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特表2022-508085歯科治療ユニット、歯科治療ユニットの制御、および歯科治療室
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-19
(54)【発明の名称】歯科治療ユニット、歯科治療ユニットの制御、および歯科治療室
(51)【国際特許分類】
   A61G 15/14 20060101AFI20220112BHJP
   A61C 19/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61G15/14
A61C19/00 D
A61C19/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021525258
(86)(22)【出願日】2019-11-18
(85)【翻訳文提出日】2021-05-31
(86)【国際出願番号】 FI2019050824
(87)【国際公開番号】W WO2020099727
(87)【国際公開日】2020-05-22
(31)【優先権主張番号】20180130
(32)【優先日】2018-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591036309
【氏名又は名称】プランメカ オイ
【氏名又は名称原語表記】Planmeca Oy
【住所又は居所原語表記】Asentajankatu 6, 00880 Helsinki, Finland
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シルヴォネン ティモ
(72)【発明者】
【氏名】ド ゴジンスキー クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴオリネン マルコ
【テーマコード(参考)】
4C052
【Fターム(参考)】
4C052LL04
4C052LL07
(57)【要約】
本発明は、歯科治療作業で使用される歯科治療ユニットの構造に関する。本発明において、歯科治療ユニットのフレーム部は、垂直方向に伸張する支持部を取り付ける手段を有し、前記フレーム部のカバー構造体(22)は、少なくとも第1のカバー部(22’)および第2のカバー部(22”)を有する。前記支持部は、本質的に前記カバー部の間の継ぎ目位置(23)の領域から、垂直方向に伸張し、継ぎ目位置(23)には、シール要素(24)が配置されている。シール要素(24)は、好ましくは、歯科治療ユニットの制御システムによって制御されて発光するように構成されている。このような歯科治療ユニットは、特に、数台の歯科治療ユニットを有する歯科治療室または施設用に適用可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科治療ユニットであって、
- 実質的に垂直方向に伸張する壁構造体(21)と、前記壁構造体(21)の上方に位置するカバー構造体(22)とを有するフレーム部(2)と、
- 前記フレーム部(2)に配置され、実質的に垂直方向に伸張する支持部(41)を前記フレーム部(2)に取り付けることを可能にする取り付け装置であって、少なくとも第1の接続手段(54)を有する、取り付け装置、または、
前記フレーム部(2)に取り付けられた実質的に垂直方向に伸張する支持部(41)であって、前記支持部(41)の前記取り付け装置が少なくとも第1の接続手段(54)を有する、支持部(41)と、
前記垂直方向に伸張する支持部(41)は、支持装置(4)の一部であり、前記支持装置(4)は、歯科治療で使用される1つ以上の器具(6)、歯科治療で使用される撮像装置、および歯科治療で使用される無影灯(8)のうちの少なくとも1つの構成要素を支持するように構成されている、
- 前記少なくとも1つの構成要素に、前記歯科治療ユニットの動作に必要な作動用の電力、流体、および/または制御信号を伝達するように構成された、前記歯科治療ユニットの制御システムと、を有し、
前記カバー構造体(22)は、少なくとも第1のカバー部(22’)および第2のカバー部(22”)を有し、前記第1のカバー部(22’)および前記第2のカバー部(22”)は、少なくとも1つの継ぎ目位置(23)で結合し、少なくとも1つのシール要素(24)が、前記少なくとも1つの継ぎ目位置(23)に配置されている、
前記歯科治療ユニット。
【請求項2】
前記フレーム部(2)は、前記カバー構造体(22)の下に垂直方向に離れて支持板(53)を有し、前記第1の接続手段(54)は、前記支持板(53)と接続して配置されている、
請求項1に記載の歯科治療ユニット。
【請求項3】
前記第1の接続手段(54)は、第2の接続手段(54’)と適合するように構成され、前記第1の接続手段(54)は、前記歯科治療ユニットの前記フレーム部(2)の前記構造体内に配置され、前記第2の接続手段(54’)は、前記第1の接続手段(54)と一緒に使用されて前記実質的に垂直方向に伸張する支持部(41)を前記フレーム部(2)に取り付けることを可能にするように構成されている、
請求項1または2に記載の歯科治療ユニット。
【請求項4】
前記少なくとも第1のカバー部(22’)および第2のカバー部(22”)の少なくとも一方には、前記垂直方向に伸張する支持部(41)を受けるように構成された切り欠きまたは開口(52)が配置され、前記切り欠きまたは開口(52)は、前記少なくとも1つの継ぎ目位置(23)の領域または前記継ぎ目位置(23)に隣接している、
請求項1~3のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項5】
前記切り欠きまたは開口(52)は、前記第1のカバー部(22’)および前記第2のカバー部(22”)の両方に配置された前記継ぎ目位置(23)を区切るノッチによって形成されるように構成されている、
請求項4に記載の歯科治療ユニット。
【請求項6】
前記実質的に垂直方向に伸張する支持部(41)は、前記カバー構造体(22)の前記開口(52)を通って伸張するように構成されている、
請求項4または5に記載の歯科治療ユニット。
【請求項7】
前記少なくとも第1のカバー部(22’)および前記第2のカバー部(22”)の少なくとも一方は、前記フレーム部(2)に取り外し可能に取り付けられて構成されている、
請求項1~6のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項8】
前記シール要素(24)の横断面の外形は、少なくとも前記シール要素(24)の長さの少なくとも一部に沿って、少なくとも1つの漏れ溝(26)を含み、前記少なくとも1つの漏れ溝(26)は、前記シール要素(24)と前記カバー構造体(22)の間から滴り落ちる可能性のある液体を前記継ぎ目位置(23)に集めるように構成されている、
請求項1~7のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項9】
前記カバー構造体(22)は、前記少なくとも1つの継ぎ目位置(23)において、少なくとも前記継ぎ目位置(23)の1つの領域において、前記カバー構造体(22)の外周に向かって下方に傾斜する形状を有する、
請求項1~8のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項10】
前記カバー構造体(22)の外周は、前記少なくとも1つの継ぎ目位置(23)において水平方向に前記フレーム部(2)の前記垂直方向に伸張する壁構造体(21)を越えて伸張し、および/または、前記カバー構造体(22)は、その外周において、前記少なくとも1つの継ぎ目位置(23)において、実質的に垂直方向に下方に伸張する部分を有する、
請求項1~9のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項11】
前記シール要素(24)は、前記少なくとも1つの継ぎ目位置(23)において、前記カバー構造体(22)が伸張するのと同じくらい前記カバー構造体(22)の外周に向かって伸張している、
請求項1~10のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項12】
i)前記シール要素(24)は、少なくとも1つの発光部品(555)を有し、または、
ii)前記シール要素(24)は、半透明材料で作られ、もしくは半透明材料を含み、前記フレーム部(2)の前記構造体と接続して、前記カバー構造体(22)の下に、前記シール要素(24)を照らすための光装置(55、55’)が配置されている、
請求項1~11のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項13】
支持板(53)と接続して、前記カバー構造体の下に、発光部品または前記光装置(55、55’)の部品が配置されている、
請求項12に記載の歯科治療ユニット。
【請求項14】
前記シール要素(24)の前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記シール要素(24)を照らす前記光装置(55、55’)は、パルス状に発光し、および/または、少なくとも2色の異なる色を発光するように構成されている、
請求項12または13に記載の歯科治療ユニット。
【請求項15】
前記シール要素(24)の前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記シール要素(24)を照らす前記光装置(55、55’)は、前記歯科治療ユニットの前記制御システムから制御信号を受信するように構成されている、
請求項12~13のいずれか一項に記載の歯科治療ユニット。
【請求項16】
前記制御信号は、前記シール要素(24)の前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記光装置(55、55’)を制御して、前記歯科治療ユニットの動作モード、または前記歯科治療ユニットで使用される器具もしくはデバイスの状態に基づいて、異なる色の光または異なる点滅の光を生成するように構成されている、
請求項15に記載の歯科治療ユニット。
【請求項17】
請求項1~11のいずれか一項に記載の歯科治療ユニットを制御するための、歯科治療ユニットの制御システムであって、前記カバー構造体(22)の継ぎ目位置(23)に配置された前記シール要素(24)は、
i)少なくとも1つの発光部品(555)を有し、または、
ii)半透明材料で作られ、もしくは半透明材料を含み、前記フレーム部(2)の前記構造体と接続して、前記カバー構造体(22)の下に、前記シール要素(24)を照らすための光装置(55、55’)が配置されており、
前記制御システムは、前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記光装置(55、55’)を制御して少なくとも2つの異なる方法で光を生成するための制御信号を出力するように構成されている、
前記制御システム。
【請求項18】
前記制御システムは、前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記光装置(55、55’)を制御して、少なくとも2色の異なる色の光、パルス状および非パルス状の光、および/または少なくとも2つの異なる方法でパルス化された光を生成するように構成されている、
請求項17に記載の制御システム。
【請求項19】
前記制御システムは、前記歯科治療ユニットの少なくとも1つの動作モードを特定の色および/または特定の方法でパルス化された光と関連付けるように構成され、前記制御システムは、前記歯科治療ユニットの前記少なくとも1つのそのような動作モードを認識する手段を備え、前記制御システムは、前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記光装置(55、55’)を制御して、前記特定の色および/または前記特定の方法でパルス化された光を発光するように構成されている、
請求項17または18に記載の制御システム。
【請求項20】
前記制御システムは、ユーザ識別信号を受信して、前記ユーザ識別信号に基づいて前記歯科治療ユニットのユーザとしてログインした人を識別する手段を備え、前記制御システムは、前記ユーザ識別信号によって起動されるユーザプロファイルであって、前記少なくとも1つの発光部品(555)または前記光装置(55、55’)によって生成される光の色および/またはパルスを選択する選択肢が配置されているユーザプロファイルを有するように構成されている、
請求項17~19のいずれか一項に記載の制御システム。
【請求項21】
2台以上の歯科治療ユニットが配置された歯科治療室または歯科治療施設内の装置であって、
前記装置は、請求項1~11のいずれか一項に記載の2台以上の歯科治療ユニットを有し、そのうちの少なくとも2台は、少なくとも1つの視線方向から同時に見えるように配置され、また、前記カバー構造体(22)の少なくとも1つの継ぎ目位置(23)に配置された前記シール要素(24)は、
i)少なくとも1つの発光部品(555)を有し、または、
ii)半透明材料で作られ、もしくは半透明材料を含み、前記フレーム部(2)の前記構造体と接続して、前記カバー構造体(22)の下に、前記シール要素(24)を照らすための光装置(55、55’)が配置されている、
前記装置。
【請求項22】
前記カバー構造体(22)は、その継ぎ目位置(23)に、前記カバー構造体(22)の少なくとも1つの外周が実質的に垂直な部分に変化する実質的に水平方向に伸張する部分を有し、前記シール要素(24)は、前記カバー構造体(22)の前記水平な部分および前記垂直な部分の両方に少なくとも1つの発光部品(555)または半透明材料を含む、
請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明のさまざまな実施形態において、歯科治療作業に使用される歯科治療ユニットの構造、特に、歯科治療ユニットのカバー構造体およびこのカバー構造体の下の構造に使用されるソリューションに関する。また、本発明は、歯科治療ユニットを制御すること、および、本発明に係る歯科治療ユニットを有する歯科治療室(room)または施設(premises)に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科学の分野において、歯科治療ユニット(しばしば単に「歯科ユニット」)という用語は、電力、および場合によっては制御信号をも、歯科治療オペレーションに関連して使用される機器、および場合によっては歯科治療オペレーションに関連して使用される他のさまざまなデバイスにも供給する装置または構成を指す。
【0003】
歯科治療ユニットで使用される1つの一般的なソリューションは、歯科治療ユニットのフレーム構造体から伸張する支持アームによって支持された器具コンソール上に歯科治療器具を配置することである。歯科治療ユニットは、例えば、歯科助手の器具のため、または、歯科治療オペレーションと接続して使用される他のデバイスのために、2つ以上の異なる支持アームを有することができる。
【0004】
歯科治療ユニットで使用される1つの一般的なソリューションは、歯科治療ユニットのフレーム部から垂直方向に伸張する支持装置に、1つ以上の水平支持アームを配置することである。このような装置は、一般に、特定の数の支持アームを有するか、または、特定の数の異なるアームアセンブリバリエーションを可能にするように実施され、これは、歯科治療ユニットを最初に組み立てるときか、または、後に改造として実施することができる。このような垂直支持装置は、一般に、歯科治療ユニットのフレーム部のカバー構造体に接続されている。
【0005】
個人の歯科医、ならびに、他方で、異なる歯科医院、教育施設、および異なる文化の歯科医も、歯科治療ユニットに器具、付属品、および支持アームのソリューションを自己の都合に応じて備えることに関して、互いに異なるニーズおよび要望を有するため、異なる歯科治療ユニットバージョンを設計し提供し続けることが歯科治療ユニットの製造業者にとっての課題となっている。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、歯科治療ユニットでよく使用される垂直方向に伸張する支持構造体を現場でフレーム構造体に取り付けもしくは改造する(またはそこから取り外す)ことがそこそこ簡単であるように、そのフレーム構造体が実現される歯科治療ユニットを提供することである。本発明のいくつかの好適な実施形態の目的は、同時に歯科治療ユニットに新しい機能性を提供するようなフレーム構造体を実現することである。
【0007】
本発明の特徴は、添付の独立請求項で定義されている。本発明に係る歯科治療ユニットにおいて、本質的に、そのカバー構造体は、少なくとも2つの部分を有し、好ましくは、カバー構造体に取り外し可能に接続されたカバー部を取り外すことによって、カバー構造体の下の構造体へのアクセスを提供するように実現され、一方で、カバー構造体を開く可能性によって、カバー構造体を通り抜けて垂直方向に伸張する別のポールの取り付けおよび交換も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】従来技術に係る1つの一般的な歯科治療ユニットを示す図
図2】一例として、図1に係る歯科治療ユニットと接続して適用することができる歯科治療ユニットのフレーム構造体のカバー構造体を示す図
図3】カバー構造体のカバー部の他方を取り外した状態における図2のソリューションを示す図
図4】カバー構造体のカバー部の間の継ぎ目位置での使用に適用可能なシール要素を示す図
図5図2に係る歯科治療ユニットのフレーム部の内部構造を示す図
図6図5のソリューションを斜め下から見たときのソリューションを示す図
図7】歯科治療ユニットに配置された照明を制御するための構成を模式的に示す図
図8】本発明に係る歯科治療ユニットを備えた歯科治療室または歯科治療施設を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、歯科治療作業に関連して使用することを意図した1つの一般的な歯科治療ユニット1の基本構造を示す。図1の歯科治療ユニット1は、フレーム部2と、これに接続された患者椅子3とを有する。フレーム部2からは、垂直方向に支持装置4が伸張している。支持装置4は、垂直方向に伸張する支持部41と、歯科治療に関する診断器具もしくは歯科治療オペレーションに関連して使用される器具6、またはその両方を支持する第1の支持構造体42と、歯科治療オペレーションに関連して使用される、例えば、無影灯8、またはX線撮影手段のための第2の支持構造体43と、例えば、ディスプレイ10のための第3の支持構造体44とを有する。
【0010】
図1は、さらに、一般に歯科助手によって使用される器具を支持するように構成することができる器具ホルダ11と、歯科治療ユニット1および/またはこれに接続もしくは結合されたデバイスもしくは構造体の機能を制御することができるフットコントロール12とを示す。加えて、歯科治療ユニット1は、データネットワークまたは個別のコンピュータ13と運用接続するように構成されている。
【0011】
なお、図1の歯科治療ユニットは単なる一例にすぎないことに留意されたい。本発明の範囲内において、歯科治療ユニットは、例えば、デバイスによって図1の構造に含まれるものよりも多くの支持構造または少ない支持構造を有することができる。また、例えば、患者椅子は、必ずしも歯科治療ユニットと一体化される必要はなく、歯科治療ユニットから完全に分離した構造として実現することができる。一方で、フレーム構造は、床に取り付けられた椅子の構造の一体部分として構成することができる。さらに、図1に示すように水平方向および垂直方向にかなりの寸法を有する構造に代えて、歯科治療ユニットのフレーム構造は、その寸法に関して、主として、単に1本以上の支持アームがそこから伸張する小さな構造のみとすることができる。フットコントロールと共に、またはフットコントロールに加えて、本装置は、グラフィカルインタフェースまたは他のユーザインタフェースを含むこともできる。しかし、本発明に係る歯科治療ユニットの構造は、これによって、歯科治療オペレーションで使用される器具およびデバイスを使用するのに必要な電力、流体、および/もしくは制御信号を伝達し、または伝達するように構成することができるように実現される。したがって、物理的には、これは、例えば、水、圧縮空気、電気、制御信号のうちの少なくとも1つを伝達することを意味する。
【0012】
したがって、本願の文脈の中では、歯科治療ユニットに言及するとき、それは、上記のうちの少なくとも1つまたは対応する変数を、歯科治療ユニットと接続して構成される、歯科治療器具および/または歯科治療作業オペレーションに関連して使用されるデバイスに、供給することを可能にする構成を含む構造を指している。
【0013】
このように、図1の歯科治療ユニットは、従来技術に係る一般的な歯科治療ユニットの一例である。図1の歯科治療ユニットのフレーム構造は、歯科治療ユニットのフレーム構造を完全に、または実際問題として完全に覆う一体成形のカバー部品を有する。
【0014】
図2~6は、歯科治療ユニットのフレーム部のカバー構造に関連して、他方で、カバー構造の下の構造で使用する、本発明のさまざまな実施形態に係るソリューションの集まりを示す。
【0015】
図2および図3は、本発明に係る歯科治療ユニットのカバー構造体22の一例を示す。カバー構造体22は、第1のカバー部22’と第2のカバー部22”によって形成され、これらのカバー部22’、22”の間には、継ぎ目位置(seam locus)23が形成されている。これらのカバー部22’、22”は、一緒に、フレーム部2の、垂直方向に伸張する壁構造体21をカバーする。開口52が、第1のカバー部22’と第2のカバー部22”の間に形成されるように構成されている。これは、図2および図3の実施形態では、実質的に円形の開口52であり、第1のカバー部22’および第2のカバー部22”に設けられた半円形の隣接するノッチ52’、52”によって形成されている。図2において、カバー構造体22の開口52は、閉鎖円板51で閉じられている。このような閉鎖円板51は、図1に示すような垂直方向に伸張する支持部41が、カバー構造体22を通り抜けて伸張するように構成されておらず、フレーム部2には、単に、後で垂直方向に伸張する支持部41を取り付けるための手段が設けられているだけの実施形態において、開口52を閉じるように構成することができる。
【0016】
本発明に係るカバー構造体22は、少なくとも第1のカバー部22’および第2のカバー部22”を有し、これらのうち、図2および図3の実施形態では、第2のカバー部22”が、カバー構造体22全体を分解する必要なしに取り外し可能に取り付けられるように構成されている。このソリューションは、フレーム部2内にある構造体および部品の少なくともいくつかが上から容易にアクセス可能であるように、歯科治療ユニットのフレーム部2を実現する実用的な可能性を提供する。当然、カバー構造体のそのような部分は、全体としてのカバー構造体22全体よりもそれぞれ小さくて軽く、したがって取り扱いが容易である。
【0017】
2つ以上のカバー部22’、22”でカバー構造体22を実現することは、とりわけ、垂直方向に伸張する支持部41を有する支持構造体4を、歯科治療ユニットのフレーム構造体2に取り付けることを容易にする可能性を提供する。本発明のおかげで、支持構造体4の取り付け装置は、必要なときに、支持構造体4を別のものに交換したり歯科治療ユニットに据え付けたりすることも後で比較的容易であるように実現することができる。
【0018】
図3には、第2のカバー部22”を取り外した状態における歯科治療ユニットのフレーム部2の構造が示されている。図3は、一方で、継ぎ目位置23に配置されたシール要素24のより詳細な図を示し、他方で、カバー構造体22の下に位置し且つカバー構造体22の下に垂直方向に離れている支持板53、およびその上に配置された構造を示す。この構造は、図3の実施形態では、案内孔57を有する(図3~5では、当該図面を明確にするために、各図においてこれらの孔のうちの1つのみに言及する)。案内孔57には、第2のカバー部22”をフレーム部2に取り外し可能に取り付けることを可能にするために、例えば、第2のカバー部22”と一体化され且つ垂直方向下向きに向いている取り付けピン(図面では図示せず)を、取り外し可能に取り付けられるように、配置することができる。
【0019】
図3は、さらに、2個のライト55、55’を有する光装置を示す。ライト55、55’は、光源として、例えば、異なる色で発光することができるRGB LED部品を有することができる。
【0020】
また、図3は、垂直方向に伸張する支持部41だけでなく、支持板53または当該支持部41を通って導かれる配線のための、支持板53に配置された通路56を示す。(本願の図面をより明確にしておくために、図面には、通路56をフレーム部2に配置した理由である管またはケーブルを示していない。)
【0021】
光装置は、カバー構造体22の下に配置されたライト55、55’の代わりにまたはそれに加えて、シール要素24と一体化された1つ以上の発光部品555を有することができる(図3はシール要素24の他の実施形態を示す)。
【0022】
一般に、カバー構造体22の下に配置された光装置55、55’の部品またはシール要素24と一体化された発光部品555の個数、構造、および動作原理は、本発明の範囲内で変更することができる。しかし、本発明のいくつかの実施形態において、光装置55、55’および/またはシール要素24と一体化された1つ以上の発光部品555は、歯科治療ユニットの制御システムによって制御して、例えば、少なくとも2色の異なる色の光および/または異なる方法でパルス化された光を生成することができることが好ましい。このような文脈において、「異なる方法でパルス化された」とは、一実施形態として、実際には光を連続的に生成することを意味するパルスを含める。
【0023】
図2および図3の実施形態において、継ぎ目位置23に配置され且つカバー構造体22の外周に向かって伸張する2つの別個のシール要素24が、これらの部分に関しては、垂直支持部41のために設けられた開口52を制限するように構成されている。
【0024】
他方で、シール要素24は、本発明の一実施形態において、カバー構造体22の開口52で2つに分岐するように、単一の連続した要素としてカバー構造体22全体にわたるように構成することができる。したがって、この実施形態において、シール要素24は、開口52に位置している垂直支持部41の周辺を閉じることができる。
【0025】
本発明の他の実施形態において、第1のカバー部22’および第2のカバー部22”の間の継ぎ目位置23に配置された、カバー部のノッチ52’、52”の輪郭形状は、図2および図3に示す半円以外であることもできる。
【0026】
極端な場合には、継ぎ目位置23におけるカバー部の22’、22”の縁は、その全長にわたって直線状でさえあることができる。その場合、カバー構造体22から垂直方向に伸張する支持部の41の寸法は、カバー部22’、22”の間に形成された継ぎ目位置23の幅および継ぎ目位置23に配置されたシール要素24の幅に対して、当然、垂直方向に伸張する支持部41が第1のカバー部22’および第2のカバー部22”の間の継ぎ目位置23に嵌合するように実現される。
【0027】
カバー構造体22の好適な一実施形態は、カバー構造体22に属する第1のカバー部22’および第2のカバー部22”の少なくとも一方が、少なくとも1つの継ぎ目位置23の領域または継ぎ目位置23自身と接続する垂直方向に伸張する支持部41を受けるための切り欠きまたは開口52を備える構造を成していると考えることができる。
【0028】
前記切り欠きまたは開口52は、第1のカバー部22’および第2のカバー部22”の両方に設けられ且つ継ぎ目位置23に隣接するノッチ52’、52”によって形成されるように構成することができる。
【0029】
歯科治療ユニットに取り付けられる垂直方向に伸張する支持部41は、上記した方法のいくつかでカバー構造体22に設けられた開口52を通って伸張するように構成することができる。
【0030】
添付の図面に示す実施形態において、シール要素24は、2つの部分で、且つ、垂直方向に伸張する支持部41を完全に取り囲んで伸張しないように、実現されている。1つのソリューションは、上記の実施形態に関連して説明したシール要素24を、実質的に垂直方向に伸張する支持部41の位置で2つの部分に切断することによって実現することである。これにより、シール要素24は垂直方向に伸張する支持部41を取り囲むものの、支持構造体4を設置することを考えると、構造体を組み立てやすくなる構造が作り上げられる。あるいは、そのような切断は、シール要素24に対して、垂直方向に伸張する支持部41が位置決めされる位置の片側にのみ施すことができる。
【0031】
本発明の好適な一実施形態において、カバー構造体22は、継ぎ目位置23の少なくとも1つの領域で、カバー構造体22の外周に向かって下方に傾斜する形状を有する。
【0032】
本発明の好適な一実施形態において、カバー構造体22の周辺は、少なくとも1つの継ぎ目位置23で、フレーム部2の垂直方向に伸張する壁構造体21を越えて水平方向に伸張する。
【0033】
本発明の好適な一実施形態において、カバー構造体22は、その外周において、少なくとも1つの継ぎ目位置23で、実質的に垂直方向に下方に伸張する部分を有する。
【0034】
本発明の好適な一実施形態において、カバー構造体22は、こうして、継ぎ目位置23において、例えば、カバー構造体22の外周に向かってわずかに下方に傾斜する表面など、実質的に水平方向に伸張する表面を有する。
【0035】
図2および図3は、カバー構造体22の表面が、その外周において、どのように曲げられて下向きに転じ且つフレーム部2の垂直方向に伸張する壁構造体21から少し離れて伸張するかを示している。この場合、シール要素24も、これに応じて曲がり且つカバー構造体22の曲げ点を越えて伸張するように構成することができる。
【0036】
本発明の好適な一実施形態において、カバー構造体22は、2つのカバー部22’、22”に分割され、これらカバー部22’、22”の間の継ぎ目位置23がカバー構造体22の実質的に水平な表面を越えて上記垂直な表面に伸張するようになっている。この場合、カバー構造体22は、1つ以上のシール要素24から成る継ぎ目位置23を有することができ、例えば、以下でより詳細に説明する構成は、カバー構造体22の実質的に水平な表面を越えてカバー構造体22の両側に伸張する発光継ぎ目位置23を可能にする。
【0037】
図2および図3の実施形態において、継ぎ目位置23に配置されたシーリングは、2つの別個のシール要素24によって形成され、これらは両方とも、カバー部22’、22”の間の開口52からカバー部の22’、22”の外周上に伸張している。
【0038】
発明の一実施形態において、シール要素24は、少なくとも1つの継ぎ目位置23において、カバー構造体22が伸張するのと同じくらいカバー構造体22の外周に向かって伸張している。
【0039】
図2および図3の発明の実施形態では、カバー構造体22を越えて1つの継ぎ目位置23が伸張し、これに関連して2つのシール要素24から成る構成が適合されている。しかし、継ぎ目位置23は、別の方法でカバー構造体22に構成することもできる。継ぎ目位置23は、2つ以上あってもよい。この場合、例えば、添付の図面に係る第2のカバー部22”をさらに2つのカバー部に分割して、これらの間に形成される継ぎ目位置が第1のカバー部22’と第2のカバー部22”の間の継ぎ目位置23から実質的に直角方向にカバー構造体22の周辺上に伸張するようにすることができる。
【0040】
図4は、シール要素24の構造の好適な一実施形態を示す。図4のシール要素24は、カバー部22’、22”の継ぎ目位置23で滴り落ちる可能性のある液体を集めるように構成されている2つの漏れ溝26を有する。漏れ溝26の数は、2つ以外であってもよい。漏れ溝26は、カバー構造体22の下の構造および部品が濡れたり汚れたりしないよう保護するためのものである。
【0041】
カバー構造体22の形態が、上記のように、外周に向かって下方に傾斜して実現された場合、漏れ溝26の中に入った可能性のある液体は、重力によって、漏れ溝26の中をまずカバー構造体22の縁に流れ、さらに、歯科治療ユニットのフレーム部2の垂直方向に伸張するカバー構造体21の外側に流れることができる。
【0042】
シール要素24の外形は、必ずしも、その全長に沿って同じ、例えば、図4に示すように完全に同じ、である必要はない。例えば、図3に示すような2つのシール要素24から成るソリューションが使用され、各シール要素24が、その第1の端部で、カバー構造体22に設けられた開口52に接続され、または、開口52に位置する垂直支持部41に接続されている場合、シール要素24に構成された漏れ溝26のいずれも開口52までずっと伸張しないように、各シール要素24の端部をその第1の端部で閉じることができる。この場合、1つ以上の漏れ溝26は、各々、開いた形で、特にカバー構造体22の外周の方向に、好ましくは上記実施形態の1つに示すようにフレーム部2の垂直壁21を越えて、伸張している。
【0043】
したがって、シール要素24の横断面の外形は、シール要素24の長さの少なくとも一部に、少なくとも1つの漏れ溝26を有することができる。
【0044】
本発明の好適な一実施形態において、1つのシール要素24または複数のシール要素は、弾性材料で、継ぎ目位置23におけるカバー部の22’、22”の形状を倣うように作ることができる。しかし、シール要素24は、カバー構造体22を組み立てるときに、カバー部22’、22”間の継ぎ目位置23の形に従って置かれる弾性シールストリップであることもできる。
【0045】
図5および図6は、歯科治療ユニットのフレーム部2のいくつかの好適な内部構造の一例を示す。図1と比較して、図5に示す支持装置4は、対応する構造の一部のみを含む。
【0046】
フレーム部2に属する構造のうち、支持板53の下には、図6に示すように、支持板53を支える支持ピラー50と、支持構造体4の取り付け装置と接続するように構成された第1の接続手段54とがある。図5は、支持構造体4の取り付け装置に属し且つ支持板53の上に配置された第2の接続手段54’を示す。図5および図6に示す接続手段54、54’は、支持板53の上側および下側にフランジを有する。これらのうち、本発明の好適な一実施形態によれば、垂直支持部41を有する支持構造体4が歯科治療ユニットに取り付けられていない場合、下側のフランジのみがフレーム部2の構造体に配置される。換言すれば、このようなソリューションでは、第2の接続手段54’は、垂直支持部41を有する支持構造体が歯科治療ユニットに取り付けられる場合にのみ、歯科治療ユニットの構造の一部となる。
【0047】
また、支持構造体4をフレーム部2に取り付けるための取り付け構造も、図5および図6に示す2つのフランジを有する構造とは別の方法で実現することができる。例えば、支持構造体4の構造とマッチするように構成された係合構造が、すでに、フレーム部2と接続されるようにあらかじめ仕組まれているように、取り付け装置を実現することもできる。この場合、歯科治療ユニットの一部としての支持構造体4の係合は、支持構造体4を組み立てるときに一種自動的に行われることができる。
【0048】
図5に示す歯科治療ユニットの、床に取り付けられたフレーム部のカバー構造体は、通路56を示すように区分されている。通路56は、図6に示すように、支持ピラー50の内側、さらには支持板53を通って、続いている。通路56は、支持構造体4によって支持され且つ歯科治療ユニットを介して使用される器具および/またはデバイスに、必要な物理的変数および/または制御信号(これらは、例えば、水、圧縮空気、および/または電気である)を提供することができる予定されるケーブルおよび管のための構造体に配置されている。
【0049】
本発明の好適な一実施形態において、光装置55、55’が、歯科治療ユニットのカバー構造体22の下の構造に関連して配置され、継ぎ目位置23、つまり、実際には継ぎ目位置23に配置された1つ以上のシール要素24を照らすように配置されている。
【0050】
本発明の好適な一実施形態において、シール要素24は、部分的にまたは全体的に半透明材料で作られている。
【0051】
本発明の好適な一実施形態において、シール要素24は、例えば、カバー構造体22の下の構造と接続して配置された光装置55、55’によってシール要素24を照らすときに、その上面に光を導く少なくとも1つの光伝導体を有する。
【0052】
光装置55、55’は、シール要素24と適合するように構成された任意の装置とすることができるが、一例によれば、光装置55、55’は、既知の方法で、異なる色、少なくとも2色の異なる色の光、および/または異なる方法でパルス化された光を生成するように制御することができるRGB LED部品を有する。
【0053】
継ぎ目位置23(つまり、1つ以上のシール要素24)を照らすための、または継ぎ目位置23を発光させるための構成は、継ぎ目位置23の異なる部分が異なる方法で発光するように実現することもできる。例えば、本発明の一実施形態では、継ぎ目位置23の一部領域は、カバー構造体22の下またはシール要素24で生成される光を何ら発しないが、本発明の他の実施形態では、継ぎ目位置23の一部領域が、異なる色を発光する。
【0054】
継ぎ目位置23の照明、より正確には、それによって発光される光は、多くの異なる目的に利用することができる。例えば、異なる照明によって、歯科治療ユニットの電源がオンであるかオフであるかを示すことができ、または、歯科治療ユニットの吸い込み管が洗浄を必要とすることをリマインドすることができる。さらに、例えば、歯科治療ユニットの器具管を洗浄する必要性、そのような洗浄工程が実行中であること、またはそのような洗浄工程が完了したこと、を示すことができる。また、歯科治療ユニットに生じうる障害が通知されてもよい。
【0055】
本発明の好適な一実施形態において、継ぎ目位置の照明は、歯科治療ユニットの制御システムによって制御される(図7)。このような制御は、制御システムから直接実施されるように構成することができ、あるいは、歯科治療ユニットのユーザインタフェース、例えば、グラフィカルユーザインタフェースを介して上記照明を制御することもできる。制御は、歯科治療ユニットを使用する人のIDに一部基づくことができ、その認識は制御システムに送信される。
【0056】
歯科治療ユニットの制御システムは、歯科治療ユニットに配置された少なくとも1つの発光部品555または光装置55、55’を制御するための制御信号を出力して、少なくとも2つの異なる方法で光を生成する、例えば、少なくとも2色の異なる色、パルス状および非パルス状の光、および/または少なくとも2つの異なる方法でパルス化された光を生成するように構成することができる。
【0057】
さらに、制御システムは、歯科治療ユニットの少なくとも1つの動作モードを光の特定の色および/または特定のパルスと関連付けるように構成することができる。この場合、制御システムは、歯科治療ユニットの少なくとも1つのそのような動作モードを認識し、その特定の色および/またはその特定の方法でパルス化された光を発光するように少なくとも1つの発光部品または光装置を制御する手段を備えることができる。
【0058】
また、制御システムは、ユーザ識別信号を受信して、これに基づいて歯科治療ユニットのユーザとしてログインした人を識別する手段を備えることもでき、制御システムは、前記識別信号によって起動されるユーザプロファイルであって、上記の発光部品(555)または光装置(55、55’)の少なくとも1つによって生成される光の色および/またはパルスを選択する選択肢が提供されるユーザプロファイルを有するように構成することができる。したがって、発する光を、制御システムから、ユーザプロファイルに従って制御することができる。
【0059】
照明を使用する別の方法は、例えば、歯科治療ユニットの個人化であって、例えば、歯科治療ユニットと接続して使用される患者椅子または歯科治療ユニットで使用される他の要素の色に応じた個人化である。
【0060】
特に、同じ部屋または施設が少なくとも2台または数十台もの歯科治療ユニットを備えることができる訓練施設などの環境においては、本発明の好適な実施形態に係るいくつかのソリューションによって、特定の施設における歯科治療ユニットの機能状態の概要を一目で得ることができる。本発明の好適な一実施形態は、実際に、1つの部屋または施設に、本発明に係る少なくとも2台の歯科治療ユニット(発光継ぎ目位置23が、カバー構造体22の実質的に水平な表面を越えて、カバー構造体22の対向する垂直表面までずっと伸張している)を有する。
【0061】
また、同じ歯科治療施設で施術するユーザまたはユーザグループごとに専用の照明を手配することも考えられる。図8は、治療室に配列された歯科治療ユニットのカバー構造体の継ぎ目位置が、例えば、歯科治療ユニットのうちの第1部分は使用中でなく、第2部分はユーザグループ1のユーザによって使用中であり、第3部分はユーザグループ2のユーザによって使用中であることを示すことができる3つの異なる照明を有する状態を示す。
【0062】
本発明の好適な一実施形態においては、歯科治療室または歯科治療施設内に装置が実施され、当該装置では、上記カバー構造体を有する少なくとも2台の歯科治療ユニットが、少なくとも1つの視線方向から同時に見えるように配置され、且つ、各歯科治療ユニットでは、カバー構造体の継ぎ目位置に配置されるシール要素が、i)少なくとも1つの発光部品を有し、または、ii)半透明材料で作られ、もしくは半透明材料を含み、前記フレーム部の構造体と接続して、前記カバー構造体の下に、前記シール要素を照らすための光装置が提供されている。この場合、カバー構造体は、好ましくは、継ぎ目位置に、カバー構造体の少なくとも1つの外周が実質的に垂直な部分に変化する実質的に水平方向に伸張する部分を有し、前記シール要素は、カバー構造体の水平な部分および垂直な部分の両方に少なくとも1つの発光部品または半透明材料を含む。
【0063】
さらに、個々の歯科治療ユニットに対してさえ、光の色は、例えば、ユーザのユーザプロファイルで決定される、歯科治療ユニットのユーザインタフェースの背景色に対応するように、歯科治療ユニットの制御システムによって設定されるように構成することができる。
【0064】
本発明の好適な一実施形態によれば、歯科治療ユニットの制御システムは、歯科治療ユニットのユーザとしてログインした人を識別する手段を備え、制御システムは、光および/またはパルスを選択する選択肢と、制御システムが少なくとも1つの発光部品または光装置を制御してその特定の光および/またはその特定の方法でパルス化された光を発するようにさせる選択肢とが配置されたユーザプロファイルを有するように構成されている。
【0065】
他方で、治療オペレーションに関連して、例えば、点滅灯を使用して、職員が歯科治療ユニットに来る理由がある状況、または、患者の治療のために予約された時間もしくは特定の手順のために決定された時間がもうすぐ終了する状況を示すことができる。
【0066】
一例によれば、歯科治療ユニットの制御システムは、光装置および/またはシール要素に配置された少なくとも1つの発光部品を制御して、例えば、歯科治療ユニットの動作モード、または歯科治療ユニットで使用される器具もしくはデバイスの状態に基づいて、異なる色の光または異なる方法で点滅する光を生成するように構成されている。
【0067】
したがって、光装置の上記および他の機能は、制御信号を出力するように歯科治療ユニットの制御システムを構成することによって、また、歯科治療ユニットの制御システムから制御信号を受信するように光装置および/またはシール要素に配置された少なくとも1つの発光部品を構成することによって、実施することができる。
【0068】
本発明の好適な一実施形態によれば、歯科治療ユニットの継ぎ目位置の照明は、例えば、歯科治療ユニットの考えられるグラフィカルユーザインタフェースによって提示可能な情報に一部対応する情報を提示する可能性を提供するが、そのようなユーザインタフェースのすぐ隣以外の場所からも容易に気付くことができる方法で提示することができる。これは、歯科治療施設に関する本発明の実施形態において特に有益であることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】