
表3は、コーヒーベースの製品、特にチャンクの第2調合の例示的調合を含む。一実施形態において、チャンクの例示的な第2調合は、おおよそ、砂糖38.0重量%、カカオバター7.5重量%、特殊脂肪22.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料17.1重量%、バルク原料(たとえばマルトデキストリン)7.4重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス7.5重量%、を含む。
【0241】
特定の実施形態によれば、チャンクの例示的な第2調合は、おおよそ、砂糖36.0~39.0重量%、カカオバター6.0~10.0重量%、特殊脂肪20.0~24.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料14.0~20.0重量%、バルク原料(たとえばマルトデキストリン)6.0~8.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス6.0~10.0重量%、を含む。
【0242】
【表4】
【0243】
表4は、コーヒーベースの製品、特にチャンクの第3調合の例示的調合を含む。一実施形態において、チャンクの例示的な第3調合は、おおよそ、砂糖30.0重量%、カカオバター30.0重量%、イヌリン15.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料16.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス8.5重量%、を含む。
【0244】
特定の実施形態によれば、チャンクの例示的な第3調合は、おおよそ、砂糖29.0~32.0重量%、カカオバター29.0~32.0重量%、イヌリン13.0~16.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料14.0~20.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス6.0~9.0重量%、を含む。
【0245】
【表5】
【0246】
表5は、コーヒーベースの製品、特にチャンクの第4調合の例示的調合を含む。一実施形態において、チャンクの例示的な第4調合は、おおよそ、カカオマス3.5重量%、カカオバター12.0重量%、カカオ粉末6.5重量%、乳製品12.0重量%、砂糖44.5重量%、レシチン0.5重量%、特殊脂肪12.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス9.0重量%、を含む。
【0247】
特定の実施形態によれば、チャンクの例示的な第4調合は、おおよそ、カカオマス2.0~5.0重量%、カカオバター11.0~13.0重量%、カカオ粉末5.0~8.0重量%、乳製品原料6.0~11.0重量%、砂糖43.0~46.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、特殊脂肪11.0~13.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス7.0~10.0重量%、を含む。
【0248】
【表6】
【0249】
表6は、コーヒーベースの製品、特にチャンクの第5調合の例示的調合を含む。一実施形態において、例示的なピースの調合は、おおよそ、砂糖37.5重量%、特殊脂肪30.5重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料17.0重量%、バルク原料(たとえばマルトデキストリン)7.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス7.5重量%、を含む。
【0250】
特定の実施形態によれば、例示的なピースの調合は、おおよそ、砂糖36.0~39.0重量%、特殊脂肪29.0~32.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料14.0~20.0重量%、バルク原料(たとえばマルトデキストリン)6.0~8.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス6.0~9.0重量%、を含む。
【0251】
【表7】
【0252】
表7は、コーヒーベースの製品、特にアイシング/フロスティングの例示的調合を含む。一実施形態において、例示的なアイシング/フロスティングの調合は、おおよそ、砂糖43.5重量%、特殊脂肪12.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料15.5重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス7.0重量%、植物脂肪7.5重量%、植物油14.0重量%、を含む。
【0253】
特定の実施形態によれば、例示的なアイシングの調合は、おおよそ、砂糖42.0~45.0重量%、特殊脂肪10.0~13.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料10.1~21.5重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス6.0~9.0重量%、植物脂肪6.0~9.0重量%、植物油11.0~14.0重量%、を含む。
【0254】
【表8】
【0255】
表8は、コーヒーベースの製品、特に第1コーティングの例示的調合を含む。一実施形態において、例示的な第1コーティング調合は、おおよそ、砂糖44.5重量%、特殊脂肪27.5重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料9.5重量%、バルク原料(たとえばマルトデキストリン)4.5重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス13.5重量%、を含む。
【0256】
特定の実施形態によれば、例示的な第1コーティングは、おおよそ、砂糖43.0~46.0重量%、特殊脂肪26.0~29.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料7.0~13.0重量%、バルク原料(たとえばマルトデキストリン)3.0~6.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス12.0~15.0重量%、を含む。
【0257】
【表9】
【0258】
表9は、コーヒーベースの製品、特に第2コーティングの例示的調合を含む。一実施形態において、例示的な第2コーティング調合は、おおよそ、砂糖35.5重量%、特殊脂肪30.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品原料16.0重量%、カカオ粉末9.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス9.0重量%、を含む。
【0259】
特定の実施形態によれば、例示的な第2コーティングは、おおよそ、砂糖34.0~37.0重量%、特殊脂肪29.0~32.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料14.0~20.0重量%、カカオ粉末8.0~11.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス8.0~11.0重量%、を含む。
【0260】
【表10】
【0261】
表10は、コーヒーベースの製品、特に第3コーティングの例示的調合を含む。一実施形態において、例示的な第3コーティングの調合は、おおよそ、砂糖25.5重量%、特殊脂肪30.0重量%、レシチン0.5重量%、乳製品16.0重量%、カカオ粉末9.0重量%、イヌリン10.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス9.0重量%、を含む。
【0262】
特定の実施形態によれば、例示的な第3コーティングの調合は、おおよそ、砂糖24.0~27.0重量%、特殊脂肪29.0~32.0重量%、レシチン0.1~2.0重量%、乳製品原料14.0~20.0重量%、カカオ粉末8.0~11.0重量%、イヌリン9.0~12.0重量%、(本明細書で製造/記載した)コーヒーマス8.0~11.0重量%、を含む。
【0263】
例示的なマルチストリーム工程
少なくとも1つの実施形態において、特定の生物材料(たとえばコーヒー)の処理ステップおよび非特定生物材料(たとえば非コーヒー材料)の処理ステップは、2以上の分離した処理ストリーム(たとえばデュアルストリーム、トライストリームなど)に分離してもよい。様々な実施形態において、コーヒーストリームと非コーヒーストリームは、処理の開始時に(または初期の処理ステップで)分離してもよく、またコーヒーストリームと非コーヒーストリームは、プロセスの後のステップ(たとえば各ストリームの最後)でひとつにしてもよい(または製造された材料をそこで混合してもよい)。本開示の様々な側面によれば、コーヒーストリームと非コーヒーストリームとの組み合わせは、成型製品または任意の他の形に成形することが可能なコーヒーベースのマスを生成する。
【0264】
本明細書の議論から理解されるように、様々な実施形態において、複合コーヒー製品の調製は、(たとえば、最終製品の提案された利用に基づいて)様々な原料および添加物の組み込みを必要とする場合がある。1以上の実施形態において、多くの側面で(たとえば、コーヒーおよび/またはコーヒー前駆成分の性質を考慮して)大変異なる本技術によって大きく改変された(たとえば本明細書に記載されるような)チョコレート製品に用いる処理技術を使用した単一のコーヒーマスを使用して、さまざまな食品や飲料製品を製造することが可能である。少なくとも1つの実施形態において、本明細書に記載のコーヒー原料(たとえばカプセル化し、粉砕焙煎し、挽いたコーヒー、コーヒー液など)は、植物および動物原料ならびにそれらの派生物を含むがこれらに限定されない複数の機能性食品原料と様々な割合で組み合わせて、1以上の摂取可能な調合を形成してもよい。たとえば、1以上の調合は、限定するものではないが、1)焼き菓子または揚げ物、2)飲料、3)シリアル、4)ヨーグルト、5)チーズケーキおよび他の冷蔵デザート、6)アイスクリームおよび他のフローズンデザート、7)カスタード、ゼラチンおよびフィリングなど、8)トッピング、9)果物、10)ナッツ(焙煎、コーティングまたはその他)、11)シロップおよびスプレッドなど、12)ドレッシング、ソースおよび香辛料など、13)菓子用果物および/またはパン製品、14)ディップ、15)甘くかつ/または香ばしいスナック、16)チョコレート、17)菓子用スイーツ、18)ジャムおよびゼリーなど、19)他の特殊食品および飲料、を含んでもよい。チョコレート工程とコーヒー工程との間に、考慮中のこの2つの生物材料の異なる性質と特性に由来する特定の技術的相違があってもよい。
【0265】
チョコレート製造の基本原料であるカカオ液(マス)は、カカオ発酵(農場レベルで実施)の組み合わせによって発現された既存の香りと香味前駆成分とを含むが、これらは、焙煎工程で一部分のみがチョコレートの揮発性および不揮発性の香り、味および香味に変換された。カカオ液は、通常はおよそ52%のカカオバターを含むため、これらの形成された化合物(たとえば香り)は、この機能性原料内に適切に保持され、閉じ込められ、保護されている。様々な実施形態において、チョコレート製造におけるコンチング工程は、1)カカオ/チョコレートマスの残留水のストリッピング(そうでない場合、粘度の増加に寄与する)、2)チョコレートの最終的な香りおよび香味の発現の75%超の完了、3)カカオ液および他の原料に関連するオフフレーバーの一部のストリッピングステップによる除去、によって、チョコレート製造への重要な貢献と二次的な貢献の両方を行う。
【0266】
チョコレート処理技術と食用コーヒー技術との間の例示的な違い(たとえば本技術の1以上の側面)が存在してもよい。たとえば、非発酵の乾燥した生コーヒー豆の場合であっても、香りの前駆成分は、コーヒー豆中にすでに(大量に)存在する。様々な実施形態において、コーヒーが焙煎されるとき、反応性糖とアミノ基の両方の主な存在によって、コーヒーの香りおよび香味に関与する揮発性および不揮発性化学物質の90%超が豆成分内に形成されてもよい。1以上の実施形態において用いられる高い焙煎温度によって、揮発性および不揮発性化学物質は、メイラード反応または非酵素的褐色化として公知の劇的な一連の反応を受けさせてもよい。少なくとも1つの実施形態において、数百の揮発物および不揮発性化合物の形成で頂点に達する一連の反応は、焙煎したコーヒー中の強力な抗酸化物質であるメラノイジンの蓄積によって完成されてもよい。様々な実施形態において、固相反応によるコーヒーのさらなる香味発現の誘発は、コーヒーの香味の形成および保持を助けるのではなく、むしろ障害する可能性がある。
【0267】
さらに、コーヒーの香味揮発物および不揮発性物質は、優に1000を超える化合物を含むが、約51の化学物質のみがコーヒーの香りの「ブーケ」および、多くのコーヒーの揮発性の香りを運び、維持するその能力によって主な呈味成分である不揮発性コーヒー油に直接関与している可能性がある。さらに、この約51の化学物質は、コーヒーの香味に寄与する脂溶性で不揮発性の香りのほとんどを保持している可能性がある。様々な実施形態において、従来の焙煎工程下(たとえば高温で比較的長い処理時間)およびOの存在下で、コーヒー油(たとえば、早期に/容易に酸化されやすいPUFAタイプの油)は、その比較的短い賞味期限で示されるように、1以上の焙煎工程によって悪影響を受ける可能性がある。少なくとも1つの実施形態において、コーヒー油が重要な成分である(全体のおおよそ14~17%であり得る)最終製品(焙煎して挽いたコーヒー)に悪影響が与えられる可能性がある。このような悪影響を避けるために、本技術によって、Oの非存在下での焙煎などの、コーヒー油の効果的な防御手段の使用を(たとえばプロセスの当初から)確実にしてもよい。本技術によって提供される追加の防御手段は、限定するものではないが、本処理技術を、本処理技術のほとんどの影響力のある熱機械的側面が、コーヒーの調合の非コーヒー画分に指定されている、2つのストリームに分けることをさらに含んでもよい。様々な実施形態において、2つのストリームは、1)第1画分(画分#1と呼ばれる)をもたらすコーヒー処理段階、2)第2画分(画分#2と呼ばれる)をもたらす非コーヒー処理段階、であってもよい。
【0268】
1以上の実施形態において、(たとえば様々な割合の)画分#1および画分#2の組み合わせまたはそれらの欠如は、最終製品の1以上の特徴だけでなく、最終製品の用途(たとえば単純または複合コーヒーマスの場合)を規定してもよい。少なくとも1つの実施形態において、いずれかの画分および、様々な割合での2つの画分の組み合わせは、1)1以上の全コーヒー豆、1以上のコーヒー豆の種類、または1以上の起源もしくは源からのコーヒー豆で作られていること、2)その物理化学的および感覚刺激的な完全性を維持するために冷蔵を必要とせず、任意の添加物の添加なしに、および/または、特定の用途において、1年を超えて酸化に対して保護されること、を含むがこれらに限定されない1以上の特徴を提供してもよい市販最終製品に形成および/または転換してもよい。
【0269】
特定の実施形態において、第1ストリームにおいて、コーヒー(または他の生物材料)は、本明細書に記載の特別な極低温粉砕および他の処理ステップでコーヒー液および/またはコーヒー液マスに変換してもよい。特定の実施形態において、コーヒー液は、機能性原料として貯蔵してもよく、また他の材料および原料とブレンドするために調製してもよい。いくつかの実施形態において、コーヒー液と他の材料および原料とをブレンドするためのブレンド工程は、1時間から約2時間までの間行ってもよい。一実施形態によれば、コーヒー液と他の材料および原料とのブレンドは、コーヒー液と他の材料および原料とを均質にブレンドするのに適した10分、30分、1時間または他の時間の間行ってもよい。
【0270】
様々な実施形態において、システムは、コーヒー液製品を成型するかまたは別様にするための非コーヒー原料を含んでもよい、第1ストリームと平行に、または第1ストリームと同時に実行する1以上の二次処理トリームを含む。たとえば、二次ストリームは、たとえば砂糖、乳製品派生物、補完的脂肪系、バルク原料(たとえばマルトデキストリン、デンプン)などの原料を処理してもよい。少なくとも1つの実施形態において、二次ストリームは、初めに選択された原料からオフフレーバーを除去し/最小限にし、残留水分を劇的に減少させ、マスのレオロジーの変化を誘発し、固相反応を通してメイラード反応などの香味および発色反応を容易にする改変コンチング工程を利用してもよい。
【0271】
特定の実施形態において、充填、乾式コンチング、(部分的)湿式コンチング、(部分的)均質化および(再循環による)湿式粉砕のための処理時間は約6~8時間までであってもよい。一実施形態によれば、処理時間は約10~300分であってもよい。様々な実施形態において、処理時間は、たとえば、別個の生物材料の初期品質または生物材料以外の別個の原料の初期品質などの1以上の要因によって異なってもよい。
【0272】
少なくとも1つの実施形態において、1以上の二次ストリームの処理の完了に応じて、第1ストリーム材料は、コンチェで処理し、1以上の二次ストリームからの出力材料とブレンドして(たとえば均一化を完了して)、均質なコーヒー液(または他の生物材料)製品を形成してもよい。様々な実施形態において、コーヒー液製品は、次に、テンパリング、成形および包装のために調製してもよい。
【0273】
本開示の様々な側面によれば、例示的なマルチストリーム工程は、全体的な産業コストを削減し、産業処理時間を短縮し(通常は最大13時間から5時間未満に)、最終製品の製品均一性(たとえば粒径および目標粘度におけるコーヒーマスの均一性)を向上させ、最終コーヒー製品の全体的な脂肪の百分率レベルを低下させてもよい。
【0274】
様々な実施形態において、異なる起源の、かつ/または焙煎の異なるレベルのコーヒー豆は、複数のストリームで処理し、混合して、バランスのとれたフルボディのコーヒー液製品を調製してもよい。いくつかの実施形態において、2以上のタイプおよび焙煎レベルのコーヒーの組み入れは、本明細書に記載の湿式粉砕工程中のコーヒーのレオロジーに影響を及ぼす可能性がある。
【0275】
理解されるように、コーヒー豆のセルロースおよびヘミセルロース組成物は、プラスチックのように挙動し、ミルの衝撃を吸収して、コーヒーを所定のサイズ(たとえば約20ミクロン)に粉砕する粉砕時間を長くする可能性がある。コーヒーが粉砕される間、調合表に含まれる非コーヒー生物材料は、約6~8ミクロンに過粉砕される可能性がある。少なくとも1つの実施形態において、非コーヒーまたはコーヒー材料は、粒子を潤滑するのに十分な脂肪を含んでもよい。
【0276】
様々な実施形態において、本開示は、迅速かつ効率よくコーヒーを小さい粒径(たとえば20ミクロン未満)に粉砕するためのシステムおよび方法を提供する。少なくとも1つの実施形態において、本システムおよび方法は、コーヒー粒子をプラスチック状態からガラス質状態に移行させることを可能にし、それによって、コーヒー粒子がガラス質状態に再コンディショニングされたとき、プラスチック状粒子の破損(衝撃による)が可能となるため、本システムおよび方法は、コーヒー(および他の生物材料)の粉砕を、以前のアプローチで必要な時間と比較してより少ない時間で達成することができる。
【0277】
改変したコンチングなしの処理
少なくとも1つの実施形態において、本開示は、別個の固相反応過程(従来のコンチング技術を行う以前のアプローチではなく)で、チョコレートまたは他の生物材料を処理するためのシステムおよび方法を提供する。本開示の様々な側面によれば、湿式粉砕(再循環による)は、均質化/可塑化段階の完了後に(たとえば、例示的なスイス法による乾式コンチングの前ではなく)行うことができる。様々な実施形態において、以前のコンチング技術の代替は、1)ブレンダー、2)2段階流動床乾燥機-冷却器、3)2軸スクリュー押出機、4)極低温ミル、5)リボンミキサー、6)蒸気ストリッピングと分別蒸留塔(極低温凝縮器を備えた)との組み合わせ、を含むがこれらに限定されない装置で単位操作を実行することによって実現してもよい。
【0278】
様々な実施形態において、第1単位操作は、閉ループブレンダー(シグマ、リボンまたは円錐スクリュー型ミキサー)に生物材料(遊離脂肪、レシチン、香味剤および添加物を除く)を充填し、不活性ガス雰囲気下で操作をして、均質混合物に到達するまでブレンドすることを含むことができる。
【0279】
少なくとも1つの実施形態において、均質な混合物は、2段階流動床乾燥機-冷却器で乾燥(たとえば、残留水分が約1.5%未満になるまで)および/または冷却してもよい。様々な実施形態において、2段階流動床乾燥機-冷却器は、閉ループで操作してもよく、均質な混合物と大気酸素との任意の接触を防止するために不活性ガスを利用してもよい(プロセスの乾燥および冷却段階の両方で)。
【0280】
1以上の実施形態において、乾燥および冷却した均質な混合物(約1.5%未満の残留水分を有してもよい)は、押出機に供給する供給ホッパーに充填してもよい。少なくとも1つの実施形態において、供給ホッパーは、ホッパーを通る流れを制御するための、供給口を備えたオーガーフィーダを含んでもよい。様々な実施形態において、供給ホッパーは、不活性ガス条件下および大気酸素の完全な非存在下で、均質な混合物を受け取り、送達してもよい。
【0281】
少なくとも1つの実施形態において、押出機は、効率の良い固相反応を引き起こすことによって、均質な混合物を均質な非コーヒー画分への変換を引き起こしてもよい。1以上の実施形態において、押出機は、少なくとも、1)低水分の均質な混合物はメイラード反応(および他の連続反応)に好都合であり、それによって、均質な混合物を非コーヒー画分へ移行させる即時反応を促進すること、2)押出機内の高い加工剪断、衝撃、摩擦および温度の組み合わせが、より高い強度のメイラード反応を容易にすること、3)予備混合の低脂肪含有量が、押出機内の正確な処理条件によって、固相反応を向上させる、固体粒子のための効率の良い反応性表面を提供し、それによってコンチング効果工程を加速させること(たとえば、約5~6時間から約10~30分未満まで)、4)プロセスパラメータの最適化が非コーヒー画分調合の高スループットを得ることを可能にすること)、によって香味形成反応を向上させてもよい。
【0282】
少なくとも1つの実施形態において、押出機は、噛みあい型二軸スクリュー構成を含んでもよい。様々な実施形態において、押出機は、6つの重いスチール支柱を押出機に取り付けることが可能な、重い床板を含む構造(たとえばメインバレルを支えるための4つの柱、および押出機の他の要素を支えるための2つの柱)に組み込んでもよい。少なくとも1つの実施形態において、押出機は、限定するものではないが、周波数インバータ、減速ギアボックスおよびホッパーフィーダを備えたドライバーモータを含んでもよい。
【0283】
様々な実施形態において、中央パネルは、押出機を制御するための複数の要素を備えてもよく、複数の要素は、モータスイッチ、バンドヒータコントローラ、サーモスタット、サーミスタおよび/または熱電対制御スイッチ、冷却システム用極低温ガス膨張弁、バレル(PID)温度計、加熱および冷却要素制御装置、二軸スクリュー本体(たとえばツインバレルまたはステータ)の開閉のための制御装置、メインバレルの反応部の圧力計、スクリューフィーダの制御装置、装甲回転スクリューチェンジャー、スクリュー回転入力/出力、計量ポンプ投入装置、供給速度入力/出力、スクリュートルク、ダイ温度、ロータリーナイフ(切断システム)回転装置、安全制御装置および他のシステム制御装置、を含むが、これらに限定されない。
【0284】
特定の実施形態において、バレルは、ジャケット付きの、冷却および加熱(処理押出機バレルに沿った二軸スクリューの各セクションについて)の両方に対して効率の良いシステムを備えてもよく、1~5バールの圧力で、摂氏1~90度(または本明細書に記載の1以上のコーヒーマス原料のおよその融解点)またはそれ以上の正確な温度制御を備えてもよい。少なくとも1つの実施形態において、システムは、バレルの重要な移行(処理)部である、バレルに直接原料を添加することができる2つの他の挿入部(それぞれ、様々な/特別な反応剤の最終添加用および熱感受性添加物用)においてバレルカバー、圧力計およびセンサのための取り外し可能なライナーを含んでもよい。
【0285】
少なくとも1つの実施形態において、二軸スクリューは、特別に設計してもよく、二軸スクリューは、1)スクリュールート、2)チャネル幅、3)フライト、4)軸方向フライト幅、5)ねじれ角、6)ピッチ(可変)、7)スクリュー隙間、8)バレルの長さ、9)バレルの直径、10)正確かつ制御可能な反応速度、時間-温度および反応時間を提供するための特別な二軸スクリュー設計、の製造変更を含むように設計または改変してもよい。
【0286】
少なくとも1つの実施形態において、二軸スクリューバレルの端は、押出ヘッド、パイプダイ、スクリーンパックおよび回転ナイフ切断システムを含み、そこから押出機生成物が、排気ガスと混ざり合い、オフフレーバー排出および揮発物(極低温)回収のための分留塔に直接連結された不活性ガスのストリームとともに閉ループ室を出る、ブレーカープレートに組み込まれた、脱気および揮発のための真空脱気ポートシステムを含んでもよい。
【0287】
本開示の様々な側面によれば、選択された特別な焙煎製品のために、装置は、真空下、制御された反応下(たとえば、冷却した冷媒ガスの循環で冷却)で操作し、それによって終了処理反応の制御をさらに促進する工程を可能にする、主押出機の出口に連結することが可能な二次真空サイジングシステムをさらに備えてもよい。
【0288】
少なくとも1つの実施形態において、2軸スクリュー押出機からの製品は、次いで(たとえば直ちに)、上部からミルに供給する、スクリューコンベア内に配置されたスプレーによる極低温(不活性)ガスとの直接接触によって冷却してもよい。
【0289】
様々な実施形態において、製品は、その温度が、その生物材料が完全に砕けやすい形態になる摂氏約-80度に達したときに処理してもよい。
特定の実施形態において、プロセスは、250rpmの速度で粉砕する、様々な直径の、たとえば0.5および0.7mmの直径のステンレス鋼粉砕ボールを実装してもよい。
【0290】
本開示の様々な側面によれば、プロセスは、およそ20分で(工業規模条件で)、粒子を20ミクロン未満に粉砕してもよい。
特定の実施形態において、押出製品は、香味および味においてチョコレートの一種であってもよく、さらに(プロセスで使用するダイに基づいて)少し不規則な固形であってもよい。特定の実施形態において、チョコレートとして製品を使用するために、製品は、その計画された最終用途によって、カカオバターおよび/または他の適切な脂肪/油システムの組み合わせと混合してもよい。最終製品は、(限定するものではないが)チョコレートバー、チョコレート粉末、チョコレートスプレッドの調合において、また、冷蔵またはフローズンデザート、砂糖および/またはチョコレート焼き菓子および揚げ物、朝食用シリアル、パワーバーなどにおける様々な用途などにおける食品および飲料の用途に対して幅広い用途を有してもよい。
【0291】
少なくとも1つの実施形態において、リボンミキサー装置は、混合操作中に乱流の生成を容易にする補助パドルおよびステータ装置を備えた二重ヘリコイド回転軸を含んでもよい。様々な実施形態において、ミキサーは、閉ループおよび適切な不活性ガス下で操作するように設計してもよい。製品の最終用途に応じて、処理温度は、加熱および/または冷却した装置の壁で摂氏1~70度の範囲にしてもよい。いくつかの実施形態において、ミキサーは、10~100rpmの範囲の可変回転を示してもよい。
【0292】
様々な実施形態において、リボンミキサーは、マスへの均一な組み込みを容易にする効率の良い脂肪/油スプレーシステムを備えてもよい。レシチン、ポリリシノール酸ポリグリセロール(PGPR)および様々な他の食品グレード添加物などの他の原料および添加物もこの段階で用いてもよい。装置は衛生設計を示してもよく、また洗浄および消毒が容易であってもよい。処理時間は様々であってもよいが、処理時間は、通常は5分から1時間である。装置は、不活性ガスが閉じ込められたトート、サイロへの排出、または梱包ラインの供給サイロへの直接排出を容易にするために、プラットフォームに組み込んでもよい。
【0293】
少なくとも1つの実施形態において、システムは、蒸留塔の排気を通して最初のオフフレーバーを除去するために、最初の蒸気ストリッピング操作(たとえば、1~15%の水蒸気、および/またはSHS、たとえば過熱水蒸気の注入)を組み合わせてもよい。いくつかの実施形態において、システム温度は約65度に達してもよい。本開示の様々な側面によれば、揮発性有機化合物(VOC)の抽出および極低温凝縮は、任意の適切な不活性ガスの制御された注入(分留塔を通して)によって達成してもよい。分留塔内で、ガス(揮発物)の流れは、様々な圧力および/または温度での、極低温液体またはガスの内部循環によって分別することが可能な連続するトレイ(通常は3~5個のトレイ)を通過させてもよい。様々な実施形態において、揮発性ガス(たとえば香味化合物)は、最終的に、極低温条件下でこれらのストリームの凝縮液(トレイの捕集ストリームから)として回収してもよく、また回収した香味画分は、主処理マスに戻してもよい。本開示の様々な側面によれば、プロセスは、半連続であってもよく、また以前のブレンド段階と同期させて操作してもよい。
【0294】
例示的な農産工業処理ステップ
少なくとも1つの実施形態において、本明細書におけるシステムおよび方法は、a)カカオの収穫、b)カカオ豆の発酵、c)カカオ豆の乾燥、袋詰めおよび貯蔵、d)カカオ豆の産業的な仕入れ、e)カカオ豆の乾式洗浄、f)カカオ豆の湿式洗浄、g)カカオ豆の乾燥、h)酸素の非存在下でのカカオ豆の焙煎、i)カカオ豆の脱皮、j)カカオニブの極低温予備粉砕(粗)、k)SCFEによる砕いたカカオニブからの脂肪抽出l)1)ブレンダー、2)2段階流動床乾燥機-冷却器、3)2軸スクリュー押出機、4)極低温ミル、5)リボンミキサー、および6)蒸気ストリッピングと分別蒸留塔(極低温凝縮器を備えた)との組み合わせ、を含むがこれらに限定されない装置で単位操作を実行する、前述のようなコンチングなし処理、を含んでもよい(カカオは例であり、必要に応じて任意の生物材料を使用してもよい)。
【0295】
本開示の様々な側面によれば、湿式粉砕(再循環による)は、(従来の方法に従って、乾式コンチングの前でなく)均質化/可塑化段階の終了時に行ってもよい。例示的なインスタント粉末ココア(および他の製品)の製造プロセスは、a)カカオ収穫、b)カカオ豆の発酵、c)カカオ豆の乾燥、袋詰めおよび貯蔵、d)カカオ豆の産業的な仕入れ、e)カカオ豆の乾式洗浄、f)カカオ豆の湿式洗浄、g)カカオ豆の乾燥、h)酸素の非存在下でのカカオ豆の焙煎、i)カカオ豆の脱皮、j)カカオニブの極低温予備粉砕(粗)、k)SCFEによる砕いたカカオニブからの脂肪抽出、l)1)ブレンダー、2)2段階流動床乾燥機-冷却器、3)2軸スクリュー押出機、4)極低温ミル、および5)リボンミキサー(蒸気ストリッピングと分別蒸留塔(極低温凝縮機を備えた)の組み合わせを省略する)、を含むがこれらに限定されない装置で単位操作を実行する前述のようなコンチングなし処理、m)閉ループの不活性ガスシステム下での流動床凝集/インスタント化/冷却、n)インスタントココアまたはチョコレート粉末の包装、を含む。
【0296】
代替油による例示的な処理
様々な実施形態において、アボカド、アーモンドおよびヘーゼルナッツなどの様々な生物材料からの油は、処理された(または前処理された)コーヒー(たとえば、本明細書に記載されるように処理されたコーヒー)に加えてもよい。特定の実施形態において、油は、果物またはナッツ由来であってもよく、また油は、追加のオフフレーバーの挿入を避けるために、精製、脱色および脱臭(RBD)してもよい。特定の実施形態において、油およびコーヒーの処理は、粉砕される焙煎豆を事前選択し、それによって標準以下の粒子および豆を除去することを含んでもよく、またプロセスは、食品や飲料における製品の最適の使用を可能にする極低温条件下で超微粉砕したコーヒー液に基づいてもよい。
【0297】
少なくとも1つの実施形態において、上記のコーヒー油調製物は、次の例示的な方法、1)すぐに使用でき(たとえば濃縮された液体として)、容易に溶解/分散可能な醸造されたコーヒー「グルメ」エンハンサーとして販売すること、2)(主としてコーヒーエンハンサーおよび乳製品クリームの形で、いずれも非乳製品および乳製品クリーム代替物として)すぐに飲める(RTD)飲料、ホットコーヒー、ホットチョコレートまたはホットティー飲料などの市販品の飲料に使用すること、3)コーヒー液中に(たとえば、20~40%(コーヒーエンハンサーのみ)および特別な添加物(油)として、またはバターオイル(コーヒー乳製品クリーム)および特別な添加物(油)とともに)、4)水出し(サービング)オプションにも適するように適合させること、で使用してもよい。上記のものの製造のための例示的な装置およびステップは、a)コーヒー液(焙煎したコーヒーから)を調製するためのライン、b)極低温粉砕装置、c)包装ライン(たとえば、ペールまたは個々のユニットに包装される製品)、d)取り外し可能なアルミシールを備えたクリームタイプの個々のまたはジャータイプの投入ペットパッケージに注入するためのライン、の1つ以上を含んでもよい。
【0298】
例示的な代替コーヒー液製造プロセス
別の実施形態において、本明細書におけるシステムおよび方法は、次のステップ、a)原料(油、脂肪、生コーヒー豆)の受け入れおよび貯蔵、b)生コーヒー豆の乾式および湿式洗浄/乾燥および貯蔵、c)不活性雰囲気下での生コーヒー豆の焙煎、d)不活性雰囲気下での焙煎したコーヒーの乾式粉砕(たとえば50~120ミクロンまで)、e)脂肪および/または油の融解および貯蔵(不活性ガス下)、f)リボンまたはシグマミキサーに送った原料の計量(不活性ガス条件下で操作)、g)混合(たとえば1~30分間)/オプションの(他の)原料の添加、h)高温でのマスの酸化を部分的に防止するための、極低温条件下での、コーヒーマスの10~40ミクロンへの湿式粉砕(水平または垂直極低温ボールミルを使用して)、i)不活性ガス条件下でのコンチング、j)他のコンチングした精製原料とのブレンド、k)テンパリング、l)成形またはオプションのチップ投入、m)冷却トンネルでの予備結晶化、n)製品の型抜き、o)一次および二次包装、p)貯蔵および後結晶化、q)出荷、でコーヒー液を代替処理することを含む。
【0299】
いくつかの実施形態において、上記の代替プロセスは、i)バー、チップ、モルセル、チャンクなどの形態の固体のコーヒーマスとして使用される製品の製造、ii)ホットコーヒーまたはコールドコーヒーの市販品において単独でまたは機能性原料として(主としてブラックコーヒーエンハンサーとして)、または焼き菓子または揚げ物、アイスクリーム、クッキーおよびクラッカー、冷凍または冷蔵デザート、パイおよびタルトなどと混合して食品用途に使用される製品の製造、iii)5~40%(ブラックコーヒーエンハンサーとしてのみ)を含むコーヒーマス(特別な添加物と組み合わせる場合)の製造、iv)40~95%(コーヒー乳製品クリームとして)を含むコーヒーマス(バターオイルおよび特別な添加物と組み合わせる場合)の製造、v)ホットまたはコールドコーヒー(サービング)オプションにも適するように適合させることが可能なインスタント液体調合(すぐに飲めるタイプ(RTD))の製造、に使用してもよい。少なくとも1つの実施形態において、コーヒーエンハンサーの調合は、本明細書に記載のコーヒー複合マスおよび/または他のコーヒーベースの原料に加えて、約7重量%のカカオ粉末および4%のカカオ液ならびに本明細書に記載の他の原料を含むことができる。
【0300】
少なくとも1つの実施形態において、上記の例示的な代替プロセスを実施するための例示的な装置は、A)コーヒーマス(生コーヒーから)を調製するためのライン、B)極低温粉砕装置、C)直接添加および/または成形ならびにテンパリングライン、D)二次包装ライン、を含む。本明細書の議論から理解されるように、固形のコーヒー液は、取り外し可能なアルミシールを備えたクリームタイプの個々のまたはジャータイプの投入ペットパッケージに注入するためにコパッカーに発送してもよい。
【0301】
1以上の実施形態において、他の原料に調合する場合、製品の他の食品および飲料ラインが、それらの製品に対する機能性原料としてその製品を利用することが可能な業務間構成で製品を発送してもよい。
【0302】
例示的な香り捕捉および放出制御
様々な実施形態において、生物材料(たとえば焙煎したコーヒー)からの香りは、捕捉し、芳香目的で実装してもよい。特定の実施形態において、コーヒーの香りは、限定するものではないが、アルデヒド、エステル、アルコール、ケトン、ラクトン、エーテル、ニトリルなどの様々な化学物質の官能基を含む香料(または同様な化合物)を製造するための化粧品技術で捕捉してもよい。様々な実施形態によれば、生物材料は、安定かつ制御可能な芳香剤化合物を製造するための様々な天然および/または合成物質とブレンドしてもよい。特定の実施形態において、任意の芳香剤または香味剤の効果を増すために、揮発物の放出制御が実装される。少なくとも1つの実施形態において、活性揮発物は、所望の場所、時間および速度で大気に放出されてもよい。これは、熱、温度、pH感受性原料などで影響を与えてもよい。
【0303】
特定の実施形態において、揮発物の放出制御は、1)遅延放出、2)持続(長期)放出および/または3)バースト放出されてもよい。本開示の様々な側面によれば、揮発物の放出制御は、カプセル化/マイクロカプセル化、コアセルベーション、共結晶化、分子包摂、吸着などによって達成してもよい。したがって、放出制御機構は、特に、拡散-放出制御、浸透圧制御放出、膨潤制御放出、溶媒活性化制御放出、または水分誘発制御放出を含む。様々な実施形態において、香りの放出制御は、特に、圧力、融解、pH変化または温度変化によって開始されてもよい。
【0304】
本開示の様々な側面によれば、これらの活性揮発物は、硬質または軟質のパッド、天然および/または人工の香味剤(たとえば、固形、液体形または気体形)などの材料内に捕捉し、貯蔵してもよい。特定の実施形態において、これらのパッド、香味剤または他の材料は、特定の包装の層内に(たとえば複合包装用ラミネート内に)含まれてもよい。少なくとも1つの実施形態において、包装は、袋、ボックスまたは他の形態の二次および/または三次包装を含んでもよく、また包装材料は、包装層を通して活性揮発物を放出することを可能にするように多孔質または半透性であってもよい。いくつかの実施形態において、活性揮発物は、包装の外側に含まれてもよく、また活性揮発物は、香りのある部位を提供するために、包装の1以上のユニットに隣接する場所に含まれてもよい。これにより、活性揮発物によって提供される香りは、人の挙動に影響を与える可能性がある(たとえば、消費者は、活性揮発物によって提供される香りを嗅いだことに反応してコーヒー豆を購入する可能性がある)。
【0305】
残留水分を低減するための工程
クエンチングと冷却の両方の単位操作(それぞれ、熱分解を中断し、それに続くその安定化のために)の適用が必要なため、焙煎したコーヒー豆は、5%までの閉じ込められた水分を含む可能性がある。これは、成形品または別の製品の調合におけるこの機能性原料の利用に制限を与える可能性がある。様々な実施形態において、所定の残留物閾値(たとえば約1.25~5%)を超える最終製品における残留水分は、コーヒーマスの粘度を顕著に増加させる可能性があり、それによって、型へのコーヒーマスの適切な投入および充填が難しくなり、成形工程に障害を生じる可能性がある。
【0306】
コーヒーの香りの品質と強度に影響を与えることなく、焙煎したコーヒー豆の残留水分を除去するための代替プロセスを以下に述べる。様々な実施形態において、本開示の複数の側面によって、一部のチョコレート製品にすでに当てはまるものと比較して、より低い粘度および完全に天然のコーヒーの香味の最終コーヒー製品を可能にしてもよい。
【0307】
少なくとも1つの実施形態において、プロセスは、下記のステップ、1)酸素の非存在下でのコーヒー豆の焙煎、2)酸素の非存在下、制御された低温下、好ましくは極低温条件下でのコーヒーの好都合な粒径への乾式粉砕、3)極低温条件下、水の揮散を容易にするためにコーヒー粒子を徐々に加熱してもよい1~36時間の全処理時間での焙煎して挽いたコーヒーの凍結乾燥、を含んでもよい。いくつかの実施形態において、上記のプロセスは、バッチでまたは連続的であってもよい。少なくとも1つの実施形態において、プロセスは連続的であり、凍結乾燥室は、二次極低温凝縮機を備えた香り回収塔へと続く、水中の香りを回収するための極低温凝縮機に接続されてもよい。特定の実施形態によれば、濃縮されたコーヒーの香りは、次いで、生産プロセスの終了時に戻されてもよい。さらなる実施形態において、コーヒー(脱水されていてもよい)は、コーヒー液の準備ができ、貯蔵されるまで、本明細書で述べたコーヒー液の生産プロセスに従ってもよく、次いで、コーヒーマスに、テンパリング、添加、成形、離型および最終製品としての包装の準備ができるように、コンチングなしのコーヒーおよび精製製品との比率に応じてブレンドするために待機させてもよい。
【0308】
品質管理に関する考察
様々な実施形態において、本システム、方法、工程および製品の1以上の品質要求事項は、(たとえば、1以上の業界標準と比較して)異なっていてもよい。たとえば、他の産業商用グレードの生コーヒーは、それらの欠陥が、調製したコーヒーカップの全体的な醸造品質を妨げないと想定されるため、特定の最大数のタイプの欠陥が一般に認められている。別な産業醸造プロセスはフィルターを使用するが、それによって操作の抽出効率は低くなる(通常はおよそ20%)。別な産業醸造プロセスでは、焙煎工程の終了時に行われる必要性が疑わしい工業的クエンチングのために、市販の醸造されたコーヒーの残留水分は5%にもなる。
【0309】
様々な実施形態において、本明細書におけるシステムおよび方法は、酸素の非存在下でコーヒー(および関連する飲料材料)を焙煎して、焙煎したコーヒー(および残留水分レベルが低下した他の生物材料)をクエンチして劣化を防止する(たとえ、焙煎したコーヒーの残留水分が1.14%と低くなっても、クエンチングは実行可能である)。したがって、様々な実施形態によれば、上記の(および他の)方法は、新しい食用コーヒー製品および対応する処理技術のために考えられる品質の標準と適合しない可能性がある。ここにおいて、本システム、方法および工程に豆全体を使用する可能性があり、豆における欠陥の存在(たとえば未熟、黒、虫の穴あき、発酵など)は、豆は、生成される微粒子の表面積の劇的な増加によってこのような欠陥が大きく増幅される可能性のある超微細粉砕にかける可能性があるため、はるかに容認できない。
【0310】
一例において、食用コーヒーの品質におけるこの負の増幅効果を正当化するために、生コーヒー原料における欠陥の百分率に基づいて、1)他の産業醸造プロセスでの通常の挽きコーヒー1グラムは、平均して、1.0mmの粒径を有し、それによって数はおよそ1,296粒子/gであり、そのため約48平方フィート(0.74平方メートル)の表面積を示し、また2)粒径の平均は20ミクロン(0.02mm)で、数がおよそ100,646,912粒子/gである超微細挽きコーヒー(不良品)1グラムは、粒子数/gが劇的に77,660倍に増えた、約2,048平方フィート(190.3平方メートル)の表面積を示すと考えられ、すなわち、当然ながら、初めに原料に存在する欠陥の百分率に比例した、食用コーヒー製品の得られた香味に対する負の潜在的衝撃を有すると考えられる。
【0311】
したがって、本方法、システムおよび工程は、(たとえば、前述のような欠陥の伝播を避けるために)生コーヒーの欠陥のほぼ完全な除去を必要とする可能性がある。本装置、方法、システムおよび工程は、すでに伝えた動機のために、1以上の本装置、方法、システムおよび工程が、市販の等級分けされた生コーヒーの後洗浄に使用されていない(たとえば、別の業界の慣行において)可能性があるため、非従来型であってもよい。様々な実施形態において、本技術は、以前にコーヒー産業において使用されていない可能性のある2つのレベルの洗浄(たとえば乾式および湿式)を含むよう具体的に設計されてもよい。
【0312】
製品の賞味期限をさらに延ばすための例示的な方法
本明細書の議論から理解されるように、生コーヒー(および他の生物材料)の従来の焙煎および粉砕は、コーヒーの香りと味(たとえば香味)に劣化を生じさせる場合がある。さらに、生コーヒーは、1)残留水分(およそ12%以上で重大となる可能性がある)、2)温度(およそ摂氏30度以上で重大となる可能性がある)、3)相対湿度(およそ55%以上で重大となる可能性がある)、4)保存条件(たとえば、理想的条件は、清潔で新鮮な換気を含む)、5)商業上の不純物の存在(粉砕中に悪化させる可能性のある困難な影響)、によって、時間の経過に従って(たとえば、6ヶ月間)徐々に酸化する可能性がある。
【0313】
さらに、焙煎コーヒー(および他の生物材料)は、賞味期限とともに香りと味が低下する場合がある。以下のこと、a)直接または間接の加熱システム、b)劣化に有害な大気中での焙煎、c)焙煎した熱いコーヒーに水を広げるか、または外部の回転スクリーンに単に入れて、吹き出す空気を用いて焙煎豆を冷やす(このようなクエンチングは、高温により酸化プロセスを加速させる可能性がある)かのいずれかのクエンチング、d)焙煎工程は、比較的大量(例えば最大5%)の熱分解ガスを生じて、コーヒー豆組織中に熱分解ガスを閉じ込める可能性がある(たとえば、約1~2%は、75日間の貯蔵後までコーヒー中に留まる可能性がある)、は、香り、味および賞味期限の低下の原因となる可能性がある。熱分解ガスは、約87%の二酸化炭素、7.3%の一酸化炭素、5.3%の窒素およびおおよそ0.4%の揮発性有機化合物を含んでもよいが、他の比率も使用できる。様々な実施形態において、上記の結果は、焙煎したコーヒー(および他の生物材料)は、数週間の賞味期限を有するということを示す。
【0314】
下記、i)粉砕時の大量の空気、ii)機械的粉砕は、部分的に特定の揮発物をフラッシュさせ、香りを弱める可能性のある熱をさらに生じさせる、iii)元の含有量の約40~73%を急速に低減させる閉じ込めた熱分解ガスの放逐(熱分解ガスが除去された後、大気酸素はコーヒー粒子と直接相互作用する可能性がある)、によって、粉砕は劣化をさらに加速させ、製品の賞味期限を短縮させる可能性がある。
【0315】
本明細書に記載の工程に加えて、賞味期限は、不活性ガス条件下で、化学量論的バランスのとれた特性の下記:酸化カルシウムまたは水酸化カルシウム、酸化マグネシウムまたは水酸化マグネシウム、酸化ナトリウムまたは水酸化ナトリウム、および/または酸化カリウムまたは水酸化カリウムをブレンドすることによって延ばしてもよい。
【0316】
少なくとも1つの実施形態において、材料(たとえば焙煎コーヒー)を上記のミネラルの1つ以上にブレンドした後、システムは、次いで、1以上の脂肪の存在下で焙煎してブレンドした材料を極低温で粉砕し、焙煎してブレンドした材料をカプセル化してもよい。様々な実施形態において、得られた粉末化した製品は、それが熱水(または冷水)に接触して置かれる瞬間まで、酸化から保護される。いくつかの実施形態において、化学量論的反応が起こり、存在する化学物質/無機物の添加物に基づいて、対応する塩が生成する(たとえば、二酸化炭素と酸化カルシウムは炭酸カルシウムを形成し、二酸化炭素と酸化マグネシウムは炭酸マグネシウムを形成し、二酸化炭素と酸化ナトリウムは炭酸ナトリウムを形成し、二酸化炭素と酸化カリウムは炭酸カリウムを形成する)。理解されるように、上記の塩は、特定の量において、水溶性であり食品グレードである。
【0317】
特定の実施形態によれば、改変されて提案されたプロセスは、1)たとえば、目立つ欠陥のほとんどない、優れたグレードのみの生コーヒーの利用、2)洗浄(乾式および湿式)とそれに続く不活性ガス下での脱水、3)酸素の非存在下での焙煎、4)化学量論的条件での、上記の(または他の)無機物と焙煎したコーヒーとのブレンド、5)極低温条件での湿式粉砕の実施、6)粒径が40ミクロン以下になったときの粉砕工程への1~15%の特殊油および脂肪の添加(中性油または脂肪、たとえば精製油、脱色油、および脱臭油/脂肪)、7)さらなる極低温粉砕(たとえば、0.1~2ミクロン未満まで)、特定の用途に応じて、レシチン、塩、芳香剤、乳化剤、抗酸化剤、安定剤などの追加の成分の添加、を含む。
【0318】
例示的なソフトインクルージョン
処理された生物材料の様々な調合が、デザートを含む冷凍および冷蔵製品での使用に適している可能性がある。摂氏18~22度(制御された周囲温度)で柔らかいが、アイスクリームの保存条件(摂氏-22~-40度)では固体である必要がある食用コーヒー(または他の生物材料)の固体のチップ、チャンクまたはモルセルを製造することによって、冷凍または冷蔵食品用途でのインクルージョンのためのコーヒーなどの生物材料のチップまたはチャンクを提供することを有益なものにしてもよい。同時に、チップまたはチャンクは、消費者がチップ/チャンクをかむことが困難であると感じるリスクを抑えて、十分柔らかくて、消費者がそれら(冷たいアイスクリームなど)を摂取することができるように十分柔らかいことが必要である。
【0319】
いくつかの実施形態において、本システムおよび方法は、共融点降下を引き起こさせることによって、上記の技術的課題を克服する。一実施形態において、本システムは、不適合と認められた脂肪を混合物に組み合わせて、望ましい融解(または融合)に合わせた、2つ、3つ、または多数の脂肪/油相系にする。少なくとも1つの実施形態において、製品の特性は、アイスクリームが摂取されるとともに(口の温度で)比較的柔らかくなり、この摂取とともに対応するその冷却効果は向上する。いくつかの実施形態において、本システムは、このような仲間における脂肪/油系のタイプを組み合わせて、得られた製品の融解特性が、周囲温度で固体であり、低温で柔らかいように固体の結晶化および結晶の融解曲線の両方をゆがめることによって、意図的な共融点降下を引き起こさせる。
【0320】
少なくとも1つの実施形態において、ソフトインクルージョンの調合は、1)少なくとも二相系における主要な脂肪原料としてのカカオバター(または代替物もしくはその等価物)、2)カカオバター(たとえばバターオイル)の割合での少なくとも1つのカカオ不適合脂肪または、調合総脂肪相系(たとえば三相系)の割合でのCBS脂肪系を含む。理解されるように、脂肪の割合は、示差走査熱量測定(DSC)分析を行うこと、熱流量グラフィックスを分析すること(たとえば、融解曲線に対応させて、脂肪系の結晶化曲線を考慮に入れて)、降下点(系の融解および結晶化の)を示す結晶融解の潜熱および結晶化の潜熱を分析することによって明らかにしてもよい。
【0321】
様々な実施形態において、本システムは、アイスクリームマス(一般に果物投入ユニットに添加され、処理段階においてオーバーラン装置のすぐ前に配置される)に粘性液体(たとえば、本明細書で述べたように設計され製造された工程の生物材料)を添加することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、アイスクリームマスに接触している粘性液体は、直ちに固まる。理解されるように、果物投入ユニットの回転シャフトは、粒子のサイズを規定する(低回転になるほど、フレークがより大きくなることを意味する)。
【0322】
上記のアプローチは、一般に、ラウリン酸脂肪または他の不適合脂肪(たとえばホワイトチョコレートまたはミルクチョコレートにおける乳脂肪、あるいはダークチョコレートにおけるカカオバター代替物(CBS))が少なくとも部分的に含まれているため、チョコレート産業では疎んじられている。さらに、チョコレート産業は、融合または結晶化曲線の間に、固体チョコレートの処理技術に適切な温度ゾーンと考えられる範囲内に共融点降下を生じる可能性がある、カカオバターと任意のタイプのCBSおよび/または脂肪もしくは油との組み合わせを避けている。
【0323】
例示的なコーティング
さまざまな側面において、システムおよび方法は、本明細書で記載の生物材料にコーティングを添加することを含んでもよく、これによって様々な製品の賞味期限を延ばしてもよい。コーティング工程は、食用フィルムの物理的、化学的および感覚的特性を提供する選択され、処理された材料を用いて実施される。これにより、コーティング工程は大気酸素への物理的バリアを提供するとともに、焙煎したコーヒー(粉砕する前)の賞味期限を延ばし、通常の包装条件下で長期の貯蔵を可能にする。
【0324】
いくつかの実施形態において、システムおよび方法は、1)酸素の非存在下で洗浄した生コーヒーを焙煎し、2)酸素の非存在下で操作をして、装置(通常は特別な流動床乾燥機および冷却器)内の焙煎した各コーヒー豆をコーティングし、3)さらなる処理まで、焙煎およびコーティングしたコーヒー豆を酸素の非存在下で密閉し、4)焙煎およびコーティングしたコーヒー豆を粉砕する、ことを含む。様々な実施形態において、コーティングは、タンパク質、油、脂肪、抽出物、炭水化物、セルロース(およびその誘導体)およびデンプン(およびその誘導体)の適切な組み合わせであり、a)100%食品グレード、b)生分解性、c)コーヒー揮発物の放出に対して不透過性、d)微生物の侵入または増殖の予防、e)合理的な低温または高温の保存条件下でフィルムの完全性を維持することが可能、f)水の損失または吸収の防止、g)水溶性および/または脂溶性、h)カロリーゼロまたは低カロリー、i)酸素透過の防止、j)高い伸長フィルム引張強度、k)摩擦摩耗に対する機械的抵抗性、l)香味なし(すなわちニュートラル)または適切な香味、(の1つ以上)である。
【0325】
特定の実施形態によれば、システムは、天然の脂肪および/または油および他の生物材料を添加して戻して天然の香味剤を潜在的に改善するとともに、分散性を改善し、酸素に対する防御を向上する可能性のある1以上の流動床マイクロカプセル化またはコーティングシステムおよび工程を含んでもよい。様々な実施形態において、粉末(たとえば、本明細書で記載の工程によって製造された)は、マイクロカプセル化してもよく、また凝集およびコーティングしてもよい。
【0326】
一実施形態において、粉末は、冷蔵不活性ガス条件下で閉ループまたは半閉ループの流動床乾燥機(または冷却器)中で食品原料および/または添加物をスプレーされる。様々な実施形態において、粉末は、スプレー(乾燥機、冷却器またはフリーザー)または凍結乾燥機によって、バッチまたは連続の流動床型装置中でスプレーされる。
【0327】
いくつかの実施形態において、冷蔵不活性ガス環境下で、閉ループまたは半閉ループの流動床乾燥機(または冷却器)内で食品原料および/または添加物をスプレーすることによる粉末のマイクロカプセル化は、コーティングした粉末粒子をもたらす。1以上の実施形態において、コーヒー油および特定の食品または添加物のマイクロカプセル化溶液および/または分散液は、個々の粉末粒子をコーティングするように構成されているスプレーノズルを通して同時に霧状にしてもよい。
【0328】
特定の実施形態において、粉末(超微粒子またはその他)は、冷蔵不活性ガス条件下で、閉ループまたは半閉ループの流動床(乾燥機または冷却器)型「凝集装置」(バッチまたは連続)内で凝集する。様々な実施形態において、得られた粉末(マイクロカプセル化ステップまたは凝集した粒子のいずれかから)は、乾燥状態の室内に保ってもよい。少なくとも1つの実施形態において、乾燥した状態での貯蔵によって、マイクロカプセル化した超微細粉砕したコーヒー粒子または凝集した超微粒子粉末が、互いに付着するか、または流動床ユニットの内壁へ付着するのを防止してもよい。
【0329】
他の実施形態において、例示的なマイクロカプセル化またはコーティング工程は、湿潤(冷水で)、凝集、乾燥および冷却を含んでもよい。いくつかの実施形態において、システムは、粉末の約0.5%~15重量%比の総スプレッド含量で(たとえば、所望の保護レベルおよび凝集体の特性に基づいて)、凝集した粒子フィルムコーティングを塗布するように構成されているノズルを通して適切な食品グレード原料または添加物溶液を連続的に微細スプレーする。
【0330】
結論
特許請求されるシステム、方法、調合、および製品の追加の側面、特徴および方法は、当業者であれば、本明細書の説明から容易に認識できるであろう。本明細書に記載されているもの以外の多くの実施形態および開示の適用ならびに特許請求されるシステム、方法、調合および製品はもちろん、多くの変形、変更、および等価配置ならびに方法は、特許請求の範囲の要旨または範囲から逸脱することなく、本開示および前述の説明から明らかであるか、または合理的に示唆される。さらに、本明細書に記載されかつ特許請求される様々な工程のステップの任意のシーケンスおよび/または時間的順序は、特許請求されるシステム、方法、調合および製品を実施するために考えられる最良の形態であると考えられる。様々な工程のステップは、好ましいシーケンスまたは時間的順序で示され、説明されてもよいが、任意のこのような工程のステップは、特定の意図する結果を達成するという特定の指示がない場合、特定のシーケンスまたは順序で実施されることに限定されないことも理解される必要がある。ほとんどの場合、このような工程のステップは、様々な異なるシーケンスおよび順序で実施することが可能であり、それでも特許請求されるシステム、方法、調合および製品の範囲内に入る。さらに、いくつかのステップが、他のステップと一時に、同時に、または同期させて実施されてもよい。
【0331】
実施形態は、他の当業者が、考えられる特定の用途に適した様々な変更を加えて、システム、方法、調合および製品ならびに様々な実施形態を利用することが可能になるように、特許請求されるシステム、方法、調合および製品ならびにそれらの実際的適用の原理を説明するために選択され、説明された。特許請求されるシステム、方法、調合および製品に関係する当業者には、それらの主旨および範囲から逸脱することなく、別の実施形態が明らかになるであろう。したがって、特許請求されるシステム、方法、調合および製品の範囲は、前述の説明およびそれに記載された例示的な実施形態ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【0332】
項1. コーヒー液を製造するためのシステムであって、ある量のコーヒー豆を受け取るように構成されている乾式洗浄および分離システムであって、ある量のコーヒー豆から粗い不純物を除去するように構成されている2ふるい選別機と、2ふるい選別機に接続され、ある量のコーヒー豆から塵、砂、軽い豆および豆籾殻を除去するように構成されている吸引機チャネルと、吸引機チャネルに接続され、ある量のコーヒー豆から重い不純物、石、および小石を除去するように構成されている選別機と、選別機に接続され,ある量のコーヒー豆から金属汚染物質を除去するように構成されている金属選別機と、金属選別機に接続され、ある量のコーヒー豆の一部を回収し、第2の量のコーヒーを出力するように構成されているクラスター機構とを含む乾式洗浄および分離システムと、乾式洗浄および分離システムに接続されるように構成されている湿式洗浄および分離システムであって、第2の量のコーヒー豆から残留物を除去するように構成されている連続豆洗浄機と、連続豆洗浄機に接続され、第2の量のコーヒー豆から過剰の水を除去するように構成されているワイヤーメッシュスクリーンと、ワイヤーメッシュスクリーンに接続され、第2の量のコーヒー豆を乾燥するように構成されている洗浄豆乾燥機と、洗浄豆乾燥機に接続され、コーヒー豆のサイズに基づいて第2の量のコーヒー豆の1以上の部分を分離するように構成されている豆のサイズ選別機と、豆のサイズ選別機に接続され、第2の量のコーヒー豆の1以上の第2部分とコーヒー豆の密度に基づく1以上の部分とを分離するように構成されている豆の密度選別機と、豆の密度選別機に接続され、第2の量のコーヒー豆の1以上の部分と、コーヒー豆の色に基づく1以上の第2部分とを分離して、選別した量の豆と1以上の第3部分とを製造するように構成されている光学色選別機と、光学色選別機に接続され、選別した量の豆を研磨し、皮むきして、ある量の皮むきした豆と、1以上の第3部分を製造して、1以上の第4部分を製造するように構成されている皮むき研磨機と、皮むき研磨機に接続され、ある量の皮むきした豆と1以上の第4部分とをある量の洗浄豆にブレンドするように構成されている洗浄した生コーヒーブレンダーとを含む湿式洗浄および分離システムと、湿式洗浄および分離システムに接続され、ある量の洗浄豆を乾燥し、ある量の乾燥豆を製造するように構成されている乾燥機構と、乾燥機構に接続され、ある量の乾燥豆を、豆のサイズに基づいて1以上のサイズの部分に分離するように構成されている3サイズ分類システムと、3サイズ分類システムに接続され、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で1以上のサイズの部分のそれぞれを焙煎するように構成されている焙煎システムであって、1以上のサイズの部分のそれぞれを受け取るように構成され、焙煎室内に含まれる豆室と、所定の焙煎時間の間、所定の焙煎温度に焙煎室を加熱するように構成されている熱媒体によって囲まれ、それによって1以上のサイズ部分のそれぞれを焙煎して焙煎したコーヒーを製造し、所定時間の間、所定の焙煎圧力に不活性ガスで加圧するように構成されている焙煎室とを含む焙煎システムと、焙煎システムに接続されるように構成されているトレファクトシステムであって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で焙煎したコーヒーを移動するように構成されている2段階振動流動床冷却器と、流動床冷却器によって、移動中に焙煎したコーヒーに溶液をコーティングし、溶液がカプセル化し、焙煎したコーヒーの酸化を実質的に防止するように構成されているスプレー機構とを含むトレファクトシステムと、トレファクトシステムに接続され、酸素の非存在下で、冷蔵不活性ガスとの直接接触によって、所定の冷却時間の間、焙煎したコーヒーを第1冷却温度に冷却するように構成されている予冷システムと、予冷システムに接続され、酸素の非存在下および不活性ガス条件下で、焙煎したコーヒーを第2冷却温度にさらに冷却し、焙煎したコーヒーを脱気するとともに、所定の脱気時間の間、第2冷却温度と周囲圧力に焙煎したコーヒーを保つように構成されている後冷却システムと、後冷却システムに接続され、極低温下および不活性条件下および酸素の非存在下で焙煎したコーヒー豆を所定のサイズに粉砕して乾式粉砕したコーヒーを製造するように構成されている乾式粉砕機と、乾式粉砕機に接続され、乾式粉砕したコーヒーから脂肪とコーヒー油を抽出して、コーヒー製品を製造するように構成されている超臨界流体抽出(SCFE)システムであって、各抽出カラムが、超臨界液体二酸化炭素を透過カラムに導入するように構成されている2以上の抽出カラムと、乾式粉砕したコーヒーを所定のSCFE温度に保つとともに、所定のSCFE圧力で乾式粉砕したコーヒーに超臨界液体二酸化炭素を導入するように構成されている各透過カラムとを含み、超臨界液体二酸化炭素の導入が、乾式粉砕したコーヒーから脂肪とコーヒー油の分離と抽出をもたらして、コーヒー製品を生成するSCFEシステムと、SCFEシステムに接続され、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で第2の所定のサイズにコーヒー製品を粉砕してコーヒー粉末を製造するように構成され、所定の湿式ミル温度未満で操作し、コーヒー製品を第2の所定の湿式ミル温度に保つ湿式ミルと、湿式ミルに接続され、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で1以上の油および1以上の脂肪とコーヒー粉末とを混合してコーヒー画分を製造するように構成されている第1ミキサーと、第1ミキサーに接続され、コーヒー画分と非コーヒー画分とを混合して複合コーヒーマスを製造するように構成され、1以上の原料をコーヒー油に添加して複合コーヒーマスにするスプレー機構を含む第2ミキサーと、第2ミキサーに接続されるように構成されている濾過システムであって、1以上のフィルタースクリーンを通してコーヒーマスをポンプで送るように構成されている容積式ポンプと、コーヒーマスから選択されたメディアを濾過するように構成されている1以上のフィルタースクリーンと、1以上のフィルタースクリーンのそれぞれに取り付けられた1以上の洗浄機構であって、各洗浄機構が、コーヒー製品の流れに平行に、フィルタースクリーンの上下に移動して、選択されたメディアをフィルタースクリーンからかき取るように構成されているディスクを含む洗浄機構と、1以上のフィルタースクリーンのそれぞれに取り付けられるように構成され、各捕集室が、1以上の洗浄機構によってかき取られた選択されたメディアを受け取り、所定のパージ時間内に選択されたメディアを自動的にパージするように構成されている1以上の捕集室とを含む濾過システムとを含む、システム。
【0333】
項2. 洗浄および分離システムが、コーヒー豆の欠陥を約10倍減少させる、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項3. 3サイズ分類システムが、小さな嵩の豆を捕捉するための小さな開口部を含み、小さな各開口部が約5.5mmのサイズである小さなスクリーンと、中程度の嵩の豆を捕捉するための、中程度の開口部を含み、中程度の各開口部が約6.5mmのサイズである中程度のスクリーンと、大きな嵩の豆を捕捉するための、サイズが約8.0mmである大きな開口部を含む大きなスクリーンとを含む、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0334】
項4. 豆室が、焙煎室を回転させる1以上の回転筒を含む、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項5. 豆室が流動床室である、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0335】
項6. 所定の焙煎温度、所定の焙煎時間および所定の焙煎圧力が、低い、中程度または強い焙煎プロファイルに基づいている、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0336】
項7. 所定の焙煎温度が摂氏約100~230度であり、所定の焙煎時間が約2~60分であり、所定の焙煎圧力が約1~10バールである、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0337】
項8. 焙煎したコーヒー籾殻の分離が、サイクロン分離器を通して連続的に吸引して焙煎室に清浄な不活性ガスを戻すための機構をさらに含む、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0338】
項9. 溶液が、重量%比で、溶液の約10~60%の固形分を含む、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項10. 溶液が砂糖を含む、本明細書の項9または他の項に記載のシステム。
【0339】
項11. 第1冷却温度が摂氏約50~100度である、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項12. 第1冷却温度が摂氏約65~75度である、本明細書の項11または他の項に記載のシステム。
【0340】
項13. 所定の冷却時間が約1分間である、本明細書の項12または他の項に記載のシステム。
項14. 第2冷却温度が周囲温度であり、所定の脱気時間が約1日である、本明細書の項13または他の項に記載のシステム。
【0341】
項15. 後冷却システムおよび脱気システムが、冷蔵不活性ガスを焙煎したコーヒー豆に接触させて冷却するとともに、焙煎したコーヒー豆を移動する機械振動スクリーンを含む、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0342】
項16. 所定のサイズが、約75~500ミクロンである、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項17. 所定のサイズが約100~300ミクロンであり、所定のサイズが、フィルターの目詰まりを防止するために選択される、本明細書の項16または他の項に記載のシステム。
【0343】
項18. 乾式粉砕が、摂氏約-190~(+)10度の温度で行われる、本明細書の項16または他の項に記載のシステム。
項19. 所定のSCFE温度が摂氏約30~90度であり、所定のSCFE圧力が約150~450バールである、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0344】
項20. 超臨界液体二酸化炭素が、乾式粉砕したコーヒーの油の一部が、所定の油閾値に達するまで、乾式粉砕したコーヒーに導入される、本明細書の項19または他の項に記載のシステム。
【0345】
項21. 所定の油閾値が、乾式粉砕したコーヒー中に残留している油の約7%以下である、本明細書の項20または他の項に記載のシステム。
項22. 油および脂肪が、極低温条件下で個別に貯蔵される、本明細書の項21または他の項に記載のシステム。
【0346】
項23. 油および脂肪が、2以上の流体コレクターを通して回収し、分離される、本明細書の項22または他の項に記載のシステム。
項24. 脂肪が、不活性ガス条件下、摂氏40~45度のポンプで送ることが可能な状態で貯蔵される、本明細書の項23または他の項に記載のシステム。
【0347】
項25. 第2の所定のサイズが約0.1~10.0ミクロンであり、所定の湿式ミル温度が摂氏約-190~(+)10度であり、第2の所定の湿式ミル温度が摂氏約-80~(+)10度であり、コーヒー粉末が、香りの低下を防止するために、不活性ガス条件下で保たれる、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0348】
項26. 第2の所定のサイズが約2ミクロン未満である、本明細書の項25または他の項に記載のシステム。
項27. ミキサーがリボンミキサーである、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0349】
項28. ミキサーがシグマミキサーである、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項29. ミキサーが、約20~150rpmの速度で混合を行い、1以上の油が、MCTココナッツ画分または他の核果油、果物油、種子油、穀物油、バターオイルおよびギーを含む群から選択された1以上の油を含み、1以上の脂肪が、種子脂肪抽出物、穀物脂肪抽出物およびギーを含む群から選択された1以上の脂肪を含み、1以上の油および1以上の脂肪が、コーヒー粉末の約0.5~15.0重量%を含む、本明細書の項27または他の項に記載のシステム。
【0350】
項30. ミキサーが、コーヒー粉末を、コーヒー粉末の200重量%までの1以上の油および1以上の脂肪でコーティングし、約1~100分実行するサイクルでコーティングを行い、スプレーシステムが、約100ミクロン未満の液滴で1以上の油および1以上の脂肪をスプレーするように構成されているスプレーシステムを含む、本明細書の項27または他の項に記載のシステム。
【0351】
項31. ミキサーが、さらに、コーヒー粉末を摂氏約90度に加熱し、コーヒー粉末を摂氏約10度に冷却するように構成されている、本明細書の項27または他の項に記載のシステム。
【0352】
項32. 1以上の原料が、コーヒー油、脂肪、香りおよび1以上の添加物を含む群から選択され、スプレー機構が、各1~100分の1以上の処理サイクルで、約100ミクロン未満の液滴で、複合コーヒーマスの質量の200%までの1以上の原料をスプレーするように構成され、第2ミキサーが、さらに、約5~60分の処理実行中に、複合コーヒーマスを摂氏約90度まで加熱し、複合コーヒーマスを、摂氏約10度まで冷却するように構成され、補助パドルおよびステータ装置を含む二重ヘリコイド回転軸を用い、約10~100rpmでコーヒー画分と非コーヒー画分とを混合して混合中に乱流を生成させる、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
【0353】
項33. 1以上の添加物が、塩、レシチン、ポリリシノール酸ポリグリセロール、乳化剤、抗酸化剤、安定剤および他の食品グレード添加物を含む群から選択された1以上の添加物を含む、本明細書の項32または他の項に記載のシステム。
【0354】
項34. 第2のミキサーがリボンミキサーである、本明細書の項33または他の項に記載のシステム。
項35. 第2のミキサーがシグマミキサーである、本明細書の項34または他の項に記載のシステム。
【0355】
項36. 所定のパージ時間が約0.7秒である、本明細書の項1または他の項に記載のシステム。
項37. コーヒー豆を乾式洗浄して分離するためのシステムであって、ある量のコーヒー豆から粗い不純物を除去するように構成されている2ふるい選別機と、2ふるい選別機に接続され、ある量のコーヒー豆から塵、砂、軽い豆および豆籾殻を除去するように構成されている吸引機チャネルと、吸引機チャネルに接続され、ある量のコーヒー豆から重い不純物、石および小石を除去するように構成されている選別機と、選別機に接続され、ある量のコーヒー豆から金属汚染物質を除去するように構成されている金属選別機と、金属選別機に接続され、ある量のコーヒー豆の一部を回収するように構成されているクラスター機構であって、第2の量のコーヒーを出力するクラスター機構とを含む、システム。
【0356】
項38. コーヒー豆を乾式洗浄して分離するプロセスであって、2ふるい選別機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、ある量のコーヒー豆から粗い不純物を除去し、吸引機チャネルを通してある量のコーヒー豆を処理することによって、ある量のコーヒー豆から塵、砂、軽い豆および豆籾殻を除去し、1以上の選別機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、ある量のコーヒー豆から重い不純物、石および小石を除去し、1以上の金属選別機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、ある量のコーヒー豆から金属汚染物質を除去して、ある量のコーヒー豆から除去されたコーヒー豆の一部を回収することを含む、プロセス。
【0357】
項39. コーヒー豆を湿式洗浄して分離するためのシステムであって、ある量のコーヒー豆から残留物を除去するように構成されている連続豆洗浄機、連続豆洗浄機に接続され、ある量のコーヒー豆から過剰の水を除去するように構成されているワイヤーメッシュスクリーンと、ワイヤーメッシュスクリーンに接続され、ある量のコーヒー豆を乾燥するように構成されている洗浄豆乾燥機と、洗浄豆乾燥機に接続され、コーヒー豆のサイズに基づいてある量のコーヒー豆の1以上の部分を分離するように構成されている豆のサイズ選別機と、豆のサイズ選別機に接続され、コーヒー豆の密度に基づいて、ある量のコーヒー豆の1以上の第2部分と1以上の部分とを分離するように構成されている豆の密度選別機と、豆の密度選別機に接続され、コーヒー豆の色に基づいて、ある量のコーヒー豆の1以上の部分と1以上の第2部分とを分離して、選別した嵩の豆と1以上の第3部分とを製造するように構成されている光学色選別機と、光学色選別機に接続され、選別した嵩の豆を研磨し、皮むきして、ある量の皮むきした豆と1以上の第3部分を製造して1以上の第4部分を製造するように構成されている皮むき研磨機と、皮むき研磨機に接続され、ある量の皮むきした豆と1以上の第4部分とをある量の洗浄豆にブレンドするように構成されている洗浄した生コーヒーブレンダーとを含む、システム。
【0358】
項40. コーヒー豆を乾式洗浄して分離するプロセスであって、連続豆洗浄機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、ある量のコーヒー豆から残留物を除去し、ワイヤーメッシュスクリーンを通してある量の豆を処理することによって、ある量のコーヒー豆から過剰の水を除去し、洗浄豆乾燥機を通してある量の豆を処理することによって、ある量の豆を乾燥し、豆のサイズ選別機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、コーヒー豆のサイズに基づいてある量のコーヒー豆から1以上の部分を分離し、豆の密度選別機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、コーヒー豆の密度に基づいてある量のコーヒー豆から1以上の第2部分を分離し、光学色選別機を通してある量のコーヒー豆を処理することによって、コーヒー豆の色に基づいてある量のコーヒー豆から1以上の第3部分を分離することを含む、プロセスにおいて、1以上の第3部分の分離は、ある量の選別したコーヒー豆を生成し、皮むき研磨機を通して、選別した嵩のコーヒー豆と1以上の第3部分とを処理することによって、選別した嵩のコーヒー豆と1以上の第3部分とを皮むきし、研磨し、選別した嵩の豆の皮むきおよび研磨は、ある量の皮むきした豆を生成し、1以上の第3部分の皮むきおよび研磨は、1以上の第4部分を生成し、洗浄した生コーヒーブレンダー中で、ある量の皮むきした豆と1以上の第4部分とをブレンドし、ブレンドは、ある量の洗浄豆を生成する、プロセス。
【0359】
項41. コーヒー画分を製造するためのシステムであって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下である量の豆を焙煎するように構成されている接続された焙煎システムであって、ある量の豆のそれぞれを受け取る豆室であって、焙煎室内に含まれる豆室を含む焙煎システムと、焙煎室であって、所定の焙煎時間の間、所定の焙煎温度に焙煎室を加熱するように構成されている熱媒体によって焙煎室が囲まれ、それによって、ある量の豆を焙煎して焙煎したコーヒーを製造し、焙煎室が、所定時間の間、所定の焙煎圧力に不活性ガスで加圧される焙煎室と、焙煎システムに接続されたトレファクトシステムであって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、焙煎したコーヒーを移動する2段階振動流動床冷却器を含むトレファクトシステムと、流動床冷却器によって移動する間、焙煎したコーヒーに溶液をコーティングするスプレー機構であって、溶液がカプセル化し、焙煎したコーヒーの酸化を実質的に防止するスプレー機構と、トレファクトシステムに接続され、酸素の非存在下で、所定の冷却時間の間、第1冷却温度に冷蔵不活性でガス直接接触によって焙煎したコーヒーを冷却するように構成されている予冷システムと、予冷システムに接続され、酸素の非存在下および不活性ガス条件下で焙煎したコーヒーを第2冷却温度にさらに冷却するように構成されている後冷却システムであって、焙煎したコーヒーに脱気を行うとともに、所定の脱気時間の間、焙煎したコーヒーを第2冷却温度と周囲圧力に保つ後冷却システムと、後冷却システムに接続され、極低温下および不活性条件下および酸素の非存在下で焙煎したコーヒー豆を所定のサイズに粉砕して、乾式粉砕したコーヒーを製造するように構成されている乾式粉砕機と、乾式粉砕機に接続され、乾式粉砕したコーヒーから脂肪とコーヒー油を抽出してコーヒー製品を製造するように構成されている超臨界流体抽出(SCFE)システムであって、各抽出カラムが、超臨界液体二酸化炭素を透過カラムに導入するように構成されている2以上の抽出カラムを含むSCFEシステムと、乾式粉砕したコーヒーを所定のSCFE温度に保つとともに、所定のSCFE圧力で、乾式粉砕したコーヒーに超臨界液体二酸化炭素を導入するように構成されている各透過カラムであって、超臨界液体二酸化炭素の導入が、乾式粉砕したコーヒーから脂肪とコーヒー油の分離と抽出をもたらし、コーヒー製品を生成する各透過カラムと、SCFEシステムに接続され、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で第2の所定のサイズにコーヒー製品を粉砕してコーヒー粉末を製造するように構成されている湿式ミルであって、所定の湿式ミル温度未満で操作し、コーヒー製品を第2の所定の湿式ミル温度に保つ湿式ミルと、湿式ミルに接続され、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、1以上の油および1以上の脂肪とコーヒー粉末とを混合して、コーヒー画分を製造するように構成されている第1ミキサーとを含む、システム。
【0360】
項42. コーヒー画分を製造するプロセスであって、焙煎室内に含まれる豆室にある量のコーヒー豆を送達し、熱媒体で焙煎室を所定の焙煎時間の間、所定の焙煎温度に加熱して、ある量のコーヒー豆を焙煎し、焙煎したコーヒーを製造し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、焙煎したコーヒーを2段階振動流動床冷却器で移動させ、スプレー機構で焙煎したコーヒーに溶液をスプレーし、溶液がカプセル化して、焙煎したコーヒーの酸化を実質的に防止し、所定の冷却時間の間、焙煎したコーヒーを酸素の非存在下で第1冷却温度に冷却し、焙煎したコーヒーを酸素の非存在下で第2冷却温度に冷却し、所定の脱気時間の間、第2冷却温度および周囲圧力に焙煎したコーヒーを維持することによって焙煎したコーヒーを脱気し、焙煎したコーヒーを、極低温下および不活性ガス条件下および酸素の非存在下で所定のサイズに乾式粉砕して、乾式粉砕したコーヒーを製造し、超臨界流体抽出(SCFE)システムで、乾式粉砕したコーヒーから脂肪およびコーヒー油を抽出してコーヒー製品を製造し、SCFEシステムは、各抽出カラムが、超臨界液体二酸化炭素を透過カラムを導入するように構成されている2以上の抽出カラムを含み、各透過カラムは、乾式粉砕したコーヒーが、所定のSCFE温度を保つとともに、所定のSCFE圧力で、超臨界液体二酸化炭素を乾式粉砕したコーヒーに導入するように構成され、超臨界液体二酸化炭素の導入が、乾式粉砕したコーヒーから脂肪とコーヒー油の分離と抽出をもたらしてコーヒー製品を生成し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下でコーヒー製品を第2の所定のサイズに湿式粉砕して、コーヒー粉末を製造し、コーヒー製品を第2の所定の湿式ミル温度に保つとともに、所定の湿式ミル温度未満で湿式粉砕を行い、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、ミキサー中、コーヒー粉末と1以上の油および1以上の脂肪とを混合してコーヒー画分を製造することを含む、プロセス。
【0361】
項43. 複合コーヒーマスを製造するためのシステムであって、コーヒー画分と非コーヒー画分とを混合して、複合コーヒーマスを製造するように構成されているミキサーであって、1以上の原料をコーヒー油に添加して複合コーヒーマスにするためのスプレー機構を含むミキサーと、ミキサーに接続され、1以上のフィルタースクリーンであって、コーヒーマスから選択されたメディアを濾過するように構成されている1以上のフィルタースクリーンを通してコーヒーマスをポンプで送るように構成されている容積式ポンプと、1以上のフィルタースクリーンのそれぞれに取り付けられた1以上の洗浄機構とを含む濾過システムであって、各洗浄機構は、コーヒー製品の流れに平行に、フィルタースクリーンの上下に移動して、選択されたメディアをフィルタースクリーンからかき取るように構成されているディスクを含み、1以上の捕集室は、1以上のフィルタースクリーンのそれぞれに取り付けられ、各捕集室は、1以上の洗浄機構によってかき取られた選択されたメディアを受け取り、所定のパージ時間内に選択されたメディアを自動的にパージするように構成されている濾過システムとを含む、システム。
【0362】
項44. 複合コーヒーマスを製造するプロセスであって、ミキサー中でコーヒー画分と非コーヒー画分とを混合して複合コーヒーマスを製造し、スプレー機構で1以上の原料を複合コーヒーマスにスプレーし、容積式ポンプで、1以上のフィルタースクリーンを通して複合コーヒーマスをポンプで送り、1以上のフィルタースクリーンで、複合コーヒーマスから選択されたメディアを濾過し、各フィルタースクリーンに取り付けられた各洗浄機構が、フィルタースクリーンの上下に移動し、選択されたメディアを1以上の捕集室にかき取るように構成されているディスクを含む1以上の洗浄機構で、1以上のフィルタースクリーンから選択されたメディアをかき取り、所定のパージ時間内の1以上の捕集時間で選択されたメディアをパージすることを含む、プロセス。
【0363】
項45. 食用コーヒー液マスであって、不活性条件下および酸素の非存在下で製造されたコーヒー液であって、約0.1~40ミクロンの粒径に粉砕され、約1.25%未満の湿度を有するコーヒー粒子であって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で焙煎したコーヒー豆から、極低温下および不活性ガス条件下および酸素の非存在下で粉砕されたコーヒー粒子と、コーヒー粒子をカプセル化する溶液であって、溶液がコーヒー粒子の酸化を実質的に防止し、溶液がコーヒー液の約5重量%までを含む溶液と、脂肪、油および香りを含む群から選択された1以上の添加物であって、コーヒー液の約1~15重量%を含む1以上の添加物とを含むコーヒー液を含む食用コーヒー液マスにおいて、周囲温度および周囲圧力下で少なくとも1年以上の賞味期限を示す食用コーヒー液マス。
【0364】
項46. 非コーヒー画分を製造するためのシステムであって、複数の原料を受け取り、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、複数の原料を実質的に均質な混合物に混合するように構成されているリボンブレンダーと、実質的に均質な混合物を、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で乾燥し、冷却するように構成されている2段階流動床乾燥機-冷却器であって、流動床乾燥機-冷却器が、不活性ガス条件下およびOの非存在下で、実質的に均質な混合物を所定の水分閾値未満の水分レベルに乾燥し、流動床乾燥機-冷却器が、実質的に均質な混合物を所定の温度閾値未満の温度に冷却する2段階流動床乾燥機-冷却器と、実質的に均質な混合物を、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で剪断ように構成されている2以上の噛みあい型スクリューを含む押出機であって、剪断が、第2混合物を製造するセクション混合物中のメイラード反応を誘発する摩擦、熱および圧力をもたらす押出機と、第2混合物を、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、冷却し、粉砕するように構成されている粉砕システムであって、粉砕システムが、第2混合物を第2の所定の温度閾値未満に冷却し、粉砕システムが、冷却した第2混合物を、所定時間の間、所定の速度で所定の直径に粉砕して第3混合物を製造する粉砕システムと、第3混合物を、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で混合するように構成されているリボンミキサーであって、リボンミキサーが、第2の所定の速度で、第3の所定の温度閾値内で第3混合物を混合するための二重ヘリコイド回転軸を含み、二重ヘリコイド回転軸が、混合中に乱流を生成する補助パドルとステータ装置とを含むリボンミキサーと、第3混合物に、1以上の脂肪、油および他の原料をスプレーし、カプセル化して、非コーヒー画分の香味を維持し、賞味期限を改善するように構成されているスプレーシステムと、第3混合物に過熱水蒸気を注入する分別蒸留塔であって、過熱水蒸気が第3混合物の1~15重量%を含み、過熱水蒸気が第3混合物から揮発物を除去し、過熱水蒸気が、複数の温度および圧力の極低温液体およびガスによって区別される連続したトレイを通過する分別蒸留塔において、連続したトレイが、揮発物の凝縮をもたらし、凝縮した揮発物が、極低温条件下で連続したトレイから回収される分別蒸留塔とを含む、システム。
【0365】
項47. 所定の水分閾値が約1.5%である、本明細書の項46または他の項に記載のシステム。
項48. 押出機が、さらに、2以上の噛みあい型スクリューに取り付けられ、囲んでいるスクリューバレルであって、ブレーカープレートを組み込んだ天然の真空脱気ポートを含むスクリューバレルと、ブレーカープレートに接続された押出ヘッドと、押出ヘッドに接続されたパイプダイと、パイプダイに接続されたスクリーンパックと、スクリーンパックに接続された回転切削システムとを含み、第2混合物が、回転切削システムによって押出機を出される、本明細書の項46または他の項に記載のシステム。
【0366】
項49. 第2混合物が、排気ガスと混ざり合う不活性ガスの流れとともに押出機を出されて、オフフレーバーの排気と揮発物の回収のために分留塔に連結される、本明細書の項48または他の項に記載のシステム。
【0367】
項50. スクリューバレルが、さらに、1以上の冷却および加熱機構のそれぞれが、第2混合物を摂氏約1~90度に加熱するように構成されている2以上の噛みあい型スクリューのそれぞれの長さに沿って1以上の冷却および加熱機構を含む、本明細書の項48または他の項に記載のシステム。
【0368】
項51. 押出機が、さらに、実質的に均一な製品に、約1~5バールの圧力をかけるように構成されている、本明細書の項46または他の項に記載のシステム。
項52. バレルが、第2混合物に原料を添加するための挿入部を含む、本明細書の項46または他の項に記載のシステム。
【0369】
項53. 第2の所定の温度閾値が摂氏約-80度であり、所定の速度が約250rpmであり、所定の直径が約20ミクロン未満であり、所定時間が約20分である、本明細書の項46または他の項に記載のシステム。
【0370】
項54. 第2の所定の速度が約10~100rpmであり、第3の所定の温度閾値が摂氏約1~70度である、本明細書の項53または他の項に記載のシステム。
項55. 水分レベルが、メイラード反応の速度を増加させる、本明細書の項46または他の項に記載のシステム。
【0371】
項56. 酸素の非存在下で製造したコーヒー液を含む第1部分と、酸素の非存在下で第1部分と混合した第2部分であって、添加物を含む第2部分とを含むコーヒーエンハンサー。
【0372】
項57. 第1部分が、コーヒーエンハンサーの約5~40重量%パーセントを含む、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
項58. 第1部分が、コーヒーエンハンサーの約40~95重量%パーセントを含む、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
【0373】
項59. 添加物がバターオイルを含む、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
項60. バターオイルがカカオバターオイルである、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
【0374】
項61. バターオイルが、カカオバター代替物(CBS)油である、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
項62. コーヒーエンハンサーが固体である、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
【0375】
項63. コーヒーエンハンサーが、低温殺菌、冷却貯蔵または社内包装を必要としない、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
項64. 第1部分および第2部分が、約10~30ミクロンの粒径を含む、本明細書の項56または他の項に記載のコーヒーエンハンサー。
【0376】
項65. コーヒーエンハンサーを製造する方法であって、酸素の非存在下で製造したコーヒー液を含む第1部分を受け取り、極低温条件下、酸素の非存在下で第1部分を約50~120ミクロンに粉砕し、ミキサー中、酸素の非存在下で、第1部分と第2部分を所定時間の間混合してコーヒーエンハンサーを製造し、極低温条件下、酸素の非存在下でコーヒーエンハンサーを約10~30ミクロンに粉砕し、粉砕したコーヒーエンハンサーを酸素の非存在下でテンパリングし、結晶化が起こる前に、冷却トンネル内で、酸素の非存在下で、テンパリングしたコーヒーエンハンサーを冷却することを含む、方法。
【0377】
項66. 所定時間が約1~30分である、本明細書の項65または他の項に記載の方法。
項67. ミキサーが、不活性ガス条件下、酸素の非存在下で操作をするリボンミキサーである、本明細書の項66または他の項に記載の方法。
【0378】
項68. ミキサーが、不活性ガス条件下、酸素の非存在下で操作をするシグマミキサーである、本明細書の項66または他の項に記載の方法。
項69. 第1部分が、コーヒーエンハンサーの約5~40重量%を含む、本明細書の項66または他の項に記載の方法。
【0379】
項70. 第1部分が、コーヒーエンハンサーの約40~95重量%を含む、本明細書の項66または他の項に記載の方法。
項71. 粉砕が、水平または垂直ボールミル中で行われる、本明細書の項66または他の項に記載の方法。
【0380】
項72. 不活性ガス条件下、酸素の非存在下で粉砕したコーヒーエンハンサーをコンチングすることをさらに含む、本明細書の項71または他の項に記載の方法。
項73. コンチングしたコーヒーエンハンサーと、ある量のコンチングした精製原料とをブレンドすることをさらに含む、本明細書の項72または他の項に記載の方法。
【0381】
項74. 第2部分がバターオイルを含む、本明細書の項73または他の項に記載の方法。
項75. バターオイルがカカオバターオイルである、本明細書の項74または他の項に記載の方法。
【0382】
項76. バターオイルがカカオバター代替物(CBS)油である、本明細書の項74または他の項に記載の方法。
項77. 方法であって、複数の生物材料に湿式洗浄を行い、複数の生物材料に乾式洗浄を行い、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を焙煎し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を冷却し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料に極低温予備粉砕を行い、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料に超臨界流体抽出を行い、複数の生物材料から油を抽出して、複数の生物材料に基づいて液を生成することを含む、方法。
【0383】
項78. 超臨界流体抽出の実施に続いて、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を粉砕することをさらに含む、本明細書の項77または他の項に記載の方法。
【0384】
項79. 不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料をコンチングすることをさらに含む、本明細書の項78または他の項に記載の方法。
項80. 不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を凝集させ、複数の生物材料を不活性ガス条件下および酸素の非存在下でコーティングすることをさらに含む、本明細書の項77または他の項に記載の方法。
【0385】
項81. 不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を包装することをさらに含む、本明細書の項77または他の項に記載の方法。
項82. 不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を乾燥し、乾燥中に蓄積された、不活性ガスから凝縮した水を排出することをさらに含む、本明細書の項77または他の項に記載の方法。
【0386】
項83. 方法であって、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を焙煎し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を砕いて油を抽出し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下でミキサー中で複数の生物材料を混合し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で乾燥機中で複数の生物材料を乾燥し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を冷却し、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料を押出して、不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料と脂肪とを混合することを含む、方法。
【0387】
項84. 閉ループミキサー中に複数の生物材料を受け取ることをさらに含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
項85. 閉ループミキサー中に不活性ガス雰囲気を生成することをさらに含む、本明細書の項84または他の項に記載の方法。
【0388】
項86. 不活性ガス条件下および酸素の非存在下で、複数の生物材料をミキサーから乾燥機に移送することをさらに含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
項87. 冷却して乾燥した混合物が、1.5%未満の水分を含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
【0389】
項88. 脂肪が脱臭カカオバターを含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
項89. 複数の生物材料の湿式洗浄を行い、複数の生物材料の乾式洗浄を行うことをさらに含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
【0390】
項90. 不活性ガス条件下および酸素の非存在下で複数の生物材料の流動床凝集を行い、複数の生物材料の少なくとも一部分に基づくインスタントココアまたはチョコレート粉末の少なくとも1つを生成することをさらに含む、本明細書の項89または他の項に記載の方法。
【0391】
項91. 複数の生物材料が、複数の茶葉を含み、方法が、複数の生物材料の少なくとも一部分に基づく茶液の少なくとも1つを生成することをさらに含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
【0392】
項92. 複数の生物材料が、複数のコーヒー豆を含み、方法が、複数の生物材料の少なくとも一部分に基づくコーヒー液の少なくとも1つを生成することをさらに含む、本明細書の項83または他の項に記載の方法。
【0393】
項93. システムであって、不活性ガスシステムと、不活性ガスシステムによって生成された不活性ガス条件下で複数の生物材料を混合するように構成されている、不活性ガスシステムに連結されたブレンダーと、不活性ガスシステムに連結された焙煎機であって、不活性ガスシステムによって生成された不活性ガス条件下で複数の生物材料を焙煎するように構成されている焙煎機と、不活性ガスシステムに連結された流動床乾燥機であって、不活性ガスシステムによって生成された不活性ガス条件下で複数の生物材料を乾燥するように構成されている流動床乾燥機とを含む、システム。
【0394】
項94. 不活性ガスシステムが、不活性ガスシステムを通して不活性ガスを移動するように構成されているパイプラインネットワークと、不活性ガスから粒子を除去するように構成されているラインフィルターと、複数の生物材料から任意の固体微粒子を回収するように構成されているサイクロン分離器と、不活性ガスの温度を低下させるように構成されている熱交換器と、不活性ガスからの揮発物を凝縮するように構成されている凝縮機とを含む、本明細書の項93または他の項に記載のシステム。
【0395】
項95. 不活性ガスシステムに連結された押出機であって、不活性ガスシステムによって生成された不活性ガス条件下で複数の生物材料を押出成形するように構成されている押出機をさらに含む、本明細書の項93または他の項に記載のシステム。
【0396】
項96. 不活性ガスシステムに連結されたミキサーであって、不活性ガスシステムによって生成された不活性ガス条件下で複数の生物材料を混合するように構成されているミキサーをさらに含む、本明細書の項93または他の項に記載のシステム。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】