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特表2022-508075スワールプレバーナシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】スワールプレバーナシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F23R 3/58 20060101AFI20220112BHJP
   F23R 3/20 20060101ALI20220112BHJP
   F23R 3/28 20060101ALI20220112BHJP
   F02K 9/48 20060101ALI20220112BHJP
   F23D 11/24 20060101ALI20220112BHJP
   F23D 11/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
F23R3/58
F23R3/20
F23R3/28 A
F23R3/28 B
F02K9/48
F23D11/24 A
F23D11/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525168
(86)(22)【出願日】2019-11-15
(85)【翻訳文提出日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 US2019061774
(87)【国際公開番号】W WO2020102705
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】16/192,693
(32)【優先日】2018-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521197209
【氏名又は名称】ストラトローンチ、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ソーンバーグ、ジェフェリー タイラー
(57)【要約】
第1のスワールチャンバ第1端部及び第1のスワールチャンバ第2端部を有する第1のスワールチャンバを画定する第1のスワールコアを有するスワールプレバーナ。本スワールプレバーナは、第2のスワールチャンバ第1端部及び第2のスワールチャンバ第2端部を有する第2のスワールチャンバを画定する第2のスワールコアをさらに含む。スワールプレバーナはまた、混合チャンバを画定する混合要素を含み、混合チャンバは、第1のチャンバ第2端部及び第2のチャンバ第2端部を少なくとも含む、第1のチャンバ及び第2のチャンバの一部を取り囲む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スワールプレバーナの第1のスワールコアによって画定された第1のスワールチャンバに、第1の流体を導入することであって、前記第1の流体が、第1のスワールチャンバ第1端部に導入されて、第1のスワールチャンバ第2端部に向かって伝播する第1の流体流を発生させ、前記第1のスワールチャンバ第2端部が、第1のスワールチャンバ出口ポートを画定し、前記第1の流体流が、前記第1のスワールチャンバ内を、前記第1のスワールチャンバ第1端部から前記第1のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進む、前記第1の流体を導入することと、
前記スワールプレバーナの第2のスワールコアによって画定された第2のスワールチャンバに、第2の流体を導入することであって、前記第2の流体が、第2のスワールチャンバ第1端部に導入されて、第2のスワールチャンバ第2端部に向かって伝播する第2の流体流を発生させ、前記第2のスワールチャンバ第2端部が、第2のスワールチャンバ出口ポートを画定し、前記第2の流体流が、前記第2のスワールチャンバ内を、前記第2のスワールチャンバ第1端部から前記第2のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進み、前記第2のスワールチャンバが、少なくとも前記第1のスワールチャンバ第2端部を含む前記第1のスワールチャンバの一部を取り囲む、前記第2の流体を導入することと、
混合要素によって画定された混合チャンバに、第3の流体を導入することであって、前記混合チャンバが、前記第1のスワールチャンバ第2端部と前記第2のスワールチャンバ第2端部とを少なくとも含む、前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバの一部を取り囲み、前記第1の流体流と前記第2の流体流とが、前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバを出て前記混合チャンバに入り、前記混合チャンバ内で混合する、前記第3の流体を導入することと、
前記混合チャンバ内の少なくとも前記第1の流体流及び前記第2の流体流に点火して、燃焼を起こすことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の流体が液体酸素を含み、前記第2の流体及び前記第3の流体が液体水素を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第3の流体を前記混合チャンバに導入することは、前記第1のスワールチャンバ第2端部及び前記第2のスワールチャンバ第2端部で前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバを出る前記第1の流体流及び前記第2の流体流を取り囲む第3の流体流の外層を発生させることを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも前記第1の流体及び前記第2の流体の前記燃焼によって生じた排ガスをタービンに向かわせることであって、少なくとも、前記第1の流体を前記第1のスワールチャンバに導入するとともに、前記第2の流体を前記第2のスワールチャンバに導入する1つ以上の流体ポンプに前記タービンが動力を供給する、前記向かわせることをさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のスワールチャンバが、軸Xに関して軸対称であり、前記第2のスワールチャンバが、前記軸Xに関して軸対称であり、前記混合チャンバが、前記軸Xに関して軸対称である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の流体を前記第1のスワールチャンバに導入することは、前記第1のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第1のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第1の流体を前記第1のスワールチャンバに注入することを含み、
前記第2の流体を前記第2のスワールチャンバに導入することは、前記第2のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第2のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第2の流体を前記第1のスワールチャンバに注入することを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の第1のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第1のスワールチャンバに前記第1の流体を注入すると、前記第1のスワールチャンバ内を、前記第1のスワールチャンバ第1端部から前記第1のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進む前記第1の流体流を発生させ、
前記複数の第2のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第2のスワールチャンバに前記第2の流体を注入すると、前記第2のスワールチャンバ内を、前記第2のスワールチャンバ第1端部から前記第2のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進む前記第2の流体流を発生させる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
第1のスワールチャンバ第1端部及び第1のスワールチャンバ第2端部を有する第1のスワールチャンバを画定する第1のスワールコアであって、前記第1のスワールチャンバ第2端部が、第1のスワールチャンバ出口ポートを画定する、前記第1のスワールコアと、
第2のスワールチャンバ第1端部及び第2のスワールチャンバ第2端部を有する第2のスワールチャンバを画定する第2のスワールコアであって、前記第2のスワールチャンバ第2端部が、第2のスワールチャンバ出口ポートを画定し、前記第2のスワールチャンバが、少なくとも前記第1のスワールチャンバ第2端部を含む前記第1のスワールチャンバの一部を取り囲む、前記第2のスワールコアと、
混合チャンバを画定する混合要素であって、前記混合チャンバが、前記第1のスワールチャンバ第2端部と前記第2のスワールチャンバ第2端部とを少なくとも含む、前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバの一部を取り囲む、前記混合要素と
を備える、スワールプレバーナ。
【請求項9】
前記第1のスワールチャンバが、前記第1のスワールチャンバ第1端部の第1のより大きい直径から、前記第1のスワールチャンバ第2端部の第2のより小さい直径まで先細になっている、請求項8に記載のスワールプレバーナ。
【請求項10】
前記第2のスワールチャンバが、前記第2のスワールチャンバ第1端部の第1のより大きい直径から、前記第2のスワールチャンバ第2端部の第2のより小さい直径まで先細になっている、請求項8または9に記載のスワールプレバーナ。
【請求項11】
前記第1のスワールチャンバが、前記第1のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第1のスワールチャンバ注入ポートであって、前記第1のスワールチャンバの周の接線で、第1の流体を前記第1のスワールチャンバに接線方向に送り込むように構成された、前記複数の第1のスワールチャンバ注入ポートを備える、請求項8から10のいずれか一項に記載のスワールプレバーナ。
【請求項12】
前記第2のスワールチャンバが、前記第2のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第2のスワールチャンバ注入ポートであって、第2の流体を前記第2のスワールチャンバに接線方向に送り込むように構成された、前記複数の第2のスワールチャンバ注入ポートを備える、請求項8から11のいずれか一項に記載のスワールプレバーナ。
【請求項13】
前記混合チャンバが、混合カップ部及び希釈剤注入部を備える、請求項8から12のいずれか一項に記載のスワールプレバーナ。
【請求項14】
第1のチャンバ第1端部及び第1のチャンバ第2端部を有する第1のチャンバを画定する第1のコアと、
第2のチャンバ第1端部及び第2のチャンバ第2端部を有する第2のチャンバを画定する第2のコアと、
混合チャンバを画定する混合要素であって、前記混合チャンバが、前記第1のチャンバ第2端部と前記第2のチャンバ第2端部とを少なくとも含む、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの一部を取り囲む、前記混合要素とを備え、
流体を、前記第1のコア、前記第2のコア、及び前記混合要素のうちの少なくとも1つに圧送する少なくとも1つの流体ポンプを駆動するタービンの下流に配置された、プレバーナ。
【請求項15】
前記第1のチャンバ第2端部が、第1のチャンバ出口ポートを画定し、前記第2のチャンバ第2端部が、前記第1のチャンバ出口ポートとの共通面を画定した第2のチャンバ出口ポートを画定する、請求項14に記載のプレバーナ。
【請求項16】
前記第2のチャンバが、少なくとも前記第1のチャンバ第2端部を含む前記第1のチャンバの一部を取り囲む、請求項14または15に記載のプレバーナ。
【請求項17】
前記第1のチャンバが、軸Xに関して、円形の径方向対称性を有し、前記第2のチャンバが、前記軸Xに関して、円形の径方向対称性を有する、請求項14から16のいずれか一項に記載のプレバーナ。
【請求項18】
前記第1のチャンバの第1の長さの、前記第1のチャンバの第1の直径に対する比が、8.0~7.0の範囲内であり、前記第2のチャンバの第2の長さの、前記第2のチャンバの第2の直径に対する比が、6.0~7.0の範囲内である、請求項14から17のいずれか一項に記載のプレバーナ。
【請求項19】
前記第2のチャンバが、前記第1のチャンバを取り囲む円筒形リングを画定する、請求項14から18のいずれか一項に記載のプレバーナ。
【請求項20】
前記混合チャンバが、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの少なくとも一部を取り囲む円筒形リングを画定する、請求項14から19のいずれか一項に記載のプレバーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(複数可)の相互参照
本出願は、2018年11月15日に出願された「SWIRL PREBURNER SYSTEM AND METHOD」と題する米国特許出願第16/192,693号に対する優先権を主張するものである。この米国特許出願の開示は、参照によりその全体があらゆる目的のために本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ロケットエンジンの構成要素は、温度の影響を受けやすい可能性があるので、高温に長時間さらされると、温度の影響を受けやすい要素が故障する。したがって、損傷を与える高温に、そのような要素をさらすことを制限しまたは除去することにより、ロケットエンジンの寿命及び再利用性を高めることができる。
【0003】
プレバーナ内の燃焼は、下流のタービンまたはプレバーナ自体など、ロケットエンジンのパーツに損傷を与える可能性のある熱源のひとつである。いくつかの例では、プレバーナ内での燃料と酸化剤との非効率的な混合が、広範囲にわたって燃焼温度が発生する原因となり、これにはロケットエンジンの要素に損傷を与える可能性のある温度が含まれ得る。
【0004】
したがって、燃料と酸化剤との効率的な混合を提供するプレバーナシステムは、ロケットエンジンの動作寿命を延ばすのに有益であり得る。さらに、燃焼生成物を効率的に冷却するプレバーナシステムは、プレバーナとタービンとの間の連結物を短くすることを可能にし、それによってロケットエンジンのサイズ及び質量を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】実施形態によるスワールプレバーナの例示的な断面側面図である。
【0006】
図2】実施形態によるスワールプレバーナの例示的な断面正面図である。
【0007】
図3】実施形態によるスワールプレバーナの例示的な断面側面図である。
【0008】
図4】実施形態によるスワールプレバーナアセンブリの例示的な断面側面図である。
【0009】
図5】スワールプレバーナを含む例示的なロケットエンジンシステムのブロック図である。
【0010】
図6】実施形態による、スワールプレバーナを含む例示的なロケットエンジンシステムの透視図である。
【0011】
図7図6の例示的なロケットエンジンシステムの部分拡大透視図である。
【0012】
図は縮尺通りに描かれていないこと、及び類似した構造または機能を持つ要素は、一般に、全図を通して説明のため同様の参照番号によって表されていることに留意されたい。図はまた、例示された実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。図は、記載された実施形態のあらゆる態様を示すものではなく、本開示の範囲を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の開示は、ロケットエンジンの一部となり得るプレバーナを含むロケットエンジンに関する。本開示は、スワールプレバーナの第1のスワールコアによって画定された第1のスワールチャンバに、第1の流体を導入することを含む、スワールプレバーナを動作させる方法を含む。第1の流体は、第1のスワールチャンバ第1端部に導入することができ、第1のスワールチャンバ第2端部に向かって伝播する第1の流体流を発生させることができ、第1のスワールチャンバ第2端部が第1のスワールチャンバ出口ポートを画定する。第1の流体流は、第1のスワールチャンバ内を、第1のスワールチャンバ第1端部から第1のスワールチャンバ第2端部まで、旋回しながら進むことができる。
【0014】
スワールプレバーナを動作させる方法はまた、スワールプレバーナの第2のスワールコアによって画定された第2のスワールチャンバに、第2の流体を導入することを含み得る。第2の流体は、第2のスワールチャンバ第1端部に導入することができ、第2のスワールチャンバ第2端部に向かって伝播する第2の流体流を発生させることができ、第2のスワールチャンバ第2端部が第2のスワールチャンバ出口ポートを画定する。第2の流体流は、第2のスワールチャンバ内を、第2のスワールチャンバ第1端部から第2のスワールチャンバ第2端部まで、旋回しながら進むことができ、第2のスワールチャンバが、少なくとも第1のスワールチャンバ第2端部を含む第1のスワールチャンバの一部を取り囲んでいる。
【0015】
スワールプレバーナを動作させる方法はまた、混合要素によって画定された混合チャンバに第3の流体を導入することをさらに含み得る。混合チャンバは、第1のスワールチャンバ第2端部と第2のスワールチャンバ第2端部とを少なくとも含む、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバの一部を取り囲むことができ、第1の流体流と第2の流体流とが、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバを出て混合チャンバに入り、混合チャンバ内で混合する。
【0016】
少なくとも第1の流体流及び第2の流体流に混合チャンバ内で点火して燃焼を起こし、その燃焼生成物を用いてタービンを駆動し、そのタービンが、第1の流体、第2の流体及び第3の流体をスワールプレバーナに送り込む1つ以上の流体ポンプを動かし得る。
【0017】
様々な例では、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ内で生成される第1の流体及び第2の流体の旋回流は、第1の流体と第2の流体との混合を改善することができ、それによって、より狭い温度範囲内で燃焼を発生させることをもたらすことができ、これは、下流のタービンのブレードを含む、プレバーナの下流にある温度の影響を受けやすい要素にとって有益であり得る。
【0018】
図1を参照すると、スワールプレバーナ100が、第1のスワールチャンバ第1端部106から第1のスワールチャンバ第2端部108まで延在する長さL1の第1のスワールチャンバ104を画定する第1のスワールコア102を備えることが示されている。第1のスワールチャンバ104は、第1のスワールチャンバ第2端部108に、第1のスワールチャンバ出口ポート110を備える。様々な実施形態では、第1のスワールコア102は、D1の直径を有する円筒形の第1のスワールチャンバ104を画定する。複数の第1のスワールチャンバ注入ポート112が、第1のスワールコア102によって画定され、第1のスワールチャンバ第1端部106に配置され得る。
【0019】
様々な実施形態では、第1の流体が、第1のスワールチャンバ注入ポート112を介して第1のスワールチャンバ104に注入され得、第1のスワールチャンバ注入ポート112は、第1のスワールチャンバ104内に、第1のスワールチャンバ第1端部106から第1のスワールチャンバ第2端部108へ伝播して第1のスワールチャンバ出口ポート110から出る、第1の流体のスワールを発生させるように構成されている。いくつかの実施形態では、第1の流体は、液体酸素(LO2)を含み得る。
【0020】
スワールプレバーナ100は、第2のスワールチャンバ第1端部118から第2のスワールチャンバ第2端部120まで延在する長さL2の第2のスワールチャンバ116を画定する第2のスワールコア114をさらに備えることが示されている。第2のスワールチャンバ116は、第2のスワールチャンバ第2端部120に、第2のスワールチャンバ出口ポート122を備える。様々な実施形態では、第2のスワールコア114は、直径D2を有する円筒形リングの第2のスワールチャンバ116を画定し、第2のスワールチャンバ116は、第1のスワールチャンバ104を囲んでいる(例えば、図2を参照)。したがって、第1のスワールコア102の一部が、第2のスワールチャンバ116の一部を画定し得る。
【0021】
さらに、図1の例に示すように、第1のスワールチャンバ第2端部108と第2のスワールチャンバ第2端部120とは、互いに同一平面上にあり、共通の面を画定し得る。第2のスワールチャンバ116は、第1のスワールチャンバ104のまわりを、第1のスワールチャンバ第2端部108から第1のスワールチャンバ第1端部106に向かって、L2の長さだけ延在し得る。したがって、第1のスワールチャンバ第1端部106と第2のスワールチャンバ第1端部118との間の距離は、第1のスワールチャンバ第1端部106が、第2のスワールチャンバ116によって囲まれていないL1-L2の距離である。
【0022】
複数の第2のスワールチャンバ注入ポート124が、第2のスワールコア114によって画定され、第2のスワールチャンバ第1端部118に配置され得る。様々な実施形態では、第2の流体が、第2のスワールチャンバ注入ポート124を介して第2のスワールチャンバ116に注入され得、第2のスワールチャンバ注入ポート124は、第2のスワールチャンバ116内に、第2のスワールチャンバ第1端部118から第2のスワールチャンバ第2端部120へ伝播して第2のスワールチャンバ出口ポート122から出る、第2の流体のスワールを発生させるように構成されている。いくつかの実施形態では、第2の流体は、液体水素(LH2)を含み得る。
【0023】
図1に示すように、第1の流体及び第2の流体は、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116内で同方向にスワールを発生させ得る。しかし、いくつかの例では、第1の流体及び第2の流体は、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116内で反対方向にスワールを発生させる場合がある。さらに、さらなる実施形態では、第1の流体及び第2の流体の一方または両方が、スワールを伴わずに、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116内を伝播する場合がある。
【0024】
様々な実施形態では、第1の流体及び/または第2の流体のスワールを、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116へ流体を接線方向に送り込む穴を含み得る、1つ以上のそれぞれの第1のスワールチャンバ注入ポート112及び第2のスワールチャンバ注入ポート124の構成によって発生させてもよい。例えば、1つ以上の第1のスワールチャンバ注入ポート112が、第1のスワールコア102によって画定され得、この第1のスワールチャンバ注入ポート112が、第1のスワールチャンバ104を画定する第1のスワールコア102の内面に接線方向である第1の流体を供給することができる。そのような構成により、第1のスワールチャンバ104内に、第1のスワールチャンバ第1端部106にある1つ以上の第1のスワールチャンバ注入ポート112から、第1のスワールチャンバ第2端部108に向かって伝播して、第1のスワールチャンバ出口ポート110から出る、第1の流体のスワール流または螺旋流を発生させることができる。
【0025】
第1のスワールコア102は、1つまたは任意好適な複数の第1のスワールチャンバ注入ポート112を備えてもよい。いくつかの例では、第1のスワールコア102は、2~8個の第1のスワールチャンバ注入ポート112を備えることができる。一例では、第1のスワールコア102は、3個の第1のスワールチャンバ注入ポート112を備えることができる。
【0026】
様々な例では、複数の第1のスワールチャンバ注入ポート112を、第1のスワールチャンバ第1端部106で第1のスワールチャンバ104の周囲に、対称に配置してもよく、及び/または等間隔に配置してもよい。いくつかの例では、第1のスワールチャンバ注入ポート112を、第1のスワールチャンバ104の周辺で共通平面内に配置してもよく、及び/または所与の平面に関して対称に配置してもよい。
【0027】
同様に、1つ以上の第2のスワールチャンバ注入ポート124が、第2のスワールコア114によって画定され得、この第2のスワールチャンバ注入ポート124が、第2のスワールチャンバ116を画定する第2のスワールコア114の内面に接線方向である第2の流体を供給することができる。そのような構成により、第2のスワールチャンバ116内に、第2のスワールチャンバ第1端部118にある1つ以上の第2のスワールチャンバ注入ポート124から、第2のスワールチャンバ第2端部120に向かって伝播して、第2のスワールチャンバ出口ポート122から出る、第2の流体のスワール流または螺旋流を発生させることができる。
【0028】
第2のスワールコア114は、1つまたは任意好適な複数の第2のスワールチャンバ注入ポート124を備えてもよい。いくつかの例では、第2のスワールコア114は、4~16個の第2のスワールチャンバ注入ポート124を備えることができる。一例では、第2のスワールコア114は、6個の第2のスワールチャンバ注入ポート124を備えることができる。
【0029】
様々な例では、複数の第2のスワールチャンバ注入ポート124を、第2のスワールチャンバ第1端部118で第2のスワールチャンバ116の周辺に、対称に配置してもよく、及び/または等間隔に配置してもよい。いくつかの例では、第2のスワールチャンバ注入ポート124を、第2のスワールチャンバ116の周辺で共通平面内に配置してもよく、及び/または所与の平面に関して対称に配置してもよい。
【0030】
第1のスワールチャンバ注入ポート及び第2のスワールチャンバ注入ポート112、124の個数は、様々な要因に基づいて選択することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1のスワールチャンバ注入ポート及び/または第2のスワールチャンバ注入ポート112、124の個数は、スワールプレバーナ100の質量流量要件、第1のスワールチャンバ注入ポート及び第2のスワールチャンバ注入ポート112、124による予想される圧力降下、効果的に製造できる最小サイズ、及びこれらに類するものに基づいて選択してもよい。いくつかの例では、第1のスワールチャンバ注入ポート及び/または第2のスワールチャンバ注入ポート112、124の圧力降下は、15%~20%であり得る。例えば、15%の圧力降下は、スワールプレバーナ100のチャンバ圧力の15%として計算することができる。そのような圧力降下範囲は、スワールプレバーナ100のそれぞれの要素における燃焼プロセスの軸方向の燃焼安定性のために所望の剛性を維持するのに望ましいものとなり得る。
【0031】
スワールプレバーナ100は、混合チャンバ128を画定する混合要素126をさらに備えることができ、混合チャンバ128は、混合チャンバ第1端部130から混合チャンバ第2端部132まで延在している。混合チャンバ128は、希釈剤注入部134及び混合カップ136を備える。混合カップ136は、直径D3を画定する。混合要素126は、混合チャンバ第1端部130で混合要素126によって画定される複数の希釈剤注入ポート138をさらに備える。
【0032】
様々な実施形態では、第3の流体が、希釈剤注入ポート138を介して混合チャンバ128の希釈剤注入部134に注入され得、希釈剤注入ポート138は、図1に示すように、希釈剤注入部134内に、混合チャンバ第1端部130から混合カップ136に入り、混合チャンバ第2端部132に向かって伝播する、第3の流体の外層(envelope)を発生させるように構成されている。いくつかの例では、第3の流体は、液体水素(LH2)を含み得る。
【0033】
様々な例では、混合チャンバ128の希釈剤注入部134は、希釈剤注入部134が第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116を囲んだ円筒形リングを画定している(例えば、図2参照)。したがって、第2のスワールコア114の一部は、混合チャンバ128の希釈剤注入部134の一部を画定し得る。
【0034】
図1に示すように、第1のスワールコア102は、第2のスワールコア114の中に入れ子にすることができ、第1のスワールコア及び第2のスワールコア102、114が、混合要素126の一部の中に入れ子にされている。本明細書で述べるように、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116ならびに混合カップ136は、それぞれの直径D1、D2及びD3が画定され得、D1<D2<D3である。さらに、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116ならびに混合チャンバ128は、スワールプレバーナ100を通って延びる軸Xに関して、軸対称であること、及び/または円形の径方向対称性を有することが可能である。
【0035】
第1の流体及び第2の流体の旋回流を、上記のように、それぞれ第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116内で発生させることができ、これらの第1の流体及び第2の流体のそれぞれの流れは、第1のスワールチャンバ出口ポート及び第2のスワールチャンバ出口ポート110、122を経て第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116を出て、混合チャンバ128の混合カップ136に入ることができる。第1の流体及び第2の流体のスワール流は、希釈剤注入部134からのものである第3の流体の外層によって取り囲まれ、混合チャンバ第2端部132に向かって伝播し得る。
【0036】
本明細書で述べるように、第1の流体及び第2の流体の旋回流は、第1のスワールチャンバ注入ポート及び第2のスワールチャンバ注入ポート112、124の角度、向き、ノズル形状、またはその他の構成によって発生させることができ、それによって、いくつかの例では、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116の周辺で、少なくとも1回の完全回転、少なくとも2回の完全回転、少なくとも3回の完全回転などのような完全回転を行う、それぞれの流体流を発生させる。対照的に、希釈剤注入ポート138は、混合チャンバ第1端部130から混合チャンバ第2端部132に向かう第3の流体流を、旋回流を伴わずに発生させるように構成され得る。この第3の流体流には、いくつかの例では、直線流か、または混合チャンバ128の周辺で、半回転未満の回転、4分の1回転未満の回転、8分の1回転未満の回転、16分の1回転未満の回転などを含む、1回転未満の回転を行うスワール流を有する流れが含まれてもよい。
【0037】
いくつかの例では、混合チャンバ128は、6~32個の希釈剤注入ポート138を備え得る。一例では、混合チャンバ128は、12個の希釈剤注入ポート138を備えることができる。
【0038】
様々な例では、複数の希釈剤注入ポート138を、混合チャンバ第1端部130で混合チャンバ128の周辺に、対称に配置してもよく、及び/または等間隔に配置してもよい。いくつかの例では、希釈剤注入ポート138を、混合チャンバ128の周辺で共通平面内に配置してもよく、及び/または所与の平面に関して対称に配置してもよい。
【0039】
いくつかの例には、第1のスワールチャンバ104内で発生したLO2スワール流、第2のスワールチャンバ116内で発生したLH2スワール流、及び混合チャンバ128の希釈剤注入部134内で発生したLH2カーテン流またはLH2外層流が含まれるが、代替の例示的な実施形態では、さらなる流体または流体の構成が存在してもよい。例えば、別の実施形態では、第1のスワールチャンバ104内にLH2スワール流を発生させることができ、第2のスワールチャンバ116内にLO2スワール流を発生させることができ、混合チャンバ128の希釈剤注入部134内にLH2カーテン流またはLH2外層流を発生させることができる。
【0040】
いくつかの例では、第1のスワールチャンバ104に提供される第1の流体と、第2のスワールチャンバ116に提供される第2の流体との混合比は、2対3であり得る。言い換えれば、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116によって提供される(希釈剤注入部134によって提供される第3の流体を含まない)第1の流体と第2の流体との比率を、2対3とすることができる。代替の例では、第1の流体と第2の流体との混合比を、5対8、3対4、1対1などのような比率にすることがあり得る。
【0041】
スワールプレバーナ100は、混合カップ136に流入する第1の流体と第2の流体との混合物を点火するために、第1のスワールチャンバ第2端部及び第2のスワールチャンバ第2端部108、120にある第1のスワールチャンバ出口ポート及び第2のスワールチャンバ出口ポート110、122のあたりに配置された1つ以上の点火装置をさらに備えることができる。第1の流体と第2の流体との混合比が2対3などのような混合比であると、そのような比は、プレバーナ内の点火を開始しやすくすることができ、その一方では、第3の流体を注入することで混合比を低下させ、それによって下流のタービンブレードに供給される温度を下げることができるので、好ましい可能性がある。
【0042】
例えば、第1の流体がLO2を含み、第2の流体及び第3の流体がLH2を含む実施形態では、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116によって混合カップ136に提供される2LO2対3LH2の混合比は、混合カップ136内での点火を容易にすることを可能にする場合があり、希釈剤LH2(すなわち、第3の流体)を添加するので比を希釈することができ、これにより、スワールプレバーナ100の下流にあるタービンに供給される温度を低下させることができる(例えば、図5参照)。タービンブレードなどの下流の構成要素で、そのように温度が下がると、高温によって生じるそのような構成要素の摩損を減らすことができるので、好ましい可能性がある。
【0043】
さらに、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116を介した第1の流体と第2の流体とのスワール混合は、混合カップ136内での第1の流体と第2の流体との混合を改良することができ、これにより、より狭い温度範囲内で、第1の流体と第2の流体との混合物の燃焼を提供することができる。例えば、第1の流体と第2の流体との混合物が、ある体積内で相容れず、均質ではない場合、そのような混合物の燃焼は、広い温度範囲内の温度を含み得る。高温が、スワールプレバーナ100、下流のタービンなどを含むロケットエンジンの構成要素に損傷を与える場合に、混合カップ136内の流体の燃焼の温度範囲を保つことは、ロケットエンジンシステムの様々な構成要素の動作寿命を向上させるのに好ましい場合がある。したがって、第1の流体と第2の流体との混合が改善される(すなわち、より均質になる)ことは、他のプレバーナ構成と比較してより狭い範囲内に燃焼温度を保つことで、ロケットエンジンの構成要素の動作寿命を向上させるために好ましい場合がある。
【0044】
例えば、いくつかの実施形態では、スワールプレバーナ100または下流のタービンを、2000℃を超える温度にさらさないことが好ましい場合がある。スワールプレバーナ100の構成要素が2000℃を超える温度にさらされるのを制限する方法の1つは、上記のように、第1の流体と第2の流体との混合物を、第3の流体のシートまたは外層の内側で燃焼させることである。混合カップ136内の第1の流体及び第2の流体の燃焼が2000℃を超える(例えば、3000℃~4000℃)場合には、混合チャンバ128及び混合カップ136を画定する混合要素126部分は、混合カップ136の希釈剤注入部134によって発生させた第3の流体のシートまたは外層により、そのような温度から断熱させることができる。
【0045】
また、第1の流体及び第2の流体の燃焼及び混合物に第3の流体を加えることで、混合物及び/または燃焼の温度を低下させることができ、このことはスワールプレバーナ100の下流にある構成要素にとって好ましいことであり得る。例えば、第1の流体及び第2の流体の燃焼が3000℃~4000℃で始まる場合に、第3の流体を加えることで、温度を2000℃未満(例えば、約1200℃)に下げることができ、このことはタービンなどの下流の構成要素にとって望ましいことであり得る。
【0046】
さらに、温度を急速に下げることにより、温度の低下に必要な距離が短くなるので、スワールプレバーナ100と下流の温度に敏感な構成要素との間の管類またはその他の接続構造の長さを短くすることができる。そのような構成要素の長さを短くすることは、スワールプレバーナ100を備えるロケットエンジンシステムの小型化及び軽量化のために好ましいことであり得る。
【0047】
したがって、様々な実施形態では、スワールプレバーナ100は、低質量のプレバーナシステムを提供することができ、その一方では、堅固な始動過渡事象と、下流のタービンブレード及びスワールプレバーナ100自体を含む、ロケットエンジンシステムの構成要素の寿命を延ばす温度プロファイルとを提供することもできる。
【0048】
様々な例において、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ104、116は、他の設計と比較して、流体の混合及び噴霧化を改良することが可能であり、これにより、スワールプレバーナ100の長さをそのような他の設計よりも短くすることが可能になり得る。したがって、いくつかの例では、本明細書で論じられるスワールプレバーナ100の構成は、スワールプレバーナ100のサイズ及び/または質量を代替設計と比較して低減することができ、このことは、スワールプレバーナ100を含む、より軽量かつ小型のロケットエンジンシステムを提供するのに好ましいこととなり得る。
【0049】
さらに、LH2(燃料)及びLO2(酸化剤)の例をいくつか挙げたが、代替の例では、燃料と酸化剤との任意好適な組み合わせ、単一成分もしくは複数成分の燃料、単一成分もしくは複数成分の酸化剤、またはその種の他の組み合わせを使用することができる。例えば、さらなる実施形態では、スワールプレバーナ100は、エチレンオキシド、過酸化水素、ニトロメタン、フッ化ペルクロリル、亜酸化窒素、LO2-ケロシン、四酸化窒素-ヒドラジン、アニリン酸、JP-4-酸、過酸化水素-JP-4、ヒドラジン酸、アンモニア-四酸化窒素、LO2-JP-4、LO2-アルコール、ヒドラジン-三フッ化塩素、LO2-フッ素-JP-4、LO2-オゾン-JP-4、LO2-ヒドラジン、フッ素-水素、フッ素-アンモニア、オゾン-水素、フッ素-ジボランなどのうちの1つ以上を使用してもよい。さらに、様々な例では液体の使用について述べているが、さらなる例では、任意の好適な気体及び/または液体を使用してもよい。
【0050】
図2を参照すると、別の例示的な実施形態のスワールプレバーナ200の断面正面図が示されている。スワールプレバーナ200は、第1のスワールチャンバ204を画定する中央の第1のスワールコア202を備えていることが示されている。第1のスワールチャンバの端部206が、第1のスワールチャンバ出口ポート208を画定していることが示されている。様々な実施形態では、第1のスワールコア202は、直径D1を有する円筒形の第1のスワールチャンバ204を画定する。様々な例では、本明細書で述べるように、第1の旋回流体流が、第1のスワールチャンバ204内で発生し、第1のスワールチャンバ出口ポート208から排出され得る。例えば、第1のスワールチャンバ204内で発生する、そのような第1の旋回流体流は、LO2を含むことができる。
【0051】
図2のスワールプレバーナ200は、第2のスワールチャンバ212を画定する第2のスワールコア210をさらに備えていることが示されている。第2のスワールチャンバの端部214が、第1のスワールチャンバの端部206と組み合わせて、第2のスワールチャンバ出口ポート216を画定していることが示されている。様々な実施形態では、第2のスワールコア210は、直径D2を有する円筒形リングの第2のスワールチャンバ212を画定し、この円筒形リングの幅は、(D2-D1)/2である。様々な例では、本明細書で述べるように、第2の旋回流体流が、第2のスワールチャンバ212内で発生し、第1のスワールチャンバ出口ポート216から排出され得る。例えば、第2のスワールチャンバ212内で発生する、そのような第2の旋回流体流は、LH2を含むことができる。
【0052】
図2のスワールプレバーナ200は、混合チャンバ220を画定する混合要素218をさらに備えていることが示されている。混合チャンバの端部222が、混合カップ224を画定していることが示されている。様々な実施形態では、混合チャンバ220は、直径D3を有する円筒形の混合カップ224を画定する。様々な例では、混合カップ224内で第3の流体のカーテン流または外層流が発生し得る。例えば、混合カップ224内で発生する、そのような第3の流体のカーテンまたは外層は、LH2を含むことができる。
【0053】
図2に示すように、第1のスワールコア202は、第2のスワールコア210の中に入れ子にすることができ、第1のスワールコア及び第2のスワールコア202、210が、混合要素218の一部の中に入れ子にされている。本明細書で述べるように、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ204、212ならびに混合チャンバ220は、それぞれの直径D1、D2及びD3が画定され得、D1<D2<D3である。さらに、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ204、212ならびに混合チャンバ220は、スワールプレバーナ200を通って延びる中心軸に関して、軸対称であること、及び/または円形の径方向対称性を有することが可能である。
【0054】
図3を参照すると、スワールプレバーナ300が、第1のスワールチャンバ第1端部306から第1のスワールチャンバ第2端部308まで延在する長さL1の第1のスワールチャンバ304を画定する第1のスワールコア302を備えることが示されている。第1のスワールチャンバ304は、第1のスワールチャンバ第2端部308に、第1のスワールチャンバ出口ポート310を備える。様々な実施形態では、第1のスワールコア302は、第1のスワールチャンバ第1端部306でD13Aの直径を有し、第1のスワールチャンバ第2端部308でD13Bの直径を有する、軸方向に対称な第1のスワールチャンバ304を画定する。第1のスワールチャンバ304は、第1のスワールチャンバ304の直径を、第1のスワールチャンバ第1端部306におけるD13Aの直径から、第1のスワールチャンバ第2端部308におけるD13Bの直径へと移行させる第1のスワールチャンバテーパ部307を備え得る。複数の第1のスワールチャンバ注入ポート312が、第1のスワールコア302によって画定され、第1のスワールチャンバ第1端部306に配置され得る。
【0055】
様々な実施形態では、第1の流体が、第1のスワールチャンバ注入ポート312を介して第1のスワールチャンバ304に注入され得、第1のスワールチャンバ注入ポート312は、第1のスワールチャンバ304内に、第1のスワールチャンバ第1端部306から第1のスワールチャンバ第2端部308へ伝播して第1のスワールチャンバ出口ポート310から出る、第1の流体のスワールを発生させるように構成されている。例示のスワールプレバーナ300では、第1のスワールチャンバ注入ポート312は、直径D13Aを有する第1のスワールチャンバ第1端部306の一部に配置されている。いくつかの実施形態では、第1の流体は、LO2を含み得る。
【0056】
スワールプレバーナ300は、第2のスワールチャンバ第1端部318から第2のスワールチャンバ第2端部320まで延在する長さL2の第2のスワールチャンバ316を画定する第2のスワールコア314をさらに備えることが示されている。第2のスワールチャンバ316は、第2のスワールチャンバ第2端部320に、第2のスワールチャンバ出口ポート322を備える。様々な実施形態では、第2のスワールコア314は、第2のスワールチャンバ第1端部318でD23Aの最大直径を有し、第2のスワールチャンバ第2端部320でD23Bの直径を有する、軸方向に対称なリング状の第2のスワールチャンバ316を画定する。いくつかの例では、L2/D23Bの比率は、6.0~7.0の範囲内であり得、一例では、L2/D23Bの比率=6.4である。
【0057】
第2のスワールチャンバ316は、第2のスワールチャンバ316の直径を、第2のスワールチャンバ第1端部318におけるD23Aの直径から、第2のスワールチャンバ第2端部320におけるD23Bの直径へと移行させる第2のスワールチャンバテーパ319を備え得る。複数の第2のスワールチャンバ注入ポート324が、第2のスワールコア314によって画定され、第2のスワールチャンバ第1端部318に配置され得る。
【0058】
さらに、図3の例に示すように、第1のスワールチャンバ第2端部308と第2のスワールチャンバ第2端部320とは、互いに同一平面上にあり、共通の面を画定し得る。第2のスワールチャンバ316は、第1のスワールチャンバ304のまわりを、第1のスワールチャンバ第2端部308から第1のスワールチャンバ第1端部306に向かって、L2の長さだけ延在し得る。したがって、第1のスワールチャンバ第1端部306と第2のスワールチャンバ第1端部318との間の距離は、第1のスワールチャンバ第1端部306が、第2のスワールチャンバ316によって囲まれていないL1-L2の距離である。
【0059】
この例示のスワールプレバーナ300に示すように、第1のスワールチャンバ304の最大直径D13A及びスワールチャンバテーパ部307は、第2のスワールチャンバ316によって取り囲まれていない。さらに、第2のスワールチャンバ316は、第1のスワールチャンバ304の、D13Aの最小直径を有する部分を排他的に取り囲む。さらに、図3のスワールプレバーナの例では、D23A>D13A>D23B>D13Bである。
【0060】
いくつかの例では、L1/D13Bの比率は、8.0~7.0の範囲内であり得、一例では、L1/D13Bの比率=7.5である。
【0061】
複数の第2のスワールチャンバ注入ポート324が、第2のスワールコア314によって画定され、第2のスワールチャンバ第1端部318に配置され得る。様々な実施形態では、第2の流体が、第2のスワールチャンバ注入ポート324を介して第2のスワールチャンバ316に注入され得、第2のスワールチャンバ注入ポート324は、第2のスワールチャンバ316内に、第2のスワールチャンバ第1端部318から第2のスワールチャンバ第2端部320へ伝播して第2のスワールチャンバ出口ポート322から出る、第2の流体のスワールを発生させるように構成されている。例示のスワールプレバーナ300では、第2のスワールチャンバ注入ポート324は、直径D23Aを有する第2のスワールチャンバ第1端部318の一部に配置されている。いくつかの実施形態では、第2の流体は、LH2を含み得る。
【0062】
様々な実施形態では、第1の流体及び/または第2の流体のスワールを、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ304、316へ流体を接線方向に送り込む穴を含み得る、1つ以上のそれぞれの第1のスワールチャンバ注入ポート312及び第2のスワールチャンバ注入ポート324の構成によって発生させてもよい。例えば、1つ以上の第1のスワールチャンバ注入ポート312が、第1のスワールコア302によって画定され得、この第1のスワールチャンバ注入ポート312が、第1のスワールチャンバ304を画定する第1のスワールコア302の内面に接線方向である第1の流体を供給することができる。そのような構成により、第1のスワールチャンバ304内に、第1のスワールチャンバ第1端部306にある1つ以上の第1のスワールチャンバ注入ポート312から、第1のスワールチャンバ第2端部308に向かって伝播して、第1のスワールチャンバ出口ポート310から出る、第1の流体のスワール流または螺旋流を発生させることができる。
【0063】
第1のスワールコア302は、1つまたは任意好適な複数の第1のスワールチャンバ注入ポート312を備えてもよい。いくつかの例では、第1のスワールコア302は、2~8個の第1のスワールチャンバ注入ポート312を備えることができる。一例では、第1のスワールコア302は、3個の第1のスワールチャンバ注入ポート312を備えることができる。様々な例では、複数の第1のスワールチャンバ注入ポート312を、第1のスワールチャンバ第1端部306で第1のスワールチャンバ304の周辺に、対称に配置してもよく、及び/または等間隔に配置してもよい。いくつかの例では、第1のスワールチャンバ注入ポート312を、第1のスワールチャンバ304の周辺で共通平面内に配置してもよく、及び/または所与の平面に関して対称に配置してもよい。
【0064】
同様に、1つ以上の第2のスワールチャンバ注入ポート324が、第2のスワールコア314によって画定され得、この第2のスワールチャンバ注入ポート324が、第2のスワールチャンバ316を画定する第2のスワールコア314の内面に接線方向である第2の流体を供給することができる。そのような構成により、第2のスワールチャンバ316内に、第2のスワールチャンバ第1端部318にある1つ以上の第2のスワールチャンバ注入ポート324から、第2のスワールチャンバ第2端部320に向かって伝播して、第2のスワールチャンバ出口ポート322から出る、第2の流体のスワール流または螺旋流を発生させることができる。
【0065】
第2のスワールコア314は、1つまたは任意好適な複数の第2のスワールチャンバ注入ポート324を備えてもよい。いくつかの例では、第2のスワールコア314は、4~16個の第2のスワールチャンバ注入ポート324を備えることができる。一例では、第2のスワールコア314は、6個の第2のスワールチャンバ注入ポート324を備えることができる。様々な例では、複数の第2のスワールチャンバ注入ポート324を、第2のスワールチャンバ第1端部318で第2のスワールチャンバ316の周辺に、対称に配置してもよく、及び/または等間隔に配置してもよい。いくつかの例では、第2のスワールチャンバ注入ポート324を、第2のスワールチャンバ316の周辺で共通平面内に配置してもよく、及び/または所与の平面に関して対称に配置してもよい。
【0066】
スワールプレバーナ300は、混合チャンバ328を画定する混合要素326をさらに備えることができ、混合チャンバ328は、混合チャンバ第1端部330から混合チャンバ第2端部332まで延在している。混合チャンバ328は、希釈剤注入部334及び混合カップ336を備える。混合カップ336は、直径D3を画定する。混合要素326は、混合チャンバ第1端部330で混合要素326によって画定される複数の希釈剤注入ポート338をさらに備える。
【0067】
希釈剤注入ポート338は、1つ以上の流体リザーバ342から延在して、これらと連通する、それぞれの希釈剤供給管340を介して、第3の流体(例えば、LH2)を供給され、受け入れることができる。さらに、第2のスワールチャンバ注入ポート324は、同様に1つ以上の流体リザーバ342と連通する第2のスワールチャンバ供給チューブ344を介して、第2の流体(例えば、LH2)を供給され、受け入れることができる。
【0068】
本開示を単純化するために、図3の断面図には、第2のスワールチャンバ供給チューブ344の全体が示されておらず、第2のスワールチャンバ供給チューブ344の全体は、第2のスワールチャンバ供給チューブ344との接続部を形成する全ての部分を含み、第2の流体が、1つ以上の流体リザーバ342から、それぞれの第2のスワールチャンバ注入ポート324に送られることを可能にすることに留意されたい。さらに、1つ以上の流体リザーバ342を、同様に連結することができる。したがって、図3に示す流体リザーバ342は、実際には単一の流体リザーバ342の一部であってもよいが、図3の断面図の性質を考慮すると、そのような接続は、図3を明確にするために図示されない場合がある。さらに、本開示のいくつかの例では、第2の流体及び第3の流体が論じられているが、様々な例では、第1の流体と第2の流体とは同じ流体(例えば、LH2)であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の流体リザーバ342が、同じ流体(例えば、LH2)を第2のスワールチャンバ316と混合チャンバ328との両方に供給することができる。
【0069】
同様に、第1のスワールチャンバ注入ポート312は、第1の流体源313を介して、第1の流体(例えば、LO2)を供給され、受け入れることができ、上記のように、第1の流体を第1のスワールチャンバ注入ポート312に伝える供給管または他の構造は、断面図の性質のため、及び本開示を単純化するために、図3には図示されていない。
【0070】
様々な実施形態では、第3の流体が、希釈剤注入ポート338を介して混合チャンバ328の希釈剤注入部334に注入され得、希釈剤注入ポート338は、希釈剤注入部334内に、混合チャンバ第1端部330から混合カップ336に入り、混合チャンバ第2端部332に向かって伝播する、第3の流体の外層(envelope)を発生させるように構成されている。
【0071】
様々な例では、混合チャンバ328の希釈剤注入部334は、希釈剤注入部334が第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ304、316を囲んだ円筒形リングを画定している(例えば、図2参照)。したがって、第2のスワールコア314の一部は、混合チャンバ328の希釈剤注入部334の一部を画定し得る。
【0072】
図3に示すように、第1のスワールコア302は、第2のスワールコア314の中に入れ子にすることができ、第1のスワールコア及び第2のスワールコア302、314が、混合要素326の一部の中に入れ子にされている。さらに、第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ304、316ならびに混合チャンバ328は、スワールプレバーナ300を通って延びる軸Xに関して、軸対称であること、及び/または円形の径方向対称性を有することが可能である。
【0073】
第1の流体及び第2の流体の旋回流を、上記のように、それぞれ第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ304、316内で発生させることができ、これらの第1の流体及び第2の流体のそれぞれの流れは、第1のスワールチャンバ出口ポート及び第2のスワールチャンバ出口ポート310、322を経て第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ304、316を出て、混合チャンバ328の混合カップ336に入ることができる。第1の流体及び第2の流体のスワール流は、希釈剤注入部334からのものである第3の流体の外層によって取り囲まれ、混合チャンバ第2端部332に向かって伝播し得る。
【0074】
本明細書で述べるように、第1の流体及び第2の流体の旋回流は、第1のスワールチャンバ注入ポート及び第2のスワールチャンバ注入ポート312、324の角度、向き、ノズル形状、またはその他の構成によって発生させることができ、それによって、いくつかの例では、それぞれの第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ304、316の周辺で、少なくとも1回の完全回転を行う、それぞれの流体流を発生させる。対照的に、希釈剤注入ポート338は、混合チャンバ第1端部330から混合チャンバ第2端部332に向かう第3の流体流を、旋回流を伴わずに発生させるように構成され得る。この第3の流体流には、いくつかの例では、直線流か、または混合チャンバ328の周辺で、半回転未満の回転、4分の1回転未満の回転、8分の1回転未満の回転、16分の1回転未満の回転などを含む、1回転未満の回転を行うスワール流を有する流れが含まれてもよい。
【0075】
いくつかの例では、混合チャンバ328は、6~32個の希釈剤注入ポート338を備え得る。一例では、混合チャンバ328は、12個の希釈剤注入ポート338を備えることができる。様々な例では、複数の希釈剤注入ポート338を、混合チャンバ第1端部330で混合チャンバ328の周辺に、対称に配置してもよく、及び/または等間隔に配置してもよい。いくつかの例では、希釈剤注入ポート338を、混合チャンバ328の周辺で共通平面内に配置してもよく、及び/または所与の平面に関して対称に配置してもよい。上記に述べたように、図3の断面図の性質を考慮すると、全ての注入ポート312、324、328が図示されていない可能性があるので、図3の例示的な図は限定的なものと見なされるべきではない。
【0076】
図4を参照すると、例示的なスワールプレバーナシステム400が示されている。第1のスワールコア402が、第2のスワールコア414の中に入れ子にされ得、第1のスワールコア及び第2のスワールコア402、414が、混合要素426の一部の中に入れ子にされている。第1のスワールコア及び第2のスワールコア402、414ならびに混合要素426は、それぞれ第1のスワールチャンバ及び第2のスワールチャンバ404、416ならびに混合チャンバ436を画定し得る。
【0077】
混合チャンバ436は、流体源446によって供給される1つ以上の流体リザーバ442から延在して、これらと連通する、それぞれの希釈剤供給管440を介して、第3の流体(例えば、LH2)を供給され、受け入れることができる。さらに、第2のスワールチャンバ注入ポート424は、同様に1つ以上の流体リザーバ442と連通する第2のスワールチャンバ供給チューブ444を介して、第2の流体(例えば、LH2)を供給され、受け入れることができる。
【0078】
本開示を単純化するために、図4の断面図には、第2のスワールチャンバ供給チューブ444の全体が示されておらず、第2のスワールチャンバ供給チューブ444の全体は、第2のスワールチャンバ供給チューブ444との接続部を形成する全ての部分を含み、第2の流体が、1つ以上の流体リザーバ442から、それぞれの第2のスワールチャンバ注入ポート424に送られることを可能にすることに留意されたい。さらに、1つ以上の流体リザーバ442を、同様に連結することができる。したがって、図4に示す流体リザーバ442は、実際には単一の流体リザーバ442の一部であってもよいが、図4の断面図の性質を考慮すると、そのような接続は、図4を明確にするために図示されない場合がある。さらに、本開示のいくつかの例では、第2の流体及び第3の流体が論じられているが、様々な例では、第1の流体と第2の流体とは同じ流体(例えば、LH2)であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上の流体リザーバ442が、同じ流体(例えば、LH2)を第2のスワールチャンバ416と混合チャンバ428との両方に供給することができる。
【0079】
同様に、第1のチャンバ注入ポート412は、第1の流体源415から供給される第1の流体供給構造413を介して、第1の流体(例えば、LO2)を供給され、受け入れることができ、上記のように、第1の流体を第1のチャンバ注入ポート412に伝える供給管または他の構造は、断面図の性質のため、及び本開示を単純化するために、図4には図示されていない。
【0080】
さらに、本開示の実施形態は、以下の条項を考慮したうえで説明することができる。
1.スワールプレバーナの第1のスワールコアによって画定された第1のスワールチャンバに、第1の流体を導入することであって、前記第1の流体が、第1のスワールチャンバ第1端部に導入されて、第1のスワールチャンバ第2端部に向かって伝播する第1の流体流を発生させ、前記第1のスワールチャンバ第2端部が、第1のスワールチャンバ出口ポートを画定し、前記第1の流体流が、前記第1のスワールチャンバ内を、前記第1のスワールチャンバ第1端部から前記第1のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進む、前記第1の流体を導入することと、
前記スワールプレバーナの第2のスワールコアによって画定された第2のスワールチャンバに、第2の流体を導入することであって、前記第2の流体が、第2のスワールチャンバ第1端部に導入されて、第2のスワールチャンバ第2端部に向かって伝播する第2の流体流を発生させ、前記第2のスワールチャンバ第2端部が、第2のスワールチャンバ出口ポートを画定し、前記第2の流体流が、前記第2のスワールチャンバ内を、前記第2のスワールチャンバ第1端部から前記第2のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進み、前記第2のスワールチャンバが、少なくとも前記第1のスワールチャンバ第2端部を含む前記第1のスワールチャンバの一部を取り囲む、前記第2の流体を導入することと、
混合要素によって画定された混合チャンバに、第3の流体を導入することであって、前記混合チャンバが、前記第1のスワールチャンバ第2端部と前記第2のスワールチャンバ第2端部とを少なくとも含む、前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバの一部を取り囲み、前記第1の流体流と前記第2の流体流とが、前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバを出て前記混合チャンバに入り、前記混合チャンバ内で混合する、前記第3の流体を導入することと、
前記混合チャンバ内の少なくとも前記第1の流体流及び前記第2の流体流に点火して、燃焼を起こすことと
を含む、方法。
2.前記第1の流体が液体酸素を含み、前記第2の流体及び前記第3の流体が液体水素を含む、条項1に記載の方法。
3.前記第3の流体を前記混合チャンバに導入することは、前記第1のスワールチャンバ第2端部及び前記第2のスワールチャンバ第2端部で前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバを出る前記第1の流体流及び前記第2の流体流を取り囲む第3の流体流の外層を発生させることを含む、条項1または条項2に記載の方法。
4.少なくとも前記第1の流体及び前記第2の流体の前記燃焼によって生じた排ガスをタービンに向かわせることであって、少なくとも、前記第1の流体を前記第1のスワールチャンバに導入するとともに、前記第2の流体を前記第2のスワールチャンバに導入する1つ以上の流体ポンプに前記タービンが動力を供給する、前記向かわせることをさらに含む、条項1~3のいずれかに記載の方法。
5.前記第1のスワールチャンバが、軸Xに関して軸対称であり、前記第2のスワールチャンバが、前記軸Xに関して軸対称であり、前記混合チャンバが、前記軸Xに関して軸対称である、条項1~4のいずれかに記載の方法。
6.前記第1の流体を前記第1のスワールチャンバに導入することは、前記第1のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第1のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第1の流体を前記第1のスワールチャンバに注入することを含み、
前記第2の流体を前記第2のスワールチャンバに導入することは、前記第2のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第2のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第2の流体を前記第1のスワールチャンバに注入することを含む、条項1~5のいずれかに記載の方法。
7.前記複数の第1のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第1のスワールチャンバに前記第1の流体を注入すると、前記第1のスワールチャンバ内を、前記第1のスワールチャンバ第1端部から前記第1のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進む前記第1の流体流を発生させ、
前記複数の第2のスワールチャンバ注入ポートを介して、前記第2のスワールチャンバに前記第2の流体を注入すると、前記第2のスワールチャンバ内を、前記第2のスワールチャンバ第1端部から前記第2のスワールチャンバ第2端部まで旋回しながら進む前記第2の流体流を発生させる、条項6に記載の方法。
8.第1のスワールチャンバ第1端部及び第1のスワールチャンバ第2端部を有する第1のスワールチャンバを画定する第1のスワールコアであって、前記第1のスワールチャンバ第2端部が、第1のスワールチャンバ出口ポートを画定する、前記第1のスワールコアと、
第2のスワールチャンバ第1端部及び第2のスワールチャンバ第2端部を有する第2のスワールチャンバを画定する第2のスワールコアであって、前記第2のスワールチャンバ第2端部が、第2のスワールチャンバ出口ポートを画定し、前記第2のスワールチャンバが、少なくとも前記第1のスワールチャンバ第2端部を含む前記第1のスワールチャンバの一部を取り囲む、前記第2のスワールコアと、
混合チャンバを画定する混合要素であって、前記混合チャンバが、前記第1のスワールチャンバ第2端部と前記第2のスワールチャンバ第2端部とを少なくとも含む、前記第1のスワールチャンバ及び前記第2のスワールチャンバの一部を取り囲む、前記混合要素と
を備える、スワールプレバーナ。
9.前記第1のスワールチャンバが、前記第1のスワールチャンバ第1端部の第1のより大きい直径から、前記第1のスワールチャンバ第2端部の第2のより小さい直径まで先細になっている、条項8に記載のスワールプレバーナ。
10.前記第2のスワールチャンバが、前記第2のスワールチャンバ第1端部の第1のより大きい直径から、前記第2のスワールチャンバ第2端部の第2のより小さい直径まで先細になっている、条項8または条項9に記載のスワールプレバーナ。
11.前記第1のスワールチャンバが、前記第1のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第1のスワールチャンバ注入ポートであって、前記第1のスワールチャンバの周の接線で、第1の流体を前記第1のスワールチャンバに接線方向に送り込むように構成された、前記複数の第1のスワールチャンバ注入ポートを備える、条項8~10のいずれかに記載のスワールプレバーナ。
12.前記第2のスワールチャンバが、前記第2のスワールチャンバ第1端部に配置された複数の第2のスワールチャンバ注入ポートであって、第2の流体を前記第2のスワールチャンバに接線方向に送り込むように構成された、前記複数の第2のスワールチャンバ注入ポートを備える、条項8~11のいずれかに記載のスワールプレバーナ。
13.前記混合チャンバが、混合カップ部及び希釈剤注入部を備える、条項8~12のいずれかに記載のスワールプレバーナ。
14.第1のチャンバ第1端部及び第1のチャンバ第2端部を有する第1のチャンバを画定する第1のコアと、
第2のチャンバ第1端部及び第2のチャンバ第2端部を有する第2のチャンバを画定する第2のコアと、
混合チャンバを画定する混合要素であって、前記混合チャンバが、前記第1のチャンバ第2端部と前記第2のチャンバ第2端部とを少なくとも含む、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの一部を取り囲む、前記混合要素とを備え、
流体を、前記第1のコア、前記第2のコア、及び前記混合要素のうちの少なくとも1つに圧送する少なくとも1つの流体ポンプを駆動するタービンの下流に配置された、プレバーナ。
15.前記第1のチャンバ第2端部が、第1のチャンバ出口ポートを画定し、前記第2のチャンバ第2端部が、前記第1のチャンバ出口ポートとの共通面を画定した第2のチャンバ出口ポートを画定する、条項14に記載のプレバーナ。
16.前記第2のチャンバが、少なくとも前記第1のチャンバ第2端部を含む前記第1のチャンバの一部を取り囲む、条項14または条項15に記載のプレバーナ。
17.前記第1のチャンバが、軸Xに関して、円形の径方向対称性を有し、前記第2のチャンバが、前記軸Xに関して、円形の径方向対称性を有する、条項14~16のいずれかに記載のプレバーナ。
18.前記第1のチャンバの第1の長さの、前記第1のチャンバの第1の直径に対する比が、8.0~7.0の範囲内であり、前記第2のチャンバの第2の長さの、前記第2のチャンバの第2の直径に対する比が、6.0~7.0の範囲内である、条項14~17のいずれかに記載のプレバーナ。
19.前記第2のチャンバが、前記第1のチャンバを取り囲む円筒形リングを画定する、条項14~18のいずれかに記載のプレバーナ。
20.前記混合チャンバが、前記第1のチャンバ及び前記第2のチャンバの少なくとも一部を取り囲む円筒形リングを画定する、条項14~19のいずれかに記載のプレバーナ。
【0081】
様々な実施形態では、スワールプレバーナシステム400の全体は、積層造形によって製造することができる。例えば、いくつかの実施形態では、スワールプレバーナシステム400は、ニッケル、銅、またはその種の他の材料を含む材料を用いた積層造形によって製造することができる。積層造形によってスワールプレバーナシステム400を生成することは、そのような製造方法によって、他の製造方法では生成することが不可能な構造の生成を可能にすることができるので、好ましいことであり得る。
【0082】
図5は、プレバーナ510を備えた例示的なロケットエンジンシステム500のブロック図であり、ロケットエンジンシステム500は、いくつかの例では、図1図3のスワールプレバーナ100、200、300、または図4のスワールプレバーナシステム400を備えてもよい。ロケットエンジンシステム500は、燃料リザーバ502及び酸化剤リザーバ504を備え、それぞれの燃料ライン506及び酸化剤ライン508が、燃料及び酸化剤をプレバーナ510に運ぶことが示されている。いくつかの実施形態では、燃料はLH2を含むことができ、酸化剤はLO2を含むことができる。しかしながら、さらなる実施形態では、本明細書で説明される燃料-酸化剤ペアを含む任意の好適な燃料-酸化剤ペアを含んでもよい。
【0083】
燃料と酸化剤との燃料を多量に含む混合物を、プレバーナ510で発生させ、燃焼させることができ、推進剤を多量に含む排出流体を、排出ライン512を介してプレバーナから排出することができる。例えば、プレバーナ510内の燃焼は、化学量論的条件から外れていることがあり、このことは、燃焼生成物に加えて、推進剤(例えば、燃料または酸化剤)がプレバーナ510での燃焼から燃え残され得ることを意味する。
【0084】
プレバーナ510からの燃焼排ガスは、タービン514を駆動することができ、このタービン514は、燃料ポンプ516及び酸化剤ポンプを駆動する。燃料ポンプ516は、燃料リザーバ502から、燃料ライン506を通して、プレバーナ510及び燃焼室520に燃料を圧送し得る。酸化剤ポンプ518は、酸化剤リザーバ504から、酸化剤ライン508を通して、プレバーナ510及び燃焼室520に酸化剤を圧送し得る。
【0085】
燃料ライン506による燃料、酸化剤ライン508による酸化剤、及び排出ライン512によるプレバーナ510からの推進剤を多く含む排ガスを、燃焼室520で点火して燃焼522を発生させることができ、この燃焼522がロケットエンジンシステム500を推進する推力524を発生させ得る。
【0086】
図5には、プレバーナ510を有するロケットエンジンシステム500の一例を示しているが、他の好適なロケットエンジンの構成も本開示の範囲内である。例えば、一実施形態では、ロケットエンジンシステムは、それぞれのポンプ(例えば、燃料ポンプ及び酸化剤ポンプ516、518)を駆動するように構成することができる複数のプレバーナ510を備えてもよい。さらなる例では、燃料及び/または酸化剤を燃焼室520の本体のまわりに圧送して、冷却剤として作用させること、及び/または燃料及び/または酸化剤を加熱することがあってもよい。いくつかの例では、酸化剤は、酸化剤ポンプ518の高圧インペラによって提供することができる。いくつかの例では、燃料は、燃料ポンプ516の主段によって供給され得る。他の様々な段階的燃焼サイクルエンジン構成は、本明細書に記載された1つ以上のプレバーナを使用することができる。
【0087】
図6及び図7を参照すると、別の例のロケットエンジンシステム600が示されており、図7は、図6の説明図の部分拡大図である。ロケットエンジンシステム600は、燃焼室608に燃料及び酸化剤を供給する第1のポンプ及び第2のポンプ604、606を駆動するプレバーナシステム602を備えることが示されている。図7に示すように、プレバーナシステム602は、第1の流体源702及び第2の流体源704によって供給され得る。例えば、一実施形態では、プレバーナシステム602は、図1図3のスワールプレバーナ100、200、300、または図4のスワールプレバーナシステム400を含むことができる。
【0088】
いくつかの例では、プレバーナシステム602は、2000psi<Pc<2200psiの範囲内の動作圧力を有することができ、一例では、Pc=2105psiである。いくつかの例では、プレバーナシステム602は、1650℃~1750℃の範囲内で動作することができる。
【0089】
説明された実施形態は、様々な修正及び代替形態に影響されやすく、その具体例は、図面に一例として示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、説明された実施形態は、開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、逆に、本開示は、全ての修正、均等物、及び代替物を網羅するものであることを理解されたい。
【0090】
したがって、本明細書及び図面は、限定的意味ではなく、例示的意味で捉えられるべきである。また一方、特許請求の範囲に記載された本発明の広範な趣旨と範囲から逸脱することなく、様々な修正や変更を行うことができることは明らかであろう。
【0091】
他の変形形態も本開示の趣旨の範囲内である。したがって、開示された技法は様々な修正や代替的構造の影響を受けやすいが、その特定の例示された実施形態が図面に示されており、上記で詳細に説明されている。ただし、本発明を開示された特定の1つまたは複数の形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲で定義された本発明の趣旨及び範囲内にある全ての修正、代替的構造、及び均等物を網羅する意図があることを理解すべきである。
【0092】
開示された実施形態を説明する文脈での(特に以下の請求項の文脈での)「a」及び「an」ならびに「the」という用語と、類似の指示語との使用は、本明細書で別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅するように解釈されるべきである。用語「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」は、別段の記載がない限り、非制限型用語(すなわち、「~を含むが、それに限定されない」を意味する)として解釈される。用語「接続された(connected)」は、修飾されておらず、物理的な接続に言及している場合には、たとえ介在する何かがあるとしても、部分的にまたは完全に内部に含まれている、取り付けられている、または互いに結合されていると解釈されるべきである。本明細書での値の範囲の記載は、本明細書で別段の指示がない限り、その範囲内にある各個別の値を個別に参照する略記法としての役割を果たすことを単に意図しており、各個別の値は、それが本明細書で個別に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。「セット」(例えば、「項目のセット」)または「サブセット」という用語の使用は、特に明記しない限り、または文脈上矛盾しない限り、1つ以上のメンバを含む空ではないコレクションと解釈されるべきである。さらに、特に明記しない限り、または文脈上矛盾しない限り、対応するセットの「サブセット」という用語は、必ずしも対応するセットの適切なサブセットを示すものではないが、サブセットと対応するセットとが等しい場合もある。
【0093】
「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」または「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」(すなわち、オックスフォードコンマの有無にかかわらず同じフレーズ)という形式の句などの接続語は、特に明記されていない限り、または文脈上明らかに矛盾していない限り、ある項目や用語などが、AまたはBまたはC、A及びB及びCのセットの任意の空でないサブセット、あるいは少なくとも1つのA、少なくとも1つのB、または少なくとも1つのCを含む、文脈上矛盾しない、または他の形で除外されないセットのいずれかであってもよいことを提示するために一般に使用される文脈の中で別途理解される。例えば、3つのメンバを持つセットの説明的な実例では、接続語句の「A、B、及びCの少なくとも1つ」及び「A、B及びCの少なくとも1つ」は、以下のセットのいずれかを指す。すなわち、{A}、{B}、{C}、{A,B}、{A,C}、{B,C}、{A,B,C}を指し、明示的または文脈的に矛盾しない場合は、サブセットとして{A}、{B}、及び/または{C}を持つ任意のセット(例えば、複数の「A」を持つセット)を指す。したがって、そのような接続語は、一般に、特定の実施形態が、Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つがそれぞれ存在することを要することを意味することを意図するものではない。同様に、「A、B、またはCの少なくとも1つ」及び「A、BまたはCの少なくとも1つ」などの句は、「A、B、及びCの少なくとも1つ」及び「A、B及びCの少なくとも1つ」が次のセットのいずれかを指すのと同じことを指す。すなわち、異なる意味が明示的に述べられているか、文脈から明らかでない限り、{A}、{B}、{C}、{A,B}、{A,C}、{B,C}、{A,B,C}を指す。さらに、特に断りのない限り、または文脈上矛盾しない限り、用語「複数(plurality)」は、複数である状態を示す(例えば、「複数(plurality)の項目」は、複数(multiple)の項目を示す)。複数の項目の数は、少なくとも2つであるが、明示的にまたは文脈によって示される場合は、それ以上になることもある。
【0094】
本明細書に記載されているプロセスの動作は、他に指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行うことができる。実施形態では、本明細書に記載されたプロセス(またはそれらの変形形態及び/または組み合わせ)などの、プレバーナ、プレバーナシステム、またはロケットエンジンを動作及び制御するプロセスは、実行可能な命令で構成された1つ以上のコンピュータシステムの制御下で実行され、1つ以上のプロセッサ上でハードウェアまたはそれらの組み合わせによって集合的に実行されるコード(例えば、実行可能な命令、1つ以上のコンピュータプログラム、または1つ以上のアプリケーション)として実装される。実施形態では、コードは、例えば、1つ以上のプロセッサによって実行可能な複数の命令を含むコンピュータプログラムの形で、コンピュータ可読記憶媒体に格納されている。実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体は、一時的信号(例えば、伝播する一時的な電気的または電磁的伝送)を除外するが、一時的信号のトランシーバ内に非一時的データ記憶回路(例えば、バッファ、キャッシュ、及びキュー)を含む非一時的コンピュータ可読記憶媒体である。実施形態では、コード(例えば、実行可能コードまたはソースコード)は、コンピュータシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されると(すなわち、実行された結果として)、コンピュータシステムに本明細書に記載された動作を実行させる実行可能命令を格納した1つ以上の非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットに格納される。実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体のセットは、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備え、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の個々の非一時的記憶媒体のうちの1つ以上が、コードの全てを欠いているが、複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、コードの全てを集合的に格納する。実施形態では、実行可能命令は、異なる命令が異なるプロセッサによって実行されるように実行される。例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が命令を格納し、メインCPUが命令の一部を実行し、グラフィックプロセッサユニットが他の命令を実行する。実施形態では、コンピュータシステムの異なる構成要素が別個のプロセッサを有し、異なるプロセッサが命令の異なるサブセットを実行する。
【0095】
したがって、実施形態では、コンピュータシステムは、本明細書に記載されたプロセスの動作を、単独でまたは集合的に実行する1つ以上のサービスを実施するように構成され、そのようなコンピュータシステムは、動作の実行を可能にする適用可能なハードウェア及び/またはソフトウェアで構成される。さらに、本開示の実施形態を実施するコンピュータシステムは、単一のデバイスであり、別の実施形態では、分散型コンピュータシステムが本明細書に記載されている動作を実行して、単一のデバイスが全ての動作を実行しないような、異なる動作をする複数のデバイスを備えた分散型コンピュータシステムである。
【0096】
本明細書で提供される任意の例及び全ての例、または例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、単に本発明の実施形態をよりよく明らかにすることを意図したものにすぎず、別段の請求がない限り、本発明の範囲に制限を課すものではない。本明細書中のいかなる文言も、請求されていない要素が本発明の実施に必須であると示すものと解釈されるべきではない。
【0097】
本開示の実施形態は、本発明を実施するために本発明者に知られている最良のモードを含めて、本明細書に記載されている。それらの実施形態の変形形態は、上記の説明を読むと当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当業者が適宜そのような変形形態を採用することを期待しており、本発明者らは、本開示の実施形態が、本明細書に具体的に記載されている以外にも実施されることを意図している。したがって、本開示の範囲には、添付の特許請求の範囲に記載されている主題の、適用法で認められた全ての修正及び均等物が含まれる。さらに、上記の要素のあらゆる可能な変形形態の組み合わせは、本明細書に別段の記載がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、本開示の範囲に包含される。
【0098】
本明細書で引用されている刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個別にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されている場合と同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】