(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(54)【発明の名称】ガイド延長カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61M 25/06 20060101AFI20220111BHJP
【FI】
A61M25/06 550
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021528999
(86)(22)【出願日】2019-10-30
(85)【翻訳文提出日】2021-05-21
(86)【国際出願番号】 US2019058783
(87)【国際公開番号】W WO2020112293
(87)【国際公開日】2020-06-04
(32)【優先日】2018-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520118876
【氏名又は名称】テレフレックス ライフ サイエンシズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100159846
【氏名又は名称】藤木 尚
(72)【発明者】
【氏名】ブラー クリストファー イー
(72)【発明者】
【氏名】ブレニザー ジョシュア
(72)【発明者】
【氏名】ピーターソン ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ホルン ロイク
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267AA14
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB10
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB19
4C267BB20
4C267BB26
4C267BB31
4C267BB39
4C267BB40
4C267BB43
4C267BB63
4C267CC09
4C267CC19
4C267GG02
4C267GG03
4C267GG05
4C267GG06
4C267GG21
4C267GG36
4C267HH08
4C267HH17
(57)【要約】
ガイド延長カテーテル及び関連の方法を開示する。ガイド延長カテーテルは、細長チューブ部材、プッシュ部材、及び外部操作部材を含むことができる。プッシュ部材は、チューブ部材に対して偏心的に結合され、かつそこからガイドカテーテルの遠位端内に及び部分的にそれを超えてチューブ部材を摺動可能に位置決めするために近位に延びることができる。操作部材は、プッシュ部材の近位端に結合することができ、操作部材は、チューブ部材及びプッシュ部材がユーザ介入なしに静止して留まるように、外部物体に取り付けることによってガイド延長カテーテルを使用中に定位置に固定するように構成することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面内径を有する連続管腔を含む予め定められた長さのガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルであって、
前記ガイドカテーテルの連続管腔の前記断面内径を通して挿入可能であるようなサイズにされた断面外径を有する円形断面を有し、かつ非観血心臓病デバイスがそれを通って挿入可能である断面内径を有する同軸管腔を定める細長チューブ部材と、
前記チューブ部材が前記ガイドカテーテルを通して進められることを可能にするほど十分に剛性であるプッシュ部材であって、該プッシュ部材が、該細長チューブの近位であり、かつそれに作動可能に接続され、該プッシュ部材が、該チューブ部材の前記断面外径よりも小さい近位部分での最大断面直径を有し、かつ該チューブ部材の長さと組み合わされた時に該ガイドカテーテルよりも長い長さを有し、そのために該チューブ部材の少なくとも遠位部分が該ガイドカテーテルの遠位端の遠位に延ばされる時に該プッシュ部材の該近位部分の少なくとも一部分が該チューブ部材の前記同軸管腔を通して挿入可能な前記非観血心臓病デバイスと共通の止血バルブを通って近位に延びる前記プッシュ部材と、
前記プッシュ部材に結合され、ガイド延長カテーテルを使用中に定位置に固定するように構成された操作部材と、
を含むことを特徴とするガイド延長カテーテル。
【請求項2】
前記操作部材は、前記プッシュ部材の近位端に結合されることを特徴とする請求項1に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項3】
前記操作部材は、外部物体の少なくとも一部分に取り付けるように構成された少なくとも1つの結合部材を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの結合部材は、前記外部物体を受け入れて捕捉するように構成された可撓性クリップ又はクランプを含むことを特徴とする請求項3に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項5】
前記少なくとも1つの結合部材は、前記操作部材の本体に固定された第1の端部と該操作部材の該本体と解除可能に係合可能な第2の端部とを含むタブを含むことを特徴とする請求項3に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項6】
前記タブは、前記第1の端部と前記第2の端部の間の可撓性部分を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項7】
前記タブの前記第2の端部は、該タブの面から延びて前記操作部材の前記本体によって定められた開口内に挿入可能である突起を通じて該操作部材の該本体と解除可能に係合するように構成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項8】
前記操作部材は、前記チューブ部材と前記プッシュ部材を組み合わせたものと少なくとも同程度の重さがあることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項9】
前記操作部材は、包含的に約1オンスから約8オンスの重さがあることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項10】
前記チューブ部材は、可撓性円筒形遠位先端部分と、該可撓性円筒形遠位先端部分に対して近位である補強部材を有する可撓性円筒形部分とを含み、
前記チューブ部材の遠位部分が、該チューブ部材の近位部分よりも可撓性が高い、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項11】
前記チューブ部材は、内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含むことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項12】
前記チューブ部材の前記近位部分は、長手軸線に沿った距離にわたって延びて該近位部分が前記ガイドカテーテルの前記連続管腔内に位置付けられている間に前記非観血心臓病デバイスを前記同軸管腔の中に受け入れるために該長手軸線に対して横断方向に定められた長手側面からアクセス可能な近位側面開口部を定める構造を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項13】
前記近位側面開口部は、凹面軌道の長さに沿って前記非観血心臓病デバイスを誘導するように構成された該凹面軌道を定めることを特徴とする請求項12に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項14】
前記同軸管腔を通して挿入可能な前記非観血心臓病デバイスは、ステント、ステントカテーテル、又はバルーンカテーテルであることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項15】
連続管腔を有するガイドカテーテルの遠位端を血管を通して冠動脈の口まで進める段階と、
ガイド延長カテーテルの遠位端を前記ガイドカテーテルを通してかつその前記遠位端を超えて進める段階であって、該ガイド延長カテーテルのチューブ部材の近位であってそれと作動可能に接続された該ガイド延長カテーテルのプッシュ部材を該ガイドカテーテルの前記連続管腔の中に進める段階を含み、該プッシュ部材が、該チューブ部材の断面外径よりも小さい近位部分での最大断面寸法を有し、かつ該チューブ部材の長さと組み合わされた時に該チューブ部材の遠位端部分が該ガイドカテーテルの該連続管腔を通してかつ該ガイドカテーテルの該遠位端を超えて伸張可能である一方で該プッシュ部材の近位端が該ガイドカテーテルの近位端に位置決めされた止血バルブを通して伸張可能であるような長さを有し、
前記プッシュ部材の前記前進が、前記ガイド延長カテーテルの側面開口部が前記ガイドカテーテルの前記連続管腔内に位置決めされている間の該ガイドカテーテルの前記遠位端を超える前記チューブ部材の前記遠位端部分の前進を引き起こし、該側面開口部が、該ガイド延長カテーテルの長手軸線に沿った距離にわたって延び、かつ該長手軸線に対して横断方向に定められた長手側面からアクセス可能であり、前記チューブ部材が、該ガイドカテーテルの該連続管腔と同軸の管腔を定め、かつ非観血心臓病デバイスがそれを通して挿入可能である断面内径を有する、
前記進める段階と、
前記プッシュ部材の前記近位部分に結合された操作部材を前記止血バルブに対して外部の位置で固定することにより、前記ガイド延長カテーテルの前記チューブ部材の前記遠位端部分を前記ガイドカテーテルの前記遠位端を超えて維持する段階と、
前記ガイドカテーテルの前記遠位端を超えて位置決めされた前記チューブ部材の前記遠位端部分を維持しながら、バルーンカテーテル又はステントを前記止血バルブを通して該ガイドカテーテルの前記連続管腔の中に、前記側面開口部の中に、かつ該チューブ部材の前記同軸管腔を通して前記冠動脈の中に進める段階と、
含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記操作部材を固定する段階が、該操作部材を手で保持する段階を排除することを特徴する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記操作部材を固定する段階が、該操作部材の結合部材を通じて外部物体を受け入れて捕捉する段階を伴うことを特徴する請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記結合部材は、可撓性クリップ、クランプ、又はタブを含むことを特徴する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記操作部材は、前記プッシュ部材と前記チューブ部材を組み合わせたものと少なくとも同程度の重さがあり、
前記操作部材を固定する段階が、それを面上に置く段階を含む、
ことを特徴する請求項15から請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記操作部材は、包含的に約1オンスから約8オンスの重さがあることを特徴する請求項15から請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記チューブ部材は、可撓性円筒形遠位先端部分と、該可撓性円筒形遠位先端部分に対して近位である補強部材を有する可撓性円筒形部分とを含み、
前記チューブ部材の遠位部分が、該チューブ部材の近位部分よりも可撓性が高い、
ことを特徴する請求項15から請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権の主張〕
引用によって本明細書にその全体が組み込まれている「ガイド延長カテーテル」という名称で2018年11月27日出願のシリアル番号62/771,658を有する米国仮特許出願に対する優先権の利益をこれにより主張する。
【0002】
本特許文献の主題は、医療デバイスの分野に関する。より具体的には、以下に限定されないが、その主題は、ガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
非観血心臓病手順は、大動脈から分岐する冠動脈の中にカテーテルを通して治療ガイドワイヤ又は他の器具を挿入することを多くの場合に伴っている。冠動脈疾患では、冠動脈は、アテローム硬化性プラーク又は他の病巣によって狭くなる又は塞がれる場合がある。これらの病巣は、動脈の管腔を全体的に塞ぐ場合があり、又は動脈の管腔を劇的に狭くする場合がある。狭くなることは狭窄と呼ばれる。閉塞性冠動脈疾患を診断して治療するために、冠動脈の閉塞又は狭窄を通してかつそれを超えて治療ガイドワイヤ又は他の器具を通すことが一般的に必要である。
【0004】
狭窄を治療するために、ガイドカテーテルは、大動脈を通って冠動脈口の中に挿入することができる。これは、時には導入器ガイドワイヤの補助によって達成される。ガイドカテーテルは、典型的に、治療される動脈の開口部又は動脈口に隣接して着座され、治療ガイドワイヤ又は他の器具は、ガイドカテーテルの管腔を通過して閉塞又は狭窄を超えて動脈の中に挿入される。硬い病巣又は蛇行した生体構造と交差することは、ガイドカテーテルを治療されている動脈口に隣接するその位置から押しのけるのに十分な逆向きの力を生じる可能性がある。これは、非観血心臓専門医がある一定の形態の冠動脈疾患を治療することを困難にする又は不可能にする可能性がある。
【0005】
追加の支援サポートを提供するために同軸ガイドカテーテルを標準ガイドカテーテルと併せて使用することができる。同軸ガイドカテーテルは、その遠位端が標準ガイドカテーテルの遠位端を超えて延びるまで標準ガイドカテーテルを通過することができ、それによって狭窄を隠匿する分岐動脈内に同軸ガイドカテーテルの遠位端を位置決めする。同軸ガイドカテーテルは、すなわち、ガイド延長カテーテルと呼ばれる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,048,032号明細書
【特許文献2】米国特許第8,142,413号明細書
【特許文献3】RE45,760
【特許文献4】RE45,776
【特許文献5】RE46,116
【特許文献6】米国特許出願第15/581,176号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、困難な生体構造、例えば、ロバストな閉塞を隠匿する狭い血管内の非観血手順を行うためにガイドカテーテルに適合するガイド延長カテーテルを提供する必要性が存在することを認識している。本発明者は、非観血手順中に非観血デバイス及びガイドカテーテルに対して支援サポートを増大する必要性が存在することも認識している。ガイド延長チューブを含むガイド延長カテーテルは、冠血管系の個別領域にアクセスし、かつ当該の血管口又は分枝からのガイドカテーテル脱退なしに非観血デバイスの正確な配置を容易にするためにガイドカテーテルと併せて使用することができる。
【0008】
本発明者は、特に複数の非観血デバイスが同時に使用される時にガイド延長カテーテルを手術中に定位置に保持することが困難である可能性があることを更に認識している。ガイド延長カテーテルの移動は、1又は2以上の器具が治療部位から押しのけられた状態をもたらす場合があり、これは、再アクセスするのが困難であると考えられる。従って、使用中にガイド延長カテーテルを定位置に固定することができる新しいデバイス又は技術が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ガイド延長カテーテル及び関連の方法をこの特許文献に開示する。ガイド延長カテーテルは、細長チューブ部材(ガイド延長チューブとも呼ばれる)及びプッシュ部材(実質的に剛性の部分とも呼ばれる)を含むことができる。非観血心臓病デバイスの通過を可能にするほど十分に大きい管腔を持たない場合があるプッシュ部材は、チューブ部材をガイドカテーテルの遠位端内にかつ部分的にこれを超えて当該の血管口の中に摺動可能に位置決めするためにチューブ部材に偏心的に結合することができる。プッシュ部材の近位端又は近位部分は、ガイド延長カテーテルを使用中に定位置に固定するように構成された近位操作部材と結合することができる。
【0010】
本発明のガイド延長カテーテル及び関連の方法の以上の及び他の実施形態及び特徴は、少なくとも部分的に以下の「発明を実施するための形態」に列挙している。この「発明の概要」は、本発明の主題の非限定的な実施形態を提供することを意図しており、開示する実施形態の限定的又は包括的解説を提供するように意図していない。以下の「発明を実施するための形態」は、本発明のガイド延長カテーテル及び方法に関する更に別の情報を提供するために含まれるものである。
【0011】
図面では、同じ番号はいくつかの図を通して類似の特徴及び構成要素を説明するのに使用することができる。図面は、一般的に、限定的ではなく一例として、この特許文献で議論する様々な実施形態を例示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】大動脈を通って冠状血管口まで進んだガイドカテーテルの平面図である。
【
図2】治療のための閉塞血管の中への非観血デバイスの送出のためにガイドカテーテルと併せて使用される少なくとも1つの実施形態によって構成された時のガイド延長カテーテルの平面図である。
【
図3】部分的に分割ガイドカテーテル内にある少なくとも1つの実施形態によって構成された時のガイド延長カテーテルの側面図である。
【
図4】ガイドカテーテル内の少なくとも1つの実施形態によって構成された時のガイド延長カテーテルの長さに沿った断面図である。
【
図5】ガイドカテーテル内の少なくとも1つの実施形態によって構成された時のガイド延長カテーテルの長さに沿った断面図である。
【
図6】ガイドカテーテル内の少なくとも1つの実施形態によって構成された時のガイド延長カテーテルの長さに沿った断面図である。
【
図7】少なくとも1つの実施形態によって構成された時のガイド延長カテーテル及び部分的に分割ガイドカテーテル内の非観血デバイスの側面図である。
【
図8A】ガイド延長カテーテルと共に含まれた少なくとも1つの実施形態によって構成された時の操作部材の前面図である。
【
図9A】少なくとも1つの実施形態によってガイド延長カテーテルに含まれた補強部材の斜視図である。
【
図9B】少なくとも1つの実施形態によってガイド延長カテーテルに含まれた別の補強部材の斜視図である。
【0013】
図面は、必ずしも縮尺通りではない。ある一定の特徴及び構成要素は、縮尺で又は図式形態で誇張されて示される場合があり、一部の詳細は、明瞭性及び簡潔性を得るために示されない場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この特許文書は、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、ステント、又はステントカテーテルのような非観血デバイスを経皮的に進める時に血管に支持及び誘導を提供するためにガイドカテーテル内に置かれるガイド延長カテーテルを開示する。ガイド延長カテーテルは、例えば、引用によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第8,048,032号明細書、米国特許第8,142,413号明細書、RE45,760、RE45,776、及びRE46,116に説明されているように、その遠位端部分がガイドカテーテルの遠位端を過ぎて望ましい血管の中に延びることができ、一方でその中間部分がガイドカテーテル内に留まるようにガイドカテーテルの連続管腔を通過するように構成される。ガイド延長カテーテルは、非観血手順中に望ましい血管口又は分枝に着座して留まるガイドワイヤの機能を改善する。ガイド延長カテーテルの近位端又は近位部分に取り付けられた操作部材は、使用中にガイド延長カテーテルを固定することができ、それによってガイド延長カテーテルの操作を簡素化し、かつデバイスの絡み合いを最小にする。
【0015】
本発明のガイド延長カテーテルは、経皮経管腔冠動脈非観血法を行う非観血心臓専門医によって大きい有用性を見出すことになると考えられる。この特許文献の残りの部分は、一般的にそのような使用を議論して例示するが、ガイド延長カテーテルは、非観血デバイスが使用される又は使用することができる患者の身体全体を通して他の非冠動脈病的血管又は他の中空構造(例えば、胆道、尿管、その他)を治療するのに使用することもできることを理解しなければならない。
【0016】
低侵襲性心臓非観血法は、世界中で利用され、多くの場合に
図1に示すように治療ガイドワイヤ112及びガイドカテーテル102の使用を含む。ガイドワイヤ112は、血管をナビゲートして当該の患部又は血管セグメントに到達するように設計された細長小径部材を含むことができる。ガイドワイヤは、例えば、より小さいワイヤコイル又は編組に包まれた中実鋼又はニチノールコアワイヤ及び/又は中実コアワイヤを含む様々な構成にもたらすことができる。ガイドカテーテル102は、その長さに沿って主又は連続管腔104を定める細長チューブ部材を含むことができる。ガイドカテーテル102は、例えば、ポリウレタンで形成することができ、冠動脈口106(又は患者の身体内の当該の他の領域)へのその前進を容易にするように成形することができる。Fがフレンチカテーテルスケール(カテーテル直径を測定する単位(1F=1/3mm))の略称である6F、7F、8Fガイドカテーテルのようなあらゆるサイズにされたガイドカテーテル102は、大腿又は橈骨動脈で挿入されて大動脈108を通して冠動脈110の口106に隣接する位置まで進めることができる。
【0017】
典型的な手順では、挿入ガイドワイヤ又は治療ガイドワイヤ112及びガイドカテーテル102は、大動脈108の弓114を通して口106まで進むことができる。次に、ガイドワイヤ112は、口106を超えて冠動脈110の中に進むことができる。しかし、ガイドカテーテルの遠位端116の直径及び剛性は、口106を超えて冠動脈110の中にデバイスを安全に進めることを許容しない場合がある。
【0018】
口106でガイドカテーテルの遠位端116の位置を維持することは、ガイドワイヤ112又は他の非観血デバイスがその更に別の遠位前進を通して患部(例えば、狭窄病巣118)に成功裏に到達することを容易にすることができる。定位置のガイドカテーテル102により、力をガイドワイヤの近位端に印加し、ガイドワイヤ112を病巣118にかつそれを超えて押し出すことができ、治療カテーテル(任意的にバルーン又はステントを含む)は、ガイドワイヤ112を通り過ぎてその部位を治療することができる。ガイドワイヤ112又は治療カテーテルへの力の印加は、ガイドカテーテル102が冠動脈110の口106から押しのけられることを引き起こす可能性がある場合があり、そのような場合に、ガイドワイヤ又は治療カテーテルは、ガイドカテーテルの位置合わせ及び支持とは無関係に更に遠位に進められて病巣118に到達しなければならない。これは、ガイドワイヤ112又は治療カテーテルを病巣にかつそれを超えて通すことが多くの場合に困難である硬い狭窄病巣118又は蛇行した生体構造の場合に発生する可能性がある。心臓の固有の拍動も、ガイドカテーテルの遠位端116にその位置決めを失わせる可能性があり、又は他にシフトされる可能性があり、そのために、それは、ガイドワイヤ112又は治療カテーテルを病巣118を含む冠動脈110の部分の中に位置合わせして支持するようにもはや位置決めされない。
【0019】
図2に示すように、本発明のガイド延長カテーテル200は、冠動脈210及び狭窄病巣218へのアクセスを改善することができる。ガイド延長カテーテル200は、ガイドカテーテル202の長さ(例えば、130cm-175cm、又はそれ以上)よりも大きい集合的長さを有する比較的可撓性の細長チューブ部材220及びプッシュ部材222を含むことができる。チューブ部材220の外径は、病巣218を閉じ込める冠動脈又はその分枝の中へのその遠位端部分224の挿入を許容するようなサイズにすることができ、それによってガイドカテーテル202の遠位端216を超えて病巣まで及びそれを超える非観血デバイス(例えば、治療カテーテル)のための位置合わせ及び支持を提供する。より小さいサイズにされた動脈又は分枝の中へのチューブ部材220の延長も、手術中に動脈の口206でガイドカテーテル202の位置を維持するのに役に立つ。
【0020】
手術医は、ガイドワイヤ212の上で及びガイドカテーテルの遠位端216を通して及びそれを超えて冠動脈210の中にチューブ部材220の遠位端部分224を進めることができる。チューブ部材220の近位端部分226は、ガイドカテーテル202内に留まることができる。次に、手術医は、治療カテーテルの作動部分がチューブ部材の遠位端部分224を超えて位置決めされるまで、ガイドワイヤ212の上でガイドカテーテル202の主管腔204を通して及びチューブ部材220の管腔228を通して治療カテーテルを送出することができる。次に、手術医は、ガイドカテーテル202上に追加の支援サポートを有し、それによって治療カテーテルを押して進める余分な機能を提供する標準技術を使用して病巣218を治療することができる。
【0021】
一般的に、管腔228及び従ってチューブ部材220は、ガイドワイヤ及びそれを通る治療カテーテルのような1又は2以上の非観血デバイスを通すようなサイズにされ、かつそのように成形することができる。管腔228の断面形状は、ガイドカテーテルの主管腔204の断面形状に類似することができる。例えば、一部の例では、管腔228の断面形状は、その長さに沿って実質的に均一とすることができる。他の例では、断面直径は、チューブ部材220の長さに沿って異なる場合がある。そのような実施例の実施形態により、チューブ部材220の遠位端部分224は、例えば、近位端部分226に対してより狭く、例えば、先細にすることができる。これに加えて又はこれに代えて、チューブ部材220近位及び遠位部分は、1又は2以上の先細部分によって分離することができる。そのような実施形態では、チューブ部材220の各異なるサイズにされた部分の長さも変化する可能性があり、一部の例では、チューブ部材の遠位部分224は、最も長くすることができる。異なるサイズにされた近位及び遠位部分を含む例では、チューブ部材の近位部分226と遠位部分224の間の直径の差は、約1F~約4F又はその間のどこかとすることができる。
【0022】
チューブ部材220の外径は、チューブ部材220がガイドカテーテル202の中にかつそれを通って同軸上に摺動することを可能にする最大断面寸法を取ることができる。他の実施形態では、チューブ部材220の外側断面寸法は、許容最大値よりも小さくすることができる。例えば、8Fガイドカテーテルでは、チューブ部材220は、7F、6F、5F、4F、又はそれよりも小さい直径を有することができる。一部の実施形態では、チューブ部材220の管腔228の直径は、ガイドカテーテル202の管腔204の直径よりも小さい約1フレンチサイズよりも大きくない。一実施形態では、ガイド延長カテーテル200は、非観血心臓病手順で一般的に使用される8F、7F、及び6Fガイドカテーテルの内部容量に対応する少なくとも3つのサイズで作ることができる。チューブ部材220の外径とガイドカテーテルの内径の間のサイズの差は異なる場合がある。例えば、ガイドカテーテルの内径とチューブ部材220の外径の間の断面直径のギャップは、0.001インチ、0.002インチ、0.003インチ、0.004インチ、又は0.005インチ未満である及び/又は約その値である又はこれらの間あらゆる距離とすることができる。特定の実施形態では、断面直径ギャップは、約0.002~0.003インチ又は約0.002~0.0035インチに及ぶ場合がある。直径ギャップは、一部の例では、チューブ部材220の長さのかなりの部分又は長さの大部分に沿って実質的に連続的とすることができ、又はギャップは、チューブ部材220の1又は2以上の遠位部分に沿って増大することができる。様々な実施形態では、あらゆる直径を有するチューブ部材220を使用することができる。チューブ部材220の長さは、ガイドカテーテル202の長さよりも実質的に小さくすることができるが、チューブ部材220は、約6~約45cm、約10~約35cm、約14~約25cm、又は約18~約20cmのような望ましい用途によるあらゆる長さで設計することができる。
【0023】
プッシュ部材222は、チューブ部材220の近位端部分226に取り付けることができ、患者の身体の外側の手術医にアクセス可能な操作部材230(ハンドル又は結合部材とも呼ばれる)にこの取り付け部から近位に延びることができる。操作部材230及びプッシュ部材222は、手術医が完全にガイドカテーテル202内の第1の位置と、チューブ部材の遠位端224がガイドカテーテル202のそれを超えて冠動脈210の中に延びる図示の第2の位置との間にチューブ部材220を位置決めすることを可能にすることができる。プッシュ部材222は、操作部材230を通した手術医からの押し込み力の受け入れ時に、ガイドカテーテル202を通してガイド延長カテーテル200を挿入することを可能にするのに十分に剛性である実質的に剛性の部分を含むことができる。プッシュ部材222は、チューブ部材220よりもその長手軸線に沿ってより剛性とすることができ、非観血心臓病デバイスが挿入可能な管腔なしにレール構造をほぼ定めることができる。一部の例では、プッシュ部材222は、管状可撓性部分の断面外径よりも小さい近位部分での最大断面寸法を有することができる。
【0024】
一部の実施形態では、プッシュ部材222は、例えば、引用によってその全体が本明細書に組み込まれている米国特許出願第15/581,176号明細書に説明されているように、ガイドカテーテルの内壁面246の一方の側に部材を押圧するようにその長さに沿って管状バンド270のような1又は2以上の管状又は細長構造を含むことができる。チューブ部材の遠位端224がターゲット場所に到達した状態で、操作部材230は、ガイド延長カテーテル200が静止したままになるように外部で固定することができる。一部の例では、操作部材230は、例えばクリップ留め又はクランプ締めにより、それを患者のガウン又は手術機器の一部分のような外部物体に結合することによって固定することができる。これに加えて又はこれに代えて、操作部材230は、それが平坦な又は比較的平坦な面上に単に設定されて操作部材230を外部物体に結合することなく定位置にガイド延長カテーテル200を固定することができるように、それ自体の重量によって固定することができる。一部の例では、操作部材230は、1又は2以上のポリカーボネート材料で形成することができる。
【0025】
図3は、ガイドカテーテル302内に部分的に位置決めされた例示的ガイド延長カテーテル300の側面図である。この側面図は、比較的可撓性の細長チューブ部材320及びプッシュ部材322を含む一実施形態によるガイド延長カテーテル300の構成要素をより詳細に示している。プッシュ部材322は、例えば、手術医によってその近位端に印加された軸線方向力を受け入れることに応答して血管系を通してチューブ部材320を押圧するのに十分に剛性とすることができる。プッシュ部材322の剛性は、その長さに沿って均一又は実質的に均一とすることができる。ある一定の例では、プッシュ部材322は、ガイド延長カテーテル300に押し込み力及び容器配置機能の望ましい組合せを提供するように異なる剛性及び可撓性プロファイルを有する複数のセグメント又は部分を含むことができる。そのような例の一実施形態では、プッシュ部材322は、様々な剛性及び可撓性プロファイル、すなわち、プッシュ部材の近位端部分334内の相対的に高い剛性及び低い可撓性、プッシュ部材の中間部分336の相対的に中間の剛性及び可撓性、及びプッシュ部材の遠位端部分338内の相対的に低い剛性及び高い可撓性を有する3つのセグメント334、336、338を含むことができる。一部の実施形態では、第1のセグメント334の長さは、ガイド延長カテーテル300の全長の50%~90%の間で構成することができ、第3セグメント338の長さは、カテーテルの長さの2%~10%の間で構成することができ、残りの長さは、第2のセグメント336に帰することができる。異なる剛性及び可撓性プロファイルのより多い又は少ないセグメントも、プッシュ部材322の1又は2以上の材料、形状、又は幾何学的サイズの変化によって使用され、かつ達成することができる。各セグメントの長さも異なる場合がある。
【0026】
一部の実施形態では、プッシュ部材322は、一定の又は様々な寸法の細長中実ワイヤとすることができ、高張力ステンレス鋼(例えば、304V、304L又は316LV)、軟鋼、ニッケルチタン合金、ニッケルクロムモリブデン合金、ニッケル銅合金、ニッケルタングステン合金、又はタングステン合金のようなポリマー又は金属材料で作ることができる。プッシュ部材322は、親水性、シリコーン、又は他の摩擦低減材料で被覆することができる。
【0027】
一部の例では、チューブ部材320は、内側ポリマー層、外側ポリマー層、及び/又はポリマー層の間又はこれらに隣接して配置された補強部材(例えば、編組又はコイル)から形成することができる。そのような例により、内側ポリマー層は、シリコーン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、又は別の潤滑材料で構成するか又はこれらで被覆されて非観血デバイスを受け入れるための滑りやすい面を提供することができる。外側ポリマー層は、チューブ部材の長さに沿って順次小さくなるデュロメーターのポリウレタン、ポリエチレン、又はポリオレフィンのような1又は2以上可撓性材料を含むことができ、それは、摩擦低減材料(例えば、親水性材料)で被覆されて血管系及びガイドカテーテルを通した挿入及び追従性を容易にすることができる。補強編組又はコイルは、編組又はコイルを特徴とする実施形態では、例えば、ステンレス鋼又は白金合金で形成することができ、チューブ部材の長さの少なくとも一部分に沿ってポリマー層の間を延びることができる。
【0028】
一部の細長チューブ部材320のポリマー層の間に配置される任意的な補強部材は、複数の方法で構成することができる。例えば、補強部材は、編組、コイル又は他の明確に異なる補強構造を欠く場合があり、これに代えて、チューブ部材320の残余よりも大きい剛性を有する1又は2以上の材料を含むことができる。これに加えて又はこれに代えて、補強部材の実施形態は、
図9A及び9Bに示すように、様々な補強構造、例えば、剛性スリーブ、細長部材、及び/又は剛性又は半剛性材料のバー又はストリップを含むことができる。チューブ部材320の一部分の剛性を高めるように構成された追加の構成要素及び/又は材料も考えられている。補強部材の構成部材は少なくとも部分的に異なる場合があるので、補強部材を組立てる方法も異なる場合がある。例えば、細長部材320のポリマー層の間に配置された補強部材がコイルを含む場合に、様々なタイプのコイルを使用することができ、一部の例では、各コイルは、明確に異なる方式でチューブ部材320の他の構成要素と結合することができ、これは、チューブ部材の断面直径が均一であるか又は変動するか否かに依存する場合がある。実施形態では、コイルのサイズがチューブ部材320のより小さい遠位部分324と適合する場合に、コイルは、最初に遠位部分324の上に装填することができる。コイルのサイズが、それが近位部分326のより大きい直径とほぼ適合するようにより大きい場合に、コイルは、最初に近位部分326の上に装填することができる。
【0029】
チューブ部材320の近位端部分326は、その周囲又は円周でプッシュ部材322の遠位端部分340に偏心的に結合することができ、一部の例では、部材の間に滑らかな移行部を提供することができる。この結合の配置又は構成は、異なる場合がある。例えば、チューブ部材320は、その周囲壁の近位端に形成された側面開口部を含むことができる。側面開口部の構成も異なる場合がある。例えば、側面開口部は、プッシュ部材322とチューブ部材320の全円周部分の間の移行部が比較的緩やかになるように斜又は斜めにすることができる。一部の例では、プッシュ部材322は、開口部内に配置することができる。プッシュ部材322を開口部の中に挿入することは、部材の間に機械的結合をもたらすことができ、追加の又は代替の結合(例えば、接着結合、熱結合、溶接、ろうつけ、その他)を利用することができる。プッシュ部材322の遠位端部分340は、一部の例では平坦にされ、チューブ部材320に固定されるより大きい表面積を提供することができる。これに加えて又はこれに代えて、チューブ部材320の近位端部分326又はプッシュ部材322の遠位端部分340の間で結合されるか又はそれと一体化された第3の構成要素332(例えば、金属又はポリマー切削(斜め)カラー又は凹面軌道)によって容易にされた結合機構も考えられている。第3の構成要素332を形成する金属又はポリマー構造は、例えば、近位から遠位方向により低剛性及びより可撓性になり、より剛性のプッシュ部材322とより可撓性のチューブ部材320の間に緩やかな可撓性移行部を提供することができる。
【0030】
図3に示す例のような凹面軌道328を特徴とする実施形態では、凹面軌道328によって定められたエンクロージャの程度は、その長さに沿って異なる場合がある。一実施形態では、凹面軌道328の第1のセグメント328aは、約200°のエンクロージャを定めることができ、凹面軌道の第2のセグメント328bは、約170°のエンクロージャを定めることができ、チューブ部材320に近い第3のセグメント328cは、約200°のエンクロージャを定めることができ、これは、チューブ部材の近位部分326の最近位端に到達する直前に360°に移行する。従って、凹面軌道328は、チューブ部材320の近位端部分326に到達する前に、より多く封入された状態からより少なく封入された状態に、かつ再度より多く封入された状態まで近位から遠位に移行することができる。凹面軌道328の各部分によって定められたエンクロージャの具体的な程度は、凹面軌道328を構成する明確に異なる部分の数と共に異なる場合がある。例えば、各部分によって定められたエンクロージャの程度は、5°、10°、15°、20°、25°、30°、40°、50°、60°、又はそれよりも多くまで増加又は減少する場合がある。作動では、埋め込まれたプッシュ部材322と共に凹面軌道328、すなわち、第2のセグメント328bの中間の谷は、軌道328及びプッシュ部材322をガイドカテーテル302内に同心に位置合わせすることができるようにガイドカテーテルの内壁面の一方の側に押圧することができ、それによってガイドワイヤ及び治療カテーテルに対してガイドカテーテルを通してチューブ部材320の中に明確な経路をもたらす。この明確な経路は、捩りを排除してガイドワイヤ、例えば、ガイドワイヤ212がガイド延長カテーテル300の使用中にプッシュ部材322と絡み合い、例えば、これに巻き付かれるのを防止することができる。捩りの緩和は、複数の同時に挿入されたガイドワイヤを必要とする手術において特に明らかである場合がある。
【0031】
一部の実施形態では、凹面軌道328は、例えば、半パイプに似ていて約1cm~約4cm、8cm、12cm、16cm、18cm、20cm、22cm、又は24cm、26cm又はそれよりも長い長さ、又はこれらの間のあらゆる長さを有する部分的に円筒形の開口部を定めることができる。1つの例では、凹面軌道328は、約17cm長とすることができる。様々な実施形態では、凹面軌道328の各識別可能な部分328a、328b、328cの長さは、約1cm、2cm、4cm、6cm、8cm、10cm、又は12cmに及ぶ場合がある。各部分328a、328b、328cの長さは、同じか又は異なる場合がある。一部の例では、凹面軌道328は、3未満の明確に異なる部分を含むことができる。例えば、凹面軌道328は、先細部分を定めることができる。凹面軌道328は、チューブ部材320の長手軸線に対して横断方向に定められた長手側面からアクセス可能とすることができ、チューブ部材320の長手軸線に垂直に向けられた開口部に関連付けられた面積よりもチューブ部材の中に非観血デバイスを受け入れるより大きい面積を提供することができる。任意的に、凹面軌道328は、より有効に位置合わせして結合移行部を横切ってチューブ部材320の中に治療カテーテルを通すためにチューブ部材320の近位端部分326よりも大きいサイズにすることができる。凹面軌道328のこのより大きいサイズは、例えば、ガイドカテーテルの内壁面のサイズまで移植後に膨張することができるニッケルチタン合金を組み込むことによって達成することができる。
【0032】
プッシュ部材322又はチューブ部材320上のマーカは、手術医が患者の生体構造、ガイドカテーテル302、及び手順中に使用する非観血デバイスに対するガイド延長カテーテルの構成要素の位置決めを識別することを可能にすることができる。例えば、1又は2以上の深度マーカは、プッシュ部材322の外面に印刷することができ、チューブ部材320の遠位端に対して定められた長さに位置決めすることができる。1又は2以上の放射線不透過性マーカバンドは、チューブ部材320上に位置決めすることができる。マーカバンドは、タングステン、白金、又はこれらの合金で構成することができ、金属バンド構造を有することができる。これに代えて、空間維持の理由のために、マーカバンドは、硫酸バリウム、三酸化ビスマス、炭酸ビスマス、粉末タングステン、又は粉末タンタルなどのような放射線不透過濾過材でチューブ部材320の一部分を含浸することによって形成することができる。第1のマーカバンドは、チューブ部材320の完全に丸い入口に対して僅かに遠位に位置決めすることができ、第2のマーカバンドは、例えば、チューブ部材の遠位端の近くに位置決めすることができる。
【0033】
本明細書に説明するガイド延長カテーテルを製造する方法は、細長チューブ部材320の内側PTFE裏打ちの延伸を伴う場合がある。先細にされた細長チューブ部材320を特徴とする実施形態では、PTFE裏打ちは、同等であるが非先細であるチューブ部材に対して余分な延伸を必要とする場合があり、裏打ちの外面は、PTFEの望ましいポリマーの化学的性質を維持するようにエッチングすることができ、それによって裏打ちのフルオロポリマーと外側ポリマーの層(例えば、PEBAX)包装の間の接着を保証する。
【0034】
図4は、ガイドカテーテル402内の
図3の線4-4に沿ってのような例示的プッシュ部材422の近位端部分434の断面図である。プッシュ部材422の断面形状及び寸法は異なる場合がある。図示の例では、断面は、ガイドカテーテル402の内壁面446に係合するように構成された弓形の第1の面444によって定めることができる。第1の面444の弓形又は湾曲した形状は、ガイド延長カテーテルとガイドカテーテルの間に滑らかな相対移動を提供するガイドカテーテル402の内壁面446に従うことができる。第1の面444の弓形形状はまた、ガイドカテーテル402内の有効な送出面積448を低減することなく、手術医からガイド延長カテーテルの残余に力を伝達するためにプッシュ部材422の軸線方向又はカラム強度を最大にするのを助けることができ、それを通して非観血デバイスは、引用によってその全体が本明細書に組み込まれている例えば米国特許出願第15/581,176号明細書に説明されているように進めることができる。
【0035】
第1の面444の反対側に位置決めすることができる近位端部分の断面の第2の面450は、平坦、実質的に平坦、又は湾曲させることができる。
【0036】
プッシュ部材422の近位端部分の断面は、第1及び第2の面444、450を接続して同じく弓形とすることができる第3及び第4の面452、454によって更に定めることができる。
【0037】
本明細書に開示するガイド延長カテーテルは、様々な構成の1又は2以上のプッシュ部材を含むことができる。例えば、プッシュ部材422の追加の実施形態は、
図4に示す1又は2以上の特徴を欠く場合がある。プッシュ部材422は、例えば、弓形の第1の面444及び/又は弓形の第3又は第4の面452、454を定めない場合がある。そのような実施形態は、様々な断面寸法の1又は2以上の実質的に真っ直ぐな又は凹の面を特徴とすることができる。
【0038】
図5は、
図3の線5-5に沿ってのようなガイドカテーテル内の例示的プッシュ部材522の中間部分536の断面図である。図示のように、中間部分536は、断面が円形又は長円形であり、かつ円周面537によって定めることができ、これは、使用中にガイドワイヤがプッシュ部材522と係合状態になる傾向を軽減することができる。
【0039】
これに代えて、中間部分536は、断面が矩形であり、第1、第2、第3、及び第4の平坦面によって定めることができ、又は断面がブレッドローフであり、近位端部分のような3つの弓形面及び1つの平坦面によって定めることができる。これらの代替実施形態では、プッシュ部材の近位端部分(
図4)内の第1及び第2の面の中心点とプッシュ部材の中間部分内の第1及び第2の面の中心点の間の距離変化は、プッシュ部材の近位端部分内の第3及び第4の面の中心点とプッシュ部材の中間部分内の第3及び第4の面の中心点の間の距離変化未満とすることができる。
【0040】
更に別の代替として、中間部分536は、弓形の第1及び第2の面によって定められた断面を有することができる。弓形の第1の面は、ガイドカテーテルの内壁面と同じか又は実質的に同じ曲率半径を有することができる。弓形の第2の面は、第1の面の第1の端部から第1の面の第2の端部まで延びることができる。形状に関係なく、プッシュ部材の中間部分536の断面は、一部の例では、プッシュ部材522の近位端部分(
図4)の断面の面積未満の面積を定めることができる。
【0041】
図6は、ガイドカテーテル602内の
図3の線6-6に沿ってのような例示的プッシュ部材622の遠位端部分638の断面図を示している。遠位端部分638は、断面が矩形であり、第1、第2、第3、及び第4の面656、658、660、662によって定めることができ、これは、平坦、実質的に平坦、又は湾曲させることができる。遠位端部分638の断面は、一部の例では、プッシュ部材622の近位端(
図4)及び中間(
図5)部分の断面の面積未満の面積を定めることができる。近位端部分の断面は、プッシュ部材622の長さに沿って遠位端部分638まで徐々に移行することができ、それは、チューブ部材620に結合することができる。遠位端部分638は、一部の例では、平坦化矩形断面を定めることができ、又はこれに代えて、3つの弓形面及び1つの平坦又は実質的に平坦な面によって定められたブレッドローフ断面形状を定めることができる。遠位端部分638の追加の断面形状及び寸法も考えられており、本明細書に開示するガイド延長カテーテルは、プッシュ部材622の1又は2以上の構成に限定されない。
【0042】
図4-6は、ガイド延長カテーテルのプッシュ部材422、522、622が、ガイドカテーテルの管腔内に比較的小さい空間を取るのに十分に小さくなるように設計され、一方で依然として非観血手順中に延長カテーテルを進める時に例外的な押し込み性及び捩れ耐性に関して十分なサイズにされ、かつそのように構成することができることを示している。従って、本発明のガイド延長カテーテルの使用は、ガイドカテーテルを通して及びそれを超えて非観血デバイスを進め、非観血法に望ましい遠位ターゲット場所に到達することを可能にする。
【0043】
図7は、ガイドカテーテル702内に位置決めされてガイドワイヤ712及び治療カテーテル764と併せて使用される例示的ガイド延長カテーテル700の側面図である。ガイドワイヤ712及びガイドカテーテル702が望むように位置決めされることにより、ガイド延長カテーテル700のチューブ部材720は、ガイドワイヤ712の近位端の上にその狭い遠位端部分724からバックロードされ、ガイドカテーテル702に結合された止血バルブを通して進むことができる。図示のように、ガイド延長カテーテル700のチューブ部材720は、蛍光透視法下でガイドカテーテル702の遠位端716を超えて進むことができる。そのように配置された時に、チューブ部材720の一部分は、口と係合して冠動脈の一部分内に延び、治療カテーテル764が進む時にガイドカテーテル702の位置を維持するのを助けることができる。更に示すように、ガイド延長カテーテル700の実施形態は、凹面軌道728を含むことができるが、これは、部分728a、728b、及び728cで様々な程度のエンクロージャを提供してガイドワイヤ712の捩りを防止又は低減することができる。
【0044】
図8A-8Cは、使用中に開示のガイド延長カテーテルを定位置に固定するように構成された例示的操作部材800を示している。操作部材800は、ハンズフリー固定手段を提供することができ、その結果、ユーザ、例えば、手術医又は手術助手は、手術中に定位置にガイド延長カテーテルを維持するのに操作部材800を手で保持又は捕捉する必要がないようになる。図示のように、操作部材800の一実施形態は、前面802を含むことができ、これは、比較的狭い取り付け部分804の中に先細にすることができる。取り付け部分804は、ガイド延長カテーテルの近位端、例えば、プッシュ部材の近位端に固定され、取り付けられ、又は他に結合することができる。前面802から突出するのは、一部の例では、第1の端部808において前面802と一体的に形成され、第2の端部810において前面802と可逆的に結合することができる第1の結合部材806、例えば、任意的には弾性タブ又はクリップである。追加又は代替の実施形態では、第1の結合部材806は、ネジ付き部材を受け入れるように構成された外部物体に対して締結かつ緩めることができるネジ付き部材、例えば、スクリューを含むことができる。第1及び第2の端部808、810の間に位置決めされた可撓性又は曲げ可能部分812は、前面802の方向に及びそれから離れる第2の端部810の移動、例えば、曲げを可能にすることができる。
図8Bに示すように、曲げ可能部分812は、それが第1の結合部材806の残余に比べて小さい幅を有するように陥凹を定めることができ、それによって実線矢印の方向に第2の端部810に印加される手動力に応答して曲がる又は屈曲するように曲げ可能部分812を構成する。一部の例では、曲げ可能部分812は、第1の結合部材806を構成する材料を曲げる又は屈曲することなく第2の端部の移動を可能にすることができるジョイント又はヒンジを含むことができる。第1の結合部材806の第2の端部810を操作部材800の前面802に固定又はロックするために、突起811を第1の結合部材806の裏側に含めることができる。突起811は、
図8Cに示す開口814の中に挿入可能とすることができ、これは、貫通孔を定めることができ、又は操作部材800の全体厚みの一部分のみを通って延びることができる。実施例では、突起811は、開口814の中に押圧された時に定位置の中にスナップ留めすることができ、それによって第1の結合部材806の突起811及び従って第2の端部810を操作部材800の本体801に可逆的にロックする。1又は2以上の物体、例えば、患者のガウンの一部分は、突起811を開口814の中に挿入する前に操作部材800の第1の結合部材806と前面802の間に位置決めすることができ、その結果、ロックする時に操作部材800はそのような物体に固定されるようになる。
【0045】
図8Bに更に示すように、操作部材800は、第2の結合部材816を含むことができ、これは、患者のガウン又は1つの手術機器のような様々な物体に取り付けられるように構成された一部の例では開口クリップを含むことができる。第2の結合部材816は、操作部材800の裏面820に取り付けられた又は一体的に形成された第1の端部818と、破線矢印の方向に第2の結合部材816の下に押圧されている物体、例えば、患者ガウン、リストバンド、器具用トレイ、その他に応答して裏面820から離れて移動するように構成された自由端822とを含むことができる。このようにして物体を受け入れるように、第2の結合部材816は、僅かに曲がる又は屈曲するように構成された1又は2以上の材料を含むことができる。第2の結合部材816の可撓性が大きいほど、それが受け入れることができる物体は大きくなる。第1の結合部材806と同様に、第2の結合部材816は、これに加えて又はこれに代えて、自由端822の移動を可能にするように構成されたジョイント又はヒンジを含むことができる。
【0046】
操作部材800の形状及び寸法は異なる場合がある。一部の例では、幅(w)は、約1.5cm~約3.5cm、約2cm~約3cm、約2.25cm~約2.75cm、又は約2.5cmに及ぶ場合がある。追加の実施形態では、例えば、様々なガイド延長カテーテルを受け入れるために、幅は、1.5cm未満又は3.5cmよりも大きく、例えば、4、5、6、又は8cmまで又はそれよりも大きいとすることができる。長さ(l)は、約6cm~約10cm、約7cm~約9cm、約7.5cm~約8.5cm、又は約8cm又はそれよりも大きいまでに及ぶ場合がある。長さも、6cm未満及び10cmよりも大きい値が本発明の開示の範囲にあるように異なる場合がある。操作部材800の本体801の厚み(t)は、約2mm~約8mm、約3mm~約6mm、約3.5mm~約5mm、又は約4mmに及ぶ場合がある。厚みは、例えば、操作部材800を含む材料に応じて一部の例では2mm未満又は8mmよりも大きいとすることができる。
【0047】
一部の例では、操作部材800は、重くすることができ、その結果、それを物体に結合すること、例えば、クリップ留めは、医療手順中に定位置にガイド延長カテーテルを固定するのに必要がない場合がある。そのような例により、操作部材800は、操作部材800が単に静止している、すなわち、患者の外部の面上に取り付けられていない時に、それが取り付けられる又は形成されるガイド延長カテーテルの移動に抵抗する重量を有することができる。実施形態はまた、たとえ操作部材800が重くされる場合でも、操作部材800を物体に結合することを伴う場合があり、それによってガイド延長カテーテルは、それが必要に応じて位置決めされる時に静止したままになることを保証するように複数の固定手段を提供する。操作部材800の特定の重量は、それが少なくともガイド延長カテーテルと同じくらい重くなる限り異なる場合がある。様々な実施形態では、操作部材800の重量は、約1オンス~約10オンス、約1.5オンス~約8オンス、約2オンス~約6オンス、約2.5オンス~約4オンス、又は約3オンス~約3.5オンスに及ぶ場合がある。一部の実施形態では、操作部材800の重量の大部分は、その1又は2以上の部分に集中させることができる。例えば、第1の結合部材806は、本体801及び/又は第2結合部材816に対してより重くすることができる。追加の例では、第2の結合部材816は、本体801及び/又は第1の結合部材806に対してより重くすることができる。他の例では、重量は、操作部材800又は本体801を通してほぼ均等に分配することができる。
【0048】
第1及び/又は第2の結合部材806、816の構成は異なる場合がある。例えば、いずれか又は両方の結合部材806、816は、操作部材800を様々な物体に結合するように構成されたバネ荷重式クリップ、摺動可能ピン、又は様々な接着剤、例えば、「ベルクロ」、膠、テープ、その他を含むことができる。一部の実施形態では、操作部材800の形状は、結合機構を提供することができる。例えば、操作部材800は、全体的に又は部分的に開口又はスロット構成の中に挿入してこの中に固定し、定位置に操作部材800を可逆的にロックする、例えば、スナップ留めすることができる。そのような例は、受け入れ開口内に操作部材800をロックするように構成された1又は2以上の構成要素を含むことができる。例えば、操作部材800及び/又は開口は、操作部材800を開口の中に及び外にそれぞれ押すか又は引くユーザに応答して操作部材800をロック又はアンロックするように構成された付勢ラッチ、ピン、又はボールを含むことができる。一部の実施形態では、操作部材800は、様々なサイズの物体を可逆的に捕捉するように構成されたトング状機構を含むことができる。そのような機構は、近位に延びることができ、例えば、バネを通して閉鎖位置の方向に付勢することができ、その結果、ユーザは、手で機構を開いて捕捉すべき物体の周りの機構を解除することができるようになる。一部の例では、操作部材800の少なくとも1又は2以上の部分は、磁性とすることができ、その結果、操作部材800は、様々な金属から構成される強磁性及び常磁性物体を含む磁石に引きつけられた様々な物体に固定することができるようになる。マグネシウムは、操作部材800の単独の又は補足的な固定手段を構成することができる。
【0049】
操作部材800の形状は異なることがある。例えば、本体801は、
図8A-8Cに示すようにほぼ長円形とすることができ、又はそれは、ほぼ矩形、三角形、円形、長円形、又は円筒形とすることができる。操作部材800はまた、ユーザの手動グリップに適合するように構成された1又は2以上の人間工学的面を形成し、それとの一定の手動係合を誘導することができる。その特定の構成に応じて、操作部材800は、単一構造のものとすることができ、又はそれは、1つのデバイスを形成するように結合された2又は3以上の明確に異なる構成要素を含むことができる。
【0050】
図9Aは、ガイド延長カテーテルの細長チューブ部材902の剛性を増大させるために一部の例で含めることができる例示的補強部材900を示している(その一部のみが示されている)。上述のように、補強部材900は、細長チューブ部材902を構成する2つのポリマー層の間に挟むことができる。補強部材900は、複数の長手方向バー又はストリップ904を含むことができ、これは、1又は2以上のクロスバー又はストリップ906と織り交ぜることができる。ストリップ904、906は、互いに対して垂直に又は実質的に垂直に配置することができ、又はこれらは対角線上に配置することができる。一部の例では、長手又は交差ストリップのみを含めることができる。補強部材900は、細長チューブ部材902の周囲全体又はその一部分のみの周りに延びることができる。
【0051】
図9Bは、細長チューブ部材910と共に含まれる別の例示的補強部材908を示す(その一部分のみが示されている)。この例では、補強部材908は、十字形とすることができる螺旋バー又はストリップ912、914から構成することができる。実施形態では、1つの螺旋方向のみのストリップ、すなわち、912又は914を含むことができる。チューブの長手軸線に対して螺旋のあらゆる適切な角度又は角度の組合せを使用することができる。補強部材900と同様に、補強部材908は、細長チューブ部材910を構成する個々の層の間に挟むことができる。補強部材の特定の構成、その位置、及び/又は長さは、本明細書に開示するガイド延長カテーテルの様々な実施形態では異なる場合があり、これは、補強部材を含む実施例又はその特定の実施形態に限定されない。補強部材を構成する材料も異なる場合がある。実施例では、補強部材は、例えば、ステンレス鋼、白金合金、及び/又は1又は2以上のポリマーを含むことができる。
【0052】
実施例
上述の「発明を実施するための形態」は、例示的であって制限的でないように意図している。上述の実施形態(又は1又は2以上の特徴又はその構成要素)は、それとは反対の明確な定めがない限り、互いの様々な組合せで使用することができる。他の実施形態は、上述の「発明を実施するための形態」を精査する時に当業者によってなどで使用することができる。同様に、様々な特徴又は構成要素は、開示を合理的にするように互いにグループ分けされている。これは、未請求の開示の特徴がいずれかの請求項に不可欠であることを意図していると解釈すべきではない。むしろ、本発明の主題は、特定の開示した実施形態の全ての特徴よりも少ない場合がある。従って、特許請求の範囲の例は、本明細書では「発明を実施するための形態」の中に組み込まれ、各例は、個別の実施形態として自立している。
【実施例1】
【0053】
実施例1では、断面内径を有する連続管腔を含むある一定の長さのガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルは、細長チューブ部材、プッシュ部材、及び操作部材を含むことができる。チューブ部材は、ガイドカテーテルの連続管腔の断面内径を通して挿入可能であるようなサイズにされた断面外径を有する円形断面を有することができ、非観血心臓病デバイスが挿入可能な断面内径を有する同軸管腔を定めることができる。プッシュ部材は、ガイドカテーテルを通してチューブ部材を進めることを可能にするのに十分に剛性であるとすることができる。プッシュ部材は、チューブ部材に対して近位にあり、これと作動可能に接続され、かつそれよりも長手軸線に沿って剛性とすることができる。プッシュ部材は、チューブ部材の断面外径よりも小さい近位部分での最大断面直径を有することができ、チューブ部材の長さと組み合わせる時に、ガイドカテーテルよりも長い長さを有することができ、その結果、チューブ部材の少なくとも遠位部分がガイドカテーテルの遠位端に対して遠位に延びる時に、プッシュ部材の近位部分の少なくとも一部分は、チューブ部材の同軸管腔を通して挿入可能な非観血心臓病デバイスと共通の止血バルブを通して近位に延びるようになる。操作部材は、プッシュ部材に結合され、使用中に定位置にガイド延長カテーテルを固定するように構成することができる。
【実施例2】
【0054】
実施例2では、実施例1のガイド延長カテーテルは、任意的に、操作部材がプッシュ部材の近位端に結合されるように構成することができる。
【実施例3】
【0055】
実施例3では、実施例1又は2のいずれか一方のガイド延長カテーテルは、任意的に、操作部材が外部物体の少なくとも一部分に取り付けられるように構成された少なくとも1つの結合部材を含むように構成することができる。
【実施例4】
【0056】
実施例4では、実施例3のガイド延長カテーテルは、任意的に、少なくとも1つの結合部材が、外部物体を受け入れて捕捉するように構成された可撓性クリップ又はクランプを含むように構成することができる。
【実施例5】
【0057】
実施例5では、実施例3のガイド延長カテーテルは、任意的に、少なくとも1つの結合部材が、操作部材の本体に固定された第1の端部と操作部材の本体と解除可能に係合可能な第2の端部とを含むタブを含むように構成することができる。
【実施例6】
【0058】
実施例6では、実施例5のガイド延長カテーテルは、任意的に、タブが第1の端部と第2の端部の間に可撓性部分を更に含むように構成することができる。
【実施例7】
【0059】
実施例7では、実施例5又は6のいずれか1つのガイド延長カテーテルは、任意的に、タブの第2の端部が、タブの面から延びて操作部材の本体によって定められた開口内で挿入可能な突起を通して操作部材の本体と解除可能に係合するように構成されるように構成することができる。
【実施例8】
【0060】
実施例8では、実施例1-7のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテルは、任意的に、操作部材がチューブ部材とプッシュ部材を組み合わせたものと少なくとも同程度の重さがあるように構成することができる。
【実施例9】
【0061】
実施例9では、実施例1-8のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテルは、任意的に、操作部材が包含的に約1オンス~約8オンスの重さがあるように構成することができる。
【実施例10】
【0062】
実施例10では、実施例1-9のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテルは、任意的に、チューブ部材が、可撓性円筒形遠位先端部分と可撓性円筒形遠位先端部分に対して近位である補強部材を有する可撓性円筒形部分とを含むように構成することができる。チューブ部材の遠位部分は、チューブ部材の近位部分よりも可撓性であるとすることができる。
【実施例11】
【0063】
実施例11では、実施例1-10のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテルは、任意的に、チューブ部材が内側ポリマー層及び外側ポリマー層を含むように構成することができる。
【実施例12】
【0064】
実施例12では、実施例1-11のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテルは、任意的に、チューブ部材の近位部分が、長手軸線に沿った距離にわたって延び、長手軸線に対して横断方向に定められた長手側面からアクセス可能な近位側面開口部を定める構造を更に含み、近位部分がガイドカテーテルの連続管腔内に留まっている間に非観血心臓病デバイスを同軸管腔の中に受け入れるように構成することができる。
【実施例13】
【0065】
実施例13では、実施例12のガイド延長カテーテルは、任意的に、近位側面開口部が、凹面軌道の長さに沿って非観血心臓病デバイスを誘導するように構成された凹面軌道を定めるように構成することができる。
【実施例14】
【0066】
実施例14では、実施例1-13のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテルは、任意的に、同軸管腔を通して挿入可能な非観血心臓病デバイスがステント、ステントカテーテル、又はバルーンカテーテルであるように構成することができる。
【実施例15】
【0067】
実施例15では、方法は、ガイド延長カテーテルの遠位端をガイドカテーテルを通してかつその遠位端を超えて進める段階であって、ガイド延長カテーテルのチューブ部材の近位であってそれと作動可能に接続されたガイド延長カテーテルのプッシュ部材をガイドカテーテルの連続管腔の中に進める段階を含み、プッシュ部材が、チューブ部材の断面外径よりも小さい近位部分での最大断面寸法を有し、かつチューブ部材の長さと組み合わされた時にチューブ部材の遠位端部分がガイドカテーテルの連続管腔を通してかつガイドカテーテルの遠位端を超えて伸張可能である一方でプッシュ部材の近位端がガイドカテーテルの近位端に位置決めされた止血バルブを通して伸張可能であるような長さを有し、プッシュ部材の前進が、ガイド延長カテーテルの側面開口部がガイドカテーテルの連続管腔内に位置決めされている間のガイドカテーテルの遠位端を超えるチューブ部材の遠位端部分の前進を引き起こし、側面開口部が、ガイド延長カテーテルの長手軸線に沿った距離にわたって延び、かつ長手軸線に対して横断方向に定められた長手側面からアクセス可能であり、チューブ部材が、ガイドカテーテルの連続管腔と同軸の管腔を定め、かつ非観血心臓病デバイスがそれを通して挿入可能である断面内径を有する上記進める段階を含むことができる。
【実施例16】
【0068】
実施例16では、実施例15の方法は、任意的に、操作部材を固定する段階が操作部材を手で保持する段階を排除するように構成することができる。
【実施例17】
【0069】
実施例17では、実施例15又は16のいずれか一方の方法は、任意的に、操作部材を固定する段階が操作部材の結合部材を通して外部物体を受け入れて捕捉する段階を伴うように構成することができる。
【実施例18】
【0070】
実施例18では、実施例17の方法は、任意的に、結合部材が可撓性クリップ、クランプ、又はタブを含むように構成することができる。
【実施例19】
【0071】
実施例19では、実施例15-18のいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法は、任意的に、操作部材がプッシュ部材とチューブ部材を組み合わせたものと少なくとも同程度の重さがあるように構成することができ、操作部材を固定する段階は、それを面上に置く段階を含む。
【実施例20】
【0072】
実施例20では、実施例15-19のいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法は、任意的に、操作部材が包含的に約1オンス~約8オンスの重さがあるように構成することができる。
【実施例21】
【0073】
実施例21では、実施例15~20のいずれか1つ又はいずれかの組合せの方法は、任意的に、チューブ部材が、可撓性円筒形遠位先端部分と可撓性円筒形遠位先端部分に対して近位である補強部材を有する可撓性円筒形部分とを含むように構成することができる。チューブ部材の遠位部分は、チューブ部材の近位部分よりも可撓性であるとすることができる。
【実施例22】
【0074】
実施例22では、実施例1-21のいずれか1つ又はいずれかの組合せのガイド延長カテーテル又は方法は、任意的に、列挙した全ての構成要素又はオプションが使用するのに又はそこから選択するのに利用可能であるように構成することができる。
【0075】
結びの注釈
上述の「発明を実施するための形態」は、「発明を実施するための形態」の一部を形成する添付図面への参照を含む。「発明を実施するための形態」は、図面を参照して読まれるべきである。図面は、本発明のガイド延長カテーテル及び関連の方法を実施することができる特定の実施形態を例示的に示している。これらの実施形態は、本明細書では「実施例」とも呼ばれる。
【0076】
ある一定の用語は、本特許文献を通して使用されて特定の特徴又は構成要素を指す。当業者が理解するように、様々な人は、様々な名前によって同じ特徴又は構成要素を指す場合がある。本特許文献は、名前は異なるが、機能は異ならない構成要素又は特徴を見分けるように意図していない。以下の定義された用語に関して、ある一定の定義は、様々な定義が本特許文献の他の位置で示されない限り適用されるものとする。用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つ」又は「1よりも多く」のあらゆる他の事例又は使用方法に関係なく、1又は1よりも多くを含むのに使用される。用語「又は」は、非限定的であることを指すのに使用され、その結果、「A又はB」は、「BではなくA」、「AではなくB」、及び「A及びB」を含むようになる。全ての数値は、明確に示すか否かに関わらず、用語「約」によって修飾されると考えられる。用語「約」は、当業者が列挙する値と同等である(すなわち、同じ機能又は結果を有する)と考える数の範囲を指す。多くの場合に、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入された数を含むことができる。終点による数値範囲の説明は、全ての数、並びにその範囲及び境界の部分的範囲を含む(例えば、1~4は、1、1.5、1.75、2、2.3、2.6、2.9など及び1~1.5、1~2、1~3、2~3.5、2~4、3~4などを含む)。用語「患者」及び「被験者」は、ヒト又獣医用途などに対して哺乳動物を含むように意図している。用語「遠位」及び「近位」は、手術医に対する位置又は方向を指すのに使用される。「遠位」及び「遠位に」は、手術医から離れた位置又は手術医から離れた方向を指す。「近位」及び「近位に」は、手術医の近くにある一定の位置又は手術医に向う方向を指す。更に用語「非観血デバイス」は、以下に限定されないが、ガイドワイヤ、バルーンカテーテル、ステント、及びステントカテーテルを含むのに使用される。
【0077】
本発明のガイド延長カテーテル及び方法の範囲は、特許請求の範囲を参照してそのような請求項が権利を与えられる均等物の全範囲と共に決定しなければならない。添付の特許請求の範囲では、用語「including」及び「in which」は、それぞれの用語「comprising」及び「wherein」の平易な英語均等物として使用される。同様に、特許請求の範囲では、用語「including」及び「comprising」は、オープンエンドであり、すなわち、特許請求の範囲内のそのような用語の後に挙げられたものに加えて特徴又は構成要素を含むデバイス又は方法は、依然としてその特許請求の範囲に含まれると見なされる。更に、特許請求の範囲では、「第1」、「第2」、及び「第3」などは、単にラベルとして使用され、数値要件をこれらの物体に課すように意図していない。
【0078】
「要約」は、読者が技術的な開示の性質を迅速に確認することを可能にするように提供するものである。それは、特許請求の範囲又はその意味を解釈又は制限するのに使用されることにならないという理解の下に提出するものである。
【符号の説明】
【0079】
200 ガイド延長カテーテル
202 ガイドカテーテル
218 病巣
220 チューブ部材
222 プッシュ部材
230 操作部材
【手続補正書】
【提出日】2021-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面内径を有する連続管腔を含む予め定められた長さのガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルであって、
前記ガイドカテーテルの連続管腔の前記断面内径を通して挿入可能であるようなサイズにされた断面外径を有する円形断面を有し、かつ非観血心臓病デバイスがそれを通って挿入可能である断面内径を有する同軸管腔を定める細長チューブ部材と、
前記チューブ部材が前記ガイドカテーテルを通して進められることを可能にするほど十分に剛性であるプッシュ部材であって、該プッシュ部材が、該細長チューブの近位であり、かつそれに作動可能に接続され、該プッシュ部材が、該チューブ部材の前記断面外径よりも小さい近位部分での最大断面直径を有し、かつ該チューブ部材の長さと組み合わされた時に該ガイドカテーテルよりも長い長さを有し、そのために該チューブ部材の少なくとも遠位部分が該ガイドカテーテルの遠位端の遠位に延ばされる時に該プッシュ部材の該近位部分の少なくとも一部分が該チューブ部材の前記同軸管腔を通して挿入可能な前記非観血心臓病デバイスと共通の止血バルブを通って近位に延びる前記プッシュ部材と、
前記プッシュ部材に結合された操作部材であって、
ユーザによる手の保持がない状態での使用中に
その位置を固定するための手段を含む前記操作部材と、
を含むことを特徴とするガイド延長カテーテル。
【請求項2】
前記操作部材は、前記プッシュ部材の近位端に結合されることを特徴とする請求項1に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項3】
前記操作部材
を固定するための前記手段は、外部物体の少なくとも一部分に取り付けるように構成された少なくとも1つの結合部材を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの結合部材は、前記外部物体を受け入れて捕捉するように構成された可撓性クリップ又はクランプを含むことを特徴とする請求項3に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項5】
前記少なくとも1つの結合部材は、前記操作部材の本体に固定された第1の端部と該操作部材の該本体と解除可能に係合可能な第2の端部とを含むタブを含むことを特徴とする請求項3に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項6】
前記タブは、前記第1の端部と前記第2の端部の間の可撓性部分を更に含むことを特徴とする請求項5に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項7】
前記タブの前記第2の端部は、該タブの面から延びて前記操作部材の前記本体によって定められた開口内に挿入可能である突起を通じて該操作部材の該本体と解除可能に係合するように構成されることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項8】
前記操作部材
を固定するための前記手段は、前記チューブ部材と前記プッシュ部材を組み合わせたものと少なくとも同程度に
前記操作部材を重み付けすることを含むことを特徴とする請求項1に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項9】
前記操作部材は、包含的に約1オンスから約8オンスの重さがあることを特徴とする請求項8に記載のガイド延長カテーテル。
【請求項10】
前記チューブ部材の前記近位部分は、長手軸線に沿った距離にわたって延びて該近位部分が前記ガイドカテーテルの前記連続管腔内に位置付けられている間に前記非観血心臓病デバイスを前記同軸管腔の中に受け入れるために該長手軸線に対して横断方向に定められた長手側面からアクセス可能な近位側面開口部を定める構造を更に含むことを特徴とする請求項1から請求項
9のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。
【国際調査報告】