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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】端部材
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/14 20060101AFI20220112BHJP
   G04B 37/16 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A44C5/14 J
G04B37/16 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021523281
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(85)【翻訳文提出日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 IB2019059928
(87)【国際公開番号】W WO2020104938
(87)【国際公開日】2020-05-28
(31)【優先権主張番号】01446/18
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510130479
【氏名又は名称】エルブイエムエイチ・スイス・マニュファクチャーズ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】タトン・ローラン
(57)【要約】
【課題】端部材の棒部への取り外し可能な固定を改良すること。
【解決手段】本発明は、棒部に解除可能に固定されるように作られている端部材(200)に関し、端部材(200)は、
棒部を収容するための溝部(22)と、
回転部品(10)が棒部の溝部(22)から離れるのを阻止する固定位置と、回転部品(10)が棒部の溝部(22)への挿入又は棒部の溝部(22)からの取り出しをできるようにする解除位置との間で、棒部に平行な軸(19)について、揺動可能な回転部品(10)と、
回転部品(10)の回転を阻止するように作られている固定機構(170、60)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒部に解除可能に固定されるように作られている端部材(200)であって、端部材(200)は、
棒部を収容するための溝部(22)と、
回転部品(10)が、棒部の溝部(22)から離れるのを阻止する固定位置と、回転部品(10)が、棒部を溝部(22)に挿入可能に、又は棒部を溝部(22)から取り出し可能にする解除位置との間で、棒部に平行な軸(19)周りに、揺動可能な回転部品(10)と、
回転部品(10)の回転を阻止するように作られている固定機構(170、60)と、
回転部品(10)は第1表面(S1)を備え、
固定機構が、
回転部品(10)の第2表面(S2)の上にある第1固定要素(170)と、
端部(200)内の第2固定要素(16)と
を備え、
回転部品(10)が回転すると、第2表面(S2)と第2固定要素(16)との間の相対位置が、固定位置において回転部品(10)の回転を阻止すべく第2固定要素(16)が第1固定要素(170)と協働するまで、変わる、端部材(200)において、
第1固定要素が第2表面(S2)内の穴部(170)であり、
第2固定要素がレバー(16)であり、レバー(16)の1端部は第2表面(S2)に対向し、
回転部品(10)の回転の際、第2表面(S2)とレバー(16)との間の相対位置が、レバー(16)が穴部(170)に落ちて回転部品(10)の回転を固定位置内に阻止するまで変わることを特徴とする、端部材(200)。
【請求項2】
回転部品(10)は、前記棒部を阻止する、又は解放するように作られている非対称形状を持つ、請求項1に記載の端部材(200)。
【請求項3】
軸部(19)を備え、回転部品(10)は、軸部(19)の方向に延在する溝部(11)を備え、溝部(11)は第1底部(110)を備える、請求項1に記載の端部材(200)。
【請求項4】
端部材(200)は入口面(23)を備え、入口面(23)は、くぼみ(21)と、溝部(22)とを備え、溝部(22)は、第2底部(220)と2つの横方向面(221)とを備え、回転部品(10)がくぼみ(21)に係合する、請求項1から3のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項5】
解除位置において、第1底部(110)は入口表面(23)又は2つの側面(221)の1つに向かい合っていて、
固定位置において、第1底部(110)は第2底部(220)に向かい合って位置するので第1底部(110)と第2底部(220)の両方が棒部を囲むことで、端部材(200)を棒部に固定する、請求項3又は4に記載の端部材(200)。
【請求項6】
レバー(16)と協働する弾性要素(18)を備えて、非作動状態ではレバー(16)は弾性要素に回転部品(10)の第2表面(S2)に向かって押されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項7】
栓部(13)は、レバー(16)と、弾性要素(18)との少なくとも一方を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項8】
第2表面(52)は、ガイド溝(17)を備え、ガイド溝(17)の1端部は穴部(170)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項9】
固定機構は、棒部に平行な方向に作動するように配置されていて、第2固定要素(12)は、端部材(200)の固定を解除できるようにするものであり、第2固定要素(12)は棒部に平行に可動であり、端部材(200)の1面の下に位置していて、前記1面は、端部材(200)がユーザに装着されているときにユーザに接する部分となることが意図されている、請求項1から8のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項10】
固定機構は、端部材(200)の固定を解除するためにユーザが操作するように作られている把持部(12)を備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項11】
端部材(200)は、レバー(16)を受ける別のくぼみ(20)を備え、
このくぼみ(20)は、レバー(16)が穴部(170)から出られるようにレバー(16)が弾性部材(18)の弾性力に抗するように動かして、前記動きが棒部の方向において実質的に線形である、請求項1から10のいずれか一項に記載の端部材(200)。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の端部材(200)と、
棒部と
を備える、取り外し可能な固定システム。
【請求項13】
棒部は、棒部が溝部(22)内に進行するとき、回転部品(10)に接することで回転部品(10)を軸部(19)周りに回転させるように寸法が決められている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、端部材(200)に結合される部分を備え、前記部分が例えばブレスレットであり、特に、腕時計のブレスレットである、請求項12又は13に記載のシステム。
【請求項15】
端部材(200)を棒部に解除可能に固定する方法であって、
端部材(200)は、
第1表面(S1)と、第2表目(52)とを備える回転部品(10)であって、第2表面(S2)が、第2表面(S2)内の穴部(170)である第1固定要素を備える、回転部品(10)と、
レバー(16)であり、レバー(16)の1端が第2表面(S2)に向かい合っている、第2固定要素とを備え、
前記方法は、
棒部を端部材の溝部(22)に収容することと、
回転部品(10)を、棒部と平行な軸(19)を中心に、回転部品(10)が棒部の溝(22)から離れるのを阻止する固定位置と、回転部品(10)が棒部の溝(22)への挿入又は溝からの移動を可能にする解放位置との間で回転することであって、回転部品(10)の回転時に、第2表面(S2)とレバー(16)との間の相対的な位置が変わる、前記回転することと、
レバー(16)が穴に落ちたときに、固定機構で回転部品(10)の位置を固定し、回転部品(10)の回転を阻止することと
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端部材、特に、棒部に取り外し可能に固定されるように配置される端部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この文脈では、「端部材」という用語は、他の要素、特に棒部と組み立てられるように部品の端に配置される要素を意味する。
【0003】
端部材の例としては、腕時計のブレスレットのようなブレスレットストランドの最初の連結部と最後の連結部がある。これらの連結部は、時計のケースやクラスプと組み立てられるように、ブレスレットの他の結合部とは異なる形状になっている。端部材の他の例としては、革製品のストランドの端にある要素がある。ショルダーストラップやハンドルの先端に設けられ、ハンドバッグとの連結を可能にする要素も、端部材の一例である。これらの例は、限定的なものではないが、この文脈では、端部材という用語は、好ましくは、時計製造、宝石及び革製品の分野で使用される。
【0004】
端部材は、棒部に、固定可能となっていて、時には取り外し可能に取り付けられていてもよい。ブレスレットの場合、棒部はクラスプの一部になっていて、それによって端部材がクラスプに固定可能となっていてもよい。
【0005】
腕時計用のブレスレットの場合、棒部は時計ケースの一部をなしていてもよく、それによって端部材は時計ケースに固定可能なものである。
【0006】
この文脈では、「棒部」という用語は、例えば軸のような実質的に直線的な要素を示している。棒部は、時計のケースとは別の部品で、時計のケースに(例えば、取り外し可能に)接続されていてもよい。また、棒部は、一体型の時計ケースを構成する部品で、時計ケースから取り外せないものもある。端部材は、例えば取り外し可能に、部品に結合される。この部品は、よって、棒部に結合可能である。
【0007】
端部材を介して棒部に結合できる、あるいは取り外し可能に取り付け可能な部品の非限定的な例としては、ブレスレットのストランド、例えば、腕時計のストランド、又は一般に革製品のストランド、一般に端部材とは異なって形成されたブレスレットの結合部、例えば、腕時計の結合部、又は一般に革製品の結合部、ブレスレット、ネックレスなどが包含される。
【0008】
部品を棒に取り外し可能に取り付けるためのこの種の端部材は原理的に知られていて、長年にわたって腕時計に時計バンドを取り外し可能に取り付けるための装置は多数存在していた。
【0009】
これらの端部材の多くは、ストラップを交換するために時計職人用の工具を必要とする。さらに、これらの端部材は、ストラップが不用意に外れる可能性があったり、既存の時計ケースに容易に組み込むことができなかったり、この分野で重要な外観の悪さなどの不利な点がある。
【0010】
特許文献1(DE640024)には、棒部に取り外し可能に取り付けられることを目的とした装置が記載されている。この装置は、円筒の両端が半円筒を囲むように配置されていて、その中には弦巻ばねを搭載した突起がある。また、本機には、固定を解除するためにユーザが操作する把持部が設けられている。この部分は固定機構と一体化している。固定と固定を解除する動きは、回転運動である。
【0011】
特許文献2(FR2634360)は、腕時計のブレスレットを時計ケースに固定する手段に関するものである。この手段は、円筒体と、この円筒体を固定するワッシャーを備える。この円筒体とワッシャーは同軸上にあり、それぞれが揺動軸に取り付けられていて、その軸の両端は弦巻ばねによってケース内に収容されている。この組立体は、ワッシャーの軸方向の突起によって固定位置に保持され、その半径方向の一方の表面は、円筒体の軸方向の止め部の半径方向の表面に接しているようになっている。ブレスレットの筒状体への固定は、筒状体の表面に、円筒の接線方向に向いて溝と平行な突起で制限される軸方向の溝が存在することで可能となっている。この溝は、ブレスレットに接続されている留め具ブラケットの一部を受け入れるようになっていて、突起は留め具ブラケット切り欠き部に収容されるようになっている。
【0012】
これらの解決策のいずれも、棒部への端部材の固定が成功したか、ユーザがわかるようになっていない。
【0013】
このように、先行技術のこれらの制限から解放された端部材が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国特許発明第640024号明細書
【特許文献2】仏国特許出願公開第2634360号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、棒部の固定が成功したことをユーザが理解できる端部材を提供することである。
【0016】
本発明の課題は、いかなる工具も必要とせずに、ユーザが、棒部に取り外し可能に固定可能な端部材を提供することである。
【0017】
本発明の課題は、容易に小型化できる、及び/又は、エレガントな時計やレディースウォッチに適合可能な端部材を提供することである。
【0018】
本発明の課題は、既存の時計ケース、特にホーンと両側に棒部を有する時計ケースに適合し、ブレスレットのストランドをしっかり取り付ける端部材を提供することである。
【0019】
本発明の課題は、既存のブレスレットと互換性のある端部材を提供することである。
【0020】
本発明の課題は、部品(例えばブレスレット)がユーザに装着されたときに、固定機構がユーザに見えない端部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、これらの課題は、特に、請求項1に記載の端部材、請求項12に記載のシステム、及び請求項15に記載の取り外し可能な固定方法によって達成される。
【0022】
本発明による端部材は、棒部に取り外し可能に取り付けられるように配置されていて、
棒部を収納するための溝と、
棒部に平行な軸について、回転部品によって棒部が溝から離れないようにする固定位置と、回転部品によって棒部が溝に挿入又は溝から移動可能になる解除位置との間で揺動可能な回転部品と、
回転部品の回転、特に固定位置にある回転部品の回転を阻止するように作られている固定機構と
を備える。
【0023】
固定機構は、回転部品の回転の固定と固定の解除の両方を可能にする。
【0024】
端部材は、工具を必要とせず、ユーザが直接操作可能である。棒部に取り付けるためには、ユーザは、端部材の溝に棒部を進行させるだけで十分である。
【0025】
端部材を棒部から取り外すには、ユーザは、固定機構の固定要素を、例えば把持部を介して、例えば直線的に外側に、すなわち回転部品から離して、特に棒部に平行な軸に沿って移動させることによって、作動可能である。このようにして、回転部品を、固定できる方向とは逆の方向に回転させることで、端部材を棒部から取り外せる。
【0026】
有利には、本発明による端部材の部品は、容易に小型化できるので、本発明による端部材は、エレガントな時計又は女性用の時計にも適応可能である。
【0027】
有利には、本発明による端部材を棒部に取り付けてもよい。この棒部は、例えば、ケースの角の間に既に固定されている小さな金属棒で、その上にブレスレットが装着されている。この棒部が既存の時計ケースに存在しない場合は、例えば溶接で固定したり、その他の着脱可能又は着脱不可能な手段でラグや一般的な時計ケースに取り付けたりして追加してもよい。それゆえに、本発明による端部材は、棒部を備えた既存の時計ケースと互換性があるか、あるいはこの棒部を追加してよい。
【0028】
有利には、本発明による端部材がユーザによって着用されるとき、固定機構はユーザには見えない。それゆえに、この端部材は不意に外れてしまうおそれが非常に少ないため安全であり、腕時計のブレスレットなど、挿入された部品の外観を向上できる。
【0029】
本発明によれば、回転部品は、(例えば、溝を備える)第1表面と、固定機構とを備え、固定機構は
回転部品の第2表面に設けられた第1固定要素と、
端部材の第2固定要素と
を備える。
【0030】
本発明によると、回転部品の回転時に、第2固定要素が第1固定要素と協働して固定位置で回転部品の回転を阻止するまで、第2面と第2固定要素との間の相対位置が変化する。
【0031】
本発明によると、第1固定要素は第2表面に設けられた穴部であり、第2固定要素はレバーであり、レバーの一端は第2表面に面している。回転部品が軸を中心に回転すると、第2表面とレバーの相対的な位置関係が、レバーが穴に落ちるまで変化し、固定位置にある回転部品の回転が阻止される。有利には、レバーが穴に落ちたときには、音の出るクリック感があり、ユーザは取り付けが正常に完了したことを理解できる。
【0032】
一変形態様では、回転可能な部材は、棒部を固定又は解放するように配置された非対称な形状を有している。別の変形態様では、回転可能な部材は、軸の方向に延在する溝を備え、溝は、第1底部を備える。
【0033】
一変形態様では、端部材は、入口面を備え、入口面は、くぼみと溝とを備え、溝は、第2底面と2つの側面とを備え、前記回転可能な部材は、前記くぼみに係合する。
【0034】
一変形態様では、解放位置では、第1底部が端部材の入口表面又は2つの側面のうちの1つに向かい合い、固定位置では、第1底部が第2底部に向かい合い、第1底部及び第2底部の両方が棒部を囲むようにして、端部材を棒部に固定する。
【0035】
有利には、端部材を棒部から取り外す際の第2固定要素の作動は、下方から行われる。端部材が腕時計のストラップなどに接続されている場合、「下から」という表現は、ストラップを装着したときにユーザと接触する部分を意味するものとする。
【0036】
有利には、棒部から端部材を切り離す際の第2固定要素の作動は、横方向に、すなわち棒部に実質的に平行な軸に沿って、換言すると、本発明による端部材が取り付けられる可能性のある部品の主方向(例えば、腕時計のブレスレットの長さ)に垂直に行われる。換言すると、一実施形態では、固定機構は、棒部に平行な方向に作用するように配置されている。端部材の固定解除を可能にする第2固定要素は、棒部に平行に移動可能であり、端部材がユーザに装着されたときにユーザに当たるように意図された端部材の面の下に、(第2固定要素は)配置される。
【0037】
有利には、端部材を棒部に取り付ける際に、ユーザは、端部材を上から(すなわち、リストバンドなど、部品を装着したときにユーザと接触しない部分から)棒部に接近させることによって、棒部を端部材に係合可能である。
【0038】
本発明はまた、本発明による端部材と、棒部とを備えるシステムに関するものである。
【0039】
一変形態様では、棒部は、棒部が溝に進入すると、回転部品に接触して、軸を中心に回転させるような寸法になっている。
【0040】
一変形態様では、システムは、本発明による端部材に接続された部品、例えば、ブレスレット、特に腕時計のブレスレットも備える。
【0041】
有利には、部品を装着しているときには、固定機構はユーザから見えない。
本発明はまた、端部材を棒部に取り外し可能に固定する方法にも関し、端部材は
第1表面と第2表面を備える回転部品であって、第2表面の穴部である第1固定要素を備える回転部品と、
レバーである第2固定要素であって、レバーの一端が前記第2表面に向かい合っている、第2固定要素とを備える。この方法は、
端部材の溝に棒部を収容するステップと、
回転部品を、棒部と平行な軸を中心に、回転部品が棒部の溝から離れるのを阻止する固定位置と、回転部品が棒部の溝への挿入又は溝からの離脱を可能にする解放位置との間で揺動するステップであって、回転部品の揺動時に、第2表面とレバーとの間の相対的な位置が変わる、前記揺動するステップと、
レバーが穴に落ちたときに、固定機構で回転部品の位置を固定し、回転部品の回転を阻止するステップとを備える。
【0042】
本発明の複数の実施形態の例は、以下の添付の図によって表されている説明の中に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、本発明による端部材の一実施形態を示す斜視分解図である。
図2図2は、本発明による端部材の一実施形態を示す別の斜視図である。
図3図3は、図2の端部材の実施形態を示す側面図である。
図4図4は、図2の端部材の実施形態を示す底面図である。
図5図5は、図2の端部材の実施の形態を示す上面図である。
図6図6は、図1の端部材の実施形態の、端部材が棒部に固定されていないときの側面図である。
図7図7は、図6の側面図で、端部材を棒部(図示せず)に固定された状態を示している。
図8図8は、図6の側面図で、端部材を棒部(図示せず)から取り外した状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1は、本発明による端部材200の一実施形態の分解斜視図である。例えば、時計ケースの棒部(図示せず)などに、取り外し可能に固定(しっかりと取り付け)可能となっている。棒部の少なくとも一部分は、端部材200の溝22に係合するようになっている。
【0045】
図示の実施形態では、端部材200は、実質的に円筒形状、例えばローラの形状を有する回転可能な部分10を備える。この回転部品10は、軸19を中心に回転するように配置されている。図示の実施形態では、軸は、端部材200の溝22に(したがって、棒部に)実質的に平行である。図示の実施形態では、軸19は、回転部品10と端部材200とをつなぐように配置されている。
【0046】
図示の変形態様では、回転部品10は、
-軸19の方向に延在する溝11を備える第1表面S1と、
-第2表面S2は、第1固定要素170を備える第2表面S2と
を備える。
【0047】
後述するように、溝11は、棒部を固定又は解放できるようにする。しかし、この溝11の存在は、棒部を固定又は解放するために必要ではなく、回転部品10は、棒部を固定又は解放するために配置された形状、例えば、非対称の形状で、必ずしも溝部を備えるものではなくてもよいことを理解すべきである。
【0048】
図示の例では、第1固定要素170は、表面S2に設けられた穴部、特に貫通していない穴部である。例えば、表面S2をドリルで削ることで得られる。図示の例では、この穴部170は、表面S2のガイド溝17の端部に位置している。
【0049】
図示の例では、第2固定要素16が、第2表面S2に向かい合って、及び/又は第2表面S2に接して、配置されている。図示の例では、第2固定要素はレバー16であり、その一端は弾力性のある要素(図示の例ではばね18)の作用下で第2表面S2と接している。
【0050】
回転部品10の直径は、その長さに沿って一定ではない。実際、その直径は、第1固定要素と第2固定要素の間の協働のためのより広い空間を確保するために、端部でより大きくなっている。
【0051】
図1の例では、回転部品10の第2表面S2は、軸19に対して実質的に垂直であるが、変形例によれば、第2表面S2と軸19との間の角度は、90°ではなくてもよい。
【0052】
回転部品10は、端部材200に設けられたくぼみ21に収容されている。図示の実施形態では、端部材200は、軸19を受け入れるために使用される(図1ではそのうちの1つだけが見えている)穴24を備える。そのため、軸は、そのためこれらの穴24に挿入され、さらに回転部品10を貫通する穴14に挿入され、回転部品10が端部材200に固定されるようになっている。なお、ピン19を介して回転部品10と端部材200とを(直接的又は間接的に)接続する接続手段をさらに設けてもよい。
【0053】
図2に最もよく見られるように、端部材200の溝22は、底部220を備える。それは、端部材200、特にその入口表面23をくぼませることによって得られる。
【0054】
図1に示す変形態様では、ばね18(又は他の弾性要素)は、静止時(すなわち、解放位置)にレバーがばね18によって回転部品10の第2表面S2に対して押されるように、レバー16と協働する。換言すると、静止時のばね18は圧縮され、弾性エネルギーを蓄える。
【0055】
図1に示す変形態様では、栓部13が、レバー16と弾性要素18の両方を受けている。別の変形態様では、栓部13は、レバー16又は弾性要素18のいずれかを受け入れる。
【0056】
図1に示す変形態様では、端部材200は、レバー16、及び任意に弾力性のある部材18と栓部13も受け入れるためのさらなるくぼみ20を備える。
【0057】
図1に示す変形態様では、把持部12がレバー16と(あるいは一般的には第2固定部材と)一体化されている。把持部12は、ユーザが操作して、端部材200の固定を解除できるようにできている。図1に示す変形態様では、把持部12は、実質的に半円状の断面を有する本体120と、レバー16への接続を可能にする環部122とを備えている。特に、レバー16は、環部122に挿入される。
【0058】
把持部12はまた、ユーザによるその把持をさらに容易にするために、溝121を有する。把持部12は、ユーザに接触するようにできている。その形状と寸法は、ユーザの指で操作可能であり、かつユーザとの接触を可能な限り快適にする。
【0059】
図2は、本発明による端部材200の一実施形態の静止時の別の斜視図である。
【0060】
図2の端部材200の実施形態の側面図を示す図3に見られるように、回転部品10の溝11の底部110は、端部材200の溝22の底部に向かい合っていない。図3により明らかなように、溝11の底部110は、端部材200の溝22の側部表面221に向かい合っている。端部材200の実施態様の別の側面図を示す図6に示す変形形態では、回転部品の溝11の底部110は、端部材200の入口表面23に実質的に対向している。
【0061】
図4は、図2の端部材200の実施形態のユーザ側の底面図である。図5は、図2の端部材200の実施形態を示す上面図である。図5では、把持部12の一部がユーザに見えている。しかし、把持部12のこの部分は、部品(例えば、端部材が第1つなぎ部を表すブレスレット)によって隠される。
【0062】
図6は、端部材200が棒部に固定されていないときの、図1の端部材200の実施形態を示す側面図である。
【0063】
ユーザが棒部を端部材200の溝22に挿入する(又は棒部から端部材200に近づける)と、棒部は溝22に係合する。棒部の高さは溝22の高さh2よりも小さい。
【0064】
解放位置において第1底部11が溝22の進入面23又は2つの側面221の1つに対向するように、回転部品10が端部材200のくぼみ21に係合するので、溝22内の棒部の進行に利用できる高さは一定ではなく、最大値(進入面23に対応する溝22の高さh2)と最小値h1の間で変化する。
【0065】
好ましい変形態様では、棒部の高さはh2とh1の間である。
【0066】
棒部は、ユーザが押す動作の下で端部材200の溝22内を進み続け、回転部品10がその軸19の周りを自由に回転すると、ある瞬間に回転部品10と接して、図7の矢印F1で示される回転方向にその軸19について回転部品10を回転させる。
【0067】
図6及び図7に示す例では、このような回転時に、回転部品10の第2面S2と第2固定部材(レバー16)との間の相対的な位置関係が、第2固定部材が第1固定部材(穴部170)と協働して回転部品10の回転を固定位置で阻止するまで変化する。
【0068】
固定位置では、第1底部110が第2底部220に向かい合って、第1底部110と第2底部220の両方が棒部を取り囲むようにして、棒部を端部材200に(又は端部材200を棒部に)固定する。
【0069】
図1図6及び図7の変形態様では、回転部品10の第2表面S2は、回転部品10の第2表面S2と第2固定部材(レバー19)との間の相対移動を案内するためのガイド溝17を備える。これらの実施形態では、第1固定要素は、このガイド溝17の一端に対応して設けられた穴170である。ガイド溝17は、したがって、回転可能な部材10の回転を制限する役割も果たせる。
【0070】
レバー16が穴17に落ち込み、それによって固定位置にある回転部品10の回転が阻止されると、可聴のクリック音が発生し、ユーザは固定が正常に行われたことを理解できるようになっている。
【0071】
解放位置(例えば、図2図3、又は図6に示す)に対応して、棒部が端部材の溝22に係合していない場合、回転部品10は回転しない。一変形態様では、回転部品10を端部材200に擦り付けるだけでこれを実現している。
【0072】
端部材200の固定を解除するために、第2固定部材(例えば、レバー16)は、棒部(図8)に平行な矢印F2によって図示されるように、回転部品10から離れて移動され、それによって、第2固定部材が引っ張られたときに、回転部品10が回転することを可能にする。部品10の回転は、棒部の係合時の回転方向とは逆の方向(すなわち、図7の矢印F1の方向とは逆の方向)である。
【0073】
有利には、端部材200の棒部からの離脱時の第2固定要素の作動は、端部材200が接続されている部品(例えば、腕時計のブレスレット)の下から行われる。
【0074】
有利には、端部材200の棒部からの離れるときの第2固定要素の作動は、横方向に、すなわち、棒部に平行に行われる。
【0075】
一変形態様では、レバー16を受容するためのくぼみ20は、レバー16を穴170から移動させるように弾力部材18の弾性力に抗して変位可能に配置されていて、その変位は棒部の方向に実質的に線形である。
【0076】
把持部12は、端部材200の固定を解除する際に力を受けるので、一実施形態では、例えば金属のような張力に強い材料で作られている。また、(ユーザの肌に触れるため)アレルギーを回避し、より容易に把持できるようにするために、例えばゴムのような素材を使用することもある。
【符号の説明】
【0077】
11 回転部品の溝(溝部)
12 把持部
13 栓部
14 回転部品の穴
16 第2固定要素(レバー)
17 ガイド溝
18 ばね要素
19 軸部
21 第1くぼみ
20 第2くぼみ
22 溝部
23 入口表面
110 回転部品の溝の底面
120 把持部の本体
121 把持部の溝部
122 環部
170 穴部
200 端部材
220 溝部の底
221 溝部の側壁
S1 回転部品の第1表面
S2 回転部品の第2表面
F1 矢印
F2 矢印
h1 溝部内の棒部の進行のための可用高さの最小値
h2 溝部内の棒部の進行のための可用高さの最大値(溝部の高さ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2021-05-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明によれば、これらの課題は、特に、請求項1に記載の端部材、請求項に記載のシステム、及び請求項10に記載の取り外し可能な固定方法によって達成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0069
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0069】
図1図6及び図7の変形態様では、回転部品10の第2表面S2は、回転部品10の第2表面S2と第2固定部材(レバー16)との間の相対移動を案内するためのガイド溝17を備える。これらの実施形態では、第1固定要素は、このガイド溝17の一端に対応して設けられた穴170である。ガイド溝17は、したがって、回転可能な部材10の回転を制限する役割も果たせる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒部に解除可能に固定されるように作られている端部材(200)であって、端部材(200)は、
棒部を収容するための溝部(22)と、
回転部品(10)が、棒部の溝部(22)から離れるのを阻止する固定位置と、回転部品(10)が、棒部を溝部(22)に挿入可能に、又は棒部を溝部(22)から取り出し可能にする解除位置との間で、棒部に平行な軸(19)周りに、揺動可能な回転部品(10)と、
回転部品(10)の回転を阻止するように作られている固定機構(170、60)と、
回転部品(10)は第1表面(S1)を備え、
固定機構が、
回転部品(10)の第2表面(S2)の上にある第1固定要素(170)と、
端部(200)内の第2固定要素(16)と
を備え、
回転部品(10)が回転すると、第2表面(S2)と第2固定要素(16)との間の相対位置が、固定位置において回転部品(10)の回転を阻止すべく第2固定要素(16)が第1固定要素(170)と協働するまで、変わる、端部材(200)において、
第1固定要素が第2表面(S2)内の穴部(170)であり、
第2固定要素がレバー(16)であり、レバー(16)の1端部は第2表面(S2)に対向し、
回転部品(10)の回転の際、第2表面(S2)とレバー(16)との間の相対位置が、レバー(16)が穴部(170)に落ちて回転部品(10)の回転を固定位置内に阻止するまで変わることを特徴とする、端部材(200)。
【請求項2】
回転部品(10)は、前記棒部を阻止する、又は解放するように作られている非対称形状を持つ、請求項1に記載の端部材(200)。
【請求項3】
軸部(19)を備え、回転部品(10)は、軸部(19)の方向に延在する溝部(11)を備え、溝部(11)は第1底部(110)を備える、請求項1に記載の端部材(200)。
【請求項4】
端部材(200)は入口面(23)を備え、入口面(23)は、くぼみ(21)と、溝部(22)とを備え、溝部(22)は、第2底部(220)と2つの横方向面(221)とを備え、回転部品(10)がくぼみ(21)に係合する、請求項に記載の端部材(200)。
【請求項5】
レバー(16)と協働する弾性要素(18)を備えて、非作動状態ではレバー(16)は弾性要素に回転部品(10)の第2表面(S2)に向かって押されている、請求項に記載の端部材(200)。
【請求項6】
栓部(13)は、レバー(16)と、弾性要素(18)との少なくとも一方を備える、請求項に記載の端部材(200)。
【請求項7】
第2表面(52)は、ガイド溝(17)を備え、ガイド溝(17)の1端部は穴部(170)を備える、請求項に記載の端部材(200)。
【請求項8】
固定機構は、棒部に平行な方向に作動するように配置されていて、第2固定要素(12)は、端部材(200)の固定を解除できるようにするものであり、第2固定要素(12)は棒部に平行に可動であり、端部材(200)の1面の下に位置していて、前記1面は、端部材(200)がユーザに装着されているときにユーザに接する部分となることが意図されている、請求項に記載の端部材(200)。
【請求項9】
請求項に記載の端部材(200)と、
棒部と
を備える、取り外し可能な固定システム。
【請求項10】
端部材(200)を棒部に解除可能に固定する方法であって、
端部材(200)は、
第1表面(S1)と、第2表目(52)とを備える回転部品(10)であって、第2表面(S2)が、第2表面(S2)内の穴部(170)である第1固定要素を備える、回転部品(10)と、
レバー(16)であり、レバー(16)の1端が第2表面(S2)に向かい合っている、第2固定要素とを備え、
前記方法は、
棒部を端部材の溝部(22)に収容することと、
回転部品(10)を、棒部と平行な軸(19)を中心に、回転部品(10)が棒部の溝(22)から離れるのを阻止する固定位置と、回転部品(10)が棒部の溝(22)への挿入又は溝からの移動を可能にする解放位置との間で回転することであって、回転部品(10)の回転時に、第2表面(S2)とレバー(16)との間の相対的な位置が変わる、前記回転することと、
レバー(16)が穴に落ちたときに、固定機構で回転部品(10)の位置を固定し、回転部品(10)の回転を阻止することと
を備える、方法。
【国際調査報告】