(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】スラブ状の基板用のエンドエフェクタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528990
(86)(22)【出願日】2019-11-22
(85)【翻訳文提出日】2021-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2019082193
(87)【国際公開番号】W WO2020104639
(87)【国際公開日】2020-05-28
(32)【優先日】2018-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】300081877
【氏名又は名称】アトテツク・ドイチユラント・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Atotech Deutschland GmbH
【住所又は居所原語表記】Erasmusstrasse 20, D-10553 Berlin, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ポラック
(72)【発明者】
【氏名】ジークフリート イッカート
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131CA18
5F131EB32
5F131EB36
5F131EB38
5F131EB78
5F131EB79
(57)【要約】
スラブ状の基板(2)をクランプするためのエンドエフェクタであって、基板(2)が、基板主面内に少なくともほぼかつ少なくとも部分的に配置されたリムセクション(5)を有する、エンドエフェクタは、少なくとも押圧領域(11)を提供する少なくとも押圧装置(10)と、少なくとも支持領域(21)を提供する少なくとも支持装置(20)とを備える。エンドエフェクタ(1)は、基板(2)のクランプ状態において、基板(2)を第1の表面(3)で押圧装置(10)の押圧領域(11)によってクランプし、かつ第1の表面(3)に対して基板(2)の反対側に配置された第2の表面(4)で支持装置(20)の支持領域(21)によってクランプするように構成されている。エンドエフェクタは、支持装置(20)に対して相対的に押圧装置(10)を案内するためのガイド(15)を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スラブ状の基板(2)をクランプするためのエンドエフェクタであって、前記基板(2)が、基板主平面内に少なくともほぼかつ少なくとも部分的に配置されたリムセクション(5)を有し、前記エンドエフェクタ(1)が、少なくとも押圧領域(11)を提供する少なくとも押圧装置(10)と、少なくとも支持領域(21)を提供する少なくとも支持装置(20)とを備え、前記エンドエフェクタ(1)が、前記基板(2)のクランプ状態において、前記基板(2)を第1の表面(3)において押圧装置(10)の押圧領域(11)によりクランプし、かつ前記第1の表面(3)に対して前記基板(2)の反対側に配置された第2の表面(4)において支持装置(20)の支持領域(21)によりクランプするように構成されている、エンドエフェクタにおいて、
前記支持装置(20)に対して相対的に前記押圧装置(10)を案内するためのガイド(15)を備えることを特徴とする、エンドエフェクタ。
【請求項2】
前記ガイド(15)が、前記ガイド(15)の相対移動中に前記基板(2)に弾性押圧力を加えるように配設された弾性ガイドを備える、請求項1記載のエンドエフェクタ。
【請求項3】
前記ガイド(15)が、ガイド要素としてばね(12)を備える、請求項2記載のエンドエフェクタ。
【請求項4】
前記支持装置(20)の前記支持領域(21)が、前記押圧装置(10)の側から見て、前記基板(2)の外側から前記基板(2)の裏側の位置に前記基板(2)の外縁を少なくとも部分的に横切って移動可能であるように、前記支持装置(20)が、前記押圧装置(10)に対して相対的に前記基板主平面に対して平行な方向に移動可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項5】
前記支持装置(20)を移動させるためのアクチュエータ(30)を備える、請求項1から4までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項6】
前記アクチュエータ(30)が、前記支持装置(20)を前記基板主平面に対して平行な方向に移動させるように配置されており、
前記エンドエフェクタが、前記基板主平面に対して垂直に延びる部分と、前記基板主平面に対して平行に延び、かつ前記基板主平面に対して垂直に延びる部分に接続された部分(24)とを備える爪状部分を備え、
前記爪状部分が、前記アクチュエータ(30)と前記支持装置(20)とを備え、かつ前記アクチュエータ(30)が、前記基板主平面に対して垂直に延びる前記部分に対して相対的に前記支持装置(20)を移動させるように配置されているか、または前記支持装置(20)が、前記爪状部分を備える、
請求項4および5記載のエンドエフェクタ。
【請求項7】
前記アクチュエータ(30)が、前記基板(2)に対してかつ前記基板(1)のクランプ状態において、前記基板(2)の前記第1の表面の側に配置されている、請求項5または6記載のエンドエフェクタ。
【請求項8】
前記アクチュエータ(30)が、真空シリンダを備える、請求項5から7までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項9】
前記支持装置(20)が、前記真空シリンダ内の真空の作用によって前記基板(2)から離れるように移動可能である、請求項8記載のエンドエフェクタ。
【請求項10】
前記アクチュエータ(30)が故障した場合に、前記支持装置(20)を前記基板主平面に対して平行な方向で前記基板(2)に向かって移動させることができる安全装置(22)をさらに備える、請求項5から9までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項11】
前記支持装置(20)が、互いに間隔を有する複数の支持領域(21)を有する、請求項1から10までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項12】
前記支持領域(21)の少なくとも一部が、少なくともほぼ同一平面内に配置されている、請求項11記載のエンドエフェクタ。
【請求項13】
前記基板(2)のリムセクション(5)において3mm以下の厚さを有する基板(2)をクランプするように構成されている、請求項1から12までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項14】
少なくとも1つの支持領域(21)および/または少なくとも1つの押圧領域(11)が、細長い形状を有し、前記支持領域(21)および/または前記押圧領域(11)の長手方向が、前記基板(2)のクランプ状態において、前記基板(2)の前記リムセクション(5)に対して少なくともほぼ平行に配置されている、請求項1から13までのいずれか1項記載のエンドエフェクタ。
【請求項15】
請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つのエンドエフェクタ(1)を備える把持器具。
【請求項16】
前記少なくとも1つのエンドエフェクタ(1)を保持するように配置されたエンドエフェクタホルダ(50)を備え、前記エンドエフェクタホルダ(50)が、基板(2)に対して相対的に基板主平面を横切る方向に少なくとも部分的に移動可能である、請求項15記載の把持器具。
【請求項17】
補助支持体が設けられており、
前記補助支持体に対して前記エンドエフェクタ(1)が所定の相対位置に到達するまでは、前記把持器具が、前記基板(2)に対して相対的に前記エンドエフェクタ(1)を移動させるように構成されている、
請求項15または16記載の把持器具。
【請求項18】
前記エンドエフェクタホルダが、前記基板(2)の少なくともほぼ反対側に配置された少なくとも2つのエンドエフェクタ(1)を保持している、請求項16および17記載の把持器具。
【請求項19】
前記エンドエフェクタホルダが、それぞれ異なる方向から前記基板(2)を把持するように配置された少なくとも3つのエンドエフェクタ(1)を保持している、請求項18記載の把持器具。
【請求項20】
基板(2)をクランプするための方法であって、請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つのエンドエフェクタ(1)が、前記基板(2)をクランプするために使用され、前記エンドエフェクタ(1)が、前記基板(2)に向かって移動させられ、前記エンドエフェクタ(1)が前記基板(2)に向かって移動する間、押圧装置(10)が、前記基板(2)に接触し、かつ支持装置(20)に対して相対的に移動させられる、方法。
【請求項21】
前記基板(2)の第2の表面(4)の側において、支持領域(21)が前記基板(2)に対して相対的に配置される所定の位置に到達するまでは、前記基板(2)に向かう前記エンドエフェクタ(1)の移動が実施され、前記所定の位置においては、前記支持領域(21)が、前記基板(2)の外縁(6)を横切って移動させられる、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記支持領域(21)を前記基板(2)の前記外縁(6)を横切って移動させた後、前記支持領域(21)が前記基板(2)の前記第2の表面(4)に接触するまでは、前記エンドエフェクタ(1)が、前記基板(2)から離れるように移動させられる、請求項21記載の方法。
【請求項23】
前記エンドエフェクタ(1)が前記基板(2)に向かって移動する間、前記基板(2)がその第2の表面(4)において補助支持体によって支持される、請求項20から22までのいずれか1項記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スラブ状の基板をクランプするためのエンドエフェクタであって、基板が、基板主平面内に少なくともほぼかつ少なくとも部分的に配置されたリムセクションを有し、エンドエフェクタが、少なくとも押圧領域を提供する少なくとも押圧装置と、少なくとも支持領域を提供する少なくとも支持装置とを備え、エンドエフェクタが、基板のクランプ状態において、基板を第1の表面で押圧装置の押圧領域によりクランプし、かつ第1の表面に対して基板の反対側に配置された第2の表面で支持装置の支持領域により基板をクランプするように構成されている、エンドエフェクタに関する。さらに、本発明は、基板をクランプするための把持器具および方法に関する。
【0002】
発明の背景
最新技術では、例えば1つ以上の真空カップを使用することで、真空による吸引を使用してエンドエフェクタによって基板を把持することが知られている。これは、基板を処理する側で使用すると、そのような真空カップが表面の大部分を占めるという欠点を有している。しかしながら、多くの製造工程では、基板を処理するのと同じ側から基板を把持することが望ましい。さらに、吸引領域の力は肉薄の基板を変形させる傾向がある。また、狭いリムセクションのみで基板を把持することはできない。
【0003】
別の可能性は、基板を保持するためにベルヌーイ効果を使用することである。しかしながら、これもまた、基板に対して空気を流すために基板のかなり大きな保持領域を確保しなければならないという欠点を有しており、圧力差が保持領域のすべての場所で同一でない場合に、基板の変形が生じる。また、ベルヌーイ効果によって基板を把持すると、基板表面の大部分がエンドエフェクタによって占有される。これは、基板が、処理される側で把持されている場合に特に不利である。さらに、半導体製造などのウルトラクリーン用途では、クリーン環境を汚染しないように、徹底的に浄化された空気を使用する必要がある。これにより、この種のエンドエフェクタは、そのような用途においては高価になる。
【0004】
例えば、形状記憶合金製の要素によって駆動することができるエンドエフェクタとして機械的なグリッパを使用することも知られている。しかしながら、そのような要素は、反応が比較的遅く、動作中に熱を発生させ、それに対応して、比較的多くのエネルギーを消費するという欠点を有する。最後に、形状の連動によって相互作用する機械的な要素は、クリーン環境を汚染する可能性のある粒子を生成する可能性がある。
【0005】
発明の目的
本発明の目的は、クリーン環境で使用することができ、基板の表面の大部分を占有せず、迅速に動作することができ、エンドエフェクタによる大きな変形なしに基板をハンドリングすることができるエンドエフェクタを提供することである。
【0006】
発明の概要
本発明の主題はエンドエフェクタである。このエンドエフェクタは、ガイドによってエンドエフェクタの支持装置に対して相対的にガイドされる押圧装置を備える。したがって、エンドエフェクタは、それぞれ異なる厚さの基板または基板の厚さ方向に異なる位置を有するリムセクションを有する変形した基板を、リムセクションのそれぞれ異なる場所、換言すれば、均一ではないリムセクションでクランプすることができる。クランプ工程では、エンドエフェクタの移動が基板に対して相対的に行われ、基板をクランプする工程中、エンドエフェクタの押圧領域と支持領域との間の開口の大きさを変化させる。このような移動は、ガイドの移動を引き起こすことができる。このようにして、押圧装置は、基板をクランプするのに適切な支持装置に対して相対的な位置に到達することができる。ガイドの移動は、厚さ方向の差異を補償して、基板をその厚さまたは変形とは無関係にクランプすることができる。変形とは、均一な基板の場合に真っ直ぐまたは平坦から逸脱していることを意味する。
【0007】
したがって、本発明は、ゆえに、スラブ状の基板をクランプするためのエンドエフェクタであって、基板が、基板主平面内に少なくともほぼ少なくとも部分的に配置されたリムセクションを有し、エンドエフェクタが、少なくとも押圧領域を提供する少なくとも押圧装置と、少なくとも支持領域を提供する少なくとも支持装置とを備え、エンドエフェクタが、基板のクランプ状態において、基板を第1の表面で押圧装置の押圧領域によりクランプし、かつ第1の表面に対して基板の反対側に配置された第2の表面で支持装置の支持領域によりクランプするように構成されている、エンドエフェクタを提供する。押圧装置は、支持装置に対して相対的に押圧装置を案内するためのガイドを備える。ガイドは、エンドエフェクタによって基板をクランプする工程中に、エンドエフェクタが基板に対して相対的に移動可能であるように、支持装置に対して相対的に押圧装置を案内するように配置することができる。
【0008】
従属請求項は、本発明の実施形態に関する。
【0009】
このようなエンドエフェクタは、基板をクランプするために使用することができる。この特許出願では、複数のエンドエフェクタによる基板のハンドリングに関連して「把持」という用語が使用されている。スラブ状とは、基板の一方向の寸法が、第1の方向に対して垂直な2つの方向の寸法よりも大幅に小さいことを意味する。つまり、基板は平形の基板である。
【0010】
特に、基板の第1および第2の表面は、基板主平面と少なくともほぼ同一の方向を有する。基板は、基板主平面の輪郭に比べて薄くすることができる。例えば、それは、5mm未満、好ましくは2.5mm未満、さらには1mm未満の厚さを有することができる。好ましくは、それに有害でない一定の量まで柔軟である。基板は、丸形、特に円形もしくは角度付きの輪郭形状、特に矩形、または直線もしくは湾曲することができるエッジおよび接続セクションを有する任意の輪郭形状を有することができる。基板は、例えば、プリント回路基板またはプリント回路箔もしくはウェーハとすることができる。
【0011】
特に、そのようなエンドエフェクタは、化学的に攻撃的な環境で、好ましくはめっきされる基板をハンドリングするために使用することができる。代替的または追加的に、環境は、クリーンルームなどのクリーン環境とすることができる。例えば、基板は、特に電気化学的もしくは化学的に処理される、または半導体もしくはプリント回路基板の製造工程で処理される対象とすることができる。例えば、処理はめっきとすることができる。基板は、例えば、100mm、好ましくは150mm、200mm、または300mmを超えるサイズの、好ましくはシリコンのウェーハとすることができる。
【0012】
ガイドの可能な移動量または許容移動量は、少なくとも1mm、より具体的には少なくとも3mm、例えば少なくとも12mmとすることができる。シリコンウェーハは、変形や厚さの違いが比較的小さく、1mmで十分であり、多くの場合、他の材料の基板でも3mmで十分である。例えば、基板は、プラスチック材料、特に、強化材料を含むことができる成形複合材料または硬化樹脂材料製とすることができる。これは、例えば、プリント回路基板とすることができる。特に、そのような基板は、主平面において、例えば200mmを超える非常に大きな寸法を有する場合がある。そのため、厚さ方向の変形が大きくなる可能性がある。例えば、ガイドの許容移動量は12mmで、一般的な方法でほとんどすべてのプリント基板をクランプするのに十分とすることができる。しかしながら、プリント回路基板をクランプする特定の場合には、特に基板の典型的な厚さと変形に応じて、ガイドの移動量を12mm未満とすることもできる。
【0013】
一実施形態では、ガイドが、ガイドの相対移動中に基板上に弾性押圧力を加えるように配置された弾性ガイドを備える。
【0014】
したがって、ガイドの相対移動中に基板に押圧力、特に弾性押圧力を加えることが提案されている。押圧力は、特に弾性ガイドによって発生させることができる。基板への押圧力は、基板表面の押圧領域に加えられる。押圧力は、基板主平面に向けられることが好ましい。可撓性のない押圧装置と比較した場合の利点は、基板が変形する場所、またはより厚い場所で押圧領域に加えられる押圧力が比較的小さくなることである。したがって、基板を損傷するリスクが小さくなり、基板は慎重にハンドリングされる。しかしながら、厚さ方向において基板の変形している基板のリムセクションの場所で、基板の均一な形状に向かってそれを押圧することができるより高い押圧力によって、基板の変形を減少させること、または平坦化することは依然として可能である。厚さ方向に変形する基板の領域は、弾性押圧力の場合に、より強い押圧力を受けることができる。本発明による複数のエンドエフェクタを備える把持器具において、基板が変形する場所に位置決めされたエンドエフェクタが、基板を両側からクランプせず、基板の片側にのみ押圧力を加えることも可能である。
【0015】
弾性ガイドは、ガイド要素としてばねを備えるガイドによって実現することができる。特に、これらのガイド要素は、互いに平行に配置することができる細長いばねとすることができる。ガイドの移動方向は、ばねの伸長方向に対して横切る方向であることが好ましい。これは、ガイドの弾性移動中に、ばねの伸長寸法の方向への移動が同時にほとんど行われないという利点を有する。互いに平行に配置される細長いばねとしては、金属製の帯ばね、または線ばねを用いることができる。
【0016】
一実施形態では、ガイドは、基板主平面を少なくとも部分的に、例えば少なくともほぼ横切る方向に移動可能である。
【0017】
したがって、ガイドは、基板主平面に対して少なくとも部分的に法線方向に押圧装置を案内するように配置される。移動は、基板主平面に対してほぼ法線方向であってよい。力の伝達のために基板に接触するには、少なくともほぼ法線方向への押圧装置の移動が適切である可能性があるが、粒子を生成する可能性があるため、特にクリーン環境では、基板の表面を大きく摩擦する必要はない。このような摩擦は、基板がその主平面の方向に固定され、ガイドが移動ガイド方向だけでなく、この移動に対して法線方向で横切る方向の移動も生成する場合に発生する。基板がその主平面の方向に固定されていない場合、クランプ中に基板主平面の方向への横切る方向の移動によって移動する可能性があり、基板が特定の位置を必要とする場合に不利になる可能性がある。しかしながら、支持装置の一部が基板主平面に対して平行な移動とは、一部の移動が基板主平面に対して法線方向に移動し、他の一部が基板主平面の方向に移動することを意味する。これにより、基板主平面に対して斜め方向の移動が生じる。ガイドの主な目的は、このような移動でも達成することができる。
【0018】
クランプ中、基板は、基板の第2の表面の支持装置以外の場所に作用する補助支持体によって支持することができる。補助支持体は、エンドエフェクタによってクランプしようとする基板を配置することができる装置である。例えば、基板が基板の第2の表面の内側領域で補助支持体によって支持され、支持領域が基板の第2の表面のリムセクションにある場合、クランプの初期段階での押圧力は、基板の第1の表面に加えられ、反対側の補助支持体に伝達される。支持装置は、基板をクランプするこの段階ではまだ機能していない可能性がある。支持装置を作用させるために、支持装置は、基板の第2の側の支持領域まで、または支持領域にあるように位置決めすることができる。好ましくは、支持領域は、基板の反対側で、少なくとも押圧領域とほぼ同一の位置に配置される。
【0019】
補助支持体に対してエンドエフェクタを移動させるために、位置決め装置を設けることができる。これは、例えば、エンドエフェクタが取り付けられているロボットとすることができる。位置決め装置は、補助支持体に対してエンドエフェクタが所定の相対位置に到達するまで、補助支持体に対してエンドエフェクタを移動させることができる。弾性ガイドを使用する場合は、所定の相対位置において所定の押圧力を得ることができる。押圧装置のガイドが相対移動を案内する。好ましくは、所定の相対位置は、支持装置における支持領域が、基板に対して、基板の第2の表面の側に配置されるような位置である。
【0020】
次に、支持装置は、支持装置が把持位置になるように、押圧装置の側から基板に向かって見て、基板の裏側へ基板の外側から移動することができる。支持装置における支持領域は、その段階で第2の表面に対して法線方向に基板から離れることができる。これにより、基板の第2の表面に接触することなく、第2の表面に対して平行な支持装置の移動が可能となる。
【0021】
クランプ状態で、またはクランプ工程の一部の間、支持領域は、基板主平面に関して基板の形状の輪郭の内側に配置することができる。これは、基板主平面に向かって見たときに、支持装置の少なくとも一部が基板と重なるように、支持装置を基板に向かって移動させた結果とすることができる。基板の解放状態では、支持装置は基板主平面に向かって見て基板と重ならない。換言すれば、解放状態では、支持装置の支持領域は、上記の輪郭の外側に配置される。解放状態とクランプ状態の交替中に、支持装置の支持領域は基板の外縁を横切る。
【0022】
したがって、一実施形態では、支持装置の支持領域が、押圧装置の側から見て、基板の外側から基板の裏側の位置に基板の外縁を少なくとも部分的に横切って移動可能であるように、支持装置が、押圧装置に対して相対的に基板主平面に対して平行な方向に移動可能である。
【0023】
一実施形態では、エンドエフェクタが、支持装置を移動させるためのアクチュエータを備える。
【0024】
アクチュエータは、支持装置を押圧装置に対して相対的に基板主平面に対して平行な方向に移動させるように構成することができる。
【0025】
前の3つの実施形態を組み合わせた実施形態では、アクチュエータが、支持装置を基板主平面に対して平行な方向に移動させるように配置されており、エンドエフェクタが、基板主平面に対して垂直に延びる部分と、基板主平面に対して平行に延び、かつ基板主平面に対して垂直に延びる部分に接続された部分と備える爪状部分を備え、爪状部分が、アクチュエータと支持装置とを備え、かつアクチュエータが、基板主平面に対して垂直に延びる部分に対して相対的に支持装置を移動させるように構成されているか、または支持装置が、爪状部分を備える。
【0026】
エンドエフェクタが支持装置を移動させるためのアクチュエータを備える実施形態では、アクチュエータが、基板に対してかつ基板のクランプ状態において、基板の第1の表面の側に配置されている。
【0027】
エンドエフェクタが支持装置を移動させるためのアクチュエータを備える実施形態では、アクチュエータが、真空シリンダを備える。
【0028】
この実施形態の一例では、支持装置が、真空シリンダ内の真空の作用によって基板から離れるように移動可能である。
【0029】
エンドエフェクタが支持装置を移動させるためのアクチュエータを備えるエンドエフェクタの実施形態は、アクチュエータが故障した場合に、支持装置を基板主平面に対して平行な方向で基板に向かって移動させることができる安全装置をさらに備える。
【0030】
支持装置は、互いに間隔を有する複数の支持領域を有することができる。例えば、同一のアクチュエータまたは同一の安全装置によって、複数の支持領域を同時に移動することができる。支持領域の少なくとも一部は、少なくともほぼ同一平面内に配置することができる。このようにして、均一または多少変形した基板を支持することができる。複数の支持領域を有する利点は、基板をより広い領域で支持できることであるが、支持領域によって完全にそれを占有されることはない。次に、基板のより多くの領域を処理のために利用することができる。
【0031】
エンドエフェクタの一実施形態は、基板のリムセクションにおいて3mm以下の厚さを有する基板をクランプするように構成されている。
【0032】
この実施形態では、エンドエフェクタは、基板のリムセクションでクランプゾーンを使用する。リムセクションは、基板の外縁と内部または基板との間の幅を3mmとすることができ、シリコンウェーハもしくは同等の基板などの硬質および/または精密に製造された材料製の基板の場合には、それ以下とすることができる。あるいは、プラスチック材料またはシリコンではない別の材料で、成形されたプラスチック複合材料など、製造精度が低く、変形しやすい場合は、クランプゾーンは、12mm以下である。接触面積が小さいと、基板の小さな部分のみがエンドエフェクタによって占有され、基板のより多くの領域を処理できるという利点を有する。
【0033】
一実施形態では、少なくとも1つの支持領域および/または少なくとも1つの押圧領域が、細長い形状を有し、支持領域および/または押圧領域の長手方向が、それぞれ基板のクランプ状態において、基板のリムに対して少なくともほぼ平行に配置されている。このような細長い支持領域および/または押圧領域により、基板に加えられる面積あたりの力が少なくなり、エンドエフェクタの平坦化効果も増大する。好ましくは、互いに関連する支持領域および押圧領域は、少なくともほぼ同一の形状を有する。次に、基板が曲げ力を負担する必要がないため、基板への荷重が大幅に軽減される。
【0034】
前述のように、支持装置はアクチュエータによって移動可能である。移動は、基板の第2の表面ひいては基板主平面に対して平行とすることができる。アクチュエータが基板に対して基板の第1の表面の側に配置されている場合、エンドエフェクタはコンパクトな装置であることができる。支持装置は、その一部が基板のクランプ状態で基板の第2の表面に対して垂直に延び、前述の部分に接続されたその更なる一部が基板の第2の表面に対して平行に延びるような形状を有することができる。このようにして、クランプ状態で基板と係合できる一種の爪が形成される。
【0035】
支持装置は、安全装置によって移動可能とすることもできる。安全装置の目的は、アクチュエータが故障した場合に基板が落下しないようにすることである。換言すれば、エンドエフェクタは、通常は閉じており、アクチュエータの作用によって開くことが好ましい。アクチュエータが非作動の場合、安全装置は支持装置を基板に向かって移動させることができる。反対移動はアクチュエータで行うことができる。安全装置は、例えば安全ばねである。
【0036】
アクチュエータは真空シリンダとすることができる。真空シリンダは、空気圧式のような粒子の吹き出しを防ぎ、磁気アクチュエータのように強磁性粒子を引き付けない。真空シリンダは、真空の作用によって支持装置を基板から遠ざけるように構成することができる。
【0037】
押圧装置における少なくとも1つの押圧領域および/または支持装置における少なくとも1つの支持領域の材料は、フルオロエラストマー(FKM)またはパーフルオロエラストマー(FFKM)とすることができる。利点は、これらの種のエラストマーが摩耗片を生成する傾向が低く、したがって、クリーン環境での使用に適していることである。
【0038】
本発明の別の態様では、上述の実施形態の1つによる少なくとも1つのエンドエフェクタを備える把持器具が提案される。少なくとも1つのエンドエフェクタは、エンドエフェクタホルダによって保持することができ、エンドエフェクタホルダは、基板に対して相対的に基板主平面を少なくとも部分的に横切る方向に移動可能である。基板主平面に対して横切る方向とは、この方向が基板主平面に対して垂直であることを必ずしも意味しない。基板を適切に把持することができるように、ある程度傾斜していてもよい。
【0039】
把持器具の一実施形態は、補助支持体が設けられており、把持器具が、補助支持体に対するエンドエフェクタの所定の相対位置に到達するまで、基板に対して相対的にエンドエフェクタを移動させるように構成されている。
【0040】
把持器具は、基板の少なくともほぼ反対側の外縁領域に配置された少なくとも2つのエンドエフェクタを保持するエンドエフェクタホルダを備えることができる。反対側は、第1の表面または第2の表面から見て反対側である。基板は、重心に関して2つの反対側の側面で支持されることが好ましい。反対側で把持することで、把持位置の基板に大きな曲げ負荷をかけることなく、基板を持ち上げることが可能になる。エンドエフェクタホルダは、それぞれ異なる方向から基板を把持することができる少なくとも3つ、例えば4つ以上、例えば6つのエンドエフェクタを保持することができる。それぞれ異なる方向から基板を把持することは、形状嵌合のため、基板が把持器具から落下し得ないという利点を有する。なお、落下は、反対側でしか把持されていないときに起こり得る。それぞれ異なる方向とは、基板主平面に対して平行なそれぞれ異なる方向である。換言すれば、基板は、基板の円周に沿った異なる位置で把持される。ディスク状の平形の基板を保持するための実施形態において、少なくとも3つのエンドエフェクタは、隣接するエンドエフェクタの各対が中心軸に対して180°未満の角度を成すように、中心軸線の周りの基板主平面に対応するか、または基板主平面に対して平行な平面に配置することができる。
【0041】
把持器具は、例えば、基板を把持して第1の位置から第2の位置に搬送することができる多軸ロボットまたは多軸移動器具を備えることができる。多軸システムは、エンドエフェクタの支持装置が基板と係合できる位置に来るまで、第1にエンドエフェクタを基板に向かって移動させるという点で把持を行う。これは、基板を押圧する補助支持体を使用して行うことができる。補助支持体は、支持装置が基板と係合する場所で基板を支持しないことが好ましい。次に、把持器具は支持装置と係合することができる。その後、把持器具は把持した基板を搬送することができる。
【0042】
エンドエフェクタホルダに対して基板をセンタリングすることが可能である。基板主平面内の基板の周囲と係合する支持装置の部分間でセンタリングを行うことができる。好ましくは、基板に優しくするために、係合部は軟質である。しかしながら、基板とエンドエフェクタホルダとの間の適切な相対位置を得るために、硬質の係合部を使用することも可能である。この目的のために、基板の周囲に1つ以上、好ましくは2つのハードストップをエンドエフェクタホルダに配置することができる。
【0043】
本発明の更なる態様では、上述の実施形態の1つによる少なくとも1つのエンドエフェクタが基板をクランプするために使用される方法が提案される。この方法によれば、エンドエフェクタが、基板に向かって移動させられ、押圧装置が、基板に接触する。したがって、エンドエフェクタが、基板に向かうエンドエフェクタの移動中に支持装置に対して相対的に移動させられる。
【0044】
一実施形態では、基板へのエンドエフェクタの移動は、所定の位置に到達するまで行われる。所定の位置において、支持領域は基板の第2の表面の側に配置される。所定の位置に到達すると、支持領域を基板の外縁を横切って移動させることができる。これは、アクチュエータを作動させることにより、または好ましくは非作動にすることにより行うことができる。アクチュエータは、支持装置が外縁の内側に位置決めされている状態で非作動化することにより、デフォルトの位置に復帰することができる。支持領域を基板の外縁を横切って移動させた後、支持領域が基板の第2の表面に接触するまで、エンドエフェクタを基板から離れるように移動させることができる。次に、基板を押圧領域と支持領域との間にクランプする。
【0045】
エンドエフェクタの解放状態でも、基板に力を加えることができる。これが可能であるのは、基板の第1の表面に押圧力を加えることが、支持装置の支持領域での基板の支持から独立しているためである。代わりに、クランプ工程中に、基板の第2の表面の他の場所に作用する補助支持体によって基板を支持することができる。補助支持体は、エンドエフェクタによって把持されるために基板を置くことができる装置である。例えば、基板がその第2の表面の内側領域で補助支持体によって支持され、支持領域が基板の第2の表面のリムセクションである場合、押圧力は、基板の第1の表面に加えられ、基板の反対側の補助支持体に伝達される。これらの力がすでに作用した後、支持装置が作動し、支持領域で支持体を引き継ぐことができる。次に、補助支持体から遠ざかるエンドエフェクタの移動によって、補助支持体から押圧力を解放することができる。次に、押圧力は支持装置によって負担される。支持装置および押圧装置は両方ともエンドエフェクタの一部であるので、基板はエンドエフェクタのみに接続される。次に、それを別の場所、例えば処理ステーション、特にめっき器具に搬送することができる。
【0046】
把持器具は、エンドエフェクタホルダに配置することができる複数のエンドエフェクタを備えることができる。基板を把持するために複数のエンドエフェクタを同時に動作させるために、エンドエフェクタホルダを基板に対して位置決めすることができる。
【0047】
本発明によるエンドエフェクタは、把持器具と同様に、本発明による方法を行うように構成することができる。この方法は、本発明による把持器具を利用することができる。
【0048】
添付の図は、単なる例として、本発明の実施形態を示している。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】基板をクランプするときのエンドエフェクタの第1の実施形態の側面図である。
【
図2】基板をクランプするときのエンドエフェクタの第1の実施形態の上側からの斜視図である。
【
図3】基板のないエンドエフェクタの第1の実施形態の下側からの斜視図である。
【
図4】基板をクランプするときの、エンドエフェクタの第2の実施形態の他側からの斜視図である。
【
図5】基板のないエンドエフェクタの第2の実施形態の下側からの斜視図である。
【
図6】透明基板を把持するときの、第1の実施形態による6つのエンドエフェクタを備える把持器具の下側からの斜視図である。
【
図7】基板を把持するときの、第1の実施形態による6つのエンドエフェクタを備える把持器具の上側からの斜視図である。
【0050】
図1において、エンドエフェクタ1の第1の実施形態は、エンドエフェクタ1が基板2をその第1の表面3および第2の表面4においてクランプしているクランプ状態で示されている。エンドエフェクタ1は、押圧装置10と、支持装置20と、ガイド15と、真空シリンダ30とを備える。押圧接触要素13は、押圧装置10に配置されている。押圧接触要素13は、基板2の第1の表面3に向けられた押圧領域11を備える。支持装置20は、支持突出部24に配置される支持接触要素23を備える。基板2に対向する支持接触要素23の側には、支持領域21が配置されている。基板2は、押圧領域11と支持領域21との間でクランプされている。
【0051】
押圧接触要素13および/または支持接触要素23は、好ましくはエラストマー、最も好ましくはフルオロエラストマー(FKM)またはパーフルオロエラストマー(FFKM)製のリングまたはパッドとすることができる。
【0052】
押圧装置10は、ガイド15において案内される。ガイド15は、基板2の第1の表面3および第2の表面4に対して法線方向に移動可能である。ガイド15は、ガイドばね12として2つの平行な金属製の帯ばねを備える。ガイドばね12は、基板2の第1の表面3に対して少なくともほぼ平行に配置されている。押圧領域11が基板2の第1の表面3に接触しているとき、この種のガイド15は、基板2の第1の表面3をほとんどまたは完全に擦ることのない押圧装置10の案内移動を可能にする。さらに、案内移動中に破片が生成されないように、エンドエフェクタ1の部品間では、移動による機械的な係合は発生しない。ガイド15は、基板2から遠ざかる方向に案内移動する間、弾性押圧力を発生させる。図示のように基板のクランプ状態では、基板2に弾性力が加わる。
【0053】
真空シリンダ30はピストン31を備える。ピストン31は支持装置20を支持している。ピストン31の移動により、支持接触要素23が基板2の外縁6を越えることができる。
図1は、接触要素23が基板2に係合している位置にあるピストン31を示す。真空シリンダの使用は、空気が真空シリンダ30内に吸い込まれ、ピストン31の移動によって生成される破片が一緒に取り込まれるため、粒子の放出が少ないかまたはまったく発生しないという利点を有する。
【0054】
エンドエフェクタ1は、エンドエフェクタ1の前述の部品を接続セクション41に接続するホルダ40を備えており、このホルダ40においてエンドエフェクタ1を例えばロボットなどのハンドリング装置に接続することができる。
【0055】
図2は、エンドエフェクタ1の第1の実施形態の斜視図を示す。
【0056】
図2には、戻しばねの形態を有する安全装置22が示されている。安全装置22は、支持装置20および押圧装置10に固定されているが、接続部は
図2には示されていない。戻しばねはピストン31の移動方向に弾性的で可撓性である。支持装置20を、支持領域21が基板2に近接または係合している位置から、係合を解除され、基板2の外側にあり、かつ押圧装置10と相対している位置に向かって移動させることで、戻し安全装置22が緊張させられる。この移動は、真空シリンダ30のピストン31によって駆動される。真空が解除されると、安全装置22によって支持装置20を係合位置に駆動することができる。したがって、真空が作用しない場合、エンドエフェクタ1は、基板2がクランプされたままであるように、支持装置20の位置を維持することができる。安全装置22は、金属帯の形態を有することができる。このような安全装置22は、図示されているように、特にその長手方向の中間部、もしくは特に長手方向の端部において支持装置20に固定することができ、好ましくはその長手方向の両端部もしくは一端部において押圧装置10に接触することができる。
【0057】
さらに、
図2は、支持装置20を開くための真空供給ライン32を示している。
【0058】
ガイド15は、接続セクション41においてホルダ40に接続されている。好ましくは、ガイドばね12が、接続セクション41においてホルダ40にねじ締結されている。
【0059】
図3は、基板のないエンドエフェクタ1の第1の実施形態を下から見た斜視図で示している。押圧領域11を有する押圧接触要素13を見ることができる。
【0060】
図4は、第2の実施形態におけるエンドエフェクタ1の斜視図を示す。第1の実施形態とは対照的に、第2の実施形態では、押圧領域11および支持領域21が細長くされている。基板2は、基板2のリムセクション5に沿ってクランプされている。押圧領域11および支持領域21は、クランプ状態においてリムセクション5に沿って延びている。
【0061】
第2の実施形態では、エンドエフェクタ1は、複動式の真空シリンダ30を備える。この真空シリンダ30は、各作用方向にそれぞれ供給ライン32および33を有する。
【0062】
さらに、
図4には、エンドエフェクタ1のホルダ40が取り付けられるエンドエフェクタマウント50が示されている。
【0063】
図5は、基板のないエンドエフェクタ1の第2の実施形態を下から見た斜視図で示す。第1の実施形態とは対照的に、突出部24は、より広幅にされている。突出部24はそれぞれ、突出部24と同じ幅を有する支持領域21を提供する。押圧装置10の押圧領域11は、支持領域21と同じ幅で構成されている。押圧接触要素13の2つの押圧領域11の各々は、エラストマーコードのセクションによってそれぞれ提供されている。好ましくは、押圧領域11の長さは、突出部24の幅に適合している。細長い押圧領域11および対応する細長い支持領域21は、リムセクションに沿って基板をクランプするように適合させられている。
図5に示すように、弾性的なガイド15には、予荷重が加えられていてよく、ガイド15は、基板がなくても支持領域21を押圧している。
【0064】
図6は、把持器具100の第1の実施形態を下側から見た場合の斜視図を示す。把持器具100は、透明な基板2を把持している状態の6つのエンドエフェクタ1を備えている。図は、基板2の第2の表面4を斜めに示している。
【0065】
把持器具100のエンドエフェクタマウント50はリングの形態を有する。エンドエフェクタマウント50の外側輪郭(外側面)には、6つのエンドエフェクタ1がそれぞれのホルダ40で固定されている。把持器具100は、エンドエフェクタマウント50に関して反対側の位置に配置された3対のエンドエフェクタ1を備える。エンドエフェクタ1の対は、互いに角度を成して配置されている。このようにして、基板2を、把持器具100に対して所定の位置を有するように、それぞれ異なる方向から把持することができる。把持器具100は、ロボットアダプタ60を備え、ロボットアダプタ60において、把持器具100は、ロボットなどの図示しないハンドリング装置に接続することができる。
【0066】
図7は、基板2を把持する6つのエンドエフェクタ1を備える把持器具100の第2の実施形態の斜視図を示す。図は、基板2の第1の表面を斜めに示している。
図7は、
図6よりも詳細な把持器具100を示しており、第1の実施形態でも採用することができる。
【0067】
第1の実施形態の特徴に加えて、第2の実施形態はアダプタリング61を備える。アダプタリング61は、ロボットアダプタ60に取り付けられており、両者を一体に形成することができる。アダプタリング61は、エンドエフェクタマウント50をアダプタリング61に接続する2つのアダプタバー62を有する。エンドエフェクタマウント50は、ロボットアダプタ60の延長部にも接続されている。アダプタリング61は、基板のハンドリング時に発生する可能性のある機械的な損傷からエンドエフェクタ1を保護することができる。
【0068】
本発明の原理を特定の実施形態に関連して説明し、説明のために提供したが、本明細書を読めば当業者にはその様々な変更が明らかになることを理解されたい。したがって、本明細書に開示される発明は、添付の特許請求の範囲内に入るような変更を含むことを意図していることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
【符号の説明】
【0069】
1 エンドエフェクタ
2 基板
3 基板の第1の表面
4 基板の第2の表面
5 基板主表面における基板のリムセクション
6 基板主表面における基板の外縁
10 押圧装置
11 押圧領域
12 ガイドばね
13 押圧接触要素
14 溝
15 ガイド
20 支持装置
21 支持領域
22 安全装置
23 支持接触要素
24 支持突出部
30 アクチュエータ
31 ピストン
32 開放用の真空供給ライン
33 閉鎖用の真空供給ライン
40 ホルダ
41 接続セクション
50 エンドエフェクタマウント
60 ロボットアダプタ
61 アダプタリング
62 アダプタバー
100 把持器具
【国際調査報告】