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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】導管をパージする飲料ディスペンサ
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/04 20060101AFI20220111BHJP
   B67D 1/07 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B67D1/04 F
B67D1/07
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526769
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-07-15
(86)【国際出願番号】 US2019062401
(87)【国際公開番号】W WO2020106832
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】62/770,299
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512300506
【氏名又は名称】コラヴァン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ライダー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】スウィージー,アンドリュー エス.
(72)【発明者】
【氏名】フォクト,クリス
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA04
3E082BB05
3E082CC02
3E082DD01
3E082FF01
3E082FF05
(57)【要約】
分配デバイス(1)を使用してワインボトルなどの容器(700)から飲料を分配するためのデバイス及び方法。デバイス(1)は、分配動作の開始を検出することに応答して又は分配動作が完了したことを検出することに応答して、飲料容器(700)にガスを供給するため又は飲料容器から飲料を運ぶために使用される少なくとも1つの導管(200)を自動的にパージすることができる。デバイス(1)の分配における使用準備が整っていること、導管が容器内部と流体連通していること及び/又はデバイスが飲料を分配するようにコンポーネントを制御していることを示すため、視覚的又は他の表示(51)をユーザに提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器にマウントされる飲料分配システムであって、
飲料を保持する容器にガスを供給するため、及び、ユーザのカップに分配するために前記容器から飲料を受け取るための少なくとも1つの導管と、
前記少なくとも1つの導管を介する前記容器へのガスの流入又は前記容器からの飲料の流出を制御するための少なくとも1つのバルブと、
分配動作が完了した後に、前記少なくとも1つのバルブを自動的に制御して、前記少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにし、前記少なくとも1つの導管から飲料をパージするように適応されたコントローラと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記コントローラが、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記分配動作の間に前記容器から飲料を分配するように適応される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記容器が注入方向にあるか非注入方向にあるかを検出するための容器動きセンサをさらに含む、請求項2に記載のシステムであって、
前記コントローラが、前記容器が前記注入方向にある際には、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記少なくとも1つの導管内にガス又は飲料が流れるようにし、前記容器へのガスの導入及び飲料の分配を行うように適応され、前記容器が前記注入方向から前記非注入方向に移動した際には、前記少なくとも1つのバルブを制御して、ガス又は飲料の流れを停止するように適応される、システム。
【請求項4】
前記コントローラが、前記容器が前記注入方向から前記非注入方向に移動したことを前記容器動きセンサが検出した後に、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記少なくとも1つの導管から飲料をパージするように適応される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器へのガスの供給及び前記容器からの飲料の受け取りを行うための単一の導管を含み、前記少なくとも1つのバルブが、前記単一の導管へのガス流入を制御するように適応されたガスバルブを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記単一の導管が、ニードルの先端部を前記容器の内部空間に位置決めするために前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成された前記ニードルの一部であり、前記ニードルが、前記先端部に開口部を有し、前記単一の導管の飲料をパージすることが、前記ニードルの前記先端部の前記開口部における流出のために前記単一の導管にガスを供給することを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器にガスを供給するための第1の導管と、前記容器から飲料を受け取るための第2の導管とを含み、前記コントローラが、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記第1の導管又は前記第2の導管内にガスが流れるようにし、前記第1の導管又は前記第2の導管から任意の飲料をパージするように適応される、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1及び第2の導管が、前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部である、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの導管に流体的に結合された加圧ガス源をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのバルブが、前記加圧ガス源から前記少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように構成されたガス制御バルブを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つのバルブが、前記少なくとも1つの導管から飲料流出口への飲料の流れを制御するように構成された飲料制御バルブを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記コントローラが、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部空間と流体連通していないことを検出するように適応され、前記少なくとも1つの導管が前記容器の前記内部空間と流体連通していないことの検出に応答して、前記少なくとも1つの導管をパージするように適応される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部であり、前記コントローラが、前記ニードルが前記コルクを通じて挿入されたことを検出するように、又は、前記ニードルが前記コルクから引き出されたことを検出するように適応され、前記ニードルが前記コルクを通じて挿入されたとき、前記少なくとも1つの導管が、前記容器の前記内部空間と流体連通しており、前記ニードルが前記コルクから引き出されたとき、前記少なくとも1つの導管が、前記容器の前記内部空間と流体連通していない、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ボディ及び動きセンサをさらに含む、請求項1に記載のシステムであって、前記少なくとも1つの導管及び前記少なくとも1つのバルブが、前記ボディに取り付けられる、システム。
【請求項15】
前記コントローラが、前記ボディが前記容器に取り付けられたことを検出するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記コントローラが、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通しているかどうかを検出するか、又は、前記少なくとも1つの導管が前記容器の前記内部と流体連通していないかどうかを検出するように構成される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記ボディに取り付けられたクランプをさらに含む、請求項14に記載のシステムであって、前記クランプが、前記ボディを前記容器に取り付けるように構成される、システム。
【請求項18】
前記ボディが、前記少なくとも1つの導管を前記容器の内部空間に挿入するために前記クランプに対して移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの導管を前記容器の内部と流体連通可能な状態に置くために、前記少なくとも1つの導管が、前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
容器にマウントされる飲料分配システムであって、
ボディと、
前記ボディと関連付けられた少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器にガスを供給するため、及び、ユーザのカップに分配するために前記容器から飲料を受け取るための少なくとも1つの導管と、
前記ボディに取り付けられた少なくとも1つのバルブであって、前記少なくとも1つの導管を介する前記容器へのガスの流入又は前記容器からの飲料の流出を制御するための少なくとも1つのバルブと、
分配動作の開始をとコントローラが決定することに応答して、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにし、前記少なくとも1つの導管から飲料をパージするように適応されたコントローラと
を含む、システム。
【請求項21】
前記ボディの動きを検出するための動きセンサをさらに含む、請求項20に記載のシステムであって、前記コントローラが、前記ボディが休止位置から移動したことを前記動きセンサが検出した後に、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにし、前記少なくとも1つの導管から飲料をパージするように適応される、システム。
【請求項22】
前記動きセンサが、前記ボディが取り付けられた容器が注入方向にあるか又は非注入方向にあるかを検出するように構成され、前記コントローラが、前記容器が注入方向にあるとき、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにして飲料を分配するように適応され、前記容器が前記注入方向から前記非注入方向に移動したとき、前記少なくとも1つのバルブを制御して、ガス又は飲料の流れを停止するように適応される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器へのガスの供給及び前記容器からの飲料の受け取りを行うための単一の導管を含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記単一の導管が、前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部である、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記コントローラが、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記単一の導管内にガスが流れるようにして前記容器にガスを供給することと、前記容器から前記単一の導管内に飲料が流れるようにすることとを交互に行うように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器にガスを供給するための第1の導管と、前記容器から飲料を受け取るための第2の導管とを含み、前記コントローラが、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記第1の導管又は前記第2の導管内にガスが流れるようにし、前記第1の導管又は前記第2の導管から任意の飲料をパージするように適応される、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記第1及び第2の導管が、前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部である、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記少なくとも1つの導管に流体的に結合された加圧ガス源をさらに含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項29】
前記少なくとも1つのバルブが、前記加圧ガス源から前記少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように構成されたガス制御バルブを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記少なくとも1つのバルブが、前記少なくとも1つの導管から飲料流出口への飲料の流れを制御するように構成された飲料制御バルブを含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項31】
前記コントローラが、前記ボディが前記容器に取り付けられたことを検出し、前記検出に応答して、分配動作の開始を決定するように構成される、請求項20に記載のシステム。
【請求項32】
前記コントローラが、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通しているかどうかを検出するように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記ボディに取り付けられたクランプをさらに含む、請求項20に記載のシステムであって、前記クランプが、前記ボディを前記容器に取り付けるように構成される、システム。
【請求項34】
前記ボディが、前記少なくとも1つの導管を前記容器の内部空間に挿入するために前記クランプに対して移動可能である、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
容器にマウントされる飲料分配システムであって、
ボディと、
前記ボディと関連付けられた少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器にガスを供給するため、及び、ユーザのカップに分配するために前記容器から飲料を受け取るための少なくとも1つの導管と、
前記ボディに取り付けられた少なくとも1つのバルブであって、前記少なくとも1つの導管を介する前記容器へのガスの流入又は前記容器からの飲料の流出を制御するための少なくとも1つのバルブと、
前記少なくとも1つの導管に流体的に結合された加圧ガス源と、
コントローラであって、前記ボディが休止位置から移動し、システムによる飲料分配の準備が整ったこと、前記コントローラが前記容器にガスを供給するように又は前記容器から飲料を分配するように前記少なくとも1つのバルブを制御していること、及び、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通していることの少なくとも1つを示す視覚的表示を提供するように適応されたコントローラと
を含む、システム。
【請求項36】
前記ボディの動きを検出するための動きセンサをさらに含む、請求項35に記載のシステムであって、前記コントローラが、前記ボディが前記休止位置から移動したことを前記動きセンサが検出したことに応答して、システムによる飲料分配の準備が整ったことを示す前記視覚的表示を提供するように適応される、システム。
【請求項37】
前記休止位置は、時間の閾値を超えて前記ボディが静止したままの状態である位置である、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
システムによる飲料分配の準備が整ったことを示す前記視覚的表示が、棒状の光源を連続的に点灯することを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項39】
前記コントローラが、前記コントローラが前記容器にガスを供給するように又は前記容器から飲料を分配するように前記少なくとも1つのバルブを制御していることを示す前記視覚的表示を提供するように適応される、請求項35に記載のシステム。
【請求項40】
前記少なくとも1つのバルブが、前記加圧ガス源から前記少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように構成されたガス制御バルブ、又は、前記少なくとも1つの導管から飲料流出口への飲料の流れを制御するように構成された飲料制御バルブを含み、前記ガス制御バルブと前記飲料制御バルブが両方とも、前記コントローラによって制御可能である、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記コントローラが前記容器にガスを供給するように又は前記容器から飲料を分配するように前記少なくとも1つのバルブを制御していることを示す前記視覚的表示が、動きを提案するために棒状の光源を点灯することを含む、請求項39に記載のシステム。
【請求項42】
前記コントローラが、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通していることを示す前記視覚的表示を提供するように適応される、請求項35に記載のシステム。
【請求項43】
前記少なくとも1つの導管と流体連通する圧力センサをさらに含む、請求項42に記載のシステムであって、前記圧力センサが、前記少なくとも1つの導管内の圧力の兆候を検出するように適応される、システム。
【請求項44】
前記コントローラが、前記少なくとも1つのバルブを制御して、前記少なくとも1つの導管を介して加圧ガスを前記容器に導入するように適応され、前記コントローラが、前記加圧ガスが前記容器に導入された後に周囲の圧力を上回る圧力の兆候を前記圧力センサが検出した場合は、前記少なくとも1つの導管が前記容器と流体連通していると決定するように適応される、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記少なくとも1つの導管が、前記容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部であり、前記コントローラが、前記ニードルが前記コルクを通じて挿入されたことを検出するように適応される、請求項42に記載のシステム。
【請求項46】
前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通していることを示す視覚的指示が、棒状の光源を選択された色で点灯することを含む、請求項42に記載のシステム。
【請求項47】
前記ボディの動きを検出するための動きセンサをさらに含む、請求項46に記載のシステムであって、前記コントローラが、前記ボディが前記休止位置から移動したことを前記動きセンサが検出したことに応答して、前記システムによる飲料分配の準備が整ったことを示す前記視覚的表示を提供するように適応され、前記システムによる飲料分配の準備が整ったことを示す前記視覚的表示が、前記棒状の光源を前記選択された色とは異なる色で点灯することを含む、システム。
【請求項48】
前記コントローラが、前記コントローラが前記容器にガスを供給するように又は前記容器から飲料を分配するように前記少なくとも1つのバルブを制御していること、及び、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通していることを示す前記視覚的表示を提供するように適応される、請求項35に記載のシステム。
【請求項49】
前記コントローラが前記容器にガスを供給するように又は前記容器から飲料を分配するように前記少なくとも1つのバルブを制御していることを示す前記視覚的表示が、動きを提案するために棒状の光源を点灯することを含み、前記少なくとも1つの導管が前記容器の内部と流体連通していることを示す前記視覚的表示が、前記棒状の光源を連続的に点灯することを含む、請求項48に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
この出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2018年11月21日に出願された“BEVERAGE DISPENSER WITH CONDUIT PURGE FEATURES”と称する米国仮特許出願第62/770299号への優先権を主張し、同特許は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
この発明は、概して、例えば、ワインボトルからのワインの分配など、容器内からの流体の分配又は他の抽出に関する。容器に挟着するように構成されたデバイスを含む飲料ディスペンサについては、米国特許第9,010,588号及び米国特許第7,712,637号において説明されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
発明の概要
本発明の態様による1つ又は複数の実施形態は、ユーザが、クロージャを取り出すことなく、コルク、プラグ、エラストマー隔壁又は他のクロージャによって密閉されたボトル内からワインなどの飲料を引き出すか又は抽出できるようにする。いくつかの事例では、そのようなボトルからの液体の取り出しは、1回又は複数回実行することができるが、それにもかかわらず、ボトルの密閉を維持するため、各飲料抽出の間及び抽出後、クロージャをその場所にとどめることができる。したがって、飲料は、ボトルから何度も分配することができ、各抽出の合間に長期間、飲料品質にほとんど又は全く影響を及ぼすことなく、保管することができる。いくつかの実施形態では、飲料と反応する空気などのガスは、ボトル内からの飲料の抽出の間又は抽出後のいずれかに、ボトルにほとんど又は全く導入されないようにすることができる。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザは、コルクを取り出すことも又はコルクに損傷を与えることもなく、また、空気又は他の潜在的に損傷を与えるガスもしくは液体をボトルに入れることもなく、ワインボトルからワインを引き出すことができる。
【0004】
本発明の一態様では、飲料分配デバイスは、ニードル付きのボディを含み、ニードルは、圧力下で飲料容器から飲料の流入を得て、デバイスの分配口において飲料を分配するように構成される。例えば、ニードルは、圧力下でワインボトルなどの容器から飲料を受け取る1つ又は複数のルーメン又は通路を含み得る。いくつかの実施形態では、ニードルは、加圧ガスを容器に導入することと、容器から飲料を受け取ることとを両方を行うために、容器のコルク又は他のクロージャを通過させることができる。ニードルによって分配口に供給された飲料は、ユーザのカップ又はグラスに分配することができる。
【0005】
本発明の一態様では、容器にマウントされる飲料分配システムは、少なくとも1つの導管を含み、少なくとも1つの導管は、ワインのボトルなどの飲料を保持する容器にガスを供給するため、及び、ユーザのカップに分配するために容器から飲料を受け取るためのものである。少なくとも1つのバルブは、少なくとも1つの導管を介する容器へのガスの流入又は容器からの飲料の流出を制御するように適応させることができ、コントローラは、分配動作が始まる寸前及び/又は分配動作が完了した後に、少なくとも1つのバルブを自動的に制御して、少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにし、少なくとも1つの導管から飲料又は他の物質をパージするように適応させることができる。一実施形態では、デバイスは、ボディの動きを検出するための加速度計などの動きセンサを含み得(したがって、分配動作が始まる寸前であること又は完了したことが示される)、コントローラは、ボディが休止位置から移動したこと又はボディが分配する条件から分配しない条件に移動したことを動きセンサが検出した後に、少なくとも1つのバルブを制御して、少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにし、少なくとも1つの導管から飲料をパージすることができる。休止位置は、時間の閾値より長く(例えば、5分以上)デバイスが静止したままの状態である位置であり得、休止位置からの動きは、ユーザがシステムを使用して分配する寸前であることを示し得る。分配する条件から分配しない条件への移動は、注入方向から非注入方向への移動、又は、少なくとも1つの導管が飲料容器と流体連通する位置から容器と流体連通しない位置への移動であり得る。これにより、デバイスは、次の分配動作の前に、ニードルもしくは他の導管からいかなる残留飲料もパージすること(例えば、飲料のクロスコンタミネーションを回避するため)、ニードルもしくは他の導管からコルク粒子もしくは他の破片(コルクから引き出す際にニードルに詰まっている可能性がある)を取り出すこと、またそうでなければ、ニードルもしくはガス/飲料の流路から望まない物質を取り出すことができる。デバイスの動きを使用して分配動作が始まる寸前であると決定すること又はちょうど完了したと決定することができる一方で、コントローラは、他の方法で、分配動作が始まる寸前であること又は完了したことを検出することができる。例えば、容器の首部にクランプ又は他の要素が固着されたか否かを検出するセンサを採用することができる。デバイスが飲料容器の近くにあるか否か(例えば、デバイスが容器上のRFIDタグを読み取ることによって)を検出するセンサを採用することができる。分配動作が始まる寸前であること又は終了したことをユーザがボタンを押すか又は別の方法でデバイスに示すことができる。少なくとも1つの導管が飲料容器と流体連通しているか否かを検出することができるなどが挙げられる。
【0006】
いくつかの事例では、デバイスは、デバイスが飲料容器と係合した際にユーザがどのようにデバイスを操作するかに基づいて、飲料を自動的に分配することができる。例えば、動きセンサは、デバイスが取り付けられた容器が注入方向にあるか又は非注入方向にあるか、例えば、容器がおおむね水平向きに傾いているか又はおおむね垂直向きにあるか、を検出するように構成することができる。コントローラは、容器が注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを制御して、少なくとも1つの導管内にガスが流れるようにし、飲料を分配するように適応させ、容器が注入方向から非注入方向に移動した際には、少なくとも1つのバルブを制御して、ガス又は飲料の流れを停止するように適応させることができる。
【0007】
分配デバイスは、1つ又は複数の導管を使用して、容器へのガスの供給及び容器からの飲料の受け取りを行うことができ、これらの1つ又は複数の導管は、パージ動作の間にパージすることができる。いくつかの事例では、ガスの流れと飲料の流れの両方に対して単一の導管を使用することができ、単一の導管は、容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部であり得る。他の事例では、第1の導管を使用して容器にガスを供給し、第2の導管を使用して容器から飲料を受け取ることができる。第1及び第2の導管は、容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部であり得る。これにより、ユーザは、コルク又は他のクロージャを抜くか又は別の方法で取り出すことなく、容器内のワイン又は他の飲料にアクセスすることができる。単一導管ニードルのパージは、分配動作の間に行われるように加圧ガスをニードルに誘導することによって行うことができる。マルチ導管ニードルのパージは、異なる方法で行うことができ、例えば、第1の導管及び/又は第2の導管にガスの流れを導入して、第1の導管又は第2の導管から飲料又は他の物質をパージすることができる。上記で記述されるように、少なくとも1つのバルブを使用してガス及び/又は飲料の流れが制御され、少なくとも1つのバルブは、加圧ガス源から少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように構成されたガス制御バルブ、及び/又は少なくとも1つの導管から飲料流出口への飲料の流れを制御するように構成された飲料制御バルブを含み得る。これらのバルブは、パージ動作の実行に適するように制御することができる。
【0008】
分配動作が完了した後にデバイスがパージ動作を実行する実施形態では、コントローラは、異なる方法で、分配動作が完了したと決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、デバイスは、デバイス及び取り付けられた容器が注入方向に移動することに応答して、飲料を自動的に分配可能であり得る。容器が非注入方向に移動すると、例えば、容器へのガスの流入を停止すること又は容器からの飲料の流出を停止することによって、飲料の分配を停止することができる。容器が一定の時間の間(例えば、10秒より長く)非注入方向に留まったままである場合は、デバイスは、分配が完了したと決定し、ガス及び/又は飲料導管をパージするためのパージ動作を実行することができる。したがって、コントローラは、容器が注入方向から非注入方向に移動したことを動きセンサが検出した後に、少なくとも1つのバルブを制御して、少なくとも1つの導管をパージするように適応させることができる。
【0009】
コントローラは、他の方法で、分配動作が完了したと決定することができる。例えば、コントローラは、少なくとも1つの導管が容器の内部空間と流体連通していない際にそれを検出し、それに応答して、少なくとも1つの導管をパージするように適応させることができる。例えば、コントローラは、センサを採用して、ニードルがコルク又は他のクロージャから引き出されたことを検出し、分配が完了したと決定し、パージを実行すべきであると決定することができる。センサは、ニードルが取り付けられたボディがデバイスのベースに対して移動したことを検出することができ、それは、ニードルが引き出されたことを示す。他の実施形態では、コントローラは、デバイスが容器から離れた所に位置していることによって、分配が完了したことを検出することができる。あるいは、コントローラは、デバイスが長時間静止したままの状態であることを検出し、それに応答して、パージ動作を実行することができる。
【0010】
本発明の別の態様では、容器にマウントされる飲料分配システムは、ボディと、ボディと関連付けられた少なくとも1つの導管であって、飲料を保持する容器にガスを供給するため、及び、ユーザのカップに分配するために容器から飲料を受け取るための少なくとも1つの導管と、ボディに取り付けられた少なくとも1つのバルブであって、少なくとも1つの導管を介する容器へのガスの流入又は容器からの飲料の流出を制御するための少なくとも1つのバルブとを含む。加圧ガス源は、少なくとも1つの導管に流体的に結合することができ、コントローラは、ボディが休止位置から移動し、システムによる飲料分配の準備が整ったこと、少なくとも1つの導管が容器の内部と流体連通していること、及び、コントローラが容器にガスを供給するように又は容器から飲料を分配するように少なくとも1つのバルブを制御していることの少なくとも1つを示す視覚的表示を提供するように適応させることができる。これらのタイプの表示は、特に単一のシステムにおいて組み合わされると、システムが動作しているかどうか及びどのように動作しているか並びに是正措置を取るべきかどうかをユーザが理解できるように、有用なフィードバックをユーザに提供することができる。例えば、ユーザがデバイスを持ち上げた際、通常であれば、デバイスは、動きがあり次第、「起動」したという指示を表示するが、そうしない場合は、ユーザは、電池又は他の電源を充電するか又は交換しなければならないと断定することができる。ニードル又は他の導管がボトルの内部と流体連通していることをシステムが示さないことで、ニードルを容器のさらに深くに挿入すべきであること又は他の調整が必要であることをユーザに知らせることができる。
【0011】
一実施形態では、システムは、ボディの動きを検出するための動きセンサを含み、コントローラは、ボディの休止位置からの移動を動きセンサが検出することに応答して、システムによる飲料分配の準備が整ったことを示す視覚的表示を提供するように適応される。休止位置は、時間の閾値を超えてボディが静止したままの状態である位置であり得る。例えば、システムによる飲料分配の準備が整ったことを示す視覚的表示は、棒状の光源を連続的に点灯すること(例えば、青色で)を含み得る。低いガス供給圧力又は他の問題を理由になど、システムによる分配準備が整っていない場合は、例として、棒状の光源を赤色で点灯することができる。
【0012】
一実施形態では、コントローラは、少なくとも1つの導管が容器の内部と流体連通していることを示す視覚的表示を提供するように適応される。例えば、少なくとも1つの導管は、容器の開口部のコルクを通じて挿入されるように構成されたニードルの一部であり得、コントローラは、ニードルがコルクを通じて挿入されたことを検出するように適応させることができる。一実施形態では、システムの圧力センサは、少なくとも1つの導管と流体連通することができ、圧力センサは、少なくとも1つの導管内の圧力の兆候を検出するように適応させることができる。すなわち、コントローラは、少なくとも1つのバルブを制御して、少なくとも1つの導管を介して加圧ガスを容器に導入するように適応させることができ、コントローラは、加圧ガスが容器に導入された後に周囲の圧力を上回る圧力の兆候を圧力センサが検出した場合は、少なくとも1つの導管が容器と流体連通していると決定するように適応させることができる。視覚的指示は、棒状の光源を緑色などの色で点灯することであり得る。コントローラは、他の方法で、ニードルが容器の内部と流体連通していることを検出することができ、例えば、容器内の液体がニードルと接触していることを検出する導電性センサを採用することによって、ニードルを保持するボディなどのシステムの一部分が、ニードルが容器に挿入されたことを示す方法で、容器又はシステムの別の部分(容器クランプなど)に対して移動したことを検出することなどが挙げられる。
【0013】
いくつかの実施形態では、コントローラは、容器にガスを供給するように又は容器から飲料を分配するようにコントローラが少なくとも1つのバルブを制御していることを示す視覚的表示を提供するように適応させることができる。例として、視覚的表示は、動きを提案するために棒状の光源を点灯することを含み得る。棒状の光源は、選択的に点灯することができる複数の部分を有し得、動きを提案するため、棒状の光源の中央の近くの部分を最初に点灯し、それに続いて、中央から離れる方向に位置する部分を次々と点灯することができる。一事例では、棒状の光源は、動きを提案するような方法で、緑色で点灯することができる。上記で説明されるように、飲料を分配するように少なくとも1つのバルブを制御することは、加圧ガス源から少なくとも1つの導管へのガスの流れを制御するように構成されたガス制御バルブを制御すること、及び/又は少なくとも1つの導管から飲料流出口への飲料の流れを制御するように構成された飲料制御バルブを制御することを含み得る。
【0014】
当然ながら、システムは、上記の表示指示のいくつか又はすべてを任意の組合せで提供するのみならず、他の表示指示を提供するようにも構成することができる。視覚的指示を提供するために棒状の光源を採用する際、棒状の光源の異なる色及び/又は点灯パターンを異なるシステム状態と関連付けることができ、例えば、青色は、システムが起動しており、使用準備が整っていることを示し、緑色は、ニードル又は他の導管が容器の内部と流体連通していることを示し、動きを提案する緑色は、システムが飲料を分配する動作を行っていることを示すなどが挙げられる。他の条件に対しては他の指示を提供することができ、例えば、赤色は、ガス供給源交換又は電池充電の必要性を示し、点滅する青色は、システムが容器の首部に挟着されたか又は別の方法で係合されたことを示すなどが挙げられる。当然ながら、他の表示タイプも可能であり、可聴表示、英数字又はアイコン表示などを含み、そのような表示は、分配デバイス又は他のコンポーネント(ユーザのスマートフォンなど)上に提供することができる。
【0015】
本発明の別の態様では、飲料分配デバイスは、飲料容器の首部と係合するためのベースと、ベースに上方位置と下方位置との間で移動可能にマウントされたボディであって、ニードルを有するボディとを含み得、ニードルは、ボディに取り付けられ、ボディから延伸する。ニードルは、飲料容器への加圧ガスの導入及び容器からの飲料の抽出を行うために、飲料容器のクロージャを通じて挿入されるように構成することができる。容器センサは、容器の首部がベースに係合したことを検出するように構成することができ、ニードルセンサは、ニードルが飲料容器のクロージャを通じて挿入されたことを検出するように構成することができる。したがって、いくつかの事例では、容器及び/又はニードルセンサからの情報に基づいて、分配デバイスを制御すること及び/又はユーザに情報を提供することができ、その結果、デバイスが飲料容器と適切に係合した時点及び/又はニードルがクロージャを通じて挿入された時点でのみ、ガス供給又は飲料分配が可能になる。
【0016】
いくつかの実施形態では、コントローラは、容器とベースとの係合を容器センサが検出した場合且つニードルがクロージャを通じて挿入されたことをニードルセンサが検出した場合に、ガスが流れるようにし、適切な表示をユーザに提供するように構成することができる。例として、ベースは、容器の首部と係合するためのクランプを含み得、容器センサは、クランプが容器の首部と係合したことを検出することができる。いくつかの事例では、容器センサは、クランプに係合した容器の首部の接触によって作動するスイッチを含む。ベースは、容器の首部がベースに係合した際に、容器の首部の上部と接触するように構成されたストッパを含み得、容器センサは、容器の首部の上部とストッパとの接触によって作動するスイッチを含み得る。ストッパは、容器のクロージャを通じるニードルの動きを誘導するように構成されたニードルガイドを含み得る。ニードルが挿入され次第、デバイスは、ニードルが容器の内部と流体連通しているという指示をユーザに提供することができる。
【0017】
いくつかの実施形態では、ボディは、ベースに対して上方位置と下方位置との間で移動可能であり、ニードルセンサは、ボディがベースに対して下方位置にある際に作動するスイッチを含む。したがって、ニードルセンサは、ベースが容器の首部と係合したことを容器センサが検出し、且つ、ボディが下方位置にあることを示すようにニードルセンサスイッチが作動した際に、ニードルが飲料容器のクロージャを通じて挿入されたことを検出するように構成することができる。上記の実施形態と同様に、ボディは、容器の首部と係合するためのクランプを含み得、容器センサは、容器の首部がクランプに係合されることによって作動することができ、ニードルセンサは、ニードルがクロージャを通じて挿入されたことを示すようにボディがクランプに対して下方位置にあることを検出することができる。いくつかの事例では、コントローラは、容器の首部によって容器センサスイッチが作動され、且つ、ボディが下方位置にあることによってニードルセンサスイッチが作動された場合にのみ、ガスが流れるようにするように構成することができる。
【0018】
一実施形態では、ボディは、ベースに対して上方位置と下方位置との間で移動可能であり、デバイスは、容器センサが容器の首部によって作動するまで、ボディを上方位置に解放可能にロックするラッチを含み得る。ラッチは、容器センサが作動次第、ニードルがクロージャを通じて挿入されるようにボディを上方位置から下方位置に移動するために、ボディを解放するように構成することができる。例えば、ラッチは、容器センサが容器との係合を検出した際に移動のためにボディを解放するように、コントローラによって電気で作動することができる。
【0019】
いくつかの実施形態には、デバイスは、飲料容器に加圧ガスを供給するように構成された加圧ガス源を含み得る。デバイスは、飲料容器内の加圧ガスによって生じた圧力下で飲料の流入を得るために、例えば、ニードルによって、飲料容器に流体的に結合することができる。バルブは、飲料容器への加圧ガスの流入を制御するように又は圧力下での飲料容器からの飲料の流出を制御するように構成することができる。例えば、飲料容器に加圧ガスを供給するために飲料容器のクロージャを通じて挿入されるように構成されたニードルをデバイスが含む場合は、バルブを使用して、ニードルへの加圧ガスの流入を制御すること、及び/又は、圧力下での飲料容器から導管を通じた飲料の流出を制御することができる。
【0020】
一実施形態では、分配システムは、容器が注入方向にあるか又は非注入方向にあるかを検出するための容器動きセンサを含み得、コントローラは、容器が注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを制御してガス又は飲料が流れるように構成し、容器が非注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを制御してガス又は飲料の流れを差し止めるように構成することができる。例えば、容器動きセンサは、容器の底が容器の開口部の上方にある際及び/又は容器の縦軸が水平軸の周りを少なくとも90度回転した際は、注ぐ条件を検出することができる。したがって、例えば、ユーザは、従来通りにボトルから飲料を注ぐために使用されるものと同様の方法でワインボトル又は他の容器を傾けるか又は別の方法で操作し、システムは、容器の位置に基づいて分配を自動的に開始するか又はそうでなければ制御すること、及び、ボトルの傾きが直立位置又はほぼ直立位置に戻った際に分配を停止することができる。
【0021】
いくつかの事例では、コントローラは、容器が注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを開放して、加圧ガスを容器に流入できるように構成し、容器が非注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを閉鎖して、容器への加圧ガスの流入を差し止めるように構成することができる。そのような構成は、容器にアクセスするために2つの導管が使用される際に有用であり得、一方の導管は、容器にガスを供給し、他方の導管は、容器から飲料を供給する。別の実施形態では、ニードルなどの少なくとも1つの導管は、単一の導管を含み、コントローラは、単一の導管を介して、少なくとも1つのバルブを開放して、加圧ガスを容器に流入できるようにすることと、容器が注入方向にある際には、単一の導管を介して、少なくとも1つのバルブを閉鎖して、容器への加圧ガスの流入を止め、容器から飲料が流出できるようにすることとを交互に行うように構成される。別の構成では、コントローラは、容器が注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを開放して、少なくとも1つの導管から飲料流出口に飲料が流れるようにするように構成し、容器が非注入方向にある際には、少なくとも1つのバルブを閉鎖して、少なくとも1つの導管から飲料流出口への飲料の流れを差し止めるように構成することができる。
【0022】
いくつかの実施形態では、コントローラは、少なくとも1つのバルブを制御して、容器から規定量の飲料を分配するように構成することができる。例えば、ユーザが従来通りにボトルから注ぐためにボトルを傾けた場合、システムは、規定量(6オンスなど)の飲料を自動的に分配すること、及び、ボトルが注入方向に保持されている場合でさえ、分配を停止することができる。別の分配を行うには、ユーザは、一旦ボトルを非注入方向に置いてから、再び注入方向に置く必要がある場合がある。いくつかの実施形態では、コントローラは、2つのモードで少なくとも1つのバルブを制御するように構成することができ、2つのモードは、飲料分配速度を最大化するための第1のモードと、加圧ガス使用量を最小化するための第2のモードとを含む。これにより、ユーザは、飲料が分配されるレートを制御すること又は必要に応じて分配ガスを節約することができる。
【0023】
デバイスの様々な例示的な実施形態については、以下でさらに描写し、説明する。
【0024】
図面の簡単な説明
本発明の態様は、様々な実施形態及び図を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】飲料ボトルのクロージャを通じて導管を導入する準備としての飲料分配デバイスの概略図を示す。
図2図1に示される実施形態における、導管がクロージャを通過した状態を示す。
図3図1に示される実施形態における、ガスをボトルに導入している状況を示す。
図4図1に示される実施形態における、ボトルから飲料を分配している状況を示す。
図5】例示的な実施形態における飲料分配デバイスの側面斜視図を示し、クランプ及び係合面を含む。
図6図5の分配デバイスの底面図を示す。
図7】分配デバイスの概略図を示し、ボディラッチ、容器及びニードルセンサ、並びに、係合面を有するクランプを含む。
図8】例示的な実施形態における、ユーザインタフェースを有する分配デバイスの上面図を示す。
図9図8のデバイスの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明
本発明の態様は、例示的な実施形態を参照して以下で説明するが、本発明の態様は、説明される特定の実施形態を考慮して狭義に解釈してはならないことを理解すべきである。したがって、本発明の態様は、本明細書で説明される実施形態に限定されない。また、本発明の様々な態様は、単独で使用すること及び/又は互いに適した任意の組合せで使用することができ、したがって、様々な実施形態は、任意の特定の1つ又は複数の特徴の組合せを必要とすると解釈すべきではないことも理解すべきである。代わりに、説明される実施形態の1つ又は複数の特徴は、他の実施形態の他の任意の適切な特徴と組み合わせることができる。例えば、異なるクランプ、ラッチ及びセンサ構成について以下で論じており、クランプ、ラッチ及び/又はセンサ特徴の様々な組合せを行うことができることを理解すべきである。
【0027】
図1~4は、本発明の1つ又は複数の態様を組み込む飲料分配システム(又はデバイス)1の一実施形態の概略図を示す。一般に、デバイス1は、ニードル又は他の導管を飲料容器700に挿入し、導管を介して容器700にガスを注入し、注入ガス又は容器内の他の圧力によって容器700から飲料を押し出して分配するために使用される。この例示的なデバイス1は、加圧ガス源100(圧縮ガスシリンダなど)が取り付けられたボディ3を含み、加圧ガス源100は、圧力下(例えば、シリンダから分配される際は、2600psi以下)でレギュレータ600にガスを提供する。この構成では、シリンダ100は、ねじ込み式接続によってボディ3及びレギュレータ600に固着されるが、ガスシリンダをシリンダレシーバと係合するための機構に関するそれらの教示に対して、以下で説明されるもの及び/又は米国特許第4,867,209号、米国特許第5,020,395号及び米国特許第5,163,909号で説明されるもの(参照により本明細書に組み込まれる)など、他の構成も可能である。レギュレータ600は、詳細を省略して概略的に示されているが、プリセット又は可変流出口圧力へのガス圧力の調節が可能な様々な市販の又は他の単段もしくは多段圧力レギュレータのいずれかであり得る。レギュレータ600の主な機能は、例えば、容器700の内側で確立された圧力が所望のレベルを超えないような、容器700(ワインボトルなど)への供給に適した圧力及びフローレートのガスを提供することである。他の実施形態では、シリンダ100から放出されるガスの圧力調節は不要であり、代わりに、調節されていないガス圧力を容器700に供給することができる。
【0028】
この実施形態では、ボディ3は、ガスの流れ及び/又は容器700からの飲料の流れを制御するための少なくとも1つのバルブも含む。この実施形態では、ガス制御バルブ36は、ガス源100から容器700の内部と流体連通している流路へのガスの流れを制御するために提供され、飲料制御バルブ37は、容器700から分配口38への飲料の流れを制御するために提供される。(いくつかの実施形態では、分配口38又は流出口38の一部分(管など)は、例えば、洗浄のために、取り外し可能又は交換可能であり得る)。しかし、他の構成も可能であり、例えば、単一のバルブがガスと飲料の両方の流れを制御すること(例えば、三方バルブを使用して)、単一のバルブを使用してガスの流れのみを制御すること(例えば、容器内部から分配口への飲料流導管は常に開放したままでもよく、ガスが容器に導入されると、飲料を流すことができる)、又は、単一のバルブを使用して飲料の流れのみを制御すること(例えば、デバイス1が容器700と係合した状態で、ガス源100から容器700へのガスの流れは常に開放したままでもよく、飲料の流れは、飲料制御バルブを開放/閉鎖することによってのみ制御することができる)が可能である。バルブ36、37の一方又は両方は、コントローラ34(すなわち、制御回路)によって制御することができる。例えば、コントローラ34は、デバイス1が容器700と係合した際にそれを検出すること及び/又は導管が容器700の内部空間と流体連通していることを検出することができ(例えば、ニードルがコルクを通じて挿入されたこと又はデバイスクランプが容器の首部と係合したことを検出することによって)、次いで、それにしたがってバルブを制御することができる。コントローラ34によって制御されない場合は、ユーザによってバルブ36、37を手動で動作すること、及び/又は、バルブの開放及び/又は閉鎖を行えるようにユーザがユーザインタフェース(ボタン、タッチスクリーンなど)を介してコントローラ34に入力を提供することができる。別のオプションとして、バルブの動作は、機械的に又は電子制御を介してかに関わらず、連動させることができ、その結果、例えば、一方のバルブが開放している際は、他方のバルブは閉鎖している(逆も同様である)ようになるか、又は、一方のバルブが開放している際は、他方のバルブも開放しているようになる(容器700の内部にアクセスするために2ルーメンニードルを使用する際など)。
【0029】
ガスを容器700に導入し、飲料を抽出するため、少なくとも1つの導管は、容器700の内部と流体連通可能な状態に置かれる。この実施形態では、図2に示されるように、ボディ3に取り付けられたニードル200は、容器700の首部の開口部を密閉するコルク又は他のクロージャ730を通じて挿入される。この例示的なデバイス1では、ニードル200は、ニードルチップ又はニードル200の先端部近くのニードル開口部220を有するニードルの側壁に沿った1つ又は2つのルーメン又は導管を含む。ニードル200は、異なる方法で、コルク又は他のクロージャ730に挿入して通すことができるが、この実施形態では、デバイス1は、1対のチャネル21を有するベース2(以下で説明されるように、クランプによって容器700に固着することができる)を含み、1対のチャネル21は、ボディ3のそれぞれのレール31を受け入れ、レール31の動きを誘導する。したがって、容器クロージャ730に対するボディ3及び取り付けられたニードル200の動きは、ベース2によって誘導することができ、例えば、ボディ3は、ニードル200をクロージャ730内外に動かすためにベース2に対して上方位置と下方位置との間で滑動させることができる。それに加えて、ニードル200の動きは、ニードルガイド202によって誘導することができ、ニードルガイド202は、ベース2に取り付けられ、クロージャ730の真上に位置決めされる。クロージャ730を通じてニードル200を挿入するため、ユーザは、ベース2と容器700を互いに対して少なくともある程度静止した状態を維持しながら、ボディ3を下向きに押し付けることができる。ニードル200は、ベース2に対するボディ3の誘導運動(例えば、レール31及びチャネル21による)によって、少なくとも部分的にその運動が誘導されて、クロージャ730を通過する。ベース2に対するボディ3の動きを誘導するための他の構成も可能であり、ベース2上の1つ又は複数のレールを提供し、ボディ3のチャネル又は他のレシーバと係合させること、ボディ又はベース上の細長いスロット、チャネル又は溝を提供し、ボディ又はベースの他方の対応するフィーチャ(例えば、タブ)と係合させ、滑動運動を可能にすること、ボディとベースを共に接続し、ニードルをクロージャに挿入するためのボディの動きを可能にするリンク機構を提供することなどが挙げられる。
【0030】
図2に示されるように、ニードル200を適切に挿入すると、ニードルの先端部のニードル開口部220は、クロージャ730の下方及び容器700の内部空間内に位置決めすることができる。これにより、容器700の内部とニードル200の1つ又は複数の導管との間の流体連通が可能になる。ニードル200が1つのルーメン又は導管を含む実施形態では、バルブ36、37は、容器700に加圧ガスを提供することと、容器700から飲料が流れるようにすることとを交互に行うように制御することができる。例えば、最初に、容器700内の加圧条件を確立するために、単一の導管を介してガスを容器700に導入し、次いで、ガスの流れを停止し、加圧飲料が単一の導管から分配口に流れるようにすることができる。ニードル200が2つのルーメンもしくは導管を含む(又は2つ以上のニードルが使用される)場合は、1つ又は複数の導管は、容器へのガス流入専用にし、1つ又は複数の他の導管は、飲料の流出専用にすることができる。したがって、ガス制御バルブ36は、ガス導管へのガス流入を制御することができ、飲料制御バルブ37は、飲料導管からの飲料の流出を制御することができる。あるいは、飲料の流出を制御するためにバルブ36、37のうちの1つを提供するだけでよく、例えば、ガス制御バルブ36を開放/閉鎖し、容器内の圧力に応じて、専用の常に開放されている飲料導管を介して容器から分配口38に飲料を流すことができる。コルク又は他のクロージャを貫通することができるニードル又は他の構造の使用は必須ではないことを理解すべきである。代わりに、任意の適切なホース、パイプ、管又は他の導管をニードルとして使用することができ、例えば、コルクを取り出し、例えば、プラグ、ストッパ又はキャップ(それを通じて導管が延伸する)によって、導管を容器700に流体的に結合することができる。
【0031】
本発明の態様によれば、分配デバイスは、センサを含み得、センサは、デバイスが容器700と係合したこと及び/又は導管(例えば、ニードルの)が容器700の内部と流体連通しているか否かを検出するように構成される。例えば、一実施形態では、センサは、ニードルが飲料容器のクロージャを通じて挿入され、ニードルの導管が容器700の内部と流体連通可能な状態に置かれたことを検出することができる。この例示的な実施形態では、デバイス1は、容器センサ81を含み、容器センサ81は、ニードルガイド202に取り付けられ、容器の首部の上部がニードルガイド202の近くにある又はニードルガイド202と接触した際にそれを検出する。ニードルガイド202は、図1及び2に見られるように、ベース2に対する垂直方向(すなわち、ニードル200の長さに沿った方向又はニードルがクロージャを通じて移動する通路に沿った方向)の容器の首部の移動を制限するストッパとして機能することができ、容器センサ81は、容器の首部の上部がニードルガイド202と接触した際にそれを検出することができる。当然ながら、ニードルガイド202は必須ではなく、ニードル誘導機能を提供することなく、ベース2に対して容器の首部の上部を位置決めする上で役立つストッパを提供することができる。この実施形態では、容器センサ81は、ストッパ/ニードルガイド202に対して容器の首部が適切に位置決めされた際に作動するスイッチを含み、例えば、容器の首部の上部がニードルガイド202と接触した際、スイッチは、閉鎖するか、開放するか又は検出可能な状態で別の方法で変化する。しかし、容器センサ81の他の構成も可能であり、超音波センサ(例えば、容器の首部の近接を検出する)、ホール効果センサ(例えば、容器の首部との接触によって動く磁気要素の動きを検出する)、光検出器(例えば、容器の首部の上部によって遮断される周囲光を検出する)などを含む。また、容器センサ81は、ベースとの係合を検出するために、任意の適切な方法で位置決めすることができる。例えば、ベース2は、クランプ(以下でより詳細に論じる)を含み得、容器センサ81は、クランプが容器の首部と係合した際にそれを検出するためのセンサを含み得、例えば、歪みゲージは、容器と係合するためにクランプに力がかけられた際にそれを検出することができ、スイッチは、クランプのアームが押し込まれて容器の首部と係合した際にそれを検出することができ、及びその他も可能である。別の構成では、容器センサ81は、ユーザによって作動することができ、例えば、ユーザは、デバイス1が容器と適切に係合した際にボタンを押す。
【0032】
コントローラ34は、容器センサ81の検出状態に基づいて、ガスバルブ36及び/又は飲料バルブ37及び/又はデバイス1の他の部分を制御することができる。例えば、コントローラ34は、容器700がベース2と適切に係合したことを容器センサ81が検出しない限り、ガスバルブ36を通じるガスの供給を行えないようにすることができる。これは、適切な場合(例えば、加圧ガスを受け取るために容器がデバイス1と適切に係合した際)にのみガスが放出されることを保証する上で役立てることができる。その代替として又はそれに加えて、コントローラ34は、容器700との係合を容器センサ81が検出しない限り、ディスプレイを使用不能にしてもよく、又は、デバイス1が容器と係合したか否かをディスプレイ(表示灯、関連タッチスクリーンを備えるマルチピクセルディスプレイなど)上に示すことができる。これは、容器がデバイス1と正しく係合することを保証する支援をユーザに行うことができる。また、コントローラ34は、容器センサ81の検出状態を使用して、デバイス1の1つ又は複数のシステムを「起動する」こともでき、例えば、容器が係合したことを容器センサ81が検出した場合は、ディスプレイは、デバイス1が始動し、動作準備が整ったことを示すか、又は、ニードル200をクロージャ730に挿入するという指示などの命令を提供することなどができる。コントローラ34は、容器センサ81の指示に応答して、飲料の分配に適したガス圧力がシリンダ100内に存在するかどうかを判断するチェック、電池残量(使用される場合)が動作に適しているかどうかを判断するチェックなど、デバイス1のステータスチェックを実行し、1つ又は複数のメッセージ又は他の表示をユーザに提供することができる。
【0033】
上記で記述されるように、デバイス1は、ニードルセンサ82も含み得、ニードルセンサ82は、ニードルが飲料容器のクロージャを通じて挿入されたかどうか、延いては容器700の内部と流体連通しているかどうかを検出する。ニードルセンサ82は、様々な異なる方法で実装することができるが、この実施形態では、ボディ3がベース2に対して下方位置に移動した際(例えば、図2に示されるように)にそれを検出するセンサ(スイッチなど)を含み、それは、ニードル200がクロージャ730を通じて挿入されたことを示し得る。例として、スイッチは、ボディ3が下方位置に移動した際にスイッチがニードルガイド202と接触することによって作動することができる。ボディ3がベース2に対して自由に移動可能である場合は、ボディ3がベース2に対して下方位置にあることを示すセンサ82は、必ずしもニードル200がクロージャを通じて挿入されたことを示すとは限らないが、その理由は、例えば、ボディ3及びニードル200が下方位置に移動する前にベース2が容器700と正しく係合されていない場合があるためである。いくつかの実施形態では、コントローラ34は、最初に、容器センサ81からの情報に基づいて、ベース2が容器の首部と係合しているかどうかを判断し、次いで、ボディ3及びニードル200がベース2に対して下方位置に移動している間、容器700がベース2と係合したままであると容器センサ81が決定した場合にのみ、ニードル200がクロージャ730を通じて挿入されたと決定するように構成することができる。あるいは、ニードルセンサ82は、ニードル200がクロージャを通じて挿入されたと決定するための他の又は追加のセンサを含み得、例えば、ニードル200がクロージャを通じて挿入されたことを示すように適切な力がニードル200にかかったことを検出する力センサ、あるいは、ニードル200の先端部がクロージャを通過し、クロージャの下端から抜け出たことを検出するもの(例えば、ニードル先端部における力の変化を検出することによって、及び/又は先端部における周囲光を検出することによって(その光は、クロージャを移動している間は遮断されるが、先端部がクロージャから抜け出ると同時に現れる)、及び/又は導電性もしくは容量性センサによってニードル先端部における液体を検出することによってなど)が挙げられる。別の実施形態では、コントローラ34は、加圧ガスを容器700に導入するようにガス制御バルブ36を制御し、容器700内の圧力を示す圧力を検出することによって(例えば、ボディ3のガス導管内のセンサ39を使用して圧力を検出することによって)、ニードル200が容器700の内部と流体連通していると決定することができる。加圧ガスが容器700に導入されてから一定の時間の間、検出された圧力が周囲の圧力を上回る場合は、コントローラは、ニードル200が容器700と流体連通していると決定することができる。(ニードル200が容器700と流体連通していない場合は、ガス導管内の圧力は、加圧ガスが放出された後、急速に周囲に放出される)。圧力は、飲料制御バルブ37が存在しない場合及び/又は分配導管が永久的に開放されている場合でさえ、少なくともある程度は容器700内に保持することができるが、その理由は、例えば、容器から分配口38への流れへの制限により、ニードル200が容器700の内部と流体連通していない場合より長い時間の間、容器700内の圧力を維持するように動作できるためである。
【0034】
ニードル200がクロージャ730を通じて挿入されたことを検出することに応答して、コントローラ34は、様々な措置を講じることができ、例えば、ニードルがクロージャを通じて挿入された場合にのみ(ただし、その前ではない)、ガスバルブ36によるニードル200への加圧ガスの供給を許可すること(バルブ36が自動的に操作されるか又は手動で操作されるかにかかわらず)、飲料分配を可能にすること(例えば、飲料バルブ37が動作することを可能にするか、又は、飲料バルブ37を手動で操作できる場合は、飲料バルブ37を動作させることを可能にすることによって)、システムが容器と流体連通しており、飲料分配の準備が整っていることをデバイス1のディスプレイに示させること、飲料の分配方法の表示(視覚的及び/又は可聴にかかわらず)をユーザに提供すること、システムステータスチェックを実行することなどが挙げられる。上記で記述されるように、コントローラ34は、容器センサ81からの情報を使用して、ニードル200がクロージャ730を通じて挿入されたと決定すること(例えば、ボディ3及びニードル200がベース2に対して下方位置に移動している間、容器がベース2と係合していると決定すること)ができ、又は、ニードルセンサ82、圧力センサ39もしくは他のセンサのみからの情報を使用することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、分配デバイスは、例えば、容器の首部がベースに係合するまで、ボディを上方位置に解放可能にロックするラッチを含み得、ラッチは、ニードルがクロージャを通じて挿入されるようにボディを上方位置から下方位置に移動するために、ボディを解放するように構成することができる。ラッチは、手動で操作することができ、例えば、ユーザは、デバイスを容器の首部に固着するためのクランプを採用することによってなど、ベース2を容器の首部と係合させることができ、次いで、ユーザは、クロージャ730を通じてニードル200を挿入するために、ボディ3及びニードル200を下向きに下方位置まで移動できるようにラッチを解放することができる。これにより、ユーザがニードル200をクロージャ730に挿入する準備を整えるまで、ユーザは、ボディ3を上方位置に保持することができる。例えば、図1に見られるように、ボディ3がベース2に対して上方位置にある際は、ニードル200の先端部は、ニードルガイド202又は他のシールド内に位置し得る。これは、いくつかの事例では鋭く尖っている可能性があるニードル200の先端部との予想外の接触を防ぐ上で役立てることができる。ニードル200の先端部は、上方位置では、ユーザがニードル200をクロージャ730内に動かす準備を整えるまで(例えば、容器の首部の上部がニードルガイド202と接触した状態での容器へのデバイス1の固着が完了するまで)、ボディ3で遮蔽することができる。その結果、ニードル200が下向きに移動すると、ニードル200の先端部は、そのクロージャ730を通じる移動全体を通じてユーザとの接触から遮蔽される。ユーザは、ボタンを押すことによって、鍵を挿入して回すことによって(それにより、鍵を持たない人々による使用を防ぐことができる)、コントローラ34のユーザインタフェースにセキュリティコードを入力することによって(それにより、ソレノイド又は他の電気機械デバイスを係合することによってラッチを電子的に解放することができる)などによって、ラッチを係脱又は解放することができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、ラッチは、容器の首部とのベース2の適切な係合によって解放することができる。例えば、ベース2は、クランプを含み得、ラッチ9は、クランプが容器の首部と係合すると、ボディ3及びニードル200がベース2に対して移動できるように、ラッチ9が解放されるように構成することができる。一実施形態では、ベース2は、ニードルガイド202などのストッパを含み得、ニードルガイド202は、容器の首部がクランプによって完全に受け入れられ、ベース2に係合されると、容器の首部の上部と接触する。ラッチ9は、ニードルガイド202にマウントされたばね式プランジャを含み得、ばね式プランジャは、ベース2に対してボディ3が移動しないようにするためにレール31又はボディ3の他の部分のうちの1つと係合する。しかし、ニードルガイド202が容器の首部と接触すると、プランジャは、ばねバイアスに反して動くことができ、その結果、プランジャは、レール31又はボディ3の他の部分から係脱し、ボディ3の移動が可能になる。ラッチ9の他の構成も可能である。例えば、ラッチ9は、レール31又は他のボディ部分と係合するソレノイド操作プランジャを含み得、容器センサ81からの情報に基づいて、容器の首部が適切に係合したとコントローラ34が決定すると、コントローラ34は、ソレノイドを操作して、ラッチ9を解放することができる。あるいは、ユーザは、ユーザインタフェース(マイクロフォン、タッチスクリーンアイコン、押しボタンなど)を介してコントローラ34に入力を提供することができ、それに応答して、コントローラ34は、ラッチ9を解放することができる。別の構成では、クランプが首部と係合するために容器の首部に適切な力をかけると、クランプと関連付けられたラッチアクチュエータを動かすことができる。アクチュエータの動きにより、リンク機構又は他の機構は、移動のためにボディ3を解放するようにプランジャ又は他のラッチ要素を動かすことができる。クランプによる容器の首部の完全な係合に基づいてラッチ解放を可能にすることは、移動のためにニードル200が解放される前にベース2が容器と正しく係合することを保証する上で役立てることができ、それは、問題も又は困難もなくニードルがクロージャ730を通過することを保証する上で役立てることができる。
【0037】
デバイス1が容器700と係合し、ニードル200が容器700の内部と流体連通することにより、飲料を分配することができる。本発明の態様によれば、分配動作は、コントローラ34によって自動的に実行することができる。例えば、図3に示されるように、ニードル200が容器700の内部と流体連通していることをコントローラ34が検出した後、コントローラ34は、ガス制御バルブ36を制御して加圧ガスを容器700に導入すること及び/又は飲料制御バルブ37を制御して飲料を分配することができる。いくつかの実施形態では、分配デバイスは、容器が注入方向にあるか又は非注入方向にあるかを検出し、注入方向にある間(非注入方向にある間ではない)は飲料を分配するようにデバイスの一部分を自動的に制御することができる。例えば、デバイス1は、容器700の底が容器700の開口部(例えば、クロージャ730が位置する所)の上方に位置決めされている際に、注ぐ条件を検出するように構築及び構成された動きセンサ35(図1~4を参照)を含み得る。あるいは、動きセンサ35は、容器700の縦軸701が水平軸の周りを少なくとも90度回転した際、又は、容器700から飲料が分配されることを表す容器700の他の動きが見られる際に、注ぐ条件を検出することができる。そのような条件を検出するため、動きセンサ35は、重力に対するデバイス1及び容器700の運動及び/又は位置を検出するように構成された1つ又は複数のジャイロスコープ、加速度計、水銀又は他のスイッチなどを含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、動きセンサ35は、ボディ3及び取り付けられた容器700の動きを検出する動きセンサであり得る。別の実施形態では、コントローラ34は、飲料を受け取るように構成されたニードル200又は他の導管と飲料が接触した際に、注ぐ条件を検出することができる。例えば、コントローラ34は、飲料を受け取るニードル200又は他の導管の先端部において液体飲料の存在を検出するために、導電性センサ、フロートスイッチ又は他の構成を含み得る。
【0038】
動きセンサ35又は他のデバイスによって検出されたこれらの又は他の条件は、コントローラ34によって、容器700から飲料を分配するようにユーザが容器700を操作した(すなわち、容器が注入方向にある)と決定するために使用することができる。それに応答して、コントローラ34は、1つ又は複数のバルブを制御して、容器700から飲料を分配することができる。例えば、図3の例示的な実施形態では、コントローラ34は、上向き方向(すなわち、局所重力方向とは反対の方向)に対して容器700が90度以上回転されたことを検出し、加圧ガスを容器700に供給するためにガスバルブ36を開放することができる。その後、コントローラ34は、ガス制御バルブ36を閉鎖し、飲料制御バルブ37を開放して、分配口38を介して飲料を分配できるようにすることができる。この構成により、デバイス1は、単一ルーメンニードル200を使用して、容器から飲料を分配することができる。理解されるように、コントローラ34は、例えば、加圧ガスを容器700に供給するためのガス制御バルブ36の開放/飲料制御バルブ37の閉鎖と、容器700から飲料を分配するためのガス制御バルブ36の閉鎖/飲料制御バルブ37の開放とを交互に行うことによって、断続的に飲料を分配させることができる。ニードル200又は他の要素が2つの導管を有する場合は、コントローラ34は、飲料を分配するために、ガス制御バルブ36の開放と飲料制御バルブ37の開放を同時に行うことができる。上記で記述されるように、飲料分配は、容器700と流体連通する導管の数及び/又はバルブ構成に応じて、他の方法で制御することができる。例えば、2ルーメンニードル200が採用される場合は、デバイス1は、ガス制御バルブ36のみ又は飲料制御バルブ37のみを含んでもよく、それを開放して飲料を分配し、それを閉鎖して分配を停止する。
【0039】
コントローラ34は、動きセンサ35からの向き情報を連続的、周期的又は別の方法でモニタし、それにしたがって、飲料分配を制御することができる。例えば、容器700がもはや注入方向にないことを動きセンサ35が検出した場合は、コントローラ34は、ガス制御バルブ36及び/又は飲料制御バルブ37を閉鎖することによってなど、飲料分配を停止することができる。デバイス1が注入方向にあることを再び検出した場合は、飲料分配を再び始めることができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、コントローラ34は、注ぐ動作の各々に対して(例えば、デバイス1が注入方向にあり、1秒以上など長時間、注入方向のままであることを検出する度に)分配される飲料の量又はボリュームを制御することができる。例えば、コントローラ34は、注ぐ動作の各々に対して、既定の量(1.5、4又は6オンス/125ml又は150mlなど)の飲料を分配するように構成することができる。他の構成では、コントローラ34は、「一口分」もしくは比較的少量を注ぐ又は1つもしくは複数のより大きなボリュームを注ぐなど、2つ以上のボリュームオプションのうちの1つを選択するために、ユーザ入力を受信することができる。したがって、コントローラ34は、選択可能な分配ボリューム情報を受信するために、押しボタン、音声制御又は他のユーザインタフェースを含み得る。選択された注ぐボリュームに基づいて、コントローラ34は、選択された量を分配するためにバルブの動作を制御することができる。コントローラ34の分配ボリュームの制御は、容器が注入方向にあるか/非注入方向にあるかを検出する能力と結び付ける必要はないことに留意されたい。代わりに、ユーザは、所望の分配ボリュームを選択し、次いで、ボタン又は他のアクチュエータを押して分配を開始することができる。コントローラ34は、選択されたボリュームが分配されると、例えば、適切なバルブを閉鎖することによって、分配を停止することができる。
【0041】
コントローラ34は、異なる方法で、どれほどの量の飲料を分配するかを制御することができる。例えば、コントローラ34は、飲料の分配量を検出するように構成されたフローセンサを含み得、フローセンサからの情報に基づいて、バルブの動作を制御することができる。別の構成では、コントローラ34は、分配のために飲料制御バルブ37が開放されていた時間に基づいて、飲料の分配量を決定することができる。容器700内の圧力及び/又は他の分配条件が分かっている場合は(例えば、ニードル200を通じるフローレートは、容器内の圧力が比較的広範囲である場合でさえ、比較的一定であり得る)、飲料制御バルブ37の開放時間に相当する時間に基づく飲料ボリュームの制御は、十分に正確であり得る。別の実施形態では、コントローラ34は、容器700内の圧力に基づいて、容器からのフローレートを決定することができ、したがって、圧力センサ39を使用して、容器700内の圧力を示す値を検出することができる。圧力センサ39は、容器内(例えば、ニードル200の端部)、ガス源と容器との間の導管内、又は、容器700内の圧力の兆候を提供するための他の適切な場所に位置決めされたセンサ素子を有し得る。圧力センサ39によって検出された圧力は、コントローラ34によって、容器700からの飲料のフローレートを決定するため、延いては、飲料の分配量を決定するために使用することができる(例えば、分配口38から出る飲料のフローレートは、容器700内の圧力に関連し得、フローレートに分配時間を乗じることにより、分配ボリュームを決定することができる)。
【0042】
また、圧力センサ39からの情報は、コントローラ34によって、容器700内の圧力が所望の範囲内になるように制御するために使用することもできる。例えば、コントローラ34は、適切に高いレート及び/又は既知のフローレートで飲料が分配されることを保証するために、容器700内の圧力が所望の範囲内になるように制御することができる。別の構成では、コントローラ34は、例えば、ガス源100から提供されるガスを保存するため及びより遅いフローレートで分配するために、容器700内の圧力がある程度低くなるように制御することができる。いくつかの事例では、ユーザは、異なる分配モードで動作するようにデバイス1を設定することができ、例えば、「高速注入」又は「ガス節約」モードが挙げられ、デバイス1が比較的高い容器700内の圧力を使用して最大もしくは他の比較的高いレートで飲料を分配するように動作するか(高速注ぎモード)、又は、デバイス1が比較的低い容器700内の圧力を使用することによってできる限り少ない量の分配ガスを使用するような方法で飲料を分配するように動作する(ガス節約モード)。あるいは、ユーザは、コントローラ34と対話して、分配レートの上げ下げを調整することができる。この場合もやはり、ユーザは、コントローラ34のユーザインタフェース又は他の手段によって分配速度情報を提供することができ、分配ボリューム制御(例えば、コントローラ34が飲料の指定ボリュームを分配する場合)の有無にかかわらず、選択可能な分配レート特徴を使用することができる。
【0043】
本発明の態様によれば、コントローラ34は、1つ又は複数の異なる条件に応答して、少なくとも1つの導管から飲料又は他の物質をパージするように適応させることができる。いくつかの事例では、コントローラ34は、分配動作が始まる寸前であると決定することに応答して、少なくとも1つの導管をパージすることができる。例えば、一実施形態では、コントローラ34は、動きセンサ35からの情報に基づいて、デバイス1が少なくとも時間の閾値の間休止位置にあると決定することができる。休止位置は、デバイス1が少なくとも1分、2分、5分又は他の任意の適切な時間の間動いていない状態であり得る。デバイス1の休止位置からのそのような動きは、ユーザが分配のためにデバイス1の使用準備を整えていることを示し得、したがって、デバイス1の正しい動作を保証するために、少なくとも1つの導管のパージが適切であり得る。例えば、デバイス1が任意の量及び任意の向きに移動したと動きセンサが決定したことに基づいて、デバイス1が休止位置から移動したとコントローラが決定した場合は、デバイス1は、少なくとも1つのバルブ(例えば、ガス制御バルブ36)を操作して、少なくとも1つの導管(例えば、ニードル200の1つ又は複数の導管)から飲料又は他の物質をパージすることができる。これは、比較的一気に加圧ガスをニードル200に供給させることによって行うことができ、それにより、ニードル200内の飲料、コルク粒子又は他の物質をニードル開口部220から押し出すことができる。このパージ動作は、ニードル200から前の飲料を取り出すこと、ニードル200を詰まらせる可能性があるコルクもしくは他の粒子を取り出すこと、及び/又はデバイス1が正しく動作できる状態にあるとデバイス1が決定できるようにすることによって、デバイス1の次の分配動作の準備を整えることができる。例えば、パージ用ガスが一気に放出された後に比較的素早くニードル導管内の圧力が周囲に放出されてはいないことを圧力センサ39が検出した場合は、コントローラ34は、ニードル200が詰まっているか又はデバイス1の正しい動作を妨げ得る他の何らかの不良状態が存在すると決定することができる。そのような事例では、コントローラ34は、ニードル200の交換などのある種の是正措置が必要かもしれないことを示すために、視覚的又は他の表示を提供することができる。コントローラ34は、他の方法で、分配動作が始まる寸前であると決定し、それに応答して、少なくとも1つの導管をパージする。例えば、ユーザは、デバイス1上の「オン」ボタンを押し、コントローラ34にパージ動作を実行させることができる。他の実施形態では、コントローラ34は、デバイス1が容器700に固着されている場合は(例えば、デバイス1が容器700と関連付けられたことを容器センサ81が検出するか、又はデバイス1が容器700に固着されたことをクランプもしくはデバイス1の他の部分上のセンサが示す)、パージ動作を開始することができる。
【0044】
ニードル200又は他の管もしくは導管が単一の導管又は流路を含む事例では、パージは、ニードル200の先端部においてガス及び他の任意の物質が排出されるように、ニードル200又は他の単一の導管の基端部に加圧ガスを誘導するという簡単な動作であり得る。ニードル200が2つ以上の導管を含む場合と、1つ又は複数の導管がガスの流れに対して使用され、1つ又は複数の導管が飲料の流れに対して使用される場合は、コントローラ34は、ガス導管のみ、飲料導管のみ、又は、ガス導管と飲料導管の両方をパージすることができる。単一導管ニードルと同様に、加圧ガスは、ガス及び飲料導管の基端部に誘導することができ、その結果、飲料及び他の任意の物質は、導管の先端部において排出される。フロー制御構成に応じて、デバイス1は、加圧ガスを飲料導管に誘導する上で役立てるために、パージバルブ又は他の構成を含み得る。例えば、ニードルがガス導管及び飲料導管を含む場合は、ガス導管のパージは、ガス導管に加圧ガスを誘導するようにガス制御バルブ36を制御することによって簡単に行うことができる。しかし、飲料導管はボディ3のガス源に流体的に結合されないかもしれないため、パージバルブは、ガス源と飲料導管との間の制御可能な流体連通を提供することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、コントローラ34は、分配動作が完了した後に、少なくとも1つの導管(例えば、ニードルルーメン)をパージするように適応させることができる。このパージは、分配動作が始まることを示すデバイス1の休止位置又は他の条件からの動きに応答して行うことができるパージに加えて実行することができる。例えば、分配動作が完了した後のパージは、例えば、デバイス1の使用の合間が長い場合に起こり得る飲料液体の乾燥が原因で、その場所にしっかりと詰まっている飲料又は他の物質を取り出す上で役立てることができる。コントローラ34は、異なる方法で、分配動作が完了したと決定し、したがって、パージ動作をトリガすることができる。例えば、コントローラ34は、容器700及びデバイス1が注入方向から非注入方向に移動し、したがって、分配動作が完了したと決定することができる。それに応答して、コントローラ34は、ニードル200のルーメン又は他の導管をパージすることができる。ユーザがグラス1杯を注ぎ、次いで、最初のグラス1杯の直後に別のグラス1杯を注ぐために容器700及びデバイス1を移動する場合にパージを避けるため、コントローラ34は、非注入方向に移動してから一定の時間が経過した後(例えば、5~10秒後)又はデバイス1が垂直向きになり静止した後にパージすることができる。他の実施形態では、コントローラ34は、ニードル200又は他の導管が、容器700のコルクもしくは他のクロージャから引き出されたか又はそうでなければもはや容器700の内部と流体連通していないことを検出することによって、分配動作が完了したと決定することができる。上記で説明されるように、これは、容器センサ81及び/又はニードルセンサ82、圧力センサ39あるいは他のセンサからの情報を使用して行うことができる。いくつかの事例では、ユーザは、例えば、デバイス上の「オフ」ボタンを押すことによって、分配動作が完了したことを示すことができる。コントローラ34は、デバイスをシャットダウンする前に、パージ動作を実行することができる。他の実施形態では、コントローラ34は、デバイス1が容器700から係脱された際に(例えば、容器センサ81、ベース2のクランプ上のセンサ又は他のセンサによって示されるように)、パージ動作を実行させることができる。
【0046】
理解されるように、飲料分配デバイスは、例えば、デバイスをボトルの首部に挟着することによって、デバイスをボトルと係合するように構成されたクランプ又は他の構成から利益を得ることができる。例えば、デバイスは、1つ又は複数のクランプアームを含み得、1つ又は複数のクランプアームは、デバイスに移動可能にマウントされ、例えば、使用の間デバイスをボトルで支持するためにボトルと係合するように構成される。例示的な一実施形態では、ベースは、容器の首部の受け取り空間を定義する少なくとも1つのクランプアームを有するクランプを含む。少なくとも1つのクランプアームは、クランプの底の受け取り空間に対するエントリ開口部を少なくとも部分的に定義することができる。したがって、クランプは、クランプの底からエントリ開口部内に容器の首部を挿入し、容器の首部に対して下向きにクランプを移動することによって、受け取り空間内に容器の首部を完全に受け入れることができる。この動作により、容器の首部は受け取り空間内に挿入され、その結果、クランプは容器の首部と係合する。クランプは、異なる方法で、容器の首部にベースを固着させることができ、例えば、ラチェットストラップ、バックル、ねじ部品などを固着することによってなどが挙げられ、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのクランプアームは、容器の首部に係合力をかけるためにベースに対して動くようなばねバイアス式のアームであり得る。受け取り空間内に容器の首部を受け入れることにより、少なくとも1つのクランプアームは、ばねバイアスに反して動くことができ、その結果、受け取り空間内に位置する際、少なくとも1つのクランプアームが首部にクランプ力をかける。また、少なくとも1つのクランプアームのばねバイアス性質は、クランプが異なるサイズの容器の首部に対応できるようにすることもできる。
【0047】
受け取り空間内に容器の首部を受け入れる及び/又は受け取り空間から首部を取り出す支援をするため、少なくとも1つのクランプアームは、容器係合面を含み得、容器係合面は、例えば、垂直方向に延在するか又は係合/係脱の間に少なくとも1つのクランプアームに対して容器の首部が動く方向に延在する。係合面は、受け取り空間に対して内向き且つ上向きに傾斜する又は傾く下部を有し得、下部は、受け取り空間内に容器の首部を受け入れるために、クランプを容器の首部に下向きに押し付けるように構成することができる。下部の傾斜した又は傾いた形状は、首部が受け取り空間内に受け入れられる際、容器の首部に係合力をかけながら、また、容器の首部から離れるように少なくとも1つのクランプを動かすように機能し得る。また、係合面は、例えば、容器に対して上向きにクランプを引き上げることによって、容器の首部からクランプを取り外しやすくすることもできる。受け取り空間から首部を取り出しやすくするため、係合面は、受け取り空間に対して上向き且つ外向きに傾斜する又は傾く上面を含み得る。
【0048】
図5は、1対のクランプアーム41を備えるベース2を有するデバイス1の例示的な実施形態を示すが、1対の代わりに、単一のクランプアームを提供できることを理解すべきである。この実施形態では、各クランプアーム41は、先端部分41bを含み、クランプアーム41は、本質的に容器の首部を包み込むように構成される。たった1つのクランプアーム41が提供された場合は、クランプアーム41は、図5のアーム41よりさらに広い範囲で容器の首部を包み込むことができ、1つのクランプアーム41は、ベース2の一部分と協働して容器の首部と係合することができる。図6に示されるように、クランプアーム41は、ベース2の一部分と共に、容器の首部がクランプに係合される受け取り空間44を定義し、エントリ開口部46は、クランプの底で定義され、例えば、先端部分41bの下部は、エントリ開口部46を定義する。これにより、クランプアーム41は、アーム41間で首部が受け入れられ得るように容器の首部に当てることができる。例えば、容器の首部の上部がニードルガイド202と接触し、クランプアーム41に対する容器の首部のさらなる動きが止まるまで、クランプアーム41を押し下げることにより、受け取り空間44内に容器の首部を完全に受け入れることができる。クランプアーム41は、互いに引き寄せられるようなばねバイアス式であり得、例えば、典型的には、人がアーム41をつかんでそれらのアーム41を互いに手で引き離すことができないように、互いに対して比較的強いバイアスがかかったものでさえあり得る。この強いばねバイアスは、クランプ4及びベース2を容器の首部に固着する支援をすることができる。ばねバイアスは、ばね47によって提供することができ、それにより、クランプアーム41は、互いに引き寄せられて容器の首部と係合するように促される。この実施形態では、アーム41は、単一の枢動ピン45によってベース2にマウントされるが、他の構成も可能である。例えば、各アーム41は、それ自体の対応する枢動ピン45によってベース2にマウントすることができ、対応するアーム41が他のアーム41にバイアスをかけられるように、各枢動ピン45においてねじりばね47を提供することができる。
【0049】
また、図5及び6は、各クランプアーム41が係合面43を含むことも示し、係合面43は、容器の首部と接触し、クランプを首部と係合する支援をすることができる。この実施形態では、アーム41は、アーム41間の受け取り空間44を定義し、受け取り空間44では、容器の首部が受け入れられ、クランプ4に係合される。アーム41は、クランプ4の底部におけるエントリ開口部46を定義し、すなわち、図6では、受け取り空間44は、エントリ開口部46を通して見られる。エントリ開口部46は、アーム41を容器の首部に下向きに押し付け得るように容器の首部の上部がアーム41間に導入されるように、サイズ指定及び成形することができる。係合面43は、容器の首部が受け取り空間44に入る支援をするために、容器の首部(例えば、縁702)と接触することができる。この実施形態では、例えば、受け取り空間44へのその移動の際に容器の首部の動きを誘導する上で役立てるため、係合面43は、それぞれのクランプアーム41に垂直方向に延在する。クランプアーム41に対して首部が位置をシフトできるようにしながら、クランプアーム41が首部と係合できるようにする上で役立てるため、係合面43は、比較的硬質の低摩擦表面を有し得る。係合面の下部43bは、受け取り空間44に対して内向き且つ上向きに傾けることができ、容器の首部と接触し、アーム41を互いに引き離して受け取り空間44を拡大し、容器の首部が受け取り空間44内に移動できるようにすることができる。下部43bの傾いた性質により、クランプ4は、異なるサイズ及び形状の容器の首部に対応すること並びに、容器の首部が受け入れられるにつれて、くっつくようにアーム41を促すばねバイアスに反して、互いに離れる方向への比較的漸進的なクランプアーム41の動きを提供することができる。上記で記述されるように、アーム41は、比較的高いばね47の力によって、互いに対してバイアスをかけることができる。しかし、係合面43の傾いた構成は、アーム41を引き離して容器の首部を受け取り空間44に収容するためにクランプ4を下向きに押し付けているユーザに適切な機械的利点を提供することができる。容器の首部は、ニードルガイド202又は他のストッパと接触するまで受け入れることができ、それにより、受け取り空間44への容器の首部のさらなる動きを防ぐ。
【0050】
図5に見られるように、係合面43は、受け取り空間44に対して上向き且つ外向きに傾斜する又は傾く上部43aを含み得る。この構成は、少なくとも2つの機能、すなわち、受け取り空間44の完全な受け入れ位置に容器の首部を収容した状態を維持する上で役立てること、及び/又は、容器の首部からクランプ4を取り外す支援をすることを提供することができる。受け取り空間44の完全な受け入れ位置に容器の首部を収容した状態を維持するため、上部43aは、半径方向内向き且つ上向きの力を容器の首部(例えば、縁702)にかける(又は、容器の基準点から、半径方向外向き且つ下向きの力をそのクランプアーム41にかける)ことができ、それにより、容器の首部がニードルガイド202又は他のストッパと接触したままの状態を維持する上で役立てる。すなわち、上部43aと下部43bは両方とも、半径方向内向きの力を容器の首部にかけることができ、上部43aは、受け取り空間44に対するその上向き且つ外向きの傾きにより、上向きの力を容器の首部にかけることができる。これは、クランプ4に対して上向きに動くように容器の首部を促す(又は、基準系に応じて、容器700に対して下向きに移動するようにクランプ4を促す)際に役立てることができる。クランプ4を取り外す支援をするため、上部43aは、単に容器700に対して上向きにクランプ4を引き上げることによって、容器の首部からクランプ4を取り外せるようにすることができる。同じ方法で、下部43bは、クランプ4を容器に下向きに押し付けることによって、受け取り空間44に容器の首部を受け入れる支援をすることができ、上部43aは、受け取り空間44から首部を取り出す支援をすることができる。例えば、上部43aは、容器の首部の縁702と接触し、クランプ4が容器700に対して上向きに動く際、容器の首部から離れるように外向きに動くようにアームに促すことができる。係合部分43の傾いた形状は、くっつくようにアーム41を促すばね47の比較的ロバストなバイアスでさえもユーザが打ち勝つことができるようにする機械的利点を提供することができる。また、係合面43の接触が上部43aから下部43bに移行した時点で、下部43bは、半径方向内向き且つ下向きの力を容器(例えば、縁702)にかける(又は半径方向外向き且つ上向きの力をクランプアーム41にかける)ため、ばね47バイアスは、受け取り空間44から容器の首部を押し出す上で役立てることができる。この実施形態では、係合面43の上部43aと下部43bとの間の移行は、一点又は頂点で起こるが、移行は、平坦セクションを含み得、平坦セクションは、容器に対して半径方向内向きの力はかけるが、容器に対して上向きの力も下向きの力もかけない。受け取り空間44において容器の首部が完全に受け入れられると、移行エリア(一点/頂点、平坦セクション又はその他にかかわらず)は、上部43aと協働して、容器の首部上でクランプ4を安定させる上で役立てることができる。すなわち、移行エリアが縁702の下の首部の部分と接触し得る間、上部43aは、容器の首部の縁702と接触することができ、それにより、容器の首部との2つの接点が各係合面43に提供される。係合面43は、要望があれば、容器の首部との追加の及び/又はより大きな接触エリアを提供するように成形することができる。
【0051】
本発明の様々な態様を組み合わせることにより、ユーザに便利な飲料分配デバイスを提供することができる。例えば、容器の首部がベースと正しく係合するまで上方位置にボディ3及びニードル200をロックするラッチ9と、容器の首部に下向きに押し付けることに係合することができるクランプとを含むデバイス1により、ユーザは、ボディ3及び/又はベース2をつかんで下向きに押し付けて、デバイス1を容器と係合させることができる。これは、少なくともベース2が容器の首部と適切に係合するまでは、ベース2に対してボディ3が動くということを気にせずに行うことができる。また、この構成により、ユーザは、単一の動作で、デバイス1を容器と係合し、ニードルを容器クロージャに挿入することができ、この単一の動作では、最初に、デバイス1が容器と係合し、次いで、容器がベース2と完全に係合した後に、ニードルが挿入される。容器センサ81及び/又はニードルセンサ82をさらに組み込むことにより、例えば、デバイス1が容器と正しく係合し、ニードル200がクロージャを通じて挿入された後にのみ、デバイス1が分配モードを自動的に開始できるようになるなど、追加の利点を提供することができる。
【0052】
図7は、デバイス1の概略図を示し、係合面43を有するクランプアームと、ベース2に対して上方位置にボディ3をロックするためのラッチ9と、容器がベース2と係合したかどうか及びニードル200がクロージャ730に挿入されたかどうかを検出するための容器センサ81及びニードルセンサ82とを組み込む。これは、例示的な実施形態の1つにすぎず、上記で記述されるように、描写されるコンポーネントは、様々な異なる方法で実装することができる。この例示的な実施形態では、図7に示されるように、ラッチ9は、移動可能ラッチボルト92によって実装され、移動可能ラッチボルト92は、ベース2にマウントされ、ボディ3がベース2に対して上方位置にある際、ボディ3のラッチスロット93と係合するために、ばねバイアスの下で左に移動することができる。ラッチスライド91は、ベース2にマウントされ、ボルト92の右への移動を阻止するために、下向きに図7に示される位置に移動するようにばねバイアスがかけられる。したがって、ボルト92がスロット93と係合し、スライド91がボルト92の右への移動を防いでいる限り、ボディ3は、ベース2に対して動くことができない。これにより、ユーザは、ボディ3をつかみ、クランプ4を容器の首部に下向きに押し付けることができ、したがって、上記で説明されるように、例えば、1つ又は複数の係合面43によって誘導されるように、容器の首部が受け取り空間44内に受け入れられる。容器とのクランプ4の係合は、ベース2に対して下向きにボディ3が移動することなく、実行することができる。しかし、スライド91は、容器の首部の上部(図示せず)がクランプ4の受け取り空間44に完全に受け入れられると、容器の首部の上部がスライド91と接触し、ばねバイアスに反してスライド91を上向きに移動するように構成される。これにより、スライド91のノッチがボルト92と位置合わせされ、ボルト92の右への移動が可能になる。スライド91の上方の位置決めは、容器センサ81によって検出することができ、容器センサ81は、スライド91の上向きの位置決めによって作動する(閉鎖又は開放する)ホール効果又は機械スイッチを含み得る。スライド91のノッチをボルト92と位置合わせすることで、ベース2に対して下向きのボディ3への力により、ボディ3の一部分は、ボルト92の端部の傾斜部と接触し、それにより、ボルト92は、右に押し動かされ、スライド91のノッチに入るようになる。これにより、ラッチ9が外れ、ボディ3は、ベース2に対して下向きの動きを続けることができ、それにより、ニードルガイド202によって誘導されるようにニードル200が容器のクロージャに挿入される。ボディ3がベース2に対してその下方位置に位置決めされると、ニードル200は、完全に挿入され、ニードルセンサ82は、例えば、ベース2との接触によってスイッチが作動することによって、ボディ3がその下方位置にあることを検出することができる。コントローラ34は、容器センサ81及びニードルセンサ82から情報を受信し、それに応答して、分配動作を開始する、バルブ36、37の手動又は自動操作を可能にするなど、所望の措置を講じることができる。
【0053】
この例示的な実施形態では、クランプアーム41は、ベース2に枢動可能にマウントされ、その結果、アーム41には、通常、互いに引き寄せられるように、例えば、アーム41間に位置決めされたボトルの首部に挟着するように、バイアスがかけられる。しかし、クランプアーム41は、リンク機構、リビングヒンジ、滑り係合(クランプアームの一部分をベースのチャネル内に移動させることによってなど)によってなど、他の方法で、ベース2に対して移動可能にマウントすることができる。また、一方のアームをベースに固定する一方で、他方を移動可能にすることもできる(ただし、この実施形態では、アームは依然として互いに対して移動可能であると言える)。ねじり又は他のばねは、クランプアーム41にバイアス力を提供するために使用することができる(仮に提供される場合)。クランプアーム41のクランプ力は、デバイス1をボトル700に支持できるほど、又は、ユーザがデバイス1をつかんで操作することによってボトル700を持ち上げてボトル700から飲料を注ぐことさえできるほど、十分ロバストなものであり得る。また、クランプアーム41は、基端部分も含み得、ユーザは、基端部分をつかんで一緒に動かすことができ(ばね47のバイアス力に打ち勝つ)、その結果、アーム41は、ボトルの首部を受け入れるために、互いに離れるように動く。例えば、この実施形態では、ユーザは、基端部分を一緒につまんでアーム41間にボトルの首部を位置決めし、次いで、基端部分を解放して、クランプアーム41をボトルの首部に挟着できるようにすることができる。しかし、上記で説明されるように、他の構成も可能である。引き離すようにクランプアーム41にバイアスをかけるか又はバイアスを全くかけない構成では、ロック機構を使用して、クランプアーム41をボトルと係合することができる。すなわち、クランプアーム41がばねバイアス式であるか否かにかかわらず、アームの動きは、ロック機構によって何らかの方法で制限又はそうでなければ制御することができる。例えば、アーム41は、ラチェット及び爪機構によって一緒に固着することができ、それにより、クランプアーム41は、互いに対して自由に動けるようになるが、最初に爪がラチェットから外されない限り、互いに離れるようなアーム41の動きが妨げられる。この構成により、ユーザは、ラチェット及び爪を用いて、アーム41をボトルの首部にしっかりと挟着することができ、それにより、ユーザが爪を解放するまで、アーム41が首部を解放するために互いに離れることはないことが保証される。他の実施形態では、アーム41は、代替の方法で、互いに離れるような動きに反するように固着することができ、例えば、バックル及びストラップ(一方のアーム41にストラップを固着し、他方のアーム41にバックルを固着する)、ねじ及びナット(ねじが一方のアーム41と係合し、ナットが他方のアーム41と係合し、ねじとナットが互いにねじ込み式で係合してアーム41を一緒に固着する)、アーム41の先端部にわたって広がるフック及びループクロージャ要素、又は、アーム41とボトル700との係合に適した他の構成によってなどが挙げられる。例えば、ロック機構は、一部のスキー靴に見られるものと同様のバックルを含み得る。この実施形態では、ロック機構は、ハンドルを含み、ハンドルは、クランプアーム41に枢動可能にマウントされ、ベイルを保持する。ベイルは、他方のクランプアーム41に形成されたベイル係合スロットと選択的に係合するように構成することができる。上記で記述されるように、センサ81は、デバイス1が容器と係合したことを検知して示すために、クランプ構成と関連付けることができる。例えば、クランプが容器の首部と係合した際にスイッチを閉鎖し、デバイス1が容器と係合したことを示すことができる。コントローラ34は、この情報を使用して、分配を制御することができ、例えば、コントローラ34は、それに応答して、容器が注入方向にあるか否かについてのモニタリングを開始し、それにしたがって、分配を制御することができる。また、コントローラ34は、この情報を使用して、分配動作が始まる寸前であると決定するか(例えば、クランプの係合をセンサ81によって検知し、分配動作が実行される予定であることを示すことができる)、又は、分配動作が完了したと決定することができ(例えば、クランプの係脱をセンサ81によって検知し、分配動作が完了したことを示すことができる)、それにしたがって、コントローラ34は、パージ動作を実行させることができる。
【0054】
また、コントローラ34は、様々な方法で、デバイスが容器にマウントされたかどうかを検出する能力及び/又は容器の特徴を検出する能力を使用することもできる。例えば、コントローラ34は、例えば、ニードルがコルクを通じて挿入されたことを検出することによって、容器上のRFIDタグ、バーコード又は他のしるしを検出することによって、デバイス1のクランプ又は他の容器の係合フィーチャの起動を検出することによってなど、デバイス1が容器にマウントされたかどうかを検出し、それに応答して、デバイス1の動作を開始することができる。例えば、デバイス1が容器700に固着されたことをデバイス1のクランプと関連付けられたセンサが示した場合は、デバイス1は、デバイス1が容器と係合したことを検出した後に、パージ動作を実行し、次いで、飲料分配を制御するためにデバイス1の向き及び/又は取り付けられた容器の向きのモニタリングを開始すること、ガス及び/又は飲料残量値を表示すること、デバイス1が容器に固着されたことを表示することなどができる。また同様に又はその代替として、容器に関する他の特徴を表示することができ、例えば、飲料のタイプ、飲料の温度(温度センサがデバイス1に装備されている場合)、デバイス1が最後に容器にアクセスしたのはいつかに関する指示、その飲料に合う食べ物の提案などが挙げられる。上記で記述されるように、情報は、ユーザに表示するために、視覚的指示によって、可聴指示によってなどにかかわらず、デバイス1からユーザのスマートフォン又は他のデバイスに中継することができる。また、デバイス1は、追加の情報をユーザに提供するために、検知された情報を使用して、他の情報(例えば、リモートでウェブサーバ上に格納されるもの)にアクセスすることもできる。例えば、デバイス1には、容器自体及び/又は容器内の飲料の温度を検出するために、温度センサを装備することができる。温度情報及び可能性として飲料のタイプに基づいて、デバイス1は、格納された情報にアクセスして、適切な提供のために、飲料が所望の温度範囲内にあるかどうかを判断することができる。飲料が所望の温度範囲内にない場合は、デバイス1は、飲料温度と共に、最適な提供温度に関する情報を示すことができる。
【0055】
本発明の態様によれば、デバイス1は、デバイス1の様々な条件又は動作状態を示す情報の視覚的、可聴及び/又は他の表示をユーザに提供することができる。例えば、コントローラ34は、ユーザがデバイス1を持ち上げた際に、デバイス1が起動しており、使用準備が整っていることをユーザインタフェースに表示させることができる。すなわち、デバイス1が時間の閾値(5又は10分など)を超えて休止位置に静止している間、コントローラ34は、通常、停止して「スリープ」状態に入ることができる。これは、デバイス1が使用されていない間、コントローラ34が電池又は他の電力を節約する上で役立てることができる。しかし、デバイス1が動き次第、コントローラ34は、デバイス1が起動しており、分配のための使用準備が整っているという視覚的又は他の指示を提供することができる。コントローラ34は、上記で説明されるように、例えば、動きセンサ35を使用して、デバイス1の動きを検出することができる。図8は、例示的なユーザインタフェース5を含むデバイス1の上面図を示し、図9は、ユーザインタフェース5を含むデバイス1の斜視図を示す。ユーザインタフェース5は、様々な異なる方法で構成することができ、異なる視覚的、可聴及び/又は他の表示を使用して情報を伝えることができるが、この実施形態では、ユーザインタフェース5は、ボディ3の上縁のU字形の棒状の光源51と共に、1つ又は複数のアイコン53及びボタン52を示すことができる表示を含む。デバイス1が休止位置から移動したとコントローラ34が決定すると、コントローラ34は、例えば、U字形の棒状の光源51を青色又は他の適切な色で点灯することによって、デバイス1が起動しており、使用準備が整っていることをユーザインタフェース5に示させることができる。音を発する、デバイス1の振動を発するなど、他の表示も可能である。デバイス1の使用準備が整っていない(例えば、ガスシリンダ100が飲料の分配に十分な圧力又はボリュームを有さない)場合は、U字形の棒状の光源51を別の色(赤など)で点灯するか、又は、デバイス1の準備が整っていないことを示す他の表示を提供することができる。他の表示は、いくつかの事例では、デバイス1の使用準備が整っていない理由に応じて、「ガスシリンダを交換してください」、又は「電池を交換してください」、又は「電池を充電してください」、又は「ニードルを交換してください」など、可聴信号を含み得る。表示は、例えば、デバイス1がユーザの携帯電話上で起動しているアプリケーションに信号を送信することによって又はデバイス1の状態を示すテキストメッセージをユーザの携帯電話に送信することによって、ユーザの携帯電話又は他のコンピューティングデバイスに提供することができる。
【0056】
デバイス1の使用準備が整っていることをデバイス1が示すことで、ユーザは、分配のために、例えば、クランプを容器の首部と係合させることによって、デバイス1を容器と係合させることができる。コントローラ34は、容器700との係合を検出し、容器700との正しい係合を示す表示をユーザに提供することができる。上記で説明されるように、容器700との係合は、容器検出器81によって、クランプ4と関連付けられたセンサ(クランプ4が容器と係合した際にそれを検出する歪みゲージ、スイッチ又は他のセンサなど)によって又は他の方法で検知することができる。デバイス1が容器700と係合したことが検出され次第、デバイス1は、U字形の棒状の光源51を白色もしくは点滅する青色で点灯するか又は他の何らかの視覚的表示など、適切な表示をユーザに提供することができる。他の表示と同様に、テキストメッセージ(例えば、「ボトルが係合しました」)、可聴メッセージなどを表示するなど、他のオプションも可能である。
【0057】
いくつかの実施形態では、デバイス1は、飲料の分配に使用されるニードル又は他の導管がボトルの内部に流体的に結合されたことを検出することができる。上記の実施形態では、デバイス1が容器と係合し、ニードル200が容器700に挿入されたことを容器センサ81及びニードルセンサ82が検出した場合は、コントローラ34は、デバイス1が容器700の内部と流体連通していることを示すことができる。コントローラ34は、他の方法で、ニードル200又は他の導管が容器700の内部と流体連通していることを検出することができ、例えば、ガスの流れをニードル200に導入し、ニードル200内の圧力が急速に低下するか(ニードル200の先端部の開口部220が周囲の空気と連通している可能性が高いことを示す)、又はよりゆっくり低下するか(開口部220が容器700の内部と流体連通していることを示す)を圧力センサ39によって検出することなどが挙げられる。コントローラ34は、上記で説明されるように、ユーザがボタン(ボタン52など)を押すことによって、ニードル200がコルク又は他のクロージャから抜け出たことをニードル200の先端部の検出器が検出することによって、液体とニードル200の先端部との接触を検出することによってなど、他の方法で、ニードル200又は他の導管が容器700の内部と流体連通していることを検出することができる。デバイス1が容器700の内部と流体連通していると決定され次第、コントローラ34は、U字形の棒状の光源51を緑色で点灯することによって、可聴メッセージ(例えば、「傾けて注いでください」)を提供することによって、ユーザインタフェース5もしくはユーザの携帯電話上に英数字テキスト表示を提供することによって又は他の表示を提供することによってなど、適切な表示をユーザに提供することができる。
【0058】
いくつかの事例では、デバイス1は、分配のために容器700が適切な圧力を保持できることを示す表示を提供することができる。上記で説明されるように、いくつかの実施形態では、飲料を分配することは、飲料がニードルルーメン又は他の導管から押し流されるように、ガス圧力を容器700に導入することを伴う。一定の時間の間、容器が適切な圧力を保持することができないか、又は、デバイスが容器に対して適切に密閉されていない場合は、飲料は、分配のために容器から押し流されることはない。容器700が適切な圧力を保持できることを示すことにより、デバイス1は、システムが分配用に適切に構成されていることを示すことができる。コントローラ34は、この情報を伝えるための表示を提供することができ、この表示は、ニードル又は他の導管が容器700と流体連通していることを示す表示と同じものでもよい(例えば、緑色で点灯したU字形の棒状の光源51)。
【0059】
デバイス1が飲料を分配している間、コントローラ34は、分配が進行中であること、分配された飲料のボリューム、分配予定の飲料のボリューム、容器内に残っているボリュームなど、所望の情報を示すための表示を提供することができる。例えば、分配中の動き又はフローを伝えるように、U字形の棒状の光源51を点灯することができる。一実施形態では、U字形の棒状の光源51が最初は暗いか又は点灯しておらず、次いで、U字形の棒状の光源51の中央部分を点灯し得る一方で、U字形の棒状の光源51の他の部分を点灯しないように、U字形の棒状の光源51を制御することができる。次いで、U字形の棒状の光源51の中央部分から外側に向かう部分は、次々と点灯することができ、その結果、U字形の棒状の光源51の中央からU字形の棒状の光源51の端部に点灯が移動するように見える。この点灯パターンは、フロー又は動きをユーザに伝えることができ、したがって、分配が進行中であること示すことができる。可聴メッセージ(例えば、「グラスに注いでいます!」)又はテキストメッセージなど、他の表示も可能である。
【0060】
また、ユーザインタフェース5により、ユーザは、デバイス1の動作の態様を制御することも、又はデバイス1から情報を受信することもできる。例えば、ユーザは、ボタン52を押してデバイス1を起動し、分配準備を整えることができる。また、ボタン52は、動作のモードを選択するように操作することもできる。例えば、図8は、少量及び大量の注ぎを示す2つのワイングラスアイコン53を示す。ユーザは、ボタン52を押して、少量注ぐか又は大量注ぐかのいずれかの注ぎモードを選択することができる。他の動作モードも選択することができ、デバイス1が分配のためにできる限り少ない加圧ガスを使用する「ガス節約」モードや、注ぐ速度又はフローレートを最適化するようにガスの流れが制御される「高速注入」モードなどが挙げられる。また、ユーザは、ボタン52を操作することによって(例えば、ボタン52を押したままにすることによって)、デバイス1を使用不能にすることもできる。これにより、ユーザはデバイス1を分配に使用しないことを分かっているが、デバイス1が移動している際(車両で移動しているか又は長距離にわたってデバイスを持ち歩いている際など)に、デバイス1の起動を防ぐことができる。
【0061】
壁の平滑な外面を有するニードル、ペンシルポイント又はフーバーポイントニードル(16ゲージ以上)は、ワインボトルのコルク又は他のクロージャを貫通させるのに効果的である一方で、飲料抽出の間にガス又は流体の出入りを防ぐためにコルクで効果的に密閉することが分かっている。その上、そのようなニードルは、ニードルを引き出した後で再びコルクで密閉することができ、それにより、数か月又は数年の間、飲料風味の異常な変化をもたらすことなく、ボトル及び残留飲料を保管することができる。さらに、そのようなニードルは、ワインボトル及び他のボトルに一般的に見られるアルミ箔カバー又は他の包装紙を貫通させるために使用することもできる。したがって、ニードルは、アルミ箔カバー又は他の要素のみならず、クロージャをも貫通することができ、それにより、飲料抽出の前にアルミ箔又は他の包装紙を取り除く必要がなくなる。他のニードルプロファイル及びゲージもシステムで使用することができる。
【0062】
上記の実施形態では、ボトルクロージャに対するニードルの挿入/取り出しを行うために、ユーザがベース2に対して直線状にボディ3を移動するが、手動又は動力駆動機構を使用して、クロージャに対してニードルを動かすことができる。例えば、レール31が歯ラックを含み得る一方で、ベース2は動力ピニオンギアを含み得、動力ピニオンギアはラックと係合し、ベース2に対してボディ3を移動するように機能する。ピニオンは、ユーザが操作するハンドル、モータ又は他の適切な構成を動力源とし得る。別の実施形態では、ニードルは、空気圧又は油圧ピストン/シリンダによって動かすことができ、例えば、空気圧又は油圧ピストン/シリンダは、ガスシリンダ100又は他の供給源からの圧力を動力源とする。
【0063】
正しいニードルゲージを用いることで、コルクからニードルを取り出した後に残る通路(存在する場合)は、正常な保管条件の下で流体及び/又はガスの出入りに反して自動密閉することが分かっている。したがって、ニードルは、飲料抽出のためにクロージャを通じて挿入し、次いで取り出し、クロージャを通じる飲料及びガスの通過を防げるようにクロージャを再び密閉できるようにすることができる。複数のニードルゲージを機能させることができるが、好ましいニードルゲージは、16~22ゲージの範囲であり、いくつかの実施形態では、最適なニードルゲージは、17~20ゲージの範囲である。これらのニードルゲージは、最小のボトル内圧力で最適な流体の流れを提供しながら、挿入と抽出を繰り返した後でさえ、許容できる程度に低いレベルのコルク損傷で済ますことができる。
【0064】
様々な実施形態では、正しく機能するように複数のニードル長さを適応させることができるが、一般的には、標準のワインボトルコルクを通過させるには、約1.5インチの最小ニードル長さが必要とされることが分かっている。9インチもの長さのニードルを採用することもできるが、いくつかの実施形態に対して、最適な長さの範囲は、2~2.6インチであることが分かっている。(ニードルの長さは、クロージャを貫通するように及び/又はクロージャ中を移動する際の誘導のためにニードルガイドに接触するように動作可能なニードルの長さである)。ニードルは、任意の標準の接続具(NPT、RPT、Leur、クイック接続又は標準ねじ)を通じて直接バルブに流体的に接続し得るか、又は、その代替として、軟性又は剛性の管などの介在要素を通じてバルブに接続することができる。2つ以上のニードルが使用される際は、ニードルの長さは、同じものであっても、異なるものであってもよく、0.25インチ~10インチまで様々であってもよい。ニードルの流入口/流出口間の距離を設けることにより、泡の形成を防ぐことができる。
【0065】
いくつかの実施形態では、ボトルから飲料を抽出するために、適切なガス圧力がボトルに導入される。例えば、いくつかのワインボトルでは、コルクでの漏れ又はコルクの突出のリスクなしで、約40~50psiの最大圧力をボトルに導入できることが分かっているが、約15~30psiの圧力がうまく機能することが分かっている。これらの圧力は、コルクが抜けることも、コルクの脇から液体又はガスが漏れ出ることもなく、ボトル開口部における最も弱いコルクとボトルとの密閉によく耐えられるものであり、比較的速い飲料抽出を提供する。いくつかの実施形態に対して、ワイン抽出の間のボトル内の下限圧力は、約0~20psiであることが分かっている。すなわち、ボトルからの飲料の適切な高速抽出を提供するには、約0~20psiのボトル内圧力が必要であることが分かっている。単一の17~20ゲージニードルを使用する一例では、ワインボトル内の初期圧力を確立するために30psiの圧力が使用され、内部圧力が約15~20psiに降下しても高速ワイン抽出が体験された。
【0066】
加圧ガス源は、様々な非反応性ガスのいずれかで満たされた様々な調節式又は非調節式の加圧ガスボトルのいずれかであり得る。好ましい実施形態では、ガスシリンダは、約2000~3000psiの初期圧力のガスを含む。この圧力は、いくつかのワインボトルの内容物の完全な抽出に対して、単一の比較的小さな圧縮ガスシリンダ(例えば、約3インチの長さ及び0.75インチの直径)の使用を可能にすることが分かっている。長期の保管期間にわたって複数のガスのテストに成功しており、好ましくは、使用されるガスは、ワインなどのボトル内の飲料と反応しないものであり、飲料酸化又は他の損傷から保護するように機能することができる。適切なガスは、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム、ネオンなどを含む。また、ガスの混合物も可能である。例えば、アルゴンと別のより軽いガスの混合物は、アルゴンでワイン又は他の飲料を覆う一方で、より軽いガスは、ボトル内のボリュームを占有し、恐らくはガスのコスト全体を低減することができる。
【0067】
上記の実施形態では、ボトルへのガスの導入及びボトルからの飲料の抽出を行うために、単一のルーメンを有する単一のニードルが使用される。しかし、他の実施形態では、2つ以上のニードルを使用し得ることも(例えば、1つのニードルをガス供給に使用し、1つのニードルを飲料抽出に使用する)、又は単一のニードルが2つ以上の導管又はルーメンを含むことも可能である。そのような実施形態では、バルブは、ボトルへのガスの流れを開放することと、ボトルからの飲料の流れを開放することとを同時に行うように操作することができる。ニードルは、同じもしくは異なる直径又は同じもしくは異なる長さを有し得、0.25インチ~10インチまで様々である。例えば、ガスを供給する一方のニードル又は導管は、ボトルからワインを抽出する他方のニードル又は導管より長くてもよい。あるいは、2ルーメンニードルを採用することができ、一方のルーメンではガスが移動し、他方のルーメンでは飲料が移動する。各ルーメンは、別個の入口及び出口を有することができ、それらの出口は、ガスの循環を防ぐためにボトル内で互いに離隔することができる。
【0068】
システムの制御は、コントローラ34の任意の適切な制御回路によって実行することができ、システムは、適切なソフトウェア又は他の動作命令を伴うプログラムされた汎用コンピュータ及び/又は他のデータ処理デバイス、1つ又は複数のメモリ(ソフトウェア及び/又は他の動作命令を格納することができる非一時的な記憶媒体を含む)、制御回路及び/又は他のシステムコンポーネント用の電源、温度及び液体レベルセンサ、圧力センサ、RFID質問デバイス又は他の機械可読しるしリーダ(英数字テキスト、バーコード、セキュリティインクなどの読み取り及び認識に使用されるものなど)、入力/出力インタフェース(例えば、ユーザに情報を表示するため及び/又はユーザから入力を受信するためのユーザインタフェースなど)、通信バス又は他のリンク、ディスプレイ、スイッチ、リレー、トライアック、モータ、機械リンク機構及び/又はアクチュエータ、あるいは、所望の入力/出力又は他の機能の実行に必要な他のコンポーネントを含み得る。
【0069】
例示的な実施形態を参照して本発明の態様を示し、説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行い得ることが理解されよう。
図1
図2
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図7
図8
図9
【国際調査報告】