(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】結晶共振器と制御回路の集積構造及びその集積方法
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
H01L25/08 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527175
(86)(22)【出願日】2019-11-05
(85)【翻訳文提出日】2021-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2019115649
(87)【国際公開番号】W WO2020134599
(87)【国際公開日】2020-07-02
(31)【優先権主張番号】201811643179.7
(32)【優先日】2018-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519437928
【氏名又は名称】中芯集成電路(寧波)有限公司上海分公司
【氏名又は名称原語表記】NINGBO SEMICONDUCTOR INTERNATIONAL CORPORATION(SHANGHAI BRANCH)
【住所又は居所原語表記】Room 309, Area C, F3, Building 1,No.95, Lane 85, Cailun Road, China(Shanghai) Pilot Free Trade Zone, Shanghai 201210 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秦 暁珊
(57)【要約】
結晶共振器と制御回路の集積構造及びその集積方法であって、制御回路が形成されるデバイスウェハ(100)に下キャビティ(120)を形成し、基板(300)に上キャビティ(310)を形成し、結合プロセスを利用してデバイスウェハ(100)と基板(300)とを結合することにより、圧電共振片をデバイスウェハ(100)と基板(300)との間に挟持し、それにより、結晶共振器と制御回路とを集積して設けることを実現する。また、半導体チップ(700)を同じデバイスウェハ(100)の背面にさらに結合してもよい。
【選択図】
図2n
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶共振器と制御回路の集積方法であって、
制御回路が形成されるデバイスウェハを提供するステップと、
前記デバイスウェハの背面に位置する開口を有する下キャビティを前記デバイスウェハに形成するステップと、
基板を提供し、前記基板をエッチングすることにより、前記下キャビティに対応して設けられる結晶共振器の上キャビティを形成するステップと、
上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含む圧電共振片を形成するステップであって、前記上電極、前記圧電ウェハ及び前記下電極が前記デバイスウェハの背面及び前記基板のうちのいずれか1つに形成されるステップと
前記デバイスウェハまたは前記基板上に第1接続構造を形成するステップと、
前記デバイスウェハの背面に前記基板を結合することにより、前記圧電共振片を前記デバイスウェハと前記基板との間に位置させ、前記上キャビティ及び前記下キャビティをそれぞれ前記圧電共振片の両側に位置させ、前記第1接続構造を介して前記圧電共振片の前記上電極及び前記下電極をいずれも前記制御回路に電気的に接続するステップと
前記デバイスウェハの正面に半導体チップを結合し、第2接続構造を形成するステップであって、前記半導体チップが前記第2接続構造を介して前記制御回路に電気的に接続されるステップとを含む、ことを特徴とする結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項2】
前記デバイスウェハは、ベースウェハーと、前記ベースウェハー上に形成される誘電体層とを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項3】
前記ベースウェハーは、絶縁体上シリコン基板であり、背面から正面への方向に沿って順に積層して設けられるベース層と、埋込酸化層と、トップシリコン層とを含む、ことを特徴とする請求項2に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項4】
前記下キャビティを形成するステップは、前記デバイスウェハの正面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記結晶共振器の下キャビティを形成し、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化することにより、前記下キャビティを露出させ、前記デバイスウェハの正面にキャッピング基板を結合することにより、前記デバイスウェハの正面における前記下キャビティの開口を封止するステップを含み、
又は、前記下キャビティを形成するステップは、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記結晶共振器の下キャビティを形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項5】
前記デバイスウェハは、絶縁体上シリコン基板を含み、背面から正面への方向に沿って順に積層して設けられるベース層と、埋込酸化層と、トップシリコン層とを含み、
背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記下キャビティを形成する前に、前記ベース層及び埋込酸化層を除去するステップと、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハ及び前記トップシリコン層をエッチングすることにより、前記下キャビティを形成するステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項6】
前記圧電共振片が前記デバイスウェハの背面または前記基板上に形成され、又は、前記圧電共振片の前記下電極が前記デバイスウェハの背面に形成され、前記圧電共振片の前記上電極及び前記圧電ウェハが順に前記基板上に形成され、又は、前記圧電共振片の前記下電極及び前記圧電ウェハが順に前記デバイスウェハの背面に形成され、前記圧電共振片の前記上電極が前記基板上に形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項7】
前記圧電共振片を前記デバイスウェハの背面に形成するステップは、
前記デバイスウェハの背面の設定位置に下電極を形成するステップと、
前記圧電ウェハを前記下電極に結合するステップと、
前記圧電ウェハ上に前記上電極を形成するステップとを含むか、又は、
前記圧電共振片の前記上電極及び前記下電極を前記圧電ウェハ上に形成し、これらの三者を一体として前記デバイスウェハの背面に結合するステップを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項8】
前記圧電共振片を前記基板上に形成するステップは、
前記基板表面の設定位置に前記上電極を形成するステップと、
前記圧電ウェハを前記上電極に結合するステップと、
前記圧電ウェハ上に前記下電極を形成するステップとを含むか、又は、
前記圧電共振片の前記上電極及び前記下電極を前記圧電ウェハ上に形成し、これらの三者を一体として前記基板上に結合するステップを含む、ことを特徴とする請求項6に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項9】
前記下電極を形成するステップは、蒸着プロセスまたは薄膜堆積プロセスを含み、
前記上電極を形成するステップは、蒸着プロセスまたは薄膜堆積プロセスを含む、ことを特徴とする請求項8または9に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項10】
前記上電極が前記基板上に形成され、前記下電極が前記デバイスウェハの背面に形成され、前記上電極及び前記下電極が蒸着プロセス又は薄膜堆積プロセスを利用して形成され、前記圧電ウェハが前記上電極又は前記下電極に結合される、ことを特徴とする請求項6に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項11】
前記制御回路は、第1相互接続構造と第2相互接続構造とを含み、前記第1接続構造は、第1接続部材と第2接続部材とを含み、
前記第1接続部材が前記第1相互接続構造及び前記圧電共振片の前記下電極に接続され、前記第2接続部材が前記第2相互接続構造及び前記圧電共振片の前記上電極に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項12】
前記下電極を形成する前に、前記第1接続部材を形成し、
前記第1接続部材は、両端がそれぞれ前記第1相互接続構造及び前記下電極に電気的に接続されるように前記デバイスウェハに位置する第1導電プラグを含み、
又は、前記第1接続部材は、前記デバイスウェハに位置する第1導電プラグと、前記デバイスウェハの背面に位置するとともに前記第1導電プラグの一端に電気的に接続される第1接続線とを含み、前記第1導電プラグの他端が前記第1相互接続構造に電気的に接続され、前記第1接続線が前記下電極に電気的に接続され、
又は、前記第1接続部材は、前記デバイスウェハに位置する第1導電プラグと、前記デバイスウェハの正面に位置するとともに前記第1導電プラグの一端に電気的に接続される第1接続線とを含み、前記第1導電プラグの他端が前記下電極に電気的に接続され、前記第1接続線が前記第1相互接続構造に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項11に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項13】
前記第1導電プラグと、前記デバイスウェハの正面に位置する前記第1接続線とを有する前記第1接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの正面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第1接続穴を形成するステップと、
前記第1接続穴に導電性材料を充填することにより、前記第1導電プラグを形成するステップと、
前記第1導電プラグ及び前記第1相互接続構造に接続される前記第1接続線を前記デバイスウェハの正面に形成するステップと、
前記圧電共振片の前記下電極に電気的に接続するように、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記第1導電プラグを露出させるステップとを含み、
又は、前記第1導電プラグと、前記デバイスウェハの正面に位置する前記第1接続線とを有する前記第1接続部材を形成するステップは、
前記第1相互接続構造に電気的に接続される前記第1接続線を前記デバイスウェハの正面に形成するステップと、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記デバイスウェハを貫通して、前記第1接続線を露出させる第1接続穴を形成するステップと、
前記第1接続穴に導電性材料を充填することにより、一端が前記第1接続線に接続され、他端が前記圧電共振片の前記下電極に電気的に接続されるための第1導電プラグを形成するステップとを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項14】
前記第1導電プラグと、前記デバイスウェハの背面に位置する前記第1接続線とを有する前記第1接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの正面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第1接続穴を形成するステップと、
前記第1接続穴に導電性材料を充填することにより、前記第1相互接続構造に電気的に接続される第1導電プラグを形成するステップと、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記第1導電プラグを露出させるステップと、
一端が前記第1導電プラグに接続され、他端が前記下電極に電気的に接続されるための前記第1接続線を前記デバイスウェハの背面に形成するステップとを含み、
又は、前記第1導電プラグと、前記デバイスウェハの背面に位置する前記第1接続線とを有する前記第1接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第1接続穴を形成するステップと、
前記第1接続穴に導電性材料を充填することにより、前記第1相互接続構造に電気的に接続される第1導電プラグを形成するステップと、
一端が前記第1導電プラグの他端に接続され、他端が前記下電極に電気的に接続されるための第1接続線を前記デバイスウェハの背面に形成するステップとを含む、ことを特徴とする請求項12に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項15】
前記デバイスウェハの背面に前記下電極を形成した後に、前記下電極がさらに前記圧電ウェハの下方から伸出して前記第1導電プラグに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項12に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項16】
前記上電極を形成する前に、前記第2接続部材を形成し、
前記第2接続部材は、両端がそれぞれ前記第2相互接続構造及び前記上電極に電気的に接続されるように前記デバイスウェハに位置する第2導電プラグを含み、
又は、前記第2接続部材は、前記デバイスウェハに位置する第2導電プラグと、前記デバイスウェハの背面に位置するとともに前記第2導電プラグの一端に電気的に接続される第2接続線とを含み、前記第2導電プラグの他端が前記第2相互接続構造に電気的に接続され、前記第2接続線が前記上電極に電気的に接続され、
又は、前記第2接続部材は、前記デバイスウェハに位置する前記第2導電プラグと、前記デバイスウェハの正面に位置するとともに前記第2導電プラグの一端に電気的に接続される前記第2接続線とを含み、前記第2導電プラグの他端が前記上電極に電気的に接続され、前記第2接続線が前記第2相互接続構造に電気的に接続される、ことを特徴とする請求項11に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項17】
前記第2導電プラグと、前記デバイスウェハの正面に位置する前記第2接続線とを有する前記第2接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの正面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第2接続穴を形成するステップと、
前記第2接続穴に導電性材料を充填することにより、前記第2導電プラグを形成するステップと、
前記第2導電プラグ及び前記第2相互接続構造に接続される前記第2接続線を前記デバイスウェハの正面に形成するステップと、
前記圧電共振片の前記上電極に電気的に接続するように、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記第2導電プラグを露出させるステップとを含み、
又は、前記第2導電プラグと、前記デバイスウェハの正面に位置する前記第2接続線とを有する前記第2接続部材を形成するステップは、
前記第2相互接続構造に電気的に接続される前記第2接続線を前記デバイスウェハの正面に形成するステップと、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記デバイスウェハを貫通して、前記第2接続線を露出させる第2接続穴を形成するステップと、
前記第2接続穴に導電性材料を充填することにより、一端が前記第2接続線に接続され、他端が前記圧電共振片の前記上電極に電気的に接続されるための前記第2導電プラグを形成するステップとを含む、ことを特徴とする請求項16に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項18】
前記第2導電プラグと、前記デバイスウェハの背面に位置する前記第2接続線とを有する前記第2接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの正面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第2接続穴を形成するステップと、
前記第2接続穴に導電性材料を充填することにより、前記第2相互接続構造に電気的に接続される前記第2導電プラグを形成するステップと、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記第2導電プラグを露出させるステップと、
一端が前記第2導電プラグに接続され、他端が前記上電極に電気的に接続されるための前記第2接続線を前記デバイスウェハの背面に形成するステップとを含み、
又は、前記第2導電プラグと、前記デバイスウェハの背面に位置する前記第2接続線とを有する前記第2接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記第2接続穴を形成するステップと、
前記第2接続穴に導電性材料を充填することにより、一端が前記第2相互接続構造に電気的に接続されるための前記第2導電プラグを形成するステップと、
一端が前記第2導電プラグの他端に接続され、他端が前記上電極に電気的に接続されるための前記第2接続線を前記デバイスウェハの背面に形成するステップとを含む、ことを特徴とする請求項16に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項19】
前記圧電ウェハを前記デバイスウェハの背面に形成し、前記デバイスウェハに前記上電極を形成する前に、前記第2接続部材を形成するステップは、
前記デバイスウェハの背面に樹脂封止層を形成するステップと、
前記樹脂封止層に貫通穴を形成し、前記貫通穴に導電性材料を充填することにより、底部が前記第2導電プラグに電気的に接続され、頂部が前記樹脂封止層において露出する第3導電プラグを形成するステップと、
前記デバイスウェハ上に前記上電極を形成した後に、前記上電極が前記第3導電プラグに電気的に接続されるように前記上電極を前記圧電ウェハから前記第3導電プラグの頂部まで伸出するステップと、又は、前記デバイスウェハ上に前記上電極を形成した後に、一端が前記上電極を被覆し、他端が前記第3導電プラグを被覆する相互接続線を前記樹脂封止層上に形成するステップとをさらに含む、ことを特徴とする請求項16に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項20】
前記上電極及び前記圧電ウェハを順に前記基板上に形成し、前記デバイスウェハと前記基板とを結合する前に、前記第2接続部材を形成するステップは、
前記基板の表面に樹脂封止層を形成するステップと、
前記樹脂封止層に、前記上電極を露出させる貫通穴を開設し、前記貫通穴に導電性材料を充填することにより、一端が前記上電極に電気的に接続される第3導電プラグを形成するステップと、
前記デバイスウェハと前記基板とを結合するとき、前記第3導電プラグの他端を前記第2導電プラグに電気的に接続するステップとを含む、ことを特徴とする請求項16に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項21】
前記第2接続構造の形成を形成するステップは、
底部が前記制御回路に電気的に接続され、頂部が前記半導体チップに電気的に接続されるための接触パッドを前記デバイスウェハの正面に形成するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項22】
前記デバイスウェハと前記基板とを結合するステップは
前記デバイスウェハ及び/または前記基板上に接着層を形成し、前記接着層を用いて前記デバイスウェハと前記基板とを相互に結合するステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項23】
まず、前記デバイスウェハの背面に前記基板を結合し、続いて前記デバイスウェハの正面に前記半導体チップを結合し、
又は、まず、前記デバイスウェハの正面に前記半導体チップを結合し、続いて前記デバイスウェハの背面に前記基板を結合する、ことを特徴とする請求項1に記載の結晶共振器と制御回路の集積方法。
【請求項24】
結晶共振器と制御回路の集積構造であって、
制御回路及び背面に位置する開口を有する下キャビティが形成されるデバイスウェハと、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハ上に結合され、開口が前記下キャビティの開口に対向して設けられる上キャビティが形成される基板と、
上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含み、前記デバイスウェハと前記基板との間に位置し、両側がそれぞれ前記下キャビティ及び前記上キャビティに対応する圧電共振片と、
前記圧電共振片の前記上電極及び前記下電極を前記制御回路に電気的に接続するための第1接続構造と、
前記デバイスウェハの正面に結合される半導体チップと、
前記半導体チップを前記制御回路に電気的に接続するための第2接続構造とを含む、ことを特徴とする結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項25】
前記デバイスウェハは、ベースウェハーと、前記ベースウェハー上に形成される誘電体層とを含む、ことを特徴とする請求項24に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項26】
前記制御回路は、第1相互接続構造と第2相互接続構造とを含み、前記第1接続構造は、第1接続部材と第2接続部材とを含み、
前記第1接続部材が前記第1相互接続構造及び前記圧電共振片の前記下電極に接続され、前記第2接続部材が前記第2相互接続構造及び前記圧電共振片の前記上電極に接続される、ことを特徴とする請求項24に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項27】
前記第1接続部材は、
前記デバイスウェハを貫通することにより、一端が前記デバイスウェハの正面まで延在するようにし、他端が前記デバイスウェハの背面まで延在して前記圧電共振片の前記下電極に電気的に接続されるようにする第1導電プラグを含む、ことを特徴とする請求項26に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項28】
前記第1接続部材は、第1接続線をさらに含み、
前記第1接続線は、前記デバイスウェハの正面に形成され、前記第1導電プラグ及び前記第1相互接続構造に接続され、
又は、前記第1接続線は、前記デバイスウェハの背面に形成され、前記第1導電プラグ及び前記下電極に接続される、ことを特徴とする請求項27に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項29】
前記下電極が前記デバイスウェハの背面に形成され、前記圧電ウェハから伸出して前記第1導電プラグに電気的に接続される、ことを特徴とする請求項27に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項30】
前記第2接続部材は、
前記デバイスウェハを貫通することにより、一端が前記デバイスウェハの正面まで延在して前記第2相互接続構造に電気的に接続され、他端が前記デバイスウェハの背面まで延在して前記圧電共振片の上電極に電気的に接続される第2導電プラグを含む、ことを特徴とする請求項26に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項31】
前記第2接続部材は、第2接続線をさらに含み、
前記第2接続線は、前記デバイスウェハの正面に形成され、前記第2導電プラグ及び前記第2相互接続構造に接続され、
又は、前記第2接続線は、前記デバイスウェハの背面に形成され、前記第2導電プラグ及び前記上電極に接続される、ことを特徴とする請求項30に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項32】
前記第2接続部材は、
前記デバイスウェハの背面に形成され、一端が前記上電極に電気的に接続され、他端が前記第2導電プラグに電気的に接続される第3導電プラグをさらに含む、ことを特徴とする請求項30に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項33】
前記第2接続部材は、
前記デバイスウェハの背面に形成され、底部が前記第2導電プラグに電気的に接続される第3導電プラグと、
一端が前記上電極を被覆し、他端が前記第3導電プラグの頂部を被覆する相互接続線とをさらに含む、ことを特徴とする請求項30に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【請求項34】
前記第2接続構造は、
底部が前記制御回路に電気的に接続され、頂部が前記半導体チップに電気的に接続される接触パッドを含む、ことを特徴とする請求項24に記載の結晶共振器と制御回路の集積構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体技術分野に関し、特に結晶共振器と制御回路の集積構造及びその集積方法に関する。
【背景技術】
【0002】
結晶共振器は、圧電結晶の逆圧電効果を利用して製造された共振デバイスであり、水晶発振器及びフィルタの重要な素子であり、高周波電子信号に幅広く適用され、正確なタイミング、周波数標準及びフィルタリングなどの測定及び信号処理システムに不可欠な周波数制御機能を実現する。
【0003】
半導体技術の絶えない発展、及び集積回路の普及に伴い、様々な素子のサイズが小型化する傾向がある。しかし、従来の結晶共振器は他の半導体素子と集積することが困難であるだけでなく、結晶共振器のサイズも大きい。
【0004】
たとえば、従来の一般的な結晶共振器は、表面実装型の結晶共振器を含み、具体的には、ベースと上部カバーを金属溶接(又は、接着剤)により接着することにより、密閉キャビティを形成し、結晶共振器の圧電共振片が前記密閉チャンバに位置し、圧電共振片の電極をパッド又はリード線を介して対応する回路に電気的に接続するようにする。以上に記載の結晶共振器によれば、そのデバイスサイズをさらに低減させにくく、形成される結晶共振器をさらに溶接又は接着により対応する集積回路に電気的に接続する必要があり、それにより、前記結晶共振器のサイズをさらに制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来の結晶共振器のサイズが大きく、集積されないという問題を解決するために、結晶共振器と制御回路の集積方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術課題を解決するために、本発明によれば、
制御回路が形成されるデバイスウェハを提供するステップと、
前記デバイスウェハの背面に位置する開口を有する下キャビティを前記デバイスウェハに形成するステップと、
基板を提供し、前記基板をエッチングすることにより、前記下キャビティに対応して設けられる結晶共振器の上キャビティを形成するステップと、
上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含む圧電共振片を形成するステップであって、前記上電極、前記圧電ウェハ及び前記下電極が前記デバイスウェハの背面及び前記基板のうちのいずれか1つに形成されるステップと
前記デバイスウェハまたは前記基板上に第1接続構造を形成するステップと、
前記デバイスウェハの背面に前記基板を結合することにより、前記圧電共振片を前記デバイスウェハと前記基板との間に位置させ、前記上キャビティ及び前記下キャビティをそれぞれ前記圧電共振片の両側に位置させ、前記第1接続構造を介して前記圧電共振片の前記上電極及び前記下電極をいずれも前記制御回路に電気的に接続するステップと
前記デバイスウェハの正面に半導体チップを結合し、第2接続構造を形成するステップであって、前記半導体チップが前記第2接続構造を介して前記制御回路に電気的に接続されるステップとを含む結晶共振器と制御回路の集積方法が提供される。
【0007】
本発明は、結晶共振器と制御回路の集積構造を提供することを他の目的とし、結晶共振器と制御回路の集積構造であって、
制御回路及び背面に位置する開口を有する下キャビティが形成されるデバイスウェハと、
前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハ上に結合され、開口が前記下キャビティの開口に対向して設けられる上キャビティが形成される基板と、
上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含み、前記デバイスウェハと前記基板との間に位置し、両側がそれぞれ前記下キャビティ及び前記上キャビティに対応する圧電共振片と、
前記圧電共振片の前記上電極及び前記下電極を前記制御回路に電気的に接続するための第1接続構造と、
前記デバイスウェハの正面に結合される半導体チップと、
前記半導体チップを前記制御回路に電気的に接続するための第2接続構造とを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る結晶共振器の集積方法では、制御回路が形成されるデバイスウェハにおいて、半導体平面プロセスにより下キャビティを製造し、下キャビティをデバイスウェハの背面から露出させることができ、それにより、圧電共振片をデバイスウェハの背面に形成することができ、このようにして、制御回路及び結晶共振器を同じデバイスウェハ上に集積することをさらに実現する。また、半導体チップを該デバイスウェハにさらに集積することができ、結晶共振器の集積度を大幅に向上させ、結晶共振器のパラメータ(たとえば、結晶共振器そのものの温度ドリフト及び周波数補正などの偏差)に対するオンチップ変調を実現することができ、結晶共振器の性能を向上させることに有利である。
【0009】
それで分かるように、本発明に係る結晶共振器は、結晶共振器を他の半導体デバイスに集積することを実現し、デバイスの集積度を向上させ、本発明に係る結晶共振器は、従来の結晶共振器(たとえば、表面実装型の結晶共振器)に比べて、サイズがより小さく、結晶共振器のコンパクト化を実現することに有利であり、製造コスト及び結晶共振器の電力消費を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の概略フローチャートである。
【
図2a】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2b】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2c】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2d】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2e】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2f】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2g】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2h】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2i】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2j】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2k】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2l】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2m】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図2n】本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図3a】本発明の実施例3での結晶共振器と制御回路の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図3b】本発明の実施例3での結晶共振器と制御回路の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図3c】本発明の実施例3での結晶共振器と制御回路の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図3d】本発明の実施例3での結晶共振器と制御回路の集積方法の製造過程での構造概略図である。
【
図4】本発明の一実施例での結晶共振器と制御回路の集積構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の核心思想は、結晶共振器と制御回路の集積構造及びその集積方法を提供することであり、半導体平面プロセスにより結晶共振器及び半導体チップをいずれも制御回路が形成されるデバイスウェハに集積する。一方、形成される結晶共振器のデバイスサイズをさらに減少させることができ、他方、さらに前記結晶共振器を他の半導体素子に集積することができ、デバイスの集積度を向上させることができる。
【0012】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して、本発明に係る結晶共振器と制御回路の集積構造及びその集積方法をさらに詳細に説明する。以下の説明にて、本発明の利点及び特徴はより明瞭になる。説明すべきものとして、図面はいずれも非常に簡略化された形式を採用しかついずれも非正確な比例を使用し、本発明の実施例の目的を容易で、明瞭かつ補助的に説明するためのものに過ぎない。
【0013】
図1は、本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の概略フローチャートであり、
図2a~
図2lは本発明の一実施例での結晶共振器の集積方法の製造過程での構造概略図である。以下、図面を参照しながら、本実施例で結晶共振器を形成する各ステップについて詳細に説明する。
【0014】
ステップS100では、具体的には、
図2aに示すように、制御回路110が形成されるデバイスウェハ100を提供する。
【0015】
具体的には、前記デバイスウェハ100は、相対する正面100Uと背面100Dとを有し、前記制御回路110は、複数の相互接続構造を含み、少なくとも一部の相互接続構造が前記デバイスウェハの正面まで延在している。前記制御回路110は、たとえば、この後に形成される圧電共振片に電気信号を印加するために用いられる。
【0016】
同じデバイスウェハ100に複数の結晶共振器を同時に製造してもよいため、前記デバイスウェハ100には、前記制御回路110が形成される複数のデバイス領域AAが対応して定義される。
【0017】
さらに、前記制御回路110は、第1の回路111と第2の回路112とを含み、前記第1の回路111及び第2の回路112は、この後に形成される圧電共振片の上電極及び下電極に電気的に接続されるために用いられる。
【0018】
続いて
図2aを参照し、前記第1の回路111は、第1のトランジスタと、第1相互接続構造111aと、第3の相互接続構造111bとを含み、前記第1のトランジスタが前記デバイスウェハ100に埋込され、前記第1相互接続構造111a及び第3の相互接続構造111bがいずれも前記第1のトランジスタに接続されるとともに、前記デバイスウェハ100の正面まで延在している。前記第1相互接続構造111aがたとえば前記第1のトランジスタのドレインに接続され、前記第2相互接続構造111bがたとえば前記第1のトランジスタのソースに接続される。
【0019】
同様に、前記第2の回路112は、第2のトランジスタと、第2相互接続構造112aと、第4の相互接続構造112bとを含み、前記第2のトランジスタが前記デバイスウェハ100に埋込され、前記第2相互接続構造112a及び第4の相互接続構造112bがいずれも前記第2のトランジスタに接続されるとともに、前記デバイスウェハ100の正面まで延在している。前記第2相互接続構造112aがたとえば前記第2のトランジスタのドレインに接続され、前記第4の相互接続構造112bがたとえば前記第2のトランジスタのソースに接続される。
【0020】
本実施例では、前記デバイスウェハ100は、ベースウェハー100Aと、前記ベースウェハー100A上に形成される誘電体層100Bとを含む。前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタがいずれも前記ベースウェハー100A上に形成され、前記誘電体層100Bが前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタに被覆され、前記第3の相互接続構造111b、前記第1相互接続構造111a、前記第2相互接続構造112a及び前記第4の相互接続構造112bがいずれも前記誘電体層100Bに形成されるとともに、前記誘電体層100Bの前記ベースウェハーから離れる面まで延在している。
【0021】
また、前記ベースウェハー100Aは、シリコンウェハーであってもよく、絶縁体上シリコン(silicon-on-insulator、SOI)であってもよい。前記ベースウェハー100Aが絶縁体上シリコンである場合、前記ベースウェハーは、具体的には、背面100Dから正面100Uへ順に積層して設けられるベース層101と、埋込酸化層102と、トップシリコン層103とを含んでもよい。
【0022】
なお、本実施例では、前記制御回路110の相互接続構造がデバイスウェハの正面100Uまで延在しているが、この後に形成される圧電共振片が前記デバイスウェハの背面100Dに設けられる。これに基づいて、後続のプロセスでは、第1接続構造を形成することで、制御回路110の信号ポートをデバイスウェハの正面からデバイスウェハの背面まで導出して、さらにこの後に形成される圧電共振片に電気的に接続することを実現する。
【0023】
具体的には、前記第1接続構造は、第1接続部材と第2接続部材とを含み、前記第1接続部材は、前記第1相互接続構造111aに接続され、この後に形成される圧電共振片の下電極に電気的に接続されるために用いられ、前記第2接続部材は、前記第2相互接続構造112aに接続され、この後に形成される圧電共振片の上電極に電気的に接続されるために用いられる。
【0024】
さらに、
図2b及び
図2cに示すように、前記第1接続部材は、両端がそれぞれ前記第1相互接続構造111a及びこの後に形成される下電極に電気的に接続されるための第1導電プラグ211aを含む。すなわち、前記第1導電プラグ211aを用いて、前記制御回路における第1相互接続構造111aの接続ポートを制御回路の正面から制御回路の背面に導出し、それにより、この後にデバイスウェハの背面に形成される下電極を制御回路の背面において前記制御回路に電気的に接続することができる。
【0025】
任意選択で、本実施例では、前記第1接続部材は、さらに、第1接続線221aを含んでもよく、前記第1接続線221aは、たとえば、前記デバイスウェハの正面に形成され、前記第1接続線221aの前記第1導電プラグ211aに接続される一端が前記第1相互接続構造、前記第1導電プラグ211aの他端が前記下電極に電気的に接続されるために用いられる。
【0026】
又は、他の実施例では、前記第1接続部材における第1接続線がデバイスウェハの背面に形成され、前記第1接続線の前記第1導電プラグ211aに接続される一端が前記下電極、前記第1導電プラグ211aの他端が前記制御回路の前記第1相互接続構造に電気的に接続される。
【0027】
同様に、前記第2接続部材は、両端がそれぞれ前記第2相互接続構造112a及びこの後に形成される上電極に電気的に接続されるための第2導電プラグ212aを含んでもよい。すなわち、前記第2導電プラグ212aを用いて、前記制御回路における第2相互接続構造112aの接続ポートを制御回路の正面から制御回路の背面に導出し、それにより、この後に形成されるデバイスウェハの背面の上電極を制御回路の背面において前記制御回路に電気的に接続することができる。
【0028】
本実施例では、前記第2接続部材は、さらに、第2接続線222aを含んでもよく、前記第2接続線222aは、たとえば前記デバイスウェハの正面に形成され、前記第2接続線222aの前記第2導電プラグ212aに接続される一端が前記第2相互接続構造、前記第2導電プラグ212aの他端が前記上電極に電気的に接続される。
【0029】
又は、他の実施例では、前記第2接続部材における第2接続線がデバイスウェハの背面に形成され、前記第2接続線の前記第2導電プラグ212aに接続される一端が前記上電極、前記第2導電プラグ212aの他端が前記制御回路の前記第2相互接続構造に電気的に接続される。
【0030】
前記第1接続部材における第1導電プラグ211a及び第2接続部材における第2導電プラグ212aが同じプロセスステップに形成されてもよく、第1接続部材における第1接続線221a及び第2接続部材における第2接続線222aが同じプロセスステップで同時に形成されてもよい。
【0031】
具体的には、本実施例では、第1の導電性プラグ211aと、デバイスウェハの正面に位置する第1接続線221aとを有する第1接続部材、及び第2の導電性プラグ212aと、デバイスウェハの正面に位置する第2接続線222aとを有する第2接続部材の形成方法は、以下のステップを含む。
【0032】
第1のステップ:前記デバイスウェハの正面から100U前記デバイスウェハ100をエッチングすることにより、第1接続穴及び第2接続穴を形成する。具体的には、前記第1接続穴及び第2接続穴の底部が前記制御回路の底部よりも前記デバイスウェハの背面100Dに近い。
【0033】
第2のステップ:具体的には、
図2bに示すように、前記第1接続穴及び前記第2接続穴に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aを形成する。
【0034】
本実施例では、前記第1導電プラグ211a及び前記第2導電プラグ212aの底部が前記制御回路よりも前記デバイスウェハの背面100Dに近い。具体的には、前記第1のトランジスタ111T及び前記第2のトランジスタ112Tは、前記トップシリコン層103に形成されるとともに、前記埋込酸化層102の上方に位置し、前記第1導電プラグ211a及び前記第2導電プラグ212aは、順に誘電体層100B及びトップシリコン層103を貫通し、前記埋込酸化層102に停止される。エッチングプロセスを実行して接続穴を形成するとき、エッチングプロセスのエッチング精度を正確に制御するために、前記埋込酸化層102をエッチング停止層として用いてもよいと考えることができる。
【0035】
第3のステップ:具体的には、
図2cに示すように、前記デバイスウェハ100の正面に第1接続線221a及び第2接続線222aを形成し、前記第1接続線221aが前記第1導電プラグ211a及び前記第1相互接続構造111aに接続され、前記第2接続線222aが前記第2導電プラグ212a及び前記第2相互接続構造112aに接続される。
【0036】
後続のプロセスでは、前記デバイスウェハの背面を薄型化した後に、それぞれ背面に形成される圧電共振片に電気的に接続するように、前記第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aを薄型化されたデバイスウェハ100の背面から露出させることができる。
【0037】
また、他の実施例では、前記第1接続部材における第1接続線及び第2接続部材における第2接続線がいずれもデバイスウェハの背面に形成されてもよく、この場合、第1導電プラグと第1接続線とを有する第1接続部材、及び第2導電プラグと第2接続線とを有する第2接続部材の形成方法は、たとえば、以下のステップを含む。
【0038】
まず、前記デバイスウェハの正面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第1接続穴及び第2接続穴を形成し、
続いて、前記第1接続穴及び第2接続穴に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1導電プラグ及び第2導電プラグを形成し、前記第1導電プラグが前記第1相互接続構造に電気的に接続され、前記第2導電プラグが第2相互接続構造に電気的に接続され、
続いて、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記第1導電プラグ及び第2導電プラグを露出させ、
続いて、前記デバイスウェハの背面に第1接続線及び第2接続線を形成し、前記第1接続線の一端が前記第1導電プラグに接続され、前記第1接続線の他端が前記下電極に電気的に接続されるために用いられ、前記第2接続線の一端が前記第2導電プラグに接続され、前記第2接続線の他端が前記上電極に電気的に接続されるために用いられる。
【0039】
なお、以上に記載の第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aは、第1接続線221a及び第2接続線222aを形成する前に、前記デバイスウェハの正面から製造される。なお、前記第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aは、続いて前記デバイスウェハを薄型化した後に、前記デバイスウェハの背面から製造されてもよいことを意識すべきである。デバイスウェハの背面から上記導電プラグを製造する方法については、続いて前記デバイスウェハを薄型化した後に、詳細に説明する。
【0040】
また、後続のプロセスでは、前記デバイスウェハ100の正面100Uに支持ウェハーを結合してもよい。従って、選択可能な解決手段では、前記第1接続線221a及び第2接続線222aを形成した後に、前記デバイスウェハ100の正面100Uに平坦化層600を形成することで、前記デバイスウェハ100の結合面をより平坦にするステップをさらに含む。
【0041】
具体的には、
図2cに示すように、前記平坦化層600がデバイスウェハ100の正面100U上に形成され、前記平坦化層600の面が第1接続線221a及び第2接続線222aより低くない。たとえば、前記平坦化層600を前記デバイスウェハ100、第1接続線221a及び第2接続線222aに被覆し、前記平坦化層600の面を平坦にするか、又は、前記平坦化層600を第1接続線221a及び第2接続線222aの面と面一にし、このようにして、デバイスウェハ100が平坦な結合面を有することができる。
【0042】
本実施例では、研磨プロセスを利用して前記平坦化層600を形成し、このとき、たとえば第1接続線221a及び第2接続線222aを研磨停止層とし、それにより、形成される平坦化層600の面、第1接続線221a及び第2接続線222aの面を面一にして、デバイスウェハ100の結合面を構成する。
【0043】
ステップS200では、具体的には、
図2d~
図2fに示すように、前記デバイスウェハの背面に位置する開口を有する下キャビティ120を前記デバイスウェハ100に形成する。
【0044】
本実施例では、前記下キャビティ120の形成方法は、たとえば、ステップS210及びステップS220を含む。
【0045】
ステップS210では、具体的には、
図2dに示すように、前記デバイスウェハ100の正面から前記デバイスウェハ100をエッチングすることにより、前記結晶共振器の下キャビティ120を形成する。
【0046】
具体的には、前記下キャビティ120が前記デバイスウェハ100の正面100Uから前記デバイスウェハ100の内部へ延在しており、前記下キャビティ120の底部が前記制御回路110の底部よりも前記デバイスウェハの背面100Dに近い。
【0047】
本実施例では、前記下キャビティ120を形成するとき、前記平坦化層600、誘電体層100B及びトップシリコン層103を順にエッチングし、前記埋込酸化層102にエッチングを停止することにより、前記下キャビティ120を形成する。
【0048】
すなわち、エッチングプロセスを実行することにより、第1接続穴及び第2接続穴を形成し、さらに第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aを製造し、エッチングプロセスを実行して下キャビティ120を形成するとき、埋込酸化層102をエッチング停止層として用いることができ、形成される複数の導電プラグの底部を前記下キャビティ120の底部と同じまたは近い深さの位置に位置させることができる。このようにして、後続のプロセスでは、デバイスウェハ100の背面100Dからデバイスウェハに対して薄型化プロセスを行うとき、第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212a及び下キャビティ120をすべて露出できることを確保することができる。
【0049】
なお、図面は、下キャビティ120、第1の回路及び第2の回路の間の位置関係を概略的に示すものに過ぎない。なお、具体的な技術手段では、実際な回路のレイアウトに基づいて、第1の回路及び第2の回路の配列形態を対応調整してもよいことを意識すべきである。ここで、限定しない。
【0050】
ステップS220では、具体的には、
図2e及び
図2fに示すように、前記下キャビティ120を露出させるまで、前記デバイスウェハ100の背面100Dから前記デバイスウェハ100を薄型化する。
【0051】
前述したように、前記下キャビティ120の底部が埋込酸化層102まで延在しているため、前記デバイスウェハを薄型化するとき、前記ベース層101及び前記埋込酸化層102を前記トップシリコン層103まで順に薄型化して、前記下キャビティ120を露出させる。本実施例では、前記第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aの底部がいずれも埋込酸化層102まで延在しているため、前記デバイスウェハを薄型化した後に、さらに第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aを露出させることで、露出される複数の導電プラグをこの後に形成される圧電共振片及び半導体チップに電気的に接続できるようにする。
【0052】
選択可能な解決手段では、具体的には、
図2eに示すように、前記デバイスウェハ100を薄型化する前に、前記デバイスウェハ100の正面に支持ウェハー400を結合してもよく、それにより、前記支持ウェハー400の支持作用下で前記デバイスウェハ100を薄型化することができる。前記支持ウェハー400を用いて、前記下キャビティのデバイスウェハの正面に露出される開口を密閉してもよい。
【0053】
なお、本実施例では、前記下キャビティ120の形成方法は、正面からデバイスウェハ100をエッチングし、背面から前記デバイスウェハ100を薄型化することで、下キャビティ120の開口をデバイスウェハ100の背面から露出させることである。
【0054】
又は
図4に示すように、他の実施例では、前記下キャビティ120の形成方法は、さらに、前記デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記結晶共振器の下キャビティ120を形成することであってもよい。他の実施例では、デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングする前に、まず前記デバイスウェハを薄型化してもよい。
【0055】
図4を重点的に参照して、1つの具体的な実施例では、デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、下キャビティを形成する方法は、たとえば以下のステップを含む。
【0056】
まず、デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハを薄型化し、前記ベースウェハーが絶縁体上シリコンである場合、前記デバイスウェハを薄型化するとき、前記ベースウェハーのベース層及び埋込酸化層を順に除去してもよく、当然ながら、選択可能で、前記デバイスウェハを薄型化するとき、前記ベース層の一部を除去するか、又は、前記埋込酸化層を露出させるまで、前記ベース層の全部を除去してもよい、などであり、
続いて、デバイスウェハの背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、前記下キャビティを形成する。なお、前記デバイスウェハをエッチングすることにより、下キャビティを形成する深さは、実際ニーズに応じて調整されてもよく、ここで限定されない。たとえば、前記デバイスウェハを薄型化してトップシリコン層103を露出させるとき、前記トップシリコン層103をエッチングしてトップシリコン層に下キャビティを形成してもよいし、又は、形成される下キャビティ120が前記トップシリコン層103から前記誘電体層100Bまで延在するように、前記トップシリコン層をエッチングしてさらに前記誘電体層100Bをエッチングしてもよい。
【0057】
また、前述したように、他の実施例では、第1接続部材における第1導電プラグ211a、第2接続部材における第2導電プラグ212aは、前記デバイスウェハを薄型化してデバイスウェハを形成した後に、デバイスウェハ100の背面から製造されてもよい。
【0058】
具体的には、デバイスウェハ100の正面に第1接続線及び第2接続線を形成し、デバイスウェハ100の背面から第1の導電性プラグ211a及び第2の導電性プラグ212aを製造し、第1の導電性プラグ211aと第1接続線221aとを接続し、第2の導電性プラグ212aと第2接続線222aとを接続する方法は、以下のステップを含む。
【0059】
まず、前記支持ウェハー400を結合する前に、前記デバイスウェハ100の正面に第1接続線221a及び第2接続線222aを形成し、
前記第1接続線221aが前記第1相互接続構造111aに電気的に接続され、前記第2接続線222aが前記第2相互接続構造112aに電気的に接続され、
続いて、前記デバイスウェハを薄型化して前記デバイスウェハ100を形成した後に、前記デバイスウェハ100の背面からデバイスウェハをエッチングすることにより、第1接続穴及び第2接続穴を形成し、前記第1接続穴及び第2接続穴がいずれも前記デバイスウェハ100を貫通することにより、それぞれ第1接続線221a及び第2接続線222aを露出させ、
続いて、前記第1接続穴及び第2接続穴に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1導電プラグ211a及び第2導電プラグ212aを形成する。
【0060】
前記第1導電プラグ211aの一端が第1接続線221aに接続され、前記第1導電プラグ211aの他端が前記圧電共振片の下電極に電気的に接続されるために用いられ、前記第2導電プラグ212aの一端が第2接続線222aに接続され、前記第2導電プラグ212aの他端が前記圧電共振片の上電極に電気的に接続されるために用いられる。
【0061】
また、他の実施例では、デバイスウェハ100の背面に以上に第1接続線及び第2接続線を形成し、デバイスウェハ100の背面から第1導電プラグ及び第2導電プラグを製造し、第1導電プラグと第1接続線とを接続し、第2導電プラグと第2接続線とを接続する方法は、以下のステップを含む。
【0062】
まず、前記デバイスウェハ100の背面から前記デバイスウェハ100を薄型化し、前記デバイスウェハ100の背面から前記デバイスウェハをエッチングすることにより、第1接続穴及び第2接続穴を形成し、
続いて、前記第1接続穴及び第2接続穴に導電性材料を充填することにより、それぞれ第1導電プラグ及び第2導電プラグを形成し、前記第1導電プラグの一端が前記第1相互接続構造に電気的に接続され、前記第2導電プラグの一端が前記第2相互接続構造に電気的に接続され、
続いて、前記デバイスウェハ100の背面に第1接続線及び第2接続線を形成し、前記第1接続線の一端が前記第1導電プラグの他端に接続され、前記第1接続線の他端が前記下電極に電気的に接続されるために用いられ、前記第2接続線の一端が前記第2導電プラグの他端に接続され、前記第2接続線の他端が前記上電極に電気的に接続されるために用いられる。
【0063】
ステップS300では、具体的には、
図2gに示すように、基板300を提供し、前記基板300をエッチングすることにより、前記下キャビティ120に対応して設けられる前記結晶共振器の上キャビティ310を形成する。同様に、前記上キャビティ310の深さは、実際のニーズに応じて調整することができ、ここで、限定しない。この後に、結合基板300のデバイスウェハ100を形成するとき、前記上キャビティ310及び前記下キャビティ120がそれぞれ前記圧電共振片の両側に対応する。
【0064】
前記デバイスウェハ100に対応して、前記基板300にも複数のデバイス領域AAが定義されており、デバイスウェハ100の複数のデバイス領域と基板の複数のデバイス領域とが相互に対応し、前記下キャビティ120が前記デバイス領域AAに形成される。
【0065】
ステップS400では、上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含む圧電共振片を形成し、前記上電極、前記圧電ウェハ及び前記下電極が前記デバイスウェハ100の背面及び前記基板300のうちの1つに形成される。
【0066】
すなわち、上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含む電共振片をいずれも前記デバイスウェハ100の背面に形成してもよいし、または、いずれも前記基板300上に形成してもよいし、又は、前記圧電共振片の下電極を前記デバイスウェハ100の背面に形成し、前記圧電共振片の上電極及び圧電ウェハを前記基板300上に順に形成してもよいし、又は、前記圧電共振片の下電極及び圧電ウェハを前記デバイスウェハ100の背面に順に形成し、前記圧電共振片の上電極を前記基板300上に形成してもよい。
【0067】
本実施例では、前記圧電共振片の上電極、圧電ウェハ及び下電極がいずれも前記基板300上に形成される。具体的には、前記基板300上に前記圧電共振片を形成する方法は、ステップ1~ステップ3を含む。
【0068】
ステップ1:具体的には、
図2gに示すように、前記基板300表面の設定位置に上電極530を形成する。本実施例では、前記上電極530が前記上キャビティ310の外周に位置し、後続のプロセスでは、前記上電極530を制御回路110に電気的に接続し、具体的には、前記上電極530を前記第2の回路112の前記第2相互接続構造に電気的に接続する。
【0069】
ステップ2:続いて
図2gに示すように、圧電ウェハ520を前記上電極530に結合する。本実施例では、前記圧電ウェハ520が前記上キャビティ310の上方に位置し、前記圧電ウェハ520の縁が前記上電極530上に当接される。前記圧電ウェハ520は、たとえば、石英ウェハであってもよい。
【0070】
本実施例では、前記圧電ウェハ520の縁を前記基板の面に搭載して前記上キャビティ310の開口をキャッピングするように、前記上キャビティ310のサイズが前記圧電ウェハ520のサイズがより小さい。
【0071】
しかし、他の実施例では、前記上キャビティは、たとえば、第1のキャビティと第2のキャビティとを有し、前記第1のキャビティが第2のキャビティよりも前記ベースの深い位置に位置し、第2のキャビティが前記ベースの面に近く、第1のキャビティのサイズが前記圧電ウェハ520のサイズがより小さく、第2のキャビティのサイズが圧電ウェハのサイズがより大きい。これに基づいて、前記圧電ウェハ520の縁を前記第1のキャビティ上に搭載し、前記圧電ウェハ520の少なくとも一部を前記第2のキャビティ内に収容することができる。このとき、前記上キャビティの開口サイズが前記圧電ウェハの幅サイズより大きいと考えることができる。
【0072】
さらに、前記上電極530が前記圧電ウェハ520の下方から横方向に伸出して、上電極延伸部を構成する。後続のプロセスでは、前記上電極延伸部を介して前記上電極530を前記第2の回路112の第2相互接続構造に接続することができる。
【0073】
ステップ3:具体的には、
図2hに示すように、前記圧電ウェハ520上に下電極510を形成する。前記下電極510は、さらに、前記圧電ウェハ520の中間領域を露出させてもよい。後続のプロセスでは、前記下電極510を制御回路110に電気的に接続し、具体的には、下電極510を前記第1の回路111の前記第1相互接続構造に電気的に接続する。
【0074】
すなわち、前記制御回路110では、第1の回路111が下電極510に電気的に接続され、第2の回路112が上電極530に電気的に接続され、それぞれ前記下電極510及び前記上電極530に電気信号を印加し、それにより、下電極510と前記上電極530との間に電界を発生させることができ、さらに前記上電極530と前記下電極510との間に位置する前記圧電ウェハ520が前記電界の作用で機械的に変形することができる。前記圧電ウェハ520が前記電界の大きさとともに、対応する程度で機械的に変形を発生させることができ、上電極530と下電極510との間の電界方向が逆になると、圧電ウェハ520の変形方向も変わる。従って、前記制御回路110を用いて、上電極530及び下電極510に交流電気を印加するとき、圧電ウェハ520の変形方向が電界の正負とともに収縮または膨張の交差変化を発生させ、それにより、機械振動を発生させる。
【0075】
本実施例では、前記基板300上に前記下電極510を形成する方法は、たとえば、第1のステップ及び第2のステップを含む。
【0076】
第1のステップ:具体的には、
図2hに示すように、第1の樹脂封止層410を前記基板300上に形成し、前記第1の樹脂封止層410が前記基板300に被覆されて前記圧電ウェハ520を露出させる。なお、本実施例では、前記上電極530が前記圧電ウェハ520の下方に形成されて前記圧電ウェハ520から横方向に伸出することにより、上電極延伸部を構成し、従って、前記第1の樹脂封止層410がさらに前記上電極530の上電極延伸部に被覆される。
【0077】
さらに、前記第1の樹脂封止層410の面が圧電ウェハ520の面より高くない。本実施例では、平坦化プロセスにより前記第1の樹脂封止層410を形成することにより、前記第1の樹脂封止層410の面を前記圧電ウェハ520の面と面一にする。
【0078】
第2のステップ:続いて
図2hに示すように、前記圧電ウェハ520の面に下電極510を形成し、前記下電極510がさらに前記圧電ウェハ520から前記第1の樹脂封止層410上まで横方向に延在することにより、下電極延伸部を構成する。後続のプロセスでは、前記下電極延伸部を介して前記下電極510を制御回路に接続することができる(具体的には、前記第1の回路111の第1相互接続構造に接続する)。
【0079】
前記下電極510及び前記上電極530の材質は、いずれも銀を含んでもよい。順に薄膜堆積プロセスまたは蒸着プロセスを利用して、前記上電極530及び前記下電極510を形成してもよい。
【0080】
なお、本実施例では、半導体プロセスにより前記上電極530、圧電ウェハ520及び下電極510を前記基板300上に順に形成する。しかし、他の実施例では、上電極及び下電極をそれぞれ圧電ウェハの両側に形成し、三者を一体として前記基板上に結合してもよい。
【0081】
選択可能な解決手段では、前記下電極510を形成した後に、前記第1の樹脂封止層410上に第2の樹脂封止層を形成することで、前記基板300の面をより平坦にするステップをさらに含み、それにより、後続の結合プロセスに有利である。
【0082】
具体的には、
図2iに示すように、前記第1の樹脂封止層410上に第2の樹脂封止層420を形成し、前記下電極510を露出させるように、前記第2の樹脂封止層420の面が前記下電極510の面より高くない。本実施例では、前記第2の樹脂封止層420の面を前記下電極510の面と面一にするように、平坦化プロセスにより前記第2の樹脂封止層420を形成してもよい。前記第2の樹脂封止層420から前記圧電ウェハ520の中間領域を露出させてもよく、それにより、後続のプロセスで前記基板300を前記デバイスウェハ100上に結合するとき、前記圧電ウェハ520の中間領域がデバイスウェハ100の下キャビティ120に対応するようにすることができる。
【0083】
この後に、続いて、前記デバイスウェハ100または前記基板300上に第1接続構造における第2接続部材の第3導電プラグ230を形成してもよい。後続のプロセスで、前記第1接続部材における第1導電プラグ及び第1接続線を介して、下電極510をデバイスウェハ100の制御回路に電気的に接続されてもよく、第2接続部材における第2導電プラグ、第2接続線及び第3導電プラグ230を介して、基板300上の上電極530をデバイスウェハ100の制御回路に電気的に接続してもよい。
【0084】
具体的には、
図2j及び
図2fに示すように、本実施例では、前記下電極510が前記第2の樹脂封止層420の面に露出され、下電極延伸部を有し、前記第1導電プラグ211aの頂部も前記デバイスウェハ100の面に露出される。従って、デバイスウェハ100と基板300とを結合するとき、下電極510を前記デバイスウェハ100の面に位置させ、下電極延伸部を前記第1導電プラグ211aに接続することができる。
【0085】
続いて
図2j及び
図2fに示すように、前記上電極530が前記第1の樹脂封止層410に埋込され、従って、さらに前記第3導電プラグを介して上電極530の上電極延伸部を前記第2導電プラグ212aに電気的に接続してもよい。
【0086】
本実施例では、前記上電極530及び前記圧電ウェハ520が順に前記基板300上に形成され、さらに前記基板300上に第2接続部材の第3導電プラグを形成してもよい。具体的には、前記第2接続部材の前記第3導電プラグ230の形成方法は、以下のステップを含む。
【0087】
まず、前記基板300の面に樹脂封止層を形成し、本実施例では、前記第1の樹脂封止層410及び前記第2の樹脂封止層420が前記樹脂封止層を構成し、
続いて、具体的には、
図2jに示すように、前記樹脂封止層に前記上電極530が露出される貫通穴を開設し、前記貫通穴に導電性材料を充填することにより、一端が前記上電極530に電気的に接続される第3導電プラグ230を形成する。具体的には、前記第3導電プラグ230が前記上電極530の上電極延伸部に接続される。
【0088】
本実施例では、前記第2の樹脂封止層420及び前記第1の樹脂封止層410を順にエッチングすることにより、前記貫通穴を形成し、前記貫通穴に導電性材料を充填することにより、一端が前記上電極530に電気的に接続され、他端が前記第2の樹脂封止層420の面に露出される第3導電プラグ230を形成し、それにより、前記デバイスウェハ100と前記基板300とを結合するとき、前記第3導電プラグ230の他端を前記第2導電プラグ212aに電気的に接続することができる。
【0089】
ステップS500では、具体的には、
図2kに示すように、前記デバイスウェハ100の背面から前記基板300を結合することで、圧電共振片500を前記デバイスウェハ100と前記基板300との間に位置させ、前記上キャビティ310及び前記下キャビティ120をそれぞれ前記圧電共振片500の両側に位置させて、結晶共振器を構成する。前記第1接続構造を介して前記圧電共振片500の上電極530及び下電極510をいずれも前記制御回路に電気的に接続する。
【0090】
前述したように、本実施例では、前記デバイスウェハ100と前記基板300とを結合した後に、前記制御回路では、第1の回路111が第1接続部材(第1導電プラグと第1接続線とを含む)を介して前記下電極510に電気的に接続され、前記第2の回路112が第2接続部材(第2導電プラグと、第2接続線と、第3導電プラグとを含む)を介して前記上電極530に電気的に接続される。このようにして、前記制御回路により前記圧電ウェハ520の両側に電気信号を印加してもよく、前記圧電ウェハ520が変形して前記上キャビティ310及び前記下キャビティ120において振動するようにする。
【0091】
前記デバイスウェハ100と前記基板300との結合方法は、たとえば、前記デバイスウェハ100及び/または前記基板300上に接着層を形成し、前記接着層を用いて、前記デバイスウェハ100と前記基板300とを相互に結合するステップを含む。具体的には、圧電ウェハが形成されるベース上に前記接着層を形成し、前記圧電ウェハの面を前記接着層の面に露出させ、続いて、前記接着層を用いて、前記圧電ウェハが形成されないベースに相互に結合する。
【0092】
本実施例では、前記圧電共振片500が前記基板300上に形成され、前記デバイスウェハ100と前記基板300との結合方法は、たとえば、前記ベース300上に接着層を形成し、前記圧電共振片500の面を前記接着層の面に露出させ、続いて、前記接着層を用いて、前記基板300と前記デバイスウェハ100とを相互に結合するステップを含む。
【0093】
すなわち、本実施例では、前記圧電共振片500の上電極530、圧電ウェハ520及び下電極510がいずれも前記基板300上に形成され、前記圧電共振片500でキャビティ310の開口にキャッピングし、結合プロセスを実行した後に、下キャビティ120を前記圧電共振片500の前記上キャビティ310から離れる側に対応させることにより、結晶共振器を構成して、前記結晶共振器をデバイスウェハ100での制御回路に電気的に接続し、それにより、結晶共振器と制御回路とを集積して設けることを実現する。
【0094】
ステップS600では、具体的には、
図2l~
図2mに示すように、デバイスウェハの正面に半導体チップ700を結合し、前記半導体チップ700が第2接続構造を介して前記制御回路に電気的に接続される。
【0095】
前記半導体チップ700にはたとえば駆動回路が形成され、前記駆動回路は、電気信号を提供するために用いられ、前記電気信号が制御回路を介して前記圧電共振片500に印加されて、前記圧電共振片500の機械的に変形を制御する。
【0096】
さらに、前記半導体チップ700は、前記デバイスウェハ100に対して異種チップを構成する。すなわち、前記半導体チップ700のベース材質が前記デバイスウェハ100のベース材質と異なる。たとえば、本実施例では、デバイスウェハ100のベース材質は、シリコンであり、前記異種チップのベース材質は、III-V族半導体材料またはII-VI族半導体材料(具体的には、たとえば、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウムまたは砒化ガリウムなど)であってもよい。
【0097】
本実施例では、好ましくは、まず前記サポートウェハーを除去し、さらに前記半導体チップを前記デバイスウェハ100の正面に結合し、第2接続構造を介して半導体チップを制御回路に電気的に接続してもよい。
【0098】
具体的に
図2l~
図2mを参照し、前記第2接続構造の形成方法は、底部が前記制御回路に電気的に接続され、頂部が前記半導体チップに電気的に接続されるための接触パッドを前記デバイスウェハの正面に形成するステップを含む。
【0099】
本実施例では、前記第2接続構造の接触パッドの形成方法は、まず、前記平坦化層300をエッチングすることにより、接触穴を形成するステップと、
続いて、
図2lに示すように、前記接触穴に導電性材料を充填することにより、前記制御回路に接続される接触パッド710を形成するステップとを含む。このようにすれば、デバイスウェハの正面に半導体チップ700を結合し、半導体チップ700と接触パッド710とを電気的に接続することができる。
【0100】
また、他の実施例では、前記制御回路に接続される再配線層をデバイスウェハの正面にさらに形成し、前記半導体チップに電気的に接続するように、前記再配線層上に接触パッドを形成してもよい。
【0101】
選択可能な技術案では、具体的に
図2nを参照し、キャッピング基板800を前記デバイスウェハ100の正面に結合し、前記キャッピング基板800は、前記半導体チップ700を被覆し、さらに前記下キャビティのデバイスウェハの正面に露出される開口を遮蔽することができる。
【0102】
前記キャッピング基板800は、たとえば、シリコン基板などで構成されてもよい。また、前記キャッピング基板800には、前記半導体チップ700を収容するためのキャビティが予め設けられてもよく、それにより、前記キャッピング基板800を前記デバイスウェハの正面に結合することにより、下キャビティのデバイスウェハの正面に露出される開口を密閉し、前記半導体チップ700が前記キャッピング基板800のキャビティに対応することができる。
【0103】
なお、本実施例では、まず、デバイスウェハの背面に基板を結合し、続いてデバイスウェハの正面に半導体チップを結合する。しかし、他の実施例では、さらに、まず、デバイスウェハの正面に半導体チップを結合し、続いてデバイスウェハの背面上に基板を結合してもよい。
【0104】
実施例2
実施例1との相違点は、本実施例では、前記圧電共振片500の上電極530、圧電ウェハ520及び下電極510をいずれも前記デバイスウェハ100の背面に形成し、前記圧電共振片500で下キャビティ120の開口をキャッピングし、形成される結晶共振器をデバイスウェハ100での制御回路に電気的に接続し、続いて結合プロセスを実行し、上キャビティ310を前記圧電共振片500の前記下キャビティ120から離れる側に対応させることにより、結晶共振器を構成し、それにより、結晶共振器と制御回路を集積して設けることを実現することである。
【0105】
本実施例では、制御回路を有するデバイスウェハが提供され、前記デバイスウェハに下キャビティを形成する方法については、実施例1を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0106】
本実施例では、前記圧電共振片500を前記デバイスウェハ100上に形成する方法は、以下のステップを含む。
【0107】
まず、前記デバイスウェハ100の背面の設定位置に下電極510を形成し、本実施例では、前記下電極510が前記下キャビティ120の外周に位置し、
続いて、圧電ウェハ520を前記下電極510に結合し、本実施例では、前記圧電ウェハ520が前記下キャビティ120の上方に位置し、前記下キャビティ120の開口をキャッピングし、前記圧電ウェハ520の縁が前記下電極510上に搭載され、
続いて、前記圧電ウェハ520上に前記上電極530を形成する。
【0108】
当然ながら、他の実施例では、上電極及び下電極をそれぞれ圧電ウェハの両側に形成し、三者を一体として前記デバイスウェハ100の背面に結合してもよい。
【0109】
前記デバイスウェハ100上に前記第1接続構造を形成し、前記第1接続構造は、下電極に電気的に接続されるための第1接続部材と、上電極に電気的に接続されるための第2接続部材とを含む。前記第1接続部材は、第1導電プラグと第1接続線とを含み、前記第2接続部材は、第2導電プラグと第2接続線とを含む。前記第1導電プラグ、第1接続線、第2導電プラグ及び第2接続線の形成方法については、実施例1を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0110】
さらに、前記第2接続部材は、第3導電プラグ230をさらに含み、前記第3導電プラグ230は、前記圧電ウェハ520を形成した後であって、前記上電極530を形成する前に形成されてもよい。具体的には、前記上電極を形成する前に、前記第3導電プラグを形成し、その形成方法は、ステップ1~ステップ3を含む。
【0111】
ステップ1:前記デバイスウェハ100の背面に樹脂封止層を形成し、本実施例では、前記樹脂封止層が前記デバイスウェハ100の背面に被覆され、前記圧電ウェハ520を露出させる。
【0112】
ステップ2:前記樹脂封止層に貫通穴を開設し、前記貫通穴に導電性材料を充填することにより、底部が前記第2相互接続構造に電気的に接続され、頂部が前記樹脂封止層に露出される第3導電プラグ230を形成する。
【0113】
ステップ3:前記デバイスウェハ100上に前記上電極530を形成した後に、前記上電極530の少なくとも一部が前記圧電ウェハ520に被覆され、さらに前記圧電ウェハから前記第3導電プラグの頂部まで伸出することで、前記上電極530が前記導電プラグに電気的に接続されるようにする。すなわち、前記上電極530では、圧電ウェハから伸出される上電極延伸部が直接前記第3導電プラグ230に電気的に接続される。
【0114】
又は、ステップ3では、前記上電極530を前記圧電ウェハ520上に形成した後に、さらに前記上電極530上に相互接続線を形成してもよく、前記相互接続線が前記上電極から前記第3導電プラグの頂部まで延在することで、前記上電極を前記相互接続線を介して前記第3導電プラグに電気的に接続する。すなわち、前記上電極530が相互接続線を介して前記第3導電プラグに電気的に接続される。
【0115】
さらに、前記デバイスウェハ100と前記基板300との結合方法は、まず、前記デバイスウェハ100上に接着層を形成し、前記圧電ウェハの面を前記接着層から露出させるステップと、続いて、前記接着層を用いて、前記デバイスウェハ100と前記基板300とを結合するステップとを含む。
【0116】
結合プロセスを実行した後に、基板300での上キャビティを前記圧電ウェハ520の前記下キャビティから離れる側に対応させるようにしてもよい。前記上キャビティのサイズが前記圧電ウェハのサイズより大きくてもよく、それにより、前記圧電ウェハを前記上キャビティ内に位置させる。
【0117】
また、デバイスウェハの正面に半導体チップを結合し、半導体チップを第2接続構造を介して制御回路に電気的に接続する方法については、実施例1を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0118】
実施例3
実施例1及び実施例2では、上電極と、圧電ウェハと、下電極とを含む圧電共振片がいずれも基板または前記デバイスウェハ上に形成される。上記実施例との相違点は、本実施例では、上電極及び圧電ウェハが基板上に形成され、下電極がデバイスウェハ上に形成されることである。
【0119】
図3a~
図3dは本発明の実施例3での結晶共振器と制御回路の集積方法の製造過程での構造概略図であり、以下、図面を参照しながら、本実施例で結晶共振器を形成する各ステップについて詳細に説明する。
【0120】
まず
図3aに示すように、制御回路が形成されるデバイスウェハ100を提供し、第1接続構造における第1導電プラグに電気的に接続される下電極510を前記デバイスウェハ100の背面に形成する。
【0121】
また、前記下電極510を形成するとき、さらに同時に前記デバイスウェハ100上に再配線層610、前記再配線層610が前記第1接続構造における第2導電プラグに被覆される。
【0122】
さらに、前記下電極510を形成した後に、前記デバイスウェハ100上に第2の樹脂封止層420を形成するステップをさらに含み、前記下電極510を露出させるように、前記第2の樹脂封止層420の面が前記下電極510より高くない。本実施例では、前記再配線層610を露出させるように、前記第2の樹脂封止層420の面も再配線層610の面より高くない。続いて、結合プロセスを実行した後に、前記下電極510を圧電ウェハの一側に設け、再配線層610を圧電ウェハの他側に位置する上電極に電気的に接続することができる。
【0123】
平坦化プロセスにより前記第2の樹脂封止層420を形成することにより、前記第2の樹脂封止層420の面を前記下電極510の面と面一にしてもよく、このようにして、デバイスウェハ100の表面平坦度を効果的に向上させることができ、後続の結合プロセスを実現することに有利である。
【0124】
続いて
図3a示すように、本実施例では、前記下電極510及び前記第2の樹脂封止層420を順に形成した後に、前記第2の樹脂封止層420及び前記誘電体層100Bを順にエッチングすることにより、下キャビティ120を形成し、前記下電極510が前記下キャビティ120の外周を囲むようにする。
【0125】
続いて
図3bに示すように、基板300を提供し、基板300に対応する上キャビティの上方に上電極530及び圧電ウェハ520を順に形成する。前記上電極は、蒸着プロセス又は薄膜堆積プロセスを利用して形成されてもよく、前記圧電ウェハが前記上電極上に結合される。
【0126】
具体的には、前記上電極530が上キャビティ310の外周に囲まれ、後続のプロセスでは、前記上電極530をデバイスウェハ100上の再配線層610に電気的に接続することにより、前記上電極530を前記第2の回路112の前記第2相互接続構造112aに電気的に接続する。前記圧電ウェハ520の中間領域が基板300での上キャビティ310に対応し、前記圧電ウェハ520の縁が前記上電極530上に当接され、前記上電極530が前記圧電ウェハ520の下方から横方向に伸出することにより、上電極延伸部を構成する。
【0127】
続いて
図3bに示すように、本実施例では、前記圧電ウェハ520を形成した後に、前記基板300上に第1の樹脂封止層410を形成するステップをさらに含み、前記第1の樹脂封止層410が前記基板300及び前記上電極530の上電極延伸部に被覆され、前記圧電ウェハ520を露出させるように、前記第1の樹脂封止層410の面が圧電ウェハ520の面より高くない。
【0128】
同様に、本実施例では、前記第1の樹脂封止層410の面を前記圧電ウェハ520の面と面一にするように、平坦化プロセスにより前記第1の樹脂封止層410を形成してもよく、このようにして、前記基板300の面をより平坦にすることができ、それにより、後続の結合プロセスに有利である。
【0129】
続いて
図3cに示すように、前記上電極530を前記第2導電プラグに電気的に接続するように、前記デバイスウェハまたは前記基板上に第1接続構造の第3導電プラグ230を形成する。第3導電プラグ230の形成方法は、以下のステップを含む。
【0130】
まず、前記基板100の面に樹脂封止層を形成し、本実施例では、前記樹脂封止層は、前記第1の樹脂封止層410を含み、
続いて、前記樹脂封止層をエッチングすることにより、貫通穴を形成し、本実施例では、前記第1の樹脂封止層410をエッチングし、前記貫通穴から前記上電極530の前記上電極延伸部を露出させ、前記貫通穴に導電性材料を充填することにより、頂部が前記第1の樹脂封止層410の面に露出される第3導電プラグを形成する。具体的には、前記第3導電プラグ230が前記上電極530の上電極延伸部に接続される。このようにして、前記上電極530が前記第3導電プラグ230及び前記再配線層610を介して第2導電プラグに電気的に接続される。
【0131】
続いて
図3dに示すように、デバイスウェハの背面から前記基板300を結合することにより、前記圧電ウェハ520の前記上キャビティ310から離れる側を前記下キャビティ120に対応させ、このとき、前記デバイスウェハ100上に位置する下電極510が前記圧電ウェハ520の前記上電極530から離れる側に対応して位置する。
【0132】
本実施例では、前記デバイスウェハ100と前記基板300との結合方法は、まず、前記基板300上に接着層を形成し、前記圧電ウェハ520の面を前記接着層に露出させるステップと、続いて、前記接着層を用いて、前記デバイスウェハと前記基板とを結合するステップとを含む。
【0133】
具体的には、前記デバイスウェハ100と前記基板300とを結合した後に、デバイスウェハ100上の第2導電プラグに接続される再配線層610を基板300上の上電極530に接続される第3導電プラグ230に電気的に接触させることができ、それにより、上電極530を前記制御回路に電気的に接続する。
【0134】
後続のプロセスでは、デバイスウェハの正面に半導体チップを結合し、半導体チップを制御回路に電気的に接続する方法については、実施例1を参照することができ、ここで詳しく説明しない。
【0135】
以上に記載の形成方法によれば、本実施例では、形成される結晶共振器と制御回路の集積構造について説明する。具体的には、
図2a~
図2n及び
図3dに示すように、前記結晶共振器は、
デバイスウェハ100であって、前記デバイスウェハ100に制御回路が形成され、前記デバイスウェハ100に下キャビティ120がさら形成され、前記下キャビティ120が前記デバイスウェハの背面に位置する開口を有し、本実施例では、前記制御回路における少なくとも一部の相互接続構造が前記デバイスウェハ100の正面まで延在しているデバイスウェハ100と、
基板300であって、前記基板300がデバイスウェハの背面から前記デバイスウェハ100上に結合され、前記基板300に上キャビティ310が形成され、前記上キャビティ310の開口が前記デバイスウェハ100に向かい、すなわち前記上キャビティ310の開口と前記下キャビティ120の開口が対向して設けられる基板300と、
圧電共振片500であって、下電極510と、圧電ウェハ520と、上電極530とを含み、前記圧電共振片500が前記デバイスウェハ100と前記基板300との間に位置し、前記圧電共振片500の両側がそれぞれ前記下キャビティ120及び前記上キャビティ310に対応する圧電共振片500と、
前記圧電共振片500の上電極530及び下電極510を前記制御回路に電気的に接続するための第1接続構造と、
半導体チップ700であって、前記デバイスウェハ100の正面に結合され、前記半導体チップ700にたとえば駆動回路が形成され、駆動回路は、電気信号を生成し、電気信号を前記制御回路100を介して圧電共振片500に伝送するために用いられる半導体チップ700と、
前記半導体チップ700を前記制御回路に電気的に接続するための第2接続構造とを含む。
【0136】
さらに、前記半導体チップ700が前記デバイスウェハ100に対して異種チップを構成してもよい。すなわち、前記半導体チップのベース材質が前記デバイスウェハ100のベース材質と異なる。たとえば、本実施例では、デバイスウェハ100のベース材質がシリコンであり、前記異種チップのベース材質がIII-V族半導体材料またはII-VI族半導体材料(具体的には、たとえば、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウムまたは砒化ガリウムなど)であってもよい。
【0137】
すなわち、半導体平面プロセスを利用し、それぞれデバイスウェハ100及び基板300上に下キャビティ120及び上キャビティ310を形成し、結合プロセスにより上キャビティ120と下キャビティ310を対応させ、それぞれ圧電共振片500の相対する両側に設け、それにより、制御回路によって、前記圧電共振片500が前記上キャビティ310及び前記下キャビティ120において振動することができ、このようにして、圧電共振片500を制御回路と同じデバイスウェハ上に集積することができる。また、さらに半導体チップをデバイスウェハ100上に結合することができ、さらに半導体チップを用いて前記制御回路110によって、結晶共振器そのものの温度ドリフト及び周波数補正などの偏差に対するオンチップ変調を実現し、結晶共振器の性能を向上させることに有利である。それで分かるように、本実施例の結晶共振器は、デバイスの集積度を向上させることができ、半導体プロセスに基づいて形成される結晶共振器のサイズがより小さく、それにより、デバイス電力消費をさらに減少させることができる。
【0138】
続いて
図2aに示すように、前記制御回路は、第1の回路111と第2の回路112とを含み、第1の回路111と第2の回路112とがそれぞれ前記圧電共振片500の上電極及び下電極に電気的に接続される。
【0139】
具体的には、前記第1の回路111は、第1のトランジスタと、第1相互接続構造111aと、第3の相互接続構造111bとを含み、前記第1のトランジスタが前記デバイスウェハ100に埋込され、前記第1相互接続構造111a及び第3の相互接続構造111bがいずれも前記第1のトランジスタに電気的に接続され、いずれも前記デバイスウェハ100の正面まで延在している。前記第1相互接続構造111aが前記下電極510に電気的に接続され、前記第3の相互接続構造111bが前記半導体チップに電気的に接続される。
【0140】
同様に、前記第2の回路112は、第2のトランジスタと、第2相互接続構造112aと、第4の相互接続構造112bとを含み、前記第2のトランジスタが前記デバイスウェハ100に埋込され、前記第2相互接続構造112a及び第4の相互接続構造112bがいずれも前記第2のトランジスタに電気的に接続され、いずれも前記デバイスウェハ100の正面まで延在している。前記第2相互接続構造112aが前記上電極530に電気的に接続され、前記第4の相互接続構造112bが前記半導体チップに電気的に接続される。
【0141】
さらに、前記第1接続構造は、第1接続部材と第2接続部材とを含み、前記第1接続部材が前記第1相互接続構造111a及び前記圧電共振片の下電極510に接続され、前記第2接続部材が前記第2相互接続構造112a及び前記圧電共振片の上電極530に接続される。
【0142】
前記第1接続部材は、第1導電プラグ211aを含み、前記第1導電プラグ211aが前記デバイスウェハ100を貫通することにより、前記第1導電プラグ211aの一端が前記デバイスウェハ100の正面まで延在して前記第1相互接続構造に電気的に接続されるようにし、前記第1導電プラグ211aの他端が前記デバイスウェハ100の背面まで延在して前記圧電共振片500の下電極510に電気的に接続されるようにする。
【0143】
さらに、前記第1接続部材は、第1接続線211をさらに含む。本実施例では、前記第1接続線221aが前記デバイスウェハ100の正面に形成され、前記第1接続線221aが前記第1導電プラグ211a及び前記第1相互接続構造111aに接続される。又は、他の実施例では、前記第1接続線221aがデバイスウェハ100の背面に形成され、前記第1接続線が前記第1導電プラグ及び前記下電極に接続されるようにする。
【0144】
本実施例では、前記下電極510は、前記デバイスウェハ100の背面に位置し、前記下キャビティ120の外周に位置し、前記下電極510は、さらに前記圧電ウェハ520から横方向に伸出して下電極延伸部を構成し、前記下電極延伸部が前記第1導電プラグ211aに被覆され、前記下電極210が前記第1の回路111の第1相互接続構造111aに電気的に接続されるようにする。
【0145】
前記第2接続部材は、第2導電プラグ212aを含み、前記第2導電プラグ212aが前記デバイスウェハ100を貫通することにより、前記第2導電プラグ212aの一端が前記デバイスウェハ100の正面まで延在して前記第2相互接続構造に電気的に接続されるようにし、前記第2導電プラグ212aの他端が前記デバイスウェハ100の背面まで延在して前記圧電共振片500の上電極530に電気的に接続されるようにする。
【0146】
さらに、前記第2接続部材は、第2接続線222aをさらに含む。本実施例では、前記第2接続線222aが前記デバイスウェハ100の正面に形成され、前記第2接続線222aが前記第2導電プラグ212a及び前記第2相互接続構造112aに接続される。又は、他の実施例では、前記第2接続線222aがデバイスウェハ100の背面に形成され、前記第2接続線が前記第2導電プラグ及び前記上電極に接続されるようにする。
【0147】
さらに、前記第2接続部材は、一端が前記上電極530に電気的に接続され、他端が前記第2導電プラグ212aに電気的に接続される第3導電プラグをさらに含む。たとえば、前記上電極が圧電ウェハから前記第3導電プラグの端部まで延在するようにする。
【0148】
具体的には、前記デバイスウェハ100と前記基板300との間に樹脂封止層が設けられ、前記樹脂封止層が前記圧電ウェハ220の側壁に被覆され、上電極延伸部及び下電極延伸部に被覆される。第2接続部材における前記第3導電プラグ230が前記樹脂封止層を貫通することにより、第3導電プラグ230の一端が前記上電極延伸部に接続され、前記第3導電プラグ230の他端が前記第2導電プラグに電気的に接続されるようにする。
【0149】
当然ながら、他の実施例では、前記第2接続部材は、さらに、相互接続線を含んでもよい。前記相互接続線の一端が前記上電極530に被覆され、前記相互接続線の他端の少なくとも一部が前記第3導電プラグの頂部に被覆されることにより、前記相互接続線が前記第3導電プラグに接続されるようにする。
【0150】
さらに、前記第2接続構造は、底部が前記制御回路に電気的に接続され、頂部が前記半導体チップ700に電気的に接続される接触パッド710を含む。
【0151】
続いて
図2aに示すように、本実施例では、前記デバイスウェハ100は、ベースウェハー100Aと誘電体層100Bとを含む。前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタがいずれも前記ベースウェハー100A上に形成され、前記誘電体層100Bが前記ベースウェハー100A上に形成されて前記第1のトランジスタ及び前記第2のトランジスタに被覆され、前記第3の相互接続構造111b、前記第1相互接続構造111a、前記第4の相互接続構造112b及び前記第2相互接続構造112aがいずれも前記誘電体層100Bに形成されて前記誘電体層100Bの前記ベースウェハー100Aから離れる面まで延在している。
【0152】
本実施例では、前記下キャビティが前記デバイスウェハを貫通することにより、前記下キャビティがデバイスウェハの正面に位置する開口を有する。この場合、前記結晶共振器は、キャッピング基板をさらに含み、前記キャッピング基板を前記デバイスウェハの正面に結合することにより、前記半導体チップ700を被覆する。前記キャッピング基板は、たとえば、シリコン基板などで構成されてもよい。また、前記キャッピング基板には、前記半導体チップ700を収容するためのキャビティが予め設けられてもよく、それにより、前記キャッピング基板を前記デバイスウェハの正面上に結合することにより、下キャビティのデバイスウェハの正面に露出される開口を密閉し、前記半導体チップ700が前記キャッピング基板のキャビティに対応することができる。
【0153】
よって、本発明に係る結晶共振器と制御回路の集積方法では、デバイスウェハに下キャビティを形成し、基板に上キャビティを形成し、結合プロセスを利用して、デバイスウェハと基板とを結合することにより、圧電共振片をデバイスウェハと基板との間に挟持し、下キャビティ及び上キャビティをそれぞれ圧電共振片の両側に対応させ、それにより、制御回路と結晶共振器とを同じデバイスウェハ上に集積することを実現する。これに基づいて、たとえば、駆動回路が形成される半導体チップをデバイスウェハの正面にさらに結合することができ、すなわち、半導体チップ、制御回路及び結晶共振器をいずれも同じ半導体基板上に集積し、それにより、結晶共振器そのものの温度ドリフト及び周波数補正などの偏差に対するオンチップ変調を実現することに有利である。また、本発明で半導体平面プロセスに基づいて形成される結晶共振器は、従来の結晶共振器(たとえば、表面実装型の結晶共振器)に比べて、より小さいサイズを有し、それにより、結晶共振器の電力消費を対応して低減させることができる。また、本発明の結晶共振器は、他の半導体素子と集積しやすく、デバイスの集積度を向上させることに有利である。
【0154】
上記に説明されるのは、本発明の好適な実施例についての説明にすぎず、本発明の範囲を限定するものではなく、当業者が上記開示される内容に基づいて行う任意の変更や修飾は、いずれも特許請求の範囲の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0155】
100 デバイスウェハ
AA デバイス領域
100U 正面
100D 背面
100A ベースウェハー
100B 誘電体層
110 制御回路
111 第1の回路
111a 第1相互接続構造
111b 第3の相互接続構造
112 第2の回路
112a 第2相互接続構造
112b 第4の相互接続構造
120 下キャビティ
211a 第1導電プラグ
212a 第2導電プラグ
221a 第1接続線
222a 第2接続線
230 第3導電プラグ
410 第1の樹脂封止層
420 第2の樹脂封止層
400 支持ウェハー
500 圧電共振片
510 下電極
520 圧電ウェハ
530 上電極
600 平坦化層
700 接触パッド
【国際調査報告】