(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】レーザーダイオードとその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/22 20060101AFI20220111BHJP
H01S 5/028 20060101ALI20220111BHJP
【FI】
H01S5/22
H01S5/028
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527895
(86)(22)【出願日】2019-05-28
(85)【翻訳文提出日】2021-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2019088883
(87)【国際公開番号】W WO2020237512
(87)【国際公開日】2020-12-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519210686
【氏名又は名称】廈門三安光電有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN SAN’AN OPTOELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 841-899, Min’an Avenue, Hongtang Town, Tong’an District Fujian 361100 China
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鐘 志白
(72)【発明者】
【氏名】李 佳恩
(72)【発明者】
【氏名】卓 昌正
(72)【発明者】
【氏名】徐 宸科
(72)【発明者】
【氏名】康 俊勇
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AA08
5F173AF72
5F173AH22
5F173AL05
5F173AP33
5F173AP82
5F173AR68
5F173AR93
5F173AR99
(57)【要約】
【解決手段】
レーザーダイオードは、基板と基板に配置された積層層とを具え、積層層が、N型層と、活性層と、表面にリッジを有するP型層と、DBR被覆層とを有し、リッジの端面が第1の斜面となっていて、リッジとDBR被覆層との接触面に第1の斜面が含まれる。レーザーダイオードの製造方法は、基板上にN型層、活性層、P型層を順にエピタキシャル成長させ、且つP型層としてはリッジを有するP型層を形成するステップと、リッジの長さに対して垂直の方向に沿ってリッジをへき開し、第1の斜面となるリッジの端面を得るステップと、DBR被覆層を成長させ、DBR被覆層とリッジの接触面に第1の斜面が含まれるステップとを含む。これは、垂直の空洞面に起因する角部のDBR被覆不良と、側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性が損なわれてしまうことを解決することを主な目的とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、基板に配置された積層層とを具え、前記積層層が、N型層と、活性層と、表面にリッジを有するP型層と、DBR被覆層とを有するレーザーダイオードであって、前記リッジの端面が第1の斜面となっていて、前記リッジと前記DBR被覆層との接触面に第1の斜面が含まれることを特徴とする、レーザーダイオード。
【請求項2】
前記第1の斜面とリッジの下面の法線方向との角度が0度より大きく且つ60度以下であることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイオード。
【請求項3】
前記基板の端面が第2の斜面となっていて、前記基板とDBR被覆層との接触面に第2の斜面が含まれることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイオード。
【請求項4】
前記第2の斜面と前記基板の上面の法線方向との角度が0度より大きく且つ60度以下であることを特徴とする、請求項3に記載のレーザーダイオード。
【請求項5】
前記第1の斜面が前記P型層上にあることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイオード。
【請求項6】
前記N型層がN型金属層を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイオード。
【請求項7】
前記P型層がP型金属層を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイオード。
【請求項8】
前記P型層が更に上導波層を有することを特徴とする、請求項1に記載のレーザーダイオード。
【請求項9】
基板上にN型層、活性層、P型層を順にエピタキシャル成長させ、且つP型層としてはリッジを有するP型層を形成するステップと、
リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記リッジをへき開し、第1の斜面となるリッジの端面を得るステップと、
DBR被覆層を成長させ、前記DBR被覆層と前記リッジの接触面に前記第1の斜面が含まれるステップと、を含むことを特徴とする、レーザーダイオードの製造方法。
【請求項10】
前記第1の斜面を得るステップの後に、
リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記基板をへき開し、第2の斜面となる前記基板の端面を得て、前記基板とDBR被覆層との接触面に前記第2の斜面が含まれるステップを更に含むことを特徴とする、請求項9に記載のレーザーダイオードの製造方法。
【請求項11】
前記の、リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記リッジをへき開するステップは、
リッジ上にV字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせを形成し、前記スロットの中間に沿って垂直にへき開し、端面を形成することを含むことを特徴とする、請求項9に記載のレーザーダイオードの製造方法。
【請求項12】
前記の、リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記基板をへき開するステップは、
基板上にV字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせを形成し、前記スロットの中間に沿って垂直にへき開し、端面を形成することを含むことを特徴とする、請求項10に記載のレーザーダイオードの製造方法。
【請求項13】
前記V字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせのスロットの長さ方向は前記リッジの長さ方向と垂直であることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載のレーザーダイオードの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光ダイオードの分野に関し、特にレーザーダイオードとその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GaN系の発光ダイオードやレーザーダイオードは広範な研究と市場への応用が実現されていて、これは特にレーザーディスプレイやレーザープロジェクターの分野において顕著である。レーザーダイオードの構造としては、例えばGaN青色・緑色レーザーダイオード(Laser Diode、略してLD)では、主に端面発光のリッジ導波路構造が用いられている。端面発光のリッジ導波路構造を持つレーザーダイオードでは、共振を起こすためのファブリ・ペロー(F-P)空洞を作るために、バーの両端に分布ブラッグ反射膜(distributed Bragg reflection、DBR)を被覆する必要があるが、従来の空洞面は直角形状のため、角部のDBRの被覆が悪く、高応力により容易に破断してしまい、また側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した先行技術の欠点に鑑み、本発明は、少なくともレーザーダイオードとその製造方法を提供するものであり、空洞面が垂直であることに起因する角部のDBR被覆不良と、側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性が損なわれてしまうことを解決することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的及びその他の関連する目的を達成するために、本発明はその一実施形態として、基板と、基板に配置された積層層とを具え、前記積層層が、N型層と、活性層と、表面にリッジを有するP型層と、DBR被覆層とを有するレーザーダイオードであって、前記リッジの端面が第1の斜面となっていて、前記リッジと前記DBR被覆層との接触面に第1の斜面が含まれることを特徴とする、レーザーダイオードを提供する。
【0005】
選択的に、前記第1の斜面とリッジの下面の法線方向との角度を0度より大きく且つ60度以下とすることができる。
【0006】
選択的に、前記基板の端面が第2の斜面となっていて、前記基板とDBR被覆層との接触面に第2の斜面が含まれるものとすることができる。
【0007】
選択的に、前記第2の斜面と前記基板の上面の法線方向との角度を0度より大きく且つ60度以下とすることができる。
【0008】
選択的に、前記第1の斜面が前記P型層上にあるものとすることができる。
【0009】
選択的に、前記N型層がN型金属層を有するものとすることができる。
【0010】
選択的に、前記P型層がP型金属層を有するものとすることができる。
【0011】
選択的に、前記P型層が更に上導波層を有するものとすることができる。
【0012】
上記目的及びその他の関連する目的を達成するために、本発明はその一実施形態として、
基板上にN型層、活性層、P型層を順にエピタキシャル成長させ、且つP型層としてはリッジを有するP型層を形成するステップと、
リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記リッジをへき開し、第1の斜面となるリッジの端面を得るステップと、
DBR被覆層を成長させ、前記DBR被覆層と前記リッジの接触面に前記第1の斜面が含まれるステップと、を含むことを特徴とする、レーザーダイオードの製造方法を提供する。
【0013】
選択的に、前記第1の斜面を得るステップの後に、
リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記基板をへき開し、第2の斜面となる前記基板の端面を得て、前記基板とDBR被覆層との接触面に前記第2の斜面が含まれるステップを更に含むことができる。
【0014】
選択的に、前記の、リッジの長さに対して垂直の方向に沿って前記リッジをへき開するステップは、
リッジ上にV字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせを形成し、前記スロットの中間に沿って垂直にへき開し、端面を形成することを含むことができる。
【0015】
また、基板上にV字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせを形成し、前記スロットの中間に沿って垂直にへき開し、端面を形成することを含むことができる。
【0016】
選択的に、前記V字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせのスロットの長さ方向を前記リッジの長さ方向と垂直とすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態が提供する上述の技術方式は、レーザーダイオードにおいてより容易にDBR被覆リッジが得られるだけでなく、従来の空洞面が垂直であることに起因する問題、即ち、DBR被覆が悪く、応力が大きく破損しやすく、側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性が損なわれてしまうという技術的問題を有効に解決することができる。この他、従来技術では大電流テストにおいて、端面に近い接触層の電気抵抗が高く、電流拡散が劣るという問題があるが、本発明は端面における一部の接触層をエッチングすることにより、接触面附近の電流密度を下げ、レーザーダイオードの光学損傷(COD)耐性の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係るレーザーダイオードの構造図である。
【
図2】本発明に係る片側くさび形状のレーザーダイオードの構造を示す模式図である。
【
図3】本発明に係る両側くさび形状のレーザーダイオードの構造を示す模式図である。
【
図4】本発明に係るレーザーダイオードの製造方法のフローを示す模式図である。
【
図5】本発明におけるV字スロットとリッジとの位置関係を示す模式図である。
【
図6】本発明における部分的に面取りされた両側くさび形状を有するレーザーダイオードの構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の具体的な実施形態は、本発明の実施の態様を示すものであり、当業者であれば、本明細書に開示されている内容から本発明の他の利点や効果を容易に理解することができる。
【0020】
この明細書に添付の図面に図示されている構造、比率、サイズなどは、明細書に開示されている内容と合わせて当業者の理解と閲読のために示すに過ぎず、本発明の実施条件を限定するためのものではないので、実質的な技術的意義はなく、本発明によって達成できる効能や目的に影響を与えない範囲で、構造の変更、比率の変更、サイズの調整を行っても、本発明に開示されている技術内容の範囲内である。また、本明細書中の「上」、「下」、「正面」、「背面」、「中間」、「一」などの用語は、説明を明確にする目的でのみ使用されており、本発明の範囲を限定するものではなく、それらの相対的な関係の変更や調整は、技術的内容を実質的に変更することなく、本発明の範囲内であるとみなされるべきである。
【0021】
図1及び
図2に示すように、本発明はその一実施形態としてレーザーダイオードを提供するものであり、該レーザーダイオードは、基板3と、基板3に配置された積層層とを具え、この積層層は、N型層4と、多重量子井戸(multi-quantum well、以下MQWと略称)活性層5と、表面にリッジ(ridge)2を有するP型層6と、DBR(分布ブラッグ反射)被覆層8とを有する。リッジ2の端面は第1の斜面7となっていて、リッジ2とDBR被覆層8との接触面に第1の斜面7が含まれる。
【0022】
図5に示すように、上述のリッジ2の端面とは、リッジ2の長さ方向L1に沿った両端の面であり、第1の斜面7とリッジ2の幅方向の辺W1とが平行であるか、またはリッジ2の幅方向の辺W1が第1の斜面7に位置する。リッジ2とDBR被覆層8との接触面が第1の斜面7を含む構造により、レーザーダイオードは片側くさび形状のものとなる。片側くさび形状にすることで、従来技術の問題、即ち、空洞面が直角になっているため、角部のDBR被覆が悪く、応力が大きく破損しやすく、側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性が損なわれてしまうという問題を解決することができる。
【0023】
一実施形態において、第1の斜面7とリッジ2の下面の法線方向との角度は、0度より大きく且つ60度以下である。このような角度範囲により、DBR被覆層8がリッジ2を確実に被覆し、容易に剥がれないようにすることができる。
【0024】
図1及び
図3に示すように、一実施形態では、基板3の端面が第2の斜面9となっていて、基板3とDBR被覆層8との接触面に第2の斜面9が含まれる。上記基板3の端面とは、基板3の背面に位置し、リッジ2の長さ方向における基板3の両端の面である。ここで背面とは、正面と相対する面のことであり、正面とは積層層のエピタキシャル成長に使用される面を指す。このような構造により、レーザーダイオードは両側くさび形状のものとなり、第1の斜面7と第2の斜面9とにより両側斜面構造が形成されるため、DBR被覆層8の基板3における被覆性がより良くなり、DBR被覆層8が剥がれにくく、よってレーザーダイオードの良好な電気的特性を確保することができるようになる。
【0025】
一実施形態において、第2の斜面9と基板3の上面の法線方向との角度は、0度より大きく且つ60度以下である。このような角度範囲により、DBR被覆層8が基板3を確実に被覆し、容易に剥がれないようにすることができる。
【0026】
一実施形態において、第1の斜面7はP型層6上にあり、且つ第1の斜面7は製造過程において、MQW活性層5にまで延伸進入しない。
【0027】
一実施形態において、N型層4はN型層4に連接して導電のために用いられるN型金属層41を有する。
【0028】
一実施形態において、P型層6はP型層6に連接して導電のために用いられるP型金属層62を有する。
【0029】
一実施形態において、P型層6は更に上導波層61を有し、上導波層61としてはP-InGaNを用いることができる。第1の斜面7は、V字スロット1または弧状スロット1または逆台形開口スロット1を形成し、へき開することによって形成される。V字スロット1または弧状スロット1または逆台形開口スロット1の深さは、上導波層61を超えない。これにより、過度にへき開されることが防がれ、第1の斜面7がP型層6に留まり、活性層5にまで延伸進入しない。
【0030】
図4に示すように、本発明はその一実施形態としてレーザーダイオードの製造方法をも提供するものであり、該製造方法は、以下のステップを含む。
【0031】
ステップS1:基板上にN型層、MQW活性層、P型層を順にエピタキシャル成長させ、且つP型層としてはリッジを有するP型層を形成する。
【0032】
ステップS2:リッジの長さに対して垂直の方向に沿ってリッジをへき開し、第1の斜面となるリッジの端面を得る。
【0033】
ステップS3:DBR被覆層を成長させ、DBR被覆層とリッジの接触面は第1の斜面を含む。
【0034】
上記接触面が第1の斜面を含むことにより、従来技術の問題、即ち、空洞面が直角になっているため、角部のDBR被覆が悪く、応力が大きく破損しやすく、側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性が損なわれてしまうという問題を直接に解決することができる。
【0035】
一実施形態において、第1の斜面とリッジの下面の法線方向との角度は、0度より大きく且つ60度以下である。このような角度範囲により、DBR被覆層が基板を確実に被覆し、容易に剥がれないようにすることができる。
【0036】
一実施形態においては、第1の斜面を得た後に更に以下のステップを含む。
【0037】
ステップS4:リッジの長さに対して垂直の方向に沿って基板をへき開し、第2の斜面となる基板の端面を得て、基板とDBR被覆層との接触面は第2の斜面を含む。
【0038】
上述のステップによって、両側くさび形状のレーザーダイオードが得られ、これによりDBR被覆層の基板における被覆性がより良くなり、DBR被覆層が剥がれにくく、よってレーザーダイオードの良好な電気的特性を確保することができるようになる。
【0039】
一実施形態において、第2の斜面と基板の上面の法線方向との角度は、0度より大きく且つ60度以下である。このような角度範囲により、DBR被覆層が基板を確実に被覆し、容易に剥がれないようにすることができる。
【0040】
図5に示すように、一実施形態において、リッジの長さに対して垂直の方向に沿ってリッジをへき開するステップは、以下を含む。
【0041】
リッジ上にV字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせを形成し、形成したスロットの中間に沿って垂直にへき開し、端面を形成する。
【0042】
一実施形態において、リッジの長さに対して垂直の方向に沿って基板をへき開するステップは、以下を含む。
【0043】
基板上にV字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせを形成し、形成したスロットの中間に沿って垂直にへき開し、端面を形成する。
【0044】
上記スロットの長さ方向はリッジの長さ方向と垂直であり、即ちL2はL1と垂直である。ここで、V字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロットあるいはこれらの組み合わせの形成は、フォトリソグラフィ技術とICP(Inductive Coupled Plasma、誘導結合プラズマ)エッチング技術との組み合わせや、または他の方式によって実行し得る。
【0045】
図6に示すように、一実施形態において、リッジと基板とは異なるスロット形状を採用してへき開することができ、これにより部分的に面取りされた両側くさび形状を有するレーザーダイオードが得られる。具体的には、例えばリッジには逆台形開口スロットを形成し、基板にはV字スロットを形成し、その後それらスロットの中間でそれぞれ垂直にへき開することにより、傾斜端面を得ることができる。このようにすれば、本発明に係る方法の実際の応用範囲をより一層広げることができる。本発明の実施形態が提供する上述の技術方式は、レーザーダイオードにおいてより容易にDBR被覆リッジが得られるだけでなく、従来の空洞面が垂直であることに起因する問題、即ち、DBR被覆率が悪く、応力が大きく破損しやすく、側面被覆のDBRがレーザーダイオードの共晶に影響してレーザーダイオードの電気的特性が損なわれてしまうという問題を有効に解決することができる。この他、端面における一部の接触層をエッチングすることにより断面におけるDBRの被覆を改善し、接触面附近の電流密度を下げ、レーザーダイオードの光学損傷(COD)耐性の向上が図れる。
【0046】
上記の実施形態は、本発明の原理とその効果を例示したものに過ぎず、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、上記の実施形態を修正または変更することができる。したがって、本発明で開示されている精神と技術的アイデアを逸脱することなく、例えば当業者によってなされるあらゆる同等の修正または変更は、依然として本発明の特許請求の範囲にカバーされる。
【符号の説明】
【0047】
1 V字スロットまたは弧状スロットまたは逆台形開口スロット
2 リッジ
3 基板
4 N型層
41 N型金属層
5 MQW(多重量子井戸)活性層
6 P型層
61 上導波層
62 P型金属層
7 第1の斜面
8 DBR(分布ブラッグ反射)被覆層
9 第2の斜面
【国際調査報告】