(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】無溶剤接着剤組成物ならびに作製するためのプロセスおよび積層体の形成における使用
(51)【国際特許分類】
B32B 37/12 20060101AFI20220111BHJP
C09J 175/04 20060101ALI20220111BHJP
C09J 175/08 20060101ALI20220111BHJP
C09J 175/06 20060101ALI20220111BHJP
B32B 27/40 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
B32B37/12
C09J175/04
C09J175/08
C09J175/06
B32B27/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526782
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(85)【翻訳文提出日】2021-06-30
(86)【国際出願番号】 US2019061249
(87)【国際公開番号】W WO2020102402
(87)【国際公開日】2020-05-22
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】クオ、インチョン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、マイ
【テーマコード(参考)】
4F100
4J040
【Fターム(参考)】
4F100AB01D
4F100AK04C
4F100AK42A
4F100AK51B
4F100AT00A
4F100AT00C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA07
4F100CA13C
4F100GB15
4F100JK06
4J040EF111
4J040EF131
4J040EF292
4J040EF302
4J040GA26
4J040JA01
4J040JA13
4J040JB04
4J040MA10
4J040MB03
4J040NA06
(57)【要約】
本開示は、(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含むイソシアネート成分Aを提供することと、(i)ホスフェート官能性ポリオール、(ii)ポリエーテルポリオール、ならびに(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分Bを提供することと、成分Aと成分Bとを混合して無溶剤接着剤(SLA)組成物を形成することであって、成分A対成分Bの重量比が、2:1~1:1であり、SLA組成物が、40℃で30分~60分のポットライフを有する、組成物を形成することと、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にSLA組成物を適用して、未加工の積層体を形成することと、未加工の積層体を硬化させて積層体製品を形成することと、を含む、プロセスを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、
(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含む、イソシアネート成分Aを提供することと、
(i)ホスフェート官能性ポリオール、
(ii)ポリエーテルポリオール、および
(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分Bを提供することと、
成分Aと成分Bとを混合して無溶剤接着剤(SLA)組成物を形成することであって、成分A対成分Bの重量比が、2:1~1:1であり、前記SLA組成物が、40℃で30分~60分のポットライフを有する、組成物を形成することと、
第1のフィルムと第2のフィルムとの間に前記SLA組成物を適用して、未加工の積層体を形成することと、
前記未加工の積層体を硬化させて、積層体製品を形成することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
成分Aの総重量に基づいて、90重量%~80重量%の前記芳香族イソシアネートプレポリマーと、10重量%~20重量%の前記脂肪族イソシアネートプレポリマーと、のブレンドを含む成分Aを提供することを含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
成分Bを提供することを含み、前記ホスフェート官能性ポリオールが、成分Bの総重量に基づいて6重量%~16重量%の量で存在する、請求項1または2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記SLA組成物を形成することを含み、前記ホスフェート官能性ポリオールが、前記SLA組成物の総重量に基づいて4重量%~7重量%の量で存在する、請求項1~3のいずれかに記載のプロセス。
【請求項5】
前記第1のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成され、前記第2のフィルムが、ポリエチレン(PE)で構成され、前記プロセスが、アンチシール試験に従って測定して、160℃で3,415~3,960g/25mmのアンチシール値を有する積層体製品を形成することをさらに含む、請求項1~4のいずれかに記載のプロセス。
【請求項6】
PAA崩壊試験に従って測定して、25℃および50%の湿度で24時間硬化させた後、0.1~1.4十億分率(ppb)の第一級芳香族アミン(PAA)レベルを有する積層体製品を形成することを含む、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
二成分無溶剤接着剤(SLA)組成物であって、
(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含む、イソシアネート成分Aと、
(i)ホスフェート官能性ポリオール、
(ii)ポリエーテルポリオール、および
(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分Bと、を含み、
前記組成物が、
2:1~1:1の成分A対成分Bの重量比、
40℃で30分~60分のポットライフ、ならびに
25℃および50%の湿度で24時間硬化させた後、0.1pbb~1.4pbbの第一級芳香族アミン崩壊レベルを有する、二成分無溶剤接着剤(SLA)組成物。
【請求項8】
成分Aが、成分Aの総重量に基づいて、90重量%~80重量%の前記芳香族イソシアネートプレポリマーと、10重量%~20重量%の前記脂肪族イソシアネートプレポリマーと、のブレンドを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記ホスフェート官能性ポリオールが、成分Bの総重量に基づいて、6重量%~16重量%の量で存在する、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
前記ホスフェート官能性ポリオールが、前記SLA組成物の総重量に基づいて、4重量%~7重量%の量で存在する、請求項7~9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
積層体製品であって、
第1のフィルムと、
第2のフィルムと、
前記第1のフィルムと前記第2のフィルムとの間に配置される無溶剤接着剤組成物であって、
(a)(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含むイソシアネート成分A、
(b)
(i)ホスフェート官能性ポリオール、
(ii)ポリエーテルポリオール、および
(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分B、を含む、無溶剤接着剤組成物と、を含み、
前記組成物が、
2:1~1:1の成分A対成分Bの重量比、
40℃で30分~60分のポットライフ、ならびに
25℃および50%の湿度で24時間硬化させた後、0.1pbb~1.4pbbの第一級芳香族アミン崩壊レベルを有する、積層体製品。
【請求項12】
前記第1のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成され、前記第2のフィルムが、ポリエチレン(PE)で構成され、前記積層体製品が、前記アンチシール試験に従って測定して、3,415g/25mm~4,000g/25mmの結合強度を有する、請求項11に記載の積層体製品。
【請求項13】
前記第1のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成され、前記第2のフィルムが、ポリエチレン(PE)で構成され、前記積層体製品が、過酷食品耐性試験に従って測定して、595g/25mm~850g/25mmの結合強度を有する、請求項11または12に記載の積層体製品。
【請求項14】
前記第1のフィルムが、ポリエチレンテレフタレート(PET)で構成され、前記第2のフィルムが、白色顔料で着色されたポリエチレンで構成され、前記積層体製品が、前記過酷食品耐性試験に従って測定して、830g/25mm~900g/25mmの結合強度を有する、請求項11~13のいずれかに記載の積層体製品。
【請求項15】
前記第1のフィルムが、金属化フィルムであり、前記第2のフィルムが、ポリエチレン(PE)で構成され、前記積層体が、前記過酷食品耐性試験に従って測定して、900g/25mm~1020g/25mmの結合強度を有する、請求項11に記載の積層体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
複合積層フィルムは、包装材料の分野において知られている。これらのフィルムは、従来、様々なプラスチックフィルムおよび金属箔を接着剤を用いて結合することによって製造されている。接着剤は、多くの場合、ポリイソシアネート、ポリエステルポリオール、およびポリエーテルポリオールを含む有機溶剤系の二成分硬化性接着剤である。
【0002】
溶剤の使用に関する規制の強化により、複合積層フィルムの製造において、有機溶剤系接着剤が、溶剤を含まないか、または無溶剤接着剤に置き換えられている。無溶剤接着剤は、経済的、環境的、健康的、および安全上の利点を提供する。例えば、溶剤系の(すなわち従来の)接着剤は、通常、120m/分(400ft/分)未満のライン速度で適用される。無溶剤接着剤は、完全に液体状態でほぼ300m/分(1000ft/分)のライン速度で適用することができ、それによりエネルギー消費および作業コストが低減される。溶剤系(すなわち、従来の)接着剤の代わりに無溶剤接着剤がより広く使用され得る前に、無溶剤接着剤の性能におけるいくつかのギャップに対処する必要がある。例えば、120m/分(400ft/分)超のライン速度で無溶剤接着剤を用いて積層すると、通常、フィルムの外観が劣化する。ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、金属化フィルム、およびアルミニウム箔などの、高いCO2含有量および/または高い水分バリア特性を有するフィルムでは、フィルムの外観の劣化は、さらにより問題になる。フィルムの外観の劣化を相殺するための1つのアプローチは、無溶剤接着剤の粘度を低減して、フィルム基材上の濡れを改善することである。残念ながら、粘度を低減することにより、移動効率が低下し、適用される接着剤のコーティング重量の低下が生じる。粘度を低減するための別のアプローチは、比較的低分子量の接着剤出発物質を使用することによって達成される。低分子量材料は、初期接着強度を低減することができるが、積層体製品のインクの汚れを増加させ、コーティングプロセス中の材料の漏れを引き起こす。製品の耐性は、食品包装用途の重要なパラメータであり、それは低分子量材料によって悪影響を受け得る。
【0003】
接着剤組成物の成分は、水分と反応して、CO2を生成し得る。反応は、積層プロセス中および完成した積層体製品内で発生し得、積層体のシール内にガス放出を引き起こし得る。ガス放出は、積層体の外観を低下させ、また積層体のシール完全性を低下させ得る。無溶剤接着剤成分(例えば、MDIなどの芳香族ポリイソシネート)は、特にガス放出を起こしやすい。食品包装用途で使用される可撓性のパウチに共通する高湿度環境および高い水分バリア特性はまた、ガス放出の発生を増加させる。可撓性のパウチの製造時に使用される高熱および高圧力により、無溶剤接着剤成分(例えば、MDIまたはTDIなどの芳香族ポリイソシネート)は、水分と反応し、芳香族アミドの生成を引き起こし得る。芳香族アミド副生成物は、積層体内を移動し、積層体のシール完全性を劣化させ得る。アミドによって誘発されるシールの劣化は、「耐シール性」と称される。芳香族イソシアネートのウレタン基は、水分と反応して有毒な第一級芳香族アミン(PAA)を生成し得る。芳香族ポリウレタンのPAAへの変換は、「PAA崩壊」と称される。無溶剤接着剤成分は、特にPAA崩壊しやすい。
【0004】
当技術分野は、積層体の全体的な性能を改善するための無溶剤接着剤、および無溶剤接着剤を使用して積層体を製造する方法の必要性を認識している。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含むイソシアネート成分Aを提供することと、(i)ホスフェート官能性ポリオール、(ii)ポリエーテルポリオール、ならびに(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分Bを提供することと、成分Aと成分Bとを混合して無溶剤接着剤(SLA)組成物を形成することであって、成分A対成分Bの重量比が、2:1~1:1であり、SLA組成物が、40℃で30分~60分のポットライフを有する、組成物を形成することと、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にSLA組成物を適用して、未加工の積層体を形成することと、未加工の積層体を硬化させて積層体製品を形成することと、を含む、プロセスを提供する。
【0006】
また、(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含むイソシアネート成分Aと、(i)ホスフェート官能性ポリオール、(ii)ポリエーテルポリオール、ならびに(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分Bと、を含む、二成分無溶剤(SLA)接着剤組成物が提供され、組成物は、2:1~1:1の成分A対成分Bの重量比、40℃で30分~60分のポットライフ、ならびに25℃および50%の湿度で24時間硬化させた後、0.1pbb~1.4pbbの第一級芳香族アミン崩壊レベルを有する。
【0007】
また、第1のフィルムと、第2のフィルムと、第1のフィルムと第2のフィルムとの間に配置される無溶剤接着剤組成物と、を含む積層体製品が提供され、無溶剤接着剤組成物は、(a)(i)芳香族イソシアネートプレポリマー、および(ii)脂肪族イソシアネートプレポリマー、のブレンドを含むイソシアネート成分A、(b)(i)ホスフェート官能性ポリオール、(ii)ポリエーテルポリオール、ならびに(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素、のブレンドを含む、ポリオール成分B、を含み、組成物は、2:1~1:1の成分A対成分Bの重量比、40℃で30分~60分のポットライフ、ならびに25℃および50%の湿度で24時間硬化させた後、0.1pbb~1.4pbbの第一級芳香族アミン崩壊レベルを有する。
【0008】
定義
元素周期表について記載される場合は必ず、1990~1991年にCRC Press、Inc.により発行された元素周期律表を参考にしている。この表での元素群への参照は、群に番号を付けるための新しい表記法によるものである。
【0009】
米国特許実務の目的で、特に、定義の開示(本開示において具体的に示されるいかなる定義とも矛盾しない程度に)および当技術分野における一般知識に関して、参照されるあらゆる特許、特許出願または刊行物の内容は、それらの全体が参照により組み込まれる(または、その相当する米国版が、同じように参照により組み込まれる)。
【0010】
本明細書に開示されている数値範囲は、下限値および上限値を含む、下限値から上限値のすべての値を含む。明示的な値を含有する範囲(例えば、1、または2、または3~5、または6、または7の範囲)の場合、2つの明示的な値の間の部分範囲が含まれる(例えば、上記の範囲1~7には、部分範囲1~2、2~6、5~7、3~7、5~6等)。
【0011】
相反する記載がない限り、文脈から黙示的でない限り、または当該技術分野で慣習的でない限り、すべての部およびパーセントは、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
【0012】
「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0013】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、任意の追加の構成要素、ステップ、または手順が、本明細書で具体的に開示されているかに関わらず、それらの存在を除外するよう意図されない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、あらゆる続く記述の範囲からあらゆる他の成分、ステップ、または手順を除く。「からなる」という用語は、具体的に描写または列挙されていないあらゆる成分、ステップ、または手順も除く。「または」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、ならびに任意の組み合わせで指す。単数形の使用は、複数形の使用を含み、その逆も同じである。
【0014】
「イソシアネート」は、その構造に少なくとも1つのイソシアネート基を含有する化合物である。イソシアネート基は、式:-N=C=Oで表される。「ポリイソシアネート」は、2つ以上、または少なくとも2つのイソシアネート基を含有するイソシアネートである。2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネートは、ジイソシアネートであり、3つのイソシアネート基を有するイソシアネートは、トリイソシアネートである(以下略)。イソシアネートには、芳香族イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族イソシアネート、および脂肪族ポリイソシアネートが含まれる。
【0015】
「ポリエーテル」は、同じ原子の直鎖中に2つ以上のエーテル結合を含有する化合物である。
【0016】
「ポリエステル」は、同じ原子の直鎖中に2つ以上のエステル結合を含有する化合物である。
【0017】
「ポリマー」は、同じ種類であるか異なる種類であるかにかかわらず、モノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物である。したがって、ポリマーという総称は、「ホモポリマー」(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下で、1種類のモノマーのみから調製されたポリマーを指すために用いられる)、および「インターポリマー」という用語を包含し、これはコポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されたポリマーを指すのに用いられる)、ターポリマー(3つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すのに用いられる)、および3つより多くの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。微量の不純物、例えば、触媒残渣が、ポリマー中および/またはポリマー内に組み込まれ得る。それはまた、すべての形態のコポリマー、例えば、ランダム、ブロックなども包含する。ポリマーは多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「から作製されて」いること、特定のモノマーまたはモノマーの種類「に基づいて」いること、特定のモノマー含有量「を含有して」いるなどと称されるが、この文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合残余物を指していることが理解される。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0018】
「ポリオール」は、複数のヒドロキシル(-OH)基を含有する有機化合物である。言い換えれば、ポリオールは、少なくとも2つのヒドロキシル基を含有する。好適なポリオールの非限定的な例には、ジオール(2つのヒドロキシル基を含有する)およびトリオール(3つのヒドロキシル基を含有する)が含まれる。
【0019】
「プロピレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合プロピレンモノマーを含むポリマーであり、任意選択により、少なくとも1つのコモノマーを含んでもよい。プロピレン系ポリマーには、プロピレンホモポリマー、およびプロピレンコポリマー(プロピレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)が含まれる。「プロピレン系ポリマー」および「ポリプロピレン」という用語は、互換的に使用され得る。
【0020】
ポリマー試料の「数平均分子量」は、試料に含まれる個々の高分子の統計的平均分子量である。数平均分子量は、「Mn」によって表される。Mnは、以下の等式で計算され、
【化1】
式中、N
iが、分子質量M
iの分子数である。
【0021】
ポリマー試料の「重量平均分子量」は、個々の高分子のサイズによって引き起こされる特性への影響を具体化する、代替的な説明である。重量平均分子量は、「Mw」によって表される。Mwは、以下の等式で計算される。
【化2】
【0022】
ポットライフ試験:「ポットライフ」は、接着剤組成物の粘度を40℃で4500mPa・s超に上昇させるのに必要な硬化時間であり、硬化時間は、接着剤組成物の成分を混合した後に測定する。Flac-Tack高速ミキサを用いて、接着剤組成物の成分を1800~2000rpmで1分間混合する。接着剤組成物の粘度は、時間に対して監視する。粘度は、20rpmでスピンする#27スピンドルを有するブルックフィールド粘度計DV IIの#27スピンドルを用いて、40℃で測定する。ポットライフは、分数(分)で報告する。
【0023】
第一級芳香族アミン(PAA)崩壊試験:芳香族イソシアネートのウレタン基は、水分と反応(すなわち崩壊)して第一級芳香族アミン(PAA)を生成し得る得る。検出されたPAAの量は、「PAA崩壊レベル」と称され、十億分率(ppb)で報告する。PAAは、ジアゾ誘導体に変換され、ジアゾ誘導体を測光分析する。ジアゾ誘導体濃度は、PAAの濃度を決定するために使用され、これをPAA崩壊レベルとして報告する。許容可能なPAA崩壊レベルは、本明細書に記載の試験方法に従って2十億分率(ppb)未満である。
【0024】
本明細書に記載のように調製された積層体の中央部分から30.5cm×16.5cmのストリップを切断することによって、PAA崩壊試験用のパウチを形成する。各ストリップを14cm×16.3cmの表面積を形成するように折り畳み、折り畳んだストリップの開いた長手方向の各縁に沿って約1cmの縁をヒートシールして、14cm×14.3cmの内表面積を有するパウチを形成する。縁をヒートシールするために使用する機器は、Brugger HSG-Cである。積層体のシール条件は、1.3~1.5バールおよび130~160℃である。この研究の各試料または各例には、195~200cm2の内表面積を有する各4つのパウチ(2つのブランクおよび2つの試験パウチ)を使用する。それぞれの積層体の形成時から2日後に、各パウチを形成する。周囲雰囲気下の室温で積層体を保管した後、パウチを形成する。各パウチには、食品の模擬物質として使用する、100mlの3%酢酸水溶液を充填する。70℃の空気循環オーブン内に、パウチを2時間保管する。パウチを室温まで冷却した後、100mlの試験溶液を12.5mlの塩酸溶液(1N)および2.5mlの亜硝酸ナトリウム溶液(100mlの溶液あたり0.5g)と混合し、内容物を10分間反応させる。スルファミン酸アンモニウム(5ml、水溶液100mlあたり2.5g)を添加し、10分間反応させる。カップリング試薬(5ml、水溶液100gあたり1gのN-(1-ナフチル)-エチレンジアミン二塩酸塩)を添加し、2時間反応させて紫色の溶液を得る。各添加後、得られた混合物をガラス棒で撹拌する。「ブランクパウチ」には、亜硝酸ナトリウムを除いた100mlの試験溶液を上記の誘導体試薬と混合する。
【0025】
溶液を、ODS固相抽出カラム(ODS逆相、C18末端キャップ)に通して溶出することによって濃縮する。まず10mlのメタノール、次いで10mlの溶出溶剤、次いで10mlの塩酸水溶液(0.1N)を使用して、カラムを調整する。あらかじめ3mlの塩酸水溶液(0.1N)で2回すすいだガラスビーカーを使用して、各ジアゾ誘導体化試料をカラムに添加する。カラムに1分間真空(約2.5mm Hg)引きを施して、すべてのすすぎ液を除去する。次いで、5mlの溶出溶剤をカラムに添加し、10mlの溶出液が収集されるまでこのステップを繰り返す。
【0026】
測光分析は、Perkin Elmerからの分光光度計Lambdaを使用して、ジアゾ反応生成物の550nmでの吸光係数を測定することによって行う。試薬ブランク溶液および並行して処理される既知の濃度の塩酸アニリンを含む一連の標準物質に対して、5cmセルのジアゾ生成物試料を測定する。
【0027】
結合強度試験:本明細書で使用される結合強度試験は、ASTM D1876およびASTM D903の組み合わせである。結合強度試験は、1インチ幅のストリップに切断した積層体試料に実施し、50N荷重セルを備えたTHWING ALBERT(商標)INSTRON剥離試験機で、25.4cm/分の速度で試験する、90°T剥離試験を含む。積層体を形成する2つのフィルムが分離、すなわち剥離されるときの、引き剥がされている間の力の平均を記録する。フィルムのうちの1つが伸張または破断した場合、最大の力または破断時の力を記録する。結果は、25ミリメートルあたりのグラム数(g/25mm)で報告する。記録された値は、3つの別個の積層体試料で実施した試験の平均である。以降、この試験方法を、「結合強度試験」と称する。
【0028】
アンチシール試験:「アンチシール」は、積層体が高温および高圧に曝露した後の積層体の結合強度の尺度である。アンチシール試験の高温および高圧は、SENCORP(商標)12ASL/1ヒートシーラーで実施する。40psigの圧力、ならびに104.4℃、115.5℃、~126.7℃、~137.8℃、~148.8℃、および160℃の温度で、積層体試料を1秒間処理する。結合強度試験は、結合強度試験に従って、積層体試料の2.54cmのストリップで実施する。結果は、g/25mmで報告する。報告する値は、3つの試料の結果の平均である。以降、この試験方法を、「アンチシール試験」と称する。
【0029】
食品耐性試験:「食品耐性」は、積層体が60℃のオーブン劣化条件で食品模擬物質に曝露した後の積層体の結合強度の尺度である。一対のフィルムの4つの縁のうち3つをヒートシールすることによる一対のフィルムから、16in2(103cm2)と測定されるパウチを構築する。コーン油、酢、およびケチャップの混合物を含む食品模擬物質を各パウチに添加し、充填したパウチの開口部を密封する。コーン油対酢対ケチャップの重量比は、混合物の総重量に基づいて1:1:1である。密封したパウチを60℃の温度で100時間保持する。パウチを2.54cmのストリップに切断し、結合強度試験に従ったストリップに対して結合強度試験を実施する。結果は、g/25mmで報告する。報告する値は、3つの試料の結果の平均である。食品模擬物質を60℃の温度で100時間保持することを、「劣化食品模擬物質」と称する。以降、この試験方法を、「食品耐性試験」と称する。
【0030】
過酷食品耐性試験:「過酷食品耐性」は、積層体がボイルインバッグ条件で60分間食品模擬物質に曝露した後の積層体の結合強度の尺度である。一対のフィルムの4つの縁のうちの3つをヒートシールすることによる一対のフィルムから、24in2(155cm2)と測定されるパウチを構築する。コーン油、酢、およびケチャップの混合物を含む食品模擬物質を各パウチに添加し、充填したパウチの開口部縁を密封する。コーン油対酢対ケチャップの重量比は、混合物の総重量に基づいて1:1:1である。密封したパウチを沸騰したお湯に60分間浸漬する。パウチを2.54cmのストリップに切断し、結合強度試験に従ったストリップに対して結合強度試験を実施する。結果は、g/25mmで報告する。報告する値は、3つの試料の結果の平均である。沸騰したお湯に浸漬した食品模擬物質を、「沸騰食品模擬物質」と称する。以降、この試験方法を、「過酷食品耐性試験」と称する。
【0031】
ガス放出試験:「ガス放出」は、積層体内のCO2生成の尺度である。CO2の生成は、接着剤組成物の化合物が、水、例えば周囲の水と反応すると発生する。CO2のガス放出は、積層体の外観およびシールの完全性を低下させる。ガス放出は、SLA組成物を用いてナイロンフィルムに接着されたAl箔から形成された積層体で評価する。積層体の外観は、視覚的に検査し、1~5のスケールで報告する。「1」は最悪であり、重大な気泡欠陥を示す。「2」は、明らかな気泡欠陥を示す。「3」は、わずかな気泡欠陥を示す。「4」は、小さな気泡欠陥を示す。「5」が最良であり、均一な外観を有する積層体を示す。以降、この試験方法を、「ガス放出試験」と称する。
【0032】
洗浄能力試験:「洗浄能力」は、積層機器から接着剤組成物を除去するために必要な労力の尺度である。接着剤組成物を、0.5重量%の水と混合し、40℃の温度を有する積層ローラに適用する。加熱されたローラに対して、酢酸エチルで処理したキムワイプ(商標)を使用する摩擦サイクルを手動で実施する。接着剤組成物を完全に除去し、ローラ表面全体を露出させるのに必要な摩擦サイクル数を記録する。摩擦サイクルが少ないほど、洗浄能力がより良好であることを示す。
【0033】
ヒドロキシル基の官能基は、化合物に存在するヒドロキシル基(-OH基)の数である。ヒドロキシル基の官能基は、ASTM D4274-16に従って測定し、1~6以上の整数で報告する。
【0034】
接着剤成分のイソシアネート基(NCO)含有量は、ASTM D2572-97に従って測定する。NCO含有量は、接着剤成分の総重量に基づく重量パーセンテージで報告する。
【0035】
接着剤成分の粘度は、ASTM D2196に従って25℃で測定する。粘度は、mPa・sで報告する。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本開示は、プロセスを提供する。プロセスは、イソシアネート成分(A)を提供することと、ポリオール成分(B)を提供することと、を含む。イソシアネート成分(A)は、芳香族イソシアネートプレポリマーと脂肪族イソシアネートプレポリマーとのブレンドを含む。ポリオール成分(B)は、(i)ホスフェート官能性ポリオール、(ii)ポリエーテルポリオール、ならびに(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素を含む。プロセスは、成分Aと成分Bとを混合して無溶剤接着剤(SLA)組成物を形成することを含み、成分A対成分Bの重量比が、2:1~1:1であり、SLA組成物が、40℃で30分~60分のポットライフを有する。プロセスは、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にSLA組成物を適用して未加工の積層体を形成することと、未加工の積層体を硬化させて積層体製品を形成することと、を含む。
【0037】
イソシアネート成分A
イソシアネート成分A(互換的に成分Aと称される)は、イソシアネートプレポリマーを含む。イソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートと少なくとも1つのポリオールとの反応生成物である。イソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートとポリオールとをSLA組成物に変換するプロセスの中間体である。
【0038】
「ポリイソシアネート」は、少なくとも2つのイソシアネート基を含有する分子である。ポリイソシアネートは、イソシアネートまたはポリイソシアネートであり得る。ポリイソシアネートは、化学反応でポリオールに結合して、イソシアネートプレポリマーを形成する。好適なポリイソシアネートの非限定的な例には、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、カルボジイミド修飾ポリイソシアネート、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0039】
「芳香族ポリイソシアネート」は、1つ以上の芳香環を含有するポリイソシアネートである。好適な芳香族ポリイソシアネートの非限定的な例には、4,4-MDI、2,4-MDI、および2,2’-MDIなどのメチレンジフェニルジポリイソシアネート(MDI)の異性体、またはカルボジイミド修飾MDIもしくはアロファネート修飾MDIなどの修飾MDI、2,4-TDI、2,6-TDIなどのトルエン-ジポリイソシアネート(TDI)の異性体、1,5-NDIなどのナフタレンジ-ジポリイソシアネート(NDI)の異性体、キシレンジポリイソシアネート(XDI)の異性体、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0040】
「脂肪族ポリイソシアネート」は、芳香環を欠いているか、または含有しないポリイソシアネートである。好適な脂肪族ポリイソシアネートの非限定的な例には、HDI三量体およびHDIビウレットなどのヘキサメチレンジポリイソシアネート(HDI)の異性体、イソホロンジポリイソシアネート(IPDI)の異性体、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0041】
一実施形態では、ポリイソシアネートは、脂肪族モノ-ポリイソシアネート、脂肪族ジ-ポリイソシアネート、脂肪族トリ-ポリイソシアネート、およびそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、ポリイソシアネートは、脂肪族ジ-ポリイソシアネートである。
【0042】
一実施形態では、ポリイソシアネートは、少なくとも2つのイソシアネート基、または少なくとも3つのイソシアネート基を有する多官能性脂肪族ポリイソシアネートである。
【0043】
一実施形態では、ポリイソシアネートは、芳香族モノ-ポリイソシアネート、芳香族ジ-ポリイソシアネート、芳香族トリ-ポリイソシアネート、およびそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、ポリイソシアネートは、芳香族ジ-ポリイソシアネートである。
【0044】
一実施形態では、ポリイソシアネートは、少なくとも2つのイソシアネート基、または少なくとも3つのイソシアネート基を有する多官能性芳香族ポリイソシアネートである。
【0045】
一実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、0.9、または1.11、または1.12、または1.13~1.14、または1.15、または1.4g/cm3の密度を有する。さらなる実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、0.9~1.4g/cm3、または1.11~1.15g/cm3、または1.12~1.14g/cm3の密度を有する。一実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、1.125~1.135g/cm3の密度を有する。
【0046】
一実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、25℃で、100、または300、または500、または1,000、または2,000~4,000、または8,000、または20,000、または30,000、または50,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールは、25℃で100~50,000、または1,000~20,000、または2,000~4,000mPa・sの粘度を有する。
【0047】
一実施形態では、脂肪族ポリイソシアネートは、0.7、または0.9、または1.03、または1.05、または1.1、または1.15~1.18、または1.2、または1.3、または1.5、または1.8g/cm3の密度を有する。さらなる実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、0.7~1.8g/cm3、または1.05~1.5g/cm3、または1.1~1.2g/cm3の密度を有する。別の実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、1.15~1.25g/cm3の密度を有する。
【0048】
一実施形態では、脂肪族ポリイソシアネートは、25℃で、100、または300、または500、または1,000、または1,500、または1,800、または2,000~3,000、または4,000、または8,000、または20,000、または30,000、または50,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールは、25℃で100~50,000、または1,000~8,000、または1,800~4,000mPa・sの粘度を有する。
【0049】
ポリイソシアネートは、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0050】
イソシアネートプレポリマーを形成するために使用されるポリオールは、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、脂肪族ポリオール、およびそれらの組み合わせから選択される。ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、および脂肪族ポリオールは、本明細書に開示の任意のそれぞれのポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、および脂肪族ポリオールであり得る。
【0051】
一実施形態では、イソシアネートプレポリマーを形成するために使用されるポリオールには、天然油ポリエステルポリオール、および改質天然油ポリエステルポリオールなどの疎水性ポリオールが含まれる。さらなる実施形態では、イソシアネートプレポリマーを形成するために使用されるポリオールには、ヒマシ油およびポリプロピレン-コ-エチレンポリオールが含まれる。
【0052】
イソシアネートプレポリマーを形成するために使用されるポリオールは、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0053】
一実施形態では、イソシアネートプレポリマーは、ポリイソシアネートと、少なくとも1つのポリオールと、任意選択的な触媒との反応生成物である。
【0054】
好適な触媒の非限定的な例には、ジラウリン酸ジブチルスズ、酢酸亜鉛、2,2-ジモルホリノジエチルエーテル、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0055】
一実施形態では、芳香族イソシアネートプレポリマーは、0.7、または0.9、または1.0、または1.1、または1.15~1.2、または1.3、または1.4、または1.7、または1.9g/cm3の密度を有する。さらなる実施形態では、芳香族イソシアネートプレポリマーは、0.7~1.9g/cm3、または0.9~1.7g/cm3、または1.1~1.3g/cm3の密度を有する。
【0056】
一実施形態では、芳香族イソシアネートプレポリマーは、25℃で、100、または250、または500、または1,000、または2,000、または2,800、または3,000~3,200、または3,500、または5,000、または10,000、または20,000、または50,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、芳香族イソシアネートプレポリマーは、25℃で、100~50,000mPa・s、または250~20,000mPa・s、または1,000~5,000mPa・s、または2,800~3,500mPa・s、または3,000~3,200mPa・sの粘度を有する。
【0057】
一実施形態では、芳香族イソシアネートプレポリマーは、0.1、または1、または5、または10、または13~15、または18、25、または40重量%のイソシアネート含有量を有する。さらなる実施形態では、芳香族イソシアネートプレポリマーは、0.1~40重量%、または1~25重量%、または5~18重量%、または13~15重量%のイソシアネート含有量を有する。
【0058】
一実施形態では、脂肪族イソシアネートプレポリマーは、0.7、または0.9、または1.0、または1.1、または1.15~1.2、または1.3、または1.4、または1.7、または1.9g/cm3の密度を有する。さらなる実施形態では、脂肪族イソシアネートプレポリマーは、0.7~1.9g/cm3、または0.9~1.7g/cm3、または1.1~1.3g/cm3の密度を有する。
【0059】
一実施形態では、脂肪族イソシアネートプレポリマーは、25℃で、100、または250、または500、または1,000、または2,000、または2,800、または3,200~3,700、または4,000、または5,000、または10,000、または20,000、または50,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、脂肪族イソシアネートプレポリマーは、25℃で、100~50,000mPa・s、または250~20,000mPa・s、または1,000~5,000mPa・s、または2,800~4,000mPa・s、または3,200~3,700mPa・sの粘度を有する。
【0060】
一実施形態では、脂肪族イソシアネートプレポリマーは、0.1、または1、または5、または10、または13~16、または20、または25、または40重量%のイソシアネート含有量を有する。さらなる実施形態では、脂肪族イソシアネートプレポリマーは、0.1~40重量%、または1~25重量%、または5~20重量%、または13~16重量%のイソシアネート含有量を有する。
【0061】
一実施形態では、イソシアネート成分Aは、20、または40、または60、または80、または85~90、または95、または97、または99、または99.5重量%の量で芳香族イソシアネートプレポリマーを含む。さらなる実施形態では、イソシアネート成分Aは、20~99.5重量%、または60~97重量%、または80~90重量%、または85~90重量%の量で芳香族イソシアネートプレポリマーを含む。
【0062】
一実施形態では、イソシアネート成分Aは、1、または3、または5、または8、または10~15、または18、または20、または30、または60重量%の量で脂肪族イソシアネートプレポリマーを含む。さらなる実施形態では、イソシアネート成分Aは、1~60重量%、または3~30重量%、または10~20重量%、または10~15重量%の量で脂肪族イソシアネートプレポリマーを含む。
【0063】
重量パーセンテージは、イソシアネート成分Aの総重量に基づく。
【0064】
イソシアネート成分は、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0065】
ポリオール成分B
ポリオール成分B(互換的に成分Bと称される)は、(i)ホスフェート官能性ポリオール、(ii)ポリエーテルポリオール、ならびに(iii)ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される要素を含む。
【0066】
ホスフェート官能性ポリオールは、構造Iによって表すことができ、
【化3】
【0067】
式中、R1が任意の有機基である。構造Iに示されているペンダント基に加えて、R1は、1つ以上の追加のペンダントOH基を有しても有さなくてもよい。OH基のうちのいずれか2つ以上は、R1の同じ原子に結合してもしなくてもよい。一実施形態では、各OH基は、R1の別個の原子に結合している。
【0068】
R1を特徴付ける簡便な方式は、構造IIを有する化合物を説明することであり、
【化4】
【0069】
式中、R1が、構造Iのものと同じである。構造IIを有する化合物は、本明細書では「前駆体ポリオール」として知られる。
【0070】
一実施形態では、前駆体ポリオールは、90以上、より好ましくは200以上、より好ましくは400以上の分子量を有する。好ましい前駆体ポリオールは、4,000以下、より好ましくは2,000以下、より好ましくは1,200以下、より好ましくは900以下、より好ましくは500以下の分子量を有する。
【0071】
一実施形態では、前駆体ポリオールは、アルキル高級ポリオール、単糖、二糖、および構造IIIを有する化合物であり、
【化5】
【0072】
式中、R2、R3、R4、およびR5の各々は、互いに独立して、任意の有機基であり、n1、n2、およびn3の各々は、互いに独立して、0~10の整数である。構造IIIに示されているペンダント基に加えて、R2は、1つ以上の追加のペンダント基を有しても有さなくてもよい。さらに、ペンダント基のうちの2つ以上は、R2の同じ原子に結合する場合もしない場合もある。いくつかの実施形態では、構造IIIを有する化合物の混合物が存在し、構造IIIの化合物が、n1、n2、およびn3のうちの1つ以上の値が互いに異なり、かかる混合物が、パラメータn1、n2、またはn3の非整数の値を言及することによって本明細書に記載され、非整数の値が、パラメータの平均数を表す。かかる混合物の分子量を評価することが所望される場合には、数平均分子量が使用される。
【0073】
構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、各ペンダント基は、R2の別個の原子に結合している。
【0074】
構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、R3、R4、およびR5のうちの1つ以上は、1~4つの炭素原子、より好ましくは2~3つの炭素原子、より好ましくは3つの炭素原子を有する炭化水素基である。構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、R3、R4、およびR5のうちの1つ以上は、線状、または環式、または分岐状、またはそれらの組み合わせであり得るアルキル基であり、より好ましくは、R3、R4、およびR5のうちの1つ以上は、線状または分岐状アルキル基であり、より好ましくは、R3、R4、およびR5のうちの1つ以上は、分岐状アルキル基である。好ましくは、R3、R4、およびR5は、互いに同一である。
【0075】
構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、n1、n2、およびn3のうちの1つ以上は、0~8である。構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、n1、n2、およびn3のうちの1つ以上は、1以上である。構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、n1、n2、およびn3のうちの1つ以上は、6未満である。構造IIIを有する前駆体ポリオールのうち、好ましくは、n1、n2、およびn3は、互いに同じである。
【0076】
一実施形態では、構造IIIを有する前駆体ポリオールは、R
2、R
3、R
4、およびR
5の各々がアルキル基である化合物であり、かかる前駆体ポリオールは、本明細書ではアルコキシル化アルキルトリオールとして知られる。トリオールにおいて、n
1、n
2、およびn
3のうちの少なくとも1つが1以上であり、R2が、構造IVを有する場合、
【化6】
【0077】
トリオールは、本明細書ではアルコキシル化グリセロールとして知られる。アルコキシル化トリオールにおいて、R3、R4、およびR5の各々が、正確に3つの炭素原子を有する分岐状アルキル基である場合、アルコキシル化トリオールは、本明細書ではプロポキシル化トリオールとして知られる。R2が構造IVを有するプロポキシル化トリオールは、本明細書ではプロポキシル化グリセロールとして知られる。
【0078】
アルキル高級ポリオールである前駆体ポリオールのうち、10個以下の炭素原子を有するものが好ましく、6つ以下の炭素原子を有するものがより好ましく、3つ以下の炭素原子を有するものがより好ましく、グリセロールがより好ましい。
【0079】
より好ましい前駆体ポリオールは、アルキル高級ポリオール、および構造IIIを有する化合物であり、より好ましくは、構造IIIを有する化合物である。n1=n2=n3=0であり、かつR2がアルキル基、またはヒドロキシル基を有するアルキル基のいずれかである場合、構造IIIを有する化合物は、アルキル高級ポリオールであることに留意されたい。
【0080】
前駆体ポリオールの好ましい群は、アルキルトリオールおよびアルコキシル化アルキルトリオールである。これらのうち、グリセロールおよびアルコキシル化グリセロールがより好ましく、アルコキシル化グリセロールがより好ましい。アルコキシル化グリセロールのうち、プロポキシル化グリセロールが好ましい。
【0081】
好適なホスフェート官能性化合物の別のクラスは、ウレタン結合を含有するものである。好ましくは、このクラスのメンバーは、1つ以上の好適なホスフェート官能性ポリオールを1つ以上のポリイソシアネートと反応させることによって作製される。ポリイソシアネートには、本明細書に記載の任意の芳香族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートが含まれる。一実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールのポリイソシアネートは、2,2’-MDI、2,4’-MDI、4,4’-MDI、カルボジイミド修飾2,2’-MDI、カルボジイミド修飾2,4’-MDI、カルボジイミド修飾4,4’-MDI、およびそれらの組み合わせである。
【0082】
一実施形態では、ポリイソシアネートの量は、反応生成物の一部またはすべてがホスフェート官能性ポリオールであるように十分に低く保たれる。あるいは、ポリオールを最初にポリイソシアネートと反応させて、OH末端プレポリマーを作製し、次いでこれをポリリン酸と反応させてもよい。
【0083】
一実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールを作製する方法は、前駆体ポリオールをリン酸タイプの酸と反応させて、構造Iを有する化合物を生成することである。
【0084】
一実施形態では、リン酸タイプの酸および前駆体ポリオールの量は、Mp:Mxの比を以下のように決定するために選択される。
【0085】
Mhy=前駆体ポリオールの分子あたりのヒドロキシル基の数
Nx=Mhy-2
Mx=(前駆体ポリオールのモル)×Nx
Mp=リン酸タイプの酸に含有されるリン原子のモル。好ましくは、Mp:Mxの比は、0.1:1以上、より好ましくは0.2:1以上、より好ましくは0.5:1以上、より好ましくは、0.75:1以上である。好ましくは、Mp:Mxの比は、1.1:1以下である。
【0086】
好ましくは、リン酸タイプの酸対前駆体ポリオールの重量比は、0.005:1以上、より好ましくは0.01:1以上、より好ましくは0.02:1以上である。好ましくは、リン酸タイプの酸対前駆体ポリオールの重量比は、0.3:1以下、より好ましくは0.2:1以下、より好ましくは0.12:1以下である。
【0087】
好ましくは、リン酸タイプの酸は、ポリリン酸を含有する。好ましくは、リン酸タイプの酸中のポリリン酸の量は、リン酸タイプの酸の重量に基づいて、75重量%以上、より好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。ポリリン酸は、様々なグレードで利用可能であり、各グレードは、パーセンテージで特徴付けられる。グレードを決定するためには、純粋なモノマーオルトリン酸は、五酸化リンの含有量が72.4%であることをまず認識する。いずれのグレードのポリリン酸も分析することができ、1モルのポリリン酸(式量は「Fppa」と表示)は、「Nppo」と表示されるモル数の五酸化リンを含有し、五酸化リンのパーセンテージ(「PCppo」)は、PCppo=(Nppo×142)/Fppaによって求められ、これはパーセンテージで表されるものと見なされる。次いで、そのポリリン酸のグレードは、パーセンテージ:グレード=PCppo/72.4で表される比である。
【0088】
好ましくは、100%以上、より好ましくは110%以上のグレードを有するポリリン酸が使用される。好ましくは、150%以下、より好ましくは125%以下のグレードを有するポリリン酸が使用される。
【0089】
一実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールは、0.05%、または0.1%、または0.2%、または0.5%~1.5%、または1.8%、または2%、または3%の総リン酸含有量を有する。さらなる実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールは、0.05~3%、または0.1~2%、または0.5~1.5%の総リン酸含有量を有する。
【0090】
一実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールは、25℃で、5,000、または10,000、または15,000~20,000、または30,000、または40,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールは、25℃で、5,000~40,000mPa・s、または10,000~30,000mPa・s、または15,000~20,000mPa・sの粘度を有する。
【0091】
一実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールのMnは、300、または600、または900~1,100、または3,000、または10,000sである。さらなる実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールのMnは、300~10,000、または600~3000、または900~1,100である。
【0092】
一実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールのMwは、300、または800、または1,500~2,000、または6,000、または10,000sである。さらなる実施形態では、ホスフェート官能性ポリオールのMwは、300~10,000、または800~6,000、または1,500~2,000である。
【0093】
好適なホスフェート官能性ポリオールの非限定的な例は、その全内容が本明細書に組み込まれる国際公開第WO2015/168670号に開示されている。
【0094】
ホスフェート官能性ポリオールは、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0095】
成分Bは、ポリエーテルポリオールを含む。「ポリエーテルポリオール」は、ポリエーテルおよびポリオールである化合物である。好適なポリエーテルポリオールの非限定的な例には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブチレンオキシドの重付加生成物、ならびにそれらの共付加およびグラフト化生成物、多価アルコールの縮合によって得られるポリエーテルポリオール、またはそれらの混合物、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
【0096】
好適なポリエーテルポリオールの非限定的な例には、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)、およびそれらの組み合わせが含まれる。
【0097】
一実施形態では、ポリエーテルポリオールは、50、または100、または300、または400~600、または1,000、または2,000、または3,000、または4,000、または5,000g/molの分子量を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールは、50~4,000、または100~2,000、または400~600g/molの分子量を有する。
【0098】
一実施形態では、ポリエーテルポリオールは、0.7、または0.9、または1.0、または1.03~1.05、または1.1、または1.15、または1.2、または1.3、または1.6g/cm3の密度を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールモノマーは、0.7~1.6g/cm3、または0.9~1.3g/cm3、または1.0~1.1g/cm3、または1.03~1.05g/cm3の密度を有する。
【0099】
一実施形態では、ポリエーテルポリオールは、25℃で、100、または300、または500、または800、または1,100~1,200、または1,300、または2,000、または8,000、または20,000、または50,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールは、25℃で、100~50,000、または500~8,000、または800~2,000、または1,100~1,300mPa・sの粘度を有する。
【0100】
一実施形態では、ポリエーテルポリオールは、1.5、または2.0~3.0のヒドロキシル基の官能基を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールは、1.5~3.0、または2.0~3.0のヒドロキシル基の官能基を有する。
【0101】
ポリオール成分Bのポリエーテルポリオールは、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0102】
一実施形態では、ポリオール成分Bは、ポリウレタンポリオールを含む。ポリウレタンポリオールは、ポリイソシアネートと少なくとも1つのポリオールとの反応生成物である。ポリイソシアネートには、本明細書に記載の任意の芳香族ポリイソシアネートまたは脂肪族ポリイソシアネートが含まれる。ポリオールには、本明細書に記載の任意のポリオールが含まれる。
【0103】
一実施形態では、ポリウレタンポリオールは、ヒドロキシル末端ポリウレタン樹脂である。
【0104】
一実施形態では、成分Bは、ポリエステルポリオールを含む。「ポリエステルポリオール」は、ポリエステルおよびポリオールである化合物である。好適なポリエステルポリオールの非限定的な例には、ジオール、ポリオール(例えば、トリオール、テトラオール)、ジカルボン酸、ポリカルボン酸(例えば、トリカルボン酸、テトラカルボン酸)、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン、およびそれらの組み合わせの重縮合物が含まれる。ポリエステルポリオールはまた、遊離ポリカルボン酸の代わりに、対応するポリカルボン酸無水物、または低級アルコールの対応するポリカルボン酸エステルから誘導され得る。
【0105】
好適なジオールの非限定的な例には、エチレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール(MPD)、1,6-ヘキサンジオール(HDO)、ネオペンチルグリコール(NPG)、1,8-オクタンジオール、およびそれらの組み合わせが含まれる。一実施形態では、ジオールには、12個以上の炭素原子を含有する炭化水素骨格を有するジオールが含まれる。
【0106】
好適なジカルボン酸の非限定的な例には、脂肪酸、芳香族酸、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適な芳香族酸の非限定的な例には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびテトラヒドロフタル酸が含まれる。好適な脂肪酸の好適の非限定的な例には、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、オクタンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、テトラクロロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、マロン酸、スベリン酸、2-メチルコハク酸、3,3-ジエチルグルタル酸、2,2-ジメチルコハク酸、およびトリメリット酸が含まれる。本明細書で使用される場合、「酸」という用語はまた、該酸の任意の無水物も含む。アジピン酸またはイソフタル酸などの飽和脂肪族および/または芳香族酸も好適である。
【0107】
一実施形態では、安息香酸などのモノカルボン酸、およびヘキサンカルボン酸は、無溶剤接着剤組成物から除外される。
【0108】
一実施形態では、ポリエステルポリオールは、天然油ポリオール、または天然油ポリオールとポリエステルポリオールとのエステル交換反応生成物である。エステル交換反応での使用に好適なポリエステルポリオールには、本明細書に記載の任意のポリエステルポリオールが含まれる。
【0109】
一実施形態では、ポリエステルポリオールは、ヒマシ油である。さらなる実施形態では、ポリエステルポリオールは、ヒマシ油とポリエステルポリオールとのエステル交換反応生成物である。
【0110】
一実施形態では、ポリエステルポリオールは、500g/mol~2,000g/mol、または3,000g/mol、または4,000g/molの分子量を有する。さらなる実施形態では、ポリエステルポリオールは、500g/mol~2,000g/molの分子量を有する。
【0111】
一実施形態では、ポリエステルポリオールは、0.7、または0.9、または1.0、または1.03~1.05、または1.1、または1.15、または1.2、または1.3、または1.6g/cm3の密度を有する。さらなる実施形態では、芳香族ポリイソシアネートは、0.7~1.6g/cm3、または0.9~1.3g/cm3、または1.0~1.1g/cm3、または1.03~1.05g/cm3の密度を有する。
【0112】
一実施形態では、ポリエステルポリオールは、25℃で、100、または300、または500、または800、または900~1,000、または1,200、または2,000、または8,000、または20,000、または50,000mPa・sの粘度を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルポリオールは、25℃で、100~50,000、または500~8,000、または800~1,200、または900~1,000mPa・sの粘度を有する。
【0113】
一実施形態では、ポリエステルポリオールは、1.5、または2.0~3.0のヒドロキシル基官能基を有する。さらなる実施形態では、ポリエステルポリオールは、1.5~3.0、または2.0~3.0のヒドロキシル基の官能基を有する。2超のヒドロキシル基の官能基を達成するために、3以上のヒドロキシル基の官能基を有するポリオール(例えば、トリメチロールプロパン(TMP)、グリセロール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリメチロールベンゼン、および/またはトリスヒドロキシエチルイソシアヌレート)は、ポリエステルポリオールに含めてもよい。
【0114】
ポリエステルポリオールは、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
【0115】
一実施形態では、成分Bは、0.5重量%、または1重量%、または3重量%、または6重量%、または8重量%、または10重量%~12重量%、または14重量%、または16重量%、または25重量%、または50重量%のホスフェート官能性ポリオールを有する。別の実施形態では、成分Bは、0.5~50重量%、または1重量%~50重量%、または6重量%~16重量%、または10重量%~12重量%のホスフェート官能性ポリオールを有する。
【0116】
一実施形態では、成分Bは、5重量%、または10重量%、または20重量%~60重量%、または80重量%、または90重量%のポリエーテルポリオールを有する。別の実施形態では、成分Bは、5重量%~90重量%、または10重量%~80重量%、または20重量%~60重量%のポリエーテルポリオールを有する。
【0117】
一実施形態では、成分Bは、0.05重量%、または0.1重量%、または0.5重量%、または1重量%~50重量%、または60重量%、または70重量%、または80重量%のポリエステルポリオールを有する。別の実施形態では、成分Bは、0.05重量%~80重量%、または0.5重量%~70重量%、または1重量%~50重量%のポリエステルポリオールを有する。
【0118】
一実施形態では、成分Bは、5重量%、または10重量%、または20重量%、または30重量%~40重量%、または50重量%~60重量%~70重量%、または80重量%、または90重量%のポリウレタンポリオールを有する。別の実施形態では、成分Bは、10重量%~90重量%、または20重量%~80重量%、または20重量%~60重量%、または20重量%~40重量%のポリウレタンポリオールを有する。
【0119】
一実施形態では、成分Bは、1~50重量%、または8~14重量%、または10~12重量%のホスフェート官能性ポリオールと、60~99重量%、または85~95重量%、または88~92重量%のポリエーテルポリオールと、を有する。
【0120】
一実施形態では、成分Bは、1~50重量%、または8~14重量%、または10~12重量%のホスフェート官能性ポリオールと、60~90重量%、または87~98重量%、または90~96重量%のポリエステルポリオールと、を有する。
【0121】
重量パーセンテージは、ポリオール成分Bの総重量に基づく。
【0122】
ポリオール成分は、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0123】
本明細書に開示の任意の成分(例えば、成分A)中の化合物(ポリイソシアネート、ポリオール)の重量の合計は、それぞれの成分の総重量に基づいて100パーセントであることが理解される。
【0124】
C.(A)と(B)とを混合してSLA組成物を形成する
プロセスは、イソシアネート成分(A)とポリオール成分(B)とを混合して、無溶剤接着剤(SLA)組成物を形成することを含む。
【0125】
「無溶剤接着剤」組成物は、溶剤を欠いているか、または実質的に欠いている接着剤組成物である。
【0126】
成分Aおよび成分Bは、別個に形成してもよく、必要に応じて、SLA組成物を使用することが望まれるまで別個に保管してもよいことが企図される。SLA組成物を使用することが望まれる場合、成分Aと成分Bとを互いに接触させ、一緒に混合する。2つの成分を接触させると、イソシアネート基がヒドロキシル基と反応してウレタン結合を形成する硬化反応が開始されることが企図される。2つの成分を接触させることによって形成されるSLA組成物は、「硬化性混合物」と称される。
【0127】
一実施形態では、成分Aおよび成分Bは、各々25℃で液体である。
【0128】
一実施形態では、構成要素Aを、25℃、または40℃、または45℃、または50℃~55℃、または65℃、または70℃、または80℃の温度に加熱および維持し、成分Bを、25℃、または40℃、または45℃、または50℃~55℃、または65℃、または70℃、または80℃の温度に加熱および維持し、成分Aと成分Bとを互いに接触させて混合する。さらなる実施形態では、成分Aを、30℃~60℃、または35℃5~55℃の温度に加熱および維持し、成分Bを、25℃~80℃、または30℃~55℃の温度に加熱および維持し、成分Aと成分Bとを互いに接触させて混合する。
【0129】
成分Aおよび成分Bは、本明細書に記載の組成物を形成するのに好適な任意の手段を用いて混合される。一実施形態では、成分Aおよび成分Bは、高速ミキサまたは連続混合ノズルで混合される。
【0130】
一実施形態では、SLA組成物は、100:400、または100:200、または100:150、または100:100、または100:95、または100:91、または100:90、または100:87、または100:85、または100:83、または100:82、または100:80~100:70、または100:68、または100:66、または100:64、または100:60、または100:50、または100:30、または100:20、または100:10、または100:5の成分A対成分Bの重量比を有する。さらなる実施形態では、SLA組成物は、1:4~20:1、または10:9~10:3、または100:85~100:64、または100:80~100:70の成分A対成分Bの重量比を有する。
【0131】
一実施形態では、SLA組成物は、0.1、または1、または4~7、または20、または40重量%の量で存在するホスフェート官能性ポリオールを有する。さらなる実施形態では、SLA組成物は、0.1~40重量%、または1~20重量%、または4~7重量%の量で存在するホスフェート官能性ポリオールを有する。ホスフェート官能性ポリオールの重量パーセンテージは、SLA組成物の総重量(すなわち、成分Aと成分Bとの重量の合計)に基づく。
【0132】
SLA組成物は、ポットライフを有する。ポットライフは、SLA組成物が形成された時点から測定する。一実施形態では、ポットライフは、40℃で、20分、または30分、または35分、または40分~50分、または60分、または70分、または90分、または200分である。さらなる実施形態では、ポットライフは、40℃で、20~200分、または35~90分、または35~70分、または40~60分である。ポットライフは、本明細書に記載のポットライフ試験に従って測定する。
【0133】
SLA組成物は、第一級芳香族アミン(PAA)崩壊レベルを有する。PAA崩壊レベルは、十億分率(ppb)で報告する。一実施形態では、PAA崩壊レベルは、0.01ppb、または0.1ppb、または0.5ppb~1.0、または1.4、または1.9ppbである。さらなる実施形態では、PAA崩壊レベルは、0.01~1.9ppb、または0.1ppb~1.4ppb、または0.5~1.4ppb、または0.5~1ppbである。別の実施形態では、PAA崩壊レベルは、25℃および50%の湿度で24時間硬化させた後、本明細書に記載のPAA崩壊試験に従って測定される。
【0134】
D.SLA組成物の適用
プロセスは、第1のフィルムと第2のフィルムとの間にSLA組成物を適用して、未加工の積層体を形成することを含む。一実施形態では、SLA組成物は、第1のフィルム上に適用され、次いで、第2のフィルムと積層されて、未加工の積層体が形成される。SLA組成物を適用する好適な方法の非限定的な例には、ブラッシング、注入、噴霧、コーティング、圧延、拡散、および射出が含まれる。
【0135】
一実施形態では、SLA組成物は、ラミネーターを使用して適用される。SLA組成物を適用するために使用するのに好適なラミネーターの非限定的な例には、LabcombiパイロットマシンコーターおよびNordmeccanica Super Combi3000ラミネーターが含まれる。一実施形態では、ラミネーターは、非機械的スーパーシンプレックスラミネーターである。非機械的スーパーシンプレックスラミネーターは、(i)各成分(ポリオール成分およびイソシアネート成分)の計量、(ii)イソシアネート成分Aとポリオール成分Bとの混合、および(iii)第1のフィルム上に混合物を分配すること、によって第2のフィルム上に積層される第1のフィルム上に、事前に混合されたSLA組成物を適用する。
【0136】
SLA組成物は、35℃、または40℃、または45℃~50℃、または55℃、または60℃、または70℃、または80℃、または85℃の温度で、第1のフィルムと第2のフィルムとの間に適用される。一実施形態では、SLA組成物は、35℃~55℃の温度で第1のフィルムと第2のフィルムとの間に適用される。
【0137】
一実施形態では、SLA組成物は、1g/m2、または1.1g/m2、または1.2g/m2、または1.5g/m2、または2g/m2~3g/m2、または4g/m2、または5g/m2、または8g/m2、または15g/m2のコーティング重量で適用される。さらなる実施形態では、SLA組成物は、1~15g/m2、または1.2~5g/m2、または1.5~3g/m2のコーティング重量で適用される。別の実施形態では、SLA組成物は、1~1.2g/m2、または1~1.1g/m2のコーティング重量で適用される。いずれの特定の理論によっても拘束されることを望まないが、SLA組成物の使用は、従来の溶剤系接着剤と比較して、より低いコーティング重量、または1.2~5g/m2、または1.5~3g/m2のコーティング重量を可能にすると考えられる。より低いコーティング重量は、コストを低減し、フィルム層に適用される接着剤の重量を低減し、積層体製品の重量を低減するのに有利である。
【0138】
SLA組成物を適用するプロセスは、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0139】
プロセスは、未加工の積層体を硬化させて積層体製品を形成するステップを含む。未加工の積層体製品は、20℃、または25℃、または30℃~35℃、または40℃、または50℃の温度で4時間(h)、または8時間、または12時間~18時間、または24時間、または36時間、または48時間、または72時間の期間の間硬化される。一実施形態では、未加工の積層体は、20℃~35℃の温度で、6時間~72時間、または12時間~36時間、または20時間~28時間の期間の間硬化される。
【0140】
一実施形態では、硬化は、未加工の積層体を20℃~25℃の温度で24時間保持した後に完了する。
【0141】
一実施形態では、未加工の積層体を硬化させることは、未加工の積層体を乾燥させることを含む。さらなる実施形態では、未加工の積層体を硬化させることは、未加工の積層体をオーブンに通過させることを除外する。
【0142】
本開示のプロセスは、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0143】
E.積層体製品
本開示は、積層体製品を提供する。
【0144】
一実施形態では、積層体製品は、多層フィルムである。さらなる実施形態では、積層体製品は、パウチである。一実施形態では、パウチは、食品を包装するために使用される。
【0145】
積層体製品は、第1のフィルムと、第2のフィルムと、第1のフィルムと第2のフィルムとの間に配置される無溶剤接着剤(SLA)組成物と、を含む。積層体製品のSLA組成物は、本明細書に記載の任意のSLA組成物である。
【0146】
一実施形態では、第1のフィルムおよび第2のフィルムは、独立して、金属化フィルム、アルミニウム箔、ポリマーフィルム、インク印刷フィルム、コーティングフィルム、共押出フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエステルフィルム、ポリオレフィン系フィルム、ポリアミド系フィルム、コポリマーフィルム、および紙からなる群から選択される。
【0147】
一実施形態では、第1のフィルムの組成は、第2のフィルムの組成と同じである。さらなる実施形態では、第1のフィルムの組成は、第2のフィルムの組成とは異なる。
【0148】
各フィルムは、5μm、または12μm、または20μm~40μm、または70μm、または200μm、または300μmの厚さを有する。別の実施形態では、各フィルムは、5~300μm、または12~70μm、または20μm~40μmの厚さを有する。各フィルムは、他のフィルムと同じ厚さまたは異なる厚さを有し得る。一実施形態では、各フィルムは、同じ厚さを有する。
【0149】
積層体製品は、本明細書に開示の2つ以上の実施形態を構成し得る。
【0150】
一実施形態では、積層体製品の結合強度は、積層体製品が、アンチシール試験に記載の高圧および高温の条件に曝露した後に測定される。
【0151】
一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよび白色のPEフィルムを含み、アンチシール試験に記載の高圧および高温の条件に曝露した後、3,415~4,000g/25mmの結合強度を有する。一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよび白色のPEフィルムを含み、アンチシール試験に記載の高圧および高温の条件に曝露した後、3,580~4,200g/25mmの結合強度を有する。一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよび白色のPEフィルムを含み、アンチシール試験に記載の高圧および高温の条件に曝露した後、2,680~3,550g/25mmの結合強度を有する。一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよび白色のPEフィルムを含み、アンチシール試験に記載の高圧および高温の条件に曝露した後、1,650~3,030g/25mmの結合強度を有する。
【0152】
アンチシール試験後の結合強度は、アンチシール値と称され得る。一実施形態では、積層体製品のアンチシール値は、ホスフェート官能性ポリオールを含まない無溶剤接着剤組成物で形成された積層体製品のアンチシール値の2倍~12倍である。
【0153】
一実施形態では、積層体製品の結合強度は、積層体製品が、食品耐性試験に記載の劣化食品模擬物質に曝露した後に測定する。一実施形態では、積層体製品の結合強度は、積層体製品が、過酷食品耐性試験に記載の沸騰食品模擬物質に曝露した後に測定する。食品耐性試験後または過酷食品耐性試験後に得られる結合強度は、結合強度試験に従って測定する。
【0154】
一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよびPEフィルムを含み、劣化食品模擬物質に曝露した後、510~725g/25mmの結合強度を有する。一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよびPEフィルムを含み、沸騰食品模擬物質に曝露した後、600~850g/25mmの結合強度を有する。
【0155】
一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよび白色のPEフィルムを含み、劣化食品模擬物質に曝露した後、390~760g/25mmの結合強度を有する。一実施形態では、積層体製品は、48gのPETフィルムおよび白色のPEフィルムを含み、沸騰食品模擬物質に曝露した後、830~900g/25mmの結合強度を有する。
【0156】
一実施形態では、積層体製品は、金属化フィルムおよびPEフィルムを含み、劣化食品模擬物質に曝露した後、140~400g/25mmの結合強度を有する。一実施形態では、積層体製品は、金属化フィルムおよびPEフィルムを含み、沸騰食品模擬物質に曝露した後、900~1020g/25mmの結合強度を有する。
【0157】
食品耐性試験または過酷食品耐性試験後の結合強度は、食品耐性値と称され得る。一実施形態では、積層体製品の食品耐性値は、ホスフェート官能性ポリオールを含まない無溶剤接着剤組成物で形成された積層体製品の食品耐性値よりも200~400パーセント高い。
【0158】
一実施形態では、積層体製品のPAA崩壊レベルは、ホスフェート官能性ポリオールを含まない無溶剤接着剤組成物で形成された積層体製品のPAA崩壊レベルよりも180~220パーセント低い。
【0159】
一実施形態では、積層体製品のガス放出評価は、ホスフェート官能性ポリオールを含まない無溶剤接着剤組成物で形成された積層体製品のガス放出評価よりも300~500パーセント高い。
【0160】
限定するものではなく例として、これから、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳述する。
【実施例】
【0161】
発明例(「IE」)および比較例(「CS」)で使用する原材料は、以下の表1に詳述される。
【表1】
【0162】
発明例IE1、IE2、IE3、および比較試料CS1、CS2、CS3の無溶剤接着剤(SLA)組成物を、表1に列挙した原材料を使用して、表2に列挙した配合に従って調製する。
【0163】
SLA組成物を使用して、フィルム基材から積層体を調製する。SLA組成物を第1のフィルム上に適用して、これを第2のフィルムに積層して積層体製品を形成する。(i)48ゲージのポリエチレンテレフタレート(PET)または(ii)アルミニウム箔のいずれかから、第1のフィルムを選択する。(i)ポリエチレン(PE)または(ii)白色顔料で着色されたPEのいずれかから、第2のフィルムを選択する。積層は、LABO COMBIパイロットマシンコーターを使用して行う。SLA組成物の温度は、40℃である。マシンコーターニップの温度は、40℃である。
【0164】
表2に列挙したコーティング重量で、フィルムを毎分100メートルで積層する。
【0165】
比較試料3(CE3)には、溶剤系接着剤を使用した。
【0166】
積層体は、25℃および50%の湿度で7日間硬化させる。
【0167】
性能の結果を、表2の下部に要約する。
【表2-1】
【表2-2】
【0168】
出願人は、一致させたフィルム間にホスフェート官能性ポリオールを含有する無溶剤接着剤組成物を使用して形成した積層体が、過酷食品耐性試験後593g/25mm~1010g/25mmの結合強度、および160℃でのアンチシール試験後3413g/25mm~3958g/25mmの結合強度を呈することを予期外にも発見した。アルミニウム箔とポリエチレンとの間で形成された積層体は、過酷食品耐性試験の後、893g/25mm~1010g/25mmの結合強度を呈する。
【0169】
一致させたフィルム間にホスフェート官能性ポリオールを含有する無溶剤接着剤組成物を使用して形成した積層体は、38分~49分のポットライフ、0.621ppb~0.847ppbの第一級芳香族アミン崩壊レベル、および3~5のガス放出評価を呈する。
【0170】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態および図に限定されず、実施形態の部分、および以下の特許請求の範囲に含まれる異なる実施形態の要素の組み合わせを含む、これらの実施形態の改変形態を含むことが特に意図される。
【国際調査報告】