IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネオイミューンテック, インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ ジェネクシン・インコーポレイテッドの特許一覧

特表2022-507606IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせで腫瘍を治療する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせで腫瘍を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/20 20060101AFI20220111BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220111BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220111BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220111BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220111BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220111BHJP
   A61P 5/00 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61K38/20 ZNA
A61K45/00
A61P35/00
A61K39/395 E
A61K39/395 T
A61K39/395 U
A61P37/04
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61P5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526724
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-06-16
(86)【国際出願番号】 US2019061813
(87)【国際公開番号】W WO2020102728
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】62/768,355
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/826,734
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/896,484
(32)【優先日】2019-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521208309
【氏名又は名称】ネオイミューンテック, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】516351304
【氏名又は名称】ジェネクシン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GENEXINE, INC.
【住所又は居所原語表記】4F,Bldg. B,700,Daewangpangyo-ro,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do 13488,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】リ, スン-ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジ-ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ジョ, セッ-ビョル
(72)【発明者】
【氏名】パク, ハン ウク
(72)【発明者】
【氏名】チェ, ドンフン
(72)【発明者】
【氏名】リ, ビョン ハ
(72)【発明者】
【氏名】スン, ヨン チョル
(72)【発明者】
【氏名】ヤン, セ ファン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084AA19
4C084BA44
4C084DA12
4C084MA02
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB021
4C084ZB022
4C084ZB051
4C084ZB052
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC021
4C084ZC022
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB01
4C085BB17
4C085BB18
4C085CC21
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG01
(57)【要約】
本開示は、PD-1アンタゴニスト(例えば、抗PD-1抗体)またはCTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)などの免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせたIL-7タンパク質により、がん(または腫瘍)を治療する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量のProgrammed Death-1(PD-1)経路阻害剤と組み合わせてヒト対象に投与することを含む、腫瘍の治療を必要とする前記対象の前記腫瘍を治療する方法であって、腫瘍体積が、前記投与後の前記対象では、前記PD-1経路阻害剤単独またはIL-7タンパク質単独のいずれかの投与後の参照腫瘍体積と比較して減少する、前記方法。
【請求項2】
前記腫瘍体積が、前記投与後に、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%減少する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記腫瘍中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数が、前記投与後に、前記PD-1経路阻害剤単独または前記IL-7タンパク質単独のいずれかの投与後の腫瘍におけるTIL数と比較して増大する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記TILがCD4TILである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記TILがCD8TILである、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記TIL数が、前記投与後に、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する、請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒト対象が、前記投与前にリンパ球減少を呈する、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量のProgrammed Death-1(PD-1)経路阻害剤と組み合わせて対象に投与することを含む、腫瘍の治療を必要とする前記対象の前記腫瘍を治療する方法であって、前記対象がリンパ球減少を呈する、前記方法。
【請求項9】
リンパ球減少を呈する前記ヒト対象が、Tリンパ球減少、Bリンパ球減少、及び/またはNKリンパ球減少を有する、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記リンパ球減少が、前記腫瘍に起因または関連する、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記リンパ球減少が、前記腫瘍に対する過去の療法に起因または関連する、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記リンパ球減少が、感染、慢性右心室不全、ホジキン病及びリンパ系のがん、白血病、胸管の漏出もしくは破裂、抗がん剤(例えば、化学療法)、抗ウイルス剤、及びグルココルチコイドを含む処方薬の副作用、低タンパク質の食事によって生じる栄養不良、放射線療法、尿毒症、自己免疫障害、免疫不全症候群、高ストレスレベル、外傷、胸腺摘除、またはそれらの組み合わせに起因する、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記リンパ球減少が特発性である、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記リンパ球減少が、特発性CD4陽性Tリンパ球減少症(ICL)、急性放射線症候群(ARS)、またはそれらの組み合わせを含む、請求項7~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記リンパ球減少が、リンパ球減少を呈さない対応する対象の循環血中総リンパ球数と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%少ない循環血中総リンパ球数を特徴とする、請求項7~14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記リンパ球減少が、1μL当たりリンパ球約1,500未満、1μL当たりリンパ球約1,000未満、1μL当たりリンパ球約800未満、1μL当たりリンパ球約500未満、または1μL当たりリンパ球約200未満の循環血中総リンパ球数を特徴とする、請求項7~15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記腫瘍中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数が、前記投与後に、前記PD-1経路阻害剤単独または前記IL-7タンパク質単独のいずれかの投与後の腫瘍におけるTIL数と比較して増大する、請求項8~16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記TIL数が、前記投与後に、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記TILがCD4TILである、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記TILがCD8TILである、請求項17または18に記載の方法。
【請求項21】
前記IL-7タンパク質が、野生型IL-7ではない、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記IL-7タンパク質が、1~10個のアミノ酸残基からなるオリゴペプチドを含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記オリゴペプチドが、メチオニン、グリシン、メチオニン-メチオニン、グリシン-グリシン、メチオニン-グリシン、グリシン-メチオニン、メチオニン-メチオニン-メチオニン、メチオニン-メチオニン-グリシン、メチオニン-グリシン-メチオニン、グリシン-メチオニン-メチオニン、メチオニン-グリシン-グリシン、グリシン-メチオニン-グリシン、グリシン-グリシン-メチオニン、及びグリシン-グリシン-グリシンからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記オリゴペプチドがメチオニン-グリシン-メチオニンである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記IL-7タンパク質が半減期延長部分を含む、請求項1~24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記半減期延長部分が、Fc、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、Pro/Ala/Ser(PAS)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)、ポリエチレングリコール(PEG)、長鎖非構造化親水性アミノ酸配列(XTEN)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合低分子、またはそれらの組み合わせを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記半減期延長部分がFcである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記Fcが、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むハイブリッドFcであり、
前記ヒンジ領域が、ヒトIgDヒンジ領域を含み、
前記CH2ドメインが、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含み、
前記CH3ドメインが、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記IL-7タンパク質が、配列番号1~6及び15~25と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、請求項1~28のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
前記PD-1経路阻害剤が、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体を含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MEDI0608、AMP-224、PDR001、BGB-A317、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記抗PD-L1抗体が、BMS-936559、MPDL3280A、MEDI4736、MSB0010718C、またはそれらの任意の組み合わせを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記IL-7タンパク質及び前記PD-1経路阻害剤が同時に投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項34】
前記IL-7タンパク質及び前記PD-1経路阻害剤が順次投与される、請求項1~32のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
前記IL-7タンパク質が、前記PD-1経路阻害剤を投与する前に前記対象に投与される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記腫瘍が、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、卵巣癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含むがんに由来する、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
前記乳癌が、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記脳癌が、グリア芽細胞腫である、請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記皮膚癌が、基底細胞癌(BCC)、皮膚扁平上皮癌(cSCC)、黒色腫、メルケル細胞癌(MCC)、またはそれらの組み合わせである、請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記頭頸部癌が、頭頸部扁平上皮癌である、請求項36に記載の方法。
【請求項41】
前記肺癌が、小細胞肺癌(SCLC)である、請求項36に記載の方法。
【請求項42】
前記食道癌が、食道胃接合部癌である、請求項36に記載の方法。
【請求項43】
前記腎臓癌が、腎細胞癌である、請求項36に記載の方法。
【請求項44】
前記肝臓癌が、肝細胞癌である、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
前記IL-7タンパク質が、前記対象に補足的投与、筋肉内投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、または腫瘍内投与される、請求項1~44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記PD-1経路阻害剤が、前記対象に補足的投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与、または腹腔内投与される、請求項1~45のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量のCTLA-4経路阻害剤と組み合わせてヒト対象に投与することを含む、腫瘍の治療を必要とする前記対象の前記腫瘍を治療する方法。
【請求項48】
腫瘍体積が、前記投与後に、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%減少する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ヒト対象が、前記投与前にリンパ球減少を呈する、請求項47または48に記載の方法。
【請求項50】
前記CTLA-4経路阻害剤が、抗CTLA-4抗体を含む、請求項47~49のいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
前記抗CTLA-4抗体が、イピリムマブ、トレメリムマブ(チシリムマブ;CP-675,206)、AGEN-1884、またはそれらの組み合わせを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記IL-7タンパク質及び前記CTLA-4経路阻害剤が同時に投与される、請求項47~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
前記IL-7タンパク質及び前記CTLA-4経路阻害剤が順次投与される、請求項47~51のいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
前記IL-7タンパク質が、前記CTLA-4経路阻害剤を投与する前に前記対象に投与される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記腫瘍が、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、卵巣癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含むがんに由来する、請求項47~54のいずれか1項に記載の方法。
【請求項56】
前記IL-7タンパク質が、約600μg/kg超、約700μg/kg超、約800μg/kg超、約900μg/kg超、約1,000μg/kg超、約1,100μg/kg超、約1,200μg/kg超、約1,300μg/kg超、約1,400μg/kg超、約1,500μg/kg超、約1,600μg/kg超、約1,700μg/kg超、約1,800μg/kg超、約1,900μg/kg超、または約2,000μg/kg超の用量で投与される、請求項1~55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記IL-7タンパク質が、約610μg/kg~約1,200μg/kg、約650μg/kg~約1,200μg/kg、約700μg/kg~約1,200μg/kg、約750μg/kg~約1,200μg/kg、約800μg/kg~約1,200μg/kg、約850μg/kg~約1,200μg/kg、約900μg/kg~約1,200μg/kg、約950μg/kg~約1,200μg/kg、約1,000μg/kg~約1,200μg/kg、約1,050μg/kg~約1,200μg/kg、約1,100μg/kg~約1,200μg/kg、約1,200μg/kg~約2,000μg/kg、約1,300μg/kg~約2,000μg/kg、約1,500μg/kg~約2,000μg/kg、約1,700μg/kg~約2,000μg/kg、約610μg/kg~約1,000μg/kg、約650μg/kg~約1,000μg/kg、約700μg/kg~約1,000μg/kg、約750μg/kg~約1,000μg/kg、約800μg/kg~約1,000μg/kg、約850μg/kg~約1,000μg/kg、約900μg/kg~約1,000μg/kg、または約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される、請求項1~56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記IL-7タンパク質が、約700μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約950μg/kg、約700μg/kg~約850μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、約800μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、または約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される、請求項1~57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記IL-7タンパク質が、約650μg/kg、約680μg/kg、約700μg/kg、約720μg/kg、約740μg/kg、約750μg/kg、約760μg/kg、約780μg/kg、約800μg/kg、約820μg/kg、約840μg/kg、約850μg/kg、約860μg/kg、約880μg/kg、約900μg/kg、約920μg/kg、約940μg/kg、約950μg/kg、約960μg/kg、約980μg/kg、約1,000μg/kg、約1,020μg/kg、約1,040μg/kg、約1,060μg/kg、約1,080μg/kg、約1,100μg/kg、約1,120μg/kg、約1,140μg/kg、約1,160μg/kg、約1,180μg/kg、約1,200μg/kg、約1,220μg/kg、約1,240μg/kg、約1,260μg/kg、約1,280μg/kg、約1,300μg/kg、約1,320μg/kg、約1,340μg/kg、約1,360μg/kg、約1,380μg/kg、約1,400μg/kg、約1,420μg/kg、約1,440μg/kg、約1,460μg/kg、約1,480μg/kg、約1,500μg/kg、約1,520μg/kg、約1,540μg/kg、約1,560μg/kg、約1,580μg/kg、約1,600μg/kg、約1,620μg/kg、約1,640μg/kg、約1,660μg/kg、約1,680μg/kg、約1,700μg/kg、約1,720μg/kg、約1,740μg/kg、約1,760μg/kg、約1,780μg/kg、約1,800μg/kg、約1,820μg/kg、約1,840μg/kg、約1,860μg/kg、約1,880μg/kg、約1,900μg/kg、約1,920μg/kg、約1,940μg/kg、約1,960μg/kg、約1,980μg/kg、または約2,000μg/kgの用量で投与される、請求項1~58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
前記IL-7タンパク質が、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、11週間に1回、または12週間に1回の投薬頻度で投与される、請求項1~59のいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
前記IL-7タンパク質が補足的に投与される、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記IL-7タンパク質が静脈内投与される、請求項1~60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記IL-7タンパク質、前記PD-1経路阻害剤、及び/または前記CTLA-4経路阻害剤が、増量剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせを含む組成物に配合される、請求項1~62のいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
前記PD-1経路阻害剤がニボルマブであり、前記組成物が(a)マンニトール(例えば、約30mg)、(b)ペンテト酸(例えば、約0.008mg)、(c)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)、(d)塩化ナトリウム(例えば、約2.92mg)、及び(e)無水クエン酸ナトリウム(例えば、約5.88mg)を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記PD-1経路阻害剤が、2週間毎に約240mgまたは4週間毎に約480mgの一定用量で前記対象に投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記PD-1経路阻害剤が、2週間毎に約3mg/kgの重量基準用量で前記対象に投与される、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記PD-1経路阻害剤がペンブロリズマブであり、前記組成物が(a)L-ヒスチジン(例えば、約1.55mg)、(b)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)、及び(c)スクロース(例えば、約70mg)を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項68】
前記PD-1経路阻害剤が、3週間毎に約200mgの一定用量で前記対象に投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記PD-1経路阻害剤が、3週間毎に約2mg/kgの重量基準用量で前記対象に投与される、請求項67に記載の方法。
【請求項70】
前記PD-1経路阻害剤がアテゾリズマブであり、前記組成物が(a)氷酢酸(例えば、約16.5mg)、(b)L-ヒスチジン(例えば、約62mg)、(c)スクロース(例えば、約821.6mg)、及び(d)ポリソルベート20(例えば、約8mg)を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項71】
前記PD-1経路阻害剤が、3週間毎に約1200mgの一定用量で前記対象に投与される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記PD-1経路阻害剤がデュルバルマブであり、前記組成物が(a)L-ヒスチジン(例えば、約2mg)、(b)L-ヒスチジン塩酸塩一水和物(例えば、約2.7mg)、(c)α,α-トレハロース二水和物(例えば、約104mg)、及び(d)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項73】
前記PD-1経路阻害剤が、2週間毎に約10mg/kgの重量基準用量で前記対象に投与される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記PD-1経路阻害剤がアベルマブであり、前記組成物が(a)D-マンニトール(例えば、約51mg)、(b)氷酢酸(例えば、約0.6mg)、(c)ポリソルベート20(例えば、約0.5mg)、及び(d)水酸化ナトリウム(例えば、約0.3mg)を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項75】
前記PD-1経路阻害剤が、2週間毎に約800mgの一定用量で前記対象に投与される、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
前記CTLA-4経路阻害剤がイピリムマブであり、前記組成物が(a)ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(例えば、約0.04mg)、(b)マンニトール(例えば、約10mg)、(c)ポリソルベート80(植物由来)(例えば、約0.1mg)、(d)塩化ナトリウム(例えば、約5.85mg)、及び(e)トリス塩酸塩(例えば、約3.15mg)を含む、請求項63に記載の方法。
【請求項77】
前記CTLA-4経路阻害剤が、3週間毎に約3mg/kgの重量基準用量で前記対象に投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
前記CTLA-4経路阻害剤が、3週間毎に約10mg/kgで4用量、続いて12週間毎に10mg/kgの重量基準用量で前記対象に投与される、請求項76に記載の方法。
【請求項79】
前記IL-7タンパク質が、(a)クエン酸ナトリウム(例えば、約20mM)、(b)スクロース(例えば、約5%)、(c)ソルビトール(例えば、約1.5%)、及び(d)Tween80(例えば、約0.05%)を含む組成物に配合される、請求項63~78のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
このPCT出願は、2018年11月16日出願の米国仮出願第62/768,355号、2019年3月29日出願の同第62/826,734号、及び2019年9月5日出願の同第62/896,484号に基づく優先権の利益を主張するものであり、これらの仮出願の各々は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
EFS-WEBを介して電子提出された配列表の参照
本出願と共に提出された、ASCIIテキストファイルで電子提出された配列表(名称:4241_002PC03_SequenceListing_ST25.txt、サイズ:78,087バイト、作成日:2019年11月14日)の内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ヒトのがんは多数の遺伝子変化及びエピジェネティック変化を有し、免疫系によって認識可能であり得る新生抗原を生成する。Sjoblom et al.,Science 314:268-74(2006)。適応免疫系はTリンパ球及びBリンパ球から構成され、強力な抗がんの可能性を有し、多様な腫瘍抗原に応答する広範な能力及び優れた特異性を持つ。さらに、免疫系は著しい柔軟性及び記憶要素を示す。適応免疫系のこうした特質をすべて利用することができれば、免疫療法はすべてのがん治療様式の中で特別なものとなるであろう。
【0004】
がんの免疫療法は近年十分に確立されたものとなっており、現在多くのがん患者にとって利用できる治療選択肢の中で成功率の高いもののうちの1つである。Scott,A.M.,et al.,Cancer Immun 12:14(2012)。抗体は、がん細胞の増殖及び生存に関与する抗原を標的とするだけではなく、がんの免疫監視に重要な免疫学的経路を活性化または拮抗することもできる。また、集中的な努力によって数種の免疫チェックポイント経路阻害剤の開発が成功しており、そのうちのいくつかは、例えば、抗CTLA-4抗体のイピリムマブ(YERVOY(登録商標))、抗PD-1抗体のニボルマブ(OPDIVO(登録商標))、ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))、及び抗PD-L1抗体のアテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))、デュルバルマブ(IMFINZI(登録商標))、アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))のように、米国食品医薬品局によって承認されている。
このような進歩にもかかわらず、特定の悪性腫瘍(例えば、転移性または難治性の固形腫瘍)を有する患者は、依然として予後がきわめて不良である。そのような患者の中で実際にがんの長期寛解を経験するのはほんの一部であり、多くの患者は抗体に応答しないか、または最初は抗体に応答しても最終的には耐性を発現するかのいずれかである。Sharma,P.,et al.,Cell 168(4):707-723(2017)。さらに、利用可能な標準治療によるがん治療(例えば、化学療法及び放射線療法)の多くがリンパ球減少を引き起こすことが知られており、多くのがん患者はリンパ球減少性である。Grossman,S.A.,et al.,J Natl Compr Canc Netw 13(10):1225-31(2015)。抗PD-1抗体などのチェックポイント阻害剤は、そのようながん患者において限られた効能を有することが示されている。Yarchoan,M.,et al.,J Clin Oncol 35:e14512(2017)。したがって、リンパ球減少患者を含めたがん患者において、許容できる安全性プロファイル及び高い効能を有する新たな治療選択肢が依然として必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Sjoblom et al.,Science 314:268-74(2006)
【非特許文献2】Scott,A.M.,et al.,Cancer Immun 12:14(2012)
【非特許文献3】Sharma,P.,et al.,Cell 168(4):707-723(2017)
【非特許文献4】Grossman,S.A.,et al.,J Natl Compr Canc Netw 13(10):1225-31(2015)
【非特許文献5】Yarchoan,M.,et al.,J Clin Oncol 35:e14512(2017)
【発明の概要】
【0006】
本明細書では、有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量のProgrammed Death-1(PD-1)経路阻害剤と組み合わせてヒト対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍を治療する方法であって、腫瘍体積が、投与後の対象では、PD-1経路阻害剤単独またはIL-7タンパク質単独のいずれかの投与後の参照腫瘍体積と比較して減少する、方法が提供される。いくつかの態様において、腫瘍体積は、投与後に、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%減少する。
【0007】
いくつかの態様において、本開示の方法は、投与後の腫瘍中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数を、PD-1経路阻害剤単独またはIL-7タンパク質単独のいずれかの投与後の腫瘍におけるTIL数と比較して増大させる。特定の態様において、TILはCD4TILである。他の態様において、TILはCD8TILである。いくつかの態様において、TIL数は、投与後に、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0008】
いくつかの態様において、ヒト対象は、投与前に(すなわち、本明細書に記載されるように)リンパ球減少を呈する。
【0009】
また本明細書では、有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量のProgrammed Death-1(PD-1)経路阻害剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍を治療する方法であって、対象がリンパ球減少を呈する、方法が提供される。
【0010】
いくつかの態様において、リンパ球減少を呈するヒト対象は、Tリンパ球減少、Bリンパ球減少、及び/またはNKリンパ球減少を有する。いくつかの態様において、リンパ球減少は、腫瘍に起因または関連する。特定の態様において、リンパ球減少は、腫瘍に対する過去の療法に起因または関連する。さらなる態様では、リンパ球減少は、感染、慢性右心室不全、ホジキン病及びリンパ系のがん、白血病、胸管の漏出もしくは破裂、抗がん剤(例えば、化学療法)、抗ウイルス剤、及びグルココルチコイドを含む処方薬の副作用、低タンパク質の食事によって生じる栄養不良、放射線療法、尿毒症、自己免疫障害、免疫不全症候群、高ストレスレベル、外傷、胸腺摘除、またはそれらの組み合わせに起因する。特定の態様において、リンパ球減少は特発性である。特定の態様において、リンパ球減少は、特発性CD4陽性Tリンパ球減少症(ICL)、急性放射線症候群(ARS)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0011】
いくつかの態様において、リンパ球減少は、リンパ球減少を呈さない対応する対象の循環血中総リンパ球数と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%少ない循環血中総リンパ球数を特徴とする。特定の態様において、リンパ球減少は、1μL当たりリンパ球約1,500未満、1μL当たりリンパ球約1,000未満、1μL当たりリンパ球約800未満、1μL当たりリンパ球約500未満、または1μL当たりリンパ球約200未満の循環血中総リンパ球数を特徴とする。
【0012】
いくつかの態様において、リンパ球減少を呈する対象の腫瘍中の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数は、投与後に、PD-1経路阻害剤単独またはIL-7タンパク質単独のいずれかの投与後の腫瘍におけるTIL数と比較して増大する。特定の態様において、TIL数は、投与後に、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。いくつかの態様において、TILはCD4T細胞である。いくつかの態様において、TILはCD8T細胞である。
【0013】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、野生型IL-7ではない。
【0014】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1~10個のアミノ酸残基からなるオリゴペプチドを含む。特定の態様において、オリゴペプチドは、メチオニン、グリシン、メチオニン-メチオニン、グリシン-グリシン、メチオニン-グリシン、グリシン-メチオニン、メチオニン-メチオニン-メチオニン、メチオニン-メチオニン-グリシン、メチオニン-グリシン-メチオニン、グリシン-メチオニン-メチオニン、メチオニン-グリシン-グリシン、グリシン-メチオニン-グリシン、グリシン-グリシン-メチオニン、及びグリシン-グリシン-グリシンからなる群から選択される。いくつかの態様において、オリゴペプチドはメチオニン-グリシン-メチオニンである。
【0015】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は半減期延長部分を含む。特定の態様において、半減期延長部分は、Fc、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、Pro/Ala/Ser(PAS)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)、ポリエチレングリコール(PEG)、長鎖非構造化親水性アミノ酸配列(XTEN)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合低分子、またはそれらの組み合わせを含む。
【0016】
いくつかの態様において、半減期延長部分はFcである。特定の態様において、Fcは、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むハイブリッドFcであり、ヒンジ領域は、ヒトIgDヒンジ領域を含み、CD2ドメインは、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含み、CH3ドメインは、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む。
【0017】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、配列番号1~6及び15~25と少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0018】
いくつかの態様において、本発明の方法で使用することのできるPD-1経路阻害剤は、抗PD-1抗体または抗PD-L1抗体を含む。特定の態様において、抗PD-1抗体は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MEDI0608、AMP-224、PDR001、BGB-A317、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、抗PD-L1抗体は、BMS-936559、MPDL3280A、MEDI4736、MSB0010718C、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0019】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質及びPD-1経路阻害剤は同時に投与される。他の態様において、IL-7タンパク質及びPD-1経路阻害剤は順次投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、PD-1経路阻害剤を投与する前に対象に投与される。
【0020】
いくつかの態様において、腫瘍は、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、卵巣癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含むがんに由来する。特定の態様において、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。特定の態様において、脳癌は、グリア芽細胞腫である。いくつかの態様において、皮膚癌は、基底細胞癌(BCC)、皮膚扁平上皮癌(cSCC)、黒色腫、メルケル細胞癌(MCC)、またはそれらの組み合わせである。さらなる態様では、頭頸部癌は、頭頸部扁平上皮癌である。いくつかの態様において、肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。特定の態様において、食道癌は、食道胃接合部癌である。いくつかの態様において、腎臓癌は、腎細胞癌である。いくつかの態様において、肝臓癌は、肝細胞癌である。
【0021】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、対象に補足的投与、筋肉内投与、皮下投与、点眼、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、眼窩内投与、脳内投与、頭蓋内投与、脊髄内投与、心室内投与、髄腔内投与、大槽内投与、嚢内投与、または腫瘍内投与される。
【0022】
いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤は、対象に補足的投与、筋肉内投与、皮下投与、静脈内投与、または腹腔内投与される。
【0023】
また本明細書では、有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量のCTLA-4経路阻害剤と組み合わせてヒト対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍を治療する方法が提供される。特定の態様において、腫瘍体積は、投与後に、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%減少する。いくつかの態様において、ヒト対象は、投与前にリンパ球減少を呈する。
【0024】
いくつかの態様において、CTLA-4経路阻害剤は、抗CTLA-4抗体を含む。特定の態様において、抗CTLA-4抗体は、イピリムマブ、トレメリムマブ(チシリムマブ;CP-675,206)、AGEN-1884、またはそれらの組み合わせを含む。
【0025】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質及びCTLA-4経路阻害剤は同時に投与される。他の態様において、IL-7タンパク質及びCTLA-4経路阻害剤は順次投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、CTLA-4経路阻害剤を投与する前に対象に投与される。
【0026】
いくつかの態様において、腫瘍は、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、卵巣癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含むがんに由来する。
【0027】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、約600μg/kg超、約700μg/kg超、約800μg/kg超、約900μg/kg超、約1,000μg/kg超、約1,100μg/kg超、約1,200μg/kg超、約1,300μg/kg超、約1,400μg/kg超、約1,500μg/kg超、約1,600μg/kg超、約1,700μg/kg超、約1,800μg/kg超、約1,900μg/kg超、または約2,000μg/kg超の用量で投与される。
【0028】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約610μg/kg~約1,200μg/kg、約650μg/kg~約1,200μg/kg、約700μg/kg~約1,200μg/kg、約750μg/kg~約1,200μg/kg、約800μg/kg~約1,200μg/kg、約850μg/kg~約1,200μg/kg、約900μg/kg~約1,200μg/kg、約950μg/kg~約1,200μg/kg、約1,000μg/kg~約1,200μg/kg、約1,050μg/kg~約1,200μg/kg、約1,100μg/kg~約1,200μg/kg、約1,200μg/kg~約2,000μg/kg、約1,300μg/kg~約2,000μg/kg、約1,500μg/kg~約2,000μg/kg、約1,700μg/kg~約2,000μg/kg、約610μg/kg~約1,000μg/kg、約650μg/kg~約1,000μg/kg、約700μg/kg~約1,000μg/kg、約750μg/kg~約1,000μg/kg、約800μg/kg~約1,000μg/kg、約850μg/kg~約1,000μg/kg、約900μg/kg~約1,000μg/kg、または約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。
【0029】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約950μg/kg、約700μg/kg~約850μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、約800μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、または約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。
【0030】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kg、約680μg/kg、約700μg/kg、約720μg/kg、約740μg/kg、約750μg/kg、約760μg/kg、約780μg/kg、約800μg/kg、約820μg/kg、約840μg/kg、約850μg/kg、約860μg/kg、約880μg/kg、約900μg/kg、約920μg/kg、約940μg/kg、約950μg/kg、約960μg/kg、約980μg/kg、約1,000μg/kg、約1,020μg/kg、約1,040μg/kg、約1,060μg/kg、約1,080μg/kg、約1,100μg/kg、約1,200μg/kg、約1,220μg/kg、約1,240μg/kg、約1,260μg/kg、約1,280μg/kg、約1,300μg/kg、約1,320μg/kg、約1,340μg/kg、約1,360μg/kg、約1,380μg/kg、約1,400μg/kg、約1,420μg/kg、約1,440μg/kg、約1,460μg/kg、約1,480μg/kg、約1,500μg/kg、約1,520μg/kg、約1,540μg/kg、約1,560μg/kg、約1,580μg/kg、約1,600μg/kg、約1,620μg/kg、約1,640μg/kg、約1,660μg/kg、約1,680μg/kg、約1,700μg/kg、約1,720μg/kg、約1,740μg/kg、約1,760μg/kg、約1,780μg/kg、約1,800μg/kg、約1,820μg/kg、約1,840μg/kg、約1,860μg/kg、約1,880μg/kg、約1,900μg/kg、約1,920μg/kg、約1,940μg/kg、約1,960μg/kg、約1,980μg/kg、または約2,000μg/kgの用量で投与される。
【0031】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、4週間に1回、5週間に1回、6週間に1回、7週間に1回、8週間に1回、9週間に1回、10週間に1回、11週間に1回、または12週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0032】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は補足的に投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は静脈内投与される。
【0033】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質、PD-1経路阻害剤、及び/またはCTLA-4経路阻害剤は、増量剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせを含む組成物に配合される。
【0034】
いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤はニボルマブであり、組成物は(a)マンニトール(例えば、約30mg)、(b)ペンテト酸(例えば、約0.008mg)、(c)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)、(d)塩化ナトリウム(例えば、約2.92mg)、及び(e)無水クエン酸ナトリウム(例えば、約5.88mg)を含む。特定の態様において、PD-1経路阻害剤は、2週間毎に約240mgまたは4週間毎に約480mgの一定用量で対象に投与される。いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤は、2週間毎に約3mg/kgの重量基準用量で対象に投与される。
【0035】
いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤はペンブロリズマブであり、組成物は(a)L-ヒスチジン(例えば、約1.55mg)、(b)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)、及び(c)スクロース(例えば、約70mg)を含む。特定の態様において、PD-1経路阻害剤は、3週間毎に約200mgの一定用量で対象に投与される。さらなる態様では、PD-1経路阻害剤は、3週間毎に約2mg/kgの重量基準用量で対象に投与される。
【0036】
いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤はアテゾリズマブであり、組成物は(a)氷酢酸(例えば、約16.5mg)、(b)L-ヒスチジン(例えば、約62mg)、(c)スクロース(例えば、約821.6mg)、及び(d)ポリソルベート20(例えば、約8mg)を含む。特定の態様において、PD-1経路阻害剤は、3週間毎に約1200mgの一定用量で対象に投与される。
【0037】
いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤はデュルバルマブであり、組成物は(a)L-ヒスチジン(例えば、約2mg)、(b)L-ヒスチジン塩酸塩一水和物(例えば、約2.7mg)、(c)α,α-トレハロース二水和物(例えば、約104mg)、及び(d)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)を含む。特定の態様において、PD-1経路阻害剤は、2週間毎に約10mg/kgの重量基準用量で対象に投与される。
【0038】
いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤はアベルマブであり、組成物は(a)D-マンニトール(例えば、約51mg)、(b)氷酢酸(例えば、約0.6mg)、(c)ポリソルベート20(例えば、約0.5mg)、及び(d)水酸化ナトリウム(例えば、約0.3mg)を含む。いくつかの態様において、PD-1経路阻害剤は、2週間毎に約800mgの一定用量で対象に投与される。
【0039】
いくつかの態様において、CTLA-4経路阻害剤はイピリムマブであり、組成物は(a)ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(例えば、約0.04mg)、(b)マンニトール(例えば、約10mg)、(c)ポリソルベート80(植物由来)(例えば、約0.1mg)、(d)塩化ナトリウム(例えば、約5.85mg)、及び(e)トリス塩酸塩(例えば、約3.15mg)を含む。特定の態様において、CTLA-4経路阻害剤は、3週間毎に約3mg/kgの重量基準用量で対象に投与される。さらなる態様では、CTLA-4経路阻害剤は、3週間毎に約10mg/kgで4用量、続いて12週間毎に10mg/kgの重量基準用量で対象に投与される。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、(a)クエン酸ナトリウム(例えば、約20mM)、(b)スクロース(例えば、約5%)、(c)ソルビトール(例えば、約1.5%)、及び(d)Tween80(例えば、約0.05%)を含む組成物に配合される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】A、B、及びCは、IL-7タンパク質及び抗PD-1抗体の投与がマウス腺癌モデルにおける腫瘍体積に及ぼす効果を示す。Aは、腫瘍播種及び処置施行のスケジュールを示す図である。B及びCは、それぞれ、2つの異なる研究における各処置群の腫瘍体積(mm)の比較を提供する。処置群は、(1)IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体(円形)、(2)IL-7配合バッファー+抗PD-1抗体(三角形)、(3)IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体(逆三角形)、及び(4)IL-7タンパク質+抗PD-1抗体(ひし形)を含んだ。データは平均±S.E.Mとして示している。比較はすべて、二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定を使用して行った。「*」及び「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(それぞれ、p<0.05及びp<0.0001)を示す。
図2】A、B、及びCは、IL-7タンパク質及び抗PD-1抗体の投与が各処置群の動物における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数に及ぼす効果を示す。Aは、腫瘍播種及び処置施行のスケジュールを示す図である。Bは、各処置群におけるCD4TIL数の比較を提示する。Cは、各処置群におけるCD8TIL数の比較を提示する。処置群は、(1)IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(2)IL-7配合バッファー+抗PD-1抗体、(3)IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体、及び(4)IL-7タンパク質+抗PD-1抗体を含んだ。BとCの両方において、CD4TIL数及びCD8TIL数は、腫瘍中の全CD45細胞に対する割合として示している。データは、個々の動物について、また平均±S.E.Mとして示している。比較はすべて、一元配置ANOVAとテューキーの多重比較検定を使用して行った。「*」、「**」、及び「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(それぞれ、p<0.05、p<0.01、及びp<0.0001)を示す。
図3A図A、B、及びCは、シクロホスファミド(CPA)、IL-7タンパク質、及びPD-1経路阻害剤の三剤併用が、各処置群における動物の腫瘍体積及び生存期間に及ぼす効果を示す。図3Aは、腫瘍播種及び処置施行のスケジュールを示す図である。図3Bは、CPA処置後の様々な時点における各処置群の腫瘍体積(mm)の比較を提示する。図3Cは、生存期間データを提示する。処置群は、(1)PBS+IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(2)CPA+IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(3)CPA+IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体、(4)CPA+IL-7タンパク質+抗PD-1抗体、及び(5)CPA+IL-7タンパク質+抗PD-L1抗体を含んだ。図3Bにおいて、データは平均±S.E.Mとして示している。各処置群の比較は、二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定を使用して行った。「*」及び「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(それぞれ、p<0.05及びp<0.001)を示す。
図3B図A、B、及びCは、シクロホスファミド(CPA)、IL-7タンパク質、及びPD-1経路阻害剤の三剤併用が、各処置群における動物の腫瘍体積及び生存期間に及ぼす効果を示す。図3Aは、腫瘍播種及び処置施行のスケジュールを示す図である。図3Bは、CPA処置後の様々な時点における各処置群の腫瘍体積(mm)の比較を提示する。図3Cは、生存期間データを提示する。処置群は、(1)PBS+IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(2)CPA+IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(3)CPA+IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体、(4)CPA+IL-7タンパク質+抗PD-1抗体、及び(5)CPA+IL-7タンパク質+抗PD-L1抗体を含んだ。図3Bにおいて、データは平均±S.E.Mとして示している。各処置群の比較は、二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定を使用して行った。「*」及び「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(それぞれ、p<0.05及びp<0.001)を示す。
図3C図A、B、及びCは、シクロホスファミド(CPA)、IL-7タンパク質、及びPD-1経路阻害剤の三剤併用が、各処置群における動物の腫瘍体積及び生存期間に及ぼす効果を示す。図3Aは、腫瘍播種及び処置施行のスケジュールを示す図である。図3Bは、CPA処置後の様々な時点における各処置群の腫瘍体積(mm)の比較を提示する。図3Cは、生存期間データを提示する。処置群は、(1)PBS+IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(2)CPA+IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体、(3)CPA+IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体、(4)CPA+IL-7タンパク質+抗PD-1抗体、及び(5)CPA+IL-7タンパク質+抗PD-L1抗体を含んだ。図3Bにおいて、データは平均±S.E.Mとして示している。各処置群の比較は、二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定を使用して行った。「*」及び「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(それぞれ、p<0.05及びp<0.001)を示す。
図4】A及びBは、IL-7タンパク質及び抗PD-1抗体の投与が胸腺摘除動物における腫瘍体積に及ぼす効果を示す。Aは、研究設計図である。Bは、各処置群における腫瘍体積(mm)の比較を提示する。処置群は、(1)IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体(円形)、(2)IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体(四角形)、(3)IL-7配合バッファー+抗PD-1抗体(三角形)、及び(4)IL-7タンパク質+抗PD-1抗体(逆三角形)を含んだ。矢印は、IL-7タンパク質(灰色の矢印)及び抗PD-1抗体(黒色の矢印)を投与した時を示す。データは平均±S.E.Mとして示している。各処置群の比較は、二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定を使用して行った。「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(p<0.001)を示す。
図5】A、B、及びCは、IL-7タンパク質及び抗PD-1抗体の投与が胸腺摘除動物における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)数に及ぼす効果を示す。Aは、研究設計図である。B及びCは、それぞれ、CD4TIL数及びCD8TIL数の比較を提示する。処置群は、(1)IL-7配合バッファー+アイソタイプ対照抗体(「対照」)、(2)IL-7配合バッファー+抗PD-1抗体(「α-PD1」)、(3)IL-7タンパク質+アイソタイプ対照抗体(「IL-7」)、及び(4)IL-7タンパク質+抗PD-1抗体(「併用」)を含んだ。BとCの両方において、CD4TIL数及びCD8TIL数は、腫瘍中の全CD45細胞に対する割合として示している。データは、個々の動物について、また平均±S.E.Mとして示している。比較はすべて、一元配置ANOVAとテューキーの多重比較検定を使用して行った。「*」、「**」、及び「***」は、対照動物と比較した統計的有意差(それぞれ、p<0.05、p<0.01、及びp<0.0001)を示す。
図6A】IL-7タンパク質が正常C57BL/6マウスにおけるサイトカイン誘導性T細胞増殖及び活性化に及ぼす効果を示す。IL-7タンパク質による処置後の血液中のCD8+T細胞サブセットの動態を示す。図示のCD8+T細胞サブセットは、(i)全CD8+T細胞(左のグラフ)、(ii)CD8+CD44-細胞(中央のグラフ)、及び(iii)CD8+CD44+細胞(右のグラフ)を含む。最上部の横列は、CD8+T細胞サブセットの数を全白血球に対する割合として示す。最下部の横列は、Ki67+である(すなわち、活発に増殖している)CD8+T細胞サブセットの割合を示す。対照動物にはバッファーのみを与えた(白抜きの円形)。データは平均±S.Dとして示している。
図6B】IL-7タンパク質が正常C57BL/6マウスにおけるサイトカイン誘導性T細胞増殖及び活性化に及ぼす効果を示す。IL-7タンパク質投与後5日目のCD8+脾臓T細胞における様々な活性化マーカーの発現プロファイル(青線)を示す。黒線はアイソタイプ対照に対応する。図示の活性化マーカーは(左から右に)、T-bet、Eomes、PD-1、グランザイムB(GzmB)、CXCR3、IFN-γ、TNF-α、及びIL-2を含む。
図7】A、B、及びCは、IL-7タンパク質の投与がマウスのナイーブT細胞(最上部の横列)及びセントラルメモリーCD8+T細胞(最下部の横列)の活性化及び増殖に及ぼす効果を示す。Aは、IL-7投与5日後の脾臓のナイーブT細胞及びセントラルメモリーT細胞のCD44及びCD62L発現プロファイルを示す。B及びCは、増殖データを提示する(それぞれ、CTV染色及びKi67発現に基づく)。B及びCにおいて、青色は、IL-7タンパク質を受けた動物のT細胞を表し、一方オレンジ色は、対照動物(すなわち、バッファーのみを受けたもの)のT細胞を表す。
図8A】同系腫瘍モデルにおけるIL-7タンパク質投与の用量依存性抗腫瘍効果を示す。様々な濃度のIL-7タンパク質:(i)0mg/kg(すなわち、バッファーのみ)(黒色)、(ii)1.25mg/kg(オレンジ色)、(iii)2.5mg/kg(緑色)、(iv)5mg/kg(青色)、(v)10mg/kg(赤色)を受けた動物における腫瘍体積(mm)の比較を提示する。二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定(図8A)、または一元配置ANOVAとダネット事後検定(図8C)により、バッファー群に対して*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。データは平均±S.Dとして提示している。
図8B】同系腫瘍モデルにおけるIL-7タンパク質投与の用量依存性抗腫瘍効果を示す。IL-7タンパク質投与後7日目のPBMCにおけるCD45+細胞中の免疫細胞コンパートメントの割合を提示する。図示の各免疫細胞コンパートメントは、(i)CD8+T細胞(青色)、(ii)CD4+T細胞(オレンジ色)、(iii)Foxp3+CD4+制御性T細胞(紫色)、(iv)B220+B細胞(灰色)、及び(v)前述の4つの分類のいずれにも入らない他の免疫細胞(白色)を含む。各縦列は、IL-7タンパク質の各濃度を表す。
図8C】同系腫瘍モデルにおけるIL-7タンパク質投与の用量依存性抗腫瘍効果を示す。処置後7日目のPBMCにおける異なる免疫細胞集団の絶対数を示す。図示の免疫細胞集団は、(i)CD8+T細胞(第1のグラフ)、(ii)CD4+T細胞(第2のグラフ)、(iii)Foxp3+制御性T細胞(第3のグラフ)、及び(iv)B220+B細胞(第4のグラフ)を含む。x軸は、各処置群に投与されたIL-7タンパク質の濃度を提示する。二元配置ANOVAとボンフェローニ事後検定(図8A)、または一元配置ANOVAとダネット事後検定(図8C)により、バッファー群に対して*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。データは平均±S.Dとして提示している。
図9A】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。IL-7タンパク質投与後5日目(紫色)またはバッファーのみ(オレンジ色)のマウスの腫瘍で観察された様々な腫瘍浸潤白血球(TIL)の割合(上のグラフ)及び数(下のグラフ)を提示する。図示の各TILは、(i)単球性骨髄系由来サプレッサー細胞(M-MDSC)、(ii)多形核骨髄系由来サプレッサー細胞(PMN-MDSC)、(iii)腫瘍関連マクロファージ(TAM)、(iv)腫瘍関連樹状細胞(TADC)、(v)CD8+T細胞、(vi)CD4+ヘルパーT細胞(CD4Th細胞)、(v)CD4+制御性T細胞(Treg細胞)、(vi)NK細胞、及び(vii)B細胞を含む。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9B】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。バッファーのみ(オレンジ色)またはIL-7タンパク質(紫色)で処置した動物における、処置後5日目のFoxp3+制御性T細胞(左のグラフ)またはMDSC(右のグラフ)に対するCD8+TILの比の比較を提示する。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9C】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。バッファーのみ(オレンジ色)またはIL-7タンパク質(紫色)で処置した動物における、処置後5日目のCD8+TILにおけるKi67+細胞(左のグラフ)またはグランザイムB+細胞(右のグラフ)の割合の比較を提示する。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9D】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。バッファーのみ(オレンジ色)またはIL-7タンパク質(紫色)で処置した動物における、処置後5日目のIFN-γ及び/またはTNF-α産生CD8+TILの割合を提示する。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9E】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。バッファーのみまたはIL-7タンパク質で処置した動物のCD8+TILにおけるPD-1+細胞の割合を示す。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9F】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。CD8+PD-1+TILにおけるLAG-3+TIM-3+細胞の割合を示す。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9G】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。バッファーのみまたはIL-7タンパク質で処置した動物のPD-1+LAG-3+TIM-3+CD8+TILにおける、様々な免疫チェックポイント受容体の発現レベルの幾何平均蛍光強度(gMFI)を示す。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図9H】IL-7タンパク質がCD8+T細胞炎症性腫瘍微小環境を誘導することによって抗腫瘍活性をもたらし得ることを示す。バッファー(白色)またはIL-7タンパク質(緑色)で処置した動物の腫瘍溶解物において、RT-qPCR測定によって測定された様々なケモカイン(CCL2、CCL5、CXCL1、CXCL9、CXCL10、及びCXCL11)の相対発現を提示する。図9A~9Hの各々において、バッファー群に対して独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001である。データは平均±s.dとして提示している。
図10】シクロホスファミド(CPA)及び/または免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせたIL-7タンパク質の抗腫瘍効果を示す。左側のグラフは、処置後の様々な時点における腫瘍体積(mm)を提示する。右側のグラフは、生存期間データを提示する。最上部の横列は、(i)バッファーのみ、(ii)CPAと抗PD-1抗体の組み合わせ、または(iii)CPA、抗PD-1抗体、及びIL-7タンパク質の組み合わせで処置した動物についての結果を提示する。中央の横列は、(i)バッファーのみ、(ii)CPAと抗PD-L1抗体の組み合わせ、または(iii)CPA、抗PD-L1抗体、及びIL-7タンパク質の組み合わせで処置した動物についての結果を提示する。最下部の横列は、(i)バッファーのみ、(ii)CPAと抗CTLA-4抗体の組み合わせ、または(iii)CPA、抗CTLA-4抗体、及びIL-7タンパク質の組み合わせで処置した動物についての結果を提示する。グラフの説明における対応する色グループに対して、ログランク(マンテル-コックス)検定により**p<0.01、***p<0.001。データは平均±s.dとして提示している。
図11】Aは、胸腺摘除動物及びシャム対照の脾臓、末梢血、及びリンパ節におけるCD8+T細胞数の比較を提示する。Bは、PBSまたはIL-7タンパク質で処置した腫瘍マウスの脾臓における、投与後様々な週単位の時点での各CD8+T細胞集団の数を示す。図示のCD8+T細胞集団は、(i)全CD8+T細胞(第1のグラフ)、(ii)ナイーブ(CD44-CD62L+)CD8+T細胞(第2のグラフ)、(iii)エフェクターメモリー(CD44+CD62L-)CD8+T細胞(第3のグラフ)、及び(iv)セントラルメモリー(CD44+CD62L+)CD8+T細胞(第4のグラフ)を含む。図示の群間で独立t検定により*p<0.05、**p<0.01、***p<0.001。
図12】進行固形癌患者におけるIL-7タンパク質の安全性及び効能を評価する、実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の研究設計の概略図である。
図13】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験において進行固形癌患者に観察された有害作用をまとめた表を提示する。「TEAE」は、治療下で発現したあらゆる有害事象を意味する。「ADR」は、薬物有害反応を意味する。
図14】A、B、及びCは、実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬物動態解析結果を提示する。Aは、様々な用量のIL-7タンパク質で処置した進行固形癌患者の血清中のIL-7濃度の比較を提示する。実施例11に記載するように、用量は、(i)60μg/kg(「1」)、(ii)120μg/kg(「2」)、(iii)240μg/kg(「3」)、(iv)480μg/kg(「4」)、(v)720μg/kg(「5」)、(vi)960μg/kg(「6」)、及び(vii)1,200μg/kg(「7」)を含んだ。B及びCは、各投与量群の進行固形癌患者におけるCmax及びAUCの比較を提示する。データは、各用量レベルについて平均±SEMとして示している。
図15A】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図15A~15Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、進行固形癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図15E及び15Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(「円形」)、中用量群(240及び480μg/kg)(「四角形」)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(「三角形」)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図15B】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図15A~15Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、進行固形癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図15E及び15Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(「円形」)、中用量群(240及び480μg/kg)(「四角形」)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(「三角形」)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図15C】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図15A~15Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、進行固形癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図15E及び15Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(「円形」)、中用量群(240及び480μg/kg)(「四角形」)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(「三角形」)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図15D】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図15A~15Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、進行固形癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図15E及び15Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(「円形」)、中用量群(240及び480μg/kg)(「四角形」)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(「三角形」)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図15E】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図15A~15Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、進行固形癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図15E及び15Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(「円形」)、中用量群(240及び480μg/kg)(「四角形」)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(「三角形」)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図15F】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図15A~15Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、進行固形癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図15E及び15Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(「円形」)、中用量群(240及び480μg/kg)(「四角形」)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(「三角形」)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16A】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16B】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16C】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16D】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16E】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16F】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16G】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図16H】実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における異なるCD4+及びCD8+T細胞サブセットに対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。図16A及び16Cは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるKi67+CD4+T細胞及びKi67+CD8+T細胞の比較を提示する。図16B及び16Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCD127+CD4+T細胞及びCD127+CD8+T細胞の比較を提示する。図16Eは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)における患者のCD4+T細胞/Treg比(左のグラフ)及びCD8+T細胞/Treg比(右のグラフ)の比較を提示する。図16Fは、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)の患者における、CD4+T細胞(最上部の横列)とCD8+T細胞(最下部の横列)の両方に対するナイーブ(左の縦列)、エフェクターメモリー(EM)(中央の縦列)、及びセントラルメモリー(CM)(右の縦列)のサブセットの比較を提示する。図16G及び16Hは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第1週(すなわち、「1」時点)の患者におけるCCR5+CD4+T細胞及びCCR5+CD8+T細胞の比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味し、「***」はp<0.001を意味する。
図17】A及びBは、それぞれ、実施例11に記載したフェーズ1b臨床試験の患者における、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び投与後第3週(すなわち、「3」時点)でのNK細胞及びB細胞に対するIL-7タンパク質投与の効果の比較を提示する。いずれの図においても、患者を低用量群(60及び120μg/kg)(円形;左の2つの縦列)、中用量群(240及び480μg/kg)(四角形;中央の2つの縦列)、及び高用量群(720及び1,200μg/kg)(三角形;右の2つの縦列)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味する。
図18】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験においてグリア芽細胞腫患者に観察された有害作用をまとめた表を提示する。「TEAE」は、治療下で発現したあらゆる有害事象を意味する。「ADR」は、薬物有害反応を意味する。
図19A】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図19A~19Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、グリア芽細胞腫癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図19E及び19Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60μg/kg)(円形)、中用量群(360及び600μg/kg)(四角形)、及び高用量群(840及び1,440μg/kg)(三角形)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味する。
図19B】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図19A~19Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、グリア芽細胞腫癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図19E及び19Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60μg/kg)(円形)、中用量群(360及び600μg/kg)(四角形)、及び高用量群(840及び1,440μg/kg)(三角形)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味する。
図19C】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図19A~19Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、グリア芽細胞腫癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図19E及び19Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60μg/kg)(円形)、中用量群(360及び600μg/kg)(四角形)、及び高用量群(840及び1,440μg/kg)(三角形)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味する。
図19D】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図19A~19Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、グリア芽細胞腫癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図19E及び19Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60μg/kg)(円形)、中用量群(360及び600μg/kg)(四角形)、及び高用量群(840及び1,440μg/kg)(三角形)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味する。
図19E】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図19A~19Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、グリア芽細胞腫癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図19E及び19Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60μg/kg)(円形)、中用量群(360及び600μg/kg)(四角形)、及び高用量群(840及び1,440μg/kg)(三角形)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味する。
図19F】実施例12に記載したフェーズ1b臨床試験の薬力学的解析結果を提示する。図19A~19Dは、それぞれ、IL-7タンパク質投与前(すなわち、「0」時点)及び第1回の投薬の3週間後における、グリア芽細胞腫癌患者のリンパ球絶対数(ALC)、CD3+T細胞数、CD4+T細胞数、及びCD8+T細胞数の比較を提示する。図19E及び19Fは、それぞれ、非リンパ球減少性患者及びリンパ球減少性患者におけるALCの比較を提示する。各図において、患者を低用量群(60μg/kg)(円形)、中用量群(360及び600μg/kg)(四角形)、及び高用量群(840及び1,440μg/kg)(三角形)に分類した。「*」は、ベースライン(第0週)群に対してウィルコクソンのマッチドペア符号順位検定によりp<0.05を意味し、「**」はp<0.01を意味する。
図20A図A、B、及びCは、それぞれ、テモゾロミド(TMZ)を受けているグリア芽細胞腫患者におけるAUC、Ki67+CD8+T細胞発生頻度、及びKi67+CD4+T細胞発生頻度に対するIL-7タンパク質投与の効果を示す。各図において、TMZまたはIL-7タンパク質を投与した日が示されている。
図20B図A、B、及びCは、それぞれ、テモゾロミド(TMZ)を受けているグリア芽細胞腫患者におけるAUC、Ki67+CD8+T細胞発生頻度、及びKi67+CD4+T細胞発生頻度に対するIL-7タンパク質投与の効果を示す。各図において、TMZまたはIL-7タンパク質を投与した日が示されている。
図20C図A、B、及びCは、それぞれ、テモゾロミド(TMZ)を受けているグリア芽細胞腫患者におけるAUC、Ki67+CD8+T細胞発生頻度、及びKi67+CD4+T細胞発生頻度に対するIL-7タンパク質投与の効果を示す。各図において、TMZまたはIL-7タンパク質を投与した日が示されている。
図21A図A、B、及びCは、それぞれ、アバスチン/イリノテカン(A/I)を受けているグリア芽細胞腫患者におけるAUC、Ki67+CD8+T細胞発生頻度、及びKi67+CD4+T細胞発生頻度に対するIL-7タンパク質投与の効果を示す。各図において、A/IまたはIL-7タンパク質を投与した日が示されている。
図21B図A、B、及びCは、それぞれ、アバスチン/イリノテカン(A/I)を受けているグリア芽細胞腫患者におけるAUC、Ki67+CD8+T細胞発生頻度、及びKi67+CD4+T細胞発生頻度に対するIL-7タンパク質投与の効果を示す。各図において、A/IまたはIL-7タンパク質を投与した日が示されている。
図21C図A、B、及びCは、それぞれ、アバスチン/イリノテカン(A/I)を受けているグリア芽細胞腫患者におけるAUC、Ki67+CD8+T細胞発生頻度、及びKi67+CD4+T細胞発生頻度に対するIL-7タンパク質投与の効果を示す。各図において、A/IまたはIL-7タンパク質を投与した日が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0042】
I.定義
本開示をより容易に理解することができるように、特定の用語をまず定義する。本出願で使用するとき、本明細書に別段に明記されない限り、次の用語の各々は、下記に示す意味を有するものとする。さらなる定義は本明細書の随所に示される。
【0043】
本開示の随所において、実体に付く「a」または「an」という用語は、1以上のその実体を意味する。例えば、「抗体(an antibody)」は、1以上の抗体を表すものと理解される。したがって、「a」(または「an」)、「1以上」、及び「少なくとも1つ」という用語は、本明細書では同義に使用され得る。
【0044】
さらに、「及び/または」は、本明細書で使用する場合、2つの特定の特徴または構成要素の各々の具体的な開示として解釈され、他方の有無を問わないものとする。したがって、本明細書で「A及び/またはB」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、「A及びB」、「AまたはB」、「A」(単独)、及び「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、及び/またはC」などの語句で使用される「及び/または」という用語は、次の態様:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)の各々を包含することが意図される。
【0045】
本明細書において「含む(comprising)」という言葉で態様が説明されている場合は常に、「からなる(consisting of)」及び/または「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語で説明されている他の類似の態様も提供されることを理解されたい。
【0046】
別途定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示の関連する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology,Juo,Pei-Show,2nd ed.,2002,CRC Press、The Dictionary of Cell and Molecular Biology,3rd ed.,1999,Academic Press、及びthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology,Revised,2000,Oxford University Pressは、本開示で使用される用語の多くの一般的な辞書を当業者に提供する。
【0047】
単位、接頭辞、及び記号は、国際単位系(SI)で認められている各形式で示される。数値範囲は、その範囲を定義する数を含む。特記なき限り、アミノ酸配列はアミノからカルボキシの方向で左から右に書かれている。本明細書において提供する見出しは、本明細書全体を参照することにより得ることができる本開示の様々な態様を限定するものではない。したがって、直下で定義する用語は、本明細書全体を参照することによって、より十分に定義される。
【0048】
「約」という用語は、本明細書では、およそ、大体、おおよそ、またはその範囲内の意味で使用される。「約」という用語が数値範囲と共に使用されるとき、それは、示された数値の上下に境界を広げることによってその範囲を修飾する。一般に、「約」という用語は、ある数値を、例えば10パーセント上または下の(より高いかまたはより低い)差異で、記載された値を上回るかまたは下回るように修飾することができる。
【0049】
本明細書で使用する場合、「投与すること」とは、当業者に知られている様々な方法及び送達系のいずれかを使用して、治療剤または治療剤を含む組成物を対象に物理的に導入することを意味する。本明細書に記載される治療剤の様々な投与経路には、例えば注射または注入による、静脈内投与経路、腹腔内投与経路、筋肉内投与経路、皮下投与経路、脊髄投与経路、または他の非経口投与経路が含まれる。「非経口投与」という語句は、本明細書で使用する場合、経腸投与及び局部投与以外の、通常は注射による投与様式を意味し、限定するものではないが、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、髄腔内、リンパ内、病巣内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、経気管、気管内、肺内、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、心室内、硝子体内、硬膜外、及び胸骨内の注射及び注入、ならびにin vivoエレクトロポレーションを含む。あるいは、本明細書に記載される治療剤は、局部投与経路、表皮投与経路、または粘膜投与経路などの非経口的でない経路によって、例えば、鼻腔内投与、経口投与、膣内投与、直腸投与、舌下投与、または局部投与することができる。また、投与は、例えば1回、複数回、及び/または1以上の長い期間にわたって行うことができる。
【0050】
本明細書で使用する場合、「抗原」という用語は、タンパク質、ペプチド、またはハプテンなどの任意の天然または合成の免疫原性物質を意味する。
【0051】
「抗体(antibody)」及び「抗体(antibodies)」という用語は、技術用語であり、本明細書では同義に使用されることがあり、抗原を特異的に結合する抗原結合部位を含む分子を意味する。本明細書で使用されるこれらの用語は、全抗体及びそのあらゆる抗原結合性断片(すなわち、「抗原結合性部分」)または一本鎖を含む。「抗体」とは、一態様では、ジスルフィド結合によって相互接続された少なくとも2つの重(H)鎖及び2つの軽(L)鎖を含む糖タンパク質、またはその抗原結合性部分を意味する。別の態様では、「抗体」とは、単一の可変ドメイン、例えば、VHHドメインを含む一本鎖抗体を意味する。各重鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVHと略記される)及び重鎖定常領域から構成される。特定の天然に存在する抗体では、重鎖定常領域は3つのドメイン、CH1、CH2及びCH3から構成される。特定の天然に存在する抗体では、各軽鎖は軽鎖可変領域(本明細書ではVLと略記される)及び軽鎖定常領域から構成される。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLから構成される。
【0052】
VH領域及びVL領域は、相補性決定領域(CDR)と称される超可変性領域にさらに細分することができ、CDRにはフレームワーク領域(FR)と称されるより保存された領域が散在する。各VH及びVLは3つのCDR及び4つのFRを含み、これらはアミノ末端からカルボキシ末端へとFR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4の順序で配列されている。重鎖及び軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、様々な免疫系細胞(例えば、エフェクター細胞)及び古典的補体系の第1の成分(C1q)を含む、宿主の組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介することができる。
【0053】
抗体は典型的に、10-5~10-11M以下の解離定数(K)に反映される高親和性で、その同族抗原に特異的に結合する。Kが約10-4Mを超える場合は、一般的に、非特異的結合を示すものとみなされる。本明細書で使用する場合、抗原に「特異的に結合する」抗体とは、抗原及び実質的に同一の抗原に高親和性で、すなわち10-7M以下、10-8M以下、5×10-9M以下、または10-8M~10-10M以下のKで結合するが、無関係の抗原には高親和性で結合しない抗体を意味する。抗原が所与の抗原と「実質的に同一」であるのは、所与の抗原に対して高度の配列同一性を呈する場合、例えば、所与の抗原の配列と少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、または少なくとも99%の配列同一性を呈する場合である。例として、PD-1に特異的に結合する抗体は、特定の態様では、特定の霊長類種由来のPD-1抗原(例えば、カニクイザル抗PD-1抗体)との交差反応性を有する場合もあるが、他の種由来のPD-1分子またはPD-1以外の分子と交差反応することはできない。
【0054】
免疫グロブリンは、IgA、分泌性IgA、IgG及びIgMを含むがこれらに限定されない一般的に知られているアイソタイプのいずれかに由来し得る。IgGサブクラスも当業者に周知であり、限定するものではないが、ヒトIgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含む。「アイソタイプ」とは、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体のクラスまたはサブクラス(例えば、IgMまたはIgG1)を意味する。特定の態様において、アイソタイプの1以上のアミノ酸が、エフェクター機能を変化させるように変異していてもよい。「抗体」という用語は、例として、天然に存在する抗体と天然に存在しない抗体(Abs)の両方、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体、キメラ抗体及びヒト化抗体、ヒト抗体または非ヒト抗体、完全合成抗体、ならびに一本鎖抗体を含む。非ヒト抗体は、組換え法によってヒト化して、ヒトにおけるその免疫原性を低減させることができる。明記されていない場合、文脈上別段の記載がない限り、「抗体」という用語には、前述の免疫グロブリンのいずれかの抗原結合性断片または抗原結合性部分も含まれ、一価及び二価の断片または部分、ならびに一本鎖抗体も含まれる。
【0055】
「単離抗体」とは、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を意味する(例えば、PD-1に特異的に結合する単離抗体は、PD-1以外の抗原に特異的に結合する抗体を実質的に含まない)。しかしながら、PD-1に特異的に結合する単離抗体は、異なる種由来のPD-1分子のような他の抗原との交差反応性を有し得る。さらに、単離抗体は、他の細胞物質及び/または化学物質を実質的に含まない場合がある。
【0056】
「モノクローナル抗体」(「mAb」)という用語は、単一の分子組成を持つ抗体分子、すなわち、一次配列が本質的に同一であり、特定のエピトープに対して単一の結合特異性及び親和性を呈する抗体分子の、天然に存在しない調製物を意味する。mAbは単離抗体の一例である。MAbは、当業者に公知のハイブリドーマ技術、組換え技術、トランスジェニック技術、または他の技術によって生成することができる。
【0057】
「ヒト」抗体(HuMAb)とは、フレームワークとCDR領域の両方がヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する可変領域を有する抗体を意味する。さらに、この抗体が定常領域を含む場合、定常領域もヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列に由来する。本発明のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系免疫グロブリン配列によってコードされないアミノ酸残基(例えば、ランダム変異誘発もしくは部位特異的変異誘発によってin vitroで導入される変異、または体細胞変異によってin vivoで導入される変異)を含み得る。しかしながら、本明細書で使用する「ヒト抗体」という用語は、マウスのような別の哺乳動物種の生殖細胞系に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列にグラフトされている抗体を含むことは意図しない。「ヒト」抗体及び「完全ヒト」抗体という用語は同義的に使用される。
【0058】
「ヒト化抗体」とは、非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸のうちのいくつか、ほとんど、またはすべてが、ヒト免疫グロブリンに由来する対応するアミノ酸に置き換えられた抗体を意味する。ヒト化型の抗体の一態様では、CDRドメイン外のアミノ酸のうちのいくつか、ほとんど、またはすべてが、ヒト免疫グロブリン由来のアミノ酸に置き換えられているが、1以上のCDR領域内のいくつか、ほとんど、またはすべてのアミノ酸は変化していない。アミノ酸のわずかな付加、欠失、挿入、置換、または修飾は、特定の抗原に結合する抗体の能力を抑止しない限り差し支えない。「ヒト化」抗体は、元の抗体のものと同様の抗原特異性を保持する。
【0059】
「キメラ抗体」とは、可変領域がマウス抗体に由来し、定常領域がヒト抗体に由来する抗体のような、可変領域が1つの種に由来し、定常領域が別の種に由来する抗体を意味する。
【0060】
「抗抗原」抗体とは、抗原に特異的に結合する抗体を意味する。例えば、抗PD-1抗体はPD-1に特異的に結合し、抗CTLA-4抗体はCTLA-4に特異的に結合する。
【0061】
抗体の「抗原結合性部分」(「抗原結合性断片」とも呼ばれる)は、全抗体の結合する抗原に特異的に結合する能力を保持する抗体の1以上の断片を意味する。
【0062】
本明細書で使用する場合、「特異的結合」、「選択的結合」、「選択的に結合する」、及び「特異的に結合する」という用語は、抗体が所定の抗原のエピトープに結合することを意味する。典型的に、抗体は、(i)例えば、所定の抗原を分析物とし、抗体をリガンドとして使用した、BIACORE(商標)2000計器での表面プラズモン共鳴(SPR)技術によって、または抗原陽性細胞に対する抗体の結合のScatchard解析によって、およそ10-7M未満、例えばおよそ10-8M、10-9Mもしくは10-10M未満、またはさらに低い平衡解離定数(K)で結合し、かつ(ii)所定の抗原または密接に関連している抗原以外の非特異的抗原(例えば、BSA、カゼイン)に対する結合親和性よりも少なくとも2倍高い親和性で所定の抗原に結合する。
【0063】
本明細書で使用する「天然に存在する」という用語は、ある対象に適用される場合、対象を天然に見出すことができるという事実に関するものである。例えば、生物(ウイルスを含む)に存在し、天然源から単離することができ、研究室において人間によって意図的に改変されていないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列は、天然に存在する。
【0064】
「ポリペプチド」は、少なくとも2つの連続的に連結したアミノ酸残基を含む鎖を意味し、鎖の長さに上限はない。タンパク質中の1以上のアミノ酸残基は、限定するものではないが、グリコシル化、リン酸化、またはジスルフィド結合形成などの修飾を含み得る。「タンパク質」は、1以上のポリペプチドを含み得る。特記なき限り、「タンパク質」及び「ポリペプチド」という用語は同義に使用され得る。
【0065】
「核酸分子」という用語は、本明細書で使用する場合、DNA分子及びRNA分子を含むことが意図される。核酸分子は、一本鎖であっても二本鎖であってもよく、cDNAであってもよい。
【0066】
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似の側鎖を有するアミノ酸残基に置換されることを意味する。類似の側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーは、当該技術分野において定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。特定の態様において、抗体中の予測される非必須アミノ酸残基が、同じ側鎖ファミリーの別のアミノ酸残基に置き換えられる。抗原結合を消失させないヌクレオチド及びアミノ酸の保存的置換を同定する方法は、当該技術分野で周知である(例えば、Brummell et al.,Biochem.32:1180-1187(1993)、Kobayashi et al.Protein Eng.12(10):879-884(1999)、及びBurks et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:412-417(1997)を参照されたい)。
【0067】
核酸について、「実質的な相同性」という用語は、2つの核酸またはそれらの指定された配列が、最適にアライン及び比較された場合に、適切なヌクレオチドの挿入または欠失を伴って、少なくとも約80%のヌクレオチド、少なくとも約90%~95%、または少なくとも約98%~99.5%のヌクレオチドにおいて同一であることを示す。あるいは、セグメントが選択的ハイブリダイゼーション条件下で鎖の相補体にハイブリダイズする場合に、実質的な相同性が存在する。
【0068】
ポリペプチドについて、「実質的な相同性」という用語は、2つのポリペプチドまたはそれらの指定された配列が、最適にアライン及び比較された場合に、適切なアミノ酸の挿入または欠失を伴って、少なくとも約80%のアミノ酸、少なくとも約90%~95%、または少なくとも約98%~99.5%のアミノ酸において同一であることを示す。
【0069】
2つの配列間の同一性パーセントは、2つの配列の最適なアラインメントのために導入する必要のあるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮した、配列に共通する同一の位置の数の関数(すなわち、相同性%=同一の位置の数/位置の総数×100)である。配列の比較及び2つの配列間の同一性パーセントの決定は、例えば、下記の非限定的な例に記載されるような数学的アルゴリズムを使用して行うことができる。
【0070】
2つのヌクレオチド配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(worldwideweb.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムを使用し、NWSgapdna.CMPマトリックス及びギャップ重み40、50、60、70、または80、及び長さ重み1、2、3、4、5、または6を使用して決定することができる。2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列間の同一性パーセントは、ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれているE.Meyers及びW.Millerのアルゴリズム(CABIOS,4:11-17(1989))を使用し、PAM120残基重み表、ギャップ長ペナルティ12、及びギャップペナルティ4を使用して決定することもできる。さらに、2つのアミノ酸配列間の同一性パーセントは、GCGソフトウェアパッケージ(worldwideweb.gcg.comで入手可能)のGAPプログラムに組み込まれているNeedleman及びWunsch(J.Mol.Biol.(48):444-453(1970))のアルゴリズムを使用し、Blossum 62マトリックスまたはPAM250マトリックスのいずれか、及びギャップ重み16、14、12、10、8、6、または4、及び長さ重み1、2、3、4、5、または6を使用して決定することができる。
【0071】
本明細書に記載される核酸及びタンパク質配列はさらに、例えば、関連する配列を同定するために公開データベースに対する検索を行うための「クエリ配列」として使用することができる。このような検索は、Altschul,et al.(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のNBLAST及びXBLASTプログラム(バージョン2.0)を使用して行うことができる。NBLASTプログラムでスコア=100、ワード長=12を用いてBLASTヌクレオチド検索を行うと、本明細書に記載される核酸分子と相同のヌクレオチド配列を得ることができる。XBLASTプログラムでスコア=50、ワード長=3を用いてBLASTタンパク質検索を行うと、本明細書に記載されるタンパク質分子と相同のアミノ酸配列を得ることができる。比較の目的でギャップ付きのアラインメントを得るには、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Res.25(17):3389-3402に記載されているようにGapped BLASTを利用することができる。BLAST及びGapped BLASTプログラムを利用する場合には、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。worldwideweb.ncbi.nlm.nih.govを参照されたい。
【0072】
核酸は、全細胞に、細胞溶解物に、または部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態で存在し得る。核酸は、他の細胞成分または他の夾雑物、例えば、他の細胞核酸(例えば、染色体の他の部分)またはタンパク質から、アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、アガロースゲル電気泳動、及び当該技術分野で周知の他の技術を含む標準的技術によって精製されている場合、「単離されている」または「実質的に純粋になっている」。F.Ausubel,et al.,ed.Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley Interscience,New York(1987)を参照されたい。
【0073】
核酸、例えば、cDNAを、標準的技術に従って変異させて、遺伝子配列をもたらすことができる。コード配列については、これらの変異は、所望されるようにアミノ酸配列に影響を及ぼすことができる。特に、天然のV配列、D配列、J配列、定常配列、スイッチ配列、及び本明細書に記載される他のかかる配列と実質的に相同の、またはこれらに由来するDNA配列が想定される(ここで、「由来する」は、ある配列が別の配列と同一であるか、または別の配列から改変されていることを示す)。
【0074】
本明細書で使用する「ベクター」という用語は、連結している別の核酸を輸送することが可能な核酸分子を意味することが意図される。ベクターの一種には「プラスミド」があり、これは、追加のDNAセグメントがライゲートされ得る環状二本鎖DNAループを意味する。別の種類のベクターはウイルスベクターであり、ウイルスベクターの場合、追加のDNAセグメントがウイルスゲノムにライゲートされ得る。特定のベクターは、導入された宿主細胞において自律複製を行うことができる(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム哺乳動物ベクター)は、宿主細胞に導入されると宿主細胞のゲノムに組み込まれることができ、それによって宿主ゲノムと共に複製される。さらに、特定のベクターは、動作可能に連結した遺伝子の発現を指示することができる。かかるベクターは、本明細書では「組換え発現ベクター」(または単に「発現ベクター」)と称される。一般に、組換えDNA技術において有用な発現ベクターは、多くの場合、プラスミドの形態である。プラスミドは最も一般的に使用される形態のベクターであるため、本明細書において「プラスミド」及び「ベクター」は同義に使用され得る。しかしながら、均等な機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)のような他の形態の発現ベクターも含まれる。
【0075】
「組換え宿主細胞」(または単に「宿主細胞」)という用語は、本明細書で使用する場合、細胞に天然に存在しない核酸を含む細胞を意味することが意図され、組換え発現ベクターが導入されている細胞であり得る。かかる用語は、特定の対象細胞だけでなく、かかる細胞の子孫も意味することが意図されることを理解されたい。変異または環境的影響のいずれかに起因して、後続の世代において特定の改変が生じ得るため、かかる子孫は実際には親細胞と同一でない場合があるが、それでもなお本明細書で使用する「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。
【0076】
本明細書で使用する場合、「連結した」という用語は、2以上の分子の会合を意味する。この連結は、共有結合であっても非共有結合であってもよい。この連結はまた、遺伝子のもの(すなわち、組換えによる融合)であってもよい。このような連結は、化学的コンジュゲーション及び組換えタンパク質生成などの当該技術分野で認識されている広範な技術を使用して達成することができる。
【0077】
「がん」とは、体内の異常細胞の成長がコントロールされないことを特徴とする様々な疾患の広範な群を意味する。細胞の分裂及び成長が制御されないことによって悪性腫瘍が形成され、隣接組織に浸潤し、リンパ系または血流を通って身体の遠位部に転移する場合もある。本明細書で使用する「がん」は、原発性癌、転移癌、及び再発癌を意味する。
【0078】
「細胞傷害性Tリンパ球抗原-4」(CTLA-4)は、CD28ファミリーに属する免疫抑制受容体を意味する。CTLA-4はin vivoでT細胞のみにおいて発現され、CD80及びCD86(それぞれB7-1及びB7-2とも呼ばれる)の2つのリガンドに結合する。本明細書で使用する「CTLA-4」という用語には、ヒトCTLA-4(hCTLA-4)、hCTLA-4のバリアント、アイソフォーム、及び種相同体、ならびにhCTLA-4と共通のエピトープを少なくとも1つ有する類似体が含まれる。完全なhCTLA-4配列は、Genbank受入番号AAB59385で入手することができる。
【0079】
「融合タンパク質」という用語は、本来は別々のタンパク質をコードする2以上の遺伝子が結合することによって作られるタンパク質を意味する。この融合遺伝子の翻訳により、元のタンパク質の各々に由来する機能的特性を有する単一のポリペプチドまたは複数のポリペプチドが生じる。いくつかの態様において、2以上の遺伝子は、そのヌクレオチド配列に置換、欠失、及び/または付加を含み得る。
【0080】
「Fc受容体」または「FcR」は、免疫グロブリンのFc領域に結合する受容体である。IgG抗体に結合するFcRは、FcγRファミリーの受容体を含み、これには、これらの受容体の対立遺伝子バリアント及び選択的スプライシング型も含まれる。FcγRファミリーは、3つの活性化受容体(マウスのFcγRI、FcγRIII、及びFcγRIV;ヒトのFcγRIA、FcγRIIA、及びFcγRIIIA)及び1つの抑制性受容体(FcγRIIB)からなる。ヒトFcγRの様々な特性が当該技術分野では知られている。先天性エフェクター細胞型の大多数が1以上の活性化FcγR及び抑制性FcγRIIBを同時発現する一方で、ナチュラルキラー(NK)細胞は、マウス及びヒトにおいて、1つの活性化Fc受容体(マウスではFcγRIII、ヒトではFcγRIIIA)を選択的に発現するが、抑制性FcγRIIBは選択的に発現しない。ヒトIgG1は、ほとんどのヒトFc受容体に結合し、結合する活性化Fc受容体の種類に関してはマウスIgG2aと均等とみなされている。
【0081】
「Fc領域」(断片結晶化可能領域)または「Fcドメイン」または「Fc」とは、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)に位置するFc受容体への結合、または古典的補体系の第1の成分(C1q)への結合を含め、宿主の組織または因子に対する免疫グロブリンの結合を媒介する、抗体の重鎖のC末端領域を意味する。したがって、Fc領域は、第1の定常領域免疫グロブリンドメイン(例えば、CH1またはCL)を除く抗体の定常領域を含む。IgG、IgA及びIgDの抗体アイソタイプでは、Fc領域は、抗体の2つの重鎖の第2(CH2)及び第3(CH3)の定常ドメインに由来する2つの同一のタンパク質断片を含み、IgM及びIgEのFc領域は、3つの重鎖定常ドメイン(CHドメイン2~4)を各ポリペプチド鎖に含む。IgGの場合、Fc領域は、免疫グロブリンドメインCH2及びCH3、ならびにCH1ドメインとCH2ドメインとの間のヒンジを含む。本明細書において定義するように、免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界の定義は様々であり得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、IgG1ではアミノ酸残基D221から、IgG2ではV222から、IgG3ではL221から、IgG4ではP224から、重鎖のカルボキシ末端まで広がると定義され、ここでの付番は、Kabatと同様にEUインデックスに従うものである。ヒトIgG Fc領域のCH2ドメインは、アミノ酸237からアミノ酸340まで伸び、CH3ドメインは、Fc領域のCH2ドメインのC末端側に位置している。すなわち、IgGのアミノ酸341からアミノ酸447もしくは446(C末端リジン残基が存在しない場合)または445(C末端グリシン及びリジン残基が存在しない場合)まで伸びる。本明細書で使用する場合、Fc領域は、任意のアロタイプバリアント、またはバリアントFc(例えば、天然に存在しないFc)を含め、天然配列Fcであり得る。Fcは、単独で、または、Fcを含むタンパク質ポリペプチド、例えば「Fc融合タンパク質」とも呼ばれる「Fc領域を含む結合タンパク質」(例えば、抗体またはイムノアドヘシン)などの文脈において、この領域を意味する場合もある。
【0082】
「天然配列Fc領域」または「天然配列Fc」は、天然に見出されるFc領域のアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を含む。天然配列ヒトFc領域には、天然配列ヒトIgG1 Fc領域、天然配列ヒトIgG2 Fc領域、天然配列ヒトIgG3 Fc領域、及び天然配列ヒトIgG4 Fc領域、ならびにそれらの天然に存在するバリアントが含まれる。天然配列Fcには、様々なアロタイプのFcが含まれる(例えば、Jefferis et al.(2009)mAbs 1:1を参照されたい)。
【0083】
さらに、本発明のFc(天然またはバリアント)は、天然の糖鎖、天然型と比較して増大した糖鎖、もしくは減少した糖鎖を有する形態であってもよいし、または脱グリコシル化型であってもよい。免疫グロブリンFc糖鎖は、化学的方法、酵素的方法、及び微生物を使用した遺伝子工学法などの従来の方法によって修飾することができる。糖鎖をFc断片から除去すると、第1の補体成分C1のC1q部分への結合親和性が急激に減少し、ADCCまたはCDCが減少または喪失し、したがって不要な免疫応答がin vivoで誘導されなくなる。これに関しては、脱グリコシル化型またはアグリコシル化型の免疫グロブリンFc領域の方が、薬物担体としての本発明の目的に好適であり得る。本明細書で使用する場合、「脱グリコシル化」という用語は、糖が酵素によってFc断片から除去されているFc領域を意味する。さらに、「アグリコシル化」という用語は、Fc断片が原核生物によって、好ましくはE.coliにおいて、非グリコシル化型で産生されることを意味する。
【0084】
本明細書で使用する場合、「免疫応答」という用語は、外来作用物質に対する脊椎動物における生物学的応答であり、これらの作用物質及びそれらに起因する疾患から生物を保護する応答を意味する。免疫応答は、免疫系細胞(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージ、好酸球、マスト細胞、樹状細胞または好中球)、及びこれらの細胞のいずれかまたは肝臓で産生される可溶性高分子(抗体、サイトカイン、及び補体を含む)の作用によって媒介され、脊椎動物の身体において、侵入病原体、病原体に感染した細胞もしくは組織、がん細胞もしくは他の異常細胞、または、自己免疫もしくは病的炎症の場合は、正常なヒトの細胞もしくは組織の選択的標的化、結合、損傷、破壊、及び/または排除をもたらすものである。免疫反応には、例えば、T細胞、例えば、CD4もしくはCD8T細胞などのエフェクターT細胞もしくはTh細胞の活性化もしくは阻害、またはTreg細胞の阻害が含まれる。
【0085】
「免疫調節物質」または「免疫制御物質」とは、免疫応答の調節、制御、または修飾に関与し得る作用物質、例えば、シグナル伝達経路の成分を意味する。免疫応答の「調節」、「制御」、または「修飾」とは、免疫系細胞またはかかる細胞(例えば、エフェクターT細胞)の活性におけるあらゆる変化を意味する。かかる調節には、様々な細胞型の数の増大もしくは減少、これらの細胞の活性の増大もしくは減少、または免疫系内で起こり得る任意の他の変化によって現れ得る、免疫系の刺激または抑制が含まれる。抑制性と刺激性の両方の免疫調節物質が同定されており、そのいくつかは、腫瘍微小環境における機能が向上している場合がある。好ましい態様では、免疫調節物質は、T細胞の表面上に位置する。「免疫調節性標的」または「免疫制御性標的」とは、物質、作用物質、部分、化合物または分子による結合の標的とされ、この結合により活性が変化する免疫調節物質である。免疫調節性標的としては、例えば、細胞表面上の受容体(「免疫調節性受容体」)及び受容体リガンド(「免疫調節性リガンド」)が挙げられる。
【0086】
「免疫療法」という用語は、免疫応答を誘導する、向上させる、抑制する、または別様に修飾することを含む方法によって、疾患に罹患した対象、または疾患に罹るもしくは疾患が再発するリスクのある対象を治療することを意味する。対象の「治療」または「療法」とは、疾患に関連する症状、合併症もしくは状態、または生化学的兆候の発生、進行、発現、重症度もしくは再発を、逆転させる、軽減する、回復させる、阻害する、緩徐化する、または防止する目的で対象に行われる、あらゆる種類の介入もしくはプロセス、または活性薬剤の投与を意味する。
【0087】
「免疫刺激療法」または「免疫刺激性療法」とは、例えば、がんを治療するために、免疫応答の増大(誘導または向上)をもたらす療法を意味する。
【0088】
「内因性免疫応答を増強する」とは、対象における現在の免疫応答の有効性または効力を増大させることを意味する。有効性及び効力のこうした増大は、例えば、内因性宿主免疫応答を抑制する機構を克服すること、または内因性宿主免疫応答を向上させる機構を刺激することによって達成することができる。
【0089】
「エフェクターT細胞」(Teff)という用語は、細胞溶解活性を有するT細胞(例えば、CD4及びCD8T細胞)に加えて、サイトカインを分泌し、他の免疫細胞を活性化して誘導するヘルパーT(Th)細胞も含むが、制御性T細胞(Treg細胞)は含まない。IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の組み合わせは、対象の腫瘍または血液中の、Teff細胞、例えば、CD4及びCD8T細胞を活性化し、及び/または発生頻度を増大させる。
【0090】
本明細書で使用する場合、「制御性T細胞」(Treg)という用語は、エフェクターT細胞の誘導及び増殖を低減させるまたは抑制することによって免疫応答を調節する能力を有するT細胞集団を意味する。いくつかの態様において、Tregは、ナイーブT細胞の活性化及びエフェクターT細胞への分化に干渉し得るIL-10、TGF-β、及びIL-35などの抗炎症性サイトカインを分泌することによって、免疫応答を抑制することができる。いくつかの態様において、Tregは、エフェクターT細胞のアポトーシスを誘導し得るグランザイムBなどの細胞溶解性分子を産生することもできる。いくつかの態様において、制御性T細胞は、内在性制御性T細胞(nTreg)である(すなわち、胸腺中で発生する)。いくつかの態様において、制御性T細胞は、誘導性制御性T細胞(iTreg)である(すなわち、特定の刺激に曝露されると末梢組織でTregに分化するナイーブT細胞)。Tregを同定する方法は当該技術分野で公知である。例えば、Tregは、フローサイトメトリーを使用して測定することができる特定の表現型マーカー(例えば、CD25、Foxp3、またはCD39)を発現する。例えば、国際公開第WO2017/062035号A1、Gu J.,et al.,Cell Mol Immunol 14(6):521-528(2017)を参照されたい。いくつかの態様において、TregはCD45RACD39T細胞である。
【0091】
本明細書で使用する場合、「腫瘍浸潤リンパ球」または「TIL」という用語は、末梢から(例えば、血液から)腫瘍中に遊走したリンパ球(例えば、エフェクターT細胞)を意味する。いくつかの態様において、腫瘍浸潤リンパ球はCD4+TILである。他の態様において、腫瘍浸潤リンパ球はCD8+TILである。
【0092】
免疫応答または免疫系を刺激する能力の増大は、T細胞共刺激受容体のアゴニスト活性の向上及び/または抑制性受容体のアンタゴニスト活性の向上に起因し得る。免疫応答または免疫系を刺激する能力の増大は、免疫応答を測定するアッセイ、例えば、サイトカインまたはケモカインの放出、細胞溶解活性(標的細胞で直接的に、またはCD107aもしくはグランザイムを検出することによって間接的に決定される)、及び増殖の変化を測定するアッセイにおける、EC50または最大活性レベルの増大倍率に反映され得る。免疫応答または免疫系の活性を刺激する能力は、少なくとも10%、30%、50%、75%、2倍、3倍、5倍、またはそれ以上向上し得る。
【0093】
本明細書で使用する場合、「インターロイキン-7」または「IL-7」という用語は、例えば、IL-7受容体結合親和性の標準的なバイオアッセイまたはアッセイにおいて、野生型の成熟哺乳動物IL-7と実質的なアミノ酸配列同一性及び実質的に均等な生物活性を有する、IL-7ポリペプチドならびにその誘導体及び類似体を意味する。例えば、IL-7は、i)天然のIL-7ポリペプチド、もしくはIL-7ポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子バリアント、ii)IL-7ポリペプチドの生物学的に活性な断片、iii)IL-7ポリペプチドの生物学的に活性なポリペプチド類似体、またはiv)IL-7ポリペプチドの生物学的に活性なバリアントのアミノ酸配列を有する、組換えまたは非組換えのポリペプチドのアミノ酸配列を意味する。本発明のIL-7ポリペプチドは、任意の種、例えばヒト、ウシ、またはヒツジから得ることができる。IL-7核酸及びアミノ酸配列は当該技術分野において周知である。例えば、ヒトIL-7アミノ酸配列はGenbank受入番号P13232(配列番号1)であり、マウスIL-7アミノ酸配列はGenbank受入番号P10168(配列番号3)であり、ラットIL-7アミノ酸配列はGenbank受入番号P56478(配列番号2)であり、サルIL-7アミノ酸配列はGenbank受入番号NP_001279008(配列番号4)であり、ウシIL-7アミノ酸配列はGenbank受入番号P26895(配列番号5)であり、ヒツジIL-7アミノ酸配列はGenbank受入番号Q28540(配列番号6)である。いくつかの態様において、本開示のIL-7ポリペプチドは、IL-7タンパク質のバリアントである。
【0094】
IL-7タンパク質の「バリアント」は、1以上のアミノ酸が変化しているアミノ酸配列と定義される。バリアントは、置換されるアミノ酸の構造的または化学的な特性が類似している「保存的」変化、例えば、ロイシンのイソロイシンでの置換を有し得る。比較的まれだが、バリアントは、「非保存的」変化、例えば、グリシンのトリプトファンでの置換を有する場合もある。同様のマイナーな変化は、アミノ酸の欠失もしくは挿入、またはその両方を含む場合もある。生物活性を消失させることなく置換、挿入、または欠失させることができるアミノ酸残基の種類及び数の決定における指針は、当該技術分野で周知のコンピュータプログラム、例えば分子モデリング用またはアラインメント生成用のソフトウェアを使用して見出すことができる。本発明に含まれるバリアントIL-7タンパク質としては、IL-7活性を保持するIL-7タンパク質が挙げられる。同様に付加、置換、または欠失を含むIL-7ポリペプチドも、タンパク質が実質的に均等な生物学的IL-7活性を保持する限り、本発明に含まれる。例えば、完全長型のIL-7タンパク質と同等の生物活性を保持するIL-7の切断形態が本発明に含まれる。IL-7タンパク質の活性は、下記の実施例6に記載されるようなin vitro細胞増殖アッセイを使用して測定することができる。本発明のIL-7バリアントの活性は、野生型IL-7と比較して、少なくとも10%、20%、40%、60%、より好ましくは80%、90%、95%、さらにより好ましくは99%の生物活性を維持する。
【0095】
バリアントIL-7タンパク質には、野生型IL-7と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、92%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有するポリペプチドも含まれる。2つのアミノ酸配列または2つの核酸の同一性パーセントを決定するには、配列を最適な比較目的のためにアラインする(例えば、第2のアミノ酸または核酸配列との最適なアラインメントのために、ギャップを第1のアミノ酸の配列または核酸配列に導入してもよい)。2つの配列間の同一性パーセントは、配列に共通する同一の位置の数の関数(すなわち、相同性%=同一の位置の数/位置の総数×100)である。2つの配列間の相同性パーセントの決定は、数学的アルゴリズムを使用して行うことができる。2つの配列の比較に利用される数学的アルゴリズムの好ましい非限定的な例は、Karlin and Altschul(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264-68のアルゴリズムを、Karlin and Altschul(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-77に記載のように改変したものである。このようなアルゴリズムは、Altschul,et al.,(1990)J.Mol.Biol.215:403-10のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み込まれている。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で行うことができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で行うことができる。比較の目的でギャップ付きのアラインメントを得るには、Altschul et al.,(1997)Nucleic Acids Research 25(17):3389-3402に記載されているようにGapped BLASTを利用することができる。BLAST及びGapped BLASTプログラムを利用する場合には、それぞれのプログラム(例えば、XBLAST及びNBLAST)のデフォルトパラメータを使用することができる。
【0096】
本明細書で使用する場合、「Programmed Death-1(PD-1)」という用語は、CD28ファミリーに属する免疫抑制受容体を意味する。PD-1は、in vivoで過去に活性化されたT細胞で主に発現され、PD-L1及びPD-L2の2つのリガンドに結合する。本明細書で使用する「PD-1」という用語には、ヒトPD-1(hPD-1)、hPD-1のバリアント、アイソフォーム、及び種相同体、ならびにhPD-1と共通のエピトープを少なくとも1つ有する類似体が含まれる。完全なhPD-1配列は、Genbank受入番号U64863で入手することができる。
【0097】
本明細書で使用する場合、「Programmed Death Ligand-1(PD-L1)」という用語は、PD-1に結合するとT細胞活性化及びサイトカイン分泌を下方制御する、PD-1の2つの細胞表面糖タンパク質リガンドのうちの一方を意味する(他方はPD-L2である)。本明細書で使用する「PD-L1」という用語には、ヒトPD-L1(hPD-L1)、hPD-L1のバリアント、アイソフォーム、及び種相同体、ならびにhPD-L1と共通のエピトープを少なくとも1つ有する類似体が含まれる。完全なhPD-L1配列は、Genbank受入番号Q9NZQ7で入手することができる。
【0098】
「対象」には、あらゆるヒトまたは非ヒト動物が含まれる。「非ヒト動物」という用語は、限定するものではないが、非ヒト霊長類、ヒツジ、イヌ、ならびにマウス、ラット、及びモルモットなどのげっ歯類といった脊椎動物を含む。いくつかの態様において、対象はヒトである。「対象」及び「患者」という用語は、本明細書では同義に使用される。
【0099】
「治療有効量」または「治療上有効な投与量」という用語は、所望の生物学的結果、治療結果、及び/または予防結果をもたらす薬剤の量を意味する。その結果は、疾患の徴候、症状、もしくは原因のうちの1以上の低減、回復、緩和、減弱、遅延、及び/または軽減、または生物学的システムの任意の他の所望の変化であり得る。固形腫瘍に関して、有効量は、腫瘍を縮小させる及び/または腫瘍の成長速度を減少させる(例えば、腫瘍成長を抑制する)、または他の望ましくない細胞増殖を防止もしくは遅延させるのに十分な量を含む。いくつかの態様において、有効量は、腫瘍の発達を遅延させるのに十分な量である。いくつかの態様において、有効量は、腫瘍の再発を防止または遅延させるのに十分な量である。有効量は、1回以上の投与で投与することができる。有効量の薬物または組成物は、(i)がん細胞の数を低減させ、(ii)腫瘍サイズを縮小し、(iii)末梢器官へのがん細胞の浸潤を阻害し、遅らせ、ある程度緩徐化し、停止する場合もあり、(iv)腫瘍転移を阻害し(すなわち、ある程度緩徐化し、停止する場合もあり、(v)腫瘍成長を阻害し、(vi)腫瘍の発生及び/または再発を防止もしくは遅延させ、及び/または(vii)がんに関連する症状のうちの1以上をある程度軽減することができる。いくつかの態様において、「治療有効量」は、進行固形腫瘍などのがんの著しい減少またはがんの進行の緩徐化(退行)をもたらすことが臨床的に証明されている、IL-7タンパク質の量及び免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1経路阻害剤、例えば、抗PD-1抗体)の量の組み合わせである。疾患退行を促進する治療剤の能力は、熟練した医師に知られている様々な方法を使用して、例えば、臨床試験中のヒト対象で、ヒトにおける効能を予測する動物モデル系で、またはin vitroアッセイで薬剤の活性をアッセイすることで評価することができる。
【0100】
「投薬頻度」という用語は、治療剤(例えば、IL-7タンパク質または免疫チェックポイント阻害剤)が特定の期間中に対象に投与される回数を意味する。投薬頻度は、所与の時間当たりの投薬回数として、例えば、1日1回、1週間に1回、または2週間に1回と示すことができる。本明細書で使用する場合、「投薬頻度」は、対象が治療剤の複数(または反復)投与を受ける場合に該当する。
【0101】
本明細書で使用する場合、「標準治療」という用語は、特定の種類の疾患に適切な治療として医療専門家に認められており、医療従事者によって広く使用されている治療を意味する。この用語は、次の用語:「ベストプラクティス」、「標準的医療」、及び「標準療法」のいずれとも同義に使用され得る。
【0102】
本明細書で使用する場合、「薬物」という用語は、ヒトまたは非ヒト哺乳動物に投与して疾患または他の望まれない状態を防止または治療することを目的とした任意の生物活性剤(例えば、IL-7タンパク質または免疫チェックポイント阻害剤)を意味する。薬物には、ホルモン、成長因子、タンパク質、ペプチド、及び他の化合物が含まれる。いくつかの態様において、本明細書に開示される薬物は、抗がん剤である。
【0103】
例として、「抗がん剤」は、対象のがんの退行を促進するか、またはさらなる腫瘍成長を防止する。特定の態様において、治療有効量の薬物は、がんを消失させるまでに、がんの退行を促進する。「がんの退行を促進する」とは、有効量の薬物を単独で、または抗新生物剤と組み合わせて投与することにより、腫瘍の成長またはサイズの低減、腫瘍の壊死、少なくとも1つの疾患症状の重症度の低下、疾患の無症状期間の頻度増大及び期間延長、または疾患の罹患による機能障害もしくは能力障害の防止をもたらすことを意味する。さらに、治療に関する「有効」及び「有効性」という用語は、薬理学的有効性と生理学的安全性の両方を含む。薬理学的有効性とは、患者のがんの退行を促進する薬物の能力を意味する。生理学的安全性とは、薬物の投与に起因する、細胞、器官、及び/または生物のレベルでの毒性または他の有害な生理学的効果(有害作用)のレベルを意味する。
【0104】
腫瘍の治療の例として、治療有効量の抗がん剤は、細胞成長または腫瘍成長を、未治療の対象と比べて、または特定の態様では、標準治療療法で治療された患者と比べて、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約40%、少なくとも約60%、または少なくとも約80%阻害し得る。本発明の他の態様では、腫瘍の退行は、少なくとも約20日、少なくとも約40日、または少なくとも約60日の期間にわたって観察され、持続し得る。治療有効性のこうした最終的な測定値にかかわらず、免疫治療薬の評価は、「免疫関連」応答パターンも考慮に入れなければならない。
【0105】
本明細書で使用する場合、「免疫チェックポイント阻害剤」という用語は、1以上のチェックポイントタンパク質を完全にまたは部分的に低減させる、阻害する、干渉する、または調節する分子を意味する。チェックポイントタンパク質は、T細胞の活性化または機能を制御する。CTLA-4ならびにそのリガンドのCD80及びCD86、ならびにPD-1とそのリガンドのPD-L1及びPD-L2など、多数のチェックポイントタンパク質が公知である。Pardoll,D.M.,Nat Rev Cancer 12(4):252-64(2012)。これらのタンパク質は、T細胞応答の共刺激性相互作用または阻害性相互作用の原因である。免疫チェックポイントタンパク質は、自己寛容性、ならびに生理学的免疫応答の期間及び程度を制御し、維持する。免疫チェックポイント阻害剤は、抗体を含むか、または抗体に由来する。
【0106】
「参照」という用語は、本明細書で使用する場合、IL-7タンパク質及び免疫チェックポイント阻害剤の併用を受けなかった対応する対象(例えば、がん対象)、例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独を受けた対象を意味する。いくつかの態様において、参照対象は、IL-7タンパク質も免疫チェックポイント阻害剤も受けなかったものである。「参照」という用語は、同じがん対象だがIL-7タンパク質及び免疫チェックポイント阻害剤の併用投与前の対象を意味する場合もある。特定の態様において、「参照」という用語は、対象(例えば、がん対象)の集団の平均を意味する。
【0107】
本明細書で使用する場合、「ug」及び「uM」という用語は、それぞれ、「μg」及び「μΜ」と同義に使用される。
【0108】
本明細書に記載される様々な態様を、下記のサブセクションでさらに詳細に説明する。
【0109】
II.本開示の方法
本開示は、有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍(またはがん)を治療する方法に関する。本発明の方法で使用することのできる免疫チェックポイント阻害剤の非限定的な例としては、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0110】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせは、対象に投与すると、対象のリンパ球絶対数を増大させることができる。特定の態様において、リンパ球絶対数は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象の値)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%以上増大する。
【0111】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組み合わせ(すなわち、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせ)を対象に投与すると、対象のT細胞増殖(例えば、CD8T細胞)が増大し得る。特定の態様において、T細胞増殖の増大は、末梢(例えば、腫瘍内以外)で起こる。いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象における腫瘍へのエフェクターT細胞(例えば、細胞傷害性CD8Tリンパ球)の動員を増大させることができる。
【0112】
特定の態様において、T細胞増殖は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象の値)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%以上増大する。特定の態様において、IL-7投与に応答して増殖するT細胞(例えば、CD8T細胞)は、次のマーカー:Eomesodermin(Eomes)、グランザイムB、CXCR3、IFN-γ、またはそれらの組み合わせのうちの1以上を発現する。
【0113】
特定の態様において、腫瘍へのエフェクターT細胞の動員は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象の値)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約100%以上増大する。
【0114】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象における腫瘍成長が阻害される及び/または低減する。いくつかの態様において、腫瘍成長(例えば、腫瘍体積または重量)は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象における腫瘍体積)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。
【0115】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、腫瘍抗原に対する免疫応答を促進及び/または向上させることによって、腫瘍または腫瘍を患う対象を治療する。いくつかの態様において、本開示の組成物の投与は、対象の腫瘍における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)(例えば、CD4またはCD8)の数及び/または割合を増大させる。いくつかの態様において、TILの数及び/または割合は、投与後に、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独のいずれかで治療された対象の腫瘍におけるTILの数及び/または割合)と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0116】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象の腫瘍における制御性T細胞(Treg)の数及び/または割合が低減する。いくつかの態様において、制御性T細胞はCD4制御性T細胞である。いくつかの態様において、制御性T細胞はFoxp3である。特定の態様において、腫瘍における制御性T細胞の数及び/または割合は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独を受けた対象における対応する数及び/または割合)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%減少する。
【0117】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象の腫瘍におけるCD8TILのTregに対する比が増大する。特定の態様において、CD8TILのTregに対する比は、投与後に、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独のいずれかで治療された対象の腫瘍におけるTILの数及び/または割合)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0118】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象の腫瘍における骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)の数及び/または割合が減少する。本明細書で使用する場合、「骨髄系由来サプレッサー細胞」(MDSC)という用語は、骨髄起源、未成熟状態、及びT細胞応答を強力に抑制する能力によって定義される、不均一な免疫細胞集団を意味する。これらは、慢性感染及びがんなどの特定の病理学的状態で増殖することが知られている。特定の態様において、MDSCは、単球性MDSC(M-MDSC)である。他の態様において、MDSCは、多形核MDSC(PMN-MDSC)である。いくつかの態様において、腫瘍におけるMDSCの数及び/または割合は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象の値)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%減少する。
【0119】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象の腫瘍におけるCD8TILのMDSCに対する比が増大する。特定の態様において、CD8TILのMDSCに対する比は、投与後に、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象の値)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0120】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象のTILにおける免疫チェックポイント阻害剤分子(例えば、PD-1)の発現が低減する。特定の態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせは、TILにおける免疫チェックポイント阻害剤分子(例えば、PD-1)発現の平均蛍光指数(MFI)を低減させる。いくつかの態様において、免疫チェックポイント阻害剤分子はPD-1である。特定の態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、CD8TILにおけるPD-1発現のMFIが、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独を受けた対象における対応する数及び/または割合)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。
【0121】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、対象のTILにおけるエフェクター(例えば、抗腫瘍)活性に関連するマーカーの発現が増大する。エフェクター活性に関連するマーカーの非限定的な例としては、Ki-67、グランザイムB、T-bet、Eomes、CXCR3、IFN-γ、TNF-α、及びIL-2が挙げられる。特定の態様において、エフェクター活性に関連するマーカーは、Ki-67及びグランザイムBを含む。特定の態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせは、TILにおけるエフェクター活性に関連するマーカーの発現の平均蛍光指数(MFI)を、参照(例えば、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせを受けなかった対象における対応する値)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%増大させる。
【0122】
上述のように、利用可能な標準治療によるがん治療(例えば、化学療法及び放射線療法)の多くがリンパ球減少を引き起こすことが知られており、多くのがん患者はリンパ球減少性である。したがって、本明細書に開示される方法は、リンパ球減少性対象のがんを治療するために使用することもできる。
【0123】
本明細書で使用する場合、「リンパ球減少性対象」という用語は、リンパ球減少を有する対象を意味する。本明細書で使用する場合、「リンパ球減少」及び「リンパ球減少症」という用語は同義に使用され、循環免疫細胞(例えば、リンパ球)の数が異常に少ないことを特徴とする状態を意味する。リンパ球減少を患う患者では、あらゆる種類のリンパ球またはリンパ球の分集団(例えば、CD4T細胞)の末梢循環が枯渇しているか、または異常に低い場合がある。例えば、Lymphopenia Description,The Merck Manual(18th Edition,2006,Merck&Co.)を参照されたい。いくつかの態様において、正常な対象(例えば、健康な対象)と比較すると、リンパ球減少性対象は、少ない数のTリンパ球(「Tリンパ球減少」)、Bリンパ球(「Bリンパ球減少」)、及び/またはNK細胞(「NKリンパ球減少」)を有する。
【0124】
リンパ球減少は、様々なカットオフによって定量的に表すことができる。いくつかの態様において、リンパ球減少性対象は、リンパ球減少を呈さない対応する対象の循環血中総リンパ球数と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約100%少ない循環血中総リンパ球数を有する。いくつかの態様において、対象が1μL当たりリンパ球約1,500未満、1μL当たりリンパ球約1,000未満、1μL当たりリンパ球約800未満、1μL当たりリンパ球約500未満、または1μL当たりリンパ球約200未満の循環血中総リンパ球数を有する場合、対象はリンパ球減少を有する。
【0125】
リンパ球減少症には考えられる広範な原因がある。いくつかの態様において、リンパ球減少は、腫瘍に起因または関連する。いくつかの態様において、リンパ球減少は、腫瘍に対する過去の療法(例えば、化学療法または放射線療法)に関連または起因する。いくつかの態様において、リンパ球減少は、ウイルス感染(例えば、HIV感染または肝炎感染)、細菌感染(例えば、活動性結核感染)、及び真菌感染を含む感染、慢性右心室不全、ホジキン病及びリンパ系のがん、白血病、胸管の漏出もしくは破裂、抗がん剤、抗ウイルス剤、及びグルココルチコイドを含む処方薬の副作用、低タンパク質の食事によって生じる栄養不良、放射線療法、尿毒症、自己免疫障害、免疫不全症候群、高ストレスレベル、ならびに外傷に起因または関連する。
【0126】
いくつかの態様において、リンパ球減少は特発性である(すなわち、病因不明である)。特発性リンパ球減少の非限定的な例としては、特発性CD4陽性Tリンパ球減少症(ICL)、急性放射線症候群(ARS)、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0127】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質を免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、腫瘍を有するリンパ球減少性対象に投与すると、対象における腫瘍成長が阻害される及び/または低減する。いくつかの態様において、腫瘍成長(例えば、腫瘍体積または重量)は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独の投与後の対応する対象における腫瘍体積)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。
【0128】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質を免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、腫瘍を有するリンパ球減少性対象に投与すると、対象の腫瘍における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)(例えば、CD4またはCD8)の数及び/または割合が増大する。いくつかの態様において、TILの数及び/または割合は、投与後に、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独のいずれかで治療された対象の腫瘍におけるTILの数及び/または割合)と比較して、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0129】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質を免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて、腫瘍を有するリンパ球減少性対象に投与すると、対象の腫瘍における制御性T細胞の数及び/または割合が低減する。いくつかの態様において、制御性T細胞はFoxp3である。特定の態様において、腫瘍における制御性T細胞の数及び/または割合は、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独を受けた対象における対応する数及び/または割合)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%減少する。
【0130】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせをリンパ球減少性対象に投与すると、対象の腫瘍におけるCD8TILのTregに対する比が増大する。特定の態様において、CD8TILのTregに対する比は、投与後に、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独のいずれかで治療された対象の腫瘍におけるTILの数及び/または割合)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0131】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせをリンパ球減少性対象に投与すると、対象のTILにおける免疫チェックポイント阻害剤分子(例えば、PD-1)の発現が低減する。特定の態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせは、TILにおける免疫チェックポイント阻害剤分子(例えば、PD-1)発現の平均蛍光指数(MFI)を低減させる。いくつかの態様において、免疫チェックポイント阻害剤分子はPD-1である。特定の態様において、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の組み合わせの投与により、CD8TILにおけるPD-1発現のMFIが、参照(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独を受けた対象における対応する数及び/または割合)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%低減する。
【0132】
本明細書に開示される方法で治療することのできるがん(または腫瘍)の非限定的な例としては、扁平上皮癌、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌、扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)、非扁平上皮NSCLC、胃腸癌、腎癌(例えば、明細胞癌)、卵巣癌、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、大腸癌、子宮内膜癌、腎臓癌(例えば、腎細胞癌(RCC))、前立腺癌(例えば、ホルモン不応性前立腺癌)、甲状腺癌、膵臓癌、子宮頸癌、胃の癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、結腸癌、及び頭頸部癌(または癌腫)、胃癌、生殖細胞腫瘍、小児肉腫、副鼻腔ナチュラルキラー、黒色腫(例えば、転移性悪性黒色腫、例えば皮膚または眼球内の悪性黒色腫)、骨癌、皮膚癌、子宮癌、肛門領域のがん、精巣癌、卵管癌、子宮内膜癌腫、子宮頸部癌、膣癌、外陰部癌、食道癌(例えば、食道胃接合部癌)、小腸癌、内分泌系癌、副甲状腺癌、副腎癌、軟部組織肉腫、尿道癌、陰茎癌、小児期の固形腫瘍、尿管癌、腎盂癌、腫瘍血管新生、下垂体腺腫、カポジ肉腫、類表皮癌、扁平上皮癌、T細胞リンパ腫、アスベストにより誘導されるものを含む環境誘発癌、ウイルス関連癌またはウイルス起源の癌(例えば、ヒトパピローマウイルス(HPVに関連または由来する腫瘍))、及び2つの主な血液細胞系、すなわち、骨髄細胞系(顆粒球、赤血球、血小板、マクロファージ、及びマスト細胞を産生)またはリンパ細胞系(B細胞、T細胞、NK細胞、及び形質細胞を産生)のいずれかに由来する血液悪性疾患、例えば、あらゆる種類の白血病、リンパ腫、及び骨髄腫、例えば、急性、慢性、リンパ球性及び/または骨髄性の白血病、例えば、急性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、及び慢性骨髄性白血病(CML)、未分化AML(MO)、骨髄芽球性白血病(Ml)、骨髄芽球性白血病(M2;細胞成熟を伴う)、前骨髄球性白血病(M3またはM3バリアント[M3V])、骨髄単球性白血病(M4または好酸球増加を伴うM4バリアント[M4E])、単球性白血病(M5)、赤白血病(M6)、巨核芽球性白血病(M7)、孤立性顆粒球肉腫、及び緑色腫;リンパ腫、例えば、ホジキンリンパ腫(HL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、B細胞血液悪性病変、例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、単球様B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、未分化(例えば、Ki1)大細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫/白血病、マントル細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫、腸管T細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、Tリンパ芽球性;ならびにリンパ腫/白血病(T-Lbly/T-ALL)、末梢T細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫、移植後リンパ増殖性障害、真性組織球性リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、B細胞リンパ腫、リンパ芽球性リンパ腫(LBL)、リンパ系の造血性腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、びまん性大B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫、びまん性組織球性リンパ腫(DHL)、免疫芽球性大細胞リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫(CTLC)(菌状息肉症またはセザリー症候群とも呼ばれる)、及びワルデンシュトレームマクログロブリン血症を伴うリンパ形質細胞性リンパ腫(LPL);骨髄腫、例えば、IgG骨髄腫、軽鎖骨髄腫、非分泌性骨髄腫、くすぶり型骨髄腫(無症候性骨髄腫とも呼ばれる)、孤立性形質細胞腫、及び多発性骨髄腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘアリーセルリンパ腫;骨髄系の造血性腫瘍、線維肉腫及び横紋筋肉腫を含む間葉由来の腫瘍;精上皮腫、奇形腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、及び骨肉腫を含む間葉由来の腫瘍;ならびに他の腫瘍、例えば、黒色腫、色素性乾皮症、角化棘細胞腫、精上皮腫、濾胞性甲状腺癌及び奇形腫、リンパ系の造血性腫瘍、例えばT細胞腫瘍及びB細胞腫瘍、例えば、限定するものではないが、小細胞型及び大脳様細胞型を含めたT前リンパ球性白血病(T-PLL)などのT細胞障害;T細胞型の大顆粒リンパ球白血病(LGL);a/d T-NHL肝脾リンパ腫;末梢/胸腺後T細胞リンパ腫(多形性及び免疫芽球性のサブタイプ);血管中心性(鼻)T細胞リンパ腫;頭頸部癌、腎癌、直腸癌、甲状腺癌;急性骨髄性リンパ腫、ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0133】
いくつかの態様において、治療することのできるがん(または腫瘍)は、乳癌、頭頸部癌、子宮癌、脳癌、皮膚癌、腎癌、肺癌、大腸癌、前立腺癌、肝臓癌、膀胱癌、腎臓癌、膵臓癌、甲状腺癌、食道癌、眼癌、胃の癌(胃癌)、胃腸癌、癌腫、肉腫、白血病、リンパ腫、骨髄腫、またはそれらの組み合わせを含む。特定の態様において、本発明の方法で治療することのできるがん(または腫瘍)は、乳癌である。いくつかの態様において、乳癌は、トリプルネガティブ乳癌(TNBC)である。いくつかの態様において、治療することのできるがん(または腫瘍)は、脳癌である。特定の態様において、脳癌は、グリア芽細胞腫である。いくつかの態様において、本発明の方法で治療することのできるがん(または腫瘍)は、皮膚癌である。いくつかの態様において、皮膚癌は、基底細胞癌(BCC)、皮膚扁平上皮癌(cSCC)、黒色腫、メルケル細胞癌(MCC)、またはそれらの組み合わせである。特定の態様において、頭頸部癌は、頭頸部扁平上皮癌である。さらなる態様では、肺癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。いくつかの態様において、食道癌は、食道胃接合部癌である。特定の態様において、腎臓癌は、腎細胞癌である。いくつかの態様において、肝臓癌は、肝細胞癌である。
【0134】
いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、転移癌、切除不能の難治性癌(例えば、過去のがん療法、例えば、免疫療法、例えば、抗PD-1遮断抗体を用いた療法に不応性であったがん)、及び/または再発癌の治療にも使用され得る。特定の態様において、過去のがん療法は、化学療法を含む。いくつかの態様において、化学療法は、白金ベースの療法を含む。いくつかの態様において、白金ベースの療法は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナントリプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される白金ベースの抗新生物薬を含む。特定の態様において、白金ベースの療法は、シスプラチンを含む。さらなる態様では、白金ベースの療法は、カルボプラチンを含む。
【0135】
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法で治療される対象は、1回、2回、3回、4回、5回、またはそれ以上のがん治療を過去に受けたことがある。他の態様において、対象は、治療ナイーブである(すなわち、がん治療を過去に一度も受けたことがない)。いくつかの態様において、対象は、他のがん治療が進行している。特定の態様において、過去のがん治療は、免疫療法を含む(例えば、抗PD-1抗体を用いる)ものであった。他の態様において、過去のがん治療は、化学療法を含むものであった。いくつかの態様において、腫瘍は再発したものである。いくつかの態様において、腫瘍は転移性である。他の態様において、腫瘍は転移性ではない。
【0136】
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法は、それを必要とする(例えば、腫瘍を患う)対象の生存期間を効果的に延長する。例えば、いくつかの態様では、対象の生存期間は、参照個体(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独で治療された対応する対象)と比較すると、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月、または少なくとも約1年以上延長される。他の態様において、本明細書に開示される方法は、対象の生存期間を、参照対象(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独で治療された対応する対象)の生存期間よりも高い(約1か月高い、約2か月高い、約3か月高い、約4か月高い、約5か月高い、約6か月高い、約7か月高い、約8か月高い、約9か月高い、約10か月高い、約11か月高い、または約1年高い)レベルで延長する。
【0137】
いくつかの態様において、本開示の方法は、対象(例えば、がん患者)の無増悪生存期間を効果的に延長する。例えば、対象の無増悪生存期間は、参照対象(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独で治療された対応する対象)と比較すると、少なくとも約1か月、少なくとも約2か月、少なくとも約3か月、少なくとも約4か月、少なくとも約5か月、少なくとも約6か月、少なくとも約7か月、少なくとも約8か月、少なくとも約9か月、少なくとも約10か月、少なくとも約11か月、または少なくとも約1年延長される。
【0138】
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法は、対象群の奏効率を効果的に上昇させる。例えば、対象群の奏効率は、参照対象(例えば、IL-7タンパク質単独または免疫チェックポイント阻害剤単独で治療された対応する対象)と比較すると、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約100%上昇する。
【0139】
いくつかの態様において、本方法で治療される対象は、ラットまたはマウスなどの非ヒト動物である。いくつかの態様において、本方法で治療される対象は、ヒトである。
【0140】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質の単位用量(例えば、ヒトでの使用の場合)は、0.001mg/kg~10mg/kgの範囲内であり得る。特定の態様において、IL-7タンパク質の単位用量は、0.01mg/kg~2mg/kgの範囲内である。いくつかの態様において、単位用量は、0.02mg/kg~1mg/kgの範囲内である。単位用量は、治療の対象の疾患及び有害作用の存在に応じて異なり得る。IL-7タンパク質の投与は、定期的なボーラス注射もしくは外部リザーバー(例えば、静注バッグ)によって、または内部(例えば、生体内分解性インプラント)からの連続的な静脈内投与、皮下投与、もしくは腹腔内投与によって行うことができる。特定の態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、筋肉内注射によって投与される。
【0141】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、重量基準用量で対象に投与され得る。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約20μg/kg~約600μg/kgの重量基準用量で投与され得る。さらなる態様では、本開示のIL-7タンパク質は、約20μg/kg、約60μg/kg、約120μg/kg、約240μg/kg、約360μg/kg、約480μg/kg、または約600μg/kgの重量基準用量で投与され得る。
【0142】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、約600μg/kg超の用量で対象に投与され得る。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約600μg/kg超、約700μg/kg超、約800μg/kg超、約900μg/kg超、約1,000μg/kg超、約1,100μg/kg超、約1,200μg/kg超、約1,300μg/kg超、約1,400μg/kg超、約1,500μg/kg超、約1,600μg/kg超、約1,700μg/kg超、約1,800μg/kg超、約1,900μg/kg超、または約2,000μg/kg超の用量で対象に投与される。
【0143】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、610μg/kg~約1,200μg/kg、650μg/kg~約1,200μg/kg、約700μg/kg~約1,200μg/kg、約750μg/kg~約1,200μg/kg、約800μg/kg~約1,200μg/kg、約850μg/kg~約1,200μg/kg、約900μg/kg~約1,200μg/kg、約950μg/kg~約1,200μg/kg、約1,000μg/kg~約1,200μg/kg、約1,050μg/kg~約1,200μg/kg、約1,100μg/kg~約1,200μg/kg、約1,200μg/kg~約2,000μg/kg、約1,300μg/kg~約2,000μg/kg、約1,500μg/kg~約2,000μg/kg、約1,700μg/kg~約2,000μg/kg、約610μg/kg~約1,000μg/kg、約650μg/kg~約1,000μg/kg、約700μg/kg~約1,000μg/kg、約750μg/kg~約1,000μg/kg、約800μg/kg~約1,000μg/kg、約850μg/kg~約1,000μg/kg、約900μg/kg~約1,000μg/kg、または約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。
【0144】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、610μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、650μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約900μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約950μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、約1,000μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,050μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,100μg/kg~約1,200μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,200μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,300μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,500μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,700μg/kg~約2,000μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約610μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。なおもさらなる態様では、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、約900μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約950μg/kg~約1,000μg/kgの用量で投与される。
【0145】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約950μg/kg、約700μg/kg~約850μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、約700μg/kg~約800μg/kg、約800μg/kg~約900μg/kg、約750μg/kg~約850μg/kg、または約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約900μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約850μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約850μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kg~約800μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kg~約900μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kg~約850μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kg~約950μg/kgの用量で投与される。
【0146】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kg、約680μg/kg、約700μg/kg、約720μg/kg、約740μg/kg、約750μg/kg、約760μg/kg、約780μg/kg、約800μg/kg、約820μg/kg、約840μg/kg、約850μg/kg、約860μg/kg、約880μg/kg、約900μg/kg、約920μg/kg、約940μg/kg、約950μg/kg、約960μg/kg、約980μg/kg、約1,000μg/kg、約1,020μg/kg、約1,040μg/kg、約1,060μg/kg、約1,080μg/kg、約1,100μg/kg、約1,120μg/kg、約1,140μg/kg、約1,160μg/kg、約1,180μg/kg、約1,200μg/kg、約1,220μg/kg、約1,240μg/kg、約1,260μg/kg、約1,280μg/kg、約1,300μg/kg、約1,320μg/kg、約1,340μg/kg、約1,360μg/kg、約1,380μg/kg、約1,400μg/kg、約1,420μg/kg、約1,440μg/kg、約1,460μg/kg、約1,480μg/kg、約1,500μg/kg、約1,520μg/kg、約1,540μg/kg、約1,560μg/kg、約1,580μg/kg、約1,600μg/kg、約1,620μg/kg、約1,640μg/kg、約1,660μg/kg、約1,680μg/kg、約1,700μg/kg、約1,720μg/kg、約1,740μg/kg、約1,760μg/kg、約1,780μg/kg、約1,800μg/kg、約1,820μg/kg、約1,840μg/kg、約1,860μg/kg、約1,880μg/kg、約1,900μg/kg、約1,920μg/kg、約1,940μg/kg、約1,960μg/kg、約1,980μg/kg、または約2,000μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約650μg/kgの用量で投与される。他の態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、約680μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約700μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約720μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約740μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約750μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約760μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約780μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約800μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約820μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約840μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約850μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約860μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約880μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約900μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約920μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約940μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約950μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約960μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約980μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,000μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,020μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,040μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,060μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,080μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,100μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,120μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,140μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,160μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,180μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1200μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,220μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,240μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,260μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,280μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,300μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,320μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,340μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,360μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,380μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,400μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,420μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,440μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,460μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,480μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,500μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,520μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,540μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,560μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,580μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,600μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,620μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,640μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,660μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,680μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,700μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,720μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,740μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,760μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,780μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,800μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,820μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,840μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,860μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,880μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,900μg/kgの用量で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約1,920μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約1,940μg/kgの用量で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1,960μg/kgの用量で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、約1,980μg/kgの用量で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、約2,000μg/kgの用量で投与される。
【0147】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、一定用量で投与され得る。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約0.25mg~約9mgの一定用量で投与され得る。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約0.25mg、約1mg、約3mg、約6mg、または約9mgの一定用量で投与され得る。
【0148】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、対象に複数用量で投与される(すなわち、反復投与)。特定の実施形態では、IL-7タンパク質は、対象に少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、または少なくとも10回以上投与される。他の実施形態では、対象は、IL-7タンパク質の単回投与を(例えば、免疫チェックポイント阻害剤の投与前か、それと同時か、または投与後に)受ける。
【0149】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1週間に1回、約2週間に1回、約3週間に1回、約4週間に1回、約5週間に1回、約6週間に1回、約7週間に1回、約8週間に1回、約9週間に1回、約10週間に1回、約11週間に1回、または約12週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、約10日毎に1回、約20日毎に1回、約30日毎に1回、約40日毎に1回、約50日毎に1回、約60日毎に1回、約70日毎に1回、約80日毎に1回、約90日毎に1回、または約100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、3週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、4週間に1回投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、6週間に1回投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、8週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、9週間に1回投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、12週間に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、10日毎に1回投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、20日毎に1回投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、30日毎に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、40日毎に1回投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、50日毎に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60日毎に1回投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、70日毎に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、80日毎に1回投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、90日毎に1回投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、100日毎に1回投与される。
【0150】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約720μg/kgの量で2回以上、約1週、約2週、約3週、または約4週の間隔で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約840μg/kgの量で2回以上、約2週、約3週、約4週、または約5週の間隔で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約960μg/kgの量で2回以上、約2週、約3週、約4週、約5週、または約6週の間隔で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1200μg/kgの量で2回以上、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、または約8週の間隔で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、約1440μg/kgの量で2回以上、約3週、約4週、約5週、約6週、約7週、約8週、約2か月、約8週、約10週、約12週、または約3か月の間隔で投与される。
【0151】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、1週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0152】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、2週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0153】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、3週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0154】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、4週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0155】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、5週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0156】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、6週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0157】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、7週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0158】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、8週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0159】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、9週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0160】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、10週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0161】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、11週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0162】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、12週間に1回の投薬頻度で投与される。
【0163】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、10日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0164】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、20日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0165】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、30日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0166】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、40日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0167】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、50日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0168】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、60日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0169】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、70日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0170】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、80日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0171】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、90日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0172】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、60μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、120μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、240μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、480μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、720μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、960μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,200μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,300μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,400μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。他の態様において、IL-7タンパク質は、1,420μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,440μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,460μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。特定の態様において、IL-7タンパク質は、1,480μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,500μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。さらなる態様では、IL-7タンパク質は、1,600μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、1,700μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、2,000μg/kgの用量で、100日毎に1回の投薬頻度で投与される。
【0173】
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法(例えば、IL-7タンパク質を免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与すること)は、1以上の追加の抗がん剤及び/または免疫調節剤と組み合わせて使用することができる。そのような薬剤には、例えば、化学療法薬、低分子薬、または所与のがんに対する免疫応答を刺激する抗体が含まれ得る。いくつかの態様において、本明細書に記載される方法は、標準治療による治療(例えば、手術、放射線、及び化学療法)と組み合わせて使用される。本明細書に記載される方法は、維持療法、例えば、腫瘍の発生または再発を防止することを目的とした療法として使用することもできる。
【0174】
いくつかの態様において、本明細書に開示される腫瘍を治療する方法は、免疫経路の複数の要素を標的とすることができるように、IL-7タンパク質を1以上の免疫腫瘍学的薬剤と組み合わせて投与することを含み得る。そのような組み合わせの非限定的なものとしては、腫瘍抗原提示を向上させる療法(例えば、樹状細胞ワクチン、GM-CSF分泌細胞ワクチン、CpGオリゴヌクレオチド、イミキモド);例えば、CTLA-4及び/またはPD1/PD-L1/PD-L2経路の阻害、及び/またはTregもしくは他の免疫抑制細胞(例えば、骨髄系由来サプレッサー細胞)の枯渇もしくは遮断によって、負の免疫制御を阻害する療法;例えば、CD-137、OX-40、及び/またはCD40もしくはGITR経路を刺激する及び/またはT細胞エフェクター機能を刺激するアゴニストにより、正の免疫制御を刺激する療法;抗腫瘍T細胞の発生頻度を全身的に増大させる療法;例えば、CD25のアンタゴニスト(例えば、ダクリズマブ)を使用して、もしくはex vivoの抗CD25ビーズによる枯渇により、腫瘍中のTregなどのTregを枯渇させるもしくは阻害する療法;腫瘍中のサプレッサー骨髄細胞の機能に影響を及ぼす療法;腫瘍細胞の免疫原性を向上させる療法(例えば、アントラサイクリン);遺伝子改変細胞、例えば、キメラ抗原受容体によって改変された細胞(CAR-T療法)を含む、T細胞もしくはNK細胞の養子移入;インドールアミンジオキシゲナーゼ(IDO)、ジオキシゲナーゼ、アルギナーゼ、もしくは一酸化窒素合成酵素などの代謝酵素を阻害する療法;T細胞のアネルギーもしくは消耗を逆転させる/防止する療法;自然免疫活性化及び/または腫瘍部位の炎症を誘発する療法;免疫刺激サイトカインの投与;または免疫抑制サイトカインの遮断が挙げられる。
【0175】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて使用することのできる免疫腫瘍学的薬剤は、免疫チェックポイント阻害剤を含む(すなわち、特定の免疫チェックポイント経路によるシグナル伝達を遮断する)。本発明の方法で使用することのできる免疫チェックポイント阻害剤の非限定的な例は、CTLA-4アンタゴニスト(例えば、抗CTLA-4抗体)、PD-1アンタゴニスト(例えば、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体)、TIM-3アンタゴニスト(例えば、抗TIM-3抗体)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0176】
いくつかの態様において、免疫腫瘍学的薬剤は、免疫チェックポイント活性化因子を含む(すなわち、特定の免疫チェックポイント経路によるシグナル伝達を促進する)。特定の態様において、免疫チェックポイント活性化因子は、OX40アゴニスト(例えば、抗OX40抗体)、LAG-3アゴニスト(例えば抗LAG-3抗体)、4-1BB(CD137)アゴニスト(例えば、抗CD137抗体)、GITRアゴニスト(例えば、抗GITR抗体)、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0177】
いくつかの態様において、本明細書に記述されるIL-7タンパク質と第2の薬剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)の組み合わせは、薬学的に許容できる担体中の単一の組成物として同時に投与され得る。他の態様において、本明細書に記述されるIL-7タンパク質と第2の薬剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)の組み合わせは、別個の組成物として同時に投与されてもよい。さらなる態様では、本明細書に記述されるIL-7タンパク質と第2の薬剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)の組み合わせは、順次投与され得る。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、第2の薬剤(例えば、免疫チェックポイント阻害剤)の投与の前に投与される。
【0178】
IIa.本開示において有用なIL-7タンパク質
本明細書では、がん(または腫瘍)を治療するために免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて使用され得るIL-7タンパク質が開示される。いくつかの態様において、この使用に有用なIL-7タンパク質は、野生型IL-7または改変型IL-7(すなわち、野生型ではないIL-7タンパク質)(例えば、IL-7バリアント、IL-7機能性断片、IL-7誘導体、またはそれらの任意の組み合わせ、例えば、融合タンパク質、キメラタンパク質など)であり得るが、ただし、IL-7タンパク質が、IL-7の生物活性を1以上含む、例えば、IL-7Rに結合すること、例えば、初期T細胞の発達を誘導すること、T細胞恒常性を促進することができる場合に限る。ElKassar and Gress.J Immunotoxicol.2010 Mar;7(1):1-7を参照されたい。いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、野生型IL-7タンパク質ではない(すなわち、1以上の改変を含む)。かかる改変の非限定的な例は、オリゴペプチド及び/または半減期延長部分を含み得る。全体として参照により本明細書に組み込まれるWO2016/200219を参照されたい。
【0179】
IL-7は、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)と共通する(Ziegler and Liu,2006)、IL-7Rα(CD127)、ならびにIL-2、IL-15、IL-9及びIL-21と共通のγ鎖(CD132)という、2つの鎖から構成された受容体に結合する。γcがほとんどの造血細胞で発現する一方で、IL-7Rαはほぼリンパ系細胞でのみ発現する。IL-7は、その受容体に結合した後、分化及び生存にそれぞれ関与する、Jak-Stat(Janus kinase-Signal transducer and activator of transcription)と、PI3K/Aktという2つの異なる経路によってシグナル伝達を行う。IL-7シグナル伝達の欠如は、抗IL-7中和モノクローナル抗体(MAb)を与えたマウス(Grabstein et al.,1993)、IL-7-/-マウス(von Freeden-Jeffry et al.,1995)、IL-7Rα-/-マウス(Peschon et al.,1994、Maki et al.,1996)、γc-/-マウス(Malissen et al.,1997)、及びJak3-/-マウス(Park et al.,1995)において観察されたような、胸腺細胞充実性の低減の原因である。IL-7シグナル伝達のないマウスでは、T細胞、B細胞、及びNK-T細胞が欠損している。IL-7α-/-マウス(Peschon et al.,1994)は、IL-7-/-マウス(von Freeden-Jeffry et al.,1995)と同様だが、より重篤な表現型を有し、その理由は、IL-7α-/-マウスではTSLPシグナル伝達も抑制されるためと考えられる。IL-7は、γδ細胞(Maki et al.,1996)及びNK-T細胞(Boesteanu et al.,1997)の発達に必要である。
【0180】
いくつかの態様において、本開示において有用なIL-7タンパク質は、配列番号1~6のいずれか1つに示すアミノ酸配列を含む。他の態様において、IL-7タンパク質は、配列番号1~6の配列と約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0181】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、改変型IL-7またはその断片を含み、この改変型IL-7または断片は、野生型IL-7の生物活性を1以上保持する。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、ヒト、ラット、マウス、サル、ウシ、またはヒツジに由来し得る。
【0182】
いくつかの態様において、ヒトIL-7は、配列番号1(Genbank受入番号P13232)に表されるアミノ酸配列を有し得、ラットIL-7は、配列番号2(Genbank受入番号P56478)に表されるアミノ酸配列を有し得、マウスIL-7は、配列番号3(Genbank受入番号P10168)に表されるアミノ酸配列を有し得、サルIL-7は、配列番号4(Genbank受入番号NP 001279008)に表されるアミノ酸配列を有し得、ウシIL-7は、配列番号5(Genbank受入番号P26895)に表されるアミノ酸配列を有し得、ヒツジIL-7は、配列番号6(Genbank受入番号Q28540)に表されるアミノ酸配列を有し得る。
【0183】
いくつかの態様において、本開示において有用なIL-7タンパク質は、IL-7融合タンパク質を含む。特定の態様において、IL-7融合タンパク質は、(i)オリゴペプチド及び(i)IL-7またはそのバリアントを含む。いくつかの態様において、オリゴペプチドは、IL-7またはそのバリアントのN末端領域に連結している。
【0184】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるオリゴペプチドは、1~10個のアミノ酸からなる。特定の態様において、オリゴペプチドは、少なくとも1個、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、または10個のアミノ酸からなる。いくつかの態様において、オリゴペプチドの1以上のアミノ酸は、メチオニン、グリシン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。特定の態様において、オリゴペプチドは、メチオニン、グリシン、メチオニン-メチオニン、グリシン-グリシン、メチオニン-グリシン、グリシン-メチオニン、メチオニン-メチオニン-メチオニン、メチオニン-メチオニン-グリシン、メチオニン-グリシン-メチオニン、グリシン-メチオニン-メチオニン、メチオニン-グリシン-グリシン、グリシン-メチオニン-グリシン、グリシン-グリシン-メチオニン、及びグリシン-グリシン-グリシンからなる群から選択される。いくつかの態様において、オリゴペプチドはメチオニン-グリシン-メチオニンである。
【0185】
いくつかの態様において、IL-7融合タンパク質は、(i)IL-7またはそのバリアント、及び(ii)半減期延長部分を含む。いくつかの態様において、半減期延長部分は、IL-7またはそのバリアントの半減期を延長する。いくつかの態様において、半減期延長部分は、IL-7またはそのバリアントのC末端領域に連結している。
【0186】
いくつかの態様において、IL-7融合タンパク質は、(i)IL-7(第1のドメイン)、(ii)メチオニン、グリシン、またはそれらの組み合わせからなる1~10個のアミノ酸残基、例えば、MGMを有するアミノ酸配列を含む、第2のドメイン、及び(iii)半減期延長部分を含む第3のドメインを含む。いくつかの態様において、半減期延長部分は、第1のドメインまたは第2のドメインのN末端またはC末端に連結していてもよい。さらに、第1のドメイン及び第2のドメインを含むIL-7は、第3のドメインの両末端に連結していてもよい。
【0187】
半減期延長部分の非限定的な例は、Fc、アルブミン、アルブミン結合ポリペプチド、Pro/Ala/Ser(PAS)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンのβサブユニットのC末端ペプチド(CTP)、ポリエチレングリコール(PEG)、長鎖非構造化親水性アミノ酸配列(XTEN)、ヒドロキシエチルデンプン(HES)、アルブミン結合低分子、及びそれらの組み合わせを含む。
【0188】
いくつかの態様において、半減期延長部分はFcである。特定の態様において、Fcは、抗体依存性細胞傷害(ADCC)または補体依存性細胞傷害(CDC)が、Fc受容体及び/または補体との結合親和性の改変によって減弱した、改変型免疫グロブリンに由来するものである。いくつかの態様において、改変型免疫グロブリンは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、IgA2、IgD、IgE、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。いくつかの態様において、Fcは、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含むハイブリッドFc(「hFc」または「hyFc」)である。特定の態様において、本明細書に開示されるハイブリッドFcのヒンジ領域は、ヒトIgDヒンジ領域を含む。特定の態様において、ハイブリッドFcのCH2ドメインは、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含む。特定の態様において、ハイブリッドFcのCH3ドメインは、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む。したがって、いくつかの態様では、本明細書に開示されるハイブリッドFcは、ヒンジ領域、CH2ドメイン、及びCH3ドメインを含み、ヒンジ領域は、ヒトIgDヒンジ領域を含み、CH2ドメインは、ヒトIgD CH2ドメインの一部及びヒトIgG4 CH2ドメインの一部を含み、CH3ドメインは、ヒトIgG4 CH3ドメインの一部を含む。
【0189】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるFcは、Fcバリアントであってもよい。本明細書で使用する場合、「Fcバリアント」という用語は、Fc領域中のアミノ酸の一部を置換すること、または異なる種類のFc領域を組み合わせることによって調製されたFcを意味する。Fc領域バリアントは、ヒンジ領域で切断されることを防止することができる。特に、いくつかの態様では、Fcバリアントは、配列番号9の144番目のアミノ酸及び/または145番目のアミノ酸の修飾を含む。特定の態様において、144番目のアミノ酸(K)及び/または145番目のアミノ酸(K)は、GまたはSで置換される。
【0190】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるFcまたはFcバリアントは、次式:N’-(Z1)p-Y-Z2-Z3-Z4-Cによって表すことができ、式中、
N’はN末端を含み、
Z1は、配列番号7の90~98位のアミノ酸残基のうち、98位のアミノ酸残基からN末端に向かって5~9個の連続アミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Yは、配列番号7の99~162位のアミノ酸残基のうち、162位のアミノ酸残基からN末端に向かって5~64個の連続アミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Z2は、配列番号7の163~199位のアミノ酸残基のうち、163位のアミノ酸残基からC末端に向かって4~37個の連続アミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Z3は、配列番号8の115~220位のアミノ酸残基のうち、220位のアミノ酸残基からN末端に向かって71~106個の連続アミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含み、
Z4は、配列番号8の221~327位のアミノ酸残基のうち、221位のアミノ酸残基からC末端に向かって80~107個の連続アミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含む。
【0191】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるFc領域は、配列番号9(hyFc)、配列番号10(hyFcM1)、配列番号11(hyFcM2)、配列番号12(hyFcM3)、または配列番号13(hyFcM4)のアミノ酸配列を含み得る。いくつかの態様において、Fc領域は、配列番号14(非溶解性マウスFc)のアミノ酸配列を含み得る。
【0192】
本開示で使用することのできるFc領域の他の非限定的な例は、全体として参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,867,491号に記載されている。
【0193】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7融合タンパク質は、オリゴペプチドと半減期延長部分の両方を含む。
【0194】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、アルブミン、そのバリアント、または断片に融合していてもよい。IL-7-アルブミン融合タンパク質の例は、国際出願公開第WO2011/124718号A1に見出すことができる。いくつかの態様において、IL-7タンパク質は、任意選択で可動性リンカーによって、プレ-プロ-B細胞成長刺激因子(PPBSF)に融合している。US2002/0058791A1を参照されたい。他の態様において、本開示において有用なIL-7タンパク質は、特定の三次元構造を有するIL-7配座異性体である。US2005/0249701A1を参照されたい。いくつかの態様において、IL-7タンパク質はIg鎖に融合していてもよく、ここで、IL-7タンパク質のアミノ酸残基70及び91はグリコシル化されており、IL-7タンパク質のアミノ酸残基116はグリコシル化されていない。US7,323,549B2を参照されたい。いくつかの態様において、潜在的なT細胞エピトープを含まない(したがって抗IL-7 T細胞応答が低減する)IL-7タンパク質を本開示に使用することもできる。US2006/0141581A1を参照されたい。他の態様において、カルボキシ末端ヘリックスD領域に1以上のアミノ酸残基変異を有するIL-7タンパク質を本開示に使用してもよい。IL-7変異体は、受容体への結合親和性が低いにもかかわらず、IL-7Rの部分的アゴニストとして作用し得る。US2005/0054054A1を参照されたい。上述の特許または刊行物に記載されるIL-7タンパク質はいずれも、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0195】
さらに、本開示において有用な追加のIL-7タンパク質の非限定的な例が、US7708985、US8034327、US8153114、US7589179、US7323549、US7960514、US8338575、US7118754、US7488482、US7670607、US6730512、WO0017362、GB2434578A、WO2010/020766A2、WO91/01143、Beq et al.,Blood,vol.114(4),816,23 July 2009、Kang et al.,J.Virol.Doi:10.1128/JVI.02768-15、Martin et al.,Blood,vol.121(22),4484,May 30,2013、McBride et al.,Acta Oncologica,34:3,447-451,July 8,2009、及びXu et al.,Cancer Science,109:279-288,2018に記載されており、これらは全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0196】
本開示は、有効量のインターロイキン-7(IL-7)タンパク質を有効量の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍(またはがん)を治療する方法に関する。本発明の方法で使用することのできる免疫チェックポイント阻害剤の非限定的な例としては、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体、及びそれらの組み合わせが挙げられる。
【0197】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるオリゴペプチドは、IL-7またはそのバリアントのN末端領域に直接連結している。他の態様において、オリゴペプチドは、N末端領域にリンカーを介して連結している。いくつかの態様において、本明細書に開示される半減期延長部分は、IL-7またはそのバリアントのC末端領域に直接連結している。特定の態様において、半減期延長部分は、C末端領域にリンカーを介して連結している。いくつかの態様において、リンカーはペプチドリンカーである。特定の態様において、ペプチドリンカーは、Gly及びSer残基からなる10~20個のアミノ酸残基のペプチドを含む。いくつかの態様において、リンカーはアルブミンリンカーである。いくつかの態様において、リンカーは化学結合である。特定の態様において、化学結合は、ジスルフィド結合、ジアミン結合、スルフィド-アミン結合、カルボキシ-アミン結合、エステル結合、共有結合、またはそれらの組み合わせを含む。リンカーがペプチドリンカーである場合、いくつかの態様では、結合はいずれの連結領域でも起こり得る。これらは、当該技術分野で公知の架橋剤を使用して結合され得る。いくつかの態様において、架橋剤の例としては、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、及び4-アジドサリチル酸などのN-ヒドロキシサクシニミドエステル;3,3’-ジチオビス(サクシニミジルプロピオネート)などのジサクシニミジルエステルを含むイミドエステル、ならびにビス-Nマレイミド-1,8-オクタンなどの二官能性マレイミドを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0198】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7融合タンパク質のIL-7(またはそのバリアント)部分は、配列番号15~20に示すアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ配列を含む。特定の態様において、本明細書に開示されるIL-7融合タンパク質のIL-7(またはそのバリアント)部分は、配列番号15~20に示すアミノ酸配列を含む。
【0199】
いくつかの態様において、IL-7融合タンパク質は、IL-7の活性またはその類似の活性を有するポリペプチドを含む第1のドメインと、メチオニン、グリシン、またはそれらの組み合わせからなる1~10個のアミノ酸残基を有するアミノ酸配列を含む第2のドメインと、第1のドメインのC末端に結合した改変型免疫グロブリンのFc領域である第3のドメインとを含む。
【0200】
いくつかの態様において、本発明の方法で使用することのできるIL-7融合タンパク質は、配列番号21~25に示すアミノ酸配列と少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一であるアミノ配列を含む。特定の態様において、本開示のIL-7融合タンパク質は、配列番号21~25に示すアミノ酸配列を含む。さらなる態様では、本明細書に開示されるIL-7融合タンパク質は、配列番号26及び27に示すアミノ酸配列を含む。
【0201】
いくつかの態様において、本開示において有用なIL-7タンパク質は、対象に投与すると、対象のリンパ球絶対数を増大させることができる。特定の態様において、対象は、本明細書に記載される疾患または障害(例えば、がん)を患っている。他の態様において、対象は、健康な個体である(例えば、本明細書に記載される疾患または障害、例えば、がんを患っていない)。特定の態様において、リンパ球絶対数は、参照(例えば、IL-7タンパク質を受けなかった対象における対応するレベル)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%以上増大する。
【0202】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、対象におけるT細胞増殖(例えば、CD8T細胞)を増大させることができる。特定の態様において、T細胞増殖の増大は、末梢(例えば、腫瘍内以外)で起こる。特定の態様において、T細胞増殖は、参照(例えば、IL-7タンパク質を受けなかった対象における対応するレベル)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%以上増大する。特定の態様において、IL-7投与に応答して増殖するT細胞(例えば、CD8T細胞)は、次のマーカー:Eomesodermin(Eomes)、グランザイムB、CXCR3、IFN-γ、またはそれらの組み合わせのうちの1以上を発現する。
【0203】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、腫瘍へのエフェクターT細胞(例えば、細胞傷害性CD8Tリンパ球)の動員を増大させることができる。特定の態様において、腫瘍へのエフェクターT細胞の動員は、参照(例えば、IL-7タンパク質を受けなかった対象における対応するレベル)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%以上増大する。
【0204】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、対象の腫瘍における骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)の数及び/または割合を減少させ得る。特定の態様において、腫瘍におけるMDSCの数及び/または割合は、参照(例えば、IL-7タンパク質を受けなかった対象における対応するレベル)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または約100%減少する。
【0205】
いくつかの態様において、本開示で使用することのできるIL-7タンパク質は、対象に投与すると、腫瘍におけるCD8TILのMDSCに対する比を増大させることができる。特定の態様において、CD8TILのMDSCに対する比は、投与後に、参照(例えば、IL-7タンパク質を受けなかった対象における対応するレベル)と比較して、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約125%、少なくとも約150%、少なくとも約200%、少なくとも約250%、または少なくとも約300%増大する。
【0206】
IIb.PD-1アンタゴニスト
いくつかの態様において、本開示は、有効量のIL-7タンパク質を有効量のPD-1経路アンタゴニスト(「PD-1アンタゴニスト」)と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍を治療する方法を提供する。本明細書で使用する場合、「PD-1アンタゴニスト」という用語は、「PD-1経路阻害剤」という用語と同義に使用される場合があり、限定するものではないが、PD-1結合剤、PD-L1結合剤、及びPD-L2結合剤を含む。PD-1結合剤は、PD-1に特異的に結合する抗体を含む。PD-L1結合剤及びPD-L2結合剤は、PD-L1及び/またはPD-L2に特異的に結合する抗体、ならびにPD-L1及び/またはPD-L2に結合する可溶性PD-1ポリペプチドを含む。
【0207】
抗PD-1抗体
いくつかの態様において、本開示で使用することのできるPD-1アンタゴニストは、抗PD-1抗体である。PD-1に高い親和性で特異的に結合する抗体(例えば、ヒト抗体)は、米国特許第8,008,449号及び同第8,779,105号に開示されており、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。他の抗PD-1 mAbは、例えば、米国特許第6,808,710号、同第7,488,802号、同第8,168,757号、及び同第8,354,509号、ならびにPCT公開第WO2012/145493号に記載されており、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第8,008,449号に開示されている抗PD-1 HuMAbの各々は、次の特徴のうちの1以上を呈することが示されている:(a)Biacoreバイオセンサシステムを使用して表面プラズモン共鳴により決定した場合に1×10-7M以下のKでヒトPD-1に結合する;(b)ヒトCD28、CTLA-4またはICOSに実質的に結合しない;(c)混合リンパ球反応(MLR)アッセイにおいてT細胞増殖を増大させる;(d)MLRアッセイにおいてインターフェロン-γ産生を増大させる;(e)MLRアッセイにおいてIL-2分泌を増大させる;(f)ヒトPD-1及びカニクイザルPD-1に結合する;(g)PD-L1及び/またはPD-L2のPD-1に対する結合を阻害する;(h)抗原特異的メモリー応答を刺激する;(i)Ab応答を刺激する;ならびに(j)in vivoで腫瘍細胞成長を阻害する。本発明において有用な抗PD-1抗体には、ヒトPD-1に特異的に結合し、前述の特徴のうち少なくとも1つ、好ましくは少なくとも5つを呈するmAbが含まれる。
【0208】
いくつかの態様において、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。ニボルマブ(別名「OPDIVO(登録商標)」;5C4、BMS-936558、MDX-1106、またはONO-4538)は、PD-1リガンド(PD-L1及びPD-L2)との相互作用を選択的に防止し、それによって抗腫瘍T細胞機能の下方制御を阻止する、完全ヒトIgG4(S228P)PD-1免疫チェックポイント阻害剤抗体である(米国特許第8,008,449号、Wang et al.,2014 Cancer Immunol Res.2(9):846-56、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる)。いくつかの態様において、抗PD-1抗体またはその断片は、ニボルマブと交差競合する。他の態様において、抗PD-1抗体またはその断片は、ニボルマブと同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD-1抗体は、ニボルマブと同じCDRを有する。いくつかの態様において、抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ)は、2週間毎に約240mgまたは4週間毎に約480mgの一定用量で対象に(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。特定の態様において、抗PD-1抗体(例えば、ニボルマブ)は、2週間毎に約3mg/kgの重量基準用量で投与される。
【0209】
本発明での使用に好適な抗PD-1抗体(またはそれに由来するVHドメイン及び/またはVLドメイン)は、当該技術分野で周知の方法を使用して生成することができる。あるいは、当該技術分野で認識されている抗PD-1抗体を使用してもよい。例えば、教示内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2006/121168に記載されているモノクローナル抗体5C4(本明細書ではニボルマブまたはBMS-936558と称される)、17D8、2D3、4H1、4A11、7D3、及び5F4を使用することができる。他の公知のPD-1抗体には、WO2008/156712に記載されているランブロリズマブ(MK-3475)、及びWO2012/145493に記載されているAMP-514が含まれ、これらの教示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。さらなる公知の抗PD-1抗体及び他のPD-1阻害剤には、教示内容が参照により本明細書に組み込まれるWO2009/014708、WO03/099196、WO2009/114335、及びWO2011/161699に記載されているものが含まれる。別の公知の抗PD-1抗体はピディリズマブ(CT-011)である。これらの抗体または阻害剤のいずれかとPD-1への結合について競合する抗体またはその抗原結合性断片を使用することもできる。
【0210】
いくつかの態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、ペンブロリズマブと交差競合する。いくつかの態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、ペンブロリズマブと同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、ペンブロリズマブと同じCDRを有する。別の態様では、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブである。ペンブロリズマブ(別名「KEYTRUDA(登録商標)」、ランブロリズマブ、及びMK-3475)は、ヒト細胞表面受容体PD-1(programmed death-1またはprogrammed cell death-1)に対するヒト化IgG4モノクローナル抗体である。ペンブロリズマブは、例えば、米国特許第8,354,509号及び同第8,900,587号に記載されている。また、worldwideweb.cancer.gov/drugdictionary?cdrid=695789(最終アクセス日:2017年5月25日)も参照されたい。これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。ペンブロリズマブはFDAにより、再発性または難治性の黒色腫の治療のために承認されている。いくつかの態様において、抗PD-1抗体(例えば、ペンブロリズマブ)は、3週間毎に約200mgの一定用量で対象に(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。特定の態様において、抗PD-1抗体(例えば、ペンブロリズマブ)は、3週間毎に約2mg/kgの重量基準用量で投与される。
【0211】
他の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、MEDI0608と交差競合する。さらに他の態様では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、MEDI0608と同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD-1抗体は、MEDI0608と同じCDRを有する。他の態様において、抗PD-1抗体は、モノクローナル抗体のMEDI0608(旧称AMP-514)である。MEDI0608は、例えば、米国特許第8,609,089号またはworldwideweb.cancer.gov/drugdictionary?cdrid=756047(最終アクセス日2017年5月25日)に記載されており、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。
【0212】
他の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、BGB-A317と交差競合する。いくつかの態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、BGB-A317と同じエピトープに結合する。特定の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、BGB-A317と同じCDRを有する。特定の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、ヒト化モノクローナル抗体のBGB-A317である。BGB-A317は、参照により本明細書に組み込まれる米国公開第2015/0079109号に記載されている。
【0213】
いくつかの態様において、ヒトPD-1への結合についてニボルマブと交差競合する、またはニボルマブと同じヒトPD-1のエピトープ領域に結合する抗体またはその抗原結合性断片は、mAbである。ヒト対象への投与の場合、これらの交差競合抗体はキメラ抗体、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体であってもよい。かかるキメラmAb、ヒト化mAbまたはヒトmAbは、当該技術分野で周知の方法によって調製及び単離することができる。
【0214】
本開示での使用に好適な抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、高い特異性及び親和性でPD-1に結合し、PD-L1及びまたはPD-L2の結合を遮断し、PD-1シグナル伝達経路の免疫抑制効果を阻害する抗体である。特定の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性部分は、ヒトPD-1への結合についてニボルマブと交差競合する。他の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性部分は、キメラ抗体、ヒト化抗体、もしくはヒトモノクローナル抗体、またはそれらの一部分である。特定の態様において、抗体はヒト化抗体である。他の態様において、抗体はヒト抗体である。IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4アイソタイプの抗体を使用することができる。
【0215】
特定の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、ヒトIgG1またはIgG4アイソタイプのものである重鎖定常領域を含む。特定の他の態様では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片のIgG4重鎖定常領域の配列は、ヒンジ領域内のセリン残基を、IgG1アイソタイプ抗体の対応する位置に通常見出されるプロリン残基に置き換える、S228P変異を含む。この変異は、ニボルマブに存在し、内因性IgG4抗体とのFabアーム交換を防止しつつ、野生型IgG4抗体に関連する活性化Fc受容体への低い親和性を保持する(Wang et al.,2014)。さらに他の態様では、抗体は、ヒトカッパまたはラムダ定常領域である軽鎖定常領域を含む。他の態様において、抗PD-1抗体またはその抗原結合性断片は、mAbまたはその抗原結合性部分である。抗PD-1抗体の投与を含む本明細書に記載される治療方法のいずれかの特定の態様において、抗PD-1抗体は、ニボルマブである。他の態様において、抗PD-1抗体は、ペンブロリズマブである。他の態様において、抗PD-1抗体は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,008,449号に記載されているヒト抗体17D8、2D3、4H1、4A11、7D3及び5F4から選択される。さらに他の態様では、抗PD-1抗体は、MEDI0608(旧称AMP-514)、AMP-224、またはピディリズマブ(CT-011)である。
【0216】
抗PD-L1抗体
いくつかの態様において、本開示で使用することのできるPD-1アンタゴニストは、抗PD-L1抗体である。本発明での使用に好適な抗ヒトPD-L1抗体(またはそれに由来するVHドメイン及び/またはVLドメイン)は、当該技術分野で周知の方法を使用して生成することができる。あるいは、当該技術分野で認識されている抗PD-L1抗体を使用してもよい。例えば、内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,943,743号に開示されているヒト抗PD-L1抗体を使用してもよい。かかる抗PD-L1抗体には、3G10、12A4(BMS-936559とも呼ばれる)、10A5、5F8、10H10、1B12、7H1、11E6、12B7、及び13G4が含まれる。使用することのできる、当該技術分野で認識されている他の抗PD-L1抗体としては、例えば、米国特許第7,635,757号及び同第8,217,149号、米国公開第2009/0317368号、ならびにPCT公開第WO2011/066389号及び同第WO2012/145493号に記載されているものが挙げられ、これらの教示内容もまた、参照により本明細書に組み込まれる。抗PD-L1抗体の他の例としては、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標);RG7446)、またはデュルバルマブ(IMFINZI(登録商標);MEDI4736)が挙げられる。これらの当該技術分野で認識されている抗体または阻害剤のいずれかとPD-L1への結合について競合する抗体またはその抗原結合性断片を使用することもできる。いくつかの態様において、抗PD-L1抗体(例えば、アテゾリズマブ)は、3週間毎に約1200mgの用量で対象に(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。いくつかの態様において、抗PD-L1抗体(例えば、デュルバルマブ)は、2週間毎に約10mg/kgの用量で(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。
【0217】
特定の態様において、抗PD-L1抗体は、BMS-936559(旧称12A4またはMDX-1105)である(例えば、米国特許第7,943,743号、WO2013/173223(これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)。他の態様において、抗PD-L1抗体は、MPDL3280A(別名RG7446及びアテゾリズマブ)(例えば、Herbst et al.2013 J Clin Oncol 31(suppl):3000、米国特許第8,217,149号(これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい)、MEDI4736(参照により本明細書に組み込まれるKhleif,2013,In:Proceedings from the European Cancer Congress 2013;September 27-October 1,2013;Amsterdam,The Netherlands.Abstract 802)、またはMSB0010718C(アベルマブとも呼ばれる;参照により本明細書に組み込まれるUS2014/0341917を参照されたい)である。特定の態様において、ヒトPD-L1への結合について上記参照のPD-L1抗体と交差競合する、または上記参照のPD-L1抗体と同じヒトPD-L1のエピトープ領域に結合する抗体は、mAbである。ヒト対象への投与の場合、これらの交差競合抗体はキメラ抗体であってもよいし、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体であってもよい。かかるキメラmAb、ヒト化mAbまたはヒトmAbは、当該技術分野で周知の方法によって調製及び単離することができる。いくつかの態様において、抗PD-L1抗体(例えば、アベルマブ)は、2週間毎に約800mgの用量で対象に(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。
【0218】
IIc.CTLA-4アンタゴニスト
いくつかの態様において、本開示はまた、有効量のIL-7タンパク質を有効量のCTLA-4経路アンタゴニスト(「CTLA-4アンタゴニスト」)と組み合わせて対象に投与することを含む、それを必要とする対象の腫瘍を治療する方法を提供する。いくつかの態様において、CTLA-4アンタゴニストは、抗CTLA-4抗体である。
【0219】
CTLA-4に高い親和性で特異的に結合するHuMAbは、米国特許第6,984,720号及び同第7,605,238号に開示されており、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。他の抗CTLA-4 mAbは、例えば、米国特許第5,977,318号、同第6,051,227号、同第6,682,736号、及び同第7,034,121号に記載されており、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。米国特許第6,984,720号及び同第7,605,238号(これらはいずれも参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている抗CTLA-4 HuMAbは、次の特徴のうちの1以上を呈することが示されている:(a)Biacore解析により決定した場合に少なくとも約10-1、または約10-1、または約1010-1~1011-1以上の平衡会合定数(K)に反映される結合親和性で、ヒトCTLA-4に特異的に結合する;(b)少なくとも約10、約10、または約10-1-1の動力学的会合定数(k);(c)少なくとも約10、約10、または約10-1-1の動力学的解離定数(k);ならびに(d)B7-1(CD80)及びB7-2(CD86)へのCTLA-4の結合を阻害する。本発明において有用な抗CTLA-4抗体には、ヒトCTLA-4に特異的に結合し、前述の特徴のうち少なくとも1つ、少なくとも2つ、または少なくとも3つを呈するmAbが含まれる。例示的な臨床用抗CTLA-4抗体は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,984,720号に開示されているヒトmAb 10D1(現在はイピリムマブとして知られ、YERVOY(登録商標)として市販されている)である。イピリムマブは、本明細書に開示される方法で使用される抗CTLA-4抗体である。イピリムマブは、CTLA-4がそのB7リガンドに結合することを遮断し、それによってT細胞活性化を刺激し、進行黒色腫患者の全生存期間(OS)を改善する完全ヒトIgG1モノクローナル抗体である。いくつかの態様において、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ)は、3週間毎に約3mg/kgの用量で(例えば、切除不能または転移性の黒色腫を治療するために)、対象に(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。いくつかの態様において、抗CTLA-4抗体(例えば、イピリムマブ)は、3週間毎に約10mg/kgで4用量、続いて12週間毎に10mg/kgの用量で最長3年間にわたり(例えば、黒色腫のアジュバント治療のために)、対象に(例えば、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と組み合わせて)投与される。
【0220】
本発明の方法において有用な別の抗CTLA-4抗体は、トレメリムマブ(別名チシリムマブ及びCP-675,206)である。トレメリムマブは、ヒトIgG2モノクローナル抗CTLA-4抗体である。トレメリムマブは、WO/2012/122444、米国公開第2012/263677号、及びWO公開第2007/113648号A2に記載されており、これらは各々、参照により本明細書に組み込まれる。本開示において有用な抗CTLA-4抗体の他の非限定的な例としては、MK-1308(Merck)及びAGEN-1884(Agenus Inc.;WO2016/196237を参照されたい)が挙げられる。
【0221】
本開示において有用な抗CTLA-4抗体には、ヒトCTLA-4に特異的に結合し、かつヒトCTLA-4への結合についてイピリムマブ、トレメリムマブ、MK-1308、もしくはAGEN-1884と交差競合する、またはイピリムマブ、トレメリムマブ、MK-1308、もしくはAGEN-1884と同じヒトCTLA-4のエピトープ領域に結合する単離抗体も含まれる。特定の態様において、ヒトCTLA-4への結合についてイピリムマブ、トレメリムマブ、MK-1308、もしくはAGEN-18844と交差競合する、またはイピリムマブ、トレメリムマブ、MK-1308、もしくはAGEN-18844が結合するものと同じヒトCTLA-4のエピトープ領域に結合する抗体は、ヒトIgG1アイソタイプの重鎖を含む抗体である。ヒト対象への投与の場合、これらの交差競合抗体はキメラ抗体、またはヒト化抗体もしくはヒト抗体である。上記抗体の抗原結合性部分、例えばFab、F(ab’)、Fd、またはFv断片を、本発明の方法において使用してもよい。
【0222】
III.核酸、ベクター、宿主細胞
本明細書に記載されるさらなる態様は、本明細書に記載される治療剤(例えば、IL-7タンパク質)をコードする1以上の核酸分子に関する。核酸は、全細胞に、細胞溶解物に、または部分的に精製された形態もしくは実質的に純粋な形態で存在し得る。核酸は、他の細胞成分または他の夾雑物、例えば、他の細胞核酸(例えば、他の染色体DNA、例えば、天然に単離DNAに連結している染色体DNA)またはタンパク質から、アルカリ/SDS処理、CsClバンディング、カラムクロマトグラフィー、制限酵素、アガロースゲル電気泳動、及び当該技術分野で周知の他の技術を含む標準的技術によって精製されている場合、「単離されている」または「実質的に純粋になっている」。F.Ausubel,et al.,ed.(1987)Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing and Wiley Interscience,New Yorkを参照されたい。本明細書に記載される核酸は、例えば、DNAまたはRNAであってもよく、イントロン配列を含んでも含まなくてもよい。特定の態様において、核酸はcDNA分子である。本明細書に記載される核酸は、当該技術分野で公知の標準的な分子生物学技術を使用して得ることができる。
【0223】
本明細書に開示される特定の核酸分子は、IL-7タンパク質(例えば、本明細書に開示されるもの)をコードするものである。本明細書に開示されるIL-7タンパク質をコードする例示的な核酸配列を配列番号29~39に示す。
【0224】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に開示される治療剤(例えば、IL-7タンパク質)をコードする単離された核酸分子を含むベクターを提供する。いくつかの態様において、ベクターは遺伝子療法に使用され得る。
【0225】
遺伝子療法として(例えばヒトにおいて)使用されるとき、本明細書に開示される治療剤(例えば、IL-7タンパク質)をコードする核酸は、0.1mg~200mgの範囲内の投与量で投与され得る。特定の態様において、投与量は0.6mg~100mgの範囲内である。さらなる態様では、投与量は1.2mg~50mgの範囲内である。
【0226】
本開示で好適なベクターには、発現ベクター、ウイルスベクター、及びプラスミドベクターが含まれる。いくつかの態様において、ベクターは、ウイルスベクターである。
【0227】
本明細書で使用する場合、発現ベクターとは、適切な宿主細胞に導入したときに、挿入されるコード配列の転写及び翻訳のために必要な要素、またはRNAウイルスベクターの場合には、複製及び翻訳に必要な要素を含む、任意の核酸構築物を意味する。発現ベクターは、プラスミド、ファージミド、ウイルス、及びそれらの誘導体を含み得る。
【0228】
本明細書で使用する場合、ウイルスベクターは、限定するものではないが、次のウイルス:モロニーマウス白血病ウイルス、ハーベイマウス肉腫ウイルス、マウス乳房腫瘍ウイルス、及びラウス肉腫ウイルスなどのレトロウイルス;レンチウイルス;アデノウイルス;アデノ随伴ウイルス;SV40型ウイルス;ポリオーマウイルス;エプスタイン・バーウイルス;パピローマウイルス;ヘルペスウイルス;ワクシニアウイルス;ポリオウイルス;ならびにレトロウイルスなどのRNAウイルスに由来する核酸配列を含む。当該技術分野で周知の他のベクターも容易に用いることができる。特定のウイルスベクターは、非必須遺伝子が目的の遺伝子に置き換えられている非細胞変性真核生物ウイルスに基づく。非細胞変性ウイルスにはレトロウイルスが含まれ、レトロウイルスのライフサイクルは、ゲノムウイルスRNAのDNAへの逆転写を含み、その後、宿主細胞DNAにプロウイルスが組込まれる。
【0229】
いくつかの態様において、ベクターはアデノ随伴ウイルスに由来する。他の態様において、ベクターはレンチウイルスに由来する。レンチウイルスベクターの例は、WO9931251、WO9712622、WO9817815、WO9817816、及びWO9818934に開示されており、これらは各々、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0230】
他のベクターにはプラスミドベクターが含まれる。プラスミドベクターは当該技術分野で広く報告されており、当業者に周知である。例えば、Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989を参照されたい。過去数年間において、プラスミドベクターは、宿主ゲノム内で複製して宿主ゲノム内に組み込まれることがないため、in vivoで遺伝子を細胞に送達するのに特に有利であることが見出されている。しかしながら、宿主細胞に適合するプロモーターを有するこれらのプラスミドは、プラスミド内で作動可能にコードされた遺伝子からペプチドを発現することができる。商業的供給者から入手可能ないくつかの一般的に使用されているプラスミドには、pBR322、pUC18、pUC19、様々なpcDNAプラスミド、pRC/CMV、様々なpCMVプラスミド、pSV40、及びpBlueScriptが含まれる。特定のプラスミドのさらなる例としては、pcDNA3.1、カタログ番号V79020;pcDNA3.1/hygro、カタログ番号V87020;pcDNA4/myc-His、カタログ番号V86320;及びpBudCE4.1、カタログ番号V53220が挙げられ、これらはすべてInvitrogen(Carlsbad,CA.)によるものである。他のプラスミドも当業者には周知である。さらに、プラスミドは、特定のDNA断片を除去及び/または付加するように、標準的な分子生物学技術を使用してカスタム設計することができる。
【0231】
本開示には、本明細書に開示される治療剤(例えば、IL-7タンパク質)を作製する方法も包含される。いくつかの態様において、かかる方法は、治療剤をコードする核酸分子、例えば、配列番号29~39を含む細胞において、治療剤(例えば、IL-7タンパク質)を発現させることを含み得る。本明細書に開示されるIL-7タンパク質を作製する方法に関するさらなる詳細は、例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれるWO2016/200219において提供されている。これらのヌクレオチド配列を含む宿主細胞は本明細書に包含される。使用することのできる宿主細胞の非限定的な例としては、不死ハイブリドーマ細胞、NS/0骨髄腫細胞、293細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、HeLa細胞、ヒト羊水由来細胞(CapT細胞)、COS細胞、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0232】
IV.医薬組成物
さらに本明細書では、所望の純度で生理学的に許容できる担体、賦形剤、または安定剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1990)Mack Publishing Co.,Easton,PA)を有する1以上の治療剤(例えば、IL-7タンパク質及び/または免疫チェックポイント阻害剤)を含む組成物が提供される。いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、IL-7タンパク質または免疫チェックポイント阻害剤を含む。本明細書に開示されるように、かかる組成物は、組み合わせ(例えば、IL-7タンパク質を含む第1の組成物、及び免疫チェックポイント阻害剤を含む第2の組成物)で使用され得る。他の態様において、本明細書に開示される組成物は、IL-7タンパク質と免疫チェックポイント阻害剤の両方を含み得る。
【0233】
許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対して無毒であり、リン酸、クエン酸、及び他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド;フェノールアルコール、ブチルアルコール、もしくはベンジルアルコール;メチルパラベンもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;単糖、二糖、及び他の炭水化物、例えばグルコース、マンノース、もしくはデキストリン;EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロースもしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);及び/または非イオン性界面活性剤、例えばTWEEN(登録商標)、PLURONICS(登録商標)もしくはポリエチレングリコール(PEG)を含む。
【0234】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物(例えば、IL-7タンパク質または免疫チェックポイント阻害剤を含むもの)は、増量剤、安定剤、界面活性剤、緩衝剤、またはそれらの組み合わせから選択される追加の成分を1以上含む。
【0235】
本開示において有用な緩衝剤は、別の酸または塩基を加えた後に溶液の酸性度(pH)を選択された値付近に維持するために使用される弱酸または弱塩基であり得る。好適な緩衝剤は、組成物のpHコントロールを維持することにより、医薬組成物の安定性を最大にすることができる。好適な緩衝剤は、生理学的適合性を確実にするか、または溶解度を最適にすることもできる。レオロジー、粘度、及び他の特性も組成物のpHに依存し得る。一般的な緩衝剤は、限定するものではないが、トリスバッファー、トリス-Clバッファー、ヒスチジンバッファー、TAEバッファー、HEPESバッファー、TBEバッファー、リン酸ナトリウムバッファー、MESバッファー、硫酸アンモニウムバッファー、リン酸カリウムバッファー、チオシアン酸カリウムバッファー、コハク酸バッファー、酒石酸バッファー、DIPSOバッファー、HEPPSOバッファー、POPSOバッファー、PIPESバッファー、PBSバッファー、MOPSバッファー、酢酸バッファー、リン酸バッファー、カコジル酸バッファー、グリシンバッファー、硫酸バッファー、イミダゾールバッファー、塩酸グアニジンバッファー、リン酸-クエン酸バッファー、ホウ酸バッファー、マロン酸バッファー、3-ピコリンバッファー、2-ピコリンバッファー、4-ピコリンバッファー、3,5-ルチジンバッファー、3,4-ルチジンバッファー、2,4-ルチジンバッファー、Aces、マロン酸ジエチルバッファー、N-メチルイミダゾールバッファー、1,2-ジメチルイミダゾールバッファー、TAPSバッファー、ビス-トリスバッファー、L-アルギニンバッファー、乳酸バッファー、グリコール酸バッファー、またはそれらの組み合わせを含む。
【0236】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、増量剤をさらに含む。製品に体積及び質量を加えることにより、その精確な計量及び取り扱いを容易にするために、増量剤を医薬製品に加えてもよい。本開示で使用することのできる増量剤としては、塩化ナトリウム(NaCl)、マンニトール、グリシン、アラニン、またはそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0237】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、安定剤を含んでもよい。本開示で使用することのできる安定剤の非限定的な例としては、スクロース、トレハロース、ラフィノース、アルギニン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0238】
いくつかの態様において、本明細書に開示される組成物は、界面活性剤を含む。特定の態様において、界面活性剤は、アルキルエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、アミンエトキシレート、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、セチルアルコールもしくはオレイルアルコールなどの脂肪アルコール、コカミドMEA、コカミドDEA、ポリソルベート、ドデシルジメチルアミンオキシド、またはそれらの組み合わせから選択され得る。いくつかの態様において、界面活性剤は、ポリソルベート20またはポリソルベート80である。
【0239】
いくつかの態様において、IL-7タンパク質を含む組成物は、本明細書に開示される(例えば、IL-7タンパク質と組み合わせて使用される)免疫チェックポイント阻害剤と同じ配合を使用して配合され得る。他の態様において、IL-7タンパク質及び免疫チェックポイント阻害剤は、異なる配合を使用して配合される。
【0240】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、(a)基礎バッファー、(b)糖、及び(c)界面活性剤を含む組成物に配合される。特定の態様において、基礎バッファーは、ヒスチジン-酢酸またはクエン酸ナトリウムを含む。いくつかの態様において、基礎バッファーは、約10~約50nMの濃度である。いくつかの態様において、糖は、スクロース、トレハロース、デキストロース、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、糖は、約2.5~約5.0w/v%の濃度で存在する。さらなる態様では、界面活性剤は、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ステアリン酸ポリオキシエチレン、アルキル硫酸塩、ポリビニルピリドン、ポロクサマー、またはそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約0.05%~約6.0w/v%の濃度である。
【0241】
いくつかの態様において、IL-7が配合される組成物は、アミノ酸をさらに含む。特定の実施形態では、アミノ酸は、アルギニン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、またはそれらの組み合わせから選択される。特定の態様において、組成物は、糖アルコールをさらに含む。糖アルコールの非限定的な例としては、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、マンニトール、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0242】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質は、(a)クエン酸ナトリウム(例えば、約20mM)、(b)スクロース(例えば、約5%)、(c)ソルビトール(例えば、約1.5%)、及び(d)Tween80(例えば、約0.05%)を含む組成物に配合される。
【0243】
いくつかの態様において、本開示のIL-7タンパク質は、全体として本明細書に組み込まれるWO2017/078385A1に記載されているように配合される。
【0244】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と使用することのできる組成物は、(i)ニボルマブ(OPDIVO(登録商標))(例えば、約10mg)、(ii)マンニトール(例えば、約30mg)、(iii)ペンテト酸(例えば、約0.008mg)、(iv)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)、(v)塩化ナトリウム(例えば、約2.92mg)、及び(vi)無水クエン酸ナトリウム(例えば、約5.88mg)を含む。特定の態様において、組成物は、組成物のpHを約6に調整するように、塩酸及び/または水酸化ナトリウムをさらに含み得る。
【0245】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と使用することのできる組成物は、(i)ペンブロリズマブ(KEYTRUDA(登録商標))(例えば、約25mg)、(ii)L-ヒスチジン(例えば、約1.55mg)、(iii)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)、及び(iv)スクロース(例えば、約70mg)を含む。特定の態様において、組成物は、pHを約5.5に調整するように、塩酸及び/または水酸化ナトリウムをさらに含んでもよい。
【0246】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と使用することのできる組成物は、(i)アテゾリズマブ(TECENTRIQ(登録商標))(例えば、約60mg)、(ii)氷酢酸(例えば、約16.5mg)、(iii)L-ヒスチジン(例えば、約62mg)、(iv)スクロース(例えば、約821.6mg)、及び(v)ポリソルベート20(例えば、約8mg)を含む。特定の態様において、組成物は、pHを約5.8に調整するように、塩酸及び/または水酸化ナトリウムを含む。
【0247】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と使用することのできる組成物は、(i)デュルバルマブ(IMFINZI(登録商標))(例えば、約50mg)、(ii)L-ヒスチジン(例えば、約2mg)、(iii)L-ヒスチジン塩酸塩一水和物(例えば、約2.7mg)、(iv)α,α-トレハロース二水和物(例えば、約104mg)、及び(v)ポリソルベート80(例えば、約0.2mg)を含む。
【0248】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と使用することのできる組成物は、(i)イピリムマブ(YERVOY(登録商標))(例えば、5mg)、(ii)ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)(例えば、約0.04mg)、(iii)マンニトール(例えば、約10mg)、(iv)ポリソルベート80(植物由来)(例えば、約0.1mg)、(v)塩化ナトリウム(例えば、約5.85mg)、及び(vi)トリス塩酸塩(例えば、約3.15mg)を含む。
【0249】
いくつかの態様において、本明細書に開示されるIL-7タンパク質と使用することのできる組成物は、(i)アベルマブ(BAVENCIO(登録商標))(例えば、約20mg)、(ii)D-マンニトール(例えば、約51mg)、(iii)氷酢酸(例えば、約0.6mg)、(iv)ポリソルベート20(例えば、約0.5mg)、及び(v)水酸化ナトリウム(例えば、約0.3mg)を含む。
【0250】
医薬組成物は、対象に対するあらゆる投与経路用に配合され得る。投与経路の特定例としては、筋肉内、皮下、点眼、静脈内、腹腔内、皮内、眼窩内、脳内、頭蓋内、脊髄内、心室内、髄腔内、大槽内、嚢内、または腫瘍内が挙げられる。皮下、筋肉内、または静脈内のいずれかの注射を特徴とする非経口投与も、本明細書では想定される。注射物は、液体の溶液もしくは懸濁液、注射前に液体中の溶液もしくは懸濁液に好適な固体形態、またはエマルジョンのいずれかとして、従来の形態で調製され得る。注射物、溶液、及びエマルジョンはまた、1以上の賦形剤を含む。好適な賦形剤は、例えば、水、食塩水、デキストロース、グリセロール、またはエタノールである。さらに、所望の場合、投与される医薬組成物は、微量の非毒性補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、安定剤、溶解度向上剤、及び他のかかる薬剤、例えば、酢酸ナトリウム、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、及びシクロデキストリンなどを含んでもよい。
【0251】
非経口調製物で使用される薬学的に許容できる担体には、水性ビヒクル、非水性ビヒクル、抗微生物剤、等張剤、バッファー、抗酸化剤、局所麻酔剤、懸濁剤及び分散剤、乳化剤、封鎖剤またはキレート剤、ならびに他の薬学的に許容できる物質が含まれる。水性ビヒクルの例には、塩化ナトリウム注射液、リンゲル注射液、等張デキストロース注射液、滅菌水注射液、デキストロース、及び乳酸加リンゲル注射液が含まれる。非水性非経口ビヒクルとしては、植物由来の固定油、綿実油、トウモロコシ油、ゴマ油、及びピーナッツ油が挙げられる。フェノールまたはクレゾール、水銀剤、ベンジルアルコール、クロロブタノール、メチル及びプロピルp-ヒドロキシ安息香酸エステル、チメロサール、ベンザルコニウムクロリド、及びベンゼトニウムクロリドを含む複数用量容器に包装される非経口調製物に、静菌性または静真菌性の濃度の抗微生物剤を加えてもよい。等張剤は、塩化ナトリウム及びデキストロースを含む。バッファーは、リン酸塩及びクエン酸塩を含む。抗酸化剤は、重硫酸ナトリウムを含む。局所麻酔剤は、塩酸プロカインを含む。懸濁剤及び分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。乳化剤は、ポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)を含む。金属イオンの封鎖剤またはキレート剤は、EDTAを含む。薬学的担体は、水混和性ビヒクル用のエチルアルコール、ポリエチレングリコール、及びプロピレングリコール、ならびにpH調整用の水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、または乳酸も含む。
【0252】
非経口投与用の調製物は、そのまま注射できる無菌溶液、使用直前に溶媒と組み合わされる無菌の乾燥した可溶性製品、例えば凍結乾燥粉末を含み、皮下錠剤、そのまま注射できる無菌懸濁液、使用直前にビヒクルと組み合わされる無菌の乾燥した不溶性製品、及び無菌エマルジョンを含む。溶液は、水性または非水性のいずれであってもよい。
【0253】
静脈内投与される場合、好適な担体には、生理食塩水またはリン酸緩衝食塩水(PBS)、ならびに増粘剤及び可溶化剤(グルコース、ポリエチレングリコール、及びポリプロピレングリコール、ならびにこれらの混合物など)を含む溶液が含まれる。
【0254】
抗体を含む局部用混合物は、局所投与及び全身投与について説明されるように調製される。得られる混合物は、溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり得、クリーム、ゲル、軟膏、エマルジョン、溶液、エリキシル剤、ローション剤、懸濁液、チンキ剤、ペースト、泡状物、エアロゾル、灌注剤、スプレー、坐薬、包帯、皮膚パッチ、または局部投与に好適な任意の他の配合物として配合され得る。
【0255】
本明細書に記載される抗体またはその抗原結合性部分は、吸入などによる局部適用のためのエアロゾルとして配合され得る(例えば、炎症性疾患、特に喘息の治療に有用なステロイドの送達のためのエアロゾルについて説明する、米国特許第4,044,126号、同第4,414,209号、及び同第4,364,923号を参照されたい)。気道に投与するためのこれらの配合物は、単独で、またはラクトースなどの不活性担体と組み合わせて、ネブライザー用のエアロゾルまたは溶液の形態であってもよく、吹送用の超微粒粉末であってもよい。かかる場合、配合物の粒子は、一形態では50ミクロン未満、一形態では10ミクロン未満の直径を有する。
【0256】
本明細書に開示される治療剤(例えば、IL-7タンパク質)は、局所または局部への適用、例えば皮膚及び粘膜、例えば眼への局部適用のために、ゲル、クリーム、及びローションの形態で、かつ眼への適用、及び大槽内または脊髄内への適用のために配合され得る。局部投与は、経皮送達において、また、眼もしくは粘膜への投与、または吸入療法において想定される。抗体の点鼻液を単独で、または他の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わせて投与することもできる。
【0257】
経皮パッチは、イオン泳動デバイス及び電気泳動デバイスを含めて当業者に周知であり、抗体を投与するために使用することができる。例えば、かかるパッチは米国特許第6,267,983号、同第6,261,595号、同第6,256,533号、同第6,167,301号、同第6,024,975号、同第6,010715号、同第5,985,317号、同第5,983,134号、同第5,948,433号、及び同第5,860,957号に開示されており、これらは各々、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0258】
特定の態様において、本明細書に記載される治療剤(例えば、IL-7タンパク質または免疫チェックポイント阻害剤)を含む医薬組成物は、溶液、エマルジョン、及び他の混合物としての投与のために再構成され得る凍結乾燥粉末である。これはまた、固体またはゲルとして再構成及び配合されてもよい。凍結乾燥粉末は、本明細書に記載される抗体もしくはその抗原結合性部分、またはその薬学的に許容できる誘導体を、好適な溶媒に溶解させることによって調製される。いくつかの態様において、凍結乾燥粉末は無菌である。溶媒は、安定性を改善する賦形剤もしくは粉末の他の薬理学的成分、または粉末から調製された再構成された溶液を含んでもよい。使用することのできる賦形剤としては、限定するものではないが、デキストロース、ソルビトール、フルクトース、コーンシロップ、キシリトール、グリセリン、グルコース、スクロース、または他の好適な薬剤が挙げられる。溶媒はまた、バッファー、例えば、クエン酸、リン酸ナトリウム、もしくはリン酸カリウム、または当業者に公知の他のかかるバッファーを、一態様では、ほぼ中性のpHで含んでもよい。その後、当業者に公知の標準的な条件下で溶液を滅菌濾過し、続いて凍結乾燥することにより、所望の配合物がもたらされる。いくつかの態様において、得られる溶液は、凍結乾燥用のバイアルに分配され得る。各バイアルは、単回投与量または複数回投与量の化合物を含み得る。凍結乾燥粉末は、約4℃から室温などの適切な条件下で保管され得る。
【0259】
この凍結乾燥粉末を注射用水で再構成すると、非経口投与に使用される配合物がもたらされる。再構成の際は、凍結乾燥粉末を滅菌水または他の好適な担体に加える。精確な量は、選択される化合物によって決まる。かかる量は、経験的に決定してもよい。
【0260】
本明細書に提供される組成物は、特定の組織、受容体、または治療される対象の身体の他の領域を標的とするように配合されてもよい。そのような標的化方法の多くが当業者に周知である。本明細書では、そのような標的化方法のすべてが本発明の組成物の使用において想定される。標的化方法の非限定的な例については、例えば、米国特許第6,316,652号、同第6,274,552号、同第6,271,359号、同第6,253,872号、同第6,139,865号、同第6,131,570号、同第6,120,751号、同第6,071,495号、同第6,060,082号、同第6,048,736号、同第6,039,975号、同第6,004,534号、同第5,985,307号、同第5,972,366号、同第5,900,252号、同第5,840,674号、同第5,759,542号、及び同第5,709,874号を参照されたい。
【0261】
in vivo投与に使用される組成物は、滅菌されていてもよい。これは、例えば、滅菌濾過膜による濾過によって容易に行われる。
【0262】
以下の実施例は、単なる例示であり、本開示を読めば多くの変化形態及び均等物が当業者には明らかとなるため、いかようにも本開示の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【実施例
【0263】
実施例1 IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の併用治療が腫瘍体積に及ぼす効果
IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の組み合わせが腫瘍体積に及ぼす効果を評価するために、結腸腺癌動物モデルを使用した。簡潔に述べると、MC-38結腸腺癌腫瘍細胞(1×10、皮下)を各C57BL/6マウスに移植した。腫瘍播種後4日目に、動物にIL-7タンパク質(1.25mpkまたは25μg/マウス)またはIL-7配合バッファーを皮下投与した。図1Aを参照されたい。次いで、腫瘍播種後12日目、15日目、及び18日目に、抗PD-1抗体(5mpkまたは100μg/マウス)またはアイソタイプ対照抗体を動物に腹腔内投与した。腫瘍体積を腫瘍播種後8日目、11日目、13日目、15日目、18日、及び20日目に測定した。図1Aは、投薬スケジュールのグラフ表示であり、表1(下記)は、各処置群を提示する。
【表1】
【0264】
図1B及び1Cは、2つの異なる研究の結果を提供する。示されているように、併用療法(IL-7タンパク質+抗PD-1抗体)で処置した動物は、対照動物(すなわち、IL-7配合バッファーのみを与えたもの)だけでなく、IL-7タンパク質または抗PD-1抗体の単独処置を行った動物との比較においても、著しく低減した腫瘍体積を有した。
【0265】
実施例2 IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の併用治療が腫瘍浸潤リンパ球に及ぼす効果
IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の組み合わせの抗腫瘍効果をさらに評価するため、MC-38結腸腺癌腫瘍細胞(1×10、皮下)をやはりC57BL/6マウスに移植した。腫瘍播種後4日目に、動物をIL-7タンパク質(1.25mpkまたは25μg/マウス、皮下)またはIL-7配合バッファーの単回投与で処置した。図2Aを参照されたい。次いで、腫瘍播種後9日目及び12日目に、動物を抗PD-1抗体(5mpkまたは100μg/マウス、腹腔内)またはアイソタイプ対照抗体で処置した。動物を腫瘍播種後14日目に屠殺し、各動物の腫瘍浸潤リンパ球をフローサイトメトリーで解析した。
【0266】
図2Bに示すように、抗PD-1抗体またはIL-7タンパク質のいずれかの単独処置を行った動物では、動物の腫瘍中のCD45細胞のおよそ5~7%がCD4TILであった。この割合は、対照動物で観察されたものと同様であった。しかしながら、併用治療(IL-7タンパク質+抗PD-1抗体)で処置した動物では、腫瘍中のCD4TIL数の著しい増大が認められた(腫瘍中のCD45細胞のおよそ10~12%)。図2Cに示すように、CD8TILの場合、IL-7タンパク質単独処置は、対照動物と抗PD-1抗体単独処置動物の両方と比較して中程度にCD8TIL数を増大させた。動物をIL-7タンパク質と抗PD-1抗体の両方で処置したとき、CD45細胞中のCD8TIL数のさらなる増大も認められた。
【0267】
まとめると、実施例1及び2の上記両結果は、IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を組み合わせた処置レジメンが、がんを効果的に治療し得ることを示す。
【0268】
実施例3 シクロホスファミド(CPA)、IL-7タンパク質、及びPD-1経路阻害剤の三剤併用が腫瘍体積及び生存期間に及ぼす効果
次に、IL-7タンパク質及びPD-1経路阻害剤と化学療法剤(例えばCPA)の併用治療による抗腫瘍効果を、結腸腺癌動物モデルで評価した。簡潔に述べると、MC-38結腸腺癌腫瘍細胞(1×10、皮下)をC57BL/6マウスに移植した。次いで、腫瘍播種10日後に、動物の腹腔内にCPA(100mpkまたは2mg/マウス)またはPBSを単回投与した。CPA投与後2日目に、動物にIL-7タンパク質(10mpkまたは200μg/マウス)またはIL-7配合バッファーを皮下投与した。CPA投与後6日目から開始して、抗PD-1抗体(5mpkまたは100μg/マウス)、抗PD-L1-抗体(5mpkまたは100μg/マウス)、またはアイソタイプ対照抗体を3日毎に合計5回(すなわち、CPA誘導後6日目、9日目、12日目、15日目、及び18日目に)動物に腹腔内投与した。図3Aを参照されたい。腫瘍体積をCPA誘導後0日目、1日目、4日目、6日目、8日目、11日目、13日目、15日目、18日目、及び20日目に測定した。
【0269】
図3Bに示すように、CPA及びIL-7タンパク質で処置した動物(「3」)では、PBS(「1」)またはCPA単独(「2」)で処置した動物と比較して、腫瘍体積が顕著に低減した。抗PD1抗体または抗PD-L1抗体のいずれかをCPA及びIL-7タンパク質に加えた場合、動物(それぞれ「4」及び「5」)の腫瘍体積がさらに低減した。図3Cに示すように、腫瘍体積の低減の増大は、生存期間の延長と相関した。
【0270】
上記結果は、IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の併用治療が、シクロホスファミドのような他の抗がん剤と組み合わせて効果的に使用され得ることを示す。
【0271】
実施例4 IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の併用治療が胸腺摘除によるリンパ球減少における腫瘍体積に及ぼす効果
上述のように、多くの抗がん剤(例えば、化学療法または放射線療法)が、がん対象においてリンパ球減少を引き起こし得る。したがって、リンパ球減少性状態におけるIL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の組み合わせの抗腫瘍効果を評価するために、胸腺摘除マウスを使用した。簡潔に述べると、C57BL/6マウスを麻酔し、解剖板上に固定した。ゴムバンドを使用し、マウスの頭を後方に傾けることによって気道を開いた。丸めた組織パッドをマウスの両肩の下に置き、心臓及び胸腺を前方に押す助けとして、接触を容易にした。滅菌のために、マウスの頸部及び上胸部を70%エタノールで拭いた。頸切痕から胸部側へ、正中縦方向の皮膚を1.5~2cm切開した。はさみを胸骨下に挿入して第一胸骨を切断した。鉗子を広げて胸部を開いた。舌骨下筋を引き裂いた後、胸腺を注意深くつかみ、次いで胸部から取り出した。動物の皮膚縫合に使用されるアプライヤー及びクリップを使用し、正中縦方向の皮膚を素早く閉鎖した。第一胸骨切断から皮膚閉鎖までの時間は1分未満であった。動物をおよそ5週間にわたって手術から回復させた。次いで、動物にMC-38結腸腺癌腫瘍細胞(1×10、皮下)を播種した。図4Aを参照されたい。腫瘍播種後5日目に、動物にIL-7タンパク質(1.25mpkまたは25μg/マウス)またはIL-7配合バッファーを皮下投与した。抗PD-1抗体(5mpkまたは100μg/マウス)またはアイソタイプ対照抗体を、腫瘍播種後10日目、13日目、及び16日目の動物に投与した。腫瘍体積を腫瘍播種後10日目、13日目、16日目、19日目、21日、及び23日目に測定した。
【0272】
図4Bに示すように、IL-7タンパク質及び抗PD-1抗体の併用治療レジメンで処置した胸腺摘除動物は、他の処置群(対照、IL-7タンパク質単独、及び抗PD-1抗体単独)と比較して、著しく低減した腫瘍体積を有した。
【0273】
実施例5 IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の併用治療が胸腺摘除によるリンパ球減少における腫瘍浸潤リンパ球に及ぼす効果
IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の組み合わせがリンパ球減少性環境でTILに影響を及ぼすかどうかを評価するために、実施例4に記載したようにC57BL/6マウスを胸腺摘除した。手術5週間後、MC-38結腸腺癌腫瘍細胞(1×10、皮下)を動物に移植した。腫瘍播種後4日目に、動物をIL-7タンパク質(1.25mpkまたは25μg/マウス、皮下)またはIL-7配合バッファーの単回投与で処置した。図5Aを参照されたい。次いで、腫瘍播種後9日目及び12日目に、動物を抗PD-1抗体(5mpkまたは100μg/マウス、腹腔内)またはアイソタイプ対照抗体で処置した。動物を腫瘍播種後14日目に屠殺し、各動物の腫瘍浸潤リンパ球をフローサイトメトリーで解析した。
【0274】
非リンパ球減少性動物で観察されたように(図2B参照)、胸腺摘除動物をIL-7タンパク質と抗PD-1抗体の両方で処置すると、腫瘍中のCD4TILの割合が他の処置群と比較して著しく増大した。図5B。CD8TILの割合の著しい増大も認められた。図5Cに示すように、IL-7タンパク質と抗PD-1抗体の両方で処置した胸腺摘除動物は、対照群と抗PD-1抗体単独群の両方と比較して著しく高い割合のCD8TILを腫瘍中に有した。この増大は、IL-7タンパク質単独処置群で観察されたものと同等であった。
【0275】
まとめると、上記結果(すなわち、実施例4及び5)は、IL-7タンパク質とPD-1経路阻害剤の併用療法が、リンパ球減少性状態においても、がんを効果的に治療できることを示す。
【0276】
実施例6:IL-7タンパク質がT細胞の増殖及び活性化に及ぼす効果
本明細書に開示されるIL-7タンパク質の抗腫瘍効果をよりよく理解するために、IL-7タンパク質がT細胞の増殖及び活性化に及ぼす効果を、まず正常マウスにおいて評価した。簡潔に述べると、C57BL/6マウスを10mg/kgのIL-7タンパク質の皮下投与によって処置した。対照動物にはバッファーのみを与えた。投与後の様々な時点(すなわち、2日目、4日目、5日目、6日目、8日目、10日目、12日目、及び14日目)で動物の採血を行い、フローサイトメトリーを使用して様々なCD8+T細胞集団の割合を評価した。処置後5日目、一部の動物を屠殺し、脾臓のCD8+T細胞を様々な活性化マーカー(T-bet、Eomes、PD-1、グランザイムB(GzmB)、CXCR3)の発現及びサイトカイン産生(IFN-γ、TNF-α、及びIL-2)について評価した。ex vivoでのPMA/イオノマイシン刺激後に細胞内サイトカイン染色を使用し、サイトカイン産生を評価した。
【0277】
図6Aに示すように、IL-7タンパク質を正常マウスに投与すると、CD8+T細胞の増殖が(Ki-67発現の増大から明らかなように)対照動物と比較して増大した。最大の効果はCD44+(セントラルメモリー)CD8+T細胞集団において観察された。増殖の増大に加えて、IL-7タンパク質処置動物の脾臓CD8+T細胞はまた、より高いレベルのT-bet、Eomes、PD-1、グランザイムB、及びCXCR3を発現し、これらの細胞が対照動物由来細胞と比較してより活性化されたことを示唆している(図6Bを参照されたい)。また、より高い割合の細胞が、ex vivo刺激後にIFN-γ、TNF-α、及びIL-2を産生した。
【0278】
次に、IL-7タンパク質がT細胞に及ぼす効果をさらに評価するために、ナイーブT細胞(10細胞/マウス)またはセントラルメモリーT細胞(5×10細胞/マウス)を、CELLTRACE(商標)Violet(CTV)で標識し、コンジェニックマウスに養子移入した。移入1日後、レシピエント動物をIL-7タンパク質(10mg/kg)またはバッファーの皮下投与によって処置した。処置5日後、動物を屠殺し、脾臓CD8+T細胞を解析した。
【0279】
図6Cに示すように、IL-7投与は、ナイーブT細胞とセントラルメモリーCD8+T細胞の両方の増殖を増大させた。しかしながら、最大の効果はセントラルメモリーCD8 T細胞で観察され、上記の正常なC57BL/6マウスで観察された結果を裏付けた。これらの結果は、本明細書に開示されるIL-7タンパク質の投与がT細胞の増殖及び活性化を誘導し得ることを示す。
【0280】
実施例7:IL-7タンパク質の抗腫瘍効果の解析
本明細書に開示されるIL-7タンパク質の抗腫瘍効果をよりよく解析するために、C57BL/6マウスにMC-38結腸腺癌腫瘍細胞(1×10、皮下)を移植した。腫瘍播種後5日目に、次のうち1つの濃度のIL-7タンパク質でマウスを処置した:(i)0mg/kg(すなわち、バッファーのみ)、(ii)1.25mg/kg、(iii)2.5mg/kg、(iv)5mg/kg、及び(v)10mg/kg。腫瘍体積を投与後定期的に評価した。処置後7日目に動物の採血を行い、様々な免疫細胞(すなわち、CD8+T細胞、CD4+T細胞、Foxp3+CD4+制御性T細胞、B220+細胞)の割合を評価した。
【0281】
図8Aに示すように、IL-7タンパク質を腫瘍マウスに投与すると、腫瘍体積が用量依存的に低減した。腫瘍体積の減少は、末梢血中のCD8+T細胞数の著しい増大と相関した(図8B及び8C参照)。これらの結果は、腫瘍マウスにおけるIL-7タンパク質投与の抗腫瘍効果を示す。
【0282】
実施例8:IL-7タンパク質投与後の腫瘍微小環境の解析
IL-7タンパク質の抗腫瘍効果をさらに解析するために、先行実施例に記載したようにMC38結腸腺癌腫瘍細胞をC57BL/6マウスに移植した。次いで、腫瘍播種後5日目に、動物を10mg/kgのIL-7タンパク質またはバッファーの皮下投与によって処置した。処置後7日目に動物を屠殺し、腫瘍組織を様々な免疫細胞(すなわち、単球性骨髄系由来サプレッサー細胞(M-MDSC)、多形核骨髄系由来サプレッサー細胞(PMN-MDSC)、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、腫瘍関連樹状細胞(TADC)、CD8+T細胞、CD4+T細胞、Foxp3+CD4+制御性T細胞(Treg)、NK細胞、及びB細胞)の存在について評価した。
【0283】
末梢血で観察されたように(実施例7参照)、IL-7タンパク質投与は、腫瘍中のCD8+T細胞(TIL)数を著しく増大させ、腫瘍微小環境中の高いCD8+T/Treg細胞比をもたらした(図9A及び9Bを参照されたい)。対照動物の細胞と比較すると、IL-7タンパク質で処置したマウスでは、より高い割合のTILがKi-67及びグランザイムBを発現し、これらがより高度に活性化されたことを示している(図9C参照)。また、IL-7処置動物のTILは、IFN-γ及びTNF-αをより強力に産生し、PD-1及びLAG-3などの阻害性受容体は比較的低レベルで発現した(図9D~9G参照)。興味深いことに、IL-7タンパク質投与は、腫瘍微小環境中の骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)の数を低減させ、結果としてCD8+T/MDSC比が増大した(図9A及び9Bを参照されたい)。CCL5発現が中程度に増大した以外には、IL-7タンパク質で処置したマウス及びバッファーのみで処置したマウスの腫瘍溶解物におけるケモカイン発現に有意差はなかった(図9H)。
【0284】
これらの結果は、本明細書に開示されるIL-7タンパク質が、CD8+T細胞浸潤性、炎症性の免疫に有利な腫瘍微小環境を誘導することにより、抗がん活性をもたらし得ることを示す。
【0285】
実施例9:他の抗がん剤と組み合わせたIL-7タンパク質の抗腫瘍効果の解析
他の抗がん剤と組み合わせるとIL-7タンパク質の抗腫瘍効果が向上し得るかどうかをさらに評価するために、先行実施例に記載したようにC57BL/6マウスにMC38結腸腺癌腫瘍細胞を播種した。次いで、マウスを次のうちの1つで処置した:(i)バッファーのみ、(ii)シクロホスファミド(CPA)(100mg/kg)と免疫チェックポイント阻害剤(10mg/kg)の組み合わせ、及び(iii)CPA、免疫チェックポイント阻害剤、及びIL-7タンパク質(10mg/kg)の三剤併用。使用した免疫チェックポイント阻害剤は、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、または抗CTLA-4抗体を含んだ。腫瘍播種後10日目にCPAを動物に腹腔内投与した。免疫チェックポイント阻害剤はCPA処置後6日目から腹腔内投与した(3日毎で合計5用量)。IL-7タンパク質はCPA処置後2日目に皮下投与した。腫瘍体積と生存期間の両方を、処置後の様々な時点で評価した。
【0286】
図10に示すように、三剤併用(すなわち、CPA+免疫チェックポイント阻害剤+IL-7タンパク質)で処置した動物において、腫瘍低減が最大であった。腫瘍低減の増大は、生存期間の延長と相関した。これらの結果は、IL-7が他の免疫化学療法の処置の抗腫瘍効能を著しく向上させ得ることを示す。
【0287】
実施例10:胸腺摘除によるリンパ球減少におけるIL-7タンパク質の抗腫瘍効果の解析
リンパ球減少性環境におけるIL-7タンパク質の抗腫瘍効果をよりよく解析するために、実施例4に記載したようにC57BL/6マウスを胸腺摘除した。図11Aに示すように、シャム対照(すなわち、胸腺を除去しなかったこと以外は同じ外科手技)と比較すると、胸腺摘除動物は、少ない数のCD8+T細胞を脾臓、血液、及びリンパ節で発現し、それらのリンパ球減少性状態が裏付けられた。手術から回復させた後、動物をPBSまたはIL-7タンパク質(1.25mg/kg、皮下)で処置した。次いで、動物を処置後第1週、第2週、及び第4週で屠殺し、脾臓内の様々なCD8+T細胞集団の数を評価した。
【0288】
正常なC57BL/6マウスでの観察と同様に(実施例6参照)(11B)、IL-7タンパク質を胸腺摘除動物に投与すると、CD8+T細胞数がシャム対照と比較して増大した(図11B)。数の増大は、解析したCD8+T細胞集団、すなわち、ナイーブ(CD44-CD62L+)、エフェクターメモリー(CD44+CD62L-)、及びセントラルメモリー(CD44+CD62L+)のすべてで観察された。
【0289】
実施例11:進行固形癌患者におけるIL-7タンパク質の抗腫瘍効果の解析
本明細書に開示されるIL-7タンパク質(すなわち、hyFcを含む;「IL-7-hyFc」)の進行固形癌患者における安全性及び効能を評価するために、フェーズ1b臨床試験を行った。この研究の主な目的は、患者における(i)IL-7-hyFcの安全性及び忍容性を評価すること、ならびに(ii)最大耐容用量(MTD)、フェーズ2推奨用量(RP2D)、及び用量制限毒性(DLT)を決定することであった。二次的な目的には、患者におけるIL-7-hyFcの(i)薬物動態及び薬力学特性、ならびに(ii)免疫原性を決定することが含まれた。探索的バイオマーカーについても評価した。
【0290】
研究に適格となるには、患者は次の基準を満たす必要があった:(i)19歳以上、(ii)Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)パフォーマンスステータススコアが0~1、(iii)余命12週間以上、(iv)RECIST v1.1によって測定可能な疾患、及び(v)局所進行性または転移性の固形腫瘍。合計21名の患者が研究に登録した(結腸癌10名、直腸癌5名、乳癌2名、卵巣癌1名、滑膜肉腫1名、肛門癌1名、及び子宮頸癌1名)。
【0291】
次の用量増分を使用し、従来的な3+3用量漸増設計を実施した:(i)60μg/kg、(ii)120μg/kg、(iii)240μg/kg、(iv)480μg/kg、(v)720μg/kg、(vi)960μg/kg、及び(vii)1,200μg/kg。IL-7-hyFcを受ける患者には、IL-7-hyFcを3週間毎に筋肉内投与した。図12は、全体的な研究設計の概略図である。
【0292】
試験中様々な時点において、異常な検査所見、対象により報告された臨床症状及び徴候、ならびに治験責任医師による評価のうちの1以上を使用し、患者を有害事象についてスクリーニングした。図13に示すように、試験したすべての用量で44例の薬物有害事象(ADR)があり、その大多数は注射部位反応を伴うものであったが、抗ヒスタミン剤及び/またはコルチコステロイドの従来の使用によって管理可能であった。
【0293】
進行固形癌患者におけるIL-7-hyFcの薬物動態プロファイルを解析するために、IL-7-hyFc投与前、次いで投与の0.5、6、12、24、48、72、168、336、及び504時間後に血液を採取した。IL-7の濃度はELISA(Human IL-7 Quantikine HS ELISA Kit HS750;R&D Systems)を使用して決定した。図14Aに示すように、IL-7-hyFcの濃度は投与後平均12~48時間でピークに達し、半減期は約33~147時間であった。Cmax及びAUCには用量依存性増大が認められた(図14B及び14C参照)。
【0294】
IL-7-hyFcの薬力学プロファイルを解析するために、進行固形癌患者から投与前、次いで投与3週間後に血液を採取した。次いで、様々な生物学的マーカーを使用して、リンパ球絶対数(ALC)を各リンパ球サブセットと共に計算した。図15A~15Dに示すように、対象のALC、CD3+、CD4+及びCD8+T細胞にも用量依存性増大が認められた。ALCに対する効果は、リンパ球減少性患者(ALC<1,000細胞/mm)と非リンパ球減少性患者(ALC≧1,000細胞/mm)の両方で観察された(図15E及び15F参照)。IL-7-hyFcを受けた患者は、CD4+及びCD8+T細胞の両方で、より高いCCR5発現も呈した(図16G及び16H参照)。同様に、比較的高い用量(720~1,200μg/kg)を受けた患者は、比較的低い用量のうちの1つを受けた患者と比較して、高い割合のKi67+CD4+及びCD8+T細胞を有した(図16A及び16C参照)。比較的高い用量(720~1,200μg/kg)では、CD4+及びCD8+T細胞の両方でIL-7Rα発現の顕著な減少が認められた(図16B及び16D参照)。IL-7-hyFcを受けた進行固形癌患者は、特定の用量においてより高いCD4+/TregまたはCD8+/Treg比を有するように考えられたため、IL-7-hyFcは、制御性T細胞(Treg)に対する効果が比較的低いと考えられた(図16E参照)。T細胞に対するIL-7-hyFcの用量依存性効果は、ナイーブ、エフェクターメモリー(EM)、ならびにセントラルメモリー(CM)CD4+及びCD8+T細胞のすべてにおいて観察された(図16F参照)。NK細胞の増大が高用量(720~1,200μg/kg)で観察されたが、進行固形癌患者へのIL-7-hyFcの投与は、試験したすべての用量で、B細胞に効果を及ぼさなかった(図17A及び17Bを参照されたい)。
【0295】
上記データは、IL7-hyFcが、3週間毎に1回の投薬間隔において、比較的高い用量(例えば、720~1,200μg/kg)でも概して安全であり、進行固形癌を治療するのに効果的であり得ることを示す。
【0296】
実施例12:グリア芽細胞腫患者におけるIL-7タンパク質の抗腫瘍効果の解析
上記臨床試験(実施例11参照)は、グリア芽細胞腫の治療におけるIL7-hyFcの安全性及び効能も評価した。全体的な研究設計は実施例11のものと同じ(例えば、3+3の従来的な用量漸増及び同様の適格性要件)であったが、グリア芽細胞腫試験での用量は、(i)60μg/kg、(ii)360μg/kg、(iii)600μg/kg、(iv)840μg/kg、及び(v)1,440μg/kgとした。合計15名の患者が研究に登録した。
【0297】
進行固形癌患者で観察されたように、グリア芽細胞腫患者へのIL7-hyFcの投与は、試験したすべての用量で一般に忍容性良好であった(図18を参照されたい)。この場合もやはり、最も高頻度の薬物有害事象は注射部位反応であり、容易に治療可能であった。全体的な薬力学プロファイル及び薬物動態プロファイルも、進行固形癌患者で観察されたものと同様であった。グリア芽細胞腫患者へのIL7-hyFcの投与は、リンパ球減少性患者と非リンパ球減少性患者の両方において、ALC、CD3+、CD4+及びCD8+T細胞の用量依存性増大ももたらした(図19B~19F参照)。
【0298】
グリア芽細胞腫患者では、様々な化学療法剤の効果に対するIL7-hyFc投与の効果も評価した。図20A~20Cに示すように、IL7-hyFc投与(8週間毎に1回の投薬間隔で720μg/kgの用量)は、テモゾロミドを受けたグリア芽細胞腫対象のALCならびにKi67+CD4+及びCD8+T細胞の発生頻度も増大させた。IL7-hyFcを600~720μg/kgの用量、12週間毎に1回の投薬間隔で対象に投与したとき、同様の結果がアバスチン/イリノテカンを受けたグリア芽細胞腫患者でも観察された(図21A~21C参照)。
【0299】
まとめると、上記データは、IL7-hyFcが安全であり、進行固形癌とグリア芽細胞腫の両方に対して治療効果を示す可能性があり得ることを示す。上記で観察された治療効果(例えば、様々な種類のがんでT細胞を増大させる能力)は、IL7-hyFcが、特に免疫チェックポイント阻害剤のような他の抗がん治療レジメンと組み合わせると、様々ながんを治療するのに有効であり得ることを示唆する。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
図15F
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E
図16F
図16G
図16H
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図21C
【配列表】
2022507606000001.app
【国際調査報告】