IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クランチフィッシュ プロクシミティ アーベーの特許一覧

特表2022-507853モバイルデバイスとベースデバイスを使用した近接ベースのデジタルアクションのトリガー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】モバイルデバイスとベースデバイスを使用した近接ベースのデジタルアクションのトリガー
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/021 20180101AFI20220111BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20220111BHJP
   G01S 5/02 20100101ALI20220111BHJP
【FI】
H04W4/021
H04W64/00 110
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528381
(86)(22)【出願日】2019-11-25
(85)【翻訳文提出日】2021-07-20
(86)【国際出願番号】 SE2019051193
(87)【国際公開番号】W WO2020112010
(87)【国際公開日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】1851458-8
(32)【優先日】2018-11-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(31)【優先権主張番号】1950334-1
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520173266
【氏名又は名称】クランチフィッシュ デジタル キャッシュ アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100120857
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 聡
(72)【発明者】
【氏名】シルワンダー クリスティアン
【テーマコード(参考)】
5J062
5K067
【Fターム(参考)】
5J062AA08
5J062BB05
5J062CC18
5J062FF01
5K067AA21
5K067BB37
5K067DD20
5K067DD43
5K067DD44
5K067EE02
5K067EE12
5K067FF03
5K067JJ54
(57)【要約】
近接ベースのデジタルアクションをトリガーする方法(300)が提示される。物理的位置(PL)に提供されるベースデバイス(BD)は、無線周波数RFトランシーバおよび近接センサ(P)を有し、モバイルデバイスは、無線RFトランシーバを有する。方法は、ベースデバイス(BD)とモバイルデバイス(MD)との間のRF通信の受信信号強度を測定するステップ(330)と、ベースデバイスの近接センサの検出出力を取得するステップ(340)と、ベースデバイスに近接しているモバイルデバイスの第一の近接条件を評価(350)するステップと、ベースデバイスに近接しているモバイルデバイスの第二の近接条件を評価(360)するステップと、第一および第二の近接条件が確認された(365)ときに、近接ベースのデジタルアクションをトリガーするステップ(370)を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接ベースによるデジタルアクションをトリガーする方法(300)であって、
物理的位置(PL)にベースデバイス(BD)を提供するステップ(310)であって、前記ベースデバイスは短距離無線無線周波数RFトランシーバ(BD_TX/RX;166)および近接センサ(P)を有する、ステップと、
モバイルデバイス(MD)を提供するステップ(320)であって、前記モバイルデバイスは短距離無線RFトランシーバ(MD_TX/RX;156)を有する、ステップと、
前記モバイルデバイス(MD)が、前記ベースデバイス(BD)と前記モバイルデバイス(MD)との間のRF通信の受信信号強度を測定するステップ(330)と、
前記ベースデバイス(BD)が、前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサ(P)の検出出力を取得する、ステップ(340)と、
前記ベースデバイス(BD)が前記近接センサ(P)の前記検出出力から近接表示データ(P_DATA)を生成するステップ(415;416~417)と、
前記ベースデバイス(BD)が、RF通信によって前記近接表示データ(P_DATA)を前記モバイルデバイス(MD)に送信するステップ(420)と、
前記モバイルデバイス(MD)が前記近接表示データ(P_DATA)を受信するステップと、
前記モバイルデバイス(MD)が、前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第一の近接条件(COND_R)を評価するステップ(350)であって、前記第一の近接条件は、測定された前記受信信号強度に基づく、ステップと、
前記モバイルデバイス(MD)は、前記近接表示データ(P_DATA)が所定の基準を満たすかどうかを決定すること(430;431)により、前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第二の近接条件(COND_P)を評価する(360)ステップであって、前記第二の近接条件は、前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサ(P)の検出出力の変動に基づいており、前記検出出力の前記変動は、前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)のすぐ近くに出現することを示す、ステップと、
前記第一および第二の近接条件(COND_R、COND_P)の両方が前記評価(350、360)によって確認された場合(365)、前記モバイルデバイス(MD)が前記近接ベースによるデジタルアクション(MD_BLIP)をトリガーするステップ(370)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記ベースデバイス(BD)によって生成された(415)前記近接表示データ(P_DATA)は、前記近接センサ(P)によって検出された物理的特性の代表値(P_VALUE)を含み、前記代表値(P_VALUE)は、
・前記物理的特性の絶対値と、
・前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)のすぐ近くにないアイドル状態を表す参照値に関連して定義された前記物理的特性の相対値と、
のいずれかであり、
前記モバイルデバイス(MD)は、前記代表値(P_VALUE)を閾値(PV_THR)と比較すること(430)によって、前記第二の近接条件(COND_P)を評価する(360)、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ベースデバイス(BD)は、前記代表値(P_VALUE)を繰り返し生成し(415)、前記代表値(P_VALUE)を含む前記近接表示データ(P_DATA)を前記モバイルデバイス(MD)に送信し(420)、
前記モバイルデバイス(MD)は、前記近接表示データ(P_DATA)を繰り返し受信して、評価し(360;430)、前記第二の近接条件(COND_P)は、受信された前記近接表示データ(P_DATA)における前記代表値(P_VALUE)が一定期間にわたって、前記閾値(PV_THR)を満たしている場合に、肯定的である(432)、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ベースデバイス(BD)が、
前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)にすぐに接近していないアイドル状態からの逸脱を決定するために、前記近接センサ(P)からの前記検出出力を評価すること(416)と、
前記アイドル状態からの逸脱を決定したとき、近接検出インジケータ(P_DET)を前記近接表示データ(P_DATA)として、またはその中に提供し(417)、前記モバイルデバイス(MD)に送信すること(420)と、
によって前記近接表示データ(P_DATA)を生成し(416~417)、
前記モバイルデバイス(MD)は、
受信した前記近接表示データ(P_DATA)の前記近接検出インジケータ(P_DET)を検出し(431)、前記近接検出インジケータ(P_DET)が検出されると、前記第二の近接条件(COND_P)が肯定的である(432)ことによって、前記第二の近接条件(COND_P)を評価する(360)、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ベースデバイス(BD)は、前記近接センサ(P)からの前記検出出力を繰り返し評価し(416)、前記アイドル状態からの逸脱が一定期間続いたときに前記近接検出インジケータ(P_DET)を提供する(417)、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記モバイルデバイス(MD)は、前記第一の近接条件(COND_R)を
前記ベースデバイス(BD)とのRF通信の受信信号強度を測定して、受信信号強度値(RSS_MD)を確立すること(330;440)と、
前記受信信号強度値(RSS_MD)を閾値(MD_THR)と比較すること(450)と、
前記受信信号強度値(RSS_MD)が前記閾値(MD_THR)を満たしたときに、前記第一の近接条件(COND_R)を確認すること(452)と、
によって評価する(360)、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
特定の期間内に前記第一の近接条件(COND_R)が確認されることなく、前記第二の近接条件(COND_P)が確認されたことを検出するステップ(532、533)と、
レポート(MD_THR_TOO_HIGH)をリモートサーバリソース(RSR)に送信するステップ(534)と、
をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
特定の期間内に前記第二の近接条件(COND_P)が確認されることなく、前記第一の近接条件(COND_R)が確認されたことを検出するステップ(560、561)と、
レポート(MD_THR_TOO_LOW)をリモートサーバリソース(RSR)に送信するステップ(562)と、
をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
1つまたは複数の追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)を提供するステップであって、各追加モバイルデバイスが無線RFトランシーバを備える、ステップと、
各追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)がRF通信によって前記ベースデバイス(BD)と通信して(520b)、それぞれの受信信号強度値を決定するステップと、
前記ベースデバイス(BD)がRF通信によって各追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)と通信して(520a)、各追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)のそれぞれの受信信号強度値を決定するステップと、
前記ベースデバイス(BD)が、前記モバイルデバイス(MD)および前記追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)との中から、閾値(BD_THR)を超える受信信号強度値を有する満足するデバイスを決定するステップ(541)と、
前記決定(541)に基づいて、前記ベースデバイス(BD)は、前記満足するデバイス(MD)の1つまたは複数(MD、MD2)へのRF通信によって、前記モバイルデバイス(MD)に前記近接表示データ(P_DATA)を送信するステップ(551)と、
をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ベースデバイス(BD)は、前記近接表示データ(P_DATA)を、最大受信信号強度値を有する前記満足するデバイス(MD、MD2)の中の単一のデバイス(MD)に送信する(551)、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ベースデバイス(BD)が、前記近接表示データ(P_DATA)を各満足するデバイス(MD、MD2)に送信する(551)、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ベースデバイス(BD)は、
前記ベースデバイス(BD)が前記モバイルデバイス(MD)と前記追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)の中から少なくとも1つの満足するデバイスを決定した(541)にもかかわらず、前記近接センサ(P)が、前記近接センサ(P)の前記検出出力の変動を検出しないこと(542)によって引き起こされるタイムアウトを検出すること(543)と、
レポート(BD_THR_TOO_LOW)をリモートサーバリソース(RSR)に送信すること(544)と、
をさらに含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサ(P)が、
容量センサ(161-C)、
ドップラー効果センサ、
渦電流センサ、
誘導センサ(161-I)、
磁気センサ、
赤外線センサ、
光学光電センサ、
フォトセルセンサ、
レーザ距離計センサ、
熱センサ、
レーダセンサ、
ソナー(音響)センサ、
超音波センサ、
ホール効果センサ、
圧電センサ、
機械式スイッチセンサ(161-M)、および
機械式変位センサ(161-M)
からなる群から選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサ(P)が、入射光を測定するための光センサ(L;161-L)である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記第二の近接条件(COND_P、COND_L)は、前記ベースデバイス(BD)の前記光センサ(L)によって測定された前記入射光の変動に基づき、前記入射光の変化は、前記モバイルデバイス(MD)が前記光センサ(L)をシールドまたは干渉していることを示す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記近接センサの前記検出出力から前記ベースデバイス(BD)によって生成された前記近接表示データは、前記光センサ(L)によって1つまたは複数の測定読み取り値から前記ベースデバイス(BD)によって生成された(815;816~817)入射光表示データ(L_DATA)である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記物理的位置(PL)が
小売施設、
オフィス施設、
居住施設、
産業施設、
展示施設、および
屋外風景
のうちの1つの中にあるか、あるいはその1つにある、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記近接ベースのデジタルアクション(MD_BLIP)が、
前記物理的位置(PL)での前記モバイルデバイス(MD)のユーザ(U)の存在を登録または確認するためのチェックインアクション、
前記モバイルデバイス(MD)を有する前記ユーザ(U)が実行するデジタルトランザクションでの肯定アクション、
前記モバイルデバイス(MD)を有する前記ユーザ(U)が実行するデジタルトランザクションの拒否アクション、
前記モバイルデバイス(MD)を有する前記ユーザ(U)が実行するデジタルトランザクションのキャンセルアクション、および
前記モバイルデバイス(MD)またはそのユーザ(U)をデジタルトランザクションに関連付けるアクション
のうちの1つである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
コントローラ(154)と、
短距離無線通信インターフェース(156;MD_TX/RX)と、
を含む、モバイルデバイス(150;MD)であって、
前記モバイルデバイス(MD)が、
ベースデバイス(BD)とのRF通信の受信信号強度を測定して、受信信号強度値(RSS_MD)を確立すること(330;440)と、
測定された前記受信信号強度(RSS_MD)に基づいて、前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第一の近接条件(COND_R)を評価すること(350)と、
前記ベースデバイス(BD)から近接表示データ(P_DATA)を受信することと、
前記近接表示データ(P_DATA)に基づいて、前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第二の近接条件(COND_P)を評価すること(360)であって、前記第二の近接条件は、前記ベースデバイス(BD)の近接センサ(P)の検出出力の変動に基づき、前記検出出力の前記変動は、前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)のすぐ近くに出現することを示す、ことと、
前記第一および第二の近接条件(COND_R、COND_P)の両方が確認されたとき、近接ベースのデジタルアクション(MD_BLIP)をトリガー(370:470)すること(365;460)と、
を行うように構成される、モバイルデバイス(MD;150)。
【請求項20】
前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサは、入射光を測定するための光センサ(L)であり、前記第二の近接条件(COND_P、COND_L)は、前記ベースデバイス(BD)の前記光センサ(L)によって測定された前記入射光の変化に基づき、前記入射光の変化は、前記モバイルデバイス(MD)が前記光センサ(L)をシールドまたは干渉していることを示す、請求項19に記載のモバイルデバイス(MD;150)。
【請求項21】
請求項1~18のいずれか一項に記載の方法において、前記モバイルデバイス(MD)に対して定義された機能を実行するように構成される、請求項19に記載のモバイルデバイス(MD;150)。
【請求項22】
コントローラ(164)と、
短距離無線通信インターフェース(166;BD_TX/RX)と、
近接センサ(P)と、
を含むベースデバイス(160;BD)であって、
前記ベースデバイス(BD)が、
RF通信によってモバイルデバイス(MD)と通信すること(500;510a-b)と、
前記近接センサ(P)の検出出力から近接表示データ(P_DATA)を生成すること(415;416~417)と、
前記近接表示データ(P_DATA)をRF通信によって前記モバイルデバイス(MD)に送信すること(420)と、
を行うように構成される、ベースデバイス(160;BD)。
【請求項23】
前記ベースデバイス(BD)は、前記近接センサ(P)の前記検出出力から前記近接表示データ(P_DATA)を生成する(415;416~417)ように構成され、その結果、前記近接表示データ(P_DATA)によって、前記モバイルデバイス(MD)は、前記近接センサ(P)の前記検出出力の変動に基づいて、前記モバイルデバイス(MD)が前記ベースデバイス(BD)に近接しているかどうかを評価することができ、したがって、前記検出出力の前記変動は、前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)のすぐ近くに出現することを示す、請求項22に記載のベースデバイス(160;BD)。
【請求項24】
前記近接センサ(P)が、
容量センサ(161-C)、
ドップラー効果センサ、
渦電流センサ、
誘導センサ(161-I)、
磁気センサ、
赤外線センサ、
光学光電センサ、
フォトセルセンサ、
レーザ距離計センサ、
熱センサ、
レーダセンサ、
ソナー(音響)センサ、
超音波センサ、
ホール効果センサ、
圧電センサ、
機械式スイッチセンサ(161-M)、および
機械式変位センサ(161-M)
からなる群から選択される、請求項22または23に記載のベースデバイス(160;BD)。
【請求項25】
前記近接センサ(P)が、入射光を測定するための光センサ(L;161-L)である、請求項22または23に記載のベースデバイス(160;BD)。
【請求項26】
前記近接センサの前記検出出力から生成された前記近接表示データは、前記光センサ(L)によって1つまたは複数の測定読み取り値から生成された(815;816~817)入射光表示データ(L_DATA)である、請求項25に記載のベースデバイス(160;BD)。
【請求項27】
請求項1~18のいずれか一項に記載の方法において、前記ベースデバイス(BD)に対して定義された機能を実行するように構成される、請求項22または23に記載のベースデバイス(160;BD)。
【請求項28】
請求項19~21のいずれか一項に記載のモバイルデバイス(150;MD)を1つまたは複数と、
請求項22~27のいずれか一項に記載のベースデバイス(160;BD)と、
を備える、通信システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、モバイル通信、より具体的には、モバイルデバイスの物理的位置への近接性に応じて、ある種のデジタルアクションをトリガーするためのモバイルデバイスの使用に関する。より具体的には、本発明は、近接ベースのデジタルアクションをトリガーする方法、モバイルデバイスおよびベースデバイスを含む方法に関する。本発明はまた、この方法におけるモバイルコンピューティングデバイスの機能を実装するためのモバイルコンピューティングデバイス、およびこの方法におけるベースデバイスの機能を実装するためのベースデバイスに関する。さらに、本発明は、関連する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近10年の間に、スマートフォンおよびタブレットなどのモバイルデバイスが圧倒的な市場浸透に伴い、モバイルデバイスを通信手段としてだけでなく、ユーザの日常生活を容易にするツールとしても使用できることが、一般的に望まれるようになってきた。今日、モバイルデバイスは、小型化されたパーソナルコンピューティングデバイスとして、また電子的または物理的な商取引、デジタルコンテンツの消費、ゲーム、ソーシャルネットワーキングなどの様々なサービスに使用されている。
【0003】
様々な状況で、人が物理的位置に近いときに、アクションを実行することが望ましい場合がある。
【0004】
例えば、小売施設(店舗、スーパーマーケット、モールなど)では、その人が自分のモバイルデバイスを使用して参加しているデジタルトランザクションで、肯定、拒否、またはキャンセルのアクションを実行できるようにすることが望まれることも、あるいはその人に、敷地内の特定の場所で提供される商品に関する情報、例えばテストレポート、ファクトシート、料理のレシピ、栄養情報、割引クーポンなどを提供することが望まれることもある。
【0005】
オフィス施設では、例えば、人がチェックインアクションを実行すること、オフィス機器を制御すること、またはオフィスで補充する必要のある商品、もしくは一部のオフィス機器に必要とされるサービスを発注することが望まれる場合がある。
【0006】
居住施設では、例えば、家庭用機器を人がその近くにいるときに制御すること、例えば、無線ロック装置を操作すること、または家庭で補充する必要のある商品、もしくは家庭の一部の機器に必要とされるサービスを発注することが望まれる場合がある。
【0007】
産業施設では、例えば、労働者がその近くにいるときに産業機器を制御すること、また、例えば、無線ロック装置を操作すること、または必要に応じてスペアパーツを注文することが望まれる場合がある。また、検査官、警備員、または管理者が、施設内の巡回中にチェックポイントを記録することも望まれる場合がある。
【0008】
展示施設では、例えば、訪問者がそれぞれの展示場所の近くにいるときに、異なる展示物に関連する情報を検索することが望まれる場合がある。
【0009】
屋外風景では、例えば、風景の中を散歩している観光客が、様々な魅力的な場所を通過するときに情報または支援を得ることが望まれる場合がある。
【0010】
本発明の背後にある一般的な発明の理解として、本発明者は、モバイルデバイスが、従来技術より正確な方法で物理的位置へのモバイルデバイスの近接性に応じて何らかの実行されるべきデジタルアクションを誘発するためのツールとして使用され得ることを実現した。
【0011】
図1A図1Cを参照すると、モバイルデバイスMDのユーザUが、近接ベースのアクティビティの原因にどのように関与し得るかを示している。図1Aでは、モバイルデバイスMDおよびユーザUは、物理的位置PLから距離D0にある。物理的位置PLまでの距離D0が大きいため、アクティビティはまだ発生していない。
【0012】
図1Bの1に見られるように、ユーザUが動いて、モバイルデバイスMDを物理的位置PLに近づき、現在、より短い距離D1にいる。しかしながら、距離D1は、まだ遠すぎるので、アクティビティはまだ発生していない。
【0013】
ユーザUが動いて、モバイルデバイスMDを物理的位置PLに一段と近づけたとき、すなわち非常に短い距離D2でのみ、アクティビティが発生しなければならない。これは、図1Cの2に見られる。
【0014】
重要な要因は位置の正確さである。ユーザUとモバイルデバイスMDが物理的位置PLに非常に近い場合にのみ、アクティビティを実行することが望ましい場合が多い。これは、アクティビティ3が図1A図1Bに示されている状況ではまだ発生しておらず、ユーザUとモバイルデバイスMDが物理的位置PLに実際に近接した場合、つまり、図1Cに示されている状況でのみ発生することを意味する。
【0015】
モバイルデバイスMDが実際に物理的位置PLに近接していることを確認するのが、難しい場合もある。1つの一般的な従来技術のアプローチは、モバイルネットワークオペレータおよび/または衛星ベースの全地球測位システムによって提供される位置特定サービスを使用して、モバイルデバイスMDの位置を決定することを含む。しかしながら、これには、モバイルデバイスMDが物理的位置の地理的座標に関する先験的な知識を有している必要がある。モバイルデバイスの現在位置は、物理的位置の地理的座標と比較する必要がある。また、物理的位置PLでの場所サービスの可用性も必要である。この位置が屋内またはその他の方法でシールドされた環境にある場合、位置情報サービスが利用できないか、それらの精度が低下する可能性がある。
【0016】
別の従来技術のアプローチは、物理的位置に無線送信機を配置することを含む。これにより、モバイルデバイスは、無線送信機からの無線通信の受信信号強度を測定して、評価することにより、物理的位置までの距離を推定できる。このアプローチには、位置精度に欠点があることが知られている。受信信号強度は、無線送信機までの距離に応じるだけでなく、散乱、干渉、マルチパス伝搬などの信号環境の課題のために変化する可能性もある。
【0017】
さらに、モバイルデバイスが受信信号強度に基づいて距離を推定するためには、受信信号強度値を距離に変換する閾値または相互参照値などの参照が必要である。モバイルデバイスには様々なブランド、モデル、サイズ、タイプがあり、したがって、様々な無線トランシーバ回路、アンテナ、ハウジング材料などを使用するため、様々なモバイルデバイスに対して同じ正確な距離推定値を提供する閾値または相互参照値の均一なセットを提供することは非常に困難である。
【0018】
したがって、従来技術には問題と欠点がある。本発明者は、改善を特定してきたが、それは、本文書の残りの部分および関連する図面から明らかになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
したがって、本発明の目的は、上記で言及した問題および欠点の少なくともいくつかを解決、排除、緩和、軽減、または削減することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第一の態様は、近接ベースのデジタルアクションをトリガーする方法である。この方法は、物理的位置にベースデバイスを提供するステップを含み、ベースデバイスは、無線無線周波数RFトランシーバ、および近接センサを有する。この方法は、また無線RFトランシーバを有するモバイルデバイスを提供するステップも含む。この方法は、ベースデバイスとモバイルデバイスとの間のRF通信の受信信号強度を測定するステップと、ベースデバイスの近接センサの検出出力を取得するステップをさらに含む。この方法は、さらに、ベースデバイスに近接しているモバイルデバイスの第一の近接条件を評価するステップを含み、第一の近接条件は、測定された受信信号強度に基づく。この方法は、ベースデバイスに近接しているモバイルデバイスの第二の近接条件を評価するステップをさらに含み、第二の近接条件は、ベースデバイスの近接センサの検出出力の変動に基づき、検出出力の変動は、モバイルデバイスが近接センサのすぐ近くに出現していることを示す。この方法は、最後に、第一および第二の近接条件の両方が評価によって確認されたときに、近接ベースのデジタルアクションをトリガーすることを含む。
【0021】
より具体的には、本発明の第一の態様による方法は、ベースデバイスが近接センサの検出出力から近接表示データを生成するステップと、ベースデバイスがRF通信によって近接表示データをモバイルデバイスに送信するステップと、モバイルデバイスが近接表示データを受信するステップと、モバイルデバイスが、近接表示データが所定の基準を満たすかどうかを決定することによって第二の近接条件を評価するステップをさらに含み得る。
【0022】
異なる実施形態では、近接センサは、例えば、入射光を測定するための光センサ、容量センサ、ドップラー効果センサ、渦電流センサ、誘導センサ、磁気センサ、赤外線センサ、光学光電センサ、フォトセルセンサ、レーザ距離計センサ、熱センサ、レーダセンサ、ソナー(音響)センサ、超音波センサ、ホール効果センサ、圧電センサ、機械式スイッチセンサ、または機械式変位センサであり得るが、これらに限定されない。したがって、本文書で使用される「近接センサ」という用語は、オブジェクト(モバイルデバイスなど)がセンサのすぐ近くに出現することを、そのような出現するオブジェクト(例えば、モバイルデバイス)の存在によって影響を受ける物理的特性を検出することによって検出でき、それに応じて検出出力を提供できる非無線ベースのセンサとして解釈されるものとする。ここで、物理的特性は、受信された無線(RF)信号強度ではない。
【0023】
したがって、「すぐ近く」という用語は、出現するオブジェクト(例えば、モバイルデバイス)が近接センサに十分に近く、その結果、オブジェクト(例えば、モバイルデバイス)が存在しなかった(すなわち、すぐ近くになかった)とき、アイドル値またはアイドル状態からの物理的特性の検出可能な変動または変化を引き起こす。いくつかの実施形態では、これは、出現するオブジェクト(例えば、モバイルデバイス)と近接センサとの間の距離が0~10cmであることに対応し得るが、この距離に限定されることはない。
【0024】
本発明の第一の態様の特徴、利点、および実施形態は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および図面に記載されている。
【0025】
本発明の第二の態様は、コントローラおよび短距離無線通信インターフェースを備えるモバイルコンピューティングデバイスである。モバイルコンピューティングデバイスは、ベースデバイスとのRF通信の受信信号強度を測定して、受信信号強度値を確立するように構成される。モバイルコンピューティングデバイスは、また、測定された受信信号強度に基づいて、ベースデバイスに近接しているモバイルデバイスの第一の近接条件を評価するように構成される。モバイルコンピューティングデバイスは、ベースデバイスから近接表示データを受信し、受信した近接表示データに基づいて、ベースデバイスに近接しているモバイルデバイスの第二の近接条件を評価するようにさらに構成される。第二の近接条件は、ベースデバイスの近接センサの検出出力の変動に基づいており、検出出力の変動は、モバイルデバイスが近接センサのすぐ近くに出現することを示している。モバイルコンピューティングデバイスは、第一および第二の近接条件の両方が確認されたときに、近接ベースのデジタルアクションをトリガーするように最終的に構成される。
【0026】
本発明の第二の態様によるモバイルコンピューティングデバイスは、本発明の第一の態様による方法で言及されるモバイルデバイスを実装することができる。したがって、本発明の第二の態様によるモバイルコンピューティングデバイスは、本発明の第一の態様による方法で、本文書全体に記載されているように、モバイルデバイスに対して定義された機能を実行するように構成され得る。
【0027】
本発明の第三の態様は、コントローラ、短距離無線通信インターフェース、および近接センサを備えるベースデバイスである。ベースデバイスは、RF通信によってモバイルデバイスと通信し、近接センサの検出出力から近接表示データを生成し、RF通信によって近接表示データをモバイルデバイスに送信するように構成される。
【0028】
より具体的には、本発明の第三の態様によるベースデバイスは、近接センサの検出出力から近接表示データを生成するように構成され得、その結果、近接表示データによって、モバイルデバイスは、近接センサの検出出力の変動に基づいて、モバイルデバイスがベースデバイスに近接しているかどうかを評価することができ、したがって、検出出力の変動は、モバイルデバイスが近接センサのすぐ近くに出現することを示す。
【0029】
本発明の第三の態様によるベースデバイスは、本発明の第一の態様による方法で言及されるベースデバイスを実装することができる。したがって、本発明の第三の態様によるベースデバイスは、本発明の第一の態様による方法において、本文書全体で説明されるように、ベースデバイスに対して定義された機能を実行するように構成され得る。
【0030】
本発明の第四の態様は、本発明の第二の態様による1つまたは複数のモバイルコンピューティングデバイスと、本発明の第三の態様によるベースデバイスとを備える通信システムである。
【0031】
開示された実施形態の他の態様、目的、特徴および利点は、以下の詳細な開示、添付の従属請求項、および図面から明らかになる。一般に、特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で別段の定めがない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。
【0032】
「1つの/その[要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなど]」へのすべての言及は、特に明記されない限り、要素、デバイス、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを指すものとして公然と解釈される。本明細書に開示される任意の方法のステップは、明記されない限り、開示される正確な順序で実行される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1A】モバイルデバイスのユーザが、近接ベースのデジタルアクティビティ誘発にどのように関与し得るかを示す。
図1B】モバイルデバイスのユーザが、近接ベースのデジタルアクティビティ誘発にどのように関与し得るかを示す。
図1C】モバイルデバイスのユーザが、近接ベースのデジタルアクティビティ誘発にどのように関与し得るかを示す。
図2A】物理的位置に提供されるモバイルデバイスおよびベースデバイスを含む一般的な本発明による通信システムを示し、モバイルデバイスがベースデバイスに接近し、ベースデバイスからRFアナウンス信号を受信している。
図2B図2Aの通信システムを示し、モバイルデバイスがベースデバイスに接近し、ベースデバイスとのRF通信を開始していることを示す。
図2C図2Aおよび図2Bの通信システムを示し、モバイルデバイスがベースデバイスにさらに接近していることを示し、ベースデバイスへのモバイルデバイスの近接は、受信信号強度評価およびベースデバイスでの近接センサの使用の組み合わせによって確認され、近接の確認が成功すると、デジタルアクションがトリガーされる。
図3】本発明による近接ベースのデジタルアクションをトリガーする一般的な方法のフローチャート図である。
図4A】本発明の実施形態を示す。
図4B】本発明の実施形態を示す。
図5A】本発明のさらなる実施形態を示す。
図5B】本発明のさらなる実施形態を示す。
図5C】本発明のさらなる実施形態を示す。
図5D】本発明のさらなる実施形態を示す。
図5E】本発明のさらなる実施形態を示す。
図6A】本文書に記載されているようなモバイルコンピューティングデバイスを実装することができるモバイルコンピューティングデバイスを示す。
図6B】本文書で説明されているようなベースデバイスを実装することができるベースデバイスを示す。
図6C図6Bのベースデバイスの異なる例示的な実施形態を示す。
図6D図6Bのベースデバイスの異なる例示的な実施形態を示す。
図6E図6Bのベースデバイスの異なる例示的な実施形態を示す。
図6F図6Bのベースデバイスの異なる例示的な実施形態を示す。
図7】近接センサが入射光を測定するための光センサである一実施形態における近接ベースのデジタルアクションをトリガーする一般的な方法のフローチャート図である。
図8A図7の実施形態の改良を示す。
図8B図7の実施形態の改良を示す。
図9A図7の実施形態のさらなる改良を示す。
図9B図7の実施形態のさらなる改良を示す。
図9C図7の実施形態のさらなる改良を示す。
図9D図7の実施形態のさらなる改良を示す。
図9E図7の実施形態のさらなる改良を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例
【0034】
開示された実施形態は、本発明の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下により完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分で完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。同様の番号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0035】
最初に、図2A図2B、および図2Cを参照すると、これらの図は、一般に本発明による通信システム100を示す。モバイルデバイスMDによって近接ベースのデジタルアクションをトリガーする方法は、ユーザUがモバイルデバイスMDを物理的位置PLに近づけたときに、通信システム100において実行され得る。この方法は、図3のフローチャート図として示され、これについては、後で詳しく説明する。
【0036】
物理的位置PLは、例えば、小売施設(店舗、スーパーマーケット、またはモールなど)、オフィス施設、居住施設(個人の家またはホテルなど)、産業施設(工場またはプラントなど)、展示施設(フェア、ギャラリー、または博物館など)、または屋外風景などであり得るが、これらに限定されない。
【0037】
通信システム100は、モバイルデバイスMDおよびベースデバイスBDを備える。モバイルデバイスMDには、無線無線周波数RFトランシーバMD_TX/RXを有する。ベースデバイスBDは、物理的位置PLに提供され、無線RFトランシーバBD_TX/RXおよび近接センサPを有する。しかしながら、開示される実施形態では、無線RFトランシーバMD_TX/RXおよびBD_TX/RXは、ブルートゥース(登録商標)低エネルギーBLEに準拠するが、これに限定されない。
【0038】
ベースデバイスBDは、無線RFトランシーバBD_TX/RXによって、短距離無線アナウンス信号BD_ANNOUNCEを送信するように構成されている。(他の実施形態は、短距離無線アナウンス信号なしで動作することができる。)
【0039】
モバイルデバイスMDがベースデバイスBDから離れすぎている場合、例えば、図2AのD1を超える距離では、範囲外であり、アナウンス信号BD_ANNOUNCEを受信しない。それが近づくと(図2Aの1を参照)、すなわち、D1より短い距離では、それは、アナウンス信号BD_ANNOUNCEを受信し、いくつかの実施形態では、1’で見られるようにベースデバイスBDに近づく間に、ベースデバイスBDとのRF通信を開始し得る。これは図2Bで見ることができる。
【0040】
図2Cでは、2に見られるように、モバイルデバイスMDは、ベースデバイスMDにさらに接近して移動する。モバイルデバイスMDは、今や、それが望まれるほどベースデバイス(したがって、物理的位置PL)に非常に近接している。デジタルアクションをトリガーする。一般的な本発明の考えによれば、モバイルデバイスMDのベースデバイスBDへの近接は、受信信号強度評価と、ベースデバイスBDにおける近接センサPの検出出力の評価との2つを組み合わせることによって確認される。近接センサPの目的は、モバイルデバイスが近接センサPに(したがって、ベースデバイスBDおよび物理的位置PL)に非常に近いときに、近接センサPによって監視、測定、または他の方法で感知される物理的特性の変動を検出することである。モバイルデバイスMDの存在は、モバイルデバイスが存在しない(すなわち、近接センサPのすぐ近くではない)ときのアイドル値またはアイドル状態と比較して、物理的特性の検出可能な変動または変化を引き起こす。
【0041】
デジタルアクションMD_BLIPは、受信信号強度評価と近接センサPからの検出出力の評価との両方が正常に確認された場合にのみトリガーされる。デジタルアクションMD_BLIPは、図2Cの3に表示され、通常、モバイルデバイスMDおよび/またはモバイルブロードバンドデータネットワークまたは同様のものを介してモバイルデバイスMDと通信するリモートサーバリソースで、ソフトウェアアプリケーション内のコマンド、機能、またはメッセージを呼び出すことを含むことある。例えば、図5B図5C、および図5Eのブロードバンド通信ネットワークBBCNおよびリモートサーバリソースRSRを参照されたい。
【0042】
図2A図2Cでは、距離D1およびD2は、当然、純粋に例示の目的のためであり、スケールに重点を置いてはならない。第一の距離D1は、例えば、1~50m、またはより好ましくは2~10mであり得るが、これらの距離に限定されることなく、実際の実装の目標および仕様に依存する。第二の距離は、0~25cm、またはより好ましくは0~10cmであり得るが、この場合も、これらの距離に限定されることなく、実際の実装の目標および仕様に依存する。
【0043】
上記の本発明の機能の簡単な紹介から続けて、ここで図3を参照する。図3は、本発明による近接ベースのデジタルアクションをトリガーする一般的な方法300のフローチャート図である。
【0044】
方法300は、以下を含む。
【0045】
すでに上述し、図3の310で見られるように、ベースデバイスBDは、物理的位置PLに提供される。ベースデバイスBDは、無線RFトランシーバBD_TX/RXおよび近接センサPを有することを想起されたい。近接センサPは、例えば、入射光を測定するための光センサ、容量センサ、ドップラー効果センサ、渦電流センサ、誘導センサ、磁気センサ、赤外線センサ、光学光電センサ、フォトセルセンサ、レーザ距離計センサ、熱センサ、レーダセンサ、ソナー(音響)センサ、超音波センサ、ホール効果センサ、圧電センサ、機械式スイッチセンサ、または機械式変位センサであり得る。いくつかの例示的な実施形態は、本文で後述され、近接センサPは、それぞれ入射光を測定するための光センサL(図6図7A~7B、図8A~8Eおよび図9F)、容量センサ(図9C)、誘導センサ(図9D)と機械式スイッチまたは変位センサ(図9E)である。しかしながら、一般に、任意の近接センサで、モバイルデバイスMDが近接センサP(したがって、ベースデバイスBDおよび物理的位置PL)に非常に近いときに、近接センサPによって監視、測定、または他の方法で感知される物理的特性の変動を検出できるものを使用することができる。モバイルデバイスMDの存在は、モバイルデバイスが存在しない(すなわち、近接センサPのすぐ近くではない)ときのアイドル値またはアイドル状態と比較して、物理的特性の検出可能な変動または変化を引き起こす。
【0046】
図3の320に見られるように、方法300はまた、モバイルデバイスMDを提供するステップを含む。モバイルデバイスは無線RFトランシーバMD_TX/RXを有することを想起されたい。
【0047】
方法300は、さらに、ベースデバイスBDとモバイルデバイスMDとの間のRF通信の受信信号強度を測定し(330を参照)、ベースデバイスBDの近接センサPの検出出力を取得するステップ(340を参照)を含む。
【0048】
次に、方法300は、ベースデバイスBDに近接しているモバイルデバイスMDの第一の近接条件COND_Rを評価するステップ(350を参照)を含む。残りの図面を参照してより詳細に説明されるように、第一の近接条件は、測定された受信信号強度に基づく。
【0049】
方法300は、また、ベースデバイスBDに近接しているモバイルデバイスMDの第二の近接条件COND_Pを評価するステップ(360を参照)を含む。第二の近接条件は、ベースデバイスBDの近接センサPの検出出力の変動に基づく。したがって、検出出力の変動は、ユーザUがモバイルデバイスMDを、例えば、近接センサPから0~10cmの距離内に持ってきた結果として、モバイルデバイスMDが近接センサPのすぐ近くに出現することを示している。
【0050】
評価350および360によって、第一および第二の近接条件COND_R、COND_Pの両方が確認された場合(365を参照)にのみ、近接ベースのデジタルアクションMD_BLIPがトリガーされる(370を参照)。
【0051】
一方のステップ330および350のシーケンス、および他方のステップ340および360のシーケンスは、並行して、または任意の相互に連続した順序で実行することができる。
【0052】
図3の方法には、著しい利点がある。これは、本文書の背景技術の節で説明したように、純粋に受信無線(RF)信号強度に基づく距離推定よりも精度が実質的に向上していることを表している。近接センサP(すなわち、第二の近接条件COND_P)の提供および本発明の使用は、ベースデバイスBDに近接するモバイルデバイスのMDの追加の検証を可能にし、それにより、近接ベースのデジタルアクションをトリガーする方法の位置精度を著しく改善する。近接センサPは、モバイルデバイスMD(または別のオブジェクト)が近接センサPおよびベースデバイスBDにすぐ近くにあるときに、近接センサPによって監視、測定、または他の方法で感知される物理的特性の変動のみを検出する。さらに、受信信号強度に基づく距離推定の並列使用(すなわち、第一の近接条件COND_R)は、近接センサPがモバイルデバイスMDまたはユーザUではないオブジェクトを検出することによって引き起こされる想定外のデジタルアクションMD_BLIPがトリガーされるリスクを最小限に抑える。
【0053】
図3の方法は、ベースデバイスBDに近接したモバイルデバイスのMDのその他の考えられるタイプの組み合わせ検証よりも有利である。例えば、ベースデバイスではなくモバイルデバイスに近接検証を組み合わせた非RFベースのメカニズムが提供される代替ソリューション(本発明と混同しないこと)は、明らかに、特許請求される発明よりも劣る。例えば、モバイルデバイスに、ベースデバイスまでの距離を測定するための磁気、光ベース、音声ベース、または振動ベースの近接センサが備えられている場合、そのようなソリューションは、本文書の背景技術の節で言及したのと全く同じ理由で不利になる。モバイルデバイスには、様々なブランド、モデル、サイズ、タイプがある。したがって、そのような装置ハウジングの多種多様なハウジングサイズ、形状、および材料を考慮すると、モバイルデバイスの装置ハウジング上またはその内部で、そのような磁気、光ベース、音声ベース、または振動ベースの近接センサの位置に関する普遍的な標準を確立することは非常に困難である。その一方で、本発明のベースデバイスは、様々な異なる製造業者によって製造されたグローバルに流通している消費者製品である必要はなく、したがって、ベースデバイスのすべての場合に適用可能な単一の標準的な方法(または制御された限られた数の方法)で設計することができる。
【0054】
方法300および通信システム100の実施形態は、図4Aおよび図4Bに示されている。410に見られるように、ベースデバイスBDの近接センサPは、上述のように、近接センサPのすぐ近くにあるモバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)の存在または不存在によって影響を受ける可能性のある物理的特性を監視、測定、または他の方法で感知する。ベースデバイスBDは、近接センサPの検出出力からの近接表示データP_DATAを生成する415(図4A)、416~417(図4B)ように構成されている。ベースデバイスBDは、RF通信によって近接表示データP_DATAをモバイルデバイスMDに送信する420ように構成されている。近接表示データP_DATAは、例えば、スキャン応答メッセージにおいて、範囲内のすべてのデバイスによって、受信されるRF信号でブロードキャストされ得る。あるいは、BLEリンクなどのRF接続がモバイルデバイスMDとベースデバイスの間に確立されている場合(図5A図5Eの510aおよび510bを参照)、近接表示データP_DATAをモバイルデバイスMDに個別にアドレス指定できる。
【0055】
モバイルデバイスMDは、ベースデバイスBDから近接表示データP_DATAを受信するように構成される。モバイルデバイスMDは、受信した近接表示データP_DATAが所定の基準を満たしているかどうかを決定すること430(図4A)、431(図4B)によって、第二の近接条件COND_Pを評価するようにさらに構成される。
【0056】
モバイルデバイスMDは、ベースデバイスBDとのRF通信の受信信号強度を測定して440、受信信号強度値RSS_MDを確立することにより、第一の近接条件COND_Rを評価するようにさらに構成される。モバイルデバイスMDは、受信信号強度値RSS_MDを閾値MD_THRと比較し450、受信信号強度値RSS_MDが閾値MD_THRを満たすとき、第一の近接条件COND_Rを確認する452。
【0057】
受信信号強度は、例えば、ベースデバイスBDからのRF通信に含まれるRSSI(受信信号強度インジケータ)から決定され得る。RSSIは、dBmで表すことができ、0dBm(優れた信号)~-110dBm(非常に悪い信号)までの範囲の一般的な負の値を有する。一般に、ベースデバイスBDとモバイルデバイスMDとの間の距離が短いほど、RSSIは高くなる。
【0058】
ベースデバイスBDからのRF通信は、例えば、図2Aについて説明した短距離無線アナウンス信号BD_ANNOUNCE、あるいはベースデバイスBDとモバイルデバイスMDとの間のRF接続の確立から生じるRF通信(図5A図5Eを参照)であり得る。
【0059】
図4Aおよび図4Bの460および470に見られるように、モバイルデバイスMDは、ステップ432および452で設定された論理的に真の値によって示されるように、第一および第二の近接条件COND_R、COND_Pの両方が確認されたかどうかをチェックするように構成される。(当初は、ステップ405および407において、論理的に偽の値が、第一および第二の近接条件COND_R、COND_Pに設定されている)。
【0060】
モバイルデバイスMDは、460でのチェックの結果がCOND_RおよびCOND_Pの両方に対して肯定的である場合、470でデジタルアクションMD_BLIPをトリガーするようにさらに構成される。
【0061】
図4Aの実施形態では、ベースデバイスBDによって生成される415近接表示データP_DATAは、近接センサPの検出出力を代表する値P_VALUEを含む。より具体的には、代表値P_VALUEは、近接センサPによって監視、測定、またはその他の方法で感知される物理的特性の絶対値であり得る。いくつかの実施形態では、代表値P_VALUEは、近接センサPの検出出力の一連の読み取り値の平均であり得る。
【0062】
あるいは、代表値P_VALUEは、近接センサPによって監視、測定、またはその他の方法で検知された物理的特性の相対値である場合がある。相対値は、近接センサPがモバイルデバイスMDまたは近接センサPのすぐ近くにある他のオブジェクトによって干渉されないアイドル状態を表す参照値に関連して定義される。ここでも、代表値P_VALUEは、近接センサPの検出出力から、有利には、近接センサPの出力検出の一連の読み取りの平均から導き出される。
【0063】
モバイルデバイスMDは、代表値P_VALUEを、場合によっては絶対閾値または相対閾値である閾値PV_THRと比較すること430によって、第二の近接条件COND_Pを評価するように構成される。
【0064】
図4Aの実施形態の改良版では、ベースデバイスBDは、近接表示データP_DATAおよびその代表値P_VALUEを繰り返し生成し415、代表値P_VALUEを含む近接表示データP_DATAをモバイルデバイスMDに繰り返し送信する420ように構成される。これにより、安定性と信頼性が向上し得る。モバイルデバイスMDは、近接表示データP_DATAを繰り返し受信して、評価する430ように構成される。第二の近接条件COND_Pは、受信された近接表示データP_DATAの代表値P_VALUEが一定期間にわたって閾値PV_THRに達すると、確認される432。
【0065】
図4Bの実施形態では、ベースデバイスBDは、近接センサPの検出出力の1つまたは複数の読み取り値を評価して416、近接センサPがモバイルデバイスMDまたは近接センサPのすぐ近くにある他のオブジェクトによって干渉されないアイドル状態から逸脱していることを決定することによって、近接表示データP_DATAを生成するように構成される。アイドル状態からの逸脱を決定したとき、ベースデバイスBDは、近接検出インジケータP_DETを近接表示データ(P_DATA)の中に、またはそれとして提供し417、その後、それをモバイルデバイスMDに送信する420。近接検出インジケータP_DETは、実装に応じて、近接表示データP_DATAのデータフィールドとして含まれ得るか、または近接表示データP_DATA全体を構成し得る。
【0066】
モバイルデバイスMDは、受信された近接表示データP_DATA内の近接検出インジケータP_DETを検出すること431によって、第二の近接条件COND_Pを評価するように構成される。第二の近接条件COND_Pは、近接検出インジケータP_DETが検出されたときに確認される432。
【0067】
図4Bの実施形態の改良版では、安定性および信頼性を改善するために、ベースデバイスBDは、近接センサPからの検出出力を繰り返し評価し416、アイドル状態からの逸脱が一定期間続いたときに、近接検出インジケータP_DETを提供する417。
【0068】
さらなる実施形態が図5A図5Eに示されている。図5Aでは、ベースデバイスBDは、範囲内にあるときに、モバイルデバイスMDによって受信され得るRFアナウンス信号BD_ANNOUNCEを500に送信することができる。RFアナウンス信号BD_ANNOUNCEは、例えば、BLE広告信号であり得る。結果として、モバイルデバイスMDおよびベースデバイスBDは、通信して、BLEリンクなどのRF接続を確立すること510b、510aができる。対応する機能は、これらの図面に示されていない場合でも、図4Aおよび図4Bの実施形態にも含まれ得る。
【0069】
520aおよび520bに見られるように、モバイルデバイスMDおよびベースデバイスBDは、通信して、モバイルデバイスMDが受信信号強度RSS_MDを決定することができるようにする。それに対応して、ベースデバイスBDは、受信信号強度RSS_BDを決定することができる。受信信号強度RSS_BDは必須ではないが、それにもかかわらず、開示された実施形態において有益に使用される。その理由は、ベースデバイスBDが、近接センサPの検出出力からの1つまたは複数の読み取り値に従って変動が検出された場合542にのみ近接表示データP_DATAをモバイルデバイスMDに送信すること550ができるからである。
【0070】
したがって、図5A図5Eに示される実施形態では、近接表示データP_DATAは、図4Bについて上述したものと同様の近接検出インジケータP_DETを含む。代替として、図5A図5Eに示される実施形態は、図4Aについて上述したように、代表値P_VALUEに基づくことができる。
【0071】
モバイルデバイスMDは、520bで決定された受信信号強度RSS_MDが閾値MD_THRを満たすかどうかをチェックすること530によって、第一の近接条件COND_Rを評価するように構成される。530でのチェックが肯定的である場合(Yesを参照)、実行は560に進む。そうでない場合(Noを参照)、実行は520bに戻り、特定の周期性またはスキームで受信信号強度RSS_MDを新たに決定する。
【0072】
図4Aおよび図4Bと同様に、受信信号強度は、例えば、ベースデバイスBDからのRF通信に含まれるRSSI(受信信号強度インジケータ)から決定され得る。
【0073】
モバイルデバイスMDは、受信された近接表示データP_DATA内の近接検出インジケータP_DETを検出すること560によって、第二の近接条件COND_Pを評価するように構成される。近接検出インジケータP_DETが検出されると、第二の近接条件COND_Pが確認されて(YESを参照)、実行は570に進み、デジタルアクションMD_BLIPをトリガーする。近接検出インジケータP_DETが検出されない場合、モバイルデバイスMDは、特定の期間にわたって、それを監視し続けるように構成され得、その期間が満了すると、タイムアウトを引き起こし、実行を520bに戻す可能性がある。
【0074】
図5Bは、一実施形態を示し、ここでは、モバイルデバイスMDは、受信信号強度RSS_MDが閾値MD_THRを満たすものとして決定されていなくても(530、Noを参照)、近接検出インジケータP_DETがベースデバイスBDから受信される(532、533、Yesを参照)状況を処理するように構成される。この状況は、ベースデバイスBDの近接センサPが、モバイルデバイスMDがすぐに接近することによって引き起こされる物理的特性の変動を適切に検出した場合に、発生し得るが、閾値MD_THRが高すぎて、モバイルデバイスMDは、RFベースが近接していることに気付くことができない。
【0075】
したがって、モバイルデバイスMDは、特定の期間内に、第一の近接条件COND_Rが確認されることなく、第二の近接条件COND_Pが確認されたことを検出する532、533ように構成されている。応答として、モバイルデバイスMDは、レポートMD_THR_TOO_HIGHをリモートサーバリソースRSRに送信する534ように構成されている。レポートは、ブロードバンド通信ネットワークBBCNを介して送信される場合がある。このようなレポートは、サービスプロバイダまたはデバイスメーカが、モバイルデバイスの将来のインスタンスのために、あるいは既存のインスタンスのためであっても、閾値MD_THRを調整するために使用することがある。これには、本発明およびその実施形態においてモバイルデバイスMDによって実行される機能をホストするソフトウェアアプリケーションの今後の更新に調整された閾値MD_THR’も含む。
【0076】
図5Cは、一実施形態を示し、ここでは、モバイルデバイスMDは、受信信号強度RSS_MDが実際に閾値MD_THRを満たす(530、Yesを参照)と決定されたとしても、近接検出インジケータP_DETがベースデバイスBDから受信されないという反対の状況を処理するように構成されている(560、561、タイムアウトを参照)。この状況は、閾値MD_THRが十分に低く、530での受信信号強度RSS_MDに対して時期尚早な反応を引き起こす場合、つまり、モバイルデバイスMDが実際に(まだ)ベースデバイスBDに十分に近くない場合(例えば、図2Bおよび図2Cで説明した距離D2よりも遠い)に、生じることがある。
【0077】
したがって、モバイルデバイスMDは、第二の近接条件COND_Pが特定の期間内に確認されることなく、第一の近接条件COND_Rが確認されたことを検出する560、561ように構成される。応答として、モバイルデバイスMDは、レポートMD_THR_TOO_LOWをリモートサーバリソースRSRに送信する562ように構成される。レポートは、ブロードバンド通信ネットワークBBCNを介して送信されることもある。このようなレポートは、サービスプロバイダまたはデバイスメーカが、図5Bで前述したものと同様に閾値MD_THRを調整するために使用できる。
【0078】
図5Dは、一実施形態を示し、ここでは、ベースデバイスBDが、ベースデバイスBDに近接して出現する複数のモバイルデバイスを処理するように構成されている。したがって、図5Dでは、1つまたは複数の追加モバイルデバイスMD2、…、MDnが提供されている。各追加モバイルデバイスMD2、…、MDnは、無線RFトランシーバを有し、RF通信によってベースデバイスBDと通信し520b、それぞれの受信信号強度値を決定するように構成されている。
【0079】
ベースデバイスBDは、RF通信によって各追加モバイルデバイスMD2、…、MDnと通信して520a、各追加モバイルデバイスMD2、…、MDnのそれぞれの受信信号強度値を決定するように構成される。ベースデバイスBDはまた、閾値BD_THRを満たす受信信号強度値を有するモバイルデバイスMDおよび追加モバイルデバイスMD2、…、MDnとの間での満足するデバイスを決定する541ように構成される。
【0080】
ベースデバイスBDは、決定541に基づいて、満足いくデバイスMD、MD2、…、MDnの1つまたは複数のMD、MD2へのRF通信によって、近接表示データP_DATAをモバイルデバイスMDに送信する551ようにさらに構成される。例えば、ベースデバイスBDは、最も高い受信信号強度値を有する満足のいくデバイスMD、MD2のうちの単一のデバイスMDに近接表示データP_DATAを送信する551ように構成され得る。これは、近接表示データP_DATAが間違ったモバイルデバイスに送信されるリスクを軽減するという点で有益なことがある。例えば、顧客がカウンターまたはレジで二番目に並んでいる場合、当然のことながら、最初に並んでいる顧客が、近接表示データP_DATAを受信して、デジタルアクションをトリガーするべきである。
【0081】
あるいは、ベースデバイスBDは、近接表示データP_DATAを各満足するデバイスMD、MD2に送信する550ように構成され得る。これは、複数のモバイルデバイスによる並列デジタルアクションのトリガーをサポートすることが望まれるユースケースで有益な場合がある。
【0082】
さらに代替として、ベースデバイスBDは、ベースデバイスBDによって最初に検出された単一のモバイルデバイスMDに近接表示データP_DATAを送信する551ように、すなわち、先入れ先出し(FCFS)ポリシーに従うように構成され得る。
【0083】
図5Eは、一実施形態を示し、ここでは、ベースデバイスBDは、520aで決定され、541で評価された受信信号強度RSS_BDが少なくとも1つのモバイルデバイスに対して十分に高い場合でも、ベースデバイスBDが物理的特性の変動を検出しない状況(542、543、タイムアウトを参照)を処理するように構成されている。その理由は、閾値BD_THRが低すぎて、近接センサPによって検出されるベースデバイスBDに十分に接近していない場合でも、モバイルデバイスがRF検出されてしまうためであり得る。
【0084】
したがって、ベースデバイスBDがモバイルデバイスMDおよび追加モバイルデバイスMD2、…、MDnの中から少なくとも1つの満足のいくデバイスを決定したとしても、ベースデバイスBDは、近接センサPが物理的特性の変動を検出しない542ことによって引き起こされるタイムアウトを検出する543ように構成される。ベースデバイスBDは、その結果、レポートBD_THR_TOO_LOWをリモートサーバリソースRSRに送信する544ように構成されている。この情報は、ベースデバイスを調整して閾値BD_THRをより高い値に調整するために使用できる。
【0085】
図5A図5Eの実施形態のいずれかまたはすべての組み合わせが考えられ、本発明で意図されている。また、図5A図5Eの実施形態のいずれかまたはすべては、図4Aの実施形態または図4Bの実施形態と組み合わせることができ、当業者によって容易に実現される。
【0086】
本発明の異なる実施形態でトリガーされる近接ベースのデジタルアクションMD_BLIPは、例えば、物理的位置PLにおけるモバイルデバイスMDのユーザUの存在を登録または検証するためのチェックインアクションであり得る。あるいは、近接ベースのデジタルアクションMD_BLIPは、例えば、モバイルデバイスMDを有するユーザUによって実行されるデジタルトランザクションにおける肯定的アクション、または拒否またはキャンセルアクション、またはモバイルデバイスMDまたはそのユーザUを、進行中であり得るデジタルトランザクションに関連付けるアクションであり得る。
【0087】
本発明は、小売施設、オフィス施設、住宅施設、産業施設、展示施設、および屋外風景の形態である物理的位置、またはこれらに限定されない物理的位置に有利に適用できることを想起されたい。本発明は、例えば、本文書の背景技術の節で言及されている目的のいずれかのためのデジタルアクションをトリガーするのに使用することができるが、これらに限定されることはない。
【0088】
リモートサーバリソースRSRは、例えば、サーバコンピュータ、そのようなコンピュータデバイスのクラスター、またはクラウドコンピューティングリソースまたはサービスであり得る。それは、例えば、1つまたは複数のCPUおよび/またはDSPの形態の処理ユニットを有し、コンピュータプログラムのプログラム命令を実行する処理ユニットによって、本文書に記載されるようにその機能を実行するようにプログラムされる。ブロードバンド通信ネットワークBBCNは、例えば、WCDMA(登録商標)、HSPA、GSM(登録商標)、UTRAN、UMTS、LTE(登録商標)、またはLTEに準拠する移動通信ネットワークであり得、ブロードバンドデータ通信は、例えば、TCP/IPトラフィックであり得、おそらく暗号化されているか、セキュリティで保護されている。
【0089】
図6Aは、モバイルデバイスMDを実装することができるモバイルコンピューティングデバイス150を示している。モバイルコンピューティングデバイス150は、典型的には提示デバイスおよび入力デバイス(おそらく組み合わされる)を含むユーザインターフェース151を備える。モバイルコンピューティングデバイス150は、また、メモリ152を備える。メモリ152は、本発明およびその実施形態においてモバイルデバイスMDによって実行される機能をホストするソフトウェアアプリケーション153a、SWを格納することができる。メモリ152は、閾値MD_THRをさらに格納することができる。
【0090】
モバイルコンピューティングデバイス150は、また、コントローラ154、短距離無線通信インターフェース156(無線RFトランシーバMD_TX/RXを構成するかまたは含む)、および長距離ブロードバンド通信インターフェース158も備える。コントローラ154は。例えば、ソフトウェアアプリケーション153a、SWのプログラム命令を実行することによって、本明細書で説明されるように、通信システム100のモバイルデバイスMDに対して定義された機能を実行するように構成され得る。
【0091】
モバイルコンピューティングデバイス150は、例えば、携帯電話、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、スマートグラス、スマートウォッチ、またはスマートブレスレットであり得る。コントローラ154は、例えば、1つまたは複数のマイクロコントローラ、CPUおよび/またはDSPの形態の処理ユニットであり得、コンピュータプログラム(例えば、ソフトウェアアプリケーション153a、SW)のプログラム命令を実行する処理ユニットによって本文書に記載されるようにその機能を実行するようにプログラムされる。あるいは、コントローラ154は、FPGA、ASICなどとして実装され得る。
【0092】
図6Bは、ベースデバイスBDを実装することができるベースデバイス160を示している。ベースデバイス150は、前述の近接センサPの形態の近接センサ161を備える。ベースデバイス150は、メモリ162も備える。メモリ162は、本発明およびその実施形態のベースデバイスBDによって実行される機能をホストするソフトウェアプログラム163a、SWを格納することができる。メモリ162は、閾値BD_THRをさらに格納することができる。
【0093】
ベースデバイス160は、また、コントローラ164、短距離無線通信インターフェース166(無線RFトランシーバBD_TX/RXを構成するか、または含む)、および任意選択で長距離ブロードバンド通信インターフェース168を備える。コントローラ164は、例えば、ソフトウェアアプリケーション163a、SWのプログラム命令を実行することによって、本明細書で説明されるように、通信システム100内のベースデバイスBDに対して定義された機能を実行するように構成され得る。コントローラ164は、例えば、1つまたは複数のマイクロコントローラ、CPUおよび/またはDSPの形態の処理ユニットであり得る。あるいは、コントローラ164は、例えば、FPGA、ASICなどとして実装され得る。
【0094】
図6Cは、一実施形態160-Cにおけるベースデバイス160を示している。この実施形態では、ベースデバイス160-Cは、特に容量センサ161-Cの形態の近接センサを備える。ベースデバイス160-Cの他の構成要素は、図6Bによるベースデバイス160の場合と同じであり得る。
【0095】
この実施形態では、近接センサ/容量センサ161-Cによって監視、測定、または他の方法で感知される物理的特性は、静電容量である。いくつかの実装では、容量センサ161-Cからの検出器出力は、容量センサ161-CからのモバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)の近接度に依存し得る値をとることができる。例えば、0.0cmの距離(つまり、容量センサ161-Cのセンサ表面との実際の接触)は、例えば0.2cmの距離(つまり、ほとんど接触しているが、実際には接触していない)とは異なる検出器出力を生成する場合がある。次に、モバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)が容量センサ161-Cにまったくすぐ近くにない(つまり、容量センサ161-Cの静電容量検出範囲を超える距離にあり、したがって検出されない)アイドル状態の検出器出力とは異なる場合がある。他の実装形態では、容量センサ161-Cからの検出器出力は、「バイナリ」値、すなわち、モバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)が存在しないアイドル状態を表す第一の値と、容量センサ161-Cのすぐ近くにあるときのモバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)の検出を表し、ある所定の静電容量閾値の超過として決定される第二の値をとることができる。
【0096】
図6Dは、別の実施形態160-Iにおけるベースデバイス160を示している。この実施形態では、ベースデバイス160-1は、特に誘導センサ161-Iの形態の近接センサを含む。ベースデバイス160-Iの他の構成要素は、図6Bによるベースデバイス160の場合と同じであり得る。
【0097】
この実施形態では、近接センサ/誘導センサ161-Iによって監視、測定、またはさもなければ感知される物理的特性はインダクタンスである。いくつかの実装では、誘導センサ161-Iからの検出器出力は、誘導センサ161-IからのモバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)の近接度に依存し得る値をとることができる。例えば、0.1cmの距離は、例えば、1.0cmの距離とは異なる検出器出力を生成する場合がある。これは、モバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)が誘導センサ161-Iのすぐ近くではない(すなわち、誘導センサ161-Iの誘導検出範囲を超える距離にあるため、検出されない)アイドル状態の場合の検出器出力とは異なる場合がある。他の実装形態では、誘導センサ161-Iからの検出器出力は、本質的に図6Cの実施形態について上述したように、「バイナリ」値であり得る。
【0098】
図6Eは、さらに別の実施形態160-Mにおけるベースデバイス160を示している。この実施形態では、ベースデバイス160-Mは、特に機械式センサ161-Mの形態の近接センサを備える。ベースデバイス160-Mの他の構成要素は、図6Bによるベースデバイス160の場合と同じであり得る。
【0099】
この実施形態では、近接センサ/機械式センサ161-Mによって監視、測定、またはさもなければ感知される物理的特性は、電気抵抗である。この実施形態のいくつかの実装では、機械式センサ161-Mは、ユーザがモバイルデバイスMDを押し下げ可能部材に対して押す(または叩く)ことによって押し下げられるときに電気スイッチを作動させるために結合された押し下げ可能部材を有する機械式スイッチセンサであり得る。そのような実装では、機械式センサ161-Mからの検出器出力は、「バイナリ」値であり、押し下げ可能な部材が作動していないアイドル状態で第一の値を取り、モバイルデバイスMDが機械式センサ161-Mのすぐ近くにあることの結果として、作動したときに第二の値をとる。
【0100】
この実施形態の他の実装では、機械式センサ161-Mは、可動部材を有する機械式変位センサであり得る。ここで、可動部材の変位の程度は、近接センサ/機械式センサ161-Mによって監視、測定、またはさもなければ感知される電気抵抗を変化させる。これにより、機械式センサ161-Mからの検出器出力は、モバイルデバイスMDによって作動されるように、可動部材の変位度に依存する値をとることができる。例えば、0.2cmの変位は、例えば、0.5cmの変位とは異なる検出器出力を生成することがある。これは、モバイルデバイスMD(または他のオブジェクト)が機械式センサ161-Mに全く接近しておらず、したがって、可動部材の変位は起こらないアイドル状態での検出器出力とは異なる場合がある。
【0101】
図6Eの実施形態の利点は、押し下げ可能部材または可動部材を備えた機械式センサ161-Mの提供が、モバイルデバイスMDで押し下げ可能部材または可動部材を作動させるときに、ユーザUに触覚フィードバックの感覚を与えることができることである。
【0102】
図6Fは、さらに別の実施形態160-Lにおけるベースデバイス160を示している。この実施形態では、ベースデバイス160-Lは、特に入射光を測定するための光センサ161-Lの形態の近接センサを備える。ベースデバイス160-Mの他の構成要素は、図6Bによると、ベースデバイス160の場合と同じであり得る。
【0103】
この実施形態では、近接センサ/光センサ161-Lによって監視、測定、またはさもなければ感知される物理的特性は、光強度である。
【0104】
ここで、図7を参照する。一般に図3に対応して、図7は、近接センサPが光センサL、例えば、図6Fに示される実施形態におけるベースデバイス160-Lの光センサ161-Lである実施形態について、近接ベースのデジタルアクションをトリガーする一般的な方法700のフローチャート図である。
【0105】
方法700は、以下を含む。
【0106】
すでに述べ、図7の710で見られるように、ベースデバイスBDは、物理的位置PLに提供される。ベースデバイスBDは、無線RFトランシーバBD_TX/RXを有し、この実施形態では、光センサLの形態の近接センサを有することを想起されたい。光センサLは、例えば、フォトダイオード、フォトレジスタ、フォトトランジスターまたは光伝導体などの光検出器または光センサ、CMOS画像センサーなどのアクティブピクセルセンサ、電荷結合デバイス(CCD)、赤外線検出器、または太陽電池を備え得る。
【0107】
図7の720に見られるように、方法700は、また、モバイルデバイスMDを提供するステップも含む。モバイルデバイスは無線RFトランシーバMD_TX/RXを有することを想起されたい。
【0108】
方法700は、さらに、ベースデバイスBDとモバイルデバイスMDとの間のRF通信の受信信号強度を測定するステップ(730を参照)と、ベースデバイスBDの光センサLによる入射光を測定するステップ(740を参照)とを含む。したがって、図7のステップ740は、ベースデバイスBDの近接センサの検出出力を取得する図3のステップ340を実施する。
【0109】
次に、方法700は、ベースデバイスBDに近接しているモバイルデバイスMDの第一の近接条件COND_Rを評価するステップ(750を参照)を含む。前の図面を参照してすでに説明したように、第一の近接条件は、測定された受信RF信号強度に基づく。
【0110】
方法700は、また、ベースデバイスBDに近接しているモバイルデバイスMDの第二の近接条件COND_Lを評価するステップ(760を参照)を含む。第二の近接条件は、ベースデバイスBDの光センサLによって測定された入射光の変動に基づく。したがって、光の変動は、ユーザUがモバイルデバイスMDをベースデバイスBDの光センサに非常に近づけるとき、例えば、0~10cm以内の距離に近づけるとき、モバイルデバイスMDが光センサLをシールドまたは干渉することを示す。したがって、図7のステップ760は、図3のステップ360を実施する。ここで、第二の近接条件は、COND_Pではなく、COND_Lと呼ばれる。
【0111】
評価750および760によって、第一および第二の近接条件COND_R、COND_Lの両方が確認されたとき(765参照)にのみ、近接ベースのデジタルアクションMD_BLIPがトリガーされる(770を参照)。
【0112】
一方でステップ730および750のシーケンス、および他方でステップ740および760のシーケンスは、並行して、または任意の相互に順次の順序で実行することができる。
【0113】
図7の方法には、著しい利点がある。これは、本文書の背景技術の節で説明したように、純粋に受信信号強度に基づく距離推定よりも精度が実質的に向上していることを表している。光センサL(すなわち、第二の近接条件COND_L)の提供および本発明の使用は、ベースデバイスBDに近接するモバイルデバイスのMDの追加の検証を可能にし、それにより、近接ベースのデジタルアクションをトリガーする方法の位置精度を大幅に改善する。光センサLは、モバイルデバイスMD(または別のオブジェクト)が光センサLおよびベースデバイスBDにすぐ近くにある場合にのみ、入射光の変動を検出する。さらに、受信信号強度に基づく距離推定の並列使用(すなわち、第一の近接条件COND_R)は、光センサLがモバイルデバイスMDまたはユーザUではないオブジェクトを検出するによって引き起こされる想定外のデジタルアクションMD_BLIPがトリガーされるリスクを最小限に抑える。
【0114】
図7の方法は、ベースデバイスではなくモバイルデバイスに、組み合わされた近接検証のための非RFベースのメカニズムが提供される代替ソリューション(本発明と混同しないこと)よりも有利である。これらの有利な側面は、上記の図3の説明と併せて、すでに説明されている。
【0115】
方法700および通信システム100の実施形態は、図8Aおよび図8Bに示され、これらの図は、一般に、図4Aおよび図4Bに対応する。810で見られるように、ベースデバイスBDの光センサLは、上述のように、入射光を測定する。ベースデバイスBDは、光センサLによる1つまたは複数の測定読み取りからの入射光表示データL_DATAを生成する815(図8A)、816~817(図8B)ように構成されている。ベースデバイスBDは、RF通信によって入射光表示データL_DATAをモバイルデバイスMDに送信するように構成される。入射光表示データL_DATAは、例えばスキャン応答メッセージにおいて、範囲内のすべてのデバイスによって受信されるRF信号でブロードキャストされ得る。あるいは、BLEリンクなどのRF接続がモバイルデバイスMDとベースデバイスの間に確立されている場合(図9A図9Eの910aおよび910bを参照)、入射光表示データL_DATAをモバイルデバイスMDに個別にアドレス指定することができる。
【0116】
モバイルデバイスMDは、ベースデバイスBDから入射光表示データL_DATAを受信するように構成されている。モバイルデバイスMDは、受信した入射光表示データL_DATAが所定の基準を満たしているかどうかを決定すること830(図8A)、831(図8B)によって、第二の近接条件COND_Lを評価するようにさらに構成される。
【0117】
モバイルデバイスMDは、さらに、ベースデバイスBDとのRF通信の受信信号強度を測定して840、受信信号強度値RSS_MDを確立することによって、第一の近接条件COND_Rを評価する850ように構成される。モバイルデバイスMDは、受信信号強度値RSS_MDを閾値MD_THRと比較し、受信信号強度値RSS_MDが閾値MD_THRを満たすとき、第一の近接条件COND_Rを確認している。
【0118】
受信信号強度は、例えば、ベースデバイスBDからのRF通信に含まれるRSSI(受信信号強度インジケータ)から決定され得る。RSSIはdBmで表すことができ、0dBm(優れた信号)から、例えば、-110dBm(非常に悪い信号)までの範囲の一般的な負の値を有し得る。一般に、ベースデバイスBDとモバイルデバイスMDの間の距離が短いほど、RSSIは高くなる。
【0119】
ベースデバイスBDからのRF通信は、例えば、図2Aについて説明した短距離無線アナウンス信号BD_ANNOUNCE、またはベースデバイスBDとモバイルデバイスMDとの間のRF接続の確立から生じるRF通信(図9A図9Eを参照)であり得る。
【0120】
図8Aおよび図8Bの860および870に見られるように、モバイルデバイスMDは、ステップ832および852で設定された論理的に真の値によって示されるように、第一および第二の近接条件COND_R、COND_Lの両方が確認されたかどうかをチェックするように構成される(最初に、ステップ805および807において、論理的に偽の値が、第一および第二の近接条件COND_R、COND_Lに設定されている)。
【0121】
モバイルデバイスMDは、860でのチェックの結果がCOND_RおよびCOND_Lの両方について肯定的である場合、870でデジタルアクションMD_BLIPをトリガーするようにさらに構成される。
【0122】
図8Aの実施形態では、ベースデバイスBDによってで生成された815入射光表示データL_DATAは、入射光強度代表値L_VALUEを含む。より具体的には、代表値L_VALUEは、光センサLからの1つまたは複数の測定読み取り値から導出された入射光強度の絶対値であり得る。代表値L_VALUEは、光センサLからの一連の測定読み取り値の平均であり得る。
【0123】
あるいは、代表値L_VALUEは、光センサLが遮蔽または干渉されていないアイドル状態を表す基準値に関連して定義された入射光強度の相対値であり得る。この場合も、代表値L_VALUEは、光センサLからの1つまたは複数の測定読み取り値から、有利には、光センサLからの一連の測定読み取り値の平均から導出される。
【0124】
モバイルデバイスMDは、代表値L_VALUEを、場合によっては絶対閾値または相対閾値である閾値L_THRと比較することによって、第二の近接条件COND_Lを評価する830ように構成される。
【0125】
図8Aの実施形態の改良版では、ベースデバイスBDは、代表値L_VALUEおよびその代表値L_VALUEを繰り返し生成し815、代表値L_VALUEを含む入射光表示データL_DATAをモバイルデバイスに繰り返し送信する820ように構成される。これにより、安定性と信頼性が向上し得る。モバイルデバイスMDは、入射光表示データL_DATAを繰り返し受信し、評価する830ように構成される。第二の近接条件COND_Lは、受信された入射光表示データL_DATAの代表値L_VALUEが一定期間にわたって閾値LV_THRを満たしているときに、確認される832。
【0126】
図8Bの実施形態では、ベースデバイスBDは、光センサLからの1つまたは複数の測定読み取り値を評価して816、光センサLがアイドル状態から逸脱していることを決定することによって、入射光表示データL_DATAを生成するように構成される。アイドル状態では、光センサは、シールドまたは干渉されていない。アイドル状態からの逸脱が決定されると、ベースデバイスBDは、後にモバイルデバイスMDに送信される820入射光表示データL_DATAの中に、またはそれとして光センサブロックインジケータL_OFFを提供する817ように構成される。光センサブロックインジケータL_OFFは、実装に応じて、入射光表示データL_DATAのデータフィールドとして含まれることも、あるいは入射光表示データL_DATA全体を構成することもある。
【0127】
モバイルデバイスMDは、受信された入射光表示データL_DATAの光センサブロックインジケータL_OFFを検出することによって、第二の近接条件COND_Lを評価するように構成される。光センサブロックインジケータL_OFFが検出されると、第二の近接条件COND_Lが確認される832。
【0128】
図8Bの実施形態の改良版では、安定性および信頼性を改善するために、ベースデバイスBDは、光センサLからの測定読み取り値を繰り返し評価し816、アイドル状態からの逸脱が一定期間続いたときに、光センサブロックインジケータL_OFFを提供する817ように構成される。
【0129】
さらなる実施形態が図9A図9Eに示されている。図9Aでは、ベースデバイスBDは、範囲内にあるときにモバイルデバイスMDによって受信され得るRFアナウンス信号BD_ANNOUNCEを900に送信することができる。RFアナウンス信号BD_ANNOUNCEは、例えば、BLE広告信号であり得る。結果として、モバイルデバイスMDおよびベースデバイスBDは、BLEリンクなどのRF接続を確立するために910b、910aと通信することができる。対応する機能は、これらの図面に示されていない場合でも、図8Aおよび図8Bの実施形態にも含まれ得る。
【0130】
920aおよび920bに見られるように、モバイルデバイスMDおよびベースデバイスBDは、モバイルデバイスMDが受信信号強度RSS_MDを決定し得るように通信する。それに対応して、ベースデバイスBDは、受信信号強度RSS_BDを決定することができる。受信信号強度RSS_BDは必須ではないが、それにもかかわらず、開示された実施形態において有益に使用される。その理由は、ベースデバイスBDが、光センサLからの1つまたは複数の読み取り値に従って変動が検出された場合942にのみ近接表示データP_DATAをモバイルデバイスMDに送信すること950ができるからである。
【0131】
したがって、図9A~9Eに示される実施形態では、入射光表示データL_DATAは、図8Aおよび図8Bについて上述したものと同様の光センサブロックインジケータL_OFFを含む。別の方法として、図9A図9Eに示される実施形態は、上記の図8Aおよび図8Bについて説明したように、代表値L_VALUEに基づくことができる。
【0132】
モバイルデバイスMDは、920bで決定された受信信号強度RSS_MDが閾値MD_THRを満たすかどうかをチェックすること930によって、第一の近接条件COND_Rを評価するように構成される。930でのチェックが肯定的である場合(Yesを参照)、実行は960に進む。そうでない場合(Noを参照)、実行は920bに戻り、特定の周期性またはスキームで受信信号強度RSS_MDを新たに決定する。
【0133】
図8Aおよび図8Bと同様に、受信信号強度は、例えば、ベースデバイスBDからのRF通信に含まれるRSSI(受信信号強度インジケータ)から決定され得る。
【0134】
モバイルデバイスMDは、受信された入射光表示データL_DATA内の光センサブロックインジケータL_OFFを検出すること960によって、第二の近接条件COND_Lを評価するように構成される。光センサブロックインジケータL_OFFが検出されると、第二の近接条件COND_Lが確認されて(YESを参照)、実行は970に進み、デジタルアクションMD_BLIPをトリガーする。光センサブロックインジケータL_OFFが検出されない場合、モバイルデバイスMDは、特定の期間にわたって、それを監視し続けるように構成され得、その期間が満了すると、タイムアウトを引き起こし、実行を920bに戻す可能性がある。
【0135】
図9Bは、一実施形態を示し、ここでは、モバイルデバイスMDは、受信信号強度RSS_MDが閾値MD_THRを満たすものとして決定されていなくても(930、Noを参照)、光センサブロックインジケータL_OFFがベースデバイスBDから受信される状況(932、933、Yesを参照)を処理するように構成されている。この状況は、ベースデバイスBDの光センサLが、モバイルデバイスMDが近接していることによって引き起こされる入射光の変動を適切に検出したが、閾値MD_THRが高すぎて、モバイルデバイスMDがベースデバイスBDにRFベースで近接しているのに気付かない場合に発生する可能性がある。
【0136】
したがって、モバイルデバイスMDは、第一の近接条件COND_Rが特定の期間内に確認されることなく、第二の近接条件COND_Lが確認されたことを検出する932、933ように構成される。応答として、モバイルデバイスMDは、レポートMD_THR_TOO_HIGHをリモートサーバリソースRSRに送信するように構成される。レポートは、ブロードバンド通信ネットワークBBCNを介して送信されることもある。このようなレポートは、サービスプロバイダまたはデバイスメーカが、モバイルデバイスの将来のインスタンスのために、あるいは既存のインスタンスのためであっても、閾値MD_THRを調整するために使用することがある。これには、本発明およびその実施形態においてモバイルデバイスMDによって実行される機能をホストするソフトウェアアプリケーションの今後の更新に調整された閾値MD_THR’も含む。
【0137】
図9Cは、一実施形態を示し、ここでは、モバイルデバイスMDは、受信信号強度RSS_MDが実際に閾値MD_THRを満たすと決定された(930、Yes参照)としても、光センサブロックインジケータL_OFFがベースデバイスBDから受信されないという反対の状況を処理するように構成されている(960、961、タイムアウトを参照)。この状況は、閾値MD_THRが十分に低く、930での受信信号強度RSS_MDに対して時期尚早な反応を引き起こす場合、つまり、モバイルデバイスMDが実際に(まだ)ベースデバイスBDに十分に近くない場合(例えば、図2Bおよび図2Cで説明した距離D2よりも遠い)に、生じることがある。
【0138】
したがって、モバイルデバイスMDは、第二の近接条件COND_Lが特定の期間内に確認されることなく、第一の近接条件COND_Rが確認されたことを検出する960、961ように構成される。応答として、モバイルデバイスMDは、レポートMD_THR_TOO_LOWをリモートサーバリソースRSRに送信する962ように構成される。レポートは、ブロードバンド通信ネットワークBBCNを介して送信されることもある。このようなレポートは、サービスプロバイダまたはデバイスメーカが、図9Bで前述したものと同様に閾値MD_THRを調整するために使用できる。
【0139】
図9Dは、一実施形態を示し、ここでは、ベースデバイスBDが、ベースデバイスBDに近接して出現する複数のモバイルデバイスを処理するように構成されている。したがって、図9Dでは、1つまたは複数の追加モバイルデバイスMD2、…、MDnが提供されている。各追加モバイルデバイスMD2、…、MDnは、無線RFトランシーバを有し、RF通信によってベースデバイスBDと通信し920b、それぞれの受信信号強度値を決定するように構成されている。
【0140】
ベースデバイスBDは、RF通信によって各追加モバイルデバイスMD2、…、MDnと通信して920a、各追加モバイルデバイスMD2、…、MDnのそれぞれの受信信号強度値を決定するように構成される。ベースデバイスBDはまた、閾値BD_THRを満たす受信信号強度値を有するモバイルデバイスMDおよび追加モバイルデバイスMD2、…、MDnとの間での満足するデバイスを決定する941ように構成される。
【0141】
ベースデバイスBDは、決定941に基づいて、満足いくデバイスMD、MD2、…、MDnの1つまたは複数のMD、MD2へのRF通信によって、入射光表示データL_DATAをモバイルデバイスMDに送信する951ようにさらに構成される。例えば、ベースデバイスBDは、最も高い受信信号強度値を有する満足のいくデバイスMD、MD2のうちの単一のデバイスMDに入射光表示データL_DATAを送信する951ように構成され得る。これは、近接表示データP_DATAが間違ったモバイルデバイスに送信されるリスクを軽減するという点で有益なことがある。例えば、顧客がカウンターまたはレジで2番目に並んでいる場合、当然のことながら、最初に並んでいる顧客が、入射光表示データL_DATAを受信して、デジタルアクションをトリガーするべきである。
【0142】
あるいは、ベースデバイスBDは、入射光表示データL_DATAを各満足するデバイスMD、MD2に送信する951ように構成され得る。これは、複数のモバイルデバイスによる並列デジタルアクションのトリガーをサポートすることが望まれるユースケースで有益な場合がある。
【0143】
さらに代替として、ベースデバイスBDは、ベースデバイスBDによって最初に検出された単一のモバイルデバイスMDに入射光表示データL_DATAを送信する951ように、すなわち、先入れ先出し(FCFS)ポリシーに従うように構成され得る。
【0144】
図9Eは、一実施形態を示し、ここでは、ベースデバイスBDは、920aで決定され、941で評価された受信信号強度RSS_BDが少なくとも1つのモバイルデバイスに対して十分に高い場合でも、ベースデバイスBDが物理的特性の変動を検出しない状況(942、943、タイムアウトを参照)を処理するように構成されている。その理由は、閾値BD_THRが低すぎて、光センサLによって検出されるベースデバイスBDに十分に接近していない場合でも、モバイルデバイスがRF検出されてしまうためであり得る。
【0145】
したがって、ベースデバイスBDがモバイルデバイスMDおよび追加モバイルデバイスMD2、…、MDnの中から少なくとも1つの満足のいくデバイスを決定したとしても、ベースデバイスBDは、光センサLが光の変動を検出しない942ことによって引き起こされるタイムアウトを検出する943ように構成される。ベースデバイスBDは、その結果、レポートBD_THR_TOO_LOWをリモートサーバリソースRSRに送信する944ように構成されている。この情報は、ベースデバイスを調整して閾値BD_THRをより高い値に調整するために使用できる。
【0146】
図9A図9Eの実施形態のいずれかまたはすべての組み合わせが考えられ、本発明で意図されている。また、図9A図9Eの実施形態のいずれかまたはすべては、図8Aの実施形態または図8Bの実施形態と組み合わせることができ、当業者によって容易に実現される。
【0147】
ブルートゥース低エネルギーBLEは、現在、無線RFトランシーバBD_TX/RXおよびMD_TX/RXにとって有利な短距離無線通信技術と見なされているが、他の技術も考えられ、それには、近距離無線通信(NFC)、無線周波数識別(RFID)、無線LAN(WLAN、WiFi)、またはLTEDirectなどの近接ベースのデバイス間無線通信信号の別の形式を含むが、これらに限定されない。
【0148】
実際にBLEに基づく実施形態について、BLEおよびBLEに基づくビーコン技術の以下の要約は、本発明のいくつかの実施形態の理解を容易にすると考えられる。
【0149】
AppleのiBeacon(登録商標)技術により、モバイルデバイスはマイクロローカルスケールで位置を理解でき、現在の位置に基づいて、モバイルデバイスのユーザにハイパーコンテキストコンテンツを配信することもできる。iBeacon技術は、BLE標準に、特にGeneric Access Profile(GAP)広告パケットに基づく。他にもいくつかの種類の短距離無線ビーコン技術、例えば、AltBeacon、URIBeacon、Eddystoneなどもあるが、これらもBLEとGAPに基づく。
【0150】
BLE規格に基づく基本的な短距離無線ビーコン通信システムでは、ビーコン送信機デバイスは、31バイトのGAPBLEパケットで短距離無線ビーコン広告信号を繰り返しブロードキャストする。ビーコン広告信号には、128ビットの汎用一意識別子UUIDが含まれている。ビーコン広告信号は、また16ビットのメジャー部分および16ビットのマイナー部分を含み得る。ビーコン信号は、ビーコン送信機デバイスに関連付けられたビーコン領域を識別する。一般的に知られているように、地理的領域は地球の表面上の既知の点の周りの指定された半径の円によって定義される領域であるのに対し、ビーコン領域は対照的に、1つまたは複数のビーコン送信機デバイスへのモバイルデバイスの近接によって定義される領域である。
【0151】
いくつかの実装では、ビーコン領域は、ビーコン広告信号のUUID、メジャー部分およびマイナー部分によって表される。他の実装では、ビーコン領域は、ビーコン信号のUUIDおよびメジャー部分またはマイナー部分によって表される。さらに他の実装では、ビーコン領域は、UUIDのみによって表される。
【0152】
ビーコン送信機デバイスの範囲内にあるときに短距離無線ビーコン信号を受信できるようにするために、各モバイルデバイスには、基盤となるオペレーティングシステムからのサポートで、上述のビーコン広告信号のような短距離無線ビーコン信号を検出して反応するように構成されたアプリケーションプログラム、アプリが提供される。既知のビーコン技術の1つでは、モバイルデバイスのアプリは、監視と測距の2つの方法でビーコンを検出して反応することができる。監視により、アプリはビーコン領域の内外の動きを検出できる(すなわち、モバイルデバイスがビーコン領域に関連付けられているビーコン送信機デバイスの範囲内にあるか範囲外にあるか)。したがって、監視により、アプリはビーコン領域をスキャンできる。測距は、よりきめ細かく、範囲内のビーコン送信機デバイスのリストを、それぞれの受信信号強度とともに提供する。これを使用して、各デバイスまでの距離を推定できる。したがって、測距によって、アプリはビーコン領域内の個々のビーコン送信機デバイスを検出して反応することができる。
【0153】
これらのアプリは、様々なモードでモバイルデバイスのオペレーティングシステムによって処理されることがある。最も顕著なモードは、アクティブモードである。このモードでは、アプリがフォアグラウンドで実行され、通常、モバイルデバイスのユーザと相互作用することも、短距離無線ビーコンインターフェイスおよび/または別の通信インターフェースを介して、サーバなどの外部デバイスと通信することもできる。短距離無線ビーコン通信に関しては、通常、測距は、アプリがアクティブモードの場合にのみ機能する。
【0154】
モバイルデバイスがビーコン広告信号を受信すると、モバイルデバイス内のアプリは、ビーコン広告信号に含まれるUUID(および場合によってはメジャー/マイナー)からビーコン領域に入ったことを検出し、ビーコン送信機デバイスのユーザおよび/またはホストにとって有益であり、多くの場合、モバイルデバイス内のアプリとブロードバンド通信ネットワークを介したサービスプロバイダとの間の相互作用を伴う何らかの方法で適切に反応することがある。一部の実装には、システムサーバが含まれることもある。
【0155】
そのような有益な使用の例には、サービスプロバイダからビーコン送信機デバイスの事前定義された位置を取得することによって、またはローカルルックアップデータとの相互参照によって、またはサービスプロバイダからコンテンツを取得することによって、モバイルデバイスの現在のおおよその位置を決定することが含まれるが、これらに限定されない。
【0156】
本文書では、アプリがアクティブモードになっているモバイルデバイスをアクティブモバイルデバイスと呼ぶ。アクティブモバイルデバイスは、ビーコン送信機デバイスからのビーコン広告信号の追加の送信を受信し、それに反応することができる。これは、例えば、ビーコン送信機デバイスのホストに関連付けられているコンテンツが更新または変更された場合に役立つことがある。
【0157】
さらに、アクティブモバイルデバイスは、近くの他のビーコン送信機デバイスからのビーコン広告信号を受信して、反応することができるが、これは、当然、それぞれのビーコン送信機デバイスの範囲内に他のビーコン送信機デバイスがあるか、あるいは近づくという条件においてである。これは、異なるビーコン送信機デバイスが同じビーコン領域(すなわち、それぞれのビーコン広告信号に同じUUIDおよびメジャー/マイナーを含む)を、あるいは異なるビーコン領域(アプリがそのような異なるビーコン領域を監視するように構成されている場合)をアドバタイズするかに関係ない。同じスーパーマーケット、アリーナ、ファーストフードレストランなど、同じホストによってホストされる異なるビーコン送信機デバイスには、同じビーコン領域(例えば、同じUUID)が非常に頻繁に使用されることに留意されたい。
【0158】
モバイルデバイスのオペレーティングシステムは、パッシブモードでアプリを処理する場合もある。パッシブモードの目的は電力を節約するためである。その理由は、モバイルデバイスが通常バッテリーで駆動され、連続する充電セッション間のモバイルデバイスの動作時間を最大化することが一般的な技術的野心であるからである。パッシブモードでは、アプリはバックグラウンドで実行されるか、モバイルデバイスにのみインストールされる。監視は、アプリがアクティブモードの場合とパッシブモードの場合に機能するが、測距は、アプリがアクティブモードの場合にのみ機能することも、アプリがパッシブモードの場合に限られた期間のみ機能することもある。
【0159】
アクティブモードとパッシブモードの間の移行は、ユーザ相互作用、アプリもしくはオペレーティングシステムのユーザ設定、またはアプリもしくはオペレーティングシステムのプログラムロジックに基づく場合がある。
【0160】
本文書では、アプリがパッシブモードになっているモバイルデバイスをパッシブモバイルデバイスと呼ぶ。パッシブモードでは、アプリは、通常、ユーザインターフェースを介してユーザと相互作用することも、サーバまたは別のデバイスと通信することもできない。ただし、以下の場合を除く。アクティブモバイルデバイスと同様に、近くのパッシブモバイルデバイスはビーコン領域を監視し、問題のビーコン送信機デバイスの範囲内にある場合、短距離無線ビーコン広告信号を受信することがある。しかしながら、アクティブモバイルデバイスとは異なり、パッシブモバイルデバイスは、測距機能を使用して、ビーコン送信機デバイスまでの距離を推定することはできない。
【0161】
本発明は、いくつかの実施形態を参照して主に上記で説明されてきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上記に開示されたもの以外の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の範囲内で等しく可能である。
【0162】
代替の発明的側面は、以下の番号付き項目で定義される。
【0163】
(項目I)
近接ベースによるデジタルアクションをトリガーする方法(300)であって、
物理的位置(PL)にベースデバイス(BD)を提供するステップ(310)であって、前記ベースデバイスは無線無線周波数RFトランシーバ(BD_TX/RX;166)および光センサ(L)を有する、ステップと、
モバイルデバイス(MD)を提供するステップ(320)であって、前記モバイルデバイスは無線RFトランシーバ(MD_TX/RX;156)を有する、ステップと、
前記ベースデバイス(BD)と前記モバイルデバイス(MD)との間のRF通信の受信信号強度を測定するステップ(330)と、
前記ベースデバイス(BD)の前記光センサ(L)の入射光を測定する、ステップ(340)と、
前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第一の近接条件(COND_R)を評価するステップ(350)であって、前記第一の近接条件は、測定された前記受信信号強度に基づく、ステップと、
前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第二の近接条件(COND_L)を評価する(360)ステップであって、前記第二の近接条件は、前記ベースデバイス(BD)の前記光センサ(L)の入射光の変動に基づいており、前記入射光の前記変動は、前記モバイルデバイス(MD)が前記光センサ(L)とシールドまたは干渉していることを示す、ステップと、
前記第一および第二の近接条件(COND_R、COND_L)の両方が前記評価(350、360)によって確認された場合(365)、前記近接ベースによるデジタルアクション(MD_BLIP)をトリガーするステップ(370)と、
を含む、方法。
【0164】
(項目II)
前記ベースデバイス(BD)が前記ベースデバイス(BD)の前記光センサ(L)によって1つまたは複数の測定読み取り値から入射光表示データ(L_DATA)を生成するステップ(415;416~417)と、
前記ベースデバイス(BD)が、RF通信によって前記入射光表示データ(L_DATA)を前記モバイルデバイス(MD)に送信するステップ(420)と、
前記モバイルデバイス(MD)が前記光表示データ(L_DATA)を受信するステップと、
前記モバイルデバイス(MD)が、受信した入射光表示データ(L_DATA)が所定の基準を満たしているかどうかを決定すること(430;431)により、前記第二の近接条件(COND_L)を評価するステップ(360)と、
を含む、項目Iに記載の方法。
【0165】
(項目III)
前記ベースデバイスBDによって生成された入射光表示データ(L_DATA)は、前記光強度代表値(L_VALUE)を含み、前記代表値(L_VALUE)は、
・入射光強度の絶対値と、
・前記光センサ(L)がシールドまたは干渉されていないアイドル状態を表す基準値に関連して定義された入射光強度の相対値と、
のいずれかであり、
前記モバイルデバイス(MD)は、前記代表値(P_VALUE)を閾値(PV_THR)と比較すること(430)によって、前記第二の近接条件(COND_L)を評価する(360)、
項目IIに記載の方法。
【0166】
(項目IV)
前記ベースデバイス(BD)は、前記代表値(P_VALUE)を繰り返し生成し(415)、前記代表値(L_VALUE)を含む前記入射光表示データ(L_DATA)を前記モバイルデバイス(MD)に送信し(420)、
前記モバイルデバイス(MD)は、前記入射光表示データ(L_DATA)を繰り返し受信して、評価し(360;430)、
前記第二の近接条件(COND_L)は、受信された前記近接表示データ(P_DATA)における前記代表値(L_VALUE)が一定期間にわたって、前記閾値(PV_THR)を満たしている場合に、肯定的である(432)、
項目IIIに記載の方法。
【0167】
(項目V)
前記ベースデバイス(BD)は、
前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)にすぐに接近していないアイドル状態からの逸脱を決定するために、前記光センサ(P)からの前記1つまたは複数の測定読み取り値を評価すること(416)と、
前記アイドル状態からの逸脱を決定したとき、光センサブロックインジケータ(L_OFF)を前記近接表示データ(P_DATA)として、またはその中に提供し(417)、前記モバイルデバイス(MD)に送信すること(420)と、
によって入射光表示データ(L_DATA)を生成し(416~417)、
前記モバイルデバイス(MD)は、
受信した前記入射光表示データ(L_DATA)の前記光センサブロックインジケータ(L_DET)を検出し(431)、前記光センサブロックインジケータ(L_OFF)が検出されると、前記第二の近接条件(COND_L)が肯定的である(432)こと
によって前記第二の近接条件(COND_L)を評価する(360)、
項目IIに記載の方法。
【0168】
(項目VI)
前記ベースデバイス(BD)は、前記光センサ(L)からの前記測定読み取り値を繰り返し評価し(416)、前記アイドル状態からの逸脱が一定期間続いたときに前記光センサブロックインジケータ(L_OFF)を提供する(417)、項目Vに記載の方法。
【0169】
(項目VII)
前記モバイルデバイス(MD)は、前記第一の近接条件(COND_R)を
前記ベースデバイス(BD)とのRF通信の受信信号強度を測定して、受信信号強度値(RSS_MD)を確立すること(330;440)と、
前記受信信号強度値(RSS_MD)を閾値(MD_THR)と比較すること(450)と、
前記受信信号強度値(RSS_MD)が前記閾値(MD_THR)を満たしたときに、前記第一の近接条件(COND_R)を確認すること(452)と、
によって評価する(360)、項目II~VIのいずれか一項目に記載の方法。
【0170】
(項目VIII)
特定の期間内に前記第一の近接条件(COND_R)が確認されることなく、前記第二の近接条件(COND_L)が確認されたことを検出するステップ(532、533)と、
レポート(MD_THR_TOO_HIGH)をリモートサーバリソース(RSR)に送信するステップ(534)と、
をさらに含む、項目I~VIIのいずれか一項目に記載の方法。
【0171】
(項目IX)
特定の期間内に前記第二の近接条件(COND_L)が確認されることなく、前記第一の近接条件(COND_R)が確認されたことを検出するステップ(560、561)と、
レポート(MD_THR_TOO_LOW)をリモートサーバリソース(RSR)に送信するステップ(562)と、
をさらに含む、項目I~VIIのいずれか一項目に記載の方法。
【0172】
(項目X)
1つまたは複数の追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)を提供するステップであって、各追加モバイルデバイスが無線RFトランシーバを備える、ステップと、
各追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)がRF通信によって前記ベースデバイス(BD)と通信して(520b)、それぞれの受信信号強度値を決定するステップと、
前記ベースデバイス(BD)がRF通信によって各追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)と通信して(520a)、各追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)のそれぞれの受信信号強度値を決定するステップと、
前記ベースデバイス(BD)が、前記モバイルデバイス(MD)および前記追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)との中から、前記閾値(BD_THR)を超える受信信号強度値を有する満足するデバイスを決定するステップ(541)と、
前記決定(541)に基づいて、前記ベースデバイス(BD)は、前記満足するデバイス(MD)の1つまたは複数(MD、MD2)へのRF通信によって、前記モバイルデバイス(MD)に前記入射光表示データ(L_DATA)を送信するステップ(551)と、
をさらに含む、項目II~IXのいずれか一項目に記載の方法。
【0173】
(項目XI)
前記ベースデバイス(BD)は、前記入射光表示データ(L_DATA)を、最大受信信号強度値を有する満足するデバイス(MD、MD2)の中の単一のデバイス(MD)に送信する(551)、項目Xに記載の方法。
【0174】
(項目XII)
前記ベースデバイス(BD)が、前記入射光表示データ(L_DATA)を各満足するデバイス(MD、MD2)に送信する(551)、項目Xに記載の方法。
【0175】
(項目XIII)
前記ベースデバイス(BD)は、
前記ベースデバイス(BD)が前記モバイルデバイス(MD)および前記追加モバイルデバイス(MD2、…、MDn)の中から少なくとも1つの満足するデバイスを決定した(541)にもかかわらず、前記光センサ(L)が光の変動を検出しないこと(542)によって引き起こされるタイムアウトを検出すること(543)と、
レポート(BD_THR_TOO_LOW)をリモートサーバリソース(RSR)に送信すること(544)と、
をさらに含む、項目X~XIIのいずれか一項目に記載の方法。
【0176】
(項目XIV)
前記物理的位置(PL)が
小売施設、
オフィス施設、
居住施設、
産業施設、
展示施設、および
屋外風景
のうちの1つの中にあるか、あるいはその1つにある、項目I~XIIIのいずれか一項目に記載の方法。
【0177】
(項目XV)
前記近接ベースのデジタルアクション(MD_BLIP)が、
前記物理的位置(PL)での前記モバイルデバイス(MD)のユーザ(U)の存在を登録または確認するためのチェックインアクション、
前記モバイルデバイス(MD)を有する前記ユーザ(U)が実行するデジタルトランザクションでの肯定アクション、
前記モバイルデバイス(MD)を有する前記ユーザ(U)が実行するデジタルトランザクションの拒否アクション、
前記モバイルデバイス(MD)を有する前記ユーザ(U)が実行するデジタルトランザクションのキャンセルアクション、および
前記モバイルデバイス(MD)またはそのユーザ(U)をデジタルトランザクションに関連付けるアクション
のうちの1つである、項目I~XIVのいずれか一項目に記載の方法。
【0178】
(項目XVI)
コントローラ(154)と、
短距離無線通信インターフェース(156;MD_TX/RX)と、
を備える、モバイルコンピューティングデバイス(150;MD)であって、
前記モバイルコンピューティングデバイス(MD)が、
ベースデバイス(BD)とのRF通信の受信信号強度を測定して、受信信号強度値(RSS_MD)を確立すること(330;440)と、
測定された前記受信信号強度(RSS_MD)に基づいて、前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第一の近接条件(COND_R)を評価すること(350)と、
前記ベースデバイス(BD)から前記入射光表示データ(L_DATA)を受信することと、
受信した前記入射光表示データ(L_DATA)に基づいて、前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第二の近接条件(COND_L)を評価すること(360)であって、前記第二の近接条件は、前記ベースデバイス(BD)の光センサ(L)によって測定され、前記モバイルデバイス(MD)が前記光センサ(L)とシールドまたは干渉していることを示す入射光の変動に基づく、ことと、
前記第一および第二の近接条件(COND_R、COND_L)の両方が確認されたとき、近接ベースのデジタルアクション(MD_BLIP)をトリガー(370:470)することと、
を行うように構成される、モバイルコンピューティングデバイス(MD;150)。
【0179】
(項目XVII)
項目I~XVのいずれか一項目に記載の方法において、前記モバイルデバイス(MD)に対して定義された機能を実行するように構成される、項目XVIに記載のモバイルコンピューティングデバイス(MD;150)。
【0180】
(項目XVIII)
コントローラ(164)と、
短距離無線通信インターフェース(166;BD_TX/RX)と、
光センサ(L)と、
を備えるベースデバイス(160;BD)であって、
前記ベースデバイス(BD)が、
RF通信によってモバイルデバイス(MD)と通信すること(500;510a-b)と、
前記光センサ(L)による1つまたは複数の測定読み取り値から入射光表示データ(L_DATA)を生成すること(415;416~417)と、
前記近接表示データ(P_DATA)をRF通信によって前記モバイルデバイス(MD)に送信すること(420)と、
を行うように構成される、ベースデバイス(160;BD)。
【0181】
(項目XIX)
項目I~XVのいずれか一項目に記載の方法において、前記ベースデバイス(BD)に対して定義された機能を実行するように構成される、項目XVIIIに記載のベースデバイス(160;BD)。
【0182】
(項目XX)
項目IVIまたはXVIIに記載の1つまたは複数のモバイルコンピューティングデバイス(150;MD)と、
項目XVIIIまたはXIXに記載のベースデバイス(160;BD)と、
を備える、通信システム(100)。
【0183】
(項目XXI)
近接ベースによるデジタルアクションをトリガーする方法(300)であって、
物理的位置(PL)にベースデバイス(BD)を提供するステップ(310)であって、前記ベースデバイスは無線無線周波数RFトランシーバ(BD_TX/RX;166)および近接センサ(P)を有する、ステップと、
モバイルデバイス(MD)を提供するステップ(320)であって、前記モバイルデバイスは無線RFトランシーバ(MD_TX/RX;156)を有する、ステップと、
前記ベースデバイス(BD)と前記モバイルデバイス(MD)との間のRF通信の受信信号強度を測定するステップ(330)と、
前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサ(P)の検出出力を取得するステップ(340)と、
前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第一の近接条件(COND_R)を評価するステップ(350)であって、前記第一の近接条件は、測定された前記受信信号強度に基づく、ステップと、
前記ベースデバイス(BD)に近接している前記モバイルデバイス(MD)の第二の近接条件(COND_P)を評価する(360)ステップであって、前記第二の近接条件は、前記ベースデバイス(BD)の前記近接センサ(P)の検出出力の変動に基づいており、前記検出出力の前記変動は、前記モバイルデバイス(MD)が前記近接センサ(P)のすぐ近くに出現することを示す、ステップと、
前記第一および第二の近接条件(COND_R、COND_P)の両方が前記評価(350、360)によって確認された場合、前記近接ベースによるデジタルアクション(MD_BLIP)をトリガーするステップ(370)と、
を含む、方法。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
【国際調査報告】