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特表2022-507818TiO2ナノ結晶の合成、キャップ、および分散
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】TiO2ナノ結晶の合成、キャップ、および分散
(51)【国際特許分類】
   C01G 23/053 20060101AFI20220111BHJP
   B82Y 30/00 20110101ALI20220111BHJP
   B82Y 40/00 20110101ALI20220111BHJP
【FI】
C01G23/053
B82Y30/00
B82Y40/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021527924
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2021-06-11
(86)【国際出願番号】 US2019062439
(87)【国際公開番号】W WO2020106860
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】62/769,703
(32)【優先日】2018-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/892,625
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512272281
【氏名又は名称】ピクセリジェント・テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】リパック,ジェイソン・アレン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ,サーピル・ゴーネン
(72)【発明者】
【氏名】モニッカム,セリナ・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ウィアセク,ロバート・ジェイ
【テーマコード(参考)】
4G047
【Fターム(参考)】
4G047CA02
4G047CB06
4G047CB08
4G047CC03
4G047CD04
(57)【要約】
本明細書には、1~30nmの間のナノ結晶サイズを有する単分散のTiOナノ結晶の準備が記載される。これらのTiOナノ結晶は、溶媒への分散と、モノマー、オリゴマー、およびポリマーへの製剤と、得られた製剤からのナノコンポジットとの準備に使用される。ナノ結晶の分散物は、様々な溶媒中、高配合量、高透過率、低粘度で形成することができる。これらのナノ結晶とマトリックス材料を組み込んだ製剤は、高度に安定であり、得られるナノコンポジットは、高屈折率を有し、可視波長で光学的に透明であり、散乱がほとんどまたは全くない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化チタンの前駆体を溶媒中、TiOナノ結晶に変換することを含む、TiOナノ結晶を準備する方法であって、溶媒の大部分が水ではなく、前記変換が、1)二酸化チタンの前駆体を溶媒中、混合して反応混合物を提供することと、2)反応混合物を反応温度、例えば、約180℃から約250℃、約200℃から約210℃で一定時間の間、加熱して、TiOナノ結晶を提供する方法。
【請求項2】
前記変換が、1)二酸化チタンの前駆体を、溶媒中、随意に水と混合して反応混合物を提供することと、2)反応混合物を反応温度、例えば、約180℃から約250℃、約200℃から約210℃で一定時間の間、加熱して、TiOナノ結晶を提供することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変換が、1)二酸化チタンの前駆体および随意に水を溶媒に加えて、反応混合物を提供することと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば、約200℃から約210℃、または約203℃から約207℃)の反応温度で、約10分から5時間(例えば、20分から1時間、または1~5時間)、加熱し、TiOナノ結晶を得ることとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
二酸化チタンの前駆体が、チタンアルコキシド、例えば、Ti(OR)の式を有するチタンアルコキシド、Ti(OR)の式を有する化合物、またはそれらの組み合わせであり、各R基を独立に、アルキル基(例えば、C1-C6アルキル基)、または置換アルキル基とすることができ、G基がその出現のたびに独立に、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xが0~4の整数であり、yが0~4の整数であるが、ただし、x+yが4である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、および水から選択される1つまたは複数の溶媒を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が、TEMにより測定して、50nm未満(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、または約5nm未満、例えば、約1nm、約4nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約35nm、約30nm、約40nm、約50nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、約30nmからから40nm、約4nmから約50nm、約4nmから約20nm、約15nmから約20nm、または約10nmから約25nm)の平均粒子サイズを有する、方法。
【請求項7】
TEMで測定して、4nmより大きい、しかし50nm未満(例えば約10nmから約25nm、または約4nmから約20nm)の平均粒子サイズを有するTiOナノ結晶を準備する方法であって、1)二酸化チタンの前駆体および水を溶媒に加えて反応混合物を提供することと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば約200℃から約210℃)の反応温度で約10分から5時間(例えば、約20分から1時間、または1~5時間)、加熱して、TiOナノ結晶を提供することとを含み、水に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:0.3から約1:3、例えば、約1:0.5から約1:2.5、約1:0.5から約1:1、約1:1から約1:1.5、約1:1.5から約1:2、約1:2から約1:2.5の範囲である、方法。
【請求項8】
反応温度での反応混合物の加熱が、約40psiから約500psi、例えば約40psiから約150psiの範囲の圧力下で実行される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
二酸化チタンの前駆体が、チタンアルコキシド、例えば、Ti(OR)の式を有するチタンアルコキシド、Ti(OR)の式を有する化合物、またはそれらの組み合わせであり、各R基を独立に、アルキル基(例えば、C1-C6アルキル基)、または置換アルキル基とすることができ、G基がその出現のたびに独立に、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xが0~4の整数であり、yが0~4の整数であるが、ただし、x+yが4である、請求項7~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項7~9のいずれか一項に記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が狭い粒子サイズ分布を有し、この粒子サイズ分布が、1)5未満、好ましくは3未満、または2未満、例えば、約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.8、約1.2から約3、または約1.5から約3のD90:D10の比;2)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD90:D50の比;および/または3)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD50:D10の比を特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の方法により準備されたTiOナノ結晶。
【請求項12】
請求項1~10のいずれか一項に記載のTiOナノ結晶を、第1のキャップ溶媒中、第1のキャップ剤と反応させて、第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することを含む、TiOナノ結晶をキャップする方法。
【請求項13】
請求項1~10のいずれか一項に記載のTiOナノ結晶を、第1のキャップ溶媒中、第1のキャップ剤と混合して、第1の反応混合物を提供することと;2)第1の反応混合物を、例えば、第1のキャップ溶媒の還流温度で、一定時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱して、第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することとをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
1)第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を、第2のキャップ溶媒中、第2のキャップ剤と混合して、第2の反応混合物を提供することと;2)第2の反応混合物を、例えば、第2のキャップ溶媒の還流温度で、一定時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱して、第2の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することとをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
a)それぞれの加熱ステップ2)の後に、第1のまたは第2の反応混合物に水を加えることと、b)第1のまたは第2の反応混合物をさらなる時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱することとをさらに含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第1のまたは第2のキャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、請求項11~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
請求項12~16のいずれか一項に記載の方法により準備された、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶。
【請求項18】
動的光散乱法(Dynamic Light Scattering(DLS))により、溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた二酸化チタンナノ結晶の体積で測定して、D9999が、500nm未満(例えば200nm未満、100nm未満、または50nm未満、例えば、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約20nmから約50nm、約50nmから約100nm、約20nmから約200nm、約100nmから約200nm等)であることをさらに特徴とする、請求項17に記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶。
【請求項19】
TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を特徴とする、請求項17~18のいずれか一項に記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶。
【請求項20】
少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物の重量に対して30%より大きい、例えば40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在する、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物。
【請求項21】
分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズが、TEMで測定して、1~50nm、例えば4~20nm、または15~20nmの範囲であり、分散液中のTiOナノ結晶のD9999が、DLSで測定して、20~500nmの範囲、好ましくは200nm未満である、請求項20のいずれか一項に記載のナノ結晶分散物。
【請求項22】
請求項20~21のいずれか一項に記載のナノ結晶分散物と、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含むナノコンポジット製剤。
【請求項23】
1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと;3)溶媒と;4)硬化剤とを含む、ナノコンポジット製剤。
【請求項24】
少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在する、請求項22~23のいずれか一項に記載のナノコンポジット製剤。
【請求項25】
モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーが、例えば、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、およびそれらの組み合わせから選択される、アクリラート、エポキシ、またはイソシアヌラートの化合物である、請求項22~24のいずれか一項に記載のナノコンポジット製剤。
【請求項26】
PGMEA中、5%ナノ結晶分散物としてDLSにより測定して、TiOナノ結晶の平均粒子サイズが、1~5nm、5~10nm、10~15nm、15~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にあり、D9999が100nm未満であり、製剤中のTiOナノ結晶のD9999が、DLSで測定して、20~500nmの範囲にあり、好ましくは、200nm未満である、請求項22~25のいずれか一項に記載のナノコンポジット製剤;
【請求項27】
少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、ナノコンポジットの重量で50%より大きい、例えば60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約55%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約55~90%、約60~90%、約70~90%の量で存在する、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含むナノコンポジットフィルム。
【請求項28】
1ミクロンの厚さを有するフィルムの%透過率が、400nmの波長で、80%より大きい、例えば、85%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%である、請求項27のいずれか一項に記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項29】
<5um厚を有するフィルムのプリズムカプラー(Prism Coupler)を用いて測定した場合、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率、および/または635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有する、請求項27~28のいずれか一項に記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項30】
ナノインデンテーションにより測定して、50Mpaより大きい、100MPaより大きい、または200MPaより大きい、または300MPaより大きい、または400MPaより大きい、例えば、約55Mpa、約100MPa、約200MPa、約300MPa、約400MPa、約500MPa、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~500MPa、または約100~400MPaの硬度を有する、請求項27~29のいずれか一項に記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項31】
ナノコンポジットフィルムのヘイズが、0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満(例えば、約0.01%から約0.1%、約0.1%から約0.2%、約0.1%から約0.5%、約0.2%から約0.5%、または約0.1%から約1%)であり、少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、TEM、SEM、またはEDXの画像により均一な粒子分布により観察されるとおり、フィルム中、凝集なしに均一に分散して、均一なRI分布を実現する、請求項27~30のいずれか一項に記載のナノコンポジットフィルム。
【請求項32】
請求項27~31のいずれか一項に記載のナノコンポジットフィルムを含む装置。
【請求項33】
オプトエレクトロニクス装置、光起電力装置、触媒装置、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサ、CMOSセンサ、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、フレキシブルエレクトロニクス装置、プリンテッドエレクトロニクス装置、拡張現実、仮想現実、複合現実、導波路、回折格子、または太陽電池装置である、請求項32に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本出願は、2018年11月20日に出願された米国仮出願第62/769,703号、および2019年8月28日に出願された米国仮出願第62/892,625号の優先権を主張するものであり、これらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
キャップされたコロイド状TiOナノ結晶、および溶媒中のそれらの分散物、モノマー、オリゴマー、およびポリマーと共に、得られるナノコンポジットフィルムの調製を本明細書に記載する。コロイド状TiOナノ結晶は、1~50nmの間のナノ結晶サイズを有する非常に単分散のものである。これらのナノ結晶を用いて、均一に分散した高配合量のキャップされたナノ結晶を内部に組み込んだナノコンポジットを形成してもよい。ナノ結晶の分散物は、様々な溶媒中で形成されてもよく、これらの分散物は高配合量、高透過率、そして低粘度を有する。これらのナノ結晶とマトリックス材料を組み込んだ結果として得られる製剤は、高度に安定であり、得られたナノコンポジットは、高屈折率で、可視波長で光学的に透明であり、散乱がほとんどまたは全くない。加えて、本開示の方法で合成されたTiOナノ結晶は、同様の方法で合成されたZrOナノ結晶と混合することができて、独自の特性を持つナノコンポジットを形成する。
【背景技術】
【0003】
二酸化チタン(TiO2)、すなわちチタニアは、その独自の物理的および化学的特性とその豊富さおよび無毒性とが相まって、最も広く使用されている多機能セラミック材料の1つである。TiOは、高屈折率や(UV)光吸収性を含むそのバルク特性に起因して、数百万トン規模で商業的に製造されており、顔料、塗料、日焼け止め、および塗膜に普通に見いだすことができる。これらの用途では、数ナノメートルから数マイクロメートルにわたる幅広いサイズのチタニアが利用されている。従来の用途に加えて、チタニアはまた、オプトエレクトロニクス、太陽光発電、触媒、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサ、CMOSセンサ、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、フレキシブルエレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクス、自浄作用のある表面など、他の多くの新しい用途での使用に向けて研究されている。TiOナノ粒子において注目を集めている用途の1つが、導波路、光抽出、および3Dセンサにおける使用向けの高屈折率材料として、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、仮想現実(VR)の用途である。TiOの高屈折率は、AR用途において重要な機能である、AR用途における視野角の向上に有益である。また、チタニアは、光触媒工程用のワイドバンドギャップ半導体材料として大いに研究されている。小さい粒子サイズと形状サイズ(100nm以下)を有するチタニアナノ結晶は、高い可視光透過性とともに高いUV光吸収性を示してきた。モノマーと組み合わせてフィルムにすると、これらのナノコンポジットは高透過性を示す。また、チタニアナノ結晶は、エネルギー貯蔵、サブ回折イメージング、構造色、センシング、集光、クローキング、負の屈折、光情報記録どの分野での多様な用途に起因して、プラズモニクスおよびメタマテリアルの分野でも大きな関心を集めている。
【0004】
より具体的には、50nm未満の粒子サイズのTiOナノ結晶は、その固有の高透過性、高屈折率、およびUV光吸収性に起因して、光学層への用途が考えられる。用途としては、内部光抽出層、光学接着剤、マイクロレンズアレイ、光学コーティング、導波路、回折格子などが考えられる。加えて、これらの材料は、サイズが小さく、有機配位子の機能性に起因して、高い分散性を有し、その配合量は分散物中で80%に達しており、スピン塗布、噴霧塗布、分注、スロットダイ、インクジェット印刷、スクリーン印刷、ナノインプリンティング、フォトパターニング、ロール・ツー・ロール、またはインプリントなどの既存の技術を用いて、容易に堆積/加工することができる。
【0005】
ナノ結晶は、結晶の少なくとも1つの次元が1ミクロン未満のサイズである材料の単結晶である。ナノ結晶は、そのバルク結晶の光学的、機械的、物理的特性を保持していることもあれば、全く異なる特性を示すこともある。ナノ結晶は、液体合成、ソルボサーマル合成、気相合成、エアロゾル合成、熱分解、火炎熱分解、レーザー熱分解、ボールミル、レーザーアブレーションなど、様々な方法により作製することができる。
【0006】
ナノ結晶を製造する一般的な経路では、凝集体が生じることが多く、この凝集体が、得られたナノコンポジット中での散乱や透過性の低下を引き起こす。良好に分散されたナノコンポジットを製造するための1つの鍵は、マトリックスまたは媒体との混合開始前には凝集しないナノ結晶を使用することである。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、1~50nmの間のナノ結晶サイズを有する単分散TiOナノ結晶を準備する方法、およびこれらの方法に従って準備されたTiOナノ結晶を提供する。また、本開示は、TiOナノ結晶をキャップする方法、およびこれらの方法に従って準備されたキャップされたTiOナノ結晶を提供するとともに、これらの方法に従って調製されたTiOナノ結晶を含むモノマー、オリゴマー、およびポリマーの製剤分散物、ナノコンポジット組成物、基材、塗膜、および装置もまた、本明細書で提供される。提供されるナノ結晶は、様々な溶媒中、高配合量、高透過率、低粘度で形成することができる。これらのナノ結晶とマトリックス材料を組み込んだ製剤は、高度に安定であり、得られるナノコンポジットは、高屈折率を有し、随意に可視波長で光学的に透明であり、散乱がほとんどまたは全くない。
【0008】
いくつかの実施形態では、本開示は以下を提供する:
[1] 二酸化チタンの前駆体を溶媒中、TiOナノ結晶に変換することを含む、TiOナノ結晶を調製する方法であって、溶媒の大部分が水ではない、方法;
[2] 前記変換が、1)二酸化チタンの前駆体を、溶媒中、随意に水と混合して反応混合物を提供することと、2)反応混合物を反応温度、例えば、約180℃から約250℃、約200℃から約210℃で一定時間の間、加熱して、TiOナノ結晶を提供することとを含む、[1]に記載の方法;
[3] 前記変換が、1)二酸化チタンの前駆体および随意に水を溶媒に加えて、反応混合物を提供することと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば、約200℃から約210℃、または約203℃から約207℃)の反応温度で、約10分から5時間(例えば、20分から1時間、または1~5時間)、加熱して、TiOナノ結晶を得ることとを含む、[1]に記載の方法;
[4] 反応温度での反応混合物の加熱を、約40psiから約500psi、例えば約40psiから約150psiの範囲の圧力下で実行する、[2]または[3]に記載の方法;
[5] 反応混合物を毎分約0.1℃から5℃、例えば毎分約0.5℃から約3℃の加熱速度で加熱して反応温度にする、[2]~[4]のいずれか1つに記載の方法;
[6] 水に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、該当する場合、約1:0から約1:10、例えば、約1:0~1:0.1、1:0.1~1:0.5、1:0.5~1:1、1:1~1:1.5、1:1.5~1:2、1:2~1:2.5、1:2.5~1:3、1:3~1:3.5、1:3.5~1:4、1:4~1:4.5、1:4.5~1:5、1:5~1:5.5、1:5.5~1:6、1:6~1:6.5、1:6.5~1:7、1:7~1:7.5、1:7.5~1:8、1:8~1:8.5、1:8.5~1:9、1:9~1:9.5、または1:9.5~1:10の範囲である、[1]~[5]のいずれか1つに記載の方法;
[7] 溶媒に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:1から約1:150、例えば、約1:1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1: 55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、1:95~1:100、または1:100~1:150の範囲である、[1]~[6]のいずれか1つに記載の方法;
[8] 二酸化チタンの前駆体が、チタンアルコキシド、例えば、Ti(OR)4の式を有するチタンアルコキシド、Ti(OR)xGyの式を有する化合物、またはそれらの組み合わせであり、各R基を独立に、アルキル基(例えば、C1-C6アルキル基)、または置換アルキル基とすることができ、G基がその出現のたびに独立に、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xが0~4の整数であり、yが0~4の整数であるが、ただし、x+yが4である、[1]~[7]のいずれか1つに記載の方法;
[9] 二酸化チタンの前駆体が、チタンメトキシド(Ti(OCH)、チタンエトキシド(Ti(OCHCH)、チタンn-プロポキシド(Ti(OCHCHCH)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH)、チタンn-ブトキシド(Ti(OCHCHCHCH)、チタンオキシアセチルアセトナート(TiO(CHCOCHCOCH)、チタンクロリド(TiCl)、チタンクロロトリイソプロポキシチタン(TiCl(OCH(CH)、クロロトリブトキシチタン(TiCl(OCHCHCHCH)、チタンジクロリドジエトキシド(TiCl(OCHCH)、およびそれらの組み合わせから選択される、[1]~[7]のいずれか1つに記載の方法;
[10] 二酸化チタンの前駆体が、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンn-プロポキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn-ブトキシド、またはそれらの組み合わせである、[1]~[7]のいずれか1つに記載の方法;
[11] 溶媒が、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、水、またはそれらの組み合わせである、[1]~[10]のいずれか1つに記載の方法;
[12] 溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、および水から選択される1つまたは複数の溶媒を含む、[1]~[10]のいずれか1つに記載の方法;
[13] 溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、および/またはオクタデカノールを含む、[1]~[10]のいずれか1つに記載の方法;
[14] [1]~[13]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶がアナターゼ結晶構造を有する方法;
[15] [1]~[14]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が、TEMにより測定して、50nm未満(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、または約5nm未満、例えば、約1nm、約4nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約35nm、約30nm、約40nm、約50nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、約30nmからから40nm、約4nmから約50nm、約4nmから約20nm、約15nmから約20nm、または約10nmから約25nm)の平均粒子サイズを有する、方法;
[16] [1]~[15]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が、TEMにより測定して、約4nmから約50nm、例えば、約4nmから約20nm、または約15nmから約20nmの平均粒子サイズを有する、方法;
[17] [16]に記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が、TEMにより測定して、約10nmから約25nmの平均粒子サイズを有する、方法;
[18] TEMで測定して、10nm未満(例えば5nm未満、例えば約1nmから約5nm、または約1nmから約10nm)の平均粒子サイズを有するTiOナノ結晶を準備する方法であって、1)二酸化チタンの前駆体および水を溶媒に加えて反応混合物を提供することと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば約200℃から約210℃、約203℃から約207℃)の反応温度で約10分から5時間(例えば、約20分から1時間、または1~5時間)、加熱して、TiOのナノ結晶を提供することとを含み、水に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:0.3から約1:3、例えば、約1:0.5から約1:2.5、約1:0.5から約1:1、約1:1から約1:1.5、約1:1.5から約1:2、約1:2から約1:2.5の範囲である、方法;
[19] 反応温度での反応混合物の加熱を、約40psiから約500psi、例えば約40psiから約150psiの範囲の圧力下で実行する、[18]に記載の方法;
[20] 反応混合物を毎分約0.1℃から5℃、例えば毎分約0.5℃から約3℃の加熱速度で加熱して反応温度にする、[18]~[19]のいずれか1つに記載の方法;
[21] 溶媒に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:1から約1:150、例えば、1:1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1: 55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、1:95~1:100、1:100~1:150の範囲である、[18]~[20]のいずれか1つに記載の方法;
[22] TEMにより測定して、4nmより大きいが50nm未満(例えば、約10nmから約25nm、または約4nmから約20nm)の平均粒子サイズを有するTiOナノ結晶を準備する方法であって、1)二酸化チタンの前駆体および水を溶媒に加えて反応混合物を提供することと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば、約200℃から約210℃)の反応温度で、約10分から5時間(例えば20分から1時間、または1~5時間)、加熱して、TiOのナノ結晶を提供して、水に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:0.3から約1:3、例えば、約1:0.5~約1:2.5、約1:0.5から約1:1、約1:1から約1:1.5、約1:1.5から約1:2、約1:2から約1:2.5、または1未満、例えば、0.5未満、約0.1未満、約0.2未満、約0.3未満、約0.4未満、約0.45未満、または約0.2から約0.5、または約0.3から約0.45の範囲である、方法;
[23] 反応温度での反応混合物の加熱を、約40psiから約500psi、例えば約40psiから約150psiの範囲の圧力下で実行する、[22]に記載の方法;
[24] 反応混合物を毎分約0.1℃から5℃、例えば毎分約0.5℃から約3℃の加熱速度で加熱して反応温度にする、[22]~[23]のいずれか1つに記載の方法;
[25] 溶媒に対する二酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:1から約1:150、例えば、1:1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1: 55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、1:95~1:100、1:100~1:150の範囲である、[22]~[24]のいずれか1つに記載の方法;
[26] 二酸化チタンの前駆体が、チタンアルコキシド、例えば、Ti(OR)の式を有するチタンアルコキシド、Ti(OR)の式を有する化合物、またはそれらの組み合わせであり、各R基を独立に、アルキル基、または置換アルキル基とすることができ、G基がその出現のたびに独立に、ハロゲン(例えば、Cl)であり、xが0~4の整数であり、yが0~4の整数であるが、ただし、x+yが4である、[18]~[25]のいずれか1つに記載の方法;
[27] 二酸化チタンの前駆体が、チタンメトキシド(Ti(OCH)、チタンエトキシド(Ti(OCHCH)、チタンn-プロポキシド(Ti(OCHCHCH)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH)、チタンn-ブトキシド(Ti(OCHCHCHCH)、チタンオキシアセチルアセトナート(TiO(CHCOCHCOCH)、チタンクロリド(TiCl)、チタンクロロトリイソプロポキシチタン(TiCl(OCH(CH)、クロロトリブトキシチタン(TiCl(OCHCHCHCH)、チタンジクロリドジエトキシド(TiCl(OCHCH)、およびそれらの組み合わせから選択される、[18]~[25]のいずれか1つに記載の方法;
[28] 二酸化チタンの前駆体が、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンn-プロポキシド、チタンイソプロポキシド、チタンn-ブトキシド、またはそれらの組み合わせである、[18]~[25]のいずれか1つに記載の方法;
[29] 溶媒が、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、水、またはそれらの組み合わせである、[18]~[28]のいずれか1つに記載の方法;
[30] 溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、および水から選択される1つまたは複数の溶媒を含む、[18]~[28]のいずれか1つに記載の方法;
[31] 溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、および/またはオクタデカノールを含む、[18]~[28]のいずれか1つに記載の方法。
[32] 前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶がアナターゼ結晶構造を有する、[18]~[31]のいずれか1つに記載の方法;
[33] [1]~[32]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が狭い粒子サイズ分布を有し、この粒子サイズ分布が、1)5未満、好ましくは3未満、または2未満、例えば、約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.8、約1.2から約3、または約1.5から約3のD90:D10の比;2)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD90:D50の比;および/または3)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD50:D10の比を特徴とする、方法;
[34] [1]~[32]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が狭い粒子サイズ分布を有し、この粒子サイズ分布が、TEMにより測定して、ナノ結晶のメジアン粒子サイズの15%以下(例えば、10%以下、または5%以下、例えば、約1%から約15%、約5%から約10%、または約10%から約15%)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする、方法;
[35] [1]~[32]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が狭い粒子サイズ分布を有し、この粒子サイズ分布が、TEMにより測定して、5nm以下(例えば、3nm以下、または約1nm以下、例えば約1nm、約3nm、約5nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約1~3nm、約1~5nm、約3~5nm等)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする、方法;
[36] [1]~[32]のいずれか1つに記載の方法であって、前記方法に従って準備されたTiOナノ結晶が狭い粒子サイズ分布を有し、約90%より大きい(例えば、約95%より大きい、または約99%より大きい、例えば、約91%、約95%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%、90~95%、または95~99%)のナノ粒子が、TEMにより測定して、平均粒子サイズから5nm以内の粒子サイズを有することを、この粒子サイズ分布が特徴とする、方法;
[37] TiOナノ結晶から溶媒を分離して、湿潤なTiOナノ結晶を提供することをさらに含む、[1]~[36]のいずれか1つに記載の方法;
[38] 湿潤なTiOナノ結晶を第2の溶媒、例えばキャップ溶媒に懸濁させることをさらに含む、[37]に記載の方法;
[39] [1]~[38]のいずれか1つに記載の方法により準備されたTiOナノ結晶;
[40] TEMにより測定して、50nm未満(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、または約5nm未満、例えば、約1nm、約4nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約35nm、約30nm、約40nm、約50nm、または記載の値の間のいずれかの範囲)の平均粒子サイズを有する、例えば、TEMにより測定して、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、約30nmから約40nm、約4nmから約50nm、約4nmから約20nm、約15nmから約20nm、または約10nmから約25nmの平均粒子サイズを有するTiOナノ結晶;
[41] 1)5未満、好ましくは3未満、または2未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.8、約1.2から約3、または約1.5から約3のD90:D10の比;2)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD90:D50の比;および/または3)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD50:D10の比を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有する、[40]に記載のTiOナノ結晶;
[42] TEMにより測定して、ナノ結晶のメジアン粒子サイズの15%以下(例えば、10%以下、または5%以下、例えば約1%から約15%、約5%から約10%、または約10%から約15%)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有する、[40]に記載のTiOナノ結晶;
[43] TEMにより測定して、5nm以下(例えば、3nm以下、または約1nm以下、例えば約1nm、約3nm、約5nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約1~3nm、約1~5nm、約3~5nm等)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有する、[40]に記載のTiOナノ結晶;
[44] TEMにより測定して、約90%より大きい(例えば、約95%より大きい、または約99%より大きい、例えば約91%、約95%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%、90~95%、または95~99%等)のナノ結晶が、平均粒子サイズから5nm以内の粒子サイズを有することを特徴とする狭い粒子サイズ分布を有する、[40]に記載のTiOナノ結晶;
[45] アナターゼ結晶構造を有する、[40]~[44]のいずれか1つに記載のTiOナノ結晶;
[46] [39]~[45]のいずれか1つに記載のTiOナノ結晶を、第1のキャップ溶媒中、第1のキャップ剤と反応させて、第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することを含む、TiOナノ結晶をキャップする方法;
[47] 前記反応が、1)[39]~[45]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を、第1のキャップ溶媒中、第1のキャップ剤と混合して、第1の反応混合物を提供することと;2)第1の反応混合物を、例えば、第1のキャップ溶媒の還流温度で、一定時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱して、第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することとをさらに含む、[46]に記載の方法;
[48] 1)第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を、第2のキャップ溶媒中、第2のキャップ剤と混合して、第2の反応混合物を提供することと;2)第2の反応混合物を、例えば、第2のキャップ溶媒の還流温度で、一定時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱して、第2の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することとをさらに含む、[46]または[47]に記載の方法;
[49] a)それぞれの加熱ステップ2)の後に、第1のまたは第2の反応混合物に水を加えることと、b)第1のまたは第2の反応混合物をさらなる時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱することとをさらに含む、[45]~[48]のいずれか1つに記載の方法;
[50] 第1のまたは第2の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を分離、精製、および/または乾燥させることをさらに含む、[45]~[49]のいずれか1つに記載の方法;
[51] 第1のまたは第2のキャップ剤が、シラン、アルコール、カルボン酸、チオール、スルホナート、ホスホナート、ホスファート、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[45]~[50]のいずれか1つに記載の方法;
[52] 第1のまたは第2のキャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[45]~[50]のいずれか1つに記載の方法;
[53] 第1のまたは第2のキャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから独立に選択され、例えば、第1のまたは第2のキャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[45]~[50]のいずれか1つに記載の方法;
[54] 第1のまたは第2のキャップ溶媒が、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、水、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[45]~[53]のいずれか1つに記載の方法;
[55] 第1のまたは第2のキャップ溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、水、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[45]~[53]のいずれか1つに記載の方法;
[56] 第1のまたは第2のキャップ溶媒が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから独立に選択され、例えば、第1または第2キャッピング溶媒が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[45]~[53]のいずれか1つに記載の方法;
[57] [45]~[56]のいずれか1つに記載の方法により準備された、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[58] シラン、アルコール、カルボン酸、チオール、スルホナート、ホスホナート、ホスファート、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされた、[39]~[45]のいずれか1つに記載のTiOナノ結晶を含む、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[59] 少なくとも1つのキャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[58]に記載の少なくとも部分的にキャップされたナノTiO結晶;
[60] 少なくとも1つのキャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、少なくとも1つのキャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択される、[58]または[59]に記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[61] 乾燥形態および/または実質的に純粋な形態であり、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、および/またはTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない、[57]~[60]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[62] [57]~[61]のいずれか1つに記載の、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[63] 溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた二酸化チタンナノ結晶の体積で測定した平均粒子サイズが、動的光散乱法(Dynamic Light Scattering(DLS))により測定して、130nm未満(例えば、120nm未満、100nm未満、80nm未満、50nm未満、20nm未満、または10nm未満、例えば、約10nm、約20nm、約50nm、約80nm、約100nm、約120nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約10から約50nm、約50nmから約100nm等)であることを特徴とする、[57]~[62]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[64] 動的光散乱法(DLS)により、溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた二酸化チタンナノ結晶の体積で測定して、D9999が、500nm未満(例えば、200nm未満、100nm未満、または50nm未満、例えば、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約20nmから約50nm、約50nmから約100nm、約20nmから約200nm、約100nmから約200nm等)であることをさらに特徴とする、[63]に記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[65] TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を特徴とする、[57]~[64]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶;
[66] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物の重量に対して30%より大きい、例えば40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在する、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物;
[67] [57]~[65]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶、例えば、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を含む、[66]に記載のナノ結晶分散物であって、好ましくは、キャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択され、より好ましくは、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランである、ナノ結晶分散物;
[68] 溶媒が、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、水、およびそれらの組み合わせから独立に選択される、[66]または[67]に記載のナノ結晶分散物;
[69] 溶媒が、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、水、およびそれらの組み合わせから選択される、[66]または[67]に記載のナノ結晶分散物であって、好ましくは、溶媒が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される、ナノ結晶分散物;
[70] 溶媒が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される、[66]または[67]に記載のナノ結晶分散物であって、好ましくは、溶媒が、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、溶媒がプロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)である、ナノ結晶分散物;
[71] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、分散剤(例えば、非イオン性分散剤、アニオン性分散剤、またはそれらの組み合わせ)とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物の重量に対して、30%より大きい、例えば40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲の量で存在する、ナノ結晶分散物;
[72] 分散剤が、ポリアルキレングリコール類およびそのエステル類、ポリオキシアルキレン類、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加生成物、アルコールアルキレンオキシド付加生成物、スルホン酸エステル類、スルホン酸塩類、カルボン酸エステル類、カルボン酸塩類、アルキルアミドアルキレンオキシド付加生成物、アルキルアミン類、およびそれらの組み合わせから選択される、[71]に記載のナノ結晶分散物;
[73] 分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズが、TEMにより測定して、1~50nm、例えば4~20nm、または15~20nmの範囲である、[66]~[72]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物;
[74] 分散物中のTiOナノ結晶のD9999が、DLSにより決定して、20~500nmの範囲、好ましくは200nm未満である、[66]~[73]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物;
[75] 分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している、[66]~[74]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物;
[76] 分散物が、2週間より長い間、例えば、3週間もしくは4週間の間、または3週間より長い間、4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す、[66]~[75]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物;
[77] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を溶媒と混合して分散物を形成することを含む方法によって準備された、[66]~[76]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物;
[78] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、実質的に純粋な形態である、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、および/またはTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない、[77]に記載のナノ結晶分散物;
[79] 前記方法が、乾燥形態の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を溶媒と混合して分散物を形成することを含む、[77]または[78]に記載のナノ結晶分散物;
[80] [66]~[79]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物と、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含むナノコンポジット製剤;
[81] [66]~[79]のいずれか1つに記載のナノ結晶分散物と、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合することを含む方法により準備されたナノコンポジット製剤;
[82] 1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含む、ナノコンポジット製剤;
[83] 1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと;3)溶媒とを含む、ナノコンポジット製剤;
[84] 1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと;3)硬化剤とを含む、ナノコンポジット製剤;
[85] 1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと;3)溶媒と;4)硬化剤とを含む、ナノコンポジット製剤;
[86] 硬化剤、接着促進剤、湿潤剤、レベリング剤、分散剤、粘度調整剤、および酸化防止剤から選択される1つまたは複数の成分をさらに含む、[80]~[85]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[87] [57]~[65]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶、例えばメチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を含む、[80]~[86]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤であって、好ましくは、キャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択され、さらに好ましくは、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランである、ナノコンポジット製剤;
[88] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、実質的に純粋な形態である、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、および/またはTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない、[80]~[87]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[89] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在する、[80]~[88]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[90] モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、例えば、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、およびそれらの組み合わせから選択される、アクリラート、エポキシ、またはイソシアヌラートの化合物である、[80]~[89]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[91] モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート (SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラートである、[80]~[89]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[92] 溶媒が、存在する場合には、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、溶媒が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択され、より好ましくは、溶媒が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、溶媒が、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、またはそれらの組み合わせである、[80]~[91]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[93] 硬化剤が、存在する場合には、光重合開始剤、および/または熱フリーラジカル開始剤である、[80]~[92]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[94] 硬化剤が、エベクリル(登録商標)Pl 15(Ebecryl(登録商標) Pl 15)、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、スピードキュアBEM(SpeedCure BEM)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184(Irgacure(登録商標) 184)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィナート、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-イソプロピルトキサントン、ダロキュア4265(Darocure 4265)、スピードキュアXkm、メチルベンゾイルホルメート、チオキサンテン-9-オン、ジクミルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾアート、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルアセタート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、およびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の薬剤を含む、[93]に記載のナノコンポジット製剤;
[95] 硬化剤が、エベクリル(登録商標)Pl 15、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184、ベンゾイルペルキオシド、および2,2’-アゾビスイソブチロニトリルから選択される1つまたは複数の薬剤を含む、[93]に記載のナノコンポジット製剤;
[96] 3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-[(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン、CN820、CN146、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの接着促進剤をさらに含む、[80]~[95]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[97] BYK-307、BYK-330、ノベック4430(Novec 4430)、ノベック4432、ノベック4434、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む、[80]~[96]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[98] BYK-352、BYK-353、BYK-356、BYK-361N、BYK-322、BYK-323、BYK-350、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレベリング剤をさらに含む、[80]~[97]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[99] ディスパーBYK-101(DISPERBYK-101)、ディスパーBYK-130、ディスパーBYK-140、ディスパーBYK-160、ディスパーBYK-161、ディスパーBYK-162、ディスパーBYK-163、ディスパーBYK-164、ディスパーBYK-165、ディスパーBYK-166、ディスパーBYK-170、ディスパーBYK-171、ディスパーBYK-182、ディスパーBYK-2000、ディスパーBYK-2001、ソルスパース32000(Solsperse 32000)、ソルスパース36000、ソルスパース28000、ソルスパース20000、ソルスパース41000、およびソルスパース45000、FC-4430、FC-4432、FC-4434(3M)、キャップストーンFS-3100(Capstone FS-3100)、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの分散剤をさらに含む、[80]~[98]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[100] イルガノックス1010(Irganox1010)、イルガノックス1076、ソングノックス(登録商標)1076(SongNox(登録商標)1076)、ソングノックス(登録商標)2450、ソングノックス(登録商標)1680、イルガフォス168(Irgaphos168)、ソングライト(登録商標)6220(SongLight(登録商標)6220)、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含む、[80]~[99]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[101] 製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズが、TEMにより測定して、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である、[80]~[100]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[102] 製剤中のTiOナノ結晶のD9999が、DLSにより決定して、20~500nmの範囲、好ましくは200nm未満である、[80]~[101]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[103] 製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している、[80]~[102]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[104] 製剤が、2週間より長い間、例えば、3週間もしくは4週間の間、または3週間より長い間、4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す、[80]~[103]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[105] ブルックフィールドRVDV II+(Brookfield RVDV II+)コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、約1cpから約1000cp、例えば、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~約30cP、約30cP~約40cP、約40cP~約50cP、約50cP~約60cP、約60cP~約75cP、約75cP~約100cP、約100cP~約200cP、約200cP~約500cP、または約500cP~約1,000cPの範囲の調整可能な粘度を有する、[80]~[104]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[106] チタニア粒子、ポリマービーズ、シリカ粒子、またはZrOナノ結晶の制御された凝集体などの少なくとも1つの散乱体粒子をさらに含む、[80]~[105]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[107] 少なくとも1つの散乱体が、約50nmから約2μm、例えば50~100nm、100~200nm、200~300nm、300~400nm、400~500nm、500~600nm、600~700nm、700~800nm、800~900nm、900nmから1μm、1~1.5μm、または1.5~2μmの範囲の粒子サイズを有する、[106]に記載のナノコンポジット製剤;
[108] 少なくとも1つの散乱体粒子が、製剤の全重量に対して0.1~40重量%の量である、[106]または[107]に記載のナノコンポジット製剤;
[109] 製剤が、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、5cPs未満、または5cPs~50cPs、または50cPs~200cPs、または200cPs~400cPs、または400cPs~650cPs、または650cPs~1000cPsの粘度を有する、[106]~[108]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤;
[110] [80]~[109]のいずれか1つに記載のナノコンポジット製剤を基材の表面に付着させることを含む、基材に塗膜する方法;
[111] 基材が、ガラス基材、セラミック基材、金属基材、および/またはプラスチック基材である、[110]に記載の方法;
[112] ナノコンポジット製剤を、スピン塗布、噴霧、浸漬、スクリーン印刷、ロール、ペイント、印刷、インクジェット印刷、分注、ロール・ツー・ロール塗布、蒸発および/または気相成長による堆積、好ましくはスピン塗布、インクジェット印刷、インプリンティング、ナノインプリンティング、フォトパターニング、ロール・ツー・ロール塗布、スロットダイ塗布、および/またはスクリーン印刷によって、基材の表面に付着させる、[110]または[111]に記載の方法;
[113] ナノコンポジット製剤を、例えば、UV光などの光、または熱処理によって硬化させることをさらに含む、[110]~[112]のいずれか1つに記載の方法;
[114] [110]~[113]のいずれか1つに記載の方法により準備された、塗膜された基材;
[115] [114]に記載の塗膜された基材を含む装置;
[116] オプトエレクトロニクス装置、光起電力装置、触媒装置、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサ、CMOSセンサ、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、フレキシブルエレクトロニクス装置、プリンテッドエレクトロニクス装置、拡張現実、仮想現実、複合現実、導波路、回折格子、または太陽電池装置である、[115]に記載の装置;
[117] 内部光抽出層としてレンズ構造を含む、例えば発光ダイオード装置である、[115]に記載の装置であって、内部光抽出層が、[114]に記載の塗膜された基材を含む、装置;
[118] 少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、ナノコンポジットの重量に対して、50%より大きい、例えば60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約55%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約55~90%、約60~90%、約70~90%の量で存在する、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含むナノコンポジットフィルム;
[119] [57]~[65]のいずれか1つに記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶、例えばメチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を含む、[118]に記載のナノコンポジットフィルムであって、好ましくは、キャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択され、さらに好ましくは、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランである、ナノコンポジットフィルム;
[120] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、実質的に純粋な形態である、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、およびTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない、[118]または[119]に記載のナノコンポジットフィルム;
[121] モノマー、オリゴマーおよび/またはポリマーが、例えば、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、およびそれらの組み合わせから選択される、アクリラート、エポキシ、またはイソシアヌラートの化合物である、[118]~[120]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[122] モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート (SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラートである、[118]~[120]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[123] PGMEA中、5%ナノ結晶分散物としてDLSにより測定して、TiOナノ結晶の平均粒子サイズが、1~5nm、5~10nm、10~15nm、15~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にあり、D9999が100nm未満である、[118]~[122]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[124] 1ミクロンの厚さを有するフィルムの%透過率が、400nmの波長で、80%より大きい、例えば、85%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%である、[118]~[123]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[125] <5um厚を有するフィルムのプリズムカプラー(Prism Coupler)を用いて測定した場合、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率、および/または635nmで、約1.70から約2.10、例えば1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有する、[118]~[124]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[126] ナノインデンテーションにより測定して、50Mpaより大きい、100MPaより大きい、または200MPaより大きい、または300MPaより大きい、または400MPaより大きい、例えば、約55Mpa、約100MPa、約200MPa、約300MPa、約400MPa、約500MPa、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~500MPa、または約100~400MPaの硬度を有する、[118]~[125]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[127] 1ミクロンの厚さを有するフィルムの%吸収率が、積分球で測定して、450nmの波長で、0.1%未満、0.05%未満、または0.01%未満である、[118]~[126]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[128] 5ミクロン×5ミクロンの面積についてAFMで測定して、1nm未満のRaの表面粗さを有する、[118]~[127]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[129] ナノコンポジットフィルムのヘイズが、ヘイズメータにより測定して、0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満(例えば、約0.01%から約0.1%、約0.1%から約0.2%、約0.1%から約0.5%、約0.2%から約0.5%、または約0.1%から約1%)であり、b*が、1未満、または0.5未満、または0.1未満(例えば、約0.01から約0.1、約0.1から約0.5、約0.1から約0.2、または約0.1から約1)である、[118]~[128]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[130] ナノコンポジットフィルムのヘイズが、0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満(例えば、約0.01%から約0.1%、約0.1%から約0.2%、約0.1%から約0.5%、約0.2%から約0.5%、または約0.1%から約1%)であり、少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、TEM、SEM、またはEDXの画像による均一な粒子分布により観察されるとおり、フィルム中、凝集なしに均一に分散して、均一なRI分布を実現する、[118]~[129]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルム;
[131] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む、[118]~[130]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルムを準備する方法;
[132] 溶媒中、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む、[118]~[130]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルムを準備する方法;
[133] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、硬化剤と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む、[118]~[130]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルムを準備する方法;
[134] 溶媒中、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、硬化剤と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む、[118]~[130]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルムを準備する方法;
[135] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、[46]~[56]の方法のいずれか1つに従って準備される、[131]~[134]のいずれか1つに記載の方法;
[136] 少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、[1]~[38]の方法のいずれか1つに従って準備されたTiOナノ結晶から準備される、[131]~[135]のいずれか1つに記載の方法;
[137] [118]~[130]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルムを含む装置;
[138] オプトエレクトロニクス装置、光起電力装置、触媒装置、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサ、CMOSセンサ、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、フレキシブルエレクトロニクス装置、プリンテッドエレクトロニクス装置、拡張現実、仮想現実、複合現実、導波路、回折格子、または太陽電池装置である、[137]に記載の装置;または
[139] 内部光抽出層としてレンズ構造を含む、例えば発光ダイオード装置である、[138]に記載の装置であって、内部光抽出層が、[118]~[130]のいずれか1つに記載のナノコンポジットフィルムを含む、装置;
【0009】
ナノ結晶の凝集は、ナノ結晶の表面化学(または実効表面の化学)によって制御される。分散物中では、ナノ結晶の表面間の粒子間力(静電力、ファンデルワールス力、エントロピー力など)が生じる結果、凝集体を形成する傾向がある。ナノ結晶では、これらの粒子間力が特に重要であり、その理由は、こうした粒子については体積に対する表面積の比が大きいからである。分散物中の凝集を避けるには、ナノ結晶の表面を不動態化(または安定化)させることが望ましい。ナノ結晶の表面を不動態化させるのに使用してもよい方法の一つは、配位子のイオンや分子の導入が関与するものである。キャップ剤とも呼ばれるこれらの配位子は、ナノ結晶の表面に加えられ、よって、ナノ結晶の新しい実効表面を生み出す。この実効表面は、キャップ剤による完全なまたは部分的な表面被覆によって生み出された殻の表面である。この実効表面の化学的性質は、ナノ結晶の実際の表面または初期の表面とは大きく異なる化学的環境を生み出すよう個別に調整することができ、この環境が、凝集を防止または低減しつつ分散を促進する。
【0010】
金属酸化物コロイド状ナノ結晶の液体合成は、合成中に少なくとも部分的に表面不動態化されたナノ結晶を製造する方法である。液体合成は、キャップ剤の存在を伴って、または伴わずに溶媒中で行われる。ナノ結晶は、合成中および合成後に、少なくとも部分的に、キャップ剤によって凝集から保護される。
【0011】
液体合成によるナノ結晶の合成後、1つの配位子またはキャップ剤を少なくとも部分的に異なるもので置き換えるキャッピング交換反応として知られる工程によって、作製時の状態の表面不動態化を修飾することができる。この工程では、ナノ結晶は通常、所望のキャップ剤とともに溶媒に分散させる。場合によっては、交換過程をさらに促進させるために、懸濁物の温度を上昇させてもよい。キャッピング交換の結果、新たなキャップ剤がナノ結晶表面の一部に付加されるか、それまでの表面不動態化剤の一部が新しいキャップ剤で置き換えられるか、またはそれらの何らかの組み合わせである。新たなキャップ剤は、実効的なナノ結晶表面と、最終的な分散物または用途向けに選択された溶媒または他の媒体との間の化学的適合性を生じるように選択してもよい。
【0012】
より高品質のナノコンポジットを実現するためには、ナノ結晶の粒子サイズは、有利には少なくとも1つの次元で50nm未満、好ましくは少なくとも1つの次元で30nm未満、好ましくは少なくとも1つの次元で20nm未満、好ましくは少なくとも1つの次元で10nm未満であって、狭い粒子サイズ分布を有し、さらには特定の粒子形状(棒状、球状等)を有するのが望ましい。加えて、ナノ結晶の表面化学は、有利には充分に不動態化しており、凝集を防止または低減し、溶媒および/またはマトリックス材料との適合性を増加または促進し、それによって、ナノ結晶を、ナノコンポジットまたはそれを含有する他の基材中に分散させることが可能になる、またはその分散を向上させる。
【0013】
本開示のナノ結晶はまた、例えば、ナノ粒子、量子ドット、およびコロイド粒子を含むものとして当技術分野で認識されることになり、数百ナノメートルから最小で1nm以下までの範囲のサイズを有する結晶質および/または非晶質の粒子を含むことができる。
【0014】
官能化シランは、キャップ剤としてナノ結晶酸化物材料の表面に集合させるのに使用される一般的な種類の有機化合物である。これらのシラン類は典型的には、頭部と尾部の成分から構成される。官能化シランの頭部は、典型的にはトリアルコキシシラン基またはトリクロロシラン基のいずれかであるが、二置換および一置換のアルコキシおよびクロロシランもあり得る。頭部は、酸化物の表面に存在する水酸基(-OH)との、または-OR基であってRをアルキル基またはアリール基とするものとの共有結合を介してその表面に固定されて、副生成物としてアルコール、塩化アルキル、水、またはHClが取り除かれる。官能化シランの尾部には、長さの異なるアルキル鎖、アリール基、エーテル基、アミン類、チオール類、アクリラート、メタクリラート、またはカルボン酸の1つまたは複数を含むことができる。
【0015】
酸化物材料の表面を不動態化させるのにキャップ剤として使用される他の種類の有機化合物には、カルボン酸類およびアルコール類が挙げられる。カルボン酸類の頭部は、カルボキシル(-COOH)基であり、アルコール類は-OH基である。その頭部は、酸化物の表面に存在する水酸基(-OH)との、または-OR基であってRをアルキル基またはアリール基とするものとの共有結合によってその表面に固定されて、副生成物としてアルコール、または水が取り除かれる。官能化されたカルボン酸類やアルコール類の尾部は、様々な長さのアルキル鎖、アリール基、エーテル基、アミン類、チオール類、アクリラート類、メタクリラート類、またはカルボン酸類から構成することができる。
【0016】
金属酸化物の表面を不動態化させるのに使用することのできるさらに別の種類の有機化合物が、チオール類、スルホナート類、ホスファート類、およびホスホナート類を含む頭部の基を有し、この場合、この分子の頭部が、酸化物の表面に存在する水酸基(-OH)との、または-OR(R=アルキルまたはアリール)基との共有結合によってその表面に固定されて、副生成物としてアルコール、または水が取り除かれる。これらの有機化合物の尾部は、様々な長さのアルキル鎖、アリール基、エーテル基、アミン類、チオール類、アクリラート類、またはメタクリラート類から構成することができる。
【0017】
本開示は、シラン類、アルコール類、チオール類、スルホナート類、ホスホナート類、ホスファート類、および/またはカルボン酸類を用いてナノ結晶を表面修飾する方法をさらに含む。この方法は、ナノ結晶の合成中にキャップ剤を堆積させること、または合成後に、ナノ結晶上に最初存在していたキャップ剤の少なくとも一部を第2のものと配位子交換させることを通じてキャップ剤を堆積させることを含む。これらの反応は、常温の、加熱された、および/または高温/高圧の条件下で行うことができる。
【0018】
本開示は、キャップされたTiOナノ結晶の分散物および製剤をさらに含む。これらの分散物は、溶媒中にあってもよく、製剤は、他の添加物に加えて、モノマー、オリゴマー、およびポリマーを含んでもよい。
【0019】
本開示は、マトリックスと、その中に例えば混合、撹拌、または分散させたナノ結晶とを含有するナノコンポジット材料をさらに含む。本開示によるナノコンポジットは、例えば、UV硬化、熱硬化、溶融ブレンド、インサイチュ(in situ)重合、および/または、ナノ結晶とマトリックス材料もしくはマトリックスの前駆体との溶媒混合によって作製してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、10ナノメートル未満の粒子サイズを示す、実施例8に記載の酸化チタンナノ結晶の例示的なTEM画像である。
図2図2は、PGMEA中、5重量%の、実施例8に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な強度対粒子サイズのDLSプロットであり、11.260ナノメートルの平均粒子サイズを有する凝集体に起因して、20ナノメートル未満の粒子サイズを示す。
図3図3は、PGMEA中、5重量%の、実施例8に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な体積対粒子サイズのDLSプロットであり、9.462ナノメートルの平均粒子サイズを有する凝集体に起因して、25ナノメートル未満の粒子サイズを示す。
図4図4Aは、PGMEA中、50重量%で分散させた実施例8に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な光学濃度プロットである。 図4Bは、PGMEA中、50重量%で分散させた実施例8に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な光透過率プロットである。
図5図5は、PGMEA中、50重量%で分散させた実施例8に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的なTGAプロットである。
図6図6は、アナターゼ相に一致する実施例8に記載の酸化チタンナノ結晶の例示的なXRDパターンである。
図7図7は、30ナノメートル未満の粒子サイズを示す実施例10に記載の酸化チタンナノ結晶の例示的なTEM画像である。
図8図8は、アナターゼ相に一致する実施例10に記載の酸化チタンナノ結晶の例示的なXRDパターンである。
図9図9は、PGMEA中、5重量%の、実施例10に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な強度対粒子サイズのDLSプロットであり、50.7ナノメートルの平均粒子サイズを有する凝集体に起因して、130ナノメートル未満の粒子サイズを示す。
図10図10は、PGMEA中、5重量%の、実施例10に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な体積対粒子サイズのDLSプロットであり、15.7ナノメートルの平均粒子サイズを有する凝集体に起因して、100ナノメートル未満の粒子サイズを示す。
図11図11は、PGMEA中、50重量%で分散させた実施例10に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的なTGAプロットである。
図12図12は、実施例12に記載の製剤の例示的なTGAプロットである。
図13図13は、実施例12に記載の製剤の例示的な光透過率である。
図14図14は、実施例12に記載の製剤から製造された2ミクロン厚のスピン塗布されたナノコンポジットフィルムの例示的な光透過率プロットである。
図15図15は、実施例14に記載の製剤から製造された1ミクロン厚のスピン塗布された作製時の状態(実線)のナノコンポジットフィルムと、真空下で2時間、150℃の熱処理を行った後(点線)の例示的な光透過率プロットである。
図16図16は、実施例15に記載の製剤から製造された1ミクロン厚のスピン塗布された作製時の状態(実線)のナノコンポジットフィルムと、真空下で2時間、150℃の熱処理を行った後(点線)の例示的な光透過率プロットである。
図17図17は、実施例16に記載の製剤の例示的なTGAプロットである。
図18図18は、実施例16に記載の製剤から製造された2ミクロン厚のスピン塗布されたナノコンポジットフィルムの例示的な光透過率プロットである。
図19図19は、実施例17に記載の製剤を用いて製造された2ミクロン厚のスピン塗布されたナノコンポジットフィルムの例示的な光透過率を示す図である。
図20図20は、15ナノメートル未満の平均粒子サイズを示す、実施例18に記載の酸化チタンナノ結晶の例示的なTEM画像である。
図21図21は、アナターゼ相に一致する、実施例18に記載の酸化チタンナノ結晶の例示的なXRDパターンである。
図22図22は、PGMEA中、5重量%の、実施例18に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な強度対粒子サイズのDLSプロットであり、21.85ナノメートルの平均粒子サイズを示す。
図23図23は、PGMEA中、5重量%の、実施例18に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的な体積対粒子サイズのDLSプロットであり、17.91ナノメートルの平均粒子サイズである。
図24図24は、PGMEA中、50重量%で分散させた実施例18に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶の例示的なTGAプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
表の簡単な説明
表1:2ガロンのパール(Parr)反応器においてTiOナノ結晶を合成するのに使用される反応条件。
【0022】
表2:PGMEA中、50重量%分散させた、実施例8に記載のメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランでキャップされた酸化チタンナノ結晶を含む経時変化データであり、TGA、DLS、およびUV測定の、初期値、1週間後の値、1ヶ月後の値を示す。
【0023】
表3:PGMEA中、50重量%で分散させた、様々な比率のキャップされた酸化チタンナノ結晶とキャップされた二酸化ジルコニウムナノ結晶とを含むデータであり、実施例17に記載のTGA、DLS、およびUV測定の値を示す。
【0024】
表4:実施例17に記載の製剤から作製された、2ミクロン厚のスピン塗布されたナノコンポジットフィルムの%透過率、屈折率、b*、および%ヘイズなどの光学特性。
【0025】
表5:様々な実施例に記載されたナノ結晶分散物および製剤の特性のまとめ。
【0026】
表6:様々な実施例に記載されたナノコンポジットフィルムの光学特性のまとめ。
【0027】
様々な実施形態では、本開示は、新規性のあるTiOナノ結晶、キャップされたTiOナノ結晶、それらを含有する分散物、それらを含有するフィルムなどのナノコンポジット、および/またはそれらを含有する装置(例えば、塗膜された基材)を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、新規性のあるTiOナノ結晶、キャップされたTiOナノ結晶、分散物、ナノコンポジット、および/または装置を準備および使用する方法も提供する。
【0028】
いくつかの実施形態では、本開示は、TiOナノ結晶を準備する方法を提供する。この方法は典型的には、ソルボサーマル法を用いて酸化チタンの前駆体をTiOに変換することを含む。変換は、いかなる特定の機構にも限定されず、酸化チタンの前駆体の加水分解またはソルボリシスを、典型的には含むことができる。必要ではないものの、変換は通常、不活性雰囲気下で行われる。簡略にするため、用語「酸化チタン」および「二酸化チタン」は、本明細書において交換可能に使用される。
【0029】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の酸化チタンナノ結晶を準備する合成方法は、酸化チタンの前駆体を少なくとも1つの溶媒に混合または溶解させて一定時間の間反応させる、ソルボサーマル法を含む。場合によっては、圧力および/または加熱の使用が必要になることもある。典型的なソルボサーマル工程では、溶媒の大部分は水ではない。水を溶媒の大部分として使用する場合には、その合成方法は水熱合成と称される。TiOナノ結晶のソルボサーマル合成において、溶媒としてではなく反応物として少量の水を反応混合物に加える結果、水を加えずに実行される反応よりも、粒子サイズと分布の制御が良好になる。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を準備する方法は、非水性溶媒などの溶媒中、酸化チタンの前駆体を水と反応させて、TiOナノ結晶を提供することを含むものとすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を準備する方法は、溶媒中、酸化チタンの前駆体を混合して反応混合物を提供すること、および反応混合物を加熱してTiOナノ結晶を提供することを含むものとすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を準備する方法は、酸化チタンの前駆体および水を溶媒に加えて反応混合物を提供すること、および反応混合物を加熱してTiOナノ結晶を提供することを含むものとすることができる。いくつかの実施形態では、酸化チタンの前駆体は、溶媒に溶解させることができる。いくつかの実施形態では、反応混合物を圧力下で加熱して、TiOナノ結晶を提供することができる。いくつかの実施形態では、溶媒に加える水の量は、酸化チタンの前駆体の約0.01から約10モル当量の範囲とすることができる。水に対する酸化チタンの前駆体のモル比は、約1:0から約1:10、例えば約1:0~ 1:0.1、1:0.1~1:0.5、1:0.5~1:1、1:1~1:1.5、1:1.5~1:2、1:2~1:2.5、1:2.5~1:3、1:3~1:3.5、1:3.5~1:4、1:4~1:4.5、1:4.5~1:5、1:5~1:5.5、1:5.5~1:6、1:6~1:6.5、1:6.5~1:7、1:7~1:7.5、1:7.5~1:8、1:8~1:8.5、1:8.5~1:9、1:9~1:9.5、1:9.5~1:10の範囲である。溶媒に対する酸化チタンの前駆体のモル比は、約1:1から約1:150、例えば1:1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1: 55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、1:95~1:100、または1:100から1:150の範囲である。いくつかの実施形態では、水を溶媒に加えることはない。試薬グレードの溶媒などの市販の溶媒は典型的には、ある程度のレベルの水分を含有する。本明細書に記載の方法には、本明細書で使用される溶媒中にこれ以外の形で存在する水分を除去するために追加の対策を行う必要はない。誤解を避けるために、別途文脈から明らかでない限り、本明細書で言及されている水の量は、外部から加えられた水として理解されるのが望ましく、溶媒自体に存在する可能性のある水の量は含まれない。適切な前駆体、溶媒、水の量、加熱温度、持続時間、および圧力には、本明細書に記載のいかなるものも含まれる。
【0031】
本明細書の方法に有用な酸化チタンの前駆体は、例えば、加水分解、分解、および/または他の適切な反応によってTiO2に変換できる限り、特に限定はされない。いくつかの実施形態では、酸化チタンの前駆体は、加水分解可能な前駆体とすることができる。いくつかの実施形態では、酸化チタンナノ結晶の前駆体は、1つまたは複数のアルコキシド類、例えば:チタンメトキシド(Ti(OCH3)4)、チタンエトキシド(Ti(OCH2CH3)4)、チタンn-プロポキシド(Ti(OCH2CH2CH3)4)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)、チタンn-ブトキシド(Ti(OCH2CH2CH2CH3)4);アセチルアセトナート類、例えばチタンオキシアセチルアセトナート(TiO(CH3COCHCOCH3)2);ハロゲン化物、例えばチタンクロリド(TiCl4);ならびに混合ハロゲン化物およびアルコキシド、例えばチタンクロロトリイソプロポキシチタン(TiCl(OCH(CH3)2)3)、クロロトリブトキシチタン(TiCl(OCH2CH2CH2CH3)3)、もしくはチタンジクロロジエトキシド(TiCl2(OCH2CH3)2)、または他の有機金属化合物であってもよい。
【0032】
例えば、いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を準備する方法のための酸化チタンの前駆体は、チタンアルコキシドとすることができる。いくつかの実施形態では、チタンアルコキシドは、Ti(OR)4の式を有することができ、ここで、各R基は独立に、アルキル基(例えば、C1~C6アルキル)または置換アルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ベンジル等とすることができる。いくつかの実施形態では、Ti(OR)4中のすべてのR基は同一とすることができ、例えばチタンメトキシド(Ti(OCH3)4)、チタンエトキシド(Ti(OCH2CH3)4)、チタンn-プロポキシド(Ti(OCH2CH2CH3)4)、チタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)、またはチタンn-ブトキシド(Ti(OCH2CH2CH2CH3)4)である。いくつかの実施形態では、Ti(OR)4のR基の少なくとも1つは、残りのR基と異なるものとすることができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を調製する方法のための酸化チタンの前駆体は、Ti(OR)xGyの式を有することもでき、ここで、R基はその出現のたびに独立に、アルキル基または置換されたアルキル基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ベンジル等とすることができ、G基はその出現のたびに独立してハロゲン、例えばClとすることができ、xは0~4の整数とすることができ、yは0~4の整数とすることができるが、ただし、x+yは4である。
【0034】
いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、TiOナノ結晶を調製するために、酸化チタンの一前駆体、例えばチタンブトキシド(Ti(OCH2CH2CH2CH3)4)、またはイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)を使用することができる。しかし、いくつかの実施形態では、本明細書の方法は、TiOナノ結晶を調製するために、酸化チタンの2つ以上の前駆体、例えば、チタンエトキシド(Ti(OCH2CH3)4)とチタンイソプロポキシド(Ti(OCH(CH3)2)4)との混合物を使用することもできる。
【0035】
本明細書でのTiOナノ結晶を調製する方法には、様々な溶媒が有用である。典型的には溶媒は、酸化チタンの前駆体および随意に加えられた水が溶媒に溶解することができるように、選択される。いくつかの好ましい実施形態では、溶媒は、水よりも高い沸点を有することができる。本開示において有用な非限定的な溶媒は、アルコール類、例えば:ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシプロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテル類および環状エーテル類、例えば:テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール類、例えば:ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトン類および環状ケトン類、例えば:アセトン;エステル類、例えば:プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタートなどのエステル類;芳香族類、例えば:ベンゼン、トルエン;および水の1つまたは複数、ならびにそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物であってもよい。いくつかの具体的な実施形態では、溶媒は、アルコール系溶媒、好ましくは水よりも高い沸点を有するアルコール系溶媒を含むものとすることができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、ベンジルアルコールを含むものとすることができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、単一のアルコール系溶媒、例えばベンジルアルコールとすることができる。いくつかの実施形態では、溶媒は、溶媒の混合物、例えばベンジルアルコールと別の溶媒との混合物とすることができる。
【0036】
理論に拘束されることを望むものではないが、最初のTiOナノ結晶の特性は、キャップされたTiOナノ結晶、分散物、ナノコンポジット、および/または装置の特性に影響を与え得ると考えられる。よって、本開示のいくつかの実施形態は、特定の所望の特性(例えば、本明細書に記載のもの)を有するTiOナノ結晶を準備する方法もまた対象としている。
【0037】
いくつかの実施形態では、本開示は、TiOナノ結晶を準備する方法を提供し、方法は、1)溶媒(例えば、ベンジルアルコールなどのアルコール系溶媒、または本明細書に記載の別の溶媒)中、酸化チタンの前駆体(例えば、本明細書に記載のもの)および水を加えて、反応混合物を提供し、水に対する酸化チタンの前駆体のモル比が、約0.01から約10の範囲(例えば約0.1から約1、約1から約2.5、約0.1から約0.5、約0.5から約1、約2.5から約5等)であることと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば、約200℃から約210℃)の温度で約10分から5時間(例えば、20分から1時間、または1~5時間)加熱して、TiOナノ結晶を提供することとを含む。本明細書で詳述するとおり、TiOナノ結晶の粒子サイズおよび粒子サイズ分布は、例えば、反応温度、加える水の量、および加熱時間を含む、本明細書の反応条件によって制御することができる。よって、いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、TEMにより測定して、50nm未満(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、約5nm未満、例えば、約1nm、約4nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約35nm、約30nm、約40nm、約50nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、約30nmからから40nm、約4nmから約50nm、約4nmから約20nm、約15nmから約20nm、または約10nmから約25nm等)の平均粒子サイズを有することができるように、好ましくは、狭い粒子サイズ分布であるようにして、反応条件が制御される。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶は、1)5未満、好ましくは3未満、または2未満、例えば、約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.8、約1.2から約3、または約1.5から約3のD90:D10の比;2)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD90:D50の比;および/または3)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD50:D10の比を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶は、TEMにより測定して、ナノ結晶のメジアン粒子サイズの15%以下(例えば、10%以下、または5%以下、例えば、約1%から約15%、約5%から約10%、または約10%から約15%)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶は、TEMにより測定して、5nm以下(例えば、3nm以下、または約1nm以下、例えば約1nm、約3nm、約5nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約1~3nm、約1~5nm、約3~5nm等)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶は、TEMにより測定して、約90%より大きい(例えば、約95%より大きい、または約99%より大きい、例えば、約91%、約95%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%、90~95%、または95~99%等)のナノ結晶が、平均粒子サイズから5nm以内の粒子サイズを有することを特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできる。本明細書の方法によって準備されるTiOナノ結晶およびその粒子サイズ分布も、本開示の新規性のある態様であることに留意するのが望ましい。本明細書に記載の実施形態のいずれにおいても、別途文脈から明らかな矛盾のない限り、TiOナノ結晶はアナターゼ結晶構造を有することができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、本開示は、TiOナノ結晶を調製する方法を提供し、方法は、1)酸化チタンの前駆体(例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシド、チタンn-プロポキシド、チタンイソプロポキシド、またはチタンn-ブトキシド、または本明細書に別途記載のもの)および水を、溶媒(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、およびオクタデカノール、または本明細書に別途記載のものなどのアルコール系溶媒)に加えて、水に対する酸化チタン前駆体のモル比が約0.1から約5の範囲である反応混合物を提供することと、2)反応混合物を約180℃から約250℃(例えば、約200℃から約210℃)の温度で、約10分から約5時間(例えば、20分から1時間、または1~5時間)、加熱して、TiOナノ結晶を提供することとを含む。いくつかの実施形態では、反応混合物中、酸化チタンの前駆体に対する水のモル比は、約0.1から約5、約1から約2.5、または約0.1から約0.5等)の範囲である。いくつかの実施形態では、反応混合物は、約200℃から約210℃(例えば、約203℃から約207℃)で、約10分から5時間(例えば、20分から1時間、または1~5時間)、加熱される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、TEMにより測定して、50nm未満(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、約5nm未満、例えば、約1nm、約4nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約35nm、約30nm、約40nm、約50nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、約30nmから40nm、約4nmから約50nm、約4nmから約20nm、約15nmから約20nm、または約10nmから約25nm)の平均粒子サイズを有することができるように、好ましくは、狭い粒子サイズ分布であるようにして、反応条件が制御される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、TEMにより測定して、約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、または約30nmから約40nmの平均粒子サイズを有するように、好ましくは、狭い粒子サイズ分布を有するようにして、反応条件が制御される。例えば、いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、1)5未満、好ましくは3未満、または2未満、例えば、約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.8、約1.2から約3、または約1.5から約3のD90:D10の比;2)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD90:D50の比;および/または3)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD50:D10の比を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することができるようにして、反応条件が制御される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、TEMにより測定して、ナノ結晶のメジアン粒子サイズの15%以下(例えば、10%以下、または5%以下、例えば、約1%から約15%、約5%から約10%、または約10%から約15%)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできるようにして、反応条件が制御される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、TEMにより測定して、5nm以下(例えば、3nm以下、または約1nm以下、例えば約1nm、約3nm、約5nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約1~3nm、約1~5nm、約3~5nm等)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできるようにして、反応条件が制御される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶が、TEMにより測定して、約90%より大きい(例えば、約95%より大きい、または約99%大きい、例えば、約91%、約95%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%、90~95%、または95~99%等)のナノ結晶が、平均粒子サイズから5nm以内の粒子サイズを有することを特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできるようにして、反応条件が制御される。
【0039】
いくつかの実施形態では、加熱速度および加熱時間が、TiOナノ結晶の粒子サイズに影響を与え得る。典型的には、長い加熱時間または速い加熱速度ほど、大きな粒子サイズおよび広い粒子サイズ分布を生じ得る。いくつかの好ましい実施形態では、反応混合物は、約200℃から約210℃で、約10分から5時間(例えば、20分から1時間、または1~5時間)、加熱することができる。いくつかの実施形態では、毎分約0.1℃から5℃/分、例えば毎分約0.5℃から約3℃の加熱速度で反応温度(例えば、約200℃から約210℃、または約203℃から約207℃)にするようにして、加熱速度を制御することができる。いくつかの実施形態では、反応混合物は、約40psiから約500psi、例えば約40psiから約150psiの範囲の圧力下で加熱することができる。
【0040】
本明細書に記載のとおり、反応混合物中の水の量は、TiOナノ結晶の粒子サイズにも影響を与え得る。例えば、いくつかの実施形態では、所望のTiOナノ結晶は、10nm未満(例えば5nm未満、例えば約1nmから約5nm、または約1nmから約10nm)の平均粒子サイズを有し、そのような場合、水に対する酸化チタンの前駆体のモル比は、好ましくは、約1:0.3から約1:3、例えば、約1:0.5から約1:2.5、約1:0.5から約1:1、約1:1から約1:1.5、約1:1.5から約1:2、または約1:2から約1:2.5の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、溶媒に対する酸化チタンの前駆体のモル比が、約1:1から1:150、例えば1:1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1: 55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、1:95~1:100、1:100~1:150の範囲である。いくつかの実施形態では、所望のTiOナノ結晶は、4nmより大きいが50nm未満(例えば約10nmから約25nm、または約4nmから約20nm)の平均粒子サイズを有し、そのような場合、水に対する酸化チタンの前駆体のモル比は、約1:0.3から約1:3、例えば、約1:0.5から約1:2.5、約1:0.5から約1:1、約1:1から約1:1.5、約1:1.5から約1:2、または約1:2から約1:2.5、好ましくは1未満、例えば0.5未満、例えば約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.45、または約0.2から約0.5、または約0.3から約0.45の範囲とすることができる。
【0041】
詳述の特性を有するTiOナノ結晶の他の適切な条件および例示された準備を、本明細書に記載する。例えば、いくつかの実施形態では、酸化チタンの前駆体は、チタンアルコキシド、例えばチタン(IV)ブトキシドである。いくつかの実施形態では、溶媒は、アルコール系溶媒、例えばベンジルアルコールとすることができる。典型的には、溶媒(例えば、ベンジルアルコール)に対する酸化チタンの前駆体(例えば、チタン(IV)ブトキシド)のモル比は、約01:1から約50、好ましくは、約1:5から約1:40、好ましくは、約1:30の範囲とすることができる
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を準備する方法は、例えば、遠心分離およびデカンテーションによって、溶媒をTiOナノ結晶から分離して、湿潤なTiOナノ結晶を提供することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶を準備する方法は、湿潤なTiOナノ結晶をキャップ溶媒(例えば、本明細書に記載のもの、PGMEAなど)に懸濁させることをさらに含むことができる。
【0043】
さらなる実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が分散物中、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60重量%より大きい、または70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在する、ナノ結晶分散物を提供する。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオールもしくはスルホナート、またはホスホナートもしくはホスファートなどのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のサイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップした。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に1%未満(例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。本明細書で使用する「キャップされたTiOナノ結晶」という用語は、文脈から明らかな矛盾のない限り、「少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶」と理解されるのが望ましい。
【0044】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物中、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在し、ナノ結晶分散物が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、トルエンから選択される溶媒を含む、ナノ結晶分散物を提供する。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオールもしくはスルホナート、またはホスホナートもしくはホスファートなどのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、<200nmである。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップした。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物中、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば約40、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在し、ナノ結晶分散物が、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される溶媒を含む、ナノ結晶分散物を提供する。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオールもしくはスルホナート、またはホスホナートもしくはホスファートなどのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または15~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップした。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間より長い間、例えば、3週間もしくは4週間の間、または3週間より長い間、4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。
【0046】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、製剤中、重量で30%より大きい、例えば40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在し、ナノ結晶分散物が、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択される溶媒を含む、ナノ結晶分散物を提供する。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオールもしくはスルホナート、またはホスホナートもしくはホスファートなどのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または15~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップした。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間より長い間、例えば、3週間もしくは4週間の間、または3週間より長い間、4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と分散剤(例えば、非イオン性分散剤、アニオン性分散剤、またはそれらの組み合わせ)とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物中、重量で、30%より大きい、例えば40%より大きい、または50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在し、ナノ結晶分散物が、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)の分散剤を含む、ナノ結晶分散物を提供する。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオールもしくはスルホナート、またはホスホナートもしくはホスファートなどのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、キャップ剤のメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または15~20nmの範囲であり、好ましくは、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲であり、例えばD9999は<200nmである。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、分散物のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップした。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定しており、室温で暗所に保存した場合に1%未満の、400nmでの透過率の変化を示す。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジット製剤は、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの溶媒の存在下で、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーに懸濁させることを含むことができる。本明細書で使用されるとおり、「モノマー、ポリマー、および/またはオリゴマー」という用語または同様の表現は、記載されたモノマー、そのオリゴマー、そのポリマー、またはそれらのあらゆる混合物を含むと理解されるのが望ましい。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの硬化剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの接着促進剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの湿潤剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つのレベリング剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの分散剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つのレベリング剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの散乱体粒子をさらに含むことができる。
【0049】
さらなる実施形態では、本開示は、溶媒の存在下、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と少なくとも1つのモノマー、ポリマーおよび/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、本明細書に記載のモノマー、および/またはオリゴマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在する、ナノコンポジット製剤を提供する。いくつかの実施形態では、製剤のTiOナノ結晶は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオールもしくはスルホナート、またはホスホナートもしくはホスファートなどのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップしてもよい。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。さらなる実施形態では、製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、製剤は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、約1cp~約1000cp、例えば、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~30cP、約30cP~40cP、約40cP~50cP、約50cP~60cP、約60cP~75cP、約75cP~100cP、約100cP~200cP、約200cP~500cP、または500cP~1,000cPの範囲の調整可能な粘度を有することができる。さらなる実施形態では、TiOナノコンポジット製剤は、スピン塗布、インクジェット印刷、ナノインプリンティング、フォトパターニング、インプリンティング、ロール・ツー・ロール塗布、スロットダイ塗布、および/またはスクリーン印刷によって、ガラスまたはプラスチックの表面に付着させる。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤であって、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーが、例えば、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、およびそれらの組み合わせから選択される、ナノコンポジット製剤を提供する。さらなる実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、溶媒の存在下、モノマー、および/またはオリゴマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在し、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、製剤のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップしてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~30cP、約30cP~40cP、約40cP~50cP、約50cP~60cP、約60cP~75cP、約75cP~100cP、約100cP~200cP、約200cP~500cP、または500cP~1,000cPの範囲の調整可能な粘度を有することができる。さらなる実施形態では、TiOナノコンポジット製剤は、スピン塗布、インクジェット印刷、ナノインプリンティング、フォトパターニング、インプリンティング、ロール・ツー・ロール塗布、スロットダイ塗布、および/またはスクリーン印刷によって、ガラスまたはプラスチックの表面に付着させる。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤であって、モノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート (SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択される、ナノコンポジット製剤を提供する。さらなる実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、溶媒の存在下、モノマー、および/またはオリゴマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在し、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メトキシ(トリエチルネオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、製剤のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップしてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~30cP、約30cP~40cP、約40cP~50cP、約50cP~60cP、約60cP~75cP、約75cP~100cP、約100cP~200cP、約200cP~500cP、または500cP~1,000cPの範囲の調整可能な粘度を有することができる。さらなる実施形態では、TiOナノコンポジット製剤は、スピン塗布、インクジェット印刷、インプリンティング、ナノインプリンティング、フォトパターニング、ロール・ツー・ロール塗布、スロットダイ塗布、および/またはスクリーン印刷によって、ガラスまたはプラスチックの表面に付着させる。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラートの少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤を提供する。さらなる実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、溶媒の存在下、モノマー、および/またはオリゴマーに対して重量で、30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在し、溶媒は、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、キャップ剤のメトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、製剤のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップしてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。さらなる実施形態では、分散物は、2週間、3週間、または4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば、3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~30cP、約30cP~40cP、約40cP~50cP、約50cP~60cP、約60cP~75cP、約75cP~100cP、約100cP~200cP、約200cP~500cP、または500cP~1,000cPの範囲の調整可能な粘度を有することができる。さらなる実施形態では、TiOナノコンポジット製剤は、スピン塗布、インクジェット印刷、インプリンティング、ナノインプリンティング、フォトパターニング、ロール・ツー・ロール塗布、スロットダイ塗布、および/またはスクリーン印刷によって、ガラスまたはプラスチックの表面に付着させる。
【0053】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤であって、モノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)から選択される、ナノコンポジット製剤を提供する。さらなる実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、溶媒の存在下、モノマー、および/またはオリゴマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在し、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、製剤のTiOナノ結晶を、水の存在下でキャップしてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの硬化剤をさらに含むことができ、硬化剤は、エベクリル(登録商標)Pl 15、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、スピードキュアBEM、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィナート、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-イソプロピルトキサントン、ダロキュア4265、スピードキュアXkm、メチルベンゾイルホルメート、チオキサンテン-9-オン、ジクミルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾアート、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルアセタート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0054】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤であって、モノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)から選択される、ナノコンポジット製剤を提供する。さらなる実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、溶媒の存在下、モノマー、および/またはオリゴマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在し、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの硬化剤をさらに含むことができ、硬化剤は、エベクリル(登録商標)Pl 15、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184、ベンゾイルペルキオシド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、およびそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-[(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン、CN820、CN146、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの接着促進剤をさらに含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジット製剤であって、モノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーが、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択される、ナノコンポジット製剤を提供する。さらなる実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、溶媒の存在下、モノマー、および/またはオリゴマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在し、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされる。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより決定して、20~500nmの範囲である。いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から誘導される。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの硬化剤をさらに含むことができ、硬化剤は、エベクリル(登録商標)Pl 15、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184、ベンゾイルペルキオシド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、およびそれらの組み合わせから選択される。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-[(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン、CN820、CN146、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの接着促進剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、BYK-307、BYK-330、ノベック4430、ノベック4432、ノベック4434、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの湿潤剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、BYK-352、BYK-353、BYK-356、BYK-361N、BYK-322、BYK-323、BYK-350、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレベリング剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、ディスパーBYK-101、ディスパーBYK-130、ディスパーBYK-140、ディスパーBYK-160、ディスパーBYK-161、ディスパーBYK-162、ディスパーBYK-163、ディスパーBYK-164、ディスパーBYK-165、ディスパーBYK-166、ディスパーBYK-170、ディスパーBYK-171、ディスパーBYK-182、ディスパーBYK-2000、ディスパーBYK-2001、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース28000、ソルスパース20000、ソルスパース41000、およびソルスパース45000、FC-4430、FC-4432、FC-4434(3M)、キャップストーンFS-3100、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの分散剤をさらに含むことができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、イルガノックス1010、イルガノックス1076、ソングノックス(登録商標)1076、ソングノックス(登録商標)2450、ソングノックス(登録商標)1680、イルガフォス168、ソングライト(登録商標)6220から選択される少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、チタニア粒子、ポリマービーズ、シリカ粒子、またはZrOナノ結晶の制御された凝集体などの少なくとも1つの散乱体粒子をさらに含むことができる。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、50~100nm、または100~200nm、または200~300nm、または300~400nm、または400~500nm、または500~600nm、または600~700nm、または700~800nm、または800~900nm、または900nmから1μm、または1~1.5μm、または1.5~2μmの範囲の少なくとも1つの散乱体粒子を含むことができる。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、製剤の全重量に対して、重量で0.1~40%の量である少なくとも1つの散乱体粒子を含むことができる。さらなる実施形態では、本明細書のTiOナノ結晶ナノコンポジット製剤は、少なくとも1つの散乱体粒子を含むことができ、製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、5cPs未満、または5cPs~50cPs、または50cPs~200cPs、または200cPs~400cPs、または400cPs~650cPs、または650cPs~1000cPsの粘度を有してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば、85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、TiOナノ結晶が、キャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされ、キャップ剤が、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択され、PGMEA中、5%ナノ結晶分散物としてDLSにより測定して、TiOナノ結晶の平均粒子サイズが、1~5nm、5~10nm、10~15nm、15~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にあり、好ましくは、D9999が100nm未満である、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0058】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば、785%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、ナノコンポジットフィルムが、ナノインデンテーションにより測定して、50MPaより大きい、例えば、100MPaより大きい、200MPaより大きい、300MPaより大きい、または400MPaより大きい、例えば約55MPa、約100MPa、約200MPa、約300MPa、約400MPa、約500MPa、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~500MPa、または約100~400MPaの硬度を有する、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0059】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、ナノコンポジットフィルムが、ナノインデンテーションにより測定して、50MPaより大きい、例えば、100MPaより大きい、200MPaより大きい、300MPaより大きい、または400MPaより大きい、例えば約55MPa、約100MPa、約200MPa、約300MPa、約400MPa、約500MPa、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約50~500MPa、または約100~400MPaの硬度を有し、1ミクロンのフィルムの%吸収率が、積分球により測定して、450nmの波長で、0.1%未満、0.05%未満、または0.01%未満である、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0060】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば、85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、ナノコンポジットフィルムが、5ミクロン×5ミクロンの領域についてAFMにより測定して、1nm未満のRaの表面粗さを有する、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0061】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、キャップされたナノ結晶が、ナノコンポジットの重量に対して50%より大きい、(例えば、約55%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約55~90%、約60~90%、約70~90%)、ナノコンポジットの重量に対して60%より大きい、ナノコンポジットの重量に対して70%より大きい、ナノコンポジットの重量に対して80%より大きい、ナノコンポジットの重量に対して90%より大きい量で存在し、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば、85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよい、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0062】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば、85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、ナノコンポジットのヘイズが、0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満(例えば、約0.01%から約0.1%、約0.1%から約0.2%、約0.1%から約0.5%、約0.2%から約0.5%、から約0.1%から約1%)であり、b*が、ヘイズメータにより測定して、1未満、または0.5未満、または0.1未満(例えば、約0.01から約0.1、約0.1から約0.5、約0.1から約0.2、または約0.1から約1)である、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、ポリマー、および/またはオリゴマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、1ミクロンのフィルムの%透過率が、400nm以上の波長で、80%より大きく、例えば、85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きく、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、ナノコンポジットフィルムが、<5um厚のフィルムのプリズムカプラーにより測定して、448nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、約1.70から約2.10、例えば、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.74~1.76、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、ナノコンポジットのヘイズが0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満であり、キャップされたナノ結晶がフィルム中で凝集なしに均一に分散して、TEM、SEM、またはEDXの画像により観察して均一な粒子分布として、均一なRI分布を実現する、ナノコンポジットフィルムを提供する。
【0064】
本開示の方法は、合成時の状態の、精製された、および/または分離されたナノ結晶を、少なくとも1つのキャップ剤を用いてキャップして、少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶を製造することを含む。少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶は、本開示の方法に従って、さらに精製および/または分離してもよい。ナノ結晶およびキャップされたナノ結晶は、本開示の方法において、溶媒、ポリマー、またはそれらの何らかの組み合わせを含む材料中に分散させてもよい。
【0065】
本開示の酸化チタンナノ結晶の表面は随意に、シラン、アルコール、またはカルボン酸を含むがこれらに限定されない少なくとも1つのキャップ剤を用いてキャップされる。本開示のシラン類の例には、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、またはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0066】
本開示のアルコール類の例には、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、またはこれらのいずれかの組み合わせなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0067】
本開示のカルボン酸類の例には、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、またはこれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0068】
本開示のチオール類およびスルホナート類の例としては、2-メルカプトエタノール、2-{2-[2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ]エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
【0069】
本開示のホスホナート類およびホスファート類の例には、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、またはそれらのいずれかの組み合わせが挙げあれるが、これらには限定されない。
【0070】
本開示のキャップされた酸化チタンナノ結晶は随意に、溶媒、例えば:ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシプロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテル類および環状エーテル類、例えば:テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール類、例えば:ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトン類および環状ケトン類、例えば:アセトン;エステル類、例えば:プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタートなどのエステル類;芳香族類、例えば:ベンゼン、トルエン;および水、ならびにそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物から除去され、そこに再分散される。
【0071】
本開示のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、TEMにより測定して、<50nmであってもよい。好ましくは、粒子サイズは、TEMにより測定して、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、または25~30nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nmの間である。
【0072】
分散物中のナノ結晶のサイズおよびサイズ分布を評価するための一般的な技術の1つが、動的光散乱法(DLS)である。DLSは通常、測定波長に対して透明な液体中に分散させたナノ結晶を測定する。この手法では、プラスチック、ガラス、または溶融シリカのキュベット中に、適切な濃度の液体試料を入れた状態で、レーザービームを液体試料から散乱させて、ナノ結晶のブラウン運動に起因する、散乱レーザー光の時間依存性を測定することで、ナノ結晶のサイズやサイズ分布を計算することができる。得られる結果は、通常、x軸を相当直径にとったナノ結晶のサイズ分布であり、y軸は、散乱強度、散乱ナノ結晶の体積、または散乱ナノ結晶の数を表すことができる。測定されたサイズは、溶媒の薄層(溶媒殻)だけでなく、ナノ結晶のサイズと、キャップ剤、および/または溶媒基、および/または前駆体基のサイズを含んでいることが多く、したがって、実際のナノ結晶サイズは、DLSによって測定されたサイズよりも小さいことが多い。本開示では、特記されている場合を除き、ナノ結晶サイズおよびサイズ分布に言及がある場合にはすべて、実際のナノ結晶サイズを意味しており、ナノ結晶サイズ、加えてキャップ剤、および/もしくは溶媒基、および/もしくは前駆体基、またはナノ結晶、加えてキャップ剤、および/もしくは溶媒基、および/もしくは前駆体基、加えて溶媒殻を意味することはない。D9999は、測定された分散物中の粒子の99.99%が、体積で測定して、報告値(ナノメートルで)未満であると定義される。DLS分光計は様々なものが入手できるが、各販売元は独占的な方法論やアルゴリズムを開発していることが多く、結果に互換性がない場合があり、本開示でデータを取得するのに特に使用したモデルは、マルバーン・ゼータサイザー・ナノS DLS(Malvern Zetasizer Nano S DLS)である。本明細書に記載のいずれの実施形態でも、指定のない場合には、DLSによって決定/測定される平均粒子サイズおよび/またはD9999値は、強度、体積、またはその両方に基づくものとすることができる。例えば、指定のない場合には、酸化チタンナノ結晶の試料の平均粒子サイズは、DLSにより決定して、強度または体積のいずれかに基づいて決定された平均粒子サイズが4~50nmの範囲内であれば、4~50nmの間であると言える。D9999の値の記載も同様に理解されるのが望ましい。別途指定のない限り、または文脈から明らかでない限り、本明細書に記載の実施形態のいずれでも、本明細書で言及されるDLSによって決定/測定される平均粒子サイズおよび/またはD9999値は、体積に基づくものとすることができる。別途指定のない限り、または文脈から明らかでない限り、本明細書に記載の実施形態のいずれでも、本明細書で言及されるDLSによって決定/測定される平均粒子サイズおよび/またはD9999値は、強度に基づくものとすることができる。
【0073】
本開示の溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶の、強度で測定される平均粒子サイズは、動的光散乱法により測定して、<130nmであってもよい。好ましくは、粒子サイズは、DLSにより測定して、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、25~30、または30~35nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nm、または50~55nm、または55~60nm、または60~65 nm、または65~70 nm、または70~75nm、または75~80nm、または80~85nm、または85~90nm、または90~95nm、または95~100nm、または100~105、または105~110、または110~115、または115~120、または120~125、または125~130の間である。
【0074】
本開示の溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶の、体積で測定される平均粒子サイズは、動的光散乱法により測定して、<130nmであってもよい。好ましくは、粒子サイズは、DLSにより測定して、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、25~30、または30~35nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nm、 または50~55nm、または55~60nm、または60~65 nm、または65~70 nm、または70~75nm、または75~80nm、または80~85nm、または85~90nm、または90~95nm、または95~100nm、または100~110nm、または110~120nm、または120~130nmの間である。
【0075】
本開示の溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶の、体積で測定されるD9999は、動的光散乱法により測定して、<500nmであってもよい。好ましくは、D9999は、DLSにより測定して、<20nm、<30nm、<40nm、<50nm、<60nm、<70nm、<80nm、<90nm、<100nm、<110nm、<120nm、<130nm、<140nm、<150nm、<170nm、<190nm、<200nmである。
【0076】
ナノ結晶分散物の製剤およびフィルムの光透過率および吸収率を評価する一般的な技術の1つが、UV-Vis分光光度計(UV-Vis)である。UV-Vis法は、200nm~900nmの波長範囲で、試料の透過光対入射光を測定するものである。所与の波長での試料の透過率は、以下のように定義される:
【数1】

ここでIは透過光強度、Iは入射光強度であり、どちらも同一波長でのものである。所与の波長での試料の吸収率は、以下のように定義される:
【数2】
【0077】
所与の波長での試料の吸収率、すなわち光学濃度(OD)は、以下のように定義される:
【数3】
【0078】
試料内の他の材料からの影響を取り除くために、基準試料を使用することが多い。薄膜試料の場合、複数の反射が関与することが多く、モデリングとアルゴリズムを適用して、実際の透過率、吸収率、吸光度を抽出してもよい。
【0079】
ナノ結晶の分散物または製剤を測定するには、試料は通常、10mmの光路長を有するプラスチック、ガラス、または溶融シリカのキュベット内に入った状態にする。試料は、基準に対して測定されるが、この基準は、キュベットや溶媒からの影響を取り除くために、同一のまたは同一タイプのキュベットに入った状態の分散物中で使用される同一溶媒を含む。ナノ結晶ポリマーナノコンポジットを測定するには、ナノコンポジットをガラスまたは溶融シリカのウエーハ上にスピンキャストして均一な薄膜を形成し、この試料を、基準に対して測定してもよく、この基準は、ウエーハおよびポリマーからの影響を除去するために、同一ウエーハ、および/または同一厚さのウエーハ上にスピンキャストされた同一ポリマーを含む。ナノコンポジットの正確な透過率、吸収率、および吸光度を抽出するために、モデリングおよびアルゴリズムを適用してもよい。
【0080】
様々なUV-Vis分光計が入手できるが、それらはすべて同一原理に基づいており、適切に操作すれば、結果は互換性がある。本開示でデータを取得するのに特に使用したモデルは、パーキンエルマー・ラムダ850(Perkin Elmer Lambda 850)である。
【0081】
ナノ結晶分散物およびナノコンポジットの配合量レベルを評価する一般的な手法の1つが、熱重量分析(TGA)である。この手法では、ナノ結晶分散物またはナノ結晶ポリマーナノコンポジットをるつぼに入った状態にして、室温から約800℃まで加熱しつつ、重量をモニタする。有機溶媒、ポリマー、およびキャップ剤は、高い、そして通常異なる温度で分解することになり、無機ナノ結晶のみが残る。元の試料に含まれる様々な成分の相対的な重量百分率を得ることができる。TGAの結果からは通常、温度をx軸、相対重量百分率をy軸とするプロットが作られる。様々なTGA装置が入手できるが、それらはすべて類似の原理に基づいており、適切に操作すれば、結果は互換性がある。本開示でデータを取得するために特に使用したモデルは、TAインスツルメントTGA Q500(TA Instrument TGA Q500)である。
【0082】
本開示の製剤は、TAインスツルメントQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて分析し、キャップされた酸化チタンナノ結晶の有機固形分含有量、続いて、最終製剤の無機物含有量を決定してもよい。初期質量に対する200℃でのパーセント質量(M200C)を、キャップされたナノ結晶とみなし、初期質量に対する700℃でのパーセント質量(M700C)を、キャップされたナノ結晶の無機部分、すなわち無機固形分含有量とみなす。有機物含有量は、200℃と700℃でのパーセント質量の差を200℃でのパーセント質量で割ったもの、すなわち、%有機物=(M200C-M700C)/M200Cと定義される。
【0083】
屈折率は、448nmと635nmのレーザービームを備えたメトリコン(Metricon)の2010/Mモデルのプリズムカプラーを用いて測定される。第3の波長での同じ材料の推定屈折率を計算することができる。550nmでの屈折率の計算は、2項型のコーシー方程式に基づいている。
【数4】

パラメータAとBは、特定の波長での測定RI値に依存しており、これらの波長には448nmと635nmを選択した。RI(448nm)およびRI(635nm)についてパラメータAおよびBを表すことにより、以下の式でRI(550nm)を計算することができる。
【数5】

作製方法
【0084】
本開示は、TiOナノ結晶の前駆体を少なくとも1つの溶媒に溶解して溶液を製造することと、随意に前記溶液の加熱および増圧の少なくとも1つと、前駆体と溶液の少なくとも1つの溶媒とを反応させてナノ結晶を形成することとを含む、ナノ結晶を作製する方法を提供する。
【0085】
ナノ結晶は、少なくとも1つのキャップ剤を用いてさらにキャップして、少なくとも1つの溶媒もしくは他の媒体、または溶媒と他の媒体の何らかの組み合わせ中でのナノ結晶の溶解性または分散性を高める場合がある。本開示の方法では、ナノ結晶は、少なくとも1つのシラン、アルコール、またはカルボン酸を含んでもよい少なくとも1つの薬剤を用いてキャップしてもよい。これらのキャップ剤は、実効的なナノ結晶表面を作り出すことによって、疎水性または親水性の媒体などの異なる媒体中で、ナノ結晶の均一な分散を付与することができ、この表面は、媒体と適合する極性をその尾部基に持たせたキャップ剤の完全なまたは部分的な殻によって形成されるものである。
【0086】
本開示のキャップ方法は、前駆体の前記反応の前、間、または後に、溶液中の少なくとも1つのキャップ剤を用いてナノ結晶をキャップすることを含んでもよい。キャップ方法は、キャップ工程を容易にするために、少量の水の添加を含んでもよい。本開示の方法は、本開示のキャップ方法の前、または後に、ナノ結晶を精製および/または分離することをさらに含む。
【0087】
官能化されたキャップ剤は、本開示の一態様によれば、TiOナノ結晶に共有結合される。あるいは、ナノ結晶は、共有結合を形成することなく、キャップ剤を用いて官能化される。
【0088】
本開示は、ナノ結晶と、本明細書に記載の方法によって作製された少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶とを含む。
【0089】
本開示の方法は、ナノ結晶を、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマー、および他の添加剤と混合することにより製剤を作製する方法をさらに含む。この製剤は、フィルムまたは塗膜の形成、例えば製剤を表面に付着させるのに使用することができる。付着方法としては、スピン塗布、噴霧、浸漬、スクリーン印刷、圧延、塗装、印刷、インクジェット印刷、分注装置、ロール・ツー・ロール塗布、蒸発および/または気相成長による堆積などが挙げられ、その後、随意に光または加熱による処理によってフィルムまたは塗膜を硬化させる。
TiOナノ結晶の合成
【0090】
例示的な方法では、酸化チタンナノ結晶は、オートクレーブ内に密閉された不活性雰囲気中で、チタン(IV)ブトキシド、水、およびベンジルアルコールの混合物からソルボサーマル工程によって製造される。水に対するチタン(IV)ブトキシドのモル比は、約1:0~ 1:0.1、1:0.1~1:0.5、1:0.5~1:1、1:1~1:1.5、1:1.5~1:2、1:2~1:2.5、1:2.5~1:3、1:3~1:3.5、1:3.5~1:4、1:4~1:4.5、1:4.5~1:5、1:5~1:5.5、1:5.5~1:6、1:6~1:6.5、1:6.5~1:7、1:7~1:7.5、1:7.5~1:8、1:8~1:8.5、1:8.5~1:9、1:9~1:9.5、1:9.5~1:10の範囲である。ベンジルアルコールに対するチタン(IV)ブトキシドのモル比は、1:0.1~1:5、1:5~1:10、1:10~1:15、1:15~1:20、1:20~1:25、1:25~1:30、1:30~1:35、1:35~1:40、1:40~1:45、1:45~1:50、1:50~1:55、1:55~1:60、1:60~1:65、1:65~1:70、1:70~1:75、1:75~1:80、1:80~1:85、1:85~1:90、1:90~1:95、1:95~1:100、1:100-1:150の範囲である。反応混合物は、0.1~0.5、0.5~1、1~1.5、1.5~2、2~2.5、2.5~3、3~3.5、2.5~4、4~4.5、4.5~5℃/分の加熱速度で、140~150、150~160、160~170、170~180、180~190、190~200、200~210、210~220、220~230、230~240、240~250、250~260、260~270、270~280、280~290、290~300℃、300~310℃、310~320℃、320~330℃、330~340℃、340~350℃、350~360℃、360~370℃の間の温度で加熱される。いったん反応混合物が所望の温度に達すると、その温度は、1~10分、10~20分、20~30分、30~40分、40~50分、50~60分、60~70分、70~80分、80~90分、90~100分、100~120分、1~2時間、2~3時間、3~4時間、4~5時間、5~6時間、6~7時間、7~8時間、8~9時間、9~10時間、10~1時間、11~12時間、12~13時間、13~14時間、14~15時間、15~16時間、16~17時間、17~18時間、18~19時間、19~20時間、維持される。反応器の圧力は、反応中に50から150psiに達する。反応器を室温まで冷却した後、合成時の状態のTiOナノ結晶の白色乳状の溶液が回収される。
TiOナノ結晶のキャップ
【0091】
本開示のいくつかの実施形態は、TiOナノ結晶をキャップする方法を対象とする。いくつかの実施形態では、本方法は、TiOナノ結晶(例えば、本明細書に記載のいずれかのもの)を、第1のキャップ溶媒中、第1のキャップ剤と反応させて、第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することを含む。いくつかの実施形態では、反応させることは、1)TiOナノ結晶を、第1のキャップ溶媒中、第1のキャップ剤と混合して、第1の反応混合物を提供することと、2)第1の反応混合物を、例えば、第1のキャッピング溶媒の還流温度で、一定時間の間(例えば、約10分~約120分)、加熱して、第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、1)第1の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を、第2のキャップ溶媒中、第2のキャップ剤と混合して、第2の反応混合物を提供することと;2)第2の反応混合物を、例えば、第2のキャップ溶媒の還流温度で、一定時間の間(例えば、約10分~約120分)、加熱して、第2の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を製造することとをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、a)それぞれの加熱ステップ2)の後に、第1のまたは第2の反応混合物に水を加えることと、b)第1のまたは第2の反応混合物をさらなる時間の間(例えば、約10分から約120分)、加熱することとをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、例えば、本明細書に記載のとおり、第1のまたは第2の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を分離、精製、および/または乾燥させることをさらに含むことができる。
【0092】
本明細書のキャップ方法に適したTiOナノ結晶は、特に限定はされない。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、TEMにより測定して、50nm未満(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約20nm未満、約10nm未満、または約5nm未満、例えば約1nm、約4nm、約5nm、約10nm、約15nm、約20nm、約35nm、約30nm、約40nm、約50nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約1nmから約5nm、約1nmから約10nm、約40nmから約50nm、約20nmから約30nm、約10nmから約20nm、約30nmから約40nm、約4nmから約50nm、約4nmから約20nm、約15nmから約20nm、または約10nmから約25nm)の平均粒子サイズを有する。TiOナノ結晶は、狭い粒子サイズ分布を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、1)5未満、好ましくは3未満、または2未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.8、約1.2から約3、または約1.5から約3のD90:D10の比;2)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD90:D50の比;および/または3)3未満、好ましくは2未満、または1.5未満、例えば約1.1から約2、約1.5から約2、約1.2から約1.5のD50:D10の比を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することができる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、TEMにより測定して、ナノ結晶のメジアン粒子サイズの15%以下(例えば、10%以下、または5%以下、例えば、約1%から約15%、約5%から約10%、または約10%から約15%)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、TEMにより測定して、5nm以下(例えば、3nm以下、または約1nm以下、例えば約1nm、約3nm、約5nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約1~3nm、約1~5nm、約3~5nm等)という粒子サイズ分布の標準偏差(σ)を特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできる。いくつかの実施形態では、TiOナノ結晶は、TEMにより測定して、約90%より大きい(例えば、約95%より大きい、または約99%より大きい、例えば約91%、約95%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば90~99%、90~95%、または95~99%等)のナノ結晶が、平均粒子サイズから5nm以内の粒子サイズを有することを特徴とする狭い粒子サイズ分布を有することもできる。
【0093】
いくつかの好ましい実施形態では、TiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたものである。例えば、典型的には、乳状白色の懸濁物を回収し、遠心分離瓶、例えば250mLの遠心分離瓶に移す。この懸濁物を、100~500、500~1000、100~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000rpm、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000、5000~5500、5500~6000、6000~6500、6500~7000、7000~7500、7500~8000、8000~8500、8500~9000rpmで、0~5、5~10、10~15、15~20、30~25、25~30、30~35、35~40、40~45、45~50、50~55、55~60分間、遠心分離する。上澄み液をデカンテーションして、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキを沈降させる。湿潤ケーキを、随意に溶媒を加えて洗浄し、次いで溶媒中、湿潤ケーキを撹拌した後、遠心分離する。次いで、回収した湿潤ケーキを250mlの丸底フラスコに移す。PGMEAまたはトルエンなどの溶媒を、湿潤ケーキに対して、重量で0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、2.75:1~3:1、3:1~4:1、4:1~5:1、5:1~6:1、6:1~7:1、7:1~8:1、8:1~9:1、9:1~10:1の溶媒の比で加える。第1のキャップ剤を、湿潤ケーキに対して、重量で0.1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~35%のキャップ剤で反応フラスコに加える。次いで、この混合物を、50~60、60~70、70~80、80~90、90~100、100~110、110~120、120~130℃で1~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~70、70~80、80~90、90~100、100~120分間、還流する。
【0094】
随意に、第1の加熱工程の前または後に、第2のキャップ剤を反応フラスコに加える。また、第2のキャップ剤を、湿潤ケーキに対して、重量で0.1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、45%~50%、50%~55%、55%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、90%~100%のキャップ剤の比で反応フラスコに加える。次いで、この混合物を、50~60、60~70、70~80、80~90、90~100、100~110、110~120、120~130℃で1~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~70、70~80、80~90、90~100、100~120分間、還流する。随意に、次いで反応混合物を80℃に冷却した後、水を、湿潤ケーキに対して重量で0.1~5%、5~10%、10~15%、15~20%、20~25%、25~30%、30~35%の水の比で加える。この混合物を80~90、90~100、100~110、110~120、120~130℃で、さらに1~10、10~20、20~30、30~40、40~50、50~60、60~70、70~80、80~90、90~100、100~120分間、還流させる。次いで、反応混合物を室温まで冷却して、キャップされたナノ結晶を得る。次いで、分散物中のキャップされたナノ結晶を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過するか、または随意に、以下の洗浄工程によりさらに精製する。
【0095】
キャップされたナノ結晶を、洗浄により精製して、過剰なキャップ剤やその他の副生成物を除去する。逆溶媒、例えばPGMEA溶液の場合にはヘプタン、トルエン溶液の場合にはアセトンを、反応混合物に対して、重量で0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、2.75:1~3:1の逆溶媒の比で混合することにより、反応混合物を沈殿させる。この沈殿物を、100~500、500~1000、100~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000rpm、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000、5000~5500、5500~6000、6000~6500、6500~7000、7000~7500、7500~8000、8000~8500、8500~9000rpmで、0~5分、5~10分、10~15分、15~20分、30~25分、25~30分、30~35分、35~40分、40~45分、45~50分、50~55分、55~60分間、遠心分離する。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄する。次いで、固形分を、非極性のキャップされたTiOナノ結晶の場合にはトルエン、極性のキャップされたTiOナノ結晶の場合にはTHFなどの溶媒に分散させる。次いで、再び逆溶媒、例えばTHF溶液の場合にはヘプタン、トルエン溶液の場合にはアセトンを、反応混合物に対して、重量で0.1:1~1:1、1:1~1.25:1、1.25:1~1.5:1、1.5:1~1.75:1、1.75:1~2:1、2:1~2.25:1、2.25:1~2.5:1、2.5:1~2.75:1、2.75:1~3:1の逆溶媒の比で用いて、分散させた固形分を沈殿させる。この沈殿物を、100~500、500~1000、100~1500、1500~2000、2000~2500、2500~3000rpm、3000~3500、3500~4000、4000~4500、4500~5000、5000~5500、5500~6000、6000~6500、6500~7000、7000~7500、7500~8000、8000~8500、8500~9000rpmで、0~5分、5~10分、10~15分、15~20分、30~25分、25~30分、30~35分、35~40分、40~45分、45~50分、50~55分、55~60分間、遠心分離する。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄する。必要に応じて、この工程を繰り返す。次いで、固形分を真空オーブン中、一晩乾燥させる。
【0096】
乾燥させた固形分を、PGMEA中、溶媒に対して1:1の固形分の比で再分散させて、50重量%の配合量の分散物を作製する。得られた分散物を随意に、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過する。
【0097】
第1のまたは第2のキャップ剤は典型的には、シラン、アルコール、カルボン酸、チオール、スルホナート、ホスホナート、ホスファート、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。適切なシラン類、アルコール類、カルボン酸類、チオール類、スルホナート類、ホスホナート類、ホスファート類の例には、本明細書に記載のものなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1のまたは第2のキャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。いくつかの実施形態では、第1のまたは第2のキャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから独立に選択され、例えば、いくつかの実施形態では、第1のまたは第2のキャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。
【0098】
第1のまたは第2のキャップ溶媒は典型的には、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、水、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。適切なアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、および芳香族系溶媒の例には、本明細書に記載のいずれかのものなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、第1のまたは第2のキャップ溶媒は、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、水、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。いくつかの実施形態では、第1のまたは第2のキャップ溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから独立に選択され、例えば、第1または第2キャッピング溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。
【0099】
本明細書の方法により準備された少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶もまた、本開示の新規性のある組成物である。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示は、シラン、アルコール、カルボン酸、チオール、スルホナート、ホスホナート、ホスファート、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされた、本明細書に記載のTiOナノ結晶を含む、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を提供する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらの組み合わせから独立に選択される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのキャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、少なくとも1つのキャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0101】
本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、乾燥形態および/または実質的に純粋な形態であり、例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、および/またはTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない。いくつかの好ましい実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、分散可能なものとすることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、キャップ反応から分離精製して乾燥させ、乾燥させた少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載のキャップ溶媒に再分散させることができる。「実質的に含まない」という用語は、10重量%未満、例えば5重量%未満、3重量%未満、1重量%未満と理解されるのが望ましい。
【0102】
いくつかの実施形態では、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより測定して、約5%から約35%、好ましくは、約5%から約15%、または約10%から約25%、または約15%から約30%の有機物含有量を有することができる。
【0103】
本明細書に記載のいずれの実施形態でも、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶はまた、溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた二酸化チタンナノ結晶の体積で測定した平均粒子サイズが、動的光散乱法(DLS)により測定して、130nm未満(例えば、120nm未満、100nm未満、80nm未満、50nm未満、20nm未満、または10nm未満、例えば、約10nm、約20nm、約50nm、約80nm、約100nm、約120nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約10から約50nm、約50nmから約100nm等)であることを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶はまた、D9999が、動的光散乱法(DLS)により、溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた二酸化チタンナノ結晶の体積で測定して、500nm未満(例えば、200nm未満、100nm未満、または50nm未満、例えば、約10nm、約20nm、約50nm、約100nm、約200nm、約500nm、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約20nmから約50nm、約50nmから約100nm、約20nmから約200nm、約100nmから約200nm等)であることをさらに特徴とすることができる。
【0104】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、本明細書に記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を含むナノ結晶分散物などの組成物を提供する。
TiOナノ結晶分散物
【0105】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と溶媒とを含むナノ結晶分散物であって、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶が、分散物の重量で30%より大きい、例えば40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、または70%より大きい、例えば約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約40~70%、約30~80%、約50~80%等の量で存在する、ナノ結晶分散物を提供する。少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載のいずれかのものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、ナノ結晶分散物は、例えばメチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされた、本明細書の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を含むことができ、好ましくは、キャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択され、さらに好ましくは、キャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、キャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランである。溶媒は、特に限定はされない。例えば、溶媒は、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族系溶媒、水、およびそれらの組み合わせから選択することができる。適切なアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、グリコール系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、および芳香族系溶媒の例には、本明細書に記載のいずれかのものなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、溶媒は、ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシ-プロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート、ベンゼン、トルエン、水、およびそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択される。いくつかの好ましい実施形態では、溶媒は、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、溶媒は、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)である。
【0106】
本開示は、キャップされた酸化チタンナノ結晶の分散物と溶媒とを含有する組成物であって、キャップされた酸化チタンナノ結晶が、溶媒中、10重量%未満、または10重量%~20重量%、または20重量%~30重量%、または30重量%~40重量%、または40重量%~50重量%、または50重量%~60%重量、または60重量%~70%重量、または70重量%~80%重量、または80重量%~90%重量、または90重量%~95重量%の量で存在し、溶媒が、アルコール類、例えば:ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシプロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテル類および環状エーテル類、例えば:テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール類、例えば:ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトン類および環状ケトン類、例えば:アセトン;エステル類、例えば:プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート;芳香族類、例えば:ベンゼン、トルエン;および水の1つまたは複数、ならびにそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物を含んでもよい、組成物を提供する。
【0107】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノ結晶分散物はまた、分散物中のナノ結晶のサイズによって特性評価される。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズは、1~50nm、例えば4~20nm、または15~20nmの範囲である。いくつかの実施形態では、分散物中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより測定して、20~500nmの範囲、好ましくは200nm未満である。分散物中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。
【0108】
PGMEAなどの溶媒中、TiOナノ結晶の50wt%分散物の400nmでの光透過率は、1cm光路長のキュベットを用いて測定して、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、40%~35%, 35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%、10%~5%、5%~3%、3%~2%、2%~1%であってもよい。
【0109】
PGMEAなどの溶媒中、TiOナノ結晶の50wt%分散物の450nmでの光透過率は、1cm光路長のキュベットを用いて測定して、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%、10%~5%、5%~3%、3%~2%、2%~1%であってもよい。
【0110】
PGMEAなどの溶媒中、TiOナノ結晶の50wt%分散物の500nmでの光透過率は、1cm光路長のキュベットを用いて測定して、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%、10%~5%、5%~3%、3%~2%、2%~1%であってもよい。
【0111】
PGMEAなどの溶媒中、TiOナノ結晶の50wt%分散物の650nmでの光透過率は、1cm光路長のキュベットを用いて測定して、70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%であってもよい。
【0112】
本開示は、本明細書に記載の溶媒中のキャップされた酸化チタンナノ結晶分散物であって、分散物を意図的に振とうまたは混合なしに18~25℃の範囲の温度で保存した場合には、分散物が、この少なくとも1週間、または2週間、または3週間、または4週間、または3ヶ月、または少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月、または少なくとも7ヶ月、または少なくとも8ヶ月、または少なくとも9ヶ月、または少なくとも10ヶ月、または少なくとも11ヶ月、または少なくとも1年、または少なくとも2年、または少なくとも3年間、保存安定性がある、分散物を提供する。
【0113】
いくつかの実施形態では、ナノ結晶分散物は、2週間より長い間、例えば、3週間もしくは4週間の間、または3週間より長い間、4週間より長い間、安定であることが可能であり、室温で暗所保存した場合には、5%未満(例えば3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。
【0114】
ナノ結晶分散物は典型的には、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を溶媒と混合して分散物を形成することを含む方法によって準備することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、実質的に純粋な形態である、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、および/またはTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、本方法は、乾燥形態の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶を溶媒と混合して分散物を形成することを含む。
ZrO-TiOナノ結晶分散物
【0115】
随意に、本開示は、溶媒中、本明細書に記載のキャップされた酸化チタンナノ結晶(例えば、本明細書に記載の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶のいずれか)、およびキャップされた酸化ジルコニウムナノ結晶、例えば、参照により内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許第US8592511B2号に記載のものの分散物を含有して光学的、物理的、または化学的性能を最適化させた組成物を提供する。分散物中、TiOに対するZrOのナノ結晶の重量比は、100%のTiOと0%のZrOから、0%のTiOと100%のZrO、およびその間のいずれかの比率で変化し得る。分散物の特性を表3に記載するが、ここでTiOに対するZrOの比は、0%と100%、10%と90%、20%と80%、30%と70%、40%と60%、50%と50%、60%と40%、70%と30%、80%と20%、90%と10%、100%と0%であり、溶媒含有量は、50重量%である。
【0116】
キャップされた酸化チタンナノ結晶とキャップされた酸化ジルコニウムナノ結晶とを含む分散物であって、ナノ結晶の全量が、10重量%未満、または10重量%~20重量%、または20重量%~30重量%、または30重量%~40重量%、または40重量%~50重量%、または50重量%~60重量%、または60重量%~70重量%、または70%重量~80重量%、または80重量%~90重量%、または90重量%~95重量%の量で存在し、溶媒が、アルコール類、例えば:ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシプロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテル類および環状エーテル類、例えば:テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール類、例えば:ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトン類および環状ケトン類、例えば:アセトン;エステル類、例えば:プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタートなどのエステル類;芳香族類、例えば:ベンゼン、トルエン;および水の1つまたは複数、ならびにそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物を含んでいてもよい、分散物。
【0117】
PGMEAなどの溶媒中、50wt%でのZrOとTiOのナノ結晶の混合物の分散物は、1cm光路長のキュベットを用いて測定して、65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%の、450nmでの光透過率を有する場合がある。
【0118】
PGMEAなどの溶媒中、50wt%でのZrOとTiOのナノ結晶の混合物の分散物は、1cm光路長のキュベットを用いて測定して、75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%の、500nmでの光透過率を有する場合がある。
【0119】
本開示の溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶の、強度で測定される平均粒子サイズは、動的光散乱法により測定して、<130nmであってもよい。好ましくは、粒子サイズは、DLSにより測定して、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、25~30、または30~35nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nm、または50~55nm、または55~60nm、または60~65 nm、または65~70 nm、または70~75nm、または75~80nm、または80~85nm、または85~90nm、または90~95nm、または95~100nm、または100~105、または105~110、または110~115、または115~120、または120~125、または125~130の間である。
【0120】
本開示の溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶の、体積で測定される平均粒子サイズは、動的光散乱法により測定して、<130nmであってもよい。好ましくは、粒子サイズは、DLSにより測定して、1~4nm、または4~6nm、または6~8nm、または8~10nm、または10~12nm、または12~14nm、または14~16nm、または16~18nm、または18~20nm、または20~25nm、25~30、または30~35nm、または30~35nm、または35~40nm、または40~45nm、または45~50nm、または50~55nm、または55~60nm、または60~65 nm、または65~70 nm、または70~75nm、または75~80nm、または80~85nm、または85~90nm、または90~95nm、または95~100nm、または100~110nm、または110~120nm、または120~130nmの間である。
【0121】
本開示の溶媒中、5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶の、体積で測定されるD9999は、動的光散乱法により測定して、<200nmであってもよい。好ましくは、D9999は、DLSで測定して、<20、<30、<40、<50、<60、<70、<80、<90、<100、<110、<120、<130、<140、<150、<160、<170、<180、<190nmである。
製剤
【0122】
本開示は、キャップされたナノ結晶と、有機塗膜材料、随意に溶媒との混合物を含む製剤を提供する。
【0123】
有機塗膜材料は、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマー、硬化剤、接着促進剤、湿潤剤、レベリング剤、分散剤、粘度調整剤、および随意に酸化防止剤のいずれか1つ、またはいずれか2つ以上の組み合わせを含むことができる。これらの成分および他の成分は、本明細書に記載の製剤の光学的用途に著しく干渉しない限り、当業者に公知の量で採用することができる。
【0124】
本開示に開示された製剤は、フィルムまたは塗膜、または層もしくはレンズ、または自立構造体を作るのに使用してもよい流動性液体である。
【0125】
本開示の製剤は、金属酸化物、例えば酸化チタン、または酸化ジルコニウムと酸化チタンとの混合物のナノ結晶を含んでいてもよく、これらは、高いバルク屈折率、典型的には2より大きい屈折率を有するとともに、可視スペクトルにおいて並外れた透過性を有する。
【0126】
本開示の有機塗膜材料を、本明細書に記載のとおり、金属酸化物ナノ結晶と組み合わせることにより、高い屈折率および高い光透過性を有する、容易に加工可能な薄膜塗膜を製造することが可能になる。これらのフィルムは、可撓性であってもよい。
【0127】
いくつかの実施形態では、本開示の製剤中のキャップされたナノ結晶のキャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、および3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。
【0128】
本開示の製剤の溶媒は、アルコール類、例えば:ベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、2-(イソペンチルオキシ)エタノール、2-プロポキシプロパノール(PnP)、2-(ヘキシルオキシ)エタノール;エーテル類および環状エーテル類、例えば:テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル;グリコール類、例えば:ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール;ケトン類および環状ケトン類、例えば:アセトン;エステル類、例えば:プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、メチルアセタート類、エチルアセタート類、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブチルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ブトキシエチルアセタート、エチルアセタート、2-(2-ブトキシエトキシ)エチルアセタート;芳香族類、例えば:ベンゼン、トルエン;および水、ならびにそれらのいずれかの組み合わせまたは混合物を含んでもよい。
【0129】
本開示の製剤の溶媒は、全製剤の10重量%未満、または全製剤の10重量%~20重量%、または全製剤の20重量%~30重量%、または全製剤の30重量%~40重量%、または全製剤の40重量%~50重量%、または全製剤の50重量%~60重量%、または全製剤の60重量%~70重量%、または全製剤の70重量%~80重量%、または全製剤の80重量%~90重量%を構成してもよい。
【0130】
本開示の製剤を、TAインスツルメントQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて分析し、無機固形分含有量を決定してもよい。手順は、先の記載と同一である。初期質量に対する200℃のパーセント質量を、製剤の全重量から溶媒含有量を差し引いたものとみなし、初期質量に対する700℃のパーセント質量を、製剤の無機部分、すなわち固形分含有量とみなす。
【0131】
本開示の製剤の無機固形分含有量は、TGAで測定して0~10%、またはTGAで測定して10~20%、またはTGAで測定して20~30%、またはTGAで測定して30~40%、またはTGAで測定して40~50%、またはTGAで測定して50~60%、またはTGAで測定して60~70%、またはTGAで測定して70~80%、またはTGAで測定して80~90%、またはTGAで測定して90~93%であってもよい。本開示の製剤の有機塗膜材料は、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーを含んでいてもよい。本開示の製剤のモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、アクリル類を含んでもよい。本開示の製剤のモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、ビフェニル-2-オール、エトキシラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート (SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、テトラ(エチレングリコール)ジアクリラート、ポリ(プロピレングリコール)ジアクリラート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリラート(SR306F)、1,6-ヘキサンジオールエトキシラートジアクリラート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリラート、ビフェニルメチルアクリラート(ミラマーM1192(Miramer M1192))、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート(SR833S)、ポリエステルアクリラート(CN2283、CN2281)を含んでもよい。
【0132】
脂肪族ウレタンアクリラートオリゴマー(CN2920)、エポキシアクリラートオリゴマー(CN2003B)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート(THEICTA-ミラマーM370(THEICTA - Miramer M370))、1,1’-チオビス(2,3-エピチオプロパン)、2,2’-チオビス-エタンチオール、またはこれらのいずれかの組み合わせ。
【0133】
本開示の製剤のキャップされたナノ結晶は、10重量%未満のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または10重量%~20重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または20重量%~30重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または30重量%~40重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または40重量%~50重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または50重量%~60重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または60重量%~70重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または70重量%~80重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶、または80重量%~90重量%のモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマー、加えて少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶を構成してもよい。
【0134】
本開示の製剤の硬化剤は、光重合開始剤を含んでもよい。光重合開始剤は、光(UV)エネルギーを用いてラジカルなどの活性種を生成できるものである限り、いかなるものも使用できる。光重合開始剤の硬化剤としては、アミン類、例えばエベクリル(登録商標)Pl 15、ベンゾフェノンおよびその誘導体、例えばエベクリル(登録商標)P39、スピードキュアBEM(ランブソンUSA社、ラザフォード、コネチカット州、米国(Lambson USA Ltd, Rutherford, CT, USA))、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、または有機ホスフィン類、例えばジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、またはイルガキュア(登録商標)184(BASF USA、フローラム・パーク、ニュージャージー州、米国(BASF USA,Florham Park,NJ,USA))、または2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、またはエチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィナート、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、またはその他のもの、例えば2-イソプロピルトキサントン、ダロキュア4265、スピードキュアXkm、メチルベンゾイルホルメート、チオキサンテン-9-オンなどを挙げてもよい。製剤は、単一の光重合開始剤、またはそれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。
【0135】
本開示の製剤の硬化剤は、熱フリーラジカル開始剤を含んでもよい。適切な熱フリーラジカル開始剤には、過酸化物化合物およびアゾ化合物などが挙げられるが、これらには限定されない。過酸化物硬化剤は、一般的に使用されている有機ペルオキシ硬化剤、例えばジクミルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾアート、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルアセタート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン、およびn-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルペルオキシバレレート)から選択してもよい。アゾ開始剤は、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、V-40、V-59、およびVA-061(和光化学USA、ノース・チェスターフィールド、バージニア州、米国(Wako Chemicals USA,North Chesterfield,VA,USA))から選択してもよい。複数の硬化剤の組み合わせは、当業者に公知の特定の状況では有利である場合がある。
【0136】
本開示の製剤の硬化剤の量は、モノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの0.5重量%未満、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの0.5重量%~1重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの1重量%~2重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの2重量%~3重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの3重量%~4重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの4重量%~5重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの5重量%~6重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの6重量%~7重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの7重量%~8重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの8重量%~15重量%の量で存在してもよい。
【0137】
接着促進剤は、存在する場合、有機金属化合物、例えば官能性シラン類から、または官能化されたモノマーおよびオリゴマーから選択してもよい。好適ないくつかの官能性シラン接着促進剤は、アミノ基またはメタクリロキシ基を含有する。例示的なシラン接着促進剤には、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-[(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、およびトリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シランなどが挙げられるが、これらには限定されない。官官能化されたモノマーおよびオリゴマーの接着促進剤には、CN820、CN146(サートマー・アメリカズ、エクストン、ペンシルバニア州、米国(Sartomer Americas, Exton, PA, USA))、 SR9051、SR9053(Sartomer Americas, Exton, PA, USA)、およびエベクリル171(オルネクスUSA社、ウォーリングフォード、コネチカット州、米国(Allnex USA Inc., Wallingford, CT, USA))などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0138】
本開示の製剤の接着促進剤は、モノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの0.5重量%未満、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの0.5~1重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの1~5重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの5~10重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの10~15重量%、またはモノマー、オリゴマー、および/もしくはポリマーの15~30重量%の量で存在してもよい。
【0139】
製剤の表面張力を低下させ、それによって基材および下層の上での塗膜の湿潤性を向上させるために、湿潤剤が存在してもよい。適切な湿潤剤の代表的な例には、シロキサン系界面活性剤、例えばBYK-307、BYK-330、(BYKケミー、有限会社(BYK Chemie, GMBH))、フッ素系界面活性剤、例えばノベック4430、ノベック4432、およびノベック4434(3M、セントポール、ミネソタ州、米国(3M, St.Paul, MN, USA))などが挙げられるが、これらには限定されない。
【0140】
本開示の製剤の湿潤剤の量は、全製剤の0.05重量%未満、または全製剤の0.05~0.1重量%、または全製剤の0.1~0.5重量%、または全製剤の0.5~1重量%、または全製剤の1~2重量%、または全製剤の2~5重量%の量で存在してもよい。
【0141】
製剤の流動性を向上させて、乾燥した塗膜のさらに均一な表面を製造するために、レベリング剤を使用してもよい。レベリング剤は、存在する場合、ポリアクリラート化合物、例えばBYK-352、BYK-353、BYK-356、およびBYK-361N、およびアラルキル変性ポリメチルアルキルシロキサン、例えばBYK-322、BYK-323、およびBYK-350(BYKケミー、有限会社)であってもよい。
【0142】
本開示の製剤のレベリング剤の量は、全製剤の0.05重量%未満、または全製剤の0.05~0.1重量%、または全製剤の0.1~0.5重量%、または全製剤の0.5~1重量%、または全製剤の1~2重量%、または全製剤の2~5重量%の量で存在してもよい。
【0143】
分散剤は、非イオン性分散剤、アニオン性分散剤、またはそれらの組み合わせであってもよい。分散剤の例には、限定なしに、ポリアルキレングリコール類およびそのエステル類、ポリオキシアルキレン類、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加生成物、アルコールアルキレンオキシド付加生成物、スルホン酸エステル類、スルホン酸塩類、カルボン酸エステル類、カルボン酸塩類、アルキルアミドアルキレンオキシド付加生成物、アルキルアミン類、および同類のものなどを挙げてもよく、単体で、または2つ以上の混合物として使用してもよい。
【0144】
分散剤の市販例には、限定なしに、ディスパーBYK-101、ディスパーBYK-130、ディスパーBYK-140、ディスパーBYK-160、ディスパーBYK-161、ディスパーBYK-162、ディスパーBYK-163、ディスパーBYK-164、ディスパーBYK-165、ディスパーBYK-166, ディスパーBYK-170、ディスパーBYK-171、ディスパーBYK-182、ディスパーBYK-2000、ディスパーBYK-2001(BYKケミー、有限会社)、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース28000、ソルスパース20000、ソルスパース41000、およびソルスパース45000(ルーブリゾール、ウィックリフ、オハイオ州、米国)、フッ素系界面活性剤、例えばFC-4430、FC-4432、FC-4434(3M)、キャップストーンFS-3100などを挙げてもよい。
【0145】
本開示の製剤の分散剤の量は、分散している材料に応じて変化してもよい。分散剤の量は、分散している材料の3重量%未満、または分散している材料の3~5重量%、または分散している材料の5~10重量%、または分散している材料の10~20重量%、または分散している材料の20~40重量%、または分散している材料の40~60重量%、または分散している材料の60~80重量%、または分散している材料の80~100重量%、または分散している材料の100~150重量%であってもよい。
【0146】
本開示の製剤は、調整可能な粘度、および/または有機塗膜材料または溶媒の1つまたは複数によって制御可能な粘度を有することができる。
【0147】
本開示の製剤は、約1cP~約1,000cPの粘度を有してもよい。本開示の製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、例えば、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~約30cP、約30cP~約40cP、約40cP~約50cP、約50cP~約60cP、約60cP~約75cP、約75cP~約100cP、約100cP~約200cP、約200cP~約500cP、または約500cP~約1,000cPの調整可能な粘度を有してもよい。
【0148】
本開示の製剤の粘度を制御してもよい。製剤の粘度を制御することのできるパラメータには、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーの平均長と分子量のみならず;溶媒の存在と溶媒の濃度;増粘剤(すなわち、粘度調整成分)の存在と増粘剤の濃度;製剤中に存在する成分の粒子サイズ;ならびにそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらには限定されない。
【0149】
本開示の製剤の酸化防止剤は、少なくとも1つの一次酸化防止剤を含んでもよい。この一次酸化防止剤は、立体障害フェノール類、例えばイルガノックス1010、イルガノックス1076、ソングノックス(登録商標)1076、ソングノックス(登録商標)2450、またはフェノールホスファイト類、例えばソングノックス(登録商標)1680、またはホスフィン類、例えばイルガフォス168(BASF USA社、フローラム・パーク、ニュージャージー州、米国)、または芳香族二級アミンまたは立体障害アミン類、例えばソングライト(登録商標)6220(ソンウォン・アメリカズ、フレンドウッド、テキサス州、米国(Songwon Americas, Friendwood, TX, USA))から選択してもよい。
【0150】
本開示の製剤は、少なくとも1つの二次酸化防止剤を含有してもよい。この二次酸化防止剤は好ましくは、2つの炭素原子に結合した硫黄原子から形成される少なくとも1つの単位を含む化合物から選択される。二次酸化防止剤の代表的な例は、ジ(t-ブチル)ヒドロキシフェニルアミノビスオクチルチオトリアジン、およびイルガノックスPS800(BASF USA社、フローラム・パーク、ニュージャージー州、米国)である。
【0151】
本開示の製剤の酸化防止剤の量は、全製剤の0.5重量%未満、または全製剤の0.5重量%~1重量%、または全製剤の1重量%~2重量%、または全製剤の2重量%~3重量%、または全製剤の3重量%~4重量%、または全製剤の4重量%~5重量%、または全製剤の5重量%~6重量%、または全製剤の6重量%~7重量%、または全製剤の7重量%~8重量%であってもよい。
【0152】
全製剤の50重量%PGMEAを溶媒として用いた本開示の製剤の400nmでの光透過率は、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計を用いて、1cm光路長を有するキュベット中で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%であってもよい。
【0153】
全製剤の50重量%PGMEAを溶媒として用いた本開示の製剤の450nmでの光透過率は、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計を用いて、1cm光路長を有するキュベット中で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%であってもよい。
【0154】
全製剤の50重量%PGMEAを溶媒として用いた本開示の製剤の500nmでの光透過率は、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計を用いて、1cm光路長を有するキュベット中で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%であってもよい。
【0155】
全製剤の50重量%PGMEAを溶媒として用いた本開示の製剤の650nmでの光透過率は、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計を用いて、1cm光路長を有するキュベット中で測定した場合、99%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、または60%~55%、または55%~50%、または50%~45%、または45%~40%、または40%~35%、または35%~30%、または30%~25%、または25%~20%、または20%~15%、または15%~10%であってもよい。
【0156】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のナノ結晶分散物と、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含むナノコンポジット製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のナノ結晶分散物を、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと混合することを含む方法によって準備されるナノコンポジット製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含む、ナノコンポジット製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと;3)溶媒とを含む、ナノコンポジット製剤を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、1)少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と;2)モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーと;3)溶媒と;4)硬化剤とを含む、ナノコンポジット製剤を提供する。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、硬化剤、接着促進剤、湿潤剤、レベリング剤、分散剤、粘度調整剤、および酸化防止剤から選択される1つまたは複数の成分をさらに含む。適切な少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマー、溶媒、硬化剤、接着促進剤、湿潤剤、レベリング剤、分散剤、粘度調整剤、および酸化防止剤には、本明細書に記載のいずれかのものなどが挙げられる。
【0157】
ナノコンポジット製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載のいずれかのもの、例えばメチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされた本明細書に記載のTiOナノ結晶を含むことができ、好ましくは、キャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択され、さらに好ましくは、キャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、キャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランである。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、実質的に純粋な形態であり、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、および/またはTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーに対して、重量で30%より大きい、例えば、40%より大きい、50%より大きい、60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~90%、約40~80%、約60~90%等の量で存在する。
【0158】
ナノコンポジット製剤用のモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、本明細書に記載のいずれかのものを含むことができる。いくつかの実施形態では、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、アクリラート、エポキシ、またはイソシアヌラートの化合物である。例えば、いくつかの実施形態では、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、およびそれらの組み合わせから選択することができる。いくつかの好ましい実施形態では、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート (SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択することができ、好ましくは、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択される。
【0159】
本明細書のナノコンポジット製剤の溶媒は、本明細書に記載のいずれかのものを含む。例えば、いくつかの実施形態では、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、エタノール、ブトキシエタノール、ブトキシプロパノール、メタノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、ブチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択することができ、好ましくは、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルラクタート(EL)、エチルアセタート、トルエン、およびそれらの組み合わせから選択され、より好ましくは、溶媒は、ベンジルアルコール、ブチルカルビトールアセタート(BCA)、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、エチルアセタート、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、溶媒は、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート(PGMEA)、またはそれらの組み合わせである。
【0160】
本明細書のナノコンポジット製剤のための硬化剤は、存在する場合には、典型的には光重合開始剤および/または熱フリーラジカル開始剤である。適切な硬化剤には、本明細書に記載のものなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、硬化剤は、エベクリル(登録商標)Pl 15、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、スピードキュアBEM、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(TPO)、エチル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィナート、4-(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、2-イソプロピルトキサントン、ダロキュア4265、スピードキュアXkm、メチルベンゾイルホルメート、チオキサンテン-9-オン、ジクミルペルオキシド、t-ブチルペルベンゾアート、ベンゾイルペルオキシド、t-ブチルペルアセタート、1,1-ジ(t-ブチルペルオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペルオキシ)ヘキシン、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、およびそれらの組み合わせから選択される1つまたは複数の薬剤を含む。より好ましくは、硬化剤は、エベクリル(登録商標)Pl 15、エベクリル(登録商標)P39、ベンゾフェノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド、イルガキュア(登録商標)184、ベンゾイルペルキオシド、および2,2’-アゾビスイソブチロニトリルから選択される1つまたは複数の薬剤を含む。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、本明細書に記載の少なくとも1つの接着促進剤、好ましくは3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-[(メタクリロイルオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシ[3-(メチルアミノ)プロピル]シラン、CN820、CN146、およびそれらの組み合わせから選択されるものをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、本明細書に記載の少なくとも1つの湿潤剤、好ましくは、BYK-307、BYK-330、ノベック 4430、ノベック4432、ノベック4434、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの湿潤剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、本明細書に記載の少なくとも1つのレベリング剤、好ましくは、BYK-352、BYK-353、BYK-356、BYK-361N、BYK-322、BYK-323、BYK-350、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つのレベリング剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、本明細書に記載の少なくとも1つの分散剤、好ましくは、ディスパーBYK-101、ディスパーBYK-130、ディスパーBYK-140、ディスパーBYK-160、ディスパーBYK-161、ディスパーBYK-162、ディスパーBYK-163、ディスパーBYK-164、ディスパーBYK-165、ディスパーBYK-166、ディスパーBYK-170、ディスパーBYK-171、ディスパーBYK-182、ディスパーBYK-2000、ディスパーBYK-2001、ソルスパース32000、ソルスパース36000、ソルスパース28000、ソルスパース20000、ソルスパース41000、およびソルスパース45000、FC-4430、FC-4432、FC-4434(3M)、キャップストーンFS-3100、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの分散剤をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、本明細書に記載の少なくとも1つの酸化防止剤、好ましくは、イルガノックス1010、イルガノックス1076、ソングノックス(登録商標)1076、ソングノックス(登録商標)2450、ソングノックス(登録商標)1680、イルガフォス168、ソングライト(登録商標)6220、およびそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの酸化防止剤をさらに含むことができる。
【0161】
本明細書に記載のナノコンポジット製剤は典型的には、1~50nm、例えば4~20nm、または10~20nmの範囲の、製剤中のTiOナノ結晶の平均粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、製剤中のTiOナノ結晶のD9999は、DLSにより測定して、20~500nmの範囲、好ましくは200nm未満である。製剤中の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、TGAにより観察して、ナノ結晶の凝集または沈降なしに均一に分散している。製剤はまた、典型的には、2週間より長い間、例えば、3週間もしくは4週間の間、または3週間より長い間、4週間より長い間、安定であり、室温で暗所保存した場合に5%未満(例えば3%未満、2%未満、または1%未満、例えば約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約0.01~1%、約0.1~1%、約0.1~5%、約0.5~2%、約0.5~3%、約0.5~1%等)の、400nmでの透過率の変化を示す。
【0162】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のナノコンポジット製剤はまた、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、約1cpから約1000cp、例えば、約1cP~2cP、約2cP~5cP、約5cP~10cP、約10cP~15cP、約15cP~20cP、約20cP~25cP、約25cP~約30cP、約30cP~約40cP、約40cP~約50cP、約50cP~約60cP、約60cP~約75cP、約75cP~約100cP、約100cP~約200cP、約200cP~約500cP、または約500cP~約1,000cPの範囲の調整可能な粘度を有することができる。
散乱体含有製剤
【0163】
本明細書に記載の製剤(例えば、本明細書に記載のナノコンポジット製剤のいずれか)は、散乱体粒子を含んでもよく、散乱体粒子には、チタニア粒子、ポリマーのフィラーもしくはビーズ、またはシリカ粒子、またはZrOナノ結晶の制御された凝集体などの、数百ナノメートルの粒子などを挙げてもよい。
【0164】
本明細書に記載の製剤中の散乱体は、50~100nm、または100~200nm、または200~300nm、または300~400nm、または400~500nm、または500~600nm、または600~700nm、または700~800nm、または800~900nm、または900nmから1μm、または1~1.5μm、または1.5~2μmの範囲の平均サイズを有してもよい。
【0165】
本明細書に記載の製剤中の散乱体は、製剤の全重量に対して、重量で0.1~40%の量であってもよい。
【0166】
本明細書に記載の製剤中の散乱体は、バインダ製剤の屈折率よりも高い屈折率を有してもよい。
【0167】
本明細書に記載の製剤中の散乱体は、バインダ製剤の屈折率よりも低い屈折率を有してもよい。
【0168】
散乱体粒子を含む本明細書に記載の製剤は、ブルックフィールドRVDV II+コーンプレート型粘度計を用いて25℃で測定した場合に、5cPs未満、または5cPs~50cPs、または50cPs~200cPs、または200cPs~400cPs、または400cPs~650cPs、または650cPs~1000cPsの粘度を有してもよい。
【0169】
散乱体粒子を含む本明細書に記載の製剤は、この散乱性製剤を意図的に振とうまたは混合なしに18~25℃の範囲の温度で保存した場合には、少なくとも1週間、または2週間、または3週間、または4週間、または3ヶ月、または少なくとも5ヶ月、または少なくとも6ヶ月、または少なくとも7ヶ月、または少なくとも8ヶ月、または少なくとも9ヶ月、または少なくとも10ヶ月、または少なくとも11ヶ月、または少なくとも1年、または少なくとも2年、または少なくとも3年の間、保存安定性がある。
【0170】
散乱体粒子を含む本明細書に記載の製剤は、保存安定性を有していてもよく、散乱性製剤の保存された試料の上部3分の1から得られる試料中の散乱体粒子の重量百分率の変化は、保存時間にわたって1%未満、または1~2%、または2~3%、または3~4%、または4~5%、または5~7%、または7~10%、または10~15%、または15~20%、または20~25%、または25~30%、または30~35%である。
フィルムの作製方法
【0171】
本開示は、ナノコンポジットの作製方法を提供する。前記ナノコンポジットは、本明細書に記載の液体製剤を、熱またはUV露光により硬化させて得られる、フィルムもしくは塗膜、または層もしくはレンズ、または自立構造であってもよい。
【0172】
少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、キャップ溶媒中でナノ結晶を少なくとも1つのキャップ剤と混合することを含む工程によって作製され;少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、キャップ溶媒から分離されてもよく;ナノ結晶が、酸化チタン、または酸化ジルコニウムと酸化チタンのナノ結晶の混合物であってもよく;前記部分的にキャップされたナノ結晶が、溶媒、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの組み合わせと混合され、前記製剤が、硬化剤、酸化防止剤、架橋剤、増粘剤、接着促進剤、湿潤剤、レベリング剤、分散剤、可塑剤、または柔軟剤をさらに含んでもよい、本明細書に記載のナノコンポジットの塗膜またはフィルム。
【0173】
本開示の製剤を用いてナノコンポジットの塗膜またはフィルムを作製する本開示の方法は、ガラス、SiC、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(スチレンスルホナート)(PSS)をドープしたPEDOT、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレン(PEN)、またはドープしたポリ(4,4-ジオクチルシクロペンタジチオフェン)、またはポリイミドを含む、または含有する基材上に堆積させてもよい。
【0174】
本開示の製剤を用いてナノコンポジットの塗膜またはフィルムを作製する本開示の方法は、スピン塗布、スロットダイ塗布、スリット塗布、スクリーン印刷、インクジェット印刷、浸漬塗布、ドロー・バー(draw-bar)塗布、ロール・ツー・ロール印刷、ナノインプリンティング、フォトパターニング、噴霧塗布、インプリントリソグラフィ、およびそれらのいずれかの組み合わせを含んでもよい。
【0175】
本開示の製剤を用いてナノコンポジットの塗膜またはフィルムを作製する本開示の方法は、基材に付着させて、塗膜またはフィルムをホットプレート上で50℃~100℃または100℃~150℃または150℃~200℃で5~10分または10~20分または20~30分または30~40分または40~50分または50~60分または60~70分または70~80分または80~90分または90~100分または100~120分の間、加熱することにより熱硬化させてもよい。
【0176】
本開示の製剤を用いてナノコンポジットの塗膜またはフィルムを作製する本開示の方法は、基材に付着させて、220~230nm、230~240nm、240~250nm、250~260nm、260~270nm、270~280nm、280~290nm、290~300nm、300~310nm、310~320nm、または320~330nm、または330~340nm、または340~350nm、または350~360nm、または360~370nm、または370~380nm、または380~390nm、または390~400nm、または400~410nm、または410~420nmの間の波長のUVを、1J/cm未満、1~2J/cm未満、2~3J/cm未満、3~4J/cm未満、4~5J/cm未満、5~6J/cm未満、6~7J/cm未満、7~8J/cm未満、8~9J/cm未満、9~10J/cm未満のドーズ量で照射することにより硬化させてもよい。
【0177】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に記載のナノコンポジット製剤を基材の表面に付着させることを含む、基材に塗膜する方法を提供する。いくつかの実施形態では、基材は、ガラス基材、セラミック基材、金属基材、および/またはプラスチック基材である。いくつかの実施形態では、基材は、ガラス、SiC、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(スチレンスルホナート)(PSS)をドープしたPEDOT、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレン(PEN)、ドープしたポリ(4,4-ジオクチルシクロペンタジチオフェン)、またはポリイミド、またはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、ナノコンポジット製剤は、スピン塗布、噴霧、浸漬、スクリーン印刷、ローリング、ペイント、印刷、インクジェット印刷、分注、ロール・ツー・ロール塗布、蒸発および/または気相成長による堆積、好ましくはスピン塗布、インクジェット印刷、インプリンティング、ナノインプリンティング、フォトパターニング、ロール・ツー・ロール塗布、スロットダイ塗布、および/またはスクリーン印刷によって表面に付着させる。いくつかの実施形態では、本方法は、例えば、UV光などの光、または本明細書に記載の熱処理により、ナノコンポジット製剤を硬化させることをさらに含む。
【0178】
本明細書に記載の方法により準備された塗膜された基材はまた、本開示の新規性のある組成物である。いくつかの実施形態では、本開示はまた、本明細書に記載の方法により準備された塗膜された基材を含む装置を提供する。いくつかの実施形態では、装置は、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、センサ、CMOSセンサ、フレキシブルエレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクス、拡張現実、仮想現実、複合現実、導波路、回折格子、または太陽電池装置である。いくつかの実施形態では、装置は、内部光抽出層としてレンズ構造を含む、例えば発光ダイオード装置である、装置であって、内部光抽出層は、本明細書に記載の方法により準備された塗膜された基材を含む。
フィルムまたは塗膜
【0179】
本開示は、本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製されたナノコンポジットの塗膜またはフィルムであって、ポリマーマトリックス、硬化剤、およびキャップされたナノ結晶の混合物を含み、前記キャップされたナノ結晶が、塗膜またはフィルムの重量で5%より大きい量で塗膜またはフィルム中に存在する、ナノコンポジットの塗膜またはフィルムを提供する。
【0180】
本開示におけるナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、酸化チタンなどの金属酸化物のナノ結晶、または酸化ジルコニウムと酸化チタンの混合物を含んでもよい。
【0181】
本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムのフィルム厚は、40ナノメートルから100マイクロメートルの範囲であってもよい。
【0182】
本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、<5um厚を有するフィルムのプリズムカプラーを用いて測定した場合、448nmで、1.60~1.62、または1.62~1.64、または1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、1.60~1.62、または1.62~1.64、または1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよい。
【0183】
本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、3nm~10nm、または2nm~3nm、または1nm~2nm、または0.6nm~1nm、または0.1nm~0.6nmの二乗平均(RMS)表面粗さを有してもよい。RMS表面粗さは、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、5ミクロン×5ミクロンの正方形にわたって測定してもよい。
【0184】
本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、5ミクロン未満のフィルムの場合、99.9%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、60%~55%、55%~50%、50%~45%、45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%の高い可視光(400~800nm)透過率を有してもよい。
【0185】
本開示によるフィルムの透過率は、パーキンエルマーUV-Visラムダ850分光光度計を用いて測定された垂直透過率であってもよく、この場合、フィルムは、光学的に透明な基材、例えば溶融シリカまたはガラスの基材の上に塗布され、同一タイプおよび厚さのブランク基材が基準として使用される。スペクトルの波紋は、入射光と反射光の干渉の結果であり、通常、フィルムが高品質、すなわち、高い平滑性、高い均一性、高透過性であることを示している。
【0186】
本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、5ミクロン未満のフィルムの場合、0.5%未満または0.5~1.0%のパーセントヘイズを有してもよい。本開示によるフィルムの%ヘイズは、ハンターラブ(HunterLab)のビスタ・ヘイズメータ(Vista Hazemeter)を使用して測定され、フィルムは、溶融シリカまたはガラスの基材などの光学的に透明な基材上に塗布される。
【0187】
本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムはさらに、150℃未満の温度での熱安定性を示してもよい。熱安定性は、ナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、指定された温度で、空気中、窒素中、または真空下で、5分以上、または10分以上、または30分以上、または60分以上、または120分以上置いて、視認できる変色、亀裂、または剥離のない状態で測定してもよい。
【0188】
熱安定性は、塗膜またはフィルムを、150℃に、真空または窒素中で、120分間置いて測定してもよく、400nmから800nmまでの光透過率の平均変化は、1μmのフィルムに規格化した場合、5%~10%、または2%~5%、または1%~2%、または0.1%~1%、または0.001%~0.1%である。規格化は、透過率を吸収率に変換し、吸収率をマイクロメートルでのフィルム厚で除算し、次いでその結果を1μmの場合のフィルムの透過率に逆変換することにより行ってもよい。
【0189】
フィルム中の少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶の量が、ナノコンポジットフィルムの重量で10%~20%、または20%~30%、または30%~40%、または40%~50%、または50%~60%、または60%~70%、または70%~75%、または75%~80%、または80%~85%、または85%~90%、または90%~93%である、本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムであるフィルム。
【0190】
フィルム中の少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶の量が、ナノコンポジットバインダの重量で10%~20%、または20%~30%、または30%~40%、または40%~50%、または50%~60%、または60%~70%、または70%~75%、または75%~80%、または80%~85%、または85%~90%、または90%~93%である、本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムであるフィルム。
【0191】
いくつかの実施形態では、本開示は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを含むナノコンポジットフィルムであって、少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、ナノコンポジットの重量で50%より大きい、例えば60%より大きい、70%より大きい、80%より大きい、または90%より大きい、例えば約55%、約60%、約70%、約80%、約90%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約55~90%、約60~90%、約70~90%等の量で存在する、ナノコンポジットフィルムを提供する。少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載のいずれかのものとすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、フィルムは、メチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、およびそれらの組み合わせから選択されるキャップ剤を用いて少なくとも部分的にキャップされた、本明細書に記載のTiOナノ結晶を含むことができ、好ましくは、キャップ剤は、メチルトリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、およびそれらの組み合わせから選択され、さらに好ましくは、キャップ剤が、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、キャップ剤は、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランである。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、実質的に純粋な形態である、例えば、TiOナノ結晶をキャップするのに使用されるキャップ剤、およびTiOナノ結晶をキャップすることから生じる副生成物を含まない、または実質的に含まない。モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーはまた、アクリラート、エポキシ、またはイソシアヌラートの化合物など、本明細書に記載のいずれかのものとすることができる。いくつかの好ましい実施形態では、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、例えば、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、トリス(2-アクリロイルオキシ)エチル}イソシアヌラート、トリシクロデカンジメタノールジアクリラート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌラートトリアクリラート、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、ベンジルメタクリラート(BMA)、ベンジルアクリラート、トリメチロールプロパントリアクリラート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシラート(1 EO/OH)メチルエーテルジアクリラート、1,6-ヘキサンジオールジアクリラート(HDDA、SR238B)、トリ(エチレングリコール)ジアクリラート、エチレングリコールジアクリラート、ポリ(エチレングリコール)ジアクリラート、グリセロール1,3-ジグリセロラートジアクリラート、ジ(エチレングリコール)ジアクリラート、およびそれらの組み合わせから選択することができる。いくつかの実施形態では、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、ビスフェノールAエトキシラートジアクリラート類、ビスフェノールAプロポキシラートジアクリラート、ビスフェノールFエトキシラート(2 EO/フェノール)ジアクリラート、ビスフェノールAグリセロラートジアクリラート類、ビスフェノールAエトキシラートジメタクリラート、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート (SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択され、好ましくは、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート、アクリル酸とのエステル類(OPPEOA)、エトキシル化(4)ビスフェノールAジアクリラート(SR-601)、ビフェノールAエトキシラートジアクリラート(SR-349)、クレゾールノボラックエポキシアクリラート(CN112C60)、およびそれらの組み合わせから選択され、例えば、モノマー、オリゴマー、および/またはポリマーは、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラートである。
【0192】
本明細書のナノコンポジットフィルムは典型的には、PGMEA中、5%ナノ結晶分散物としてDLSにより測定して、TiOナノ結晶の平均粒子サイズが、1~5nm、5~10nm、10~15nm、15~20nm、20~30nm、30~40nm、または40~50nmの範囲にあり、D9999が100nm未満である。
【0193】
いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムは、1ミクロンの厚さのフィルムの%透過率が、400nmの波長で、80%より大きい、例えば、85%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、500nmの波長で、80%より大きい、例えば、85%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、600nmの波長で、80%より大きい、例えば、85%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であり、800nmの波長で、80%より大きい、例えば、85%より大きい、90%より大きい、95%より大きい、97%より大きい、98%より大きい、99%より大きい、例えば約85%、約90%、約95%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば約90~99%であることを特徴とするものとすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムはまた、<5um厚を有するフィルムのプリズムカプラーを用いて測定した場合、448nmで、約1.70~約2.10、例えば1.70~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有することができ、635nmで、1.60~1.62、または1.62~1.64、または1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムはまた、ナノインデンテーションにより測定して、50Mpaより大きい、100MPaより大きい、または200MPaより大きい、または300MPaより大きい、または400MPaより大きい、例えば、約55Mpa、約100MPa、約200MPa、約300MPa、約400MPa、約500MPa、または記載の値の間のいずれかの範囲、例えば、約50~500MPa、または約100~400MPaの硬度を有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムはまた、1ミクロンの厚さを有するフィルムの%吸収率が、積分球で測定して、450nmの波長で、0.1%未満、0.05%未満、または0.01%未満であることを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムはまた、5ミクロン×5ミクロンの面積についてAFMで測定して、1nm未満のRaの表面粗さを有することができる。いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムはまた、ナノコンポジットフィルムのヘイズが、ヘイズメータにより測定して、0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満(例えば、約0.01%から約0.1%、約0.1%から約0.2%、約0.1%から約0.5%、約0.2%から約0.5%、または約0.1%から約1%)であり、b*が、1未満、または0.5未満、または0.1未満(例えば、約0.01から約0.1、約0.1から約0.5、約0.1から約0.2、または約0.1から約1)であることを特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書のナノコンポジットフィルムはまた、ナノコンポジットフィルムのヘイズが、0.1%未満、または0.2%未満、または0.3%未満、または0.4%未満、または0.5%未満、または1%未満であり、少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶が、TEM、SEM、またはEDXの画像による均一な粒子分布により観察されるとおり、フィルム中、凝集なしに均一に分散して、均一なRI分布を実現することを特徴とすることができる。
【0194】
本明細書のナノコンポジットフィルムは典型的には、ナノコンポジット製剤のそれぞれの成分を混合することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させることとを含む方法によって準備することができる。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、溶媒中、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、硬化剤と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、溶媒中、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶と、硬化剤と、少なくとも1つのモノマー、オリゴマー、および/またはポリマーとを混合してナノコンポジット製剤を提供することと、随意にナノコンポジット製剤を硬化させてナノコンポジットフィルムを提供することとを含む。ナノコンポジットフィルム準備用の少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は典型的には、本明細書に記載の方法のいずれか1つに従って準備することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも部分的にキャップされたTiOナノ結晶は、本明細書に記載の方法のいずれかによって準備されたTiOナノ結晶から準備することができる。
【0195】
本明細書のナノコンポジットフィルムは、様々な装置において使用することができる。いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書のナノコンポジットフィルムのいずれかを含むことができる。いくつかの実施形態では、装置は、オプトエレクトロニクス装置、光起電力装置、触媒装置、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサ、CMOSセンサ、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、フレキシブルエレクトロニクス装置、プリンテッドエレクトロニクス装置、拡張現実、仮想現実、複合現実、導波路、回折格子、または太陽電池装置である。いくつかの実施形態では、装置は、内部光抽出層としてレンズ構造を有する、例えば発光ダイオード装置である、装置であって、内部光抽出層は、本明細書のナノコンポジットフィルムを含む。
散乱体含有コンポジット
【0196】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムのフィルム厚は、50ナノメートルから100マイクロメートルの範囲であってもよい。
【0197】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、<5um厚を有するフィルムのプリズムカプラーを用いて測定した場合、448nmで、1.60~1.62、または1.62~1.64、1.64~1.66、または1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよく、635nmで、1.60~1.62、または1.62~1.64、1.64~1.66、1.66~1.68、または1.68~1.70、または1.70~1.72、または1.72~1.74、または1.76~1.78、または1.78~1.80、または1.80~1.82、または1.82~1.84、または1.84~1.86、または1.86~1.88、または1.88~1.90、または1.90~1.92、または1.92~1.94、または1.94~1.96、または1.96~1.98、または1.98~2.00、または2.00~2.02、または2.02~2.04、または2.04~2.06、または2.06~2.08、または2.08~2.10の屈折率を有してもよい。
【0198】
少なくとも1~2マイクロメートルの厚さのフィルムが、5~4nm、または4~3nm、または3~2nm、または2~1nm、または1~0.5nmの表面粗さを有する散乱体を含む、散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルム。
【0199】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、400nmの波長で測定して、5ミクロン未満のフィルムの場合、99.99%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、60%~55%、55%~50%、50%~45%、45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%の垂直透過率を有してもよい。
【0200】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、500nmの波長で測定して、5ミクロン未満のフィルムの場合、99.99%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、60%~55%、55%~50%、50%~45%、45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%の垂直透過率を有してもよい。
【0201】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、600nmの波長で測定して、5ミクロン未満のフィルムの場合、99.99%~99%、または99%~98%、または98%~97%、または97%~96%、または96%~95%、または95%~90%、または90%~85%、または85%~80%、80%~75%、または75%~70%、または70%~65%、または65%~60%、60%~55%、55%~50%、50%~45%、45%~40%、40%~35%、35%~30%、30%~25%、25%~20%、20%~15%、15%~10%の垂直透過率を有してもよい。
【0202】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムは、5ミクロン未満のフィルムの場合、0.5%未満、または0.5~1.0%、または1.0~10.0%、または10~20%、または20~30%、または30~40%、または40~50%、または50~60%、または60~70%、または70~80%、または80~90%、または90~100%のパーセントヘイズを有してもよい。本開示によるフィルムの%ヘイズは、ハンターラブのビスタ・ヘイズメータを使用して測定される。
【0203】
散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルムはさらに、150℃未満の温度での熱安定性を示す場合がある。熱安定性は、ナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、指定された温度で、空気中、窒素中、または真空下で、5分以上、または10分以上、または30分以上、または60分以上、または120分以上置いて、視認できる変色、亀裂、または剥離のない状態で測定してもよい。
【0204】
熱安定性は、塗膜またはフィルムを、150℃に、空気中、窒素中、または真空下で、120分以上置いて、測定してもよく、400nmから800nmまでの光透過率の平均変化は、1μmのフィルムに規格化した場合、5%~10%、または2%~5%、または1%~2%、または0.1%~1%、または0.001%~0.1%である。規格化は、透過率を吸収率に変換し、吸収率をマイクロメートルでのフィルム厚で除算し、次いでその結果を1μmフィルムの場合の透過率に逆変換することにより行ってもよい。
【0205】
フィルム中の少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶の量が、ナノコンポジットフィルムの重量で10%~20%、または20%~30%、または30%~40%、または40%~50%、または50%~60%、または60%~70%、または70%~75%、または75%~80%、または80%~85%、または85%~90%、または90%~93%である、散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルム。
【0206】
フィルム中の少なくとも部分的にキャップされたナノ結晶の量が、ナノコンポジットバインダの重量で10%~20%、または20%~30%、または30%~40%、または40%~50%、または50%~60%、または60%~70%、または70%~75%、または75%~80%、または80%~85%、または85%~90%、または90%~93%である、散乱体を含む本明細書に記載の製剤を用いてナノコンポジットを作製する本開示の方法を用いて作製された本開示のナノコンポジットの塗膜またはフィルム。
装置
【0207】
本開示は、内部光抽出層を含む発光ダイオード装置であって、前記内部光抽出層が、本開示の散乱体を有する、または有さない高屈折率ナノコンポジットを含む装置を提供する。
【0208】
本開示はさらに、活性成分を含む、オプトエレクトロニクス装置、光起電力装置、触媒装置、燃料電池、電池、スマートウィンドウ、センサ、CMOSセンサ、LED、ミニLED、マイクロLED、有機LED(OLED)、量子LED(QLED)、タッチスクリーン、ディスプレイ、フレキシブルエレクトロニクス装置、プリンテッドエレクトロニクス装置、拡張現実、仮想現実、複合現実、導波路、回折格子、または太陽電池装置を提供し、前記活性成分は、本開示のナノコンポジットを含む、または含有する。
【0209】
本開示は、内部光抽出層としてレンズ構造を含む発光ダイオード装置を提供し、前記内部光抽出層は、本開示の高屈折率ナノコンポジットの塗膜またはフィルムを含み、レンズ構造の屈折率は、段階的に変化してもよく、または勾配のある屈折率プロファイルを有してもよい。
【0210】
以下は、本開示の実施形態の非限定的な例示である。
【実施例
【0211】
実施例1
酸化チタン(TiO)ナノ結晶の合成:
1~1500nmの範囲のサイズを有する酸化チタンナノ結晶を、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)プロポキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、チタン(IV)ブトキシド、またはチタン(IV)オキシアセチルアセトナートなどの前駆体から準備することができる。チタンn-ブトキシド、クロロトリイソプロポキシチタン(IV)、チタンn-プロポキシド、チタン(IV)クロリド、チタンクロリドトリn-ブトキシド、またはチタンジクロリドジエトキシドが、所望の最終生成物に応じて、前駆体として有利に使用される可能性がある。
【0212】
例示的な方法では、チタンn-ブトキシド、チタンn-プロポキシド、チタンイソプロポキシドまたはチタンエトキシドなどのチタンアルコキシド前駆体を、試薬として作用する水と、そして溶媒または溶媒の混合物、例えばベンジルアルコール、フェノール、オレイルアルコール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、エタノール、メタノール、アセトニトリル、トルエン、PGMEA、プロピレングリコールプロピルエーテル(PGPE)、PGME、2-メチル-1-プロパノール、またはトリエチレングリコールモノメチルエーテルと混合して、オートクレーブ内に密封する。反応混合物を、140~300℃の間の温度に加熱する。いったん反応混合物が設定温度に達すると、その温度を、溶媒または溶媒混合物、および/または反応の温度に応じて、20分から24時間の範囲で維持する。合成時の状態の酸化チタンナノ結晶を、白色乳状の懸濁物として回収する。
【0213】
次いで、この乳状白色の懸濁物を回収し、遠心分離瓶に移した。次いで、この懸濁物を1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションしたところ、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが形成された。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して2.75対1の溶媒の重量比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間、遠心分離し、得られた上澄み液を上部からデカンテーションした。次いで、湿潤ケーキを250mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して1.857:1の溶媒で加えた。次いで、キャップ剤、例えば、メチルトリメトキシシラン、n-プロピルトリメトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシラン、n-オクチルトリメトキシシラン、n-オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、m,p-エチルフェネチルトリメトキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、1-ヘキセニルトリメトキシシラン、1-オクテニルトリメトキシシラン、フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、N-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-(4-ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル)ピロール、2-(3-トリメトキシシリルプロピルチオ)チオフェン、(3-トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、(2-ジフェニルホスフィノ)エチルジメチルエトキシシラン、2-(ジフェニルホスフィノ)エチルトリエトキシシラン、3-(ジフェニルホスフィノ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタノール、ヘキサノール、オクタノール、ベンジルアルコール、フェノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、オレイルアルコール、ドデシルアルコール、オクタデカノール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、オクタン酸、酢酸、プロピオン酸、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸、オレイン酸、安息香酸、ステアリン酸、トリフルオロ酢酸、ビフェニル-4-カルボン酸、2-(2-メトキシエトキシ)酢酸、メタクリル酸、コハク酸モノ-2-(メタクリロイルオキシ)エチル、2-メルカプトエタノール、2-{2-(2-メルカプトエトキシ)エトキシ}エタノール、2-(2-メトキシエトキシ)エタンチオール、1-オクタンチオール、2,3-ジメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム一水和物、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸、オクチルホスホン酸、(11-メルカプトウンデシル)ホスホン酸、(11-(アクリロイルオキシ)ウンデシル)ホスホン酸、11-メタクリロイルオキシウンデシルホスホン酸、[2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]エチル]ホスホン酸エチルエステル、およびそれらのいずれかの組み合わせを、湿潤ケーキに対して重量で1:5のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した。反応物を冷却して、すべての湿潤ケーキを溶液中に分散させたところ、溶液はサーモン色の外観を呈した。
【0214】
次いで、反応混合物を洗浄して、過剰なキャップ剤や不純物を除去した。次いで、反応混合物を、逆溶媒、例えば、反応混合物に対して2:1のヘプタンの重量比でヘプタン中に沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、固形分をTHFに分散させた。次いで、分散させた固形分を、逆溶媒、例えば、反応混合物に対して2:1のヘプタンの重量比でヘプタン中に再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、固形分をTHFに分散させた。次いで、分散させた固形分を、逆溶媒、例えば、反応混合物に対して2:1のヘプタンの重量比でヘプタン中に、3回目として沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、固形分を真空オーブン中、一晩乾燥させた。
【0215】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
実施例2
【0216】
一実施例では、オートクレーブ内に密閉された不活性雰囲気中、100ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、500ミリモルの水、および418ミリリットルのベンジルアルコールの混合物から、酸化チタンナノ結晶を製造した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で200℃まで加熱した。反応混合物がいったん200℃に達すると、その温度を20~60分間、維持した。オートクレーブを室温まで冷却した後、合成時の状態のTiOナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0217】
次いで、この乳状白色の懸濁物を回収し、遠心分離瓶に移した。次いで、この懸濁物を1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションすると、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが残った。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒の比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液をデカンテーションして除いた。次いで、回収した湿潤ケーキを250mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で0.3:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:10のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃で1時間還流させた時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0218】
この溶液を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過して、50重量%配合量の分散物を得た。
実施例3
【0219】
一実施例では、オートクレーブ内に密閉された不活性雰囲気中、100ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、500ミリモルの水、および418ミリリットルのベンジルアルコールの混合物から、酸化チタンナノ結晶を製造した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で225℃に加熱した。反応混合物がいったん225℃に達すると、その温度を20~60分間、維持した。オートクレーブを室温まで冷却した後、合成時の状態のTiOナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0220】
次いで、乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションしたところ、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが残った。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液をデカンテーションして除くと、湿潤ケーキが残った。次いで、湿潤ケーキを250mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で0.3:1の溶媒の比で加えた。次いで、2-[2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を、湿潤ケーキに対して重量で1:10のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を60℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0221】
この溶液を、0.45ミクロン、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過して、50重量%配合量の分散物を得た。
実施例4
【0222】
一実施例では、不活性雰囲気中、2583ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、6457ミリモルの水、および3400ミリリットルのベンジルアルコールから、酸化チタンナノ結晶を準備し、これを2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で200~225℃に1~2時間、加熱した。反応物の圧力は50から150psiに達した。反応が完了して、反応器を室温に戻した後、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0223】
次いで、乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションしたところ、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが残った。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液をデカンテーションして除くと、湿潤ケーキが残った。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で1.857:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:5のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。また、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:50のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0224】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、回収された固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタン中に、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、回収された固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタン中、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0225】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して重量で1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
実施例5
【0226】
一実施例では、不活性雰囲気中、2583ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、6457ミリモルの水、および3400ミリリットルのベンジルアルコールから、酸化チタンナノ結晶を準備し、これを2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で200~225℃に1~2時間、加熱した。反応物の圧力は50から150psiに達した。反応が完了して、反応器を室温に戻した後、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0227】
次いで、乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションすると、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが残った。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液を上部からデカンテーションして除くと、湿潤ケーキが残った。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で1.857:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:5のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。また、3-(アクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して1:50のキャップ剤の重量比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0228】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、回収された固形分をTHF中に分散させて、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対する2:1のヘプタンの重量比で反応混合物から、再度沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、固形分をTHFに分散させた。次いで、分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0229】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して重量で1:0.43の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、65重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
実施例6
【0230】
別の実施例では、879gの100%(w/w)チタン(IV)n-ブトキシドを、3550gのベンジルアルコール、および116.3gの水と、不活性化された2ガロンのパール反応器中で混合した。酸素の混入を防ぐため、不活性条件、例えば窒素雰囲気下で装置設定を密閉した。次いで、パール反応器を600rpmで撹拌しつつ200℃に加熱し、この温度で1時間、維持した。反応後、反応器を室温に冷却して、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0231】
次いで、乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションすると、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが残った。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間、遠心分離し、得られた上澄み液を上部からデカンテーションして除き、湿潤ケーキを沈降させた。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で1.857:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:5のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に40分間、加熱した。次いで、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:3のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。この混合物を120℃でさらに30分間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0232】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0233】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して重量で1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
実施例7
【0234】
別の実施例では、879gの100%(w/w)チタン(IV)n-ブトキシドを、3550gのベンジルアルコール、および116.3gの水と、不活性化された2ガロンのパール反応器中で混合した。酸素の混入を防ぐため、不活性条件、例えば窒素雰囲気下で装置設定を密閉した。次いで、パール反応器を500rpmで撹拌しつつ250℃に加熱し、この温度で90分間、維持した。反応後、反応器を室温に冷却した。合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0235】
次いで、乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションすると、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキが残った。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液をデカンテーションして除き、湿潤ケーキを沈降させた。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で1.857:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で1:5のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に30分間、加熱した。次いで、メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して重量で4:5のキャップ剤の比で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃で30分間、加熱した。次いで、水を、湿潤ケーキに対して重量で1:20のキャップ剤の比で反応混合物に加えた。この混合物を100℃でさらに20分間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0236】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対する2:1のヘプタンの重量比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0237】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して重量で7:3の固形分の比でDPGME中に再分散させて、70重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
実施例8
【0238】
別の実施例では、不活性雰囲気中、2583ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、6457ミリモルの水、および3400ミリリットルのベンジルアルコールから、酸化チタンナノ結晶を準備し、これを2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で200℃に1時間、加熱した。反応物の圧力は50から150psiに達した。反応後、反応器を室温に冷却して、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0239】
乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。次いで、上澄み液をデカンテーションして廃棄し、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキを沈降させた。この湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、この懸濁物を再び1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液をデカンテーションして除いた。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で1.857:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して17重量%で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃で1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0240】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0241】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
【0242】
図1に示すのは、10ナノメートル未満の粒子サイズを示すキャップされた酸化チタンナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
【0243】
図2に示すのは、PGMEAに5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットである。この図は、強度対粒子サイズの尺度としてのDLSプロットを示しており、狭いサイズ分布を有する11.260ナノメートルの平均粒子サイズを示している。
【0244】
図3に示すのは、PGMEAに5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットである。この図は、体積対粒子サイズの尺度としてのDLSプロットを示しており、平均粒子サイズが9.462ナノメートルで25ナノメートル未満の粒子径を示し、体積で測定したD9999が24.90ナノメートルである。
【0245】
図4に示すのは、1cm光路長のキュベット中で測定した、製剤中の50重量%のキャップされたナノ結晶の光学濃度および光透過率スペクトルである。測定結果は、空気を基準またはバックグラウンドとして、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計を用いて取得される。図4Aは、400nm、450nm、500nm、650nmでの光学濃度が、それぞれ2.29、0.927、0.488、0.112であることを示している。図4Bは、400nm、450nm、500nm、650nmにおける%透過率が、それぞれ0.51%,11.81%,32.48%,77.12%であることを示している。分散物は、波長が短いほど低い、そして波長が長くなるにつれて増加する透過率を有する。
【0246】
分散物の%固形分および%無機物含有量は、TAインスツルメントのQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて測定し、これを図5に示す。重量百分率は、温度の関数として測定し、200℃で49.99%の固形分、700℃で41.00%の無機物含有量の重量百分率を示し、有機物含有量は17.98%の重量百分率である。
【0247】
図6に示すのは、酸化チタンナノ結晶のXRDパターンである。酸化チタンナノ結晶のXRDパターンは、アナターゼ相と一致している。線幅の広がりから推定される粒子サイズは、~9nmである。
【0248】
ナノ結晶分散物の特性のまとめを、表5に報告する。
【0249】
表2に、PGMEA中、50重量%で分散させた、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランでキャップされた酸化チタンナノ結晶を含む経時変化データを示すが、これは、TGA、DLS、およびUV測定の初期値、1週間後の値、1ヶ月後の値を示す。
【表1】

実施例9
【0250】
別の実施例では、不活性雰囲気中、1291ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、6457ミリモルの水、および3962ミリリットルのベンジルアルコールから、酸化チタンナノ結晶を準備し、これを2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で200℃に1時間、加熱した。反応器の圧力は、反応中に50から150psiに達した。反応が完了して、反応器を室温に戻した後、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0251】
この乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。上澄み液をデカンテーションして廃棄し、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキを沈降させた。次いで、湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒の比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、懸濁物を再び1500rpmで5分間遠心分離し、得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。次いで、回収した湿潤ケーキを500mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して重量で1.857:1の溶媒の比で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して17重量%で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0252】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0253】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して重量で1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
実施例10
【0254】
別の実施例では、不活性雰囲気中、2583ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、1291ミリモルの水、および3400ミリリットルのベンジルアルコールから、酸化チタンナノ結晶を準備し、これを2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で200℃に4.25時間、加熱した。反応器の圧力は、反応中に50から150psiに達した。反応が完了して、反応器を室温に戻した後、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0255】
この乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。上澄み液をデカンテーションして廃棄し、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキを沈降させた。次いで、湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒の比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、懸濁物を再び1500rpmで5分間、遠心分離し、得られた上澄み液を上部からデカンテーションした。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して1.857:1の溶媒で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して17重量%で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0256】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0257】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
【0258】
図7に示すのは、30ナノメートル未満の粒子サイズを示すキャップされた酸化チタンナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
【0259】
図8に示すのは、酸化チタンナノ結晶のXRDパターンである。酸化チタンナノ結晶のXRDパターンは、アナターゼ相と一致している。線幅の広がりから推定される粒子サイズは14.5nmである。
【0260】
図9に示すのは、PGMEAに5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットである。この図は、強度対粒子サイズの尺度としてのDLSプロットを示しており、平均粒子サイズ44.73ナノメートルで130ナノメートル未満の粒子サイズを示している。
【0261】
図10に示すのは、PGMEAに5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットである。この図は、体積対粒子サイズの尺度としてのDLSプロットを示しており、平均粒子サイズが21.72ナノメートルで100ナノメートル未満の粒子サイズを示し、体積で測定したD9999が123ナノメートルである。
【0262】
分散物の%固形分および%無機物含有量は、TAインスツルメントのQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて測定し、これを図11に示す。重量百分率は、温度の関数として測定し、200℃で51.86%の固形分、700℃で46.36%の無機物含有量の重量百分率を示し、有機物含有量は10.61%の重量百分率である。
【0263】
ナノ結晶分散物の特性のまとめを、表5に報告する。
実施例11
【0264】
さらなる実施例では、酸化チタンナノ結晶を、表1に記載のとおり、様々な量の成分と反応条件を用いて準備した。879gから1758gの間の重量のチタン(IV)ブトキシド、0から116.3gの間の重量の水、および2636.7gから3550gの間の重量のベンジルアルコールを不活性雰囲気中で混合し、2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を、200~300℃の温度で、2℃/分の加熱速度で1~12時間の間、加熱した。反応物の圧力は50から650psiに達した。反応が完了して、反応器を室温に戻した後、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0265】
この乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、1500rpmで5分間、遠心分離した。上澄み液をデカンテーションして廃棄し、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキを沈降させた。次いで、湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒の比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、懸濁物を再び1500rpmで5分間、遠心分離し、得られた上澄み液を上部からデカンテーションした。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して1.857:1の溶媒で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して17重量%で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0266】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0267】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
【表2】

実施例12:
【0268】
例示的な製剤は、溶媒としてのPGMEAと、アクリルモノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、キャップされた酸化チタンナノ結晶(モノマーに対して90重量%)と、モノマーに対して4重量%のイルガキュア184とを含む。
【0269】
この製剤に使用されるキャップされた酸化チタンナノ結晶は、実施例8に記載されている。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)中、50重量%のキャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、モノマーに対して9:1のナノ結晶の比で混合する。ナノ結晶とPGMEAは、製剤中、それぞれ50重量%である。この混合物は、磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上で撹拌することにより、または25~30℃の温度で1~2時間、ボルテックスすることにより、均質な混合物になる。光開始剤、イルガキュア184を、モノマーに対して4重量%で製剤に加え、再び室温で磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上、20~30℃の温度でさらに5~30分間、混合する。得られた製剤をメンブレンフィルタでろ過すると、透明で透過性の高い液体が得られる。この製剤の粘度は、ブルックフィールドRVDV II+PCPコーンプレート型粘度計で測定して、5~6cPである。
【0270】
製剤の%固形分および%無機物含有量は、TAインスツルメントのQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて測定し、これを図12に示す。重量百分率は、温度の関数として測定し、200℃で50.46%の固形分、700℃で38.35%の無機物含有量の重量百分率を示し、有機物含有量は24.00%の重量百分率である。
【0271】
図13に示すのは、1cm光路長のキュベット中で測定した、製剤中の50重量%のキャップされたナノ結晶の光透過率スペクトルである。測定は、空気を基準またはバックグラウンドとして、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計を用いて行う。この図は、400nm、450nm、500nm、650nmでの%透過率が、それぞれ0.002%、0.28%、15.50%、85.67%であることを示している。製剤は、波長が短いほど低い、そして波長が長くなるにつれて増加する透過率を有する。
【0272】
この製剤を用いたナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、2.5×2.5インチ(厚さ0.7mm)のソーダライムガラスのウエーハに塗布する。フィルムを塗布する前にガラスウエーハを洗浄して、汚染物質やほこりを取り除く。2ミクロン厚のフィルムを、4000rpmで1分間、ガラスウエーハにスピン塗布する。これは溶媒を使用する製剤であるので、塗布されたフィルムは、UVに曝すのに先だち、ホットプレート上で100℃の温度で1分間、初期ベーク工程により処理して、幾分かの溶媒を除去する。フィルムを、水銀「H」管を備えたダイマックスEC-5000システム(Dymax EC-5000 system)を用いて、6J/cmのUVに120秒間、曝す。次いで、フィルムに、空気中、100℃のホットプレート上で10分間のポストベークを行い、残留溶媒を除去する。フィルム厚を、テンコルP-2(Tencor P-2)表面形状測定装置を用いて測定する。
【0273】
キャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)に対して、9:1の比で含む製剤を用いて製造した2ミクロン厚のフィルムは、448nmおよび635nmで、それぞれ1.943および1.881の屈折率を示す。屈折率は、448nmと635nmのレーザービームを備えたメトリコン(Metricon)の2010/Mモデルのプリズムカプラーを用いて測定される。
【0274】
本製剤を用いて製造したフィルムは、高い透明度、透過性、および均一性を示す。このフィルムは、ハンターラブのビスタ・ヘイズメータを使用して測定したヘイズ%が0.14、黄色度数b*が2.7である。低いヘイズ%は、フィルムの高い透明度を意味する。
【0275】
この製剤を用いて製造されたフィルムは、高い光透過率を示す。図14に、ブランクのソーダライムガラスを基準またはバックグラウンドとして、パーキンエルマー・ラムダ 850分光光度計で測定した、作製時の状態のフィルムの光透過率を示す。フィルムの厚さは約2ミクロンである。このフィルムは、400~800nmの間の波長で>80%、450~800nmの間の波長で>85%、550~800nmの間の波長で>95%の光透過率を示す。スペクトルの波紋は、入射光と反射光の干渉の結果であり、通常、フィルムが高品質、すなわち、高い平滑性、高い均一性、高透過性であることを示している。
【0276】
ナノコンポジット製剤の特性のまとめを、表5に報告する。
実施例13:
【0277】
別の例示的な製剤は、溶媒としてのPGMEAと、アクリルモノマー、ビフェニルメチルアクリラート(ミラマーM1192(Miramer M1192))と、キャップされた酸化チタンナノ結晶(モノマーに対して90重量%)と、モノマーに対して4重量%のイルガキュア819とを含む。
【0278】
この製剤に使用されるキャップされた酸化チタンナノ結晶は、実施例8に記載されている。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)中、50重量%のキャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、モノマーに対して9:1のナノ結晶の比で混合する。ナノ結晶とPGMEAは、製剤中、それぞれ50重量%である。この混合物は、磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上で撹拌することにより、または25~30℃の温度で1~2時間、ボルテックスすることにより、均質な混合物になる。光開始剤、イルガキュア819を、モノマーに対して4重量%で製剤に加え、再び室温で磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上、20~30℃の温度でさらに5~30分間、混合する。得られた製剤をメンブレンフィルタでろ過すると、透明で透過性の高い液体が得られる。この製剤の粘度は、ブルックフィールドRVDV II+PCPコーンプレート型粘度計で測定して、5~6cPである。
【0279】
この製剤を用いたナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、2.5インチ(厚さ0.7mm)のソーダライムガラスのウエーハに塗布する。フィルムを塗布する前に内部のクリーニング手順に従ってガラスウエーハを洗浄して、汚染物質やほこりを取り除く。1ミクロン厚のフィルムを、3000rpmで1分間、ガラスウエーハにスピン塗布する。これは溶媒を使用する製剤であるので、塗布されたフィルムは、UVに曝すのに先だち、100℃で1分間、ホットプレート上で初期ベーク工程により処理して、幾分かの溶媒を除去する。フィルムを、ダイマックス・ブルーウェーブ・プライムキュアLED(Dymax BlueWave PrimeCure LED)硬化システム(385nm)を用いて、2J/cmのUVに2秒間、曝す。次いで、フィルムに、100℃のホットプレート上で10分間のポストベークを行い、残留溶媒を除去する。フィルム厚を、テンコルP-2表面形状測定装置を用いて測定する。
【0280】
~1ミクロン厚のフィルムについては、メトリコン(Metricon)の2010/Mモデルを用いて測定して、448nmおよび635nmで、それぞれ1.928および1.897の屈折率を示す。
実施例14:
【0281】
別の例示的な製剤は、溶媒としてのDPGMEと、アクリルモノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、キャップされた酸化チタンナノ結晶(モノマーに対して90重量%)と、モノマーに対して20重量%のイルガキュア819とを含む。
【0282】
この製剤に使用されるキャップされた酸化チタンナノ結晶は、実施例5に記載されている。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)中、50重量%のキャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、モノマーに対して9:1のナノ結晶の比で混合する。ナノ結晶とPGMEAは、製剤中、それぞれ50重量%である。この混合物は、磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上で撹拌することにより、または25~30℃の温度で1~2時間、ボルテックスすることにより、均質な混合物になる。光開始剤、イルガキュア819を、モノマーに対して20重量%で製剤に加え、再び室温で磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上、20~30℃の温度でさらに5~30分間、混合する。得られた製剤をメンブレンフィルタでろ過すると、透明で透過性の高い液体が得られる。この製剤の粘度は、ブルックフィールドRVDV II+PCPコーンプレート型粘度計で測定して、5~6cPである。
【0283】
この製剤を用いたナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、2.5×2.5インチ(厚さ0.7mm)のソーダライムガラスのウエーハに塗布する。フィルムを塗布する前に内部のクリーニング手順に従ってガラスウエーハを洗浄して、汚染物質やほこりを取り除く。1~2ミクロン厚のフィルムを2000~4000rpmで1分間、ガラスウエーハにスピン塗布する。これは溶媒を使用する製剤であるので、塗布されたフィルムは、UVに曝すのに先だち、50℃で5分間、その後100℃で1分間、ホットプレート上で初期ベーク工程により処理して、幾分かの溶媒を除去する。次いで、フィルムを、ダイマックス・ブルーウェーブ・プライムキュア硬化システム(385nm)を用いて、4J/cm2で385nmのLEDに30秒間、曝す。次いで、フィルムに、130℃のホットプレート上で10分間のポストベークを行い、残留溶媒を除去する。フィルム厚を、テンコルP-2表面形状測定装置を用いて測定する。
【0284】
キャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)に対して、9:1の比で含む製剤を用いて製造した2ミクロン厚のフィルムは、448nmおよび635nmで、それぞれ1.994および1.935の屈折率を示す。屈折率は、448nmと635nmのレーザービームを備えたメトリコン(Metricon)の2010/Mモデルのプリズムカプラーを用いて測定される。
【0285】
この製剤を用いて製造した1ミクロン厚のフィルムは、高い透明度、透過性、および均一性を示す。このフィルムは、ハンターラブのビスタ・ヘイズメータを用いて測定した%ヘイズの%ヘイズが0.13、黄色度数b*が2.7である。低いヘイズ%は、フィルムの高い透明度を意味する。
【0286】
この製剤を用いて製造されたフィルムは、高い光透過率を示す。図15に、ブランクのソーダライムガラスを基準またはバックグラウンドとして、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計で測定した、作製時の状態のフィルム(実線)の光透過率を示す。フィルムの厚さは約1ミクロンである。このフィルムは、375~800nmの間の波長で>85%、500~800nmの間の波長で>95%の光透過率を示す。スペクトルの波紋は、入射光と反射光の干渉の結果であり、通常、フィルムが高品質、すなわち、高い平滑性、高い均一性、高透過性であることを示している。
【0287】
さらに、フィルムの熱安定性を、真空下で150℃の温度で2時間、加熱することにより、試験した。熱処理によるフィルムの剥離や亀裂は観察されないが、フィルムはわずかに黄色を帯びていた。図15に、作製時の状態のフィルム(実線)、および150℃の処理後の光透過率を示す。400nmでの%透過率の変化は3%未満である。熱処理前後のフィルムは、375~800nmの間の波長で>85%、500~800nmの間の波長で>95%の光透過率を示す。
【0288】
ナノコンポジットフィルムの光学特性のまとめを、表6に報告する。
実施例15:
【0289】
例示的な製剤は、溶媒としてのDPGMEと、アクリルモノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、キャップされた酸化チタンナノ結晶(モノマーに対して90重量%)と、モノマーに対して4~32重量%のイルガキュア819と、散乱体としての二酸化チタン(200~400nm)ナノ粒子と、界面活性剤、ソルスパース41000とを含む。
【0290】
ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)、ソルスパース41000、および二酸化チタン粉末(散乱体粒子)を、溶媒のジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DPGME)中、500rpmの高剪断混合法を用いて、温度20~30℃の温度で2時間、混合する。得られた1000~2000cPの間の粘度範囲を有する二酸化チタンモノマーペーストを、DPGMEを溶媒として、実施例5に記載の50重量%のキャップされた二酸化チタンナノ結晶と混合し、再び25~30℃の温度で2時間、高せん断混合法を用いて混合する。
【0291】
混合工程の最後に、100~120cPsの範囲の粘度の白色流動性半固形ペーストが得られる。粘度は、ブルックフィールドRVDV II+PCPコーンプレート型粘度計で測定する。ペーストの粘度は、様々な塗膜堆積方法のために、DPGME溶媒を加えることにより調整することができる。
【0292】
散乱体のナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、2.5インチ(厚さ0.7mm)のソーダライムガラスのウエーハに塗布する。フィルムを塗布する前に内部のクリーニング手順に従ってガラスウエーハを洗浄して、汚染物質やほこりを取り除く。1ミクロン厚のフィルムを、4000rpmで1分間、ガラスウエーハにスピン塗布する。これは溶媒を使用する製剤であるので、塗布されたフィルムは、UVに曝すのに先だち、50℃で5分間、その後100℃で1分間、ホットプレート上で初期ベーク工程により処理して、幾分かの溶媒を除去する。次いでフィルムを、ダイマックス・ブルーウェーブ・プライムキュアLED硬化システム(385nm)を用いて、4J/cmで385nmのLEDに30秒間、曝す。次いで、フィルムに、130℃のホットプレート上で10分間のポストベークを行い、残留溶媒を除去する。フィルム厚を、テンコルP-2表面形状測定装置を用いて測定する。
【0293】
この製剤を用いて製造した1ミクロン厚のフィルムは、ハンターラブのビスタ・ヘイズメータを使用して測定したヘイズ%が~57、黄色度数b*が~13である。ヘイズとb*は、フィルム内の散乱体のサイズと濃度に依存する。
【0294】
この製剤を用いて製造されたフィルムは、高い光透過率を示す。図16に、ブランクのソーダライムガラスを基準またはバックグラウンドとして,パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計で測定した、作製時の状態のフィルム(実線)の光透過率を示す。フィルムの厚さは約1ミクロンである。フィルムは、350~800nmの間の波長で>10%、550~800nmの間の波長で>20%の光透過率を示す。
【0295】
さらに、フィルムの熱安定性を、真空下で150℃の温度で2時間、加熱することにより、試験した。熱処理によるフィルムの剥離や亀裂は観察されないが、フィルムはわずかに黄色を帯びていた。図16に、作製時の状態のフィルム(実線)、および150℃の処理後の光透過率を示す。400nmでの%透過率の変化は3%未満である。熱処理前後のフィルムは、375~800nmの間の波長で>10%、500~800nmの間の波長で>20%の光透過率を示す。
【0296】
ナノコンポジット製剤の光学特性のまとめを、表6に報告する。
実施例16:
【0297】
例示的な製剤は、溶媒としてのPGMEAと、アクリルモノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、キャップされた酸化チタンナノ結晶(モノマーに対して90重量%)と、モノマーに対して4重量%のイルガキュア819とを含む。
【0298】
この製剤に使用されるキャップされた酸化チタンナノ結晶は、実施例10に記載されている。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)中、50重量%のキャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、モノマーに対して9:1のナノ結晶の比で混合する。ナノ結晶とPGMEAは、製剤中、それぞれ50重量%である。この混合物は、磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上で撹拌することにより、または25~30℃の温度で1~2時間、ボルテックスすることにより、均質な混合物になる。光開始剤、イルガキュア819を、モノマーに対して4重量%で製剤に加え、再び室温で磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上、20~30℃の温度でさらに5~30分間、混合する。得られた製剤をメンブレンフィルタでろ過すると、透明で透過性の高い液体が得られる。この製剤の粘度は、ブルックフィールドRVDV II+PCPコーンプレート型粘度計で測定して、5~6cPである。
【0299】
製剤の%固形分および%無機物含有量は、TAインスツルメントのQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて測定し、これを図17に示す。重量百分率は、温度の関数として測定し、200℃で53.20%の固形分、700℃で43.57%の無機物含有量の重量百分率を示し、有機物含有量は18.10%である。
【0300】
この製剤を用いたナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、2.5×2.5インチ(厚さ0.7mm)のソーダライムガラスのウエーハに塗布する。フィルムを塗布する前にガラスウエーハを洗浄して、汚染物質やほこりを取り除く。2ミクロン厚のフィルムを、4000rpmで1分間、ガラスウエーハにスピン塗布する。これは溶媒を使用する製剤であるので、塗布されたフィルムは、UVに曝すのに先だち、100℃で1分間、ホットプレート上で初期ベーク工程により処理して、幾分かの溶媒を除去する。フィルムは、水銀「H」管を備えたダイマックスEC-5000(Dymax EC-5000)システムを用いて、6J/cm2のUVに120秒間、曝す。次いで、フィルムに、空気中、100℃のホットプレート上で10分間のポストベークを行い、残留溶媒を除去する。フィルム厚を、テンコルP-2表面形状測定装置を用いて測定する。
【0301】
キャップされた酸化チタンナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)に対して、9:1の比で含む製剤を用いて製造した2ミクロン厚のフィルムは、448nmおよび635nmで、それぞれ2.0779および1.9857の屈折率を示す。屈折率は、448nmと635nmのレーザービームを備えたメトリコン(Metricon)の2010/Mモデルのプリズムカプラーを用いて測定される。
【0302】
本製剤を用いて製造したフィルムは、高い透明度、透過性、および均一性を示す。このフィルムは、ハンターラブのビスタ・ヘイズメータを使用して測定したヘイズ%が0.11、黄色度数b*が2.15である。低いヘイズ%は、フィルムの高い透明度を意味する。
【0303】
この製剤を用いて製造されたフィルムは、高い光透過率を示す。図18に、ブランクのソーダライムガラスを基準またはバックグラウンドとして、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計で測定した、作製時の状態のフィルムの光透過率を示す。フィルムの厚さは約2ミクロンである。このフィルムは、400~800nmの間の波長で>80%、450~800nmの間の波長で>85%、550~800nmの間の波長で>95%の光透過率を示す。スペクトルの波紋は、入射光と反射光の干渉の結果であり、通常、フィルムが高品質、すなわち、高い平滑性、高い均一性、高透過性であることを示している。
【0304】
ナノコンポジット製剤およびナノコンポジットフィルムの特性のまとめを、表5および6に報告する。
実施例17:
【0305】
別の例示的な製剤は、溶媒としてのPGMEAと、アクリルモノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、キャップされたチタンオキシナノ結晶およびキャップされた酸化ジルコニウムナノ結晶の混合物(モノマーに対する90重量%の全ナノ結晶)と、モノマーに対する4重量%のイルガキュア184とを含む。この製剤に使用したPGMEA中のキャップされた酸化チタンナノ結晶およびキャップされた酸化ジルコニウムナノ結晶の全ナノ結晶の50%重量混合物の分散物特性を表3に記載する。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)中、50重量%のキャップされたナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)と、モノマーに対する9:1のナノ結晶の比で混合する。ナノ結晶とPGMEAは、製剤中、それぞれ50重量%である。この混合物は、磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上で撹拌することにより、または25~30℃の温度で1~2時間、ボルテックスすることにより、均質な混合物になる。光開始剤、イルガキュア184を、モノマーに対して4重量%で製剤に加え、再び室温で磁気撹拌装置を用いて撹拌プレート上、20~30℃の温度でさらに5~30分間、混合する。得られた製剤をメンブレンフィルタでろ過すると、透明で透過性の高い液体が得られる。この製剤の粘度は、ブルックフィールドRVDV II+PCPコーンプレート型粘度計で測定して、5~6cPである。
【表3】
【0306】
この製剤を用いたナノコンポジットの塗膜またはフィルムを、2.5×2.5インチ(厚さ0.7mm)のソーダライムガラスのウエーハに塗布する。フィルムを塗布する前にガラスウエーハを洗浄して、汚染物質やほこりを取り除く。2ミクロン厚のフィルムを、4000rpmで1分間、ガラスウエーハにスピン塗布する。これは溶媒を使用する製剤であるので、塗布されたフィルムは、UVに曝すのに先だち、100℃で1分間、ホットプレート上で初期ベーク工程により処理して、幾分かの溶媒を除去する。フィルムは、水銀「H」管を備えたダイマックスEC-5000システムを用いて、6J/cm2のUVに120秒間、曝す。次いで、フィルムに、空気中、100℃のホットプレート上で10分間のポストベークを行い、残留溶媒を除去する。フィルム厚を、テンコルP-2表面形状測定装置を用いて測定する。
【0307】
表4に示すのは、キャップされた酸化チタンナノ結晶に対するキャップされた酸化ジルコニウムの異なる比を用いて作製したナノコンポジットフィルムの光学特性のまとめである。キャップされたナノ結晶を、モノマー、ビスフェノールAグリセロラートジメタクリラート(BisGMA)に対して9:1の比で含む混合ナノ結晶製剤を用いて製造した2ミクロン厚のフィルムは、448nmおよび635nmで、それぞれ1.797~1.939および1.765~1.889の範囲の屈折率を示す。屈折率は、448nmと635nmのレーザービームを備えたメトリコン(Metricon)の2010/Mモデルのプリズムカプラーを用いて測定される。
【表4】
【0308】
混合ナノ結晶製剤を用いて製造したフィルムは、高い透明度、透過性、および均一性を示す。このフィルムは、ハンターラブのビスタ・ヘイズメータを使用して測定したヘイズ%が0.07~0.28の範囲、黄色度数b*が0.62~2.7の範囲である。
【0309】
この製剤を用いて製造されたフィルムは、高い光透過率を示す。図19に、ブランクのソーダライムガラスを基準またはバックグラウンドとして、パーキンエルマー・ラムダ850分光光度計で測定した、作製時の状態のフィルムの光透過率を示す。フィルムの厚さは約2ミクロンである。このフィルムは、375~800nmの間の波長で>85%、400~800nmの間の波長で>90%、450~800nmの間の波長で>95%の光透過率を示す。スペクトルの波紋は、入射光と反射光の干渉の結果であり、通常、フィルムが高品質、すなわち、高い平滑性、高い均一性、高透過性であることを示している。
実施例18
【0310】
別の実施例では、不活性雰囲気中、2583ミリモルのチタン(IV)ブトキシド、2583ミリモルの水、および3400ミリリットルのベンジルアルコールから、酸化チタンナノ結晶を準備し、これを2ガロンのパール反応器に移した。反応混合物を2℃/分の加熱速度で205℃まで3時間、700RPMで撹拌しつつ加熱した。反応器の圧力は、反応中に50から65psiに達した。反応が完了して、反応器を室温に戻した後、合成時の状態の酸化チタンナノ結晶の白色乳状の溶液を回収した。
【0311】
この乳状白色の懸濁物を遠心分離瓶に移し、4500rpmで5分間、遠心分離した。上澄み液をデカンテーションして廃棄し、遠心分離瓶の底に湿潤ケーキを沈降させた。次いで、湿潤ケーキを、湿潤ケーキに対して重量で2.75対1の溶媒の比でPGMEAを用いて洗浄し、激しく撹拌した。次いで、懸濁物を再び1500rpmで5分間、遠心分離し、得られた上澄み液を上部からデカンテーションした。次いで、湿潤ケーキを3000mlの丸底フラスコに移した。PGMEAを、湿潤ケーキに対して1.857:1の溶媒で加えた。次いで、メトキシ(トリエチレンオキシ)プロピルトリメトキシシランを、湿潤ケーキに対して17重量%で反応フラスコに加えた。次いで、この混合物を120℃に1時間、加熱した時点で、透明な分散物となった。次いで、この反応混合物を室温に冷却して、さらなる処理用とした。
【0312】
キャップされたナノ結晶を、洗浄によって精製して、過剰なキャップ剤および他の副生成物を除去した。キャップされたナノ結晶を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対する2:1のヘプタンの重量比で反応混合物から沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で再び沈殿させた。この沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより、回収した。得られた上澄み液をデカンテーションして廃棄した。固形分をTHFに再び分散させた。分散させた固形分を、逆溶媒、例えばヘプタンを用いて、反応混合物に対して重量で2:1のヘプタンの比で、3回目として沈殿させた。沈殿物を4500rpmで10分間、遠心分離することにより回収し、真空オーブン中で一晩乾燥させた。
【0313】
乾燥させた固形分を、溶媒に対して1:1の固形分の比でPGMEA中に再分散させて、50重量%配合量の分散物を作り出した。得られた分散物を、0.45ミクロンの、次いで0.2ミクロンのPTFEフィルタでろ過した。
【0314】
図20に示すのは、15ナノメートル未満の粒子サイズを示すキャップされた酸化チタンナノ結晶の透過型電子顕微鏡(TEM)画像である。
【0315】
図21に示すのは、酸化チタンナノ結晶のXRDパターンである。酸化チタンナノ結晶のXRDパターンは、アナターゼ相と一致している。線幅の広がりから推定される粒子サイズは12.1nmである。
【0316】
DLSにより、49.2のD9999を有する狭いサイズ分布が観察される。図22に示すのは、PGMEAに5重量%で分散させたキャップされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットである。この図は、強度対粒子サイズの尺度としてのDLSプロットを示しており、21.85ナノメートルの平均粒子サイズである。
【0317】
図23に示すのは、PGMEAに5重量%で分散させキャップされた酸化チタンナノ結晶のDLSプロットである。この図は、体積対粒子サイズの尺度としてのDLSプロットを示しており、17.91ナノメートルの平均粒子サイズを示している。
【0318】
分散物の%固形分および%無機物含有量は、TAインスツルメントのQ500熱重量分析装置(TGA)を用いて測定し、これを図24に示す。重量百分率は、温度の関数として測定し、200℃で49.03%の固形分、700℃で43.75%の無機物含有量の重量%を示し、有機物含有量の重量%は10.77%である。
【0319】
表5は、様々な実施例に記載されたナノ結晶分散物および製剤の特性のまとめである。
【0320】
【表5】
【0321】
表6は、様々な実施例に記載されたナノコンポジットフィルムの光学特性のまとめである。
【0322】
【表6】
【0323】
「発明の概要」の段落、および「要約書」は、発明者の企図する本発明の1つまたは複数の、しかしすべてではない例示的な実施形態を記載してもよく、よって、本発明および添付の請求の範囲をいかようにも限定しないことを意図している。
【0324】
本発明を、指定された機能の、そしてそれらの関係の実現を例示する機能的な構成要素を援用して、上に記載してきた。これらの機能的な構成要素の境界は、記載の便宜上、本明細書において随意に画定されている。指定された機能およびその関係が適切に実行される限り、代替の境界を画定することができる。
【0325】
属として記載された本発明の態様に関して、すべての個々の種は個々に、本発明の別の態様とみなされる。本発明の態様が、特徴を「を含む(comprising)」と記載されている場合、実施形態はまた、その特徴「からなる(consisting of)」、またはその特徴「から本質的になる(consisting essentially of)」ことが企図される。
【0326】
本明細書で使用されるとおり、本発明に関連する量を修飾する「約」という用語は、例えば、通常の検証および取り扱いを通じて、そのような検証および取り扱いにおける意図しない誤りを通じて、本発明に採用される成分の製造、供給源、または純度の違いを通じて;および同類のものを通じて起こり得る数値量の変動を指す。本明細書で使用されるとおり、特定の値の「約」は、その特定の値も含み、例えば、約10%は、10%を含む。「約」という用語で修飾されているか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、記載された量の均等物を含む。一実施形態では、「約」という用語は、報告された数値の20%以内を意味する。
【0327】
特定の実施形態についての先の記載は、本発明の一般的な性質を最大限に明らかにすることになるので、当業者の技術の範囲内の知識を適用することによって、他者は過度の実験を行うことなく、本発明の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に向けて容易に修正および/または適合させることができる。したがって、そのような適合および修正は、本明細書に提示された教示および指針に基づいて、開示された実施形態の均等物の意味および範囲の内にあることが意図される。本明細書における語句や用語は、記載を目的とするものであって、限定を目的とするものではなく、本明細書の語句や用語が、教示や指針に照らして当業者によって解釈されるとおりのものであることは理解されるものとする。
【0328】
本発明の幅および範囲は、上に記載の例示的な実施形態のいずれによっても限定されないのが望ましい。
【0329】
本明細書に記載の様々な態様、実施形態、および選択肢のすべては、ありとあらゆる変形例において組み合わせることができる。
【0330】
以下の各出願の内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。1)2018年11月20日に出願された米国仮出願第62/769,696号;2)2019年8月28日に出願された米国仮出願第62/892,610号、および3)2019年11月20日に「溶媒フリーの製剤およびナノコンポジット(SOLVENT-FREE FORMULATIONS AND NANOCOMPOSITES)」と題して出願された国際出願第__________号、これは、米国仮出願第62/769,696号、および同第62/892,610号の優先権を主張するものである。
【0331】
本明細書で言及されるすべての公開文献、特許、および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれるが、これは、それぞれ個々の公開文献、特許、または特許出願の参照による組み込みが、あたかも具体的かつ個別に示されているかのごとくなされる。本文書における用語のいかなる意味または定義も、参照により組み込まれた文献における同じ用語の意味または定義と矛盾する場合には、本明細書においてその用語に割り当てられた意味または定義が適用されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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図19
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【国際調査報告】