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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】毛髪改質システム
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/04 20060101AFI20220111BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
A61K8/04
A61Q5/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021526802
(86)(22)【出願日】2019-07-23
(85)【翻訳文提出日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 AU2019050771
(87)【国際公開番号】W WO2020097665
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】2018904356
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(31)【優先権主張番号】2019901545
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】521209889
【氏名又は名称】2ビー1ケー インポーツ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】コーエン,ベン ジャン
(72)【発明者】
【氏名】リッシャー,ベニー
(72)【発明者】
【氏名】バクシーシ,コビ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AC072
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC342
4C083AC692
4C083AC852
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD412
4C083BB01
4C083BB04
4C083BB06
4C083BB11
4C083BB21
4C083CC36
4C083DD15
4C083DD39
4C083EE03
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、様々な毛髪色改変剤を含む毛髪改質システム、および関連する毛髪改質プロセスならびにレジームに関する。本発明は、主に美容院環境におけるヘアケア専門家による使用のために開発されたが、この特定の使用分野に限定されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分散性組成物からなる一定量の水分散性毛髪色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法。
【請求項2】
前記組成物は、色改変剤、増粘剤、およびレオロジー改変剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物は、乳化剤をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記組成物は、水崩壊性錠剤の形態である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物は、多孔質袋に入れられる、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記一定量の水は、流動水源として供給される、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記組成物は、水を通すことができる透水性ベシクルに入れられ、前記透水性ビヒクルは、シャワーヘッドである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記色改変剤は、リフティング剤、脱色剤、剥離剤、染料および顔料からなる群から選択される1種または複数種の化合物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記組成物は、0.1%~95%(w/w)の顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、永久染料および/またはこれらの混合物を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記組成物は、約1%~15%(w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約20%~35%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、約30%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤、および約0.5%~15%(w/w)の濃度の色改変剤を含み、前記色改変剤は、リフティング剤、脱色剤、剥離剤、染料および顔料からなる群から選択される2種以上の化合物を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記組成物は、約10%~20%(w/w)の総濃度の1種または複数種の乳化剤、約1%~5%(w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約40%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤、および約1%~20%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記組成物は、約10%~20%(w/w)の濃度の1種または複数種のカチオン性ならびに/もしくは非イオン性乳化剤、約1%~5% (w/w)の濃度の硬化ヒマシ油、約15%~35%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、約30%~45%(w/w)の濃度のポリエチレングリコール、および約0.5%~10%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記組成物は、15~20%(w/w)の乳化剤、40~45%(w/w)のレオロジー改変剤、2.5%(w/w)の増粘剤、25~35%(w/w)の植物油、および0.1~3%(w/w)の色改変剤を含み、前記色改変剤は、セミパーマネント染料もしくはデミパーマネント染料またはそれらの組み合わせであり、前記組成物は、半固体状の水崩壊性錠剤にプレス加工される、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記組成物は、4.5%(w/w)セテアレス-20/セチオール、約44%(w/w)のPEG-4000、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオール-C5、 約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、約3%(w/w)のセテアレス-30、約25%~30%(w/w)の植物油、および0.1~3%(w/w)の直接染料を含み、前記直接染料は、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、または一時染料、それらの組み合わせであり、前記組成物は、半固体状の水崩壊性錠剤にプレス加工される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法で使用される場合に、毛髪色改変剤と、増粘剤と、乳化剤と、レオロジー改変剤とを含む水分散性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な毛髪色改変剤を含む毛髪改質システム、および関連する毛髪改質プロセスならびにレジームに関する。
【0002】
本発明は、主に美容院環境におけるヘアケア専門家による使用のために開発されたが、この特定の使用分野に限定されない。
【背景技術】
【0003】
本明細書全体を通して先行技術のいかなる考察も、その先行技術が広く知られている、または当技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものであると考えてはならない。
【0004】
これまでに毛髪改質プロセス(処理および着色など)の大部分は、最初に粘性液体または半固体状クリーム剤を塗布し、続いてインキュベーション時間および完全な洗浄ならびに/またはすすぎを行ってクリーム剤を除去する、不連続プロセスによるものであった。これらのプロセスは時間がかかり、多量の水を使用し、また完全に洗浄した後でさえ頭皮および毛髪に着色残留物または処理残留物が残ることが多い。
【0005】
毛髪湿潤プロセス中にある種の着色製品を塗布する手段を提供するシステムが利用可能であるが、これらのシステムには、毛髪の染色が非効率的であり、永続性がほとんどなく、着色が不均一であるなどの限界がある。
【0006】
同様に、毛髪湿潤プロセス中にある種の水分伝達コンディショナーまたは洗浄剤製品を塗布する手段を提供するシステムが利用可能であるが、これらのシステムには限界がある。例えば、液体洗浄剤を固定された浴室のシャワーヘッドへと自動的に送達する製品は、用量を制御することができず、制御された方法で毛髪および頭皮の異なる領域に向けることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、先行技術の上述の欠点を克服または改善すること、または少なくとも有用な代替案を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、水分散性組成物からなる一定量の水分散性毛髪色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法を提供する。
【0009】
本発明の第2の態様では、毛髪色改変剤と、増粘剤と、乳化剤と、レオロジー改変剤とを含む水分散性組成物が提供される。
【0010】
外観とは、改変剤が毛髪の色または状態を改変し得ることを意味し、ここで状態とは、毛髪の清潔さ、健康、質感および/または光沢を指すことがある。
【0011】
したがって、本発明の実施形態において、該方法は、水分散性組成物からなる一定量の水分散性色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法である。本発明の他の実施形態では、該方法は、水分散性組成物からなる一定量の水分散性状態改変剤を使用して毛髪の状態を改変する方法である。
【0012】
「水分散性」とは、組成物が水中で比較的均一に分離して、顕著な観察可能な凝結および/または凝集を伴わずに一定量の水分散性毛髪改質剤を生成することを意味する。水分散性組成物は、固体または半固体物質、例えば、粉体、破砕物質、造粒物、スラリーまたはペーストであり得る。
【0013】
水分散性組成物は、水崩壊性錠剤の形態に圧縮され得る。「水崩壊性」とは、錠剤が、一定期間にわたって前記一定量の流動水源、撹拌水源または移動水源にさらされたときに崩壊することを意味する。水分散性組成物および/または水崩壊性錠剤の成分は、水中で溶解可能(すなわち、可溶性)であり得るが、組成物が分散するために、または錠剤が崩壊した後に分散するために、全ての成分が水溶性であることは必須ではないことが理解されるであろう。
【0014】
本発明の実施形態では、組成物は、水を通すことができる薄い軽量な多孔質材料で作製された多孔質袋またはパケットに入れられる。非限定的な例としては、濾紙、または目の粗い織物、ガーゼ、寒冷紗、メッシュ、モンククロスまたはモスリンなどが挙げられ、ティーバッグに似たものであり得る。材料は、合成または天然材料であり得る。
【0015】
水分散性組成物を一定量の水中に分散させて、一定量の水散性着色剤もしくはコンディショナーが毛髪に塗布される前または塗布されている間の任意の適切な時点で一定量の水分散性毛髪改質剤を生成して、前記毛髪の色または状態を改変することができる。
【0016】
好ましくは、一定量の水は、流動水源として供給され、水分散性組成物および流水は、宅内蛇口から実現され得る圧力での流水供給設備による使用中に、組成物が約10秒~10分で分散、溶解および/または崩壊し、水分散毛髪改質剤の流れを使用者に提供し得るように構成され得る。典型的な水圧の例としては、10~350KPaの圧力範囲、10~50℃の温度範囲、および流量調整器によって制御され得るような1~16リットル/分、好ましくは2~8リットル/分の出口流量が挙げられる。本発明のこの実施形態では、水分散性組成物は、水分散性色/状態改変剤が毛髪に塗布される直前、またはほぼ同時に、一定量の水中に効果的に分散される。
【0017】
水分散性組成物および水源は、組成物を実質的に捕捉することができるが、組成物が一定量の水中に分散されたときに水を実質的に通すことができる何らかの形で構成され得る。例えば、水分散性組成物は、完全に、実質的にまたは部分的に、水を通すことができる透水性ベシクルに入れられ、そのことにより水分散性組成物を水中に分散させて、一定量の水分散性毛髪改質剤を生成することができる。組成物が水崩壊性錠剤の形態である、または多孔質袋に入れられる場合、透水性ベシクルは、テーブルがその元のサイズの10分の1未満まで崩壊するまで、または袋内の組成物の90%が透水性ベシクルを通って流れる水中に分散されるまで、錠剤または袋を入れておくことができる。
【0018】
本発明の実施形態では、透水性ベシクルは、テーブルがベシクル内に配置され得るように半球形であり得、ベシクルは毛髪の上に配置され、流動水源にさらされて、一定量の水分散性毛髪改質剤が生成され得る。水分散性毛髪改質剤は、透水性ベシクルから毛髪へと流れて、毛髪の色または状態を改変する。
【0019】
望ましくは、連続した一定量の水は、シャワーヘッドである透水性ベシクルを通して供給され、水分散性組成物が透水性ベシクルに入れられ、流動水源にさらされることにより、水分散毛髪色/状態改変剤がシャワーヘッドから出て毛髪へと流れることができる。
【0020】
毛髪の色を改変する方法の代替の実施形態では、水分散性組成物を一定量の水に添加して、一定量の水分散性毛髪色改変剤を生成することができ、次いで、この用量を水分散性毛髪色改変剤の流動源として毛髪に塗布する。
【0021】
理論に束縛されるつもりはないが、色/状態改変剤の分子は、本発明の方法の間に一定量の水分散性色改変剤として塗布されると、一定量の塗布中に毛髪に物理的に押し付けられ、分子の活性を促進することが提案される。
【0022】
毛髪の色を改変する方法のいくつかの実施形態では、一定量の水分散性毛髪色改変剤は、毛幹のキューティクルを開くことによって毛髪の色の改変を助け得るアルカリ化物質および/または中和物質を塗布した後に、毛髪に塗布される。該物質は、それが分散される水のpHを上げる任意の物質であり得る。該物質は、例えば、プレカラーの洗浄剤、シャンプー、リンスおよび/またはスプレーであり得る。
【0023】
毛髪の色を改変する方法の他の実施形態では、一定量の水分散性毛髪色改変剤を毛髪に塗布した後、酸性化物質を毛髪に塗布して、毛幹のキューティクルを閉じることによって毛髪色の改変を助ける。該物質は、それが分散される水のpHを下げる任意の物質であり得る。該物質は、例えば、ポストカラーの洗浄剤、シャンプー、リンスおよび/またはスプレーであり得る。
【0024】
毛髪の色を改変する方法の他の実施形態では、一定量の水分散性毛髪色改変剤は、毛幹のキューティクルを開くことによって毛髪色の改変を助け得る水分散性アルカリ化/中和物質の塗布後に毛髪に塗布され、次いで、一定量の水分散性毛髪色改変剤が毛髪に塗布された後に、毛幹のキューティクルを閉じることによって毛髪色の改変を助けるために水分散性酸性化物質が毛髪に塗布される。
水分散性組成物
【0025】
第2の態様によれば、本発明は、毛髪改質剤、増粘剤、およびレオロジー改変剤を含む水分散性組成物を提供する。組成物が水崩壊性錠剤の形態である実施形態では、錠剤は固体蝋様錠剤であり得る。
【0026】
本発明の実施形態において、水分散性組成物は、色改変剤である毛髪改質剤、増粘剤およびレオロジー改変剤を含む、美容目的で毛髪色を改変するために使用される毛髪色改変組成物である。本発明のさらなる実施形態では、水分散性組成物は、油である毛髪改質剤、増粘剤およびレオロジー改変剤を含む、美容目的で毛髪の状態を改変するために使用される毛髪状態改変組成物である。
【0027】
色改変剤は、髪の毛の色を改変することができる任意の染料、顔料および/または薬剤であり得る。髪の毛の色の改変は、毛幹のキューティクル層または毛幹の皮質層に対して天然または人工の色を除去する、または加えることによる改変であり得る。
【0028】
髪の毛の色は、永久的に、半永久的に、または一時的に改変され得る。例えば、髪の毛の色の改変は、1~2回の洗浄、1~6回の洗浄、5~10回の洗浄、6~15回の洗浄、10~20回の洗浄に耐え得る、あるいは毛髪を除去(切断)することによって、または髪の毛に色を付加する、もしくは髪の毛から色を除去するためにさらに色改変剤を塗布することによって、または日光、塩水ならびに/もしくは塩素水などの他の環境もしくは生活要因によってのみ、髪の毛の色の変化が打ち消されるように、効果的に永続的であり得る。「洗浄」とは、一般に従来の洗髪を含む、毛髪洗浄プロセスを意味する。
【0029】
毛髪の色の改変はさらに、例えば、アンモニア(色の「リフトアップ」として知られるプロセスで使用されることが多い)および過酸化水素 (5レベルを超えて毛髪を「明るくする」もしくは「脱色する」のに使用されることが多い)などの薬剤による毛幹のキューティクル層もしくは皮質層からの天然もしくは人工の色の除去、または毛幹のキューティクル層もしくは皮質層からの付着した色の除去(「色抜き」と呼ばれることが多い)などの色の除去を含む。さらに、毛髪の色の改変は、染料および顔料による毛幹の皮質層またはキューティクル層への色の付加を含む。
【0030】
したがって、本発明の水分散性組成物中の色改変剤は、リフティング剤、脱色剤、剥離剤、染料または顔料であり得、これらの薬剤、染料および顔料の多くは、International Nomenclature of Cosmetic Ingredients(化粧品原料国際命名法:INCI)の識別名で識別され得る。色改変剤の以下のリストのいずれも網羅的ではないことが理解されるであろう。新規な薬剤、染料および顔料が開発され、市販されているので、本発明の組成物におけるそれらの使用は、本発明の範囲に包含されると想定され、理解されるであろう。
【0031】
一般に、染料は、液状になりやすいか、または可溶性である着色化学物質もしくは色改変化学物質に依存するが、顔料は、一般に微粉砕された着色粒子の粉末または懸濁液として提供される不溶性物質であることが理解されるであろう。
【0032】
水分散性組成物で使用される顔料は、前記水分散性組成物からなる一定量の水分散性色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法における使用に好適である。
【0033】
顔料は、動物由来顔料、金属由来顔料および植物由来顔料、例えば、ヘナ(ローソン)、アリザリン、多環式顔料、アゾ顔料、ジオキサジン顔料、マンガンバイオレット、フタロシアニンならびにキナクリドン、レーキ、ウルトラマリン、またはアンバー、オーカー、シエナ、カドミウムイエローならびにコバルトブルーのような金属酸化物(すなわち、酸化鉄、酸化クロムならびに酸化チタン)からなる群から選択される任意の有機顔料または無機顔料(複数可)であり得る。
【0034】
一般に、顔料は、毛幹のキューティクルへの顔料の付着を助けるために、水、グリセリンならびに/もしくはアルコールなどの結合剤またはビヒクルと混合される必要がある。顔料は、天然に存在するものまたは合成のものであり得、毛髪を着色または染色することができる様々な特性を有する。多くの顔料は、毛幹のキューティクル上のタンパク質またはタンパク質側鎖との相互作用により毛髪を着色または染色する。顔料と共に使用される結合剤またはビヒクルに応じて、毛髪の着色または染色は、従来の毛髪洗浄剤(すなわち、シャンプー)による1~2回の洗浄、1~3回の洗浄、2~4回の洗浄、3~6回の洗浄、または最大で10回の洗浄に耐え得る。
【0035】
本発明の組成物は、毛髪の色を改変するために使用される場合、顔料の相溶性混合物を含み得、組成物は、総濃度0.001%~95%(w/w)の顔料を含み得る。
【0036】
水分散性組成物に使用される染料は、前記水分散性組成物からなる一定量の水分散性色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法における使用に好適である。
【0037】
毛髪の色を改変するのに使用される染料は、着色耐性に従って分類され、本発明の水分散性組成物に使用される染料は、一時染料、セミパーマネント(semi-permanent)染料、デミパーマネント(demi-permanent)染料、永久染料であり得ることが理解されるであろう。本発明の水分散性組成物に使用される染料は、非酸化染料または酸化染料であり得る。着色結果および着色の永続性は、染色される毛髪の色に影響され得る。
【0038】
一般に、一時染料およびセミパーマネント染料は、非酸化染料(直接染料と呼ばれることもあるが、「直接染料」であると見なされ得る化学物質が永久染料を作製するために使用され得ることに留意されたい)であり、毛幹の皮質への多少の浸透の可能性を伴う毛幹のキューティクル上への着色分子の沈着に依存する。一時染料は、酸性染料またはアニオン性染料とも称され得る。セミパーマネント染料は、さらに2つの群に分けられ、塩基性染料/カチオン性染料、およびニトロアニリン/非イオン性染料と称される。一時染料およびセミパーマネント染料は、本発明の組成物に使用される染料の量および改変されている毛髪の色に応じて、従来の毛髪洗浄剤による1~2回の洗浄、1~3回の洗浄、2~4回の洗浄、3~6回の洗浄、または最大で10回の洗浄に耐え得る(すなわち、本発明の方法および組成物を使用して、一時染料またはセミパーマネント染料により、脱色済みの毛髪、白髪もしくは金髪の色を改変することにより、色改変がより長く持続し得る)。
【0039】
本発明の組成物は、Acid Yellow 23、Acid Orange 7、Acid Yellow 1、Acid Yellow 3、Curry Red、Acid Red 18、Acid Red 52、Acid Red 33、Acid Red 92、Acid Violet 43、Acid Blue 9、Acid Green 25、Acid Black 1、Basic Brown 16、Basic Red 76、Basic Red 2、Basic Red 18、Basic Red 22、Basic Red 46、Basic Yellow 57、Basic Yellow 11、Basic Yellow 28、Basic Yellow 51、Basic Yellow 87、Basic Red 51、Basic Green 4、Basic Brown 17、Basic Blue 99、Basic Blue 3、Basic Blue 7、Basic Blue 9、Basic Blue 26、Basic Blue 41、Basic Orange 31、Basic Orange 1、Basic Orange 2、Basic Violet 2、Basic Violet 1、Basic Violet 4、Basic Violet 14、Basic Violet 16、Basic Violet 35、Basic Violet 11.1、HC Yellow 2、HC Red 3、2-ニトロ-フェニレンジアミン、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、HC Yellow 4、HC Blue 1、HC Blue 2、HC Blue 15、HC Red 1、およびHC Orange 1からなる群から選択される1種または複数種の直接染料を含み得る。
【0040】
本発明の組成物に使用される一時染料は、Acid Yellow 23、Acid Orange 7、Acid Yellow 1、Acid Yellow 3、Curry Red、Acid Red 18、Acid Red 52、Acid Red 33、Acid Red 92、Acid Violet 43、Acid Blue 9、Acid Green 25、およびAcid Black 1からなる群から選択される任意の染料であり得る。
【0041】
組成物は、所望の色を実現するために2種以上の一時染料の組み合わせを含み得る。
【0042】
本発明の組成物に使用されるセミパーマネント染料は、Basic Brown 16、Basic Red 76、Basic Yellow 57、Basic Red 51、Basic Brown 17、およびBasic Blue 99からなる塩基性染料の群から選択される任意の染料であり得る。本発明の組成物に使用されるセミパーマネント染料は、HC Yellow 2、HC Red 3、2-ニトロ-フェニレンジアミン、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、HC Yellow 4、HC Blue 1、HC Red 1、およびHC Orange 1からなるニトロアニリン染料の群から選択される任意の染料であり得る。
【0043】
組成物は、所望の色を実現するために2種以上のセミパーマネント染料の組み合わせを含み得る。2種以上のセミパーマネント染料は、全て塩基性染料もしくは全てニトロアニリン染料、または塩基性染料とニトロアニリン染料との相溶性混合物であり得る。
【0044】
組成物は、所望の色および所望のレベルの永続性を実現するために、2種以上のセミパーマネント染料および/または一時染料の組み合わせを含み得る。
【0045】
本発明の組成物は、毛髪の色を一時的または半永久的に改変するために使用される場合、一時染料、塩基性染料および/またはニトロアニリン染料の相溶性混合物を含み得る。組成物は、総濃度が0.001%~95%の一時染料またはセミパーマネント染料を含み得る。
【0046】
一般に、デミパーマネント染料および永久染料(酸化染料として知られている)は、(典型的には)アルカリpHでの酸化剤による顕色を必要とする着色前駆体分子に依存する。酸化染料のアルカリpHは毛幹のキューティクル層が一時的に膨潤し/開くのを促進し、分子を毛幹の皮質に通過させることが提案されているように、酸化染料は毛幹の皮質に浸透しやすい。酸化染料は、一般に、アルカリpHで一緒に反応して所望の色および永続性を生じさせる異なる成分の混合物である。次いで、得られた着色分子は、毛幹の皮質に捕捉され(一つには、着色分子のより大きなサイズによる)、毛髪の色の半永久的または永久的な改変をもたらす。染料は、通常、1種または複数種の一次中間体(複数可)(p-ジアミンおよび/またはp-アミノフェノール、酸化基材としても知られている)、酸化剤ならびに/もしくはアルキル化剤、および1種または複数種のカップリング剤(発色剤または反応調整剤としても知られている)の混合物である。
【0047】
デミパーマネント染料は、主に、アンモニアを含まず、あまり永続的でないことが多いという点で、使用されるアルキル化剤中の永久染料とは異なる。デミパーマネント染料は、本発明の組成物に使用される染料の量および改変される毛髪の色に応じて、従来の毛髪洗浄剤による3~6回、または10回以上の洗浄に耐え得る(すなわち、本発明の方法および組成物を使用して、デミパーマネント染料により、脱色済みの毛髪、白髪もしくは金髪の色を改変することにより、色改変がより長く持続し得る)。
【0048】
本発明の組成物に使用されるデミパーマネント染料および永久染料は、4-アミノ-m-クレゾール、1-ヒドロキシエチル-4-5-ジアミノピラゾール硫酸塩、N,N-ビス[2-ヒドロキシエチル]-p-フェニレンジアミン硫酸塩、ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン硫酸塩、p-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノール硫酸塩、p-フェニレンジアミン硫酸塩、テトラアミノピリミジン硫酸塩およびトルエン-2-5-ジアミン硫酸塩からなる群から選択される任意の一次中間体を含み得る。
【0049】
デミパーマネント染料および永久染料は、所望の色および永続性のレベルを実現するために、2種以上の一次中間体の組み合わせを含み得る。
【0050】
本発明の組成物に使用されるデミパーマネント染料および永久染料は、レゾルシノール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、4-アミノ-2-ヒドロキシトルエン、2-メチル-5-ヒドロキシエチルアミノフェノール、2-メチルレゾルシノール、5-アミノ-6-クロロ-o-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール硫酸塩、1-ナフトール、2,4-ジアミノフェノキシエタノール硫酸塩、m-アミノフェノール、フェニルメチルピラゾロン、および4-クロロレゾルシノールからなる群から選択される任意のカップリング剤を含み得る。
【0051】
デミパーマネント染料および永久染料は、所望の色および所望のレベルの永続性を実現するために、2種以上のカップリング剤の組み合わせを含み得る。
【0052】
本発明の組成物に使用されるデミパーマネント染料および永久染料は、所望のレベルの色および永続性を実現するために必要とされる任意のアルキル化剤および/または酸化剤を単体でまたは組み合わせて含み得る。一般的な酸化剤は過酸化水素であるが、本発明の方法の間に使用される組成物中のデミパーマネント染料または永久染料中の酸化剤として作用するためには、大気中の一定量の水および酸素の使用で十分であり得る。毛幹内のメラニン、ユーメラニンおよびフェオメラニンは酸化すると色を失うので、酸化剤はさらに、デミパーマネント染毛剤および永久染毛剤を使用する場合に天然毛髪色素の明色化に一般に関与することが理解されるであろう。
【0053】
アルキル化剤の非限定的な例としては、アンモニア、エタノールアミン、または染料前駆体分子の必要な着色分子への変換を可能にする適切な染料pHを実現することができる任意の相溶性薬剤が挙げられる。
【0054】
本発明の組成物に使用されるデミパーマネント染料および永久染料は、所望の色および所望のレベルの永続性を達成するために、1種または複数種の一次中間体および/または1種または複数種のカップリング剤および/または1種または複数種のアルキル化剤ならびに/もしくは酸化剤の組み合わせを含み得る。本発明の組成物は、毛髪の色を永久的または半永久的に改変するために使用される場合、所望のレベルの色および永続性を実現するために必要とされる着色反応を促進するのに好適な個々の濃度の一次中間体、カップリング剤、アルキル化剤および/または酸化剤の相溶性混合物を含み得る。組成物は、総濃度が0.001%~95%(w/w)の永久染料またはデミパーマネント染料を含み得る。
【0055】
本発明の組成物は、毛髪の色を改変するために使用される場合、顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料および/または永久染料の相溶性混合物を含み得、組成物は、総濃度が0.001%~95%(w/w)の顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料および/または永久染料を含み得る。本発明の組成物中の顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料および/または永久染料の組み合わせおよび割合は、被験者の毛髪の所望のレベルの永続性、および/または明度ならびに/もしくは色のプロファイルに基づいて改変され、調整され得る。
【0056】
水分散性組成物に使用されるリフティング剤は、前記水分散性組成物からなる一定量の水分散性色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法における使用に好適である。リフティング剤は、一般に、毛幹から天然の色を除去して、最大で5レベルまで毛髪を明るくするためのものであることが理解されるであろう。リフティング剤は、デミパーマネント染料および永久染料と共に、または単体で使用され得る。リフティング剤は、毛髪を最大で5レベルまで明るくすることができる任意の薬剤または組成物であり得る。組成物は、総濃度が0.001%~95%(w/w)のリフティング剤を含み得る。
【0057】
水分散性組成物に使用される脱色剤は、前記水分散性組成物からなる一定量の水分散性色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法における使用に好適である。脱色剤は、一般に、毛幹から天然の色を除去して、5レベル以上毛髪を明るくするためのものであることが理解されるであろう。
【0058】
脱色剤は、毛髪を5レベル超明るくすることができる任意の薬剤または組成物であり得る。組成物は、合計で0.001%~95%(w/w)の脱色剤を含み得る。
【0059】
水分散性組成物に使用される剥離剤は、前記水分散性組成物からなる一定量の水分散性色改変剤を使用して毛髪の色を改変する方法における使用に好適である。剥離剤は、一般に、毛幹から人工色を除去して、毛髪をその天然の色(あるいは地毛の色に近い色)または人工染料もしくは顔料の塗布前の毛髪の色(あるいは人工染料もしくは顔料の添加前の毛髪の色に近い色)に戻すためのものであることが理解されよう。
【0060】
剥離剤は、毛幹から人工色を除去して、毛髪をその地毛の色(あるいは地毛の色に近い色)または人工染料もしくは顔料の塗布前の毛髪の色(あるいは人工染料もしくは顔料の塗布前の毛髪の色に近い色)に戻すことができる任意の薬剤または組成物であり得る。組成物は、総濃度が0.001%~95%(w/w)の剥離剤を含み得る。
【0061】
リフティング剤、脱色剤および剥離剤中の活性成分および化合物は同様である、または同一であり、色除去のレベルは、異なる量の活性成分および化合物を使用することによって操作され、制御され得ることが理解されるであろう。
【0062】
本発明の組成物は、毛髪の色を改変するために使用される場合、所望のレベルの色除去を実現するために必要とされる着色反応を促進するのに好適な個々の濃度のリフティング剤、脱色剤および剥離剤の相溶性混合物を含み得る。組成物は、総濃度が0.001%~95%(w/w)のリフティング剤、脱色剤および/または剥離剤を含み得る。
【0063】
本発明の水分散性組成物は、毛髪から色を除去する1種または複数種の色改変剤のみを含み得る、または毛髪に色を加える1種または複数種の色改変剤のみを含み得る。例えば、組成物は、染料および顔料を含み得る、または2種の異なる染料を含み得る。別の例では、組成物は、剥離剤および脱色剤を含み得る。
【0064】
別の実施形態では、本発明の水分散性組成物は、毛髪から色を除去する1種または複数種の色改変剤と、毛髪に色を加える1種または複数種の色改変剤とを含み得る。例えば、組成物は、リフティング剤および染料を含み得る、または組成物は、剥離剤、脱色剤および顔料を含み得る、または組成物は、顔料および染料を含み得る。
【0065】
本発明の組成物は、毛髪の色を改変するために使用される場合、顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、永久染料、リフティング剤、脱色剤および/または剥離剤の相溶性混合物を含み得、組成物は、総濃度が0.001%~95%(w/w)の顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、永久染料、リフティング剤、脱色剤および/または剥離剤を含み得る。本発明のさらなる実施形態では、組成物は、総濃度が0.05%~50%(w/w)、10%~80%(w/w)、0.1%~5%(w/w)、1%~20%(w/w)、6%~8%(w/w)、0.1%~10%(w/w)、0.1%~3%(w/w)、40%~50%(w/w)、または5%~15%(w/w)の顔料、一時染料、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、永久染料、リフティング剤、脱色剤および/または剥離剤を含み得る。
【0066】
本発明の水分散性組成物中の色改変剤は、以下に含まれる顔料、染料、リフティング剤/脱色剤/剥離剤の非網羅的リストに加えて、他の原材料、化学物質および/または成分を含み得る。これらの他の原材料、化学物質および/または成分としては、増粘剤、皮膜形成剤、コンディショナー、洗浄剤、色保護剤、可溶化剤、界面活性剤、安定剤、ポリマー、基剤およびテクスチャリング剤が挙げられ得るが、これらに限定されず、これらの全ては当該分野で公知である。
【0067】
本発明の組成物に使用されるレオロジー改変剤は、製造中に組成物の流体成分の粘度を高めるのに好適な任意の化合物または組成物であり得る。レオロジー改変剤はさらに、組成物の形成を助けるために水中油型乳剤および油中水型乳剤を安定化することによって流体成分の粘度を高め得る。「好適な」とは、得られた粘性成分混合物中の成分が、比較的均一に分散され、活性状態を維持し、経時的に(水に濡れなければ)分解または崩壊に対する耐性を有することを意味する。 当業者は、レオロジー改変剤が、本質的に、流体成分または低粘度の乳剤の混合物に添加された場合に、流体成分または乳剤の混合物の粘度を高め得る、または少なくとも乳剤の粘度を維持し、一般に安定した乳剤の維持を助け得る化合物であることを理解するであろう。
【0068】
レオロジー改変剤は、無機分子または有機分子を含み得、一般に、流体成分または乳剤の混合物に水相として添加され得る。レオロジー改変剤は、好ましくは、有機ポリマーなどの有機分子である。レオロジー改変剤として本発明での使用に好適な有機分子としては、ポリアクリレート、ポリウレタンおよびポリエーテルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0069】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、水溶性である有機ポリマーを含む。
【0070】
レオロジー改変剤はさらに、コポリマーであり得る。当業者であれば、コポリマーは、2種類以上のモノマーを含む任意のポリマーであることを理解するであろう。
【0071】
コポリマー中の各モノマーの割合、ならびに本発明の組成物に使用するための任意の有機ポリマーの長さは、レオロジー改変剤の所望の特性に依存する。レオロジー改変剤の所望の特性は、組成物中の他の成分の特性にも影響され得ることは当業者に理解されるであろう。例えば、組成物が固体あるいは液体であるUVR濾過剤を含むかどうか、および/またはタンパク質抽出物が油、水あるいは溶媒可溶性もしくは溶媒混和性であるかどうかは、レオロジー改変剤の選択に影響し得る。これに加えて、組成物中の総油含有量もレオロジー改変剤の選択に影響し得る。レオロジー改変剤の選択はまた、特定の組成物の必要とされる溶解速度に影響され得る。
【0072】
本発明の好ましい実施形態では、レオロジー改変剤は、アクリレート/アルキルアクリレートクロスポリマー、ポリアクリルアミド、カルボマーおよびポリエチレングリコールからなる群から選択される水溶性有機ポリマーである。
【0073】
好ましい実施形態では、レオロジー改変剤は、ポリエチレングリコールまたはその誘導体である。特に好ましい実施形態では、レオロジー改変剤は、PEG-4000である。
【0074】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約4~70%(w/w)の濃度のレオロジー改変剤を含み得る。より好ましくは、組成物は、約30~60%(w/w)の濃度のレオロジー改変剤を含み得る。さらに好ましい実施形態では、組成物は、約25~50%(w/w)の濃度のレオロジー改変剤を含み得る。他の好ましい実施形態では、組成物は、約25%、30%、35%、40%または45%(w/w)の濃度のレオロジー改変剤を含み得る。
【0075】
代替的な実施形態において、レオロジー改変剤は、グリセリン、グリセロールエステルまたはその誘導体である。グリセロールエステルは、例えば、オレイン酸グリセリルまたはステアリン酸グリセリルであり得る。グリセロールエステルはアニオン性乳化剤としても挙動し得ることが理解されるであろう。
【0076】
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、約35%~50%(w/w)の濃度のポリエチレングリコールを含む。
【0077】
本発明の他の好ましい実施形態では、組成物は、約30%、35%、40%または45%(w/w)の濃度のPEG-4000を含む。
【0078】
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、約10%~20%、15%~25%、5%~15%、20%~40%、または35%~45%(w/w)の濃度のグリセロールエステルを含む。
【0079】
本発明の他の好ましい実施形態では、組成物は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%(w/w)の濃度のグリセロールエステルまたはその誘導体を含む。
【0080】
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、約10%~20%、15%~25%、5%~15%、20%~40%、または35%~45%(w/w)の濃度のステアリン酸グリセリルまたはその誘導体を含む。
【0081】
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、約10%~20%、15%~25%、5%~15%、20%~40%、または35%~45%(w/w)の濃度のオレイン酸グリセリルまたはその誘導体を含む。
【0082】
本発明の組成物に使用される増粘剤は、粉末、造粒粉末、スラリーまたはペーストなどの固体物質または半固体物質に形成され得るように組成物を十分に固化するのに好適な任意の化合物または組成物であり得る。増粘剤は、非水相増粘剤であり得、炭水化物に富む、ミネラルに富む、または脂質に富む薬剤であり得る。
【0083】
ミネラルに富む増粘剤は、無機および/または親水性の粘土もしくはシリカから選択される群から選択され得る。非限定的な例としては、ベントナイト粘土、アタパルジャイト粘土、有機粘土およびヘクトライト粘土が挙げられる。
【0084】
増粘剤は、セルロース、キサンタンまたはゼラチンなどの炭水化物に富む薬剤であり得る。本発明の実施形態では、増粘剤はクズウコン粉末である。
【0085】
より好ましくは、増粘剤は脂質に富む薬剤である。脂質に富む増粘剤の非限定的な例としては、蜜蝋および硬化ヒマシ油(カーボワックス、Sabowax ELH 40および/またはPEG-40としても知られる)が挙げられる。
【0086】
水溶性ワックスである硬化ヒマシ油は、水中で迅速に崩壊しながら、組成物の固体または半固体状の結合を可能にすることが理解されるであろう。
【0087】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約1%~15%(w/w)の濃度の増粘剤を含み得る。より好ましくは、組成物は、約5%~15%、1%~10%、1%~5%、3%~5%、または1%~3%(w/w)の濃度の硬化ヒマシ油を含む。組成物が固体の水崩壊性錠剤の形態である本発明の実施形態では、必要な増粘剤の量は、半固体状組成物に必要な量よりも多い量であり得る。好ましい実施形態では、組成物は、約1%~5%、3%~5%、または1%~3%(w/w)の濃度のPEG-40を含み得る。
【0088】
本発明の一実施形態では、組成物は、約1%~5%(w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約40%~45% (w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤、および約1%~20%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、毛髪の色を改変するための水分散性組成物である。
【0089】
本発明の別の実施形態では、組成物は、約1%~5%(w/w)の濃度の硬化ヒマシ油、および約20%~45%(w/w)の濃度のグリセロールエステル 、および約0.5%~30%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、毛髪の色を改変するための水分散性組成物である。
【0090】
本発明の組成物は、乳化剤をさらに含み得る。 本発明の組成物に使用される乳化剤は、通常は混ざり合わない物質(乳剤 )の混合物を生成するために好適な任意の化合物または組成物であり得る。一般に、乳化剤は、好水性の親水性頭部および好油性の疎水性尾部からなる。乳化剤は、水中油型または油中水型乳化剤であり得る。
【0091】
したがって、本発明の様々な実施形態において、水分散性組成物は、色改変剤、増粘剤、レオロジー改変剤および乳化剤を含む。本発明の他の実施形態では、水分散性組成物は、油、増粘剤、レオロジー改変剤および乳化剤を含む。
【0092】
本発明の実施形態において、乳化剤は、イオン性(カチオン性もしくはアニオン性)乳化剤、双性イオン性乳化剤または非イオン性乳化剤であり得る。
【0093】
本発明の組成物における使用に好適なカチオン性乳化剤の非限定的な例としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ステアラルコニウムおよび塩化セトリモニウムなどの第4級アンモニウム化合物が挙げられる。
【0094】
いくつかの微生物の細胞膜を破壊するカチオン性界面活性剤の既知の能力を考えると、カチオン性乳化剤は抗菌剤としての役割も果たし得ることが理解されるであろう。
【0095】
本発明の組成物における使用に好適なアニオン性乳化剤の非限定的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)、またはそれらのエトキシル化コンパニオン、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ドクサートナトリウム、タウレート、イセチオネート、オレフィンスルホネート、およびスルホスクシネートが挙げられる。
【0096】
本発明の組成物における使用に好適な双性イオン性乳化剤の非限定的な例としては、ラウリミノジプロピオン酸ナトリウムおよびラウロアンホ酢酸二ナトリウムが挙げられる。
【0097】
本発明の組成物における使用に好適な非イオン性乳化剤の非限定的な例としては、Tween(ポリソルベート)などのソルビタンエステルおよびソルビタンエステルのポリオキシエチレン誘導体、セチルアルコール、セテアリルアルコール、ラウリルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコールなどの長鎖(脂肪)アルコール、セテアレス、セテス、オレス、ステアレスならびにラウレスなどの脂肪アルコールのポリオキシエチレンエーテル、脂肪アルコールエトキシレート、脂肪アルコールアルコキシレート、およびノニルフェニルエトキシレートが挙げられる。
【0098】
組成物は、セテアリルアルコール、セテアレス、Tween乳化剤、アルコールアルコキシレート、アルコールエトキシレート、およびノニルフェニルエトキシレートからなる群から選択される非イオン性乳化剤である1種または複数種の乳化剤を含み得る。
【0099】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、セテアリルアルコールおよびセテアレス-20を含むEmulgade(登録商標)1000NI(BASF)として知られる非イオン性乳化剤を含む。
【0100】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、TERIC BL8(登録商標)(Huntsman)として知られるアルコールアルコキシレートを含む。
【0101】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、TERIC 16A30(登録商標)(Huntsman)として知られるアルコールエトキシレートを含む。
【0102】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、TERIC N9(登録商標)またはTERIC N5(登録商標)(Huntsman)として知られるノニルフェニルエトキシレートを含む。
【0103】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、セテアレス-30を含むEmulgin(登録商標)B3(BASF)として知られる非イオン性乳化剤を含む。
【0104】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、非イオン性乳化剤であるTween-80を含む。
【0105】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、カチオン性乳化剤である塩化セトリモニウムを含む。
【0106】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、2種以上の異なる乳化剤を含み得る。2種以上の異なる乳化剤は、異なる非イオン性乳化剤、または異なるアニオン性乳化剤、または異なるカチオン性乳化剤、または異なる双性イオン性乳化剤、または非イオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤および/または双性イオン性乳化剤の組み合わせであり得る。
【0107】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、2種類の異なる乳化剤を含む。本発明のより好ましい実施形態では、2種類の乳化剤は、非イオン性乳化剤およびカチオン性乳化剤である。
【0108】
本発明の特に好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも1種のカチオン性乳化剤および少なくとも2種の異なる非イオン性乳化剤を含む。本発明のさらに好ましい実施形態では、組成物は、1種のカチオン性乳化剤および少なくとも3種の異なる非イオン性乳化剤を含む。組成物は、少なくとも4種の異なる非イオン性乳化剤を含み得る。
【0109】
好ましい実施形態では、組成物は、セテアリルアルコール、セテアレス、Tween乳化剤、ノニルフェニルエトキシレート、アルコールアルコキシレート、アルコールエトキシレートおよび第4級アンモニウム化合物からなる群から選択される少なくとも3種の乳化剤を含む。
【0110】
好ましい実施形態では、組成物は、セテアリルアルコール、セテアレス、Tween乳化剤、ノニルフェニルエトキシレート、アルコールエトキシレート、アルコールアルコキシレート、および第4級アンモニウム化合物からなる群から選択される少なくとも4種の乳化剤を含む。
【0111】
好ましい実施形態では、組成物は、セテアリルアルコール、セテアレス-20、セテアレス-30、Tween-80、TERIC(登録商標)N5、TERIC(登録商標)N9、TERIC(登録商標)BL8、TERIC(登録商標)16A30および塩化セトリモニウムからなる群から選択される少なくとも3種の乳化剤を含む。
【0112】
本発明の実施形態において、組成物中の乳化剤の総濃度は、約10%~40%または10%~20%(w/w)である。
【0113】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~20%または約5%~15%または約1%~10%(w/w)の濃度のEmulgade(登録商標)1000NIを含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約1%~5%(w/w)の濃度のEmulgade(登録商標)1000NIを含み得る。
【0114】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~20%または約5%~15%または約1%~10%または約1%~5%(w/w)の濃度のEumulgin(登録商標)B3を含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約1%~3%(w/w)の濃度のEumulgin(登録商標)B3を含み得る。
【0115】
本発明の実施形態では、組成物中のカチオン性乳化剤の総濃度は、約1%~15%(w/w)である。好ましい実施形態では、組成物中のカチオン性乳化剤の総濃度は、約4%~6%、5%~7%、6%~8%、7%~8%、5%~10%、8%~12%、または10%~15%(w/w)である。
【0116】
好ましい実施形態では、組成物中のカチオン性乳化剤は塩化セトリモニウムであり、約4%~5%、5%~6%、6%~7%、7%~8%、8%~9%、9%~10%、10%~11%、9%~12%、10%~15%、または14%~18%(w/w)の濃度で存在する。
【0117】
本発明の実施形態では、組成物中の非イオン性乳化剤の総濃度は、約5%~30%(w/w)である。好ましい実施形態では、組成物中の非イオン性乳化剤の総濃度は、約10%~20%または10%~15%(w/w)である。
【0118】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~5%(w/w)の濃度のセテアリルアルコールを含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約1%~3%(w/w)の濃度のセテアリルアルコールを含み得る。
【0119】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~10%(w/w)の濃度のセテアレス-20および/またはセテアレス-30を含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約2%~5%(w/w)の濃度のセテアリルアルコールを含み得る。
【0120】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~10%(w/w)の濃度のTween乳化剤を含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約4%~7%(w/w)の濃度のTween乳化剤を含み得る。
【0121】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~10%(w/w)の濃度のアルコールアルコキシレートを含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約4%~7%(w/w)の濃度のアルコールアルコキシレートを含み得る。
【0122】
好ましい実施形態では、組成物は、約1%~15%(w/w)の濃度のアルコールエトキシレートを含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約5%~10%、4%~8%または5%~7%(w/w)の濃度のアルコールエトキシレートを含み得る。
【0123】
好ましい実施形態では、組成物は、約0.2%~10%(w/w)の濃度のノニルフェニルエトキシレートを含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約0.5%~3%、3%~7%(w/w)の濃度のノニルフェニルエトキシレートを含む。
【0124】
本発明の非常に好ましい実施形態では、組成物は、約1%~10%(w/w)の濃度のEmulgade(登録商標)1000NI、約5%~15%(w/w)の濃度の塩化セトリモニウム、約4%~6%(w/w)の濃度のTween-80、約3%~6%(w/w)の濃度のTERIC(登録商標)N5、約0.5%~2%(w/w)の濃度のTERIC(登録商標)N9、約1%~5%(w/w)の濃度のEumulgin(登録商標)B3、および約4%~6%(w/w)の濃度のTERIC(登録商標)BL8からなる群から選択される少なくとも2種の乳化剤を含み得る。
【0125】
本発明の非常に好ましい実施形態では、組成物は、約3%~5%(w/w)の濃度Emulgade(登録商標)1000NI、約6%~12%(w/w)の濃度の塩化セトリモニウム、約0.5%~2%(w/w)の濃度のTERIC(登録商標)N9、約4%~6%(w/w)の濃度のEumulgin(登録商標)B3、および約4%~6%(w/w)の濃度のTERIC(登録商標)16A30(登録商標)からなる群から選択される少なくとも2種の乳化剤を含み得る。
【0126】
油は、毛髪と一緒に使用するのに好適な任意の油であり得、任意の数の異なる油の任意の混合物であり得る。好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも30%(w/w)の油を含み得る。
【0127】
本発明の組成物中の油は、任意の油脂植物に由来する任意の油であり得、任意の数の異なる植物油の任意の混合物であり得る。好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%(w/w)の植物油を含み得る。
【0128】
好ましい実施形態では、組成物は、約15%~20%、15%~25%、20%~25%、または25%~30%(w/w)の植物油を含み得る。
【0129】
使用される植物油は、天然保湿特性を有する油であり得る。本発明の好ましい実施形態では、全植物油は、ヤシ油、シア油/バター、オリーブ油、アーモンド油、ハッカ油、杏仁油、トゥルシー油、レモングラス油、ラベンダー油、ヒマワリ種子油、小麦胚芽油、アルガン油、ツバキ油、ヒマ種子油、マカダミア油、メドウフォーム種子油、麻実油、ホホバ油、ブドウ種子油、マルーラ油、米糠油、アボカド油、ラズベリー種子油、柑橘油およびニンジン種子油からなる群から選択される少なくとも1種の他の植物油を含む。
【0130】
本発明の実施形態では、組成物は、ヤシ油を含む。本発明の特に好ましい実施形態では、組成物は、最大20%(w/w)のヤシ油を含み得る。好ましい実施形態では、組成物は、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも7%、または少なくとも10%(w/w)のヤシ油を含み得る。
【0131】
本発明の好ましい実施形態では、ヤシ油に加えて、全植物油は、マカダミア油、シア油/バター、オリーブ油、ハッカ油、小麦胚芽油、マルーラ油、アルガン油、ツバキ油、ヒマ種子油、ホホバ油、ラズベリー種子油、およびニンジン種子油からなる群から選択される少なくとも1種の油を含む。
【0132】
本発明の別の実施形態では、組成物は、約10%~40%(w/w)の濃度の1種または複数種の乳化剤、約1%~15% (w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約15%~25%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、および約30%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤を含む、毛髪の状態を改変するための水分散性組成物である。
【0133】
本発明のさらに好ましい実施形態では、組成物は、約10%~20%(w/w)の濃度の1種または複数種のカチオン性ならびに/もしくは非イオン性乳化剤、約1%~5% (w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約15%~25%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、および約40%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤を含む、毛髪の状態を改変するための水分散性組成物である。
【0134】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約10%~20%(w/w)の濃度の1種または複数種のカチオン性ならびに/もしくは非イオン性乳化剤、約1%~5% (w/w)の濃度の硬化ヒマシ油、約15%~25%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、および約20%~45%(w/w)の濃度のグリセロールエステルを含む、毛髪の状態を改変するための水分散性組成物である。
【0135】
本発明の実施形態において、色改変組成物は、本明細書に記載の油をさらに含む。したがって、本発明の一実施形態では、組成物は、約1%~15%(w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約15%~25%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、約30%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤、および約5%~50%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、毛髪の色を改変するための水分散性組成物である。
【0136】
本発明の実施形態において、色改変組成物は、本明細書に記載の油をさらに含む。したがって、本発明の一実施形態では、組成物は、約1%~5%(w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約25%~35%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、約30%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤、および約0.5%~10%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、毛髪の色を改変するための水分散性組成物である。
【0137】
【0138】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約10%~20%(w/w)の総濃度の1種または複数種の乳化剤、約1%~5%(w/w)の濃度の脂質に富む増粘剤、約40%~45%(w/w)の濃度の水溶性有機レオロジー改変剤、および約1%~20%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、毛髪の色を改変するための水分散性組成物である。
【0139】
本発明の好ましい実施形態では、組成物は、約10%~20%(w/w)の総濃度の1種または複数種のカチオン性ならびに/もしくは非イオン性乳化剤、約1%~5% (w/w)の濃度の硬化ヒマシ油、約15%~35%(w/w)の濃度の1種または複数種の植物油、約20%~45%(w/w)の濃度のポリエチレングリコール、および約0.5%~30%(w/w)の濃度の色改変剤を含む、毛髪の色を改変するための水分散性組成物である。
【0140】
本発明の組成物はさらに、防腐剤、殺菌剤、皮膚軟化剤 、タンパク質抽出物、紫外線(UVR)濾過剤、芳香剤、活性剤、賦形剤、希釈剤および着色剤を含み得ることが当業者に理解されるであろう。
【0141】
本発明の組成物に使用される皮膚軟化剤は、毛幹からの水分の蒸発の防止を助け得る少なくとも部分的に防水性の層を毛幹上に形成するのを助け得る任意の化合物または組成物であり得る。皮膚軟化剤は、脂質系またはシリコーン系の皮膚軟化剤であり得る。本発明の組成物の実施形態では、0.5%~5%(w/w)の皮膚軟化剤が含まれる。 実施形態では、組成物は、皮膚軟化剤としての役割を果たすヤシ油またはその誘導体を含み得る。ヤシ油由来皮膚軟化剤の一般的な例は、セチオールC5である。本発明の他の実施形態では、組成物はさらに、毛幹上に疎水性層を形成することによって従来の皮膚軟化剤と同様の目的を果たし得る荷電ポリマー、特に、ポリクオタニウムポリマーなどのカチオン性ポリマーを含み得る。
【0142】
タンパク質抽出物は、毛髪上での使用に好適であり、毛幹の強化を助け得るタンパク質、ペプチドおよび/またはアミノ酸を含む任意の抽出物であり得る。
【0143】
タンパク質抽出物は、任意の加水分解されたタンパク質抽出物、シルク系のタンパク質抽出物、植物系のタンパク質抽出物であり得、加水分解シルク、ケラチン、小麦タンパク質、コラーゲンおよび大豆タンパク質などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物の実施形態では、0.5%~5%(w/w)のタンパク質抽出物が含まれる。
【0144】
本発明のテーブルに使用される防腐剤は、組成物の微生物増殖および分解の防止を助ける任意の物質であり得る。
【0145】
防腐剤は、抗菌剤または抗酸化剤であり得る。本発明の好ましい実施形態では、組成物は、0.5%~5%(w/w)の濃度の防腐剤を含み得る。より好ましくは、組成物は、1%~3%(w/w)の濃度の防腐剤を含み得る。
【0146】
本発明の組成物に使用されるUVR濾過剤は、UVRを吸収、遮断または反射する能力を有する任意の化合物であり得、UVRは、約280nm~約400nmの範囲内の波長で生じる。この波長域がUVA波長域およびUVB波長域の両方を包含することは、当業者に理解されるであろう。
【0147】
UVR濾過剤は主に、UVAもしくはUVBを吸収、遮断もしくは反射し得る、またはUVA範囲およびUVB範囲の両方の範囲内の波長で生じるUVRを吸収、遮断もしくは反射する広域スペクトルUVR濾過剤であり得る。
【0148】
UVR濾過剤は、化学的日焼け防止剤または物理的日焼け防止剤であり得る。組成物に使用されるUVR濾過剤(単数または複数)の選択は、安全上および規制上の配慮、薬剤が液体であるか固体であるかということ、および水溶性化粧品組成物を形成するために他の成分と組み合わせられるUVR濾過剤(複数可)の性質などの要因に影響されるであろう。
定義
【0149】
本発明の文脈において、「含む(comprise)、(comprising)」などの語は、排他的な意味ではなく、包括的な意味、すなわち「含むが、それに限定されない」という意味で解釈されるべきである。
本発明の好ましい形態
【0150】
以下の実施例を参照しながら本発明について説明するが、これらの実施例はあらゆる点で例示的かつ非限定的であると考えるべきである。洗浄組成物および処理組成物に好適な製剤の例を、シャワーヘッドおよび本発明の組成物を使用する推奨される処理手順の詳細と共に以下に示す。
毛髪改質用組成物
【0151】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の一例は、12~13%(w/w)の乳化剤、40~45%(w/w)のレオロジー改変剤、2.5~3%(w/w)の増粘剤、15~25%(w/w)の油、および6~8%(w/w)の色改変剤を含み、色改変剤は、セミパーマネント染料であり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0152】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、10~15%(w/w)の乳化剤、40~45%(w/w)のレオロジー改変剤、2.5~3%(w/w)の増粘剤、15~25%(w/w)の油、および0.1~3%(w/w)の色改変剤を含み、色改変剤は、セミパーマネント染料もしくはデミパーマネント染料またはそれらの組み合わせであり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0153】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態のさらなる例では、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオール-C5、 約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、約3%(w/w)の非イオン性界面活性剤、および約24%(w/w)の植物油を含み、錠剤は、約3%(w/w)のアルガン油および約0.1~3%(w/w)の直接染料を含み、直接染料は、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、または一時染料、それらの組み合わせであり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0154】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の一例は、12~13%(w/w)の乳化剤、40~45%(w/w)のレオロジー改変剤、2.5~3%(w/w)の増粘剤、20~30%(w/w)の油、および6~8%(w/w)の色改変剤を含み、色改変剤は、セミパーマネント染料であり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0155】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態の別の例は、14~18%(w/w)の乳化剤、40~45%(w/w)のレオロジー改変剤、2.5~3%(w/w)の増粘剤、約25%(w/w)の植物油、および0.1~3%(w/w)の色改変剤を含み、色改変剤は、セミパーマネント染料もしくはデミパーマネント染料またはそれらの組み合わせであり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0156】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、14~18%(w/w)の乳化剤、40~45%(w/w)のレオロジー改変剤、2.5~3%(w/w)の増粘剤、約25%(w/w)の植物油、および0.1~3%(w/w)の色改変剤を含み、色改変剤は、永久染料、セミパーマネント染料もしくはデミパーマネント染料またはそれらの組み合わせであり、組成物は、多孔質袋内で使用するための造粒物として調製される。
【0157】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物のさらなる例は、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約4%(w/w)のヤシ油、約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、約3%(w/w)の非イオン性界面活性剤、約10%(w/w)のカチオン性界面活性剤、および約25%(w/w)の植物油を含み、植物油は、少なくともオリーブ油ならびに/もしくはヒマシ油ならびに/もしくはアルガン油、および約1~2%(w/w)の全直接染料を含み、直接染料は、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、または一時染料、それらの組み合わせであり、組成物は、多孔質袋内で使用するための粉末もしくは造粒物として調製される。
【0158】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)のSABOWAX ELH 40、 および約25~35%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のEumulgin(登録商標)B3、および約0.1~3%(w/w)の直接染料を含み、直接染料は、セミパーマネント染料、デミパーマネント染料、または一時染料、それらの組み合わせであり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0159】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物のさらに別の例は、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)のPEG-40、および約25~35%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のEumulgin(登録商標)B3、および約1~2%(w/w)の色改変剤を含み、組成物は、多孔質袋内で使用するための粉末もしくは造粒物として調製される。
【0160】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)のPEG-40、 および約25~35%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のEumulgin(登録商標)B3、約2%(w/w)のタンパク質、および約0.1~3%(w/w)の染料もしくは顔料を含み、染料もしくは顔料は、永久染料もしくは顔料、セミパーマネント染料もしくは顔料、デミパーマネント染料もしくは顔料、または一時染料もしくは顔料、それらの組み合わせであり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0161】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、4.5%(w/w)のセテアリルアルコールならびにセテアレス-20、 約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、および約15~25%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のセテアレス、約2%(w/w)のタンパク質、および約2~7%(w/w)の染料もしくは顔料を含み、染料もしくは顔料は、永久染料もしくは顔料、セミパーマネント染料もしくは顔料、デミパーマネント染料もしくは顔料、または一時染料もしくは顔料、それらの組み合わせであり、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0162】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)のSABOWAX ELH 40、および約25~35%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のEumulgin(登録商標)B3、約2%(w/w)のタンパク質、および約0.5%(w/w)の塩基性赤51直接染料、0.18%(w/w)の塩基性青124直接染料、および1%(w/w)の塩基性黄87直接染料を含み、組成物は、多孔質袋内で使用するための粉末もしくは造粒物として調製される。
【0163】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、4.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、および約25~35%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のEumulgin(登録商標)B3、約2%(w/w)のタンパク質、および約0.5%(w/w)の塩基性赤51直接染料、0.18%(w/w)の塩基性青124直接染料、および1%(w/w)の塩基性黄87直接染料を含み、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0164】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物のさらなる例は、4.5%(w/w)のセテアリルアルコールならびにセテアレス-20、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、および約15~25%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のセテアレス -30、約2.5%(w/w)のタンパク質、および約2.5%(w/w)の塩基性橙31直接染料、0.15%(w/w)の塩基性紫2直接染料、3%(w/w)の塩基性黄87直接染料、および1.5%(w/w)の塩基性赤51直接染料を含み、組成物は、多孔質袋内で使用するための粉末もしくは造粒物として調製される。
【0165】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の別の例は、4.5%(w/w)のセテアリルアルコールならびにセテアレス-20、約44%(w/w)のPEG-4000、約2.5%(w/w)の硬化ヒマシ油、および約15~25%(w/w)の全植物油、約10%(w/w)の塩化セトリモニウム、約4%(w/w)のヤシ油もしくはセチオールC5、約3%(w/w)のセテアレス -30、約2.5%(w/w)のタンパク質、および約2.5%(w/w)の塩基性橙31直接染料、0.15%(w/w)の塩基性紫2直接染料、3%(w/w)の塩基性黄87直接染料、および1.5%(w/w)の塩基性赤直接染料を含み、組成物は、半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される。
【0166】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態の一例は、約3%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約29%(w/w)のPEG-4000、約7%(w/w)のセチオール-C5、約5%(w/w)のTween-80、約4.5%(w/w)の 塩化セトリモニウム 、約5%(w/w)のノニルフェニルエトキシレート、約5%(w/w)の硬化ヒマシ油、約1.3%(w/w)のフェノキシエタノール、約6%(w/w)のアルコールアルコキシレート、および約20%(w/w)の植物油を含み、組成物は、約8%(w/w)のアルガン油を含む。
【0167】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態の一例は、約4%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約42%(w/w)のPEG-4000、約5%(w/w)のセチオール-C5、約7%(w/w)の 塩化セトリモニウム 、約3%(w/w)のセテアレス-50、約2% (w/w)の硬化ヒマシ油、および約22%(w/w)の植物油を含み、組成物は、約2%(w/w)のアルガン油を含む。
【0168】
本発明の流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態の一例は、約5.5%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約34%(w/w)のPEG-4000、約8%(w/w)のセチオール-C5、約5%(w/w)のセチオール-C5、約5.5%(w/w)の 塩化セトリモニウム 、約1%(w/w)のTERIC(登録商標)N9、約10%(w/w)の硬化ヒマシ油、約2.5%(w/w)のフェノキシエタノール、約5%(w/w)のTERIC(登録商標)N5、約5%(w/w)のメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、および約15%(w/w)の植物油を含む。
【0169】
流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態の一例は、約4%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約40%(w/w)のPEG-4000、約4%(w/w)のセチオール-C5、約6%(w/w)の 塩化セトリモニウム 、約7%(w/w)のノニルフェニルエトキシレート、約11%(w/w)の硬化ヒマシ油、約2.5%(w/w)のフェノキシエタノール、および約16%(w/w)の植物油を含む。
【0170】
流動水源と共に使用するための色改変水分散性組成物の好ましい実施形態の一例は、約4%(w/w)のEmulgade(登録商標)1000NI、約42%(w/w)のPEG-4000、約7%(w/w)の塩化セトリモニウム 、約2%(w/w)の硬化ヒマシ油、および約25%(w/w)の植物油を含む。
毛髪改質用組成物の製造方法
【0171】
最初に、1種または複数種の直接染料を塩化セトリモニウムと約80℃で約20分間混合することによって本発明の色改変組成物を調製した。この混合物に、Emulgade 1000NI、任意選択でシアバターならびにヤシ油、PEG-4000S、Eumulgin B3、およびPEG-40を添加した後、約80℃で約20分間再度混合する。次に、この混合物に1種または複数種の植物油を添加した後、約80℃で約5分間再度混合し、混合物を60℃まで冷却する。次に、この混合物に1種または複数種の皮膚軟化剤および/またはケラチンを添加した後、約60℃で約15分間再度混合し、組成物が半固体状の水崩壊性テーブルにプレス加工される前に、混合物を52℃まで冷却する。
毛髪着色方法
【0172】
本発明の好ましい実施形態では、上述の水分散性組成物をシャワーヘッドに添加するステップと、一定量の水分散性色/状態改変剤を、連続した一定量の流水分散性色/状態改変剤として毛髪に塗布するステップとを含む毛髪着色方法がさらに提供される。
【0173】
特定の実施例を参照しながら本発明について説明してきたが、本発明は多くの他の形態で具現化され得ることが当業者には理解されよう。
【国際調査報告】